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日録2009年4月 


30 april 2009(木) ※ スクランブル発進の月末に昼夜なし

午前4時過ぎに起床.晴れ.気温7.1度.この季節にはちょうどよい明け方の冷涼さだ.

◆日中のこまごま総集編 —— 2009年度の東大農学部『便覧』に掲載する原稿の依頼あり.草稿の文面が送られてきたが,連携講座の各教員にチェックしてもらってから返信します.もちろん,GW明けのことです./昨年秋の研究交流センター主催ワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉のアンケート結果を公表するとのことで,その事前チェックを依頼された.毎年数多くのイベントが交流センターで催されているが,あの分子系統WSはことのほか反響があったようで,いろいろな声が寄せられている.これまたGW明けには正式公開の予定とのこと.今年秋にも第2回分子系統WSを企画しますので,教壇に建つ人・受講希望の方,それぞれに心の準備をよろしく./懸案だった〈First International Symposium on Biological Shape Analysis〉(6月,つくば)の講演要旨が切羽詰まってきたので,和文原稿を送ってもらうことにした.すぐ英訳します./先だっての共著論文原稿は Plant Molecular Biology 誌に投稿しましたとの連絡あり./その他の“火山灰”は降り積もったまま…….

◆日に日に暖かくなる.快晴の11時.気温は20.4度.日なたでは日射しが当たると痛いほどだ.

◆献本2冊(どうもありがとうございました) —— Stephen P. Hubbell著[平尾聡秀・島谷健一郎・村上正志訳]『群集生態学:生物多様性学と生物地理学の統一中立理論』(2009年4月22日刊行, 文一総合出版, 327 pp., 本体価格4,200円, ISBN:978-4-8299-1018-4 → 版元ページ)./大崎直太『擬態の進化:ダーウィンも誤解した150年の謎を解く』(2009年4月22日刊行, 海游舎, 286 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-905930-25-9 → 版元トップページ).

◆ついでに近刊情報のメモクリップ —— 朝倉書店からの近刊予告によると:チャールズ・ダーウィン著[堀伸夫 ・堀大才訳]『種の起源(第六版)』(2009年5月10日近刊,朝倉書店,510 pp., 本体価格4,800円, ISBN:978-4-254-17143-3 → 版元ページ).ダーウィン生前の Origin 最終バージョン(1872年出版)の翻訳.ところで,これって1988年6月に槙書店から刊行された本(ISBN:4837505759 )の復刻なのでしょうか?(そうなんでしょうね)

◆時間との競走がすでに始まっている —— 昼過ぎに創文印刷の担当者が来室し,入稿原稿用のUSBメモリーをひとつ置いていった.「それでは,明日の午後4時に取りに来ます」との一言により,はったりではない真実のデッドラインが設定された.計量生物学会要旨集の編集に残された時間はあと「24時間」あまりということになる.要旨原稿はほぼ出そろっているので,とりあえずマスターページの組版から作業開始ということになる.最初は火山弾のごとく降り注いだそれぞれの要旨原稿pdfに通しのページ番号を付ければOKかと思ったのだが,欲が出て,InDesign でヘッダ・フッタも付加するつもりだ.いずれにしても時間が限られているので,今日の夜中の仕事になることは確実だ.

◆夜なべ仕事に備えて,午後4時前にさくっと撤収する.気温22.4度.晴れて暖かいな.夕方,音羽から加圧電話あり.GW明けには「お白洲」が待っている…….

◆午後9時に農環研に到着.気温15.7度.星空.これから長い夜が始まる.まずは InDesign で講演予稿集のマスターページをつくって,各講演者から送られてきたpdfファイルを貼りこもうとしたところが,どういう原因でかpdf出力がぜんぜんできない(埋め込みフォントの問題か).これでかなり時間を喰ってしまった.結局,次善の策として各pdfファイルのヘッタ・フッダをつけることによってノンブルを入れるということになった.そんなこんなであっという間に日が変わり,さらに長い深夜の闇をのぞき込むワタシ…….

◆本日の総歩数=11018歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.1kg(+0.2kg)/27.0%(−0.4%).


29 april 2009(水) ※ 火山弾が降る休日に結界の門は開く

◆午前4時過ぎ起床.晴れ.空はもう白んでいる.今朝も風が冷たくて,放射冷却できりきり冷え込んでいるようだ.その後,日の出とともに快晴の空が広がって,明るい陽光がさんさんと降り注ぐ.世間的にはまさに「行楽日和」なのだろうが,ワタクシ的には単なる原稿執筆日にすぎない(なんかスネてるやろ).

◆『分類思考の世界』コンパニオンサイト開設 —— いま連載原稿を手直ししている現代新書のさらなる進捗のため,そして気を引き締めるために,コンパニオンサイトをつくってみた.まだ,コンテンツが多少とも流動する可能性があるが,前著『系統樹思考の世界』と同じスタイルです(背景画像はよりアヤシいが).

◆吹く風はやや冷たいが,日射しはもう初夏だ.湿度がとても低いので自宅でも快適に仕事ができる(はずだ).

◆昼下がりの〈大成軒・学園店〉にて —— 松見公園横の天久保にある中華料理店〈大成軒・学園店〉にて昼食.いつも行列ができる中華料理店として有名な店.

この店の定番である「肉そば」を注文する.トラッドな醤油ベースのスープに縮れた細麺がたっぷり,その上にこれでもかと肉野菜炒めがトッピングされて出てくる.かなりのボリュームで,これで「550円」というのは安すぎるのではないかと思う.昔の中華そば屋の記憶を呼び戻すような味.また,「チャーシューワンタンめん」に入っているチャーシューもけっして奇をてらわない味わいだった.

つくばエリアは「ラーメン激戦区」としてよく知られているが,その中でも長年にわたってこの店が続いているのはちゃんとした理由があってのことだとわかる.客はよく知っている.今日は,こみそうな昼時を少し外したはずなのに,店の外まで客の列が長く伸びていた.天久保地区にたくさんある飲食店の中には,店の入れ替わりのプレッシャーに耐えて長年残っている店があるが,そういうスポットは間違いなく入ってみる価値がある.

◆いきなり大量の「火山弾」が降り注ぐ —— 肉そばに気をよくして帰宅したら,計量生物学会の講演要旨pdfファイルが数十個まとめて降り注いでいた.これで,すべての予定はちゃらになり,今日と明日で大会要旨集の編集を完結させた上で,5月1日,ほとんどの労働者がメーデーに参加している間に,ひとり引き蘢って印刷業者との打合せをしなければならない身の上となった.

◆夜,コンパニオンサイトの微調整をして,アヤシさ増幅処理をすませる.さらに,「火山弾」の成分チェックとか.

◆本日の総歩数=1426歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼△|夜○.計測値(前回比)=83.9kg(+0.2kg)/27.4%(−0.1%).


28 april 2009(火) ※ 晴れた涼風の日にはトドが増殖する

◆午前4時過ぎに起床.晴れ上がって夜中に放射冷却したためか,裸地には真っ白な霜が一面に降りていた.夜明け前の気温は2.9度まで下がった.やせ我慢の涼しいではなく,寒いですと正直に白状するしかない.

◆そろそろ決断しよう —— メキシコ発の「豚インフルエンザ」に対してWHOが「Phase 4」指定を宣言した.これにより,日本政府によるメキシコへの渡航規制がきっと始まるだろう.もうダメですね,これじゃあ.ということで,〈ICSEB-VII〉は,5月1日の登録締切を待たずに,「不参加」の決断を下すことにした.ただし,ぼくはこの会議の council member のひとりなので,会議を取り仕切っているトロントの Dan Brooks さんには連絡をしておかないといけない.場合によっては,会議そのものの中止や延期ということもあり得るだろうから.

◆午前10時半.快晴で気温は14.0度,乾いた風がとても涼しい.湿度が低いというのは実に快適だ.

◆差し迫ったトドたち —— カリフォルニアの Pete Lestrel さんから,6月のつくばでの形態測定学国際会議のアブストラクトを早くという連絡.南保さん,日本語の講演要旨をお送りください.よろしく./ずるずると放置したままだった東京農大の講義用ブログ〈Inleiding tot de R-statistiek〉を久しぶりに更新し,講義の進行とシンクロさせることができた.すんだ講義のスライド(pdf)も公開しているので,必要な受講生はダウンロードするように.

◆新たに増殖するトド一頭 —— 午後1時半から一時間ほど,講談社サイエンティフィクの小笠原さんが来室して打ち合わせ.同社が新しく出している〈Shall We ?〉シリーズの一冊として生物統計学本を書いてはどうかというプロポーザル.だいぶ前にとある方面から「生物統計学の入門本を」という申し出があって表紙案までつくっていただいたのだが,まだ進行していない.今回の企画案は,それとは別に,ぼくが方々の高座で演じている「統計学概論」の活字化というコンセプトで本作りをしようということで,意見が一致した.理想を言えば,円朝の噺の「速記録」みたいなスタイルがいいなと思う.対話形式の統計本はすでにあるので,噺としての統計本というかたちにしたいということ.

—— そんなわけで,出版企画が正式に通れば,『Shall We 生物統計?』というタイトルの本が来年あたり?出そうです.

◆しかし,そういう新企画を進める前に,現在進行中の企画にケリをつけないといけない.わかっちゃいるけど,なかなか進まん…….

◆群れ集うトドども —— ちょっと油断していると,「火山灰」がまたも降り積もり…….未処理のメールが数十通.ごめんなさい./さらに,来月の所内「統計」高座のこととか.Rの実習にともなう事前の段取りとか./某大手麦酒会社におつとめの昔の知人からほぼ20年ぶりにメールがあり,その後に電話が.たいへんご無沙汰しています.【種】とか【品種】にあまり深入りしない方がいいですよ.ヤケドしますから.はい.

◆午後4時過ぎに撤収.からっと晴れてはいるが,西風が強くて涼しい.気温16.1度.こんなに風が吹きすさぶ春というのはめずらしいのではないか.

◆ちょっと脇見 —— 新刊カラー新書:池田健二『[カラー版]イタリア・ロマネスクへの旅』(2009年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書1994], 222 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-12-101994-3 → 版元ページ).一年前に出た姉妹編:池田健二『[カラー版]フランス・ロマネスクへの旅』(2008年3月25日刊行,中央公論新社[中公新書1938], 222 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-12-101938-7 → 版元ページ)と合わせて,「ロマネスクの旅」が完結する.前著同様,千年以上も前の教会建築のカラー写真がとてもきれいで,心洗われる.

◆夜,原稿書きあるのみ.明日も原稿あるのみ.新書のげんこう.けいそうの原稿.原稿,原稿,また原稿.げんこ〜〜.

◆本日の総歩数=10138歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=83.7kg(−0.2kg)/27.5%(+0.1%).


27 april 2009(月) ※ 冷たい西風に逆らって経堂に向かう

◆午前4時20分起床.晴れ,気温は11.1度.日射しを受けると暖かいが,北西の風が強くて体感的には肌寒い.

◆「電話会議」の緊張 —— 午前8時から9時まで,計量生物学会の企画担当理事による「電話会議」.初めての試みで,こっちも初めてだったが,パソコンからダイヤルすることにより,電話を介してネットミーティングをするというシステムらしい.しかし,やっかいなことに,自宅の電話が「番号非通知設定ダメダメ」モードにしてあったので,パソコンから電話をかけると弾かれてしまったとモデレーターから連絡あり.携帯電話の方も同様に「非通知拒否」にしてあるので,こちらもムリ.ということで,窮余の策として,電話会議のシステムがある阪大の研究室に電話をかけ,パソコンのスピーカー音量を最大に設定してもらって,会話を聴きながら必要なコメントをモデレーター経由で送るという,実に原始的なコミュニケーションをすることになった.耳がダンボになってしまい,1時間後には疲れ果てました……(大阪に1時間電話した通話料金はまた別の問題).

「電話会議」で決まったタスクは:1) 来月の年次大会の総合司会は,ワタクシが担当いたします;2) 要旨集の印刷部数に関しては,編集した原稿を5月1日(金)に印刷所に入稿したのち,5月7日(木)まで待って,大会参加予定者数を可能なかぎり確定させた上で発注するということになった.

◆強風にあおられて世田谷へ —— 11:55発のTX快速に載る.晴れて西風がとても強い.午後1時半に経堂到着.古書店を巡回してから,農大へ.新緑が鮮やかになってきました.農大かもし(3回目).本日は,モデルとデータの乖離を手がかりに,モデル選択における最節約原理について話す.その後,データのばらつきを特徴づける「平均」を導入するための「期待値演算」を説明.最後に,確率変数と確率分布の話.総和記号も積分記号も聴衆によっては“致死的”なので,できるだけ弱毒化したうえで示すことにした.最後に,確率分布の位置パラメーターと分散パラメーターのほんの入り口を見せて,あとはGW明けの2週間後の講義につなげる.今回の小テストはコイン投げに伴う期待値計算をひとつ.「高校で習ったことがこういうところで活かされてうれしい」との感想あり.今回はハンドアウトを100部つくっていったのだが,数部足りないとの声あり.今月末には科目履修登録が完了するので,ひょっとしたら今年は百名超の受講者があるということか.

—— 午後4時過ぎに講義終了.外に出たら,雲が厚くなっていた.寄り道せずにつくばに直帰して,午後6時半に帰宅.こっちも曇り空で西風が冷たい.

◆往復車中読書 —— 今福龍太 『身体としての書物』 (2009年3月31日刊行, 東京外国語大学出版会[Pieria Books],318 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-904575-02-4 → 目次版元ホーム)の続きを第8章まで,200ページほど.「もの」としての本にまつわる古今東西のエピソード.ノンブルをあえて付けない本が日本にもあるとは知らなかった.

◆もう一冊の新刊 —— 杉本つとむ『蘭学三昧』(2009年4月10日刊行,皓星社,iv + 533 pp., 本体価格4,800円, ISBN:978-4-7744-0434-9 → 目次版元ページ).「蘭学」の新刊だし,著者は「杉本つとむ」だし,おまけにとてもナイスな造本だし(このご時世に「函入り」とは!),といういくつかの理由により,迷わずゲットしました.著者の傘寿記念本とのことで,日本における蘭学史に関するエッセイ集.500ページもある本をざっとブラウズしたかぎりでは,科学史・博物学史への言及もかなり多い.図版もたくさん載っていてきっとお買い得にちがいない.

『解体新書』の挿絵を描いた秋田蘭画派の小田野直武については本書でも言及されている.彼の伝記:鷲尾厚『解体新書と小田野直武』(1980年5月1日刊行,翠楊社[郷土の研究1],ISBNなし/1039-04011-3736 → 目次|復刻:2006年8月刊行,無明舎出版,ISBN:4-89544-438-4 → 版元ページ)はずっと前から手元にあったのだが,つい最近,小田野直武の絵画論が新刊で出たことを知った:今橋理子『秋田蘭画の近代:小田野直武「不忍池図」を読む』(2009年4月刊行,東京大学出版会,ISBN:978-4-13-080212-3 → 版元ページ).

—— ところで,皓星社さん,『蒐書日誌』の続刊はまだでしょうか? 最後の「第四巻」が2003年に出てからもう6年が過ぎようとしています.そろそろ「第五巻」をよろしく.

◆明日は,現代新書の原稿書きと午後は講談社サイエンティフィクとの出版企画の打ち合わせ.途中,もしも講演要旨の原稿ファイルが届いたら,その時点で“卓袱台返し”の即スクランブル発進となる予定.

◆本日の総歩数=12578歩[うち「しっかり歩数」4397歩/41分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=83.9kg(−0.4kg)/27.4%(−0.1%).


26 april 2009(日) ※ 南風が吹き荒れて空はもう初夏の顔

◆午前4時半に起床して半時間ほどばたばたしてから,インターバル休憩に入る.夜明け前は曇っていたが,その後は雲が消え青空が広がってきた.朝の日射しとともに気温はぐんぐん上昇する.午前6時過ぎから次のじたばたがこれまた1時間ほど.そして再度のインターバル休憩(日録書き)に入る.南風が暖気を運んでいるようだ.

◆都内へプチ往復移動 —— 9:54発のTX快速で東京へ.両国経由で神保町に到着したのは午前11時過ぎ.晴天で暖かく,すでに20度を越えている気配.すずらん通りを一回り巡回探索する.しかし,日曜の神保町は平日ほど活気がなく,またこちらも書店探索をやり抜くぞーという意欲がイマイチが盛り上がらないので,正午過ぎに早々と撤収し,つくばにあっさり直帰することにした.午後1時過ぎというまったくもって中途半端な時間につくばセンターの地上に出る.どーも何だか不完全燃焼のまま戻ってきたような.

◆昼下がり,紫外線たっぷりの陽光が降り注ぎ,初夏のような青空が広がる.朝からの南風はいよいよ強まってきた.燃え残ったまま不健康に部屋に引きこもり,最初のうちは窓を開け放っておいたのだが,風が強まってきてホコリや砂塵が吹き込むようになった(うわ).この強風のため都内では交通に影響が出ているらしい.ぴたぴたと窓を締めきった室内にて,ちくちくと原稿を書いているうちに気がついたら夕暮れで陽が陰っていた.不健康のきわみだ.

◆備忘メモクリップ —— 今朝の夜明けにNHK-TVで放映していた古典落語の演目〈鹿政談〉.これはどこかで使えそうなネタだ,と書いたときはもう使っていたりする…….講義やトークで使うネタはいつどこに転がっているかわからないので,出会ったときにすかさずメモっておくにかぎる.同時に,インターネット検索して,関連文献のチェックと画像の確保も.話を噺にするコツのひとつ.

◆思わぬ緊急事態により —— メキシコで「豚インフルエンザ」が発生してしまったおかげで,7月にメキシコのベラクルスで開催予定の〈ICSEB-VII〉に参加できるかどうかが微妙な情勢になってきた.同国内で感染がさらに広がれば(そして外務省が渡航に関する制約を科するようになれば),「不参加」という考えてもみなかった選択肢がにわかに現実味を帯びてくる.参加登録と講演要旨の提出期限は「5月1日」なので,その決断までには一週間もない.さて,どーするか.

◆本日の総歩数=9203歩[うち「しっかり歩数」983歩/10分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.計測値(前回比)=84.3kg(+0.3kg)/27.5%(+0.1%).


25 april 2009(土) ※ 雨降る連休初日は季節が巻き戻って

◆午前5時起床.曇りときどき小雨.季節外れの肌寒さ.そのううち雨は本降りになってきた.しかし,「春雨」のやわらかさはぜんぜん感じられず,底冷えすらしそうなほど.日中の気温はまったく上がらず,午後になっても10度そこそこどまりだった.

◆やっと原稿三昧モード —— 現代新書『分類思考の世界(仮)』にそろそろ決着をつけないことには,「6月出版」という目標達成は難しくなるばかりだ.せっかくの雨なので,ふらふら徘徊したりせず,朝からキーボードにホネを埋めることにした.まずは,各章ごとの手直しから着手,時間が急に早く過ぎていく.

◆雨の中,千現の〈千年一日珈琲焙煎所〉までコーヒー豆を買いに行ったことを除けば,終日のお籠り.夜になってやっと雨は小降りになった.季節が一ヶ月ほど巻き戻されたような寒さだった..

◆備忘メモ —— 今はもうない〈ジュネス〉オーケストラの情報が引っかかってきた.ぼくが〈ジュネス〉の一員としてNHKホールに出たのは1970年代末のことで,ヒットした情報によると:

  • 第33回(1978年7月1日):山岡重信指揮−ブルックナー「交響曲9番」/ラフマニノフ「鐘」
  • 第35回(1979年7年7日):尾高忠明指揮−ベートーベン「合唱幻想曲」/ブラームス「哀悼の歌」/リヒアルト・シュトラウス「英雄の生涯」

とのことだ.学部の2年〜3年のときだ.ラフマニノフの「鐘」ではまさにその「鐘」のパートを受け持ったのだが,本番まで心もとなかった記憶がある(スコアもないし,とっても暗〜い曲だった).翌年の「英雄の生涯」のティンパニーはワタシです.炸裂したり誤爆したりして申し訳ありませんでした(>当時の関係者のみなさん).あともう一回,ベートーベンの「第九」をNHKホールで演奏した記憶があるのだが,あれは〈ジュネス〉じゃなかったっけ.ティンパニーをやったのは学芸大のオケにいた桑形和宏(いまは新響に所属されている)さんだったことは覚えている(ぼくのパートは大太鼓?だったかな).明大オケにいた(現在では“鉄”にして地図エッセイストとして超有名な)今尾恵介さんとも〈ジュネス〉でご一緒した記憶がかすかにあるのだが(ほんとうか),それがいつだったかきれいさっぱり忘れている.

—— 過去の記憶は放置すればどんどん薄れていくので,こういう機会を逃さず反芻して刻み直さないといけない.

◆本日の総歩数=1154歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.0kg(−0.4kg)/27.4%(+0.1%).


24 april 2009(金) ※ どんより曇ってうすら寒い連休前日

◆午前4時半起床.夜明け前は晴れていたが,しだいに曇ってきた.午前5時の気温は7.8度と冷え込んでいる.

◆早朝のこまごま —— 計量生物学会の講演要旨のpdfファイルを講演者に再度提出してもらうよう,学会事務局に依頼した.その依頼文をちくちくとつくる明け方.

◆メイキング・オブ・ダーウィン —— 次々届くダーウィン本たち.まずはダーウィン家の「庭」の話から:Michael Boulter『Darwin's Garden: Down House and The Origin of Species』(2008年6月26日刊行,Constable, London, xviii+251 pp., ISBN:978-1-84529-599-8 [hbk] / ISBN:978-1-84529-922-4 [pbk]).ダウン・ハウスでのダーウィンの家庭生活からみた進化学のルーツ.ハードカバー版は昨年出たが,今年始めにペーパーバックとして再刊された.

次は,青年ダーウィンの話:Keith Thomson『The Young Charles Darwin』(2009年1月19日刊行, Yale University Press, xii+276 pp., ISBN:978-0-300-13608-1 [hbk] → 版元ページ).「青年ダーウィン」に光を当てた研究書としては,今から30年も前の:Edward Manier『The Young Darwin and His Cultural Circle: A Study of Influences Which Helped Shape the Language and Logic of the First Drafts of the Theory of Natural Selection』(1978年刊行,D. Reidel [Studies in the History of Modern Science 2], Dordrecht, xii+242 pp., ISBN:90-277-0856-8 [hbk] / ISBN:90-277-0857-6 [pbk])が手元にある.その本は,ダーウィンが自然淘汰について考え始めた20歳代のころ(1830年代後半),周囲からどのような影響を受けたかを論じていた.今回出版された本は,ビーグル号航海よりも前の時代までさかのぼり,ダーウィンの幼少時代・学生時代に注目している.

◆午前11時,曇り,気温は13.1度で,夏日とはほど遠い涼しい天気.しかし,湿度がやや高くなってきたようだ.

◆ピンカー本新作の完結 —— スティーブン・ピンカー[幾島幸子・桜内篤子訳]『思考する言語(下) :「ことばの意味」から人間性に迫る』(2009年4月25日刊行,日本放送出版協会[NHK Books 1132],258 pp., 本体価格1,070円, ISBN:978-4-14-091132-7 → 版元ページ).献本ありがとうございます.「上」(2009年3月30日刊行,日本放送出版協会[NHK Books 1130],314 pp., 本体価格1,160円, ISBN:978-4-14-091130-3 → 版元ページ)と「中」(2009年3月30日刊行,日本放送出版協会[NHK Books 1131],330 pp., 本体価格1,160円, ISBN:978-4-14-091131-0 → 版元ページ)は,先月に同時出版されているので,この「下」をもって完結ということになる.

◆午後のこまごま —— 計量生物学会事務局から,「MS Word」で講演要旨が届いているのですがどーしましょーか,との問合せあり.「それ死刑!」とは言えないので,「pdfとして再提出してもらってください」と答える.編集作業の日程がもっとタイトになるのではないかという危惧がひしひしと./計量生物学会の企画担当理事の「電話会議」は4月27日(月)8:00〜9:00で確定.忘れないよーにしないと./黒い影が近づいてきた:来るべき三法人合体に向けての統合ワーキンググループ(知財関係)の委員になってしまった.来月に委員会をやるというので日程調整をば.

—— そんなこんなで,肝心の原稿がですねぇ……(汗).

◆午後4時半,今にも雨が降り出しそうな空模様なので撤収.気温は11.6度.肌寒いはずだ.世間的には明日からは「大型連休」だが,ワタクシ的には「連日執筆日」となる(はず).

◆本日の総歩数=7315歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.4kg(−0.1kg)/27.3%(−0.1%).


23 april 2009(木) ※ 明けの明星が三日月を放つ夜明け前

◆午前4時起床.南風が吹き渡り,気温は12.0度.糸のように細い三日月が白みはじめた東の空に浮かび,その焦点には明けの明星が輝く.今日もいい天気になりそうだが,空気が乾いて体感的にはとても涼しい.

◆早朝のインストール —— 〈R 2.9.0〉がリリースされたので,いくつかのパソコンにインストールする.ついでにパッケージ群のアップデートもすませる./講演要旨集について印刷代金の見積もりが送られてきた.オンデマンド印刷での発注を予定しているので,部数さえ確定すれば単純な比例計算で印刷経費は確定する./その計量生物学会の大会参加費をまだ振り込んでいなかった.4月30日までにとのこと.

◆午前のこまごま —— 印刷業者と打ち合わせ.「紙」の要旨原稿からスキャンする場合はせいぜい1200dpiくらいの解像度があれば十分だとのこと.しかし,それでは手間がかかることはまちがいないので,学会事務局に各講演予定者にはpdfファイルでの要旨再提出を依頼できないかと打診した.ハードコピーがあるのだから,元の原稿ファイルからpdfを出力することはたいして手間ではないだろう.要旨集印刷に関する今後の作業予定は「5月1日」に入稿したのち,一週間後の「5月8日」にゲラが出て,それでOKならば「5月20日」には発送まで完了となる.

◆午前11時,快晴,西風が強く,気温19.8度にもかかわらず,とても涼しい.空気が乾いているからだろう.

◆東大出版会から献本2冊(いつもありがとうございます) —— 松浦啓一『動物分類学』(2009年4月6日刊行, 東京大学出版会, vi + 139 pp., 本体価格2,400円,ISBN:978-4-13-062216-5 [pbk] → 目次版元ページ).「生物多様性科学」の観点から書かれた動物分類学の入門教科書.実例のほとんどは著者が専門とする魚類から取られている.分類学に関心を持つ裾野を広げようという目的で書かれた本なので,「アブナい場所」は注意深く回避する教育的配慮がなされているようだ.考えてみると,「動物分類学」のこのような入門書はひさしぶりの出版ではないだろうか(同じ東大出版会のかつての〈UPバイオロジー〉シリーズの高木本とか佐々治本を想起させる).

もう一冊は民俗動物学の新刊:菱川晶子『狼の民俗学:人獣交渉史の研究』(2009年3月25日刊行, 東京大学出版会, viii + 412 + vi pp., 本体価格7,200円, ISBN:978-4-13-056305-5 → 目次版元ページ).「狼」の民俗学に関する本は意外にたくさん出ているようだが,本書はその系列の最新刊にあたる.「狼」をめぐる民間説話や民俗信仰にまでふみこんで,日本の文化のなかで「狼」といういまはいなくなってしまった生きものがどのような役割を演じていたかを明らかにしようとする論考.昨年出た:安藤元一『ニホンカワウソ:絶滅に学ぶ保全生物学』(2008年11月20日刊行,東京大学出版会[ナチュラルヒストリーシリーズ],viii+233 pp.,本体価格4,400円,ISBN:978-4-13-060189-4 → 目次版元ページ)は,絶滅したニホンカワウソの生物学の本だが,この本にも「民俗」にかかわる内容が含まれている(とくに第1章).

◆午後のこまごま —— GW後の出張伺・年休届・兼業願をまとめて一ヶ月分出す.IAMAS(大垣)の出講は依頼出張となる.来月も遠近とりまぜて方々に出撃する予定だ.

◆新たなタスクがのしかかる —— 来月から始まる農環研の「所内統計講習」の打ち合わせ.とある Flying 評価委員さんが,3月の農環研評価会議において「一般化線形モデルのような新しい統計手法を使うべし」とのたまわれたものだから,農環研上層部があたふたして「じゃあ,所内で統計講習をやるべし」と下に“丸投げ”しやがった…….ま,これまで方々で統計高座を興行しているしている身としては,たいして(=まったく)準備しなくても噺はできるのでいいのですが,それにかかる時間と経費はどーするんですかねえ.

—— とりあえず5月15日(金)の13:30〜15:00に「R入門」という題目で,Rのデモンストレーションをすることになった.

◆午後3時,快晴,気温20.6度.風もあって快適な昼下がり.

◆〈科学ジャーナリスト賞2009〉の大賞は「ダーウィン」 —— 北村雄一『ダーウィン『種の起源』を読む』(2009年2月12日刊行,化学同人,京都,折込み図+302 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-7598-1170-4 → 版元ページ著者ページ).本書は,今年の〈科学ジャーナリスト賞2009〉の「大賞」に選ばれたとのこと.おめでとうございます.同賞の「受賞理由」にはこう書かれている:

難解といわれる『種の起源』をその後の知見を加えて読み解き、進化論に現代的な視点を与えた。ダーウィンの生誕200年、『種の起源』150年の今年に相応しい労作である。

『種の起源』は「難解といわれる」と上で指摘されているが,『種の起源』が出版されたときは「一般向け」の本として書かれたはずだ.もちろん,社会階層が厳然とあったイギリスでは,たとえ「一般向け」とはいえ,この本を手にしたのが主としてどういう階層の読者であるかはおのずと限定されていたのだろう.加えて,当時の社会全体に流行したという「博物学ブーム」に後押しされていたという要因もあるにちがいない.

—— 今の時代の「読書スタイル」がそのまま19世紀なかばのイギリスに通用したわけではないだろう.ダーウィンの著作の「読まれ方」がどのようであったかはずっと気になっている.

◆原稿プレッシャーがみしみしとこたえてます,ハイ…….

◆本日の総歩数=9616歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.5kg(0.0kg)/27.4%(0.0%).


22 april 2009(水) ※ 根津神社つつじ祭りは花よりも人が

◆午前4時半起床.雨上がりの曇り空.のち晴れてきた.今日は東京出張日なので,農環研には顔を出さない.

◆朝のこまごま —— 来月の農大・昆研の新入生歓迎合宿に参加する旨メールで返事する.大所帯の研究室なので,今年はさていったいどーいうことになるだろうか./計量生物学会の講演要旨のデフォルト提出様式は「紙」であることを知ってガクゼンとする.マジですか…….印刷所への入稿はすべてpdfで処理するので,事前作業がちょっとたいへんかも./生物地理学の教科書について質問された.系統地理学はまあいいとして,もっとマクロな歴史生物地理学の本となると,少し時代をさかのぼった方がたくさんあるでしょう.スペイン語の本だったら最近数年の間に出た新しいのもありますが./5月5日(火)は〈笠真の会〉.でも予約がまだでした./5月8日(金)の〈春の試飲会〉,胴元の指令によりヒソカに勧誘してみる.

◆つつじ祭りでにぎわう根津神社は花よりも人が多かった —— 10:30発のTX区間快速で根津へ.晴れて南風が吹き込んで気温がさらに上がっている.根津で地上に出たのが11時半のこと.駅から根津神社に向かう歩道は人ごみで歩くのにも難儀する.今月から来月にかけては恒例の〈つつじまつり〉が開催されている.しかし,境内斜面のつつじの咲き具合はまだ五分にも達していないのに,行列している見物客はすでに満開状態だ.暖かいというよりはやや蒸し暑い感じがする.

地震研から東大農学部に抜けて,7号館へ.昼休みは専攻の新任教員の歓迎昼食会だ.博士の学位を先月取ったばかりで,今月から特任助教になったというのは,大学院生のいまの就職状況から考えると例外的にハッピーな事例だろう.がんばってください.

午後1時からは専攻教員会議.今年度初の会議なので,「大学暦」に沿っての行事の打ち合わせが多かった.関係しそうな行事は以下の通り:1) いたいけな若者たちを籠絡するための「駒場ガイダンス」が5月26日(火)18:00〜.;2) 農環研でいえば「成績検討会・設計検討会」にあたる「専攻研究会議」が6月3日(水)16:00〜.この日はつくばでの形態測定学国際会議の初日なので出席はできないだろう.;3) われわれ連携講座に直接関係する「大学院進学ガイダンス」は6月10日(水)16:00〜.;4) ちょっと先のことだが,専攻の「修論中間発表会」は9月30日(水).この日は横浜国大での〈統計道場〉の最終日なので出席不能.

◆午後3時過ぎに教員会議が終わった.直帰して,つくばに帰り着いたのは午後4時半だった.曇りときどき晴れ,風やや強し.

◆車中読書 —— エリオット・ソーバー著[松本俊吉・網谷祐一・森元良太訳]『進化論の射程:生物学の哲学入門』(2009年4月20日刊行,春秋社[シリーズ〈現代哲学への招待〉],東京,xii + 446 + 18 pp., 本体価格3,600円,ISBN:978-4-393-32318-2 → 版元ページ)の第1章「進化論とは何か」(pp. 7-52)と松本俊吉さんによる訳者あとがき「進化論はなぜ哲学の問題になるのか」(pp. 429-446)を読む.

◆夜のミッション —— 毎年,秋につくばで実施している〈数理統計研修〉だが,今年は講師・講義の変更依頼が多いとの連絡が事務局から届いた.変更を要する講義をざっと見渡すと,この機会をうまく使って〈R〉の勢力をさらに伸ばせないかとワルいことを考えはじめた.Excel 統計解析はもういらないだろうし,数量化理論よりはもっと重要な統計ツールがあるだろう,ということで,カリキュラムの改定案を事務局に提示した.全体としては〈R〉の時間が増えます.また,新設予定の〈ベイジアンMCMCモデリング〉の講師はこれから白羽の矢を放ちますので,飛んできたらじたばた逃げずに進んで刺さってくださいね.よろしく.

◆ああ,滞っている原稿が…….さる方面からの explicit な加圧と音羽からの implicit な加圧が高まっている.

◆本日の総歩数=9112歩[うち「しっかり歩数」4686歩/45分].全コース×|×.朝△|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.5kg(−0.2kg)/27.4%(+0.1%).


21 april 2009(火) ※ 蕎麦教授は忘れたころにやってくる

◆午前4時半起床.曇りときどき小雨が混じる.気温は14.2度.不安定な空模様で,午前は曇りときどき晴れ間もあった.南から湿った風が吹いてくる.午前10時の気温は20.7度.やや蒸し暑い感じがする.

◆諸事わらわらと積みあがり —— こまごましたことがたくさんありすぎてよくわからない.手近なところから始めよう:Willi Hennig Society の今年の大会〈Hennig XXVIII〉はシンガポール植物園で開催される(6月21日〜27日).事前登録の期限が22日なので遅れないようにオンライン登録を完了した.講演要旨提出(5月15日締切)とホテル予約はまだしていない./もうひとつのメキシコでの国際会議〈ICSEB-VII〉だが,事前登録と要旨提出は5月1日締切となっている(もうすぐだ)./さらにもうひとつの事前登録もすませた.計量生物学会大会は大阪大学吹田キャンパスで開催される(5月20日〜22日).大会期間中の宿泊先として〈ヴィアイン京都四条室町〉を確保した.遠いようだが1時間弱で通えるので問題はないだろう.

◆届いた本が高く山をなす —— 週明けとともに方々から献本をいただいたり,注文していた本がどかどかといっぺんに届いて,積み上がった.まずは蕎麦教授の新刊から:エリオット・ソーバー著[松本俊吉・網谷祐一・森元良太訳]『進化論の射程:生物学の哲学入門』(2009年4月20日刊行,春秋社[シリーズ〈現代哲学への招待〉],東京,xii + 446 + 18 pp., 本体価格3,600円,ISBN:978-4-393-32318-2 → 版元ページ).本,いただきました.感謝です.原書のぺらぺらなペーパーバックよりははるかに堅牢な造本で,カドが角のようにとんがってます.当たると痛いです.内容的には,『The Nature of Selection』(1984)や『Reconstructing the Past』(1988)から始まり,最新刊の『Evidence and Evolution』(2008)にいたる,「進化学の哲学」に関する著者の見解を踏まえた内容になっている.その意味で,翻訳書の『進化論の射程』というタイトルは,『Philosophy of Biology』といういささか“無色”な原題よりも内容により即しているといえる.

◆午後になって雲行きがしだいにアヤシくなってきた.今にも雨が降り出しそう.

◆もう一冊のいただきものは,蕎麦教授の長年にわたる「相棒」であるウィルソン氏の新刊だ:ディヴィッド・スローン・ウィルソン[中尾ゆかり訳]『みんなの進化論』(2009年4月25日刊行,日本放送出版協会,東京,411 + 26 pp., 本体価格2,300円, ISBN:978-4-14-081371-3 → 目次).今から2年ほど前に,別の出版社から,本書の翻訳権をゲットしたいのでリーディングしてほしいと依頼され,原書:David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk] → 書評目次著者サイト)が出版される前のゲラの束を通読したことがあった.結果を言えば,残念ながらこの出版社は首尾よく本書の翻訳権を取ることができなかった.この翻訳はいったいどこの出版社から出るのだろうと思っていたのだが,そうですか,ここから出ましたか.現代進化学の「普及」という点ではこの本は十分に成功していると思う.D. S. Wilson はばりばり理論派の進化学者だとぼくは理解しているが,『みんなの進化論』の著者は微笑みとともに向こうからやってきた.

—— 上記の蕎麦本とウィルソン本を読めば,進化学の語り口には硬軟いろいろな「芸風」があることがよくわかるにちがいない.

◆午後のこまごま —— 計量生物学会大会の要旨集印刷の件.午後1時過ぎに印刷業者が見積もりにきた.しばしの打ち合わせ.200部くらいの印刷の場合,オフセット印刷ではなく,オンデマンド印刷の方が安く上がるし時間もかからないそうだ.学会事務局に問い合わせて,講演要旨のとりまとめについて連絡をとる.企画担当理事の「電話会議」は4月27日(月)8:00からの予定./来週月曜の農大かもし(第三回目)の三点セットを用意した.そういえば,この27日(月)は農大の兼業届けをまだ出していなかった.講義ブログの更新が滞っているなあ.

◆午後3時過ぎに雨が降り出し,しだいに本降りになる.夜になって風も強まってきた.

◆GW明けの愉しみ —— 〈春の試飲会〉の日程が確定したとの連絡あり.5月8日(金)の夕方6時から東大農学部7号館のとある部屋で開催される.〈試飲会〉に飛び込むときは帰りの「足」を確保しないと,また予期せぬ「お泊り」になってしまう.明日は専攻教員会議の日なので,〈試飲会〉の胴元に会ってこよう.

◆本日の総歩数=8423歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.7kg(−0.7kg)/27.3%(+0.4%).


20 april 2009(月) ※ ヘッケルを読んで農大で醸す週明け

◆午前5時半起床.晴れのち曇り.気温は低いまま推移する.今日は農環研に出向く必要はない日なのだが,朝のうちに講義資料などを取りに行った.午前10時,曇って気温は16.4度.涼しいはずだ.

◆昼までのこまごま —— 昨日,流山某所に置き忘れたデジカメは,今日の夕方,神保町で手渡されることになった./計量生物学会の大会要旨集の印刷につき,印刷会社に見積もりを出してもらう連絡をした./「とうけい本」を書いてねプロポーザルへの返事をした.

◆農大かもし行(2回目) —— 11:55発のTX快速で経堂へ.曇りときどき晴れだが,半袖で通したのは無謀だったでしょうか.午後2時前に講師控室に入り,講義の準備と確認.14:40〜16:10に講義.今日はデータの視覚化と箱ひげ図,そしてアブダクションについて.

◆ヘッケル本の読了 —— エルンスト・ヘッケル著[小畠郁生監修|戸田裕之訳]『生物の驚異的な形』(2009年4月30日近刊,河出書房新社,141 pp., 本体価格2,800円,ISBN:978-4-309-25224-7 → 目次版元ページ).大判の図版集だが,原書は何度も見ているのでさくっと読了した.翻訳ミス散見:「フリーダ・フォン・ウシュラー・グライヒェン男爵夫人」(p. 11)=フリーダは生涯未婚だったので「男爵夫人」ということはありえない;「一元発生論」(p. 17)=「一元論(Monismus)」じゃないんですか?;「『宇宙のなぞ』【ヴェルトレートセル】」(p. 13)=「ヴェルトレツェル」とルビをふるべきでしょう.

あらためて,100枚におよぶ図版を見ると,ヘッケルの卓越した画才ぶりがよくわかる.オラフ・ブライトバッハが美術史の観点から,ヘッケルの波及効果を論じているのは正論だと思う.なお,この論点をめぐっては,彼の最近の著書:Olaf Breidbach『Ernst Haeckel : Bildwelten der Natur』(2006年8月刊行,Prestel,ISBN:3-7913-3663-0→目次)で詳しく展開されている.

◆夕方の神保町にて —— 経堂から乗って千代田線の新御茶ノ水にたどりついたのは午後5時すぎだった.デジカメを受けとる.つくばセンターの地上に出たのは午後6時すぎだった.もう真っ暗.きょうは一日中気温は低かった.このまま天気は下り坂で,あしたは雨が降るらしい.

◆夜のこまごま —— 印刷業者の見積もりは明日の午後に来室するとのこと./とうけい本の打合せは28日(火)午後./秋の統計研修の講師入れかえのチャンス到来.せっかく空きニッチができそうなので,必要な人材を呼び込むように働きかける予定.白羽の矢が立ちそうなそこのアナタ,待っててくださいな./〈R 2.9.0〉がリリースされた.

◆本日の総歩数=15611歩[うち「しっかり歩数」3963歩/36分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=85.4kg(+1.5kg)/26.9%(+0.1%).


19 april 2009(日) ※ 好天の流山で神亀が発泡して復活だ

◆午前5時半起床.晴れ.東風が涼しい.8:34初のTX区間快速で東京に出る.両国経由で池袋東武百貨店地下の日本酒売り場に直行する.いろいろあるなあ.

◆往路車中読書 —— 今福龍太 『身体としての書物』 (2009年3月31日刊行, 東京外国語大学出版会[Pieria Books],318 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-904575-02-4 → 目次版元ホーム).アルベルト・マングェルの「本の本」を読んでいるようないい心地.「本」はやっぱり「もの」だった.

◆晴れ上がる流山某所にて真っ昼間の呑み会 —— TXに乗り流山おおたかの森経由で,午後1時前に初石駅にたどりついた.待ち合わせて某所に向かう.こんないい天気に真っ昼間からマーラーを鑑賞しつつ酒がふんだんに呑めるとは,実に不健康で好ましい自堕落な生活だ.

ま,要するに今日の呑み会は,昨年暮れの松戸シティーフィルの〈復活〉演奏会DVDができたから,[の]みにこいという作戦だ.某所に全員が顔をそろえたので,作戦開始.たった5人でこーんなにたくさんの酒を呑むんですか?という感じがまた退廃的でよろしい.料理もたくさんつくっていただいてありがとうございます.

本日の日本酒リストの筆頭は,大阪〈秋鹿酒造〉の「秋鹿・純米吟醸生酒・能勢山田錦」.夏の生酒キャンペーンの一環で.前夜から氷点できりっと冷やしたのを保冷剤入りのウレタン箱に入れてもってきた.水色の涼しそうな瓶が気分はもう初夏を演出してくれる.フレッシュな香りと旨味の連弾です.乾杯するにはちょうどいいすきっとした新酒.

続いて,これまた前から一度は呑んでみたかった埼玉〈神亀酒造〉の「神亀・純米活性にごり酒」.その炭酸ガスのぶくぶくがきわめて強烈であることは,開栓するまで冷凍庫でしばらく安置してあったにもかかわらず,あやうく大噴出しそうになったことからもうかがえる.完璧に「日本酒サイダー」です.にごり成分が炭酸ガスの泡でかき混ぜられています.とにかく美味すぎます.

最後は,福井県〈南部酒造場〉の「花垣・純米大吟醸うすにごり」.旬のお酒は機会を逃さずに呑みましょう.これまたいい具合ににごってます.コロイド溶液みたいです.吟醸香をともなう口当たりのいい日本酒で,のみ過ぎるととてもあぶないことはわかっていても,すでに全員の血中アルコール濃度はただごとではなくなっていた.

肝心のマーラー〈復活〉はけっこういい線いってるじゃないですか.打楽器がどかどか入るのがまたいい(そういう聴き方はやめれ……).DVDをいただいてきましたので,あとでしっかり復習しましょう.

—— そんなこんなで,夕闇迫る午後6時すぎにお開きとなり,よろよろと駅に向かった.つくばに帰り着いたのは午後8時すぎだった.今夜はもうつかいものにならないワタシ…….あ,デジカメを某所に忘れてきてしまったー.

◆本日の総歩数=12233歩[うち「しっかり歩数」1889歩/22分].全コース×|×.朝○|昼×|夜×.計測値(前回比)=83.9kg(−0.4kg)/26.8%(−0.4%).


18 april 2009(土) ※ 涼風セントポールズに八重桜が開く

◆午前5時半起床.今朝は曇って気温が低い.トド撃ち項目を列挙していて,やや燃え尽きそうになった……(手に余るぞ).

◆昼になっても曇って涼しい.12:55発のTX快速で池袋に向かう.晴れて暖かくなってきたが,風は涼しい.時間があったのでひさしぶりに〈ジュンク堂〉を徘徊する.ソーバー訳本とヘッケル訳本が並んでいることを確認した.立教大学のキャンパス風景は桜吹雪から八重桜へと移っていた.午後3時から『生物科学』編集会議.今年度の特集企画の進捗とか,新企画の掘り起こしとか.午後4時過ぎにおしまい.いつものように〈St. Paul's Cafe〉にてちょこっと飲み会.午後6時前にさくっと中途退席させてもらった.

◆新刊 —— 今福龍太 『身体としての書物』 (2009年3月31日刊行, 東京外国語大学出版会[Pieria Books],318 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-904575-02-4 → 目次版元ホーム).電子テキストのような「情報コンテンツ」としての観点ではなく,「身体性」をもつ存在としての「本」の話.内容として読書欲がそそられる本.また,フランス装の造本もいい感じ.出版不況と言われている割には,最近,方々の大学が自前の「出版会」をもつようになった.ただし,一般書店では実物を手にする機会があまりないのが実情だろう.本書の版元である「東京外国語大学出版会」も今年になって本格的に動き始めた大学出版会で,既刊点数はまだ少ない.

◆車中読書:武石憲貴『世界怪魚釣行記』(2009年4月20日刊行,扶桑社,367 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-594-05923-1 → 版元ページ)を読了.大きい淡水魚っているんですねえ.

◆午後7時につくば着.閉まる直前のたがみ酒店にて〈秋鹿〉の「夏の生酒」をゲットした.〈秋鹿〉をこの店で買ったのは初めてだ.

◆9月の高座の確定 —— 横浜国大での〈統計道場〉は「9月28日(月)〜30日(水)」で講義日程が確定した.

◆本日の総歩数=14958歩[うち「しっかり歩数」4880歩/46分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=84.3kg(+0.3kg)/27.2%(+0.1%).


17 april 2009(金) ※ 雨まじりの一般公開日は季節の逆転

◆午前4時半起床.雨足強く,気温10.5度.肌寒い.しかし,午前8時過ぎには小止みになるが,晴れる気配はない.今日は農林団地の一般公開日だが,あいにくの雨模様で客足にどれくらい影響するだろうか.

◆午前のじたばた —— つくばで開催される形態測定学国際会議の講演要旨は今日が締切だが,オーガナイザーの Pete Lestrel さんに数日遅れるとのメールを書く.タイトルだけは提出したので,来週何とか片づけましょう.>南保さん./大垣の情報科学芸術大学院大学(IAMAS)から,「芸術情報学演習」の出講を今年も依頼される.出講了解の返事をした.講義日は5月29日(金)午後に決定./ダイズの分子系統に関する共著論文のチェックと加筆修正をすませて返信する.この件もおしまいだ.

◆午前10時,曇りときどき小雨のはっきりしない天気が続く.気温は低いまま推移している.昨日までの夏日はどこに行ったのか.

◆午後のじたばた —— 某学会の論文賞の選考結果報告の締切が今日であるとのリマインダーが届く.すっかり忘却していた.あわてて,積み上げてあったバックナンバーをもう一度確認した上で,候補論文の評価をしていく.報告レポートをメール送信してこの件は完了.折り返し選考委員長から集計結果が報告された./今年の東京農業大学・昆研の新歓合宿は,5月16日(土)〜17日(日)に湯河原温泉の〈光陽館〉で開催されることが決まったとの連絡あり./ふと思い出し,7号館に向けて〈春の試飲会〉挙行についての質問メールを出す.

◆午後4時,今日の一般公開が終了し,混雑がなくなったころを見はからって農環研を撤収する.曇り.気温は11.1度しかない.涼しいというよりも寒い.重ね着しないと外出できない.

◆さ,夜はドイツ料理でも —— 日没後,気温はさらに降下してきた.午後7時半,自転車を転がして,洞峰公園北側のドイツレストラン〈エーベルバッハ〉に久しぶりに行った.けっして大きい店ではないが,つくばでちゃんとしたドイツ料理を食べようとするなら,ここがイチオシです.ただし,ひとつひとつの料理の量がとっても多いので,ほいほい注文してしまうと,翌日は確実に“重く”なっている.要注意.

まずは,Weltenburger Kloster のヴァイスビールで乾杯.ビールでもこういう「にごり系」は好ましいな.最初は腹が減っていたので,もちろん真っ白な「ヴァイスヴルスト」をば.その昔,銀座のビアホール〈ピルゼン〉で隣の席のドイツ人が「ソーセージは切らずに丸ごとかじれ」と教えてくれたことを今でも守っている.ザワークラウトと甘いマスタードをたっぷり塗ってがぶりと.

この店に来れば「肉」を注文するものとばかり思っていたが,本日のお薦め料理の中にめずらしく「魚」があったので,スズキと生ハムのローストしたものを注文してみた.タケノコなどの春野菜が彩り鮮やかに付け合わされていて,見た目にも食欲がそそられる.スズキはもともと淡白な味だが塩分のある生ハムが巻かれているので,そのバランスがちょうどいい味わいになるようだ.

それ以外に注文した,牛肉を煮込んだ「ザワーブラテン」とタマネギソースがたっぷりかかった「レバーケーゼ」にはそれぞれ大量のジャーマンポテトがついていたので,それでもう満腹で何も入らなくなった.たった1時間ほどのあいだに,また“大きく”なってしまったかもしれない.自転車で帰宅する.

◆近刊メモクリップ —— エリオット・ソーバー著[松本俊吉・網谷祐一・森元良太訳]『進化論の射程:生物学の哲学入門』(2009年4月近刊,春秋社[シリーズ〈現代哲学への招待〉],本体価格3,600円,ISBN:978-4-393-32318-2).原書は:Elliott Sober『Philosophy of Biology, Second Edition』(2000年1月刊行,Westview Press[Dimensions of Philosophy Series], Boulder, ISBN:0-813-39126-1 [pbk] → 版元ページ).訳業,たいへんお疲れさまでした.ブツを早く手にしたいです./Gordon Chancellor and John van Wyhe (eds.) 『Charles Darwin's Notebooks from the Voyage of the Beagle』(2009年7月刊行予定, Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:978-0-521-51757-7 [hbk] → 版元ページ).ビーグル号航海時のダーウィンのノートブックの初の出版./これはサプライズっ!:エルンスト・ヘッケル著[小畠郁生監修|戸田裕之訳]『生物の驚異的な形』(2009年4月30日近刊,河出書房新社,本体価格2,800円,ISBN:978-4-309-25224-7 → 版元ページ).まさか:Ernst Haeckel『Kunstformen der Natur』(1998年7月1日刊行,Prestel Verlag,ISBN:3-7913-1978-7) が訳されるとは思わなかったなあ.本書の図版だけならオンライン版を見れば十分かもしれないが,ヘッケルを取り巻く時代背景とか彼の現代的意義は解説テキストがあった方がいい.だいたい,ヘッケル本の翻訳自体,いったい何十年ぶりのことだろうか.河出書房新社,えらい!

◆明日の午後は,立教大学で『生物科学』編集会議に出席する予定.週末は原稿書きとまたも呑み会で消えてなくなる.

◆本日の総歩数=14522歩[うち「しっかり歩数」2967歩/28分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.0kg(−0.2kg)/27.1%(+0.8%).


16 april 2009(木) ※ 微小トド撃ちで一日が過ぎてしまい

◆午前4時45分起床.晴れ.気温14.5度.東寄りの風が吹いて涼しい.農環研構内のハナミズキが鮮やか.

◆午前のこまごま —— 微小トドの群れを放置しているうちに,いくつか締切を過ぎてしまった案件が出てきてしまった.巨大トドでも微小トドでも締切には変わりがない.あわてて「今年度も“人間犬”になりたいです」と厚生係にメールする./メーリングリスト関連の火山灰が厚く堆積しているのが元凶なので,今日はその掃除をしよう./ブラジルから別刷請求あり.pdfで送ってあげたいのはやまやまなれど……./つくばでの形態測定学国際会議のアブストラクト提出期限が17日に迫っている.とりあえず,ぼくの方で勝手にタイトルを出させていただいてもいいでしょうかね?>南保さん./企画戦略室より,指導学生に関する事務書類(誓約書など)提出の督促あり.

◆午前11時,晴れ,気温20.2度.日射しが暖かい.

◆ゲーテ形態学の続刊(ブツ入手) —— ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ[木村直司編訳]『ゲーテ形態学論集・動物篇』(2009年4月8日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫ケ-6-3],465 pp., 本体価格1,300円,ISBN:978-4-480-09187-1 → 目次版元ページ).ブツを手にしてまずは中身をブラウズする.「観相学」と「動物学」に大きく二分されている.とりわけ「動物学」には,ゲーテ形態学を特徴づける論考が訳出されている.前篇である:『ゲーテ形態学論集・植物篇』(2009年3月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫ケ-6-2],465 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-480-09185-7 → 目次版元ページ)と合わせて“一冊”とみなされるべき本だが,今後も参照する価値がある論文集だと思う.

◆午後のこまごま —— ひたすら微小トド撃ちと火山灰掃除.午後3時過ぎになって,やっとメーリングリスト関連の数十件を一掃処理できた.ためてはいけないのだが,年度の変わり目でもあり,こればかりはしかたがないでしょうねえ.

◆午後4時,農環研を撤収する.晴れてはいるのだが,風が涼しい.気温は16.7度と降下中.夜は雨が降るそうなので,その前触れかもしれない.

◆夕餉は〈佐藤卯兵衛〉とともに —— ここのところ起伏の激しい食生活を送っていて,ある日は「懐石」だったり,また別の日は「レバ刺し」だったりする.先日,竹園のたがみ酒店で,秋田市にある蔵元〈新政酒造〉の季節もの〈佐藤卯兵衛・純米大吟醸あらばしり〉を入手したので,それにあわせて例のアヤシイまかない料理を性懲りもなく再びつくった(→ レシピ).

秋田の日本酒といえば,つい「甘口」だという先入観をもってしまう.しかし,この純米大吟醸あらばしりはむしろ酸味が効いていて(炭酸ガスはほとんど感じなかった),この地方のお酒としては例外的かもしれない.開栓したときに吟醸香が馥郁と漂い,「うすにごり」(おりがらみ)らしいコロイド溶液のような「霧」のかかり方と,その口当たりのよさがとりわけ印象的だった.

◆夜のご連絡(ありがとうございます) —— 宮野公樹『使える!PowerPointスライドデザイン:伝わるプレゼン 1つの原理と3つの技術』(2009年4月10日刊行,化学同人,京都,本体価格1,800円,ISBN:978-4-7598-1175-9 → 版元ページ).こういう本が出版されたことも知らなかったし,また著者ともまったく面識はなかったのだが,ぼくの「実践プレゼンテーションテクニック:講演はショータイム!」をごらんになったとのこと.多少ともお役に立てたとしたらよかったです.本書では,スライドの作り方だけでなく,学会講演での「しゃべり方(トーク)」についても述べられているようだ.『これ学』を読んだときも感じたことだが,スライドづくりの技法と同等あるいは以上に,壇上での「噺」のわざが重要だと思う.

ぼく自身は PowerPoint の「ひな形」でプレゼンをすることはほぼ皆無だが(いつもは InDesign で整形して pdf に出力している),PowerPoint のスライド「ひな形」を使ったプレゼンの問題点は,かの Edward R. Tufte が数年前にパンフレットを出版している:Edward R. Tufte 『The Cognitive Style of PowerPoint』 (2003年刊行,Graphics Press, Cheshire, 28pp., ISBN:0-9613921-5-0 [pbk]).ppt ユーザーは一度はこのパンフレットを読んでおいた方がいいだろう.あ,いま版元ページを見たら改訂版がいつの間にか出ているじゃないか:Edward R. Tufte 『The Cognitive Style of PowerPoint: Pitching Out Corrupts Within, Second Edition』 (2006年刊行,Graphics Press, Cheshire, 32pp., ISBN:0-9613921-6-9 [pbk] → 版元ページ).さっそく買わないと.

◆今にも雨が降り出しそうな夜空を見上げつつ日が変わる.

◆本日の総歩数=10656歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.2kg(+0.4kg)/26.3%(−0.5%).


15 april 2009(水) ※ 兇悪前線が通って春らしくない青空

◆午前5時起床.夜半は雨滴の音が大きかったが,伝え聞くところでは夜中のつくば市内は集中豪雨だったそうで,道路が冠水したところもあったそうな.しかし,さしもの兇悪前線も東方に抜けていった.すでに白んでいた空ははじめは曇っていたが,夜明けを迎える頃には春らしからぬすっきりした青空が急速に広がってきた.気温は上がりつつあるが,西風が吹き抜けて涼しい.午前5時半,北西の風3.8メートル.

◆朝の滞り —— 何だかここ数日というもの「微小トド」の個体数が急激に増えてしまって,手のうちようがない.コワいのは細かなトドに埋もれて「巨大トド」が潜んでいる可能性があること.火山灰の掃除は怠らないようにしたい(がその意欲が減退中)./関係した本たちの宣伝をメーリングリストに打たないといけないのだが,【種】がまたしてもスネコスリみたいに絡んできてですね……(汗).それもこれも『分類思考の世界』の作業進捗がはかばかしくないからだと勝手に断定してしまう.今月中にケリをつけてしまいます.

◆午前11時,快晴.気温22.4度.日射しが強くて暑いほど.紫外線もさんさんと降り注いでいるにちがいない.農環研の所内外は明後日17日に予定されている「一般公開」に向けて,年に一度の展示モードに入りつつある.

◆ダーウィン関連の新刊 —— おお,出ましたね:John van Wyhe (ed.)『Charles Darwin's Shorter Publications, 1829-1883』(2009年4月刊行, Cambridge University Press, Cambridge, xxvi + 529 pp., ISBN:978-0-521-88809-7 [hbk] → 版元ページ).ダーウィンが生涯にわたって書き残したさまざまな短報の集成した本.まだ学生だった二十歳のときの昆虫採集の記録(1829年)にはじまり,年ごとにまとめられている.日本の大森貝塚に関する記事もある(1880年).これまで刊行されてきた著作・論文・書簡に含まれない文章をまとめて見られるという点で役に立つだろう.単価の高い本だが,オンライン書店をよく探せば,ダーウィン年のご祝儀価格でずいぶん安く入手できるようだ.なお,職場に見計らい品として届いた本は「23,680円」というとってもブッ飛ぶ値札が付いていた…….

◆昼下がりの大立ち回り —— これまで,ぐじぐじと引きずってきた『分類思考の世界』に分け入ることにした.まずは全体構成を再検討し,パーソナルな「自分史」に関わる部分は,刈り込んだ上で〈前口上〉と銘打って先頭に置くことにした.そのあとから本論が始まるという流れだ.目次の改訂と〈前口上〉の原稿を音羽にメール送信する.折り返し,「鋭意努力せよ」との返信を受け取った.もう歯車は動き始めているのだ.本論の各章には新しいタイトルをつけ,『本』連載時の各回のタイトルはサブタイトルに落とすようにする予定.その上で,本論を二つのパートに分割して,内容上のカテゴリー化をはかる.

◆午後のこまごま —— 大立ち回りのすき間に届いたプロポーザル:『Shall We 生物統計学』ですか? ちょっと考えてみますね.

◆夕暮れの常盤平にて —— 午後4時半,迎えの車に乗り込み,東京方面に向かう.目的地は知らされないまま松戸市内に入った.昨年暮れに松戸シティーフィルの〈復活〉演奏会をした〈森のホール21〉の横を通り過ぎた.

とっぷりと日が暮れた中を,車は常盤平団地という古くて巨大な団地の中に入る.あとで知ったことだがこの団地は,いわゆる「ニュータウン」のはしりで1950年代に造成されたそうだ.このあたりはまったく来る機会がないので,土地勘もなーにもない.その常盤平団地の一角にあるのが,今夜の目的地である京懐石料理の〈和楽〉だった.午後6時きっかりに到着.玄関こそ間口が狭いものの,細い路地を通って奥に入って行くというつくりは,京都の町家を模したものだろう.

階段を上がって2階の座敷に通される.すでに到着していた数名の関係者たちと挨拶を交わして,しばし四方山話など.食事をしながら,今後の打合せなど.急転してうまくいきそうな気配の話もあり,それはそれでハッピーなことではないでしょうか.今後ともよろしくお願いいたします.今度お会いできるのはサハリンですか?

それにしても,階下の厨房から運ばれてくる料理がどれもこれも「花籠」みたいに華やかなんですけど.食べるのがもったいない仕上がりなので,目的を外れて写真を撮りまくってしまう.ひとりで厨房を切り盛りしている若い板長さんは,京都の〈吉兆〉で6年間ほど修行したという.運ばれてくるひとつひとつの皿がとても華やかなのは,こういう懐石料理の流派があるということだろうか.どなたか,〈京都吉兆〉に詳しいひと,教えてぇ.

—— 気がつけばもう午後9時半をまわっていたので,これにておしまい.また自動車でつくばまで送り届けてもらって,午後11時前にご帰還とあいなった.

◆本日の総歩数=8394歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=83.8kg(0.0kg)/26.8%(+0.7%).


14 april 2009(火) ※ 不穏な南風が吹きいろいろ動きだす

◆午前5時起床.気温3.8度.明け方は曇っていたが,日が上るとともに青空が広がる.気温は順調に上昇し,午前9時半には19.8度に達した.暖かいというよりも,やや蒸し暑い感じがする.いやな季節の到来を予期させる.

◆朝のこまごま —— トドども狼藉はなはだし.しかし,まずは来週月曜の「農大かもし(第2講)」のための三点セットをさくっと用意した.準備完了./計量生物学会の大会準備関連で,要旨集の印刷という作業が迫りくる.印刷業者に見積もりを出してもらう段どりをする./今日の午後はRP設計検討会があるが,準備というほどのことは何もない.その場で一席ぶってこよう.

◆現代思想〈ダーウィン特集〉別冊届く —— ダーウィン特集のブツが届いた:『現代思想』2009年4月臨時増刊号[Vol. 37, no. 5]『総特集=ダーウィン:『種の起源』 の系統樹』(2009年4月15日刊行,青土社,310 pp., 本体価格1,714円,ISBN:978-4-7917-1195-6 → 目次版元ページ).お,なかなかいい表紙デザインじゃないですか.『現代思想』誌はもともと読者に強靭な「視力」を要求する誌面づくりをしてきましたが,今回の別冊もフォントがとても小さいな.逆にいえば,文字密度が高いので,コストパフォーマンスはかなりいいですよ.損はさせまへんで,とついモミ手してしまう.書店にはもう並んでいるはずですので,ぜひ手にとってみてください.

◆他にも雑誌が届く —— 『総研大ジャーナル・第15号(2009年春)』(2009年3月27日発行,総合研究大学院大学,葉山).いつも送ってもらっている『総研大ジャーナル』の最新号に,〈木村資生が拓いた分子進化学の40年〉という特集が組まれている(→ 特集目次).それ以外にも,『源氏物語』の Textkritik の記事があったりして,なかなか読み応えがある./『科学哲学科学史研究・第3号』(2009年2月28日発行,京都大学文学部科学哲学科学史研究室).大学の一研究室がジャーナルを出すというのはよほどの覚悟がなければできないと思う.ご恵与ありがとうございました.一般論文として:田中泉吏・中尾央「道徳と言語のアナロジー説の批判的検討:感情説との比較を通じて」(pp 1-19)と中尾央「心のモジュール説の新展開:その分析と二重継承説との両立可能性」(pp. 21-38)が掲載されている.備忘メモ:勁草書房から予定されている論集は:松本俊吉(編)『生物学の哲学における論理と倫理』であることを初めて知った(おいっ).そーかそーか.原稿書きます,ごめんなさい.>元締.

◆午後になって雲行きがいよいよあやしくなってきた.西方から兇雲が近づきつつあるようなので,つくばの命運も風前の灯火.

◆設計検討会の午後 —— 午後1時半から,所内RPの設計検討会.要するに今年一年ワタシはこれをやります,という所信表明の会議だ.小課題の担当者ごとに順番に報告していく.RPの「重点化」とか「メンバーやりとり」があって,今年は所内でも共同業務が増えそうな気配.午後3時過ぎまで.ふと外を見たら小雨が降り始めていた.

◆もうあとがありまへん —— 夕方,音羽から電話あり.ずるずると遅れていた現代新書の『分類思考の世界(仮)』はいよいよ6月刊行ということで本決まりになりそうだ.ということは,「日程逆算」での諸事の締切日が決まってくるわけでして,もはや逃げ場はなくなったということか.※この期に及んでまだ逃げるつもりかっ.

◆午後5時過ぎに撤収.小雨がそぼ降る中をとぼとぼ帰る.

◆雨降る夜のささやかな「肉弾戦」 —— 先日のドトーの「肉弾戦」のあと燃え尽きてしまい,しばらく「肉」は禁句となったのだが,のどもと過ぎればなんとやらで,久しぶりの雨の中,すぐ近くにある〈豚右衛門・つくば店〉にご入店.長い間,通勤の行き帰りにその賑わいぶりを横目に見てきたのだが,入ったのは実は今日が初めてだ.

つくばでは割に人気のあるモツ焼き店で,最近,TX研究学園駅のまん前にどでかい〈学園店〉を出すほどに成長したらしいが,そっちはまだ行っていない.今夜はほんの軽くハツとかシロとか網レバとかよくある部位をあぶっただけだった.夏でも客足が途切れない店だが,今日みたいな少し気温の低い夜でも目の前に真っ赤に焼けた七輪が置かれると,すぐさま熱気と油煙の「ガマン大会」の雰囲気が漂う.真夏であればそれはそれはエライことになるだろう.

—— ここのところ,肉の喰い過ぎで健康上まったくよろしくない.深く反省しましょ.

◆夜遅くなって,雨足はしだいに強まってきた.予報通り一晩中降り続くのかもしれない.

◆本日の総歩数=10988歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=83.8kg(−0.1kg)/26.1%(−0.1%).


13 april 2009(月) ※ 半年ぶりに経堂農大通りを往復する

◆午前4時半起床.空には薄い雲がかかり,地表には2〜3メートルの厚さで靄がかかっている.まったく風がない証拠か? 気温はプラス11.2度もある.週末の強風で農林団地の桜はみごとに散りはてていた.これで今年の花見渋滞もおしまいだろう.朝日がのぼるとともに春めく陽気となり,気温がぐんぐん上がってきた.隣りの中央農研センター実験圃場の菜の花畑がむせ返るような濃密な匂いに包まれる.空気まで黄色く染まりそうなほど.

◆今日は半日年休を取っているので,農環研に来る必要はないのだが,午前いっぱいはばたばたしてしまった.大トドの狼藉はなはだしく,火山灰も着実に降り積もっている.しかし,今日は東京農大の講義初日なので,昼前にすべてを放り出して撤収です.

◆昼下がりの暖かな農大通りを下って —— 正午ちょうどの TX 区間快速で秋葉原まで.今日は新宿まわりのコースにしてみた.午後1時半過ぎに経堂着.経堂までの所要時間は千代田線を使ったときとあまりちがいがなさそうだ(乗り換えの歩行距離はかえって長い).やや暑ささえ感じる午後,駅前の農大通りを下っていく.およそ半年ぶりに東京農大・世田谷キャンパスへ.人口密度の高い構内を横切って講師控え室へ直行する.

プレゼン用パソコンを起動して,今日の〈実験データー解析概論〉初回講義のスライドを開こうとしたら,肝心のpdfファイルがない.あわてずさわがず,バックアップ用のUSBメモリーからコピーしてと思って探したら,USBメモリーも忘れてきた.本日はおあとがよろしいようで……(冷汗).まあ,こういうトラブルは今まで何度か経験してきたことだ.今日については前年度のガイダンス・スライドを使って何とかしのぐことにしよう.ま,なくてもいいんですけど.

【本日の教訓】

  1. 文書ファイルの「同期」を忘れないこと
  2. バックアップUSBメモリーを持ち歩くこと
  3. 昔のスライドをみだりにPCから削除しないこと
  4. すっぴんで高座に上がれる心の準備をしておくこと

いきなりのトラブルで目が覚めて,教室に向かう.昨年と同じ教室を今年も割り当てられたので,プレゼン装置の操作にまごつくようなことは何もない.第4限は14:40から始まる.昨年の初回講義では予想を越える130名あまりが集まったので,配布ハンドアウトの数がぜんぜん足りなかった.今年はそれを見越して150部も用意してきたので,足りなくなる事態にはならないだろう.広い教室をざっと見渡したかぎり,去年よりもやや少ない100名あまりの学生がいるようだ.

定刻に講義開始.農大の場合,履修登録は今月末までにすませることになっているので,いまの期間は,選択科目(「実験データー解析概論」も生物応用化学科の選択科目の一つ)を学生はいろいろ見て回って“品定め”をするのだろう.初回は講義全体の見通しと構成について話をしたうえで,「統計学概論」への参道を登りはじめた.Rのデモもあったりして,午後4時前におしまい.提出してもらった出席カードをカウントしたら,全部で「106枚」あった.こんなもんかな.いずれにせよ,初回はお客さんに高座を楽しんでもらえたようで何よりでした.次回もよろしく.

◆春らしい暖かくぼやけた晴天が続く,経堂にたどりついて新宿まわり逆コースでつくばに帰り着いたのは午後6時前だった.

◆ほぼ燃え尽きました —— 音羽からの予告鐘が鳴り響く夕方(そろそろ締切が),しだいに白く燃え尽きていく…….

◆往復車中読書 —— 武石憲貴『世界怪魚釣行記』(2009年4月20日刊行,扶桑社,367 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-594-05923-1 → 版元ページ).第2章まで読了.アフリカのビクトリア湖でのナイルパーチ釣りの話は,映画〈ダーウィンの悪夢〉の基調テーマにもつながる.著者は「宝石のような」シクリッドたちのカラー写真をたくさん載せているが,網羅的にはカラー図鑑:溝入真治・相原光人・岡田典弘(主執筆者)『ヴィクトリア湖南部のシクリッド:種形成の現場』(2008年7月10日刊行,工学図書,vi+273 pp., ISBNなし)を見るのがベストだろう.著者が腕に抱える巨大なナイルパーチの写真は,ティス・ゴールドシュミット著『ダーウィンの箱庭 ヴィクトリア湖』(1999年9月16日刊行,草思社,ISBN:4794208863)の原書:Tijs Goldschmidt『Darwins hofvijver: een drama in het Victoriameer』(1994年刊行,Prometheus,ISBN:90-5333-611-7)の表紙を飾る,2メートルはあろうかという巨大なナイルパーチを抱える現地の子どもの写真と二重写しになる.

◆本日の総歩数=18673歩[うち「しっかり歩数」6625歩/64分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.9kg(+0.1kg)/26.2%(−0.1%).


12 april 2009(日) ※ 暑く長い一日は読んだり読まれたり

◆所用があって午前4時前に半強制的起床.さすがに外はまだ暗い.曇っていて寒くない.ひたち野うしく駅の始発に間に合うようにピストン往復.朝日がのぼるとともに気温は上がってきたが,北寄りの乾いた微風が吹き抜けて快適だ.地表付近だと今日も夏日になるのだろうが,高層階なのでその点は安心できる.本日は外出なしの不健康ハッピー生活を決め込む.

◆新刊・近刊メモ —— 先日まで締切に追われていた『現代思想』のダーウィン特集は14日に配本との連絡があったが,版元ページがすでにできていた:『現代思想』2009年4月臨時増刊号『総特集=ダーウィン:『種の起源』 の系統樹』(2009年4月14日刊行,青土社,本体価格1,714円,ISBN:978-4-7917-1195-6 → 版元ページ).この特集号の目次構成を初めて確認したのだが,読むべきセクションと読まなくてもいいセクションの落差が大きいな./ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ[木村直司編訳]『ゲーテ形態学論集・動物篇』(2009年4月8日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫ケ-6-3],465 pp., 本体価格1,300円,ISBN:978-4-480-09187-1 → 版元ページ).先月出た『ゲーテ形態学論集・植物篇』(2009年3月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫ケ-6-2],465 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-480-09185-7 → 目次版元ページ)の姉妹編.もう書店に並んでいるはずなのでゲットしないと.

◆午後になって吹き抜ける風が強まってきた.砂埃で床がざらざらするのはいやなのでぴたぴたと締め切る.原稿書かないと…….

◆それでもよそ見を —— 武石憲貴『世界怪魚釣行記』(2009年4月20日刊行,扶桑社,367 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-594-05923-1 → 版元ページ).大きいお魚のにぎやかなカラー写真が満載.釣りの趣味はぜんぜんないのだけれど,こういう本は見て楽しもう.著者のサイト〈世界怪魚釣行記(ホーム)〉とブログ〈釣り旅BLOG「世界怪魚釣行記」〉もこれまたにぎやかそうで.

◆昼下がりの読了本 —— 小川糸『喋々喃々』(2009年2月5日刊行,ポプラ社,ISBN:978-4-591-10840-6 → 版元ページ特設ページ).最後の方は登場人物たちのやりとりはどーでもよくなって,シンプルに谷根千エリアの新しいガイドブックとして読ませてもらった.長年この地域に住んだぼくとしては,地域の雰囲気がとてもよく伝えられた一冊ではないかと感じた.固有名詞で指示されるものが「そこにある」というのは,小説でありながら,その実質はノンフィクション的だ.

◆夜になってまたも加圧される —— 本を読んでいるうちに,今度は「読まれる」側になってしまった……(これまた「いじられキャラ」の宿命か).原稿の進捗がはかばかしくないことが判明してしまい,勁草書房の胴元から探針&加圧メールが./Pete Lestrel さんからは6月の形態測定学会議(つくば)のアブストラクト締切が4月17日であるとの連絡メール.※南保くん,まだ間に合います./その他,来週に締切のあるいくつかの事務作業を忘れずにこなすこと.

◆そんなこんなで,とても長い一日が終わっていった.

◆本日の総歩数=1947歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜△.計測値(前回比)=83.8kg(−0.4kg)/26.3%(+0.1%).


11 april 2009(土) ※ 強風に煽られ土埃と花粉が来襲する

◆午前5時半起床.晴れ.朝から気温が高い.北寄りの乾いた風が通り抜ける.最初のうちは心地よかったのだが,しだいに吹き方が強くなってきて,室内のいろいろなものが吹き飛ばされる事態になる.遠景の山並みが茶色くぼやけているので,そこかしこで土煙が立っているのだろう.乾燥しきったこの時期にはそういうことがよくある.鼻センサーが久しぶりに起動しはじめているが,今頃の花粉源はいったいどの樹からのものだろうか.日射しは強く,紫外線が降り注いでいる感じがする.突然変異しそう.

◆19世紀「ドイツ生物学」の風景 —— Lynn Nyhart の最新刊が届いた:Lynn K. Nyhart『Modern Nature: The Rise of the Biological Perspective in Germany』(2009年4月刊行, The University of Chicago Press, Chicago, xiv+423 pp., ISBN:978-0-226-61089-4 [hbk] → 目次版元ページ).19世紀後半のドイツにおける博物学の伝統と新興の生態学・生物地理学について考察した新刊.社会・学校・学会・博物館などいくつかの「場」を足がかりにして,生物学の知識がどのように浸透していったかを論じている.進化学ではなく,生態学・生物地理学という視点の当て方が新鮮かもしれない.

15年前にこの著者はドイツ形態学史の大著を出版している:Lynn K. Nyhart 『Biology Takes Form: Animal Morphology and the German Universities, 1800-1900』 (1995年10月刊行,The University of Chicago Press[Series: Science and Its Conceptual Foundations], Chicago, xiv+414pp., ISBN:0-226-61086-1 [hbk] / ISBN:0-226-61088-8 [pbk] → 目次版元ページ).本書は,ダーウィン進化論がドイツに上陸したあとの,19世紀後半における進化形態学を支えた Carl Gegnbaur や Ernst Haeckel を中心とする研究者コミュニティの人的ネットワークを分析している.

◆午後になっても北寄りの風が吹き荒れて,室内が砂埃でざらざらになってしまった.こんなに空気が乾いてしまうと鼻やのどの調子も悪くなるはずだ.

◆連日の「肉弾戦」にともなう不摂生で,すっかり滞っている原稿仕事に気持ちを向けてみる.ごめんなさいごめんなさい.

◆本日の総歩数=3910歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜△.計測値(前回比)=84.2kg(+0.8kg)/26.2%(−0.7%).


10 april 2009(金) ※ 気の早い夏日に散り急ぐ桜吹雪の夜

◆寝たか寝ないかよくわからないうちに,外が白んできて午前5時前にのろのろ起床.何でまたこんな「別宅」に泊まることになったのか.変な寝方をしてしまったせいでからだの節々が痛い.今後こういうことがあると困るので,この隠れ部屋にもう少し宿泊設備を整えて置いた方がいいだろう.

◆午前5時過ぎに出発.外はよく晴れて気温は高め.こんな早朝だと東大農学部は正門も通用門もしっかり閉鎖されている.グラウンドを回り込み,地震研のゲートから外界に抜け出て千駄木方面へ向かう.〈つつじ祭り〉がもう始まっている(でもまだ咲いてなさそうだが)根津神社を横目に,日本医大前の坂道を降りて不忍通りに出る.千駄木から地下に入り,うらみの北千住駅から5:56発のつくば行きTX普通列車に乗り,つくばにたどり着いたのは午前7時前だった.晴れて日射しは強いが,乾いた南風が涼しい.

◆今日は平日なので,そこはかとない疲労を背後に重く引きずったまま農環研へ.晴れて気温は高く,午前9時にはすでに19.1度もあった.しだいに南風が強くなってきて,農林団地の桜並木もこれまでの満開絶好調から桜吹雪へとステージが移行しつつあるようだ.そういえば,〈来福〉の「さくら酵母使用純米生原酒」も季節感としては今がちょうど旬の日本酒.あるときに買っておこう.飲む機会があったらハッピーということで(たがみ酒店にはありました).

◆午前のこまごま —— 今年度の非常勤出講を予定しているいくつかの大学・大学院から「辞令」とともに,講義の「便覧」のたぐいがどさっと届き始める.どの大学も便覧が年ごとに着実に厚くなっているので,場所をとってしかたがない.とりあえず積み上げておくしかないな./便覧が届くということは,講義の開講が近づいてきたということ.まずは来週月曜からはじまる東京農大(世田谷)での初回講義のしたくをしないといけない.コンテンツはもう用意できているので,配布用のハンドアウトと出席票を「150人分」用意する.昨年の初回が130名ほど集まったので,今年も念のため十分な枚数を持参しないといけない.

◆午後2時.初夏の陽気で,南風が吹き荒れる.吹き上がった風に乗って桜の花びらが乱舞する.気温は24.7度.ほぼ夏日ということ.

◆久しぶりの経堂・農大通り —— 農環研を早めに撤収して,東京に向かう.今日は夕方から東京農大の世田谷キャンパスで,生物応用化学科の教員懇談会がある.年度はじめのイベントの一つで,専任教員と非常勤教員の顔合わせだ.午後4時半に小田急・経堂に到着.半年ぶりに駅前の農大通りを下る.昨年と同じく,農大に隣接する〈グリーンアカデミーホール〉という建物が会場だ.ここ世田谷では,桜がほぼ散り終え,葉桜のステージに入ろうとしていた.午後5時少し前にホールに入り,3階の会議室に入る.5時から1時間あまりは,教員どうしの自己紹介と情報交換など.在籍している学生たちのプロフィールについても.

午後6時からは同じホールの1階レストランにて懇親会だ.参加者はあわせて30名あまり.ぼくの担当する〈実験データー解析概論〉は昨年から新設された科目で,今年が2年めになる.来週早々の初回講義に一体何人の学生が集まり,そのうち履修登録をする人数がどれくらいかが気になるところ.パエリャやローストビーフ,煮込みなど,とてもいい料理がたくさん並んだのでつい写真を撮ってしまう.しかし,長居はせず,午後7時過ぎに早めに退出し,経堂への帰路についた.昨夜の「肉弾戦」と半強制的な別宅宿泊がずーんと響いているらしく,そろそろ体力と気力の限界だ.

◆午後8時前に経堂を出る小田急の各停に乗って,代々木上原から北千住経由でつくばへ.健康的に午後9時半につくばセンター広場に出る.空はよく晴れて満月が中天で笑っていた.床ではなく,ベッドに寝られるシアワセ.

◆往復車中読書 —— 久しぶりに続きを読み進む:Elliott Sober『Evidence and Evolution: The Logic Behind the Science』(2008年4月21日刊行,Cambridge University Press,Cambridge,xx + 392 pp.,ISBN:978-0-521-87188-4 [hbk] / ISBN:978-0-521-69274-8 [pbk] → 目次著者サイト正誤表[pdf]).1.3「Likelihoodism」.ここのところ,ほかのたくさんの本に囲まれて,蕎麦本はすっかりご無沙汰になっていた.頑張って読み進みましょう./小川糸『喋々喃々』(2009年2月5日刊行,ポプラ社,ISBN:978-4-591-10840-6 → 版元ページ特設ページ).よくものを喰う登場人物たちではなく,むしろ物語の背景である「谷根千エリア」の街並みとか固有名詞の方が気になるな.

◆本日の総歩数=17649歩[うち「しっかり歩数」6244歩/55分].全コース×|×.朝○|昼−|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


9 april 2009(木) ※ あちこち動き回って最後はレバ三昧

◆午前3時半起床.西の空に赤みがかった満月が浮かんでいた.気温プラス8.0度.午前5時半には6.1度まで下がった.日中の暑さとのちがいがとても大きい.今日もよく晴れわたるようだ.

◆朝からばたばた —— 朝イチで慌ただしいことこの上ない.午前中から夏日のような暑さになった.正午の気温は22.2度,午後2時には23.0度,さらに午後3時には23.4度にまで上昇.もう半袖しかないでしょ.

◆いただきもの(酒井さん,感謝!) —— 酒井泰斗・浦野 茂・前田泰樹・中村和生(編)『概念分析の社会学:社会的経験と人間の科学』(2009年4月25日刊行,ナカニシヤ出版,京都,xii+276 pp.,本体価格2,800円,ISBN:978-4-7795-0314-6 → 版元サイトコンパニオンサイト).タイトルを見ただけでは内容がぜんぜん予想できないが,「社会」,「人種」,「疾病」,「自由」など,いくつかの(ややばらけた感のある)概念群に関する“エスノメソドロジー的概念分析”の論文集. Non-statistician としての Ian Hacking はちゃんと読まないとダメですか?

◆夕方のばたばた —— 東大農学部にたどりついたのは午後5時過ぎだった.昼間の暑さがまだ残っていて気温はぜんぜん下がっていない.今日は,専攻の進学生歓迎パーティが午後6時から開催される.お供え物として茨城のお酒をば:石岡の蔵元〈府中誉〉の季節限定「太平海」と,常陸太田の蔵元〈松盛〉のそれぞれ四合瓶を.エンドレスにエンジョイ!

夜の「肉」の宴 —— ここのところ,ありとあらゆる「肉」を喰う日々が続いているが,今夜はそのクライマックスだ.今日のメインは,誰が何と言おうが〈レバ刺〉しかない.新鮮この上ない「肝臓」をたくさんいただきましょう.

今日はお馬さんの肝臓と親牛の肝臓があった.まぐろの刺身のように大きく切られたレバーは存在感がありまくる.ごま油とつぶし岩塩を混ぜて「タレ」にしていただくというのも初めての経験だ.

「レバ刺し」だけではなく,表面に焦げ目をつけた「レバたたき」も食欲をそそる.牛モツの煮込みもあれば,地鶏のローストも並ぶ.飲み物は,もちろんビールに始まり,その後,焼酎に移行する.この「オジサン的飲酒スタイル」が,ものすごく不健康で,とてもいいですねえ.

アルコール摂取量がしだいに上がるとともに,「肉」の大量摂取は途切れることなく延々と続く.宴会の終盤近く,レバーがどんと乗っかったにぎり寿司やら,もっと大ぶりの肉を背負った寿司が満を持して登場したのだが,とても一口では食べきれませんがな.このジャンボさはすばらしいなあ.

タンパク質と炭水化物のダブルパンチでそろそろダウンかと思われたが,そこは百戦錬磨のつわものが集まっているので,なかなかタオルは投げ込まれない.芋焼酎と麦焼酎が何本か空っぽになって横たわり,各人の酩酊度は単調増加する.いったいどんだけ飲むんですか?

午後10時を過ぎて,しだいに人口密度が減りはじめた.エンディングを宣言する「子牛のサンドイッチ」が運ばれてきたときには,午後10時半をかなり過ぎていた.ワタシ,今夜のうちにつくばに帰りたいんですけど…….千代田線に乗り,じたばたと北千住へ向かってみる.しかし,何だかよくわからないトラブルで運行遅延.終わった…….

この時点でTXの終電に間に合う可能性は完全にゼロになってしまった.ワタクシの日頃の行ないがどこかワルかったんでしょーか.

—— 足取り重くとぼとぼと根津の坂を上がって深夜の東大農学部キャンパスにもどる.7号館上階の学生部屋はすでに不夜城の「解放区」と化していた…….とぼとぼと離れた真っ暗な隠れ部屋にたどりつき,真夜中の魑魅魍魎どもとともに,ここでほとんど野宿のごとく夜を明かすことになった.※諸般の不可避的事情で東大に泊まるときはたいていこういうことなるんですけど.はぁ…….

◆本日の総歩数=26010歩[うち「しっかり歩数」6652歩/66分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=85.0kg(+0.5kg)/27.3%(+0.1%).


8 april 2009(水) ※ お花見渋滞の農林団地は移動不自由

◆午前5時前に起床する.昨夜の大食がボディーブローのように効いている.食欲ぜんぜんありません.春霞の早朝.気温プラス6.8度.その後,春の日射しが降り注ぐ.午前9時前の気温は14.7度.きのうと同じく暖かい.

◆メモクリップ —— shorebirdさんによる「日本生物地理学会参加日誌2009」(その1その2).詳細な報告をしていただき,どうもありがとうございました.第二日目のシンポジウムで論議された【種】問題について,とくに最後の討論の時間に問題になった論点をふたつ挙げておきます.

直海俊一郎さんとのやりとりでの対立点は,系統樹という「連続的」な系譜の総体があるときに,どのようにあがいてもしょせんは「離散的」な【種】をもちこみたいというそもそもの動機が矛盾的だろうとぼくは指摘しました.系統樹は祖先子孫関係による由来のつながりを表示します(その由来が単一遺伝子の由来なのか,もっと高次の系譜なのかは問いません).系統樹に基づく【種】の切り出しは誰もが考えつくことでしょうし,実際 phylogenetic nomenclature を目指すとき,それぞれの「枝」に名前をつけるというのはリーズナブルな方針だろうと考えます.

しかし,それはしょせん「連続体の離散化」にすぎませんから,せいぜい“ナチュラル”な切り分けができるかどうかの問題でしょう.たとえば,厳密に分岐学的な切り分けをするならば,任意の内部枝を除去して得られる部分木はクレード(単系統群)ですから,それをひとつずつ命名していけば Willi Hennig が目指した系統学的体系が達成できるはずです.もちろん,そういう分類体系がヒトとしての認知特性に即した“ナチュラルさ”をもつかどうかは別問題ですが.

直海さんは,進化する系譜としての「枝」が満たす諸属性(生殖隔離など)によって,「ヒトの認知とは独立に自然界に実在」する「リアルな種」が認識できると主張します.しかし,個々の枝(lineage)がどのような生物学的属性を満たそうが,それは系統樹という「全体」にとっての「部分」であるという構造的制約から自由になるわけではありません.系統樹が最低限伝達する年代記(クロニクル)としての情報に上乗せするかたちで,付加的な諸属性に関する情報が得られるならば,歴史(ヒストリー)としての仮説をつくることは確かに可能でしょう.しかし,こうして得られた歴史のもつ“リアル”さは「物語」としての説得力の強さにすぎません.

歴史の「物語」がいくらヴィヴィッドに描き出されたからといって,存在としての【種】の実在性が保証されるわけではないはずです.この点で,直海さんの言う「リアルな種」の追究は「幻」に終わるだろうとぼくは考えます.そういう研究プログラムが非生産的であるという意味ではありません.そういう考察を通して得られる結論は,系統樹の「歴史」の一部をより詳細に復元しているだけで,「連続から離散の切り出し」という形而上学的問題を解決する能力はもともとないということです.

小野山敬一さんとのディスカッションの方は,もっと根本的な話で,同時により反論しやすいものですね.系統関係が仮説にすぎないから,そういうものをよりどころにして分類を論じるのはダメだというのが,小野山さんの基本スタンスだとぼくは理解しています.ありていにいえば,1940年代から1950年代にかけての「現代的総合」の裏側で闘わされた「分類 vs. 系統」の論争の再現ですので(いわば「Richard E. Blackwelder」を相手にしているようなもの),系統関係が祖先子孫関係という「由来」の仮説として意味があるという点を認めるか認めないかだけの話になります.ぼくはそれを認めます;小野山さんはそれを認めません.ハイ,おしまい.シンプルな対立図式なのでこれ以上の議論はまったく深まる期待がもてません.

◆正午の気温は19.3度.午後1時には20.0度になった.よく晴れてぽかぽかしている.構内道路は花見渋滞にちがいない.食欲もどらず.断食かい? 〈davidpain〉のお菓子をちょっとつまんでみる.

◆本を買い損ねてはいけません —— カルロ・ギンズブルグ[竹山博英訳]『神話・寓意・徴候』(1988年10月刊行,せりか書房,ISBN:4-7967-0156-7).せりか書房からはギンズブルグの本がこれまで4冊出ている.本書は20年も前に出ていた.当時うっかり買い損ねてしまったので,いま調べてみたら古書価格がかなり高騰しているようだ.原書は手元にあったりする:Carlo Ginzburg『Miti, emblemi, spie: Morfologia e storia』(1986年刊行, Giulio Einaudi editore [Piccola Biblioteca Einaudi 567], Torino, xviii + 251 pp., ISBN:88-06-12896-5 → 目次).

◆昼下がりのこまごま —— 所内の業績評価に関わる個人面談.まだ働きが足りないだろうとのことで,足元がややよろめく.領域会議にちゃんと出ること./業績報告書と業績評価票を修正の上メール返信完了./もうひとつのタスクが上積みされる.農環研の「なかのひと」のための統計[R]講座は来月から毎月一回一年間実施されるらしい.もちろん「噺家」のひとりとして動員されてます./来週火曜のRP設計会議のための研究計画書を提出完了.

◆午後4時半に撤収する.農林団地の桜が見頃だとの地元の新聞報道があったせいか,花見客の混みようはさらに激しくなって,とくに帰宅時間と重なる午後4時〜5時の時間帯は構内道路はぴくりとも動かないらしい.抜け道利用の日は続く.

◆帰宅後,Carlo Ginzburg『Miti, emblemi, spie: Morfologia e storia』(1986年刊行, Giulio Einaudi editore [Piccola Biblioteca Einaudi 567], Torino, xviii + 251 pp., ISBN:88-06-12896-5 → 目次)を眺め読み.とくに,長大な章「Spie: Radici di un paradigma indiziario」(pp. 158-209)では,「spie(証跡)」をキーワードとして,断片的知見からのメトニミー的復元の研究方法〈un paradigma indiziario〉のルーツを論じている.並行して読んでいる:上村忠男『現代イタリアの思想をよむ−増補新版 クリオの手鏡』(2009年3月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー665],482 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-582-76665-3 → 目次版元ページ)の中の章「カルロ・ギンズブルグと民衆文化史の可能性」(pp. 239-274)では,この研究方法を〈徴候解読型パラダイム〉という訳語を当てている.「Spie」の章のある脚註では C. S. Peirce の「abduttiva」(p. 198, note 38)な推論様式とのつながりが指摘されている.

それにしても,この「Spie」での論議は,以前(→2009年2月8日の日録)読んだ彼の論文:Carlo Ginzburg (2004), Family resemblances and family trees: two cognitive metaphors. Critical Inquiry, 30: 537-556 の母体になっているようだ.備忘メモ:Sevastiano Timpanaro 1963年に Karl Lachmann の比較文献学法(cladistics の先駆)についての著書を書いているが,同じ著者が1974年に Sigmund Freud の精神分析理論は Lachmann の本文批判法の延長だという本を出しているらしい.Ginzburg の参照本のひとつ.

◆本日の総歩数=8768歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.計測値(前回比)=85.0kg(+0.5kg)/27.3%(+0.1%).


7 april 2009(火) ※ 更生しつつも迎撃の夜は更けてゆく

◆午前4時起床.まっとうな起床時刻だ.晴れ.気温7.4度.今日からは,まじめに「火山灰」のお掃除と「トド」撃ちを再会しないといけない.来週からは農大の生物統計学講義が世田谷で始まる.その資料づくりは一両日中にすませよう.RP設計会議の資料も忘れずに.受診箱には未処理メールがあふれているし…….

◆夜明け前の農環研に入り込もうとして,今日から「入館カード」をかざさないかぎり締め出されることを思い出した.多くの農環研職員は首からひもでぶら下げて真っ白なカオナシ入館カードを持ち歩くにちがいない.しかし,ぼくの場合は常時リュックサックと“一心同体”なので,入館カードはリュックサックの外ポケットに差し込むようにしている.だから,リュックサックを背負ったままカードリーダーに接近するだけで,「ピッ」と認証されて立ち止まることなく開門される.高速道の「ETC」みたいなもんですな.

◆研究室の「奈落の底」 —— ぼくの居室に林立する本棚の後ろ側には「奈落」がいくつか口を開けている.地震で揺れたりしてこの奈落に崩落していった本たちは二度と這い上がることはできない.もちろん手前の本棚を大移動してすき間をつくれば救出できないわけではない.しかし,それに要する多大な時間と作業量を考えると,いったん奈落に落ちた本はそのまま静かにその場で時を刻んでいただく方がいいのかもしれない.今朝も本棚からまた一冊が奈落の底に落ちてしまった.せっかくいただいたのに申し訳ないと思い,しばらく救出作業に時間を費やしたのだが,奈落の絶妙な位置にはまり込んでしまいどうにも手が届かない.これは無理かもと判断しこの日の救出を打ち切った.本棚の上からのぞき込むと3メートルほど下の暗闇の床に横たわっているのがよく見える.現代の「宿命的病い」よりも,こういう「不慮の事故」で予期せず奈落に沈むこともあるのだ.

◆こういう事態を察知したかのように続刊が届いた —— NHK「病の起源」取材班(編著)『NHKスペシャル・病の起源(2)』 (2009年3月25日刊行, 日本放送出版協会, 134 pp., 本体価格1,300円, ISBN:978-4-14-081341-6 → 版元ページ).届いたばかりの第2巻では,「読字障害」・「糖尿病」・「アレルギー」という現代病が特集の三本柱となっている.

今朝あえなく奈落の底に消えていったのは,先月出たシリーズ第1巻:NHK「病の起源」取材班(編著) 『NHKスペシャル・病の起源(1)』(2009年2月25日刊行, 日本放送出版協会, 142 pp., 本体価格1,300円, ISBN:978-4-14-081340-9 → 版元ページ)で,「睡眠時無呼吸症」・「骨と皮膚の病」・「腰痛」がテーマだった.

—— 奈落の底に横たわる第1巻ですが,すでに読了したあとだったことは不幸中の幸いでした.献本,いつもどうもありがとうございます.原稿書きます…….

朝から春らしい霞んだ晴天が広がり,農林団地は花見客で昨日以上の混雑だった.午前11時.気温は17.9度.農林団地の研究所群の「一般公開」はその年の桜の開花状況に合わせて弾力的日程で実施すればもっと集客力があるのではといつも思う.正午の気温は19.4度になった.桜のピンクと菜の花の黄色が鮮やかなコントラストを見せる.

◆午後のこまごま —— メーリングリスト関連の「火山灰」雑用を吹き払う.年度の変わり目はことのほか“フォールアウト”が多い(放射性はないけど)./兼業申請書の書き直し,昨年つくったものを日付だけ変えて提出したら,人事から「勤務時間が15分/日だけ短縮されているので再提出」との教育的指導を受けた.単純ミスでもう一回やりなおし./4月22日(水)の東大での専攻教員会議の前の昼休みに新任教員の歓迎会をやるとのこと.専攻ごとの“民俗”のちがいを感じる./同じ22日(水)の夕方かまたは26日(日)に会食の予定が入りそう(柏にて).※結局15日(水)になりそう./新年度の「農大三点セット」をつくりはじめる.初回講義のスライドはさくっと完了.ハンドアウトもOK.出席票も作成した.明日,コピーをつくってもらおう.

◆夜の〈笠真〉は「肉弾」迎撃戦 —— 16時半に撤収する.農林団地内の道路は大渋滞中だったので,稲荷川沿いの脇道から国道408号に抜け出る.

いったん帰宅後,午後7時前に自転車をころがして苅間の〈笠真〉に到着する.ikushimoさんもほぼ同時にこれまた自転車で到着した.続いて,初めて見るネクタイ姿の panda さんが,やはり自転車でやってきた.最後のひとりのT樹さんがいつまで待っても来なかったが,定刻の7時をだいぶ過ぎて自転車でたどりついた.だいぶ迷ったらしい.暖簾も出てないし,看板も点いていない.知らない人はやっぱり通り過ぎますって.

全員そろったので迎撃宴会の開始.まずは〈大山Gビール〉の軽めの「ピルスナー」で乾杯.今までは「あんこう鍋」がメインのことが多かったが,今夜は一転して「常陸牛しゃぶしゃぶ」から始まる.ついでにラム肉のしゃぶしゃぶもついている.テーブルの上は800グラムの牛肉と400グラムのラム肉.そして付け合わせの大量の青菜(クレソン,春菊,長ネギ,シイタケなど)で“山”ができている.最初は,こんなにたくさん食べられるのかとたじろいだが,食べはじめてみるとコワイほど摂取されて,“山”の高さが急速に低くなっていった.続いて,同じく〈大山Gビール〉のアルコール度数9%もある茶褐色の「Barley Wine」に進む.いつもなら,早い段階で日本酒ステージに突入しているのだが,今夜は大量の食べ物があるので,進行パターンがちがうぞ.

宴は進む.日本酒の皮切りはいつもの〈村祐〉から.次いで,〈文佳人〉の「宇宙酒」(ラベルが宇宙人,酵母も宇宙帰り).そして,花見の季節にぴったりの〈来福〉の「さくら酵母使用純米生原酒」.桜花がちらばるラベル,瓶のガラスも桜色だ.今月下旬にチクナミ大学から発売されるという「桐花」から分離した酵母をつかった日本酒の味見もちょびっと試飲させてもらった(蔵元の来福酒造さんがたまたま来店されたので).最後は〈十四代〉でしめました.

「牛」と「羊」のつぎは,「馬」だ.まるでレバーのように軟らかい会津馬刺200グラムが運ばれてきた.お馬さん,ありがとう.さらに,「鶏」の一品,那須地鶏酒蒸しが大皿に盛られて登場(鶏肉400グラム).さらにさらに「常陸牛赤身刺」100グラムまでいただいてしまった.週末の池袋異界での「犬」と「豚」の宴に続いて,今夜はさらなる「肉の宴」となった.これだけまとめて肉類を摂取したのは久しぶりのことかもしれない.おそらく4人で2キログラムもの肉を食べ尽くしたのではないだろうか? [追記:〈笠真〉さんに「肉」の正確な量を確認しました(9 April 2009)]

—— 午後10時半に健康的にお開きとなった.主賓のikushimoさんは,まだ元研究室の後始末がすんでいないとのことで,週末にはまた仙台に戻るらしい.おつかれさまです.また機会を見つけてやりましょう(迎撃スクランブルは一度とはかぎらない).〈笠真〉を出てから,それぞれ自転車を転がして帰っていったが,無事に帰宅できただろうか.

◆当分の間,「肉」というものを食べたくないな…….※しかし,そうも言ってられない事情が…….

◆本日の総歩数=11618歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.5kg(+0.6kg)/27.2%(+0.5%).


6 april 2009(月) ※ 宴の翌日は真っ白に燃え尽きて花見

◆昨夜の「池袋異界」での宴が尾を引いたせいか,今日って平日なのにまったく調子が出ない.またもや「灰」と化してしまったか.外は初夏のような雲が湧き立ち,気温はするすると上昇.正午には19.1度に達した.午後は20度を越えるにちがいない.

◆農林団地お花見のにぎわいはクライマックス —— 池袋に詰めていた先週末も天気がよかったせいか,農林団地の桜並木は順調に開花が進んでいて,筑波事務所の郵便局に出かけた昼休みは,構内道路といい駐車場といい人と車であふれていた.事務所の築山のそこかしこでシートを広げてお弁当という花見客が多数.今週がもっとも見頃の時期だろう.

◆平日のこまごま —— 外はお花見に浮かれていても,居室にもどればトドどもがのたうっている:計量生物学会大会(5月20日〜22日,大阪大学・吹田キャンパス)の講演要旨の印刷をまかされているので,いくつかの印刷業者に見積もりを出してもらうことにしよう./RP設計会議の事前レポートは4月10日(金)が締切./「灰」のPCに「火山灰」がまたうっすらと堆積しはじめた.さくさく掃除しないと./ソーバー訳本の注文が2件舞い込んだ.ありがとうございます.一両日中に発送します.

◆春風に「灰」は吹き散らされて,午後4時にさくっと撤収する.気温17.6度.農林団地花見客の流れはちっともとぎれない.

◆緊急迎撃スクランブル! —— この4月から筑波大学に進撃してきた ikushimo さんより「迎撃されたい」というメールが届いたので,関係諸方面にメールをして,ささっと迎撃の宴を開くことになった.インフルエンザやら夜なべ仕事やらで,ここ一ヶ月ほどご無沙汰している〈笠真〉にて,明日7日(火)午後7時から.予約はすでに完了しました.ついでに,琉球大から北上した panda さんに声をかけ,そのつながりで国環研のgoka鵜匠のところに京都からやってきたtmngさんも拉致することになった.ikushimoさんつながりでは,飛ぶ鳥を落とす産総研・某チームのT樹さんも参加OKとのこと(京都つながりですな).ということで,明日は〈笠真〉にて春らしい日本酒の数々をいただくことになる.肴として出されるのは,お馬さんかなあ,それとも牛さんかなあ.もし迎撃にぜひ参戦したいという方がおられましたら,ワタクシまで至急メールしてください.まだ人数は確定させていませんので.

◆そんなこんなで「灰」は夜になってしだいに元の「人」のかたちをなすようになってきた.

◆本日の総歩数=8325歩[うち「しっかり歩数」3072歩/28分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.9kg(−0.2kg)/26.7%(−0.6%).


5 april 2009(日) ※ 再び池袋にて【種】に罹り犬を喰う

◆午前零時前に農環研に着いた.雨はもう止んでいて,今夜も朧月夜だ.気温はプラス10.6度もある.ぜんぜん寒くない.

◆深夜のスライドづくりはなお続く —— 何夜もこういう生活リズムが続くのはよろしくないのだが,それも[とりあえずは]今夜でおしまいになる.スライドを新作したり,他のトークから借用して編集したり,というエンドレス作業が午前2時過ぎまで続く.その後,丑三つ時の1時間ほど床で仮眠した(いったい何やってんだか……).午前4時前に活動再開.午前5時半にスライドは完成し,ハンドアウトを印刷した.

◆夜中のメモ書き —— 上村忠男『現代イタリアの思想をよむ−増補新版 クリオの手鏡』(2009年3月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー665],482 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-582-76665-3 → 目次版元ページ)のポイントをば.スライドに引用したくだりをメモしておこう.まずはじめに,「分類」という行為に関するベネデット・クローチェの発言(1894年)から:

たとえば,動物学はこの猫とかあの馬というように個々の事実を扱うのではなく,ネコおよびウマという〔類としての〕事実を扱うのである.それは動物の国のもろもろの個体を種と類に系統化することによって,事物の分類とその本性の探究のための端緒を与えるのであって,これを他の諸科学はさらに進めて,動物の諸種から動物なるものの概念にまで,そしてこれから生物といういっそう一般的な概念にまでさかのぼっていく.(pp. 80-81)

次に,断片的データからの「アブダクション」に関するカルロ・ギンズブルグの積極的評価について(1979年):

何千年ものあいだ,人間は猟師であった.数限りなく追跡を繰り返すなかで,かれは姿の見えない獲物の形姿と動きを,泥土に残された足跡,折れた木の枝,糞の玉,一房の頭の毛,引っかかって落ちた羽根,消えずに漂っている臭いなどから復元するすべを習得してきた.この〔狩猟型の〕知を特色づけているのは,一見したところでは取るに足りないように見える実地の経験に基づくデータから,直接には経験することのできないひとつの総体的な現実にまでさかのぼっていくことのできる能力である.(pp. 263-264)

物語という観念自体,猟師たちの社会のなかで,痕跡の解読の経験をつうじて初めて生まれたのであった.今日でもなお狩猟型解読の言語が立脚している比喩 —— 部分と全体,結果と原因 —— がいずれも換喩〔メトニミー〕という散文軸にまとめることのできるものばかりであって,隠喩〔メタファー〕を厳しく排斥しているという事実は,この仮説を裏付けてくれるのではなかろうか.猟師こそは「ストーリーを物語る」ことをした最初の者であったにちがいないのである.(p. 264)

—— 出会いの幸運を喜ぶべし.アブダクションによる推論を「メトニミー」と言ってくれたのはとてもありがたい.

◆午前6時半に帰宅.明け方に気温が下がったせいか,この季節にはめずらしい濃霧で車道の視界が閉ざされていた.その後,しだいに青空が広がってきた.8:02発のTX区間快速で池袋に向かう.午前9時過ぎには池袋駅前ロータリーを歩いていた.薄曇りだが暖かい.昨日の人の波がうそだったように,今日の立教大キャンパスは静けさが支配している.花見をしながら大会会場に向かう.

◆【種】をめぐるプロレス興行ふたたび —— 今日の大会シンポジウム〈“種”をめぐる諸問題:錯綜する論争と解決への道筋〉がぼくにとっての本務なので,ここ数日ほかのいろいろなものを放り出し,生活リズムを変更して支度してきた.午前10時から昼休みをはさんで午後2時半までの長丁場だ.【種】の概念的問題と実践的問題がいろいろな事例を通して聞けたのはよかった.とくに,今年の学会賞を受賞した久保田耕平さんが講演したコルリクワガタの「分類問題」では,分類学者は「目に見えるちがいのみを信じる」傾向があると指摘していた.分類学者の行動特性を調べた Peter F. Stevens らによる1990年代の研究を見ると,確かにそうなのかもしれない.

続く総合討論では「小野山敬一 vs. 直海俊一郎 vs. 三中信宏」のバトルが長く続いた.結果は“We agree to disagree”といういつもの安定平衡点に収束したと思う.その意味で【種】をめぐる概念論争は結果の見えない息をのむようなストリートファイトではなく,安心して観戦できる(しかしオーディエンスが自由にリングにあがるのは躊躇する)プロレス興行だとぼくは思う.関係者のみなさん,たいへんお疲れさまでした.

—— 午後3時からはミニシンポジウムで,立教大学の香山リカさんと神野直彦さんのトーク.午後6時半にすべての予定は終わり,年次大会は無事に終了した.そうそう,行商にもって行ったカマジン本は5冊ともすべて売れてしまった.ありがたやありがたや.

◆大会から異界への行進 —— 大会会場のリセッティングを終えたのち,大会運営のアルバイトをしてくれた立教大学上田研究室の学生さんたちと,久しぶりにJR池袋駅北口にある中国延辺料理〈金王府〉の異界に沈むことになった.オモテの懇親会(博多もつ鍋店でやっているはず)とは別の「ウラ懇親会」としての異界に降りることにした.学生さんたちの話では,池袋に毎日通っていても「北口エリア」に立ち寄ることはほとんどないとのこと.やや新大久保的な「異国」とみなされているのかもしれない.

昨年の初夏に初めてここに来たとき(→ 2008年6月16日)は完全にノックアウトされてしまったが,二度目ともなれば落ち着いて観察することができる.この店の「公用語」はやはり中国語で,店員も客も完璧に「中国」していた.まことに残念なことに,驚愕のトサカ付き鶏頭の煮物はなかった.おかみさんの言うには,「ゴメン,もう“首”がなくなって」とのこと.アレを注文する客が意外にも多いのだろうか.

しかし,ボリュームたっぷりの豚の脊椎骨の煮物がテーブルに盛り上がり(ビニール手袋つき),ある人々にとっては罪深い行為とみなされる「犬」の肉も十分に堪能できた.みんなの評価では,犬肉は炒めて出すよりも,むしろ「犬鍋」にした方がいいのではないかとのこと.メニューには確かに「犬鍋」が載っているのだが,これだけ値段が突出して高く「4,800円」もする.おそらく大量の犬肉がどっさり出てくるのではと思い,今回はやめておいた(次回はトライしよう).

その他,ホネむき出しの豚足とか,牛の食道のとんがらし炒めとかいろいろとたくさん食べた.アルコールは紹興酒から始まって,あとは強烈なエステル臭のただよう38度の壷入り白酒〈孔府家酒〉とか〈金六福〉とか,よくもこんなにというほど飲み続ける.それでも午後10時過ぎには健康的にお開きとなった.つくばに帰り着いたのは午後11時半.連日のめちゃめちゃな生活が祟ったのか,日が変わらないうちに沈没した(ようだ).

◆原稿執筆やら講演準備やらで「非日常」が続いてしまったが,明日からはこーいう春休みも終わりとなり,正しい「日常」がもどってくる.

◆本日の総歩数=13047歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.1kg(−0.1kg)/27.3%(+0.8%).


4 april 2009(土) ※ 春めくセント・ポールズで年次大会

◆今夜も午前零時過ぎに農環研に実在している.朧月夜の農林団地に真夜中の花見客がちらほらと.なんとまあ酔狂なことで.気温はプラス7.1度で寒くないからいいのだが.

◆深夜の高座したく —— しかし,こっちはそれどころではない.夜なべ原稿書きが終わったのに,今度は講演準備だ.真夜中に【種】のスライドをつくるのは精神衛生上よろしくない.丑三つ時にあっちこっちのアヤシい図像を引きずり出してくる.魑魅魍魎がごそごそする.午前3時過ぎから2時間ほど憑かれて意識を失ってしまったようだ.午前5時半にあわてて起床.さらに準備を進めるものの,ケリはつかない.プレゼン用機材一式と行商用カマジン本数冊を抱えて,午前6時過ぎに帰宅する.気温プラス6.2度で冷え込みはない.

◆池袋に向かう朝 —— 8:28のTX快速で東京に出る.池袋に降り立ったのは午前9時半.立教大学に向かう西口地下道にたくさんのショップやレストランが新規開店していた.地上に出ると春の日射しが暖かい.新入生でにぎわう立教大学キャンパスは,予想通り桜が満開で,オリエンテーションに向かう学生やら親たちでたいへんな混雑だ.日本生物地理学会第64回大会の看板やポスターが,林立するおびただしい数のサークル勧誘看板に埋もれていた.

◆今年の年次大会は今月はじめにオープンしたばかりの「14号館」の講義室が会場になっている.新築内装のにおいがまだ残っている会場は,国立大学ではけっして期待できないほどゴージャスだ.時間に余裕があったので,教壇のコントロールパネルをあちこちいじってみたりする.午前10時半から隣りの太刀川記念館にて学会評議員会が一時間あまり.昼前に会場に戻り講演スライド作成作業の続きをする.関係者が入れ替わり立ち替わり.午後になって曇ってきた.

◆備忘メモクリップ —— 上田さんから連絡.『生物科学』編集会議はやっぱり4月18日(土)で日程確定とのこと.

◆一般講演と内職の午後 —— 午後1時から大会の開始.今日は一般講演が夕方6時半まである.しかし,失礼してスライド作りの内職を続けさせてもらう.ぜんぜん終わらないな.そうこうするうちに初日の講演がすべて終了した.大トリの「ツボカビ物語」がすばらしく秀逸だった.引き続いて総会に移ったが,20分ほどであっさりおしまい.

◆学会関係者のみなさんはこのあと池袋での懇親会があるのだが,ぼくは実に珍しいことに(ひょっとしたら初めてかも)懇親会を欠席し,健康的につくばへの帰路についた.曇り空.午後8時につくばセンターの地上に出たら,小雨が降り始めていた.予報通りだ.夕食後2時間あまり仮眠して,午後11時半に目覚める.今夜もまた農環研で一晩ごそごそすることになる.生活リズムが攪乱されまくっている.

◆本日の往復車内読書はとても有意義だった —— 上村忠男『現代イタリアの思想をよむ−増補新版 クリオの手鏡』(2009年3月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー665],482 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-582-76665-3 → 目次版元ページ).今から二十年前に出版された初版:上村忠男『クリオの手鏡:二十世紀イタリアの思想家たち』(1989年2月刊行,平凡社[平凡社選書], ISBN:4-582-84128-7)の増補改訂版.初版は見ていないが大幅に加筆・増補されているとのこと.細かい脚注がたくさんついていて,揺れる車中で読むのは目にそうとう悪いが,まさにグッド・タイミングな本で,明日のシンポジウムでのトークにそのまま使えるいくつかの素材に幸運にも遭遇できた.まずは,明日の講演のために,思想家ベネデット・クローチェと歴史家カルロ・ギンズブルグの章をまずはじめに読む.

◆本日の総歩数=14291歩[うち「しっかり歩数」1475歩/14分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.2kg(+0.6kg)/26.5%(−0.3%).


3 april 2009(金) ※ 桜が満開の本郷で新年度ガイダンス

◆午前零時前に起床し,星空のもと農環研に直行する.気温はプラス0.9度と冷え込んでいる.

◆深夜の原稿書き —— ここのところ一見めちゃくちゃな生活リズムのように受け取られているが,個人的には「早朝起き」のデフォルトリズムが「丑三つ時起き」に変化し,さらに「深夜起き」に進行したに過ぎない.だから,真夜中に農環研でごそごそしていたとしても,それは不健康な夜更かしではなく,度を過ぎて健康的な早起きの発展形にほかならない.しかし,どう言い訳しようが,他の職員と活動リズムが完全にズレつつあることはまごうことなき事実であり,実際,ここ数日は同じ職場はもちろん同じフロアの(あるいは同じ研究室の)みなさんとほとんど顔を合わせていない.

ま,そーいう現状認識はともかくとして,あやしげな資料を横積みしつつ,原稿を書き進めてみる.NHK Books から出す予定の本は今年の「ダーウィン年」に合わせた内容の「進化本」なのだが,できれば年内にとの要望があり,こうやって深夜にごそごそするハメになる.3年前の「系統樹思考」本と6月?に出る予定の「分類思考」本とくれば,自然な流れは「進化的思考」をキーワードとする執筆内容になるにちがいない.

—— そんなこんなの,あれやこれやの雑念やらアイデアやら妄想が渦巻く丑三つ時の居室で作業を進めているうちに,外はしだいに明るくなってきた,百鬼夜行どもは消え失せて「正しい農環研」に復帰しつつある.

◆午前6時過ぎに帰宅.気温は氷点ちょうどの0.0度.地面もフロントガラスも霜がびっしりと降りている.午前8時すぎまで仮眠する.今日は出張日なので日中は農環研に顔を出すことはない.朝日が上るにつれて暖かくなってきたが,風はまだ冷たい.10:25発のTX快速で東京に出る.

◆満開の桜は進学生のために,独房はぼくのために —— 午前11時過ぎに根津で地上に出る.日射しが暖かく風はない.東大構内は桜が満開で,この4月から本郷に進学してくる学生のためのガイダンスがあちこちで開かれている.正門から本郷通りに出て〈ルオー〉二階の「独房」に自己幽閉される.若い学生さんたちはこれからの本郷での学生生活に向けて夢が広がっているのだろうが,ぼくはとにもかくにも目の前の締切を何とかクリアしないことには先に進むことができない.「独房」にてひとり原稿を書き続ける.ダーウィンとその周囲のことども.やっぱり周縁的なトリヴィアルがおもしろいな.

午後1時過ぎに NHK Books の井本さんが到着.編集者と対面しつつ原稿を書き続け(させられ)るという悪夢は今回もまた繰り返されている.既視感ではなく,現実のこととして.午後2時前に原稿25枚(400字詰にして)ほどの「序章:進化学の「源流」をたどる旅への出発」を手渡して,今日のところは「独房」から解放された.次回は5月のGW明けにつくばにて原稿の続きを搾り取られることになっている.

◆本郷通りを弥生キャンパスに向かう.今日の公務は農学部の専攻での大学院と学部の進学生に対するガイダンスだ.まずはじめに,午後2時から大学院生相手の研究室紹介,その後,隠れ部屋にて待機したのち(原稿を書くすきま時間),午後4時前からは学部進学生のための研究室紹介をする.午後4時半におしまい.また隠れ部屋にて原稿を書き続ける.進学生ガイダンスの日の夕方5時半からは,例年通り,安田講堂下の中央食堂で,農学部全体の進学生歓迎パーティがあり,毎年欠かさず出ていた.しかし,今年は諸般の予定が滞りまくっているので,浮かれて酒を飲むこと能わず.午後5時前に東大を出てすごすごと帰路につく.今日はとても暖かい一日だった.健康的につくばに帰り着いたのは午後6時過ぎ.

◆夕方のこまごま —— 東京農大の辞令が郵送されてきた.そろそろ講義準備をはじめないと./『生物科学』編集会議の日程調整のこと.

◆夕食後3時間あまり仮眠したのち,午前零時前にまた「早起き」してしまう.これから誰もいない農環研に潜入し,週末の生物地理学会大会シンポジウムの準備にいそしまないと間に合わない.連日のドロナワ作業でドロドロだ.

◆本日の総歩数=14839歩[うち「しっかり歩数」3469歩/34分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=83.6kg(−0.3kg)/26.8%(+0.3%).


2 april 2009(木) ※ 季節外れの冠雪で白くなった筑波山

◆午前5時起床.北西の風強く雨が降り続いている.気温プラス5.3度.寒い.空が白んできた午前6時過ぎには雨はあがって曇り空に.国道408号の北の果てに見える筑波山を眺めたら,何と中腹まで真っ白に冠雪していた.4月になって雪が降るとは驚きだ.午前9時過ぎには青空が広がってきたが,北寄りの風が吹きつけて体感気温はとても低い.ちっとも春らしくない.

◆日中は進捗はかばかしからず —— 昼前に主たる用事をすませて,そのまま農環研へ.冬のような空模様だったが,昼下がりには風もおさまり,柔らかな陽気がもどってきた.午後2時の気温は8.1度.しかし,仕事はあまりはかどらず,ずるずると時間だけが無為に過ぎていく.

◆午後6時過ぎにいったん帰宅する.夕食後,3時間ほど仮眠をとって日が変わる直前に目覚める.真夜中の農環研に直行する.晴れた西の空には半月が沈みかけていた.これからの長い夜が原稿仕事の本番だ.

◆本日の総歩数=12625歩[うち「しっかり歩数」2346歩/26分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=83.9kg(0.0kg)/26.5%(+0.1%).


1 april 2009(水) ※ 降ったり止んだりエイプリルフール

◆午前4時半起床.冷たい雨が降り続き,気温はプラス7.6度.夜明けとともに小降りになり,午前9時過ぎには曇り空.

◆年度始めの不可避的雑用こまごま —— まずは今月の出張伺・年休届・兼業願をドサッと./続いて,新年度の大学院生指導に関わる所内事務書類の提出と東大農学部の教務課との連絡./RP設計検討会の提出資料は4月10日(金)までに./メーリングリストの月例アナウンスを流す.

◆午前11時,青空が広がり気温は11.0度.暖かくなってきた.午後もそのまま春うららの陽気に.

◆『生命の樹』のクラシック —— カリフォルニアの〈Chronicles Bookstore〉から着便:Roger Cook『The Tree of Life: Image for the Cosmos』(1974年11月刊行,Avon Books, New York, 128 pp., ISBNなし → 目次).「生命の樹」に関連してきわめて高頻度に引用される文献.31葉のカラー図版を含め165もの「生命の樹」がサンプルされている.

杉浦康平『生命の樹・花宇宙』(2000年7月30日刊行,日本放送協会出版,269 pp., ISBN:4-14-080488-2 → 書評・目次)で論じられているアジア地域の「生命の樹」もクック本にはたくさん登場する.そして,伊藤俊治『唐草抄:装飾文様生命誌』(2005年12月15日刊行,牛若丸[発行]/星雲社[発売],ISBN:4434071645 → 書評目次)が中心テーマとする「唐草模様」もまたクック本でそのさまざまな姿かたちを見ることができる.

本書には日本語訳がある:ロジャー・クック[植島啓司訳]『生命の樹:中心のシンボリズム』(1982年12月15日刊行,平凡社[イメージの博物誌15],ISBNなし → 目次).原書の引用文献リストが省かれていることを除いては全訳といえる.原書・訳書ともに今ではなかなか手に入らない稀覯書の部類に入るだろう.「生命の樹」の神秘性を過度に強調しているきらいがないとはいえない(この点では杉浦康平本もそうだが).

◆午後のこまごま —— 東大から連絡あり.4月9日(木)午後6時から専攻の学部生が進学生を歓迎する交流会を企画するので,教員も参加よろしくとのお誘い.「新人迎撃作戦」がいたるところで進行中./今月のトド撃ち予定表を更新した.追われている原稿トドは「勁草書房論文」と「現代新書原稿」と「NHK Books 原稿」.いずれも甲乙つけがたい切迫度だ(どーするよ……).

◆午後4時過ぎに撤収.曇り空からぱらぱらと小雨が降ってきた.めまぐるしく変わる空模様だ.気温10.6度.肌寒くなってきた.

◆〈修道院ビール〉は〈禁断の果実〉を凌駕できるか? —— ローストビーフ調理人として働いた昨夜は,同時に「牛肉煮込み人」としても立ち働いた.過去の dagboek を検索すると,一昨年の11月末と昨年の8月はじめに〈禁断の果実〉シチューをしこんだ記録があるように,年に何度かはこのメニューをつくることにしてきた.このメニューは〈禁断の果実(De verboden vrucht)〉というベルギービールさえ入手できれば,比較的簡単に美味くつくれる一品だったからだ.

ところが,しばらく前にサッポロ在住の某麦酒師から,「〈禁断の果実〉は日本では今後もう手に入りませんよ」という驚愕のニュースが伝わってきた.確かに,その後,大手の〈Hoegaarden〉社なのにこの銘柄だけが酒屋の店頭からかき消すようになくなってしまった(アダムとイヴのあられもない姿を見ることはもうできないのだ).〈禁断の果実〉シチューは〈禁断の果実〉がなければ根底からその存在が否定されてしまう.まことに一大事ではないか.

苦し紛れに当然だれしも思いつくことは「〈禁断の果実〉の代役はないものか?」という探索だ.ベルギービールの本を引っ張り出して,自分の味覚経験とテイスティングレポートを参考にしつつ,〈禁断の果実〉に代わるベルギービールとして次の三つの候補を挙げてみた:

いずれもアルコール度数が10度前後と高いコクのあるビールとして有名だ.この三候補の中で,もっとも安価な〈シメイ〉を今回は試しに使ってみることにした.750mlの大瓶(「Grande Reserve」)で1本たった1,000円だ(他の二候補はもっと高価).修道院ビールとしてあまりにも有名な〈シメイ〉の中でもブルーラベルの〈Blauwe Chimay〉は9%のアルコール濃度があり,そのままじっくりと味わうのが正しい飲み方だろう.それを深鍋にどぼどぼと注ぎ込むのだから,ぜいたくといえばこれ以上にぜいたくな料理はない.

牛肉の〈修道院ビール〉煮込みのレシピは下記の通りだ:

  1. 牛すね肉約2kgを一切れ50gずつのブロックに切り分け,塩胡椒する.※大きく切り分けること,ちまちま細切れにすると〈シメイ〉に負ける.
  2. 熱したフライパンで肉にしっかり焦げ目をつける.
  3. 玉ねぎ大4個を薄切りにし,無塩バター100gで茶色になるまで,深鍋でていねいにいためる. ※1時間ほどかかる.けっして焦がさないこと.
  4. 3の鍋に2の肉を合わせて絡ませ,火を強めて〈シメイ〉1.5リットル(大瓶ふた瓶)をイッキに注ぎ込む.
  5. 沸騰したら,極弱火にして24時間煮込む.※火勢と時間に不断の注意を.通常のシチューよりももっと弱火で(「鍋が微笑むように」という表現そのもの),長い時間ただひたすら煮込むこと.あせりは禁物.

最後に塩胡椒で調味して熱々を食卓へどうぞ.その際,茹でて荒くつぶしたジャガイモや硬めにゆでたパスタなどを添えるととてもおいしい.ガーリックライスを添えても合うだろう.ハード系のライ麦パンもいい.〈シメイ〉で煮込んだときの仕上がりは〈禁断の果実〉に比べてややあっさりめの味わいだが,これはビールの特性のあらわれだろう.好みに応じて各自が塩胡椒で調味すればいい.〈修道院ビール〉煮込みのレシピは上のようにほんとうにシンプルだが,じっくり煮込めば煮込むほどおいしくなる.失敗することはほとんどありえないので,大胆に挑戦してみてね.〈マレッツ〉とか〈ロシュフォール〉に代えたらどーなるか,それは今後の愉しみにとっておこう.

◆午後9時過ぎ,いきなり雷鳴が轟き,雨がざーっと.深夜になってもそのまま降り続く.

◆本日の総歩数=9340歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.9kg(−0.2kg)/26.4%(−0.9%).


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集