○2008年10月6日(月) 9:30-11:00[講義]「生物系統学概論」 三中信宏(農業環境技術研究所) 11:00-12:00[講義]「生物統計学概論」 三中信宏(農業環境技術研究所) 13:00-15:00[講義]「分子進化学入門」 岸野洋久(東京大学) 15:00-17:00[講義・実習]「ゲノム情報の探索と配列のアラインメント」 伊藤剛(農業生物資源研究所) 17:30-19:30 懇親会(筑波事務所食堂) ○2008年10月7日(火) 9:00-10:30[講義]「樹形推定・祖先復元・分岐年代」 三中信宏(農業環境技術研究所) 10:30-12:00[講義・実習]「系統ネットワークの理論と応用」 斎藤成也(国立遺伝学研究所) 13:00-15:00[講義・実習]「分子進化モデル選択論」 田辺晶史(東北大学) 15:00-17:00[実習]「系統推定ソフトウェア演習」 田辺晶史(東北大学)・三中信宏(農業環境技術研究所) ○2008年10月8日(水) 9:00-11:00[講義・実習]「分子系統樹に基づく共進化の分析」 川北篤(京都大学) 11:00-12:00[講義]「タンパク質構造からの系統解析とゲノム情報学」 深海薫(理化学研究所バイオリソースセンター) 13:00-15:30[講義・実習]「MEGA4を用いた分子系統解析」 田村浩一郎(首都大学東京) 15:30-17:00[討論]「分子系統解析のトラブル・シューティング」 三中信宏(農業環境技術研究所)・田辺晶史(東北大学)他
遺伝子塩基配列やタンパク質アミノ酸配列の分子シーケンスデータを用いた分子系統学は、理論的にも応用面でも重要な知見を与える分野です。しかし、分子データを用いて系統樹を推定する手法は最近の進展が著しく、必要とされる基礎的知識と実践的技法の習得は必ずしも容易ではありません。とりわけ、農林水産業を含む関連分野の研究者にとっては、実際の生物に関する分子データ収集のみならず、分子進化学や統計解析の理論、さらにはゲノム情報学まで含む学際的な性格が強い系統推定論をしっかり学ぶ機会は現実的にはほとんどないといってよいでしょう。本ワークショップでは、分子系統樹の的確な推定に必要な基礎的理論(進化生物学、分子進化学、統計学、ならびにバイオインフォマティクス)を講義するとともに、パソコンを用いたデータ解析ならびにプログラミングのコンピュータ実習を行ない、受講者が自力で系統樹を推定するために必要な技法を習得することができます。あわせて、実際に農林水産研究の現場において、推定された分子系統樹を用いてどのような実践的研究が進められているのかを示し、その応用範囲と将来的可能性についても解説します。[三中信宏]