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日録2009年7月 


31 juli 2009(金) ※夏祭りの翌日は涼風に吹き寄せられる

◆午前5時起床.曇り,東風が強い.気温は低い.20度くらいか.昨日の夏祭りで無理にひねってしまったのか,腰が痛いんですけど…….こんなことはなかったんだが.いたた…….

◆月末のトドたち —— 8月分の出張伺と年休届.今月は兼業申請はない./旅支度:1) 統計関連学会大会(同志社大学・京田辺),9月6日(日)〜9日(木);2) 計量生物特別セッション(京都大学・キャンパスプラザ),11月27日(金)〜29日(日)./夏季休暇三日間,いったいどーするよ./来月下旬に京大を襲撃する計画がまったく決まっていない…….

◆昼までは曇りで涼しい.午前11時の気温は23.8度.今日が締切の農大レポート.着弾頻度がしだいに高まってきた.しかし,火山弾のように降り注ぐのは夕方から夜にかけてと予想している.受領レポートをびしびし打ち返す.

◆午後の会議 —— 知的財産に関する第四部会(13:15〜,547号室).提出された課題案についての討議.長期的な「人づくり」がたいせつでしょう.アナリスト集団という考え方.午後3時半まで.しだいに晴れ間が広がってきた.

◆午後のこまごま —— 堆積していたメーリングリストの作業をすませる.月例アナウンスを明日流す./農環研分会の次期役員投票用紙がまわってきた.9月以降の1年間は「書記長」を勤めることになりそうですのでよろしく(>所内のみなさん).書記長という役職は当局交渉の「窓口」なので,そのつど召還されることになります.しかし,ぼくの場合,「農環研不在率」が極端に高いので,「鵜匠」のように仕事をまわりに投げることが自分の仕事だろうと心得ています.

◆午後5時撤収.日射しは強いが空気は涼しい.明日からは8月だが「冷夏」の予想が出ているようだ.夏日にも達しないようではしかたないよねえ(爽快ではあるのだが).

◆夜,案の定,農大の課題レポートが立て続けに届きはじめた.結局,日が変わる直前の「23:57」に最後の滑り込みメールが届き,これにて締切とあいなった.試験期間中の学生さんはたいへんだろうが,こっちはこっちで採点作業と成績登録という次なる業務が待ち構えている.9月末までに成績を報告すればいいはずだが,8月のうちにケリを付けておいた方がいいだろう.

◆夜風がとても涼しく,そして,腰が痛いです…….

◆本日の総歩数=6942歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.5kg(−0.2kg)/25.6%(+0.8%).


30 juli 2009(木) ※夏祭りは猛暑のステリハと涼しい本番

◆午前3時半起床.あまりの蒸し暑さに目が覚めてしまった.密閉室温は実に29度にも達していた(窓開けろよ).中途半端な夜明け前の時刻に目覚めてしまったが,そのまま農環研に直行した.曇り空で蒸し暑い.気温は26.5度もある.熱帯夜ですか.こういうトロピカルな暗闇は内も外もざわつく.

◆未明のこまごま —— 東京化学同人から出る予定の『生物学辞典』のゲラをずっと放置していたが,夜明け前にやっとチェック開始.担当したのは系統学分野11項目と統計学分野10項目だ.それにしても,ここ十年ほどの間にいったい何冊の「辞典」の項目執筆を担当したことか!/そういえば,共立出版から出る『進化学事典』の項目執筆という「公務」がある(進化学会の記念事業なので「公務」と位置づけている).しかし,まだ,なーんにも手を付けてません…….編集者からの問合せも放置したままだし./勁草書房から年末に出す生物学哲学の論文集に寄稿する自分の原稿の revision とともに,査読依頼されている別のふたつの原稿も巨大なトドになりつつある(今月いっぱいでしたよね?).しかし,これまたしばらく放置しっぱなし.

—— 放置プレイが多すぎる…….

◆午前10時.曇り.気温すでに31.9度.蒸し暑さの極値だが,まだまだ不快になる気配が濃厚だ.

◆午前のこまごま —— 東京化学同人のゲラは返送完了です./医学書院『医学大辞典(改訂版)』に関する問合せへの返信完了./横浜国大の「統計学道場」の事務手続きを失念していた.すぐに処理完了.

◆〈つちのうえ太鼓隊〉のステリハ —— 気温32度を越える昼休み.農環研グラウンドにはすでに祭り櫓が組まれていた.〈つちのうえ太鼓隊〉の櫓でのステリハ.猛烈な蒸し暑さの中で小一時間の練習をする.本番よりもステリハの方が体力的にはきついかもしれない.でも,今のところ天気がもちそうなのはよかった.くれぐれも突然の夕立とかゲリラ豪雨などということがないように.午後1時の気温は34.4度! 即,本館に退避して気力と体力を温存しないと夜の本番までもたない.出演時間は午後7時半だという.持ち時間は20分ほど.メンバーは計6名.ジャンベが3台,ティンバレスが1台,ボーカル1人,アルトサックス1人という構成.

◆午後のこまごま —— ろうきん担当者が来室.手続き完了./進化学会にともなう航空券が確定し,これで北海道旅行の旅程も決まりました.

◆『分類思考の世界』の原稿リーディングの返答あり —— 構成上の問題点をいくつか指摘された.とくに,最終章のエンディングとエピローグのエンディングが不協和音なので,オーケストレーションを考え直した方がいいということだ.もともと連載時はひとつだったものを,最終章の最後の節をエピローグとして独立させた経緯があるので,こういう聴きづらい「残響」が尾を引いてしまったのだろうと思う.ゲラが出た時点で再考の余地あり.その他,いくつかの改善点のご指摘,どうもありがとうね.

◆午後3時過ぎいったん晴れたが,またすぐ雲が厚くなってきた.農大のレポートはぱらぱらと着弾している.その都度,返信メールを返す.

◆農環研・夏祭り —— 夕方近くなって空が黒くなってきた.気温も急降下し,イッキに25度を下回る涼しさになった.午後5時前に農環研グラウンドに向かう.すでに各出店は準備を始めているようだ.氷温室に保管してあった〈日置桜〉の「山滴る」を小脇に抱えて気合い酒をまわす.午後5時15分,夏祭りの開始宣言.雲行きはさらにアヤシくなって,ときどき雨粒が混じるあいにくの空模様になる.午後7時半から〈つちのうえ太鼓隊〉の本番.待ち時間がずいぶん長かったので,そのときまでに「山滴る」を三合ほど飲んだんじゃないかなあ(芝池くんもおつきあいしてくれたし).櫓の上で20分ほどの本番演奏.リズムがときどき酔歩したようだが,リムショットがことのほかびしびし決まった気がした.

—— 燃え尽きた午後8時過ぎに夏祭り会場をあとにする.気温はさらに低下して21.0度だった.東風が吹き渡り,これでは真夏も残暑も飛び越えて秋口の涼しさだ.

◆午後9時半に帰宅する.今日はもう沈没してもいいですよね.

◆本日の総歩数=9810歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=83.7kg(+0.4kg)/24.8%(+0.2%).


29 juli 2009(水) ※秋の学会シーズンのための旅支度をも

◆午前4時前起床.曇りときどき小雨.気温24.7度.蒸し暑い早朝.夜明け前のヒグラシの合唱.のち晴れ間がしだいに広がるが雲は多いままだ.高温高湿というサイアクな天候だ.

◆最新刊『CCD 17』出版! —— チャールズ・ダーウィン書簡集の最新刊である第17巻(1869)がこのほど出版された:Frederick Burkhardt (ed.)『The Correspondence of Charles Darwin, Volume 17: 1869』(2009年7月刊行,Cambridge University Press[Series: The Correspondence of Charles Darwin], Cambridge,818 pp.,ISBN:978-0-521-19030-5 [hbk] → 版元ページDCPページ).昨年出た第16巻(1868)は二巻分冊だったが,この第17巻は幸い一巻本だ.

◆午前10時半,夏空.気温はあっさり真夏日ラインを越えて30.3度.シンプルに暑いです.昼休みはまたまた〈つちのうえ太鼓隊〉の炎天下練習.明日は夏祭り当日なので,昼休みはグラウンドに組み立てられた櫓の上での“ステリハ”となる.考えただけでも暑そう…….テンンバレスのリムショットがビシッと決まりますように.

◆秋口の旅支度の始まり —— 今年の9月は農環研にたった「5日間」しか実在しないという驚異の不在月間となる予定だ(分会はいったいどーなるっ?).そのための支度をそろそろ始めよう.まず,大会直後に公開講演会の実施が“発覚”した進化学会札幌大会だが,担当旅行会社である近畿日本ツーリストにメールして,滞在期間の一日延長と復路航空券の変更を申し出た.今回の北海道旅行にいったいどれほどのお金がかかるのだろうか?(こわくて考えたくない……).いずれにせよ,これで公開講演会〈ダーウィンの知られざる横顔〉には参加できます.※夕方,近畿日本ツーリストから「変更できました」との返事があった.ただし,復路航空券が団体割引になるかどうかは未定だという.何人かが滞在延長してくれればワタクシはとても助かるのだけれど…….

◆もうひとつの旅支度 —— 進化学会から帰ってきた翌日の9月6日(日)から9日(水)まで開催される「統計科学関連学会連合大会」(同志社大・京田辺キャンパス)だ.こちらは,大会サイトでのオンライン参加登録窓口がやっと開設されたので,さっそく大会とチュートリアルの参加を申し込んだ.ホテルはもちろん京都市内のどこかに予約することになるだろう.

—— 札幌から帰ってきた次の日にもう京都.旅から旅への学会シーズン.この9月はそういう巡業生活がずーっと続く.

◆午後のこまごま —— もう来月の予定がぱたぱたと決まりはじめている.年休を取る来月3日(月)は朝7時15分に迎えが来る./季節はずれのさみだれのように農大から課題レポートが次々に着弾する.間髪入れずに受領メールを打ち返す.

◆午後3時,夏空が広がる.気温は29.8度.居室にそろそろ西日が射し込む時間帯だ.撤収準備開始.暑い居室にがまんして留まる義理はどこにもない.

◆もう一冊の「日録」的評論 —— 同じような肌触りの本が寄り集まってくるのはそういう触覚を張り巡らしているからですね:原武史『滝山コミューン一九七四』(2007年5月20日刊行,講談社,286 pp.,ISBN:978-4-06-213939-7 → 目次版元ページ).著者はぼくよりも4つほど年下になる.「1974年」と言えば,ぼくがちょうど高校生だったころで,当時の京都の府立高校は蜷川虎三知事の教育方針である「十五の春を泣かさない」というスローガンのもと,徹底した小学区制が敷かれ,結果として「十八の春に大泣きする」高校生が少なくなかったと個人的には記憶している.ぼくが通った宇治市の府立高校でも,数学の先生が朝早く駅頭で『赤旗』を配ったり,民青系が生徒会に入り込むという「ポストお祭り」な雰囲気だった(ぼく自身はほぼ不登校だったので高校の中で何があっても知ったことではなかったが).著者は本書で東京近郊の小学校での「ある物語」を再構成しているが,読むのがとても楽しみな一冊だ.

◆午後5時撤収.まだ29度台の暑さが続く.夜になっても不快指数は高い.

◆さりげなく確実に加圧される —— 岩波書店のシリーズ〈確率と情報の科学・第I期〉(全15巻)の二冊目が本日刊行:星野崇宏『調査観察データの統計科学:因果推論・選択バイアス・データ融合』(2009年7月29日刊行,岩波書店[シリーズ〈確率と情報の科学・第I期〉],東京,本体価格3,800円,ISBN:978-4-00-006972-4 → 版元ページ).ぼくはすでにエントリーされているので,ゆくゆくは書くしかない宿命ではあるのだけれど,いまのところはまだぜーんぜん…….ごめんなさい.

◆本日の総歩数=6076歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.3kg(−0.2kg)/24.6%(−0.5%).


28 juli 2009(火) ※揮発する記憶,そして晩秋興行の支度

◆午前4時起床.本降りの雨.南の風.気温23.4度.のち,晴れたり曇ったりする.南風が吹き渡る.

◆まったく記憶にない演奏会 —— 早朝,ブログを渡り歩いていたら,ぼくの名前が思わぬところでヒットした:〈Once a trumpeter.....〉の記事「1Q80 SVBE元年」(2009年7月14日付)と「1Q86 SVBE & PJBE「展覧会の絵」」(2009年7月20日付).セント・ヴァレンタイン・ブラス・アンサンブル(SVBE)は,東大オケの金管の知り合いたちが結成した団体なので,それに引きずられて“打賊”としてエキストラ出演したものと思われる.「1Q80」の方は修士1年になったばかりのとき,「1Q86」は学位を取って晴れて?オーバードクターになった時代のことだ.フルオーケストラでの演奏体験は割りによく覚えているが,アンサンブル演奏会は記憶がすぐ揮発する傾向があるにちがいない.

—— それにしても,なつかしい名前がずらっと並んでいますなあ.東大オケのみなさんはもちろん覚えていますが,某オケで某プリンスのお目付役だった土田くんとか.

◆午前11時.曇って蒸し暑い.気温は28.3度.昼休みは屋上で〈つちのうえ太鼓隊〉の練習.とっても蒸し暑いです.

◆秋のイベント企画 —— 今年の11月4日(水)〜6日(金)に開催される筑波農林研究交流センター主催第141回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の準備作業.しばらく放置していたのだが,交流課から電話督促を受けてしまったので,午後いっぱいはコーディネーターとしての仕事を進める.

昨年10月に開催した同名のワークショップ:第131回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉は,幸いにして定員を大幅に上回る応募者があった.交流課からぜひ今年もとの申し入れがあったので,引き受けることになった.

とりあえず,昨年の応募要領をもとに改訂して交流課担当者に返信する.そして,カリキュラムを再検討して組み直し,ぼく以外の7名の講師予定者に「白羽の矢」メールをまとめて発射し終わったのは午後3時半をまわっていた.矢が届きましたらぜひ率先して身を盾にして刺さってやってください,よろしくね.

—— さっそく「刺さりました」メールが返ってくる.さっそくお引き受けいただきありがとうございます.

◆午後のこまごま —— ろうきん担当者と打合せ.ハンコ用意します.7月30日(木)10:00に来室とのこと./筑波地本定期大会は8月20日(木)9:15〜17:00.生物研(大わし)にて.分会三役なのでもちろん出席でしょう.これからこういう仕事(動員)が多くなるにちがいない.

◆本を探索せよとの指令 —— 農環研の情報資料課(図書室)から外部照会の古いSAS本の問合せが先日あった.しかしその本はまちがいなく,居室移転時に梱包された大量のダンボール箱(領域セミナー室にうずたかく積み上げられている)のどこかに潜んでいる.しかし,それを開封して探索する時間がないのだ! >ごめん,いずみちゃん./……と思ったら,領域長が独力で「開封」作業をこつこつと進めているではないか! ありがたやありがたや.でも,お手伝いする時間がないのです.すまぬすまぬ.あふれかえる本をどーにかしたいのだけれど,本だけはどうしても「超整理」できないと,かつて当の著者本人が言っていたよーな.ホント.

◆夕方の〈みしまサイダー〉 —— 青森県八戸市で長く販売されてきたという〈みしまサイダー〉の「バナナ味」を初めて体験した.炭酸ガスがビシっとのどを直撃します.久しぶりに「サッカリン」という添加物表示を目にした.確かにバナナ色でバナナ味です.おいしいか? 夏場には確かにうまいだろうけど,何だかビミョーですなぁ…….

◆知らなかった! —— 進化学会札幌大会の公開講演会〈ダーウィンの知られざる横顔〉が大会翌日の9月5日(土)午前中にあるとはぜんぜん知らなかった! 大会専属の旅行会社を通じて予約したときは,大会最終日の4日(金)に帰るしか旅程プランがなかったのでそうしたのだが,これは日程変更を申し出るしかないかな.うかつ.

◆本日の総歩数=8691歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=83.5kg(−0.5kg)/25.1%(−0.3%).


27 juli 2009(月) ※年休を取って原稿を書くという生き方

◆午前5時半起床.曇りところどころ晴れ.湿り気のある南風が通り抜ける.体感的には涼しい気もするが,空気がねっとりしているので熱帯夜なのかもしれない.

◆「原稿執筆年休」というライフスタイル —— 苦肉の策としてまとまった原稿を書くときは積極的に年休(有給休暇)を取ることにした.細切れの時間をかき集めてもどうせ何も書けないし,切迫度だけ高まるようでは精神的にもよろしくない.今後もときどきこういうかたちの年休を取ることにします.

ということで,午前中は自宅にて『分類思考の世界』の活字にならない「前口上」部分(400字×約30枚)を原稿本体から切り離すという作業.これは『本』連載〈生物の樹・科学の樹〉時の第1〜2回に相当する内容だ.

◆午前11時に農環研に行ってみる.朝のうちに天気はすっかり回復し,夏空が広がる.入道雲らしき雲塊が立ち上がっている.気温は30.7度.真夏日.昼休みは農環研の屋上で〈つちのうえ太鼓隊〉の夏祭り練習に初めて参加する.久しぶりにティンバレスのスティックをにぎった.毎年恒例の〈農環研・夏祭り〉は今週木曜なので,それまでは毎日昼休みに練習するとのこと.雲の多い夏空の下で太鼓を叩くのはきついです.

◆補間される「日録」 —— 四方田犬彦『先生とわたし』(2007年6月20日刊行,新潮社,238 pp.,ISBN:978-4-10-367106-0 → 目次版元ページ).時代的にいえば,著者の高校時代から予備校時代を描いた:四方田犬彦『ハイスクール1968』(2004年2月25日刊行,新潮社,255 pp.,ISBN:4-10-367104-1 → 目次版元ページ[新潮文庫])のあとを受けて,入学した東大の「駒場」時代のことが綴られている.本書は,最近出た:四方田犬彦『歳月の鉛』(2009年5月20日刊行,工作舎,東京,342 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-87502-419-4 → 目次版元ページ)と時期的に重なっているが,『先生とわたし』の中心テーマは著者にとっての師・由良君美との長く深いつきあいについてだ.ブラウズして感じで,ほとんど「伝記」のような内容になっているみたい.ついでに1970年代の「駒場」の背景ディテールが書き込まれているので,個人的には懐かしい.それにしても,何だかとっても繊細そうな師匠と深読みしまくる弟子との間でウラの探り合いをしているふう(とっても疲れそう).「黒い心」が随所で満開だ.楽しいな.

◆午後の執筆進捗 —— 『分類思考の世界』の「前口上:物語の幕が上がる前に」のふたつの節をhtml化してウェブ公開しました:「トリヴィア,マルジナリア,あるいは記憶の痕跡」と「「種」と「分類」の世界へようこそ」.この「前口上」は9月に出版される現代新書には含まれません.さて,次は「文献リスト(解題付き)」だな.これもまた一仕事かもしれない.図版選びという大仕事もあるんだけど,これはまた別の日に年休をとって(あるいは丑三つ時に)カタをつけるしかないだろう.

◆新刊情報 —— キム・ステレルニー,ポール・E・グリフィス著[太田紘史+大塚淳+田中泉吏+中尾央+西村正秀+藤川直也訳]『セックス・アンド・デス:生物学の哲学への招待』(2009年7月刊行,春秋社,368 pp.,税込価格4,935円,ISBN:978-4-393-32323-6 → 版元ページコンパニオンサイト).翻訳出版おめでとうございます.お疲れさまでした.「全訳」ではないらしいが,活字にならなかった章についてはコンパニオンサイトでオンライン公開するそうなので,結果的には全訳ですね.

◆午後5時過ぎに撤収.雨がぽつぽつと降り始めている.気温26.6度で蒸し暑い.しだいに本降りになってきた.館林で竜巻か.その後,西の空は夕焼けだったが,つくばの上空は雨雲が垂れ込めて雨がまだ降り続いていた.

◆原稿執筆年休を取るとそれなりに目に見える進捗があることがわかった.今後もこの手を使わせていただきます./〈Twitter〉でもぼちぼち「つぶやき」始めています.早くもフォローしてくれているみなさん,ありがとう.

◆本日の総歩数=3411歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.0kg(+0.4kg)/25.4%(+0.4%).


26 juli 2009(日) ※酒宴の翌日の廃人もすなるツイッター

◆午前5時半に目が覚めた.ハイ,もう廃人です…….ぜんぜん使い物になりません.前夜のご乱行が祟ったにちがいない.がんがんするアタマが痛いです.立ち居ふるまいもイタいです.

◆午前中は家の中をよろよろと徘徊するのみだったが,午後になってやっと持ち直した.しかし,外は昨日以上に暑い真夏日だったので,結局,今日は一歩も外に出ることなく,引き蘢り状態だった.

◆まだつぶやかない Twitter —— 一週間ほど前にふと Twitter してみようかと思い立ち,登録だけは完了した.そう dagboek に書いたら探しまわられた読者がおられたらしい.時間を盗ってしまい申し訳ありませんでした.ワタクシの Twitter アカウントは〈@leeswijzerですが,まだぜんぜんつぶやいておりません…….だから,フォローもあまりしていないし,当然フォローされてもいないという,今のところは静寂この上ない Twitter です.

ぼくの場合,「つぶやく」あるいは「ぼやく」先はこの dagboek や leeswijzer を含めていくつかあるので,いますぐに Twitter でつぶやかなければ明るい明日は迎えられません,というほどの切迫感はないのです.ま,つぶやき先が増えるのは悪いことではないでしょうね.ということで,MovaTwitter も登録完了,と.

備忘メモ:〈ARG〉主宰の岡本真さんが国内研究者のTwitterアカウントの収集を開始したとアナウンスされている(→ @researcher_list).せっかくの機会なので登録してもらうことにしよう.

明日からはまたガンバロー.月曜は新しい試みとして「執筆年休」を取ることにした.さて,その首尾やいかに.

◆本日の総歩数=0歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


25 juli 2009(土) ※真夏日の京島で花火大会を観る夕べ

◆午前5時半起床.雨上がりの曇り空.南風が吹いて,早朝なのにすでにとても蒸し暑い.今日一日が思いやられる.そのうち晴れて青い夏空が広がる.

◆朝から肉料理に従事する —— 今日の〈京島・花火の会〉に持参する「塩漬け豚バラ肉の蒸し焼き」の後半戦.昨日,塩をすり込んで冷蔵庫で一晩おいた肉塊を常温にもどす.焼き色を付けてから,そのまま蒸し焼きに.一時間あまり時間がかかったが午前9時過ぎには調理完了だ..あら熱を取ってから,アルミホイルでくるみ,さらにラップをかけてから,保冷剤の入った箱へ入れる.今日は厳しい暑さになるとの天気予報なので,食品の持ち歩きには細心の注意が必要だ.香菜の葉を混ぜた黒酢ドレッシングをつくり,タッパーに入れてこれまた保冷バッグへ.

しかし,今日のような年に一度の宴の場には活性にごり酒を持参するしかないと個人的には思う.万難を排して炎天下に持ち歩く覚悟で買い込んだのは:秋田醸造〈ゆきの美人〉(秋田県)の「純米吟醸・活性にごり酒」.たがみ酒店に入荷したばかり.四合瓶が隠れるほどの巨大な赤紙に「危険」と大書されている.多くの活性にごり酒は常温で不用意に開栓すると,炭酸ガスが吹き出して中身が半分くらいになることもある(らしい).購入してすぐに冷凍室へ直行させる.冷凍庫には島根の王祿酒造〈王祿・渓〉がすでに入っている.この二本が京島へ持参するお供え物だ.いずれも保冷剤・保冷パックで完全武装して持ち歩かないとバクハツしてしまう危険性がある.

◆料理や酒の梱包と運搬のしかたをよく考えて午前が過ぎてしまった.リュックサックに酒二本,そしてトートバッグに肉の入った保冷箱を詰めて出発.ものすごく荷物がかさばってしまった.外はもちろん真夏日で,太陽が頭上から情け容赦なく照りつける.午後2時発のTX区間快速に乗って,北千住経由で押上に着いたのは午後3時前だった.真夏日の昼下がりに駅からてくてく歩くのはきついなあ.

ま,最初は生ビールでしょう.レバ刺しにタン刺し,そしてシロ焼き.いつの間にか焼酎のボトルが並んで,ロックでぐいぐいと.外はまだ日が高いがすでに鯨飲モードにスイッチが入ってしまったようだ.粗塩と胡麻油でいただくレバ刺しはとにかくもう絶品.

午後6時を過ぎているというのに,京島界隈はまだ日中の熱気がそのまま淀んでいるようだ.しかし,幸い雲も少なく風もなく,花火鑑賞には絶好の空模様になってくれた.すでに数名が通称〈居酒屋まりちゃん〉に集結し,台所で宴会準備を始めている.持参したバクハツ寸前の活性にごり酒を冷凍庫に入れさせてもらうことにした.これでまずは安心.

毎年のことだが,隣りのマンションの屋上に上がり宴席を設ける.午後7時の定刻になり,今年の〈隅田川花火大会〉が始まった.第一会場から花火があがりはじめた.打ち上がるたびに地響きがするのは近くから花火を鑑賞する醍醐味のひとつだろう.第一会場の花火が真っ正面にとてもよく見えたが,第二会場は新タワー建設のために視界がほとんどきかなかった.〈ゆきの美人〉は十分に冷やしたはずだったが,それでも開栓時には少し吹きこぼれた.〈王祿・渓〉はいつもながら美味かった.豚の蒸し焼きはやわらかく仕上がっていて前回よりも出来がよかったかもしれない.

午後8時半に花火大会は終了し,一気に静かになった.階下の〈居酒屋まりちゃん〉に移動して,さらに飲み続ける.午後10時過ぎに曳舟駅に向かう.北千住で乗り換えて,つくばに帰り着いたのは日が変わる直前だった.

—— 気力と体力の極限に挑戦する一日だった.たいへんお疲れさまでした(>自分&関係者諸氏).

◆本日の総歩数=9572歩[うち「しっかり歩数」1300歩/12分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=83.6kg(+0.1kg)/25.0%(−0.5%).


24 juli 2009(金) ※蒸し暑い日は残務トド撃ちに費やす

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ.東風が吹く.気温24.2度で蒸し暑い.その後も青空が見えたり,また曇ったりの繰り返し.午前10時半の気温は29.2度.暑い.

◆一念発起して残務トドどもの一掃処分(午前の部) —— 日時確認:生物科学編集会議,8月1日(土)15:00〜17:00,立教大学.懇親会はパスしようかなあ./共済組合員証の検認.被扶養者申告書とか収入証明書とかいつもの書類どもは8月10日(月)までに提出のこと./進化学会の高校生ポスター発表に関する大会実施委員会からの問合せ(引率者氏名など)への対応.事務局経由で返事をしてもらう./第四部会のミーティング資料は7月27日(月)までに出せとの指令あり.ぜーんぜんやってません.出欠可否日リストも返送してません.

◆午後,通り雨があったが,また曇り空に戻った.

◆秋のチュートリアル —— 10月1日(木)〜3日(土)に開催される〈生物情報を解明するための統計数学的基礎理論とその応用〉のチュートリアルについて返信をした(失念していた).チュートリアルの全体タイトルは「系統推定論」として,1日(木)の第一部では「離散数学」の話,翌2日(金)の第二部では「統計モデル」の話をすることになった(各2時間ずつ).本件は,依頼出張ではなく,年休として行った方がいいだろうな.

◆「日録」がつながる —— 届いた本:四方田犬彦『ハイスクール1968』(2004年2月25日刊行,新潮社,255 pp.,ISBN:4-10-367104-1 → 目次版元ページ[新潮文庫]).著者の高校生時代から予備校を経て大学に入るまでの4年間(1968〜1972年)の記録.せっかくだから,こちらを読んでから,続編:四方田犬彦『歳月の鉛』(2009年5月20日刊行,工作舎,東京,342 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-87502-419-4 → 目次版元ページ)に進むことにしよう.

◆さらに続く残務トドどもの一掃処分(午後の部) —— 日本古生物学会(編)『古生物学事典』の編集協力者(=レフリー)の件.OKの返事を返したら,すぐに査読原稿が送られてきた./東京化学同人から出る『生物学辞典』のゲラ読みと返送が遅れている.再起動します.統計学分野と系統学分野のふたつ.二十項目ほどあるかな.

◆鯰を食べる —— 8月3日(月)の夜に町屋の〈どじょっこ〉にてナマズを食べようというプランが確定した.同日午後6時半に千代田線・町屋駅の北千住寄り改札にて待ち合わせ.

◆午後5時半に撤収.曇り.蒸し暑い.帰宅後に時事通信社から電話あり.先日の書評:エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 書評目次版元ページ)はすでに各社に配信したとのこと.

◆明日は,年に一度の〈京島・花火の会〉だ.本会だけでなく,プレ会もあるので,気力と体力をしっかり蓄えておかないと生きてつくばに戻って来れなくなりそう.明日もっていく料理の下準備に取りかかる.先日試してみた「塩漬け豚バラ肉の蒸し焼き」を持参することにして,マルゲンミートで肉塊800グラムをすでに入手してある.レシピにしたがって茹でるところまですませて,塩をすり込んでから冷蔵庫へ.これで今日の仕事はおしまい.

◆本日の総歩数=6163歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.5kg(−0.2kg)/25.5%(−0.6%).


23 juli 2009(木) ※天気がぐずつく一日は仕事もしかり

◆午前5時半起床.曇り.湿った東風が吹く.朝,雨足が一時強くなったが,その後は小雨になる.午前9時半,曇りときどき小雨.気温は22.7度.今日も夏日には達しないようだ.

◆日中のこまごま —— DGC base の邑瀬さんから監査書類に関する督促メール.すでに返送しましたと答える./メーリングリストの管理作業をしばし./農環研「つちのうえ太鼓隊」の本番までの練習予定と演奏予定曲の確認./月の下旬になったが「トド撃ちリスト」を更新した./第四部会の次回ミーティングは7月31日(金)13:10〜15:00.547号室にて.討議資料を各自がつくらないといけない.

◆「文庫化」悲喜こもごも —— 徳永康元『ブダペストの古本屋』(2009年6月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫 と-20-1],本体価格1,000円,ISBN:978-4-480-42613-0 → 版元ページ).本書が文庫化されたことに対してはいささかフクザツな気持ちが湧き上がる.元のハードカバー版をいったい何年探しまわったことか!(→ 愚痴邂逅書評).初版:徳永康元『ブダペストの古本屋』(1982年4月30日刊行,恒文社,240 pp.,税込定価1,860円,ISBN:4-7704-0486-7)

◆曇天の正午.午後になって,晴れ間が見えたと思ったら,ざーっと降ってみたり,また止んでみたり.しかし,その後は青空が広がってやっと天気は回復してきた.

◆『fold』創刊号届く —— フォルド編集部『フォルド(fold)創刊号 Vol.1, no.1』(2009年7月25日発行).ブツが届きました! ありがとうございます.文字通りフォルダーの中に冊子と紙片が挟み込まれている.創刊と編集の趣旨はわかるが,中身を散逸させないように注意しないといけないな.ぼくも創刊に際してのアンケート「時と雑誌と私」に協力したので,短い回答コメントが載っています.→ 公式サイトコマプレス こちらFold編集部!.ぼく自身は隅田川花火大会があるので参加できないが,今月25日に東大・駒場キャンパスで創刊記念トークイベント〈《un-fold》vol.1.「雑誌」と「時」:語り直される時間〉が開催される.

◆書評を流す —— エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の書評を書いたので,久しぶりに関連メーリングリストに流した.

◆夕方のこまごま —— 『分類思考の世界』の改訂稿の一括プリントアウトをする./午後5時半から農環研分会室にて次期執行委員(三役)のポスト決定会議.結局,ワタクシが「書記長」を引き受けるという実にリスキーなことになりそうだ.午後7時に撤収./専攻送別会の通知.8月19日(水)午後7時から,寄付講座の杉浦さんの送別会が予定されている.場所は未定.

◆夜になって,またもや湿った東風が吹き抜けて,そこら中がべたべたになる.

◆本日の総歩数=3004歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.7kg(−0.3kg)/26.1%(+0.2%).


22 juli 2009(水) ※皆既日蝕の本番当日は曇り時々小雨

◆午前4時前に起床.霧雨が降る夜明け前にヒグラシが鳴く.湿った東風が涼しい.気温は21.1度.その後も曇ったり霧雨が降ったりというどんよりした空模様が続く.午前8時に一時雨足が強まったが,その後おさまった.午前9時半,霧雨で気温21.9度.夏日にも達しない涼しさ.今日は「日蝕の日」で,日本全国だれもがいちどは“お天道様”を仰いでみるにちがいないが,関東地方はこの分だときっと拝めないだろうな.

◆早朝のこまごま —— 忘れていた電通のアンケートを返送する./農大の課題レポートに対する受領メールを出す.※届いていない学生はレポート不着のおそれがありますので再送して下さい.

◆本日の皆既日蝕ショーを関東から眺めると,「9:55」に欠けはじめ,「11:13」に欠け具合が最大になり,「12:31」に終了だそうだ.午前10時半から領域会議があったのだが,会議中しだいに外が暗くなっていったような気がする.1時間ほどで会議は終わったのだが,この暗さは日蝕のせい? それとも,単に雲が厚くなっただけ? よくわからなかった.小学校で「日蝕を見る会」を開いていたいとけんさんの話では,雲間からしばし「欠けた太陽」が目撃できたそうだ.つくばでも日蝕観察はできたんだ!

◆届いた新刊 —— マーティン・J・S・ラドウィック[菅谷暁訳]『太古の光景:先史世界の初期絵画表現』(2009年7月10日刊行,新評論,東京,x+284 pp.,本体価格4,500円,ISBN:978-4-7948-0805-9 → 目次版元ページ).原書は:M. J. S. Rudwick (1992), Scenes from Deep Time : Early Pictorial Representations of the Prehistoric World. The University of Chicago Press, Chicago(→ 版元ページ).訳書は原書と同じくほぼ真四角の変型大型本.かつて「太古」の化石や地質が当時の人々の想像力によってどのように描かれてきたかを百枚あまりの図版を通して論じている.M. J. S. Rudwick の翻訳というのは,ひょっとしてかつて海鳴社から出ていた『化石の意味』(1981)以来のことではないでしょうか? あの本は翻訳がひどくて(別宮貞徳さんにさんざん叩かれました),すぐに絶版回収されましたね.Rudwick の科学史本といえば,『Bursting the Limit of Time: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Reform』(2005)と『Worlds before Adam: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Revolution』(2008)といういずれも600〜700ページ超の姉妹本が本棚に鎮座しています.読む時間はとうぶんなさそうですが…….

◆午前のこまごま —— DGC base の監査業務.金銭出納のチェックを完了して昼前に監査報告書を作成した.午後,返送します./進化学会の高校生ポスターは結局「計5件」の応募があった.学会事務局から転送されてきた応募書類のとりまとめをする.

◆ダーウィン関連の新刊 —— Frank W. Nicholas and Jan M. Nicholas『Charles Darwin in Australia, Second Edition』(2008年11月刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xx+260 pp.,ISBN:978-0-521-72867-6 [hbk] → 目次版元ページ).1989年に初版が出ているが,ダーウィン生誕200年に合わせて改訂版が出た(「Anniversary Edition」と銘打たれている).タイトル通り,ビーグル号航海におけるダーウィンとオーストラリアとの「接点」について,たくさんのカラー&モノクロ図版とともに論じている.

◆もう一冊のダーウィン本は来月刊行予定 —— 松永敏男『チャールズ・ダーウィンの生涯:進化論を生んだジェントルマンの社会』(2009年8月7日刊行予定,朝日新聞出版,東京,税込価格1,365円,ISBN:978-4022599575).出版を心待ちにしています.

◆午後5時過ぎに撤収.小雨が降り,やや蒸し暑いような.しかし,日没後は東よりの風が吹き抜けてしだいに気温は下がりはじめた.高校生ポスター発表の演題と要旨のリストを作成し,大会実施委員会宛にメール発送する.とりあえずこれでよし,と.

◆本日の総歩数=6440歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.0kg(+0.5kg)/25.9%(−0.6%).


21 juli 2009(火) ※東京とんぼ返りでなお尻を叩かれて

◆午前2時半起床.東風は相変わらず強く吹いている.星ひとつ見えない曇り空.夜風が涼しい.

◆丑三つ時に原稿の改訂をし始める —— 締切の日の未明にならないと起動しないとは,いささか問題のある書き手だ.「プロローグ」から通読しつつ,必要箇所・該当箇所の改訂作業を進める.あっという間におよそ10時間が経過し,午後1時に「エピローグ」に到達し,全編の改訂を終了した.これでやっと「耳がそろった」ことになる.

◆合間のこまごま —— 農環研分会・次期三役候補によるミーティングは7月23日(木)午後5時半から分会室にて./ダーウィン本の書評を督促されてしまった! 締切は今日の夕方厳守,そして夜の書評配信になるという.とてもまずいな…….ぜんぜん書けてないもんな……(冷汗).

◆東京とんぼ返り(またかよ) —— 13:25のTX快速で東京に向かう.曇りときどき霧雨の空模様.涼しいような蒸し暑いような微妙な不快指数.車中往路読書:エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の第12章を読了.『種の起源』ではヒトの進化については意図的に伏せられていたが,人種論に湧くイギリスとアメリカでは誰もが『種の起源』をヒトの進化を論じた本としてページをめくったという.しかし,人種論争はいっこうにおさまらず,ダーウィンもハクスリー様も有象無象の racist どもに叩かれるはいたぶられるは.信頼していた師や知人たちが次々に転向していくのを横目に,怒れる「大魔神」と化したダーウィンは十年あまりの雌伏ののち,最終兵器である『人間の由来』を世に問うことになる.残るは大団円の最終章のみ!

◆そろった「耳」を差し出す本郷通り —— 午後2時過ぎに根津に着いた.地上は霧雨が降り続き,つくばよりもずっと蒸し暑い.東大構内を横断し,正門前のいつもの〈ルオー〉へ直行.ダーウィン本をさらに読み進む.午後3時に講談社の川治さんが到着.まずはUSBメモリーで完成原稿をわたす.これで,今日の仕事はほぼ終わった.今後の予定は基本的に「レール上を走る」ことになるので,忙しいけど気分的にはラクになる.

レールのゆくえは以下の通り:今月下旬に初校ゲラが出るので,それまでに掲載図版(350dpi以上の精度で取得した画像ファイル)と解題付き文献リストを用意する.来月上旬(お盆前)に図版の入った再校ゲラが出るのでさらにチェック.このときにはオビ(&カバージャケットのウラ)のデザインも決める.下旬には校了となって,あとはよろしくという段取りになる.メインタイトル『分類思考の世界』はこのまま確定でいいが,サブタイトル「「種」よ安らかに眠りたまえ」は変更すべきかもしれないと考えている.できれば,前著『系統樹思考の世界』とペアで売ろうというつもりらしい(たくましい音羽の商魂).

いずれにせよ,9月の五連休前には書店店頭に並ぶだろうとのこと.本の原稿を書き進める途中はたいへんつらいものが(よく)ありますが,原稿を耳をそろえて渡したのちそれがしだいに本としての「かたち」を成していくプロセスに居合わせるのは気分がいいですね.

ついでに,今月出たばかりの“動的平衡本”をいただきました:福岡伸一『世界は分けてもわからない』(2009年7月20日刊行,講談社[現代新書2000],viii+278 pp.,本体価格780円,ISBN:978-4-06-288000-8 → 版元ページ).「2000」のキリ番ですか! オビの「高次元ネットワーク」は天台宗華厳経の教えなり.早田文蔵はえらいっ.

◆用事をすませて午後3時半に〈ルオー〉を出た.まだ霧雨が降り続いているが,傘を開くまでもないようだ.根津に降りてつくばに直帰.車中帰路読書は『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』の最終章50ページ.1871年の『人間の由来』の出版をもって,まだ若い1830年代以降ずっと奴隷制への対決意識とともに歩んできたダーウィンの旅路は終着地にたどり着いた.著者たちは本書の最後のパラグラフで彼の旅路を次のように要約している:

彼[ダーウィン]が人種の単一性を証明するために取り組んだ科学は,いまでこそ宗教と切り離されて考えられているが,ダーウィンに近しい人々には人類多起源論者の奴隷制擁護のメッセージに対抗するものであることがわかっていた.(p. 595)

—— これでやっと書評が書ける!

◆午後5時前につくばセンターに着く.曇りときどき小雨.しかし,都内よりも不快指数は高くない.案の定,書評文の督促メールが何度も届いていた.担当部署に電話をして,「蕎麦屋の出前」のような返事をしてから,すぐに書き始める.約半時間で800字あまりの書評をものして,すぐさまメールで送信完了.午後7時過ぎにやっと夕食にありつけることになった.

◆いつの間にか,外では雨足が強くなっていて,ざあざあ降っている.湿った東風が吹き抜けて気の床がべたべたしてきた.今日は真っ白に燃え尽きたので,今夜は「灰」になって寝るしかないだろう.

◆本日の総歩数=5634歩[うち「しっかり歩数」2971歩/28分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.5kg(+1.0kg)/26.5%(+1.4%).


20 juli 2009(月) ※そろそろ何とかしないと連休最終日

◆午前5時半起床.夏空が広がり蒸し暑い.早朝にはミンミンゼミが鳴くようになった.

◆筑波大学方面への朝の歩き読み:エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の第9〜11章まで100ページあまりを読み進む.そろそろ書評文をまとめないといけないのだが,本文だけで600ページもあると,おいそれとは読み終わらない.

アメリカでルイ・アガシーらが中心となって推進した人種差別主義を背後で支えていたのは人類に関する「多起源論(polygenism)」だった.ダーウィンは人類進化を論じるにあたって,当時は形勢不利になりつつあった「単一起源論(monogenism)」の立場から現在見られるような“人種”が分岐したことを説得的に示すとともに,それを説明する因果理論をも提示する必要に迫られていた.単一起源論の証拠として彼がもちだしたのが飼育動植物の変異性とその人為淘汰のもたらす帰結であり,一方,人類進化の説明要因として彼が擁護したのが性淘汰の仮説だった.

著者たちはダーウィンが進めたこのふたつの研究上の関心は「反人種差別」という深層動機によって初めてうまく説明がつくと主張する.そして,ダーウィンが満を持して世に問うた『人間の由来と性淘汰』(1871年)が,比較的薄い人類進化の第1部(約250ページ)とアンバランスに厚い性淘汰の第2部(約600ページ)という構成になっている理由も,当時の人種論の趨勢の中でダーウィンが取ろうとした立場,そして彼の同僚の科学者たちが人種問題に対してどのような態度を取っていたかを考えればわかると言う.確かに,反人種差別というめがね(=フィルター)を通して,さまざまな証拠を拾っていくと,著者らの物語りは強い説得力を帯びている.

—— しかし,これだけがんがん読み進んでも.本文がまだあと100ページも残っているとは…….

◆日中のこまごま —— 連休にもかかわらず農大の受講生から生物統計学の課題レポートがぼちぼち届きはじめている./8月3日(月)は朝9時には都内にいる必要がある.年休だ./進化学会関連.ワークショップの開催日時が確定したとの連絡あり.いずれも9月3日(木)の「B会場」で,〈W1B:ダーウィン進化論と科学史の現在〉は「13:30〜15:00」に,そして〈W2B:生物学の哲学の現在:哲学と進化学の接点を探る〉は「16:30〜18:00」にそれぞれ開催される故知とになった.個人的にはたいへん慌ただしいプログラム構成になっている.というのも,「15:10〜16:20」には高校生ポスター発表の審査があり,「18:10〜」にはその表彰式が挙行されるからである.ワークショップと高校生ポスターのダブルサンドイッチで,午後はみごとにすき間なくつぶれる.だいいち,今年の札幌大会では,いったい何件の応募が集まるのだろうか?(期待と不安) その集計は明後日までに行なうことになっている.

◆日没後,涼しい東風が通り抜けるようになった.『分類思考の世界』の原稿の「耳」がまだそろわない…….現実逃避のため〈Twitter〉に思わず入ってしまった

—— 今夜は早寝して,未明に早起きしよう.そうしよう.

◆本日の総歩数=9338歩[うち「しっかり歩数」7325歩/64分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.5kg(−0.9kg)/25.1%(−0.6%).


19 juli 2009(日) ※結果的にゆるゆるな暑い三連休中日

◆午前5時半起床.薄曇りながら晴天.暖かく湿った南風が入って,蒸し暑さは朝から格別だ.そのうち雲が晴れて夏の日射しが照りつけて,もうたまらん…….

◆同時代的「日録」のつながり —— 新刊:四方田犬彦『歳月の鉛』(2009年5月20日刊行,工作舎,東京,342 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-87502-419-4 → 目次版元ページ).自分が日々の「日録」を書き記してきたこともあり,他者がものした「日記」の類には関心がある.もちろん,「日記・日録」にはいろいろなスタイルがあり,一方ではシンプルに日々の出来事を書き綴ったものもあれば,一種のエッセイ集の体裁をとるものもある.それは活字として出版される場合でも,ウェブ日記やブログとして公開される場合でも共通している日記・日録のスタイルの変異幅である.

本書の著者はさまざまな評論・執筆活動をしているそうだが,彼の専門分野での活動にはぼくはほとんど関心がない(その方面の著書もいまだに手に取ったことがない).むしろ,彼の前著:四方田犬彦『月島物語ふたたび』(2007年1月20日刊行,工作舎,ISBN:978-4-87502-399-9 → 目次書評版元ページ)を読んで以来,「時代記録者」としての彼の活動に関心をもっていた.著者が描く同時代的風景の「焦点」から少しはずれた「背景」を動くものに興味があったということだ.

今回出版された「ノオト」は,著者が1972年に入学して東大駒場キャンパスに通いはじめてからいったん本郷キャンパスに移り1976年から再び駒場の大学院に戻ったのち,韓国に赴任する直前の1978年までに記されたものだという.著者はぼくよりも5歳年上の世代に属しているので,彼の見た同時代的光景とその記憶はぼくのそれよりもきっちり5年の「時差(年齢差)」を伴っている.それでも,著者が修士の院生として駒場に帰ってきたその年は,ぼくが駒場に入学した年なので,本書の第7章以降の後半部に描かれている駒場キャンパスのようすは,おそらくぼくが体験してきたそれと共通する要素が少なくないにちがいない.

本書に先立つ著者の高校生から予備校生時代のこと(1968年〜1971年)は:四方田犬彦『ハイスクール1968』(2004年2月刊行,新潮社,ISBN:4-10-367104-1)に描かれているそうだが,この本はまだ手にしていない.

同じ著者によるもう一冊の「日録」:四方田犬彦『星とともに走る : 日誌1979-1997』(1999年2月20日刊行,七月社,東京,373 pp.,本体価格2,600円,ISBN:4-87944-019-1 → 目次)は,内容的には上の『歳月の鉛』に続くおよそ20年間(1979年〜1997年)にわたる日記である.『月島物語ふたたび』の期間(1989年〜1993年)もこの日録本には含まれている.三段にびっしり組まれた高密度活字本だ.これらの「日記」をつなげると,途中のブランクはあるものの,実に30年間という長きに及ぶ時代が書き綴られたことになる.

—— もう少し時間の余裕ができたら,こういう本もゆっくり読みたいなあ……(当分ムリっぽい).

◆加速度的「加圧」状況 —— 『分類思考の世界』の改訂稿の提出締切日が近づいている.さくさく進めないとまたドロナワになってしまう./『本』連載ではぼくの〈生物の樹・科学の樹〉のあとに続いた連載の方が先に新書化されていたりする……(今月発売).新聞宣伝とオビに使われている早田文蔵のネットワーク図はぼくが編集部に提供したもの./いかにしても遅筆が度を越すなあ……>ワタクシ.

—— 活性にごり酒を常温放置したみたいに瓶内ガス圧が高まりつつある.泣いてもゴネても21日(火)午後3時が締切.

◆その他,締切が迫りつつあるトドたち —— いつものアンケート回答が21日締切./書評を頼まれているダーウィン本の原稿は20日締切だったっけ?/DGC base の監査報告書は20日締切.やばっ./進化学会「高校生ポスター発表」の応募締切が21日で,要旨などの提出締切が22日./その他,メールで届いていた用件の締切もあったけど,もう過ぎてしまったかな?(ようわからん)※すでにオーバーフローしているので判断不能.

◆「やらなきゃ〜」とつぶやきつつ,結果的にはゆるゆるな連休中日になってしまった.

◆本日の総歩数=0歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=83.4kg(+0.1kg)/25.7%(+0.1%).


18 juli 2009(土) ※朝から蒸し暑くて活動力が低下する

◆午前5時半起床.曇り.こんな早朝からもう不快な蒸し暑さだ.「熱帯夜」という一年でもっとも嫌な季節が今年もいよいよやってきたのか.

◆調子の出ない休日の朝のユルいこまごま —— 次期分会役員に関して届いた脱力メールへのさらなる脱力返信メールを長々と書く.この問題でいつまでも時間を盗られるのは本意ではないので,適当なところで決断して「えいっ」と飛び降りましょうよ(何とかなるでしょ).それにしても,この件の顛末はいったいどーなることやら…….それはそれで sociological にはおもしろい人間行動観察の機会だけどね.

◆午後は気温が高くなってさらに蒸し暑くなった.調子はコンスタントに低空飛行のまま夜を迎える…….ダメダメな一日だった.明日こそは原稿を書きましょう.

◆本日の総歩数=1901歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.計測値(前回比)=83.3kg(0.0kg)/25.6%(+0.4%).


17 juli 2009(金) ※牧場で迎える朝は小雨に濡れていた

◆午前4時半起床.前夜早めに寝たからか,未明に目が覚めてしまった.夜中にときどき話し声が階下から聞こえていたような気がする.学生たちはきっと夜更かししたにちがいない.外に出てみたら小雨が降っていた.気温がやや高めだが,こころなしか涼しい感じがするのは牧場の中だからかもしれない.午前5時半に車で近くのコンビニに買いものに行く.雨足がしだいに強まってきた.その後,牧場内をしばし散策する.かなたに牛が数頭いたり,馬の姿が遠くに見えたりするが,この時間帯だから畜舎の中にいるのだろうか.こんな早朝なのに厩務担当の職員がもう出勤していた.

◆夜明けの読書 —— エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ).ダーウィンが行なった植物種子の塩水実験とハトの観察は, polygenism に対する「反証」としての意味があったということだ(第9章).

◆宴の翌朝の朝食づくり —— 前夜はひとりだけ早寝してしまったが,他の学生さんたちは夜更かしが祟って,午前7時になっても死んだような静けさが宿舎に漂っている.

朝食のご飯とみそ汁そして目玉焼きなどちょっとしたおかずは昨年と同じく搬入してもらうのだが,それではおかずが足りないだろう.冷蔵庫をチェックしたところ,前夜の宴会の残りの食材である野菜や肉などが意外にたくさんあったので,朝食用のプラスαのおかずをつくることにした:「豚バラ肉とキャベツ,ピーマンのカレー風味炒め」,「もやしとソーセージの塩胡椒炒め」,そして「エノキダケの醤油炒め」の三品.まだ生き残っていた学生さんたちに手伝ってもらって調理を進めた.宿舎の厨房には大火力ガスバーナーがあるのだが,自動点火ではなく,「タネ火」を別途用意するという初めて見るタイプの時代物のガスレンジだった.火をがんがん使ったので汗をかいてしまった.

午前8時に朝食が始まり,8時半にはもう荷物を車に積んでひとり牧場を出発していた.見学旅行一行は別途バスで本日のコースをまわり,昼過ぎに農環研に来ることになっている.すでに雨は小止みになって,空が明るい.午前9時過ぎには桜土浦インターをおりてつくばに入っていた.雨上がりの曇り空.午前中は年休をとっているので,いったん帰宅してから荷物をおろして一休み.

◆午前11時に農環研に出勤.青空が広がり蒸し暑くなってきた.気温は26.2度.

◆昼過ぎには東大の見学ご一行さまが農環研に到着してロビーで待機.その後,土壌モノリスの展示館で所の紹介フィルムをみてもらってから,インベントリーセンター収蔵物の展示を一回り,その後,別棟にある連携講座関連の実験施設の見学をしてもらって,午後3時過ぎにバスを見送った.じりじりと暑い夏の日射しが照りつけていた.みなさん,どうもお疲れさまでした.昨日からの疲れがじわじわと染み込んできたようだ.

◆午後のこまごま —— 講談社から電話あり.『分類思考の世界』の本文原稿を耳を揃えて提出するのは7月21日(火)午後3時,本郷〈ルオー〉にて./元の連載記事「生物の樹・科学の樹」が CiNii で検索できることを初めて知った(本文は読めないですが).雑誌『本』を所蔵している図書館が国内で「82館」しかないとは!/進化学会札幌大会での「高校生ポスター発表」企画のページを大会サイトの中につくってもらった.宣伝あるのみ.締切は7月21日(火)ですので,よろしくよろしく./日本古生物学会75周年記念事業である『古生物学事典』(朝倉書店)の編集協力者(レフリー)の依頼が届いた(分野は系統学).どの学会も記念事業として当該分野の「辞典・事典」づくりに励むというグローバルな趨勢があるんでしょうか./うわ,分会次期役員はモメるかも…….早いうちに所信表明メールを返してぼくの態度を明らかにしておくことにしよう.

◆午後5時過ぎに疲れつつ撤収する.明日からは三連休だが,行楽とはまったく無縁なので,差し迫った原稿を書き続ける日々がただ続くだけだ.

◆本日の総歩数=10758歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測.


16 juli 2009(木) ※真夏日の夜は岩間の牧場で労働する

午前4時半起床.晴れ.東風が涼しいように感じたが,湿気がある.地表近くは蒸し暑い.気温23.7度.早朝は上空をすじ雲が流れていたが,しだいに夏らしい空の顔つきになる.

◆午前のこまごま —— 今日のプチ遠出のためのガソリン補給とオイル交換を朝イチにすませる./今夜は岩間の東大附属牧場に宿泊するので,明日午前中の年休取得をしておく.併せて,忘れないうちに先週の京都出張の復命書と宿泊領収書の提出をすませた.

◆ヘッケル「人類進化本」着便 —— Ernst Haeckel『Anthropogenie oder Entwickelungsgeschichte des Menschen: Gemeinverständliche wissenschaftliche Vorträge über die Grundzüge der menschlichen Keimes- und Stammes-Geschichte』(1874年初版,Verlag von Wilhelm Engelmann, Leipzig, xviii + 732 pp., 12 Tafeln).ダーウィンの『人間の進化と性淘汰』(1871)のわずか3年後に出たヘッケルの人類進化本.130年以上前の初版だが,ハーフモロッコ装丁の造本はまったく崩れていない.聴衆に語りかけるような講演調文体は,本書に先立つ『Natürliche Schöpfungsgeschichte』(1868年刊行,Verlag von Georg Reimar, Berlin)によく似ている気がする.

◆午前から夏空が広がり気温は急上昇.午前11時半には30.2度の真夏日になった.そのまま午後に突入する.

◆夕方,岩間へ向かう —— 支度をすませて午後4時過ぎにつくばを出発する.桜土浦インターから常磐道に入り,たった20分北上すればもう岩間インターだ.東大農学部の附属牧場は岩間インターのすぐ近くに敷地が広がっている.まだ午後5時をまわったばかりだ.この附属牧場が,東大農学部専攻三年生の今年の見学旅行の宿泊地となっている.昨年に続き二度目の来訪となる.さらに一時間ほどして午後6時近くに一行を乗せたバスが牧場に到着した.

まずは牧場の研修生宿舎に荷物を運び込み,その後,JR岩間駅前まで学生3人を乗せて夕食の食材の買い出しに出る.牧場の周囲にはスーパーは皆無なので,去年の見学旅行のときと同じく,車で15分ほどのところにあるJR岩間駅前のスーパーまで行く.この買い出しの車のためにぼくが動員されたというわけだ(自家用車以外には「足」がまったくない).焼き肉と焼きそばがメインだというので,まずは肉を買う買う.たった18人の参加者のために牛肉・豚肉・鶏肉をしめて5キロも! 野菜類はキャベツやもやしなどたくさん.さらに発泡酒・焼酎・ソフトドリンク類が山ほど.いくら二十歳過ぎの学生さんとはいえ,こんなに大量摂取するんですかっ.

食材をどっさり積み込んで牧場に帰り着いたのは午後7時過ぎだった.まずは宿舎内の食堂で乾杯をして(おい,すぐに白飯を喰うなってば…),その後,外の野外炊飯場に移動して本格的に肉を焼き始める.夕闇の中ではあるが,昼間の暑さがまだ残っていて蒸し暑い.そこに炭火の熱気が渦巻き肉を焼くときの油煙が舞い上がる.ガマン大会かも.昨年はうっかり照明をつけてしまったので,おびただしい数の虫が誘引されて食べ物の中に飛び込んでしまった.その教訓はただひとつ:「暗闇の中で食べるべし」.日本酒は島根の〈王祿・純米吟醸限定原酒〉ともうひとつは某方面で評判が高まりつつある福井の〈梵・純米吟醸ときしらず[五年古酒]〉をそれぞれ一升瓶で用意した.〈王祿〉はいつも通りのピシっと直球勝負できたし,〈梵〉は温度がしだいに上がってくるとそのまろやかな風味が引き立つようになった.セレクションは間違いなかった.

—— 暗闇パーティはその後も深夜まで延々と続いた[らしい]のだが,前夜あまりよく寝られなかったので,早々に部屋に引き上げたらそのまま寝入ってしまったようだった.

◆本日の総歩数=12058歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜×.計測値(前回比)=83.3kg(−0.5kg)/25.2%(−0.5%).


15 juli 2009(水) ※真夏日の弥生坂を熱風が吹き降りる

◆午前4時半起床.曇って蒸し暑い.気温23.0度.今日は東京プチ出張.

◆真夏日の本郷にて —— 11:02発のTX区間快速に乗る.正午前に根津に着いた.地上に上がったら体感的にもう真夏日で,しかも熱風が吹き渡っていた.梅雨明したからといってもうちょっと手加減してほしい.青い夏空が広がる.午後1時から専攻教員会議.農学部事務の体制変更により先行担当も顔ぶれが変わった.われわれに直接関係する議題:1) 明日16日(木)の先行見学旅行で岩間の東大附属牧場に“動員”されることになった.車がないと買い出しにも不自由なので,まあいいでしょう.2) 連携講座が入っている隠れ部屋が取り壊されることになり,代替室が提示された(6号館406号室).新しい建物が立つまでの期間(いつ完成するんでしょ?).

◆〈芋甚〉で季節のかき氷を —— 午後2時半に教員会議は終了した.見学旅行のタイムテーブルと宿泊先の附属牧場での買い出しの段取りを確認して,東大をあとにする.地震研裏門から夏の日射しに焼かれたS坂を下り,根津神社横を通って不忍通り向こうの〈芋甚〉へ.この店では夏場だけの「かき氷メニュー」が30ほども用意されている.しばらく迷ったが「あずきクリーム」を選ぶことにした.この店の氷がいいせいか削り方がいいせいか,ごりごりしないで,淡雪のようにきめが細かくてそのままでも甘く感じる.もちろん,あずきは〈芋甚〉の自慢の逸品で,濃厚クリームと混ざるとそれはそれは美味だ.

正しいかき氷の食べ方がどうあるべきかは考えたこともないが,ぼくの場合,側面から「かまくら」を掘ることにしている.あずきはうつわの底面にたまっているので,「かまくら」を掘りながらまずは小豆をすくう.そのうち「かまくら」の内側や天井の氷が融けて“崩落”しはじめる.そうするとトッピングのクリームが徐々に小倉あんの「池」に混ざり,しだいに味が変化していく−その時間的変化の妙を味わうというスタイルだ.最後にかき氷が春先の札幌市内みたいなシャーベット状になったら,スプーンいらずで「ずずっ」とすすってしまうのがワイルド.

聞くところでは,かき氷の名品・名店は各地にあるようだ.20年ほど前に上州に住んでいたころは,前橋の駅前ストリート(けやき並木)の一本ウラにある〈野口氷店〉のレトロな店内でかき氷を食べる機会が何度かあった(→ 紹介記事).関西人にとってはかき氷は「食べる」ものだが,上州人にとってはかき氷は「飲む」ものであることを初めて知って少し感動した記憶がある.〈野口氷店〉は今でも夏場になるととても賑わっているらしい.

◆〈芋甚〉の外は相変わらず逃げ場のない真夏日だ.千駄木から乗ってつくばに直帰.つくばセンターには午後5時過ぎにたどり着いた.どこにいっても「夏」からは逃れられない…….

◆車中読書 —— エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の第9章まで読了.人種に関する「monogenism」対「polygenism」の論争が,家畜の人為淘汰研究と深く関わっていたことを初めて知った.とくに,アメリカでは人種差別主義の観点から,人種(race)はそれぞれ別の種(species)であるという polygenism が広まっていて,Louis Agassiz もそれに加担したし,アメリカ旅行をした Charles Lyell もその見解に与したとして Charles Darwin に厳しく批判されたという.しかし,19世紀中盤の趨勢としては「monogenism」ではなくむしろ「polygenism」の方が支持を集めていたという.

◆夕食はスパークリングワインとパスタで.夜になっても気温はいっこうに下がらない.熱帯夜といういやな季節がもうそこまで近づいているのだろうか.

◆次期の分会執行委員に関して,脱力なメールがいくつか届いていたので,同程度に脱力な返信をしておいた./明日の夕方は岩間の東大附属牧場でアウトドア料理をして泊まるという予定が急遽組まれたので,そのしたくをしないといけない./進化学会の高校生ポスター発表に関してはアナウンスの輪が広がっている.ご協力ありがとうございます.

◆本日の総歩数=9345歩[うち「しっかり歩数」1063歩/10分].全コース×|×.朝△|昼−|夜△.計測値(前回比)=83.8kg(+0.5kg)/25.7%(−0.1%).


14 juli 2009(火) ※いきなり梅雨明けして夏空と蝉の声

◆午前5時起床.晴れて朝から気温が高い.前夜の御乱行が祟ってアタマが痛い…….シャワーで禊をする.午前9時には25.9度と夏日ラインをあっさり越えてなお上昇中.

◆〈シンフォニェッタ〉 —— 発売早々ミリオンセラーになった某文芸新刊の冒頭ページに登場したおかげで,予想外にCDが売れまくっているというヤナーチェックの〈シンフォニェッタ〉.ときどき明け方の農環研でBGMに響くことがありますが,総譜を読むと意外すぎるほど音の厚みがシンプルで「あれれ」と肩すかしを喰らう気がします.ヤナーチェックは,若い頃に同郷モラヴィアの遺伝学者グレゴル・メンデルの葬儀で音楽指揮をしたことでも知られている.

◆日中のこまごま —— 件の映像制作に関する電話での打ち合わせ.某所への内々の連絡をすることになった.正式には宮内庁に正面突破でアタックしてみてください./進化学会・高校生ポスター募集の内容を最終チェック.今日中にアナウンスする予定./喫緊の締切日:7月20日(月)までに『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』の書評文(1,000字),もうひとつは DGCbase の監査報告書.7月21日(火)には『分類思考の世界』の改訂原稿の提出.

◆梅雨明け宣言 —— もう少し梅雨前線ががんばってくれるかと思っていたのだが,関東地方の「梅雨明け」があっさり宣言されてしまった.気のせいか蝉の鳴き声がやかましさを増しているように感じられる.午後2時半,雲が多い夏空.気温は31.0度の真夏日.湿度はそれほど高くないので,確かに梅雨時とはちがう本格的な夏本番を思わせる空模様になった.

◆献本感謝 —— 瀬戸口明久『害虫の誕生:虫から見た日本史』(2009年7月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書793],217 pp.,本体価格720円,ISBN:978-4-480-06494-3 → 目次版元ページ).書店の新刊コーナーに並んでいたのをすでにゲットしていたのだが,著者からの献本が研究所に届いていた.どうもありがとうございます.せっかくですから書影も載せて,と.すでに読みはじめていますが,明治時代の日本における「応用昆虫学(害虫学)」の学問的成立とその社会的背景についての追跡がおもしろいですね.とくに,岐阜に今もある「名和昆虫研究所」の半世紀にわたる活動とその位置づけの変遷は,歴史的エピソードとしてとても興味深い.ここはかつて一度だけ訪問したことがあるがこういう歴史を経てきた研究所だとは知らなかった.

◆夕方になって,進化学会の高校生ポスター募集のアナウンスを関係諸方面に配信した.メーリングリストでの広報は終わり,大会サイトでの掲載もすぐに対応してくれるだろう.せっかくなので,以下にアナウンス文を貼付けますので,関心のある方は周囲に宣伝していただければ幸いです.募集期間が一週間しかないので,短期決戦で周知させる必要もあります:


高校生ポスター発表「みんなのジュニア進化学・第4回」募集について

日本進化学会第11回札幌大会では高校生のポスター発表「みんなのジュニア進化学・第4回」を開催します.大会会期中に高校生にポスター発表をしていただき,進化学に関連する諸分野の専門家や学生との交流を通して,生物進化全般への関心をもっていただくのが本企画のねらいです.生物に関わる内容であれば,どのような分野や題材の発表でも大歓迎です.

  • 【日時】2009年9月3日 (木) 15:10〜16:20
  • 【会場】北海道大学高等教育機能開発総合センター
  • 【参加費】無料.発表者の全員(人数に制限なし)および発表者付き添いの教員1名は,大会参加費が免除されます.
  • 【発表資格】高等学校または高等学校に相当する教育機関に在籍する生徒であること.国籍は問いません.
  • 【発表内容】進化に直接関わる題材である必要はありません.生物に関わるものであれば,まとまった研究成果でなくても,諸活動の計画,現状,または問題点などの中間報告でも結構です.
  • 【発表方法】本大会の指定するパネルサイズに収まるポスター.発表者(複数可)は,プログラムの発表時間帯にポスターの説明を口頭で行ってください.
  • 【コメンテーター】関連領域の専門家(最低1名)が各ポスターを担当し, 進化学の見地からコメントやアドバイスをします.
  • 【ポスター賞】選考委員会が内容を評価し,発表されたポスターにはすべてに表彰状を出し,とくに優秀な発表は「最優秀賞」として表彰します.表彰式は9月3日(木) 18:10〜19:20の時間帯に行ないます.

高校生ポスター発表の申込方法

2009年7月21日(火)までに電子メールで件名に『高校生ポスター発表申込』と記入して下記の内容をご連絡ください.送付先:日本進化学会事務局 shinka_at_kuba.jp(「_at_」を「@」で置換してください)

内容  ポスターのタイトル
 発表要旨(日本語で500字以内)
 発表者全員の氏名,よみがな
 代表者の所属
 代表者の郵便番号
 代表者の住所
 代表者の電話番号
 代表者のメールアドレス(携帯電話のアドレスはご遠慮ください)
 付き添いの教員の有無
 付き添いの教員の名前

【お問合せ先】※いずれも「_at_」を「@」で置換してください.
 高校生ポスター発表に関する問合せ先: 日本進化学会事務局 shinka_at_kuba.jp
 その他の進化学会大会に関する問合せ先:
   第11回日本進化学会大会実施委員会大会委員長 渡邉日出海
   shinka2009_at_ml.hokudai.ac.jp

◆午後6時前にやっと撤収.夏らしい表情の夕方の空.乾いた南風が吹く.気温は27度台.

◆本日の総歩数=6090歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


13 juli 2009(月) ※ほぼ酷暑日に農大講義の最終回と宴

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ.南風.気温22.7度で朝から蒸し暑い.

◆早朝のこまごま —— 進化学会・高校生ポスター発表の案内文(案)をさらに修正し,関係者に回覧する.

◆農大の今期最後のかもし高座 —— 朝イチで郵便局へ.次に,予約しておいた歯医者で定期検診.戻ってから機材一式を抱えて11:25発のTX快に乗る.めっちゃ蒸し暑いやん.もちろん真夏日で,予報では酷暑日に接近するかもとのこと.経堂・農大通り,暑すぎてくらくらします.雲の多い夏空からときどき雨粒が降ってきた.14:40〜16:10,農大かもし(第13しぼり=今期最終).今日は形態測定学のおはなしをする.受講生のみなさん,一学期間たいへんお疲れさまでした.

◆耐え難い暑さの中をレーヴェンブロイを呑みながら講義アンケートをざっと一読.多少でも得られるものがあれば毎週講義に来た甲斐があるというものだ.ビールでの乾杯ののち,この夜いただいた銘柄は,石川の〈宗玄・おりがらみ〉,静岡の〈開運・純米吟醸〉,鳥取の〈諏訪泉・満天星〉,香川の〈悦凱陣・オオセト〉,滋賀の〈不老泉・おりがらみ〉,大阪の〈秋鹿・へのへのもへじ〉くらいだったかな.※ほかにもあったっけ?

◆とても遅くなって北千住から終電間近のTXに転がり込み,つくばセンターにたどり着いたのは午前1時過ぎだった.日中の暑過ぎと夜の飲み過ぎでもうへろへろです…….

◆帰宅後の真夜中メールチェックでトドたちの健やかなる増殖を言祝ぐ —— 生物多様性に関する映像制作に関連しての依頼.内々に連絡を取りたいと思います./『分類思考の世界』はあと一週間で本文の改訂を終わらせないといけない./高校生ポスター発表案内文の修正点./雑誌『fold』のゲラチェック./なまずを喰おうという企画あり./東京化学同人の『生物学辞典』につき,すでに統計関連項目のゲラは送られてきているが(先月中に),さらなる生物系統学項目のチェックを追加依頼された.

◆本日の総歩数=16252歩[うち「しっかり歩数」4976歩/47分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=83.3kg(+0.2kg)/25.8%(0.0%).


12 juli 2009(日) ※調子が出ない日曜は豚肉を蒸し焼き

◆午前5時起床.早朝は南風が涼しかったが,晴れたり曇ったりしているうちにしだいに蒸し暑くなってきた.涼しかった昨日とはだいぶちがうが,今日が本来の梅雨の気候だろう.

◆休日のこまごま —— 今月30日(木)の農環研・夏祭りに向けて,〈つちのうえ太鼓隊〉がまたもや活動開始.練習は16日・23日・30日にやると“隊長”から連絡があった./進化学会・高校生ポスター募集.そろそろタイムリミットなので,関係諸方面に連絡しないと.

◆着便本 —— 『歴史/物語の哲学』(2009年1月15日刊行,岩波書店[岩波講座〈哲学〉・第11巻],xiv+276 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-00-011271-0 → 目次版元ページ).全15巻からなる叢書.知っている著者が書いていたりする.とりあえず,伊勢田さんの章:伊勢田哲治「歴史科学における因果性と法則性」(pp. 95-119)から始めようか.「歴史の物語り論」についてもいくつかの章で言及されているが,事前に:野家啓一『物語の哲学』(2005年2月16日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・学術139],vi+374 pp.,ISBN:4-00-600139-8 → 目次)と鹿島徹『可能性としての歴史:越境する物語り理論』(2006年6月28日刊行,岩波書店,xvi+294 pp.,ISBN:4-00-022465-4 → 目次)を参照すること.

◆午後になっても水蒸気が凝集したような曇り空で,蒸し暑さがべっとり貼り付く.熱湯でたてた「いり番茶」をいただく.

◆夏バテ防止の景気づけに豚肉料理を —— 朝日新聞(2009年6月13日朝刊)に載っていた「元気のレシピ:塩漬け豚バラ肉の蒸し焼き」がとてもうまそうだった.運よく生活クラブの豚バラ肉ブロックがあったので,昼下がりにさっそく調理開始.

  1. 豚肉のバラ肉ブロック700グラム塊をふたつに切り分ける.
  2. 鍋に湯をたっぷり沸かし,太ネギの青葉部分,ショウガ薄切り,和山椒粒を数個放り込んで,上の豚バラ肉を15分間茹でる.金串を中心まで突き刺して赤い血がしみ出さなくなったら取り出して,さます.
  3. 肉の表面に雪塩をたっぷりすりこみ,和山椒粒を脂身のすき間に差込む.料理用ビニール袋に密閉して冷蔵庫で数時間寝かせる.※レシピ記事には「一晩寝かせる」と書いてあったが,時間がなかったので短縮した.
  4. フライパンを強火に熱して,袋から取り出した豚バラ肉の表面にしっかり焦げ目をつける(写真上).※「焼き過ぎると硬くなる」と記事には書かれている
  5. 深胴のパンに肉を移し,水300ccを加えて煮立て,ふたをして弱火で15分間蒸す.
  6. ふたを取って中火で水気が飛ぶまで火を通す.
  7. 厚めにスライスして食卓へどうぞ!(写真下)

「たれ」のレシピは以下の通り:黒酢(大さじ2)+醤油(大さじ2)+練り和からし(小さじ半分)+コリアンダー葉(好みに応じて好きなだけ)を混ぜて,各自取り分けてからかけていただく.

豚バラ肉には脂身がふんだんについているが,上のレシピのように「茹でる+焼く+蒸す」という調理をすることで,脂身自体がとてもおいしく食べられる.今回は「寝かせる時間」をはしょってしまったが,しっかり塩味をつけた上で冷蔵庫でよく寝かせればよりおいしくなったにちがいない.

材料費は,豚バラ肉を除けば,それほどかからないが(和山椒粒が意外に高価だった),コリアンダー葉(香菜)がやや入手しにくいかもしれない.たくさんつくっておいて冷蔵庫に入れておけば一週間はもつらしい.

—— 時間はかかるが手間はかからない.しかも,ボリュームのある一品を食卓に並べることができる.ぜひお試しあれ.

◆本日の総歩数=3556歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.1kg(0.0kg)/25.8%(−0.8%).


11 juli 2009(土) ※涼しい土曜に焼き牡蠣と王祿の夕べ

◆午前5時過ぎ起床.京都で罹った「急性夏バテ」がまだ尾を引いているらしく,からだの節々がだるいような痛いような.曇りときどき晴れ.東風が涼しい.湿度も低くて気持ちがいい早朝.その後も日中はこの時期にしてはしのぎやすい天気だった.

◆トド撃ちこまごま —— 進化学会の高校生ポスター発表の募集は週明けに一気にカタをつけます.その支度は今日明日のうちに./動物衛生研究所で毎年やっている系統学講義.今年は9月11日(金)9:00〜10:30と日程が確定した.

◆〈PowerPoint〉の認知スタイル —— 改訂版パンフレットがやっと届きました:Edward R. Tufte 『The Cognitive Style of PowerPoint: Pitching Out Corrupts Within, Second Edition』 (2006年刊行,Graphics Press, Cheshire, 32pp., ISBN:0-9613921-6-9 [pbk] → 版元ページ).旧版は:Edward R. Tufte 『The Cognitive Style of PowerPoint』 (2003年刊行,Graphics Press, Cheshire, 28pp., ISBN:0-9613921-5-0 [pbk]).著者は言う,PowerPoint が役に立つスライドウェアであるのは,講演スキルの劣る「底辺10%」の発表者にとってだけである.一方,「上位10%」はそういうスライドウェアに依存しないトークができるから,PowerPoint は無害である.そして,残り「80%」の発表者にとって PowerPoint は災厄である−ということを示した本.こういうスライドウェア(とお仕着せのテンプレート)ではなく,ちゃんとしたページレイアウト・ソフトウェアでスライドをつくるべし,と.

◆日中いっぱい,旅疲れかはたまた夏バテか,ぜんぜん調子が出なかったし,仕事も何一つできなかった.こういうときはよく食べて飲むしかないでしょ.ということで,北海道の厚岸からクール宅急便で牡蠣が届いたのを幸い,焼いて喰うことになった.

せっかく新鮮な牡蠣が届いたのだから,それなりの日本酒を用意しよう.ま,順当な選択肢は島根の〈王祿〉の純米酒「山田八十」だろう.80%精米の直汲み無濾過生原酒.辛口にしてしっかりした味わいと米の旨味.焼き牡蠣との相性がとてもよかった.

ついでに,牛肉の切り落としでまたもや“進化型”牛丼(→ レシピ)を大量に仕込んだ.煮込んだネタの組み合わせによって「肉じゃが」,「肉豆腐」,「牛丼」のいずれにもなるというマルチなお手軽料理なので,ときどきつくっておくと助かる.

◆そんなこんなで,食慾に負けつつ,夏バテ気味の土曜の夜は更けていった.

◆本日の総歩数=2256歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.1kg(+0.3kg)/26.6%(+1.4%).


10 juli 2009(金) ※洛中安息:極度の蒸し暑さにばてる

◆午前6時過ぎにいったん起床したものの,前日の疲れからかぐうたらしてしまう.外は曇り空で,ときおりざーっと雨が降る.ホテル内にいても蒸し暑さの雰囲気が伝わってくる.チェックアウトして外に出たら,案の定,昨日以上の蒸し暑さにげんなりする.曇ったり降ったり.昨日から疲労感をひきずっているのだが,今日も朝から体調がいまひとつよろしくない.

◆新刊メモ&入手メモ —— 瀬戸口明久『害虫の誕生:虫から見た日本史』(2009年7月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書793],217 pp.,本体価格720円,ISBN:978-4-480-06494-3 → 目次版元ページ).江戸時代の以降,明治時代を経て,ふたつの世界大戦にいたる日本の近代の中で,人間社会に関係する「虫」がどのように扱われてきたかを論じている.こういう側面から日本の「害虫学史」に切り込んだ本は今まで見たことがない.さらに,日本の農政と応用昆虫学の歴史としても読める./先日の往来堂書店にて:『谷中根津千駄木(其の九十二)』(2009年3月31日発行,谷根千工房 → 谷根千ネット).特集は〈谷根千の町工場〉.もうすぐ出るという第93号で四半世紀続いたこの地域雑誌も終巻となる.バックナンバーの販売とか記念イベントもあり./辻静雄『ワインの本』(1982年11月25日刊行,新潮社[新潮文庫つ-5-2],ISBN:978-4-10-127502-4)/田崎真也『ワイン生活:楽しく飲むための200のヒント』(2009年6月1日刊行,新潮社[新潮文庫た-71-3],ISBN:978-4-10-131533-1).

◆京都駅ビルにておみやげをば.この季節の京和菓子はいかにも涼しげな「季節もの」が多いが,関東ではあまり食する機会のない「水無月」を買い求めることにしました.7月なのに水無月とはこれいかにと言われるが,月の名前に関係なく,水無月は暑い季節にぴったりの和菓子.今の季節はどこの和菓子屋でもこの“直角三角形”を店先に並べているが,〈五建外良屋〉の「水無月」は前から有名だ.ほんとうは〈和久傳〉の「西湖」の方が魅力的だったが,持ち帰りが難しいし日持ちもしないので断念した.ついでに,寺町二条の〈一保堂茶舗〉の「いり番茶」も買い求める.焦げ臭さが魅惑的.

午後1時16分発の「のぞみ22号」に乗る.午後3時半に東京着.曇って蒸し暑いことには変わりはないが,京都の暴力性はなく,もっとスマートに蒸し暑い.秋葉原に移動してTXへ.午後5時過ぎにつくばセンターに帰り着いた.つくばでも蒸し暑さはまだ続いていたが,日没とともにしだいに雲が晴れて,東寄りの涼しい風が通り抜けるようになった.

◆昨日からぜんぜんメールチェックをしていなかったが,トドが増えてますな…….しかし,予期せぬ「夏バテ」で,気力と体力の限界を感じてしまう.今日はもう使い物にならないと観念して早々に寝ることにした.

◆本日の総歩数=5655歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測.


9 juli 2009(木) ※洛中生息:東山界隈を徘徊し祇園へ

◆午前4時起床.曇りのち雨,蒸し暑い.旅支度の最終チェック完了.

◆小雨の中,京都へ向かう —— 6:41発のTX快速で東京へ.移動中は雨が降ったり止んだりしていたが,都内は曇り空だった.8:00発の「のぞみ207号」に乗る.蒸し暑さはさらに悪化しつつある.こんな日に遠出をしたくはないのだが,快適な700系なので許そう.

◆車中読書 —— エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の第6章まで読了.「反人種差別」というフィルター(あるいは眼鏡)を通してみたダーウィン進化論史という本書の基調がよりはっきりしてきた.

◆10:21に定刻通り京都着.新幹線のドアが開いたとたん,真綿をのどに詰め込まれるような息苦しい蒸し暑さに包まれた.こういう暴力的な蒸し暑さはもう許せない…….長年生まれ育ってきた土地なので知らないわけはないのだが,祇園祭のこのシーズンに京都に足を踏み入れるのは久しぶりのことなので心の準備をせずうっかり油断をしてしまった.

◆計量生物学会の評議員会・総会・講演会 —— 京都駅から京都市役所前まで地下鉄で移動し,そこからタクシーで京大医学部へ.午前11時過ぎにたどりつく.午前11時半から日本計量生物学会の評議員会が1時間弱あった:〈IBC2012〉は開催決定(期間は2012年8月26〜31日);来年度の年会は立川移転する統数研にて2010年5月20日(木)〜22日(土)に.例の豚インフルエンザ騒動のせいで五月に直前中止になった年次大会の代わりとして本日開催されたもの.出された仕出し弁当には「鱧」に「おつくり」に「だしまき」がついていた(さすが).その後,隣りの芝蘭会館に移動し,学会総会が20分ほど.午後1時からは計量生物学講演会として午後5時前まで医療統計学の講演会がある.

◆理学部襲撃と水餃子迎撃の夜 —— 外に出ると蒸し暑さに包まれる.熱帯温室のごとし.にしむら酒店で〈喜楽長〉の活性にごり酒を手に入れて理学部二号館を急襲する.HKT研究室には幸い主が在室していたので,今年の連携併任教授の仕事についてしばし打ち合わせを.去年はちょうどお盆のころに京都に滞在したが,今年も来月の中下旬に来ることになった.日程詳細と講義内容については追って詰めるということで.

ちょうどタイミングよく,今夜はHKT研究室での「餃子パーティ」をするというので,急遽参加させてもらうことにした.いったん〈ホテルフジタ京都〉にチェックインしてから,夕方5時過ぎにふたたび研究室へ.セミナー室にてすでに餃子の皮づくりが始まっていた.ここHKT研では餃子が作れない学生は進級できない(させない?)そうだ.どの学生も人生がかかった餃子づくりだから上達が早いのもむべなるかな.〈黒龍〉の「しずく」,いただきました(ごちそうさま).来月ここに来るときはつくばではいつでも入手できる〈梵〉を事前にクール便で送る手配をしましょう.

—— そのうち参加者がどんどん増えてきて,夕闇とともにカオス度も急激に高まっていった.今日は幸い雨にならなくてよかったが,蒸し暑さは十分にからだにこたえた.

◆本日の総歩数=16768歩[うち「しっかり歩数」2278歩/25分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=82.8kg(−0.2kg)/25.4%(−0.3%).


8 juli 2009(水) ※梅雨空の本郷との蒸し暑い短期往復

◆午前3時半起床.暖かな南風が吹き荒れている.気温24.2度.ほぼ熱帯夜ですな.未明からすでに蒸し暑く感じる.はじめは晴れて満月が輝いていたが,そのうち雲が厚くなり,午前8時前には生暖かな雨が降り出した.梅雨空復帰.

◆雨が降ったり止んだりする午前.蒸し暑さは持続的.今日は原稿を書くための年休日なので,自室に引きこもって昼過ぎまで書き続ける.400字詰にして20枚あまりの進捗.やはり休んで書くと捗ります.

◆梅雨の本郷通りへ —— 13:25発のTX快速で東京に出る.つくばは小雨が降り続いていたが,根津の地上に上がったら雨は一時的に止んでいて蒸し暑い曇り空だった.東大構内を突っ切って本郷通りの〈ルオー〉に着いたのは午後2時半.さらに半時間ほど原稿を書き続け,合計25枚ほどの分量になった.これくらいあれば“年貢”として認めてもらえるだろう.午後3時過ぎにNHK出版の井本さんが到着.さっそく原稿ファイル(第3章の2〜3節)をUSBメモリーで手渡して今月のタスクは終了.次回は8月17日(月)の昼前,大岡山にて.

◆そそくさと東京を離れる —— 午後3時過ぎに〈ルオー〉を出て千駄木へ.小雨がときおりぽつぽつ降る蒸し暑い天気が続く.〈往来堂書店〉を一回りして物色する.『谷中根津千駄木』の「92号」が出ていた.終巻まであと1号になってしまった….その後,谷中銀座手前の〈マミーズ〉にてホールの焼きたてアップルパイを購入.千代田線の千駄木から乗ってつくば直帰.北千住は曇り.TX快速でつくばに着いたのは午後5時過ぎ.南風が強くて,せっかくの晴れ間なのにまた雲が広がってきた.南風あいかわらず強い.

—— 結局,この日は往復2時間の移動時間を除けば,東京の滞在時間は立った1時間あまりだった.あわただしいとんぼ返りをしてしまった.

◆近刊情報(【種】の本2冊) —— みなさん,とっても【種】がお好きです.同じ著者が同じ年に【種】の本を2冊もまとめて出すとは!(しかも単著だし):

  • John S. Wilkins『Species: A History of the Idea』(2009年9月刊行予定,University of California Press[Series: Species and Systematics 1],Berkeley,320 pp.,ISBN:9780520260856 [hbk] → 版元ページ
  • John S. Wilkins『Defining Species: A Sourcebook from Antiquity to Today』(2009年刊行予定,Peter Lang Publishing, New York, ISBN:978-1433102165)

◆さて,京都へのプチ旅支度をしないといけない.残された時間はもうあまりないぞ.

◆本日の総歩数=9258歩[うち「しっかり歩数」3171歩/29分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.計測値(前回比)=83.0kg(+0.1kg)/25.7%(+0.3%).


7 juli 2009(火) ※ 真夏日の七夕に南の風が吹き荒れて

◆午前3時半起床.湿り気のある南風が吹き付ける.夜明け前は曇り空,のち晴れ間が広がってきた.気温は22.2度.こんな早朝なのにもう蒸し暑いとは.

◆早朝のこまごま —— ソーバー訳本の注文がさらに一冊.さっそく郵送準備を完了しました.まいど!

◆文献系図学における系統推定法(「ラハマン法」)の歴史と成立 —— 先月オンライン発注した本がちょうど七夕に届いた:Sebastiano Timpanaro[Edited and Translated by Glenn W. Most ]『The Genesis of Lachmann's Method』(2005年刊行, The University of Chicago Press, Chicago, viii+252 pp.,ISBN:0-226-80405-4 [hbk] / ISBN:0-226-80406-2 [pbk] → 目次版元ページGoogle Book Search).原著はイタリア語.ドイツ語訳は大学院生の頃に読んだが,この英訳版は資料性がずっと高い.翻訳者による原書各版の異同,写本伝承過程における manuscript stemma の構造のモデル化に関する著者の遺稿(Paul Maas の Textkritik を踏まえて)などの付録が付けられている.ステマの構造の形式化は pattern cladistics のそれと瓜二つ.考えることは学問分野を越えて修練していたということ.もちろん,pattern cladistics よりも Maasian stemmatics の方が半世紀ほど古いんだけれども.

比較文献学と歴史言語学における「系統推定法」のパラレルな関係について,著者はこう述べている:

There is an indeniable affinity between the method with which the Classical philologist classifies manuscripts genealogically and reconstructs the reading of the archetype, and the method with which the linguist classifies languages and as far as possible reconstructs a lost mothe language, for example, Indo-European. In both cases inherited elements must be distinguished from innovations, and the unitary anterior phase from which these have branched out must be hypothesized on the basis of various innovations. The fact that innovations are shared by certain manuscripts of the same text, or be certain languages of the same family, demonstrates that these are connected by a particularly close kinship, that they belongs to a subgroup: a textual corruption too is an innovation compared to the previously transmitted text, juxt like a linguistic innovation. On the other hand, shared “conservations” have no classificatory value: what was already found in the original text or language can be preserved even in descendents that are quite different from one another. (Chapter 8, p. 119)

すなわち,写本系譜であろうと言語系統であろうと,共有された新生形質(shared innovations)は近縁関係の証拠となるが,共有された保存形質(shared conservations)にその証拠性はない.分岐学における共有派生形質(synapomorphy)と共有原始形質(symplesiomorphy)の区別が Hennig 以前の文献学や言語学でなされていたということ.

◆午前10時半.曇り.27.2度で蒸し暑い.午後1時半には30.1度の真夏日になった.外にはちっとも出たくありません.

◆日中のこまごま —— 明日7月8日(水)の年休届けを出す.単に原稿を書くためだけの年休です./午前11時から次期分会執行委員(三役候補)の打ち合わせ.結局,この9月からの一年間はぼくが三役の一人として出ることになった.しかし,ぼくの「農環研不在率」(40〜85%)は,組合の役員になろうがなるまいがコンスタントに高いままなので,そういうものとして受け入れていただくしかないですね.よろしく.

◆午後の読み込み —— 『CCD』と『Calendar』をひもといて,ヘッケル=ダーウィンの往復書簡(1863年以降)を逐一チェックする.CCDの未出版年分については『Letters』と『More Letters』も調べないとダメか.Ernst Haeckel Haus から出ているヘッケル書簡のカタログを書棚から引っ張りだす./エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の中に,ダーウィンが人種差別反対の立場から生物進化にたどり着いた背景として,伝統的な「家系図」のメタファーがあったというような記述があった.つまり,王侯貴族だけが血縁譜(Ahnentafel)を有しているのではなく,万人が系譜をもつ,と.とすると,西洋社会にトラッドな家系図のイコンの影響がダーウィンにもあったというふうに筋書きが通ることになる.

—— この訳本,原書にはある「索引」を省いたのは資料的価値からいってかなりの“減点”になるとみた.

◆西日が射し込む午後5時に撤収.晴天.強い南風が吹き荒れたらしく,街路の枝葉が道路に散乱している.つくばセンターの JTBにて新幹線指定席券を入手する.夕暮れ後は晴れてきた.今日の七夕はハッピーエンドということか.

◆本日の総歩数=8522歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.9kg(−0.5kg)/25.4%(−0.3%).


6 juli 2009(月) ※ 蒸し暑さにほどけつつ世田谷かもし

◆午前4時起床.弱い南風,曇りところどころ晴れ.気温19.9度.すでに蒸し暑い.午前9時には雨が降り出した.梅雨らしい空模様.今日は農大に行く日なので,農環研に実在したのは夜明けのみ.

◆系統学的生物地理学の近刊 —— Lynne R. Parenti and Malte C. Ebach『Comparative Biogeography: Discovering and Classifying Biogeographical Patterns of a Dynamic Earth』(2009年11月刊行予定,University of California Press[Series: Species and Systematics 2], Berkeley, ISBN:9780520259454 [hbk] → 版元ページ).今風の「phylogeography」になる前の「phylogenetic biogeography」の本.前著:Christopher J. Humphries and Lynne R. Parenti『Cladistic Biogeography, Second Edition: Interpreting Patterns of Plant and Animal Distributions』(1999年刊行,Oxford University Press, New York[Oxford Biogeography Series, No.12],xii+187pp.,ISBN:0-19-854818-4 [hbk])以来,実に10年ぶりの新刊になる.系統樹を踏まえた比較生物地理学の古典はヘッケルの『自然創造史』の折込み図版だと思う.

◆寄り道して世田谷へ —— 10:30発のTX区間快速に乗る.雨がしとしと降って湿度が高い.柏に寄り道して所用をすませる.雨は本降りになっていた.そのまま千代田線で小田急に入る.経堂着は午後1時過ぎ.ここでは雨は一時的にあがっていたが,じめじめした蒸し暑さはどうしようもない.農大に着いてからもときどき降ってみたり,またやんでみたり.午後2時40分から農大かもし(第12しぼり).きょうは系統推定論の噺をした.今学期の講義も残すところあと一回となった.課題レポートは締切までにちゃんと出すように>受講生諸氏.

◆夕方の農大通りを覆う蒸し暑さにあえぎつつ経堂に戻る.そのままつくばに直帰.水たまりはまだのこっているが,雨はもうあがっていた.曇り空で蒸し暑い.南風が湿気を運び続けたようだ.

◆往復車中読書 —— 書評依頼本:エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ).第2章まで約100ページを読む.19世紀前半のスコットランドで「人種差別反対/賛成」の論議が戦わされていたとは知らなかった.いまだ光が当たっていない資料を掘り起こすのはこの著者たちの十八番.スコットランドの philosophical naturalists たち(Robert E. Grant とか Robert Knox とか)が「人種問題」に関心を寄せていたとは.

◆午後のこまごま —— NHK Books 原稿は7月8日(水)午後3時に本郷の〈ルオー〉にて.この日は年休を取って原稿を書く予定.こうするのがベストの手だてであることを認識せよ>ぼく./7月7日(火)午前11時から,農環研分会のの次期役員選出委員会の聴取.繰り返しますが,執行委員を引き受けるのを拒否するつもりはありませんが,今後も高い「農環研不在率(40%〜80%)」が続くことは明らかなので,それをそのまま受け入れてくれることが唯一の条件になります.組合の仕事のために自分の仕事を犠牲にするつもりはいっさいありません.ものごとの優先順位はいっさい変更不能です.

◆夜,ヘッケル本を舐める紙魚と化す —— ダーウィン書簡集(CCD)の第11巻(1963)の大晦日あたりからヘッケルが登場する.そして,続く第12巻(1964)にはダーウィン=ヘッケルの間で長い手紙のやりとりがある.当時新進のヘッケルはダーウィンに対し,自著である放散虫類のモノグラフなどの著作を送り,それに対してダーウィンから詳細な返礼を受けている.ちょうどアンナ・ゼーテを亡くしたころで,ヘッケルはその悩みも書き綴っている.CCDにはヘッケルのドイツ語原文とその英訳が付けられている.

◆明日のタスク —— 京都行きの新幹線チケットを買うこと.何よりも,水曜までには手渡せるだけの原稿をものしないといけない…….

◆本日の総歩数=13632歩[うち「しっかり歩数」4149歩/38分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.4kg(0.0kg)/25.7%(+0.1%).


5 juli 2009(日) ※ 夜明け前からもう動き始める日曜日

◆午前3時半起床.夜明け前の曇り空.農環研に直行する.気温20.4度.日中がどれほど蒸し暑くても,こういう時間帯はまだ涼しい.

◆明け方の発送作業 —— エリオット・ソーバー『過去を復元する:最節約原理・進化論・推論』の注文一件あり.今から五年前に蒼樹書房が廃業して以来,ぼくのもとに時おり「買います」メールが届く.そのつど対応してきたが,数十冊あった手元の在庫もいよいよ尽きそうだ.お買い上げいただいた方々には感謝いたします.この間に,二三の出版社に再刊を持ちかけたこともあったが,なかなかうまく話が進まないまま現在にいたっている.いまこの分野の翻訳本を出せそうな国内の版元候補はあそこあそこしかないと思うんだけどなあ…….いずれにせよ,ぼくの手元にある在庫がなくなった時点で,残された入手方法は古書店ということになるが,ときどきチェックするかぎりではまったく流通していないようだ.蒼樹書房が廃業するときに在庫はすべて断裁処分しているので,当然といえば当然のことなのだけどね.ときどきアマゾンあたりで出品されるが,定価の3〜4倍の「15,000円〜20,000円」という高値につり上がっているみたい.どこかから復刊されないかぎり,基本的には本書を入手することはもう不可能だと考えてください.

◆早朝のこまごま —— 京都往復のJR新幹線チケットの購入準備.洛中は今月に入って祇園祭のシーズンだが,クライマックスの山鉾巡行は下旬だから,それまではあまり混まないだろう./進化学会札幌大会の高校生ポスター発表の応募を急がないといけない.昨年度の担当者に連絡して必要情報を求める.折り返し返事があり,これで先に進むことができる.さっそくありがとうございました.

—— 〈david pain〉を経由して,午前7時半に帰宅する.曇り.気温21.5度.まだ涼しいな.

◆備忘メモ:「winmail.dat」の解読法 —— メール添付で「winmail.dat」というファイルが送られてくることがこれまでときどきあった.ぜんぜん読めないから放置していたのだが,Microsoft の〈Outlook〉でメールをやり取りすると添付ファイルが「winmail.dat」という形式になることを知った.読めない添付ファイルは知ったことではないのだが,たまにどうしても解読を迫られることがある.調べてみたところ,Windows / Macintosh のどちらもフリーソフトウェアを使えば「winmail.dat」が解読できることがわかった:

  • Windows の場合 —— フリーウェア〈fentun.exe〉を配布サイトからダウンロードし,「winmail.dat」をドロップすれば解読できる.
  • Macintosh の場合 —— フリーウェア〈TNEF's Enough〉を配布サイトからダウンロードし,起動して「winmail.dat」をオープンすれば解読できる.

—— 「そんなメーラーを使うなよっ」という文句はこっちに置いといて…….

◆日中のこまごま —— 高校生ポスター発表の募集アナウンス文を作文する.夕方,進化学会の関係者にメールで送信.週明けにも関係処方面に広報することになるが,メーリングリストはいいとして,会場である札幌を含む道内に効果的に周知させる方法を模索中.生物の教師のネットワーク? あるいは,教育委員会のライン経由? おそらく個人のつてを最大限に利用するのが効率的だとは思うのだが.

◆日没後は東風が吹き抜けて涼しくなってきた.曇りときどき晴れ.

◆夜のヘッケル —— 原稿書きのためのしたくとして,二年も前に買ったまま放り出してあったヘッケル本を開いてみた:Gerhard Heberer (Hrsg.)『Der gerechtfertigte Haeckel : Einblicke in seine Schriften aus Anlaß des Erscheinens seines Hauptwerkes « Generelle Morphologie der Organismen » von 100 Jahren』(1968年刊行,Gustav Fischer Verlag, Stuttgart → 目次).ダーウィンの『種の起源』のドイツ語訳が1860年に出て,それを読んだヘッケルは深く感銘を受けたという.そして,1863年の Stettin 講演ではダーウィニズムを前面に打ち出したトークをしている:Ernst Haeckel (1863), Über die Entwicklungstheorie Darwin's. この本に所収されているヘッケルの論文の冒頭はこの講演記録だった(pp. 45-59).

◆月曜からのこの一週間,日中のつくばには火曜日以外は実在しません.丑三つ時とか早朝は居室にいることもありますので,ぜひワタクシと面会したいという向きはその時間帯に農環研にお越し下さいませ.とても運がよければ顔合わせできるでしょう.

◆本日の総歩数=5678歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=83.4kg(+0.7kg)/25.6%(−0.2%).


4 juli 2009(土) ※ 惰眠を貪り丑三つ時に目が覚める夜

◆前日の夕方から断続的に寝てしまったせいか,夜中に目が覚めてしまい,けっきょく午前3時過ぎに起床するはめになってしまった.外は雨が降っていた.気温は低い.朝になり雨は小止み,しだいに空が明るくなって,午前9時過ぎには晴れ間が見えて,雲間から初夏の朝日が射し込み,東風が吹き抜ける.

◆レマーネまだ続き —— Adolf Naef やWilhelm Troll らが唱えた観念論的形態学(idealistische Morphologie)と系統学(Phylogenetik)との関わりについては,Willi Hennig や Walter Zimmermann よりも Adolf Remane の方が詳細に論じている.Naef の理論的主著:Adolf Naef『Idealistische Morphologie und Phylogenetik (Zur Methodik der systematischen Morphologie)』(1919年刊行,Verlag von Gustav Fischer, Jena, vi+77 pp. → 目次)は,かつて『生物系統学』を書いていた頃に集中的に読んだことがある.

その後,しばらく Naef の名前は他では目にしなかったが,最近になって:David M. Williams and Malte C. Ebach『Foundations of Systematics and Biogeography』(2008年1月刊行,Springer-Verlag, New York, ISBN:978-0-387-72728-8 → 目次版元ページコンパニオン・ブログ)では,Naef の体系学における位置づけが再評価されている.彼の経歴などについては,上記のコンパニオン・ブログの記事「Adolf Naef — A Potted Biography」を参照すること.また,半世紀前の学位論文:Gerhard Fels『Wissenschaftstheoretische Untersuchungen zur Grundlagenploblematik der Phylogenetik』(1957年刊行, Rheinische Friedrich Wilhelms-Universität Bonn → 紹介・目次)にも,観念論的形態学と系統学についての考察が含まれている.

第二次世界大戦前後20年間のドイツ[動物]体系学の鳥瞰図は Klaus Günther がまとめている:

  1. Klaus Günther (1956), Systematik und Stammegeschichte der Tiere 1939 - 1953. Fortschritte der Zoologie, 10: 33-278.
  2. Klaus Günther (1962), Systematik und Stammegeschichte der Tiere 1954 - 1959. Fortschritte der Zoologie, 14: 269-547.

Günther (1956)では,総論部分の第一部で Willi Hennig の系統体系学に基づく系統推定論をまとめている.同第二部は種概念について,第三部は進化要因論.後半200ページ弱は各論に当てられている.また,Günther (1962)は,総論の構成はほぼ同じだが,The New Systematics に関する論議にページが割かれている.後半200ページあまりは分類群ごとの各論である.Fortschritte der Zoologie というこの雑誌は国内で所蔵している図書館があまりなく,学生時代に外部複写依頼するしかなかった.どこの大学に複写依頼したのかはもう忘れてしまったが,雑誌論文でありながらほとんど単行本並みの頁数(「1939-1953」が250ページほど,「1954-1959」は約280ページ)があったので,とてもお金がかかってしまったことは覚えている.

ある意味で,Klaus Günther はこの時期のドイツ系統学のまとめ役だったのかもしれない.実際,1970年に出版された Erlanger Forschungen の体系学特集:Rolf Siewing (Hrsg.)『Methoden der Phylogenetik: Symposion vom 12. bis 13. Februar 1970 im I. Zoologischen Institut der Universität Erlangen-Nürnberg』(1971年刊行, Universitätsbund Erlangen-Nürnberg, Erlangen[Erlanger Forschungen, Reihe B (Naturwissenschaften), Band 4] → 目次)では,Günther が実質的な論議のとりまとめをしている.

◆昼過ぎになって曇りときどき晴れ.蒸し暑くなってきた.セミの声が聞こえてくる.午後2時半に農環研に侵入する.気温25.9度.夏日か.メーリングリストの雑用をすませ,放置していたウェブ・インターフェイスについての説明文を用意した上で,今月も遅れてしまった月例アナウンスを送信する.もう午後6時をまわっていた./ついでに,ML転送アナウンスとか.“ルシフェル本”の紹介とか(おお,間髪入れずに悪魔が TAXA に降臨,すばやすぎますっ)./エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行予定,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の書評締切は7月20日.

◆午後7時過ぎに帰宅する.昼間の雲とは打って変わって上空に刷毛ではいたような筋雲が流れる.空気が入れ替わったのだろうか.晴れて東よりの風が涼しい.気分がいいので,静岡・土居酒造場の〈開運〉の特別純米酒「涼々」を開栓することにした.すっきりと爽やかで初夏向きの日本酒でした.

◆明日も残務処理は続く…….来週はあちこちうろうろすることになるので.

◆本日の総歩数=4876歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.7kg(−0.5kg)/25.8%(+0.4%).


3 juli 2009(金) ※ 追いつ追われつ金曜日を駆け抜けて

◆午前5時半起床.曇りときどき晴れ.東風がやや肌寒い.

◆どうしようもなくトドが多すぎます…… —— 仕留める計画がどんどんズレこんでいる.そうこうするうちにさらに押し寄せて増えたり.農環研分会の委員長からメールあり.時期の組合役員(四役)にノミネートされているので,その件で面談したいとのこと.午後に時間設定をする./〈DGCbase〉から監査関連書類が届く.今月下旬が監査報告の締切./メーリングリストのアナウンスもまた遅れてしまったが,それはまだ順位が低いです.進化学会の高校生ポスター募集が先だ.

◆午前10時半,曇りときどき晴れ.気温23.0度.さほど蒸し暑くもなくいい感じ.

◆午前のこまごま —— 農大三点セットを2回分いっぺんに用意した.次回(第12回)は系統推定論,そして最終回(第13回)は形態測定学.これで農大の今年の講義はおしまいだ.ハンドアウトのコピーと製本を依頼する./午後の所内R講習会の準備をあわててすませる./今年の農環研〈夏祭り〉は7月30日(木)の夕方です.ことしもまたまた「つちのうえ太鼓隊」の出現か?

◆「Rでらくらく分散分析」 —— 午後1時半から4階会議室にて,所内R講習会(五回目).約30名弱の受講生あり.今日はRとRコマンダーを用いた分散分析の実習だ.一要因の完全無作為化法ニ続いて,一要因とニ要因の乱塊法,最後に分割区法(split-plot)を実習した.Rコマンダーのスクリプト画面での編集と再実行をうまく組み合わせると,地べたのRに戻らなくてもほぼぜんぶRコマンダーの中でできてしまいますね.Rコマンダー内でのTukeyHSDの有意性水準の変更方法について初めて知った(教える側も勉強になる).午後3時半過ぎに講義終了.すりへる.

◆献本感謝.ルシフェル本,確かにいただきました —— 大野克嗣『非線形な世界』(2009年6月25日刊行,東京大学出版会,東京,xi+285 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-13-063352-9 → 版元ページ目次サポートページ).表紙は悪魔のように真っ黒だし,説明的なサブタイトルもないし,著者略歴はこの上もなく最節約的だし,いきなり「くりこみ」だし,第5章なんぞ背後にある大部のアポカリプス・ファイルが気になるし,サポート・ページこわいし…….ごめんなさい,最初から「本文」よりも「脚注」ばっかりこわごわ読んでますぅ(笑).

◆時期組合役員選出にかかわる夕方のこまごま —— 午後4時から分会委員長との面談.次期役員選考が現在進められているが,順番としてはぼくが最上位に位置している.分会四役はいずれすることになるだろう.引き受けることにやぶさかではないが,問題はぼくが農環研に実在する日数がごくかぎられていることで,この状況は今後数年間変わることはないだろうという点.農環研に実在する日数は平均して週に「3日」あればいい方で,季節によっては(10月とか11月)は月に数日しか農環研に来ないこともあると委員長には伝えておいた.実際,毎月の労働日(20日間)の半分はいつも不在していて,プラスαでさらにどれだけ不在になるかは状況によって変わる(→ 昨年後半の不在率を見ると夏は月間労働日の6割ほどは農環研に実在するが,秋から冬にかけては実に1〜3割しか実在しない).したがって,このかぎられた日数でできる範囲の分会の仕事(or ポスト)を引き受けるしかない.他の委員候補たちとの話し合いになるだろうが,もしぼくの今の状況が周囲に受け入れられないとなれば,次年度だけでなく,今後いっさい分会の組合役員は引き受けることは不可能ですね.役員候補者リストの最上位を占め続けようがそれはワタシの知ったことではありません.やれることはやります;やれないことはやらない.実に単純なこと.

—— 来週7日にさらに面談,そして再来週14日には結論を出すとのこと.

◆夕方のこまごま —— 計量生物学会理事会のオンライン会議の投票をしていないとの連絡あり.あわてて返信メールを返す.

◆蝉の初鳴き —— 午後5時過ぎに撤収.曇り.気温23.2度.今日は比較的しのぎやすかった.農林団地の桜並木からニイニイゼミの初鳴きが.季節は移り変わっていく.夜になって雨が降り出す.トド撃ちがぜんぜん捗らなかったので,夜なべするつもりでいたのだが,疲労感に包み込まれてあえなく沈没しました…….週末にはまたがんばらないと仕事がぜんぜん進みません.

◆本日の総歩数=5251歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.3kg(+0.1kg)/25.1%(−0.7%).


2 juli 2009(木) ※ 徹夜明けに集中労働して夜を迎える

◆前夜からそのまま続く夜なべ仕事.日が変わって丑三つ時に1時間ほど仮眠.午前5時過ぎに,今日の集中講義の配布資料とスライド編集を完了.系統推定ソフトウェアのいくつかのデモ準備もこれでOKにしよう.昼前に本郷で,NHK Books の編集者に手渡すことになっていたダーウィン本の原稿はまったくはかどらなかったので,ドタキャンのメールを送信する(まことに申し訳ないことで).来週のどこかに年休を取って東京で手渡す段取りにします.

細切れ時間ではまったく原稿が書けないことはすでに何度も痛い経験をしているのでわかっている.「1時間/日」×「7日」ではたとえ総時間数が「7時間」あったとしても,書き上げられる原稿総量は「0枚」である.細切れ時間を累積しても成果はゼロということ.そうではなく,同じ時間数でも「7時間/日」という中断のないまとまった時間がどうしても必要になる.とすると,可能な選択肢は「休日まるまる」あるいは「夜中ずっと」あるいは「年休を取る」の三つしかない.今月から来月にかけてはそのいずれかの選択肢を選ぶ日が増えるだろう.

◆午前5時半にいったん帰宅する.霧雨が降り続き,気温は19.2度と涼しい.したくを整えてから,8:32発のTX区間快速で東京に出る.根津で下車.本降りの雨.やや蒸し暑い.本郷通りの〈ルオー〉に着いたのは午前9時半.10時に〈アース・スピリット〉の伊藤さんが来る.生物多様性の映像番組制作に関する打ち合わせをしばらく.番組構成と内容に関しては了解しましたのでご連絡をお待ちします(8月24日の週につくばにカメラ取材が入る予定).その後,11時からはちゃんと原稿が書けていれば NHK Books の井本さんとここで待ち合わせることになっていたのだが,ドタキャンで時間が空いてしまったので,農学部の隠れ部屋にてしばし休憩する.梅雨のこの季節は居室の窓にヤモリが張り付いていることがよくある.睡魔が何度か降臨しそのたびに寝そうになる(無理もない).

◆「保全生態学特論」の第三回目 —— 午後1時に農学部1号館地下の第四教室へ.梅雨の湿気と匂いが部屋に充満しているぞ(昔からそうだったが).系統推定に伴う統計的検定の問題をリサンプリング統計学の解説を交えて説明する.その後,祖先形質状態の復元,生物地理学・共進化解析への応用,生物資源探索への適用,そして系統学的多様度について説明して午後4時半になった.疲れているときの講義はえてして「早口」になるものだ.今日もそうだった.受講生のみなさん,おつかれさまでした.レポート課題は後日アナウンスします.

◆午後5時過ぎにやっと解放される.天気は曇り.とても蒸し暑い.今夜はワインをいただいて.まずは白ワインではブルゴーニュの「プュイィ・フュイッセ2007」とボルドーの「シャトー・プスコー2004グラーヴ」.プュイィ・フュイッセは花がふわっと開く感じのフレーバーであるのに対して,シャトー・プスコーはもっと深みのある味わいの白ワイン.次いで,赤ワインは,ボルドーの「シャトー・ルデンヌ2005メドック」と同じくボルドーの「シャトー・マレスコ・サンテグジュペリ2000マルゴー」など.シャトー・ルデンヌはもちろん美味かったが,シャトー・マレスコ・サンテグジュペリ,極上です.すごい.

—— さくっと午後7時にお開き.そのままつくばに直帰です.前夜から休みなく続いた日がようやく終わりを迎えようとしている.

◆午後8時過ぎにつくばセンターの地上に出る.東京は蒸し暑かったが,つくばは東風が通りやや涼しくなっていた.

◆本日の総歩数=14254歩[うち「しっかり歩数」2434歩/24分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.3kg(+0.1kg)/25.1%(−0.7%).


1 juli 2009(水) ※ 七月になっても道のりはまだ遠くて

◆午前4時半起床.雨上がりの曇り空.東風が涼しい.気温は20.0度.先月からの駆け足のまま月が変わってしまった.今月の「トド撃ちリスト」を更新する.残務トドがまだいるんだけど…….新着トドが遅くやってくるのを期待するのみ.

◆〈leeswijzer〉のアクセス数が「90万台」に入った! —— 本日,ふと気がついたら〈leeswijzer〉のカウンターが「90万」を越えていた.2005年の年明け早々に開設して以来,日々集まってくる「ほん」情報を積み重ねつつ,もう4年半が過ぎようとしている.「80万台」に到達したのが今年の2月20日だったから4ヶ月あまりで次の大台に乗ったことになる(アクセス数に関して言えばきわめてきれいな「線形関係」が成立している).さらに次の大台である「100万」には晩秋のある日に到達しているにちがいない.今後ともよろしくお願いいたします.

◆午前9時には空が明るくなり,晴れたり曇ったりの天気.午前11時,曇り,気温は23.1度.蒸し暑い.

◆午前のこまごま —— 農大の受講生から「生物統計学」課題レポートの提出一番乗り.実に素早いですな./時事通信社からエイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ)の書評依頼あり.お引き受けします.

◆献本ありがとうございます —— 西田睦(編)『海洋の生命史:生命は海でどう進化したか』(2009年6月20日刊行,東海大学出版会[海洋生命系のダイナミクス1],秦野,x+420 pp., 本体価格3,600円,ISBN:978-4-486-01685-4 → 版元ページ).東京大学海洋研究所が発刊した全5巻シリーズ〈海洋生命系のダイナミクス〉の第1巻.「第I部:進化・系統」・「第II部:形質進化・遺伝子進化」・「第III部:種分化・多様性」の三部構成の論集.

同シリーズの第5巻:塚本勝巳(編)『海と生命:「海の生命観」を求めて』(2009年6月20日刊行,東海大学出版会[海洋生命系のダイナミクス5],秦野,520 pp., 本体価格3,600円,ISBN:978-4-486-01689-2 → 版元ページ)が同時刊行されている.今後刊行される残りの3巻は下記の通り:

  • 第2巻−竹井祥郎(編)『海洋生物の機能:生命は海にどう適応しているか』(ISBN:978-4-486-01686-6)
  • 第3巻−小暮一啓(編)『海洋生物の連鎖:生命は海でどう連環しているか』(ISBN:978-4-486-01687-4)
  • 第4巻−渡邊良郎(編)『海の生物資源:生命は海でどう変動しているか』(ISBN:978-4-486-01688-2)

◆「時」と「雑誌」に関するアンケート —— 先月下旬に駒場のある知り合いの研究室メンバーが発行しようとしている新雑誌『fold』(→〈コマプレス こちらFold編集部!〉)のためのアンケートを依頼された.回答期限ぎりぎりの昨日,次のように答えた:

質問1:いままでに身体を駆け抜けた雑誌はありますか。それは具体的に何ですか。その雑誌にまつわるエピソードも添えて自由にお書きください。

1980年代なかばに「Networks in Evolutionary Biology」という進化学の雑誌を私の知人が中心になって編集していました.進化学という学問に新しい風を吹きこむという意気込みが作り手と読み手に共有されていたという印象があります.学会や出版社をバックにもたない若手の大学院生が主体になって6号まで刊行された定期刊行物でした.この雑誌メディアを経験として共有した世代が,今では日本の進化学・生態学の中核を担っています.雑誌がもつ「世代性」を強く感じた個人経験です.

質問2:インターネットで容易かつ瞬時に多くの情報が集められるようになった現在、雑誌・印刷物が担う役割は何だと思いますか。理由も含めてお答えください。

インターネットで収集される情報は「時空的断片」です.一方,雑誌はその断片を集積した「系譜」です.したがって,ある知的な伝統の歴史・経緯をたどるためには特定の編集方針のもとに編まれた時空的総体としての「雑誌」が必要で,それがレゾン・デートルといえるでしょう.

質問3:デジタル化、グローバル化が進むことで、「時」はどのように変わって来た、もしくは変わって行くと思いますか。

なかなか答えようが難しい問いですが,時の流れはパーソナル(ローカル)にしか実感できないと思います.人間個人もまた時空的総体と言えますが,形而上学的な人格同一性(personal identity)を維持しているのは,グローバルな「時」ではなくローカルな「時」だと思います.

質問4:未来に懐かしさを感じるものとは、何だと思いますか。

それを実感したことは記憶にないのですが,過去の経験を未来に出会う事物に対して「投射」することで,未経験のことがらを自分の世界に引き込むという傾向は,人間にはあると思います.


 記入日:2009年6月30日16時49分
 場所:農業環境技術研究所にて
 お名前:三中信宏
 職業・肩書き:農業環境技術研究所上席研究員/東京大学大学院教授
 性別:男
 生年月日:1958年2月27日
 出身地:京都市

fold』創刊号は今月発行予定.なお,この新雑誌の創刊にあたっては,上記の編集部ブログから引用すると:

「情報が溢れる現代社会の中で、散逸しかけている過去の記憶、古い(old)ものを掘り起こして呼び覚まし、Folderにたたみ込む(fold)ように丁寧に整理して提供すること」

という趣旨文が掲げられている.

◆午後4時を過ぎたが明日の「保全生態学特論」集中講義のしたくがぜんぜん終わらない…….ここはいったん撤収しようね.外は曇りときどき小雨.帰宅後,午後9時半に再出勤してそのまま夜なべ仕事に突入する.

◆本日の総歩数=7415歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=83.2kg(+0.4kg)/25.8%(+0.3%).


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集