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日録2009年10月 


31 oktober 2009(土) ※清く正しく牛肉のビール煮込み

◆午前5時半起床.東寄りの風が冷たい.乾燥した青空.朝日が射し込むとしだいに気温が高くなってきた.

◆残響さまざま —— 出版以来,『分類思考の世界』の「残響」を拾い集めている(→ 残響録).ときどきよく通る響きをもつ残響がある.mmpoloの日記「分類について、池田清彦と三中信宏」もそのひとつ.著者mmpoloさんは「三中は池田の名前を明示的に挙げるのを憚って」と書いているが,これはまちがい.「明示的に挙げる」までもないから登場させなかっただけのこと.実名入りで「明示的に挙げ」て叩くという作業は,前世紀末の『生物系統学』(1997)の冒頭の章ですでに完了しましたから.

◆「人間犬」をひきずる週末 —— 先日の「人間犬」の日にいくつかの検査項目に着いてきびしく調教されたので,精密検査を受けに医院へ出向いた.いろいろと調べられたあげく「え,マジですか!」という検査結果を見せられ,「みなかさん,そういう年代なのですよ」と慰めとも引導ともつかない言葉とともに,今後の治療方針について説明を受ける.マジなのね……(汗).

◆窮鼠肉を噛む —— 「犬」でも「鼠」でもいいのだが,追い込まれれば料理をするしかないでしょう.

ということで,しばらくつくっていなかった「Vlaamse stoofkarbonade(carbonades flamandes)」つまり「牛肉のベルギービール煮込み」を仕込み始めた.以前は〈禁断の果実(De verboden vrucht)〉でもってこの料理をつくってきたのだが,流通ルートの改変で日本ではいまとても入手しにくくなってしまった.それに代わるベルギービールを試行錯誤しつつこれまで探してきた.日本のビールではホップが効き過ぎて単に苦いだけのシチューになってしまう.できればもっと“こく”のあるタイプのベルギービールが望ましい.有名ブランド〈シメイ・ブルー(Chimay Blauwe)〉を使ってみたこともあったのだが,それでは“こく”がまだ足りないことがわかった.

そこで,今回は近くのMOGの中にある〈やまや〉のビールコーナーでじっくり品定めをし,風味と価格を考えた上で,〈ハウデン・カロルス・クラシック(Gouden Carolus Classic)〉を使ってみることにした.改変されたレシピは以下の通り:

      —— Vlaamse stoofkarbonade のレシピ ——
  1. 牛すね肉1.5kgを一切れ50gずつのブロックに切り分け,塩胡椒する.※大きく切り分けること,ちまちま細切れにすると【ハウデン・カロルス】に負ける.
  2. 熱したフライパンで肉にしっかり焦げ目をつける.
  3. 玉ねぎ大4個を薄切りにし,無塩バター100gで茶色になるまで,深鍋でていねいにいためる.※一時間ほどかかる.けっして焦がさないこと.
  4. 3の鍋に2の肉をあわせて絡ませ,火を強めて【ハウデン・カロルス】1.5リットルを注ぎ込む.※市販されている【ハウデン・カロルス】の小瓶だと五本必要になる.
  5. 沸騰したら,極弱火にして24時間煮込む.※火勢と時間に注意.普通のシチューよりももっと弱火で,ただひたすら煮込むこと.
  6. 最後に塩胡椒で調味して食卓へ.その際,茹でて荒くつぶしたジャガイモなどを多めに添えるととてもおいしい.

—— 仕込み始めたのはもう夕方だった.食べられるのは正確に24時間経過した明日の夜ということになる.

◆そんなわけで,今夜は近くの〈やぐら寿司〉に行ってきました.久しぶりに大きな寿司ネタをいただいたしだいで.

◆夜,東大農学部の弥生キャンパスにこのたび新しくできた〈向ヶ丘ファカルティハウス〉内に開店したバー〈S University of Tokyo〉に行ってみたいという知人からのメール.〈Ginza S〉の支店だから知っている人には注目されるでしょ.誰でも入ってOKのはずだからどーぞと返事をしたら,さっそく日程調整されてしまった.

◆結局,今日は食欲万歳な食べ物づくしな一日だったが,そういうことをしてはいけないという調教ではなかったっけ???

◆本日の総歩数=7455歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.8kg(+0.4kg)/26.8%(+0.7%).


30 oktober 2009(金) ※前夜の悪行が祟って天罰が下る

◆午前5時半,よろよろと起床.晴れて暖かい.しかし,前夜のダメージは大きかった.ふと鏡を見て顔面蒼白! 歯医者に行ってこないと(涙).

◆[組合]午前10時から来賓室にて昇格交渉.フォーマルな団交なので,筑波地本からも執行委員の同席があった.約一時間ほどの交渉だった.幸せは誰もが同じ顔をしているが,不幸せはひとそれぞれの表情を見せる.

◆昼休みに歯医者に直行する —— 歯医者さんいわく,「差し歯がこんなに欠けているのでどうしようかと思いました」とのこと.ワタクシも前夜の悪行の報いかと震え上がりましたよ.いずれにせよ,きれいに修復していただきました.

—— それにしても,毎度毎度の「伝説」がつくられる飲み会ってなんなの〜.メンバーに問題がある? それとも,行く店が原因か? はたまた,つい鯨飲してしまう飲み方がいけない?

◆午後は暖かく晴れ上がり気温は23度を越えた.街路のフウノキもやっと色づき始めたようだ.

◆中山康雄『現代唯名論の構築:歴史の哲学への応用』(2009年7月20日刊行,春秋社[シリーズ〈現代哲学への招待〉:Japanese Philosophers],東京,xii+250+11 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-393-32328-1 → 版元ページ)を読了.前半部分はイマイチ入り込めなかったが,後半の「歴史学」を論じた部分は同意できることが多かった.とりわけ,「歴史の物語論」に対する著者の批判的スタンスは拍手.

◆本日の総歩数=6736歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測.


29 oktober 2009(木) ※朝から夜まで都内あちこち移動

◆午前4時半起床.曇りのち晴れ.夜明け前の気温は低い.本日は東京でいくつかの仕事が連続している.

◆早朝のこまごま —— 東大専攻卒論研究テーマ説明会は11月24日(火)16:00〜17:00に.エコロジカル・セイフティー学講座は大学院のみなので学部生は基本的に関係がない.が,将来的な宣伝も含めて連携教員の誰かが説明する場として活用させてもらおう./またまた溜めてしまった日録6日分をやっと書き上げてアップする.日記も書けないほど忙しくなってしまったということか…….Twitter の方がこの点では気軽に「つぶやける」ので,そのありがたみを痛感する今日この頃.

◆東京に出発 —— 10:25発のTX快速にて駒場へ向かう.穏やかに晴れて,風もなく体感的にとても暖かい.秋の深まりをぜんぜん感じさせない.正午前に駒場東大前に降り立った.淡島通りに面している〈カフェ・アンサンブル〉の階下に降りる.店内を静かに流れる Goldberg Variationen を聴いているうちに,多摩美大の杉山久仁彦さんが来られた.今日は,彼がいま予定しているグラフィクス本についての話をすることが目的だ.本職がグラフィックデザイナーだけあって,過去につくられた美麗本をたくさん見せてもらった.

彼が指摘するように,確かに日本の書籍は専門書・一般書を問わず,「図」というものの価値を不当に低く見ていて,図版の扱いに問題があるのは事実だろう.「もっと上質の図を読者に」というメッセージには共感するところがある.系統学や分類学に関わる「図」ももっとその地位向上に励まないといけないのかもしれない.午後1時半に打ち合わせ終了.帰りがけにずっしりといただきものの本また本.

◆午後2時前に駒場東大前の改札にて別の人と待ち合わせ.教養学部図書館の地下二階の集密書庫にて雑誌『改造』のバックナンバーの所在を確認する.書物としてはほとんど崩壊寸前の状態にある.感慨貸出しはもちろん,館内でのコピーもできないとのこと.本郷の東大総合図書館にあるもう1セットの蔵書を見るしかないか.その後,隣りの〈イタリアントマト〉にてしばしのティータイム.午後3時半に終わる.

◆駒場高座(四回目) —— 16:20〜17:50.今日は先週からの積み残しの自由度について説明したのちに,実験計画法の原理と実例について講義する.今週は完全無作為化法.来週は休講なので,続きは再来週に.

◆夜の町屋でどじょうの舞い踊り —— 千代田線の町屋駅に着いたのは午後7時前だった.駅から少し歩いたところにある町屋の〈どじょっこ〉で待ち合わせ.今日はオーケストラ関係の知人たちとの飲み会だ.このメンツで呑むといつも“伝説”が生まれるのだが…….

店の名物であるどじょうにクジラ,そしてナマズに大アサリという料理を「吉乃川」とともにいただきました.とてもうまかったし,話もおもしろかった.写真上は「柳川鍋」.まるのままのどじょうが平鍋に川?の字に横たわり,たっぷりのねぎとともにあつあつにしていただく.写真右は「鯨のタン」.しっかり鯨の油分を味わえる.写真下は「白子焼き」.とろりとろ〜りと滑らかな味わいでした.

さて午後11時過ぎに町屋からそれぞれ帰路につき,ワタクシは午前零時半ころにつくばに帰り着いた.「ちゃんと帰れたしよかったよかった」とよろよろと寝ようとしたら,さっきまでご一緒していた方から緊急メールが.何やら眠り込んで経堂まで運ばれて,おろされたらしい.そんなエピソードもあり.

◆車中読書 —— 中山康雄『現代唯名論の構築:歴史の哲学への応用』(2009年7月20日刊行,春秋社[シリーズ〈現代哲学への招待〉:Japanese Philosophers],東京,xii+250+11 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-393-32328-1 → 版元ページ)を読み進む.前半は著者がめざす多元的言語論に立脚した唯名論をメレオロジー的に構築しようとする.

◆本日の総歩数=9947歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=84.4kg(+0.3kg)/26.1%(−0.1%).


28 oktober 2009(水) ※徹夜明けに「人間犬」の調教日

◆午前零時半に起床して農環研に直行する.「超朝型」と呼んでくださいな.澄んだ星空.約6時間後には人間ドックを受診することになっているのだけれど,こんな夜中に時間外労働をしていたのでは,今年の診察結果は目も当てられないにちがいない…….

◆夜中のこまごま —— 「R-2.10.0」ダウンロード完了. /音羽からの情報によると,『分類思考の世界』の次なる新聞書評は日本経済新聞だそうです.skrくん,何とぞよろしく〜./オンライン動物分類学誌『ZooTaxa』の姉妹誌として植物分類学誌『PhytoTaxa』が創刊されたという.遅すぎるくらいじゃないですか?

◆ソーバー復刊計画 —— 蕎麦教授から「旧版の日本語版序文を送ってくれない?」との依頼メールあり.書類の山の最下層から原文を掘り起こしてスキャンした上でpdfファイルとして束ねる.ウィスコンシンに通知完了.要するに,あのときはタイプ打ちした「紙」を国際ファクスしたわけですね.

◆『分類思考の世界』関連 —— 京都のドイツ文学の研究者さんから,ウェブで公開している「正誤表」の間違いを指摘された.訂正完了です.どうもありがとうございました. 彼の話によると,リンネの分類学は当時のドイツでの「演劇論」にまで影響を及ぼしたらしい.おもしろい.

◆その他,明け方までのこまごま —— 駒場三点セットのコピー完了./[組合]当局交渉に関するメールのやりとり.分会ツイッター(タンブラーとツイログも)などのアナウンスを職場委員を通じて全組合員に周知する.早くフォローしてね.

◆「人間犬」に変身する —— 午前5時半に夜なべ仕事を終えてまもなく年に一度の一日限りの「人間犬」に変身する.午前7時半に受信場所に到着し,午前8時に受付開始.あとは流れ作業のように次々と検査が進む.今年4月に人間ドックの体制を変えたとのことで,去年よりも待ち時間がはるかに短くなった.午前9時半にはすべての検査を終了し,いったん帰宅する.徹夜明けに「人間犬」になると検査結果が大きく変わってしまう.そんなことはわかっていたのだが…….午後イチの面談ではこっぴどく調教されてしまった.たった半日の「人間犬」だったが,その後「人間」に戻る.勢いで,久しぶりの〈大成軒〉にて肉そばを喰ってしまった.

◆午後4時半,気温11.2度.晴れ.日射しは暖かいが気温は低め.東風.午後6時過ぎには撤収する.午後6時半に中央労金筑波支店にて「第31回代表者会議」に遅れて出席.決算・予算・役員改選などが本題.学園都市のいくつかの労組の現状について.全農林みたいに90%超の組織率の組合もあれば,20〜30%台の組合もある.代表者会議での各組合の活動報告を聞くと,全農林が「相対化」できていいかもしれない.午後9時にやっとお開き.

◆本日の総歩数=11959歩[うち「しっかり歩数」2216歩/29分].全コース×|×.朝−|昼×|夜○.計測値(前回比)=84.1kg(−0.4kg)/26.2%(+0.2%).


27 oktober 2009(火) ※台風一過の青空と雑用吹き溜り

◆夜中に暴風だったようで,午前4時に目が覚めたらベランダ外側の床と窓ガラスが水浸しだった.つくば市内では水没したところもあったにちがいない.明け方には風雨はおさまり,曇りのち晴れ.午前7時にはもう台風一過の青空が広がってきたが,吹き返しの風はなお強い.気温13.3度.

◆朝のこまごま —— 11月4日〜6日の農林交流センターワークショップ 〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の講師陣に,使用ソフトウェアとハンドアウトの依頼をやっと出した.なにとぞよろしく./〈NeuroTree〉−おもしろいですね.「師弟ツリー」の全体をブラウズできないのかなぁ./明後日の駒場三点セット.ハンドアウトと出席カードを用意した.印刷はあとで./計量生物学会の電話会議は11月9日(月)ではなく2日(月)と変更された.

◆『分類思考の世界』がらみ —— 音羽の編集部経由で,有澤玲さんという作家(秘密結社研究者)の方から送られてきた『分類思考の世界』の詳細な感想文が転送されてきた.秘密結社と生物分類学と音楽学まで及ぶ,その話題の広がりにしばし絶句.作曲家オリヴィエ・メシアンの総譜はすぐ買いましょう.

◆[組合]昇格交渉は10月30日(金)10:00から来賓室にて.地本からも執行委員が来る./遅れている分会ニュースの自己紹介文を書記次長さんに送る.

◆久しぶりに研究室にやってきた南保紀善さんの話.彼が開発した iPhone / iPod アプリがただいま大ブレイク中とのことで,新たな社会的人生が展開するかも.大学院生がこういうかたちでキャリアを切り拓いていく道もあるのか.それにしてもダウンロードが累計ん十万本というのは聞いてびっくり.そりゃあ引き手あまたというのも当然でしょう.チャンスを活かすのも才能のうちなのでぜひがんばってください.

◆午後,気温は22度台まであがってきた.こまごま続く —— 東京農大の〈収穫祭〉に合わせて厚木では昆研OB会が開催される.今年は11月1日(日)にあるとのことだが通知届いてませんでした……(涙)./東大農学部の「エコロジカルセイフティ学特論」の講義予定をぜんぜん決めていなかった.今年中に開講しないといけない.調整急務./交流センター分子系統ワークショップでぼくが担当する講義の配布ハンドアウトとソフトウェアのしたくをぱたぱたすませて,研究交流課に連絡した.午後4時半にやっと終わった.

◆午後4時半に撤収.夕焼けが真っ赤だった.午後9時過ぎに就寝.夜中に仕事に行く予定なので.

◆本日の総歩数=5158歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.5kg(−0.9kg)/26.0%(−0.1%).


26 oktober 2009(月) ※強まる風雨の中,蕎麦教授登場

◆午前4時半起床.台風20号が接近中で,雨が強くなってきた.午前6時の気温は12.6度.組合関係のメールを出す早朝.

◆午前のこまごま —— 安全性ミーティング,10:30〜正午過ぎ.農環研の建物も十分すぎるほど年期が入ってきましたなぁ…….「本が崩れる」のは他人事ではないぞ.

◆朝のうちに早くも雨足が強まってきた.精米完了.『聚珍録』の件も完了.

◆読売新聞『分類思考の世界』書評 —— 読売新聞2009年10月25日(日)掲載『分類思考の世界』書評「「種」は実在するか」(by田中純さん)をやっと読むことができた.田中さんらしいな.ありがとうございます.「業からの解脱」・「人間の性」・「愛は幻」・「独特な陰影」−−第一および第二レイヤーをあっさりクリアーして,いきなり第三レイヤーに到達でした.拍手.今日になって Yomiuri Online でもオンライン公開された:田中純「「種」は実在するか」(本よみうり堂).

この本は読み手によって受け取り方がずいぶんとちがうだろうとは思っていたが,ぼくが想像する以上のばらつきがあるようだ.〈残響録〉を通じて『分類思考の世界』の書評・感想・反応はすでに蒐集しつつある.それ以外に私信でいただいた感想もある.とくに,本を出すたびに取り上げてもらっている書評リピーターの意見は書き手に取ってたいへん参考になる.どうもありがとうございます.

一般に,書評者はあまり実感していないかもしれないが,実名・匿名で公開された書評のたぐいは著者本人によってきっちりと「逆評価」されている.ちゃんと読んでもらっているかどうかは書評文を見れば伝わってくるものだ(「ちゃんと読んだの? きちんと読めてるの?」という類もたしかにあります).「本なんか好き勝手に“読めば”いいんでしょ」と勘違いしている読者は,深読みは禁物だよと戒めているウンベルト・エーコをつねに振り返るように.

—— その意味で,『分類思考の世界』と姉妹本『系統樹思考の世界』はわりに厳しく読者を選んでいると著者は感じている.

◆昼下がり,雨はいよいよ強まってきて台風接近を感じさせる.午後のこまごま —— 来週の交流センター分子系統ワークショップ関連.各講師に使用ソフトウェアと配布テキストの依頼./東大の学位論文の副査をよろしくとの依頼電話.OK./[組合]地本への報告とか,執行委員への連絡とか./東京化学同人の生物学辞典について系統学関連項目の執筆依頼を受ける.辞書を書き続けてもう何年にもなるが,こんなにたくさん辞書を出して営業的に成立するんでしょうか? それとも日本人は辞書が好き?/計量生物学会から会員名簿の作成依頼あり.

◆ソーバー復刊プロジェクト —— 久しぶりにウィスコンシン宛にメールをして,ソーバー教授に『分類思考の世界』が来春再刊されるお知らせとともに,新しい「日本語版序文」の執筆依頼をした.蒼樹書房の翻訳本での日本語版序文は,タイプ打ち原稿が国際ファクスで送られてきたのだが(1996年2月),今回はいったいどーなるか(メール添付でお願いしますね).この依頼に対して,ソーバー教授から間髪入れずに返事があり,「『過去を復元する』が復刊されるのはめでたいこと.新しい日本語版序文は用意するから」とのこと.これで,あとはエージェンシーとの翻訳契約が近日中に正式に交わされれば,出版社の名前をオモテに出すことができることになる.>某書房ならびに某エージェント,よろしくよろしく.

◆計量生物学会からお座敷の声がかかる —— これまた『分類思考の世界』の余波だろうか.ほぼ同時に連絡があり,ひとつは計量生物ニュースレターの「巻頭言」として今回の新刊に関するエッセイを書いてほしいという編集幹事からの執筆依頼.11月7日までに1,600字以内.もうひとつは,いつも連絡している企画幹事から,来年の大会チュートリアルで「分類」がらみの講師をしないかとの依頼.両方ともOKということでよろしく.

◆夕刻,しだいに風雨が強まってきたので撤収.予報では台風20号は明日未明に関東沖を通過するという.夜中がクライマックスか.

◆ここのところトド撃ち業務が多忙過ぎて日録を書くヒマがぜんぜんない.またもや溜まり始めている.

◆本日の総歩数=5911歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=85.4kg(−0.2kg)/26.7%(+0.2%).


25 oktober 2009(日) ※迫り来る台風の前のアマデウス

◆何もない日曜なので,ゆっくり午前6時に起床.曇り.涼しい.

◆今朝の読売新聞朝刊に『分類思考の世界』の書評が載っているはずだ.評者の田中純さんがそう書いているので,今度こそまちがいないのだが,週明けまでは見ることができない.

◆日曜のこまごま —— 10月26日(月)10:30〜,職場の安全性に関する監事トークあり.出席せよとのこと./11月9日(月)8:30〜9:30,計量生物学会大会担当理事の電話会議./年末調整に向けての証明書の発行依頼(済み)

◆午後5時から〈つくば古典音楽合唱団〉の第23回定期演奏会に聴衆の一人として行ってきた.今晩はモーツアルトのミサ・ブレヴィス2曲などなど.日常的に聴きたいとは思わないけど,生演奏のアマデウスだったらいいかな. 

◆今日は終日肌寒かった.

◆本日の総歩数=1806歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=85.6kg(0.0kg)/26.5%(+0.1%).


24 oktober 2009(土) ※小雨降る本牧〈蒼樹清誉〉作戦

◆午前5時半起床.曇り空.パーフェクトな宿酔い.ぐでぐでして午前10時前にチェックアウト.

◆[組合]全農林「全分会代表者会議」(二日目) —— 本日の会場は霞ヶ関の全通ビルの大会議室.遅れて駆けつける.昨日同様に,会場は最後列までぎっしりと詰まったブロイラー状態.いくら「団結」とはいえ,人多過ぎ…….組合活動に関する弁護士さんの講義を聴く.正午前に終了.その後,銀座に出て,久しぶりの〈ナイルレストラン〉にて,いつものムルギーランチをば.

◆曇り空の銀座は歩行者天国.この季節にしてはやや蒸し暑いかも.東京に戻って東海道線で横浜へ向かう.根岸線に乗り換えて山手駅で下車.初めて降りる駅だ.遠くまで見通せる一本道の両側に広がる駅前商店街をふらふら徘徊していたら,〈古書自然林〉のリアル店舗を偶然にも発見してしまった.インターネットではときどき店名を見ることがあるが,まさかここにあるとは知らなかった.時間があったので店内探索.掘り出し物がたくさんありそうでわくわくしてしまった.とくに,一段高くなった奥のコーナーには自然関係の古書がずらりと.札幌の〈南陽堂書店〉の「二階」のようなおもむきだ.

◆リアル〈古書自然林〉でのお買い物:リン・バーバー[高山宏訳]『博物学の黄金時代』(1995年10月30日刊行,国書刊行会[叢書〈異貌の 19世紀〉],東京,431+21+xiv pp.,ISBN:4-336-03493-1 → 目次).出版された当時,うっかり買い忘れてしまって,すぐ品切れになり店頭から消え去った本.こんなところでこの本に出会えたのは実に幸運だった.徘徊はしてみるものだと実感する.

◆本牧〈蒼樹清誉〉作戦 —— 灰色の空から小雨がぱらぱらと降り始めた.午後2時過ぎに山手駅前で担当編集者さんと落ち合う.喫茶店でお茶をして打ち合わせ.2時半に駅前からタクシーに乗る.丘陵地帯を縫うように上り下りして本牧へ到着.しばし迷ったあげく,やっと仙波さんの自宅にたどりついた.たいへんご無沙汰しています.まずは用件.お願いしてあった『過去を復元する』の製版ネガフィルム20枚(20折分)を受け取った.

—— 他の旧・蒼樹書房の本についてもフィルムが保管されているとのことなので,復刊希望の著者は今回のような選択肢を考えてみてはどうだろう.

◆製版フィルムは予想の二倍のサイズで,持参した箱はまったく役に立たなかった.しばし格闘して何とかひもで束ねたが,そのサイズのせいで帰りの京浜東北線の中では「社会のメイワク」だったかもしれない.

◆『過去を復元する』復刊に向けての打ち合わせ事項 —— これからすべきこと:1) ソーバー教授への「日本語版序文」の依頼(刷り上がり2ページ);2) 訳者解説のリライト;3) 訂正箇所のリストアップ.年内に原稿がそろい,作業が順調に進めば,来年三月には出せそうとのこと.価格は5,000円前後になりそうか(旧版とほぼ同価格でということ).

◆やっとつくばに帰り着いたのは午後6時前だった.曇り.涼しい.疲れた…….

◆本日の総歩数=8577歩[うち「しっかり歩数」963歩/11分].全コース×|×.朝−|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測.


23 oktober 2009(金) ※全農林は表参道でブロイラー化

◆午前5時半起床.曇りときどき晴れ.涼しい.秋深まる.今日は全日年休.

◆午前のこまごま —— 年休ではあるが組合の仕事は降り続ける.午前10時から第三回昇格折衝.約一時間で終わる.今年度から当局との折衝や交渉は「一時間以内」という枠ができたので,こちらとしてはありがたい./旧・蒼樹書房の仙波さんに電話をして,明日,横浜のご自宅を訪問することになった.某書房の担当編集者にもすぐにその旨を連絡する.

◆しだいに蒸し暑くなってきたような.

◆[組合]全農林の「全分会代表者会議」が今日と明日の二日間にわたって開催されるので年休を取って参加 —— 12:30発のTX区間快速で表参道へ.いつ見ても「百々目鬼」にしか見えない某超有名ブランドビルの角を曲がって,ホテル〈フロラシオン青山〉二階の「芙蓉」へ直行.

開始定刻直前で,すでに広い会場にはぎっしりとブロイラーのように人が詰め込まれている.北は北海道,南は石垣島まで二百数十人もの組合代表者が集結する会議.まぁ,組合らしいお話が延々と午後6時まで続く.「無許可専従」問題を発端に立て直しを迫られている全農林だが,これまでとは異なる労使関係を一からつくり直す必要に迫られているという状況.初日の会議の後は同じホテルで懇親会.

秋葉原の〈レム秋葉原〉にチェックインした.気温はやや高め.

◆備忘メモ —— ソーバー『過去を復元する』の文献リストは訳本を付けた方がいいだろうな.初版ではそこまで手が回らなかったけれど./[組合]11月5日(木)の午後3時から中央農研にて「第1回全分会執行委員セミナー」(筑波地本主催)があるという.しかし,この日を含む前後三日間は第141回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉で朝から夜?まで拘束されるので,ぼくは欠席します./その分子系統ワークショップだが,研究交流課からそろそろ事務的な段取りについての連絡が届き始めている.11月4日(水)と6日(金)については弁当を注文すると返事した.

◆本日の総歩数=9659歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=85.6kg(+0.4kg)/26.4%(−0.1%).


22 oktober 2009(木) ※東大総合図書館にまたふられて

◆午前4時起床.夜明け前の星空がくっきり.

◆未明のこまごま —— 旧・蒼樹書房の仙波さんの自宅にうかがうのは10月24日(土)という線で調整を進めるべし./進化学会ニュースの高校生ポスター発表報告を書き始める.意外に時間がかかってしまい.結局,メールで原稿を送ったのは午前9時をまわっていた.400字詰め原稿用紙8枚ほどの分量.

◆あわてて東京へ —— ばたばたと用意をすませて,9:55発のTX快速に乗って根津に向かう.晴れて風もなく暖かい.東大総合図書館前にたどり着いたら待ち人はちゃんといたのだが,肝心の図書館が「本日休館」という無情の札が下がっていた…….東大図書館には縁がなかったということで撤収.〈UT Cafe Berthollet Rouge〉でお茶してから,本郷通りの〈まるそ〉で十割蕎麦を味わってから別れた.来週は転戦して駒場の図書館を攻めることになった.

◆東大前から乗って駒場へ.外は汗ばむ陽気.気温はそれほど高くないのだろうが,風が吹かないので体感的にやや暑い.午後1時過ぎには講師室に着いてしまった.しだいに雲が厚くなってきた.湿度もやや高いか.時間があるので溜まっていた2時間ほどかけて二日分の日録をものす.

◆駒場「生物統計学」高座(第2回) —— 今日は確率変数と確率分布を中心に,パラメトリック統計学の話をした.期待値を用いて位置パラメーターと分散パラメーターを決定するところまでは一般論.その後,正規分布を中心に個別の連続型ならびに離散型の確率変数について,Rを用いたデモンストレーション.中心極限定理についてはRコマンダーのプラグイン「Teaching Demos」がとても効果的だった(受講生の反応もなかなかよかった).

◆夕暮れの午後6時に駒場東大前から乗ってつくばへ直帰.午後8時前に帰り着いた.

◆車中読書 —— 高野潤『カラー版 マチュピチュ―天空の聖殿』(2009年7月25日刊行,中央公論新社[中公新書2012],6+vi+194 pp.,本体価格1,000円,ISBN:978-4-12-102012-3 → 版元ページ).いつもながら写真が美麗.古代インカには「農業試験場」にあたる植物育種施設があったのではないかという説に惹かれる.

◆本日の総歩数=9203歩[うち「しっかり歩数」1115歩/11分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.2kg(+0.2kg)/26.5%(+0.3%).


21 oktober 2009(水) ※Your days are numbered ……

◆午前1時半起床.星空.気温11.0度.真夜中の研究所に直行する.

◆丑三つ時のこまごま —— 進化学会のニュース原稿を書きはじめるも,イマイチ進まず……./メーリングリストの登録作業を少し./緊急の連絡メールを発射したり./進化学事典の懸案事項を結び目ごとぶった切ってしまったので,この件はもう悩まなくていい.PhyloCode, RIP./ソーバー『過去を復元する』の正誤表をつくりはじめる./『分類思考の世界』(第2刷)の蟲取り.あっという間に3匹つかまえたぞ……(汗).

—— ここまでで午前5時をまわった.

◆朝日が昇るとともに日射しが強くなって気温上昇.ときどき睡魔が降臨する.

◆午前のこまごま —— 11月10日(火)の夕方から開催される農環研・収穫祭でまた太鼓を叩きなさいという“業務命令”が下る.また叩くのですかぁ./異動希望調書は11月6日までに提出せよとのこと.

◆統計曼荼羅ハンドブック(目次案) —— 技術評論社から「目次案を」という加圧メールがあったので(本日が車内の企画会議だそうだ),下記のような全体構成をメールで返信した:

はじめに:「統計曼荼羅」−統計ワールドの鳥瞰図として
第1章:素朴統計学−ヒトとしての認知心理学的基盤
第2章:パラメトリック統計学−数理としての確率分布
第3章:ノンパラメトリック統計学−もの言うデータたち
第4章:グラフィック統計学−統計学の数と図のリテラシー
第5章:ベイズ統計学−我亡きあとに洪水は来たれ
第6章:計算統計学−コンピューターは論よりラン
おわりに:「統計曼荼羅」−その万華鏡をつかいこなす
付録:R−「統計曼荼羅」を踏破するためのコンパスとして
参考文献
索引

—— 目次はさくさくかけても,中身はそうはいかない…….

◆午後になって青空が広がり,心地よい風が吹き抜ける.

◆昼下がりのこまごま —— 人事から督促されていた東大理学部の兼業承認申請書の書き直し.細かいところまでチェックが入っているので,再度リライトする.毎週木曜の兼業(駒場出講)に伴う兼業申請は14:00〜15:45までとなる.したがって,年休届の申請は7:00〜14:00の時間帯に修正しないといけない./11月はじめの交流センターワークショップ(11月4日〜6日)にともなう外勤届を出す./しばらく放置プレイしていた某ジャーナルからの査読依頼.ずっと放置していたら加圧メールがけっこう頻繁に届くようになった.もう逃げられないかと観念して,そのジャーナルのオンライン査読システムにログインし,「承諾」ボタンをぽちっと.間髪入れずに「査読提出までの日数は××日です」というよくある「Xデー表示」がカウントダウンをはじめてしまった.日に日に加圧が強まっていくのです.

◆着実なる進展 —— 旧・蒼樹書房の仙波さんから電話があり,ソーバー『過去を復元する』の製版フィルムはすべて保管してあるので,いつでもお渡しできるとのこと.これは大きな進展で,さっそく復刊プロジェクトを進めている編集者にメールをして,フィルム引き取りについての打合せをすることになった.社内会議も通過したとのことなので,これでソーバー復活計画は本決まりということになる.翻訳エージェンシーとの話し合いは現在進行中とのこと.今週の土曜にフィルムを受け取ることにしよう.

◆ばたばたした夕方だったが,午後5時に撤収する.夕闇迫る午後6時に竹園公園にて組合の集会「10.21国際反戦デー・県南大集会」に参加すること小一時間.今年の勤評闘争は去年までとはちがっているらしい(「らしい」って何よ……).

◆結局,進化学会ニュースの原稿完成は明日まわしになってしまったか.

◆本日の総歩数=9155歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.0kg(−0.1kg)/26.2%(+0.1%).


20 oktober 2009(火) ※栄誉ある「律速段階」のワタシ

◆午前4時起床.くっきり星空,しかし流星は見えず.東風が吹いて涼しい.気温11.0度.

◆日中のこまごま —— 朝イチで医者に行きインフルエンザ予防接種を受ける./今週の駒場三点セットの印刷完了./1週間も溜めこんでしまった日録を空き時間に一日ずつ書き記していく.こんなに延滞したのは初めてなので,とても長い道程だ.

◆系統推定論ハンドブック(改訂版) —— Philippe Lemey, Marco Salemi, Anne-Mieke Vandamme (eds.)『The Phylogenetic Handbook: A Practical Approach to Phylogenetic Analysis and Hypothesis Testing, 2nd Edition』(2009年3月刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xxvi+723 pp., ISBN:9780521877107 [hbk] / ISBN:9780521730716 [pbk] → 目次).6年ぶりの大改訂により,とても詳細な最新の「系統推定論ハンドブック」に変身した.

初版:Marco Salemi and Anne-Mieke Vandamme (eds.)『The Phylogenetic Handbook: A Practical Approach to DNA and Protein Phylogeny』(2003年9月刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xxiv+406 pp., ISBN:052180390X [hbk] → 目次版元ページ)は,よくも悪くも「分子系統学ハンドブック」だったが,いくつかの章とソフトウェアが削られて,代わりにベイズ推定や分岐年代推定などより新しいトピックスの章が挿入され,その結果,ページ数は2倍ほどに膨張した.内容的にも,分子系統学の方法論的な側面が強調されるようになったので,「系統推定論ハンドブック」と呼ぶべきだろう.改訂版が出ているのに,初版がまだ購入可能というのはフシギなことではある.

◆午後は快晴の好天になった.今日は所内にある谷津田の稲刈りがあったそうだ.

◆進化学会の「鬼」編集長から,現在編集中の進化学会ニュースの件で,「みなかさん律速段階です」という強力加圧メールを食らってしまった.これはもう書くしかないのだが,ついつい現実逃避で日録書きに逃げ込んでしまい,夜7時すぎにやっと8日分を書き終えることができた.

◆連日,諸方面からの加圧が続いている.受信箱にのたうつ未処理トドはあと5匹にまで減ったのだが,そこからが進捗しない.明日こそは全頭征伐してくれる.

—— とかたく決意して午後9時半に寝てしまった.明日は超早起きの予定だ.

◆本日の総歩数=6881歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=85.1kg(+0.3kg)/26.1%(−0.7%).


19 oktober 2009(月) ※オリオン座流星群が見えたはず

◆午前5時起床.晴れ.気温10.9度.秋らしい安定した日が続く.

◆ごめんなさ〜い —— 先ほど広報情報室で確認してもらったら,「10月18日付の読売新聞書評欄」ではなくって,来週「10月25日」の書評欄に『分類思考の世界』の書評が載るという予告でした…….あと一週間待つしかないかぁ〜.

◆午前のこまごま —— 朝イチで歯科定期検診./統計曼荼羅本の目次素案を早く出さないと./交流センターWS〈分子系統樹推定法:理論と応用〉のテキストとソフトウェア,ならびに初日の懇親会の件で連絡あり.早くコンパニオンサイトを開設しないといけない〜.懇親会は筑波事務所ではなく交流センターになったそうだ.今年から規則改正により筑波事務所での懇親会は開催できなくなったらしい.つまんないことやるなよ./明日10月21日(水)の夕方6時から竹園公園にて組合の集会あり.動員されました.はい.

◆献本感謝 —— Paul Murrell著[久保拓弥訳]『Rグラフィックス:Rで思いどおりのグラフを作図するために』(2009年10月25日刊行,共立出版,東京,xxii+316 pp.,本体価格4,300円,ISBN:978-4-320-01905-8 → 目次版元ページ).さあ,Rで「思いどおりのグラフ」をどうぞお楽しみください!

◆午前11時,暖かく晴れわたる.気温は20.7度.

◆午後のこまごま —— 来月の数理統計研修テキストの原稿提出締切は今日だった.あわててpdfで用意して,リンク先を事務局に連絡する.よろしくお願いいたします.懇親会は,基礎編初日の11月9日(月)の夕方に筑波事務所食堂でやると担当者は言っているのだが,禁止令はどうするんでしょ? それよりももっと大切なことは,基礎編・応用編に関係なくWindowsPCを持参させること.そうしないと「Rへの洗脳」がうまくできない./今週の駒場三点セットの原稿を用意した.明日印刷すべし./10月29日(木)正午に駒場で多摩美大の人に合うことになっている.図像リテラシーの話.

◆ついに日録の遅延が一週間に達してしまった.こんなことは今までなかった…….

◆本日の総歩数=5824歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.8kg(0.0kg)/26.8%(+0.1%).


18 oktober 2009(日) ※暖かく穏やかな秋晴れの加圧日

◆午前5時半起床.霧がかかって遠景がぼやけている.のち晴れて青空が広がってきた.気温は低め.しかし,日射しとともに暖かさが増してきた.午後になって柔らかく暖かい南風が通る穏やかな一日になった.

◆京都に出張して以来,日録の更新がずっと滞っている.書こうにも書く時間がぜんぜんないからだ.ニュース・テロップのように自分のTwitterで動向を流すことはあっても,それ以上のまとまり時間がないというのは日録書きにはつらいなぁ.そのうちまとめて一週間分を書くはめになるぞ.

◆日中のこまごま —— Twitter の過去ログ管理用に Twilog をつくった.Twilog だと〈縮.jp〉によって変換された短縮URL(二バイト文字を含む)は認識されないことを知った./ホテル予約のこと:11月27(金)〜28日(土)に計量生物学会フォーラムで京都に行くことになっている.ところが,ホテルの選択肢が極端に狭まっている.観光シーズンだとこういうことになるか./〈秋の試飲会〉は11月20日(金)夜に正式決定したとの連絡あり.

◆『分類思考の世界』の新聞書評 —— 本日10月18日付の読売新聞書評欄に『書評が載っているそうです(現物未確認).田中純さん,どうもありがとうございました! 明日,図書室で確認しないと.

◆いただいた本と書評依頼された本 —— 関幸彦『百人一首の歴史学』(2009年9月20日刊行,日本放送出版協会[NHKブックス1143],221 pp.,本体価格920円,ISBN:978-4-14-091143-3 → 版元ページ).献本ありがとうございます.詠み手の家系図がたくさん.

もう一冊は書評本:アラン・バーディック[伊藤和子訳]『翳りゆく楽園:外来種 vs. 在来種の攻防をたどる』(2009年9月24日刊行,ランダムハウス講談社,446 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-270-00532-3 → 目次版元ページ).書評原稿の締切は11月10日だよん.

◆今日だけでTwitterのフォローアーがいっぺんに二十数名も増えた.

◆明治時代のダーウィン翻訳書 —— ヘルセル(John F. W. Herschel)編[海軍水路部訳]『学海探究之指針(全二冊)』(1888〜1889年刊行,松井忠兵衛,東京).先日,海上保安庁の方にご教示いただいた書籍です.本書は,国立国会図書館〈近代デジタルライブラリー〉で公開されていて,だれでもオンラインで参照できます.二冊目の「追補」に含まれる「地質篇」はチャールズ・ダーウィンが執筆したものです(原田豊吉訳).原書は:John F. W. Herschel (ed.) (1849), A Manual of Scientific Enquiry. John Murray, Londonです.

◆夜になって気温がするすると下がり始めた.東風に変わって体感的にも肌寒くなってきた.オリオン座流星群は新月の今夜がもっともよく見えるというのだが,空を見上げている余裕はないなあ…….

◆本日の総歩数=1487歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜△.計測値(前回比)=84.8kg(−0.3kg)/26.7%(−0.1%).


17 oktober 2009(土) ※久しぶりに呑みたいひやおろし

◆午前5時半起床.曇り.東風が吹いて涼しい.その後,気温・湿度ともに上がってきた.薄い雲がかかっている.

◆所用でお出かけ —— 11:55発のTX快速にて流山おおたかの森を経由して柏へ.時間の余裕があったので初めて駅前商店街をぶらぶらしてみた.ローカルやなぁという感じ.午後1時半からおよそ一時間ほどの用務を終えて,つくばに直帰する.秋空ところどころ曇りという空模様が続く.

◆車中読書 —— 廣松渉著/熊野純彦編『廣松渉哲学論集』(2009年9月10日刊行,平凡社[〈平凡社ライブラリー〉678],東京,582 pp.,本体価格1,800円,ISBN:978-4-582-76678-3 → 目次版元ページ).水先案内人として編者である熊野純彦の長大な解説記事「揺れうごく時代の中で:廣松哲学の背景をめぐって」(pp. 525-582)を読む.戦後左翼運動のまっただ中に廣松渉は位置していたわけですね.彼が『ドイツ・イデオロギー』の本文批判をしたとはぜんぜん知らなかった.

◆秋の夜はしだいに寒くなってくるので,やはりおでんですな.石川の〈加賀鳶〉(福光屋)の「山廃純米吟醸・ひやおろし」とともにいただきました.一夏を越していい味ですね.竹園のたがみ酒店には二十種類以上の「ひやおろし」がこの季節は並ぶので目移りしそう.

◆クワイン復刊 —— 丹治信春『クワイン:ホーリズムの哲学』(2009年10月9日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー683],東京,346 pp.,本体価格1,500円,ISBN:978-4-582-76683-7 → 目次版元ページ).講談社の〈現代思想の冒険者たち〉シリーズの第19巻(1997年2月刊行)として出た同名の本の復刻.クワイン,実にひさしぶりぃ.形而上学なお話もいろいろと.

◆本日の総歩数=7145歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.1kg(−0.4kg)/26.8%(+0.2%).


16 oktober 2009(金) ※未明から夜まで続いたトド撃ち

◆午前4時半起床.澄んだ星空に糸のような三日月と明星が浮かぶ.気温は8.1度まで下がっていた.寒いね.

◆明け方のトド撃ち —— 日経サイエンス編集部から書評依頼.OK./昨日すっぽかされた件につき,あらためて10月22日(木)午前11時に本郷にて待ち合わせということで.OK./恒例の〈秋の試飲会〉は11月20日(金)夜はどうかという打診あり.OKです./MrBayesに関する質問への返答.完了.

◆午前のトド撃ち —— 九大・六本松伊都キャンパスでの生物統計学集中講義の依頼あり(速攻ですな,aryさん).お引き受けしましょう.2011年はじめということで./交流センターWS〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の補欠者が出たということで,追加メンバーを指名して連絡する.完了./『分類思考の世界』の残響を拾い集めること,しばし.

◆ソーバー『過去を復元する』にかかわるあれこれ —— 本書は旧・蒼樹書房が2004年に廃業したのち,数十冊を引き取って購入希望者には個別に頒布してきました.その手元所持本の最後の一冊が本日売れましたので,これで私の手元にある旧版の在庫はすべてなくなりました.なお,本書の復刊プロジェクトに関しては,現在,某社との出版交渉を水面下で進めていますので,それほど遠くない将来(来年あたり),よい方向で結果が見えるでしょう.古書店でもときどき出品を見ますが,絶版本ですので高値が続いているようです(ときには定価の三倍もの値がつくことも).新古書店をこまめに探した方がいいと思います.

他方,本書の復刊プロジェクトの件.旧・蒼樹書房社長の仙波さんに印刷フィルムの譲り受けの件で手紙を送る.手紙のコピーを某出版社編集部宛に送信する.残りのタスクは,ソーバー教授に日本語版序文の改訂の依頼(系統推定におけるモデル選択論と科学哲学的AIC論,そして尤度主義とベイズ主義の関係について書いてもらう予定),そしてワタクシ自身の解説文の改訂だけですか? あ,旧版での「訂正箇所リスト」もつくらないと.

◆昼休み.秋の陽光がさんさんと降り注ぎ,暖かくなってきた.気温は21.3度.心地よい気温と湿度.

◆午後のトド撃ち —— 駒場で開講してきた東大理学部の「生物統計学」を含め,専門科目のカリキュラム再編成が進行しているとの連絡が二号館から届く.生物統計学の開講曜日と時間帯は「木曜・五限」を動かされるのはつらいが,開講場所は駒場でも本郷でもOKと返事をした.ただし,午前中に玉川学園での生物系統学の講義があるので,移動時間はどうなるかなぁ.余裕をもって考えてあるので大きな影響はないと思うが./もうひとつ,同じ生物統計学の今年度の定期試験の問合せ.レポート(二回)を予定しているので試験はしませんと答える.ついでに,11月5日(木)の休講申請をする./たまっていたメーリングリスト関連の作業を完了する.

◆この時点ですでに夕闇が迫ってきた.日中のトド撃ちの合間にも筑波地本から組合関連のトドどもが火山弾のようにどんどん降ってきたが,とりあえず身をかわし続けて,自分のトド撃ちに専念する.

◆夜のトド撃ち —— 某ジャーナルの和文原稿の査読コメントをつけて編集部に返信完了./某事典の項目原稿の査読コメントを記入して某書店編集部宛に郵送にて返信完了./南大沢と常盤台から集中講義のレポートが季節外れの五月雨のように着便する.今日が提出締切だったような気がする.お疲れさん./講談社サイエンティフィクから探針メールあり.正直に「書いてません」と返事をする.「蕎麦屋の出前」的アドホック取り繕いをしている余裕すらない./技術評論社には10月21日までに目次素案を送らないことには社内企画会議が通らない.これはたいへん.

—— 気がつけば午後10時をまわっていた.明け方4時から18時間ほどトド撃ちをしまくったので,さすがに今日はここまでとしておこう.撤収.午前零時過ぎの夕食.午前1時過ぎの就寝.

◆本日の総歩数=7145歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.5kg(+0.4kg)/26.6%(+0.7%).


15 oktober 2009(木) ※本郷で金木犀の花が降りかかる

◆午前5時半起床.前日までどこで何をしていようが,それとはおかまいなしに今日はまた別の生活が始まる.時空ワームの断片にはマルコフ的にすら生きる余裕がないということだ(しかも残務だけは非マルコフ的だし!).晴れて涼しい秋の一日のスタート.

◆仕事をハシゴするために東京へ —— 9:32発のTX区間快速にて東京へ.よい天気で涼しい風が吹いていた.根津で下車して東大に向かう.金木犀の橙色の花が風に吹かれては舞い散っている.いとをかし.総合図書館の上がり口で小一時間待機し続けたにもかかわらず,待ち人来らず(おいおい).正午前にあきらめて〈万定フルーツパーラー〉にてハヤシライスを食べてから,再び根津に向かった.確かにムダな時間だったとはいえ,追い立てられずに時を過ごせたのはよかったかもしれない.

◆本郷での待ち時間は読書タイム:Kilian Heck und Bernhard Jahn (Hrsg.)『Genealogie als Denkform in Mittelalter und Früher Neuzeit』(2000年刊行, Max Niemeyer Verlag[Studien und Texte zur Sozialgeschichte der Literatur: Band 80], ISBN:3-484-35080-6 → 目次版元ページ)に所収されている序論と系統樹言語に関する論考の二つをば:

  • Kirian Heck and Bernhard Jahn「Einleitung : Genealogie in Mittelalter und Früher Neuzeit. Leistungen und Aporien einer Denkform」 (S. 1-9)
  • Jörg Jochen Berns「Baumsprache und Sprachbaum. Baumikonographie als topologischer Komplex zwischen 13. und 17. Jahrhundert」(S. 155-176 / Abbildungen 28-41)

序論では,系譜論(Genea-Logik) の起源と展開を中世キリスト教にのみ求めるだけではなく,その周辺部にも光を当てようという話.系統樹言語(Baumsprache)についてはライムンドゥス・ルルスの知恵の樹(arbor scientiae)から中世的な ars combinatoria への道をふりかえっている.おおっというサプライズはないようだが,原典資料への参照がきっちりされているのであとあと役に立つだろうと思う.このあたりのテーマは『系統樹思考の世界』や『分類思考の世界』のところどころで触れているが,誰か専門に掘り下げて調べてほしいところだ.

◆晴れわたる秋空.安田講堂の脇を抜けて再び根津へと降りていく.駒場に着いたのは午後1時前.駅前の喫茶店〈コロラド〉にてNHK出版の井本さんと待ち合わせ.またしても「丸腰」なので,ノートパソコンを開いてさて原稿をと思ったらうっかりしていてバッテリー残量がほとんどないことに気がついた.この店では電源が取れそうになかったので,急遽,駒場の時計台下にある講師室に移動し,やっと原稿書きを始めることができた.イギリスにおける博物学の伝統について原稿用紙十数枚を二時間半かけて書き(第1章第3節),午後3時半に井本さんに手渡して,本日の“納税”はケリがついた.あまり精神衛生上よろしくない執筆姿勢で,どこかで何とかしないと破綻しそうな気がする…….

—— 次回は11月19日(木),再び駒場にて“納税”することになった.

◆駒場高座(第三回) —— “納税”後も一息つくことはできない.16:20〜17:50まで,「生物統計学」の第三回目.今日は統計学概論の後半で,統計学的思考とモデリングにおけるアブダクションと最節約原理について話をした.さらに,テューキーの箱ひげ図を題材にして,データを見る「まなざし」としてのパラメトリック統計学とグラフィカル統計学のちがいについて触れた.次回はパラメトリック理論をやります.講義ブログ〈R-statistiker〉をいまだにぜんぜん更新できていないのは心苦しいな.

◆直帰してつくば着は午後8時前.東風が涼しい.明日は一週間ぶりに農環研に実在します.トド撃ちあるのみです.ターミネーターと化します.

◆本日の総歩数=8938歩[うち「しっかり歩数」3023歩/29分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.1kg(+0.3kg)/25.9%(−0.7%).


14 oktober 2009(水) ※トライアスロンを終えて帰路へ

◆午前5時半起床.前夜の“後遺症”がぁ〜.しかし,窓の外に広がる町家の連なりは穏やかに晴れた秋空のもと.今日も好天が続くようだ.

◆『分類思考の世界』正誤表 —— この10月8日に増刷された第二刷では,下記の修正をしています:

    【本文】
  • P056/L06 「カイコガ」→「カイコ」
  • P149/L13 「二〇〇五」→「二〇〇五年」
  • P227/L03 「誤訳」→「迷訳」
  • P232/L01 「躍動する「生」」と「無慈悲なる「死」」を語順入替え
  • P284/L08 「数百メートルを」→「数百メートルまで」
    【文献】
  • P324 「Abe&Papavero 1992」:「08年完結した」→「2008年に出た」
  • P323 「Beatty 1982」:「Strategy」→「strategy」
  • P323 「Blackwelder 1962」:「別 にして」(詰めて)
  • P321 「Dupuis 1978」:「Systematique」と「Historique」は頭を小文字に。
  • P320 「Ereshefsky 2001」:「リンネ分類体系は」→「リンネ分類体系には」
  • P310 「Sawadski 1961」:ロシア語タイトル中の「o」の前後にそれぞれ「スペース」を挿入。
  • P308 「Werner」:「(ed.)」→「(ed.)(1927)」
    【索引】
  • P326 「メレオロジー」の参照ページに「257」を追加

—— 実は,その後に新たな“蟲”たちが見つかっているのだが,さらなる増刷のおりに(あるんか?)あらためて訂正しましょ.

◆朝からとても暖かく,洛中は早くから観光客や修学旅行生が行き来している.午前8時前にホテルで朝食をすませたあと,荷物をまとめて午前9時半にチェックアウトする.そのまま京大へ直行し講義の支度に入る.

◆午前10時半から集中講義の後半戦 —— 前日に続き,「shapes」パッケージの続き.バージョンアップされたせいか,あるはずの関数がなかったり,引数の仕様が変更されていたりしてあわてる.配布したドキュメントも賞味期限が過ぎてきたようだ.早くアップデートしたいなあ.

◆午前11時半に早めのランチタイムに入る.今日の昼は,これまた大学近くの〈吉田屋〉にて「志七そば」を注文した,数量限定の「濃口」を注文したらとても濃厚な和風?スープだった.さらに,「全部のせ」をオプション指定したものだから,半熟玉子からチャーシューからネギから確かに全部乗っていた.大盛りにしたわけではないが,スープまで飲み干したら満腹しました(炒飯を追加していたらエラいことになっていたにちがいない……).ごちそうさまでした.

◆午後1時から講義再開 —— tps系のソフトウェアを用いながらのデモと実習.さらに,スライドを用いての変量間共変動とベイズ統計学についての講義も.午後4時半過ぎにおしまい.みなさん,たいへんお疲れさまでした.

◆荷物を抱えていたのでタクシーでJR京都駅まで直行する.お土産をいくつか買い込んでから新幹線ホームへ.何だか雲行きが怪しくなってきたと思ったら,いきなり雷雨が.こんな季節にどうしたことだろう.18:32発の「のぞみ136号」に乗り込み,横殴りの雨に濡れる車窓風景がしだいに流れていく.東京着は20:53.小雨がそぼ降るつくばには午後10時過ぎにたどりついた.関西に比べれば格段に気温が低いと体感する.京都では日中は半袖で十分だったが,茨城県では日没後は長袖でないとつらいかもしれない.

◆またまた巡業の旅を終えてきたのでゆっくり骨休みをしたいものだ.しかし,メール受信箱を見たら,新規トドどもが大量に発生していた(もちろん残務トドたちは健やかに成長していた).とりあえず明日の午前は本郷の東大図書館にて紙魚になり,午後一時に駒場のご指定の喫茶店に参上します.休むどころではない.

◆本日の総歩数=6290歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


13 oktober 2009(火) ※集中講義の初日のあとは大宴会

◆午前5時半によろよろと起床する.初日の早朝にこんなに疲れていてどうする…….外は薄曇りながら天気はよさそうだ.朝食後,午前9時半にホテルを出発して北白川へ.理学部二号館に入ったのは午前10時前だった.あれ,hkdさんの部屋が締まったまま.10時半から講義のはずなのにと,横の掲示板に目をやったら,何のことはない.今日は「午後1時半」から開始だったのかー(講師も知らない開始時刻).しかたがないので,正午まで一階の理学部図書室で仕事をさせてもらう.トドを何頭か引き連れて京都にきたからには,そのままつくばに連れ帰るわけにはいかない.レフリー原稿二件のチェックをすませた.

◆昼前にhkdさんが図書室に登場し,昆虫学会からの帰路に立ち寄ったaryさんとともに,道路をわたった真向かいにある〈順菜〉にて鯖味噌定食をばいただく.暖かく晴れわたる穏やかな日中だ.

◆午後1時半から二号館一階のセミナー室にて,集中講義〈形態測定データの統計プログラミング〉の初日講義.幾何学的形態測定学に関する概論は昨年来たときにすませたので,今回は「演習」を中心にカリキュラムを組んでいる.まずは,線形統計モデル(LM)とその拡張(GLM, GLMMなど)についてスライドでざっと説明.その後,受講生各自が持参したノートパソコンにRをインストールした上で,いくつかのパッケージを展開する.morphometric analysis をRで実行するときにはRコマンダーそのものは必要ない(メニューに組み込まれているわけではないから).しかし,形態測定学的変量の統計モデリングの際には,Rコマンダーを使うこともあるだろう.R導入後は,さらにRコマンダーを使った統計モデリングのデモなどをする.その後,今回の主役となる「shapes」パッケージを使った実習に進んだ.

—— そうこうするうちに定時の午後5時に近づいたので,本日の高座はここまで.

◆大宴会のしたくと本番 —— 昨年も歓迎していただいたが,今年もまた大々的な宴会になる気配が濃厚だ.別室ではすでに学生さんたちが手作り餃子をひねっている真っ最中だった.一方,hkdさんは研究室にて大分直送の鯛など鮮魚をさばきつつある.お,ngtさん,刺身包丁とともに登場.昨年以上に多くの宴会参加者が集まりそうだとのこと.会場には,餃子に刺身におつまみにと所狭しとずらっと料理が並んでいく.実にすばらしい! 鯖寿司,精緻!

先月来たときに呑んだ伏見の〈蒼空〉と山口の〈獺祭〉の純米大吟醸が並び,飛び入りの総人 ngms 氏も一升瓶とともに登場.午後7時に始まった宴会は,水餃子の熱気とアルコールの摂取とともにカオス度が単調増加,参加人数も追加の酒もどんどん増えて,結局20人以上いたのではないでしょうか.福岡にこれから新幹線で帰るというary さんを送り出したのち,ぼくも午後9時半には退出したが,まだまだ続きそうな気配だった.ほとんどテーブルいっぱいに並んでいた料理もつぎつぎに消えていった.

—— う〜むぅ,明日も朝から講義だというのにこんな呑み方をしてしまっていいのか…….

◆本日の総歩数=4949歩[うち「しっかり歩数」824歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


12 oktober 2009(月) ※穏やかに晴れわたる秋の洛中で

◆久しぶりの実家で午前6時前に起床.実家のある古い住宅街は丘の上にあるので,朝夕は冷気が漂う.今日もよく晴れるようだ.階下に降りて,少し耳の遠くなった母親としばし話をする.両親とも八十を過ぎているのだが,ややほころびつつも元気で暮らしているのはありがたいかぎり.むしろ,実家の建物の方が相当ガタがきているらしく,根太がやられている廊下とか,雨漏りしつつある部屋もある.何とかしないといけないのだが,すぐに崩落するというわけではなさそうだ.

◆午前10時にタクシーで京都に出る.今度はいつ帰ってくる機会があるのだろう.宿泊先の〈コープイン京都〉にとりあえず大きな荷物を預けることにした.チェックインまでの間,これでリュック一つの軽装になった.

◆日中は快晴で心地よい秋晴れになった,観光シーズンまっただ中の京都はどこもかしこも混んでいる.荷物を預けたホテルのロビーからネットにつないで,コリン・タッジ[柴田裕之訳]『ザ・リンク:ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見』(2009年9月25日刊行,早川書房,東京,382 pp.[カラー口絵32ページ含む],本体価格1,800円,ISBN:978-4-15-209070-6 → 目次版元ページ)の書評文を時事通信社に送った.締切前に原稿を送るとは実にめずらしいことだ.

—— そのついでに,昨日までの日録をアップしたり,措置が必要な遠隔操作メールを送ったりしている.明日からは京大理学部での形態測定学講義なので,その高座準備をしないといけないのだが,こんなにいい日和だと日中は徘徊するしかないよなあ…….

◆先日,技術評論社の編集者氏からもらった二冊.いずれも同社の〈知りたい!サイエンス〉シリーズから —— 目黒寄生虫館+研究有志一同『寄生虫のふしぎ:脳にも?意外に身近なパラサイト』(2009年3月1日刊行,技術評論社[〈知りたい!サイエンス〉シリーズ],東京,255 pp.,本体価格1,580円,ISBN:978-4-7741-3753-7 → 版元ページ).「目黒寄生虫館」と聞いて目が輝く向きもあるかな.

吹春俊光『きのこの下には死体が眠る!?:菌糸が織りなす不思議な世界』(2009年6月25日刊行,技術評論社[〈知りたい!サイエンス〉シリーズ],東京,231 pp.,本体価格1,580円,ISBN:978-4-7741-3753-7 → 版元ページ).“法菌類学”という研究分野もあるんだろうか?

◆本務が始まる前に,もうだいぶ疲れてしまったが,明日からは二日間の集中講義が待っている.先月来,隙間なく集中講義や研修が続いているが,京都での今回の高座をもって二週間ほどの中休みとなる.来月に入れば再び高座に上がる日々が断続的に続くのだが.

—— とりあえず今夜は寝るしかないでしょうなぁ…….

◆本日の総歩数=10682歩[うち「しっかり歩数」2297歩/26分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


11 oktober 2009(日) ※冷え込む秋の日に京都へ旅立つ

◆午前4時半起床.晴れて放射冷却.急に寒くなったぞ.午前7時に研究所の気温計は「11.3度」を指していた.ということは,夜明け前の最低気温はひょっとして10度を下回っていたのかもしれない.雲一つない快晴の青空で,風もなく日射しが暖かい.運動会には最適な日和だが,ワタクシが体を動かすわけではない.

◆備忘メモ —— とてもいい「「パワポはだめぽ」のはなし」.みんなタフティ本:Edward R. Tufte『The Cognitive Style of PowerPoint: Pitching Out Corrupts Within, Second Edition』(2006年刊行,Graphics Press, Cheshire, 32pp., ISBN:0-9613921-6-9 [pbk] → 版元ページ初版コメント第二版コメント)を読んでアタマを冷やせよっ! なお,口頭発表(「噺」)に関するぼくの持論は「実践プレゼンテーションテクニック:講演はショータイム!」に書いた通り.

◆ちょっと遅れて朝10時に〈つくいち〉会場へ —— 今年から始まった月例の〈つくいち〉もこのあたりではすでにおなじみのイベントとして定着しつつあるようだ.野外での催しなのでその日の空模様によって客の出足が左右されているようだが,今日はとてもいい天気だったので,大勢の家族連れで〈つくいち〉会場のつくば中央公園はにぎわっていた.中央公園内に点在するテントのいくつかではすでに長い行列が伸びていた.

今回も〈ナチュカフェ〉のテントで自家製ソーセージのサンドイッチとミネストローネをいただきました.ごちそうさま.ついでに〈ナチュカフェ〉でお菓子をいくつかと,別の店で巨峰ジャムと桃ジャムを買って帰る.いつも通り十店舗ほどが店を出していて,ひやかしながら眺め歩くのも月に一度の楽しみの一つだ.しかし,あまりゆっくりもしていられない.今日の午後には京都に出発しなければならないのにその支度がまだ終わっていないからだ.

◆「そうだ京都,行こう」 —— ということで,じたばたと旅支度をすませ,必要なものをスーツケースに詰め込む.長年使ってきたこのスーツケースもいよいよ寿命らしく,キャスターが崩壊寸前だ.しかし,新しいのを買っているヒマがぜんぜんないので,最後のお勤めとして今回の京都行きでは働いてもらうことにしよう.

13:55発のTX快速に乗り東京へ.15:10発の「のぞみ39号」で京都に向かう.途中,滋賀県あたりで夕焼けが広がり(一瞬だけ彩雲が見えたような),定刻通り17:28に京都着.もう暗くなっていた.タクシーで宇治の実家に着いたのは午後6時過ぎだった.年に一度も帰ってこない不肖の息子の仕事は「親の話をじっと聴くこと」に尽きる.二人とも十分すぎるほど年寄りなので話題が輪廻転生するのはしかたがない.でも,ときどき“耳袋”なネタもある.

たとえば,しばらく前に宇治市で竜巻の被害があったとき(新聞報道された),実家でもその被害が実はあったという.父親の話では,空が急に黒くなって,遠くから「ごおーっ」という轟音が近づいてきたかと思ったら,二回のベランダに置いてあったプランタ(土入りで重さ十キロほど)がふたつ,空中にふわっと巻き上げられて運ばれ,少し離れた自宅の庭の池の中に落ちていったそうだ.重過ぎて年寄りにはどうしようもないので,そのまま池の中にプランタがはまったままだった.

◆新幹線車中のお仕事 —— コリン・タッジ[柴田裕之訳]『ザ・リンク:ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見』(2009年9月25日刊行,早川書房,東京,382 pp.[カラー口絵32ページ含む],本体価格1,800円,ISBN:978-4-15-209070-6 → 目次版元ページ)の時事通信社用の書評文を書き上げました.明日にも送信いたします.

◆長旅で疲れたので,早々にお休みさせていただきます.

◆本日の総歩数=8614歩[うち「しっかり歩数」872歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.8kg(+0.1kg)/26.6%(+0.6%).


10 oktober 2009(土) ※またまた旅支度をする連休初日

◆午前4時半起床.曇りときどき晴れ.午前中は雲が多かったが,午後になって日射しが降り注ぐ好天になった.湿度が低くて北から吹く風もさわやか.台風が過ぎたあとはとても快適な日々が続いている.

◆朝のこまごま —— インフルエンザ予防接種は10月20日(火)の午前に./人間ドックの問診票や検査容器が届いた.10月28日(水)の7:45に集合とのこと.

◆新刊ゲット —— 廣松渉著[熊野純彦編]『廣松渉哲学論集』(2009年9月10日刊行,平凡社[〈平凡社ライブラリー〉678],東京,582 pp.,本体価格1,800円,ISBN:978-4-582-76678-3 → 目次版元ページ).白状すると,ワタクシ,「ひろまつわたる」って実はまったく知らないのです…….“「物」的世界像”とか“「事」的世界観”という断片的キーワードが飛び交うらしいですが.いい機会なのでこわごわ覗いてみようかな,と.本論文集は600ページもある分厚いもの.著者はもちろん書きまくり,編者も負けずに書きまくる.文字また文字.

◆備忘メモ —— 日本学術会議主催公開講演会「ダーウィン生誕200年:その歴史的・現代的意義」,2009年12月5日(土)13:00〜17:00,日本学術会議講堂.事前申込(定員300名 → 日本学術会議サイト).会場ではダーウィンの編著書・草稿類(翻刻版)などの資料展示コーナーあり.上記サイトからの事前参加申込をさっそくすませた.

◆午後のこまごま —— 京都旅行の往復の新幹線チケットを確保しました.行きは10月11日(日)15:10東京発の「のぞみ39号」で17:28京都着.帰りは10月14日(水)18:32京都発の「のぞみ136号」で20:53東京着./10月23日(金)のホテルは〈レム秋葉原〉をオンライン予約した.

◆竹園の「たがみ酒店」にて,入荷したばかりの大七酒造(福島)の「大七・生もと純米・ひやおろし」をゲットしました.毎年,今の季節は「ひやおろし」の旬ですが,最後の最後にやっと〈大七〉が登場したということか.近くに住んでいる人は,売り切れないうちにすぐ買いにいきましょう.

◆京都に行く前に片付けるべき残務がいくつもあるのだが,ぜんぜんはかどらないまま旅行前日になってしまった.しかし,旅程はもう決まっているのでその支度はしないわけにいかないし.いくつかは抱えていくしかないだろう.とりわけ組合関連の積み残し仕事が多過ぎてどうしようもない…….

◆今回の京都行は,京大の連携併任の仕事で集中講義をすることになっている.タイトルは:「形態測定データの統計プログラミング」となっていて,要するに幾何学的形態測定データ(座標データ)の統計学について話をすることになっている.具体的には,いくつかの既存のフリーウェア(tps.* 系)で用いられている統計分析についての概論(ケンドール形状空間における複素ビンガム分布とその線形接空間に射影したときの複素正規分布,プロクラステス適合,相対歪み分析での主成分分析など)をふまえて,Rの幾何学的形態測定パッケージ「shapes」ならびに Julien Claude『Morphometrics with R』(2008年8月刊行,Springer-Verlag[Series: Use R!], Berlin, ISBN:978-0-387-77789-4 [pbk] → 目次版元ページ)で論じられているRの形態測定学分析のための関数群の話をしようかと思っている.講義と実習がミックスされることになるだろう.

◆本日の総歩数=4201歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.7kg(+0.2kg)/26.0%(+0.8%).


9 oktober 2009(金) ※ナチュカフェで統計曼荼羅論議

◆午前4時半起床.台風一過の晴天が空高く広がる.朝焼けがみごとだった.気温13.8度.朝晩の冷え込みが強まっている.

◆[組合]朝からですかっ! 10月14日(水)の全農林・秋闘要求書の提出には分会委員長が代理として立ち会うことになった.筑波地本書記長にその旨連絡する./統一要求はそれでいいとして,分会の独自要求書も別途用意しないといけないのだが,これについては勤評闘争のときになる./農環研当局から要求書提出と回答の日時・場所が提示された.提出は予定通り14日(水)は午前10時から,また回答は28日(水)の午前10時からと確定した.しかし,28日は「人間犬」に変身する日なのでまたしても出席できない./東京での全分会代表者会議のスケジュールについての連絡があった.10月23日(金)は表参道近くの〈ホテルフロラシオン青山〉の二階「芙蓉」にて14:00〜20:00(懇親会含む).翌10月24日(土)は場所を移して〈全日通霞が関ビル〉の八階「大会議室」にて9:00〜12:00に開催される.宿泊は地本にまかせたら集中管理されてしまうので,独自にホテルを確保することにする. —— それにしても,組合役員を引き受けると,細かな「火山灰」やら大きめの「火山弾」果ては致死的な「フォールアウト」まであらゆることどもが降り掛かってくることになる.予想はしていたが,確かにその通りだった.

◆乾燥した南風が吹き渡る昼下がりのランチ密談 —— 正午前にTXつくば駅改札にて,技術評論社の編集者お二人を拾って,吉瀬の〈ナチュカフェ〉へ直行する.この店のランチタイムに席を確保するためには時機を逃さず「直行」しなければならない.さもなければ,あっという間につくばマダムたちに占領されることは,この近辺ではすでによく知られている.実際,われわれ三人が入店したときは空席があったのに,数分にして満席になった.間一髪の幸運だった.「♂」はわれら三頭のみ,残りすべての個体は「♀」というのは尋常ならざる性比である.しかし,つくばで「これは」というレストランではそういう「♀バイアス」のかかった客層がランチに集結するという傾向がきわめて顕著とのことだ.

日替わりのランチプレートを注文してから,やっと本題に入る.技術評論社から来られた案件は要するに,ぼくの「統計曼荼羅」の解説本を書く気はないかというプロポーザルだった.「統計学概論」についてはすでに講談社サイエンティフィクの出版企画が通っているので,そのうち書かないといけない(ぜんぜん書いてません……).しかし,「統計曼荼羅」については確かに説明書を書くことは考えていなかった.ひょっとしたらいけるかもということで「OK」の返事を出した.

「技術評論社」といえばパソコン関係の本をたくさん出してきた出版社という印象が強いのだが,実際にはもっと幅広い守備範囲をカバーしていることを知った.統計学関係の入門書もたくさん出していて,何冊かをいただいた:向後千春・冨永敦子『統計学がわかる』(2007年10月1日刊行,技術評論社[〈ファーストブック〉シリーズ],東京,174 pp.,本体価格1,680円,ISBN:978-4-7741-3190-0 → 版元ページ).「ハンバーガーショップでむりなく学ぶ,やさしく楽しい統計学」とカバーに書かれている本書は,筆頭著者のサイト〈ハンバーガー統計学にようこそ!〉の書籍化.聞くところでは,入門的統計本はぼくが予想する以上によく売れるらしい.技術評論社から出る統計本の初版印刷部数を聞いてぶったまげた.そんなに刷ってそんなに増刷されるんですかぁという感じ.書店の「統計棚」の賑わいは潜在的読者層の反映.裏返せばみんな統計にはそれだけ苦労しているということだろう.

もう一冊:大日康史・菅原民枝『パンデミック・シミュレーション:感染症数理モデルの応用』(2009年9月5日刊行,技術評論社[〈tanQブックス〉シリーズ],東京,198 pp.,本体価格1,580円,ISBN:978-4-7741-3940-1 → 版元ページ).かつての東大出版会の〈UPバイオロジー〉シリーズを連想させる本シリーズの筆頭となる新刊.はたして「統計曼荼羅」本が技術評論社の意向通り,本シリーズ〈tanQブックス〉の一冊として形をなすかどうかは著者のみぞ知る.「統計学概論」と「統計曼荼羅」の二つがともに活字になるのなら,講義用に使えるのでたいへん都合がいいのだが,問題はひとえに「時間」がつくれるかどうか.きわどいことをこれまでも繰り返してきたが,それが再現される可能性はきわめて高い.現時点での優先順位から言っても,NHKブックス(進化本)→岩波書店(形態測定学本)→講談社サイエンティフィク(統計本)という「単著系列」の次に位置することになるだろう(コンウェイ・モリスの「収斂本」翻訳はどこかの隙間に挟まるにちがいない).とりあえず,社内の企画会議をこれから通す必要があるとのことで,目次の素案を後ほど送ることにした.この件はこれでおしまい.

—— 午後2時前に二人の編集者氏をつくば駅まで送り届けたのち,農環研へもどる.すっきり秋晴れの青空.気温は23.1度,湿度は実に34%台.運動会やハイキングにはいい日和だ.

◆午後のこまごま —— 近いうちに某新聞の書評欄で分類思考の世界』が取り上げられるそうです.どうもありがとうございます./ソーバー『過去を復元する』復刊プロジェクトに向けての作戦メールあり.ラジャー!ということで,まずは旧・蒼樹書房の仙波さんに連絡を取りましょう.

◆[組合]夕暮れの午後5時半に分会室にて,賃金対策委員会の会合あり.昇格に関する事務折衝と交渉の今後の段取りについて話し合う.次回の事務折衝は10月23日(金)の午前で日程調整を進める.午後6時半に終了.

◆午後8時半に撤収する.とても長い一日だった.ばたばたしていて立ち止まるひまがなかったが,今日は夕焼けがとても鮮やかだったことを思い出した.

◆本日の総歩数=10240歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.5kg(−0.1kg)/25.2%(−1.2%).


8 oktober 2009(木) ※未明の暴風,強風に煽られ駒場

◆午前3時に目が覚める.外はすでに暴風で横殴りの雨がベランダ側の窓ガラスを激しく叩いていた.次に目が覚めたのは午前6時前.まだ風雨は激しい.しかし,外が明るくなってきた午前7時には,雨は止み雲が切れて朝日が射し込むまで天気は回復した.台風情報によると台風18号は速度を上げて北関東を駆け抜けていったようだ.今日は全日年休をとっているので農環研には顔を出さない.早くも台風一過の晴天が広がり始めた.今回はあっというまの上陸劇だったようだ.代わって,吹き返しの南風が強まってきた.強風圏を抜けるにはまだ時間がかかりそう.

◆台風による強風の影響で関東では鉄道が軒並み運休したり遅延しているという.今日は午後から駒場での「生物統計学」の初回講義があるのだが,開講できるかどうかやや心配.東大教養学部のトップページを見ても何も措置は公表されてはいない.午前は荒れ模様の天候だが,午後はましになるのかもしれない.

◆午前のこまごま —— 明日,10月9日(金)17:30〜,賃金対策委員会,分会にて./10月14日(水)10:00から全農林秋闘要求書の提出.ぼくは京都にいて出られないので代理を立てることになる./10月15日(木)の11:00に,本郷の東大総合図書館前にて待ち合わせ.※予定がどんどん詰まっていく.

◆R Commandar on MacOSX の日本語フォントの改善 —— 方々で統計の講義をするときにはほとんどの場合 Windows PC を使うことにしている.マックを使ってもいいのだが,X11上でのRコマンダーの日本語表示が耐えられないほどひどいので(可読性最低),プレゼンに使うことはムリと判断しているからだ.OSX 10.4 の場合,X11自体を改めてインストールしないといけないし,しかもデフォルトの日本語フォントが劣悪なので,自分用ならまだしも教室で使うわけにはいかない.マックでRコマンダーを使っているユーザーは少なくないだろう.同じ悩みを共有している人もきっといると思って調べてみたら確かにその通りだった.そして,対処方法も確立しているようで,ターミナルからのコマンド操作で何とかなりそうなこともわかった:

しかし,光明は見えてきたとはいえ,急いでやるとうまくいかない…….小一時間ほど格闘してみたのだが,Rコマンダーの活字のジャギーさはまったく改善されず,そのうちあらためて時間があるときにゆっくり取り組むしかないか.などと口にしているということは,当面はマックで「R」のプレゼンをすることはないなぁという意思表明でもあります.※そんな時間ないもん.

◆強風に煽られて駒場へ —— 台風一過の青空のもと日射しがさんさんと降り注ぐ.吹き返しの強い南風にあおられながらつくば駅へ.13:55発のTX快速で駒場に向かう.いたるところで鉄道が止まっているようだ.地下鉄づたいに移動しているので定刻通り,午後3時半にに駒場東大前に降り立つ.気温は高くひょっとして夏日かも.今週から来年一月まで毎週ここに通うことになる.キャンパス内がいやに閑散としていると思ったら,案の定,自主休講した講義がかなりたくさんあると聞いた.午前中は駒場全体が強制休校だったらしい.

「生物統計学」の初回講義は513号室にて16:20定刻に開始.教室はほぼ満杯で,配布したハンドアウトの回収数から見て90名近く集まったようだ.ありがとうございます.初回なので,今後の授業ガイダンスをしたあとに,残り時間で統計学概論の入り口の話をした.あ,配布用の統計曼荼羅のハードコピーをもってくるのを忘れた(来週ね).午後5時半過ぎに講義終了.講義ブログ〈R-statistiker〉を8月以来まったく更新していない.駒場用に変更しないといけないのだが,まだその余裕がない.では,また来週ね.この科目が必修なのは「人類」だけなので,選択科目になっている学生がどれくらい履修してくれるかで全体の履修者数が決まる.

—— 夕闇迫る駒場から直帰してつくばに帰り着いたのは午後7時半のこと.西寄りの風がまだ強く吹きつけていた.

◆往復車中読書 —— コリン・タッジ[柴田裕之訳]『ザ・リンク:ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見』(2009年9月25日刊行,早川書房,東京,382 pp.[カラー口絵32ページ含む],本体価格1,800円,ISBN:978-4-15-209070-6 → 目次版元ページ).「4700万年前」をそのまま保存してくれたメッセル・ピットに足を向けては寝られない.化石オークション,アヤシそうでおもしろい.依頼書評はすぐ書きます.

◆久しぶりの駒場だったし,強風に煽られたし,で疲労が蓄積している.今日は早々にお休みさせていただこう.

◆本日の総歩数=5224歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.6kg(−0.1kg)/26.4%(+1.1%).


7 oktober 2009(水) ※大型台風接近中の不穏な雰囲気

◆昨夜は午後11時には寝てしまった.午前3時に起床し,農環研へ直行.小雨が続いている.大型台風18号が日本を縦断するという予想で,これから風雨が強まってくるらしい.

◆未明のこまごま —— 駒場三点セット(二週間分)の準備.ハンドアウトと出席カードの原稿を用意し印刷に回す.スライドは先月の集中講義のものがそのまま流用できるので問題なし./RP中間検討会の資料づくりのため,過去の成績検討会やらいろいろと過去の資料を発掘して文案を練る.「中間報告」だから気楽と言えば気楽だが,文言のひねり出しはやはりやっかい./dagboekの画面が読みづらいから背景を何とかしてほしいとの申し入れあり.ユーザー側でフォントを変更するなり大きくするなりして,何とか対処してもらえませんかねぇ(ブラウザーの表示設定の変更により).こういうのは初めての申し入れだ.

◆〈蕎麦復刊計画〉進行中 —— ソーバー『過去を復元する』の復刊プロジェクト.少なくとも社内的な第一段階はクリアしたとの連絡あり.ご尽力まことにありがとうございます.そろそろこちらも本格的に動き始めないといけないぞ.まずは,フィルム提供に関する旧・蒼樹書房への申し入れからか.

◆[組合]組合関係の“火山灰”がコンスタントに降り積もっている.活火山の近くに移住してきたようだ.フォールアウトを全身で受け止めるのが書記長の本務であるとは認識しているのだが,本務地にいないことがあまりにも多いので,不在の間にいつの間にか降り積もってそのまま堆積岩になっている用務が多々ある(ようだ).ときどきシャベルで掘り返してはみるのだが.秋闘関連の行事とかその他もろもろのイベント・行動がある(みたい).それよりも,分会のインフラの説明を職場委員にしないといけないが,まだできていない.分会ニュースの自己紹介文もぜんぜん.手が付かない…….

◆献本感謝 —— 樋口広芳・黒沢令子(編著)『鳥の自然史:空間分布をめぐって』(2009年10月10日刊行,北海道大学出版会[自然史シリーズ],札幌,xii+256 pp.,本体価格3,000円,ISBN:978-4-8329-8191-1 → 目次版元ページ).本書を含む〈自然史シリーズ〉は1995年の創刊以来,今年で既刊18冊に達している.毎年一冊以上刊行されているペースだ.『〜の自然史』と銘打たれたソフトカバー本が書棚に増えてきた.本シリーズの第一冊目にあたる『動物の自然史:現代分類学の多様な展開』に寄稿したのは1995年だった.この論文集は現在もなお少しずつ増刷が続いている.

◆RP中間検討会 —— 午前いっぱいはRP中間検討会のための資料の準備と研究進捗の検討.昼休みに配布物の必要部数のコピーを完了した.午後1時15分から4階会議室でRP中間検討会.さくさくと一時間あまりで終わってしまった.成績検討会は師走だから,それまでの二ヶ月の間に形になるものを提出するようにしたい.インベントリー・センターからもらったデータの解析とRスクリプトの改良という二本柱がこれから年末までの本業になる.

◆午後のトド撃ち —— 部屋に戻ってきたら明日からの東大の出講に関わる兼業申請書類が突っ返されていた.いろいろと細かいところに記載の不備があって再提出しないといけない.うう〜.ちょっと今日はムリかなぁ.金曜に必ず出しますので,それで勘弁して./[組合]選挙管理委員と会計監査委員の件.決まっていないものとてっきり思い込んでいたら,前年度の引き継ぎ書類を見てみたらちゃんと決まっていたようだった.そんなもん,まだぜんぶ読んでないから知らないってば.

—— そうこうするうちに,窓の外では台風接近を告げるような不穏な風が吹き始めてきた.雨はまだたいしたことない.午後7時に撤収した.

◆夜遅くなってしだいに風雨が強まってきた.台風情報によると明日未明から午前中が関東地方に最接近だそうな.

◆ここのところハードなトド撃ちが続いたので,部分的に灰になりつつある.明日は年休を取っているので多少遅く起きても許されるだろうと弁解しつつ,午後11時過ぎにはご就寝.外はしだいに風雨が強まっている.

◆本日の総歩数=5059歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.9kg(−0.8kg)/25.7%(−2.2%).


6 oktober 2009(火) ※今日も朝からトドを撃ち続ける

◆午前4時半起床.雨.気温16.2度.

◆朝のこまごま&備忘録 —— 技術評論社からの来客お二人は10月9日(木)正午にTXつくば駅改札にて待ち合わせることになった.昼食は〈ナチュカフェ〉に行きますか./駒場の生物統計学は今週の木曜から開講される.来週は京都に出撃していて時間がないので,ハンドアウトは翌週分も含めて二週分つくるべし.

◆[組合]うっかりしていて分会の選挙管理委員と会計監査委員を決めていないことに気がついてあたふたする.前期からの引き継ぎ書類もぜんぜん目を通している時間がないまま,もうひと月が過ぎようとしている.しかし,立ち止まっている時間もないので,ぐわ〜と丸投げする心づもりでいる.ごめんなさい…….

◆モンテリウス・型式・考古学 —— ツイッターをちらちら眺めていると,『分類思考の世界』は考古学業界の方々にも読まれているらしい.だったら,「オスカー・モンテリウス」とか「型式学」とか,“誘蛾灯”的キャッチワードを混ぜておいた方がよかったかと思ったりして(つねにウケを狙うワタクシ).モンテリウスの訳本:オスカー・モンテリウス[濱田耕作訳]『考古學研究法』(1984年刊行[1932年の復刻],雄山閣出版,東京,ISBN:463900365X)はまだ leeswijzer にはアップしてなかった.モンテリウスはダーウィンの「波」と生物分類学の「種」の洗礼を受けた.考古学の世界はそういう意味で生物学とは方法論的にいくつもの接点がある.かつての数量表形学そのものの:Robert C. Dunnell『Systematics in Prehistory』(1971年刊行[2002年復刻],The Blackburn Press, Caldwell,ISBN:1-930665-28-8 → 目次)とか,分岐学の直輸入本:Michael J. O'Brien and R. Lee Lyman『Cladistics and Archaeology』(2003年刊行,The University of Utah Press, Salt Lake City,ISBN:0-87480-775-1 → 書評目次)を手に取るにつけ,その感を強くする.文献系図学や歴史言語学とともに考古学もまた William Whewell の言う通り「古因科学(palaetilogical sciences)」のひとつということだ.

◆午前10時,雨はいよいよ強くなってきた.気温は17.0度.

◆交流センター「分子系統学ワークショップ」選考完了 —— 第141回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の応募者101名から受講者を人選する作業.応募書類の紙のたばを見ながら“神”になる.小一時間かけて「定員30名」の枠を厳守しつつ選考を終え,研究交流課にファクスした.今年もたくさんの応募をしていただきありがとうございました(競争率は三倍強).選から漏れた方々もまた再度(来年もきっと実施するでしょう)の応募をしていただければいい結果がもたらされると思います.なお,今回のワークショップのサイトは近日中に開設します.昨年のワークショップサイトと同様に,配布資料やソフトウェア情報を公開しますので参考にしてください.今年のワークショップの懇親会は初日(11月4日)の夕方に開催します.受講生はふるってご参加を.日本酒[だけ]はきっちり用意させていただきます.

◆午後のトド撃ち —— 講談社の「出版契約書」に署名・捺印して音羽に返送した.これで公的にもカタがついたということだ./東京農大の来年度の講義日程申請書.これまでと同じということで返信した./先月の学会出張の「立替払請求書」の書式が古すぎるので書き直せと突っ返されてきた.こういう事務的なことに文句を言うのは禁物なので(抵抗しても時間のムダ),感情を封じ込めて何も考えずに書き直して投げ返す.提出書類が一度で通ることはまずないのであきらめている.もうひとつ,年休届も突っ返されてきた.分単位の計算を間違えていたとのことで.計算能力もないんですかっ>ワタクシ.こちらに関してはごめんなさい(>S里さん)./Academic Resource Guide が株式会社として登記されたとのこと(→ARG記事).おめでとうございます.ぼくにとっては「起業」というのは別世界のような話だが,もっと若い世代にとってはそういう人生の選択肢はもっと現実味を帯びているのかもしれない.R の〈pvclust〉パッケージを開発した鈴木了太さんも起業したし.すごいなぁと感心する./首都大学東京と横浜国大の統計学レポート課題をつくり,メールでアナウンスした.よろしくお願いします.

—— ここまで撃ち続けて午後5時になった.トドの総数は「7頭」まで減ったものの最後まで残ったのは超大物ぞろい.

◆午後6時に撤収.しかし,明日のRP中間検討会のことが何一つすんでいない.夜は長いぞ.

◆本日の総歩数=5059歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.9kg(−0.8kg)/25.7%(−2.2%).


5 oktober 2009(月) ※四半世紀ぶりに兼松講堂を見る

◆午前4時半起床.曇り空.夜明け前に事務連絡メールをいくつか飛ばす.今日の予定が大きく変わったので,関係者への連絡を忘れるわけにはいかない.ついでに,微小トドを数頭退治した.この時点でのトドの残りの頭数は大小取り混ぜて「28頭」になった.

◆朝の国立駅前に立つ —— 急な私用が勃発して,すべての予定をキャンセルし,半日年休を取って,6:56発のTX快速に飛び乗った.南流山から武蔵野線を経由して,一時間半後に改築中のJR国立駅前に午前8時半に降り立つ.久しぶりに駅前の並木道を歩けばそこはもう一橋大学だ.兼松講堂を見上げるのはいったい何年ぶりのことだろうか.その昔,1980年代のこと,一橋大学のOBオケにエキストラ打族のひとりとして出演して,ホルスト〈惑星〉を乱打した記憶は今も残っている.バーンスタインの〈ウェストサイド物語〉もやったっけ.

四半世紀前の兼松講堂は古びた木造建築で,風格こそあれ,お世辞にもきれいとは言えず,吹き込む冬のすきま風がことのほか冷たかった.ところが,いま見上げているのは見違えるばかりに立派に改装されたホールだ.時代の流れですなぁ.

通勤・通学で道を急ぐ人並みに流されて駅前から一直線に貫く桜並木を歩いているうちに,灰色の空からぽつりぽつりと雨が落ちてきた.天気予報通りか.所用をすませて,再び国立駅に戻る.歩道橋から見るメインストリートはつくばの風景にどことなく似ている気がする.しかし,国立をゆっくり散策しているヒマは今のぼくにはまったくない.無粋なトドどもがつくばでのたくっていることがわかっているからだ.

◆国立から逆コースでつくばに帰る.帰着は正午少し前だった.こちらでも小雨が降り始めていた.気温は低いと言えば低いが,長袖を着るほどですかいっ? 農環研へ直行し,午後のトド退治にいそしむ.

◆昼下がりのトド撃ち —— まずは,今月の出張伺・年休届・兼業願.とくに,今週木曜から駒場での講義が始まるので,東大の兼業願はきっと間に合わないだろう.今週はとりあえず年休を取っていくことにしよう.来週は京大の連携併任の出張期間がかかっているので問題なし.再来週から兼業で駒場に行きます./ あ,今日の午前の年休も事後申請しておかないと./ 農大の再試験の成績報告が本日午後5時までだと知り,あわててオンライン報告サイトをオープンするも,ちょっと救いようがない状況だったので,スルー./ 東大農学部の教務から電話あり,「エコロジカル・セイフティー学特論の成績が本日5時まで」というので,その特論は冬学期の教科よ,とお教えする.そろそろその段取りも何とかしないとか.

◆隙間のこまごま —— あらためて「ナマズを喰う日」は10月29日(木)で確定とのこと.アレンジありがとうございます.>関係者さま./10月9日(金)の昼に技術評論社の方がお二人来室の予定.時間帯の調整をする.

◆[組合]まだぜんぜんトド撃ちが捗っていないのに,もう午後5時を過ぎてしまい,夕闇が降りてきた.午後5時半から筑波事務所の会議室にて「第一回委員長書記長会議」.全農林筑波地本のこれから一年の活動についての具体的なお話.午後7時まで.外の雨はまだ降り続いている.農環研に戻ってさらなるトド撃ちの続きに入る./学会誌の論文査読依頼が二件.ひとつは和文誌,もうひとつは欧文誌.石抱きの刑の「石」の枚数が増えました…….

◆雨夜のトド撃ち —— まずは日録を書きあげて公開./次に,遅れているメーリングリストの雑用をすませ,月例アナウンスを流す.しかし,意外にも手間取ってしまって.アナウンスを流し終わったときにはすでに午後11時になっていた(……).

—— この時点でトドの頭数は「10頭」に減っていた.しかし,残されたトドどもは手強いぞ.もう一踏ん張りするかと思わせて,実はひよってしまうワタクシはこれであっさり撤収を決意したのだった.

◆朝から夜まで走り回ったのも,ひたすらトドどもを仕留めるためだった.今週は狩猟に継ぐ狩猟で過ぎてゆくことがもう運命づけられている.

◆で,雨のそぼ降る深夜に帰宅してから,もう日が変わっているのに,ついピーマンの肉詰めなんぞを大食してしまって,もう.夜中に飯を喰うなと言われましてもなあ…….けっきょく今日は18時間ほど動いたので(「にんべん」は付かないか).

◆本日の総歩数=14437歩[うち「しっかり歩数」4059歩/40分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=85.7kg(+0.5kg)/27.9%(+1.2%).


4 oktober 2009(日) ※灰のまま穏やかな日曜を過ごす

◆午前4時前に目が覚めてしまう.晴れ.日録と本録をかため書きしているうちに,涼しい夜明けを迎える.午前中は雲が多くて東風が心地よかったが,午後になって日射しが出てきて地表近くは気温が高かった.ここのところ雨が多かったので貴重な晴天日だ.

◆方々での巡業を続けた負荷が今になってのしかかってきた.終日,ほぼ「灰人」と化し,力なくだらだらと過ごしてしまう.

◆生きるための読み書き —— 中村雄祐『生きるための読み書き:発展途上国のリテラシー問題』(2009年9月25日刊行,みすず書房,東京,x+252 pp.,本体価格4,200円,ISBN:978-4-622-07458-8 → 目次版元ページ).新刊をご恵贈いただきました.感謝.ここ数年,ぼくが「系統樹リテラシー」ということばを使うとき,図形言語としての「系統樹」の読み書き能力を念頭に置いている.一般的に理解されている「文字」だけでなく,「数字」や「図形」まで広く包括する議論の場で「リテラシー」を考えるべきだという基本姿勢は,本書の著者の中村さんから数年前に八ヶ岳山麓のセミナーで直接的に教わったことである.

本書の第1部「読み書きと社会の発展」はそれを中核として議論が展開されている.あえて自分側に引き寄せれば,系統樹思考と分類思考における「図像リテラシー」の重要性ということだ.つまり,図形文字としての系統樹・マップそしてグラフの「識字」ということ.

続く第2部「文書と人間の歴史」では,そのような人間社会におけるリテラシーのもつ認知科学的側面に切り込んでいる.認知的人工物(cognitive artifacts)という概念は要注目.文字のリテラシーの程度は比較的明確に判定できるかもしれない.それに比べると,図形や数字のリテラシーが身に付いているかどうかは,あまり関心が持たれていないだけに,その習得が軽視されていることが危惧される.たとえば,本書でも引用されているが,「樹(tree)」のリテラシーは時代背景によって大きく変化する.それを進化系統樹とみなすことは場合によっては危険であるということだ.

最後の第3部「途上国の読み書き問題」では,著者が関わった南米ボリビアでの事例が紹介されている.

—— いまのぼくの関心領域としてはやっぱり第1部と第2部かな.

◆諸国行脚の旅を終え,つくばの本宅にてゆっくり養生をなどという甘いもくろみはあっさり潰えた.今月の「トド撃ちリスト」を更新していくうちにしだいに暗澹たる気持ちに.連日締切の “フラッグ”が立ちまくりです.残務トドと新着トドどもの攻勢で,きわめて危機的な状況になっている…….

◆本日の総歩数=3663歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.2kg(+0.5kg)/26.7%(+1.0%).


3 oktober 2009(土) ※晴れのち雨で巡業先から舞戻る

◆午前5時過ぎに起床.早朝は雨上がりの青空が広がっていたので今日は天気回復かと思ったのもつかの間,みるみるうちに灰色の雨雲が広がり,再びホテルの窓を雨滴が叩き始めた.

◆朝のこまごま —— 再来週の京大襲撃計画は「10月12日(月)〜15日(木)」と決行期日が確定した.最終日はたまには宇治に泊まりますかね./10月5日(月)は突発的な私用により,午前中は国立市内を徘徊することになった.ということで,分会の昇格折衝には出られなくなりました.ごめんごめん.

◆午前10時にチェックアウト.外は小雨が降り続いている.気温はさほど低くなく,やや蒸し暑い.オアゾ丸善にて2010年用のオアゾ丸善にて来年のイヤープランナーを買った.システム手帳なるものを放棄してはや十数年.ファイロファクス(Filofax)のリフィルであるイヤープランナー(バイブルサイズ)のみ単独でずっと使い続けてきた.しかし,来年は試しにバインデックス(Bindex)のイヤープランナーに代えてみることにした(記入しやすそうだったので).スケジュール管理は基本的に,持ち歩き用の折込形式イヤープランナーのみ.細々したことは Google Calendar にすべて一任している.

◆[備忘メモ]宿泊していた〈リッチモンドホテル東京目白〉のすぐ近くにあるブックオフで,『過去を復元する』がなんと三千円を切る値段で売られていた.まだ買っていない人は目白に走るべし.

◆つくばに帰り着いたのは昼下がりだった.すでに雨はやんでいて,曇り空.東寄りの風が涼しかった.旅から旅への一週間が続いたので,ほぼ廃人状態で夕方までゆらゆらしていた.今日は十五夜で仲秋の名月が期待されていたが,雲が多く“お姿”を見ることあたわず.月見団子をむなしく喰うしかない.遠くから土浦花火大会の轟音が伝わり,打ち上げの大輪が花開いていた.

◆ブツ届きました. —— コリン・タッジ[柴田裕之訳]『ザ・リンク:ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見』(2009年9月25日刊行,早川書房,東京,382 pp.[カラー口絵32ページ含む],本体価格1,800円,ISBN:978-4-15-209070-6 → 目次版元ページ).書評を依頼された本.ブツは確かに受け取りましたよ.口絵のカラー写真がクリアですばらしいなぁ.「イーダ」が掘り出されたメッセル・ピットという採集地はいかにも「出ますよ」という感じ.見本刷はすでに手元にあるが,写真のあるなしで受ける印象がずいぶんちがってくる.10月12日(月)が書評締切(800字).前回みたいに締切日当日に,ばたばたとあわてふためくようにはなりたくない…….

◆夜,しずかに今月のトド撃ちリストを更新しているうちに,残務の多さにげっそりしてしまった…….積み残し多過ぎです.しかも緊急を要する案件がひとつやふたつではすまない.

◆本日の総歩数=2994歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測.


2 oktober 2009(金) ※雨降る荒川線を越えてお座敷へ

◆寝坊して午前5時半に起床する.窓の外に広がる遠景は雨雲に煙って,雨がしとしと降っていた.予報通りだ.気温は低め.午前6時にホテル二階にある〈ロイヤルホスト〉で朝食バイキングをば.その後,目白通りを駅前まで散歩してくる.灰色の空から雨滴がぽつりぽつりと落ちてくる.その後,ホテルに戻って引きこもりに入る.

◆朝のこまごま —— 音羽より連絡あり.メール送信した「正誤表」は受領とのこと.第二刷は「10月8日」にできあがるらしい./カマジン本のオンライン書評が出ていると教えられた:濱野智史「自己組織化は設計可能か──スティグマジーの可能性」.

◆午前11時まで,ホテルで午後の高座のしたくを進めた.スライドを挿入したり並べ替えたりの編集作業が延々と続く.コンテンツは山ほどあるが,それをどうやって二時間に抑え込むかが問題だ.発表機材などをそろえてホテルを出る.雨は小降りで傘を差すまでもなかった.20分ほど歩いて日本女子大の新泉山館に到着した.気温は低めに推移している.

◆昼休み後,午後1時15分からチュートリアル(第二講):三中信宏「系統推定論2:進化過程の統計的モデリング」(13:15-15:25).今日は系統推定論プロパーの諸問題について.たくさんしゃべったように思ったが,あとで確認したら,110枚ほどあったスライドのうち40枚ほどは見せずじまいだった.ほぼ定刻におしまい.今回も長丁場の高座を二日連続で勤めたが,一週間前の首都大学東京の集中講義以来,ほぼ毎日,教壇に長時間立つ日々が続いている.さすがに疲れたみたい.リフレッシュが必要ですな.

—— 本日のシンポジウム終了後,小雨の降る中を目白通り沿いの別の建物「桜楓」2号館の三階にて懇親会.ワインがまわってくるとともに,蓄積疲労がオモテに顔を出し始め…….

◆明日はシンポジウム最終日だが,予定されている講演は午前中だけで,昼にはお開きになる.

◆本日の総歩数=9288歩[うち「しっかり歩数」4867歩/51分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


1 oktober 2009(木) ※月初めいきなり目白で連続高座

◆午前4時半起床.雨上がりの曇り空.気温17.9度で,空気中にはまだ水分がたっぷりな感じ.未明の農環研にコッソリ潜入して,堆積していた事務書類や組合関係書類をすべて廃棄し(見てない見てない),送られてきた本たちをなでなでしてから帰宅する.その後およそ二時間ほどじたばたして,午後のチュートリアルの講演準備をしたりして…….

◆午前のこまごま —— メーリングリストの月例アナウンスは後回しです.ごめんごめん./URL短縮ツール〈縮.jp〉ってちゃんと使えるんだー.長ったらしいURLをみごとに高密度圧縮してくれます(どのような圧縮かはやってみればわかる!).ツイッター用のURL圧縮にはこれまで〈TinyURL〉をもっぱら使ってきたのだが,それよりも最節約的であることは確かだ.

◆目白へ出撃 —— 11:05発のTX区間快速に乗る.曇ってやや湿度が高い.目白には正午前に到着.今日から三日間は,科研費がらみのシンポジウム〈生物情報を解明するための統計数学的基礎理論とその応用〉でのチュートリアル講演のため,日本女子大学の新泉山館国際交流センターに通う.日本女子大に行くのは実は初めてのことだ.目白の大学と言えば,駅の真ん前というイメージしかなかったのだが,日本女子大がこんなに遠いとは思わなかった.都電荒川線の高架を越えてやっと到着した.すでに一仕事してしまった気がする.シンポジウム会場に入り,主催者に挨拶したあとは講演スライドの並び替えなどに没頭する.

午後1時半からシンポジウム開始.最初は統数研の立川移転にともなう引っ越し雑用を放棄?して登場した島谷健一郎さんの空間統計のお話.印象に残るスライドがあったので,勝手に撮影し自分のトークで利用させていただくことにした.

続いて,午後2時15分からがチュートリアル(第一講):三中信宏「系統推定論1:離散数学による進化史の叙述」(14:15-16:25).体形学の歴史をからめての系統樹思考と分類思考の関係についての話.数式はほとんど出なかった.どう考えても哲学噺だったと思う.百枚あまりのスライドを用意していったが,意外にくつろぎモードだったので,だいぶ余ってしまった.定刻に初日は終了した.ikushimo氏を指定討論者(かつ司会役)に指定したが今日はあまり出番がなかったもよう.

◆目白駅前の〈リッチモンドホテル東京目白〉にチェックインして荷物を放り込んだのち,JR池袋北口改札にてikushimo氏と待ち合わせ,またもや異界の〈金王府〉の階段を下る夕闇.今回は「犬」こそ食さなかったが,豚の「背骨」はしっかりかじりました.うまいなぁ.さくっと紹興酒を飲んで店を出たのは午後7時.いつもだったら長い夜が始まるのだろうが,明日のこともあるのでホテルに直帰して,おとなしく過ごすことにした.本など読みつつ午後11時には就寝.旅先ほど健康的な睡眠生活が送れる.

◆本日の総歩数=9282歩[うち「しっかり歩数」1027歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.7kg(−0.2kg)/25.7%(+0.2%).


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集