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日録2009年9月 


30 september 2009(水) ※統計道場の最終日は秋雨が滴る

◆午前4時半起床.曇りのち雨が降り出した.日本のはるか南海上にはふたつの台風があって北上しつつあるらしい.これからしばらくは秋雨前線の影響で天気はぐずつくという.

◆夜明け前にトド蠢く —— 直前に終わった首都大学東京の生物統計学講義のレポートは至急出します.今回の横浜国大の課題レポートと合わせて出題します./10月8日(木)から始まる駒場での生物統計学講義の「兼業申請」をまだ出していなかった…….「早く出してね」メールを農環研人事から受け取る.く.

◆午前7時過ぎにチェックアウト,しとしと降り続く雨の中をスーツケースを転がして,元町中華街駅からまずは横浜へ.駅のコインロッカーに大きな荷物を預けたのちに,バスで横浜国大に三度目の通勤.三日目にして初めてGCOEリーダー氏とバスの中で対面した(ごぶさたしてます).常盤台の丘の上では雨足が強くなっていた.

◆統計道場(二日目) —— 午前9時半から正午までは,線形モデル(LM)の一般化(GLMとGAM)とその混合効果モデル版(LMM, GLMM, GAMM)について,スライドでの講義とともに,Rコマンダーを用いてのモデル構築とモデル選択に関するデモンストレーションと実習をした.午後1時半からは,計算統計学とくにリサンプリング手法について,これまたスライドでの原理の説明とRによる実習.計算統計学の手法はRコマンダーにはまだ入っていないので,地べたのRでやるしかないが,キーボードからの入力をちくちくしていると高座の勢いがそがれるので,スクリプトファイルをあらかじめ用意しておくのが今のところベストだと思う.最後の一時間あまりは,ベイズ統計学について.前半はベイズの定理の周辺の「りくつ」の話.後半はベイジアンMCMCの解説と実習.いつもこのあたりになると時間切れになってしまう.ほんとうはWinBUGSを用いた実習をすれば効果的なのだろうが,そのための時間が残らない…….

—— 午後4時半,全カリキュラムを終えて,今年の「統計道場」はつつがなく修了とあいなりました.※レポートはあとで出しますので.

◆『分類思考の世界』重版に向けて —— 昼休みに横国のパソコン実習室から音羽に向けて「正誤表」を送信した.本文中に5カ所,文献リストに約10カ所の訂正がある.後ほど,コンパニオンサイトでも公開することになるだろう.

◆小雨が続く坂道を下り午後5時のバスで横浜駅へ.そのまま直帰して,つくばセンター広場に立ったのは午後7時前.雨は一時的にあがっていて,東風が涼しかった.その後,再び雨が降り出してきた.

◆車中読書 —— 田中栞『書肆ユリイカの本』(2009年9月15日刊行,青土社,東京,4 + 246 + 24 pp., 本体価格2,400円,ISBN:978-4-7917-6465-5 → 版元ページ).読了.こういう「本の本」を読んでいると,中に書かれている内容はぜんぜんわからない(というか,著者自身がそんなことはどうでもいいと思っているにちがいない)のに,「もの」としての「本」の存在感がどんどん大きくなっていくのがはっきり体感できる.それも,タイプとしての本ではなく,トークンとしての本.活字印刷された刊本ではなく,むしろ昔の「写本」と同様のかけがえのない個物としての本がもつ存在感.書肆ユリイカが出した本はそういうものだったのだろう.ユリイカ本に対する飽くなき蒐集慾の成果が本書として結実したのだろう.ごちそうさまでした.

◆旅の後始末をする夜 —— ヨコハマでまたもや「灰」になってしまったが,雨で湿ったせいか粉になって舞い飛ぶようなことはない.それでも,原形に戻る時間もなく,明日からの目白での高座の支度を迫られている.今度は生物体系学のチュートリアルだ.二時間×二日間というのは重いなあ.連日,長時間話し続けていると,それがもう「生業」ですか,という感じだが,まあ実際その通りなのだから言い訳する必要はない.

◆深夜のこまごま —— 10月12日(月・休)〜14日(水)は北白川を襲撃することになっている.そのための「宿」と「足」の確保をしないと.「宿」はオンラインで〈コープイン京都〉に確定した.この時期は秋の観光シーズンでいっぱいかと危惧していたが幸い予約できた.「足」はまだだが./『分類思考の世界』の感想・書評は日々拾い集めては「残響録」に書き留めている.幸い今のところ好意的に読まれているようでよかった.サンプリングはまだまだ粗いが,新刊後の一ヶ月間にかなり集まるだろう.

◆明日はもう10月ですかぁ!

◆本日の総歩数=9478歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


29 september 2009(火) ※関帝廟から出撃する曇り空の朝

◆午前4時半起床.夜明け前の強い雨.ホテルの窓ガラスを叩く雨滴の音がする.しかし,しだいに小止みになって曇り空へと移行する.早朝,ホテル前の山下公園を一回りしたが,今日は湿度が高いので蒸し暑いかもしれない.7:49発の通勤特急で横浜駅へ.昨日と同じく8:30のバスで横浜国大に到着.

◆統計道場(二日目) —— 午前中は実験計画法のうち,一要因実験(完全無作為化法と乱隗法)を説明し,多重比較の際の補正についても話をした.午後は乱隗法を用いた二要因実験の解説.ブロックの作り方と要因間の交互作用.その後.分割区法(split-plot)について.実習はすべてRコマンダーを用いた.休憩後にモデル選択論のイントロを話し,Rコマンダーの新しいバージョン(version 1.5)で付加された,統計モデルのAIC(BIC)による評価とステップワイズなモデル選択についてざっと説明した.1.4だと「対数尤度(logLik)」を計算するメニュー項目があったはずだが,新バージョンではその代わりにモデル選択機能が付いた.

—— 午後4時半におしまい.蒸し暑さが残る午後5時前,丘の上から下ったところにあるバス停から横浜駅へ.

◆講義の合間のこまごま.滞在しているホテルは旧館でインターネット接続が不自由なので,横浜国大からつなぐようにしている.来週は月曜だけでもたくさんのトドどもを仕留めないといけないな…… —— 10月5日(月)10:00〜,昇格折衝(組合)/交流センター「分子系統学」ワークショップの参加者人選作業は5日中にしないといけないらしい./全農林筑波地本「第1回委員長書記長会議」17:30〜,筑波事務所./10月23日(金)〜24日(土)は都内で「全分会代表者会議」.泊まりがけで組合活動なんかするなよっ./10月28日(水)18:30〜,学研労協大会,ろうきん.※なんのかんので「くみあい」ばっかり!/東大・専攻関連.プレハブを撤去するというので,居室が移転することになった.今後は農学部6号館に移ります.移転日は未定とのこと./そういえば,分会ニュースの自己紹介文を書かないといけないんだったよね.

◆ホテルに帰り着いたらまだ6時になっていなかった.その後,三日続きでまたもや中華街へ再出陣.関帝廟通りの〈梅蘭〉で焼きそばを注文する.表面はかりっとしていて,中はしっとりとあんかけ状態.一見,広島風お好み焼きみたいな表情の料理だ.こういう焼き方が中華鍋でできるというのもまたひとつの「わざ」なんでしょう.チャイナタウン限定という「横濱中華街ビール」(中華料理に合う特製ビール)がことのほかよく合いました.

〈梅蘭〉は中華街では有名な店だが,紹介パンフレットを見たら他にも出店していて,つくばのすぐ近くにある〈イーアス〉にも店が出ていることを初めて知った(〈イーアス〉って実はオープンしてから一度しか行ったことがないのね).

今回の横浜行では,個人的には実にめずらしいことに,ひたすら「飲む」ではなく,もっぱら「喰う」に専心している.店を出てからはうろうろ徘徊せずに,午後7時前にもうホテルに直帰していた.その後は,室内でごそごそしているうちに,もう寝る体勢に.居住性がいいホテルはすぐに睡眠したくなってしまう.

◆朗報あり! —— 音羽からのメールで,『分類思考の世界』は幸い売れ行き好調につき,さっそく重版が確定したとのこと.お買い上げ,まことにありがとうございます.訂正箇所リストを明日の夕方までに送らないといけなくなった.

◆明日は「道場」最終日.この日は東大の専攻で修論中間発表会が開催されるのだが,日中はもちろん欠席.夕方から専攻交流会で飲み倒すにちがいない.しかし,ワタクシは翌日から目白でのチュートリアル二連戦が控えているので(したくがすんでないし……),こちらの方も失礼させていただくということになるんだろうなぁ.※〈秋の試飲会〉,よろしくっ.

◆本日の総歩数=9478歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


28 september 2009(月) ※常盤台の丘でヨコハマ統計道場

◆前夜早く寝たせいか,午前4時前に起床.外はまだ暗い.溜まっていた数日分の日録をものす.午前7時にやっと書き上がった.曇りところどころ晴れの空模様.

◆今年もまた統計道場 —— 午前7時半にホテルを出る.海風は吹いているが,やや蒸し暑いかな.7:38に元町中華街駅を出る通勤特急に乗って横浜へ.バス乗り場「10」番から,8:30発の「浜10」横浜国大行きに乗る.昨年末からPASMOが使えるようになってようだ.約20分で常盤台の丘の上のキャンパスに到着した.gyoko さんに挨拶してから,昨年と同じパソコン実習室に向かう.今年の受講生は昨年よりも少なく二十数名だそうだ.機能的な実習室で,ディスプレイ三枚を交互に交換しながら,スライドや画面を映せるようになっている.

◆午前9時半に講義開始 —— 概論から入る.昼前の一時間ほどはRとRコマンダーのインストール.講義に使用するRに関しては,いつも通りUSBメモリーで配布したが,去年のままのセキュリティ体勢だと,毎回PCを終了するたびにインストールしたすべてのファイルは削除されるので,毎朝来るたびに再度Rシステムをインストールし直すことになる.Rの起動を確認した上で,持参したパッケージの展開をする.これでRコマンダーも動くようになった.ここで昼休み.

午後1時半から講義再開.Rを用いた統計グラフィクスをいくつか作図してもらう.とくに,散布図行列と箱ひげ図に重点を置いて.その後,確率分布と期待値・分散に関するパラメトリック統計学,分散概念の不偏推定値の説明,さらに正規分布の基本性質(正規性の保存・関連分布の導出・中心極限定理)についてRコマンダーの実習とともに解説した.ここで午後4時半.本日の講義はおしまい.※スライド説明用のノートを忘れてしまったが,結果として噺のクォリティは高まった(そういうものだ).

—— 午後5時過ぎのバスに乗って再び横浜駅に戻り,みなとみらい線で元町中華街駅へ.ホテルに戻ってもまだ午後6時にもなっていない.

◆今夜もまたチャイナタウン —— 荷物をおろして身軽になってから中華街へ繰り出す.関帝廟通りを下って迷わず広東料理〈徳記〉へ.横丁の奥にある小さな店だが,たいへん有名で週末や休日は客が列をなすという.しかし,月曜のこういう時間帯は空いていたのでよかった.

この店に来た目的はもちろん「牛肉煮込みそば」.あっさり醤油味スープで,平麺を覆い隠すように大量の煮込み牛肉が乗っていた(ややあんかけ風か).今回は行く機会がないすぐ近くの〈愛群〉の牛肉の煮込みもそうだったが,箸で崩せるほど柔らかく煮込まれた牛肉のうまさは,そのやや甘めな味付けとあいまって,また格別ですなあ.ごちそうさまでした.

◆そのままホテルに戻ったが,まだ午後7時にもなっていない.かといって,夜のヨコハマで豪遊するわけにはいかないから,こんな夜はシズカに過ごすにかぎる.室内でごそごそして,午後10時にはまた早寝してしまった.今回の出張先はとてもよく寝られるのはホテルがいいせいかも.

◆本日の総歩数=7955歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


27 september 2009(日) ※灰から復活し横浜中華街へ転戦

◆午前4時半起床.農環研へ直行.雲が多いかな.気温19.2度であまり冷え込みはないようだ.その後も晴れたり曇ったり.

◆午前のこまごま —— 書評依頼:コリン・タッジ[柴田裕之訳]『ザ・リンク:ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見』(2009年9月下旬刊行予定,早川書房,予価1,800円)が出版されたので,その書評をとのこと.了解です.見本刷はすでに早川書房から送られているので,とりあえずそれを読んでいます.出版本は後ほどお送りください.

◆ばたばたと旅支度.今回はあしかけ四日間のヨコハマ巡業なので,着替えとか本・資料のたぐいがずっしりと重くなった.トドたちも連れては行くけど処理する時間はあるのかな?(ないだろうな)

◆14:25発のTX快速に乗り込む.曇って湿度がやや高く爽やかさは感じられない.東海道線に乗り横浜駅に着いたのは午後4時前.東横線・みなとみらい線が人身事故で遅延していて,横浜の地下でしばし足止めをくらう.元町中華街駅に着いたのは午後4時半だった.さっそく〈ホテルニューグランド〉にチェックインし,荷物を部屋に放り出す.明日から三日間の発進基地だ.夕食はもちろん中華街へ.〈清風楼〉にて上焼飯とシウマイ.日曜の夕方のチャイナタウンはとても混んでいた.午後5時過ぎにホテルに帰る.

—— 山下公園を越えて吹き渡る海風がとても爽快でここまで来た甲斐があったというものだ.夜,中華街方向から爆竹らしき音がしばらく轟いていたが,今日は何かイベントでもあったのだろうか.時おり汽笛が鳴り響く.

◆午後9時には寝てしまった.八王子での疲れがまだとれていないようだったので.

◆本日の総歩数=7601歩[うち「しっかり歩数」966歩/10分].全コース×|×.朝○|昼△|夜×.計測値(前回比)=84.9kg(+0.1kg)/25.5%(+0.2%).


26 september 2009(土) ※巡業後半戦で灰と化しつくばへ

◆午前5時半によろよろ起床する.早朝は空気も冷たく,多摩パルテノン周辺を散策したらとても静かだった.何だか寝不足だなぁ.

◆集中講義(後半戦・最終日) —— 午前9時にチェックアウトし,南大沢へ.薄曇りでやや湿度が高いような感じ.午前10時半から講義開始.最初に従来の線形モデル(LM)から一般化線形モデル(GLM)への拡張について概論的な話から始まる.Rコマンダーを用いたGLMの実例を示し,誤差分布とリンク関数について説明.午後1時半からは,他変量解析/計算統計学/ベイズ法と,高密度に進めてしまって,話す側も聴く側も「灰」になったにちがいない.午後4時半にすべて終了.たいへんお疲れさまでした.レポート課題は後ほど出題いたします.

◆講義終了後,外に出たら夕方なのに日射しがまだ暑かった.南大沢からよろよろと乗り込み,半分眠りながらつくばにたどり着いたのは午後7時過ぎ,すでにとっぷりと日は暮れて東風が冷たかった.「灰」がトランクをひきずってつくばセンターを移動していく…….

◆昼間に堆積していたこまごま —— 筑波事務所のネットワークシステムがメンテ実施中とのことで死んでいるとの gyoko さんからの連絡あり.ハンドアウトは昨年のものでお願いします./交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の応募を締め切ったとの研究交流課からの連絡あり.昨年とほぼ同じ百名あまりの応募者が集まっているらしい.その「選抜」をしないといけないですねー(いつ?)./音羽から「出版契約書」が送られてきた.あとで返送します./ソーバー復刊作戦の続き.フィルム入手は出版社からではなく,元著者が動いた方が都合がいいとのこと.ラジャー.

◆今夜はつくばに泊まるのだが,明日からはさらなる転戦また転戦が待ち受けているのだった…….旅装を解いてまたすぐに旅支度をするあわただしさ.「灰」のまま立ち回る夜.

◆本日の総歩数=8902歩[うち「しっかり歩数」2159歩/25分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


25 september 2009(金) ※巡業高座は朝から夜まで消耗戦

◆午前3時半起床.空気が澄み切っているせいか,明けの明星が東の空でこうこうと輝いていた.農環研直行.気温15.6度.涼しい.日が昇り,快晴の青空が広がってきた.

◆再び南大沢へ —— 先週と同じく,午前7:12発のTX快速で秋葉原へ.南大沢に着いたのは午前9時半だった.快晴.日射しが強くて日なたでは暑いが,木陰は風が通って快適.湿度はとても低いようだ.駅からてくてく歩いて理学部へ.

◆集中講義(後半戦・初日) —— 午前10時半から開始.午前中は実験計画法と関連する線形統計モデルならびに分散分析.一要因の完全無作為化法と乱隗法について解説する.パラメトリック統計学の背景理論については,適宜Rコマンダーの確率分布グラフィクスを交えつつ.午後(午後1時半から)は,午前に続いて実験計画法.二要因の乱隗法を例にとって,要因間の交互作用の話をする.午前も含めて実験計画法の計算はすべてRコマンダーで.しかし,スプリット・プロットになるとRコマンダーで使われている線形モデル用「lm」では複数の誤差項の指定ができないので,地べたのRで分散分析に特化した「aov」を使って計算することになる.その後,分散分析に直結する多重比較法について説明する.休憩後は,明日のためのモデル選択論(尤度とAIC)を講義したところで本日は終了.午後4時だった.

◆本日の車中読書本 —— 田中栞『書肆ユリイカの本』(2009年9月15日刊行,青土社,東京,4 + 246 + 24 pp., 本体価格2,400円,ISBN:978-4-7917-6465-5 → 版元ページ).とても青土社とは思えない(失礼!)ほどいい装丁に仕上がっている本.五年ほど前に,同じ著者によるパンフレット:田中栞『書肆ユリイカの本』(2004年11月15日刊行,紅梅堂,ISBNなし)を手にした.著者自身が所蔵する「ユリイカ本」を含めて,国内での所蔵状況や蒐書探索の苦労話など.少部数発行の書店だったので,タイプとしてではなくトークンとしての「本」が主役になっている.今は亡き書肆ユリイカについては,40歳で早世した社主の本:伊達得夫『詩人たち ユリイカ抄』(2005年11月10日刊行,平凡社ライブラリー558,ISBN:4-582-76558-0)を読みましょう.

◆明日は後半戦の二日目にして,今回の集中講義の最終日.気力と体力がほぼ尽きかけているのはしかたがないですなぁ.

◆本日の総歩数=13027歩[うち「しっかり歩数」1324歩/13分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.8kg(−0.2kg)/25.3%(−0.7%).


24 september 2009(木) ※実在時間は雑用の波間に消えた

◆午前4時前に起床.晴れ.気温17.0度.東寄りの風が吹き渡って涼しい.農環研へ.

◆早朝のこまごま —— 明日からは南大沢での首都大集中講義(後半戦).その支度をする.先週の続きなので対した手間ではないが,持参する資料やスライド類の確認は必要./組合関係のメールのやりとり.本日昼休みの職場委員会の段取りとか./〈レム秋葉原〉をキャンセルして,〈リッチモンドホテル東京目白〉へ変更完了.安いし近いし.

◆[組合] —— 午前11時半に五階の教養室に集合.すでに〈筑前〉からは仕出し弁当が配達されていた.テーブルのセッティングをしてから弁当を並べる.今日の職場委員会の出席者は職場委員全員を含めて二十余名.正午過ぎに始まった.今期の分会活動に関する連絡をしてから会食.ついでに,初回の執行委員会もやってしまった.ぼくがいないので,定例の執行委員会はぜんぜん開かれなかったということ(なんとええかげんな!).分会ツイッターについてはあとで職場委員に説明メールを送らないといけない.分会ニュースについては書記次長さんを中心に進めてもらうことになった(よろしく).昇格関連の情報取得については前の執行部に確認しないと.午後1時過ぎに撤収完了

◆午後のこまごま —— RP中間発表会の日時は10月7日(水)の13:15〜15:00と確定した.さて,何をどのように報告したらいいものやら…….思案投げ首状態./9月30日(水)の修論中間発表会のあと,専攻交流会を開くとの通知が東大から.時間帯は18:00〜20:00.横浜国大での集中講義の最終日なので,発表会への参加はもともとムリだった.専攻交流会は毎度のことながらエンドレスに続くので,これにトラップされると翌朝からの目白三連戦が危うくなる…….悩ましい.※出るつもりかいっ.

ソーバー訳本復刊作戦は水面下でなおも動いている.郵送したブツが先方に届いたそうだ.検討よろしくお願いいたします.元の訳本の「フィルム」は旧・蒼樹書房の仙波さんが所有しているはずなので,確認します.その他,復刊時の部数とか印税とかこまごましたことについてのやり取りメール.

◆午後5時半に,先日届いた本の開封作業をする.午後6時過ぎに完了.あとは連続巡業から戻ってきてからということで.

◆明日からはまた十日間ほど農環研から姿を消すので,机まわりの後片付けとか,積み上がった書類の山を整えたりとか.午後7時過ぎに撤収.

◆本日の総歩数=6875歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.0kg(+0.4kg)/26.0%(+0.8%).


23 september 2009(水) ※連休ラマダン明けに豚肉を焼く

午前5時半に起床する.薄曇り.多少ラクになったみたいな気がするが.

◆久しぶりに早朝の洞峰公園まで歩いてみる一時間半.桜並木はほとんど落葉していた.帰宅して朝食.今日は連休最終日だが,けっきょく遠出することもなく,かといって近場をさほどうろうろすることもなく,するっと終わってしまいそうだ.

◆穏やかな午前中のこまごま —— 10月8日(木)昼に本郷にて所用.東大総合図書館で資料探索./某ジャーナルから査読依頼あり.「いや」とは言えない?…….

◆午後になって晴れ上がり気温が上昇し始める.暖かな風が通り抜ける上層階.

◆[組合] —— 24日(木)の職場委員会の段取りはいいとして,執行委員会はどーする? 分会ニュース発行のことも.

◆その他,連休明けに待ち受けるトドども —— 勁草書房改訂稿の用意.まだ終わっていない……./進化学会高校生ポスターまとめ.これもか……./古生物学辞典レフリー.ううぬ…….

◆豚肉を焼く夕べ —— 日没とともに涼しい東風が吹いて気温降下.いきなりローストポークをつくることになった.豚もも肉塊(700g)を常温にもどし,強めに塩胡椒したのち,ワイン・醤油・ミソ・豆板醤でピリ辛風味に下味を付けてたこ糸でしばり形を整える.フライパンを強火にして塊肉の全面に焦げ目をつける.オーブンを180度で予熱して,香味野菜などを敷き詰めたオーブン皿に肉塊を置き,調理時間はとりあえず40分間.金串を刺して透明な肉汁が出るまで焼いて取り出し,あら熱を取る.薄めにスライスして食卓へ.ほんとうは前夜からしっかり下味を付けた方がもっと美味だったにちがいないだろうが,こんな即席でも何とか仕上がったのでよしとしよう.今夜はアルコールなしということで.

◆そんなこんなで連休は無事に過ぎ,明日からは心機一転,またもや旅から旅への巡業が始まる.明後日からは八王子で後半戦,日曜からは横浜へと転戦し,その後,月が変わってからはさらに目白での高座がニ連戦.大丈夫ですか?>ワタクシ.

◆本日の総歩数=9109歩[うち「しっかり歩数」8906歩/92分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.6kg(−0.4kg)/25.2%(−0.5%).


22 september 2009(火) ※薄紅の朝焼け,赤錆色の三日月

◆午前3時半に目覚めてしまう.空は晴れ.やがて,薄紅の朝焼けの向こうから朝日が昇ってくる.薄曇り.今日も穏やかな休日日和になりそうだ.

◆シルバーウィークもそろそろ終わりが近づき,トドどもの不穏な蠢きが始まっている —— 五連休明けすぐに/今週末の首都大学東京「生物統計学」集中講義の後半戦(25〜26日).ハンドアウト類はすでに用意してあるので,あとはR実習の手順を確認することだけか.あ.レポート課題どうしましょ,可知さん./常盤台からメールあり,八王子の翌日は横浜だ:横浜国大グローバルCOE特設講義〈統計データ解析道場〉を10月28日(月)〜30日(水)の日程で引き受けている.前日から横浜入りするのだが,それに関する連絡メールを gyoko さんからもらった.今年もよろしく.首都大学東京での集中講義の直後なので,スライドやハンドアウト類をそっくりそのまま流用できるのはありがたい./月が変わって10月1日(木)〜3日(土)はさらなる転戦で目白に向かう:〈生物情報を解明するための統計数学的基礎理論とその応用〉(日本女子大学・新泉山館国際交流センター).二日間にわたって2時間ずつの数理系統学チュートリアルを引き受けている.うーん,いつも通りの高座でいいんでしょ?(オーディエンスはちょいちがうけど).当日の司会進行は何とぞよろしく,と天王台方面にぺこり.

◆ニューオーリンズ本 —— 泉けい『ガンボ! ジャズの生地、ニューオーリンズに万感の思いを込めて』(2006年12月12日刊行,テン・ブックス,東京,271 pp.,本体価格1,400円,ISBN:4-88696-019-7 → 目次版元ページ).本郷の〈ヴァリエテ本六〉で入手した.店の人によると著者持ち込みの本とのことで,「お知り合いの方ですか」と訊かれた(そういうことはありません).ニューオーリンズに長く暮らした著者による回想記.「カトリーナ前」の中心街フレンチクオーターはだいぶちがっていたんだなぁ.写真が二年前の滞在記憶を呼び起こす.

◆一年後の高座が確定した —— 玉川大学農学部の講義はお引き受けする旨,メールで返信した.これで,来年の冬学期は昼間に玉川大学(「分子系統学」),夕方に駒場(「生物統計学」)というダブルヘッダーが半年間続くことになる.つくばから玉川学園までは約二時間かかり,玉川学園から駒場東大前までは一時間弱という通勤時間.余裕をもって講義時間を設定しているのでばたばたと走り回ることにはならないだろう.

◆夕方,西の空に赤錆色にくすんだ三日月が浮かんでいた.

◆『分類思考の世界』 —— 献本先から感想が戻り始めている.さっそく読んでいただきありがとうございます.「普遍」と「クラス」とを混同しないようにという形而上学的なご指摘をいただいたり.もちろん,受容度分布を推定するためのサンプリングは続けて実行中.

◆本日の総歩数=1966歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.0kg(−0.2kg)/25.7%(−0.4%).


21 september 2009(月) ※運動能力のない怠惰な連休中日

◆午前4時半起床.曇り.今朝もまた東寄りの涼しい風が吹き抜ける.

◆今日は怠惰にだらだら過ごすことにした —— まずは堆積しまくりの日録を書き上げるべし.半日かけて正午前にやっとアップできた.五日間も遅延すれば,その後処理にこれだけの時間がかかるのはしかたがない.理由はなんであれ,日記をためてはいけませんよ.

◆午後になっても晴れ間はなく,どんよりした曇り空が続く.気温は低め.夏日には達していないだろう.昼下がり,大清水公園でいきなり〈ラプソディー・イン・ブルー〉のサックス練習が始まった.この連休中につくば中心部で何かの音楽イベントでもあるのだろうか.なまじっか知っている曲がBGMだと,ついリズムを刻んでしまったり,拍を数えてしまったりして,仕事のじゃまになるだけ.ましてや,打楽器のシャドウ・モーションをしてはいけません.

◆一年後のお座敷のこと —— 玉川大学から「分子系統学」の講義を依頼されている.毎週の定例講義で集中講義ではない.お座敷の声がかかるうちが華だろうと思うので,できるだけ前向きに検討してみたいと思う.しかし,つくばからみれば玉川学園は非常に遠いからねぇ.その点を考えて解決案を提示したところ,それでもいいとの連絡があった.だったら何とかなりますよ.具体的には,冬学期の毎週木曜日3〜4時限(11:00〜12:50)という曜日と時間帯の設定です.よろしくご検討をお願いします.

◆曇り空の涼しい夕方,東新井に新しくできた珈琲豆ショップ〈Tribe〉にコーヒー豆を買いに行ってきた.オープンな明るい店内でコーヒーをいただきながら,持ち帰りの珈琲豆を選ぶのは楽しいひとときだ.以前からつくばには紅茶のショップがいくつかあったが,ここ数年の間に珈琲豆のショップも次々に開店している.ぼくはどちらかといえばコーヒー党なのでたいへんよろこばしい.これから涼しくなってくる季節に合わせてカフェオレ用の深炒りの豆とコロンビアを買ってぶらぶら帰る.

◆「残響録」の公開開始 —— 『分類思考の世界』に関する書評・感想・コメントなどを拾い集めた「残響録」をオンライン公開した.今後,サンプリングされたアイテムがたまるたびに,適宜公開していくことにしたい.その目的は,この本の「残響」の確率密度関数を推定することにある.書店に並び始めてからまだ日が浅いが,すでに手に取られた方,読了された方,そして書評を書かれた方もおられるようだ.たいへんありがたいことです.

◆夜ごとに秋の深まりを感じる.日中はまだツクツクボウシが弱々しく鳴いていたりするが,夜はもう秋の蟲たちの天下だ.しかし,その鳴き声も長続きはしないだろう.

◆本日の総歩数=2184歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.2kg(+0.5kg)/26.1%(+0.8%).


20 september 2009(日) ※銀色週間に引きこもる灰の堆積

◆午前4時起床.曇りのち晴れ.連休中の農環研に直行して潜入する.気温は午前5時前は20.1度あったが,その後低下し続け午前7時には18.0度を示していた.涼しい.

◆早朝のこまごま —— 集中講義の機材やらプリント,本のたぐいを積み上げる.来週,後半戦を闘うべくまた南大沢に行くので,じゃまにならないよう一時的に退避させるだけ./ここのところしばらくご無沙汰している〈笠真〉に上物の“お馬さん”がやってきたらしい.連休中に顔を拝みに行きましょうね./いくつか連休中に仕留めるべきトドどもを引き連れて撤収する.

◆朝からからっと晴れ上がって絶好の行楽日和なんだけど,外出予定はいまのところまったくなし.原稿書いて,日録書いて,メール書いて,本読んで,原稿書いて,日録書い…….この調子で「銀色週間」はむなしく終わってしまうにちがいない.しかし,まずはたまった日録から片付けるべし.

◆『分類思考の世界』関連メモ —— Book Japan の商品紹介ページでは,『分類思考の世界』カバージャケットの「裏」にも言及している.えらいっ!/「バグ取り」に終わりはない.今朝もまた「一匹」発見してしまった…….第一刷だからまあしかたがないのだが,ゲラを何度も読んだはずなのに見つからなかったのはなぜだー.正誤表を出すほど致命的なミスではないのでそっとそのままにしておくか.早く第二刷を出すには売れんとあかんな./『』(2009年10月号)の記事:三中信宏「分類思考:飽くなき好奇心の果てに見る人間性の淵源」(pp. 52-53)の原稿は,コンパニオンサイトからリンクしました.

◆午後も風が強くて体感気温は低め.日溜まりではきっと暑く感じるのかもしれないが.引きこもり生活はなお続く.日録をちくちく書いてみる.

◆八王子で眺めていた新刊 —— 高山宏『かたち三昧』(2009年7月22日刊行,羽鳥書店,東京,185+17 pp.,本体価格2,800円,ISBN:978-4-904702-01-7 → 版元ページ).東大出版会の広報誌『UP』の連載記事の単行本化.〈羽鳥書店〉という出版社は初めて目にしたが,東大出版会の関係者が千駄木で創業したのですね.同じく連載記事をまとめた『すゞしろ日記』も買わないとか.※往来堂書店で実物は手にしたのだけれど,レジに持っていかなくてごめんなさいね…….

◆備忘メモ —— Hayden White来日!:人間科学総合研究所主催・白山史学会共催による記念レクチャー〈歴史とポストモダニズム〉2009年10月24日(土)13:30〜17:00(東洋大学白山第2キャンパス B棟2階 B212教室).翌日には:記念セミナー〈Re-Figuring Hayden White〉2009年10月25日(日)13:30〜17:00(東洋大学白山キャンパス 2号館16階スカイホール).ヘイドン・ホワイトを遠目にでも見てみたい気がする(みーはーか).

◆夜も涼しい.秋本番という感を強くする.明日もゆるい生活パターンが続くだろうか.

◆本日の総歩数=2168歩[うち「しっかり歩数」886歩/10分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=84.7kg(0.0kg)/25.3%(−0.4%).


19 september 2009(土) ※京王多摩センター駅を灰が動く

◆午前5時起床.ホテルの窓越しに見ると灰色の曇り空が広がっている.しかし,雨が降りそうな気配ではない.午前7時にさくっと朝食をすませる.多摩パルテノンへの坂道はこの時間帯だと人影はまだまばらだ.

◆「残響録」の開始 —— 『分類思考の世界』のブツが書店に並び,新聞広告もすでに打たれている.そろそろ,この本の受容のされ方を拾い集める作業を始めないといけないか.前著『系統樹思考の世界』の「反響録」は,けっきょく出版以来3年あまりも百回以上にわたって断続的に続けた.その結果,受容の「密度関数」を大まかに把握することができたように思う.ひとつひとつの感想や書評はときとしてエキセントリックなものも含まれるので,著者が個別に一喜一憂する必要はまったくない.全体としての趨勢がむしろ重要だろう.ということで,ぽつぽつと「残響録」のアイテムを収拾し始めました.探せば早くもいろいろ見つかるなあ.

◆首都大学東京「生物統計学」集中講義(前半戦)の初日 —— 前夜の疲労がたまっている気がするなあ…….午前9時半にチェックアウトして南大沢へ.今日は五連休初日の土曜なので,開店前の駅前アウトレットにはすでに待ち客がいる.それを横目に彼岸花が咲き乱れる牧野標本館の横を通って講義室へ.午前中はパラメトリック統計学に関連する確率分布と期待値・分散などの概念を説明した.ついでに,中心極限定理についてRコマンダーのプラグイン〈Teaching Demos〉を用いて説明した.このような教育ツールが公開されているとたいへんありがたい.昼休みはまたまたメールの乱射.午後は,実験計画と分散分析についてのテストデータを用いた解説と,線形統計モデルに関するパラメトリック統計学の背景理論についての説明をした.Rコマンダーを用いての計算手順の説明も.今日は一要因の完全無作為化法と乱隗法だけだったが,次に来るときは要因実験のモデル化,さらに一般化線形モデルについて講義する予定.午後4時過ぎに前半戦の二日間の講義を終了.

◆備忘メモ —— 「箱ひげ図」の「ひげ」の計算方法について./Rパッケージのアップデートが必要.

◆午後4時半に薄曇りの南大沢から乗り,午後7時前につくばに帰還した.う〜む,もうすっかり「灰」ですね.秋風にさらさらと散り果てる「灰」の山.日録もけっきょくまるまる4日分もためてしまったし.ま,どーせ「銀色週間」は原稿書きですべてつぶれることになっているので時間はいくらでもありまっせー.

◆先日,〈ルオー〉にて井本さんからいただいた本:島田雅彦『オペラ・シンドローム:愛と死の饗宴』(2009年9月20日刊行,日本放送出版協会[NHK Books 1142],237 pp.,本体価格970円,ISBN: 978-4-14-091142-6 → 版元ページ).本書は,以前,NHK教育テレビの放映テキスト教材として刊行された:島田雅彦『オペラ偏愛主義』(2008年6月1日発行,日本放送出版協会[NHK知るを楽しむ・この人この世界],viii+181 pp.,ISBN:978-4-14-189195)の単行本化だという.

◆明日からは連休だが,とりあえずは「灰」の姿からの脱却をはかるため,十分すぎるほど骨休めをしないといけない.

◆本日の総歩数=6944歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


18 september 2009(金) ※南大沢にて統計学高座の季節が

◆午前5時起床.晴れ.空気が乾いて心地よい.早朝の組合メール打ち.

◆八王子へ出発 —— 秋晴れの青空のもと 7:12 発の TX 区間快速に乗る.秋葉原で下車し,岩本町まで歩いて都営新宿線へ.京王線直通で,そのまま南大沢へ.開店前の駅前アウトレットを通り抜けて,午前10時前,久しぶりに首都大学東京キャンパスに足を踏み入れる.晴れて日射しが強い.今月いっぱいは夏休みなのでサークルの学生以外はまばらだ.

◆首都大学東京「生物統計学」集中講義(前半戦)の初日 —— 午前10時半から講義開始.いつものように統計学概論を正午まで話し続ける.昼休みにまたまた遠隔メールで式鬼のごとく組合指令を飛ばす.連休明けにさっそく職場委員会があるので,その段取りは今日中にすまさないといけないからだ.午後1時半から講義再開.Rのインストールに始まりパッケージの展開とアップデート.そしてRコマンダーの基本的な使い方について.あっという間に午後4時になったので,本日の講義はこれにておしまい.

◆備忘メモ —— マザーボードが逝去してしまったマックのHDD内容を吸い上げるすべはいくつかあるらしい.もっとも確実なのは使っていたマシン(ぼくの場合G4)と同一タイプのマシンを中古で買ってきて,HDDのみ差し替えるという手らしい.なるほどね.中古G4機だときっと安くなっているだろうしね.

◆いったん京王多摩センターの定宿〈京王プラザホテル多摩〉にチェックインして荷物をおろす.午後5時過ぎに再外出し,飲んで食べて話しをして,気がつけばもう午後10時をとうに過ぎていた.いったん飲みに入ると時間の経過が速いこと速いこと.午後11時にホテル帰還.

◆ホテルからインターネットにつないで,またメールを出したり受けたり.ここのところ日録を書く時間がぜんぜんとれなくて,またまたたまり始めている.でも,今日はもうムリでしょう.明日もムリなら明後日にまとめ書きしかないかな.日録ならぬ“週録”になりつつある dagboek.

◆どんな本でもそうなのだろうが,本文については原稿→初校→再校と,何度もチェックするのでアホなまちがいはデバッグされている(本質的なまちがいは別として).しかし,あとからばたばたと用意した文献リストとかあとがき,キャプションでは,そういう単純ミスの出現確率がもっと高い.すでに書店に並んでいる『分類思考の世界』も,見本刷の巻末文献リストを虫眼鏡でよくみれば,単純ミスや不統一,記載漏れがぱらぱら見つかる.致命的なまちがいはないはずだが,ささくれやトゲのような瑕があるたびにちくちく痛くなる.重版が出るときのために(出るんでしょーか?),付箋紙をひとつひとつ貼り付ける.

◆明日も朝から夕方まで講義が続く.集中講義とはかくも疲弊するものなり.

◆本日の総歩数=11919歩[うち「しっかり歩数」2110歩/24分].全コース×|×.朝○|昼△|夜×.計測値(前回比)=84.7kg(0.0kg)/25.7%(0.0%).


17 september 2009(木) ※旅じたくの合間に本のこまごま

◆午前4時起床.農環研に直行する.夜明け前の星空に糸のように細い三日月とすぐ傍には明けの明星が輝く.気温は16.8度.涼しい.

◆献本ありがとうございました —— 速水格『古生物学』(2009年9月1日刊行,東京大学出版会,東京,vi+214 pp.,本体価格3,400円,ISBN:978-4-13-062716-0 → 版元ページ).シンプルこの上ない「古生物学」というタイトルが潔くっていいですね.ぼくは本書の英文タイトルはてっきり「Paleobiology」かと思ったら,実際は「Paleontology」だった(どーしてでしょ?).

◆朝のこまごま —— 駒場での「生物統計学」の時間割が送られてきた.来月からまた木曜の夕方は駒場での講義が始まる.カレンダーへの記入をすること./交流センターでのワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の応募者数は現時点で「44名」とのことだが,農林団地の各独法からの応募は直前に届くとのことで百名近く応募が集まることは確実でしょう.想定される競争率は3〜4倍か(去年と同じくらい)./探索していた貸借依頼本が掘り出されたので広報情報室に連絡./古生物学会の創立記念事業である『古生物学辞典』の査読をすっかり失念したまま締切から一ヶ月が過ぎていた.もうしわけありません.

◆朝からよく晴れて午前中に早くも夏日となる.日射しが暑い.空気はよく乾いているので不快ではない.

◆ソーバー本の復刊? —— これまで何度か復刊話が出ては消えていた:エリオット・ソーバー(三中信宏訳)『過去を復元する:最節約原理・進化論・推論』(1996年7月15日刊行,蒼樹書房,318 pp.,ISBN:4-7891-3055-X[絶版]→ 目次)だったが,某書房から「検討してみますのでブツを」とのありがたい申し出があり,さっそくブツを郵送した.もし可能であれば何とかよろしくお願いいたします.手元にある在庫はもうほぼありませんので.

◆午後は,明日からの集中講義の支度をする.スライド,ハンドアウト,書籍はOK.Rの動作確認とファイル配布用のUSBスティックの準備など.あっという間に夕方になる.

◆夕刻,組合関連の「丸投げ」メールを乱射する.千現の〈千年一日珈琲焙煎所〉で,ピーベリーを買いに行き,ついでに『分類思考の世界』を一冊サイン入りで献本してきた.前著『系統樹思考の世界』もちゃんと書棚に並べてくれているのでそのお礼として./西武つくば店の〈リブロ〉には今月の現代新書はまだ入荷していなかった.※ダメじゃん!

◆夜は〈王祿〉の「丈径」を開栓した.しゅぽっと炭酸ガスが抜ける音を聞くたびに〈王祿〉を実感する.美味.

◆自宅に届いた講談社広報誌『』の最新号に,『分類思考の世界』のPR文が掲載されています:三中信宏「分類思考:飽くなき好奇心の果てに見る人間性の淵源」,『本』(2009年10月号),pp. 52-53.陰陽師曰く,「種【しゅ】とは呪【しゅ】なり;その力侮るべからず」(p. 53).

◆明日から二日間は首都大学東京での「生物統計学」集中講義の前半戦だ.朝イチに南大沢に向かい,夜はいつものように京王多摩センターに宿泊する.旅支度完了.

◆本日の総歩数=6913歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.7kg(+0.5kg)/25.7%(+0.2%).


16 september 2009(水) ※神保町で書店めぐって打ち上げ

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ.強い東風が吹き抜ける.朝日とともにしだいに晴れてきた.

◆早朝のこまごま —— 昨夜そろえた「献本リスト」を完成させる.相手の勤務先の「住所」を調べるのにたいそう手間取る.ウェブサイトの「URL」なんかよりも,「住所」をすぐわかるところに記してほしいと強く思う(勝手すぎるかな).午前8時に作り終えて,即,音羽にメール送信.これですべてのタスクは完了だろう.

◆備忘メモ —— 再来年の日本進化学会大会は京都で開催される.時期的にシンクロして〈SMBE〉の年次大会も京都での開催が正式決定されたそうだ.予定では,進化学会大会とタイアップしてはどうかという話も出ている.SMBEの会期は「2011年7月17日〜20日」だそうなので,それにかぶる(or接する)大会期間を日本進化学会も設定することになるだろう.

◆「丸腰」で向かう本郷 —— 乾いた日射しがまぶしい午前中,10:25発のTX快速で東京に出る.約1時間後,本郷通りの〈ルオー〉でキーボードを叩いているワタクシがいる.ほどなく担当編集者である井本さんがやってきた.NHKブックスの原稿を書くときは,いつもこんなふうに「丸腰で(=原稿を一枚も書かずに)」編集者と向かいあうことが多くなりつつある(先月の大岡山でもそうだった).だいたい,原稿を相手に手渡すはずの場所に「丸腰で」行くというのがそもそもどーかしているのだけれど,諸般の制約の中ではいかんともしがたい.この日も井本さんと対面しつつ,〈ルオー〉に居座って二時間あまり原稿を書き続け,約15枚分の原稿(第1章のイギリスにおける博物学の系譜と伝統)を手渡したのは午後1時半のことだった.たいへんお待たせしました.

—— 次回は10月15日(木)の午後1時に駒場のどこかでということになった.危惧されるのは,前日まで京大の連携併任の仕事で滞在中の京都で連日飲んだくれて職務に邁進しているために,原稿がどこまで進捗するのかという点ですね.三たび連続の「丸腰」というのはちょっと……だし.

◆午後2時前に〈ルオー〉を出てから,久しぶりに〈井上書店〉をしばし探索し,その後,正門前の〈万定フルーツパーラー〉にていつものハヤシライスをば.その後,古書店〈ヴァリエテ本六〉の書棚をひとまわり見てから,東大農学部に向かった.昼下がりの本郷通りは晴れて日射しが暑かった.

◆神保町新刊書店のチェックと打ち上げ —— 隠れ部屋にてたまっていた日録をものし,夕暮れ迫る神保町に移動したのは午後5時過ぎのことだった.さっそく探索開始.事前情報では今月の現代新書は16日には各書店に搬入され,早ければ当日中に,遅くとも翌日には新刊コーナーに並ぶだろうとのことだった.午後5時半過ぎに『分類思考の世界』が並んでいるかどうかを厳しく確認した範囲では:東京堂書店(二階新書売り場)=ちゃんと平積みしてあった.よしよし;三省堂書店(二階新書コーナー)=ここも平積みしてあった.おじさんが手に取ってる!(そのままレジへ行くべしっ);書泉グランデ=ぜんぜん置いてないし!−という結果だった.ま,明日にはどこの書店にも並ぶんだろうけどね.

◆午後6時半,神田須田町の鳥すき焼きの老舗〈ぼたん〉に入る.伝統的な和風旅館を思わせるりっぱなつくりの玄関をあがって,そのままお座敷へ通される.須田町近辺にはこういうつくりの老舗料亭や蕎麦屋・甘味処が点在している.音羽から担当編集者の川治さんと今年入ったばかりの新人さん(索引づくり感謝)がそろったのでさっそく打ち上がることにする.今回の現代新書ではたいへんお世話になりました.ブツが書店店頭に並んでほんとうにホッとしました.

ぼく自身は「鳥すきやき」というものを食するのは初めての経験だ.真っ赤に焼けた炭の火鉢が座敷に運び込まれ,小さめの鉄のすきやき鍋に割り下が注がれる(典型的な「関東風」のすき焼きスタイル).その後,大皿が何枚も運ばれてきて,鶏肉(胸肉・もも肉・つくねなど)が山盛りに.付け合わせは,焼き豆腐・太ねぎ・しらたきだったかな.溶き卵につけていただく.通常のすき焼きでの「牛肉」がそっくり「鶏肉」に置き換わったものがこの店での鳥すきやきということだ.今夜は予約ですでにいっぱいらしく,他の座敷から話し声が聞こえ,厨房の出入りがとてもにぎやかだった.

三人分にしては大量の鶏肉を短時間に食べた気がするが,最後につくってもらった「玉子丼」が絶品でしたね.具をすべてすくったあとの汁に溶き卵を流し込み,半熟のところでさっと炭から離して,白いご飯の上にかけただけのシンプルな丼.鶏肉の味わいが濃厚に口の中に広がり,「さすが老舗!」と心の中で何度も拍手したしだい.食べつつ飲みつつ語りつつ.

—— 早々と午後8時過ぎにお開きになり,その勢いで夜の享楽の巷を漂うこともなく,健康的に秋葉原まで歩いてTXでつくばに直帰.涼しくなったつくばセンターに地下から上がったのは午後9時過ぎだった.

◆今日は朝から夜までめまぐるしく歩き回った気がする.現代新書編集者の川治さんに訊いても,「“丸腰”でやってきて編集者と対面して執筆する方は初めてです.ふつうはそういう状況では原稿は書けませんから」とのことだから,よほど切羽詰まった窮鼠に変身していたにちがいない.しかし,こういうワルい癖をつけるとあとあと困るので要注意(習慣性があるかもしれない……).

◆本日の総歩数=8559歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=84.2kg(−0.1kg)/25.5%(−0.5%).


15 september 2009(火) ※涼しい読書の秋は本も動き出す

◆午前4時半起床.曇り.東風が肌寒い.気温18.4度.

◆早朝のこまごま —— 『分類思考の世界』の講談社ページがやっと開設された.明日にも書店への搬入があるというので,関連するメーリングリストに新刊情報としてアナウンスする.売れてください.

◆[組合]9月24日(木)の職場委員会は分会室ではなく教養室での開催となった.所内ガルーンにて部屋のオンライン予約を完了した.地獄に堕ちてねの「.jtd」ファイルを導きの「xfy」でオープンし,分会組合員全員のメールアドレスをチェックする.そして,職場委員(正・副)のアドレスリストを作成し,職場委員会の開催と出欠に関するメールを出す.今週金曜までに出席者数を確認した上で,〈筑前〉へ仕出し弁当の手配をすること(>書記さん).併せて,分会女性部と分会青年部の代表者へもアナウンスを流す.季節外れの五月雨のようにメールを乱射する.反射もちらほらと.

◆午前11時,曇り.気温21.7度.今日は夏日にも達しない涼しさが続く.広報情報室(図書室)から統計本の借出し依頼.この本だったら手元にあったはずなのに,行方知れずに…….いったいどこに埋もれていることやら.昼休み.蔵書を眺めにくるお客さんがお二人.ようこそ.農環研に献本する『分類思考の世界』を一冊手渡した.

◆『谷根千』最終号ゲット —— 昨日,千駄木の〈往来堂書店〉にて,『地域雑誌・谷中根津千駄木』の最終号(93&94号)を手に入れた:

  • 「其の九十三」:堂々の終刊号!(2009年8月10日発行,谷根千工房)※特集は「聞きたかった話,伝えたかったこと」
  • 「其の九十四」:これで終わります。(2009年8月20日発行,谷根千工房)※特集は「気になる人々」

—— 幻ではなくホントに終わってしまったんですねぇ…….今後はバックナンバーについては〈谷根千ねっと〉を通じて買えるという.

◆昼下がり『分類思考の世界』の献本先およそ30件を決定する.あとは住所を調べて音羽に連絡するだけだ./明日の出版打ち上げは,神田須田町にある老舗の鳥すきやき〈ぼたん〉で午後6時半から,ということになった.

◆[組合]前任の書記長にいくつか問合せ.分会内の委員会ポストの埋め方とか.異動意志確認のしかたとか.またも五月雨メールのやり取りが続く.

◆撃ち果たしていないトドどもがぞろぞろいる…….進化学会・高校生ポスター賞の講評の加圧メールあり.今週末の首都大集中講義(生物統計学)のハンドアウトもまだ南大沢に送っていなかったな.依頼された原稿はどーしましょ? 行方不明の統計本はいったいいずこへお隠れになったのか…….しかし,これらはトドとしてはまだ凶暴ではない.あばれトドとは要するに原稿仕事ということだ.つらいなぁ.

◆午後6時半に撤収.曇って東風が冷たくなってきた.朝夕の気温低下が著しい.

◆明日はまたまた東京へ出張だ.席の暖まるヒマがないとはまさにこのことか.いなきゃいないで傍若無人トドどもが暴れるし,いればいたで火山弾が頭上から雨霰と降り注ぐし…….

◆本日の総歩数=5288歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=84.3kg(0.0kg)/26.0%(−0.1%).


14 september 2009(月) ※空高く晴れて東京との往復移動

◆午前4時半起床.夜明け前は雲が厚かったが,明るくなってくるとともにいつもの秋晴れになった.東風.湿度が低くて爽快.

◆多すぎるトドども —— [組合]組合員への周知方法の構築;9月24日(木)職場委員会招集.その前に職場委員のメールアドレスの確認;地本専門委員名簿の確定と連絡(明日まで);所内・安全委員会のメンバー確定と通知(明日まで)./『分類思考の世界』の献本リスト./進化学会・高校生ポスター賞の授賞理由とりまとめ./勁草書房の原稿改訂.※締切過ぎてるし……./NHK Books 原稿.9月16日(水)に東京で手渡すことになっている.※まだ何にも書いてないし…….

—— いずれも「今すぐ」というのがいやはやなんとも.どうするねん?

◆爽やかに晴れ上がった午前のこまごま —— 京大連携併任の集中講義の日程は「10月13日(火)〜14日(水)」で確定した.前日の12日(月)から京都に入る予定.講義のタイトルは「形態測定データの統計プログラミング」です./チャールズ・ダーウィン伝記映画〈Creation〉のRandal Keynes 原作が同タイトルで近刊だという.しかし,その原作は『Annie's Box』だろう.ノヴェライズですか?

◆[組合]10月1日付の異動内定者について意志確認をせよとのお達しあり.はいはい.委員長,よろしく.

◆11:02発のTX区間快速で東京へ.今日も日射しが強いなぁ.正午前に千駄木に到着.往来堂書店を探索したのち,〈根津のたいやき〉に待ち客の列がなかったのでほかほかのを五匹ほど釣り上げる.のち,東大農学部へ.夏休みの間の郵便物が山ほど堆積していた.13時すぎに専攻教員会議が開催される7号館会議室に向かう.毎年恒例の〈秋の試飲会〉は10月16日(金)または10月30日(金)にやろうということになった.毎年二回の楽しみなので,アレンジをよろしくお願いいたします.

◆隠れ部屋での引きこもり読書:木村陽二郎『生物学史論集』(1987年4月30日刊行,八坂書房,東京,431 pp.,ISBNなし)の残りの部分をすべて読了.最後の第四部「人」は,著者が関わった植物分類学者たちの人間模様.牧野富太郎が「自分のために植物を取り尽くした」というエピソードは真実だったんだ…….

◆夕方,つくばに帰り着く.日が陰るととたんに涼しくなる.

◆[組合]午前零時過ぎ,農環研分会の広報用にツイッタータンブラーを開設した.分会組合員への周知は職場委員会ののちに行なうことにする.これで,前年度までの農環研組合員メーリングリストをすっぱり廃止することができる.異動を含む百数十人ものメールアドレスの管理なんかやってられない(時間も余裕もない).あとは,各組合員の責任と判断で分会ツイッターを「フォロー」してくださいな.執行委員会用の Google Group はすでに開設したし,これで何とか“インフラ”だけは整備できたことになる.あとはぜーんぶインターネットですませましょ(ヴァーチャル組合).

執行委員会も対面ではまだ開催したことがない.すべてメールでのやりとりのみ.だって対面している時間がぜんぜんないんだもん.来週木曜(24日)の職場委員会は今期の新職場委員の対面式みたいなものだが,分会執行委員にとっても今期始動後の初めての対面となるだろう.

—— タンブラーとツイッターの連係動作を確認した上で,午前1時過ぎに分会執行委員会に開設の経緯を報告する.

◆明日はつくばに実在してトド撃ちの一日となるもよう.

◆本日の総歩数=5256歩[うち「しっかり歩数」1939歩/21分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.3kg(+0.2kg)/26.1%(−0.3%).


13 september 2009(日) ※秋の日射しが強くて乾き上がる

◆午前5時起床.寝冷えでもしたのか,どうも鼻風邪をひきこんでしまったらしく,ティッシュの箱と“一心同体”になる.霧が立ちこめ肌寒い早朝.朝日が昇るとともに,秋の強い日射しが照りつける.気温は急上昇.

◆[組合]今なお〈一太郎〉文書ですかっ! —— 個人的な印象を言わせてもらえば,フォルクスワーゲン並みの“国民的”ワープロソフト〈一太郎〉は,かつての「version 3」が最良だったと思う.たった1MBのフロッピー一枚にすべてのシステムが入りきり,そのフロッピーさえ持参すればどこでも〈一太郎〉が使えたという携帯性の良さ.しかもテキスト部分は独立したファイルになっていた.そういう天国のような「version 3」が,次の「version 4」ではいきなり地獄に落ちてしまった…….結果としては,それを契機にエディター〈Vz Editor〉+日本語入力〈WXP〉という黄金デュオに出会うことになったのでよかったのだが.

そういう個人的な思い出は別として,大学にいたときも就職してからも〈一太郎〉文書(拡張子「.jtd」が付いたファイル)は頻繁に事務方から届いた.事務方面では〈一太郎〉がデフォルトの文書作成ツールであることは周知の事実だから,べつだんそれをどうこう言うつもりはない.しかし,〈一太郎〉がいきなり巨大化した「version 4」以降,それを立ち上げることはほとんどなくなり,どのバージョンからか覚えていないが,〈一太郎〉そのものをすべての使用マシンから追放してしまった.せいせいした.

しかし,残された問題は,こちらの事情や感情とは関係なく,向こうの世界から送られてくる〈一太郎〉文書である.ソフトそのものを所払いしたのだから,当然それらを読むことはできない.しかし,幸いなことにWindows環境にかぎっては,製造元のジャストシステムが〈一太郎ビューア〉というフリーの読み取りツールを提供してくれたので,少なくとも送られてきたものを読むことはできた.何年か前まで毎年のように提出していた「昇格書類」ももとのテンプレートは〈一太郎〉だったが,神経衰弱になりそうだったので,こちらですべて〈PageMaker〉で書式を作り直して提出していた.昇格書類の提出は〈一太郎〉で提出せよというような指示が事務方から出ていたが,ことごとくすべて無視した(本質的ではないものは見ないふりをする主義).

その後,〈Microsoft Word〉や〈Adobe Acrobat〉の急速な普及により状況は大きく変わり,「.doc」や「.pdf」形式の文書ファイルが「.jtd」を凌駕するようになってきた.「.doc 」がいいとはまったく思わないけれども,それを読むすべはいろいろあるので問題は生じなかったということだ.ところが……

今月から組合の書記長の仕事を引き受けて,前任者から関連ファイルを引き継いだのだが,これがまた驚くばかりの「.jtd」のオンパレードでして.事務処理とか労働形態に関しては,労働組合が実はもっとも後進的であるというのはまぎれもない事実であることを痛感した.だから,どうでもいい非効率的な仕事や会議や動員依頼がそのまま生き残っているのだ(今年度はすべて無視してあげるからね).

さらに輪をかけてやっかいなことに,現在のワタクシのパソコン環境はMacintoshである.便利な〈一太郎ビューア〉はWindows版しか提供されていない —— これは困った! ということで,次の話題に移行する.

Macintosh の上で〈一太郎〉文書を読むすべ —— ほんとうに長い間,〈一太郎〉文書を Macintosh 上で読むためには,Macintosh版の〈一太郎〉システムをインストールするしかないと信じ込んでいた.ときどき必要に迫られて Macintosh 版の「ビューアー」がないか調べてみたことはあったが,まったくそういうものはなかった.ニーズはあっただろうからあっても不思議はないのに.だから,ここ数年,ときどき事務方から届く「.jtd」書類はすべて読まずに廃棄していた(読めないものに存在価値はない).

しかし,ワタクシの先入観は間違っていた.Macintosh の上で〈一太郎〉文書を読むフリーのツールはすでに公開されていた.それも製造元のジャストシステムの提供により.前時代的な労働組合の「.jtd」の瓦礫に辟易して,再度インターネットを調べてみたところ,かの美文書な〈Okumura's Blog〉の今年の記事:「一太郎ファイルの読み方」のコメントの一つ「一太郎ファイルをMacで読む方法」(2009年2月4日付)に,ジャストシステムからフリー(無料登録が必要)で提供されている〈xfy Basic Edition〉を用いれば,どんな〈一太郎〉ファイルでも「.xml」文書に変換して読むことができると書かれているではないか!

半信半疑で〈xfy Basic Edition 1.5 for Mac & Linux〉を PowerBook G4 にダウンロードしたら,あっさり「.jtd」が読めてしまった.かつてのあの苦労はいったい何だったのか.PowerPC だろうが Intel だろうが,Java 上で動くシステムなのでまったく関係ないみたい.これで積年の未解決問題が瞬時にして解決してしまった.ジャストシステム,すばらしい!

—— 〈xfy Basic Edition〉のインストールに始まる基本的な使用方法については,〈yas_tajima's Blog〉の記事「Macで一太郎(xfy Basic Editionを使ってみる) 」(2009年4月1日付)を参照されたい.これで苦界にうめいていた Macintosh ユーザーが救われれば幸いだ.(だからと言って「.jtd」の罪状が軽くなるわけではないけど)

◆『分類思考の世界』ネタは続く —— 見本刷を読んでいて,「初出一覧」がヌケていることに気がついた(あらまぁ).この『分類思考の世界』が,『本』誌の連載記事だったことは周知の事実だし(おいっ),ま,いーかな…….それに,連載記事そのままじゃなくって,かなり加筆修正したし…….と言い訳しつつも気になってしまう小心者のワタクシ.ということで,とりあえずコンパニオンサイトで「初出一覧」を公開しました.※こういうミスは出版されて初めて気がつく…….

◆午後は秋晴れでかんかん照り.日射しも紫外線も強い.春日の〈Primrose〉でランチをば.〈DELL Inspiron 1545〉を買ったので,そのセットアップなど(ぼくが使うわけではないのだが).Vista ってやっぱり使いづらいな.

◆夕焼け,日が暮れて涼しくなった.夕食には,札幌の学会会場でおおだち氏からいただいた「鹿肉」ソーセージをボイルしていただきました(マスタード2種類を用意して).濃厚な味わいで美味かったです(熟成しまくりという感じで).鹿肉は食材として確かに優れていると思う.

◆今日は,いろいろこまごまとしたつもりでも,肝心のトドがまったく減っていない…….明日からはまた一日おきの断続出張の日々が始まる.

◆本日の総歩数=2429歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.6kg(−0.1kg)/25.4%(−1.0%).


12 september 2009(土) ※ぐずつく週末は仕事もぐずつく

◆午前5時起床.東風が強く曇り空.予報では天気は下り坂だという.午前9時には小雨が降り始めた.気温はとても低く20度に達してはいないだろう.午前中は降ったり止んだりを繰り返す.

◆[組合]9月15日(火)までに分会の「専門委員」の名簿提出(→地本);安全委員の名簿(→永井さん);9月24日(木)の職場委員会の段取り;etc...

◆午後になってもぐずついた空模様は変わらない.ときどき本降りになったり,また小止みになったり.dagboek を書き連ねる昼下がり.思わぬ方面から原稿依頼がある.しばし,考えてみる.それとともに,『聚珍録』に関するダイレクトメールも届いた.実にすばらしい!ありがとうございました.

◆「ひやおろし」の季節 —— 秋になれば当然「ひやおろし」が方々の蔵元から出ているだろうと,夕方,〈たがみ酒店〉を久しぶりに探索に行ったら,しばらく見ないうちにずらっと並んでいた.ん,〈日置桜〉の「山装う」がありますねー.また,雨がぱらぱら降ってきた.

◆夜になっても雨が降っては止む.吹く風は東風から南風に変わる.終日,低い気温だった.仕事はほとんど捗らなかったな…….体調もあんまりよくないし,やる気もイマイチ出ないし…….

◆滅入ったときのインカ —— 高野潤『カラー版 マチュピチュ―天空の聖殿』(2009年7月25日刊行,中央公論新社[中公新書2012],6+vi+194 pp.,本体価格1,000円,ISBN:978-4-12-102012-3 → 版元ページ).ああ,天空…….

◆本日の総歩数=1615歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=84.6kg(−0.1kg)/25.4%(−1.0%).


11 september 2009(金) ※見本刷を手にしても残業モード

◆午前2時半起床.晴れて星空.気温は14.9度.ちょっと肌寒いかも.農環研へ.今日はたくさんのイベントが立て続けに「直列」で組み込まれていて逃げ場がない.さっそく丑三つ時のトド撃ち開始だ.

◆未明のこまごま —— 先日あえなく息絶えたG4には,メーリングリストの加入申請メールとか会員名簿がすべて保管されていた.もちろん定期的にバックアップはとっておくように心がけてはいたのだが,最終のバックアップは先月のお盆前だったので,その後,月末までの約二週間分のデータが消失してしまった…….別マシンに残されていたログを掘り起こして復元を試みたのだが,やはりダメみたい.そのうち東の空が白んできて,上層雲が広がる秋晴れの空になる.いつまでもがんばるのは時間のムダなので,午前7時過ぎに復旧作業は打ち切り,不明箇所を残したまま月例アナウンスを流してしまった.新入会員についてはもれなく登録したはずだが,アドレス変更リクエストは未処理のままになっているかもしれない./来週月曜の出張届けを提出した.

◆朝のお仕事 —— 9:00〜10:30は,お隣りの動物衛生研究所で今週開講されている「獣医疫学特殊講習」の一コマ講義として「系統樹解析」を講義した.例年通り,30名あまりの受講者が全国から集まっている.定刻開始でほぼ定刻終了.お疲れさまでした.秋晴れで日射しがさんさんと降り注ぐ.午前11時の気温は24.7度.

◆[組合]講義後,農環研に戻ってから,分会執行部のための Google Group を立ち上げて,設定をすませ,各執行委員に開設アナウンスを送信した.これからはこの Google Group を足場にして,活動しましょう./新職場委員会は9月24日(木)の昼休みに開くことになった.ついでに,最初の対面執行委員会も.各職場委員の出欠の確認と,弁当の手配をしないといけないが,それも書記長の仕事なんでしょうなぁ./午後1時から,第一回昇格折衝.事務レベルの話し合い.農環研側からの昇格候補者リストの提示と質疑を一時間ほど.業績評価に関するまなざしが年々厳しくなっているのはどこの独法研究所でも同じことだろう.午後2時に解散./安全衛生委員会の委員(執行部三人+一般職員三人)が決まったら,地本だけでなく,農環研当局にも通知すること.これも書記長の仕事なんですねぇ.

◆ブツを手にする夕暮れ時 —— 気がついたらもう午後3時近かった.音羽から電話あり.『分類思考の世界』の見本刷が予想よりも早く完成したので,つくばまで届けますとのこと.わざわざありがとうございます.

午後4時45分にTXつくば駅に到着する電車を改札で待ち構えていたら,担当編集者の川治さんが十冊の見本刷を抱えてやってきた.総ページ数は「328ページ」.幅広のカラフルなオビにくるまれていて,質量感からいえば,現代新書というよりはむしろブルーバックスのそれに近いものがある.いい仕上がりだったので,大満足です.どうもありがとうございました.連載時の最初の予定では「分類」をメインにして「種」はサブにという心づもりがあったのですが,初期段階での編集部からの強力な教育的指導により,「種問題」の闇に足を踏み入れることになってしまった.結果的には,書くべきことはすべて書いたし,10年前,未完のまま終わった『生物科学』誌の論考のリベンジをやっと果たすことができたのではないかと思っている.「Species, RIP」.

分類思考の世界』の総ページ数は「328ページ」だが,本文テキストのみの分量は,図抜きの初校段階で「ゲラ265頁×600字/頁=159000字」だった.400字詰に換算すれば約400枚の枚数に相当する.さらに,巻末の文献リストは「ゲラ20頁×1000字/頁=20000字」だから,これまた400字詰にして50枚になる.ここまでで計「450枚」.その後,初校や再校のゲラにかなり加筆をしたので本文字数は160000字をまちがいなく突破しているだろう.図版のキャプションや索引(3ページ)を追加すれば,今回の『分類思考の世界』は400字詰にして「500枚」の大台にかなり接近しているのではないかと思う.そういえば,『本』誌に連載していた最初の2回分(400字×40枚)は新書には入れずにコンパニオンサイトで全文公開している(→ ).この2回分が新書に加わっていたら刷り上がりでさらに30頁ほど厚くなって,360頁に達していただろうなあ.前著『系統樹思考の世界』も,もう少し薄かったが,それでもテキストの分量は「450枚」ほどあった.

分類思考の世界』を含めて今月の現代新書新刊(4冊ある)は,来週9月16日(水)に書店に搬入され,早ければその日のうちに,遅くとも翌17日(木)には店頭に並ぶことになるそうだ.そろそろ献本先のリストをつくらないといけないな./9月16日(水)の夜に都内のどこかで「打ち上げ」をしましょうとのプロポーザルあり.いいですねえ,打ち上がりましょう.詳細は後ほどということで.

—— 以前,倉谷滋さんに,「みなかさん,新書なんか書いているようじゃダメですよ!」と言われたのはいつのことだったか.「見返してやるぅ」という気持ちはさらさらないのだが(ナチュラルヒストリーシリーズでも負けたけど……),ブツを手にして「ことを成し遂げた」という安堵感はある.全編にわたって,小骨(=呪文)や胡椒(=暗号)が地雷のように埋め込まれているので(前著と同じく),体裁こそ「新書」でも「流動食」のように読んでしまうときっと消化不良を起こすでしょう.その点では,『系統樹思考の世界』よりも,今回の『分類思考の世界』の方がはるかにマニアックかもしれない.

◆[組合]つくば駅で川治さんと別れてから,その足で再び農林団地に戻る.午後5時半から筑波事務所にて筑波地本による「昇格闘争委員会」が開かれている.各分会の代表を集めての昇格に関する基本方針についての説明会だ.半時間ほど遅れて午後6時前に会場に入る.いろいろ説明を聞き,他場所のようすを知る.午後6時半に終了.農環研に戻って夏祭り反省会&打ち上げが教養室で開かれていたのでちょっとだけ顔を出す.その後,夜の残業が午後10時半までさらに続く.

◆未完了のトドたち —— 分会組合員へのアナウンスシステムの立ち上げ./献本リストづくり./勁草書房原稿の改訂.※まだ終わっていない……./NHK Books 原稿.※来週の水曜にまた年貢を納めないといけない./進化学会・高校生ポスター賞のコメントとりまとめ.

—— 要するに週末も働けということですか…….

◆本日の総歩数=10246歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.7kg(+0.4kg)/26.4%(+0.9%).


10 september 2009(木) ※山と積もった残務諸事が大崩落

◆午前3時半起床.夜明けにはまだ間がある.星空.農環研に直行する.気温は午前4時前は16.7度だったが,しだいに下がって午前5時半には15.9度になった.南風が吹いて涼しい.その後,夜明けとともに爽やかな秋空が広がってきた.午前9時,快晴,23.6度.運動会をするとしたら絶好の日和だろう.

◆しかし,そのような爽快な気候とは裏腹に,十日間も本務地を留守にすると,大事な用件はもとよりくたばりやがれな雑用までわらわらとトドどもが狼藉の限りを尽くしている.久しぶりに目にした机の上はなかなか壮観だった.これはもう考える前にどんどんトド撃ちをこなしていくしかないな…….分類整理の達人ならば手際よくランキングして片付けていくのだろうが,手際が悪いワタクシは気がついたものからぽつぽつと手を付けてしまう.何よりもまず始めに,学会ツアーの直前に頓死したG4の後継環境づくりから.これまで使っていたディスプレイのコネクタが合わない.しかたなく,古い液晶ディスプレイを引っ張りだしてきたら,接続が悪いせいか “黄疸”気味で見つめていると気分悪くなる.ええい!と会計システム用機のディスプレイをコッソリ分捕って使いはじめる.※それくらい買えよ…….

◆[組合]朝から組合のお仕事に追われている.午前9時半から,所内三階の来賓室にて,新旧の組合執行部と当局との対面式.ほんとうは9月1日の分会執行部の新旧交代とともにすぐに行なうべきだったのだろうが,ぼくが10日間もトンズラしてしまったので,今日まで延期されていた.農環研理事長を含む幹部との対面そのものはフォーマルに10分たらずで終わった.その後,昇格に関する事務レベル折衝の今後の段取りについて話し合う.第一回目の昇格折衝は明日9月11日(金)午後1時から入札検収室(257号)で行なうことになった.

—— このように,分会新執行部はもう動き出してはいるのだが,執行部インフラの整備がまだぜんぜんできていない.分会の全組合員への通信手段の構築と執行委員会内部のグループ構成とか.それらは書記長の仕事.今日明日中にすませるべき喫緊の業務だ.ちなみに,ワタクシは「専従(ヤミも含めて)」ではないので,勤務時間外にこれらの作業をするしかないのです.しかし,「時間外」って? それは夜中…….

◆午前のこまごま —— 国内出張に関わる復命書と旅費・宿泊費の領収書そして学会参加費の立替払届けをまとめてどさっと出す.振替休日の指定届けもあわせて./図書室から研究室で購入している雑誌 The American Statistician の「第63巻・第1号」が納入されているかの確認の問合せ.本や雑誌の山をあわてて掘り崩してはみたものの,「第2号」と「第3号」は届いているのに,「第1号」だけ未発見.もっと掘り返せば見つかるのかもしれないが,探す時間とエネルギーが惜しいので「届いてないみたい」と返事した.ある程度探して見つからない本や雑誌ならば,あれこれ迷わずもう一度買うのがベストの戦略だと思う.時間を金で買えということ.

◆昼休み,一瞬だけ強風が吹いたが,その後はおさまって曇りのち晴れ.

◆献本感謝 —— 大路樹生『フィールド古生物学:進化の足跡を化石から読み解く』(2009年08月20日刊行,東京大学出版会[ナチュラルヒストリーシリーズ],東京,168 pp.,本体価格2,800円,ISBN:978-4-13-062715-3 → 版元ページ).このところ,東大出版会からは「古生物学」本が立て続けに出ている.

◆『分類思考の世界』公開間近! —— 講談社の現代新書サイトで,近刊リストに載っている.アマゾンでもやっと予約受付が開始された.7&Yにもアイテム画面あり.7&Y では正しく「税込定価840円」と記されているが,アマゾンは「926円」という間違った価格が記されている.

◆午後のこまごま —— トド撃ちリストを更新した.細かく記入しなければ書ききれないことが判明してへこむ./検認の終わった共済組合員証が返却されたので忘れずに受領した./生物多様性情報学の項目執筆を依頼したい某氏に白羽の矢を放つよう共立出版にメールする.国内にいようがデンマークにいようが必ず命中してほしいな./明日の動物衛生研究所での「疫学講習会」の講義準備をすっかり忘れていた.分子系統学を一コマ(9:00〜10:30)教えるだけなので,コンテンツはもう決まっているようなものだが,スライドの内容確認だけはしておかないと.ハンドアウトとアブストラクトはすでに京都から送信してあるので問題はない./来月から始まる駒場の「生物統計学」講義の時間割が届いた.来月から来年1月までの五ヶ月間,毎週木曜はいなくなります./東大の紫工会の教員名簿の返事を出す.

◆たくさんのトドを撃ち果たしたつもりになってほっと一息ついたのは夕方6時過ぎのことだった.西の空が夕焼けに染まっている.

◆[組合]新職場委員の顔合わせの会を今月中に設定すること.シルバー・ウィークど真ん中の9月24日(木)しかないじゃん./え,引き継ぎ交渉? /地本へ専門委員の名簿を提出すること(9月15日までに).

—— これだけフォールアウトを処理したにもかかわらず,さらに大きなトドを見ないふりをしていた自分を見いだして,灰になりかける.

◆このまま長居をしても能率は上がらないだろうから,午後8時,いったん撤収することにした.帰宅して午後10時過ぎに早めの就寝.明日は超早起きのつもり.

◆本日の総歩数=6250歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=84.3kg(−0.6kg)/25.5%(−0.2%).


9 september 2009(水) ※長旅の最終日はロンゲストデイ

◆午前5時半起床.曇り空だがところどころ青空がのぞいている.湿度は高めでも朝のうちは気温が低くて気持ちがいい.

◆早朝のこまごま —— 農環研分会の昇格交渉の期日調整についてメール連絡あれこれ.候補日のうち今月の18日(金)と25日(金)はいずれも首都大学東京の集中講義日になっているので,農環研からは姿を消しています.ですから,唯一の候補日は24日(木)のみです.この線で日程調整をするのが書記長であるワタクシの仕事となる.それ以外にも有象無象の時間外集会があったりするようだけど,見なかったふりをしている./来週月曜(14日)にも出張が入る予定./京大の連携併任の出張日は「11月24日(火)〜25日(水)」にしようと手を打ったのだが,いまカレンダーをチェックしてみたら,この週の週末にも京都出張があり(計量生物学会関連),しかも場合によってはその足で大分湯煙統計研修に向かうという荒行の可能性がある.連携併任の仕事は比較的日程に余裕がある10月に前倒しした方が無難かもしれません.>hkdさん.

◆今日もまた〈イノダコーヒ〉の朝 —— 今日も定時に入る〈イノダコーヒ本店〉.平日のこんな朝早い時間帯にけっこうな数のお客さんが入っている.一見の観光客だけではなく地元の常連さんも多そうだ.今日は「ビーフカツサンド」をいただきました.「ビフカツ」というのは関西ならでは(「肉」言うたら「牛」に決まってるがな).しかも,ここの「ビーフカツサンド」は特厚のビフカツをサンドイッチにするというぜいたくなもの.やや甘めのソースの濃厚さとあいまって,メニューに載っている数あるサンドイッチの頂上に君臨する逸品であることは,一度でも食べたことのある人ならうなずいてくれるにちがいない.ごちそうさまでした.

◆朝の読書タイム —— 木村陽二郎『生物学史論集』(1987年4月30日刊行,八坂書房,東京,431 pp.,ISBNなし)の第三部に進む.このセクションは「本」の話.ゲスナー,ドドネウス,ツュンベリーなど日本の本草学・植物学の歴史に関わる書物を著した人物の小伝,かつての彩色植物図譜のエピソード,シーボルトの日本での研究活動,さらに牧野富太郎の『日本植物図鑑』まで.以上,第三部を読了し,読破ページ数は300ページを越えた.しかし,まだ100ページ以上も残っている.

◆いったんホテルに帰る.今日は雲が多いせいか,昨日までの堪え難い蒸し暑さは感じられない.滞在最終日になってやっと秋めいてきたか.あちこちメールを出したり,日録を書いたりしたのち,荷物をまとめて昼前にチェックアウト.帰りの新幹線は14:16発の「のぞみ26号」.車窓に広がる青空高くうろこ雲が広がっていた.関東に近づくにつれてしだいに雲が厚くなる.遅延なく午後4時半過ぎに東京着.曇って気温は低めだが,湿度はやや高いか.そのまま秋葉原からつくばに直帰する.午後6時前につくばセンターに降り立った.夕闇が迫り,東風が涼しく,すっかり秋の気候になっていた.

◆札幌から京都を経ての長旅の疲れが出たらしく,ほぼ廃人になってしまいました…….つかいものにならない.しかし,明日からの「日常」はこれまた忙しくなる.放置していた十日間の報いをひたすら黙って受けるしかない.

◆本日の総歩数=7572歩[うち「しっかり歩数」1026歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測.


8 september 2009(火) ※疲労が服を着て徘徊する六角通

◆午前5時半起床.晴れ.朝は涼しいのだが.昨日までよりも雲がやや多いかな.しかし,朝日が射せばいつもの蒸し暑さ.

◆早朝のこまごま —— 昨夜,音羽からメールが入っていて,『分類思考の世界』は「校了」とのこと.長かったですなぁ.あとは印刷・製本に入るので,今週末の見本刷までは何もやることがない.これですっかり解放されました(献本リストは別).コンパニオンサイトの「文献リスト」は現代新書が再来週に出版されたあとも,新規項目や新規コメントが必要に応じて付加していく予定だ./今年のつくばでの農研機構〈数理統計研修〉のカリキュラム(pdf)が公開されていた(→ 基礎編応用編).晩秋の「お勤め」が今年もまた近づいてきた./明日つくばに帰ったら,今期の組合の体制づくり(周知方法・執行委員会・窓口業務など)をすぐにしないといけない.引き継がれたほとんどの業務はオンラインでなんとかなるし,不要な業務はすべてスルーすればいい.分会組合員への周知についても,affrcドメインからのメールのやりとりを根本的にやめてしまいたいので,その代替手段をいま考えているところ.だいいち,常勤・非常勤取り混ぜて二百人もいる組合員のアドレスを管理している時間はワタクシにはありません.

◆朝の〈イノダコーヒ本店〉旧館にて —— 昨日と同じく,午前7時ちょうどに〈イノダコーヒ本店〉に入る.旧館の一角にてほっこりする.「ハムサンド」はこの店特製のハムを使っているだけあって,味わいがぜんぜんちがう.以前からメニュー写真を見てはいまひとつ食指が伸びなかったのだが,食べてみてはじめてよくわかった!

木村陽二郎『生物学史論集』(1987年4月30日刊行,八坂書房,東京,431 pp.,ISBNなし).第二部の続きを250頁まで読み進んだ.第5章「リンネの雌雄蕊分類体系の導入」(pp. 227-239)はリンネ分類学の日本への上陸について.第6章「メンデル遺伝法則の理解」(pp. 240-250)では,メンデルの遺伝法則の中の「分離の法則」が,日本の生物教科書の大半で「対立遺伝子の分離」ではなく「表現型の分離」と誤って説明されてきた経緯が論じられている.おもしろい.

◆ホテルを出発して,またまた京田辺に向かう.今日も残暑が厳しいなあ.強い日射しにあぶられつつ,同志社大学の京田辺キャンパスに立つ.しかし,午後になって雲が増えてきたせいか,いくぶん暑さが和らいだ気がする.久保師のべいづ噺を拝聴する.イワナミ本,がんばってください(私もシリーズ関係者ではあるのですが……).夕方,ふらふらとホテルに帰還する.単に「外にいる」というだけで疲労が蓄積されるというのは何なのか…….

◆伏見を訪ね歩く夕べ —— 夕方になり,気温と湿度がやや下がってきた.風があるせいかしのぎやすい夕暮れになった.地下鉄の四条駅で京大のhkdさんと待ち合わせ,伏見の〈藤岡酒造〉に向かう.この蔵元が出している「蒼空」という銘柄がいま人気急上昇だと聞いた.売れ筋には品切れの銘柄もあるらしい.

近鉄の桃山御陵駅を下りて大手筋を南下し,右折.しばらく歩いたところに〈藤岡酒造〉があった.販売所のとなりに「酒蔵Barえん」が併設されていて,「蒼空」を有料試飲することができる.閉店寸前の時間帯だったせいか,客はわれわれふたりしかいない.「蒼空」の純米吟醸おりがらみ(酒米は山田穂)をいただいた.これは飲みやすいタイプの日本酒で,人気が出るのもよくわかる.市販されているのは四合瓶のみだそうだ.清酒とおりがらみがどの銘柄にも用意されているので,味比べができる.

外はすでに暗くなり始めていた.しばし「えん」でくつろいでいたところ,ご主人が奥から出てきて,「〈十四代〉の11年古酒があるので」と冷えた一升瓶をどんと出していただいた.プライベートに保管していたものだそうで,こんなのほかでは見かけたことがない.ほのかに琥珀色がついたいい味わいだった.〈蒼空〉の蔵元で〈十四代〉を味わうというのもなんだけど,これも縁でしょう.

蔵元のすぐ近くにある小料理屋〈花吹雪〉に移動した.この店は〈蒼空〉の全銘柄がそろっているという.遅まきながらngtくんも登場したので,本格的に飲み会モードに突入する.ここでは一升瓶の〈蒼空〉が次々に並ぶことになった.ワインの銘柄もそろっているらしく,和洋の料理がメニューに載っていた.酒も肴もたいへん美味かったです.とてもいい店で,ここまでわざわざ来た甲斐があった.午後10時過ぎにお開き.ごちそうさまでした.

ホテルに帰還したのは午後11時半.午前さまにならなかったのは,いかに高密度かつ効率的に飲みまくったかという証だろう.おやすみなさい.

◆本日の総歩数=10982歩[うち「しっかり歩数」1024歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


7 september 2009(月) ※南山城にて残暑の中を敗走する

◆午前5時起床.晴れ.今日も残暑は続くのだ(そうに決まっている).早朝の洛中はまだ涼しい方だが,東山から朝日が射し込むととたんに蒸し暑さがよどみだす.夜から未明までがこの時期の快適タイムで,日中はひたすらガマンするしかない.

◆早朝のこまごま —— 今週金曜日の動物衛生研究所・獣医疫学特殊講習「系統樹解析」セミナーのアブストラクトとスライド,ならびに10月はじめの〈生物情報を解明するための統計数学的基礎理論とその応用〉のアブストラクトをそれぞれメール送信した.後者については指定討論者(司会兼務)の推薦をしてほしいとの要請があったので,当然のことながら「天王台に白羽の矢を放ってください」と即座に連絡した.折り返し,担当者からメールがある「矢を放ちました」とのこと(すばやいなあ).さらに,講演スライドのピックアップも要旨集に掲載したいというので,ばたばたと50枚ほどのスライドを選んで,ダウンロード先URLを相手方に連絡した.ここまでで午前6時半の仕事を終える.

◆朝の〈イノダコーヒ〉にて —— 投宿している〈ヴィアイン京都四条室町〉から徒歩10分のところに〈イノダコーヒ本店〉がある.午前7時から開店しているので,朝のコーヒータイムはここで過ごすことにした.早朝から客足が途絶えない有名店だが,もちろん旧館の一隅に席を陣取って,「アラビアの真珠」とともにしばしの読書タイム:木村陽二郎『生物学史論集』(1987年4月30日刊行,八坂書房,東京,431 pp.,ISBNなし)の続きを読み進む.

日本の本草学史・植物学史を論じた第二部の第2章「植物学に魅せられた人びと」(pp. 177-196).江戸時代以降の著名な本草学者・植物学者たちをとりあげている.『本草綱目啓蒙』を著した小野蘭山の肖像はほとんど「ゴルゴ13」のような切っ先の鋭い眉毛とスナイパーのごとき眼光が印象的.終生にわたり「攻めの人生」を送ったという.多くの点で同時代の貝原益軒(『大和本草』の著者)とは対照的だったそうな.続く第3章「江戸時代渡来の植物図譜」(pp. 197-217)はタイトル通りの内容だった.

統計科学関連学会連合大会 —— ホテルを出発し,地下鉄から近鉄に入って,午前11時過ぎに近鉄・新田辺駅にたどり着く.晴れて蒸し暑い.拷問を受けているようだ.しかも,同志社大学が夏期休暇中なので,駅前から京田辺キャンパスへの路線バスがみごとにすべて「お休み」が告げられていた.これは困ったとまわりを見回したら,同様に困っている大会参加者たちがいたので,タクシーに乗り合わせて会場まで向かうことにした.やっと,同志社大学・京田辺キャンパスにたどり着いた.残暑の太陽が真上からじりじりと照りつけてくらくらする.夢告館の中の受付で要旨集を受け取り,昼休みの講演会場でしばしの休息タイム.

ここに来るのは二度目のことだ.丘一帯が大学のキャンパスになっていて,グラウンドまで含めればいったいどれくらい広いのかわからない.しかも,大学のまわりには邪念や欲望をあおる飲食街とか遊興施設はいっさいないので,学生や教員はまちがいなく隔離されて雲か霞を喰うしかないにちがいない.タクシーの運転手さんも「酔っぱらいの学生を乗せたことがない」と言っていたほどだ.だから,出家した学生たちはわざわざ洛中までもどって俗世間に浸ることになる.

午後は計量生物学会のシンポジウムを聴く.その後,逆コースで帰路につき,夕方ホテルに戻った.蒸し暑いことは変わりない.

◆「書影」きましたっ —— 講談社現代新書サイトの近刊予告に,やっと『分類思考の世界』の書影が載った.こーいう感じの外見です.ただし,店頭でカバージャケットに裏をめくったらきっと書店員さんに叱られるでしょうから要注意.

◆夜のこまごま —— 天王台から「白羽の矢に射られました」との返事あり.ありがとうございます.よろしく./北白川から「ぜひ襲撃してください」との返信あり.では,ご要望にお応えして,明日の夜,決行いたします.委細は後ほど./東大の専攻教員会議の日程が9月16日(水)から14日(月)に変更になったという連絡.そんなことを今さら申されましてもなぁ.

◆車中読書の記録 —— Sebastiano Timpanaro[Edited and Translated by Glenn W. Most]『The Genesis of Lachmann's Method』(2005年刊行, The University of Chicago Press, Chicago, viii+252 pp.,ISBN:0-226-80405-4 [hbk] / ISBN:0-226-80406-2 [pbk] → 目次版元ページGoogle Book Search)の冒頭に付けられた,著者の伝記記事(30ページもある)を読む.著者 Sebastiano Timpanaro(1923-2000)は大学に所属する古典文献学の研究者ではなく,印刷会社の校閲者(proofreader)として生活の糧を得ていたことに驚く.しかも,当時のイタリアではそういうキャリアパス?はまれではなかったと編者は記している.そうだったのかぁ.

◆本日の総歩数=11390歩[うち「しっかり歩数」1024歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


6 september 2009(日) ※残暑厳しき洛中をあちらこちら

◆前夜は午前1時過ぎまで旅支度でごそごそ起きていたのに,それでも午前4時過ぎには目覚めてしまうカナしい朝型の習性.快晴.夜明け前の西の空に満月が浮かんでいた.気温19.8度で涼しい.日曜だが数日ぶりに農環研に行ってみる.

G4の“亡骸”がそのままになっていたので,Mac Pro ととりあえず交換してみて,精神衛生上なんとか耐えられる程度の環境整備をする.あとは京都から帰ってからのこと.事務書類とか郵便物とか積み上がっていたが,何にも見ないふりをする(ワタクシはここにはいないのさ).動物衛生研究所での疫学研修会の講義資料と来月はじめのチュートリアルの要旨を京都でつくらないといけない.その作成に必要な資料ファイルをごっそりUSBメモリーにコピーする.そんなこんなで気がついたらもう午前6時過ぎだった.2時間後には出発しないといけない.いったん帰宅する.

◆京都への旅立ち —— 生乾きの着替え類をそのままスーツケースにぶちこむ(見たらキャスターがほぼ崩壊している.あとで買い替えないと).急いで8:02発のTX区間快速に乗り込む.残暑が戻ってきたのか,晴れて急速に暑くなってきた.昨日まで札幌の涼しさに慣れていたので,ことのほかつらいです.荷物もあるし.午前9時前に秋葉原着.東京発の新幹線「のぞみ17号」は9:30の定刻に発車した.

◆正午前に京都に着いた.いったいどうしたんですか,この蒸し暑さは……(泣).地下鉄で四条まで出て,投宿先の〈ヴィアイン京都四条室町〉にチェックイン.荷物を置いてから,すぐまた地下鉄で今出川まで.ぎらぎらの残暑の日射しにあぶられつつ,同志社大学の今出川キャンパスに入る.考えてみたらこの大学の構内に入るのは生まれて初めてかもしれない.外周から仰ぎ見ることは何度もあったのに.赤煉瓦の建物が並ぶ構内は立教大学池袋キャンパスを連想させる.キリスト教系の大学の建築スタイルなのか.

しかし,いまは「明徳館」に直行しなければならない.午後1時から統計科学関連学会連合大会チュートリアル「ノンパラメトリック回帰入門」が始まっている.チューターはとなりの農研センターの竹澤邦夫さん.いつもつくばで聴いている「竹澤節」を大講堂で聴くことになろうとは.今回のチュートリアルの講義録は『Rによるノンパラメトリック回帰の入門講座』として書籍出版されるらしい(10月刊行予定.出版社は?).「最少のパラメーターによって parametarization するという主義に反対するから“non-parametric”なのだ」という師の発言になんだか納得してしまった.

チュートリアル会場の快適な空調と静謐さのおかげで,動衛研研修会のアブストラクトとスライド,さらにぼく自身のチュートリアルのアブストラクトをすべて作成完了にまでもっていくことができた.(竹澤さん,ありがとう!)

—— 午後4時前にチュートリアルは終了.約三時間の講義だったが,受講者は100人ほどいただろうか.

◆今度は京大医学部に速攻で移動する.午後4時半から医学部G棟にて,日本計量生物学会の評議員会.またまた仕事が増えそうな気配がしてヤバいなあ(ジャーナル電子化をもくろむとトドが増殖するんですよ……).午後6時半に評議員会は終了.

その後,佐藤俊哉研究室が行きつけだという百万遍近くの〈紀州屋〉に移動して,評議員の懇親会の開催.初めて行く店だったが,ハモ,たくさんいただきました.カワハギのお刺身,美味かったです.日本酒もいろいろあったが,〈萬歳楽〉の吟醸酒「菊のしずく」の一升瓶があっという間に空っぽになりました(大橋靖雄さんがとんでもない酒豪であることを知った).午後10時にお開き.ホテルに帰還.日没後は多少涼しくなったが,日中は厳しい残暑だったし,前日から寝不足だったし,内職でトド撃ちもしてしまったし,で,ほぼパーフェクトに「灰」になってしまった.

—— これまで,この日録では,ぼくが行く先々で食べたり呑んだりしたものを書き留めてきた.百聞は一見にしかずなので写真を載せることが手っ取り早い.読者の中には「酒食の写真」を楽しみにしているという向きもある一方で,「仕事にかこつけて単に食べ歩いているだけではないか」と眉を顰める読者もいるかもしれない.どうぞめいっぱい顰蹙してくださいね.今回の京都旅行でも「食べ歩き写真」には事欠きませんので.

◆車中読書 —— 木村陽二郎『生物学史論集』(1987年4月30日刊行,八坂書房,東京,431 pp.,ISBNなし)の続きを.第一部の最後のふたつ,第4章「ジョフロワとキュヴィエのアカデミー論争」(pp. 104-119)と第5章「メンデルの遺伝法則の系譜」(pp. 120-127)に続いて,第二部では日本の博物学と植物分類学歴史をたどる.長大な第1章「日本における自然誌の歩み」(pp. 131-176)では,江戸時代から現在までの植物(分類)研究,とくに小伝を絡めた研究者群像が描かれる.初めて見る写真や肖像画も少なくない.

◆本日の総歩数=11726歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.9kg(+1.8kg)/25.7%(−0.4%).


5 september 2009(土) ※公開講演会ののちつくばに帰還

◆午前5時起床.雨上がりの曇り空.気温は19度.週末のせいかホテルの食堂が大混雑していた.遠方からの団体旅行が泊まっていたらしい.たまっていた日録書きをして時間をずらし,午前8時に朝食をすませる.部屋に戻ってさっそく荷造り.その後チェックアウトして,北大に向かう.曇ってやや蒸し暑い.

◆公開講演会 —— 午前9時から正門横の北海道大学学術交流会館にて,日本進化学会の公開講演会〈ダーウィンの知られざる横顔〉が始まった.最初の講演は,倉谷うららさんの「フジツボとダーウィン」.フジツボだらけです.付着しそうです.次は,久しぶりに実物を見た渡辺政隆さんの「ダーウィンと人間」というトーク.最後は,内井惣七さんの「ダーウィンの思考をたどる」.炸裂する腹式呼吸の地声.

書店に並ぶ前に,会場にて早くもサイン会が —— チャールズ・ダーウィン[渡辺政隆訳]『種の起源(上)』(2009年9月20日刊行,光文社[古典新訳文庫],東京,423 pp.,本体価格838円,ISBN:978-4-334-75190-6 → 版元ページ).下巻は12月刊行予定とのこと.

◆正午に公開講演会が終了して外に出たら晴れて日射しが暑かった.講演者ら関係者とともに,北大のすぐ横(北13西4)にある〈そば切り・さか田〉へ.辛みそば,うまかったです.今回のサッポロ出張では,ラーメンも喰わずジンギスカンも食せずという「名物抜き」の旅路だった(スープカレーは除く).昼はトド撃ち,夜はただひたすらビールと日本酒を飲んでいた気がする.

◆ホテルで荷物をピックアップして,JR札幌駅から空港に向かう.早めに着いたのでお土産をいくつか買ってから,日録書きの続き.午後5時過ぎに搭乗口に向かい,17:30の「ANA72号」に乗り込む.定刻離陸.西の空が夕焼けで紅に染まっていた.羽田には早く着いたのだがしばらく待機して午後7時半に飛行機を出る.蒸し暑いぞ.つくばに帰り着いたら午後9時半だった.満月・星空・秋の蟲という三点セット.夜はさすがに涼しい.

◆機中読書 —— 木村陽二郎『生物学史論集』(1987年4月30日刊行,八坂書房,東京,431 pp.,ISBNなし)を最初から.第1章「ヨーロッパにおける生物学の発展」(pp. 13-51)は,まあ生物学史概論ということで.第2章「植物分類体系の歴史:人為分類と自然分類」(pp. 52-81)はたいへん勉強になる.第3章「生物学の比較研究法の歴史:形態学の根本問題の歴史的考察」(pp. 82-103)もまた,比較生物学としての形態学についての概論でよくまとめられている.

◆しかし,ここでほっこりするわけにはいかない.約10時間後には残暑厳しき京都に向けて次の旅立ちが待っている.その用意をしないといけないのだが,なんでまたこういうことになってしまったんでしょうねぇ.いろいろな締切事が出張期間中に重なっているが,旅先なのでできる範囲でケリをつけてしまいましょう.完成度よりも締め切り重視.それでも,撃ち取れていないトドどもが多数残っている.

◆本日の総歩数=10315歩[うち「しっかり歩数」1061歩/11分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測.


4 september 2009(金) ※雨降る札幌にて最後の残務処理

◆午前5時半起床.どんよりした空から雨が降っている.

◆早朝のこまごま —— [組合]昇格闘争委員会は9月11日(金)17:30〜,筑波事務所にて.参加予定./締切を過ぎていた東大の紫工会の掲載記事ゲラをあわててチェックして返却完了./今夜の迎撃懇親会は札幌駅前の居酒屋〈日本一〉にて,午後7時開始とのこと.

◆大会最終日 —— すべての用務が終わったので余裕で出発.大会会場に行く前に大学前の〈南陽堂書店〉を探索する.一階は一階で十分におもしろいのだが(「書痴」が惹かれるあるコーナーあり),やはりナチュラリストの隠し部屋である二階の店舗にはまりこむしかないだろう.とくに,昆虫関連文献の在庫は特筆される.学会誌や同好会誌の大量のバックナンバーが書棚を占拠している.

本日の一冊:木村陽二郎『生物学史論集』(1987年4月30日刊行,八坂書房,東京,431 pp.,ISBNなし).当然のことながら植物分類学史に関係する論考が多い.著者が,早田文蔵の最後の教え子だったことを初めて知った.早田の回想記事(初出は『遺伝』1967年)が所収されていたので,さっそく読む.早田はダーウィンの自然淘汰説にも系統分類学にも反対する立場だったようで.彼の動的分類学の深層動機もまたそのあたりにあったとのことだ.それにしても,晩年は持病に悩んでいたようで,とくに著者が学んだころはいつ死んでも不思議ではないと自分も周囲も認識していたらしい.

◆晴れときどき曇り.会期最終日の大会会場はすでに「終わり」の空気がうっすらと漂っていた.進化学辞典関連のメールアドレスを伝えて,出会った参加者と話をしたのちに,会場をあとにする.ホテルにいったん帰ったら,音羽から加圧メールあり.あわてて,「索引」初校ゲラのチェック開始.いくつかの修正点をまとめてメール返信したのが午後5時すぎ.続いて,「文献リスト」再校ゲラのチェックにとりかかる.午後6時半にやっと修正箇所一覧を音羽にメールで返した.これですべて終わった.

◆最後の夜の迎撃パーティ —— 午後7時前に,北大正門の〈東横イン〉前に集結する.今日は,理学部の松王さんの研究室ご一行に加わって,明日の公開講演会スピーカーとしてわざわざ札幌に来た内井惣七さんを“迎撃”する飲み会に行くことになっている.場所はJR札幌駅前にある居酒屋〈日本一〉にて十人あまりの軍勢で迎え撃つ.日中は曇り空だったが,飲み始めた頃から激しい雷雨になり,ときどき雷鳴が閃き雷鳴が轟く.しかし,そんな荒れ模様の天気をものともしない内井尊師の腹式呼吸と地声の大きさよ.ダーウィンやらイマニシやらルイセンコやら.形而上学な会話をしたり.日本にもちゃんと形而上学研究者のコミュニティ(十人ほどらしい)かあることを知って驚いた.午後10時前に健康的にお開き.

二次会は駅の南側の〈Paul's Cafe〉にて.ベルギービールの「サタン」とか「マレール」とか.でも,気がつけばもう日が変わっていたりする…….この二次会から参入した瀬戸口さんにサインをいただく:瀬戸口明久『害虫の誕生:虫から見た日本史』(2009年7月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書793],217 pp.,本体価格720円,ISBN:978-4-480-06494-3 → 目次版元ページ).

◆ふらふらとホテルの部屋に転がり込んだら,音羽からメールが届いていた.ゲラに関する作業はすべて終わり.順調に進めば9月11日(金)には,遅くとも14日(月)には『分類思考の世界』の「見本刷」ができあがるらしい.お疲れさまでした>自分&関係者.※もうひとつだけ残務があるとしたら,それは「献本先リスト」の作成のみとのこと.

◆明日は午前中に,進化学会公開講演会〈ダーウィンの知られざる横顔〉(北海道大学学術交流会館,9:00〜12:00)を聴いてから,夕方のフライトで帰還することになる.

◆本日の総歩数=12327歩[うち「しっかり歩数」3842歩/37分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


3 september 2009(木) ※講演と用務に翻弄されて麦酒停

◆午前4時半起床.晴れ.札幌に来て以来,連日とてもいい天気が続いている.しかし,たとえ昼間は乾燥した夏日でも,日が暮れるとともに気温が急降下する.午前6時に早々と朝食をすませる.

◆朝早くからじたばたする —— 音羽から『分類思考の世界』の「索引」初校ゲラが届いた.『系統樹思考の世界』と同ページ数だ.すでに届いている「文献リスト」と合わせてできるだけ早くチェックを完了しないといけない.学会大会に遠くまで来ているにもかかわらず,諸事に追いまくられて,講演をほとんど聴くことができず,ホテルにカンヅメな日が続いている.そうだ,自分の講演準備の前に,高校生ポスター発表の審査用紙というのをつくらないといけなかったんだ…….午前8時過ぎ,高校生ポスター審査用紙と審査要領をつくり終えた.プリントアウトは大会事務局に頼もう.やっと午後の講演準備が始められるが,午後1時半のワークショップ開始までに残された時間は4時間しかない.午前10時過ぎにまず〈W1B ダーウィン進化論と科学史の現在〉のスライド20枚をつくる.その2時間後の正午過ぎ,もうひとつの〈W2B 生物学の哲学の現在:哲学と進化学の接点を探る〉のスライドを完成した.もう時間がないっ.

◆講演→ポスター→講演→表彰式 —— 午後の顛末はイッキに書いてしまおう.講演スライドがなんとか仕上がったので,すぐに支度をしてホテルを出発し,午後1時過ぎに会場に到着.まだ人気のない「B会場」に入る.〈W1B ダーウィン進化論と科学史の現在〉(13:30〜15:00)はぼくの講演から始まる:三中信宏「進化しつづける「樹」:ダーウィン以前,ダーウィン以降」.十分そこそこの短いトークで,ダーウィンの進化思想の底流である系譜学について話をした.

このワークショップが終わったのち,ポスター会場に直行し,高校生ポスター発表の審査に立ち会う.前日に依頼しておいた4名の審査委員に評価用紙を手渡し,約1時間の質疑時間の間に全五件の発表者の説明を受ける.ぼくは審査委員長なので見回るのみ.説明と質疑ののち,午後4時過ぎからとなりの本部室での審査委員会.ちょっと長引いて,最優秀賞の選出と授賞理由を書き終えたのが午後4時25分.再び講演会場にとんぼ返りだ.

午後4時半からはもうひとつのワークショップ〈W2B 生物学の哲学の現在:哲学と進化学の接点を探る〉(16:30〜18:00)での講演がしょっぱなにある:三中信宏「グローバルな科学哲学からローカルな生物学哲学へ」.生物体系学におけるポパー哲学の位置について話をしたのち,マイアーの「一人三役」に触れる.進化的総合の立役者が同時に生物学史を書き,しかも生物学哲学をも構築するということがいったい何を意味しているのかということ.これまた十分ほどの短い高座だった.他の講演では「相同」の多義性と「情報」の多重性にぬかるむことしばし.

このワークショップが終わったらすぐさまポスター会場に舞い戻る.午後6時半から高校生ポスターの表彰式がある.敢闘賞の賞状を全員に手渡し,さらに最優秀賞一件の表彰も.みなさん,たいへんおつかれさまでした.本日のめまぐるしい用務はこれにてすべて終わった.

◆濃厚ビールとともに薄れゆく意識と記憶 —— すべての用事が終わった午後7時過ぎ,すでに日はとっぷりと暮れて,昼間の暑さを忘れさせるような涼しさに包まれる.日中は半袖でもいいが,夜は長袖がほしい.星空が広がる.大会前から早くも拉致予告されていたので,ムダな抵抗はせずに,大会会場からそのまま拉致され,北18条駅から集団で地下鉄に乗せられて中島公園駅まで連行された.こういうときにじたばたしてはいけない.

中島公園駅の地上に出て,近くのビル地下にあるアヤシい〈麦酒停〉に潜っていく.ここに来たのは4度目のことか.札幌に来るたびに北大のワルい人たちにこの店に連行されては,記憶を書き換えられていた気がする.ビール缶が天井までずらりと並ぶ異様な店内.無国籍的というかジャンクというか.

たいへんたいへんご無沙汰しておりました.いつもどおりアヤシい風体ですねぇ.諸般たいへんでしょうが,ま,お互いにがんばりましょう.久しぶりの対面とともに,アルコール度数の高いビールまたビールまたビール……な夜を過ごし,いつのまにかMYTKセンセとさなださんが合流していたり,しだいに意識が薄れていくのがわかる.記憶もマダラになってきたなあ.気がつけば深夜1時前を過ぎていた.ほぼ燃え尽きた状態でタクシーでホテルに帰還したが,そのあとの記憶がぜんぜんありません…….1996年の「13年もの」のビールというのを最後にいただいたが,その色といい濃厚さといい,ビールであることをとうの昔に卒業したような威厳があった.

◆備忘メモをば —— 学会会場をぱたぱたと走り回っていたとき,サイコーにアヤシい風体のおおだち氏から,前に食べたいと言っていた「鹿肉ソーセージ」を冷凍で手渡された.時間がなかったのでお礼もそこそこに講演会場に駆け込んだのだが,どうもありがとうございました.札幌を離れるまではホテルの冷蔵庫に保管しておきます.実に食欲をそそるソーセージですねえ.感謝./東大の「保全生態学特論」はレポート課題の出題をパーフェクトに忘れ去っていた.すみませんでした.

◆本日の総歩数=8338歩[うち「しっかり歩数」2042歩/18分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


2 september 2009(水) ※進化学会初日のお仕事と懇親会

◆午前4時起床.夜明けが早い.ホテルの窓の外は快晴の空が広がる.午前6時半に一階のレストランにて朝食をすませた.夏季期間中は朝6時から開店しているという.朝型にとってはうれしい.

◆午前5時過ぎに音羽から『分類思考の世界』の「文献リスト」再校ゲラが送られてきた.インデントを変えてもらったので,可読性が格段にアップしたのはよかった.極小フォントサイズだが,刷り上がりで20ページにもなる.『系統樹思考の世界』よりもさらに密度が高い組版で,こんな新書がほかにはけっしてないだろう.ついでに,『分類思考の世界』の書影を公開した(オビ付きは二週間後の発売ののちに).滞在ホテルの窓際のカメラ撮影で(照明なし),ちょいと薄暗い写真ですが,姉妹本『系統樹思考の世界』と並べても違和感のない装丁配色だと思う(だから並べて平積みしてね>書店さん).

◆進化学会大会会場へ —— 午前10時半にホテルを出て,大会会場である「北海道大学高等教育機能開発総合センター」に向かう.北大キャンパスの南端から入ると,縦貫構内道路を延々と北上することになる.そうとう歩かないといけない.それにしてもキャンパスが広すぎるなあ.午前11時半から大会受付開始.ただし,今日はシンポジウムひとつに総会・学会賞授賞式・授賞講演そして夜は懇親会というイベントな一日なので,人出は遅くなるかもしれない.

◆その後,正午から,大会会場からほど近くにある,〈自由人舎 時館・北大店〉にて,進化学辞典の編集委員会が開催された.共立出版の担当者を交えての編集会議.この辞典のことは長期間放置してしまった.自分が書くべき担当項目がこんなにたくさんあるんですかっ! 執筆依頼の相手のメールアドレスはすぐに調べて連絡しますね.委員会参加者は,斎藤・河田・倉谷のお三方とワタクシの四人だけ.スープカレーをいただきながら,ずるずると雑談モードに入る.斎藤さんはもうすぐ進化学史の本をNTT出版から出すらしい.公開講演会の演者である倉谷うららさんは「ふじつぼ本」:Rebecca Stott『Darwin and the Barnacle』(2003年刊行,W. W. Norton, New York, ISBN:0-393-05745-3)の翻訳を手がけているとのこと.お疲れさまです.この本は出てすぐにニューヨークのストランド書店で買った.

◆大会会場にもどり,明日の高校生ポスター発表の審査委員をリクルートする.午後3時からは大ホールにて総会.ぼくは司会を勤めた.トラブルメーカーが今年は来なかったので,総会はさっくりと終了(たたき出す手だても準備完了).その後,いったんホテルにもどる.

◆学会懇親会はやっぱりビールでしょ —— 午後7時に,懇親会会場である〈サッポロファクトリービヤケラー札幌開拓使〉に向かう.てっきり駅の北側にあるサッポロビール園だと思い込んでいたが,実は駅の南側のちょっと離れたところにある大きな施設(サッポロファクトリー)の中にあるビヤホールだった.敷地も広ければ,店も大きい.今回の懇親会のように立食パーティでどんどん人が詰め込まれても,大丈夫な感じだった.

こんなに細長い店内だと,両端の間のコミュニケーションはほぼ不可能.スピーチがあってもよく聞こえないし.それでも,大量に飲み食いしてしまったなあ…….久しぶりな方々とお話ししたり,声をかけられたり.午後9時におしまい.ビールの飲み過ぎ.その後,北大の兇悪MIURA研究室のコロニーにトラップされてしまった結果,日が変わるまで二次会につきあってしまった…….そんなこんなで今日の講演準備(二つもある)がまったくゼロの状態でして.長年の学会経験でも初めてのことか.

◆うーむ,初日からこんなに弾けてしまってどーするんだろうか…….明日の「激務」は乗り切れるのだろうか,などと悩む間もなく,ホテルに帰還したのちたちまち爆睡モードに突入した(ようだ).

◆本日の総歩数=16697歩[うち「しっかり歩数」7297歩/70分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測.


1 september 2009(火) ※残務トドを連れて札幌への旅路

◆午前4時起床.台風は通り過ぎたようで,曇り空.東風が涼しい.気温は19.4度.

◆Mac G4 のご臨終 —— 明け方の農環研にて.長く使ってきた G4 だったが,今朝いつものように起動しようとしたら,画面が“砂嵐”になって「リスタートせよ」というヤバいメッセージが現われた.ついにご臨終なのかも.再度起動したら今度はメッセージも何も現われなくなって,線香を立てることになってしまった…….長い間ほんとうにありがとう.

—— というわけで,札幌に行く前に流すはずだったメーリングリストの月例アナウンスは出張から帰ってくる10日以降ということになります.

◆出発 —— 8:25発のTX快速に乗る.曇り空でやや蒸し暑いか.帰ってくる頃には残暑が去っていてほしい.午前10時前に羽田空港第二ターミナルに到着.団体カウンターで札幌行きの「ANA63便」の搭乗券を受け取って荷物のチェックイン.時間があったので,喫茶店で日録を書く.11:40,58番ゲートから登場.明日からの日本進化学会札幌大会に参加するとおぼしき,ポスター筒をもった人がちらほらと.

この便で札幌に向かう参加者が少ないのは当然だろう.大会そのものは明日の午後から始まるのだから.おそらく今日の午後か明日の午前の便で札幌入りする参加者が多いにちがいない.最初のもくろみでは,てっきり大会前日に評議員会があるものと思ってこういう旅程にしたのだが,評議員の参加が少なすぎると言うので,先日の大岡山での会議に切り替えられた.そのせいでこういう余裕ありまくりの日程になったしだい.まあ,引き連れてきたトドどもがいるので,ヒマ過ぎて息絶えることはない…….

定刻に羽田を飛び立った「ANA63」は,これまた遅延なく快晴の新千歳空港に着陸した.午後1時半すぎだった.同じ便だった斎藤成也さんとともにエアポートライナーで札幌に向かう.快晴で湿度も低く,本州からわざわざやってきた甲斐があったというものだ.

◆機中読書 —— Christine Hine『Systematics as Cyberscience: Computers, Change, and Continuity in Science』(2008年3月刊行,The MIT Press[Series: Inside Technology],x+307 pp.,ISBN:978-0-262-08371-3 [hbk] → 部分書評目次版元ページ)の続きを.しばらく放置していたが,『分類思考の世界』で言及したので,先を読む気になった.第2章「Science, ICTs, and the Imagining of Change」は一般論として情報通信技術(ICTs)が科学そのものにどのような影響を与えたかを科学社会学的に論じる意義を解説している.去年はここまで読んで放り出してしまったが,続く第3章「Computers and the Politics of Systematics」は生物体系学の現代史を取り上げていて意外におもしろかった.イギリスとヨーロッパでの生物分類データベースが国家レベルの事業として立ち上がってきたその背景を論じている.

◆車中読書(新千歳→札幌) —— 内井惣七『ダーウィンの思想:人間と動物のあいだ』(2009年8月20日刊行,岩波書店[岩波新書・新赤版1202],x+218 pp., 本体価格740円,ISBN:978-4-00-431202-4 → 版元ページ).著者のサインを札幌でいただかないと!(よろしく)

◆札幌到着後,すぐに滞在先の〈京王プラザホテル札幌〉に向かい,午後3時前に早々とチェックインした.メールチェックしたら,進化学会関連のものがいくつか届いている.細則変更に関する評議員投票(即返信)と総会の司会依頼(即了解).その後,締切を過ぎてしまった東大の専攻同窓会(紫工会)の原稿を送り,農環研のRP中間報告会の日程調整の返信をする.

◆夕方になったので,近くの紀伊國屋書店を徘徊したのち(ガイドブックを買わないと!),午後6時前に札幌駅北口の〈味百仙〉にて,魚をいただきました.銘柄は「醸し人九平次」,「酔鯨・うすにごり」,「三井の寿」,「十四代」,「飛露喜」あたりで.午後7時過ぎにはもうあがり(驚異的に健康タイム).ひとりだと密度が高くなるぅ.サッポロに来たからには「ラーメン&スープカレー&ジンギスカン」という黄金トリオが本筋かもしれないけれど,それはどうせ大会期間中にみんなと行くでしょうからね.実際,明日の学会懇親会も,その翌日に予定されているワルい人たちの飲み会もひたすらビールだもんね.

◆ホテル帰還後,ごそごそしているうちに,長旅の疲れかはたまたつれてきたトドたちがうるさいせいか,睡魔がやってきた.早めにご就寝でございます.明日からは昼夜問わず忙しくなるぞ.

◆本日の総歩数=9454歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.1kg(−0.5kg)/26.1%(+0.7%).


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