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日録2011年4月 


30 april 2011(土)※連休の農環研はマーラー試聴室

◆午前4時半過ぎ起床.穏やかな月末の朝は日の出が鮮やかだ.夜明けだけ見ていると,連日どーして午後になると雷が轟いたり雹やスコールが襲来するのか,とても想像できない.いまの気温は6.8度と涼しい.上空に寒気が居座っているかぎり,こういう不安定な気象になるらしい.

◆[欹耳袋]学会活動はどこまで「本務」といえるか —— 現在,農水省系の独法研究所では,横並びで,学会業務に対する「出張」は認められていないので,年休を取って参加することになる.正確に言えば,学会発表を伴う場合は公務出張とみなされるが,学会の評議員会とか編集会議のような用務のみの場合は公務出張は認められないということだ.だから,できれば学会の年次大会に合わせて会議を開いてくれるとありがたい.しかし,学会業務によってはそれだけでは足りない.インターネット電話を介しての電話会議とかスカイプは現実的な手で,わざわざ出かけなくてもすむというのはありがたい.しかし,対面での会議も場合によっては必要になる.学術集会の座長ならば出張OKだろうが,それ以外の委員会の座長(委員長)だとケースバイケースで,一貫した規則はなく事務担当者の判断しだいで決まると思う.

最近の公務出張では「研究打ち合わせ」という「ワイルドカード」は使えなくなってきて,どこでどのような内容の打ち合わせを誰とするのかを出張伺に書かせる.学会業務は公務ではないと明言されているので,そこはごまかしがきかない.また,農水省独法研究所では学会費の公費負担は現在行われていない.全農林の分会レベルでは職場要求として例年出しているところもあるが,「学会参加は個人の意志」という当局側の対応が続いている.

—— 学会発表や学会論文だけを「業績」として認めようというのはとても虫のいい話で,そういう学会システムを支える活動をすることに対するインセンティヴがまったくないというのは考えられない.

◆連休の研究所はパラダイス —— 午前中はよく晴れていたが,昼を過ぎてしだいに曇ってきた.気温は正午の21.3度を最高点として徐々に下がりはじめている.連休なのに農環研に潜入する.同じフロアは無人状態なのでさっそくジンマンのマーラー〈千人の交響曲〉を最大音量にて.快感〜.マーラーの大音響で部屋が揺れてるのかと思ったら余震だった.月曜の打ち合わせ用の資料を用意するという一仕事が終わったので,BGMをジンマンのマーラー〈7番〉にする.テノールホルンがぼーぼーと吠える冒頭.メーリングリストの月例アナウンスを早々に用意する.

◆連休寝読み本(其の弐) —— 山口昌男『内田魯庵山脈:〈失われた日本人〉発掘(上)』(2010年11月16日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・G245],東京,x+370 pp., 本体価格1,360円,ISBN:978-4-00-600245-9 → 情報目次版元ページ)ならびに 山口昌男『内田魯庵山脈:〈失われた日本人〉発掘(下)』(2010年12月16日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・G246],東京,x+455+40 pp., 本体価格1,600円,ISBN:978-4-00-600246-6 → 情報目次版元ページ).上下二冊合わせてほぼ900ページの山脈をやっと登攀完了した.内田魯庵の周囲に集まる有名無名の人びとにより緩くつくられた「市井の知識ネットワーク」を掘り起こして復元するのが本書の中心テーマである.

下巻末に付された「人名索引」だけで24ページもある.この登場人物の多さは本書全体をして長編大河ドラマを髣髴とさせる.知らない人名が次々に出てくるのがむしろ快感になってくるのはフシギ.こういう地下水脈があったとは驚きだ.主役たる内田魯庵はときには舞台上で大向うをうならせ,またあるときは舞台袖や奈落の底からその存在感を漂わせている.上巻に続くこの下巻でも,「いもづるネットワーク」(18〜19章)に連なる“無名”の人びとや「『本屋風情』遺聞」に見る柳田国男の性格の悪さをはじめ,たくさんのエピソードが拾われている.著者は主役である内田魯庵に惹かれつつもときに反発を感じている.このような知の「地下水脈」は今ではすべて喪われてしまった.

なお,上巻でそれぞれの章の準主役を張る坪井正五郎・市島春城・沼波瓊音・フレデリック・スタール・斎藤昌三の五人については,著者が監修している国書刊行会の「知の自由人叢書」で著作が復刊されている.また本書の姉妹編である:山口昌男『「敗者」の精神史(上・下)』(2005年刊行,岩波書店[岩波現代文庫], ISBN:4-00-600144-4 / ISBN:4-00-600145-2 → 版元ページ)と山口昌男『「挫折」の昭和史(上・下)』(2005年刊行,岩波書店[岩波現代文庫], ISBN:4-00-600140-1 / ISBN:4-00-600141-X → 版元ページ)もあわせて手にしたい.

◆晴れたり曇ったりの夕方.明日発信するメーリングリストの月例アナウンスをつくり終えて一休み.BGMは引き続きジンマンのマーラー〈4番〉へと進む.心地よし.最終楽章が「おうちへ帰ろうねー」と言っているので,そろそろ撤収かのう.外は曇り空だが雷雨の心配はなさそうだ.

—— 明日はさらに早く夜明け前からごそごそするので,今夜は早寝するという動議を自分会議で即決し即時施行された.

◆本日の総歩数=2684歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.9kg(+0.5kg)/29.1%(0.0%)


29 april 2011(金)※朝は薄明光線,夕方は雹が降る

◆連休初日も午前5時前に起床.曇りところどころ晴れ.気温は9.3度.今朝の夜明けの光景.東の空に雲がかかっていて,のぼる朝日から何条も「ヤコブの梯子」が伸びていた.つかの間のレンブラント光線のひととき.昨日の落雷で成仏した固定電話回線はまだ復旧していない.今日の予定は原稿書きあるのみ……って,せっかくの連休なのに平日となんにもちがいがないわいなあ.

◆[欹耳袋]ワタクシが通っていた高校は廃校になって今は影も形もない.おまけに意図的な不登校者だったので新入生答辞をするので入学式には行ったけれど,卒業式は欠席したし,公式行事は欠席が多かったし.そんなこんなで高校の「校歌」はもう断片しか覚えていない.−> Garbagenews.com「卒業した学校の校歌,まだ歌えます?」(2011年04月27日)./思わずのけぞる報道に最近よく遭遇するが,いま見た日経記事はタイトルが理解不能:日経「オゾンホールの破片,日本に飛来へ 紫外線増加に注意」(2011/4/29 15:28) ※「オゾンホールの破片」って何っ? 隕石みたいに飛来する? もう少し表現を考えないと.

◆お昼過ぎ,昨日から死んでいたNTT光ファイバーの固定電話回線がやっと復旧した.正午の気温15.5度.晴れ.南東の風が吹き抜ける午前中は寝読みがパラダイス.遠出をしない連休初日にふさわしいダルな過ごし方をしてしまった.

◆[欹耳袋]学会関連 —— この6月につくばでの開催予定だった第二回国際形態測定学ワークショップは,大震災を勘案して,9月に沖縄で開催されることになった:29月7日(水)〜9日(金):Second International Symposium on Biological Shape Analysis ,沖縄県男女共同参画センター(那覇)→ ポスター(jpg)|Third Circular(pdf)./これもまた6月はじめに愛媛大学で開催される科学基礎論学会大会の最終日に〈本質主義はもう死んでいる?〉というシンポジウムが開催されるらしい.知人たちが総出演する.一般人も科学者も哲学者もみんな「本質」大好きだよねえ.だから,「殺しても死なない本質主義」というのがワタクシの考え.

◆夕方の天変地異 —— ここ数日,午後になると積乱雲が湧き上がり,突風や雷雨が荒れ狂うという日が続いているが,今日は別格だった.夕刻5時半ころ,クレオに買出しに外に出たとき,北の筑波山方面の空に真っ黒な雲が湧き上がっていたので,「今日もヤバいかな」と予想はしていたのだが,ほんの少しの外出だから大丈夫だろうと油断して傘を持たずに出かけたのが運の尽き,午後6時前,狙いすましたようにピンポイントでがーっと雹が降ってきて,路面が氷の粒で覆われてしまった.雹の直径は1センチあまりあって,直撃されればイチコロ.無断路駐の車にとっては天罰そのものだったにちがいない.雹は短時間だけだったが,その後は滝のような集中豪雨になった.6時半になってようやくやや小降りになってきたので走って帰還.雹と集中豪雨のあとは竜巻の注意報が発令された:YOMIURI ONLINE「茨城・栃木・埼玉で竜巻発生の恐れ」.

◆[蒐書日誌]近刊情報 —— ロザリー・L・コリー[高山宏訳]『パラドクシア・エピデミカ:ルネサンスにおけるパラドックスの伝統』(2011年6月刊行予定,白水社,東京,本体価格7,600円,ISBN:9784560081471 → 情報).これまた殺傷力の高そうな本ですこと.わくわく.

◆連休初日の寝読み本 —— 阿部謹也『甦える中世ヨーロッパ』(1987年7月30日刊行,日本エディタースクール出版部,東京,vi+331 pp.,ISBN:4-88888-124-3 → 書評目次).だいぶ前に,本郷の〈ヴァリエテ本六〉で見つけてからときどき開いていたが,本日やっと読了した.NHK市民大学での講演をベースにした本で,語り口が心地よい.十五世紀を中心とするヨーロッパ中世を生きた人々の現実世界と精神世界に迫ろうとする.現実に生きた人々の具体的記録を踏まえた議論であるところが好ましい.中世の社会構造や文化的背景,産業の生産体制や職業分化,さらには社会階層による差別,精神的基盤としての在来宗教を上書きするキリスト教とそのはざまに根付く中世人の世界観と死生観などいくつものテーマが論じられている.

本書では,当時のヨーロッパを渡り歩いた騎士や学生らの姿が描かれている.著者は,中世ヨーロッパを放浪したトマス・プラッターに関する単行本:阿部謹也『放浪学生トマス・プラッターの手記:スイスのルネサンス人』(1985年7月5日刊行,平凡社,東京,224 pp., ISBN:4-582-47409-8)を本書に先立って出していることを思い出した.この本もまた買ったまま四半世紀の間ずっと積ん読になっていたが,ようやくひもとくことになりそうだ.

第11章「中世の音の世界」では,西洋中世における鐘(カリヨン)をめぐる詳細な論議がある.この章は,日本における「鐘」の社会文化史を論じた:笹本正治『中世の音・近世の音:鐘の音の結ぶ世界』(2008年4月10日刊行,講談社[学術文庫1868],343 pp.,本体価格1,100円,ISBN:978-4-06-159868-3 → 書評目次版元ページ)と響き合っている.また,最後の第12章「絵画に見る中世社会」では,ブリューゲルやボスの絵画に見られる中世の姿を論じている.以前に読んだ:森洋子『ブリューゲルの「子どもの遊戯」:遊びの図像学』(1989年2月刊行,未来社,ISBN:4-624-71052-5)や神原正明『ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』を読む』(2000年12月25日刊行,河出書房新社,東京,32 plates+192+vii pp., ISBN:4-309-26446-8 → 書評・目次)を思い出した.歴史のかなたの中世を現代から透視するのはチャレンジングで興味が湧く.

—— 本書は,クロス装の立派なハードカバーで(ぜいたくな造本),カラー図版がふんだんに載っていて最後まで楽しめた.

◆本日の総歩数=3013歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.4kg(−0.6kg)/29.1%(+0.5%)


28 april 2011(木)※連休前日は初夏の陽気のち雷雨

◆午前4時半起床.昨日は昼間は南風が吹き荒れ,夜遅くなって風雨が強まった.夜明け前まで雨が降っていたが,今は曇り空の向こう側から朝日がのぼりはじめている.気温は17.8度とじわじわと腐りそうな湿気と生暖かさ.南風が吹いている.窓を開け放つと風が通り抜けて気持ちいいのだが,湿気があるので床がべたべたしてくる.雨上がりの早朝はいったん日射しが射し込んだのに,その後また曇り空に戻っている.北の方に真っ黒な兇相の雲が湧き上がっている.季節は晩春でも空模様は初夏.気温18.2度,南西の風3メートル.BGMはシェーンベルク〈グレの歌〉by ケーゲル/ドレスデン.午前9時を過ぎて,やっと青空が広がってきた.よしよし.

◆┣┣" の遠吠え —— 学会関連の会議備忘メモ:計量生物学会評議員会,6月2日(木)17:30〜18:30 @大阪大学医学部銀杏会館・三階B会議室(吹田)/進化学会学会賞選考委員会,5月23日(月)16:00〜18:00 @クバプロ(飯田橋).BGMは〈巨人〉mit 花の章./某所に「打族」なるヒミツ結社がトツジョとして発生し,ワタクシは有無を言わさずその仲間に引きずり込まれた.「打族」です.「裸族」ではありませぬぞ.

◆[蒐書日誌]デューラー『人体比率論』 —— Albrecht Dürer『Vier Bücher von menschlicher Proportion: Mit einem Katalog der Holzschnitte herausgegeben, kommentiert und in heutiges Deutsch übertragen von Berthold Hinz』(2011年6月近刊,Akademie Verlag, Berlin, 314 S. mit 304 Abbildungen, ISBN:978-3-05-004912-0 → 版元ページ). 1528年出版のデューラー『人体比率論』の注釈書.

◆[欹耳袋]David Zinman / Tonhalle Zurich の『マーラー交響曲全集』が先ほど着便. 15CD+1DVDの計16枚で7,000円とはあまりに安すぎる〜.450円/枚だもんね.さて,BGMとして曲順通りに流しますかねー.

◆┣┣" のたわむれ —— 長らく懸案だった大┣┣" がようやく仕留められたとの電話連絡が先ほどあった.連休前に決着がついたのは幸い.長らくお待たせしました.これから関係者にメール連絡して,連休明けの始動に備えることにする.

◆日射しがさんさん昼休み.正午の気温は23.5度.タイタンの第4楽章が炸裂している.最後の花の章が終わったので,初夏の日射しの圃場を徘徊.ミニ谷津田の水田では,おたまじゃくしの群れが日なたの水たまりで元気に泳いでいた.以前はメダカもたくさんいたはずだが,ずいぶん減ってしまったのだろうか.ただし,農環研構内には別の場所にもっと大きなビオトープを増設したので,そちらの方で増えているのかもしれないが.

◆[欹耳袋]〈系統樹ウェブ曼荼羅〉第5回連載:三中信宏「鎖と樹と網:系譜のとり得るかたち」.今回は偽ルルスの錬金術書が登場したりする.回を追うごとにアヤシくなるな.今回はリクツっぽいが,次回の第6回連載はその続編になる.

◆午後は雷鳴が鳴り響く —— 午後になると雨が降るつくば.午後3時前,もくもくと暗雲が湧き立ってきたなと思ったらいきなり雨が降り出した.轟わたる雷鳴.BGMのジンマン〈マーラー5番〉がその雷鳴と絶妙に混じりあう.24.6度まで上がった気温はこの雨で急降下してきた.そうこうするうちに,すごい集中豪雨になってもうたいへん.夏の夕立ちみたいな降り方.午後4時前,一時間もしないうちに兇悪な雷雲は通り過ぎ,雨はもう上がって,ふたたび青空が広がってきた.さっきの雷雨がウソのような青空.

連休のはざまの東京農大高座(5月6日)のハンドアウトと出席カードをつくったので,今日はここいらで撤収することにしよう.一雨降って空気が入れ替わったのか,南からの暖風が一転して北からの冷たい風に変わった.涼しくなってよかったが,自宅のある竹園あたりはNTTの光ファイバー回線が落雷のせいか死んでしまって,インターネットだけでなく固定電話回線もあの世に逝ってしまった.緊急避難でE-mobileからつないでいる.雨上がりの真っ赤な夕焼け空.久しぶりに並木の〈マルゲンミート〉の揚げたてコロッケを食べてしまった.

—— 夜11時を過ぎても,固定電話も光ファイバーもまだあの世から帰ってこない.復旧は明日になるのだろうか.

◆そんなこんなでじたばたと花のゴールデンウィークを迎えるのだった.非日常イベントの予定は今のところ何もない.

◆本日の総歩数=4778歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(+0.5kg)/28.6%(−0.9%)


27 april 2011(水)※本日の夕暮れはセントポールズ

◆午前4時半起床.薄曇りで朝焼けは見えない.気温は8.2度.雲の向こうから朝日が高々とのぼってきた.南風が吹き荒れている.夏日になるという予報.今日は夕方までは自由に原稿を書く日.

◆[分類思考]本日の残響:Worn Chair「分類思考の世界」(2011年4月19日) /たぬき日乗「読書 『系統樹思考の世界』・『分類思考の世界』」(2011年4月19日).※読者の反響を拾っていると,『進化思考の世界』よりも,それに先立つ『系統樹思考の世界』や『分類思考の世界』の方がより長く響いていることが体感できる.その理由を筆者はよく知っている.

◆午前10時にはすでに気温が22.8度まで上がっている..夏日になるのかなあ.日射しがぎらぎらと眩しく,暖かいを通り越して暑い.半袖を引き出しの奥から引きずり出す.夏日になれば当然「アロハ+短パン+サンダル」という三点セットが正装.これさえあれば,ちょこざいな節電ビズなんかすべて吹っ飛ぶはず.

◆昼過ぎの大┣┣" 撃ち —— 正午の気温は23.8度.風速10メートルの南風って…….勁草書房編集部宛に大┣┣" 一頭を放流した.昨年末に原稿を書き上げてから四ヶ月ほど放置していた:中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る[仮]』(2011年刊行予定,勁草書房,東京 → 目次案)に所収される原稿.小見出しをいくつか追加し,論理数学に関する節は「BOX」に追い込んだ.その他,文章表現の見直しとか修正をした.引き続いて,図版を InDesign で組んだ改訂原稿を関係者に一斉送信し,これで二頭目の大┣┣" に手を降ったことになる.11メートルを越える南風が暖気をもちこんできて,午後は夏日が確実かな.たとえつくばから都内に遁走しても暑いことには変りない.一休みののち,さて,次なる┣┣" は同論文集の「あとがき」だ.各執筆者からの初稿を読んでコメントを返したときに,全体の縦横ネットワーク化をはかる論点は列挙してあったので,それをもとにあとがきの内容を検討しよう.

◆[蒐書日誌]岡田昌史(著者代表)『Rパッケージガイドブック』(2011年4月25日刊行,東京図書,東京,vi+483 pp., 本体価格3,800円,ISBN:978-4-489-02097-1 → 版元ページ).R本体ではなく,パッケージに関する本は初めて.ほぼ500ページの厚さがあるが,そのほとんどすべてを占める「Part 1: パッケージ集」は,Rの達人たちが推薦する「お薦めパッケージ特選リスト」になっている.汎用的な統計パッケージはもとより,医学統計学や金融工学に特化したパッケージやデータ可視化のパッケージもある.クラスター分析のパッケージ(DCluster, pvclust, kknn)は個人的に注目.ベイズ法のパッケージ(MCMCpack, R2WinBUGS, coda)も参考になる.その他2000以上も公開されているというRパッケージ群を一般ユーザーが鳥瞰的に見渡すことはほとんど不可能なので,こういうガイドブックはたいへん役に立つ.知らないパッケージがありすぎて困ります〜.なお,本書で使われているRスクリプトはすべて版元ページからダウンロード可能.

◆[欹耳袋]たしかにかわゆい —— MailOnline News「Revealed in every tiny detail: The secret life of harvest mice as never seen before」(22nd September 2010).

◆夕方のセントポールズ —— さて,そろそろセントポールズに向かうとするか.しだいに雲が厚くなってきたが,煽りまくる南風が暖かすぎてどうしようもない.池袋から立教通りを西に進むとしだいに雰囲気が華やいできた.夕刻の立教大学キャンパスはサークルの勧誘がいっせいに行なわれているらしく,新入生をはじめ学生の密度がとても高かった.例年ならば4月はじめにあるはずなので,大震災の影響で遅れたのかもしれない.午後5時から五号館一階の会議室にて生物地理学会の評議員会.今月はじめの年次大会が大震災のため中止になったので,それに代わる会議ということ.決算と予算や学会誌編集などさくさくと議題は消化され,午後6時前には解散となった.その後,近くのもつ鍋屋にて懇親会.

—— 夜遅くなって本降りの雨が降り出した.どうも今年の春雨は元気すぎて風情に欠ける.来んな降り方では濡れていこうかという気にはなれない.

◆本日の総歩数=5811歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.5kg(−0.3kg)/29.5%(+0.1%)


26 april 2011(火)※朝焼けが拝める毎日はシアワセ

◆午前4時半過ぎ起床.淡い朝焼けののち日の出を拝む.気温は5.5度.本日もつくば実在.今日も朝から一足早い五月晴れ.午前7時の気温は10.2度.無風.とっても気持ちがいいので,朝のBGMはマーラー5番の葬送行進曲から始まる.O. Suitner / Staatskapelle Berlin の古い録音.ふと気がつけば,今年の「花粉の祭典」はもう幕がおりていた.よかったよかった.

◆快適な朝の┣┣" 撃ち —— ゴールデンウィークに突入する前に,来月の出張伺・年休届・兼業願を耳を揃えて出しておこう./いつの間にか┣┣" 放牧場からは新参者たちが消え失せて,牢名主┣┣" どもしかいなくなった.

◆[欹耳袋]久しぶりに〈フィールドノート〉を新調した.ここ数年,Moleskine・TiddlyWiki・Rhodia・Twilog などいろいろと新しい「メモ用紙/メモツール」に手を出してきた.それぞれに一長一短があり,長続きしたりしなかったりだったが,きょう古巣の〈フィールドノート〉にふらりと舞い戻ってみた.長年ワタクシが使ってきた〈フィールドノート〉は,〈Lucky〉製の罫線なしB5ノート「White Superior Note」.パーフェクトにまっ白なノートで,都内では銀座の〈伊東屋〉でしか見たことがない.この「White Superior Note」はほぼ二十年間使い続けてきたノートブックで,他の電子ツールをさしおいて,ダントツの長命を保っている.いっさいの罫線なしで書きやすく,しかも中性紙なので保存性にもすぐれている.ロットリング・ペンがベストマッチ.たとえば Art Pen とか Core(廃盤)とか.

紙メモ用紙の私的ベストセレクションは,A4サイズの反古紙を2×2に切ったもの.大量に不要紙(所議資料とか)が出たときはざくざく切って居室の方々に積み上げておく.アタマに覚えさせるよりも,紙に覚えさせるのがまちがいがないから.A4サイズの紙を2×2の四分割したものは,ロディアの「Bloc Rhodia No. 13」とほぼ同一の大きさなので,整合性がとれて快適.メモの持ち歩きには Filofax のカードフォルダー「5PCL」(廃盤)をここ四半世紀は使い続けている.一時期「Post-Itノート」を使ったこともあったが,整理しきれなくなってやめてしまった.

—— なんのかんのと言って,やっぱり“紙”が好きなんだろうな.

◆暖かく晴れた午前.今の気温は18.2度,南風がほかほかしている./所内の業績評価結果通知書が届いた.今年は「a」と「b」で「A」./来月の「不在届」一式は出してしまった.さて,原稿┣┣" 二頭を追うとしようか.

◆[進化思考]本日の余響:きれいづくし〜文学と美術のまにまに〜「三中信宏 「進化思考の世界」2010 読中メモ/「一つの事象に二つの理論」について」(2011年2月11日).

◆午後の原稿┣┣" 撃ち —— リチャード・フォーティ[渡辺政隆・野中香方子訳]『乾燥標本収蔵1号室:大英自然史博物館 迷宮への招待』(2011年4月25日刊行,NHK出版,東京,451+10 pp. +32 color plates, 本体価格2,500円,ISBN:978-4-14-081473-4 → 目次版元ページ)の書評原稿を日経サイエンス編集部に送った.5月末発売の7月号に掲載予定とのこと.本書は,数ある自然史系博物館の頂点に君臨するロンドンの大英自然史博物館を舞台にして,その長い歴史のタペストリーを織りなす人物とコレクションの物語である.一般の来館者が歩きまわれるこの巨大な博物館の展示フロアの背後には,もっと広大であやしい世界が広がっていることを,読者は著者に先導されながらひとつひとつ見聞することができる.また,この本には他では見られない貴重な写真がたくさん載っている.Gavin de Beer の御真影は初めて見たなあ.

◆[分類思考]本日の残響: @KNZSdaichi via TweetMore「22.『分類思考の世界ーなぜヒトは万物を「種」に分けるのか』(三中信宏)」(2011年4月24日)/「種」の定義をめぐるツイッターでのやりとり(2011年4月24日〜).

◆午後の最高気温は20.7度まで上がった.今週は夏日のような陽気が続くらしい.湿度も低く,一年の中では過ごしやすいシーズン.ゴールデンウィーク中はどこにも出かけないが,あいまに講義が入ったりしている.明日は池袋で生物地理学会の評議員会がある.大震災により中止になった大会に代わる会議ということだ.久しぶりにセントポールズに行く.

◆本日の総歩数=3715歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(−0.4kg)/29.4%(+0.1%)


25 april 2011(月)※萌え出る新緑が鮮やかな快晴日

◆いつも通り午前5時前起床.晴れ.気温は5.7度とやや冷え込んでいる.ほんわかした朝焼けの向こうから真っ赤な朝日がぐんぐんのぼってきた.朝方の最低気温は5.3度だったが,朝日とともに気温も上昇.いまは10.8度.国道408号沿いのフウノキの新緑がみずみずしい.BGMはギドン・クレーメル(Vn)の〈バッハ無伴奏〉.聴くのに体力が必要.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今月ももう最終週なので,ゴールデンウィーク前に┣┣" 放牧場のお掃除など管理業務などちまちまとしてみる.「もうええやろ」という賞味期限┣┣" どもは一括して廃棄処分した.新規堆積┣┣" と変成岩┣┣" の山を机の上にそれぞれ積み上げてみる.その他,来月の┣┣" 撃ちカレンダーやリストを記入したり.古いロットリングペンが「インク詰まり」のまま引き出しの奥から転がり出てきた.ただいま浸水処理にて固まったインクを溶かしているところ.ロットリングは水溶性インクだから,ペン先を半日も水に浸けておけば元通りに書けるようになるにちがいない.

◆[蒐書日誌]あらま,ギドン・クレーメルの伝記とエッセイ集はすべて日本語訳があるんだ —— Gidon Kremer『Kindheitssplitter』(1993年刊行[1997年1月],Piper, München[Serie Piper 2391], 232 pp., ISBN:3-492-22391-5 [pbk]).日本語訳は:ギドン・クレーメル[山本尚志・馬場広信)]『ちいさなヴァイオリン:ギドン・クレーメル自伝』(1995年5月刊行,リブロポート,東京,ISBN:4845710129)/Gidon Kremer『Obertöne』(1997年刊行,Residenz Verlag, Salzburg,293 pp., ISBN:3-7017-1063-5 [hbk]).日本語訳は:ギドン・クレーメル[カールステン・井口俊子訳]『琴線の触れ合い』(1997年刊行,音楽之友社,東京,ISBN:4276217326)/Gidon Kremer『Zwischen Welten』(2003年刊行,Piper, München,385 pp., ISBN:3-492-04459-X [hbk]).日本語訳は:ギドン・クレーメル[臼井伸二訳]『クレーメル青春譜 : 二つの世界のあいだで』(2007年12月刊行,アルファベータ,東京,ISBN:9784871985529)

—— いずれも原書は手元にあるのだが,日本語訳が三冊ともそろっていたとはぜんぜん気づかなかった.当然と言えば当然.知らなかった方がウカツ…….

◆曇り始めた昼休み.午前中,関西では風雨が強かったらしい.天気予報によると関東も午後は天気が不安定になると言っていた.また雷雨になるのかな.とつぶやいているうちに,午前の青空から一転していきなり険悪の空模様になりつつある.南の方角を見ると遠くで雨が降っている.そのうち遠雷が轟きはじめた.雨雲が南からしだいに迫ってくる.そのうちぽつりぽつりと雨粒が強い南風とともに落ちてきた.しかし,回復も速攻で,一時間もしないうちに何ごともなかったかのように,日射しがさんさんと降り注ぐ青空に戻っている観音台.めまぐるしいな.

◆[蒐書日誌]著者からのいただきものが本日着便.感謝です! —— 佐倉統(編著)『科学の横道:サイエンス・マインドを探る12の対話』(2011年3月25日刊行,中央公論新社[中公新書2104], x+274 pp., ISBN:978-4-12-102104-5 → 版元ページ).科学をめぐる対談集.対談相手は:茂木健一郎・浦沢直樹・児玉幸子・吉松隆・堀江敏幸・牛場潤一・黒田龍之助・元村有希子・小川眞士・三好春樹・嘉田由起子・東浩紀の計12名(登場順に).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 勁草書房『文化系統学への招待』の「まえがき」原稿を読んだので「あとがき」原稿をそろそろ書こうかな.来月が山場なので,ゴールデンウィーク前に目処をつけておきたい./メーリングリスト業務をしばし.年度始めは異動が多い./賞味期限が切れた┣┣" の大半は昨年度の業績アイテム.年度末にまとめて出そうと思ったら,あえなくタイムアウトになっていた.受賞したり増刷されたりという“業績”もあるのだけれど,そんなことより“緊急放射能対応”の方が農環研的には大切とのことなので,期限切れアイテムはすべて即座にゴミ箱行きとする.今後も登録申請しない“業績”をあえてつくることにしよう.アウトプット管理の主導権は自分にある.

◆[欹耳袋]さっき見たmsn産経ニュースのとある無記名記事に「大東亜戦争」とか「敵性国家」とか「利敵行為」というキーワードががんがん出てくる.大震災以降,読むべき新聞と読んではいけない新聞の判別がとても容易になってよかった.ホンネくんが丸見えだし(隠す気がさらさらない)./東京農大・昆研から年に何回か送られてくる『昆研OB会ニュース』.前半は行事予定に関する事務連絡だが,後半はいつも所属学生による「採集記」が載っている.ピュアな昆虫少年(と虫愛づる姫君)たちが健在であることをいつも確認している.

◆午後5時前にさくっと撤収.きょうは夕焼けがきれいだなと見入っていたら,ぐらりと一揺れ.まったく油断も隙もないな.

◆本日の総歩数=2701歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.4kg(+0.4kg)/28.9%(+0.1%)


24 april 2011(日)※春の新座にてチャペルと八重桜

◆午前5時前に起床.斑雲が飛んでいるが,久しぶりに青空が見えている.気温は10.9度.昨日の強い雨のおかげで,今朝はぼやけた春霞とは無縁のクリアな遠景が広がっている.路面はまだところどころ濡れているようだが,日射しは暖かい.いい日和になりそうだ.

◆[欹耳袋]日本著作権教育研究会から連絡あり.今年の成蹊大学経済学部の「国語」第一問として,松本俊吉(編著)『進化論はなぜ哲学の問題になるのか:生物学の哲学の現在』(2010年7月20日刊行,勁草書房,東京,viii+238 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-326-10198-6 → 目次版元ページ)に所収されているワタクシの記事「系譜学的思考の起源と展開:系統樹の図像学と形而上学」(pp. 141-161)から出題されたとのこと.出題された部分は分類群の形而上学的地位に関する段落だが,種タクソンと種カテゴリーに関する存在論を受験生に出題するのはかなりかわいそうかもしれない.ごめんなさいごめんなさい.受験生を困らせるために書いたわけではないんだけど.

自分で本を書くようになってから,大学入試に出題される経験回数がしだいに増えてきた.それとともに,出題者の「目」というか「ねらい」がだんだん見えてくるのはおもしろい.ときには,ワタクシが受験生だったら「正解」にたどりつけないだろう設問もあったりする(汗).いまのところ年に数回しか入試出題がないが,葉山のマリコせんせみたいに毎年数十校で出題されるようになると「小林秀雄」並みの常連さんになるのだろうか.かつて受験生だったころ,模試や入試で現国の問題を見るたびに,「どこの阿呆がこんなもったいぶった文章を書きやがって」と悪態をついたものだ.それが,今になってまさか自分がそう言われかねない状況になろうとは予想もしていなかった.

—— それにしても,入試出題者は「species」の話題が好きみたいですな.受験生の「点差」がつきやすいのかなとか邪推してみる.

◆春爛漫の新座にて —— 午前9時すぎ.とてもいい天気だし,そろそろ新座方面に出撃するかな.今の気温は15.4度.南風が吹き込んでいる.雨上がりの快晴で新緑が鮮やかだ.季節は春から初夏へ移り変わってきた.常磐道から外環を走り抜け,新座のとあるグラウンドにて時間を過ごす.

終日とても穏やかな日和で,八重桜がまだ散り残っていた.帰路,常磐道の三郷ジャンクションから茨城方面を見やったら,いかにも兇悪そうな黒い雲がむくむくと湧き上がっていた.上昇気流で局所的に雷雲が発生したようだ.灰色の雷雲が広がる周囲は青空が取り巻き,夕焼けに赤く染まる不思議な光景だった.オランダの風景画にありそうな構図.

遠雷が轟く中をつくばに帰り着くとほぼ同時に大粒の雨がぽつりぽつりと降りだした.風の動きも不穏だ.その後いったんあがって夕焼けになったが,夜ふたたび雨足が強くなってきた.夕方近くのヘンな時間帯に朝霞でラーメン&餃子を食べてしまったのが災いして夕食は抜くハメになった.

◆本日の総歩数=4902歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜−.計測値(前回比)=94.4kg(+0.4kg)/28.9%(+0.1%)


23 april 2011(土)※夜明け前から本降りの雨が降る

◆午前5時前に目が覚めたら,外は本降りの雨になっていた.本日,洗濯物はすべて室内干しか…….雨がざあざあと降り続いているなかを東京に出るのはやだなあ.

◆来月の┣┣" 撃ち —— 東京農大・昆研の新歓合宿は来月5月14日(土)〜15日(日)に塩山の〈ペンションすずらん〉にて.気力と体力を整えておかないとサバイバルできないぞ.※今年の新三年生って全部で「31名」もいるのかー.毎年のことだが,他大学ならば「学科」並みの規模の研究室ってこと.

◆[欹耳袋]映像出まくり(1) —— Earth Spirit / Science Channel Broadcasting Service〈Noah's Ark in the 21st Century, Biodiversity: Species & Seeds〉(2010年9月制作,DVD: B091806-001)が,今年ドイツで開催された〈World Media Festival 2011〉のドキュメンタリー部門で金賞を受賞した.もとの日本語版は:アース・スピリット(企画・制作)〈21世紀のノアの方舟・生物多様性〉(2009年制作/2010年3月11日リリース,DVD,44分).農環研での取材のときには,ワタクシも構内の圃場で出演したり語ったりしている.

◆雨の中,今日も駿河台へ —— 小雨の中,つくば駅に駆け込む.10:32発のTX区間快速に乗ってこれから都内へ.八潮あたりで,空が明るくなって日射しが射し込む.御茶ノ水界隈は傘いらずの曇り空.所用はおしまい.一瞬だけ雲間から日が射したがすぐまた灰色の空に戻って雨がぱらぱらと降りかかる山の上ホテルの丘.

◆本日のランチは数年ぶりに,神保町交差点近くの神田古書センターにある欧風カレー〈ボンディ〉本店にて「チーズカレー」をば.長年にわたって行列のできるカレー店は健在だった.いつも“前菜”で出てくる茹でジャガイモをもぐもぐ食べてしまって,“メイン”が登場する前に間が空いてしまうのだが,今日は写真撮影のためぐっとガマンする.その間にも次から次へとランチ客が入ってきて,すぐ満席になってしまった.久しぶりの〈ボンディ〉に満足(満腹)して外に出たら,いきなりスコールがざあざあ降ってきて濡れネズミに.こりゃたまらんと新御茶ノ水駅に逃げこむ.こんな横殴りの降り方では傘なんかなんの役にも立たない.

◆帰りしなに,湯島で途中下車して,〈うさぎや〉で久しぶりにどらやきを買った.千代田線に戻り北千住で降りたらまた土砂降りだ.ものすごい集中豪雨で,屋根があるのに北千住プラットホームで濡れまくる.雨雲が都内から追いかけてきたかのようだ.湿度が高いとたとえ気温が低くても蒸し暑く感じる.地下鉄とか地下街とかもうサイアク.

◆[欹耳袋]映像出まくり(2) —— 2月8日〜10日に九大・比社文で開いた「統計高座」のヴィデオ映像が公開された(YouTube):〈2011三中先生の集中講義〉.あとで〈租界R〉にも載せておこう.[追記:載せました → 「統計高座中継」]

◆都内はどうしようもない降り方だったが,つくばに帰ってきたら曇り空で湿った風が吹きすさぶのみ.しかし,そのうちこっちも本降りの雨になってしまった.夜になっても降ったりやんだりが続いている.

◆本日の総歩数=4245歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=94.0kg(+0.2kg)/28.8%(−0.8%)


22 april 2011(金)※半年ぶりに農大の高座に上がる

◆午前5時前起床.曇り.気温10.3度.昨夜から HootSuite がトラブってるみたいで開けない.緊急避難として TweetDeck の出番.ツイートが届くたびにキツツキみたいなドラミングが MacBook Air から響いてくる.

◆朝早く今年度の桜丘初陣へ —— 今日は朝イチで経堂に向かう.講義初日なので持ち物チェックを入念に.初回は講義全体のガイダンスと,あとは「統計曼荼羅」さえあればいい.午前7時すぎにそわそわと仕度完了.外は曇り.つくば駅から7:26発の快速に乗り込む.こんな時間帯にTXに乗るのは初めてかも.南流山でぎゅうぎゅう詰めになり,北千住にて眼鏡を吹っ飛ばされそうになりながらも下車.久しぶりに朝のラッシュアワーに翻弄されつつも小田急に乗り継ぐ.都内は曇ってはいるが晴れ間がのぞく空模様.午前9時過ぎに経堂で下車.ハートフル農大通りを下って,東京農大・世田谷キャンパスに到着.薄曇りときどき晴れ間で暖かい.ずいぶん早く着いてしまって,お座敷までは時間が一時間ほどあるので,講師室にてしばし淀む.

「実験データー解析概論」(10:40〜12:10)の初日は昨年と同じく112号室にて.履修登録までは学生も流動するので,初回だけは多めに配布物を用意するようにしている.今日も130枚ほど持っていった.戻されてきたのが10枚ほどだったので120名くらい集まったということか.初回は,半年間の講義全体の見取り図(やり方と成績評価など)を話してのち,統計曼荼羅に沿ってコンテンツを鳥瞰した.次回の高座は5月のGW明け.例年よりも一月ほど遅れたが,やっと概論に入れる.

◆経堂駅のまわりを徘徊するランチタイム —— 桜丘での最初の高座を終えて,経堂駅前をしばし徘徊しまくった後,すずらん通りに面した〈らーめん英〉にて「角煮ラーメン」をいただきました.大きな豚の角煮としっかり味のしみたゆで卵.とんこつ味で麺はバリ硬でキマリ.すぐ近くにある〈遠藤書店〉は,今まで入る機会があまりなかった.昨日は時間があったので書棚をブラウズしてみたら,なかなかいい品揃えだった.また機会を見つけて再訪しよう.

◆[欹耳袋]経堂な情報ソース —— 〈経堂系ドットコム〉.経堂あれこれ./〈経堂コルティ〉は4月26日オープン.GW明けの高座に行くときはもう開店しているわけね.

◆経堂をあとにして御茶ノ水へ —— 午後3時過ぎにJR御茶ノ水駅前の喫茶〈穂高〉に入り,系統樹ウェブ曼荼羅のゲラ読みをしているところ.HootSuite が目覚めてよかったよかった.都内は日射しもなく吹く風は冷たいが,湿度が高いせいか,あまりさわやかな感じはしない.系統樹ウェブ曼荼羅のゲラ校正終了.あと一時間もすれば対面で会うのだが,その前にメールでさっさと┣┣" を放流してしまう.よろしくよろしく.いま読んでいる書評本:リチャード・フォーティ[渡辺政隆・野中香方子訳]『乾燥標本収蔵1号室:大英自然史博物館 迷宮への招待』(2011年4月25日刊行,NHK出版,東京,451+10 pp. +32 color plates, 本体価格2,500円,ISBN:978-4-14-081473-4 → 目次版元ページ)の中で,「いつも陰鬱な顔をしている」と書かれていたBMの珪藻研究者からツイッターでDMあり.いささか暴露的なフォーティ本は「なかのひと」もくすりと楽しんでいるみたい.珈琲をすすりつつ本を読んでいたら雨がぱらついてきた.しかし本降りではない.午後4時前,〈穂高〉を出て御茶ノ水橋口前のすれちがえないほどの細い路地に潜り込み,画廊喫茶〈ミロ〉に入る.かつての魔都・上海のいささかヤバい裏道にある隠れ家みたい.渋谷・道玄坂の名曲喫茶〈ライオン〉と同じく“遺存種”のような喫茶店がここにも生き残っていた.

◆NTT出版の担当編集者氏と小一時間の打ち合わせをすませてから,夕暮れのつくばに帰還.午後6時半でもう夕闇がおりている.今夜の夕餉のお供は,笠間稲荷の向かい側にある笹目宗兵衛商店の〈松緑〉.純米吟醸と本醸造の「ふなくち(原酒)」.まずは本醸造から開栓する.塩鶏のローストとともに.

◆[欹耳袋]今年のつくばでの中央メーデーは,例年のデモ行進はなく,その代わりに大震災被災地支援イベントをやるそうな.とてもいい決断だと思う(ので参加しよう).

◆[蒐書日誌]ジェラード・チェシャー[駒田曜訳]『進化論の世界:生き物たちの歴史物語』(2011年4月20日刊行,創元社[アルケミスト双書],東京,ISBN:978-4-422-21485-6 → 版元ページ).いったいどんな本だろうか.

◆本日の総歩数=9368歩[うち「しっかり歩数」1968歩/18分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(+0.2kg)/29.6%(+0.1%)


21 april 2011(木)※どんより曇り空に頑張ってみた

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ.気温は7.5度と昨日の氷点に比べればずいぶん暖かい.5:32に直下型でずしんと揺れた.明け方よりも雲が厚くなってきた.午前8時の気温は8.8度で,北寄りの風が冷たい.今日は農環研にずっと実在する.

◆セント・ポールズ方面で小┣┣" ども出現 —— 生物地理学会評議員会,17:00〜,立教大学(池袋)5号館・1F第一会議室(→マップ)/『生物科学』編集会議,5月14日(土)15:00〜17:00,立教大学(池袋)太刀川記念館.

◆[蒐書日誌]類は友を呼びまくる —— 岸田泰則(編)『日本産蛾類標準図鑑 I』(2011年4月19日刊行,学研教育出版,東京,352 pp., 本体価格25,000円,ISBN:978-4-05-403845-5 → 目次版元ページ)/岸田泰則(編)『日本産蛾類標準図鑑 II』(2011年4月19日刊行,学研教育出版,東京,416 pp., 本体価格25,000円,ISBN:978-4-05-403846-2 → 目次版元ページ).たった二冊で重すぎる.続刊となるミクロレピ編でさらに二冊が予定されているという.総論編はつい最近出た大著:駒井古実・吉安裕・那須義次・斉藤寿久(編)『日本の鱗翅類:系統と多様性』(2011年2月20日刊行,東海大学出版会,東京,xx+1306 pp., 本体価格40,000円,ISBN:978-4-486-01856-8 → 目次版元ページ)を参照するべし.

なお,同じ学研教育出版から:白水隆(著)『日本産蝶類標準図鑑』(2006年8月8日刊行,学研教育出版,東京,本体価格7,000円,ISBN:978-4-05-202296-8 → 版元ページ)が出版されている.現在,品切(重版未定)とのこと.もともとチョウは好きじゃないので買わないけど,つくりがほぼ同じ本なのに「蝶」は定価「7,000円」で「蛾」は定価「25,000円」とはこれいかに…….刷り部数の差別ありまくり(しかたないか……).

ついでに —— 先月,家庭内でのシレツな攻防を繰り広げたたきぽろりんさん(→「日本産蛾類標準図鑑をめぐる予算委員会の攻防」2011年3月11日付)の後日譚を読む:たきぽろりん「今日という素晴らしい日の思い出」(2011年4月18日).この記事によると,みごと攻防に攻め勝った著者は念願の「ブツ」を手にしたそうだ.

◆外は相変わらずどんより曇天.午後になって,やっと空が明るくなって雲間から陽光が射し込んできた.おやつタイムの気温は13.2度.英語でのツイートって「文章」を書くにはあまりに字数が不足していることをたったいま痛感した.日本語ツイートがたくさん書き込めるからと言ってシアワセかどうかはわからないけど.

◆昼下りの┣┣" 放牧場 —— 明日は東京農大「実験データー解析概論」の初回講義.配布用のハンドアウトなどを抱えて撤収なう.選択科目でしかも履修登録前なので模様眺めの学生が来るだろう.毎年,初回だけは130名分のプリントが必要になる./居室にずっといると足元をフナムシのように動き回る小┣┣" どもがうるさいのなんのって…….それよりも,ずっと放置していた某辞典の┣┣" どもが上流から大量に放流されそうな気配が濃厚だ(大汗).どこかに緊急避難するしかないか,それともこの場にとどまって顛末を見届けるか.

◆[欹耳袋]国ごとの事情はさまざま:「Education: The PhD factory」20 April 2011 | Nature 472, 276-279 (2011) | doi:10.1038/472276a.

◆〈系統樹ウェブ曼荼羅〉第5回連載記事「鎖と樹と網:系譜のとり得るかたち」のゲラが届いたのでチェックしている.今回はリクツっぽいかも.

◆[欹耳袋]この7月末に京都で開催される SMBE では,ポスター発表が「18:00〜22:00」という強行軍な時間帯に設定されている.昼下がりに3時間くらいシエスタを(自主的に)取らないとダウンする参加者がいるにちがいない.そもそもワタクシは日程がバッティングしているサンパウロの Hennig XXX を優先しないといけないんだけどね(だから進化学会大会も初めてパスすることになる).

◆本日の総歩数=2521歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|○.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.6kg(−0.3kg)/29.5%(−0.3%)


20 april 2011(水)※穀雨の明け方は氷点の冷え込み

◆午前5時前起床.真夜中に+0.2度まで下がったが,これからさらに冷えるかもしれない.昨日の黒雲は消え去って青空が広がっている.昨日の午後4時ころ,藤代市内でヒョウが降ったらしい.真っ黒な兇雲が通過していたときだろうか.荒れ模様の天気だった.今朝の最低気温は0.0度の氷点まで下がった.その後は青空が広がって北風もやみ,日射しとともに順調に暖かくなってきた.午前8時の気温は7.9度.

◆ずっと先の高座の件 —— 大津にある京都大学生態学研究センターから〈生態研セミナー〉の講師依頼があった.来年2月24日(金)13:00〜17:00とのこと.だいぶ先のお座敷だが,依頼主の椿宜高さんにはOKの返事を返した.滋賀の生態研センターに行くのはこれが初めてだ.やっと生態研デビュー.※恥ずかしい変換ミスをしないように「生態研」はちゃんと辞書登録しておこう(笑).

◆新緑が萌える都内 —— 今日は早めに本郷に出没することにしよう.つくばセンターを吹きわたる風はやや冷たいが日射しがまぶしい.9:25発のTX快速に乗る.4月4日から朝夕の通勤時間帯にかぎり平常通りのダイヤに復帰したのはありがたい.これから都内に出て本郷に向かう予定.前回来たときは都内は桜が満開だったが,もう季節は先に進んでいた.

◆[蒐書日誌]神田〈東京堂書店〉でケンブリッジ大学出版局フェアが開催されていた.目に留まった本はこれ:Judea Pearl『Causality: Models, Reasoning, and Inference, Second Edition』(2009年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:9780521895606 [hbk] → 版元ページ).科学哲学色が濃厚なのがいいな.検索してみたら「和訳」が出版されていることを知った:Judea Pearl[黒木学訳]『統計的因果推論:モデル・推論・推測』(2009年2月刊行,共立出版,東京,本体価格8,500円,ISBN:978-4-320-01877-8 → 版元ページ).これは2000年に出た原書初版の翻訳のようだ.

お昼前の本郷通りは日射しが暖かかった.若葉が色鮮やかな弥生キャンパスを横目にして,東大農学部正門前の〈大きなかぶ〉に入る.ランチタイムは満席のこともあるが,昼前なのでまだ空いていた.日替わりの玄米定食を注文.二月にちょいと値上げされたとのことだが,たまにしか来れないし,うまいからすべて許そう.デザートに蒸かした甘藷が二種類出てきた.外は穏やかな青空で,農学部キャンパスの新緑がとても心地よい. 昼食後,農学部内の隠れ部屋にじっと潜む.

◆午後1時から始まった東大農学部の教員会議は3時間あまりかかって午後4時過ぎにやっと終わった.年度始めということもあり,議案┣┣" が牛小屋のようにずらりと並ぶ.学生が東大を退学するスタイルには「自主退学」と「命令退学」という二つのやり方があることを知った.自主退学の場合は将来的に復学の可能性があるらしい.その他,学年暦に沿って新規┣┣" が大量発生した:

  • 教員会議の日程確認(年度内)
  • 駒場ガイダンス:5月[非番]
  • 大学院ガイダンス(外部生):6月17日(金)16:00〜
  • 専攻歓迎会:6月21日(火)専攻ソフトボール大会後の交流会
  • 研究会議(設計会議みたいなもの):6月22日(水)16:00〜17:30
  • 専修見学旅行:7月7日(木)〜8日(金)[非番]

—— 会議後,日も翳ってきたことだし,おとなしくつくばに買えることにしよう.午後5時半,つくば着.ロータリーで冷たい東風に吹かれつつ帰宅する.今日は都内の方が穏やかな日和だった.

◆ぐっと近場の高座の件 —— ここ数年,毎年5月に行っている大垣〈情報科学芸術大学院大学(IAMAS)〉の単発講義「芸術情報学演習」の日程調整.6月の午前中にスポット集中講義の予定.今回は日帰りではなく前泊する方向で時間調整していると関口敦仁学長からメールあり.やり取りした結果,6月20日(月)9:00〜12:00の時間帯に開講することになった.前日から大垣に入っている必要があるので,忘れないうちに速攻で〈スーパーホテル大垣駅前〉の予約を完了した.

◆情報洪水のなかの情報僻地 —— 年度が替わり,方々の農水省独法で人事異動がある.研究員も動くが事務はもっと頻繁かつ大々的に民族移動する.もちろん,ガルーンからそのつど流れてくる「異動情報」なるビラをすくいあげて読めばいいのだろうが,ほとんどはそのまま源泉かけ流しであっという間にむなしく下流に流れ去ってしまう.あまりにも大所帯すぎていちいちチェックしていられないというのが実情だ.結果としてだれがどこに異動したのかの情報をずいぶんあとになって知らされるはめになる.知らないまま何年も過ぎていたということもけっしてめずらしくない.

◆[欹耳袋]文字通り! —— 〈森の木琴〉ドコモのウッディーなケータイ「SH-08C」の宣伝用ビデオとのこと.

◆本日の総歩数=6254歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース○|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.9kg(+0.2kg)/29.8%(+0.4%)


19 april 2011(火)※春雨ならぬ春の嵐が吹き荒れる

◆午前5時前起床.予報通り久しぶりの雨の朝になった.気温は10.3度.北東からの風が強めに吹いている.今日も終日つくばに実在して,┣┣" どもを追いかける.ふと気がつくと,ここ数日は「花粉の祭典」が以前ほど辛くならなくなってきた.今年もそろそろ幕が降りるのだろうか.それはいいとして,ここのところ時ともなしに寝落ちしては目が覚めるというヘンな生活スタイルが定着しつつあるのは困ったことだ.

午前7時の気温は10.4度.北東の風が冷たい.茨城県南部にはいま大雨・洪水・強風・雷注意報が発令されている.この本降りの雨で農林団地の桜はすっかり散ってしまったが,それに代わって新緑が萌えてきた.さて,今朝のBGMは久しぶりにマーラー〈大地の歌〉.インバル/フランクフルト放送交響楽団.「大地は永遠だが,人生は短い.金色に輝く酒を今こそ飲み干そう」&「人生が幻にすぎないなら,努力も苦労も何の甲斐もない.それより終日酒に溺れよう」.李白〜.

午前10時,さっきまで灰色に曇っていたが,西の空がしだいに明るくなって,ときおり雲間から陽が射す.気温は12.0度.寒そうな北東風が新緑の木々の間を吹きわたる.農環研構内に植わっている花水木がそろそろ開き始めている.BGMはマーラーの10番(クック復元版).インバル/フランクフルト放送響.すでに変成岩と化した不動┣┣" たちが放牧場にいすわっている.もはや搬出不可能なのでいつかどこかで何とかしないとずっとこのままになりそう(そのうちカタストロフが……).

◆[蒐書日誌]渡りに船というかグッドタイミングというか —— 昨日献本された:リチャード・フォーティ[渡辺政隆・野中香方子訳]『乾燥標本収蔵1号室:大英自然史博物館 迷宮への招待』(2011年4月25日刊行,NHK出版,東京,451+10 pp., 本体価格2,500円,ISBN:978-4-14-081473-4 → 目次版元ページ)の書評を日経サイエンス誌に書くことが即決で決まった.読めば読むほど「インサイドBM」な本でとてもおもしろい.

◆昼前,また曇ってきた.北風がごうごうと吹く音が聞こえる.気温は10.9度.最大瞬間風速が16.0メートルってマジですか? アマゾンから巨大な箱が届いた.いったいなんだろう?晴れたり曇ったりで強風が吹き荒れている.とても外を徘徊する状況ではなさそうだ.ランチタイムのBGMはバルトーク〈中国の不思議な役人〉.アバド/ロンドン.晴れたり曇ったりと不安定な空模様の午後はバルトーク〈青ひげ公の城〉とともに始まる.アヤシさ満点.うっかり忘れていた Willi Hennig Society の年会費をあわてて払った.

◆[系統樹思考]本日の反響:A man is thinking reed in Kyoto.「『系統樹思考の世界』 三中信宏 講談社現代新書」(2011年4月17日).

◆午後3時,外はいつの間にかまた雨が降り出していた.予報通りか.アマゾンから届いた巨大な箱の中身は,トトロでもピラニアでもなく,物故したある cartographer の翻訳図集だった.判型も大きいが,紙のせいで重量もある.投げたり落としたりすると殺傷力が高そう.春雷なう.午後3時,兇相の雲が北から下がってきている.今日のところはいつまでも所内でうろうろしていないで,早々に立ち去った方がいいかな.降っては晴れてまた曇る.ときどき雷鳴.また雲行きが兇悪になってきた.突風が吹く観音台.雨も降ってきた.さて,撤収しようかな.つくば市内は停電がピンポイントで発生しているようだ.落雷しないうちに即刻撤収だー.

◆[欹耳袋]Togetter - 「┣┣"の多様性」 .┣┣" はグーグル・ステルスなので,ツイッター界での生息状況はツイッター検索が効率的だ.

◆午後4時過ぎに撤収.帰り道は落雷で黒焦げにこそならなかったが,吹き降りの風雨で春の嵐にしてはちとご乱行が過ぎるのではないかと.気温も降下していて,早くも10度を切っている.北東からの風が冷たいのなんのって.午後5時の気温が6.4度と急降下した.北風7.7メートルじゃ傘もさせない.いま吐く息が白いんですけど…….夜になってさらに寒くなり,冬に逆戻りしたかのような冷え込みになってきた.午後10時に2.6度,そして午後11時には2.2度に.明日の明け方はいったいどーなるのか.冬ですかっ.

◆明日は新年度最初の東大農学部での教員会議がある.天気がよくなってそれなりに暖かければいいのだが.

◆本日の総歩数=4321歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(−0.3kg)/29.4%(+0.2%)


18 april 2011(月)※北風が涼しい日は設計会議など

◆午前5時前によろよろと起床.雲がかかった東の空から日の出なう.気温は9.6度.北東からの風が吹く.昨日のシンプルな暴飲暴食を深く反省し,自発的サウムに服することにする.というか,朝ご飯はムリ…….

◆[蒐書日誌]献本感謝 —— リチャード・フォーティ[渡辺政隆・野中香方子訳]『乾燥標本収蔵1号室:大英自然史博物館 迷宮への招待』(2011年4月25日刊行,NHK出版,東京,451+10 pp., 本体価格2,500円,ISBN:978-4-14-081473-4 → 目次版元ページ).ロンドンの自然史博物館をめぐる19世紀後半の創立からの史的エピソードと将来展望.初代館長のリチャード・オーエンは相当に変わった人だったが,彼が奔走しなければこの博物館はつくられなかっただろう.本書には他では見られない写真もたくさん載っている.PhyloCode への言及もあれば,最近の statistical phylogenetics への蜂の一刺しもある.

◆午前の大┣┣" を撃ち果たす —— 午前9時から所内RP設計会議から始まるのだが,その直前までプレゼン用のスライドをばたばたとつくっていた.ドロナワとはこのことか.事前に設計会議配布資料は用意していたのでそれを読めばいいだろうという心づもりだったのだが,ふと心変わりをしてつくることになった.新規の中期計画がスタートしRPの構成も変わったので,顔見世のためにも“宣伝”用のスライドがあった方がよろしかろうということ.設計会議の開始五分前にやっと数枚のスライドが完成したので会議室に直行.外は曇り空.二時間半ほどかかって,所内RP設計会議はつつがなく終了し,少しほっとした.ワタクシの担当する研究内容は下記の通り:

系統情報学に基づく生物多様性データの定量的利活用法の開発」というサブテーマのもとに研究計画を策定する.生物多様性情報学(biodiversity informatics)は生物に関する形態から分子にいたるさまざまな情報を踏まえた体系化と既存の標本のデータベース化が国内的・国際的に進められてきた.生物に関する基盤的な情報学研究は新興の「生物情報学(bioinformatics)」の分野で主として遺伝子情報に主眼をおいて進められている.しかし,生物多様性に関する体系化を効率的に進めるためには,系統関係を踏まえた研究をこれまで以上に推進する必要がある.近年の分子系統学を主とする系統推定理論の急速な進展は,生物多様性情報学を系統学・数学・統計学の学際領域である「系統情報学(phyloinformatics)」としてさらなる発展の必要性を予期させる.国際的にもこの研究分野はまだ成長途上にあり未開拓の研究課題を数多く抱えている.したがって,このサブテーマに積極的にコミットすることは,既存の生物(あるいはそれ以外のオブジェクト)に関する膨大な蓄積情報を有効に利活用するという目的の達成に大きく寄与するものと考えられる.具体的な研究課題としては:1)系統樹ならびに系統ネットワークによる生物多様性データの可視化のための理論的研究;2)系統推定のための方法論(最適樹探索アルゴリズムとアラインメント法)の改良のふたつを柱として,それぞれの生物多様性データへの応用例の蓄積を目指す.

—— 設計会議での議論により,内容的にもっと一般化して「情報学に基づくデータの定量的利活用法の開発」ということになりそう.

◆午後の最高気温は17.2度まで上がったが,北東からの風が涼しくて快適.では,午後の┣┣" 撃ちへと移行する.

◆[欹耳袋]今日のMSN産経ニュースの記事「「暗さ」「陰影」歓迎するムードへ 東京の夜は明るすぎた」(2011年4月18日)で,乾正雄『夜は暗くてはいけないか:暗さの文化論』(1998年5月25日刊行,朝日新聞社[朝日選書600],東京,vi+235pp., 本体価格1,300円,ISBN:4-02-259700-3 → 書評目次)の著者が登場していた.東日本大震災にともなう全国的な「節電」運動によって,この本に再び関心が注がれる結果になったのはよかったのか悪かったのか.

◆帰宅後うっかり寝落ちして気がついたら外はもう真っ暗だった(orz).冷凍ごはんが大量にあるので,オムライスをつくることに自分会議で即決.ただいまケチャップライスを炒めているところ.ヱビスビールをプシュ〜っと.※あ.断食は?.ラマダーン明けのささやかな夕餉が終わり.炭酸水を飲みながらアフターへ.

◆本日の総歩数=6303歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(+0.3kg)/29.2%(−0.2%)


17 april 2011(日)※岩瀬まで山桜を見に行く昼下り

◆午前5時前起床.晴れて朝日がまぶしい.気温は6.7度で昨日よりも10度も低い.北東風が吹いてひんやり.昨夜は「とび六」を飲み過ぎた.

◆[欹耳袋]今朝の朝日新聞「ドナウの真珠 ブダペスト1」を見たら,ブダペストの〈ジェルボー〉が青山に支店を出していたことを今になって知った.ブダペストの〈ジェルボー〉本店で「グンデル・パラチンタ(Gundel palacsinta)」を食べたときは残りの人生を捨ててかかる覚悟が必要だった.巨大なクレープがチョコレートソースの「海」を泳いでいたから.

◆[欹耳袋]身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌「丘浅次郎の進化論と政治思想」(2011年4月17日).ちょい気になるので,要チェック:Gregory Sullivan (2010), The instinctual nation-state: Non-Darwinian theories, state science and ultra-nationalism in Oka Asajiro’s Evolution and Human Life. Journal of the History of Biology, published online 16 Nov 2010 → DOI: 10.1007/s10739-010-9258-0

◆[蒐書日誌]ロマネスク三部作完結 —— 池田健二『[カラー版]スペイン・ロマネスクへの旅』(2011年3月25日刊行,中央公論新社[中公新書2102],221 pp.,本体価格1,000円,ISBN:978-4-12-102102-1 → 版元ページ).

同じ著者による「ロマネスクへの旅」シリーズの第三作.既刊二冊は:池田健二『[カラー版]フランス・ロマネスクへの旅』(2008年3月25日刊行,中央公論新社[中公新書1938],221 pp.,本体価格1,000円,ISBN:978-4-12-101938-7 → 版元ページ)と池田健二『[カラー版]イタリア・ロマネスクへの旅』(2009年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書1994], 221 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-12-101994-3 → 版元ページ).前著と同じく,今から千年も前の時代の付いた美麗な教会のカラー写真に惹かれる.本書の最後を飾るサンティヤゴ・デ・コンポステーラの大聖堂はヤコブが葬られた聖地であり,その「栄光の門(el pórtico de la gloria)」に刻まれた「エッサイの樹」はこの伝統的家系図の最初の作品だ:Arthur Watson『The Early Iconography of the Tree of Jesse』(1934年刊行, Oxford University Press, London, xiv + 197 pp. + 40 plates → 目次).

◆午前10時,いまの気温は12.7度.雲ひとつない青空で,湿度が低く快適.昨日ほど暑くならないみたいなので,ちょい北の方まで花見に行くことを即決.行楽日和のお昼時は金田の手打ちそば〈いちい〉にてランチ.「焼きそばがき」なるものを初めて味わった.こんがりと焼き色の着いたそばがきに蕎麦の実が混じった味噌ダレがトッピングされていた.うまし. 金田〈いちい〉でのランチのメインは「舞茸汁のせいろそば(大)」.舞茸の香りがことのほか濃厚で,アフターの蕎麦湯が美味.日曜の昼食時間だったせいか,行列が並ぶ繁盛ぶりだった.

その後,ひたすら北上を続け,穏やかな日和の桜川市の磯部桜川公園へ.山桜がちょうど見頃だった→〈サクラサク里プロジェクト〉.公園に車を停めて,稲村神社までゆるゆると歩き,神社境内の桜の古木を鑑賞してから,ふたたび公園をひとまわり.花見客はとても多かったが,あらゆる喧噪とは無縁の「山里の花見」の風情が漂っていた.震災の影響で高峯山の全山を彩る山桜は麓からしか見られなかった.その後,岩瀬から南に下って雨引観音に登る.桜の大木に大きなクジャクが羽を広げていたのだが,これって何かのアトラクションなのかな?(初めて来たのでよく知らないが).その後,午後4時過ぎにつくばに戻る.午後7時に,天久保の〈三浦飲食堂〉に出撃.日曜だったせいか店は空いていた.ビール飲み過ぎ.それ以上に喰い過ぎ…….

◆本日の総歩数=6144歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.7kg(0.0kg)/29.4%(0.0%)


16 april 2011(土)※湿気の多い曇り空の夏日になる

◆午前5時前起床.雲の多い明け方で,気温はなんと16.2度! 明け方の冷え込みという表現はもう使えなくなってきた.この週末はの〜びのびしたいのだが,dancing with ┣┣" の予定がもう入っている.曇りがちで湿度の高い午前中.気温はぐんぐん上がっていく.昼過ぎ,外はよく晴れて気温は22.8度と夏日ラインに接近する.アメダスを見ると,12:53に「25.3度」を記録しているので,本日めでたく夏日となった.

◆今夜の夕餉はローストビーフをつくることを自分会議で即決し,さっそく買い出しに.クレオにて牛ブロック肉を計1kgゲットしてきた.塩胡椒をたっぷり摺りこんで,有無を言わさず緊縛処理をすませる.あとは室温になるまで肉の温度を調整し,夕方のローストまで待機だ.

◆午後は研究所に潜り込む.正面玄関前の池の水面を埋め尽くす桜の花びら.農大講義のスライド・ハンドアウト・出席票の三点セットを全部つくり終えた.これであとはそのつどハードコピーを用意するだけだ.本日の最高気温は15:19の「26.7度」だった.春はあっという間に駆け抜けて,季節は初夏に近づいていく.これはもう是が非でも“泡々”が必要だな.南の暖かい風から北東風に変わってきた.天気の変わり目の夕方はそろそろ撤収タイムだ.

◆帰宅してから厨房に籠る.もう何度もつくっているので,オーブンの設定を記憶してしまった.ひとかたまり500グラム程度であれば「150度で30分」がデフォルトになる.ややレア気味が好きなので25分焼いたところで,肉の中心部分の温度をチェックしてみたらちょうどよかった.これにて完成.あら熱を取ってからスライスにする.そのまま食べてもよし,和風のステーキソースとともに「ステーキ丼」という選択肢もある.今夜はローストビーフとともに〈出羽桜〉の「とび六」を開栓した.肉料理には活性にごり酒が相性いいよねぇ.ということで,四合瓶が空っぽに.ローストビーフの前振りとして,フランスの「Saint-Félicien de Lamastre」のフロマージュをオードブルに.

◆本日の総歩数=3812歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(+0.2kg)/29.4%(+0.8%)


15 april 2011(金)※農林団地は早くも桜吹雪が舞う

◆いつもどおり午前5時前に起床.気温は8.9度.東の空は薄雲の向こうが朝焼けちう.昨日は最高気温が24.1度とほぼ夏日の暑さだった.今日も同じくらいかな.農林団地は早くも桜吹雪が舞い始めている.予報通り,今夜から雨が降り出せばかなり散ってしまうかもしれない.

◆朝の┣┣" 撃ちは放牧場の開墾作業 —— BGMはストラヴィンスキー〈春の祭典〉.ゲルギエフ/キーロフ.午前中から青空が広がり気温はぐんぐん上がっている.来週月曜の午前に予定されている所内RP設計会議の資料づくりをしかたなく?まじめに進めている.第三期の中期計画がスタートしたので,これから五年先までの┣┣" 撃ち公式計画を表明しなければならない.突発的┣┣" がきっとたくさん出てくるに違いない.なので,うまくやっていこうね(>自分).午前11時にすでに22.2度に達した.正午前に設計会議資料┣┣" を尻を叩いて放流したので,とりあえず喫緊の仕事は一区切りついた.ゆるゆるしたお昼前のBGMは Wilhelm Friedemann Bach〈6 Duetti a 2 Flauti〉Aurele Nicolet and Christiane Nicolet (1986).

◆[欹耳袋]CRANにて最新版 R-2.13.0 が公開されているっ! さっそく Mac 版と Win 版の実行ファイルをダウンロード完了.

◆昼下りの┣┣" 撃ちは高座の仕度など —— 正午の気温は22.8度.今日は今年初の夏日になるのかな.午後イチのBGMは有田正広〈J. S. Bach フルートソナタ全集〉など.強い南風がが吹き込んだ農林団地はみごとな桜吹雪で,すでに葉桜となりつつある木もあった.来週から始まる東京農大の講義準備を始める.大震災の影響で例年よりもスタートが二週間ずれこみ,全体の講義回数も1回少ない14回となる.今年は,MacBook Air でのプレゼンをするので,講義スライドの用意とランチャーのセッティングをまずはじめにすませた.最新版 R-2.13.0 をダウンロードしてみたら,R Commander がうまく動かない.メジャーなバージョンアップがあるときはR本体とパッケージとの不適合があるようなので,とりあえず旧版の R-2.12-2 を使い続けることを即決した.しかも,Mac OSX の場合,機器会械さんの記事「Mac OSXのR.appでバージョン違いの複数のRを切り替えられるか」(2007年3月13日)に書かれているように,最新版と旧版の“併置”ができないようだ.Windows 環境だと複数のRは別々のフォルダーに置かれて併存可能なので,この点はやや不便.したがって,今回の R-2.13.0 もマイナーバージョンアップがなされるまではしばし模様眺めになるだろう.

◆午後の最高気温は23.3度と昨日よりも低かった.夕暮れのBGMは久しぶりに Gary Burton (Vib) の「Chega de Saudade」を.こんなの演奏ムリムリ→ "Gary Burton: Chega de Saudade.「Gary Burton Rare Vibraphone Solo on KPLU」の「O Grande Amor」もそう.Burton grip ではR-RとL-Rマレットが主,R-LとL-Lは従か(→「Gary Burton demonstrates the Burton Grip」).ああ,人間ワザじゃないよー.さてさて,もうちょい高座したくの┣┣" 撃ちを続けてから今日は撤収しましょーかね.

◆本日の夕餉は「特製・豚丼」.かつて,芽室の北農試にセミナーに行ったときは,JR帯広駅前の〈ぱんちょう〉で豚丼(松・竹・梅の最高ランク「梅」)を平らげたあと,市内の〈ホテル・ボストン〉のモール泉に立ち寄ったものだった.芽室ではセミナーののち川北温泉でふやけ,飲み屋でスズメバチの焼酎を飲み,夜中に「出る」といういわくありまくりの「和尚ハウス」に泊まった.

◆夜の┣┣" 撃ち —— 昼の間の続き.RStudio でスクリプト中に日本語を使う場合は,UTF-8 encoding であれば文字化けしない.RStudio の Preferences で「UTF-8」を指定しておくこと(デフォルトはそうだけど).来週から始まる東京農大「実験データー解析概論」では,これまで通り「R」のデモを混じえた講義をする予定.昨年までは R Commander だけを使ってきたのだが,RStudio も併用しようかと考えている.

◆本日の総歩数=6389歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(0.0kg)/28.6%(−0.5%)


14 april 2011(木)※日ごとに暖かくなって初夏並み

◆午前5時前起床.気温5.1度.朝焼けグラデーションなう.夜明けがどんどん早くなっている.晴れ.今日も暖かくなるらしい.今日は緊急┣┣" 2件を仕留めるぞ.手始めに学会賞の選考がらみの┣┣" からだ.

◆[蒐書日誌]「個」の概念 —— 中川純男・田子山和歌子・金子善彦(編)『西洋思想における「個」の概念』(2011年3月25日刊行,慶應義塾大学言語文化研究所,東京,本体価格3,500円,vi+384pp., ISBN:978-4-7664-1808-8 → 目次版元ページ).本論文集を手にする.オビには「はじめて出会う,「個」の歴史.」と書かれている.西洋哲学では「類」の論議はあっても「個」については放置されていたと,Michael T. Ghiselin の本:『Metaphysics and the Origin of Species』(1997年刊行,State University of New York Press, New York, xii+377pp., ISBN:0-7914-3468-0 → 書評・目次)の最初に書かれていたことを思い出した.本書を生物学とは何の関わりもない哲学書とみなすことは実に簡単だが,付き合ってみる価値はあるんじゃないかと思っている(まだぜんぜん読んでないけど).

—— [追記]本論文集の成立に関わる事情は:les livres lus au clair de la lune「中川純男先生の追悼論集」(2011年3月30日)に記されている.

◆お昼前,学会賞審査に関わる大┣┣" が放牧場から静かに立ち去って行くのを見送った.さて,午後は所内RP設計会議の資料づくりという別┣┣" と対面する.晴れ渡る昼下がり.午後1時の気温は21.9度に達した.満開を迎えたばかりの農林団地の桜並木もそこかしこでちらほらと散り始めている.今週末は桜吹雪になるかもしれない.昼休みのプチ出家(還俗か?)ののち,さてそろそろ午後の┣┣" 撃ちに参ろうか.

◆[欹耳袋]東日本大震災の津波で太平洋に流出した「がれき巨大浮島」の漂流シミュレーション:IPRC「Where Will the Debris from Japan’s Tsunami Drift in the Ocean?(pdf)」(2011年4月5日).元記事は4月7日付のオランダの NOS Nieuws「Hawaï verwacht Japans puin」.大震災の津波による大量の海洋流出物がもたらす懸念が指摘されている.

◆本日の最高気温は午後3時の23.8度.もちろん今シーズン最高値.暖かいというよりも初夏の暑さ.所内では早くも半袖な面々が出没した.帰りしな,震災後ご無沙汰していた柳橋の〈みずほの村市場〉にて買出し.店先の駐車場で鶏が放し飼いになっていた.のどかな夕方の光景.

◆夜は厨房にて特製・親子丼をつくったりしているうちに,睡魔が背後からおぶさってきた.暖かい春の夜は仕事をしようなどというできもしないことはそもそも考えない方が精神衛生上よろしいかと.

◆本日の総歩数=5340歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(−0.7kg)/29.1%(+0.4%)


13 april 2011(水)※牧園でクロワッサンを買う早朝

◆午前5時前によろよろと起床する.昨夜は観音台にてお花見黒ミサだったが,宿酔いはさほどではなかった.気温2.2度と昨日よりもさらに冷え込む早朝.東に向かって昇る朝日を拝む.朝イチに牧園〈david pain〉にてバジルサンドとクロワッサンをゲット.店先の桜が満開で,プチ花見気分.空は真っ青.花粉さえ飛ばなければパラダイス.午前8時前の気温は9.4度.日中は20度超の暖かさになるとの天気予報だ.

◆[蒐書日誌]ついに出ちまったか…… —— 岸田泰則(編)『日本産蛾類標準図鑑1』(2011年4月8日刊行,学研,東京,本体価格25,000円,ISBN:978-4-05-403845-5 → 版元ページ).マクロ・レピの上巻は「カギバガ上科,シャクガ上科,カレハガ上科,カイコガ上科」./岸田泰則(編)『日本産蛾類標準図鑑2』(2011年4月8日刊行,学研,東京,本体価格25,000円,ISBN:978-4-05-403846-2 → 版元ページ).下巻は「ヤガ上科(シャチホコガ科,ヤガ科など)」.この二冊でしめて「26,250円×2冊」かぁ.お,お金〜.とアタマを抱えるのはワタクシだけではなかった:たきぽろりん「日本産蛾類標準図鑑をめぐる予算委員会の攻防」(2011年3月11日)ではもっとシレツな攻防戦が家庭内で繰り広げられていた.さらに,今後の続刊としてミクロ・レピ編が予定されている.職場の事情通に訊いたところでは「ミクロ・レピ編も最低2冊にはなるでしょう」とのこと.フトコロの問題はとてもとても深刻だ.

◆揺れるん揺れるん —— 連日,大小取り混ぜて余震が続いている.10:08にやや強い揺れがあり,フェルナンド・ペソア『不安の書』が本棚から降ってきた.

◆[欹耳袋]〈Geneious Pro〉.学部レベルの学生に分子系統解析を叩き込むツールとして推薦されている.〈PaupUp〉の発展形みたいなものか.フリー試用版あり./クラス内の学部学生の学力が「パーフェクトな均一分布」であるとき,毎回の講義はどのレベルの学生に焦点を合わせるべきか.

◆┣┣" が去っていく —— よく晴れた午後2時の気温は19.8度と暖かい.〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の第5回連載「鎖と樹と網:系譜のとり得るかたち」の原稿をやっと編集部に送信完了.400字×13枚ほど.やや燃え尽き気味.

◆[欹耳袋]日本植物分類学会の英文誌『APG: Acta Phytotaxonomica et Geobotanica』と和文誌『Bunrui』の全バックナンバーが CiNii から電子公開された./河田雅圭『ウェブ版・はじめての進化論』(1990,講談社現代新書)と河田雅圭『ウェブ版・進化論の見方』(1989,紀伊国屋書店).もう二十年も経ったのかあ./2012年以降,シュプリンガー・ジャパンは和書出版を休止するらしい.「R」関連本をたくさん出してくれて重宝してたのになあ.在庫本の扱いは大丈夫なのかな.

◆夜空に輝く半月.差し迫った┣┣" 撃ちがあるのだが,花粉の祭典がおさまる兆しがぜんぜんなく,諸方面に影響しつつある.

◆本日の総歩数=4961歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.2kg(+1.2kg)/28.7%(−1.0%)


12 april 2011(火)※雨上がりの農林団地は花見渋滞

◆午前5時前起床.震災後一ヶ月が過ぎてやっと正しい朝型リズムにもどりつつある.昨夜は風雨が強かったが,今は雨上がりの青空が広がり,日の出を拝むことができた.気温は+4.7度とやや冷え込んでいる.北風が冷たく気温は7.7度.春らしい穏やかな青空が広がる農林団地では,昨夜の風雨にもかかわらず満開の桜はそのままだった.今日も日中は花見客で混み合うだろう.

◆地震慣れと地震酔い —— 居室は昨夜の強い余震でまた本棚の上から崩落があったり,コケシが横たわっていたりとプチ被害があった.今朝も小刻みに大小の余震あり,8:08 のやや強い揺れでは,世界中の文明崩壊を鳥瞰した Jared Diamond の大著『Collapse: How Societies Choose to Fail or Succeed』(2005年,Viking Press,ISBN:0-670-03337-5 → 目次)が頭上の本棚からドサッと落ちてきた.縁起でもないからもうやめて〜.地政学的な文明崩壊のほかに,“ゲンパツ”での文明崩壊もあり得るとはこの本にはちっとも書いてなかったぞ.

—— 物の理:「上にあるものは下に落ち,立っているものは横たわり,かたちあるものは崩れさる」- de vergankelijkheid.

◆学会賞関連の┣┣" 一頭は去っていった.もう一頭がのたうっているがすぐにはどうこうできないので放置.農大の兼業に関する届け出なう.一回の講義につき,1)フレックス時間の変更申請;2)兼業願(勤務しない時間の設定);3)年休届(半日年休)の「三点セット」が必須.

◆[蒐書日誌]ミッシング・リンクはいつでも魅惑的 —— ブライアン・スウィーテク[野中香方子訳]『移行化石の発見』(2011年4月10日刊行,文藝春秋,東京,428+ xvii pp.,本体価格2,095円,ISBN:978-4-16-373970-0 → 版元ページ).東大に着便していた新刊.ミッシング・リンクはいつでも魅惑的.献本感謝です.原書は:Brian Switek 『Written in Stone: Evolution, the Fossil Record, and Our Place in Nature』(2010年刊行,Bellevue Literary Press, New York, ISBN:978-1-934137-29-1→ 版元ページ).

◆正午の気温は12.5度.ほぼ20度近かった昨日に比べれば空気がひんやりしているが,春の日射しはぽかぽかと暖かい.昼休みの農林団地は花見客で車のすれ違いにも苦労するほどの混雑だ.青空のもと桜と菜の花のコントラストが実に鮮やか.

◆[欹耳袋]〈RStudio〉が「日本語対応」になったというので,さっそく最新版をダウンロード.おお,Mac では確かにそうなってる.問題は以前から「文字化け」が指摘されていた Win 環境だが,いましがた確認したら Windows 環境でも日本語が文字化けしなくなっていた.これでやっと講義用に使えるかも.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 震災後ずっと放置していた〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の第五回連載「樹と鎖:同心円が織りなすパターン」の続きを書く.明日までにはなんとかしないと.第六回連載「円から球へ:高次元系統樹を描く」の原稿も途中までできている.

◆お花見黒ミサ —— 午後5時前に農環研をいったん撤収し,帰宅なう.午後7時,観音台の〈麒麟倶楽部〉にて悪の枢軸ヒミツ会議.午後11時過ぎに帰宅.睡魔がたびたび降臨したせいか,すぐに寝入ってしまった.

◆本日の総歩数=5192歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.0kg(−0.8kg)/29.7%(+0.3%)


11 april 2011(月)※揺れる震災一ヶ月目は雨が降る

◆午前5時前に起床.晴れ.東を望みつつ日の出を拝む.気温は5.0度.無風.農林団地の桜は今週がクライマックスだろう.日中は晴れて20度超の陽気になるとの予報.構内道路の「花見渋滞」が激しくなるにちがいない.今週はめずらしいことにずーーっとつくばに実在する予定.だから,お花見を楽しむ機会はきっと多いだろう.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 館内放送にて,大震災一ヶ月の黙祷を「14:46」に行なうようアナウンスあり.そうか,もう一ヶ月が過ぎたか./某雑誌のバックナンバーが居室内震災堆積物の山の中にお隠れになってしまった件.うぬぬ.学会賞審査に支障ありまくり./農環研所内でトツジョとして「節電実行委員会」なる緊急委員会が立ち上がることになった.来るべき夏場の計画停電に向けて「なんとかしなきゃ」なアイデアを募るらしい.全職員をコアタイムなしの完全フレックス制にして,在宅勤務OK,東電管内からの脱出援助でいくしかないんじゃないか./広報情報室から館外貸出本の依頼あり.しかし,ブツがぜんぜん見つからず.崩落堆積層には巻き込まれていないはずなんだけど……./その他,メーリングリストの小┣┣" どもを蹴散らしたり,科研費(研究分担者)の申請が orz だったことを企画戦略室に連絡したり,月曜の午前中がするりするりと過ぎていく.

◆[蒐書日誌]檜垣喬(編)『ワセダ速記・簡字字典』(1971年6月30日刊行,川口学園,東京,196 pp., 非売品).先月,京都の実家に帰った折,昔のワタクシの本棚から発掘した字典.散逸しないうちに身柄を確保した.ワタクシは小学校のときからワセダ速記の通信教育を受けていて,小学校の6年で速習課程を修了し,中学に入ってから専門課程に進んだ.速習課程では速記法のもっとも“規則的”なところを勉強したが,専門課程に入ると,速記をより高速化するためのケースバイケースの「わざ」を詰め込まれる.各種の省略法や略記法がその中心となる.

この『簡字字典』は専門課程で学ぶさまざまな略記法(「簡字」)をまとめた字典で,ワセダ速記の本部から通信販売で入手したはずだ.巻末にワセダ速記特有の省略法や略記法のまとめが載っている.現在では速記法そのものが endangered culture となっていて,こういう字典が今後出版されることはきっとないだろう.速記と反訳に明け暮れた小中学校時代はもう遠くなってしまった.

—— ずいぶん前に読んだ「速記小説」:秦建日子『SOKKI!:人生には役に立たない特技』(2006年4月6日刊行,講談社,ISBN:978-4-06-213412-5 [ハードカバー] / ISBN: 978-4-06-276364-6 [講談社文庫] → 書評)は個人的にはとても愛着のある本だ(一般受けしたかどうかは知らないが).

◆薄曇りの昼休みは気温が19度を越える暖かさになった.満開の桜を見物するには格好の日和で,農林団地は花見客でごった返していた.圃場の周囲をぐるりとひとまわり歩き読みしてから帰還.例年なら夜桜見物のためのライトアップを筑波事務所ではするのだが,今年はきっと“自粛”するんだろーねー.

◆[欹耳袋]ハロー!つくば「つくば市内の桜の名所 【つくば市内特集】」.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 原稿┣┣" へのコメントを付けて放流したなう.原稿改訂┣┣" とか,「あとがき」┣┣" とか,まだ放置されています.はい〜.さて,またまた┣┣" 替えだっ./学振の ID / password が届いたなう./進捗がはかばかしくないもうひとつの案件についてどうしたものかと電話したり返信したり./寺町二条〈紙司柿本〉にゲラを返した.

◆「14:46」の黙祷は Chick Corea の〈Children's Songs〉のBGMとともに.最小音量にて.

◆今週から来週にかけての┣┣" 撃ちメモ —— 〈系統樹ウェブ曼荼羅〉原稿は一両日中に.一ヶ月の空白が空いてしまった./RP設計会議の資料づくり.金曜までに./計量生物学会の学会賞審査は15日締切./統計曼荼羅本の目次づくり./東京農大の講義準備.22日(金)からいよいよ始まるぞ.

◆余震の夜 —— 夕方近くなって,雲行きがしだいにアヤシくなってきた.つくばでも春雷が轟いているらしい.降られないうちに観音台を撤収したいのだが,農林団地がまだ花見渋滞しているようなら,稲荷側沿いの非公式側道から脱出するしかないかも.夜になって雨が降りだした.午後5時過ぎに帰宅したとたん,震度6弱の強い余震がきた.免震の上層階はゆらゆらしただけだが,地表はどうだったのだろうか.マンション管理組合から館内一斉アナウンスがあり,つくば市内ではエレベーターがすべて停まっているとのこと.復旧は病院・警察が優先されるので,一般のアパートなどのエレベーター復旧の見通しは立っていないらしい.大震災一ヶ月目にして再び緊急事態か.ガソリンスタンドでは給油渋滞とのこと.今日は分単位で揺れ続けた一日だった.こうも頻繁に地面が揺れると,崩落したものどもをもう一度“低エントロピー状態”に戻すのはあほらしくなる.実際,「3・11」で崩落して以来,ずっと居室の床に広がっている本たちも少なくない.高いところに並べてもどうせ落下するのだから,最初から低いところに横たえるに限る.

—— 明日も早起きしてゆらりゆらりと一日を過ごそう.

◆本日の総歩数=7084歩[うち「しっかり歩数」1452歩/15分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(+0.3kg)/29.4%(+0.1%)


10 april 2011(日)※満開の桜と菜の花畑の農林団地

◆午前5時前に起床.雲はやや多いが「晴れ」に分類してしまおう.空はもう明るくなっている.南風が吹き荒れたここ数日とは空気が入れ替わり,今朝は北の風.気温は+9.2度.早朝はやや曇っていたがしだいに青空が広がってきた.朝イチで牧園〈david pain〉にて買出し.帰りに農林団地の桜並木をチェック.花見客がそぞろ歩きをしていたが,やはり見どころは「菜の花・桜・春霞」の三点セットでキマリ.

◆週明けからの┣┣" 撃ち予定 —— 今年度から新しい中期計画に入っている.毎年恒例の所内RP設計会議の日時が確定した:農業環境情報・資源分類RP設計会議,2011年4月18日(月)9:00〜12:00,547会議室.14日までにプレゼン資料をつくらないといけないいけないいけない.

◆[欹耳袋]本郷三丁目の〈アルルカン〉が先月急に閉店してしまったことを知った.ケーキのお店として有名だったが,ワタクシ的にはカレーの店で,何年も前に薬膳カレーをここで食べた記憶がある.

◆[蒐書日誌]Hayden White『Tropics of Discourse: Essays in Cultural Criticism』(1978年刊行[1985年pbk],The Johns Hopkins University Press, Baltimore, xii+287 pp., ISBN:0-8018-2741-8 → 版元ページ).先日,経堂の農大通りにある大河堂書店にてゲット.たった800円! 最初,手にとったとき,一瞬『Topics of Discourse』と空目してしまった.すぐ横に:Hayden White『The Content of the Form: Narrative Discourse and Historical Representation』(1990年刊行,The Johns Hopkins University Press, Baltimore, ISBN:9780801841156 → 版元ページ)も並んでいたが(やはり800円の安値で),すでに持っていたので買わなかった.で,『メタヒストリー』の翻訳作業はその後いったいどうなっているのだろう…….

もう一冊 —— 小島寛之『天才ガロアの発想力:対称性と群が明かす方程式の秘密』(2010年9月25日刊行,技術評論社[tanQブックス 10],東京,238 pp., ISBN:978-4-7741-4345-3 → 版元ページ).先日,新宿での技術評論社との打ち合わせでもらった本.統計曼荼羅本は同じシリーズから出ることになる.

◆午後はランチとお買い物.久しぶりに松代の〈Chicco d'Uva〉にて,パルミジャーノ・レッジャーノとローズマリーのピザを注文した.このイタリアン・レストランは,先月の大震災で大きな被害を受けた.今も外壁が大きく剥がれ落ちていて,まるで古代ローマの廃墟のごとし.今日のランチも「災害支援ランチメニュー」と銘打たれていた.経済支援は誰でもできることだから,どんどん外でお金を使おう.3月11日の震災から明日でまる一ヶ月になるが,いまだにつくば市内のそこかしこには,石垣が崩れたままだったり,屋根瓦が落ちた状態の民家が散在している.引き続く余震にしだいに慣れっこになるのはしかたがないとしても,復興ということばは茨城県南部でも他人事ではない響きがある.

◆[欹耳袋]Biodiversity Information Standards の会議〈TDWG 2011〉は今年十月にニューオーリンズで開催されるとのアナウンスあり.ニューオーリンズは再訪したいな.「Cahier du Vieux Carrè」に書いたとおり,中心部のフレンチ・クオーターは街中がジャズ一色だった.それとともに,ハリケーン「カトリーナ」来襲の復興途上にあったニューオーリンズのいたるところに津波の爪痕も残っていた.

東日本大震災の津波の被害に関連して,カトリーナの話題がいっさいニュース報道に載らないのはフシギなことだ.分厚い報告書:Douglas Brinkley『The Great Deluge : Hurricane Katrina, New Orleans, and the Mississippi Gulf Coast』(2006年刊行, William Morrow, New York, xx+716 pp., ISBN:0-06-112423-0 [hbk] → 書評目次)を開くと,津波の被害は天災と人災の綯い交ぜであることが読み取れる.

◆やっと桜が満開になったつくばの夕餉には〈来福〉の「さくら酵母」を使った純米生原酒が登場する.この時期だけの旬のお酒なので買い逃さないように事前に確保してきた.桜色の瓶に詰められたうすにごり具合はゆったり春霞そのもの.

◆本日の総歩数=3940歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(−0.5kg)/29.3%(+0.7%)


9 april 2011(土)※雨降って南風が吹き荒れる週末

◆午前5時半によろよろと起床する.前夜の飲み過ぎが祟ってるな.外は久しぶりに雨が降っている.午前6時の気温は12.2度と今朝も高い.ゆるゆると惰眠をむさぼる土曜の朝.

◆[欹耳袋]インストールしてみるか —— Jeff Gentry〈twitteR〉: R based Twitter client.

◆正午前.午前中は雨がしとしと降っていたが,いまはやんで曇り空.南から強風が吹きこんできた.正午の風速は8メートルもある.今日のランチは油揚げたっぷりの「きつね丼」.みりんを多めにして,ほんのり薄口醤油で味付け.やや甘めのしあがりにして,即ばくばく食べる.うちの「きつね丼」は九条ねぎをどっさり入れるのがレシピの要.刻んだ油揚げが煮汁を含んでふっくらしてきたら,すぐに火を止めて,刻みネギをドサっと投入する.油揚げとよく混ぜながら余熱のみで調理完了.ねぎの青みを残すためのヒミツの一手.粉山椒を振って食卓へ.関東地方では「きつね丼」を出す食堂は皆無なので,食べたいときは自分でつくるしかない.

◆[欹耳袋]震災関連 —— 〈地震の報告〉 —— 東北学院大学工学部の吉田望さんが公開された東日本大震災の体験記と写真.まさに津波が迫り来る場に居合わせたとのこと.記録期間は2011年3月11日〜14日./NOS Nieuws2「Hawaï verwacht Japans puin」(2011年4月7日).震災によって太平洋に流出したガレキは一年以内にハワイに漂着し,さらに2014年にはアラスカからカリフォルニアにかけてのアメリカ西海岸にまで到達するだろうとのこと.

◆午後3時過ぎ.曇り空はしだいに明るくなってきたが,ごうごうと南風が吹き荒れている.昨日と今日の「花粉の祭典」でいったいどれだけの総攻撃を受けたことか.震災後,頻繁に余震に見舞われているが,上層階に生息しているせいか「震度3」くらいの揺れかたではもう気にならなくなってきた.慣れとはこわいもの.

◆[欹耳袋]「理系 vs. 文系」という分類思考 —— 人間のタイプや科学の内容を分類するとき,「理系 vs. 文系」というカテゴリーが少なくとも日本ではよく用いられる.Ian Hacking 的に言うならば,ある意味でこの分類は「自然種(natural kind)」に基づくものなのかもしれない.実際,その分け方は,「理系人間とは〜」とか「文系学問とは〜」という心理的本質をそこに求めたがる傾向が伴っている.「理系 vs. 文系」の分類が natural kind であるからこそ,その分類にあてはまらない“学際”的な研究分野や研究者は,社会的に胡散臭く見られる宿命を最初から背負っているだろう.分類不能オブジェクトは既存の世界観を揺さぶりかねないため直感的に警戒されるからである.同時に,高校以下での学校の進学指導が,最初からこの「文理」のカテゴリー分けを前提にしてきたことも,「理系 vs. 文系」の natural kind 性を社会的に強化することにつながっている.ひとつ問題になるのは,このような「理系 vs. 文系」の分類思考がどこまで普遍的に見られるのかということ.日本独自の分け方なのか,それとも中国や韓国を含む東アジア地域まで広げられるのか,あるいはもっと広域なのか.

◆曇り空の夕暮れになって再び雨が降りだした.さて,今夜の夕餉はカツカレーでキマリ.カツカレー用のトンカツには,肉の厚いデラックスなカツよりも,むしろぺらぺらの「紙カツ」の方がカレーによくなじむ.トンカツ単独で食べるときとカツカレーでは,カツの「肉/コロモ」比率の最適解が異なっているのだろう.ミラノ風カツも薄くて大きいと聞くし,ウィーン風シュニッツェル(→ Wikipedia)も形状的には紙カツに近い.そういえば,「紙カツ」というメニューをどこかの店でかつて注文した覚えがあったなあと検索してみたら〈銀座ライオン〉 だった.わらじのように大きくて薄い紙カツは生ビールとベストマッチだった.

◆今日はイマイチ体調がよくなかったので,結果的に休息デーとなった.

◆本日の総歩数=1691歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(−0.2kg)/28.6%(−0.8%)


8 april 2011(金)※南風が吹き込む桜丘は桜が満開

◆午前5時前起床.夜明け前の朝焼けグラデーション.たなびく東雲.気温は+14.6度って高すぎないか.午前8時,青空が広がって気温はすでに17.7度.強い南風が吹き荒れ,風速は7メートルを越えている.遠景が黄色っぽく霞んでいるところをみると,この“シロッコ”に煽られて畑地からはさぞや盛大に砂嵐が巻き上がっているにちがいない.花粉の祭典と土埃の饗宴で外に出るのがコワい.本日は都内プチ出張(年休だけど).

◆[蒐書日誌]Michael F. Suarez and H. R. Woudhuysen『The Oxford Companion to the Book, 2 volumes』(2010年刊行,Oxford University Press, Oxford, ISBN:978-0-19-860653-6 [hbk (set)] → 版元ページ)※造本も価格もとてもゴージャス!  で,フランスで出版が完結した『書物百科事典・全3巻』って?(情報不足)

◆午前10時過ぎ,ベランダにあるいろいろなものが風速10メートルの南風に吹き散らされている.遠景はすでに黄土色の「煙幕」に覆われていて,視界がぜんぜん利かない.こんなときに都内に出撃するのはかんにんしてほしい.しかし,予定通り┣┣" くんに会いに行くしかない.今の気温は19.9度.みだりに「ソト」と繋がっているとそこらじゅう砂だらけになるので,完全密閉ちう.砂嵐の煙幕がしだいにつくばセンターあたりにまで攻め寄せてきている.いやだなぁ.

◆[欹耳袋]楽器を震災地へ!:「宮城県楽器BANK (pdf)」.宮城県吹奏楽連盟からの呼びかけ.東日本大震災では小中高校の音楽や部活に使う「楽器」も大きな被害を受けているとのこと. 他県の震災地でも同様の動きがあってほしい.

◆南風に煽られて都内へ出撃 —— 11:31発のTX区快に乗る.朝夕はすでに平常ダイヤに戻っている.花曇りの都内はつくばのような猛烈な風も吹かず,ほのかに暖かい春らしい昼下り.

JR大塚駅前の路地裏にあるとてもアヤシい上海料理店〈小閣樓〉に入る.細い路地にひそむロケーションのアヤシさもさることながら,建物のつくりも一癖ある.引き戸を開けるといきなり半地下と中二階に客席が広がる.やや薄暗い照明がアヤシさを増幅している.上海チキンと坦々麺が看板メニューらしい.階段を降りて半地下フロアの隅に席を確保.オープンキッチンの厨房では中国語が飛び交っていた.ランチメニューの豚バラ肉とにんにく芽の炒め物を注文.おじさんは中国人的に無愛想だったが,味はとてもうまかった.見回すと店内の調度品や壁にかかっている絵もどことなくアヤシい.新宿の路地裏のこれまたアヤシい〈上海小吃〉をつい思い出してしまった.「上海=アヤシい=美味」という等式ができつつある.

◆新宿にて新たなる巨大┣┣" の誕生 —— 午後2時にJR新宿駅西口の交番前にて,技術評論社の担当編集者氏と待ち合わせ,近くの喫茶店〈新宿スカラ座〉に入る.統計曼荼羅本の打ち合わせを小一時間ほど.とりあえず,ゴールデンウィークまでに目次案とタイムテーブルをつくることになった.総ページ数は200ページあまり,テキストにして400字×300枚くらいが目安.タテ書きの本なので数式はミニマムに.入れるときはヨコ書きボックス形式にする予定.打ち合わせが終わって,地上に上がったら南風が高層ビルの間を吹き荒れていた.風速10メートルを超えていたにちがいない.

◆久しぶりの経堂駅前 —— 新宿から小田急に乗って経堂へ.久しぶりに経堂駅からハートフル農大通りを下った.この強い風にも満開の桜並木はしっかり持ちこたえていた.桜丘の東京農大に到着.グリーンアカデミーホールにて生物応用化学科の教員懇談会が午後4時半から始まった.懇談会は午後5時半にお開き.参加者はそのまま1階レストランにて恒例の懇親会に突入する.日が変わる直前につくばに着いた.

—— 今日は,花粉の総攻撃にもかかわらず都内を転戦したので,帰宅後は疲れはててそのまま撃沈〜.

◆本日の総歩数=10149歩[うち「しっかり歩数」2182歩/29分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=94.2kg(−0.3kg)/29.4%(−0.1%)


7 april 2011(木)※花曇りの観音台は菜の花と辛夷

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.日の出なう.気温は+5.3度.昨日の東京は最高気温が18.5度まで上がって汗ばむ陽気だった.根津界隈はすでに桜が満開だった.うう,昨夜はやや飲み過ぎたかも.花曇りの観音台.午前8時にはすでに9.7度まで気温が上がってきた.農林団地の桜も木によってはだいぶ咲いているが,花見はまだまだ先だろう.しかるに,┣┣" 放牧場はすでに満開…….

◆午前の┣┣" 撃ち —— 本郷まわり.東大理学部「生物統計学」の成績を入力したまま「確定完了」していなかったと二号館の教務から連絡があり,あわてて完了依頼を返事する.よろしくよろしく./常盤台まわり.横浜国大のシラバスを提出するのをすっかり忘れていた.明日がウェブ公開日だとのことで,これまたあわてて書き始めるも,なかなか進まず.

◆[欹耳袋]MS系妖怪「.mht」とその解毒 —— 常盤台の教務から送られてきた昨年のワタクシのシラバスが「.mht」という初めて見る形式のファイルで送られてきた.Internet Explorer の画面を保存するファイル形式のひとつであることを初めて知った(IE はすべてパージしてあるので日常的に目に触れない).そのままクリックすると MS Word が起動するもののぜんぜん読めない.かの「winmail.dat」と同じく,邪悪なる MS 結界の魑魅魍魎の一匹であることは明白だったので,即座に解毒せねばならぬ.調べてみると,「.mht」ファイルを IE 以外のブラウザーで解毒する〈UnMHT〉 というツールが公開されていることを知った.Firefox / Safari / Opera などさまざまなブラウザーに対応しているが,Firefox版のインストールがもっともラクだ.おかげさまで「.mht」をオープンすることができました(>開発者さま).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 常盤台まわり.横浜国大・環境情報研究院で開講する「統計学道場」のシラバス送信完了.集中講義の日程は9月26日(月)〜28日(水),9:30〜17:00に実施する方向で調整してもらうことになった./せっかく一┣┣" を放逐したのに,間髪入れず某ジャーナルからの査読┣┣" が薮から飛び出てきた(orz).

◆[欹耳袋]VCASI から連絡あり,東京財団から独立して新体制を確立した後に,震災延期になった先月のシンポジウムをあらためて開催したいとのこと.了解しました.

◆暖かな南風が吹き渡る夕暮れ.朝は気がつかなかったが,農林団地の桜並木はこの暖気でいっぺんに開花し始めた.この週末から一週間ほどは花見客で構内道路が混雑する毎年の光景が見られるだろう.小野崎の畑をキジが駆け回っていた.

◆[分類思考]本日の残響:齋藤雅典 2010. [書評]三中信宏『分類思考の世界 なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』. 日本微生物生態学会誌, 25(1): 27 → CiNii / pdf.※以前,農環研の向かいの部屋にいて,その後,東北大に異動した齋藤雅典さんによる書評.内容紹介がいかにも東大オケ出身らしいな.

◆夜10時半に震災後ではもっとも大きな余震があった.お隣さんがあわてて「避難するんですかっ」と飛び込んできた.

◆本日の総歩数=4145歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜参画.計測値(前回比)=94.5kg(+1.9kg)/29.1%(−1.4%)


6 april 2011(水)※春の陽気の根津界隈は桜が満開

◆午前5時起床.晴れ.気温+0.3度.今日は東大農学部の進学ガイダンスがあるので,本郷に実在する.ここ数日,かなりハードな「花粉の祭典」が続いている.ティッシュが手放せない.

◆┣┣" 撃ち最中 —— 計量生物学会の学会賞がらみの連絡メールなど.学会賞・功労賞・論文賞それぞれについて./横浜国大のシラバス提出を忘れていたっ! 集中講義日程は「9月26日(月)〜28日(水)」でいかがかとの打診が常盤台からあった.まったく問題なしです./勁草書房本の一原稿がやっと届いたのでいま読んでいるところ.まえがきとあとがきのこともそろそろ考えておく必要がある.

◆┣┣" 撃ち予定 —— 東京農大の教育懇談会の日程確認電話が入っていたので,返信する.予定通り4月8日(金)16:30〜,世田谷キャンパスのグリーンアカデミーホールにて./同じく4月8日(金)の13:00は技術評論社の担当者と『統計曼荼羅』本についての打合せ./講談社サイエンティフィクの『統計学概論』本もそろそろ何とかしないと./もうひとつの『系統樹曼荼羅』本の打合せは4月22日(金)16:00から御茶ノ水〈画廊喫茶ミロ〉にて.来襲始めまでにウェブ連載の原稿を書かないと.

—— 日々着実に┣┣" が増え続けている件.

◆ぽかぽか陽気の本郷にて —— 午前のうちにつくばを出て,東大農学部の進学ガイダンスに向かう.20度近い暖かさ.根津界隈はすでに桜が満開で,そこかしこに散在する寺院を覗くと境内が桜色に染まっている.大学院と学部の進学ガイダンスでは,研究室紹介と教員紹介がお仕事.ちょいと飲み過ぎて午後11時過ぎに帰宅.

◆本日の総歩数=5436歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜×.計測値(前回比)=92.6kg(−0.8kg)/30.5%(+0.8%)


5 april 2011(火)※氷点下の夜明け前に開きなおる

◆午前5時起床.朝焼けグラデーションなう.最低気温はマイナス2.3度と,久しぶりの氷点下の明け方を迎えた.昨夜はよく寝たのでもう復活した.大丈夫.

◆年度が変わり,メーリングリストの所属変更依頼┣┣" が全国津々浦々から押し寄せてきた.春と秋の季節回遊性┣┣" なのでしかたがないものとあきらめよう.個体数は多いが,メーリングリスト関連の┣┣" はおとなしいのが救いだ.もっと性悪の与太┣┣" はほかにいる.小一時間で,伸びてきたつくし┣┣" どもをすべて刈り取り完了.昨日から今日にかけて花粉の猛威に悩まされている.ぼーっとして,あまり深くものごとを考えることができないのは結果的にいいことなんだろう.

◆[蒐書日誌]ナタリー・Z・デーヴィス[長谷川まゆ帆・北原恵・坂本宏訳]『境界を生きた女たち:ユダヤ商人グリックル,修道女受肉のマリ,博物画家メーリアン』(2001年9月刊行,平凡社[テオリア叢書 ],東京,ISBN:4-582-74428-1) .主人公の一人としてマリア・シビラ・メーリアンが出てくるとは.この本は見落としていた.版元品切中だが探せばあるにちがいない.過去に日本語で出たメーリアン伝としては:キム・トッド著[屋代通子訳]『マリア・シビラ・メーリアン:17世紀,昆虫を求めて新大陸へ渡ったナチュラリスト』(2008年9月22日発行, みすず書房, viii+309+xxxvi pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-622-07411-3 → 情報目次版元ページ)をまず挙げることができる.

◆北風が吹く昼休み.外はよく晴れて気温は13.6度.農環研屋上からジャンベの振動が響いてくるのだが,アヤシい面々が叩いているのだろうか.それとも討ち入り前の山鹿流陣太鼓だろうか.農林団地の桜はちらほらと開き始めている.ここ数日は暖かいそうなので,この週末あたりからは見頃になるだろう.花見だ,花見だ〜.

◆[欹耳袋]学会大会関連情報 —— SMBC 2011 Kyoto 26-30 July 2011/日本進化学会第13回京都大会,2011年7月29日〜31日,京都大学./IBC 2012 - International Biometric Conference Kobe 2012: Call for Invited Session Proposals, Deadline Extended until 15 April 2011

◆帰宅後もどうも本調子ではないな.明日は東京へ行く予定だが,さらに暖かくなるという.花粉との対決の日々はなお続く(勝ち目はない……).

◆本日の総歩数=3276歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.4kg(−0.1kg)/29.7%(0.0%)


4 april 2011(月)※寝不足の週明けはへこみまくり

◆昨日の正午前からほぼ13時間ほど粘ったおかげで,遅れまくりの業績申請作業にやっとケリをつけることができた午前1時過ぎ.業績報告書と業績評価票は今しがた領域長にメール送信した.朝イチで追加申請ブツのカタマリを丸投げすればいいだろう.さて,マーラー〈千人の交響曲〉が das ewige Weibliche を歌いはじめたので,そろそろ真夜中の農環研を撤収する時刻かな.Alles Vergängliche ist nur ein Gleichnis - さて,撤収じゃ〜.帰宅後,丑三つ時の絶賛深夜食をすませて,おねむの時間だ.

—— およそ三時間後の午前6時前によろよろと起床.さすがに寝不足はしかたがない.外は曇りところどころ青空.気温は+3.0度.┣┣" の年度越えは負担が大きい.

◆[蒐書日誌]小坂井敏晶『増補・民族という虚構』(2011年5月10日近刊,筑摩書房[ちくま学芸文庫],東京,ISBN:978-4-480-09355-4).どのように「増補」されたのかが気になる.初版の小坂井敏晶『民族という虚構』(2002年10月10日刊行,東京大学出版会,東京,viii+201+3 pp.,本体価格3,200円,ISBN:4-13-010089-0 → 版元ページ)の書評はすでに公開した.この書評文を書いてしばらくしてから,著者の小坂井敏晶さんからメールをいただいた.2004年1月のことだった.当時,彼はパリ在住だったので(いまも?),お会いする機会がいまだにないのは残念なことだ.

◆正午の気温11.4度.日射しは暖かいが北風がやや冷たい.震災以降久しぶりに〈おはん〉にて,いつもの「マグロ煮定食」.内装がちょっと変わったかな.カウンター席が増えていた.

◆[蒐書日誌]統計関連で近刊二冊 —— 林知己夫『調査の科学』(2011年5月10日近刊,筑摩書房[ちくま学芸文庫 Math & Science],東京,ISBN:978-4-480-09369-1).元本は講談社ブルーバックスの同名の本のようだ.うちの研究室には:林知己夫著作集編集委員会(編)『林知己夫著作集(全15巻)』(2004年11月30日刊行,勉誠出版,東京,ISBN:4-585-05100-7 [set] → 全巻構成)が書棚に並んでいる.狭い意味での統計学にかぎらず社会学から哲学にいたるまで包括する裾野の広さが印象的だ./岡田昌史(編著)『Rパッケージガイドブック』(2011年4月9日近刊,東京図書,東京,ISBN:9784489020971).Rのパッケージってまるで“樹海”みたいだし,こういうガイドマップが必要だった.期待してます.版元サイトにはまだ載ってないみたいね.

◆夕焼けグラデーションの残照なう.今日はややバーンアウト気味でござります.

◆本日の総歩数=6536歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


3 april 2011(日)※薄ら寒い日曜は研究所で夜なべ

◆午前5時半起床.ごそごそと寝たり起きたり.いまの気温は+5.7度で,薄曇り.久しぶりに朝日がさんさんではない.昨日は都内で一日をすごしたが,今日はおとなしく農環研にて┣┣" 撃ちの続きに勤しむ予定.今日は北風が寒すぎる〜.昨日の都内は18度超のぽかぽか陽気だったのに.

◆ワタクシは学部からずっと農学系だったのだが,修士課程に入ってから現在までいっさい何一つ「ラボ実験」というものをしていない.圃場の仕事も入省してしばらくしたこともあったが,その後はさっさと見切りをつけた.ワタクシにはそういう適性がなかったということだ.雲雀のさえずりを背中で聞きながら,春先の圃場で大麦の交配作業をしたこともあり.昔語り.朝早く圃場に向かうと野兎の足跡が湿った畑地に残っていたり,日中遠くの茂みではキジが鳴いたりする観音台.最近,そういうフィールド体験をまったくしていない.

◆農環研なう.外は曇り空で,気温は+8.1度と春めいた昨日よりも10度近く低く,肌寒い.農林団地の桜並木はようやくちらほらと開きはじめたくらいで,大々的に花見をするにはまだまだだ.午後から夜まで┣┣" 撃ちの続きに勤しむ予定.BGMは Carl Nielsen のバイオリンとピアノのためのソナタをば.続いて,同じく Carl Nielsen のバイオリンとピアノのためのソナタをば.さらに,Carl Nielsen: 「フューネンの春(Fynsk Forår)」.

◆[蒐書日誌]『出版ニュース2011年4月上旬号』(→目次)のコラム〈書きたいテーマ,出したい本〉に,三中信宏「サイエンスの水脈を求めて」(p. 27)という一文を載せた.

◆[欹耳袋]自粛こそ自粛せよ —— YouTube から聞こえる岩手・日本酒蔵元の声:「被災地岩手から「お花見」のお願い【南部美人】」/同【あさ開】.

◆今日もみごとな日没だ.気温は+4.7度と急冷中.しかし,ここ数日ずっと追いかけ回している┣┣" が夜になってもなかなかくらばらない…….ようやく前年度の「業績報告書」と「業績評価票」の作成完了し,┣┣" の本体はこれで仕留めたことになるのだが,追加の業績登録をしないといけない.コピーで現物を添付するきまりになっているので,これからしばしコピー機とお友だちになる予定.いったい何ページのコピー苦役が待っているのだろうか.今の BGM はシェーンベルク〈グレの歌〉の「山鳩の歌」.ミヒャエル・ギーレン/バーデンバーデン・フライブルク交響楽団.※六条御息所,おそるべし.なんのかんのでもう日曜が終わろうとしているのに,まだ職場にひきこもって┣┣" 撃ちの続きをしているというのは世も末か.すでに同じフロアにはまったく人気はなく,照明も落とされて暗黒が支配しつつある.そろそろ異界の門がそっと開くぞぉ〜.さて,やっとブツのコピーが全部終わったので,あとは業績申請フォームを“手書き”で記入するだけだ! これを企画で全所データベースとして入力し,職員はマニュアルでカット&ペーストして各自の業績報告書をつくるという迂遠なことを毎年繰り返している.BGM はジンマン/トーンハレのマーラー〈復活〉の「Urlicht」.「人の世はかくも苦しい/人の世はかくも辛い……」そういえば,ディヴィッド・ジンマン/トーンハレ・チューリヒのマーラー交響曲全集がそろそろ着弾するころだな.

◆[欹耳袋]コンクリを流し込む,おがくずを撒きちらす,紙おむつの吸水剤が登場し,果ては新聞紙をちぎって投げこむって,連日ものすごく“野蛮”なことをしている気がする.とても「勝算」があってのこととは思えないな.次はいよいよ護摩壇か人柱ですかね.大震災直後,“フクシマ”がとてもヤバいことになってきてすぐに,アメリカの知人から「東電はウソつきだからいっさい信用するな」というメールが届いた.日本の政府・東電・マスコミがひたすら“単色”きわまりないウチからの刈りこまれた情報を流し続けるのを横目に,海外からのソトの情報を見まわす日々.

◆のーかんけんの外は闇,のーかんけんの中も闇.観音台の真夜中はとても長いぞ.

◆本日の総歩数=2491歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(+0.9kg)/29.7%(−0.5%)


2 april 2011(土)※春めく小石川の桜の下に花見客

◆午前5時起床.気温+4.1度.外はすでに朝焼けグラデーションがはじまっている.昨夜はいつの間にか寝落ちしていた.外は薄曇りときどき晴れ.それにしても┣┣" の野郎が〜(ひきずるひきずる).

◆昔話 —— 〈Hennig XIX〉に参加するため,オランダの Leiden に滞在したのはもう十年も前のことだ(→「Leids Dagboek 2000」).学会会場となったオランダ国立自然史博物館(Naturalis)はとてもいい博物館で,Leiden centraal 駅から見える大きな新館が当時できたばかりだった.旧館の pesthuis が Hennig XIX の会場で,そこから渡り廊下で巨大な新館に行き来できた.新設の広大な展示館はまだぴかぴかだったことを覚えている.珍品室(Schatkamer)は照明が仄暗く,昔のヴンダーカマーそのもの.絶滅したニホンオオカミの標本は東大農学部とここだけの所蔵だ.なお,Leiden の公式ウェブサイトのモダンなページの作風は De Stijl の伝統か.

◆小石川の播磨坂にて —— 正午過ぎに茗荷谷に到着.昼の会食は播磨坂に面したイタリアンレストラン〈TAVERNETTA L'AGRESTO〉 にて.二階のオープンテラスからは桜並木が一望のもとに.ランチの前菜は,生ハムとトマト,イチゴなどの盛り合わせ.ナチュラルにしてシンプル.メインは,ゴルゴンゾーラと紫キャベツのピザ.キャベツのさくさく食感が絶品.

デザートは,桜の白玉団子をココナツミルクで和えた季節の一品.最後は giapponese でキメたか.暖かく晴れわたった昼下り.まだ五分咲きとはいえ,そして東京都知事が何を言おうがおかまいなしに,そこかしこに花見のグループが陣取っていた.拍手拍手.

◆[蒐書日誌]Jacques Bertin『Semiology of Graphics: Diagrams, Networks, Maps』 (2010年復刻刊行,Esri,ISBN:9781589482616 → 版元ページ).グラフの認知的特性と図式言語の文法についての本らしい.図版がたくさん載っているらしい.こういうテーマの本は「データ可視化」という点で,もっと注目されていいと思う.実際,ここのところこの分野にアンテナを張っている.

◆本日の夕餉のお供は,山梨の〈四恩醸造〉の春を告げるワイン「クレマチス2010ロゼ」.微発泡の仄かな桜色のうすにごり.巨峰のフレーバーがする.苅間の〈メゾン・ド・カンパーニュ〉にてゲット.一本まるごとすっからかん〜.

◆[欹耳袋]2月に開催された BioSystematics Berlin 2011 のプログラムと講演要旨集がpdf公開されている.ほんとうだったらベルリンに行って,誕生日を彼の地で迎えることになっていたのだが.

◆本日の総歩数=4597歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.6kg(−0.5kg)/30.2%(+0.3%)


1 april 2011(金)※エイプリルフールは真夜中から

◆午前零時過ぎ 深夜の農環研なう.┣┣" に┣┣" めを! 深夜の“発掘作業”.丑三つ時にメーリングリストの月例アナウンスを送信.引き続き昨日の日録もアップ完了.早朝の最低気温は−0.8度まで下がって,車のフロントガラスがばしばしに凍りついていた.今は順調に気温が上昇してきた.青空が広がるつくば.日中は春らしい陽気になるとの予報だ.本命の┣┣" 撃ち進捗ははかばかしくない.

◆今月の┣┣" 撃ち予定など —— 先月中止になった仮想制度研究所(VCASI)の公開研究会〈言語×政治:系統樹的時空間スケールから〉は,今月開催を目指して日程調整中./計量生物学会の論文賞の選考作業を進めるべし./今月の┣┣" 撃ちカレンダーをやっとつくった.大震災以降,諸事が滞ってしまったのは気力が削がれたせいかもしれない.

◆午前中からぽかぽか陽気の農林団地.午前11時の気温は12.4度.暖かい南風が吹き込んでいる.しかし,構内の桜並木はまだつぼみがかたく,開花までにはまだ日数がかかりそう.南風が吹く昼休みは気温13.9度で穏やかに晴れている.メーリンクリストの管理を長年していると,卒業や就職でだれがどこに異動するかが手に取るように見える.とりわけ年度が変わる4月はそのような転入転出に伴う変更届がたくさん飛びこんでくる.みなさん,新天地でがんばってねー.

◆先月は,予想もしない東日本大震災があって,書き綴った日録は非日常的なスタイルになってしまった.いまの状況を見渡すと,今後は年単位で非日常が日常となる可能性が大きい.物理的被害と人的被害さらにはそれにともなう経済的損失を考えると,グローバルにはベストとワーストのを想定した上で想像力を総動員しないといけない.その上でローカルには日々の生業にどのような影響が及ぶのかを考える必要がある.大学や研究機関に配分される予算は有意に減らされるだろう.電力消費が大きな実験設備を使う研究はやりにくくなるだろう.行政対応の要請研究課題はきっと増えるにちがいない.とりあえずはこの夏場の計画停電を乗り切れるかどうか.効果的な方策は東京電力エリアから立ち去ることで,電力消費節減に貢献することかな.真夏に停電になったら研究どころではないし,熱中症による被害者が増えることは確実だろう.往復の通勤を避ける在宅勤務も同様の効果が期待できる.いなくなること&動かないことが基本線か.それ以前に,福島原発の放射能被害の拡大の方が懸念されるが.

◆[欹耳袋]防災科学技術研究所から「東日本大震災被害情報地図」が公開された.

◆今日も真っ赤な夕日が沈んでいく.うーん,イマイチな月始めだった.午後7時前に撤収し,ねぎチャーハンをつくって食べたら,もう睡魔の降臨.前夜の夜なべ仕事が祟ったか.ということで,あっさり寝落ちしてしまった(らしい).

◆本日の総歩数=6055歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.1kg(+0.3kg)/29.9%(−0.1%)


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集