<Report> Leids Dagboek 28/May/2000
EVOLVE reader 諸氏:

三中信宏(農環研← PPP from Leiden)です。

※ 先ほど、風雨の中をライデンの宿泊先ホテルにようやくたどり着いたところです。

先入観というのは、えてして打ち砕かれるためにのみあるようなものでして...。

ライデン出身の画家レンブラントの生涯を描いた Simon Schama の新刊:

Schama, S. 1999. Rembrandt's eyes. Alfred A. Knopf, New York, xii+750pp.

をオランダに向かう機中でずっと読んできました。その一節に「O Leyda Gratiosa」(優雅なるライデンよ)という言葉があって、「そうかそうかライデンというのはそんなに優雅な町並みなのか」と勝手にイメージを作ってしまいました。

ところがどっこい、着陸前の機内アナウンスで「地上の天候は雨、気温8度」と流れた頃から、雲行きが怪しくなってきました。

スキポール空港にいざ着いてみると、横殴りの雨はざぁざぁ降るわ、風はびょうびょう吹くわ、空港からライデン行きの電車は「冠水で動かないのよ」とのアナウンス。爪の真っ青な切符売りのお姉さんに「ごめん、路線バスで行ってね」と言われましても、やだもんね。ということで、ベンツのタクシーに乗りこんで、ゴルバチョフみたいな風体のおじさんに「ライデンよろしく!」と頼んだところ、夕方の時間帯が悪かったのか、道路がまたえらい渋滞。

ゴルビーおじさんは、タクシー会社との無線で「どの道がいいんだあっ!?」とオランダ語でがんがん怒鳴りまくり、確かに車外の風景にはイメージ通りの【運河と牧場と風車】があるんだけれども、すべてが風雨に翻弄されている、というありさま。

サマータイムとはいえ、午後7時を過ぎても明るいまま(いや黒猪が雨雲の下を千切れ飛んでいるから実は暗いのだけれども)、ライデンに突入しそのままホテルにチェックインしたので、レンブラントの言う「優雅なるライデン」はまだぜんぜん体験してはいないのです。

ということで、Willi Hennig Society 年会のようすは明日以降からのお楽しみ、今日はひとまず寝ます。

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<Report> Leids Dagboek 29/May/2000
EVOLVE reader 諸氏:

三中信宏(農環研← PPP from Holiday Inn Leiden)です。

※ 昨夜は午後9時を過ぎてもまだ空が明るいでしたが、今朝は5時というのにまだ暗い。曇ってはいるようですが、さて今日は傘が必要となるかな?

宿泊先の部屋は一人客には広過ぎて(トイレ・バス設備の基本規格がデカい!)、おまけにダブルベッドが2つもあり、いささか落ち着かない夜を過ごしました。根が、貧乏性なのかねぇ...。

昨日、空港からのタクシーがどの経路を通ってライデンまできたのかを地図で見直したところ、どうやらゴルビーおじさんは、渋滞続きのハイウェイ【A4】(アムステルダム→スキポール→ハーグ方向)を途中で降りて、チューリップ園で有名な Keukenhof 公園方向に迂回してくれたようです。もちろん、あの風雨の中だったので観光客を含め歩いている人はほとんどいなかったのですが、オランダの歴史的街並みを少しだけ見ることができました。高層建築(3階建て以上!)がないのは、きっと地盤のせいでしょうね。運河の水面がほとんど地面すれすれだったのですが、あふれる心配はないのかな。きっと「低い国」の智恵があるのだろう。

さて、今回の Hennig XIX の会場となる国立自然史博物館 Naturalis(National Museum of Natural History) は、ライデン中央駅に隣接するライデン大学の敷地にあり、医学部附属病院の裏側にある建物です。2年前に旧市街区から現在地に移転し、地質学博物館(Rijksmuseum van Geologie)と合体させて博物館の名前も Rijksmuseum van Natuurlijke Historie から現在の名称に変更したとのこと。本館は周囲を濠に囲まれた古風なつくりで、小さな正面入り口の上には寓意的なレリーフと gevelsteen(装飾石板)がはめ込まれています。もともとが病院施設(pesthuis)だったそうで(隔離施設のことか?)、隣の医学部病院の近代的な高層ビルとは対照的です。

ただし、古風なのは入り口部分だけで、博物館の展示施設本体は、車道をまたぐ長い渡り廊下でつながる超高層ビル(十数階)にあります。展示スペースは下の5階までで、その上はすべて研究部と標本庫に当てられているとか。数年前にライデンに滞在していた小島純一さん(今回の Hennig XIX ではポスター発表の予定)の話では、前の場所が手狭になったので、ここに移転してきたのだろうとのこと。

Naturalis のパンフレットを見ると、常勤職員は60名で、キュレーターとテクニシャンが半々ずつ、他に30名の研究員が在籍しているとのこと。所蔵標本数は動物標本と地質鉱物標本とを合わせて1500万件、一般入場者数は年間30万人、標本利用者数は年間400〜500人という数字が挙げられています。

植物はいったいどーしたっ!って? まだ行ってはいないのですが、旧市街区にあるオランダ最古の植物園 Holtus Botanicus Leiden の中にあるんじゃないでしょうか?(きっと) 今大会のバンケットが Holtus の中の Oranjerie で催されるとのことなので、そのときにチェックしましょう。

Hennig XIX の講演発表は Naturalis の講堂(旧pesthuisの奥の一角:正面入り口から入り、レストランを通り抜けた先にある)で行われます。この講堂の内装はすべて木であり、意外な(同時に日本的な)感覚を覚えました。部屋に置かれているのは、よくある長いテーブルではなく、喫茶店みたいな小さなテーブルなので、聴衆は数人ずつ机を囲むことになります。

大会初日の今日は午前9時から registration が始まるので、昨夜の opening ceremony に出[られ]なかった私は早めに会場に着いていました。見知った顔が次々と集まってくるのですが、いつもよりずいぶんと少ないような気がします。用意されているコングレス・バッグをざっと数えても、50名程度でしょうか? 昨年のゲッティンゲン大会(Hennig XVIII)が9月の末でしたから、今回の Hennig XIX まで8ヶ月間しか時間がなかったことが参加者の少ない理由なのかもしれません。

Hennig XIX の直後には、やはり Naturalis がホストとなる「東南アジアの生物地理学」というシンポジウムがライデン郊外の Noordwijk aan Zeeという海岸で開催されます(4-9/June:conference tour は Hennig XIX と共催)。小島さんはそれにも出席するとのことです。しかしこちらもそんなにたくさんの参加者があるわけではなく、とりわけ日本人の講演者がぜんぜんいないぞと小島さんはぼやいていました。東南アジア方面の生物研究者はいったいどーしたんだ!(クニオ・イワツキという名前が Program Committee にあるのに)

あやしい空模様だったのですが、案の定またまた雨が降ってきました。

午前10:30に Hennig XIX の事務局長である Peter Hovenkamp さんの開会の挨拶があり、Naturalis 館長その他VIPの言葉に続き、初日のセッションが始まりました。

● Criteria for Species as Terminal Entities(11:00-12:30)
1)Diedel Kornet: Composite (phylogenetic) species - fundamentally different.
類型学的・進化生物学的・系統学的という三つの種概念を概観し、各概念の目的と役割を論じた。彼女の持論は「種は discrete ways of being である」という主張に要約できる。up/down クォーク→原子→分子→生命システム→繁殖集団→種という階層を想定し、状態空間には離散性があること、そしてその離散性のひとつの現われとして「種」を捉えるべきであると主張する。Kornet がかねてから主張してきた composite species の概念(D. Kornet 1993, Reconstructing species. Hortus Botanicus Leiden)にとってはこの階層的視点は有効なのだろうが、私には状態空間の時間的連続性を考えたとたんに、離散性は崩壊するように思えた。

2)Thomas Reyden: Species definitions - meeting the demands of phylogenetics.
Kornet の学生である Reyden は、歴史の復元と階層分類が系統学の目的であり、種概念はこの目的を達成できるように定義すべきであると主張する。種が過去の進化現象の traces として特徴づけられること、そして階層的であることの二つにより、Kornet のいう permanent split が種の規定には必要であると主張する。彼の種概念は「Species = element of network between permanent split accompanied by character fixation」となる。具体的な手順としては、permanent split をもつ集団を決め、形質が同一の集団を一括し、予備的系統解析の実施、形質が固定された composite species の構築。よくわからない(^^;)。

3)Tim Crowe: Characters and traits - diagnosability at what level?
「亜種」は分岐学的に定義できると言うのだが...。

● Contributed Papers 1(14:00 - 15:20)
1)John S. Sparks: Phylogenetic relationships of the cichlid fishes endemic to Madagascar.
Mtの16SとCOIからの系統解析。形態と突き合わせると vicariance では地理的分布が説明できないという話。

2)Jennifer Ast: Mitochondrial DNA evidence for snake origins.
ヘビの類縁関係の分子系統解析。

3)Daniel Janies: Cluster computing in POY.
アメリカ自然史博物館に構築された、系統解析のための並列計算システムの概要。ノード数は128、各ノードにはPentiumIII(500MHz)が2つずつあるので、CPUの総数は256個。Ward Wheeler の POY を用いた Large Data(植物rbcL, 昆虫類、哺乳類)の解析の効率について述べた。サブタスク間に因果的連関がある場合には線形結合で予測される並列使用よりも少なくなるとのこと。

4)Ward C. Wheeler: Missing element replacement analysis.
形質データの欠測値の影響を解析する新しい手法「MERDA - missing element replacement analysis」を提案。欠測値の割合は場合によっては数10%に達することがある。そこで、欠測値にランダム形質状態の割り振りを複数回行なうことにより、生じるクレードの頻度を集計し、missingness によってのみ支持されているクレードを除去することを目的とする。
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講演終了後、旧市街地の中心部 Vismarkt にある市庁舎 Stadhuis のホールでレセプションがありました。Stadhuis までは Naturalis から徒歩で20分ほどで、新旧ライン川の分岐近くに位置しています。ボルスのジンやらポートワインやら、かなりアルコール度数の高い飲み物が並んでいました。(ビールはただの水だ!)

ホールにはライデンにあるラーケンハル博物館所蔵の絵がいくつも飾られており、中には Pieter van Veen(1564-1629)の描く大きな飢饉絵図(honger-nood)もありました。Van Veen家というのは画家の家系で、Pieter の兄弟である Otto van Veen は Rubens の絵の師匠にあたる画家でした。

高濃度アルコールの短期的摂取により「へろへろ」になりそうだったので、昼間のような午後7時過ぎに早々にホテルへと退散しました。

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<Report> Leids Dagboek 30/May/2000
EVOLVE reader 諸氏:

三中信宏(農環研← PPP from Holiday Inn Leiden)です。

※ ダイヤルアップ接続の具合があまりよくないようです(とくに受信)。個人メールを出したのに返信されていないというときには、of 座して帰国を待つか of 再送してみるか、のいずれかを選んでください。送信の方はまったく問題ないのですがね。

日頃の行ないはいいはずなのに(\ポカ)、ご当地の天候は連日ご機嫌ななめです。今日も朝から雨がさらさらと降っています。今日は私の発表があるので、もう少し晴れればよかったのにねぇ。

● Chaacter Weighting (9:00 - 13:00)
1)Jan de Laet & Victor Albert: Hierarchical regression and structural parsimony analysis - toward a statistical basis for phylogeny reconstruction free of process assumptions.

2)Victor Albert & Jan de Laet: An evaluation of structural parsimiony method.

上記2講演は Jan がまとめて発表した。
重みつき最節約法の目的関数(コスト)は、形質iに関する総和Σw×s(wはiの重み;sはiのステップ数)と表現できる。このコストを最小化するのが最節約法である。s=m+h(mは理論的最少ステップ数;hはホモプラジー数)であるから、上記コストは、Σw×m+Σw×hと分解でき、第1項は定数であるから、けっきょく第2項Σw×hを最小化すればよいことになる。
ここで回帰分析とのアナロジーが登場する。線形回帰分析では、データ点と予測値とのズレを最小化するように回帰係数を推定する(maxΠ[i]prob(yi))。これと同様に、コストΣw×hを最小化するためには、maxΠ[i]exp[−wi×hi]という最適化問題を解けばよい。exp[−wi×hi]は形質iがhiという extra step 数を取る確率に比例するから、hの確率分布は prob(h=hi)=exp[−wi×hi]/Σ[h=0,1,...,Φ]exp[−wi×hi]と表現できる。たとえば、Φ=1のとき(e.g.,ATTTTTTT)は、prob(h=0)=0.731, prob(h=1)=0.269となる。Φ=3(e.g.,AAAATTTT)ならば、prob(h=0)==0.644,...,prob(h=3)=0.032となる。Φ→∞のときprob(h=0)は1/(1-e)=0.6321に収束する。
ここで、条件付き確率の定義により、prob(h)=prob(next step|h-1)×prob(h-1)と書けるので、両辺の対数を取れば−ln[prob(h)]=−ln[prob(next step|h-1)]−ln[prob(h-1)]となる。右辺第1項を progressive weights と命名する。
考え方としては、ホモプラジーに関する事前確率分布から系統樹を求め、その系統樹からホモプラジーの事後確率分布を計算する手法であると私は理解した。このホモプラジーの事後確率の対数値を structural charcter weight と呼ぶ。

3)Mike Steel: Some statistical aspects of the maximum parsimony.
Molecular Biology and Evolution 誌(2000)に載った論文に基づく講演。最節約系統樹問題に関して解くべき問題は、1)random character on fixed treeでの最節約スコアの分布;2)fixed character on random treeでの最節約スコアの分布。第1の問題については、n末端数に対して二値的な形質状態を等確率に取る形質についてのスコアLの確率分布(Steel 1993):prob(L=k)=[(2n-3k)/k・(n-k-1)!/{(k-1)!・(n-2k)!}]・2^(k-2)を任意の形質状態数に一般化すると、中心極限定理により標準化スコア(L−E[L])/var[L]は標準正規分布N(0,1)にしたがうことが証明された。
第2の問題はグラフ理論における Schroeder (1870) をベースにした理論構築ができる。この問題はスコアL=kとなるグラフの枚挙N(n,k)−樹長分布の決定問題−とみなされる。形質状態が二値的ならば、bichronic binary tree problem (Steel 1993)により正確な樹長分布が求められる。
最節約法(MP)と最尤法(ML)と結びつく。その意味は検討を要する。通常のMLは分岐点に関してのみ all states の積分を行なうが、Barry and Hartigan (1987)のいう「最節約的最尤法」parsimonious likelihood(MpL)は分岐点だけを考えているわけではない。もっとも完全な最節約的最尤法(MtpL)は系統樹の分岐点はもちろんすべての部分に関する考察が必要である。Farris (1973)はMtpL=MPであると主張したが、Felsenstein (1973)はML≠MPであると反論した。Nick Goldman (1990) はMpL=MPであることを証明した。Steel の考えでは、MPは確かにML解釈が可能である。その基礎定理は1994年にすでに証明されている(Systematics Association Spec. Vol., "Models in Phylogeny Estimation"所収の論文のことだろう−三中)。
MLが何を最適化しているのかはおもしろい問題である。θによったパラメタライズされた系統樹空間に属するある系統樹tは観察データに対してある確率を与える。これをf(t;θ)と表わす。データから最尤推定することによりある系統樹の樹形Tが求められる。これをgという関数で表わす。このとき、系統樹の復元確率(reconstruction probability)すなわちprob[g{f(t;θ)}=T]の確率分布は産出できる。このとき、Tは必ずしも復元確率分布を最大化しているわけではない。

4)Steve Farris: Weighting and homoplasy.
variable な形質はノイズであり、重みを低くすべきであるという考えは間違っている。むしろ、急速に進化する形質はより多くの系統学的情報をもっているとみなすべきである。【SATORI】として、形質の重みとはホモプラジーの程度ではなく、クレードとの一致性によって判定されるべきである。Cをnon-terminal branches における形質変化数、Sをあるクレードにおける形質変化とすると、重みはWはS/Cと表現できるだろう。

5)Suzanne Schulmeister: Total evidence analysis of lower Hymenoptera and the effect of character transformation weights.
GapあるいはTs/Tvのパラメーター(transformational costs)に関する頑健性を調べるために、パラメーター空間での sensitivity analysis をした。

6)Georg Fuellen: Short-branch attraction can be detected.
略。

7)Nobuhiro Minaka: Stepmatrix weighting in phylogenetics - random tree estimation and ita properties.
Character weightingをすることにより、系統学的情報を先験的に捨ててしまわずに、しかも不要なノイズを低減する方法が求められている。ステップ行列のコストをデータから経験的に推定することで、この目的は達成されるだろう。Ward Wheeler からは形質の transformational weights の変異の程度がこの方法で推定できるのではないかという意見があった。

8)Pierre Deleporte: The cost of successive weighting.
変異の大きな形質を downweight するためには、その形質が系統樹全体にわたって一律にその性質をもつという仮定が必要である。私は、確かにその通りあって、その一様性を検証するための方法は手の届くところにあると予想した。
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というわけで、この日は私自身の発表も含めて「りくつ」のトークが多く、私は十分に楽しみました。

そうそう、この日の朝食のおりに新聞をながめていたら、飛行機遭難で行方がわからなかった作家サンテグジュペリの機体(vliegtuig)の一部がフランスのマルセイユ沖でアマチュアダイバーによって発見(再発見?−"terukgevonden")され、海洋考古学者も公式にそれを認めたという記事が載っていました(De Volkskrand紙による)。

Hennig XIX はまだまだ続きます。

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<Report> Leids Dagboek 31/May/2000
EVOLVE reader 諸氏:

三中信宏(農環研← PPP from Holiday Inn Leiden)です。

※ 今日はオランダに来てはじめての「晴れ」でした(\^o^/)。

Naturalis のショップで、『オランダ動植物基本ガイド』(Basisgids flora en fauna van Nederland 1997, Vereniging Natuurmonumenten, 512pp., Dfl.44.50)という野外観察用のガイドブックを買いました。大会に来ているPierre Deleporteも言っていたのですが、オランダにはバードウォッチングに適した場所が多く、以前はフランスからでも鳥を見にきたことがあるとか。ホテルにあったパンフレットにも、ごく最近ライデンの近くに"Vogelpark: Avifauna"という鳥のテーマパーク(?)が開園したそうな。そういえば、Naturalis のこの時期の特設展示は「鳥のコンサート」でした。

町中なのにカモがそこいらでヒナを連れて歩いているし、大学校内にも鳥類保護区みたいなエリアが置かれています。野鳥が人を恐れないのには驚きます(こちらではそれが普通なのでしょうが)。市内のどこにでもいる鳥は、黒光りするコクマルカラス("Kauw": Corvus monedula)と嘴が黄色いムクドリ("Spreeuw": Sturnus vulgaris)の群れ、そしてよくさえずっていたのがクロウタドリ("Merel": Turdus merula)。その他、姿やさえずりだけでは、何の鳥やらわからないのはたくさんいます。南アフリカからきたTim Croweはいたくご満悦でしたが。

Hennig XIX はどんどん「濃く」なってきたぞ!

● Big Trees and Supertrees (9:00 - 12:45)

「大きいことはいいことだ」−Large phylogeny への傾向がとみに強くなってきましたが、それとともに"big tree"をどのようにして構築するか、あるいはメタ分析的に複数のデータセットから"supertree"をどうやって導くか、がこの日の午前中のセッションの基本テーマでした。

1)Mark Wilkinson & Joseph L. Thorley: Some problems in supertree construction.
Gordon による supertree の提唱(1986: J. of Classification)以来、supertree 構築のためのいくつかの方法論が提唱されてきた。基本的な考え方は、未知の supertree から標本抽出されたのが個々の系統樹(source tree)であるという見方である。したがって、supertree の構築とは、データとしての source tree から未知の supertree を推定するという作業である。
サンプルとしての複数の系統樹は、すべてが整合的であることもあれば、そうではないこともある。いま、source trees: T1,T2,... から構築された supertree("consistent plenary supertrees")ST1,ST2,... の集合を"span"と名づける。この span の合意樹が consensus supertree(strict component consensus of the span of consistent plenary supertrees)である。Wilkinson らは、この方法を改良した reduced supertree 構築法を提唱する。
source trees が互いに矛盾するときには、Mark Ragan (1992)−Mol. Phylogenet. Evol. の創刊号に載っている−の言う matrix representation with parsimony (MRP)を用いて、MRP consensus supertree をつくろうという考えである。
MRP法にもいくつかのバージョンがあり(コード化・重み付け・合意樹計算などに関して)、検討の余地がある。とくに、MRPの難点として指摘されている、サイズ・バイアスの問題(大きい tree と小さい tree を組み合わせたときに、サイズの大きい方が勝って、小さい方の情報がかき消される)は深刻である。また、もう一つの問題点として、樹形の影響がある。サイズは同じだが、樹形が異なる(対称的&非対称的)treesを組み合わせると、非対称的系統樹の成分の方がより多く残る傾向がある。このような問題点が解決されないかぎり、MRPが最良の方法であるかどうかは疑わしい

2)Olaf Beninda-Edmonds: Assessing the phylogenetic utility of MRP supertrees.
MRP法の基本的説明。MRPは total evidence 法ではない(個々のデータはバイパス)し、taxonomic congruence でもない(terminal points が同じでなくてもよい)。
シミュレーションによるMRPのパフォーマンスの検証をした。元データを分割して、それぞれから source trees を推定し、MRP supertree を構築する。分割しない元データを total evidence として系統樹推定をし、両者の比較をした。その結果、1)source trees の数が増えると accuracy は高まる;2)weighted MRPの成績は他のオプションよりも成績が良い、ということが判明した。

3)Mike Steel: Supertree methods - limitations and possibilities.
Systematic Biology 誌の近刊論文(vol.49, no.2, pp.363-368, 2000)に基づいての講演。Supertree は source trees を "display" する。ところが、source trees が複数あるときに、それらが互いに矛盾するかどうかを決めるための計算量はNPハードである。そこで、supertree 構築問題は、rooted / unrooted によって別々に考える必要がある。source trees が rooted ならばsupertreeはつくれるが、unrooted の場合はダメだ。ただし、後者の場合であっても、単一のsupertreeという条件を外せばだいじょうぶ(Discrete Applied Mathematics 誌近刊)。
どのような条件下で source trees は supertree を定義できるのか? 必要条件は、1)supertree が fully resolved であること;2)supertree が source trees を display すること、の二つである。では、これらは十分条件といえるか? rooted trees に対してはイエス、unrooted trees に対してはノーである。
supertree の定義が可能であるとき、internal edges の数に関してある条件が満たされることを、source trees は supertree を tightly define すると言う。このとき、source trees が supertree を tightly define するならば、source trees は supertree を display する、という定理が得られる(J. of Algorithm 誌, 1999発表)。

4)William Piel: The 'small world' dynamics of building a supertree network.
国立遺伝研の斎藤成也らが構築している系統樹データペース"JUNGLE"を見ると、系統樹情報の爆発的な増大は明白である。これらの系統樹情報から supertree を構築するために、Michael Sanderson らがつくっている TreeBASEシステムを利用し(TREE誌の1998年のいずれかの号:"Phylogenetic Supertree"という表紙絵が載っている)、tree-surfing をしてみた。
その結果、supertree 構築には"small-world dynamics"の理論−Nature, 393: 440ff.; Science, 286: 509ff.−が適用できることが判明した。source treesの数が800を越えると、tree islands ではなく、単一の global supertree に近づく。(small-world dynamics って何やねん、いったい?)

5)Jonathan Coddington: Progress in spider phylogeny (Arachnida: Aranae).
クモ類に関する既存の形質情報をひとまとめにすると、500タクサ、合計30万形質あるものの、missing character-states はそのうち87%に達する。したがって、こういう brute force 的アプローチではなく、個々の形質ごとにメタ・アナリシス的な系統推定が望ましいだろう。実際、力づくでやるよりは、MRPで求めたクモの系統樹の方が resolution が高い。

6)Nikolas Salamin: Grass phylogeny estimated using supertree network.
MRPの適用例。略

7)Steve Farris & Mari Kaellersjoe: The bigger the better.
大系統を推定するときには、branch-swapping なんか不要だ。swapping したいなんて単なる「文化」の問題だ。n形質×tタクサの問題のサイズに対して、計算量は、parsimony jackknifeではn×t^2、neighbor joiningではn×t^2+t^3、他の方法はもっと悪い。PAUP*なんてのはどうしようもなくって、parsimony jackknife で0.7秒ですむ計算が、99.4秒もかかるぞ。
計算時間を減らすために big data をわざわざ削るなんてバカのやることだ。大きいことはいいことだ!(^^;;;)

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午後は、大学内にあるオランダ国立植物園(Rijksherbarium)の Van Steenis Gebouw で、ソフトウェアのデモがありました(15:00 - 16:00)。デモされたのは下記の3つ:

1)Jan de Laet & Victor Albert
SenoK - weighted parsimony approach
2)Pablo Goloboff, Steve Farris & Kevin Nixon
TNT
3)Ward C. Wheeler
POY

TNTなんて、まるで「F1レース」を見ているようでした、ハイ。

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じゃ、またね〜

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<Report> Leids Dagboek 1/June/2000
EVOLVE reader 諸氏:

三中信宏(農環研← PPP from Holiday Inn Leiden)です。

※ 今日も雨〜、またまた雨〜(T_T)

雨の中を Pesthuis に向かうと気分が滅入るような。Naturalis で売られているパンフレット:

Droege, J. 1989. Het pesthuis de Leiden: een bouwgechiedenis. Nationaal Natuurhistorisch Museum Leiden, 31pp.

を見ると、現在 Naturalis が入っているこの pesthuis は1657年に建造されたもので(もちろん改修されているが)、ペストの流行に合わせて治療院として建てられたとか。現在見られるような、正方形の中庭を取り囲む2階建ての pesthuis のようすは、すでに18世紀に描かれています。その後は軍の施設が入ったりしたこともあったそうです。

さて、今日の大会プログラムは、tree-mapping がテーマです。

● Trres in Trees: Conceptual Analogies(9:00 - 12:20)

Gene tree/species tree, species cladogram/area cladogram, そしてhost/parasite coevolution を系統解析するときには、系統樹の間の写像による対応関係を復元する必要があります。午前中のセッションでは、これについての理論的問題が議論されました。

1)Marco van Weller: Reqeirements for obtaining valid general area cladograms with a poeteriori and a priori methods in vicariance biogeography.

歴史的生物地理学の方法論には「アプリオリ法」と「アポステリオリ法」がある。アプリオリ法とは、Component analysis, Reconciled tree analysis, Three-area analysis の3つであり、アポステリオリ法とは Component compatibility と Brooks parsimony analysis である。これらの方法はいずれも vicariance(V) / extinction(E) / dispersal(D) を説明的因果仮説として実際のデータを説明しようとする。Assumption 0(A0) = V; Assumption 1(A1) = V+E; Assumption 2(A2) = V+E+D である[そうかなぁ?]。
いくつかの前提(requirement)が必要である。第1は(R1)、上記の Ass. 0〜2 が互いに階層的に area relationship を分割するという前提である。第2は(R2)、simple assumption comparison であり、これは異なる Assumption は別々に比較できるということである。既存の方法を A0〜A2;R1&R2 の観点から比較した。

2)Daniel R. Brooks: Searching for the fountains of truth - prophecy vs. science in historical biology.
アプリオリ法(component analysis, reconciled tree analysis)は、因果仮説に適合するようにデータを改変しているのではないのか? これに対して、Brooks parsimony analysis のようなアポステリオリ法はそういうデータの改変はしていない。
両者は研究の方針が根本的に違う。アプリオリ法は帰納的・実証主義的なスタンスを取るのに対し、アポステリオリ法は仮説演繹的なスタンス(total evidence, logical parsimony, falsificationism)を支持する。また、両者の間では、存在論も異なる。
アプリオリ法は仮説の単純性(simplicity)を最適化基準とみなすが、それはアポステリオリ法が支持する logical parsimony とは異なる。後者は地理的分布の説明には法則も例外もあることを認めた上で、両者を見分けるために必要なのだ。[後半の主張は私には理解不能。]
アプリオリ法とアポステリオリ法とはパラダイムが違うのだ!

3)Peter van Welzen: New Guinea - a correlation between accreting areas and dispersing Sapindaceae.
Reconciled tree method の適用例。

4)Hubert Turner: Trees in trees - conceptual analogies.
tree-mapping における units の議論。あるレベルの tree でのユニットは、その下のレベルで分割されることがある。

5)Michael Charleston: On jungles in the Carribean - islands, lizards, and malaria.
Mathematical Biosciences 誌に載った(1999年だっけ?)、彼の"Jungles"の論文に基づく講演。Cophylogeny problem は系統樹間の写像構築の問題である。写像の構成要素は、Cospeciation / duplication / sorting / switching であり、それらの事象にあるコストを付与して、系統樹間での最適な association を構築する。その復元は、ある種の digraph(directed graph)としてグラフ理論的に復元できる(これが "Jungle")。Jungle の点は association の範囲を表わし、辺は系統樹のいずれかの枝に相当する。
系統樹間での association 復元の基礎は partial ordering の構築である。すなわち、associate している系統樹の末端点(パラサイト)のペアに対応する、ホスト側の internal point の集合(feasible parent set)を構築する。すべての末端点のペアに対してこれを実施することで、Jungle は作られる。
カリブ海の小アンティル諸島に分布するアノールトカゲとその病原体のデータから、Jungle構築の実例を示した。

6)Chris Humphries: Historical biogeography - which method to use?(←タイトル変更)
Redundant distribution の解釈がいまなお問題だ。

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午後はポスターセッションがあり(14:00 - 16:00)、その後、招待講演として Willi Hennig の子息 Wolfgang Hennig 教授(分子遺伝学が専門で、オランダの Wageningen 大学に在職)によるトークがありました(16:00 - 17:00)。大筋は以下のとおり:

Wolfgang Hennig: "Personal Notes on Willi Hennig."

父 Willi Hennig の書簡や文書を整理していて、いくつかの事実が明らかになった。第2次世界対戦後、Hennig 家は Leopzig にいたのだが、その後ベルリンに職を見つけた(Deutsche Entomologische Institut)ので、家族も引っ越した。
しかし、政治的な攻撃を父が受けたため、必ずしも安泰な生活とはいえなかった。一方では、ナチスに関係していたという非難もなされたが、逆に父の phylogenetische Systematik とは「共産主義的体系学」であるとの批判(左翼と不法に接していたという嫌疑)の方が父にはこたえた。父は控えめな性格だったので、そういう政治的論難に対して表立った反論をしたわけではなかったが、「ドイツの学界はよくない、教授職は問題だ」という意見をもっていた。私に言わせれば、ドイツ昆虫学研究所の中での父は、むしろ「christian anti-communistic systematist」だった。
日常生活は多忙で、50歳を越えるまでまとまった休暇を取ったことはなかった。オペラが好きで、とりわけディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウのファンだった。シュトットガルトの博物館に移ってからは、館のディレクターにならないかとの誘いもあったのだが、研究時間がなくなることを懸念した。1976年に亡くなる直前になって、孫たちとよく遊んでいたことがいまでも記憶に残っている。
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特別講演の後、場所を旧市街区(Oude Leiden)の植物園 Holtus Botanicus Leiden に移り、そこの Orangerie でバンケットが催されました(18:00 - 22:00)。19世紀はじめに(1830年?)、Phillip Franz von Siebold(1796-1866)が日本からもってきたアケビがからまる建物でした。Holtus には Siebold ゆかりの植物がたくさん植わっており、ショップには Siebold の日本植物誌の CD-ROM まで売られていました(Dfl.99, 1999年出版)。ライデンにいるうちに、もう一度ここに来る予定です。

Holtus に来る途中、同じ Rapenburg 通りの運河沿いに、この4月にオープンされたばかりの Sieboldhuis があります。Siebold が日本から追放された 1831 年に居を構えたのが、まさにこの場所。オランダ国旗とならんで鯉のぼり(「日の丸」じゃないところがミソ!)が掲揚されていたのが、実に印象的でした。

町中の書店を見ても、「蘭日400年記念」を記念した出版物・イベントがオランダ国内の都市(アムステルダム・ハーグ・ライデンなど)などでたくさん開催されていることがわかります(日本からやってくる企画も多い)。総合パンフレットを見ると、日本国内でもオランダと同じくらいいろいろな企画があるようですが、日本にいた頃は全然知りませんでした。

それにしても、うえ〜、呑んだ呑んだ。夜になっても外が明るいので、時間の経過がわからないだけに、グラスが手から離れなかったような...。ようやく夕闇が迫ってきた!夜10時近くにホテルに生還しました。

明日はやっと最終日。

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<Report> Leids Dagboek 2/June/2000
EVOLVE reader 諸氏:

三中信宏(農環研← PPP from Holiday Inn Leiden)です。

# "Leiden zit vol poezie." #

今日はやっと「晴れ」、気温も高くなりそう。今朝、新聞の天気予報欄を見ていたら、ライデンあたりでは、今の時期の日の出が午前5:30、日没が午後9:50とのこと。夜が遅くまで明るいのも当然でした。

6月6日にライデンの中心部 Stedhuis の Vismarkt 通りにかかる Koornbrug の橋のたもとに水上舞台が設けられ、そこで"Lyriek in Leiden"(ライデンの叙情詩
)というイベントが午後7時〜11時まで開催されます。午後11時というとずいぶん遅いように私は感じましたが、日没の遅さを考えればやっと夜がきた頃にクライマックスを迎えるという狙いがあるのかもしれません。この企画では、古都ライデンを詩に詠んだ過去500年間にわたる詩人の作品を水上舞台の上で次々と朗読するというものらしく、朗読されるすべての詩を活字にした本:

【書名】Lyriek in Leiden: vief eeuwen poezie.
[ライデンの叙情詩:過去5世紀の詩]
【出版】2000年
【頁数】238pp.
【ISBN】90-80280-26-7 (paperback)
【価格】Dfl 15.00

が街中の本屋に置かれていました。オランダ語だけでなく英語・ドイツ語・アラビア語・中国語など多彩な形式の詩が含まれています。

「"Leiden zit vol poezie."(ライデンには詩が満ちあふれている)」という一文は、この本の冒頭にある言葉です。ライデンでももっとも人の集まる一角でのイベントですので、さぞ盛り上がることでしょう。
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Hennig XIX の最終日は一般講演のセッションが午前9時から始まりました。しかし私は前夜のアルコール液浸状態からの脱却に意外に手間取り、最初の方はぐてぐでに"死んで"いました。

1)James M. Carpenter: On the higher-level phylogeny of Hymenoptera (Insecta).

2)Christine Thacker: Molecular phylogeny of the gobioid fishes.

3)Julio Mario Hoyos: Phylogeny of the Ranidae (Amphibia, Anura).

4)Burton Lim: Phylogenetics of least sac-winged bats (Balatinopterix) - morphological and molecular data.

このあたりからようやく"生き返りだした"...というていたらく。

5)Lars W. Chatrou: Large-scale phylogeny of angiosperms - "the faster the better".
分子配列データから系統推定するときには、情報とノイズの間でジレンマが生じる。進化速度の遅い配列はノイズが少ないが情報も少ない。一方、速く進化する配列では情報も多いがノイズも多い。シミュレーションをしてみると、進化速度が速いほどパフォーマンスが良い(accuracyが高い)ことがわかった。要するに、「速いことはいいことだ。」

6)Daniel L. Geiger: Timeless characters - stratographic data in cladistics.
なぜ化石のデータを系統解析に組み込むのか? その理由としては解像度が高まるなどいくつかの理由が挙げられている。一方で、化石のもつ「時間」という属性は系統解析には使えない。なぜなら、時間というのは生物のもつ形質ではなく、健勝に耐え得る属性ではないからだ。時間というのはしょせん「locator」にすぎない。したがって、層序学的な形質は系統推定とは無縁である。

7)David Williams: Patterson's test of homology.
相同性とは「関係」である。どのような関係かは、1)歴史的;2)論理的;3)発生学的、という異なる視点からの解釈を許す。通常の分岐分析の観点では、相同性の解明は必ずしもクリアではない。しかし、three-item analysis を用いればその問題を回避することができる。

8)Peter Hovenkamp: Is robustness robust? - branch supports and replicability.
系統樹の頑健性を評価する指数としては、ブーツストラップ・ジャックナイフ・decay index・support indexなどなどいろいろなものがこれまで提案されてきた。指数巻の相関関係を既存のデータに照らして調べてみたところ、必ずしもきれいな相関関係は得られない。したがって、単一の指数にこだわるのは得策ではない。

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最後に Ole Seberg 会長の閉会挨拶があり、Hennig XIX Leiden の全日程は完了しました。

5日間にわたり pesthuis に完全隔離された学会ライフを満喫したわけですが(^^;)、規模の大きな学会大会とは異なり、参加者がきわめてまじめに毎日「出勤」してくるのが Hennig Society Meeting の特徴であるように感じました。

次回の Hennig XX は久しぶりにアメリカでの開催。場所は、オレゴン州立大学で、Andrew Brower が事務局を引き受けるとか。彼は、この8月にブラジルのイグアスで開催される国際昆虫学会議でシンポジウム講演をするので、関心のある人は滝に打たれつつ尋ねてくださいな。さらに2年後の Hennig XXI はフィンランド(ヘルシンキ)での開催が予定されているとのこと。

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以上で、ライデン発の Hennig XIX 報告はオシマイです。

私が日本に帰るのは6日(火)ですので、それまではオランダからいろいろと雑情報(徘徊記録とか本の情報とか)を流してしまうことになるでしょう。

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