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日録2011年2月 


28 februari 2011(月)※如月の月末に霙や雪が降るとは

◆午前5時前起床.真夜中からしだいに雨が強くなり,今は本降り.ベランダを雨粒が打つ音が反響している.いまの気温は+4.1度.天気予報によると今日は終日雨が降り続き,気温は昨日よりも10度以上低くなるらしい.ここのところ気温の日変動が大きすぎて服装に困る,と言いつつも,連日ロバストないでたちだったりするのだが.いずれにしても,本日は「花粉の祭典」は休業か.午前8時,気温はさらに低下して+3.7度.春先らしからぬ氷雨が降り続いている.『悪の枢軸新聞』のトップ記事が〈ブエノスアイレスのマリア〉だったので,BGM にかけている.

◆[蒐書日誌]書評依頼本届く —— クリストファー・チャブリス , ダニエル・シモンズ[木村博江訳]『錯覚の科学』(2011年2月10日刊行,文藝春秋,東京,374 pp.,本体価格1,571円,ISBN:978-4-16-373670-9 → 版元ページ特設ページ原書公式サイト).客観的に「見る」ことがいかに不可能かを具体的な事例研究を通して論じた本.人間のもつ認知心理的なバイアスがもたらす知覚の歪みについても触れられているにちがいない.ややセンセーショナルな売られ方ではあるが,関連書とともに読もう.原書は:Christopher Chabris and Daniel Simons『The Invisible Gorilla: And Other Ways Our Intuitions Deceive Us』(2010年5月刊行,Crown Archetype, New York, ISBN:978-0-307-45965-7 [hbk] → 版元ページ).

◆寒い朝の┣┣" 撃ち —— 研究交流センターの打ち合わせのためのアンケートを返答した./PAUP* for Macintosh の実習用に古い PowerBook をもう一度“現役”に戻す必要が出てきてしまった./来年度の兼業申請書類を書き始めようとしたら,“類友”で計四校の分がわらわらと湧き出てきた.

◆昨日あたりから,Facebook 経由で東大オケ卒団員つながりと駒場の同級生つながりがほぼ同時にクラスター化されつつある.同窓会的ネットワークに Facebook がなじみやすいというのはあたっていることを実感.実名主義がいい方向に発現しているということだろう.

◆[蒐書日誌]ブルース・M・フード[小松淳子訳]『スーパーセンス:ヒトは生まれつき超科学的な心を持っている』(2011年2月18日刊行,インターシフト/合同出版,東京,ISBN:978-4-772-69522-0 → 版元ページ).ヒトの「心理的本質主義」を論じたこういう新刊が出たとは知らなかった.原書:Bruce M. Hood『SuperSense: Why We Believe in the Unbelievable』 (2009年刊行,HarperOne, New York, ISBN:9780061452642 → 著者ブログ) .さらに認知心理学的な本のようだ.この手の「脳」や「心」の本は煽るような売り方をされがちなんだろうか.なんというか,「超科学」って翻訳タイトルこそ大きな「×」ではないかと思う.翻訳本のタイトルで損をしているが,原書はなかなか評判がよさそう.ついでにゲットしておこう.

◆氷雨からみぞれへ —— 正午の気温は+2.3度.観音台はみぞれが降りだした.ソルベが空から降っているみたい.季節が一気に巻き戻されたようだ.またしても冬眠したい感じ.先週もそうだったが,午後になるとMAFFINの接続がきまっておかしくなるのはどうしてだろう.書類書きは続く.

◆[蒐書日誌]観念論のアラシが吹き荒れる〜 —— Adolf Naef の観念論形態学本がミシガン大学図書館からまとめて二冊復刻された:Adolf Naef『Idealistische Morphologie und Phylogenetik: Zur Methodik der systematische Morphologie』(1919年刊行,Gustav Fischer Verlag, Jena)と『Die individuelle Entwicklung organischer Formen als Urkunde ihrer Stammesgeschichte』 (1917年刊行,Gustav Fischer Verlag, Jena).いずれも超稀覯書だが,いずれもたった「US$ 9.90」で入手できるとは!

◆あられからぼたん雪へ —— 午後2時過ぎ,先ほどまで外はあられで,氷の粒がぱらぱらと音を立てて降っていたが,しだいに大粒のぼたん雪に変わってきた.午後3時に最低気温+1.3度を記録.この寒さじゃ雪が降り続くしかないよねぇ.思いもよらず本格的な雪空になってしまったので,今日の夕方はすばやく撤収した方がよさそうだ.午後4時過ぎ,雪は小止みになった.

◆夕方になって┣┣" を仕留める —— 来年度の非常勤出講の兼業手続きを完了:首都大東京・東京農大・玉川大・横浜国大.┣┣" を四頭仕留めるだけでもう夕暮れになってしまった.そのあいまに大分から届いたR質問への返答一件を片付ける.

◆午後5時前に農環研を撤収.雪はもう止んでいたが,冷たい小雨がまだ降り続いていた.今月は早く短く終わってしまったな.

◆本日の総歩数=3768歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.4kg(+0.6kg)/29.2%(+0.2%)


27 februari 2011(日)※花粉に霞んで筑波山が見えない

◆今朝の起床は昇る朝日を拝みつつ午前6時半.最低気温はマイナス0.1度と「冬」が少しだけ抵抗しているようだ.春霞の晴天で,今日も花粉の祭典か.

◆[欹耳袋]ベルリンでの〈BioSystematics 2011〉が閉幕した.次回の第8回国際進化生物学会(ICSEB-VIII)は2015年に韓国開催が決定された.※これでまた日本のプレゼンスが低下することになるか.みなさん,国際会議にはちゃんと参加しましょうね.

◆[欹耳袋]Windows版に続いて,最新の R-2.12.2 for Mac OS X もCRANから公開された.さっそくダウンロードした.

◆[蒐書日誌]いつ出るんだろー? —— Elliott Sober『Did Darwin Write the Origin Backwards? : Philosophical Essays on Darwin's Theory』(2010年12月近刊,Prometheus Books, ISBN:978-1-616142308 → 情報)は未刊ということか.先ほど amazon.com から注文キャンセルのメールが届いた./ついでに,検索していてヒットしたのでメモ:Elliott Sober. Common Ancestry and Natural Selection in Darwin’s Origin. On the Human, 6 June 2010.

◆週末ランチ —— 春の暖かい日射しがさんさんと降り注ぐ昼下り,遠東〈風土庵〉にてランチをば.まずは前菜盛り合わせから.彩り豊かな和風の一皿.続いてメインは地鶏のローストの一皿.桜花ごはんと汁物付き. 最後のデサートはフルーツと氷菓の一皿.純米大吟醸のシャーベットがことのほか美味だった.予想通り,今日は終日「花粉の祭典」で,目も鼻もゼツ悪な状況だった.しっとりティッシュをすぐに用意しないと.

◆[蒐書日誌]啓蟄に合わせて蛾の本がどどどっと出る —— まずは学研から二冊まとめて蛾類図鑑が出る:岸田泰則(編)『日本産蛾類標準図鑑1』(2011年近刊,学研,東京,ISBN:978-4-05-403845-5)※この巻はシャクガ上科・カイコガ上科などを含む/岸田泰則(編)『日本産蛾類標準図鑑2』(2011年近刊,学研,東京,ISBN:978-4-05-403846-2)※こちらはヤガ上科.「1」と「2」でマクロレピ全体をカバーするとのこと.ミクロレピは続刊予定だそうだ.『日本産蛾類標準図鑑』を2巻ともそろえるにはたった25,000円×2=50,000円ですむわけね.でも,これから続く『日本産蛾類標準図鑑』のミクロレピ編(何分冊だろうか…)はいったいおいくらになることやら〜(汗).

もう一冊は:駒井古実・吉安裕・那須義次・斉藤寿久(編)『日本の鱗翅類:系統と多様性』(2011年2月20日刊行,東海大学出版会,東京,ISBN:978-4-486-01856-8) 定価は税込でたった42,000円!しかも3月20日までは特価37,800円(税込)とのこと.上の『日本産蛾類標準図鑑』と合わせて魔がさして買ってしまったりしたら,おサイフはすっからかん…….

◆今夜のケーキは春日の奥の〈モン・サン・ミシェル〉に注文したデコレーション・ロールケーキ.つくばエリアにはいくつも名のある洋菓子店があるが,スポンジと生クリームのおいしさにかけてはこの店がピカイチだと思う.

◆本日の総歩数=2227歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.8kg(+0.2kg)/29.0%(−0.5%)


26 februari 2011(土)※再び厚木の丘の上に立つ昼下り

◆午前5時前起床.気温は+1.7度だが,昨日に比べるとものすごく寒く感じる.午前6時前の朝焼けグラデーション.昨日は濃霧だったが,冷え込む今朝はいつもの夜明けの色合い.最低気温は午前7時の+0.6度.朝から花粉がひどいな〜.今日は農大(厚木)にて,卒論発表会と追い出しコンパがある.もちろん朝から発表会はやっているけれど,何時から登場しようかと思案中.今日みたいな「粉っぽい日」に,厚木の丘の上で吹きさらされて「ふんが〜」になるのはいやだなあ.

◆[蒐書日誌]「InDesign、神の声」 —— ミルキィ・イソベ,紺野慎一『組む。 InDesignでつくる、美しい文字組版』(2010年5月27日刊行,ビー・エヌ・エヌ,東京,203 pp., ISBN:978-4-86100-673-9 → 目次|版元ページダウンロードサイト).「InDesign、神の声」とオビに大きく書かれている.そうか,オラクルだったのか.InDesign 1.0 の時代からもう10年あまりこのソフトウェアと付き合ってきた.書籍の組版だけでなく,講演スライドの組版もすべて InDesign なしにはありえない.勉強,勉強,また勉強.ということで,先日,千駄木の往来堂書店の特設コーナーでゲットした.

◆[欹耳袋]R-2.12.2 for Windows が公開された: ※Macはしばし待て./〈LetterFix for Mac OS X Mail.app〉※Apple Mail の「文字化け」を予防してくれるプラグインとのこと.

◆「花粉の祭典」のなか厚木に向かう —— 10:55発のTX快速に乗る.春霞の都内は霞みつつ暖かく晴れている.しかし,「花粉の祭典」で鼻がぐすぐすするのはうっとおしい.経堂で途中下車して〈羅漢茶屋〉にて遅めのランチは地魚の天麩羅盛り合わせ.さて,いよいよ厚木へ乗り込むぞー(遅いって……).

暖かく晴れわたる農大・厚木キャンパスの講義室にて,東京農大・昆研の卒論発表会は後半を迎えている.もう何年もここの卒論発表会に出ているので,昆研伝統の卒論テーマのいくつかは概略はもうわかっている.人数の多い研究室なので,学会の一般講演並みのタイムスケジュールが設定されているのも例年通り.午後4時,太陽が丹沢の向こうに落ち始めた.夕暮れが近い.農大・昆研の発表会も残すところ修士の二人の発表のみとなった.ラオス産のナガカメムシ類の発表,おしまい.伴さん,おつ〜.ナガカメムシって,どれもこれも「同じ」に見える.本日の発表会の大トリは,来月から神戸に移る渡辺さんのチビマルヒメバチ亜科の発表.ヒゲナガガに寄生するとは知らなかった.

◆午後5時から,いつもの形態系実験室にて追い出しコンパ.本日の日本酒のラインナップ:奈良「睡龍」・会津「壺中春」・秋田「新政」・秋田「雪の茅舎」・長野「松尾」・静岡「木枯の森」ほか.すべて一升瓶.おつまみがどんどん運び込まれる.ベトナムで“名誉の負傷”をしてしまった小島さんは,周囲から「くれぐれも酒を慎むように」と言い渡されて,ミネられウォーターを林立させていた.今日の日本酒の中では石川忠さんがもってきた「睡龍」がバツグンの味わいだった.バイエルの結城研究所が閉鎖される話を初めて聞いた.午後7時半,さて,農大の追いコンも中締めとなり,遠路はるばるのワタクシはそろそろ中座しないと.本厚木駅行きのバスは19:40発.丘の上のバス停で待っている間も花粉にまとわりつかれて目はかゆいし鼻はぐすぐすだし…….

—— 運よく小田急の急行に乗れたので,すいすいと接続よく午後10時過ぎにはつくばに帰りつけた.

◆本日の総歩数=3954歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=92.6kg(−0.1kg)/29.5%(+0.3%)


25 februari 2011(金)※春一番が吹いて20度超の暖かさ

◆午前4時半過ぎ起床.気温は+6.6度.暖かいねー.今日もつくば実在日.あの┣┣" この┣┣" よりどりみどり〜.夜明け前の窓の外をふと見たら,乳白色の濃霧が立ち込めていた.さすが霧筑波.今日は国立大学の前期試験日.つくば中心部の道路渋滞が心配だったが,幸い通勤時間帯には濃霧は晴れてきたのでもう大丈夫.いつもより渋滞度がやや高いくらいですみそう.

◆早朝の┣┣" 撃ち —— 来年度の東大連携教員の委嘱への受諾連絡すみ./次期研究計画(RP)への参画意思表示と研究計画概要の連絡完了./文科省の教員免許申請科目申請書の文言をひねりだしている.しかし,文科省に提出する申請書類の書式が「ぐわわ」というほどじゃまくさいことが判明(orz).関係者にとりあえず丸投げしてみた.

◆[蒐書日誌]思想地図β・第三刷出た〜 —— 東浩紀(編)『思想地図β・第1巻』(2011年1月1日第一刷刊行|2011年1月15日第二刷刊行|2011年2月10日第三刷刊行,コンテクチュアズ,東京,28+340+xvi pp.,本体価格2,300円,ISBN:978-4-9905243-0-2 → 詳細目次版元ページ正誤表サンプルページ|ハッシュタグ #scbeta).つくばにも着弾しました〜.たくさん売れることはいいことだ.

◆午前7時の気温は+5.8度.しだいに晴れて雲間から太陽がのぞき始めている.南風が入っているので体感的に暖かい.今日は気温が上がるぞー.ということは,本格的に「花粉の祭典」かっ(うわ)

◆[欹耳袋]ものすごく“数学”してるなあ —— Hamada M, Kiryu H, Iwasaki W, Asai K (2011), Generalized centroid estimators in bioinformatics. PLoS ONE, 6(2): e16450 → html | pdf; doi:10.1371/journal.pone.0016450.アラインメント,タンパク質の高次構造,分子系統樹の推定問題での“あいまいさ”とどのように取り組むかの理論フレームワークを提唱した論文.

◆昼休み.都内は「春一番」が吹いたとの宣言が出たが,つくばは南風は吹き込まず.それでも正午の気温は16.7度まで上がっている.午後は20度くらいまでいくかな.と言っているうちに,するするとさらに上昇.午後1時には20.4度とあっさり20度ラインを越えてしまった.外はぽかぽか陽気だが,中はウツウツな書類┣┣" が居座っている…….午後3時,なお気温20度超.南風がしだいに強まってきた.遠景の木立が大きく揺れている.風速7メートル.つくばも「春一番」が吹いているということか.ぬくいなあ.午後4時前,文科省の申請書類┣┣" をようやくやっつけて,他の連携教員と東大農学部教務宛にメール返信完了.窓からは西に傾いた太陽からさんさんと日射しが降り注いで,居室の気温は24度と早くも温室状態になってきた.

◆[蒐書日誌]C. J. B. de Carvalho and E. A. B. Almeida (eds.) 『Biogeografia da América do Sul: Padrões & Processos』.(2011年刊行,Editora ROCA, São Paulo, ISBN:9788572418966 → 版元ページ).南米の生物地理の論文集./ジョン・F・M・クラーク [奥本大三郎監訳]『ヴィクトリア朝の昆虫学:古典博物学から近代科学への転回』 (2011年2月刊行,東洋書林,東京,ISBN:9784887217850 → 版元ページ

◆[欹耳袋]来月下旬は東西飛び回りの三連続高座がある ——

  1. 第2回進化と文化とこころワークショップ 〈文化系統学への招待〉[第一部]公開講座:三中信宏「文化系統学と系統樹思考:進化するオブジェクトの多様性と系譜 」,3月24日(木)12:30〜13:30;[第二部]『文化系統学への招待』勉強会,14:00〜18:00,京都・京都大学稲盛財団記念館・3F大会議室.
  2. 仮想制度研究所(VCASI)公開研究会〈言語×政治:系統樹的時空間スケールから〉講演:三中信宏「系統樹思考と分類思考:進化するオブジェクトのパターンとプロセスの解析」,3月26日(土)13:15〜14:30,赤坂・日本財団ビル・3階A会議室.Ustream配信予定とのこと.|公開研究会の予定は26日(土)が10:00〜19:00,翌27日(日)が13:00〜となっている.
  3. 第113回日本畜産学会大会.在来家畜研究会・日本動物遺伝育種学会合同シンポジウム〈動物の形態・系統・進化〜とくに家畜・水産動物を対象として〜〉,3月28日(月)12:30〜16:30,東京農大(厚木)第2講義棟 3階 第X会場(2302 教室)→詳細[pdf]※三中信宏「系統樹から見えてくる生物進化のパターンとプロセス」(14:35〜15:30).

—— 年明け以降,方々からお座敷のお声がかかるようになってきた.ありがたやありがたや.

◆午後5時前にさくっと撤収.水蒸気をたっぷり含んだ叢雲が浮かぶ夕暮れの空を眺めつつ帰宅.今週は残務の大┣┣" どもを仕留めたので,肩こりからやや解放された感じがする.

◆本日の総歩数=4651歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.7kg(+0.3kg)/29.2%(+0.4%)


24 februari 2011(木)※今日はつくばで┣┣" 撃ち三昧

◆午前4時半過ぎ起床.気温+3.5度.今日は農環研に実在する日.┣┣" どもがじゃれついてくるぞくるぞくるぞ.晴れた空から小雨がぱらぱら降るフシギ.狐の嫁入り.今朝の最低気温は+2.1度だった.朝から曇り空で,筑波山が霞んで輪郭すら見えない.

◆ここ数日,進化学の現代的総合レビューにかかりきりで,砂曼荼羅のごとき ephemeral な書棚が出現した.奥のツートンカラー三巻本は Sol Tax (1960),手前の黒っぽい二冊はジュリアン・ハクスリー本:『Evolution: The Modern Synthesis』(1942)と『The New Systematics』(1940). 青い大冊はトーマス・ユンカーのドイツ「現代的総合」史の本,ユルゲン・ハファーのエルンスト・マイアー伝記が並ぶ.マイアー&プロヴァインの現代的総合総括論文集 (1980).ピーター・ボウラーの「非ダーウィン革命」本,手前の文庫本は渡辺政隆訳『種の起源』.そして,スモコヴィティスの「現代的総合」史とシウォール・ライト伝.

—— 砂曼荼羅は,修行が終わった時点ですべて突き崩すことになっている.この儚い書棚も今日中には消え失せることになる.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 新しく発注した MacBook Air 11 のオプション仕様を業者にメール連絡完了.進化曼荼羅の改訂版を編集部にメール送信すみ.年度末になると,所内の方々で「駆け込み工事」やら「物品搬入」が頻繁にあって,騒がしいとこの上なし.やっぱりホームよりもアウェイか…….

◆東京農大・昆研・卒業謝恩会,3月21日(月),午後3時!〜エンドレス.農大(厚木)・形態系実験室.※最初は「午後6時半から本厚木駅前」だったが,卒業式が終わったらすぐ飲むぞ!という学生(いや教員か……)に配慮したのだろうか.昨年の収穫祭のときも真っ昼間からぐでん…(略)

◆曇り空の昼休みはトン・コープマンの〈フーガの技法〉とともに.ん? 小雨がぱらついているな.

◆[蒐書日誌]田辺元哲学選(全四巻完結) —— 藤田正勝(編)『死の哲学[田辺元哲学選: IV]』(2010年12月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・青694-4],東京,459+4 pp.,ISBN:978-4-00-336944-9 → 版元ページ).シリーズ完結となる第四巻.所収論文は:「メメント モリ」(pp. 11-29)・「禅源私解」(pp. 31-62)・「マラルメ覚書」(pp. 63-218)・「生の存在学か死の弁証法か」(pp. 219-422).

既刊三冊は下記の通り:

  1. 種の論理[田辺元哲学選: I]』(2010年10月15日刊行,岩波書店[岩波文庫・青694-1],東京,515+3 pp.,ISBN:978-4-00-336941-8 → 紹介版元ページ
  2. 懺悔道としての哲学[田辺元哲学選: II]』(2010年10月15日刊行,岩波書店[岩波文庫・青694-2],東京,514+3 pp.,ISBN:978-4-00-336942-5 → 紹介版元ページ
  3. 哲学の根本問題・数理の歴史主義展開[田辺元哲学選: III]』(2010年11月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・青694-3],東京,445+3 pp.,ISBN:978-4-00-336943-2 → 紹介版元ページ

そう言えば,十年ほど前に:竹田篤司・宇田健(編)『田辺元・野上弥生子往復書簡』(2002年10月29日刊行,岩波書店,東京,viii+586 pp.,本体価格6,000円,ISBN:4-00-023751-9 → 版元ページ)というものすごく部厚い本を読んだことがある).信州大学理学部のクリスマス集中講義のときだった.真冬の旭会館で自炊しつつ読み進んだものだ(→「松本日記2002」.

ついでに,手元にある田辺元関連の本を列挙しておく:

  • 田邊元『種の論理の辯證法』(1947年11月20日刊行,秋田屋[刊行責任者:哲學季刊刊行會],大阪 → 書評目次
  • 中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』(2001年3月10日刊行,集英社,本体価格2,600円,xxiv + 376 pp.,ISBN:4-08-774513-9 → 目次

—— 意外にたくさんもってたんだなあ.

◆[欹耳袋]azure blue:「「大発見」の思考法の中の進化論に関する記述について」(2011年2月24日) —— 「進化はまだ実験的に証明されていない」というよくある主張は,物理学者と実験科学者に好き勝手にしゃべらせれば,「当然予想される帰結」だとワタクシは思うけどなあ.ただし,この手の主張が頻発するということは,それだけ根が深い問題点が潜んでいるわけでして,そのつどモグラたたきのように対処していても効率がワルいことはいうまでもない.ワタクシ的には『思考本』三点セットを上梓することで,進化学のような palaetiological sciences (historiographic sciences)もまた「科学」であることを言いたかった.でも,その一方で,一朝一夕に“世直し”ができないことも十分に知っているので,じたばたしないわけね.

◆晴れて西日がまぶしいのに,細かい小雨が降り続くというヘンな空模様.早々に撤収して小┣┣" を打つ夕焼けタイム.文科省がらみの書類┣┣" は早々に退治しないと次に進めない.明日ケリをつけよう.

◆本日の総歩数=3317歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.4kg(0.0kg)/28.8%(−0.4%)


23 februari 2011(水)※春の陽気の本郷にて原稿完成

◆午前5時前起床.気温+0.8度.昨夜はできあがった曼荼羅を眺めているうちに睡魔が降臨してしまった.今日は東大農学部の卒論発表会が朝からあるので,適当な時間帯に本郷に実在しているはず.午前6時,きりきり冷え込む真冬のころの朝焼けグラデーションの鮮やかさはもうない.霞みがかった穏やかな青空が広がるのみ.今朝の最低気温は申し訳程度の氷点下0.4度だった.この分だと谷根千エリアは春の陽気が期待できるかな.あ,行き先は弥生キャンパスですが(いちおう).

◆[蒐書日誌]白水社からのジョゼフ・コーネル伝新刊 —— デボラ・ソロモン[林寿美・太田泰人・近藤学訳]『ジョゼフ・コーネル:箱の中のユートピア』(2011年2月14日刊行,白水社,東京,497+xv pp., 本体価格3,800円,ISBN: 978-4-560-08109-9 → 目次版元ページ).ずいぶん前に読んだ:チャールズ・シミック[柴田元幸訳]『コーネルの箱』(2003年12月10日刊行,文藝春秋,東京,165 pp.,ISBN:4-16-322420-3 → 書評版元ページ)は,コーネルを“ネタ”にした本だった読後感がある.また,コーネル本人の日記の一部はすでに活字化されている:Mary Ann Caws (ed.)『Joseph Cornell's Theater of the Mind: Selected Diaries, Letters, and Files』(2000年刊行,Thames & Hudson, New York, 480 pp., ISBN:0-500-28243-9).今回初めて本格的な伝記が翻訳出版されたということだろう.

◆[欹耳袋]読売オンライン記事:「岡本太郎制作、太陽の塔内部の「生命の樹」再現」(22 February 2011).

◆春めく陽気の谷根千にて —— TX快速で都内に出る.陽射しがぽかぽかと暖かい.花粉は十分すぎるほど飛んでいるはずなのに,今年はぜんぜん苦しくないのはどうしてだろう.讃岐饂飩〈根の津〉が臨時休業だったので(つくづく縁がないなあ),根津〈海上海〉にて黒胡麻担々麺.お昼休みは千駄木の〈結構人ミルクホール〉にて原稿書きの続き.ここはフリーの無線LANが店内に通じていることを初めて知った.快適な半穴蔵的インターネット生活が送れそう.注文したコーヒーはグァテマラ・アンティグアのサンタカタリーナ農園の深煎り.ゆるゆると暖かな弥生キャンパスの昼下がり.午後3時の気温は12.8度と本格的な春を感じさせる.やや鼻がぐすぐすしてきたのはしかたないかも.

—— そんなこんなで,ここ数日格闘していた原稿┣┣" をついに仕留めて,編集部にメール送信完了〜!:三中信宏「第三章:総合説とネオ・ダーウィニズム」所収『進化論という名の科学(仮)』(技術評論社).分量は400字×30枚+曼荼羅一枚.これでやっと解放された.

◆午後5時過ぎ,弥生キャンパスをあとにする.やっぱり本務地にいない方が仕事がはかどってしまうという逆説的仮説がふたたび験証されてしまった一日だった.本気で仕事をしたいならホームよりもアウェイにかぎる

◆[欹耳袋]「The Six Mallet Grip」(YouTube) ※通常のグリップで6本もつと「外側2本」の角度調整ができないが,スティーヴンス・グリップだと6本とも独立になる.親指と人差し指をめっちゃ鍛錬して死ぬほど熟練しないと!中指もたいへんかも.

◆[蒐書日誌]書評 —— 野村哲也『〔カラー版〕パタゴニアを行く:世界でもっとも美しい大地』(2011年1月25日刊行,中央公論新社[中公新書2092],東京,vi+182 pp., ISBN:978-4-12-102092-5 → 版元ページ著者サイト).パタゴニアに家を持つ著者ならではのフットワークのよさ.とにかく山岳写真と天体写真がもうきれいすぎて.ビーグル号航海の通過点のひとつだったパタゴニアには,ビーグル水道やフィッツロイ山などの名前が付けられている.フィッツロイ山の百変化ぶりはすごいの一言に尽きる.この地域の植物相を優占する南極ブナ(Nothofagus)の深赤色の紅葉を本書で初めて見た.その南極ブナに寄生する真っ黄色で真ん丸の菌類キッタリア(Cyttaria)は,著者によれば「無味で食感はグミのようだ」(p. 166)と書かれている.一度は生キッタリアをぎゅっと噛んでみたいな.

パタゴニアの山岳渓流風景は,手元にあるラルシュ・ブルンディンのユスリカ論文:Lars Brundin『Transantarctic Relationships and Their Significance, as Evidenced by Chironomid Midges : with a Monograph of the Subfamilies Podonominae and Aphroteniinae and the Austral Heptagyiae』(1966年刊行,Kungliga Svenska Vetenskapsakademiens Handlingar, Fjärde Serien, Band 11, Nr. 1, Almqvist & Wiksell,Stockholm,472 pp. + 30 plates → 情報目次)で見たことがある.富士山のようなオソルノ山や,剣のようなパイネ・グランデ山のカラー写真も載っていた.ブルンディンは,今から半世紀も前に,ユスリカの採集のためにわざわざここパタゴニアまで来たのかと感服するしかない.

本書の最後の章で,著者はパタゴニア先住民ヤーガン族の最後の生き残りと面会している.いささか感傷的すぎる場面かとも思うが,ダーウィンがテイエラ・デル・フエゴで出会ったフエゴ島先住民の物語:Nick Hazlewood『Savage: The Life and Times of Jemmy Button』(2000年刊行,Hodder & Stoughton, London, xvi+384pp., ISBN:0-340-73911-8 → 書評)をつい思い起こしてしまった.

—— カラー新書のよさを十二分に利用したとても印象的な本.それだけにもっと大きなサイズの写真でじっくり鑑賞したくなってしまう.

◆明日のホームでの┣┣" 撃ち予定 —— MacBook Air の発注仕様書は明日業者にファクスすること./3月2日(水)14:00〜15:00,交流センターとの打合せ.来年度のセミナー開催に向けてのミーティング./3月9日(水)と3月16日(水)にそれぞれ都内で飲み会の予定が入る./東大農学部連携講座の教職課程認定用のシラバス作成がまだだった.21日締切だったのにー(orz).

◆本日の総歩数=6093歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=92.4kg(+0.1kg)/29.2%(−0.2%)


22 februari 2011(火)※今日こそケリをつけるべしっ

◆午前4時半すぎに起床.気温マイナス0.9度.原稿〜原稿〜とうなされる明け方.憑き物ですかっ.今日は朝から春霞の快晴.最低気温はマイナス1.8度まで下がったが,日中は暖かくなるのかな.さて久しぶりに曼荼羅絵師としての仕事にとりかかろうか.

◆朝から┣┣" 撃ち数件 —— 来年度のつくば分子進化ワークショップの事務局打合せ日程調整だん./6月はじめのラマル会高座の事務連絡だん./来月の京都での突発的お座敷の連絡だん.etc. ※なかなか曼荼羅に入っていけないな.

◆[欹耳袋]〈Darwin Centennial 1959〉半世紀前のシカゴで開催されたこの大イベントでは,進化をテーマにした〈Time Will Tell〉というミュージカルが上演されたという.Sol Tax 編集の三巻本『Evolution after Darwin』(1960年刊行,The University of Chicago Press)にもその上演写真が載っている.この「進化ミュージカル」の楽譜の一部は,V. B. Smocovitis のページからリンクされているが,動画のリンクはすでに切れているようだ.参照論文:V. B. Smocovitis 2009. Singing His Praises: Darwin and His Theory in Song and Musical Production. Isis, 100(3): 590-614. → pdf

◆人前で話をするための「わざ」はすべて予備校の教壇で学んだ —— のちに大学などの教壇に立つ機会が増えたときにも,当時の教訓を忘れてはいない(→ 参照:2006年3月6日「日録」).かつて応動昆大会の集会で「実践プレゼンテーションテクニック:講演はショータイム!」)という噺をしたこともある.人前で“噺”をする心構えとわざを身につけたければ,予備校や塾で「もうあとがない状況」に自分を追い込むしかないだろう.

◆お昼の〈おはん〉にて —— 正午前,懸案の「The Evolutionary Synthesis Chart 1930-1980」がやっと完成.ちょっと修整すればいけるかと思ったら,┣┣" がどんどん成長してしまった.これで一安心.ということで,しばしお昼前の休息タイムに突入する.日射しは暖かいが北風が吹きつける昼休み.正午の気温は+9.0度,北東風が4メートル.ほぼ一ヶ月ぶりくらいに〈おはん〉にてランチ.今日はネギトロ丼を注文.うまっ.さて,これから曼荼羅絵師は次なる仕事に突入するぞ.

◆[欹耳袋]来月の京都でのお忍び公開高座:三中信宏「文化系統学と系統樹思考:進化するオブジェクトの多様性と系譜 」3月24日(木)午後,@京都大学こころの未来研究センターの近くのどこか.近日中に詳細が確定するでしょう.

◆今日も MAFFIN インターネットの調子がワルいな…….外部サイトにつながったりつながらなかったりする.昨日も午後になってLANがヘンになった…….MAFFIN ネットワークは渋滞にして重体ですなあ.ぜんぜん外部につながらない…….

—— LANが慢性梗塞していてどうしようもないので,キリのいいところで撤収した.曇ったような霞んだようなはっきりしない夕暮れ.気温+7.1度で,北東風が4メートル.さて,夜は曼荼羅の解説を書くことにしようかのう.

◆[欹耳袋]備忘メモ:博多・舞鶴〈さきと〉※今度また機会があったら行ってみよう./さらなる備忘メモ:東京・大塚あたりに終結する名店たち -〈江戸一〉※博多で教わった;〈きたやま〉 ※その筋ではとても有名;〈串駒〉※とってもアヤシイなあ.

◆明日は,東大農学部にて専攻の卒論発表会に出席する.本郷は春の陽気に包まれているだろうか.

◆本日の総歩数=3946歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.3kg(−0.3kg)/29.4%(+0.3%)


21 februari 2011(月)※週が明けても事態は変わらず

◆午前5時前起床.気温5.6度.北東の風がひゅーひゅーと.結局,週末の原稿┣┣" 撃ちはそのまま週明けに持ち越されることになって,さあたいへん.曇り空の夜明け前,気温は+5.3度.さらに強まった北東風に吹きさらされてゴミ出しに行ったら,隅から〈シンフォニェッタ〉が聞こえてくるなと思ったら,『1Q84』三冊セットが束ねて捨てられていた.村上春樹の本は読んだことがなかったが,あまりに不憫なので回収した.

◆[蒐書日誌]昨日の朝日新聞日曜版書評欄:アモン・シェイ[田村幸誠訳]『そして、僕はOEDを読んだ』(2010年12月1日刊行,三省堂,東京,ISBN:978-4-385-36469-8 → 版元ページ).※ワタクシも「紙」版のOEDを全巻持ってるけど,踏破しようとは思わないなあ…….視力がこれ以上劇的に低下したら生活に支障が出そうで./Marija Dalbello and Mary Shaw (eds.)『Visible Writings: Cultures, Forms, Readings』(2011年2月刊行,Rutgers University Press, Piscataway, ISBN:978-0-8135-4882-1 [hbk] / ISBN:978-0-8135-4883-8 [pbk] → 版元ページ).

◆件の原稿┣┣" を撃つ午前中 —— 週末に撃ち損じたせいで,今日も朝からこういうはめになってしまった.総力戦真っ最中.防壁の「本の壁」がどんどん厚く高くなっていく.そうこうするうちに昼休みに.晴れときどき曇り.格闘はなお続く.所内のLAN接続がめっちゃ調子ワルいやん.取っ組み合いしていたら,側面から別件の「岩波・生物学辞典」原稿┣┣" が「うわん」と飛び出してきて腰を抜かす.さらに京都での高座┣┣" まで乱入してきて,もう何が何だかぜんぜんわからない〜.

◆[欹耳袋]昨夜は都内で「駒場寮同窓会」なる催しがあったらしい.〈駒場寮同窓会WEB〉は知っていたのだが,もっとちゃんとイベント情報をチェックしておくべきだったか.ワタクシが駒場寮にいたのは教養学部の二年間で,兇悪な「ストーム」の風習がまだ生き残っていた頃.北から順に「明寮」「北寮」「中寮」と並んでいて,ワタクシは「中寮」をねぐらにしていた(「南寮」に当たる建物は当時は研究室として用いられていた).二年目からは東大オケの部員のみの部屋に入ったが,入学してすぐは「日曜会」の部屋に属していた.駒場寮「日曜会」の歴史はとても古かったはず.入寮するまでその経緯についてはぜんぜん知らなかったが,何度か日曜会の「OBたち」が来たことがあった.駒場寮亡き今となっては「昔話」にしかならないが.

◆[欹耳袋]〈Springpad〉:┣┣" 放牧場管理ツール/〈Phyloseminar〉:a free online seminar series about phylogenetics) .なかなかいい演者が登場している.

◆夕刻の┣┣" 撃ち —— とりあえず原稿20枚分と付図1葉を「途中原稿」として編集部にメール送信した.やっぱり30枚にはなりまっせ.どないしまひょ? とりあえず,年貢を半分ほど納めたので,農環研を撤収.今日は所内LANの具合がよくなかったし,これ以上いてもストレスフルと自分会議で直帰を即決.北寄りの風が冷たく,午後7時の気温は+5.2度.事務連絡があり,やっぱり MAFFIN のネットワーク障害だったようだ.日中 LAN がおかしかったのはそのせいか.

◆夕食は二晩目を迎えた牛スネ肉のシメイ・ブルー煮込み.つけ合わせはマッシュポテト.塊肉もニンジンもかなり崩れていて,まろやかなことこの上なし.できればもう少しスパイシーなベルギービールの方がいいなあ,と試行錯誤はなお続く —— と書いたところで,以前の日録に書いた「牛スネ肉のビール煮込み(vlaamse karbonade)」のレシピ(12)を確認したら,シメイ・ブルーではなくハウデン・カロルス・クラシックを使うようにと記されていた(orz).次回からはそうしよう.

◆本日の総歩数=6973歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.5kg(−0.4kg)/29.1%(−0.5%)


20 februari 2011(日)※原稿┣┣" に追っかけられる

◆午前5時前起床.気温+4.6度.鍋に火を入れる.今日も原稿大┣┣" を追いかけるシンプルな一日.今日もすっきり晴れない薄曇りだ.最低気温は午前7時の+4.3度.これから春めくとともに,日に日に氷点下の冷え込みは遠のいていくのだろう.

◆[蒐書日誌]板坂耀子『江戸の紀行文:泰平の世の旅人たち』(2011年1月25日刊行,中央公論新社[中公新書2093],東京,xiv+307 pp., ISBN:978-4-12-102093-2 → 目次版元ページ).江戸時代に書かれた紀行文の全体像を見渡す「新しい視点」を提示している.この時代の紀行作家の代表として,松尾芭蕉『奥の細道』ではなく,林羅山・貝原益軒・橘南谿・小津久足を出してくるあたりからして,いやおうなく読書欲が湧いてこようというものである.菅江真澄や松浦武四郎らメジャーな北方紀行作家たちはあえて触れないという著者のスタンスもなかなかいいなあ.

◆多少なりとも利己的に見て重要で興味深いことであっても,「源泉かけ流し」にして傍観するしかないこともある.ましてや,何のためにもならない用務はすべて「なきもの」とみなすのは精神衛生上とてもよろしい.基本スタンスとして「源泉かけ流し」主義で流れ去るのを黙って見送るようにしないと燃え尽きます.妖怪「野づち」のように何でもかんでも周りのタスクを無制限に呑み込める人はいないからね.その場に居続けるとつらいこともあるので,状況に応じて「立ち去る」あるいは「姿を消す」という柔軟な選択肢をつねにフトコロに隠し持っておくのは身のためだろう(組織のためにはならないが).運悪くその場に「いれば」かぶるしかないことでも,「いなければ」ないも同然だから.包丁一本晒布に巻いて世を渡る研究者にとっては“利己的”であることはだれが何と言おうと美徳なり.

◆[蒐書日誌]酒井聡樹『100ページの文章術:わかりやすい文章の書き方のすべてがここに』(2011年3月近刊,共立出版,東京,本体価格1,000円,ISBN:978-4-320-00585-3 → 近刊情報著者ページ)※ついに出るか./荒實・加藤潔・茅野昭・田中久弥・飛松敬二郎・山崎浩之『理工系学生のためのコンピュータリテラシー』(2011年3月近刊,共立出版).※飛松くんは高校の同級生だったりする.出版おめでとう./井筒俊彦『アラビア哲学:回教哲学』(2011年2月17日刊行,慶應義塾大学出版会,東京,ISBN:978-4-7664-1770-8 → 版元ページ).ぜんぜん知らなかったが,〈井筒俊彦・復刊プロジェクト〉が進められているらしい.

◆曇り空の午後3時,農環研に潜入した.気温は+9.9度.これから原稿┣┣" との最終決戦に向かわないといけない.しかし,この┣┣" はちょっとなあ…….やや思案投げ首.夕方になった.外はもう真っ暗だし,今日のところは撤収しようかな.持ち帰る資料が重すぎるが,すべては┣┣" 撃退のための貴重なタマなので文句を言うわけにはいかない.

◆午後6時過ぎに帰宅.明け方から火を入れ続けたビール煮込みはそろそろスネ肉が懐柔されてきたようだ.いったん火を止めることにする.確かに煮込むほどうまいのだろうが,肉塊を筋繊維になるまで崩壊させるにまかせるのは食感上あまりよろしくない.ものにはおのずと限度というものがある.あとは,食卓に運ぶ直前の調味だけでなんとかなるだろう.付け合せはマッシュポテトとスパゲティ.バゲットもあるぞ.

◆夜になって,強い北風がひゅーひゅー吹いてきた.午後9時の気温は+7.4度もあるけど,体感気温はとても低い.しかし,原稿┣┣" はまったくくたばる兆しがない.Julian Huxley『Evolution: The Modern Synthesis』(1942)だけでは力不足か.二冊目の J. Huxley 本『The New Systematics』(1940)でも投げつけてみようか.

◆[欹耳袋]Togetter - 〈分類情報の会(3回目)

◆本日の総歩数=1573歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.9kg(+0.3kg)/29.6%(+0.4%)


19 februari 2011(土)※厨房引き籠りは現実逃避かも

◆午前5時起床.気温はマイナス0.9度とやや冷え込む.夜明けがずいぶん早くなってきて,午前6時前に早くも東の空では朝焼けグラデーション.一方,西の空低く,名残の満月がなお輝いている.今朝の最低気温は午前7時のマイナス2.3度だった,その後は晴れたり曇ったりのはっきりしない空模様.気温は低めに推移している.

◆[蒐書日誌]世界の果ての二冊 —— 野村哲也『〔カラー版〕パタゴニアを行く:世界でもっとも美しい大地』(2011年1月25日刊行,中央公論新社[中公新書2092],東京,vi+182 pp., ISBN:978-4-12-102092-5 → 版元ページ).2008年にアルゼンチン北端のトゥクマンで開催された〈Hennig XXVII〉に参加したとき,歓迎パーティで供されたパタゴニアの白ワインが「Postales del Fin del Munde(地の果てからの便り)」という銘柄だった. 極東の日本から見れば地球の真裏にあたるパタゴニアはまさに地の果て.この新刊には,写真家である著者が撮った数多くの風景写真や生態写真が詰め込まれている.カラー新書という媒体のサイズが制約になっているが,冠雪した山々の写真がとりわけ美しい.それと南十字星の浮かぶ星空も.これだけ秀逸な写真の数々を目にすると,どこかで写真展でもやってくれないかと期待してしまう.

もう一冊の地の果て —— スチュアート・リヴァンス[北代美和子訳]『ウイスキー・ドリーム:アイラ島のシングルモルトに賭けた男たち』(2011年1月刊行,白水社,東京,ISBN:978-4-560-08110-5 → 版元ページ).スコットランドの辺境アイラ島のモルト醸造所〈ブルイックラディ〉の復活物語.ついでに,アイラ島DVDブック:山岡秀雄(文)・渡辺裕之(写真)『シングルモルトのある風景:アイラ、それはウィスキーの島[DVD-Book]』(2010年7月16日刊行,小学館,東京,ISBN:9784094803082 → 版元ページ)もゲットしてしまおうかな.

◆大┣┣" を横目にゆるゆるな土曜日 —— 昨日,赤坂の仮想制度研究所(VCASI) http://www.vcasi.org/ から講演依頼あり.3月26日(土)〜27日(日)にシンポジウム〈社会・行動科学における分析対象の階層性の解体・再構築・脱構築〉を開催するとのこと.お座敷のお声がかかるうちが花なのよ.さっそく:三中信宏「系統樹思考と分類思考:進化するオブジェクトのパターンとプロセスの解析」という演題でのエントリーを返信した./正午前に〈系統樹ウェブ曼荼羅〉のゲラ校正チェックを完了し,NTT編集部にメール返信した.マイナー修正のみですんだ.第4回連載「分類体系は系統樹の時空的断面である」は今月末には公開される予定.

◆[蒐書日誌]A. Markoš, F. Grygar, L. Hajnal, K. Kleisner, Z. Kratochvíl and Z. Neubauer『Life as Its Own Designer: Darwin's Origin and Western Thought』(2009年刊行,Springer Verlag[Biosemiotics, Vol. 4], Berlin, xii+250 pp., ISBN:978-1-4020-9969-4 → 版元ページ).見計らいで届いているはずなのだが,ブツが居室に見当たらない.決済の前にお隠れになるのは勘弁してほしいぞ.

◆牛肉を煮込む夜 —— 午後になっても晴れたり曇ったりのはっきりしない空模様が続く.日が翳ってきた午後4時過ぎ,おもむろに買出しに出かける.今日は久しぶりに牛スネ肉のビール煮込みをつくることになった.

第一の問題は煮込みに使うベルギービールの銘柄選定だ.〈禁断の果実〉が市場に出回らなくなって以来,〈ハウデン・カロルス〉などいくつかの銘柄のベルギービールで試行錯誤している.ホップの苦味がなく香辛料が強いビール銘柄はあまりない.今回は〈シメイ・ブルー〉のグランレゼルバを使ってみようと思い立ち,750mlの大瓶を二本〈やまや〉で調達した.煮込みに使うビールは,コストパフォーマンスも大事.ヘタをすると牛肉よりもビール代の方が高くなってしまったりする.〈シメイ〉はその点で優良銘柄.ほんとうは〈ロシュフォール〉とか〈マルール〉を煮込みに使ってみたいけど,もったいないのでそのまま呑んでしまいそう…….

すでに夕闇に包まれる時間帯,のたうつ原稿┣┣" をしばし放置し,厨房にて牛スネ肉のビール煮込みの下準備に現実逃避する.無塩バターで玉ねぎスライスをキツネ色になるまで炒め,焦げ目をつけた牛肉ブロックを深鍋に投入し,惜しげもなくシメイ・ブルーをどばどば注ぎこむ.あとは弱火で時間をかけて煮こむだけだ.簡単この上なし.要は根気さえあればよい.五時間後の午後11時過ぎ,初日の仕込みの終わりにニンジンを投入し,火を落として一晩寝かせることにしよう.すでに六時間ほど煮込んでいるが,スネ肉はまだまだほぐれてこない.明日も朝から,煮崩れないように超弱火でことこと火にかける.

◆本日の総歩数=1558歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.6kg(−0.2kg)/29.2%(+0.2%)


18 februari 2011(金)※春雨の明け方,北風吹く日中

◆午前4時半に起床したもののしばしゆらゆらしていた.昨夜の余韻か.外は本降りの雨がざあざあ降り続いている.最低気温は+9.4度と異様に高い.雪ではなく雨になったのも当然.幹線道路はところどころ冠水している.春雨にしては趣にやや欠けるが.今日も農環研に実在し原稿┣┣" を追う.BGMは Christian Roderburg (marimba) の〈バッハ・無伴奏チェロ〉.

◆午前中に雨は上がり.西から青空が広がってきた.無情の┣┣" 撃ちは今日も続く —— 九大・伊都キャンパス宛に献呈本2冊を発送完了./農大・厚木キャンパスでの畜産学会大会と九大・箱崎キャンパスでの応動昆大会の会期がきれいに重なっていることが判明した./〈進化と文化とこころ2010〉加入.来月下旬に京都で開催される勉強会の「宿」を確保.行楽シーズンのまっただ中なので,「宿」と「足」は即確保しないとたいへんきびしいことになる./臨時┣┣" 一頭:明日2月18日(金)17:30〜,筑波地本オルグ@教養室.

◆[欹耳袋]UDなプレゼンテーション技法 —— 〈伝わるデザイン:研究発表のユニバーサルデザイン〉は確かに参考になるプレゼン技術について具体的に書かれている.ただし,スライドウェアとして「パワーポイント」に頼っている点で個人的にはやや減点かな./学会プレゼンテーションでの「UD」を心がけるのであれば,このサイトは参考になる:岡部正隆・伊藤啓〈色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法〉.

◆晴れて日射しが暖かい昼休み.気温は12.7度まで上がってきた.歩き読みタイムのはずが,原稿┣┣" に追いまくられてそれもできなくなった…….午後になって急に北風が強まってきた.気温はすでに14.6度に達しているが,体感的には寒そう.

◆[欹耳袋]〈駒場進化セミナー〉はちゃんと後継につながっていたんだ →〈駒場生態進化塾〉.善哉善哉.

◆[蒐書日誌]隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」:フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』(2011年3月近刊,名古屋大学出版会,名古屋,528 pp., 本体価格7,400円,ISBN:978-4-8158-0661-3 → 版元ページ).※またしても名大出版会かっ! 定価で必殺.厚さで卒倒./坪田敏男・山附W司(編)『日本のクマ:ヒグマとツキノワグマの生物学』(2011年2月15日刊行,東京大学出版会,東京,x+372 pp.,本体価格5,800円,ISBN:978-4-13-060220-4 → 版元ページ).献本感謝.クマまたクマ.民俗学の章もある./Heinrich Handel-Mazzetti (1927) 『A Botanical Pioneer in South West China: Experiences and Impressions of an Austrian Botanist During the First World War』. 電子版にて全文公開./Johannes Gremner (1748)『Philosophia vetus et nova』. ※即ダウンロードせよとの天の声あり.うわっ.

◆夕方の┣┣" 撃ち —— 毎年恒例となりつつある農林交流センター〈分子系統ワークショップ〉は,次年度も開催すべく企画書をいましがた提出完了.昨年は例外的に8月開催だったが,今年は元に戻して10月開催の希望を出した./〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の第4回連載記事「分類体系は系統樹の時空的断面である」の校正ゲラが速攻で戻されてきた.週明けまでにチェックせよとのこと.ひー.

◆[欹耳袋]ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー』(作品社から翻訳刊行予定)の翻訳が難航しているらしい.この本については,5年前の『系統樹思考の世界』の極私的文献リストで,「いったいいつ翻訳出版されるのか(そもそも果たして翻訳されるのか)が気がかりだ」(p. 282)と書いた手前,その進捗がずっと気にはなっているのです.

◆午後5時半から組合の中央オルグを一時間.全農林の組織率については漸減傾向に歯止めはかかっていない.全体では85%ほど.ただし,霞ヶ関では50%を下回っているところもあるらしい.独法研究機関にかぎっていえば90%を越えているはず.ちょうど夕焼けグラデーションの真っ最中で,紅に染まる西の遠景に富士山のシルエットがきれいに浮かび上がっていた.さて,そろそろ撤収の時間.東の空にまん丸の満月が浮かんでいた.

◆本日の総歩数=2712歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.8kg(+0.7kg)/29.0%(+0.9%)


17 februari 2011(木)※地獄から天国への階段を登る

◆午前4時過ぎ起床.今朝はぬるい冷え込みで,最低気温は+1.9度までしか下がらなかった.今日は農環研実在日.

◆[欹耳袋]在来家畜・動物遺伝育種学会合同シンポジウム〈動物の形態・系統・進化〜とくに家畜・水産動物を対象として〜〉.3月28日(月)12:30〜16:30,東京農大(厚木キャンパス)第2講義棟・3階第X会場(2302教室) → 詳細 [pdf] .演者演題は:12:35-13:30 遠藤秀紀(東大総合博物館)「動物形態の保守的基本設計と変革的適応」|13:35-14:30 宮正樹(千葉県博)「ミトコンドリアゲノム全長配列で読み解く魚類30,000種の進化史」|14:35-15:30 三中信宏(農環研)「系統樹から見えてくる生物進化のパターンとプロセス」|総合討論.

◆[蒐書日誌]共立出版から立て続けに「R本」新刊が三冊も —— 大森崇・阪田真己子・宿久洋『R Commander によるデータ解析』(2011年2月25日刊行,共立出版,東京,x+225 pp., ISBN:978-4-320-01920-1 → 版元ページ).著者から献本していただいた.感謝./Song S. Qian[大森浩二・井上幹生・畑啓生監訳]『環境科学と生態学のためのR統計』(2011年2月25日刊行,共立出版,東京,ISBN:978-4-320-05712-8 → 版元ページ).Rコマンダーでプログラミングの勉強というのはいい方法だと思う./Derek A. Roff[野間口眞太郎訳]『生物学のための計算統計学:最尤法,ブートストラップ,無作為化法』(2011年3月11日刊行予定,共立出版,東京,ISBN:978-4-320-05714-2 → 版元ページ).日本のRユーザーは共立出版とオーム社とシュプリンガーに足を向けては寝られない.

◆朝の┣┣" 撃ち —— NTT出版から原稿加圧電話あり./年度末恒例┣┣" 出現 − 業績報告書・業績評価票を提出.3月23日までに.様式ダウンロードだん./次期RP計画のなんちゃらかんちゃら…….月末まで./東大・学位審査会の報告書の捺印&返送完了./メーリングリストまわりの微小┣┣" 数頭の蹴散らし./東京農大の毎年恒例教授パーティは欠席通知すみ.

◆[欹耳袋]今朝の朝日新聞朝刊の記事:記者有論「科学カフェ 素人にも発言の場がほしい」:大阪大学の平川秀幸さんらが「素人だけの科学カフェ」を企画しているという記事.※一般人にとっての folk science がどのようなものかがわかるだろうね.science とのちがいも.→参考サイト:〈でこしすプロジェクト〉.記事に取り上げられた「論点抽出ワークショップ」の資料がpdfで公開されている.

◆[蒐書日誌]着便本 —— Gabriele Broszio『Genealogia Christi: Die Stammbäume Jesu in der Auslesung der christlichen Schriftsteller der ersten fünf Jahrhunderte』(1994年刊行, Wissesnschaftlicher Verlag[Bochumer Altertumswissenschaftliches Colloquium: Band 18], Trier, 389 pp., ISBN:3-88476-105-6 → 版元ページ).イエス・キリストの「家系図」を論じた学位論文.後半の資料編(200ページあまり)ではギリシャ語とラテン語の原文が翻刻されている.

◆白昼の原稿┣┣" 撃ち —— 〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の第4回連載記事「分類体系は系統樹の時空的断面である」の原稿をやっとNTT編集部にメール送信した.今回は植物類学史を振り返って三次元系統と二次元分類の関わり合いについて400字×12枚ほど.時空ワームが暴れている.さて,系統樹ウェブ曼荼羅の今月分は終わったことだし,次なる加圧されまくり原稿に取りかかることにしようかのお.農環研が心なしか騒がしくなってきたよーな…….真っ昼間に百鬼夜行?

◆[欹耳袋]2010年のラカトシュ賞受賞者:Peter Godfrey-Smith./Bach on Marimba:Jean Geoffroyのマリンバによる〈バッハ・無伴奏チェロ(全曲)〉は前から持っていたが,〈バッハ・無伴奏バイオリン(全曲)〉が最近出たことを知って即オンライン発注.

◆農環研にて黒ミサの夜は更けゆく —— 朝は曇っていたが午後になって晴れてきた.15:00から4階会議室にてギシギシのメタボローム解析に関するセミナーを一時間あまり聴いてきた.セミナー終了後,バクハツ物を氷温冷蔵し一安心.その後,穏やかな夕刻を迎え,夕陽が西の空に輝いていた.日が長くなりましたな.さて黒ミサが刻一刻と近づいている…….午後5時過ぎ,教養室が騒がしくなり,食材を切る人,厚岸の牡蠣を用意する人,水炊き鍋をコンロにかける人,アルコールを並べ始める人で右往左往.出羽桜〈飛び六〉の栓が炭酸ガスで吹っ飛び,アルコール度数18.2度のスコッチビールが振る舞われ,久保田〈無濾過生原酒〉が回し飲み,蒸し牡蠣に開眼する者あり,生牡蠣がうまいと感じる者あり etc...

—— そうこうするうちに時間はどんどん過ぎ去って,気がつけば柱時計はもう10時をまわっていた.みなみなさま,おつでした〜.帰宅したらもう11時過ぎだった.

◆本日の総歩数=4024歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=92.1kg(+0.3kg)/28.1%(−1.6%)


16 februari 2011(水)※本郷にて追われ原稿をものす

◆午前5時前起床.冷え込みきびしくすでにマイナス4.1度.路面の凍結がさぞやデインジャラスだろーな.今日は本郷にて東大の教員会議.それまでに〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の連載原稿をひとつ仕留める予定だ.元気な朝日が射しこむ午前7時.気温はマイナス4.9度ときりきり冷え込んでいる.しかし,日中は春先の暖かさになるらしい.

◆突如創刊! —— 『悪の枢軸新聞』 ※新たなエンターテイナーか,はたまた邪教集団か.このほぼ日刊新聞を自動生成するツールは:〈paper.li〉- 「TwitterやFacebookを新聞として読みませんか?」 と.なあるほど.

◆今年の学会大会の日程をいろいろ確認してみたら,バッティングするものがいくつか出てきてしまった:

  1. Willi Hennig Society - Hennig XXX:29 July - 2 August 2011, São José do Rio Preto, São Paulo, Brasil. 今年はサンパウロの奥地た.WHS は毎回「今度はどこに拉致されるん?」というほど世界各地の果てにアブダクションされてしまう.サンパウロ市は1998年に同じ WHS に呼ばれて行ったけど,州内の Rio Preto っていったいどこよ? 下手すれば前後の移動日でそれぞれ三日かかるかも.
  2. 生物地理学会第66回年次大会:4月9日(土)〜4月10日(日),立教大学(池袋)
  3. 2011年度日本計量生物学会年会およびチュートリアル:6月2日(木)〜3日(金),大阪大学吹田キャンパス銀杏会館.
  4. 応用統計学会2011年度年次大会:6月4日(土),大阪大学吹田キャンパス銀杏会館.
  5. SMBE 2011, 26 - 30 July 2011, Kyoto. この大会とシンクロさせて日本進化学会年次大会が京大で開催される.
  6. 2011年度統計関連学会連合大会:9月4日(日)〜7日(水),九大・伊都キャンパス.
  7. IBC XXVI: XXVIth International Biometric Conference, 26 August - 31 August 2012, Kobe, Japan.

—— 不可避のバッティングは7月末の SMBE / 進化学会(京都) と Hennig XXX(サンパウロ)だねえ.「なかのひと」度から判断するとサンパウロに拉致られるしかないか…….

◆いい日,東京 —— 10:55発のTX快速に乗る.空気は冷たいが日射しが暖かくて,いい日和だ.まだ頂上に雪が残っている筑波山が間近に見える.根津駅で降りて左折.久しぶりに讃岐饂飩〈根の津〉に入ろうと思ったら,案の定,外まで待ち客の列が伸びていた.さくっと転戦して,〈芋甚〉のすぐ近くにある上海料理〈海上海〉にて酸辣湯麺を注文.黒酢と辛味でほかほかすしているなう.さて,そろそろ農学部教員会議の時間だー.しばし離脱.冬晴れの弥生キャンパスは人も少なく静かな昼下がり.午後1時から専攻教員会議の始まり.卒業謝恩会は3月25日(金)18:00〜20:00@いつもの場所.方々から「卒業謝恩会」へのお誘いが飛び込む季節になった.午後4時前,専攻教員会議だん.実質的に関係する審議以前の「報告事項」の多いこと多いこと(図体の大きい大学だとしかたない).

◆農学部キャンパスを早々に撤収し,千駄木〈結構人ミルクホール〉に引っ込んで原稿を書くことにした.ここはいわゆるひとつの隠れ家.一時間ほど原稿を書いているうちに,外が薄暗くなってきた.往来堂書店を一回りしてから,千駄木駅経由でつくば直帰.薄雲の向こう側にやや欠けた月が浮かんでいる.

◆本日の総歩数=5502歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=91.8kg(−0.6kg)/29.7%(+0.3%)


15 februari 2011(火)※昨夜の雪から一転して冬晴れ

◆午前4時半起床.気温+0.5度.雪はもう止んでいて,独特の無響な状態.積雪は昨夜は5センチほどあったが,少し溶けている気配.ということは,路面凍結か? 今朝の交通機関への影響が問題だ.また雪降ってきたし…….今朝はバス出勤が無難かもしれないと思ったものの,えいやっとノーマルタイヤでこわごわ乗り出してしまった.本道はわだち以外はシャーベットになっている.側道から出る(踏み固められた)箇所が要注意.必ずスリップするのでブレーキは禁物.歩道はサイアクの状態(つくばの歩道はデフォルトでもワイルド).明朝の凍結がよほど心配.農林団地内は積雪が5センチを越えているので,マイカー通勤者はさらに注意が必要.悠長に雪見なんぞしているとつるんと滑る.午前7時現在の気温は+0.5度.

◆朝から会計┣┣" との格闘 —— バッハの無伴奏チェロをBGMにして,会計┣┣" の討伐に向かう.ユーザーインターフェイスがとても残念な会計入力システムなので,今年もまたキーボードと向き合ったのは決済締切り日の今日まで引き延ばしてしまった…….とりあえず,ん十万ほど使わせていただいて,あとは細かな消耗品の購入に当てることにしよう.3月末の京都行きは出張ということで本日その伺いを出した.春休み真っ最中だから宿泊先確保がさあたいへん.会計入力┣┣" と格闘してきた午前中.ふと外を見やると青空が広がっているではないか.気温は+4.5度と低いままだが,ケリがついた昼休みは久しぶりに外回りをお散歩でもしようかな.出張伺を出したり旅費精算をしたりしているうちに午前がもう昼休みになってしまった.次なるBGMは同じくバッハの〈無伴奏チェロ(全曲)〉だが,今度は Jean Geoffroy のマリンバの演奏で.

◆[欹耳袋]Time Capsule を Air Mac の無線LANとして設定しようとしたら,IPアドレスまわりがぐちゃぐちゃしてきた(つながるはずなのにつながらないとか).とりあえず LAN ケーブルを撤去してピュアなタイムマシンとして使いはじめ,やっと事態が沈静化した.最近,有線から無線へというトレンドに乗って,どこでもかしこでもワイヤレス化を試みているが,いろいろと知らないことが多すぎる.

◆久しぶりの昼休みの歩き読みから帰還.雪空から一転して快晴,気温は6.8度ながら北風も吹かず日だまりは暖かい.中山地区をひとまわり.ところどころ竹やぶやビニールハウスが雪の重みで倒伏・倒壊していた.梅の花が咲いていたのは春の前触れ.久しぶりの昼休みの歩き読みから帰還.雪空から一転して快晴,気温は6.8度ながら北風も吹かず日だまりは暖かい.中山地区をひとまわり.ところどころ竹やぶやビニールハウスが雪の重みで倒伏・倒壊していた.梅の花が咲いていたのは春の前触れ.歩き読みのお伴は:笹原宏之(編)『当て字・当て読み 漢字表現辞典』(2010年10月刊行,三省堂書店,東京,本体価格3,500円,ISBN:978-4-385-13720-9 → 版元ページ).いくらおもしろいとはいえ,辞書を読み歩くのは尋常ではないかも.

◆昼下がりの強烈加圧電話により,今週末に中途原稿を,来週末に完成原稿を耳を揃えて提出するというハメになった.耳の奥で鳴り響く格言たち:「自業自得」「身から出た錆」「暖簾に腕押し」「馬の耳に念仏」「二度あることは三度ある」etc. まったく遠出しない今月後半は,積み残し原稿┣┣" に引導を渡すことが最優先だ.

◆[進化思考]本日の余響:多角文芸研究会Blog(仮)「「活動報告12」活動」(2011年2月15日) ※『進化思考の世界』の書評が載っているらしいのだが,いったいどこで閲覧できるのか不明….

◆午後5時前,通り雨がぱらぱら降ったが,その後は晴れて夕焼け.昨日から今日にかけては所内┣┣" 撃ちがかなりきつかったので,早々に撤収することに自分会議で即決した.

◆本日の総歩数=6443歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.4kg(+0.3kg)/29.4%(−0.6%)


14 februari 2011(月)※締切り旗も突然の雪に埋もれ

◆午前5時前に起床.気温はマイナス0.1度とビミョーな冷え込み.今日は正札で忙しい.「リマインダー」とか「ご確認」とか「再送」という件名のメールが届くたびにどきどきするのは精神衛生上よろしくない.今朝はマーラーの交響曲3番をBGMにして元気になろう.

◆午前の┣┣" 乱れ撃ち —— 東大「生物統計学」の成績を UT-mate で登録完了.曼荼羅絵師,多士済々.善哉善哉./九大・比社文「生物統計学」の成績郵送完了./音羽への「電子書籍化承諾書」の返送完了./昨日の日録更新完了./計量生物学会の論文賞に関する報告完了.さらに計量生物学会の功労賞に関する事務連絡も完了.

—— さすがサロネン「マーラー3番」のスタミナ注入効果はバツグン! さて,フィナーレが響き終わったので,一時離脱っ.外は曇りときどき晴れ.気温はプラス3.6度.乾いて寒かった.復帰後,次なる“お金”と“業績”まわりの所内┣┣" 撃ちに取りかかる.

◆[蒐書日誌]David Aldous『Probability Approximations via the Poisson Clumping Heuristic』(1988年刊行,Springer-Verlag[Applied Mathematical Sciences, Vol. 77], Berlin, ISBN:978-0-387-96899-5 → 版元ページ著者サイト)※著者サイトに耳寄り情報あり.確率的に生じる現象に過ぎない「ポアソン・クランピング」がなぜ“非確率的必然”ととらえられがちなのかは,第一種過誤を犯しやすい性向をもつ心理的本質主義者としてのヒトという観点から見直してみるとおもしろいにちがいない.ついでに,“視覚的クランピング”としての「星座」の認知心理も突っつき甲斐があるかも.

◆午後の┣┣" 乱れ撃ち —— 所外貢献報告書の返送完了.昼休み返上で「所外貢献」の一覧表をつくったのだが,「質問メール」のリストアップがとってもめんどくさいのでやめた.とりあえず主要な問い合わせを二つだけ載せてオシマイにする.方々に巡業しているせいか,最近は対面で質問されることが多いが,それを逐一記録したりしてないし./次年度契約職員雇用契約書の返送完了./次年度出講依頼書類の┣┣" 撃ちはなお続く −− 玉川大学.「2月15日締切っ」と書いてあるので(いつもきつきつ),がーっと書いて叩き返す./首都大学東京.所属長のハンコをもらってからぁ? めんどくさいから後回し./次っ,東京農大/大学出講関連の書類┣┣" どもはことごとく成敗した.外は灰色の曇天,気温は+5.7度と薄ら寒い.この時期,所内はばたばたしている.どの階もコピー機は常時 occupied で,空いてるなと思ったら,当たり前のように「故障ちう」だったりして orz .さて,一休み.

◆現実逃避的に Time Capsule を設定してみた.これからは居室内もデムパが飛びまくるのか.ただいまバックアップだが,初回なのでものすごーく時間がかかりそう.LAN設定をつついてみたが,まだよくわからないところが多い.

◆雨降る夕方の┣┣" 試し撃ち —— 午後4時過ぎ.気温+4.9度.いよいよ,所内会計システムに今年度初めてログインしてみる.本当にきっかり一年ぶりなので,ログイン名とかパスワードを探しまわる騒ぎになった.大きな購入アイテムが決まり見積書類などはそろった.決済書類は今夜から明日の未明にかけて集中的に会計システムに入力するぞー.締切当日の滑り込みですまんすまん(毎年のことだけど).いま一年ぶりに会計システムを眺めてみたら(おいっ),ワタクシのお財布はみごとにすっからかんどころか赤字になってて(orz),となりのお財布が超黒字だったので,たいへんありがたく使わせていただくことになった.お金って蒸発したり湧いたりするものだったのね.

◆夕暮れとともに雨→霙→雪への急速相転移 —— 夕暮れとともに,とりあえず撤収しよーかな.帰り道は雨っぽいみぞれだったが,急速に湿った雪に変わりつつある.気温は+2.7度.もう少し低くなれば本格的な雪となるだろう.雪はさらに強く降り続き,午後11時過ぎ,見渡すかぎり下界はまっ白に雪化粧.気温は+0.1度で無風.このまま積雪が深くなれば明日の朝は交通機関への影響が大きいだろうなあ.はたしてノーマルタイヤの車で農環研までたどりつけるかという問題が浮上してきた.つくばセンター三井ビル方向を望む.大粒のぼたん雪が降りしきり,視界がぜんぜんきかない.土浦学園線もすでに冠雪していて,いつもの夜より車の通行がまばらになっている.明日の朝の出勤がかなり心配ではある.学園線はのろのろ運転.しかしいつまで眺めても埒があかないので,寝ることにする.

◆本日の総歩数=3920歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.1kg(−0.2kg)/30.0%(+0.8%)


13 februari 2011(日)※北風が吹いて筑波山は雪化粧

◆今日もだらだらと午前6時半まで寝てしまう.久しぶりに快晴の日の出を拝む.冬型の天気で最低気温はマイナス4.0度まで下がった.きりきりとした冷え込み方はいかにも関東内陸的.さて,明太子おにぎりの朝ごはん前に,ずっと放置していた┣┣" 放牧場を見に行こう.昨夜の小雨だか小雪が方々で凍りついていて,車道はかなりキケンな状態になっている.たとえ朝日が当たっていてもまだこちこちに凍っている箇所多し.午前7時過ぎ,国道408号の稲荷川あたりで,対向車線からスリップしてきたバンが目前をかすめた(ひ〜).

◆┣┣" 観察日誌(久しぶり) —— 〈ダヴィッドパン〉が週末パスタを始めたぞ.注目〜.帰りがけに農環研に立ち寄って┣┣" どもの生育を確認する.「週明けに電話します」とか「2月14日までに」とか「2月15日必着です」というタグがぶら下がった┣┣" が何頭ものたうっていた.これはもう年貢を納めるしかないかな.帰り道,遠景の筑波山が真っ白に雪化粧しているのがクリアに望める.〈ブロートツァイト〉でバゲットを買って帰還.北風がとても強くなってきて,体感気温が低すぎる.

◆[欹耳袋]昨日2月12日が進化学者 Charles Darwin の誕生日,今日2月13日は解剖学者 John Hunter の誕生日.Cf.: Robert J. O'Hara〈Today in the Historical Sciences〉.

◆採点の祭典なう —— 冷たい筑波颪が吹きつける冬晴れの昼下がり.東大「生物統計学」の成績評定をしているところ.まだ先が長いぞ.週明けがしめきりのなので,追いつめられて採点の祭典ちう.東大・生物統計学の「統計曼荼羅」を鑑評中.いやぁ,みなさん,絵心ありまくりねー.でも,夕方になっても評定はまだケリがつかない.夕食後さらに頑張って夜11時を過ぎて成績評定やっと完了.UT-mate からの入力┣┣" は明日まわしになった.

—— 採点に先立って「講義アンケート集計」はもう終わったので公開した.

◆┣┣" 撃ち予定(弥生) —— 急な話だが 3月24日(木)に京都にて文化系統学の勉強会があるという.では,参加させていただきますね.出張日程を組まないと.件の論文集の原稿を“素材”にするというのはいい案だと思います.

◆本日の総歩数=3323歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.3kg(−0.5kg)/29.2%(−0.4%)


12 februari 2011(土)※前夜の乱行を省みる連休中日

◆はっと目が覚めたら午前8時.はい〜?(汗)曇り空の連休中日.気温はプラス1.6度.ずしんと凍えるのは湿気のせいか.さて,一週間ぶりに農環研に潜入して,放置┣┣" どもの生育状況をコッソリ観察に行こうかな.朝のうちは晴れ間も見えた.

◆[蒐書日誌]世界初の「系統ネットワーク」教科書 —— Daniel H. Huson, Regula Rupp, and Celine Scornavacca『Phylogenetic Networks: Concepts, Algorithms and Applications』(2010年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xii+362 pp., ISBN:978-0-521-75596-2 [hbk] → 目次|版元ページコンパニオン・サイト).本書はその出版までかなり待たされたが,年が明けてやっとブツが届いた.分岐的な「系統樹」の次に来るのは「系統ネットワーク」という信念のもと,著者は応用グラフ理論を武器にして「樹」と「ネットワーク」のすべてを論じている.基本線は「数理系統学」の本なので生物学者にとってはきつい章もあると推測する.しかし,著者自身がまえがきで書いているように,必殺の Charles Semple & Mike Steel『Phylogenetics』(2003年刊行,Oxford University Press)よりは読者死亡率は低いだろう.一方,Joe Felsenstein『Inferring Phylogenies』(2004年刊行,Sinauer Associates)よりは犠牲者が多いかもしれない.

◆午後になって灰色の雲が広がり,霧のような氷雨が降り始めた.また雪になったりするのだろうか.案の定,その後,小雨は小雪に変わった.夕暮れで薄暗くなってからも,まだしとしとと氷雨が降り続いている.今日の最高気温は+3.5度.終日ゾンビのようにうろうろしていただけで,ぜんぜん生産的ではなかった.放置┣┣" どももそのままだし.暗くなってまた雪がちらついてきた.

◆[欹耳袋]九大でのオモテの講義とウラの高座はいずれもビデオ収録された.そのうち比社文の楠見さんがインターネット公開してくれることになっている.

◆明日からの┣┣" 撃ち予定 —— 週明け早々の「2月15日」に締め切られる所内の会計事務をはじめ,原稿┣┣" やら業績報告┣┣" ,そして成績評価┣┣" どもの雄叫びが竹園まで轟いている.明日の日曜は農環研に忍びこんで打ち続けないとどうしようもないな.

◆[欹耳袋]今日2月12日は Charles Darwin(1809年生)の誕生日.Immanuel Kant の逝去日(1804年没)でもある.

◆本日の総歩数=2267歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜△.計測値(前回比)=92.8kg(−0.4kg)/29.6%(+0.5%)


11 februari 2011(金)※小雨の博多から雪のつくばへ

◆ゆるゆると午前5時半に起床.気温プラス4.8度.本日の予定はとりあえず帰るだけ.筑波山方面から┣┣" どもの咆哮が聞こえるのは空耳か.ときおり小雨が降る中洲界隈.荷物のパッキングをして午前9時前にチェックアウト.そのまま福岡空港に直行.外は小雨が降り続いている.羽田行きのフライトは20分の遅延で,10:25に離陸するらしい.コーヒーをすすりつつしぱしゆるゆるする.

◆雨の福岡空港を離陸して,約1時間半で羽田空港にたいした遅延もなく着陸.空港は雨だったが,モノレールが地上に出たら,いきなり雪になっていた.積りはしないようだけど,けっこうな降り方.都内はみぞれが降り続いていて,福岡との体感気温のちがいは有意.つくぱは雨なしの雪なのだろう.しだいに大粒のぽたん雪に変わり,車窓から見渡す風景は白くなってきた.まだまだ振り続く雪また雪.都内と千葉県にいま大雪注意報が発令ちう.つくばが近づくに連れて雪がしんしんと.午後3時につくば帰着.下界は見渡すかぎり真っ白になっている.気温プラス0.2度.寒いなんてもんやないな.

◆松本俊吉(編著)『進化論はなぜ哲学の問題になるのか:生物学の哲学の現在』(2010年7月20日第一刷刊行/2010年10月15日第二刷刊行/2011年2月20日第三刷刊行,勁草書房,東京,viii+238 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-326-10198-6 → 目次版元ページ

九州にとんずらしていた間に「第三刷」のブツが届いていた〜.お買い上げ感謝!

◆[欹耳袋]〈MacFamilyTree〉アナタもワタシも家系図大好き./金明哲さんのサイトに RExcel の記事が!

◆雪降る夜の乱痴気 —— 午後6時半,つくばセンターから西大橋の〈リヨン・ド・リヨン〉へ移動.雪はまだ降り続いている.午後7時から祝賀パーティ.ワインを飲み倒した感がある尋常ならざる宴会.さらに,竹園の〈ユナイテッド〉に移動して二次会.またしても午前様になってしまった.雪はすでに止んでいた.

◆朝,雨降る福岡を飛び立って,深夜のつくばの雪道をとぼとぼ歩く.遠距離移動と累積疲労でそろそろ人間としての体をなしていないかも〜.

◆本日の総歩数=3912歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


10 februari 2011(木)※最終日はよろよろお疲れさん

◆朝寝坊.午前4時半にいったん目覚めたのに二度寝をしたのが敗因だったか.外は曇り空でいまの気温はプラス3.9度.さて,よろよろと用意して出撃しましょーかねー.今日はオモテ高座の最終日.夕方までみっしり噺が詰まっている.

◆午前9時前に伊都キャンパス着.曇って薄ら寒い.講義室にてパソコンをセットアップする.受講生が続々とはいってくる.午前9時半から講義開始.今日は線形統計モデル三昧.午前から延々と線形モデルについて話し続ける.午後は一般化線形モデルについて.外は薄曇りの天気が続く.さらに,計算統計学とベイズ統計学について解説したところで午後5地となった.これにておしまい.おあとがよろしいようで.

—— 帰路は,伊都キャンパスから天神に向かう高速バスを使った.本数は少ないがこちらの方が楽だったかもしれない.小雨がぽつぽつと降りだしてきた.

◆[欹耳袋]企業系譜図あれこれ —— 神戸大学・経済経営研究所・附属企業資料総合センター『多国籍企業系譜図』.旧リエゾンセンターが改組されたのだろうか.この企業系譜データベースのURLが変更されていたのでメモしておく./Nicholas Felton『Taxonomy of Publishing Diversity』(→ 記事サイト).出版社の企業系統樹.

◆[蒐書日誌]アヴァンティ編集部(編)『福酒日和』(2009年2月5日刊行,アヴァンティ[Avanti 別冊],福岡,ISBN:978-4-901615-04-4 → 版元ページ).中洲でたいへんお世話になった本.地元のことは地元の情報誌がいちばん.→ 参考:〈e-avanti

◆[欹耳袋]任天堂ゲームの系統樹 —— 「任天堂ソフトの歴史を1枚の画像にまとめてみた」(2006年11月12日)/「ファイナルファンタジーとドラゴンクエストの歴史をまとめた樹形図」(2007年2月14日)/「100機種以上の家庭用ゲーム機を網羅した樹形図」(2007年02月25日).任天堂の公式サイトのアーカイヴ〈可視化シリーズ〉にあった家庭用ゲームの系統樹たち.いずれも詳細極まりない「系図」であると同時に,製造元の情報に基づくという意味で「真の系統樹」といえる.

◆博多最後の夜 —— 夕闇が迫る中洲がひときわ賑やかなのは連休前の夜だからだろう.いったんホテル帰還ののち,午後7時に文学部の石田さんと待ち合わせて綱場町の博多寿司〈大和〉へ.ここはうまいなぁ.フグ,クジラなど珍しいネタのにぎり寿司.煮穴子と最後の玉子焼きも美味.それに赤ムツの一夜干し.ごちそうさまでした.店の外に出たら空からときおりちらちら降ってくる.雪ですか?

◆明日はつくばに帰るぞー.

◆本日の総歩数=3247歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


9 februari 2011(水)※オモテの講義にウラのお座敷

◆午前4時半過ぎに起床.気温はプラス8.2度と驚異的に暖かい.もう春ですか,そうですか.昨夜は昼は唐泊の海岸で焼き牡蠣,夜は中洲でおでんという旅人な食生活だった.今日は朝から午後までオモテの講義,夕方はウラの高座,そして夜は怒涛の懇親会という豪華三点セットだ.

◆[欹耳袋]貝殻形態数理モデルの系統樹:J. R. Stone 1996. The evolution of ideas: a phylogeny of shell models. American Naturalist, 148: 904-929. 出先だとDLできないぞ.

◆午前8時前,そろそろ出撃しようか.今日はとっても長丁場だ.伊都キャンパスは曇り空.海から吹きつける風が体感気温を下げている.キャンパスマップを見ても,広すぎて実感がわかない…….食べかけバウムクーヘンはまだ入り口エリアの一角に過ぎない.奥の方には,工学部とか付属実験施設,そして生物多様性保全エリアが展開している.理学部や農学部はこれから移転してくるらしいが,不確定なところもあるらしい.共有スペース「嚶鳴天空広場」って,漢字がぜんぜん判読できまっしぇん…….

◆集中講義二日目 —— 本日の講義室は昨日とはちがって,センター1号館6階の1604号室.学部生の生物学実験室なのでとても広く,しかもできて間もない建物なのでぴかぴか.ハエ取り紙とは無縁.昨日のぎゅうぎゅう詰めとは対極的に広々している.午前中は実験計画の全貌を完全無作為化法を例に解説した.午後の講義は乱塊法.1要因と2要因のケースについて説明し,交互作用の実体のなさについても言及した.Rコマンダーを用いた実習だん.休憩後は,split-plot と strip-plot について解説する予定.オモテの高座は午後3時までにおしまいにする.外はいい天気だが,海からの風が冷たい.海岸に近いキャンパスなので,どうしても吹きさらし環境になるそうだ.

◆午後4時からはウラ高座 —— 三中信宏「分類思考と系統樹思考:多様性のパターン分析について」/日時:2011年2月 9日(水)16:00〜18:00/場所:九大・伊都キャンパス,比文言文研究教育棟4階419号室(第8セミナー室).最初はぱらぱらと参加者がいただけだが,しだいに増えてセミナー開始時には25名になった.きのうは実在しなかった荒谷さんが一瞬だけ顔を見せ,またあっという間に姿を消す.定刻にセミナー開始.一般化された体系学について噺をする.写本系統学を例に系統推定法の分野間収斂とその歴史的意味について.午後6時ちょうどにセミナー終了.たいへんお疲れさまでした.

◆懇親会の夜は波音とともに —— セミナーが終わったのち,送迎バスに揺られてまたしても糸島の海岸の波打ち際にある釣船茶屋〈ざうお〉本店にて懇親会をしていただいた.新鮮な魚をたっぷりいただきました.

午後10時前に送迎バスで九大学研都市駅まで送ってもらったのに,電車が来たのは35分後.ダイヤ密度は人口密度並みに低いことがわかった.午後11時すぎにホテル帰還.即沈没.明日は最終日だ.

◆本日の総歩数=2844歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


8 februari 2011(火)※中洲川端の午前三時は不夜城

◆午前3時に起床.気温はプラス3.5度.ホテルから見下ろす中洲界隈はこんな深夜なのにネオンがきらめき,通りは酔客とタクシーでごった返している.まさに不夜城ですなあ.静かにRスクリプトを書く地上14階と喧騒の巷との隔絶は甚だしい.午前7時,さて,朝ご飯だ.さっきまで明けの明星が見えていた.眼下の不夜城はやっと静かになってきたようだ.福岡は午後は雨になるらしい(傘が……).一方,つくばは今夜は雪が降るとのこと.

◆そろり伊都の国へ —— 午前8時半,余裕をもってそろそろ出撃の準備をしようかな〜.博多の中心部からプチ旅行?しないと伊都キャンパスにはたどりつけない.中洲川端から姪浜経由で九大学研都市駅へ.砂浜の海岸が間近に見える.接続がよければ40分ほどでたどり着けることがわかった.いかにも「under construction」な感じの駅前は,ロータリーもまだできていない.「九大工学部行き」のバスに乗客がどんどん吸い込まれていく.駅から大学までの公共交通機関はこの路線バスしかない.バスに揺られること約十数分,はるばるやってきました初めての伊都キャンパス.かつてのつくばのようなむき出しの造成地の上に巨大なキャンパスの建物がそびえ立っている.京大・桂キャンパスみたいな丘陵の景色.行き先は「オレンジピック」バス停前の比社文の建物.食べかけのバウムクーヘンみたいに曲がっている.

天気は曇り空で,下り坂との予報は当たっているかも.とりあえずバウムクーヘンの6階まで上がって,まずは阿部さんと細谷さんに挨拶.今回,窓口になってくれた荒谷さんはご家族のインフルエンザ看病で今日は来るか来ないかわからないとのこと.事務室にて非常勤講師出勤簿に押印して,成績評価に関する書類を受け取る.控え室にて一休みしつつ,講義の準備.e-mobile はちゃんとつながった.4階の講義室(418号室)にてプロジェクターとの接続をテスト.かなり狭いけど大丈夫だろーか.外は小雨が降りだした.

◆牡蠣が舞い飛ぶ糸島半島 —— お昼ごはんは阿部さんをはじめ研究室のみなさんとともに,半島の海岸を目指す.糸島半島の唐泊にある〈恵比須牡蠣〉の「牡蠣小屋」にて焼き牡蠣をば.食べても食べても牡蠣が飛んでくという「わんこ牡蠣」.炭の灰をかぶりつつ,いったい何個食べたんだろう.ときどき“自爆”する牡蠣もあったり.ごちそうさまでしたっ.

◆集中講義初日 —— 午後1時前に伊都キャンパスに戻ってきた.さっそく講義室に向かったのはいいが,この狭い狭い部屋にすでに18人とは! もうギュウギュウ詰め〜〜.各自がPCを持ち込むのでテーブルも空き場所がない.満員電車のように身動きがとれないなか,とりあえず統計学概論を1時間ほど話す.人口密度が高いので暖房不要.休憩後にRのインストールをする.Win / Mac が混ざるというのは初めてのこと.R本体とパッケージそしてRコマンダーは Windows / Mac OSX 用をそれぞれ用意してきたが,ちゃんと入るかどうかが確認できるまではどきどきだった.とりあえず“不幸な人”が一人も出なかったのはよかった.今日の最後はパラメトリック統計学でおしまい.午後5時前に解散.

—— [アナウンス]明日から講義教室が変更になり,センター1号館の1604号室(生物学実験室)へ.いまの部屋があまりにギュウギュウ詰めのため.

◆伊都キャンパスで降り始めた雨は,九大学研都市駅で本降りに.中州川端に戻ってきた頃は一時的に小ぶりになっているけど,あわててコンビニで傘を買うはめになった.それなのに,今宵の中洲は雨上がりの傘いらず.橋から眺めたネオンサインが川面に映っていた.西中洲の小料理屋〈悦〉にていただいた「お野菜盛り合わせ」.おでん出汁にいろいろな葉菜・根菜が浸る.カウンター越しに手間をかけているのがわかる.じゃがいもはインカのめざめ.スパイシー鶏つくねは肴にぴったり.日本酒は筑後の「庭のうぐいす」,山口・萩の「東洋美人」,広島・西条の「亀齢」をば.ごちそうさま.

◆ホテルに帰還してすぐに寝落ちしてしまった.初日だからしかたないか.

◆本日の総歩数=3230歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


7 februari 2011(月)※雨上がりに博多へと旅立つ日

◆午前5時前起床.雨上がり.気温はプラス1.2度.氷点下8.0度という厳冬期はもう過ぎてしまった.旅支度はほぼおしまい.Crawley『統計学:Rを用いた入門書』の一般化線形モデル本とベイズ本Albert『Rで学ぶベイズ統計学入門』のどちらかをお守りに持って行こうかな.しだいに青空が広がって,気温上昇中.つい先日までいつも氷点下の最低気温が出た午前7時にすでにプラス0.5度だから,日中は暖かくなるにちがいない.いまの福岡の気温がプラス5.6度か.こりゃ旅の服装の再調整を考えないといけないかも.

◆[欹耳袋]ついに大団円! —— さらに多摩からも追試情報が届き,Mac OSX の Rcmdr 日本語「美容」問題はいよいよ決着がつく気配が濃厚になってきた.とりあえず「中間記録」に下記の文言を付記した:

私のもとに寄せられたいくつかの「追試」の結果によると,確かに R64.app だと X11 をいろいろいじらなくても Rcmdr はデフォルトできれいな日本語表示をしてくれるようだ.Rのパッケージや Rcmdr のプラグインが 64bit 環境にちゃんと対応しているかという疑問は残るが,ターミナルや X11 でのめんどうなコマンド操作はとりあえず回避できそうだ.これは朗報.現時点では R64.app を使えば誰でもシアワセになれる可能性が高いと結論してもいいだろう.

その後,Taglibro de H さんの決定的追試「Snow Leopardならクリックだけで美麗R Commander」(2011年2月6日)により,Mac OSX でRコマンダーを使おうとするなら,ジャギーな日本語表示を回避するための十分条件は「Snow Leopard」&「R64.app」であることがほぼ確定した.この環境のもとでは上述のような UNIX や Xterm でのやっかいなコマンド操作はいっさい不要になる.明日からの九大集中講義の心配のタネがひとつ減った.これできっとハッピーになれるぞ.32bit の R.app をあえて使う場合はなおイバラの道を歩まなければならない.しかし,R64.app が使えるのに R.app にこだわる必要性はもはやないだろう.

—— ということで,めでたく大団円:「Snow LeopardでR64.app(とIPAフォント)なら、Mac OS Xでも美麗なRコマンダーを使える」(by Taglibro de H).それに合わせて闘争記録も「Mac OSX 版Rコマンダーの日本語表示を改良する闘争の顛末」と改題した.

◆またしても九州へ出撃 —— 日射しが暖かいつくばセンターを重いスーツケースに引きずられていく.9:55発のTX快速で東京へ.浜松町からの東京モノレールはほんの数日前に乗ったばかりじゃないか.旅から旅への日々がまた.羽田空港第二ターミナル到着.都内も暖かくていい天気だ.フライトは12:30.チェックインしてからランチをちょいと.天気予報を見ると福岡も暖かそうだ.服装を再調整してよかった.

機中読書:山口昌男『内田魯庵山脈:〈失われた日本人〉発掘(上)』(2010年11月16日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・G245],東京,x+370 pp., 本体価格1,360円,ISBN:978-4-00-600245-9 → 版元ページ).明治から昭和にかけての「草の根アカデミア」を掘り起こす.内田魯庵はこの人的・知的ネットワークを束ねる重要な「ノード(節点)」のひとつだったが,それ以外にも現在では忘れられてしまったいくつもの「ノード」が生きて活動していた時代があったということか.一方,柳田国男がそういう市井の「ネットワーク」を徹底的に嫌っていたという指摘は興味深い.維新前の「江戸時代」を引きずる人脈がまだ残っていた明治初期はごった煮だったのだろうな.知らない人名が次々と出てくるがぜんぜん気にならない.それどころか,過去一世紀半のニュース報道を早送りで眺めているようで,とてもおもしろい.下巻が楽しみだ.

—— 福岡空港への空路は順調で,予定よりも早く14:15に着陸した.この前に福岡に来たのは生態学会大会の国際シンポジウムでトークしたときだから,2008年の春のことだった.2年ぶりか.

◆空港内で淀んでないで,さくさくと中洲に進撃しよう.どんどん中心部に接近していく.外は春の陽気でコートは不要.地下鉄で中洲川端まで.今日から四日間は中洲の繁華街を見下ろす〈ベストウェスタン福岡中洲イン〉に泊まって,九大・伊都キャンパスに連日通うことになる.今日はおとなしくホテル近くの古式生そば〈ひさや〉にて天ぷら蕎麦を注文した.ここの蕎麦は上州的には「蕎麦」ではなく「水沢うどん」に近い触感のもちもちさがある.今度来たらぜひ「A丼」を注文しよう. ホテルに戻ってきてからは,小人閑居にしてスライドをつくる.

◆本日の総歩数=3520歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.2kg(−0.1kg)/29.1%(+0.1%)


6 februari 2011(日)※またしても旅支度をしないと

◆午前5時前起床.気温プラス2.3度.明け方が氷点下にさえならないとはもう「春」ですなあ.今日は朝から曇り空.最低気温は午前7時にやっとマイナス0.9度.九大R実習 for Mac users のための事前準備をメールで連絡する(「X11」のインストール).それ以外の実行ファイルやパッケージ類は当日講義室にてUSBで別途手渡しということになる.

◆[蒐書日誌]Galileo Galilei『Discorsi e dimonstrazioni matematiche, intorno a due nuove scienze』(1638年刊行,Elsevier, Leiden, 306+6 pp.).ガリレオ・ガリレイ著『二つの新科学対話』初版.Elsevier Japan からいただいた復刻本:函入りのとてもりっぱな復刻本.市販はされていないとのことで,ライデンで出版業を始めたばかりの Elsevier の記念碑的著作を顕彰するために,エルゼヴィア・ジャパンが出したそうな.

◆X11ウィンドウ格闘続く —— 先日から格闘している Mac OSX の X11 日本語表示問題.少なくともRコマンダーに関しては,R.app(32bit版)ではジャギーになるが(→証拠画像),R64.app(64bit版)ではジャギーにならないことを確認した(→証拠画像).結果オーライだが,その理由はぜんぜんわからない…….sazanami フォントを入れたり,コンソールやXtermでのコマンド操作など悪戦苦闘したことが役立ったのだろうか.いずれにせよ R64 を使えばシアワセになれることだけはわかった.ただ,これでは他人に「シアワセになれるすべ」は指南できないなあ…….とりあえず,ここまでの格闘記録を公開した:「Mac OSX 版Rコマンダーの日本語表示を改良する闘いの中間記録」(2011年2月6日).多少なりともご参考になれば幸いです.

—— その後,北白川から「Mac OSX の R64.app では _何もいじらなくても_ デフォルトで Rcmdr はきれいな日本語表示になるのでは」との情報提供を受けた.ワタクシの場合,すでにX11環境の日本語フォントをいじりまくったあとなので真偽の判定ができない.どなたか追試を! ひょっとして朗報?

◆┣┣" 撃ちの日曜日 —— しばらく見ないことにしていた兇暴┣┣" 一頭(クローン四頭か)がいきなり暴れだしてどうしようもない.いまのところいじる余裕がないので,ちょっとの間ごめんなさいね.伊都キャンパスでこっそり放流してみようかとも思うが,空飛ぶ教授から即クレームがくるにちがいない…./HootSuite の調子がなんだかワルイなあ./確定申告に必要な書類をとりそろえて発送準備.

◆午後は最初は日射しがあったが,夕方になって雲がしだいに厚くなってきた.大分から送ってもらった甘藷の〈豊の紅〉は蒸かし芋にしたところねっとりとして甘みがバツグンだった.焼き芋向きの品種であることをまちがいないが,落ち葉がない…….

◆旅立つ前夜 —— 夜になっても気温は下がらない.明日からまた旅に出るので,その準備ちう.先月下旬からの半月間は,旅から旅へと巡業しているようなもの.国内外を問わず必要最低限の「旅先アイテム」はもう暗記してしまった.伊都キャンパスで撒き散らすビラも用意したし,あとは機中読書本を決めるだけか.向こうではオモテの講義とともにウラの高座も準備にリキが入っている.

—— 夜9時を過ぎて雨が降りだした.明日はちゃんと止んでね.お願いね.

◆本日の総歩数=0歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.3kg(−0.2kg)/29.0%(−0.1%)


5 februari 2011(土)※暖かな週末は┣┣" と戯れる

◆午前5時起床.気温マイナス1.1度.たしかに,しばらく九州に行っていた間に,拍子抜けするほど冷え込みが緩んでしまったな.立春だからといって律儀に暖かくならなくてもいいのに.週明けには博多に出撃するが,帰ってくる頃にはもっと春めいているのだろーか.

◆[蒐書日誌]毎年恒例「読書アンケート特集」 —— 『月刊みすず(no. 590:2011年1-2月合併号)』(2011年2月1日発行,みすず書房,東京 → 版元ページ).毎年恒例の「読書アンケート」特集号.ワタクシの選んだ書評本5冊は pp. 89-90 に掲載されている.この特集号は活字が多いので,来週の九州行の機中の友にしようかな.

◆晴れ渡って遠景の筑波山が霞む午前のひととき.気温はすでにプラス7.4度まで上がってきた.来週の九大セミナーのスライドをさらに15枚ほど追加して,いま合計164枚.はたして二時間で話しきれるか.10:57 に地震の長い揺れ.大分県の豊後大野にある農林水産研究指導センターから甘藷がどっさり送られてきた.どうもありがとうございます〜.「豊の紅」という品種.ねっとりとした甘みは石焼き芋向きかもしれない.

◆[欹耳袋]来週の九大での闇セミナーのハンドアウト原稿を元締宛に送った:三中信宏「分類思考と系統樹思考:多様性のパターン分析について」.日時:2011年2月9日(水)16:00〜18:00.場所:九大・伊都キャンパス,比文言文研究教育棟419号室(第8セミナー室).

◆夕方のの┣┣" 撃ち —— 年越しの科研費絡みの┣┣" がまだくたばっていなかったので,再度の攻撃をしかけたところ.今日は終日おだやかな日和だった.夕闇迫る午後5時半,そろそろ農環研に出陣するかな.闇セミナーのハンドアウトづくりとか確定申告関連書類などなど.夜の農環研でごそごそしてはや二時間が過ぎようとしている.みなさんがいる時間帯に実在しない研究員生活がここ何年も続いているので,名前と顔が結びつかない常勤研究員が何人もいる.いるはずなのに館内で何年も会っていない人も少なくない.さて,そろそろ帰ろっかなあ.

◆[蒐書日誌]本日ブツ着弾 —— 『現代の図書館 vol. 48, no. 4』(2010年12月25日発行,日本図書館協会現代の図書館編集委員会,東京,ISSN:0016-6332 → 目次).最新号がやっと届いた.特集〈分類新時代〉がとてもおもしろい.特集目次は以下のとおり:

 特集〈分類新時代〉 ——

  1. 石田栄美:テキストの自動分類をめぐる現況(pp. 211-216)
  2. 藤倉恵一:『日本十進分類法』新訂10版をめぐって(pp. 217-223)
  3. 和中幹雄:主要典拠データの機能要件(FRSAD)の概要(pp. 224-230)
  4. 中島正明:中学生の知識世界の構築・体系化のプロセス - 分類理解に関する聞き取り調査をもとにして(pp. 231-237)
  5. 鳥海恵司:音楽作品の主題検索 - 主題,ジャンル,形式をめぐって.(pp. 238-244)
  6. 研谷紀夫:Digital Cultural Heritage における分類と新しい情報知識体系の可能性(pp. 245-252)
  7. 原田美佳:韓国十進分類法(KDC:Korean Decimal Classification)(pp. 253-261)
  8. 三中信宏:知識の樹 - 図書分類と生物分類は共通のルーツをもつ(pp. 262-269)

図書分類の現状については仄聞するだけだったが,今回の特集でその最前線を垣間見ることができた.

◆来週の九大R実習では,受講生側で Windows と Mac OSX が入り混じることになりそうだ(予想勢力比はほぼ2対1).Mac OSX でRを教えるのは初めてのことなので,ソフトウェアの準備とともにココロの準備が必要.

◆本日の総歩数=1274歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(+0.5kg)/29.1%(−0.1%)


4 februari 2011(金)※立春の筑波山は花粉に霞んで

◆午前3時半起床.気温はプラス1.3度.氷点下できりきり冷え込まないのが肩透かし.つくばを離れていた間に,この地の厳冬期は過ぎてしまったようだ.昨夜は湯疲れのせいか早々に寝入ってしまった.今日は一週間ぶりの本務地出勤だが,来週はまたまた福岡巡業のため,さらにまる一週間の不在となる.不在中に┣┣" 放牧場が賑やかになっている…….今朝の最低気温は午前7時のマイナス2.6度.寒いことは寒いが,ナマス切りにされるような“痛さ”は感じない.それとも明礬温泉に浸かりすぎて皮膚が強化されたのかも.

◆[蒐書日誌]別府温泉マニュアル —— ハットウ・オンパク(監修)『別府八湯・温泉本2010〜2011版』(2010年8月1日刊行,おおいたインフォーメーションハウス,大分).別府温泉の最強マニュアル.別府に行くたびに最新刊を買うようにしている.百ページ弱の小冊子だが,情報満載.とても参考になる./『過去を復元する』書評:MY BOOKSHELF「過去を復元する」(2011年1月21日).

◆午前の┣┣" さま御一行いらっしゃいませ —— 音羽から大きな封筒が届いた.既刊書籍の「電子本」化にともなう著作権に関わる契約を結びたいとのこと.そろりそろりと電子本が浸透しつつあるということか.あくまでもそろりそろりと./久しぶりに松本から連絡あり.科学史(「自然科学史」)の集中講義(30時間)を依頼したいとのこと.最後に生物統計学の講義に行ったのは2006年のことだった.さて,またしてもクリスマスのころ,旭会館にて「冬期合宿」することになるのだろうか.自炊だったもんなあ.※この件,開講が 確定した./来週の九大での講義とセミナーはビデオ収録されることが決まった.ついでに Ustream でインターネット中継してみてもよろしいのでは?

◆気温が10度を越える昼休み.遠景の筑波山が霞んで輪郭がぼやけている.「春霞」という風流な表現を思いつく前に,「花粉」という無粋な言葉が脳裏をよぎるのは,花粉症の人たちにとっては条件反射みたいなものだろう.歩き読み徘徊は慎んだ方が賢明かも.ううむ,居室でごそごそしていたら,冬眠していた┣┣" どもが立春だからとむっくり蠢きはじめた.啓蟄まで静かにしてなさいって.

◆午後の┣┣" さま迎撃大作戦—— 玉川大学の次年度シラバスの入力をやっとすませた.その他,メーリングリスト関連のアドレス登録など,小┣┣" どもを撃ち続ける./遅ればせながら,今月分の出張・兼業・年休の届け出をすませた.博多から帰ってきたら,成績登録・交付金決済などの締切┣┣" どもがまとめて押し寄せてくる気配が濃厚.その前に引きずっている原稿┣┣" がかなり問題か……./とある学会賞選考資料として某ジャーナルのバックナンバーを発掘しているのだが,ぜんぜん見つからんぞ(求む「神の手」)./大分の研修生のひとりから統計の質問が届いたのはいいのだが,質問状ファイルが「jtd」って……(orz).またしても xfy Client の出動だっ!/昨日までの累積日録アップなう.日記を書かずに放置すると,すぐ巨大┣┣" と化す.

◆[質問]Mac OSX でRコマンダーを使っているユーザー諸氏,ジャギーな日本語表示の「改善措置」はちゃんとしているのでしょうか? いろいろじたばたしてみたあげく,「英語環境に変更してRコマンダーを起動する」のが精神衛生上いちばんいいかなと逃避しつつある今日このごろ.ワタクシの場合,R講習で使うことを前提にしているので,初心者でも無理なく変更操作できることが前提.だから,X11ウィンドウの別途インストールを要求する時点で「イエローカード」,ターミナルから延々とUNIXコマンドをキー入力させるなんぞ「レッドカード」で即退場処分.そんなわけで,Mac OSX は「R」の講義用には一度も使ったことがない.確かに,計算するだけなら,Rコマンダーは不要だろう.しかし,初心者をイニシエートするときに,RコマンダーというGUIがあるとかなり効率的に「初期化」できる.また,よく使われるコマンドが入っているので定型的な統計分析には有用.個人的には「グラフ」と「分布」メニューを重宝している.加えて,教育用プラグインも(RcmdrPlugin.TeachingDemos とか).

◆本日の総歩数=2268歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.0kg(+0.8kg)/29.2%(+0.1%)


3 februari 2011(木)※朝湯の極楽とんぼは現実復帰

◆午前4時前起床.昨夜は湯疲れしたせいか,いつの間にか寝落ちしていた.別府の山間は明け方の冷え込みがとてもきびしい.いまの気温は……このあたりは何度だろう? アメダスだと湯布院は氷点下5度まで下がっているけど.明礬大橋の上に明けの明星が輝いている.はるか向こうの別府湾はまだ暗い.窓の外に一晩出しておいたペットボトルのお茶がきんきんに冷えている.さて,夜明け前の露天風呂に行くか〜.昨日の夕方に入ったときは熱湯のように感じたが,氷点下のいまはちょうどいい湯加減だった.源泉は80度超.湯船の注ぎ口でも70度はあると旅館の人は言っていた.大地のパワーがみなぎりまくる夜明け前.午前6時過ぎ,旅館の部屋から東の下界を望む.夜明け前の朝焼けグラデーションが鮮やかだ.この方角から日の出が拝めるのは半時間後かな.別府市街地の対岸にそびえるのは高崎山.

しばらくメールを書いたり,日記をものしたり.本を読んだりしてすごす.午前8時ちょうどに朝食が運ばれてきた.こういうトラッドな“旅館”で部屋食の朝ご飯を食べるのはずいぶん久しぶりだ.朝食後,とどめの露天風呂に入った.外は快晴,日射しがまぶしく,明礬大橋のシルエットがくっきりと切り取られている.昨夜は一晩中エアコンをかけないと寒くてしかたなかったが,朝日が射し込むにつれて部屋の温度はどんどん上がる.午前10時過ぎにチェックアウトして旅館をあとにした.

急な坂をしばらく下ると明礬のバス停留所がある.もうすぐ来るバスを待っていたら,バス停脇の川岸の護岸壁をイタチがちょろちょろと走り回っているのが見えた.何をまちがったかすぐ足元までやってきて,初めて人間がいることに気づいたらしく,コンクリ壁のわずかな出っ張りを伝って一目散に遁走.速いのなんのって.

10:26発の路線バスに乗って,鉄輪温泉街を通り抜け,別府北浜で下車.道路を挟んだトキハ側にわたる.二年ぶりに別府タワーを見上げた.暖かな早春の青空には雲ひとつない.半時間ほど待って大分空港行きの高速バスに乗り込む.十分遅れで空港着.到着時の吹雪とは大違いの穏やかな空だ.

搭乗まであまり時間はないが,着いたのがちょうどお昼時だったので,空港内の寿司〈海甲〉にてちらし寿司を注文した.搭乗までの時間があまりなかったので慌ただしかったが,大分湯煙旅の最後は〈海甲〉で幕引きが儀礼みたいになっている.午後1時過ぎに「ANA 196便」に搭乗した.

—— 帰りは予定より早く,一時間ちょうどで羽田空港第二ターミナルに着陸.つくばに帰り着いたのは午後4時半だった.つくばも身を切られる筑波颪とは無縁の夕方を迎えていた.これにて大分湯煙巡業の最後の幕引きとする.荷物を片付けたり,書類を整理したりしているうちに睡魔が張り憑いてきた.

◆[欹耳袋]湯疲れの夜のRのじたばた —— X11 を入れた Mac OSX 10.6.6 で Rコマンダーが起動できない場合は, CRAN から tcltk-8.5.5-x11.dmg をインストールすれば成功する./Finder の「環境設定」→「詳細」で「すべてのファイル名拡張子を表示」をオンにしておく./Mac OSX 10.6 - Inforati「Macのキーボードショートカットで隠しファイルや隠しフォルダを表示する隠れ技」.こんなウラワザがあるとは!/いずれにしても,Mac OSX 上でRコマンダー日本語フォントの「醜さ」がお手軽に改善できるようになるまでは, 講義や研修で使う気にはとうていなれない.

◆本日の総歩数=3054歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


2 februari 2011(水)※大分のお座敷を終え明礬温泉へ

◆午前4時前に起床.気温プラス0.2度.昨夜は都町に出撃したが,健全にも午後9時前にはホテルに帰還していた.今日は統計研修の最終日.本日も午前9時半から午後5時まできっちりカリキュラムが組まれている(地方公務員の勤務時間に沿って時間割を組んだ).噺す方も聴く方も持久戦.終わったらその足で別府・明礬温泉に直行だ〜.

◆統計研修最終日のお囃子が聞こえ —— 荷物をまとめて午前9時にホテルを出る.今日はとりたてて冷え込んでいない.外は気持よく晴れている.高座の幕が開く.最初に前日の続きのモデル選択論に関連して,stepAIC を用いた実習をする.休憩タイム.庁舎の窓から外を覗くとやや薄曇り.その後,線形モデルの一般化線形モデルへの拡張と混合効果モデルについて解説したところで,ちょうどランチタイム.

◆大分県庁での研修期間は市内中心部のホテルに宿泊し,朝から夕方までカリキュラムが組まれているので,必然的にランチは県庁“御用達”の店ということになる. 県庁裏の〈豊後寿司〉にて「みやびちらしセット」を注文.ちらし寿司なんかどこにでもあるとバカにしてはいけない.この店のランチで出されるちらし寿司は「おかず」がずらっと並ぶ.茶碗蒸しから野菜サラダ,魚の煮つけに味噌汁,デザートまで.出張先で,地元をよく知る人たちに「ご当地の味」を教えてもらえるのは役得のひとつ.関サバとか関アジあるいはフグのような大分での「高級路線」とはまた別の楽しみですなあ.

◆大分湯煙巡業の大団円はもうすぐ —— 午後は,多変量データの可視化と多変量解析の手法について解説した.そろそろ累積疲労がにじみ出てくるころ…….休憩後に,計算統計学のリサンプリング手法についてのスライド講義とR実習を終え.最後は質疑応答タイム.午後4時半,今回の統計研修の全日程を終了した.夕方の大分市街地は穏やかな空模様だった.さて,後片付けをしたら明礬温泉に直行だ.大分県庁のみなさんにはたいへんお世話になりました.

—— 反省点:配布スライドが不備で,「統計学概論」「多重比較」そして「モデル選択」の三つを渡しそびれてしまった.あとでpdfファイルは届くようにします.

◆統計研修の終了後,別府温泉の最奥部にある明礬温泉〈湯元屋旅館〉まで車で送ってもらった.夕闇迫る午後6時前にチェックインして,真向かいの外湯〈鶴寿泉〉に入る.酸性緑礬泉(pH 1.7)の熱湯.差し水などしないのがお作法.泉質が「pH 1.7」という強酸性なので,「熱い」というよりはむしろ「痛い」という表現がふさわしい.〈湯元屋旅館〉 の本日の泊まり客はワタクシ一人ということで,存分に内湯を独占させていただきます.二年前の大分湯煙巡業のときに泊まったのは,すぐ隣りの〈ゑびすや旅館〉だった.すぐ上には改装された〈山田家旅館〉の濃厚な緑礬泉もある.温泉パラダイス.

ここ〈湯元屋旅館〉の泉質は酸性アルミニウム硫酸塩泉(要するに酸性明礬泉)とのこと.内湯と露天風呂があり,夕食後にさっそく入ってくるつもり.夕食後,〈湯元屋旅館〉の露天風呂を占拠してきた.ここも〈鶴寿泉〉並みの熱湯が湯船に注ぎ込んでいて,かなり攪拌しないことには火傷してしまう.湯船の縁にはびっしりと析出物が付着する.「pH 1.7」くらいの酸性になるとちょいと舐めるだけでものすごく「酸っぱい」.ましてや飲泉なんかとうていムリムリ.クニマス発見で有名になった国内最強の玉川温泉が「pH 1.2」だから,それに匹敵する強さがある.傷なんぞあった日には飛び上がる.

〈湯元屋旅館〉の内湯に入ってきた.湯船が深くてゆったりできる.源泉の流入を調節しているので,茹だるような熱さはない.つい長湯してしまって,ふやけるふやける.それにしても,こんな山奥からでもちゃんと e-mobile がちゃんとつながるというのは驚きだ.別府市街地の向こうに広がる別府湾の遠景.夜が更けてしだいに気温が下がってきた.明け方はかなり冷え込むらしい.温泉でほかほかに暖まったところで,そろそろ欲も得もなく寝ましょうかねー.明日はつくばへの帰還が唯一のお仕事だ.

◆本日の総歩数=1709歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


1 februari 2011(火)※大分湯煙高座の二日目は都町へ

◆午前5時前起床.気温はマイナス2.4度.つくぱを離れて九州に逃走している間に,本郷からの生物統計学レポートが降り積もっているようだ.受領メールをまとめて打ち返すことが今朝の┣┣" 撃ちはじめだ.東大「生物統計学」レポートの受領メールをまとめて二十通打ち返した.答案の統計曼荼羅いろいろあり.朝からだんご汁をいただいたワタクシ.

昨夜,大分市内中心部のアーケード街はあまり人通りがなかった.トキワ裏にあったグリル〈いたや〉が一昨日廃業してしまったのは実に残念.そして,JR大分駅前の〈パルコ〉まできのう閉店してしまった…….メーリングリストの月例アナウンスを流したところで,そろそろ県庁のお座敷に向かうしたくをしないといけないな.外は冬晴れの青空が広がる.

◆午前9時半から統計研修二日目 —— 今日も午後5時まで県庁OAプラザにカンヅメされる.今日は実験計画法とそれに関連する線形統計モデルについての解説と実習.1要因完全無作為化法について,Rコマンダーでの実習を交えつつ,データ入力から線形モデルの構築そして分散分析から多重比較までの手順を一通り説明したところで午前中の高座を終える.

◆昨日と同じく,今日も〈こつこつ庵〉にて懇親会を兼ねた昼食会.今日は「琉球定食」を注文した.「とり天」と同じく大分ローカルな料理である「琉球」は,アジなど新鮮な魚の切り身をつけ汁と和えたシンプルな料理.そのまま食べようとしたらすかさず周囲からいっせいに「ちょっと待ったぁ」の声が飛んできた.「琉球」はご飯の上から汁ごとかけて,わしわしと食べるものだそうだ.男も女も関係なくひたすらわしわし食べる.どことなく“猟師料理”的で,とってもワイルド.

◆午後も続く統計研修 —— 多重比較の原理について解説したのち,1要因乱塊法の講義とRの実習に進む.昼下がりの睡魔が時おり降臨する.休憩後,2要因実験計画法の講義と実習をするうちにしだいに日は西に傾いてきた.split-plot と sprit-plot はRコマンダーでは計算できないので,地べたのRでスクリプトをちくちく書いては実行しする.午後5時前,統計モデル選択の原理(尤度とAIC)について解説したところで,本日の統計研修はおしまい.受講生のみなさん,おつかれさまでした.

◆夜の帳の都町にて —— 焼酎文化圏の大分にあっては,日本酒が飲める店を探索することは死活に関わる.昨夜は都町のど真ん中にある居酒屋〈ちゃんて〉に行った.茨城・須藤本家の三点セット「花薫香/山桜桃/郷乃誉」が常備されている店など地元茨城だって見たことない.〈ちゃんて〉は小さな店で,店主も言うように「一見さんにはかなり入りづらい」雰囲気がある.行った時間帯が午後6時だったせいか他にはひとりも客がいなかった.BGMのジャズを聴きながらしばらく独占させてもらった.

肴は意外なほど洋風でチーズ料理やパスタもいろいろ.牛すじ肉のスープ煮込みを注文したら,焼き立てのパンが添えられてきた.店の中でパンを焼いているんだそうだ.拍手.ということで,大分にやってきて日本酒を飲みたくなってしまった向きには〈ちゃんて〉を強く強くおすすめする.毎日パーフェクトな日替わりメニューのようだ.

この夜ワタクシが注文したのは,まず「白レバー刺身」.ごま油&塩とともにいただく.日本酒は〈山桜桃〉.次に,「真だら白子パン粉焼き」.うますぎ.日本酒は長野〈大信州〉の純米大吟醸.最後に,「田舎風パテ」.焼き立てのパンが添えられていた.日本酒は群馬〈水芭蕉〉の純米吟醸古酒.午後8時過ぎにさっくりホテルに帰還.

—— その後,うっかり寝落ちしてしまい,目が覚めたら午前1時を過ぎていた.いつの間にか生物統計学レポートがたくさん降り積もっている.明日ちゃんとリプライします〜.ということで,再び寝る〜.

◆本日の総歩数=2588歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


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