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日録2009年12月 


31 december 2009(木) ※厨房に籠る年の瀬(その二)

◆午前5時半起床.晴れところどころ曇り.乾いてぴりぴり寒いなあ.

◆大晦日の厨房はてんやわんや —— 昨日に引き続き,正月に向けての厨房作業はいよいよ本番を迎える.昨夜から一晩戸外で浸水させた黒豆を先ほど火にかけた.沸騰したらあと弱火で十時間.炊きあがったらさらにもう一晩戸外で寝かせて元旦の朝には食べられるだろう.豆を炊くのに手間はぜんぜんかからないが,時間だけはかかる.日中いっぱい炊き続けて,夕方には炊きあがるだろう.先に,スティファドの具合を見ておこう.

牛肉のスティファドは一夜が過ぎてタマネギがとろっとしてとてもいい感じになっていた.牛肉よりもむしろタマネギが主役のシチュー.すぐに食べるわけではないので,つくっておいて正月三が日のどこかでお披露目することにしよう.

牛肉のスティファド:2009バージョン

材料:牛肉モモ塊400グラム・タマネギ大3個・赤ワイン(できれば甘口)100cc・トマトピューレー100cc・水100cc・香辛料(クローブ[ホール]5粒・シナモンスティック1本・ローレル3枚・ブラックペパー[ホール]10粒)・ニンニク1片

  1. 牛肉は50グラム大に切り分けて塩こしょうし,厚手のフライパンで全面にしっかり焦げ目をつける.
  2. フライパンにオリーブオイルをひいて,大きく櫛形に切ったタマネギを焦げ目が着くようにしっかり炒める.このときスライスしたニンニクを混ぜて香りをつける.
  3. 厚手のシチュー深鍋に1と2の食材を入れ,ワイン・トマトピューレー・水そしてスパイスすべてを入れて火にかける.
  4. 沸騰したら超弱火にして肉が柔らかくなるまで数時間煮込む.

これまた,手間はかからずヒマがかかる料理ですな.昼の厨房まかない飯はシンプル卵鰹節チャーハン.午後はお煮しめ一筋になる.その前に,朝から炊いている黒豆のようすをチェックして,と.

黒豆:2009バージョン

材料:黒豆250グラム・砂糖250グラム・日本酒小さじ2・醤油50cc・水1.5リットル.※重曹と鉄くぎは不要.

  1. 黒豆は水に浸しておく(最低半日).
  2. 厚底深鍋に水1.5リットルを注ぎ砂糖250グラム・日本酒小さじ2・薄口醤油50ccを入れて沸かし,浸しておいた黒豆を全部入れて火を止め,戸外に一晩放置する.
  3. 翌朝,火入れ.沸騰したら弱火にして5時間煮る.ある程度やわらかく煮えるまでゆっくり待つ.
  4. 鉄の厚手のフライパン(鉄鍋でもOK)に移し替え,ふたをしてさらに5時間煮る.
  5. ときどき冷水(「びっくり水」)を少量注ぐ.※注意点:煮詰め過ぎて豆が煮汁から露出しないように注意すること.しわを寄らせずにふっくらと炊き上げるコツ.
  6. 柔らかく煮えたら,火からおろして,フライパンに入れたまま,戸外に一晩放置する.

さて,次はお煮しめのしたくにとりかかろうか.食材は,ヤツガシラ・金時にんじん・くわい・干ししいたけ・こんにゃくの5種類.まずはじめにだしをとらないといけない.昆布だし・干し椎茸だし・鰹だしは用意完了.こんにゃくは手綱に,ヤツガシラは大きく切り分ける.金時ニンジンには飾り包丁を.お煮しめは食材ごとに次の三タイプのレシピを用意した:

正月お煮しめ:2009バージョン

  1. ヤツガシラ:昆布だしでさっくり薄味に.茹でこぼし三回ののち,昆布だし600cc・砂糖大さじ2・酒大さじ2・みりん大さじ2・薄口醤油大さじ3・塩小さじ1で,煮くずれないように少しかために煮る.
  2. 金時ニンジンとクワイ:昆布だし+椎茸だし300cc・砂糖大さじ1/2・酒大さじ1・みりん大さじ1・薄口醤油大さじ1/2で,煮すぎず色よく仕上げる
  3. 干し椎茸と手綱こんにゃく:鰹だし+椎茸だし600cc・砂糖大さじ3・酒大さじ2・みりん大さじ2・薄口醤油大さじ4で,しっかり味をつける.

—— ということで,午後3時前にお煮しめ五品を調理完了.

◆今年最後の追い込まれ原稿仕事 —— さて,おせち料理関係の厨房作業はこれですべて終わりになったので,夕方のアフター年越しそばタイムは,原稿リバイスあるのみ! 〈紅白歌合戦〉が終わって〈行く年来る年〉までに改訂原稿をメール送信しなければ明るい新年は迎えられない.何と言う大晦日か

……と思いつつも,午後7時過ぎから必死で三時間ほどキーボードと親友になり,午後11時過ぎにやっと完了.〈紅白〉が終わる間際に執筆者メーリングリストに改訂原稿を投げて,やっと首がつながった:三中信宏「系譜学的思考の起源と展開:系統樹の図像学と形而上学」,所収:松本俊吉(編)『生物学の哲学における論理と倫理』(勁草書房,来年刊行予定).年内に原稿を出さないとジ・エンドですと元締めからの「最後通牒」が突きつけられたいわくもの.

年内ぎりぎりの原稿仕事をやっと終えたので,これからアモルファスに緩んでいこうかと考えているのですが,ツイッターのTLをにぎわしていた〈紅白(#kouhaku)〉ももうすぐ終わりだし,初参りったって筑波山の上は混雑して寒いし,これはもうゆるゆると新年を迎えた深夜を過ごし,未明の月蝕でも観るしかないか.禁欲的な大晦日の夜を過ごしたワタクシは原稿リバイス完了です.そのせいで「メガ幸子」も何もかも見ることができませんでした.さて,これから新年の祝賀ワインタイムかな.

◆そんなこんなで大晦日までばたばたしてしまいましたが,何とか新年を迎えることができそうです.みなみなさま,来年もよろしくお願いいたします.

◆本日の総歩数=1194歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=86.0kg(−0.1kg)/27.1%(+0.4%).


30 december 2009(水) ※厨房に籠る年の瀬(その一)

◆午前5時半起床.曇り.気温低し.

◆朝のウォーキング —— さすがに一年も終わるこの時期になると筑波大学キャンパスは閑散としている.一時間半ほど徘徊してから帰還.

◆厨房と原稿の日々の始まり —— 毎年,年末は同じような生活光景が出現する.今年も年の瀬のまっただ中.例年通り厨房に入ることになる.とりあえず,本日取りかかるべきメニューは:

  1. ローストビーフ:これまた定番メニューとなった一品.昨夜のうちに下味を付けて緊縛したので,いつものレシピ通りに焼く予定.
  2. 黒豆の炊いたん:おせち料理の定番アイテム.未明から水に浸してあって,そろそろ火を見せても大丈夫な吸水加減かな.夕方から調理開始の予定.
  3. 牛肉のスティファド:今年初めて登場する新メニュー.ギリシャ料理で大量のタマネギとともに牛肉を甘口ワインと香辛料で煮込んだシチュー.食材はすべてそろえたが,さてうまくいくかどうか.今回トライしたスティファドは,ふつうのタマネギ大3個と牛もも肉400グラムをふつうの赤ワインで煮込んだ.ギリシャ地元では小タマネギと甘口赤ワイン(マブロダフネ・オブ・パトラス)を使うというレシピを見た( → 参考:「スティファドは玉ねぎ料理?! 」).しかし,マブロダフネは日本では入手しにくいギリシャ・ワインなので,料理にがんがん使うのは気が引ける.かつて地元パトラスで買ってきたマブロダフネは確かに貴腐ワインのように甘かった.

—— 今日はタンパク質が多い料理だが,お煮しめをふくむ野菜料理は明日の大晦日にまわそう.

◆ローストビーフ1.5kgは昼前に焼き上がったので,粗熱をとってから冷凍庫へ直行させた(正月三が日に解凍して食卓へ).黒豆は煮汁に浸けて一晩おく.火にかけるのは明日の未明から.スティファドは約三時間弱火で煮込んで仕上がり.ベースはビーフシチューだが,大量のタマネギの甘みにシナモンスティックとクローブなど香辛料がフシギな香りを醸し出す.これまた一晩夜明かしをさせる.

◆午後はおせち料理の食材などの買い出し.午後になって北風がしだいに強くなり,寒さが身にしみるようになった.大晦日の寒波は荒れ模様との予報.今夜の夕食は「関西風すき焼き」にしてみたが,もう肉食オンリーというわけにはいきませんなあ.肉の鍋物には日本酒の「活性にごり酒」がとてもよくマッチする.今夜は秋田の〈ど〉でした.

◆いささか現実逃避気味の厨房引き蘢りだが,明日もなお続く「厨房と原稿」の年の瀬.厨房はまだしも,原稿の方を何とかしないと年が越せないなあ…….

◆本日の総歩数=11644歩[うち「しっかり歩数」7774歩/74分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.1kg(−0.7kg)/26.7%(−0.3%).


29 december 2009(火) ※まとわりつく年の瀬トドたち

◆午前5時前に起床.曇りところどころ晴れ.仕事納めが過ぎてもぜんぜん納まっていない仕事が多々ある.年の瀬はおせち料理をつくりながら,原稿を書くという泥縄ライフは必定.まずは遅れまくりの日録書きから.そのうち暖かく晴れわたってきた.今日も小春日和か.

◆よそ見の本 —— 林洋子『藤田嗣治:手しごとの家』(2009年11月22日刊行,集英社[集英社新書ヴィジュアル版 015-V],東京,206 pp.,ISBN:978-4-08-720519-0 → 版元ページ).全編にわたって“乳白色”でした.コッソリ第3章まで読み進む.

◆トド撃ちも少し —— 「最後通牒」突きつけられている勁草書房の論文原稿の改訂など.ぐむ……./東大新聞のゲラは要修正箇所が増えてしまった./『月刊みすず』の読書アンケート「今年の五冊」はどうしようか.〈leeswijzer〉をめくってみる.

◆新刊メモ —— 気谷誠『西洋挿絵見聞録:製本・挿絵・蔵書票』(2009年11月刊行,アーツアンドクラフツ,東京,336 pp.+図版170点,税込価格3,990円,ISBN:978-4-901592-55-0 → 版元ページ).この手の本をまたいでスルーできるほど人間ができてはいない.発注完了./P・A・セルデン,J・R・ナッズ[鎮西清高訳] 『世界の化石遺産:化石生態系の進化』(2009年11月15日刊行,朝倉書店,東京,ISBN:978-4-254-16261-5 → 版元ページ).バージェス頁岩やゾルンホーフェン石灰岩という有名どころの Lagerstätten がずらり.コリン・タッジ[柴田裕之訳]『ザ・リンク:ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見』(2009年9月25日刊行,早川書房,東京,382 pp.[カラー口絵32ページ含む],本体価格1,800円,ISBN:978-4-15-209070-6 → 書評目次版元ページ)の舞台となったドイツの「メッセル」も本書に載っている.

◆「「ダーウィン」邦訳の起源」(日本経済新聞2009年12月24日記事) —— 幡釜直「「ダーウィン」邦訳の起源:明治32年に発表した丘浅次郎,その生涯に光」という記事を見た.丘浅次郎によって翻訳された『種之起原』は,単行本(1904年=明治37年)として出版される五年前の1899年(=明治32年)に『動物学雑誌』に発表されていたという.雑誌上にどのように翻訳が掲載されたのかは興味がある.この記事では,丘浅次郎は「忘れ去られた」と強調されているが,本人や子息の丘英通の著作は今でも知られていることを考えれば,日本での進化学普及の貢献者のひとりとして忘れられているわけではないと思う.なお,幡釜直さんは丘浅次郎の伝記をいままとめているそうだ.出版期待.

◆とある「必殺系」白ワインのこと —— 夕刻,正月用のローストビーフ1.5kgの下準備をすませつつ,先日買い求めた白ワインをば開栓した.

苅間の集落の中に隠れているレストラン〈La Maison de Campagne〉のショップでは,内外のオーガニック・ワインを中心にした品揃えがされている.

先日ここで山梨の四恩醸造の白ワイン〈仄仄(ほのぼの)〉2008年を勧められてゲットした.ハーフボトルのデザートワインだというので,よく冷やして食前酒にくいっと飲んだら,いきなり「ガツン!」ときました.確かに,フレーバーの香しい甘味ワインなのですが,アルコール度数が実に「18度」もある.日本酒で言えば生原酒に匹敵する強力必殺ワイン.ビジュアル系なラベルと言い,あたりのいいネーミングといい,そしてこのスウィートさといい,とってもキケンすぎるかもしれない…….

◆「時間の奈落」 —— Laurent Olivier『Le sombre abîme du temps: Mémoire et archéologie』(2008年4月刊行,Le Seuil, Paris, ISBN:9782020966375 → 参照ページ:※Le Seuil のサイトはあまりに重過ぎて……).考古学,形態学,進化学,系譜学,博物学 etc. に絡んでいそうな内容.ビュフォンのことば「Le sombre abîme du temps(=The Dark Abyss of Time)」にちなむタイトルは Paolo Rossi の著書とまったく同じ.

◆明日も「料理と執筆」の日は続くのだ.

◆本日の総歩数=4067歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.8kg(+0.3kg)/27.0%(+0.4%).


28 december 2009(月) ※仕事納めでは納まらない残務

◆午前5時起床.明け方は前夜の名残の霧雨がまだ残っていた.気温5.1度.今年の出勤簿への押印も今日が最後だ.

◆クリストファー・アレグザンダーあれこれ —— 一昨年,初台のICCでのシンポジウム〈アーカイヴが紡ぐ未来:再連結する情報〉では,中谷礼仁・石田英敏両氏との鼎談で期せずして「クリストファー・アレグザンダー」ネタで盛り上がった.アレグザンダーと彼の「セミラティス」論は,かつて『生物系統学』の中でもさんざん論じたことがあります.アレグザンダーはときどき浮上してくるが,彼の「パタン・ランゲージ」がいま再び注目されているそうだ.たとえば,今年出た:江渡浩一郎『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(2009年7月10日刊行,技術評論社,東京,ISBN:978-4-7741-3897-8 → 版元ページ)が挙げられると教えられた.

そういえば,中谷礼仁さんはアレグザンダーの大著(C. Alexander『The Nature of Order : An Essay of the Art of Building and the Nature of the Universe (4 vols)』)を訳しつつあると鼎談のときに言っていたけど,その後どのような翻訳の進捗状況なんだろうか? 中谷礼仁『セヴェラルネス:事物連鎖と人間』(2005年12月25日刊行,鹿島出版会,東京,ISBN:4306044602 → 感想版元ページ)は,「アレグザンダー以後のセミラティス論」をたどるときに役に立つ文献だった.この本で引用されていた:George Kubler『The Shape of Time』(1962年刊行,Yale University Press)は邦訳される可能性はないんでしょうかね? 彼の「事物連鎖」という考え方は生物系統学に近いと感じる.

◆日中は暖かく晴れてきた.正午前は晴れときどき曇り.気温9.1度.午後1時にはさらに暖かく11.7度.年の瀬とは思えない小春日和になった.仕事納めの今日は年休を取っている職員も多いようで,駐車場が空いていた.仕事が首尾よく納まった人はいいなぁ…….

◆今年最後の発表論文:Hisakazu Matsumura, Hiroshi Kitajima, Shinji Akada, Jun Abe, Nobuhiro Minaka, and Ryoji Takahashi*: Molecular Cloning and Linkage Mapping of Cryptochrome Multigene Family in Soybean. The Plant Genome, 2(3): 271-281, November 2009. [doi:10.3835/plantgenome2009.06.0018 → Open Access (pdf)].系統推定のお手伝いをしました.

◆今日は夕焼けが鮮やかだった.結局,年内にトド撃ちを貫徹することはできず,何頭かを従えて年末年始と過ごすしかないだろう…….午後7時,トド数頭と本をたくさん抱えてとぼとぼ帰宅の途に着く.北風がよけいに身に染みる.明日からは年末年始モードでの仕事の日々となる予定.

◆本日の総歩数=7151歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.5kg(−0.1kg)/26.8%(+0.4%).


27 december 2009(日) ※半ば燃え尽きて無為な週末を

◆午前5時半にいったん起床したものの,再び惰眠モードに.午前7時半にやっと起きだす.しかし,ここのところ非日常的な生活と宴会が交互に続いていたせいか,体調がいまひとつよろしくない.外は晴天.日中も暖かく晴れわたっているのに,こうぐでぐで過ごしたのではお天道様に申し訳が立たない…….

◆「週間読書人」最新号(2010年1月8日号) —— 昨日届いていた最新号に掲載:三中信宏「分類する者と分類される物のはざまで:人間の分類思考のルーツをたどる旅」(→ 記事原稿).第二部・特集〈新書のすすめ〉の p. 2 です.「私のモチーフ」という著者による自著紹介コラムのひとつとして.「新書マーケット」はいささか飽和しつつも,まだ元気なんでしょうねえ.

◆リチャード・オーウェン再び —— Nicolaas Rupke『Richard Owen: Biology without Darwin』(2009年9月刊行,University of Chicago Press, Chicago, ISBN:978-0-226-73177-3 [pbk] → 版元ページ).どうして同じ著者がまたオーウェンの伝記をと思ったら,前著:Nicolaas Rupke『Richard Owen: Victorian Naturalist』(1994年刊行,University of Chicago Press, Chicago)の改訂版とのこと.前著は手元にあるので,改訂版を買うべきか否か,悩ましいな.

◆ヘッケル関連の博物館展示と文献 —— 著者からご送付いただきました.まずは,国立科学博物館(上野)でいま開催されている企画展〈深海探査と微化石の世界:HMSチャレンジャー号から“ちきゅう”まで〉(2009年12月12日〜2010年2月28日)のパンフレット.チャレンジャー号探査でエルンスト・ヘッケルが発表した「放散虫類」に関する展示があるとのこと.著者の相沢吉昭さんから送られてきたのは,関連する論文だった:

  1. Joint Haeckel and Ehrenberg Project: A Taxonomic Reexamination of the Haeckel and Ehrenberg Microfossil Collections as a Historical and Scientific Legacy (2006). Research Report of the Museum Director General's Support Program in 2004 - 2006, The National Science Museum, Tokyo
  2. 相沢吉昭他 (2009a), ヘッケル放散虫コレクションの調査と再検討.化石(日本古生物学会和文誌),(85): 1-2.
  3. 相沢吉昭他 (2009b), 現世および中生代放散虫の両極性分布.化石(日本古生物学会和文誌),(85): 25-42.

どうもありがとうございます.科博の展示は期間中にぜひ行ってみたいと思います.

◆夜遅くなって雨が降り出した.明日は仕事納めだが,納まるとはとうてい思えないんですけど…….

◆本日の総歩数=2097歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.6kg(+0.9kg)/26.4%(−0.5%).


26 december 2009(土) ※厚木の丘で今年最後の忘年会

◆午前4時40分起床.曇り.気温3.7度.未明の農環研にちょっとだけ実在する.

◆最節約的に届いていた序文 —— 夜中のうちにウィスコンシンのソーバー教授から『過去を復元する』の新しい日本語版序文が到着していた.とりあえずプリントアウトする.旧版の手直しとともにパラグラフの追加と参考文献のアッブデート.何とか年内には「ブツ三点セット」(日本語版序文・訳者解説・修正箇所リスト)を勁草書房に耳を揃えて送るようにしたい.

◆関東圏内の遠距離日帰り往復移動 —— 今日の用務は東京農大(厚木キャンパス)での研究発表会と忘年会.昆虫研究室の年末恒例の発表会が午前10時から夕方まで.巨大な研究室なので例年並みの長丁場.発表会の後はシームレスに忘年会になだれ込むことになっている.9:54発のTX快速に乗って小田急・本厚木に着いたのが正午過ぎ.12時35発の農大行き路線バスで,丘の上の厚木キャンパスに入ったのは午後1時前.しっかり三時間もかかってしまった.厚木って遠いのね.午後の研究発表会に出席する.

いつも感じることだが,農大に関しては「昆虫少年」や「虫愛ずる姫君」の系譜は連綿と続いているようだ.昨日も農大高校の三年生が参加していた.大学に入れば即座に昆研に入り浸るにちがいない.研究者のリクルートは高校から始めるべし.

発表会後の忘年会が午後4時過ぎから始まったおかげで,さんざん飲みまくっても午後7時ちょうどに農大を出る本厚木行きバスに乗れた(今回は「ど」と「醸し人九平次」をば).つくばに帰り着いたのは午後10時前.4県にまたがる遠距離にもかかわらず,帰宅時刻はとても健全だった.朝,つくばを出るときは曇って涼しかったが,昼下がりの厚木は日射しが暖かかった.つくばに帰り着いてもそれほど寒くなかったし.年の瀬の寒気はいったいどこに行ってしまったのか?

◆往復車中でのトド撃ち —— 1) 東大新聞のゲラをチェック完了.2) ソーバー新序文の改訂箇所の確認.終了.3) 勁草書房の原稿改訂の格闘…….今年はもう残り少ないぞ,と.4) とある査読原稿(国際史)をちらちらと.加圧されているのですが,ちょっとまだ.国内誌の別件の査読原稿もあるんだけど(それは年明けが締切).

◆本日の総歩数=6141歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=85.7kg(−0.5kg)/26.9%(+0.1%).


25 december 2009(金) ※トド撃ち果てなしクリスマス

◆午前4時半起床.曇りのち晴れ.気温3.7度.昨夜のイヴは鶏さんを祟られそうなほど大量にローストチキンを摂取してしまったのが祟ったらしく,朝,車のバッテリーがあがっていた(くっ).しかたなく,寒空の下,久しぶりに職場まで半時間の自転車通勤をするはめに.ま,気温がやや高めなのが幸いだった.もうこれ以上は祟らないでね,鶏さん.しばらくはローストしないから…….

◆ダーウィン書簡集 —— Anthony W. D. Larkum (ed.)『A Natural Calling: Life, Letters and Diaries of Charles Darwin and William Darwin Fox』 (2009年刊行,Springer-Verlag, Berlin, xlvi+578 pp., ISBN:978-1-4020-9232-9 [hbk] → 版元ページ).意外に早く着便しました.

◆そそられる本たち —— 中野純『東京洞窟厳選100:穴があったら入りたい!「地底の別世界」』(2009年12月22日刊行,講談社,東京,ISBN:978-4-06-215659-2 → 版元ページ).ただひたすら帝都の「闇」を求め歩く著者.洞窟とか鍾乳洞とか路地とか奥の間に惹かれてしまうワタクシはそもそもアヤシい……./国立教育政策研究所・日本物理学会キャリア支援センター(編)『ポストドクター問題:科学技術人材のキャリア形成と展望』(2009年6月刊行,世界思想社,東京,ISBN:978-4-7907-1416-3 → 版元ページ).25年前に出た:日本科学者会議(編)『オーバードクター問題:学術体制への警告』(1983年12月1日刊行,青木書店,東京,ISBN:425083039X → 紹介)は,一年前まではアマゾンでも新刊で買えただが,今は版元品切れで古書でしか入手できないようだ.

◆トド撃ち三昧 —— 領域忘年会の会計報告と回覧./堆積していた返信メール./ダブり本の売買について連絡./[組合]来月の分会旗開きの地本への連絡.農環研にも知らせないと./南保くんから連絡あり.ご多忙何より./RP経費で新しいPCを買ってもよいということになった.では,まずは持ち歩き用の Mac を更新させてもらいましょ.交付金の方で Windows PC の更新を予定している.最近ここ数年というもの,こういうインフラ(というか“鍋釜”的な装備)が手薄になっているので.

◆工作舎の新刊メールニュースと近刊リストから —— フランセス・イエイツ[前野佳彦訳]『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』が刊行予定だそうな.「フランセス・イエイツ名を一躍有名にした記念的作品、ついに初邦訳」とのこと.実にすばらしい! すでに書棚にある『記憶術』と並べるしかない.『分類思考の世界』のカバージャケット裏『イデアの影』の意味が初めて明らかになる!/大山甲日『若冲八百八考』(近刊).「初公開となる若冲の貴重な画も加わり、1000頁にわたる空前絶後の若冲論」./荒俣宏『博物図鑑の書誌と名画』(準備中).おお!「荒俣博物学を集大成」だそうな.どんな本になるんでしょ? 購入慾にぐっと耐えるのは修行としてはきびしいな……/黒岩比佐子『古書の森逍遥』(2010年2月近刊)/リマ=デ=ファリア『生物への周期律』が出るそうな.「進化のプロセスで同一の形態や機能が間をおいて出現する謎にせまる」か.前著『選択なしの進化』の続編.きっと買わないだろうけど.早く講談社からサイモン・コンウェイ-モリスの「収斂百科」本を出してぶつけないとダメじゃん.

◆まだトド撃ちが足りないのだが,今日はもう撤収してしまう夕刻.

◆本日の総歩数=5790歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.2kg(+0.2kg)/26.8%(−0.5%).


24 december 2009(木) ※イヴの宵闇に電話会議は踊る

◆午前5時起床.クリスマスイヴの朝は晴天とともに始まる.ここ一両日はきびしい冷え込みは一休みだ.

◆午前のこまごま —— おとといの領域忘年会の会計計算をする.おお,ちょびっと赤字かぁ〜.明らかに日本酒の「鯨飲」のせいでしょうかねー.会計報告を書いて領域内に回覧しないと./本日夕方のお料理引き取りの手順を確認する.午後4時前に竹園のパティスリー〈マグノリア〉でホールのX'masケーキを,次いで吉瀬の〈ナチュカフェ〉でローストチキンとキッシュを受け取る手はず.

◆またもダーウィン本が着弾した —— Charles Darwin / annotated by James T. Costa『The Annotated Origin: A Facsimile of the First Edition of On the Origin of Species』(2009年5月刊行,Harvard University Press, Cambridge, xxii+537 pp.,ISBN:978-0-674-03281-1 [hbk] → 版元ページ).550ページもある厚いハードカバー本(しかもクロス装)がたった「25ドル」とは! 定価は「35ドル」だが,amazon.com の割引でさらにこんな廉価になってしまった.正方形型の変型本だが,『種の起源』初版本のファクシミリを中央に配置し,その両サイドの“マルジナリア(?)”に詳しい「注釈」を付記している.ハーバード大学出版局からは,エルンスト・マイア解説の『種の起源』初版ファクシミリ版:Charles Darwin『On the Origin of Species: A Facsimile of the First Edition』(1964年刊行,Harvard University Press, Cambridge, ISBN:0-674-63752-6 [pbk] → 版元ページ)がずっと前に出ている.

同様の「注釈本」としては昨年出版された:Charles Darwin / edited by David Quammen『On the Origin of Species: The Illustrated Edition』(2008年10月刊行,Sterling, New York, xvi+544 pp., ISBN:978-1-4027-5639-9 [hbk] → 版元ページ)があるが(もっと巨大な正方形サイズの本なのにやはり「35ドル」という安さ),こちらは「図版」によって『種の起源』のテキストを補うという趣旨で編まれた本だった.

日本語でも今年になって:北村雄一『ダーウィン『種の起源』を読む』(2009年2月12日刊行,化学同人,京都,折込み図+302 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-7598-1170-4 → 目次版元ページ著者ページ)という『種の起源』注釈本が出版されている.

—— 華々しい「ダーウィン年」はそろそろ終わりだが,主著の注釈本がいろいろ出てくるのはありがたい.しかし,できれば『種の起源』のもとになった『ビッグ・スピーシーズ・ブック』:R. C. Stauffer (ed.)『Charles Darwin's Natural Selection: Being the Second Part of His Big Species Book Written from 1856 to 1858』(1975年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xii+692 pp., ISBN:0-521-34807-2 [pbk] → 版元ページ)との関わりを註釈する本もあっていいかな.

◆午前10時半,快晴,気温9.1度.きりきりした寒さはなく,日射しは暖かい.湿度はミニマムか.

◆献本ありがとうございます —— 枝廣淳子・江守正多・武田邦彦『温暖化論のホンネ:「脅威論」と「懐疑論」を超えて』(2010年1月15日刊行,技術評論社[tanQブックス6],東京,222 pp.,本体価格1,380円,ISBN:978-4-7741-4103-9 → 版元ページ).地球の「温暖化」をめぐる科学研究,科学技術コミュニケーション,そして政策の三つのテーマについての鼎談.

◆電話会議はイヴでも踊る —— 午後4時前に撤収.予定どおり料理などを引き取ってから帰宅した.ここまではよかったが,午後5時からの計量生物学会企画幹事電話会議が長引いてたっぷり2時間受話器を握り続けることになった(疲れました……).来年度の年次大会での特別セッション(ベイズなシンポ)は5月21日(金)または22日(土)で候補者に打診することになった.もっとやっかいなのは秋の統計関連学会大会でのシンポジウム.ぜんぜん絞り込めずに年越しの宿題を抱えて電話会議は午後7時に終わった.次回は年明け1月6日(水)午後5時から.2月上旬の時点で特別セッションとチュートリアルが確定していないとダメということ.さらに,1月19日(火)に会場となる統数研に下見に行くことになった.忙しいなぁ…….

◆クリスマス・イヴの飲み過ぎ.アルザスワインだからといって鯨飲してはいけません>ワタクシ.

◆本日の総歩数=4542歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=86.0kg(+0.9kg)/27.3%(+0.3%).


23 december 2009(水) ※ごめんなさい,また廃人です

◆午前5時半にいったん目が覚めたのだが,さすがに前夜の「ご乱行」が祟って死んでいたのでそのまま二度寝を決め込む.死人から廃人に復活したのは午前8時半のことだった.外はよく晴れて昨日よりも日射しは暖かいのに,宿酔いがひどくて半死半生のまま午前中を過ごす.

◆ほんのこまごま —— 買わないと買わないと! 勁草書房〈双書プロブレーマタ〉一斉復刊全点フェア開催(→ bk1記事).今回 Nelson Goodman 『事実・虚構・予言』を含む六点が復刊され,この叢書は全点が新刊で入手できることになったそうだ./昨日,ダブり新刊の購入希望者を募ったところ,あっさり買い手が決まってしまった.ツイッター,えらい!

◆プチ外出する休日 —— 廃人から病人に回復した昼過ぎに,柳橋の〈みずほの村市場〉で買いものをば.年末が近づくとここは正月料理の買い出しでさらに込み合う.隣りの〈蕎舎〉でお蕎麦をたぐって,と.その後,大量の落花生(ピーナッツみそ)を谷田部の〈しばた〉まで買いに行ったり,苅間の〈Maison de Campagne〉にまわってお菓子を買ったりする.今日の日中はとてもいい天気で,昨日よりも日射しが暖かかった.

◆本日,『系統樹思考の世界』の第三刷(2009年12月18日刊行 → 正誤表)の見本刷を受け取った.何はともあれ自著の増刷は但し書きの必要もなくうれしいことだ.ありがとうございます.

◆最新刊献本感謝 —— 渡辺勝敏・高橋洋(編著)『淡水魚類地理の自然史:多様性と分化をめぐって』(2010年1月25日刊行,北海道大学出版会,viii+286 pp.,本体価格3,000円,ISBN:978-4-8329-8192-8 → 目次版元ページ).古生物地理学と系統地理学の方法論についての概説や,メダカ・ギンブナ・ハゼ・アユなど個々の分類群ごとの解析事例の諸章.淡水魚の生物地理って歴史的に見れば学問的な意味で先頭を走っていた印象が残っている.北海道大学出版会の〈自然史〉シリーズの書棚に占めるスペースは着実に増加しつつある.

◆こまごま —— 日本分類学会連合の総会:2010年1月9日(土)10:30〜12:00,午後のシンポジウムと同じく国立科学博物館分館にて.進化学会代表として[も]出席すると返信完了.

◆「日録」あとしまつ —— 夜9時過ぎにやっと12月21日(月)までの分をアップ完了.お金を貯めるならまだしも,日記を溜め込んでどーするって?

◆明日からは今年最後の残務処理に入ります.

◆本日の総歩数=5306歩[うち「しっかり歩数」1163歩/17分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測.


22 december 2009(火) ※凍てつく冬至に領域の忘年会

◆けさのつくばは今季最低気温を更新.未明の午前5時にマイナス4.2度,そして午前5時半にはマイナス4.3度! こりゃあ寒いはずだわ〜.

◆朝のこまごま —— 昨日までは激務のにわかシェフでしたが,今日からは本務復帰です.死人→廃人→病人と回復し何とか持ち直した雰囲気あり.とりあえず,ずーっと加圧されまくりのK草書房「生物学哲学」論文集からトド撃ちいたしますっ.その次がソーバー訳本か./今夜の〈笠真〉での領域忘年会.出席者の人数が確定したので,メールで連絡完了./いま論文査読をふたつ抱えている.一方のジャーナルから「そろそろ締切だー」と加圧メールが.ぐむ….他方は年明け早々に報告をと言われている.

◆午前10時半,快晴.気温は4.6度.真冬並み.あ,真冬か,いまは.

◆会議に次ぐ会議 —— [組合]昼休みに分会室にて今期初めて!の執行委員会.8名中6名出席.議題は:1) 職場諸要求(「私の一言」)のとりまとめ.当局提出は年明けに;2) 職場動態調査.調査項目はだいたい埋まったかな;3) 年明けの分会旗開きは1月26日(火)に確定;4) 分会ニュースの発行について.午後1時に終わった./領域会議,14:30〜15:00.年明けに始まる独法の「仕分け」に関すること.〈国立研究開発法人〉というネーミングがライン経由でも地本経由でも届き始めた.年明けは騒がしくなりそう./[組合]午後5時半から地本にて第三回委員長書記長会議(両方とも出席した).これまた独法「仕分け」ネタがたくさん.半時間で中座しました.ごめんねー.

◆おんなじ新刊が二冊アマゾンから同梱で届いた —— Lynne R. Parenti and Malte C. Ebach『Comparative Biogeography: Discovering and Classifying Biogeographical Patterns of a Dynamic Earth』(2009年12月刊行,University of California Press[Series: Species and Systematics Volume 2], Berkeley, xiv+295 pp., ISBN:978-0-520-25945-4 [hbk] → 版元ページコンパニオンブログ).あわててダブル発注したのかもしれない.見つからない本を二度買うのも悔しいが,最新刊が二冊おいでになってもそれはそれで困るなぁ.辞書とかR本だったら研究室と自宅という置き方もできるけど.ツイッターに「一冊お譲りしますので購入希望の方は至急ご連絡を」とアナウンスしてみた.カラー刷・ハードカバー版・300ページで「3,500円」(pre-publication price)というのはあまりにも安すぎる!

◆領域忘年会の夜は更けて —— 地本を抜けていったん渋滞する国道を回避しつつ帰宅する.午後6時半に〈笠真〉にたどり着く.午後7時から生態系計測研究領域の忘年会がスタート.みなさん,一年間たいへんお疲れさまでした〜(「大山Gビール」で乾杯っ!).

この時期はもちろんアンコウ鍋がメインで,あんきもが山盛りになっていた.そして馬.モモの馬刺をからし味噌と醤油でいただくというのは会津スタイルらしい.さらに焼き馬(ここだけ)と馬あら挽きソーセージ.焼き馬がとても美味.さらに常陸牛焼き肉.生牡蠣も出た.ビールのあとは日本酒.いつもの新潟「村佑」,茨城「霧筑波」,長野「豊香」,兵庫「奥播磨」,山形「十四代」.一次会は九時半に終わったが,実質的飲み要員十名弱で日本酒三升が空っぽになったようだった.そのまま〈笠真〉のカウンターにて二次会に突入し,気がつけば午前2時(おいっ).よろ〜よろ〜と深夜のつくば市内を徒歩で帰宅したワタクシ.1月9日(土)の「笠真の会」にエントリーしたような.

—— せっかく回復したのに,これじゃあ明日の休日はまた「死人」からやり直すことになりそう…….

◆本日の総歩数=5779歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=85.1kg(−0.4kg)/27.0%(0.0%).


21 december 2009(月) ※過労にわかシェフは灰になる

◆午前5時半起床.今朝も放射冷却でキビシく冷えこんでいる.当然氷点下だろう.

◆備忘メモ —— これ,もう買うしかないかな:ロブ・ダン『アリの背中に乗った甲虫を探して:未知の生物に憑かれた科学者たち』(2009年12月21日刊行,ウェッジ → 版元ページ). ※ウェッジって自然科学系の本も出すのか./松木武彦『進化考古学の大冒険』(2009年12月21日刊行,新潮社[新潮選書] → 版元ページ).岡山大学で松本直子さんと同僚の考古学者らしい.進化考古学とか認知考古学というキーワードで個人名まで絞り込める.

◆朝のこまごま —— 仕掛人さまよりメールあり.『過去を復元する』の翻訳出版に絡む外堀やら内堀はじわじわと埋め立てられているようで,まったく逃げ場がないのでよろしく,とのこと(汗).鶏・牛・豚にかまけていて蕎麦教授への加圧を忘れていたっ.蕎麦屋の出前にならないようにしますので,ハイ.

◆にわかシェフ,未明の仕込み —— 戸外で一晩を過ごさせたローストチキンを室内に戻す.下味をつけたローストビーフも冷蔵庫から出しておく.塩豚はポトフにするのでまだ氷温室に安置しておいてと.段取りしまくり.さて,ボトフの食材はジャガイモ以外すべて大鍋に投入完了.アク取りも完了.煮くずれてスープが濁るのは避けたいので,あとは超弱火で微笑むようにふつふつ煮込めばOK.塩豚800グラムの威力は十分に発揮されるか? 午前中の次の作業はローストビーフの焼きの準備だ.ポトフはとてもいい感じに塩豚からの味がしみ出してきた.よしよし.

◆知人から,来年度,某大学人文系大学院での「情報と進化」という講義を引き受けてもらえないかとの打診あり.来年度はすでに夏学期一校,冬学期二校の定時講義(毎週)があり,その他に集中講義が今のところ3校(30時間×2,15時間×1)予定されている.キャパシティーの上限かも.ムリっぽいな…….

◆にわかシェフ,「怒濤の焼き」第一弾へ —— ローストビーフも「天火150度」という鉄則を守りつつ焼き続け,約40分でレアにしあがっているようだ(→基本レシピ).オーブンから出してそのまま冷ます.ここで昼前になった.昼過ぎに一瞬だけ職場に実在するも,一瞬後には姿を消す.快晴で気温7.8度.寒い寒い.

◆昼下がりのこまごま —— 12月22日(火)午後2時半から領域会議あり./東京大学新聞社からの記事ゲラがやっと届いた.来年早々の号に載る気配.「本書も,生物学の本というより哲学書のような印象を与える」という記述.「ような印象を与える」という文言はきっと不要でしょうねぇ.『分類思考の世界』で取り上げた題材はテツガクそのものだと自覚しています.

◆にわかシェフ,「怒濤の焼き」本命へ —— さて,午後はローストチキンを焼くという大仕事が待っている.スタッフィングの野菜を詰めた状態だと3キログラム近い重さになっているようだ.これだけの「大物」を焼くのは初めてなので,やや緊張が走る.オーブンの予熱を「250度」と最高温に設定した.オーブン皿の上に金網をゲタにして肉から滴る油を下に落とすようにした.背中を上にしてオーブン皿に肉塊をセットし,焼き時間は念のため「80分」にした.とりあえず皮にこんがり焼き色を付けないことにはどうしようもない.以下は下記の手順の通り:1) 10分ごとにオーブンを一時停止し,滴り落ちる油とオリーブオイルを皮に塗りつける;2) ローストを再開する際には温度設定を10度ずつ下げていく.今回は「250度」から始まって10分おきに油を塗り,「240度→230度→220度→210度→200度」と段階的に設定温度を下げていった;3) 「70分」経過した時点で,スタッフィングの開口部から透明な肉汁が流れているようなら中まできっちり焼けている.そうでなければさらに焼く;4) 焼き上がったらオーブンから取り出し冷ます.これでおしまい.午後2時から焼き始めて,午後4時前に焼き上がり.ずっしりと重い鶏さんはきつね色にこんがりローストされて大皿に盛りつけられた.

◆にわかシェフ,時間との闘いはさらに続く —— さて,今度は卵10個のトルティージャを焼かないといけない.シンプルにベイクト・ポテトのみの大きなオムレツだ.それとはパラレルにグリューワインもつくっています.レシピはとっても簡単:1) ワインを鍋(ホーロー鍋)にあける;2) 同量の水を加えて砂糖大さじ2杯,スターアニス,クローブ,シナモン(すべてホール)を投入して煮立てる;3) 煮立ったら火を弱めて甘みの加減を見て砂糖を加える;4) 再度沸騰させ,保温ポットに移す.これでおしまい.

◆午後6時前,料理をすべて積み込んで,夕闇の中を車で筑波大学某所のパーティ会場に向かう.にわかシェフの仕事は厨房での作業にあり,パーティ会場に長居をするのは禁物だ.テーブル・セッティングをした上で,乾杯だけおつきあい.ローストチキンは「解体」にコツが必要なので,そこだけすませた上でパーティ会場をあとにした.北風が吹き付ける中を徒歩40分で帰宅.あとで聞いたところでは,幸いなことにぼくが用意した料理はことごとく飢えた?院生たちに喰い尽くされ,あとには鶏さんのホネだけが残っていたそうな.善哉善哉.

—— この二日間立ち働いたにわかシェフはすでに真っ白に燃え尽きました…….

◆本日の総歩数=6279歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=85.5kg(−0.2kg)/27.0%(−0.2%).


20 december 2009(日) ※にわかシェフは鶏牛豚と格闘

◆午前5時起床.夜明け前のつくばは今朝もびしっと寒い…….ここ数日のみごとな朝焼けを鑑賞できるのは朝型人間の特権だと思う.今日も快晴か.

◆備忘メモ —— 東大オケの次回定演のメインがラフマニノフ第2交響曲であることを先日駒場で知った.サブに取り上げられている作曲家ラルフ・ヴォーン=ウィリアムズはチャールズ・ダーウィンの親戚だ.かつて東大オケに在籍していた頃は,年末と言えば年明けの定期演奏会に向けての練習に余念がなかった.ちょうど今の時期には「クリスマス初見大会」というイベントもあったな.入団してしまえば,「学年」ではなく「楽年」で呼称されるようないささか“体育会系”なところもある別世界.ちなみにワタクシの楽年は「51Perc」です.

◆朝の歩き読みで,野中健一『昆虫食先進国ニッポン』(2008年12月24日刊行, 亜紀書房, 294 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-7505-0815-3 → 目次版元トップページ)を第2章まで読了.120ページ分.スズメバチの採集技術の民俗学的記述がおもしろい.こういう文化(食文化と技術文化)も時代とともに喪われていくということか./〈Brotzeit〉でやっと Früchtebrot を入手できた./ことのほか冷え込みが厳しかったのだろう.つくば中央公園の池が部分的に凍っていた.

◆にわかシェフへ大変身 —— 今日から明日にかけては,筑波大学の某研究室で開催されるちょいフライングなクリスマスパーティの厨房仕事に邁進することになっている.メニュー構成とレシピに沿っての食材を書き出してみた.今の予定では:

  • メイン1:ローストチキン(ホール一羽,約2kg)
  • メイン2:ローストビーフ(もも肉1.5kg)
  • メイン3:塩豚(もも肉とバラ肉約1kg)のポトフ
  • 付け合わせ:トルティージャまたはジャーマンポテト.ただし,ローストチキンのスタッフィングにポテトとマッシュルームを詰めるので卵の方がいいかも.
  • 飲み物:グリューワイン(ヴァン・ショー).よくある赤は何でもいいけど,白はアルザス産で.飲めそうなメンバーがいたら,肉料理に合う日本酒も用意しないとかな.師走だと活性にごり酒がいいので,茨城の〈大観〉か秋田の〈白瀑・ど〉か.名古屋の〈醸し人九平次〉は酸味が利いてフレーバーが立つので白ワイン代わりに選択肢に入れよう.茨城の〈郷乃誉・山桜桃〉もいいけど高いし….

となっている.これから食材を買い出しに出かけないと.

◆にわかシェフの本日の厨房仕事 ——

  1. 買い出し後の午前中はまずはじめに塩豚の下準備.豚もも肉ブロック800グラムはオーストラリアの Lake Crystal の塩で,また豚バラ肉ブロック400グラムはフランスのカマルグ塩でそれぞれしたくをすませた.もも肉は明日ポトフにするので促成,バラ肉はそのまま数日間熟成させる予定.その後,午後11時に冷蔵中の塩豚のお世話をする.浸透圧で水がしみ出してくるのでキッチンペーパーの交換をした.
  2. グリューワイン(ヴァン・ショー)の準備.「赤」の方はアルヘンティーナのマルベックで,「白」はアルザスのゲヴルツトラミネールでつくる予定.マルベックは問題ないだろうけどゲヴルツをヴァン・ショー・ブランにしてもいいのかなぁ(やや不安).クローヴ,シナモン,スターアニスはすでに用意した.
  3. 午後はローストビーフ用の牛もも肉1.5kgをゲットしてから,二つにカットして塩胡椒,そしていつもの緊縛へ.香草とワイン少々で下味を付けた上で,そのまま冷蔵室に安置して一晩寝かせる.松代の〈ハナマサ〉まで牛肉の買い出しに行くついでに足を伸ばして農環研へ.午後2時の気温は10.2度.快晴で寒かった.
  4. ローストチキンの下準備.朝から解凍を始めたのだが,夕方になってもまだシャリシャリ感が残っている.夜には大丈夫だろうから,とりあえずスタッフィング用のジャガイモとマッシュルームのしたくをしておこう.大きく切って水にさらしたジャガイモ3個,マッシュルーム10個をオリーヴオイルで炒めて冷ます.夕食後,ローストチキンのスタッフィング作業を完了.ジャガイモとマッシュルームを詰めて開口部分をすべて閉じ,前肢と後肢をたこ糸で縛り終えた.これで一晩,氷点下の戸外で塩こしょうとニンニクの風味を落ち着かせれば,あとは明日オーブンで一時間半ほど焼けば,まっとうなクリスマス風ローストチキンが出来上がるにちがいない.

—— それにしても今日の厨房作業は原稿を書くよりもキビシかった.外が暗くなってきたころに,夕食用の牛丼ときつね丼の並行調理.いまやっと一段落がついた.まるで食堂のようにいくつもの品目をパラレル・プロセッシングするのはつらい…….

◆厨房以外の夜のこまごま —— 「日録」の更新をまたも怠っている……./東大新聞のゲラがやっと届いた.新年1月5日までに返却とのこと.

◆ぐったり疲弊したので,今日はもう寝ようかな.明日は全日年休を取っているし.朝からまたポトフを仕込み始め,その後はローストビーフとローストポークのオーブン焼き作業が待っている.パーティの本番は午後6時から筑波大学某所だというので,その直前にグリューワインの準備もある.

◆本日の総歩数=13712歩[うち「しっかり歩数」7361歩/65分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.7kg(−1.0kg)/27.2%(+0.2%).


19 december 2009(土) ※百人町での会議と秋葉原徘徊

◆午前5時過ぎに起床.今朝も放射冷却で氷点下の明け方だ.朝日とともに快晴の冬空.乾いてぴりぴり寒い.昨日は日が変わる直前まで滑り込みで駒場のレポートが届いた.たいへんお疲れさまでした.

◆〈おっちゃん,紙,足りひんわぁ〉の読み方について —— ミクシィでのお話.正しい京都弁アクセントで読むならば,「おっ-ちゃん,か-み,た-り-ひん-わぁ」と音節を区切ったとき,相対的な抑揚は「高-高,高-低,最高-中-低-最低」って感じかな.しかし,意外なほど難度が高いのは「一・二・三・四・五・六・七・八・九・十」を続けて読むときのイントネーション.「高-高・低-中・高-高・低-中・高・高- 高・高-高・高-高・最高・最低-低」と正しく抑揚が付けられればアナタの「関西弁度」は最高.とくに最後の「九・十」が難しいでしょうな.あ,この漢字列の読みは,もちろん「いち・にぃ・さん・しぃ・ごぉ・ろく・ひち・はち・くぅ・じゅう」ね.「七=しち」とか「九=きゅう」とか読んだら,即しばき倒されるやろなぁ.

—— 関西弁のイントネーションを徹底的に追究した本はコレ!:山下好孝『関西弁講義』(2004年2月10日刊行,講談社[選書メチエ292],東京,ISBN: 4-06-258292-9 → 版元ページ).

◆とても悔しい「二度買い」の本たちが届く —— 富山太佳夫『シャーロック・ホームズの世紀末』(1993年11月15日刊行,青土社,東京,494 pp.,ISBN:4-791-75273-2 → 版元ページ)と『ダーウィンの世紀末』(1995年1月20日刊行,青土社,東京,427 pp.,ISBN:4-791-75354-2)が立て続けに別々の古書店から届いた.『ダーウィンの世紀末』は行方不明だからしかたなく買ったのだが,『シャーロック・ホームズの世紀末』も手に取ってみたら蔵書にあったことに気がついた.いずれにしろどちらの本も行方不明なのだからしかたがない.「二度買い」はあほらしいかぎりだが,見つからない=存在しないと言い聞かそう.いま読み始めている:富山太佳夫『おサルの系譜学:歴史と人種』(2009年12月10日刊行,みすず書房,東京,iv+423+ii pp.,本体価格3,800円,ISBN:978-4-622-07473-1 → 目次版元ページ)もそうだが,これら400ページ超の分厚い本たちは読みでがある.

◆新宿百人町から秋葉原へ —— 午前いっぱいは毎月「納税」することになっている原稿に励む.北風が身にしみる昼前 11:25発のTX快速にて新大久保を目指す.しばらく来ないうちに駅前の風景がちょっと変わっていた.午後1時から国立科学博物館分館にて自然史学会連合の総会に出席.とはいえ,午前からを原稿仕事がぜんぜん終わっていなかったので,机の上にパソコンを広げておおっぴらに内職を始めてしまう.まっとうな会議参加者のみなさん,ごめんなさいねー.おかげで,約2時間の総会の間に10枚ほど書けた(感謝!).

午後3時の総会終了後,その足でJR秋葉原駅前に移動し,スタバの外のテーブルでさらに原稿を数枚書き進める.北風が冷た過ぎて指先は凍えるはキーボードは冷えきるはでさんざんだった.チャールズ・ダーウィン氏はエマひとすじのまじめ一方だけれど,エルンスト・ヘッケル師は女性関係がとても華やかだったので何だかホッとする(?).午後5時前にNHKブックス・井本さんとの待ち合わせ場所に指定されていた駅下の喫茶店〈古炉奈〉に向かったが,あろうことかメイド喫茶に変身していて脱力する.井本さんに,第2章:「エルンスト・ヘッケルとドイツ体系学の系譜」の第1節「「万能酸」としての進化思想が及ぼした影響」を手渡す.400字詰にして14枚ほどのテキスト分量.次回は年明けの1月14日(木)午後3時に駒場にて.

◆午後6時秋葉原発のTX快速に乗りつくばに直帰.すっかり暗くなったつくばセンターはとても寒かった.

—— そんなこんなで,水曜日以降,連日のドロナワ仕事の大津波をやっと乗り切り,これからは平穏な年の瀬を過ごしたいものだが,加圧されている原稿仕事はまだまだひっきりなし.とりあえずは,K草書房の案件ふたつにケリをつけないとどうしようもない.一方は最後通牒もの,他方は仕掛人動く.

◆車中読書 —— 野中健一(著)/柳原望(イラスト)『虫はごちそう!』(2009年11月13日刊行,小峰書店[シリーズ〈自然と生きる〉],東京,iv+184 pp., 本体価格1,400円,ISBN:978-4-338-24801-3 → 版元ページ)を読了.イラストがとても魅力的(頁上隅のパラパラ絵を楽しむワタクシ).写真も多く昆虫料理のイメージが湧いてくる.ついでに食欲も湧くかどうかは個人差があるだろう.

◆本日の総歩数=7142歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.7kg(−0.2kg)/27.0%(+2.4%).


18 december 2009(金) ※所内成績検討会をくぐり抜け

◆午前4時過ぎに起床する.農環研に飛んでいく.晴れた星空.気温はマイナス0.6度.とにかく今日のRP成績検討会を乗り切らないことには話にならない.この時間帯にかなり大きな地震があったとニュースで知った.茨城のグラッと揺れたらしいが,自動車で走っているときだったのでぜんぜん気づかなかった.

◆朝のこまごま —— 成績検討会の配布資料づくりあるのみ.昨日と一昨日は両日とも「出張+忘年会」というダブルヘッダーが続いたので,自由時間がほとんどなかった.こういう年の瀬のドロナワはこれっきりにしたいものだ.成果のとりまとめとか,図表作りとか,いろいろと…….正午前,やっと配布資料を完成できた.あとは必要部数をコピーして検討会会場に持ち込むのみ.午後1時,すべての準備が終わる.※一連のドロナワ仕事で血圧がぐぐっと上がりそう…….心臓によろしくない.

◆今日はさわやかに乾いた冬晴れで,午前10時の気温は7.3度.静電気がぴりぴり飛ぶ.

◆午後1時から所内の安全衛生委員会による居室点検を受ける.ワタクシの部屋は薬品とかボンベみたいな危険物はいっさいないのだが,その代わりに大量の本が書棚から机上から床まで積み上がっている.今朝の地震でもきっと何冊かは崩落して奈落の底に落ちていったにちがいない.なんとかしないと….あとで「指導通知」が届くことになっている.

◆午後3時から所内RP成績検討会の開始.ま,何とかこれで乗り切ったことにしよう(……).午後6時前に終了.年末の「公務」はこれにてほぼおしまいかな.

◆夕方のこまごま —— 駒場からたくさんのレポートが着弾する.ひとつひとつ受領メールを返す.明日の日付に変わるまではちゃんと打ち返さないといけないだろう./『週刊読書人』のゲラが返ってきたので,瞬時に修正して音羽に打ち返した.よろしくっ.

◆午後7時に撤収.気温プラス1.0度.放射冷却しつつあるのか,とても寒かった.

◆本日は,所内の成績検討会が無事に終わったので,ご褒美に秋田の白瀑〈〉を開栓しました.炭酸ガスがしゅわしゅわ立ち上り,いかにも旬の活性にごり酒.加圧されている原稿を書かないといけないんだけど…….年の瀬に残るは十重二十重?の忘年会の合間に,滞っていた原稿をひたすら書きまくるというバトルな日々が年末年始と続くのだ.とりあえず,あす夕方に秋葉原で編集者氏に手渡すためのエルンスト・ヘッケルの章の原稿から!

◆本日の総歩数=5532歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.9kg(+0.5kg)/25.6%(−0.3%).


17 december 2009(木) ※霰降る未明,駒場から池袋へ

◆午前4時半起床.最初は曇っていたが,空が白んでくる頃,外で「ぱらぱら」と木々の葉を叩く音がする.手を伸ばしてみたら何と霰が降っていた.雨粒が凍りついたのだろうか.その後,鉛色の冬空になった.

◆朝のこまごま —— 今週の金曜が締め切りの駒場「生物統計学」レポートが霰のように着弾している.その都度,返信メールを出す./[組合]対面の分会執行委員会は12月22日(火)昼休みと決定.いつもはメールのみのやりとりなので,今回が初めての対面委員会.その他,組合関連の連絡メールをいくつか./NHKブックスの井本さんから連絡あり.原稿の「納税」は12月19日(土)の夕方5時にJR秋葉原駅前の喫茶店〈古炉奈〉にて,ということになった.

◆ダーウィン新刊本(ビーグル号ノートブック) —— Gordon Chancellor and John van Wyhe『Charles Darwin's Notebooks from the Voyage of the Beagle』(2009年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xxxiv+615 pp., ISBN:978-0-521-51757-7 [hbk] → 版元ページ).「ダーウィン年」の今年はいったいどれだけ「ダーウィン本」を買い続けたことやら.それそれ年も終わろうというのに,まだ着便は続いている.今回届いたのは,ダーウィンのビーグル号航海での「ノートブック」で初めて活字化されたという.有名な『ビーグル号航海記』とは別の,ビーグル号関係の一次資料はすでに既刊分として:1) Frederick Burkhardt (ed.)『Charles Darwin: The Beagle Letters』(2008年9月刊行, Cambridge University Press, Cambridge, xxx+470 pp., £25.00, ISBN:978-0-521-89838-6 [hbk] → 版元ページ);2) Richard Keynes (ed.)『Charles Darwin's Zoology Notes & Specimen Lists from H. M. S. Beagle』(2000年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xxxiv+430 pp., ISBN:0-521-46569-9 [hbk] / 0-521-67350-X [pbk])が出版されている.

◆荒れ狂うマゼラン海峡のように,わが身の回りの仕事津波もまったく容赦がない.しかし,できないものはどうしようもない.明日の所内RP成績検討会の資料がすでに締め切りなのだが,まだ何ひとつできていない.しかたがないので,RPリーダーに「当日,検討会に持ち込みますから」ということで,その場をしのぐことにした.こういうドタキャンが最近は頻発している.午前10時半に農環研に出向く.気温6.5度.乾燥した冬晴れの空.昼過ぎまでごそごそと仕事をしてから撤収.

◆今年最後の駒場高座 —— 13:25発のTX快速で駒場に向かう.今年最後の授業はリサンプリング統計手法について.この講義も残すところあと三回になった.午後6時前に終了.

◆池袋へ転戦 —— とっぷり日が暮れて冷気に包まれる駒場キャンパスを抜けて,半時間後には池袋駅前の雑踏を歩いていた.今夜は生物地理学会スタッフの忘年会が,午後7時から東池袋の〈いか太郎〉である.すでに参加者数名が集結していたので,来年4月3日(土)〜4日(日)に立教大学(池袋)で開催される年次大会についての話とか,烏賊とか,ビールとか…….午後9時ちょうどに今夜もまた健康的に宴会終了.池袋で飲むときはたいていエラいことになるのだが,今夜は例外的だった.

—— つくばに帰り着いたのは午後10時過ぎだった.

◆夜のこまごまと冷たい汗 —— 東大からのレポートが十いくつもたまっていた./をを,「最後通牒」ですかっ! 申し訳ありません.年内には必ずカタをつけますので./しかし,それよりも,明日のRP成績検討会を何とかしないと年越しができませんなぁ.配布資料もまだ「白紙」だし,研究成果のとりまとめの心許ないという,例年にないヤバい状況に追い込まれつつある…….しかし,こういうときにじたばたしてもしかたがないので,とりあえず寝てしまおう!

◆本日の総歩数=6892歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=86.4kg(+0.3kg)/26.9%(−0.9%).


16 december 2009(水) ※冬日の向ヶ丘で今年初忘年会

◆午前5時半起床.灰色の曇天.冬景色.いかにも寒すぎるな,こりゃ…….今朝は風が弱いからまだましだが,これで筑波颪が吹きつけるようになったら,もうたいへん.

◆今日は出張日なのだが,とりあえず研究所に出かける.午前9時の気温は3.0度.ぱたぱたといくつか仕事をすませたものの,トドの本隊にはまだ正面攻撃を仕掛けられない.明日渡す予定だったNHKブックスの原稿はぜんぜんできていなかったので,井本さんに「延期願」をメールする.無い袖はどうにも振れない.昼前にすごすご撤収.気温6.6度の曇った冬空が広がる.

◆今年初の忘年会へ —— 正午のTX区快に乗って東京に出る.車内の暖房がさほど息苦しくないというのは,寒さで冷え切っていたからかもしれない.12時半に千駄木でいったん下車して〈往来堂書店〉を探索する.雑誌『BRUTUS』の最新号(677号)の特集は〈本が人をつくる。〉.はい,確かにしっかり「つくられて」きましたよ.ぶらぶらと根津神社の脇から地震研を抜けて東大農学部へ.イチョウはすでに散りはてていた.昼下がりのうすら寒いキャンパス.午後1時から今年最後の専攻教員会議が2時間ほどあった.その後,新しい居室にて日録を書いたり,本を読んだりしているうちに,もう外は薄暗くなってきた.専攻忘年会は午後6時半からだったが,少し早めに東大を出る.

◆まだ待ち時間があったので,宵闇迫る日本医大前の坂をおりて,千駄木の〈結構人ミルクホール〉にてしばし読書の続き.

◆東大専攻忘年会は,午後6時半から向ヶ丘の割烹料亭〈かねこ〉にて.ちゃんとした大広間のお座敷での宴会.改築されてはいるが昔からこの場所にある料亭らしい.日本酒をちゃんと飲んで,お料理をちゃんといただいて,無作法なくちゃんと二時間で宴会はお開きになった.正しいフォーマルな忘年会.

◆健康的なことに午後9時代のつくばエクスプレスで帰ることになろうとは.帰路の車中読書として『BRUTUS』最新号を読了した.うん,金子光晴の紀行文学を読もう! 午後10時半につくば駅に到着.健全すぎるなあ.

◆本日の総歩数=12384歩[うち「しっかり歩数」2269歩/23分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=86.1kg(+0.5kg)/26.8%(+0.7%).


15 december 2009(火) ※氷点下の冬空に流れ星が飛ぶ

◆午前4時過ぎに起床.澄み切った星空.農環研に着いたときの気温はプラス1.1度だったが,その後も下がり続けて午前5時半にはマイナス0.9度になった.今季初の氷点下の明け方になった.夜明けまではまだ一時間あまりある.真っ暗な中天を大きな流れ星が一閃して横切った.ここ一両日クライマックスを迎えたという「ふたご座流星群」のかけらだったのかもしれない.たったひとつではあったが,よい兆しだと心から信じることにしよう.

◆今の時期は方々でシュトーレンが手に入るが,今年は〈Shingoster LIVING〉のシュトーレンを切り始める.こっちのかけらは季節の味わいだ.

本を「新書」として出すこと —— これこれしかじかの内容を「新書」として書くという設定を最初に置くのはタガが強いように感じますね.『系統樹思考の世界』も『分類思考の世界』もいわゆる一般的な意味での「新書」として書くつもりはさらさらありませんでした.書きたい内容を「現代新書」という書物形式(フォーマット)にぐりぐり詰め込んだだけ.そんなわけで,新書の「くせに」,文献リストがついていたり,索引が用意されたりしたわけです.ぎりぎり極小フォントで印刷された部分もあり,400字詰原稿用紙にして『系統樹思考の世界』には約450枚分,『分類思考の世界』には約500枚分の文字数を詰め込んであるはずです.

本は,「コンテンツ」だけが第一義的に重要で,それをどのような書物の「フォーマット」に流し込んで整形するかはどうでもいいのかもしれません.しかし,『系統樹思考の世界』や『分類思考の世界』を「ハードカバー&初版1,500部」という典型的な「理系本」として出版したとしたら,いったい何人の読者が手にしてくれただろうか?(たとえば,東大出版会からハードカバーで出せばきっと3,000円程度の価格設定になっただろうと思う) その意味では,たまたま「新書」というフォーマットに出会えたことは,『系統樹思考の世界』や『分類思考の世界』のコンテンツにとってはとてもシアワセなことだったと思う.もちろん,目利きの編集者がいて初めてそのシアワセは実現されたのだけれどね.

ちなみに,現代新書で『系統樹思考の世界』や『分類思考の世界』を担当してくれたのは,売れまくった福岡伸一本を担当した編集者氏でした.これまた幸運な出会いということ.新書にかぎらず「本」としてかたちを成すためには編集者の貢献度はとても大きいと思います.まずはいい編集者を確保すべし.

—— 以上,Togetter記事:まとめ「自然科学のネーミングから,「若手理系研究者にとっての理想の科学啓蒙本」へ」に触発されつつ.

◆午前11時.曇り.気温6.3度.冬らしい寒さが降りてきた.

◆日中のこまごま —— 駒場三点セットの準備をした.今年最後の授業となる次回の講義は「リサンプリング統計学」のお話.レポートは今週金曜(18日)が締切ですからね.お忘れなく./日本進化学会の次期評議員選挙の投票返送を滞りなくすませた./〈R 2.10.1〉がリリースされたのでさっそくダウンロードする.ついでにパッケージ群のアップデートも./RP成績検討会の資料づくりのしたく.まだ何にもつくっていない……./駒場の補講日について教務に連絡した.てっきり1月7日(木)が新年の講義開始日だと思っていたら,この日は曜日振替で出講無用であることがわかった.新年の講義予定は,14日(木)・21日(木)と続き,28日(木)が補講日となることが確定した(時間帯と教室は同じ).

◆諸方面から加圧されまくる —— ソーバー訳本の作業がぜんぜん捗っていない.仕掛け人からの加圧メールあり.恐れ多くも蕎麦教授を加圧しないと…….押して押されててんやわんや./講談社サイエンティフィク編集者氏からは加圧電話あり.年明けにならないとどうにもこうにも./[組合]筑波地本からの無言の加圧は昼夜を問わず作用し続けている.組織実態調査ですかぁ.人数を計算してエクセル・シートに書き込んだりとかちょっと耐えられないので,他の執行委員に泣きついて頼んでみよう.それくらいいくらでも泣きますよ.年明け早々に「分会旗開き」という恒例イベントがある.その準備についても年内中にある程度は相談しておかないとか.メールを乱射してみる./RP成績検討会の成果について分析方針のやりとりをしばし.時間が許すかぎりよろしくお願いいたします./12月21日(月)は全日年休にして,厨房に引籠ろうではないか.にわかシェフは片手間にはできないのだ.

◆窓越しに夕焼けをながめながら,今週の「用務津波」をいかにして乗り切るかを考えている.津波を何とか生き延びれば,その先には極楽浄土かはたまたニライカナイが開けているのだろうか —— などと考えつつ,いつのまにか日が変わるまでツイッターしてしまうワタシはただの現実逃避者…….

◆本日の総歩数=5737歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.6kg(−0.2kg)/26.1%(−0.2%).


14 december 2009(月) ※パーフェクトストームの予感…

◆午前4時起床.曇りところどころ晴れ間.気温6.4度.冬至が近いので真っ暗闇の中を出勤する早朝派.

◆備忘メモ —— ツイッターのビギナーとしては日々是勉強ということでして.〈聴く耳を持たない(片方しか)〉の記事:「Twitterの公式RT、非公式RT、QTの違いを分かりやすく図で描いてみた」はとても役に立った.ツイッターの返答機能「RT / QT / . 」の使い方がいまひとつ理解できていなかった.とりあえず「RT」と「QT」の使い分け(コメントの有無のちがい)がわかっただけでもよしとしよう./日経サイエンス最新号(2010年1月号)がとっくに届いていたことにいま気がついた.アラン・バーディック[伊藤和子訳]『翳りゆく楽園:外来種 vs. 在来種の攻防をたどる』(2009年9月24日刊行,ランダムハウス講談社,446 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-270-00532-3 → 目次版元ページ)の書評:三中信宏「人間社会と文明が生物多様性に与えた甚大な影響をレポート」は 今号の p. 129 に載っています.

◆午前10時半,曇り空の隙間から「Scala Iacob」が何条も伸びている.気温8.2度で体感的にとても寒い.

◆日中のこまごま —— みすず書房から『月刊みすず』の読書アンケート依頼が届く.もう年の瀬ですなぁ.12月28日までに「今年の5冊」をピックアップして,コメントをつけて返送すること.年内最後の原稿仕事したいものだが./旧・東大農生の同窓会が例年通り年明け一月の第二金曜に開催される.2010年1月8日(金)果樹研前の〈天将〉にて.欠席の返信を出す(そのうちまた参加したいとは思っているが)./12月21日(月)は全日年休とすること.某ちくなみ大学某研究室のプレ X'mas パーティの厨房を取り仕切ることになっている(ボランティアだけど)./『週間読書人』の原稿はこれでよしとのお許しが音羽から届く./[組合]全農林中央本部から督促されている「組織実態調査」をそろそろやるか,と報告書(.xls)の書式を開いたら,あまりに煩雑そうだったので,無言のまま閉じてしまった…….執行委員のヘルパーを召還するしかないな.※ほんとうは先月末が締切だったんだけど,年越しはさせたくないし…….

◆行方不明本をめぐる苦渋の決断について —— 研究室の本棚にあるはずの富山太佳夫『ダーウィンの世紀末』(1995年,青土社)がどうしても見つからない.同じ著者の最新刊『おサルの系譜学』(みすず書房)が発送完了との連絡がアマゾンからあり,久しぶりに前著をひもとこうとしたらこのていたらく…….本棚をいじりまくる探索時間だけがむなしく過ぎていく昼休み.これまでも居室で「行方不明」になってしまった本は何冊かある.必要なときにかぎって姿をくらまし,どうでもいい?ときにはのこのこ顔を出してくるのがよけい腹立たしい.でも,たいていの場合,姿を隠しても数日待てば,心眼でその所在を見抜くことができるのだが,『ダーウィンの世紀末』はそんなにのんびり待ってはいられない.

所在不明の本を探索する所要時間コスト(T)とそれによって得られる利得(B)とのトレードオフ(B−T)を考えるなら,一定限度の時間を費やして探しても見つからない本は迷わずもう一冊買うのがリーズナブルな決断だと思う.湯水のごとく時間をムダに費やして,一冊の本を探すわけにはいかない.もう一冊同じ本を購入する金銭的コスト(C)が発生するが,トータルの利得「B−T−C」がプラスの値になればよしとしよう.というわけで,あっさり探索を断念し,オンライン古書店に『ダーウィンの世紀末』を発注完了.3,000円+送料.でも,腹立たしさの勢いで,ついでに『シャーロック・ホームズの世紀末』も同時発注してしまった.1,800円+送料.これではトータルの利得はマイナスじゃん……(ん,包括的にはプラスかな?).

—— 本日の教訓:「蔵書管理はしっかりしようね」.※私設秘書ならぬ「私設司書」がほしいなぁ…….

◆グッドタイミングで着便 —— 午後の宅急便で届きました:富山太佳夫『おサルの系譜学:歴史と人種』(2009年12月10日刊行,みすず書房,東京,iv+423+ii pp.,本体価格3,800円,ISBN:978-4-622-07473-1 → 目次版元ページ).富山太佳夫さんの「ダーウィン本」は心して買いそろえるようにしている.先日(2009年12月5日),日本学術会議主催で開かれた公開講演会〈ダーウィン生誕200年:その歴史的・現代的意義〉での富山さんの講演「ダーウィンの社会的影響」の中で近刊として紹介されていたのが本書だったのでさっそく購入した.ざっとブラウズしたかぎりでは,前著『ダーウィンの世紀末』(1995年,青土社)の姉妹書のようだ.雑誌などにすでに発表された論考を編んだ本だが,できれば索引を付けてほしかったな.

◆[組合]午後5時過ぎに撤収.寒さがキビシくなってきた.午後5時半から筑波事務所の筑波地本会議室にて第2回研究職対策委員会に代理出席.今回は,分会から提出された研究職アンケート候補を集約し,1)独法組織の見直し;2)現行システムの問題点;3)若手研究者の育成を柱にして,来年3月には項目案を地本から提示することになった.アンケート実施は3月中を予定.一時間弱でおしまい.

◆夜,データ解析の中間結果が届いた.元データが巨大だったのでやはり系統解析「前」の段階でもたもたするのはしかたないだろうなあ.できるだけ間に合うようにとりまとめをしないと.その他,年末のトド撃ちは熾烈を極めるにちがいない…….

◆本日の総歩数=5761歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.8kg(+0.2kg)/26.3%(+0.3%).


13 december 2009(日) ※ほどほどに静謐な日曜のランチ

◆午前5時起床.外はまだ真っ暗.午前6時過ぎ,まだら雲の向こう側に朝焼けが広がる.

◆午前8時過ぎにやや遅めの周辺徘徊行動を開始.〈Brotzeit〉で今の時期しか焼かない「Früchtebrot」は先週分はすでに売り切れてしまったという.次の木曜にまた店頭に並ぶとのこと.およそ一時間の歩き読みの友は:瀬戸口明久『害虫の誕生:虫から見た日本史』(2009年7月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書793],217 pp.,本体価格720円,ISBN:978-4-480-06494-3 → 目次版元ページ).つまみ食い的には読んだが,まだ通読はしていなかった.やっと読了.

江戸時代から明治時代の時代の変遷の中で,昆虫をめぐる農民たちの在来的知識体系(自然観)と“御上”から降ってきたさまざまな害虫防除指導や法的強制とが激しく衝突し続けた経緯があったという.そもそも〈害虫〉という概念化それ自身が近世の社会的産物であるという著者の視点は注目すべきだろう.「害虫」は自然現象であるとみなしていた農民にとって,〈害虫〉だから駆除すべきであるという発想はもともと無縁だったということだ.

明治以降の応用昆虫学(害虫学)はいい意味でも悪い意味でも「実学的」であることを要求され続けてきた.とりわけ,大規模な国策的プロジェクトが動き出すとき,少しでも「実学的」ではない研究テーマは徹底的に抑え込まれたという.たとえば,稲の大害虫だったニカメイガの防除プロジェクトが本格的に発進した1920年代には,基礎的な昆虫分類学の研究は冷遇されたと記されている.このニカメイガプロジェクトの推進本部が置かれたのは,日本の応用昆虫学の本丸だった農水省農事試験場昆虫部だったが,1922年に昆虫部長に着任した木下周太の最初の仕事は“博物学的研究”の徹底的なパージだったという:

そこで一九二二(大正ー一)年に三宅のあとを受けて昆虫部長に就任した木下周太は,部下たちに対して分類学の研究を禁止してしまう.直接に食糧増産に結びつかないような研究は,農事試験場でやるべき研究ではないというのである.後年の木下の回想によれば,「分類の報文は上司の手に押さえられ,応用に関する研究と抱合わせでなければ出版せぬという強いお達し」があったため,やむを得ず昆虫部の方向性を転換せざるを得なかったという.(p. 141)

このニカメイガプロジェクトの研究史も含めた全容は,つい最近出た新刊:桐谷圭治・田付貞洋(編)『ニカメイガ:日本の応用昆虫学』(2009年11月20日刊行,東京大学出版会,東京,vi+292 pp.,本体価格7,000円,ISBN:978-4-13-076028-7 → 目次版元ページ)に詳しい.瀬戸口が指摘しているように,日本の害虫研究の歴史においてこのプロジェクトは,昆虫生態学が国内で大きく発展する素地を与えた.

明治政府の“サーベル農政”に象徴される「上から」の農業指導の名目で「害虫思想」がいかにして日本全土に広められていったか,それと並行して害虫学(応用昆虫学)や医動物学の学問的体制がどのように形をなしていったか,さらには害虫駆除のための農薬研究が第二次世界大戦下でどのようにして軍事研究(毒ガス研究)に関わっていったか —— 本書が主として目指すところは科学研究がさまざまな外的要因の影響のもとにたどった変容のありさまを害虫研究を題材にしてたどることにある.著者が言う通り,「害虫と人間の関係」ひいては「自然と人間の関係」はそれぞれの時代状況を背負って変容してきたということだ.

◆昼下がりも曇り空が続く.吉瀬の〈ナチュカフェ〉でランチをば.サワラとホウレンソウのグラタン.こういう食材の組み合わせができるのか.いつもながら人気店.クリスマスと年末の予約もすませた.その後,桜農協で米など買いものをしてから帰還.暗くなるまで原稿をものしたり,メールを書いたり,また原稿に戻ったり,ときどき本を読んだり.

◆夜のこまごま —— 来年度の横浜国大〈統計道場〉は修士・博士を合わせた全専攻履修科目になるとのこと./駒場「生物統計学」のレポートがぽつぽつと届き始めた.受領メールをひとつひとつ打ち返す./ふたつの出版社からの質問メールに答える.すっかり遅くなってごめんなさいねー./ツイッターのフォロワー数が「300」を越えた.

◆今週はRP成績検討会と忘年会の抱き合わせ週間になってしまった.合間にトド撃ちをする時間がはたしてあるんですか?…….

◆本日の総歩数=8212歩[うち「しっかり歩数」6398歩/67分].全コース×|×.朝○|昼△|夜×.計測値(前回比)=85.5kg(+0.2kg)/26.0%(+0.2%).


12 december 2009(土) ※穏やかな土曜日の加圧原稿生活

◆午前4時起床.曇りときどき霧雨がしとしとと.肌寒い.しかし,空が明るくなるとともに雲の切れ目から朝日が射し込んできた.

◆早朝の暴挙 —— Carl. G. Jung[Sonu Shamdasani, Mark Kyburz, and John Peck (eds.)]『The Red Book』(2009年10月刊行,W. W. Norton, New York, ISBN:978-0-393-06567-1 [hbk] → 版元ページ)のお買い上げボタンを「ぽちっ!」と押してしまった〜.いくら「定価US$195.00」が amazon.com で「US$114.07」と42%割引価格だったとはいえ,やはり明け方の彼誰時に血迷った乱心だったかもしれない…….

◆『種の起源』ガイドブック —— David N. Reznick『The Origin Then and Now: An Interpretive Guide to the Origin of Species』(2010年刊行,Princeton University Press, Princeton, xvi+432 pp., ISBN:978-0-691-12978-5 [hbk] → 目次版元ページ).ついに「2010年」と銘打たれた本が出回り始めたか…….本書はダーウィンの『種の起源』を読むためのガイドブック.すでに日本語で出ているガイドブック:北村雄一『ダーウィン『種の起源』を読む』(2009年2月12日刊行,化学同人,京都,折込み図+302 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-7598-1170-4 → 目次版元ページ著者ページ)が,どちらかといえば『種の起源』を章ごとに追いつつ忠実に解説しているのに対して,Reznick の本書は『種の起源』の構成を突き崩して,テーマごとに再構成した解説書となっているようだ.

—— ついでながら,450ページもあるハードカバー本がたった2,500円で買えてしまうというのはとてもハッピーです.

◆日中のこまごま —— 査読原稿がひとつ届く.年明けまで.あ,別件の査読もそろそろ何とかしないと加圧され始めるにちがいない……./12月26日(土)に予定されている東京農大昆研の研究発表会は,開始時刻が午前9時ではなく午前10時に変更された.今年は発表者数が例年よりも少ないそうだ.※それでも十分過ぎるほど大人数ではあるのだが.

◆[組合]筑波地本の委員会に交換出席する件.12月16日(水)17:30から予定されている第二回農対部策委員会はぼくが分会代表なのだが東大の教員会議に行っていて出席できない.そこで,12月14日(月)17:30からの第二回研究職対策委員会に出られない分会副委員長と「交換出席」の話がまとまった.かぎられた時間はやりくりするしかないでしょ.

理系の研究者には日本語で単行本を書くインセンティヴがない —— 十年ほど前のことだが,職場内の研究業績評価WGに委員として加わっていたことがある.個人業績の評価システムとその基準が主たる論点だった.何回目かの会合で諸外国の業績評価システムを紹介してもらったことがある.その中で,査読論文と単著書籍の評価基準の設定について論議していたとき,オーストラリア国立大学(ANU)では専門分野に関わる単行本「一冊」を査読論文「十本」としてカウントするという話を聞いて驚倒した.日本だと,単行本に対してそれほどの重みを付けて業績評価することは考えられないからである.たとえば農環研の場合,現行の業績評価システムでは,筆頭著者での査読論文は「10点」だが,単著の単行本を一冊書いてもやはり「10点」でしかない.

日本の場合,とくに自然科学系の研究分野では,日本語の単行本を書くことに対する書き手(=研究者)に与えられるインセンティヴがほとんどゼロに等しい.むしろ,そういう本を書くことに対しては事実上のマイナス評価がなされていることは誰もが知っている(「そんなタテ書きの“啓蒙書”を書くヒマがあったら原著論文をもっと書け」に代表されるような陳腐なアドバイス).理系研究者による書籍を通しての社会的広報がいっこうに評価されない風潮はいまでもまったく改まらない.査読論文でしか研究活動のアウトプットを評価しないとなれば,研究者コミュニティの「外」に(つまり一般社会の「中」に)踏み出そうとしない風潮が自然科学系の研究者の間でいつまでも根強く残るというのは当然の帰結かもしれない.「本を書く人」と「本を書かない人」との落差は広まるばかりだ.

とりわけ自然科学系で商業出版される「単行本」や「記事」に対する評価の低さは特筆されるべきだろう.「自著だったら何を書いてもいいですよね」と揶揄される経験が過去にあった.適当なことを適当に書いて一冊仕上げればそれでOKというお手軽な本を書く方も出す方も問題を抱えている.しかし,単行本の場合,原著論文とは別の意味での編集者からの「査読」のプロセスが入る.書いた原稿の「リジェクト」や「リヴァイス」は商業出版でも起こりえる.商業出版される単行本や記事とはいえ,著者の好き勝手に書けるわけではないし,書いてはいけないだろう.いい加減な内容の本が研究者の名前で出版されれば,当の本人や出版社の評価が下がることはもちろんだが,それ以上に研究者が「本」を書くことに対する包括的な社会的評価(職場内での評価も含めて)にも悪影響を及ぼす懸念があるからだ.

一方で,人文社会科学の研究者コミュニティでは,率直に言えば「単著の本を書いていないような研究者は一人前ではない」という意識がいまでもあるように感じる.以前は,カルチャー・ショックを受けたものだが,よく考えてみれば,研究者コミュニティの「外」に対してものをいう動機づけとしてはもっと積極的に評価されるべきだろう.

英語圏での大学出版局では,単行本の書籍原稿に対する匿名レフリーによる「査読制度」がある場合もある(謝辞を読めば明記されている).一般読者が目にする単行本については,そういう品質管理制度があって初めて単行本の内容レベルの維持ないし保証が達成されるのだろう.日本だとどうなのかな? 大手の出版社の場合,校閲部門がかなりキビシい内容チェックをしてくれる(表記も含めて)が,それは必ずしも一般的ではないかもしれない.

—— いずれにしても,「本を書く」科学者は当面はじっとがまんして書き続けるしかないのかもしれない.進化学・科学哲学の分野できわめて多作な生物学哲学者マイケル・ルーズは,かつて来日したとき,「どうすればあなたのように生産的でいられるのか?」と問われて,「とにかくがんばるしかないでしょう」と答えていた.だから,がんばろー.

◆午後になって晴れ間が広がってきた.ところどころ青空がのぞくようになる.『週刊読書人』の原稿をぼつぼつと書き始める.400字×3枚なのでさくっとすませばいいのだが,例によってあっちこっち徘徊し始めてラチがあかない…….夕焼けが広がる時間帯になって農環研に行く.気温は13.8度.やはり今日は暖かかったのか.研究室でごそごそして午後7時過ぎに撤収.気温は11.1度.帰宅後に再度『週刊読書人』の原稿に取り組む.日が変わる直前に『週刊読書人』コラム〈私のモチーフ〉の原稿(400字×3枚)を音羽に送信完了:三中信宏「分類する者と分類される物のはざまで−人間の分類思考のルーツをたどる旅−」.今日のお仕事はこれにておしまい.

◆本日の総歩数=2657歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=85.3kg(+0.3kg)/25.8%(−0.5%).


11 december 2009(金) ※終日つくばで雨に打たれ続ける

◆午前4時半起床.曇りのち雨が降り出してきた.気温8.1度.高めだが湿気があるのでからだにこたえる.

◆きのう駒場でやっとゲットできました —— チャールズ・ダーウィン[渡辺政隆訳]『種の起源(下)』(2009年12月20日刊行,光文社[古典新訳文庫],東京,436 pp.,本体価格838円,ISBN:978-4-334-75196-8 → 版元ページ).もう書店に並んでいるはずなので,まずは本郷通り沿いの一般書店で探すも軒並み全滅だった.駒場に移動して生協書籍部でやっと入手できた.光文社「古典新訳文庫」って,販売的にはまだ非力なんだろうか? すでに9月に出版されている上巻:チャールズ・ダーウィン[渡辺政隆訳]『種の起源(上)』(2009年9月20日刊行,光文社[古典新訳文庫],東京,423 pp.,本体価格838円,ISBN:978-4-334-75190-6 → 版元ページ)とともに本棚に並べてみる.

◆午前9時半.雨足が強くなってきた.気温7.2度.早朝よりも下がっている.寒い.午後になってもいっこうに気温は上がらない.

◆ポパー復刊 —— 法政大学出版局の「2009年12月新刊リスト」より:カール・R・ポパー[藤本隆志・石垣壽郎・森博訳]『推測と反駁:科学的知識の発展[新装版]』(2009年12月9日刊行,法政大学出版局[叢書ウニベルシタス95],東京,xvi+775+16pp.,本体価格8,200円,ISBN:978-4-588-09917-5).訳本の初版が出たのが「1980年」のことだから,実に30年ぶりの復刊ということになる.しかし,ポパーの主著:カール・R・ポパー[大内義一・森博訳] 『科学的発見の論理(上・下)』(1971〜2年刊行,恒星社厚生閣, 東京, pp. 1-268, 23, 6, 269-597)は絶版のまま今日にいたっている(『ポストスクリプト』は出回っているのに).

同じ法政大学出版局の今月新刊からもう一冊:ダニエル・R・ヘッドリク[塚原東吾・隠岐さや香訳]『情報時代の到来:「理性と革命の時代」における知識のテクノロジー』(2009年12月24日刊行,法政大学出版局,東京,本体価格3,900円,ISBN:978-4-588-37115-8)の紹介文には,「…辞書や百科辞典の編纂、植物命名法、統計やグラフのかたち、……」と書かれている.手に取る価値はあるかな.

◆午後のこまごま —— 成績検討会のための成果とりまとめの続き./メーリングリストの登録作業をまとめて処理完了./午後2時に,果樹研の池谷さんが来室.栽培植物の分類に関連して,認知心理学の文献(Suzan Gelman, Scott Atran そして Brian W. Ogilvie)をお貸しする.

◆ユングの『赤の書』について —— どう考えても「破格」な本はその理由だけで手元に置く義務がある.心理学者 Carl G. Jung の“門外不出本”が死後半世紀を経て初めて公刊され,その日本語訳が来年前半にも創元社から出版されるという:C・G・ユング[河合俊雄監訳]『赤の書』(2010年2月刊行予定,創元社,東京,ISBN:978-4-422-11436-1 → bk1特設ページ「C・G・ユングの秘められた日記が甦る『赤の書 The Red Book』」).図版見本を見るかぎり,まるで中世の手書き写本のようで血が騒ぐ感じがする.「A3版」という巨大サイズ,450ページ超という厚さ,邦訳は予約特価でも「37,800円」,定価は「42,000円」だそうだ.物理的にも価格的にも破格としかいいようがない.だからこそ買うしかないでしょ.幸い,すでに先々月に出版されている英語版(『The Red Book』)は amazon.com で見ると定価の40%超もの割引がされていて,たった「US$114」で購入することができるようだ.日本語訳のほぼ1/4の値段かぁ.

◆午後6時半に撤収.雨足いよいよ強く.気温は低い.うっかり傘を忘れてきてしまい,たがみ酒店に入荷したばかりの白瀑〈〉純米にごり酒の瓶を抱えてずぶぬれになってしまった…….

◆本日の総歩数=7584歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=85.0kg(−0.2kg)/26.3%(−0.5%).


10 december 2009(木) ※本郷で蕎麦をたぐり駒場で高座

◆午前5時前に起床.晴れ.今日は本郷から駒場へと「東大づくし」な一日になる.

◆朝のこまごま —— 午前9時過ぎから自宅での電気点検作業に立ち会う.

◆耳寄り新刊情報 —— 進化生物学教科書の翻訳新刊:Nicholas H. Barton et al.[宮田隆・星山大介監訳]『進化:分子・個体・生態系』(2009年12月9日刊行,メディカル・サイエンス・インターナショナル,東京,ISBN:978-4-89592-621-8 → 主要目次).900ページ超,本体価格15,000円.コンパニオンサイトが版元に開設されるとのことだが,下時点ではまだ何もコンテンツがない.一方,原書のコンパニオンサイトは超充実している.その内容・分量・価格から見てこの『進化:分子・個体・生態系』は,かつて十年も前に蒼樹書房から出た(もう絶版になった)ダグラス・フツイマ『進化生物学(原書第二版)』のあとを引き継ぐ翻訳進化学テキストブックの定番の地位を占めるようになるだろうか.著者割引で購入できるようになるといいんだけど(と探りを入れてみる).考えてみれば,あのフツイマ本は本書の2/3の厚さで同じ15,000円という本体価格だったのだから,今回の翻訳出版はいまの出版界の厳しい状況を考えれば実はとても割安な価格設定といえるだろう(初版一刷でいったい何部刷ったのでしょう?).入手したらまずは訳文チェックかな.いずれにせよ,翻訳はたいへんお疲れさまでした.

◆昼は本郷でおそばを —— 10:25発のTX快速に乗る.晴れ.本郷三丁目で下車して東大とは反対方向へ.知人と待ち合わせて昼前に本郷壱岐坂上にある蕎麦切〈森の〉に入った. 本郷に長く住んでいる知人が「この店は絶品!」というので誘われたしだい.ぼくは「二色盛り」,知人は「釜揚げきしめん」,ついでに「鴨汁」を注文した.

蕎麦ののどごし,つけ汁の風味(関東風と関西風の二種類から選べる),鴨汁の味わい,いずれをとっても高得点.さまざまな食べ物屋がひしめく本郷界隈ですが,蕎麦屋のうまいところは数えるほどしかないと知人は力説する.その中でもここ〈森の〉はバツグンだと.

午前11時半の開店と同時に店に入ったが,昼のランチタイムになって次々と客がやってくる.〈森の〉の「夜の部」では,和風・洋風の料理が出されるという.日本酒のメニューを見せてもらったら,福岡の銘酒〈庭のうぐいす〉が筆頭に載っているではないか.その他,〈上喜元〉とか〈十四代〉とか.確かにいいセレクションだった.本日の「昼の部」の次は,いよいよ「夜の部」ですかねぇと相談する昼のひととき.

—— 〈森の〉を出てから,知人とともに店を出て本郷通りをてくてく北上する.晴れときどき曇りで寒さはない.東大赤門前の医学系書店の店頭で,『進化:分子・個体・生態系』の現物を目撃した.巨大なサイズで厚みと重量もありそう,投げたときの「兇器度」はきわめて高いと見た.本の書誌情報の一つとして「重量」もぜひ明記してほしいな.東大農学部図書館の地下書庫にて雑誌『国立公園』のバックナンバーを借出す(これが本務).その後,農学部キャンパスの新しい居室で一時間ほど日録と書評を書く.本郷でのお仕事はここまで.

◆午後は駒場で高座を —— 駒場キャンパスに着いたのは午後3時過ぎだった.曇り空で気温は高め.講師控え室にてまずはメールチェック.今日の夕方は農環研で全農林の中央オルグがある.その準備の連絡が分会執行委員にアナウンスされている.ぼくはもちろん欠席だが,他の執行委員によろしくよろしくメールを送る.農環研分会の書記長になってから,いろいろな会議やら集会への参集コールがかかるのだが,ことごとく欠席している.すでに前もって他の予定が詰まっているのに,たかだか数日前に「会議に来い」と言われて,はいそうですかと行けるはずがない.組合執行委員は「対面」の会議にいつでも出られるという仮定は甘過ぎますよ(専従じゃないんだし).

本日の駒場「生物統計学」高座(16:20〜17:50)は多変量解析.多変量・高次元のワールドを生き延びるためのすべを話した.多変量解析の諸手法は基本的に「可視化ツール」であると概観する.いつもながら「醤油鯛分類」ネタと「高次元立方体」ネタはウケがとてもよろしい.次回の今年最後の講義はリサンプリング統計学ね.それと,レポート提出を忘れずに.

◆午後8時につくばに直帰.2009年12月3日に出た『分類思考の世界』第三刷の見本刷が音羽から届いていた.今回の正誤表はこちら(たった一カ所だけだけど).ベック先生,勝手にパクりました〜.「蟲」取りはこれでほぼ完了かな,と思いきや,まだ二匹残っていた…….

◆本日の総歩数=9052歩[うち「しっかり歩数」1017歩/14分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.2kg(−0.2kg)/26.8%(0.0%).


9 december 2009(水) ※クリスマスリースを懸ける早朝

◆午前5時過ぎに起床.あ,寝坊してしまった.曇って肌寒い.午前8時の気温は6.5度だった.今日は日射しは期待できなさそう.

◆午前のこまごま —— 本日オンライン公開された,日本計量生物学会ニュースレター(第101号:pdf 528KB)の「巻頭言」として,「分類思考と統計思考がまじわるとき」という記事(p. 1)を出しました./Springer-Verlag のダーウィン記念企画〈Springer Celebrates Darwin Year 2009〉では,『Evolution: Education and Outreach』誌の全号無料アクセス(年内)をはじめ,いくつかの雑誌記事が読めます./午前10時半から一時間ほど,領域会議./明日12月10日(木)午前9時に電気点検あり.立ち会うこと./不良債権と化しつつある組合関連の残務に少し手をつける.大トドすぎて手が出せない…….

◆読了 —— 垂水雄二『悩ましい翻訳語:科学用語の由来と誤訳』(2009年11月25日刊行,八坂書房,東京,208 pp.,本体価格1,900円,ISBN:978-4-89694-946-9 → 目次版元ページ).進化学や生態学の多くの翻訳を長年手がけてきた著者による「翻訳語」をめぐるエッセイ集.著者は冒頭でこう述べる:

訳語の選択は異文化コミュニケーションの根幹にかかわるもので,歴史的にも漢語から日本語への翻訳に際して,多くの先人を悩ませてきたにちがいない.しかし西洋語から日本語の翻訳は,言語学的・文化的な背景がまるで異なるため,さらに大きな困難がともなう.(p. 3)

本書の目的は,他人の誤訳や失敗をあげつらうことではなく,一つの訳語決定の背景にどれだけ面倒な問題があるかを知ってもらいたいという思いで,半ば,翻訳者の自己弁護でもある.(p. 8)

最初のふたつの章では,「fruit fly」や「guinea pig」,あるいは「oak tree」や「palm」のような動植物名の誤訳の実例を取り上げながら,名前の翻訳の難しさと悩ましさが語られる.とくに,対応する実物が分布しない地域の言語に翻訳するときにまちがいが生じやすいという.「生物」の名前の翻訳とは別の意味で難しいのが,かたちのない「概念」の名前の翻訳だ.たとえば「natural history」とか「natural selection」の訳語決定をめぐる議論は,言葉が埋めこまれている歴史的文脈を理解しないかぎり適切な選択ができないことを示唆している.また,第4章で論じられているように,高次分類群の名称をことごとく「仮名書き」させるという旧文部省の方針に対して著者は異議を唱える(その通りですね).「チョウ目」はぜひやめようね(ワタクシはけっして使いません).

場合によっては,学問分野ごとの研究者コミュニティーが偏った訳語を定着させてしまうケースがあると,著者は医学や心理学の実例を挙げながら指摘する.たとえば,心理学では,統計学的な意味での「control group」すなわち「対照群」を,どういう経緯によるものか,「統制群」と訳しているらしい(第6章:「心理学用語の憂鬱」).しかも,その誤訳が『学術用語集・心理学編』にまで掲載されているのだから始末が悪い.

「訳語」に対する著者のスタンスはある意味で達観ないし諦観の境地にあるように感じられる.翻訳者は原文の言葉を移し代える際に最大限の努力をすべきであるというモラルが求められることは本書の読者はきっと痛感するにちがいない.その上で,まちがった(と判断される)訳語がすでに広まっている場合,それはそれでしかたがないではないかと著者は随所でもらしている.しかし,訳語の普及と浸透は自然現象ではなく,あくまでも人為的な言語行為なのだから,既存の訳語に不満があるとしたら,負けずに突っ張り続けることも場合によっては必要だと思う.

たとえば,著者は「natural selection」は「自然選択」ではなく,「自然淘汰」と訳すべきであると主張する.私もその意見に同調する.著者は岩波の『生物学辞典(第4版)』では一貫して「自然淘汰」という訳語が採用されていると支持してくれる.ありがたいことだ,私たち当時の進化・系統分野の編集委員が話し合ったとき,『生物学辞典(第4版)』では「自然淘汰」で統一しましょうというポリシーを策定した.その判断は正しかったと今でも確信している.

かつて,分岐学にかかわる基本用語の定訳がまだなかったころ,自分で勝手に訳語を決めてそれを使い続けたことがある.「cladogram」を「分岐図」と訳したり,「vicariance」を「分断」と訳したのは,私が最初だと記憶している.決めた訳語を使い続けることでシェアを伸ばすというのは戦略的にはまちがいなく有効だろう.訳語をめぐるパワーポリティクスを積極的に武器として使うという翻訳のスタンスもあるのではないだろうか.

—— 本書は,生物学の書物にしばしば登場する名前や概念が取り上げられていて,関心のある読者にとっては興味が尽きないだろう.同時に,これから翻訳の場に身を置く者にとっては教訓的でもある.翻訳はつくづくたいへんな仕事だと痛感する.

◆午後のこまごま —— 堆積していたメーリングリスト関連のアドレス処理を数十件撃ち果たす./その他,未処理メールへの返信をする.トドの個体数は大幅に減少したのはよかったが,残った大物どもが……./京大霊長研に提出する履歴書を書いて返送した.罫線だらけのエクセル文書に書き込ませないで〜.事務文書の簡略化と会議の最節約化をはかるだけで,研究者が使える自由時間は大幅に増えるにちがいない./そろそろ来週金曜の成績検討会のためのとりまとめをマジで始めないといけないな.提出書類のフォーマットはすでに届いている.

◆そんなこんなのトド撃ちに追われているうちに,あっという間に夕方になってしまった.午後6時半に帰宅.曇り空が続いて,薄ら寒い.夜はハンバーグをしっかりこねた.

◆本日の総歩数=4289歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.7kg(−0.5kg)/27.0%(+0.4%).


8 december 2009(火) ※大雪が過ぎ氷点すれすれに降下

◆午前3時40分起床.昨夜は早く寝てしまったので,こんな真夜中に目覚めるはめになる.くっきり冴え渡る星空.午前4時の気温は2.8度だったが,さらに低下して午前5時半には0.4度になっていた.今季最低気温の更新だ.

◆未明のこまごま —— 2010年の Willi Hennig Society Meeting はハワイのワイキキで開催されることになった: Hennig XXIX, 22-26 May 2010, Hilton Prince Kuhio.さらに,翌年2011年の Hennig XXX 開催地はブラジルのサンパウロだそうだ(Mario de Pinna が引っ張ったか).Hennig XXVII で初めてサンパウロに行ったのはもう十二年も前のことだった.この学会と関わるとどうしても南半球に行く機会が多くなる気がする. /でも,この日程だと,計量生物学会大会の最終日にかぶるように,ハワイに旅立つことになりそう./今週の駒場「生物統計学」高座用の三点セットの準備を完了した.コピーは後ほど用意しよう.

◆午前10時半,快晴,気温8.4度.空気が乾いてぴりぴりしている.

◆またもや「蟲喰う本」の献本あり —— 野中健一(著)/柳原望(イラスト)『虫はごちそう!』(2009年11月13日刊行,小峰書店[シリーズ〈自然と生きる〉],東京,iv+184 pp., 本体価格1,400円,ISBN:978-4-338-24801-3 → 版元ページ).いつもありがとうございます.ついに子どもたちにも蟲を食べさせようという「野望」の実現でしょうか.前著:野中健一『昆虫食先進国ニッポン』(2008年12月24日刊行, 亜紀書房, 294 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-7505-0815-3 → 目次版元トップページ)では,「虫はこのように食べられてきた」という民俗誌的スタンスからもう一歩踏み出して,「虫をこのように食べてみよう」という食文化的スタンスに軸足を移しつつあった.今回の新刊はそれと同じベクトルの本.レシピも図入りで示されていて,すぐにも教材として使えそう.

—— なお,本書には「さなぎバッジ」と「蜂追いしおり」というふたつのグッズが添付されている.前作の「モパニ虫ストラップ」と同じく手作りだそうな.芸が細かいなぁ.

◆昼間のこまごま —— トド撃ちリストを更新した.撃ち果たすたびに赤線で戦績を記録している.半月も経てば真っ赤になるのが常なのだが,打倒できないトドどもはいつまでも生き残っている.年越しはさせたくないなあ./計量生物学会の企画幹事電話会議は12月24日(木)午後5時からと決まった,イヴの夜に学会仕事ですかっ!(幹事のみなさん,ご予定はないのかなぁ〜)/日本進化学会ニュースの最新号(Vol. 10, no. 2, 2009年11月30日発行)が届いた.札幌大会での高校生ポスター発表のまとめ報告をした(三中信宏「高校生ポスター賞」pp. 3-5)評議員選挙の投票を忘れないようにしないと./領域会議は明日12月9日(水)10:30〜./午後になって溜まっていた日録書きがやっと終わった.長い道のりだった……./組合関係の仕事はまだ滞っている…….いくつかの最新情報を分会ツイッターに流しただけ.筑波地本への諸報告は放置プレイ続行中.

◆備忘メモ —— 日本放射線影響学会のサイトで,「研究の現場において研究を進める上で支障になっている事項」のアンケートが公表されています(→ pdf).どこの研究機関でも似たようなことはあるんだなぁ.

午後6時過ぎに撤収.夕焼け,晴れ.気温は6度台に下がってきた.

◆本日の総歩数=4289歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.7kg(−0.5kg)/27.0%(+0.4%).


7 december 2009(月) ※狸が横切り北風が吹く夜明け前

◆午前4時半起床.寒い星空が上空にまたたく.放射冷却できりきり冷え込んで,今朝の最低気温は1.1度.北風が強く吹いて木々にしがみついている葉が次々と舞い散っていく.まだ暗闇の農林団地構内道路をタヌキが横切っていった.縁起がいいのか悪いのか.車のライトが当たると立ち止まってじっと見つめるのは野生動物の習性.車社会のつくばで対「動物」事故が多いのもむべなるかな.明け方の農林団地は意外にも野趣あふれるエリアだ.その季節になれば,実験圃場のそこかしこでキジやコジュケイは駆け抜ける,ウサギは跳ね回る,メダカは泳ぐ,カワセミはきらめくという光景が日常的に見られる.要するにつくばは一皮むけばいきなり「いなか」ということ.

—— その後,冬らしい乾いた青空が広がってきた.静電気が今季初めてぴしっと飛んだ.

◆[組合]さっそく朝からですかー.分会動態調査報告をすっぽかしていたら,中央本部から督促が届いてしまった.ごめんなさいねぇ.できるだけ早くすませるので./「決議文」の提出交渉は本日午後4時からということで確定.執行委員に周知する.「決議文」の印刷をしないといけない./その他,対面で聞いておくべき項目の確認.昇級・昇格に関することなど.

◆加圧の日々のはじまり —— 東京化学同人から生物学辞典の項目執筆についての進捗について.進捗も何も「ない袖は振れまへん」状態であることを正直に知らせる.年明けにはと先延ばししてみるものの見通しはまったくない./同様に,進化学辞典の項目執筆というのもあるのだけれど,それもまた何もしていない……./勁草書房は執筆と翻訳という「二重苦」を背負っていたりする./『週刊読書人』の締切は12月15日だった.音羽から見本コピーが届く.ほおほお,こう書くのですね.

◆来年の高座関連 —— 計量生物学会大会の開催日は2010年5月20日(木)〜22日(土)と訂正された.うっかりミスはコワいです.場所は統数研(立川)./第16回野生生物保護学会・日本哺乳類学会の合同大会が2010年9月17日(金)〜20日(月)に岐阜大学で開催される.そのときに【種】をめぐる集会を企画したいというワルいお誘いが雪降る北方から届いた.とてもワルいことなのでさっそくOKの返事を出した.ただし,首都大学東京の集中講義と部分的に重なっているので日程には注意のこと.

◆新刊着便 —— Jan Sapp『 The New Foundations of Evolution: On the Tree of Life 』(2009年11月刊行,Oxford University Press, Oxford, xx+425 pp., ISBN:978-0-19-538849-7 [hbk] / ISBN:978-0-19-538850-3 [pbk] → 目次).微生物の系統関係をめぐる研究の進展と論争が進化生物学そのものに与えた歴史的影響を議論している.

◆[組合]午後4時に入検室にて組合交渉.理事長は海外出張中.とりあえず「決議文」を手渡して,フォーマルな部分はおしまい.その後,労務担当者と意見交換を半時間ほど.

◆備忘メモ —— いつも見ているブログ〈ギリシャのごはん〉の昔の記事「スティファドは玉ねぎ料理?!」(2006年3月3日).ギリシャ料理「スティファド」は,特産の甘口赤ワイン〈マブロダフネ・オブ・パトラス〉で,肉とたっぷりのタマネギを煮込むそうだ.食欲そそられまくり.記事の中でも触れられているが,ギリシャでは確かに「ウサギ肉」がポピュラーに食材として用いられているようだ.何年も前にパトラスの町中のタベルナに夜遅く入ったとき,店主が「今日はうまいウサギ肉があるから喰わないか」と薦められたことがある.確かに美味だった.

◆すきま時間を見つけては,ほぼ一週間分の溜め込み日録を書いてはぽつぽつとアップしている.しかし,今まではほぼ毎日書けていたものが書けなくなってしまったのだろうか? フシギフシギ.

◆本日の総歩数=4678歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.2kg(+0.7kg)/26.6%(+0.1%).


6 december 2009(日) ※冬晴れ日曜はつくいちよるいち

◆午前5時起床.夜明けが日増しに遅くなってきた.まだ真っ暗.しだいに東の空に朝焼けが広がる.

◆[組合]しばらく放置していたらトドが増えていた.もう締切が過ぎているような報告事項もあるけれど,なかなか手が回らない.日曜の朝からこんなことをしている —— 1) 待遇改善に関する「決議文」の確定と当局との交渉日時の設定.週明け早々にも;2) 昇級・昇格に関する当局交渉は今年はない,という話.昇格者の名簿をどのようにして入手するか;3) 長期病休者に関すること,など.メールを諸方面に送りつける.

◆〈つくいち〉へ —— 今月も行ってきました.雲一つない快晴の好天に恵まれて,〈ナチュカフェ〉のポトフにからだが暖まる.

◆朝からサロメを —— まずは伝記から:H・F・ペータース[土岐恒二訳]『ルー・サロメ:愛と生涯』(1985年8月25日新装版刊行,筑摩書房,東京,294 pp.).次は自伝へ:ルー・アンドレアス・ザロメ[山本尤訳]『ルー・ザロメ回想録』(2006年6月20日刊行,ミネルヴァ書房,京都,本体価格3,800円,ISBN:4-623-04606-0 → 版元ページ).伝記を読んだかぎりはそれほど違和感ないですよ.しかし,回想録の方をブラウズするかぎり「大丈夫?この人」と感じましたが.世界は自分のまわりをまわっている,と.いずれにせよ,とても充実した人生を送った女性ですね.でも,またしても愛憎渦巻くゲッティンゲンかぁ.この土地はそういう因縁があるんですかねぇ.

◆その他,日中のこまごま —— 12月10日(木)は昼前に本郷に行き,東大農学部図書館の地下書庫にて古い雑誌を掘り返す./来年度の玉川大学「分子系統学」講義は70名定員ということになった.TA役を引き受けていただける方がいるというのは幸いだ.今回の講義は「学部学生が自力で系統樹がきちんと描ける」ことを目標にしようと思う.

◆〈よるいち〉へ —— 真っ赤な夕焼けが広がる午後5時過ぎにふたたび中央公園へ.イルミネーションの点灯セレモニーをかねて〈よるいち〉という新しいイベントが始まった.気温が下がってきたので,店を出していた〈エーベルバッハ〉で暖かいグリューワインをいただいて,そのまま帰宅した.

◆何もしていないはずなのに休んだ気になれないというのは,年末の「加圧」が常時いろいろな方向から作用しているからにほかならない.あと三週間で今年の労働日は終わることになっているが,それまでにケリをつけるべき諸事がいったいいくつあるのかとカウントするのは精神衛生上よろしくない.

◆本日の総歩数=5386歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.5kg(+0.3kg)/26.5%(0.0%).


5 december 2009(土) ※乃木坂で『種の起源』初版本を

◆午前5時半起床.快晴.しかし,天気予報によると午後は雨が降ると言う.ほんまかいな…….でも,朝のうちにしだいに雲が厚くなってきたので,忘れずに傘をもっていくことにしよう.

◆今日もまた東京へ —— 10:55発のTX快速で東京に出る.曇って気温は低い.北千住で日比谷線に乗り換える.そのまま六本木まで直行すればいいものを,「東銀座を通るのか……」と思った瞬間にはもう下車していて,地上に出てすぐ近くにある〈ナイル・レストラン〉に飛び込んでいた.ちょうど昼時だったのがグッドタイミング.いつもの「定食」ということばがベストマッチの「ムルギーランチ」を当然のように注文する(自分ももとよりそのつもりだし,店の人もそう期待?している).

渋谷・道玄坂の〈ムルギー〉,湯島の〈デリー〉,そしてここ〈ナイル・レストラン〉は,学生の頃からリピーターだった.注文する料理もだいたい固定されていて(順に,「玉子入りムルギーカリー」,「コルマカレー」,そして「ムルギーランチ」),どこで遊び回っても最後にはここに戻ってくるという自宅みたいな店.鶏肉のホネをはずしてもらってから,皿に乗っかったすべてのもの(ライス・鶏肉・ポテトサラダ・野菜)をすべてぐちゃぐちゃに混ぜていただくのはムルギーランチを食べるときのお作法.そして,「ただいま」とつぶやく銀座の昼下がり.

◆いざ「ダーウィン」へ —— 本日の公務は,日本学術会議主催公開講演会〈ダーウィン生誕200年:その歴史的・現代的意義〉への参加.13:00〜17:00,日本学術会議講堂(乃木坂)にて.以前,学術会議の研連委員をしていたときは定期的に来ていたが,その後,御役御免になってからもう数年になる.まったく足を運んでいなかったので,地下鉄でうっかり六本木で降りてしまった.最寄り駅は乃木坂なのに…….また地下に潜るのも癪に触るので,そのまま歩いて乃木坂へ.曇りときどき晴れ.

会場に着いたらすでに人がロビーにあふれていた.本日のダーウィン・シンポジウムは大盛況で,あの広い学術会議講堂が埋まっていた.シンポジウムのようすは shorebird さんが書き留めている(→ 「ダーウィン生誕200年 その歴史的・現代的意義」:その1その2).全体として,演者の持ち時間がいささか短いのが難点だったが(この人数だと half-day ではなく one-day にしないと!),いくつか興味深い話題も提供され,行った甲斐がありました.ロビーでのは,今回のシンポジウム企画者の一人である松永俊男さんの個人蔵書や桃山学院大学の蔵書などダーウィン関係の文献がずらっと並べられていた.古い本のいくつかはなかなか実物を手にすることができないものばかりなので,たいへん幸運な機会だった.

ダーウィン『種の起源』初版本 —— ロビーのガラスケース内で展示されていた『種の起源』の初版本.東京大学総合図書館にはもともと初版本が一冊あることは知っていたが,今日展示されていたのは理学部二号館の生物学科図書室で新しく見つかったもう一冊の初版本だ(「C-I/M/20」という書籍番号ラベルが添付されていた).外見のかぎりでは造本はまだしっかりしているようだ.「深緑色の表紙」が『種の起源』のイメージカラーであることを再確認できた.会場にいた斎藤成也さんの話では,遺伝研にも『種の起源』の初版本があるという.東大を含めて国内の公的機関に三冊も『種の起源』初版本があるというのはちょっとした驚きだ.

その他,シンポジウム会場で得た書籍情報いろいろ ——

  • チャールズ・ダーウィン[渡辺政隆訳]『種の起源(下)』(2009年12月20日刊行,光文社[古典新訳文庫],東京,ISBN:978-4-334-75196-8 → 版元ページ).上巻は9月刊行済み:チャールズ・ダーウィン[渡辺政隆訳]『種の起源(上)』(2009年9月20日刊行,光文社[古典新訳文庫],東京,423 pp.,本体価格838円,ISBN:978-4-334-75190-6 → 版元ページ).ブースにいた光文社の話では,下巻は12月8日には書店店頭に並ぶとのこと.
  • 富山太佳夫『おサルの系譜学:歴史と人種』(2009年12月10日刊行予定,みすず書房,東京,ISBN:978-4-622-07473-1 → 版元ページ).今回のシンポで講演した富山太佳夫さんの近刊.富山太佳夫さんの「ダーウィン本」は心して買いそろえるようにしている.
  • Anthony W. D. Larkum (ed.)『A Natural Calling: Life, Letters and Diaries of Charles Darwin and William Darwin Fox』(2009年刊行,Springer-Verlag, Berlin, xlvi+578 pp., ISBN:978-1-4020-9232-9 [hbk] → 版元ページ).ダーウィンのいとことの間で交わした書簡や日記の公刊.ずっしりと重い600ページのハードカバー本.
  • Charles Darwin / annotated by James T. Costa『The Annotated Origin: A Facsimile of the First Edition of On the Origin of Species』(2009年刊行,Harvard University Press, Cambridge, ISBN:978-0-674-03281-1 [hbk] → 版元ページ).『種の起源』初版本のファクシミリの周囲に脚注を配置した本.ハーバードの『種の起源』ファクシミリ版といえば,1964年に出た Ernst Mayr 解説本を連想するが,こういう新刊が出たとは知らなかった.

—— 会場内での講演もさることながら,会場外のロビーでとてもよく勉強できた半日だった.

◆午後5時にシンポジウムは終了.外に出てみたらもう暗くなっていて,本降りの雨だった.今日は予報を信じてよかったな.そのままつくばに直帰したので,午後6時半にはつくばセンターを傘をさして歩いていた.雨足強い.

◆この三日間は連日の東京プチ出張続きだった.こまめに疲れが蓄積されてしまったみたい.

◆本日の総歩数=3769歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=85.2kg(+0.3kg)/26.5%(−0.4%).


4 december 2009(金) ※冬晴れ弥生にイチョウの絨毯が

◆午前3時半起床.雨上がりの星空.気温6.1度.

◆未明のこまごま —— 今日の講義のためのハンドアウトをばたばたと用意する.およぞ2時間ほどで,100枚あまりのスライドをピックアップして,ハンドアウトに編集してコピーを完了.6時間ほどの講義なのでコンテンツとしてはもうこれで十分なはずだ.※やりきれない可能性の方がむしろ高い.

◆朝から本郷へ —— 8:26発のTX快速で根津に向かう.快晴で空気が冷たい.9時半過ぎに根津で地上に出る.今日はいい天気が続きそうだ.東大農学部に入ると昨日の雨でイチョウがほとんど散り果てていて,黄色い絨毯を敷き詰めたようになっていた.朝イチで構内の隠れ部屋の引っ越し作業があると前もって聞いていたが,すでに引っ越しのトラックが来ていて,机などの搬出が始まっていた.集中講義が終わる夕方にはカタがついて新居に入れるにちがいない.

◆エコロジカル・セイフティー学特論(II) —— 午前10時から農学部7号館7階のセミナー室にて講義開始.今回の集中講義はいつも通り連携講座の教員四名が分担して行なう.ぼくの担当は「生物統計学」ということで,今回は線形モデルからはじまり一般化線形モデル,計算統計学,そして多変量解析などの応用トピックをRデモとともに講義することにした.内容的にはすでに「十八番」なので,とくに準備をするまでもなくさらさらと進む.午前中はデータからのアブダクションと統計的思考との関係,そして線形モデルの基本について実例に沿って話をした.

◆昼休みにはずいぶん久しぶりに農学部前の〈大きなかぶ〉で日替わり弁当をいただきました.店の中は以前のままで,単調的に古びてきたなぁ.一見さんはきっと入るのがためらわれるにちがいないが,リピーターはこの店の価値を知っている.実際,ランチタイムは満席になっていた.

◆午後1時から講義再開.一般化線形モデル・混合効果モデルなどの線形モデルの拡張について話をする.そのあとはリサンプリング統計学,さらに多変量解析.やっぱりベイズまで話す時間はなかったようだ.午後4時の定刻に講義終了.みなさん,お疲れさまでした.

◆引っ越し作業はすでに完了していた.東大でのぼくたちの新しい居室は農学部4号館の四階です.以前,生物多様性研究室があった部屋と言った方が通りがいいかもしれません.新しい鍵をもらってやっと落ち着ける.

◆少し時間があったので根津に降りてしばし散策.いくら暖冬気味とはいえ,やはり寒い季節になってくると,おしるこに誘引されるもの.〈芋甚〉でこしあんの「御前しるこ」をいただきました.関東の「御前しるこ」とは関西でいう「しるこ」に当たる.東京でこういうちゃんとした御前しるこを出してくれる店はほとんどないように思う.さらさらのこしあんのしるこをいただくときは,急いで食べるとのどをやけどするので要注意.あくまでも優雅にいただくべし.北風吹く日はおしるこを.先日,ここでいただいたのは,つぶあんの「田舎しるこ」で,関東で「しるこ」と言えばこのタイプ.ほくほくと小豆が甘く煮くずれて,それはもう美味でございます. いずれのしるこにも小さい焼き餅が二枚あんこの中に埋まっている.

驚愕の訳本と対面 —— 谷根千エリアの夕暮れ散策はなお続く.往来堂書店にて予期しない驚愕の訳本を手にした:サイモン・シャーマ著[高山宏訳]『レンブラントの目』(2009年11月30日刊行,河出書房新社,東京,本体価格12,800円,ISBN:978-4-309-25524-8 → 版元ページ).カラー図版を含む約800ページもの大著.原著:Simon Schama『Rembrant's Eyes』(1999年刊行,Alfred A. Knopf, New York, xii+750 pp., ISBN:0-679-40256-X [hbk])が出てすぐに買い,たまたまオランダのライデンに行く出張があったので,往復の機中で読み進んだ記憶がある.こんな巨大な本を海外出張にもって行ったのも,それだけインパクトのある本だったからだ.それにしても,この本を訳そうなどという“暴挙”はこの訳者にしてはじめて現実のものとなったといえるだろう.

◆その後,いささか飲みすぎたかなあ,家へ帰り着いたのは午前零時直前だった.疲れたましたなぁ.

◆明日はダーウィンに会いに乃木坂に行く予定.

◆本日の総歩数=13796歩[うち「しっかり歩数」883歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=84.9kg(−0.7kg)/26.9%(−0.3%).


3 december 2009(木) ※冷たい雨に降られ駒場で共分散

◆午前3時半起床.曇りのち雨になる.気温7.3度.

◆未明のこまごま —— 来年度冬学期に玉川大学で開講する「分子系統学」の講義時間は「11:00〜12:50」(3〜4時限)で確定した.Win PC を用いた実習が含まれるというのがこれまでなかったところ.ノートパソコンを受講生が各自持参するということなので,PC実習室のような特別な部屋は必要ないだろう.その一方で,人数が多すぎると対応しきれないので,キャパシティー上限について問い合わせる./午前5時過ぎ,今日午後に駒場で配布する課題レポートの印刷を完了した.

◆午前10時,雨,気温8.2度.しんしんと寒い.

◆午前のこまごま —— 共同研究者からメールあり,系統推定は何とかなりそうとのこと.これで乗り切れるかな./以下すべて[組合]関連.労働条件改善に関わる「決議文」の提出交渉日時の調整をする;12月16日(水)に第二回農対部委員会,12月22日(火)に委員長書記長会議.いずれも欠席する;その他の関連メールのやりとり多数.

◆着便本 —— Randall T. Schuh and Andrew V. Z. Brower『Biological Systematics: Principles and Applications, Second Edition』(2009年刊行,Cornell University Press[A Comstock Book ], Ithaca, xiv+311 pp.,US$59.95,ISBN:978-0-8014-4799-0 [hbk] → 目次版元ページ).ざっと見たところ,今回の『Biological Systematics』改訂版(↑)で,左(←)に示した旧版(2000年)と比べてもっとも変わった点は,形質分析の章の改訂と分類データベースの利用に関する章が大幅に加筆されたところか.一方で,分子系統学については章立て構成に影響したとは思えない.いつもながら Cornell の本は造本がとても堅牢だ.

—— ここのところの円高で,洋書のオンライン書店での購入価格がものすごく安くなっている.それにつられて「お買い上げ」ボタンをつい押してしまう頻度もまた高くなってきた.海外から本を買う側にとってはうれしいことだが.着便&未読の新刊の山は日に日にその「標高」が高くなってきた.いったいいつ読むんですかっ?

◆雨降る駒場へ —— 正午前にいったん帰宅.冷たい雨が降り続いている.13:25発のTX快速で駒場へ.駒場キャンパスを黄色く染めていたイチョウの葉が雨に打たれて散っていた.16:20〜17:50はいつもの統計高座.今日は二変量間の共変動(covariation)について講義とRでのデモンストレーションをば.

◆車中読書 —— 垂水雄二『悩ましい翻訳語:科学用語の由来と誤訳』(2009年11月25日刊行,八坂書房,東京,208 pp.,本体価格1,900円,ISBN:978-4-89694-946-9 → 目次版元ページ).たいへんおもしろく,うなずける点が随所に見られる.

◆講義終了後はつくばに直帰.休む間もなく明日の集中講義の準備をしないといけないのだが,やっぱり休んでしまった…….

◆本日の総歩数=10005歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.6kg(−0.7kg)/27.2%(+0.6%).


2 december 2009(水) ※撃っても減らないフシギなトド

◆午前4時半起床.くっきり星空.満月が西に沈もうとしていた.気温1.6度.日に日に明け方が寒くなってきたぞ.

◆朝のこまごま —— 日本分類学会連合の第9回公開シンポジウム〈生物地理学の未来を考える〉のアナウンス.2010年1月9日(土)13:30〜17:30,国立科学博物館新宿分館(新宿区百人町).午前中に総会がある./今月の出張伺・年休届・兼業願・振替日をまとめて提出完了.ついでに,先日の京都行きにともなう復命書・立替払申請・宿泊先領収書などもまとめて提出.こういうエンドレスな事務書類を書いているうちに昼休みになってしまった.書類作成ロボットがほしいな…….

◆備忘メモ —— 非生物の「系統進化」を論じたヘンリー・ペトロスキー『フォークの歯はなぜ四本になったか:実用品の進化論』(1995年11月刊行,平凡社,ISBN:458253211X)が年明けにも平凡社ライブラリーに入るそうだ.単行本はずっと品切だった.ディテールの中にこそグローバルなものが潜んでいる.

◆献本ありがとうございます —— D・ショーカー[石田基広・石田和枝訳]『Rグラフィックス自由自在』(2009年12月10日刊行,シュプリンガー・ジャパン,東京,8+xviii+298 pp.,本体価格4,700円,ISBN:978-4-431-10069-0 → 目次版元ページ).自由自在になりたいなぁ.原書は:Deepayan Sarkar『Lattice: Multivariate Data Visualization with R』(2008年刊行,Springer-Verlag[Series: Use R!], Berlin, xviii+265 pp.,ISBN:978-0-387-75968-5 [pbk] → 目次版元ページ著者サイト).

◆昼下がりのこまごま —— 駒場「生物統計学」の第一回レポート課題をつくる.ついでに,次回の講義用三点セットのしたくも完了./金曜のエコロジカル・セイフティー学特論のハンドアウトをぜんぜん用意していない.というか,シラバスに何を書いたか忘れてしまったので……(アホ!).そんなこんなで,統計モデリングの話を6時間ほどさせていただくことにします.準備はあとまわし.

◆[組合]午後3時に1時間の年休をとって,隣りの農研機構・大会議室に歩いて向かう.すっきり冬らしい晴天が広がっていた.筑波地本の第二回全分会執行委員セミナー.職場でのメンタルヘルスと復帰プログラムについての講義を受ける.分会実態調査の報告を早く提出するように加圧される…….午後5時半に終了.

◆夕暮れの加圧 —— ソーバー訳本についての加圧.自らは加圧されつつ,しかも蕎麦教授を加圧せよとの仕掛人からのお達しあり./RPの成績検討会が近いので,関係者をさりげなく加圧する.

—— 加圧ベクトルが錯綜して,押しているんだか,押されているんだか.方々が凹んできました.

◆本日の総歩数=8241歩[うち「しっかり歩数」1269歩/12分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.3kg(+0.4kg)/26.6%(−0.8%).


1 december 2009(火) ※新刊本と義務が降り積む月初め

◆午前4時半起床.星空.地表は霧.気温3.6度.冷え込む.

◆朝のこまごま —— 領域忘年会の日時と場所が確定したことを関係者に連絡する./新しい蛾類図鑑がつくられているという.しかし,出版社など詳細は明かされていない.ヒミツの蛾の図鑑.あやしいです.早く教えてねー./朝イチで薬を処方してもらう./自然史学会連合から総会のアナウンス.12月19日(土)13:00〜15:00,科博分館にて.出席の返事をすませた./12月21日(月)に筑波大学某所にて開催される X'mas party の厨房をとりしきることになった.

◆新刊メモ —— 田辺晶史『分子系統学演習 - データセットの作成から仮説検定まで』がオンライン公開されています.田辺さんのサイトからpdfでダウンロード可能.最尤法とベイズ法による系統推定.増補改訂され110ページになった!

◆昼のこまごま —— 今月は遅延なくメーリングリストの月例アナウンスを流した./京都大学霊長類研究所から来年度の集中講義の依頼あり.幾何学的形態測定学とその系統推定への応用というテーマで.了解いたしました.

◆献本感謝 —— 桐谷圭治・田付貞洋(編)『ニカメイガ:日本の応用昆虫学』(2009年11月20日刊行,東京大学出版会,東京,vi+292 pp.,本体価格7,000円,ISBN:978-4-13-076028-7 → 目次版元ページ).ニカメイガの研究を通してみる日本の応用昆虫学史.個体群動態,IPM(総合的害虫管理),昆虫生理などが主要テーマ.「螟虫」と呼ばれ,稲の大害虫としておそれられた時代がかつてあった.

◆新刊着便 —— 垂水雄二『悩ましい翻訳語:科学用語の由来と誤訳』(2009年11月25日刊行,八坂書房,東京,208 pp.,本体価格1,900円,ISBN:978-4-89694-946-9 → 目次版元ページ).進化学・生態学を中心に生物学の「訳語」について論じた本.bk1に注文したらその日のうちに届いてしまった.読むのが楽しみです.同時にコワいです…….翻訳書を出した経験のある人だったら,訳語の選択はもとより,ことばを「移し替える」ことのたいへんさは身にしみてわかっているにちがいない.要するに,翻訳はコワいんですよ.一冊出したら向こう数年間は静かにお休みしていたい.だから,翻訳家として身を立てている人は無条件でエラい!

◆午後のこまごま —— すっかり遅れてしまった横浜国大の成績報告を返送した./来年度の首都大学東京の非常勤講師人事書類を提出した.毎年講義に行っているのに飽くことなく毎年履歴書とか業績報告を出させるというムダな作業はぜひ仕分けしてね〜.

◆本日の総歩数=8697歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=85.9kg(0.0kg)/27.4%(+1.1%).


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