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日録2009年6月 


30 juni 2009(火) ※ 梅雨寒の月末は切迫する講演要旨を

◆午前4時起床.雨.東風が涼しく気温は19.9度.梅雨寒ですな.

◆月末の追い込まれ —— 月末だからといって特段の感慨はないのだが,いつも諸事に追われていると,「何だかわかんないけど,来月には持ち越したくない」などと柄にもないことを考えてしまい,さらに自分自身を“窮鼠”に変身させることになってしまう.もちろん今月も積み残し残務はたくさんあって,物理的に消化しきれないものはそのまま放置することになるだろう.しかし,強制的に締切がセットされている用事は自分の都合をごり押しするわけにはいかないので,呪いの言葉を吐きつつも作業するしかない.で,本日の呪わしい締切は日本進化学会第11回大会の講演要旨登録.「午後5時」という厳格な締切があってどうにも逃げられないので,書きます.ハイ,書きますって.

◆午前10時半.霧雨が降り続く.気温は20.0度.その後,昼頃になって空がしだいに明るくなり,雨はやんだ.曇り空.

◆窮すれば通ず(ほんまですかぁ?) —— 進化学会大会の講演要旨のひとつは午後1時半に書き上げた:

WS6〈ダーウィン進化論と科学史の現在〉
オーガナイザー:田中泉吏(学振|慶應義塾大学)・三中信宏(農環研/東大)
演者・演題:

  1. 三中信宏:進化しつづける「樹」−ダーウィン以前,ダーウィン以降
  2. 横山輝雄:ダーウィン革命の三段階
  3. 瀬戸口明久:モース神話を問い直す
  4. 田中泉吏:歴史と哲学を通じて見たダーウィン進化論

【演者】三中信宏(農業環境技術研究所/東京大学大学院農学生命科学研究科)
【演題】進化しつづける「樹」−ダーウィン以前,ダーウィン以降
【要旨】チャールズ・ダーウィンの功績により,まず第一に生物進化という歴史過程が科学的研究の対象であることが指摘され,第二に生物の進化プロセスを説明する上で自然淘汰論が有効な因果理論であることが示された−これを立証した点で確かにダーウィンは「世界を変えた」というのはけっして誇張ではないだろう.その一方,19世紀のヴィクトリア朝イングランドに生きたダーウィンは,同時代の科学者や著作や文化から,さらに言えば過去から受け継がれてきたさまざまな知的伝統の影響を受けつつ自らの思想を形成していったにちがいないだろう.とすると,もっぱら彼に帰せられるかもしれない「進化的思考」の出自を論じるときは,ダーウィンを含むもっと広い範囲にまで視野を広げる必要があるのではないか.つまり,広い意味での進化的思考のルーツは,ダーウィンよりももっと古い時代と文化の中を探るべきではないだろうか.生物などの自然物だけでなく概念や理論など文化的構築物まで含む広い意味でのオブジェクトの「進化」が「系譜」という形式で表現されてきたことを知るとき,われわれはダーウィンとダーウィニズムが埋め込まれてきた系譜学的知的伝統を再確認することになる.

1時間後の午後2時半には,もう一つの講演要旨も完成した:

WS7〈生物学の哲学の現在:哲学と進化学の接点を探る〉
オーガナイザー:中尾央(学振|京大)・三中信宏(農環研/東大)
演者・演題:

  1. 三中信宏:グローバルな科学哲学からローカルな生物学哲学へ
  2. 中尾央:生物多様性に関する哲学的考察
  3. 石田知子:[未詳]
  4. Pierre-Alain Braillard:The Promises of Integrating Evolutionary and Systems Biology

【演者】三中信宏(農業環境技術研究所/東京大学大学院農学生命科学研究科)
【演題】グローバルな科学哲学からローカルな生物学哲学へ
【要旨】前世紀の進化学におけるひとつの頂点は1930〜40年代に進行した「現代的総合」だった.この歴史的事件は,単に生物学の諸分野を「進化(=ネオ・ダーウィニズム)」の名のもとに統一しただけではなく,現代進化生物学の哲学的基盤をどのように構築するかという問題にも光を当てた.グローバルな「科学哲学」が科学者たちによって注目されたのは二十世紀前半の早い段階だった.その頃の科学哲学を支えていたのは,前世紀初頭に始まる論理実証主義に基づく科学方法論であり,それは「統一科学運動」というもっと大きな動きとも関係していた.一方,進化学や体系学はもともと歴史科学としての性格を帯びていて,その後の科学哲学が念頭に置いていた物理学・化学のような自然科学の範疇にはおさまらない.「現代的総合」の構築者のひとりであるErnst Mayrは現在にまで続くローカルな「生物学哲学」の創始者(人脈的にも学問的にも)だった.「現代的総合」というイベントを動かした当事者であるMayrは,現代進化学のよりどころとしての生物学哲学をつくり,さらに進化学の現代史をも叙述するという一人何役もの変わり身を実践してきた.本講演ではこの生物学哲学の出自を考察する.

—— いずれのワークショップも他の演者ならびに講演要旨は追って大会サイトで公開されるだろう.これにて要旨登録は滑り込みセーフ.

◆午後のトド撃ちはなお続く —— すっかり忘れていた所内の「キャリアデザインシート」の提出をすませた.日々仕事に追われているのに「五年後」のことを考えよというのもムリな話ではあるのだが.斉一主義的に考えるならば,今のこの状態をそのまま外挿すれば「五年後」になるはず.しかし,体系的な外力がきっとかかるだろうから,その予想ははずれるにちがいない./頼まれ仕事.久しぶりに PAUP* with Ratchet を使って >100 terminals の最節約系統樹を計算した.結果を返信完了./生物多様性と系統進化に関する映像番組に「出演」しませんかとのプロポーザル.とりあえず起案書を送ってもらってから考えましょう.と悠長に構えていたら,先方から連絡があり,7月2日(木)10:00に本郷〈ルオー〉にて担当者と会うことになった.11:00からは同じ場所で NHK Books 井本さんに原稿を渡すことになっているのだが,その「年貢」の進捗がイマイチでして…….

◆午後5時に撤収.曇り.やや湿度が高いのはこの季節だからしかたがない.今日はじたばたして疲れたので,ご褒美のビールなど.そういえば,進化学会大会で札幌に攻め込んだときは,ぜひまた〈麦酒停〉を表敬訪問しないといけないな.ということで,忘れないうちに札幌某所に密書を送信し,根回しを始める.※こういうときだけすばやく動いてしまうのもどーかと…….

◆明日はもう7月.たくさんの積み残しを放置したまま今月も終わろうとしている…….夜遅くなって雨が降り出した.明日は,まずは明後日の集中講義のしたく.そして NHK Books の原稿,さらにメーリングリスト関連の作業と,進化学会大会のことども,etc.…….来月のトド撃ちリストを更新しないといけないな.

◆本日の総歩数=6955歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.8kg(+0.2kg)/25.5%(−0.1%).


29 juni 2009(月) ※ 蒸し暑さ極致の世田谷でベイジアン

◆午前4時起床.雨上がりで雲間から鮮やかな朝焼けが見える.気温19.0度でひんやり涼しい.南風.その後,朝日とともに夏空のもと暑くなってきた.午前9時,26.1度.早くも「夏日ライン」を軽々と突破した.真夏日になるのか.

◆朝のばたばた —— 東京農大のレポート課題をつくりに農環研へ急遽出勤.一時間あまり格闘して午前11時前に課題作成と印刷(ならびにオンライン公開)を完了した.急いで帰宅.

◆蒸し暑さガマン大会の世田谷行き —— 晴れて蒸し暑い正午前,11:55発のTX快速に乗る.経堂に着いたのは午後1時過ぎだった.日射しこそないものの,薄曇りで極度に蒸し暑く不快(温室に入ったような感じ).こういう日は経堂から農大・世田谷キャンパスまでの片道20分歩行が講義そのものよりもつらかったりする.講師控え室にてしばし休息のひととき.

◆農大かもし高座(第11しぼり) —— 不快な昼下がりのベイジアン.MCMCまで一通り説明してから,デモをいくつか.レポート課題を配ったので一安心.提出締切は「7月31日(金)」なのでお忘れなく>受講生諸氏.残る講義はあと2回だけ.次回は系統推定論,最終回は形態測定学,と題目はすでに確定している.

—— 講義後の午後4時過ぎ,腹立たしいほど蒸し暑い農大通りを経堂まで歩く.都内の最高気温は30度の真夏日ラインを越えていたことをあとで知った.

◆往復車中読書 —— Robert J. Richards『The Tragic Sense of Life: Ernst Haeckel and the Struggle over Evolutionary Thought』(2008年5月13日刊行,The University of Chicago Press, Chicago,xx+551 pp. with 8 color plates,ISBN:978-0-226-71214-7 [hbk] → 目次版元ページ著者ページ).Chapter 4「Evolutionary Morphology in the Darwinian Mode」に入る.1860年代はじめにダーウィンと書簡を交わしたヘッケルは“ダーウィニアン”としての自らのスタンスをかためる.1866年の主著『Generelle Morphologie der Organismen』の出版前後のことどもについて.夭逝した妻アンナ・ゼーテの喪失感はちっとも埋まっていない…….※ヘッケル=ダーウィン往復書簡はあとで CCD でチェックしておこう(1864年分).

◆直帰してつくばに着いたのは午後6時過ぎ,夕暮れのつくばセンターは湿気がまだ残っていたが,東寄りの風が吹いて体感的には涼しくなった.宵闇のコロナビールをば.夜になって東風が吹き抜けるようになり,しだいに気温も下がりはじめた.午後11時を過ぎて雨が降り出した.明日からは梅雨空に戻るとの予報だ.

—— 明日締切の進化学会講演要旨ふたつ……(やばっ).

◆本日の総歩数=14021歩[うち「しっかり歩数」3945歩/36分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.6kg(+0.5kg)/25.6%(+0.6%).


28 juni 2009(日) ※ 一転して梅雨空に戻って本降りの雨

◆午前5時起床.曇り.東風が涼しい.昨日の夏空とは大ちがいだ.

◆久しぶりに早朝の歩き読み —— 松本紘宇『中国コメ紀行:すしの故郷と稲の道』(2009年6月5日刊行,現代書館,257 pp.,本体価格2,300円,ISBN:978-4-7684-6994-1 → 版元ページ)の後半150ページを読了.ところどころで「なれ寿司」の話題に戻るが大半は中国旅行記.それはそれでおもしろかったけど.筑波大まで歩き,〈Brotzeit〉でパンを買ってから(火曜に女児誕生とのこと,おめでとうございます),逆コースで帰還する.気温はまだ低いが湿度が高いせいか蒸し暑く感じた.

◆曇り空の午前中のこまごま —— 最新版「R 2.9.1」を CRAN からダウンロードする.ついでにパッケージの更新もすませてしまう.Rを講義や研修に使うためには遅延なくアップデートし続けないといけない./Ernst Haeckel『Anthropogenie oder Entwicklungsgeschichte des Menschen: Gemeinverständliche wissenschaftliche Vorträge über die Grundzüge der menschlichen Keimes- und Stammes-Geschichte』(1874年刊行,Wilhelm Engelmann, Leibzig)の初版が意外に安く出品されていたので,ベルリンの古書店〈Antiquariat Friedrichshagener Bücherwurm〉に発注した.マンハッタンの古書店カタログで初めて「bookworm」という言葉を知ったが,ドイツ語でも「Bücherwurm」と表現するわけね.

◆梅雨空にもどった午後の〈KARAHAKO〉 —— 午後3時過ぎになって本降りの雨になった.まだ梅雨だもんね.〈coffee KARAHAKO〉が今日で一時休業するというのでコーヒーをいただきに.窓の外には雨に濡れる水田地帯が広がっている.午後5時過ぎまでゆっくりさせてもらって,春日の〈Fresson〉経由で帰宅.途中,たがみ酒店にて〈美丈夫・うすにごり〉の最後の一本をゲットした.

◆夜,牛肉とハンバーグを焼いて,〈フォンテーヌの森〉で人気があったという〈美丈夫・うすにごり〉を開栓する.確かに飲みやすい“しゅわしゅわ”なにごり酒で,おそらく万人に好まれる飲み口でしょうね.個人的にはもっとガツンと効いた炭酸系が好きなのですが.そういう向きにはもっとストロングな別銘柄を選びましょう.

◆今週は月末までにケリをつけるべきトドが何頭かいる.まずは進化学会関係の講演要旨提出(すぐ)と高校生ポスター要項(月末)から片付けよう.わ,農大のレポート課題をまだつくっていなかった!(世田谷に明日行くのに)

◆本日の総歩数=9821歩[うち「しっかり歩数」7609歩/65分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.1kg(0.0kg)/25.0%(−0.8%).


27 juni 2009(土) ※ ほぼ猛暑日に週末アウトドアしたい

◆午前6時起床.晴れ.朝から初夏の太陽が照りつけて暑い.今日も真夏日になるのだろうな.と思う間もなく,午前中に早くも真夏日になってしまった…….

◆真夏日の森の中にて —— 昼過ぎに〈ルーラル吉瀬〉の中にある〈フォンテーヌの森〉に届け人と届け物.こういう初夏の日射しの中でアウトドア料理をするというのは魅惑的だ.自分は参加しないので,きりっと冷やした岐阜〈三千盛〉の純米大吟醸「ひなたぼっこ」と高知〈美丈夫〉の純米吟醸「うすにごり」をお供え物として手渡した.おりがらみ&炭酸系の日本酒はアウトドア向きで,肉料理にもよく合うが,アルコールのまわり方が早いので要注意です.

◆レマーネ続き —— Willi Hennig の『Grundzüge einer Theorie der phylogenetischen Systematik』(1950年刊行,Deutscher Zentralverlag,Berlin,vi+370 pp.)は,Adolf Remane の『Die Grundlagen des natürlichen Systems, der vergleichenden Anatomie und der Phylogenetik: Theoretische Morphologie und Systematik I』(1952年刊行,Akademische Verlagsgesellschaft Geest & Portig K.-G., Leipzig, vi+400 pp.)には引用されていない.両書で論じられているテーマ(相同性,系統樹,系統推定,進化法則など)がほぼ重なっていることを考えれば,第二次世界大戦直後の混乱期に出版された Hennig の本があまり流通しなかったという事情を斟酌しても,それはかなり不思議なことだと思う.

Hennig と Remane を比較した考察としては下記の二つの論文が手元にある:

  • Joachim Illies (1967), Zur modernen Systematik: Ein Vergleich der Methoden von Hennig und Remane. Zoologische Beiträge (N. F.), 13: 521-528.
  • Rainer Hengsbach (1973), Zum Verständnis der phylogenetischen Ansichten von Schindewolf, Hennig und Remane. Zoologische Beiträge (N. F.), 19: 315-317.

いずれも Remane の「相同性判定基準/系統推定」と Hennig の「形質進化方向性/姉妹群探索」との関係を論じているが,Illies が両者の方法論的な親近性を強調するのに対して,Hengsbach は Remane が Adolf Naef の観念論的形態学に共感的であることを考えれば,Walter Zimmermann とともに観念論形態学と戦った Hennig とは互いに交わらない「異なる平面(verschiedene Ebenen)」(S. 316)にいると考えるのが妥当だろうと反論する.

◆けっきょくこの日は関東の内陸で今年初の猛暑日になったらしい.

◆夜になって,再び〈フォンテーヌの森〉に向かいピックアップ,そのまま柴崎にある〈麺や武蒼〉にて「ほぐし肉つけめん」をば.上州の地粉うどんのように太い麺がどっさり出てきた.つけ汁は粘度がとても高く〈天下一品〉的な“濃厚液”の様相を呈している.麺を食べ終わったら,茄子型の「焼鉄」で再沸騰させてから,白飯をいれておじやにするのだが,これはそうとう空腹にしてから来店しないと,身動きできないほど満腹するだろう.

◆ううむ,あまり仕事にならない土曜日だった…….

◆本日の総歩数=7807歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=82.1kg(−0.2kg)/25.8%(+0.4%).


26 juni 2009(金) ※ まっとうな真夏日になってしまった

◆午前4時半起床.曇りのち晴れ.気温20.3度.湿り気のある南風が吹いている.朝日がのぼるとともに気温はぐんぐん上昇中.

◆午前のこまごま —— 朝イチで夏に向けてタイヤ交換を含む自動車整備をしてきた./7月分の出張伺・兼業届・年休願をまとめて提出する.大学の講義も前半で終わるので,月の後半は原稿仕事に使える時間が増えるだろう./来週月曜の農大かもし高座(11)の三点セットは準備完了だ./東大・生圏システムの集中講義の支度がまだすんでいない.依頼出張の確認の件も未解決のまま放置中./計量生物学会大会参加費の返金手続きをすませる.計量生物学講演会の新幹線チケットを確保しないと.講演会そのものよりもあわせて実施される評議員会・総会の方が重要だったりする.

◆午前11時,晴れ.気温は29.8度.午後1時半には31.5度となり,あっさり真夏日になってしまった.暑い暑い.

◆午後のこまごま —— 進化学会札幌大会の講演タイトルとアブストラクト.進化学史と生物学哲学でそれぞれちょっとずつトークをするので,二つ用意しないといけないが,まだぜんぜん書けてません,ハイ.今週中にオーガナイザーに送らないとダメなんですけど./農大のレポート課題をひねりだそうとする.なかなかむずかしいな.

◆レマーネ『自然の体系の基礎』初版が届いた —— Adolf Remane『Die Grundlagen des natürlichen Systems, der vergleichenden Anatomie und der Phylogenetik: Theoretische Morphologie und Systematik I』(1952年刊行,Akademische Verlagsgesellschaft Geest & Portig K.-G., Leipzig, vi+400 pp.).正式タイトルは『自然の体系,比較解剖学ならびに系統学の基礎:理論体系学と体系学・第1巻』.1956年出版に出版された本書の第2版の復刻版(Verlag von Otto Koeltz, Koenigstein-Taunus, 1971)はすでに手元にある.たまたま初版本がベルリンの Antiquariat Thomas Haker から出品されていたのでオンライン発注していた.届いた古書は,もともと Zoologisches Institut, Universität des Saarlandes の図書館からの処分本(蔵書番号 Nr. 299).

この初版は400ページあるのに,1956年の改訂版は360ページしかない.目次をざっと比較したかぎりでは,基本構成はまったく変わっていないようだ.ただ,改訂版の方が活字が小さいので,そのせいでページ数が減ったのかもしれない(だから,テキストの可読性は初版の方が高いということだ).なお,前から気になっていたのだが,この本は「第1巻」という位置づけで書かれている.もちろん続刊はないので(ぼくの知るかぎり),著者が他の巻を含めてどんな全体構想をもっていたかは知る由もない.

◆つよい西日が射し込むようになった午後4時半に撤収する.気温は29.8度,晴れて暑い帰り道だった.

◆日中がものすごく暑いと日が暮れてからも疲労感が色濃く漂う.長期熟成ヱビスビールを呑んだらほわ〜っと睡魔がダンシングで,ちょっともうダメかもしれない…….

◆本日の総歩数=7049歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.3kg(−0.1kg)/25.4%(+0.2%).


25 juni 2009(木) ※ 夏日のつくばにてトドの一掃大作戦

◆午前4時20分起床.曇りのち晴れ,気温20.2度.東風が涼しい.今日は農環研にて平日労働する日.

◆朝のこまごま —— 農大かもし(第11しぼり)の三点セットを用意する.ベイズです.あわせて,課題レポートの出題をしないといけないが,それはあとまわし./日本進化学会第11回大会の参加登録をすませる.遠距離なので往復の飛行機代もばかにならないが,メキシコやシンガポールに行くことを考えれば安い(かもしれない).大会参加費・懇親会費・ホテル料金を込みにして一括申込をする.演題と講演要旨は別途オーガナイザーに送る必要がある.あ,高校生ポスターの募集要項も早く大会実行委員会に送らないとか.主役トド一頭の影には数頭の脇役トドがいる…….

◆午前10時前,曇って蒸し暑い.気温は24.9度.今日も夏日か.

◆近刊献本ありがとうございます —— エイドリアン・デズモンド,ジェイムズ・ムーア[矢野真千子・野下祥子訳]『ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ』(2009年6月30日刊行,日本放送出版協会,東京,8 plates + 609 + 77 pp.,ISBN:978-4-14-081381-2 → 目次版元ページ).チャールズ・ダーウィンの人間観の形成には奴隷制に対する個人的反感があったことを示そうとしている.原書は:Adrian Desmond and James Moore『Darwin's Sacred Cause: How a Hatred of Slavery Shaped Darwin's Views on Human Evolution』(2009年1月28日刊行,Houghton Mifflin Harcourt, Boston, xxii+485 pp., ISBN:978-0-547-05526-8 [hbk] → 目次版元ページ).翻訳進行中であることは前にちらっと書いたが,まさかこんなに早く翻訳が出るとは予想していなかった.

◆青空になった午後の微小トド撃ち —— 進化学会新規入会者のアドレス登録が60件近く堆積していたので,一括して登録処理をしたら1時間以上もかかってしまった.その他,放置していたメーリングリスト作業をさらに小一時間ほど.もう午後4時をまわっている.これでやっと受信箱の未処理メールの数が「10」ほどにまで減少した.しかし,これらの微小トド群れを駆逐したあとには,大物トド数頭が並んでいる…….

◆午後2時半の気温は27.9度.夏空が広がって外はとても暑そうだ.午後4時半にさくっと撤収する.

◆思い立ったら「ローストチキン」の夕べ —— たまたま生活クラブの鶏モモ肉ブロック(骨なし)があったので,久しぶりにローストチキンをつくった.今回は,新機軸として「カシス・マスタード風味」にしてみた.

レシピというほどのたいそうな料理ではないが,オーブンの火加減だけ要注意かな:

  1. 解凍した肉を室温にもどし,ビニール袋の中で醤油・味噌・酒・ステーキソース(おろし味)・白ワインにつけてもみこむ.
  2. トレイに取り出して,カシス・マスタードを皮のある側にたっぷり塗る.
  3. オーブンを「200度」に設定し,予熱したあと,皮の反対側から先に15分焼き,裏返して皮のある側をさらに15分焼く.ジャガイモなど付け合わせの根菜類はオーブン皿に並べて肉といっしょに焼く.
  4. 焼きたての熱いうちに食卓へ運んで,さあ召し上がれ!

今回届いた鶏もも肉ブロックは最厚部が3センチほどあったが,焼きすぎてぱさつくこともなく割にジューシーに焼き上がった.反省点としては,下味のつき方がいまひとつ足りなかったので,前夜のうちに下準備して一晩下味を付けた方がよかったかもしれない.

さて,今回の「カシスマスタード風味ローストチキン」は少し甘みがある肉料理だが,どのようなワインが合うだろうか?(やっぱり白ワインですか?) 昨夜はワインがなかったので,鳥取〈諏訪泉〉の「発泡にごり酒」と大阪〈秋鹿〉の「摂州能勢」を合わせてみた.いずれも肉料理にはぴったりの日本酒だった.

—— ローストチキンといえばクリスマス・パーティで出されるような「一羽丸ごと」をつい連想してしまうが,そういうハレの料理とは別に,日常的には骨付きまたは骨なしの鶏もも肉を使うことが多いたろう.オーブンの温度設定は悪くないと思うが,焼く時間をどうするかができ具合を左右するカンどころだろう.

◆今日の労働は「微小トド撃ち」に終始してしまった.明日はもっと大物のトドをしとめないといけない.

◆本日の総歩数=6685歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.4kg(−0.8kg)/25.2%(+0.3%).


24 juni 2009(水) ※ 雨が降る夜明け前に日録まとめ書き

◆午前3時に起きて農環研に向かう.曇りのち雨.気温は最初は22.7度あったが午前5時半は20.2度に下がっていた.東風が涼しい.

◆明け方の日録イッキ書き —— この一週間というもの,原稿書きに追われて心身ともに余裕がまったくなく,日録の更新をずっとしていなかった.2003年に書きはじめて以来,こんなことは一度もなかった.ウェブで日記を書き始める頃から,日々の行動を1枚メモに定型フォーマットで書き留める習慣を身につけてきた.時間順の備忘メモで,どんなに忙しい日でも複数枚にまたがることはしないように心がけてきた.このメモさえあれば,あとになってもその日の行動状況を復元することは難しくない.しかし,一週間も放置したことはなかったので,復元作業をいったん始めると時間がかかってしまって.けっきょく3時間ほどかけてなんとか過去6日分は公開することができた.でも,昨日分がまだ終わっていない.

—— 日記を後日まとめて書いてはいけないという教訓だ.たとえ忙しくても毎日書くことに意義がある.

◆午前6時前にいったん帰宅する.今日は東京へのプチ出張日だ.雨足はしだいに強まり,自宅を出るころには本降りになっていた.9:55発のTX快速で根津へ向かう.地上に出ると梅雨特有の蒸し暑さがまとわりつく.紫陽花が花開く住宅街を通って東大本郷キャンパスへ.正門から本郷通りに抜けていつもの〈ルオー〉に着いたのは午前11時前だった.しばし休憩し,待ち時間に日録の昨日分を書き上げる.これでやっとカレンダーに追いついた.

◆『分類思考の世界』出版打合せ —— 午前11時半に講談社の川治さんが到着した.現代新書から今年出す予定の『分類思考の世界』に関して,出版までのスケジュール調整とこれからの予定についての打合せ.出版予定日は2009年9月20日.これから逆算すると,7月下旬に本文の改訂原稿をすべて渡し,8月にゲラ校正.このときには図版と文献リストなどもそろえることになる.「歯車」がかちかちと動き始めた心地がする.

次いで,内容に関する要改訂箇所の検討.長めの「前口上」は外すことになった(→オンラインで事前に公開してしまいます).本論の各章についても一般読者にとっての読みやすさのための書き直しがいくつか必要だという.とくに,「種概念」のサーヴェイ,「種個物説」の補足説明,いまや“死語”となった「弁証法的唯物論」の説明,「システム論」の加筆,集合論(set / member)とメレオロジー(whole / part)の弁別的解説,プロローグにおける問題設定の明確化,etc.…….他にもいろいろありそう.

掲載図版はアヤシいのをたくさん入れていいそうだ.カバージャケットの「ウラ」側は今回も使わせていただきます.あと,中尾佐助の「分類論」に関する未公開資料からの引用には大阪府立大学総合情報センターの許可が必要だとのこと.

—— そんなこんなで,本文改訂テキストの提出日は「7月21日(火)」と決まった./久しぶりに〈ルオー〉の「セイロン風カレーライス」をいただきました.いつもながら美味.

◆雨が止んで蒸し暑い曇り空の本郷通りを上がって弥生キャンパスへ.午後1時から専攻教員会議が午後3時半まで.今の隠れ部屋はそのうち取り壊されてもっとちゃんとした部屋が割り振られる予定とのこと.

◆会議が終わって外に出てみたら,天気はすっかり回復し青空が広がっていた.しかし,この暑さは何とかならないか.もちろん夏日だろう.今日は何も他に予定がないので,つくばに直帰.午後5時過ぎにつくばセンターの地上に出た.夕方なのにまだ暑いぞ.

◆往復車中読書 —— 辻惟雄(監修)『幽霊名画集:全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション 』(2008年8月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫],ISBN:978-4-480-09166-6 → 版元ページ目次).十年あまりも千駄木に住んでいたのに全生庵の幽霊画の展示(「虫干し」)にまったく行かなかったのは今にして思えば悔やまれる.しかし,8月のお盆の頃のイベントだから機会がなかったのだろう.美女の幽霊はことのほかコワいな.

◆明日から二日間は久しぶりの本務地勤めなので,トド撃ちに励まないといけない.

◆本日の総歩数=14702歩[うち「しっかり歩数」5753歩/55分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=81.9kg(0.0kg)/24.9%(−1.2%).


23 juni 2009(火) ※ 蒸し暑い真夏日にはさなぶりの祭事

◆午前5時半起床.昨夜のハメツ的な所行の影響がまだ残っている……(白酒を過度に摂取してはいけない).曇りときどき小雨.昨日以上に不快な蒸し暑さの予感が朝からする.

◆朝のこまごま —— 次年度の農環研分会執行委員の選出の件でちょいと.そろそろ組合の役員がまわってくる年数ではあるのだが(前回は15年前),いまの状態で引き受けられますか?

◆午前10時,雨はあがり曇りからしだいに空が明るくなってきた.気温26.2度の夏日はいいとして,湿度が「90.4%」とは!

◆古書発注完了 —— Sebastiano Timpanaro[Edited and Translated by Glenn W. Most ]『The Genesis of Lachmann's Method』(2006年2月刊行, The University of Chicago Press, Chicago, ISBN:9780226804057 → 版元ページGoogle Book Search).何年も前にこの英訳が出ていたとは.うっかり見落としてしまった.比較文献学における「分岐学的方法」の先駆者としての Karl Lachmann の名前を耳にするとき,著者 Sebastiano Timpanaro のイタリア語原書『La genesi del metodo di Lachmann』(初版1963年刊行,Le Monnier, Firenze)が必ず引用されていた.ぼくが大学院生だったころに図書館で調べたところ,東大文学部の西洋古典学の研究室にドイツ語訳:『Die Entstehung der Lachmannschen Methode, Zweite Auflage』(1971年刊行,Helmut Buske Verlag, Hamburg)が所蔵されていたので,初めて薄暗い文学部の建物に足を踏み入れ,さらにほの暗い研究室で原典購読セミナーをしている中,その訳本を借りた記憶がある.

◆昼前には晴れわたる初夏の青空がやっともどってきた —— 今日の昼休みには毎年恒例の〈さなぶり〉が業務棟であった.五穀豊穣を祈願する田植えの儀式.そして昼食会.アルコール抜きで炭水化物を大量に摂取してしまった.気温は上昇して29.1度に.しかも湿度は高いまま.幸い,午後には所内の空調が運転を始めたので,外はこんな真夏日でもやっと生き返ることができた.

◆午後のこまごま —— まずは原稿執筆スクランブルで放置してしまった数々のトドたちの再確認と射撃計画の練り直し.何頭かは討ち果せないままどこかに逃げてしまった.思いつくまま備忘メモ:進化学会の高校生ポスター募集のアナウンスを早急に.昨年の段取りをチェックしないと.東京農大の三点セットとともに課題レポートの出題準備.NHK Books の原稿.進化学会の参加登録とか要旨の準備も月末までに.出張届けの書き直しもあったな.東大の集中講義の依頼出張も確認しないと. ※こうやって書き留めないとするするとこぼれ落ちてしまう./6月30日(火)の夕方,東大での専攻交流会のアナウンス.ソフトボール大会の打ち上げということで.おそらく欠席でしょう.

◆午後5時に撤収する.晴れて蒸し暑さがまだ覆っている.夜はコロナ・ビールをぐいっと呑んで,さらに〈諏訪泉〉のにごり酒まで.連日呑んでるじゃないか!

「原稿が書けない私のために(暫定メモ)」 —— さまざまな理由で原稿が書けなくなってしまうことがある.慢性的な体調不良とか急性的な視力低下という医学的な原因はここでは考えない.心身的には大きな問題はないのに,文章が書けなくなるという事態は一般に「スランプ」と呼ばれているが,どのようにしてそれを乗り越えればいいかが当事者にとっての喫緊の問題である.

書けなくなってしまった自分にとって手段を選ぶ精神的余裕はもはやない.場合によっては矢のような督促や加圧がやってくることもあるからからだ.それと同時に,締切まで逆算して遅れないようにこつこつ書き上げるというような“優等生的解決策”を個人的には拒否する.もちろんそれは悪いことではない.ぼく自身そのように書いてきたためしがないから実感がまるで湧かないというだけの理由だ.

溺れる者がつかまれそうな「藁」を思いつくままに挙げてみた:

  1. アタマとシッポを先に —— つまり「タイトル」と「文献リスト」をつくってしまうというやり方だ.タイトルは課題でも何でもかまわない.そのタイトルのもとで連想される参考文献(引用文献である必要はない)のリストをどんどんつくってしまう.思いつくままに挙げていくだけなので,頭を使うことはない.ある程度リストが整備されたら,その土俵の中で何が議論できるかをイメージしてみる.思い浮かばなければ,タイトルを修正し,もう一回サイクルをまわす.最適値に近づいたときには書くべき文章が形をなしているはずだ.※過去,このやり方で窮地を乗り越えた経験が何度かある.
  2. 人工降雪 —— 調子が出ないとき,何もないところから書き始めるのはなかなかつらい.過去に関連する文章を書いたことがあるならば,その文章をそっくりそのままペーストしてしまう(「そっくりそのまま」という機械的コピーがミソ).ペーストした文章を「核」にして,新しい文章をどんどん書き進めていく.最終的には「核」をそっくり置換してしまえばいい.※これも節単位あるいはトピックス単位でときどき使う手である.
  3. パッチワーク —— まとまった文章でなくても,私信やMLへの投稿などちょっとした短文やパッセージを書いたとき,いつでも検索できるようにしておく.執筆が行き詰まったとき,それらをまとめてブラウズしてみると手がかりが見つかることがある.※自分が書いた文章が最大の味方になるということ.
  4. 紙魚になる —— 関係しそうな本を書棚から出してずらっと並べてみる.あるいは過去の書評記事(自分が書いたもの)を眺めてみる.※読んでコメントをしたはずなのに忘れている本がいかに多いことか.
  5. 逃避場所 —— 図書室の地下の片隅など誰も来ないような場所に避難してみる.あるいは逆に喫茶店で雑音や会話に身を任せてみる.※要するに「ワタシにかまわないで」という条件が満たされる場所ほどいい.

◆本日の総歩数=14702歩[うち「しっかり歩数」5753歩/55分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=81.9kg(0.0kg)/24.9%(−1.2%).


22 juni 2009(月) ※ 徹夜明けに原稿を送って犬鍋の夕べ

◆前夜からそのまま農環研に立てこもっている.心理的にこれだけ追いつめられると現世からは離脱しているも同然.幸い,今頃になって「文章の神様」が降臨してくれたおかげで,午前4時過ぎに原稿は完成した.400字詰にして50枚あまり,テキストファイルで44KBほど.執筆者メーリングリストに原稿を送信して,やっと解放された.

ここ数日,うんうんうなっていたのは,この原稿:

三中信宏「系譜学的思考の起源と展開:系統樹の図像学と形而上学」,所収:松本俊吉(編)『生物学の哲学における論理と倫理』(2009年刊行予定,勁草書房)

ぼくの原稿の節構成は以下の通り:

 1.はじめに:分類科学と古因科学
 2.分類思考:形而上学的パターン認知
 3.系統樹思考:アブダクションによる推論
 4.ふたつの思考法:メタファーとメトニミーのはざまで
 5.おわりに:系統樹の図像学と形而上学
 引用文献

◆やっとケリがついたので,午前5時過ぎに帰宅する.スプレーを吹き付けるような霧雨が降り続く.気温は20.2度.

◆朝のこまごま —— 帰宅後1時間ほど仮眠する.午前8時から1時間ほど,計量生物学会の企画理事による電話会議.7月9日(木)に京大で開催される計量生物講演会の段取り,9月初めの統計関連学会のこと,計量生物特別セッションとチュートリアルの実施時期について,などなど.

◆本郷を経由して経堂へ —— 午前9:55発のTX快速に乗る.雨のち曇り.午前11時に東大農学部に入る.曇って蒸し暑いことこの上ない.寝不足でこの天気じゃからだがもちません.パソコンなど機材一式をもって再び弥生坂を下り,今度は経堂へ.小雨がぽつぽつと降り始めた.東京農大の世田谷キャンパスにたどり着くと本降りに.今日の農大かもし高座(第十しぼり)は計算機統計学について,ブーツストラップとジャックナイフによるリサンプリング手法の解説とRによるデモンストレーション.スクリプトをあらかじめ用意しておいたのでよかった.午後4時に講義終了.

◆池袋の「犬鍋ナイト」は更けていく —— まだぽつぽつと小雨が降ってはいるが,傘を広げるまでもない.蒸し暑い中を経堂まで戻り,新宿に出て,さらに池袋へ.まずはメトロポリタン側の一角にある〈カムデン・タウン〉にてまずはビールを.五臓六腑に染み渡るという表現は誇張ではない.

午後7時前に池袋北口のチャイナタウンにある〈金王府〉へ場所を移す.ここが今夜の目的地だ.最初の予定では人数がもう少し多いはずだったのだが,参加予定者が梅雨時の体調不良で次々にドタキャンするという不測の事態になってしまった.しかし,それにめげてはいけない.三人でもやるときはやるんだ.

本日のメイン料理は「狗肉火鍋」,つまり犬肉の鍋物.この店には何度か来ているが,犬鍋を注文するのは初めてだった.犬肉はスジがあるので,炒めたりするよりも,煮た方がいいだろうと予想はしていたが,それは当たっていた.唐辛子ペースの辛みのあるだし汁でいただいたが,なかなかいい味わいだった.薬味としてさらに辛味噌がついてきたが,ものすごく辛かった.

飲み物はもちろん白酒で,最初は「金六福(38度)」を,次いで「二鍋頭(56度)」を注文した.蒸留酒をストレートで呑みまくるというのは実にハメツ的な飲み方だった.午後11時前に店を出て,池袋から乗る.午前1時に帰り着いた.

—— とても忙しい1日がやっと終わった.明日からはシズカな生活に戻りたいものだ.

◆本日の総歩数=14702歩[うち「しっかり歩数」5753歩/55分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=81.9kg(0.0kg)/24.9%(−1.2%).


21 juni 2009(日) ※ 雨が降りしきる夏至に原稿も湿って

◆午前4時起床.雨降る夏至の朝.気温は高く,湿った南風が吹いて,そこらじゅうがじとじとしている.午前はときどきスコールのようにざーっと降ったり,また止んだり.午後になって雨は小止みに.しかし,蒸し暑さは続く.気温が下がりはじめたのは夕暮れになってから.

◆現実逃避クッキング —— 新鮮な夏野菜がたくさんあったので,夕刻,今年初めての「ラタトゥイユ」づくりに逃げ込んでしまう.それだけではまだ逃げ方が足りなかったので,さらに牛丼までつくったりして.

—— 要するに,原稿がぜんぜん書けないので逃げ回っているのですよ…….原稿締切まであと“マイナス2日”しかないのに.ほんとうに困ったな.

◆最後の決戦へ —— 午後8時半に農環研に向かう.これで書けなかったらオシマイですわ…….小雨が降り続き,気温は23.2度.夜になっても蒸し暑さは変わらない.

◆本日の総歩数=4631歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.計測値(前回比)=81.9kg(−0.8kg)/26.1%(+0.1%).


20 juni 2009(土) ※ ほぼ煮詰まった週末も深夜出勤する

◆午前零時からキーボードに向かいはしたものの,ときどき意識がなくなること数回.これでは話にならないので,丑三つ時にすごすごと撤収することにした.いったい何をしているんだか…….締切は昨日だったのだが,原稿が書けないときは徹底的に書けないというひとつの事例だ.

◆午前6時に起床.曇りのち晴れ.東風が吹き抜けて涼しい.しかし,その後は蒸し暑くなる.午後も晴れ.風が生温い.夕方,ムクドリ軍団がペデストリアンの街路樹めがけて舞い降りてきた.今年もそういう季節になったか.

◆それにしても書けない書けない…….

◆現実逃避的読書 —— 辻惟雄(監修)『幽霊名画集:全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション 』(2008年8月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫],ISBN:978-4-480-09166-6 → 版元ページ目次).谷中の全生庵は「幽霊画」で有名な寺だが,そこのコレクションのカラー画集.楽しいな.

◆夜,南風に変わる.原稿はまったくはかどらない.この追いつめられ方は久しぶりのプレッシャーだ.「生まれてすみません」状態になってきた…….

◆本日の総歩数=5443歩[うち「しっかり歩数」1049歩/10分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.計測値(前回比)=82.7kg(0.0kg)/26.0%(+0.8%).


19 juni 2009(金) ※ 二日酔いの日は原稿執筆が捗らない

◆午前6時起床.アタマがいたた…….霧が立ちこめて涼しい.その後も曇り空.気温は18.8度.

◆午前のこまごま —— 10:15から第四部会の会議が12:30まで続いた.午後になって青空が広がり,気温上昇.21.6度に.午後2時半にはさらに上がって22.9度.

◆朝日新聞科学部に再度連絡.折り返し来週掲載される新聞記事へのコメント文面が送られてきてチェックをする.再返信.コメントを依頼されたのは本日出た論文とその解説記事:

  • Kevin Liu, Sindhu Raghavan, Serita Nelesen, C. Randal Linder, and Tandy Warnow 2009. Rapid and accurate large-scale coestimation of sequence alignments and phylogenetic trees. Science (19 June 2009), 324: 1561-1564. DOI: 10.1126/science.1171243 → abstract
  • Ari Löytynoja and Nick Goldman 2009. [Perspectives] Uniting alignments and trees. Science (19 June 2009), 324: 1528-1529. DOI: 10.1126/science.1175949 → abstract

アラインメントと系統推定を「同時」に行なうというやり方は,たとえば〈POY〉のようなソフトウェアにみられる.今回の論文では,いったんアラインメントされた配列から最尤系統推定したのち,いったん切断して再アラインメントして合体しもういちど系統推定するという手順を反復実施している.ここで用いられている「分割統治法(divide-and-conquer strategy)」がポイントで,1000以上の端点をもつ大規模データセットでもリーズナブルな計算時間におさまると著者たちは主張する.

◆午後のこまごま —— 進化学会評議員会は8月17日(月)13:00〜16:00,場所は東工大(大岡山)にて./計量生物学会特別セッションは11月28日(土),場所は京都大学キャンパスプラザにて.

◆午後5時にいったん撤収する.3時間ほど寝て,午後11時半に再出勤.日が変わるころから原稿書きを再開する.

◆本日の総歩数=6430歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=82.7kg(+0.4kg)/25.2%(−0.3%).


18 juni 2009(木) ※ 本郷で講義してビールから日本酒へ

◆前夜からそのまま研究室に立てこもっている.丑三つ時あたりにちょっと寝て,また活動再開して原稿を書く.そういえばここのところ日録をぜんぜん書いていないので,更新が滞っている.午前5時半,曇り,気温17.2度.その後もまた原稿書きの続きを.

◆10時55発のTX快速に乗って東大へ.曇って蒸し暑い.正午前に根津に到着,今にも雨が降りそうな気配.蒸し暑さが増している.弥生坂を上がって隠れ部屋へ直行,しばし休憩する.朝日新聞科学部からのコメント依頼に対して論文pdfを読んでからメールでのやりとりをする.

◆東大での「保全生態学特論」の第2回目 —— 雨がぽつぽつ降り始めた午後1時から講義開始.今日は系統推定論だが,関連する統計学の話も半分くらい盛り込む.午後4時半まで.お疲れさまでした.一週空けて,次回(最終回)は7月2日(木)午後です.

◆着便本 —— Sebastiano Timpanaro[Translated by Kate Soper]『The Freudian Slip: Psychoanalysis and Textual Criticism』(1976年刊行,NLB, London, 236 pp., ISBN:902308-76-9 [hbk]).フロイトの精神分析と文献学の本文批判との深い関係を論じた著作.イタリア語原書『Il Lapsus Freudiano』は1974年に刊行されている.Carlo Ginzburg の論文で初めてこの本の存在を知った.フロイトの精神分析は古典文献学の方法論の延長線上にあるという論考らしい(ギンズブルグはそう書いていた).

◆アルコールに誘引されて夜の巷へと消えていく —— 講義中はしとしと降っていたが,外に出てみたら雨はすでに上がっていた.午後5時過ぎにまずはレーベンブロイで,ついでアサヒの季節限定ビール「琥珀の時間」をば.ミートパイとかキャベツの重ね焼きをちょいちょいつまむ.出された日本酒は,石川の「宗玄・純米吟醸」,香川の「悦凱陣・オオセト」,大阪の「秋鹿・へのへのもへじ」,静岡の「開運・純米吟醸」,鳥取の「諏訪泉・満天星」.たくさん呑んで食べて,ぼくは最終のTXに乗ってつくばへ.連日連夜の寝不足とアルコールでかなりこたえた1日だった.

◆本日の総歩数=14986歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=82.3kg(−0.4kg)/25.5%(−0.5%).


17 juni 2009(水) ※ 深夜から深夜へつながる物書き仕事

◆午前3時起床.雨上がりの雲間から星空が見える.農環研に直行する.夏至も近いこの時期,東の空はすでにうっすらと明るくなってきた.気温17.3度で涼しい.

◆未明のこまごま —— 進化学会の評議員会は札幌大会ではなく,8月中に東工大(来年度の大会会場)で行なうことになった.日程調整中./ろうきん窓口に行くこと./東大の集中講義(木曜)で配布する別刷とハンドアウトの用意をすませる./

◆明るくなってからは晴れたり曇ったりの空模様が続く.午前11時半の気温は22.4度.やや蒸し暑い.

◆原稿を書き続けるも進捗はよろしくない.どうして今回は書き進められないのか…….関係する本や資料を並べてみるも効果なし.

◆文庫新刊 —— ホルヘ・ルイス・ボルヘス[鼓直訳]『創造者』(2009年6月16日刊行,岩波書店[岩波文庫32-792-2],ISBN:978-4-00-327922-9 → 版元ページ).

◆昼間のこまごま —— 事務から連絡.インフルエンザ騒動で取りやめになった計量生物学会の出張取消の日付がまちがっているので「5月19日付」で再提出するようにとのこと.覚えていたらそのうち出します.忘れたらごめんなさい./京大からの連携併任教授の辞令が届く.今年もまた真夏に行くことになるんでしょうか?(でもって呑んだくれる?)/秋から始まる駒場の生物統計学に関する事務連絡./すでに始まっている東大農学部の集中講義に関して,農環研に依頼出張の文書が届いていないとの連絡あり.農学部教務に問い合わせる.

◆原稿進まず…….午後4時,いったん切り上げて撤収することにした.午後10時に再び夜道を出勤する.曇り,気温は17.9度.原稿書きの夜なべ仕事はなお続く.

◆本日の総歩数=12164歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=82.7kg(−0.2kg)/26.0%(−0.1%).


16 juni 2009(火) ※ ちぎり取られた時間が雷雨で洗われ

◆午前4時半起床.雨上がりの曇り空.その後,晴れたり曇ったりする.

◆朝の電話会議 —— 午後8時ちょうどに,京都大学の指定されたインターネット電話にダイヤルする.計量生物学会の企画担当理事による電話会議.全国に散らばる役員のリアルタイム会議としてはいいやり方かもしれない(受話器をもつ手が疲れるが).議題は,来月の計量生物講演会,統計関連学会大会,計量生物セミナー,チュートリアル,特別セッションなど.1時間ちょうどの会議で午前9時に終わる.次回は6月22日(月)9:00〜.

◆午前のこまごま —— 来週の農大かもし高座(第十しぼり)の三点セットを用意する./次回の東大農学部集中講義の配布資料づくりもすませる./海游舎から電話あり.カマジン本は順調に売れているらしい./7月3日(金)の所内R講習会のシラバスを連絡する.次回はRとRコマンダーを用いた分散分析の講義です./勁草書房の論文執筆に関する“加圧”電話あり.遅れまくり申し訳ありませんでした.金曜までに書くということで,よろしくお願いいたします./郵便局と銀行での用事はすみました.

◆アマゾンから本が届く —— Ziheng Yang著[藤博幸・加藤和貴・大安裕美訳]『分子系統学への統計的アプローチ:計算分子進化学』(2009年3月30日刊行,共立出版,東京,x + 346 pp.,本体価格5,800円,ISBN:978-4-320-05677-0 → 版元ページ).原著:Ziheng Yang『Computational Molecular Evolution』(2006年12月刊行,Oxford University Press[Oxford Series in Ecology and Evolution], ISBN:0-19-856699-9 [hbk] / ISBN:0-19-856702-2 [pbk] → 目次)を読んでいたので,訳本を買うのを失念していた.ベイズ系統推定についてはこの本で勉強しましょう.

舟尾暢男『R Commander ハンドブック』(2008年12月15日刊行,オーム社, x + 265 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-274-06745-7[CD-ROM付き]→ 版元ページ).倒産してしまった旧・九天社の同名の本:『R Commander ハンドブック』(2007年8月13日刊行,九天社, ISBN:978-4-86167-191-3[CD-ROM付き] → 目次)の再刊.すでに旧版をもっていたので,つい買いそびれてしまった…….Rコマンダーの講義テキストとして最適だろうと思う.これから買う人のために新版ももっていないと困るので,この機会にゲット.

青木繁伸『Rによる統計解析』(2009年4月15日刊行,オーム社,x + 322 pp., 本体価格3,800円,ISBN:978-4-274-06757-0 → 版元ページ).以前,青木さんのサイトで公開されていた『Rによるデータ解析』の書籍版(だと思う).同じ出版社から出ているR入門書:山田剛史・杉澤武俊・村井潤一郎『Rによるやさしい統計学』(2008年1月17日刊行,オーム社,xvi+404 pp.,本体価格2,835円,ISBN:978-4-274-06710-5 → 版元ページ目次)よりはやや難しいかなという入門テキスト.表紙の図柄が好きです.

◆ついでにR関連備忘メモ —— 間瀬茂『R 基本統計関数マニュアル』(オンライン公開 → 間瀬研究室CRAN[pdf: 3MB]).Rの各関数に附属する「オンラインヘルプ」の翻訳と解説.日常的に役に立つだろう.pdfで「404ページ」もある!

—— 東京農大の生物統計学の受講生からは「Rの本がたくさんありすぎて困る」というコメントをもらっている.数年前には考えられなかった出版状況だ.これからRを勉強する人は参考書を選ぶガイドがむしろ必要になるだろう.次回の講義までに「R本リスト」をつくろう(時間があれば……).

◆午後のサボタージュと引き蘢り —— 曇って蒸し暑い午後は所内清掃活動の当番が領域にまわってきたのだが,諸般のやむを得ない“加圧”事情により,あっさりサボらせてもらって,原稿執筆に向かう.

◆夕方のこまごま —— 音羽から電話あり.某現代新書のオビに使いたいとのことで,早田文蔵の「高次元ネットワーク」の画像ファイルを送る.そのついでに,『分類思考の世界』の出版打合せを6月24日(水)11:30に本郷〈ルオー〉にて./朝日新聞科学部からアメリカで新しく開発された大規模系統推定ソフトウェアに関する問合せ取材あり.資料をメールで送るとのこと.

◆午後6時過ぎに撤収.帰り道にぽつりぽつりと雨が降り出していたが,そのうちまたもや雷雨になってざあざあとスコールのごとく降りしきる.このところトロピカルな空模様が連日続いている.

—— 原稿を書きに深夜出勤するはずが気がついたら寝てしまったようだった.不覚…….

◆本日の総歩数=10415歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.9kg(0.0kg)/26.1%(0.0%).


15 juni 2009(月) ※ 世田谷で高座,帰ってきたら雷雨が

◆午前4時起床.雨上がりの曇り空.気温17.3度.

◆午前は農大の高座のしたく.そして,買い忘れていたR本をオンライン発注.

◆11:55発のTX快速に乗る.経堂に着いたのは午後1時半.曇って蒸し暑い.農大かもし高座(第九しぼり).今日は一般化線形モデルの実例が前半の話題.後半は多変量解析について,クラスター分析と主成分分析を挙げながら.経堂への帰り道は湿度が高くて蒸し暑かった.

◆夜の雷雨ふたたび —— 午後6時過ぎにつくばセンターの地上に出たら雨がぽつぽつ降り出していた.しだいに強まって,ほどなく本降りになった.かなたから遠雷が轟く.夜遅くまでざあざあと降ったり止んだり.気温は低くなり,東風が強い.

◆夕食は初鰹.刺身とたたきでいただきました.鰹の味に負けないとなると,大阪の〈秋鹿〉でしょう.純米吟醸「摂州能勢」を開栓した.買ってきてからそのまま冷蔵庫に入れてあったが,常温の方がよかったかもしれない.

◆本日の総歩数=10701歩[うち「しっかり歩数」3198歩/30分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.9kg(+0.4kg)/26.1%(+0.8%).


14 juni 2009(日) ※ 雷鳴と稲妻,雨と雹,肉を焼く夕べ

◆午前4時半起床.曇り,東寄りの風が吹き抜けて涼しい.午前6時過ぎに農環研に侵入してごそごそと資料漁りをする.午前8時の気温は19.8度.しだいに晴れて,朝日が射してきた.日なたは暑いが,木陰は快適.午前9時前にいったん帰宅.

◆勁草書房の論文書きの続き —— そろそろケリをつけないことには全体の進捗に影響してしまう(というか,もうしているけど……).系統樹思考 vs. 分類思考sensu Robert J. O'Hara (1988)/classification vs. systematization sensu Graham C. D. Griffiths (1974)/“Gruppierungswissenschaften” sensu Walter Zimmermann (1931)/“palaetiology” sensu William Whewell と“historiographic sciences”sensu Aviezer Tucker (2004)/「徴候解読型パラダイム」(Carlo Ginzburg)/メタファーとメトニミーsensu カルロ・ギンズブルグ,パトリック・トール/メレオロジーsensu J. H. Woodger, Nelson Goodman —— キーワードと秘匿暗号の嵐.

◆昼前は雲は多いものの天気がよかったので,自転車を転がして二の宮の〈りっつん〉でランチをば.久しぶりにここに来た気がする.そのうち予定しているカレーづくりのために乾燥レンズ豆を買った.豆のカレーの方が肉のカレーよりも美味だと思う.

◆雷雲急接近,短時間豪雨で道路は水没し,雹の落下音が反響する —— 午後になって雲行きが怪しくなってきた.午後3時過ぎ雷鳴と稲妻,そしていきなり視界ゼロの激しい雷雨が降り出したと思ったら,雹も混じっていてカンカンと衝突音が響く.しかし,ものの三十分もしないうちに小止みになった.瞬間芸のような天気の急変ぶりだ.

◆機会を逃さず買い出しに出る.今日はローストビーフを予定しているので,まずは〈ハナマサ〉にて牛肉の1.5kg塊をゲットした.その後,千現の〈千年一日珈琲焙煎所〉にて持ち帰りのコーヒー豆を買う.この店はブックカフェとしても営業しているが,本棚を見ていたらたまたま『系統樹思考の世界』が置かれていたので(前は気がつかなかった),自著サインをさせてもらった(ありがとうございます).その後,竹園の〈たがみ酒店〉にて,鳥取〈諏訪酒造〉の特別純米「諏訪泉・蔵出しにごり酒」(生原酒)の最後の一本をゲット.ロースト肉には炭酸の効いたにごり酒が合うと思う.

◆夕方のにわか料理人 —— 買ってきた肉塊を四つに切り分けて,塩こしょうし,たこ糸でしばる.ローストビーフの調理法そのものは定石通りで変わらない.焼き上がりは細いのはややミディアムだったが,太めのはもう少しレアに近かった.焼いたうちの半分は冷凍保存して,後日にまわそう.あら熱がとれたところでスライスして食卓へ.1.5kgでもたった1,500円だから,できあいを買ってくるよりもはるかに安い.

氷温室に安置しておいた「諏訪泉」を注意深く開栓する.いわゆる“ガス抜き栓”ではないので,いっぺんに開栓すると炭酸ガスの圧力でどわっと吹き出す.栓を緩めたり締めたりを繰り返して注意深く開ける.サイダー並みに炭酸が効いたにごり酒で,アルコール度数は18〜19度もあるので,いい気になってぐいっと呑むとあぶない.うん,美味ですな.

◆夜の落雷 —— 夕方の雷雲が去って安心していたら,午後6時過ぎにまたもや雷鳴が轟き,今度は近くに落雷が頻発.つくばは平地なのでどこに落ちるかまったく予想できない.走行中の自動車に落雷したという体験談も聞く.雨も降り出してまたまた不安定な空模様に.

◆夜の発注 —— ここのところオンラインで本を注文していなかったので,久しぶりに2冊ばかり:

  • Leon Croizat (1981), El Océano Pacífico en la prehistoria de las Américas.
  • Adolf Remane (1952), Die Grundlagen des natürlichen Systems, der vergleichenden Anatomie und der Phylogenetik: Theoretische Morphologie und Systematik I.

Croizat の汎生物地理学以外の本は実物を手にする機会がほとんどない(「汎生物地理学」の自家出版本も入手しづらくなりつつあるが).Remane の本は1956年の改訂版(の復刻本)をもっているが,初版本なのでこの機会に発注した.

◆原稿をもっと書かないといけないが,今週は月木以外はつくばにいるのでこの間に何とか書き上げよう.

◆本日の総歩数=6510歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.5kg(−0.1kg)/25.3%(+0.4%).


13 juni 2009(土) ※ 夏日のつくばで熱々トマトラーメン

◆午前5時起床.晴れ.東風がやや湿っている.上層階はまだ風が吹き抜けるのでましだが,地表近くはきっと蒸暑いにちがいない.

◆久しぶりに早朝歩き読み —— ここ何ヶ月も徘徊ウォーキングをしていなかった.久しぶりに筑波大学方面を目指して歩きはじめた.〈Brotzeit〉でパンをいくつか調達して帰還する.こんな朝早い時間帯なのにもう蒸暑い.

◆新刊本の歩き読みメモ —— 松本紘宇『中国コメ紀行:すしの故郷と稲の道』(2009年6月5日刊行,現代書館,257 pp.,本体価格2,300円,ISBN:978-4-7684-6994-1 → 版元ページ).「なれずし」のルーツを求めて中国を旅したレポート.最初の3章を読了した.本書にはマップがほとんど載っていないので地理的実感がぜんぜん湧かない.とにかく“広大”な国であることはよくわかったのだけど…….肉を米とともに常温発酵させるのが「なれずし」の特徴であるとしたら,何年か前に紹興の街中の料理屋で出された家鴨の肉を壷の中で米とともに発酵させたものは,今にして思えばまさに「なれずし」だったのかもしれない(→ 2006年9月日録).

◆午前は薄曇りだったが,午後になって夏日が射してきた.日射しも強く,湿度もある.あまり歓迎したくない天気だ.

◆暑い昼下がりには熱いラーメンを —— 午後になって気温は夏日を越え,初夏らしい陽気になった(真夏日には達していないはず).久しぶりに竹園の〈Ben-Bella〉に行く.

今日は,いつもの「ベンベラとまと担々麺」ではなく,「豚そぼろ旨味トマトラーメン」にしてみよう.とろみがついていて熱すぎるほど熱いのだが,ガマン大会のように大汗かいて完食してしまった.うまかったです.ついでに「自家製つるんこ水餃子」も注文して,と.

◆秋の動員 —— 今年10月1日(木)〜3日(土)に開催される研究集会〈生物情報を解明するための統計数学的基礎理論とその応用〉でのチュートリアル依頼があった.数理統計学者を前にして「分子系統学」の高座をとのこと.日程的に空いているのでOKの返事をした.場所は日本女子大学新泉山館国際交流センター大会議室(目白キャンパス).

◆夕方からしだいに東風が強まってきた.明日こそは勁草書房の原稿を何とかしないとヤバいです.ハイ.

◆本日の総歩数=11874歩[うち「しっかり歩数」8129歩/72分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=82.6kg(−0.1kg)/24.9%(0.0%).


12 juni 2009(金) ※ 朝は霧筑波,日暮れてひなたぼっこ

◆夜なべが二晩続いたが,昨夜は4時間ほど寝られたので何とか auferstehen しました(ご心配おかけしました).午前4時半起床.深い霧が立ちこめて視界ゼロ.ゆるゆると車を走らせて農環研へ.気温17.5度.乾いた東風が心地よい.朝日とともにしだいに霧は消えていった.晴れときどき薄曇りの空模様.

◆押し寄せるトドたち —— しばらく放置していたら,有象無象のトドどもが群れていた:進化学会大会での高校生ポスター賞審査のとりまとめを依頼された.引き受けましょ./そういえば,進化学会の参加登録とか講演要旨とか,もろもろの締切が来週だった./もうひとつ,進化学辞典の項目執筆に関する依頼あり.この仕事をまったく放置していた……./計量生物学会の評議員会と総会への出欠確認への返信.7月9日(木)に京都大学紫蘭会館で開催される計量生物講演会に先立って開かれる.「出席」に丸印をつけて返信はがきを投函する.計量生物講演会も参加申込が必要なのか.

◆蒸暑い日中 —— 午前11時,薄曇り,気温24.5度.午後もはっきりしない天気で,蒸暑さだけが漂っている.午後2時半,晴れ間,気温26.5度.不快指数さらに高まる.

◆原稿進捗 —— 停滞していた勁草書房の寄稿原稿.やっとセル・モーターがまわりはじめた感じあり.この週末にカタをつけたい.

◆午後のこまごま —— 今年の「人間犬」の日は10月28日(水)と決まった.メディカルで./電通のアンケートを返送する./例年この時期にある DGCbase の監査の仕事./進化学会新規入会の通知がひっきりなしに届く.火山灰にしては量が多いな./またブラジルから別刷り請求あり.

◆午後5時前に撤収.夕暮れとともに東風が涼しく吹きはじめた.夕餉の食卓には,岐阜・三千盛酒造の季節限定酒〈ひなたぼっこ〉をば.「純米大吟かすみ酒」と銘打たれている.おりが少しだけからんだ純米大吟醸.微炭酸が入っているはずだが,ほとんど感じられない.三千盛は辛口で知られているが,おりが混ざっているせいか,吟醸香りとともにやや甘口なあと味がふわっと残る.

◆本日の総歩数=6900歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=82.7kg(−0.1kg)/24.9%(−0.6%).


11 juni 2009(木) ※ 梅雨入りした東京で集中講義をする

◆前夜からそのまま仕事し続けて,日が変わってしまった.二日連続でこんなことをしていたら,気力と体力が磨り減ってしまって,たいそうよろしくない.マーラーをBGMにすると厭世的になってしまうそうだ(ニールセンを聴こう!).その後,午前4時まで仮眠してから,再度の作業開始.とりあえず,今日の集中講義に必要な配布資料だけでもつくっておかないと話にならない.午前5時半に予定受講者数分のハンドアウトを作成完了.

◆日が変わるころから雨が降りだして,夜中はずっと雨のまま朝になる.いったん帰宅してから,講義スライドの確認と編集を少し.雨が小止みになったのを見計らって,出発.9:55発のTX快速で根津へ.昼前の弥生坂はまだ小雨がぽつぽつ降っていたが,天気は回復しそうな気配.蒸し暑い.東大農学部の隠れ部屋でさらに一時間ほど講義準備を続ける.

◆〈保全生態学特論〉の初回 —— 午後1時前に農学部一号館地下の第四講義室に入る.旧・農業生物学科のときからここと隣室が講義室だった.AVシステムが更新されていて,とても使いやすくなっていた.しかし,部屋にいた受講生はたった5名.履修登録したのは「16名」と聞いていたのだが,どうしたんでしょ? しばらく開始を遅らせてから,おもむろに講義を始めた.今日は「系統学概論」と「系統樹思考/分類思考」が中心で,午後4時半過ぎまで.ま,予定通りでしょう.来週の第2回目の講義は「系統推定論」とその前提となる「数理統計学」の講義をします.

—— 午後5時前に外に出たら,いつのまにか青空が広がっていた.東海地方に続き,関東地方も梅雨入りしたらしい.

◆その後,睡眠不足にもかかわらずアルコールに逃避してしまう長い夜が始まる.まずはヴァイスビールから,続いてゴイアスのビールを.その後,ロシュフォール10など.砂肝のコンフィとレバーのパテとともに.ビールの季節になったことを実感する.泡盛の古酒もたまにはいいかな.元気になりそう.午後10時まで粘ってしまった.

—— 秋葉原まで歩いてTXに乗る.つくば着は午後11時過ぎだった.空気が湿っていた.睡魔と疲労でほぼリミットに達しました.

◆明日はふつーの本務地労働日だが,久しぶりな気がする.いつもいないからそう感じるのだろう.着信メールをブラウズしたら,新トドがたくさんいた…….

◆本日の総歩数=16763歩[うち「しっかり歩数」3936歩/38分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=82.8kg(+0.1kg)/25.5%(+0.4%).


10 juni 2009(水) ※ 梅雨間近の蒸暑い本郷でガイダンス

◆午前1時起床.即,農環研に直行する.曇り,気温18.9度.暖かい夜.

◆夜中の原稿仕事 —— 古いアヤシい本たちをずらっと並べて“雰囲気”をつくってみる.土蔵にロウソクを灯して原稿を書いたという某作家と同じノリだ.BGMはマーラーの3番と6番.午前5時に,未完だった「プロローグ」を書き終える.最後に Leonard Foujita に登壇してもらった.第3章はどこまで進められるか…….午前5時半にいったん帰宅.曇り空のまま,気温もほとんど変わっていないが,湿った東風が強い.

いつもの原稿の書き方がイッキにがんがん書くというのではなく,寄り道をしてわき道に入り込むような書き方なので,どうしても時間がかかってしまう.「中断のない6時間」が必要であるという経験則はわりに正しく当てはまっている.細切れの時間がいくらあっても一行も進まないということ.“雑念中断”のないまとまった時間がないと困るんですけど…….平日であれば夜中しかない,あるいはどこかに「カンヅメ」していただくとか.

◆夜中のこまごま —— 東海地方まで梅雨入りしたそうで,一両日中に関東も梅雨入りするだろう./進化学会札幌大会の参加申込の手順についてのメール連絡が“朝令暮改”状態.これはオーガナイザーの責任ではありません.

◆東京へ —— 9:55発のTX快速で東京に出る.つくばよりも東京の方がもっと雲って蒸し暑かった.本郷の東大農学部に向かい,正午過ぎに到着.晴れ間がのぞいたせいか,気温があがり不快指数は一気に暴騰.新緑が濃くなったキャンパスを横切る.“御用金”の調達に走り回っていた駒場の殿に出会った.新領域→農学部→地震研とはたいへんだ./とりあえず,隠れ部屋に荷物を降ろしてからちょっと休憩.郵便配布物がたくさん./午後1時半に本郷通りの〈ルオー〉に行く.NHK Books の井本さんに「プロローグ」原稿を渡した.実質的な増分は400字詰にして10枚ほど.なかなか先に進まないな.次回は7月2日(木)の集中講義の前に渡すことになった(今度は第3章を予定している).半時間ほどで打ち合わせ完了.

◆午後になって蒸し暑さはさらに悪化,一年でもっとも過ごしづらい日々の始まりを感じさせる.しかも,今日は睡眠不足なので,ときどき睡魔が取り憑いてうつらうつらしてしまう.

◆農学部の隠れ部屋にて,さらに原稿をものしてみたり,日録を書き綴ってみたり.大学院ガイダンスが始まる午後4時までに休憩時間が一時間ほどある.

◆いただいた趣味本 —— 島田雅彦『オペラ偏愛主義』(2008年6月1日発行,日本放送出版協会[NHK知るを楽しむ・この人この世界],viii+181 pp.,ISBN:978-4-14-189195).NHK教育テレビの放映テキスト教材.

◆大学院進学ガイダンス —— 午後4時の定刻開始.各講座・研究室の説明を終えて午後5時半に終了.つくばに直帰する.午後7時過ぎにつくばセンター.曇り空で南風が強まってきた.

◆午後10時,農環研に再出勤.21.3度.南風が吹き荒れている.これから明日の講義準備を始める.明朝帰宅予定.

◆本日の総歩数=13935歩[うち「しっかり歩数」1280歩/12分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=82.7kg(+0.1kg)/25.1%(−0.6%).


9 juni 2009(火) ※ 原稿年貢をひねり出す曇りの火曜日

◆午前4時半起床.曇りのち晴れ,気温17.5度.東風が吹く.

◆午前のこまごま —— 来週の農大かもし高座(第九しぼり)の三点セット.GLMの続きと多変量解析について講義します./今週木曜から始まる東大農学部「保全生態学特論」(という名の生物系統学特論)の初回講義資料のしたく.文献リストはすでにできているが,ハンドアウトの用意がまだだ./明日10日(水)の夕方は東大の専攻大学院進学ガイダンスがあるので,本郷に行かないといけない.他の連携教員に出欠を確認するメールを出す.とくに事前準備をする必要はないのだが(大学院進学希望者を相手に十分ほど噺をすればいい),その分の時間がとられるのがつらいです.明後日の特論講義準備がまだなので.

◆午前11時,曇り,気温は21.9度.蒸し暑さは感じられない.

◆原稿年貢をひねり出す —— で,そのガイダンスの前に NHK Books の原稿を担当編集者に手渡すという大仕事があって,今日中になんとか“ブツ”を用意しないといけないのだが…….結局,前日からばたばたと書きはじめて締切当日になだれこむというワルい習慣から今回も抜け出ることはできなかったか.いずれにせよ二十数時間後には原稿を渡せるようにしたいと思います.プロローグの残りの節と,できれば第3章の続きを.

◆午後5時前に撤収.曇り,気温は21度台のまま,東風が通って涼しい.今夜はまた原稿の夜なべ仕事が入るので,少しは休憩しないとからだがもたない.午後10時過ぎ就寝.

◆本日の総歩数=6939歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.6kg(+0.1kg)/25.7%(−0.5%).


8 juni 2009(月) ※ 週明けは雨上がりの世田ヶ谷でGLM

◆午前5時起床.曇りときどき雨が降る.気温は低い.

◆午前のこまごま —— 午後の講義のためのRスクリプト書き.GLMの講義スライドのデモを実行するためのスクリプト.

◆農大かもし高座(第八しぼり) —— 11:55発のTX快速に乗る.霧雨が降る肌寒い天気.経堂着は13時過ぎ.曇り空のもとを農大キャンパスに向かう.紫陽花が花開く季節になった.14:40からの講義:前半は二変量間の「共分散」と「相関係数」の説明,後半は線形モデルの諸仮定(正規性・等分散性)とそれを緩めた一般化線形モデルへのイントロを.16:00まで.雨は降らなかったが,やや蒸し暑い.

◆車中読書 —— 池田健二『[カラー版]イタリア・ロマネスクへの旅』(2009年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書1994], 222 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-12-101994-3 → 版元ページ)を読了.写真がとにかく美しい.

◆午後6時過ぎにつくばセンターに帰り着く.東風が涼しい.

◆本日の総歩数=9471歩[うち「しっかり歩数」4150歩/39分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.5kg(−0.3kg)/26.2%(−0.1%).


7 juni 2009(日) ※ 久しぶりの夏日は真っ青な初夏の空

◆午前5時過ぎ起床.久しぶりに夜明けから初夏の青空.東風が爽快.しかし,日射しは強そう.予報では関東はところどころで真夏日になるとのこと.

◆ローレンツ論文集の全訳 —— コンラート・ローレンツ著[丘直通・日高敏隆訳]『動物行動学(全4巻)』(1977年〜1980年,思索社,東京).ぼくが大学に入った1970年代半ばは,「動物行動学」といえば延髄反射でローレンツの本を連想したものだ.しかし,そのうち「社会生物学」や「行動生態学」という“黒船”が日本にやってきて,生態学・行動学の景色は一変した.このローレンツの論文集も今になるまでその存在をまったく知らなくて,古書でやっと入手したしだい.

全四分冊の書誌情報は下記の通り:

  1. 動物行動学(第I-上巻)』(1977年12月30日刊行,思索社,viii, pp. 1-267, ISBN:4-7835-0060-6 → 目次
  2. 動物行動学(第I-下巻)』(1978年2月20日刊行,思索社,viii, pp. 269-515, ISBN:4-7835-0061-4 → 目次
  3. 動物行動学(第II-上巻)』(1980年2月20日刊行,思索社,x, pp. 1-235, ISBN:不明 → 目次
  4. 動物行動学(第II-下巻)』(1980年9月30日刊行,思索社,viii, pp. 237-451, xxii, ISBN:4-7835-0082-7 → 目次

原書は:Konrad Lorenz『Über tierisches und menschliches Verhalten: Aus dem Werdegang der Verhaltenslehre. Gesammelte Abhandlungen, Band I & II』(1965年刊行,R. Piper & Co. Verlag[Piper Paperback], München, 412 pp./398 pp. → 上巻目次下巻目次).

—— なお,手元に届いたのは京都産業大学図書館の除籍本だった(図書番号「481.78」の「LOR 1-1, 1-2, 2-1, 2-2」).ダストジャケットは剥ぎ取られている.図書館に収蔵する本は“カバー”を取って本体だけを納本するという「図書館文化」があるようだが,個人的にはそういうのはやめてほしい.

◆日曜昼下がりのこまごま —— 久しぶりにからっと晴れ上がり暑くなってきたので,髪の毛を切りに行った.その後,農環研へ.正午すぎの気温は24.5度.東風.午後は夏日になるにちがいない.初夏の青空.人気のない居室で原稿のしたくなど.午後3時半に帰宅.気温は23度台./今月から来月始めにかけては東京農大と東大農学部の講義が同じ週にあるので,当分のあいだ「噺し役」の仕事はエンジン全開で取り組まないといけない.

◆夕方からは東よりの風が強まってきた.体感気温は低め.夕食作りにはげむ.

◆本日の総歩数=5771歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜△.計測値(前回比)=82.8kg(−0.3kg)/26.3%(+0.3%).


6 juni 2009(土) ※ 休息の土曜日は雨のち曇りのち晴れ

◆午前5時半起床.雨は本降りだったが,しだいに小止みになって,薄明るい曇り空に.気温は低いのだろうが,湿っているのでそうは感じられない.

◆昼前に農環研に侵入してしばしの間ごそごそする.小雨がときどき降ってきて,気温は19.9度.正午すぎには,雲の切れ目から青空が見えるまでに天気は回復した.気温は21度を越えてやや蒸し暑くなってきた.

◆家事する昼下がり —— 雨が止んだので方々に買いものに出る.夜は久しぶりにローストビーフを焼くことに決めた.

◆原稿,書かないと……(冷汗).

◆本日の総歩数=6418歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.1kg(0.0kg)/26.0%(−0.7%).


5 juni 2009(金) ※ 会議最終日は雨が降り夜は打ち上げ

◆午前4時前に起床.曇り,東風が吹いて涼しい.気温17.5度.

◆朝のこまごま —— 午前8時半に居室に集合,そして直前の発表練習を聴く.未明に発表原稿のやり取りをした点がすでに修正されている.昨日よりはだいぶよくなった.追加の修正点といくつかの留意事項.あとは本番のみ.

◆〈First International Symposium on Biological Shape Analysis(ISBSA)〉最終日 —— 外は曇天で湿度が高い.気温は20度台になりやや蒸し暑くなってきた.ヒトの顔面形状に関する三次元計測の話など.質疑込みで三十分の講演をふたつするたびに三十分のコーヒーブレークが入るというぜいたくきわまりないタイムテーブル.だもんで,トークが長引いて四十分かかることもあり.正午前にわれわれの講演.トークの方はまあよかったんじゃないですか.内容に関する質問点はあとで反映させましょう.また,質疑時間をうまく乗り切るには,国際会議の「場数」を踏む機会をたくさんもつしかないですね.

昼休みには曇り空からぽつりぽつりと雨が降り始め,午後は雨空になった.シンポジウムはなお続く,Johan Gielis さんの「自然形状」を表現する superformula の講演がおもしろかった.会場で彼自身のフルカラーの著書を回覧してくれた:Johan Gielis『Inventing the Circle: The Geometry of Nature』(2003年刊行,Geniaal, Antwerpen, ISBN:90-807756-1-4 [hbk]).論文としては:Miyuki Koike and Bennett Palmer (2008), Forma, 23(1): 1-32 が引用されていた.その後,「感性工学」における形態測定学の適用とか,比較文化における“マンガ”の登場人物の表情の分析を形態測定学の理論を用いた例とか.

—— 午後5時前にシンポジウムの日程をすべて終了した.おつかれさまでした.海外からの参加者は明日は東京へのプチ旅行が予定されているが,ぼくは参加しない.

◆打ち上がる〈笠真〉の雨夜 —— 会議終了後,いったん体制を整えたのちに,午後7時,雨降る夕闇の中を苅間の〈笠真〉に参加者とその関係者数名が集結した.まずは,鳥取の〈鬼太郎ビール〉で乾杯をば.続いてさっそく日本酒へとなだれこむ.いつもは「あんこう鍋」とか「常陸牛しゃぶしゃぶ」のような,かなり“肉食系”の肴でしっかり腹ごしらえをするのだが,この日は一転してヘルシー志向となり,つくばの地場産の野菜が中心で,グリーンサラダに,ニラのおひたし,オカヒジキに,大根の煮物がまずはずらっとならぶ.その後,福島産の馬刺が二種類(ロースともも),常陸牛の牛刺と霜降り肉をホットプレートで焼いた.とてもうまかった.

今夜の日本酒のラインナップは下記の通り:

  • 茨城・〈来福〉の「9%超精米・純米大吟醸」 ※酒米を「9%」まで削るとは!
  • 山形・〈十四代〉の純米大吟醸「酒未来」 ※「酒未来」は新品種の酒米
  • 新潟・〈村祐〉のいつものやつ
  • 佐賀・〈鍋島〉の「雄町・純米吟醸」 ※初めて飲んだがいい味わい
  • 茨城・〈渡舟〉の「ふなしぼり・純米吟醸」
  • 茨城・〈来福〉の「真向勝負」

[備忘メモ]店主の話しでは,筑波大学“御用酒”である〈桐の華〉は,予想をはるかに上回る売れ行きだそうで,そろそろ初回販売分の在庫は尽きつつあるらしい.いまのところ販売ルートがまだ「細い」のが問題で,その点がクリアできれば一般にも手に入れやすいと思うのだが.この酒は来福酒造が手がけているのだが,追加の出荷を待ちましょう.

—— いつもながら堪能して,午後11時過ぎにお開きとなった.来るときは雨が降っていたが,帰る頃には雨はあがり傘はもういらなかった.てくてく歩いて帰宅して午後11時半.

◆本日の総歩数=13237歩[うち「しっかり歩数」4033歩/37分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=83.1kg(0.0kg)/26.7%(+1.0%).


4 juni 2009(木) ※ 会議二日目は蒸し暑い曇天から晴天

◆午前4時起床.曇りのち晴れ間.東風,気温19.2度.今日も朝から国際シンポジウムがある.午前9時,晴れ21.6度,やや蒸し暑い.

◆〈First International Symposium on Biological Shape Analysis(ISBSA)〉二日目 —— コンピューターグラフィクスを用いた形態変異の可視化ツールを見る.三次元画像を等角写像(conformal mapping)により球に変換する.その変形は球面調和関数(spherical harmonics)を用いた三次元フーリエ解析と semi-landmark でサンプリングする.このようにしてパラメタライズされた形態変異をCGにより表示する.方法に関する原論文は:M. Specht et al. (2007), Visualizing shape transformation between chinpansee and human brain cases. Visual Computer, 23: 743-751.

◆その他のこまごま —— 第四部会の次回日程は6月19日(金)10:15〜12:00./明日の〈笠真〉打ち上げのビラ勧誘.なかなかみなさん忙しそうで……./昼休みの発表練習.

◆正午,曇りで気温は23.0度.湿度は高いが気温がそれほど上がらなかったので耐えられる.午後になって一時ぱらぱらと小雨が降ったが,その後はしだいに晴れ間が広がってきた.

◆午後も中央農研で会議は続く.今日は朝から夕方まで anthropometry な一日だった.午後5時前に終了.農環研にもどり,夕暮れの発表練習.明日も朝イチで最後の練習.8:30に農環研に実在しないといけない.

◆午後6時過ぎに撤収.今月になって日が長くなってきたことを実感する.もうすぐ夏至だし./明日夜の〈笠真〉での打ち上げは最終的に「4名」の少数精鋭で臨みます.農環研+琉球大+信州大+チクナミ大(特別ゲスト).うん,いい感じじゃないですか.

◆「落日の分類学」 —— The Scientist 誌の最新号記事:Bob Grant「A Fading Field」(2009年6月1日付).DNA分類に与しない“伝統的”な形態分類学者がアメリカにおいてもほぼ「絶滅危惧種」だという話.たとえば,NSFの調査によると,全米で博士号を出せる機関に勤務する分類学者の総数は「たった940名」に過ぎず,しかもそのうち1/4は adjunct な教員である.そして,そのような機関の80%以上で,現有の分類学者がリタイアしたあとはその後任を分類学者で埋めない予定だと答えたそうだ.単に風説としてではなく,関係者の裏付けをとっているので資料として使えるかもしれない.

◆明日は〈ISBSA〉最終日.Pete さんの心づもりでは,今後も定期的にこの国際ワークショップを開催したいらしい.

◆本日の総歩数=9439歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=83.1kg(+0.4kg)/25.7%(−0.7%).


3 juni 2009(水) ※ 形態測定学国際会議の初日は曇り空

◆午前4時前に起床する.曇り.湿った南風が吹いていた.気温は19.2度で暖かい朝.

◆〈First International Symposium on Biological Shape Analysis(ISBSA)〉初日 —— 午前9時過ぎに中央農研センターの大会議室にたどりつく.まだ十数名しか参加者がいないが,全員集まったとしても二十数名という小さな国際シンポジウムなので,こんなもんでしょ.参加登録をすませる.午前9時半からオーガナイザーによる開会挨拶とともにセッション開始.今日は「植物形態学と遺伝学」というセッションで,農業分野での形態測定学の応用についての講演が多かった.もちろん“ふーりえ”のオンパレード.「楕円フーリエ解析」は知っていたが,「P-typeフーリエ解析」という新しい方法論が最近提唱されたという.正午から午後2時まではランチタイム.

◆湿気の多い曇り空はなお続く.南保くん,講演準備をがんばってください.明日リハーサルしましょう.

◆午後のシンポジウム —— 「P-typeフーリエ解析」の続き.この方法を使っている Zeyu Zheng さんの講演によると,楕円フーリエ解析とはちがって,P-typeフーリエ解析は閉曲線だけでなく開曲線にも適用できるという利点があり,また,対象物の定位に影響されないという特長もあるとのこと.汎用性が高い方法だと思ったが,まだ適用例が少ないそうだ.また,欠点(があるとしたらそれ)は何だろうか?

◆Social mixer —— シンポジウム初日の夜は,午後6時からTX研究学園駅前のホテル〈ベストランド〉一階のイタリアンレストラン〈ラ・ポルタ〉にてワイン付きの立食パーティが開かれた.帰宅したのは午後10時過ぎ.

◆本日の総歩数=10235歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.計測値(前回比)=82.7kg(−0.3kg)/26.4%(+0.3%).


2 juni 2009(火) ※ からっと晴れた夏日に南風が吹いて

◆午前4時起床.快晴.気温11.6度と低い.爽快な南風が吹き抜ける夜明け前.早朝,地表近くに立った靄が霧になったが,朝日がのぼるとともに消えていった.蒸し暑かった昨日とは打って変わって気持ちがいい.

◆午前のこまごま —— 午後の第四部会(知的財産)の会議のための資料づくり.さくっと終わらせて,あとは一席ぶつことにした.たくさん資料つくってもしかたないし./来週の農大かもし高座(第八しぼり)のための三点セットを用意する.次回は一般化線形モデルと共分散・相関係数について.農大の講義も後半に入ったので,そろそろ課題レポート出題のことを考えないといけない./来週から始まる東大「保全生態学特論」の文献リストから手始めに準備する.吉田薫さんに受講者数を確認するメールを出す.折り返し返事があり,「16名」が正規履修者とのこと.それ以外のオーディエンスもあるだろうから,余分にハンドアウトを用意した方がいいだろう.

◆正午の気温は26.1度.からっと青空が広がる.久しぶりの好天だ.しだいに南風が強まってきた.

◆午後のこまごま —— 午後1時15分から,第四部会の第2回ミーティング.午後3時まであれやこれやと.疲れた.この会議,まだまだ続くのか./夕方,先日から手を入れていた『分類思考の世界』のプリントアウトをした.本文に関してはこれでおしまい.あとは,挿入図版と文献リストのことを考えないといけない.手が離れるまでにはすませるべき残務がまだあるということ.

◆先日届いた古書 —— だいぶ時間がかかってしまったが,40年前に出た Konrad Lorenz の論文集がやっと手に入った.ローレンツがノーベル賞を受賞する前に編まれた論文集.第1巻は1930〜40年代,第2巻は1940〜60年代の大きな論文を集めている:

  • Konrad Lorenz『Über tierisches und menschliches Verhalten: Aus dem Werdegang der Verhaltenslehre. Gesammelte Abhandlungen, Band I』(1965年刊行,R. Piper & Co. Verlag[Piper Paperback], München, 412 pp.)
  • Konrad Lorenz『Über tierisches und menschliches Verhalten: Aus dem Werdegang der Verhaltenslehre. Gesammelte Abhandlungen, Band II』(1965年刊行,R. Piper & Co. Verlag[Piper Paperback], München, 398 pp.)
この2巻本の論文集を全訳した:コンラート・ローレンツ[丘直通・日高敏隆訳]『動物行動学』(1979年刊行,思索社,全4冊)もほぼ同時に届いた.

◆午後5時過ぎに撤収.夜も南風が強かった.明日からは中央農研センターでの形態測定学国際会議があるので,ふだんの生活から少しシフトすることになるだろう.[メモ]:フリーダ・カーロの〈ちょっとした刺し傷〉という絵があることを知る.

◆本日の総歩数=7088歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.計測値(前回比)=83.0kg(−0.2kg)/26.1%(−0.6%).


1 juni 2009(月) ※ 六月初めは早くも梅雨の足音がする

◆午前4時起床.雨上がりの曇天,しかしまたざーっと通り雨.のち晴れとめまぐるしい.気温14.8度でひんやりしている.

◆早朝のこまごま —— 今月の「トド撃ちリスト」の更新.消えたり増えたりしている./今月はもたもたしないようにメーリングリストの月例アナウンスを流す./来週から東大で始まる「保全生態学特論」の資料をそろえ始める.スライドとハンドアウトのしたくを考えないと.

◆朝のうちは青空だったが,午前10時には曇天に戻り蒸し暑くなってきた.

◆午前のこまごま —— しばらく更新が滞っていた〈R-statistiker〉に投稿する.ウェブサイトやらブログをたくさんもっていると,更新の漏れ落ちがときどきある.

◆遅れてやってきた Franco Moretti —— 一年ほど前に Moretti の比較文学本をまとめて買い込んだ時期があった.今回やっと届いた:Franco Moretti『The Way of the World: The Bildungsroman in European Culture』(1987年刊行[2000年 New Edition],Verso, London, xiv+274 pp., ISBN:978-1-85984-298-0 [pbk])は,amazon.com にずっと注文を出し続けていたが,納品が一年も遅れてしまった本だ.第一次世界大戦前のヨーロッパで大流行した「教養小説(Bildungsroman)」の文化史を論じた本.ぼくはもともと日本・海外を問わず「小説」なるものを体系的に読んでこなかったので,こういう論考は新鮮に感じる(知らない作家や本がぞろぞろ).

◆梅雨のはしりの農大通り —— 午前11時に撤収する.曇り,気温19.4度で蒸し暑さが増してきた.11:55発のTX快速で経堂に向かう.晴れところどころ曇りで,空気がじとっと湿っている.経堂の農大通り.曇り空からときおり小雨がぱらつく.農大キャンパスに入ってから,ざーっとスコールのような雨が降り始めた.亜熱帯モンスーン地域のような天候だ.

◆農大かもし高座(第七しぼり):今日は,前回の積み残しである split-plot と strip-plot,そして多重比較についてまず始めに解説した.後半はモデル選択論,最尤法とAICの導出について説明し,Rスクリプトを用いた線形モデルの対数尤度とAIC計算,そしてモデル比較をデモした.

—— 講義が終わったときには雨はもう上がっていて,青空がのぞいていた.しかし,蒸し暑さは消えない.

◆経堂からそのままつくばに直帰する.午後6時過ぎにつくばセンター地上へ.晴れて乾いた東風が吹いて涼しい.夜,国際会議最終日(5日)の打ち上げのため,〈笠真〉に予約のメールを送った.いったい何人を呼び寄せることができるだろうか.十人くらいは“拉致”したいのだが.冴えた夜空に半月が輝いていた./それよりも,明日午後の「第四部会」のプレゼン資料なるものをいっさい用意してないんだけれど,それでもいいんですか?(>對馬さん)

◆本日の総歩数=13493歩[うち「しっかり歩数」3872歩/39分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=83.2kg(+0.1kg)/26.7%(0.0%).


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