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日録2008年4月 


30 april 2008(水) ※ 夏日の月末は小トドの群れを撃つ

◆午前4時20分起床.快晴.地表付近に靄が漂う.冷え込みはなし.

◆朝のこまごま —— 『生物科学』編集会議は5月17日(土)の午後.松戸の鐘打ちとバッティングか.部分参加も可能か./日本菌学会大会参加の振替休日の届け出.5月16日(金)と6月2日(月)に指定./5月2日(金)に分岐点年代推定のコンサルタントの予定./警察と市役所を右往左往する.

◆1冊でわかる[のか]科学哲学 —— サミール・オカーシャ[廣瀬覚訳]『1冊でわかる 科学哲学』(2008年3月25日刊行,岩波書店[〈1冊でわかる〉シリーズ],vi+194+v pp.,本体価格1500円,ISBN:978-4-00-026896-7 → 目次版元ページ).生物学哲学者サミール・オカーシャによる科学哲学の入門書.原書は:Samir Okasha『Philosophy of Science: A Very Short Introduction』(2002年7月15日刊行,Oxford University Press,ISBN:978-0192802835 → 版元ページ).ざっと目次に全体をブラウズした感じでは,ぼくが理解する「科学哲学」のポイントはきちんと押さえられているようだ.個別科学の哲学では生物学の哲学が体系学に関する話題を提供している.巻末に付けられている解説記事と日本語の文献リストはとても有用だ.ぼくの『系統樹思考の世界』も挙げられている.ありがとうございます.それにしても,ぼくが理解する「科学哲学」の和書のほとんどは,翻訳書も含めて,今から20〜30年も前に出版されている.現在では入手できないものもきっと少なくないだろう.残念なことだ.

◆日射し強過ぎ.研究所の気温計が故障しているらしく,ずっと「15.2度」を指したままだ.しかし,もちろん今日は夏日に決まっている.暑い暑い.

◆午後のこまごま —— ひたすら小トドを撃ち続ける.異動の多い今月に溜まりまくったメーリングリストの処理を数10件./IAMAS非常勤出講の事務連絡./ソーバー訳本の発送準備./とある大量印刷など./東大・専攻ソフトボール大会は5月20日(火)とのこと.

◆西日が射し込む昼下り.居室の温度は27.5度にまで上がった.居住性がイッキに悪化した.またしても避暑に逃亡するか.

◆夕方のSlice本読み —— 『Modern Morphometrics in Physical Anthropology』の輪読セミナーの第14回.新しい章に入る.Chapter 5 : Waleed Gharaibeh「Correcting for the Effect of Orientation in Geometric Morphometric Studies of Side View Images of Human Heads」(pp. 117-120).3D画像を2D表示するとき,オブジェクトの“定位”によって取得された2Dデータに体系的誤差が生じる.その誤差をどのようにして補正するのかという内容だ.3D画像の左右の振れ(turning)と前後の傾き(tilting)による誤差をある方向への正射影を計算することにより補正するという基本的な考えが示される.実例はヒトの頭骨側面データ.

◆夜,南風が涼しい.明日はメーデー参加のため,半日年休./生き物文化誌研究会への投稿の話が南保くんに来ているそうだ.機会はぜひ活かしましょう.

◆日が変わる直前,音羽から『』のゲラがpdfで飛んできた.今回は全部で12行削らないといけない.バイト数はこれまでとたいしてちがいがないはずなのに,過剰行数がやけに多いのは,〈グレの歌〉からの歌詞引用で“白い部分”が目立つせいかも.

—— 明日中に,しかも日が高いうちに返却せよとの御下命だ.

◆本日の総歩数=10895歩[うち「しっかり歩数」=838歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=0.0kg/+0.5%.


29 april 2008(火) ※ 燃え尽きた翌朝は初夏の陽気に復活

◆休日なので午前6時半まで“泥”のまま寝過ごす.外は快晴.北からの涼風あり.早朝の〈david pain〉でパンを買い込む.帰りに研究室に侵入し,護摩壇の後始末と証拠湮滅をはかる(遅かったか).午前8時の気温は15.6度.少し気は早いがさわやかな五月晴れになりそうだ.

◆昨夜のうちに音羽からメールがあり,原稿OKとのこと.「今回は叙情的ですね」.確かに,愛の歌ですからねえ.これで今月の肩の荷が下りた.明日4月30日にゲラを送るので,即日返信とのこと.

◆久しぶりのDVD鑑賞 —— 映画をみたりDVDに耽る習性が欠けているので,こういうふうにまとまった時間を映像鑑賞に費やしたのは久しぶりだ:〈風の前奏曲〉.2004年にタイで制作された映画.タイの伝統楽器のひとつである「ラナート」をめぐるストーリー.「ラナート」とは“木琴”です.前に民族楽器店で実物に触ったことがあるが,この映画,要するに“木琴”の映画だ.だから,やっぱり見るしかないでしょ.

物語は,ラナートの名手と呼ばれたソーン・シラパバンレーン師の生涯をたどる.19世紀末の幼少期と第二次世界大戦の晩年期が交互に映される.ラナートはタイ音楽の楽団では主旋律を演奏し,その奏者は花形プレーヤーとされている.楽団のコンテストの場面が幾度も出てくるが,ラナート奏者どうしの「対決」が見物で,演出もあるのだろうが,ほとんど“少林サッカー”のノリでラナートを叩きまくる.

映画のストーリー展開はどうでもよくて,要は,ラナートの演奏法についてのメモだ.マレットは木のヘッドに動物の皮が巻かれていて,硬質の音がする.このときの音色は西洋音楽でのシロフォンとまったく同じだ.ただし,マレットの持ち方が異なっていて,人差し指を柄に副える.細かいロールが奏法上の特徴なので,グリップのコントロールのためにはこの持ち方はきっと合理的なのかもしれない.しかし.実際に試してみたかぎりでは,よほど鍛錬しないと高速なパッセージの演奏はできないだろう.

メイキングの説明によると,この映画では俳優が実際に特訓を受けてラナートを演奏したという.しかし,演奏困難箇所がいくつかあってそこだけはプロのラナート奏者に代わったという.主人公ソーン師の終生のライバル「クン・イン」を演じたナロンリット・トーサガーは,実際にプロのラナート奏者として演奏活動をしているという.

このふたりの対決が映画の上では最大の見せ場なのだが,驚異的に速いパッセージとケシ粒のような細かさのロールには圧倒されるばかりだ.しかし,個人的には,晩年のソーン師が柔らかいマレットでゆったりと演奏している方がなじみやすい気がする.

—— 映画を見たというよりは,ラナート奏法をチェックしたというべきかもしれない.

◆宮脇俊三リバイバル —— 宮脇俊三『「最長片道切符の旅」取材ノート』(2008年4月20日刊行,新潮社,318 pp.,本体価格1,500円,ISBN:978-4-10-333510-8 → 版元ページ).1979年に出版された:宮脇俊三『最長片道切符の旅』(1979年1月刊行,新潮社)は,出てすぐにハードカバー版を買った記憶がある.今回,その取材ノートが出版された.注と解説は原武史,まえがきは宮脇灯子.

なお,本書の刊行とあわせて,元本の『最長片道切符の旅』の復刻版(2008年4月20日刊行,新潮社,ISBN:978-4-10-333511-5 → 版元ページ)も同時に刊行された.『最長片道切符の旅』は文庫版もあるが,『宮脇俊三・鉄道紀行全集』(全6巻,角川書店)の第1巻『国内紀行I』(1998年12月25日刊行,角川書店,ISBN:4-04-574401-0)にも『時刻表2万キロ』と『汽車旅12ヶ月』とともに所収されている.

◆日中はさらに気温が上がり気分はもう夏日になる.当然,半袖だ.湿度が低く,北寄りの風か吹いて爽快だ.夕方,一ノ蔵の発泡清酒〈すず音〉をぐいっと.ビールよりうまいかも.

◆明日は平日労働に復帰だ.今月の堆積雑用が小トドの群れのように蠢いている.とくにメーリングリスト関連の変更依頼がごちゃごちゃと届いていて,処理能力をオーバーしている.このままGWに突入したのでは気分が悪いので,明日のうちにすべて撃つことにしよう.

◆本日の総歩数=6460歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=−0.4kg/−0.7%.


28 april 2008(月) ※ 深夜の護摩壇にグレの歌が響き渡る

◆農環研に忍び込んだのは深夜2時だった.すでに今日の出勤簿は並べられている.真夜中に押印するアヤシイ研究員が多いのだろうか(ちゃんと寝ろよっ).気温15.2度.

◆深夜の追い込みは続く —— 居室に護摩壇をしつらえる.異形のものどもを召喚しないことには切迫した物書きはできない.BGMはシェーンベルクの〈グレの歌〉です.なぜグレの歌かと言われれば,今回の『』の記事はデンマークのグレの地が舞台になるからです.まずはピエール・ブーレーズの古い盤から.何枚かの〈グレの歌〉をもっているが,第3部の Sprechgesang はブーレーズ盤がもっとも感動的だろうと思う.

原稿を書き続ける.〈グレの歌〉の Sprechgesang で歌われているのは「夏風の荒々しき狩」と題されるメロドラマで,〈グレの歌〉の歌詞を書いたイェンス・ペーター・ヤコブセンは,ダーウィン的自然観をそこに込めている.なぜ“ダーウィン”なのかという理由ははっきりしていて,藻類学者でもあったヤコブセンはダーウィンの『種の起源』と『人間の進化と性淘汰』のデンマーク語への翻訳者でもあったからだ.

無神論的な自然観とダーウィン的な進化観が〈グレの歌〉の背後にはあるのだが,皮肉なことにこの物語に登場するヴァルデマール王とトーヴェ姫は,中世のデンマーク神話を引きずったままあらわれ,神の世界に生きている.作曲家シェーンベルクがヤコブセンの〈グレの歌〉に巨大なオーケストレーションを付けたときに,神の精神世界はダーウィンの物質世界に引きずり下ろされたことになる.

—— そういう話しを書き綴りながら,ブーレーズ盤を聴き終え,さらにエリアフ・インバル盤に突入する.百物語ではないが,〈グレの歌〉を連続で何度も聴くというのは身体にあまりよろしくない(大曲は演じるのも聴くのも体力勝負).ヴァルデマールに率いられた亡者の兵隊どもが骨を鳴らしてやってくる.しかし,明け方に薄明が訪れるころ,魑魅魍魎どもはそれぞれの場所に戻っていった.午前5時半に音羽にメールで原稿を送り,一件落着.

今回の記事:三中信宏「〈生物の樹・科学の樹〉連載12回目:目覚めよ,すべての花よ」.節構成は,「上野の森のダーウィン生誕二〇〇年祭|グレの入り江に『種の起源』が流れ着く|「神よ,御身は道を誤れり」|“古い分類学”で何が悪い」.6月号に掲載予定.

◆徹夜明けでよろよろと帰宅し,1時間ほど仮眠する.その後,今日の農大講義の支度をする.

◆午前11:41発の TX 快速に乗り込む.車中ではときどき意識を失っていたようだが,乗り過ごすことなく午後1時過ぎに経堂到着.農大の非常勤講師室にてしばし休息をとる.購買部で昼食に「チーズはんぺんサンド」と「ゴボウのエピ」を買う.とてもフシギな,というかここ以外では見たことがない.農大もまた異界なのかもしれない.

◆「農大かもし(3回目)」 —— 今日は分散概念の導出がメイン.あわせて,自由度についても話をする.後半は推論様式としてのアブダクションについて.予定通りだったが,少しずつ(死なないように)数式を増やしていきます.午後4時過ぎにおしまい.

—— そういえば,小田急の車内広告によると,東京農大のオープンキャンパス講演会で石川雅之トークが予定されているそうだ.農大ではもちろん公認,日本菌学会でも公認となると,学内外を問わず“かもされたい”方々がたくさんいるということだろう.

◆晴れて少し暑い気がする.経堂まで戻ってつくばに直帰.午後6時半に帰り着く.車中読書:笹本正治『中世の音・近世の音:鐘の音の結ぶ世界』(2008年4月10日刊行,講談社[学術文庫1868],343 pp.,本体価格1,100円,ISBN:978-4-06-159868-3 → 目次版元ページ)を100ページほど.なかなかおもしろい本.著者は冒頭で問いかける.童謡〈ゆうやけこやけ〉では,夕暮れに山寺から鐘の音が聞こえてくるが,夕暮れの鐘の音とは当時の社会で何を意味していたのか,そもそも山寺に鐘が釣られるようになったのはどのような経緯からか,と.魅力的な問題設定の勝利という気がした.

◆飯喰って,泥のように寝てしまった.午後11時過ぎにいったん目が覚めたが,また泥のように寝ることにした.どろどろです.もうダメです…….

◆明日はお休みです.マジでお休みしたいです.休んだつもりでつい働いてしまうのは何としてもごめんこうむりたい.

◆本日の総歩数=12454歩[うち「しっかり歩数」=4144歩/39分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.3kg/+0.5%.


27 april 2008(日) ※ 毎月毎月不覚にも追込まれているな

◆午前5時半起床.曇りのち小雨.やがて晴れてきた.

◆朝から『』の原稿書き.しかし,このアヤシサはこれまでなかったぞ.というわけで,牛歩の進み…….

◆現実逃避的書評書き —— David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk] → 目次).やっと読了したので,書評を公開しました.シンプルな現実逃避です.ごめんなさい.いい本なので誰か訳してください.ヨロシク.Bon voyage!

◆午後はよく晴れて気温が高くなってきた.北風のち南風.

◆昼下りからまたまた原稿書き.夜もなお続く.この鉄ゲタを履いて駆け足するような重苦しさはいったい何なんだ…….

—— 日が変わり,午前1時半まで頑張ったもののまだ半分ちょっとしか書けていない.ということで,必然的かつ強制的に丑三つ時の農環研に侵入し,しかるべき護摩壇をしつらえて最後の仕上げと参ろうか.※またかよっ.

◆本日の総歩数=2504歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.5kg/−0.8%.


26 april 2008(土) ※ いまひとつパッとしない閉塞土曜日

◆午前5時半に起き出す.曇りのち晴れ.気温は低めに推移する.

◆目に余るトドたちの狼藉 —— 『』の原稿進捗がイマイチはかばかしくない.原稿を書くときには,「中断されない10時間(5時間でもいい……)」が基本なのだが,どーも“光中断”かせときどき差し込まれてしまい,そのつど“再起動”しているていたらくだ.いずれにせよ.週明けには音羽の御白砂での厳しい詮議が待っているにちがいないので,それまでには耳をそろえないと,首を洗うはめになる.今日から明日にかけての仕事だ./月曜の「農大かもし」の支度が進んでいない.これまた講義時間というデッドラインが厳然としているので,どーしよーもない.三点セットの準備は日曜の夜中から月曜の未明の仕事としよう.

—— トドを大きくたくましく育てあげてはいけません.(わかっちゃいるけど…….)

◆この週末は諸般の事情によりリアルに飲むことあたわず.しかたなく飲んだつもりになる.しかし,じっくり読むこともあたわずとは…… —— 今年に入って毎月1冊ずつ出たワイン史の3巻本が完結した.計1,000ページを越える大著だ.

1) ヒュー・ジョンソン[小林章夫訳]『ワイン物語:芳醇な味と香りの世界史(上)』(2008年2月8日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー632],338 pp.,本体価格1,500円,ISBN:978-4-582-76632-5 → 版元ページ

2) ヒュー・ジョンソン[小林章夫訳]『ワイン物語:芳醇な味と香りの世界史(中)』(2008年3月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー636],337 pp.,本体価格1,500円,ISBN:978-4-582-76636-3 → 版元ページ

3) ヒュー・ジョンソン[小林章夫訳]『ワイン物語:芳醇な味と香りの世界史(下)』(2008年4月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー638],369 pp.,本体価格1,500円,ISBN:978-4-582-76638-7 → 版元ページ).

◆午後になって曇りときどき晴れ.北の風が涼しいが,しだいに気温が高くなってきたぞ.歩き読みで『みんなのための進化学』をほぼ読了した.

◆世間的にはGWが始まっているらしく,TVや新聞では“民族大移動”が伝えられている.しかし,今年は例外的な日を除いては,平日はいつも通りの平常営業,連休中は休日出勤が続く予定.

◆夜はもちろん原稿書き.しかし……(冷汗).

◆本日の総歩数=4634歩[うち「しっかり歩数」=2929歩/26分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=−0.2kg/+1.0%.


25 april 2008(金) ※ 年に一度の通過儀礼ということで

◆午前4時半起床.霧雨が降り続く.気温15.2度.

◆日本の鐘の文化史 —— 笹本正治『中世の音・近世の音:鐘の音の結ぶ世界』(2008年4月10日刊行,講談社[学術文庫1868],343 pp.,本体価格1,100円,ISBN:978-4-06-159868-3 → 目次版元ページ).ラフマニノフのその名も〈鐘〉,コダーイの〈ハーリヤーノシュ〉の2曲め「ウィーンの音楽時計」に出てくる鐘,ベルリオーズ〈幻想交響曲〉の最終楽章の鐘,マーラー〈復活〉の鐘,そしてこれから練習しようとしているムソルグスキー/ラヴェル〈展覧会の絵〉の「キエフの大門」の鐘 —— 鐘といえば,西洋音楽の中で演奏した経験しか思い浮かばない.しかし,本書は日本の社会の中での「鐘」について論じた本で,延髄反射で買ってしまいました.

◆変な空模様.雨はいったんあがり,曇り空.ときどき晴れ間.しかしときどき雲が出て,小雨がぱらついたりする.10時半の気温は15.3度.明け方とほとんど同じ.

◆今日こそは『』の連載原稿を書きあげないとどうしようもないのだが,その前に所内のRP設計検討会という毎年恒例の“通過儀礼”があるので,その準備をちょこちょこしたりして.

◆RP設計検討会(11:15から15:30,453号室) —— 今年1年の所内RP(リサーチ・プロジェクト)の研究計画について討論する会.農環研の職員はほとんどすべてひとつまたは複数のRPに属して研究を進めている.ぼくが所属している唯一のRPは「農業環境リスク評価RP」だ.今年で3年めに入る.

個人的に研究組織に対する帰属感覚とかフィデリティはほぼ“ゼロ”なので,所内プロジェクトのようなものに対するコミットメントの意欲がまったく湧かない.これはRPという研究制度ができる前から変わっていない.1989年に農環研に入って以来,一貫して心理的にも実質的にも「所外」での仕事がほとんどだった.「ワタシにとってもっとも“近縁”な研究者集団は所内にはいません」と公言してきたので,そのことばの通りにしてきたということだ.

だから,年度はじめの設計検討会とか年[度]末の成績検討会のような場で,まとまって何か話し合いましょうと言われても困ってしまう.実際,所内の検討会での質疑もすれちがうことが多く,ぼくは適当に受け答えしているが,相手もきっと困っているんじゃないだろうか.よくわかんないけど,自分の研究活動がたまたまRPの利益と合致すればそれでハッピーということにしましょう.要するに,こちらからは何も求めませんので,そちらからもあれこれ求めないでねということです.

—— 「農環研実在率」は低いままの方が,世のため人のためそして自分のためと言い聞かせる.考えようによってはじつにやっかいなヒトですわ.>ぼく.

◆それでも,儀礼の場に参列するとそれなりに疲れる.パワーがやや落ちたところに,バッド・タイミングで音羽から原稿督促電話あり.GW直前なので“のりしろ”はあまりないとのこと.午後4時過ぎにさっさと撤収して帰宅.さ,いよいよ原稿をとキーボードに向かったとたんに睡魔が降臨してきた……(さては,よからぬモノが納棺研から憑いてきたか).

—— ごめんなさいごめんなさい.明日こそは耳をそろえて.

◆週明け28日(月)の「農大かもし」三点セットの用意もしないといけなかったのだが,それは週末の時間外労働として消化してしまおう.まずは原稿だ.

◆本日の総歩数=9524歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=+0.6kg/−0.8%.


24 april 2008(木) ※ またも桜丘にて深く深くかもされて

◆午前4時15分起床.南風で曇り,ぽつぽつ雨が降り出してきた.気温は16.6度.暖か過ぎ.

◆早朝のこまごま —— 明日のRP設計会議のレポートを送信する.準備はほとんどしない./進化学会ワークショップ(生物学哲学)の日程調整について.とくに問題ないのでいつでもOKと返事する./CRANから新バージョン〈R 2.7.0〉が公開されたのでさっそくダウンロードする./計量生物学会大会プログラムを共著者に連絡.発表は6月5日(木)14:00〜.演題は:大東健太郎・三中信宏・水口亜樹・吉村泰幸・松尾和人(農業環境技術研究所)「開花期重複から見た開放環境下におけるダイズとツルマメの自然交雑程度の推定」.大東くん,よろしく.

◆午前8時には本降りになってきた.しかし,湿度が高くて不快指数上昇中.午前10時半の気温は17.6度.不快不快また不快.

◆厚いいただきもの —— 東浩紀・北田暁大(編)『思想地図 vol.1:特集・日本』(2008年4月25日刊行,日本放送出版協会[NHKブックス別巻],468 pp.,本体価格1,500円,ISBN:978-4-14-009340-5).通常のNHKブックスの2冊分は優にある厚さ.これからもときどき出るのだろう.

◆事務書類作成マシンは性能わるし —— 今月から来月にかけての「いなくてゴメン届け」をたくさん書く.出張伺を3件,年休届けを5件,兼業します届を4件(すべて農大がらみ).もう1件,IAMASの非常勤出講があるが,これは未提出.

—— むこう1ヵ月の全労働日22日間のうち,つくばに実在する日数は13日.実在率は約59%.やや高い方だろう.6月は50%を下まわりそうだ.

◆午後になって,風が急に冷たくなり,気温が一気に4度ほど下がった.雨は上がったようで,薄曇りが続く.湿気多し.カビはえまっせー.

◆農大「夜」のかもし —— 午後4時前に帰宅.生暖かい南風が吹き,気温16.7度.明るい曇天が広がる.15:48の TX 区間快速に飛び乗り,経堂に向かう.西の空が晴れていたのでもう降らないだろうと傘を置いてきたのが敗因だった.夕方5時半のたそがれる農大通りをとぼとぼ歩いているうちにぽつぽつとまた降り出してきた.運が悪いな.

農大の広大な敷地を回り込んで,世田谷通りの道をはさんだ向かい側にある,東京農大グリーンアカデミーホールにたどり着く.今夜はここで生物応用化学科の非常勤講師・授業担当者懇談会が催される.定刻の午後6時に開始.自己紹介したり,会食したりの2時間があっという間に過ぎる.世田谷で教えるのは初めてなので,「実験データ解析概論」受講生の“農大学生気質”についていろいろうかがう.

一次会が終っても“かもし”は終わらない.今回,ワタクシを世田谷に引きずり込んだ張本人である三輪睿太郎に拉致され,ふりしきる雨の中,農大通りからちょい横道に入った“日吉酒場”ならぬ〈嵯峨野〉に入る.畳の座敷をカウンタが取り囲むというフシギなつくりの店.おかみの話によると,なーんだ,××さんも常連でしたか.お客さんがもちこんだ「神亀」をたくさんいただきました.ごちそうさまです(もちこみありの店とはね).日本酒とおでんをつつきつつ,農水省系独法の“九龍城”のごとく入り組んだインサイド・ストーリーをいろいろと.

—— さんざん“かもされ”たあげく,午後10時11分経堂発の多摩急行我孫子行きに転がり込む.雨上がりのつくばに着いたのは日が変わる直前だった.

◆往復車中読書 —— David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk] → 目次).最後のいくつかの章を残すのみ.芸術から宗教まで文化進化の観点から解きほぐす.著者の群淘汰は通奏低音.

◆本日の総歩数=16883歩[うち「しっかり歩数」=2840歩/26分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=0.0kg/−0.3%.


23 april 2008(水) ※ 上野の森のダーウィン展に立ち寄る

◆午前5時起床.晴れ.今日は東京出張日.しかし,東大に行く前にちょいと寄り道.

◆9:31発の TX 鈍行に乗る.守谷で快速に乗り換えて,北千住から上野に向かう.目指すは,国立科学博物館で開催されている〈ダーウィン展〉だ.展示が始まってもう一月経っているのだが,やっと行く機会を得た.上野駅前に降り立ったのは午前10時半.日射しが照りつけ,駅前の雑踏(平日なのに)にも半袖の通行人がちらほらと(ワタクシもそのひとり).

科博の〈ダーウィン展〉は休日や週末ともなれば,来館者でたいへん混雑するのだろうと推測される.こんな平日の午前なのに,見にくる人が途切れない.展示は,ダーウィンの生い立ちから始まって,ビーグル号航海を経てナチュラリストとして独立し,帰国後はダウンハウスにほぼ引き籠って研究三昧.書簡や資料そして標本や実物の展示は日本ではなかなか見る機会がないものが多いので興味深い.

ダーウィンのノートブックやメモ類はケンブリッジ大学にあるものについては〈Darwin Online〉ですべて電子閲覧することができる.今回展示された書簡などで〈DAR〉番号の付されたものはこのサイトから“読む”ことができる.しかし,「実物」ならではの情報もある.ダーウィンがメモに使っていたノートブックは,8センチ×16センチの横長で,意外に小さいなという実感とともに,横長という形式が注目される.あの走り書きのペン字体だと確かに横長でないと改行がめんどうだろうな.

今回の展示は,来年で生誕二百年を迎えるチャールズ・ダーウィンその人に焦点を当てた企画なので,文字どおりの「ダーウィン展」であって,必ずしも「ダーウィニアン展」とか「ダーウィニズム展」ではない.ビデオ展示で Niles Eldredge が話をしていた.

—— 出口前のショップで〈ダーウィン展〉図録を入手する:国立科学博物館・渡辺政隆・読売新聞東京本社事業開発部(編)『ダーウィン展[カタログ]』(2008年3月刊行,読売新聞東京本社,ISBNなし → 目次).132ページもあるりっぱなカタログで,チャールズ・ダーウィンの生きた時代と彼の進化論を取り巻いた当時の状況を,書簡やノート,そして生物の標本や関連エピソードを通して描き出す.特別寄稿とコラム以外の本文は渡辺さんが執筆したとのことだ.

◆上野公園は人多過ぎ.初夏の陽気の中を芸大から根津方面に向かう.芸大では「バウハウス」展をやるそうだ.根津神社ではちょうど恒例のつつじ祭りが始まっていて,ここもまた人多過ぎ.肝心のつつじは満開ではないのに,人出は満開だ.地震研から東大農学部に侵入する.

◆今週中のトドの備忘メモ —— 4月28日(月)は兼業欠勤届を出すこと./農大かもし(3)の三点セットを用意せよ./RP設計会議のレポートは明日24日正午が提出締切.さくさく出せ./5月1日のメーデーは半日年休.

◆午後1時から専攻教員会議の始まり.今年度最初の会議なので,年度全体にわたる役員の確認と行事日程のチェックなどなど議題がたくさん.備忘メモ:駒場・進振ガイダンスは5月9日(金)18:00〜19:30./研究会議は6月4日(水)16:00〜17:30./大学院ガイダンスは6月11日(水)14:00〜16:00./学部見学旅行はとりあえず7月7日(月)〜8日(火)に設定するが,実習日程によっては7月14日(月)〜15日(火)に変更される可能性あり.つくばでの受け入れ準備がある.こういう諸行事は月イチの専攻教員会議とは別日程なので,弥生への“動員”は予想以上に多い.それ以外に,今年から講義履修や成績評価がすべてオンライン化されるとのことで,新システム「UT-mate」のマニュアルが教員に配布された.

—— ヒミツの重要伝達事項あり.教員会議の直前に,他言無用の「試飯会(ためしかい)」が来月の某日夜,農学部7号館のとある隠し部屋でヒソカに開催されるとの伝言が背後からまわってきた.そーですか,ついにアノ“黒ミサ”をやるんですね,ぐふふ…….

◆教員会議は午後4時におしまい.千駄木からつくばに直帰しました.午後5時半に帰還する.

◆往復車中読書 —— David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk] → 目次)をさらに読み進む.この本は一般向けの本ではあるのだが,とても高いミッションを掲げていると思う.『みんなのための進化学』というタイトルはけっして見かけとか口先だけではない.ソフトな感触なのだが,流動食のような食感ではない.

◆本日の総歩数=12602歩[うち「しっかり歩数」=5167歩/48分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.6kg/+0.4%.


22 april 2008(火) ※ つくばにいるとさらに追い込まれる

◆うっかり午前5時半に起床する.ダメダメ.曇りのち晴れ.気温10.3度.暖かそうだ.

◆朝から追い立てられ —— 先週の金曜が締切だった共済組合動態調査票を提出.ほとんど書き込む必要がないのに期限に遅れるとは./これまた締切を過ぎていたメーデー動員の分会への報告をすませる./RP設計会議の報告書を書こうとするが,気力やや低下のためフリーズする./申請していた兼業の許可が4件おりた.もう1件あったはずだが…….あ,IAMASの兼業申請も出さないと./農文協への事務連絡.これまた締切を過ぎていた./横浜国大に出す事務書類を作成しないといけないぞ.

—— 締切を(程度のちがいはあっても)通り過ぎた案件がいったいいくつ横たわっていることやら.

◆午前10時.快晴.気温16.6度.順調に暖かくなっている.湿度が低いのが救いだ.すき間に D. S. Wilson の『みんなの進化学』をさらに読み進む.

◆【種】って何さ?(〜リフレイン〜) —— Scientific American 誌の今年6月号に掲載される Carl Zimmer の記事「What is Species?」のゲラが送られてきた.A4で8ページある.だいたい予想された通りのストーリー展開で,インタビューの相手も妥当な人選だと思う.最近の【種】論争を通して,生物多様性の知識体系としての生物体系学の「いま」を論じるという趣旨の記事だ.5月末には翻訳原稿を仕上げて,7月発売の日経サイエンス9月号に掲載される予定.

◆午後も追いまくられ —— やっと共立出版にリーディングの中間報告書を送ることができた.まだ読了してはいないのだが,既読分からの外挿に問題がないくらい読めたので,とりあえずということで.一般向けの生物進化の本としてはたいへんバランスよく書けていると思います.もともと“理論派”の著者なのにここまで“ナチュラルヒストリー”な本を出すとはちょっとしたサプライズということです./今年の進化学会大会(駒場)に申請していた生物学哲学ワークショップが採択されたとオーガナイザー氏からの連絡あり.次は講演要旨と想定されるゲリラ攻撃に対する“地対地ミサイル”の配備か../11月5日〜7日に神戸大学で開催されるISHPSSB Off-Year Workshop の大会ウェブサイトを開設したとの事務局長氏からの連絡あり.まだ仮設サイトだというのでここからリンクはしないでおこう.ぼくがオーガナイズするセッション「Systematic Biology and the Species Problem」は最終日の午前に割り振られている.予定演者への連絡と演題ならびに要旨が次の仕事になる.

◆久しぶりの Slice 本 —— 『Modern Morphometrics in Physical Anthropology』の輪読セミナーの第13回.Chapter 4 : David Paul Reddy, Katerina Harvati, and Johann Kim「An Alternative Approach to Space Curve Analysis Using the Example of the Neanderthal Occipital Bun」(pp. 105-114).この章を読了.Sliding semilandmark 法とは異なり,著者らが提唱する新しい「nonuniform curve relaxation 法」は,空間曲線をGPAによってプロクラステス整列し,曲線上に初期設定された標識点の集合に対してリサンプリングによって推定された法線ベクトルが規定する平面に対して標識点集合を正射影するという操作を各標識点集合について繰り返す.そして,全体の屈曲エネルギーが最小化されるようにその平面内で最適化することにより,標識点の最適位置を決定する.適用例を見るかぎり,sliding semilandmark 法との明瞭なちがいは見えない.しかし,局所的な形状情報を局所的に取り扱うという理念の上ではメリットがあるのかもしれない.Sliding semilandmark 法では,曲線内での準標識点の位置が最適化の過程でグローバルにずれる可能性があるが,nonuniform curve relaxation 法だと,各標識点集合ごとにあらかじめ制約平面を設定するので,最適化の範囲がローカルに限定されることになるだろうから.

◆午後4時半に早々と帰宅.北東風が心地よし.晴れまた晴れ.

◆さて,次はいよいよ『』の連載原稿に取りかからないと.GW前なので時間的な“お慈悲”はいただけないようだ(汗).明日は東大農学部の専攻教員会議に行く日なので,どこかで何とか少しは進捗させないといけないな.そのためにはぐずぐずせずに上野の森に直行するしかないだろう.

◆本日の総歩数=9530歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.1kg/+0.6%.


21 april 2008(月) ※ 世田谷にて再びかもしまくられる

◆午前4時半起床.曇りのち晴れ.気温12.5度.朝からこの気温では先が思いやられる.

◆振替休日労働日 —— 朝から講義準備.もちろん資料や機材の支度はすんでいるのだが,スライドはいじりだすときりがない.今日は統計学概論の続きをして,その後,分散概念の導出をするつもりなのだった.しかし,「統計学は“絵”がイノチ」の一文を差し込もうとしたのが運の尽き.またまたスライドの新規作成を始めてしまい,およそ2時間が消化されてしまった.R Commander でのデータ視覚化デモの手順を確認する.

◆12:11発の TX 快速で出発.経堂に着いたのは午後1時半だった.晴れて暖かい.そろそろ長袖ともしばしの別れか.農大通りを寄り道せずに20分歩いて,かもしの場へ到着.

◆農大かもし(2回目) —— 講師室に立ち寄り,14:30には112番教室へ向かった.先週は120名超の学生が来たが,今日もあまり減っていない.資料は念のため130部を用意してきたが,残部が30部ほどだったので,ほぼ100名の学生がいることになる.4月いっぱいはキャンパスの人口密度は高く推移するものだが,新学期の履修科目が確定し,GWが過ぎた来月になればほどよい学生密度になることを期待しよう.

今日は,予定通り統計学概論の続きから入り,途中から「データの視覚化」という新規な話題に突入していった.〈R〉のデモが意外に時間がかかった.〈R〉の散布図行列と三次元表示はインパクトあるなあ.けっきょく分散概念には入ることができなかった.残りは来週まわしということで.

—— 農大通りを経堂まで戻り,駅の北側のすずらん通りにある「遠藤書店」の探検に向かった.なかなかいい品揃えだが,今日は時間がない.また改めて来よう.

◆つくばに帰り着いたのは午後6時半だった.日中は初夏のように暖かかったが,夕暮れになってやっと涼しくなった.

◆往復車中読書 —— David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk] → 目次)をぐいぐいと.自伝的な章や他の研究者群像,人間進化生物学のエピソードとか,創造論者やID支持者たちへの批判もある.話題は多岐にわたるが,全体を通して「自然淘汰思考」がどこまで普遍的かを伝えることが一貫した柱になっている.前著『Darwin's Cathedral: Darwin, Religion, and the Nature of Society』(2002年刊行,University of Chicago Press)以来続く宗教に関する長い論議と彼自身の提唱する群淘汰(複数レベル淘汰)の考えについては,本書の後半に登場する.

◆帰宅後の尻叩かれ —— 音羽から督促メール.GW前なので連載原稿をさくさく出すよーにとの御達しあり./日経サイエンスから翻訳原稿届く.6月はじめに締切./共立出版に報告書を出さないといけないのだが……./所内の業績評価委員会が査読論文に関してなんのかんの言っているらしい.さっくりやりましょうよ.

—— かもされ,たたかれ,締め上げられ……の一日がやっと終わった.

◆本日の総歩数=13090歩[うち「しっかり歩数」=4524歩/42分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=−0.4kg/−1.4%.


20 april 2008(日) ※ 『みんなのための進化学』を読む

◆明け方から寝たり起きたり.外は明るく曇っている.午前7時半に完全起床.ときどき晴れ間はのぞくのだが基本的には曇りがち.気温はほどほどだが,空気に湿り気があるので,爽快とはいえない.

◆朝から“業務”としての読書 —— David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk])の続きをば.著者の言う「自然淘汰思考(natural selection thinking)」が,人間を含む生物界に対するものの見方にどのような関わりをもっているのかをさまざまな切り口から問いかける.全体は章だての構成だが,各章は平均してとても短いので(大部分は10ページ前後),エッセイが積み重なったような読中感だ.

◆昼前に,小野崎の〈Shingoster〉に行ってみた.今日は日曜市ということで,牛スジ肉カレーを楽しみにしていたのだが,これまで見たこともないほどの人ごみで,リソースはすでに喰いつくされてしまったらしい.口コミってこわいです,ハイ.一回りしてすごすごと退散する.曇り空でやや蒸し暑い.ときどき小雨がぱらついたりして,やや亜熱帯な雰囲気.

◆休日のこまごま —— 日経サイエンスから,Scientific American 誌の【種】の記事を訳しませんかとのプロポーザルあり,二つ返事で引き受ける.元記事の著者は,かの Carl Zimmer です.今年7月号に掲載予定とのこと./東京農大・昆研の今年の新歓合宿は御岳山の「山香荘」でやるそうだ.しかし,その日程は日本菌学会大会に呼ばれて三重県でかもされている期間とちょうど重なってしまっている.残念だが,今年の新歓合宿は欠席することにして,代わりに昆研の大所帯を焚き付けるのに十分な量のアルコール燃料を御供物としよう./来週金曜に所内RPの設計会議がある.そこでの報告書を事前につくらないといけない.書式だけざっと見て,まだいいかと先送りする.まあ,いいでしょ,ねえ.

◆午後も読書は続く.クスリをのんでいるので,ときどき意識がなくなったり.夜もなお続く本読み業務.まだ読了せず…….※ひー.

◆明日は形式上は振替休日だが,午後は農大での講義が待っているので休めない.三点セットは先週のうちにすでに用意した.あとは,持参する機材の支度と〈R〉の計算デモの手順の確認をしておかないといけないか.日が変わる前に,〈Inleiding tot de R-statistiek〉にちょこっとコメントを書いて,とっととご就寝だ.

◆本日の総歩数=8157歩[うち「しっかり歩数」=1300歩/12分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=+0.5kg/+0.4%.


19 april 2008(土) ※ イマイチすっきりしない曇天が続く

◆午前5時半起床.雨はもう上がっていたが,雲が低く垂れ込めている.北寄りの風が涼しい.気温は低め.ときどき薄日が射すが,すぐまた雲間に隠れてしまう.

◆『』の最新号(2008年5月号)が届く —— ワタクシの連載記事は:三中信宏「ナボコフの“ブルース”」(pp. 32-39).今回は,つい最近までベルリン中心街にあった古書店と,ハーヴァード大学の比較動物学博物館(MCZ)が舞台です.歴史の長い大学や著名な研究機関は,ちょうどハブ空港のように,さまざまな人生航路が引き寄せられ,交わってはまた離れていく.大きな古書店もまた,さまざまな経歴をもつ本たちがそこに集まっては,再び遠くに散らばっていく.

—— いずれにしても,最新号がこうして来てしまったからには,次回の連載原稿をそろそろ書かねばならないな…….※毎月毎月,ちーとも学習していない.

◆備忘メモ —— 横浜国大・統計学道場について,集中講義の開催期間は9月10日(水)〜12日(金)に確定した./応用統計学会大会のプログラム(→pdf)が公開された.依頼されている座長業務は,6月7日(土)15:10〜16:10と決まった.演者は岸野洋久さん.会場は筑波大学の大学会館./それに先立つ6月4日(水)〜5日(木)には同じ会場で計量生物学会大会が開催される.こちらには連名での口頭発表を予定しているのだが,発表時間についてはまだ確定していないみたい.

◆チャールズ・ダーウィンの“ブラック・ボックス”が全面公開された —— チャールズ・ダーウィンの著作や手稿のインターネット公開を進めている〈Darwin Online〉は,このたびダーウィンの手稿・原稿・資料などを一挙に公開した(→「Charles Darwin's Papers Online」at 17 April 2008).公開点数は2万件,画像枚数にして約9万枚という膨大な量だ.画像だけでなく,本文に関する全文検索も可能だ.

公開された物件の一覧リスト(「Browse Darwin's Papers」)を見ると,要するに今回インターネットで無料閲覧が可能になったのは,ケンブリッジ大学図書館が長らく管理していたダーウィン資料〈DAR〉であることがわかる.具体的には「DAR1」〜「DAR242」とナンバリングされている資料群だ.ダーウィン研究者だった Dov Ospovat はこの資料群をダーウィンに関する“ブラック・ボックス”と呼んだ.それほど高い学問的価値をもっている.

これまではケンブリッジに出向かないかぎり,これらの“ブラック・ボックス”を開くことは不可能だった.それが今後は世界中どこからでも無償でアクセスすることができる.日本での新聞報道では,たとえば「『種の起源』草稿を公開」(IZA, 2007年4月17日付)などと書かれていることが多い.しかし,公開された資料のうち『種の起源』に関するものはごく一部で,ノートブック類や他の著作・論文に関わる資料類の方がずっと多い.

—— こう考えると,今回のダーウィン“ブラック・ボックス”の全面公開は,報道されているよりも,もっと深い意義がある画期的なことだと思う.

◆ガラパゴス諸島の映像公開 —— イギリスBBCが2006年に制作したDVD三枚組が6月28日に販売されるとのことだ.→公式サイトによると50分×3枚というから,まとまった量の映像が堪能できるだろう..

◆日中はずっと曇り空で,夕方には一時ぱらぱらと雨が降ってきた.北寄りの風が吹いて,気温は低めだった.

◆夜は読書です.読んでます読んでます.しかし,クスリで睡魔がまとわり憑いてます.眠いです眠いです.

◆本日の総歩数=4535歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=−0.8kg/+0.8%.


18 april 2008(金) ※ 暴風雨で傘は折れ看板はちぎれ飛ぶ

◆午前4時半起床.雨がざあざあ降っている.気温12.7度.濡れ濡れて進軍し,研究所に到達.今日は農林団地の各研究所は年に一度の「一般公開日」だが,こんな風雨では客足は半減だろう.

◆朝イチの無駄足と勇み足 —— 市役所にて印鑑証明書を発行してもらう.警察署に届け出ようとしたが,まずはマンション管理者が先かと問い合わせ,必要書類をもらってから警察に出直したら,まだ昼前なのに早々と昼休みに入りやがった.午後1時まで待って再び警察を襲撃する.今度は受理されたが,実際に発行されるのは来週になるとのこと.何ですか,いったい…….

◆春の嵐 —— 風雨はしだいに強まり,午前10時には暴風雨みたいな兇相の空模様に.路傍には折れた傘の“屍体”が風に飛ばされ,鉢植えの木はあえなく転がり,道路標識まで根こそぎ倒伏している.風速20メートルはあったのだろう.春の嵐にしては度が過ぎている.

◆雨に濡れ,風に吹かれて,農環研 —— やっぱり一般公開の人出は少ないようだ.いつもなら自転車で来所する中高生がいるのだが,この天候では自転車は危険だろう.午後になって雨足はおさまってきたが,風はなお強い.ときどきざーっと雨が降ったり.

◆嵐の昼下りのこまごま —— 先日出した兼業申請がすべて承認された(全5件).しかし,まだいくつか増えそうな気配./そういえば,今年は JICA の研修講義の依頼がない.昨年までのキューバ・コースはすでに解体されたのだが,コース編成が変わって統計学講義のワクがなくなってしまったのかもしれないな.割とこまめに大きな変化がある組織なので,数年先のことはまったく読めない.

◆午後4時半に早くも撤収する.風が強くて,小雨がぱらぱらと側面攻撃してくる.空は明るくなってきたので,低気圧はもう通り過ぎたのだろう.夜になってやっと風はおさまった.

◆「サイバーサイエンス」としての生物体系学 —— ここ数日,届いたばかりの新刊:Christine Hine『Systematics as Cyberscience: Computers, Change, and Continuity in Science』(2008年3月刊行,The MIT Press[Series: Inside Technology],320 pp.,ISBN:978-0-262-08371-3 [hbk] → 目次版元ページ)を断続的に読み続けている.前に書いたように(→2008年3月21日の日録),本書は〈TaxaCom〉という体系学メーリングリストを「場」として実践された科学社会学的研究をまとめたものだ.

筆者の主たる関心は,生物体系学という自然科学の中でも最も古い歴史をもつ自然科学の研究者コミュニティが,コンピュータやインターネットなどの「ICTs(=Information and Communication Technologies)」の急速な浸透を通じて,科学としての姿をどのように変貌させていったかという点にある.単に,体系学者が「ICTs」をツールとしてどのように利用しているかだけではなく,そのような情報ツールが逆に産み出す新たな研究活動の場や需要その他の現世的御利益をも含め考えようとする.

著者はもともと植物学の出身であり,初期の生物分類データベースの構築にも関わりを持っていた.そのような研究経歴が背景にあるので,本書はSTS研究にありがちな“脱力系ハズレ感”はないようだ.むしろ,生物の多様性や系統樹に関わる大規模なデータベースが国際的につくられつつある現在,そのような大プロジェクトを支える生物体系学コミュニティの様相について考察するとき,本書は議論のための素材を提供しているように思われる.

第1章「Introducing the Study of a Cyberscience」(pp. 1-17)は,本書全体の内容紹介をすると同時に,いくつかのキー・コンセプトの導入をはかる.その中でもとくに論議を呼ぶのは,著者の言う「サイバーサイエンス(cyberscience)」という概念だ.予想される誤解を見越した上で,著者は次のようにこの用語の意味について説明する:

The term cyberscience needs some introduction. Byb using it I do not intend to indicate that there has been a radical shift or discontinuity in the ways in which science is practiced and communicated. Rather, the term is used as a qualitative indicator of the increasingly intimate relationship between scientfic research and ICTs. [ ……] The term cyberscience demarcates this intimate connection as a site for examination. Just as cyberspace is used to mean a form of space realized through ICTs, so cyberscience implies the realization of science through those technologies. This realization of science includes both the representation of knowledge and practice of research: cyberscience is not just about communicating science, but about ways of doing science as well. [……] As the term cyberspace has been a rallying point to make apparent the reality of the experience of immersion in ICTs, so I would like to use the term cyberscience to mark as notable the extent to which ICTs have come to pervade science. (p. 9)

情報通信技術(ICTs)と“一体化”した科学−すなわち「サイバーサイエンス」−がどのようなものなのかを科学社会学的に調べる「場」として著者は生物体系学を選んだということだ.このような情報テクノロジーに関してこれまで最も遅れていた生物学の一分野がこれほど短期間にサイバーサイエンスに大変身した理由を知りたいという動機が著者にはあるようだ.

Systematics has undergone long periods as an unfashionable and sometimes derided practice, but has emerged into the spotlight in the last decade with the growing political prominence of biodiversity conservation. As a discipline systematics has thus had to pay serious attention to its image, and use of technology has played a significant part. A wide range of ICTs has been incorporated into practice within systematics. [……] Without wishing to give too much of the story away, we could say that systematics proves to be a site where belief in technology as an agent of change, and as symbolic of a desire to change, has been particularly apparent. (pp. 10-11)

次章以降では,サイバーサイエンスたる生物体系学を“民族学的(ethnographic)”なアプローチによって観察し分析しようとする.

—— 当の〈TaxaCom〉メーリングリストでも,本書に関するスレッドが今日新たにつくられた.体系学者は科学哲学者や科学論者あるいは科学史研究者によって“観察される”ことにはすでに慣れているが,ただ好きなように解釈されるがままの対象ではないと思う.ヘタを打てばすぐにかもしてあげます.

◆今週末は別件の半強制的読書三昧生活に入ります.あくまでも半強制的です.

◆本日の総歩数=9432歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=+1.1kg/−1.3%.


17 april 2008(木) ※ 本郷路地裏の超レトロな旅館に集結

◆午前4時半起床.曇りときどき晴れ間.気温は14.1度.湿度はやや高め.

◆朝のこまごま —— 組合関連.各班ごとにメーデー参加者を確認すること.4月21日までに./警察はOK,市役所はバツ.もう一回足を運ばないと./「査読の証明」.適当に関連するやりとりを転送しておしまい.そんなに査読されるのが好きかい?

◆またも〈R〉新刊訳本 —— Michael J.Crawley著|野間口謙太郎・菊池泰樹訳 『統計学:Rを用いた入門書』(2008年5月13日刊行予定,共立出版,368 pp.,本体価格4,300円,ISBN:978-4-320-01857-0 → 版元ページ).Crawley御大の登場.原書は:Michael J.Crawley『Statistics: An Introduction Using R』(2005年5月刊行,Wiley,ISBN:0-470-02297-3 [hbk] / ISBN:0-470-02298-1 [pbk]}.最近になって,定番の〈R〉教科書がどんどん日本語に翻訳されている.ここまでくれば学部学生に参考書の紹介をするとき,とてもラクになる.

◆午後になって雲が厚く垂れ込めてきた.今年初めての蛙の鳴き声.そして,午後3時過ぎに雨が降り出した.風邪の具合は多少はよくなってきたか.

◆午後のこまごま —— 来週月曜の講義支度.農大三点セットを準備完了.先週は予想以上に客の入りがよかったので,次回は「130部」用意していくぞ./共立出版からリーディング結果の報告をよろしくとの督促あり.来週始めにレポートを送らないといけない.

◆夕闇の本郷に出没する —— 雨足はいよいよ強く,風も出てきた.17:09発のTX快速に乗り,本郷へ.暮れゆく空からざあざあと雨が降ってくる.

◆本郷通りを北上し,落第横丁を左に折れる.根津や千駄木の路地・横丁はかなり綿密に探索したことがあるが,本郷あたりの裏道は調べきれていない.行き止まりの細道や坂・階段が方々にあるのは,ここが台地である証しだ.本郷台地から春日方面に広がる古い街並みは,ここに住むか,あるいは特別な関心をもつ人でなければ入り込めないだろう.落第横丁から入ってしばらく歩くと,目的地である旅館〈鳳明館〉の看板が見えてきた.明治30年代の建築だというから,まごうことなき明治の「レトロ」が時代を耐えぬいてそのまま建っているようなものだ.

鳳明館の本館と台町別館は道をはさんで隣り合っているが,今日の座敷は別館に用意されている.集合予定時刻よりも1時間も早く着いてしまったが,すでに用意されていた「控え室」がわりの和室に通された.門構え・廊下・部屋,そして庭園(暗闇で見えなかったが)のいずれを取っても,確かにここは「ニッポンの正しい和風旅館」にちがいない.

定刻の午後7時少し前に別にしつらえられたお座敷に通された.すでに宴会膳は並べられている.今日は,東大の専攻主催で他大学に出られる教員の送別会だ.ハカマ付きの瓶ビールがなつかしいな.晒し鯨の酢の物もここしばらく食べたことがない.何十年か前はごくふつうだった「正しい宴会」のあり方を思い出した.

しかし,単に“昔なつかし”だけでは商売はできないにちがいない.実際,鳳明館のお得意さんは外国人観光客のようで,この日も多くの外国人客がチェックインしていた.根津の〈澤の屋旅館〉と同様の方針で集客しているのだろう.思い起こせば,かつて中学の修学旅行で東京に来たときには,本郷の修学旅行旅館に泊った記憶がある.また,その後,東大の入試に来たときも本郷の別の旅館に滞在した.しかし,最近はこのエリアに泊ることはまったくない.

専攻の送別会は「ニッポンの正しい送別会」路線を遵守し,午後9時過ぎに健康的にお開きとなった.ディープな面々は春日方面のさらなる深みへと消えていったが,ここで二次会に突入してしまうと,つくばに帰れなくなる.雨の中を本郷三丁目から帰路に着いた.午後11時前につくば到着.雨降り続く.

◆車中読書 —— David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk]).読まないと読まないと.

◆体調,いまだ本調子ならず.※病人のくせに東京までのみに行くな,とも.

◆本日の総歩数=14477歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=0.0kg/+0.2%.


16 april 2008(水) ※ 微熱でゆらゆら,クスリでふらふら

◆前夜早く寝てしまったので,真夜中に目が覚めてみたり.悪寒が憑いたり,また覚醒したり,臥したりする.けっきょく午前4時半に起床.37.0度前後の微熱が続く.曇り8.1度.冷え込みなし.

◆届いた本 —— 樋口隆一『バッハの風景』(2008年3月5日刊行,小学館,334pp., 本体価格3,400円,ISBN:978-4-09-386159-5 → 版元ページ).生地であるアイゼナハからはじまり,後年の音楽活動の中心地となったライプチヒにいたるまで,バッハゆかりの地をたどり歩きとともに,彼の生涯とその心象風景を描くという論集.内容的には,平凡社ライブラリー所収の同じ著者による本:樋口隆一『バッハの風景』(2000年12月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー374],338 pp.,ISBN:4-582-76374-X)とつながっている.

◆ずーっと体調よろしからず.朝イチで医者に行ったところ,「のどが真っ赤ですねえ」と,いきなり溶連菌の検査キットを持ち出してきた.いま流行しているそうだ.「まさか溶連菌にかもされたか」とびびったが,幸い結果は陰性だった.兇悪菌にかもしコロされる心配がなくなったので,通常の感冒薬などを処方してもらった.

◆午前10時半.晴れ.気温18.0度.暖かい.研究所にてさっそくクスリを飲んで,農大の講義ブログ〈Inleiding tot de R-statistiek〉を書こうとしたのだが,手ごわい睡魔がトツジョとして降臨してきた.これはまいったな.午後になって雲が多くなってきた.2時の気温は20.3度.依然として睡魔は去らず.ときどき意識がまだらに消えている自覚あり.

こんな調子では長居は無用だ.午後4時過ぎに撤収し,即帰宅する.春霞の晴天だが,予報では前線が接近しつつあるらしい.

◆明日の夜は,本郷の老舗〈鳳明館〉にて,東大の専攻送別会が開催される.場所を確認.本館または隣接する台町別館のどちらか.いずれにしても,それまでには健康体にもどっていなくては.しかし,微熱は続くよどこまでも…….クスリのんで,と.

◆本日の総歩数=6107歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.2kg/+0.4%.


15 april 2008(火) ※ 風邪の菌にかもされてダウン……

◆午前4時半起床.地表近くに靄がたなびく.気温5.4度.やや肌寒い.のち,青空が広がる.

◆たまにはロマネスク —— 池田健二『カラー版 フランス・ロマネスクへの旅』(2008年3月25日刊行,中央公論新社[中公新書1938],ISBN:978-4-12-101938-7 → 版元ページ).11〜12世紀の中世ロマネスク建築の名残を求めて,フランス中南部の古い教会を訪ね歩く紀行文.

◆無力にもかもされました…… —— 午前中から外は暖かく晴れ上がり,午前10時の気温は16.0度.しかし,昨日からどうも喉の調子がよろしくない.痰がからみ,ティッシュが手放せない状態.しかも,この気だるさは微熱が出る徴候かもしれない.桜丘でイケナイ菌に憑かれたか.仕事の能率,とてもわろし.

◆こまごま —— RP設計会議は4月25日(金)13:15〜15:00,453号室にて.前日正午までに設計計画書を提出すること./横浜国大の統計学道場の日程調整.9月の平日3日間ということで調整中.当方の希望としては「9月10日(水)〜12日(金)」です.

◆昼下がり,体長いよいよよろしからず.午後4時の気温は20.5度もある.初夏を感じさせる1日だった.早々と撤収して帰宅する.確かに微熱37.3度あり.しかたなく病人になりきることにする.

◆夜の朗報 —— 今年11月5日(水)〜7日(金)に神戸大学で開催予定されている ISHPSSB の国際会議(Off-Year Workshop)は,学会本部からの“公認”を受け,財政援助してもらえることが正式に決まったとの連絡メールあり.一歩先に進むことができます.オーガナイズしているセッションのメンバーに連絡しないといけない.

◆すっかりかもされてしまったので,不健康に夜更かしせず,午後10時すぎにはさっさと寝てしまった.明日の朝イチで医者に診てもらうことにしよう.

◆本日の総歩数=5466歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.8kg/+0.2%.


14 april 2008(月) ※ 経堂・農大通りは雨のち春の陽気

◆午前5時起床.明け方は雨が降って寒かったが,しだいにやんで曇り空になる.しかし,気温はなお低め.

◆裳華房〈バイオディバーシティ・シリーズ〉の完結 —— 献本いただきました(感謝):石川良輔(編)『節足動物の多様性と系統』(2008年4月5日刊行,裳華房[バイオディバーシティ・シリーズ6],本体価格6,300円,4 color plates + xiv + 495 pp.,ISBN:978-4-7853-5829-7 → 版元ページ).昆虫類を含む節足動物全体にわたる体系学の本.500ページを越えるこういうまとまった本が日本語で出されるというのは意義がある.

本書をもってこの〈バイオディバーシティ・シリーズ〉全7冊は完結することになった.シリーズ最初の巻である:岩槻邦男・馬渡峻輔(編)『生物の種多様性』(1996年8月10日刊行,裳華房[バイオディバーシティ・シリーズ1],本体価格4,500円,2 color plates + xiv + 342 pp.,ISBN:4-7853-5824-6 → 版元ページ)から始まって12年目のことだ.

◆今日は振替休日なので,自宅で講義最終準備をすませ,11:41の TX 快速で経堂に向かう.曇り空からしだいに晴れ間が覗き,午後1時に経堂に降り立ったときは暖かくもう晴れ上がっていた.農大通りを下る.これから7月いっぱい,毎週月曜はこの道を通って,東京農大・世田谷キャンパスに通うことになる.今日が初回なので,非常勤講師室で機材の使用方法とか出勤簿押印,出欠管理システムについての説明をざっと受け,ウェブ利用のIDとパスワードをもらった.

新学期が始まって間もないので,キャンパス内の人口密度は場所を問わずとても高い.講義室(112号教室)にも案内されたが,250名ほどの容量があるウツワで,とても大きく感じる.かつて予備校の教壇に立っていた頃は,ときどきこのくらいのサイズの教室を使ったことがあるので,初めての経験ではない.事前の話では「選択科目ですから,せいぜい30〜40名でしょう」と聞いていたのだが,農大の場合,予想受講者数とはまったく関係なく講義室が割り振られてしまうという.

いったん講師室に戻り,生物応用化学科の樋口さんにあいさつをしに行く.お世話になります.

◆講義開始時間の少し前に講義室に入ったところ,前から後ろまでギッシリと人が入っている.100名を越えていることは確かで,これでは持参してきたハンドアウト50部がぜんぜん足りない.たまたま,にわかTAとして来てくれた南保さんに追加コピーの配布をお願いしてしまう.まだ履修登録前の期間なので“冷やかし”の学生も少なくないはずと樋口さんは言うのだが,動機はともかく,お越しいただいたお客さまには「本日は遠路はるばるようこそのお運びで」とあいさつするのがお作法だろう.

定刻(14:40)に「実験データ解析概論」を開始する.初回の講義なので,自己紹介をしたのち,“客筋”を見極めるための質問を壇上から飛ばしながら,しだいに統計学概論に入っていく.今回の講義は生物応用化学科の3年生(全部で250名ほど在籍しているとのこと)の選択科目のひとつとして開講されている.ここ数年,この学科では生物統計学に関する講義がまったくなかったとのことで,実験データ解析の延長上に統計分析の知識を得てほしいというのが,教員スタッフ側の意向だと聞いている.

事前に予想された通り,学生の数学や統計学の知識はほぼ“ゼロ”だ.これは農大にかぎったことではなく,昨年度の冬学期に東大の駒場で生物統計学を講義したときも,「数式は苦しいです」という声が繰り返し聞かれた.生物学系・農学系の場合,高校生の頃が“数学力マキシマム”で,大学入学後は単調減少している学生がきっと少なくないと思われる.

—— 今日は出席票もぜんぜん足りないので,書きたい学生のみコメントを残してもらい,定刻10分前の午後4時に本日の高座はおしまいにした.来週の第2回目にどれだけ残存しているかで,その後の客数逓減パターンがおおよそ読めるのだが,さてどーなることやら.

◆農大のソコヂカラは農産物にあり —— これから毎週月曜は世田谷キャンパスに来るので,構内ならびに周辺探検を怠ってはいけない.農大購買部には「nodaiグッズ」がたくさんあると聞いていたが,確かに,文房具・衣料品・食料品から酒にいたるまでたくさん並んでいる.しかし,農大のソコヂカラは農産物にあるはずだ.

ということで,農大ベンチャーの〈農大市場〉が販売する人気商品:「たんかんじゃむ」と「ぽんかんじゃむ」そして「ちば特上ピーナツバター」をお買い上げ.いずれも,ほかではお目にかからないものなので,楽しみだ.

農大通り商店街もタダモノではない —— 農大通りは今日で2度目の往復だったが,途中,とてもアヤシイ雰囲気の酒屋があったのでささっと偵察する.店内は照明が抑えられていて薄暗い,ショーウィンドウにはずらっと日本酒が並んでいるのだが,いずれも新聞紙でぐるぐる巻きにされていて,ラベルがかろうじて読める程度だ.この店が放つオーラは当然のことながら左党にとっては誘蛾灯となる.店内の棚をざっと見渡すと,福島の〈大七〉,岐阜の〈三千盛〉,そして山口の〈獺祭〉などなど,けっこういい品揃えをしているようだ.

—— このアヤシイ「三河屋本店」は,来週,もう少し時間をかけて店内偵察しよう.

◆つくばに帰り着いたのは午後6時すぎだった.大人数を前にしての講義は体力消耗甚だしい.

◆本日の総歩数=9415歩[うち「しっかり歩数」=3917歩/37分].全コース×|×.朝○|昼−|夜○.前回比=−0.3kg/+0.2%.


13 april 2008(日) ※ 大会二日目は春雨に濡れる立教通り

◆午前7時に起床.曇りときどき小雨が混じる.北風が強い.気温は昨日よりも格段に低い.

◆午前8:32発の TX 区間快速に乗る.午前9時半過ぎに池袋に到着.雨足はさらに強くなっている.立教大学に到着.花の落ちた桜の古木が春雨に濡れている.日曜なので,学生の姿はまったく見えない.

◆大会二日目 —— 午前10時半から長い講演がひとつ.肌寒く曇った昼休みをはさんで,12:30から大会シンポジウム〈新たな時代の生物地理学:海外学術調査の現状・成果・体験記〉.マダガスカル,ツバル,東南アジア,そしてオーストラリア.ツバルの“水没”は社会的構築?(もともとの湿地に家を建てたもんがワルい!) もうひとつ、托卵される側も決してアホではなかったというオチ(托卵されたホストがしばし“悩む”ところがミソ).

さらに,午後3時から6時過ぎまでは,決してミニではないもうひとつのシンポジウムあり.ヘーゲル,ぜんぜんダメです.邦子たん,とってもスルドいです.

—— 今日は一日中長いトークを聴き通した気がする.

◆生物地理学会大会に関する備忘メモ —— 次期大会日程の確認.スタッフの増強.シンポジウムの企画立案と時間配分について.etc.

◆午後7時前,前日と同じ店で二度目の懇親会.そして,池袋駅前の半地下にてベルギービールなど.つくばに流れ着いたのは,これまた昨日と同じ,午後11時半過ぎだった.

◆ここ一両日はメールチェックがおろそかになっていた.けっきょくダメダメだった採択とか(……),どーやらまちがいっぽい箇所のご指摘とか,某所より訓導メールとか.注文やら,通知やら,何やらかにやらいろいろメールボックスに突っ込まれていたが —— 週明け以降に対応ということでよろしくよろしく.

◆うう,疲れた…….明日は,振替休日だが,午後に東京農大(世田谷)での生物統計学講義の初回がある.高座の支度の最終チェックをしないといけない.

◆本日の総歩数=8540歩[うち「しっかり歩数」=1347歩/12分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=+0.4kg/−1.4%.


12 april 2008(土) ※ 春めくセントポールズで学会初日

◆午前5時半にゆるゆると起床する.外はよく晴れ,風もなく春めく.今日と明日は池袋への日帰り出張だ.ゆるゆると朝ごはん.ゆるゆると用意して,ゆるゆると出発する.学会講演がないとこんなにゆるゆるしていられる.

◆午前8:11発の TX 区間快速に乗る.池袋に着いたのは午前9時過ぎのこと.気温はだいぶ高くなっている.例年,4月初めのこのシーズンは立教通りは新入生が右往左往し,春めく立教大学構内はサークルの勧誘がかまびすしい.しかし,今年の生物地理学会大会は例年よりも少し遅く4月第2週目の開催なので,講義がすでにはじまっているらしく,キャンパス内は少し落ちつきを見せている.

午前10時から太刀川記念館にて評議員会だったのだが,通知では11時からとなっていたため,“四方山話”をしつつ時間が過ぎる.生物地理学会会報の初期の号を「電子化」してはどうかという提案というかアイデアを出してみる.資金的基盤が問題か.午前11時から正式に評議員会の始まり.庶務報告・予算決算・役員選挙などなど.正午前にあっさりと終了した.St. Paul's Cafe にてランチをば.

◆午後1時半から7号館にて生物地理学会大会の始まり.今日は一般講演が夕方まである.沖縄産ヤスデの体色の「色相」に関する講演があったが,HSV系(すなわち「度数」表示)で表現された色相データの統計分析は circular statatistics の領分だろう.コノハクラゲの日本海沿岸の dispersal は人為的だという仮説.

直海さんの講演について,「進化の単位(unit of evolution)」という表現は,“過去・現在・未来”のタイムスライスによってその意味するところがちがっているはず.過去に「進化した単位」であれば系統推定によってテストできるだろう(それはクレード).いま「進化している単位」ならば個体群でもディームでも名称はともかく,現在進行形の“動き”をテストすればよい.これに対して,将来的に「進化していく単位」という表現は“約束手形”にすぎない.それは“空手形”になる危険性をつねに有する「予言」(テスト不可能なという意味で)だろう.

五箇さんのトーク.クワガタとクワガタナカセの host-parasite 系は対応関係が一対一なので,共進化のプロセスを復元するのは比較的容易かもしれない.系統的な近縁性と交配の可能性が“逆相関”の関係にありそうだという点については,交配可能性が symplesiomorphy であるという指摘がずいぶん前から(たとえば,E. O. Wiley の教科書 1981)あるので,そのもうひとつの事例なのかもしれない.

—— 一般講演ののち,総会があり.午後6時過ぎに大会初日は終わった.立教通り沿いの〈博多もつ鍋・きむら屋〉にて懇親会.25名という大人数になった(この学会にしては).その後,池袋駅前の〈Dubliner's Irish Pub〉にて二次会.ギネスです.キルケニーです.ヤバいです…….へろへろとつくばに帰り着いたのは,日が変わる直前だった.小雨が降り始めていた.

◆大会会場でのこまごま —— 来場された疋田さんとの打合せ.京大の連携併任教授としての仕事は,二泊三日程度の講義(ないし教育)を年に2回行なうということらしい.とりあえず8月初めに入洛を予定しておく.

◆本日の総歩数=8461歩[うち「しっかり歩数」=1112歩/11分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=+0.2kg/+0.5%.


11 april 2008(金) ※ 早々と統計高座の支度をすませ

◆午前5時起床.霧雨が降る.気温8.9度.

◆未明のこまごま —— 東京農大・生物応用化学科の年度はじめの懇親会は4月24日(木)午後6時から,世田谷キャンパスの農大グリーンアカデミーホール(→地図)にて./で,高座は来週月曜から始まるので,その支度は今日中に終わらせよう.

◆午前10時の気温は13.0度.晴れているのに,霧吹きのような雨滴が空から落ちてくるというフシギな天気.

◆統計高座の支度 —— 昨年度の駒場での講義につかったブログ〈Inleiding tot de R-statistiek〉を,桜丘向けに装いを新たにした.といっても,〈はてな〉のデザインを変更しただけ.講義慣例の情報提供や質問への回答,そしてレポート出題は引き続き,このブログで行ないます./初回のイントロ用スライドをかもしはじめる.「統計学概論」以前の噺として.まずは“客筋”を視ないことには始まらない.しかし,いったんスライドづくり作業を始めると,イッキに沈潜してですね…….時間が湯水のごとく…….

◆【種】特集号届く —— 『生物科学』誌の最新号(Vol. 59, no. 4)が届いた(2005年5月1日発行).特集は〈種についての終わりなき論争〉.朝倉彰「巻頭言:種の問題についての理想と現実」(p. 193)|直海俊一郎「便宜的な分類単位としての種と進化の単位としての個体群」(pp. 194-237)|三中信宏「『種』概念の光と闇:概念の分類ではなく,その出自をたどろう」(pp. 238-243).さ,どーぞ,存分に【種】に耽ってください./もうひとつ,編集長の強権?により,書評をひとつひねり出した(p. 255):野中健一『虫食む人々の暮らし』(2007年8月30日刊行, NHK出版[NHK Books 1091], ISBN:978-4-14-091091-7 → 目次書評).

◆午後になってよく晴れてきた.こまごま続く —— 個人業績報告の最終改訂完了.送信しておしまい./先月据えつけてもらった本棚の耐震工事.すでに棚はあらかた埋まっている.細かい“アラインメント”はこれからだが,いくつかの段ボール箱がまだ床に散乱しているというのがうっとおしい.しかし,終りがかなたに見えてきたことは喜ばしい.

◆ひちすらかもす —— 農大の講義用スライドを新しく10枚ほどつくった.何名ほど受講者がいるかわからないが,適当な枚数のハンドアウトを用意し,さらに出欠票の短冊も準備完了だ.午後5時に帰宅.曇り,ときどき晴れ.気温は高めだが,北寄りの風がある分,涼しく感じる.

◆明日からは生物地理学会の年次大会(立教大学:池袋)が開催される.日帰りで往復することになる.今年は講演がないので,とても気がラクだ.学会に行くたびに高座に上がることを旨としているのだが,たまには「パス」と言ってみたい.今年は「パス」.

◆本日の総歩数=6890歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.1kg/+0.3%.


10 april 2008(木) ※ 丑三つ時に冷たい雨が降り続き

◆前夜は早く寝たので,午前2時半に目が覚める.丑三つ時の研究所に潜入する.気温9.1度.曇りのち雨.ごそごそしてから,未明の書籍運搬作業.段ボール箱がひとつまたひとつと減っていくのは励みになる.しかし,いつまでたっても本が湧いて出てくる.

◆着便本(にしてリーディング依頼本) —— David Sloan Wilson『Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives』(2007年3月27日刊行,Delacorte Press,x+390 pp.,ISBN:978-0-385-34021-2 [hbk] / ISBN:978-0-385-34092-2 [pbk]).原稿はすでにもらっているのだが,やはり「本」のかたちになっている方が安心できるのでね.ペーパーバック版は今年出たという.

◆朝のこまごま —— 農大事務への返信.銀行関連の提出書類に不備があったので./横浜国大からシラバスが届いた.この時期,方々の大学から辞令やらシラバスが入り乱れて届く./あまった映画券を農環研事務に返却.

◆午前11時.本降りの雨.気温は9.3度.昨夜からほとんど上がっていない.肌寒い.

◆献本ありがとうございます —— 渡邊誠一郎・檜山哲哉・安成哲三(編)『新しい地球学:太陽-地球-生命圏相互作用系の変動学』(2008年3月31日刊行,名古屋大学出版会,4 color plates + viii + 342 pp,本体価格4,800円,ISBN:978-4-8158-0590-6 → 版元ページ).22名の執筆陣のほとんどは名古屋大学の教員.本書全体を貫く柱は「太陽-地球-生命圏相互作用系(SELIS)」という考え方だ.たとえば,ピーター・D・ウォード[垂水雄二訳]『恐竜はなぜ鳥に進化したのか:絶滅も進化も酸素濃度が決めた』(2008年2月15日刊行,文藝春秋,366 pp.,本体定価2,238円, ISBN:978-4-16-369960-8 → 目次)のような地球規模での酸素濃度の大域的変動と個々の生物群の系統発生との関連性に関する仮説は,このような枠組みの中では占めるべき位置がより明確になるのだろう.

◆雨降る午後のこまごま —— RP設計検討会は25日午後を第一希望日とすることになった.また報告書をつくらないとか./ソーバー本の注文がさらに1件.そろそろ対応を考えないと./オアハカ講演の要旨は Cladistics 誌からスキャンしてメール送信しました./個人業績報告の修正依頼あり.こちらも泥濘か./農大の生物統計学講義の準備をやっと始める.駒場での講義の延長線上にある.

◆午後5時に帰宅.雨降り続き,気温は8.8度.寒い寒い.これじゃあ2月並みだ.

◆本日の総歩数=7765歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.2kg/+1.0%.


9 april 2008(水) ※ ピンク・ロードに本が降り積もる朝

◆午前4時起床.曇り.気温11.1度.明け方の書籍運搬懲役刑.まだ[まだ]終わらづ…….

◆前日の“暴風雨”のせいで,桜花も花見客もことごとく吹き飛ばされた.渋滞なしの農林団地.午前10時半の気温は13.1度.北寄りの風,曇りときどき晴れ.

◆朝のこまごま —— 今週末は生物地理学会大会が立教大学である.とくに講演はないので高座の準備の必要は何もない.あるとしたら,人集めか./来週から東京農大の統計学講義が始まる.もやしもんの準備はしておかないとな.受講者数が確定しないのでハンドアウトの用意のしようがないのだが,最初のうちは必要ないだろう.出欠表は? ウェブサイトを再開しないと.

◆大量の,というか重量のある本がどすんと届く.すべて Franco Moretti ——

Franco Moretti (ed.)『The Novel, Volume 1: History, Geography, and Culture』(2006年刊行,Princeton University Press, Princeton, x+916 pp., ISBN:978-0-691-04947-2 [hbk] / ISBN:978-0-691-12718-7 → 版元ページ);Franco Moretti (ed.)『The Novel, Volume 2: Forms and Themes』(2006年刊行,Princeton University Press, Princeton, x+950 pp., ISBN:978-0-691-04948-9 [hbk] / ISBN:978-0-691-13473-4 → 版元ページ).計2,000ページ.げ,と思ったら,元のイタリア語版は「全5巻」もあるという.ページもたくさん,グラフもわんさか.“文学”という系譜の「自然創造史」.

さらなるモレッティ —— Franco Moretti『Atlas of the European Novel 1800 - 1900』(1998年刊行,Verso, London, xiv+206 pp., ISBN:1-85984-224-0 [pbk]).文字どおりの文学地図./Franco Moretti『Signs Taken for Wonders: On the Sociology of Literary Forms』(1983年刊行,Verso [Radical Thinkers], London, viii+273 pp., ISBN:1-84467-056-2 [pbk]).

—— 書く方も書く方なら,買う方も買う方だ…….

◆日中のこまごま(疲弊) —— 「業績報告書」(わーど)ならびに「業績評価票」(えくせる)を書き込み続ける.先月,所内の業績データベースにアップされたものを,再度各自でワードに貼りこみ,さらに“アピール点”などなどを自由記入した上で,評価基準にしたがって点数を自分で計算し,報告するというシステム.今回の評価システムの改訂については,昨年度,業績評価検討ワーキンググループのメンバーとして,意見をあげたりしてきたのだが,評価の趣旨は悪くないとしても,このシステムはあほすぎて話にならない.時間のムダ.もう少し何とか効率的にさくさく登録・評価できるシステムづくりができなかったのか.アップロードしたものを,ダウンロードして,マニュアルでいじるというあたりが“世も末”感を色濃く漂わせる.さらに,業績評価上の“ワイルド・カード”としての「特記事項」なるものがある(好き放題“アピール”させてもらいました).しかも,この評価システム自体,3年後の法人統合時点ではとうぜんチャラにされるでしょう.

—— あほらしくてコミットできませんね.メールで提出して,ハイおしまい.締切は4月21日だが,何日も抱え込む必要はない.拙速でもどんどん提出してしまおう.出したもん勝ち.

◆やっと日が射してきた午後4時過ぎに所用で直帰.研究所にもどる予定が,そのままずるずると.北風が涼しいが,あまりにあほらしくて疲弊した.

◆本日の総歩数=8729歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=−0.5kg/−0.2%.


8 april 2008(火) ※ 花も嵐も引きちぎれ,一面桜色と化す

◆午前4時半起床.風の音がごうごうと鳴り響き,雨がざあざあ降っている.何という荒天か.気温12.8度.傘なんぞ何の役にも立たない.もちろん,農林団地の桜花は雨滴にはたき落とされ,風情も何もあったものではない.路肩といわず水たまりといわず,一面が“桜色”に変わっている.

◆早朝のこまごま —— 分会から,メーデー動員の要請.4月21日(月)までに分会に連絡する./IAMAS出講は5月16日(金)に確定した.また兼業三点セットを出さないといけない.これで今年はもう5件めだ./「人間犬」になる予約をする.秋に大変身だ./個人業績報告書の提出締切もまた4月21日(月)とのこと./学生の傷害保険の約款についてのこまごま.そんなディテールを訊かないで…….

◆雨足はますます強まり,ほとんど暴風雨と形容するしかない.駐車場にたどりつくまでに,いったい何本の「傘の屍体」を目撃したことか.桜の枝が引き継ぎられて路面に散らばる.太平洋岸で低気圧が急速発達しているらしい.車に乗り降りするほんの一瞬の間に濡れ鼠になった.こりゃ“台風”ですな.関東のあちこちに暴風雨の警報や注意報が発令されている.春の嵐にしては,いささか度が過ぎている.午前11時の気温11.4度.南の風12メートル.

◆昼のこまごま —— 生物地理学会大会のアナウンス分を転載しようと思ったら,Apple Mail の悪名高い「charset=CP932」問題が発生してしまい,相手MLからリジェクトを食らってしまった.しばらくじたばたしたのだが,要するに元の転載文に“ヤバい文字”が含まれているためだ.まちがいなく「約モノ」のどれかが原発部位にちがいないが,そんなのをいちいち探しているヒマはない.午前中はムダになった…….※けっきょく「約モノ全消去」という強制措置で目的は達成されたが.

◆午後になって,雨足はややおさまってきたようだが,風はまだまだ強い.

◆昼下りのこまごま —— 年度はじめはメーリングリストのアドレス変更依頼が堆積しがちだ.それだけ異動が多いからだろう./農大の辞令が届く.年度はじめはいったいどこからどんな辞令がくるのやら混乱してしまうが(いっぺんにたくさん届くので),これは厚木の客員教授の辞令.桜丘の辞令はまだでっせ./東京農大・昆研の大規模新歓合宿は5月31日(土)〜6月1日(日)の日程に決まったそうだ(場所未定:青梅あたり).この期間はちょうど日本菌学会大会(三重大学)に出張しているときなので,今年の新歓合宿は不参加ですね./映画割引利用券の未使用分は明日返却することにする.

◆やっかいな個人業績報告書作成作業に手をつけてみた.しかし,5時過ぎまで3時間ほど頑張ってみたのだが,ぜんぜん収拾がつかない.先月,所内データベースに登録したアイテムはそのままわーどに貼り付けるだけだからアタマを使う必要はない(あまりに原始的だが……).しかし,新しく改訂された業績評価システムでは,「特記事項」という文章をひとつひとつ書かないといけない.これが途方もなくめんどうで,何十もあるアイテムのそれぞれに“アピール”やら“苦労話”やら“所要時間”を書くのはアホらしいかぎりだ.どーしよう.

—— 午後5時過ぎ,雨が小降りになった気配なので,先の見えない業績報告書づくりを放り出してそのまま撤収する.風はまだ強いが,雨はときどきぽつぽつと降る程度になった.空もしだいに明るくなってきた.

◆「樹幹図式」と「河川図式」 —— 時枝誠記『国語学原論 続編』(2008年3月14日刊行,岩波書店[岩波文庫青N-110-3],ISBN:978-4-00-381503-8)の続き.歴史言語学の方法論をめぐる時枝の論議をたどる.言語系統樹に批判的な時枝は,なぜ祖先から子孫への分岐が言語学史において重視されたかを問いつつ,次のように論じる:

その理由の一つは,自然史より類推された言語史観である.言語史を以て,資材的言語ラングの崩壊成長の過程と見る言語史観である.[……]そこでは,自然史が,無機物や有機体の発生の根源に興味を持ったように,言語についても,その根源へ根源へと遡行して,失われた祖語の再建に学者の興味と関心が向けられたのである.その際,国語の中に流れ込んだ異質物は,問題ではなく,むしろ,それらを拭い去って,ただ源流を探求することが大切なことであったのである.ヨーロッパ史的言語学における一元的なものの追求という研究態度は,印欧言語族が,同一祖語より分化発展したという実際が,導いたものであるにしても,既に述べたように,当時の自然科学の研究方法が反映したと見ることは,誤っていないだろう.このようにして,自然発生史の樹幹図に倣って,言語発達史の樹幹図が作られるようになったのである.(pp. 258)

時枝の犯した誤りは,歴史言語学が当時の自然史(たとえばヘッケルの系統学)に影響されたという見解にある.事実はむしろその逆で,時代的には言語系統樹や文献系図の方が一世紀先行する.したがって,時枝は自然史ではなく,自らの言語学それ自身の「ルーツ」を断ち切ろうとしたことになる.

時枝は,既存の歴史言語学が依拠していた上述の「樹幹図式」に対して,向きを逆転させた「河川図式」に則って考察すべきであると言う:

言語過程説においては,言語は人間の行為であり,従って,それは,また,当然,文化の一つである.文化の歴史は,自然史のように,樹幹図式によって把握されるべきものではなく,河川図式によって把握されなければならない.一本の川には,水源を異にした大小幾多の支流が流れ込んで,下流の大をなしている.そこには,種々様々な土質が流れ込んでいるに違いない.それらの構成分子を分析し,それらがどのように組合わされて,下流を成しているかを明かにすることが必要である.我々が知りたいのは,源流の奥の水源ではなくして,我々が,今,立っている下流についてである.(pp. 260)

このような立場のちがいは,言語だけでなく,生物の場合も同様に見られる.広義の「比較法」による系統推定は,それをいっぺんに解決するための方法として提示されてきたとぼくは理解している.

—— この本では「樹幹図式」(p. 263: 上右図)と「河川図式」(p. 264: 上左図)が実際に図示されているのだが,著者の説明に従うかぎり,図の指示が正反対だろうと思う.読者はきっと混乱するにちがいない.

◆夜になってもまだぱらぱらと雨が降り続いている.

◆本日の総歩数=6352歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=0.0kg/−0.3%.


7 april 2008(月) ※ トド撃ち業務はなお続き,外は春雨

◆午前4時50分起床.晴れ.気温5.0度.

◆もっと食べ歩く森まゆみ —— 森まゆみ『カラー版 明治・大正を食べ歩く』(2004年1月5日刊行,PHP研究所[PHP新書279],ISBN:4-569-63292-0).新刊:森まゆみ『カラー版「懐かしの昭和」を食べ歩く』(2008年3月28日刊行,PHP研究所[PHP新書510],ISBN:978-4-569-69777-2)の勢いで買い求める気になったのだが,さすがに4年も前の新書となると,どこのリアル書店にもおいていなかった.ここに取り上げられている店の大部分はすでに行ったことがある.

—— 偶然にも,4月17日(木)の東大・専攻送別会の場所は本郷の『鳳明館』に決まったとの連絡あり.古くからある鳳明館はもちろん『明治・大正を食べ歩く』にも登場する.

◆朝のこまごま —— 所内RP設計検討会の日程調整.来月はじめまでにとのこと./学振の審査員の登録内容を確認せよとの督促.へいへい.問題なし.ちょい加筆して完了./所内の個人業績の登録内容をチェックせよとの連絡あり.へいへい,とチェックしに行ったら,ぼろぼろとミスあり.ちょい連絡して完了.

◆晴れのち曇り.午前10時の気温は14.7度.農林団地の桜ははらはらと散り続ける.

◆“べいづ”の来襲 —— 着便本:Colin Howson and Peter Urbach (2006)『Scientific Reasoning: The Bayesian Approach, Third Edition』(2006年刊行,Open Court, Chicago, xiii+327 pp.,ISBN:0-8126-9578-X [pbk] → 版元ページ).はい,ベイジアンな科学哲学本です.初版(1989)と第2版(1993)に続く第3版の目玉は,最終章の「反撃」部分か.

もうひとつのバクダンも同時着弾した:David L. Dowe, Steve Gardner, and Graham Oppy (2007), Bayes not Bust! Why Simplicity is no Problem for Bayesians. The British Journal for the Philosophy of Science, 58(4): 709-754 (doi:10.1093/bjps/axm033).ソーバー先生,ちょっと不安です.フォルスター先生,とても激怒します.

◆昼のこまごま —— 大量の堆積事務文書をちぎっては投げる:書き直しの出張伺い.いつまでも目の前にぶら下げておくのもしゃくなので,ちゃっちゃとリライトして提出完了.「昼飯が必要かどうか」とか「宿泊先の領収書を出せとか」,どーでもいい項目が付加された./今年度の兼業承諾申請書を書きはじめる.京大(連携併任教授)と横浜国大(“R道場”を開きます)と東京農大(こちらも統計学講義)の三つだけかと思ったら,毎年の首都大学東京(生物統計学)を失念していた.ごめんなさい./思い立ったので,奈良の“堀田いと”さんへもお送りしましょう(鹿せんべいではありません)./先週,注文を受けたソーバー本の発送準備./さらに,ひらめいたので音羽にメールする.

—— あれやこれやでもう午後4時をまわってしまった.ふと気がつけば外は春雨がしとしとと.

◆午後5時過ぎに帰宅.雨足はさらに強まり,風も出てきた.春雨などという風情はもはや感じられない.天気予報によると,明日は大荒れの空模様になるらしい.夜になって風はごうごうと吹き渡り,雨はベランダに吹き込む.

◆本日の総歩数=8284歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.7kg/+0.6%.


6 april 2008(日) ※ つくばの桜もそろそろ散り始める

◆午前5時にいったん目覚めたが,またまた春眠.6時過ぎにやっと起き出す.ここのところ睡眠に関しては堕落の一途をたどっている.外は快晴.今日も暖かそうだ.スズメのつがいが巣材を運ぶ光景を方々で目にするようになった.

◆さっそく筑波大方面に歩き読み:森まゆみ『カラー版「懐かしの昭和」を食べ歩く』(2008年3月28日刊行,PHP研究所[PHP新書510],ISBN:978-4-569-69777-2)をさらに100ページほど.東銀座の〈ナイル・レストラン〉.ワタクシもまたムルギーランチを注文しては「混ぜて混ぜて混ぜて」と店主親子二代にわたって言われ続けた口です.南ドイツ料理〈ゲルマニア〉,行きたいなあ.同じ銀座でもいまは亡き〈ピルゼン〉は何度か行く機会があったけどね.

—— 筑波大構内の桜はそろそろ散りはじめの気配.明日からは本降りの雨になるという予報なので,この週末が今年最後の花見のチャンスだろう.〈Brotzeit〉でパンを買って帰宅する.気温は朝から高めで,日が昇るとともにさらに暖かくなってきた.日中はまた20度超の気温か.ただし,涼風が吹きわたっているので,体感的には昨日よりも不快ではない.湿度が低いからだろう.

◆こまごま備忘メモ —— 6月4日(火)〜5日(水):日本計量生物学会年会,筑波大学大学会館.さらに引き続いて,同じ会場にて,6月6日(金)〜7日(土):日本応用統計学会年会.計量生物学会では連名での発表.応用統計学会では特別講演の座長.

◆着便本 —— 原本のコピーをもっていたので買いそびれていた:Louis Agassiz(Edited by Edward Lurie)『Essay on Classification』(2004年7月刊行,Dover Publications,xxxiv+268 pp., ISBN:0-486-43580-6 [pbk] → 目次版元ページ).次号(5月号)の『』連載記事(第11回目)の舞台となるハーヴァード大学比較動物学博物館(MCZ)は,昔から進化学では数多くの逸材を輩出してきたミュージアムだった.しかし,もともと MCZ は,反進化論を高らかに掲げた Louis Agassiz が若手動物分類学者の練成のための“道場”として造ったものだ.

その Agassiz が一般分類学の哲学を論じた『Essay on Classification(分類論)』は,1857年にアメリカで出版され,その2年後の1859年,くしくも『種の起源』が出たのと同じ年にロンドンで改訂版が出版された.この改訂版は,Agassiz 論で学位を取り,のちに大きな Agassiz 伝を著した Edward Lurie の手によって1962年に復刻された.上記の Dover 版はこの1962年本のリプリントだ.Lurieによる詳細な解説記事が最初に載っている.

—— 1962年の復刻本は,当時の東大・総合研究資料館に嘱託として在籍していた阿部宗明さんの蔵書を借りてコピーさせてもらった.

◆明日は,何よりもまずはじめに,先週からの積み残しでそのまま堆積している事務書類どもをちぎっては投げ,まるめては放るという作業を完了させなければならない…….

◆本日の総歩数=9205歩[うち「しっかり歩数」=7525歩/65分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.1kg/−0.2%.


5 april 2008(土) ※ 久しぶりにキエフの大門をくぐる

◆午前5時起床.春らしい明るい早朝.その後,日射しとともに気温はぐんぐん上がっていった.

◆東大出版会から連絡あり —— 『生物系統学』の一部分を電子化して公開する件について承認していただきたいとのこと.具体的には,アマゾンの「なか見!検索[サンプル限定登録]」という今年度からの新方式に沿って,東大出版会の書籍のオンライン公開をしたいとの意向だ.すでに定着している「なか見!検索」システムは全文検索を特徴としているが,出版社側としてはためらうところがあった.ところが今回提示された新システム「なか見!検索[サンプル限定登録]」は,ページを限定した公開なので敷居が低くなったとのことだ.

◆朝の発掘本 —— 昨日たまたま安岡章太郎『僕の昭和史III』(1988年9月20日刊行,講談社,ISBN:4-06-201203-0)に根津の平台で遭遇したので,すでに自宅にあるはずの四半世紀前に出版された2冊を捜し回った.

ひょっとして引越しのときに廃棄処分にしてしまったかと一瞬ひやりとしたのだが,だいじょーぶ,ちゃんとありました:安岡章太郎『僕の昭和史I』(1984年7月20日刊行,講談社,ISBN:4-06-201201-4)と安岡章太郎『僕の昭和史II』(1984年9月20日刊行,講談社,ISBN:4-06-201202-2).

そーか,『I』と『II』は,ほぼ同時に出版されたのに,完結編『III』だけが遅れて4年後に出版されたのか.当時買いそびれたのもしかたないかもしれない.

この『僕の昭和史』シリーズの装丁はもちろん田村義也が手がけている.3冊ともかつてのタバコの箱のデザインが用いられていて,とてもインパクトがある(『I』はゴールデンバット,『II』はピース,そして『III』はセブンスター).なお,『III』には,この二人の対談「『僕の昭和史』を終えて」がはさみ込まれている.

◆安岡章太郎は,『僕の昭和史』シリーズの中で,昭和は「戦争の世紀」だと言う.しかし,ぼくにとっての昭和で戦争を直接的に想起させた想い出は,伏見稲荷大社の参道で軍服姿の“傷痍軍人さん”が何人も物乞いをしていたことくらいだ(1960年代初頭までのことだった).むしろ,『谷中・根津・千駄木(第89号)』(2008年3月30日発行, 谷根千工房 → 谷根千ネット)の冒頭に載っている「昭和30年代のオトメパン」の写真だ.当時の根津銀座にあったというパン屋の写真だが,隅にかの“オート三輪”が写っている.幼少の頃はよく乗った.大人たちは“バタコ”と呼んでいた記憶がある.「三輪車」独特の不安定感は「四輪車」では味わえない.車のサイズの割には小回りがよく効いたのはその構造のせいだったにちがいない.些細なことにこそ記憶は残存する.

◆午後4時前に農環研に出没する.暖かく春爛漫.気温19.8度.農林団地内の道路は遠目にも“お花見渋滞”がひどかったので,稲荷川沿いのダート測道から侵入した.十数分だけ居室に潜伏し,帰路に.

途中,貸倉庫から一昨年の〈トゥーランドット〉以来,久しぶりにマレット一式を持ち出す.ついでに,出演する〈展覧会の絵〉の総譜をしばった総譜束から引っ張り出す.打楽器のパート譜は先日すでに送ってもらったので,総譜との照合チェックをこれからしないといけない.シロフォンの使用音域を確認する(低い方のC〜Cの3オクターヴですむ).グロッケンシュピールはやってみないとマレットは決まりません.終曲「キエフの大門」のカリヨン(Es)はどーします?

◆本日の総歩数=6256歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=−0.4kg/−0.3%.


4 april 2008(金) ※ 子トドも積もれば山となり……

◆春眠暁を覚えず.ここ数日,午前5時をすぎてなお惰眠を貪るワルイ癖がついてしまった.たるんどるぞ.晴れ.気温+3.2度.また早朝の棚づくり.

◆日が昇るとともに気温は高まり,昨日以上の暖かさ.そして,農林団地の花見客の多さ.脱力系こまごま —— 昨日提出した出張伺が“リジェクト”されてしまった…….書式が変わったからという理由.確かに,今年度から「本質的にどーでもいい点」が変更になったと所議報告されたことは知っていたが,所内ページをいくら探してもその“新書式”なるものが公開されていない.出張日は迫っているので,まあいいかと旧書式で提出したら案の定みごとにハネられた.しかし,この場合は“レフリー殿”に文句を言ってもしょせんしかたがないので(事務方が“クロ”といえば,“シロ”も“クロ”になる),“新書式”を求めて所内サイト徘徊をしてみる.しかし,いくら探しても所定の事務書式サイトには載っていない.電話で担当に確認したところ,通常の場所ではない“ヒミツのサイト”に置いてありますとのこと.卓袱台をひっくり返しそうになった.で,とても脱力したので,出張伺は向こう十日間ほど出さないことにします.事後承諾よろしくね.※いやあ,まいったまいった…….

◆押し寄せる小トドども —— 年度はじめということで,方々から辞令が届く.東京農大化学科からは非常勤講師の辞令.同じく横浜国大からも非常勤講師の発令.そして,京大からは客員教授の辞令も.いずれも兼業で出講することになるので,「兼業三点セット」といういつもの書類を用意しないといけないのだが,脱力したのでそのスタミナがもうなくなってしまった.来週まわしにしよう./所内企画戦略室から個人業績チェックをせよとのお達しうあり(ごめん)./学振から審査員経歴のチェックをせよとの通知あり(すんません)./農大の事務書類だけは何とか返信できた.

◆今日は出張日なので,昼前に撤収する.12:41発の TX 快速で東大へ.とても暖かな日和で,半袖な通行人もちらほらと.そして,盛りを過ぎた東京の桜の花は散りはじめ,若葉の新緑が早くも混ざっている.

◆往路読書 —— 森まゆみ『カラー版「懐かしの昭和」を食べ歩く』(2008年3月28日刊行,PHP研究所[PHP新書510],ISBN:978-4-569-69777-2).なんだか知っている(しかも行ったことのある)店がとても多いんですけど.銀座の〈ナイルレストラン〉,すずらん通りの〈スヰートポーヅ〉,新宿の〈スンガリー〉などなど.

◆午後2時から専攻の大学院進学ガイダンス.研究室紹介をちょこっとしただけで,わずか10分そこそこでおしまい.いったん隠れ部屋に引き上げて日録をものす.午後3時45分からは,学部の進学ガイダンスが同じ場所で開催された.こちらは,スタッフ紹介と研究室紹介の二本立てだったが,それでも1時間足らずで終了.

◆桜がはらはらと散る本郷キャンパスを通って,本郷通りの本屋へ —— 『谷中・根津・千駄木(第89号)』(2008年3月30日発行, 谷根千工房 → 谷根千ネット).特集は〈豊かな時間の過ごし方〉.「町で遊ぼう 大人の工作」.陶器・木工・編み物に絵画.

◆午後5時半から,安田講堂下の中央食堂にて,農学部進学生のための歓迎会.受付で聞いたところ,教職員150名あまりに対して,学生は600名の参加が見込まれているとのこと.この人口密度の高さはただごとではない.午後7時過ぎに抜けて,そのまま直帰.根津駅前の「オヨヨ書林」店頭の平台で:安岡章太郎『僕の昭和史III』(1988年9月20日刊行,講談社,ISBN:4-06-201203-0)の端本がたった100円で売られていた.『I』と『II』は新刊で出たときにすぐ買ったのだが,イマイチ入れなかったので,完結編の『III』は買わなかった.これも何かの縁と思い,レジにもっていく.すでに文庫化されている本だが,20年目にしてハードカバー3冊がやっとそろった.

—— つくばに着いたとき午後8時半を少しまわっていた.今日は腹が立つほど健康的な呑み方だった.

◆本日の総歩数=15247歩[うち「しっかり歩数」=2690歩/26分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.8kg/0.0%.


3 april 2008(木) ※ 年度はじめのトド撃ち連射しまくり

◆午前5時起床.曇り.気温プラス3.8度.やや肌寒い.しかし,気の早い花見客はこんな時間帯からもう農林団地に繰り出している.日中は「花見渋滞」ですれちがいにも難渋するとのことだ.県南の桜の名所ならではの光景.これが実は農林団地の地元への最大の貢献かも知れない.

◆早朝の研究室にて2時間ほど本棚づくり作業に勤しむ.先はまだまだ長いぞ.しかし,空きニッチだったはずの本棚がほぼ埋まりつつあるのはどーしたことか.一晩のうちにまた“繁殖”してしまったらしい.※ゾーリムシかっ.

◆午前のこまごま —— 職場委員としてのオルグ行為.メーデー実行委員と組合役員選出委員を依頼する.分会へ報告済み./メーリングリストの登録処理雑用いくつか.もうすでに遅くなってしまったが,今日中には月例アナウンスを出さないと./今月の出張届を三つ提出する./事務的な小トドどもは他にも数知れず蠢いているが,ちょっと処理不能なので放置する.

◆昼休みをはさんでまたまた棚つくり.残すところあと数段になったが,未開封の段ボール箱もまた数箱あり.

しかし,やっかいなのは,棚への本の配置方法だ.もちろん,便利な位置ほどよく使う本を並べるという鉄則は活きているのだが,それと並行してテーマ別のまとめという別の基準がクロスする.たとえば,ぜんぜん予定していなかったのだが,ごく自然に“ぽぱー棚”に“マイア棚”,“ぐーるど棚”,さらには“G. G. Simpson 棚”までできてしまった.長命な研究者はそのあとに大量の著作を残すということだ.洋書で棚を埋めつくすと,箱入り和書を“展開”するスペースが乏しくなってしまう.

本棚を新しく立てたときの「最適化問題」は短期的解決はムリかもしれない.

◆午後3時.気温は18.3度もある.春爛漫で花見客の車の列が引きも切らない.午後4時過ぎにやっとメーリングリスト宛に月例アナウンスを流した./突発的トーク依頼.6月に筑波大学で開催される計量生物学会大会の講演はどーかという依頼.大東くん,デビューしてください.よろしく.

◆映像公開 —— 昨年6月のICC開館10周年記念の連続シンポジウム「メディア・テクノロジーと生成する〈知〉」の第2回〈アーカイヴが紡ぐ未来:再連結する情報〉の映像が公開された.動画ファイルは「465MB」もあるのでダウンロードの際は要注意.

◆明日は東京出張.午後は東大で専攻ガイダンス(院・学部)があり,夕方からは安田講堂下の中央食堂で農学部の歓迎パーティが予定されている.また,呑むのかっ.

◆午後5時過ぎの帰り道.西の空がトツジョとして黒くなり.ごろごろと遠雷が響く.雨がぽつぽつと.冷たい北風が通り抜け,一転して不穏な空模様になる.日中の強い上昇気流が原因なのだろう.

◆本日の総歩数=7778歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=+0.4kg/−0.2%.


2 april 2008(水) ※ 脚注に酔い,魔王に酔い,地名に酔う

◆午前5時過ぎ起床.晴れて冷える.気温3.1度.風はない.出勤簿の押印を“誤爆”してしまい,他人のシートにくっきりと押印してしまった…….これまで「午前7時出勤」の職員はぼくを含めて「2名」しかいなかったので,毎朝,二枚目のシートに無意識のうちに押印する習慣が付いていた.ところがこの4月からもうひとり“早朝派”が増え,シートの順番が変わっていたことを失念していた.ごめんなさいごめんなさい.

◆“脚注”に酔うワタシ —— 先月「読んでください」と依頼された本の原稿『非線形の自然学(仮)』を読みはじめている.とても情報量が多い本です.最終章に到達できるのはまだ先か.脚注もかなり多いです.

章末や巻末に注がまとめられているときはまだマシだ(とりあえず視界には入らないから).やっかいなのは同一ページの欄外にあるこの脚注だ.科学史の論文などで本文よりも脚注の分量が多いページがあるとクラクラしてしまうことがある.というか,「このまま本文を突き進むべきか」それとも「寄り道して脚注に耽るべきか」の選択をつねに迫られている気がして,そのつど血圧が上がる.同じページの視野に入るだけに始末が悪い.左右の眼が上下に分割されていればいいのにとさえ思う.科学史の論文を読むときは,注だけ読んですますこともある(禁じ手).

書き手としてのぼくは「注」を別立てにする文章は心して書かないことにしている.もちろん,種々雑多な情報は過剰に詰め込んでいるのだが,それらはすべて本文の中に記述してしまう.どんなに縁の薄そうな,関連のなさそうな話題であっても,注に追込むのではなく,本文のひとつの流れの中に組み込んでしまうことにしている.自分の性癖からして,注にしてしまうと精神衛生上よろしくないし,本文の流れを乱すだろうという信念があるからだ.別の意味であまたの脚注に「酔う」書き手もいるのだろうが,ぼくの場合は文字どおりに「酔う」危険性がある読み手なので,そのスタイルで書くことはない.

—— しかし,この『非線形の自然学(仮)』は脚注という形式なしには成り立たない著作であることもまた確かで,その“過剰さ”は読めば誰にでもわかる.おもしろいです.

◆午前10時.春らしい暖かさ.気温12.3度.農林団地は花見客が多い.

◆着便本 —— 橋本不美男『原典をめざして:古典文学のための書誌[新装普及版]』(2008年3月30日刊行,笠間書院,ISBN:978-4-305-60304-3 → 版元ページ目次).中身が詰まった本.古典籍について知りたい人のための本.ステマの推定方法については割にあっさりと書かれているようだ.むしろ,実例をしっかり押さえよという趣旨なのだろうか.

◆午後のこまごま —— 今月の「トド撃ちリスト」を更新する.年度初め特有の事務的“小トド”が多数出現した./花曇りの昼休み.組合の職場委員会.さっくりと終了.メーデー実行委員と役員選出委員の人選./横浜国大から出講依頼書が届く.またまた兼業申請をしないといけない./『』のゲラ読み続く.

◆午後5時に帰宅.風なくゆるゆるとした夕方.送迎車に乗り込む.常磐道をひた走る道すがら,音羽に電話をして,『』ゲラの修正箇所を連絡する.あわただしいな.これで校了.午後6時前に友部町の隠れ家に到着する.

今夜もまた,魔王を摂取しつつ,タイやヒラメが舞い踊った.とても美味だった.

すでに何度かおじゃましている友部町のこの隠れ家は,農環研とMOU提携している鯉淵学園のすぐ近くにある(→マップ).住所は旧・友部町(現・笠間市)の「随分附」という地名だ.この漢字で「ナムサンヅケ」と読ませる.難読地名が多いという茨城県内でも,ダントツ“横綱”級の難易度だと〈茨城難読地名(含おもしろ地名)〉ではランキングされている.

このサイトの番付表によると,茨城県内の難読地名の“横綱”は,「随分附(=ナムサンヅケ)」の他には,水戸市の「木葉下町(アボッケチョウ)」と行方郡麻生町の「粗毛(ホボケ)」のふたつがあるだけだ.確かに,これでは読めない.「アボッケチョウ」に「ホボケ」じゃ,まるで北海道のアイヌ語源の地名そのものではないか.つくばの「高道祖」とか「百家」も読み方がぜんぜんちがっていたのでガク然とする.

—— 午後10時半につくばに帰り着く.

◆本日の総歩数=5287歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.4kg/−0.5%.


1 april 2008(火) ※ 吹き荒れる北風に桜も人も翻弄される

◆午前5時半起床.晴天なのだが,北風がごうごうと吹き荒れている.気温プラス4.9度で,温度的には大したことないのに,寒いことこの上なし.東海上で低気圧が猛烈発達中という.春の嵐か.

午前中,太陽がしだいに高くなるとともに気温は順調に上がり,午前10時半には11.3度に.しかし,北寄りの風はいよいよ強くなる.農林団地の桜並木はちょうど見ごろの週となったが,幸いまだ花が若いので,あえなく桜吹雪で散り果てるということはない.むしろ,枝ごと風に吹きちぎられているよーで…….この強風の中をわざわざ花見に来たお客さんはたいへんだ.

◆年度をまたいで堆積する雑用こまごま(ごめんなさい) —— 大学院生の受け入れに関する誓約書の提出.毎年のこと.傷害保険の期間がカバーされていることは確認しました./出張届が新しい書式になったという所議報告があったのだが,所内のどこにも公開されていないので古い書式で出してしまおう.そうしよう.今月の出張予定は,4月4日(金)東大・12日(土)〜13日(日)が生物地理学会大会(池袋)・4月23日(水)東大専攻教員会議.生物地理学会の二日間は振替休日の指定をしないといけない.これは農大出講日の二日間にまわそう./いよいよ始まる東京農大の非常勤出講.14日+21日+28日の月曜4限に講義するのだが,兼業申請をまだ出していなかったりする(また「3点セット」を書くのかしら).農大からの書類もまだ返送していないなあ.そもそも農大から出講依頼が農環研に届いているのかどうかも不明.よくわからないときは“強行突破”してみて,あとで事後処理をすればよろしい./そういえば,京大の連携併任教授の手続きもどーなっているのかようわからんし…….とりあえず,あとまわしにして放置しているのだが,〈英勲〉のお誘いが御香宮方面から聞こえてきて…….

◆届いた本 —— Hilary Kornblith『Knowledge and Its Place in Nature』(2002年8月1日刊行,Clarendon Press, Oxford, x+189 pp.,ISBN:0-19-924631-9 [hbk] ISBN:0-19-924632-7 [pbk] → 著者サイト目次).知識(knowledge)の「概念」について論じるのではなく,知識「そのもの」を論じようというテーマの本.知識は「自然種(natural kinds)」かという記述が見えるが,やっぱり homeotic cluster なんですか? むしろ,「知識はツリーなり」と言ってしまえばいいような気がするが.けっしてボリュームのある本ではないが,とても手強そう.

◆献本感謝 —— 岩波『科学』(2008年4月号).特集「予測不能な時代の〈測り方〉:確率・リスク・ゆらぎ」.伊庭幸人「『確率の科学』はなぜ必要か」(pp. 418-423).|そろそろ……,例の本の「序章」を何とかしないといけないのですが…….ちょっと引いていたりして.だいぶ遅れてるし.探針メールはいただいているのですが,返事もちょっと…….あ,ちょっと(冷汗).

昼下がりの棚づくり —— まったくもってエンドレスな作業だ.和書を上の方に詰め込んだのだが,なーんだかぜんぜん減ってないような気がする.知らないうちに,本どうしが“有性生殖”でもしたか,あるいはコッソリ“無性生殖”でもして冊数が増えてしまったか.

◆午後のこまごま —— ソーバー本『過去を復元する』の注文が届いた.この本もそろそろ何とかしないと,手元の在庫がなくなってきた.これまでも再刊の話はふたつほどあったのだが,不首尾に終ってしまった.もうひとつアイデアがあることはあるのだが,はてさて……./『』のゲラ(第11回)が届いた.明日中に返信すること.さる件に関しては事情がよくわかった.「現代新書カバー復古主義者」のみなさん,喜びましょう! 講談社現代新書は絶大なる市井の支持層の声を受け,再びアノ御方に耐水性がありかつ褪色しないくりぃむ色の表紙カバーのデザインを依頼することになったとのことです.いやぁ,これは英断ですねえ.

◆午後5時に研究所をあとにする.北風がまだ寒い.久しぶりに〈炭がま〉で焼き鳥を買って帰る.

◆本日の総歩数=6531歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=+0.2kg/+0.2%.


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