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oude dagboek

日録2006年4月


30 april 2006(日) ※ 月末の充電中……

◇午前4時起床.晴れ.9.7度.研究所に行く.

◇早朝のこまごま —— 計量生物学会のレフリー結果を編集部に転送する.これで一件落着./ 今年の10月21日〜22日に北大で開催される科学哲学会の生物学哲学シンポへの出席を返事する./ メーリングリストの作業が堆積しつつあるが,まだ処理しきれない.

◇現代新書の原稿を書き続ける.全体を見渡す作業をしないといけない.

◇William Hamilton の「紙」書評の件はOKとの返事.どうもありがとうございます.GWで遁走?中の編集長を捕捉しないと…….

◇日が昇るとともに気温が高くなってきた.今日は暑くなるようだ.

◇午前中,さらに現代新書の原稿を書き続ける.文献解題ですでに 400字詰×40枚に達しているのだが,多すぎるかな…….でも,もうエンディングは見えている.

◇午後のウォーキング.天久保往復1時間あまり.暑すぎー.歩き読み —— 『武満徹:Visions in Time』(2006年4月9日刊行,Esquire Magazine Japan,ISBN:4-87295-102-6)を半分まで.1950年代の“実験音楽”ではとんでもない“音楽実験”もあったようだ.水槽の底に五線譜を描き,中にオタマジャクシを泳がせて,その〈音符〉を書き取っていったというウソのような写真が載っている.しかも実際に演奏されたそうだ.※オタマジャクシが比喩ではないところが,スゴイ!というかなんというか…….

◇まりまりから,日本学術会議の連携会員に関する依頼のメール.以前の学術会議の体制のときは3期計9年間にわたって研連委員をしたことがあったが,新しい体制になってから関わるのは初めてだ.夕方,提出書類を用意してメール返信する.

◇腹の調子がいまひとつよろしくない.悪いものを喰った覚えはないのだが.

◇本日の総歩数=7729歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜△.前回比=−0.3kg/0.0%.


29 april 2006(土) ※ GW 初日は“電池切れ”

◇午前6時半に目が覚める.晴れから薄曇りへ.

“電池”が切れました,ハイ.本日の活動レベルはほぼゼロに近いです.ここ数日の overwork による当然の帰結ですね.まあ,現代新書の原稿が仕上がったので,よしとしよう.今日は動かざること岩のごとし.

◇Giulio Barsanti の進化学史新刊 —— Giulio Barsanti『Una lunga pazienza cieca : Storia dell'evoluzionismo』(2005年刊行,Einaudi[Piccola biblioteca Einaudi. Nuova serie], ISBN:88-06-17329-4→目次).目次で見るかぎり,The Evolutionary Synthesis までの進化思想史を通観しようという本なのだろう.イタリアの進化学といえば「ologenesi」をどのように論じているのかが気になる.「ortogenesi」とのつながりだけにとどめているのであればしごく健全だろう.図表がたくさん載っているらしく,愉しみだ.なお,版元である Einaudi のサイトでは本書の大部な「文献リスト」を pdf(288KB)で公開している(太っ腹です).現物はさっそくイタリア書房に注文しようかな.→しました.

◇何もしなくても時間は着実にすぎていく.タテになったり,ヨコになったり.怠惰が服を着てごろごろしている.午後3時,いきなりのスコールが.しかし,1時間もしないうちにあがってしまう.カエルの鳴き声と,ジーという直翅目系の虫の音(この季節に鳴くのはだーれ?).さらに無為な時間が過ぎていく.

◇ハミルトン山への〈登攀記録〉の公開 —— 夜,shorebird さんから直メールをいただく.あ,八王子のアレに参加していたお一人でしたか.William D. Hamilton の3巻論文集『Narrow Roads of Gene Land: The Collected Papers of W.D. Hamilton』(Vol. 1Vol. 2Vol. 3)を読破し,その総括書評を公開したとの連絡.進化学者は直行すべし./ 『生物科学』誌の上田恵介編集長にすぐメールを書き,この書評文を同誌に掲載することができないかどうか検討をお願いする.同時に,shorebird さんにも「紙」での公開を考えていただけるようにメールをした:

From: minaka@affrc.go.jp
Subject: Re: はてな書評 Narrow Roadsについて
Date: 29 april 2006 21:12:04 JST

○○○○さま:

三中信宏です.はじめまして・・・ではなかったのですね.

このたびは力作の書評記事を公開していただき,ありがとうございます.私も三巻本を机に積んであるのですが,いったいいつ踏破できるものやら心許ないものがあります.

おそらくプロの進化学者でもこれを登攀しきった強者はほとんどいないだろうと推測しています.

さて,ここからは私の提案なのですが,この書評記事をオンラインの文書だけではなく,活字にしてさらに広い読者に読めるようにしてもらえないでしょうか.具体的には私が編集委員をしている『生物科学』という雑誌に署名記事として書評を寄稿していただけないかという提案です.

生物科学トップページ(農文協)

とりあえず同誌の編集長にはオンライン公開されたことを連絡しましたので,近いうちに何かレスポンスがありましたら,あらためてご連絡をさしあげたいと思います.

とりいそぎ,お礼とお知らせまで.

◇あ,またバッテリーが〜.活動停止(23:00頃).

◇本日の総歩数=7729歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜△.前回比=−0.3kg/0.0%.


28 april 2006(金) ※ 農環研理事長も読む dagboek(汗)

◇午前3時過ぎに起床.雨はもう上がっていて星が見える.しかし,松代から南のエリアは濃霧が立ちこめていて,先がまったく見えない.対向車も信号もなきがごとし(こわ).研究所に直行.気温8.2度.

◇未明の原稿書き.新書の「文献解題」はなお続く.本文中に登場する本は逐一ピックアップしたのだが,実にエンドレスな解題作業だ.これはたまらん.とはいえ,削るのも気が引けるし.悩ましいことだ.2時間あまり書いたが,まだまだ.

◇明け方のよそ見 —— 〈消印の系統学シリーズ〉:たまに Webcat Plus で変な検索をすると,変な本がヒットしたりしてあわてることがある.日本ではフシギなことに「系統樹」というタイトルの歌集や句集が一般人が想像するよりもはるかに高い頻度で出版されている.読者レンジが限定されている?から目に留まらないだけかもしれない.今朝の予期せぬヒットは〈消印の系統学シリーズ〉という叢書[らしい].Webcat Plus にはただ1冊だけエントリーがある:水野虎杖『ローラー印の形態と分類』(1972年刊行,謄写版[消印の系統学シリーズ ]).所蔵館は「大阪府立大学学術情報センター」のみ.いったいどんな出版物なのだろう.商業ベースに乗って流通したとはとても考えられないが,〈消印の系統学シリーズ〉と銘打つからには他にも実は出版されていたのだろうか.疑問は疑問を呼ぶ.確認したわけではないが,この手のあやしげな出版物はそれなりの所蔵者を選んだはずだ.ということは,以前,足を運んだことがある大阪府大の「中尾佐助文庫」にあるとみてまずまちがいないだろう.

◇近刊情報 —— 工作舎から「新刊メールニュース」が届いた:カスパー・シュワーベ『ジオメトリック・アート:幾何学の宇宙教室』(2006年5月下旬刊行予定,工作舎).愉しみにしています./ 伊藤俊次著『唐草抄:装飾文様生命誌』(2005年12月15日刊行,牛若丸[発行]/星雲社[発売],ISBN:4434071645→目次書評)と岡崎武志『気まぐれ古書店紀行』(2006年2月10日刊行,工作舎,ISBN:4-87502-391-X)がいずれも増刷されるそうだ.しかも,装幀を変えるという.『気まぐれ〜』では話題になった手書きコメントがさらに増えているらしい.なんて罪なことを…….※ダブって買えということですかい?

◇日が昇るとともに,霧はしだいに晴れ,すっきりとした青空に.ハナミズキとツツジの花が咲きはじめている.おお,原稿日和じゃないか……(く).Steve Reichの〈Drumming〉(DG 427 428-2)を聴きつつ,原稿をさらに書き続ける.

◇合間のこまごま —— 住所変更がらみの書類どもがやっとすべてそろった.でも,記入がすんでいないから,提出は週明けになる.※いったい何ヶ月かかっていることやら.やる気がないのか,事務処理能力がないのか.

◇午前11時半から,1時間弱の〈文化系統学〉セミナー第12回目.Chapter 6「The resolution of cultural phylogenies using graphs」(Carl P. Lipo)の続き(pp. 95-99).系統ネットワークの理論について.最節約的ネットワークをどのように構築するかをざっとみる.枝ごとに一つずつ形質置換が生じている場合は単線的系統が得られる.しかし,複数の形質が同時に起これば系統の分岐が生じるし,ホモプラジーが発生するとループが出現する.こういう原理的な話はもっともなのだが,要は目の前のデータからどのようにしてネットワークを構築するか,そしてそれを考古学の遺物の系譜推定に利用するかだ.

◇昼休みにいったん帰宅.着替えて,午後1時過ぎに〈なかやま〉にて,講談社の川治さんに原稿を渡そうとしたものの,まだ書き終わっていないので,そのまま 13:41 発の TX 快速に乗り,車中でがしがしとパソコンを打つ.まるでやはピーのようなこんな慌ただしい生活はいやや〜.と言いつつも,終点の秋葉原まで劇的に作業は進み,あと少しでようやく脱稿とあいなった.

コンウェイ・モリスの訳本についても,今日の筑波大での打合せの経緯を教えてもらう.

◇〈ヨドバシ AKIBA〉でしばし淀み,その後,本郷へ向かう.まずは東大に行って,身分証明書の作成と振込口座の申請をすませた.それから,本郷通りの〈ボンナ〉にて原稿の続きを仕上げた.『だから系統樹!(仮)』の最後の文献解題「さらに知りたい人のための極私的単行本リスト」は,結局,400字詰にして30枚余りの分量に成長した.※ほとんど1章分に相当しますがな.

◇午後5時が過ぎ,今日の本務の時間が迫っている.午後6時半から東大の専攻内懇親会がある.もともとは,根津の〈成光亭〉で行なわれるはずだったのだが,店の都合で急遽,正門前の〈フォーレスト本郷〉に変更された.もうすぐ時間だ.

◇午後6時半から〈フォーレスト本郷〉にて会食.ここは,以前は文部科学省の共済施設〈本郷会館〉だった.いまはチサンホテル系の資本が入り,一般客も泊まれるようになったとか.今日の集まりは,東大の生物・環境工学専攻の教授プラス連携教員プラス農学部長プラス農環研理事長というメンバーだ.今年度から連携大学院が船出したので,その打ち上げみたいなものか.

いろいろと“内輪”なお話.微妙な駆け引きとか,意外な見解の相違とか.独法研究所と大学を「二股かける」というのは,いろいろな場面で“バランス”を取り続ける必要があるらしい.

学生集めのための手練手管は毎年アタマを使わないとダメだそうだ.ちょっとでも油断すると“進振り”で底が抜けるらしい.今年は物理学科が抜けたそうだ(以前ならそんなことはありえなかった).だからこそ,さまざまな機会での学生への進学ガイダンスが,今まで以上に重要だそうだ.しかし,学生もさるもので,インターネット(や風評)で事前にいろいろ情報を集めているとのこと.

懇親会はさらに進む.理事長が「アメリカの知人から“おもしろいサイトがある”と教えられたのが,三中くんの日録だった.今まで農環研職員のサイトは見たことがなかったけど,よく時間あるねえ」とのこと.※もちろん時間はないです,ハイ(汗).

朗報いくつか:連携教員に配分された東大の運営費交付金の用途について.20万円までならば備品扱いにはならない.海外出張旅費に使ってもよい(らっきー).物品購入に当たっては見積書・納品書・請求書の三点セットを東大に送ればそれでオッケー.農環研の事務を通さずにすむというのはシンプルでとてもよろしい.東大への出張にあたっては,農環研の出張届の提出に当たって東大からの依頼出張という形式にすればよい.

—— 今夜の会食は午後9時前に終わった.その後,本郷通りの喫茶店に連携教員4名が集まって,居室のパーティションとか内装についての打合せをする.午後10時前に店を出て,大江戸線本郷三丁目から新御徒町へ,TX に乗り換えてつくばに帰還したのは午後11時を過ぎていた.

◇帰路の車中読書 —— 酒井邦嘉『科学者という仕事:独創性はどのように生まれるか』(2006年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書1843],ISBN:4-12-101843-5)を読了.この本は明らかに読者を選ぶ.これから勉強を始める学部生や大学院生の読者層にはきっと得るものがあるだろう.安心できる教訓的なスタイルは,きっとこの層の想定読者に対して向けられたメッセージなのだろう.しかし,残念ながらぼくはこの本の読者に選ばれなかったようだ.「真理」ということばをストレートに使いすぎている気がする.

◇寝不足とアルコールでまたも気力と体力の限界かも…….

◇本日の総歩数=13832歩[うち「しっかり歩数」=2125歩/14分].全コース×|×.朝△|昼○|夜×.前回比=−0.1kg/−0.5%.


27 april 2006(木) ※ エアポケットな木曜日はこまごまと

◇午前4時起床.曇り.気温10.0度.後に雨が降り出す.昨日の寝不足はまだ完全には解消できていない.一挙一動が重く感じる.

◇雨足が強くなってきた午前のこまごま —— 昨日の東大での教員会議のメモを欠席者にまわす./ 東大の身分証明書に記入する.これで農学部図書館も総合図書館もフリーパスだー(ばんざい〜)./ さらに,東大の振込先口座の届出とかも.次々と書類を書き続ける./ さらにさらに,先月の転居に伴う住居変更届の書類を書く.遅くなってごめんごめんごめん.共済組合員証も住所変更か.あれ,免許証もか.ぜんぜん消化しきれていないとも言う…….

◇届いた雑誌 —— 『日経サイエンス2006年6月号』(2006年6月1日発行,日経サイエンス社,ISSN:0917-009X→目次).ビル・ブライソン『人類が知っていることすべての短い歴史』(2006年3月25日刊行,NHK出版,ISBN:4-14-081101-3)の書評記事:三中信宏「宇宙誕生から人類の未来像まで600頁で味わう科学史物語」はこの号の p. 132 に載っています.

◇組合関連 —— メーデー当日の場所取りを担当しているので,その機材(といってもブルーシートだけ)を今日のうちに確保しておかないと.あと,「場所」のロケーションを確認しておこう./ おととい“丸投げ”してしまったメーデー・プラカードをつくってくれた大東くん,ダンケ!

◇昼になって,ようやく雨は峠を越えたようだ.曇りのち晴れる.

◇昨日の〈往来堂書店〉での新刊 —— 酒井邦嘉『科学者という仕事:独創性はどのように生まれるか』(2006年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書1843],ISBN:4-12-101843-5).目次をざっと見るかぎり,とてもおもしろそうだ./ 『武満徹:Visions in Time』(2006年4月9日刊行,Esquire Magazine Japan,ISBN:4-87295-102-6).東京オペラシティーアートギャラリーで開催されている同名の展示(会期:4月9日〜6月18日)の公式カタログだそうだ./ 『谷中・根津・千駄木(其の八十三)』(2006年3月31日発行,谷根千工房).今号の特集は「はたらく着物」.

◇午後のこまごま —— 東大の教員会議メモを他の連携教員に配信する.連携大学院の教員がどのように大学と関わっているのか,他の事例についてはほとんど情報が入ってこないので,手探りで進めていくしかない.同じ〈連携大学院〉という名称であっても,その内実はケース・バイ・ケースでちがっている可能性が高いだろう.

◇夕方,住民票を取りに市役所へ.雲行きよろしくない.その後,写真の焼き増しに行く.往復の歩き読みは,酒井邦嘉『科学者という仕事:独創性はどのように生まれるか』(2006年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書1843],ISBN:4-12-101843-5).ん,イマイチ,響くものがない.物理学を“典型科学”とみなしてはいけませんよ.

◇夜,雨が降り出した.1日おきに晴天と雨天がくるくる置き換わるだけならまだしも,日中と夜間でも空模様がちがうとはねー.

◇講談社の残りの原稿は,明日の未明にしあげたいな.

◇本日の総歩数=11258歩[うち「しっかり歩数」=3883歩/34分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=0.0kg/0.0%.


26 april 2006(水) ※ 本郷〈ルオー〉迎撃大作戦

◇約2時間後の午前0時過ぎに起床.これから約6時間でなんとかカタをつけないといけない.もともとカタがつくはずがないのだが,せめてカタチだけは整えたいなどと姑息なことを考えてしまう.

星空の下,深夜の研究所に直行する.気温3.5度.めずらしく冷え込みつつある.ここ数年感じることだが,勤務時間のフレックスタイム制度が浸透して以来,はちゃめちゃな時間帯に研究所に実在する研究員がとても少なくなってきたようだ.10年くらい前は,ほとんど「不夜城」のごとく,どんな時間帯でも誰かが所内に実在していたものだが,最近では,とくに丑三つ時から彼は誰れ時にかけては巡回する守衛さん以外はほとんど人気(ひとけ)がなくなることが多い.もっと非常識に働かないとダメっすよ.>みなさん.

今夜もそういうシズカな深夜労働に励もう.と言いつつ,マーラー〈一千人の交響曲〉なんぞが BGM で流れて,ゲーテが天空を fließend していたりする.インバル,えらい! ラトル,いまいちっ.

◇午前6時前までに,海游舎の翻訳原稿のうち何とか4章分をチェックして,次の章を下読みするまでになった.これで総論部分については完了.あとは,各論のケーススタディーだ.

◇いったん帰宅し,8時26分発の TX 快速に乗る.新御徒町で大江戸線に乗り換え,本郷三丁目に着いたのは午前9時半近く.〈ルオー〉で原稿を広げる.さて,さっそく「迎撃」のための前線基地をつくらないと.

◇午前10時過ぎ,海游舎の本間さんがやってきた(第一波の攻撃).深く深くお詫びしつつ,できあがった原稿を手渡す.残りの章については,ゴールデンウィーク明けにとのこと.まだ,だいぶあるんですよ,これが.他,もろもろの話.翻訳大事業となった Philip S. Corbet『トンボ博物学:行動と生態の多様性』(2006年近刊予定,海游舎→紹介ページ)がいつ出るかが気になるところ.

本間さんが帰って,講談社の新書原稿を書き続ける.「文献解題」が際限なく膨らみそうでこわいのだが,とにかく書き上げて脱稿にもちこまないといけない.

午前11時過ぎ,講談社の川治さんがやってきた(第二波の攻撃).これまでいったい幾度こういう対面状況で原稿を書き続けたことか.1時間ほどがーっと書いて,やっと原稿用紙5枚分.まだ終わらん…….残りは,28日(金)の昼過ぎにつくばにて“最終納税”することになった.この煽りと追い込み,迎撃にほころびが見えたかも.

さらに,追い打ちをかけるヒミツ兵器:Simon Conway Morris『Life's Solution: Inevitable Humans in a Lonely Universe』(2003年刊行,Cambridge University Press, ISBN:0521827043 [hardcover] / ISBN:0521603250 [paperback]→目次)の本文ゲラがドサッと投下された.こら,たまりませんなあ.本文のみで400ページ近くある.これで,註150ページが追加されたらあえなく玉砕するところだったのだが,敵もさるもの,活かさず殺さずの戦略か.これは時間がかかりますよー(むなしい抵抗).

“飴玉”をひとつもらった —— 堀井健一郎『若者殺しの時代』(2006年4月20日刊行,講談社[現代新書1837], ISBN:4-06-149837-1).キーワードは「1983年」.ぼくが大学院でぶらぶらしていた頃に,世の中は大きく変わってしまったそーだ.

◇昼過ぎに,〈ルオー〉迎撃大作戦を完了し,早くもよろめきつつ,かつてぶらぶらしていた東大・弥生キャンパスに向かう.雲がやや多い.午後1時から,専攻教員会議.今回はオブザーバーとして連携大学院講座についての打合せに加わる.農学部7号館7階の,「忠犬ハチ公の主人」が鎮座する会議室で定刻を少し過ぎて会議は始まった.人事などの事務連絡ののち,審議事項に進む.「エコロジカル・セイフティー」連携講座については,これからも討議を詰めていく必要があるが,まずは対外的にどのようにアピールしていくかが問題になる.すでに新学期が始まっているので,講義の開講は早くても冬学期あるいは来年度からになるが,できるだけ早期にとのことで冬学期開講が決まった(詳細未定).その他,弥生キャンパスでの居室のこと,今後の教員会議の運営のしかたと教員間の連絡方法の確認など,いくつかの関連する議題が話し合われ,終了したのは午後3時をまわった頃.連携教員にも東大の運営費交付金が支給されることを初めて知った.「意外なほど」(マジで)予算枠が大きいのはよかった.とりあえず,東大への交通費や事務用品など,居室設営に必要な物品はこの枠からまかなえそうだ.また,連携教員は次回からはオブザーバーではなくなるので,教員会議には原則として毎回参加とするということになった.月1回のペースだが,だいじょうぶかなー(ちょっと心配).

その後,居室になる予定の部屋に案内される.専攻の連携・兼担教員が共有して使う大部屋なので,実際には間仕切りを立てることになるだろう.手早く業者がやってきて,部屋のサイズを計測してもらい,机など必要になる物品のカタログをもらう.電話と LAN も通っているので(場所的にも“ヒミツ度”が高いし),これで内装が整えば格好の「隠しキャレル」として使えるはずだ.なかなかいい方向に状況が進みつつある.

◇根津から千駄木にまわり,不忍通りの〈往来堂書店〉で物色し,さらに谷中の〈マミーズ〉で焼きたてのアップルパイを買ってしまう.千駄木から乗って,北千住で5時11分発の TX 快速に乗れた.つくばに着いたのは午後6時前.

◇帰路の車中読書 —— Olivier Rieppel『Einführung in die computergestützte Kladistik』(1999年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN: 3-93151-657-1→目次).コンピュータ分岐学の入門テキスト.英語だと類書にはことかかないが,ドイツ語だとまだ数少ないのだろう.「パターン分岐学(Muster-Kladismus)」を表立って支持しているのはこの人くらいかな.他にはあまりみかけない(シンパは多いのかもしれないが).

◇もう気力と体力の限界かもしれない.午後10時にならないうちに寝てしまった.あとは明日まわしね.

◇本日の総歩数=13176歩[うち「しっかり歩数」=2431歩/17分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.前回比=+0.1kg/+0.4%.


25 april 2006(火) ※ 雨→晴→曇→雷雨→晴→原稿

◇午前4時起床.小雨のち本降りに.気温7.5度.早朝の研究所に一瞬だけ滞在.また直帰する午前6時.

◇朝のこまごま —— 名古屋大学情報文化学部の非常勤出講日を確定させる:三中信宏〈メディア社会学特論I〉は「8月1日(火)〜4日(金)」の1〜4時限(8:45〜16:15)の開講です(15コマ30時間).

◇午前9時にはいったん晴れ間がのぞいたりする.しかし,また曇ってきた.

◇昼前に郵便局まわりで,羽成公園にて海游舎の翻訳原稿 Scott Camazine et al.『Self-Organization in Biological Systems』(2001年4月1日刊行,Princeton University Press, ISBN:0691012113 [hardcover] / ISBN:0691116245 [paperback]→目次)に手を入れる.原稿仕事は“孤独”がいちばんだ.「それしかない」という状況に追い込まないとダメだ.1時間あまりのアウトドア作業.1章分はなんとかなったぞ.(まだまだだが)

◇農環研に歩いて帰る途中,北からいきなり兇相の黒雲が湧き上がり,急速に南下してきた.雷鳴まで聞こえるではないか.ばらばらと大粒の雨が落下してきたので,農環研に駆け込んだとたん,土砂降りに.とんでもないことだ.気温11.3度.しかし,1時間もしないうちに,雨はあがり,からっと晴れてきた.めまぐるしいのなんのって.

◇午後1時半から1時間ほど,〈形態測定学講義〉の第5回目.第2章「Landmarks」の続き(pp. 31-36).標識点のタイプ分け(Type I 〜Type III)について.著者らは,Fred Bookstein による標識点分類に関して,「その標識点がどれくらい“局所的”に確定できるか」ならびに「その標識点に対してどれほどの生物学的意義づけ」ができるかという観点から,再検討をしている.局所性からいえば,Type I の標識点はある特定の解剖学的位置としてピンポイントで確定できるので,もっとも限定的な局所性をもつ.Type II 標識点はある近傍領域での最大曲率点のような,やや緩い局所性をもつ.最大幅の両端点のような Type III 標識点は,形状全体に及ぶ大域的な判定基準に従わなければならないので,局所性とは対極にある標識点だ.

◇メーデーのプラカードをつくったり集めたりする時間はとてもないので,「丸投げ」してしまおう.そうしよう.

◇夕方まで,また海游舎の原稿と格闘.今夜の予定でこれで確定してしまったか.ううむ…….

◇午後10時にいったん寝る.

◇本日の総歩数=8848歩[うち「しっかり歩数」=4947歩/44分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.2kg/−0.2%.


24 april 2006(月) ※ SOKKI!:かつて少しは役に立った特技

◇午前4時起床.小雨.気温12.5度.

◇午前のこまごま —— 郵便物を速達で1件./ JICA 宛の事務書類返信1件./ 進化学会関連の事務メールに返信.そろそろ今年の夏の東京大会(8月29日〜31日)の企画公募アナウンスが広報されます./ 進化学会メーリングリストなどの管理を少しばかり.

◇William Hamilton 論文集の“登攀”をずっと続けていた〈shorebird〉さんが,ついに読了したそうだ(拍手).※総括書評をぜひよろしく.

Ullica Segerstråle が『An Intellectual Biography of William D. Hamilton』(forthcoming,Oxford University Press)という本を書きつつあるそうだ.→著者サイト

◇昨日とても感銘を受けつつ復路車中読書し,今日の昼休みに歩行読了した小説 —— 秦建日子『SOKKI!:人生には役に立たない特技』(2006年4月6日刊行,講談社,ISBN:4-06-213412-8).もともと小説を読む性癖を持ち合わせていないぼくとしては,この“青春”小説それ自体ではなく,むしろ「ワセダ速記」というテーマとその取り上げられ方に関心が向く.

そう,この本は早稲田大学速記研究会を舞台にした「ワセダ速記」をとりあげた稀有の(ひょっとして初めての?)小説だ.全編にわたって速記文字(「速字」)がばらまかれている.ストーリー展開はいかにもドラマ台本的で,緻密に書き込まれているという風ではない.しかし,たまたま[不純な動機で]大学の速記研究会に入ってしまった主人公が,どのようにして〈速記道〉を極めていくのか,その過程がとても活き活きと描かれている.体育会系のごとく,「なぜそこまで激しく速記してしまうのか」(p. 174)という光景はシンパシーを感じつつ,ちょっと哀しいなあ.

速記という記録技法の需要がもっとも高かった国会でさえ速記者の養成をとうにやめてしまった現在,文化的伝承としての職業的速記はすでに絶滅への道を歩みつつあることは確かだと思う.あとは文化遺産として細々と継承されていくのだろうか.しかし,速記に関連する資料や文献はきっちり蓄積されてはいないという危惧もある.それだからこそいっそう,この小説を読むと,自分の過去の経験をまざまざと思い起こさせる部分が随所にあって,感慨深い.

もう30年以上も前のことだが,ぼくがワセダ速記の「速習課程」の通信教育を始めたのは小学校6年のときだった.中学2年のときにはその課程を修了し,続いて同じく通信教育の「専門課程」に進んだ.当時は相当多くの受講生がいたようで,定期的にスクーリングが開かれ,速記検定に向けての研鑽を積んでいた学習者が少なくなかったようだ.ぼくの記憶では,速記検定は「1級=分速320字/2級=分速280字/3級=分速240字/4級=分速180字/5級=分速120字」というランクに分かれていたはずだ.主人公が繰り返し[彼女?の]朗読を聴き取って,速記練習と日本語書き下し(「反訳」)をするという情景が登場するが,確かにそういう練習を何度もしたことがある.速習課程を修了した時点で「3級相当」の実力がつくはずだったが,さまざまな略記法や簡略文字(「簡字」)を身につけなければ速く正確に速記することはとうていできない.そのためには,専門課程での勉強と訓練が不可欠だった.

高校の1年くらいまでに専門課程のテキストはほぼすべて終わったので,当時のぼくの授業ノートのたぐいはすべて速字で書かれている.しかも反訳文はすべて舊字體だったので,とても“変わった”高校生に見られていたはずだ.検定を受けたことはなかったが,授業の書き取りには不自由しなかったので,分速200字くらいの速記技能はきっとあったのだろう.本書の主人公は大学に入って初めて速記の世界に入ったのだが,ぼくの場合は高校の半ばで速記ワールドを早々と卒業してしまった.「あと十年とか二十年とかしたら滅びちゃう技術なのにね」(p. 284)というような終末論的な予想は,少なくとも1970年代はじめには思いもつかない戯れ言だった.

その後も,自ら速字を使うことはなかったものの,速記に関する本は心して買い求めるようにしていた.しかし,フシギなことにそういう速記本はいったん出版されても次々に絶版・品切れになって店頭から消えていく.今では〈速記〉というキーワードで書籍検索しても,速記法に関する本はほとんどヒットしないはずだ.社会の記憶からもすでに消えはじめ,なかば無形文化財的な扱いを受けつつあるのかもしれない.

0.9mm2B芯の回転式シャープペンシルを速記用にいつも持ち歩いていたので,中学時代からエンピツというものに触れることはまったくなくなった.書かれている文章をみれば「簡字」が脳裏に浮かび,会話を耳にすれば「速字」をイメージするという習性が染み込んでいるので,30年近くのブランクがあったにもかかわらず,本書に綴られている速字文はちゃんと「読めてしまう」.もちろん,多くの簡字の字形や速記法のティップスはあやふやになってしまったし,ところどころ「この略し方は“方言”だろう」という箇所もないわけではない(あるいは,ぼくの覚えている方式がワセダ速記の系譜ではやや祖先形だったのかもしれない).それでも,この本の日本文だけでなく速字文まで堪能できたことで,そして「黒田は「な」「ま」「は」「ら」から,更に傾斜がきつくなり二音文字「ない」「まい」「ない」「まい」と蛇行を続ける舗装路を無視して〜」(p. 193)のくだりで瞬時に大爆笑できたことで,皮肉にも〈SOKKI!〉は今でも役に立つ特技であることが証明されたのではないか.あ,そーすると,「豚に喰われ」てしまうか…….

速記をまったく知らない読者にとっては,本書に描かれているストーリーはきっとアゼンとする世界だろう(フィクションだと勘違いする向きもあるのではないか).しかし,かつて少しでもそういう経験をしたことのあるぼくはリアルな共感を呼び起こされた.氷で腕を冷やしたことはさすがになかったが,書きすぎて利き腕の筋肉が張った記憶を本書を読んで久しぶりに思い出してしまった.

—— なお,著者のブログ〈秦建日子のブログ〉ならびに,早稲田大学速記研究会伝言板〈馬場の伝言板〉を見ると,この本を原作として TV ドラマ化(あるいは映画化)が射程に入っているそうだ.おそらく「文系版ウォーターボーイズ」となるのはまちがいないだろう.キャスティングは?

◇午後1時の気温は20度を越えていた.今日はとても暖かい.

◇午後1時半から1時間ほど,2ヶ月ぶりの Kendall —— Alan Stuart and Keith Ord『Kendall's Advanced Theory of Statistics, Volume 1: Distribution Theory』(6th edition,1994年,Edward Arnold,ISBN:0-340-61430-7)の輪読(第12回目).Chapter 3:「Moments and Cumulants」の続き(pp. 102-108).負のモーメントと小数モーメント.Cauchy 分布のように,変量の自然数乗のモーメントが解析的に存在しないような場合,負数や小数の冪乗を考えることで,モーメントをひねり出そうというわざだ.続いて,多変量のモーメントとキュムラントについての節.共分散が初めて登場した.

◇午後のこまごま —— どーやら,メーデーのプラカードは自分でつくるしかないようだ(マジか?).※ちゃちゃっとすませよう.

◇驚くべき速攻で Pfeil から着便した —— Johann-Wolfgang Wägele『Foundations of Phylogenetic Systematics』(2005年1月刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN:3-89937-056-2→目次)とOlivier Rieppel『Einführung in die computergestützte Kladistik』(1999年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN: 3-93151-657-1)の2冊.ミュンヘンの Pfeil はつくばに営業所でももっているのか? 20日にドイツに発注して24日に日本に届くとは.

◇夕方から,またまた雨に.強めにざあざあと.いまいち,諸般の進捗がよろしくない.寝る.

◇本日の総歩数=13396歩[うち「しっかり歩数」=6574歩/57分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=+0.2kg/−0.7%.


23 april 2006(日) ※ メイド・イン・アキバ(さぶ……)

◇午前4時前に起床.薄曇り.朝焼けがとても鮮やかだった.この季節は超早起きしてでも,朝ぼらけの東雲を鑑賞すべきだ.これからの季節,日の出がどんどん早くなるので,超朝型人間としては,ますます生活リズムが多数派から乖離していく.

午前5時過ぎに一仕事あっしー.その後,早めの朝食をすます.

◇10時11分発の TX 快速に乗り,昼前に秋葉原に到着 —— 曇り空のもと,〈ヨドバシAKIBA〉で慌ただしく昼を迎える.歩行者天国は,メイドさん,いっぱい.オタクも,いっぱい.ゲームも,プラモデルも,キャラクターも……(ううむ).かような「魔窟」に長居したくないと思いつつ,本屋や文房具屋にトラップされたりして.

◇往路車中読書 —— 島泰三『マダガスカル:アイアイのすむ島』(2006年3月30日刊行,草思社,ISBN:4-7942-1487-1).読了.マダガスカルの「地理」ってぜんぜん知らなかったのだが,ものすごく大きい島なんですね.それとともに環境の失われ方も大がかりだし.著者は,この島の最深部を探査しつつ,アイアイがこれからも生き残れるエリアを見つけようとする.このレポートに書き込まれたさまざまな苦労話を読むと,ある生き物をめぐる国と国の,そして人と人の関わり合いが一筋縄ではいかないことを読者は知る.あるプロジェクトを立ち上げ,推進し,維持する−それぞれの段階で多くの社会的なあるいは制度的な問題が表面化し,著者の前に立ちはだかる.本書に書かれなかった多くのことどもがきっとたくさんあるのだろう.アイアイの写真を見つつ,それを推察するしかない.

◇TX でつくばに帰り着いたのは,もう午後4時前だった.

◇週末はしっかり籠って仕事をするはずだったのだが,こんなことではどーしよーもない.でも,眠たい…….(おいっ)

◇本日の総歩数=10010歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼×|夜×.前回比=+0.4kg/+1.0%.


22 april 2006(土) ※ これもひとつの“つくばスタイル”

◇午前5時前に目が覚める.夜明け前の空はすっきり晴れている.早朝のウォーキングを1時間弱.新緑が萌え出る季節になったことを実感する.

◇新刊メモ —— 『つくばスタイル No. 3』(2006年6月10日刊行,エイムック1197,ISBN:4-7779-0540-3).このシリーズ,よほど売れているのだろう.3冊目の〈つくばスタイル〉がつくば市内の書店店頭にいま平積みされている.おお,知り合いがぞろぞろと.環境研のK地さん一家が大々的に取り上げられているではないか.八郷に魅力的な新築家屋とはうらやましい.それに加えて,農環研の斜め向かいの居室にいるO野さん一家のリフォーム古民家も載っているぞ.

この〈つくばスタイル〉シリーズでは,つくばの民家[風]建築に焦点を当てた特集がとても多い(建築に関心のある編集スタッフがいるのだろう).確かに参考になるのだが,研究学園都市には“民家”ばっかりあるわけではけっしてありませぬぞ.でも,それは最近出たばかりの,「つくば建築探偵本」を見ればいいのかもしれない.※筑波山か八郷あたりに「別宅」をもつとしたら,そういう“民家”がいいなあ.

天久保エリアに新しいドイツパンの店〈ベッカライ・ブロートツァイト〉が先月オープンしたらしい.さっそく行ってみないと.サイエンス大通りの「ラーメン戦争」はさらにエスカレートしているみたいだし.「住」も大事だが,「食」はもっとたいせつだ.

◇近刊情報 —— John C. Avise『Evolutionary Pathways in Nature : A Phylogenetic Approach』(2006年5月4日刊行予定,Cambridge University Press, ISBN:0521857538 [hbk] / ISBN:0521674174 [pbk]→目次).分子系統樹に基づくナチュラル・ヒストリー本で,著者のこれまでの著作の延長線上にある内容だろう.目次を見るかぎりでは,系統学的比較法と系統樹上での形質マッピングについて詳しく書かれているようだ.

◇午前から夕方まで,旧居にて後片付けと大掃除.転居してからもう1ヶ月が過ぎようというのに,まだ前の官舎の清掃に追われるとは…….サッシの溝の清掃にかかりきりになる.旧タイプのせいなのか微妙に狭い溝がたくさんあって,そこに積年の砂やら塵の堆積がぎっしり詰まっている.それを高温蒸気スチーマーをあてがいつつ,まずは割り箸でほじくり,ついで綿棒でこすって,微細部は竹串で削り取る.これをすべてのサッシで繰り返す.しかも,今日掃除したとしても,あす砂埃が飛来すれば元の木阿弥だ.退去にともなう管理人の監査日が迫っているので,時間的な余裕はない.午後4時近くまで格闘したものの,まだやり残した箇所がある.賽の河原か,シシュフォスの苦役か.

◇着便新刊メモ —— ウィリアム・ブレイズ『書物の敵』(2004年10月25日刊行,八坂書房,ISBN:4-89694-849-1).買い忘れ本.ずいぶん前に,庄司淺水の同名の翻案書『書物の敵』(1990年5月刊行,講談社[講談社学術文庫924],ISBN:4-06-158924-5)を読んでいたので,本家本元本を買う機会をつい失っていた./ リチャード・P・ファインマン著(ミシェル・ファインマン編)『ファインマンの手紙』(2006年4月24日刊行,ソフトバンククリエイティブ,ISBN:4-7973-2915-7).実に700ページ近くもある書簡集だ./ 飯島朋子『映画の中の本屋と図書館』(2004年10月1日刊行,日本図書刊行会,ISBN:4-8231-0785-3)/ 飯島朋子『映画の中の本屋と図書館・後篇』(2006年4月10日刊行,日本図書刊行会,ISBN:4-8231-0685-7)

◇1日中の掃除疲れで,ぐでぐでしてしまう.

◇本日の総歩数=7344歩[うち「しっかり歩数」=3843歩/34分].全コース×|×.朝○|昼△|夜×.前回比=−0.6kg/−0.5%.


21 april 2006(金) ※ 兇悪前線は通り過ぎた

◇午前4時半起床.晴れ.気温8.3度.早朝,研究所に向かう道すがら,水田の水張りが始まっていることに気づく.つくばあたりではゴールデンウィークが田植えのシーズンなので,ちょうどいまが灌水の時期に当たる.

◇晴れていたのに,いきなり雲が広がり,雨がざあざあ降り出す午前7時.昨日に引き続き,気まぐれかつ兇暴なこの天気は何ですねん,いったい.気温は6.7度にまで急激に低下する.しかし,午前8時半には雨はやみ,今度は急激に天候回復.午前9時には青空が広がり,雨雲のかけらはどこにも見当たらない.強力な前線が駆け抜けていったということなんだろうか.

◇午前のこまごま —— 非常勤出講する名古屋大学の履修者追加に関するメール連絡が事務から届いた.さっそく学務サイトを覗いてみたら,履修者が2倍に増えているではないか.といっても,ヒトケタ台がフタケタ台になっただけなので,まだこじんまりしている.追加登録者全員に了承を出した.〈メディア社会系特論I〉というのはもともと予定されていた科目名だが,これは同時に〈情報創造論特論I〉という科目でもあるらしい.「メディア社会〜」といい,「情報創造〜」といい,個人的にはとってもアヤシげな科目名のように感じられるのだが,学生さんたちは違和感がないのだろうか? ありていにいえば,〈神託分類学〉とか〈系統捏造論〉に近い危うさを感じるということ.もちろん,“看板”はどうであれ,“中身”が勝負なんだけどね.

◇先日来,「The Forbidden City of 〜」とジョークをかましていたのが災いを呼んだのか,別の「The Forbidden City」から召還されることになってしまった.数日前に前理事長からヒミツ指令を“耳打ち”され,都内某所にワルい資料どもを送った.これでハナシがまとまれば,The Forbidden City へのゲートが開かれることになるそうだ.昨日の RP 設計検討会のおり,出席していた理事のひとりから「三中くん,へんなことを口走らないよーに」とクギを刺された(わたしゃ,日頃から「へんなこと」しか言わへんのかいっ). —— ということで,あとは待つばかりなり.

◇会計システムの「個人化」と本・雑誌の行く末 —— 農環研では,今年度から「研究室(ユニット)」という概念がなくなり,個人としての研究者が研究遂行や予算執行の単位となった.「人」の所属はまあどうでもいいのだが,問題は「物」のことだ.たとえば,これまでユニットとして公費購入していた雑誌や本は,今後は特定個人の予算から決済されることになる.その通知を数日前に知らされたのだが,その額がばかにならないので,これからいろいろ再検討しないといけない.まず,基本的に個人が雑誌を公費購入するということになれば,高額な雑誌の継続購入は見送られる可能性が高くなる.

たとえば,ぼくのユニットでは『Trends in Ecology and Evolution』誌を公費購入してきたのだが,その年間購読料(206,361円)は今年からぼく個人の予算で決済されることになる.かぎられた予算総額の中では少なからぬ負担だ.しかもやっかいなのは,この雑誌をぼくが購入することが,農環研全体が版元であるエルゼヴィア社の ScienceDirect をオンライン購読するための前提になっているという“公的性格”を帯びているという点だ.とてもフシギなことに,農環研の他のユニットでは『Trends 〜』誌をまったく購読していないらしい.だから,毎年,情報資料課からわざわざ「TREE をぜひ継続購入してくださいね」と依頼されるのだ.

もちろん,個人化された予算を“結合”することで,より高額な物品を購入することは制度的に可能なのだ.しかし,わざわざ予算枠を操作しないといけないというのはたいへんめんどうである,という以前に,関係する個人研究者の意向によって,公費購入ジャーナルの継続購入が左右されることになる.ユニットとして購入していたときに比べて,さらに足場が“脆弱”になってしまう懸念がある.

いずれにせよ,今回の予算執行で,ぼくの予算枠から「約60万円」が雑誌購読料として差し引かれることになった.これは至急に何とかしないと完全に“金欠”になってしまう.領域内会議などで改善を求める声を上げよう.

◇〈PHYLIP〉むかしばなし(備忘メモ) —— ぼくが〈PHYLIP〉を使いはじめたのは,1980年代末に農環研に入ってからのことで,インターネットの普及していなかった当時は,〈PHYLIP〉を入手するにも直接 Joe Felsenstein に手紙を書いて,5-inch フロッピーディスク数枚に分割して送ってもらった.その頃は,まだユーザーが少なかったようで,国ごとのユーザーリストが別添の資料として付けられていて,その中には「His Majesty the Emperor of Japan」という人も含まれていたりした(使用バージョンは古かったけど).のどかな時代のことだ.

◇天気がよくなったので,昼休みに歩きに出たら,いきなり兇相の黒雲が北から現われ,春雷が轟き,冷たい風が吹いてきた.そして雨粒も.額に当たった雨が痛かったので,雹も混じっていたにちがいない.午後1時の気温は10.3度.ここ数日の春めいた陽気とは無縁の1日だ.上空に季節外れの寒気が入ってきたのだろう.

[追記]おお,いかにも「兇暴」な顔つきではないか!→ 東アジア天気図.※情報感謝(西方浄土にペコリ).

◇午後1時から2時過ぎまで,〈文化系統学〉セミナーの第11回目.新しい章 Chapter 6「The resolution of cultural phylogenies using graphs」(Carl P. Lipo)に入る(pp. 89-95).考古遺物の類縁関係の推定方法について,ネットワークを用いた系統解析法を適用する.考古学的な変遷を示す「時空チャート(time-space charts)」の構築方法をどのように定量的に改良するかに問題意識を向ける.系列化(seriation)あるいは分岐学の方法論が最近適用されはじめているが,問題点がいくつか残っている.とくに,OTUが必ずしも「同時代的」ではないとき(考古学や古生物学ではよくある状況だ),分岐学的方法だと“branching”を過大推定する危険性があると著者は指摘する.この問題は「系統ネットワーク」を用いることによって緩和されるだろうと主張する.

◇夕方,憑き物が落ちたような晴天が広がる.大気中の妖気も塵も黄砂もすべてが一掃されたようだ.筑波山がくっきり見える.南風がさわやか.

◇いきなり取手ピストン往復あっしー業務.夕陽に映える富士山のシルエット.帰宅したらもう午後8時を過ぎていた.

◇この週末は原稿書きまくりです.待ったなし.

◇本日の総歩数=12224歩[うち「しっかり歩数」=6707歩/54分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=0.0kg/+0.7%.


20 april 2006(木) ※ 外は大荒れの設計検討会

◇午前4時半起床.雨がやんで青空が広がってきた.地面はまだ濡れている.気温13.8度.

◇ドイツ語「系統学」本いろいろ —— しばらくチェックを怠っていたので,Amazon.de に発注する —— Johann-Wolfgang Wägele『Foundations of Phylogenetic Systematics』(2005年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN:3-89937-056-2→目次).2001年に出されたドイツ語版:Johann-Wolfgang Wägele『Grundlagen der Phylogenetischen Systematik, Zweite Auflage』(2001年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN:3931516938→紹介目次)の英訳とのこと.→版元ページ

ドイツ語圏の系統学の教科書にしては珍しく?英語圏の系統推定論の研究の進展にも十分に目配りをしている.目次を比較してみると,独語版では Bayesian MCMC に基づく系統推定の説明はなかったが,今回の英語版では新たに節を立てて解説している.体系学特有の“哲学”的論議も前半でなされているので,初学者の教科書としては内容的に適切ではないかと私は考えます.これから「体系学」を勉強しようと思ったら,まず数学(離散数学)を身につけて,次に新世代の統計学を体得し,さらに哲学的な基盤で武装するということをしないとやっていけないだろう.もちろん,特定生物群に関する十分な知識がないと困る場面もあるだろうし.また,Wägele は Hennig の分岐学と英語圏での transformed cladistics とをはっきり分けて論じているので,こちらに関心のある読者もきっと満足すると思う.

本書を出版した Verlag Dr. Friedlich Pfeil は体系学のしっかりした本を出版している版元だ.いま調べてみたら,数年前に Olivier Rieppel『Einführung in die computergestützte Kladistik』(1999年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN: 3-93151-657-1→版元ページ)が出ていたことを知った.うっかりしていた.コンピュータを用いた分岐学に関するテキストブックのようだ.他にも下記のような本が出ている:Gerhard Mickoleit『Phylogenetische Systematik der Wirbeltiere』(2004年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN: 3-93151-657-1→版元ページ)とか,Gloria Arratia, Mark V. H. Wilson & Richard Cloutier (eds.)『Recent Advances in the Origin and Early Radiation of Vertebrates : Honoring Hans-Peter Schultze』(2004年刊行,Verlag Dr. Friedlich Pfeil,ISBN: 3-93151-657-1→版元ページ).

さらに,買い忘れていた別の体系学教科書:B. Wiesemöller, H. Rothe and W. Henke『Phylogenetische Systematik: Eine Einfürung』(2002年9月刊行,Springer Verlag[Springer-Lehrbuch],ISBN:3-540-43643-X→目次

—— いっさいがっさいひっくるめて,Amazon.de に丸投げする.ほとんどは Amazon.de からダイレクトに送本されてくるが,Verlag Dr. Friedlich Pfeil は委託販売らしく,注文票が Amazon.de から Pfeil 社にいったんまわされ,あらためて Pfeil 社から注文確認のメールが届いた.

◇また雨がぽつぽつと降ってきた.午前9時半から,RP設計検討会議という名の,研究計画の打合せ理事長やらコーディネータやら領域長やら,RPのメンバーよりも多い数の参加者が5階の中会議室に集結する.ここ2週間は連日こういう会議が所内のそれぞれの RP ごとに開催される.RP 所属の研究員はもちろんたいへんだろうが,すべての会議に「いる」必要がある管理職以上のメンバーは連日の苦役だろうと思う(それが仕事なのだろうが).

ぼくが加わっているのは「農業環境リスク指標 RP」という名前のリサーチ・プロジェクト(RP)だ.研究テーマとしては化学物質の指標づくりと生物多様性がらみの課題に大別される.全国的な“マップ”をつくるという目標があるらしいが,生物多様性の場合,そういうアウトプット以前に,多様性の評価手法なりモデリングの問題が控えているので,ことはそう簡単ではない.RP ができた時点ですでに予想されていたことではあるが,そういう異質な課題群をひとつの RP にしてしまったのは間違いであることはあきらかで,向こう5年間の中期計画の間にその「歪み」は対外的にしだいに露呈していくものと思われる.

もちろん,「個人ベースで研究を進める」というオフィシャルな大前提が農環研にはあるので,そういう RP 設置に伴う研究上の「歪み」はたいした問題ではない.むしろ,selfish にしっかり研究を積み上げることが各担当者に求められている.

—— 「この RP は問題が多いですね」という理事長のことばとともに,11時半までの2時間の会議は終わった.だいたいどういう“雰囲気”のミーティングだったかは推して知るべしだ(苦笑).

◇雨が降り続く昼休みのこまごま —— 東大から連絡あり.来週水曜(26日)午後1時〜4時の予定で,専攻内教員会議があるので,まずはオブザーバーとして出席してほしいとのこと.今後の教員会議や教授会への参加など,連携大学院に関する議題があるそうだ./ 東大の講義シラバスや便覧などがどっさり届く.ううむ.単純に考えて,農環研と東大で事務仕事が2倍に増えるぞー./ 海游舎から電話あり.もちろん翻訳原稿の督促.すみませんすみません,ぜんぜん進んでません.来週水曜(26日)朝に数章分まとめて渡すということで……./ おお,ということは,26日は午前10時半に海游舎に翻訳原稿をわたし,11時半に講談社に新書原稿を納税し,さらに午後1時から東大での会議に臨むという,“最密パッキング”された予定をこなすわけですねー(汗).

◇隙間時間にメーリングリスト関連の雑務をすまそうと思ったのが運の尽きで,がりがりと時間が削り取られていく.溜まっていた50通近くの用件メールも消化しはじめる.あ,時計の進むのが速いなあ.12時40分に弱い地震あり.

◇午後になって,空はさらに兇悪な様相を呈しはじめた.土砂降りと猛烈な風が吹き荒れている.午後2時頃には雨足はおさまってきたが,風はなお強い.この天気はいったい何なの?

◇この風雨の中をタケミツとメシアンが連れ立ってやってきた —— Peter Hill & Nigel Simeone『Messiaen』(2005年10月刊行,Yale University Press,ISBN:0-300-10907-5→版元ページ).未発表資料や日記・書簡に基づく Olivier Messiaen の最新の伝記./ ピーター・バート著(小野光子訳)『武満徹の音楽』(2006年2月10日刊行,音楽之友社,ISBN:4-276-13274-6).

◇午後のこまごま —— 農文協から電話あり.『生物科学』誌最新号の乱丁に関する説明とおわび.編集オペレーターの操作ミスらしい.いま全部刷り直しているとのこと.

◇夕方になって,やっと風もおさまった.そして,じたばたしていた残務処理(小“トド”ども)も午後5時にはなんとか完了し,やや大きめの“トド”3頭を残してすべて仕留めた.※午後いっぱいかかるか,ふつう.

◇本日の総歩数=5168歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=0.0kg/+0.2%.


19 april 2006(水) ※ 穏やかな一般公開日

◇午前4時半起床.曇り.気温12.3度.気温の割には涼しく感じる.

◇朝のこまごま —— 東大・連携大学院からがらみの連絡.大学院の講義の形式について.隔年開講が原則だが,実際にどのようにするのか.もともと7研究室しかなかった専攻に,今回新たに4研究室が増えることになるので,その“増分”を講義にどのように反映させるのかという点./ 組合メーデー行動関連.後夜祭は5月11日で確定したが,実行委員としてはそれに先だって「プラカード募集」と「当日の参加者確定」をいそがないといけない.

◇農環研の〈一般公開〉 —— 今日は農林団地の一般公開日なので,午前10時から2階講堂でのパネル説明要員として立つ.それにしてもリモート・センシングやら地球温暖化やら専門外の研究についていきなり説明をするというのはムリがありますなあ(汗).古地図に基づく土地利用変遷の研究が意外にも来訪者の注目を集めた.1時間ほどの“所内貢献”ということで.

—— 今日は天気がいいので(やや雲が多いが),来る人もきっと多いだろう.

◇計量生物学会の理事会(5月25日)に出席する返事を出す.2006年度日本計量生物学会シンポジウムは5月25日(木)〜26日(金)に,和光市の国立保健医療科学院(5階講堂)で開催される(→学会サイト).シンポジウムの全体テーマは〈複雑な観察データの解析〉だ.26日の午前中には,〈Rによる生物統計解析〉というチュートリアル・セミナーがあり,群馬大の中澤港さんも講師陣に入っている.伝統的に「SAS」の天下である医学統計学の敵陣にあえて乗り込んで,「R」を宣教するとは実に剛胆なことだ.果たして無事に長野に生還されるのだろーか……(“殉教”なさらないように).

◇午後のこまごま —— 講談社現代新書編集部から電話あり.ここしばらく停滞していた新書原稿の「文献解題」は,来週水曜(26日)に本郷にて手渡すことになった.新書の出版予定時期は7月.アヤシイ人たちのアヤシイ本が連続で店頭に並ぶというわけだ.コンウェイ・モリスのゲラもそのときにドサッともらうことになるらしい./ 〈T. N. T.〉に関する質問が届く.いまサイトを覗いてみたら,少しバージョンアップされている気配あり.

◇夕方,ざーっと通り雨.

◇『Ologenesi』 ゲット! —— Daniele Rosa『Ologenesi』(1918年初版[2001年復刻],Giunti[Biblioteca della Scienza Italiana],ISBN:880902334X).1918年の初版『Ologenesi : Nuova Teoria dell'Evoluzione e della Distribuzione Geografica dei Viventi』の復刻.日本の公的機関では,このイタリア語原書を所蔵しているところはまったくないようだ.かつて東大の総合図書館で,そのフランス語訳(1931年出版)のコピーを取ったことはあった.幸い,2001年にこの初版のリプリントが出たおかげで,やっと原文を手にすることができる.2004年の Hennig Society Meeting (Paris) で現物の存在を知ってはいたのだが,Alibris からやっと安く入手できる見通しがたった.

下記は bol.it の紹介文の引用:

Il volume intende trattare l'"Ologenesi", opera di biologia evoluzionistica di Daniele Rosa, indipendentemente dall'attualità delle idee presentate. La teoria dell'evoluzione per cause interne e dicotomie successive, sostenuta appunto da Rosa, ha contribuito nel modo più ampio ed originale al dibattito sull'evoluzione nell'ambito scientifico italiano. Si tratta di una teoria antidarwiniana, inizialmente ignorata ma tornata di interesse sulla base delle polemiche suscitate dalla cladistica, la teoria tassonomica, fondata da Willy Hennig e diffusasi soprattutto negli Stati Uniti, che sembra avere affinità con la teoria di Rosa.

分岐学の“祖型”としての,あるいは反ダーウィン的な内因的進化論としての Rosaの学説は今でも思い出したように体系学コミュニティの水面に浮上してくることがある.とくにイタリアの研究者は Rosa の学説に対して独特の“思い入れ”があるように見受けられる.

◇東京農大の昆虫学研究室から新歓合宿の連絡あり.去年は丹沢だったが,今年は秩父の〈おがの山荘〉で5月27日(土)〜28日(日)に行なわれる予定.ピュアな「昆虫少年」たちや「蟲愛ずる姫君」たちを傍目で見るのは楽しい.さっそく参加の返信メールを出す.

◇本日の総歩数=12856歩[うち「しっかり歩数」=1519歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.3kg/−0.9%.


18 april 2006(火) ※ 黄砂,遠方より来るあり

◇午前4時半起床.曇りのち晴れ.気温7.1度.研究所との早朝往復移動あり.

◇午前のこまごま —— JICA 本部に事務書類を返送./ 某学会の投稿原稿をレフリーに転送する.たびたび申し訳ありません.※もう1件は昨年来“死んだまま”なのでなんとかしないと……./ 東大・連携大学院に関する専攻からの問合せメール.講義をどのように実施するかということについて.いろいろな実務的雑用が湧いて出るぞ,きっと.

◇今日は数年ぶりに黄砂が飛来しているらしい.遠景がそこはかとなく黄色っぽいのはそのせいかも.

◇午前11時から1時間あまり,組合のメーデー実行委員会.今年は,組織再編に伴って分会の体制も変わったので,時間的余裕がなく,例年の「前夜祭」は取りやめになった.メーデー後の恒例「後夜祭」は5月上旬に開催する予定(→5月11日に決定[追記]).5月1日のメーデー当日は,会場となる公園が自宅マンションの隣りなので,早朝の場所取りを担当することになった(明け方に確保します).あとは,プラカード・コンテストへの出品依頼などいくつかの案件について打合せ.

◇青空が広がった昼休みに歩く.気温22.3度.やや暑い.40分ほど.

◇午後1時半から1時間あまり,〈形態測定学講義〉の第4回目.第2章「Landmarks」の続きの部分を読む(pp. 26-31).標識点をどのように設定するかについて具体的な説明があり,とても役に立つ.landmark-based morphometrics では,もちろん「点」が与える情報がデータのすべてなのだが,生物学者の目から見たとき,標識点“そのもの”に関心があるわけではなく,その標識点が乗っている構造が関心の対象である.したがって,数学的な意味での相同標識点の間の(あるいはそれによって補間される他のすべての点の間の)関数対応は確かに「相同性」を示唆するのだが,それは生物学的な相同性とは直接的な関係がない−−と著者は言う.

要は,ふたつの形状を比較するために,対応する点があればいいのであって,たとえば発生学的に相同ではないような点であっても,形状比較の上からはそれらを標識点とみなしても問題ないとさえいう.この見解は,標識点の設定にあたっては,形状全体を(あるいは関心のある形態部分を)カヴァーしているべきだという主張ではさらに一歩踏み込む.著者らは,標識点としては生物学的な意味で相同であるとみなせる点を使うことを第一に考えているが,それだけでは不足する場合もあるだろう.そのようなときには,相同性の縛りを少し緩めてでも,形態をカヴァーできるだけの十分な数の標識点を揃えるべきだと言う.ただし,過度に作為的な(どう考えても相同ではない)点を用いることには否定的である.

◇夕方,車のフロントガラスに「黄砂」らしき細かいホコリが積もっていた.帰り道,Dayz Town の〈銀の豆〉で「ホンデュラス・シエラネバダ有機」とグァテマラ主体の「春ブレンド」をローストしてもらう.

◇数年前に書評を書いた:サミュエル・コールマン『検証・なぜ日本の科学者は報われないのか』(2002年4月10日刊行,文一総合出版,ISBN:4-8299-0065-2→書評目次)を〈leeswijzer〉に転載することにした.今日,たまたま〈柳田充弘の休憩時間〉の記事「博士号取得者の資格」を読んだが,それにトラックバックしている〈大隅典子の仙台通信〉の記事「博士号取得者のキャリアパス」で,この本のことが取り上げられていたので.もう3年あまり前のレポートだが,今でも事態はほとんど好転していないどころか,むしろ悪化していると言えるだろう.本書は,確かに新刊ではないが,この意味では今なお(残念ながら)賞味期限を過ぎていない.

◇本日の総歩数=12200歩[うち「しっかり歩数」=4610歩/40分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.3kg/−0.1%.


17 april 2006(月) ※ ¡Hola! Cómo está usted?

◇午前5時起床.雨上がりで,久しぶりにすっきり晴れわたる.気温6.7度.研究所へのピストン往復.今日は JICA での講義日なので,日中の職場には顔を出さない.

◇“トド”化した用件メールやら事務書類やらが堆積しつつあるのだが,仕留めた頭数以上に来襲してくるので,とても処理しきれない.それでも至近距離の“トド”から順番に退治しないことには前に進めない.

◇隙間のこまごま —— 〈生物科学学会連合〉の第16回連絡会議への参加通知(進化学会代表として).5月9日(火)の午後1時から,湯島にて./ 先日の生物地理学会大会の参加費立替払い請求.

◇毎年の恒例行事となった JICA筑波国際センター・キューバ国別研修(小規模稲作技術コース)での統計学講義.午前9時半に高野台の JICA 国際センターに参上し,担当者とあいさつ.今年もまた今月の統計学手ほどきレクチャーで実験計画法について話をしたのち,データが取れた9月に2回の統計分析の講義が予定されている.今年のキューバ研修コースは計10名の研修生が来日していて,性比は正確に1対1だ.年によって来日する研修生の現職にばらつきがある.今年は研究職の地位にある人が多いらしい.

さっそく講義室に案内される.¡Buenos días! 最初は自己紹介をしてもらう.例年のことながら“神の言葉”を耳にするのは心地よい.いつもの通訳担当に今回もお世話になる.

午前の講義は,統計学概論と実験計画法の導入.通訳が入るので,日本語で講義するときの半分のペースになる.その分,研修生の顔を見ながら話ができるので,精神的には余裕がある.キューバ・コースの板書は英語なのだが,とくに問題ないようだ.統計学用語についてはスペイン語の対訳表も持参したのだが,実際にレクチャーが始まってしまうと,そういうのをいちいち見ているヒマはない.※「ことば」は事前に覚えておかないと使い物にならないということでして.

◇あっという間に昼休みになる.晴れて暖かい.歩きでここまで来たので,また農環研に戻るのは時間のムダというものだ.国際センターのロビーにて,この9月に演奏する[予定の]プッチーニの歌劇〈トゥーランドット〉のDVDを PowerBook で鑑賞する(とりあえず第1幕だけ).北京の紫禁城で野外上演されたというズビン・メータ指揮のこのライブ録音(BVBC-31002)の演出はすごいねえ.背景に万里の長城は出てくるは,兵馬俑は立ち並ぶは,雜技団は飛び回るは.西洋的には異国趣味に走りすぎている気がしないでもない(東洋的にもやや悪趣味か).それにしても,この打楽器群はとってもたいへんそう…….巨大な銅鑼を用意しないとね(>とど君).早く総譜が届かないかな〜.

◇午後1時半から講義の再開.実験計画と分散分析について具体的な事例をゆっくり講義する.昨年よりも理解度が高いみたいで,意外に早く内容がこなされていく.完全無作為化法と乱塊法について講義し終わったところで,終了定刻の午後4時となった.

最後に,研修生からキューバのお札とキーホルダーをもらった.チェ・ゲバラもカストロ議長も「お札の中の英雄」なんですね,この国では.¡Muchas gracias. Hasta luego ! 次回は9月ね.

◇研究所に帰り着いて,またも雑用津波に呑まれる —— 某学会の論文賞選考報告をあわてて送る./ 非常勤職員の契約書のチェック(明日提出)

新刊メモ —— マーク・エイブリー『「消えゆくことば」の地を訪ねて』(2006年4月15日刊行,白水社,ISBN:4-560-02617-3).絶滅危惧言語の物語.同じ出版社から先年訳されたクロード・アジェージュの大著『絶滅していく言語を救うために:ことばの死とその再生』(2004年3月10日刊行,白水社,ISBN:4-560-02443-X)に続く保全言語学の新刊だ./ 樽見博『古本通:市場・探索・蔵書の魅力』(2006年4月10日刊行,平凡社[平凡社新書318],ISBN:4-582-85318-8).“古本”本,多いっす.とっても.そんなに売れてるのかしらねー.「古本」そのものにではなく,「古本人生」に惹かれている読者が多くなってきたということだろう.

◇よろよろと帰宅する.今夜はぜんぜん仕事になりませんな.ムリムリ.

◇本日の総歩数=15188歩[うち「しっかり歩数」=6197歩/46分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.8kg/+0.7%.


16 april 2006(日) ※ The Forbidden City of Tsukuba

◇夜更かししたので,午前6時起床.夜中に雨が降ったらしく,地面が濡れている.曇り.気温は低い.その後,晴れ間がのぞいたり,またばらばらと断続的に降ってみたり,はっきりしない空模様.

◇朝イチで〈ジョイフル本田〉に名刺とハンコを引き取りにいく.ここはいつ来ても駐車場が混んでいる.ひょっとして“行楽地”代わりにこういう大型店に“遊び”に来る人たちが多かったりするのだろうか.小野崎の〈LALA Garden Tsukuba〉も似たようなところがあるけど.つくばだけでなく,郊外型大型店舗が“行楽地”化するのは全国共通の傾向なのかもしれないが,つくばに関してはそれが極端で(広い敷地がとれるせいもあるのだろう),TX が通って以来,さらに超巨大な店舗ができる予定だという.どこもかしこも車で混雑し,飲み屋にさえ駐車場がある(おいっ).この4月から新設された路線バス(「つくバス」)はいったいどれくらい健闘するのだろうか.これまでずっと公共交通機関は「ない」に等しかった土地柄なので.

◇昼前からはコンスタントに降り始めた.しかし,今のところ空は明るいので本降りにはならないだろう.〈Q't〉のスターバックスにて日録を書いてみたり.

◇午後は,あまり生産的ではなかった.何となく本を読みつつ,静かに時間がすぎる:島泰三『マダガスカル:アイアイのすむ島』(2006年3月30日刊行,草思社,ISBN:4-7942-1487-1).アイアイ,かわいいかもしれない.150ページほど.

◇夜,また雨がぱらぱらと.

◇明日は,高野台の JICA 筑波国際センターで,「キューバ国別コース」の研修生を相手に統計学の one-day lecture がある.朝から夕方まで国際貢献?

◇本日の総歩数=5870歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.7kg/−1.8%.


15 april 2006(土) ※ へんなけんきゅうしゃも……

◇午前5時起床.曇りときどき晴れ.北風がとても強い.4月に入ってから風の強い日が続く.春らしくない.

◇取手まで早朝の“足”となる.ピストン往復でもう疲れた.

◇新刊メモ —— 小杉康(編)『心と形の考古学:認知考古学の冒険』(2006年4月10日刊行,同成社,ISBN:4-88621-345-6→目次).近刊情報で出版することを知った.「認知考古学」といえばきっと“あの人”も関わっているにちがいないとふんで,岡山大学文学部にメールする.折り返し,松本直子さんから返事があり,確かにその通りとのこと.今回の新刊は,2003年12月6日(土)〜7日(日)に北海道大学学術交流会館で開催された,21世紀COE「心の文化・生態学的基盤」第3回一般公開ワークショップ〈心と形の考古学−認知考古学の実践と課題−〉に基づく論集とのことだ.松本さんには,わざわざ目次をファクスしてもらった.ありがとうございます.

◇原稿を書くべく右往左往する.やはり“隠しキャレル”がどうしても必要だと痛感する.室内でも室外でもいいので,ディスターブされない時間と空間がないとどうしようもない.

◇夕方,所用で土浦へ.待ち時間に駅前の〈ドトール〉で書評を一本しあげる:長谷川眞理子『進化生物学への道:ドリトル先生から利己的遺伝子へ』(2006年1月26日刊行,岩波書店,ISBN:4-00-026989-5).『蛋白質 核酸 酵素』から依頼されていた書評原稿.“まりこセンセイ”の秘められたる読書人生は,この本を読めばすべてわかる!(ほんまか) 世界中の VIP たちに抱っこされまくる“菊丸”の写真が載っているのはご愛嬌としても,“ロレンス”ネタがちっともないじゃないですか.早くもう1冊書くよーに.>まりまり.

◇朝日新聞土曜版〈be on Saturday〉(4月15日)に,“ミスター神保町”こと八木福次郎氏のインタヴュー記事が載っていた.この1月に出た新刊:八木福次郎『書痴斎藤昌三と書物展望社』(2006年1月11日刊行,平凡社,ISBN:4-582-83313-6)の特装本をつくるらしい.限定20部.斎藤昌三からの書簡を装幀に用いるとのこと.へー.

◇そういえば,講談社現代新書の「文献解題」をまだ完成させていなかったことを思い出した.その背後から,コンウェイ・モリスの“津波”が押し寄せてくる前にケリをつけておかないと.

◇雑誌特集の情報 —— 『Journal of Biomedical Informatics, vol. 39, no. 1』(2006年2月発行→目次).初めて見る誌名だが,この最新号には〈Special Issue - Phylogenetic Inferencing: Beyond Biology〉と銘打たれた特集が編まれている.版元サイトから全論文を pdf として無料でダウンロード可能.さっそく読ませてもらおう.

◇あっという間に夜になり,原稿のプレッシャーをひしひしと体感する.息を吸うように本を読み,息を吐くように原稿を書く —— そういう境地に達する日は来るのか.

◇本日の総歩数=8493歩[うち「しっかり歩数」=3391歩/30分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.前回比=+0.4kg/+1.4%.


14 april 2006(金) ※ 一に原稿,二に原稿,げんこ〜

◇午前3時半起床.小雨のち曇り.気温11.3度.夜明け前の研究所に直行する.書評原稿を書くのみ.

◇『日経サイエンス』の6月号(今月末発売)に載る予定の書評本は,ビル・ブライソン著/楡井浩一訳『人類が知っていることすべての短い歴史』(2006年3月25日刊行,NHK出版,ISBN:4-14-081101-3).700ページ近くもある大著だ.厚い本を読むのは苦痛ではないのだが,“早喰い”できないという制約がある.他の雑用に時間が取られているときは,これはもう逃げ場がない.

それでも,朝の中断時間をはさんで,農環研「半地下牢」に逃げ込んで原稿を書き続け,字数をほぼぴったしに揃えるのに苦労しつつも,午前10時に書評原稿をメール送信できた.まずは一安心.

◇午前のこまごま —— 某学会の投稿原稿(再修正稿)が届く.これからまた査読者に転送しないと./ 今日の午後に RP 打合せがある.新中期計画と今年度の研究計画に関するミーティングなので,それまでに提出資料を揃えないといけない.かりかりと書いて,さあプリントアウト,と思ったら,プリンタが逝っている……(おいっ).すぐには蘇生しそうになかったので,隣室の新品プリンタを動員する.

◇久しぶりの昼休みウォーキング.1時間ほど.気温12度の薄曇り.この陽気だと,もう上着はいらんね.

◇午後1時半から,〈文化系統学〉セミナーの第10回目.Chapter 5「Seriation and cladistics: The difference between anagenetic and cladogenetic evolution」(R. Lee Lyman and Michael J. O'Brien)を読み終える(pp. 81-88).Bashford Dean の未発表の文化系統樹を堪能する.鉄兜の系統樹だけはニューヨークのメトロポリタン美術館の Bulletin に発表されているが(1915年),それ以外の「剣」の系統樹数葉はすべて未公表だという.

◇午後3時から RP ミーティング.20日に予定されている設計検討会の発表内容について.もともとが polyphyletic な RP なので,まとめようとしてももともとムリだろう.それよりも“農業環境リスク指標RP”という看板が縛りにならないようにしてほしい.午後4時半まで.

◇『日経サイエンス』編集部から,速攻でゲラが届いた.「宇宙誕生から人類の未来像まで600頁で味わう科学史物語」というぴったりのタイトルが付いているではないか.さすが! ちょこちょこと修正して pdf を返送する.これにて一件落着.

◇夕方になってやっと晴れてきた.

◇おお,強力な督促メールが〜.すみませんすみません.「とにかく大至急よろしくお願いします」とは…….原稿,原稿,また原稿.

◇本日の総歩数=12123歩[うち「しっかり歩数」=6461歩/55分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=0.0kg/+0.4%.


13 april 2006(木) ※ 明け方は[も]五里霧中……

◇午前4時起床.昨日の午後から湿度が異様に高く,マンションの外壁が湿気でべたべたしている.この湿度のせいか,明け方はこれまで経験したことのない濃霧が立ちこめ,視界がまったく利かない.ハイビームにしても数メートル先までしか見えないし,信号ももちろん判読できず,道路のレーンすら定かではない.これぞ「五里霧中」というあやかしの霧か.生暖かいと思ったら,研究所の温度計は早くも13.2度を示している.日中はもっと暖かくなるのだろう.

◇早朝のこまごま —— 某選考委員会用の書類をメールで送る.ご協力ありがとうございました.>某氏.この件は完了です./ とあるサイトがいきなり〈生物学哲学板〉と大変身していた.にじみ出る総合討論.あるいは,煙り立つ火ダネともいう./ 農環研(&農林団地全体)の一般公開日は4月19日(水).2階第ホールでの展示の説明当番は午前10時から1時間を割り振ってもらうことにした./ [組合]メーデー実行委員会は4月18日(火)午前11時〜,分会会議室にて.役割分担と今後の活動予定./ 日本分類学会連合の役員会は4月15日(土),午後3時〜5時,科博分館(研修棟4階大会議室).

◇〈日本科学哲学会〉の今年の大会は,10月21日(土)〜22日(日)に北海道大学で開催されると伊勢田さんから教えていただいた(→大会アナウンス).召還していただけるのであれば,もちろん参加する予定です.>名古屋方面に向かってモノローグ.

◇午前11時の気温は16.9度.雲が垂れこめて,はっきり言って蒸し暑いです.不快.五里霧の残存毒気かも.

◇連携大学院関連のこまごま —— この件についての農環研のプレス・リリースがすでに6日付で出されていた(東京大学との間で交わされた協定書も pdf[110KB] で公開されていた).たまには職場のウェブサイトも見ようね >ぼく(汗)./ 東大から事務連絡:大学院生募集のための公開ガイダンスを6月14日(水)午後1〜3時に,弥生キャンパスで実施するとのこと(詳細未定).出席する予定です.外部からの受験生をターゲットとしているそうな.

◇午後のこまごま —— 契約職員(と改称されたパート職員)との雇用契約書の作成.実際の作業は週明けに./ 20日の RP 設計検討会に向けて,書類をつくらないといけない.まずは明日14日午後の RP 内ミーティングに向けての素案づくり./ 生物地理学会大会参加費の立替払い請求書を提出./ 住所変更に伴う届け出を庶務係に出さないといけない.人事係にはそれとは別の「通勤届」を提出することになっている.

◇〈Vienna Morpho Fest 2006〉 —— 幾何学的形態測定学の大きな会議が7月11〜22日にウィーンで開催される.サマースクールとシンポジウムそしてワークショップを合体させた大きなイベントだ.演者とトピックスは充実している.とくに「3次元形態測定学」に焦点を当てているところが注目される.これまでの例から想像するに,開催後にはきっと厚い論文集になって出版されるのだろう.※シンポジウムで講演する Charles E. Oxnard ってまだ存命だったのか(失礼).

なお,この〈Vienna Morpho Fest 2006〉の応募締切は【4月15日】なので,参加を希望される方は遅れないように.応募書類は上記サイトから pdf で配布されています.

◇午後のこまごま —— [連携大学院関連]教員会議への出席に関する連絡.最初の会議で討議するとのことで,出席する必要はないようだ.物理的に離れているので,会議のスタイルも事前にちゃんと考えないといけない./ あと,連携大学院教員による集中講義に関する問い合わせ.それぞれが one-day lecture をするという線になりそう.詳細は未定.

このようすだと,連携大学院の関わる「雑用」はかなり多くなると覚悟しておいた方がいいようだ.

◇日程的には名古屋大学の履修登録はもう終わっている.念のため,担当する「メディア社会系特論I」の履修登録者リストを覗いてみる.こりゃ,こじんまりしてますなあ……(汗).これからまだ増えるのかしら.

◇『日経サイエンス』書評原稿のデッドラインは明朝であるとの冷厳な宣告メールが編集部から届く.ひょえー,今晩書きます.明朝には何としても耳を揃えて.

◇夕方,蛙の鳴き声を今年初めて聞いた.気温が20度近くもあったから活動をはじめたのだろう.

◇夜はしっかり原稿書きにいそしむはずが,睡魔に絡めとられて,日が変わらないうちにもう沈没してしまった.※ま,まずいっ.

◇本日の総歩数=9000歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.1kg/−0.6%.


12 april 2006(水) ※ 水溜まりに浮かぶ桜花

◇午前4時起床.昨夜からの雨はいよいよ強まり,農林団地の桜はほぼ散ったようだ.路傍の水溜まりはピンク色に染まっている.気温13.8度.暖かな春雨.

◇おお,そうでしたか! —— 〈OpenOffice〉はインストールがめんどーだなあとずっと躊躇していたのですが,Mac OSX 用には〈NeoOffice〉というのがあったんですね.そーかそーか,それはぜんぜん知らなんだー.こりゃ使いやすそうだ.※だからといって,すでに入っている〈Office : mac〉をわざわざ叩き出すのもなんだけど……(悩).

◇強力前線が通過しつつあるのか,温度と湿度が極度に高まっている.今年初めて「不快指数」という言葉が脳裏をよぎる.

◇朝のこまごま —— 購入備品への物品表示票の添付依頼.忘れそう……./ 転居届(すでに忘れつつある)/ 非常勤出講の形式(兼業にするかしないか).まだ決めていないぞ./ 名刺のゲラをチェックし,ジョイフル本田にファックスする.即,返信電話あり.15日午後にはできあがるとのこと./ 東大の専攻内懇親会は4月28日(金)の夜,根津の〈成光亭〉にて.このロケーションは確かに“隠れ家”ちっく.

◇企画戦略室にて某理事を交えた立ち話 —— 農環研では方々の大学に連携教員として研究員を出しているが,年度始めは発令される「辞令」の写しを集めるのに駆け回るらしい.東大と東京農大の辞令はちゃんと渡しましたよ.いくつかヒミツの話とか.

◇東大の連携大学院に関して言えば,明らかに所内の“認知”はまだ広まっていないようだ.これまでは,大学と研究機関との人的つながりは相対的に希薄だったのでしかたがない面は確かにあるだろう.しかし,さまざまな形での大学との接点や交流が増しているのは事実で,かつてのような〈ベルリンの壁〉的な人事交流に関わる組織上の阻害要因はしだいになくなりつつある.しかし,制度的な〈壁〉が低くなっても,心理的な〈壁〉はなお残るかもしれない.

これまで,農環研の研究員が筑波大学や東京農業大学との連携大学院による教授や助教授になっていても,それを他の所員は必ずしも知らされているわけではない(広報されないので).所議報告で東大との連携大学院が初めて報告されたとき,「大学と連携して何の得になるのか,大学の“下請け”になるだけではないか」というような所員の意見が聞かれた.おそらくそれは所内の少数意見ではないかもしれない.農環研は所員に対して単に報告するだけではなく,その背景とか意義についても説明をする必要があるだろう.東大との協定が成立するまでは理事長マターで話が進められてきたが,これからは農環研全体のこととして考えなければならない.

—— この件に関しては周囲で見聞きしたことをここに書き記しておく価値はきっとあるだろう.

◇夕方近く,〈ニーベルンゲンの指輪〉が大挙してご来訪.たいへんありがとうございます.LP レコードプレーヤーを何とか調達しないとね.

◇夕刻,雨はあがったが,空気はまだ湿っている.

◇ここ数日,諸般の進捗がはかばかしくない…….睡眠不足かも.

◇本日の総歩数=7310歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.5kg/−1.1%.


11 april 2006(火) ※ 日常復帰への道は険しい……

◇午前4時半起床.曇って,空気が湿っている.気温8.1度.今日もぐずつくのか.と思っていたら,小雨が降り出した.天気予報,えらいっ.

◇東大から今年度の教授会の開催予定についての通知が届いた.初回は4月27日(木)の午後で,その前日に専攻内教員会議というのがあるとのこと.※大学は[も?]会議が多いね.

大学側の会議に全部出るのはムリとしても,大学院入試とか学位論文査読など要所要所の会議には出席する必要があるのだろう.※きっとそれだけではすまないにちがいないだろうけど…….

◇昼前の空き時間に,メーリングリストの管理仕事を1時間ほど.年度始めの変更リクエストが多い.さくさくと片付ける.

◇所内は所内で,何だかもう新年度の会議ばっかり続く —— 12時半から組合の臨時総会(〜13時半).組織が変わったので,それに対応するための組合側の規約改正など./ メーデー実行委員などというものを引き受けてしまった…….5月1日は大清水公園でボランティアだー./ RP設計会議(20日)に向けての,RP内の打合せは今週金曜日の午後.書類を書かないといけない.

◇午後1時半から約1時間は,〈形態測定学講義〉の第3回目.「Part 1: Basics of Shape Data」に進み,第2章「Landmarks」の最初の部分を読む(pp. 23-26).標識点をどのように選ぶかについて含蓄?のある記述がある.従来の形態測定学は変量を事前に選ぶのに対し,幾何学的形態測定学では分析の結果として事後的に変量を選んでいるというちがいがある.しかし,標識点そのものは必然的に事前に設定しなければならない.本章では,そのための具体的指針について論じられているので期待したい.

標識点を選ぶための一般的基準として,著者は下記の5つの基準を挙げる:1) 相同な解剖学的位置にあること;2) 他の標識点との位相的な位置関係が変わらないこと;3) 形態全体を十分に覆っていること;4) 反復性と信頼性をもつこと;5) 同一の平面にあること.

◇午後2時半から,領域内会議を1時間ほど.所議報告とともに(連携大学院についてのは所内向けの初めての“公式報告”を含む),今年度の予算配分についての打合せ.実際に会計が動き始めると,たいへんめんどうなことになりそうな予感がする.

◇外は雨が降り続いている.予報では夜から本降りになるらしい.今年の桜はこれで一巻の終わりか.

◇『生物科学』関連 —— 生物地理学会の〈生物学哲学からみた生物の進化と系統〉シンポジウムに基づく特集を組むことになりました.追って,編集部から原稿執筆についての連絡をさせていただきます.>演者のみなさん./ 生物科学のゲラが届いた(57巻4号):「“みなか”の書評ワールド(12)」.今号は,松永俊男『ダーウィン前夜の進化論争』(2005年12月20日刊行,名古屋大学出版会,ISBN:4815805296→目次書評)と,南方熊楠著/飯倉照平(監修)・ 松居竜五・田村義也・中西須美(編訳)『南方熊楠英文論考 〈ネイチャー〉誌篇』(2005年12月20日刊行,集英社, ISBN:4087813320→目次書評)のふたつ.とくに大きな問題はないようです.>上田さん.

◇本日の総歩数=8600歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.3kg/+0.1%.


10 april 2006(月) ※ もろもろ済んで平日復帰

◇午前4時起床.雲が多く,気温7.0度.やや肌寒いかも.

◇岡山大学文学部考古学研究室の松本直子さんから,Stephen Shennan 教授のセミナー(今日の夕方から!)の通知をいただいた.「進化論と考古学」に関するレクチャーだそうだ.いまやっている輪読本の編者のひとりでもある.

◇東京農大から今年度の辞令(客員助教授)が届いた.東大も農大も毎年こうやって辞令を出し続けるというのもたいへんだな.※いちいちハンコが必要だし.

◇午後1時から1時間あまり,AFLPデータのクラスタリングに関する質問に対応する.系統解析ではなく,クラスタリングなので PAUP* の UPGMA でちょいちょいと.二値データからの距離法なので,あまり深刻な問題はないと思う.クラスターを支持する情報が少ないせいか,ブーツストラップの再現率は高くない.ネットワークですか? 去年の第3回最先端動物遺伝育種セミナーでは(あ,ぼくのアヤシイ写真がいっぱい載ってるやん……),〈Network 4. x〉というフリーのプログラムがとても使い勝手が良さそうでした.

◇午後3時頃から雨が降りはじめる.夕刻,〈ピーターパン〉に電話予約しておいた「Vollkornbrot」2キロ塊を引き取りに行く.ズッシリとするのは穀粒の重さ.醒めたらスライスして,即,冷凍だ.

いま,ちょっと検索してみたら「Vollkornbrot ist sehr gesund」という決まり文句があるようだ.へー.

◇イマイチ,日常に復帰しきれていないよーな気がする.能率悪すぎー.

◇本日の総歩数=7304歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.前回比=+0.9kg/+0.3%.


9 april 2006(日) ※ 生物地理学会大会(2日目)

◇午前5時起床.晴れ.風が強い.今日が“本番日”なので,明け方にだらだらとインターネットに耽ってはいけません.>ぼく.

◇午前8時過ぎに練馬春日町を出て,9時前に池袋に到着.駅前の〈スターバックス〉にて講演準備にいそしむ.1時間ほど作業してから,会場に向かう.講演スライドを10枚ほどつくったので,今日のトークには間に合うだろう.

◇午前10時半から一般講演が始まる.11時半にランチ・タイム.会場で待機していたら,あらあらあらあらと意外な方々に次々お会いすることができたのは幸いだった.名古屋大学の戸田山和久さんと伊勢田哲治さんには“実物”に初めてお会いすることができた(非常勤出講ではよろしくお願いいたします).秋の科学哲学会でも生物学哲学に関する企画をしたいとのことだ.上智大学の荻野弘之さんにも紹介していただいた.長野敬さんも.のぞみさんは最前列に(こわいです).80名ほどの参加者のうち“テツガク”な方々の割合がぼくの予想を越えてきわめて高かったようだ.意外だ(ちがうか).

◇13時定刻に,シンポジウム〈生物学哲学からみた生物の進化と系統〉が始まった.最初の数分間はぼくの趣旨説明的なイントロ「科学哲学と個別科学:進化学の武器としての生物学哲学について」では,生物学哲学と進化学・体系学との関わりについて,一般論としてではなく,ふたつの学史の“重なり”として呈示した.グローバルな科学哲学からローカルな科学哲学への移行を,進化学・体系学の現代史と絡めて話した.個別科学と科学哲学がローカルに密着することにより,双方向のインタラクションがありえる(実際あった)というスライドもつくったのだが,時間の余裕がなさそうだったので,後半部分はとばした.

続いて,森元良太(慶應義塾大・文・哲学)さんの講演「進化論における確率概念を巡る哲学的問題」では,進化学における確率概念の「情報理論」的な基盤に関する論議を通して,実在論と反実在論につながっていった.観察データを“実在”とみなしたとき,森元さんは Fisher / Price / Wright では“粗視化”の程度が異なっていて,その結果,さまざまなレベルの“認知”が混在していると言う.言葉だけの問題なのだろうが,彼のいう“粗視化”とか“認知”というのは,要するに進化的推論のベースとなる“モデル”のちがいに起因しているのだろうと思われる.

3番目の講演は,南部龍佑(上智大・哲学)さんの「いかなる世界像を系統樹は描くのか:系統樹と科学的説明」だった.ぼくにはなじみのある話題でした.Gareth Nelson の主張した分岐図と系統樹の区別は,ひとつには体系学者の実践的な要請(祖先を特定せずに系統を論じる)から来たものかもしれません.科学社会学的にきっとおもしろいにちがいないのは,なぜ Nelson の主張が急速に浸透できたのかという点ですね.David Hull の言うように,Nelsonのオルグ能力が長けていたからか,それとも当時の体系学者のニーズに合致していたからか,そのあたりの掘り起こしが必要でしょう.

直海俊一郎(千葉県立中央博物館)さんの講演「進化する生物学的実体と「進化の結果」としての種」では,久しぶりに【種】の論議を聞くことができた.凝集力としての発生的拘束によって「種」を定義するとき,種が統合力によってまとまっている実体(個体群)でなかったとしても問題はないと彼は言う.過程と結果を分けることで新たな打開を見いだそうということか.ただ,たとえ何らかの統合力とか凝集力が見いだされたとしても,それは進化的な「力」についての知見が得られたというだけのことで,【種】を甦らせる呪文ではないだろうと思う.

最後の演者である松本俊吉(東海大・総合教育センター)さんは,エンディングとしてふさわしいトークをした.「科学哲学と進化学のインターフェイスは可能か?」という講演で,彼は生物学哲学の果たし得る役割は,生物学という個別科学の中で生じる原理的な論点に潜む概念的問題を解明することにあると述べ,自然淘汰理論における「淘汰単位(unit of selection)論争」の現在にいたる経緯を例として論議を展開した.E. Sober 以降の P. Kitcher や E. Lloyd らの論争史を知ることができて有益だった.※ Kitcher は話題を問わず必ず「多元主義」を引っさげて登場する人なんだなあ.

—— 終了定刻を数分だけ過ぎたが(でも許容範囲だと思う),無事にシンポジウムを終えることができた.演者と参加者のみなさん,どうもありがとうございました.本日のシンポジウムは今年中に『生物科学』の特集として活字に残したいともくろんでいます.そのときはよろしく.

◇「生物学哲学」をメイン・テーマとするシンポジウムは,日本ではまだあまり開かれたことがないようで,今回も予想以上に多くの参加者が来場された.今後も,たとえば進化学会などで機会を見つけて同様のテーマの企画を立てたい.対人接触するには学会大会は今なお有効な「場」だと思うから.

◇午後3時15分からのミニ・シンポジウム〈次世代にどのような社会を贈るのか?〉は,“ミニ”と言いつつ3時間も続いた!(げ)

◇会場ロビーでびっくり対面 —— 蜂須賀正子さんがアメリカから帰国直後に来場されていた.この日録の初日(2003年4月24日)に記して以来.実に3年ぶりにここに登場する.いろいろと情報とブツをいただく.先月リプリントされた蜂須賀正氏『南の探検』(2006年3月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー570], ISBN:4-582-76570-X)の出版に当たっては,娘である正子さんの貢献が大きい.聞いたところでは,この本の売れ行きがある程度よければ,続いて別の蜂須賀本の復刻も予定されているらしい.耳寄りな話だ.

もうひとつ,ドードー本の新刊をいただいてしまった:Alan Grihault『Dodo : The Bird behind the Legend』(2005年刊行,Imprimerie & Papeterie Commerciale,Mauritius,ISBN:99903-38-15-9).著者はドードーの故郷モーリシャスに在住.ドードーのさまざまな図像や資料を集成している.3年前に正子さんからいただいた別のドードー本:Jan den Hengst『The Dodo : The Bird that Drew the Short Straw』(2003年刊行,Art Revisited,Marum,ISBN:90-72736-26-5→目次)に通じるものがある.

◇その他,名刺交換とか,別刷りいただきとか,学術会議の連携会員引きずり込まれとか,関係者諸方面への挨拶とか,立ち話とか,まあいろいろと.大会運営を支えていただいた立教大学のみなさん,どうもありがとうございました.

◇夕暮れ迫る午後6時半に,昨日と同じ〈養老之瀧〉にまたまたなだれ込み懇親会に突入.疲労感は単調増加し極値に近づきつつある.午後8時過ぎに散会.つくばに帰り着いたのは午後10時前のことだった.

◇本日の総歩数=11103歩[うち「しっかり歩数」=971歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=未計測/未計測.


8 april 2006(土) ※ 生物地理学会大会(初日)

◇午前4時起床.曇り.研究所に直行し,ばたばたと東京に持参する機材をそろえる.あたふたする.講演準備は,まだしていない(昨日は呑んだくれだったので……).

◇とりあえず,パソコンと周辺機材さえあれば大丈夫[なはず]なので,いつもの旅支度をすませて,午前8時47分の TX 区間快速に載る.北千住で千代田線に乗り換え,西日暮里で山手線に.池袋で下車し,新入生のオリエンテーションで華やぐ立教大学にたどり着いたのは,10時を少しまわった頃.晴れているが,雲行きはあやしい.

◇太刀川記念会館で生物地理学会の評議委員会.今年は役員選挙がないので,大きな議題はない.J-Stage のジャーナル電子化の件が今後の懸案事項かな.アブストラクトを公開するというのは問題ない.全文公開は当面やめようということになったが,システムの仕様として「公開しない」という選択肢がないらしい(最長「240ヶ月」まで全文公開を延ばせるのみ).バックナンバーの「目次公開」は積極的にしよう.手元にはコンプリートにそろっているので,古いものから(とくに,戦前の BulletinBiogeographica)順に入力しますね.

◇11時半に評議員会は散会する.曇り空.教職員用のレストランでランチ.正午過ぎに雨が降り出してきた.毎年おなじみの会場に向かう.あ,また晴れてきた.変な空模様だ.

◇午後1時半から日本生物地理学会の年次大会が始まる.今日は一般講演と総会が予定されている.

定時にはじまった年次大会は順調に進んでいる.一般講演なのに「30分」も発表時間があるので,スケジュールに追われるということはない.しかし,時間があってもトークはそれ分だけよけいに延びてしまう性質がいつもあるようで,時間前に終わってしまうようなことはまずない.

◇午後5時からの総会もすんなり終了し,初日の大会内容は大きな問題もなく消化された.午後5時半から〈養老之瀧〉で懇親会.2時間ほどで散会.午後9時前に練馬の義弟宅に転がり込む.

◇午後の一般講演の時間帯に同じ立教大キャンパスの中で『生物科学』の編集会議があった.あとで懇親会に合流した上田編集長の話だと,会議後のパーティにやはピーが乱入したとのことで,さぞ盛り上がったのだろーなー.※翌日,直接うかがったところでは,みなか祝杯用の大吟醸を持参していただいたとのこと.おありがとうございます.

◇会場でのさまざまな収穫と情報 —— 神保宇嗣さんから別刷りをいただいた:神保宇嗣・鈴木隆之 (2006)「インターネットが創る分類学の可能性 — 蛾類を例に」タクサ(日本動物分類学会会報), (20) : 6-14. →タクサ目次./ 『生物科学』ゲラの件.農文協からはまだ届いていません./ 久しぶりにお会いした(ワイルドな)浅川満彦さんから割引購入した本:増田隆一・阿部永(編著)『動物地理の自然史:分布と多様性の進化学』(2005年5月25日刊行,北海道大学図書刊行会,ISBN:4-8329-8101-3→目次).

◇ぐでぐでに疲れていたので,そのまま寝てしまう.明日が本務だ.

◇本日の総歩数=12928歩[うち「しっかり歩数」=2546歩/23分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.3kg/−0.6%.


7 april 2006(金) ※ 東京プチ出張(「弥生顛末記」)

◇午前4時半起床.曇って風が強い.気温7.0度.早朝の研究所でごそごそする.

◇今日は,朝から東京に出て,東大で辞令をもらうことになっている.が,その前後にもろもろの用事があるので,結局,朝から晩まで東京にいる予定.明日からの生物地理学会の講演準備もしないといけないのだが,それは隙間時間にちゃちゃっとやりましょう.

◇まだがすかるな新刊 —— 島泰三『マダガスカル:アイアイのすむ島』(2006年3月30日刊行,草思社,ISBN:4-7942-1487-1).カラー写真たくさん.車中読書にぴったりかも.

◇近刊メモ —— 平野恵『十九世紀日本の園芸文化:江戸と東京,植木屋の周辺』(2006年4月刊行,思文閣出版,ISBN:4-7842-1292-2→目次)/ アレン・R・クオレティエロ『レイチェル・カーソン:自然への愛』(2006年4月刊行,鳥影社,ISBN:4-88629-983-0)/ 鷲谷いづみ『サクラソウの目:保全生態学とは何か[第2版]』(2006年4月刊行予定,地人書館,ISBN:4-8052-0775-2)※今日,東大中央食堂の歓迎パーティで鷲谷さんに会ったら,「ゲラをまだ見ていませんよ」とのことだった.出るのはもうちょい先かな./ J.ギルダー・A.-L.ギルダー『ケプラー疑惑:ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録』(2006年5月刊行予定,地人書館,ISBN:4-8052-0776-0→版元ページ)/ 馬渡峻輔『動物分類学30講』(2006年4月28日刊行予定,朝倉書店[図説生物学30講〈動物編〉2],ISBN:4-254-17702-X)

◇午前9時11分発の TX 快速に乗る.秋葉原で下車し,〈ヨドバシ AKIBA〉で iPod nano を購入.銀座の〈Itoya〉で常用のノートをまとめて購入.その後,弥生キャンバスに向かう.今日は珍しく気温が低いが,東京の桜の季節はもう過ぎたようだ.

◇〈弥生顛末記〉 —— 午前11時半ちょい過ぎに,東大農学部「7号館」に到着.学生・院生の時代を通じて,ほとんどの時間を「1号館」まわりで生きてきたので,「3号館」の“裏側”はぼくにとってはほとんど Terra incognita である.実際,辞令をもらうことになっている,生物・環境工学専攻の専攻長室がどこにあるのか,見当がつかない.案内板を見てもわからん.研究室に電話をして,やっと所在を確認するというハメになった.初日からなんちゅうことか.

5階の環境治水学研究室に到達する.宮崎毅教授がこの4月からの専攻長だ.4月1日付の辞令をもらった.「委嘱通知書」と銘打たれている.その後,11時40分から農学部長室で會田勝美学部長と30分ほど懇談.今回の件についての詳細が初めて明らかになった.

今回,生物・環境工学専攻に新設される〈エコロジカル・セイフティー学講座〉は,すべて農環研に教員が委嘱される.この4月から設置される研究室(担当教授)は下記の4つだ:大気環境学研究室(川島茂人)・物質循環学研究室(進藤純子)・土壌環境学研究室(齋藤雅典)・生態系計測学研究室(三中信宏).もうひとつ,生圏システム学専攻の中に農村緑地生態学研究室が置かれる予定だが,こちらはまだ人員が配置されていない.

東大大学院の農学生命科学研究科では,これまで生圏システム学専攻を含む二つの専攻ですでに連携大学院の制度を取り入れているが,今後はすべての専攻で連携大学院を制度化したいとのこと.ぼくが所属することになる生物・環境工学専攻はその中でも別格で,組織の“ハードウェア”として講座名と研究室名を明記し,連携大学院教授を配置する.これは農学部では初の試みとのことだ.したがって,今回,農環研から連携教員として任命されたぼくを含めた4人は,よくある「併任教員」ではなく,他の専任教員と同格の「Full Professor」であると学部長は何度も強調した.だから,さっきもらった辞令は,併任教員の辞令ではないということだ.

農学部初の制度ということで,「ゼロからの出発」ということになる.どのような“かたち”と“コンテンツ”を用意するのかはこれから詰めていかないといけない.専攻長の意向としては,早い段階でエコロジカル・セイフティー学講座による公開連続講座という形式でのお披露目をしたいとのこと.

初の制度という点では農環研側でも事情は変わらない.これまで,農環研の研究員が他大学の併任教員(たとえば客員教員)になることは少なくなかった.ぼく自身も昨年から東京農業大学の客員助教授をしている.しかし,講座まるまるひとつを大学の中に設置するというタイプの制度は農環研では初めてだ.隣りの農研機構でも今年から筑波大学との連携大学院制度を発足させたが,こちらはひとつの「講座」ではなく,さらに大きな単位である「専攻」をまるごと農研機構の中に置いて,学務的なこともすべてこちらでやるということらしい.大学も研究機関もそれぞれが法人化されることで,こういう柔軟な機構ができるようになった.

4月28日(金)の夕方から,根津で東大の学部長・専攻長そして農環研の佐藤洋平理事長ならびに今回着任した4人の教員による懇親会をする予定になった.

◇正午過ぎから,7号館7階の会議室で,専攻主催の歓迎昼食会.わお,〈なだ万〉のお弁当じゃないですか!(赤門前の〈扇屋〉の和菓子付き).自己紹介と専攻内の各研究室の紹介.

◇午後は,弥生キャンパスでの「居場所」づくり.今後どれくらいの頻度でつくばから弥生に来るのかは未定だが,少なくとも居場所はあった方がいいだろうとのことで,圃場内の別棟の一室を用意してもらえることになった.異動した教員がこれまで使っていた部屋で,インテリアはほとんど何もなく,大きな部屋の真ん中に椅子とテーブルがドンと置いてあるだけ(懲罰用の“再教育センター”そのものだ).それでも居場所ができたのはたいへんありがたい.しかも,圃場内に隠れているというところがまたいいではないか,1号館某所にあるという「やはピー隠れ家」と同じく,ワタクシも東大の中に「キャレル」をもつことができた.これで LAN がつながれば言うことなしだ.

午後2時から大学院の入進学ガイダンス,午後3時45分から学部の入進学ガイダンス.いずれのガイダンスにも出席する.生物・環境工学専攻は毎年,学部に20数名,大学院に10数名が進学する.毎年やってくる学生数よりは教員数の方が多い.

◇午後5時半から,安田講堂下の中央食堂で,今日ガイダンスが終わったすべての専攻を含む農学生命科学研究科の合同歓迎パーティが開催される.巨大な中央食堂のはずなのに,この人口密度の高さはいったい何なんだ.専攻(というか「類」)ごとにシマをつくるのだが,ぼくは生物・環境工学専攻のある「第6類」よりは,むしろ出身の「第1類」とか生圏システム学専攻の方がはるかに知り合いが多い.混み合う会場でお話しした人たち:樋口広芳さん・鷲谷いづみさん・西廣淳さん・宮下直さん・岸野洋久さん・大黒俊哉さん・嶋田透さん.ううむ,みんな「第6類以外」じゃないか…….

◇午後7時半に散会となり,そのまま根津から北千住へ,そして8時11分の TX 快速に乗ってつくばにたどり着いたのは午後9時前.

◇忙しい一日だったが,いろいろなことが判明して,たいへんスッキリした.

◇明日からは生物地理学会大会(立教大学池袋キャンパス)だ.

◇本日の総歩数=15576歩[うち「しっかり歩数」=4648歩/35分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.1kg/+1.1%.


6 april 2006(木) ※ 舞い散る桜のもとで鶏ご飯をば

◇午前5時起床.雨上がりで晴れている.気温4.4度.そこかしこがまだ濡れているが,農林団地は早朝から花見散策者多し.今日も人出でにぎわうことだろう.

◇早朝のこまごま —— 生物地理学会シンポジウム〈生物学哲学からみた生物の進化と系統〉のページを改訂し,演者の森元さんから依頼された参考文献と配布資料を追加した./ アップルの〈Boot Camp〉.Intel Mac で Windows XP が使えるとなるのか.〈Virtual PC〉でごそごそする必要がもうなくなる,と.

◇トリノ以降いまや国民音楽となったか〈トゥーランドット〉 —— 新宿区民オペラで今年9月に〈トゥーランドット〉をやるので叩きにきなさいとのヒミツ指令が伝わってきた.打楽器奏者は6〜7名は必要だろうとのこと.Tuned Gongs も魅力的だが,やはり鍵盤楽器かな.シロフォンをこっそり希望している.>ToDoじゃない“とど”君,よろしく.総譜とCDはすでにアマゾンに注文してあります.※でも,日曜ごとに新宿まで行けるかなー(ためらい).

◇地理学における幾何学的形態測定学の応用 —— 先月,著者から送っていただいた別刷:矢部直人 (2005)「幾何学的形態測定法による首都圏住宅地地価等値線図の分析」,GIS — 理論と応用,13(2) : 11-20.都市の“形態”のローカルな変形をスプライン関数をもちいた仮想局所変形の補間によって記述しようという試みだ.都市地域における地価の空間分布を示す「地価等値線図」と鉄道路線の交点をランドマークとして,その2次元座標をデータとする幾何学的形態測定学の方法(相対歪み)を適用する.経年的な地価の変動は,地価等値線図の“変形”をもたらすので,確かに幾何学的形態測定学を適用することはできるわけですね.こういう応用分野があるとはぜんぜん知らなかった.引用されている先行研究としては:Robert G. Wallace (2002)「The shape of space : Applying geometric morphometrics to geographic data」,Environment and Planning, A34 : 119-144 という論文があるそうだ(→アブストラクト).

◇本日のセミナー(1) —— 午前11時から1時間,〈形態測定学講義〉の第2回目.Introduction(pp. 10-20)を読み進む.サイズとシェイプの定義について.さらに,使えそうな統計手法の例示:重回帰分析,主成分分析,正準変量分析の三つ.この章は今日でおしまい.※まだまだ,イントロやな.

◇風がやや強いものの,気温12度の快晴で,またまた絶好のお花見日和 —— 昼休みは,所内の生態系計測研究領域で昼食を兼ねて,玄関前の噴水横のスペースにシートを広げる.倉掛の〈ママの台所〉(→サイトブログ)に注文しておいた仕出し弁当(ぼくは筑波鶏弁当)をいただきつつ,散りはじめた桜を観賞する.この散り方だと今週いっぱいで農林団地のお花見シーズンもおしまいかなあ.

◇本日のセミナー(2) —— 午後1時から1時間半ほど〈文化系統学〉セミナーの第9回目.Chapter 5「Seriation and cladistics: The difference between anagenetic and cladogenetic evolution」(R. Lee Lyman and Michael J. O'Brien)に入る(pp. 68-80).“文化”をユニットとしてのどのように定義するかという問題.認知カテゴリーとしての“文化”とか“人種”はもともと定義できないが,実用上は役に立つ.“文化”は“種(species)”と同列のカテゴリーである.されらは必ずしも明快に定義できるわけではないが,だからといって文化史や系統史を論じることが不可能であるという理由にはならない.続いて,「seriation」の話題が取り上げられる.19世紀の A. H. Pitt Rivers や W. M. F. Petrie のような文化系統学の先駆者たちの研究に言及しつつ,遺物の系統の推定方法としての「seriation」 —— 「phyletic seriation」,「frequency seriation」,そして「occurrence seriation」 —— が説明されている.

◇名古屋大学情報文化学部から新年度の講義シラバスなど資料一式が届いた.なかなかオシャレなつくりですねー.とりわけ“サブカル雑誌”っぽい「学生便覧」がとても好感がもてます.いいなー.受講したいなあ〜(それ,ちゃうやろ>ぼく).ぼくの講義〈メディア社会系特論1〉だけ内容紹介(「便覧」,p. 71/「講義内容」,p. 31)がめっちゃ長いし,目立ち過ぎやん.※いくらか削られるということではなかったでしたっけ?>I勢田さん.

◇『生物科学』刷り直しの件につき —— 最新号(57巻3号)はページ乱丁につき,版元の判断で全部を刷り直すことになった.松田裕之さんは,この件について「致命的なミスだろうか」(→公開書簡:4月5日付)と言っている.乱丁の当事者であるぼく個人についていえば,次号で「ごめんなさい」と謝ればそれですむことだろうと思います.つまり,内容的には「致命的なミス」ではないということ.ただし,出版社側にしてみれば乱丁本をこのまま残すというのは,出版社の体面(あるいは信用)として「致命的なミス」と判断したのだろうと推察します.したがって,この号をすべて刷り直すというのは,版元としては妥当な判断なのでしょう.

もちろん,現実問題としての印刷物の「刷り直し」というのは経済的な負担が発生するので,なければそれに越したことはありません.

◇午後のこまごま —— 進化学会関連:〈殿〉から電話あり.今年度の役員構成について.監事の人選とニュース発行のための原稿./ あ,すっかり忘れていた.督促いたします.ごめんなさい./ わ.目次案…….

◇明日は東大に出張.明後日からは生物地理学会大会.※準備,まだでーす.げ.

◇本日の総歩数=3845歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.2kg/+0.6%.


5 april 2006(水) ※ "Boy, boy, crazy boy ……"

◇やっぱり午前4時半起床.夜更かししてもほぼ定時に目が覚める.雨が降りそうな曇り.気温12.0度.研究所にて,昨夜の仕事の続き.

—— BGM は久しぶりの〈West Side Story〉(Grammophon UCCG-7092).組曲版の「シンフォニック・ダンス」ではなく,歌の入ったオペラの方.作曲者バーンスタインの指揮,キリ・テ・カナワ/ホセ・カレーラスによる1984年の有名な録音.憶い起こせば,「ウェストサイド物語」のいくつかの代表曲(「トゥナイト」とか)は,小学生の頃からずっと聴いていた覚えがある.まだ,ティアックのオープン・リール・デッキが京都の家にあった頃だから,LPやEPレコードではなく,おそらく“ソノシート”の映画音楽全集に含まれていたのだと思う.40年ほども前のことだ.

上の録音は,何度か LP / レーザーディスク / CD 化されているはずだが,通常の構成のオーケストラとは別に,ブロードウェイの“ビッグ・バンド”が使われているというのがもっとも大きな特徴だろう.「シンフォニック・ダンス」は,一橋大学のOBオケにエキストラで出たときに,国立キャンパスの旧・兼松講堂で演奏したことがある.でも,バーンスタインやガーシュインの作品は「声」がないとね.舞台あっての音楽だろうし.

◇予報通り,朝7時には雨が降りだした.春雨らしく,暖かく大粒だ.しかし,この雨の中を傘を差しつつ花見している人びとがいる.ご苦労さまでございます.昨日ほどではないが,それでも団地内の構内道路の脇には駐停車車輛が多い.

◇朝のこまごま —— 年度が切り替わったので,メーリングリストの登録アドレスを変更してほしいという申請メールが相次ぐ.堆積しないうちに,ちぎっては投げ,まるめては踏み,どんどん処理する./ 進化学会関連の作業.昨日〈殿〉からじきじきの電話があったが,とんずらしていたので出られなかった.申し訳ない.学会ニュースの発行の件だろう.「事務局だより」をつくらせないと./ 査読結果がレフリーから返送されてきた.レフリーへのお礼メールとともに,編集部に結果を転送する.

◇あ,もう昼休みが終わってしまう…….

◇午後1時から,理事長室にて,連携大学院に関するミーティング.今回の講座新設に伴う並任教員(4名)が集まって,状況の説明と今後のことについて話し合う.1時間ほど.いろいろな情報が得られたので,せっせとメモする.

◇午後のこまごま —— 「労働条件通知書」という書類を領域長から渡される.非公務員化に伴って俸給表が変更されることになった.これまでの号俸体系もがらりと変わり,1号俸を“4分割”して,勤務成績によって昇級号俸の「上積み個数」を“調整”するということ.また,研究職員の場合,従来の「5級」が二分割され,「5級」と「6級」になった.ということは,「5→6」のときには,またまたあの忌まわしい「昇格書類」を書くのでしょーか?(ぷんぷん)/ 生物地理学会シンポジウムの宣伝を諸方面に流す./ ついでに,新刊情報もメーリングリストに流す.

◇備忘メモ —— 筑波大学生命環境科学研究科の岡野邦宏さんから博士論文(2006年1月)の製本したものを送っていただいた.ありがとうございます&おめでとうございます:岡野邦宏『藍藻由来毒性物質 microcystin 分解菌の分解機構解明と分子進化学的考察』.系統樹にもとづく新規生物と新規物質の探索について論じられている./ 農環研の英文年報『NIAES Annual Report 2005』(2006年3月刊行,農業環境技術研究所,ISSN:1342-6648).一昨年の進化学会教育啓蒙賞の受賞に関する記事が載っている(p. 19).

◇夕方,系統樹のブーツストラップに関する質問が届く.短時間やり取りで,なんとか解決したかしら.

◇夜,とある「大立ち回り」でへとへとになる.不健康に就寝.※まったく“crazy boy”だ.

◇本日の総歩数=4382歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.3kg/−1.0%.


4 april 2006(火) ※ ここ一両日が農林団地の花見日和

◇午前5時に起床.昨日吹き荒れた風はやっとおさまり,青空が広がる.やや冷え込んで,最低気温は2.2度.農林団地の桜は今がちょうど見頃だ.早朝から花見に散策している人がちらほらと.

◇書評原稿の続きを書き進めるものの,インタラプトあり.

◇午前11時の気温,19.5度! 農林団地は花見大渋滞と方々で宴会が繰り広げられている(職員ではないので念のため).筑波事務所の築山あたりは,テーブルとシートの優占度が一時的に最大化されている.風もなく春めいた今日の日中が,今年いちばんの花見日和なのだろう.善哉善哉.

◇昼のこまごま —— 学会賞候補者の推薦依頼.今月半ばまでに./ 『生物科学』の編集会議は,生物地理学会大会の初日の4月8日(土)午後に.場所は同じ立教大学にて.ページの乱丁があった最新号(57巻3号)は刷り直しになるとのこと./ 筑波大学図書館の利用証が届いた.館外からの利用方法が変更になったため.しかし,1回の貸出し冊数の上限が「3冊」というのは少なすぎないか?/ 所内での利用コンピュータに関する確認./ 昨年度の個人業績リストに関する企画科からの修正要請.これは手間取るなあ.

◇日中は暑いほどの陽気で(きっと20度を超えているのだろう).農林団地構内は花見客で自動車の通行に支障があるほどの混雑だ.この人出は今年いちばんだろう.

◇夕方からのこまごま —— 午後5時に研究所に復帰する.これから夜の時間に仕事をする:出張届け2件(金曜に東大,土日は生物地理学会大会)/ 復命書1件(新潟)/ 組合署名(ちゃちゃっと).

これはめんどー:個人業績リスト修正.まずは「辞書の執筆項目ページを明記せよ」との要求.昨年9月に出た日本育種学会(編)『植物育種学辞典』(2005年9月8日刊行,培風館,ISBN:4563077887)に20項目ほど書いたのだが,それを全部挙げろって? 「せっかく」の作業なので,ぼくが執筆した項目は公開しておきます.このリストの前身は,以前,一時的に公開したことがあったのだが,培風館からクレームがついて,公開をやめた経緯がある(→2004年2月12日の日録).当時は項目執筆者を明記するかしないかが不確定だったのだが,出版されたものには項目執筆者がひとつひとつ記されているので,再度公開しても問題ないだろう.

続いて,「共著論文の著者を“フルネーム”で記せ」という要求.これについては,「個々の著者のフルネームは特定不能ですのでできません」と拒否した.英文論文の多く?では,“フルネーム”ではなく,名字以外は“イニシャル”で記されている.個人的に知己である場合を除いては,ファースト・ネームが何であるのかを知るすべはないので,“フルネーム”はわからない.単純な理由だ.第一,“フルネーム”を知ることがいったい何の意味があるのかさえ定かではない.ちゃんとした英文論文ならば〈doi〉が明記さえされていればそれで十分だろうと思う.毎年この要求がやってくるが,いつも拒否している.いずれにせよ,できないものできないので,この件は勝手におしまいにする.

◇生物地理学会の大会シンポジウム〈生物学哲学からみた生物の進化と系統〉に新しい参考文献を付け加えて更新した.そろそろ,関連する諸方面に宣伝しないといけないな.

◇そんなこんなで午後11時過ぎまで研究所に籠っていた.こんな時間まで農林団地の「夜桜見物」をしている人がいるのには驚いた.農研センターの「菜の花畑」を散策している人さえいるのだけど,迷子にならないよーに.

◇帰宅して深夜食を食べたのが日が変わる頃.風呂に入って寝たときには,もう午前1時を過ぎていた.

あー,書評原稿がまだ書き上がっていないー.

◇本日の総歩数=6628歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜×.前回比=+0.3kg/+0.7%.


3 april 2006(月) ※ 南風に揺さぶられる桜並木

◇午前4時半起床.晴れ,9.9度.西風がものすごく強い.農林団地の桜並木は見頃になっている.早朝から花見を楽しむ人たちがちらほらと.この風だと桜吹雪になってしまうはずだが,まだ花が若いのでしっかり枝にしがみついている(枝ごと落ちていたりして).

◇早朝のうちは,昨日の雨で大気中のホコリが流されたせいか,筑波山までの遠景がくっきりと見えていた.しかし,しだいに南風が強まり,飄々と,というか,轟々と音を立てて吹くようになった.またまた土煙が立ち上がり,桜も辛夷も強風に翻弄されている.気温は高め.

◇午前のこまごま —— 昼前に,昨年度の業績評価結果通知書を手渡される.今年度は「A」評価.去年は「S」評価だったので,一段階落ちてしまった.原因ははっきりしていて,「所内への貢献=c」と「行政部局への貢献=d」が響いたということ(最低ランクやん……).仕方ないですねぇ,これは./ 農環研理事長より招集がかかる.連携大学院に関するミーティングを4月5日(水)にもちたいとのこと.今回の件については,理事長主導で話しが進んできた経緯があるので,管理職系列の“ライン”を通じてではなく,直結“ホットライン”でダイレクトに連絡や情報が届くことが多かった.これはこれでいいこともあるのだろう.ただ,事務的なこまごましたことで漏れ落ちもあるのではという危惧は残る.

◇昼を過ぎてもごうごうという風の音が聞こえる.13時の風速は8.5メートル,風向は西向きだ.瞬間的にはもっと強く吹いているのだろう.そういえば,今朝マンションのゴミ置き場にカートに積んだゴミ袋を押していたら,風に煽られてよろけてしまった.この物理的サイズを動かすとは相当な風速だったことはまちがいない.

◇午後のこまごま —— 13時半から所内の辞令交付(←今度は変換ミスなし).といっても,領域長からペラっとしたのを手渡されたのみ.新年度から農環研内の組織が大きく変わり,「領域」と「リサーチ・プロジェクト(RP)」からなる“マトリックス構造”が出現した.従来の深い階層構造を廃したのはいいとしても,ネットワーク的“マトリックス”は認知的に望ましくない組織構造だと思う.※いまだにわけわかんないもんね./ 続く領域内会議で,今後の打合せをば.旧・生態システム研究グループのメーリングリストはようやく用済みとなった.さっそく,貸し会議室としての閉設処理を完了し,引き続き,生物統計学〈R〉本の連絡用メーリングリストとして継続使用することにしたい−−と思ったら,あれれ,「システムエラー」が発生して閉設できないぞ.後日,再度トライしよう−−と思ったら,実はすでにクローズされていた(なんじゃらほい).だもんで,さっそく「生物統計学〈R〉計画」メーリングリストをオープンする./ 4月6日(木)の昼休みに,所内でお花見することになった.今週のうちなら桜の花はまだ散っていないだろう.

◇講演依頼あり —— 今年の9月5日(火)〜8日(金)に東北大学(川内キャンパス)で開催される〈2006年度統計関連学会連合大会〉での日本計量生物学会の企画シンポジウム「生物統計学の社会的貢献:四半世紀の経験と今後の展望」で講演するよう,学会から依頼が来た.“遺伝統計”というテーマを提示されたが,ぼくの関心の対象を考えて“分子進化”あるいは“分子系統”にしてほしいとのリクエストを出し,そのまま認められた.他の予定演者は,丹後俊郎・佐藤俊哉・柳本武美・北田修一・大橋靖雄というメンバーを考えているとのこと.

◇研究室で新しく買ったネットワーク・プリンタへの接続がうまくいかん…….※昨日からネットワークがらみでトラブってばかり.

◇今日中に書評記事を1本仕上げないといけない.

◇献呈本(ありがとうございます) —— ニック・レーン著(西田睦監訳/遠藤圭子訳)『生と死の自然史:進化を統べる酸素』(2006年3月20日刊行,東海大学出版会,ISBN:4-486-01657-2→目次).550ページもある.

◇本日の総歩数=8260歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼−|夜×.前回比=−0.5kg/−0.2%.


2 april 2006(日) ※ 南風に乗ってきた雨の格闘日

◇午前4時半起床.曇って,8.7度.前線の影響か,南風がとても強い.

◇早朝の研究所に行って,遅れていたメーリングリスト関連作業をすませる.年度末のばたばたやら新潟に出奔していた間に,大量の“小トド”が押し寄せていた.登録変更処理を小一時間ほどした後に,月例アナウンスを流す.

◇『生物科学』(57巻3号,2006年4月発行)の特集〈今西錦司の遺産:清算の試み〉 —— 「清算」って,あーた.「生産」でも「精算」でもなく,かといって「青酸」でも「凄惨」でもない.なんやしらん“〜清算事業団”を想起させる.キンタくん,お願いだから「たった1ページ」だけのアジビラを載せないでね(最節約的).版元サイトには目次紹介がまだみたいなので,leeswijzer にあとで掲載しておこう.

今号のぼくの書評ページ〈“みなか”の書評ワールド(11)〉は,関秀夫『博物館の誕生:町田久成と東京帝室博物館』(2005年6月21日刊行,岩波新書953, ISBN:4004309530→書評目次),アラン・カトラー『なぜ貝の化石が山頂に?:地球に歴史を与えた男ニコラウス・ステノ』(2005年8月9日刊行,清流出版, ISBN:4860291166→書評目次),野中健一『民族昆虫学:昆虫食の自然誌』(2005年11月16日刊行,東京大学出版会, ISBN:4130601857→書評目次),そして,ポーラ・フィンドレン『自然の占有:ミュージアム,蒐集,そして初期近代イタリアの科学文化』(2005年11月15日刊行,ありな書房, ISBN:4756605885→書評目次)の4冊の書評が掲載されている.ただし,「p. 186」と「p. 187」があべこべになっている.▼編集部は今後よく気をつけるよーに.

もうひとつ —— 鈴木邦雄さんによる:河野和男『カブトムシと進化論:博物学の復権』(2004年11月刊行,新思索社,ISBN:4783502315)の書評はなかなかおもしろい.ぼくはこの本を読んでいませんが,書評はとてもおもしろい.なーるほど.さすが,越中の〈殿〉はちがう!(笑)

◇雲はしだいに厚くなり,空の表情は兇悪化する.午後2時頃,〈ジョイフル本田〉への買い出しの途中,雨がぽつぽつと降り出した.大量の大物を買い込んで帰還.雨あしはしだいに強くなり,南からの風とともに,吹き降りになった.ベランダもなんもかんもびしょぬれ.

◇組織が変わり,異動もしたので,名刺とハンコを新調しないといけない.いつものように〈ジョイフル本田〉の印刷センターに発注したのだが,この時期はとても混んでいるとのことで,できあがりは10日ほどかかるらしい.

◇夜になっても雨はベランダに吹き込んでいる.春の嵐.

◇DELL の新しいウィンドウズ機を設置し,LAN もつながったと安心したら,ルータの書き換えがまずかったのか,昨日までちゃんとつながっていた PowerBook G4 が LAN につながらなくなってしまった.まったくもう…….日が変わる頃まであれやこれや格闘したものの,ぜんぜんラチがあかないので,疲れて寝てしまった.※ Wisdom of Crowds でも Crowds of Wisdom でもいいので,ヘルプ・ミー!

◇夜中,やっと雨がやんだようだ.

◇本日の総歩数=6267歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.前回比=−0.3kg/0.0%.


1 april 2006(土) ※ エイプリル・フールのおはなし

◇今朝も午前5時に目覚める.晴れ.

◇本日付の人事で,東京大学大学院農学生命科学研究科の教授になった.実際に辞令が交付されるのは,週明けの3日のことだ.ぼくが着任するのは,同研究科の「生物・環境工学専攻」に新しく設置される「エコロジカル・セイフティー学講座」で,いま方々で流行している〈連携大学院〉という形式の講座だ.本講座は,本務地である農環研との連携のもとに運営されることになっていて,この4月から農環研に所属する4名の研究員が併任教員になる.

生物・環境工学専攻にはすでに3講座7研究室がある.今回新設された「エコロジカル・セイフティー学講座」の基本理念は,自然の適切なコントロールおよび環境との調和による生物・空間利用という本専攻の目標に沿うかたちで建てられるだろう.この講座のあり方についていったいどういうイメージを描けばいいのかは,着任した当の本人でさえ現時点では「?」なので,それはそれで困ったちゃんだ.まあ,少し時間をおいて,年度始めの“澱”が沈んでからゆっくり考えればいいか…….

……などと悠長なことを言っていられなくなった.というのも,東大の専攻長から連絡が入り,4月7日(金)に辞令交付をするので出頭せよとのこと.「紙」をいただくだけだったらどうということはないのだが,同日の午後に新規進学してきた学生へのオリエンテーションをするので,その際にエコロジカル・セイフティー学講座の各研究室の教授もメッセージを流すようにとのことだ.こりゃたいへんですなあ.その日までに,どのような研究室であるのか(にするのか)を考えて,近い将来に進学してくるかもしれない学生に所信表明しろって? ひょえー.

いずれにせよ,7日は昼前から弥生キャンパスでのイベントが連続する:専攻長からの辞令交付と農学部長への挨拶(11:30〜)・専攻会議室での昼食会(12:10〜)・大学院進入学者ガイダンス(14:00〜)・学部進学生ガイダンス(15:45〜)・農学生命科学研究科合同歓迎パーティー(17:30〜|新3年生が“荒れまくる”会とうかがったのですが,ほんまですか? げ). —— ということで,「弥生」のみなさん,今週金曜にお会いしましょう!

上記とは別に,専攻内の研究科長と教員ならびに農環研側の理事長と教員を含む懇親会が今月末に予定されている.新しい組織に加わるということは,そういう人的つながりが広がることだ.仕事も増えるって(汗).

「エコロジカル・セイフティー学講座」の構成は,大気・土壌・物質循環・生態系計測の4分野(研究室)から成っている.ぼくはこのうち「生態系計測」分野を担当することになる.当初の話では“数理生態学”の専門分野の教員として採用されるということだったのだが,明らかにそれではズレが生じるので,もっと広く“数理生物学”という看板に変えてもらった.これで心置きなく数理系統学がやれる.「エコロジカル・セイフティー学講座」の「生態系計測」研究室は,体系学・系統学にもとづく生物多様性の時空的ひろがりを研究対象とする.生物進化の産物としての生態系はあくまでも進化的に計測しようということだ.

新設の講座なので,実際に大学院生を募集するのは今年からなので,不確定な部分はあると思う.専攻内での打合せが始まるのはこれからのことだから.

〈連携大学院〉という形式での大学と研究機関の結びつきは方々ですでに始まっている.その動機の大きな部分は,大学の「外」の研究者に“教育”という世界に関わってもらおうという大学側の意図だろう.学生にとっても,「外」の研究機関で勉強や研究をするというのは,正負をこみにして研究の場のあり方や研究者としての生き方やキャリア・バスについて丸ごと触れることができるので,得るものはきっとあるだろう.一方,研究機関側としても,大学の教育に積極的に関わっているという実績をあげることは,機関としての評価につながる“ローカルな国策”的な意図はきっとあるだろう.しかし,それ以上に,将来,その学生たちが研究機関に関わる分野に入ってくるかもしれないことを考えれば,プラスになるという積極的判断があればこそ,〈連携大学院〉という制度が急速に広まったのだと推測する.

ちょっと調べてみたかぎりでは,〈連携大学院〉に関わっている教員や学生のナマの声はあまり聞こえてこない.「生身」の学生のめんどうをみるというのは,けっこうきつい仕事ではないのかな.受け入れる研究機関側にも教育対応の窓口なり部署が必要なはずだが,この定員削減の時代にどのようにやりくりするのか.実際にこの連携講座が走りはじめれば,きっといろいろな現実的問題が浮上してくるにちがいない.そういうことどもは逐一この dagboek に書き留めることにしよう.

◇休日のお仕事 —— 朝9時前に〈カピオ〉に並び,今秋の大ホール予約の抽選会に臨む.競争率9倍の“難関”をみごとに突破して,希望日をゲットすることができた./ またまたクリーンセンターに廃棄物を運び込み,返す刀で貸し倉庫にどんどんぶち込む.これでもうへとへとですわぁ.

◇『これからホームページをつくる研究者のために(仮)』を執筆中の岡本真さんから,〈leeswijzer〉のスクリーンショットを本に使わせてほしいというメールが届いた.もちろんOKです.築地書館から出る予定のこの本は,すでにサポートブログが開設されているので,進捗状況はたどることができる.※これって書き手にしてみれば,すごくプレッシャーじゃないのかな.勇気あるなあ.

◇新年度早々,肩が凝る…….

◇本日の総歩数=6892歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.前回比=−0.1kg/0.0%.


--- het eind van dagboek ---