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oude dagboek

日録2008年9月 


30 september 2008(火) ※ 上州無宿,雨中往復運転で疲弊

◆午前5時半.雨.肌寒い.やはり雨中運転は避けられないのかな.

◆朝の朗報 —— トゥクマンからメールがあり,クレジットカード情報は無事に届いたので,ホテルの予約は完了したとの連絡.じたばたした甲斐があったというものだ.これで,“足”とともに“宿”も確保できた.あとは“噺”の中身だけだ.

◆群馬での日帰り統計高座(壱) —— 午前8時半,小雨が降り続く中,つくばを出発.うねうねと中の道を通り抜け,筑西市から国道50号に入る.小山を越えたころにある道の駅〈思川〉で休憩タイム.ここまで2時間ほどかかっている.さらに走り続け,足利のさきの只上から北関東道に入り,伊勢崎インターで下車.伊勢崎と佐波郡東村の境目あたりをくねくねしたところに,今日のお座敷がある〈群馬県農業技術センター〉の敷地が広がっていた.3時間余りの運転ののちにやっとここまでたどり着くことができた.

午前11時半.すでに雨はやみ,気温の低い灰色の曇天が垂れ下がる.ここは,もとは県の園芸試験場があった場所で,以前の地図やカーナビにはそう表示されている.まずは,お世話いただいた担当者にあいさつし,場長さんにお会いしたのち,講義室に当てられているセンター本館の2回会議室に向かう.最初の予定では群馬県内から20名ほどということだったのだが,フタを開けてみればその2倍超の45名もの受講生が集まった.毎月1回,火曜午後の講義を3ヵ月続けるという日程設定が参加しやすかったのではないかと向こうでは言っていた.

午後1時半,場長さんのあいさつとともに高座の始まり.大きめの会議室に各自がパソコンをもちこむ.最初の1時間弱はいつものように「統計学概論」から話し始める.しかし,今回は時間がかぎられているので,前振りにあまり時間をかけているわけにはいかない.きりのいいところで,RとRコマンダーのセットアップ作業に入る.ここでもまた邪悪な Windows Vista が“お座敷の迷惑者”となってしまった.Rをインストールするまではよかったが,Rコマンダーを含むパッケージを展開する際に,最後にhtmlファイルの書き換えが完了できないというトラブルだった.

要するに,Program Files フォルダーにある当該ファイルを更新しなければ,新たに展開されたパッケージをRは認識できないのだが,管理者権限(「神さま」)ではない一般ユーザーとして Vista を使っていると Program Files フォルダーは勝手にいじれない.それが原因だった.唯一の解決策は「神さまになれ!」ということだ.実行ファイルは必ず右クリックでオープンし,つねに管理者として起動する必要がある.とにかく理由の如何を問わず,Vista を使いたい Windows ユーザーは常時「神さま」になりきりましょう(下々の「一般庶民」は徹底的にいぢめられるのだ).

そんなこんなで邪悪な Vista と取っ組み合いしつつ,RとRコマンダーの実習を進めた.今日は,テストデータファイルを開いて,そのグラフ化をいくつか示すことにより,データを「じっくり眺める」ことの意味について話をした.あれこれグラフを描画しているうちに,もう午後4時の定刻になってしまった.まったく数式を出さないまま,初日の高座はこうして終ったのだった.

—— 次回(第2回)は,10月14日(火)の午後だ.今度は実験計画と分散分析・多重比較を中心に,具体的な実験データを前にしての線形統計モデルが主役になる.

◆早くも夕闇の濃さが増す時刻に,逆コースをたどってつくばに向かう.北関東道をぶっ飛ばしたのが功を奏したのか,帰路は3時間弱しかかからなかった.道の駅〈下妻〉で休憩し,午後7時半に帰宅.3時間ほどのお座敷のために,往復6時間も走り続けるとは.幸い,帰り道では雨は降らなかったが,つくばの中心部に入ったとたん,またまたぽつぽつと降り始め,そのうち本降りになった.今日は,昼も夜も薄ら寒いままだった.

◆こうして,月末に雨の関東平野を走り回っているうちに,トドどもが大きく成長するのを放置してしまった.月が変わればまた新たな興行の準備をしなければならない.それまで大物トドを仕留める必要がある.今週の残りのウィークデーが狙い目か.

◆近刊情報 —— 〈未來社〉の「宮本常一の部屋」を覗いていたら,継続して刊行中の〈宮本常一著作集〉の最後を飾る第50巻『澁澤敬三』(田村善次郎編,ISBN:978-4-624-92450-8)が近刊として出ることを知った.一時期,澁澤敬三の全集や関連資料を集中的に集めていたことがあった.この著者には『日本魚名の研究』のような民俗[生物]学的にたいへんおもしろい著作もある.敗戦前後のやっかいな時期に日銀総裁やら大蔵大臣なんぞしていなければ,もっと研究に没頭できたにちがいない.

◆本日の総歩数=19854歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.5kg/−1.1%.


29 september 2008(月) ※ さらに肌寒くなり雨が降り続く

◆午前4時起床.曇って肌寒い.気温15.6度.いつの間にこんなに低温になっていたのだろう.夜明け前のプリントアウト.午前7時過ぎには冷たい雨がしとしとと降り始める.天気予報通り.

◆朝からアルヘンティーナ —— 事務から連絡があり,トゥクマンへの往復には35万円ほどかかるとのこと.ひょえー./宿泊先のホテルに予約の確認をファクスしようと思ったら,何度トライしてもぜーんぜん届かない.しかたがないから航空便で書状を送るはめになった.エアメールをしたためるなんていったい何年ぶりのことか./更新パスポートを市役所にひき取りに行かないといけない.

◆午前11時.本降りの雨.気温16.1度.今日はぜんぜん気温が上がらないようだ.

◆新しいメーリアン伝 —— キム・トッド著[屋代通子訳]『マリア・シビラ・メーリアン:17世紀、昆虫を求めて新大陸へ渡ったナチュラリスト』(2008年9月22日発行, みすず書房, viii+309+xxxvi pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-622-07411-3 → 目次版元ページ).この女性,意外に日本では人気があるのかもしれない.雰囲気としては“女ファーブル”という扱いかな.数年前に読んだもう1冊のメーリアン伝:中野京子『情熱の女流「昆虫画家」:メーリアン波乱万丈の生涯』(2002年01月25日刊行,講談社,4 pl.+237 pp.,本体価格1,900円,ISBN:4-06-211116-0 → 書評目次)が,イマイチ不完全燃焼っぽかったので,もう少し足腰のしっかりした伝記がほしかったところだ.

本書の原書:Kim Todd『Chrysalis: Maria Sibylla Merian and the Secrets of Metamorphosis』(2007年刊行,Harcourt,ISBN:978-0151011087 [hbk] / ISBN:978-0156032995 [pbk] → 著者サイト)と同年に出た,メーリアンの図版集:Katharina Schmidt-Loske『Die Tierwelt der Maria Sibylla Merian: Arten, Beschreibungen und Illustrationen』(2007年刊行, Basilisken-Presse, Marburg, 238 pp., EUR 96.00, ISBN:978-3-925347-79-5 [hbk] → 版元ページ目次)には,さらに多くの彩色図版が美術史からの注釈とともに載っている.

—— こういう昔の博物図版をしみじみ眺めるのは眼福でございます.

◆午後のこまごま —— 農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉が1週間後に迫ってきた.そろそろ事前の段取りや確認をしておく必要がある.まずは,配布資料やダウンロードに関することどもから./その他,しばらく不在していた間に成長したトドたちがのたうっているが,すぐにはどーしようもない…….

◆午後5時過ぎにばたばたと帰宅.気温は低いまま推移している.もちろん雨模様.明日も同じような天気だそうだが,朝から群馬県の伊勢崎市にある群馬県農業技術センターに出向き,統計高座(全3回中の初回)の噺家をつとめる.雨降る下の道をつくばから延々と4時間も運転していくというのは気が滅入るなあ.途中どこかでクルミ味噌だれの焼き饅頭でも齧って景気をつけないとダメかも.あるいは佐野ラーメンかな.

◆本日の総歩数=9433歩[うち「しっかり歩数」=941歩/10分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.5kg/−0.5%.


28 september 2008(日) ※ イッキに秋めく週末は休むべし

◆午前5時半起床.曇りときどき晴れ.冷たい北寄りの風が吹き抜ける.不摂生の祟りはなおおさまらず,からだのあちこちがまだしくしくと痛いんですけど……(転んだからか,風邪のひきはじめか).のろのろと朝の時間が過ぎていく.しかし,今日は休息を取ることが本務であって,せかせかしてはいけないことになっている(そう決めたから).

◆先日いただいた本 —— ニール・シュービン[垂水雄二訳]『ヒトのなかの魚,魚のなかのヒト:最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅』(2008年9月15日刊行,早川書房,296 pp.,ISBN:978-4-15-208955-7 → 目次版元ページ).ヒトは一皮剥けば“サカナ”ということ.動物が進化の過程で陸上に進出したとき,どのような系統発生的遺産を引きずってきたかを古生物学と発生遺伝学の知見を踏まえて論じている.どうもありがとうございました.

◆正午前にちょこっと買い物.晴れて北東風が涼しい.室内の気温が21.5度だったから,ひょっとしたら戸外では20度を下まわっていたのかもしれない.秋めく秋めく.午後はやぼな書類仕事をする.

◆〈leeswijzer〉のアクセスが「70万台」に! —— 昼前に達成されました.「60万」に達したのが5月はじめだったから,今回も約4ヶ月で次の大台に乗ったことになる.最近は不規則に更新することが多くなってしまったが,どうもありがとうございます.

◆今日はとくに何も進捗もなく非生産的に終わってしまったが,こういう日があってもいいじゃないか.それにしても,手足にケガを負うと,生活全般が不自由になってしまうな.

◆本日の総歩数=1350歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.4kg/+0.3%.


27 september 2008(土) ※ 満身創痍でお座敷を勤め上げる

◆午前7時前にふと目が覚める.何だかからだの節々が痛いよーな…….よろよろと朝食をすませてからチェックアウト.晴れ.空気が乾いてとても涼しい.天気はいい日和だが,体調的にはゼツアクかもしれない…….

◆お座敷の最終日 —— 今日も午前10時半から講義.午前いっぱいは多変量データの“直感的”な理解のために,共変動と共分散そして相関係数のイメージづくりをした.二変量が何とかなれば,一般の多変量でも大丈夫.二変量正規分布のグラフをRを用いて描画し(〈scatterplot3D〉パッケージを利用),共変動の符号が密度関数の“かたち”に及ぼす効果を体験してもらった.午前はここまで.

午後1時半から再開.計算統計学に話題を移し,リサンプリング統計学(ブーツストラップとジャックナイフ)の解説に続いてRによる実習をする.リクツは簡単,回数かせげ(「論よりラン」).休憩後の最後のテーマは,ベイジアンMCMC.まずはベイズの定理について解説し,解析的に事後確率密度が計算できるケース(beta-prior binomial と normal-prior normal)を紹介し,Paul O. Lewis の〈Bayesian Coin Tosser〉を用いて,事前確率密度と事後確率密度との関係について体感してもらう.Bayesian MCMC については,これまた Lewis の〈MC Robot〉を用いて,MCMCがどのように事後確率分布の“山容”を描き出していくのかを解説した.

—— 午後4時過ぎ,一日中へろへろな状態ではあったが,お座敷を勤め上げることができた.みなさん,お疲れさまでした.あとでレポート課題を出題します.

◆つくばに帰り着いたのは午後6時過ぎだった.足取りも重く,ぼろぼろですな.ほとんど invalid の状態で秋の夜長を過ごすことになった.明日の日曜はひたすら骨休めに徹することにしよう.

◆夜のこまごま —— 10月1日(水)に予定されていたRP中間検討会は急に延期されることになった./南大沢から事後連絡.レポート出題の件と来年度の出講日程についての問合せ.

◆本日の総歩数=15242歩[うち「しっかり歩数」=3927歩/37分].全コース×.朝○|昼−|夜○.前回比=未計測/未計測.


26 september 2008(金) ※ 南大沢での統計後半戦と不摂生

◆午前5時半起床.朝焼け.晴れときどき曇り.南風が涼しい.気温は低め.秋らしくてよろしい.

◆南大沢に向かう —— 7:27発のTX区間快速に乗る.南大沢に着いたのは午前9時半だった.晴れ.やや蒸し暑いか.今日と明日は首都大学東京での統計学集中講義の後半戦だ.

◆午前10時半から講義開始.午前中は前回の続きで,二要因の線形モデルに関する講義.変量間の交互作用についての解説をする.そして多重比較問題とその補正法について.その後,Rコマンダーを用いての計算実習.

午後は,一般化線形モデル(GLM)を含む,線形モデルの一般化について話した上で,モデル選択論に突入する.AIC概念の導出をしたのちに,Rによってあるモデルの対数尤度(logLik())とAIC(AIC())を計算できることを示した.複雑なモデルの“刈り込み”をAIC基準のもとで探索的に行なうツールとして,〈MASS〉パッケージの「stepAIC()」を用いるやり方を実習.

◆車中読書 —— 古谷知之『ベイズ統計データ分析:R & WinBUGS』(2008年9月15日刊行,朝倉書店[統計ライブラリー],viii+195 pp.,ISBN:978-4-254-12698-3 → 目次版元ページ).

ベイジアンMCMCの計算ツールとして広く用いられている〈WinBUGS〉の解説書.Rとの連携が実例(経済データがほとんど)をもとに具体的に解説されている.古典的なベイズ統計学の理論から始まって,マルコフ連鎖モンテカルロの基本の説明をした上で,回帰モデルなどの連続変量に関する古典的な事例と離散選択モデル(ロジット,プロビットなど)やマルチレベルモデルなどのGLMでの適用例が続く.通読すると役に立つ教科書だろう.ただし,Rについては読者がすでに知っていることを前提にしているようなので,スクリプトの細かい説明はまったくない.Rユーザーが〈R2WinBUGS〉パッケージを利用して〈WinBUGS〉を利用するためのマニュアルとして読むのが妥当なのだろう.なお,上記の版元ページからは関連ファイル(RスクリプトとBUGSコード)をダウンロードできる.

◆予報では一雨降るとのことだったが,ぜんぜん降らなかった.午後4時半に京王プラザホテルにチェックインし,その後しこたま呑んでしまった.何というかすごく呑んでしまった…….

◆本日の総歩数=11923歩[うち「しっかり歩数」=2838歩/26分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=−0.6kg/+0.5%.


25 september 2008(木) ※ トゥクマンへの旅路は始まった

◆午前4時50分起床.曇りときどき小雨.北東風が涼しい.気温19.6度.

◆午前のこまごま —— 進化学会の学会賞英語名称の件.そーいえば引き継ぐべきだった……./農大の再試の成績報告をオンラインですませた./計量生物学会の役員投票を返送した.

◆午前10時半.曇りときどき晴れ.気温23.0度.涼しいとも言えず,さりとて暑くもないというビミョーな天気.

◆トゥクマンへの旅程がばたばたと決まる —— 事務から連絡あり.アルゼンチンへのフライトに関する確認.学会の会期よりも移動日数の方が上まわっている場合を“大旅行”と呼ぶならば,今回も,予定されているフライトで確定すれば,文句なしに“大旅行”だ.実質四日間の大会に参加するのに往復五日間(往路二日に帰路三日)の移動が必要になるから.6年前にギリシャに行ったときは往復六日間かかったが,その会議は1週間あったので上の定義では“大旅行”にならない.ぼくの経験でいえば,中南米への旅はつねに“大旅行”になる.

大まかな旅程は以下のとおり:10月26日(日)午後に成田発.アトランタ経由でブエノスアイレスに入り,国内線に乗換えてアンデスの麓のトゥクマンに入るのが翌27日(月)の午後.〈Hennig XXVII〉は28日(火)〜31日(金)に開催される.11月1日(土)の朝にトゥクマンを飛び立ち,ブエノスアイレスで半日を過ごして麻薬の密売に手を染め,同日の夜中に出国.翌2日(月)の朝にアトランタにたどりつき,さらに成田へ向かう.日本に帰国するのは3日(火)の午後だ.

そうこうするうちに,トゥクマンの滞在先〈Hotel del Sol San Javier〉から「予約完了」の確認メールが届いた.五泊六日の滞在で約1,200ペソ(学会ディスカウント).あとはクレジットカード情報をファクスすれば予約手続きは正式完了だ.

ええい,この際,旅行関係のすべての「雑務」どもにケリをつけてしまおう.ということで,早々と「旅程表」をつくり関係諸方面に貼り出す./さらに,海外旅行保健をオンラインで契約した.去年と同じく,「損保ジャパン」の「Off!」を選んだ./NTTの国際ローミングサービスで携帯電話を借りる手筈.昨年まではオンラインでちゃちゃっとしていたのだが,なんだか手続きがめんどうになったみたいで,ショップに出向くことにした.次に携帯電話を買い替えるときは,国内外で使える機種にしよう.

—— 露払いをすべてすませてしまったので,あとは発表内容の詰めとトークの準備だけだ!(おい……)

◆湿り気のある曇天の午後のこまごま —— 来週火曜に第1回目の講義に向かう群馬県の統計研修は受講生が当初の予定を大幅に上まわり45名に達したと,前橋の県庁からメールが届いた.多いのはありがたいことです./注文していた小学館の『西和中辞典』がbk1から届いた.もうスペイン語まみれだってば./Hennig Society の Fellow Meeting での投票用紙が届いた.

◆午後5時前に撤収し,NTTショップにて海外携帯電話の借り出しの確認をすませる.トゥクマンが受信可能エリアかどうかはわからないそうだ…….保養地コルドバからほんの数百キロしか離れていないんですけど.

◆夜のこまごま —— 日頃から愛用している〈WZ Editor〉が,つい最近久しぶりにバージョンアップして「version 6」になった.たった3,000円でアップデートできるというので,迷わずにオンライン注文し,実行ファイルをダウンロードして,シリアル番号とライセンスキーを入手する.日常的に文章を書くのに使っているエディターなので,すぐに乗換えるわけにはいかない.しばらくは並列させてようすを見よう(バグ取りはしばらく続くもよう).

◆明日からは,首都大学東京での生物統計学集中講義の後半戦がある.その準備と旅支度をしつつ夜が更けゆく.天気予報によると明日は雨になるそうだ.先週と同じく,サンリオピューロランドの地元に宿泊する.

◆本日の総歩数=8651歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜○.前回比=+0.2kg/−1.2%.


24 september 2008(水) ※ 本郷で修論中間発表会と交流会

◆午前4時半起床.晴れ.北東風が通って涼しい.気温19.6度.

◆朝のこまごま —— 昨日,飛び込みでやってきたお座敷仕事の日程が決まった.東京農大開発学科〈有害生物制御論〉でのスポット講義「分子系統学概論」.日時は11月27日(木)16:30〜18:00.農大世田谷キャンパスにて.たまたま駒場での生物統計学の時間が,総長選で休講になったのが幸いした./午前9時半に歯科定期検診.

◆秋の日射しの中を東京へ —— 11:41発の TX 快速に乗る.1時間後に根津で地上に出る.晴れて陽光がまぶしい.気温は高い.

◆午後1時から,専攻の修論中間発表会.すでに「プレ発表会」でおおまかな内容は知っているので,その後の進捗状況を見させてもらう.統計処理に関連してコメントをいくつか.空間統計モデリングに関しては:間瀬茂・武田純『空間データモデリング:空間統計学の応用』(2001年5月刊行,共立出版[データサイエンス・シリーズ7],本体価格3,000円,ISBN:4-320-12006-X → 版元ページ)が参考になると思います.

◆夕方,隠れ部屋にてカマジン本のゲラ読みを進める.第14〜15章を完了.気温はしだいに下がってきた.日暮れが早まってきたことを体感する.

◆午後6時から中間発表会場にて専攻交流会.熱々のポトフやサンドイッチや野菜スティックは買ってきたのではなく,中で用意したのだという.スバラシイ.〈神亀・ひこ孫〉,〈浦霞・純米吟醸〉,〈天領・純米大吟醸〉,他に仙台の吟醸酒がいくつか.約2時間ほど集中的に摂取したのち,午後8時過ぎにささっと退出した(長い夜,呑み会は延々と続くにちがいない).それにしても,またもや呑み過ぎてしまったかもしれない.

◆つくばに帰りついたのは午後9時半だった.北東風が爽快だ.

◆そろそろ,交流センター分子系統学ワークショップの段取りを確認して遺漏がないようにしておかないと.夕方,事務局からメールがあり,予定していたプレゼン室が耐震工事で使えなくなり,隣りの電農館セミナー室に変更になったとのこと.備えつけのパソコンが30台あるので,便利といえば便利.持ち込みPCに関してはLAN環境が不便になるらしいが./その他,すくすくと育っているトドどもを一網打尽にしないと今月を終えることができないぞ.

◆本日の総歩数=13051歩[うち「しっかり歩数」=3230歩/30分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=−0.1kg/+1.1%.


23 september 2008(火) ※ 涼しい秋分の日にふっと息つく

◆午前5時半起床.一晩中窓を開け放していたら,南からの冷たい風が通り抜けていた.最低気温低そう.空気も乾いている.いかにも秋らしい爽快さ.晴れときどき曇りだが,日射しは暑い.

とある文書をものしているうちに,時間がずるずると削り盗られる…….午後になって日射しも紫外線も強くなってきた.しかし,空気が乾いているせいか,居心地は悪くない.西の空に夕焼けが映える.いい日和の秋分の日だった.

◆こまかいトドどもの出現 —— レフリーしてねとの依頼あり.ほんの一筋のつながりしかないはずで,ぜーんぜんハタケちがいなジャーナルと投稿論文なんですけど……./桜丘から分子系統学のスポット講義をお願いしたいとのメールあり.ずいぶん前から気配は察知していたので,二つ返事でお引き受けする.冬学期のどこかの木曜日(コマバの統計学講義が始まっているので,空いている日はほとんどないですよ)./amazon.comに注文.そしてアマゾン・コムにも注文.ついでに Amazon.de にも.読書の秋./農大の再試の成績報告を忘れないうちにオンライン登録するべし./科研費申請書類って,あーた./RP中間検討会の報告書.カゲもカタチもありまっしぇん./Hennig XXVII のホテルからの予約確認メールがまだ届かない.督促しないとね.

—— せっかくの単発な休日なので,息抜きしたいのだが,ため息ばかりつきまくり.

◆明日は,またまた東大へプチ出奔だ.毎日毎日,本務地以外のいろんなところに出没してます.

◆本日の総歩数=5385歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.2kg/−0.2%.


22 september 2008(月) ※ 雨降る桜丘であわてて作問する

◆午前4時20分起床.北東風が強い.曇りときどきざーっと雨が降る.気温19.1度.その後も間歇的に降ったり止んだりする.

◆今年最後の農大かもし —— 10:41発の TX 快速にて東京へ向かう.ときどき小雨がぱらつく経堂に降り立ったのは正午前.駅前の郵便局に行ったら長蛇の列で(なんででしょう?),1時間近くも窓口前で並んでしまった.その後,農大通りを下って,学生がまばらな構内にたどり着いたのは午後1時半だった.先ほどから霧雨がさらさらと降りはじめた.

今日は「成績相談日」という名目で,夏学期の成績評定に関する“相談”を受付け,あわせて追試・再試を実施することになっている.しかし,非常勤講師の場合,当日大学に出向くまで追試・再試者がいるのかどうかわからない.講師控室の伝達事項を見て初めて確認することになる.農大の場合,「追試」とは病気など正当な理由により定期試験を欠席した者へのケアであるが,「再試」とは定期試験を受験したものの“不可”をくらってしまった者へのケアだ.同じ日の試験ではあっても両者の扱いはぜんぜんちがっている.

〈実験データー解析概論〉にもふたりの再試者がいることが初めて判明した.事前に再試レポートは科していなかったので,あわてて再試問題をひねり出すことにする.ドロナワそのものだ.問題用紙に手書きで書いて,二枚だけコピーする.時間になったので教室に行ったら,巨大な講義室のまん中にたった二人だけ,再試受験者が待っていた.ほかのみなさんは“相談”は不要だったのだろう.再試験受験料の印紙が解答用紙に貼られていることを確認し,試験開始.45分という時間だが30分もしないうちにふたりとも提出したので,午後3時半には仕事が終わってしまった.

◆車中読書 —— 蕎麦本の続き:Elliott Sober『Evidence and Evolution: The Logic Behind the Science』(2008年4月21日刊行,Cambridge University Press,Cambridge,xx + 392 pp.,ISBN:978-0-521-87188-4 [hbk] / ISBN:978-0-521-69274-8 [pbk] → 目次著者サイト正誤表[pdf]).外出するときはたいてい持ち歩いているのだが,蝸牛のごとき読み進みが常.尤度主義(likelihoodism)とベイズ主義(Bayesianism)との対決の続き.著者は,ベイジアンな「確証主義(confirmationism)」に対して,尤度派の「仮説選好(preferring)」を論議する.要するに,ベイジアンとはちがって,尤度主義は尤度や事前確率がたとえ数値として与えられなくてもよしとする立場であると著者は言う.

When prior probabilities can be defended empirically, and the values assigned to a hypothesis' likelihood and to the likelihood of its negation are also empirically defensible, you should be a Bayesian. When priors and likelihoods do not have this feature, you should change the subject. In terms of Royall's three questions (§1.1), you should shift from question (2), which concerns what your degree of belief be, to question (1), which asks what the evidence says. The likelihoodists does not answer this question by using the Bayesian concept of confirmation; you don't ask if the evidence raises, lowers, or leaves unchanged the hypothesis' probability. Rather, you compare only those hypotheses to each other that have determinate likelihoods. (p. 32)

ベイズ主義のように個々の仮説の[事後]確率の大小に基づく確証ではなく,あくまでも仮説間の“相対的”な比較に基づく選好を行なうのが尤度主義であるという対置だ.事前確率や尤度が必ずしもきちんと定義されなくてもよいという尤度主義のスタンスについて,著者はさらに言う:

Bayesians usually adopt the idealization that rational agents have degrees of belief for all sentences of their language. The Bayesian framework is one in which a complete probability function is deployed over all the sentences in some language. [……] This is not the best way to understand what likelihoodists are up to. According to likelihoodism, the language we speak is far more wide-ranging than the probability models we use. On a given occasion, we may specify a value for Pr(O|H1) and for Pr(O|H2), but none for Pr(O|not H1), and none for Pr(H1) or of Pr(H2). We use this partial probability function to do the needed work. (p. 40)

—— 系統推定論にあてはめてみれば,著者が言わんとする点は実に明瞭ではないか.

◆天気はやっと回復してきた.経堂から乗ってつくばに帰り着いたのは午後5時前.西の空は夕焼けだ.夜は涼風が吹き抜けて,涼しいというよりも肌寒いほど.〈米鶴〉の「冷やおろし」をいただいて,明日は秋分の日.仕事はなーんにもありません,と言いたいところだが,単にトドどもを放置しているにすぎない.出先でコッソリ見ているメールの堆積は新たなトドの繁殖を予期させる.こっちに来ないで,あっちに行ってね.

◆本日の総歩数=13561歩[うち「しっかり歩数」=4383歩/42分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.1kg/−0.8%.


21 september 2008(日) ※ 玄米を抱えて雨の中を走り回る

◆午前5時起床.南からの微風,のち東寄りの風.曇って涼しい.朝晩がしのぎやすいのはうれしい.今日は巡業のあいまの日曜なので,天気も悪そうだし,ただ無為にすごすことにする.

◆新着本 —— Simon Ho『Confounding Factors in Phylogenetic Analysis: A Simulation Study』(2008年7月18日刊行,VDM Verlag Dr. Müller, Saarbrücken,iv+87 pp.,ISBN:978-3-639-04610-6 [pbk] → 目次版元ページ著者サイト).内容的には,系統推定の過誤の要因の影響をコンピューター・シミュレーションを用いて検討していて,とくに,塩基組成の不均一性(compositional heterogeneity)が系統関係や分岐年代の推定のパフォーマンスをどのように左右するかが後半の章で詳述されている.著者自身のサイトを見ると,本書は2003年にシドニー大学に提出された修士論文(!)を単行本として出版したものだという.この版元は,そういう性格の出版物を他にも多く手がけているらしい.100ページ足らずの(しかも視力検査のごとく細かい活字で組まれた)ペーパーバックに「Euro 53.90」という高値を付けるのもむべなるかな.1研究室に1冊あればいいかも.

◆昼前に小雨が降り出した.その後も降ったり止んだりしながら,しだいに雨足は強くなり,午後4時過ぎには,本降りに.気温も下がってきた.夜7時過ぎには稲光と雷鳴もあり.天気予報は当たった.

◆玄米抱えて東奔西走 —— 今年の新米を玄米でいただいたので,さっそく賞味したいと思い,いわゆる「コイン精米機」が近くにないかと探してみる.しかし,意外なことにつくばの中心部のどこにコイン精米機があるか,まったく情報がない.インターネットを検索してみてもほしい情報がぜんぜんない.「道路沿いに点在している」とか「近所にある」というつかみどころのない断片情報がヒットするだけで,つくば市のどこにそれがあるのか,という肝心の情報が得られない.

もちろん,近くではなく遠くならばないわけではない.以前,松代に住んでいた頃は松野木の道路沿いに精米スタンドがあって重宝していたが,その後なくなってしまった.榎戸の果樹試験場入り口にも同じようなスタンドがある.だから,地元の住民にとってはどこにあるかはきっと周知のことなのだろう.しかし,つくばセンターあたりのエリアに限定するかぎり,ぜーんぜんないようだ.花室交差点から入った付近にあるというウワサを頼りに,昼前に自転車で行ってみたのだが,どこにもない.そのうち雨がぱらぱらと降ってきたのですごすご退散する羽目になってしまった.どうも運がよくない.それではというので,榎戸まで足を伸ばそうと思ったら,後輪がパンクしてしまった.弱り目に祟り目だ.泣きっ面にハチだ.

—— このようにコトがすんなり進まない日はムリをしてはいけない.けっきょく夜まで精米はあきらめることにした.

◆来週も1日おきに出かけることになっている.農環研の席に実在している日は木曜だけだ.あちこち飛び回っているうちに,事務的トドどもがどんどん流れ作業のように仕留められていけば言うことはないのだが,現実にはひたすら堆積し続けるだけだ.当面は見てみないふりをするしかないか.ごめんなさい.>諸方面.

◆統計トド —— 多重比較と尤度/AICに関するスライドをつくらないといけないのだが,多重比較(on R)については,先日からちらちらと参考にしている:Julian James Faraway『Linear Models With R』(2004年刊行,Chapman and Hall / CRC[Texts in Statistical Science Series 63], ISBN:1-58488-425-8 → 目次著者サイト)に,うまくまとめられていることがわかった.とくに TukeyHSD 検定をめぐる信頼区間構築のRスクリプトなど.

◆明日は,久しぶりに東京農大(世田谷)に出向く.夏学期の生物統計学講義に関する「追試&説明日」というよくわからない仕事が待っているらしい(教室に行っていったい何をするのだろー?).学生は来るのかい? 「毎度ばかばかしいお笑いを一席〜」とか.

◆本日の総歩数=7209歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.3kg/+0.4%.


20 september 2008(土) ※ 巡業の前半戦は台風に吹かれる

◆昨夜は幼稚園児並みに早く寝てしまったものだから,午前2時半に活動開始.日録をものしてアップ.外はまだ風雨が続いている.台風13号がちょうどいま関東地方に最接近しているにちがいない.

◆風雨の未明にTeX呼び込み —— そういえば,いま持ち歩いている Win PC には pLaTeX が入っていないことにふと気づいた.丑三つ時で時間は十分にあることだし,幸いホテルの部屋には LAN もつながっていることだし,この機会にがーっとインストールしてしまおう.ということで,お手軽な〈TeXインストーラ 3〉でもって TeX 本体をインストールし,TeX エディターとしては〈WinShell 3〉を使わせてもらうことにした.ダウンロードと展開のための時間だけはちょいかかるけど,まったく手間いらずでらくらくインストール完了.テストもOKで,これで数式が編集できるようになった.

—— 今回のTeX環境構築に関しては,奥村晴彦さんの〈TeX Wiki〉,とくに「インストール(Windows)」と「WinShell」を参考にしました.

◆午前5時,夜明け前で空が白んできた.窓に叩きつけていた雨は小降りになり,風も丑三つ時よりはだいぶ弱くなっている.TVニュースによると台風13号はすでに関東の南海上を東進し離れつつあるようだ.この分だと,南大沢に出かける時間帯には天気は早々と回復しているかもしれない.台風一過の今日ははきっと蒸し暑いにちがいないが,濡れ濡れになるよりははるかにマシだ.あ,台風の雨雲も徐々に消えつつあるようで,雲間から空が見えてきた.これはラッキー.

◆南大沢に着いたのは午前9時半.真っ青な青空が広がり,陽光が降り注いで,未明に吹き荒れた風雨の痕跡はどこにもない.

◆集中講義(前半戦二日目) —— 午前10時半から,正規分布帝国の“帝王”がもつ“帝王性”について話をする.正規性の保存とか姉妹分布の導出はRを使えば視覚的に説明できる.その後,分散概念の導出とか,実験計画法の理念とか.あっという間に昼休みだ.晴れたり曇ったりしている.気温は高め,というか蒸し暑い.

◆午後1時半から講義再開 —— 実験計画と分散分析に関する解説とR演習.できるだけ線形モデルを前面に立てて話をする.完全無作為化法と乱塊法について説明したところでタイムアップ.あとは来週の後半戦まわしだ.みなさんお疲れさまでした.

◆午後4時過ぎに南大沢から乗って,東京駅に着いたのは午後6時前だった.駅ナカで買い物をしてから秋葉原に向かう.つくばに着いたのは午後6時半だった,北東風が涼しいです.でも,街路樹のアオマツムシがうるさい.

◆本日の総歩数=10077歩[うち「しっかり歩数」=2796歩/27分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=未計測/未計測.


19 september 2008(金) ※ 台風来襲前の南大沢で出張高座

◆午前3時半に目が覚めたが,けっきょく5時半までうつらうつらと.夜明け前の暗闇の中でエンマコオロギの合唱.南からの微風.涼しいような湿ったような.台風13号はそろそろ関東にも影響を及ぼしつつある.曇りだがときどき日が射したり小雨がぱらついたりと,落ち着きのない空模様が続く.

◆八王子への長距離移動 —— 今日と明日は南大沢の首都大学東京にて生物統計学の集中講義(前半戦)がある.つくばからだとたっぷり2時間はかかるので,午前7時26分のTX快速に乗り込む.晴れ間がのぞき蒸し暑い.出勤ラッシュの人波に押されるように,秋葉原から岩本町へ徒歩移動.都営新宿線=京王線にて笹塚まで,乗換えて京王多摩センター,さらに乗換えて南大沢に降り立ったのは9時20分のことだった.やっぱり2時間かかってしまったか.路面は濡れているが,いまは薄日が射している.むしむしする.

◆車中読書 —— Julian James Faraway『Linear Models With R』(2004年刊行,Chapman and Hall / CRC[Texts in Statistical Science Series 63], ISBN:1-58488-425-8 → 目次著者サイト).線形モデルの「診断(diagnostics)」に関する解説を読み直す.Rコマンダーを用いた線形モデルの講義の際に使おうと思う.意外にたくさんの診断項目があって,ひとつひとつ取り上げていたら時間を取られるかもしれない.数値診断はさておき,グラフ診断を優先しよう.

◆駅前のスタバにてちょい休憩.その後,理学部に向かう.可知さんにあいさつしてから,講義室へ.昨年は廃棄生ゴミから大量のショウジョウバエが発生していた生物実験室が今年も教室になっている.幸い,ケムリのようにたなびくハエの群れは見えなかった.しかし,天上から吊るされて「ハエ取り紙」(いまどきこんなもんが現役なのか)にはそれらしい虫体が見える.

◆集中講義(初日) —— 午前中は統計学概論.昼前にRとRコマンダーそしてパッケージのインストールについてのガイダンス.大半は Windows XP 機だが,数名は Mac 派,そしてVista な方々もちらほらと.Mac の場合,「X11」をあらかじめインストールしておかないと,Rコマンダーが起動できない(「tcltk」がインストールできないのなんのと文句を言う).Mac OS の新しいバージョンだとデフォルトで「X11」が入っていると聞いたのだが,けっしてそうではなく,インストールディスクからいちいちもってこないといけない.

Vista……とっても邪悪です.ことあるごとに「管理者権限」がどーのこーのとケチをつけてきて先に進めない.ワタシは Vista ユーザーではないので,これほどまで非能率力なOSだとは知らなかった.とにかく,“右クリックオープン”で“神さま”になって,絶大な権限をもつことが先決のようだ.また,Rコマンダーでエクセルのシートを読みこむ場合,元ファイルは「日本語フォルダー名」を含まないパスの上に置かないと読みこみエラーが起こる.しかし,Vistaの場合,「日本語フォルダー名」を含まないパスがどこにもないので(ルートの「c:\」は別として),USBメモリーのような「外」から読みこむのが手っ取り早いのかも.

—— 要するに,“邪悪”の根源はすべてマイクロソフトにあり.Rとはまったく関係のないOSがらみのトラブルで時間が盗られるというのはアホの極みだ.

◆長い昼休み —— 正午から午後1時半まで.講義室にこもって午後の準備,そしてメールチェックと日録書き.外はぽつぽつと雨が降り始めているが,まだ小降りだ.蒸し暑い.

◆午後の講義 —— RとRコマンダーの動作確認.“邪悪”な敵をものともせず?なんとか先に進めそう.テストデータを用いてグラフの描画など.パラメトリック統計学についての解説.その後,確率分布とくに正規分布についての講義とRグラフィクス.あっという間に午後4時過ぎになって本日の講義は終了.

◆ぽつりぽつりと雨が降る中を南大沢から京王多摩センターへ向かう.京王プラザホテル多摩にチェックインしてから,いつもの〈山志菜〉にて野菜の天ぷらとせいろ蕎麦を.台風はじりじりと関東に接近しているとのニュース.うまくいけば夜半に風雨の“絶好調”が通り過ぎ,夜明けには台風一過となっているだろう.しかし,運が悪いと,ちょうど南大沢に向かう時間帯に濡れネズミになるかもしれない.機材の防水対策が必要かも.

◆あれこれ考えていたら睡魔が降臨してきた.風雨がしだいに強まって,ホテルの窓ガラスを雨滴が叩き始めた.夜9時に早々に睡眠体勢に入る.これじゃあ小学生並みだ.

◆本日の総歩数=11841歩[うち「しっかり歩数」=1408歩/13分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=−0.1kg/−0.2%.


18 september 2008(木) ※ いきなり“南米”関連あたふた

◆午前4時半起床.北東風.小雨.気温21.7度.涼しいようだが湿度は高い.その後も小雨が降っては止む.はるか遠くの台風13号の影響かも.

◆朝から南米がらみで —— 〈Hennig XXVII〉実行委員会が“挑戦的”なことを言ってきやがったので,さっそく対応するしかない.大会の lodging 対応窓口に「トゥクマンに泊めてね」メールを出して,まずは宿泊先の確保に乗り出す.大会会場である〈Hotel Sol San Javier〉は,市街地である San Miguel de Tucumán の郊外の丘の上にあるようだが(大会サイトには Google Earth の kmzファイルが付けられている),スペイン語の予約窓口しかない.だもんで,「Nombre y apellido」での「Fecha Llegad」だの「Cantidad de Noches」だの「Tipo de Habitacion」だのの宿泊情報は,安全のためその窓口経由で伝えることにした.折り返し返事があり,「OK」とのこと(こちらは親切そのもの).

次はフライトだ.成田からブエノスアイレスまでは合衆国乗継ぎで一日旅.ところがやっかいなのが,ブエノスアイレスでの国内線への乗継ぎだ.大会委員会は国内線は別の空港でタクシーに乗って「1時間」だという.成田空港から羽田空港くらいあるのか.しかも「クラディストは白タクに注意せよ」と警告してある.ううむ.どことも同じことなのか.で,問題は国内線で Tucumán に向かうフライトだが,そういう情報が日本ではぜんぜん得られない.大会委員会では「アンデス航空がいいぞ」と勧めてくれるのだが,その会社,だいじょーぶですかっ?(イノチかかってます) しかも,フライトが朝と夜の2便しかないという.この分だと,大会会期と同じくらいもしくはそれ以上の日数が往復のフライトに必要になるやもしれない…….

◆午前は雨がしとしと降り,意外に蒸し暑い.所内は冷房が入っている.

◆午後も南米まわりで —— 次は,所内の海外出張手続きだ.「海外出張三点セット」を出す必要があるのだが(出張伺+旅程表+理由書),そのフォーマットを見つけるのに所内ガルーンを右往左往する.ごりごりと手書きして,大会サーキュラーのコピーとともに提出したのが午後4時だった.往復の旅程が複雑怪奇なので,早めに出張伺を出しておかないと,旅行会社との調整が間に合わないかもしれない.離日50日も前にこういう事務書類を出したのは久しぶりのことだ.

◆その他のこまごま —— 交流センター分子系統学ワークショップの受講生が確定したことを講師陣に連絡した.よろしくお願いいたします.

◆午後5時前に撤収.明日からは八王子での統計高座があるので,その機材や資料を片手に,傘をさして帰路に着く.夕食は,竹園に新しくできたカレー屋〈モバラク〉でテイクアウト.とんがってなくて割に美味いのではないでしょうか.ただし,最高度に辛い「レベル6」を注文すると,生の巨大グリーンペッパーをざく切りにしてソースに混ぜこまれるので要注意.インド人の主人が「このカラシは辛くて美味いぞ」と言うなりにしていたら,ざくざくとトウガラシだらけになった(ひー).

◆夜のしたく —— 明日からの首都大学東京での統計集中講義の時間割をつくった.先日の横浜国大での集中講義のタイムテーブルを参考にして,実現可能な時間割にした.

◆夜,はっきりしない空模様.台風13号が来るぞ来るぞ来るぞ.

◆本日の総歩数=9180歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.1kg/+0.6%.


17 september 2008(水) ※ 根津の大祭に鯛焼きも踊ります

◆午前5時過ぎに起床.一晩中,東寄りの涼しい風が吹き抜けて,いちだんと秋色が深まってきた.蟲すだく夜明け前.その後,晴れて日射しが強くなってきた.今日は東京へ.

◆なんだ“御臨終”でしたか…… —— 先日,Win XP の SP3 をインストールできなかった自宅のPCはよくよくチェックしてみたら,「Memory Parity Error」が頻発するようになった.よーするにハードの故障なんですね.一安心.

◆東京プチ出張 —— 11:11発の TX 快速で東京へ.ちょうど昼頃に千駄木に着いた.晴れて暑いが湿度も高め.今週末は根津神社の大祭なので不忍通りには祭りの前哨戦の雰囲気が漂う.往来堂書店に立ち寄る.来月10月12日(日)の11:00〜17:00は〈一箱古本市2008〉がこのエリアで開催されるそうだ.その後,〈根津のたいやき〉へ.いつもなら長蛇の行列ができているのだが,たまたま列が短くてハッピー,と思ったのが運の尽き.前の客が何10個もの鯛焼きを箱詰めしてもらっていたので時間を喰われた…….店先と奥でダブルで焼いているにもかかわらず,客足が途切れないのでいつもいつも鯛たちが舞う.

◆その後,S坂から地震研経由で東大農学部へ.夏休みの間に大量に堆積していた郵便物を引取り,隠れ部屋にて分別作業.大半はそのまま捨てて,必要なものだけゲットする.

◆午後1時から専攻教員会議.とてもたくさんの連絡事項あり.しかし,直接関係するのは,大学院入試方式とオンライン成績システム,そしてエコロジカルセイフティ学特論の日程調整だ.午後3時半に終了.来週9月24日(水)の修論中間発表会のあとは,例によって「専攻交流会」という名の飲み会がアナウンスされた.また体力(肝臓)勝負か.

—— 会議後は寄り道せず千駄木駅まで歩き,そのままつくばへ直帰.午後5時半.秋空が広がり,涼風が吹きぬける.

◆往来堂書店でゲットした本 —— 『谷中・根津・千駄木(第90号)』(2008年7月10日発行, 谷根千工房 → 谷根千ネット).もうすぐ終刊だなあ.今号の特集は:森まゆみ〈聞き書きという幸せな作業〉など.出てから時間が経っているが,夏休みをはさんで,買うのが遅くなってしまった.

柴田宵曲(編)『奇談異聞辞典』(2008年9月10日刊行, 筑摩書房[ちくま学芸文庫],734 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-480-09162-8).江戸時代の怪談奇談集.『耳袋』など当時の有名どころの出典を,辞書形式で整理している.1961年刊行の初版の文庫化.ところどころ挿し絵もあり.

◆車中読書(2冊読了) —— 斎藤潤『トカラ列島:絶海の島々の豊かな暮らし』(2008年8月15日刊行,光文社[光文社新書365],カラー口絵8pp.+ 270 pp.,本体価格860円,ISBN:978-4-334-03468-9 → 目次版元ページ).やっぱり無人島と野湯に惹かれてしまう./安田敏朗『金田一京助と日本語の近代』(2008年8月12日刊行,平凡社[平凡社新書432],284 pp.,ISBN:978-4-582-85432-9 → 目次版元ページ).これまた読了.現代かなづかいをめぐる金田一京助 vs 福田恒存の“泥仕合”が何ともいい感じで……(けっしてほめられたものではないが).

◆トゥクマンを訪ねて三千里 —— 〈Hennig XXVII〉の大会事務局からメールあり.ブエノスアイレスからトゥクマンまでの空路についての最新情報.多くの参加予定者からすでに問合せが来ているそうだ.ワタクシもいったいどーすればいいのか途方に暮れている.にもかかわらず,コレ↓だもんね ——

Some people asked about flights to Tucumán… and yes, it is a pain in the neck, as we the locals verify every time we have to attend a meeting anywhere else. This time it's your turn!

おいっ,「It's your turn」って……(汗).来れるもんなら来てみやがれってか?(道はまだ遠いな)

◆本日の総歩数=8917歩[うち「しっかり歩数」=3371歩/32分].全コース×.朝○|昼○|夜○.前回比=−0.2kg/−0.1%.


16 september 2008(火) ※ 稲刈り,ぎんなん,栗のフラン

◆午前4時40分起床.ここのところ“非日常”が続いていたせいもあって,生活リズムを立て直すのがたいへん.めずらしく雨.気温21.7度.その後,小降りになって,朝のうちに青空が広がってきた.

◆午前のこまごま —— 市役所にてパスポート申請.写真を撮ったり,戸籍謄本をもらったり,申請書を書いたり,と小一時間.10年パスポートを申請したので,今度つくりかえるときはもう“リタイア”か……(げっ).9月26日にはできあがるとのこと.農環研にも海外出張届を出さないと.だいいち,アルヘンティーナでの投宿先を早く決めないと.旅するとなると国内・国外の別なくそわそわしてしまう./午前11時過ぎにイランの Olia さんがトツジョとして研究室にやってきた.昨日日本に降り立ったのだという.明日からエポカルで開催される日本線虫学会大会で発表するために(ぼくも共同発表者のひとりだが)日本に来たという.来月共著で出る Nematology 誌の copyright 移転の書類にサインして手渡す.ほぼ同時に日本線虫学会誌にも共著で論文が出るとのこと.さらに第3の共著論文についての打合せをした.エポカルでの口頭発表は金曜(19日)午前10時からだと言うが,この日は首都大学東京の初日なので行くのはムリそう.

◆分子系統学ハンドブック —— 出たことは去年の時点で知ってはいたのだが,現物をようやく手にした:Volker Knoop and Kai Müller『Gene und Stammbäume : Ein Handbuch zur molekularen Phylogenetik』(2006年5月刊行,Spektrum Akademischer Verlag,ISBN:3-8274-1642-6|ISBN:978-3-8274-1642-1→目次版元ページ).Elsevier系列の出版社らしい.タイトルからは連想しにくいが,系統樹ソフトウェアの解説書だ.ドイツ語版の『Phylogenetic Trees Made Easy』とみなすのがもっとも適当だろう.系統学の基本をざっと解説した上で,アラインメントから系統樹の推定方法(距離法・最節約法・最尤法・ベイズ法)をソフトウェアを取り上げながら説明している.ざっと見た感じでは,PAUP*とMEGAそしてMrBayesが記述の中心に置かれているようだ.特徴的なのは,あまたの系統推定ソフトウェアの“相互比較”をしている点にあり,ツールボックスの中で迷子になっている系統樹ユーザーにとってはきっと役に立つだろう.

◆午前11時.晴れ,気温22.1度.少し暑くなってきた.つくばあたりではそろそろ稲刈りの季節だ.街路のイチョウの木からは銀杏が落ち始め,農林団地の桜並木も紅葉し始めた.朝夕の気温の下がり方,蟲たちの鳴き声はもう秋本番を感じさせる.

◆〈davidpain〉秋の収穫 —— 最近では,昼前にはほとんどのパンが売り切れてしまうようになった〈davidpain〉だが,メインのパンの棚はほぼ空っぽだったが,スウィーツ系はいくつか残っていた.

フランはたいていすぐになくなってしまうのだが,たまたま今の季節だけしかない「栗のフラン」があったので,もちろん迷わずゲットした.さくっと切り分けると,栗のペーストとともにカタマリもごろごろ入っている.これまた収穫の秋の恵みだろう.ダヴィッドさんの話では,「カボチャのフラン」も同じくらいお薦めだが,すぐに売り切れてしまうらしい.次回はその運がめぐってくることを期待しよう.

◆昼過ぎにはいかにも秋らしいすじ雲が上空に広がってきた.午後2時半の気温は24.7度.運動会などには最適な空模様だ.北東寄りの乾いた風が吹いてきて,体感的にも爽快.早朝とは打って変わって,いい日和になった.

◆午後のこまごま —— アメリカに長期留学する同じ領域の研究員の壮行会は10月10日(金)の夕方.場所は未定./10月5日(日)午後1時から,カピオにて,科博・筑波実験植物園の開園25周年記念シンポジウムがある./交流センター分子系統学ワークショップの受講者人選リスとの最終確認をする.

◆われら絞り込む人びと —— 午後3時から筑波事務所の研究交流監理官室にて,分子系統学ワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の打合せ.事前に受講予定者リストを事務局に送っておいたが,基本的にそのまま確定することになった.今回の応募者総数「121名」は,担当者が「記憶にない」ほどの超人気だそうだ(たいていは定員の2倍程度だという).教室の物理的キャパシティを考えたうえで,受講者を「40名超」にまでやや増やして,できるだけ受講希望に応えられるようにした.最初の定員のままだと競争率は4倍を越えるが,定員枠を増やしたおかげで「2.52倍」まで緩めることができた.

—— というわけで,受講された方々には事務局から個別に採択結果が通知されます.今回は初めての試みとして,つくばで分子系統学の講座を開いたわけですが,この人気ぶりから考えて来年以降も継続開催する可能性があります.

◆筑波事務所での打合せは半時間ほどであっさり終わった.ワークショップ初日の10月6日(月)夕方には懇親会が事務所食堂で予定されています.受講生のみなさんはぜひご参加ください.

◆本日の総歩数=11225歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝△|昼○|夜△.前回比=+0.7kg/+0.3%.


15 september 2008(月) ※ 三連休最終日は湘南から中華街へ

◆寝たり起きたりとだらだらして午前8時まで惰眠を貪る.遅い朝食と日録書き.チェックアウトしたのはもう午前10時をまわっていた.

◆藤沢からヨコハマへ.休日で賑わう中華街に立ち寄って,開店前の〈清風楼〉にてシウマイ(←池波正太郎ちっくに)の25個入り箱詰めを買って,〈江戸清〉の豚まんを歩き食べてから,ヨコハマにトンボ返り.また東海道線に乗って東京へ.晴れたり曇ったりの蒸し暑い天気が続く.TXでつくばに帰り着いたのは午後1時過ぎだった.お疲れさん>ぼく.

◆車中読書 —— 買ったままずっと放置していた:斎藤潤『トカラ列島:絶海の島々の豊かな暮らし』(2008年8月15日刊行,光文社[光文社新書365],カラー口絵8pp.+ 270 pp.,本体価格860円,ISBN:978-4-334-03468-9 → 目次版元ページ)をば.まだ最初の口之島の2章を読んだだけだが,とてもおもしろい.野生[化]牛がこの島には住んでいるそうな.野湯みたいな温泉も湧き出しているという.

◆悩ましい絞り込み —— TXの中では,来月のワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の応募書類(121名分)に目を通した.定員30名で募集した今回の企画にはその定員の4倍もの応募者が集まったわけだが,講義室のキャパシティを考えれば,どう頑張っても1/3の40名程度にまで絞りこむしかない.明日の午後には筑波事務所でそのための打合せがある.全国からこれだけ多くの応募者が集まった企画はこれまでほとんどなかったようで,担当者もどうしたものかと思案しているようだ.どーしましょ?

◆曇ってきた午後は,日録の続きを書き上げてアップしたり,明日のトド撃ちリストをメモしたり,メールチェックしたりと.夕方,ワークショップ応募書類をチェックした上で,受講者の人選をほぼ完了した.明日の打合せで最終決定したのち,ひとりひとりに可否の連絡をすることになる.

◆次なる巡業の予鈴 —— 今週と来週の週末は2週続きで南大沢での出前高座がある.首都大学東京から生物統計学集中講義の履修者リストが届いていた.今年の場合,講義準備はすでに十分にできているも同然だ.いくつかスライドのつくり直しは必要だが.

◆今夜はもちろんシウマイをいただきました.たった8分蒸し器で蒸すだけで,気分はもうチャイナタウン.〈清風楼〉のシウマイは中身がぎゅっと詰まっているので,たくさん食べると満腹してしまう.店では一皿たった4個しか乗っていなくて,最初運ばれてきたときは「これだけ?」といぶかしく思ったが,他の料理との兼ね合いも考えれば四つで十分なのかもしれない.家だとそういう歯止めがないので,ついついたくさん蒸してしまった.ついでに,〈加賀鳶〉の「ひやおろし」もちょっと味見したりして(“ちょっと味見”で二合も呑むんかいっ).

◆明日はほぼ1週間ぶりに平常勤務だ.これだけご無沙汰してしまうと,どこが本務地か忘れてしまいそう…….

◆本日の総歩数=5334歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=未計測/未計測.


14 september 2008(日) ※ 連休中日に藤沢で【種】の御祓

◆午前5時半起床.空気がしっとりと湿り,遠景にもやがかかる.曇りときどき小雨.気温21.2度.久しぶりに研究所に休日早朝潜入したら,いろいろと書類(いくつかはトドだった)が積み上がっていた.見ないふりしてすべてスルーする.今日は午後からまた巡業に出かけなければならないので,それに必要なプリントアウトとをと思ったら,ついに「廃トナーボックス交換」とのエラーメッセージが出てしまった.プリンターをだましまくって何とか出力する.常盤台での高座の荷物を片づけ,代わりに藤沢行きの支度をする.

◆今日も朝から蒸し暑くなってきた.11:41発の TX 快速に乗る.東海道線で藤沢に着いたのは午後1時半だった.曇ってとても蒸し暑い.時間があったので,先に本日の宿泊先である駅近くの〈ザ・ホテル・オブ・ラファエロ湘南〉のチェックインをすませてから,会場に向かう.藤沢に降り立ったのはひょっとしたら四半世紀ぶりのことかもしれない.その昔,藤沢市民オーケストラ&合唱団でビゼーの歌劇〈カルメン〉を上演したとき,オケの一員として藤沢市民会館のピットに入ったことがある.この駅前に降り立ったのは,それ以来のことだ.

◆午後2時過ぎに,藤沢から小田急の相模大野行き各停に乗る.昨日から開催されている植物病理学会関東部会の会場は,日本大学生物資源学部で,藤沢から10分ほど乗って「六会日大前」という各停しかとまらない駅で下車する.駅に接してキャンパスが広がっている.会場に当てられている大講堂のある1号館は,とりわけゴージャスな建物で,つい何枚も写真を撮ってしまった.4階の大講堂入り口で受け付けをし,今日のトークのプレゼン用pdfファイルを手渡す.関東部会は午後3時でお開きになり,それに引き続く「若手の会」でぼくの高座がある.訊けば,関東部会はだいたい100名〜150名の参加者があるらしい.もともと巨大な学会だか,地区ごとのこういう年会の方が,人の顔がちゃんと見える適正サイズの集まりなのかもしれない.

◆多くの学会では,明文化されない「暗黙のドレスコード」が文化的規範としてあることは,学会大会に参加すればすぐに実感できる.ぼくがいつも参加している進化学会とか生態学会(あるいは動物行動学会)では,「ネクタイを締めてはいけない」という規範?がある(ホンマかっ).これに対し,たとえば医薬学系の学会とか,応用科学系学会(植物病理学会とか応動昆)では“ネクタイ率”が顕著に高い.応動昆と昆虫学会が合同大会を開催していた頃は,両学会のドレスコードの差は誰の目にも“有意”だったと思われる.

—— で,今回ワタクシは藍染めのアロハシャツを着ていったのだが,もちろん確信犯的ドレスコード違反をしたことになる.

◆午後3時から〈第6回若手の会〉のシンポジウムが始まった.全3題の最後がぼくの発表だ(トリですね):三中信宏「生物分類学の終わりの始まり:【種】の憑依と除霊について」.トークの持ち時間は40分なので,110枚近くあるスライドを流すのは通常のスタイルのプレゼンではリスキーだが(時間オーバーの危険あり),そこはそれ“十八番”のネタなので,噺主導でスライドを字幕のように流すことにした.実際に高座が始まってみると,割にスムーズに進んだのだが,会場のパソコンを使ったせいか,一部のスライドの図が表示されなかった.pdfでは初めての経験だったが,こういう【種】の祟りもときにはあるということでごめんなさい.

今回,初めての試みとして「ポインター両刀づかい」のワザを披露した.棒マイクを左手にもち,右手に「緑」と「赤」の2本のレーザーポインターを握って,同時に2色使うというテクニックだ.いちおう事前に練習はしてきたのだが,ポインターのグリップは“Stevens grip”でいいとして(各ポインターの動きの独立性を確保するため),ポインター軸の角度設定とそれを押さえる指の位置調整がまだ練習不足だった.

—— 幸い時間内にトークを終えることができ,質疑の時間もとれたのはよかった.質問にも出たのだが,植物病理の世界では【種】に関する深刻なバトルを見聞したことのある人は意外に少ないそうだ.駅に向かう途中でも参加者からいろいろ話を聞いたが,【種】に関する“やっかい事”とはできれば距離を置いていたいという姿勢もうかがえる.でも,【種】の話題はキライではないようだ.

◆とりわけ【種タクソン】をめぐる[感情的な]論争が勃発した場合,当事者である分類学者たちが鬼籍に入るまで論争は絶対に終わらないという経験則がある.彼らは自分の目が黒いうちは自説をけっして曲げないということだ.遠巻きから見れば,確かに「やってらんないよな」という諦観が漂うが,月日が流れて,分類学者の世代が変われば,けっきょくは自分の世界がやってくるにちがいないというかすかな楽観論もそこには流れているのだろう.たとえば,フザリウム菌をめぐる世界大戦的分類論争を植物病理業界は過去に経験している.そんなことを考えると,【種】をめぐる論議は,いわゆる“電柱の影”からコッソリ遠目にじっと観戦していたいという心情なのかもしれない(←このスタンスは少数派ではけっしてない).

◆懇親会の夜は更けて —— 午後6時過ぎに藤沢駅南口に結集するアヤシイ軍団は,嬌声の巷へと融け込んでいく.とあるビルの地下にある旬菜酒房〈とびっきり〉藤沢店が懇親会(一次会)の会場だ.2時間のアルコール濃密な時間が流れる.その後,足元がややおぼつかなくなった一行は,懲りずに新たなニッチを目指す.二次会は近くのビルの階上にある彩菜炉房〈がぜん〉だ.うう,呑み過ぎだ.巡業に出るたんびにこんなことをしていては天罰があたるにちがいない.

—— 午後10時過ぎに解散.多くの参加者は今日のうちに帰宅するが,ワタクシはホテルに直帰した.

◆ごく短いサイクルで旅先巡業と平常勤務が繰り返される.このような生活が師走のはじめまで続くことになる.

◆本日の総歩数=14772歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=0.0kg/−0.8%.


13 september 2008(土) ※ 巡業のすき間にほどける土曜日

◆ゆるりゆるりと午前6時半起床.遠方がかすむ薄曇り.東寄りの微風が涼しい.のちに晴れてくる.

◆朝のこまごま —— ヨコハマ道場の修正点を処理.線形モデルの一般化の説明スライドを加筆修正する./来月から始まる駒場での日程表が届いたのでチェック.

◆残暑のぶり返しで,しだいに暑くなってきた.窓際のカーテンにふと目をやれば珍しい虫くんが:


手元のデジカメでめいっぱい拡大撮影してみた.いかにも“ハエ”みたいなのですが,いったい何という「種」なんでしょ?(ナイーヴな疑問心の前には“禁句”も解禁)

◆午後も日射しが強かったが,夕方近くになってやっと空気が入れ替わったように涼しくなってきた.しかし湿気はまだ残っている.

◆夜は,ドイツのスパークリングワイン〈Carstens SC〉のオーガニックな「Jahrgangs Sekt」をいただきつつ,とてもいい発泡のぐあいで,さらにゆるゆると.

◆明日は再び巡業の旅へ.藤沢にて高座があります:三中信宏「生物分類学の終わりの始まり:【種】の憑依と除霊について」(植物病理学会関東部会・第6回若手の会での講演,日大湘南キャンパス,15:00〜17:40).

◆本日の総歩数=4471歩[うち「しっかり歩数」=1104歩/11分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=+0.4kg/+0.1%.


12 september 2008(金) ※ 真っ白な灰になる集中講義楽日

◆前夜は午後10時には寝てしまったので,午前3時に起床.日録を書き,その後,講義最終日のしたくをする.今日は盛り沢山なメニューなので,段取りをしっかり確認しておく必要がある.集中講義は,毎週の定時講義とはちがってヘマをしても「次回に訂正」という便利なワザが使えない.すべて時間内にケリをつける体勢が必要になる.

◆午前7時にホテルをチェックアウト.ほぼ素泊まりのような泊まり方だったが,ふつうのビジネス・ホテルに比べればはるかに快適な生活を送ることができた.横浜に平日に来る用事があるときは,これからも迷わずここを常宿にしよう(週末・休日はサイフの負担が大き過ぎるけど).今日はよく晴れているが,朝から気温と湿度が高めで,やや蒸し暑い.横浜駅でコインロッカーにスーツケースを放り込み,8:30発のバスで大学に向かう.

◆集中講義最終日 —— 午前9時半に講義開始.まず,モデル選択論のイントロとAICに基づくモデル選択基準についてスライドで解説し,その後,昨日までのトラッドな線形統計モデルから一般化線形モデルへの拡張について話をした.その後,多変量確率分布についてスライドで説明し,その後Rを使って二次元正規分布の2D/3D描画を実習してもらった.ぼくの講義の原則は,数式で記述されている概念はすべて「視覚化」してみることにある.どんなに小難しい数式でも,いったんグラフに描いてみれば“染み込んでくる”ものは少なくないはずだ.ここで昼休みになった.

◆外は久しぶりの蒸し暑さで残暑がまだ生き残っていることを実感した.蕎麦屋に連れられていったが,なーんだか大量に摂取したみたいで…….

◆午後1時半に講義の再開 —— まずはじめに,多変量解析についてのスライド講義をして,Rコマンダーを用いての主成分分析とクラスター分析の実習を少しばかり.休憩後に,計算統計学に入り,ブーツストラップとジャックナイフを例にとってリサンプリング統計手法の解説をした.ついでに,パラメトリック・ブーツストラップについても言及し,Rを用いてこれらのリサンプリング手法がいかに簡単に実行できるかを示した.

たとえば,標準正規分布 N(0, 1) からサンプリングした1000個の正規乱数:

> data <- rnorm(1000, mean=0, sd=1)

からのリサンプリングを考える.標本平均に関する誤差評価をする目的で,通常の[ノンパラメトリックな]ブーツストラップを実行するスクリプトは:

> nonparaboot <- numeric(1000) #ループ計算結果を格納するオブジェクトの定義
> for (i in 1 : 1000) nonparaboot[i] <- mean(sample(data, 1000, replace=T))
   #ブーツストラップのループ計算1000回
> var(nonparaboot) #標本平均の不偏分散推定値

というたった3行ですんでしまう.同様に,ジャックナイフの実行スクリプトも:

> jack <- numeric(1000) #ループ計算結果を格納するオブジェクトの定義
> for (i in 1 : 1000) jack[i] <- mean(sample(data, 999, replace=F))
   #「Delete-one jackknife」のループ計算1000回
> var(jack) #標本平均の不偏分散推定値

でおしまいだ.ただし,ただひとつだけをランダム削除する「delete-one」ではあまりバラツキが出ないので,ランダムにごっそり半数削除する「delete-half」の方がプレゼンには向いているかもしれない.

正規分布をモデルとしたときのパラメトリック・ブーツストラップにいたっては,さらに簡単に:

> var(rnorm(1000, mean=mean(data), sd=sd(data)/sqrt(1000)))
   #dataから推定されたパラメーター値をもつ正規分布から1000回サンプリング

というたった1行のスクリプトで実行できてしまう.これはもう使わない手はないでしょう.

講義はさらに続く.計算統計学のもうひとつのテーマは「ベイズ法」.まずはじめに,ベイズの定理から出発する「事後確率∝尤度×事前確率」という枠組みの中で,事前確率がデータのもつ情報によってどのように事後確率と関わるかを,Beta-prior をもつ二項分布という解析的に扱えるケースについてスライドで説明した.その後,Bayesian MCMC の解説をざっとした上で,Paul O. Lewis のベイズ洗脳ツール〈MC Robot〉を使って,ベイズのマルコフ連鎖がどのように事後確率分布の“山容”を描き出していくかを受講生に体験してもらった.

午後5時の定時が近づき,ここでほぼ時間が尽きてしまった.最初の予定では〈WinBUGS〉を用いた Bayesian MCMCの演習とか,Rの〈shapes〉パッケージを用いた形態測定学にも言及する予定だったが,そういうてんこ盛りはムリでした.

—— そんなこんなでみなさまどうもお疲れさま.

◆今回の講義で気づいた点の備忘メモ:1) Rコマンダー経由で〈RODBC〉パッケージを起動し,Excelの「xls」ファイルからデータを取り込む場合,そのファイルが置かれているフォルダー名が「2バイト文字名」だとエラーが生じる.だから,「マイドキュメント」などというフォルダーに読み込むファイルを置いてはいけない.Rの作業ディレクトリとして指定する分には計算上何も問題はないので,〈RODBC〉パッケージの仕様なのかもしれない;2) 多重比較と一般化線形モデルのスライドはつくり直した方がよさそう —— こういう要アップデート箇所は,来週末の首都大学東京での集中講義までには対処しておこう.

◆午後5時半の横浜駅西口行きのバスに乗る.横浜からは,午後6時前の東海道線にちょうど乗れた.つくばに帰り着いたのは午後7時半.夜の闇に蒸し暑さがまだ漂っていた.

◆真っ白く「灰」と化す.にもかかわらず,崎陽軒の[真空パックではない方の]シュウマイを食べてしまったり.明日はめずらしく何も用事がないブランクな土曜日だ.

◆本日の総歩数=9076歩[うち「しっかり歩数」=2014歩/21分].全コース×.朝○|昼△|夜△.前回比=未計測/未計測.


11 september 2008(木) ※ 講義二日目は晴れたり降ったり

◆午前2時頃からごそごそしていたが,完全に起床したのは午後5時過ぎ.うう.外は快晴.海風が強め.潮の香り.

◆昨日と同じく午前7時半にホテルを出て,横浜駅へ.午前8時半のバスで横浜国大へ.早々と講義室に入り,パソコンのセットアップをする.

◆本日の講義 —— 午前9時半から,データのバラツキの定量化について説明する.偏差・平方和・自由度・分散など,あとでつかう重要概念がここで登場する.引き続き,実験計画法の講義へなだれ込む.ここでは,完全無作為化法での線形統計モデルの基本から始まり,データの全偏差の分割に伴う平方和と自由度の分割,正規性を仮定したときの平均平方(分散)とそのF比のパラメトリック分布など,いくつかの方向への話の端緒としてうまく使えるテーマで,毎回の集中講義ではこの部分の説明に2時間はかけている.午前のこれでおしまい.

◆昼休みはまた学生さんたちと別の食堂へ.よく晴れている.

◆午後1時半から講義再開 —— 午前中の実験計画と分散分析のR実習.まずはグラフを描いて,データの散布のようすをざっと見ることから始める(箱ひげ図ね).計算そのものはRコマンダーを使えばすべてすませられるのでラクだ.講義用のツールとしてのRコマンダーの利用価値はとても高いと思う.Rの地べたでコマンド入力するというのは受講生側の注意力が途切れることがあるが,マウス操作だとその問題が回避できるからだと感じる.

さらに,1要因乱塊法の説明をしてR実習,さらに2要因乱塊法の説明とR操作というように,講義とRをサンドイッチにしていった.その後,多重比較の問題をどのように解決するかに話を移し,ボンフェローニ補正とかホルム補正,そしてテューキーHSD法をRで実際に計算してもらって,信頼区間を描画するという作業.さらに今回は「multcompView」パッケージを使って,箱ひげ図と多重比較を組合せた図も描画してもらった.

—— 午後3時くらいから外はスコールがざあざあと降っていたようだったが,午後5時の講義終了のときにはもうあがっていた.

◆横浜国大発午後5時半のバスで横浜駅へ.そのままホテルに帰還し,夕食は中華街へ.関帝廟通りにある〈愛群〉にて牛バラ肉の煮込みをば.甘めで八角の香りが漂ってとても美味.港の方から汽笛が響いてきた.午前7時半にはもうホテルに戻り,あとは引きこもってあれこれと.

◆メールチェックをしてみたらトドが増えていた…….東大の紫工会原稿のゲラをチェックしないとね./東大理学部の冬学期「生物統計学」講義の事務連絡.駒場の非常勤講師室が移転したそうな./農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の応募者は予想を大きく上まわり,明日の〆切を前にしてすでに「112名!」もの応募が届いているという連絡が入った.※定員は「30名」なんですけど…….来週連休明けに受講者の絞り込みをしないといけないのだが,どう選抜したものか.

◆明日は集中講義の最終日で,GLMやらBayesainやらMCMCやらbootstrapやら魑魅魍魎どもがわらわらと湧いて出る予定.

◆本日の総歩数=11275歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜△.前回比=未計測/未計測.


10 september 2008(水) ※ 丘の上の「道場」にてRの稽古

◆前夜は午前1時過ぎまでごそごそしていたが,朝はやっぱり午前5時に目覚めてしまう.快晴.早朝の山下公園で潮風に吹かれる.ホテルにもどって直前の講義準備と持参機材の確認をする.午前7時半に出発.元町・中華街駅からみなとみらい線に乗って横浜駅へ.西口バスターミナルから横浜国大行きのバスに乗る.午前8時半の発車.運賃は一律210円とわかりやすい.

横浜国大にはかつて一度だけ行ったことがあるが,どういうコースで到達したかはもう忘れてしまった.しかし,坂道を延々とのぼった記憶だけは残っている.事前の情報によると,相鉄線・和田町駅から横浜国大に向かうというのがスタンダードな経路らしいが,途中,“心臓破り”の坂道やら階段があるとのこと.ぼくが乗ったバスは1時間に1本だけ,大学の南門に着くというので迷わずこれに決めた.およそ20分の乗車で終点に到着.

◆うっそうと繁った雑木林の中に環境情報の建物が点在している.今回の集中講義の段取りをしてもらった gyoko さんにあいさつしてから,講義場所である情報基盤センターに向かう.割当てられた「パソコン室(A)」に入ると,50台あまりのパソコンがずらっと並んでいた.

◆午前9時半から集中講義の開始.講義が始まる直前になってどんどん人が入ってきて,あっという間に部屋は満杯になった.この教室がフルになるのはめったにないことらしい.

プロジェクタ用のスクリーンは最前面に2ヶ所,さらに後列のための補助ディスプレイが備えつけられているので,計3枚の画面に移すことができる.教壇での操作パネルはわかりやすく,まごつくことはなかった.いくつもの大学のパソコン実習室で統計学の講義を受け持ったことがあるが,ここ横浜国立大学は教える側にとってはベストの環境を用意してくれた.受講生が使うパソコンはインターネットにつながっているので,いつでも〈CRAN〉など必要なサイトの参照ができる.セキュリティ上の問題で My Socuments 以外のフォルダーにインストールしたすべてはパソコンをオフにした時点で削除される.だから,Rのフォルダーも毎日パソコンを立ち上げるたびに最初からセットアップをしなければならない.だが,それほど時間がかかる作業ではないし,これもまた受講生にとっての練習になるかと考え,R本体のセットアップファイル,講義で使うパッケージ群の zip ファイルを My Socuments に保存してもらい,毎朝各自がRの環境をつくることにした.

講義の始めはいつも通りの概論から.1時間半ほどしゃべって,その後,昼休みまではR関連のセットアップのダウンロードならびにRコマンダーを含むパッケージ群のUSBメモリーでの配布,そしてセットアップと展開を行なった.さらに,Rを起動してGUIの調整,作業ディレクトリの確認(デフォルトでは My Socuments フォルダーなので問題なし),さらにヘルプとドキュメントの説明などなどをすませた.あっという間に昼休み.

◆長丁場の集中講義では多過ぎるほどの長短取り混ぜた休憩時間が必要になる.今回も昼休みはたっぷり1時間半も取ることにした(欲を言えばシエスタ並みに2〜3時間あってほしいところだが).学生さんたちと生協の食堂へ.丘の上にある横浜国大はキャンパス内の起伏が大きく,抜け道や踏み分け道が方々にあるそうだ(公認・非公認とりまぜて).大学内で学生が迷子になることも多いらしい.

◆午後の講義.要点は,データを前にしてすることは,いきなり計算ではなく,じっと見ること.どんなデータでもまずはいろいろなグラフを用いて視覚化すること.John Tukey の「箱ひげ図」をイントロとして,記述統計学からパラメトリック統計学へと話を進める.計算を正規分布を中心に確率分布の考えかたについて.Rの実習をときどきはさみ,とくにRコマンダーのグラフ機能をフルに利用すると,「データを見る」という操作がとてもラクになることを体感してもらうようにした.確率分布のグラフ描画ももちろんRコマンダーでできるが,重ね描きは“地べた”のRでのコマンド入力をするしかない.RとRコマンダーの“分業”を教えるのも今回の講義の大きな目的だ.午後5時に今日の講義はおしまい.

◆夕闇迫る午後6時半に,gyoko さんやら松田くん御一行さまとともに,心臓破りの階段を転げ落ち,和田町駅前の〈天國〉にて歓迎会.どーもありがとうございました.たいそう呑んでしまった気がした(実際その通り).松田くんは和田町駅でふらふらしていたが,遠くまで無事に帰れただろーか.比較的早い午後9時前に,元町・中華街駅の地下通路から地上に上がり,中華街の朝陽門を見上げて,ホテルに帰還.そのまま寝てしまいました.とても初日の所業とは思えないな…….あと二日もあるというのに.

◆本日の総歩数=14964歩[うち「しっかり歩数」=3535歩/32分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=未計測/未計測.


9 september 2008(火) ※ つくばからヨコハマへ巡業移動

◆午前4時半起床.秋の蟲たちの大合唱.昨夜から一挙に秋らしくなった.気温17.7度.湿度も低く,涼しい.よしよし.その後,からっと晴れて日射しがまぶしい.南風.

◆朝のお座敷 —— 午前9時から,お隣りの動物衛生研究所の研修施設にて,獣医疫学特殊講習会の系統学講義(「系統樹解析」)をした.昨年に引き続いての講義依頼だ.毎年,レギュラーで出演依頼があるのはありがたいことだ(お声がかかるうちが華なのよ).90分で,系統学の概論から,系統推定論,そしてデモまで一通り駆け抜けた.受講生は先週からの続きで研修第2週目に突入しているわけだが,朝イチからぎゅぎゅっと詰め込んでしまったかもしれない.お疲れさまです

◆午前11時前,快晴.気温26.0度.湿度が低く,強い日射しがさんさんと照りつけ,水分がどんどん蒸発していく.東寄りの風.昼過ぎに農環研を撤収し,次なるお座敷への旅支度をする.

◆14:41発の TX 快速にて東京に向かう.東海道線に乗継いで横浜へ.みなとみらい線に初めて乗って,終点の元町・中華街駅で下車.地下道をさんざん歩いて地上に出たら,そこはもう中華街の横浜港側の入り口だった.朝陽門を見上げつつ,山下公園方向に歩けばすぐそこに目指す〈ホテルニューグランド〉があった.明日から三日間の常盤台での高座は,毎朝ここから出撃することになる.一見,横浜国大からは離れているように感じられるが(実際そうなのだが……),大学の近くには泊るところはないので(学内にはいちおう“ゲストハウス”があるのだが,事務の方から「おやめになった方が」と言われた),こういうことになった.

◆巡業高座に出かけるときは,講義のしたくは十分にしておくことはもちろんだが,行き先の情報収集も同じくらい大事だ.とくに,旅先での食生活はおろそかにはできないので,事前にきっちり調べるように心がけている.ずいぶん以前のことだが,昆虫学会だか生態学会だかの大会がどこかで開催されたとき,その日の大会がはけて,では夜の巷へということになった.どこに行くかと相談していたとき,「こういう店はどうか」と提案されて,「いや,次のページに載っていたあの店の方が魅力的かも」と答えたら,「みなかさん,講演要旨集よりも『るるぶ』の方を読みこんでいるでしょ」とデビルマンにスルドく指摘されたことがあった(そういうアンタも読んでたんでしょっ).

さて,時間も時間なので,夕食は当然のことながら中華街方面に足を向けることになる.平日のまだ明るいうちなのに,意外なほど人出がある(もちろん週末や休日に比べれば格段に空いているのだが).中華街大通りは数々の絢爛豪華な“大店”が聳え立っているので,一本はずして関帝廟通りにある〈清風楼〉に入った.とても小さな店なのだが,これまた当然の選択肢として「特上やきめし」を注文.チャーハンに「並・上・特上」というランクがあるのがおもしろい.ふとまわりを見れば,シュウマイがとても美味そうだったのでこれも注文.いずれもアタリでした.チャーハンはこういうふうにぱらりぱらりと炒めたいなあ.シュウマイはこういうふうにぎゅっとお肉が詰まっていてほしいなあ.

◆でもって,ホテルに午後7時前には早くも帰還した.ホテルニューグランドはクラシックなつくりなのだが,室内がとても広く,調度もいいぐあいで,何日か滞在するにはもってこい.有線・無線LANも問題なく接続できるし.週末や休日は宿泊料金が跳ね上がるようだが,平日は格安に泊れる.うんうんとうなずきつつごろごろしていたら,いつの間にか記憶がなくなってですね……,ふと気がつけば日が変わる直前だった.なんでまた夜のゴールデンタイムに4時間近くも寝てしまったんでしょ.あわてて,日録をものし,さらに明日の準備もしないといけないですけど.※あ,日が変わってしまったッ…….

◆本日の総歩数=17539歩[うち「しっかり歩数」=4011歩/39分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=−0.6kg/0.0%.


8 september 2008(月) ※ あちこち巡業前のあれやこれや

◆午前4時半起床.晴れ,地表は霧が立つ.スズムシとコオロギの合唱.気温21.7度で涼しい.のち青空が広がってきた.

◆午前のトド撃ち —— 海游舎にカマジン本の再校ゲラ3章分を速達で返送した.よろしく.しかし,手元にはまだ第14〜16章のゲラがのたうっている./RP中間検討会は10月1日(水)13:15〜15:30に5階中会議室にて.事前に報告文を出さないといけないのだが,いやはや…….

◆午前10時.カラッと晴れて気温28.3度.暑い.昼休みには29.1度に達していたので今日も真夏日はまちがいなしだ.秋空の下の残暑の昼下がり.

◆真昼のトド撃ち —— 明後日から始まる横浜国大〈統計道場〉の時間割を連絡した:

〈統計データ解析・論文執筆技法道場〉
  ED1117(横浜国立大学グローバルCOE特設講義)

 噺役:三中信宏(農業環境技術研究所)
 場所:横浜国立大学・情報基盤センター・パソコン教室(A)

    【タイムテーブル】
  •  9月10日(水)
    •  9:30〜11:00 統計学概論(統計学的思考と科学的推論について)
    • 11:10〜12:00 R/Rcmdrのインストールとパッケージ動作確認
    • 13:30〜15:00 統計グラフィクスの基礎とパラメトリック統計学
    • 15:30〜17:00 Rで統計学を:いくつかの確率分布を描いてみる
  •  9月11日(木)
    •  9:30〜10:30 はじめに「分散」ありき:偏差・平方和・分散
    • 10:45〜12:00 多変量パラメトリック分布(正規分布を中心に)
    • 13:30〜15:00 実験計画法と分散分析;多重比較;線形モデル
    • 15:30〜17:00 共分散と相関係数;一般化線形モデル(の門前)
  •  9月12日(金)
    •  9:30〜10:30 モデル選択論;一般化線形モデルの参道を上がる
    • 10:45〜12:00 多変量解析というアート;Rで計算統計学を体験
    • 13:30〜15:00 いやでもベイジアン(MCMCしたいですか?)
    • 15:30〜17:00 ちょっとだけ形態測定学;最後は質問タイムです

    ※講義と実習とはきっちり分けられてはいません.講義しながら受講生にそのつどRを操作してもらうというやり方で授業を進める予定です.

◆午後のトド撃ち —— 某雑誌の査読報告をずーっと放置してしまったが,改心してレポートを書き上げ,編集部にメール送信した.ごめんなさいごめんなさい./午後3時に,植物病理学会の関東部会「若手の会」のプレゼン用スライドを仕上げた.計107枚.

◆午後4時過ぎに撤収.晴れ.まだまだ暑くて27.2度.

◆夜のこまごま —— 明日,朝イチにある動物衛生研究所・獣医疫学特殊講習での「系統樹解析」講義のスライドをいじってみる.しかし,90分でこれだけしゃべるのはキツイかもしれない……./常盤台よりメールあり,明後日からの〈統計道場〉は教室の定員いっぱいの50名で「満員御礼」の札を下げたそうだ.まことにありがたいことでございます./「若手の会」の打上げ会場が決まったとの連絡あり.藤沢駅前で大噴火?するらしい.サバイバルできるでしょーか?

◆明日は,午前の講義をすませたのち,午後はヨコハマに移動してホテルにチェックインする.明後日からは〈道場〉が三連荘だ.旅から旅への巡業生活が散発的に始まる.その合間に,松戸シティフィルハーモニー管弦楽団の〈復活〉の総譜読みをしないといけない.大学のときにやったから,これで2度目.四半世紀のギャップはあってもだいたい覚えているものだ.こわいのは第5楽章で,バンダの打楽器からオモテ舞台に駆け込む箇所.足がもつれて転びましたではすみませんぞ.ランニングの練習をしないといけないかも.

 「生まれて来たものは滅びなければならない.滅び去ったものはよみがえらねばならない」
 (Was entstanden ist, das muß vergehen. Was vergangen, auferstehen! )

◆本日の総歩数=6358歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×.朝○|昼○|夜×.前回比=+0.9kg/+0.3%.


7 september 2008(日) ※ まだ暑くても秋口は冷やおろし

◆ゆるりと午前6時に起床.久しぶりに筑波大方面に歩き読み.これまた久しぶりに:安田敏朗『金田一京助と日本語の近代』(2008年8月12日刊行,平凡社[平凡社新書432],284 pp.,ISBN:978-4-582-85432-9 → 目次版元ページ)の続きを読む.第4章「歴史認識・社会論 —— 敗戦直後の議論を軸に」は,金田一京助の天皇制に対する考え方.自伝はよくも悪くも“つくられている”と知るべし.第5章「あらたな国語を求めて(一) —— 現代かなづかいをめぐって」は,いわゆる戦後の「現代かなづかい」の成立をめぐる論議.

◆午前中ははっきりしない空模様で,晴れたり曇ったりしていた.午前9時のオープンとともに,第2回〈つくいち〉で買い物.一月前の前回は出遅れてしまったので,今日は気をつけた.午前10時きっかりに,とあるチケットを確保すべくノバホールに電話をかけるもののまったくつながらない.固定電話と携帯電話を両手にもって,半時間ひたすらダイヤルし続ける(電話が混んでいるときの鉄則).しかし,やっぱりダメダメで,もうあきらめて1時間後に電話したら,案の定いい席はすべて埋まっていた……(負けました).

◆なぜスルガ銀行の電話窓口は混んでいたか? —— 一昨日,スルガ銀行から国際送金を依頼するのに電話がつながるまでにたいへん時間がかかったことをここに書いた.今朝の朝日新聞のグッドタイミングな記事「祖国へ送金 正しい道は」を読んで,その理由が初めてわかった.要するに,日本から海外へ送金するとき,金融機関が必ずしも発達していない国への送金方法は選択肢がほとんどないとのこと.だから,裏ルートや闇ルートのような非合法的な金の流れがなかなか断てない.日本の場合,スルガ銀行が代行しているウェスタンユニオン経由の国際送金は,数少ない“合法的”な手段のひとつで,だからこそ利用客で混雑するのだという.なーるほど.

◆正午過ぎにぱらっと通り雨があり,その後は急速に天候回復.たがみ酒店で〈加賀鳶〉の「山廃純米吟醸・冷やおろし」をゲット.ま,旬のお酒ですから,見逃しはしませんよ.午後になると厳しい残暑がぶり返し,真夏日がまた戻ってきた.日射しも紫外線も強そうなので,ひたすら室内に引籠ってごそごそワルイことをする.

◆夕方,雷鳴が轟き,雨が一瞬だけぱらついたが本降りにはならなかった.

◆来週は,方々で出張お座敷のお勤めをしないといけない.1週間のうちに三ヶ所からお呼びがかかっている.いずれも「関東圏内」におさまってしまっているので,まことに腹立たしいことに農環研の出張規程では「宿泊なし」で日帰りしないといけない.まあ,横浜国大の集中講義は兼業で行くわけだから,どこに泊ろうと文句を言われる筋合いはないのだが,藤沢出張が日帰りというのは現実には即していないね.都内の八王子あたりでも場合によってはつくばへの日帰りはできないこともあるだろう.

—— しかし,こういうことはゴネてみても埒があかないことは長年の経験でよーくわかっているので,こちらで適当に処理することにしている.それがベスト.

◆本日の総歩数=12220歩[うち「しっかり歩数」=6546歩/57分].全コース○.朝○|昼○|夜△.前回比=−1.0kg/−0.7%.


6 september 2008(土) ※ ゲラ読み週末はホワイト餃子で

◆午前4時半にいったん目覚めたがまた睡眠.午前6時に起床.曇りのち晴れ.東寄りの微風.涼しいが湿度は高い.

◆週末のゲラ読み —— しばらく放置していたカマジン本の再校ゲラ読みをまとめて進める.第11章「魚の群れ」(pp. 165-185),第12章「ミツバチによる蜜源の選択」(pp. 187-213),そして第13章「アリにおける蟻道形成」(pp. 215-250).いずれも長めの章なのにフシギなほどするするとはかどる.なぜでしょう? その答えは,ここから以降の章は初校の段階でイチから訳し直したから.ほぼすべてが自分の書いた文章なので,原理的につまずきようがないではないか(ほほほ).ところどころ気がついたり指摘されたりした箇所でちょこちょこと訂正の朱を入れるだけですむので,ほぼ“真っ白”のまま先に進むことができる.

—— 海游舎からの電話連絡では,来週にはすべての章の再校ゲラができあがるという.手許には先月のうちに第16章まで送られているので,さくさくとチェックして返送していきたい.

◆夕方の「ホワイト餃子」 —— ときどき無性に食べたくなるのだが,幸いつくばには天久保にこの「ホワイト餃子」の店がある.いつも店内は混んでいるし,持ち帰りの予約客もひっきりなしなので,時間に余裕がないとダメだ.焼きたて熱々の餃子の紙包みを抱えているとしだいにアブラが染み出してくるので,まちがっても自動車の座席に置いたりすると車内が餃子臭くなってしまう.床に新聞紙を敷いて紙包みを安置するのが安全策だ.

ホワイト餃子にはどんな飲み物が合うでしょう.個人的にはメキシコのコロナビールのような軽めのビールをきりっと冷やしたのが“相棒”としてはふさわしい気がするのだが,今日はたまたま同じメキシコの〈Modelo Especial〉と〈Negra Modelo〉があった.黒っぽい〈Negra Modelo〉はおととしオアハカに行ったとき,Mole Negra の相棒としてよく飲んだ.しかし,今日はもっと軽めの〈Modelo Especial〉かな.やっぱり.

◆今日は変にこまごましたことに時間をとられてしまって,ゲラ読み以外何もしていない.トドはしっかり成長しているのに…….

◆本日の総歩数=5460歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.3kg/+0.6%.


5 september 2008(金) ※ 地球のウラ側へ出かける段取り

◆午前4時半起床.曇りのち晴れ.一晩中,東寄りの風が通り抜けていたせいで,空気が乾いて,23.2度という最低気温よりも涼しく感じる.

◆寝てもヘニック,覚めてもヘニック —— そろそろ地球のウラ側に逃亡する段取りをつけないといけない.10年前にブラジルのサンパウロ大学で〈Hennig XVII〉が開催されたときは,初めての南米体験だったので,何よりも地球の真裏にたどり着くのはこんなにたいへんなことなのかと痛感した記憶がある(計23時間のフライトで足がむくんだ).それから10年が経ち,今回の〈Hennig XXVII〉はさらに南米の奥地に入る.ブエノスアイレスから国内線で北に向かって数時間のフライトののちやっとたどり着ける場所らしい(大会サイトには会場までの transportation の手段がまだ書かれていないのがちと不安).しかし,とにかく支度を始めないことにはどうしようもない.

まずは,大会参加費.日本ではスルガ銀行が代理店となっている Western Union 経由で送金すべしと大会事務局は指定してきた.アルゼンチンの銀行事情によるものらしい.まずは,スルガ銀行と提携しているセブンイレブンのATMから銀行カードで決済した.これはとっても簡単.そして,送金先などの情報を記入してファクスでスルガ銀行に送った.ややプリミディヴだがまあ許そう.やっかいだったのは,次にスルガ銀行の国際送金担当窓口に電話をすべしという第三ステップだった.何度電話してもぜーんぜんつながらない.対人的に電話で会話するというのは格段に手間がかかる.約30分間,ひたすらリダイヤルし続けてやっと先方につながった.その後も国際送金に関する受け答えを10分間ほどしてやっと無事に送金できることを確認した.受付番号をもらってやっと送金騒動から解放された.

さて,今度はアルヘンティーナだ.大会サイトで registration をする.送金済みの証明となる受付番号を入れてこれでもう大丈夫だ.さて,ついでに演題と要旨の登録もすませてしまおうと思い立ち,小一時間ほどうなってアブストラクトの文言をひねり出した.オンラインで送信完了し,連名発表者にコンテンツを送る.な〜んと9月15日の締切りまで10日あまりも残して,大会参加に必要な準備作業がすべて終わってしまったではないか.残るは,宿泊先の予約ならびにブエノスアイレスからトゥクマンまでの国内の“足”の確保だ.もちろん,職場への海外出張に伴うもろもろの提出書類を出さないといけない.あれやこれやの段取りがまだまだあるぞ.

—— そんなこんなで昼過ぎにはいったん燃え尽きて灰になってしまった.

◆今日はとても涼しく感じるが,晴れているときの日射しにはまだ夏の名残がある.

◆午後のこまごま —— 農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の応募者は順調に集まっているそうだ./お,科研費申請のシーズン幕開けですか.所内での応募締切は10月末日.要注意./東大のエコロジカルセイフティ学特論は冬学期の開講なので,そろそろ日程を詰めないといけません.しかし,ぜんぜん手つかずです./つくば的感覚では“すぐ近く”の天王台にいる某氏に白羽の矢を放ってみる.いかがでしょうか?

◆メキシコの国立自治大学(UNAM)から届いた「比較生物学史」のCD-ROM本(完全版)

—— Nelson Papavero and Jorge Llorente Bousquets(Coordinadores y autores principales)『Historia de la Biología Comparada, con Especial Referencia a la Biogeografía: del Génesis al Siglo de las Luces (Volumen I - VIII)』(2007年刊行,Universidad Nacional Autónoma de México, Ciudad Universitaria, ISBN:978-970-32-4267-2 [CD-ROM] → 全体構成).ギリシャ時代に始まり啓蒙時代を経て19世紀にいたる比較生物学の通史.幸い著者の Jorge Llorente Bousquets さんからCD-ROM版の全8巻が送られてきた.紙にそのまま印刷したとしたら,おそらく2000ページに達するにちがいない.新しいCD-ROM版では全文検索はもちろん,索引項目や付録そして参考文献とのクロス・レファレンスも完備していて,少しめくってみた感じではとてもいい仕上がりの“電子本”になっている.

全巻の構成は以下の通りだ:

  • Volumen I: Del Génesis a la caída del Imperio Romano de Occidente(→ 目次
  • Volumen II: La Edad Media(→ 目次
  • Volumen III: De Nicolás de Cusa a Francis Bacon (1493-1634)(→ 目次
  • Volumen IV: De Descartes a Leibniz (1628-1716)(→ 目次
  • Volumen V: El Siglo de las Luces (Parte I)(→ 目次
  • Volumen VI: El Siglo de las Luces (Parte II)(→ 目次
  • Volumen VII: El Siglo de las Luces (Parte III)(→ 目次
  • Volumen VIII: El Siglo de las Luces (Parte IV)(→ 目次

◆この『Historia de la Biología Comparada』は,今から10年前に「紙」の本として第3巻まで手にしていた:

  1. Papavero, N., J. Llorente Bousquets and D. Espinosa-Organista『Historia de la biologia comparada: desde el Genesis hasta el Siglo de las Luces. Volumen I: Del Genesis a ala caida del Imperio Romano de Occidente』(1995年刊行,Universidad Nacional Autonoma de Mexico, xii+203pp.,ISBN:968-36-4277-2).今から10年ほど前に,著者のひとりであるUNAMの Jorge Llorente Bousquets さんから既刊分3冊をまとめて送っていただいた.比較生物学(生物体系学と生物地理学)の歴史を古代から現代までたどろうというシリーズ.その後,もう一人の著者であるブラジルの Nelson Papavero さんから,元本?にあたるポルトガル語版:Nelson Papavero and J. Balsa『Introducao historica e epistemologica a biologia comparada com especial referencia a biogeografia, I. Do genesis aofim do Imperio Romano do Ocidente』(1986年刊行, Sociedade Brasileira de Zoologia, Belo Horizonte,168pp.)が送られてきた.
  2. Papavero, N., G.J. Scrocchi and J. Llorente Bousquets『Historia de la biologia comparada: desde el Genesis hasta el Siglo de las Luces. Volumen II: La Edad Media』(1995年刊行,Universidad Nacional Autonoma de Mexico, xii+242pp.,ISBN:968-36-4447-3).中世の比較生物学.ポルトガル語版は:Nelson Papavero『Introducao historica e epistemologica a biologia comparada com especial referencia a biogeografia, II. A Idale Media: da Queda do Imperio Romano do Ocidente』(1989年刊行,Editora Universitaria Santa Ursula, Rio de Janeiro,219pp.).
  3. Papavero, N., J. Llorente Bousquets and D. Espinosa-Organista『Historia de la biologia comparada: desde el Genesis hasta el Siglo de las Luces. Volumen III: De Nicolas de Cusa a Francis Bacon (1493-1634)』(1995年刊行,Universidad Nacional Autonoma de Mexico, xiv+257pp.,ISBN:968-36-4458-9).やっと17世紀にまで時代は下る.元のポルトガル語版は:Nelson Papavero『Introducao historica e epistemologica a biologia comparada com especial referencia a biogeografia, III. De Nicolau de Cusa aFrancis Bacon (1493-1634)』(1991年刊行,Editora Universitaria Santa Ursula, Rio de Janeiro,209pp.).

—— ぼくが手にしたのはこの第3巻までで,その後,10年近く続刊が届かなかった.てっきりシリーズは頓挫してしまったかと思って忘れかけていた.まさか,その後,第8巻まで連綿と出版されていたとは.ましてや,CD-ROM電子本として届けられるとは予想していなかった.著者が予告している『分類学原理(Principia Taxonomica)』(全10巻)もまた,これと同じタイプの電子本として近い将来出版されることになるのだろう.

◆午後4時半に撤収.北東風.ツクツクボウシの合唱.秋の青空にはすじ雲がかかり,西を見ればほんのりと夕焼け.涼しい.

◆本日の総歩数=7581歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.1kg/−0.3%.


4 september 2008(木) ※ 配布ブツを関係諸方面に乱射する

◆午前4時半起床.夜明けがどんどん遅くなっている.曇りのち晴れまた曇り.気温23.9度.東寄りの乾いた風が吹く.

◆明け方の備忘メモ —— 〈生物学基礎論研究会〉の第2回研究会が京都で開催される:2008年9月13日(土)〜14日(日),京都大学文学研究科第2講義室.物理的に行けない日程ではないのだが,12日夕方まで横浜国大の生物統計学「道場」があって,14日の午後は植物病理学会・若手の会でワルイ噺をするというお座敷がかかっている.まことに申し訳ないが,今回は[も]パスかな.それよりも,講演要旨を見ると“約1名”ばかり Kobe に拉致しないといけないかもしれないなどとよからぬ画策をめぐらせたりする./国内の諸事にかまけていて,国外での悪事を忘れてはいけない.そろそろアルヘンティーナに国外逃亡するしたくを始めよう./『ZooTaxa』誌のリンネ特集号:『ZooTaxa, Volume 1668, pp. 1-766, 21 December 2007』(ISBN:978-1-86977-179-9 [hbk] / ISBN:978-1-86977-180-5 [online]).動物分類学の雑誌である本誌のこの巻は,リンネ生誕三百年の特集号(Special Issue)で,〈Linnaeus Tercentenary: Progress in Invertebrate Taxonomy〉と銘打たれている.なんと766ページもある大部な論文集だが,ウェブサイトをみると,過半数がフリーアクセスで読むことができる./〈shorebird〉さんの進化学会大会「観戦」記(→「その1」|「その2」|その3).いつもながら観察眼がスルドいです.

◆午前10時半,曇り.気温27.8度.暑いといえば確かに暑いが,東寄りの乾いた風が通るので,体感的にはむしろ涼しい.やはり湿気があるのとないのではぜんぜん心地よさがちがう.

◆午前いっぱい,ひたすら研修用の講義資料の原稿を取りそろえるという肉体労働に徹する.あわせて,ここのところ放置していた〈租界R〉を久しぶりに更新して,前もってアップロードしたたくさんの講義テキストpdfファイルにリンクした上で,昼過ぎに関係諸方面に「ダウンロードしてして」メールを発信する.北は群馬県から南は大分県まで,年内にワタクシが統計研修に出かけるところ計5地点に向けて発射完了です(あとはよろしく)./ついでに,来週火曜日の動物衛生研究所の系統解析トークのスライドとハンドアウトもえいやっとひねり出し,メールでドカンとお隣りに発射した./旅支度の続き.今年はまだ「夏季休暇」なるものを取っていなかったことに気がついた.ついでだから,ヨコハマ滞在をそれにあててしまおう(なんて乱暴なっ)./先日,長期アンケート依頼された電通のサイトで「回答者」のオンライン登録を完了した.

◆窮鼠猫を噛む「カナ入力派」 —— ちょっとよそ見してしまった.コンピューター上での日本語入力に関して言えば,ワタクシはものごころ?ついた頃からの一貫して「カナ入力派」であって,おごり高ぶる?多数派の「ローマ字入力派」なよろめいた経験はない.いまだにすべての文章は「カナ入力」なのだが,気がつけば自分がいかに“少数派”になってしまったかを痛感することがある.もちろん,「ローマ字入力」と「カナ入力」の長短を挙げることはいくらでもできるのだが,いわば文章生活のライフスタイルとして長年にわたって慣れてしまったんだからしかたがないじゃん.たまに,ヨソさんのパソコンをいじっていてそれが「ローマ字入力」設定がされているときは(当然のことながらよく遭遇する),もごもごと「渡る世に憂きこと多かりし」とひとりごちるしかない.

—— などという文章を「カナ入力」で打ち込んでいるワタシに「転向のきざし」はあるはずもなし.

◆午後のこまごま —— アルヘンティーナの地方都市で開催される〈Hennig XXVII〉への旅支度は参加登録から.と思って,大会サイトをのぞいてみたら,やっぱり大会参加費のところが第一のネックになるみたい.しかし,1ヵ月前にあらかじめスルガ銀行の国際送金サービスの口座開設手続きをすませておいたので,残るは送金作業のみだ.ATMだあ,ファクスだぁ,電話だぁとやっかいな手順が書かれていたので,一夏放置してしまったのだが,明日にはケリをつけることにしたい./統計質問メール.Rでやればだいじょーぶ,と答える./事務から電話連絡あり.藤沢は関東圏内なので宿泊出張にはならないとのこと.したがって,植物病理・若手の会の泊り(9月14日夜)は出張扱いではない.めんどくさ.

◆午後5時に帰宅.東寄りの風が涼しい.24.7度.曇り空.その後,夜になって,高層階を吹き抜ける北東風が,今年の夏がもう過ぎ去ったことを教えてくれた.爽快,心地よし.よしよし.

◆本日の総歩数=7837歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=+0.2kg/+0.6%.


3 september 2008(水) ※ 方々の高座口上書をひねり出す

◆午前4時半起床.曇りのち晴れ.気温23.8度.早朝から蒸し暑い.午前8時半にはもう28.1度に達した.今日も真夏日まちがいなしだ.

◆朝のお仕事&こまごま —— 午前9時きっかりに農環研の監事室に出向いて,1時間ほど話をうかがう.「中沢メソッド」について./みーはーなので,いま話題のブラウザー〈Google Chrome〉にすぐ飛びついたりする……./東大・紫工会会報の原稿をメールで送信する.この件はこれにておしまい./そういえば,エコロジカルセイフティ学特論の集中講義が秋のうちにあるはずだが,いったいどのようにアレンジするのだろう.フリーな日が次々につぶれているので,早めに手を打たないと.

◆電子本サイト備忘メモ —— 〈Electronic Scholarly Publishing〉.遺伝学・計算生物学・ゲノム情報学を中心に,この分野の古典を電子化して公開している.ダーウィンやゴルトンから,ベートソン,モーガン,マラー.そしてスターテヴァントもあり.あいまにヴォルテールの『キャンディード』とか.

◆研修テキストを大量にひねり出す —— こういう仕事はまとめてかため打ちしないとはかどらないかもしれない.この秋は,方々で「統計研修」の講師をする.教材の大部分は共有されているのだが,ケースバイケースで少しずつずれがある.しかし,とにもかくにも「共通部分」のテキストは先に片づけることにしよう.ということで,昨年の研修テキストをベースにして,ちょこちょことアップデートしたり,あるいは新しく追加したりという編集作業を午前いっぱい続ける.昼休みにほぼ仕上がったので,ウェブにアップする.あとは〈租界R〉の改訂をして,必要なリンクをはるようにすれば,先方で勝手にダウンロードして印刷してもらえるというお手軽なやり方だ.来週の横浜国大,その後の首都大学東京,再来月のつくばでの数理統計研修,師走の大分県統計研修,さらに月イチの群馬県統計研修のテキストはこれでいっぺんに仕上がったことになる.pdfの分量にして計11MBほどになった.講義スライドはすでに十分なほどあるので,準備はこれでおしまいだ.

◆午後も教材づくりは続く —— ついでに,来週火曜にある,お隣りの動物衛生研究所での〈獣医疫学特殊講習会〉の系統学講義資料をつくってしまった.90分なので急ぎ足になってしまうが,全体像はお話ししできるだろう.これまた配布資料(文献リスト含む)をpdfにして,動衛研の担当宛にメールで送った.コピーと配布をよろしく./備忘メモ:東京農大厚木キャンパスの〈収穫祭〉は11月1日〜3日の予定.今年はちょうど南米のアルヘンティーナの奥地に“麻薬”の買いつけに行っていて,国内にはいないので,昆研OB会(2日に開催予定)には参加できなさそう.

◆ほぼ1ヶ月ぶりの『Modern Morphometrics in Physical Anthropology』の輪読セミナーの第20回輪読.第6章:Chapter 6 : Michel Baylac and Martin Frieß「Fourier Descriptors, Procrustes Superimposition, and Data Dimensionality: An Example of Cranial Shape Analysis in Modern Human Populations」(pp. 153-162)を読了する.判別という個別の目的のもとで,輪郭ベースと標識点ベースの形態測定学の長短を比較している.ヒトの頭骨という同じオブジェクトであっても,凹凸のある側面形態では両者の間には大きな違いはないが,上から見下ろした滑らかな形状の画像では輪郭ベースの楕円フーリエ解析の方が誤判別の率が低くなっているようだ.また,判別分析の手法としては,線形判別分析よりも「K最近隣判別法(K-nearest neighbor method)」の方が勝れているという.

◆午後5時に撤収.残暑の蒸し暑さがまだ残っている.晴れ.またもやムクドリ軍団の襲来.西の空には糸のような三日月.

◆本日の総歩数=8344歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.6kg/−0.4%.


2 september 2008(火) ※ 秋は david pain のマロンから

◆午前4時40分起床.曇りのち晴れ.気温24.7度.ここのところまた明け方が熱帯夜に近づきつつある.ねっとりした湿気が立ちこめる.

◆朝のこまごま —— 進化学会公開講演会のスライドを公開しました(→ pdf: 2.5 MB)./共催組合員証を検認のため提出する./東大の専攻OB会である〈紫工会〉の会報に寄稿する連携講座の紹介文をものす.他の連携教員のヘルプが必要.

◆今年も「マロン」が登場する季節になった —— 秋を呼ぶ〈david pain〉の「マロン」.フランスパン生地の中に栗のペーストが練り込んである.そのカタチからして“栗”そのもの.食べ進んでいくと,いきなりころんとマロンが一粒ころがり出てくる.うれしいサプライズ.さっそくいただきます.

◆今日は暑いぞ.午前10時の気温はすでに28.6度.晴れて残暑の日射しがまぶしい.

◆旅支度あれこれ —— まずはさしせまった今月の旅のしたくをば.出張届を数枚,兼業による「働きません」宣言をこれまた数枚,さらに特別休暇(夏季休暇)三日間の割り振りとか,振替休日の指定とか.以上,事務書類どもはすべて提出しました./日帰りの仕事は紙切れ一枚で何とでもなるが,泊まりがけの遠出は“旅籠”を決めないといけない.今月の遠方仕事は:1) 横浜国立大学〈統計データ解析・論文執筆技法道場〉での生物統計学集中講義(9月9日〜12日).もちろん〈道場〉の前半にあたる「統計データ解析」を担当する.後半の「論文執筆技法」のセンセイが登場するのは別の日程になるが,ぼくが常盤台でひとり苦しんでいるちょうどその頃,遠く豊後の国にて連日連夜の温泉漬け&関サバの大宴会……(ウソ八百).でもって,せっかくのヨコハマなので,宿泊先は港の真ん前の〈ホテルニューグランド〉に予約した.ほほ,平日だとこーんなに安いとは(サプライズ);2) 植物病理学会の関東部会・若手の会(→非公式ブログ)による「第6回若手の会」での講演(9月14日:日大・藤沢キャンパス).この日の夜は藤沢の〈ザ・ホテル・オブ・ラファエロ湘南〉に監禁されることがすでに決まっている(ワタシ,生きてつくばに帰れますか?>きみたむさん);3) 毎年恒例の首都大学東京「生物統計学」集中講義(9月19日〜20日&26日〜27日).こちらは常宿の〈京王プラザホテル多摩〉にてキティちゃんとたわむれることになる.

—— こんな感じで,今月の「旅」がもうすぐ始まる.

◆夕方の「ムクドリ撃退大作戦」観戦 —— 西日が強くなってきた午後4時半に撤収.気温29.2度.ということは,今日は久しぶりに真夏日だったのだろう.確かに暑い.しかし,夕暮れのすばやさは秋らしく,午後6時前には薄暗くなってきた.

夕闇が降りてくるこの時間帯は,ムクドリ軍団がペデストリアン街路樹に舞い降りてくる時間帯でもある.つくば市では街路をねぐらとするこのムクドリたちを“撃退”すべく,毎年この時期には「ぎゅいぃん,ぎゃいぃん」という忌避音を大音量で流す係員を配置している.いつもは街路樹の下の道から音を流しているのだが,今日は向かい側の立体駐車場の屋上にのぼるという新たな作戦に出た.対面のマンションからじっと観察すると,確かにムクドリたちは一瞬は忌避音にひるむように見えるのだが,数にものを言わせて結局は街路樹に舞い降りてしまう.かしましいさえずりが反響し,それがムクドリたちにとっての安心感を高めているのか,方々から五月雨のように舞い降りて個体群サイズがさらに大きくなっていった.ときどきは人間が勝つこともある.しかし,どうやら今日のエンディングは人間側の“惨敗”という結末に終ったようだった.

◆夜もまたこまごまとした作業があったのだが,あまり生産的ではなかったかも.明日はまた新たなトド撃ちに励まないといけない.某学会のレフリーとか,ISHPSSBとか,ここのところ放置しているトドたちもいる.Win XP SP3 のせいで逝ったままの自宅のPCもなんとか蘇生しないといけないし.

◆本日の総歩数=9723歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.前回比=−0.1kg/−0.1%.


1 september 2008(月) ※ 残暑が戻りトドの繁殖と成長が

◆午前4時起床.夜中に雨が降ったようで路面が濡れている.今は曇り空.気温22.8度.やや蒸し暑いかも.

◆月はじめのこまごま —— メーリングリストに月例アナウンスを流す./先月末からじたばたしている農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の受講生応募要件を事務局に確認する.あわせて,講師陣に確定カリキュラムを含む事務連絡をする.事務局から折り返し返事があり,受講生は「大学院生以上であればOK」とのこと.ただし,余裕があれば学部学生でも可だそうだ(優先順位は低くなるが).また,テキストはどうするかとの問い合わせがあったので,製本された“紙”のテキストはつくる予定はないと答えた.必要な情報やオンライン資料はコンパニオンサイトで公開する予定.

◆晴れたり曇ったり.蒸し暑さが増してきた.この時期らしい残暑の不快さ.

◆午後のこまごま —— 今月の「トド撃ち」リストをつくった.萎えた…….個体数が増えるのはまあしかたないが,それぞれが巨体化するのは勘弁してね.しかし,とりあえずメモをつくったことでうっかり忘れの失敗はなくなった./筑波地本農環研分会の定期大会.昼休みから始まって2時間後にはすんなりあっさり終った.今後,「3法人統合」にいたるまでの間にはいろいろと紆余曲折があり,上から下まで右往左往するにちがいない.こういう案件では,個人が深くコミットしてもしかたがないことが多く,距離のとり方は微妙だ./定期大会終了後に職場班の委員引継をさくっとすませる.

◆午後4時に撤収.地表近くは残暑でも,上空はもうすっかり秋色で,空高くうろこ雲が広がる.

◆ホメりゃ喜び,シメりゃ落ちこむ.それはワタシ —— 高座に上がってお客さんに喜んでもらえるのが何よりも励みになる.昼間の蒸し暑さをそのまま引きずる夜になって,駒場の進化学会大会に来ていたという中学生から,「公開講演会のダーウィン伝来の話がおもしろかったので,ぜひ講演スライドをください」というメールが届く.どうやら高校生ポスターを出展していた学校の生徒のようだ.すばらしい! まだ中学生なのにこういう話題に惹かれるとは.さっそく明日にでもスライドをpdfで公開することにしましょう.

◆それにしても,9月の初日にどこまでトド退治ができたかはいささか心許ない…….

◆本日の総歩数=7985歩[うち「しっかり歩数」=0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.前回比=+0.8kg/+0.2%.


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