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日録2011年8月 


31 augustus 2011(水)※大型台風が来るぞ来るぞ来るぞ

◆午前5時前起床.曇り.気温21.8度.台風12号による「ニッポン串刺しの日」は間近か…….午前6時,灰色の曇り空が広がる.最低気温は21.5度まで下がっているはずなのだがやや蒸し暑い.厨房では昨夜からのチキン生姜カレーがふつふつと笑いはじめた.いまのところ,具に当たるのは鶏肉と人参だけで,ジャガイモやその他トッピングはあとで追加することになるだろう.午前8時,曇って蒸し暑い観音台.気温23.3度.昨夜の雨で稲荷川がだいぶ増水していた.じはしぼーぜんと佇んで辞書┣┣" 放牧場を眺める朝の居室.どうするか…….今日が締切ではあるのだが.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 10:30からの領域会議が終わった.いつものことながら,お金まわりの事務作業が単調に増加かつ煩雑になってきた.会計検査院の野郎がこんなちまちましたことまで調べ上げようとするからこういうことになる.外はきっと蒸し暑いだろう昼休みは,分会室にてヒソヒソ会議.組合のタスクの中でもこの案件は個人個人にとってもっとも重要かつたいへんなこと.南の方角から雨雲が接近してきた.井上円了『妖怪学全集1〜3』(柏書房)の「妖怪学講義」を受講.そのうち雨が降りだして,一時ざあざあ降りに.しかし一時間もしないうちに上がってしまった.台風の遠い影響か?

◆[蒐書日誌]Barry G. Hall 『Phylogenetic Trees Made Easy: A How-To Manual, Fourth Edition』(2011年5月刊行,Sinauer Associates, Sunderland, ISBN:978-0-87893-606-9 → 版元ページ).今回の第四版改訂では MEGA5 と MrBayes に特化しているらしい.Barry G. Hall のこの教科書は改訂(2001→2004→2007)のたびに,教材ツールとして採用される系統推定ソフトウェアがころころ変わるので,どの「版」を用いるかが重要.また,辞書と同じく,旧版を捨ててはいけない.そういえば,この最新刊には系統ネットワークに関する章も追加されているらしい.

◆[欹耳袋]見ればわかる図鑑 —— 「oso的キノコ擬人化図鑑 (学名アルファベット順)」.猛毒の「カエンタケ」のキャラがこわすぎて.※そういえばライデン滞在のおり,ホテルの朝食でいろんなキノコ料理が出ていたなあ./〈EVOLANG IX〉: The 9th International Conference on the Evolution of Language, 13-16 March 2012 ※Noam Chomsky来たる.

◆フェイント台風12号の上陸予想地点がどんどん「西」に移っている.太平洋高気圧に押されて西進しているらしい.最初は関東直撃だったはずが,東海上陸,伊勢湾台風コース,そしていまは紀伊半島を目指しているみたい.次は四国か.速度は遅いし,進路は不確定だし,なんだかどうでもよくなってきた.午後5時前,晴れところどころ曇り,気温27.4度の蒸し暑い夕方,空模様はアヤシイが雨はしばらく降りそうにない.さっさと撤収して厨房におこもり.チキン生姜カレーの完成までもうすぐだぞ.

◆チキン生姜カレーの仕込み(其の二) ―― 一晩寝かせることでさらに味がまろやかになったが,ジンジャーの辛味はしっかり残っている.レッドペパーやグリーンペッパーはまったく不要.仕上げにはガラムマサラとヨーグルトを適量.生姜の粒々の触感が新鮮なあっさり味のカレーになった.写真は今回のチキン生姜カレーの完成品.もう一晩置くと,煮崩れ方がさらに進行していくだろう.

◆本日の総歩数=2982歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.6kg(−0.4kg)/27.4%(−1.1%)


30 augustus 2011(火)※うわ月末が迫ってさあたいへん

◆午前4時過ぎ起床.北東風が吹き抜けて一晩中涼しかった.夜明け前の一瞬の朝焼けタイムは見逃せない.真っ赤に放射状の光が伸びる.運よくこういうみごとな夜明けを眺めると幸先よさそう.空には秋のすじ雲がかかっている.今朝の最低気温は21.3度.今朝はミンミンゼミの観音台.午前7時の気温は24.3度.北東風.朝イチのBGMはブルックナー6番(アイヒホルン/リンツ)からはじまり,ブルックナー8番(アイヒホルン/リンツ)へとつながっていく.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 浅間温泉街のとある老舗旅館の〈飯田屋別館〉にオンライン予約完了.有名な温泉地なので,たくさんのホテルや旅館がありすぎて,最初は目移りしてしまった.しかし,「一人泊」&「源泉かけ流し」で絞り込むと選択肢がぐぐっと減った.これで旭会館の呪縛から逃れられるぞ! 浅間温泉といえば「みやま荘事件」である.1992年1月24日(金)〜26日(日)に種生物学会のシンポジウムがここで開催された.「種」をめぐる伊達騒動≠ェ勃発する五年前のことだった.ワタクシは農環研に入省したばかりで,種生物学会の会員ではなかったのだが,「みやま荘」が満室とのことで,近くの「アルペン山荘」から通って毎日参加した.今からもう20年も前のエピソードだ.

◆[蒐書日誌]Edward O. Wiley and Bruce. S. Lieberman『Phylogenetics: Theory and Practice of Phylogenetic Systematics, Second Edition』(2011年6月刊行,John Wiley and Sons, Chichester, ISBN:978-0-470-90596-8 → 版元ページ).旧版:Edward O. Wiley『Phylogenetics: The Theory and Practice of Phylogenetic Systematics』(1981年刊行,John Wiley & Sons, New York, xvi+439pp., ISBN:0-471-05975-7 [hbk])|宮正樹・西田周平・沖山宗雄訳『系統分類学:分岐分類の理論と実際』(1991年11月1日刊行,文一総合出版, 東京, xxii+528 pp., ISBN:4-8299-3024-1)以来,実に30年ぶりの改訂となる本書は,生物体系学の教科書と位置づけられる.系統推定法に関しては,最節約法だけでなく,最尤法とベイズ法までを含んでいる.

Ed Wiley は今回の改訂に際して, pattern cladism に対するアンチの立場を鮮明にし,また旧版では前面に押し出していた Karl R. Popper の仮説演繹主義からは完全撤退している(らしい).かつて Ed Wiley がAMNHにいたときの論文:Edward O. Wiley 1975, Karl R. Popper, systematics, and classifications: a reply to Walter Bock and other evolutionary taxonomists. Systematic Zoology, 24: 233-243 (→ pdf) が,分岐学とポパー反証主義との「合体」を最初にぶちあげたことを考えれば隔世の感がある.ある学問分野が時空的に変遷するだけでなく,一研究者も月日とともにどんどん変遷する.

—— そういえば1998年のサンパウロでの Hennig Society Meeting で初めて会ったとき,すでに Ed Wiley は本書の旧版(1981年出版)の改訂を始めていると言っていたことを思い出した.この改訂版はすでに発注したがまだ届いていない.旧版との比較読みを今から(こわごわ)期待している.

◆昼休みの歩き読み —— 台風12号は,このままのコースで北上を続ければ,関東地方から北海道まで「串刺し」することになる.しかし,今日はほぼ真夏日の暑さで,炎天下の歩き読みを小一時間してしまった.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 明後日の昼休みに開催される農環研分会の大会資料をいま手にした.たいへんおつでした>分会役員諸氏.明日は緊急の賃金対策委員会に出席する予定(正午から分会室にて)./またまた放置してしまった原稿┣┣" 放牧場に向かいます.残┣┣" は「大」4 頭+「中」3頭+「小」1頭.計約五万字を二日間で書き上げることははたして可能か?/John C. Avise『Phylogeography』の原書訳書がここぞという出番にいつもお隠れになる.

◆[欹耳袋]来週一週間は三田のあたりがおもしろそう —— 第5回生物学基礎論研究会:2011年9月6日(火)〜7日(水)/Animal2011:2011年9月8(木)〜11日(日)

◆夕方の┣┣" 撃ち —— ちょっと疲れたので原稿┣┣" 保育場から一時離脱.今月も明日でおしまい.月が変わればまたいろいろな提出書類を用意しないといけない.とりあえず忘れていた復命書を出した.返す刀で,実に殊勝なことに,来月のフレックス変更・出張伺・兼業願・年休届・夏季休暇申請を一挙にすませてしまってせいせいした./先日のブラジル大旅行でフトコロがいっぺんに軽くなってしまったが,むにゃむにゃとお金をひねり出して一息ついたところ.関係者諸氏,ありがとー./明日は領域会議,10:30〜.

◆今夜はチキン生姜カレーの仕込み —— 葉生姜がまだまだ大量にあるので,生活クラブの鶏肉とともにチキン生姜カレーを作ってみることにした.チキンカレーは牛肉や豚肉よりも手間がかからないのでラクだ.レシピは以下のとおり:

  1. 鶏肉700グラムは大きめに切り分けて,塩胡椒とヨーグルトを揉みこみ,常温で下味をつける.
  2. タマネギ大1個とニンニク2片はみじん切り.葉生姜300グラムの根もみじん切り.生姜は多い方がいい.
  3. 深鍋にサラダ油大さじ4を熱して刻んだタマネギ・ニンニク・生姜を投入.一時間ほどじっくりきつね色になるまで炒める(通常のカレールーをつくる要領).カレー粉と香辛料はご自由に.今回は:クローブ(ホール)・シナモン(スティック)・ナツメグ(粉)・カルダモン(粉)・コリアンダー(ホール)・クミンシード(ホール)を入れた.
  4. カレールーにトマト水煮を200グラムを投入,さらに水500ccを少しずつ入れて伸ばしながら火を強める.
  5. 鶏肉を生のまま投入して沸騰させ,火を弱めてからアクをすくう.ニンジン大3本は皮を向いて大きくざくざく切ってから鍋に入れる.
  6. 水面が微笑むくらいの弱火で,鶏肉が煮崩れはじめるくらいまで.ふつふつと数時間煮込み続ける.

—— 細かい調味は明日まわしにして,とりあえず今日はここまでとする.

◆夜遅くなって,雨がぱらぱらと降ったり止んだり.台風の遠い影響か?

◆本日の総歩数=10634歩[うち「しっかり歩数」5928歩/55分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(+0.2kg)/28.5%(+0.1%)


29 augustus 2011(月)※ツクツクボウシが合唱する晩夏

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ.昨夜は〈まつりつくば2011〉が終わったあとも夜遅くまで残響が残ったが,一夜開けたいまは秋の虫がすだくのみ.北寄りの微風が通る夜明け前.今朝の最低気温は午前5時すぎの19.9度だった.つくばセンターあたりはお祭り会場の撤収作業がきょう一日続くだろう.昨夜のうちにフォロワー数が2700名に達していた.どうもです〜.夜明け前の彼は誰時にヒグラシが少し鳴いていたが,その後は虫の音しか聞こえない観音台.日の出とともに朝焼けがひろがる.エンマコオロギが鳴き始める朝夕とセミが優占する昼間との隔たりが大きくなる季節.夏と秋のせめぎあい.

◆[欹耳袋]〈ancestry.com〉 —— 一昨日の午前,NHK総合で放映していたドキュメンタリー「ファミリー・ヒストリー」に出ていた家系探索サイト.

◆朝の┣┣" 撃ち(来月を見据えて) —— さて,来月の┣┣" 撃ちカレンダーを埋めようかな.前半は余裕だが,後半は関東一円を走り回って巡業また巡業.あいまに原稿.ときどきお酒〜.いまカレンダーを埋めてみて気づいたことは,来月15日以降はほとんど農環研に実在しないことが判明.20日以降は一度も出勤簿にハンコを押さず,フーテンの寅と化す予定./国際会議参加費のやっかい┣┣" の件.とりあえず必要書類を全部添付して支出係に提出してきた.しかし,油断は禁物.あの口ぶりだとまだ微小┣┣" が湧いて出てくる可能性がある.それにしてもこんなにやっかいな雑用はどこかに「外注」したいくらい.

◆[つくば]久しぶりの炎天下歩き読み.気温は28度台なのだが,強い日射しにくらくらした.しかも:ブルース・M・フード[小松淳子訳]『スーパーセンス:ヒトは生まれつき超科学的な心を持っている』(2011年2月20日刊行,インターシフト/合同出版,東京,408 pp., ISBN:978-4-772-69522-0 → 目次版元ページ) なんぞを持ち歩いたものだから,超自然現象やら心理的本質やらが跳梁跋扈.

◆[欹耳袋]サッポロのレストラン情報いろいろ —— 先日情報をいただいたみなさん,どうもありがとうございます:

◆午後の┣┣" 撃ち —— 松本に発射した信州大学理学部講義〈自然科学史〉のシラバスは,そのままで通過したらしい.それにしても,このシラバスを見て目を輝かせる理系学部生がいたら,ちょっとだけ尊敬するかもしれない……./さりげなく浅間温泉の情報をそれとなく集めたりして……/ブラジル出張でイッキに手元不如意になってしまった.RPリーダーにお伺いを立てたところ,運よく何とかなりそう.これで今年度後半を何とか乗り切ることができる.

◆日中は日射しが痛いくらい強かったが,夕暮れになれば夏から秋へと相は交代する.鮮やかな夕焼け雲が広がるつくばセンター上空.晩夏の昼間はツクツクボウシだが,黄昏時のこの時間帯になってやっとヒグラシが鳴き始めた.今夜の夕餉は,笠間の〈松緑〉純米原酒ふなくちを開栓した.やや甘みが強いかも.大震災で酒蔵が大きく被災したという蔵元の笹目宗兵衛商店だが,これまたささやかな震災復興支援ということ.肴は葉生姜,南瓜煮,ざる豆腐,そしてだし巻き.なんだか久しぶりに和風な食卓になった.

◆[分類思考]本日の残響:パン屋のケンちゃんのブログ「『分類思考の世界 なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』(三中信宏著、講談社現代新書、2009年)」(2011年8月28日).※「良き種」の明瞭さは「悪しき種」の免罪符にはならない.

◆[系統樹思考]本日の反響:山本貴光 - 「百学連環」を読む「第21回 知識の樹木/知識の連環」(2011年8月26日).

◆[蒐書日誌]念のため「著作集」の書誌情報も —— 江崎悌三(著)/上野益三・長谷川仁・小西正泰(編)『江崎悌三著作集・第一巻』(1984年8月25日刊行,思索社,東京,2+ 1 plate +viii+432 pp.[月報1: 8 pp.], ISBN:4-7835-0121-1)・『江崎悌三著作集・第二巻』(1984年10月25日刊行,思索社,東京,2+vi+420 pp.[月報2: 8 pp.], ISBN:4-7835-0122-X)・『江崎悌三著作集・第三巻』(1984年12月15日刊行,思索社,東京,2+vi+402+32 pp.[月報3: 8 pp.], ISBN:4-7835-0123-8).本著作集三冊が出揃った1985年はじめにまとめて購入した記録がある.読書メモによると三冊ともその年のうちに通読したようだが,細かいところはもう覚えていない.新刊での購入価格は各巻とも6,500円.函入りの立派な造本だったが,けっして安い本ではなかった.

◆本日の総歩数=13564歩[うち「しっかり歩数」6419歩/58分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(+0.2kg)/28.4%(+0.4%)


28 augustus 2011(日)※お祭りサンデーは早朝から夏空

◆午前5時起床.今朝はよく晴れて朝焼けが鮮やかだった.昨夜は夜遅くまで下界のお祭りの雑踏と発電機の振動が賑やかだった.いまの気温は19.6度と20度ラインを切った,西寄りの微風が爽快.蝉の合唱は消え失せ,その代わりに秋の虫が静かにつぶやいている.今日は朝から〈まつりつくば〉の二日目.午後から夜にかけては,またしてもパレードの大音響が響き渡るにちがいない.複数の音源から異なるリズムとメロディーが流れてくる.一日中カール・ニールセンの同時並行音楽≠聴いているようなものだ.学園線を練り歩くパレードにはぜんぜん関心がないが,たくさんの屋台は毎年ちょっと楽しみだったりする.しかし,昨日は夕暮れ時にセンター広場の屋台村を回ろうとして人の波に翻弄されて手痛いことになった.お祭りは天空から賑わいを見下ろすのがベスト.下界に降臨して参加しようするとまちがいなく痛い目に遭う.さて,今日は下界に降臨すべきかせざるべきか.

◆[欹耳袋]「まくわうり」を「まっか」と呼ぶのは近畿ユニバーサルだったのか.※「まっか」のイントネーションに要注意.関西語には「四声」があるらしいので:オンライン中国語学習CH-TEXT's「『中文在線』コラムを映像化!「大阪弁で中国語」」.出演している「クサカ教授」のアバウトさがとてもよろしい.

◆朝日が昇るとともにやっとミンミンゼミが眠そうに鳴き始めた.午前6時の気温は20.3度,北東風が涼しい.南海上の台風12号は東に逸れるかな.午前7時の下界はまだ静かで,これから喧騒の極みに昇りつめるとは予想すらできない.午前9時,昨日以上に好天.青空から日射しが燦々と降り注ぐ.いまの気温は25.6度とすでに夏日ラインを越えたが,上層階では北東からの乾いた風が吹き抜ける.下界からミンミンゼミのコーラスが聞こえてくる.朝のこの時間帯は快適至極だ.

◆お祭りサンデーの┣┣" 撃ち —— 真冬の信州湯けむり高座のお題は「自然科学史」だ.計30時間分の講義を三泊四日でぶっちぎるという強行なお仕事.内容は「おまかせ」と言われたので,「まっかせなさいっ!」と返事しそうになった.今から五年前の2006年に名古屋大学情報文化学部に呼ばれたときは「メディア社会系特論I」というタイトルで,いちおう生物学哲学を中心とする学部講義を30時間担当した.今回はそれよりはスコープを広げようと思う.「思考三部作」が書き終わったところで,ちょうど信州湯けむり高座の出番がまわってきたのはよかったかも.これからシラバスを考えないといけないのだが,徒手空拳ではなく,科学史と科学哲学の相互関係をベースにして,高座の「柱」を用意するつもりでいる.先日,松本から前任者のシラバスが参考に送られてきたのだが,ややめまいがした.「先人達の歩みを振り返り、偉大な功績に敬意をはらいつつ、科学とは何か」を考えるため,メソポタミア文明から現代科学までの歴史をたどるというスタイルを前任者はとってきたようだ.それ,ワタクシ的にはかなりムリなので,シラバス抜本的に新しくしないといけない.少しマジメに取り組んでみようかな.思いつくままネタをずらずらと書きだしてみたら,予想通り大┣┣" と化す気配が濃厚だ…….

◆〈まつりつくば2011〉二日目 —— 正午前の下界はまだ騒々しくない.カピオ前のねぷた小屋あたりがそろそろざわめいてきたような.気温は27度を越える夏日になっているが,空気が乾いているせいで先日までのような不快指数の高さはぜんぜんない.もう秋ですな.正午をすぎて,もえみさんのアナウンスが響くつくばセンターお祭りエリア.大音量とポリリズムに取り巻かれる午後がやってくる.気温はもうすぐ真夏日ライン突破.東風が吹く青空が広がる.午後から夜にかけては阿鼻叫喚の世界かなあ.昼下がり.外はカンカン照りで午後二時の気温は28.6度.下界は蒸し暑すぎる.相転移しそうなセンター広場周辺の雑踏を避けて,エキスポセンター前にて地ビールと発泡赤ワインを手にしばし淀む.

◆[欹耳袋]年の瀬に予定されている信州大学理学部(松本)での集中講義「自然科学史」のシラバスと参考文献リストがやっと仕上がった.まずは講義全体の鳥瞰から:

【講義の目的】 科学の歴史は,「科学」という時空的に変遷を遂げるオブジェクトが軌跡として残す系譜のパターンをたどり,その因果的プロセスを進行させる要因と制約条件に関する推論を要求する.「科学」そのものは定義不能な知的営為であり,グローバルに「科学とは何か」を問うこと自体が不毛な論議を招く.むしろ,科学者コミュニティが実際に行っている「科学」とは何か,そのパターンとプロセスを科学的に推論することが科学史の根幹である.したがって,グローバルな論議ではなく,ローカルな個別科学に入り込んで,その中でどのように「科学」が営まれているのかを考察する必要がある.オブジェクトとしての個別科学がたどる系譜は一般化された進化学的思考に基づく推論の対象である.科学史から得られた科学に関する知見は科学哲学に反映される.現実の科学がたどるパターンの記載に基づく科学哲学は,科学というプロセスに関する規範となり得る.そして,その規範は現場の科学者にとっての武器となる.科学・科学史・科学哲学の三者が入り交じったところに出現する科学のありさまを,生物科学と地球科学の実例をいくつか取り上げながら説明する.科学はたとえ進歩しなくても変遷する.その足取りを追跡するのが科学史に科せられた仕事である.

続いて,四日間にわたる集中講義の予定は下記のとおり:

  • 2011年12月19日(月)午前・午後 ——
  • 科学を歴史的に理解すること

    1. 生きものとしての科学と科学者集団
    2. 系譜のパターンと因果のプロセス
    3. 科学的推論の様式:演繹・帰納・アブダクション
    4. 歴史を推定するための推論様式

  • 2011年12月20日(火)午前・午後 ——
  • 科学哲学から見た科学のすがた

    1. 科学哲学:グローバルからローカルへ
    2. さまざまな科学があること:一般化科学と歴史科学
    3. 統計科学とモデル選択:科学哲学への応用
    4. 記載と規範のはざまで

  • 2011年12月21日(水)午前・午後 ——
  • 生物科学・地球科学のケーススタディー

    1. 生物体系学:科学社会学の文脈の中で
    2. 社会生物学:真理は到達可能なのか
    3. ルイセンコ遺伝学:科学と政治の葛藤
    4. プレート・テクトニクス理論:科学者集団の動態

  • 2011年12月22日(木)午前 ——
  • 総括:進化する科学の系譜からわかること

    1. 科学史は科学哲学にとっての砥石である
    2. 科学哲学は科学者にとっての武器である
    3. 科学は科学者の集団的営為に他ならない

参考文献リストについては〈結界T〉で公開済み.シラバスの微調整と文献リストの追加そして講義配布資料については,〈結界T〉を通じて行う予定.

—— さて,このようにシラバスのコンテンツ案はできたものの,はたして理学部の学部学生でこういう方面に関心のある向きがいったい何人いるんだろーかとやや不安…….とりあえず,信州大の浅見さん宛にシラバス関連の事務書類と教室セミナーの要旨をメール送信完了.

◆宴のあと,祭りのなごり —— 午後7時過ぎ,〈まつりつくば2011〉はいよいよフィナーレのセレモニーを迎えた.上から見下ろすかぎり,つくばセンターは身動きがとれないほどの混雑ぶりだ.すべてのイベントが終わって,学園線に車が行き来し始めるころには,カピオのねぷた小屋前で打ち上げの大宴会が始まっていた.山車やねぷたが勢ぞろいしているようすは上から見下ろしても壮観だ.いまの気温は23.2度.東風が涼しい.今夜も快眠保証.

◆[欹耳袋]夜のNHK総合で日本人イヌイットの一家を追ったドキュメンタリーが放映されていたのでしばし見入る.セイウチの塩茹で,アッパリアスの羽付き丸煮,そしてキビヤック(番組中では「キビア」)をもりもりと.ウワサに聞くだけの超絶発酵食品キビヤックをつくるには,まずはじめに岩場を飛び交うアッパリアス(ウミスズメ)を網で捕まえては,その場で翼をねじり心臓を指でつぶして活け締めにする.アザラシの革袋に羽付きのままアッパリアスをギュウギュウに詰め込み,空気を抜いて嫌気状態で常温発酵させるというレシピ.数カ月後にはとてもおいしく≠ネるらしい.うわ〜.

◆本日の総歩数=2504歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.6kg(−0.3kg)/28.0%(−0.3%)


27 augustus 2011(土)※まつりつくばに巨大な和太鼓が

◆午前5時起床.昨夜は万人を不幸にする Windows 7 に振り回されて疲れ果てた(コールセンターに電話する予定).曇り空.気温22.0度で涼しい北東風が抜き抜ける高層階.今日と明日の二日間,つくばセンターエリアで開催される恒例の〈まつりつくば2011〉で学園線が完全通行止めになり,車の出し入れがとても不自由.その出し物として,カピオ前の「ねぷた小屋」に巨大な和太鼓が初登場した.去年まではねぷただけで,こういう鳴り物はなかったな.太鼓の直径は約4メートルあまりか.さっき出初式とともに試奏されたが,低周波がびんびん伝わってきた.竹園界隈の下界はお祭りの雰囲気漂いまくり.曇りときどき晴れ,気温23.9度.北東風が涼しい. 曇り空が続く.やっと夏日ラインを越えたが北風が涼しい.学園線がねぷたやら巨大太鼓で封鎖される前に,車であちこち回らないと用事が終わらない.

◆祭りの日の┣┣" 撃ち ——JPY / USD / BRL 間の過去にさかのぼる為替レート計算をしないといけない.幸いなことに〈Exchange-Rates.org〉というサイトの中にある,「アジアおよび太平洋地域の外貨に対する ブラジル レアル の為替レート」を利用して,ワタクシがブラジルに滞在していたときのレート換算を過去にさかのぼってした.そんなこんなで,ブラジル出張に関わる大会参加費・ランチ代金などの「お金がらみ」の書類を全部仕上げたら,もう正午を過ぎていた.A4サイズで10枚もの分量になったが,記入箇所は全部手書き≠ノしてあげるね(いけずやわぁ〜).その後,貸し倉庫でごそごそして,トライアングルを六本松に送ってから帰宅.

◆[欹耳袋]認知的「種」の総数は? —— #PLoS: How Many Species Are There on Earth and in the Ocean? —— 肝心の「種」の概念とか定義に関する議論は皆無.そういう論文. だって高次分類群を前提に「種数」推定している時点でペケ.この論文をあえて前向き≠ノ解釈するならば,分類学者というブラックボックスが認知した「高次分類群」から予測される「種数」を推定したメタアナリシスということになるだろう.しかし,認知カテゴリー化というローカルな現象世界の話を無条件でグローバル化してもねぇ….たとえば世界中の「いきもの」をヒトが識別可能な folk species の上限数「500」以内の【種】に分類しきるにはどうすればいいか?という論文だったら,もっと積極的に評価してあげたいけど. 認知される「種数」が870万種とかありえない.「500種」以内です.それ以上はムリ.ローカルの「総和」としてのグローバルな「種数」をカウントしてみましたという趣旨だったら,PLoS Biology ではなく Cognition 掲載だったら許してもいい.それは「博物学モジュール」の普遍度に関する興味深いテーマにつながるから.

Togetter - 「種数の推計から政治的種概念へ」 —— 保全したい生物集団は迷わず「政治的種」に格上げして法律の庇護下に置く.あとはそれを含む系統関係を考慮した保全施策の策定でいかがでしょう.ポイントは「政治的種概念」を認めるかどうかという点.いま過去の悪行を掘り返してみたら,「政治的種概念」とか「司法的種論争」についてやりとりしたのは,1999年のEVOLVEでのことだった.沖縄の某学会懇親会で「Species is over〜♪」が大合唱された年のこと.振り返ってみれば「闘争の季節」だったなあ.

それに関連して,Robert May が1990年代はじめに書いた短報:Robert M. May 1990. Taxonomy as destiny. Nature, 347: 129 - 130 (13 September 1990); doi:10.1038/347129a0(※pdf はいろんなところからダウンロード可能)は「政治的に」とても重要だといまでも思う.

◆〈まつりつくば〉の会場を一回り —— まだパレードは始まっていないが,露店エリアはすでに大混雑.上空を吹く風は気持ちいいのだが,下界は人いきれと屋台からの熱と日射しの照り返しでとても蒸し暑い.来場する人は服装に要注意.例年通り,すずきもえみさんの総合司会で.パレードが動き出す気配.さて,インドレストラン〈ニューミラ〉の屋台で買ってきた野菜カレーとナーンをいただきましょうかね.午後になってやっと祭日和になったねぇ.

◆[欹耳袋]Rを使って Google Earth —— 縫村崇行「RとGoogle Earth を使った空間情報の可視化」.「KML」へのアウトプットには「rgdal」パッケージを使うとのこと.

◆例年,〈まつりつくば〉のころは残暑が厳しかった記憶があるが,今年は涼しいなあ.毎年のことながら,〈まつりつくば〉になるといきなりあらゆる方向からの大音響が交錯して,巨大なゲームセンターの中に放り込まれたかのよう.南半球的アップテンポの踊りが目立つ.毎年サンバ化していくような.午後5時の気温は25.2度.下界はきっと暑いだろうけれど.太鼓が轟きわたる夕暮れタイム.午後8時に〈まつりつくば〉初日のパレードが終了.やっとつくばセンター界隈は静かになってきた.北東風が涼しいいまの気温は22.1度.明朝はもっと気温が下がるのかな.ペデの露店はまだ開いているようで発電機の低い振動音が下界から響いている.

◆本日の総歩数=10996歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.9kg(−0.2kg)/28.3%(+0.9%)


26 augustus 2011(金)※雲間から温かい雨粒が降り注ぐ

◆午前5時起床.前夜はうかつにも寝落ちしてしまって,そのまま夜明けへ直行.気温23.6度で蒸し蒸ししていない.よしよし.朝から雲の多い青空.明け方は快適な空気だったが,しだいに蒸し蒸し度が高まってきた.雲間からときどき生暖かい雨粒が落ちてくる観音台の今の気温は28度.今日は「森ごもり」の一日.

◆[欹耳袋]アマゾン川の地下を滔々と流れる大河ハムザ —— Estadão. com.br「Rio de 6 mil km é descoberto embaixo do Rio Amazonas」(2011年8月25日)/mainichi.jp「アマゾン川:地下4キロに別の「大河」 全長6000キロ」(2011年8月26日)

◆朝の┣┣" 撃ち —— 真冬の信州松本での出張高座に関する日程調整ちう.いまのところ12月18日(日)に松本に入り,翌日19日(月)から22日(木)の午前中まで講義.その足で本郷に向かい,午後4時半から東大にて生物統計学の講義という強行軍になりそう.年の瀬に旭会館サバイバル自炊生活はいやだー(笑).何とか別のところに基地を用意する必要がある./さて,ブラジルからのランチ代金返信メールを日本語に翻訳しないと.クレジットカードの明細のコピーか.あ,為替レート換算の一覧も.まだまだ引きずる┣┣" の泥濘ぞ.

◆[欹耳袋]卓見! —— 森見登美彦「登美彦氏、締切太郎を召還する」(2011年8月23日).いわく:「胃の痛みに呻き、そして世の中にあるもの一切を「胃に良いもの」と「胃に悪いもの」に分類した」…「胃に悪いものは以下の通りである:締切」.

◆[蒐書日誌]Elliott Sober『Did Darwin Write the Origin Backwards?: Philosophical Essays on Darwin’s Theory』(2011年刊行, Prometheus Books, New York, 230 pp., ISBN:978-1-61614-230-8[pbk] → 目次版元ページ).昨年,近刊情報が出てすぐに発注したにもかかわらず,ブツが調達できないとのレポートが何度か送られてそのうちキャンセル扱いになってしまった.ざっとみた感じ,カバーされている共通祖先・群淘汰・性比・自然主義などの話題は,前著:Elliott Sober『Evidence and Evolution: The Logic Behind the Science』(2008年4月21日刊行,Cambridge University Press,Cambridge,xx + 392 pp.,ISBN:978-0-521-87188-4 [hbk] / ISBN:978-0-521-69274-8 [pbk] → 目次著者サイト正誤表[pdf])とかぶる部分も多い.一般読者向けにもう一冊書いたということかな.

◆昼前に30度の真夏日ラインを越えたつくばは,午後になっても残暑の日射しが降りそそいでいる.分子系統ワークショップの案内をメーリングリストなど関係諸方面に流した.今夜はカレーをつくってみようかと突発的に思いついた.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 冬の信州・松本でのお座敷の日程調整だん.松本市内中心部から通ってもいいけど,浅間温泉というとても魅力的な選択肢が浮上してきた.温泉宿から毎日高座に向かうというのはとても情緒があっていいなあ.そうこうするうちに,あやうく旭会館に事務的に拉致られそうになったので,あわてて迎撃した(間一髪だった).あとは浅間温泉の宿を少し調べてみよう./[欹耳袋]松本電気鉄道「松本市近郊路線バス時刻表」 のなかの信州大学−浅間温泉間時刻表 (→pdf) /浅間温泉街のパブ・レストラン〈赤いピアノ〉はそうとうレトロな店みたい.

◆しだいに空が真っ黒な兇相に変わってきた.冗談ではなく,ひぐらしのなく頃を迎えつつある.うわぁ,東京アメッシュが真っ赤.もう逃げ場がなさそう.午後3時過ぎ,雨が来る気配とともに,ぽつぽつと降ってきた.雨雲がヤバそうなので,急いで撤収.帰り道はかなり本降りだったが,ほどなく小降りになった.つくばセンターの一帯は,この雨の中をすでに明日からの〈まつりつくば2011〉に向けて動き始めている./[欹耳袋]つくばよりも都内の方がはるかにスゴイな……【ゲリラ豪雨】東京都内の大雨まとめ(2011/08/26) - NAVER まとめ.

◆夜,新しい Windows 7 マシンが届いたのだが,管理者ログオンパスワードを最初にちゃんと設定したにもかかわらず,次回起動時にまったく受け付けなくなった.こりゃ話にならないねぇ.門前払いか.XP 以降,Vista→7 と「不幸の系譜」は続いている.ひょっとしてOSのクリーンインストールを強制されるの? 人を不幸にするPCはこの世から消えてなくなれ.

◆本日の総歩数=2693歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=94.1kg(−1.0kg)/27.4%(−1.0%)


25 augustus 2011(木)※泣きっ面に真夏日でへばり気味

◆午前5時半によろよろと起床する.うう…….今朝もほぼ熱帯夜だったが,その後も蒸し蒸しした曇り空から断続的に小雨が降り続いている.やっと┣┣" 撃ち体勢に入れそう.

◆朝の┣┣" 撃ちは宣伝宣伝また宣伝 —— 第155回農林交流センターワークショップ 〈分子系統学の理論と実習〉2011年10月26日(水)〜28日(金)@つくば.いま受講生募集してます〜.応募締切は9月22日(木).今年で四年連続実施.校長センセはワタクシ.関連メーリングリストや講師陣にもさっそく周知しないと./運営費交付金の残高がすでに赤字になっているらしい.さて,どこからかお金を工面してこないと…….とりあえずRPリーダーに「Por favor!」してみるか.

◆[欹耳袋]統計モデルは操作化された心理的本質である —— 第一種過誤(「ないものをある」というエラー)は,心理的な「本質主義」と整合的であるという点で,われわれヒトにとってはより重要.統計学がまずはじめに第一種過誤のコントロールに腐心するのは,そもそも統計学の存在意義がヒトの認知的直感に対する疑念にありと考えれば理解しやすい.われわれが第一種過誤を生得的に犯しやすい生き物であるからこそ,その推論バイアスへの警鐘として統計学は機能する.一方,第二種過誤(「あるものをない」というエラー)はもともとヒトにとっては縁が薄いとワタクシは考えている.言い換えれば第一種過誤はヒトの gut feeling に直結するのに対し,第二種過誤はそこまで「いきもの」サイドに寄ってはいない.

ワタクシ自身の過去の経験では,統計学が必要になるのは「データが汚い」からだと公言する研究者(とくに実験科学系の研究者)は少なくない.統計学の出番がないほどクリスタルに美しいデータを礼讃するのは一種の「本質主義」だとみなせる.誤差のないイデアな世界を仰ぎ見るということは,とりもなおさず測定値の海や実験誤差の泥の向こう側に普遍的な法則性・規則性をつかさどるもの(正しい意味での「心理的本質」)があるという信念だからである.もちろん,Karl R. Popper の言う「一般化科学」(generalizing sciences)は「本質」抜きには成立しないだろう.

統計学の場合,心理的本質主義とのつきあい方には十分に注意する必要がある.データを説明するための「統計モデル」は,まちがいなく心理的本質を操作化(operationalize)したものである.モデル選択における「オッカムの剃刀」(赤池情報量規準 AIC はその現代版にすぎない)が取り沙汰されること自体,統計モデルが姿を変えた心理的本質であることの証だろう.

◆[蒐書日誌]江崎悌三(著)/江崎シャルロッテ(編)『江崎悌三随筆集』(1958年12月14日刊行,北隆館,東京,x+345 pp.).前から探していた昆虫学エッセイ集だったが,人間ドック後に立ち寄った天久保学園古書センターにて運よく安くゲットできた.江崎悌三の没後翌年に刊行された121のエッセイをまとめた本.手元に:上野益三他(編)『江崎悌三著作集(全三巻)』(1984,思索社 → 書誌情報)がある.『随筆集』との重複がどれくらいあるのか確かめていないが,ざっと見るかぎり随筆集は新聞や雑誌などに寄稿した短報・エッセイの集成のようだ.それにしても相当な切手マニアですなあ.本書の前の所有者は農水省果樹試験場興津支場にいた是永龍二さん.サインの下に「34.12.24 静岡」とメモあり.回顧的エッセイを読む楽しみのひとつは,意外な「人脈」が垣間見えるところだ.待ち時間にぱらぱらめくっていたらこんな一節があった:「また小学校の昆虫採集仲間には高坂正顕氏がいた」(p. 4).ここに登場する「高坂正顕」とはのちに京大人文研所長としていわゆる「京都学派」の一翼を担った人物で,保守派論客・高坂正堯の父親でもある.ほんのちょっとした一文からも背後にひそむ人のつながりが広がる.

◆[欹耳袋]〈第5回生物学基礎論研究会〉: 2011年9月6(火)〜7日(水)@慶應義塾大学三田キャンパス南校舎443番教室.※各演者の持ち時間はひとり最低一時間! さすがテツガク業界っ.

◆朝のうちに雨がぱらついていたが,午後はじっとりした曇り空.真夏日ラインこそ越えなかったものの終日蒸し暑かった.さて夕刻の厨房へ直行.今日も葉生姜をかじりながら,夕餉は和風なメニューにしよう.

◆[蒐書日誌]むかしむかしのこと,書店の新刊コーナーである本を手に取ったら(タイトルは忘却のかなた),ほんまもんの「離婚届」が挟み込まれていたことがあった.驚いてチェックしたら平積みのその本すべてに離婚届が一通ずつきちんとはさまれていた.いったい何の本だったのか? おぼろげに晩聲社の〈ルポルタージュ叢書〉だったか,あるいは亜紀書房とか三一書房の社会派本だったか,それとも太郎次郎社かも(ありえないか).うーん…….いやいや挟み込みの「離婚届」用紙は一通ではなかったぞ.二通あったような記憶がしだいに鮮明になってきたなう.なんで二通? 二回離婚しろって? ナゾがナゾを呼ぶ.

◆南海上に台風がふたつあって,同時に北上し続けているらしい.とくに台風12号は真北に進んでいる.予想進路の延長線上には東京都心が〜!

◆本日の総歩数=6384歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=95.1kg(+1.8kg)/28.4%(−0.5%)


24 augustus 2011(水)※蒸し暑い残暑がまた戻ってきた

◆午前4時半起床.曇っているが,東の空は明るい.夜が明けたら青空が広がっていた.気温21.9度.東寄りの風が心地よくいちおう涼しいことは涼しいのだが,湿度が高めでよろしくない.今日もまた暑くなるのだろうか.新着緊急┣┣" 御一行様をおもてなししたあと,原稿┣┣" 飼育室に向かう.やや雲の多い観音台はすでに夏日ラインを越えて,午前9時前には26度台の蒸し暑さになっていた.

◆[蒐書日誌]献本感謝です!:東浩紀(編)『思想地図β・vol 2』(2011年9月1日近刊,コンテクチュアズ,東京,252 pp., 本体価格1,905円,ISBN:978-4-9905243-1-9 → 版元ページ).特集〈震災以後〉.売上金の1/3は震災支援金として寄付されるとのこと.

◆朝からじゃまくさ┣┣" に足をすくわれる —— 朝,居室に来てみたら学界参加費がらみのじゃまくさい┣┣" が一頭はいつくばっていた.けっとばしてやろうとしたのだが,これが意外に手間取ることが判明した.先月末にブラジルへの学会出張に行ったときの旅費精算請求書の作成.学会参加費のカード振込明細書を添付するのは当然として,学会参加費の中に「ランチ」と「バンケット」の金額が含まれている場合,その分を減らして請求せよとのお達し.今回の出張では,大会参加費にランチ料金が含まれていたので申告しないといけない(バンケットは別料金).しかし,一回のランチがいくらかかったかはプログラムには明記されていない.事務に問い合わせたところ,「学会事務局にランチ金額を問い合わせよ」とのこと.ランチ金額が判明したならば,ランチ当日(四回それぞれ)の為替レートにしたがって日本円に換算した上で,請求額から差し引いて申告せよということらしい.

あまりにもばからしいので全部書いてしまったが,さらにまだ先のハナシが続く.大会初日にオープニング・セレモニーがあったのだが(プールサイドでの微やパーティ),その経費が大会参加費に含まれているかどうかについても,大会事務局に確認を取れとのこと.はい??? そういうセレモニーはふつう無料でしょ(大会事務局あるいはスポンサーの負担).そんなこんなで,またしてもサンジョゼ・ド・リオプレトの大会事務局に,「ランチのシュハスコっておいくら? 歓迎パーティの経費ってどこから出てるの?」を問い合わせるなんともおマヌケなメールを地球のウラ側に送ってしまって,ややへこんでいる.フェルナンドさん,ごめんねー.

農環研の研究員は今後は国際会議に出席しない方がいいんじゃない? 参加の前準備やら後始末が途方もなくたいへんなので.そういう「雑用」から完全に解放される唯一の方策は「私費参加」だけ.独法の場合だったら「研究交流促進法」に則って,自費での海外出張が可能.要するにお金持ちの研究員は自由を買い取ることができるということ.なあるほど.

その後,交通費は公費で,参加費は私費でというやり方はどうかという情報があった(大学ではそれができるらしい).独法ではダメだろうと念のために事務に問い合わせてみたら,なんと「できる」みたい! タテマエ上はあり得ないけれども,実質的にはそうなるケースは実在するとのこと.交通費は公費出張なので「所として払わないわけにはいかない」のに対し,参加費は立替払いの請求書を参加者本人が申請しないかぎり,「所側から払いたいという言うわけにはいかない」らしい.したがって,その申請をしなければ実質的に私費払いということになるとのこと.

—— もちろん今回の件に関して,農環研の事務をうらむつもりはまったくないわけでして.むしろ,おもしろいほどバカらしい「実務雑用┣┣" 」どもの跳梁跋扈を笑い飛ばすことでワタクシ自身の精神衛生を保っているということ..

◆昼休み,ふたたび「夏の空」がもどってきたな.もうすぐ真夏日ラインを越えそうな気配.雲の多い昼休みの観音台は気温31.3度の蒸し暑さ.ツクツクボウシの声量がさらに大きくなった蝉時雨の中をしばし歩き読み.暑〜.

◆午後の(もっと重要な)┣┣" 撃ち —— 秋の分子系統ワークショップの受講生募集は今週金曜から開始.そのための配布文書など至急┣┣" 撃ちをすませた.よろしくお願いいたします.さて,受講生募集が次の┣┣" だ./〈系統樹ウェブ曼荼羅〉連載第9回「新大陸先住民の知識体系としての生命の樹」のゲラを返却した.今月末公開予定.

◆サンパウロからメールあり.フェルナンド,ごめんねー.その情報があれば大丈夫.まったくもう納棺研てば……

◆[欹耳袋]Alexander Suh et al. 2011. Mesozoic retroposons reveal parrots as the closest living relatives of passerine birds. Nature Communications, 2: 443. doi:10.1038/ncomms1448/asahi.com「スズメとオウム、近い仲間 米独チームがゲノム解析」(2011年8月24日).

◆夕方,蒸し暑さの中を撤収し帰宅.夜は飲み過ぎてかなりへろへろになった.飲みすぎてはいけませんよ.

◆本日の総歩数=12396歩[うち「しっかり歩数」4298歩/38分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.3kg(+0.4kg)/28.9%(+0.4%)


23 augustus 2011(火)※朝早くから人間犬に変身する日

◆午前4時起床.気温21.0度.肌寒い.昨夜は遅くまで雨が降っていたがいまは止んでいるようだ.日中はツクツクボウシをはじめセミたちが鳴いていたが,いまの時間帯は秋の虫がすだく夜明け前.午前5時ちょうどにミンミンゼミがじゃまくさそうに鳴き始めた.曇り.気温は21.0度と変化なし.今日は年休をとって人間犬になる.わんわん.

◆年に一度,人から犬へ,犬から人へ —— 午前7時に出発.外は曇ってときおり霧雨が降っていた.やや蒸し暑いかも.歩いてメディカルに向かい,検診センターに入ったのは午前7時半.午前いっぱいはバリウムを飲んだり血を抜かれたりゼリーを塗られたりと,いろいろな検査を受ける.いったん帰宅してから昼過ぎに再びメディカルへ.個人面談は午後イチ.しだいに晴れて暑くなってきた.

人間犬に変身している間に:副島顕子『酒米ハンドブック』(2011年7月31日刊行,文一総合出版,東京,i+97 pp., 本体価格1,400円,ISBN:978-4-8299-1133-4 → 版元ページ)を読了.コメの写真を見て相好を崩している人間犬.欄外の私的コメントが染みこむなあ.最下段のラベルの配列順序も気になるところ.無作為化サンプリングか.

帰り道,天久保の学園古書センターに久しぶりに立ち寄ったらつい時間が経ってしまった.大清水公園のねぷたの準備は着々と進んでいる.朝のうちは気温が低かったが,午後になって青空が広がり暑くなってきた.最高気温は午後5時前の29.8度.また真夏日がぶり返すのかな.帰ってきたら新着┣┣" が二頭にやにやしていた.

◆[欹耳袋]Frank J. Sulloway『Born to Rebel: Birth Order, Family Dynamics, and Creative Lives』(1996年10月刊行,Pantheon Books, New York, xviii+653pp., ISBN:0-679-44232-4 [hbk] → 感想)については,スティーヴン・ジェイ・グールドは『マラケシュの贋化石:進化論の回廊をさまよう科学者たち』(2005年11月30日刊行,早川書房,ISBN:4-15-208685-8 [上巻] / ISBN:4-15-208686-6 [下巻] )の下巻第19章「ドリーのファッション,ルイのパッション」で詳しく論じている(とくに pp. 172 ff.).出版される20年も前にサロウェイはデータがすでにそろっていて,グールドは早く出版しろとずいぶん急かしたらしい.家族内での出生順序という「先天的」ではあるが「遺伝的」ではない環境要因が子どもの人生に及ぼす影響について,グールドは本書が20年早く1970年代に(すなわち社会生物学論争の真っ只中に)出版されていたならばもっとインパクトがあったにちがいないと書いている.ワタクシが最初にサロウェイ本の存在を知ったのは,Darwin-L に Robert J. O'Hara が新刊紹介をしたときだったと記憶している.

◆夕餉は届いたばかりの葉生姜をがりがり齧りながら,ビールまたビール.せっかく年休をとって人間ドックに行ってこってり絞られたのに,その教訓がぜんぜん活かされていないじゃないかというツッコミは禁句ですぅ〜.

◆本日の総歩数=8585歩[うち「しっかり歩数」6191歩/61分].全コース×|×.朝−|昼△|夜○.計測値(前回比)=92.9kg(−0.9kg)/28.5%(−0.8%)


22 augustus 2011(月)※秋雨前線が停滞して湿気が充満

◆午前4時半起床.雨が本降り.気温19.7度.関東全域にしっかりした雨雲がかかっているようだ.前夜,うっかり窓を開けたまま寝たら寒かった.本降りの雨.気温はさらに下がり続けて午前7時に最低気温19.3度をマークした.冷たい北風が吹き抜ける.日中は蒸し暑くなるかもという予報に後ろ髪ひかれつつ,のうかんけん的「夏の正装」を断念した.季節が秒速で変わる変わる.年に一度の人間犬≠ノなるしたく初日.

気温19度台の観音台は雨がときおり強く降っている.午前8時半にいきなり全館空調が稼働してあわてている(何もこんな日にまで……).しかし,二十分もしないうちに空調は止まった.さて,あとは室温変化をモニターしつつ居住空間のアメニティー維持に努めよう.

◆[蒐書日誌]浅草十二階(増補新版) —— 細馬宏通『浅草十二階:塔の眺めと〈近代〉のまなざし(増補新版)』(2011年8月近刊,青土社,東京,ISBN:978-4-7917-6618-5 → 版元ページ).元本は2001年6月01日に刊行された(ISBN:4-7917-5893-5).新規に加筆され約30ページほど厚くなっている.当時,読了したときの感想は:「さて古えの凌雲閣がどこにあったのか,千束通りの店はとっくに閉めていて,注連飾りが風にゆれ,芸者なのか,日本髪の女がショールに首うづめて歩く.(野坂昭如:『新宿海溝』)」だった.今はもうない「十二階」に登る空想が心地よかった.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 紛失してしまってもう始末書を提出したあとになって,リュックのサイドポケットの底から蛇腹になった半券が掘り出された件.しかし持っているのも腹が立つので,事務に提出してきた.

◆朝からずっと雨が降ったり止んだりで,気温は20度そこそこ.秋雨前線はとても活発のようだ.

◆[欹耳袋]フリーの統計解析ソフト〈PSPP〉.ついでに,貧乏人のための〈ASA〉 とか,金持ちのための「Я」とかないんだろうか…….

◆午後の┣┣" うち —— 午後4時過ぎ,「種概念」という大┣┣" 一頭をいま放流したところ.【種】について7000字も書けば体調がワルくなるのは必定.明日の人間犬は診断結果がよからぬことになりそう.わんわん.残り大┣┣" 四頭,中┣┣" が三頭,小┣┣" が一頭.どこまで続く泥濘ぞ.とりあえず毒気を抜くために撤収しようか.

◆[蒐書日誌]誕生の「順序」は人生を方向づけるのか —— Frank J. Sulloway『Born to Rebel: Birth Order, Family Dynamics, and Creative Lives』(1996年10月刊行,Pantheon Books, New York, xviii+653pp., ISBN:0-679-44232-4 [hbk] → 感想).15年前に話題になった本で,出版されてすぐに EVOLVE に紹介メールを流した.家庭における「出生順」がもたらす人生への波及効果を論じた労作で,電話帳のように分厚い本だが,SASを用いた統計解析の結果に基づいて議論を進めている.「第二子は先天的に反逆的性向がある」というとてもシンプルなメッセージが読者に手渡される.

◆明日は朝早くから人間犬.全日年休をとってメディカルセンターに行かないといけない.懺悔懺悔六根清浄.

◆本日の総歩数=8668歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.8kg(+0.2kg)/29.3%(+0.3%)


21 augustus 2011(日)※冷たい雨がしとしと降る日曜日

◆午前5時前起床.二時間ほど前から雨がぱらぱら降り始めた.気温は20.6度.前夜,窓を全開放して寝たら,吹き抜ける北風が寒すぎてあわてて窓を締めた.つい数日前まで熱帯夜でぶつぶつ文句を言っていたのに.急に肌寒くなったせいか,今朝は蝉の声も虫の声もまったく消えてしまった.秋雨が静かに降り続き,午前10時の気温が19.4度というありえない肌寒さ.

◆[蒐書日誌]昨日,イーアスつくばのアカデミア書店で現物を初めて手にした:ルイ・メナンド[野口良平・那須耕介・石井素子訳]『メタフィジカル・クラブ:米国100年の精神史』(2011年8月19日刊行,みすず書房,東京,本体価格6,000円,ISBN:978-4-622-07610-0 → 版元ページ).米国プラグマティズムの起源を遡及した大著.原書出版10年目にして翻訳するとはさすがみすず書房.たまたまオレゴン州立大学(コルヴァリス)に滞在していたときに,街の本屋で原書ハードカバー版を入手した:Louis Menand『The Metaphysical Club: A Story of Ideas in America』(2001年5月刊行,Farrar, Straus and Giroux, New York, xii+546 pp., ISBN:0-374-19963-9 [hbk] / ISBN:0-374-52849-7 [pbk] → 目次・感想版元ページ

◆[欹耳袋]海外の国際会議に参加する外国人は,ご当地の治安事情に疎いか甘く見ているフシがあるようなので,痛い目に遭う前に調べられる範囲で情報収集しておいた方がいい.「ワタクシ旅行者です」・「土地勘不如意です」・「お金持ってます」というオーラを漂わせるのは問題外の外.とくに治安の悪さで定評のある大都市で国際会議が行われたとき,空港についたとたん,あるいは目的地についたとたん,身ぐるみすべてはがされましたという実話を聞いたことは一度や二度ではない.

たとえばパリ:シャルル・ドゴール空港とパリ中心部とを結ぶRERは,パリ周縁部の治安的に問題のあるエリアを通過するので,乗る車両と座る位置にはくれぐれも注意するようにとアドバイスを受けた.車内での置き引きやひったくりが頻発するらしい.もうひとつはマンハッタン:ニューヨーク植物園で Hennig Society Meeting があったとき,グランドセントラル駅から Metro North 線に乗って毎日通ったのだが,大会アナウンスで「ブロンクスあたりで途中下車しようなどと思わないこと」と書かれていた.

初めて海外の国際会議に参加したのはハンガリーのブダペストだった.公用旅券(緑パスポート)での出張だったので,スーツにネクタイ,ちゃんとした革鞄をもち歩いていたら,学会会場でパスポートを盗まれてエラいことになった.霞が関に謝りに行ったり,始末書を書いたり…….その手痛い経験があるので,以降,海外出張に行くときは,裸足にサンダル,着古した服を身にまとい,ひげをだらしなく伸ばすようにしている.現地新聞を小脇に抱えるのも効果的.入国審査でときおり査問されることがあるが,街中での災厄は以後一度も遭ったことがない.

そういえば,以前,ブエノスアイレスからアトランタのハーツフィールド空港にやっと着いて,成田行き搭乗口で一寝入りしようとしたら,向こう側のベンチでもっとだらしなく(失礼)熟睡しているひげもじゃの知り合いがいた.空港内睡眠は人それぞれ.とくに出国してからは緊張感が緩むこと多し.

◆[蒐書日誌]今日の朝日新聞書評欄から —— 小林龍生『ユニコード戦記:文字符号の国際標準化バトル』 (2011年6月刊行,東京電機大学出版局,東京, ISBN:978-4-501-54970-1 → 版元ページ).彼のブログ〈小林龍生の怠惰な日々〉を見るにつけ,コバヤシタツオには音楽のこととかコマバのことをもっとたくさん語ってほしい.

◆[欹耳袋]Togetter -「第10回こころの広場「進化とこころ〜「こころ」も進化した?」」.

◆気温19度台の肌寒い昼下がりに原稿┣┣" を追いかける.夕暮れ,仔┣┣" 三頭をまとめて片付けたので一休み.夜になって,冷たい雨が降ったり止んだり.いろんな方角から風が吹きこむので,そのつど窓を閉めたり開けたりする.夜,大きめの┣┣" を追いかけ始めたら寝落ちしてしまった.

◆本日の総歩数=0歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.6kg(0.0kg)/29.0%(+0.4%)


20 augustus 2011(土)※一瞬にして夏が去り秋風が吹く

◆午前4時起床.きのう前線が通過してから空気がすっかり入れ替わり,熱帯夜という言葉は死語となった.いまの気温21.1度.北西風が吹き抜け,湿度も低いようで,エアコンいらずの快眠ができた.今日はずっと曇り空かのぉ…….気温が低くて快適モーニング.よしよし.

◆【欹耳袋】統計学三題噺 ——

  1. 統計学にとっての「アイガー北壁」を登攀すべきか? —— 統計学を学ぶのに,集合論・公理的確率論・測度論・確率分布論と進むルートは,ワタクシならば「生物学者にとって禁断の統計学アイガー北壁」と命名して,禁断の道であることを生物系の学生にアドバイスします.けっして生きては帰ってこれないと思うので.もちろん,数理統計学者ならばアイガー北壁だろうが南極のクレバスだろうが渡っていただかないと困るのですが,統計ユーザーである生物学者にはそれとはちがった統計学との付き合い方があるだろうと思っています.要は,食材(データ)ごとにどのレシピ(統計ツール)を使い分けるかがポイントで,食材もよく見ないで焼いたり煮たりしてしまうことはしないようにと学生にはよく話しています.レシピ自体をつくるのはプロに任せておけばいいと思います.

  2. えっ,「統計思考院」って? —— 統計数理研究所公開講演会「社会に生きる統計思考の力」2011年11月2日(水).統数研に「統計思考院」設立されるのを記念する講演会とのこと. なかなかすごいネーミングだなあ.設立趣旨文を見ると「統計実践道場としての統計思考院(仮称)を立ち上げ,若手研究者少数名を常駐させ,研鑽や対外研修企画・実施を開始する。」と書かれている.そうか,「統計道場」の看板を掲げるというわけね.

  3. 統計学のオモテとウラ —— 一般化された「歴史科学」(palaetiology, historiographiy)が取り組む歴史の単一生起性(uniqueness)は,統計学とのすり合わせが基本的に困難.頻度主義あるいはベイズ主義のいずれをもってしても,歴史現象となじませるにはムリな仮定が必要.でも,それだけ仮定してもなお「ゲイン」があるからこそ研究が続いている.ワタクシとしてはそのウラ側に隠される「ロス」に目を向けたい.ゲインが理解できて初めてロスの大きさが評価できる.個人的には,データの可視化・可聴化・可触化により大きな関心がある.

◆今日のランチは,松代のイタリアンレストラン〈Amici〉 にてピザ三昧.まずはマリナーラから.にんにくの風味よろし. 続いて定番のマルゲリータも.Vera causa ならぬ vera pizza を看板にする店だけあって,シンプルなピザがとても美味.ここはつくばきっての人気店なので,ランチタイムは当然のごとく長い待ち行列が伸びる伸びるまた伸びる.正午前の早めの時間帯に来たのに,順番を待ってやっと食べ終わったのはもう午後一時半だった.

◆映画〈ツリー・オブ・ライフ〉を観て —— 日頃から映画を映画館で見る習慣がないのだが,今日はイーアスつくばに出る機会があったので,夕方MOVIXにて何年ぶりかで劇場映画鑑賞.「生命の樹」というからには,生物の進化に関わる映画ではないかという先入観をもつ観客が多いかと思う.しかし,実際に二時間あまりの映像を見てみると,そういう自然派≠フ映画ではまったくなく,むしろ宗教的な「生命の樹」のイコノロジー,とくに「エッサイの樹」にみられる聖書の象徴的な系図メッセージを知っていないとこの映画は理解できないのではないかと感じられた.主人公たちが住む家の庭に植わっている「リアルな樹」の背後で「バーチャルな樹」が縦横無尽に広がっていく.

もちろん,宇宙創成からはじまって,生物進化のシーンも出てくるし(恐竜のCGは〈ジュラシック・パーク〉を髣髴とさせる),自然派♀りの読み取り方ができる部分もないわけではない.しかし,全編にわたって「水」が通奏低音として鳴り響き,エンディングも波の打ち寄せる渚で時空を越えた「生命の樹」の賑わいが映しだされる.刹那が永遠に組みこまれ,永遠が刹那に切り取られていく「生命の樹」がこの映画のテーマであるとしたら,とてもよくできた映画だとワタクシ的には思われた.ただし,文化的背景がまったく異なる日本での興行成績はきっとはかばかしくないのではないだろうか.

背景音楽的にも興味深いものがある.マーラー〈巨人〉の冒頭,流れ行く「モルダウ」の旋律,主演ブラッド・ピットが教会のパイプオルガンで奏でるバッハ「トッカータとフーガ」,トスカニーニのブラームス四番とともに人生訓が語られる.そして平均律クラヴィーア.カウンターテナーが絶唱するあの曲は何だろう.

◆今日は終日涼しい空模様で,最高気温は25.2度どまりだった.熱帯夜も猛暑日も遠くなりにけり.夕餉は,獺祭スパークリングとともに神戸牛の焼肉をいただきました.午後8時過ぎ,雨がぽつりぽつりと降ってきた.午後11時,気温22.0度,北東の風が涼しくて快適.下界からは蟋蟀の鳴き声が聞こえてくる.たった一日にして夏から秋へと切り替わってしまった.

◆本日の総歩数=4292歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=93.6kg(+0.6kg)/28.6%(+0.5%)


19 augustus 2011(金)※いきなり豪雨のち落雷のち秋風

◆午前4時前に起床.昨夜はとても早寝してしまったので,午前1時前の直下地震のぐらりとか,午前2時に雨がぱらぱら降った雨音もうっすらと覚えている.いまの気温は25.5度の蒸し暑い熱帯夜.雨雲はすでに通り過ぎているが,窓から見下ろす路面はまだ濡れている.その後,空が白んできても曇天が続いていたが,また雨が降り出し一時は本降りになった.ここ数日,夕立ちさえまったく降らない空模様だったので恵みの雨か.

◆久しぶりの雨に濡れる観音台はそれでも気温がすでに25度の夏日ラインを越えている.予報では昨日までの猛暑から解放されて涼しいなど言っているが,油断していると湿気のしっぺ返しを喰らうことは必定.多少気温が下がっても蒸し暑ければ不快指数はかえって高くなってしまう.いきなり雨が降って気温が下がったせいか,農環研構内の蝉時雨は昨日までよりも音量が小さい.かしましいミンミンゼミもまだ本調子ではないようだ.朝イチのBGMは passionate なギドン・クレメルのバッハ無伴奏でキマリ.東京アメッシュを見ると,これからつくば付近はざんざか降りそうな気配が濃厚だ.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 来週の火曜に人間ドックを受診するので,年休を取る./農環研分会の定期大会は9月1日(木)の昼休みに二階大会議室にて.昼食が用意される.分会役員のみなさん,一年間たいへんおつかれさまでした./ブラジル出張の搭乗券半券を紛失した「始末書」にハンコを押したなう.わーん,ごめんなさいごめんなさい.

◆朝の落雷と停電 —— 午前9時前,観音台は近くの落雷で一時的に停電してしまった.書きかけの書類が電子の藻屑となって消え去り,外は視界もきかない豪雨となっている.その後もなんどか落雷&停電を繰り返す.館内空調も止まったまま.カミナリが落ちるたびに停電するようでは,おちおち原稿も書けやしない(←ここだけ声が大きくなる).これじゃあデスクトップPCはコワくて使えないねー.とりあえず前線が通過するまでは,MacBook Air + Emobile に緊急避難.いまの外気温22.2度だが,居室の窓を全開放しても29度より下がらない.全館空調は止まったままだし,そろそろ閾値を越えるかなあ.

◆[蒐書日誌]物理的な「モノ」としてのちがいは歴然 —— 西野嘉章『新版 装釘考』(2011年8月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー741],東京,271 pp. + 24 color plates, 本体価格1,600円,ISBN:978-4-582-76741-4 → 版元ページ).原本:西野嘉章『裝釘考』(2000年4月15日刊行,玄風舎発行・青木書店発売,東京,ii+292 pp. + 72 color plates, ISBN:4-250-20025-6 → 書評目次)に対する「増補改訂版」という位置づけの再刊.本文の改訂とともに,最後に「神原泰の装釘本」(pp. 230-239)という新たな項目が書き足され,それに対応する図版と文献が付加されている.その一方で,原本にあった「歴史の文字−記載・活字・活版」(pp. 263-274)というエッセイは削られている.

カラー図版は原本と比較して数がかなり減らされ,キャプションは巻末にまとめられている.原本では72枚あった図版が今回の再刊では1/3の24ページに削減されているのでしかたがない.それでも,それぞれの書影は平凡社ライブラリーの判型に比例して縮小され詰められているが,原本の雰囲気は伝わってくるだろう.個人的な好みでいえば,カラー図版のバックを灰色にしたせいで書影がやや見づらくなっている気がする.

著者の「平凡社ライブラリー版 あとがき」によると,原本は「A5版上製本カバー付貼り函入りで出版された元本は,刷り部数が少なかったことに加え,活版刷りの珍しさも手伝って,すぐに品切れとなった」(p. 263)そうである.また,巻末の解説記事:紀田順一郎「釘の思想」(pp. 265-271)には,「世のいわゆる豪華本や限定本とは距離を置いた,知的な離れ業的特製本という,本を知り尽くした著者ならではの造本だったのである」(pp. 265-266)と書かれている.

ワタクシが本書の原本をどこで入手したかといえば,京王線・南大沢駅前の書店の新刊棚に並んでいたのをたまたま手にしたからにほかならない.都立大に生物統計学の集中講義に行っていたときだった.本との出会いは一期一会.玄風舎版『裝釘考』はかなり高い本だったが,迷わずレジにお連れしたのは結果として幸いだった.紀田の解説記事にも書かれているが,玄風舎はこの『裝釘考』を出版したのみで消えた版元だった.そして,紀田のこの発言は,ワタクシが著者の西野さんから直接聴きだした証言とも合致している.南大沢で手にしなければ二度と出会えなかった本ということだ.一期一会.出会った本は迷わず買うべし.

—— いささか皮肉な言い方になるが,今回の再刊は,物理的な「モノ」としての本のちがいをまざまざと見せつける.文字テキストや情報だけが「本」を構成しているのではないことは,旧『裝釘考』と新『装釘考』とを実際に手にすれば誰もがそれを実感するにちがいない.その意味で,玄風舎版の旧『裝釘考』と平凡社ライブラリー版の新『装釘考』は別々の「本」だと考えた方がいいだろう.『新版 装釘考』を手にした読者は玄風舎版『裝釘考』をどこかで手にすることで,初めて本書の読書が完結することになる.

◆お昼前,外はざあざあ降り続き,中は全館空調が止まったままで室温が28.5度と許容範囲上限に接近している.これ以上,居室環境が悪化するようなら今日は早々と撤収してしまおうかな.アルプス交響曲のサンダーマシンのような雷鳴が轟く昼休み.午後になって,降り続いていた雨は小止みになっているが,雨雲はどんどん湧き上がっているようだ.窓全開でやっと居室の気温は28度台.原稿┣┣" 放牧場のようすをリモート監視する.

◆【欹耳袋】「思考三部作」フル出演!→紀伊國屋書店・新宿本店ブックフェア〈現代思想ビギナーズvol.3 文庫・新書・選書で学ぶ『言語・論理・科学哲学』〜ソシュールからドーキンスまで〜〉※ありがたやありがたや〜.

◆比較的おとなしい仔┣┣" 三兄弟にターゲットをしぼる.まだ雨がしとしと降っているけど,居室の蒸し暑さがいっこうに改善されないので,そろそろ撤収タイムかなあ.仔┣┣" 三頭を合体して中┣┣" 一頭にまとめたなう.小雨が降りしきる中を撤収.今日の午後は21.0度まで気温が下がり,そのまま夕刻を迎えている.農環研はずっと29度台の蒸し暑さが続いていたが,外に出てみてやっと涼しさを実感した.湿度が高いのが要注意だが,ひさしぶりに北寄りの風に吹かれて心地よし.今夜は快眠確実かな.

◆本日の総歩数=2954歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.0kg(−0.2kg)/28.1%(+0.3%)


18 augustus 2011(木)※ふたたび「森」に潜んで生きる

◆午前4時前起床.気温26.9度.蒸し蒸しした正しい熱帯夜.湿度が高くて寝苦しかった,といいたいところだが,昨日はつくばに帰ってきてからぐーぐー寝てしまった.「明日のために今日も寝るのだ;今日のために明日も寝るのだ」と喝破した『男おいどん』の主人公・大山昇太なワタクシ.観音台はすでに30.4度の真夏日.居室は29.5度だったが,いま全館空調が入ったのでしだいに涼しくなっていくだろう.今日は原稿┣┣" を追いかける日.

◆午前の書類┣┣" 撃ち —— 来月からの兼業申請書類(案)を提出したのだが,フレックスタイムをどう変更して,時間年休をどこにつっこむか,さらに二校の掛け持ちをどのように最適化して申請するかで,午前がほぼつぶれそうな勢い.農環研の場合,フレックスタイム制とはいえ,裁量労働制ではないので,コアタイムの周辺で数時間の「可変領域」があるのみ.しかも,時間年休の制約,兼業時間の制約などが上乗せされると,自由度はどんどん削られていく.そんなわけで必ずしもフレックスではないフレックスタイム制なのだが,農環研の中ではフレックス自体を利用している職員の率は驚くほど低いとのこと.研究職員のなかでさえ定時出勤・定時退庁という勤務スタイルは健在なのだろう.

◆朝から気温はぐんぐん上昇して真夏日ラインをあっさり突破.予報ではこの夏一番の厚さになるとか.先ほど,兼業書類の訂正をしにきた事務の担当者がおそるおそる「入ってもいいでしょうか?」と居室のドアを開いた.「森≠ノ入ってもいいですけど帰れなくなりますよ」と言いそうになったが,室温25度でグレン・グールドの平均律が流れる居室は心地よさげだった.またどーぞ.正午前には34.1度と猛暑日目前.

◆[欹耳袋]裁量労働制がらみ —— 個人的にはフレックスタイム制ではなく,もっと融通のきく裁量労働制にしてほしいと以前から希望している.つくばの農林研究団地の中で,大所帯の農研機構はすでに裁量労働制を採用しているが,生物研と農環研はまだ裁量労働制ではない(他の独法はどうだったろうか).裁量労働制は独法ごとの労使協議で決まる.分会役員をしていたころに聞いた話では,裁量労働を採用している独法の職員からはそれに反対する声はないらしい.しかし,全農林が裁量労働制に関して諸手を上げて賛成していないのは,時間外労働の問題があるからだろう.

職場的にいえば,裁量労働制に消極的な分会組合員(研究職)は意外に少なくない.独法当局側としても裁量労働制にしない理由はないのだろうが,先に言い出すわけにもいかないようだ.フレックスあるいは裁量労働制は日々の研究環境に直結することなので,長短を評価するときに保守的になりがちなのはやむを得ないかもしれない.たとえば,研究チームでの集団圃場作業が続くような職場だと,勤務時間に個人差が大きくなるとやりづらくなるかもという懸念があるかも.そういう場合でも「要は運用で」という柔軟な考えが広まってくれれば,ワタクシ的にはとてもとてもありがたい.

—— 年休・兼業・フレックスの綱渡り操作を毎月欠かさずやっている身からすれば,裁量労働制にしてくれればどれだけ事務仕事が軽減されることかと思わざるをえない.来期の農環研分会に提案してみるか.

◆本日の最高気温は35.2度で連日の猛暑日だった.全館空調が切れる午後5時前にとっとと撤収し,たがみ酒店で〈獺祭スパークリング〉のハーフボトルをゲットして帰宅する.夕暮れになっても外はまだ31度超の真夏日が続いている.明日からは前線が南下して猛暑は和らぐとの予報だが,気温が多少下がったところで,湿度が上がればかえって不快指数は高くなってしまうのではないのか.今夜の夕餉は久しぶりにホワイト餃子,そして塩鶏のローストとシンプルな炒飯.もちろんビールもありますっ.

◆[蒐書日誌]黒田孝郎・森毅・小島順・野崎昭弘『高等学校の確率・統計』(2011年8月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・math & science],東京,524 pp., 本体価格1,600円,ISBN:978-4-480-09393-6 → 目次版元ページ).三省堂から出された高校の検定教科書とその指導資料を合本したもの.合わせて500ページを越える分量がある.ざっとブラウズしたかぎりでは,場合の数の計算から始まって,平均・分散を中心とする記述統計学,二項分布と正規分布にもとづく確率分布論,さらに仮説検定にまでいたる推測統計学に関して詳しく書かれている.指導資料とともに巻末の資料(エッセイ群)がおもしろいかも.

今の高校の教育課程では,「確率・統計」は critically endangered な教科だと思う.毎年,大学で講義するたびに「高校で確率・統計は習った?」と訊いているが,ほとんど誰も受講していない.事実上,確率・統計は大学で学ぶ教科とみてまちがいない.となると,本書は高校生向けではなくむしろ大学学部生用の「教科書」として指定ができるかもしれない.ここまでの基礎知識が事前にあればまったく言うことなし.とりあえず,租界Rの統計本リストを更新しないと.

思い起こせば,高校のときに確率・統計を何で体系的に勉強しただろうか.科学振興社のモノグラフだったか,それとも緑チャートだったか…….ムカシのことなので記憶がおぼろ.少なくとも授業で勉強した覚えはまったくない.高校の時の「数III」は微積オンリーだった.ただ,大学入試では確率・統計の問題でかなり苛酷な出題がされることが事前にわかっていたので,個人的には時間をかけて勉強した記憶がある.しかし,入試戦術としては「確率・統計は最初から捨てる」がベストだったかも.

◆夜,うかつにも早寝してしまった.原稿……(ぼそ)

◆本日の総歩数=2632歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.2kg(−0.5kg)/27.8%(0.0%)


17 augustus 2011(水)※猛暑に炙られる渋谷センター街

◆いつもどおり午前4時半起床.朝焼けタイム.いまは薄く雲がたなびいているが,日中は夏空になるのだろう.明け方の最低気温は24.7度までしか下がらず,湿気もあって寝苦しいことこの上なし.観音台はもうすぐ真夏日ラインを越える.いまやっと全館空調が入ったので,暑苦しい「森」もだんだんしのぎやすくなるだろう.今日は午前中のみで撤収し,午後はシブヤに出没する予定.

◆居室の「森」の一画にある「グールドの果て」 —— なんのかんのと言いながら,Stephen J. Gould の著作は全部そろっている.2002年の『進化論の構造』は二冊もあるし(うち一冊は持ち歩き用に裁断済み).全10冊揃いのエッセイ集の原書は研究所に並んでいるが,翻訳された全20冊は自宅の書棚にある.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 九月以降の秋のお座敷の段取りをそろそろ始める.来月上旬は福岡(2011年度統計関連学会連合大会)や那覇(Second International Symposium on Biological Shape Analysis)でイベントがあるのだが,全部キャンセルしてしまったので,日程的にはとてもラクになった.しかし,中旬以降は集中講義が立て込んでいる.首都大学東京の生物統計学集中講義は南大沢の方でいつもどおり支度を進めてもらっているので,ワタクシは行って高座をお勤めすればいいだけだ.月末の横浜国大・統計道場は,まずはじめに泊まるところから確保しなければならない.昨年と同じく,横浜中華街のど真ん中にある〈ローズホテル横浜〉をオンラインで予約完了.玉川大学の分子系統学の講義も下旬から始まる.兼業申請書類はもう出したっけ? 東大理学部については兼業申請をしないと.

◆真夏日の原宿から渋谷へ駆け抜ける —— 昼前に撤収.もちろん真夏日で正午の気温は32.7度に達した.正午の区間快速で東京出撃.表参道で降りて,残暑の日射しを真上から浴びながら,青山の〈パンとエスプレッソと〉へ直行.パニーニランチセット.こういう店でフォカッチャやパニーニをゆっくりいただくというのもたまにはいいことかもしれない.

店を出てタクシーをひろい,渋谷駅前〈渋谷エクセルホテル東急〉に向かう.午後2時ちょい過ぎに待ち合わせ場所の五階〈エスタシオンカフェ〉にて,NHKの担当ディレクターさんとご挨拶.NHK-BSプレミアムで来月末に放映予定の進化関連番組について,打合せを小一時間.こちらから提供できる資料については後日メールにて送るとともに,系統樹の画像データベースについても提供できるものは渡すことになった.

むかしむかしコマバに住んでいたときから渋谷センター街あたりは私的に居心地がワルかった.コマバから松濤を抜けて神泉のウラ側から這い上がって円山町に潜入する「ケモノ道」をよく利用していた.名曲喫茶〈ライオン〉,〈ムルギーカリー〉,そして道玄坂YAMAHAへの道.今回もセンター街への接近は賢明にも回避した.

◆睡魔が降臨する夕闇 —— 午後3時すぎに渋谷を出てからつくば直帰.午後5時前に到着.都内の最高気温は33.8度.しかし,戻ってきたつくばの最高気温は35.2度の猛暑日だった.帰り道から睡魔がずっと取り憑いていて,帰宅してからまず一寝入り.夕餉ののちにまた一寝入り,ふと気がつけば午前零時前だった.しかし,こんな時間に起きてもしかたがないので,さらにまた睡眠へ一直線.

◆今日は原稿が満足に書けなかった.その┣┣" 撃ちは明日まわし.

◆本日の総歩数=5537歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(+0.8kg)/27.8%(−0.2%)


16 augustus 2011(火)※日暮れてヒグラシ小野川で宴会

◆午前4時半起床.薄雲が東の空にかかっている.朝焼け直前.気温24.7度でやっぱり蒸し暑い.昨夜遅く原稿がひとつ仕上がったのでホッとしている.懸案┣┣" が一頭ずついなくなるのは善きかな.午前5時過ぎ,日の出.東の空に顔をのぞかせたばかりの朝日は日中の兇悪さの片鱗も見せない.薄曇りの観音台はもうすぐ真夏日ラインを突破しそう.朝から蒸し暑い.初ツクツクボウシ.今年の夏も最終楽章に入った.それにしても,夏場のこの季節に,全館空調が「8:00〜17:15」の定時運転をしているかぎり,空調稼働時間にシンクロさせて働くのみ.フレックスタイム制はまったく意味がない.労働時間が空調稼働時間によって制約される理不尽さ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 向こう一ヶ月間の┣┣" 撃ちリスト更新だん.要するに今月中は「しっかり原稿を書こうね」月間ということ.来月になれば「秋の高座のしたくをしようね」月間に看板が付け変わる.約二ヶ月間放置した原稿┣┣" ども(頭数いっぱい)の眠る┣┣" 舎にいままさに入らんとす.遠距離から望遠鏡にて標的の観察記録:大┣┣" 五頭,中┣┣" 二頭,小┣┣" 四頭か.大┣┣" がさらに一頭コマバから漂着したのが手痛い…….

◆[欹耳袋]〈TwiTeX〉※ちゃんと数式が書けるねぇ.\( \TeX \) で組まれた数式を TwtPic に送るツール.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 進化学事典の「形態測定学」項目の原稿を共立出版編集部に送信完了.分量はおよそ一万字.タテマエは字数四千字までの「中項目」なのだが,ま,いいよね.とりあえず大┣┣" 一頭を攻略した.こういう「狩り」が月末まで延々と続くことになる.本日の最高気温は午後二時半の33.6度だった.湧き上がった積乱雲が西から接近しているような気配.

◆[欹耳袋]Facebook で東大オケの過去の定期演奏会やサマーコンサートの古い音源(1970年代)がオープンリールから掘り起こされてウェブ公開されている.自分が乗った演奏会のもある.うれしいようなはずかしいような.77年サマコンの「火の鳥」,78年サマコンの「ロデオ」は乗ってましたね.

◆小野川にてパーティ —— 午後7時前,小野川の国立環境研にたどりつく.夕暮れの木立からはヒグラシの大合唱.所内某所にてとても上品な飲み会.カチョカバロを焼いたり,ヤギさんチーズが飛び跳ねたり,〈蒼空〉が開栓されたり,そうめんが巻きついたり.参加人数は二十人くらいいたのだが,女性と子どもの参加率が高いと突発的な暴走や予期しない暴発が制御されるのだろう.あまりたくさん飲まなかったような記憶があるのだが,それでも帰宅してすぐに沈没してしまったよーな.

◆本日の総歩数=5462歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=92.9kg(−0.6kg)/28.0%(−0.9%)


15 augustus 2011(月)※猛暑の敗戦記念日は居室に籠る

◆昨夜は午前2時にあえなくダウンしたので,今朝は遅めの5時半起床.もちろんとっくに朝日は昇っていた.最低気温は23.4度で昨日までよりもいくぶん涼しい気もするが,きっと錯覚だろう.今日午前中が原稿の締切〜(大汗).先週末からずっと締め切っていた「森」は,気温31.5度と温暖化の極み.全館空調が入るまではトロピカルな〈ブラジル風バッハ〉でも聴くとしようか(向こうは「冬」だけど).原稿を書きまくるのが午前の┣┣" .正午までの運命やいかに.

◆[欹耳袋]「文化」の進化と系統について —— 「文化(culture)」そのものは「種(species)」と同じく定義できないしまたとらえどころがないので,「文化進化」という問題提起は生産的ではないだろう.しかし,「文化」を構成するそれぞれのオブジェクトである「文化的構築物(cultural constructs)」ならばもう少し焦点を絞ってその系統や進化を考察することができる.そのオブジェクトの系譜を推定するための形質を具体的に考えることができるからだ.

オブジェクト独立的に系譜関係を持つという点での一般化をもくろむとき,共通問題と個別問題をはっきり自覚できるかどうかがポイントになる.系譜パターンと進化プロセスの相互推定する点ではオブジェクト独立な定式化が可能だ.他方,たとえば分子配列と行動形質では状態変化の頻度や方向性やホモプラジーの程度に大きなちがいがあるだろう.しかし,しょせんそれらは程度のちがいなのだから,形質進化モデルの「差」に帰着することができる.系統推定そのものについては同一の「場」で議論できるということだ.

—— 継承パターン推定問題はオブジェクト間で共有されていても,因果プロセス推定問題はオブジェクトごとに異なるという視点を据えること.

◆午前中ずっと暗い居室の中で原稿を書いてはみたもののはかばかしい展開にならなかった.ゲン直しに,水曜のNHK取材に先立つ広報事項「事前」連絡票を書いてみたりする.最近,所内外的には報道関係で細かいお達し≠ェいろいろおりてきている.しかし,「進化」がらみだとTV取材を受けても目くじらたてられることはないだろうし,その点はご安心あれ.

◆[欹耳袋]〈食用昆虫科学研究会〉が2011年5月に食総研の中に開設されたとのこと.

◆午後も引きこもり原稿書き.本日の最高気温は34.4度とまたしてもかぎりなく猛暑日に接近した.15:27,久しぶりに大きな地震.地鳴りがすごかった.地の底から「ごぉ〜」とか「どーん」と音が響いて,その直後に揺れ始めた.震源地に近いからか.睡魔が来たりて笛を吹く昼下がり.

◆夕方,午後5時過ぎに撤収.空にフシギな雲がかかっていた.帰宅後,夜もずっと原稿を書き続けて日が変わってやっと脱稿した.〈系統樹ウェブ曼荼羅〉第9回連載記事:「新大陸先住民の知識体系としての生命の樹」.編集部にメール送信して,大┣┣" 一頭は去っていった.

—— 寝る寝る〜.

◆本日の総歩数=0歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(0.0kg)/28.9%(+1.0%)


14 augustus 2011(日)※真夏日は一歩も外出せずじまい

◆午前4時起床.夜明け前の薄明.気温25.4度と蒸し暑い.遠景がにじんだように見えるのは,空気中の水蒸気が多いせいか.下界ではセミたちがブルックナー開始のようにしずかに鳴き始めている.今朝のつくばは蒸し暑くて靄がかかったような空模様.朝焼けも日の出も拝めなかったが,一条の雲が東の空を切り裂いていた.

◆[分類思考]shilasさんのレビュー「分類思考の世界 (講談社現代新書)」(2011年8月11日) ※「集合論」ではなく「圏論(category theory )」を./書評頻度分布をときどきチェックするのは精神衛生上よろしい:ブクログ「「分類思考の世界 (講談社現代新書)」 みんなのレビューページ」.このブクログのページで引用されている「善き人〜」というくだりは,2006年のドイツ映画〈善き人のためのソナタ〉のストーリーを踏まえている.ベルリンのカール・マルクス書店で主人公は「Es ist für mich」と言いつつレジに本を差し出すエンディングだった.

◆パリから持ち帰ってきたワイン二本 —— 一本目は:L'Exceptionnel de Paul Buisse 2006, Chinon, Loire. 丸っこい変わった形のボトル.Caberne franc 100%だそうな.シャビシュー・デュ・ポワトゥに合わせるつもり.詳細は公式ページこちら.もう一本は:Georges Vigouroux 2005, Chateau de Haute-Serre, Cahors - Malbec種のブドウでつくられる.フランスに Malbec のワインがあるとは知らなかった.この地域一帯で Malbec のワインを造っているらしい(→Chateau de Haute-Serre).三年前にアルゼンチンに行ったとき,初めて Malbec の赤ワインを飲んだ.濃い真紅の色合いに惹かれたが,日本だと数少ないアルゼンチン・ワインでしかその味に再会することはなかった.南米だけと思い込んでいたが,フランスにもあったとは.マルベック種の赤ワインは果実の風味に深みがあって,南米の脂身の少ない牛肉にとてもマッチしていた.アルゼンチン・ワインでは「赤=Malbec」/「白=Torrontés」という不動の等式が成り立つ.今夜は Chabichou du Poitou のために L'Exceptionnel de Paul Buisse, Chinon, Loire を開栓した.意外に深みのある赤ワインと絶品シェーヴルが合いすぎる.ロワールのきりっとした白が定番らしい.ワタクシはChinonの赤で賞味しました.

◆[蒐書日誌]Joseph B. Kadane『Principles of Uncertainty』(2011年5月18日刊行,Chapman & Hall / CRC Press[Texts in Statistical Science], Boca Raton, xxviii+475 pp., ISBN: 9781439861615 → 版元ページダウンロード先).ベイズ統計学全般(主観的確率から Bayesian MCMC まで)の教科書.500ページあまりもある本書のすべてをpdfでダウンロードできる.太っ腹すぎる(拍手また拍手).

◆[欹耳袋]きっとつくるぞ「桃サラダ」 —— ツレヅレハナコ blog ver.「桃とモッツアレラのサラダ」(2008年5月14日).十年前にギリシャに行ったとき,どこのタベルナでも食前に出てくる「野菜サラダ(Χωριατικη σαλατα)」に食パンほどもある巨大な塩抜きフェタ・チーズがどーんと乗っかっていて,オリーヴオイルをまわしかけながら,切り崩しつつ食べたことを思い出す.実際にワタクシがパトラスの街の食堂で食べたのに近い画像はこれかな.

◆今日は最高気温が34.4度まで上がったそうだが,一歩も外に出なかったので実感していない.夜になって満月がひときわ明るく光っている.例年通り,お盆帰省もお墓参りもなく,たんたんと日々を過ごす一週間がまた始まる.今夜はまた熱帯夜のようだ.日が変わっても夜は長い.原稿の締切が明日なんだけど,とても書ける気がしないのが問題.どーしましょ.

◆本日の総歩数=0歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(−0.3kg)/27.9%(0.0%)


13 augustus 2011(土)※お盆働き初日は原稿┣┣" から

◆午前4時半起床.薄く雲が広がっているが,いい天気みたい.いまアメダスが止まっているけど,明け方は雲がかかっていたが,ちょうど隙間から朝日を拝むことができた.熱帯夜ラインをほんの申し訳程度に下回っただけで,十分に蒸し暑い明け方だった.その後はぎらぎらした夏の太陽とうだるような残暑になる予感がする.世間的にはお盆休みで高速道路は各地で渋滞がひどいらしいが,ワタクシ的にはとても大切な「お盆働き」の期間となる.ずーーーっと放置していた進化学事典の原稿┣┣" を撃つべし撃つべし.

◆[蒐書日誌]スティーヴン・ジェイ・グールド棚はもう広がらない…… —— 故スティーヴン・ジェイ・グールドの連作エッセイ翻訳が完結した記念に,これまで日本語に訳された10巻(全20冊)の書誌情報をまとめた.もともとは Natural History Magazine の連載に基づくエッセイ集だったが,日本語に翻訳された彼の著作については断片的にしかまとめられていないようだ:

  1. スティーヴン・ジェイ・グールド[浦本昌紀・寺田鴻訳]『ダーウィン以来:進化論への招待(上)』(1984年2月15日刊行,早川書房,東京,219 pp., 本体価格1,200円,ISBNなし)/『ダーウィン以来:進化論への招待(下)』(1984年2月15日刊行,早川書房,東京,221 pp., 本体価格1,200円,ISBNなし)※ハヤカワ文庫NF196:1995年9月21日刊行,ISBN:4-15-050196-3 → 版元ページ(上下巻合本)
  2. スティーヴン・ジェイ・グールド[桜町翠軒訳]『パンダの親指:進化論再考(上)』(1986年5月31日刊行,早川書房,東京,289 pp., 本体価格1,400円,ISBN:4-15-203308-8)※ハヤカワ文庫NF206:1996年8月刊行,ISBN:4-15-050206-4 → 版元ページ/『パンダの親指:進化論再考(下)』(1986年5月31日刊行,早川書房,東京,258 pp., 本体価格1,400円,ISBN:4-15-203309-6)※ハヤカワ文庫NF207:1996年8月刊行,ISBN:4-15-050207-2 → 版元ページ
  3. スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆・三中信宏訳]『ニワトリの歯:進化論の新地平(上)』(1988年10月31日刊行,早川書房,東京,296 pp., 本体価格1,500円,ISBN:4-15-203372-X)※ハヤカワ文庫NF219:1997年11月刊行,ISBN:4-15-050219-6/『ニワトリの歯:進化論の新地平(下)』(1988年10月31日刊行,早川書房,東京,310 pp., 本体価格1,500円,ISBN:4-15-203373-8)※ハヤカワ文庫NF220:1997年11月刊行,ISBN:4-15-050220-X
  4. スティーヴン・ジェイ・グールド[新妻昭夫訳]『フラミンゴの微笑:進化論の現在(上)』(1989年12月15日刊行,早川書房,東京,338 pp., 本体価格1,800円,ISBN:4-15-203422-X)※ハヤカワ文庫NF267:2002年5月17日刊行,ISBN:978-4-15-050267-6 → 版元ページ/『フラミンゴの微笑:進化論の現在(下)』(1989年12月15日刊行,早川書房,東京,358 pp., 本体価格1,800円,ISBN:4-15-203423-8)※ハヤカワ文庫NF268:2002年5月17日刊行,ISBN:978-4-15-050268-3 → 版元ページ
  5. スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]『八匹の子豚:種の絶滅と進化をめぐる省察(上)』(1996年9月30日刊行,早川書房,東京,306 pp., 本体価格1,600円,ISBN:4-15-208030-2)/『八匹の子豚:種の絶滅と進化をめぐる省察(下)』(1996年9月30日刊行,早川書房,東京,310 pp., 本体価格1,800円,ISBN:4-15-208031-0)
  6. スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]『干し草のなかの恐竜:化石証拠と進化論の大展開(上)』(2000年9月15日刊行,早川書房,東京,331 pp., 本体価格2,100円,ISBN:4-15-208298-4)/『干し草のなかの恐竜:化石証拠と進化論の大展開(下)』(2000年9月15日刊行,早川書房,東京,374 pp., 本体価格2,100円,ISBN:4-15-208299-2)
  7. スティーヴン・ジェイ・グールド[廣野喜幸・石橋百枝・松本文雄訳]『がんばれカミナリ竜:進化生物学と去りゆく生きものたち(上)』(1995年10月31日刊行,早川書房,東京,355 pp., 本体価格1,845円,ISBN:4-15-207969-X)/『がんばれカミナリ竜:進化生物学と去りゆく生きものたち(下)』(1995年10月31日刊行,早川書房,東京,410 pp., 本体価格1,845円,ISBN:4-15-207970-3)
  8. スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]『ダ・ヴィンチの二枚貝:進化論と人文科学のはざまで(上)』(2002年3月21日刊行,早川書房,東京,277 pp., 本体価格2,200円,ISBN:4-15-208396-4 → 版元ページ)/『ダ・ヴィンチの二枚貝:進化論と人文科学のはざまで(下)』(2002年3月21日刊行,早川書房,東京,254 pp., 本体価格2,200円,ISBN:4-15-208397-2 → 版元ページ
  9. スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]『マラケシュの贋化石:進化論の回廊をさまよう科学者たち(上)』(2005年11月30日刊行,早川書房,東京,255 pp., 本体価格2,000円,ISBN:4-15-208685-8 → 版元ページ目次書評)/『マラケシュの贋化石:進化論の回廊をさまよう科学者たち(下)』(2005年11月30日刊行,早川書房,東京,262 pp., 本体価格2,000円,ISBN:4-15-208686-6 → 版元ページ目次書評
  10. スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]『ぼくは上陸している:進化をめぐる旅の始まりの終わり(上)』(2011年8月15日刊行,早川書房,東京,329 pp.,本体価格2,500円,ISBN:978-4-15-209231-1 → 版元ページ)/『ぼくは上陸している:進化をめぐる旅の始まりの終わり(下)』(2011年8月15日刊行,早川書房,東京,345 pp.,本体価格2,500円,ISBN:978-4-15-209232-8 → 版元ページ

—— 彼が逝去した翌年に書いた一文:三中信宏「グールドのデビューは2回あった」がある.掲載誌は:東大生協書籍部書評誌『ほん』2004年1月号・通巻317号 , p. 7(2003年12月22日発行).これは〈特集:若書き〉に寄稿したエッセイだった.グールドについては,彼の Wikipedia 項目( →「Stephen Jay Gould」)を手がかりにして詳細にたどることができる.しかし,単に「グールド」をキーワードとして検索すると,音楽家の「グレン・グールド」ばっかりヒットしてしまうなあ.

◆原稿をばりばり書くはずが,かなり充実したシエスタを満喫してしまった昼下がり.朝からずっと引きこもっていたが,夕焼けに染まるころ,ちょっとだけ外出.お盆休みのせいか道も店も空いていた.気温28.6度.夜になっても蒸し暑さは残る.夜遅く,フルムーンが空高く輝いていた.今夜も熱帯夜のようだ.明日こそは原稿を書かないと締切に間に合わない.書く書く詐欺は万死に値する.

◆本日の総歩数=670歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(−0.2kg)/27.9%(0.0%)


12 augustus 2011(金)※お盆前は採点の祭典で大わらわ

◆午前4時過ぎ起床.雷雲は消え去りいまは晴れている.気温25.0度の熱帯夜.東の空がほんのり色づいている.日の出にはまだ時間がある.夜中にゆさゆさと揺れて目が醒めたのは午前3時半のことだった.かなり長く揺れていた.福島では震度5あったらしい.

◆「採点の祭典」という┣┣" を川に放流する —— 東京農大の「実験データー解析概論」は毎年お盆明けに成績報告の締切がやってくる.今年は8月23日(火)が締切日だ.いつも直前になってあたふたするので,今年はお盆前にすませてしまおうと殊勝なことを考えたばっかりに今日中に決着をつけないわけにはいかなくなった.お昼前に採点作業の肉体労働は終了したのだが,肝心の農大・教務サーバーが「夏休み」に入ってしまって,来週後半にならないとウェブからの成績入力がいっさいできないことが今になって判明した.しかし,こんなことでめげてはいられない.お盆明けまで「採点の祭典」┣┣" と同居するのは勘弁してほしい.ここはもうあえて時代をさかのぼり,最新ICT技術を反故にしても,ウェブからではなく「紙」ベースで成績報告することに自分会議で即決した.ちくちくと記入した成績報告書は午後の郵便で桜丘に向けて発射されました.めでたしめでたし.

—— 「研究者」ならば学生の成績評価みたいな仕事は降ってこないだろうが,「教員」にとっては毎年恒例の必修作業だ.

◆[欹耳袋]ドードーとサン=テグジュペリのおはなし —— ぜんぜん別の方面からこのふたつの話題が立ち上がった.絶滅鳥ドードーはいまでは剥製標本ひとつ残っていない幻の鳥である.その骨格標本は Richard Owen が調べたという(→ オックスフォード大学博物館「The Oxford Dodo」: pdf).手元にあるドードー本は二冊:Jan den Hengst (2003) 『The Dodo: The Bird that Drew the Short Straw』とAlan Grihault (2005) 『Dodo : The Bird behind the Legend』.これらのドードー本は,かつてドードー本を書いた Marquis Masauji Hachisuka の縁で,蜂須賀正子さんからいただいたものだ.ドードーは現実世界ではなくむしろ物語世界で生き続けている.

物語世界という点では,『星の王子さま』の作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリも同格だ.サン=テグジュペリの「最期」については:エルヴェ・ヴォドワ『星の王子さまの眠る海』に詳しく書かれている.彼の飛行機の残骸がマルセイユ沖で発見されたというニュースは,オランダのライデンにいたときに新聞で読んだ.2000年5月30日のことだった.アラン・ヴィルコンドレ『サン=テグジュペリ:伝説の愛』という大判の写真集&書簡集をひもとくと,サン=テグジュペリの飛行服姿はどことなくかっこいい.作家にはとても見えない.

◆今日は終日「森」に引きこもっていた.本日の最高気温33.8度.猛暑日だった昨日よりはマシだが,それでも夕方はうだるような暑さと蝉時雨だった.今週の職場はすでに全面的にお盆休みモードで終日クラくてシズかだった.来週水曜くらいまでは夏季特別休暇の三連休を利用して職場から姿を消す研究員が少なくないのだろう.いつもどおり午後5時に撤収.帰宅後,日中が暑かったのを口実に,いい気になってビールをうぐうぐ飲んだのが敗因.午後10時すぎに不覚の寝落ちから覚醒する.昼休みのシエスタと夜の寝落ちが常習化していてよろしくない(南米スタイルをまだ引きずっているのだろうか).

—— もうすぐ日が変わるのに外では蝉の合唱が響いている.蒸し暑いことこの上なし.午前零時の気温はまだ26.5度もある.今夜も寝苦しい熱帯夜の予感がする.

◆本日の総歩数=3135歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(+0.7kg)/27.9%(−0.2%)


11 augustus 2011(木)※熱帯夜と猛暑日のダブルパンチ

◆午前4時半すぎ起床.晴れ.朝焼けなう.気温24.9度.蒸し暑い.今日も猛暑日ですかそうですか.午前5時前に日の出.真赤な太陽が地平線から昇ってきた.午前8時に真夏日ラインを早くも突破した観音台.暗い「森」の気温はいま30度ちょうどだが,いましがた全館空調が入ったのでこれからすごしやすくなっていくだろう.それでも昨日は実現温度が28度を下回ることはなかった.「設定温度28度」ではなく「実現温度28度」という節電スローガンだったら,文句を言う人はほとんどいないはず.Astor Piazzolla の〈Maria de Buenos Aires〉をBGMに流すとぜんぜん仕事にならない.とりわけ Milonga carrieguera はつい聴き入ってしまってBGMには絶不向き.

◆午前の┣┣" 撃ち —— お盆休みに原稿┣┣" を撃つ準備.いよいよ年貢をおさめないといけなくなってしまった./東京農大の「採点の祭典」がいま始まる./8月25日(木)所内エコバランス研究会.13:30〜15:00./8月17日(水)午後,都内でNHK番組企画に関する打ち合わせ.系統樹をテーマにして.

◆つくば市の苅間にある〈La Maison de Campagne〉はキッシュや洋菓子,有機ワインの店.以前はランチに行くこともあったが最近はご無沙汰している.きのうは久しぶりにグレープフルーツのタルトをいただいた.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 採点の祭典,真っ只中.受講生が百名以上いて,レポートを二回出題したので,成績評価のための作業量はなかなかたいへんだ.

◆この夏の最高気温レコードを更新する「36.5度」まで達したつくば.今日はシエスタがとても心地よかった.しかし,午後はしだいに雲が広がって,この一時間で一挙に4.4度も下がったが一雨来るのかな.

◆[欹耳袋]背タイトルの方向性について —— Discomycetes etc.「本棚に立てられた洋書の背文字は読みにくい」(2010年11月24日). 洋書の「背タイトル」の方向は前から気になっていた.この記事では,本を立てたときに背タイトルを上から下へ書く「書き下げ」と逆に下から上へ書く「書き上げ」という対極的なふたつのスタイルがどのように分布しているのかについて論じられている.結論は,細かい例外はあるものの,版元がどの国(言語圏)に属する出版社かによって「書き下げ」と「書き上げ」の区別が決まるらしい.典型的には英語圏では書き下げが主流だし,独語圏や仏語圏では逆に書き上げが大半だ.興味深いのは,「書き下げ本」では目次は冒頭にあり,「書き上げ本」では逆に目次が巻末に置かれているという高宮利行の指摘である.以前から,フランス語やドイツ語の本で目次が本の末尾に置かれていて不便に思ったことがあった.確かに裏表紙を上に置くことを考えれば,「書き上げ」と「巻末目次」の相関性はとても便利だ.その一方で,表表紙を上に置く場合には,逆に「書き下げ」と「冒頭目次」がリンクしているのは利便性がある.なるほどなるほど.

◆午後5時にさくっと撤収.曇り空.気温はまだ32.4度もある.南からの熱風がじとじとする.帰路途中に大粒の雨がぱらぱらしたが,すぐにやんだ.午後7時前,筑波山の北あたりに凶悪な雷雲が湧き上がり,稲妻が空を切り裂いている.生暖かい雨粒が落下し始めた.北からじわじわと兇相の雷雲が南下してきた.いま関東では茨城県中央部だけが「真っ赤」だ.そして,真っ黒な空から雷鳴が「どーん」と響いてくる.ニュース報道によると石岡では時間雨量にして「115mm」降ったらしい.午後8時,通り雨がさりげなく通り過ぎ,北東の風に変わって,蒸し暑さだけが残っている.午後10時過ぎにまた降りだす雨.

◆パリで買ってきた Brillat Savarin がとてもおいしい.スパークリング・ワインが合うらしいので,日本酒の中でも格別な酸味のある秋田・山本合名会社の〈ドキドキ夏生〉を試しに合わせてみた.炭酸ガスこそ入っていないが,リンゴ酸がたくさん混ざる特殊な日本酒で,意外にはずれていなかった.ただし,このチーズの感じだと,山口の〈獺祭〉スパークリングの方がはるかにマッチしているかもしれない.日本酒の活性にごり酒や純米吟醸のなかにはチーズとの相性がとてもいい銘柄が少なくない.

◆[欹耳袋]農大昆研連載記事 —— asahi.com神奈川版連載記事「虫にかける青春」.8月9日から毎日連載されている.「東京農大厚木キャンパス「昆研」の青春群像を追う」とのことで,すでに「(1)採集は研究の第一歩」,「(2)体理解するため作製」,「(3)昆虫の「聖地」で調査 -皇居-」がオンライン公開されている.

◆本日の総歩数=3216歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.3kg(−0.2kg)/28.1%(+0.3%)


10 augustus 2011(水)※暑すぎるので昼は激辛ラーメン

◆午前4時すぎ起床.予想通りの熱帯夜で,いまの気温が25.2度.ゆっくり安眠するにはあまりに蒸し暑すぎる.まだ朝焼け前.夜明けが日に日に遅くなってきた.今朝はヒグラシの前にミンミンゼミがかしましく鳴きだす.午前8時前,締め切っていた居室の気温は朝からすでに30度もある.全館空調が稼動し始める前だからしかたがない.BGMはラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団の〈ロマンティック〉.でも,なんだか暑苦しいような…….蒸し暑く暗い居室で,背後からワーグナーチューバが吠えている.

◆[欹耳袋]その出版以来,ワタクシまわりの限られた範囲で絶大な喝采を浴びつつある:副島顕子『酒米ハンドブック』(2011年7月31日刊行,文一総合出版,東京,i+97 pp., 本体価格1,400円,ISBN:978-4-8299-1133-4 → 版元ページ)の出版祝賀会は,来月9月17日(金)に都内にて開催予定.時間と場所は未定.この日は南大沢の巡業帰りなのだが,はたして生きてつくばに帰れるのだろうか?

◆真夏日の午前の┣┣" 撃ち —— ブラジルから帰国して以来,生活リズムがなんとなく変形してしまったらしくいまひとつノリが悪いな.ブラジルから生還できたのはいいのだが,搭乗券半券の一枚(サンパウロ→リオプレト)がどうしても見つからない.TAM航空に問い合わせても時間がかかりすぎるとのことで,事務では「旅行エージェントの発券証明書」&「ワタクシの始末書一筆」でケリをつけようとの方針.エールフランスの搭乗券は厚手の紙(よくあるやつ)なのでなくしようがないが,TAMのはスーパーのレシートみたいなぺらぺらの薄手の紙切れだったので,どこかにまぎれてしまったか,それともまさに商品レシートとともに丸めて捨ててしまったか.とりあえず向こう数日間「探索」を続けよとのことなのだが,cost / benefit がワルすぎるので,始末書でいいじゃんと早くもあきらめムードが漂っている.始末書くらいなんぼでも書きまっせ〜(汗)

◆真昼のガマン大会ランチ —— 正午に35.1度の猛暑日ラインを突破したつくば.暴力的に暑かったので.ランチは上横場のラーメン屋〈明神 角ふじ〉にて「魂麺」をしっかり食べてきた.真っ黒い饂飩のような太麺を噛みしめるのも修行のうち.ちょっと見にはふつう?のラーメンのように見えるが,山頂部分にトッピングされているのは生にんにくを刻んだもの(社会のメイワクのもと),左手裾野に広がるのは激辛挽肉味噌,そして右手裾野はチャーシューが乗っかっている.挽肉味噌からしだいに辛味がラーメン全体に広がって,水面がしだいに赤くなっていく.修行だ,修行だ.メニューの写真を見ると,さらにチャーシューを追加トッピングすれば活火山のようになるみたい.肉味噌がかなりカゲキで,この「魂麺」は食べるのに気力と体力が必要.つけ麺もとても美味しそうだった.狭い店だが,サイエンス大通りのラーメン激戦区の中ではとても健闘しているようらしい.

◆猛暑日の午後の┣┣" 撃ち —— 原稿┣┣" の群れが徒党を組んで攻め寄せる猛暑日の昼下がり.日射しが真上から照りつける午後3時時点の最高気温は35.8度なり./しばらく放置していた『進化思考の世界』サイトを更新して,正誤表と文献リストまわりは早急になんとかします./こういうときに「向こう12日間で査読お願いね〜」という依頼に応えるのはムリっぽい気がする.きっとムリだろう.ムリというしかない.ムリにちがいない.ムリ以外の何ものでもない.ムリを言っても道理は引っ込まない.ムリ〜.

◆夕暮れになってもまだ熱気が淀んでいる.日没前,西の空に大きく「かなとこ雲」が伸び上がるめずらしい光景が見られた.雲の向こう側に沈む夕日から放射状に光線が広がっていた.午後7時になっても気温はまだ30度を越えている.このまま蒸し暑い夜を迎えるのかと思うと,自然にビールに手が伸びてしまうぞ.プレミアムモルツがすでに冷えていたりする.今日は夕立の気配もなくただただ厳しい残暑が続くのみ.

◆たまたま出くわした新交響楽団のページに,かつて学習院オケに所属していた土田恭四郎さん(Tuba)が想い出話「ブルックナー三昧だったあの頃」を書いていた.山岡重信指揮のそのジュネス演奏会でラフマニノフ〈鐘〉の鐘を叩いたのはほかならないワタクシだった.確か,このときが日本初演じゃなかったっけ?

◆本日の総歩数=5190歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(−0.3kg)/27.8%(+0.2%)


9 augustus 2011(火)※外は暑いので「森」に逃げ込む

◆午前4時すぎ起床.曇り.気温24.6度で蒸し暑い.靄がかかっているらしく遠くがじっとりとぼやけている.たっぷり水蒸気を含んだ明け方の空気.ヒグラシが鳴き始めた.靄の向こうに朝日のまんまるな輪郭がくっきり見える.境界がにじんだような早朝.今朝も取手との早朝ピストン往復.

◆早朝のアナウンス —— 昨日締めきった第二回レポートは届いた分についてはすべて受領メールを返信しました.提出したのに受領確認できていない履修者は再度メールで提出してください.>東京農大「実験データー解析概論」の履修者のみなさん.

◆今朝,シャビシュー(Chabichou du Poitou)を試しにカットしてみたら,シェーヴルにしてきれいに内外二層が分離していた.若いシャウルス(Chaource)の断面みたい.フレーバーよし.果物のコンフィチュールを添えるとうまそう./いきなり山羊が一声鳴く〈Chabichou du Poitou〉の公式サイト.このシェーヴルには同郷ロアールの赤ワインが相性がいいらしい.めもめも.

◆[欹耳袋]第155回筑波農林研究交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉2011年10月26日(水)〜28日(金)@つくば.講師陣とカリキュラムがやっと確定した.近日中に受講生(定員30名)を募集予定.交流センターの事務局はすでに作業を開始していて,今月下旬から募集アナウンスを諸方面に流すとのこと.

◆[蒐書日誌]地球のウラ側にいた間に届いていた本たち(4) —— スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]『ぼくは上陸している:進化をめぐる旅の始まりの終わり(上)』(2011年8月15日刊行,早川書房,東京,329 pp.,本体価格2,500円,ISBN:978-4-15-209231-1 → 版元ページ)/スティーヴン・ジェイ・グールド[渡辺政隆訳]『ぼくは上陸している:進化をめぐる旅の始まりの終わり(下)』(2011年8月15日刊行,早川書房,東京,345 pp.,本体価格2,500円,ISBN:978-4-15-209232-8 → 版元ページ).

ご恵贈,どうもありがとうございます.グールドの計10冊に及ぶエッセイ集群(翻訳だとその二倍の20冊になる)はこれにて大団円! もう次はない.思い起こせば,三冊目のエッセイ集:スティーヴン・J・グールド[渡辺政隆・三中信宏訳]『ニワトリの歯:進化論の新地平(上)』(1988年10月31日刊行,早川書房,東京,ISBN:4-15-203372-X)/スティーヴン・J・グールド[渡辺政隆・三中信宏訳]『ニワトリの歯:進化論の新地平(下)』(1988年10月31日刊行,早川書房,東京,ISBN:4-15-203373-8)を翻訳してから,すでに20年以上の年月が過ぎてしまった.ワタクシの「グールド棚」も今後はいま以上に占有スペースを拡大しなくてすむのはなんだかとってもカナシイな.

—— この最終エッセイ集が出たので,彼の業績を振り返ろうとしたのだが,肝心の本が探し物の本が崩落堆積層の中で行方不明になっている…….あ,あったあった:Warren D. Allmon, Patricia Kelley, and Robert Ross (eds.)『Stephen Jay Gould: Reflections on His View of Life』(2009年刊行,Oxford University Press, xiv+400 pp., ISBN:978-0-19-537320-2 [hbk] → 版元ページ情報目次).この追悼論文集の最後にグールド著作目録が付けられている:Warren D. Allmon (2009) Bibliography: Stephen Jay Gould, pp. 335-379.

◆[進化思考]ご指摘感謝 —— 『進化思考の世界』p. 119:「1950年」→「1850年」.※あやうく「さまよえるハクスリーさま」になるところだった.そろそろ現時点での「正誤表」を公開する必要があるか.

◆うだる昼下りと蒸し暑い夜 —— 今日のつくばは最高気温が35.0度の猛暑日だったのかー.なまじっか立秋を過ぎた残暑なだけにこたえる.夕暮れになっても蒸し暑さはいっこうにおさまらず真夏日ラインをなかなか下回らない.今夜は熱帯夜か.

◆本日の総歩数=7661歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(+0.3kg)/27.6%(−0.3%)


8 augustus 2011(月)※蒸し暑い立秋は時間が流れ去る

◆午前4時半起床.曇り.気温23.8度で蒸し暑い.この時間帯はヒグラシ合唱隊が表舞台で歌っている.日中はかしましいアブラゼミやミンミンゼミはこの時間帯はバンダから響いてくるのみ.朝食用にブリー・ド・モーとブリヤ・サヴァランを室温に戻す.〈ブロートツァイト〉の全粒粉バゲットは昨日の〈つくいち〉でゲットした.しばらくはチーズ三昧の日々が続く.

◆帰国平日労働の始まり —— とりあえずこれまで届いた農大レポート(第二回)の受領メールを返信する.週明け早々だが,研究所は人口密度がとても低く,節電で暗いフロアを徘徊してもほとんど他人に遭遇しない.夏休みモードなのかそれともフィールドに出払っているのか.安心してブルックナー7番をBGMにできる.ブラジルで受け取ったメールの返信を返したり.重大かつめんどうな┣┣" ほどさくさく撃つべし. 大物┣┣" どもへの攻勢をしかけるうちに昼休みが近づいてきた.

◆[蒐書日誌]地球のウラ側にいた間に届いていた本たち(1) —— 副島顕子『酒米ハンドブック』(2011年7月31日刊行,文一総合出版,東京,i+97 pp., 本体価格1,400円,ISBN:978-4-8299-1133-4 → 版元ページ).ご恵贈いただきありがとうございます.マジで「酒米」のカラー図鑑だ! ページ下にずらりと並ぶ日本酒のラベルはどういう関連付けがされているのだろう.たとえば穀良都とか.随所にコラムが配置されていて勉強になる.

◆真夏日の昼休みは「悪軸・緊急召集おはんの会」ということで,〈おはん〉にておみやげなど手渡しをば.ささやかながら.

◆[蒐書日誌]地球のウラ側にいた間に届いていた本たち(2) —— 荒俣宏(監修)『アラマタ生物事典』(2011年7月12日刊行,講談社,東京,240 pp.,本体価格1,900円,ISBN:978-4-06-217069-7 → 版元ページ).ページまたは見開きごとの読み切りで,小学生にも読めるような総ルビ本.本書出版に先立って添付の系統樹(pp. 4-5)に関する相談を編集部から受けた.ワタクシ自身も情報をもらって検討した結果,だいぶよくなったと思う.とくに根元に近いところは近年の研究の進展で分岐パターンが変更されているので,その対応に手間取った.編集部とのやり取りの中で,系統と分類の関係を一般にわかりやすく説明するのはたいへん難しいと感じた.とくに,今回は系統樹の描画はグラフィック・デザイナーが担当したので,一般読者にとって「見やすくしかも正確に」というトレードオフが要求された.

◆[欹耳袋]変量間共変動の可視化と数値化 —— この図版はどこかの本から撮られたものと思う.二変量に関する相関係数の「値」と実際の散布図を対応させていてきわめて教育的.散布図から相関係数の数値の大小を判定できるからといって,逆に相関係数の値から散布パターンを推測するのはキケンであるということ.実際にはRのスクリプトを用意してデモするとしみ込む度合いが高まるにちがいない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— そろそろ農大のレポートがゲリラ豪雨のように着弾する時間帯かな.締切は今日中.予想通り,ケータイメール(iPhone, docomo, etc.)で2000字くらいの分量のレポートがけっして少なくない頻度で届く.その技能に対して単純にビックリしてしまう.ただし,ケータイにしか通用しないアドレス(-.@ とか /@)はPCで受信できても返信できない.ただし,Gmail だと宛先アドレスがどんな形式でも「むりやり」送信できてしまうので,こういうとき(だけ)は便利.

◆[蒐書日誌]地球のウラ側にいた間に届いていた本たち(3) —— アミー-ジェイン・ベア[青木淳一監訳/武田正倫訳]『エビ・カニのなかま』(2011年7月20日刊行,朝倉書店[シリーズ・知られざる動物の世界:6],東京,iv+117 pp., ISBN:978-4-254-17766-4 → 版元ページ).毎月一冊ずつ刊行されている大判のカラー生物図鑑.

◆雲行きのアヤシい夕方近く,真っ暗な「森」で降り注ぐレポートを弾き返しつつ,秋の分子系統ワークショップの調整をしている.もうすぐ講師陣と時間割が確定する.蒸し暑い夕暮れ,空には朧半月が浮かび,雨はまだ降りだしていない.

◆[蒐書日誌]平凡社ライブラリー版で再刊 —— 西野嘉章『新版 装釘考』(2011年8月近刊,平凡社[平凡社ライブラリー741],東京,ISBN:978-4-582-76741-4 → 版元ページ).原本は:西野嘉章『裝釘考』(2000年4月15日刊行,玄風舎発行・青木書店発売,東京,ii+292 pp. + 72 color plates, ISBN:4-250-20025-6 → 書評目次).この初版は厚手の紙に二色刷活版印刷というとても凝った造本を特徴とする.後年,東大博物館のあるセミナーで西野さんに会ったおリにうかがったところでは,この玄風舎という出版社は『裝釘考』を出すために立ち上げた出版社であるようなことを言っておられた.なお,西野嘉章『西洋美術書誌考』(2009年1月29日刊行,東京大学出版会,東京,354 pp., 本体価格8,800円, ISBN:978-4-13-080211-6 → 目次版元ページ)は本書の続編に当たる.ゆくゆくはもう一冊出して全三部作完結ということらしい.

◆夜になってもまだレポートはまだ着弾し続けている.午後11時,締切一時間前になって大挙して押し寄せてきたーっ.まさに┣┣" の襲来だ.

◆本日の総歩数=4788歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(−0.6kg)/27.9%(+0.2%)


7 augustus 2011(日)※昼下りのシエスタがとまらない

◆午前5時前起床.薄曇りで日の出は拝めず.気温は24.2度でやや蒸し暑い.帰国してまだ日が浅いが,とくに時差ボケに悩むようすはない.移動した先ごとにそのまま生活を続けている.しばらくつくばを離れるような用事はないので,“つくば時間”での生活を自然に続けることになるだろう.午前9時過ぎにつくば中央公園の〈つくいち〉に行ったら真夏の日射しにくらくらした.盛夏ですなあ.現時点での今日の最高気温は31.0度.これからもっと上がるだろう.

◆週明けに向けての┣┣" 撃ち予定 —— さすがに8月は新着┣┣" はあまりないようだが,持ち越し┣┣" どもがあまたうごめいている.まずは東京農大の第二回レポートが8月8日(月)締切.その受領作業が最初か.並行して採点集計をする段取りになっている.現時点ではまだ着信レポートは30通程度.あと70〜80通がゲリラ豪雨のように降り注ぐのか.メール箱に入っている分だけでも先に片付けておこう.本塁スライディングアウトにならないように気をつけて>履修者諸氏./同じく8月8日(月)の昼休みはは「おはんランチ会」./ブラジル出張の後始末をすませること(復命書とか)./あとは先月までの残務┣┣" どもとのエンドレスな格闘が待っている.

◆朝からキャビアならぬチーズを —— パリからお持ち帰りの Brillat Savarin を今朝試しにちょいと削って食べてみたら,あまりのウマさに味見が止まらなくなってしまった.とろける食感とフレーバー.白カビ系・青カビ系のフロマージュはそれぞれの美味しさがあるけれど,こういうねっとりフレッシュ系あるいはウォッシュ系チーズは果てしない深みを感じる.パリでフロマージュをついたくさん買い込んでしまうのは,日本で買ったらいったいどれだけ高いだろうと考えてしまうから.気軽にホールで買うことは日本にいたらありえないから.いずれにしても,朝からこんなのをつまみ食いしていたら一日が終わってしまうので要注意だ.

◆[蒐書日誌]チーズ本あれこれ —— いつもお世話になっているのは:文藝春秋(編)|増井和子・山田友子・本間るみ子(著)|丸山洋平(写真)『チーズ図鑑』(1993年11月1日刊行,文藝春秋,東京,271 pp., ISBN:4-16-348130-3 → 版元ページ).チーズのフルカラー図鑑として座右の書(その後,同名の「文春新書182」として新書化された).この本を買った前後に〈フェルミエ〉の会員になった./今日の朝日新聞書評欄に載っていた新刊・アンドリュー・ドルビー[久村典子訳] 『チーズの歴史:5000年の味わい豊かな物語』(2011年6月17日刊行,ブルース・インターアクションズ[P-Vine Books],東京,ISBN:978-4-86020-426-6 → 版元ページ).見てみたいな./チーズの製法の詳細については:泉圭一郎『チーズ:その伝統と背景』(2002年1月31日刊行,サイエンティスト社,東京,viii+450 pp.,ISBN:4-914903-88-1 → 書評・目次)という大著がある.

◆最高気温が33.3度まで上がったつくば.今日のランチは〈メモリーズ〉にて.夏の日射しがときおり照りつける原っぱをゴーヤのカーテン越しに眺める.野菜を中心に彩り豊かな一皿.夏野菜ゼリー寄せが食欲をそそる.いろいろな色のジャガイモを食材として使っているとのこと.ゴーヤカーテンの収穫物も使われている.

帰宅後はシエスタの静かな時間が流れてゆく.対蹠地にいたときから午後はうつらうつらすることが多かった.日本に帰ってきてからもその癖が抜けていない.午睡はシアワセ.目覚めればもう夕方だった.山の方に入道雲がわきあがってきた.東京アメッシュの画面がとても色彩豊かで,東京あたりはすでに激しい雷雨になっているらしい.竹園では曇り空からときおりぽつぽつと雨粒が落ちてきた程度で,まったく降らないに等しかった.しかし,この蒸し暑さはどうしようもない.

◆ややフライング気味だが,週明けの┣┣" 撃ちを早々と開始した.今月はどこにも出かける予定がないので,農環研の「森」にじっと潜んでごそごそすることを旨とする.

◆本日の総歩数=8093歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.1kg(+0.1kg)/27.7%(0.0%)


6 augustus 2011(土)※ニッポンの真夏日の洗礼を受け

◆午前4時半すぎに起床.時差ボケも何もなし.ニッポンに帰ったらまた熱帯夜かとウツウツとしていたのだが,意外に涼しく(24.6度あるけど),早朝の蝉時雨も心地よし.曇り空だが一瞬だけ日の出が拝めた.取手とのピストン往復だん.十日ぶりに農環研なう.つくばみらい市あたりで霧雨が降っていたが,いまは曇りときどき晴れ.気温は25.8度とリーズナブル.┣┣" 放牧場の管理作業が帰国後の初仕事.Hennig XXX 事務局宛にお礼メールを送信.午前9時半,撤収タイム.曇って気温は27.3度.とてもニッポンの真夏とは思えない空模様.

—— 昨日,帰国後すぐに体重計に乗った.ブラジルでの「肉の日々」の影響が〜とびくびくしていたのだが,実に意外なことに日本にいたときよりも軽くなっている! どーしてどーして?

◆[欹耳袋]what_a_dudeの日記「オススメ統計本」(2011年7月13日)

◆真夏日になった昼下り,雲間から夏の太陽が照りつけ,「冬」から帰国した身にはかなり堪える.パワーが落ちているらしかったので,下広岡の〈辛〉で煮えたぎった参鶏湯を食べてきた.こういうときは元気づけに参鶏湯しかない.シュハスコと参鶏湯では通じあうものがあるけど…….林ではアブラゼミの合唱に混じって,ヒグラシも鳴き始めていた.本日の最高気温は午後1時すぎの32.6度だった.ちょうど参鶏湯を食べていた時間帯だ.

◆[欹耳袋]「ブラジル日録」の改訂&公開 —— 「Diario - Hennig XXX, São José do Rio Preto, São Paulo, Brasil, 2011」/UNESP記事「Willi Hennig Meeting foi organizado pelo Ibilce; cerca de 70 pesquisadores estrangeiros estiveram presentes」(2011年8月3日).話してるのは Jim Carpenter,最前列の大トトロは Steve Farris,奥に Tim Crowe が見える.

◆中継地のバリではおみやげを買う時間があったので,いくつかフロマージュを物色し次の四種類を買ってきた:Brie de Meaux (AOC)はすでにカットしてあるので,早々に食べきってしまうだろう.ラップして氷温室へ/Chabichou du Poitou (AOC)はラップせずにそのままタッパーに密閉保存./Reblochon de Savoie (AOC)/Brillat-Savarin.最後の二つはホールなので,これまたラップして氷温室の奥底へ(写真は Chabichou).昨日の午後,保存作業をしたのだが,氷温室がいっぱいになってしまってもうたいへん.職場の冷蔵庫に入れようにも「異臭」が漂うのはメイワクだろうし.メイワクといえば,パリではよさそうな Livarot (AOC) を買おうとしたのだが,機内に異臭が漂ってはなんだろうしと諦めた.しかし,最近は免税品店のレジでチーズを真空パックしてくれることを知り,買っておけばよかったと今になって後悔している.

さて,次なる問題は最初のブリー以降の食べる順番.ブリヤ・サヴァランが食べてほしそうなので二番手はこれか.となると,ルブロションは最後.シェーヴルのシャビシュー・デュ・ポワトーは食べごろを見計らってということになる.いずれにしても,自宅ではそんなに長期保存しないので,どんどん食べてしまうからね>フロマージュたち.

◆今宵の夕餉は韓国冷麺.たがみ酒店に行ったら入荷されたばかりの会津「天明」の蔵元・曙酒造の「Snow Drop」があった.日本酒とヨーグルトという変わった組合せのリキュール.アルコール度5%だがラッシーのような飲み心地.会津坂下町に endemic な「瑞穂黄金」という酒米品種を使って醸したとのこと.

◆本日の総歩数=7661歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=94.0kg(+1.3kg)/27.7%(−1.2%)


5 augustus 2011(金)※遠路ブラジル帰りは疲労困憊中

◆ほぼ定刻通りの午後2時前に成田空港に降り立った.荷物がかなり多くてしかも重いのでそれだけでぐったり.しかも機内放送によると,成田の地上気温は30度の真夏日だという.もっと季節外れの涼しさじゃなかったったけ,と後悔しても後の祭り.つくばセンター行きのシャトルバスが来るまでには時間があるので,とりあえず空港内の喫茶店にて一休みする.うわ,メール┣┣" どもがにぎやかなこと.

◆しばし,喫茶店で淀んでから16:15発のシャトルバスに乗った.この空気の湿り気と蒸し暑さに帰国したことを実感する.青々とした水田の上に夏空,山の方には入道雲がわきあがっている.ほんの十日ほどいない間に風景は夏の顔になっていた.午後6時過ぎにつくばセンター着.ずっしりと重いスーツケースを転がして帰宅.中は洗濯物やらワインにチーズと缶ビールでみっしりと詰まっている.

◆それにしても,ほんの40時間ほど前に地球のウラ側で肉をわしわし食べていたとは実感できないなあ.念のため,帰国後すぐに体重計に乗った.ブラジルでの「肉の日々」の影響が〜とびくびくしていたのだが,実に意外なことに日本にいたときよりも軽くなっている! どーしてどーして?

◆夕餉はゴーヤチャンプルーとサマーどで和風な食卓となった.その後は泥のように爆睡してしまった(ようだ).さりげなくシームレスに“ニッポンの日常”が戻ってきた.

◆本日の総歩数=4003歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


27 juli 2011(金)〜5 augustus 2011(金)
      ♪ 〜地球のウラ側で時間も季節も正反対〜 ♪

   → Diario do Hennig XXX(São José do Rio Preto, Brasil)


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