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日録2010年11月 


30 november 2010(火) ※霜月の終わりは本に囲まれる

◆午前4時半起床.気温5.1度.ひとつない快晴つくばの明け方はきりきりと放射冷却して,今朝の最低気温は午前7時の+1.5度だった.夜明け前の朝焼けグラデーションがほんのりと.露地は霜でまっ白.寒い寒い.デロンギのオイルヒーターをそろそろ出すか.その霜月も今日で終わりじゃないか! 今日は『思想地図β』のゲラ返却の締切日.その他,残務┣┣" 原稿がいくつか(いくつも?).加圧者が軒並みフォロワーというのはいやはや.師走のことはとりあえず今は考えたくありまっしぇん…….

◆[蒐書日誌]やっとゲット —— 石原あえか『科学する詩人ゲーテ』(2010年4月30日刊行,慶應義塾大学出版会,東京,カラー口絵1 pl. +x+296 pp.,ISBN:978-4-7664-1727-2 → 版元ページ).ゲーテと彼を取り巻く当時の自然科学(植物学・医学・物理学・天文学・測地学)との関わりあいをひとつひとつたどっていく.

◆┣┣" 撃ち果たし一頭 —— NTT出版〈系統樹曼荼羅ウェブ版〉第2回原稿完成:「【2】「知識の樹は枯れることなく生い茂る」」.来月に公開されるでしょう.そういえば,連載第1回の公開ももうすぐのはず.

◆[進化思考]本日の余響:筑波批評社「12/5文学フリマにて、新刊『筑波批評2010冬(充電中)』発行!」(2010年11月29日)−シノハラユウキ「科学と文学のあいだを行き来すること:書評『進化思考の世界』『認知物語論キーワード』『華竜の宮』」という記事が掲載されるという.しかし,この『筑波批評2010冬(充電中)』,いったいどうやって入手しよーかしらねー,と思案投げ首していたら,当のご本人から連絡があり pdf を送っていただけることになった.どうもありがとうございます!/平城の都で噺と麺「読了したが−進化思考の世界」(2010年11月28日)

◆[蒐書日誌]着便:中塚利直『応用のための確率論入門』(2010年6月18日刊行,岩波書店,東京,x+191 pp.,本体価格2,800円,ISBN:978-4-00-005206-1 → 版元ページ).大学の学部生から院生の頃,Kendall & Stuart のバイブル(『Advanced Theory of Statistics』)の輪読をしていた時期があった.徹頭徹尾ルベーグ-スチルチェス積分を用いた確率分布の解説だったので,リーマン積分しか知らなかった最初は面食らった記憶がある.この本をひもといてみると,リーマン積分ではなくルベーグ積分に慣れよう(p. 67)と書かれている.今にして思えば,確かに著者の言う通りなのかもしれない.

◆ランチタイムのじたばた —— 正午の気温は13.5度.午前中はときどき雲がかかっていたが,今はふたたびよい天気に.あさっての高座のしたくが早々と終わった.ランチタイムはゲラ読みで消えるだろう.しだいに時間スケールの「切り刻み方」が細かくなってきたぞー.忙しい昼休みのBGMはオルフの〈カルミナ・ブラーナ〉by ヴァーツラフ・スメターチェク/チェコ・フィル.もっと現世的快楽を求めねばならぬ.九大への新春襲撃計画に関する極秘電報が届いた.日程調整などなど.新春は博多と別府という西国巡業旅行の実現が確実なようす.12:28にやや長めの地震あり.小笠原が震源だそうだ.加圧電話一件なう…… .明日,午前11時に町井さんが来室との電話あり.

◆献本感謝:古澤滿『不均衡進化論 』(2010年10月15日刊行,筑摩書房[筑摩選書0005],東京,269 pp.,ISBN:978-4-480-01505-1 → 版元ページ).この著者のセミナーを五年あまり前に筑波大学で聞いたことがあった(→ 日録:17 februari 2005):古澤満(ネオ・モルガン研究所)セミナー「不均衡進化理論による生物の進化的改良」.Disparity mutator を用いた実験進化学の講演だった.

◆昼下がりは暗黒教団の暗躍 —— 極東にて「悪の枢軸」が蠢いているちょうどそのとき,米国東海岸のとある暗黒教団からもっと「なかのひと」になれとのヒミツ指令が届いた.近未来的に日本侵略を狙っているにちがいない.ワルはワルを呼ぶのだろうか.コマバの某K子センセをとある学会大会に召還すべしとのミッションが届いた.シャイなあのお方を天の岩戸から呼び出すにはどうすればいいものか.ついでに二連星にして召還というもっとワルいことを思いついてしまったのだが…….ワルい企みは蜜の味.

◆[欹耳袋]NTT出版Webでの連載:竹内洋『大学・インテリ・教養』は連載(全15回)が終わって単行本になるとのこと.「高等遊民」とか「教養難民」とか「高学歴ワーキングプア」というキーワードでつながる.

◆日暮れてなお道遠し —— 日が暮れてもまだ居室にこもってワルいことをしている.BGM は Keith Jarrett Trio〈The Cure〉をば久しぶりに.召還する相手のK子センセからメールあり.メールにも人柄がにじみ出るとはこのことか.さて,どのようにイニシエーションしようかな.『思想地図β』のゲラ読みがやっと終わった.クォリティの低い図版の差し替えも完了した.いま本文の修正箇所をまとめているところ.締切前に編集部に耳を揃えてゲラを返してしまうなんてワタクシの沽券に関わるじゃないか!

—— 霜月の晦日は明け方から宵の口までじたばたしてしまった.これでもなお師走の助走にすぎないのだろうか…….

◆本日の総歩数=1795歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.3kg(+0.1kg)/27.7%(−0.3%)


29 november 2010(月) ※月末の┣┣" 撃ちは朝が勝負

◆午前4時半起床.気温2.7度.昨日の日録は昨夜遅くアップ完了.見上げれば雲間に下弦の半月が.東の空が白んできた.夜明けが近い.今日は朝から原稿だ,バクハツだ〜.

◆先月以来,ずーーーーっと引きずってきた,とある査読┣┣" を先ほど撃ち果たし,コメントを編集部に返しました.ごめんなさいごめんなさい.空即是色・色即是空.┣┣" 放牧場の大物が一頭また一頭と消え失せてくれるのは単純にうれしいな.

◆[蒐書日誌]献本感謝!:J. アルバート[石田基広・石田和枝訳]『Rで学ぶベイズ統計学入門』(2010年11月26日刊行,シュプリンガー・ジャパン,東京,x+303 pp.,本体価格4,300 円,ISBN:978-4-431-10238-0).例によって版元には本書の新刊情報はまだなにも掲載されていない……./石川統他(編)『生物学辞典』(2010年12月10日刊行予定,東京化学同人,東京,1634pp.,本体価格9,800円(2011年4月まで|以降は本体価格12,000円),ISBN:9784807907359 → 版元ページ).お,そういえば著者割引価格での購入申し込みをまだしていなかった!

◆早朝のいきなり┣┣" 撃ち完了 —— 先月以来,ずーーーーっと引きずってきた,とある査読┣┣" を先ほど撃ち果たし,コメントを編集部に返しました.ごめんなさいごめんなさい.空即是色・色即是空.┣┣" 放牧場の大物が一頭また一頭と消え失せてくれるのは単純にうれしいな.

◆よく晴れ渡った午後は日射しもさんさんと射し込む.午後1時の気温は15.1度.そろそろクリスマスのシュトーレンのことを考えないと.今年はどこのシュトーレンにしようかな.そういえば天久保の〈Brotzeit〉に Fruchtbrot が並ぶ季節でもある.

◆配列のアラインメントと系統推定について(メモ) —— 従来の系統推定法において, pre-aligned sequence data を踏まえた系統解析が行なわれてきたのは,学派を問わずとくに問題視されてこなかった(あるいはアンタッチャブルのまま放置されてきた)からだろう.Ward Wheeler らがアラインメントに関する DO(dynamic optimization)の理論を開発し,それを実装する〈POY〉のプログラム開発に着手した動機は,アラインメントと系統解析を同一の土俵上で「同時推定」しようという統計学的な発想があったと推測される.1990年代初頭に,Jeff Thorne, H. Kishino & J. Felsenstein が最尤法の枠組みの中で,アラインメントと系統樹の同時推定を試みようとしたが,計算量の負荷にたえきれずに事実上撤退した.

Wheeler らはアメリカ自然史博物館(AMNH)に世界屈指の並列コンピュータをDOのためだけに設置することで,理論的ならびに計算上の問題に対して力づくでケリをつけようとしてきたと理解している.分子・形態を含む巨大データの解析をするためには,いまでもなおAMNHに詣でるしか途がない.そして,マンハッタンに行けばPOYの洗礼を受けるしかない.現在,DOがらみの研究が人脈的・組織的にAMNHに連なるのは,ある意味でビッグサイエンスとしての「系統樹産業」のもたらしたひとつの帰結だろうと考えられる. アラインメントと樹形の「同時推定」を目指すDOの“不幸”は,その誕生以来,現在に至るまで「競合相手」が現れていないという点にある.つまり,経験的・方法論的な批判はあるにもかかわらず,現在に至るまでDOが延命し続けているのは,それに代わる方法論がないからだろう.最尤法あるいはベイズ法のフレームワークの中で,DOが目指した「同時推定」を実装する新たな手法が今後現れてきたときに初めてDOとPOYはその歴史的役割を終えることになるのかもしれない.

アラインメントと樹形の「同時推定」というヴィジョンがどのような顛末を迎えるのかはとても関心がある.「同時推定」の方針を堅持するかぎり,理想的にはアラインメントも樹形も全部「パラメーター」とみなして同時推定するというのはリクツの上では可能だ.もちろん現実には,最尤法でもベイズ法でもそんな実装は大仕事になるでしょうから,反復計算して収束させるという手順をとるしかない.初期値としてのアラインメントや系統樹を置くのは反復計算をするかぎり不可避なので,あとは「最終ゴール」が「スタート地点」に依存しないことを示すよう無作為反復試行するのみか.

あるいは,「同時推定」という発想そのものに問題があるという立場もあり得る.そのときは,事前にアラインメントをすませてから樹形探索するという「逐次推定」を正当化するために,サイトの相同性に関するアラインメントと樹形とは同時かつ同格にはパラメタライズできないという根拠を示す必要があるだろう.さらにいえば,アラインメントをすませてから系統解析に進むという「逐次推定」だと,pre-alignment のための系統樹をどこからひねりだすか?という論理循環ぽい難問が出てくる.「同時推定」であればそういう vicious circle は回避できる.ただし「同時推定」のワルい面が発現すると,アラインメントも樹形も運命共同体として「共倒れ」になるという危険性がある.

配列のマクロな類似性や高次構造の情報を混みにするというのであれば将来性はある.ただし,それらの情報も全部含む「同時推定」アプローチは必ず登場するだろうから,基本綱領としての「逐次推定」vs「同時推定」の検討はなお必要になる.「逐次推定」の場合は初期系統樹の無作為化,「同時推定」だったら感受性検定を含むパラメーター空間探索の徹底しかとりあえず思いつかないが,もっとアタマのいいやり方があるのかどうか…….

◆本日の午後2時過ぎ,「10,000ツイート」の大台に入った! フォロワーさんももうすぐ「2,000人」に達しそう.みなさん,どうもありがとう.

◆夕暮れとともに気温は8度台まで急降下.こういう季節の夕餉は燗酒と相場が決まっている.今夜は,昨日から仕込んであるおでんとともに,山形〈初孫〉の「生もと純米原酒」をぬる燗をば.複雑な乳酸の香りは生もと造りだから?〈初孫〉や〈大七〉は冬の出番が多くなります

◆[蒐書日誌]『思想地図β・vol. 1』(2010年12月21日刊行,コンテクチュアズ,東京,本体価格2,300円).特集〈ショッピング/パターン〉.旧『思想地図』よりも判型・厚さとも凌駕している.

◆本日の総歩数=2039歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.2kg(−0.5kg)/28.0%(0.0%)


28 november 2010(日) ※日溜まりがあたたかい日曜日

◆すかっと寝過ごして午前7時〜.外を見るとこれまたすかっと快晴〜.気温は2.7度と昨日よりもぐっと冷え込みがきびしい.今日はうろうろせず原稿仕事に励む予定.

◆[欹耳袋]GBIFワークショップ・21世紀の生物多様性研究〈生物の学名と和名は何故ややこしいのか:生物多様性情報探索のキー〉.2010年12月12日(日)13:00〜17:00,国立科学博物館.

◆[欹耳袋]MY BOOKSHELF:「生物系統学」(2010年11月24日) —— 何よりもまず,昔の拙著をひもといていただき感謝! せっかくの機会なので,いくつか関係するコメントをば:

  1. 「徹底的にドライな思考法」:もともとウェットな系統樹をいかにしてドライに枯れ上げさせるかがポイントで,『生物系統学』では論理数学(束論)を武器にして,G. F. Estabrook の1960〜70年代アイデアを拡張した.たとえば:
    • G. F. Estabrook (1966), A mathematical model in graph theory for biological classification. Journal of Theoretical Biology, 12: 297-310
    • G. F. Estabrook (1972), Theoretical methods in evolutionary studies. Pp.23-86 in: R. R. Rosen and F. M. Snell (eds.), Progress in Theoretical Biology, Volume 2. Academic Press, New York.
    • G. F. Estabrook, C. S. Johnson and F. R. McMorris (1976b), An algebraic analysis of cladistic characters. Discrete Mathematics, 16: 141-147.
    などの諸論文を参照.
  2. 「ドライのイメージ図」:ダーウィンの系統樹がドライに見えるのは,単に彼がヘッケルほどの画才をもっていなかっただけでは? たとえば:Horst Bredekamp『Darwins Korallen : Die frühen Evolutionsdiagramme und die Tradition der Naturgeschichte』(2005年刊行, Verlag Klaus Wagenbach[Kleine Kulturwissenschaftliche Bibliothek 73], Berlin, ISBN:3-8031-5173-2 → 目次
  3. 「系統ネットワーク」その後:近刊の教科書 Daniel H. Huson, Regula Rupp, and Celine Scornavacca 『Phylogenetic Networks: Concepts, Algorithms and Applications』(2010年近刊,Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:9780521755962 → 版元ページコンパニオンサイト)があるが,常人がネットワーク解読のリテラシーを持てるかが大きな問題.
  4. 「系統地理学」その後:ジョン・C・エイビス[西田睦・武藤文人監訳]『生物系統地理学:種の進化を探る』(2008年12月26日刊行,東京大学出版会, xii+304 pp., 本体価格7,600円, ISBN:978-4-13-060219-8 → 目次版元ページ)がこの分野の定本だけど,研究分野の勢いとしてはやや飽和気味ではないか?
  5. 「幾何学的形態測定学」その後:方法論としてはほぼ確立されてきたようだが(線形/非線形いずれのバージョンも),あとは2D/3Dデータ取得とCG表現技術に関する具体的な話が中心かも.アウトオヴ生物学?

◆初冬の日射しが降り注ぐ昼下がり.買い出しに出かけたり原稿書いたりして午後の時間がさくさくと過ぎていく.本日の最高気温は午後2時に17.3度.ほかほかと暖かい日射しにほっこりする.眼下の大清水公園の日溜まりは心地よく暖かい.隣りのカピオでは農産物フェスティバルが開催中で,大きなウシさんの丸焼きの煙がもうもうと上がっている.

◆[蒐書日誌]篠田知和基『ヨーロッパの形:螺旋の文化史』(2010年9月刊行,八坂書房,東京,本体価格2,400円,ISBN:978-4-89694-963-6 → 版元ページ).「螺旋模様」のたどってきた歴史がテーマの新刊.内容的に:伊藤俊治『唐草抄:装飾文様生命誌』(2005年12月15日刊行,牛若丸[発行]/星雲社[発売],ISBN:4-434-07164-5 → 書評目次)と響きあうものを感じる.

◆さて,月末までに仕留めなければならない┣┣" はいったい何頭?

◆本日の総歩数=2439歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.7kg(+0.4kg)/28.0%(0.0%)


27 november 2010(土) ※せわしなくあちこち往復する

◆午前4時半起床.気温9.0度.午前7時には5.4度まで冷え込んだ.晴れて北風が吹く.うー,今週末で霜月もおしまいか…….

◆緊急┣┣" 発生! —— 昨夜,来月刊行予定の『思想地図β』のゲラpdfが届いた:三中信宏「系譜の存在パターンと進化の生成プロセス:生物体系学がたどってきた道を振り返りつつ」.体系学のパターン/プロセス問題についての記事.タテ組&二段組で活字がびっしり組まれて計20ページもある.これ,火曜日までの返却って,マジ?(滝汗)

◆週末のお茶の水を歩く —— 9:17発のTX区間快速に乗る.お茶の水にて所用をすませて,午後4時過ぎにいったんつくばに帰還する.駿河台は紅葉のまっさかりで,錦華公園の日溜まりが暖かそうだった.

◆[蒐書日誌]岩波書店『科学』2010年12月号届く.特集〈モデル化:変化する現実認識〉にちょこっと寄稿してます:三中信宏「進化学・系統学におけるモデルの役割」(p. 1203).ややシニカルだったかも……./恩地邦郎(編)『新装普及版 恩地孝四郎・装本の業』(2010年12月下旬刊行予定,三省堂,東京,本体価格5,000円,ISBN:978-4-385-35058-5 → 版元ページ).

◆夜の取手駅前を歩く —— さて,次なる出撃指令は取手駅前だ.夕闇に包まれた午後5時過ぎに再出発.守谷で常総線に乗り換え,取手まで.取手駅の東口側に出るのは初めてのことで,東西連絡通路をくぐらないと到達できないことを初めて知った.取手駅東口ロータリーに面した〈山中屋〉の中にある「野の花」にて午後6時から飲み会.さくっと二時間で一次会が終わり,実にめずらしいことに二次会に行こうというきっかけがなく,そのままさくっと帰宅してしまった.なんだか宙ぶらりん…….

◆[欹耳袋]Togetter - 「どうしても議論を巻き起こす?! 2010/11/24 つくばタイムスドッピオ「メタ・サイエンスカフェ」再放送後の顛末」.おそるべしおそるべし,「悪の枢軸」〜.

◆本日の総歩数=8030歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=92.3kg(+0.2kg)/27.4%(0.0%)


26 november 2010(金) ※雨上がりの靄がかかる夜明け

◆午前4時半起床.窓から見える路面はまだ濡れているが,雨はもう降っていないようだ.気温9.0度.きりきり寒いわけではないが,湿度が高いので染みいる冷え込み.しかし,天気はこれから回復してくるとの予報だ.今日はめずらしく農環研に実在する.午前7時,明け方から霧だか靄がかかって遠景がまだぼやけている.気温8.5度と肌寒いが日中は晴れて15度超と寒さは緩むらしい.冷え込んだり暖かくなったりと一日のうちでもめまぐるしく変化する気温.

◆[蒐書日誌]夜明け前から蒐書活動に励んでしまった.

  1. Romila Thapar『History and Beyond』(2000年刊行,Oxford University Press, New Dheli, ISBN:0195647084 [hbk] / ISBN:978-0-19-566832-2 [pbk] → 版元ページ)※ニューデリーで出版された本で,古代インド史に関する著作『Interpreting Early India』,『Time as a Metaphor of History』,『Cultural Transaction』,そして『From Lineage to State』を一冊に束ねたものらしい.
  2. Benjamin Steiner『Die Ordnung der Geschichte: Historische Tabellenwerke in der Frühen Neuzeit』(2008年刊行,Böhlau[Norm und Struktur 34], Köln, x+385 pp., ISBN:978-3-412-20227-9 → 版元ページ
  3. Roberto Bizzocchi『Genealogie incredibili: scritti di storia nell'europa moderna』(2009年刊行,Il Mulino, Bologna, ISBN:9788815050472 → 初版書評: 「The Free Library」)※初版(1995)の改訂版.
—— 上記3冊はすべてオンライン発注完了.

◆午前の┣┣"撃ち —— 年末調整関連の書類がやっとそろい,提出完了./ベルリンの国際会議事務局からクレジットカードの「security code」を再入力せよとのお達しがあった.対応完了./来月の忘年会日程が次々に埋まっていく./京大理学部生物科学図書室への寄贈本と東大農学部への書類の束の郵送を完了.

—— このような黄砂のような微小┣┣" どもを振り払っているうちに,もう午前が終わろうとしている.注文していた本たちが諸方面から次々に着弾してうれしいのだが,開封している時間がない〜.ぜんぜんない〜.

◆昼休み,天気予報はみごとに外れ,あいにく本降りの雨になってしまった.せっかく『バウドリーノ』の歩き読みをしようと思ったのに.これは「歩いてはならぬ」との御神託と受け止め,シズカにキーボードのお掃除をすることに緊急自分会議で妥結した.正午の外気温は12.1度.その後もしとしと雨は降り続き,午後2時過ぎにいったん陽光が射し込んできたと思ったら,また曇ってしまった…….次に登攀すべき「山」を積み上げているところ.

◆教壇という舞台で舞うこと —— 「教える技術」はまったく別ものですから,教員免許ももたない研究者が大学の教壇にいきなり立つというのは,きわめてハイリスクだと思います.大学教員の「教えるスキル」の分散が,小中高の先生よりも有意に大きいとしたら(きっとそうだと思うけど),体系的な「教授法」を身につける機会がキャリア的にまったくなかったからでしょう.確かに,教壇に立ったときの「慣れ」は大切だが,大学院生時代はその機会がもともと乏しい.さらに言えば,場数を踏むであろう学会などでの「研究発表」と教室での「講義」では目指すところも相手もともにちがいます.教壇に立ったときに生じる問題の大部分は聴衆(=生徒)との対人関係に起因する問題が大きいかもしれません.ケースバイケースごとの対処は,個人経験に帰せられる「慣れ」だけでは講義スキルの体系的継承は期待できないですね.少なくとも他の教師がどんな苦労をしてきたかを知るだけでもプラスになります.この意味で「丸腰」は非効率的だと思います

◆月末の週末なのでもう少し粘ろうとも思ったが,早々にあきらめてとぼとぼと帰路につく.

◆本日の総歩数=3767歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.1kg(+0.5kg)/27.4%(−0.3%)


25 november 2010(木) ※冷え込む木曜は都内巡業の日

◆午前4時半起床.きりきり冷え込んで気温はいま「+1.6度」だが,夜明けまでにはもうちょい下がるだろう.今日は木曜なので都内巡業日.三時間後に出撃だ.朝焼けとともに朝日が昇ってきた.今朝の最低気温は午前6時の「+0.4度」だった.ほぼ氷点.今季最低かも.

◆師走に走り回る予定など —— 12月25日(土):東京農大・昆研・研究発表会(10:30〜15:35)&忘年会(16:00〜),厚木キャンパス(形態実験室)/NTT〈系統樹曼荼羅(Web版)〉の次回は「知識の樹」でいこう.今月末までに原稿を出すこと./慶應義塾大学医学部精神科のOB会である〈ラマル会〉での特別講演を依頼される.打合せの日程調整をした結果,12月9日(木)15:00に本郷〈ルオー〉にて待合せということになった.講演は来年6月の予定だというからまだ先のハナシ.

◆きょうも朝から東京出撃 —— いつも通り7:56発のTX快速で出発.曇りところどころ晴れ,空気が冷たい.千代田線は松戸での車輌点検のためまたしても遅延している.毎週欠かさず千代田線が遅延するというのはどういうことか.出勤時間帯はいつもこうなのか.電車通勤という経験がまったくないのでよくわからない.代々木上原で電車待ち.薄曇りながら穏やかな晴天になった.気温はちょうどいい感じ.午前10時前に玉川学園駅に到着.晩秋のキャンパスの中,小田急線沿いのゆるい坂道を上っていく.

今日の分子系統進化学の講義は,最節約法の続きで,最適樹形探索の方法と〈MEGA 4〉による実習が中心.最後に時間があまったので,最尤法のイントロを解説するとともに,次回の実習用に〈MEGA 5〉を各自インストールしてもらった.定時の12:50に終了.

玉川大学からの帰路移動途中,今日も経堂で途中下車して,駅前の〈らかん茶屋〉にてランチをば.今日はアジすり身の大葉包み揚げ定食.さくっとおいしい揚げ方だった.毎週木曜はランチするためだけに経堂に立ち寄っているようなものだ.来年の春学期に農大の講義が始まったらどうなることやら.さて,これから根津へ転戦する.雲がさらに厚く空が暗くなってきた.

◆午後3時過ぎに千駄木の路地裏にある〈結構人ミルクホール〉に潜り込む.「独り空間」を確保できる絶好の場所だ.次なる東大の高座まで一時間ほどしばしの休息.ひとりシズカに読む本は:Daniel Rosenberg and Anthony Grafton『Cartographies of Time: A History of Timeline』(2010年刊行,Princeton Architectural Press, New York, 272 pp., ISBN:978-1-56898-763-7 [hbk] → 目次版元ページ).こんなデカイ本を持ち歩くのは気が引けるが,積読状態ではならぬと一念発起して持ち歩き.とてつもなく informative な本であることを実感し,註も含めて舐めまわす.視線の方向性が同じであることもわかった.レファレンスをどんどんたどっていくことに決めた.

◆午後4時前に店を出て夕暮れ間近い東大に向かう.今日の高座は多変量解析入門が主題.まずは変量間の共変動(共分散と相関係数)に関する講義とRデモだけと思ったのだが,意外にスムーズに進んでしまって,来週分の多変量解析のハナシもしてしまった(ハンドアウトを用意してこなかったのはごめんなさい).お座敷は午後6時前にお開き.そのまま根津からつくばに向かう.午後7時半に帰宅.疲労が服を着て徘徊している状態.毎週,木曜の巡業後はほぼ廃人としてのみ存在している.

◆本日の総歩数=10713歩[うち「しっかり歩数」2615歩/25分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.6kg(+0.1kg)/27.7%(−0.3%)


24 november 2010(水) ※落ち葉が舞う根津から本郷へ

◆午前4時半起床.気温6.9度.北風.ここ数日は季節外れの暖かい朝だったので,今朝の冷え込みは身にしみる.今朝は体感的にも寒い.今日は午前中は農環研にて┣┣" 撃ち.午後は本郷にて教員会議がある.またしても細かい都内出撃の日々が続く.朝焼けなう.思ったほど気温が下がらないのは雲が多いせいだったのか.明け方の雲も消え去って,今は快晴の秋晴れ.抜け道の高野台あたりは公園の銀杏が空気まで黄色く染まりそうな黄葉のクライマックス.

◆[欹耳袋]〈FreeMind〉- free mind mapping software.曼荼羅絵師としてはそろそろ肉筆を卒業して,こういうお絵描き系ソフトに転身をはかるべきか.人文科学では使用例をときどき見るが,自然科学ではあまり事例を知らない./〈A World of Tweets〉.意外な国が大健闘!

◆出発前の┣┣" 撃ち —— 東大「ES特論I」の成績評価方法に関する事務連絡完了./高座のしたく.出席カード.ハンドアウトなし.

◆東京出撃〜 —— じたばたと┣┣" を撃ち逃げして,そろそろ本郷に向かおう.午前10時の気温は10.6度.きょうはひんやりした気配が漂う.空を見上げると綿毛のような雲が浮かんでいる.11:30発のTX区間快速に乗る.根津もいい天気.午後1時から専攻教員会議.たくさんの議題が立て続けに流れていく.

◆翻訳を手がける研究者は少なくないが,「読みやすくしかも正しく訳して当たり前,誤訳迷訳欠陥翻訳は袋だたき」という割に合わない仕事であることは一度でも経験すればわかると思う.翻訳は,サイエンスの裾野を広げる意味では重要な仕事ではあることは十分理解してはいるのだが…….私的な翻訳経験が,スティーヴン・J・グールドとかエリオット・ソーバーとか,手強い相手ばっかりだったので,よけいにそう感じるのかもしれない.しかも共訳者がかの渡辺政隆師だったりすると,訳業の力量のちがいが歴然と…….翻訳を手がける研究者は禊せよ.翻訳おそるべし.

◆[欹耳袋]文京区情報 —— 本郷・近くの〈酒舗オオタ[The SHUHO]〉.場所的には蕎麦切〈森の〉の向かい側あたりか./根津の上海料理店〈海上海〉.根津神社の通り沿いにあって〈芋甚〉のすぐ近く.

◆本日の総歩数=9354歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.5kg(−0.8kg)/28.0%(0.0%)


23 november 2010(火) ※雨降る夜明けはバウドリーノ

◆午前4時過ぎに起床.外は雨がざあざあ降り続いている.今日は勤労に感謝しつつもやはり勤労する日.気温13.0度と季節外れに暖かすぎ.これで落葉がイッキに進むにちがいない.次の山登りのための心の準備をする.しだいに雨は小降りになってきた.午後には晴れ間が見えるとの予報.全線が通過したら今度はしだいに北風が強まってきた.

◆仕留めた┣┣" ども —— ソフトウェアのインストールなど:〈Foxit Reader〉+〈Adobe Reader X〉+〈FreeMind〉,さらに初音ミク〈ミクの歌って覚える統計入門〉.

◆仕留める┣┣" ども —— 『現代の図書館』がらみの図版著作権のこと./高座のしたく.玉川大:USBメモリー新調.〈MEGA 5〉+〈RAxML〉+〈TNT〉.東大:出席カード.今回はハンドアウトはなし(先週配った).

◆昼前になってやっと雨が上がり空が明るくなってきた.晴れ間が覗く昼下がりの気温は14.4度.そろそろ次の山に登攀する心の準備を始めよう.来月に迫ってきた所内の成績検討会とか先行き見えない次期研究計画はこっちに置いといて,とりあえず文化系統学関連の「本の山」を摘み上げることが先決だ.

◆[蒐書日誌]ほら吹きバウドリーノの物語 —— ウンベルト・エーコ[堤康徳訳]『バウドリーノ(上)』(2010年11月10日刊行,岩波書店,東京,vi+336 pp.,ISBN:978-4-00-024427-5 → 版元ページ)/ウンベルト・エーコ[堤康徳訳]『バウドリーノ(下)』(2010年11月10日刊行,岩波書店,東京,iv+357 pp.,ISBN:978-4-00-024428-2 → 版元ページ).かつてのウンベルト・エーコ[河島英昭訳]『薔薇の名前(上・下)』(1990年1月25日刊行,東京創元社,東京,413+426 pp.,ISBN:4-488-01351-1 / ISBN:4-488-01352-X → 版元ページ:上巻下巻)よりも時代設定はさらにさかのぼって,当時の「世界中心」たる12世紀のイタリアが舞台となる.農民の子にして皇帝の養子に成り上がったほら吹きバウドリーノの冒険譚.いたるところにトリヴィアが潜んでいる.とりあえず,車内読書&歩行読書用に持ち歩くことにしよう.

◆[欹耳袋]Togetter - 「2010/11/22 「メタ・サイエンスカフェ」 放送!」.すでに公開されている前編「「メタ・サイエンスカフェ!」2010/10/24 ラヂオつくば「つくばタイムスドッピオ」公開収録 @FPGACAFE のあとさき.収録の次の日に盛り上がるTL… 」に続く怒濤の後編! 「悪の枢軸」は不滅ですっ.

◆紅葉を見に筑波大学方面へぶらりぶらりと歩き読み.学園線沿いの銀杏並木は昨日からの雨で歩道を落ち葉で真っ黄色に染めていた.太陽が顔を出しているのに,曇りときどき小雨がぱらつく不安定な空模様.気温は14.6度.松見公園の池のまわりがいい感じかな.筑波大構内は平砂宿舎近辺が銀杏のクライマックス.『バウドリーノ』を小脇にぶらりぶらりと帰ってきた.筑波大学の平砂宿舎駐車場にて.一晩で銀杏がかなり散ったようで,そこかしこに黄色いカーペットや小山ができていた.歩き読みの往路では曇りときどき雨がぱらつく.歩き読みの復路,松見公園の池のほとりにて.北風に落ち葉が舞う.帰り道,しだいに青空が広がってきて,陽光が何条も雲を貫いていた.ほらふきバウドリーノを読み続ける. 12世紀の物語なので,地中海地域の当時の世界史を知っているとさらに楽しめる.

◆[蒐書日誌]コンパニオンサイト発見 —— Julien Claude『Morphometrics with R』(2008年8月刊行,Springer-Verlag[Series: Use R!], Berlin, ISBN:978-0-387-77789-4 [pbk] → 目次版元ページ).本書のコンパニオンサイトが著者のサイトの中に開設されていた.正誤表・サンプルデータ・Rスクリプト・演習解答(under construction)が公開されている.

◆夜になって気温が下がってきた.明日からは寒くなるという予報.連日の都内出撃だが服装をどうしようか.

◆本日の総歩数=9022歩[うち「しっかり歩数」4899歩/46分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.3kg(+0.8kg)/28.0%(+0.2%)


22 november 2010(月) ※やっと一山越えて日が暮れて

◆午前4時半起床.気温は12.6度ととても高く,冷え込みはまったくなし.靄がかかって視界が悪くなってきた.空気が湿っている.予報では雨になるるらしい.原稿┣┣" の追い込み.この期に及んでワルあがきするなって!

◆教訓 —— 毎度のことながら,原稿を書き始めるまでには「まったく中断されない半日」がどうしても必要であることを再度確認した.いったん定速走行になれば,細切れ執筆だろうが対面執筆だろうがなんとか書き進められる.しかし,最初の走り始めは別だ.一瞬でも「中断」が入ると一からやり直しだ.

◆[欹耳袋]昨夜のうちに〈leeswijzer: boeken annex van dagboek〉が「130万PV」の大台に乗っていた! 開設してはや6年近くの年月が経過し,載せ続けた本の情報も相当な量になっている.このブログを開いたことでもっとも恩恵を受けているのは開設者本人だが,他の人にとって多少とも informative であるとしたら望外の喜び.

◆原稿顛末 —— まる一日,ひたすら原稿を書き続け,夕方4時半,ようやく『現代の図書館』原稿完成&送信完了! テキストファイルにして24KB,図版は3枚.英文タイトルを含む付随情報も送った.これにて一件落着:

三中信宏: 知識の樹 − 図書分類と生物分類は共通のルーツをもつ
『現代の図書館』Vol. 48, No. 4(2010年12月発行予定)
  1. 図書と生物をめぐる分類論議今昔
  2. 分類の底知れぬ「闇」を覗きこむ
  3. 知識の分類と情報の体系:ルルスからデューイにいたる学問分類の伝統
  4. 共通ルーツとしての認知分類学
  5. 引用文献リスト

—— とにもかくにも原稿が首尾よく書き上がったので,一山分の文献はなんとか登攀完了したことになる.しかし,その向こうには聳え立つ二山目が早くも待ち構えている.千字の文も一字から.「クライマー」に休息の日はまだ遠い.

◆その他の┣┣" 征伐 —— 東大理学部の次年度「生物統計学」シラバス.送信完了./『計量生物学』プレ公開.J-Stage でシステムエラー発生.原因不明でログインできない.ブラウザーは「IE8」以外ダメなんてことはまさか言わないよねー./審査中の博士論文改訂版が届いた./NTT出版〈系統樹曼荼羅・ウェブ版〉のゲラが届く.内容チェック完了.とくに問題なしと返信する.次回の締切は今月末だ.

◆霞山の雨夜 —— 午後7時過ぎ.さて,燃え尽きたところで,今日は撤収しよう.外は雨模様だし.夜はスンドゥブ・チゲとともに〈郷乃誉・霞山〉をば.意外にコクがあるな.外は12度台の暖かさで,雨がなお降り続いている.いささか飲み過ぎてしまったかも…….燃え尽きたところに酒を飲むと,イッキにとどめを刺されますな.

◆11月25日(木)〜27日(金)に統数研(立川)で開催される統計数理研究所共同研究集会〈データ解析環境Rの整備と利用〉に行こうと思っていたが,これだけ山登りが立て込んでいると,参加はちょっとムリだな.

◆[蒐書日誌]来月刊行予定の『思想地図β(創刊号)』(→版元ページ)は,束が2cmを越える厚い本になるとの東浩紀編集長からの情報.そろそろゲラが届いたりする時期だが,月末がヤバいか.

◆本日の総歩数=2415歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.5kg(0.0kg)/27.8%(−0.3%)


21 november 2010(日) ※追い込みつつ追い込まれつつ

◆午前4時過ぎ起床.気温5.4度.ここ数日,夜,空を見上げれば丸い月の傍には木星が,夜明け前は明けの明星がまぶしく輝いている.午前5時に最低気温4.7度をマークした.朝焼けに続く日の出.今日もいい天気になりそうだ.今日は髪の毛をばっさり切ろうかな.昨日の日録もさくっとアップしたことだし,さて _φ(..) ......

◆[欹耳袋]TeX で数式をちょいと書くためのツール —— 〈数式エディタ〉.開発者いわく:「Google Chart ToolsFormulasが便利なので,更に簡単に使えるようにするツールを作ってみました」とのこと.どんどん便利になっていくなあ.

◆日射しがやわらかく降り注ぐ午前中は自宅に引きこもる.空気は冷たく乾いているが,風がないのでぴりぴりした寒さは感じられない.ときどき流れ星のように間接加圧メールが届くが,一歩一歩進んでいくしかない.近道なんかどこにもないんだ! 午後いちばんに髪の毛を切る予約をする.

◆[欹耳袋]『百科全書』がらみの「知識の木」あれこれ —— まずは:ディドロ,ダランベール(編)[桑原武夫訳編]『百科全書:序論および代表項目』(1971年6月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・青624-1],東京,413+4 pp.,ISBN:4-00-336241-1)に載っている「人間知識の系統図」という名の表(pp. 367-374)について.

1751年に出版され1780年に完結した『百科全書』の原書:Denis Diderot et Jean Baptiste le Rond d'Alembert 『Encyclopédie ou Dictionnaire raisonné des sciences, des arts et des métiers』掲載の原図は Wikimedia Commons で公開されている:「Systême figuré des connoissances humaines」(jpg).ダランベールによるこの図は「系統図(systême figuré)」とはいえ,実際の体系化の形式としては一種の「分類表」を越えるものではない.この『百科全書』を踏まえて真の意味での「知識の樹」を描いたのは,Chrétien Frederic Guillaume Roth (1769) の『Essai d'une distribution généalogique des sciences et des arts principaux』で発表された「arbre encyclopédique」だった.この図もまた Wikimedia Commons で見ることができる:参照「distribution généalogique」(jpg).

また,シカゴ大学図書館からオンライン公開されているこの原書図版(→公開サイト)は,部分拡大により「知識の葉」を一枚ずつ読むことができる.全体サイズは「985 x 635 mm」というから巨大な壁紙のような図なのだろう.なお,Sigrid Weigel の著作:

  1. Sigrid Weigel 2006a. Genea-Logik : Generation, Tradition und Evolution zwischen Kultur- und Naturwissenschaften. Wilhelm Fink Verlag, München, 288 pp.,ISBN:978-3-7705-4173-7 [pbk] → 目次版元ページ.
  2. Sigrid Weigel 2006b. Genealogy: On the iconography and rhetorics of an epistemological topos. Available from the Internet: http://www.educ.fc.ul.pt/hyper/resources/sweigel/.

は,図像学的に見た Roth の「知識の樹」に関して詳しく考察している.同様に,渡邊榮文 (2010), アドミニストレーションの系統樹. アドミニストレーション,16(3-4) : 277-296(→ CiNii)でも,熊本県立大学に所蔵されている Roth の図版に関する解説がされている.

—— これでもう原稿を書くための素材としては十分な気がする.

◆[蒐書日誌]確率論あれこれ —— 中塚利直『応用のための確率論入門』(2010年6月18日刊行,岩波書店,東京,ISBN:978-4-00-005206-1 → 版元ページ).確率論を展開するための測度とルベーグ積分に関してきっちり説明してある教科書だという(→ 目次).けっしてキャッチーではない題名の割には,内容は満足度が高そうなのでこの機会にゲットしておくか.なお,巻末の「付録:訳語から見た日本のプロバビリテーの歴史」は「確率」という訳語が日本でどのように定着したのかをたどっているそうだ.元論文は:中塚利直 (2008), プロバビリテーの訳語の歴史. 経営と制度(首都大学東京), 6: 65-87 → CiNii(pdf公開).

◆曇りがちな昼下がり.数ヶ月ぶりに髪の毛を切ってから,昨日に引き続き農環研にたてこもる.夕暮れまで自発的に自己監禁される予定.自己監禁中の差し入れとして〈うさぎや〉のどらやきをひとつ持参した.約5時間が過ぎ,夕暮れタイムも過ぎて,外はもう真っ暗.いちおう原稿の勢いはついたようだ.午後6時半に撤収.外に出たら意外に冷え込まない.満月が雲間から出たり入ったりしているうちに,小雨がぱらぱら降り出してきた.予報通りの天気の移り変わりか.明日からは雨模様になるという.

◆本日の総歩数=3630歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.5kg(0.0kg)/28.1%(+0.2%)


20 november 2010(土) ※分類するは人の常;赦すは…

◆午前4時半起床.冷え込んで5.7度.上空に雲がたなびいているが,うっすらと白んできた東の空高く明けの明星が輝く.今朝は4.5度まで気温が下がり,初冬の雰囲気が漂う.しだいに青空が広がるいい天気になってきた.この週末は行楽日和だというがそもそもワタクシには無縁のことばだ.二週間に及んだ統計研修の大波がやっと通り過ぎたので,今日からはふつうの生活に戻れる.日録を更新し,久しぶりにメーリングリストに投稿をした.かつてはML以外の電子コミュニティはなかったが,今ではそれ以外の手段の選択肢が多くなりすぎた.使い分けに今も迷う.

◆[欹耳袋]確率分布群の平面マップ(系統ネットワーク)による体系化の情報をまとめてアップ.この「確率分布曼荼羅」がちゃんと解読できるだけのリテラシーがあればたいしたものだと思う.確率分布間の派生関係や漸近関係がわかるとパラメトリック統計学の世界構造が見えてくるから.

◆[蒐書日誌]分類するは人の常 —— Geoffrey C. Bowker and Susan Leigh Star『Sorting Things Out: Classification and Its Consequences』(1999年10月刊行,The MIT Press[Series: Inside Technology], Massachusetts, xii+377pp.,ISBN:0-262-02461-6 [hbk] / ISBN:0-262-52295-0 [pbk] → 目次).

本書はいわゆる「生物分類」の本ではない.むしろ,構築された分類カテゴリーのもつ文化的な「倫理性」と社会的な「権力性」に視点が置かれているの点で関心を呼ぶ.Part 1 では.分類を支えるインフラすなわち社会学的基盤について論じられ.続く Part 2 では,分類の社会的インフラの例として,病気の分類システム(「ICD」すなわち「国際疾病分類システム」を例に取る)と,南アフリカ共和国におけるアパルトヘイト時代の人種分類を挙げ,その社会的影響についての論議がなされる.Part 3 では,医療看護の分類システムの検討を通して,分類行為の実践的価値が重要であることが指摘される.最後の Part 4 では,情報科学と社会科学との境界領域に分類学は活路を目指すべきであるという著者のメッセージが掲げられる.

—— 本書は,私がよく引用する:「分類するは人の常(To classify is human)」という格言の出典である.残念なことに,著者のひとり Susan Leigh Star は今年3月に逝去していた:The MIT PressLog「In memoriam: Susan Leigh Star」(26 March 2010).

◆昼下がりの引きこもり —— 午後1時の気温は16.6度.日射しの暖かな昼下がりに農環研へ向かう.BGMはまたしても〈平均律〉.第一集と第二集を合わせてCDにして全5枚,計5時間半の演奏なので,全曲終了すれば夕闇が降りてくる時刻になる.それまではひたすらひたすら原稿を書かないとどうしようもない.

◆意思決定の技法 —— シーナ・アイエンガー[櫻井祐子訳]『選択の科学:コロンビア大学ビジネススクール特別講義』(2010年11月15日刊行,文藝春秋,東京,380 pp.,ISBN:978-4-16-373350-0 → 目次版元ページ).時事通信社文化部からの書評依頼本.社会における個人の選択(choice)すなわち意志決定がどのような社会的・文化的・宗教的な文脈と制約のもとでなされているか,個人主義と集団主義という選択スタイルの功罪は何か,選択をとりしきる主体は誰かなど,人生に直結するさまざまな「選択」のあり方について全世界的な比較の観点に立って論じた本.そのグローバルな視点はジャレド・ダイアモンドの著作,たとえば『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上・下)』に見られる比較地理学的論議を髣髴とさせる.また,ある選択が誰に対する利益なのかを考察する点では:E. Sober and D.S. Wilson『Unto Others : The Evolution and Psychology of Unselfish Behavior』の利他主義のテーマにも通じる.本書のようなしっかりした調査とデータに基づく議論はたいへん興味深い.

◆夕暮れ時の午後5時前,まだ農環研に根を生やしている(ホネは埋めていない).そろそろ暗くなってきたし,〈平均律〉もあと一枚を残すのみなので,できることなら撤収したいものだが…….

◆[欹耳袋]ついに「歌う統計学」か! —— 初音ミクの「ミクの歌って覚える統計入門」と「ミクの歌って覚える多変量解析」 ※統計入門篇はすでに完結しているが,多変量解析篇は今のところ「第二話」までで未完成.MP3音声ファイルが公開されているので,ひょっとして講義用に使えるかもしれないとヒソカに画策したりとか.

◆午後6時半.さて〈平均律〉が全曲おしまいになったので,今日はこのあたりで農環研を撤収しようかな,と.館内五階フロアにはワタクシ以外ぜんぜん人気がないし,こういう時間帯にヘンな「もの」に出くわすのはかんべんしてほしいので…….あとは家で続きを.ということさで,約6時間の潜伏ののちに農環研を撤収.満月が近いここ数日,夜,空を見上げれば丸い月の傍には木星が,そして夜明け前は明けの明星がまぶしく輝いている.空気が冷たく澄んでいるからだろう.地上に目を向ければ┣┣" 放牧場の荒涼たる光景が…….原稿はまだ書き続けないとダメだ.

◆本日の総歩数=2392歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.5kg(−0.8kg)/27.9%(+0.1%)


19 november 2010(金) ※落ち葉舞い散り┣┣" 舞い踊る

◆午前4時過ぎ起床.夜明け前の空は薄い雲がかかっているが,朝焼けが東の空の雲の上に広がり,明けの明星が空高くぽつりと輝く.気温6.7度.きりりと冷え込む夜明け前.今朝の最低気温は午前7時の4.7度だった.晴れ上がって放射冷却だったのかも.今は雲ひとつない初冬の快晴.居室BGMはペダル・ハープシコードの〈平均律・第一集〉など.

◆┣┣" 撃ち予定 —— 計量生物学会電子ジャーナルの J-Stage 仮公開が間近に迫っている.いったん公開してしまうと訂正が効かないので(erratum を出すしかない),内容チェックをしっかりしないと.

◆[欹耳袋] ハッシュタグ #bookspy か.これからはできるだけアヤシい本を公衆面前読書用に持ち歩くことにしよう.

◆今日は筑波山がくっきりと間近に見える気がする.数理統計研修(応用編)の最終日.午前いっぱいは「ベイズ洗脳講義」が行なわれているはず.午後の質疑には出向かないといけないので,いま受講生から届いた質問状に目を通しているところ.こんないい天気の日に居室にずっとこもっているのはヘルシーではないかもしれないが,しばらくは不健康なままでいるしかない.

◆きわめて華やかな残務┣┣" 撃ちリスト —— 今日は終日つくばに実在し,遅れまくりの原稿をものする予定.それら原稿┣┣" を含め,撃つべき┣┣" を列挙してみると,実に彩り豊かで華やかな光景がメール受信箱に現れてしまった.ここに登場するかなり多くの┣┣" どもはすでに過去数ヶ月かかって大成長を遂げている.性格も兇暴で始末に負えない.退治しやすいもっと小さいうちに撃ってしまえばいいものを,だいじにだいじに育ててしまった結末がこんなていたらくだ.とりあえず緊急の原稿┣┣" から順番に片付けるしかない.手痛い教訓:「┣┣" は育たないうちにどんどん撃つべし」.どんどん書いてどんどん送り返すしかない.残るは論文原稿の査読かぁ…….身から錆が出まくり.

◆[欹耳袋]ハッシュタグ #BookSpy か.これからはできるだけアヤシい本を公衆面前読書用に持ち歩くことにしよう.

◆今日は数理統計研修(応用編)の最終日.午前いっぱいベイズ洗脳講義が行なわれているはず.午後は質疑の時間で受講生からの質問に耳を傾けているところ.今日の〈おはん〉:いつも常備されている「まぐろ煮ランチ」.巨大なまぐろのあらの煮物に煮卵が付いている.冷や奴と潮汁がセットになって,なんとなんと「598円」.そのへんのお弁当パックを買うよりもよっぽどおトク! ここのところ〈おはん〉出現率が顕著に高いのは,筑波事務所の統計研修登壇のついでにちょいと足を伸ばしているから.おそらく来週からは頻度がさがるだろう.

◆久しぶりに羽成公園をうろうろ徘徊する —— 昼休みは観音台の羽成公園を久しぶりにうろうろする.木々は色づきすっかり散ってしまったエリアもあり.午後1時過ぎから数理統計研修(応用編)の質疑タイム.あっさりお勤めが終わって農環研直帰.これから領域内会議に突入する.一時間あまりでお開きに.次期の研究基本計画とか研究体制とか.「今後どうなるかわからないけど,とりあえずこれでいきますかぁ」といささか投げやりな感じが脱力的だが…….だれもわかんないんだからどうしようもないよねー.「明日は明日のパラダイム」(本川達雄『歌う生物学』初版[講談社]のみ/増補改訂版[TBSブリタニカ]には載っていない).

◆[欹耳袋]確率分布間の系統ネットワーク(続報) —— The American Statistician 誌に発表された Lawrence M. Leemis による確率分布の平面マップ(→ pdf)は,四半世紀前の1986年にすでに同誌に発表されていた:L. Leemis 1986, Relationships among common univariate distributions, The American Statistician, 40, 143-146. John D. Cook の記事(→ John D. Cook's blog: The Endeavour, Probability distribution relationships. 20 February 2008)は, Leemis のこのチャートは統計学者にとっての「元素周期律表」であると賞賛している.

さらに調べてみると,同じような目的で確率分布の間の「類縁関係」を考察した研究がほかにもあることがわかる.たとえば下記の論文がある:Yousry H. Abdelkader and Zainab A. Al-Marzouq 2004. Probability Distribution Relationships. International Journal of Basic and Applied Sciences IJBAS-IJENS, Vol. 10, No. 1, pp. 76-86 → pdf

パラメトリック統計学での離散型あるいは連続型の「確率分布」は,確かに統計学者にとって不可欠のツールである.それと同時に,これほど多くの確率分布が導出され,広く利用されていることを考えるならば,これから統計学を学習しようとする者のみならず,統計学を生業とする研究者にとっても,確率分布群の適切な「分類体系化」は不可欠だ.

—— Leemis をはじめとする確率分布の「平面マップ」による体系化は,広い意味での「分類学的精神(la raison classificatoire)」(Patrick Tort, 1989)が統計学の世界にも受け入れられてきたことの証といえるだろう.To classify is human.

◆本日は午後7時前に帰宅.さくっと炒飯をつくっておしまい.

◆本日の総歩数=8395歩[うち「しっかり歩数」3793歩/37分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=92.3kg(+0.6kg)/27.8%(+0.2%)


18 november 2010(木) ※巡業の木曜は絶品香麺に絡まれ

◆午前4時半起床.まだ雨がしとしと降り続いている気配がする.気温は7.2度.今日も寒いんだろうか.木曜は毎週定例の巡業日.先週は統計研修のため玉川大学を休講にしたが,今週はいつもどおりなので,朝から夜まで都内を転戦する.

◆来月の忘年会カレンダーが次々に埋まっていく件 —— 東大の専攻忘年会は12月15日(水)18:30から,向丘の上海料理〈玻璃家〉にて.この日は夜のうちに町田に投宿し,翌日の都内巡業に備えることになっている.東大農学部で呑むときはつねに「サイアクの事態」を想定しないといけない.

◆今日も都内に出撃だ〜 —— 午前7時,気温は6.9度とさらに低下している.天気予報によると午後までは小雨が残るらしい.傘をもっていくかどうか迷い中.7:56発のTX快速に乗る.車窓から見ると雨はもう上がり青空が広がっている.両校で配布するハンドアウトが多くて肩が痛い.今朝もまた千代田線にダイヤの乱れがあった(毎週のことだ).10分あまり遅れて代々木上原に着.晴天で陽射しがまぶしく気温上昇中.しかし関東甲信越・小さな旅はなお続く.玉川学園駅で降りると雲ひとつない快晴の青空が広がっていた.空気が乾燥してとても快適.講師控え室にて一休み.師走始めまでに定期試験の連絡が必要とのこと.

本日の玉川大学での高座は最節約法の講義と実習.最節約基準のもとでの系統樹の選択について解説するとともに,形質状態の最節約復元について話をする.スライドではなくホワイトボード板書の講義は何年ぶりのことだろうか.巨大データについては次回〈TNT〉によるデモを予定.最尤法については〈RAxML〉の解説をしてほしいとのリクエストあり.〈MEGA 5〉とともに実習する予定.

◆講義後,経堂に移動.駅前にあるラーメン〈はるばる亭〉に入る.ラーメン「香麺」を初体験.汁なしのラーメンで,麺は自家製のフレーバー・オイル数種類で和えてあった.食べ方にお作法があって店の人に教えてもらった.丼麺の上には鶏のチャーシュー,ミミガー?,野菜,シナチクなどの具が乗っているのだが,とにかく具をよく混ぜることが先決.「もっと混ぜて,もっともっと」と銀座〈ナイル・レストラン〉のムルギーランチみたいな檄が飛ぶ.自家製の辛い「辣椒」を酢で溶いて混ぜる.黒酢をかけて混ぜる,最後にスープを注いで混ぜる.混ぜて混ぜて混ぜまくる.そうこうするうちに油の香りがしだいに立ってくる.麺の量はそんなに多くないのだが,オイルの香りがフクザツで楽しい.いわゆる「つけ麺」とは別世界かもしれない.うますぎてナミダが出そう.

◆晴れときどき曇りの爽快な昼下がり,根津へ移動する.根津駅前の〈Amber〉にて珈琲を飲んで一休み.その後,本郷の東大に向かう.本日のお座敷は一般化線形モデルの解説.ついでに確率分布系統ネットワークのお話もあり.ちょっと早めに終わりにして今日はおしまい.今夜はまだらに雲がかかり半欠けの月が空高く見える.根津までそぞろ歩き.〈はん亭〉の障子にぼんやりと明かりが燈っていた.さて,つくばに直帰だ.つくばは雲ひとつない月夜.お月さまの横でひときわ明るく輝いている星は木星.今日も長い一日だったなあ.ここまでの実動(not実働)は12時間なり.今宵は農環研で毎年恒例の「収穫祭」があったのだが,行かずじまいになってしまった…….

◆[欹耳袋] @taxacom わ〜お!ついに TaxaCom までツイッターに登場か.

◆来月の┣┣" 撃ち予定 —— 年末の「成績検討会」という大仕事の日程調整.今のところ12月20日(月)と22日(水)しか空いていない.

◆本日の総歩数=7709歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.7kg(−0.1kg)/27.6%(−0.5%)


17 november 2010(水) ※氷雨に濡れて本郷から神楽坂へ

◆午前4時半起床.夜中に雨が降ったようで,街灯に照らされた地面が濡れている.気温7.2度と昨日ほどは冷え込んでいない.連日,ばたばたと走り回っている.今日も午後からは東京に出撃し,夜まで帰ってこない.午前6時,冷たい雨はまだ降り続いている.気温5.8度.「推薦状在中」という封筒を用意した.肝心の「推薦状」は推薦される人がプリントアウトしてきてくれるだろう.早朝のカピオ前で受け渡しの手はずを整える.午前7時半,小雨そぼ降る大清水公園脇にてコッソリとブツの受け渡しを完了し,そのまま農環研へ直行する.しだいに空が明るくなってきてところどころから陽光が射し込む.気温は6.2度とひんやりしている.道路傍には吹き寄せられた落ち葉の山がところどころ.けさの居室BGMは J. S. Bach のカンタータ47番から始まる.

◆┣┣" 撃ち予定 —— 日録アップ完了./東大のD論審査の日程調整.12月24日(金)のクリスマス・イヴの 14:00〜16:00に決定./筑波大学の科研費の件については企画戦略室と打ち合わせよとのこと./京大・霊長研の集中講義の時間帯は10:00〜17:00とのこと.

◆午前10時,小雨ときどき晴れのち雨空にもどる.降ったり止んだりしながら冷え冷えとした午前の時間が過ぎていく.外は灰色の曇り空.気温は7.6度と朝からほとんど上がらないまま.進化学会ニュースのゲラ読みとか,霊長研への事務連絡とか,小┣┣" を仕留めてはいるのだが,その傍らで肝心の大┣┣" どもが季節はずれの我が世の春を謳歌している.

◆[欹耳袋]画像処理ソフトウェア(モザイク/ぼかし) —— Windows 用:〈JTrim〉と〈MoZA〉/Mancintosh 用:〈ToyViewer〉.とりあえず〈ToyViewer〉をダウンロードしてみた.確かにラクだねぇ.

◆今日も東京出撃だ〜 —— 冷たい小雨が降り続く正午前,11:55発のTX快速に乗って東大農学部へ.午後1時から専修の学部生卒論テーマガイダンスで連携講座の説明をする.午後2時からは同じく専攻のD論中間発表会に出席.審査を担当するD論なので参加は必修.

東大農学部を出て神保町に移動.冷たい雨が断続的に降り続く本の街.珈琲舎〈蔵〉で原稿を書き,〈共栄堂〉へ.毎年10月から半年間メニューに載せる「焼きりんご」を久しぶりというか何年ぶりかで注文してみた.甘酸っぱい紅玉の味が楽しめる.辛いカレーのあとの甘いデザートとして食べるのが極楽極楽.外に出たら本降りの雨になってきた.あわてて神楽坂に駆け付けて理科大の理窓会館に飛び込む.きょう最後のおつとめは午後6時からの計量生物学会理事会.引き継ぎと役職決定を終えて解散.外はざあざあ降りの冷たい雨になっていた.傘をもってこなかったので,濡れまくりで地下道に逃げ込む.あとはつくば直帰あるのみ.午後9時につくばに着いたらこっちも雨だった.長い一日のお勤めを終え,満を持して原稿を書かないといけないといけないのだが,いつのまにか背後から睡魔が来りて笛を吹いている.

◆[欹耳袋]確率分布間の系統ネットワーク —— Lawrence M. Leemis and Jacquelyn T. McQueston, Univariate Distribution Relationships. The American Statistician, Vol. 62, No. 1, pp. 45-53, February 2008 (DOI: 10.1198/000313008X270448 → pdf) .統計学の世界では数多くの「確率分布」が利用されている.正規分布や二項分布のようなビッグネームもあれば,聞いたこともない人名が付された確率分布もある.本論文はこれらの確率分布を平面マップ(あるいは系統ネットワーク)として描かれたチャートによって体系化する試みである.本論文は現在ではpdfで自由にダウンロードできるが,同論文の「紙」版には,付録としてこのチャートの折込プレートが別に添付されていた.この図表はパラメトリック統計学の基礎になる確率分布間の相互関係を鳥瞰するとともに,“正規分布帝国”における従属関係を知る上でも便利だ.なお,この論文に基づく確率分布系統樹のクリッカブル・チャートが別サイトで公開されている: Clickable diagram of distribution relationships.この図もまた教材としての利用価値は高い.

◆本日の総歩数=10325歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=91.8kg(−0.2kg)/28.1%(+0.5%)


16 november 2010(火) ※今季いちばんの冷え込みで降霜

◆午前4時半にぱっちり起床.しんしんと冷えるなあとアメダスを見たら,なんと「+1.7度」という今季最低気温.夜明けまで時間があるので,さらに冷え込む可能性もあり.いい朝焼けが鑑賞できた.気温はさらに低下して,午前6時の「+0.7度」が最低気温だった.通勤途中の小野崎あたりは芝地にまっ白に霜が降りていてすっかり冬の装い.国道408号沿いのフウノキも紅葉のクライマックスから,落葉ステージに移行中.

◆加圧内容(その一) —— 諸方面から加圧されまくりで,まことに申し訳ないないないない〜.加圧原稿の筆頭は,来月発行予定の『現代の図書館』Vol. 48, No. 4 に寄稿する原稿:三中信宏「知識の共時パターンと継時プロセス:体系学からみた図書分類のフレームワーク」.R. Lullus, C. Roth, M. Dewey と続く知識=図書分類の脈.それとは別に,多変量解析の一手法として早田文蔵の「動的分類学」を再解釈して,その継承者たる中尾佐助の分類論の図書分類への適用を見直す.Willi Hennig の系統的体系の数値システム(1969)はDewey 十進システムに連なるものだろう

◆┣┣" の往復ピンポン —— 昨日,科研費関連の所内事務手続きの案件を「上」に丸投げしたら,そのままの┣┣" が戻ってきたので,もう一回 re-丸投げちう.ピンポン丸投げのうちに┣┣" が狂暴化しないか心配……./某推薦状は書き上げて某方面にメール送信.一両日中に受け渡しの予定./今週木曜の玉川大と東大の講義ハンドアウトと配布資料のしたく完了.大量にある…….

◆今季最低気温を記録した明け方からあまり気温は上がらず,もう午前11時というのに9.7度と10度にも達しない.雨上がりの翌日,これだけ空気が冷たく乾くと,遠景の筑波山の山稜がくっきりと浮かび上がる.紅葉も今が見頃だ.

◆東京ピストン往復 —— 正午前に撤収し,〈おはん〉経由で自宅にいったん帰る.12:55発のTX快速にて東京へ.冬晴れの好天で気持ちがいい.秋葉原の〈ヨドバシカメラ〉に立ち寄ったのち,田町へ.今日は午後3時から J-Stage にて日本計量学会誌の電子化に関する講習会に参加する.幸い,契約している印刷会社が J-Stage での電子アーカイヴ作業に慣れているので,するすると説明はすんでしまい,約一時間あまりで解放された.寄り道することもなくつくばへ直帰.午後6時前に着.

夕闇のつくばセンター広場では,気温5度台の冷気の中,街路樹と Right-on のイルミネーションが輝いていた.空には朧な半月が浮かぶ.明日の明け方はもっと冷え込むかな.昨夜はゆるめの燗酒だったが,今夜は是が非でも原稿を書かないとしなければならないので,禁酒.代わりに,辛口のカレーピラフをつくることに自分会議で即決.ガツンと香辛料のしっかり効いたピラフを炒めよう!

◆[蒐書日誌]ぜんぜん知らんかった!:武田書店編集部(編)『新しい学問・理論分類学とはどんな学問なのか』(2008年11月刊行,武田書店,東京,xix+13+10pp.,ISBN:9784886890788 → 版元ページ)※八馬高明 『理論分類学の曙』(1987年7月25日刊行,武田書店,東京,xx+282 pp.,ISBN:4-88689-000-8)からの抜粋(「はじめに」,「目次」,および「第1章」)と書評文(太田邦昌 1988. [書評] 著(1987)『理論分類学の曙』.昆虫分類学若手懇談会ニュース,(55):1-7, 1988年12月14日発行)を集成した冊子.

◆┣┣" 撃ち予定 —— 農環研分会回答交渉は11月19日(金)11:00〜,三階来賓室にて./某推薦状は明朝早く受け渡すことになった./生物地理学会忘年会は,12月2日(木)18:00〜20:00,秋葉原UDXビル3Fの〈小江戸鮒忠〉にて.

◆本日の総歩数=7508歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.0kg(−0.5kg)/27.6%(−0.1%)


15 november 2010(月) ※空模様がどんどんワルくなって

◆午前3時半起床.このところ明け方は冷え込まなかったが,今朝は気温7.4度と寒い.曇りときどき晴れ.雲間から光の筋が何条も貫いている.昨日,倉掛から九重に抜ける花室川の河川敷あたりを歩いていたら,キジのつがいが元気よく駆け回っていた.視認できたのは雄が一羽と雌が二羽.ガタイの大きな鳥なのに,泣きもせず(それが身のため)茂みから茂みへと走るスピードは相当早かった.

◆仕留めた┣┣" —— 溜まっていた日録五日分をアップ./筑波大学から新学術領域研究の申請に関わる事務連絡あり.所内的にはいろいろめんどうそうなので,「上」に丸投げたっ.よろしく.

◆[蒐書日誌]榎木英介『博士漂流時代:「余った博士」はどうなるか?』(2010年11月15日刊行,ディスカヴァー・トゥエンティワン[DIS+COVERサイエンス: 005],東京,302 pp.,本体価格1,200円,ISBN:978-4-88759-860-7 → 目次版元トップページ).献本感謝! さっそく車中読書本として./そーか,ウィトゲンシュタインの『青色本』は買うべき本なのか.先週,千駄木の往来堂書店で見かけて手に取ったものの書棚に戻したのは敗因だったか.

◆本日のお座敷 —— 曇り空の午前10時過ぎに筑波事務所に出向く.今日から数理統計研修(応用編)があり,本日10:45〜12:15 の1コマ「多変量解析概論」でお座敷を勤めさせていただきます.基礎編では全体の2/5の計8コマを担当したが,応用編は質疑を含めて2コマのみ.午前のお座敷のあと,正午過ぎに〈おはん〉に直行し,とんぼ返りで農環研に直帰.小雨がぱらぱら降り始めた.きょうの〈おはん〉はランチに「限定一食!」の「スズキかま焼き定食」が出た.迷わず注文.時間がかかるなあと思ったら,巨大な「かま」がふたつも大皿に並んで運ばれてきた.とってもジューシー.これで「850円」とはラッキー!さて,午後はおとなしく┣┣" 撃ちしますぅ.

◆遅れてきた┣┣" —— 〈BioSystematics Berlin 2011〉のポスターとサーキュラーが今日になって国際郵便で届いた…….※遅すぎるやん(早割締切過ぎてるし).とりあえず,部屋の前にポスターを掲示した.

◆午後は灰色の雨雲が垂れ込めてきた.午後5時前に撤収し,冷たい雨の降りしきる中を直帰.今日は午前10時の13.8度が最高気温で,その後は単調に低下し,早くも夕闇に包まれた午後5時には8.1度まで下がった.高湿&低温というのは骨身に染み入るので,今夜は人肌燗が必修アイテムなので,満を持して〈諏訪泉〉の「満天星」純米吟醸の登場とあいなった.

◆豊後国湯煙研修 —— 依頼されていた豊後国でのお座敷の件.懸案だった大分県農林水産研究指導センター主催の数理統計研修は来年1月31日(月)〜2月2日(水)の三日間の日程で開催されることがほぼ決定.場所は,今までと同じなら大分県庁OA実習室だろう.前後泊あり.さて,「足」と「宿」の確保だ.二年ぶりに大分空港の baggage claim で「巨大回転寿司」を見ることができるかな.

◆夜になって気温はさらに下がり続けている.午後10時,気温5.7度.雨はすでに止んでいるが,北東風が冷たい.

◆本日の総歩数=2818歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.5kg(−0.1kg)/27.7%(+0.1%)


14 november 2010(日) ※昼下がりに森の中でワインをば

◆前夜の乱行が祟って,気がついたらなんと午前8時.ハナシにならん.自堕落サンデーは曇ってすっきりしない空模様.

◆研究者コミュニティの世代クラスター —— 昨夜の〈笠真〉での懇親会メンバーは全員が20代で,もうすぐ次の大台に乗ろうかという絶対領域な数名が,〈十四代〉を舐めつつ「二十代も終わりかぁ……」とやや詠嘆調だったので,「えーっ,人生は五十歳からだよぉ」とつぶやいてふと見回したら,メンバーにはリアルな30代と40代は皆無.世代が二つも飛び越えてしまうと,さすがに話す内容の「実感」を伝えあうのはなかなか難しいかもと不意にそこはかとなく世代ギャップを感じたしだい.あえて「人生,n十歳からだよ」と「n」がひとつ繰り上がるたびに言い続けるワタクシは基本的に楽観主義者.「n−1」には戻れない.安易な「世代論」はキケンだが,同世代の研究者コミュニティの中にスーパーな(or ウルトラな)活躍をしつつある研究者が複数いるというのは,同時代&同世代の他の研究者への絶大な波及効果があるだけでなく,続く世代の研究者コミュニティにとっても「規範モデル」となり得る.そういう「規範モデル」となりえる研究者の出現が時系列的に必ずしも「ポアソン分布」にしたがっているとはいえず,むしろ時空的な集中分布をする傾向にあるように見えるのはおもしろい.互いにつつきあって互いを励起させているという状況を想像してみたり.

◆連日の飲み歩きの最後は,本日午後の吉瀬の森〈アルト・ボスコ〉の庭でのプチパーティ.〈葡萄酒蔵ゆはら〉のコーナーでゆるりと.「ロザート2005」の風味がバツグンによかった.

◆[蒐書日誌]八馬高明 『理論分類学の曙』(1987年7月25日刊行,武田書店,東京,xx+282 pp.,ISBN:4-88689-000-8).あるはずなのに見つからないと探しまわっていたのだが,本棚の奈落の底にひっそりと安置されていた.マリアナ海溝からサルベージした心地.

◆[欹耳袋]自然史学会連合講演会〈東北の豊かな自然〉:2010年11月28日(日)10:00〜16:00,岩手県立博物館講堂.すでに定員いっぱいとのことだが,立ち見またはライヴ中継もありらしい.

◆[進化思考]本日の余響:地方大学教員の暮らし方「積読増加月間?」(2010年11月14日)※えーっ,ワタクシの本は読まずに放置すると憑喪神になるよん./Scienceメモ「メモ:生物系統学」(2010年11月12日)

◆夕暮れの┣┣" 撃ち —— 〈BioSystematics Berlin 2011〉の講演要旨(400 words)を送信だん:Nobuhiro Minaka, Takashi Suemura, and Kouki Machii. The Gromov transform of phylogenetic diversity index and its statistical confidence test.

◆明日からは数理統計研修の後半戦がはじまる.担当コマ数は少ないものの,その代わりに櫛の歯のように東京出張が挿入されて目まぐるしい日々が続く.

◆本日の総歩数=6258歩[うち「しっかり歩数」4188歩/42分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=92.6kg(+1.1kg)/27.6%(+0.3%)


13 november 2010(土) ※つくばセンターに光の森の点灯

◆午前5時半起床,曇りときどき晴れ.気温6.7度.肌寒い.昨夜は夕暮れの本郷から花金の新丸ビルへと転戦して弾けた.さいわい翌日に残るダメージはないものの,吹き寄せられた┣┣" どもが「根┣┣" 」と化しつつある気配.原稿〜.

◆諸事連絡 —— 自然史学界連合総会は12月4日(土)の午後.しかし,この日は玉川大学の補講が入っているので,欠席通知と委任状を提出した./計量生物学会の理事会に提出する引継資料に目を通す.来期もきっと留任にちがいない./生物地理学会のスタッフ忘年会の日程調整.今年もまた忘年会シーズンが近づいてきた.

◆[欹耳袋]進化学史,とくにA. R. ウォーレスの研究で知られている新妻昭夫さんが11月9日に逝去されたとのこと.新妻さんも北大クマ研の出身だった.東京のご自宅にうかがったのは1980年代のこと.柴谷篤弘のとある対談原稿(構造主義生物学/汎生物地理学)の原稿が出版に価するか,レフリーしてほしいとの依頼で出向いた.山下恵子さんも前からの知り合い.

◆週末┣┣" 撃ち —— すでに堆積岩が変成しつつある某進化学辞典の項目執筆.┣┣" だらけで放置していたら,別の項目担当者から「ついでに」とさらに┣┣" 二頭が転送されてきた.┣┣" が┣┣" を誘引する之圖.放置┣┣" は隠すにかぎる? あるいは「デコイ┣┣" 」現象?/インフルエンザ接種なう.松代の某医院は混みまくり.ワクチンは払底しているようで,相次ぐ予約申込を断っていた./来期の筑波地本役員候補者の「一本釣り」がもう始まっている.分会役員経験者がまずターゲットになるとのことで,「意向調査」が来週にもなされるとの連絡あり.個人的には「ちょっとムリ」と拒否するしかない状況ではある.

◆巡業関連 —— 大分県農林水産研究指導センター本部から数理統計研修の講義依頼が届いた.昨年は実施されなかったが,その前は冬になると大分に飛んだ.今回も全三日間(8×3時間)の「独演会」で引き受ける予定.アフターは別府・北浜温泉と決まっているが,プレは別府七湯のどこにしよーかなあ./ちょうど一ヶ月後の12月13日(月)〜14日(火)の京大霊長研集中講義の事務連絡をすませた.霊長研の構内にも宿泊施設はあるらしいが,ネット接続の便を考えて,駅前のホテルを確保完了.だいぶ前に霊長研に呼ばれたときと同じホテル.霊長研への「通勤」はタクシーかな.

◆終日,晴れたり曇ったりの空模様だった.雲に覆われて夕焼けとは縁遠い,しかし穏やかな夕暮れ時.夕餉のための「スペシャル牛丼」を仕込み完了.今日は和牛切り落としが格安でよかった.約800グラムで一鍋仕込む.寒くなってくると鍋もの・シチューものとともに,丼ものの出現頻度が有意に高くなる.昼間は南寄りの風が吹いて18度超の暖かさだったが,日没とともに北東の風に変わり気温は急降下中.現在の気温は11.8度.もっと下がるだろうか.さて,夕餉が終わって片付けだん.これから長い夜が始まる〜.

◆夜の〈笠真〉にて —— 午後8時前に店にたどり着いたときには店内は満員だった.奥の座敷にて筑波大のセミナー関係者たちの一団がいて,すでにだいぶ進行しているようすだった.アンコウ鍋をいただきつつ四方山話など.この日の日本酒ラインナップでは,〈村祐〉純米吟醸・うすにごりの酸味がことのほか印象に残った.もちろん,某新酒の吟醸フレーバーは別格だった.

—— シンプルに呑み過ぎ〜.

◆本日の総歩数=3289歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=91.5kg(+0.6kg)/27.3%(−0.9%)


12 november 2010(金) ※今日もまたつくばから東京へと

◆午前4時半起床.気温7.0度.夜明け前の東の空が白んできた.今日は雲がやや多いようで,朝焼けショーは中止か.今日は午前が数理統計研修の講義2コマ.午後は質疑応答タイム.夕暮れ時に本郷に出撃し,理学部2号館某所に実在せよとのヒミツ指令が届いているのだが,いったいどこに集合すればいいのかが指示されていない件.信太郎センセ,「某所」ってどこよ?

◆早朝の┣┣" 撃ち —— 年末調整書類の提出準備完了.実にめずらしいことに「締切前」に提出することができそうだ!(拍手 つ ワタクシ)/〈BioSystematics Berlin 2011〉のアブストラクトは11月14日が締切.急げ!

◆[進化思考]本日の余響:triptycha「三中信宏の思考三部作」(2010年11月11日)※「思考三部作」かぁ.やはり三冊そろうとキリがいいようで.

◆数理統計研修の最終日 —— 午前3時間のお座敷は「計算機統計学」.うち2時間はリサンプリング統計学の解説とR実習.残り1時間で一般化線形モデルについて少し補足解説をした.講義が正午少し前に終わって,その足で〈おはん〉に直行.次から次へとやってくるランチ客の波をかき分けて,「ブツマグロ鉄火丼」を注文.正午からのみオーダー可なのに,十分後にはもう「売り切れ」になっていた.ランチ価格750円.さてお昼ご飯もすんだので,筑波事務所にとんぼ返り.数理統計研修基礎編の最後のお勤めは質疑&総合討論.午後2時前に終わって,ようやく農環研に戻れた.外はぽかぽかといい天気で,南寄りの微風.最高気温は17.3度に達した.穏やかな晩秋の昼下がり.筑波事務所の銀杏並木がそろそろ見頃になってきた.

◆┣┣" 撃ち仕損じる —— 年末調整関係の書類に不備があったとのことで,収入証明書だの保険申告書だのを週明けに再提出せよとの連絡あり./明日の東大ホームカミングデーは欠席との連絡を担当者に返した.ごめんなさいねー.

◆夕闇の本郷 —— 午後4時前になった.さて,そろそろ農環研を撤収して本郷に向かおう.16:43発TX快速に乗る.夕暮れの黄昏時に東大本郷キャンパスの懐徳門をくぐる.理学部2号館2階の第三会議室に他のワルい人たちが集結し,ワルダクミを謀議する.午後7時過ぎに本郷から,丸の内の新丸ビルにある北京料理〈随薗別館〉に移動.さらなるアヤシい話をしつつ,あっという間に時間は過ぎ去り,紹興酒の瓶が何本も転がっていった.丸の内会議での内輪話をいろいろと.進化遺伝学の「なかのひと」たちの会話.なぜ三島や本郷あたりの遺伝学者たちは飲むとおかしくなってしまうのか.PAUP* のソフトウェアとしての「完成」はもはや望めないのではないか,とのこと.永遠のベータ版にとどまる可能性あり(ビジネスモデルを誤った).最尤法のスクリプトに関しては,現在でもなお PAUP* がベストで,PhyML や RAxML はそのレベルに達せず.ふむー.

—— 午後10時過ぎ,丸の内でのヒミツの飲み会がやっと終わって解散.22:45発のつくばエクスプレスに乗ってつくば直帰.飲み過ぎかも〜.

◆本日の総歩数=7475歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=90.9kg(−0.8kg)/27.9%(+0.4%)


11 november 2010(木) ※お座敷からお座敷へはしごする

◆午前4時半起床.気温5.9度.今朝は冷えこんでいる.午前5時半の朝焼けグラデーション.明けの明星がぽつんと浮かぶ東の空.東の方向にはさえぎるものが何もないので,夜明け鑑賞には最適ロケーション.日の出を拝もう.日中は晴れて風もなく暖かくなるらしい.今日は午前中は数理統計研修のR実習をして,午後は都内に移動し,夕方は本郷で東大の講義.

◆[進化思考]本日の余響:martingale & Brownian motion「三中信宏『進化思考の世界』」(2010年11月11日)

◆確定判決 —— 午前中の数理統計研修の高座を終えて農環研に直帰した.前々からアヤシかった〈R 2.12.0〉− いますぐ死んでいいよ.誰も止めないから.今日の実習で R Commander 最新版パッケージをインストールしようとしたら,研修生全員が致命的エラーにより,R Commander がまったくインストールできないという「不幸」になった.Vista も 7 も全滅.数々のR実習の経験を積んできたが「生存者なし」というのは初体験.しかも,「不幸」のかたちは金太郎飴で全員が「Rcmdr が arch = i386 にインストールされています」が直接死因.オンラインであれば該当パッケージをCRANから再インストールすればいいのだが,オフライン環境ではそれもかなわず.早々に R 2.12.0 に見切りをつけ,即座に旧バージョン R 2.11.1 インストーラーを配布.ほどなく全員がシアワセになれたのは幸いだった.不幸の源 R 2.12.0 は,市中引き廻しの上,打ち首獄門と処する.性根を入れ替えて根底からバージョンアップすべし.たかがインストール作業で,ユーザーをことごとく不幸にするソフトウェアに存在価値はまったくない.明日の数理統計研修でも,もちろん R 2.11.1 を使い続ける予定.

◆本郷出撃 —— 14:25発のTX快速に乗る.晩秋の快晴つくばをあとにして,本郷に出撃だ.晴れて気温は高め.新宿東口の〈ビックカメラ〉で修理品を引き取って本郷三丁目に向かう.午後4時半から東大理学部の講義.今日は線形統計モデルとモデル選択論についての解説.尤度とAICがキーワード.来週は一般化線形モデルに進む予定.そろそろ第一回のレポート出題を考えないと.

—— 午後6時過ぎに夕暮れの千駄木まで歩いて千代田線に.朝から夜まで動き回ると活動エネルギーは払底する.

◆往復車中読書 —— Bunzô Hayata (1921), The natural classification of plants according to the dynamic system. 臺灣植物圖譜・臺灣植物誌料・第拾巻,臺灣總督府民政部殖産局編,pp. 97-234.早田文蔵の「動的分類学」は波及効果が意外に大きいので,無視できない.彼の動的分類学のアイデアは,多変量形質空間における散布パターンを着目形質に関して低次元部分空間に射影することにほかならない.どの形質に着目したかによって複数の部分空間が生成される.それらの部分空間どうしは互いに「同格」とみなす点がポイント.彼はこの論文の中で,静的分類を通常の辞書に例えるならば,動的分類は Roget't Thesaurus のようなものだと明言している(p. 99-100).さらに,同じ富士山を異なる方角から見ればちがった山容が観察されるが,それらはすべて同じものであるとも指摘している(pp. 155-158).本論文で提示される植物分類体系は Engler の体系を基礎に置きながらも,独自のネットワーク分類をノードごとに命名し近隣群との接続を明示するという方式を採用している.

◆本日の総歩数=7770歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.7kg(0.0kg)/27.5%(+0.1%)


10 november 2010(水) ※寒風に落ち葉が吹き寄せられる

◆午前4時過ぎ起床.気温5.7度と冷え込み強し.今日は数理統計研修のお座敷には呼ばれていないが,その代わりに原稿┣┣" どもを追いかけないとどうしようもない.朝焼けなう.今朝はみごとなグラデーション.雲ひとつない快晴の一日か.今年もつくばセンター広場の電飾が灯される季節がやってきた(→ 公式サイト:〈第6回つくば光の森〉).あわせて,Right-On のイルミネーションも始まる.でも,厳寒期の夜につくばセンターに広がる「光の森」はかえって寒さが身にしみた記憶がある.

◆早朝の┣┣" 一頭 —— とある推薦書の件.確かに承りました.連動して,某日の夜,つくば市内某所にて飲み会があるから来ないかとのお誘いあり.この日は別件とのダブルブッキングがあるんですけどねぇ…….

◆[欹耳袋]地中海サルディーニャ島の名産チーズ「casu marzu」についての記事:地球の歩き方「サルデーニャの「幻のウジ虫チーズ,」カソ・マルツゥはどんな味?」(2010年11月8日).食欲をそそる拡大写真は要注意! トツジョとして形成された casu marzu クラスターはいったいどーなっていくんだろう.こわごわ…….

◆新春のお座敷 —— 東京農大・昆虫学研究室(厚木)でのセミナーで噺をすることになり,アブストラクトを送信完了:2011年1月21日(金)13:00〜:

【演者】三中信宏(農業環境技術研究所)
【演題】体系学的思考の世界:分類,系統,そして多様性

【要旨】体系学的思考(systematic thinking)とは,生物と無生物の区別を問わず,対象物の多様性をわれわれ人間が整理して理解するための思考と考えられます.生物を対象とする分類学と系統学は,体系学的思考を構成するふたつのスタイルである分類思考(group thinking)と系統樹思考(tree thinking)の代表例です.今回のセミナーでは,この体系学的思考のもつ以下の側面に焦点を絞って議論を進めます.

  1. 「分類」に関して,われわれ人間は多様なオブジェクト(生物はその代表例)を分類してきた.しかし,分類は「分類学者」の専売特許ではなく,日常生活を送るすべての生活者すなわち「分類者」にとって身近な行為であると考えられます.みなさんにとって「分類」とはどのような意味を持っていますか?
  2. 「系統」に関して,系統樹と言えばたいていの場合,生物の進化を表す図であるという一般的認識があります.しかし,系図による表現は生物進化という考えとは独立な,もっと古くからある宗教的・文化的・社会的なルーツをもつ思考法の反映です.生物にかぎらず,写本・言語・遺物・文化・芸術・製品など思いがけないところで系統樹が用いられています.なぜこのような思考スタイルが広まったのでしょうか?
  3. 「分類思考」と「系統樹思考」はたとえ同じオブジェクトを対象としていても,相異なる視点から世界と自然と人間を体系化するまなざしであると考えられます.私たち人間はこれらふたつの思考法をどのように使い分けていけばいいでしょうか?そもそも,これらの思考法は意識的に使い分けられるものなのでしょうか?

—— 終了後,午後5時からゼミ納めの宴会があるとのことなので,またしても泊まる場所を確保しないとヤバいかも…….

◆[蒐書日誌]脱酸処理&装幀修復完了!:Willi Hennig『Grundzüge einer Theorie der phylogenetischen Systematik』(1950年刊行,Deutscher Zentralverlag, Berlin, vi+370pp.).九月に依頼した脱酸処理がやっと終わって本が戻されてきた.ついでに装幀修復の修復もしていただき感謝です.これで憂慮されていた「書物崩壊」は当分の間は大丈夫だろう.脱酸処理により紙面がやや黄色っぽくなったが,これで保存性が高まるのであれば言うことなし.取れかかっていた表紙も補修してもらった.

◆[欹耳袋]二年前に新聞に掲載された〈チキンラーメン系統樹〉がたまたま書棚の堆積物中から出土した:2008年12月7日(日)朝日新聞32面[全面広告].1958年の祖先チキンラーメンに発する系統樹は種分化と形質変換を経て大きな単系統群を形成する.進化系列と分岐年代が既知である強み.

◆今日の夕暮れのワンシーン.午後になって雲が点々と湧き上がってきた.一瞬,たまたま運よく雲間からの放射光が全角度で見られた.いまはもう暮れなずむ初冬の夕焼けが西の空を染めている.もうすぐ日没.気温は15度台と高い.

◆さらにパワーアップ! —— Kalessin Action「トド学の現在」.

◆本日の総歩数=2689歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.7kg(+0.2kg)/27.4%(−0.1%)


9 november 2010(火) ※明け方は今季初めての霧筑波に

◆午前5時起床.わ,すごい濃霧.今年初めての「霧筑波」だ.これから気温が下がってくると明け方に濃霧がたちこめる.たいていは朝日が昇るにつれて晴れていくのだが,ちょうど通勤時間帯に視界が悪くなるので事故を起こさないように要注意.今朝の最低気温は午前7時に8.9度.ほどほどの涼しさ.日中は晴れ渡るらしい.午前9時前にやっと霧筑波から解放され,青空が戻ってきた.ここのところぜんぜん雨が降らないので,遠くの筑波山の稜線がぼやけている.

◆[進化思考]本日の余響:Marioさん「mixiレビュー」(2010年10月3日)

◆午前の┣┣" 撃ち —— 11月11日(木)の巡業高座のしたく.今週は統計研修があるので,午前の玉川大での講義は休講にして,午後の本郷での高座準備のみ.ハンドアウトと出席カードを作成完了./頼まれていた査読二件の加圧が同時にやってきた〜.上流から┣┣" 津波が押し寄せてきた.というか,下流から┣┣" ポロロッカが遡上してきたと表現すべきか.やりますやります.

◆今日のお座敷 —— ┣┣" 加圧いろいろなれど,とりあえず離脱して午後の研修のしたくをしないといけませぬ.13:00〜16:00は,今回の統計研修のふたつ目の出番「実験計画法」.正規分布のパラメトリック統計理論について解説をはさんだら,時間が飛ぶように過ぎてしまい,一要因の完全無作為化法と乱隗法だけで終わってしまった.残りは木曜の「R実習」の時間にまわすことにする.午後4時過ぎに高座終了.外に出たら西風が強く吹きつけて,体感気温が急降下.

—— 午後3時間のお勤めを果たしてかなりガス欠気味だったので,高野台〈とむとむ〉にてベーコンサンドイッチを食べてきた.オレンジ色の夕焼けの上に細い三日月が浮かぶ西の空.

◆夕暮れの┣┣" 撃ち —— 来年2月21日〜27日にベルリンで開催される〈BioSystematics Berlin 2011〉のオンライン参加登録をすませた.ポスター発表の講演要旨を11月14日までに提出しなければならない.今回の国際会議は国際系統進化学会議〈ICSEB VII〉との合同大会なので,カウンシル・メンバーのひとりとしては出席は必修だろう.紆余曲折はあったが最終的に開催できたのはよかった.

◆[蒐書日誌]木村資生『生物進化を考える』(1988年4月20日刊行,岩波書店[岩波新書・新赤版19],東京,ISBN:4-00-430019-3 → 版元ページ).木村資生は一般向けの進化本をほとんど書かなかったので,この岩波新書は例外中の例外といえる.本書での優生学に関わる文章表現については,岩波書店の編集サイドで原文に手を入れたと伝え聞く.木村の優生学的信念については,他の文献,たとえば木村資生(編著)『遺伝学から見た人類の未来』(1974年12月刊行,培風館,東京,ISBN:456303729X )でのもっとストレートな表現を参照するとともに,同時代の遺伝学コミュニティでの見解(優生学にからんで J. B. S. Haldane や H. J. Muller の名が挙がる)などにも照らして判断すべきだろう.

◆午後7時前に撤収.北風が身にしみるなあ〜.

◆本日の総歩数=3606歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


8 november 2010(月) ※数理統計研修初日は市場ちらし

◆午前4時半起床.気温8.9度.本日の数理統計研修講義の第一弾「統計学概論」の準備中.夜明けのR.とはいえ,するべきことはスライド順とRの動作確認のみ.ま,小┣┣" でしょ.今朝はめずらしくバスにて出勤.気温は10度そこそこでワタクシ的にはほどほどに涼しいが,周囲の通勤・通学者の中にはもうがっちり冬のいでたちの人もちらほらと.

◆[蒐書日誌]ナチュラル・ヒストリーの芸術史 —— Therese O'Malley and Amy R. W. Meyers (eds.)『The Art of Natural History: Illustrated Treatises and Botanical Paintings, 1400-1850』(2008年4月刊行,Yale University Press, New Haven, ISBN: 9780300121582 [hbk] / ISBN: 9780300160246 [pbk]).博物学の芸術史的側面を中心テーマとする論文集.とくに,Lina Bolzoni の論文「Mexican nature of Diego Valadés' Rhetorica christiana (1579)」(pp. 127-141)では,16世紀の古写本 Rhetorica christiana に登場する系統樹が,著者を介して中南米ルーツの概念史を有していることが論じられている.なお,この Rhetorica christiana はすでにその全文および全図版がインターネット公開されている.

農研機構主催短期集合研修:数理統計(基礎編T・U,応用編) —— 今年もまた統計研修のシーズンが到来した.午前10時前に農環研を出発し筑波事務所のプレゼンテーション室へ.基礎編参加者は50名とのこと.研修開始オリエンテーションの直後の「統計学概論」(10:30〜12:00)を担当した.いつも通りの噺で,もう定番の演目になった感がある.だーっと話して正午少し前にさっくり講義終了.研修生諸氏はこれから一週間あるいは二週間の出家修行をぜひ頑張ってくだされ.

◆午前の統計研修講師のお勤めを果たしてランチタイム.ちょうどいい機会だったので,農林団地入り口の飛行機橋を左折してしばらく歩くと常磐道の側道沿いに見える寿司食堂〈おはん〉に入る.今日は「市場ちらし」を注文した.すし飯を覆いつくす中トロが美味すぎて,それでいて消費税サービスの980円とは! その後ぶらりぶらり農環研に帰還して,午後の原稿┣┣" 撃ちの真っ最中.やや雲は多いものの秋晴れの好天.気温は19.3度とやや高めだったが,農林団地周辺徘徊にはちょうどよかった.

◆居室の待ち受け┣┣" たち —— 今月はマジで原稿┣┣" が方々で兇悪化している.一見シズカに見える┣┣" も油断すると噛みつかれる.「カミツキ┣┣"」への種分化が進行中./計量生物学会の次期会長選挙投票用紙が届いた.即返信完了.

◆脱力と再起 —— 夏に出た翻訳書:サイモン・コンウェイ=モリス[遠藤一佳・更科功訳]『進化の運命:孤独な宇宙の必然としての人間』(2010年7月21日刊行,講談社,東京,本体価格2,800円,724 pp., ISBN:978-4-06-213117-9 → 紹介目次版元ページ)を職場に成果登録申請しようとしたら「実際に翻訳していないからダメ」とリジェクトされた.全体にわたって訳文をチェックするというのは翻訳作業になると思うのだが(だから奥付に載る),そんなことまで説明させるのかよぉとかなり脱力する.そんなこといったら「監修」とか「監訳」をした人は業績にならないことになるでしょう.でもここで抵抗しても時間のムダなので,所内業績評価項目としては別立ての「技術相談」に「300時間ほどかかった」と書くことにしようか(農環研は悩むかもしれないけどワタクシの知ったことではない).自分的にちゃんと評価してもらいたい項目がことごとくスルーされてしまうことはよくある.脱力しても負けないことを旨とするにかぎる.負けない人が勝つ.

◆初日の高座でやや疲れたので帰りはうとうとしてしまったみたい.

◆本日の総歩数=8950歩[うち「しっかり歩数」5289歩/60分].全コース×|×.朝△|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.5kg(0.0kg)/27.5%(0.0%)


7 november 2010(日) ※立冬の夜明け前に起きる日曜日

◆午前5時過ぎ起床.気温8.9度.白んできた東の空を見ると,やや雲が多いかな.さて活動開始.今日は朝から段雷がよく轟く.気温10度そこそこ.肌寒い曇り空.午前9時前の朝イチで〈つくいち〉へ.つくいちは長蛇の行列.しだいに晴れ間が広がってきた.さてこれから研究所に潜入して,原稿書きの昼下がりを過ごすことになる.

◆┣┣" 撃ち予定 —— 日本計量生物学会 2010年第5回対面理事会,18:00〜19:30 ,東京理科大学神楽坂キャンパス・理窓会館・3階第1会議室(→地図).今度はどういう役職配置になることやら.企画担当はたいへんなので,次期は編集担当だけにしてほしいな.電子ジャーナル化の作業が増えそうだし.

◆[欹耳袋]橋本一径×前川修×細馬宏通〈はぐらかされる同一性:指紋と写真をめぐって〉,2010年11月12日(金)19:30〜 photographers' gallery(新宿)※『指紋論』&『写真のアルケオロジー』刊行記念トーク(要予約)

◆午後1時過ぎに農環研に潜入して┣┣" 撃ち.気がつけば外はもう真っ暗になっていた.午後7時過ぎに撤収して直帰.今夜もまたアルコール抜きだ.

◆政治的【種】概念と司法的【種】論争 —— 司法の場で【種】論争を闘わせる? 生き物がらみの知的財産問題(特許など)だけじゃなく,社会的に影響の大きな生物保全問題でもそのうちきっと出てくるでしょうね.政治的種概念を最初から採用すれば,司法判断も可能ではないかと思いますけど.要するに【種】の属性を「法律」の条文にしてしまうということ.とくに,この場合は,【種】カテゴリーではなく,【種】タクソンの存在論的問題を法廷で論議するということになるでしょう.文字通り「普遍論争」ですね.でも,人物の人格同一性は法学では十八番の話題じゃないかとも思うので,他の存在物の時空同一性も同列に論議できるのでは?

—— ゆくゆく「分類学者」がこの世からいなくなったときのために,「生物分類エキスパート・システム」がつくれないかと夢想したのは1990年代じゃなかったっけ.「AI」ということばがまだ輝いていた時代のこと…….

◆方々から加圧の悪寒 —— 進化学辞典の加圧,レフリー加圧,そして原稿加圧…….※┣┣" 放牧場を遠くまで見渡すと精神衛生上よろしくないので,あえて足もとの┣┣" から撃つべし.理想をいえば放牧場の全方位を見渡して指令を下す「管制官」が側にいてくれると効率的なのかもしれないが.

◆さて,明日からは二週間におよぶ数理統計研修が筑波事務所で始まる.毎年恒例のデューティだが,今年はどんな感じになるのかなあ.

◆本日の総歩数=3318歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.5kg(+0.9kg)/27.5%(+0.1%)


6 november 2010(土) ※夜明けの三四郎池は夢の中のみ

◆午前4時過ぎにホテルに帰り着いた.そのままドロのようにベッドに倒れ込み,次に気がついたら午前9時前だった.うう…….外はからっと秋晴れ.本郷通りを北上し,農学部構内を根津に抜けてつくば直帰.午前10時半に晴れ上がったつくばセンター広場をよろよろ歩いてわたった.

◆悲願成就! —— 最新版〈R 2.12.0〉上での「Rcmdr」インストール時のトラブルについて.Rcmdr の新しいバージョンならびにこれまで公開されていなかった survival の最新版がリリースされたことにより,すべてのトラブルは解決しました.Rコマンダーはいま快適作動中.週明けからの数理統計研修もひょっとしたら最新版Rでの実習が可能かもしれない.以上,顛末ご報告まで.情報をいただいたみなさんに感謝!

◆[蒐書日誌]昨日の車中読了本:関口良雄『昔日の客』(2010年10月30日刊行,夏葉社,東京,231 pp.,本体価格2,200円,ISBN:978-4-904816-01-1 → 版元トップページ).尾崎士郎や上林暁の書誌を出版した古書店主のエッセイ集.「昔日の客」との何年にもわたる交流は,かの『チャリングクロス街84番地』を髣髴とさせる.良書.著者による「自画像」という回顧詩の末尾:「先が長いと思っていたが/だんだん短かくなってきた」(p. 195)− 味わいありまくり.

◆お昼に,西平塚の韓国料理〈白飯屋〉にて久しぶりにチヂミとサムゲタンをいただき,牛蒡のような高麗人参を丸ごとかじった.効き目があるといいないいな.

◆「モデル」とは「心理的本質」なり —— 確率統計モデルは,現実に観察される現象の背後でその生起を支配している「不可視の規則性」の存在を仮定するということですね.きわめて正しい意味で「心理的本質」だと思います.「モデル生物」や人間の「モデル」も同じでしょう.

◆[分類思考]本日の残響:Web-R25「分けて考えると見えてくる?:“仕分け”の歴史!?」(2010年11月4日).※「仕分け」と申されましても…….

◆[蒐書日誌]Within Cladistics —— Malte C. Ebach and David M. Williams『Cladistics, Third Edition』(forthcoming, Cambridge University Press, Cambridge → 予告).初版は:Peter L. Forey, Christopher J. Humphries, Ian J. Kitching, Robert W. Scotland , Darrell J. Siebert, David M. Williams『Cladistics: A Practical Course in Systematics 』(1992年12月刊行,Oxford University Press[The Systematics Association Publication No.10], Oxford, ISBN:0-19-857767-2 [hbk]).続く第二版は:Ian J. Kitching, Peter L. Forey, Christopher J. Humphries and David M. Williams『Cladistics: The Theory and Practice of Parsimony Analysis, Second Edition』(1998年10月刊行,Oxford University Press[The Systematics Association Publication No.11], Oxford, xiv+228 pp., ISBN:0-19-850138-2 [hbk]).先行する版はいずれも Oxford University Press からの出版だったが,今回予告されている最新版は Cambridge University Press から出されるという.

◆今日の夕暮れはほんのりにじんだ紅色がしだいに墨色にフェイドアウトしていくという,実に日本的なジ・エンドだった.しかし,昨夜から未明にかけての疲れがまだ色濃くじんわりとからだの芯に残っている.だる〜っという感じ.

◆本日の総歩数=5809歩[うち「しっかり歩数」886歩/11分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


5 november 2010(金) ※準備万端整えて本郷に進撃する

◆午前4時起床.気温3.4度か.午前6時には最低気温2.7度を記録した.日に日に明け方が冷えこんできたなあ.日中はすっきり秋晴れとの天気予報.この日射しなので日中は暖かくなりそうだが,湿度もミニマムなのできっと静電気がびしびし飛ぶだろうな.今日はつくばのち本郷へ移動.気力よりも体力勝負〜.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 諸方面の原稿┣┣" どもがすくすく成長している……./今月に入ってからの日録をアップ完了.

◆[欹耳袋]東大農学部ホームカミングデー:11月13日(土)15:00〜,弥生講堂アネックス(エンゼル研究棟講義室)※旧農生まわり/17:00〜,農学部1号館生物測定研 ※うちわ限定.後半に顔出しするか……./12月17日(金)のエコロジカルセイフティー学特論(9:30〜17:00)の場所は農学部3号館2階獣医学専攻実習室にて.あの部屋って家畜のホネだらけなんだよねぇ.あっち向いてウシ,こっち向いてウマ./もう「きのこ」づくし —— 国立科学博物館〈菌類の不思議〉特別展/科博・筑波実験植物園〈きのこ展〉.

◆東京出撃 —— 午後4時過ぎに本郷三丁目に到着.まずは本三交差点近くの〈ホテル機山館〉にチェックイン.しばしごそごそしてから,本郷通りを北上して弥生キャンパスを目指す.今夜は東大農学部某所にてヒソカに開かれる〈秋の試飲会〉がある.日本酒以外のアルコールを持ち込むとその場で成敗されるという“虎の穴”.午後6時半から定刻スタート.

大学の「文化」は学部・専攻によって大きく異なるが,昨夜は農学部の中でも生物・環境工学専攻,つまり農業機械・農業土木という「オトコ組」の世界なので,かなりボルテージの高い飲み方をする文化が継承されている.何でもいいけど呑んで全裸になるのはやめてほしいけど,それもまた文化.昨夜の〈秋の試飲会〉では参加者が各自一本ずつ持ち寄るという内規があり,けっきょく人数を大幅に上回る一升瓶やら四合瓶が林立したのだが,もちろんぜんぶきれいに空っぽになった.

酒瓶と泥酔者が同列にごろごろ横たわる光景は,場末の飲み屋のような「昭和」的なシーンだった.この日の〈試飲会〉はまだ「半裸8名+全裸1名」でおとなしかったですが,忘年会などの二次会ではその場の勢いによって「全裸のみ」になるらしく証拠画像を見ました.さすが「オトコ組」! 同席した女性陣はいいメイワクだっただろうけど.

—— 怒濤の試飲会を中座したのは午前3時半.動かなくなった参加者たちがひとりまたひとりとモルグへ運ばれていく.弥生キャンパスからドーバー海峡を越えて,真夜中の本郷キャンパスを横切ろうとしたら,正門も赤門もクローズドで,しかたなく龍岡門まで遠回り.ホテルに帰り着いたのは午前4時.まるで学生に戻ったかのような飲み方をしてしまった…….

◆本日の総歩数=6629歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=90.6kg(+0.6kg)/27.4%(−0.6%)


4 november 2010(木) ※初冬の冷え込みのなか都内巡業

◆前夜うっかり寝落ちしてしまってもうたいへんですぅ〜.今日は朝から町田から本郷へと転戦する日.あと三時間が勝負だ! ところで,午前3時の外気温が「3.1度」まで低下しているんですけど…….明け方までにもっと下がるだろうから,「氷点下」という言葉がちらりと見えているー.今朝の最低気温は午前4時台の「2.8度」.もちろん今季の記録更新.日中はおだやかな晩秋の晴天になるらしい.高座のしたくちう〜.出撃まであと2時間しかない〜.

◆毎週木曜の定時出撃 —— いつも通り7:56発のTX快速に乗る.今日は雲が多いが,つくばエクスプレス車中から空を眺めると,方々の雲間からヤコブの梯子が何本も伸びている.気温はまだ低めで肌寒い.千代田線は今日もダイヤが乱れた.新百合ケ丘を過ぎたあたりでやっと青空が広がってきた.午前10時前に玉川学園前に到着.秋晴れの真っ青な晴天がキャンパスの上空に広がる.乾いて涼しく爽快.年中このような気候であってほしいと思う.今日の「分子系統進化学」講義は,距離法にからむ ultrametric tree と additive tree の話.とくに距離法のもとでの「樹長」の算出方法について.ついでに最小進化法についても MEGA4 の実習をする.講義が終わって外に出たら,暖かな昼下がりになっていた.駅に戻り経堂で途中下車する.

◆経堂駅前〈らかん茶屋〉の本日のランチは白身魚と厚揚げandおつくり.うまし.さて次なる目的地へ移動だ.都内転戦ののち日が陰ってきた本郷にたどり着いたのは午後3時過ぎだった.いつもの〈ルオー〉にてウィンナコーヒーをば.午後4時半から東大での「生物統計学」は実験計画法の続きで,乱塊法の考え方と一要因ならびに二要因実験について.高座がはけて,夕闇迫る千駄木あたりをぶらぶらする.つくばに帰り着いたのは午後7時半.

◆〆のいっぱい —— ふと思い立って,アイアイモールの蔵出し酒場〈〉に立ち寄ってみた.キャッシュオン制ですか.〈霧筑波〉のにごり酒と酒粕野菜スティックそして仕込み水,ついでに〈男女川〉の活性にごり酒も.帰宅後,昨日から煮込んでおいた牛スネ肉のビール煮込みをつついているところ.「禁断の果実」が入手困難,「ハウデン・カロルス」に代えたがコストパフォーマンスがワルすぎ.今回は「常陸野ネストビール」の黒いの(ハイ・クラシック)にしてみた.ホップが勝ちすぎると苦くなるので,ビール銘柄の選定がむずかしい.

◆[質問]顛末 —— R 2.12.0 での「Rcmdr」のインストールはいまだに成就していない.Rcmdr 起動時の「survival」パッケージの不具合は,このパッケージそのものの zip が配布されていない現状(→ホームページ)ではどうしようもない.それにしてもR 2.12.0 のトラブルがほかからぜんぜん聞こえてこないのはどうしてだろう? ワタクシのPCだけの問題なのだろうか.というか,こんなつまんないことで時間を盗られるのはとてもむなしいので,とにかく統計研修は「安全」な旧バージョンのRでやります.これでもう確定.変更不能.[追記:11月5日付で「survival」パッケージのアップデートが公開された.これでやっと根本的解決できるか!]

◆本日の総歩数=7604歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=90.0kg(−0.8kg)/28.0%(−0.1%)


3 november 2010(水) ※文化の日は雲ひとつない秋晴れ

◆いつも通り午前4時半にいったん起床したものの,文化の日だったことを思い出し,「文化的」な二度寝を決め込む.午前7時前に本格的に起床.今日もいい天気だねぇ.えっ,いまの気温が「5.3度」って寒すぎるぞー.今日は終日「文化的」な原稿┣┣" を追いかけますです.

◆[蒐書日誌]橋本一径『指紋論:心霊主義から生体認証まで』(2010年11月19日刊行,青土社,東京,230+78 pp., ISBN:978-4-7917-6496-9 → 目次版元ページ) .指紋計測や写真測定については同時代のフランシス・ゴールトンが重要な役回りだと思う.そのあたりの記述があれば買ってもいいかなと思案していたが,その通りだったので即ゲット.

◆[欹耳袋]蚊や蚋が「湧いて」人を「咬む」という表現は関西人的にはデフォルトだと思うのだが,ゴキブリがゴミから「生える」という表現を先ほど耳にしてさすがにのけぞった件.

◆[蒐書日誌]〈ゲーテ自然科学の集い〉が発行してきた機関誌『モルフォロギア』の全巻(1978年創刊号〜)が J-Stage から電子化オンライン公開とのこと.この雑誌は大学に入ってすぐのころ,書店店頭で見かけるたびに買うようにしていた.いまも何冊か手元に残っているが,あまりサーキュレーションのいい雑誌ではなかった.ときどき興味深い論考が載っているので,電子化公開されるのは歓迎だ.

◆文化の日の夕暮れ.今日は一日中強い西風が乾いた空気を運んできて,今シーズン初めて静電気が飛んだ.夕焼けのグラデーションは朝焼けの逆まわし映像そのもの.この方向だと三井ビルやクレオがじゃまになってしまうのが難点.

◆本日の総歩数=3488歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=90.8kg(−0.8kg)/28.1%(−0.2%)


2 november 2010(火) ※加圧ベクトルは平衡点を脱した

◆午前4時半起床.気温13.8度.今朝5時半の朝焼け.気温13.1度.これから初冬に向かって,冷え込む明け方にはこういうきれいな朝焼けグラデーションが目撃できる.しかし,絶妙の色調は夜から朝に移行する途中のほんの一瞬だけだ.

◆雲ひとつない快晴の青空.西風が強くて風速5m.気温は13度前後なので,吹きさらされていると寒いかも.まずは NTT出版のウェブ連載原稿を2時間以内にケリをつけないといけない.冬型の気圧配置のもと,外は一足早い冬晴れの快晴青空.気温16.4度.強い西風が木々を揺らす.中では,大きな紙魚が,ヘッケルの『Natürliche Schöpfungsgeschichte』(1868)と『Anthropogenie』(1874)を交互に舐めている.午前11時,やっと原稿(1500字ほど)を送付完了:〈系統樹ウェブ曼荼羅〉初回 − 三中信宏・杉山久仁彦「世界を覆いつくすエルンスト・ヘッケルの時空系統樹」.NTT出版ウェブサイトで公開予定(以降,毎月連載).

◆[欹耳袋]ファイルの圧縮と解凍(Mac - Win 間で) —— 圧縮用ツール:〈MacWinZipper〉 / 解凍用ツール:〈TheUnarchiver

◆今月は統計研修月間で,研修の支度が上乗せ┣┣" と化しつつある.研修生懇親会が例年は木曜実施なのだが,今年は11日(木)になった.東大の講義があるので残念ながら欠席ということになる.翌週の農環研収穫祭も18日(木)なので,同様の理由により欠席か!(太鼓隊よろしく)./やっぱり R 2.12.0 のインストールを一からやり直すしかないか…… orzorzorz :「中澤メモ」(2010年10月27日)

◆[進化思考]本日の余響:shorebird 進化心理学中心の書評など @shorebird2000 「書評「進化思考の世界」」(2010年11月2日)※詳しい書評を感謝.積み残し的追加情報はコンパニオンサイトに載せるようにしますねー.

◆「土俵」を三つ同時にこしらえるというのは実はたいへんな作業かも…….明日は「文化の日」という名の労働日かな.

◆本日の総歩数=3599歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=91.6kg(+0.1kg)/28.3%(+0.4%)


1 november 2010(月) ※風雨濡れまくり原稿書きまくり

◆午前5時前起床.雨強し.気温16.0度.霜月になってしまった〜.心機一転の┣┣" 撃ち月間の始まり.午前6時,雨は小降りになった.西の空からフシギな雲のラインが接近中.前線通過中? 午前8時,再び雨足が強くなっている.雨雲の黒い帯が上空を通過ちう.霧雨のストロング版か.週末(&月末)に育ちまくった┣┣" どもが居室でにやにやしている.BGMの〈Goldberg Variationen〉が終わったので一時離脱.午前11時,霧雨はなお降り続く.国道408号街路樹のフウノキが色づきはじめ,団扇のような落葉が道路を舞っていた.気温は14.8度と明け方よりも低下中.

◆月始めの快調┣┣" 撃ち —— 筑波大学某科研費プロジェクトの研究分担者(not連携)を引き受ける./岩波『科学』のゲラ返送だん./ML月例アナウンス送信だん.「原稿いかがでしょうか?」という明示的加圧ベクトルが5本,暗示的加圧ベクトルは……./年休届けをぐちゃぐちゃと書いては消して訂正の繰り返しの顛末.9月のある日の1時間年休を書き忘れたとかで,年休届けを全部書き直すことになった.両面書き直しだったら床上浸水だったけど,幸い片面だったので床下浸水の被害ですんだ.事務書類がちゃんと書けないのはかな〜り問題.これから次の原稿┣┣" を追う.

◆正午までの時限付き┣┣" 撃ちは『思想地図β』原稿の英文アブストラクトを作成すること.日本語で1000字ということ.午後1時,『思想地図β』編集部に送信だん:Nobuhiro Minaka「 From Being to Becoming: Systematic Patterns, Evolutionary Processes, and Cognitive Foundations in Comparative Biology」たかだか500ワードだというのに,こんなにばてばてでどーする>ワタクシ いや,シェーンベルク〈ワルソーの生き残り〉をBGMに,ふたたび復活しようではないか!

◆午後2時過ぎ,雲間から青空が見える.気温16.5度と上昇傾向.

◆[蒐書日誌]クロード・レヴィ=ストロース[川田順造訳]『ブラジルへの郷愁』(2010年10月25日刊行,中央公論新社,東京,336 pp.,ISBN:978-4-12-004158 → 版元ページ)1995年にみすず書房から刊行された大判写真集の縮小再刊版.すでに,本書を踏まえた二冊の類書(「サウダージ本」):クロード・レヴィ=ストロース著[今福龍太著・訳]『サンパウロへのサウダージ』(2008年11月28日刊行,みすず書房,東京,vi+204 pp.,ISBN:978-4-622-07351-2 → 版元ページ)と今福龍太,サウダージ・ブックス(編著)『ブラジルから遠く離れて 1935-2000:クロード・レヴィ=ストロースのかたわらで』(2009年5月1日刊行,港の人,鎌倉,133 pp.,ISBN:978-4-89629-204-6 → 版元ページ)をゲットしていた.15年前のみすず書房版がすでに品切れになっているので,このようなかたちで元の「サウダージ本」がゲットできたのは幸運だった.

◆本日の総歩数=2595歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.5kg(+0.8kg)/27.9%(+0.3%)


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