【書名】磁力と重力の発見(全3巻)
    第1巻――古代・中世
    第2巻――ルネサンス
    第3巻――近代の始まり

【著者】山本義隆
【刊行】2003年05月22日
【出版】みすず書房,東京
【頁数】
    第1巻――vi, 1-304, 20 pp.
    第2巻――vi, 305-604, 18 pp.
    第3巻――vi, 605-947, 79 pp.
【定価】
    第1巻――2,800円(本体価格)
    第2巻――2,800円(本体価格)
    第3巻――3,000円(本体価格)
【ISBN】
    第1巻――4-622-08031-1
    第2巻――4-622-08032-X
    第3巻――4-622-08033-8

  

【概略目次】
――第1巻――
序文 1
第1章:磁気学の始まり――古代ギリシャ 17
第2章:ヘレニズムの時代 58
第3章:ローマ帝国の時代 94
第4章:中世キリスト教世界 129
第5章:中世社会の転換と磁石の指向性の発見 165
第6章:トマス・アクィナスの磁力理解 199
第7章:ロジャー・ベーコンと磁力の伝播 232
第8章:ペトロス・ペレグリヌスと『磁気書簡』 268
注 [1-20]

――第2巻――
第9章:ニコラウス・クザーヌスと磁力の量化 305
第10章:古代の発見と前期ルネサンスの魔術 333
第11章:大航海時代と偏角の発見 372
第12章:ロバート・ノーマンと『新しい引力』 412
第13章:鉱業の発展と磁力の特異性 444
第14章:パラケルススと磁気治療 481
第15章:後期ルネサンスの魔術思想とその変貌 510
第16章:デッラ・ポルタの磁力研究 559
注 [1-18]

――第3巻――
第17章:ウィリアム・ギルバートの『磁石論』 605
第18章:磁気哲学とヨハネス・ケプラー 673
第19章:十七世紀機械論哲学と力 735
第20章:ロバート・ボイルとイギリスにおける機械論の変質 775
第21章:磁力と重力――フックとニュートン 820
第22章:エピローグ――磁力法則の測定と確定 880
あとがき 939
注 [65-79]
文献 [24-64]
索引 [1-23]


【詳細目次】
――第1巻――
序文 1
第1章:磁気学の始まり――古代ギリシャ 17
1. 磁力のはじめての「説明」 17
2. プラトンと『ティマイオス』 30
3. プラトンとプルタルコスによる磁力の「説明」 35
4. アリストテレスの自然学 42
5. テオフラストスとその後のアリストテレス主義 50
第2章:ヘレニズムの時代 58
1. エピクロスと原子論 58
2. ルクレティウスと原子論 63
3. ルクレティウスによる磁力の「説明」 69
4. ガレノスと「自然の諸機能」 75
5. 磁力の原因をめぐる論争 81
6. アプロディシアスのアレクサンドロス 85
第3章:ローマ帝国の時代 94
1. アイリアノスとローマの科学 94
2. ディオスコリデスの『薬物誌』 98
3. プリニウスの『博物誌』 104
4. 磁力の生物態的理解 111
5. 自然界の「共感」と「反感」 115
6. クラウディアヌスとアイリアノス 123
第4章:中世キリスト教世界 129
1. アウグスティヌスと『神の国』 129
2. 自然物に備わる「力」 135
3. キリスト教における医学理論の不在 139
4. マルボドゥスの『石について』 144
5. ビンゲンのヒルデガルト 150
6. 大アルベルトゥスの『鉱物の書』 156
第5章:中世社会の転換と磁石の指向性の発見 165
1. 中世世界の転換 165
2. 古代哲学の発見と翻訳 170
3. 航海用コンパスの使用のはじまり 179
4. 磁石の指向性の発見 186
5. マイケル・スコットとフリードリヒ二世 190
第6章:トマス・アクィナスの磁力理解 199
1. キリスト教社会における知の構造 199
2. アリストテレスと自然の発見 203
3. 聖トマス・アクィナス 208
4. アリストテレスの因果性の図式 213
5. トマス・アクィナスと磁力 216
6. 磁石に対する天の影響 223
第7章:ロジャー・ベーコンと磁力の伝播 232
1. ロジャー・ベーコンの基本的スタンス 232
2. ベーコンにおける数学と経験 240
3. ロバート・グロステスト 247
4. ベーコンにおける「形象の増殖」 254
5. 近接作用としての磁力の伝播 260
第8章:ペトロス・ペレグリヌスと『磁気書簡』 268
1. 磁石の極性の発見 268
2. 磁力をめぐる考察 275
3. ペレグリヌスの方法と目的 284
4. 『磁気書簡』登場の社会的背景 292
5. サンタマンのジャン 299
注 [1-20]

――第2巻――
第9章:ニコラウス・クザーヌスと磁力の量化 305
1. ニコラウス・クザーヌスと『知ある無知』 305
2. クザーヌスの宇宙論 310
3. 自然認識における数の重要性 316
4. クザーヌスの磁力観 326
第10章:古代の発見と前期ルネサンスの魔術 333
1. ルネサンスにおける魔術の復活 333
2. 魔術思想普及の背景 341
3. ピコとフィチーノの魔術思想 346
4. 魔力としての磁力 354
5. アグリッパの魔術――象徴としての自然 358
第11章:大航海時代と偏角の発見 372
1. 「磁石の山」をめぐって 372
2. 磁気羅針儀と世界の発見 380
3. 偏角の発見とコロンブスをめぐって 388
4. 偏角の定量的測定 395
5. 地球上の磁極という概念の形成 403
第12章:ロバート・ノーマンと『新しい引力』 412
1. 伏角の発見 412
2. 磁力をめぐる考察 423
3. 科学の新しい担い手 430
4. ロバート・レコードとジョン・ディー 434
第13章:鉱業の発展と磁力の特異性 444
1. 十六世紀文化革命 444
2. ビリングッチョの『ピロテクニア』 451
3. ゲオルギウス・アグリコラ 458
4. 錬金術に対する態度 467
5. ビリングッチョとアグリコラの磁力認識 472
第14章:パラケルススと磁気治療 481
1. パラケルスス 481
2. パラケルススの医学と魔術 491
3. パラケルススの磁力観 496
4. 死後の影響――武器軟膏をめぐって 502
第15章:後期ルネサンスの魔術思想とその変貌 510
1. 魔術思想の脱神秘化 510
2. ピエトロ・ポンポナッツィとレジナルド・スコット 515
3. 魔術と実験的方法 524
4. ジョン・ディーと魔術の数学化・技術化 531
5. カルダーノの魔術と電磁気学研究 543
6. ジョルダノ・ブルーノにおける電磁気の理解 551
第16章:デッラ・ポルタの磁力研究 559
1. デッラ・ポルタの『自然魔術』とその背景 559
2. 文献魔術から実験魔術へ 568
3. 『自然魔術』と実験科学 574
4. 『自然魔術』における磁力研究の概要 578
5. デッラ・ポルタによる磁石の実験 585
6. デッラ・ポルタの理論的発見 594
7. 魔術と科学 599
注 [1-18]

――第3巻――
第17章:ウィリアム・ギルバートの『磁石論』 605
1. ギルバートとその時代 605
2. 『磁石論』の位置と概要 611
3. ギルバートと電気学の創設 615
4. 電気力の「説明」 621
5. 鉄と磁石と地球 628
6. 磁気運動をめぐって 634
7. 磁力の本質と球の形 646
8. 地球の運動と磁気哲学 655
9. 磁石としての地球と霊魂 664
第18章:磁気哲学とヨハネス・ケプラー 673
1. ケプラーの出発点 673
2. ケプラーによる天文学の改革 680
3. 天体の動力学と運動量 688
4. ギルバートの重力理論 696
5. ギルバートのケプラーへの影響 702
6. ケプラーの動力学 711
7. 磁石としての天体 718
8. ケプラーの重力理論 725
第19章:十七世紀機械論哲学と力 735
1. 機械論の品質証明 735
2. ガリレイと重力 739
3. デカルトの力学と重力 747
4. デカルトの機械論と磁力 753
5. ワルター・チャールトン 765
第20章:ロバート・ボイルとイギリスにおける機械論の変質 775
1. フランシス・ベーコン 775
2. トマス・ブラウン 784
3. ヘンリー・パワーと「実験哲学」 787
4. ロバート・ボイルの「粒子哲学」 797
5. 機械論と「磁気発散気」 806
6. 特殊的作用能力の容認 811
第21章:磁力と重力――フックとニュートン 820
1. ジョン・ウィルキンズと磁気哲学 820
2. ロバート・フックと機械論 828
3. フックと重力――機械論からの離反 834
4. 重力と磁力の測定 843
5. フックと「世界の体系」 848
6. ニュートンと重力 854
7. 魔術の神聖化 862
8. ニュートンと磁力 866
第22章:エピローグ――磁力法則の測定と確定 880
1. ミュッセルブルークとヘルシャムの測定 880
2. カランドリームの測定 887
3. ジョン・ミッシェルと逆二乗法則 896
4. トビアス・マイアーと渦動仮説の終焉 901
5. マイヤーの磁気研究の方法 912
6. マイヤーの論理――仮説・演繹過程 918
7. クーロンによる逆二乗法則の確定 924
あとがき 939
注 [65-79]
文献 [24-64]
索引 [1-23]