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oude dagboeken

日録2022年1月


20 januari 2021(木)※大寒の朝はただ凍える

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温は氷点下5.4度.北北東の微風.朝日が差す観音台はこんなに乾燥していても霜柱が立っている.今朝の最低気温は氷点下6.5度まで下がった.午前8時を過ぎても氷点下3.5度.大寒の大義名分があるので放射冷却しまくっているにちがいない.

◆[蒐書日誌]いただきもの新刊3冊 ——

  1. マーリン・シェルドレイク[鍛原多惠子訳]『菌類が世界を救う:キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力』(2022年1月30日刊行,河出書房新社,東京, 16 color plates + 284 + 85 pp., 本体価格2,900円, ISBN:978-4-309-25439-5 → 版元ページ)※菌類本はどれもこれもカバージャケットがド派手だったり,穴があいていたりととんがった装幀が多いきがする.
  2. 渡辺努『物価とは何か』(2022年1月11日刊行,講談社[講談社選書メチエ・758],東京, 333 pp., 本体価格1,950円, ISBN:978-4-06-526714-1 → 版元ページ
  3. 谷口忠大『僕とアリスの夏物語:人工知能の、その先へ』(2022年1月13日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・309],東京, vi+197+3 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-00-029709-7 → 版元ページ

—— 以上3冊,ご恵贈ありがとうございます.

◆本日の登攀 ——

  • #進化理論の構造 第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」の第5節「進化理論と変化に関する一般的な考え方に関して断続平衡説がもたらす広い意味」(pp. 1217-1342)読了.断続平衡説を生物学にとどまらず,文化進化論や科学史・科学哲学へと “アウトリーチ” させたことの意義.心地よい節かも. posted at 12:11:45
  • #進化理論の構造 続)本書全体にわたって100個近くの「註」が置かれている.総数は確かに多いのだが,総ベージ数を考えれば「註はほとんどない」とワタクシは判断している.なぜなら,300ページの(ふつうサイズの)本に換算すれば本書は6冊分にも相当するから,だから1冊あたり15〜16註になるだろう. posted at 12:35:33
  • #進化理論の構造 続)さらに言えば,グールド本の「註」は通常の意味での但し書きではなく,そのひとつひとつが “幕間劇” のような長文の内容となっている.だから,本文テクストとは別のパラテクストとして読まれるべきかもしれない.教科書によくある別枠の「ボックス」と考えるのが適切だろう. posted at 12:38:12
  • #進化理論の構造 「註079」(p. 1233)で,グールドは適切な生物レベルには適切な進化要因をもってくるのが分断平衡モデルにおける説明であると言う.個体レベルの論議に高次分類群をもちだしたり,逆に高次分類群の論議を個体レベルから “外挿” するのはまちがいのもとという主張だ.. posted at 12:42:02
  • #進化理論の構造 続)ただし,グールドは「種」以上の高次分類群には確たる “個体性” はないのではないかと疑念を提起している(p. 1275).おそらく,この点については,分岐学的な階層構造を前提とするエルドリッジと意見が異なっているだろう. posted at 12:46:02
  • #進化理論の構造 思い出話のひとつとして,グールドは大学院生時代に読んだトーマス・クーン『科学革命の構造』(1962)に大きな影響を受けたと告白している(p. 1337).分断平衡論文がの冒頭から,きらびやかに科学哲学が散りばめられていた理由がよくわかった. posted at 12:49:59
  • #進化理論の構造 続)続けて,そのパラダイム論は分断平衡説それ自身にもあてはまるのではないかとグールドは予言する(p. 1342).うん,確かにその通りだったかもね. posted at 12:51:43
  • #進化理論の構造 第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」最後の補遺「 断続平衡説の衝撃と批判に関する概ね社会学的な[ただし完全に偏った]歴史」(pp. 1343-1413)読了.アカデミアのみならず創造論者まで巻き込んだ当時の大論争を思い出してしまった.グールドの毒舌はたいしたもの. posted at 14:22:53
  • #進化理論の構造 —— 以上をもって第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」最後の補遺(pp. 1041-1413)を読み終えた.400ページもある本書最長の巨大な章だったが,断続平衡説の論文一式を事前に読んでおけば,それほど峻険な登攀路ではないと思うが,何も知らなければ何もわからないかも……. posted at 14:28:20
  • #進化理論の構造 オーバーハングの手前でひと休み。 pic.twitter.com/kqKmaFOFQj posted at 14:43:45
  • #進化理論の構造 第10章「個体発生と系統発生における統合と適応[構造と機能]——歴史的な拘束と発生の進化」の第1節「プラスの概念としての拘束」(pp. 1416-1462)読了.キーワードは「拘束」.形態空間における制約で縛りつける後ろ向きの意味ではなく,進化の経路を方向づける前向きの意味を探る. posted at 16:11:52

◆寒い夜は中から燃えないといけません.今宵の〈みなか食堂〉は直球勝負のロースカツ定食です.豚ロースは “脂” が大事なので,コロモは極薄にして揚げ油をできるだけ吸わせないように.

◆明日は細々と忙しい一日.

◇本日の総歩数=1,846歩|30回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.50kg (+0.35kg) / 30.4% (0.0%)

19 januari 2021(水)※どこまで続く活字の道

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温は氷点下3.8度.西風.

◆本日の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」の第2節「断続平衡説の要点」(pp. 1071-1095)読了.この節は分断平衡説の元論文 Eldredge and Gould 1972 の解説文.ワタクシが読んだ30年前の読後感はもっと “テツガク” っぽかったが,グールドはアタリマエのことを書いただけと言う. pic.twitter.com/kqPkJTu5Rp posted at 13:07:29
  • #進化理論の構造 続)「断続平衡説が進化理論にとって重要なのは,小進化の仕組みを修正しているからではなく,種を個体化したことにあるのだ」(p. 1092)—— 分断平衡説が生誕した当時に「種を個体化」すると明言したのは Michael Ghiselin 1969. The Triumph of the Darwinian Method だったと思う. posted at 13:17:27
  • #進化理論の構造 第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」の第3節「断続平衡説をめぐる論争——批判と反論」(pp. 1096-1147)読了.系統推定論と関連づけた研究あれこれ. posted at 14:40:49
  • #進化理論の構造 第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」の第4節「断続平衡説を検証するためのデータ源」(pp. 1148-1216)読了.断続平衡説と漸進進化説を支持する/しないデータの総覧.(まだ先は長いぞ) posted at 16:54:55

◆[欹耳袋]日本経済新聞「研究と家庭 両立で奮闘 —— 狭きポスト 偏る家事・育児…」(2022年1月17日).

◆#読む打つ書く よりぬきカツラくん ~ ナンコクの生活「紹介:読む・打つ・書く」(2022年1月19日)※「いったん手が止まると再開するのにものすごいエネルギーを消耗することを研究者なら誰でも知っている」—— 呼吸は止められないでしょう? それとおんなじ./「本書は分厚くて内容が濃いわりには(氏には「薄いでしょう?」と言われそう)、とても読みやすい。これは目次に沿って構造的に「構築」されているからだろう」—— むしろ逆に,目次が本文を説明する “最適モデル” になるように逐次的に構築されているということです./「少し意外だったのは、氏が自分だけのために本を書いているとしている点だ」—— 「他人のために」といういかにも重そうな看板を自ら背負う覚悟はワタクシには毛頭ありません.長続きしないでしょ.楽しくないでしょ./「自分のために書くのに評価を調査しているというのは少し不思議な気がする」—— 自著の書評をサンプリングするのはあくまでも利己的な動機です.書評頻度分布を調べれば,自分の書く文体を支配する “潜在変数” (多くは第二人格である「ワルみなか」の所業)の理解が進むかも./先日,立川の統数研で『読む・打つ・書く』のネタで噺をしたとき,岸野洋久んから「書評頻度分布の統計解析とは具体的には何をするのでしょうか?」といういつもながらのスルドい質問が飛んできた.書評文体の「テクスト分析」をしてはどうでしょうかと苦しまぎれに答えたのだが.—— そんなこんなで,息するように本を書きましょうね.>みなみなさま.

◇本日の総歩数=3,322歩|40回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.15kg (+0.45kg) / 30.4% (+0.2%)

18 januari 2021(火)※寒気の中を阿見へ走る

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温は氷点下0.1度.北西の風.

◆午前の進捗 ——

  • @qyv00045 #進化理論の構造 この本は “戦記物語” なので,いつ誰がどんな文脈でどう振る舞ったのかを知る上での貴重な資料ですね.どちらが正しかったかどうかはワタクシ的にはどうでもいいことです.グールドはマイヤーの “the naturalist tradition” の継承者だったことは確かでした. posted at 07:16:13
  • #進化理論の構造 第8章「淘汰の階層理論における個体としての種」の最後の第4節「壮大なアナロジー——進化に関する種分化の基盤」(pp. 1003-1040)読了.個体淘汰と種淘汰の類否がさらに延々と続く.1970年代の断続平衡モデルを踏まえた発展型として.一覧表8-1(pp. 1008-1009)を見ればよいのかな. posted at 10:33:29
  • #進化理論の構造 続く第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」が本書の “青木ヶ原樹海” かもしれない.この章だけで400ページ超という破格の分量もさることながら,ここを登りきらないと,その向こうに広がるという “涅槃の章” にたどり着けない.一冊の中に何冊も詰め込まれている心地ぞする. posted at 10:39:09
  • #進化理論の構造 第9章「断続平衡説および大進化理論の正当性」の第一1節「古生物学者の常識」(pp. 1042-1072)読了.前口上からしてすでに長い.断続平衡説はずっとそこにあったのに誰にも見えていなかったデータに光を当てたのだとグールドは言う. posted at 11:21:15

◆昼下がりの阿見キャンパスは冷たい西風が吹きすさぶ.午後1時の気温は6.4度だが,体感的にはもっと低い.

◆午後のお座敷 ——

◆今宵の〈みなか食堂〉はサラミとブリーを〈渓〉の直汲みで味わいます.一升瓶がだいぶ減ってきたので,ラベル裏の岩魚がよく見えるようになりました. そんでもって,〆のごはんはきつね丼.

◇本日の総歩数=3,410歩|20回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.70kg (+0.25kg) / 30.2% (0.0%)

17 januari 2021(月)※背徳的酒精強化かす汁

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温は氷点下2.2度.西風.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 週明け早々,なろがサボっていたe-ラーニングをいついつまでにすませのなんのとせっついてくる.年休取得の手続きとあわせて速攻で片付ける.さて,また “登攀” の時間だ.あ,その前に zoom ミーティングがある./今週土曜に代官山で開催される zoom 配信イベントのオンライン打ち合わせ 10:00〜10:30.

◆[欹耳袋]チケット購入はまだ間に合うので,ぜひどーぞ!—— 代官山蔦屋書店 T-SITE『世界を一枚の紙の上に』刊行記念【オンライン配信(ZOOM)】大田暁雄×三中信宏×中野豪雄トークイベント「《世界の視覚化》への誘い」2022年1月22日(土)19:00~20:30※zoomウェビナー.

◆方々から源泉徴収票が送られてきて,やっと年度末を実感する.

◆本日の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第8章「淘汰の階層理論における個体としての種」の第3節「階層論的淘汰説の論理的、経験的な基盤」(pp. 911-1002)読了.遺伝子淘汰からクレード淘汰にいたる階層的な自然淘汰理論について延々と述べる.木村資生の中立説と大野乾の遺伝子重複説にも言及する.長い,長過ぎる. posted at 15:21:35

◆まだまだ寒い夜が続きます.今宵の〈みなか食堂〉は「酒精強化かす汁」をご用意しました.地元・稲葉酒造の〈男女川〉酒粕をたっぷり使い,白醤油と塩で調味したので,白さが際立ちます.最後に生酛の “お水” をどばぁ〜っと理性的に注いでひと煮立ちさせればできあがり.〈香取〉とともにさあどーぞ.

◇本日の総歩数=3,574歩|20回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.45kg (+0.15kg) / 30.2% (−0.6%)

16 januari 2021(日)※紅白の餅が木に実る日

◆真夜中の津波アラームも夢の中,明け方の最低気温氷点下4.4度の冷え込みも何のその,惰眠の末に午前8時半にのっそり起床.晴れ.気温は氷点下1.7度.弱い西風.

◆[蒐書日誌]三中信宏『読書とは何か —— 知を捕らえる15の技術』(2022年1月30日刊行予定,河出書房新社[河出新書・046],東京, 292 pp., 本体価格880円, ISBN:978-4-309-63147-9 → 目次版元ページ)※一週間後には見本刷りがつくばに届くとの連絡があったので,そろそろ “コンパニオンサイト” なるものを仕立て上げないといけない.まだコンテンツが足りないのでいささか見映えしないが,ちょこちょこと中身を詰めていくことにしよう.

◆今日はどんど焼きの日.昼下がりの〈みずほの村市場〉の「成らせ餅」の木.紅白のお餅を木の枝に付ける風習は,茨城では「成らせ餅」と呼び,上州では「繭玉」という.

◆明日からはまた “平日” が戻ってくる.

◇本日の総歩数=2,371歩|0回. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 86.30kg (−0.15kg) / 30.8% (−0.2%)

15 januari 2021(土)※羊が一匹,さらに一匹

◆午前7時半のろのろ起床.惰眠の朝.午前7時の気温は氷点下1.5度.晴れ.冬の朝の善哉はシアワセである.

◆本日の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第9章「淘汰の階層理論における個体としての種」の第2節「淘汰の因力の進化的定義と利己的遺伝子の欺瞞」(pp. 867-910)読了.G. C. Williams(1966)や R. Dawkins(1976)の「遺伝子淘汰説」は根本的な誤謬であるという主張が展開される. posted at 22:42:15
  • #進化理論の構造 遺伝子はたとえ進化の結果の記録——「簿記(bookkeeping)」——の単位とはなりえても,進化の「因果(causation)」の単位とはなりえないというグールドの考えが繰り返される.ワタクシは,簿記と因果の区別は Ellioss Sober 1984. The Nature of Selection. MIT Pr で初めて知った. posted at 22:45:57
  • #進化理論の構造 グールドは自然淘汰の単位についてこう言う:「淘汰の単位は「自己複製子」としてではなく「相互作用子」として定義されねばならないということを認識しなければ,淘汰の因果的な性質は理解できないという結論である」(p. 880-881).この主張に沿ってグールドは反論を展開する. posted at 22:49:22
  • #進化理論の構造 「自己複製子(replicator)」と「相互作用子(interactor)」は David Hull の造語なので,このあたりの論議は1970〜80年代の生物学哲学での議論を背景知識として知っておくと遭難せずにすむ.グールドが “群淘汰” を複数レベル淘汰論としてリバイバルさせようとする意図もわかる. posted at 22:54:01
  • #進化理論の構造 ワタクシ的に興味深いのは,G. C. Williams の遺伝子淘汰説(1966)や R. Dawkins の利己的遺伝子説(1976)がどのように “変節(=退却戦)” していったかをグールドが執拗にたどっている点だ. posted at 22:57:32
  • #進化理論の構造 とりわけ,G. C. Williams 1966. Adaptation and Natural Selection の遺伝子淘汰説から G. C. Williams 1992. Natural Selection: Domains, Levels and Challenges の複数レベル淘汰説にいたる “変節” ぶりは特筆すべきだとグールドは言う. posted at 23:02:31
  • #進化理論の構造 1988年のある逸話がある:「階層的な見解の支持者であるマージョリー・グリーンがウィリアムズを見据え,「あなたずいぶん変わったわね」と,ぴしりと言い放った.それに対して,穏やかで口数の少ないことで知られるジョージ・ウィリアムズが答えた「ずいぶん前にね」」(p. 910). posted at 23:07:26
  • #進化理論の構造 本書『進化理論の構造』の魅力は,随所にグールド自身が体験したことがらが埋め込まれている点だ.それの意味するところを理解できるかどうかは読者側の “背景知識” の有無にかかっている.とくに下巻に進むと,読者に対して要求される知識が多くなってきたようにワタクシは感じる. posted at 23:10:17
  • #進化理論の構造 たとえば,進化の階層性の理論化に関する長大な脚註069(p. 907)で,ナイルズ・エルドリッジの提唱する「系統的階層」と「経済的階層」は不要であり非生産的だとグールドはみなす. posted at 23:15:06
  • #進化理論の構造 そのうえで,グールドはこうもらす:「もう25年もいっしょに大進化の問題に取り組んできて,私ともっとも近しい同僚であるナイルズ・エルドリッジとの,唯一の大きな相違点である」(p. 907). posted at 23:17:35
  • #進化理論の構造 しかし,エルドリッジは筋金入りのクラディストであり,他方のグールドはアンチ・クラディストだったことを考えれば,その意見の相違は当然だとワタクシは考える.1960〜80年代の体系学論争については本書ではほとんど触れられていないが,その背景知識は至るところで関わってくる. posted at 23:20:09

◆夜は並木にあるイタリアンレストラン〈ノンナ・ニェッタ〉にてホネ付き羊の食べまくり.

◇本日の総歩数=1,008歩|0回. 朝◯|昼◯|夜✕. 計測値(前回比)= 86.45kg (−0.10kg) / 31.0% (+0.4%)

14 januari 2021(金)※厳しい登攀と安息の夜

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温0.3度.西風が身を切る冷たさ.西風に吹きさらされる朝の観音台.最低気温は氷点下1.9度.午前8時の今も0.8度.すきま風に震えつつ足元暖房と加湿器をフル稼働中.

◆[欹耳袋]旧Jeconet(1995〜2022)が本日をもって閉鎖され,生態学会傘下のMLに完全移行する.歴代のML運営関係者のみなさんは長年にわたりたいへんお疲れさまでした.ワタクシ的には Jeconet の膨大な過去ログはどなたかがどこかで保管していただければ,後世の科学史的資料になると思います.

◆午前の登攀 ——

  • #進化理論の構造 第7章第2節「限定としての総合説」(pp. 702-719).20世紀前半の進化学の主論点は獲得形質遺伝の棄却と内在論(突然変異説と定向進化説)の降格だった.R・A・フィッシャー,J・B・S・ホールデン,J・S・ハクスリーを挙げ,進化的総合の第一フェイズ「限定」の多元的観点を論じる. posted at 09:44:19
  • #進化理論の構造 第7章第3節「総合説の硬直化」(pp. 720-752).この節はおもしろい.現代的総合を成し遂げたTh・ドブジャンスキー,E・マイアー,そしてG・G・シンプソンの著作の新旧版を比較して,初期の “多元的” な進化観がどのように「硬直化」していったかが具体的に論じられている. posted at 10:35:26
  • #進化理論の構造 グールドはこう書いている:「総合説が硬直化し,適応論そのものが受容の第一基準となったとき,木村[資生]の[中立進化]理論は,多くの進化学者にとって常軌を逸した考えに見えた」(p. 723,脚註057).むべなるかな. posted at 10:39:34
  • #進化理論の構造 第7章第4節「ダーウィンの三本の太枝のうちの残る二つの硬直化」(pp. 753-782).自然淘汰の単位が「硬直化」の過程で個体のみに絞り込まれたのは,G・C・ウィリアムズ(1966)による「オッカムの剃刀」の誤用であるとグールドは断言する(pp. 764-765). posted at 11:23:41
  • #進化理論の構造 古生物学による地質学的時間スケールへの「外挿」については,総合説に当時の古生物学が「飼い慣らされ,総合説に取り込まれ,行儀よくしろと命じられてしまった」(p. 772)という.このあたりの論議と引用は1940〜1950年代のいくつかの進化学会議の論文集を参照すること. posted at 11:28:10
  • #進化理論の構造 第7章第5節「誇張されすぎた疑念から限度を超えた確信へ」(pp. 783-806).現代総合説が受容された “あと” の時代の進化学の描かれ方を,さまざまな生物学教科書をひもときつつ論じる. posted at 11:46:10
  • #進化理論の構造 総合後の時代にあっては,総合説は論駁の余地のない融通無碍さ,反論に対する愚弄と尊大な態度,その結果としての反対者の沈黙をもたらした(pp. 794-795). posted at 11:47:13
  • #進化理論の構造 —— 以上をもって,第I巻800ページ読了.しかし,まだ全体の半分も読み進んでいない.この果てしない試練はいったい何なんだ. pic.twitter.com/peJGmGJvhF posted at 11:52:46
  • #進化理論の構造 続く下巻はさらに1,100ページもある! 登攀の道のりは遠く険しい.意識して「自己加圧ナッジ」ツイートをしているので,いまのところは何とか滑落せずにすんでいる. posted at 11:59:23

◆西風いよいよ強まって,正午の気温は6.5度止まり.体感的には氷点下かも.寒風吹きすさぶ外をうろうろする気力はない.

◆午後の登攀 ——

  • #進化理論の構造 第II巻冒頭の「第2部へのセグエ」(pp. 829-837)読了.後半の予告編みたいなつなぎ口上. posted at 13:48:30
  • #進化理論の構造 第2部「進化理論の修正と拡張に向けて」の最初は第8章「淘汰の階層理論における個体としての種」から始まる.第1節「個体の進化論的定義」(pp. 842-866)読了.自然淘汰の “単位” は何かをめぐる論議.種個体説を踏まえて,淘汰単位を階層的に拡張するという主張.予想どおりね. posted at 14:57:26

◆寒いというよりは痛い西風が吹き荒れた一日の終わりはゆったりと過ごしたいものです.今宵の〈みなか食堂〉は,店主の日頃の行いが善良であるせいか,ブリーチーズのホールをゲットできました.とりあえず100gカットでいかがでしょうか.予約して一年待ちという〈谷川の雪サラミ〉とともにどうぞ.でも,チーズだけではなんですので,ささやかな「貧乏人のスパゲティ」もご用意します.全粒粉パスタに半熟卵焼きを絡めて,大量のペコリーノ・ロマーノと黒胡椒をトッピングします.プーリア州のフルボディな赤ワイン〈Capo Zafferano Primitivo di Manduria〉とともにどうぞ.

◇本日の総歩数=3,560歩|20回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.55kg (−0.30kg) / 30.6% (−0.6%)

13 januari 2021(木)※今日もまた阿見お座敷

◆午前5時過ぎ起床.曇り.気温1.9度.西北西の風.早朝は雲が多かったが,朝の観音台は青空が広がってきた.午前9時前の気温は3.0度.西南西の風.今日は午後から実在しませんのでよろしく.

◆午前の進捗 ——

  • #進化理論の構造 続く第6章第1節「ダーウィンと生物的競争の果実」(pp. 648-665)読了.ダーウィンにとっての「生存競争」の意味するところ.そして,「進歩」との結びつき. posted at 09:53:56
  • #進化理論の構造 続く第6章第2節「地質学の舞台上の斉一性」(pp. 666-696)読了.地球の年齢を「1000万年〜1億年」と推定したケルヴィン卿に対するダーウィン,ハクスリー,ウォレスそれぞれの対応.次は第7章「限定的な総意としての現代総合説」へ. posted at 10:26:42
  • #進化理論の構造 あと100ページあまりでこの第I巻は読み終わる.この巻に所収された第1部「ダーウィン流ロジックと論争の歴史」(pp. 19-806)は,現代総合説へいたる進化思想史の鳥瞰図だ.グールドの過去の生物学史本(『個体発生と系統発生』工作舎など)を事前に読んでいれば意外にさくさく進む. posted at 10:46:38
  • #進化理論の構造 もう1冊の鈍器本:Ernst Mayr 1982. The Growth of Biological Thought: Diversity, Evolution, and Inheritance. Harvard UP xii+974 pp. を副読本として予習しておくと,グールド本の巨大な脚註群(というか “ボックス” )は横目で読める(かも).ワタクシ的にはオススメです. posted at 10:52:38
  • #進化理論の構造 第7章「限定的な総意としての現代総合説」の短い第1節「なぜ総合説なのか?」(pp. 698-701).グールドは20世紀なかばの “現代的総合” は「限定的」であり同時に「硬直化」したと評する(p. 700).なつかしい表現との再会だ. posted at 11:19:12

◆阿見キャンパスに来るたびに雨やら雪の洗礼を受けたが,今日はめずらしくからっと冬晴れ.午後1時の気温は9.3度.南風.

◆夕闇の激混みをかいくぐって帰宅.阿見の道路状況はたいていよくないな.

◇本日の総歩数=5,341歩|20回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.85kg (+0.05kg) / 31.2% (+0.3%)

12 januari 2021(水)※読んで追われて読んで

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温は3.3度と冷え込みはたいしたことないが,西北西の風が吹きつけて体感的には寒すぎる.朝日に照らされても,西風が冷たすぎる観音台の朝.午前8時の気温は3.9度.陋屋居室のすきま風がことのほか身に染みる.朝イチの BGM はマーラー交響曲5番の第4楽章から.

◆午前の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第4章「内的要因論と形態の法則——機能論に替わるダーウィン以前の考え方」第2節「自然界における神の栄光を称える二つのやり方」(pp. 376-404)読了. “フォルマリスト” たるウィリアム・ペイリーの『自然神学』とルイ・アガシ『分類論』の掘り起こし. posted at 09:57:42
  • #進化理論の構造 アガシの『分類論(Essay on Classification)』(1857)は体系学のひとつの理念を結晶化させた著作で,今も参照する価値がある.原書はもちろんすでに電子化公開 www.biodiversitylibrary.org/bibliography/1… されているが,Dover からペーパーバック版(Edward Lurie 編)としても出されている. posted at 10:03:52
  • #進化理論の構造 第4章「内的要因論と形態の法則——機能論に替わるダーウィン以前の考え方」第3節「最強のフォルマリズムとしてのプランの一致——ダーウィン以前の論争」(pp. 405-468)読了.ゲーテ,ジョフロア,キュヴィエ,その他の Naturphilosophen たちのこと. posted at 11:23:52
  • #進化理論の構造 フォルマリスト(構造論者)たるキュヴィエに対するファンクショナリスト(機能論者)としてのジョフロアの立ち位置.そして,構造 vs 機能をめぐる1830年の「キュヴィエ–ジョフロア論争」の意味と誤読についてくわしく論じられている. posted at 11:31:53
  • #進化理論の構造 ここの箇所では,Toby A. Appel 1987 The Cuvier-Geoffroy Debate (西村顕治訳 1990, 時空出版)と E. S. Russell 1916. Form and Function が頻繁に言及されている. posted at 11:33:45
  • #進化理論の構造 さらに,イングランドの “大陸的” な構造論者リチャード・オーエンへの言及が続く.チャールズ・ダーウィンに敵対した “ヒール” としての印象だけが現在まで残るが,構造論をプラトン的「原型(archetype)」にまで昇華した功労者としての役割が強調されている. posted at 11:35:39
  • #進化理論の構造 リチャード・オーエンはともすれば “妖怪” みたいな描かれ方をされてきた.T. H. ハクスリーぞっこんの某大学院大学学長は「オーエン? ハンサムじゃないからやだぁ」と一刀両断したほどだ.オーエン必読書:Nicolaas Rupke 1994. Richard Owen: Victorian Naturalist. U Chicago Pr. posted at 11:41:15
  • #進化理論の構造 第4章「内的要因論と形態の法則——機能論に替わるダーウィン以前の考え方」第4節「ダーウィンが構造的拘束に寄せた限定的ではあるが強い関心」(pp. 469-484)読了.ダーウィンが自然淘汰の機能論に立ちながらも,成長の相関という構造論的テーマに関心を持ち続けたこと.第5章へ進む. posted at 12:29:03

◆[蒐書日誌]三中信宏『読書とは何か —— 知を捕らえる15の技術』(2022年1月30日刊行予定,河出書房新社[河出新書・046],東京, 292 pp., 本体価格880円, ISBN:978-4-309-63147-9 → 目次版元ページ)※攻めてるカバージャケットが公開されました.

◆午後の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第5章「ゴールトンの多面体の実り多き切子面——ダーウィン以後のフォルマリズムにおける経路と跳躍進化」の第1節「ゴールトンの多面体」(pp. 485-498)読了.自然淘汰の創造性に対するアンチテーゼとしての変異の跳躍性と方向性を「ゴールトンの多面体」なるメタファーを用いて説明. posted at 13:44:08
  • #進化理論の構造 第5章第2節「経路と一方通行としての定向進化説——ダーウィニズムの過小評価」(pp. 499-554)読了.19〜20世紀のさまざまな「定向進化説」— 内的要因による変異の偏りと経路付け —を取り上げる.登場するのは,T・アイマー,A・ハイアット,C・O・ホイットマンら. posted at 15:15:42
  • #進化理論の構造 グールドが定向進化説を取り上げる意図はとても明快だ:「不当にけなされている定向進化説の中の一部の考え方に近い,拘束を云々する穏やかなフォルマリズムが,現在のダーウィニズム主流の状況をより実りあるものにするかもしれない」(p. 503) posted at 15:21:37
  • #進化理論の構造 さらにもう一文:「今のわれわれは,さらなる統合を目指している.現代総合説と,発生の拘束と経路付けられた変異という,無視されてしまった構造論とフォルマリズムのテーマとの統合を」(p. 554). posted at 15:24:34

◆夜の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第5章第3節「内的推進力説としての跳躍説——ダーウィニズムを周辺的原因へと追いやるためのフォルマリズム第二の戦略」(pp. 555-646)読了.跳躍進化説諸相.キャスティングは遺伝学者たちウィリアム・ベイトソン,ヒューゴ・ド・フリース,そしてリチャード・ゴールドシュミット. posted at 21:40:34
  • #進化理論の構造 遺伝学者ベイトソンは不連続変異の事例を踏まえ,ダーウィンの言うような漸進的な自然淘汰では説明できない現象があると主張した(p. 568).自然淘汰の創造性に疑問を投げかけるベイトソンは,実験観察に基づかない自然史学には将来性はないと断じる(p. 568). posted at 21:46:09
  • #進化理論の構造 「ナチュラリストとして出発してコレクターとして終わる.難題は放り出し,分類学という実務に慰めを見出す.種を分けていられれば幸せなのだ」(p. 572)—— これはベイトソンの主著『変異の研究のための素材』(1894)の一節だ.当時の遺伝学と自然史学との “裂け目” が垣間見える. posted at 21:50:12
  • #進化理論の構造 続くド・フリースは跳躍的な「突然変異説」の主唱者としてあまりにも有名で,50ページほど割いて詳述されているが,何が何だかよくわからない混沌とした彼の思想が述べられている.でも,よくわかんないです. posted at 21:54:10
  • #進化理論の構造 最後のゴールドシュミットは,同時代の総合学説信奉者から “タコ殴り” された遺伝学者として,かえってわかりやすい役回りかもしれない.グールドはゴールドシュミットの主張(たとえば『進化の物質的基盤』1940)の中にも,進化機構の内在論の体系化は評価すべきであると指摘する. posted at 21:57:59
  • #進化理論の構造 続く第6章「地質学の舞台におけるパターンと前進」(pp. 647-696)は明日の┣┣" 撃ち予定ね. posted at 21:59:23

—— 何だかもう “千日回峰行” をしている心地ぞする.

◇本日の総歩数=3,646歩|30回. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 86.80kg (−0.05kg) / 30.9% (+0.4%)

11 januari 2021(火)※阿見帰り雨夜の鏡開き

◆午前5時半起床.小雨.気温4.6度.北西の風.連休明けの観音台は朝から冷たい雨が本降りになっている.午前8時の気温は3.1度.北西の風.今日は午前中だけ農環研に実在する.午後は探さないでください.

◆午前の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第4章「内的要因論と形態の法則——機能論に替わるダーウィン以前の考え方」第1節(pp. 363-375)読了.「原型」・「機能」・「歴史」の三つ巴の論争の展開. posted at 11:31:23

◆[蒐書日誌]購入新刊3冊 ——

  1. トゥオマス・アイヴェロ[セルボ貴子訳]『寄生生物の果てしなき進化』(2021年12月15日刊行,草思社,東京, 374+27 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-7942-2547-4 → 版元ページ)※フィンランド語の進化学の本が翻訳されるのはとてもめずらしい.
  2. レベッカ・L・スパング[小林正巳訳]『レストランの誕生:パリと現代グルメ文化』(2021年10月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・ス-26-1],東京, 584 pp., 本体価格1,900円, ISBN:978-4-480-51076-1 → 版元ページ)※原本は2001年青土社刊.2020年版「まえがき」が増補されている.今月末に出る河出新書『読書とは何か:知を捕らえる15の技術』は「呑む・喰う・寝る」をひとつの理想としている.書名とは裏腹に “バーリ・トゥード” すぎるかも.
  3. 日本における20世紀発酵学の科学史新刊 —— Victoria Lee『The Arts of the Microbial World: Fermentation Science in Twentieth-Century Japan』(2021年12月刊行,The University of Chicago Press[Synthesis], Chicago, viii+325 pp., ISBN:978-0-226-81274-8 [hbk] → 版元ページ)※日本酒・醤油・納豆など.これはどこかの出版社から翻訳が出てほしいなあ.よろしく!

◆午後のお座敷 —— 冷たい雨に濡れる阿見キャンパス.午後1時過ぎの気温は5.6度.しかし,先週ここに来たときは一面の雪景色だったことを考えればよしとしよう.

  • #統計学入門 今日から連続4回の「実験計画法」講義のスタートです. posted at 14:09:45
  • #統計学入門 今日は実験計画法のF検定の寸前でビバークします.登頂は木曜の講義で. posted at 16:01:40

◆夜になっても冷たい雨がしとしと降り続いている.午後9時の気温は4.7度.西北西の風.鏡開き風に小豆を炊いてむしやしない.

◇本日の総歩数=3,554歩|30回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.85kg (−0.10kg) / 30.5% (+0.3%)

10 januari 2021(月)※残雪も凍る連休最終日

◆午前5時過ぎ起床.曇り.気温は2.1度と冷え込みなし.北西の風.

◆連休最終日の観音台.いたるところ残雪が融け残っていて人気はない.全館空調が稼働しないので今の室温は12度止まり.足元暖房オン.念のため,凍えないように〈コワタイ〉辛めの ขนมจีนน้ำเงี้ยว(カノムチン・ナムギャオ)を事前摂取してきたので,自然史学会連合のオンライン総会が終わる夕方までは耐え忍べるにちがいない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 自然史学会連合オンライン総会 14:30〜16:50.おつでした.

◆多くの Windows ユーザーが憑依されるという,とあるフシアワセの除霊 ——

  • #統計学入門 Windows の「OneDrive」にRをインストールすると添付画像のようなエラーが発生し,フシアワセになるようです.リモートの OneDrive にインストールされたRやRStudioをいったんすべてアンインストールして,あらためてローカルPC(手元のPC)にインストールし直してください.邪気退散! pic.twitter.com/hErrISNmDO posted at 09:11:01
  • #統計学入門 下記記事が参考になります——Ryota Mugiyama「RとRStudioをインストールするときのつまづきポイントとその対処法へのリンク」(2020年8月3日) ryotamugiyama.com/2020/08/03/rin… の中の「Onedrive上にインストールすることで起こるトラブル」です. posted at 09:27:59

◇本日の総歩数=2,876歩|0回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.95kg (−0.50kg) / 30.2% (+0.1%)

9 januari 2021(日)※ただ読んでまた読んで

◆午前6時過ぎのろのろ起床.晴れ.気温は氷点下4.2度.西風.

◆登攀記録の続き ——

  • #進化理論の構造 第3章「階層理論の種子 」(pp. 251-361)読了.進化理論の “階層構造” の概念史をたどった章.生物の遺伝メカニズムが知られていなかった時代に,チャールズ・ダーウィンはもちろん,アウグスト・ヴァイスマンの生殖質淘汰説もまた「階層化」への方向づけがなされていたと言う. posted at 14:52:43
  • #進化理論の構造 19世紀末のネオラマルキズムと闘ったヴァイスマンは「[自然淘汰の]階層論こそ,淘汰論者の原理に完全に根ざした進化理論で,しかも説明範囲の広い理論ならば中心に据えるしかない考え方であるとの認識に至ったのだ」(p. 325)という現在では忘れ去られている論点を掘り起こす. posted at 14:57:14
  • #進化理論の構造 第3章末尾の一文:「あまりにも多くの人が,良きダーウィン主義者になろうとしてきたのに,いつも階層論が割り込んできた意思がくじけてきた.私は言いたい.評価は低いがなくてはならない旧友を満面の笑みで迎えようと」(p. 361).さあ,続く第4章が満面の笑みで迎えてくれるか. posted at 15:00:45

◆グールドに満面の笑みで引き止められてしまったので,お昼ごはんがすっかり遅くなってしまった.年越しの Chaource が氷温室にまだ残っていたので,今朝の〈つくいち〉で買ってきた〈パネッツァ〉の石窯焼きパンをちょいとトーストしてチーズを乗っけるだけのシンプルさ.

◆下界ではつくば市の成人式が挙行されていて,何やらかしましい.

◇本日の総歩数=4,374歩|20回. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 87.45kg (+0.55kg) / 30.1% (−1.1%)

8 januari 2021(土)※果物責めから餃子天国

◆午前7時のろのろ起床.晴れ.気温は氷点下1.1度.西南西の風.昨日に続いてフルーツたちの総攻撃を生き延びる修行の朝.フレンチトーストにしてはトッピングが警戒色すぎる.ソフトクリームのてんこ盛りも警報級.メイプルシロップなんぞ回しかけたら,もうタイヘンなことに.方々のビジネスホテルに滞在した経験があるが,〈果実園リーベル〉が朝ごはん会場だったことは一度もない.

◆[蒐書日誌]ワタクシの書評が今朝の日本経済新聞に掲載:三中信宏「躍動する新たな人間観示す」(2022年1月8日)—— 書評本:ティム・インゴルド[柴田崇・野中哲士・佐古仁志・原島大輔・青山慶・柳澤田実訳]『生きていること:動く、知る、記述する』(2021年11月10日刊行,左右社,東京, 571+xxx pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-86528-037-1 → 目次版元ページ)※インゴルドは本書は「人類学」の本だと言うが,すんなり理解できるわけではない.『ラインズ』など過去の著作を予習してから本書に登攀しないと滑落するだろう.確かに,あるはずの図がなかったり,誤植があったりという編集上の瑕疵は散見されるが,本訳書の価値を大きく損ねる理由にはならない.

◆午前9時チェックアウト.多摩モノレールで統数研に向かう.昨日よりはだいぶ暖かくなって,日なたの残雪はほとんど融けてしまった.統計数理研究所・共同利用研究集会〈生態データ統計モデルの包括的推進:個体群・群集・行動——生物統計と数理生物:似ているようで異なる生物へのアプローチ〉の二日目.

  • [立川]12:30からやっとお昼休み.今日もおにぎり. posted at 12:39:38
  • [立川]午後のセッション開始. posted at 13:14:49
  • [立川]二日目全日程終了.みなさん,たいへんお疲れさまでした.外はもう真っ暗. posted at 18:23:52

◆立川サウスの夜は更けて —— 二日に及ぶお座敷がはけて,立川駅に戻ってきた.立川サウスの闇に浮かび上がるピンク色のマンションに吸い込まれる.そこは二年ぶりの〈餃子天国〉だ.冬だから選択肢は冬季限定の「牡蠣餃子」しかない.しかし,牡蠣が入荷しているかどうかは運次第.さいわい今宵はありつくことができた.まずはヱビスの樽生黒ビールと冷やしトマトで準備運動.

待つことしばし,なつかしい巨大な餃子が運ばれてきた.牡蠣餃子は餃子ひとつに牡蠣が五つも詰め込まれている.これは尋常ではない.牡蠣餃子には新潟の〈高千代〉しぼりたておりがらみ生原酒.〈餃子天国〉の日本酒セレクションは秀逸.この牡蠣餃子はパクパク食べてはいけない.ゆっくり割って埋まっている牡蠣をひとつ拾っては “お水” を一口.もうひとつ拾ってはまた一口.

◆そんなこんなで,つくばに帰り着いたのは午後10時半.遠かったなあ.ところどころ雪が凍りついている.

◇本日の総歩数=7,977歩|0回. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測

7 januari 2021(金)※残雪の統数研にて高座

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温は氷点下3度まで下がっているので,昨日の雪はこちんこちんに凍結しているだろう.ホテルの朝ごはんは何やら果糖の大量摂取.

◆[蒐書日誌]応用進化学新刊 —— Norman A. Johnson『Darwin's Reach: 21st Century Applications of Evolutionary Biology』(2021年12月刊行,CRC Press, Boca Raton, ISBN:9781138587397 → 版元ページ)※ちょいと気になる新刊が昨年暮れに出た.

◆[欹耳袋]代官山蔦屋書店 T-SITE『世界を一枚の紙の上に』刊行記念【オンライン配信(ZOOM)】大田暁雄×三中信宏×中野豪雄トークイベント〈《世界の視覚化》への誘い〉2022年1月22日(土)19:00~20:30※Zoomウェビナー.

◆路面は凍ってつるんつるんだが,こけるのは縁起が悪いので,多摩モノレール高松駅から足元に注意しながら残雪を踏みしめる.

◆本日のお座敷——統計数理研究所・共同利用研究集会〈生態データ統計モデルの包括的推進:個体群・群集・行動——生物統計と数理生物:似ているようで異なる生物へのアプローチ〉2022年1月7日(金)〜8日(土)@統計数理研究所(立川&オンライン).会場には30人ほどの対面参加者がいて,さらに zoom の向こう側には70人余りのオンライン参加者もいる.

  • [立川]ハッシュタグは #ism2022 でいいかな. posted at 10:19:51
  • #ism2022 ワタクシの三題噺:三中信宏「統計学と数学と科学哲学:データと論理の行間を読む」10:20-11:50 やっと終わりましたー.これは疲れる.おにぎり食べよ. posted at 11:59:01

◆午後も連射トークを延々と聴き続ける修行.午後6時半にやっと初日終了.懇親会でいささか呑みすぎた.うう……

◇本日の総歩数=7,787歩|0回. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測

6 januari 2021(木)※阿見〜立川の雪中行軍

◆午前5時過ぎ起床.雲が広がっている.気温は氷点下3.5度.西北西の風.今日の南関東は雪になるかもとの予報.午前中だけは観音台に実在し,午後からは姿をくらます.阿見とか立川が白くなる事態はできれば避けたいのだが.

◆小雪舞う観音台.午前11時の気温2.4度.予報どおり.筑波山頂付近はすでに白くなっている.本格的な雪になってきた@観音台.正午の気温は2.7度.さっぶぅ〜 これから阿見キャンパスに向かうのは雪中修行ですかそうですか.

◆雪がしんしんと降り積もる茨城大学阿見キャンパス.学生の姿はほとんど見えない.雪が降るばかり.しんしんと,しんしんと.雪が降り始めて気温はさらに急降下.13:40時点で氷点下0.3度.講義室は暖房ががんがん入っているが,そこはかとなく冷気が忍び寄る.午後4時前に講義は終わったのだが,RStudio と OneDrive の大喧嘩の仲裁に手間取ってしまい,解決は次回持越し.OneDrive は諸悪の根源のような気がしてきた.

◆外はざんざか雪が降り続き,白銀の阿見キャンパスからの帰路は一時間余りもかかった.これから立川へ出撃しなければならない.雪中行軍というしかない.降雪でだだ遅れの武蔵野線に揺られて,ひさしぶりの立川駅にやっと到着.こちらもけっこう降ったようだ.夜の立川サウスエリアの方々から呼ぶ声が聞こえるのだが,明日のお座敷のことを気にする小心者のワタクシは,駅前の〈レインボウ・スパイス〉にてささやかに南インド式チェディナードスタイルの骨付きマトンカリーを注文.

◆明日はひさしぶりの統数研で高座のお務めだ.

◇本日の総歩数=6,695歩|0回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.90kg (+0.25kg) / 31.2% (+0.2%)

5 januari 2021(水)※袋田の氷爆に打たれて

◆午前6時半,東の海からの日の出とともに起床.最低気温は氷点下6.1度.西風.朝イチの露天風呂は海風に吹きさらされていた.さすが県北は寒さのレベルがちがう.もだえ苦しむ活字中毒者 地獄のグールド.読みが捗らないと露天風呂に沈められるというきびしい修行.

◆チェックアウト後,五浦海岸に立つ六角堂を見学に.こんな波打ち際のロケーションじゃ,津波が来ればイッパツでアウトだっただろう.

◆県北を攻める旅は続く.日立の御岩神社で杉の大木を見上げ,さらに内陸に進軍して寒気にすべてが凍てつく袋田の氷爆を見て縮み上がる(凍結率50%).これをもって茨城県最北端のきびしい寒中修行は終わりを告げた.さっぶ〜

◆帰路は四の五の言わずにあっさり常磐道を南下し,夕方つくば帰還.明日からはやっと “日常” が始まる.

◇本日の総歩数=9,271歩|0回. 朝△|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測

4 januari 2021(火)※五浦の荒波に揉まれて

◆午前6時半起床.やっとまっとうな時間に起きられるようになった.晴れ.気温は氷点下3.7度.西南西の風.世の中的には仕事始めだが,ワタクシは出奔しますこれから.探さないでください.

◆茨城県北を目指してひた走る.走れば腹が空くので,まずは大洗の寒風吹きすさぶ海岸でズワイガニに囲まれる修行の始まり.今回はあえて常磐道ではなく国道を使ったのだが,混むの何のって.いたるところで初詣渋滞やら,道路拡幅工事やらで,なかなか先に進めない.それでも,高萩から北茨城に入る頃には,荒々しい冬の太平洋と並行して走っていた.五浦海岸が今日の目的地.

◆太平洋の冬の荒波と露天風呂に打たれる修行.夜は旬のアンコウに攻め立てられる修行.これはきびしい.もうダメかもしれない.

◇本日の総歩数=5,795歩|0回. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 86.65kg (+0.45kg) / 31.0% (+0.6%)

3 januari 2021(月)※正月三が日読みまくり

◆午前8時むっくり起床.惰眠をむさぼる寝正月.晴れ.気温は氷点下2.4度.最低気温は同5.2度.南南西の微風.正月も三日目ともなると食卓に変化がほしくなる.今日の〈みなか食堂〉は必殺のの「揚げ餅おろし」.体重計がコワくない勇敢なみなさんはぜひどーぞ.

◆[蒐書日誌]井口淳子『送別の餃子:中国・都市と農村肖像画』(2021年10月30日刊行,灯光舎,京都, xii+210 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-909992-01-7 → 目次版元ドットコム)※>年をまたいで読了.中国の民族音楽と地方芸能を研究テーマとする著者が,中国本土でのフィールドワークを通じてつながった現地の人々との交遊録.心温まる話もそうではない話も.かつての「文化大革命」がもたらした結果はさまざまな形で現在の中国につながっている.著者が関わりをもった人々の人生が “文革” による「下放」により,直接的あるいは間接的な影響をもたらしたことがわかる.日本で得る情報だけではうかがいしれない中国の “姿” を垣間見ることができる.それにしても,著者は行く先々で病に伏したという挿話がたびたび出てくるのだが,フィールドワーカーならではの災厄なのだろうか.また,本書では著者による本文テクストとともに,佐々木優の挿画イラストが独自のメッセージを読者に発している.最近ワタクシが読んだ中国・台湾本はいずれも本文とイラストの混ざり具合が心地よい.たとえば:焦桐『味の台湾』とか崔岱遠・李楊樺『中国くいしんぼう辞典』とか.

◆〈みなか食堂〉の夕餉はさらに “日常” へと復帰しています.今宵は根菜の粕汁と長芋おろしと雑穀米を用意しました. “お湯” は〈香取〉の燗冷まし.

◆明日は北茨城で荒波に揉まれてまいります.

◇本日の総歩数=6,184歩|40回. 朝△|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 86.20kg (+0.35kg) / 30.5% (+0.1%)

2 januari 2021(日)※月読神社へ初詣の午後

◆午前8時過ぎのろのろ起床.怠惰な正月ライフ.曇り.最低気温は氷点下6.2度まで下がった.正月寒波は容赦なし.

◆午前9時を過ぎても氷点下1.1度と冷蔵庫並み.そして,おせちとお餅は毎回続くとさすがに飽きるなあ…….

◆本日の進捗 ——

  • #進化理論の構造 先を急ぐ前に,これまでの道のりを振り返って,目に留まった “ノード” を刻んでおくことにする. posted at 12:48:48
  • #進化理論の構造 グールドは冒頭で,古生物学者 Agostino Scilla (1639-1700)の著書『La vana speculazione disingannata dal senso : lettera risponsiua circa i corpi marini, che petrificati si trouano in varij luoghi terrestri』(1670) www.biodiversitylibrary.org/item/108702#pa… を引用した. posted at 12:56:09
  • #進化理論の構造 スキラの本にはさまざまな化石の図版が載っているが,グールドがダーウィン理論体系の比喩として繰り返し用いることになるのは,図版XXIの化石サンゴ www.biodiversitylibrary.org/item/108702#pa… だ.グールドはこのサンゴの三分岐をダーウィン理論のもつ三つの “本質的特徴” になぞらえた. posted at 13:00:47
  • #進化理論の構造 第1章第2節「進化理論の構造——ダーウィン理論のロジックの中心をなす三つの特徴を改訂する」(pp. 35-51)ではダーウィン理論の “本質” の論議が続く.おそらく読者の多くは「スキラのサンゴ」の図像をこの時点で刷り込まれてしまうだろうとワタクシは予感する. posted at 13:06:08
  • #進化理論の構造 「スキラのサンゴ」(pp. 43, 147)を比喩として用いたグールドの意図は,ダーウィン理論には欠くべからざる「基礎」(p. 22)があり,その基礎とは自然淘汰のもつ「因力」「効験」「射程」の三つであるという(pp. 37-39). posted at 13:11:25
  • #進化理論の構造 この三つの基礎さえ確保されていれば,上部構造の変更や拡張は十分にありえるというのがグールドの主張だ.続く第2章「ダーウィニズムの本質と現代正統理論の基盤 ——『種の起源』の解釈」はそれらの基礎の萌芽をダーウィン自身の研究の中に求めている. posted at 13:16:38

◆昨日のような冷たい北風がおさまった午後.気温は6.9度しかないが,南風が入ってきた.樋の沢の月讀神社へ初参り.このあたりは夜になると暗がりからいろいろ出てきそうな闇の世界になるが,昼間は心配なし.

  • #進化理論の構造 ロフトの初売りに出かけて,ポストイットを山ほど買い込んできた. “鈍器本” に貼って華やかにはためかせるんだ. posted at 17:26:54

◆大晦日にローストして冷凍越年させた牛ランプ600gが今宵の〈みなか食堂〉に登場です.150度設定のオーブンで30分ローストしましたが,肉塊の形状が太めだったせいか,内部温度46度というレアになりました.Terre da Vino Barolo 2017 を合わせましたが,もっとボディのある方がベターかも.

◇本日の総歩数=3,684歩|40回. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 85.85kg (+0.05kg) / 30.4% (−0.6%)

1 januari 2021(土)※つつがなき一年を祈念

◆午前7時過ぎのっそり起床.晴れ.気温は氷点下3.4度.遅まきながら初日の出を拝む.元旦の〈みなか食堂〉はささやかな膳を.本年もよろしくお願いいたします.店主拝.

◆正午を過ぎても気温は5.7度どまり.冷たい西風が風速6.1mで吹いているので,体感気温は氷点下.外をウロウロする勇気が湧いてこない(ので,部屋でぬくぬく寝読み正月).

◆年始めのお仕事はメーリングリストへの月例アナウンス送信.残すところあと一年あまりという “〆切様” が見えてきました.

◆北西風がことのほか冷たかった元日.〈みなか食堂〉の夕餉は,肴こそ代わり映えしませんが,肝心の “お水” は〈王祿〉純米吟醸「渓」直汲みを抜栓しました.五つ星の味わいとガス感をご堪能ください.

◆本日の進捗 ——

  • #進化理論の構造 第2章「ダーウィニズムの本質と現代正統理論の基盤 ——『種の起源』の解釈」(pp. 141-249)読了. posted at 21:42:30

◇本日の総歩数=2,645歩|40回. 朝△|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 85.80kg (+0.40kg) / 31.0% (+0.5%)