images/image1.jpg

Home
oude dagboeken

日録2021年3月


31 maart 2021(水)※月末残務は麦酒に流す

◆午前5時起床.曇り.気温13.0度.東北東の微風.観音台の桜並木は散り始めてはいるが,まだまだ花見シーズンは続く.午前9時の気温は17.5度.今季初の半袖出勤.年度末の農林団地は静かにあわただしい.

◆[蒐書日誌]エルネスト・アイテル[中野美代子・中島健訳]『風水:中国哲学のランドスケープ』(2021年3月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・ア-46-1],東京, 210 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-480-51028-0 → 版元ページ)※昨日の都内出撃往復車中で読了.19世紀の香港に長年滞在したドイツ系イギリス人宣教師だった著者は「風水とは自然学の別名にすぎない」「中国では,自然科学は,ついぞ育たなかった」(p. 18)と述べる.「風水」の構築者たちは「自然についてのほんのちょっぴりの知識によって,みずからの内なる意識からの自然学の全体系を発展させ,古代の伝承におけるドグマ的な公式にしたがってその体系を説明したのである.しかしながら,実際的かつ経験的な探求が欠如していたことは嘆かわしい」(p. 19)と言いきるアイテルは,「風水」の理論を西洋科学とは異なる「自然学」の一体系として解釈しようとする.

西洋近代科学との対比が随所に見られるので,本書を読み進む上では意外にわかりやすかった.その一方で,「風水」を特徴づけるダイアグラム(「羅盤」)について,本書では詳細な分析されているが,これはとても手に負えるものではない.アタナシウス・キルヒャーの円環図や三浦梅園の『玄語』を髣髴とさせる.

朱子以来一千年にわたって造られてきた「風水」の謎めいた体系はけっきょくのところ「賢い母親の愚かな娘である」(p. 132)とする最後の結論は,その命運がすでに絶たれていることを示唆する.それは「科学」ならざる「学」の宿命であると著者は言いたいのだろう.

本書の特筆すべき点は訳者・中野美代子による詳細きわまりない「訳注」「訳者解説」ならびに「訳者解説注」だ.本文よりもよほど情報量が多いかもしれない.さらに文庫化に際してつけられた「解説」もとても読みでがある.ワタクシ的には,本書を訳した中野美代子はかつて高校時代に読んだ『砂漠に埋もれた文字:パスパ文字のはなし』(1971年9月15日刊行,塙書房[塙新書・38])あるいは『肉麻図譜:中国春画論序説』(2001年11月15日刊行,作品社[叢書メラヴィリア8], ISBN:4-87893-758-0)の著者として前から知っていた.

本書『風水』では異質な「学」(not「科学」)としての「風水」が強調されている.対置図式としてはわかりやすいが,そのまま「東洋 vs. 西洋」と直結させるのは要注意かもしれない.たとえば,ドイツ初期近代の「ルルス主義」を考察した:Anita Traninger 『Mühelose Wissenschaft: Lullismus und Rhetorik in den deutschsprachigen Ländern der Frühen Neuzeit』 (2001年刊行,Wilhelm Fink Verlag[Humanistische Bibliothek Reihe I. Abhandlungen: Band 50], München, 296 pp., ISBN:978-3-7705-3579-8 → 版元ページ著者サイト)は,ルルス主義を知識の体系化を目指した別種の “科学” ととらえている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 『読む・打つ・書く』の著者プロフィール文を Dropbox に投下した.よくもまあこんなに本を書き続けたものだと振り返りつつ思うことしきり./某査読案件,報告書をメール送信.年度内に終わってよしよし./今日も最高気温21.6度の暖かさになり,半袖でまったく何の不都合もなかった.半時間の夕暮れオンライン顔合わせ.

◆旧年度のあれやこれやはすべて麦酒に流そうではないか.まずはティママン・ブランシェのランビックから始まった夜は,リトアニアのリンクス・ビターエールを経て,マルール10で大団円を迎えた.最後のメンチカツサンドは〈三浦飲食堂〉のお約束だ.

◆[欹耳袋]FNNプライムオンライン「法案ミスで「一太郎」禁止令? 農水省「ワード原則化」通知」(2021年3月30日) ※法案ミスの “濡れ衣” を着せられた一太郎くんはスケープゴートなんだろうな.今でもときどき「〜.jtd」ファイルが “天の上” から降ってくることがある.

◆明日は新年度.なろでのワタクシの所属先名称が変更になっているはずだが,それがどう変わったのかはぜんぜん知らなかったりする(たいした問題ではないんだけど).しかし,そういう “よけいなことども” はすべて麦酒とともに流れていってしまえ.

◇本日の総歩数=5,527歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 84.80kg(−0.15kg) / 29.5%(+0.3%)

30 maart 2021(火)※二ヶ月ぶりの都内出撃

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温13.8度.北東の風.

◆都内出撃の朝.二ヶ月ぶりにつくば駅のエスカレーターを降りる.九段下で地上に出たのは午前10時半.九段合同庁舎にて某提出書類の査読を受ける.例によって修正箇所はあったが,マイナーリヴィジョンで受理されたっぽい.半時間ほど待って申告書類は受理されたとのこと.しかし,審査に2〜3ヶ月かかるらしい.まあ,たいへんなこった.

◆てくてく歩いて神保町.懸案の一仕事が終わればここはやっぱり〈共栄堂〉のタンカレーで打ち上がるしかないでしょ.

◆ひさしぶりの都内出撃.最高気温23.3度の暑さで疲れ果てて早々につくば帰還.日ごろいかに動いていなかったかを実感した.帰りがけに立ち寄った農産物産直コーナーに,美浦村の筍が泥つきのまま並んでいた.日に日に春が行進してくる.

◆筍の “アク抜き” はわざわざ米ぬかで何時間も茹でる必要はない.基本は大根のおろし汁に常温で1〜2時間漬け込むだけでアクは抜ける.今回も以下の手順に従った: het dagelijkse keukenleven「筍の大根おろしアク抜き法(簡略バージョン)」.

今宵の筍ご飯の仕上がりはいつもどおり.具は筍と油揚げのみ.主役の筍を引き立てるため,味付けはごく薄く.のんべ兎がぴょんと跳ねる.

◆明日も年休なんだが,年度末の残務処理に駆け回らないといけない.

◇本日の総歩数=9,061歩. 朝◯|昼△|夜◯. 計測値(前回比)= 84.95kg(+0.60kg) / 29.2%(−1.1%)

29 maart 2021(月)※外も満開おうちも満開

◆午前5時過ぎ起床.夜半の雨はやっと止んできた.気温14.7度.北北東の風.月末の観音台は青空が広がってきた.昨夜の雨で農林団地桜並木は地面も桜色に染まってきたが,今週いっぱいはお花見が楽しめるだろう.午前8時前の気温は15.8度.西北西の風.日中は夏日ラインまで気温が上がりそうとの予報で,そろそろ半袖を用意しないといけなくなってきた.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来月の┣┣” 撃ちカレンダーをつくった.

◆[蒐書日誌]桜の季節の新刊たち——

  1. 上野憲示(監修)『決定版 鳥獣戯画のすべて』(2021年3月24日刊行,宝島社,東京, 143 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-299-00481-9 → 版元ページ)※東京国立博物館での〈鳥獣戯画展〉を前に,関連本が何冊も刊行されている.本書は大判で図版が見やすい.
  2. エルネスト・アイテル[中野美代子・中島健訳]『風水:中国哲学のランドスケープ』(2021年3月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・ア-46-1],東京, 210 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-480-51028-0 → 版元ページ)※原本は1999年に青土社から刊行された.図版がおもしろそう.
  3. 高橋繁行『土葬の村』(2021年2月20日刊行,講談社[講談社現代新書・2606],東京, 312 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-06-522544-8 → 版元ページ)※現在も残る “土葬” の習俗を追跡したルポルタージュ.貴重な葬儀の写真はもちろん,カバージャケットのような版画イラストが随所に載っている.本書で参照されている柳田國男『葬送習俗語彙』について,著者はすでに:高橋繁行『お葬式の言葉と風習:柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典』(2020年10月,創元社,大阪, 本体価格1,800円, ISBN:978-4-422-23041-2 → 版元ページ)を昨年刊行している.柳田國男『葬送習俗語彙』原本は国立国会図書館デジタルコレクションにある.

◆午後の┣┣" 撃ち —— ひさしぶりに utelecon を見たら〈春のシステム大改訂〉の真っ最中らしく,zoom / webex のログイン方法などなどががらっと様変わりしていた.来週から「生物統計学」オンライン高座が始まるので,また勉強し直さないといけない./不動産屋のようにたくさんの zoom 会議室を用意してしまった.Sセメスターはこれでもう十分だろう./『読む・打つ・書く』の再校ゲラ一式は榎戸の黒猫集会所から駒場宛に発送.これで山場は過ぎた.農林団地のひときわ高密度のお花見渋滞をかき分けて帰宅した.

◆おそとが満開なので,おうちも満開 —— ブリの切り落とし(アラ)をオリーブオイルと岩塩とローズマリーでマリネして,香味野菜とともに厚手の鉄フライパンでローストして,最後にレモンを絞る.

ブリのアラといえば「ぶり大根」をすぐ連想するが,いつもいつもだと飽きてしまうので,たまにはこういう洋風のオプションも用意している.今回はにんにくは入れなかったが,ローストするときに丸ごと1〜2片投入すると香りが立って食欲がそそられるかも.

そして “お水” はこの季節ならではの〈来福〉さくら酵母のうすにごり純米酒.四合瓶の中も春霞.

◆明日は二ヶ月ぶりの都内出撃だ.

◇本日の総歩数=3,328歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測

28 maart 2021(日)※雨に濡れて北条お花見

◆午前6時半起床.曇り.気温14.0度.南南東の風.

◆[欹耳袋]〈Parvum Lexicon Stemmatologicum〉※写本の本文批判(textual criticism)に関わる系統推定論の項目が入っているみたいね.

◆雨が降るとの予報なので,早いうちに北条大池へ.筑波山を望むお花見名所.曇り空で風が強めだったせいか,人出は意外に少なかった.小雨に濡れる〈つくばワイナリー〉を一回り,その後は北条の街の〈ポステン〉にてランチを.昼下がりになって小雨が降り出したので,とっとと退散.

◆[蒐書日誌]森まゆみ『路上のポルトレ —— 憶いだす人びと』(2020年11月20日刊行,羽鳥書店,東京, 328 + iv pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-904702-83-3 → 目次版元ページ)※「II 町で出会った人」「III 陰になり ひなたになり」「IV 出会うことの幸福」と寝読みし続けて,最後まで読了.

「ポルトレ(portrait)」という言葉を本書で初めて知った.本書は著者にゆかりのある故人たちの想い出を語るエッセイ集.ひとりひとりの追想ももちろん興味深いが,思いもよらない人どうしのつながり(そして場所とのつながり)が垣間見えてくる.それらの追想をこうして束ねられるのは著者ならではの仕事なのだろう.

ワタクシ自身も谷根千エリアに十年あまり棲んだのでそれなりにいろいろ想い出がある.今はなきある千駄木の飲み屋の “ポルトレ” はすでに活字になっている:三中信宏 2015.[新潟・酒かたり]かつて千駄木の路地裏に新潟の銘酒あり.cushu手帖(にいがた酒の陣2016準備号)pp. 81-83.その店では『路上のポルトレ』に登場する人物にも交わったことがある( “大正美人” とか “クレオパトラ” とか爬虫類の有名人とか).本書をひもとくと,時代と場所を越えて得も言われぬなつかしさを感じるとともに,ワタクシの記憶と経験とも響き合うところが少なくなかった.断片的であっても “ポルトレ” は書き残す価値がある.

◆夜になって本降りになってきた.予報どおりだと,雨雲は夜中のうちに東に抜けるとのことだが.

◇本日の総歩数=2,787歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.35kg(+0.15kg) / 30.3%(+1.3%)

27 maart 2021(土)※鳥獣戯画と伊根満開と

◆午前6時過ぎ起床.晴れ.気温3.1度.東北東の風.昨日の最高気温は22.6度まで上がったが,今朝は午前5時過ぎに2.1度まで冷え込んでいる.日較差が20度以上もある.

◆[蒐書日誌]昨日着弾した:『ユリイカ2021年4月号・特集〈鳥獣戯画の世界〉』 (2021年4月1日発行,青土社,東京, 本体価格1,700円, ISBN:978-4-7917-0399-9 → 版元ページ)※ワタクシの寄稿:三中信宏「鳥獣戯画の体系学 —— 架空生物の分類と系統」(pp. 227-234).西中洲の夜に蠢く鳥獣戯画のキャラクターたちの話.

◆土曜の┣┣" 撃ち —— 『読む・打つ・書く』の索引づくりはやっと最後の「本噺納め口上」まで終わった.索引項目のピックアップはこれでいいとしても,項目間の参照と関連の構造化が未了.

◆[欹耳袋]デイリーポータル「国語の読解問題、作者自身が解いたら満点取れるのか!?」(2021年3月24日)※確かに,入試に出題されて「傍線部の作者の意図は何か?」という設問では,ワタクシも間違う率がかなり高いと思う.「そんなん冗談やがな」「なんにも考えてへんがな」という著者側の “正答” ではなく,もっとマジメな出題者側の “正答” が他にあるんだろう.受験生側の戦略としては,文章の背後にある「著者の意図」のさらにウラに潜む「出題者の意図」を読み取ることかな.たとえ出題箇所に関して著者が「何も考えていない」としても,出題者は「何かを考えている」はずだから.

◆夕刻,筑波大学方面へ徘徊.大学構内の桜並木もちょうど見頃になっていた.今日の最高気温は17.9度.北西風がやや肌寒かった気がする.

◆夕餉は味噌味のもつ煮込み.バクハツ系の “にごり水” を切らしていたので,京都の秘酒〈伊根満開〉という “赤い水” を抜栓してみた.しかし冷酒だと文字通りの “清涼飲料水” ですな.もつ煮込みにはちょっとかも.それでは,ということで飛び切り燗にしてみたら,意外や意外,グリューワインみたいな味わいになってとても美味.〈伊根満開〉は燗酒に合うことを再認識したしだい.〆のご飯は乾煎りちりめんじゃこと青豆の混ぜご飯.

◇本日の総歩数=7,751歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.20kg(−0.55kg) / 29.0%(−0.5%)

26 maart 2021(金)※お花見渋滞かき分けて

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温6.0度.西風.早朝は朝靄がかかっていたが,朝日とともに春らしい快適な陽気になった.午前7時の気温は7.8度.北北西の風.どうやら杉花粉のピークは過ぎたようで,ワタクシ的には今年の〈花粉の祭典〉は閉幕したと宣言したい.農林団地の桜並木はすでに花見客がちらほら.出勤時は要注意.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 【ML事務連絡】年度の変わり目にメールアドレス and/or 所属の変更がある場合はお早めにご連絡を.

◆正午の気温18.9度.お花見日和の昼休み.今日の昼餉は昨日の残りものを詰め込んだお弁当を持参.ふき味噌炊き込みご飯を中心に,鯖味醂干し,アスパラ肉巻き,ポテトサラダ,ブロッコリー,そしてミニトマト.

◆[蒐書日誌]根井正利自伝:Masatoshi Nei『My Life as a Molecular Evolutionist』(2021年1月刊行,Blurb, ISBN:9781034371342 [pbk] → 版元ページ)※根井正利自伝.郵送料がちょっと高いかも…….

◆夕方の帰宅時間帯は “お花見渋滞” のクライマックス.今日は気温が20度を越えたのでムリもないだろう.

◆今宵の〈みなか食堂〉の献立は牛ひき肉のラグー.仕込んで三日目なのでまろやかな味わい.いつも茹で時間が論議されるパッケリだが,今回はお湯の沸騰後に濃いめの塩分にしてパッケリを投入し,火を弱めて中火で22分茹でたら.ベストの食感になった.これくらいのくたくた感がちょうどいい.お湯を見せた生パセリのみじん切りを降ってから,パルミジャーノ・レッジャーノをトッピング.

長らく紛糾していた「パッケリ最適茹で時間」問題がやっと解決しそうなので,レシピを公開 → クックパッド「牛ひき肉のラグーにはパッケリを」.

◇本日の総歩数=歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 84.75kg(0.00kg) / 29.5%(−0.7%)

25 maart 2021(木)※お花見クスクス蕗味噌

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温8.8度.南東の風.農林団地は春うらら.桜はちょうど見頃になってきた.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 新年度になろ城下町はまたまた組織名ががらがら変わるようなので,新しい所属名の名刺イラストレーター原稿をいつもの〈マヒトデザイン〉にオンライン私費発注しないと.

◆[蒐書日誌]着便:日経サイエンス2021年5月号※「BOOK REVIEW特集〈新入生のための読書ガイド〉」のワタクシの書評では,『歴史・レトリック・立証』,『文化進化論』,『鼻行類』,『都市で進化する生物たち』,そして『生命の〈系統樹〉はからみあう』を取り上げた.

◆お花見渋滞の農林団地をかろうじて脱出し,松野木の〈シェ・レノン〉へ.店内は満席.ランチメニューから「子羊と鶏肉のクスクス メルゲーズソーセージ添え」をメインに選んだ.クスクスをいただくのは何年ぶりのことだろう.

◆[欹耳袋]連載〈「リケジョ」がなくなる日〉全5回完結 —— 朝日新聞デジタル(第1回)「「研究者として死ぬ」逃れた先に 自由すぎる同業の夫」(2021年3月20日)| 朝日新聞デジタル(第2回)「「牛丼店でいいから誰かと」40歳目前、独身研究者の壁」(2021年3月21日)| 朝日新聞デジタル(第3回)「育休を取らない夫、諦めた宇宙研究 安定を選んだけれど」(2021年3月22日).| 朝日新聞デジタル(第4回)「「初の子持ち研究者」に教授のマタハラ でも変えないと」(2021年3月23日).| 朝日新聞デジタル(第5回/最終回)「完璧主義の私がうつ病に 研究職を外れ、手に入れた世界」(2021年3月24日) ※女性研究者の “いま” を知る上で参考になるが,これらの事例は “中央値” なのかそれとも “外れ値” なのか.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 『読む・打つ・書く』の索引づくり作業は今日も続いている.索引項目のピックアップとその階層構造化.第3楽章の手前までやっと終わったが,あと100ページあまり残っている.

◆この暖かさで農林団地の桜が満開になったので,夕餉の食卓も春らしく「ふき味噌の土鍋炊き込みご飯」を用意した.ふきのとうのふき味噌とあわび茸と油揚げを白米に混ぜて土鍋で炊き上げる.サイドメニューは鯖の天日干し.桜色の〈福小町〉角右衛門とともに.

〈みなか食堂〉は日々新たな “挑戦” をしている.ふきのとうのふき味噌はまだ試行段階だが,春らしいほろ苦さが味わえる.「ふき味噌」(暫定レシピ) ——

  1. フライパンに胡麻油大さじ1を中火で熱する.
  2. ふきのとう20個を水洗いしてからざくざく刻み,間髪入れずに 1 のフライパンに投入する.
  3. 味噌大さじ4+味醂大さじ2+砂糖小さじ1を混ぜて 2 に投入して炒め合わせる.

◇本日の総歩数=3,145歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 84.75kg(+0.15kg) / 30.2%(+0.3%)

24 maart 2021(水)※春本番お花見渋滞発生

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温3.8度.東北東の微風.暖かな日差しが降り注ぐ観音台は朝の通勤時間帯なのにもう花見客が集まっている.午前9時の気温は13.6度.南風.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今まで何年もチェックしてこなかったくせに,いきなり “雲の上” から「 “研究記録” を今日中に確認するので用意せよ」との号令が降ってきた.実験系分野とはちがって,われわれの業界では “研究記録” ったって内実はあってないような,いやいや,インフォーマルにしか残っていないので,どうしましょーかねー.ツイート履歴見てねとか答えるか./そもそも一律に “研究記録” とか “研究ノート” を強制するということ自体,分野間での “研究文化” のちがいを無視してやしませんか.ま,いちおう “落書き帳” みたいなノートはあるからそれを出せばいいか.ただ,ハンドライティングがもともとおぼつかないので,数ヶ月前に書いた文字は自分でもすでに読めなくなっているけど./たったいま領域長室から「公式の “なろ研究記録ノート” の残部がたくさんあるのでいかがですか?」との問い合わせがあったので,「うちのユニットではそういう “実験記録ノート” みたいな書式は “邪教文化” なのでいっさい使いません」とお断りした./ひょっとしてなろ城下町のどこかで誰かが何かをやらかしたのかな?

◆[欹耳袋]毎日新聞「香川大が非常勤講師400人と請負契約 文科省、実態報告求める」(2021年3月18日)※東大の非常勤出講に際しては「雇用 or 委嘱?」と毎年訊かれる.ワタクシは本務先の要請で委嘱契約を締結している.委嘱契約だと確定申告のとき必要経費を申請できる.だから,「文科省は、大学が責任を持って教育をするため、教員は大学が指揮・監督できる直接雇用にするのが一般的な形との見解」などという謎ルールを杓子定規に押し付けられた日には,ワタクシはもう非常勤講師はどの大学でもやれまへんがな.ワタクシは委嘱(請負)のままでけっこう.そうではない人たちのために雇用契約という別の選択肢があるはず./朝日新聞デジタル「香川大、非常勤講師約400人が委託契約 雇い止めも」(2021年3月20日)※「香川大によると、非常勤講師が授業内容を作成し、試験の採点をすることがある。一学期分の授業15回すべてを担当している非常勤講師もいる」—— これがふつうでは?

◆午後の┣┣" 撃ち —— 年度末の事務書類をもうひとつ提出.とぎれなく続く長蛇の書類たち.

◆〈みなか食堂〉の今宵のメニューは烏賊と海老の蟹クリームパスタをお出しします.タリアテッレにからんだ海老は殻ごとバリバリ食べてください.キリッと冷やした辛口のスパークリングワインも用意しています.

◇本日の総歩数=3,713歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.60kg(−0.30kg) / 29.9%(+0.3%)

23 maart 2021(火)※索引づくりの七転八倒

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温1.9度の寒い朝.南南西の風.スッキリ青空の観音台は前夜の通り雨のせいか水たまりがまだ残っている.午前8時の気温は7.6度.東南東の風.桜花はいっそう華やかに.この日和だと花見客が押し寄せるにちがいない.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 年度末の事務的諸手続きを進める.ですくねっつに┣┣” が息巻いていると仄聞するが,コワいのでしばらく放置しておこう.都内でリアル手続きをする案件があるが,これは今月中にどこかで年休を取ってトツゲキするしかないだろう.

◆[蒐書日誌]着弾:藤田節子『本の索引の作り方』(2019年10月28日刊行,地人書館,東京, 171 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-8052-0932-5 → 版元ページ)※本の「索引づくり」に特化した日本語の参考書は本書しかないらしい.一昨年,この本が出版されることを知ってアマゾンの “お買い物かご” に放り込んだまますっかり忘れていた.ちょうど『読む・打つ・書く』の再校ゲラで索引項目ピックアップ作業の真っ最中で,ふと「そういえばアノ本があったなあ」と思い出して発注したら大当り.いままさに読むべき本であることが判明.

今まで自著の索引づくりは何冊もしてきたが,あらためて再考すべき点が多々あることがわかった.編集担当・校正担当・事実確認担当と同等の独立した専門職として「索引作成担当(インデクサー)」があるとの指摘は重要.ということは,索引づくりにはそれ相応の専門的な知識と豊富な経験が必要で,しろうとのマネごとではダメっぽい(orz).

本書が届く前に,同じ著者による論考:藤田節子 2018. 図書の索引作成の現状 -編集者と著者への調査結果から-.情報の科学と技術, 68(3): 135-140. 書誌情報pdf [open access] を読んでみた.冒頭にこんなことが書かれている:

「図書の索引は,図書の中のある一定の情報内容を持った部分を,付随的な部分と区別し,それに対する適切な見出し語と所在を示し,その情報内容に迅速にアクセスするシステムである。したがって,単に図書の文中の重要な語を配列し,その位置を示すリストではない.」(p. 135)

索引づくりはただの単語抽出ではない! さて,どうするか…….いきなり “索引づくり修行” が始まる気配だが,その時間はない(はず).とりあえず,『本の索引の作り方』の「索引」(pp. 161-171)とメイキング事例(pp. 122-126)をじっくり眺めているところ.

—— 視界の隅では真っ赤な The Chicago Manual of Style, 15th Edition がごそごそ蠢動している.お前も登場する気満々か.

◆今宵の〈みなか食堂〉は「玉ねぎマシマシ牛丼」を用意しました.国産牛肉切り落とし500グラムに対して玉ねぎを大4個という比率.しっかり煮込んでも大量の玉ねぎたちは負けない.けんこー的なんだかふけんこー的なんだかよくわからない牛丼.玉ねぎを大量に入れるとどうしても甘くなるので,紅生姜をてんこ盛りにする.この牛丼には濃厚にごり水の炭酸割りブクブクがぴったり.

◇本日の総歩数=3,344歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.90kg(+0.40kg) / 29.6%(−0.3%)

22 maart 2021(月)※週明けゲラ読み決着戦

◆午前5時起床.曇り.気温18.5度という暖かい朝.東北東の風.曇り空の観音台は昨夜の風雨の名残で,いたるところに水たまりができている.農林団地の桜並木は週末に一斉開花して見頃になっている.今週はお花見渋滞に要注意.週明け朝イチの BGM は〈ブランデンブルク協奏曲〉.アーノンクール/コンツェントゥス・ムジクス・ウィーン.精緻な朝.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 再校ゲラの “素読み” の続きだ.今週中には終わらせ,耳を揃えて駒場に返送しないと.

◆[蒐書日誌]和文解説記事が掲載されました:三中信宏「R,Rコマンダー,RStudio を用いたデータの可視化と統計プログラミング」環境技術学会和文誌『環境技術』2021年2号, pp. 49-53(2021年3月発行)要旨

◆一昨日の地震の被害がないか居室内をチェックしたら,いくつか “地層” のズレが検出されたが,大規模な “地滑り” は見当たらなかった.草森紳一『随筆 本が崩れる』(2005年10月20日刊行,文藝春秋[文春新書472],ISBN:4-16-660472-4 → 版元ページ)だけが落ちていた.これは何かの “天の声” にちがいない.

◆[蒐書日誌]谷口隆『子どもの算数、なんでそうなる?』(2021年3月17日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・302],東京, viii+145 pp., 本体価格1,400円, ISBN:978-4-00-029702-8 → 版元ページ)※ご恵贈感謝!

◆今宵の〈みなか食堂〉の前菜は「いも串の辛味噌焼き」を用意しました.下準備した里芋に,合わせ味噌・豆板醤・にんにくおろしなどを合わせた辛味噌を塗ってオーブンで半時間焼けばできあがり.伊香保に向かう水沢うどん街道沿いの〈鹿火屋〉を連想させる仕上がりに.そして〈みなか食堂〉の今夜のメインは「わかめおろしそば」.徹底的にわかめをいただく一品.春らしい “お水” は秋田は湯沢の〈福小町〉特別純米生酒「角右衛門」直汲みを抜栓.桜色のラベルがタイムリー.

◆[欹耳袋]読売新聞オンライン「10本で終わるはずが…「サラメシ」中井貴一、10年のハイテンション」(2021年3月21日)※その〈サラメシ〉のハイテンションのあとで〈雲霧仁左衛門〉とかチラ見すると,そのあまりに激しいギャップにズッコケてしまう.

◆夜になってまた雨雲がやってきたみたい.

◇本日の総歩数=3,554歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.50kg(+0.20kg) / 29.9%(0.0%)

21 maart 2021(日)※雨降る日曜野菜カレー

◆午前7時前起床.雨が降ったり止んだり.気温12.1度.東北東の風.雨がしとしと降り続く日曜.朝もはよから厨房にこもって牛スネ肉の下準備に余念なし.圧力鍋がピューピューと笛を吹いている.つくろうとしているのは野菜カレー.「なのに,なぜ牛肉が?」との素朴な疑問に対しては,「牛スネ肉は “野菜” だし」との想定問答をすでに用意する鉄壁の防戦体制.

◆[蒐書日誌]内務省衛生局編[西村秀一訳]『現代語訳 流行性感冒:一九一八年インフルエンザ・パンデミックの記録』(2021年3月刊行,平凡社,東京, 本体価格3,500円, ISBN:978-4-582-51336-3 → 版元ページ)※一世紀前の本でも “現代語訳” なんだあ(そうなんだあ).原本:内務省衛生局編『流行性感冒:「スペイン風邪」大流行の記録』(2008年9月10日刊行,平凡社[東洋文庫・778],東京, 454 pp., ISBN:978-4-582-80778-3 → 版元ページ).昨年4月に四半世紀ぶりに重版され,pdfでも一時公開された.

◆雨模様のお昼前.大きな皮付きメークインと乱切り大根を茹でているところ.下茹でが終わったら “野菜カレー” の具材として投入する.あとはピーマンの素焼きをトッピングすればいいかな.カレーソース本体は冷凍庫に安置していた過去遺産なので,調理時間はかからない.そんなこんなでランチは玄米野菜カレー.じゃがいも・にんじん・大根・ピーマンが主役.牛スネ肉がごろごろ入ってはいるが,出汁を取ったあとのいわば “残りかす” なので,しょせん脇役の扱い.冷凍カレーソースさえあればすぐできてしまう.

◆[欹耳袋]日本だけではなく世界中で —— 朝日新聞デジタル「女性の論文著者、コロナ後に急減 育児・家事の負担偏る」(2021年3月20日)※社会的に大々的に取り沙汰される「成功事例」のほとんどは “外れ値” だとワタクシは思うので,はっきりいえばぜんぜん気にする必要はない.むしろ “中央値” 付近の生き方をしている研究者たちが個々の状況でしたたかに生き延びるための “大技小技” のつぶやきを聞く方がはるかに有用だろう. 確かに,研究者としてのさまざまな成功事例(研究成果であれ研究運営であれ)があれば当人やその周囲はどんどんPRする価値はあるにちがいない(ワタクシもそういう機会があれば宣伝しまくる).それらの成功譚や武勇伝は他の研究者にとってもおおいに “気になる” こともあるだろう,しかし,必要以上に “気にする” ましてや “気に病む” ことはないと思う.しょせんは他人のことだから.もちろん,“外れ値” 的なめざましい成果や活動の方がニュースバリューが高いのは確かだ.だからといって,ごく少数の “外れ値” に引きずられた「過度の一般化」バイアスに毒されると誰もシアワセにならないのではないかと危惧する.研究者コミュニティーは多様なので,まぶしく光り輝く “外れ値” ばかりに注目していると,分布全体に関わるより広範で深刻な問題の闇が見えなくなるということだ.

◆雨足は強まったり弱まったり.しかし,油断すると風圧で傘が “裏返し” になってしまうので要注意.夕方まではこんな天気が続くらしい.

◆[蒐書日誌]森まゆみ『路上のポルトレ —— 憶いだす人びと』(2020年11月20日刊行,羽鳥書店,東京, 328 + iv pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-904702-83-3 → 目次版元ページ)※第I部「こぼれ落ちる記憶」読了.ワタクシ自身が本書の舞台である “谷根千エリア” に長年住んでいたので,ここに書かれている場所や店や人物には思い当たる箇所が少なくない.

◆南風が吹き荒れる夜.まだ降り続く予報.

◇本日の総歩数=2,149歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.30kg(−0.10kg) / 29.9%(0.0%)

20 maart 2021(土)※彼岸の中日は上州往復

◆午前7時半のろのろ起床.曇り.気温10.3度.北北東の風.

◆[蒐書日誌]日経サイエンス2021年5月号の「BOOK REVIEW特集〈新入生のための読書ガイド〉」に寄稿しました:三中信宏「歴史を解明する進化的思考の広がり」.新入生は『鼻行類』を読もう.

◆お彼岸の上州往復 —— 先週に引き続き,北関東を爆走して高崎へ.いつまでも変わらず昭和レトロな〈一二三食堂〉でお昼ごはん.〈一二三食堂〉といえば「ヒレソースカツ丼」しかない.

◆[欹耳袋]読売新聞オンライン「紙の手帳に書き留めると短時間で記憶…電子機器使用と比較」(2021年3月19日)※「紙媒体による学習の方が、実験で記憶がより定着しやすい」—— ワタクシ的には「メモを取る」ことの第一義的な目的は「安心して忘れる」ためなんですけどね.東京大学プレスリリース「紙の手帳の脳科学的効用について ~使用するメディアによって記憶力や脳活動に差~」(2019年3月19日)元論文は Frontiers in Behavioral Neuroscience でしたか.Frontiers シリーズって最近どこでもぶいぶいいわしてません? 短期間に “増殖” するジャーナル単系統群(複数)は何かしら共通の現代的な “進化要因” があるのでしょう.

◆お彼岸の中日らしいことを上州ですませてからつくば帰還.夕方の常磐道のどこかで地面が揺れたはずだが,車中だったのでぜんぜん気づかなかった.本格的な雨が降り出す前に帰りつけてよかったよかった.

◇本日の総歩数=2,196歩. 朝◯|昼△|夜◯. 計測値(前回比)= 84.40kg(0.00kg) / 29.9%(−0.2%)

19 maart 2021(金)※観音台しだいに花曇り

◆午前5時起床.曇り空.気温8.0度.北西の風.農林団地桜並木の開花速度がハンパない.毎日通るたびにどんどん花開いている.食総研から筑波事務所にかけての曲線区間がとりわけ早い.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 昨夜,寝入りばなに「はて索引づくり(インデクシング)についてはちゃんと書いたっけ?」とふと気がついていま確認したら,ありきたりの “きれいごと” しか書いていなかったことが判明した.ちょっとだけ加筆して,ついでに関連文献を追加中(イマココ).インデクサーのお仕事は深遠である.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 再校ゲラの “素読み” はまだ続いている.文献リストの草むらを執拗にビーティングしていたら,「うへぇ」というほど巨大な “蟲” がじっと潜んでいた.こんなのがそのまま世に出たら,いくら厚顔無恥なワタクシでも自主的に蟄居閉門しなければならなかっただろう.くわばらくわばら. “大物” を身柄確保して疲れたので一休みだ.

◆ささやかな夕餉は海老とムール貝が敷き詰められている.そして,ささやかな “お水” はシュワシュワしている.

◇本日の総歩数=3,476歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.40kg(−0.25kg) / 30.1%(0.0%)

18 maart 2021(木)※農林団地の桜並木開花

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温1.9度.東北東の風.春霞の観音台.午前8時の気温は7.3度.湿度は51%.北寄り微風.暖かかった昨日のうちに農林団地の桜並木はイッキに開花し始めたようだ.来週になれば見頃になるだろう.さて,毎年恒例の “お花見渋滞” は今年も発生するのだろうか.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 三中信宏『読む・打つ・書く』再校ゲラの “蟲捕り” 終盤戦.「文献リスト」(16 pp.)に潜む “蟲” どもを力のかぎり叩き出した.これでいちおう再校ゲラの通し読みは完了したので,しばし寝かせて “粗熱” を取る.冷めてから "素読み" をもう一度する.しかし, “蟲” はまだきっといるはず.徹底的に叩くほどかえって増殖するような気がする.

◆春の日差しが降り注ぐ昼休みはショートコース徘徊.正午の気温は13.3度と昨日よりは低いが,うろうろするには最適な日和だ.桜はまだちらほらとしか開花していないが,蕾は次々と膨らんでいる.花粉の猛攻にはなすすべがないが,意外にも攻めたてられなかった.杉から檜に移行した? 歩き読み本:歩き読み本:川田伸一郎『アラン・オーストンの標本ラベル:幕末から明治、海を渡ったニッポンの動物たち』(2020年11月30日刊行,ブックマン社,東京, ii+262 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-89308-937-3 → 版元ページ)の第3章.アラン・オーストンはミツクリザメの種小辞にその名を残していたことを知った.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 文献項目ひとつひとつの内容を確認するのはもちろんだが,全体としての表記の統一性と整合性も大事.参照文献の欠落とかあったら “打首獄門” な.意外な盲点は項目の配列.日本人著者名についてはその “読み” と “ローマ字表記(ヘボン式か訓令式か)” まで確認しないと並びが決まらないことあり.

◆桜が開いた夜はお肉の店開き.ありあわせの切り落としビビンバもどきに,たっぷりわかめスープもどきに,酒精強化マッコリもどきが勢揃い.

◇本日の総歩数=8,182歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.65kg(−0.70kg) / 30.1%(+0.2%)

17 maart 2021(水)※目ごしごし鼻ぐすぐす

◆午前5時起床.晴れ.気温5.5度.東北東の風. “冷え込み” とか “肌寒さ” ということばたちは死語になったようだ.午前8時の観音台.気温は11.2度.南寄りの微風.昨日の最高気温は21.2度まで上がった.今日も同じくらいの暖かさになるらしい.農林団地の桜並木の気の早い何本かの枝は桜花がほころび始めているようだ.

◆[欹耳袋]「1桁数字は “全角” ,2桁数字は “半角” にする」というナゾの闇ルールはいつになったら破滅するのだろーか.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 三中信宏『読む・打つ・書く』再校ゲラの “蟲捕り” は今日も続く.やっと長過ぎる第2楽章(変奏曲集)が終わった./「インターリュード(2)」も制覇した.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝です:デイヴィッド・J・ ハンド[黒輪篤嗣訳]『ダークデータ:隠れたデータこそが最強の武器になる』(2021年2月28日刊行,河出書房新社,東京, 322+18 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-309-25420-3 → 版元ページ)※著者 David J. Hand は元英国王立統計学会会長.多変量解析が専門で,著者は多変量解析が専門で,むかしむかし1981年に出た彼のクラスター分析の著書:David J. Hand 1981. Discrimination and Classification. John Wiley & Sons, Chichester をワタクシは手にしたことがある.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 第3楽章(pp. 229-295) 終了.やっと300ページまで到達したが,まだ50ページほど残っている./「ポストリュード」「本噺納め口上」そして「謝辞」のチェック(pp. 297-320).本文はここまででおしまい./「文献リスト」に潜む微小な “蟲” どもを追っかける夕方.

◇本日の総歩数=3,181歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 85.35kg(+0.85kg) / 29.9%(+0.1%)

16 maart 2021(火)※いきなり初夏の暖かさ

◆午前5時前にグラリと揺れて目が覚めた.晴れ.気温2.4度.西北西の風.午前8時の気温は7.2度.今日は昨日よりも暖かくなるとの予報.だから厚着は不要.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 三中信宏『読む・打つ・書く』再校ゲラの “蟲捕り” は「本噺前口上」「プレリュード」「第1楽章」まで終わった.あと3/4もある長い採集旅行の道のり…….

◆非常勤出講していた某大学から「非常勤講師の契約期間の満了について」という通知が届き,「次期(次年度)の更新は致しませんことを御通知申し上げます」とのこと(当然だわな).この件に正式にケリがついて実にシアワセである.国立大学や公立大学の場合は「時給=◆円」の場合がほとんどなのでわかりやすいのに,私立大学のほとんどは「1コマ=◆円」という給与表現になるので,ワタクシの事例のような “悲劇” が生じる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 三中信宏『読む・打つ・書く』の “蟲捕り” 続き.「インターリュード(1)」が終わって,「第2楽章」の200ページ手前までで息切れ(ぜいぜい).あと150ページあまり.長距離走.

◆今宵の〈みなか食堂〉の “お水” は,いつもの〈風の森〉純米・秋津穂65に加えて,〈久保田〉純米大吟醸「萬壽」を用意しましたが,どういうわけか「萬壽」がどんどん “蒸発” しています.とても不可解な現象です.なぜだ!  とりあえず,きりたんぽ鍋の茨城産セリ増強バージョンには〈久保田〉を合わせ,のこった比内地鶏スープを雑炊にして〈風の森〉をシュポン!と抜栓する. 呑む米に,食べる米.米づくし.

◇本日の総歩数=2,318歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.50kg(+0.05kg) / 29.8%(−0.2%)

15 maart 2021(月)※春の陽気のわかめ三昧

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温1.8度.北寄りの微風.今朝の朝餉には東京湾直送のわかめのお味噌汁とめかぶの小皿が登場した.冷蔵庫がわかめだらけなので主食のように食べないともうタイヘン.

◆週明けの観音台は穏やかな晴天.午前8時の気温は8.0度.西南西の風.日中は20度近くになるとの予報.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 日経サイエンス2021年5月号掲載の書評ゲラのチェック完了:三中信宏「歴史を解明する進化的思考の広がり」.歴史学・進化学のオススメ5冊+古典1冊を取り上げました./『読む・打つ・書く』の英語タイトルが minor revision の上で確定した.某超有名科学者の著書名に似ていないこともないが,けっしてパクったわけではない./とあるオンライン授賞式への出席依頼あり.出ないわけにはいきませんな./生物地理学会シンポジウム講演要旨の依頼.今年は “南極づくし” である.

◆[蒐書日誌]出井雅彦・佐藤晋也・デイヴィッド・マン『驚異の珪藻世界』(2020年12月20日刊行,創元社,東京, 本体価格4,500円, 175 pp., ISBN:978-4-422-43035-5 → 版元ページ)※珪藻の写真集.超精細の顕微鏡写真に思わず見入って魅入られること請け合い.説明は和英併記のバイリンガル.英語書名は『The Amazing World of Diatoms』.

◆【事務連絡】一年あまりにわたって南半球に国外逃亡していた “玄ちゃん” が強制送還&隔離収容の末,本日やっとのことでお勤めから解放され,農林団地の娑婆に戻ってきた.

◆先日公開したワタクシのレシピ:クックパッド「塩豚ローストポーク(ドライフルーツ巻き)」に対してサポートチームからの「食肉を調理する際の注意」という “査読コメント” が付いたので,気になる向きはごらんください.

◆[蒐書日誌]ユリイカ2021年4月号特集〈鳥獣戯画の世界〉の目次が公開されている.よりによって “学魔” さまと同じ「イマジナリーな生態系」クラスターとは……(滝汗).緊張のあまり “石” になりそう.

◇本日の総歩数=2,418歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.45kg(+0.30kg) / 30.0%(+0.7%)

14 maart 2021(日)※行く先々で修行が続く

◆午前6時半のろのろ起床.霧雨がまだ降り続いている.真正面の谷川岳は雪雲に覆われているらしくぜんぜん見えない.気温5.5度.北北東の風.昨夜は強風にあおられて雨粒が吹きつけていた.まずは朝風呂でしょ.そして,朝ごはんまで再校ゲラのチェック作業.こういう仕事にはピッタリの場所.朝餉のメインは大きなサルシッチャ.和洋ハイブリッド.

◆[蒐書日誌]三中信宏『読む・打つ・書く —— 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』(2021年6月刊行予定,東京大学出版会)の目次案を公開しました.ノンブルがまだ確定していないので,章立てと見出し構成のみです.

◆午前10時,小雪舞う谷川温泉をチェックアウト.関越道経由で高崎へ.観音山にて一休み. “グンマーの掟” は微塵も揺るがず,焼きまんじゅうと味噌おでんが出される.ミッションをすませて午後4時に帰路につく.日中は北風が強かったが,気温はぐんぐん上昇してコートはまったく不要だった.

◆上州での短期集中修行を終え,北関東を爆走してつくばに帰還したのは午後7時前だった.やっと修行から解放されたと油断させておいて,予期しない新たな修行がつくばで待ちかまえていた.東京湾で水揚げされたばかりの大量のわかめをいただき,即座に湯通しするという修行.葉わかめと茎わかめとめかぶに分け,熱湯を見せてから冷蔵あるいは冷凍保存.これで修行は全部終了だ.

◆何事もなかったのような顔をして明日からは平日に戻る.

◇本日の総歩数=4,386歩. 朝△|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測

13 maart 2021(土)※土砂降りの北関東爆走

◆午前7時のろのろ起床.本降りの雨.気温9.1度.北東の風.プチ旅支度をすませて,雨降る昼下がりは〈Roji〉のタイカレー.

◆その後,桜土浦インターから常磐道に侵入する頃には土砂降りになってきた.友部ジャンクションから北関東道に入っても,行く手を阻むような驟雨が続く.高崎ジャンクションから関越道下りへ.

◆水上インターで降りたらやっと雨足が弱まったようだ.谷川温泉のなろ雪氷温泉科学研究拠点(仮)若山牧水記念学術センター到着.数年ぶりにここ〈莞山〉に来た.

◆さっそく湯けむり修行の場へ.泡ぶくぶくの湯槽の向こうには暮れなずむ雪の谷川岳がそびえ立つ.

◆修行の夜 —— 〈水芭蕉〉の泡泡の “お水” がグラスに注がれ,〈谷川岳〉の純米大吟醸がうさちゃん酒器で運ばれてくる.徹底的な “お水責め” は修行の始まりにすぎない.渡り蟹のソフトシェルクラブにつねられたり,上州牛に押しこくられてもじっと耐え続けなければならない.

◆夜になってまた雨模様に.北風が吹きつけている.修業の場はきびしいのだ.

◇本日の総歩数=1,329歩. 朝◯|昼△|夜×. 計測値(前回比)= 84.15kg(+0.20kg) / 29.3%(+0.5%)

12 maart 2021(金)※辛夷の花が咲き始める

◆午前5時起床.晴れ.気温5.1度.西北西の風.薄曇りの観音台.午前8時の気温は7.6度.西風.通勤路沿いの辛夷の花が例年よりも早くもう咲き始めている.

◆[欹耳袋]固窮庵雑録「コロナ禍での授業について、非常勤講師の立場から」(2021年3月11日)※まっとうな指摘の数々.複数の出講先を “かけもち” すると,仕事量が “整数倍” になるという不具合はワタクシも痛感した.

◆[蒐書日誌]駒場から再校ゲラ一式が着弾した.ワタクシの “書痴本” :三中信宏『読む・打つ・書く —— 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』は東京大学出版会創立70周年記念出版の一冊として6月に刊行予定.着弾した再校ゲラを必死のパッチで読まないと! 

同封されていた〈東京大学出版会創立70周年記念リーフレット〉では:「ようこそ,みなかワールドへ! 理系研究者を生業としながら,数多の本を読み,新聞やSNSに書評を打ち,そしていくつもの単独書を出版してきた著者が次世代の人たちへ贈る熱いメッセージ.さあ,まずはたくさん本を読もう」と宣伝されている.

忘れないうちに,英語タイトル案を駒場に送ってみる.和文タイトルと英文タイトルでは “基本姿勢” がぜんぜん違うもんね.世に出まわっている翻訳書とその原書のタイトルとを比較すれば,ちがいがすぐわかるはず.

◆夜は何年ぶりかでローストポーク(ドライフルーツ巻き)をつくってみた.仕込んで4日目の塩豚が700グラムのサイズだったので,レーズンなどを巻き込んで緊縛後,フライパンで焼き色を付けてからオーブンへ.180度設定で30分ローストすると,中心部分は安全圏の65度になった.これでOK.

「塩豚ローストポーク(ドライフルーツ巻き)」【食材】豚ロース肉(700g塊)・岩塩(適量)・にんにく(数個)・赤ワイン(100cc)・ローズマリー(生葉数本)【詰め物】レーズン(ドライ50g)・クランベリー(ドライ50g)・はちみつ漬けレモン(薄切り数枚)・くるみ(生20g)・金柑マーマレード(大さじ1)【ソース】はちみつ(大さじ2)・発酵バター(大さじ1)・白ワイン(大さじ2)・粒マスタード(小さじ1).

  1. 豚ロース肉はたっぷりの岩塩をもみ込んで,冷蔵庫で数日間安置した “塩豚” にする.使う当日に冷蔵庫から出して半日かけて室温に戻す.
  2. レーズンとクランベリーは赤ワインに浸しておく.レモンは細かく刻む.金柑マーマレードも適宜刻む.くるみは砕く.
  3. 豚肉を “観音開き” に展開し,2 のフルーツ類を投下する.脂身が外側になるようにタコ糸でしっかり緊縛する.
  4. 強火に熱したフライパンにサラダ油(分量外)をひき.3 の豚肉にしっかり焼き色を付ける.
  5. オーブンは180度に設定し,さまざまな根菜類(分量外)と丸ごとにんにくとともに30分ローストする.
  6. 肉用温度計を差し込み,中心部分が65度になっていれば焼き上がり.すぐにアルミホイルでくるんで休ませる.
  7. フライパンに発酵バターを溶かし,はちみつを投入してふつふつしてきたら,白ワインを加えて加熱.煮詰まってきたら粒マスタードを溶かす.
  8. 6 のローストポークを輪切りにして,根菜類とともに皿に盛りつけ,7 のソースを回しかける.

ロース肉の中心部分はまだピンク色だが,「63度加熱」の安全ラインをクリアしているので問題なし.豚肉の柔らかさとドライフルーツの甘みがとてもいい感じ.次回またつくる機会があれば「160度設定1時間」というさらなる “低温調理” に挑戦してみたい.

レシピ → het dagelijkse keukenleven「塩豚ローストポーク(ドライフルーツ巻き)」|クックパッド「塩豚ローストポーク(ドライフルーツ巻き)」.

◇本日の総歩数=4,652歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 83.95kg(−0.45kg) / 28.7%(+2.3%)

11 maart 2021(木)※アストルピアソラの日

◆午前5時起床.晴れ.気温は氷点下0.6度.東北東の風.春の朝日が差す観音台は,北風がまだ冷たい.今朝は氷点下1.7度まで冷え込んだが,午前8時には5.2度まで上がってきた.

◆今日はアストル・ピアソラ(1921–1992)の生誕百年の誕生日なので,予定通り朝からピアソラ漬けである.まずは小松亮太と Tokyo Tango Doctet の〈ブエノスアイレスのマリア〉のライブ録音から.この公演は直前の2011年3月に発生した東日本大震災でいったんは中止になってしまったが,二年後の2013年6月にタケミツ・メモリアルで復活上演.もちろんワタクシは聴きに行った.

◆[欹耳袋]ロザリンド・ギル[児島功和,竹端寛訳]2021.沈黙を破る : 新自由主義化する大学の‟隠された傷” .山梨学院大学法学論集,(87): 395-431. pdf

「「監査文化[audit culture]」(中略)は,全てのものが定量化可能な「アウトプット」として、他者にも分かりやすい・計測できる状態で、「監査可能なもの」になるよう強いられる風潮を意味する」(p. 401)

「私は、いわゆる理論から始めたり、資本主義や労働あるいは高等教育の変化に関する説明から議論を始めるよりも、こういった日常経験の話から始めたい.。なぜなら(中略)大半の議論の場で、個人的経験に基づくデータは沈黙を強いられているように思われるからである。」(p. 402)

「比較的安定したものが多かった学術界の仕事が、低賃金・非正規・非連続的な雇用中心に移行してしまったことで、失ったものは何か」(p. 404)/「こういったことは、研究者の生活に多大な影響を与えているにもかかわらず、学術界ではほとんど語られない」(p. 405)

「語られたとしても、現代の学術界の構造的特徴としてより、個人的経験として扱われる傾向にある。さらに、研究者は彼らの(低い)報酬について話すのが苦手である。おそらくは話すことで研究や学術界への関わり方や誠実さが疑問視されるかもしれないと考えているのだろう」(p. 405)

「まるで懲役のような激務は、もはや学術界の風土病ともいえる。繰り返しになるが、この問題について真剣な議論を大学内外で見つけることは困難である。だが、研究者と少しでも一緒に時間を過ごしてみれば、専門職の働きすぎは限界点に達しているという印象をすぐさま得ることができるだろう。なぜなら、この20年間、資金不足のままで大学が拡張し、研究者に求められることが恐ろしいほど増大し、「監査文化」に染まったからである。しかも、以前なら疑問の声も上がったであろう監査文化を、今の大学の教職員たちはほとんど完璧に内面化してしまっている」(p. 407)

「私が同僚や友人と非公式に交わした会話には、注目すべき点が二つある。第一に、基底にある強烈な「不安感」である:遅れをとること、重要な何かを見逃すこと、落ちぶれることへの不安である.第二に、こういった問題がほぼ完全に個人的な事象として位置付けられていることである」(pp. 411-2)

—— 以下キリがないほどおもしろく切実だ.よくよく噛みしめる必要がある.

◆続いて,アストル・ピアソラ〈フルートとギターのための作品全集〉へ.午後は〈Homenaje a Cordoba〉から〈Tangata del Alba〉.さらに,ライヴ録音の〈Decarissimo〉へ.グルーヴ感のりのり.

  • [つくば]プロローグ1,334字だん.新たな登攀の始まり. posted at 16:05:06
  • [つくば]プロローグ582字だん. posted at 16:32:09

◆[蒐書日誌]三中信宏『読む・打つ・書く —— 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』(2021年6月刊行予定,東京大学出版会)の再校ゲラpdf着弾.この分だと刷り上がりで350ページ超になりそうね.

◆日に日に春めいてきたので,今宵は菜の花と芹と花びら茸の和風パスタ.EVオリーブオイルでにんにくとベーコンを炒め,花びら茸と芹の茎を投入する.発酵バターを加えて醤油を一回し.芹の葉を投入してから茹で上げパスタと和える.最後に菜の花をトッピング.この一皿には〈風の森〉純米・秋津穂でキマリでしょ.

◆アストル・ピアソラの一日が終わろうとしている.

◇本日の総歩数=4,306歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 84.40kg(+0.20kg) / 26.4%(−2.5%)

10 maart 2021(水)※巨大古本が不意に漂着

◆午前5時起床.曇り.気温5.1度.北西の風.

◆[蒐書日誌]ポール・ナース[竹内薫訳]『WHAT IS LIFE? —— 生命とは何か』(2021年3月9日刊行,ダイヤモンド社,東京, 258 pp., 本体価格1,700円, ISBN: 978-4-478-11107-9 → 版元ページ)※昨日刊行.ご恵贈感謝です.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 内々のオンライン zoom 会議 10:00〜11:30 高座.

◆[蒐書日誌]一世紀前の百科事典辞書が持ちこまれた.正式タイトルはとても長ったらしい:A Standard Dictionary of the English Language Upon Original Plans, Designed to Give, in Complete and Accurate Statement, in the Light of the Most Recent Advances in Knowledge, in the Readiest form for Popular Use, The Orthography, Pronunciation, Meaning, and Etymology of all the Words, and the Meaning of Idiomatic Phrases, in the Speech and Literature of the English Speaking Peoples. Complete in One Volume. A New Edition, Revised and Enlarged(初版1890年/合本改訂版1907年, ca. 2,500 pp.,+ maps. Funk & Wagnalls Company, New York).束の厚さは約14cmもあって,崩壊した背を雑にガムテープ補修されている.総革装だが経年劣化のため触ると真っ茶色に汚れてもうタイヘン.百科事典的大英語辞書の名にふさわしく,ところどころに石版画(リソグラフ)の彩色図版が挿入されている.同時代のOED初版とはぜんぜんちがうみたい.組織改編に伴う居室の移転で “放出” された古書とのこと.国内の他の公的機関には所蔵されていないようなので(CiNii Books 曰く),とりあえずワタクシの部屋の一角に安置しておきましょうかね.そういう “漂流本” がほかにも多々あるので, “ご本人” にとっても居心地はきっと悪くないだろう.

◆明日からは心機一転する.

◇本日の総歩数=2,432歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.20kg(+0.05kg) / 28.9%(+0.6%)

9 maart 2021(火)※甘さと辛さのガチ対決

◆午前5時起床.曇り.気温4.5度.北東の風.観音台は曇りところどころ晴れ間が覗く.午前8時の気温は4.9度.北西の風.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 次年度の雇用条件に関する返信.今回の組織改編の結果,ワタクシの新しい所属は「農業環境研究部門土壌環境管理研究領域」となる./すでに投函してしまったカクテイシンコクとは別の某申請書類を作成している.要添付文書はすでに市役所で発行してもらった.パーツはこれで全部そろったはずだが,記入上の注意書きが細かすぎて完成した気がぜんぜんしない.きっとまちがいがあるにちがいないが気にしなくていいだろう.提出書類は突っ返されるためにあるのだから.

◆[蒐書日誌]ただいま着便!:浪江由唯『世界の紙を巡る旅』(2021年1月31日刊行,烽火書房,京都, 254 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-9911160-3-2 → 版元ページ)※表紙のネパール手漉き紙「ロクタペーパー」をすりすりしているところ.すりすり〜.

◆正午の気温は11.4度.南東の風.ほぼ一ヶ月ぶりの昼休みショートコース徘徊.予報通り暖かくなってきた.歩き読み本:川田伸一郎『アラン・オーストンの標本ラベル:幕末から明治、海を渡ったニッポンの動物たち』(2020年11月30日刊行,ブックマン社,東京, ii+262 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-89308-937-3 → 版元ページ)の第2章まで読了.

◆泣く子も黙る鉾田の干し芋.これは “お芋” と言うよりはもはや上質の “デザート” かも.

◆ワタクシはツイートを極私的な “メモ付箋” として十年あまり使い続けてきた.ワタクシにとってのツイッターの主目的は:1)日録を書くための “備忘録” ;2)原稿執筆進捗の “自己加圧”.だから,「いつ起きた」「いつ寝た」「何を食べた」「何を読んだ」「何字書けた」「こんな本を買った」など極私的断片情報の記録は重要.たまに宣伝も打つけど.

◆都内の某大手予備校から『系統樹思考の世界』を講義教材として使用したとのことで,著作権関連書類一式が送られてきた.ここまではよくあることだが,「御著書使用へのお礼と使用目的について」なる一枚が同封されていて,さすがは伝統ある大手と感服したしだい.そこにはこう書かれていた(抜粋):

「社会全体の〈活字離れ〉が言われて久しい昨今,とりわけ若年層においてその傾向が顕著になりつつあることは,微力ながらも国語教育に携わる立場にある私たち駿台予備学校現代文科の講師においても,日々実感されるところです.現代の子どもたち,若者たちの多くが,かつて私たちが親しんだような名著,良書にふれる機会を得ぬまま大人になろうとしていることに,危惧を覚えずにはいられません」

「予備学校の教材や模擬試験は,多くの若者が真剣に文章を読む機会のひとつです.私どもはそのことを信じ,自分たちにとっても彼らにとっても,読みがいのある文章を選び,その魅力をわずかでも学生に伝えたいと願っております」

「入学試験は教育の一環として行われるものでなければなりません.だからこそ,彼らが〈受験勉強〉として文章を読む経験を,単に志望校合格のための手段としてではなく,名著,良書との〈出会い〉の場として提供したいと,入試現代文にかかわる者として私たちは考えております」

—— 心に染み込むとてもいい文章だ.

◆今宵はビシッと辛めのユッケジャンを用意した.マッコリでは相手にならんので,京都の〈玉川〉2019BY純米にごりを召喚した.一見したところは「マッコリ擬態」だが,アルコール度数17〜18度の直球勝負だと明日に差し支えるにちがいないとオトナの自制が働いた(年の功). ここはやはり炭酸水で一対一に割るというのが理性的なたしなみにちがいない.ぶくぶく〜 そして,最後は冷ご飯を投入し,熱々の「ユッケジャン・クッパ」にしてムダなく最後まで食べ尽くす.

◇本日の総歩数=7,601歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.15kg(+0.10kg) / 28.3%(−1.1%)

8 maart 2021(月)※週明けのけつねうろん

◆午前5時起床.曇り空.気温6.1度.北北西の風.小雨降る観音台.午前8時の気温は6.6度.北風.今日はうすら寒い一日になるとの予報.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 万年筆のペン先はときどき “水没” させないと調子が悪くなる.

◆[蒐書日誌]講談社選書メチエ2冊をご恵贈いただきました.感謝感謝 ——

  1. 米虫正巳『自然の哲学史』(2021年3月9日刊行,講談社[講談社選書メチエ・745],東京, 478 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-06-522866-1 → 版元ページ)※478ページ!
  2. 日埜直彦『日本近現代建築の歴史:明治維新から現代まで』(2021年3月9日刊行,講談社[講談社選書メチエ・746],東京, 419 pp., 本体価格2,250円, ISBN:978-4-06-522867-8 → 版元ページ)※419ページ!

—— 最近の選書メチエはとても分厚い著作の率が高くなってきたように感じる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 新規巨大┣┣” 出現.本郷から「高座を “英語化” せよ」とのお達しあり.しかも,リアルタイムの英語/日本語ハイブリッド講義を目指せと.対面/オンラインのハイブリッド講義よりもはるかにハードルが高い気がするんですけど……(涙目)

夕餉はけつねうろん.

◇本日の総歩数=8,472歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 84.05kg(−0.05kg) / 28.4%(−1.2%)

7 maart 2021(日)※陽気が一転寒気が南下

◆午前7時過ぎのろのろ起床.雲が多い.気温3.9度.北東の風.

◆[欹耳袋]YouTube「【農水省】国家公務員も踊ってみた〜日本酒ダンス〜」(2021年3月5日)※歌って踊るのは農水の特技(知らんけど).

◆ひんやりする正午の気温7.5度.昨日の同時刻より8度以上も低い.今日の昼餉は菜の花パスタ.EVオリーブオイルでにんにくとベーコンをしっかり炒めて,下茹でした菜の花のざく切りを投入.最後に茹で上げパスタと和える.調味は岩塩と黒胡椒で軽めに.先端の「花」の部分だけ最後にトッピングする.

◆日曜の┣┣" 撃ち —— 日経サイエンス書評原稿の推敲.計1,708字.編集部にメール送信して一仕事が終わった./選考対象論文の評価シートをメール送信.

◆[欹耳袋]Augusto B. Mendes et al. 2017. The ichthyological diversity of Pokémon. Journal of Geek Studies, 4(1): 39–67 ※魚ポケモンに “学名” が付けられてるやん.

◇本日の総歩数=2,003歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.10kg(−0.05kg) / 29.6%(+0.5%)

6 maart 2021(土)※格闘カクテイシンコク

◆午前5時半起床.晴れ.気温は9.2度と高すぎる.北寄りの微風.

◆スキマ時間を見つけては,花粉の季節とともに毎年やってくカクテイシンコクの作業を進めている.視力検査のような小さな説明文を読んでは金額計算をするのだが,おもしろいほどまちがえる.思い起こせば小学校の時から計算問題はよくまちがえたなあ.算数に関してはアカンタレですわ.そのカクテイシンコクの取りまとめ作業は週末も続く.必死のパッチで計算しまくって,やっと申告書類と源泉徴収票一式を耳を揃えて土浦税務署に郵送した.清書したあとで致命的な “蟲” が発見されてしまい,訂正印の嵐が吹き荒れた.そのせいで書面がほとんど判読不能になってしまった.スマン>土浦税務署のみなさん.しかし,カクテイシンコクは遅滞なく誠実に申告することに意義がある. “耳なし芳一” のごとく訂正印が押されまくろうが,ひょっとして計算結果にさらなるまちがいがあろうが,〆切日前に提出すればいいのだ.これでいいのだ.

  • [つくば]書評原稿288字だん.やっと書き始める. posted at 15:19:10
  • [つくば]書評91字だん.息してるしてる. posted at 15:26:44
  • [つくば]書評原稿277字だん. posted at 15:42:40
  • [つくば]書評記事247字だん. posted at 15:51:04
  • [つくば]書評記事218字だん. posted at 16:01:19
  • [つくば]書評記事235字だん. posted at 16:08:15
  • [つくば]書評記事273字だん.以上, 計1,669字.これで草稿は擱筆なう. posted at 16:16:33
  • [つくば]書き上げた原稿はいったん冷まして “粗熱” を取ってから読み返す. posted at 16:18:10

◆今日は土曜にもかかわらず,カクテイシンコクと書評原稿1本の┣┣” 撃ちミッション・コンプリートなので,夕餉は軽やかにアジフライ.午後の最高気温は19.6度.とても暖かかった.

◇本日の総歩数=3,468歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.15kg(+0.10kg) / 29.1%(−0.5%)

5 maart 2021(金)※啓蟄なのでごそごそと

◆午前5時前起床.晴れ.気温5.2度.東北東の風.〈みなか食堂〉の朝カレーは蓮根とパプリカの素揚げをトッピング.汗がにじむほど辛くしたのでラッシー付き.朝から “粉っぽい” 観音台は点鼻薬と点眼薬で対抗するしかない.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 南大沢宛に来年度の非常勤出講関連書類一式を返送.

◆[欹耳袋]NHK おはよう日本|けさのクローズアップ「コロナ禍で広がる“日記本”」(2021年2月22日)※個人日記は,わざわざ “本” にしなくても,日々のアナログな “ライフログ” としてひたすら淡々と書き続ければいいと思う.ワタクシの「日録」はワタクシ自身のレファレンスとしてとても役立っている.意義があるから続けるのではなく,続けるから意義が生まれる.

◆夕方になって雨になり,今も降ったり止んだりしている.茨城産の芹が出回っているので,こういう夕餉になったが,もっと暖かくなればさすがにきりたんぽ鍋を用意する気力が萎えるにちがいない.

◆[欹耳袋]南米植物文化研究ノート「マルメロ Cydonia oblonga 今日はデザートのお話。」(2021年2月27日)※以前,ブラジルで開催されたとある学会の会場ホテルで,毎朝「マルメラーダ」が朝食に登場した.最初は「この “羊羹” みたいなのはいったい何?」と遠巻きに見ていたが,そのうちチーズとはさんで食べるのに慣れてしまった.相当な甘味なのでデザート的.

◇本日の総歩数=4,612歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.05kg(+0.10kg) / 29.6%(+0.1%)

4 maart 2021(木)※おい買っちまったぜ!

◆午前5時起床.晴れ.気温は氷点下0.9度.北風.穏やかな春霞の観音台.午前8時の気温は4.4度.弱い北風.湿度は59%.早くアメダスにも湿度計を設置してほしい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 日経サイエンス5月号掲載予定のの大学新入生向けブックレビューの原稿を用意している.まずは書評本を選ばないといけないのだが….筆頭に挙げるはずだったマルク・ブロック『新版 歴史のための弁明 —— 歴史家の仕事』がもう “品切れ” になっていて,とっても困るんですけど>神保町方面./とりあえず,絶版・品切れになっていないことが確認できた書評本5冊をリストアップしたので,編集部に連絡メール送信.

◆[蒐書日誌]着弾! —— マーティン・J・S・ラドウィック[菅谷暁訳]『デヴォン紀大論争:ジェントルマン的専門家間での科学知識の形成』(2021年2月10日刊行,みすず書房,東京, xxxiv+705+109 pp., 本体価格18,000円, ISBN:978-4-622-08935-3 → 版元ページ)※ “屹立” しまくる850ページ! ここはやはり原本と訳本を横に並べないといけないところだろう:Martin J. S. Rudwick『The Great Devonian Controversy: The Shaping of Scientific Knowledge among Gentlemanly Specialists』(1985年刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xxxiv+494 pp., ISBN:0-226-73101-4 [hbk]).

◆[蒐書日誌]東京大学出版会から6月中に刊行予定の拙著のタイトルは:三中信宏『読む・打つ・書く —— 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』で確定した.今月中には再校ゲラが出る予定とのこと.

◆啓蟄の前日は “お肉の蟲” がごそごそ動き出す.ハンバーグをこねたのはずいぶんひさしぶりのこと.いつものように厚手の鉄フライパンで焼き上げる.このメインの一皿ならエミリア・ロマーニャの Camillo Donati Lambrusco Rosso 2018 微発泡赤ワインでしょ.

◆自分の “話し方” のクセを知るというのはとてもたいせつ.日大でプレゼンテーション入門高座をしたとき,各受講生のトークを “自撮り” してもらった.多くの受講生から,「自分がどんな話し方(アイコンタクトやジェスチャー含む)をしているかを生まれてはじめて知りました」という感想が多かった.他人のトークを聴く機会はあっても,自分自身のトークは灯台下暗し.あと,zoom だと「はてしなく広い会場のうしろの方」を見渡すつもりでトークしないといけない(とくにオーディエンス側のカメラがオフになっているとき).

◇本日の総歩数=3,218歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 83.95kg(−0.95kg) / 29.2%(−0.8%)

3 maart 2021(水)※花粉にまみれて雛祭り

◆午前5時起床.晴れ.気温4.6度.東南東の風.朝日の観音台に北東の乾いた風が吹き込んでいる.午前8時の気温は4.1度.

◆[蒐書日誌]芹沢高志『別府』(2020年11月20日刊行,ABI+P3,東京, 190 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-904965-13-9 → 版元ページ)読了.別府の北浜を中心に鉄輪・浜脇を含むエリアをめぐるエッセイ集.類書である:山出淳也『BEPPU PROJECT 2005 – 2018』(2018年10月13日刊行,NPO法人BEPPU PROJECT,別府, 345 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-9909005-0-2 → 読売新聞書評版元ページ)と松田法子著|古城俊秀監修『絵はがきの別府:古城俊秀コレクションより』(2012年5月30日刊行,左右社,東京,本体価格3,500円,314 pp., ISBN:978-4-903500-75-1→ 目次版元ページ)">目次|版元ページ)を再読しようか.今年の師走にはまた別府滞在の予定だ.

◆[蒐書日誌]買っちまったぜ……(震え声)

◆お雛祭りの夜はばら寿司に鰯のつみれ汁,そして島根〈十旭日〉の26BY生酛純米・五百万石70・加水火入の熱燗を.熟成の色づき.

◇本日の総歩数=4,529歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 84.90kg(+0.30kg) / 30.0%(+0.7%)

2 maart 2021(火)※春の嵐がいきなり襲来

◆午前5時起床.雨.気温13.0度.南南東の風.観音台は雨が降ったり止んだり.いまは曇り空.午前9時の気温は15.8度.南風.

◆午前の┣┣" 撃ち —— ユリイカ2021年4月号特集〈鳥獣戯画の世界〉への寄稿原稿:三中信宏「鳥獣戯画の体系学 —— 架空生物の分類と系統」初校ゲラ修正.pdfのプレビュー修正は大画面の方がやりやすい.

◆[蒐書日誌]いただきもの新刊 —— 2冊ポール・ナース[竹内薫訳]『WHAT IS LIFE? —— 生命とは何か』(2021年3月9日刊行予定,ダイヤモンド社,東京, 258 pp., 本体価格1,700円, ISBN: 978-4-478-11107-9)※出版前の「プルーフ版」をお送りいただいた./井田徹治『次なるパンデミックを回避せよ:環境破壊と新興感染症』(2021年2月25日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・301],東京, viii+133 pp., 本体価格1,300円, ISBN:978-4-00-029701-1 → 版元ページ).

◆もうすぐ雨が降り出しそうな午後.気温はすでに20.2度まで上がっていて,湿度80%という黴が生えそうな生暖かい南風が吹き荒れている.

◆[欹耳袋]Chol | note「大学教員やめてデータサイエンティストになります」(2021年2月27日).

◆夕暮れ時の午後5時過ぎ.春の嵐が吹き荒れて,ざあざあ降り.たった一時間で気温は9度も下がり,今は10.4度と今日の最低気温を更新中.嵐が過ぎ去った静かな夜は蒸し野菜と叉焼レタス炒飯.郡山・仁井田本家の〈穏〉純米吟醸うすにごりをシュワシュワ抜栓.

◆[蒐書日誌]荒俣宏『普及版 世界大博物図鑑[全7巻]』(2021年2月刊行,平凡社,東京 → 版元ニュース )※縮刷版が出た.ワタクシの “森” には元本セットが安置されているのであえて買う必要はないが,原本は本体価格11,000円〜17,000円台だったので,今回の普及版が5,200円〜6,200円という価格帯に設定されているのは確かにお手頃かも.

◇本日の総歩数=2,159歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 84.60kg(+0.05kg) / 29.3%(−0.4%)

1 maart 2021(月)※弥生三月は暖かくなり

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温0.1度.一瞬だけ氷点下に潜り,午前8時の今は3.7度.西風.弥生三月とはいえ早朝はまだまだ寒い.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 月初めの┣┣” 箱が比較的空いているのは精神衛生上とてもよろしい./各メーリングリストへの月例アナウンス配信./「私の番号」を送れリクエスト1件あり.ハードコピーして糊付けするというこの悪しき “風習” を早く根絶やしにしてほしい.今回はおまけに郵便局の窓口で特定記録郵便として送れとか無理難題をふっかけてきた(なろ城下町には郵便局はないと何度言えば……).「私の番号」を簡易書留とか特定郵便で返送しろという相手側の要求に応える必要はどこにもないので,ワタクシは返信封筒の「簡易書留」とか「特定記録」を “黒塗り” した上で普通郵便としてポストに投函することにしている.ラクラク.

◆春めく昼下がり.気温はすでに16.1度まで上がってきた.今日の昼餉はシンプルな叉焼三色釜飯を持参.たまには〈おぎのや〉風に.日差しがさんさんと降り注ぐ午後.外気温はすでに18.5度まで上がっていた.20度ラインを越えたら半袖に “衣替え” しないと.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 福岡の某学習塾から,春期講習テキストに『分類思考の世界』を使わせてほしいとの依頼あり.対象は現中学2年生とのこと.出題範囲はこれまで入試出題頻度がもっとも高い存在論と時空同一性の第3章「老狐幽霊非怪物,清風明月是真怪」の第1〜2節./半年ぶりに U-Tokyo Account を更新してログインし,UTAS と ITC-LMS の世界に戻ってきた.Zoom Pro も問題なく使えるようだ.

◆今年度の諸事もそろそろ終りが見えてきたので, “某案件” に関して事後報告をしておいた方がいいかもしれない.非常勤講師の給料の額についてはしつこいくらい確認すべきだとかねがね強調してきたのだが,それでもなおヘマをやらかしてしまうことがある.以下,自己反省を兼ねて ——

事前の打ち合わせの段階で,先方の大学(窓口となる専任教員)からは「うちの大学は非常勤講師の給料がとても高く,一回の講義につき◆円も支払っています」と聞いていた(太字部分はとても重要).つまり,毎回出講するたびに◆円が支払われるという “解釈” だ.その後,大学から送られてきた「契約書」(冒頭写真)をその教員に見せた上で,非常勤講師給に関する「講師手当(授業1コマにつき)◆円とし」という契約書文章表現の “解釈” についてふたたび確認した.ワタクシの質問に対して,先方は上の “解釈” でまちがいないとのことだった.

この手の契約書の “解釈” は大学によって異なることがあり,ときに “悲劇” を引き起こすことがあるのはみなさんご存知の通りだ.たとえば,この大学で月4回講義をするとき,非常勤講師給としていったいいくらの “月給” が振り込まれるだろうか.その教員の “解釈” によれば,「授業1コマにつき◆円」であれば月給は「4×◆円/月」となるとのことだった.これまでも同大学では非常勤講師に対してこの基準で給料が支払われてきたそうだ.

しかし,ワタクシは最初から “引っかかり” を覚えていた.専任教員の見解に疑義を唱えたことはなかったが,ワタクシは都内の私立大学数校での非常勤講師をした経験があり,その給料の相場も知っている.この大学が提示する給与額はその相場平均をはるかに上回る「外れ値」だった.「ほんとうか?」 かすかな疑念を引きずりながら講義が始まった.

結末はあっけないほど単純だった.くりかえし聞かされた “解釈” はただのまちがいだったからだ.最最初の月も続く月も月n回講義しても「n×◆円」が振り込まれるどころか.毎月「定額◆円」しか振り込まれなかった(交通費別).要するに, “赤字” になったということだ.あれほどしつこいほど気をつけて,先方に執拗に確認したにもかかわらず,このていたらく.

ワタクシは,窓口となった専任教員に対して,給料振込明細のコピーを付けて「これはいったいどういうことなんでしょうか?」と問い合わせのメールを送った.すかさず,先方から「そんなはずはない.何かの間違いなのですぐ確認します」との返信あり.数日後,回答があり「ごめんなさい,私の “解釈” が間違っていました」との謝罪が届いた.マジですか.

先方の専任教員の言によれば,非常勤講師給料の俸給額については,あらかじめ学科内の同僚の教員にも確認し,さらに学科長にも確認した上で,ワタクシに出講依頼してきたそうだ.あらためて大学の担当事務に確認してはじめて “真相” がわかったらしい.その真相とは「半期(6ヶ月)の講義であれば「定額◆円」が6ヶ月にわたって振り込まれる」だった.「うちの大学は非常勤講師の給料がとても高く」—— それ,間違ってます! その辺の私立大学とぜんぜん “有意差” ないですよ.

要するに —— 学科長も含めて専任教員全員の “解釈” が間違っていたということだ.非常勤講師に対していったいいくら支払われていたかを教員が誰も知らなかったというわけだ.そのまちがった “解釈” を信じたワタクシはただのアホでした.

上にも書いたように,ワタクシは当初から疑わしさを感じていた.しかし,専任教員が「大丈夫」と言うのでお引き受けしたのだが,実態が判明して「やはり」と納得すると同時に唖然とするしかなかった.先方から聞いたところでは,同学科の過去の非常勤講師にも同じ(=まちがった)俸給額を提示してきたとのことだが,彼らからはまったくクレームが来なかったので今の今までわからなかったらしい.今回ワタクシが指摘しなければその “被害” は次年度以降も繰り返された可能性があるということだ.

非常勤講師を引き受けるというのは,さまざまな事務手続きがあることはもちろん,少なからぬ時間とお金とエネルギーが費やされる.ワタクシのような “被害者” を出さないためには,前任の非常勤講師(たち)は説明通りの給料が支払われなかったら,即座に大学にクレームをつけてほしかった.研究者はお金のことをアレコレ言わないのが “美徳” のように言い伝えられているが,それは単にまちがいであるだけでなく,今回のように後任の非常勤講師に対して実質的な被害をもたらす “共犯者” になる可能性がある.大学は教育労働の対価をちゃんと正しく払わないといけないし,非常勤講師はその点に関してもっと敏感にならないといけない.何度も繰り返すが,お金のことはとても大事なので,うやむやにしないでほしい.

次年度以降の出講も昨年のうちに内定していたのだが,もちろん,その場で即座にお断りした.金の切れ目は縁の切れ目だ.非常勤講師を搾取してはいけない.この大学に出講することは今後もうないだろう.

専任教員たちが学科に出講する非常勤講師の俸給額を正しく理解しているわけでは必ずしもない.ワタクシが専任教員に対してしつこく確認したのはスジが悪かった.専任教員といえどもぜんぜん信用できないからだ.むしろ,当該大学の人事担当あるいは給与担当の事務にダイレクトに問いただすべきだった.非常勤講師契約書を交わすのはその疑問が解決したあとにすべきだった.今後のための苦い教訓としたい.

—— 以上の件は別途 note で公開した:三中信宏 | leeswijzer | note「大学非常勤講師の給料をめぐるある顛末」(2021年3月1日).

◆県境を越えて “グンマー” が攻め込んできた今宵は,粉もの天下の「おっきりこみ」が食卓に降臨した.幅4センチの “ひもかわ” がずっしりととぐろを巻く.おっきりこみを自宅でつくったのはこれが初めてかもしれない(いつもは外で食べる).これはもう有無を言わせず上州つながりの〈シン・ツチダ〉に腰を据えて相手してもらうしかない.

◇本日の総歩数=4,121歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 84.55kg(+0.35kg) / 29.7%(−1.2%)