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日録2019年11月


30 november 2019(土)※放射冷却と駆けっこと

◆午前6時起床.晴れ.朝焼け.南東風.最低気温は氷点下2.0度とまたまた今季記録更新.さらに冷え込みがきびしい朝.霜月の最後の朝は霜が降るかも.

◆ロブ・デサール,イアン・タッターソル[ニキリンコ・三中信宏訳]『ビールの自然誌』(2020年1月刊行予定,勁草書房)の再校ゲラ追っかけ作業はいよいよ佳境に入りつつあり,まだ師走ではないのに走り方がもうタダゴトではない ——

  • [つくば]第III部「快楽の科学」に進む.第10章「発酵」再校ゲラのチェックだん. posted at 15:26:58
  • [つくば]第III部「快楽の科学」第11章「ビールと五感」再校ゲラのチェックだん. posted at 15:49:06
  • [つくば]第III部「快楽の科学」第12章「ビール腹」再校ゲラのチェックだん. posted at 16:24:42
  • [つくば]第III部「快楽の科学」第13章「ビールと脳」再校ゲラのチェックだん.第III部はこれにておしまい. posted at 16:42:19
  • [つくば]最後の第IV部「ビール造りのフロンティア今昔」へ.第14章「ビールの系統樹」再校ゲラのチェックだん.ビール系統推定のための距離法と最節約法.さすがに最尤法とベイズ法は出番がない. posted at 18:14:11
  • [つくば]第IV部「ビール造りのフロンティア今昔」第15章「ビール復活請負人たち」再校ゲラのチェックだん.古代ビール復元本:Patrick E. McGovern 2017. Ancient Brews: Rediscovered and Re-created wwnorton.com/books/97803933… はどこかから翻訳されないかなあ. posted at 18:29:57
  • [つくば]第IV部「ビール造りのフロンティア今昔」最後の第16章「ビール造りの未来」再校ゲラのチェックだん.これで本文のチェックはすべて終了. posted at 18:49:05
  • [つくば]第IV部に続く吉澤和徳さんの解説記事も通し読み.いいですねえ.残るは文献解題だけか. posted at 18:58:43
  • [つくば]文献解題の再校ゲラのチェックだん. posted at 20:55:57

—— 以上で,再校ゲラのチェック作業はすべて完了.残るは索引項目のピックアップだけ.

◆さぁ,師走だ師走だ.

◇本日の総歩数=441歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 88.15kg(−0.35kg) / 29.4%(+0.6%)


29 november 2019(金)※氷点下の夜は麦酒視察

◆午前5時過ぎ起床.気温1.2度.北東風.最低気温は今季初の氷点下1.2度だった.寒いはず.熊本とは大違い.今日は全日年休にしているのでフリーダム.師走の┣┣” 撃ちカレンダー更新.今年ももうオシマイだ,オシマイなんだぁ(※誰も口にしてはならぬ).

◆ヒマなので青空の観音台に遊びに行く.乾いた北風が吹く農林団地.午前10時の気温は5.5度.知らないうちに全館暖房が稼働していたので,あわててオフにする.たった数日いなかった間につくばは冬っぽくなっていた.

◆フリーダムでも┣┣" 撃ち —— なろ天守閣から「外部発表用Power Pointフォーマットの統一について」なる連絡あり.研究プレゼン時のスライドフォーマットを全場所にわたって統一したいらしい.ワタクシはこれまでプレゼンに PowerPoint を使ったことはなく,InDesign で組版しているので,この制約には当てはまらないね.なろとしての “統一感” と “存在感” を強調し,知名度とブランド力を対外的にもっとアピールしたいそうだが,研究発表者の所属についてもセンター以下の部署や役職は誰も書いてはならぬとか締め付けがきびしい.PoorPoint ユーザーはタイヘンなことになりましたねぇ.しらんけど.

  • [つくば]第II部「(ほぼ)当てはまるビール原論」の第7章「大麦」再校ゲラのチェックだん. posted at 13:42:56
  • [つくば]第II部「(ほぼ)当てはまるビール原論」の第8章「酵母」再校ゲラのチェックだん. posted at 14:36:50
  • [つくば]第II部「(ほぼ)当てはまるビール原論」の第9章「ホップ」再校ゲラのチェックだん.以上で,第II部はおしまい. posted at 15:04:46

◆夜はノバホールにてつくば古典音楽合唱団定期演奏会へ.その後,〈三浦飲食堂〉にてビール現地調査を実施する.MIURA樽生IPAから始まり,酸味系ジュースのランビックを経て,チェイサー代わりのケルシュを片手に,ロシュフォール10に至るという完璧な調査スケジュールをこなした.〆のメンチカツサンドは〈三浦飲食堂〉の決まりごとだ.店を出たらすでに氷点下まで気温が下がっていた.

◆夜が更けて,『ビールの自然誌』のカバーデザインのラフ案が届いたので,さっそく現地調査の結果を踏まえた建設的な意見を上げる.よろしくよろしく.

◆さらに夜遅く,荒木優太(編著)『在野研究ビギナーズ:勝手にはじめる研究生活』(2019年9月1日刊行,明石書店,東京, 286 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7503-4885-8 → 目次版元ページ)の小評の最終校正を終えた.これでやっと校了だ.

◆明日もフリーダムな一日だ.地方巡業のあいまはすべて “自由日” にしている.

◇本日の総歩数=9,373歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 88.50kg(+1.15kg) / 28.8%(−1.4%)


28 november 2019(木)※雨上がりのお座敷楽日

◆午前5時半起床.雨.気温11.6度.北風.ちょっとうう…….冷たい雨に濡れる藤崎宮前駅.今日はお座敷最終日.雨上がりのなろ九沖.真っ黄色のイチョウの葉がカサカサと音を立てて舞い散っていた.午前8時の気温は11.2度.涼しいといえば涼しいが,統計研修とらのあなは密室なのですぐ蒸し暑くなるにちがいない.

◆研修最終日 ——

  • [熊本]最終日お座敷のスタートなう. posted at 09:28:59
  • [熊本]ロジスティック回帰だん.続いてポアソン回帰へ突入. posted at 10:30:10
  • [熊本]一般化線形モデルが終わって,最後の多変量解析へ. posted at 11:06:40
  • [熊本]なろ九沖統計研修は全日程だん. posted at 12:01:12

◆三日間の高座のお務めが終わった昼下がり,雨雲は消え去って青空がやっと戻ってきた.正午の気温は14.7度.北風がやや冷たい.遠くからは牛さんたちののどかな鳴き合いが聞こえる.

◆午後1時半,阿蘇くまもと空港着.合志から空港までは半時間で着いてしまった.やはり熊本市内の交通渋滞はタダゴトではないとのこと.車で移動するにはできるだけ市街地を回避しないといけないらしい.フライトまでの時間があったので,すっかり忘れていた日録をアップデートした.

◆阿蘇くまもと空港の┣┣" 撃ち —— 荒木優太(編著)『在野研究ビギナーズ:勝手にはじめる研究生活』(2019年9月1日刊行,明石書店,東京, 286 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7503-4885-8 → 目次版元ページ)の書評ゲラ修正を大手町にメール送信./第II部「(ほぼ)当てはまるビール原論」の第6章再校ゲラのチェック.

◆午後5時半,馬肉とともに阿蘇くまもと空港を離陸.午後7時に羽田空港着.都内は曇りときどき雨.気温は8度.熊本に比べれば快適な涼しさだ.羽田からのリムジンバスに乗れたので,午後8時半につくばらくらく帰還.午後9時の気温は5.2度.うん,涼しい涼しい.

◇本日の総歩数=8,757歩. 朝◯|昼◯|夜−. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測


27 november 2019(水)※朝から夜まで休みなし

◆午前5時半起床.曇り.気温13.8度.北東風.うう……

◆研修二日目 —— 着8時半,なろ九沖着.予報通り曇りときどき小雨.イチョウが舞い散る構内メインストリート.昨日が盛大にフシアワセだったので,今日は何が起ころうと失うものは何もない状態.

  • [熊本]実験計画法を突き進む. posted at 10:29:46
  • [熊本]昼休みなう。 posted at 12:11:49

◆お昼はなろ所長室にて井手所長とのランチ昔話タイム.みんなみんな年を取るのだ.

  • [熊本]乱塊法乱れ打ち. posted at 14:15:15
  • [熊本]予定通りモデル選択論へ. posted at 15:53:47

◆二日目が終わり,雨に濡れてとぼとぼ駅へ.藤崎宮前駅から雨を避けてアーケード街をひたすら南下.午後5時の気温は15.6度とあいかわらず高いまま.とりあえずホテル帰還.

◆小雨に濡れる夜はゆるりと過ごす.〈あかり道〉から始まる夜の細道はふたたび〈醸音〉へとつながっていくのだった.

◇本日の総歩数=10,296歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測


26 november 2019(火)※フシアワセは酒に流す

◆午前5時半起床.曇り.気温13.3度.北風.昨日はとても蒸し暑い一日だったが,今日はいったいどうなることやら.

◆熊本電鉄という初体験 —— 午前7時半,ホテルを出発し,またまたアーケード街を縦断して北上.地元でもほとんど知られていない?という熊本電鉄に乗る朝.くまモンだらけの二輌編成のワンマン運転で,市内から北へ向かう.沿線風景がのどかすぎる.熊本高専前駅下車.ひたすらのどか.

◆研修初日 —— 今日からのお座敷はなろ九沖だ:農研機構九州沖縄農業研究センター主催:研究パワーアップ企画〈Rを用いた統計データ解析〉.初めて足を踏み入れる.圃場と牧場と雑木林が広がり,はてしなくのどかである.セミナー室にて高座の準備を始めたのだが,いきなりフシアワセが乱入してきた.

  • [熊本]プロジェクターにぜんぜんつながらないという朝イチのフシアワセ. posted at 09:06:00
  • [熊本]HDMI も VGA もダメダメ(orz) posted at 09:10:39
  • [熊本]こりゃ参りましたなあ…… posted at 09:16:08
  • [熊本]けっきょくにっちもさっちも行かなくなって,PCをお借りするはめに. posted at 10:34:09
  • [熊本]パラメトリック統計学になだれ込む昼下がり.フシアワセは続く. posted at 14:04:35
  • [熊本]フシアワセのままパラメトリック統計学の泥沼にずぶずぶと. posted at 15:02:27
  • [熊本]やっと質疑の時間にたどりついた. posted at 16:03:58

◆よれよれ初日が終わり,夕暮れの薄暗がりの中をとぼとぼ熊本高専駅へ.駅前の信号が5分も変わらなかったので,電車をひとつ見逃してしまった.踏んだり蹴ったり.さらに,いきなり雨が降り出してまったくもう.行きはくまモン,帰りはサンタさん.熊電は賑やか.とりあえずホテル帰還.今日は朝から夕方までじたばたが続いた一日だった.

◆午後7時から,〈紅蘭亭・上通パビリオン店〉にて懇親会を開いていただいた.ありがたやありがたや.帰り道に〈醸音〉にちょっと寄り道してご挨拶を.〈大治郎〉を呑みながら〈モダンタイムス〉を観る熊本の夜は更けゆく.

◆明日も朝から夕方までお座敷がある.

◇本日の総歩数=12,010歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測


25 november 2019(月)※熊本統計巡業へ旅立つ

◆午前5時過ぎ起床.霧.気温16.5度.微風.ますます霧筑波.

◆[蒐書日誌]読売新聞大評が紙面掲載された:三中信宏「盗まれた羽根の行方 —— 大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件…カーク・ウォレス・ジョンソン著 化学同人 2800円」(2019年11月17日掲載|2019年11月25日公開).書評本:カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳]『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』(2019年8月10日刊行,化学同人,京都, 381 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-7598-2013-3 → 目次版元ページ

◆西へ飛ぶのだ —— 午前9時前,つくば駅.巡業への旅立ちの朝は霧が晴れず蒸し暑い.今の気温は17度もある.半袖でもよかったかもしれないくらい.羽田空港第一ターミナルは何だかすごく混雑していて,手荷物預け入れの長蛇の列が蛇のようにうねって伸びていた.優先でスキップして搭乗ゲートへ.それにしても蒸し暑いな.都内は曇り空.気温は17度.

◆午後2時前,阿蘇くまもと空港着.曇り空.気温19度.待つことなく桜町バスターミナルへと運搬される.いつの間にICカードが使えるようになったのか.ここに来るのは3年ぶりだし.午後3時,熊本市内に入る.熊本城はまだ復元工事の進行中.

◆旧バスセンターがすっかり建て代わっていて,おしゃれなデパートみたいな桜町バスターミナルとして大変身していたのに呆然.ムカシのバスセンターは雰囲気が薄暗く,バスの排気ガスがこもった場末感漂う建物だったのに(そこまで言う!),今やこんな明るい曲線美にかたどられた一角に様変わりしてしまった.びっくり仰天.2017年2月以来のご無沙汰だが,そのたった二年半の間に熊本の街ナカはそこかしこが更新されていた.熊本新市街の定宿へチェックイン.

  • [熊本]第I部「穀物と酵母——太古以来の名コンビ」(第1〜4章)再校ゲラのチェックだん. posted at 15:52:01
  • [熊本]第II部「(ほぼ)当てはまるビール原論」の第5章再校ゲラのチェックだん. posted at 16:30:20

◆夕暮れの並木坂にひとつまたひとつと灯りがとる.表通りだけでなく,裏通りにも変わったお店が点々とある.いつ来てもおもしろいエリア.古書店も多い.今宵は藤崎宮前駅近くのタイ料理〈クェンマイ〉にてしっかり “迎撃” された.熊本市内では人気のあるレストランとのことで,月曜にもかかわらず満席御礼だった.女性率とても高し.お座敷前夜なのにめっちゃ喰いまくった気がする.どうもありがとうございました.続いて,同じ建物の3階にあるバー〈NINi〉にてさらなる “迎撃” を受けた.

◆蒸し暑い夜,上通りから下通りまでアーケード街を縦断して新市街へ帰還.

◇本日の総歩数=11,380歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)= 87.35kg(+0.40kg) / 30.2%(−1.1%)


24 november 2019(日)※梅雨みたいに降り続く

◆午前7時過ぎのろのろ起床.あいかわらず雨が降り続いている.気温15.8度.北東風.

◆[蒐書日誌]読売新聞「12月1日(日曜)朝刊で紹介する予定の本」(2019年11月24日)※ワタクシの小評担当本:荒木優太(編著)『在野研究ビギナーズ:勝手にはじめる研究生活』(2019年9月1日刊行,明石書店,東京, 286 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7503-4885-8 → 目次版元ページ).

◆日曜の┣┣" 撃ち —— 来年度の東大での非常勤出講手続きをすませた./読売新聞読書委員として “駆け抜けた一年間” がようやく過ぎようとしている.来月12月10日(火)に大手町で開催される読書委員会慰労会は高知巡業と重なり出席できなくなったので,慰労会で代読してもらうメッセージを事前に用意した.

◆昼を過ぎてやっと雨が上がった.午後2時の気温は18.3度と冷え込みはまったくなくなり,湿った空気が淀んでいる.足元はまだ水浸し.お口直しのリンゴンベリー・ヨーグルト.北欧スカンジナビアの味わい.

◆日曜の┣┣" 撃ち(続) —— 南大沢の成績集計が終わったのでメール送信.

◆〈十勝ラクレット〉のモールウォッシュがあるので今宵はラクレット.葡萄の “お水” は Borgo di Marte Appassimento 2017.

◆[欹耳袋]東京大学「学環・学府特任准教授の不適切な書き込みに関する見解」(2019年11月24日)※「これらの書き込みは、当該教員個人または兼務先組織に関するものであり、学環・学府の活動とは一切関係がありません」.ま,実名でヘイトツイートしまくっているようでは当然なされるべき措置でしょう.

◆明日からの旅支度に余念なし.

◇本日の総歩数=1,893歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.95kg(−0.30kg) / 31.3%(+0.9%)


23 november 2019(土)※雨がしとしと降り続く

◆午前6時半起床.雨.気温9.9度.北風.

◆[蒐書日誌]本日発行の『図書新聞』(2019年11月30日第3425号)の特集〈朝倉書店創業90周年記念――作家・研究者・書店員が語る《出版と科学》 〉に寄稿した:三中信宏「本を書く科学者、書かない科学者」.他の寄稿者:竹内薫・佐伯和人・瀬名秀明・田中庸介・布川路子.

◆朝からずっと冷たい雨が降り続いている.真冬並みだった昨日よりも4度ほど高いものの,午後の最高気温は13.5度どまりだった.寒い週末.雨に濡れて食材の買い出しに出かける.

◆連続巡業の段取り —— 高知ではフシアワセは発生しないようだが,合志ではうまく切り抜けないと盛大なフシアワセが憑依するかも.大分は県庁の中なのでUSBメモリーをブスッと突っ込めば何とかなることはもうわかっている.

◆ “厨房勤労感謝の日” は切れ目なく雨が降る冷え冷えとした一日だった.夕餉には即席塩豚のポトフが栗のリングイネとともに登場.根菜・葉菜が大量消費されたので,野菜室が一挙に空いてしまった.

◇本日の総歩数=1,734歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 87.25kg(+0.40kg) / 30.2%(0.0%)


22 november 2019(金)※冷たい冬の雨に濡れて

◆午前5時半起床.曇り.気温5.0度.小雨に濡れる観音台は冬の寒さが到来している.午前8時の気温は5.1度.こりゃ寒い.さすがに寒い.全館暖房が入るのはまだ先のことなので,研究室で凍えないようにしないと.

◆冷たい雨が降り続き,このままでは凍えてしまうので,今日のランチは〈コワタイ〉のカオソーイで生き返る.ココナッツミルクの甘さとカプサイシンの威力おそるべし.これで午後もサバイバルだ!

◆[蒐書日誌]岸由二『利己的遺伝子の小革命:1970-90年代 日本生態学事情』(2019年11月18日刊行,八坂書房,東京, 278 pp., 本体価格3,500円, ISBN:978-4-89694-174-6 → 版元ページ)※さくっと読了.こういう自然科学の “戦史物語” はワタクシ自身も書いてきたのでとてもなじみがある.今なお点々と残る “生態学史的遺跡” の来歴を語れる書き手はもう少なくなってしまった.

まえがき「この分野に,広い視野で関心のありそうなのは,わたくしと同世代(2019年時点で70歳前後),あるいはこれからひと世代下で,研究者現役最後の日々を暮らす方々かと思われる.事情通のはずのそんな読者の皆さんは……」(p. 5)—— “事情通のはず” のシニア研究者たちはたくさんいるはず.

だから,さらに若い “戦争を知らない” 世代の生態学者あるいは進化学者たちは,大御所たちにこの本を突きつけて,「これってどーなんですかっ!」と “黒船” がやってきた頃の “日本生態学事情” について問い詰める楽しみが残されているだろう.しかし,まえがきを読むと,著者の岸さんはどうやら若手の読者にはあんまり期待していなくって,ワタクシ以上の世代を読者層として想定しているみたいね.

日本の生態学という個別科学のかつての “景色” の成立と “遺跡” の由来に関心がないとこの本は読む動機づけがないだろう.そのとき,本書は “リトマス試験紙” として使えるにちがいない.

「個々の研究者が個々の分野で卓越した業績をあげることと,研究者集団が自らの位置を現代生物学の構図のなかに適切に位置づける視野をもつことは,言うまでもなく相対的に独立した事態」という著者の指摘(p. 145)には全力で同意する.本書に所収された1970〜90年代の論考はそのための足場だ.

おそらく本書全体のまとめとも位置づけられるのは,第3部「ひとつの総括」の論考「現代日本の生態学における進化理解の転換史」(pp. 145-185)だ.出典は柴谷篤弘・長野敬・養老孟司(編)『講座進化・2:進化思想と社会』(1991年9月20日刊行,東京大学出版会,東京, x+236 pp., ISBN:4-13-064212-X).懐かしいねえ.

あとがき「付記」にも記されているが,本書の補遺となる文書は別途出されているので,併せて読むと背景事情がとてもよくわかるにちがいない:岸由二 2017. 嘉昭さん応答せよ.Pp. 342-358:辻和希(編)『生態学者・伊藤嘉昭伝 ― もっとも基礎的なことがもっとも役に立つ』(2017年3月25日刊行,海游舎,東京, x+421 pp., 本体価格4,600円, ISBN:978-4-905930-10-5 → 書評目次版元ページ).

◆午後からは本降りの雨が降り続き夕暮れに突入.最高気温は9.2度止まり.寒すぎる研究室はカオソーイ注入で何とか乗り切ったが,次なる難問は冷え冷えとした自宅でいかにして季節外れの寒気をしのぐか.外が寒けりゃ,中から暖まるしかないわなあ.雨夜のおすすめメニュー:おととい仕込んだぶり大根・ざる豆腐の雑炊・飛び切り燗.まもなく店じまいの時間です.

◆来週からの統計巡業先に『ビールの自然誌』再校ゲラを小脇に抱えて連れ歩くことになりそうなんですけど…….え,それまでにケリをつけて京都に送り返せ,って?(ひー)

◇本日の総歩数=4,178歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 86.85kg(−0.70kg) / 30.2%(+0.6%)


21 november 2019(木)※今季最低気温また更新

◆午前5時半起床.晴れ.ほとんど無風.気温は1.9度と今季最低を更新.氷点下の朝も間近.朝焼けグラデーション.今朝の最低気温は1.1度まで下がり,さすがに冬らしくしないとダメだろう.雲ひとつない観音台.午前8時の気温は6.4度.今日は乾ききった冷気に包まれているが,明日からは雨模様の日が続くとの予報.

◆[蒐書日誌]一昨日の大手町漁港からの鮮魚がさっそく着便した.今のところは整理している時間がないので,そのまま氷温庫に入れておこう.

◆からりと晴れた昼休み.正午の気温は12.9度と昨日よりもさらに低かったが,北西風がそれほど強くなかったので,ショートコース徘徊だん.歩き読み本:茸本朗『野食ハンターの七転八倒日記』(2019年11月13日刊行,平凡社,東京, 247 pp., 本体価格1,400円, ISBN:978-4-582-63224-8 → 版元ページ)をこわごわ. “マーライオン” にはなりたくない…….

◆午後の┣┣" 撃ち —— 『ビールの自然誌』再校ゲラ着弾.

◆[欹耳袋]大学非常勤講師の給料をめぐるあれこれ —— いま話題になっているはてな匿名ダイアリー「残念ながら大学の非常勤講師の報酬額が安いのは「侮辱」ではない」(2019年11月17日)の記事中に「ある大学の専任教員が別の大学の非常勤講師をやるというケースはいまだに少なくない。ポスドクと違ってどういう動機で引き受けているのかわからない」と書かれているので一言.

なろ城下町に本務地があるワタクシがずっと複数の大学で非常勤講師を兼業で続けてきたきっかけはもっぱら「知人から頼まれたから」ね.「〜大学へ出講してくれない?」という依頼は職場の理事長とか知り合いの大学教員から来る.そういう “私的人脈ネットワーク” 以外に非常勤講師をリクルートするすべがないからでしょ.本務地をもちながら非常勤講師をしている多くはワタクシと同じようなきっかけがあったんじゃないかと推察している.

元記事に書かれている「月給2.7万円」という金額は都内のふつうの私立大学だと “あるある” で,ワタクシもそういう安値を承知で引き受けたことがある(結局はやめさせてもらったが).ワタクシの場合,非常勤講師で儲けるという動機はまるでなく,自分の「高座の修行として」と割り切って続けた.なお,非常勤講師の給料に関しては「私立だから安い」とか「国立だから高い」という一般論は通用しない.千差万別.私立と国立の別なく大学間の “分散” がとても大きいし,講師の職階や年齢によっても大きく差があることは周知の通りだ.

ワタクシの非常勤講師経験で言えば,同じ国立大学でも,安いところは時給4000円台後半/60分だったが,高いところは “時給9,000円近く” でしかも講義時間105分は「みなし2時間」と計算するので,実額はその2倍になる.この出講先では「90分講義」→「105分講義」に変更後も, “時給” はそのままで「みなし2時間」換算も変わらなかったので,教務の担当者に「これって実質的な “15分” 分の “賃下げ” ですよねぇ」と愚痴ったことがある.

なろ城下町から大学に非常勤出講するには「兼業」と「依頼出張」のふたつの選択肢がある.前者の「兼業」の場合,出講先からは給料が出るが,本務地の給料は兼業時間分だけ差し引かれる.後者の「依頼出張」の場合は,本来の業務のひとつとみなされるので,本務地の給料は差し引かれないが,出講先から給料は支給されない.ワタクシは積極的に兼業という選択肢を選び,出講先からお金を出させるようにしている.一方,ほとんどのなろ研究者は依頼出張で大学に教えに行っているらしい.しかし,非常勤出講先でいわば “タダ” で講義をするというのはどう考えても社会的におかしいだろう —— それって講義という労働に対する報酬の “価格破壊” でしょ —— とワタクシは考える.

そんなわけで,なろ城下町の中では昔も今もワタクシはぶっちぎりで兼業しまくっている研究者とみなされている.とくに,フォーマルな「兼業規程」が適用されない今の身分(再雇用職員)になってからは完全なるフリーダムを満喫している.

—— 以上をまとめて公開:三中信宏|leeswijzer | note「大学非常勤講師の給料をめぐるあれこれ」(2019年11月21日).

◆日暮れて気温はすでに7.5度まで下がっている.南風なので予報通り天気は下り坂なのだろう.今宵は文字通りのスパゲティ・ポヴェレッロをつくってみた.目玉焼き用,ペコリーノソース用,そしてパスタ茹で用で3つのガスコンロを同時並行で使う.食材的には確かにビンボーでも,手際がよくないとタイヘンかも.

◆明日から週明けまではぐずついた空模様になり,雨が降ったりやんだりというこの季節にしてはめずらしい日々が続くとの予報.

◇本日の総歩数=7,980歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 87.55kg(+0.35kg) / 29.6%(+0.4%)


20 november 2019(水)※木枯らしもどき観音台

◆午前5時半起床.晴れ.気温8.7度.北西風.午前8時の気温は11.4度.蒸し暑かった昨日とは一転して,冬っぽい青空の観音台は乾燥した寒風が吹きつける.やっと木枯らし一番になるのかな.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来週から始まる西日本巡業のしたく.まずは R まわりのアップデートから.macOS と Windows 10 の両方あるのでじゃまくさい./今回の統計巡業日程は,来週が熊本,再来週が大分(別府),そして再々来週が高知と決まっている.観音台で出勤簿に毎朝ハンコを押さなくてもいい日々がまる3週間あまり続く.

◆青空が広がる昼休み.正午の気温は14.5度.強い西風がとても冷たそうなので,徘徊はやめようとの緊急動議が自分会議に提出され,即満場一致で可決された.窓の外は風がびゅーびゅー吹いている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 統計巡業の講義資料と実習データなどはすべてzip圧縮した上で,先方の担当者に連絡した.とりあえず,R関連アプリがちゃんと動いてくれればフシアワセは憑依しないだろう./熊本電鉄の時刻表を調べるという初体験.始点の藤崎宮駅って〈瑠璃庵〉のすぐ近くなんだぁ(ナットク).しかし,信頼できる現地情報によれば,大規模改築のため〈瑠璃庵〉も〈コルリ〉も長期休業中とのこと(orz).

◆夕方,冷たい北風はまだ吹いていたが,今日は関東地方の「木枯らし一番」とは認定されなかったようだ.それでも体感気温はだいぶ下がってきたので,今宵は暖かいものを食卓に用意するのが理にかなっているだろう.日暮れて気温はぐんぐん下がり午後8時には5度台に.今宵はたっぷりの日本酒と上等の味醂と再仕込み醤油そして生姜の薄切りでぶり大根を炊いてみた.ぶりのアラは塩と熱湯でしっかり下準備すれば生臭さはなくなる. ぶり大根は佐賀・嬉野温泉の温泉湯豆腐と〈奈良萬〉ひやおろしとともに.またまた飲み屋メニューだ.

◇本日の総歩数=3,226歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 87.20kg(−0.30kg) / 29.2%(−0.3%)


19 november 2019(火)※蒸し暑い都内の昼と夜

◆午前5時半起床.小雨.気温12.8度.西風.雨は上がって青空が広がってきたと思ったらまた曇り空に.今のところ気温が高いが,油断すると夜になって冷たい北風に凍えるとの予報.

◆今日は全日年休のフリーダムの都内出撃日.まずはオアゾ丸善にて「プレミアム早矢仕オムライス」の食味試験に一心不乱に従事する.

◆ランチタイムの混雑のなか,岸由二『利己的遺伝子の小革命:1970-90年代 日本生態学事情』(2019年11月18日刊行,八坂書房,東京, 278 pp., 本体価格3,500円, ISBN:978-4-89694-174-6 → 版元ページ)を読み耽る ——「社会生物学がいわば小さい黒船となって,日本の生態学の概念世界を西の進化論の動向に向かって一挙に開国させる」(p. 73).をを, “黒船” がここに.

◆午後1時から大手町にてインタビューを受ける.その後,神保町へ転戦.午後3時の都内の気温は19.3度.生ぬるい南風が吹いていて湿度も68%.最高気温は20.7度まで上がり,湿度も70〜80%もあって,寒くないどころかむしろ蒸し暑い.腕まくりをしてすずらん通りを行き来する人もいるほど.その後,午後5時前に大手町漁港へ向かう.夕暮れに地引網を引く.読書委員会の終了後は神保町へと流されていった.とっても有意義な神保町の二次会だった.

◆午前様寸前の帰宅とあいなった.けっきょく夜になってもぜんぜん寒くならなかった.こんなことでは困りますっ.

◇本日の総歩数=8,273. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.50kg(+0.30kg) / 29.5%(−0.4%)


18 november 2019(月)※曇りのち雨のち青空に

◆午前5時前起床.気温9.0度.外はまだ真っ暗.冷え込む早朝はお布団が無二の親友.曇り空から小雨が降り出す観音台.午前8時の気温は10.2度.西風.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 一週間後から火の国巡業が始まるので,何ヶ月かぶりに Windows 10 on Parallels Desktop を起動したら,案の定,待ってましたとばかりに「更新の祭典」がにぎやかに始まった.

◆[蒐書日誌]崔岱遠(文)・李楊樺(画)[川浩二訳]『中国くいしんぼう辞典』(2019年10月16日刊行,みすず書房,東京, xiv + 365 + VIII pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-622-08827-1 → 版元ページ)第1部「家で食べる」(pp. 1-114)読了.中国は食文化的に広いなあ.東西南北で同じ料理でも “種分化” してるみたい.『中国くいしんぼう辞典』はそれぞれの料理ごとにイラストが描かれているので想像が広がるが,リアルな料理写真も見てみたい気がする.

たまたまタイミングよく併読している:髙倉洋彰『中国D級グルメの旅』(2019年8月23日刊行,花乱社,福岡, 184+vi pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-910038-04-9 → 版元ページ)がその役目を果たしてくれる.たとえば「八宝飯」について『中国くいしんぼう辞典』では「もっちりねっとりとし,軟らかく滑らかな八宝飯は一家の皆が円満で幸せであるようにとの思いがこめられ」(p. 71)と書かれているが,『中国D級グルメの旅』ではカラフルな写真とともに「その甘さに悶絶した」(p. 141)と証言する.

◆雨上がりの昼休み.正午の気温は13.9度.日差しが暖かな昼休みはひさしぶりにロングコース徘徊.某研究所飛び地の倒木はいまだに撤去されていないし,フェンスも未修理のまま放置されている.なろ領地の果ての果てなのでさすがに目が届かないのだろうか.歩き読み本:毎日新聞「幻の科学技術立国」取材班『誰が科学を殺すのか:科学技術立国「崩壊」の衝撃』(2019年10月30日刊行,毎日新聞出版,東京, 269 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-620-32607-8 → 版元ページ)を読了した.丹念な取材と調査を踏まえ,過去四半世紀の日本の科学研究を取り巻く状況の変遷(=下り坂)を手際よくまとめた本.

◆[蒐書日誌]アリストテレスさんが3人まとめていらっしゃいました ——

  1. アリストテレス[金子善彦・濱岡剛・伊藤雅巳・金澤修訳]『動物誌[上]』(2015年11月27日刊行,岩波書店[新版アリストテレス全集・8],東京, ii+370+8 pp., 本体価格5,600円, ISBN:978-4-00-092778-9)
  2. アリストテレス[金子善彦・濱岡剛・伊藤雅巳・金澤修訳]『動物誌[下]』(2015年12月25日刊行,岩波書店[新版アリストテレス全集・9],東京, ii+299+96 pp., 本体価格5,600円, ISBN:978-4-00-092779-6)
  3. アリストテレス[濱岡剛・永井龍男訳]『動物論三篇』(2016年3月29日刊行,岩波書店[新版アリストテレス全集・10],東京, iv+420+21 pp., 本体価格5,400円, ISBN:978-4-00-092780-2)

◆午後の┣┣" 撃ち —— アマゾンの配送業者(デリバリープロバイダー)が変わってからというもの,農林団地で宅急便の “迷子” 事案が増えてきたみたいね.黒猫さんとちゃんと仲直りしてもらった方が受け取る側からすればありがたい.

◆[蒐書日誌]アナ・チン[赤嶺淳訳]『マツタケ:不確定な時代を生きる術』(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京, xiv+441+xxiv pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-622-08831-8 → 目次版元ページ)の大評原稿が完成した.つくづくフシギな本ですなあ.一冊丸ごと分野横断的な “変奏曲集” なので主題のライトモティーフさえ見失わなければ読み通せる.

◆ぜんぜん冷え込まない夜.下の写真だと日本の “挽きぐるみ” の太い蕎麦にしか見えないが,実はシシリアのピエンツァにある〈Podere il Casale〉製「栗のリングイネ(Linguine di castagne)」.栗の粉をパスタに練り込んだもの.これはもうシンプルにニンニク&唐辛子&EVオリーヴオイルでいただくしかない.

「栗のリングイネ」【食材】栗のリングイネ(100g)・ニンニク(1片)・唐辛子(1本)・EVオリーヴオイル(大さじ2)【調味料】岩塩(適量).

  1. ニンニクは薄切りに,唐辛子は種を取ってから細かくちぎる.
  2. フライパンにオリーヴオイルを入れ,ニンニクと唐辛子を投入してから超弱火で加熱する.けっして焦げないように30分ほど炒めて香り付けする.
  3. 栗のリングイネは塩(分量外)を投入した沸騰水で時間通り茹でる.
  4. 3 の茹で汁少々を 2 のフライパンに加え,軽くゆすってオリーヴオイルを乳化する.
  5. 3 のリングイネを 4 に投入して軽く和える.岩塩で調味してできあがり.

レシピ → het dagelijkse keukenleven「栗のリングイネ」|クックパッド「栗のリングイネ」.

◆明日は大手町界隈に出没する.

◇本日の総歩数=11,332歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.20kg(−0.25kg) / 29.9%(0.0%)


17 november 2019(日)※もうシュトーレン登場

◆午前6時過ぎ起床.晴れ.気温は5.1度.北東風.最低気温は3.9度.

◆[欹耳袋]Yahoo!ニュース「「フリー研究者」の時代がやってきた?!その可能性と課題(榎木英介 )」(2019年11月15日).

◆〈パン・ド・メグモリ〉×〈コーヒー・ファクトリー〉製「コーヒーシュトーレン」をいただくお昼前.先日のコーヒーフェスティバルで買ったもの.シュトーレンの甘みにコーヒーの風味が合体.開封したら即日食べ尽くさないとダメとのことなので,頑張って食べるん!

◆[蒐書日誌]読売新聞大評が紙面掲載されました:三中信宏「盗まれた羽根の行方 —— 大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件…カーク・ウォレス・ジョンソン著 化学同人 2800円」(2019年11月17日)※書評本:カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳]『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』(2019年8月10日刊行,化学同人,京都, 381 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-7598-2013-3 → 目次版元ページ)※自然史系博物館のバックヤード事情とか現代社会での存在意義(科学的貢献も含め)については,他書を見ればもっとくわしい情報が得られるだろう.しかし,本書のおもしろさは,この “ミュージアム軸” に対して,もうひとつの “フライ・フィッシング軸” を重ねた点にある.

近代の自然史系のミュージアムは動植物のコレクションづくりに尽力してきた.他方,本書に詳述されている通り,フライ・フィッシングの「毛針(フライ)」製作の伝統は別次元のコレクションを(後ろ暗いアンダーグラウンドで)つくり上げてきた.コレクションという行為の歴史をさかのぼるならば,ともにかつての “ヴンダーカンマー” という共通祖先にたどり着く.

したがって,この両者に共通する深層動機はコレクションを可能なかぎり充実させよう,できれば完璧を極めたいという “蒐集慾” にほかならない.ミュージアム軸とフライ・フィッシング軸というふたつの “蒐集慾” が交差した場が真夜中の大英自然史博物館だったというオチを読み取って,評者であるワタクシは深く納得した.

◆夕刻,アルマン・マリー・ルロワ[森夏樹訳]『アリストテレス 生物学の創造[上・下]』(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京)の大評原稿がやっと書き上がった.いつになく時間がかかったなあ.

◇本日の総歩数=1,596歩. 朝◯|昼−|夜◯. 計測値(前回比)= 87.45kg(−0.70kg) / 29.9%(0.0%)


16 november 2019(土)※昼下がりに虹がかかる

◆午前5時半起床.晴れ.南西風.午前6時の気温は3.4度と放射冷却できびしく冷え込んでいる.朝餉は昨夜のきりたんぽ鍋の比内地鶏スープを雑炊に仕立て上げた.

◆[欹耳袋]Nature > Editorials: The mental health of PhD researchers demands urgent attention. Nature, 575, 257-258.(2019年11月13日)※研究者としてのパフォーマンス(資金力や論文)を過度に重視することが若い世代の研究者たちにメンタルな問題をもたらす.

◆おだやかな日和の昼下がりの徘徊は北に向かう.エキスポセンターの噴水に虹が交差していた.岡本文雄『銅鑼:そのルーツを訪ねて』(1995年1月20日刊行,ビジネス教育出版社,東京, 24 color plates + 205 pp., 本体価格1,942円. ISBN:4-8283-0812-1)を松見公園ベンチで読了.「銅鑼の故郷はジャワであると考えてほぼ間違いない」(p. 47);「gong(銅鑼)という言葉は,もとはジャワ語であると言われている」(p. 71).

◆[欹耳袋]朝日新聞 > 好書好日「(インタビュー)大学出版部協会の現在と未来――開かれた「知」を目指して」(2019年11月15日)※東大出版会の黒田拓也さんが登場.

◆週明け早々 “アリストテレスさん” が3人そろって観音台到着予定.今月に入っていったい何人の “アリストテレスさん” がワタクシの書棚に新規降臨されたことやら.昔だったらコワくて近寄れなかったベッカー版ギリシャ語アリストテレス全集だって,今ではネット上にごろごろ転がっている.アリストテレス『動物誌』を訳したダーシー・ウェントワース・トンプソン(Aristotle[translated by D'Arcy Wentworth Thompson]『Historia Animalium』1910年刊行,Oxford at the Clarendon Press)はアリストテレス小伝(1913)の末尾で,「私は幼いときから父のひざの上で古代ギリシャ語を学び始めたが,名だたる思想家に比べれば児戯に等しい」(p. 31)と書いている.謙遜にも限度がある.そんなこんなで,やっとアルマン・マリー・ルロワ[森夏樹訳]『アリストテレス 生物学の創造[上・下]』(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京)の書評に取りかかれる.

◇本日の総歩数=8,391歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 88.15kg(+0.35kg) / 29.9%(−0.5%)


15 november 2019(金)※富有柿のシアワセな朝

◆午前5時半起床.晴れ.北風.今の気温は6.8度.青空の観音台は朝から北風が冷たい.午前8時の気温は11.0度.

◆朝から富有柿.果皮を剥いてからスプーンですくって賞味する.フルーツというよりはスイーツ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— とある所蔵本の捜索活動を昨日からずっと続けていたのだが,やっと生存が確認できたのはよかった.ただし,捜索のため本の山を大規模に掘り返したり動かしたりしてしまったので,ちょっとした振動でも大規模な “土石流” が発生するおそれが高まった./「<重要>メールシステムのトラブルについて」なるメール着弾.「確認する手順を添付にまとめましたので、手順をもとに詳細を確認してください。情報システム管理部」というメッセージとともに「メール確認手順.csv」なる添付ファイルがくっついてきた. “なろ城壁” は堅牢なはずなのだが,侵入を許すとはめずらしいことだ./とある大学の非常勤出講書類づくり. “なかのひと” がわざわざ来られて最終調整.ネ申ワード書類をいじっているうちに,プリンターがハングアップするというフシアワセが発生.なんだかんだで小一時間ほど振り回された.

◆陽光が眩しい昼休み.南東風.正午の気温は14.7度と昨日より6度も低いが,日差しがあるせいで寒くはない.ショートコース徘徊の歩き読み本:毎日新聞「幻の科学技術立国」取材班『誰が科学を殺すのか:科学技術立国「崩壊」の衝撃』(2019年10月30日刊行,毎日新聞出版,東京, 269 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-620-32607-8 → 版元ページ).

◆[欹耳袋]2019年10月23日(水)〜25日(金)に農林水産省農林水産技術会議事務局 筑波産学連携支援センター・情報通信共同利用館(電農館)3階セミナー室で開催された第222回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の下記5つの動画が,ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)が運営する統合TV〈分子系統樹推定法:理論と応用〉から公開された:

以上の動画は YouTube でも同時に公開されている:〈第222回農林交流センターワークショップ 分子系統樹推定法:理論と応用〉.

◆[蒐書日誌]穏やかな午後に舞い落ちてきた本2冊:

  1. デイヴィッド・クリスチャン[柴田裕之訳]『オリジン・ストーリー:138億年全史』(2019年11月15日刊行,筑摩書房,東京, 385+xxvii pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-480-85818-4 → 版元ページ)※ご恵贈ありがとうございます.
  2. 岡本文雄『銅鑼:そのルーツを訪ねて』(1995年1月20日刊行,ビジネス教育出版社,東京, 24 color plates + 205 pp., 本体価格1,942円. ISBN:4-8283-0812-1)※ゴングの某新刊に引き寄せられるように銅鑼の古書が届いた.ゴワ〜ン〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆寒い夜はきりたんぽ鍋で芯から暖まるしかない.

◇本日の総歩数=10,431歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.80kg(+0.35kg) / 30.4%(−0.2%)


14 november 2019(木)※雨降って暑くて寒くて

◆午前5時半起床.晴れ.気温10.5度.北西風.前夜の雨の名残りでそこかしこが湿っぽい観音台.雲間から青空がのぞいてきたので,これから回復するだろう.午前8時の気温は11.7度.西風がやや冷たい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 年内の┣┣” 撃ちカレンダーの改訂をした.今月下旬から師走のなかばにかけては統計巡業(西日本方面)が切れ目なく続くので,ほぼ3週間ほど出勤簿にハンコをまったく押さないことになる.こういう巡業は今のところは “依頼出張” としてめんどうな事務手続きをしているけど,そのうち大学への非常勤出講みたいにぱぁ〜っと “兼業” にするかな.

◆日差しが降り注ぐ昼休み.今日もショートコース徘徊してきたが,正午の気温は20.8度と暖かすぎる.こんな日にかぎってお弁当は前夜のプチあんこう鍋の残りを再利用した「あんこう雑炊」だったりする.茨城県はもうあんこうの季節に突入しているが,職場なので “お水” 抜きなのは残念無念だ.

◆今日の最高気温は21.8度まで上がったが,日暮れて冷たい北東風が吹き,午後8時の気温は10度も低い12.0度に.生ベーコンのパンチェッタと羊乳チーズのペコリーノと穴あきパスタのブカティーニという「3点セット」がそろったので,これはもう迷うことなくアマトリチャーナが夕餉の食卓に登場した.

「アマトリチャーナ」【食材(1皿分)】ブカティーニ(100g)・パンチェッタ(25g)・ペコリーノ・ロマーノ(10g)・玉ねぎ(1/4個)・EVオリーヴオイル(大さじ1)・缶詰トマト(ホール200g)・白ワイン(大さじ2)・ディル(生葉)【調味料】にんにく(1片)・鷹の爪(1本)・岩塩(適量).

  1. 玉ねぎとにんにくは薄切り,鷹の爪は種を取ってから小さくちぎる.
  2. パンチェッタは細切れに.ペコリーノはすりおろす.
  3. フライパンにオリーヴオイルを弱火で熱し,にんにくと鷹の爪を入れて香りづけする.焦げないよう要注意.
  4. 3 にパンチェッタを加え,じっくり脂が融けるまで炒める.
  5. 4 に 玉ねぎを入れ,中火に強めて炒める.火が通ったらトマトと白ワインを投入して半量になるまで煮詰める.
  6. 深鍋に湯を沸かして塩(分量外)を加え,ブカティーニを時間どおり茹でてから 5 に投入する.
  7. ブカティーニとトマトソースをよく混ぜてから,ペコリーノをふりかけてよく和える.パンチェッタから十分すぎる塩分が出るはずだが,必要なら岩塩で調味する.
  8. 深めの皿に盛りつけ,みじん切りにしたディルをトッピングしてできあがり.

レシピ → het dagelijkse keukenleven「アマトリチャーナ」.

◇本日の総歩数=10,238歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.45kg(−0.15kg) / 30.6%(+0.3%)


13 november 2019(水)※うすら寒い曇り空の朝

◆午前5時過ぎ起床.曇り.気温8.2度.北西の風.薄曇りの観音台は日差しもあまりなくうすら寒い.午前9時の気温は12.6度.青空が広がった昨日よりも格段に低い気温.北西風.

◆[欹耳袋]Life is Beautiful「格差の助長原理:正のフィードバック構造」(2019年11月12日)※「一旦、女性の活躍が難しい社会が確立して安定化してしまうと、男女が公正に機会を与えられる社会へとシフトすることは、とても難しくなる」.

◆午前の┣┣" 撃ち —— カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳]カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳]『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』(2019年8月10日刊行,化学同人,京都, 381 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-7598-2013-3 → 目次版元ページ)の大評ゲラ修正を大手町にメール送信.

◆正午の気温は16.0度.東風.まずまずの空模様の昼休みはショートコース徘徊.歩き読み本:矢島道子『地質学者ナウマン伝:フォッサマグナに挑んだお雇い外国人』(2019年10月25日刊行,朝日新聞出版[朝日選書・990],東京, 4 color plates + viii + 320 + 45 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-02-263090-2 → 目次版元ページ)の第7章「地質調査、そして地質調査 一八八二 – 八四」まで読了.

◆[蒐書日誌]晴れても曇っても,呑んでも呑まなくても,着便本は落ち葉のように降り積もるのだった.

  1. ジョナサン・シルバータウン[熊井ひろ美訳]『美味しい進化:食べ物と人類はどう進化してきたか』(2019年11月20日刊行,インターシフト,東京, 335 pp., 2,400円, ISBN:978-4-7726-9566-4 → 版元ページ)※Jonathan Silvertown って植物生態学の大御所でしょ? 「研究者はそのうち食い物の本を書き出す」説がまた支持された.ご恵贈感謝.
  2. 中村桂子『はぐくむ:生命誌と子どもたち』巻],東京, 2 plates + 293 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-86578-245-5 → 版元ページ)※新刊ご恵贈ありがとうございます.
  3. ヤマザキマリ,とり・みき『プリニウス・IX』(2019年11月15日刊行,新潮社[バンチコミックス45プレミアム],東京,ISBN:978-4-10-772176-1 → 版元ページ特設サイト)※読了した『アリストテレス』にもプリニウスは出てきた.
  4. 白石凌海『維摩経の世界:大乗なる仏教の根源へ』(2019年11月10日刊行,講談社[講談社選書メチエ・714],東京, 312 pp., 本体価格1,950円, ISBN:978-4-06-517890-4 → 版元ページ)※メチエ新刊は維摩経から.いつもご恵贈感謝です.
  5. 宮野真生子・磯野真穂『急に具合が悪くなる』(2019年9月25日刊行,晶文社,東京, 255 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-7949-7156-2 → 版元ページ)※四の五の言わずに読めという天の声あり.
  6. 蛯原健介『ワイン法』(2019年11月11日刊行,講談社[講談社選書メチエ・715],東京, 204 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-06-517905-5 → 版元ページ)※フランスワインの「原産地呼称制度(AOC)」がつくられた歴史的経緯について.
  7. D’Arcy Wentworth Thompson『Science and the Classics』(1940年刊行, Humphrey Milford[St. Andrews University Publications, no. XLIV], Oxford University Press, London, viii+264 pp. → 目次)※ランカシャーの古書店から届いた.Manchester Public Libraries からの除籍本.貸借カードが挿入されているが,誰一人として借り出した形跡がないぞ.日本国内にも所蔵館はたったひとつしかない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 先月の分子系統ワークショップの録画公開(統合TV)の事前チェック.

◆冷たい雨が降る夕暮れ時.魚売り場にあんこうの切り身があったので,今宵は汁物としてプチあんこう鍋を用意することでキマリ.

◆明日の天気予報:朝は風雨が強く,昼間は晴れて暑くなり,夜は冷たい北風で凍えるとのこと.いったい何をどう着ていけばいいのやら.新しい “改訂ビヤ樽” が京都からドスンと届いたので,さっそく呑まないといけないのだが,明日以降でもいーよねえ(きっと).

◇本日の総歩数=8,475歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.60kg(−0.30kg) / 30.3%(−0.8%)


12 november 2019(火)※収穫祭なる免罪符あり

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温7.2度.北西風.朝焼けグラデーションがきれい.今朝の最低気温は5.6度だった.日に日に冬の気配が忍び寄る観音台は紅葉を照らす朝日がきらきらとまぶしい.今日は夕方から伝統ある「農環研収穫祭」が予定されているので,〈Capo Zafferano Primitivo di Manduria 2017〉は早くも抜栓の儀を終え,静かにその時を迎える準備をしている.

◆[蒐書日誌]先日からコッソリ読み進んでいる本:崔岱遠(文)・李楊樺(画)[川浩二訳]『中国くいしんぼう辞典』(2019年10月16日刊行,みすず書房,東京, xiv + 365 + VIII pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-622-08827-1 → 版元ページ)※この本はアカン,読んだらアカン.内モンゴルの草原でむさぼり喰う羊のホネ付き肉(「手把肉」)とか背徳の化身.もうアカン.

◆天気がよすぎる昼休み.正午の気温は21.0度と,昨日より6度あまりも高い.強い北西風に煽られて,国道408号沿いの色とりどりに染まったフウノキの大きな葉っぱが舞い落ちる.ショートコース徘徊.あっつ〜

◆[蒐書日誌]アルマン・マリー・ルロワ[森夏樹訳]『アリストテレス 生物学の創造[下]』(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京, iv, pp. 293-586, 35, 本体価格3,800円, ISBN:978-4-622-08835-6 → 目次版元ページ)やっと読了.意外なほど時間がかかったのは,ギリシャ古典学者 D'Arcy Wentworth Thompson が随所でツッコミを入れたから.

◆夕焼けグラデーション.そろそろ収穫祭の祭り囃子が聞こえてきたぞ(幻聴

◆午後5時過ぎ,伝統ある農環研収穫祭はスタートから炎上するのだった.しこたま呑んでつくバス帰還.

◇本日の総歩数=11,416歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 87.90kg(+0.45kg) / 31.1%(+0.4%)


11 november 2019(月)※雨のち青空のちまた雨

◆午前5時過ぎ起床.下界が雨に濡れている.気温は12.1度.北東風.週明けの観音台.早朝は一時本降りになったが,その後はあがって青空が広がってきた.午前8時の気温は12.0度.また雲が広がってくる気配あり.

◆[蒐書日誌]読売新聞大評が公開されました:三中信宏「膨大な動物伝承に光 —— 生きもの民俗誌…野本寛一著」(2019年11月3日)※書評本:野本寛一『生きもの民俗誌』(2019年7月30日刊行,昭和堂,京都, xviii+666+xxiii pp., 本体価格6,500円, ISBN:978-4-8122-1823-5 → 目次版元ページ).

◆[欹耳袋]AbemaTIMES「アルバイトで食いつなぎ、論文執筆もままならない日々…“国策“が生んだ、行き場を失う博士たち」(2019年11月10日)→ AbemaTV

◆青空の昼休み.正午の気温は16.0度.西風が心地よい.ショートコース徘徊.歩き読み本:矢島道子『地質学者ナウマン伝:フォッサマグナに挑んだお雇い外国人』(2019年10月25日刊行,朝日新聞出版[朝日選書・990],東京, 4 color plates + viii + 320 + 45 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-02-263090-2 → 目次版元ページ)の第4章「東京大学地質学科初代教授 一八七七 – 七八」まで読了.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「減る博士課程進学 打開策は? 長谷川眞理子さんに聞く」(2019年11月11日)※「博士課程に進む人自身がアカデミアに固執しすぎると言われますが、それは変えられると思います」.

◆明日は農環研収穫祭の日だ.

◇本日の総歩数=10,059歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.45kg(+0.50kg) / 30.7%(−0.4%)


10 november 2019(日)※今日も朝から珈琲三昧

◆午前6時起床.晴れ.気温4.9度の寒い朝.北西風.

◆[蒐書日誌]読売新聞「11月17日(日曜)朝刊で紹介する予定の本」※ワタクシの担当本:カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳]『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』(2019年8月10日刊行,化学同人,京都, 381 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-7598-2013-3 → 目次版元ページ).

◆昨日と同じく秋晴れの好天になった.午前10時の気温は13.5度.センター広場では〈つくばコーヒーフェスティバル〉二日目がもう始まっていて,会場受付の長蛇の列が伸びていた.〈パン・ド・メグモリ〉のコーヒーシュトーレンをゲットしてから,〈南部珈琲〉のペーパードリップを賞味.いったん帰宅してから再出撃.今度は〈パネッツァ〉のパンなど.昼時近くはどの店も待ち客の列が長く伸びていた.日差しがとても強い.

◆午後は厨房作業の時間.先日,高崎市[旧・群馬町]の〈スーパーまるおか〉で買った緑レンズ豆が満を持して厨房に登場した.冷凍庫を占拠している過去の遺産のカレーソース,三色丼の豚挽き肉の残り,コロッケの具の玉ねぎ&牛挽き肉の余りを総動員して,「レンズ豆の即席キーマカレー」仕込みに没頭する. “冷凍遺産” には過去のカレーづくりの “痕跡” がいろいろ継承されていて,スペアリブのホネ(←ポトフ遺跡)とかマッシュルームの破片(←ハヤシライス遺跡)とか牛肉塊(←すね肉カレー遺跡)とか,予期されない想定外の “遺物” が出土する.

「レンズ豆の即席キーマカレー」【食材】緑レンズ豆(250g)・カレールー用食材(玉ねぎ・にんにく・しょうがとサラダ油)・無糖ヨーグルト(好きなだけ)・冷凍カレーソース(ありったけ)・缶詰トマト(1缶)【調味料】香辛料類一式・コリアンダー(生葉).

  1. カレールーはいつもどおりつくる.
  2. 鍋に水500ccを火にかけレンズ豆を投入,沸騰したら弱火にして10分下茹でする.
  3. 1 のカレールーに缶詰トマトを投入し,2 のレンズ豆を煮汁ごと移す.
  4. さらに,解凍したカレーソース類を 3 に投入して加熱,沸騰したら弱火にする.
  5. ヨーグルトを加えて調味,最後にガラムマサラを振ってできあがり.
  6. ターメリックライスとともに食卓へ.お好みでコリアンダーの葉を散らしてトッピング.

ターメリックライスの炊き方は以下の通り:

  1. 白米2合を研いで通常の分量の水加減にする.
  2. ターメリック粉末を小さじ1投入してよくかき混ぜる.
  3. バター10gを加えて,通常通りの火加減で炊飯する.

首尾よくできあがったので,ターメリックライスとコリアンダー(葉)とともに.サラダはディルを刻み込んだポテトサラダ. “お水” はよなよなエール.

レシピ → het dagelijkse keukenleven「レンズ豆の即席キーマカレー」.

◆明日からはまた平日労働日.

◇本日の総歩数=5,092歩. 朝◯|昼○|夜△. 計測値(前回比)= 86.95kg(−0.80kg) / 31.0%(+0.8%)


9 november 2019(土)※秋晴れのコーヒー徘徊

◆午前6時半起床.晴れ.気温9.0度.北東風.

◆秋晴れの昼下がりは雲ひとつない青空が広がる.センター広場で開催されている〈つくばコーヒーフェスティバル〉会場をひとまわりしてきた.

◆[蒐書日誌]柳沢英輔『ベトナムの大地にゴングが響く』(2019年11月1日刊行,灯光舎,京都, x+311+6 pp., 本体価格2,700円, ISBN:978-4-909992-00-0 → 目次版元ページ著者サイト)読了.ベトナム少数民族の音楽伝統としてのゴング文化の詳細な現地研究調査を踏まえた考察.ワタクシ的には二次元体鳴打楽器としてのゴングの音響分析と調音・調律の手順が興味深かった.とりわけ,本書からリンクされている現地でのゴング演奏動画(「墓放棄祭」などの行事に際しての)は他ではちょっと見聞きできない音情報源だ.ひとつのゴングセットを構成する「こぶ付きゴング」と「平ゴング」の奏法のちがいとリズムと旋律の役割分担など,実際に動画で見てみないとわからない.

◆快適な秋晴れの一日が暮れて,夜のお仕事は昨日ゲットした Le Rustique Brie ホール(1kg)の切り分けの儀式.とりあえず4等分して,半量はすぐ食べるだろうから氷温室へ,そして残り半量はしっかり密封した上で冷凍室へ入れた直後に,白カビチーズを冷凍してはならぬとの “天の声” が聞こえたので,あわてて冷凍室から氷温室へ戻す.もうブリーだらけでギュウギュウ詰め.はい,しっかり食べつくしましょうね.よく考えてみれば,毎回100g食べていれば「たった10日」で1kgを完食できるので,まあたいした量ではないともいえるかな.せっかくの切り分けセレモニーなので,ちょいと100gほどテイスティングして,と.

もう15年ほど前のこと,パリのリヨン駅構内にあるレストラン〈Le Train Blue〉で Willi Hennig Society のバンケットがあったときは,フルコース料理の最後に “デザート” として熟成「Brie de Meaux(AOC)」が一人200gずつ運ばれてきた.フランスの食文化ではこれくらいのチーズの量は “デザート” なんだと納得したしだい.

でも,さすがにブリーと天然酵母パンだけでは晩ごはんにならないので,昨日のアイリッシュ・シチューにペンネ・リガーテを付け合わせた.骨付きラム肉はもうほろほろ崩れるほど.笠間〈マノメ工房〉のシチュー皿がデビューした.昼間にコーヒーフェスティバル会場で買ったもの.

◆明日もいい天気が続くとの予報.

◇本日の総歩数=1,639歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 87.75kg(−0.35kg) / 30.3%(+0.3%)


8 november 2019(金)※立冬が来ても豊漁御礼

◆午前5時起床.晴れ.気温7.1度.北東風.立冬の朝の観音台は冷気が漂う.午前7時の気温は9.5度.朝イチの BGM はゲルギエフ/ウィーンフィルのザルツブルク音楽祭〈トゥーランドット〉.トゥーランドット姫コワすぎる.リューかわいい.

◆[蒐書日誌]先日の大手町漁港で水揚げされた鮮魚たちがつくばに直送されてきた.今回はいつもの読書委員会よりも漁獲量がやや多かったみたい.読みますから、よろしくお願いします。

  1. 信友直子『ぼけますから、よろしくお願いします。』(2019年10月25日刊行,新潮社,東京, 253 pp., 本体価格 1,364円, ISBN:978-4-10-352941-5 → 版元ページ
  2. 毎日新聞「幻の科学技術立国」取材班『誰が科学を殺すのか:科学技術立国「崩壊」の衝撃』(2019年10月30日刊行,毎日新聞出版,東京, 269 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-620-32607-8 → 版元ページ
  3. 岸由二『利己的遺伝子の小革命:1970-90年代 日本生態学事情』(2019年11月18日刊行,八坂書房,東京, 278 pp., 本体価格3,500円, ISBN:978-4-89694-174-6 → 版元ページ
  4. ルイ・クペールス[國森由美子訳]『オランダの文豪が見た大正の日本』(2019年10月30日刊行,作品社,東京, 350 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-86182-769-3 → 版元ページ
  5. 武隈喜一『マンハッタン極私的案内』(2019年6月30日刊行,水声社[水声文庫],東京, 344 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-8010-0426-9 → 版元ページ
  6. セース・ノーテボーム[𠮷用宣二訳]『サンティアゴへの回り道』(2019年6月30日刊行,水声社,東京, 374 pp., 本体価格4,000円, ISBN:978-4-8010-0437-5 → 版元ページ
  7. 木村ゆり『Saudade: nostalgic journey around the world』(2019年7月30日刊行,幻冬舎メディアコンサルティング,東京, 239 pp., 本体価格1,200円, ISBN:978-4-344-92377-5)
  8. 髙倉洋彰『中国D級グルメの旅』(2019年8月23日刊行,花乱社,福岡, 184+vi pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-910038-04-9 → 版元ページ
  9. 栖来ひかり『時をかける台湾Y字路:記憶のワンダーランドへようこそ』(2019年10月31日刊行,ヘウレーカ,東京, 246 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-909753-05-2 → 版元ページ
  10. 北斎館(編)『北斎:視覚のマジック —— 小布施・北斎館名品集』(2019年10月23日刊行,平凡社,東京, 175 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-582-66218-4 → 版元ページ
  11. 皆川典久『美しい3D地図でみる東京スリバチ地形散歩:都市新発見編』(2019年11月8日刊行,洋泉社[新書y・331],東京, 254 pp., 本体価格1,280円, ISBN:978-4-8003-1749-0 → 版元ページ
  12. 皆川典久『美しい3D地図でみる東京スリバチ地形散歩:路地大冒険編』(2019年11月8日刊行,洋泉社[新書y・332],東京, 263 pp., 本体価格1,280円, ISBN:978-4-8003-1751-3 → 版元ページ

◆今日のランチは高野台のJICA筑波国際センター食堂にてカンボジアのラグ・サッモアンを.ここに来るのはひさしぶり.

◆JICAランチからの帰りしな,とあるパン屋にたまたま立ち寄ったところ,想定外の Le Rustique Brie Jean Verrier のホール(1kg)が木箱に入って店頭に並んでいた.お値段も手頃.小躍りしつつ確保.ブリーはイチョウ切りにして冷凍保存すればいいとのこと.わぁ.これでしばらくはフロマージュ三昧だ.

◆日中は暖かくても夜になれば寒さが身にしみる.今宵は骨付きラム肉とインカのめざめとにんじんと玉ねぎを大量に投入してアイリッシュ・シチューを仕込んだ(レシピ → het dagelijkse keukenleven「ラム肉のアイリッシュ・シチュー」).洋風の “肉じゃが” なので手軽にできてとてもいい.パスタとしてブカティーニを付け合わせてみたが,ソースがさらさらし過ぎてイマイチだったかも.一晩過ぎればもう少しいい感じになるだろう.

◆この週末はうろうろしない予定.

◇本日の総歩数=4,540歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 88.10kg(−0.20kg) / 30.0%(−0.3%)


7 november 2019(木)※すっきり秋晴れの一日

◆午前5時半起床.晴れ.気温6.5度.微風.筋雲が流れる観音台は今朝も秋晴れの青空が広がる.午前8時の気温は11.0度.西風.

◆午前の┣┣" 撃ち —— とある非常勤出講関連書類群を何とかでっち上げたので,「余白が足りません」とか印刷アラームどもはすべて無視してこのまま提出することにする.Word様がトゥーランドット姫のように無理難題を次々にふっかけるので,首をはねられないうちにとっとと退散するのがベストね.

◆薄雲が広がる昼休みは南西風が暖かい.正午の気温は18.8度.ショートコース徘徊.

◆午後の┣┣" 撃ち —— カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳]『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』(2019年8月10日刊行,化学同人,京都, 381 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-7598-2013-3 → 目次版元ページ)の大評原稿を大手町に送信.11月17日(日)紙面掲載予定./ついでに,年末用の「2019年の3冊」と「読書委員この1年」の原稿も読売新聞に送った.読書委員を一年続けてきた最大の収穫は「息を吸うように本を読み,息を吐くように書評を書く」リズムが確立したことかもしれない.

◆[蒐書日誌]柳沢英輔『ベトナムの大地にゴングが響く』(2019年11月1日刊行,灯光舎,京都, x+311+6 pp., 本体価格2,700円, ISBN:978-4-909992-00-0 → 目次版元ページ著者サイト)※本書はゴングが母国ベトナムの中部高原先住民族の中でどのように音楽文化として継承されてきたのかを探った研究書だ.とくに,楽器としてのゴングの音響的特徴やチューニングそして演奏法に関してとてもくわしく調べられていて興味が湧く.

かつて十数年前に新宿区民オペラがプッチーニの歌劇〈トゥーランドット〉を上演したとき,ワタクシは木琴奏者(シロフォンとバス・シロフォン)として参加した.総譜には「中国ゴング(Gong Chinesi)」を用いるよう指定されているが,この上演に際しては12個ひとそろいのベトナム製ゴングセットをレンタルした(→ 日録2006年8月27日).オーケストラピットの背後からゴングの音圧に終始押された体感を今でも覚えている.

—— 本書を手に取ったのもきっと何かのご縁だろう.

◆日中は20度超えの暖かさでも,朝晩はめっきり冷え込んできた.明日は立冬.

◇本日の総歩数=7,404歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 88.30kg(+0.50kg) / 30.3%(+0.1%)


6 november 2019(水)※粕汁つくれば一石二鳥

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温6.3度.北西風.朝焼けグラデーション.空高く青空が広がる朝の観音台は空気が冷たい.今朝の最低気温は5.0度,午前9時の今は12.4度.日中はまた20度くらいまで暖かくなるとの予報.

◆今日も快晴の昼休み.正午の気温は18.2度.北西風.ショートコース徘徊.里の景色は秋から冬へと.

◆日が暮れてまた一桁台の寒さが戻ってきた.稲葉酒造場の新酒の酒粕がまだたくさんあるので,今宵は熱々の鮭の粕汁をつくり,〈男女川〉初しぼりの残りをすっからかんにした.最後は先日拾った “なろ銀杏” の土鍋ごはん.

◆明日もいい日和になるとのこと.

◇本日の総歩数=8,782歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.80kg(−0.40kg) / 30.2%(−0.2%)


5 november 2019(火)※秋晴れの大手町漁港へ

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温はなんとなんと3.9度という冬みたいな冷え込み.もちろん今季最低を大幅に更新,ほぼ無風できりきりむ放射冷却したせいか.連休明けの観音台は早くも初冬の青空が広がり,空気がぴりぴり冷たい.今朝の最低気温は3.5度.午前8時になっても9.4度と二桁にならない.

◆午前の┣┣" 撃ち —— ひさしぶりに怒ってしまった:「このWord書式は通常の常識を超えた複雑奇怪な設定がなされており,このままでは非常勤出講の履歴書は作成不可能です.内容的には責了としますので,貴職におかれましては満足のいくまで書式を修正してください.本件に関して私はこれ以上の対応はしません」.ま,ものには限度というものがあるわなあ./今月末のなろ九沖統計研修の受講者名簿が届いた.意外にも熊本だけではなく九州各県から合志に集結するんだ.

◆正午の気温は16.8度.日差しと南風が暖かい昼休みはショートコース徘徊.歩き読み本:矢島道子『地質学者ナウマン伝:フォッサマグナに挑んだお雇い外国人』(2019年10月25日刊行,朝日新聞出版[朝日選書・990],東京, 4 color plates + viii + 320 + 45 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-02-263090-2 → 目次版元ページ)の読み始め.

◆秋晴れの夕方はいつもの大手町漁港へ.鮮魚を釣り上げようと思ったら,向こうから積極的に食いついてきた本もあり.逆指名ですかそうですか. 午後9時半,つくば帰還.改札を出たところでまたしてもトラップされてしまい,熱燗をちょいとひっかけてから帰宅.まったくもって罪なお店だ.

◇本日の総歩数=11,346歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 88.20kg(+0.40kg) / 30.4%(+0.6%)


4 november 2019(月)※秋晴れ筑波山麓を徘徊

◆午前7時半のろのろ起床.すっきり青空.気温10.3度.北西風.

◆[欹耳袋]講談社・現代ビジネス「人気銘柄「風の森」蔵主が語る「生き残るために僕がやったこと全て」—— 油長酒造・山本長兵衛13代目インタビュー」(2019年11月4日)※2016年に橿原市昆虫館サイエンスカフェでお会いしたが,13代目を襲名されたとは知らなかった.

◆午前のうちに北関東を駆け抜けて,筑波山麓へ.まずは多国籍料理〈塩梅〉にてフォーをいただく昼下がり.続いて,稲葉酒造場にて初しぼり(限定)と〈男女川〉新酒の酒粕をゲットして帰還.

◆[欹耳袋]台湾映画同好会(台灣電影同好會)「書評のご紹介とお知らせ」(2019年10月22日)※先月ワタクシが読売新聞に出した郭怡青(文)・欣蒂小姐(絵)・侯季然(映像)[小島あつ子・黒木夏兒訳]『書店本事:台湾書店主43のストーリー』(2019年6月27日刊行,サウザンブックス,東京, 432 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-909125-12-5 → 目次版元ページ映像リスト《書店裡的影像詩Ⅰ-日文字幕版》 [YouTube])書評記事の紹介と関連情報です.

◆今日は稲葉酒造場で〈すてら〉純米大吟醸の新酒酒粕をゲットできたので,夕餉の食卓には必殺の酒粕ポテトサラダが登場した.

「オトナの酒粕ポテトサラダ」【食材】じゃがいも(大3個)・玉ねぎ(1/4個)・酒粕(100g)・雑穀シリアル(20g)・ブルーチーズ(10g)・EVオリーヴオイル(大さじ1)【調味料】マヨネーズ(50g)・塩(適量)・黒胡椒(適量)・粉末パセリ(適量).

  1. たっぷりの湯を沸かし,塩を投入してじゃがいもを茹でる.
  2. ボウルで酒粕とマヨネーズをしっかり混ぜ合わせる.
  3. 玉ねぎはみじん切りに,雑穀シリアルはすり鉢でざくっとつぶす.
  4. じゃがいもが茹で上がったら,皮をむいて粗くつぶし,オリーヴオイルをまわしかける.
  5. 4 に 2 と 3 を投入し,崩したブルーチーズと黒胡椒を加えてしっかり和える.
  6. パセリを振ってできあがり.野菜類(分量外)とともに皿に盛りつける.

ポテトサラダとはいえ意外に手間隙がかかる.ポイントは「酒粕投入量は “オトナ度” に比例する」という点.旧バージョンの酒粕ポテトサラダ( het dagelijkse keukenleven「酒粕ポテトサラダには〈ソガ・ペール・エ・フィス〉を」|クックパッド「酒粕ポテトサラダ」)よりも “オトナ度” が高く設定されている.

また,このポテトサラダは,けっしてご飯のおかずではなく,最初から “お水” のアテとしてつくるので,もちろんお子ちゃまには禁物.フレッシュな酒粕ほどアルコールの強さと香りが油断できないので要注意.

吟醸香が濃厚に漂う酒粕ポテトサラダは “お水” の友. せっかくつくったので,同じく〈稲葉酒造場〉の初しぼり「男女川」特別純米無濾過生原酒を抜栓.ほんのりうすにごり.先行販売限定36本のうちの一本.わーん,うまいよぉ〜(泣くな)

レシピ → het dagelijkse keukenleven「オトナの酒粕ポテトサラダ」|クックパッド「オトナの酒粕ポテトサラダ

◆[蒐書日誌]充実夕飯のあとはゴロゴロ寝読みするん —— 安倍夜郎『深夜食堂(第22巻)』(2019年10月5日刊行, 小学館,東京, ISBN:978-4-09-860434-0 → 版元ページ一覧リスト).シリーズ最新巻を速攻読了.

◆さて,明日からちゃんと社会復帰できるかどうかの瀬戸際に立たされている.

◇本日の総歩数=2,783歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測


3 november 2019(日)※文化の日は椿姫を観る

◆午前6時半起床.雲が多めの晴れ.気温10.4度.北西風.湿度78%.

◆[蒐書日誌]読売新聞大評が紙面掲載されました:三中信宏「膨大な動物伝承に光 —— 生きもの民俗誌…野本寛一著」(2019年11月3日)※書評本:野本寛一『生きもの民俗誌』(2019年7月30日刊行,昭和堂,京都, xviii+666+xxiii pp., 本体価格6,500円, ISBN:978-4-8122-1823-5 → 目次版元ページ).動物民俗の研究成果は大きな伝承知識体系を形成する.全700頁の大著だが,生きものをめぐる民話・伝承・禁忌はかぎりなくリアルで奥深い.

◆せっかく穏やかな日和の文化の日なんだから文化的に過ごさないと.宮島〈古今果〉の「純米甘酒生キャラメル」の濃厚な酒粕風味を味わい日本酒文化に思いを馳せつつ,アナ・チン[赤嶺淳訳]『マツタケ:不確定な時代を生きる術』(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京, xiv+441+xxiv pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-622-08831-8 → 目次版元ページ)をめでたく読了する.けっこう時間がかかった.

メインタイトルとカバージャケット図柄だけを見て本書を手に取った読者の多くは「想定外の内容だ」と途中で放り投げてしまうかもしれない.書評候補本としてワタクシも一読したが,本書のとらえどころの「なさ」はあえて著者が狙ってきたものだと気づくまでには時間がかかった.主役の “マツタケ” は生きものの菌類というだけではなく,直喩・隠喩・換喩などさまざまなレトリックを通じてひとつの概念ネットワークを形成している.

本書は一言でいえば「マツタケを主題とする変奏曲集」だ.全体を貫く一貫したテーマを追究するのではなく,ライトモティーフとしての “マツタケ” がさまざまな姿かたちで,変幻自在かつ神出鬼没の演技を見せる.「いまこそ,マツタケの出番である」(p. 7)という宣言は大言壮語ではない.多くの読み手を混迷の渦をたたき込む挑戦的な本書は,書き手が読み手に対して結論を逆に問いかける斬新さと不確定さを特徴とする.つまり,確定統一された筋書きはなく,到達先が決まらないアセンブリッジ(集合).したがって,読み手によって読後感は大きく異なるかもしれないフシギな本だ.

本書における “マツタケ” を主役とするネットワークは,現代経済・世界地理・国際政治・難民問題・民族差別・分子系統・菌類分類・保全生態・森林政策など想定外の幅広さをカバーする.だから,読者の関心の範囲がどれほど多様であっても,本書にはおもしろいと思う章が含まれているだろう.

著者アナ・チンが主宰する「マツタケ世界研究会(Matsutake Worlds Research Group)」が本書の母体となっている.共同研究者たちが活動するオレゴン(アメリカ),フィンランド,雲南(中国),そして日本での “マツタケ” 研究の具体例が本書に厚みを加えている.

“マツタケ” が出現する場は “周縁的” であると著者はいう.現代資本主義による環境の破壊と収奪がもたらす不安定・不確定な周縁的環境——「スケーラブルではない」と著者は形容する——がむしろ未来へと広がる可能性を孕んでいるとする著者の主張はすぐには飲み込めない.しかし,スケーラブルではない不確定性は,多くの生きものから成る——ヒトも必然的にそこに組み込まれる——生態系(群集)ネットワークの特性だろう.人為が加わる不安定な生態系の実例として,現代日本の里山での保全活動(マツタケ狩りも含めて)が詳細に考察されている.

ワタクシは自然科学系の評者なので,その視点から本書を読みそして解釈した.全体を通して,文化人類学=民俗学的な視点が終始透徹されているようにワタクシは感じたが,別の評者はきっとまったく異なる視点からの批評をすることになるにちがいない.それくらいフシギな “きのこ本” だった.

◆夕方,初の高崎芸術劇場へ.今夜はトリエステ・ヴェルディ歌劇場による〈椿姫〉が上演される.午後4時開演で,終わったのは午後7時.ひさしぶりのオペラの夜だった.

◆小雨降る夜.明日は朝イチでつくぱに舞い戻る.

◇本日の総歩数=4,732歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測 / 未計測


2 november 2019(土)※上州ミッションへ出撃

◆午前6時過ぎ起床.晴れ.気温8.1度とさらに寒くなる.北風.

◆[蒐書日誌]野本寛一『生きもの民俗誌』(2019年7月30日刊行,昭和堂,京都, xviii+666+xxiii pp., 本体価格6,500円, ISBN:978-4-8122-1823-5 → 目次版元ページ)の大評は実に四校までチェックが入り校了.明日文化の日に紙面掲載.

◆朝のうちに関東平野を横断して上州に進撃する.三連休なのでどこの高速道もとんでもなく渋滞しているようだが,北関東道だといつも混雑しない.

◆午前のうちにミッションをすませ,マツタケの天ぷらをいただきながら,アナ・チン[赤嶺淳訳]『マツタケ:不確定な時代を生きる術』(2019年9月17日刊行,みすず書房,東京, xiv+441+xxiv pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-622-08831-8 → 目次版元ページ)を読み進む連休初日の午後.

◆夜,〈デルムンド〉にて「ハンブルジョア(Mサイズ)」.とはいえ,パスタ350gに加えて,巨大なハンバーグが鎮座し,最後にミートソースがたっぷりかかっている.その後,高崎温泉〈さくらの湯〉へ.湯上がりにはやっぱりコーヒー牛乳!

◆[つくば]macOS Catalina 人柱記録 —— iPhone と MacBook Pro の「写真」同期はもう大丈夫みたい.

◆明日は文化の日なので文化的な一日を過ごそう.

◇本日の総歩数=4,556歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 87.80kg(+0.10kg) / 29.8%(+0.4%)


1 november 2019(金)※霜月の幕開けは霧の朝

◆午前5時過ぎ起床.霧筑波.気温は9.6度と霜月に入っていきなり一桁台の冷え込み.最低気温は9.0度だった.もちろん今季最低を更新.霧の中に沈む観音台は通勤渋滞がいつもよりひどい.午前8時の気温は10.9度と昨日より5度も低いが,日中は夏日ラインに接近するとの予報.気温の日較差がこんなにあったんじゃ,長袖ですか,半袖ですか?

◆[蒐書日誌]カーク・ウォレス・ジョンソン[矢野真千子訳]『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件:なぜ美しい羽は狙われたのか』(2019年8月10日刊行,化学同人,京都, 381 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-7598-2013-3 → 目次版元ページ)の書評原稿をやっと書き上げた.本書のストーリー展開の魅力はふたつの “蒐集慾” が博物館でぶつかり合うところだ.書評掲載は年内としてもおそらく師走になるかな.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前9時過ぎ,いきなり瞬間停電が.しかし,ワタクシには何の影響もないのだ./月例アナウンスを各メーリングリストに送信.

◆ぽかぽか陽気の昼休み.正午の気温は20.6度.弱い西風.ショートコース徘徊だん.歩き読み本:四方田犬彦『女王の肖像:切手蒐集の秘かな愉しみ』(2019年10月30日刊行,工作舎,東京, 10 color plates + 285 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-87502-513-9 → 版元ページ)※うわ,蒐集慾おそるべし〜

◆午後の┣┣" 撃ち —— 田中里尚『リクルートスーツの社会史』(2019年10月10日刊行,青土社,東京, 526+vi pp., 本体価格3,600円, ISBN:978-4-7917-7206-3 → 版元ページ)の大評原稿が完成した./いま抱えている書評予定本の残りは『アリストテレス(上・下)』『マツタケ』『中国くいしんぼう辞典』の3冊(というか4冊)なのだが,すべて同じ某出版社の本であるところがとてもコワい.年末まで “みすず漬け” になるのか.

◆[蒐書日誌]沖縄の首里城は不慮の火事であえなく全焼してしまった.この首里城正殿のかつての姿は,集団遺伝学者リヒアルト・ゴルトシュミットによる紀行本:Richard Goldschmidt 1927. Neu-Japan: Reisebilder aus Formosa den Ryukyuinseln ・ Bonininseln ・ Korea und dem südmandschurischen Pachtgebiet. Verlag von Julius Springer, Berlin, VIII+303 S mit 215 Abbildungen und 6 Karten → 書評目次)に載っている(下の写真).本書の琉球列島の章(pp. 111-208)はすでに翻訳されている:R・ゴールドシュミット[平良研一・中村哲勝訳]1981. 大正時代の沖縄. 琉球新報社[発行]/那覇出版社[発売],沖縄, 175 pp. → 目次).この翻訳では,原書の写真すべてが掲載されておらず,しかも元のモノクロ写真は鮮明なのに,訳本では画質が著しく劣化していてとても残念だ.Goldschmidt はのちに「hopeful monster(望みある怪物)」なるマクロミューテーション学説で悪名を轟かせてしまい,現在では異端の進化学者として記憶されている.しかし,日本の旧領土を隈なく旅して著した本書『Neu-Japan』は一世紀前の貴重な写真記録として再評価してもいいだろう.国内の公的機関にはほとんど所蔵されていない稀覯本だが.観音台の “私設図書館” にはちゃんとあったりする.

◆日中の最高気温は22.9度まで上がったが,日暮れてぐんぐん寒くなる.午後9時の気温は13.3度.凍え死なないように熱々のきのこ汁に新蕎麦のぶっかけおろし.そしてひさしぶりの〈奈良萬〉純米ひやおろし.喜多方の至宝.

◆macOS Catalina 人柱記録 —— 10.15.1 にバージョンアップしてから,「写真」の同期が正常に行われるようになった.よしよし.

◆明日からの三連休は上州ミッションが予定されている.

◇本日の総歩数=9,468歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 87.70kg(−0.35kg) /  29.4%(−0.9%)


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