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日録2011年10月 


31 oktober 2011(月)※えっ,もう月が変わってしまう

◆午前4時半起床.真っ暗な夜明け前.午前5時の気温は14.0度.曇っているのかな? 外がやっと明るくなってきたが,やや雲が多いようなので,朝焼けと日の出は拝めないだろう.上から見下ろすと地面がだいぶ濡れているようだが,夜中にかなり降ったのだろうか.しだいに雲は消え,秋らしい爽快な青空が広がってきた.国道408号沿いのフウノキがだんだん色づいて,大きな葉が舞い散る季節になった.朝のBGMはマーラー5番から.最低気温13.5度という暖かさなのに,そこはかとなく冷え込むのは湿度が高いからか.

—— 何でもいいけど今日が月末だなんてウソだと言って!

◆週明け早々の┣┣" 撃ち —— たくさんいすぎて整理するだけで一仕事./先週土曜(10月29日)の「分子系統進化学」の補講時の板書画像をアップした(→板書画像 1 / 2 / 3).数式の板書をすると,むかし予備校で数学を教えていたときの「くせ」がまだ残っていることに気づく.同僚だったベテラン講師は,顔はいつも生徒に向けながら,背後で数式を猛速で書き続けるという〝ブラインド板書〟のスキルがあった.あのワザを身につけたかったなあ.

◆[欹耳袋]公開されました —— 系統樹ウェブ曼荼羅・第10回「人間の綱:血のつながりを視覚化する図像的伝統」(→ 連載目次).今回の記事はツリーではなくネットワークとして血縁を表示する文化について.ほぼ毎月連載してきてやっと第十回まで続いた.予定では,あと数回の連載ののちフルカラーの単行本として出版される.

◆[蒐書日誌]いただきもの —— J・クレイグ・ベンター[野中香方子訳]『ヒトゲノムを解読した男:クレイグ・ベンター自伝』(2008年12月15日刊行,化学同人,京都,xii+521+38 pp.,本体価格2,800円,ISBN:978-4-7598-1158-2 → 版元ページ)/パット・モリス,エミー-ジェイン・ベア[前田喜四雄監訳|前田喜四雄・本川雅治訳]『食虫動物・コウモリのなかま』(2011年10月15日刊行,朝倉書店[シリーズ・知られざる動物の世界:1],東京,iv+112 pp., 本体価格3,400円,ISBN:978-4-254-17761-9 → 版元ページ).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今日は朝から大┣┣" 小┣┣" を取り混ぜて乱射し続けている.とりあえずぶっぱなしてから様子見なう.来たる12月3日(土)13:30〜17:00に,日本学術会議講堂@六本木で開催される公開シンポジウム〈いま,ともに「古典(伝統知)」を学ぶ意義を考える〉で噺をと依頼されて引き受けたのはいいものの,明文化されていない「演者ドレスコード」がどの程度なのか,ぜんぜん見当のつけようがなくて困っている.しかも,主催が哲学委員会下の「古典精神と未来社会分科会」で,共催が宗教学系の学会連合とのこと.いったいどういう〝結界〟なのか,不文律の〝オキテ〟はあるのか,不作法をしでかしたら〝神罰〟が下るのか,などなど,今からわくわくしている.とりあえず演題と要旨を送信した:三中信宏「科学的思考と民俗知識体系の共存:進化するサイエンスの源を振り返る」.よろしくよろしく./当日のコスチュームについては検討中.

◆紅に染まる今日の夕焼け.空高く早くも三日月が浮かび上がっている.今日は22.9度まで気温が上がったが,乾いた北寄りの風が吹いて快適な一日だった.Q’t のやまやで常陸野ネストビールを買って帰還.西武のリブロで「二冊揃い踏み」を目撃した.そーか,無慈悲なるでびるまん師をして蟻みたいな仕事人間に対してガツンとフェイント攻撃をしかけさせ,ひるんだ読者たちをすかさずMYTK師の恋愛結界に誘いこむとは,メディアファクトリー新書もなかなかワルよのぉ.

◆来月の┣┣" 撃ちの段取りを考える夜.不在率が確実に50%を越す予定の霜月は,スケジュール調整がとってもたいへん.

◆本日の総歩数=2910歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.3kg(+0.6kg)/29.0%(+0.4%)


30 oktober 2011(日)※旅抜き&ミッション抜きの日曜

◆午前4時半起床.雲が多いが,東の空は晴れて朝日が望める.午前6時の気温は11.5度で冷え込みなし.今日は久しぶりにつくばにてミッションなしの日曜日をすごすことになる.ときどき曇り空が広がり日射しが遮られることも.北東風が吹き抜けているが気温は午前の時点で19度近くある.遠距離移動なしのゆるゆるした週末は久しぶりのことだ.

◆[蒐書日誌]河田雅圭・三中信宏・長野敬他『眠れなくなる進化論の話:ダーウィン、ドーキンズから現代進化学まで全部みせます』(2011年11月下旬近刊,技術評論社[知りたい!サイエンス],東京,本体価格1,580円,ISBN:9784774149073 → 目次案).先日,担当章の校正ゲラを返却したばかりの本.アマゾンなど一部のオンライン書店ではすでに予約できるようだ.現代進化学の「ガイドブック」として編まれた新刊で,当初の企画案では下記のような目次案が立てられていた.その後,変更箇所はあったにちがいないが,大筋はこのままだろう(ワタクシは「第3章」を担当した).しかし,正式な「書名」をアマゾンで初めて知ったというのはいささか問題かも……(各章の執筆者はいまだにわからないまま).

◆[欹耳袋]元NHK交響楽団の打楽器奏者・小林美隆さんが逝去されたとのこと.かつて,お仲人をしていただいた.詳細がわかったら弔電を送らないと./Togetter - 分子系統学の理論と実習.とりまとめ,どうもありがとうございます〜.

◆[蒐書日誌]熱帯の分子汎生物地理学 —— Michael Heads『Molecular Panbiogeography of the Tropics』(2012年1月刊行予定,University of California Press[Series: Species and Systematics Volume 4], Berkeley, 576 pp., ISBN:978-0-520-27196-8 [hbk] → 版元ページ).創始者である Leon Croizat を筆頭に,「汎生物地理学」に連なる研究者たちが,そろいもそろって「アウトサイダー的」な研究者人生を送っているように見えるのだが,何か科学社会学的理由があるのだろうか.

◆午後は雲がしだいに厚くなってきて,ときどき小雨がぱらぱら降るあいにくの天気になった.正午前には20度寸前まで上がった気温はその後しだいに下がって,午後3時には18.6度に.夕方になってまた小雨がぱらついたりする不安定な空模様に.

◆[欹耳袋]『過去を復元する』関連 —— しばらく検索していなかったのだが,エリオット・ソーバー[三中信宏訳]『過去を復元する:最節約原理・進化論・推論(新版)』(2010年4月20日刊行,勁草書房,東京,本体価格5,000円,336 pp.,ISBN:978-4-326-10194-8 → コンパニオンサイト紹介目次版元ページ)に関連していくつかおもしろそうなヒットがあった:

◆今日はのんびりしてしまったが,気がつけばもう月末.来月はまた東奔西走の日々が始まるので,┣┣" 撃ちの段取りをうまく考えないときっと破綻してしまう.

◆本日の総歩数=502歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=92.7kg(−1.1kg)/28.6%(+0.2%)


29 oktober 2011(土)※休む間もなく補講と帰郷の週末

◆午前5時に果敢にも起床したのはいいが,昨夜のダメージが大きすぎてよろよろする.今朝もみごとな朝焼けだ.今日の午後は玉川大の「分子進化系統学」補講に引き続き,東大農学部のホームカミングデーに向かう.朝からよく晴れて真っ青な秋空が広がっている.

◆[蒐書日誌]復刊情報 —— ジャン=バティスト・ド・パナフィユー(著)・パトリック・グリ(写真)・グザヴィエ・バラル(監修)[小畠郁生監訳|吉田春美訳]『EVOLUTION 骨から見る生物の進化』(2008年2月21日刊行,河出書房新社,288 pp.,税込価格9,240円,ISBN:978-4-309-25217-9 → 版元ページ).原書は大判で重量級だったが,復刊ドットコムから「普及版」が出るらしい.価格はほぼ半額で,サイズはB5変とのこと.原書よりもだいぶ小さくなってしまったようだ.

◆朝から都内へ出撃する —— 午前7時半にいったん農環研に侵入し,ワークショップ関連の整理作業をする.午前8時半に筑波事務所宿泊棟にて人と荷物の運送業務.たがみ酒店は午前9時半開店だったのか(うわ〜).つくば駅を中継して実験植物園へ.その後,ワタクシ自身がつくば駅から出撃.9:32発の区間快速に乗る.都内はよく晴れて日射しがあたたかい.正午前に玉川学園前駅に降り立つ.控え室が閉鎖されていたので,しかたなく教室へ直行.いつもは使わない補講の教室だったが,真っ白なホワイトボードが何か書いてほしそうにしていたので,一時間ほどかけて今日の講義内容である塩基置換モデルの導出過程を書き始めたら止まらなくなってしまって……

気がついたらボード一面を数式で埋め尽くしていた.板書したのは Jukes-Cantor 1-parameter model のもとでの塩基置換確率の導出過程だが,もっとも単純なモデルでもちゃんと書きだせばこんなに長くなってしまう.せっかく書いた証拠として念のため写真を撮っておいた.離散構造である系統樹上で動く連続時間的な確率過程を設定するというのは,最初はとまどうかもしれない.表面に見えているものの背後に潜んでいるプロセスをモデル化するということだから.

補講は予定通り午後1時からはじめる.前もって“板書”しておいたからかなりラクだった.塩基置換モデルと進化距離の定義についてMEGA5を使いながら話したところで午後3時にタイムアップ.いつもはスライドで噺をするだけだったが,たまに“板書”をしてみるのもいいものだと感じた.[付記:板書画像 1 / 2 / 3

◆遅めのランチは経堂で —— 暖かな日射しが降り注ぐ昼下がり,経堂駅前の〈アイバンラーメンPLUS〉にて「ニンニク醤油あぶら麺」をば.平日にはないメニューのようだが土日限定なのかな.「ニンニク醤油あぶら麺」は汁の少ない混ぜ混ぜタイプだが,麺が黒っぽくてすごく太い.この店ではラーメンごとに麺のタイプを変えているのだろう.醤油味でニンニク風味がよく効いている.トッピングは厚切りチャーシューともやし・シナチク・魚粉・焼き海苔,そして生ガーリックのチップ(醤油漬け).クアトロフォルマッジオな「チーズ混ぜ」と並んで,この店では“最重量級”の濃厚メニューだ.でも,「あぶら麺」というおそろしげなネーミングとはうらはらに,さっくり完食できた.ただし,店を出てから,ひょっとしてかなり「社会のメイワク」になってしまったかもしれないな…….

◆夕闇の弥生キャンパスにて —— 午後4時前に経堂を出て本郷に移動.今日は東大ホームカミングデイで,農学部の弥生講堂アネックスで専攻の公式イベントがあったのだが,補講があったので“帰郷式典”には参加できなかった.午後5時から生物測定学研究室にて二次会があるとのお誘いを受けたので,久しぶりに農学部一号館の三階に向かう.ここのところ,農学部七号館にしか行かなくなってしまったな.教授がビールを買いに行きコップを洗う研究室(わぁ).昨日も〈来福〉を飲んだのに,今夜もまた〈来福〉の「純米吟醸・八反使用」を飲んでいたりする.在米中の卒業生とスカイプしたり.昨夜のダメージがあるので早々に中座する予定.しかし,お寿司が届いてしまったりして,けっきょく午後8時過ぎにおいとました.

◆午後9時前につくばに帰り着く.夜風が涼しい〜.

◆本日の総歩数=7966歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜×.計測値(前回比)=93.8kg(+1.0kg)/28.4%(−0.2%)


28 oktober 2011(金)※分子系統ワークショップ最終日

◆午前4時半起床.昨日ほどではないが,きりきりと気温が下がって,いまの気温は5.4度.これが最低気温かな.寒い朝は朝焼けが美しい.昨日の日帰り京都ミッションの疲労がやはり澱のように溜まっている.ムリなことをし続けてはいけないということ.今日は秋晴れの一日になるらしい.よしよし.今日のワークショップが終わってからも夜は長いのだ.明日は,もっと忙しいぞ〜.

◆┣┣" 撃ちに休みはない —— 進化学会ニュースのゲラを返信した.刷り上がりで6pp.の分量.直すところはほとんどない./回遊┣┣" 一頭.進化学者リストアップは「50〜100名」を目標に.画伯より./新着┣┣" がもう一頭……./東大理学部へ専門科目に関する事務連絡.去年と同じ./インド哲学のとあるシンポジウムから召喚されたのだが,時間は空いてるし行くことにした.ついに“印哲”からお声がかかるようになったのかぁ,と感慨深い.

◆[進化思考]本日の余響:Masashi’s Web Site Memo@はてな「『進化思考の世界』(三中信宏)の感想」(2011年10月26日)

分子系統ワークショップ(最終日) —— 昨日は不在だったが,今日はマジメに会場実在.

  • #tbh155 分子系統ワークショップの最終日.会場なう.外はよく晴れて快適な秋晴れ.今朝の最低気温は5.4度まで下がったが,いまは10度を越えている.朝イチの講義は三島からSaitou画伯をお迎えしての系統ネットワーク高座なのだが,御大のお姿がまだ見当たらない……. posted at 08:44:38
  • #tbh155 画伯登場! posted at 08:51:21
  • #tbh155 系統ネットワークの講話なう. posted at 09:01:21
  • #tbh155 系統ネットワークはスタティックだから,進化モデルを前提とする最尤法を適用するのはそもそもまちがいである.「最尤ネットワーク」は原理的にありえない. posted at 10:05:45
  • #tbh155 数々の「名言」を残して斎藤画伯は去っていった…… posted at 10:40:28
  • #tbh155 次の高座は,田辺晶史さんの「分子進化モデル選択論」.午後の演習も含めて使用テキストの最新版は〈五次元〉 http://ow.ly/7bsK5 で公開されている: http://ow.ly/7bsL7 (pdf) ※116ページ! posted at 10:48:11
  • #tbh155 (承前)田辺さんの使用スライドも同じサイトからダウンロード可能. posted at 10:49:32
  • #tbh155 TNB師の「虎の穴」系統推定実習なう.作業が終わった受講生が三々五々ランチに去っていく.はらへ. posted at 11:50:14

◆本日のランチはひさしぶりに〈おはん〉にて「まぐろ煮定食」をTNB師とともに.奥の間に受講生の姿がちらほら見えた.

◆ワークショップのすき間に顔を出した┣┣" たち —— 回遊┣┣" 一頭.進化学者リストアップは「50〜100名」を目標に.画伯より./進化学会ニュースのゲラ返信完了:三中信宏「智慧の樹」再訪:【1】系統情報学・データ視覚化・ルルスの遺産.日本進化学会ニュース12巻3号(近刊)に掲載予定./その他,メール津波に乗って漂着した事務系┣┣" 数頭.

  • #tbh155 午後はTNB師の分子系統演習.午前の続き. posted at 13:02:40
  • #tbh155 TNB師,kakusan を熱く語る時間. posted at 14:06:30
  • #tbh155 TNB師,最尤法に正面から斬り込んでいきます.うらーっ! posted at 14:20:37
  • #tbh155 Likelihood ratchet の演習〜.ばりばりオーバーハングしてるやん. posted at 14:30:36
  • #tbh155 尤度とともに睡魔も降臨する昼下り. posted at 14:33:10
  • #tbh155 初期樹:TNT+無作為荷重+無作為付加→ TreeFinder で最尤法. posted at 14:36:34
  • #tbh155 kakusan4 で巨大データを最尤系統推定するときは RAxML を選択すべし./分離モデルが選択されたときでも RAxML を使うといらいらしない. posted at 14:40:13
  • #tbh155 いつの間にか「統計的信頼性」の議論に突入してるし! posted at 14:48:19
  • #tbh155 系統推定マンダラ,今から配るよん. posted at 15:18:36
  • #tbh155 今回の分子系統ワークショップで使用された,教材・スライド・テストデータなどは追ってまとめて公開する予定. posted at 15:40:25
  • #tbh155 TNB師,最終コーナーをまわった! posted at 15:56:46
  • #tbh155 ワークショップ全日程だん. posted at 16:41:47

—— その他のつぶやきは to ハッシュタグ「#tbh155」&「Togetter - 分子系統学の理論と実習」.

◆今年の分子系統ワークショップは,中日に来れなかったのでコミットの程度が例年よりも低かった.それでも,三日間のコースを終えることができたのはよかった.受講生のアンケート集計はこれからの作業待ちだが,来年もまた開催することになるだろう.講師・受講生をはじめ関係者のみなさん,どうもありがとうございました.

◆打ち上がる夜 —— 宵闇のつくば,午後6時過ぎに苅間の〈笠真〉に参集する関係者たち.うちうちの打ち上げは午後7時から.まずは「大山Gビール」から.どーもどーもお疲れさまでした.午後8時すぎには全員が顔をそろえた.「村祐」の代わりの〈来福〉の新製品「Raifuku Mellow」は白ワインのようにすっきり甘い.フレーバーが漂う.ほかに〈霧筑波〉の「知可良」とか「十四代」とか.石岡の白菊酒造が出している「オヤジナカセ」は初めて.ラベルの背中姿に秋風のようなペーソスが漂う.料理は今年初のあんこう鍋などなど.うまし.長時間の宴は午後11時過ぎにお開き.へろへろになって家に帰り着いた

◆明日は朝からアッシー君.のち,都内へ出撃し,玉川大の補講と東大のホームカミングデイの行事など,うろうろする.

◆本日の総歩数=5294歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=92.8kg(+0.5kg)/28.6%(−0.7%)


27 oktober 2011(木)※いきなり京都で緊急ミッション

◆午前4時すぎに起床したものの,しばらくは使い物にならず.昨夜の蒼空「うすにごり(生)」の破壊力は相当なものだった.あれで乾杯したのが運の尽きだったかも.え,最低気温が「4.0度」なんですけど…….もちろん今季最低.鮮やかな朝焼けを眺めつつ旅支度する.

◆いきなり京都へ —— 午前5時半につくば駅へ.午前6時前のTX区間快速に乗る.午前7時前ののぞみ号で一路西へ.雲ひとつない車窓の向こうに富士山がクリアに眺められた.午前10時前に京都着.前回来たときよりもちょっとしのぎやすい.よく晴れた洛南エリアを車で駆けまわる.午後3時すぎにやっとミッション完了.

分子系統ワークショップ(二日目)はその場にいなかったのでツイートできない.

  • #tbh155 将来的に MEGAに Bayesian MCMC が入る可能性もあるらしい.TMR師談. posted at 05:26:31
  • #tbh155 (承前)BGH センセがそれを強く強く望んでいるらしい.第五版ではそうなるのかな. posted at 05:30:31

—— その他のつぶやきはハッシュタグ「#tbh155」&「Togetter - 分子系統学の理論と実習」を遠くから覗くのみ.

◆[欹耳袋]とても太っ腹な王立協会 —— 「Royal Society journal archive made permanently free to access」(2011年10月26日).何年か前に一時的にアーカイヴが公開されたことがあったが,今回は一時的ではなく恒久的にオープンアクセスにするとのこと.

◆本日のあわただしい日帰り京都プチ旅のあいまも洛中探索はちゃんとやる.御所の南側,富小路通と夷川通の角にできた〈ひつじ〉という新しいドーナツ屋.一瞬通り過ぎてしまったら,後ろ髪を引かれて店内に誘い込まれる.天然酵母と発芽玄米のドーナツなどいろいろあってなかなかええ感じ.この写真は金煎り胡麻ドーナツ.他にもチョコカスタードとかシナモンは別添え小袋でパウダーが付いててな,どこぞの「ふるポテ」みたいに,ドーナツ袋の中でしゃかしゃか振ってよぉまぶしてから食べるんやて.いろいろ考えやはるなあ.和三盆のドーナツやて(ほかで見たことない).美味.〈ひつじ〉は荒神口にある有名なパン屋〈hohoemi〉の姉妹店らしい.御池通りと今出川通りにはさまれたエリアはどんどん新しい店ができているみたい.

◆ぶらり寺町 —— 京都駅に向かう前に寺町の〈三月書房〉をひとまわりする.ゲーテ自然科学の集いが編集発行している雑誌『モルフォロギア:ゲーテと自然科学』のバックナンバーがずらっと並んでいたので,いくつかピックアップ:

  • モルフォロギア・第22号』(2000年10月30日発行,ナカニシヤ出版,京都,144 pp.,本体価格1,300円)※特集「形態学と進化論」
  • モルフォロギア・第32号』(2010年10月30日発行,ナカニシヤ出版,京都,159 pp.,本体価格1,400円)※特集「現代におけるフマニスムス — ゲーテと E・R・クルツィウス」

『モルフォロギア』の創刊当時は書店で見つけるたびに買っていたが,いつごろからか疎遠になってしまった.こういう性格の雑誌なので,進化学や系統学から見れば鵜呑みにできない内容も散見される.しかし,当時のドイツの雰囲気や科学史について得られる情報は少なくない.2006年までのバックナンバーはすでに電子化公開されている.しかし,昔の号の飾りも彩りもない装丁デザインがときどき懐かしくなったりする.

◆午後9時前につくばに帰り着いた.いきなりいなくなって関係者の皆々様にはご迷惑をおかけしまくり.京都よりもつくばの方がさすがに涼しい.今朝の最低気温は4.0度だったが,明朝はもっと冷え込むかも.明日は朝イチからワークショップ会場に実在する.

◆本日の総歩数=7769歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


26 oktober 2011(水)※電農館にて分子系統の出家高座

◆午前4時半起床.眠い〜.北風が吹いて寒い朝.気温は午前5時に13.0度だがもっと下がるだろう.東の空は雲がまだら模様.今日から三日間は分子系統ワークショップの校長先生のお勤めがある.今日から三日間は分子系統ワークショップの校長先生のお勤めがある.全国から30名の受講生がやってくるのだが,今季もっとも寒い朝が続くことだろう.午前8時過ぎ,さて,今夜の交流会用の日本酒は氷温庫に格納したので,そろそろ筑波事務所電農館に出向こうかな.筑波事務所電農館に到着.すでに三々五々ワークショップ参加者が集まり始めている.

◆[欹耳袋]本日から始まるワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉のハッシュタグは「#tbh155」に決めた./緊急情報.講師諸氏:電農館PC実習室のディスプレイは Mac との相性が悪いですので,プレゼンファイルを Windows PC にコピーできるようにご用意ください.

分子系統ワークショップ(初日) ——

  • [つくば]参加者がだいぶ集まってきた. #tbh155 posted at 09:15:28
  • @iwasakiw 明日はよろしくお願いいたします.傍聴・乱入,どーぞ! #tbh155 posted at 10:48:04
  • [つくば]体系学概論だん.休憩なう. #tbh155 posted at 10:49:16
  • [つくば]では,そろそろ次の系統推定論に進もうかな. #tbh155 posted at 11:01:54
  • [つくば]午前の部だん.ランチタイムなう.mgmg. #tbh155 posted at 12:05:48

◆本日のランチは,会場外の休憩スペースで〈david pain〉のサンドイッチをば.

  • [つくば]アラインメント講習なう. #tbh155 posted at 13:49:25
  • #tbh155 informative sites では「star」よりも「tree」の方が最節約的. posted at 14:09:10
  • #tbh155 多重アラインメントの「論理循環性」について.初期系統樹→多重アラインメント→推定系統樹. posted at 14:44:48
  • #tbh155 午後3時からは MEGA5 の講習タイム. posted at 15:01:34
  • #tbh155 もうすぐ MEGA 5.1 が登場する予定.スピード重視.最尤法に関しては RAxML が競争相手だ!(TMRセンセ語る) posted at 15:16:43
  • #tbh155 MEGA 5 のモデル選択法について(MBE論文から).AICc と BIC を比べれば後者がいいかな. posted at 15:18:15
  • #tbh155 モデル選択のための guide tree をどうするか.guide tree の選択は結果にはほとんど影響しない. posted at 15:19:23
  • #tbh155 全ゲノムデータを使っても系統関係が決まらないことがある(MBE accepted).わからないものはわからない. posted at 15:23:54
  • #tbh155 系統推定法よりもアラインメントの結果の方が performance に大きく影響する. posted at 15:27:19
  • それそれ QT @psocodea: これかな?http://bit.ly/sLyREF RT @leeswijzer: #tbh155 全ゲノムデータを使っても系統関係が決まらないことがある(MBE accepted).わからないものはわからない. #tbh155 posted at 15:53:31
  • @sdohdachi #tbh155 「全ゲノム情報」は配列情報のみなので「全形質集団」ではないと思います. posted at 15:56:17
  • #tbh155 全ゲノム情報を用いてグローバルに系統推定するから「不確定性」が生じるのであって,ローカルなクレードごとに別々の情報(種分化遺伝子みたいなもの)に基づくバックポーンを固定したうえで,グローバルな系統樹を組み上げるというアプローチがある(TMR師談). posted at 16:02:42
  • #tbh155 (承前)全生物の系統推定と言った時点で使用できるオルソローグは狭くかぎられてしまうから. posted at 16:04:54
  • ぎくうっ! #tbh155 QT @calf_fox: @leeswijzer 校長先生授業はいいんですかw posted at 16:05:56
  • @sdohdachi 大系統はネットワークですな. posted at 16:40:34
  • #tbh155 MEGA5 実習なう.机間巡視するTMR師. posted at 16:46:59
  • #tbh155 明日の登壇する井上潤師がはやばやとつくば登場.交流会デビュー! posted at 16:50:54
  • #tbh155 ワークショップ初日だん! みなさん,おつ〜.さあ交流会だー.うらーっ! posted at 17:09:52

—— その他の関連ツイートは,ハッシュタグ「#tbh155」&「Togetter - 分子系統学の理論と実習」をたどるべし.

◆アフターファイヴのお疲れさん —— 今日は鮮やかな夕焼けだなあ.明朝,ぐっと冷え込む予兆か.夕日の残照はほんのつかの間,暗闇がすとんと落ちてきて,午後5時半から交流センターの一室にてワークショップ交流会.農環研の冷蔵庫から日本酒を会場に運びこむ.今夜のために用意したのは,1) 奈良・油長酒造の〈風の森〉の「雄町・純米吟醸しぼり華」.開栓するとシュポン!と炭酸ガスの抜ける音がする.こういう酸味のある旨い酒は好ましい.2) 伏見・藤岡酒造の〈蒼空〉の「純米おりがらみ」.わざわざ「吹出し注意!」とラベルが付けられている.しゅわしゅわと炭酸ガスが湧き上がるにごり酒.一升瓶はほとんど流通していないはず.3) 秋田・山本合名会社の〈白瀑〉のひやおろし.寝かせただけのことはある風味.交流会は午後8時すぎまで続いて,その後,残ったおつまみは“二次会”のためにすべて持ち帰り.外はだいぶ気温が下がってきた.うう,飲み過ぎたかもしれない.というか,確かに飲み過ぎた.うう…….

◆明日は,緊急ミッションが発生したので,ワークショップは“エア参加”ということになる.

◆本日の総歩数=5778歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.3kg(+0.4kg)/29.3%(+0.2%)


25 oktober 2011(火)※京都との日帰り往復移動で疲弊

◆午前4時起床.プチ旅支度をじたばたする.5:07発のTX区間快速に乗る.真っ暗だが冷え込みはない.都内はよく晴れている.早朝の新幹線は満席だった.午前9時前に京都駅に到着.タクシーで宇治へ.曇り空の洛南は午前10時の気温が20.5度.これから蒸し暑くなりそうなので迷わず半袖にした.正解.正午過ぎ,曇って涼しいように見えて実は蒸し暑い洛南にて,午前のミッションを完了.Java Tea Straight を片手に,しばし休憩.午後も曇り空で午前2時の気温は19.4度.午後のミッションを完了.では,つくばに舞い戻ることにしようか.

◆背徳のクラブハウス —— 帰りしなに京都駅地下街ポルタの果てにあるイノダコーヒにて遅いランチ.コーヒーはアラビアの真珠(お砂糖とミルクは“プレインストール”),そしてランチは久しぶりに「クラブハウス」.「お二人分の分量がありますが……」と店員さんから釘を刺されても注文し,べろりと完食するのがお作法.イノダコーヒの「クラブハウス」サンドイッチの構成は.上段から順に「ハム&胡瓜」「ベーコン&トマト」そして「ローストチキン」.トッピングのベーコンにはマスタードを添えて.これをスマートに食べきるには修行が必要.「く,くるしい……」などという苦悶の表情は問題外の外.京都って意外に「大食い」な伝統があるような気がして.妙齢の京女がものすごくたくさん食べるのを見ると,もう「かないまへんわ」とあっさり軍門に下る.

◆午後4時半の新幹線にてつくばにもどる.帰路はどうしても睡魔が降臨してしまう.午後7時半つくば着.小雨が降りだした.夜,北白川からの日本酒が到着する.

◆本日の総歩数=9307歩[うち「しっかり歩数」3131歩/31分].全コース×|×.朝−|昼△|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


24 oktober 2011(月)※神出鬼没な週の始まりは都内へ

◆午前4時半起床.曇り.気温は18.4度と冷え込んでいないが,東風が強くて体感的に肌寒い.夜中に咳き込んで目が覚めることたびたび.喉も痛いし,こりゃ風邪を引いてしまったかも.

◆[欹耳袋]系統樹ウェブ曼荼羅・第10回連載記事のゲラ修正を完了:三中信宏「人間の綱:血のつながりを視覚化する図像的伝統」.今月末に公開予定.今回の記事のキーワードは「tlacamacayotl」というスペイン語.舌噛みそうなんですけど.

◆都内へ出撃 —— 11:25発のTX快速に乗る.曇り.市ヶ谷のJSTサイエンスプラザにて「次期J-Stage3」の説明会が二時間ほど,その後,上野池之端にて打合せ.その後,つくばに直帰.晴れたり曇ったりで蒸し暑かった.

本日のランチは神保町の〈共栄堂〉にて「タンカレー」.硬いはずのタンが実に柔らかくまろやかに煮込まれている.しばらくここに来なかったが,ひさしぶりに充実&美味だった.ついでに「焼きリンゴ」まで注文してしまったのは背徳だったかも.

◆[欹耳袋]弥生キャンパスでの┣┣" 撃ち予定メモ —— 東大・専攻忘年会は12月14日(水)の夜./秋の試飲会は11月11日(金)の夜.

◆本日の総歩数=8410歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.9kg(−0.7kg)/29.1%(+0.6%)


23 oktober 2011(日)※朝から秋晴れ好天の時代祭日和

◆午前4時半にいったん起きたものの,あまり体調がよくなくて二度寝.午前8時前にやっとのろのろ起床した.実家ではハウスダストのアレルギーが発症するらしくくしゃみが止まらない.昨日は亜熱帯のような蒸し暑さと真夏の夕立のようなスコールという,季節外れな空模様だったが,今朝は晴れ時々曇りという絶好の「時代祭日和」.洛中を練り歩いて平安神宮にいたるコースはさぞかし混雑することだろう.昨日のうちに北白川に行っておいてよかった.

◆本日のミッション完了 —— 朝のうちにいろいろすませる.なんやしらん暑いなあとアメダスを見たら,午前11時前に25度の夏日ラインを越えていた.半袖を持ってくるべきだったと反省アゲイン.見上げれば秋の空ではなく,夏が戻ってきたような雲の表情.南寄りの風が吹いている.本日のミッションはこれにて完了.午後は時代祭帰りの観光客が押し寄せないうちに,京都駅から脱出する予定.「脱出」とはいえ,ほぼ24時間後にはまたここにいたりするので「一時撤収」と言うべきだろう.

◆[欹耳袋]Togetter - 「非常勤削減をめぐる問題について」 —— ワタクシが初めて大学の“非常勤講師”を勤めたのは,1988年から89年にかけての一年半,熊谷の立正大学教養部で「生物学」の一般教養科目としての講義を担当したときだった.ピュアなODとして予備校の教壇にも立っていたので,私学の非常勤講師の「給料」を最初にもらったとき,信じられないくらい安かった印象がある.その後,つくばに就職してからも,兼業としておびただしい数の“大学非常勤講師”を引き受けてきた.独法になる前の国研は「外」への出講に関してたいそう厳格で,同一年度には一回しか引き受けてはならぬとの“内規”がいきなり出現したこともあった.ワタクシの場合,専門分野が「数理統計学」とか「生物体系学」あるいは「科学哲学」といういささかマイナーな分野だったこともあり,現在にいたるまでほとんど個人的なツテで出講を依頼されている.

上の Togetter にも書かれているように,いまの給料相場が「週一コマで月三万円」というのは私立大学の場合はおそらく平均的だろう.国立大学法人の場合は,大学によって非常勤講師給に大きなちがいがあることも知っている.いずれにしても,給料の点でいえば“非常勤講師”は割りに合わない.担当する講義時間だけではなく,試験やレポートの実施と採点,そして成績評価作業などに要する時間を含めれば時給はもっともっと下がってしまう.給料を低く抑えているウラの事情には,大学側の経済的事情はもちろんあるのだろう.しかし,もともと“非常勤講師”は本務地がある者に対して出講を依頼する制度なので(だから本務地での職位によって“非常勤講師”の時給が変わる),ある意味で「社会奉仕活動」みたいな側面があるのだろうと個人的には考えている.持続的な使命感がないと続けられない.

数年前から,もともと安いはずの非常勤講師給すら節約の対象になって国立大学・私立大学を問わず“非常勤講師”の口は着実に減らされている.代わりに,常勤の教員がその科目を担当させられる事態になっているらしい.本務地のある者にとっては経済的にあまり問題ではなかったとしても,専業の“非常勤講師”にとってポスト削減は死活問題だ.教歴というキャリア形成にも支障が出るだろう.分野によるちがいはあるのだろうが,学位取得者の専門分野や教育に対する関心などを公開するしくみがあれば,“非常勤講師”のポストをよりシステマティックに割りふることができるのではないか.講師給料の低さはすぐにどうこうできないとは思うが,サポート体制をつくるのはそれに比べれば現実的だろう.

◆東へ —— 昼下り,再び南の方から真っ黒な兇雲が湧き上がってきた.蒸し暑さは変わらず.ただならぬ空模様の洛中結界からいち早く脱出し,午後2時発ののぞみ号に乗る.さて,珈琲充タイム.午後7時前,つくばに帰り着いた.曇り.こっちも蒸し暑いな.室温が夏日ラインを越えたままなので冷房をかける.明日からは半袖に復帰する(自分会議緊急動議を可決).

◆今日は遠距離移動で疲れたので,夕餉のビールは Franziskaner Weissbier Kristallklar すっきりとのどごしのいいWeissbier.このドイツビールに合うちゃんとしたものを用意したかったのだが,気力と体力の限界により「横綱巻き」を肴にしてしまった.しかもデザートは,京都駅地下で買ってきた〈仙太郎〉の「栗蒸し羊羹」だったりする.いまの季節はどの和菓子屋も「栗」の季節物を出す.阿闍梨餅の行列を横目に,栗の和菓子を買うのは正しい選択だと信じてやまない.〈仙太郎〉の栗蒸し羊羹は,栗が丸ごとごろごろと入っているので,秋の恵みを心ゆくまで堪能できる.そして,何よりもこの三角形カットが食欲をいやが上にもそそるのだ.水無月ファンのワタクシとしては「三角形」にハゲしく反応してしまう.

◆体調がイマイチ.微熱でのどが痛い.風邪薬を飲んで午後9時に就寝.

◆本日の総歩数=6957歩[うち「しっかり歩数」755歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


22 oktober 2011(土)※亜熱帯の京都に季節外れの夕立

◆午前4時半起床.外は大雨.屋根を叩く雨粒の不規則なリズムが二度寝を誘引する.昨夜は日が変わる直前に宇治にたどり着いたので,長旅の疲労がまだ張りついている気がする.今日の時代祭ははたして開催されるのかどうか.明け方はあれほどざあざあ降っていたのに,夜明けとともに朝日が射しこんできて急速に青空が広がる.巨大な雨雲は東海から東の地域に移っていったようだ.午前8時過ぎ,さて,そろそろ本日のミッションを始動するか.今朝の最低気温は20.2度もあった.朝から蒸し暑い.

◆[欹耳袋]The Wall Street Japan「農研機構など4研究機関を統合=TPPも見据え一元化―農水省」(2011年10月22日).これまでちょぼちょぼ統合していたのだが,この際イッキにぜんぶひとつにしてしまうのか.となると,個々の研究所は「産総研なんちゃら事業所」みたいな組織になるんだろう.小刻みな統合を繰り返していたときは,まだ「のりしろ」を残していたんだけど,ひとつにしてしまうとそれがなくなる.

◆長引いたミッション —— 本日のミッションがやっと終わったのは午後2時すぎだった.朝からもくもくと雲が湧いては,湿った南風にながされていく.日中の最高気温は26.1度でまであがり,蒸し暑いことこのうえなし.清々しい秋とは対極的な亜熱帯的気候だ.今日開催されるはずの時代祭はてっきり祈念パワーで兇雲を吹き飛ばしてめでたしめでたしだと思っていたら,実は明日に順延されたことをいまになって知った.あらま.

◆[蒐書日誌]「第5刷」の見本刷が着便 —— 三中信宏『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』(2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行(正誤表)|2009年12月18日第3刷刊行(正誤表)|2010年5月10日第4刷刊行(正誤表)|2011年10月7日第5刷刊行(正誤表),講談社[現代新書1849], ISBN:4-06-149849-5(ISBN:978-4-06-149849-5) → 版元ページ詳細目次反響録コンパニオンサイト).今月中には配本されるのかな.

◆夕暮れミッションはずぶ濡れ —— 午後3時を過ぎて雷鳴が轟き始めた.兇悪な雨雲が接近しているらしい.降り出さないうちに次なるミッションをと思う間もなく雨になってしまった.まずは地下鉄にて東山へ.タクシーで北白川に行き,水曜の懇親会に必要な日本酒を調達完了.本日ゲットしたのは,伏見・藤岡酒造の〈蒼空〉の「純米おりがらみ」一升瓶と奈良・油長酒造の〈風の森〉の「雄町・純米吟醸しぼり華」一升瓶.〈蒼空〉と〈風の森〉があれば水曜のワークショップ懇親会は華やぐだろう.四合瓶だとイッキ飲みでなくなってしまうので,一升瓶じゃないと困る.時代祭が開催されていたら,北白川あたりまで道路は大混雑だっただろうが,雨天順延になったので個人的にはハッピー.帰りに四条に出ようと思ったら,京大あたりで夕立のような土砂降りになり,あわててタクシーに飛び込む.烏丸御池へ.前回買いそびれた志津屋の〈元祖ビーフカツサンド〉を買って地下鉄に乗る.関西に来たらやっぱりビフカツやな.

◆午後7時前に帰還,夕立に濡れ濡れてかなり疲れてしまったので,午後9時にならないうちにご就寝とあいなった.

◆本日の総歩数=11618歩[うち「しっかり歩数」4272歩/40分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


21 oktober 2011(金)※雨に濡れながら新幹線移動の夜

◆午前4時半起床.曇り.今朝の最低気温は12.3度.やや肌寒いかな.早朝に取手とのピストン往復移動.その後,農環研に顔を出す.薄曇り.ときどき晴れ間が見えそうで見えない.気温も暑くはないし,かと言って寒くもないしとすべてが微妙な感じ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 休暇申請の書類をものして提出完了.その他のこまごました雑用┣┣" どもは一網打尽にしてくれる.

◆[蒐書日誌]献本ありがとうございます —— 慶應義塾大学教養研究センター/高桑和巳(編)『生き延びること:生命の情報学V』(2009年12月10日刊行,慶応義塾大学出版会,東京,ii+253 pp., 本体価格2,400円, ISBN:978-4-7664-1636-7 → 版元ページ).慶應義塾大学教養研究センターの極東証券寄附講座〈生命の情報学〉が毎年行なっている講義録を本として出版したもの.毎年日吉キャンパスで開講されるこの講座から来年の春学期に講師のオファーがあった.来年度は「成長」というキーワードを共通軸として講義を編成するとのこと.もちろんお引受けいたします.

◆[欹耳袋]インタラクティヴ読書ノート別館の別館(再訪) —— 「シノドス・セミナー「社会学の居場所」 」(2011-10-16)に関して.長文の記事である「シノドス・セミナー「社会学の居場所」」の中の一節「社会学の居場所」で,社会学の“科学”としての地位に関して(「人文学と科学との間に引き裂かれる位置」にあるかもしれないと示唆しつつ),著者は次のような問題提起をしている:

人文学の中心的な問題関心は何か。人文学は工学が既知の法則を前提とし、科学が未知の法則の発見を目指すのに対して、いわば人文学は法則そのものの多様性について知ろうとします。ただし、ここで考える多様性とは、未来をも含むわけですが、有意味な未来の予測は「工学」的にしか、つまりは一定の法則の不変性を仮定しない限りできません。それゆえ、未来における法則そのものの変化については、考えることさえできない。そうすると人文学は歴史的探究になるしかない。やることは過去に回顧的に遡ることのみ、ということになります。

科学とか工学というのは非常にある限定された前提を置いて、その前提の範囲内で一所懸命、あるポイントに集中して、他のことはあきらめてなされる、非常に禁欲的な営みです。社会学のめざすところは、そういう禁欲の枠を踏み破ってしまう。だから、結果的には不可能で子どもじみている。では、子どもじみないやり方で追究するとどうなるかというと、過去へ過去へと遡っていく。前もって未来を予測することはできないが、過去を理解することはできるという、過去の側へのみひたすら視点を向ける、こういうやり方ならば、メタ法則というものの探求には意味がある、法則の法則とか、社会構造の変化というものを研究することには意味があるだろう、場合によっては一般理論みたいなものだってつくれるかもしれない。でも、普通の意味でサイエンスがめざしたような、というか、未来を予想できるようなタイプの法則性というものには到達できないでしょう。

未来予測的な科学(工学)が一方にあり,過去理解的な「人文学」が他方にある.では,社会学はいかなるスタンスを取るべきかというのが著者の問題提起である.この文脈でワタクシが登場する:

でも「それは結局、生物の進化の研究においても同じことではないか」という疑問が返ってきそうです。だから、逆に言うと「進化生物学とは実は歴史学なのだ」と言うことも、できそうな気がする。これは日本では、三中信宏さんのテーマです。彼によれば、生物学というのはもちろん歴史科学です。ただそれでも「科学」ではある。彼の考え方は、普通にわれわれが考える科学、法則定立科学とは少し別のタイプの「科学」がありうる、というものです。歴史学でありつつ、しかしヒューマニティーズでもない別の「科学」があり得る、と言っておられます。過去の考えられるいろんな、たとえば生物の進化の歴史の中で考え得る複数の系統樹の候補があって、どの系統樹が一番もっともらしいかということを考えるために統計的推論をするとか。過去に一つしかないオリジナルな現象を、しかしそのあり得るバリエーションを可能性の中に位置づけ、あり得る可能性との関係で法則定立的に、確率論的に一番ありそうな、尤度の高い可能性を抉り出していく。一種の法則科学的なアプローチを唯一の出来事に対して行うという、一つの考え方を提出しておられて。非常におもしろいと思っています。ただ、社会的な領域における歴史研究にそれがどのぐらい役に立つのか、まだちょっとよくわからない。

進化学や系統学は正しい意味で「歴史学」であるとワタクシは考えているので,科学をむしろ“こちら側”に引き寄せて,歴史学的あるいは人文学的なサイエンスは可能だろうという立場をずっと標榜してきた.記憶をたどると,ワタクシが「nomothetische Wissenschaften(法則定立的科学)」 対「idiographische Wissenschaften(個別記載的科学)」という対語を最初に見たのは,Stephen Jay Gould の四半世紀前の論文:The promise of paleobiology as a nomothetic, evolutionary discipline. Paleobiology, 6(1): 96-118 だった.1970年代〜80年代当時のグールドは,稲葉振一郎と同じく,古生物学の学問としての位置づけ,すなわち「nomothetisch oder idiographisch」をめぐって奮闘していたのだろう.

たまたま読みはじめている:Derek Turner『Making Prehistory: Historical Science and the Scientific Realism Debate』(2007年7月刊行,Cambridge University Press[Cambridge Studies in Philosophy and Biology], Cambridge, xiv+223 pp., ISBN:9780521875202 [hbk] → 目次版元ページ)が同じような問題を論じている.古生物学の哲学に関心をもつ著者もまた,この学問分野の「科学」としてのあり方を一般化科学や人文科学との対比のもとに考察している.Derek Turner は本書の中で,彼の言う「先史学(prehistory)」の学問的地位に関しては,物理学や化学のような実験系科学(かつ一般化科学)のそれと比較したとき,「Epistemic disadvantage, equal scientific status」(p. 6)というスローガンを掲げるべきだと言う.実験したり観察したりできないという点で認識的に「不利」であることは否定できない.しかし,だからといって,科学として二流と呼ばれる筋合いはないというスタンスだ.確かにそう思う.

余談だが,一世紀も前の Wilhelm Windelband が提唱したこの古めかしい「nomothetische oder idiographische Wissenschaften」という対置はそろそろアップデートしたいなあとつねづね考えている.William Whewell の「古因科学(palaetiological sciences)」(『The Philosophy of the Inductive Sciences, Founded upon their History. Two volumes』1840, John W. Parker, London.)もいい候補ではあるのだが,いったん死んでしまった言葉だし.今のところは,Karl R. Popper の「一般化科学(generalizing sciences)」(『開かれた社会とその敵・第二部. 予言の大潮:ヘーゲル,マルクスとその余波』1980, 未來社,東京)に対する Avezier Tucker の「歴史記述科学(historiographic sciences)」(『Our Knowledge of the Past : A Philosophy of Historiography』2004, Cambridge University Press, Cambridge)が個人的にはお気に入りのアップデートだが,もっといいものがあるかもしれない.

◆週末の京都へ向かう深夜の新幹線 —— 午後5時前,夕闇の観音台をあとにして撤収.曇りときどき霧雨.さて旅支度をしないといけない.19:21発のTX区間快速に乗る.途中から雨が本降り.秋葉原に着いたら傘が手放せなくなっていた.9:47発ののぞみ407号に乗る.夜の下り新幹線はほぼ満席で,発車と同時にそれぞれの夕食タイムにいっせいに入る.本を読んだり MacBook Air を開くだけのスタミナが尽きていることを実感する.23:09に京都着.本降りの雨が続いている.タクシーで宇治へ直行.今日はもう寝るしかないでしょ.

◆本日の総歩数=8022歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.6kg(−0.1kg)/28.5%(−0.4%)


20 oktober 2011(木)※朝から都内巡業先を走りまわる

◆いつも通り午前4時半に起床.曇り.気温12.7度.北西の風.日中は夏日くらいの暑さになっても,朝夕は10度前後の日が続く.午前5時半,ようやく明るくなってきた.今日は都内のお座敷を順繰りにまわる一日だ.

◆朝から都内巡業の一日 —— 曇り空で涼しい.いつも通り 7:56 発のTX快速に乗ったが,めずらしくダイヤがちょっと乱れていた.千代田線はもちろんいつも通りのダイヤ遅延で代々木上原に到着.薄曇りときどき晴れ間がのぞく.快速急行で一足飛びに新百合ヶ丘へ.玉川大学のキャンパスはそろそろ木の葉が色づき始めていた.穏やかな秋晴れ.正門の真正面に広がる噴水池を吹き渡る風が爽快.木立ちの中の階段を上がると波多野精一の像があることに気づいた.玉川大学の学長をしていたことがあったのか.本日の分子系統進化学の高座は距離法に基づく系統推定について.午後1時に終わる.駅前の玉川学園購買部にて「はちみつジャム」の林檎と杏子をお買い上げ.東京農大といい玉川大といい,商売(品)が実にうまいなあと思う.

◆[欹耳袋]原稿が思う存分書けるカフェ —— 本務地「以外」で仕事をする機会がとても多いワタクシにとって,居心地がよくてしかも仕事がはかどる場所を見つけることは死活問題だ.とりわけ,原稿仕事が┣┣" リストの大半を占めるので,腰を落ち着けることができる喫茶店はなくてはならない(『系統樹思考の世界』のあとがきでは方々の喫茶店への謝辞まで記したほどだ).

たとえば,本郷の東大正門前にある〈ルオー〉二階の「独房」.カーテンで“外界”と仕切られているだけだが,その出入り口に担当編集者が居座ると脱出は不可能である.いわば警察の取調室で刑事と対面しているようなもの(汗).しかも,「独房机」は微妙な鋭角で,斜め前方から絶えず執筆進捗状況を直視されます.その視線が剣山のように身に刺さるのを体感するのは,かつての作家が旅館にカンヅメにされて隣室に編集者が詰めている図がほほえましくなるほどの緊迫感だ(冷汗).ほんとうに心から原稿を書きたいとき(書かざるをえないとき)はここに幽閉されるのが最善だ.

◆本日のランチは移動途中の経堂駅前〈アイバンラーメンPLUS〉にて「塩ラーメン(全部乗せ)」をば.刻み塩昆布がトッピングされてるー.とてもいい出汁の味だった.厚切りチャーシュー(と呼んでいいのかやや不安)三枚と温泉卵の下には細麺が隠れている.ここの店はラーメンにしてラーメンではない絶妙な境界侵犯をしているところが魅力だと思う.「チーズ混ぜ」にしろ「あごだしラーメン」にしろ,この店が出すラーメンはいわゆる「ラーメン」の範疇から多かれ少なかれ逸脱している.蘆花公園の近くにあるという本店はまだ行ったことがないが,農大に行くときに機会を見つけて立ち寄りたい.

◆[欹耳袋]原稿が思う存分書けるカフェ(続) —— 最近は,千駄木の横丁の奥にある〈結構人ミルクホール〉を“仕事場”として利用することが多くなった.ここの最大のセールスポイントは「おひとりさま」のための場所を提供してくれる点にある.店内は会話が禁止されているので,おのずと自分の世界に浸ることができる.しかも,店内はフリーの無線LANが通っているので,隠れ家の中からそっと「外」につながることもできる.

今日も経堂から移動してここに潜伏した.外は曇っているが,穏やかな日和ではある.おひとりさまになって懸案の曼荼羅(第三稿)を描こうとしたら,インターネットから雑用┣┣" がわらわらと押し寄せてきて必死で防戦する(そのほとんどは来週の分子系統ワークショップ関連だったりする).そうこうするうちに,コロンビアのラピラの深煎りとガトーショコラがやってきた.BGMが Steve Reich の〈Six Marimbas〉(→ Part 1 / Part 2)だったので,つい聴き入ってしまって仕事がぜんぜんはかどらない.

—— 行く先々で「いい仕事場」を新たに発見することは必須であると同時に楽しみでもある.

◆夕方のお座敷 —— 午後4時前に千駄木の潜伏先を出て,裏道を縫って本郷キャンパスに潜入する.配布物が多すぎて肩が痛いぞ.午後4時半から「生物統計学」の講義.今日は記述統計学と推測統計学とのちがいを切り口に,分散の不偏推定値に関するRのデモになだれ込む.その後,実験計画法の露払いをして,次回以降の高座に備える.午後6時前にお開き.

◆午後7時半につくば着.気温15.9度,北東風が涼しい.今日の日中,都内は20.8度まで最高気温が上がったが,不快な蒸し暑さはぜんぜん感じられなかった.秋ですな.

◆本日の総歩数=6832歩[うち「しっかり歩数」1010歩/12分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.7kg(−0.2kg)/28.9%(+0.9%)


19 oktober 2011(水)※居室にいれば┣┣" が誘引される

◆午前4時半起床.真っ暗.北風が冷たく気温は10.6度と久しぶりに冷え込んでいる.夜が白んできた.東の方角は曇っていて日の出は見られなさそう.午前5時の気温は9.6度.寒いはずだ.久しぶりに出勤簿にハンコを押した.次に押印するのは月末だな.今朝の最低気温は午前6時過ぎの9.3度で10度を割り込んだ.しかたがないから長袖を着てあげようね.居室の賞味期限切れ┣┣" どもを一掃処分したら,少しだけ気分が晴れた.外は灰色の曇り空だが.早朝はまだ青空がのぞいていたのに.

◆午前の┣┣" 撃ち —— インフルエンザ接種の予約.10月31日(月)17:30までに./来週の分子系統ワークショップに関するこまごましたメールが届く.交流会は初日10月26日(水)午後6時から研究交流センターにて.その他,昼食の予約や送迎車の確保など.実習用のソフトウェアについては本日午後5時から電農館にてインストール作業が予定されている.

◆[欹耳袋]Microsoft Office の「専従職員」を配置すべし —— 大「脳」洋航海記「私家版:科研費研究調書Word書式の罫線対策」(2011年10月18日).科研費など予算申請に伴うさまざまな「事務書類」の煩雑な書式が研究者の時間を大幅に侵食している.とりわけ,意味のない「罫線形式」を厳密に遵守させるという腐った官庁系事務文化は救いようがない.しかし,予算申請提出が研究活動にとって死活問題であると同時に,研究者個人の研究業績評価や所属機関評価に深く関わることもまた現実である.所内的に罫線書式を軽減することはできても,研究費獲得のために「外部」に提出する書類が罫線だらけだったらどうしようもない.かつては,実際に「紙」を切り貼りして科研費申請書類をつくっていた時代もあった.その申請が電子化されてラクになると思ったら,今度は些末かつ厳密な罫線書式に悩まされる時代が到来した.官庁系事務文化の暗闇はいっこうに晴れる兆しがない.

そこで,現実的な提案として,大学や研究機関はこのような“罫線リッチ”な申請書類の作成を担当する部署をつくり,しっかりしたスキルをもった専従職員を配置するべきだろう.Microsoft Word はもともと組版ソフトではなくワープロソフトのひとつにすぎない.したがって Word で複雑な組版をするのは「匠のワザ」であって,研究者がいくら頑張っても限界がある.ましてや,ワープロソフトではない Microsoft Excel で事務文書のフォーマットを押し付けるという並外れた感性の官庁系事務文化は研究者の想像力をはるかに凌駕する.Word / Excel の専従部署を設置することにより,研究者はくだらない書式設定に悩むことなく申請すべき研究内容説明の推敲に集中することができるし,また事務担当者は詰めが甘い研究者の文書作成能力にいらいらさせられることなく専従部署が責任をもって文書整形してくれる申請書を安心して「外部」に出すことができるだろう.しかも,書式が不適切だからという理由だけで申請全体を門前払いされる致死的リスクも大幅に回避できるだろう.一言で言えば,研究者も事務もどちらもシアワセになれる.

—— 「餅は餅屋」というシンプルな格言は研究環境を確実によくするにちがいない.幸福への輝ける道,それは「Microsoft Office 専従ポスト」を職場の中に設置することだ.

◆曇り空の昼休みは歩き読み —— 昼休みに圃場のまわりを徘徊するのはずいぶん久しぶりだ.外は曇っていて日射しはぜんぜんない.そのせいか正午の気温は15.5度と昨日よりもかなり涼しい.北東からの風が心地よい.本日の歩き読みのお供は:泉麻人『東京ふつうの喫茶店』(2010年5月17日刊行,平凡社,東京,248 + Shop Card 16 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-582-83471-0 → 版元ページ今日の平凡社Web平凡).この本は,昨年,新刊で出たときに買ったまま一年以上ずっと放置していた(そんな積ん読本があまりにも多すぎる).渋谷の名曲喫茶〈ライオン〉,谷中の〈カヤバ珈琲〉,業平橋の〈カド〉,本郷の〈万定フルーツパーラー〉をはじめ,東京を中心とする古い古い喫茶店がたくさん登場する本.京都では〈イノダコーヒ本店〉が載っている.午後も曇り空が続いたが,今日のような気候だととてもすごしやすい.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 明日の東大「生物統計学」のハンドアウトは大量にある.抱えて持ち歩くのはとてもつらいので,どこかの駅のコインロッカーに放り込むことにしよう./玉川大「分子系統進化学」の MEGA5 ドキュメントはすでにコピー作成を依頼したので大丈夫だろう./なんだかせわしないなあと思ってカレンダーを再確認したら,京都ミッションが突発的に増えてしまった関係で,今月の「つくば実在率」が当初の予定よりも大幅に下がってしまい,「6日/20労働日」すなわち三割になっていた.そりゃあ,雑用┣┣" だって滞留するわなぁ(納得!).

◆夕暮れの┣┣" 撃ち —— 来週の分子系統ワークショップがらみで,じたばたとごまめ┣┣" 撃ちをしているうちに,もう夕暮れが迫ってきた.一日がとても早く終わってしまう気がする.定員いっぱいでキャンセルが出ると,補欠合格者の連絡でてんやわんやになる./電農館でのインストール作業は無事に終わっただろうか./系統樹曼荼羅本の打合せは11月17日(金)18:30から〈ルオー〉にて./農環研収穫祭のお知らせがまわってきた./異動希望調書は提出完了./早く来年のイヤープランナーを買わないと,近未来┣┣" どもがあふれそう……./あれこれ片付けて農環研を撤収.今日はことのほか夕焼けがみごとで,西日が放射状に広がり,全天が真っ赤に染まった.

◆[欹耳袋]来週,つくばで開催される分子系統ワークショップの実習ソフトウェア一覧を公開した:→ leeswijzers stamboom.ものすごく久しぶりに Tumblr を開いてしまったな…….まる一年以上,まったくアクセスしていなかった気がする.存在そのものを忘れていた.

◆明日は,定例の都内巡業日だ.今日のようなすごしやすい空模様だったらいいのだが.

◆本日の総歩数=6940歩[うち「しっかり歩数」3525歩/38分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.9kg(+1.1kg)/28.0%(−0.3%)


18 oktober 2011(火)※秋晴れ,谷根千,隠れ家ライフ

◆午前4時半起床.気温は16.2度.やっと空が白んできた午前5時の気温は17.2度.曇り.北寄りの風が涼しい.昨夜は帰宅してすぐにドロのように寝てしまったので,夜明け前の朝風呂.京都のミッションがけっこうたいへんだったので,こうやって精神的にゆっくりした朝を過ごすと,逆に旅先にいるかのような解放感が漂ってしまう.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 京都ミッションを含めた近未来┣┣" 撃ちリストの改訂と,カレンダーへの加筆.すでにだいぶ窮屈になってきたが,これからの予定によってはさらに増えるかもしれない.

◆[欹耳袋]MacBook Air での PAUP*「UNIX版(portable version)」は「x86/Mac OS binary」を Sinauer Associates からダウンロードすればよかったのか.おお,ちゃんと起動してくれた.うれしいな.PAUP* のウリだったGUIがもう使えないのはちょっとさみしいが(この点にかぎっては PAUPup が使える Windows 版に負けている),とにもかくにも Mac OS X で使い続けられるというのは朗報.最初,Sinauer のダウンロードサイトに入ったときはいったいどのバージョンを選べばいいのかわからなかったが,この点が解決してよかった.

◆暖かな本郷台地にて —— 10:55発のTX快速に乗る.この時間帯はさすがにがらがらだ.曇って日が射さず北東風も吹いていたので,家を出るときについ長袖を選択してしまったのが後悔のもと.こんなに蒸し暑いんだったら半袖にするべきだった.正午前に根津到着.今日は,東大農学部で,新任の助教さんを迎えての専攻昼食会.その後,頼まれていた学位審査に関する打ち合わせをする.

◆昼下がりの潜伏工作活動@千駄木 —— 午後の暖かな日射しのなか,谷根千地域に入り込み,いつもの潜伏場所でワルい原稿を書いたり,イケナい曼荼羅を描いたりする昼下り.もうすぐグアテマラ・オカニャ農園の深煎り珈琲が運ばれてくる〜.懸案だった文化系統学曼荼羅(第二稿)を描き終わったのでそろそろつくばっくしよう.ワタクシにとって「曼荼羅」とは世界を一幅の「絵」に描いたもの.したがって,シグナルだけでなくノイズまで全部そのなかに含めたものでなければならない.だから,一目で理解できるものである必要はなにもない.ブリューゲルの描いた『子供の遊戯』や『ネーデルラントの諺』のように,一見したところ意味不明なディテールを書き込みながらも,全体像とメッセージが読者にそのうち見えてくるというのがいいなあ.

—— 以上をもって,勁草書房関係の┣┣" はほとんど撃ち果たしたはずだが

◆午後4時過ぎにつくばに帰還し,その足でひさしぶりの農環研へ.これまた懸案の進化本のゲラ読みをすませて,ファクスを編集部に送信完了.チャートを描き直してくれたのはいいが,それに伴うミスが多発していてかなりやっかいな┣┣" 撃ちになってしまった.引用文献リストをつけないということも初めて知った.うーーんと,これは読み物としてはワルくないけど,資料価値はぜんぜんないなあ.そういう本になるということで納得しよう.さて,用事がすめば観音台に長居は無用だ.帰宅ラッシュが始まらないうちに,午後5時前にさくっと撤収.農環研の実在時間は40分だった.よしよし.農林団地圃場の向こうに大きくて真っ赤な夕日が沈んでいく.今日はみごとな夕焼けに空が染まったので,〈王祿〉の「丈径・純米無濾過生原酒」を開栓する案件につき自分会議で満場一致で可決された.心地よい酸味とともにパワーとボディーが実感できる日本酒.

◆[欹耳袋]ヨネザアドの学びの杜・遊びの海(米澤誠の公式ブログ)「瀬名秀明氏が語るダーウィン『種の起源』の素晴らしさ 」(2011年10月17日).これまた,このたび東北大学に寄贈された『種の起源』初版本をめぐる記事./NHK-BSプレミアムでいまやっている超新星番組で, Johns Hopkins University のことを「ジョン・ホプキンス大学」と記していたが,このまちがいは意外にたくさん見られることに気がついた./「赤文字雑誌」vs.「青文字雑誌」という表現を始めて知った.

◆本日の総歩数=8202歩[うち「しっかり歩数」1151歩/13分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.8kg(−0.7kg)/28.3%(+0.4%)


17 oktober 2011(月)※京都ミッションは週明けも続く

◆午前4時半起床.昨日の朝は気温が高かったが,今朝の最低気温は14.0度まで下がった.薄曇りながら好天.本日の予定を確認し,遺漏がないようにメモまたメモ.今日のミッションが終わればやっとつくばに帰れるはずだが,さてどうなることやら.

◆[欹耳袋]夜中,寝ているはずなのに,ふと Steve Reich の〈Drumming〉のリズム(Part 1(1) / Part 1(2))が聞こえてくる気がするのは単なる幻聴か.最節約主義者は必然的に最小音楽にとりつかれるということ.同じ Steve Reich でも〈Nagoya Marimba〉の方が夢見がはるかにいい.

◆午前のミッション —— ぼやけた晴天.洛南は週が明けても20度超の暖かさ.午前9時に半袖でミッション始動.昼過ぎに一段落した.留守中のつくばでは┣┣" が降り積む.静かに降り積む.どんどん降り積む.事務連絡などなど何頭かの┣┣" を弾き返した.昼下り,穏やかに晴れわたる.再校┣┣" を追い払ってから,午後のミッション始動.

◆[欹耳袋]インタラクティヴ読書ノート別館の別館:「唯一無二の存在・出来事についての科学」と「シノドス・セミナー「社会学の居場所」 」(2011-10-16).かなりピンポイントにおもしろいと感じた.社会学も苦労しているんだなあ.「科学」にもいろいろあるということです.それがワタクシの持論.

◆夕暮れて暗くなった午後7時.本日のミッションはやっと完了した.これからタクシーで京都駅に乗り付けて,つくばっくだ.19:42発ののぞみ256号に乗り込んだとたんに睡魔が降臨してうつらうつら.夜の新幹線は車窓の楽しみがないのでつまらない.晩ご飯は〈志津屋〉の「ふんわりオムレツサンド」を車内持ち込み.志津屋は昔から京都にある店.洋菓子店のイメージが強かったが,最近は市営地下鉄の駅近くでベーカリーのショップも出している.さくっとトーストした食パンに厚いオムレツがはさまれている.添え物はキュウリのみのマヨネーズ味.お,なかなか美味いじゃん.シンプルにして充実.次回は「元祖ビーフカツサンド」にしよう! 関西に来たらトンカツではなくビフカツが基準.

◆[欹耳袋]日本計量生物学会ホームページの新サイトへの移転.半年後に閉鎖される nii の旧サイトからそろそろ脱出ということです.

◆[蒐書日誌]車内読書 —— デボラ・ソロモン[林寿美・太田泰人・近藤学訳]『ジョゼフ・コーネル:箱の中のユートピア』(2011年2月14日刊行,白水社,東京,497+xv pp., 本体価格3,800円,ISBN: 978-4-560-08109-9 → 目次版元ページ).買ったまま積んであったのだが,思い立って上洛のお供にした.ジョゼフ・コーネルという人生それ自身が狭い「箱」の中に入っていたということか.

◆午後11時半,つくばセンターをとぼとぼ歩いている.見上げれば朧月夜ですな.北寄りの風が涼しい.明日はマジメに農環研と思いきや,本郷あたりに出没したりする.いったいいつ本務地に顔出しするのだろうか…….

◆本日の総歩数=9977歩[うち「しっかり歩数」3588歩/40分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


16 oktober 2011(日)※朝日がまぶしい雨上がりの宇治

◆午前4時半起床.昨夜のしとしと雨はやっとあがったようだ.気温は19.6度.外はまだ真っ暗だが,きっと曇り空なんだろう.またしても系統樹ウェブ曼荼羅の連載原稿が遅れている.書かないと書かないと.夜明け.炭山の向こうから朝日が昇り,青空が広がってきた!

◆午前のミッション —— 午後8時すぎに始動.昨日の雨で金木犀の花が散り果て,道のいたるところが橙色に染まっている.洛南はよく晴れて,南西風が吹き込む.朝から気温が高く午前11時には24.0度に達している.

◆[欹耳袋]折り重なる予定たち —— きたる10月29日(土)は東大の第10回ホームカミングデイ.それにあわせて,出身学科から交流会の通知あり:「生産・環境生物学専攻(旧農業生物学科)在校生・卒業生交流会のお知らせ 」.2011年10月29日(土)15:00~17:00@東京大学農学部・弥生講堂アネックス.その後,生物測定の部屋でOB会があるとのこと.しかし,この日は厚木での東京農大の収穫祭&昆研OB会とも重なっている.しかも,玉川大学の補講が13:00〜15:00に入っている.最優先の「そうだ 京都、行こう」ミッションのこともあるし,どうするか思案投げ首の真っ最中.

◆午後のミッション —— 天気がよすぎて暑いぞ.空気が乾いているのが救いではあるが,秋も深まるこの季節に夏日の日射しはかんにんしてほしい.シエスタならぬ原稿書きしばし.午後7時,本日ミッション完了.日中は日射しが暑かったが,日没後,急速に気温降下している.いまの気温は18.1度.明朝は冷え込むかも.

◆[欹耳袋]系統樹思考を「教える」ということ —— Kefyn M. Catley and Laura R. Novick 2008. Seeing the wood for the trees: An analysis of evolutionary diagrams in biology textbooks. BioScience, 58(10):976-987 doi: 10.1641/B581011 → abstract.サブタイトルに惹かれてメモクリップ.生物学の教科書をサーヴェイして「系統樹」がどのように描かれているかを調べた論文.いくつか気になるレファレンスがある:

  • Baum, D. A., S. D. Smith, and S. S. Donovan. 2005. The tree thinking challenge. Science, 310:979–980. abstract.※「tree-thinking」に関するリテラシー向上の必要性について.コメント欄も要注意.
  • Goldsmith, D. W. 2003. The great clade race: Presenting cladistic thinking to biology majors and general science students. The American Biology Teacher, 65:679–682. abstract.本論文を引用した文献のリストがとても参考になる.いくつかピックアップ:
    • Richard P. Meisel 2010. Teaching Tree-Thinking to Undergraduate Biology Students. Evolution: Education and Outreach, 3(4): 621-628. abstract
    • Kefyn M. Catley, Laura R. Novick, Courtney K. Shade 2010. Interpreting evolutionary diagrams: When topology and process conflict. Journal of Research in Science Teaching, 47(7): 861-882. abstract
    • Laura R. Novick, Courtney K. Shade, Kefyn M. Catley 2011. Linear versus branching depictions of evolutionary history: Implications for diagram design. Topics in Cognitive Science, 3(3): 536–559. abstract
    • David A. Baum and Susan Offner 2008. Phylogenics and tree-thinking. The American Biology Teacher, 70(4): 222-229 abstract
    • T. Ryan Gregory 2008. Understanding evolutionary trees. Evolution: Education and Outreach, 1(2): 121-137 abstract.これは手元にある.
    • Eli Meir, Judy Perry, Jon C. Herron, and Joel Kingsolver. 2007. College students' misconceptions about evolutionary trees. The American Biology Teacher, 69(7): e71-e76. abstract
  • Novick, L. R. and K. M. Catley 2007. Understanding phylogenies in biology: The influence of a Gestalt perceptual principle. Journal of Experimental Psychology: Applied, 13: 197–223. abstract
  • Sandvik, H. 2008. Tree thinking cannot taken for granted: Challenges for teaching phylogenetics. Theory in Biosciences, 127: 45–51. abstract
  • Staub, N. L., P. G. Pauw, and D. Pauw 2006. Seeing the forest through the trees: Helping students appreciate life's diversity by building the Tree of Life. The American Biology Teacher, 68: 149–151. abstract

◆夜遅くなって,〈系統樹ウェブ曼荼羅〉第10回連載「人間の綱:血のつながりを視覚化する図像的伝統」の原稿をようやく送信完了.400字×12枚ほど.前回はぜんぜん間に合わなかったので,今回もかろうじて滑りこみだった.ほかにも原稿┣┣" を引き連れて京都にやってきたのだが,それだけの時間があるのかどうかわからない.

◆本日の総歩数=8952歩[うち「しっかり歩数6599歩/64分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


15 oktober 2011(土)※秋の長雨が降る洛南をあちこち

◆午前4時半にいったん起床したのだが,さすがに起き上がる気力がなく,午前6時前まで二度寝してしまう.曇り空でいまのところ雨は降っていない.洛南の地に湿気が充満していて,秋本来の爽快さとは対極的.本日のミッションの前に朝風呂でも浴びるかな.

◆[欹耳袋]ITmedia ニュース「FTPクライアント「FFFTP」開発継続へ 有志が引き継ぎ、新バージョン登場」(2011年10月12日).Windows環境でのftpソフトとして,以前から FFFTP を愛用してきた.こういうふうに開発が受け継がれていくのは歓迎./Christine Herman「Why women leave science (and what’s being done about it)」(2011年10月14日).「family friendly academia」というNSFの提言.

◆午前のミッション完了.曇りときどき小雨でジメジメしている.正午の気温は22.9度.しばし休憩.

◆[欹耳袋]『種の起源』の初版本が東北大へ —— asahi.com「種の起源の初版本、東北大に寄贈 名誉教授の岡本さん」(2011年10月15日).『種の起源』の初版本が「300万円」ということは,何刷目かが気になる.First printing の「1250部」の一冊ではないんだろうな,とつぶやいたら,マジにそれが事実とのこと.それ,貴重ですよ.『種の起源』の初版本は,日本だと東大に二冊,遺伝研に一冊あるから,東北大のは四冊目ってことか.慶應にもあるらしいが.この件の詳細については下記の記事を参照のこと:大隅典子の仙台通信「岡本先生の『種の起源』初版本 」(2011年10月15日).

◆午後のミッション完了.気温は21〜22度台を推移.終日,曇ったり降ったりする蒸し暑い一日だった.もちろん半袖がベストの服装.やっと今日のお勤めから帰還できた.

◆[蒐書日誌]京都本二冊 —— 太田和彦『ひとり飲む、京都』(2011年5月19日刊行,マガジンハウス,東京,279 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-8387-2256-3 → 版元ページ)/アリカ(編著)『京都読書さんぽ』(2011年9月12日刊行,光村推古書院,京都,111pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-8381-0455-0 → 版元ページ

◆[欹耳袋]つくばラーメン情報(順不同) —— 〈ベンベラ〉〈蒼AOI〉〈〉〈三水〉〈ごう家〉〈がむしゃ〉〈丸長〉〈一麺〉〈いっとく〉〈椿〉〈丸源〉.さすがラーメン激戦エリアだけのことはあって,まだ制覇できていない店も半分くらいある.よりどりみどり.

◆夜になって,再び雨がしとしと降りだした.気温も高めだし,なんだか黴びそう.

◆本日の総歩数=7679歩[うち「しっかり歩数」1121歩/11分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


14 oktober 2011(金)※横殴りの雨が降りふたたび上洛

◆午前4時半起床.曇りかと思ったら霧が立ち込めていた.今朝の最低気温は12.9度.やや寒い.今日はつくば実在日だが,そのあとばたばたする.朝もやに包まれる農林団地.見上げれば真っ青な秋の空が広がっている.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 東大の講義が思った以上にハイスピードなので,前倒しでどんどんハンドアウトを用意しないといけなくなった.来週の分を早くも用意完了./玉川大学の昨年度の分子系統進化学に関する「学生による授業評価アンケート集計」を公開した.昨年は初年度だったからいろいろと瑕疵があったが,今年はもっとよくしよう./不在の間にまたしても侵入┣┣" が傍若無人なふるまい.原稿┣┣" どもも同調してしまったもうたいへん.今日はいくつかケリをつけないといけない.週末は週末で新手の別件┣┣" どもが待ち構えているから.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝 —— アミー・ジェイン・ベア[林勇夫監訳/石田惣訳]『単細胞生物・クラゲ・サンゴ・ゴカイのなかま』(2011年9月20日刊行,朝倉書店[シリーズ・知られざる動物の世界:5],東京,iv+118 pp., 本体価格3,400円,ISBN:978-4-254-17765-7 → 版元ページ).ユムシも出てる! 本シリーズも5冊目.Brown Bear Books から出ている原書のシリーズ〈World of Animals〉からはすでに何十冊も出ているらしいが,日本語訳はどうして「7冊のみ」なんだろうか…….

◆[欹耳袋]今年の農環研収穫祭は11月9日(水)17:15から.うふふ./京都は土砂降りとの情報.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 毎年恒例,異動に関する「希望調書」の書式をダウンロードした.11月4日までに提出すること.いますぐ書いて出すべし.出した./森の茂みから忘れようとしていた原稿┣┣" がいきなり飛びかかってきて心臓にワルい.進化学事典の未提出項目ふたつ.ほぼ同時に再校ゲラも届いた.しかし,まだ第一波襲撃.これからは波状攻撃されるにちがいない./ML小┣┣" 一掃処分./月末の分子系統ワークショップ関連の湧出┣┣" ども(講義資料・インストールなど)を追いかけ./玉川大の補講に関するあらあら┣┣" と取っ組み合う.講義に関するきまりが厳しいとこういうときにたいへん./分子系統ワークショップ.ワタクシが担当する初日講義のハンドアウト原稿を事務局に送った.配布資料や使用ソフトウェアをまだ提出していない講師みなみなさまの尻を叩きまくる.すまんすまん.

◆[欹耳袋]「罫線」という事務文化の重圧に抗して —— 某国立大学からの事務書類がエクセルで「1字/セル」を記入者に強制するかなり極悪なフォーマットだった.手練のエクセラーにとってはたいしたことない作業なのだろうが,「1セル1字」則を守ると漢字変換がめんどうで,時間ばかりが過ぎていく.これが心地よいと感じるのは日本の「事務処類文化」にクビまで浸っている担当者だけだろう.以前ならいらいらしつつもセルひとつに一文字を埋めるという非生産的行為に耽っていたが,最近はそんなことはしなくなった.記入に必要なスペース分だけセルを適当に「結合」して,自由形式欄を勝手につくりあげた上で,らくらく記入.そしらぬ顔をしてそのまま相手方に返送するくらいの知恵はついた.相手は困るかもしれないがそんなことはワタクシの知ったことではない.そもそもそういう文書を送りつける方が間違っているのだから.

かつては〈一太郎〉文書を平気で配っていたくらいだ.いまは一太郎ファイルとともにワードのフォーマットも同時に配られることが多いが,それでも「罫線」文化はいっこうにすたれない.職場でも何度か組合レベルを含めた交渉で,所内的には罫線付き文書は以前よりも減少しているようだ.しかし,霞が関やその他「外」からの申請書類はいまだに,ゴージャスな「罫線」付きの申請書フォーマットが横行している.科研費をはじめ外部プロジェクトの申請書式を見ればそのことは誰もが実感する.

—— そんなに罫線が好きなら何でもかんでも「罫線つき」で見える「罫線メガネ」でもかけろ!とかつて所内の組合交渉で口にしたことがある.罫線大好きな事務文化がもたらす書類作成の負担が研究者の時間をどれほど削り取っているかを考えるならば,有言・無言の抵抗はこれからもし続けるべきだと思う.

◆ふたたび京都へ —— 午後5時前に撤収.曇り空.帰宅してから旅支度.19:19発のTX快速に乗り東京へ.途中,流山あたりで雨が降りだし,都内は本降り.東京駅で20:40発ののぞみ407号に乗る.勤め帰りの会社員で意外にも満員.こんな時間帯の新幹線に乗ったことがなかったのでぜんぜん知らなかった.東海地方は土砂降り.窓ガラスを伝う雨滴が水平に流れ飛ぶ.京都駅に着いたのは22:58.京都も本降りの雨,八条口からタクシーに乗り,濡れ濡れて宇治にたどり着いたのは日が変わる直前だった.

◆明日からはミッションの日々が始まる.

◆本日の総歩数=2321歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=92.5kg(−0.5kg)/27.9%(−0.7%)


13 oktober 2011(木)※都内巡業のお勤め日は蒸し暑い

◆いったん午前3時半に起床したものの,二度寝していつもの4時半に起きる.気温は15度台.曇っているのかな.今日は朝から玉川大,午後は東大へと都内巡業の一日.

◆朝から都内出撃 —— 7:56発のTX快速に乗る.しかし,千代田線の遅延で一時立ち往生.毎度毎度の遅延なので慣れてしまったが,午前11時からの講義なのに,朝7時半に家を出ないと不安というのは,いったいどんな長距離通勤かと思うことも多々ある.「都内」なのに.本日の玉川大学の講義はMEGA 5 を用いた配列データのアラインメントの説明と実習.今週から大学2号館の新しい教室に移ったのだが,学生のパソコン用電源が取れないことがわかった.今度からはフル充電してきてねー.外は曇って,室内は蒸し暑い.午後1時に終了.外もなんだか蒸し暑い.半袖にするべきだったか.

—— 補講日決定:10月29日(土)13:00〜14:50@9号館501教室/11月19日(土)11:00〜12:50@8号館326教室.しかし,10月29日は実習などで予想外に都合の悪い学生が多いので再考することになった.

◆[分類思考]本日の残響:退屈日記「「分類」について」(2011年10月13日)

◆[欹耳袋]Adobe InDesign の文字コード変更.文書ファイルの「配置」の際に「読み込みオプションを表示」をチェックすれば,Shift-JIS から UTF-8 他への変更が可能.

◆経堂にて〈はるばるてい〉の「ごまみそ香麺」を食べたのち,根津へ.午後4時半から本郷キャンパスでの講義.統計学概論の続きから始まって,John Tukey の箱ひげ図,そしてパラメトリック統計学に進み,確率変数と確率分布,正規分布までイッキに進み,Rでの中心極限定理のデモまでやっと講義終了.なんだか進度が速いなあ.

◆本日,東大・本郷キャンパスでの講義ののち,宵闇の谷根千エリアをぶらぶら散歩する.久しぶりに「へび道」を完歩してきた.ぜんぜん知らない店やイベントスペースができていてびっくりした.こんな狭い横丁にまで店がと驚いたしだい.谷中の〈マミーズ〉でアップルパイのホールを買ってつくばに帰還.焼きたてほかほかだったので,千代田線車内にパイの甘い香りが漂う.〈マミーズ〉のアップルパイは,リンゴがまるごとごろごろ入っていて,実に美味い.しかも,リンゴの食感が残っていて,よくあるジャムみたいな食べ心地ではなく,しゃりしゃりという歯ごたえが楽しめるのがすばらしい.気力・体力が尽きかけているときこそ,こういうふうわりしたスイーツをしっかり食べてシアワセになることがたいせつだと思う.いささか背徳的ではあるが.

◆午後8時前につくば着.センター広場から空を見上げる.今宵はみごとな満月が雲ひとつない空に浮かんでいる.月の下にぶら下がっている惑星はいま大接近している木星だそうだ.

◆本日の総歩数=6385歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.0kg(0.0kg)/28.6%(+0.1%)


12 oktober 2011(水)※今日は朝から原稿を書きまくる

◆午前4時半起床.まだ外は真っ暗で夜明けは遠い.北の風.気温は16度近くあって冷え込みはない.午前5時を過ぎてやっと明るくなってきた.曇りところどころ晴れ.気温14.0度.今日は原稿を書く日,そして曼荼羅を描く日.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 勁草書房・文化系統学の担当章(400字詰×約70枚)とあとがき(同25枚あまり)の最終原稿を発射して珈琲充.まあ,よう書かはりましたなあ,いう感じですな.担当章は脚註が33枚もあるし.あとがきにさえ脚註が12枚もあってサービス旺盛.どの章にも山ほど脚註があるみたいなので,脚註は二段組で「視力検査」並みの微小フォントにしないといけないかも.いずれにしてもそろそろ原稿が全部そろうので,全体の分量を計算していただいた方がいいかも.

◆[欹耳袋]YOMIURI ONLINE「就活2011:院修了生厳しい現実」(2011年10月6日) —— 記事の書き方が,1970年代に「OD問題」が表面化した頃と基本的に何も変わっていないのはどーしてだろう.1980年代の話だが,大学院を出てピュア(=無給)なODになってから,片手の指くらい公募(のようなもの)にアプライしたことがあったが全滅.有給ポスドクなんてポストはないも同然の時代だったので,この記事に登場する人と同じような生活をしていた.たまたま当時の国研には「選考採用」があったので,運よくそれで拾われたようなもので,それはけっして現在のような「公募」ではなかったはず.同じ研究室出身者のキャリアパスもほぼ同じようなものだった.将来のことをぜんぜん考えずに大学院に行き,そのままODになっても楽観的でいられたのは,当時バブル期の絶頂だった日本が経済的に景気よすぎたからだった.大学院生の母集団も十分に小さかったし.現在では,大学院修了者の集団がもっと大きいので,たとえ現象的には同じに見えても,状況的には大きな違いがある.母集団の大きさがぜんぜんちがうので,三十年も前の「昔話」をしてもいま進行中の「現実」の前には無力.スケール効果のちがいを痛感する.

—— [欹耳袋]諏訪耕平の研究メモ「僕は文系研究者が好きです」(2011年10月12日).上と同じく読売オンライン記事に対する感想.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 文化系統学マンダラの下絵を描いたので関係者に発射.もちろん鉛筆書き.お絵かき用に極太のシャープペンするが何本か常備されている./明日の東大の講義ハンドアウト完了.ついでに玉川大学の休講・補講の届出も出した.

◆夕暮れに真っ赤な太陽が西に沈み,代わって東の空からは輪郭のぼやけた赤茶けた満月が雲間をのぼってきた.さて,今夜はおでん&ぬる燗〜.ということで,大阪・能勢の〈秋鹿〉「純米吟醸ひやおろし」を今季初のぬる燗にして,おでんとともにいっただきまーす.今年のひやおろしは阿波山田錦の60%精米,酵母は協会九号.酸味が立ってしかもべたべたしないキレの良さ.しっくり寝かせてほんのり色づき,奥行きのある味わい.これから寒くなってくると燗酒がええなあ.うまいっ!

◆[蒐書日誌]Joseph Felsenstein『Statistical Inference and the Estimation of Phylogenies』(1968年刊行,The University of Chicago Press [Ph.D Thesis], Chicago, 154 pp.).未見ながら,系統推定におけるベイズ法の適用については,この学位論文がルーツのひとつらしい.Joe Felsenstein や Steve Farris が系統推定の確率モデルを論じた1970年代はじめは,理念としての「尤度主義」と「ベイズ主義」が方々で出現している.1970年代末の:Charles W. Harper, Jr. A Bayesian probability view of phylogenetic systematics. Systematic Zoology, 28: 547-553, 1979 よりも最低10年以上は遡れるということだ.

◆明日は朝から夕方まで都内巡業日.あいまにゲラ読み.原稿書きは夜帰ってからか.

◆本日の総歩数=4981歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.0kg(+1.1kg)/28.5%(+0.2%)


11 oktober 2011(火)※久々のつくばで曼荼羅お絵描き

◆午前4時半起床.曇って霧がかかっている.北西風が涼しい.最低気温は午前6時前の13.2度.京都よりもだいぶ下回っている.昨夜は寝る前に鯖寿司を食べ過ぎたような.久しぶりの観音台.しばらく不在にしていた居室全体を初期化する.

◆[欹耳袋]餅は餅屋二題 —— 某共著進化本(今月末に刊行予定)に寄稿した「進化的総合マンダラ」がデザイナーさんの手でみごとに描き直されていて感動している.餅は餅屋.素人がいくらがんばってもできないことがある./MS Word の罫線書式と格闘するのは時間のムダ.Wordは組版ソフトではない.餅は餅屋.ちゃんとした組版ソフトウェアをつかわないと.以前,Adobe InDesign(PageMakerだったかも) で事前に文書を作成し,上から罫線をすっと引いたものを画像化して,Word ファイルにどかんと貼付け「.doc」として提出したことがあった.科研費のLaTeXフォーマットがあるのだから,InDesign のフォーマットがあってもいいと思うのだが.そういうニーズはきっとあるはず.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 連休前から今日の正午まで計算センターの長期メンテ作業のため,日録の更新がぜんぜんできずじまい./日録更新の前に連載原稿┣┣" 一頭とゲラ読み┣┣" 一頭を仕留めよう.いずれも明日が締め切り日.文化系統学マンダラの描画はそのあとで./うわわ,事務┣┣" 一頭が大逆襲.ブラジル出張のランチ代金の件,8月の怨みを10月にはらすとは〜.神も仏もない,と愚痴っても今月は神無月./信州大学のクリスマス高座〈自然科学史〉の出講依頼書がやっと届いた.兼業で出講するので企画戦略室から人事にまわしてもらう./立替払請求書と兼業申請書は提出完了./あ,首都大と横浜国大のレポート出題をしないといけなかったんだー.

◆窓の外でツクツクボウシが鳴いている.今年は秋になってもよく鳴くなあ.午前11時の気温は22度台.暑くも涼しくもない薄曇りのはっきりしない空模様.窓を全開放すると涼しい空気が通りぬけて居室環境がとても心地よい季節になった.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 昼過ぎにやっと日録更新をすませた.韓国土産にいただいた「マッコリ入りチョコ」.うん,なかなかいけるけど,〝お酒〟の味わいがもっとあっても良かったかも./緊急┣┣" 一頭が脇から飛び込んできて往生する.今月末の農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉の受講予定者一名がキャンセルになったので,補欠の選出作業.とりあえず三名を指定して参加打診を研究交流課に依頼し,これにて飛び込み┣┣" を土俵の外に投げ飛ばした./首都大と横浜国大のレポート課題を発射した.締切は10月25日ね.>受講生のみなさん./某学会の副会長選挙の投票をすませた.

◆[欹耳袋]宇宙線実験の覚え書き「学振の申請書を Pages でストレスなく書く方法」(2010年3月9日).Adobe InDesign でもほぼ同じ手順.かつて一太郎フォーマットだった昇格書類はすべてこの手でクリアした.

◆いろいろな原稿┣┣" たちの締切が近づいているのだが,たまに居室にいるとわらわらと薮蚊のように微小┣┣" どもがまつわりついてくるので,本業がぜんぜんはかどらない.午後5時前にさくっと撤収し,帰宅することにした.本日の最高気温は23.7度.焼け付くような日射しもなく,しのぎやすい夕方だった.週間予報では当分は20度台の気温が続くようなので,長袖はまったく必要なし.日中は半袖がベストチョイスだ.

◆夜になると,睡魔に背後からべったり取り憑かれることが最近とみに多い.暗くなるとほとんど仕事にならん.

◆本日の総歩数=3174歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=91.9kg(−1.0kg)/28.3%(−0.1%)


10 oktober 2011(月)※三連休ミッションを終えて帰還

◆午前4時起床.京都に帰ってきてからは夜が早いので,自然に起床時刻も早くなる.気温は15.4度.夜明け前にフランスパンとコーヒーで朝食をすませたので,メールボックスでずっと吠えている┣┣" のお相手をしてくる.京都南部の天気予報は晴れときどき曇り.予想最高気温が26度ということは,また半袖が必要になるのか.長袖しか持ってきてへんがな…….いずれにしても,今日のミッションが終わったらやっとつくばに帰還だ.

◆夜明けの┣┣" 撃ち —— 半月後に迫ってきた分子系統ワークショップの講師陣に,受講生の応募アンケートの集計結果を送信.受講生の興味と事前知識について周知することで,教育効果を上げようということ./某進化本の経歴紹介文を送る.肝心のゲラ読みがまだぜんぜん終わっていない.10月12日が締切./系統樹ウェブ曼荼羅の連載記事の締切も12日だった.今回は穴をあけるわけにはいかない.

◆昨日の洛中徘徊 —— 昨日の午後,二条通りを徘徊していて,たまたま〈ブレッド・ルーム〉というパン屋に入った(麩屋町東入).つくばでいえば〈ダヴィッド・パン〉みたいな感じのこじんまりした店で,並んでいるパンは〈ブロートツァイト〉みたいなハード系パンの率が高い.生ハムと削りチーズのカスクートを買った.飾りっけのないのにうまいのはフランスパン自体がいいからだろう.ここもアタリやな./ひょっとして京都には「対面式」のパン屋ってあんまりないのん?

◆午前8時過ぎ,さて,連休最終日のミッション始動.穏やかな秋晴れだが,夏日になるのはやめてほしいなあ.しかし,その願いは聞き入れられず,午後3時には最高気温26.0度まで上がった.暑いのなんの.

◆京都滞在中の三日間通いつめた?寺町二条上ルの〈末廣寿司〉にて,今日はいよいよ看板である「鯖寿司」を持ち帰りで注文すると同時に,店でもいただきました.酢の香りがほんのかすかにして,さばの肉厚な旨みが絶品.そりゃ人気があるのも当然だろう.京都ミッション大団円にふさわしい.鯖とご飯の厚みがほぼ同じというのは初めての食体験.店先の調理場で鯖が姿のまま寿司になっていくプロセスを見たのは初めて.開きにした鯖の身の上に寿司飯をぐっぐっと押しこむ,なかなか豪快なつくり方だった.ただし,賞味期限は「当日内」.何日も保存できる鯖寿司ではないのもまた魅力.これはもうすぐに食べつくすしかない.

そういうたら,久しぶりに寺町通り(京都市役所ヨコ)のグリル〈アローン〉をのぞいたら,「店主病気のためしばらく休業」との貼り紙があった.ここの巨大オムライスが食べられないのは残念無念.早く回復してほしい.

◆[蒐書日誌]恵文社一乗寺店『本屋の窓からのぞいた京都 ~恵文社一乗寺店の京都案内~』(2010年11月1日刊行,毎日コミュニケーションズ,東京,143 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-8399-3455-2 → 版元ページ).前から気になっていた本だったが,京都の本屋でやっとブツを手にした.

◆週末の本塁滑り込みで舞い上がる砂塵,巨大なWordファイルが闇夜を何度も跳梁跋扈する週末が過ぎて,なんとか予定通りの目次構成になりそうだ.善哉善哉.中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(勁草書房).章の順番と目次項目のリニューアルを公開する準備を進めよう.目次案に「見取図(三中信宏)」という項目があるのですが,これ,書くんですよねー,ワタクシが…….※ジョークですよ,と言ってほしいなあ(汗).

◆三連休ミッション成就 —— 午後4時.ミッションすべて完了.これからつくば帰還の用意をする.午後5時のタクシーで京都駅八条口に向かう.昨日は東山界隈を中心に街中はたいへんな混雑だったが,連休最終日の今日は一転して道路はいつになく空いているとのこと.夕焼けに染まる西の空に,狼煙のように立ちのぼる飛行機雲が数本.フシギな光景だった.三連休最後の京都駅はとんでもない混雑.昨日,洛中を席捲した人出がすべて京都駅に集結したのだろうか.新幹線はどれも満席でなかなか指定席が確保できなかった.この連休中の京都は日中が夏日の暑さだったので半袖プリーズと反省しきり.午後8時半,東京駅.東京タワーがオレンジ・白・緑の三色にライトアップされていた.午後10時前にやっとつくばに帰り着いた.心身ともによれよれな感じで,形状を保っていない.

◆帰宅してから〈末廣寿司〉の鯖寿司をまるまる一本食べたら,さすがにお腹がいっぱい〜.シアワセ〜.晴れた夜空には月が浮かび,涼風が吹く.明日は久しぶりの農環研実在日.

◆本日の総歩数=12030歩[うち「しっかり歩数」2207歩/21分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


9 oktober 2011(日)※今日も朝から京都を駆けまわる

◆午前4時半起床.気温13.8度.日中との温度差が大きすぎる.勁草書房論文集の本塁滑り込みトツゲキで砂塵が舞い上がっている.デスクトップに標的┣┣" 群をずらりと展示するのは精神衛生的によろしくない.塀の向こう側に隠しておきたい.今日も朝からミッションがあるのだ.

◆連休中日の青空ミッション —— 午前8時過ぎに始動.昼前にミッション午前の部が終わり,しばし実家にておやすみタイム.ミッション午後の部.いったん京都に出てビックカメラで買い物.日中は最高気温25.5度まで上がって,半袖がふさわしかった.京都に出ていくつか買い物をしたのち,混み混みの繁華街を迂回して二条から寺町に抜ける快適なウォーキング.〈三月書房〉で道草を食ってから宇治に戻って帰還した.

◆[蒐書日誌]Ben Salemans『Building Stemmas with the Computer in a Cladistic, Neo-Lachmannian Way: The Case of Fourteen Text Versions of Lanseloet van Denemerken』(2000年刊行,Nijmegen University Press, Nijmegen, viii+351 pp. met CD-ROM, ISBN:90-3730505-9 → pdf: open access|目次).ナイメーヘン大学に提出された学位論文.オランダにおける文献系図学のアウトプットとしてメモ.

◆[欹耳袋]日本の人口ピラミッド(1930〜2055)→ 動画.※最低10回リプレイすること.分布の山の頂きがどんどん高齢化していくのはもちろんだが,それ以上に人口(山のサイズ自体)が目に見えて減少している.

◆〈末廣寿司〉アゲイン —— 帰りがけにまたしても寺町二条〈末廣寿司〉にて「箱寿司」を買う.鱧の箱寿司をメインして,白身魚・海老・卵焼きなど彩り豊かに一揃い.箱寿司は京都や大阪の食文化の賜物やねぇ.とくに,鱧の箱寿司は京都ならでは.関東にいるとこういう箱寿司や押しずしには日常的には出会えないので,京都にいるシアワセのひとつかもしれない.ここ〈末廣寿司〉の箱寿司は千鳥酢を使っていて,酢の味をミニマムにしてあるとのことで,寿司飯からしてぜんぜんちがう.そして,ここの押し寿司や箱寿司はすべて「当日賞味期限」.何日もおいて味を慣れさせるタイプの寿司ではない.

—— さて,昨日の「うざく巻き」,今日の「箱寿司」とくれば,あしたはもうアレしかないわな.ふふふ.お店は開いてまっせ〜(確認済み).

◆勁草書房・文化進化学論文集の文献系図学がらみで —— Alfred North Whitehead & Bertrand Russell『Principia Mathematica, Three Volumes』(1910-13年刊行,Cambridge University Press, Cambridge → オンライン版[University of Michigan Library, Ann Arbor])の影響を受けた Walter Wilson Greg『The Calculus of Variants: An Essay on Textual Criticism』(1927年刊行,Clarendon Press, Oxford, vii+63 pp./Reprinted in 1971: Folcroft Library Editions → 書評目次情報)の訳題を『異文の公理論』とする.前から原題の「calculus」の訳語に迷っていたのだがやっと決断した.同じくその影響下にあった Joseph Henry Woodger が『The Axiomatic Method in Biology』(1937年刊行, Cambridge University Press, Cambridge, x+174pp. → 目次)というタイトルを付けているので,それに合わせて Greg の文献系図学本の訳題を付けることにした.

◆さて,明日は連休ミッションの最終日だ.お勤めをすませてから午後つくばに帰る予定.

◆本日の総歩数=9004歩[うち「しっかり歩数」2966歩/30分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


8 oktober 2011(土)※宇治の茶畑に朝日がさんさんと

◆午前5時起床.まだ外は真っ暗.京都の今朝の最低気温は12.5度台まで下がっているが,つくばは7.7だったらしい.そりゃ寒いわな.今日も朝から御用があって,午後にならないと身動きが取れず.午前7時前にミッション始動.外はよく晴れて,爽快な秋晴れの青空が丘陵斜面の茶畑の上に広がっている.

◆[蒐書日誌]十年前の書評をリバイバル —— スティーヴン・J・グールド[鈴木善次・森脇靖子訳]『人間の測りまちがい:差別の科学史』(1989年7月20日刊行,河出書房新社,東京,444+xxii pp., 本体価格3,900円, ISBN:4-309-25048-3 → 書評・目次・情報).2002年に書いた書評をアップデートした.グールドの本書の翻訳が出る前に原書:Stephen Jay Gould『The Mismeasure of Man』(1981年刊行,W.W. Norton, New York, 352 pp., ISBN:0393014894)を読了していた(入手してすぐに読み終えた).生物学的決定論に関する政治的メッセージを伴った本というよりは,むしろ形態測定学と生物統計学の歴史という当時ワタクシが関心をもっていたテーマの本として精読した記憶がある.翻訳は訳文が必ずしも読みやすいとは言えなかったが,原文はとても明快.翻訳書をあえて手に取る必要はない.

原書の増補改訂版は15年後に出版された:Stephen Jay Gould『The Mismeasure of Man, Revised and Expanded Edition』(1996年刊行,W.W. Norton, New York, 444 pp., ISBN:0393039722).改訂の直接の動機は,その前年に出版された,知能の人種差は実在すると論じた大著:R. J. Herrnstein and C. Murray『The Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life』(1994年刊行,Free Press, New York, xxvi+845pp., ISBN:0029146739)を反駁するためだった.この増補改訂版の翻訳もすでに出版されている:

  • スティーヴン・J・グールド[鈴木善次・森脇靖子訳]『人間の測りまちがい:差別の科学史(増補改訂版)』(1998年11月刊行,河出書房新社,東京,567+xxiii pp., 本体価格4,900円, ISBN:4-309-25107-2)
  • スティーヴン・J・グールド[鈴木善次・森脇靖子訳]『人間の測りまちがい:差別の科学史(上・下)』(2008年6月20日刊行,河出書房新社[河出文庫ク8-1〜8-2],東京,本体価格各1,500円, 上巻: ISBN:978-4-309-46305-6 [→ 版元ページ] /下巻: ISBN:978-4-309-46306-3 [→ 版元ページ])

なお,本書の初版が出版されてからおよそ30年間に本書がどのように受容・批判されてきたかについては,Wikipediaの項目〈The Mismeasure of Man〉を参照されたい.書き手ならばこれくらい半減期が長くて影響力を持ち続けられる本を後世に残したいものだ.

—— 昔の書評もこうやってこまめにアップデートすれば,まだまだお役に立てるかもしれないことを知った.

◆朝夕はやや冷えるが,日中はぽかぽか陽気で,最高気温はほぼ夏日の24.9度だった.本日のミッション完了.昼下りに,寺町二条上ルの〈末廣寿司〉にて「うざく巻き」の持ち帰りを注文した.前から気になっていた寿司屋だが,古いし狭いし敷居は高いしと,洛中によくあるタイプのお店だったのだが,意を決して入ってみたら大アタリ.「うざく巻き」は鰻と胡瓜の味わいと食感と彩りのまざりぐあいが絶妙.それにこの寿司飯が実に美味すぎて言葉もない.なんでこんな古ぼけた(あ,ごめん)寿司屋が,と思ったのだが,天保年間の創業とのことで,かれこれ一世紀半の歴史があるという.あ,そりゃ,お見それをいたしまして.ご主人と女将さんがその場でうざく寿司をこしらえてくれた.シンプルな真四角の巻きずし.鯖寿司と蒸し寿司もうまいらしいので,今度来るときはそれを目指すことにしよう.

◆あたりが暗くなって,虫の音とともに涼風が吹いてきた.明日も朝から夕方までミッションだ.

◆本日の総歩数=15949歩[うち「しっかり歩数」8488歩/86分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


7 oktober 2011(金)※そうだ 京都,行こうアゲイン

◆午前4時半起床.霧.気温16.4度.ペデストリアンが濡れていたのは夜中に雨が降ったせいだったのか.てっきり曇り空かと思っていたら,ちゃんと日の出を拝めた.よしよし.

◆またしても「そうだ 京都,行こう」 —— 今日は平日なんだけど,私用で早朝から京都へ.夜明け前からばたばたと旅支度をして,5:28発のTX快速になんとか乗った.こんなに早い時間帯だと通勤ラッシュとは無縁の静けさ.車内睡眠中の乗客も少なくなく,乗車駅の直前で目覚ましコールとか鳴ったりするとこっちまで飛び起きてしまうじゃないか.

東京から6:50発ののぞみ7号に乗った.JR東京駅の売店で買った「横濱オムライス」で車中朝食.なぜ東京なのにヨコハマなのかという根源的疑念は不問にふそう.暖かければもっとうまかったにちがいないが,冷めてもうまいオムライスの方がはるかにハードルが高いだろうな,周囲を見回してもみんなみんなそれぞれに「朝食モード」に入っていて,そこはかとなくなごやか.

東京駅からの早朝の新幹線はもちろんビジネスマンも多いが,明日からの連休のせいか観光客らしきグループも目立つ.小田原の手前で,丹沢越しの遠景に富士山が霞んで望める.外は晴れてとてもよい天気.やや霞んだ感じは春先のよう.9:13に京都駅に到着.なんだか暑そうなのは気のせいか.八条口のタクシー乗り場から宇治に直行する.

◆[蒐書日誌]小森威典『[ヴィジュアル版]正真正銘 五ツ星源泉宿66』(2011年10月10日刊行,祥伝社[祥伝社新書253],東京, 221 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-396-11253-0 → 版元ページ).読了.「源泉に加水してあるとダメ」という基準を徹底させるとこういう温泉リストになりましたという本.知らない温泉がたくさん登場していて,その点に限っては,とても参考になるが,主義主張に違和感が残る.そもそも「源泉加水御法度」という基準を強要するのははかなりムリがあるのではないかと思う.著者だって作為的であると思っているにちがいない.温泉客はガマンしてでも熱い風呂に入る気概があれば,またちがったリストができるだろう.本筋には関係ないが,フォントが大きくて情報量が少なすぎる.むりやり一冊にしましたという感じ.TV番組だったらきっとおもしろかったかもしれないが,活字にしたのは失敗だった.

◆本日の洛南ミッション —— 午前11時にミッション始動.日中の最高気温は24.0度まで上がった.湿度が低いのがせめてもの救い.午後7時前にやっと mission comlete.

◆[蒐書日誌]坂野徳隆本二冊 —— 坂野徳隆『ムライ、バリに殉ず:インドネシア独立戦争の英雄になった旧日本兵の記録』(2008年2月27日刊行,講談社,東京,ISBN:978-4-06-214524-4 → 版元ページ).この本,出版されていたことを知らなかった.バリがらみの本.ずいぶん前に,この著者が書いた大きな評伝:坂野徳隆『バリ,夢の景色:ヴァルター・シュピース伝』(2004年12月3日刊行,文遊社,東京,32 color plates + 488 pp., 本体価格5,800円,ISBN:4-89257-043-5 → 書評版元ページ)を冬の松本それも寒い寒い信州大学旭会館の一室で読みふけった.厳冬と常夏とのみごとな対比.その舞台もやっぱりバリだった./坂野徳隆『台湾 日月潭に消えた故郷:流浪の民サオと日本』(2011年4月20日刊行,ウェッジ,東京, 4 color plates + 289 pp., 本体価格1,400円, ISBN:978-4-86310-084-8 → 版元ページ).JR京都駅の新幹線乗り場のキオスクでたまたま見つけた本.今度はバリではなく臺灣が舞台か.台湾先住民の物語.聞くところでは「台湾はとてもおいしい」と言う.

◆明日のミッションのために今夜は早々に寝てしまうことにした.寝れば何とかなる.

◆本日の総歩数=5601歩[うち「しっかり歩数」1077歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=92.9kg(0.0kg)/28.4%(−0.2%)


6 oktober 2011(木)※雨のち晴れの夏日に都内を巡業

◆午前4時半起床.雨はまだ降り続いていた.気温は17.6度と高い.本日は朝から玉川大学,午後は本郷にて今年度の初高座.昨日の都内は日中の気温が15度台までしか上がらなかったが,今日は一転して25度の夏日近くにまで上がるとのこと.また半袖の登場か.

◆朝から都内へ出撃する —— 6:56発のTX快速に.家を出たときはまだ傘が必要なほどの本降りだったが,走っている途中にあがって曇り空に.千葉に入ると青空になった.日中は夏日になるという予想なのに,とんでもない厚着の乗客が多すぎる.ここまではよかったのだが,千代田線が全線運転見合わせとのことで,根津で立ち往生.原因は霞が関駅での車両点検とのこと.20分あまり遅れて,やっと代々木上原に着いた.青空が広がって暑くなってきた.半袖が正解だった.

◆玉川学園前に着いたのはいつもよりやや遅れて午前10時過ぎだった.11時からの分子系統進化学の講義は,系統樹に関する Newick format を PhyloWidget で表示しながら,系統樹に含まれる「情報」に関する解説.ソフトウェアの連携をよく確認してこなかったので,もたもたしてごめんなさい.来週からは MEGA を用いた実習を開始する.また,使っていた部屋のプロジェクターの調子が悪すぎるので,次回からは二号館406教室に移動することにした.持ち込みPCは映らなくって,玉川大のPCだったらちゃんと映るってどーよ.

◆午後1時過ぎに校舎の外へ出たら,太陽がぎらぎらしていてとても暑かった.残暑がもどってきたみたいに,気温はほぼ25度の夏日.今シーズンはもう終わったかと思っていたツクツクボウシがまたもやキャンパス内のあちこちで鳴いていた.

◆玉川学園前から小田急で経堂に移動し,駅前の〈アイバン・ラーメン PLUS〉にて「二代目アゴだしラーメン・全部乗せ」を注文.きっちり濃い目のアゴ(トビウオ)の魚だしで,ほんのり醤油味.半熟の温泉卵がトッピング.ぱりぱり水菜の下にやわらかチャーシューが三枚隠れている(ローストトマトのペーストが絡んでいたりする).硬めの細麺は替え玉ができるらしい.前回は汁なしの「チーズ混ぜラーメン」だったので,次回来るときは看板商品の「塩ラーメン」にしてみようかな.店主のアイバンさん,前回はカウンターの中で見たが,今日は見なかった.芦花公園の本店に張り付いているのか.

◆町田から本郷へずるずると移動 —— 午後3時過ぎに千駄木に到着し,ひさしぶりに〈結構人ミルクホール〉に潜伏し,メールを読んだり日録を書いたりする.その後,午後4時前に根津方面へてくてく.東大理学部の「生物統計学」の初回の講義は午後4時半から,去年と同じく本郷キャンパスの理学部旧1号館にて.来年からは駒場に戻るので,ここを使うのも今年が最後だろう.控え室がなく前々から不便だったので,駒場に戻ってくれた方がはるかにラクではある.

◆本郷高座(初回) —— 本日は初回講義ということで,実質的なコンテンツは次回以降にまわし,今日は講義全体の鳥瞰として統計曼荼羅をネタにおおまかな見取り図を示した.とりわけデータからの推論については科学哲学的な話と絡んでくる.演繹は別として帰納とアブダクションの話題は統計学と科学哲学が混ざるので,おいおい話すことにしよう.うっかり出席カードとポインターを忘れてきてしまった.今日はこういうミスが多いな.

◆午後6時過ぎに本郷を後にして,根津からつくばに直帰.ふたつのかけもちはかなりの負担になる.今日の都内は最高気温が25.5度まで上がった.日中は暑すぎてよろめいたが,つくばに帰ってきてやっと南風に吹かれてすずんでいる.

—— しかし,明日はまたしても「そうだ 京都,行こう」なので,旅支度をしないといけないな.でも,寝落ちしてしまいそうな気配も濃厚.困ったー.

◆本日の総歩数=8390歩[うち「しっかり歩数」2119歩/24分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.9kg(+0.3kg)/28.6%(+0.8%)


5 oktober 2011(水)※冷たい雨が降りしきる本郷にて

◆昨夜は午後9時にいったん寝て,午前1時過ぎに起床.農林団地交差点の信号が点滅する時間帯に出勤するのは久しぶりだ.天気は曇り.昨夜は12度台までいったん下がったが,いまは15.6度と高め.予報通り雨になるのだろうか.深夜の居室BGMには Edith Picht-Axenfeld の J. S. Bach〈フランス組曲〉を流す.

◆丑三つ時の┣┣" 撃ち —— こんな真夜中に農環研に実在する羽目になったのは,明後日の講義の準備ができていないから.玉川大の系統学講義は前回の続きで,系統樹の Newick フォーマットについて話せばいい.問題は東大の生物統計学.初回講義なのでいろいろとしたくをしないといけない.午前3時過ぎにハンドアウト完成.初回は,シラバス全体の紹介とともに,統計曼荼羅を踏まえたイントロ,そして統計学ブックガイドを配る予定.いったい何人分を用意しなければならないのだろうか? とりあえず百名分でいこう.

◆[蒐書日誌]自然の秩序と驚異 —— Lorraine Daston and Katharine Park『Wonders and the Order of Nature 1150 - 1750』(1998年刊行,Zone Books, Massachusetts, 511 pp., ISBN:978-0-942299-90-8 [hbk] → 目次版元ページ).ブツがやっと届いた.記憶通りの大きなサイズの本だった.本書で引用されているアンブロワーズ・ペレ(Ambroise Peré)の本『Des monstres et prodiges』(1573)の復刻本も同じ東京堂書店の洋書コーナーで手に取った記憶がある.

◆[欹耳袋]R for Mac OS X の場合,R本体をバージョンアップしても,パッケージはそのまま旧バージョンから継承されていることを今になって知った.Windows のノリでいちいち全部組み込む必要はないんだ.新旧バージョンをパラレルに配置できないけど,この点は便利かも./追記:しかし,上記はマイナーなバージョンアップのときだけにかぎられるとのこと.しょぼん.

◆明け方,玉川大と東大の休講日の連絡をすませた.補講日はあとでまた打ち合わせる./今週からの┣┣" 撃ちリストを確認したところで,そろそろ帰宅しようかな.今日は本郷にて東大農学部の専攻修論中間発表,その後,専攻交流会という予定だ.今朝の最低気温は午前5時過ぎの14.6度だった.小雨がときどき降っている.日中もこのままぐずついた空模様が続いて,気温はほとんど上がらないらしい./auのルーター交換は面倒になってきたから,このまま放置してしまおうかな.前にもプロバイダーを代える代えないでじゃまくさくなって放置したことがある.どうでもいいから放置.

◆冷たいの雨の降る本郷にて —— じっとしていると,ヴェロキラプトルのように原稿┣┣" が襲ってくるので,都内へ出奔だすることにした.外は降りしきる霧雨で,ちょっと肌寒いかも.待ち時間にも原稿┣┣" に追われる.本郷へ.冷たい雨がざあざあ降っている.気温は15.5度.リンデ〉で買ってきたプレッツェルをかじりつつ,さて東大農学部の専攻修論発表会に向かう前に┣┣" 一匹を撃退するぞ.都内に逃げてきたのに,さらに別の新着原稿┣┣" が追跡してくる憂き世かな.ずいぶん遅れていた進化本のゲラが届いた.今月中には出したいとのことで,返却は10月12日まで.あまり時間がない./あまたのメールや電話も肉弾突撃イッパツにはかなわないという単純な真理.原稿┣┣" 一頭をやっと追い払った.御神酒を捧げて┣┣" 撃ち成就を祈願した甲斐があつたかも.テキスト9000字と図版五枚.よろしくよろしく:三中信宏「「智慧の樹」再訪:【1】系統情報学:ルルスの知的遺産からの出発」日本進化学会ニュース12巻3号原稿.

—— 夕闇が迫る本郷キャンパス.雨足はいよいよ強まってきた.建物の間を移動するだけでぬれネズミに.午後6時半からの専攻交流会は「ちょこっと」だけ顔を出してから,健全につくばっくする.ざあざあ降り続く雨のなかをつくばに帰りついたのは午後時すぎだった.いったん飲み始めると光陰矢のごとく時間が流れ去るのは気のせいか.

◆明日も朝から巡業高座が夕方まで.都内をあちこち徘徊する.雨が上がってほしいと切に願う.

◆本日の総歩数=7110歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.6kg(−0.1kg)/27.8%(−0.7%)


4 oktober 2011(火)※放射冷却で今季最低気温を更新

◆午前4時半起床.晴れ.昨夜から気温がきりきりと低下して,午前4時に「9.0度」と今季の最低気温を更新している.もっと下がるかも.朝焼けタイム.日の出が着実に遅くなっている.こういう晴れた明け方はきりきりと冷え込んで,午前5時の気温は8.3度とさらに下がっている.昨夜から毛布を引っ張り出した.日中はしかたがないから長袖を出すかなあ.ああ,サンダルもお蔵入りか.本日の最低気温は8.1度だった.夏は過ぎ,秋は日に日に深まっていく.

◆[欹耳袋]最新版 R-2.13.2 for Mac OS X の実行ファイルが CRAN で公開された.

◆前夜からの┣┣" 撃ち成就 —— 京都にいる間に,勁草書房・文化系統学論文集の担当章(最終稿)と「あとがき」の本文テキストをファイル入力して,夜遅く関係者にすべて送った.これでやるべきことは全部終えたはずだが,もうこれ以上はタマがないっす…….夜が明けて,とりあえず図版入りの完成原稿を InDesign でつくってpdf出力し,これまた関係者宛にばらまく.原稿を手元で長期熟成させると,ファイル・サイズが自然増してしまうのはなぜだろうか? ひさしぶりに Adobe InDesign CS4 で作業したところ,細かいコマンド操作を失念していることを実感.ショートカットなんか,みごとに忘却のかなた.「ページ番号をふる」みたいな基本コマンドもあやふや(キー四つを同時に押すショートカット).Word の文書作成で欲求が不満したときは,InDesign の組版で気分転換をするにかぎる.しかし,Excel にはそういう「吐き出し場所」がないので困ってしまう.

—— いずれにしても,いまやれることは全部終わったので,あとは今週末に首脳会談をして,印刷所への入稿を進めるのみ.

◆[蒐書日誌]ご寄贈感謝 —— 田村典子 (2011) 『リスの生態学』(2011年9月5日刊行,東京大学出版会[Natural History Series ],東京, vi+211 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-13-060192-4 → 版元ページ).鳴くリス,喰うリス,リスまたリス.

◆[分類思考]本日の残響 —— ひむか昆虫記「アカメガシワの花外蜜腺」(2011年10月3日)※「とらえどころのないような文章が続くので、多少いやかなり読みづらかった本だ」とメモされている.他の多くの書評でも同様の感想が記されているので,多くの読者にとって『分類思考の世界』はそのように受け止められているのかもしれない.種問題の「解決」ではなく,種問題の「様態」を描き出すというのが本書の根幹にあるのだけれど,すぐ解がほしい読者にとってはまどろっこしいのかもしれない.でもその期待は,論争史が物語るとおり,外れる運命にあることもまた確かだ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— またまた追加の年休届を出す.すでに今年二枚目の用紙に突入しているのだが,三枚目(新記録!)に到達するかどうか./年末までの┣┣" 撃ちカレンダーを記入する.うむむ,つくば実在率はいまのところすでに四割台.これでさらに急用が入ったらいったいどーなるんだろー.年休の残日数はあと10日しかない./ううむ,さすがに時間が足りなくなってきたぞー.一日を「一回し」にしているとダメか.「二回し」するにはクローンが必要だ……

—— などと,上弦の半月を見上げながら考えているが,とにかく今夜は早寝して,明日の未明に仕事するしかないか.

◆本日の総歩数=6370歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=92.7kg(−0.3kg)/28.5%(−0.2%)


3 oktober 2011(月)※冷え込む宇治で週明けを迎える

◆午前4時半起床.気温は14.9度.よく晴れた明け方はずいぶん寒くなってきた.空気が澄んでいる.前回来たときはエアコンをかけた記憶があるのに,今回は厚手の布団が好ましい.朝イチで準備をして,タクシーで出発.混雑をかいくぐってあちこちを飛び回る.昼前に戻る.正午の気温は18.6度.曇り時々晴れ.北寄りの風.これで今回のお仕事はおしまい.

◆[欹耳袋]D. R. Brooks et al. 2007. Quantitative Phylogenetic Analysis in the 21st Century. Revista Mexicana de Biodiversidad, 78: 225- 252 (→ pdf) ※たまたま見つけた総説論文だが,分岐学の立場から他の系統推定法に関する評価をしているところが興味深い.Ed Wiley はすでに科学哲学からは事実上の撤退宣言をしてしまったが,Dan Brooks はそうではないことがよくわかる./初冬の名古屋で,ひつまぶしと手羽先と味噌カツとシロノワールを食べる計画が実現しそうだ.11月26日(土)〜27日(日)にかけて.

◆京都駅にて —— 午後,京都駅にタクシーで到着し,新幹線に乗ろうと思ったら,岡山駅で「駅内に立ち入った人が触車(=飛び込み)」したために,博多発の上り方向ダイヤが大きく遅延していた.これ幸いと,駅地下街の〈イノダコーヒ〉支店にて「アラビアの真珠」をば久しぶりに注文.とても濃厚に淹れてあるコーヒーなので,もちろんお砂糖とフレッシュは最初から入れてもらって(やや背徳).これだけですませばよかったものをついハムサンドまで頼んでしまって,大いなる背徳行為.それにしてもうまいなあ,困ったなあ,でも美味だなあ.弱ったなあ.見栄えのするビーフカツサンドやハンバーグサンドに比べて,いぶし銀のような地味さがあるけど,イノダコーヒのメニューの中ではバツグンに美味いと思う.

◆[蒐書日誌]さくっと新幹線車中読了 —— 「科学」編集部(編)『科学者の本棚:『鉄腕アトム』から『ユークリッド原論』まで』(2011年9月27日刊行,岩波書店,東京, x+264 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-00-005212-2 → 版元ページ目次など追加情報).「本の本」は活字量もバカにならない.二段組みにびっしり組まれた本書は,岩波の雑誌「科学」誌上で2005年〜2010年の期間に毎月連載されたコラム〈心にのこる一冊〉を単行本化したものだ.一人数ページのエッセイが全64編集められている.最初は流し読みしていたのだが,気がついたら全部読み終わっていた.こういう読み方ができるときはシアワセだ.

全体を通し読みすると,自然科学はもとより,哲学・宗教学・音楽学・文学にいたるまで幅広い分野をカバーしているが,どこかで“サイエンス”とつながっていることがわかる.執筆者一人ひとりの経歴の中でもっとも印象に残った本を取り上げているので,自然に古い本の登場頻度が高くなる.本とのつながりをきっかけに広がる想い出話はどれも興味深く,かつての科学者がどのように育ってきたか,生きる場所としての科学者コミュニティがどのようであったかが垣間見える.

通読したかぎり,自然科学系では物理学・化学の割合が全体としては高いようで,生物学関連の記事は意外に少ないように感じた.『岩波生物学辞典(初版)』,『鼻行類』,『種の起原』,『ミミズと土』などが取り上げられている.神田左京『ホタル』は手にしたいな.ダーウィンの本の「注をしらみつぶしに調べてみたい」(p. 215)と語った新妻昭夫のように,すでに鬼籍に入った執筆者もいる.科学史に関係する記事によく遭遇した.なお,本書の末尾には各記事で取り上げられた本の書影が掲載されている.こういうリアルさはたいせつ.モノとしての本がそこにあることで,各エッセイが鮮やかに浮き上がる.

—— ちなみに,ワタクシも本書に寄稿しています:三中信宏「「本で学ぶ」ことを学ぶ: G. Nelson and N. Platnick, Systematics and Biogeography: Cladistics and Vicariance(生物体系学と生物地理学)」(pp. 29-32).元記事の掲載巻号は:科学,76(4): 438-439(2006.3).

◆午後7時半につくば着.今日は西も東も終日涼しかった.センター広場の空高く太い三日月が浮かんでいた.実在しないうちにいろいろな事務┣┣" どもが群れ遊んでいた.早々に蹴散らして心安らかな夜を送ることにしたい.明日は農環研に実在するのだが,いろいろと┣┣" が寄ってきたらいやだなあ.午後10時,気温がすでに11度を下回っている.ということは,明朝はいったい……(ぶるぶる)

◆本日の総歩数=3252歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


2 oktober 2011(日)※秋の深まる京都にまた帰る週末

◆午前4時半起床.曇り.どんよりとした灰色の低い雲が垂れこめて,朝焼けも日の出も見えない.今朝の最低気温は午前5時の14.1度だった.きのうよりもさらに低下している.朝イチで取手とのピストン移動.窓を開けたまま走ると寒いな.季節は変わるが,┣┣" は変わらない.そういうこと.午前中は原稿を読んだり,コメントを書いたり.べいづ本をずらっと並べてみたり.

◆┣┣" 撃ち備忘メモ —— レポート出題(首都大学東京と横浜国大)./農大収穫祭・昆研OB会への出欠連絡(まだ決めていないけど)./2012年のイヤープランナーを買うこと./大分行きの航空券とホテルの手配.

◆[欹耳袋]最新版の R-2.13.2 for Windows の実行ファイルが CRAN で公開されている.Mac 用バイナリーもきっと近日中にリリースされるだろう.とりあえず,R-2.13.2 for Windows を統計・虎の穴用の実習パソコンにダウンロードした.インストーラーは後ほど配布USBにコピーして配布しよう.

◆今日のお昼は,つくば市の中央公園にて開催された月イチの〈つくいち〉を徘徊し,原っぱに置かれたテーブルで〈ポステン〉のお弁当,〈白飯家〉のとうきび餅(あんこ入り)と参鶏湯スープ,そして〈ダヴィッドパン〉のゲンコツをいただきました.でも,曇って風がちょい寒かったな.いつもは朝早くから長蛇の列が伸びる〈つくいち〉だが,午後になるとさすがに空いていて,ゆっくりと店をまわることができる.ただし,遅く来ると人気店はすでに売り切れていることが多い.

◆またしても「そうだ 京都,行こう」 —— 昼過ぎになって,じたばたと旅支度をする.外は,晴れたり曇ったり,暑かったり涼しかったり.14:30発のTX快速に乗る.東京駅では新幹線にぎりぎり間に合った(自由席だけど).一路,京都へ.午後6時前,夕暮れて薄暮のJR京都駅に到着し,ピンク色にライトアップされた京都タワーを見上げる.涼しいな.駅はどこもかしこも混みまくり.南北連絡通路の〈SUVACO〉で食料を調達してから,タクシー乗り場へ.そのまま寄り道せずに宇治へ直行.藤原氏の結界の山の上で暗い夜をすごす.頻繁な長距離移動はなかなかこたえる.つくばは今日の最高気温が20度にも達しなかったようだが,洛南も夜になって気温が急速降下中.前回来たときはエアコンが必要なほど残暑が厳しかったのに,この季節の変貌ぶりはいったいどうしたことか.長袖を持ってくるべきだったかな.

◆新幹線往路の┣┣" 撃ち —— 勁草書房本の「あとがき」の改訂をすませた.自分の担当章「文化系統学と系統樹思考:存在から生成を導くために」も見なおして,注の補足など.注が独立進化し始める予感.あとがきはベイズ確証理論に関する補足をする.新着原稿のコメントは宇治の夜の┣┣" とする.週明けには関係者に発射する予定.

◆本日の総歩数=6715歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.0kg(+0.8kg)/28.7%(+1.1%)


1 oktober 2011(土)※神無月になって冷え込む明け方

◆午前4時半起床.曇り.朝焼けも日の出も見えそうにない.気温20.7度とまったく冷え込みなし.薄曇りで気温は19.2度と早朝よりもむしろ下がっている.ときおり小雨がぱらぱら降る空模様.その後も曇りときどき晴れの天気が続く.久しぶりに天久保の〈Brotzeit〉までパンの買い出しに行く.エキスポセンターあたりに金木犀の香りが漂っていた.筑波大学・平砂生活センター前の広場でジャグリングの練習をしている学生さんたち,一週間後の〈雙峰祭〉がもう間近なんだよねー.

◆月始めの┣┣" 撃ち(週末なのに) —— いま,今月の┣┣" 撃ちカレンダーを記入しているところ.日録の更新とメーリングリストへの月例アナウンスを流した.月が変わっても原稿┣┣" どもはぜんぜん消え去らない…….兇悪┣┣" が回遊してきてさあたいへん(半分追い返した).午前中はこまごま用事┣┣" を追い払いに,松代ー藤代ー観音台ー竹園と駆けまわる.勁草書房の論文集の件,そろそろ第四コーナーをまわって,いろいろ決断と実行が必要になってきた.

◆午後になっても曇りときどき晴れ.20度そこそこの気温で昨日に比べれば涼しいが,寒いというには程遠い.これくらいの気温だとまだ半袖で十分なのに,世の中のみなさんはどーしてすぐに厚着をしたがるのか想像できない.秋めかないうちに意味もなく長袖とかカーディガンとかセーターとかマフラーとかやめれ,と強く強く言いたい.まだ当分の間は半袖とサンダルで十分な気候だ.

◆朝の〈Brotzeit〉では,ひさしぶりに全粒粉バゲットのサンドイッチ(レバーペースト)を買った.小さめのバゲットを二つ割りにして,レバーペーストとピクルスをはさんだだけのシンプルなサンドイッチだが,お気に入りの一品.トマト&モッツァレラのサンドイッチよりも好ましい.帰宅してすぐ朝イチで食べるつもりだったのだが,午前中じたばた用事をこなしているうちに,けっきょくおやつになってしまった.コーヒー豆はホンジュラス,三時の珈琲充タイム.変な時間にお腹がいっぱいになって困った.

◆[欹耳袋]霜月に味噌カツとひつまぶしと手羽先を食べてからマウンテンに行きませんかというお誘いがあった.もちろん,ありがたくお受けすることにした(笑).詳しくは後ほど.今回は科学哲学がらみのお誘い.今回の機会は,師走に信州大学で開講する集中講義「自然科学史」の前哨戦として利用させていただきます.

◆今夜は毎年恒例の〈土浦花火大会〉は午後6時から桜川河畔で開催される.午後になって,土浦方面から花火の試し打ちの音が響いてきた.会場に近寄るとたいへんな渋滞に巻き込まれるというので,遠方の高層階から光速と音速のギャップを楽しむことにしよう.夕方,薄暗くなってきて,打ち上がる花火が遠くに見える見える.今夜はよく見えそうだ.遠くにいても,時差で「ドシン」という低周波が伝わってくる快感.

◆今夜は八女の〈繁桝〉特別純米酒の「ひやおろし」を開栓した.先日買った東出雲の〈王祿・渓〉がもうなくなりそうだったが,いまの季節は「次」がいくらでもある.どこの蔵元もひやおろしを出荷してくれるからだ.楽しみが尽きない.冷蔵庫に日本酒がとぎれなく横たわっている光景を見ると心安らかになれる.もずくと冷奴を肴に生酒を飲めるシアワセは何物にも代えがたい.よしよし.〈繁桝〉のひやおろしは角のとれたまろやかな味わい.やや辛口で,今夜は冷やでいただきいたが,ぬる燗でもOKかな.これで一升瓶「2000円(税抜)」というのはコストパフォーマンスがよすぎる.

◆ソースカツ丼の「ソース」について —— 昨夜の夕餉.ご飯物は「カツ丼」にしたのだが,卵でとじない「ソースカツ丼」にした.ご飯の上に千切りキャベツ,そしてカツをトッピングしただけのシンプルな丼.揚げたてのカツを甘辛いタレ(みりん・日本酒・醤油)にからめるのがポイント.キャベツの千切りがあるので,ウスターソースのタレをかけるのが常道かも知れないが,ここはあえて上州・高崎風にしてみた.だから,正式には「ソースカツ丼」ではなく「タレカツ丼」と呼ぶべきか.高崎市内のカツ丼専門店〈栄寿亭〉には,「A丼」「B丼」「C丼」の三種類がある.「A」と「B」はロースかつ,「C」はヒレかつで,「B」のみ卵でとじてある.今回つくったのはこの分類体系でいえば「A丼(キャベツ盛り)」ということになるのかな.

—— 月始めから食いもんの話ばっかり書いてしまったが,食欲の秋ということで大目に見てもらおう(誰に?).

◆今月中に仕留める原稿┣┣" —— 勁草書房から出す論文集『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る[仮]』(→予定目次)の原稿をフィックスして,印刷所に入稿する.そのためには,延滞原稿の取り立てと「あとがき」の改訂が必須./しばらく止まっていた『統計曼荼羅ガイドブック[仮]』(→ 予定目次)をぐいぐい書く./先月は連載がオチてしまった『系統樹ウェブ曼荼羅』の再開(10月12日締切),ならびにその単行本化に関する打ち合わせ./進化学会ニュース予定原稿(先月の積み残し)./Carol Kaesuk Yoon『Naming Nature: The Clash between Instinct and Science』(2009年刊行,W. W. Norton, New York, viii+344 pp., ISBN:978-0-393-06197-0 [hbk] / ISBN:978-0-393-33871-3 [pbk] → 書評目次著者サイト)の翻訳出版に関する打ち合わせ.

—— こうやってリストアップしてみると,原稿┣┣" 放牧場がいかに「ジュラシック・パーク」と化しているかがよくわかる.ぐわー.

◆本日の総歩数=11030歩[うち「しっかり歩数」6224歩/64分].全コース×|×.朝−|昼△|夜○.計測値(前回比)=92.2kg(−2.0kg)/27.6%(−1.0%)


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集