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日録2011年9月 


30 september 2011(金)※久しぶりに農環研にまる一日実在

◆午前4時過ぎ起床.朝焼けののち日の出を拝む.今朝の最低気温は15.7度でやや涼しい.今日も晴れて,関東は真夏日になるとの予報.清々しい青空が広がる観音台.今日は気温が高いせいか,ツクツクボウシが農林団地のところどころで独唱している.しかし,一週間ぶりに「森」に入ったら,おどろおどろしい┣┣" がのたくっていたので,これから成敗いたす.まずは,某案件に関する最後通告のメールを出し,勁草書房の論文集についても締切通告のメールを発射した.

◆[蒐書日誌]読了 —— 高野潤『インカの食卓:古代から続く大地の恵み』(2011年9月16日刊行,平凡社,東京,235 pp. + 16 color plates, 本体価格1,800円,ISBN:978-4-582-83545-8 → 版元ページ著者サイト).南米アンデスに長期滞在してきた著者が,現地の食文化を紹介するとともに自ら実践した記録.聞き慣れない作物や食材がわんさか並ぶが,挿入されているカラー写真が見物だ.何十種類もの原生種ジャガイモ(「papa nativa」)のおそるべき多様性(形状・色彩・味など)には刮目するしかない(味覚の形容がやや単調なのが難だが).本書につられて,「papa nativa」で画像検索すると,まさに「南米原産ジャガイモ祭り」だ.また,トウガラシを用いたさまざまなソースには条件反射で垂涎するのみ.オアハカで食べたモーレ・ネグロのようなアンデス料理もある.モルモットが重要な食材になるとは知らなかった.

本書に掲載されているものを含むもっとたくさんの現地料理のカラー写真は,著者・高野潤さんのサイト〈Andes Amazonia〉で公開されている.なお,この著者は十年前に:高野潤『アンデス 食の旅:高度差5000mの恵みを味わう』(2000年11月刊行,平凡社[平凡社新書064],ISBN:978-4-582-85064-2 → 版元ページ)という本を書いている.買い忘れたままだが,内容的に関連しているのでそのうち手にしたい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 本日の東大農学部の専攻進学内定者ガイダンスと歓迎会は欠席ということで連絡完了./来年度のコマバでの生物統計学に関する事務連絡が二号館から届いた.今年の本郷での講義もまだ始まっていないというのに. /師走の┣┣" 撃ち予定について.大分県農林水産研究指導センター主催の数理統計研修の日程確定:基礎編は11月22日(月)午後〜23日(火)全日,応用編は12月5日(月)午後〜6日(火)全日,会場は例年通り大分県庁OAプラザ.さて,次は航空券と宿の手配だ.

◆[欹耳袋]NHK-BSプレミアムの番組:〈大発見史「疾走する進化論」〉.本放送:9月30日(金) 21:00〜|再放送:10月2日(日)12:00〜|オンデマンド:9月30日(金)〜10月15日(土)※担当ディレクターさんからの情報.系統樹の図像はワタクシが提供したので,見逃さないようにしないと./東京農大・昆研からOB会ニュースが届く.来月末の農大収穫祭に合わせて昆研OB会を厚木で開催するとのこと.しかし,勇んで行ったらきっと帰れなくなるにちがいない…….どうするか.

◆[蒐書日誌]山田奨治『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(2011年9月15日刊行,人文書院,京都,ISBN:9784409240922 → 版元ページ).日本の著作権に関する現状を論じた本.どこかできっと手に取るだろうな.

◆午後の┣┣" 撃ち —— さてと,来月の分子系統ワークショップ参加者の選考作業の開始.締切は本日午後3時だ.「114名」を「30名」まで絞り込むという大┣┣" 撃ちは午後2時半に終わった.来週中には事務局から応募者それぞれに連絡が届くことになっている.これでいちおう不在中に堆積した┣┣" どものうち,兇悪なのは全部しとめたことになる.次なる原稿┣┣" 保育場のようすを観察しに行ったら,中はたいへんなことになっていた.しかし,原稿を書く前に来月の出張伺・年休届・兼業願・外勤簿・休講連絡を各方面に乱射しないことには,心安らかに神無月を迎えることができない.ちくちくと書類を書き終え,提出した.全日年休1件・出張3件・外勤3日(フレックス変更3件)・兼業3日(時間年休3件).農環研が裁量労働制だったら,これらの書類の大半は書く必要がないものばかりだ.集計すると来月の農環研実在率はちょうど50%になる.年末までこんな感じの実在性が続く.

◆午後5時前,さて,本日はこれにて撤収しようかな.日中の最高気温は27.7度まで上がり,日射しがとても強かったが,いまは薄曇りで夕焼けがほんのり.夜は王祿「渓」をぐびぐび飲みつつゆるゆるする.今月ももう終わるんだなあ.NHK-BSプレミアム「疾走する進化論」を鑑賞する.

◆本日の総歩数=4458歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.2kg(+0.5kg)/28.6%(−0.5%)


29 september 2011(木)※休む間もなく玉川大学に向かう朝

◆午前4時起床.気温14.4度.日に日に秋は深まっていく.昨夜は常盤台からなかばドロのようになりつつもつくばになんとか帰り着いて,そのままアモルファスに寝落ちしてしまった.今日は玉川大学の高座.朝から再び日帰り出撃する.よき日の出よ.今朝は最低気温が13.8度まで下がった.涼しいのー.

◆朝から町田へ出撃 —— 7:56発のTX快速に乗る.すっきり秋晴れ.代々木上原にて乗り換えを待つがなかなか来ない.駅内アナウンスによると鶴巻温泉駅で「線路に人が立ち入った(=痴漢事件が発生した)」ために,小田急の下り方向がおよそ10分ほど遅延しているとのこと.空は気持ちよく晴れて,気温はやや高め.玉川学園前には10時に到着.線路沿いを大学までてくてく歩く十分間のウォーキング.

◆分子系統進化学高座(二回目) —— 定刻11:00に講義を始めようとしたのだが,うーん,肝心のプロジェクターがぜんぜん映らん(orzorzorz).先週はちゃんとつながったのになあ.ケーブルを交換したりPCを再起動したりしても in vain.時間だけが虚しく過ぎていく.とりあえず,学生さんにはパソコン実習用のファイル一式をUSBで配布して,各自コピーしてもらうことにした.けっきょくじたばたしただけムダで,別室の大きなひな壇講義室に引っ越すことになった.

まずは MEGA5 のインストール.今回の講義での実習はこれを中心に進めることにした(→新しい手引き本も出版されたことだし).これはとくに問題なし.テストデータを用いて,大まかに分子系統推定のデータ入力からアラインメント,そして系統推定の計算と結果の描画までを示し,今後の講義の道筋を解説する.続いて PhyloWidget のインストール.案の定 Java が入っていないPCが大半だったので,Java計算環境のインストーラーでトラブル解決をはかる.これで大半の学生はシアワセになれたようだ.「ことば」としての系統樹を説明するために,PhyloWidgetを用いて Newick 形式の系統樹コードと実際の樹形との対応関係を説明する.

前回,学生の持参ノートパソコンのOSについて訊いてみたところ,大半が「7」で,「Vista」は少数派,ワタクシと同じ「XP」を使い続けているツワモノが一名(えらいっ).ここのところ,ずーっと MacBook Air を使い続けているので,Windows 不適応になってしまった気がする.つくづく使いづらいなあ…….この一週間,首都大・横浜国大・玉川大と出先での高座を務めてきて,Win PC がもたらすさまざまな「不幸の姿」を目の当たりにしてきた.Macのシアワセは一様だが,Win の不幸はさまざまである.

◆二ヶ月ぶりに再訪 —— 午後1時過ぎに玉川学園前から小田急に乗る.停電事故があったらしく数分のダイヤ遅延.途中,経堂にて下車する日射しが暑い.残暑のぶり返しか.二ヶ月ぶりに〈はるばるてい〉にて香麺を注文する.中華街でラーメンを食べ続けてきたので,とても新鮮.辣椒を酢で溶いて,念には念を入れて十分に麺と具を混ぜ込んだ.あれもラーメンならこれもラーメンだ.昼下がりの都内は日射しがとても暑かった.本日の都内の最高気温は午後1時過ぎの25.7度だった.朝夕と昼間の温度差が大きすぎる.

寄り道せずに,つくばに帰りついたのは午後4時過ぎ.やっぱり町田は遠かったな.累積疲労がじわりじわりと染み出してくる.明日は,一週間ぶりに農環研に実在する予定.夕方,東大農学部で専攻の内定者ガイダンスと歓迎会があるらしいのだが,ちょっと行っている余裕はないだろうなー.これからの季節は関係先でそれぞれ行事が立て込んできて,スケジュールの調整がたいへん.来週からはもう10月.そろそろ来月の┣┣" 撃ちカレンダーをつくって,提出が必要な「不在届類」をまとめて出さないといけない.あ,それから備忘┣┣" 撃ちメモ:首都大学東京と横浜国大のレポート出題を忘れずにすること.

◆さて,今日も早く寝ようかな.寝ればなんとかなる.昔からそう信じている.

◆本日の総歩数=5036歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(+0.2kg)/29.1%(−0.3%)


28 september 2011(水)※統計道場千秋楽はすっきり秋晴れ

◆いちおう午前4時半には目覚めたのだが,飲み過ぎのダメージが…….それでも,午前7時にちゃんとチェックアウトし,重いスーツケースをごろごろ転がしてまずは横浜駅へ向かい,コインロッカーに荷物を放り込んだせいせいする.駅ビルの「横浜シァル」が全面閉店した影響は大きいんだろうな.そのせいか駅西口の近くには喫茶店がほとんどなかったが,高島屋裏手にあるスタバをやっと見つけて珈琲充.今朝は秋空の底が深くなっていた.空気が乾いて涼しい.

◆統計道場(最終日) —— 本日は統計道場の最終日.常盤台の丘の上は秋風が吹き抜けて涼しいなあ.早々とPC実習室に立てこもり,窓を全開して空気の入れ替え.本日の実習に使うスクリプトの動作確認をする.午前は一般化線形モデルについて話をした.気温が上がってきた昼休み,窓を開放したら蚊が入ってきた.季節はずれなことだ.午後の高座は「いきなりベイズ」でガツンといくことにして,まずはベイズ噺の第一弾としてベイズの定理と解析的に事後確率分布が決定できる「beta-prior binomial」と「normal-prior normal」について解説した.休憩後は第二弾としてベイジアンMCMCの説明とデモ.さらにその後はリサンプリング法についてのスクリプトを用いた実習をして,午後4時半に終了.これにて今年度の統計道場はおしまいでございます.

◆横浜国大の統計道場は三日間の日程を終え,大団円を迎えた.中華第一家〈杜記〉にて「杜記牛肉麺」を注文.刀削麺で有名な店で,唐辛子が浮いたスープに太い麺が沈んでいる.牛肉のカタマリがごろごろ入る.ほどほどに辛いのが好ましい.座ったカウンターの目の前で,お湯が沸騰する中華鍋に店主が玉から麺を次々に削り入れていた.杜記牛肉麺はふんだんにトッピングされているコリアンダー(香菜)の存在感(色と香り)が肉をはるかに凌駕していてびっくりした.美味.

◆東海道線にごとごと揺られ,TXに乗ってつくばに帰りついたのは午後8時前だった.この一週間は巡業高座の連続で旅から旅への日々が続いている.明日も玉川大学の講義があるので,その支度をしないといけないのだが,気力と体力がそろそろ限界かもしれない,と思いつつ寝落ちの態勢に急速に傾きつつあるワタクシ…….

◆本日の総歩数=4811歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


27 september 2011(火)※統計道場の中日はがんがん進んで

◆午前3時半起床.気温17.9度.昨日は午後になって天気がぐずつき,夜まで雨が降り続いた.濡れ濡れて中華街.統計道場の初日はいろいろと予測外の事態がたくさんあって,とても疲れたので早々に寝てしまった.世の中,よく寝れば何とかなる(こともある).

◆つくばで┣┣" が待つ —— 来月末につくばで開催される第155回農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉の応募者は,定員の約四倍の114名であるとの連絡が事務局からあった.今月中に受講者の選考をしないといけない.つくばに帰ったらすぐやります.

◆統計道場(二日目) —— 午前7時,そろそろ出撃のしたくをしないとかー. 横浜駅西口.14番乗り場から「329:急行・横浜国大行き」というバスがあった.しかし,ワタクシは今日も8:02発の非急行なバスに乗って,常盤台の台地の上までゆるゆると上がって,国大に到着.曇り空で涼しい.国大行きのバスは正門から入ってキャンパスを一回りし南門から出るという循環コースだが,今日は「大学西」で下車した.ローソンの真ん前で工学部の中をてくてく歩いて,講義室のある情報基盤センターにたどり着く.

講義前のしたくをしているのだが,RStudio がどーしても起動できない(リモート・ディスクにインストールされているからかも).仕方が無いので,スクリプトファイルの文字コード変換をちくちくするしかない.ひと通りスクリプトの文字コード変換をすませたので,講義開始後にUSBで配布する予定.9:30から二日目の統計道場を定刻開始.午前は実験計画法のイントロを説明した.デスクトップからデータファイルが読み込めなかったが,ローカルのルート「C:」に置くことで解決した.こういう細々としたトラブルはいつでもどこでも起こり得る.ランチタイムはだれもいないので静かすぎて寝てしまいそう.

朝のうちはずっと曇り空だったが,昼休みになって青空が広がってきた.それとともに室内気温が上がってとても蒸し暑い.午後は線形モデルの話から始まる.なんだかファイル操作で苦労するなあ…….Windows という不幸.午後i時過ぎ,乱塊法の説明が終わって一休みする.午後3時に実験計画法全体の説明を終えて,休憩後の最後の時間はモデル構築の話(最尤法とかAICとか)をする.午後4時半に二日目の日程を終えた.みなさん,どうもお疲れさまでした.

◆横浜にいったん戻ってから,さんざん飲みまくる.チャイナタウンに戻ってきたのはもう日が変わる寸前.飲み過ぎ飲み過ぎ.明日は統計道場の最終日.

◆本日の総歩数=4915歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


26 september 2011(月)※統計道場初日:雨に転んで中華街

◆午前4時半起床.気温18.4度と高め.今日の統計道場のしたくをひと通りすませたら,港まで散歩に行こうかな.ホテルの窓越しに朝焼けが見えたのだが,その後は薄曇りなってしまい,山下公園の岸壁から朝日を拝むことはできなかった.公園を一回りしたのち,連日連夜の宴の後のチャイナタウンを関帝廟まで往復してからホテルに帰還.一休み.

◆統計道場初日 —— 午前7時半にホテルを出撃.出発間際のみなとみらい線に飛び乗ったら女性専用車で即時退散.横浜駅に着いたら駅ビルが半年前に改装閉店していて面食らう.スタバもアンデルセンもなくなったので,待ち時間の居場所に不自由する.とても不便.横浜国大行きの相鉄バスの時間も変わってしまった.しかも変わったのはダイヤだけでなく,経路も大きく変更されていた.以前は大学のある丘の下をうろうろしていたのに,いまやキャンパスを串刺しに通過するコースができていた.便利は便利だけどどこのバス停で降りればいいのかぜんぜんわからん.適当に「大学中央」で下車したら,起伏のあるキャンパスを環境情報研究院まで延々と歩かされることになった.足元不注意で杭にぶつかって転びそうになる.幸先悪し.天気は薄曇り.講義のある建物にたどり着いたら,早すぎたせいかゲートが閉まったままだった.外で待ちぼうけ.

横浜国大のパソコン実習室にて —— 8時半にやっと計算センター実習室が開いたので,使用パソコンの起動確認などの準備作業をする.すべてVistaなので,毎年大量の「不幸な人々」が出現する(教師も例外ではない).Vistaを使った実習で,ソフトウェアのインストールができずに教師を含めて「全員」が不幸になったことが過去にある.リモート・ディスクにインストールというのもまたトラブルのもと.午前9時すぎ,そろそろ学生さんが集まり始めた.

定刻の9時半に講義開始.二十名あまりの学生.最初はイントロ.ちょっと休憩してから,データの視覚化について話す.インストール作業は昼前にする予定.Rのインストールでぽつぽつと不幸な人が出現する.事前にR最新版がインストールされていたというサプライズのおかげで,だいぶラクになった(のか?).パッケージの組み込みが次なる関門.Rコマンダーが動けばとりあえずは何とかなる.しかし,RStudioはダメか.R本体はローカルにインストールされているのに,RStudioがリモートにあるせいかも.しかも,リモート・ディスクの容量が「1GB」に制約されていて,それがまたトラブルのもとになっているみたい.

ふと気がついたら雨が降り出していた.傘をもってきてない.トラブル多すぎ.とりあえず,ローカルのデスクトップに「作業場」を展開したのだが,ローカルだと再起動のたびに“掃除”されてしまうので,毎日イチから再インストールが必要になる.しかも,ローカルとリモートのやりとりがよくわからないのでどうしようもない.午前中シアワセになれなかった学生さんは昼休み返上で,PCにかじりつく.個人用のリモート・デイスクが容量いっぱいになっている件.中身を削るしかないか...

午後は,確率分布とパラメトリック統計学について.Rスクリプトが文字化けしてしまってたいへん.RStudioがあれば文字コードを変更して再読み込みというワザが使えたのだが,常盤台のPC実習室ではそれが禁じ手になってしまったので,たいへん苦労する.ひょっとしたら,ローカルのデスクトップにRを別途インストールしてしまうということを考えた方がシアワセになれる気もする.

—— 午後4時半に初日の道場は終わった.みなさん,どうもお疲れさん.外はまだ小雨が降り続いている.遠くのバス停までてくてく歩いたのだが,よくよく考えてみたら南門のもっと近いところに実はバス停があったことに気づいた.

◆雨のチャイナタウンにて —— 午後6時前に元町・中華街駅を降りてその足でチャイナタウンへ直行.雨はなお降り続いている.週末や休日の喧騒が想像できないほど,平日のしかも雨降る夜はとても静かだ.関帝廟通りに面した〈清風楼〉に入る.夕方の早い時間帯だったせいか,客はまだほとんどいなかった.まずは中身のぎゅっと詰まったシュウマイとビールを注文.昔ながらの店構えで,華美な調度品はぜんぜんないが,中華街でシュウマイといえばここしかないでしょ.ご飯ものはふんだんにエビが入った「上焼きめし」を注文.ここ清風楼はチャーハンが3ランクに分かれていて「焼きめし」「上焼きめし」「特上焼きめし」がある(使われている食材による).ふつうの焼きめしは丼で出てくるが,上焼きめしは平たいお皿に乗っている.値段がぜんぜんちがうが,安い方がうまいような気がするのはなぜ? こういうシンプルな食事もまた中華街の魅力だ.

今日はいたるところで大小さまざまなトラブルに遭遇した.巡業高座では行く先々の「お座敷」の事情に合わせて仕事をしなければならない.事前にわからないことも多く,たいていはその場でやりくりしながらしのぐしかない.それにしても,実習室は暑かったな.空調の設定温度を「28度」にしても,実現温度は必ずそれを上回る.教壇に大きな扇風機が置かれていたのでどうしたことかと担当者に訊いてみたら,夏場は耐えられないほどの室温になったらしい.さもありなん.「設定温度28度」ではなく「実現温度28度」を徹底しないと仕事にならないと思う.ビールを飲みつつあれこれつぶやく雨の夜.

◆明日もまた統計道場は続く.よく寝て気力と体力を取り戻すべし.転んだ足がまだ痛い.

◆本日の総歩数=6111歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


25 september 2011(日)※夜のチャイナタウンあちらこちら

◆午前4時起床.曇りところどころ晴れ.気温は15.8度.昨日よりは高いがそれでも肌寒い.東方の雲間から朝焼けが覗く午前5時,糸のように細い三日月が空高く浮かんでいる.今日からはチャイナタウンへの旅,じゃなくって常盤台での統計道場に出向く.午後出発して,帰ってくるのは水曜の夜だ.旅から旅へ,巡業また巡業.午前中はそのしたくとか,その他こまごまで農環研に行ったり来たり.天気は晴れたり曇ったりでほどよく快適だった.

◆[蒐書日誌]読了 —— 吉田戦車『逃避めし』(2011年7月20日刊行,イースト・プレス,東京,167 pp.,本体価格1,390円,ISBN:978-4-7816-0601-9 → 版元ページ).自分のためだけに,自分ひとりの厨房にこもってつくり,たったひとりで食べるめし.著者は「好きな時間にテキトーな料理を作って腹を満たす,という逃避めし」(p. 164)と書いている.自分でちゃんと料理ができることは,もちろんパワフルな生命力を感じさせるが,その一方でそこはかとなく哀愁も漂う(誰しも思い当たるだろう).もちろん,逃避めしは「シメキリを忘れさせて」(p. 149)くれることもあるにちがいない(ワタクシも忘れたい……).ページをめくるたびにカラー写真で登場するウマそうでアヤシい逃避めしの数々は突然終わりを迎える.自分の厨房がなくなってしまったとき,著者は「逃避めし」からも逃避したからだ.ユーモアとペーソスの調味料とともに味わうべし.どことなく,水上勉のルーツ『土を喰う日々:わが精進十二ヶ月』(1978年12月17日刊行,文化出版局,269 pp. → 感想)の還俗バージョンみたいな趣きもある.

—— 要するに,伝染ったんです.

◆本日のつくばの「逃避めし」は「心ここにあらずオムレツ」 —— 前夜のあまった蒸しジャガイモをしゃもじで粗くつぶしてあらかじめ塩胡椒しておく.オムレツパンを十分に熱してオリーヴオイルをひき.溶き卵一個を入れる.半焼けになったらジャガイモを全量投入する.生焼けのままいったん皿に取り出し,溶き卵をもう一個入れてからシンバルを重ねるように合体焼きする.あとは弱火でいい焦げ目がつくようにしっかり焼く.まあ,簡略版スペイン風オムレツみたいなもので,けっこうボリュームだけはあるな.生活クラブのケチャップを添えるべし.もろもろの締め切りに追い詰められたときの「逃避行動」として厨房に立て籠もるというのはまさに「あるある」という感じ.

◆夕闇に浮かび上がるチャイナタウンの華やかさ —— 午後5時にTX区間快速に乗る.利根川の向こうに真っ赤な夕日が夕焼けの中を沈んでいく.都内に入ったらもう真っ暗だった.東海道線に乗り換えてさらに揺られる.向こう三日間は横浜駅からのバス通勤となる.しかし,今夜のねぐらまでにたどり着くまでにはみなとみらい線に乗り換えてさらに運ばれなければならない.元町・中華街駅で下車.一年ぶりに来る中華街は三連休最後の夜に華やいでいた.横浜国大の近くにはいい宿泊施設がないので,多少遠くても中華街から出撃することに決めている.チャイナタウンは大通りもさることながら,すれちがいもままならない細い路地が楽しい.

明日から水曜まで連日,ここチャイナタウンを発進基地として常盤台の横浜国大を襲撃し,環境研究院にて〈統計道場〉を開くことになっている.朝9時半から夕方5時まで,徹底的に「統計学」を叩きこむという恐怖?の「虎の穴」だ.

中華街のど真ん中にあるホテルにチェックインしてからすぐに出撃する.目抜き通りをひと通り冷やかしたのち,関帝廟通りの路地を入った奥にある広東料理〈徳記〉にて夕食.一年ぶりの再訪だ.まずはチャイナタウン仕様のビールとともにピータンをつまむ.その間にメインの豚足そばを注文.具も何も入っていない平麺の素ラーメンが運ばれてくると一瞬ぎょっとするが,肝心の豚足は別皿に乗っかって登場する.ブタさんの足先がじっくりこっくり煮込まれていて,コラーゲンがぶるぶるする.食べ進めに連れてホネが関節からぽろぽろはずれる快感.

豚足皿と素ラーメン皿の最適な食べ方については,最初に食べたときに,豚足のタレ(煮汁)にラーメンをからませて「つけ麺」のようにするといいよとおかみさんから教えてもらった.ここ〈徳記〉は中華街でも屈指の人気店で,連休中は待ち客の長蛇の列ができたらしい.ワタクシはいつも常盤台統計道場の始まる前夜の日曜に,しかもオーダーストップ間際に来店するので,たいていとても空いている.

◆さて,ホテルに帰ったら明日の準備をしないといけないのだが,なんだか眠たくなってしまったみたいな……(こら).なんだか今日は「食いもん」のことばっかり書いたみたいだけど,きっと気のせいだろう.さ,もう寝よう寝よう.

◆本日の総歩数=5222歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(+0.3kg)/29.4%(+0.7%)


24 september 2011(土)※快晴の南大沢にてぎんなんを踏む

◆午前4時半起床.晴れところどころ曇り.昨日はよく飲んだので早々に寝てしまった.八王子も明け方の最低気温は12.8度まで下がった.一晩にして秋が深まった感がある.つくばの今朝の最低気温はさらに低くて11.7度というから,関東一円で放射冷却でもしたのだろうか.今日も午前から夕方まで集中講義が続く.

◆朝の多摩丘陵 —— 朝食前に多摩“オールド”タウンを一歩きを小一時間ほど.多摩丘陵の上を縫うように通っている歩道づたいに鶴巻の住宅街まで足を伸ばした.ひんやりとした空気とふわふわした朝の日射しは晩秋を予感させる.今日も好天に恵まれそうだ.蒸し暑いという形容が消え去ったことを何よりも喜ばないといけない.先週の前半戦はまだ耐え難い残暑が居座っていた.つくばのペデストリアン・デッキは,いくら並木で化粧しても「人造」の印象をぬぐうことはまだ難しい.しかし,多摩ニュータウンのペデは,それなりに時代がついていることもあるが,丘陵地帯をまわりこむようにごく自然に設えられていて,なかなかいい風情があると前から感じている.以前は,多摩センターに泊まるたびに朝のペデ徘徊が習慣だったのだが,最近は前夜に飲み歩いてそれどころではないことも多く,しばらくご無沙汰していた.

◆ウォーキングから帰ってきたらもう午前7時になっていた.連休中日のホテルの朝食時間帯は大混雑.幼児連れの家族たちに混じって,中国・韓国からの団体客,さらに英語が飛び交うという多国籍的なサンリオピューロランド界隈の朝の風景.午前9時半に京王プラザホテル多摩をチェックアウトし,京王多摩センターへの坂道を下る.秋の日射しがさんさんとメインロードの並木道に降り注ぐ.次にここに来るのは来年の今の季節だ(あ,進化学会大会が首都大であるから夏にも来ることになるのか).

◆[蒐書日誌]吉田戦車『逃避めし』(2011年7月20日刊行,イースト・プレス,東京,167 pp.,本体価格1,390円,ISBN:978-4-7816-0601-9 → 版元ページ).昨日,丸善・多摩センター店を徘徊していたら,この本に呼び止められて,レジにお連れした.なんたって,そのタイトルが.もとは〈ほぼ日刊イトイ新聞〉に連載されていたとのこと.ハマりそうでやばすぎる.ワタクシも締切直前に厨房に入り込んで「味噌煮込まないうどん」をつくりたいな.「塩ラッキョウのカレーライス添え」ってどっちが主役やねん.「仕事田楽」,すぐ食べたい.「ちくわの穴確認弁当」,形而上学的ですなあ.「味噌納豆,伏兵添え」と「落胆ちらし寿司」はぜひ作らないと! etc....内容的には,椎名誠のかつての名著『全日本食えばわかる図鑑』(1985年3月15日刊行,小学館,東京,ISBN:4093593019 → 椎名誠・旅する文学館)を髣髴とさせる.

◆[欹耳袋]フリー統計ソフト〈EZR on Rコマンダー (β版)〉:医学統計学用の Rcmdr プラグインとのこと.

◆南大沢の高座最終日 —— 南大沢で下車.雲ひとつない真っ青な快晴.今日もまた駅前のスタバで一服する.午前10時すぎに理学部の講義室に入って,定刻の午前10時半から講義開始.変量間の共分散について説明したのち,多変量解析のイントロに入ったところでランチタイムになった.午後1時半から再開.Rコマンダーを使っての多変量解析の実例(主成分分析とクラスター分析)について説明したのち.リサンプリング統計学に突入.最後は,ベイズ統計学についてのイントロを説明しておしまい.午後4時過ぎ,全日程を完結した.

—— 南大沢関連┣┣" 予定:1) レポート課題の出題.後ほど連絡.2) 来年のお座敷日程は,前半戦が9月21日(金)〜22日(土),後半戦が9月28日(金)〜29日(土)の予定.

◆南大沢のお座敷を終え,つくば直帰.夕闇とアオマツムシのセンター広場を通りすぎて先ほど帰還.まずは一休み.と思ったら,即座に寝落ちしてしまった.明日からはヨコハマに出撃だ.

◆本日の総歩数=10706歩[うち「しっかり歩数」7264歩/74分].全コース×|×.朝△|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


23 september 2011(金)※秋めく南大沢にてお座敷の後半戦

◆午前4時起床.曇り.気温17.0度で薄ら寒い.巡業の旅支度の続きをする夜明け前.今日は午前6時に出かけないと.

◆じたばたと┣┣" 撃ち —— メーリングリストに投稿される内容が開設趣旨にふさわしくなければ問題になるだろうが,そうでないかぎり,投稿内容に関する判断はそれぞれのML会員に委ねられるということ.管理者の主たる仕事は persona non grata を公開処刑すること.最近ヒマになったけど./追試はやりません./遠距離通勤で疲弊することを会計担当はもっと真剣に考えなさい.ほんのはした金を惜しんで,お座敷がおろそかになったとしてもワタクシの責任ではないからそのつもりで.

◆南大沢にて後半戦(初日) —— 6:33発のTX区間快速に乗る.外は曇り.気温は低めだが蒸し暑い.半袖が正解.車内がいやに空いていると思ったら今日は休日だったのか.あちこち飛び歩いていると,曜日や祝日の感覚が薄れていく.秋葉原から歩いて都営新宿線の岩本町へ.曇りときどき雨粒が落ちてくる.笹塚にて乗り換え,次は橋本行き快速へ.曇り空.蒸し暑かったり涼しかったり.午前9時に南大沢着.駅前のスタバで一休み.気温は17.5度.都心よりは涼しい.

午前10時に講義室着.すぐPCの準備を.10時半から講義開始.昼までは線形統計モデルに関する話.とくにモデル選択論(AICと尤度)とRを用いたモデルの評価方法について.外はまた曇ってきた.講義室にひきこもる昼休み.エンマコオロギの独唱が反響する理学部の伽藍中庭.休日の大学って静かだねえ.午後は晴れ間が広がる.午後4時過ぎに後半戦初日の高座が終わった.午後は線形統計モデルから一般化線形統計モデルへの拡張について話した.

晴れところどころ曇りの空模様.アウトレット街を越えて南大沢から京王多摩センターへ.まずは京王プラザホテル多摩にチェックインして,荷物をおろす.午後6時からパルテノン多摩にて迎撃される予定.

◆[蒐書日誌]読了 —— 和田敦彦『越境する書物:変容する読書環境のなかで』(2011年8月5日刊行,新曜社,東京,362 pp.,本体価格4,300円, ISBN:978-4-7885-1250-4 → 目次版元ページ著者ブログ).前半の第1部「越境する書物」では,米国における日本語ライブラリーの形成史(第1章),第二次世界大戦前後の日本語文献コレクションの海外への移動史(第2章),そしてライブラリーのマイクロ化・デジタル化に伴う新たな読者層への浸透など,前著の延長線上にあるテーマが論じられていた.

続く後半の第2部「書物と読者をつなぐもの」では,歴史的に形成されたライブラリーとそれをのちに手にする読者との中間に介在する人物・組織・機関などに光をあてる.第4〜8章はケーススタディーとしていくつかの事例を取り上げる.著者は自らが取り組もうとする問題意識について,第5章で次のように書いている:

書物やそれを書いた著者について私たちは言及し,引用し,研究する.しかし,それらの書物をそこにもたらした人々や,それら膨大な書物を整理し,容易に見つけられるような仕組みを準備した人々にはあまり言及することがない.というよりも,書物がそこに当たり前のようにある,と考えるかぎり,それら[の]人々の活動は読書環境の一部としてとけ込み,不可視の存在となるのだろう.書物を書き残した人々ではなく,書物を提供した人々,書物と読者の仲立ちをしたした人やものについて,私たちはどれだけ言葉にすることができるのだろうか.(p. 166)

書物と読者のつながりは,自明なものではない.本章で追ってきたのは,書物と読者の間にある存在であり,さまざまな書物や人々の流れやつながりを通して,その存在をうきぼりにしてきた.仲介者の果たしたすぐれた役割は,,その書き残したものを通してよりも,こうした流れやつながりを介してしか見えてこないのである.書物の流れや場所をとらえるという方法は,こうした書物と読者の仲介者の意味や役割をも明らかにする可能性をもっている.(p. 189)

情報断片としての「本(の一部)」ではなく,その総体がたどる歴史的変遷の過程に注目する立場から見れば,ここでいう仲介者は変遷プロセスを進める積極的なエージェントとして機能するとみなされるのだろう.

◆心地よく迎撃される夜 —— 多摩パルテノンの階段が夕闇に包まれ,サンリオ・ピューロランドから帰ってくる家族連れで賑わう京王多摩センターのメインロードを逆に上って,地中海料理〈トレーノ・ノッテ〉 に集結する迎撃の夜.ラングドックの白とシチリアの赤のボトルが空っぽになる.ごちそうさまでしたー.帰り道,三越の元・大塚家具の跡地フロアに入った丸善・多摩センター店があまりに巨大すぎて狂喜.ないはずの本がわらわら見つかってうれしナミダ.ワンフロア全部が本だらけ〜.

◆[蒐書日誌]読了(続き) —— 和田敦彦『越境する書物:変容する読書環境のなかで』(2011年8月5日刊行,新曜社,東京,362 pp.,本体価格4,300円, ISBN:978-4-7885-1250-4 → 目次版元ページ著者ブログ).このような一連の考察を踏まえて,終章「リテラシー史から見えるもの」では,「系譜」としてのライブラリーが必然的にもつ時空的次元が,現在に生きる読者にとってもつ意義を総括する:

本書で扱っているのは書物の流れであり,それは私たちが何を読むことができ,何を知ることができるか,という情報環境の根幹をなしている.もしもこの書物の流れが操作されたり,せき止められれば,何が起こるかは明白だろう.本書でも扱った通り,検閲や流通,販売,流通経路の統制や変化,仲介者の存在など,さまざまな形でそれは実際になされてきたし,なされてもいる.(p. 298)

つまり,書物や読書について歴史的に問うということは,こうした学問や知の基盤そのものの成り立ちを問題にするということなのである.どの学問領域でも書物を用いる.だがもしその学問領域の基礎をなしている書物が,あらかじめ排除や選別を受けてきたなら,その学問領域は根幹から揺らいでいく.そして,排除や選別から完全に自由な蔵書や学問などありはしない.(p. 298)

このような,書籍の置かれた社会的文脈は現場の研究者にとっても他人事ではない:

ほとんどの研究者は各種データベースや電子ジャーナルの恩恵を被っている.だがそれが届けられる仕組み,価格決定のプロセスや出版,契約形式について,利用している私たち研究者はどれだけ注意を向けてきただろうか.電子媒体の増加,そしてそれらへの依存とその価格高騰によって多くの図書館が直面している危ういこの読書環境は,私たち個々の研究者の無関心が招いたことではないのだろうか.(pp. 298-299)

この第II部では,日本における翻訳エージェンシーとして有名なタトル出版の企業活動についても詳しく書かれている(第7章).本書を読み終えて,歴史的実体としての「本」をめぐるコンテクストの広がりと深みを改めて実感した.前著と併せ読めば著者の一貫したスタンスが読者に伝わることはまちがいない.

◆明日は,八王子高座の最終日.朝から夕方まで.その後,いったんつくばに帰って,次なるチャイナタウンへの旅支度をする.

◆本日の総歩数=6113歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


22 september 2011(木)※台風一過の町田にてお座敷の初日

◆午前4時半起床.台風一過の鮮やかな夜明け.午前5時の気温は22.6度と涼しい.一晩中,爽やかな南風が吹き抜けてわっくり快眠できた.夜中にゆらりと揺れたが,お構いなしに寝続けた.今日から八日間,関東巡業の日々が連日続くので,台風が通り過ぎたのは実によかった.

◆都内出撃の朝 —— 6:55発のTX快速に乗る.青空に秋らしい雲が高く浮かんでいる.日射しは強いが快適.いまのところまだ蒸し暑くはない.しかし,北千住からの千代田線が激混みでどうしようもない.山手線ダイヤがまだ乱れているせいだろうか.車内で圧縮されて体積が減少した.代々木上原で小田急に乗り換える.徐行運転しているのは線路点検のためか.新百合ヶ丘で各停に乗り換えて玉川学園前へ.半年ぶりに玉川学園前で下車.キャンパスはすっきりと青空が広がっている.なんだかよくわからないけど早く着きすぎたので,駅前の喫茶店にて珈琲充する.講義は午前11時からなんですけど…….ひょっとして一時間早く間違えたかな.「遠方ほど早く来すぎる」の法則はまたしても裏付けられた.

—— 去年の日録を確認したら,やっぱり朝の出発が一時間早すぎたみたい.でも駅前で珈琲充できるのだったら,この出勤タイムも悪くはないかも.

◆玉川大学の初日 —— 今年は二年目の出講なので気分的にはラク.講義が始まる11時前に大学8号館の324教室に向かう.昨年よりも小さい部屋.受講生は20名ほどだそうだ.まずは講義全体のシラバスを説明したうえで,パソコン実習の内容について話をした.今回の教室は各席ごとに有線LANがつながっている.無線LANも大丈夫みたい. また,昨年は教室内では E-mobile がつながらなかったが,今回の部屋だと大丈夫.よかった.休憩後に体系学概論を少し話したところで,今日の講義はおしまい.来週はパソコン実習のための準備作業.学生が持参するパソコンは Windows 7 が大半で,Vista が数名,そして XP が一名.

◆[蒐書日誌]玉川学園の駅前で買ったガイドブック —— 『町田食べある記 vol.2』(2010年11月15日刊行,グラフィコ,武蔵野市,ISBN:978-4-905032-01-4 → 版元ページ).玉川学園駅付近の「うまいもの」はほかならない「玉川学園購買部・ハニーアイスクリーム」が唯一のエントリーだった.40年の歴史があるらしい.玉川大学の学生さんの話によると,玉川アイスクリームはハーゲンダッツよりも高いそうだ.すごいなー.ちなみに,既刊の『町田食べある記 vol.1』は版元で全ページがオンライン公開されている.

◆午後1時過ぎに高座を終えて外に出たら,陰鬱な曇り空から雨がぽつぽつ落ちていた.ランチはいつものように経堂駅で途中下車.最初は〈はるばるてい〉で「香麺」を食べようと思ったら,昼休みでもないのに満員で断念.駅近くの〈アイバン・ラーメン PLUS〉に初めて足を踏み入れてみた.芦花公園に本店があるが,経堂駅前の PLUS はとてもオープンな店づくり.以前からハイカラな店構えだけは知っていたのだが,このあたりはラーメン激戦区で選択肢が多すぎ,これまで入るチャンスがなかった.

今日注文したのは「チーズ混ぜ」の「全部乗せ」.とてもユニークな汁なしラーメンで,パスタのような平麺に四種類のチーズを絡めている.「全部乗せ」ではなく,シンプルな「チーズ混ぜ」は濃厚ホワイトソースのパスタと見紛うばかりです.平麺のタイプは「リングイネ」そっくりだし.イタリアン・レストランだったらまちがいなく「quattro formaggio」と銘打つにちがいない.濃厚なチーズの香りが漂い,熱々の麺から糸を引く快感.しかし,それが「ラーメン」として目の前に運ばれてくるので,食べ物の分類体系ががらがらと音を立てて崩壊してしまう.「全部乗せ」なのでチャーシューが三枚,温泉卵とモヤシがトッピングされている.うわー,美味いなあ.経堂駅前は美食空間なり.初めて入店したが,居心地がとてもよかった.メニューの種類こそ少ないが,ひとつひとつが個性的.

◆雨に追いかけられる —— 店を出て経堂駅に向かう頃には雲行きはさらに怪しくなってきた.南から雨雲が接近しているようだ.一雨来そうな気配と思ったら北千住で案の定スコールが来襲.TXに乗ってせっかく都内の雨雲を振り切ったはずなのに,帰宅したら,結局追いつかれた.雨に濡れつつ農環研へのピストン移動.

◆夜はまたしても旅支度 —— 明日の南大沢での高座のしたくアゲイン.いまの気温は17度台だけど,明朝はもっと冷え込むのかな.北風が吹いている.日によって気温差が大きすぎる.粘着┣┣" 一頭が漂着した.全15回の講義のうち1/3以下しか出席しなかったにもかかわらず,単位を出す合理性はどこにもないと思う.無い袖は振れない.ということで,そのまま沖に放流しよう.もう一頭は事務系難癖┣┣" かあ…….不在にしていると,「┣┣" non grata」が国境侵入してくるのはしかたないのかな.

◆本日の総歩数=7511歩[うち「しっかり歩数」1769歩/21分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.2kg(−0.3kg)/28.7%(+0.1%)


21 september 2011(水)※強力台風がつくばまで追ってきた

◆午前4時半起床.雨また雨.気温18.1度.気温台風15号がいつの間にか940hPa(「非常に強い」)まで発達している.関東には今夜最接近か.今日はつくばに実在するので何とかなるけど,明日には天候回復してほしいな.午前7時,ときおりスコールのように強い雨が降り注ぐ観音台.外気温は18.6度だが,居室内はどういうわけか27.5度もあったりする.窓全開放の上,扇風機を最強に.BGMは Amati弦楽トリオの〈ゴルトベルク変奏曲〉.今日は台風が最接近する前に農環研を撤収するのが賢明かもしれない.

◆明日からの┣┣" 撃ち巡業の段取り —— 明日から8日間は巡業高座の連続.玉川大・首都大・横浜国大の出講内容の確認.明日の玉川大は教室が去年とはちがうのか.配布物の原稿を確認し,結界Tを更新する.首都大は続きだから大丈夫.常盤台の統計道場もチャイナタウンの勢いで乗り切ってしまおう./大分湯煙巡業の続き:「前日の夜は関東地方に実在する」かつ「当日午前9時半に大分県庁前に実在する」という条件で経路検索するとかなりタイトなことになってしまう.ジョルダンが出してくれたひとつの「解」は,前日の深夜に北九州空港にたどり着き翌朝の陸路で豊後国へ入るというコース.もうひとつの「解」は,朝イチで大分空港に着いたあと空港からバスをぶっ飛ばすというコース.ただし,この場合,通勤時間帯の別府−大分間はめちゃ混みで遅刻する危険度高し.

◆つくばは水浸し,観音台は土砂降り —— 朝からスコールのように驟雨が降ったり止んだりしている.こんな降り方じゃ,いたるところで冠水や水没箇所があるにちがいない.居室用のゲタが長年履きすぎてへたってきたので,すかさず新しいのに交換.足もとが心地よし.なんかもう午前のうちに撤収したいなー(こら).とつぶやいているうちに,農環研も午後は撤収命令が下った.さて,これ以上の豪雨にならないうちに撤退だー.

◆風雨の中でも┣┣" 撃ちは続く —— 大分湯煙高座の日程が確定したので担当者に連絡完了:「基礎編」11月21日(月)〜22日(火);「応用編」12月5日(月)〜6日(火).いずれも9:30〜17:00までの時間帯なので,前泊と後泊を予定する.とくに,基礎編の往路はとてもタイトな旅程になりそうだ./つくば分子系統ワークショップの応募者は「91名」に達したとの事務局からの連絡あり.22日(木)に応募締切で,受講生の選考は9月30日(金)午後3時までとのこと.巡業が月末まで続く身としては,これまたタイトな予定だ./延期されていた東大農学部の専攻昼食会は10月18日(火)の昼休みと決まった.参加すると返事した.

◆暴走台風の暴風が駆け抜ける闇夜 —— 午後5時前に帰宅.濡れ濡れ.風雨が強まり,風の音がごうごうと鳴っている.蒸し暑い南風が不快.常磐線は特急がすべて運休とのこと.TXはだいじょうぶみたい.首都圏はどこもかしこも軒並み全面運休でもっとたいへんそう.そのうち,風向きが北になり暴風圏に入ったらしい.東京アメッシュの画像を見ると,台風の「渦巻き」がきれいに見えている.午後6時過ぎ,風には強いはずの最強TXもついに止まったとのこと.そのうち,風向きが南に変わって,ベランダのあらゆるものが吹き飛ばされ始めたが,風圧でガラス戸を開けることもできない.みるみるうちに雨粒で窓がずぶ濡れになる.この天候狂乱は午後7時台がクライマックスで,その後は台風本体が関東を通りすぎてしまったらしく,午後8時にははもうウソのように静かになって虫の音が聞こえるのみ.三日月がぼんやりと浮かぶ朧月夜を見上げると台風が通ったとはとても思えない.しかし,吹き返しの南風はまだまだ強い.

—— 明日の玉川大学のお座敷初日は台風一過の青空であることを期待しつつ早寝してしまった.

◆本日の総歩数=5165歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=93.5kg(−1.1kg)/28.6%(+0.7%)


20 september 2011(火)※台風が接近するのに宇治にいる私

◆午前4時前起床.北寄りの風.前夜からの雨が降り続いている.昨日の夕方から気温が急速に低下していまは20.6度.前回来たときは熱帯夜が耐えられなかったが,今回は涼しいな.薄暗がりの明け方の時間がゆるゆると過ぎていく.午前6時を過ぎてやっとまわりが明るくなってきた.午前7時,雨足強し.気温20度そこそこ.涼しいな.今年は季節の変化がとってもデジタルでわかりやすい.それがいいのか悪いのかはようわからんが.うっかり傘を持ってこなかったのは不覚であった.さて,どうするか…….

◆[欹耳袋]Peter H. A. Sneath 関連 —— University of Leicester からの訃報「Emeritus Professor Peter Sneath FRS: Funeral Arrangements」.来月はじめに葬儀があるらしい./Joe Felsenstein の追悼記事にコメントがいっぱいぶら下がっている:Panda's Thumb - Joseph Felsenstein「Peter H. A. Sneath (1923 - 2011)」(2011年9月13日).Felsenstein は phenetics に対してもともとシンパだった.

◆雨降る朝の私用┣┣" —— 午前10時半,雨の中をちょいとお出かけ.いまの気温は20.7度.正午の気温は21.4度で,前日とは比較にならないくらい低いのだが,湿度が高いのでぜんぜん爽快ではない.人がたくさんいる場所はむしろ蒸し暑い.小雨がしとしと降り続き,雲の表情はすでに台風を予感させる.台風15号が急速発達していま960hPaとのこと.今夜には近畿地方に接近するようなので,その前につくばに逃げ帰らないとヤバイかも.新幹線がちゃんと動いてくれればいいのだが.

◆昼の┣┣" 撃ち —— 電子ジャーナルの公開前コンテンツチェックだん.こういう微小┣┣" は蹴散らせばいいんだけど……./狙っていた大┣┣" 一頭は,直撃バクダンにもかかわらず,カダフィ大佐のように地下トンネルづたいに遁走されてしまったか…….うむむ.京田辺は手強い.

◆[欹耳袋]書評:Zócalo Public Square - Jodie Liu「Carol Kaesuk Yoon 2009. Naming Nature: The Clash Between Instinct and Science」(2011年9月4日).確かに本書での数量表形学の論調はネガティヴではあるな.分岐学派の扱いも同様.著者は心情的に進化分類学派寄りであることは明らか.生物分類の各学派が「Umwelt」をどのくらい大事にしているかどうかが判断基準だし.

◆すたこら帰宅する昼下り —— タクシーで京都駅に向かう.洛中は本降りで気温はずっと低め.お土産を買うてから午後3時すぎの新幹線に乗った.台風に追われるように京都から関東へ逃げ帰る.天候は不安定で,名古屋は集中豪雨で,高山線と中央線は大雨の影響で遅延しているとの車内アナウンスあり.定刻に通過した小田原はましだったが,新横浜ではまた風雨が強くなった.つくばエクスプレスの三郷中央では横殴りの雨.流山あたりまでは降っていたけど,午後7時過ぎに着いたつくばは降ってなかった.気温19.0度の北風が涼しすぎる.

◆[蒐書日誌]帰路車中読書 —— 和田敦彦『越境する書物:変容する読書環境のなかで』(2011年8月5日刊行,新曜社,東京,362 pp.,本体価格4,300円, ISBN:978-4-7885-1250-4 → 目次版元ページ).最初からたいへんおもしろい内容だ.前著『書物の日米関係』をそのまま外挿して拡大するだけではなく,新たな柱が建てられている.それは,昨今の電子化ドキュメントが提起する問題である.第3章「今そこにある書物:書籍デジタル化をめぐる新たな闘争」で,1980年代末に実施された国立国会図書館と丸善による明治期刊行図書マイクロ化プロジェクトや近年進められているグーグルブックス図書館プロジェクトを例に挙げながら,著者はモノとしての本が電子化されることの意味を論じている.書籍のマイクロ化とデジタル化は手法こそちがっていても,その目指すところは同じである.この点に関する著者の主張はとても興味深いのだが,ここではそれが研究活動とどのように関わるのかに着目しよう.近年の商業学術誌の異常な価格高騰(「ジャーナル・クライシス」)について,著者は出版社側だけでなく研究者側にも不作為の罪があるだろうと指摘する:

重要なのは,この問題の責任は,図書館,あるいは出版社ではなく,むしろそれぞれの領域の研究者たちにもあるという点である.より正確には,研究者たちが,研究成果を流通,提供する仕組みにまで関心を向けてこなかったという点にある.もしもそれぞれの学会や学術機関が,その成果をデジタル化し,オンラインで無償で提供するような共通理解が出来上がっていれば,商用のデータベースに対抗する大きな力となっていただろう.(p. 135)

オープン・アクセスという概念に代表されるこの新しい考え方に対して,研究者やそのコミュニティがどれくらい真剣に向きあおうとしているか,そしてそのようなデジタル・ライブラリーのリテラシーを要請しようとしているかが肝要であると著者は言う(p. 137).第一に,デジタル化された情報の「メタデータ」への批判的な視点とともに,物理的なモノがもつ「フィジカル・アンカー」としての役割に著者は注目している:

読者がデジタルライブラリに対するリテラシーを培っていくうえで重要なもう一つの存在は,読者にとっての物理的な参照枠,フィジカル・アンカーである.簡単にいえば,それは物理的な本の形や棚という存在,物理的な図書館という「箱」の存在である.それはモノとしての書物,そしてそれを置く場所としての書架,図書館,書店といった物理的な存在である.(p. 138)

実は,複製され,偏在する書物の増加,デジタルライブラリの普及は,逆に物理的な書物や書物を置く場所,あるいはそれを運び,もちらす具体的な人といった存在を,必要でなくするというよりも逆に重要なものにしていくのではないか,というのが私の考えである.(p. 138)

著者のいう「フィジカル・アンカー」の果たすべき役割は次の通りである:

物理的な書物,はじめと終わりがはっきり形をとった書物,そして壁をもって明確にはじめと終わりのある場所,そうしたフィジカルな支え,基準点がないまま,偏在する膨大なデジタルデータを前にしても,それらを位置づけることはできず,個々の情報に翻弄されるしかなくなる.私がここでフィジカル・アンカーとして重視しているのは,こうした情報の参照点,アンカーとなる物理的な枠組みである.(p. 139)

モノとしての書物や書物の場所,仲介者を,単なるノスタルジーから評価するのではなく,感情的に固執するのでもなく,流動し,偏在する書物を読者が自らの生きる空間に結びつけ,つなぎとめるためのよりどころとして,改めて考える必要があるだろう.こうした具体的な形をもったよりどころ,いわばフィジカル・アンカーがあることで,私たちは情報を全体性や体系性のもとに位置づけることが可能になるのだから.(p. 140)

この末尾の文章に出てくる情報の「全体性や体系性」という概念は,著者が思い描く情報の“存在論”と深く関わっている.書物の「断片」としての「情報」だけでは不十分であるということだ.歴史的叙述である第2章「書物の戦争・書物の戦後:流れとしての占領期接収文献」の中で,著者は次のようなヴィジョンを述べている:

それぞれの書物の作者や,書かれている内容よりも,接収文献を一つのまとまり,あるいはそこから枝わかれしたいくつかの情報のまとまりとしてとらえる方法をとる.こうしたアプローチがなぜ必要なのだろうか.個々の文献をいかに読むか,読むとはどういうことか,といった議論を展開することも重要ではあるが,それ以前に,そもそもその書物がどこにあり,どこで読めるのかという基本情報が不十分では,そうした議論は不毛なものとなりかねない.また,私たちが読んでいる書物が,特定の人物によって削られたり,改変されたり,存在そのものが抹消されたりしていたとしたら,私たちが「読んでいる」土台そのものが揺らいでしまう.(p. 55)

たとえ,デジタル化された情報断片であったとしても,そのルーツは時空的に限定されたフィジカル・アンカーという進化的(歴史的)実体である.著者はそこに眼を向けることが重要だろうと指摘する.異議なし.

◆夜,午後8時を過ぎて本降りの雨になった.明日ははたして台風の暴風が関東を駆け抜けるのか.

◆本日の総歩数=2865歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


19 september 2011(月)※「そうだ 京都,行こう」ふたたび

◆午前4時半すぎ起床.気温は22.7度と低いが,空気がしっとりしていてやや蒸し暑い.空全体に灰色の低い雲が垂れこめ,紅に染まる朝焼けが妖しい.しかし百鬼夜行なアヤシイ黒雲は日の出とともにいったん雲散霧消し,残暑の日射しとともに青空が広がってきた.気温と不快指数も順調に上昇し,朝のうちに今日の最高気温29.1度をマークした.ちゃちゃっと旅支度をする午前.

いまは沖縄近海にいる台風15号は,これから北東に進路を変え,本州に接近するらしい.今週の20日(火)には九州,21日(水)に四国から近畿に達し,翌22日(木)は東海から関東地方が射程に入っている.日本海から東北南部にかかっている秋雨前線がさらに南下すれば,天気予報通り今日からしばらくの間は雨が続きそうな気配だ.

◆┣┣" 放牧場のいま —— ここのところ原稿┣┣" はずっと放置状態が続いている.しかし,月末までは高座┣┣" が張り付いているので,本格的にはそのあとだ.とくに,今週の木曜から来週木曜までの八日間は一日の休みもなく関東巡業の旅が続く.それがすめばもう月末かあ.え,もう十月ですか,そうですか.

◆今日のお昼は春日にあるラーメン屋〈戎〉にてチャーシューメンをば.ちょうどランチタイムで店内は混んでいた.チャーシューに日高昆布が巻き込んであるのがめずらしい.このチャーシューメンは醤油味だが,まわりを見ると塩ラーメンの客が多かったかな.もっと濃厚な〈桂花〉や〈天下一品〉とは対極的なサッパリ系のスープが特徴.ラーメン激戦区のつくばは店の入れ替わりがけっこう頻繁にあるが, ここ〈戎〉は長く続いているので客の強い支持があるのだろう.餃子には柚子胡椒が添えられていた.

◆そうだ 京都,行こう —— My favorite things かどうかとは関係ないのだが,とりあえず12:55発のTX快速に乗り込む.いつまでも蒸し暑いなあ.揺られて一時間,都内は曇りときどき晴れで,つくばよりもさらに不快指数が高い.蒸し暑い旅路はなお続く.東京からは14:30発ののぞみ自由席に乗る.車窓からはよく晴れた景色が見渡せるが,雲の塊がときどき日射しをさえぎる.午後5時前に京都駅に到着.連休最終日のせいで,車内も混み合い,プラットホームには人があふれ,コンコースはすれちがいもままならない.人いきれで蒸し暑い.それでも前回来たときのような,真綿をのどに詰め込まれるような致死的な蒸し暑さではない.最高気温も真夏日ラインを割り込んだようだ.

京都駅の伊勢丹で必要な買い物をしてから,タクシーで宇治に向かう.夕暮れの山の上は曇って蒸し暑い.午後7時すぎに雨が降りだしたころから気温は急降下.台風15号が通り過ぎるまでこのまま延々と降り続くかと思うとげんなりするなあ.そのうち本降りになってきた.

—— 長旅に疲れたのかさっさと早寝してしまった.外は雨がしとしと降り続いている.

◆[欹耳袋]往路車中読書 —— 和田敦彦『越境する書物:変容する読書環境のなかで』(2011年8月5日刊行,新曜社,東京,362 pp.,本体価格4,300円, ISBN:978-4-7885-1250-4 → 目次版元ページ).予想通り,前著:和田敦彦『書物の日米関係:リテラシー史に向けて』(2007年2月28日刊行,新曜社,東京,ISBN:978-4-7885-1036-4 → 書評目次版元ページ)に続く内容.“トークン”としての書物のたどってきた歴史(著者は「リテラシー史」と呼ぶ)を主として日米間の図書流通の事例を通して探る.序章で述べられている著者の問題提起は本書全体を貫く柱となる:

書物の流通や収集,所蔵,管理といった問題は,一見,二次的で副次的な問題として捉えられがちだ.…… だが果たしてそれでいいのだろうか.書物の場所を問うことは,奇妙な周辺的な問いであってこれらの研究と関わりのない事象なのだろうか.いや,むしろ,この問いのなかには,それぞれの学問領域にとってこれまで見過ごされてきた重要な問題が数知れずひそんでいるのではないだろうか.(p. 13)

書物の場所を問い,その流れを追うという問題意識の根底には,私たちがいかに読み,書く行為と関わってきたのか,そして関わっていくのか,という問いが横たわっている.その問いは,現在私たちがどのような書物を,どのような形で手に取るのかという行為そのものに向けられた問いであり,私たちの情報環境自体を歴史的にとらえなおす契機,端緒ともなるだろう.書物の場所と移動を問うという本書のねらいはそこにある.(p. 14)

「私たちは「自由に」読んでいるわけではないのだ」(pp. 13-14)という著者は,たとえインターネットを通じて世界中の書物が手元のディスプレイ上で“読める”ようになった現在にあっても,書物の「場所」の問題が消え去ったわけではないと言う.

◆本日の総歩数=2704歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=94.6kg(+0.2kg)/27.9%(−0.6%)


18 september 2011(日)※三連休でも真夏日は過ぎ去らない

◆午前4時半起床.気温23.9度.晴れ.朝焼けがすばらしい.今朝のようなみごとな朝焼けを見ずに惰眠をむさぼっているやつはみんな豚に喰われてしまえ夜明け前は秋の風情が漂うが,日中はまたしてもくらくらする真夏日になるかと思うとげんなりする.昨夜は南大沢から帰ってきて,いつの間にかドロのように寝てしまった.終日蒸し暑かったせいか,たいへんハードな出張巡業で,そのあいだに原稿┣┣" 一件をうっかり取り逃がしたり,放牧場に新着┣┣" が何頭も居座っていたり.本拠地を不在にするときにかぎって,不慮の┣┣" が侵入する.

◆[蒐書日誌]高野潤『インカの食卓:古代から続く大地の恵み』(2011年9月刊行,平凡社.東京,本体価格1,800円,ISBN:978-4-582-83545-8 → 版元ページ).いまライブラリーをチェックしてみたら,この著者の「アマゾン本」はすでに何冊も持っていて,書評を書いたりしていた:

  • 高野潤『アマゾン源流生活』(2006年1月11日刊行,平凡社,東京,ISBN:4-582-83297-0 → 目次書評
  • 高野潤『インカの野生蘭』(2006年8月25日刊行,新潮社,東京,ISBN:4-10-301571-3 → 目次
  • 高野潤『アマゾン源流 「食」の冒険』(2008年6月13日刊行,平凡社[平凡社新書425],208 pp.+カラー図版16pp.,ISBN:978-4-582-85425-1 → 目次書評版元ページ
  • 高野潤『カラー版 アマゾンの森と川を行く』(2008年10月25日刊行, 中央公論新社[中公新書1969], viii+212 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-12-101969-1 → 書評版元ページ

—— 今回の新刊はインカ食文化の本.早く手にしたい.

◆ダブル台風の今後の進路がやや不安.16号は日本の東海上に大きく逸れていくようなので,関東への影響はないだろう.一方,沖縄あたりをうろうろのろのろしていたはずの15号がいきなり関東直撃コースを狙っているようだ.巡業の出先で風雨に翻弄されたくはないなあ.

◆真夏日の昼下がりに断髪 —— 髪の毛がのびすぎてうっとおしくなってきたので,真夏日の昼下がりに松代まで切りに行った.本日の最高気温は午後2時すぎの33.1度.照りつける陽光から逃れるすべはない.髪が軽くなってもやはり暑いものは暑いと言うしかない.今週からは農環研の集中冷房が停止される.したがって,君子危うきに近寄らずを実践し,多少とも涼しくなる月末までは農環研に近づかないことを旨とすること.もっとも,すでに出張予定などが稠密に詰まっていて,ほぼパーフェクトに不在なのだが.

◆[蒐書日誌]三崎むかしばなし —— 毛利秀雄『東京大学三崎臨海実験所雑記』(2011年8月刊行,生物研究社,東京,本体価格1,800円,ISBN:978-4-915342-60-8 → 版元ブログ).三崎臨海実験所は世界的にも歴史のある海洋研究所なので,さまざまなエピソードには事欠かないだろう.ずいぶん前に出た:磯野直秀『三崎臨海実験所を去来した人たち:日本における動物学の誕生』(1988年8月刊行,学会出版センター,東京,ISBN:4762215570)を手にしたことがある.実験所の創設一世紀に出されたこの本が通史であるとしたら,著者自身が過ごした三崎での五年間(1955〜1959年)にわたる「日記」という位置づけの今回出版された新刊はいわば“私史”にあたるのだろう.“私史”という点ではワタクシにもひとつあるので備忘のため記しておく.当時,静岡大にいた古生物学者の阿部勝巳さんが1998年の夏に交通事故で亡くなったのは,千葉の自宅から三崎臨海実験所に向かう途中だったという.その逝去の報を受けた三崎の教員たち(ちょうど学生実習が予定されていたらしい)はその夜いくら酒を飲んでも酔えなかったとあとで聞いた.

◆夕焼けに染まる日没.しかし,日が暮れてもちっとも涼しくならない.じめじめとした空気が淀んでいる.

◆本日の総歩数=6096歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=94.4kg(+0.2kg)/28.5%(+0.6%)


17 september 2011(土)※曇りときどきスコールの巡業後半

◆前夜あれだけ飲んだにもかかわらず,午前4時半にいったんは起床.朝焼けがきれいだった.二度寝して,午前7時半に朝食.ホテルをチェックアウトしたのは午前9時半.変な空模様で蒸し暑く晴れているのに,ときどき雨がぱらつく.10時過ぎに首都大に着いて講義室へ.

◆南大沢巡業高座「生命科学特論」(前半戦二日目) —— 10時半から講義開始.午前中は実験計画法のうちイントロの完全無作為化法から.RコマンダーとRスタジオを併用して,実習とデモンストレーション.Rのプログラミングについては別途,小野川から導師がやってくることになっている.ワタクシはその露払いということで,具体的なRのスクリプトを見せつつ,ちょこちょこと説明を加えるのみ.実験区のレイアウトからはじまり,偏差・平方和・平均平方をへて分散分析表の作成,ついでに多重比較まで話したところでランチタイム.

◆来月の┣┣" 撃ち予定一件 —— 次期〈J-Stage 3〉に関する合同説明会:10月24日(月)13:00~15:15@サイエンスプラザ(JST東京本部)B1F・ JSTホール→地図.ジャーナルが電子化されるとこういう┣┣" が定期的に増殖する.

◆[蒐書日誌]和田敦彦『越境する書物』(2011年8月5日刊行,新曜社,東京,本体価格,ISBN:978-4-7885-1250-4 → 版元ページ).前著:和田敦彦『書物の日米関係:リテラシー史に向けて』(2007年2月28日刊行,新曜社,東京,ISBN:978-4-7885-1036-4 → 書評目次版元ページ)は掛け値なくおもしろかったので,この年の「月刊みすず・読書アンケート」の筆頭に挙げた.

◆蒸し暑い昼休みは,講義室にひきこもる.外は蒸し蒸ししていて長居は無用.室内は空調されているのだが,冷風が流れるのみで除湿していないのでやはり蒸し暑い.午後1時半から講義再開.乱塊法に進む.1要因実験から2要因実験へ.実験計画にともなう線形統計モデルの話を中心に,パラメトリック統計学のバックグラウンドを解説する.午後4時過ぎに前半戦を終了.統計コンサルティング業務をひとつすませてから,外に出たらトロピカルなスコールが降っていた.アロハを着た慢性疲労がとぼとぼと足を引きずりつつ南大沢駅へ.

◆新着┣┣" 御一行様ならびに通過┣┣" —— 連載原稿の締め切りをスルーしてしまって,今月の┣┣" は去っていった.すみません〜./来年は本郷ではなく駒場で生物統計学が開講されるとのこと.Operation Hongo はあえなく挫折か./ジャーナル電子化┣┣" がまとめて入荷した./翻訳の打合せについて日程が決まった.

◆秋葉原経由でつくばに着いたのは午後8時前だった.都内よりも涼しいが,湿度が高くて不快指数に有意差はない(はず).

◆本日の総歩数=5065歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


16 september 2011(金)※南大沢出前高座が蒸し暑く始まる

◆午前4時半起床.晴れ,朝焼け.気温22.6度.涼しい.旅支度なう.今日から南大沢で「統計・虎の穴」.夜は某所で「肝臓・虎の穴」〜.6:32発のTX区間快速に乗る.天空は秋の雲でも下界は朝から蒸し暑い.秋葉原でいったん地上へ.都心の不快さは耐えて逃げるしかない.岩本町まで歩いて都営新宿線に乗る.7:37発の京王線直通・橋本行きの通勤快速.都内は晴れどきどき曇って極度に蒸し暑い.午前9時前に南大沢に着いた.アウトレット街を通り抜ける前に,駅ビルのスタバにてしばし休息.首都大は南大沢「駅前」であることは確かだが,丘陵の上に細長くキャンパスが広がっていて,理学部の校舎にたどり着くまでがたいへん.それでももっと果ての工学部よりはマシだ.

◆[欹耳袋]学会誌掲載論文の配布に関する著作権がらみのことども —— 国内誌は〈学協会著作権ポリシーデータベース〉で,国際誌は〈SHERPA/RoMEO〉で各ジャーナルごとにチェックできる./Togetter - 「論文の著作権的取り扱いについて」.要するに一般論では解決できなくて,出版社ごとあるいはジャーナルごとにちがっているということか.

◆南大沢巡業高座「生命科学特論」(前半戦初日) —— 一年ぶりに来た首都大キャンパスは曇って蒸し暑かった.てくてくと坂をのぼって理学部へ.大学全体で節電中とのことで,照明を落とした校舎内はどこも薄暗く,全開の窓と扇風機の振動音だけが低くうなっていた.10時過ぎに生物学実験室へ.パソコンのセッティングを完了.今回は MacBook Air と Windows 7 の併用となる.10時半に開始.受講生は10名ほど.いつものように統計学概論から始まって,一時間ほど話したところでランチタイム.

◆[欹耳袋]Leonardo M. Santos and Luiz R. R. Faria (2011), The taxonomy’s new clothes: a little more about the DNA-based taxonomy. ZooTaxa, 3025: 66–68 → pdf(open access).「DNA分類学」は生物多様性研究に関わる先進国と発展途上国との“南北問題”を助長する懸念がある.

◆講義室の外は暑すぎて引きこもるしかない.室内では E-mobile が入らないなあ.共用の Win PC は無線LANが通じているので,そちらを使わせてもらう.午後の講義はR/Rコマンダー/Rスタジオおよび関連パッケージ群のインストールから始まる.その後,データの視覚化(箱ひげ図に関連する記述統計学の説明)に続いて,パラメトリック統計学(確率分布曼荼羅と正規分布帝国の物語)とその背後にひろがる推測統計学の理念について話したところで,午後4時過ぎに本日の高座はお開きとなった.

◆講義後,外に出たら生暖かく湿った空気にまとわりつかれた.午後5時に京王多摩センターにたどり着き,京王プラザホテル多摩にチェックイン.その後,ひまり屋〉にて飲み会.飲みました呑みました.午後11時過ぎに店を出て,ホテル帰還.ときどき雨がぱらつく蒸し暑い夜になった.うー,しかし明日の高座は今日と同じく朝から夕方まである.集中講義の中日に深酒をしてはいけなかったはずだが.本日の最高気温はもちろん真夏日で,不快指数は極大.

◆本日の総歩数=8367歩[うち「しっかり歩数」1962歩/23分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=94.2kg(+0.2kg)/27.9%(−0.1%)


15 september 2011(木)※巡業高座の準備と原稿┣┣" 征伐

◆午前4時半起床.視界がまったくきかない濃霧.今季初めての〝霧筑波〟か.気温22.4度.東風が吹いて涼しいといえば涼しいが,湿気で網戸には水滴,フローリングの床がべたついている.午前6時を過ぎても濃霧はいっこうに晴れず.このまま通勤時間帯に突入すると「交通事故」のリスクはかなり高まるだろうな.とくに幹線道路では,信号すらおぼろげにしか見えないのに,霧の中を猛速で突っ込んでくるイノチ知らずがいるのでもうたいへん.午前7時ころまではじっとりとした霧が淀んでいたが,朝日が昇るとともに文字通り雲散霧消し,いまは青空が広がってきた.午前8時の気温は26.2度と夏日ラインをすでに越えている.今日も真夏日の予報.今月は出勤簿にあと一回ハンコを押すだけの非実在的なワタクシ.10月も10日過ぎまではいないも同然だ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 微笑┣┣" どもを片端から征伐している./本郷から湿ったメール.進学振り分けはホンネとホンネとのぶつかり合い./大分湯煙巡業の日程がなかなか決まらない.

◆[欹耳袋]訃報 —— 1950年代に Robert R. Sokal らとともにクラスター分析の手法を開発し,生物分類学派としての「数量表形学(phenetics)」を立ち上げた微生物学者 Peter H. A. Sneath が先週金曜に逝去したとのこと.Joseph Felsenstein が Sneath の追悼記事を書いている:Panda's Thumb「Peter H. A. Sneath (1923 - 2011)」(13 Sep 2011). 数量表形学派の“コーラン”である:Peter H. A. Sneath and Robert R. Sokal『Numerical Taxonomy : The Principles and Practice of Numerical Classification』(1973年刊行,W. H. Freeman, Sam Francisco, xvi+573 pp., ISBN:0716706970)は修士1年の秋に読了した.当時は統計学の研究室にいたので,この手の本は他の分類学派の本にくらべてたくさんあったことは確かだ.その後,ゴミのような日本語訳が出版されたが,元本を全部読んでいたので,手に取る必要はまったくない.

ついでに,Peter Sneath の単著は日本語訳されている.ワタクシは大学のころ板橋の古書店で現物を一度手にしたが,その後ついぞ再会したことがない.その本とは:ピーター・H・A・スニース[日下実男訳]『惑星と生命』(1976年9月刊行,TBSブリタニカ[ワールド・サイエンス],東京).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 気温が33度に接近しているつくばの昼下り.焼けつく外界を窓越しに眺めるのみ.来月末のつくば分子系統ワークショップの事前準備依頼を各講師に発射する.┣┣" をばらまくのは罪深き所業なり./ワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉の現時点での応募者数は「66名」.応募締切(9月22日)まであと一週間!/今年11月の数理統計研修(つくば)の研修テキスト原稿を事務局に送信完了.「統計学お薦め本リスト」の最新版を初日の統計学概論に添付することにした.

◆ここのところ京都に帰るたびにおみやげに買ってくるのは,生八ツ橋や阿闍梨餅ではなく,〈紫野和久傳〉のれんこん餅「西湖」と決まっている.笹の葉に包まれている.冷やして食べるとそのもちもち感がこたえられない.ちょっと見には,〈川端道喜〉の「ちまき」のような食感だが,もっと粘りがあって,ほんのりと甘い.蓮根が原料とはとても想像できない.

◆夕方の┣┣" 撃ち —— 本日の最高気温は33.3度だった.先日質問があったのだが,「多変量多重比較」のためのRパッケージってありましたっけ? わかる範囲で「統計・悩みの相談」メールへの返信をする.みなさんがデータを取り終えたこれからの季節は,しだいに統計コンサルティング業務が増えるぞ増えるぞ.

◆[欹耳袋]教師の心得 —— bluelines「教師の心得」(2011年9月8日).昔,予備校で教えていたとき,これと同じような内容の「講義心得:講師のための授業マニュアル」を読んだことがある→ 2006年3月6日の日録

◆本日の総歩数=5065歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=94.0kg(−0.2kg)/28.0%(−0.6%)


14 september 2011(水)※雑┣┣" を日がな一日追いかけて

◆午前4時過ぎ起床.まだ外は真っ暗.気温は22.4度.涼しいけれども湿気がある.日に日に夜明けが遠のいていく.今日も残暑が厳しいらしい.朝からよく晴れて気温は上昇.午前7時にはすでに夏日ラインを越えた観音台.予定では今日は本郷出張だったのだが,教員会議が急遽延期になったので,出勤簿の出張印の上から出勤印を重ね打ちする.

◆[蒐書日誌]ブツが届いた —— Barry G. Hall『Phylogenetic Trees Made Easy: A How-To Manual, Fourth Edition』(2011年5月刊行,Sinauer Associates, Sunderland, xiv+282 pp., ISBN:978-0-87893-606-9 → 目次版元ページコンパニオンサイト).この第四版はフルカラーになったのか.使用されるソフトウェアは:MEGA 5 / MrBayes / FigTree / Codeml / GUIDANCE / Splitstree & Dendroscope etc. と書かれている.コンパニオンサイトからは,本書で用いられているファイル類をダウンロードできる.玉川大学の高座の内容とほとんど重なっているので,参考書として重宝できそう.

◆朝から┣┣" 撃ち —— 領域会議,10:30〜.出張・外勤・年休などの予定はガルーンに記入せよとの理事長の一声.ムリ.要するに,勤務管理の徹底をという趣旨の発言なのだが,ことあるごとに非効率的な事務処理が“究極要因”となって立ちはだかる.たとえば,農環研の書類通過儀礼の一例として「出張伺」例にとる:スタート→職員がエクセルで出張伺書式に必要事項をちくちく記入→プリントアウトして押印し領域長に提出→領域長印とともに事務へ→事務では提出された出張伺をもう一度マニュアルでエクセルに入力→入力事項の正確さを確認して決済→ゴール.もしどこかの段階でまちがいが発見されたならば「紙」で修正箇所が指摘される→スタートに戻る→もう一度やりなおし.この事務民俗的な通過儀礼は厳密に決まっていて,「オンライン化」とか「電子化」ということばはこの indigenous knowledge system の「辞書」にはもともとない.

◆[欹耳袋]「栄光の門」をくぐる者に幸あれかし —— ウィリアム・D・ハミルトンが「包括適応度(inclusive fitness)」を提唱した元論文:William D. Hamilton (1964), The genetical evolution of social behaviour, I. Journal of theoretical Biology, 7(1): 1-16 の致死率はどれくらいだろうか? 適切な訳注があれば,一般読者にもこの論文の「尋常ではない数式表記」の背後に漂うフレーバー(利他行動の進化メカニズム)を味わうことはできるものだろうか.のちにリチャード・ドーキンスが提唱する「遺伝子的視点」とハミルトン本来の「個体的視点」の対比をしようとすると,どうしても征服しなければならない峰だ.聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに詣でる前に,誰もが必ずひれ伏さねばならない「栄光の門」のようなもの.

いま自分の論文コピーを久しぶりに開いてみたら,D2のときに読破していたことが判明.メモ書きもしているので生還したらしい(いまだったら遭難しているかも).全編にわたって添字の「」と「」がネオンサインのように点滅する数式表示は,このハミルトン論文の特徴であると同時に,読者にとっては致死的でもある.綱があっても滑落してしまう.セウォール・ライト(Sewall Wright)の経路分析(path analysis)に関する数学が致死的であるのと同じ死因だ.

それにしてもハミルトンの三巻本論文集はいったい誰が読む(読んだ/読めた)のだろうか.

  1. W. D. Hamilton『Narrow Roads of Gene Land: The Collected Papers of W. D. Hamilton, Volume 1: Evolution of Social Behaviour』(1997年9月刊行,Oxford University Press, Oxford, xiv+552 pp., ISBN:0-7167-4530-5 [pbk] → 書誌情報
  2. W. D. Hamilton『Narrow Roads of Gene Land: The Collected Papers of W. D. Hamilton, Volume 2: Evolution of Sex』(2001年11月刊行,Oxford University Press, Oxford, lvi+872 pp., ISBN:0-19-850336-9 [pbk] → 書誌情報
  3. W. D. Hamilton『Narrow Roads of Gene Land: The Collected Papers of W. D. Hamilton, Volume 3: Last Words』(2005年12月刊行,Oxford University Press, Oxford, xiv+480 pp., ISBN:0-19-856690-5 [pbk] → 書誌情報

—— まあ,要するに,翻訳されたら日本人読者がどれくらいやってくるのかなあという素朴な疑問です.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 横浜国大の計算センター使用許可と ynu.ac.jp のメールアドレスをゲットしました.>常盤台統計道場./微小┣┣" どもがメール経由で積み重なる暑い昼下り.某学会の電子ジャーナル公開の確認作業完了.とある問い合わせへの返事をすること.勁草書房の論文集の進捗の遅れが問題.大分湯煙巡業のタイムテーブルについて問い合わせる.連載原稿,早く仕上げないと./今日も最高気温は32.3度まで上がった.

◆[欹耳袋]YOMIURI ONLINE「国内で2番目に低い山,3・11の津波で消える」(2011年9月14日).ついでに,那智勝浦町を流れる「日本最短の川」の「ぶつぶつ川」(全長13.5m)が先日の台風12号でどうなったかもちょっと心配…….

◆[蒐書日誌]グールドのエッセイ集がまとめて復刻 —— 2011年10月に,Harvard University Press から Stephen Jay Gould のエッセイ集計七冊がまとめて復刻されるようだ(→ 検索結果).つい最近,日本語訳が出たばかりの『I Have Landed』をはじめ,『Leonardo's Mountain of Clams and the Diet of Worms』,『The Lying Stones of Marrakech』などがペーパーバックとして出版される.いずれも他出版社の本だが,ハーヴァード大学出版局のラインナップとして常備するつもりなのかな.

◆夕方,並木の〈マルゲンミート〉にて牛肉を買い,暗くなってから厨房にこもる.肉質がいいので,さっくり塩胡椒をしただけのシンプルなステーキが食卓にならぶ.まずはじめに〈獺祭スパークリング〉をしゅぽん.続いて,ひさしぶりに〈王祿・渓〉を開栓.満月が空高く昇るころにはいい酔い加減で,あっというまにご就寝.

◆本日の総歩数=7292歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=94.2kg(+0.6kg)/28.6%(+0.7%)


13 september 2011(火)※西も東も真夏日が続いてうんざり

◆午前4時半起床.昨夜はドロのように寝てしまってお月見どころではなかった.西を見るとなごりの満月が白み始めた空にまだ浮かんでいた.朝焼けタイム.気温は22.6度.空気が湿っている.空をみれば秋の顔つきだが,天気予報は今日もまた真夏日になるという.旅の後始末をする.昼前には真夏日ラインをあっさり越えてしまった.外に出る意欲がまるでない.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 明日9月14日(水)10:30〜,領域会議./年休届提出.とりあえず9月12日(月)と9月20日(火)の二日間.年休がなくなったらさてどーしようか.裁量労働制であれば悩む必要のないことだが,農環研にいるかぎりいつでも「年休残日数」の計算をし続ける運命にある./研究交流センターの分子系統ワークショップに関する連絡あり.そろそろ使用ソフトウェアのリストアップをした上で,電農館のパソコン実習室にインストールをしないといけないとのこと.

◆[欹耳袋]文章の「註」について —— これまでたくさんの文章を書いてきたが,本文からはみ出す「註」(脚註や巻末注)を付けたことはほとんどない.原稿作成の方針として,たとえば引用文献はすべて脚註に追い込むというような方針が上から降ってくるような場合は,抗わずに従っている(最近では『思想地図β』や勁草書房『文化系統学への招待』に寄稿した文章).他人の論文の「註」を読むのは好きだが,自ら進んで「註」のある文章を書こうと思ったことはない.

この点については,これまであまり深く考えたことはなかったが,要するに文体(スタイル)の好みの問題だろう.他人だったら「註」に入れるであろうトリヴィアルな内容も,ワタクシの場合はぜーんぶ「本文」中に取り込んでしまう.重要な論点と些細な挿話を文章の中でいわば「対等」に扱っているということになる.そういう文章の書き方を長年にわたって実践してきたのは Stephen Jay Gould だった.彼のエッセイ集では「註」はよほどのことがないかぎり皆無である.エッセイのひとつひとつは短いのでそれは当然だろうと思われがちだが,彼のこの文体上の特徴は短編エッセイにとどまらない.

たとえば,グールドの遺作『進化理論の構造(The Structure of Evolutionary Theory)』(2002年刊行,Harvard University Press, Cambridge, xxiv+1433 pp., ISBN:0-674-00613-5 → 目次版元ページ)は,1500ページにも及ぶ大著でありながら「註」がひとつもない.一般に科学史書は本文以上の分量の脚註が付けられていることがあるが,グールドの『個体発生と系統発生(Ontogeny and Phylogeny)』(1977年刊行,Harvard University Press, Cambridge, xvi+501 pp., ISBN:0-674-63940-5 → 版元ページ)は,反復説を詳細に論じた500ページに達する科学史の著作であるにもかかわらず,やはり「註」はほとんどない.グールドは一貫して,あらゆる事項を本文中に織り込むという文体を守り続けた.

些末なトリヴィアと要点のエッセンスとを同じ文章の中で混在させるというのは,ある意味では「賭け」みたいな危ういところがある.ヘマをすると読者を樹海に誘い込むおそれがあるからだ.「良き理系文章」を書くための指南書があれば,きっと積極的に「註」を利用して,肝心の「本文」はスリムかつクリアにせよという教訓があってもフシギではない.しかし,ワタクシ的にはあえてそういう「スリム」や「クリア」とは無縁の文体を心がけるようにしている.トリヴィアからエッセンスへと読者を引っ張り上げるグールドの熟練の技に心酔しているからだろうと自己分析している.

そんなわけで,「註」のない執筆人生をずーっと送ってきたもんだから,なまじっか「註」のある文章をいったん書き始めるともうたいへん.それぞれの「註」が自らの存在意義を勝手に主張し始めて,気がついたら長い文章に成長してしまっている.これまで「註」のない文章を書いてきたのは,そういう“分岐的文体”をどこかで嫌っていたからかもしれないとあらためて自覚したしだい.

—— やっぱりワタクシ的には文章は「巻物」のようにすっきり一本スジが通っているのがいいなあ.読む側にとってもそのつど「註」への参照を強制されるようでは文章を読み進む“勢い”を削がれることになるだろうし.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 大分湯煙高座の日程調整.いまのところ:1) 基礎編:11月21日(月)〜22日(火);応用編:11月28日(月)〜29日(火)で調整中.前泊はムリなので後泊になりそう.いすれにしても日程が決まりしだい航空券だけは早く確保しないと.翻訳本の件,共訳者が確定した.よかったよかった.連載原稿の方を早く仕上げないと.

◆今日も鮮やかに染まる夕焼けタイム.日中は32.9度まで気温が上がり,午後6時を過ぎても真夏日ラインを下回らない.東の空からまんまるい月が上がってきた.下界はアオマツムシの耳障りな合唱がうるさいが,上層階はそれほど気にならない.京都帰りの〈紫野和久傳〉の「西湖」をよく冷やしてつるりと食べるのは至福のひととき.

◆本日の総歩数=3985歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=93.6kg(0.0kg)/27.9%(−0.8%)


12 september 2011(月)※中秋の名月を新幹線から仰ぎ見る

◆午前4時半起床.気温24.5度.湿度は70%を超えていて蒸し暑い.西の空低く満月がくっきり.つくばとはちがって,ここ洛南の地は同じ時間帯なのに夜明けの気配すらない真っ暗闇だ.今日も日中はじたばたする予定.

◆早朝の散歩の途中,朝日を浴びる宝寿寺・御蔵山聖天に立ち寄った.子供の頃はそうとは知らなかったが,ここはけっこう有名なお寺で,本尊は歓喜天.清浄歓喜団という千年前から伝わる和菓子を住職が作り続ける唯一のお寺でもある.ここの鐘楼は大晦日の〈行く年来る年〉に一度だけ登場したことがある.山頂から住宅地を見下ろすお寺の境内は子供の頃から格好の虫取り場で,かつてはまわりに雑木林が広がっていた.夏はもちろん冬になると松の樹皮をはがしてはヤニサシガメの越冬集団を見つけたり,寒風の中をひらひら飛ぶフユシャクを追っかけたりした.さらに幼い頃は造成途中の砂山に洞窟を掘ったりした.アケビの実を初めて口にしたのもこの林だった.

今は敷地の際まで宅地化の波が押し寄せて,山の地形そのものも変わってしまい,かつての面影はまるでない.聖天さんの雑木林も立入禁止の柵で周囲から隔離されてしまったようだ.山向こうの平尾まで見渡すかぎり家また家が続く.医療少年院が設置されたくらいだから,かつてはもっと人のいないエリアだったにちがいない.以前は茫漠とした原っぱが延々と広がっていただけだったはず,対面に見える小山の堆積層からは木の化石を掘り出したことがあったなあ……と思っても,実は数十年前の記憶の断片をたぐり寄せているだけかもしれない.京都の中では郊外型分譲住宅のはしりだったこの一帯は,他の多くの「ニュータウン」と同じ運命をたどっている.ほぼ同じ世代が新規入居すれば,当然の帰結はいっせいに高齢化するということだ.現在では,第二世代あるいは第三世代がモザイクのように住んでいるらしく,もともとの区画境界の石垣のほかはすっかり改築あるいはリフォームされている.かつてはワタクシの知り合いもたくさんいたのだが,いまはもう散り散りになってしまった.

宮内庁の宇治陵だけでなく,この辺り一帯は古事記・万葉集から続く許波多(木幡)の地に平安・藤原氏の縁がある.よくわからないけど「立ち入ってはならぬエリア」がいくつもあった.古墳や遺跡が日常生活の中に入り込んでいる.すぐ近くには「鬼界」という地名もあり.ワタクシはそういう結界の中で長年育ってしまった.

◆朝イチで緊急┣┣" 撃ちに出発.残暑の太陽が頭上から照りつけ,真っ青な青空のもと日光と紫外線が遠慮なく降り注ぐ.いったん出かけてしまうと,あっという間に午後1時をすぎてしまった.ちょこちょこと買い物をしてから戻る.本日も京都の最高気温は33.6度あった.まったくもうこの暑さだけはなんとかしてほしいな.

◆真夏日から真夏日への帰還 —— 午後4時過ぎ,昼間の熱気を引きずったまま太陽が西に傾き,黒雲が湧き上がる.タクシーで宇治の実家を出発し京都駅に直行.〈紫野和久傳〉の「西湖」をおみやげに買った.午後5時過ぎに,通り雨もなくただ蒸し暑いだけの京都を離れる.しだいに夕闇の帳が降りて,ふと気が付けば駿河湾に浮かぶ仲秋の名月.まさか新幹線の中でお月見をすることになろうとは数日前までは予想していなかった.午後8時半につくば着.雲でときどき隠れてはいたが.とてもきれいなフルムーンが空高く浮かぶセンター広場.夜になっても蒸し暑い.

◆本日の総歩数=5856歩[うち「しっかり歩数」1314歩/13分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


11 september 2011(日)※いきなり京都で真夏日のパンチを

◆午前4時半すぎ起床.湿った東風が吹き抜ける夜明け前.曇って朝焼けも日の出も拝めない.今の気温は24.0度で,やや蒸し暑いような.雲が晴れて朝日が射す午前6時に一ノ矢八坂神社の鐘の音が響き渡る.今日は私用にて急遽入洛.

◆真夏の京都へいきなり飛び込む —— 朝のしたくをじたばたすませて,TXに乗ったのは午前9時のこと.10:30発ののぞみ700系の自由席に陣取って出発.今日は積雲が青空のいたるところに浮かんでいた.富士山は雲に隠れてまったく見えず.午後1時前に京都に到着.真夏日の蒸し暑さにくらくらする.タクシーにて宇治の実家に駆けつける.打ち合わせをいろいろ.それにしても,9月に入っているのに最高気温34.2度ってシャレにならん! つくばも暑いが,京都はさらに暑い.

◆[蒐書日誌]山内志朗『存在の一義性を求めて:ドゥンス・スコトゥスと13世紀の〈知〉の革命』(2011年7月28日刊行,岩波書店,東京,本体価格6,700円,ISBN:978-4-00-023727-7 → 版元ページ).ブラジルに国外逃亡していた間に出ていた本.さて買うか買うまいか.同じ著者の前著:山内志朗『普遍論争:近代の源流としての』(1992年11月25日刊行,哲学書房[中世哲学への招待1],東京,292+90 pp., 本体価格6,900円,ISBN:4-88679-053-4/2008年1月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー630],ISBN:978-4-582-76630-1 → 版元ページ)をはじめ,稲垣良典『抽象と直観:中世後期認識理論の研究』(1990年2月28日刊行,創文社,東京,viii+343+13 pp., 本体価格5,500円,ISBN:4-423-10085-1 → 版元ページ)や清水哲郎『オッカムの言語哲学』(1990年5月30日刊行,勁草書房,東京,iv+309+14 pp., 本体価格4,000円,ISBN:4-326-10085-0)のような中世形而上学本は,ごくふつうに生物体系学の引用文献リストに並んでいる.

◆来る途中,宮内庁宇治陵の森を通り過ぎた.実家の近くで昔々の遊び場で,「入ってはいけない場所」であることを知ったのはずっとあとのことだった.平安時代の藤原家から天皇家に嫁いだ者たちの陵墓だという.いまでも住宅地に囲まれて鬱蒼とした小山が守られている.

◆午後6時過ぎ,炭山の向こうに真ん丸な月が浮かび,洛南の地は夕焼けタイムに.日中は真夏日の暑さだったが,この時間帯になると多少は涼しくなってくる.明日は朝8時過ぎから緊急┣┣" 撃ち.一段落したらやっとつくばに帰還できる.ということで,早々に就寝.

◆本日の総歩数=5244歩[うち「しっかり歩数」1285歩/13分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.6kg(−0.3kg)/28.7%(+1.2%)


10 september 2011(土)※蒸し暑い明け方に増刷の吉報届く

◆午前5時起床.久しぶりの寝苦しい熱帯夜かと思いきや気温は23.0度.ということは昨日よりも湿度が高い朝なのか.朝焼けタイムのち日の出.朝イチの┣┣" は取手とのピストン往復.日射しが強くてくらくらする.取手からつくばみらい市あたりは早くも米の収穫時期だった.気温はすでに夏日ラインを越えている,お昼前には真夏日ラインを突破するだろう.予報では今日は昨日以上に厳しい暑さになるらしい.ツクツクボウシの合唱も終盤のクライマックス.

◆[欹耳袋]ありがたやありがたや〜 —— 三中信宏『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』(2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行|2009年12月18日第3刷刊行|2010年5月10日第4刷刊行|2011年9月第5刷刊行予定,講談社[現代新書1849],ISBN:4-06-149849-5 / ISBN:978-4-06-149849-5 →詳細目次反響録コンパニオンサイト)『系統樹思考の世界』の増刷第五刷が決定! さっそく正誤表を連絡することになった.まずは,Hayden White『Metahistory』(1973)の翻訳に関する修正:

  • P. 282「いつ翻訳出版されるのか(そもそも果たして翻訳されるのか)が気がかりだ」→「いつ翻訳出版されるのかが気がかりだったが,作品社からいずれ刊行されることになったようだ」

次の重版では「このたびめでたく作品社から刊行された」と書き換えたいので,早く出版してねー(>作品社さん).続いて,文献リストを再度チェックしていたら,チェコ語文献のアクセント表記が「ありえへん」ことになっていた:

  • P. 277「(F. R. Celakovsky)「Ctení o srovnavací mluvnici slovanské na universite Prazské」(1853年出版,F. Rivnac)」→「(F. L. Čelakovský)「Čtení o srovnávací mluvnici slovanské na Universitě pražské」(1853年出版,F. Řivnáč)」

過去ずーっと見逃していたのかぁ.František Ladislav Čelakovský さん,ごめんなさい〜.文献リストは“蟲”の森だ(orz).

—— というわけで,第五刷正誤表をオンライン公開した.

◆『系統樹思考の世界』の増刷修正箇所を音羽にメール連絡したところでランチをば.正午前にすでに31.1度の蒸し暑い真夏日になってしまった.アイスコーヒーとともにマフィンを mgmg.

◆[欹耳袋]文字コードを取り替えますっ(キリっ) —— ギリシャに初めて行ったとき,トイレの卑猥?な落書きがギリシャ文字だったので(当たり前なんだけど),ギリシャ文字に対する先入観やらイメージがひとまとめに深層崩壊してしまった記憶が生々しい.ギリシャ文字もそうだし,チェコ語の“飾りの多い”フォントもそうだが,「shift_jis」文字コードで書いていると,これらの非英語圏の文字入力がたいへん面倒だ.これまでは「特殊文字コード表」を見ながらひとつずつ打っていたのだが(たとえば「ü」は「&#252」のように),チェコ語フォントは「shift_jis」では対応できない.そろそろこういう状況をきれいさっぱり卒業したい.そこで,試しにこれからしばらく「utf-8」文字コードに鞍替えすることにした.多言語フォントを使うとき精神衛生上とてもいい.ブラウザーによって文字化けが懸念されるが,手元にあるいくつかで試してみたかぎりちゃんと読めるようだ.問題がなければこれでずっとやっていこう.

◆[欹耳袋]PhyloWidget のMacOSX用スタンドアローン版が起動しないのはなぜ? Win.PC だとするっと起動するのに〜./そういえば,Intel Mac 用の PAUP* もめんどうくさい./MacBook Air のターミナルを起動するたびにドキドキするのをなんとかしたい.

◆近未来┣┣" の宣伝 —— 今年の大分湯煙巡業は一発勝負ではなく,基礎編と応用編の二回に分けてそれぞれ別日程で実施する.いずれにしても日程が決まらないことには別府八湯巡りの予定も立たない……./リマインダー:第155回農林交流センターワークショップ 〈分子系統学の理論と実習〉10月26日(水)~28日(金)@つくば.※参加申込締切は「9月22日(木)」.現時点で50名弱の応募者ありとの事務局からの連絡メール.

◆本日の総歩数=5233歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.9kg(−1.0kg)/27.5%(−0.5%)


9 september 2011(金)※涼風吹く明け方はいつまでも快眠

◆午前4時半起床.晴れ.もうすぐ朝焼けタイム.気温は20.9度.一晩中北寄りの涼風が吹き抜けて快眠できた.

◆午前の緊急┣┣" 撃ち —— 来週予定されていた東大農学部の教員会議が専攻長の都合で急に延期になったので,出張取消伺を提出だん.これで向こう一週間はまたまたつくばに実在し続けることになる./J-Stage に公開するジャーナルのバックナンバーの事前チェックを4号分だん.まだまだわらわらと湧き出てきそうな気配.短期決戦┣┣" ./所内インベントリーセンターとの仲介仕事一件.あとは当事者どうしでよろしくよろしく.

◆[欹耳袋]オランダ-ドイツ国境地域の地震 —— nrc.nl「Aardschok gevoeld in Nederland - epicentrum in Duitse Xanten」(2011年9月8日).もともと揺れない国ではビッグニュースなんだろうなあ.「aardbeving(地震)」というオランダ語を覚えてしまった.以前,ゲッティンゲンの Altstadt の石畳を歩いていたとき,ピサの斜塔よりもはるかに傾いた石造りの建物がそのまま残されていた.ほぼ横倒しに近い物件もあった.いかに地震のない国だからといって,あれじゃあアブナいんじゃないかと感じた.

◆朝のうちは薄曇りだったが,昼休みには日射しが強くなっていた.真夏日になるのかな.しばらく放置していた原稿┣┣" とのお見合い.とりあえず,進化学事典の進化学史(総合学説まで)にけりをつけた上で,系統樹ウェブ曼荼羅の連載十回目に突入.7月末以来一か月以上放り出してしまった統計曼荼羅本はそのあとか.

◆[欹耳袋]EvoViz: Tree Visualization Software.系統樹のビューワーがいろいろあるなあ.講義ツールとしての選択眼でつい比較してしまう.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 辞書原稿の大┣┣" 一頭を仕留めた.「進化学の歴史(現代的総合まで)」.およそ12,000字.編集部にメール送信して,肩がさらに軽くなった.残るは「進化史年表」と「進化学者列伝」の二頭のみ.いずれも「大」サイズなのだが,どこから手をつけようかと思案中./自分がぜんぜん知らないうちに遠くで「お座敷(研修講義)」が設けられていて,しかもすでに先約がみっしりと詰まっている件.結論:どうするねん……(知らんぞ).身から出たダブルブッキングなら謝るけど,ちょっとこれはパーフェクトに自己責任なしやな.とりあえず,物理的に可能な日程を先方に連絡しつつ,別府温泉の旅館情報とか大分市内の飲食情報とか,さりげなくちょいと横目でのぞく西日の居室.

◆今日は残暑がぶり返して,日中の最高気温は31.6度まで上がった.南風の吹きこむ夕暮れになってもまだ蒸し暑さが溜まっている.燃えるような夕焼け.

◆本日の総歩数=6049歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=94.9kg(+1.3kg)/28.0%(+0.5%)


8 september 2011(木)※なかなかスタートできない秋晴れ

◆午前4時半によろよろ起床.晴れ.気温20.5度.うろこ雲が青空一面に広がっている.空気が乾いて心地よい天候.日に日に秋めく.昨日の夕暮れ,実験圃場横の茂みから鈴虫の鳴き声が聞こえた.さすがに,今日はなかなか起動できない…….

◆[欹耳袋]「単著」の業績はプラスかマイナスか —— 最近は研究チームによるアウトプットが増えてきたが,生物体系学はもともと(数学や科学哲学と同じく)単著論文が大半の研究分野である.いまでも理論的なペーパーは単著がふつうだ.そういう領域で,あえて「連名」で論文を書くという行為は,科学社会学的な示威行為という意味合いをもつことがある.たとえば,James S. Farris and 29 authors 1995. Explanation. Cladistics, 11(2): 211-218 → abstract がその一例だ.このたった8ページしかない論考は,どう読んでも「30人」もの共著者を動員して書くような内容の大論文ではない.しかし,three-taxon analysis を Willi Hennig Society から排除するという科学社会学的なインパクトは大きかった.これは共著論文が〝論敵〟に対する power politics 的な圧力を加える手段として用いられた実例である.もともと党派的な色彩の強い Cladistics 誌だが,同様のことは Systematic Biology, Molecular Phylogenetics and Evolution などこの分野の他雑誌にも多かれ少なかれ見られる.

「単著論文」が研究者個人にとってプラスに作用するかそれともマイナスの要因かは,研究分野と評価システムによって大きく変わる.大きな研究チームを組んでのプロジェクト研究は,連続的に共著論文を量産する上ではまちがいなくプラスになるだろう.しかし,その場合,個々の構成メンバーが自分の「独自の貢献度」をアピールしなければならないというタスクが生じる.たとえば,学会賞の選考あるいは研究機関での人事評価では,研究者個人の「独自性」と「将来性」が読み取れるかどうかがポイントになるだろう.だから,共著論文しかない場合,その点で議論が紛糾することがある(あった).一方,単著での研究論文は,全部「ひとりで」研究をしたわけだから,ペーパーそのものが独自性のアピールになる.ただし,それが研究者としてのあるいは人間としての「協調性のなさ」とみなされるならば救いようがない.

ワタクシの周囲の研究分野では,単著での論文はまずまちがいなくプラスに作用する.ワタクシ自身,日本語・英語を問わず大学院生のころからほとんど単著でしか発表してこなかった(共著の場合はセカンドより下位の著者).それがワタクシ自身にとってマイナス要因であるとは考えもしなかったし,実際そんなことはなかった.こういうことは個人的なファクターが大きく関わるので一般論は難しいだろう.もちろん,共同研究したにもかかわらず「単著」として出すのは問題外の外.そういうダークな風評はあっという間に業界に広まるので,将来的にマイナスに働くことは十分にあり得る(あった).

—— 要するに,研究業績を評価する側がちゃんとしていれば,理不尽な結果は回避できるだろう.

◆大物┣┣" 仕留める —— 玉川大学の実習用ソフトウェアなど一式を用意完了.系統推定ツールには MEGA 5 を中心にして MrBayes, Mesquite, SplitsTree 4, PhyloWidget, TreeView, FigTree などのフリーソフトウェアを使う予定でいる.学生は大学指定の Windows PC を持参してくるはずだ.しかし,ワタクシは MacBook Air を使う予定で,Windows ソフトウェアについては Darwine 環境で使うことにする.夜,今月の統計集中高座ふたつと系統高座の実習用USBメモリーのしたく完了.ソフトウェアやらドキュメントやらで計1.3GBもある.

—— これでやっと向こう半年間のお座敷の前準備は山場を越えた.

◆本日の総歩数=2795歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


7 september 2011(水)※涼しい明け方に蝉の声はもうない

◆午前4時半起床.雲が多い.最低気温は18.2度と昨日よりもさらに低い.朝焼けから日の出へ.もうセミの独唱すら聞こえない.秋が日に日に深まっていくのを実感する.今日はからっと晴れあがりそう.最低気温がなんと17.7度まで下がった今朝の観音台は,朝からすっきり晴れ上がり,秋の日射しがさんさんと降り注ぐ.今日は念のためバス出勤.久しぶりに榎戸交差点の渋滞をエンジョイした.

◆[蒐書日誌]視覚化の技法 —— Manuel Lima『Visual Complexity: Mapping Patterns of Information』(2011年7月刊行,Princeton Architectural Press, New York, 272 pp., ISBN:978-1-56898-936-5 [hbk] → 目次版元ページ著者サイト).ツリーからネットワークへの可視化の技法の最前線.ネットワーク,読める,読めない? それが問題だ.

◆真っ青に晴れわたる昼下がりの観音台.広報情報室から日立デジタル平凡社『世界大百科事典(CD-ROM / DVD-ROM版)』の所在に関する確認調査.そんな十数年前のもん,行方知れずでっせ.版元そのものも消滅しているし,対応OSは Windows 95以前だし.

◆[欹耳袋]MacClade がオープンソースになり,無料配布が始まった.この系統解析ツールはフリーウェアだった1987年リリースの version 2.1 の頃から愛用していた.1989年に就職したときに,開発者の Maddison 兄弟から3.5インチのフロッピーで送られてきたことを覚えている.PHYLIP や PAUP も同様に5インチフロッピーで配布されていた.現在では,開発者の関心は MacClade から Mesquite に移行したし,いまの Mac OS X では MacClade はもう動かせない.オープンソースにすることで Snow Leopard や Lion での実行ファイルを開発してもらおうということらしい.

◆玉川大学の高座準備もとりあえず完了.結界Tを更新した.前半5回分くらいは勢いでなんとかなるでしょ.パソコン実習用のページはこれからちくちくとつくろう.初めてだった昨年度は途中で力尽きてしまったし.

◆夕方,暗くなってから悪軸飲み会へ.いつもながら飲み過ぎてしまったな.へろへろ.

◆本日の総歩数=5957歩[うち「しっかり歩数」3056歩/28分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.6kg(−0.7kg)/27.5%(−0.2%)


6 september 2011(火)※夜明け前に雨が降り夏日の秋空へ

◆午前4時すぎ起床.夜中に雨雲が通ったらしく路面が濡れている.気温21.1度で北東風が吹く快眠の夜がもうすぐ明ける.湿度は高いが涼しいので許す.深夜に百鬼夜行が通ったらしく,ワルい飲み会の誘惑が…….午前5時半に通り雨,その後も降ったり止んだりのはっきりしない空模様.今朝の最低気温は20.6度.これくらいひんやりしていると寝起きがよろしい.

◆吉祥寺・怒涛の飲み会(確定) —— 副島顕子『酒米ハンドブック』(2011年7月31日刊行,文一総合出版,東京,i+97 pp., 本体価格1,400円,ISBN:978-4-8299-1133-4 → 版元ページ)出版祝賀会:吉祥寺〈ひまり屋〉,9月16日(金)19:30〜.金・土は南大沢で集中講義なんですけどね…….集中講義のはざまに飲みまくるのはかなりリスキーかも(前例があるし).念のため京王多摩センターへの終電時刻を確認しておく.逃すとかなりヤバい.

◆筑波農林研究団地初秋風景 —— 今日はよく晴れて日射しと紫外線は強いが,乾いた空気はまぎれもなく秋だった.しばし立ち止まり農研センター圃場から秋の空を仰ぎ見る.実験圃場はそろそろ刈り取られて裸地になっているところもある.農林団地は戦時中の空軍飛行場だった跡地を農水省の研究所敷地として転用したので,もともとのっぺりしている.あの真っ白い「塔」がこのあたりではもっとも高い建造物.

◆昼の┣┣" 撃ち —— 今月の統計集中高座ふたつ(首都大と横国)と来月から始まる東大理学部のハンドアウト類の準備完了.スライド一式はいつも通りなのでOK,Rスクリプトはそのつど書き足していけばよい.集中講義については配布ソフトウェアの確認とアップデートが必要だ.引き続き,租界Rの更新を完了.統計高座関連ののコンテンツはとりあえずこれでよし.

◆[蒐書日誌]先ごろ亡くなった小尾俊人の幻戯書房三部作 —— 買い忘れたものが届いた:1) 小尾俊人『昨日と明日の間:編集者のノートから』(2009年10月10日刊行,幻戯書房,東京,2+291 pp.,本体価格3,600円,ISBN:978-4-901998-48-2).著者最後のエッセイ集.こういう本をゆっくり読むためにこそ「読書の秋」の存在価値があるのだろう.

2) 小尾俊人『出版と社会』(2007年9月20日刊行,幻戯書房,東京,2+8 color plates +654 pp. +1 color plate,本体価格9,500円,ISBN:978-4-901998-28-4).700ページ近い大著にしてけっこうなお値段ゆえ,数年にわたって逡巡していた(決断できないワタクシ).かつての改造社の「円本」の話からはじまり,岩波文庫の創刊,戦時中の検閲と昭和の出版史が綴られる.

3) 小尾俊人『本は生まれる.そして,それから』(2003年2月5日刊行,幻戯書房,東京,381 pp.,本体価格3,800円,ISBN:978-4-901998-00-5).みすず書房の創業者が幻戯書房からエッセイ集を出すという意外さに惹かれて,この本を手にしたのは新刊で出て間もないころだった.半透明の樹脂函に入った斬新な装幀のこの本は一気読みした形跡がある.ゾルゲ事件資料やロマン・ロラン全集の出版のこととか.

◆午後5時前に撤収.本日の最高気温は28.6度.気温こそ高かったが湿度が低かったのでとても快適だった.体感的にはギリシャに滞在していたときのような感じ.暑くて爽やか.夕方はやや雲が多かったが,一瞬の雲の切れ目から夕焼け光線が突き刺さるように放射していた.まさに夕焼けの「眼力」が空に放たれた瞬間だった.

◆夜の┣┣" 撃ち —— ほぼ三ヶ月ぶりに講義用の Windows PC(DELL Inspiron mini)を起動したら,ものすごい量のアップデートやら,ウィルスソフトのスキャンでぜんぜん仕事にならない.ここのところずっと MacBook Air しか使っていなかったから.統計集中講義の実習に使うRとそのパッケージ群をアップデートした.今年は R Commander と RStudio の両刀使い.

◆西から雨雲が接近してきて通り雨.すぐ上がったが,気温がさらに下がってきた.

◆本日の総歩数=7075歩[うち「しっかり歩数」1248歩/14分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.3kg(−0.1kg)/27.7%(0.0%)


5 september 2011(月)※静かなる一週間が静かにオープン

◆昨日は早く寝たので,午前4時過ぎに起床.ここ数日,台風からの蒸し暑い南風でじとじとした夜明けだったが,今朝は一転して北東風が吹き込んでとても涼しい.寝苦しさとは無縁の快眠.いまの気温は23.7度.今週はどこにもお出かけなし.喰う・書く・寝るの黄金トライアングルをぐるぐるまわる.

◆[蒐書日誌]献本感謝! —— ディヴィッド・アルダートン[中坊徹次監訳/甲斐嘉晃・鄭忠勲・田川正朋・土井内龍訳]『エイ・ギンザメ・ウナギのなかま』(2011年8月25日刊行,朝倉書店[シリーズ・知られざる動物の世界:3],東京,iv+117 pp., 本体価格3,400円,ISBN:978-4-254-17763-3 → 版元ページ

◆いきなり┣┣" 撃ち —— 昼前に,先日依頼された訳本への寄稿コラム原稿┣┣" 一頭を撃ち果たした:「進化思想のルーツは「暗黒の中世」を突き抜ける」.原稿2500字&カラー図版4枚.神保町の編集部に返信.よろしくお願いいたします.来年春に出版されるとのこと.系統樹曼荼羅データベースをつくって以来,それを利用する機会が増えてきた.

◆曇って蒸し暑い昼休み.気温は25.2度と大したことないが,不快指数は高い.週明け早々の歩き読みは:ブルース・M・フード[小松淳子訳]『スーパーセンス:ヒトは生まれつき超科学的な心を持っている』(2011年2月20日刊行,インターシフト/合同出版,東京,408 pp., ISBN:978-4-772-69522-0 → 目次版元ページ) の続き.子どもは生得的な本質主義者であるばかりでなく,全体論者にして生気論者でもある.

◆備忘メモ —— 自宅電話回線の交換作業は10月4日(火).ルーターも交換する.

◆[欹耳袋]吉祥寺情報 —— 〈ひまり屋〉|〈にほん酒や〉|〈カイ燗〉|ついでに,三軒茶屋の〈赤鬼〉.Terra incognita にも飲み屋はたくさんあるのだった.

◆夕暮れてアオマツムシの合唱.日中はツクツクボウシが我が物顔だった.日中の最高気温は28.9度と真夏日に達しなかった.夕闇を吹き抜ける東風が心地よし.夜になってさらに気温が下がってきた.秋めいて虫すだく夜長.

◆本日の総歩数=7713歩[うち「しっかり歩数」4460歩/40分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.4kg(+0.3kg)/27.7%(+0.1%)


4 september 2011(日)※原稿サンデーは果てしなく続いて

◆午前4時半すぎ起床.晴れところどころ黒雲.気温24.9度だが,蒸し蒸ししていない.夜中にまた雨が降ったのか地面が濡れている.朝焼けののち日の出の時間.雲が多くて蒸し暑い.朝イチで中央公園の〈つくいち〉にて朝ごはんをすましてきた.〈ナチュカフェ〉が出す羊のローストをねらっていたのだが,その前にタンドリーチキンと秋茄子のサンドイッチを食べてしまって飽和.トマトのジャムを買って帰宅.午前10時過ぎに前ぶれなくいきなりスコールが降り注ぐものの,10分そこそこで何事もなかったかのようにまた青空に戻る.鳴り物入りの「狐の嫁入り」のごとし.

◆[欹耳袋]Rでマップ(実例) —— 奥村晴彦「放射線量等分布マップ」(2011年9月4日).RgoogleMaps パッケージで地図を描く練習,あるいは重回帰分析の多重共線性の実例として使えそう.

◆[蒐書日誌]Carl Zimmer『The Tangled Bank: An Introduction to Evolution』(2009年刊行,Roberts & Company Publishers, Greenwood Village, ISBN:9780981519470 [hbk] → 版元ページ).前著:カール・ジンマー『「進化」大全 —— ダーウィン思想:史上最大の科学革命』(2004年11月25日刊行,光文社,東京,493 pp.,本体価格6,000円,ISBN:4-334-96173-8 → 目次)に続くフルカラーの進化本.ちょっと縁ができました.原稿書いてます書いてます.

◆朝から厨房にてラタトゥイユの仕込みをする —— 夏野菜をざくざく切ってオリーヴオイル・粒胡椒・岩塩をときどきふりかけながら深鍋に「層」を積み重ねるだけの簡単にして短時間なレシピ.完熟トマトが決めてかな.ラタトゥイユの食材をいったん大鍋に詰め終わってしまえば,あとは火を見せるだけで自然に完成する.今回の食材は,玉葱・ズッキーニ・茄子・パプリカ(赤・黄)・完熟トマト.調味料は粒黒胡椒・岩塩・オリーブオイル・トマト水煮.

◆サンデー大┣┣" 撃ち成就 —— 午後は原稿書き.午後5時前にやっと大きな辞書┣┣" 「分類学」一頭を共立出版に向けて放流した.10,500字なり.残る辞書┣┣" はあと二頭だ.やや磨り減ったみたい.気がついたら穏やかな夕焼けに西の空が染まっていた.雲はもう秋の顔.この週末はのろのろ台風12号のせいで,カンカン照りで蒸し暑かったり,一転してスコールが駆け抜けたりと不安定な空模様だったが,明日からは落ち着いてくれるかな.

◆さて,厨房にてラタトゥイユづくりの後半戦に向かおう.できあがったばかりのラタトゥイユは茹でたてパスタとともに夕餉の食卓へ向かった.野菜の原形がまだ残っているときは,そのままばくばく食べるにかぎる.

ジャガイモもたくさんストックがあるので,ついでにジャーマンポテトを焼いてみた.大きなジャガイモを皮を向いて横切り四等分する(厚さ1センチが目安).電子レンジで竹串がやっと通るくらいまで硬めに電磁波蒸ししておく.ベーコンの塊を厚めにスライスする.厚手の鉄のフライパンを強火でしっかり加熱して,ベーコンを投入し,脂を出させる.そこにジャガイモを入れ両面にしっかり焦げ目がつくように火を通す.調味料は塩胡椒のみ.ビールのおつまみに最適.

—— 夏野菜のシーズンもそろそろおしまいなので,今季はこれがきっと最後のラタトゥイユになるだろう.

◆本日の総歩数=6962歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.1kg(−0.1kg)/27.6%(−0.2%)


3 september 2011(土)※台風の南風が吹いて朝から真夏日

◆午前4時半すぎ起床.いかにも台風な強風が南から吹きつけているが,雨はぜんぜん降っていない.夜明け前の東の空は晴れて,その下を黒雲がちぎれ飛ぶ.気温は26.9度と蒸し暑い熱帯夜だ.夜明け前からミンミンゼミの合唱が響きわたる.午前7時,気温は27.6度.雲間から朝日がさんさんと降り注ぎ.むしむしする.空のいたるところに積乱雲が湧き上がり,南からの熱風が吹きつける.午前11時には真夏日ラインをあっさり突破し,単なる残暑になってしまった.大型台風も蹴散らす太平洋高気圧の威勢のよさに感服だ.

◆[欹耳袋]統計学的アフォリズム,その光と影 —— what_a_dudeの日記「統計学者たちによる警句集」(2011年9月2日).統計学者による「警句」はかなりの確率で致死的だったりする.ゴールトンは「奇人」だが,フィッシャーは「鬼神」だし.

◆[蒐書日誌]Heidi de Gier『A Falling Horizon: Een afscheid van de Sophiapolder in vier seizoenen』(2011年刊行,Fw, Amsterdam, ISBN:978-94-90119-09-6 → 版元ページ著者サイト) ※オランダ南西部ソフィアポルダーの写真集.通常の普及版とともにサウンドスケープを iPod shuffle などに付けた特別版が出版される.この写真集,本文は英蘭の tweetalig とのこと.以前,ライデンで Martin Kers の写真集『Natuur in Holland』を手にして以来,オランダのポルダーの風景は関心がある.

◆お昼は天久保 —— 関西は台風で大荒れというのに,つくばは朝からカンカン照りの青空が広がり,台風由来の強い南風が吹き込んで,瞬間芸のように通り雨が降るという予測不能な空模様.今日のお昼ごはんは,筑波大学のすぐ近くにある天久保の小料理屋〈きく乃家〉にて日替り御膳.本日のお品書きは,鰈の煮付け,豆腐のとろろ,まぐろと蒲鉾の和え物,茄子の煮物,天然なめこのお味噌汁,ご飯とお新香,食後にメロン.そんなに大きな店ではないが,コスト・パフォーマンスがとてもよすぎて困ってしまう

—— つくばは物理的にも心理的にものっぺりと広い土地柄で,何かを食べようとすると車で大移動することが多い.「徒歩」とか「バス」という交通手段は最初からないも同然.にもかかわらず,ここぞという店には待ち客の長蛇の列ができたりするのがフシギだ.「草の根」情報網はコワいなあ.

◆猫の目変化の昼下がり —— 台風の余波は瞬間芸のようにくるくる変わる空模様だった.真夏日の残暑の照り返しに焼かれる一瞬後にはスコールのような通り雨が通過する.ほんの数分であがって,東の空に大きな半円形の虹がかかったかと思えばすぐ消えてしまった.

◆[欹耳袋]オンライン公開 —— 系統樹ウェブ曼荼羅・第9回連載「新大陸先住民の知識体系としての生命の樹」※舞台は中世ヨーロッパから新大陸中南米のマヤ,アステカ,インカ文化に移る./第二回国際形態測定学シンポジウムのプログラム.2011年9月7〜9日@沖縄県男女共同参画センター・てぃるる.事情が許せば初めてのオキナワ入りを果たしたかったのだが,そうもいかず…….

◆けっきょく,のろのろ台風12号はいつまでも四国・中国あたりで自転車をこいでいて,いっこうにさくさく移動しない.そうこうするうちに,南海上では新たな熱帯低気圧が発生して北上を開始した.こいつも日本にやってくるのかな.

◆本日の総歩数=1121歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.2kg(−0.1kg)/27.8%(+0.1%)


2 september 2011(金)※台風に逃げられ青空やら陽光やら

◆うっかり寝坊の午前5時.外は激しい雨が降ったり止んだり.青空が見えたりまた曇ったり.気温は25.4度の熱帯夜でじとじと蒸し暑い.台風12号は四国沖でまだ自転車をこいでいるのか〜.いまの予想進路では四国あたりに上陸して日本海に抜けるらしい.雲間から青空がのぞく観音台は朝日も射し込んだりして台風は遠くなりにけり.今の気温は27度台で不快指数はとても高い.さて,遅ればせの原稿┣┣" ちゃんを追いかけよう.関東への台風の影響は直接はなくなったが,予測不能な雨雲がときどき驟雨を運んでくる.

◆朝から原稿┣┣" 撃ち —— _φ(..) . .. . . .. . . ..... ... . .. . .... . .

◆[蒐書日誌]「一般システム理論」とその行く末 —— ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ(長野敬・太田邦昌訳)『一般システム理論:その基礎・発展・応用』(1973年7月10日刊行,みすず書房,東京,xviii+288 pp.,ISBN:4-622-02522-1 → 版元ページ)[原著:Bertalanffy, L. von『General System Theory : Foundations, Development, Applications』1968年刊行,G. Braziller, New York].みすず書房のベルタランフィ本は太田邦昌さんがいればこそ訳せたわけだが,その後継ってあるのかなあ.ベルタランフィ以降は,ノーバート・ウィーナー以降はサイバネティクス理論を経て,旧ソヴィエト&共産圏で発展したようだ.ホリズムが大好きな背景があれば生き延びられるのかも.

太田邦昌さんは出身研究室の先輩でもあり,ワタクシが大学院にいたころからかなり多くの本や資料を太田さんから継承してきた.「太田邦昌(1944.1.28〜2003.3.8)著述目録」をたどると,1970年代はじめの太田さんは,生態学とシステム理論との関わりに関心があったようだ.オダム流の「生態系生態学」がまだ盛んな時代だった.一方で,一般システム理論やサイバネティクスは「システム論的種概念」ともつながっていく.きっと弁証法的唯物論と整合的だったからだろう.

◆昼休みね.台風って何のこと? かんかん照り,セミの合唱が響く昼休み.気温はすでに真夏日ラインを越えて30.8度まで上がってきた.この蒸し暑さじゃ外には出られないな.

◆午後の現行┣┣" 撃ちと強制進化 —— 昼下がり,三島からの強力な進化要因が電話回線経由で作用し,中┣┣" 3頭+小┣┣" 1頭が超絶合体して大┣┣" 1頭に〝進化〟した! まもなく撃ち果たすであろう大┣┣" を除けば,残るは「分類学」「進化史」「年表」の大┣┣" 3頭のみになった.大┣┣" 1頭「生物地理学」(9300字)を共立出版編集部にドカンと発射してからしばしティータイム.

◆進化学事典がらみの大┣┣" 攻略作戦 ——

  • 「分類学」:分類と系統.系統推定法など.最初に攻め落とせるのはこの┣┣" だろう.
  • 「進化学史」:進化学的総合までぜんぶ含む.ボウラー本,Darwin & Co. などが参考書.
  • 「進化史年表」:斎藤会長と共著になる予定.進化学者リストは斎藤さんに.どうなるか見極めが難しい.

◆その他,漂着┣┣" どもの扱い —— 進化学会ニュースの連載記事は編集長どのがヨーロッパから帰ってくる9月28日までに./岩波書店から漂着したコラム原稿┣┣" は11月が締め切りか./技術評論社の統計曼荼羅本はブラジル出張をはさんでしばし中断していたので再開しないと.

◆本日の最高気温31.2度で猛烈な蒸し暑さ.かんかん照りで蝉時雨はさんさんと降り注ぐのに,肝心の雨はぜんぜん降り注がない.台風12号は日和って四国に上陸するらしい.午後5時前に撤収.ときどき雨雲がかかるたびにシャワーのような通り雨に遭遇した.強い南風と飛び去る雲塊が台風のオーラを漂わせているが,凶相ではない.さて,今夜の夕餉はどうしましょうかねー.さくっと卵炒飯にしようかな.冷ご飯が余ったときはたいてい「炒飯」か「オムライス」,寒くなったら「雑炊」に変身させることにしている.

◆レシピといえるほどのものではないのだが ——

  1. 中華鍋を強火で熱して油をひき生卵1個/人を割り入れる
  2. 卵に火が通り切らないうちに冷ご飯を投入し全パワーを込めて高速で炒める
  3. 叉焼のみじん切り,紫玉ねぎの酢漬けのみじん切り,鰹節スライス,しらす干しなどをいっぺんに投入し,さらに全力で炒める
  4. 調味は中華チキンスープと黒胡椒そして砕いた岩塩でさっくりと
  5. 間髪入れずに皿に盛りつけ食卓へ直行.金胡麻をトッピングして完成.

—— 毎回つくるたびに具の内容は変わるが,おおむね上のように速攻で調理している.

◆本日の総歩数=4150歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.3kg(+0.2kg)/27.7%(−0.3%)


1 september 2011(木)※フェイント台風は来るのだろうか

◆午前4時半起床.曇り.気温25.5度の蒸し暑い熱帯夜.夜中のうちに雨雲が通りすぎたらしく,見下ろす地面が濡れている.いまの台風12号の予想コースだと,近畿から四国に上陸しそうな気配.最初よりもずいぶん西に逸れたものだ.雲間から朝日が挿しこんで,台風接近とは思えない空模様.夜明け前に早々とメーリングリストにアナウンスを流して,月例の小┣┣" はさくっと追い払った.曇ってはいるがところどころ空が明るい観音台.午前7時過ぎの気温はすでに26.7度と蒸し蒸ししている.つくば市の学校は今日から始業式で通学路に子どもたちの姿がちらほら.朝イチのBGMは〈音楽の捧げもの〉,演奏はライプツィヒ・バッハ・コレギウム.ついで〈フーガの技法〉,ムジカ・アンティカ・ケルン.

◆ぜんぜん心機一転しない月始めの┣┣" 撃ち —— 懸案の原稿┣┣" どもは督促しつつ督促されるといういささか困った状況に陥っている.千字の文も一字から.とにかく書くしかない./首都大学東京から受講生名簿が送られてきた.今月は南大沢と常盤台での集中「統計」高座の予定がみっしりと詰まっている.玉川大の分子進化系統学の定例授業も中旬から開始だ./要するに,先月からの残務┣┣" どもをそのまま引き連れて9月に突入してしまったということだ.

◆[蒐書日誌]月の最初に統計三題噺 ——

  1. 松原望・統計分析ゼミナール「林の数量化の研究概要:創始者の研究史」※林知己夫の「著作集」には載っていないのかな:林知己夫(著)|林知己夫著作集編集委員会(編)『林知己夫著作集(全15巻)』(2004年11月30日刊行,勉誠出版,東京,ISBN:4-585-05100-7 [set]).第三巻あたりに何か掘り出し物がありそう.ちょいと調べてみよう:林知己夫『質を測る:数量化理論』(2004年11月30日刊行,勉誠出版[林知己夫著作集・3],東京,iv+310 pp., ISBN:4-585-05143-0).数量化理論に関する解説記事の集成はここに載っている.

  2. 黒田孝郎・森毅・小島順・野崎昭弘『高等学校の確率・統計』(2011年8月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・math & science],東京,524 pp., 本体価格1,600円,ISBN:978-4-480-09393-6 → 目次版元ページ).確かに,ここに復刻された教科書(p. 33)にも指導書(p. 259)にも「自由度」の概念がいっさい登場しないのは問題かな.教える範囲が記述統計の範囲にとどまっているのならば,分散の定義として平方和をサンプル数 \( n \) で割ってもとくに問題はないだろう.推測統計になると推定量の不偏性の問題があるので自由度 \( n-1 \) で割るのが正しい.全体を通読してみると,確かに「不偏分散」は扱わないと明記されているので(p. 240),「自由度」ということばそのものが登場しないのは当然か.しかし,指導書には自由度ということばこそ使わないものの,自由度で平方和を割った不偏分散の式がちゃんと載っている(p. 367).サンプルサイズnが大きければ「あまり気にしなくてよい」との付記があるので,正面きって自由度に触れていないことにはちがいがない.

  3. 昨日の朝日新聞一面下広告:栗原伸一『入門統計学:検定から多変量解析・実験計画法まで』(20117月刊行,オーム社,東京,ISBN:978-4-274-06855-3 → 版元ページ).これだけたくさんの「統計本」が新刊で出され続けているということは,みんな統計学でよほど苦労しているんだなあ.

◆お昼前,観音台はまだ雨は降っていない.しかし,北の方からヤバそうな雨雲が接近してきた.時間がとても足りそうにない辞書大┣┣" 回避の秘策を練る.そのうち雨が降りだした.昼休みは分会定期大会.組合執行委員のみなさん,一年間たいへんおつかれさまでした.外は曇ってはいるが,雨が降る気配はまったくない.気温は30.0度で,すごく蒸し暑いんだろーなー.

◆[欹耳袋]ファイル転送ツール〈FFFTP〉は Windows PC でこれまで長くお世話になったし,いまも感謝してます: Sota Web Page「FFFTP開発終了のお知らせ」(2011年8月31日).今後もフリーウェアとして配布し続けられるとのこと./東京農大昆研の青春群像!:「虫にかける青春」(全10回連載)/あらら,悩みのタネを蒔いてしまったか〜:密偵おまさの市中視廻り日録「「欹」ってなんて読むんだろう?」(2011年8月30日)※「欹耳袋」=「欹耳」+「耳袋」です〜.もちろん極私的造語にして発音不能語.

◆本日の最高気温は30.5度だった.そこら中が黴びそうな湿気だが,居室は24度台.午後5時前に撤収.曇って蒸し暑すぎるぞ.小雨が時おりぱらぱら降ってきたが,台風の気配はまるでなし.千鳥足の台風はこの分だと関東から遠く離れた西のどこかを串刺しにしておしまいなんだろうか.

◆[蒐書日誌]『驚異と自然の秩序』あるいはモノとしての本について —— Lorraine Daston and Katharine Park『Wonders and the Order of Nature 1150 - 1750』(1998年刊行,Zone Books, Massachusetts, ISBN:978-0-942299-90-8 → 版元ページ).改装前の東京堂書店・洋書コーナーで手に取った記憶あり.うっすら記憶している触感では,ごわごわした紙の厚い本で,サイズがとても大きかったような…….本の「中身」ではなく「触り心地」で記憶しているというのも何なのだが,Zone Books の本は触ればすぐそれとわかる造本だった.Zone Books の販売元が The MIT Press であることを始めて知った.旧・東京堂書店の洋書〝ウォール〟は,面積こそ狭かったものの,自然科学・科学史・科学哲学系の洋書が高密度に詰まっていて,魚信のいい釣り場だった.改装後,洋書そのものを扱わなくなったのは残念至極. 得られた情報によると,雑誌『ユリイカ』1999年5月号(→目次)に,この 『驚異と自然の秩序』の部分訳があるらしいが未確認だ.

◆辞書┣┣" どもの現状と展望 —— ほんとうは先月中に書き上げないといけなかったのだが,ずるずると月が変わってしまった.いまのところ,大┣┣" のうち「生物地理学」と「分類学」についてはすでに文章素材がそろっているので,ちょいと時間をかければ一両日中には仕上がるだろう.「進化研究に大きな貢献をした研究者」と「付録:進化史年表」についてはメドが立たないので場合によっては掛け流しにしてしまおうかな.そのための代替方策を考えているところ.残るは進化学史に関わる中┣┣" 三頭と小┣┣" 一頭すなわち「進化学の歴史」「進化思想:ダーウィン以前」「進化思想:ダーウィン以後」「進化の総合学説」.これもいちおうコンテンツはあるので頑張るしかないな.

◆本日の総歩数=4155歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.1kg(+0.5kg)/28.0%(+0.6%)


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集