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日録2011年6月 


30 juni 2011(木)※不快指数マキシマムの本郷にて

◆午前5時前,朝焼けを眺めるもまだよろよろしている.今日も真夏日になるらしい.

◆朝の原稿┣┣" 撃ち —— 前夜のご乱行が祟って朝のうちはへろへろしていたが,一念発起して「統計曼荼羅」本の序章と第一章(未完)を編集部にメール送信したところ.400字詰で序章(統計曼荼羅)は10枚,第一章(統計学概論)はまだ15枚.素朴統計学とアブダクションの節を追加したら30枚くらいになるかな.

◆[欹耳袋]体系学がらみのメモクリップ —— Biology and Philosophy 誌の特集号〈Special Issue: The Tree of Life〉volume 25, number 4, pp. 441-736 (2010) はその全体を見ておくべき. とくに:Olivier Rieppel (2010) The series, the network, and the tree: Changing metaphors of order in nature. Biology and Philosophy, 25: 475-496 → abstract /Richard H. Zander (2011) Structuralism in phylogenetic systematics. Biological Theory 5(4): 383-394 → pdf. 進化分類学に根強いファンがいる理由を探るのは興味深い.

◆[分類思考]本日の残響:読書メーター「分類思考の世界 (講談社現代新書) - メイツせいじんさんの感想」(2011年6月14日)/わたしのブログ 「分類思考の世界 」(2011年6月26日).

◆炎熱の都内へ出撃 —— 11:00発のTX区間快速に乗る.単に暑いだけではなく湿度が高いのがよくない.昼過ぎの暑さ絶好調の都内は正午までの最高気温がすでに33.5度.夏日が照りつける弥生坂は熱風が吹いていた.お昼はささやかに東大農学部正門前の朝日堂のパンをば.弥生キャンパスの隠れ部屋にて潜伏したのち,午後一時から生圏システムの集中講義が始まる.弥生講堂アネックスは外も中も暑い.しだいに雲が厚くなってきて,午後二時過ぎには雨がぽつぽつ降ってきた.今日は系統推定論の本論を話したが,ときどき統計学への脱線が混じった.午後4時すぎに高座は終了.外はまだ雨が降ったり止んだりで猛烈に蒸し暑い.都内の最高湿度は83%だった.たまらんな,こりゃ.

◆北千住で寄り道 —— 午後4時過ぎ,帰路の千代田線からTXへの連絡経路のジャストポイントに位置する北千住駅前の〈大升酒場〉に立ち寄る.夜になるといつも満員でとても入り込めないが,今日はたまたま早い時間帯に仕事が終わったので開店直後に入れた.まずはホッピー.定番の肉じゃがを注文.すじ肉とジャガイモを掘り進むと,味のしみた豆腐が奥から出土する.この時間帯だとまだ客席に余裕があるな.生暖かい雨がぽつぽつ降る外はまだ明るい.背徳の飲みタイム.〈大升酒場〉のメニューはほとんどが300円台.400円以上の高価≠ネ肴はほとんどない.逆に200円台のものもちらほら見つかる.カウンターのみの狭い店だが,こんなに経済的な酒場はほかにはないと思う.

◆蒸し暑い夜.午後九時を過ぎてまた雨がぱらぱら降り始めてきた.

◆本日の総歩数=5204歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜△.計測値(前回比)=95.2kg(+1.1kg)/27.7%(−0.4%)


29 juni 2011(水)※連日の真夏日の会合と懇親会を

◆午前4時半前に起床.雲はやや多いが,朝焼けと日の出を拝むことができた.気温は22.3度と高く,風は吹いていない.予報では昨日以上に暑くなるらしい.日中は外を徘徊しない方が身のためかも. 朝からよく晴れあがって,気温がとても元気よく上がっている.午前9時,すでに30.1度と真夏日ラインを突破し,さらに進撃している.

◆朝の┣┣" 撃ち —— もうすぐ31度台に達する観音台.来月分の出張伺・兼業願・年休届・フレックス変更をまとめて提出完了.ものすごく時間がかかったのは,一念発起して手書き≠やめて,PCで書式を一から作り直していたから.農環研の事務書類のプロトタイプは「一太郎」で作られている(農水省本省を含め他独法も横並びだろう).もちろん,それ以外の世界では「一太郎」はすでに絶滅危惧なので,しかたなく「jtd」の代わりに「doc」「xls」「rtf」などありとあらゆる魑魅魍魎が跋扈する.最初に乗り越えるべきハードルは,それらの有象無象どもをすべて Adobe InDesign の書式にインポートすることだった.かなりの時間とエネルギーを割いてやっと移植作業を終えた.定型アイテムはすべて貼り込んであるので今後はシアワセになれるはず.もちろん元の書式が細かすぎて,可読性に欠ける部分もあるが,それはフォーマットを作った側が責任を取ればいいのだ.ワタクシの知ったことではない.こんなに努力をしても,最後は「紙」に出力してハンコを押印してから提出している.書類決済の電子化という発想はいつまでたっても現実のものにならない.

—— うわ,出張伺の訂正とフレックス変更の押印忘れのため,もう一回つくり直さないといけない(orz).これまで事務書類はイッパツで通ったためしがないので,まあしかたないでしょう.

◆昼前の観音台は31度超.外はかんかん照り.もうすぐ昼休みだが,ランチタイムののち,暗く静かに引きこもるしかないかな.都心は34度超,関西は35度超の猛暑日らしい.昼休みタイムが終わって午後の┣┣" 撃ち再開.あと一時間もしたらTXみどりの駅まで車でお出迎えしないといけない.その後は所内会議・構内見学・構外宴会と夜までぶっ続けでイベントが入りまくる.やや心配なのは,この真夏日-猛暑日で,ゲリラ雷雨が襲来しないかということ.東京アメッシュを見ると,西の方角にはすでに兇相の積乱雲が出現している.

◆[欹耳袋]#NodaiStat 第一回レポートの締切は7月1日(金)です.いまのところまだ片手で数えられるくらいしかレポートが届いていません.例年よりも出足がワルいです.締切直前の深夜11時台に「本塁突進滑り込み」を狙うリスキーなことはせず,余裕をもって提出してくださいね.

◆午後から始まり夜中までの┣┣" 撃ち —— 午後二時過ぎ,炎天下のTXみどりの駅にて区間快速の到着を待ち,ピックアップ.農環研に戻り,午後三時から来賓室にて東大の専攻教員と農環研との首脳会談.連携大学院の今後についての意見交換など小一時間.広報活動とか募集活動とか検討事項はいろいろありそう.その後,RI実験棟や圃場施設などの見学のため再び炎天下の外をうろうろする.午後5時過ぎに撤収し,車を置いてからTXに直行.研究学園駅にたどりついたのは午後6時前.ホテル〈ベストランド〉の二階にある〈福鮨・つくば店〉のお座敷にて懇親会が午後九時まで.その後,当然のごとく午前様.

◆明日は午後から東大農学部の生圏システムの「保全生態学特論」集中講義の二回目.

◆本日の総歩数=8938歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=94.1kg(+0.1kg)/28.1%(−0.6%)


28 juni 2011(火)※灼熱太陽と強烈冷房の全面対決

◆午前4時過ぎ起床.晴れところどころ曇り.久しぶりに雲間から朝焼けが見えている.気温20.9度.西風.予報では関東地方は全域にわたって真夏日になるらしいが,明け方のこの時間帯はまだ爽快タイム.午前6時前くらいからぽつぽつと小雨が降ってきた.でも,大勢は曇りところどころ晴れの空模様.気温は21.8度.青空が見えているのに頭上の雲から雨粒が落ちてくる午前7時の観音台.気温は22.6度とじわじわ上がってきた.BGMは久しぶりの Lutz Kirchhoff〈バッハ・リュート作品集〉.

◆[欹耳袋]サンパウロの Hennig XXX 事務局から口頭発表に関する連絡あり.「講演時間15分+質疑5分」とのことだが,それはあくまでもタテマエにすぎない.Hennig Society には「質疑の延長に座長は水をさしてはならない」という神聖不可侵のオキテがあって,過去には延々と半時間近く論争が続いたことがある.当然,質疑が長引けばあとに続く講演にさしつかえるのだが,それはおかまいなしというのが Hennig Society のコンセンサス.質疑を中断させるには聴衆からの「質疑中止動議」に対して2/3以上の賛成がその場で得られなければならない.その昔,サンパウロ大学で初めて Hennig Society Meeting に出席したときは,直前の演者が泣く子も黙る Steve Farris で,延々と質疑が長引いてマジ死ぬかと思った.あとで元奥さんに「Steve はああいう人だから」と慰められたけど.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 早々と「夏季休暇(三日間)」の取得に関する調査がおりてきた.ま,例年通り使い道は決まっているので(横浜国大の統計道場),カレンダーにさくっと記入して提出完了./今週木曜の弥生特論(二回目)の用意は大丈夫だろう./金曜の農大高座・三点セットのしたくも完了.外はよく晴れて,午前11時の気温はもう29度台に達している./某学会理事会の要返信メールをすっかり失念していて,あわてて返した./農林水産研究情報総合センターは,本日メンテナンス作業のため,10:00〜17:00の時間帯は研究データ交換システムとメーリングリスト管理ができないというメールが先日来ていたことをいま確認した.

◆[蒐書日誌]詳細目次を公開 —— 日本科学哲学会編/横山輝雄責任編集『ダーウィンと進化論の哲学』(2011年6月25日刊行,勁草書房[科学哲学の展開・2],東京,本体価格3,900円,viii+308 pp, ISBN:978-4-326-10178-8 → 版元ページ).販促のためにも目次は詳細に公開した方がいいですよ>勁草書房さん.

◆炎天昼休みの徘徊は決死隊 —— 本日正午の気温は30.1度の真夏日.炎天下の昼休み徘徊はとってもキケン.一回りして虫の息になった.道ばたにはピンク色のネジバナが群生していた.炎天下の農環研圃場脇でピンク色の花を開いているネジバナ群落.右巻きと左巻きが混在していた.今日の最高気温は31.7度まで上がった.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今年秋のつくばでの数理統計研修(基礎編・応用編)の日程案が農研機構事務局から送られてきた.また二週間にわたってレギュラー出演することになる.カリキュラム構成は昨年とほぼ同じなので,講師の予定者は覚悟しましょう:農研機構主催・数理統計研修日程案.1)基礎編:11月7日(月)〜11月12日(金);2)応用編:11月14日(月)〜11月18日(金).会場は筑波事務所・農林水産研究情報センター・プレゼンテーション室.今のところ「案」だが,とくに問題がなければこのまま確定となる.

◆午後4時,西日の直射日光にさらされるこの時間帯が居室がもっとも住みにくい.さて,そろそろ撤収タイムかな.夕暮れてもまだ30度近くある.真夏日だった今宵の夕餉には,福岡の八女にある蔵元・高橋商店の銘酒〈繁桝〉が今だけ出している旬の酒「夏に夢る雪」を開栓純米吟醸のにごり酒だが,そんなに甘くなくてきりっと氷点まで冷やせば飲み心地とてもよし.肴は肉じゃがとさつま揚げそして山形の「たれ」でさっぱりと.夏向きの日本酒が毎晩のように食卓を飾る日々.

◆[欹耳袋]生物学基礎論研究会・第五回研究会のアナウンス.※2011年9月6日(火)〜7日(水)@慶應義塾大学・三田キャンパス.ただいま講演募集中とのこと./WWF「More than 1000 new species found in New Guinea」(2011年6月27日) /毎日.jp:「カンヌ国際広告祭:ドコモの「森の木琴」が金賞」(2011年6月26日).あのYouTube動画で公開されている広告が受賞したのか.

◆本日の総歩数=8153歩[うち「しっかり歩数」4277歩/39分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(+0.2kg)/28.7%(+0.5%)


27 juni 2011(月)※梅雨寒と強烈冷房で週が明ける

◆午前4時半起床.曇り.気温19.8度.北東風はやんでいるが肌寒さは残る.午前8時の観音台.曇りときどき霧雨が舞う.気温20.6度でやや蒸し暑い.締め切っていた居室はまだ27.5度もあって不快指数がすでに高値.全館空調が稼働している音が聞こえるが,最上階フロアにとってはあってもなくても気温変化に有意な効果はない.しかし,どうやら部屋ごとのエアコンも作動し始めたぞ.部屋ごとの設置空調が動き始めてやっと涼しくなるかも.全館空調エアコンの吹き出し口での温度は常時「16度台」で温度調節は不可能な仕様.ただし,一階に降りるまでには十分すぎるほどぬるくなっているらしい.

◆早朝の┣┣" 撃ち —— 今週は実質的に今日と明日しか「自由日」がない.向こう三週間の┣┣" 撃ちリストを作成し,出漁カレンダーに記入する./今朝,出勤簿を見たら来月末のブラジル出張がすでに記入されていた.カウントすると来月の農環研実在率は9出勤日/20労働日=4割5分となる.ちょっと「居過ぎ」かもしれないな.いずれにしても┣┣" 撃ちの続きだ.大物┣┣" を仕留める時間はかぎられている.

◆[蒐書日誌]献本感謝 —— 日本科学哲学会編/横山輝雄責任編集『ダーウィンと進化論の哲学』(2011年6月25日刊行,勁草書房[科学哲学の展開・2],東京,本体価格3,900円,viii+308 pp, ISBN:978-4-326-10178-8 → 目次版元ページ).執筆者の大半はすでに知っていて,講演を聞いたり論文を読んだりしたことがある.腹式呼吸の御大が50ページあまりも書いているとは知らなんだあ〜.目新しい収穫もいくつかある.William Whewell について論じた:青木滋之「19世紀イングランドの科学哲学 —— 自然選択説をめぐって」(pp. 87-104)や現代進化学側からの宗教攻撃について評した:木島泰三「現代進化論と現代無神論 —— デネットによる概観を軸に」(pp. 127-148),“エボデボ”と“エコデボ”の発展を科学哲学側から見た:戸田山和久「「エボデボ革命」はどの程度革命的なのか」(pp. 191-212)は一度は読んでみたかった論文.生物学と経済学との接点を探る:田中泉吏「生物経済学 —— もう一つの統合」(pp. 255-278)は新しい話題.Journal of Bioeconomics(→公式サイト)なる雑誌があることを知った.統計学的認知に関する:網谷祐一「頻度仮説と進化からの論拠」(pp. 279-296)は,ヒトのもつ素朴統計学・確率論的なセンスを進化的に見直す契機となる.本書に収められた論文はすでに別媒体で公表されているものがほとんどだが,自然科学系の読者にはアクセスしにくい雑誌もあるので,このような形式でまとめられていると役に立つ.ざっとブラウズした範囲ではマイナーな校正ミスが点在している.重版の際には「蟲採り」を怠りなく.

◆昼前の┣┣" 撃ち —— 外は曇り空.午前10時の気温22.1度.外はきっと蒸し暑いんだろーな./週末に着便したフランシス・ゴルトン伝(全四冊)をいったいどこに積み上げればいいのか思案投げ首.イエローページのようにかさばる大判の厚いペーパーバックなのでタテ置きにするとへなへなと歪むし,ヨコ置きにするしかないか.それともハードカバー製本に出すか./京田辺にイッパツ照明弾を放って原稿進捗のモニター.勁草書房の文化系統学論文集もそろそろ耳を揃えて原稿を出し,印刷所入稿という次なるステージに進まないといけない.

◆昼前から小雨が降り続いている.気温は21度台を推移.ランチは久しぶりに〈おはん〉でほっけ焼き定食.週明けだからか激混みで待ち客の行列が店の外まで伸びていた.昼食後,研究所に戻ってきたら,全館空調ががんがん効きまくりで室温は23.5度まで低下していた.試験運転はもう十分だってば.

◆[欹耳袋]前にも書いたが,職場にかかってくるしつこいセールス電話には「開線放置」という特効薬がある.かかってきた電話を切らずに受話器をそのまま放り出すだけのシンプルさ.メイワクだからといって電話をすぐ切るから,そこを見透かしたセールスマンがすぐかけてくる.そのウラをかけばいい.半時間も開線放置すればたいていの相手はあきらめる.とにかくセールス電話にはいっさい応対しないこと.「都心のマンションを〜」とか「株で資産形成を〜」というキーワードが受話器の向こうから聞こえたら即座に無言かつ無慈悲に開線放置する.たったそれだけで精神衛生は保たれる.ぜひ実践してください.

◆冷却される午後の┣┣" 撃ち —— 数年ぶりにワタクシの『生物系統学』 の正誤表を更新した.ついでに版元ページを確認したら「在庫僅少」になっていた.はたして第四刷の増刷はかかるのかなあ…….もしいま『生物系統学』の改訂版を出すとしたら,分子系統学がらみの統計モデリングと系統情報学関連のデータ視覚化の章を詰め込むことになるだろうなあ.となると,もう自力ではやりきれなくって,いつまでも「ベータ版」のまま出回るとかいうみっともないことになるかもしれん……ということで,そろそろ懸案のワルダクミを進めないといけないかなあ.ずっと放置していたけど>某方面.

◆[欹耳袋]先日来,「MUL-tree」に関する茗荷谷とのメールのやり取りは続いている.系統推定論は応用グラフ理論なので,それに関心のある数学者が参入してくれば研究はかなり進むにちがいない.離散数学と統計学は系統学者にとって基本リテラシーとなりつつあることを実感している.

◆午後4時,空調試験運転で冷えまくる室内はいま23度ちょうど.外は小雨が降り続いているようだ.明後日の東大専攻教員とのミーティングの最終確認を関係者に送信した.懇親会の店からタイミングよく予約確認電話があったので,人数と料理の打合せも完了した.

◆[欹耳袋]講演要旨締切が8月8日(月)まで延長された:第2回国際形態測定学シンポジウム(ISBSA-2).2011年9月7日(水)〜9日(金)@沖縄県男女共同参画センター(那覇).なお,一昨年つくばで開催された ISBSA-1 の論文集は:Pete E Lestrel (ed.) 『Biological Shape Analysis: Proceedings of the 1st International Symposium, Tsukuba, Japan, 3 - 6 June 2009』(2011年6月刊行,World Scientific, Singapore, ISBN:978-981-4355-23-0 [hbk] → 版元ページ)としてやっと出版された.で,ワタクシは参加しようかどうかいま迷っているところ.

◆午後5時前に撤収.外は霧雨が降り続いている.やや蒸し暑い.懸命に除湿しないと.

◆本日の総歩数=3590歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(−0.7kg)/28.2%(−0.2%)


26 juni 2011(日)※曇り空の梅雨寒は日曜日も続く

◆午前6時前やっと起床.連日の都内出撃でやや疲れてきたかも.曇り.北東風が吹いて気温18.5度と涼しい.日曜日だけど,久しぶりに観音台に出向いて,ここ数日ずっと放置していた┣┣" 放牧場のようすを見てこないといけないかも.

◆[欹耳袋]ムカシの悪行が突然ばらされる夜 —— もの研究会の現実活動・第5回 「もの認識 −ものを/が/から/によって見る」(2003年10月12日).おとといの打族日暮里飲み会で出たもうひとつの話題.大賀克彦さんのトーク「「起源」の a priori」に対するワタクシの質問,そして大賀さんからの返答:「三中信宏氏への反論」.かなりストリート・バトルみたいなことをしていたんだなあと8年前の当時を思い出した.オスカー・モンテリウスの考古学における「型式論(typology)」の話題はなつかしいな.

◆[蒐書日誌]さすがゴルトン,さすがピアソン —— Karl Pearson (ed.)『The Life, Letters and Labours of Francis Galton』(2011年6月刊行[3 Volume Set in 4 Pieces],Cambridge University Press[Series: Cambridge Library Collection - Life Sciences], Cambridge, ISBN:9781108072441 [pbk: set] → 版元ページ情報).ケンブリッジ大学出版局から大きな箱が届いていた.予想通りの大物四巻本.ゴルトン伝の元本と比較してみると,図版のリプリントの質が低いのはしかたがないが(元本は二色刷図版),それ以外は及第点.ゴルトン-ダーウィン家の家系図は元本には添付されていないので,復刻に際しての付加価値か.

◆午前中はずっと家の中でごそごそする.午前10時になって,やっと気温が20度ラインを越える.北寄りの風が強くて体感的にかなり肌寒い.ウィルキンソンの新発売・辛口ジンジャーエール(ペットボトル)とグレープフルーツ生搾りを1対1で割ると(個人的には)飲み口がとてもよくなることを発見.昼過ぎ,〈モルゲン〉にて焼きたての食パン二斤をゲットしたのち観音台へ直行.曇りときどき霧雨.正午の気温20.8度で,季節を勘違いしそうな涼しい昼下がりを迎えている.放置していた┣┣" 放牧場は幸い騒乱の兆候はなかったが,着便本の堆積が山になっていた.

◆[蒐書日誌]松永俊男(編著)『ダーウィンの世界:ダーウィン生誕200年 ―その歴史的・現代的意義―』(2011年2月10日刊行,日本学術会議[学術会議叢書17],東京,ISBN:9784990498917 → 目次版元ページ).日本学術会議はもっと販促宣伝しないと!(まずはブツを手にすることが先決).新刊本を出版したら宣伝してねー.版元も著者も./丸山宗利『ツノゼミ:ありえない虫』(2011年6月22日刊行,幻冬舎,東京,本体価格1,300円,ISBN:978-4-344-02011-5 → 版元ページ).事前人気が異様に高い件.「ツノゼミ本:ありえない評判」.すぐ買いますっ.

◆[欹耳袋]〈Mentionmapp〉.ツイッター版〈あのひと検索・SpySee〉みたいなツール.なんでも見える化(汗)./統計教育サイト〈一成の統計塾:統計解析の学び場、家庭教師〉/今までなかったのがよほどフシギな気がするが:asahi.com「奈良教育大、「板書技法」の授業を必修化 全国初」(2011年6月26日).

◆午後3時間ほど農環研に引きこもってごそごそした.外気温は20度そこそこで涼しいはずなのに,最上階の居室は窓を全開放しても29度を下回ることはなかった.やはりこれからの夏場を迎えて「長時間いてはいけない部屋」となるにちがいない.午後4時すぎに撤収.夜になっても北風が吹き抜ける涼しさ.

◆本日の総歩数=5017歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.5kg(−0.1kg)/28.4%(+0.6%)


25 juni 2011(土)※北東風が涼しい土曜は駿河台へ

◆前夜は久しぶりに午前様だったが,朝はいつもどおり午前4時半に目が醒めてしまった.雲が多い明け方.晴れて日射しは強いが,昨日とは一転して北寄りの風が吹き抜ける体感的に涼しい朝.最低気温は21.7度とすでに高い.今日は吹き渡る北風がとても爽快.さて,今日は所用でまたしても都内へ出撃だ.

◆[欹耳袋]昨夜の飲み会で出た話題ふたつ —— 池袋北口のチャイナタウンで「犬」を出す店として有名な中国延辺料理〈金王府〉が店を移転した(たたんだ?)という情報をきのう得たのだが,ホント? このエリアには他にも「犬」を出す店がいくつかあるようだ./今年暮れの松戸フィル〈カルミナ・ブラーナ〉演奏会では「かなもの」(チューブラー・ベル,銅鑼など)を担当することになるらしい.

◆北風の吹く駿河台にて —— 9:17発のTX区間快速に乗ってお茶の水へ.ひざしと北風が強い.つくばは体感的に肌寒かったが,都内はそれなりに暑くなってきた.ランチは駿河台のトラットリア〈レモン〉にてパスタのセットを.入り口は狭いが奥に広がる店の造りで,ランチタイムが過ぎているのにとても混んでいた.

◆[蒐書日誌]鵜飼保雄・大澤良(編著)『品種改良の世界史・作物編』(2010年12月刊行,悠書館,東京,本体価格4,500円,ISBN:978-4-903487-41-0 → 版元ページ).古めかしいことばではあるが,「学統」って連綿として続いていくんだよねえ.

◆[欹耳袋]ウェブキャットがなくなる! —— 国立情報学研究所ニュース:NACSIS-CAT「Webcat終了予定および後継の検索サービスについて」(2011年6月17日).Webcat は「平成24(2012)年度末を以てサービスを終了することとなりました」とのこと.後継ツールとして「CiNiiの新規メニュー「図書・雑誌検索」を提供する」とアナウンスされている.姉妹ツールである〈Webcat Plus〉とそのライト版〈Webcat Plus Minus〉はどうなるんだろうか.

◆終日,お茶の水界隈を徘徊しまくり,いろいろ用事をすませたのち,JR東京駅のグランスタで買い物をしてつくば直帰.午後5時過ぎにやっと帰還.都内は日射しが暑くても最高気温は27.9度.北東風が涼しかった.途中,三郷中央あたりで通り雨が降っていた.夕暮れのつくばは晴れところどころ曇り.夜になっても北東風がなお強い.

◆[蒐書日誌]古生物学の哲学 —— Derek Turner『Paleontology: A Philosophical Introduction』(2011年4月刊行,Cambridge University Press[Cambridge Introductions to Philosophy and Biology], Cambridge, xii+227pp., ISBN:978-0521116374 [hbk] / ISBN:978-0521133326 [pbk] → 目次).歴史科学の哲学を追究する著者の最新刊.前著: Derek Turner『Making Prehistory: Historical Science and the Scientific Realism Debate』(2007年7月刊行,Cambridge University Press[Cambridge Studies in Philosophy and Biology], Cambridge, xiv+223 pp., ISBN:9780521875202 [hbk] → 目次版元ページ)が,総論としての先史学(prehistory:ただし広義)の共通基盤を論じたのに対し,本書は先史学のひとつとしての古生物学に焦点を絞った各論と位置づけられる.内容的には,現代古生物学史を彩ってきた主な論争(断続平衡説・階層的進化説・種選択説・ディスパリティ etc.)をひとつひとつ振り返りつつ,それらが提起した概念的問題をあぶり出している.

思い起こせば,学部を卒業したころ(1970年代末)に読んだ断続平衡説の元論文は:Eldredge, N. and S. J. Gould 1972. Punctuated equilibria: An alternative to phyletic gradualism. Pp. 82-115 in: T. J. M. Schopf (ed.), Models in Paleobiology. Freeman, San Francisco は衝撃的だった.だってぜんぜん読めないんだもん.N. R. Hanson の言うデータの理論負荷性や P. K. Feyerabend の科学の哲学と政治学に関するテーゼが当たり前のように地の文に散りばめられた論文は農学系の学部生には手に負えるはずがない.同時代の Systematic Zoology 誌も十分すぎるほど「科学哲学」していて可読性がほぼゼロだった.ワタクシがひもといた古生物学や生物体系学の論文が最初からかなり濃厚に哲学系フレーバーを漂わせていたことは,その後の個人的な Bildung に決定的な影響を与えたといまにして思う.

◆明日はどこにも出かけずつくばに実在する予定.

◆本日の総歩数=3006歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=94.6kg(+0.9kg)/27.8%(−0.1%)


24 juni 2011(金)※農大通り往復サバイバルゲーム

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ.雲間から真っ赤な朝日が昇る.気温24.8度.湿った南風.除湿しないと寝られないな.

◆経堂へ定例出撃 —— 7:56発のTX快速に乗る.またしても千代田線がだだ遅れ.都内は初夏の日射しがまぶしく,しかも南からの熱風にあおられる.経堂からハートフル農大通りを下る途中で行き倒れそうになった.当然の真夏日.高座が終わったあと、また歩いて戻るのかと思うとげんなりする。蒸し暑さにより不快指数は極大.

◆[蒐書日誌]歴史科学の哲学と科学実在論 —— Derek Turner『Making Prehistory: Historical Science and the Scientific Realism Debate』(2007年7月刊行,Cambridge University Press[Cambridge Studies in Philosophy and Biology], Cambridge, xiv+223 pp., ISBN:9780521875202 [hbk] → 目次版元ページ).直接の観察を拒否する歴史的事象の「認識的非対称性(epistemic asymmetry)」を出発点として,歴史科学すなわち地質学・古生物学・進化生物学・宇宙論・考古学など「先史学 prehistory」として一括りされる学問分野に共通する問題群を論じる.William Whewell ならば palaetiological sciences,Avezier Tucker ならば historiographic sciences と命名したであろう諸科学がターゲットだ.まだ読み始めたばかりだが,著者が解決策の柱として提唱する「自然な歴史学的態度(the natural historical attitude)」がとても気になる.推論様式としてのアブダクションとのからみも要注意.

◆本日の高座 —— 線形モデルの「一般化」についての補足説明ののち,多変量解析に入る.まずは変量間の「共変動(covariation)」の視覚化と数値化についての解説をした.共分散は個々のデータに関する「偏差積」の期待値として定義でき,相関係数は標準偏差による補正値にほかならない.正規分布の多変量バージョンを例示することで,パラメトリック多変量統計学のリクツの一端を見せたが,いつもここのところはオーバーハングしてしまう.最後にRによる多変量密度関数の描画デモをした.第一回レポートは来週金曜が締切りだからよろしくね.

◆[欹耳袋]Nature特別翻訳記事:「PhD大量生産時代」 doi:10.1038/472276a | Published online 21 April 2011.国ごとの事情にちがいはあるものの「冬の時代」はまだ続くということか.日本はとくに問題の根が深いと指摘されている.

◆講義後,経堂駅前の〈はるばるてい〉にて香麺を注文.こういう蒸し暑い昼下りに戸外をうろうろしたくないなあ〜.都内は気温がすでに32.7度まで上がっている.南風も強くて瞬間的には10m/sを越えている.熱風と日射しでへばり気味なのでとりあえず室内退避.隠れ部屋にて仕事をする.

◆農環研では例年ならば全館空調の「試験運転」ということでエアコンが入るのだが,今年は「がまんしなさい」というお達しがまわっている.「みなさん,逃げましょう」と言ってくれたらザブトンの一枚もあげたのに.うちの研究所はかりにも環境研究を看板にしてるんだから,館内環境の綿密なモニタリングをしないようでは対外的に恥ずかしいだろう.とりあえず,最上階の西日の当たる部屋に〈ダメダス(仮称)〉システムを設置して,居住限界を超えたら「ダメだし〜」と一斉館内放送するようにしてほしい.所内でじっとガマンするよりも立ち去った方が身のためかもしれない.あるいは,時々刻々と変わる館内環境のなかで最も涼しい場所を見つけるしかないか(猫みたい).

◆[蒐書日誌]菊池卓郎『農学の野外科学的方法:「役に立つ」研究とはなにか』(2000年7月刊行,農山漁村文化協会[自然と科学技術シリーズ],東京,ISBN:9784540992308 → 版元ページ).つくば農林研究団地には何冊か実在しているようだ./野沢協(監訳)『啓蒙の地下文書 I』(2008年10月刊行,法政大学出版局,東京,1,134 pp., 本体価格23,000円,ISBN:978-4-588-15053-1 → 版元ページ) に続く新刊:野沢協(監訳)『啓蒙の地下文書 II』(2011年6月刊行,法政大学出版局,東京,1,164 pp., 本体価格24,000円,ISBN:978-4-588-15054-8 → 版元ページ)は厚さも価格も超弩級.大きいことはいいことだ.

◆夕暮れの日暮里 —— 午後6時すぎにJR日暮里駅北改札にて待ち合わせ,東口の再開発地域に足を踏み入れる.ワタクシが住んでいた頃は日暮里といえば「日暮れる里」で,下町の雰囲気がまだ色濃く残っていたエリアだった.ところが,数年ぶりに見たのは駅前ロータリーを取り囲む高層ビル群だった.再開発された駅前を通りぬけ,横丁にあるコリアン・キッチン〈NANTA〉に入る.家庭的ないい店で,マッコリをはじめかなり飲んだ.気がついたらもう日が変わっていた.

—— 今日はとてもハードな一日だった.

◆本日の総歩数=8870歩[うち「しっかり歩数」3341歩/33分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.7kg(+0.4kg)/27.9%(0.0%)


23 juni 2011(木)※真夏日の弥生にて集中講義初日

◆午前4時半起床.曇り.気温24.2度と蒸し暑い.熱帯夜といういやな言葉がそろそろ現実のものとなる季節がやってくる.午前7時過ぎ,雨がしとしと降りだした.気温は24.7度.もうすぐ夏日ラインを越える.

◆[欹耳袋]多変量解析の業界で,林知己夫の「数量化理論」を国際的≠ノ通用させようとするときの「障壁」ってなんなんだろう:横山詔一・真田治子 2007, フィールド言語学にロジスティック回帰分析は寄与しうるか.情報処理学会研究報告(IPSJ SIG Notes) 2007(9): 9-16 → CiNii (Open Access).※科学における「国産理論」を選好するのはなぜ?

◆蒸し暑い朝の┣┣" 撃ち —— 今日から三週連続で木曜午後(13:00〜16:30)に開講される東大農学部「保全生態学特論」(生圏システム)のスライドができあがった.枚数は全部で409枚./ブラジル出張に伴う書類┣┣" どもを二階事務室にすべて引き渡してきた.この件,ようやく決着がついた./来年の京大生態研センター(大津)でのセミナーが日程変更:2月24日(金)→2月10日(金)に.TBKさんからメールあり.

◆[蒐書日誌]林洋子『藤田嗣治:本のしごと』(2011年6月22日刊行,集英社[集英社新書ヴィジュアル版 024-V],東京,254 pp.,ISBN:978-4-08-720597-8 → 目次版元ページ).読了.『七つの俳諧』ってメシアンの曲にもあったな.時代的にレヴィ・ストロースがブラジルに渡った時期は藤田嗣治がフランスにいた時期と重なるが,中南米に滞在することになる背景とは言えないのかな.どの本にもファーストネームなしの「Foujita」とのみ記されているのが印象的だった.こういう限定本を蒐めようとはゆめゆめ思わないが,見るだけだったらいいかも.

◆真夏日に燃え(尽き)る弥生キャンパス —— では,そろそろ本郷に出撃しようかな.11:30発のTX快速に乗る.夏日がときおり車窓から射しこんでくる.

真上から夏の太陽が笑っている12時半,根津の坂を這い上がってじりじりと焼けつく東大農学部キャンパスへ.弥生講堂アネックスの講義室に入る.外は極度に蒸し暑いが,室内は快適な空調だ.午後1時すぎから生圏システムの集中講義「保全生態学特論」が始まる.今日が初日.TAに手伝ってもらってコンピューターのセッティング.E-mobile はよく入る.木組みの天上が低くてとてもいい感じの部屋.講義室からは農学部正門がよく見える.一時間おきに休憩を入れつつ,初日は系統学概論を話し続けて,午後4時すぎにおしまいにした.たいへんおつかれさんでした.来週と再来週も同じ場所と時間帯で開講する.

—— 外に出たら酷暑がまだ続いていた.今日の都内の最高気温は32.2度とのこと.きついきつい.北千住の〈大升酒場〉にてホッピーを飲んでからつくばに直帰.しむかも…….

◆[欹耳袋]16世紀の画家ジュゼッペ・アルチンボルドが描いた「寄せ絵」は有名だが,江戸時代末期の浮世絵師・歌川国芳がまったく同じ趣向の「寄せ絵」を書いていたことを初めて知った.歌川国芳が人体を組み合わせて描いた人間の顔(→よこみち日本美術「ひとかたまって」)は,アルチンボルドの作品〈一対のエヴァとリンゴ(アダムとイヴ)〉(1578)を髣髴とさせる.明らかに,歌川国芳の有名な浮世絵「みかけはこわいがとんだいいひとだ」は,アルチンボルドのこの二連作の一枚「アダム」から借用されたものだろう.

◆明日はまた都内出撃だ.連日の真夏日はイヤだなあ.

◆本日の総歩数=6272歩[うち「しっかり歩数」2037歩/22分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.3kg(−0.6kg)/27.9%(−0.6%)


22 juni 2011(水)※夏至の昼下りは本郷に潜伏する

◆午前4時過ぎ起床.気温は19.7度.一晩中,窓を全開放していたので涼しかった.夏至の朝焼けと日の出を拝む.午前6時前,明け方は遠景が望めたが,いまはいきなり靄がたちこめてもやもやしている.昇る朝日も輪郭しか見えない.もやもや.予報では今日の関東地方は真夏日とのこと.都内に出るのは憂鬱だが,どこにいても暑いからおんなじか.午後から本郷にて東大の専攻教員会議,続いて研究会議がある.

◆┣┣" 撃ちの手応え —— Sinauer Associates から Intel Mac 用の PAUP* ダウンロード先とパスワードが送られてきた.15年前にフロッピーで購入したときの Serial Number を控えておいてよかった./サンパウロの Hennig XXX 大会事務局から,ビザ発行のための invitation letter が送られてきた.これでまた一歩ブラジルに近づくことになった.

◆午前8時,すでに夏日ラインを突破している観音台.最上階の居室はいまの時間は,窓全開放&扇風機最強で何とか27度台に抑えつけている.しかし,この分だと正午前に真夏日ラインに達しそうなので,それまでにはずらかることにしよう.

◆┣┣" 撃ちに終わりはない —— 〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の第7回連載「祖先の蔭に護られて:系統樹二千年の歴史をさかのぼる」のゲラを編集部に戻した.月末に公開されるだろう./ブラジル総領事館のサイトからビザ発行に関するオンライン登録作業をすませた.受領票をプリントアウトして,撮影条件に関して極端に注文の多い写真(昨日用意ずみ)を添付して,署名したのち事務に出せばよし.パスポートは明日の朝イチで提出する./懸案の「無犯罪証明書」については,農環研が人物証明をしているのでビザ発行申請には必要ないらしい.「ワルいことしてないでしょ?」と事務に確認されたけど…….というわけで,水戸の県警まで出向く必要はなくなった.めでたしめでたし.

—— 午前10時過ぎ,やっと受信メールボックスの切迫┣┣" どもがすべて消え失せた.外は夏空.すでに29度台まで気温は上がってきた.さて,そろそろ撤収して,本郷に向かうことにしようかな.

◆[蒐書日誌]林洋子『藤田嗣治:本のしごと』(2011年6月22日刊行,集英社[集英社新書ヴィジュアル版 024-V],東京,254 pp.,ISBN:978-4-08-720597-8 → 目次版元ページ).名古屋からの帰路,TXでの車中読書本.前著:林洋子『藤田嗣治:手しごとの家』(2009年11月22日刊行,集英社[集英社新書ヴィジュアル版 015-V],東京,206 pp.,ISBN:978-4-08-720519-0 → 目次版元ページ)に続く第二弾.オーラがぜんぜんちがうぞー.本人も装幀も.え゛ー,人間の皮膚を表紙にした本とか.うわ〜.

◆昼下りの本郷は真夏日に燃えていた —— 正午のTX区間快速で出発.農環研をあとにしたときの気温がすでに30.7度の真夏日だった.都内ももちろん真夏日.根津の坂を上って汗をかく.午後1時からの専攻教員会議は午後3時半まで.冷房をつければ寒いし止めれば暑い.本日,都内の最高気温は31.9度だった.「灼熱の弥生キャンパス」と書きそうになって,ふとつくばのアメダス最高気温を見たらなんと「33.5度」に達していた.おみそれしました.専攻教員会議ののち,午後4時からは専攻研究会議が始まる.夏晴れの大学構内は緑が濃い.太陽がぎらぎらしていて足がすくむ.研究会議は午後5時半まで.

—— JR東京駅グランスタで買い物してから,つくばに逃げ帰ってきてもまだ暑い.午後8時をとうに過ぎているのに夏日ラインを下回らないとはどういうことか.今夜も「さらさら天明」をお供に過ごすことにしよう.

◆撃ち果たしたり撃ち損なったり —— 来週の東大専攻教員とのミーティングの段取りを関係者にメール連絡完了.アフターファイヴの懇親会〈福鮨〉には,本題のミーティングよりももっとたくさんの関係者が参集するみたいだ.某先生は昨日の専攻ソフトボール大会で名誉の負傷をしてつくばには来られなくなったとのこと.あらら./明後日の農大高座の三点セットのしたくは完了した./明日の東大・生圏システム集中講義(保全生態学特論)はハンドアウトはすでに送ってあるが,スライドの調整が必要かも./昨日の日録がまだ終っていないし…….

◆本日の総歩数=7534歩[うち「しっかり歩数」1034歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.9kg(−0.1kg)/28.5%(−0.1%)


21 juni 2011(火)※初蝉が鳴くお昼休みはさなぶり

◆午前4時起床.久しぶりに雲間から朝焼けが見えた.曇りところどころ晴れ.気温21.5度.一晩中窓を全開放していたが,吹き抜ける南風が心地よかった.午前5時過ぎ,雨がぱらついてきた.へんな天気.雨がちょっと降ったので雨蛙が元気に鳴いている.日中はとても蒸し暑いらしい.今日はつくばに実在.昼休みに農環研の恒例〈さなぶり〉があるが,何を着ていこうかな.つちのうえ太鼓隊は出演するの? 西の方は青空が広がっているのに,つくばの上空だけ雨雲が居座って,生温い雨がしとしと降り続いている.BGMグスタフ・レオンハルト(Cembalo)の平均律.

◆平日復帰は朝から大忙し —— ブラジル渡航の諸手続き(ビザ申請やらいろいろ)が一日仕事ではすまない件.ブラジル入国ビザ発行┣┣" が急成長している.

◆[蒐書日誌]日本科学哲学会編/横山輝雄責任編集『ダーウィンと進化論の哲学』(2011年6月22日刊行,勁草書房,東京,本体価格3,900円,ISBN:978-4-326-10178-8 → 版元ページ).お,早くゲットしないと.

◆昼休みのさなぶり —— 正午の気温27.2度.昨日までとは一転して,青空が広がり初夏の日射しがまぶしい.業務棟での〈さなぶり〉のようす.昼休みの昼食会なのでたくさん人が集まる.炭水化物の大量摂取.外ではニイニイゼミが鳴きはじめた.夏ですなあ.

◆夏日の昼下りは外回り┣┣" 撃ち —— サンパウロの学会事務局に招聘状発行のリクエストをする./Sinauer Associates に PAUP* portable version の件で問い合わせ./懸念事項一件の連絡./いろんなところから本がどさどさ届いてうはうは./さて,もうすぐ真夏日ラインを突破しそうな昼下がりは,あちこち移動して┣┣" 撃ちを続けるぞ!(おー).

◆ブラジルへの道は暑く遠い —— 本日の最高気温は29.7度とほぼ真夏日になった.じりじりと照りつける日射しの中,市役所で戸籍抄本と住民票をゲット.ブラジル国ビザ申請に添付する戸籍抄本はポルトガル語に翻訳しろとか書いてあるけど……(汗).次いで写真屋で肖像ポートレート.最後に警察署で「無犯罪証明書」なるものを発行してもらおうと思ったら,「二階の刑事捜査課へ行って」とキリッと言われた.仄暗い刑事捜査課の部屋におそるおそる入って(奥に「拘留者面会室」なる一角あり),「無犯罪証明書をいただきたいのですが」と申し出たところ,取調室に監禁されることもなく,「水戸の県警に行ってね」と年季の入ったいかにもデカ≠轤オいおじさんに追い返された.えー,水戸へ行くの?

—— いきなり┣┣" がバクハツ的成長を遂げつつあるよーな.

◆兇悪雷雲が急速接近 —— 午後4時過ぎ,西日がさんさんと降り注ぐ居室は気温29度に達したので,本日はこれにて撤収.午後はブラジル┣┣" を追いかけまわして終わった……(orz).午後6時過ぎ,西の方で兇悪なる雷雲が発達中.すでに雷鳴が轟き,閃光が走っている.などと実況中継しているうちに雨がざあざあ降り始めた.県内には竜巻注意情報が発令.一時間あまりで雷雲が通りすぎて空気が入れ替わった.吹き抜ける北東風がとても爽快.

◆今夜の夕餉のお供は,会津・曙酒造の〈天明・さらさら純米〉.アルコール度数が低め(15度)なので,キリっと冷やして飲むとすっきり爽快.秋田・白瀑の〈ドキドキ夏生〉と同じ路線の「夏向き日本酒」.もちろんビールもいいけど,蒸し暑い季節は夏向きのさわやか純米酒がおいしい.

◆本日の総歩数=7114歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(+1.1kg)/28.6%(−0.1%)


20 juni 2011(月)※大垣高座,名古屋にまた寄り道

午前4時に起床した.つくばよりも夜明けが遅く未明の闇がいつまでも続いている.そのうちやっと空が白んできたが,路面が濡れているので雨が降りだしたのかもしれない.昨日は遠景に夕暮れの山々が見渡せたが,今朝は雲に隠れて見えない.午前5時の気温は21.2度と高い.朝食前の徘徊タイム.大垣市内は雨が降ったり止んだりしている.旧市街地を人気のない大垣城までひとまわりしてきた.古い城下町の雰囲気がそこかしこに.JRの駅前本通りもシャッターが降りていたり,あまりやる気のないお店が目についた. 早朝なので開いている店はほとんどないが,タイムスリップしたような昔ながらの町並みが印象に残った.

◆大垣高座「芸術情報学演習」 —— 午前8時半にチェックアウト.一泊した〈スーパーホテル大垣駅前〉の無料朝食はとても充実していた(人気があるのも当然だ).外は小雨が降り続き蒸し暑い.大垣駅からタクシーで駅北にある情報科学芸術大学院大学(IAMAS)へ直行する.毎年この時期に講義を引き受けてきたが,今年初めて前泊することになった.IAMASに到着して,まずは教務にて出講関連の書類にサインやら押印やら.関口学長とともに三階の講義室に向かう.キャンパス内も館内もとても静かで人に会わない.午前9時から「芸術情報学演習」の開始.要するに形態測定学の講義.正午までの三時間しかないので,適宜スキップしながら,「かたち」の定量化について解説する.ポイントは視覚的な「かたち」をいったん数値化した上で,もういちど別の視点から視覚化すること.データ視覚化という大きな流れの中に幾何学的形態測定学はある.

◆どこの城下町にも和菓子の名物がつきもので,大垣には「水まんじゅう」という今の季節にぴったりの和菓子がある.高座後に関口学長に連れられてきたのはJR大垣駅前にある和菓子〈金蝶園総本家〉.店先の流水でその「水まんじゅう」が売られていた.奥で次々につくられる水まんじゅうは,ぐい呑みみたいな容器のまま流水の中で冷やされる.こし餡・白餡・抹茶餡そして旬の枇杷餡の四種類があって,おみやげにもなるが,その場でも食べられる.せっかくここまで来たのだからと,店内でつくりたての水まんじゅうをいただきいた.ひたひたの氷水をはったガラスの器で出される,見るからに涼し気な逸品.昨夜たまたまTVにこの店が出たそうで,今日はとりわけ売れ行きがいいとのこと. 蒸し暑い季節に涼を呼ぶ和菓子.大垣駅前の通りには他にも水まんじゅうを店先で出す和菓子屋があった.

◆大垣から東海道線の快速で名古屋に戻る.矢場町までひとっ走り.台湾料理〈味仙〉にて昼間っからビールを飲んでしまう.おつまみは定番の青菜炒めと餃子.台湾ラーメンは火を吹きそうだったのでチャーハンを注文.午後2時前というランチタイム終了間際の中途半端な時間帯なのに,店内は客で満員だった.

◆名古屋15:10発の「のぞみ124号」にて東京へ.東海地方は雨が降ったり止んだりしていたが,トンネルを越えて小田原から先は曇り空からしだいに青空が広がってきた.午後6時半に夕暮れのつくばに生還.大垣を出てからナゴヤで寄り道したがよくぞ沈没せずに生きて帰れたものだ.時間があれば〈マウンテン〉か〈コメダ〉を制覇してこようと思ったが,さすがにそれは気力と体力と腹力が足りなかった.ナゴヤも小雨しとしとで蒸し暑かったけど,つくばもけっこう蒸し暑い.

◆[蒐書日誌]新幹線(復路)車内読書 —— Carol Kaesuk Yoon『Naming Nature: The Clash between Instinct and Science』(2009年刊行,W. W. Norton, New York, viii+344 pp., ISBN:978-0-393-06197-0 [hbk] / ISBN:978-0-393-33871-3 [pbk] → 目次著者サイト).最後の第四部「A Vision Reclaimed」では,科学としての生物体系学がヒト固有の Umwelt を否定してきた現代史を踏まえ,Umwelt のもつ意義を再評価する著者のスタンスが明らかになる.第11章「This Strange Station」は,生得的な Umwelt は科学とは別の次元で生き続けていることを,種と人種の問題,人工物の分類,ヒヨコの性別分類(日本人の特技!)などの実例を挙げて論じる.最後の第12章「Beyond Science」で,著者はたとえ科学が Umwelt を無視しようがそれはけっして消え去らないという点を強調する.

—— 本書を読み始めたころから著者自身のルーツが気になっている.母親が日本人であると本書には書かれている(娘の名前も日本名).ただし,nationality にはもう少しひねりが入っているのかもしれない.そのうち機会ができたら訊いてみよう.

◆たとえ国内でも旅から帰ってくるとそれなりにすり減っているようで,今日は早めにスイッチをオフにしましょ.

◆本日の総歩数=7634歩[うち「しっかり歩数」2113歩/20分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


19 juni 2011(日)※名古屋で矢場とん,大垣に入る

◆午前4時前に一旦目覚めたが二度寝.午前5時に本格的な起床.曇り.気温18.4度.朝焼けとか日の出ということばとは無縁の日が何日も続いている.今日は午後ナゴヤ方面に旅に出る.

◆[欹耳袋]今朝もたくさんツイート拾ったよん〜:「Twitter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」」 ※PVは1400を越えている./From the Land of Freedom Fries「いわゆる一流誌の内幕」(2011年6月18日).某N誌に投稿する人はこのブログ記事の後半をよく読もうね!/田崎晴明「放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説」(2011年6月18日更新)

◆午前の徘徊 —— 今日の午前中,霞ヶ浦医療センター横で開催されている〈ニコ・マルシェ〉に来た. 薄曇りながら気温もほどよく高くて,にぎわっている.〈ニコニコ珈琲〉でコーヒー豆を調達してから帰還する.〈ニコニコ珈琲〉がもうすぐひたち野うしく駅前に店を出すとのこと:〈Café Nico〉.6月26日(日)開店.カフェでは〈david pain〉のパンを出すとのこと.珈琲豆の販売もあり. テクノパーク桜の〈te・to・te〉にいたシェフが料理を担当するらしい.期待.帰りに洞峰公園の〈モルゲン〉で食パンを買ってから正午前に帰還.

◆昼過ぎ,一泊旅に必要なものをばたばたとスーツケースに詰める.服装が問題.といっても,アロハにするかポロシャツにするかの選択ね.

◆午後の旅立ち —— 13:00発のTX快速に乗る.薄曇りながらやや蒸し暑い.東京駅からは「ひかり517号」で名古屋へ.車窓から見える遠景は晴れたり曇ったりしていた.名古屋は曇ってやはり蒸し暑い.最終目的地の大垣に入る前に名古屋で途中下車し改札を出る.〈矢場とん〉の名古屋駅名鉄店にてわらじトンカツ定食を食べた.こっち方面に来たときの必修の通過儀礼みたいなもので,毎回欠かさず食べている.〈矢場とん〉のエチカ店はとても混雑していると聞くが,JRに隣接する名鉄百貨店の上層階にあるここの支店はさほど待つ必要がない.それにしても味噌カツってビールに合うなあ.

◆通過儀礼ののち,名古屋駅に戻り17:45発の東海道線特別快速の大垣行きに乗る.半時間ほどで,夕暮れの大垣駅に到着し,駅前の〈スーパーホテル大垣駅前〉にチェックイン完了.

◆[蒐書日誌]新幹線(往路)車内読書 —— Carol Kaesuk Yoon『Naming Nature: The Clash between Instinct and Science』(2009年刊行,W. W. Norton, New York, viii+344 pp., ISBN:978-0-393-06197-0 [hbk] / ISBN:978-0-393-33871-3 [pbk] → 目次).ヒトの分類認知(「human shared Umwelt」論)と現代生物体系学との根本的な矛盾を論じた本書は,一昨年から断続的に読み進めてきたが,やっとゴールが見えてきた.第三部「A Science Is Born」を構成する三章では,Ernst Mayr ら Umwelt を暗黙のうちに尊重してきた進化体系学者たちに対して,1950年代以降,その基本綱領を根底から否定する別の対抗学派の出現とその余波を論じる.第八章「Taxonomy by the Numbers」は分類学に統計処理をもちこんだ数量表形学,第九章「Better Taxonomy Through Chemistry」は不可視的な分子データに基づく分子体系学,そして第九章「The Death of Fish」は paraphyletic taxa をことごとく抹殺した分岐学派の話だ.全体として過去半世紀にわたる体系学論争の概観としては悪くないと思う(やや“週刊誌的”な煽りが鼻につくが).残すところ30ページほどなので帰路に読みきってしまおう.

◆駅前のくたびれた雰囲気がいかにも地方都市だなあ.遠距離移動と儀礼大食してやや疲れたので,一休みしてから明日の高座のしたくをしよう.

◆本日の総歩数=5075歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=92.9kg(+0.1kg)/28.7%(+0.3%)


18 juni 2011(土)※梅雨寒の昼下りは旅支度をする

◆いつもどおり午前4時半起床.曇り.気温17.4度で涼しいというか梅雨寒.時間があったので筑波大方面を徘徊してきた.天久保〈ブロートツァイト〉は土曜は午前8時開店になったとは知らなんだ.今後要注意.手ぶらでとぼとぼ帰ってきたら暑くなった.北風曇天.午前8時の気温は19.2度.今朝のデザートは昨日買ってきた谷中〈マミーズ〉のアップルパイ.〈マミーズ〉のアップルパイは,よくあるスライスされたりんごではなく,カタマリでごろごろと入っているのが豪快でしかもうまい.

◆[欹耳袋]文部科学省/日本総合研究所(平成22年7月21日〜平成23年3月31日)「博士課程修了者の進路実態に関する調査研究」.

◆どこのことだったかすっかり忘れたのだが(国内),ずいぶん昔,ある店でトイレに入ったら,前後左右の壁全面はもちろん,天上も床もとにかくすべてが「鏡張り」だったことがある.落ち着かないことこの上なかった.しばらくいると宙を浮遊しているような妙な心持ちになってきた.「鏡地獄」とはこのことなのだろうか.その店のオーナーはひょっとして江戸川乱歩の熱狂的ファンだったのだろーか?

◆[欹耳袋]ライブラリーの生き残り戦略 —— 大学・研究機関で購入している学術雑誌の「査定」が年々厳しくなっている.もちろん,寡占している出版数社が年々購読料を上げていることと,大学・研究機関の図書予算が減っていることの相乗作用が原因.ここでもまた典型的研究分野のジャーナルは安泰だが,非典型的研究分野は風前の灯.農環研の場合,次年度の公費購入雑誌を選定する際の基準は「購入費」・「利用者数」・「他機関所蔵状況」.とくに,利用されないジャーナルは無慈悲なほど切り捨てられる.非典型的分野の場合,もともと利用者数が少ないので,「数の勝負」に出られるとけっして勝ち目はない.

ワタクシの表看板の「統計学」のジャーナルは農環研ではちゃんと購入されてきた(かつての農技研・物理統計部の伝統).しかし,最近では購入の可否を決める図書利用アンケートにちゃんと答えないと(うっかり忘れると),購入中止になるケースが出てきた.少数派の悲哀.ジャーナルによって年間購読料には大きな差異がある.高い雑誌は電子ジャーナルを一箇所だけで機関購読すれば,かなりの節約になると思うが,典型的研究分野の場合は必ずしもそうなっていない.その一方で,ロングテールの隅っこに位置する非典型的分野のジャーナルほど購読中止の憂き目を見る可能性が高くなる.購読中止にしたからといって金額的にはたいしてプラスにならないのに.

非典型的研究分野の場合,購読ジャーナルにかぎらず,単行本も含めて研究に関わる「ライブラリー」をどのように構築して存続させるかは難しい問題がある.非典型的分野の場合,一研究室どころか一研究者が看板を背負っている個人営業が少なくない.公費購入で雑誌や図書を購入したとしても,その研究者がいなくなれば,当該研究室や研究所にとって残されたライブラリーは無用の長物と化す危険性が高い.典型的分野の場合はそういうことはない.研究上近縁な研究者がそこにまだいるわけだから,いなくなった研究者のライブラリーは有効活用され,運がよければさらに成長し存続し続けられるだろう.

非典型的研究分野の「用済み」のライブラリーの運命は,農環研(農林団地の他の独法も同じか)でははっきりしている:各研究室から独法図書室へ移管→筑波事務所の情報センター書庫へ移管.ユーザーにとっての資料アクセスは悪くなるがこれはまだまし.悪くすると,研究室から図書室に移管された後に「処分(廃棄)」される運命が待ち構えている.かつて,農環研にはドイツ語やロシア語の確率統計のジャーナルが購入されていた.第二外国語(非英語)を読む研究者がいなくなって,イッキに「不良債権」と化してしまい廃棄された.

こういう世知辛い状況を考えると,非典型的研究分野に身を置く研究者は私費を削ってライブラリー構築をする宿命を背負っているというしかない(ほかに選択肢はない).私費購入本は,金額的にはけっして自由にならないが,取り扱いは最大限自由である.一方,公費購入本は必然的に研究機関のヒモがつくので(図書館のハンコが押されたり,データベースに登録されたり,機関の資産にカウントされたり),ユーザーである研究者が異動・退職してもいっしょには動かせない.誰にとっても不幸な結末が待っている.

—— 要するに,非典型的研究分野は「研究組織」「人的資源」「研究資金」「ライブラリー」などなどさまざまな場面で試練が科されるということだ.Cf: 「Togetter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」

◆雨降る午後にうろうろする —— さて,出かけようと外に出たら狙いすましたように雨が降り始めた.まずは三井ビルのJTBで大垣行きの乗車券と新幹線指定席をゲットする.もう夏休みの旅行計画を相談しているらしき客がたくさんいた.うらやましすぎる.西武で買い物をしてから,小雨がしとしと降り続く観音台にたどり着いたのは午後4時半.研究室にて明日の旅支度と高座の準備を進める.ついでに,雑用┣┣" を数頭仕留める.先日,四半世紀前の自分の論文への請求があったので,あわてて雑誌からコピーしたところ.pdfみたいなラクちんなものがなかった時代なので,紙から紙にコピーするしかない.こういうときはバックナンバーが電子化公開されているといいなと思う.ムカシ自分が書いた論文をいま読み直すと,「時の流れ」をしみじみと実感したりする.元雑誌のページの端っこが黄ばんでいたりするとなおさらそう.

◆[欹耳袋]本日,筑波大学で開催された学校教育学会大会で,『教育・心理のためのRによるデータ解析』(2011年4月刊行,福村出版,東京,ISBN:978-4-571-20076-2)の著者でもある,心理学類長・服部環氏の講演「心理・教育研究とデータ解析」があった.ハンドアウトを見ると多変量解析のまとまったレビューだが聴衆死亡率は高かったとか.統計学や数学のトークをするときは,ときに眼前に広がる死屍累々たる聴衆の屍を踏み越えて話し続けなければならない.因果な生業である.

◆夜になっても冷たいしとしと雨が降り続いている.日中の最高気温は21.4度までしか上がらなかった.午後7時の気温は18.8度だが深夜はもっと下がるだろう.湿度が高くて気温が低いのでからだに悪そう.旅立ちの明日までにはやんでほしいな.

◆本日の総歩数=11625歩[うち「しっかり歩数」5047歩/48分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.8kg(−0.6kg)/28.2%(+0.6%)


17 juni 2011(金)※定例出前高座と学生リクルート

◆午前4時半起床.昨夜から降りだした雨はついさっきまで雨が降り続いていたようで,下界の地面は濡れまくり.気温は17.6度.北東の風が冷たすぎる.梅雨寒が続く.今日は農大高座と東大ガイダンスの連チャンで都内をあちこち移動する.曇りときどき雨の予報でうっとおしいな.午前6時前,また雨が降りだした.中央郵便局まで郵便物を引き取りに行かないといけないんだけど,傘さして行くしかないか.午前7時,まだ冷たい雨が降り続いている.気温はやっと18度台に達したが,北東風が吹いているので体感気温はもっと低い.こういう天気のときに都内をうろうろするのは気が乗らないが,定例のお座敷だしね.さて,そろそろ出撃だ.

◆[欹耳袋]Craniometry をめぐる歴史論争 —— Jason E. Lewis et al. (2011), The Mismeasure of Science: Stephen Jay Gould versus Samuel George Morton on Skulls and Bias. PLoS Biology, 9(6): e1001071. doi:10.1371/journal.pbio.1001071. Published: June 7, 2011 → html | pdf (open access).グールドの有名な著書:Stephen Jay Gould『The Mismeasure of Man』(1981年刊行,W. W. Norton, New York)は,形態測定学・心理測定学・統計学にまたがるとてもおもしろい科学史の本だった.本論文では,グールドが「データ改竄」であるとして糾弾したひとつのエピソードが,実はそうではなかったという反論.著者らの目的は,単に歴史的事実の指摘にあったわけではなく,グールドが結果的に「科学は社会的構築物に過ぎない」という誤った科学観に与してしまったという点を問題視している.

◆ハートフル農大通りを行き来する金曜日 —— いつものように7:56発のTX快速に乗る.都内は雨.千代田線が大幅に遅延して走っては止まるを繰り返している.午前9時半に経堂到着.雨に煙る駅前.霧雨が横から吹きつけるので,傘をさしているのに濡れてしまう.しかし,ささないわけにはいかないもどかしさ.途中の屋敷町では紫陽花が雨に打たれ枇杷がたわわに実っていた.濡れ濡れて農大にたどりつく.

◆本日の農大高座 —— 統計モデルにおけるパラメーター推定とモデル選択論の話をする.すでに講義で取り上げた実験計画法のデータをもとに,分散分析とF検定ではなく,モデル選択の立場から,データに対する適合度(尤度)とAICに着目して,ベストのモデルを選択するとはどういうことかを解説した.一般化線形モデルについては来週まわしになった.配布ハンドアウトと講義内容が一回分以上も乖離してきたがしかたないな.最後に第一回レポートの課題を出した.締切りは「7月1日(金)」.受講生諸氏,がんばってねー.

◆経堂の〈はるばるてい〉で注文した「カレー香麺」.通常の香麺の一角に盛り塩のようにカレー粉が山をつくっている.お作法にしたがって,徹底的に麺と具を混ぜ.辣椒を奄美の黒酢で溶いてさらに混ぜる.熱々のスープもカレー味.食欲がそそられる.とっても美味.〈はるばるてい〉は,さっき駅前・経堂コルティの三省堂書店で買ったガイドブック:『世田谷ライフ・No. 37』(2011年6月10日刊行,エイムック2192,ISBN:978-4-7779-1936-9)の「経堂」特集にも載っていた

◆[蒐書日誌]新刊:富士川英郎(高橋英夫編)『読書清遊:富士川英郎随筆選』(2011年6月10日刊行,講談社[講談社文芸文庫],東京,286 pp., ISBN:978-4-06-290124-6 → 版元ページ).いくつかの著書からピックアップされたアンソロジー.以前,小澤書店から出ていた著者のエッセイ集はいちおう全部もっている.と思いつつ,この文庫本の巻末に出ている書誌をブラウズしたら,ほかにもまだまだたくさんあった.富士川英郎は限定50部とか100部の私家本をたくさん出しているので,蒐書がとってもたいへんそう.それにしても,富士川游(医史学)ー富士川英郎(ドイツ文学)ー富士川義之(英文学)という一家直系三代はそれぞれおもしろい仕事をしているなあ.

◆細かい霧雨が降り続く本郷にて —— 午後3時,東大農学部キャンパスの隠れ部屋にたどり着き,ごそごそする.傘をさしてもささなくても濡れまくるというとてもイヤな降り方.一時間半後に農学部の専攻ガイダンスに出席する.それまではごそごそまたごそごそと.ツイート拾いをする昼下り:「Togetter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」」.16:30から専攻の大学院入学ガイダンス(外部生向け).連携講座の説明をして午後5時半に退出.霧雨の降る谷根千エリアへと転戦し,谷中銀座入り口の〈マミーズ〉に立ち寄ったのち,つくばに帰還.都内は涼しいように見えて実は蒸し暑い一日だった.帰宅してから上層階を吹き抜ける東風に涼むひととき.

◆とある店での「教育的指導」 —— 夜はテクノパーク桜にある〈餃子屋〉に入った.「餃子麦とろ定食」の「餃子五個」を注文しようとしたら,赤ねじりはちまきの店主に「五個はやめなさい,四個にしなさい」と教育的指導≠ウれた.麦飯の量も同様に教育的指導≠ウれた.来る客はみんな指導≠ウれているのだろうか(どうもそのようだ).まっちゃん,敵なし.

◆明日は大垣への旅支度をするぞ.

◆本日の総歩数=14778歩[うち「しっかり歩数」6213歩/58分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.4kg(−0.3kg)/27.6%(−0.6%)


16 juni 2011(木)※サンバのリズムで┣┣" が踊る

◆午前4時半起床.雲が厚くて期待していた皆既月食はぜんぜん見えない.気温は16.7度.真夜中は15度を下回っていたようだ.このところ梅雨寒の明け方が続いている.

◆朝早くからもう┣┣" 撃ち —— 今月末の東大専攻教員とのつくば顔合せ会の懇親会は,TX研究学園前の〈福鮨・つくば店〉に勝手に決定して予約したワタクシ.関係者に周知完了.朝からパワー全開./ブリスベーン宛に日本語の拙著を三冊郵送だん.奥さんが日本人の研究者だとこういうときにとっても助かる./明日の農大高座では,先週まで三回にわたって講義してきた実験計画法に関連する線形統計モデルの総括,モデル選択論,そして一般化線形モデルの解説です.ついでに,第一回目のレポートを出題します.〈租界R〉からもダウンロードできるようにします.

◆[蒐書日誌]ゲーテのスイス紀行 —— ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ[木村直司編訳]『ゲーテ スイス紀行』(2011年6月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫],本体価格1,500円,426 pp.,ISBN:978-4-480-09386-8 → 目次版元ページ).既刊の『ゲーテ形態学論集』(植物篇動物篇)と『ゲーテ地質学論集』(鉱物篇気象篇)に続くゲーテの文庫化.有名なイタリア旅行のことは知っていても,スイス旅行についてはぜんぜん知らなかった.

午前11時,天候が回復してきた観音台は曇りときどき晴れてきた.南風とともにだんだん蒸し暑くなってきた.早朝は朝日が射すこともあったが,いまは曇り空.正午前,県南の龍ヶ崎や牛久あたりにアヤシい黒雲が湧き上がっているようだ.昼休みの徘徊ウォークはやめておいた方が無難かな.と言っているうちに,いきなり驟雨がざあざあ降り出した.雨は一時間ほどであがり,蒸し暑くなってきた.

◆[欹耳袋]第154回農林交流センターワークショップ〈次世代シーケンサーを利用したゲノム解析の実際〉8月18日〜19日.

◆雨上がりの午後の┣┣" 撃ち(ブラジルがらみ) —— サンパウロの Hennig XXX 事務局から「ホテルの予約が取れたよ」とのメールが届いた.São José do Rio Preto にある〈Plaza Inn Hotel Nacional〉というホテル.大会会場でもある./一方,事務からはブラジル出張のフライト案がいくつか送られてきた.ほとんどはアメリカ経由で気が滅入る(アメリカの航空会社だし,乗り換えだけなのにセキュリティとかうるさいし).しかし,一つだけエールフランスでパリ経由という魅力的な案があったので即決で返事を返した.たまには,ヨーロッパ経由で南米に入るのもよかろう./『地球の歩き方:ブラジル・ベネズエラ編』を開いている.サンパウロ大学での Hennig Society Meeting(→「Hennig XVII 参加記録」)に行ったのはもう13年も前のことだ.毎朝,大学の正面ゲートにライフル携帯の守衛がいた.キャンパス内にある Banco do Brasil の営業所にも銃を持つ警備員が両側に立っていた./南米フライトを一日ずらそうとすると,航空券代が十万円単位で変動するとのことだった.地球のウラ側へ行くのはなかなかたいへんだ.

◆午後4時前,ちょいと雑用┣┣" が向こうに行ったので,ニールセン3番がBGMにかかる.ニールセンはどうしてこんなに闘争的でグロテスクな三拍子の旋律とリズムが書けたのか.BGMが3番から「不滅」に移った.ややお疲れ気味なので,もう少ししたら撤収しようかな.さて「不滅」も終わったことだし,今日はもう撤収しよう.撤収〜.

◆[欹耳袋]「MUL-tree」推定の話 —— お茶の水女子大の研究者からメールをもらった.系統推定論のひとつのテーマである「MUL-tree(multiple-leaved tree)」の研究史について調べているとのこと.ある同一のシングルトン(個々のtaxonやarea)が系統樹の末端に複数回出現する系統樹のことを「MUL-tree」と呼ぶ.分断生物地理学(vicariance biogeography)では,広域分布種や重複分布種を含む地域分岐図の推定の際にその状況が生じることがある.

通常の系統推定では同一のシングルトンはただ一回しか系統樹上に出現しない(ふつうそうだろう).しかし,MUL-tree の場合はその条件が緩和されている.その一方で,同一シングルトンの複数回出現は,単一回出現の場合の「n-tree」(すべての分岐図は数学的にはこれで定義できる)の条件と抵触するため,別の定義を用意する必要があった.

もう二十年も前に出した論文:N. Minaka (1990), Cladograms and reticulated graphs: A proposal for graphic representation of cladistic structures. Bulletin of the Biogeographic Society of Japan, 45: 1-10 では,従来の「n-tree」の一般化として多重集合論(multiset theory)を適用するというアプローチを提唱した. 多重集合(multiset)はもともとシングルトンの複数回出現を前提としているので,この問題状況には適切な概念装置だろうという目論見があった.

その論文を出してすぐに,まだニュージーランドにいた Rod Page からファクス(電子メールではない!)が届いた.彼が当時進めている分岐成分分析のひとつである「reconciled tree method」)で,種分岐図から地域分岐図への写像(mapping)を考えるとき,多重集合を前提にすれば広域分布や重複分布のケースも扱えるからとのことだった.のちに,Roderic D. M. Page (1994), Maps between trees and cladistic analysis of historical associations among genes, organisms, and areas. Systematic Zoology, 43: 58-77 の中でワタクシの論文が引用された理由はそこにあった.

—— というような情報提供を質問者に返した.今の計算系統情報学で,多重集合に基づく系統推定論が注目されているのは興味深い.やっとそういう考えが実用化される段階になったということかもしれない.

◆夜,予報通り雨が降り出し,本降りに.気温は17度台を推移する.北風が吹いて窓を開けると肌寒い.

◆本日の総歩数=3887歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(−0.4kg)/28.2%(+0.5%)


15 juni 2011(水)※夜明け前の北東風が寒すぎる

◆いつもより早く午前4時過ぎに起床した.せっかくみごとに染まった朝焼けだったのに,東の空が曇っていてすぐ隠れてしまった.気温18.5度,北東風が強くて肌寒い.

◆[欹耳袋]日本進化学会京都大会での高校生ポスター発表募集中!:〈第6回 みんなのジュニア進化学〉期日は:2011年7月31日(日)※拡散希望.よろしくよろしく./「Togetter - 日本とアメリカの一般科学書の違い」 .外国の場合,専門書だと査読制度がきっちりあるけど,一般書だと編集者もアンタッチャブルな書きたい放題? ほんまか? 日本の場合,“理系”の若手研究者には一般書でも専門書でも「単行本」を書くインセンティヴがぜんぜんないからなあ.

◆朝の┣┣" 撃ち —— .. . ... . _φ(。。) . .. .. ...

◆昼休みも返上して原稿を書き続ける.外は穏やかな日和でほんとうは徘徊したいのだが.午後1時から理事長室にて小一時間のミーティング.東大専攻教員との打ち合わせの段取り(懇親会会場を決めること).そして,連携大学院の今後についてあれこれ.小さい┣┣" が増殖した.居室に戻ってからまた原稿┣┣" を追い回す./小坂井敏晶さんとの対面予定日時が確定した.

◆結城にあるパティスリー〈Artisan〉 のゼリーをいただいた.いろいろなゼリーが色鮮やかに組み合わさり,蒸し暑い季節に視覚的にアピールする涼やかさ.ふるふるしていてとてもうまかった.

◆[欹耳袋]ほとんど曲芸の世界 —— ずいぶん前にヴァイブの「6本マレット奏法」の YouTube「The Six Mallet Grip」を見て,かなり感動した.しかし,世の中,上には上があるものだ.今日の昼休みになんと「8本マレット奏法」と「10本マレット奏法」のYouTube 動画を発見してしまった!:「hassan el wakil -quarter tone-vibraphone-8 maleet」&「Frank Sinatra my way Vibraphone. Hassan el-wakil 10 mallets」.いずれも Hassan el-Wakil という同じアラブ系?の奏者による演奏だが,手首の負担が尋常ではないと推測する.進化学の世界には「定向進化」ということばがあるが…….映画〈シザーハンズ〉の主人公である哀れな人造人間を連想したのはワタクシだけではないはず.ヴァイブ演奏者がコントロールしきれるマレットはやっぱり「両手あわせて4本」が上限じゃないかなあ.

◆昼下りの┣┣" 撃ち成就 —— 午後3時過ぎ,オーバーヒートする前に何とか脱稿(400字×12枚+図6葉):三中信宏「祖先の蔭に護られて:系統樹二千年の歴史をさかのぼる」.〈系統樹ウェブ曼荼羅〉第7回連載原稿.今月末に公開予定.六ヶ国語にまたがってしまった.今回からしばらくは「家系図」をテーマに記事を書くことにする.

◆[欹耳袋]Studia Logica 誌の理論分類学関連論文を三つばかり:

  • Seweryna Luszczewska-Romahnowa (1961), Classification as a kind of distance function. Natural classifications. Studia Logica, 12: 41-66, DOI: 10.1007/BF02126816 abstract
  • Seweryna Luszczewska-Romahnowa and Tadeusz Batóg (1965), A generalized theory of classifications. I . Studia Logica, 16: 53-70, DOI: 10.1007/BF02176141 abstract
  • Seweryna Luszczewska-Romahnowa and Tadeusz Batóg (1965), A generalized theory of classifications. II . Studia Logica, 17: 7-24, DOI: 10.1007/BF02120507 abstract

◆午後4時,外は穏やかに晴れている.気温は21.3度,東風.西日の殺人光線もなく,蒸し暑くもなく,この季節にしてはいい日和だと思う.東大専攻教員との懇親会は研究学園前〈福鮨・つくば店〉に予約完了(午後6時から).さて,原稿┣┣" 一頭を撃ち果たしたので,今日のところは撤収しようかな.さる翻訳企画書をひねり出すぞ出すぞ.ということで,午後7時半,とある本の翻訳企画書の文案を目黒にメール送信完了.よろしゅうに.

◆明日明け方は皆既月食だとのこと.いつもの通りに起きれば時間帯としてはばっちりだが,問題は空模様だけ.

◆本日の総歩数=3230歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.1kg(+0.6kg)/27.7%(−0.3%)


14 juni 2011(火)※朝は土砂降り,午後は晴天に

◆いつもより遅く午前5時起床.曇り.気温は18.5度.北風が肌寒い.午前7時を過ぎていきなり土砂降りに.一時間ほど降り続いてやっと小止みになった.ちょうど通勤通学時間と重なっていたせいで,傘をもたずに家を出てしまった勤め人や学生があわてていた.空は明るくなってきたのでいったんは天気回復かな.午前8時の気温は18.6度,東風が吹いている.BGMはマーラー9番と10番を.その後,朝方の土砂降りを連れてきた雨雲は通り過ぎ,おとなしい曇り空になった.

◆雨降る朝の┣┣" 撃ち —— 来月末に予定されているブラジル出張(Hennig XXX)のための提出書類一式をやっと提出した./東大農学部の専攻教員と農環研との顔合せ日時がやっと6月29日(水)午後ということで確定した.事前打ち合わせは明日15日(水)午後1時から理事長室にて./農環研分会から毎年恒例の「夏祭り」の開催についての意見交換会を今週金曜に開催するとの連絡があった.農環研夏祭りは単なる所内行事ではなく事実上の「地域貢献」だから,大震災だからといって自粛厨になる必要はないと思う.しかし,年々,開催状況が厳しくなっているのもまた事実.いい決着にもっていければいいのだが.

—— 午前の┣┣" 撃ちはこのへんでおしまいにしようかな.外はまだ曇ってはいるものの,だんだん明るくなってきた.

◆昼休み.あ,晴れてきた.アフターランチの周辺徘徊はとてもいい天気で心地よかった.朝の土砂降りが想像できない青空が広がり,気温はもうすぐ夏日ラインに達する.買ったまま放置だった:宮脇俊三『「最長片道切符の旅」取材ノート』(2008年4月20日刊行,新潮社,318 pp.,本体価格1,500円,ISBN:978-4-10-333510-8 → 版元ページ)を歩き読み.著者が日本一周の鉄道旅行に出たのは1978年のこと.ワタクシが駒場から本郷に転居した年.当時の鉄道地図を見ると,廃線の大波が来る前で毛細血管のように全国津々浦々まで「国鉄」が走っていたことがわかる.

◆[蒐書日誌]ブライアン・スウィーテク[野中香方子訳]『移行化石の発見』(2011年4月10日刊行,文藝春秋,東京,428+ xvii pp.,本体価格2,095円,ISBN:978-4-16-373970-0 → 書評目次版元ページ).先日,時事通信社から配信された書評の元原稿を公開した.全体として最新の話題に目配りしたとてもおもしろい本なのだが,いささか「化石寄り」過ぎて内容的にバランスが悪い気がした.1960年代末から始まった分岐学(cladistics)は,それまでの古生物学において化石がもっていた“特権的地位”のほとんどを剥奪した.情報源が現生生物・古生物のいずれかを問わず,系統推定において経験的にテスト可能な命題は,分岐図として表現できる姉妹群関係であって,系統樹として表される祖先子孫関係ではない.系統推定における「祖先」の追放は分岐学革命の必然的帰結であり,もはやそれ以前に逆戻りすることはできない.

系統推定において,分岐図(cladogram)と系統樹(phylogenetic tree)の概念上のちがいはいま一度はっきりさせておく必要があるだろう.しかし,本書ではそこのところが曖昧にされたまま,個々の事例が積み重ねられているので,最後まで「化石」のもつ系統学的地位がはっきりしない(それが著者の狙い目かもしれないが).分岐学に照らしたときの古生物学的証拠がもつ情報量とそれがもつ系統関係の解明能については,分子系統学の「大波」が到来する前の何冊かの本で論じられている(Rieppel 1983, Tassy 1991, Gee 2000 ※いずれも古生物学の立場から分岐学がもたらしたインパクトを考察している).

系統推定における化石は現生生物と同じ terminal taxa のひとつにすぎない.したがって,系統樹の欠落部分をつなぐ「ミッシング・リンク」の発見はかつてほどの輝きをもはやもたない.せいぜい,化石という幸運なタクソン・サンプリングを通して,姉妹群関係のひとつを解明することができるという意義しか与えることはできないということだ.現代の系統推定論におけるこのような地殻変動をふまえたとき,化石発見の冒険譚は冷厳な現代体系学の枠組みの中に静かにくるみこまれていくのは必然の結末といえるだろう.

参考文献:

  • Olivier Rieppel (1983), Kladismus oder die Legende vom Stammbaum. Birkhäuser Verlag[Offene Wissenschaft], Basel, 190 pp.
  • Pascal Tassy (1991), L'arbre à remonter le temps: les rencontres de la systématique et évolution. Christian Bourgois Éditeur[Collection « Épistémè Essais »], Paris, 352 pp.
  • Henry Gee (2000), Deep Time: Cladistics, The Revolution in Evolution. Fourth Estate, London, x+262 pp.

◆蒸し暑い午後の┣┣" 撃ち —— 締切りが迫っている〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の第7回連載原稿と格闘している.ぶっぱなすタマ代わりの古書がどんどん積み上がっていく.ネタにしようと思った図版はラテン語,そのキャプションはドイツ語,しかも本文の解説はフランス語.まったくもう,八岐大蛇かいっ.これはこれでがんばるしかないが,もうひとつ追加の新規┣┣" もほぼ同時にケリを付けないといけない.こちらの方は社内で出版企画が通ることが先決で,そのためのタマも必要だ.

◆みごとな夕焼けのつくばセンター上空をムクドリの群れが突っ切って行く.いつものようにまたかしましい季節がやってくるのか.午後7時,南東の風,気温20.9度.

◆新規┣┣" が降り積もる —— 海外出張に関して事務から連絡があり,パスポート有効期限の確認・米国入国のためのESTA申請・ブラジル入国ビザ発行の三点セットをこれからしないといけなくなった.海外旅行モードにいきなり移行し始める./今週末に大垣IAMAS出張が入っている.新幹線チケットを用意しないと./東大専攻教員との顔合せのあと懇親会会場を決めないといけない.今のところ寿司屋でという流れだが(研究学園前の〈福鮨〉と〈一幸〉がノミネートされている).

◆夜の┣┣" 撃ち —— 帰宅しても八岐大蛇は絡みついてくるぞくるぞ…….原稿書かないと巻きつかれそう./小坂井敏晶さんからメールあり.7月22日(金)午後に都内にて面会する予定./1000PV越えた〜: 「Togetter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」」.

◆本日の総歩数=7556歩[うち「しっかり歩数」4210歩/38分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(−0.1kg)/28.0%(−0.2%)


13 juni 2011(月)※雨降る週明けは┣┣" 撃ち全開

◆午前4時半起床.本格的な雨がざあざあ降っている.気温17.9度.北寄りの風が吹き抜け,雨蛙の合唱が下界から響いてくる.梅雨らしい空模様.午前7時すぎには竹園はもう雨が上がっていたが,榎戸ラインを越えて南側の農林団地ではまだ霧雨が降っている.午前8時,気温18.3度.北寄りの微風.

◆[欹耳袋]日本進化学会京都大会の参加登録サイトがやっと開設か〜.プログラムにある「納涼ポスター発表」って??? 参加者全員「ゆかた」着用のこととか?(ウソ)

◆午前の┣┣" 撃ち —— 外は曇り空.領域長面談のためのキャリアデザインシートを領域長に提出した.キャリアデザインったって自明でしょ(なんてわがまま)./来年度購入予定ジャーナルのアンケートを返送完了.雑誌購入要望はきっちり出しておかないと統計関連ジャーナルが軒並みリストラされることになるので要注意./東大との顔合せの件,日程調整が難航している.仕切り直しかあ〜.打診メールをちくちくと書いてみる.

◆[欹耳袋]雑誌 Studia Logica の論文は大学院のころに読んでいた(アヤシすぎる農学系院生だったワタクシ):「Togetter - ポーランド学派における公理論的分類学?」 .読んだのは科学史に転ぶ前の Nicholas Jardine の論文(メレオロジーと数量表形学関係 etc.).Robert R. Sokal や Peter H. A. Sneath の“主流派”の numerical phenetics は,コンピューター集約型の多変量統計分類を目指した.一方,数理論理学を重視する Nick Jardine らは形態学的情報の公理論的扱い(相同形態の「部分-全体」の関係の公理化)を目指し,ポーランド学派のメレオロジーに接近していった.Joseph H. Wooder や John R. Gregg とは世代がずれていて,しかも数量表形学の中でも“傍流”だったため注目されることはないが,1960〜70年代当時の分類学者がどこまで射程に入れていたかを知る上では重要な点だと思われる.手元にある参考文献は下記の通り:

  • Nicholas Jardine (1967), The concept of homology in biology. The British Journal for the Philosophy of Science, 18(2): 125-139. doi:10.1093/bjps/18.2.125
  • Charles J. Jardine, Nicholas Jardine and Robin Sibson (1967), The structure and construction of taxonomic hierarchies. Mathematical Biosciences, 1: 173-179 → abstract. doi:10.1016/0025-5564(67)90032-6
  • Nicholas Jardine and Charles J. Jardine (1967), Numerical homology. Nature, 216: 301-302 → abstract. doi:10.1038/216301a0
  • Nicholas Jardine and Robin Sibson (1968a), A model for taxonomy. Mathematical Biosciences, 2: 465-482 → abstract. doi:10.1016/0025-5564(68)90030-8
  • Nicholas Jardine and Robin Sibson (1968b), Construction of hierarchical and nonhierarchical classifications. The Computer Journal, 11: 177-184.
  • Nicholas Jardine (1969a), A logical basis for biological classification. Systematic Zoology, 18(1): 37-52 → abstract. doi:10.1093/sysbio/18.1.37
  • Nicholas Jardine (1969b), The observational and theoretical components of homology: a study based on the morphology of the dermal skull-roofs of rhipidistian fishes. Biological Journal of the Linnean Society, 1(4): 327-361 → abstract. doi:10.1111/j.1095-8312.1969.tb00125.x
  • Charles J. Jardine and Nicholas Jardine (1971), The matching of parts of things. Studia Logica, 27(1): 121-131 → abstract. doi:10.1007/BF02282565
  • Nicholas Jardine and Robin Sibson (1971), Mathematical Taxonomy. John Wiley and Sons, London, xviii+286pp.

残念なことに,1967〜1971年のたった5年間の研究ののち,Nick Jardine は数量表形学から科学史科学哲学に転向したため,この学統は途絶えてしまった.

◆正午過ぎ,雨も上がったようだし,緊急┣┣" 数頭は撃ち果たしたので,ちょいと周辺徘徊してくるか.と思ったら,いきなり弥生から電話があって,顔合せの日程に関する打ち合わせなど.でもって,関係者にちくちくメールを書いていたらあっという間に徘徊時間がなくなってしもた.

◆[欹耳袋]ある「統計学的略称問題」の勃発 —— これまで「一般線形モデル=GLIM」と「一般化線形モデル=GLM」と確信してきた.しかし,それとは真逆の略称すなわち「一般線形モデル=GLM」/「一般化線形モデル=GLIM」も広く流通していることを知って,かなり動揺している.微妙な問題が背後に潜んでいるのは,Rだと「lm()」は一般線形モデルで,「glm()」は一般化線形モデルだ.ところが,SASでは「proc glm」はただの一般線形モデルで,「proc glim」が一般化線形モデルとなっている.だから,統計ソフトウェアによって「GLM/GLIM」の略称割り当てが逆になっている可能性がある.

もちろん,正規分布を前提とする一般線形モデルと誤差の正規性を前提としない一般化線形モデルとのちがいは歴然としていて,単なる略称だけの問題なのだが,混乱しないように要注意だ.ワタクシはすでにSASを卒業してRに踏み込んでいるので,無意識のうちに一般線形モデル=「LM」,一般化線形モデル=「GLM」とRワールドな略称を使うことに慣れてしまった.しかし,世の中のあまたのSASユーザーにとっては紛らわしいにちがいない.

ワタクシが「一般線形モデル=GLIM」と呼ぶのは,Alan Grafen の一般線形モデル本:Alan Grafen,Rosie Hails著[野間口謙太郎・野間口眞太郎訳]『一般線形モデルによる生物科学のための現代統計学−あなたの実験をどのように解析するか−』(2007年1月刊行,共立出版,ISBN:9784320056398 → 版元ページ) で「GLIM」という略称が用いられ,さらに〈GLIM〉という一般線形モデル・ソフトウェアが使われていたからで.深い意味はない.

—— 略称はえてして「排他的ジャーゴン化」するので気をつけよう.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 曇り空の昼下がりは小┣┣" どもを攻め落とす.昨年原稿を出した進化本(共著)の編集部からゲラがやっと出せますとの連絡./先日とある系統樹がらみでやりとりした先からも来月出版されますとのメール./所内公式ウェブサイトでの研究者紹介ページの更新内容をチェック完了.

◆[欹耳袋]一般化線形混合効果モデル(GLMM)をめぐる SAS と R のストリートファイト! —— Hui Zhang et al. (2011), On fitting generalized linear mixed-effects models for binary responses using different statistical packages. Statistics in Medicine, DOI: 10.1002/sim.4265, Article first published online: 10 JUN 2011 → abstract.論文全体をざっと読むかぎり,シミュレーションされた範囲では,Rの lme4, glmmML, ZERIG に対して,SASの proc GLIMMIX に軍配が上がっているようですが,微妙な判定勝ちの気配が濃厚.

◆夕方の┣┣" 撃ち —— お,やっと晴れてきたか.いまは南風が吹いている.本日の最高気温は24.3度だった.ブラジル行きの出張伺を書いているところ.地球のウラ側は遠いなあ.中南米のフライトでは必ずはだしにサンダルという格好で乗ります.計30時間も機中に閉じ込められると足がむくんで靴がはけなくなるので.ということは,自動的に服装全体がクールビズ的になるということ.

◆[欹耳袋][欹耳袋]関連ツイートをもうちょい追加しましたぁ〜: 「Togetter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」」 /お,500PVをあっさり突破してる!

◆午後5時前に撤収即帰還.筋雲が夕日に赤く染まって穏やかな日の入りだった.夜は原稿を書かないとたいへんだ.

◆本日の総歩数=3956歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.6kg(−0.2kg)/28.2%(+0.2%)


12 juni 2011(日)※蒸し暑い日曜にジャムの買出し

◆午前5時起床.曇り.気温18.4度.北寄りの風が通り抜けるが,空気は湿っている.蒸し暑くなるのだろうか.午前6時過ぎ,筑波大方面に向かって朝の歩き読み.下界は蒸し暑さが増していた.午前10時すぎ,つくば中央公園の〈つくいち〉に出向いてジャムを買ってきた.曇りときどき晴れ.朝のうちにすでに夏日ラインを突破していて,風もなく蒸し暑いことこの上なし.

◆[欹耳袋]スピノザ『エチカ』手稿がバチカン図書館で発見されたとの報道:nrc.nl「Onbekend handschrift van Spinoza’s Ethica gevonden」(26 mei 2011).

◆[進化思考]本日の余響:M氏の幸福研究室「進化思考の世界 (NHKブックス No.1164)」 (2011年6月11日)

◆[蒐書日誌]たまにはドキドキな冒険譚もいい —— 角幡唯介『空白の五マイル:チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(2010年11月22日刊行,集英社,東京,307pp., ISBN:978-4-08-781470-5 → 書評目次版元ページ|著者サイト〈ホトケの顔も三度まで〉).本書に描かれているチベットの秘境「ツアンポー峡谷」の名前は,この地を探検した英国人プラントハンターによる記録:F・キングドン - ウォード[金子民雄訳]『ツアンポー峡谷の謎』(2000年5月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・青478-2],東京,ISBN:4-00-334782-X → 版元ページ)で知っていた.著者はこのキングドン - ウォードが踏査しきれなかった「空白の五マイル」を単独行で踏破した.その記録が本書である.

ヒマラヤに発するこの渓谷の急流は,海外の多くの探検家たちの挑戦を退け続け,日本の探検隊からも犠牲者が出たと本書には記されている.挿入されている絶景のカラー図版を見るだけの一読者にとっては,血沸き肉踊る冒険譚としてシンプルに楽しめる.しかし,この日本から遠路はるばるやってきて,このツアンポー峡谷に中国国内的には「不法侵入」し,命からがら生還するストーリーの読後感は,一言で言えば「たいへんお疲れさまでした」に尽きる.

個人的には,大峡谷を登攀してはロープで降り,ときには滑落してしまうという著者のまるでインディ・ジョーンズばりの活劇物語の章よりは,むしろ周辺のチベット人たちとの交流や中国の警察や役人たちとの丁々発止の場面の方が印象に残った.いずれにしても,21世紀の現代にこのような「冒険」があり得たという一点だけでも十分な驚きだ.自分で本書を手にとってどきどきわくわくする感覚を味わってほしい.

—— なお,プラントハンターであるキングドン - ウォードのもう一冊の著書も岩波文庫に入っている:F・キングドン - ウォード[塚谷裕一訳]『植物巡礼:プラント・ハンターの回想』(1999年9月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・青478-1],東京,ISBN:4-00-334781-1 → 版元ページ).三ヶ月前の大震災で本棚から崩落したまま,いまだに行方不明だが,上の『ツアンポー峡谷の謎』とともに,もういちど開いてみたい.

◆昼過ぎから南風に変わり,蒸し暑さはさらに亢進してきた.下界にはもう降りたくないのだが,断髪する予約を夕方に入れてしまったので,気温が26度を越えた頃にちょいと出かける.蒸し暑さの続く夕方近く,断髪ののち,農環研にしばし潜伏.西日が射し込む居室の気温は27度台.これは早々に撤収するしかない.

◆晴れたり曇ったりで終日蒸し暑かったので,帰りがけに竹園・たがみ酒店で,秋田の「山本・純米吟醸・ドキドキ夏生」を買ってきた.リンゴ酸が効いた夏向きの日本酒.しかもアルコールが14度なのでまるでフルーティな白ワインみたい.横のおつまみは,並木・マルゲンミートのペパーポーク.

◆[欹耳袋]統計曼荼羅,広がる広がる —— Issei’s Analysis〜おとうさんの解析日記〜から二つの記事:「統計マップ」(2011年6月7日).おお,統計“動画”曼荼羅が! さらに,もうひとつ:「ぼくのかんがえたとうけいがくぶかりきゅらむ」(2011年6月8日).下の方に統計“静止画”曼荼羅が載っている.統計学を教える側がそれぞれ自分なりの「曼荼羅」を描いてくれると,それがそのまま学習者にとっての導きとなるにちがいない.曼荼羅は「アリアドネの糸」だ..

◆夜9時になって雨が降り始めた.明日にかけて本降りになるらしい.今日は「ドキドキ」が多かったな.

◆本日の総歩数=11341歩[うち「しっかり歩数」7277歩/64分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.8kg(+0.1kg)/28.0%(−0.5%)


11 juni 2011(土)※忘れた頃に戻ってきた梅雨前線

◆昨夜は睡魔に引きずり込まれて早く寝てしまった.午前2時にいったん目が醒めたときはまだだったが,午前3時くらいから降りだした雨は久しぶりの本降りとなった.今月に入ってからずっと空梅雨だったが,今朝は性根を据えて降っている.午前4時半起床.気温20.5度.南風.雨降る下界では雨蛙が元気よく鳴き続けている.

◆お疲れ週末の┣┣" 撃ち —— やっかいな┣┣" が増えているけど,週末だからすぐにどうこうできるわけではない.とりあえず,こめんじゃこの┣┣" ちゃんを数頭かたづけることにする.IAMAS依頼出張の振替休日の件は連絡完了.駒場寮日曜会の同窓会欠席通知も再送した.所内購入額国雑誌の調査依頼.これは期限までにきちんと回答しないと統計関連のジャーナルが落とされることになる(過去にそういうことがあった).

◆お昼前には空が明るくなり雨は小降りに.午後はときどき陽光が射しこむほど天気は回復してきた.

◆[欹耳袋]研究者サバイバル@独法研究所 —— もう20年あまり前のこと,ワタクシをあえて選考採用してくれた元室長は,「たとえ純粋な基礎的研究をしていても,どこかで農業と関連があるかもしれないという意識を持ち続けていさえすれば,農水省国研で元気にサバイバルし続けられる」と言っていた.まさに金言.だから,純粋な離散数学(応用グラフ理論)をアウトプットとして出しても,あるいは系統推定論で科学哲学者カール・ポパーの仮説検証フレームワークの論文を書いても,まったく臆することなく農水省の研究員としての顔をし続けていた.こういう生き方を貫くときの問題点は次の二つ.

ひとつは,研究機関の「フトコロ」の深さ,つまり「のりしろ」の幅がどれくらいあるかという点.短期的なプロジェクト研究で追われている(実学重視の)研究所だと,ピュアな基礎研究に対する風当たりは当然きびしくなる.もうひとつは研究者側の問題.研究所の意図とは関係ない「第二次形成体(オルガナイザー)」になる覚悟ができているかどうかという点.研究テーマに関して上司や同僚から何か言われたときにへなへなと凹んでしまうのではなく,逆に相手を巻き込んで研究上の「結界」をつくれること.既存の研究機関なんて,研究者にとってはしょせん「仮の住まい」に過ぎないわけで,上司や同僚もその点でいえばかりそめの縁でつながっているにすぎない.オルガナイザーであり続ける覚悟があるかぎり,大学にいようが独法研究所にいようが何の制約もない.Be free.

かつての農水省国研では長期にわたる基盤的研究をする余裕があった.しかし,そういう研究スタイルはいまではごくマイナーになってしまった.農環研理事長は「10のうち7は与えられたテーマでの研究を,残る3は将来につながる創造的な研究を」と言う.しかし,その残る「3」がどんどんやせ細っているのが実情ではないか.研究者が自覚するしかないのかもしれない.

先日,所内であった理事長懇談会で,農環研の中には「典型的(=メジャー)」な研究分野と「非典型的(=マイナー)」な研究分野が混在していて,それぞれの分野に属する研究者のキャリアパスには有意なちがいがあるだろうという意見を出した.農環研の場合,典型的(=メジャー)な研究分野とは,明らかに「土・水・大気」である.所内の研究者のマンパワー分布を五階から鳥瞰すると,典型的分野に属する研究者は所内での基盤が確立されているという点で,研究遂行システム上で最初から優遇されているといえる.

典型的分野に属するメリットの最たるものは,近縁な研究テーマをもつ研究者が時空的に身近にいることによる,研究上の情報交換・知的刺激・キャリアアップの機会が自然と多くなることである.所内的な勉強会・研究会・セミナーなどの開催回数を見ればよくわかる.一方,非典型的(マイナー)分野に属する研究分野は農環研の場合,「土・水・大気」以外のすべてである.非典型的であることのメリットは精神的な「自由度」以外はほとんど何もない.典型的分野に属する前述のメリットの裏返しがいずれも非典型的分野にとってのデメリットである.

平常時は典型的/非典型的の区別は何も見えないし,対外的にもけっしてわからない.しかし,組織改革があるたびにこの区別はあからさまになり,所内的パワーポリティクスのありさまは隠しようもなくなる.典型的分野はまず最初に組織的に保全され,非典型的分野はそうではない.たとえば,国研から独法に変わったときにどのような政治力学のもとに研究組織の再編があったかは,部門や研究室の「系譜」を見れば一目瞭然だ.典型的分野はどのように組織が変わろうが事実上そのまま保持されている.一方,非典型的分野は,その時々の情勢(主として政治的な)によって,部門ごと別の研究所に移管されたり,ばらばらに解体されたり,場合によっては研究室ごとなくなったりする.民間のように生首を切られることはないが,当事者である研究者は所内外をさまようことになる.

要するに,典型的研究分野は所にとっての必須の本質≠構成する研究分野であるために,それをなくすことはありえない.一方,非典型的研究分野は周辺的なのりしろ≠るいは偶有的な付随物≠ネので,必要に応じてどうにでもなる.平常時には見えなくても,非常時には見える.「情報」という農水的に非典型的な研究分野に属するワタクシにとっては,以上のことは入省してほどなく痛感することになった.独法になったときに全国各地で組織維持のために情報関係の研究室が軒並みなくなり,「情報処理研」が「糞尿処理研」に看板を付け替えた話は有名だ.

典型的分野の研究者はその確固たる地盤を有効利用して研究をしていけばいい.しかし,非典型的分野の研究者は数々のデメリットの中でまずは利己的にサバイバルすることを考えなければならない.その上で余力があればいかにして後進を育てるかが務めとなるだろう.ただし,非典型的分野は組織論的に「明日をも知れぬ」宿命がある.だから,自分がいかに独りで生きていけるのかをいつもどこかで考え続けている.研究所はもともと頼りにならない,同じ部署でも研究者ライフにとっては他人も同様.所属する職場に対するフィデリティはミニマム.

大学でもきっと周縁的な研究分野はあるにちがいないが,きっとそれなりに「保全」されていると思う.しかし,省庁の独法研究所ではそういう保全措置はほとんどなされないので,なくなるときはあとかたもなくなくなる.そういうリスクを背負いながら研究者がどう生きるかということ.そんな研究環境でサバイバルするためには,「いるけれどもいない/いないけれどもいる」という絶妙な不在的存在であり続ける必要がある.研究所や研究部という枠組みは周辺的な研究者にとっては何の意味も持たないということだ.最低限の義務だけ果たしてあとはいなくなるよ.

—— 上の見解に対する反応は:「Togetter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」」を参照されたい.

◆夕方の反原発デモ風景 —— 午後6時すぎにつくばセンターあたりを行進している原発反対デモは,ブラジル風のとてもノリのいいサンバのリズムとBGMとともに通りすぎて行った.シュプレヒコールとまったく合っていないところが微笑ましかった.東日本大震災三ヶ月目に合わせて全国展開された原発反対運動らしい.

◆さて,明日は天気がよくなるのかな.今日は一歩も外に出なかったので,明日はふらりと徘徊しよう.

◆本日の総歩数=0歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(+0.4kg)/28.5%(−0.4%)


10 juni 2011(金)※新宿を発って世田谷から松戸へ

◆昨夜のご乱行が祟って,いったん午前4時半に目覚めたものの,必然的に二度寝して午前7時にやっと本格的に起床した.でも,まだ本調子ではない.昨夜のスーツ類はすでに宅急便でつくばに送り返した.今日はいつもの“平服”だ.

◆[蒐書日誌]ヒト・ゲノムの塩基配列が〈Project Gutenberg〉で丸ごと公開されているとの情報を得た.確かに,「human genome project」で検索すると,性染色体まで含めてヒトのすべての染色体の塩基配列情報が一本ずつ公開されている.たとえばX染色体は150MB超のサイズのテキストファイルになっている.ゲノム情報は文字通りの「本」になったということだ.

◆新宿から経堂へタクシー出撃 —— ホテルで朝食の後,午前9時前,荷物をまとめてチェックアウトに向かおうかというところ.これから世田谷のお座敷まではタクシーでちょちょいとひとっ走りだ.ホテル前からタクシーをひろって南下する.このコースで路上を走ったことはなく,街並みがとても新鮮に見える.意外なほど地形の大きな起伏があるもんだ.世田谷通りに入り,三軒茶屋から駒沢方面へ,東京農大キャンパスに着いたのは午前10時前だった.外は曇っていて蒸し暑い.タクシーで来て正解だった.キャンパスの紫陽花はもう見頃になっている.

◆本日の農大高座 —— 多要因実験計画での要因間の「交互作用」について解説し,シンプルな2要因乱塊法を実例に沿って解説した.具体的な統計モデルの構築と計算はRコマンダーを用いてデモした,後半は,分散分析に続く多重比較の解説に移った.Tukey HSD検定を素材にして,処理平均間の差に関する有意性検定と,多重比較にともなう補正の問題が浮上する.分散分析ではF検定を用いるのに対し,多重比較ではt検定が使われるというような解説をした.

—— 今日は講義室内も湿度が高かったが,空調はまだ運転していない.これからはしだいに講義室環境が厳しくなっていくにちがいない.ネクタイを締めて講義しているセンセイたちはさぞや難行苦行だろうと推察する(ワタクシには関係ないけど).

◆[欹耳袋]統計がらみのメモクリップ —— 先日はRの作図ブログラミングでもがいたが,これを事前に見ておくべきだった:竹中明夫「R でプログラミング:データの一括処理とグラフ描き」.Rの作図はついラクをしてRコマンダーに丸投げすることが多いが,スクリプトを書いてみるトレーニングは必要だと思うし,勉強になる./〈PHAST and RPHAST〉:Phylogenetic Analysis with Space/Time models.Rパッケージも公開された.

◆桜丘から昼下りの常盤平へ —— 正午過ぎに農大の高座を終えた後,再びタクシーに乗って表参道へ.晴れたり曇ったりでかなり蒸し暑い.賑やかな表参道の雑踏をかき分けて,千代田線に駆けこむ.常磐線の北松戸駅に着いたのは午後1時半をまわっていた.タクシーで山越えして常盤平に向かった.久しぶりの割烹〈和楽〉.メンバーはすでに集まっていて,さっそく会食の始まり.いつものように和風のフルコース.紫陽花の花があしらわれた前菜小鉢の数々.これはもう写真に撮るしかない. この日のおつくりはヒラメのえんがわと大トロだった.午後の遅い時間帯だったがいろいろと話しができた.ここに来て初めて得られた情報もたいへん多かった.

◆やっとつくばへ帰還 —— 午後5時前に武蔵野線の新八柱駅から帰路に着く.今日は朝から都内をタクシーで転戦し,午後6時過ぎにつくばにやっと帰りついた.昨日からばたばたと走りまわって,噺す・飲む・話す・呑むを繰り返したようなもの.本務地にはまったくいついていないが,怠惰に生きていたわけではない.それもまたひとつの研究者人生だ.今日の都内は晴れたり曇ったりでしかも蒸し暑く,不快指数が高かった.つくばも湿った南風が吹いてべたべたする.不快〜.しかし,それ以上にとても疲れた.

◆[蒐書日誌]近刊案内 —— Kai Wang Ng, Guo-Liang Tian, and Man-Lai Tang 『Dirichlet and Related Distributions: Theory, Methods and Applications』(2011年6月刊行,John Wiley & Sons, Chichester, ISBN:978-0-470-68819-9 → 版元ページ) ※組成データや頻度データなど「総和=定数」という制約条件がある場合の統計解析ではディリクレ分布が基礎となる.

◆夕食後,まだ午後9時前というのにさっきから睡魔が来たりて笛を吹いている.今夜はもう使いものにならないかも.

◆本日の総歩数=4961歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


9 juni 2011(木)※日常労働ののち非日常の新宿へ

◆今朝も午前4時半起床.明け方は晴れところどころ曇り.14度台のひんやりした気温だった.日に日に夜明けが早くなっていくのは,夏至まで二週間を切ったせいか.しだいに青空が広がってきて午前8時には18度超に.予報では今日は夏日になるらしい.日中は農環研的クールビズで過ごせる.

◆晴れて爽快な朝の┣┣" 撃ち —— 契約職員の予算コード申請書などを提出完了./京田辺へのテポドン発射完了.勁草書房の文化系統学本もさくさく進めないといけないし./昨日の日録書きをすませてアップ完了./遅れまくりの復命書をやっと提出した.外はとてもいい天気で,気温は23度近くまで上がってきた.

◆[蒐書日誌]上智大学で発行されている雑誌『Monumenta Nipponica』のスタイルシート(→ pdf: 342KB)は,日本語の名称や年号,和文参考文献などを英語表現する際の注意事項がまとめられている.こういう日本文化に関わる英語表現は身につける機会がなかなかないので重宝するかも.アルファベットで表記する場合の単語と文章の表記は長年の「ローマ字問題」と直結していると思う./平凡社の「中国語音節表記ガイドライン(β版)」.中国語のカタカナ表記に関するガイドライン.たしかに,「ヂャン」と「ジャン」の表記の揺れは何とかした方がいいだろう.

◆ちょい早弁してしまったので,ランチタイムは今夜の高座スライドの最終チェックなど.夏日ラインを越えた昼下りの観音台は太陽が真上から照りつけている.しかし,湿度が低いようなのが救いでなんとか生き延びられる.今夜のお座敷の余興は準備完了ということでおしまい.ちょい厄介なメールを二つほどものしているところ.一つ目の,東大の専攻教員と農環研理事長&連携教員との顔合せ日程調整に関するメール送信完了.つくばでやるとなると,懇親会はどうしようかな.ワルいところにはお連れできないし.もうひとつの重要メールを送信だん.しだいに曇ってきたようだ.そろそろ疲れがみえてきたので珈琲充するかな.

◆[欹耳袋]部屋は暗くていけないか? —— 所内の節電対策のひとつとして,居室の蛍光灯を“間引き”するようにという通達が事務から届いた.二連式の蛍光灯の片方を「ダミー蛍光灯」に交換せよということらしい.しかし,そんなめんどうな“減灯”作業をするくらいだったら,居室は全面的に“消灯”してしまえばいい思う.必要ならば,机の周りだけスポットライト照明あるいは和蝋燭か燭台を置けばすむ話だ.居室はできるだけ暗い方がいい.パチンコ屋や大型電気店みたいにこうこうと照らされていたら,考えをあえて深める気にならないから.→ Cf. 乾正雄『夜は暗くてはいけないか:暗さの文化論』(1998年5月25日刊行,朝日新聞社[朝日選書600],東京,vi+235pp., 本体価格1,300円,ISBN:4-02-259700-3 → 目次書評).

◆[欹耳袋]まさかのあの本の翻訳権が取れそうとの連絡あり.巨大┣┣" ,急速接近ちう.

◆夕暮れのサザンテラスへ —— 午後4時すぎにいったん帰宅.ネクタイを締めてからTXへ.17:07発の快速で夕闇迫る新宿に向かう.午後6時半,新宿に降り立ち,お座敷が用意されているホテル〈サンルートプラザ新宿〉へ.玄関で担当者が待ち構えていた.まずはチェックインして部屋に荷物を置いてから,事前打ち合わせのため二階の会議室〈フリージア〉へ.今日の特別講演をセッティングしていただいたのは,慶應義塾大学医学部精神・神経科学研究室の同窓会である〈ラマル会〉の第36回総会.役員のみなさんにあいさつをしたあと,さっそく一階の講演会場〈芙蓉の間〉にて MacBook Air のプロジェクター接続を確認したのち,開始を待つ.

午後7時半前にスタート.五十名ほどの参加者が見込まれているらしい.医薬系の集会はもともとドレスコードが厳格なので,ネクタイを締めてきたのは正解だった.抗精神疾患薬に関するトークなどあって,すごい畑違いなお座敷に呼ばれてしまったことを実感する.過去の招待講演者リストを見たら,「わー」というほどそうそうたる面々が並んでいた.ワタクシの噺は:三中信宏「多様性を体系化する知性:分類する者と分類される物のはざまで」ということで午後8時から一時間ほどの高座を務めさせていただきました.何度も話してきた内容なのでそろそろ十八番になってきた感がある.

—— 会場の外では,ワタクシの本を並べたブースが一角に開設された.講談社・勁草書房・NHK出版の三つに声をかけたら幸い出店してくれるということで,わざわざどうもありがとうございます.

◆講演の終了後の午後9時すぎから,隣室にて懇親会が始まった.精神疾患の治療では病状をどのように分類するかが治療との関連で重要だという話を何人かからうかがった.午後10時半にお開き.午後11時になって,新宿を北上し高田馬場へ.人影もまばらな深夜の道をたどって〈真菜板〉に向かう.まずは,静岡〈開運〉のにごり酒.〈開運〉はよく飲んでも,にごり酒はこの店でしか飲んだことがない銘柄.続いて,岩手〈酉与右衛門〉の「純米三年古酒」.肴はゴルゴンゾーラのハーブオムレツ.日本酒にチーズ料理をとり合わせてくれる店はほかにはほとんど聞いたことがない.ふわーっとイッキにシアワセになって午前様のご帰還とあいなった.

◆明日は(というか今日は),朝から農大での高座があり,その後,松戸にて会食がセッティングされている.ネクタイとはもうおさらばしたいものだ.

◆本日の総歩数=4961歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.3kg(+0.2kg)/28.9%(+0.1%)


8 juni 2011(水)※所内ミーティングの一日は過ぎ

◆午前4時半起床.曇り.気温17.7度.北寄りの風が吹き抜けて涼しい早朝.都内は雨が降っているらしいが,こちらは曇り空が続く.午前5時の気温は17.0度とさらに下がってきた.今日は午前も午後も所内会議の日.気温18.5度.曇り空.今日も湿度が高いかも.BGMは久しぶりにプッチーニ〈ラ・ボエーム〉を.しかし第三幕までにしておこう.

◆霧雨が降る朝の┣┣" 撃ち —— 農環研理事長をまじえた東大の専攻教員と連携教員の顔合せ.今月中にということで日程調整中.場所はつくばになりそう./東大駒場寮にあったサークル〈日曜会〉からOB会の連絡あり.ワタクシがいた頃は末期でもう名目だけだった.残念ながらサンパウロに飛んでいる日なので欠席./契約職員の書類の件.ん,忘れていたということ?/松本市から大量に某MLに入会申請メールが届いた.某センセによる若人の洗脳か(笑)./お,「なかのひと」の選挙がはじまったか.さて,結果はどーなることやら./さて,東大のハンドアウトにとりかかる.外は小雨がしとしとしていたが,午前9時過ぎには本降りの雨になってきた.10時半,東大「保全生態学特論」の配布ハンドアウト原稿を弥生キャンパスに向けて発射した.よろしくよろしく./10時半からの領域会議に遅刻しまくり〜.しかし,とくに大きな議題はなく,11時半にさくっと領域会議は終わった.

◆[欹耳袋]来月末に京都で開催される SMBE / 日本進化学会大会は同一参加手続でOKとのこと → 大会サイト.「Nearly Early Registration 期間」が今月末まであるそうな!/学術誌『コンクリート工学(Concrete Journal)』 に掲載されているフシギな論文:堂園昭人 1997「おいしいカレーの作り方」Concrete Journal, 35(4): 50.ちゃんと CiNii に載ってるし!/asahi.com「日本モンキーセンター所長、西田利貞さん死去」(2011年6月8日6時59分)./The Atlantic「Chile's Puyehue Volcano Erupts」(2011年6月6日)※火山爆発の写真がすごすぎてどうしようもない./Nature News: Marian Turner「Hungarian natural history under threat」(2011年6月7日)doi:10.1038/474139a.※天災ではなく博物館がなくなってしまう社会体制.

本日の〈おはん〉ランチは「まぐろ御膳」.いつものレギュラーなまぐろ煮定食にまぐろのおつくりが付いているデラックス版.食べても食べてもまぐろ.わんこまぐろか.きょうの〈おはん〉のランチタイムはとても混んでいて,知り合いによく遭遇する悪の集会所みたいだった. 帰りがけに隣りの農研センター圃場を通り抜けた.試験用の麦畑はいまが麦秋のまっただ中で一面の小麦色だ.畑の中に人みたいなのが突っ立っているなと近づいてみたら険しい表情の「団結ガンバロー案山子」だった.さすが全農林筑波地本のお膝元.畑の中にこんなコワい顔をした案山子が林立していたら,性悪の野鳥もさすがにこわがって近寄れないちがいない.

◆一転して青空が広がる午後の┣┣" 撃ち —— 午後1時半からの理事長懇談会はまる二時間も続いた.曇っていた空も長いミーティングの間にいつのまにか爽快な青空に大変身していた.午3時の気温は20.8度.北寄りの風が吹いている./東大から連絡があり,MAFFIN に入れなくて,ハンドアウト原稿がダウンロードできないというので,あわてて Dropbox に置いて問題解決.

◆[欹耳袋]スパム出版社あれこれ —— つい最近リプリントされたばかりの:Karl Pearson (ed.)『The Life, Letters and Labours of Francis Galton』(2011年6月刊行[3 Volume Set in 4 Pieces],Cambridge University Press[Series: Cambridge Library Collection - Life Sciences], Cambridge, ISBN:9781108072441 [pbk: set] → 版元ページ)が,実は昨年のうちに,例の Nabu Press からも復刻されたようだ.版権の切れたこういう出版物をどんどん復刻してネットで売る出版社のことを「スパム出版社」と呼ぶらしい:

上述の Nabu Press と並んで,VDM Publishing,Books LLC,Kessinger Publishing の名前もスパム出版社として名前が挙がっている.どこぞの版から適当にスキャンしてそのまま印刷製本,そしてネットで売りまくるという図式.復刻されたからといって単純に喜んでいるととんでもないものをつかまされる危険性があるということ.注意注意また注意.

—— 実を言えば,VDM Publishing と Books LLC の本は過去に買ってしまったことがある.これからは十分に気をつけよう.

◆午後4時半,そろそろ西日の殺人光線が堪え難くなってきた居室.速攻でずらかるしかない.今日も鮮やかに染まったみごとな夕焼けだった.気温は19.7度.北東の風が心地よし.明日の夕方からは新宿でのお座敷があり,そのまま泊まって翌日は農大高座が続く.都内にプチ旅行するしたくは今夜のうちにすませたい.

◆本日の総歩数=2964歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.1kg(+0.3kg)/28.8%(0.0%)


7 juni 2011(火)※梅雨はいったいどこに行ったの

◆午前4時半起床.気温17.9度.薄曇り.朝日は一瞬見えてすぐまた雲の中に.高層階を吹き抜ける東風が涼しい.下界から蛙の合唱が聞こえる季節になった.水田が近くにあるわけではないが,いたるところでカエルが鳴いている.さすがつくば.その後も太陽はちらちら顔をのぞかせては引っ込む.

◆午前の┣┣" 撃ち —— ぱぱっと終わらせるつもりが『The R Book』だの『Rグラフィクス』だのをひっくり返すハメになり,午前はRプログラミングですべて終わってしまった.解析用のスクリプトではなく,講義用のスクリプトというちょっと特殊な目的のプログラミングなので「可読性」が最優先される.何も知らない学生が見ても何となく「なるほど」と直感できるようなシンプルさがたいせつ.来週出題する東京農大の第1回レポート課題はこれにて完成だ.グラフィクスの勉強になったけど(parとかpchとか),そういうことを考えなくてすむRコマンダーってやっぱり偉大だなと実感した.

◆[欹耳袋]そういえば,本郷での生物統計学の前任者は,最初の講義日に「君たちみんな人類だっけ?」と訊いて,「ぼくは動物です」とか「私は植物です」という答えが返ってくると,ひとこと「早く人間になりなさい」と言ったとか言わなかったとか.

◆曇り空の昼休み.正午の気温は23.1度と夏日にも達していなかったが,昨日に比べると今日は湿度が格段に高いようで,徘徊したらとても蒸し暑かった.歩き読み:今柊二『旨い定食 途中下車』(2011年5月20日刊行,光文社[光文社新書520],東京,238 pp., ISBN:978-4-334-03623-2 → 目次版元ページ).後半章では,都内からいったん離れて,大阪から阪南へ,一転して北海道の札幌と函館と目まぐるしい.街のたどってきた歴史が定食屋に反映されているという著者の視点には確かに同意できる.とりわけ函館がとてもとてもおいしそうに感じられた.

◆午後の┣┣" 撃ち —— ┣┣" は┣┣" を呼ぶ.いつのまにか┣┣" 放牧場がにぎやかになってきた.今月20日(月)の大垣でのIAMAS講義「芸術情報学演習」のハンドアウト送信完了./東大・弥生キャンパスでの集中講義「保全生態学特論」(3回分)のハンドアウトもさくさく用意しよう.また依頼出張の公文が必要かどうか確認しているところ./時事通信社から:ブライアン・スウィーテク[野中香方子訳]『移行化石の発見』(2011年4月10日刊行,文藝春秋,東京,428+ xvii pp.,本体価格2,095円,ISBN:978-4-16-373970-0 → 版元ページ)の書評ゲラが届いた.速攻で返信.今夜配信されるとのこと.

◆日中がきびしくても,夕方になるとしのぎやすくなる.すでに撤収して夕焼けを眺める時間帯.今日の最高気温は25.2度で,昨日よりも低かったが,不快指数は有意に高かった.今日の夕焼けは久しぶりに燃え立つような赤みが映えていた.いつもなら梅雨空で夜明けも夕暮れも見られないのだが,ここのところ雨らしい雨がぜんぜん降っていない.

◆[欹耳袋]高座での板書ソフトとして〈WriteRoom〉をしばらく使ってきたが,大勢を前にして“板書”して見せるにはやや使いづらいところがある(もともと独りで書くためのツールだし).また30日間の試用期間が過ぎてしまったのでこの機会にやめることにした.問題は代替ツールだ.Mac OS X 用の板書ツールは Windows ほど揃ってはいない(手書きツールだったら〈MagicPen〉とか〈ScribbleScreen〉などがあるけど).そこで,かなり前のフリーソフトだが,透明シートに書き込める〈GlassiePad〉をもう一度召喚することにした.今週の農大高座で試してみるつもり.

◆明日は,午前は領域会議があり,午後は理事長懇談会という二連チャンで,あまりシアワセな一日ではないかもしれない.

◆本日の総歩数=6938歩[うち「しっかり歩数」4369歩/41分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.8kg(+0.1kg)/28.8%(0.0%)


6 juni 2011(月)※夏日の週明けは居住閾値を越え

◆午前3時半起床.昨夜は数年ぶりに珍しく「腹痛」になってしまい,数年ぶりに珍しく食欲がなかったので,早々に寝てしまった.寝れば治る.今朝はもう復活.昨夜はざあざあと雨が降ったが,今はもうあがったが,路面はまだところどころ濡れている.朝焼けグラデーションのイントロに入るところ.気温15.7度.さて,夜明け前の朝風呂だ.そうこうするうちに真っ赤な朝日が東の空から昇ってきた.午前8時の気温は21.2度まで上がってきたが,北寄りの乾いた風が通り抜けて爽快この上なし.では,週明け早々の┣┣" 撃ちに出陣しよう.

◆[蒐書日誌]カール・ピアソンによるフランシス・ゴルトン伝(復刻) —— Karl Pearson (ed.)『The Life, Letters and Labours of Francis Galton』(2011年6月刊行[3 Volume Set in 4 Pieces],Cambridge University Press[Series: Cambridge Library Collection - Life Sciences], Cambridge, ISBN:9781108072441 [pbk: set] → 版元ページ).おお,この伝記が復刻されるとは! 全三巻四分冊の構成は下記の通り:

  1. Volume 1: Birth 1822 to Marriage 1853. ISBN:9781108072403 → 版元ページ.412pp. ※初版1914年.
  2. Volume 2: Researches of Middle Life. ISBN:9781108072410 → 版元ページ.534pp. ※初版1924年.
  3. Volume 3 [Part A]: Correlation, Personal Identification and Eugenics. ISBN:9781108072427 → 版元ページ.538pp. ※初版1930年.
  4. Volume 3 [Part B]: Characterisation, Especially by Letters. ISBN:9781108072434 → 版元ページ.276pp. ※初版1930年.

計1700ページを越えるとんでもない伝記.判型も原書と同サイズの大きさのようだ.なお,フランシス・ゴルトンのサイトでは,この伝記の電子版がすべて公開されている.

フランシス・ゴルトンは統計学・進化学の両面で伝記化されやすい人物だったのだろう.手元にある二冊:Nicholas Wright Gillham『Sir Francis Galton: From African Exploration to the Birth of Eugenics』(2001年敢行,Oxford University Press, Oxford, xii+416 pp., ISBN:0-19-514365-5 → 目次)/Michael Bulmer『Francis Galton: Pioneer of Heredity and Biometry』(2003年刊行, Johns Hopkins University Press, Baltimore, ISBN: 0-8018-7403-3).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今週木曜の新宿でのお座敷の件.講演スライド127枚の作成と配布ハンドアウト8ページ+ブックガイド2ページを事務局に送信完了.講演スライドをつくりながら舞台台本のイメージトレーニングをすでに終えてしまったので,これ以上やることはもうない.今週の木曜から金曜にかけては都内を駆け回ることになる.お座敷と電車の時刻確認を確認する.やっぱりたいへんそう.

◆[蒐書日誌]献本感謝 —— ジョン・ダウズ[中坊徹次監訳/甲斐嘉晃・亀甲武志・中山耕至訳]『原始的な魚のなかま』(2011年5月25日刊行,朝倉書店[シリーズ・知られざる動物の世界:2],東京,iv+113 pp., ISBN:978-4-254-17762-6 → 版元ページ).この4月から刊行され始めたシリーズの一冊で,魚類の中でも原始的なシーラカンス・ハイギョ・チョウザメ・ガー・アミア・アロワナの仲間を生態カラー写真によって説明している.このシリーズの創刊号はケン・プレストン-マファム[青木淳一監訳/小野展嗣 ・藤巻玲路訳]『クモ・ダニ・サソリのなかま』(2011年4月20日刊行,朝倉書店[シリーズ・知られざる動物の世界:7],東京,iv+118 pp., ISBN:978-4-254-17767-1 → 版元ページ)だった.それにしても,創刊号と同じく,元著者の名前をオモテにいっさい出さないとはいったいどういう編集方針かワタクシにはぜんぜんわからない.訳者は元著者を越える存在ではありえない.

◆初夏の太陽が照りつける昼休み.正午の気温は26.4度と当然の夏日ライン突破.北寄りの乾いた風が涼しいのがせめてもの救いか.こんな日に外をうろうろしていたらこんがり焦げそうで.〈モルゲン〉で食パンを買ったり,郵便局や銀行まわりをしているうちにもう午後になる.午後2時の居室の気温は28.1度.直射日光がぎらぎら射し込むこれから夕方までの時間帯は「ガマン大会」になるかも.そろそろ退避しようかな(どこへ?).午後2時の居室の気温は28.1度.直射日光が射し込むこれから夕方までの時間帯は「ガマン大会」になるかも.そろそろ退避しようかな(どこへ?).公式の最高気温がどうであれ,居室内の夕刻の気温が30度超となる日々も近い.

◆午後7時,夕暮れのこの時刻になってやっとしのぎやすくなった.本日の最高気温は28.6度.今は24度台.そろそろビールの時間かな.南風が涼しく通り抜ける夕餉の食卓は,お好み焼きとヱビスビールの最強コンビで突き抜けるしかないっ!

◆[欹耳袋]なんて極端なことを —— asahi.com「生物の授業、解剖廃止へ 米の一部学校、動物福祉の観点」(2011年6月6日).バーチャルとリアルの区別がつかなくなったらもっと問題.living things と nonliving things の自然種の別を無視しているのは形而上学的にもっと問題.どうせ広まらないな,この運動は.

◆本日の総歩数=5008歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=92.7kg(−0.3kg)/28.8%(+0.6%)


5 juni 2011(日)※青空が広がる朝から驟雨の夜へ

◆午前6時にゆるゆる起床.朝日はすでに高く昇っている.薄く雲がかかった晴天で,気温はもう18.3度に達している.もちろん夏日になるのは確定だろう.では,〈ブロートツァイト〉の開店に合わせて天久保方面に出撃するぞ.と,勇んでたどり着いたらぴったり閉店していて(orz).てっきり土曜のつもりで来てしまったのが敗因だった.薄曇りときどき晴れ間から陽が射す.気温は午前中に早くも25度を超えて,めでたく夏日になった.南風が吹いているが,からだを動かせばやや蒸し暑いかもしれない.

◆[蒐書日誌]アップデート本 —— 田中純『アビ・ヴァールブルク:記憶の迷宮[新装版]』(2011年5月刊行,青土社,東京,ISBN:978-4-7917-6605-5 → 版元ページ).こちらは2001年の元本をすでにもってる./中谷礼仁『 セヴェラルネス+(プラス):事物連鎖と都市・建築・人間』(2011年3月刊行,鹿島出版会,東京,ISBN:9784306045521 → 版元ページ).2005年の元本はあるけど「プラス」の部分が読みたいなあ.

◆[欹耳袋]ささやかなデスクトップ節電対策 —— Taglibro de H「節電 Time Machine」(2011年6月5日).確かに,常時 Time Machine が動きつづけていると,MacBook Air のバッテリーがどんどん減っていくもんな.週明けに試してみよう.

◆遅めの朝ごはんタイムののち,またしてもゆるゆると過ごしてしまう.本を読んだり,南風に吹かれつつ寝たり,メールを見たり,ツイッターをつぶやいたりしている休日は実はとてもシアワセなことかもしれない.下界がとてもにぎやかなのはカピオでイベントがあるからか,それとも近在の高校で文化祭が開かれているからか.正午前に26.6度に達した気温は,雲が広がってきた午後になってしだいに下がり始める兆候あり.南風が強まってきた.

◆[欹耳袋]アルゼンチン・ワインの情報サイト —— 〈Vinos de Argentina〉/ 〈Wines of Argentina〉.マルベック種の赤ワインはアルゼンチンに行ったときに堪能した.あの深いルビー色と濃厚な果実の味わいがとても印象的.主食のように肉を食べ,マルベックをぐびぐび飲んだ日々(→ 「Diario de a bordo en San Javier de Tucumán, Argentina (2008)」).かのメンドーサ王国で,赤はマルベック種,白はトロンテス種と刷り込み完了.日本では想像できないワイン世界が南米に広がっていた.来月またブラジルのサンパウロ州に行くので,南半球でのワインを存分に味わうことになるだろう.

◆午後は性根を入れ替えて,┣┣" 撃ちに向かうことにしよう.農環研に直行.とりあえず,今週木曜に新宿で開催される〈ラマル会〉の高座の準備(スライドづくり,ハンドアウト原稿作成,販促戦術の練り上げ)とその翌日の農大高座のしたくだ.

◆[欹耳袋]訳語をめぐるパワー・ポリティクス —— 過去に翻訳を手がけた経験から,まだ日本に上陸していない専門用語の「訳語」をどうするかという問題にしばしば直面することがある.とくに,新しい研究分野であるほど見慣れない原語を日本語に移し替える仕事は運の悪い翻訳者が担わざるをえない.最初のうちは「こんな訳語にしていいのか」と迷ったこともあった.しかし,そのうち心臓に毛が生えてくると,「使われ続けた訳語が最後に勝つ」すなわち「使い続けた訳者が最後に勝つ」という真理が見えてくる.たとえば,分岐学の「cladogram」という用語をどう訳すかをめぐって,1970年代から80年代にかけていくつかの訳語(「分岐図」,「分岐枝図」etc.)が提案されたことがあった.あるいは natural selection を「自然選択」あるいは「自然淘汰」のいずれを訳語とするかは論争にもなった.たかが,訳語の問題なので本質的な重要性はないと言ってしまえばそれまでだが,言霊を軽視してはいけない(遺恨が残るから).ひとつの解決策は「パワーポリティクス」である.ある訳語が研究者コミュニティあるいは一般コミュニティの中で使用される頻度が高いほど,訳語として受容されたということだから,戦略としては「対立訳語を排してその訳語を使い続けるユーザーを増やす」がもっとも有効だろう.そのためには教科書や辞書などに載せてしまうというのが早道だ.実際,ワタクシはそうしてきた.

◆霍乱の夜 —— 午後5時まで┣┣" 撃ちしたのだが,おなかの調子がどうもよくないので撤収.夜になっても回復しない.9時過ぎ,それまでの南風が北風に変わったとたんざあざあと雨が降りだした.けっこうな本降りだ.今夜はどうせ使いものにならないので,じたばたせず,太田胃散を飲んで,午後10時前には就寝.

◆本日の総歩数=10024歩[うち「しっかり歩数」8002歩/69分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.0kg(+0.7kg)/28.2%(−0.1%)


4 juni 2011(土)※乾いた夏日の昼下りはラーメン

◆午前6時過ぎに目が覚めた.外はもちろんすっかり明るくなっている.しかし,ぜんぜん使いものにならずごろごろ惰眠が続く.昨夜,午前様で帰宅した後,おもむろにオムレツパンを熱してオリーヴオイルで目玉焼きを焼き,炊飯器からご飯をよそって,夜食をしっかり食べた……のだが,ぜんぜん記憶がない.ワタクシ,いったい夜中に何をしていたのか.無意識のうちに深夜の厨房で料理を作るとはただごとではない.

◆[欹耳袋]平塚明「植物園がホームページを持つこと」(1999年6月15日).

◆朝から初夏らしい青空が広がって気温はぐんぐん上昇.午前11時前には早くも夏日ラインを突破した.しかし,前夜の酒池がたたって午前中はゾンビ状態.まだ寝たり起きたりしているなう.当分の間,四合瓶とか一升瓶とか山田錦とか愛山とか槽搾り直汲みとかいう言葉どもは耳にしたくない.

◆よく晴れて気温が27度を越えた昼下り,竹園の〈麺や・蒼〉にて「汁なしそば」を注文.水沢うどんのような太さの平麺に叉焼・シナチク・ほぐし肉・刻み玉ねぎ・千切り白ネギ・魚粉・生卵の黄身が乗っている.ぜんぶ混ぜてわしわしと食べる快感.ここ〈麺や・蒼〉は柴崎にある〈麺や・武蒼〉から種分化したのか.なるほど.「汁なしそば」は認知分類的にはもはや「ラーメン」ではなく,カルボナーラ系の「パスタ」と呼ぶのが正しいだろう.達人は生にんにくとマヨネーズをトッピングするそうだ.

◆外は日射しと紫外線が強くてくらくらするが,上層階は南風が心地良く吹き抜けて快適至極.先日,玉川大学からフレッシュな蜂蜜を送ってもらったので,ハニージンジャーをつくってみた.レシピはいたってシンプル:1) 新ショウガ100グラムを皮付きのまま薄切りにする;2) レモン一個を薄切りにする;3) 切った生姜とレモンとともに,スターアニス1個,シナモンスティック1本,黒胡椒5粒,カルダモン5粒,クローブ2個をタッパーに入れ,蜂蜜250グラムを注ぐ;4) 常温で半日置いたのち,冷蔵庫で保存.以上.硬水の炭酸水で割って飲むと爽やかで美味.とりあえずはゲロルシュタイナーがあればよし.

◆今日は半廃人だったが,明日からは復活したいものだ.

◆本日の総歩数=2520歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=92.3kg(−0.7kg)/28.3%(−0.5%)


3 juni 2011(金)※久しぶりに朝日を拝み東京出撃

◆午前4時半起床.久しぶりに朝焼けと日の出を拝んだ.いまの気温は15.5度.6月に入ってからずっと梅雨寒が続いていたが,今日の日中は夏日になるとの予報.さて,毎週定例の農大お座敷に出撃するしたくをしないと.

◆[欹耳袋]来月下旬に開催される日本進化学会の京都大会ウェブサイトがやっと開設された.参加登録・要旨投稿ページはしばしお待ちを.

◆毎週定例出撃 —— 7:58発のTX快速に乗る.北千住で乗り換えたものの,今朝ももちろんダイヤ遅延.都内は晴れてすでに気温が高い.山手線が人身事故で止まっているとの車内アナウンスあり.経堂で下車.農大通りを下っていくうちにだんだん蒸し暑くなってきた.晴れときどき薄曇り.

◆本日の農大高座 —— 本日の高座は,前回の完全無作為化法に続いて,乱塊法による実験計画について解説しました.とくに,実験区のレイアウトが線形統計モデルの構築に直結していることに注目してください.分散分析の仮説検定(F検定)については,帰無仮説と対立仮説に対応する統計モデルを確認した上で,それぞれの仮説が同一のデータをどのように説明するのかに関して相対的な良し悪しの判定をしている点を理解してください.前回と今回の高座では1要因の実験計画について話しましたが,次回は多要因の実験計画(要因実験)に進みます.ポイントは要因間の交互作用をどのように理解するかという点です.実験計画が複雑になるほど,対応する統計モデルも複雑になります.

◆実験計画法を知らずに野外実験とか室内実験とかやるのはリスクが大きすぎる.いきなりデータだけもってきて「統計解析頼む」と言われ,肝心の実験計画について訊いてもしどろもどろで,そのうちちゃぶ台返しでジ・エンド,という経験は一度や二度ではない.基礎統計学は全学生の必須リテラシーとしてまずはじめに入学直後に必修科目として叩き込み,専門に進んだ段階でさらに特化した応用統計学(含:統計プログラミング)の洗脳をすればかなり事態は改善されるはず.また,統計解析は現場叩き上げの手法が多いので遺存種(relict)のように方々の研究分野やラボで細々と一子相伝的に伝承されている統計手法が多いのではないかと推測している.そういう統計手法の「多様性保全」が無条件に大切であるとは思えないが(笑).

◆お座敷をすませたのち,よく晴れた農大キャンパスをあとにして経堂駅前に戻る.〈はるばる亭〉にて「野菜香麺」を注文.ふつうの「香麺」は鶏のチャーシューやミミガーが入ってるが,野菜香麺は野菜のみ.ワサビとレーズンたっぷり.黒酢をまわしかけていただきま〜す.外は曇りときどき晴れ.南寄りの風が吹いて気温24.0度もある.夏日には達しなかったようだが,それでも十分に蒸し暑いなあ.千駄木から根津の〈Amber〉を経て東大農学部に向かう.弥生キャンパスの隠れ部屋では企みメールを諸方面に出しまくる.販促販促また販促.よろしくよろしく.

◆〈春の試飲会〉顛末 —— 午後6時過ぎ,そろそろ隣の建物に移動して夜の「試飲会」に向かうかな.厨房部屋では調理師免許をもつ辣腕院生が料理の腕をふるっていた.午後7時過ぎからスタート.今夜の〈試飲会〉に並んだ日本酒は数知れず.呑んでも飲んでもあとからどんどん追加されて一升瓶と四合瓶の砲列が長く長くなっていった.今回は参加者がいつもより多くて20人以上いたようだ.午後11時前に帰るときにはメイン料理はほぼ食いつくされていた.

—— つくば行きの最終TXに乗って帰りついたのは午前零時半.リッパな午前様帰宅をしてしまった.

◆本日の総歩数=12259歩[うち「しっかり歩数」4684歩/48分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.0kg(+0.3kg)/28.8%(+0.3%)


2 juni 2011(木)※朝から長雨がしとしと降り続く

◆午前4時半起床.曇り,気温13.0度.今日も肌寒い早朝.朝焼けも日の出も見えない.日中も20度に達しないといま天気予報で言っていた.午前7時半,雨降る観音台は気温13.5度.6月だというのにこの肌寒さはなんだろう.というか,のうかんけん的「正装」なワタクシもいったいなんだろう.BGMは久しぶりにヴェルディ〈レクイエム〉− アバド&ウィーンフィル.あのタテかヨコかわからない分厚い大太鼓が炸裂している.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 雨雨降る降る.ずっと引きずってきた共立出版『進化学事典』の査読┣┣" もあと一頭だ! 午前9時半に進捗を聞くミーティングしばし.引き続き,東大の連携講座に関するミーティングに向かう.理事長と専攻教員との顔合せに先立つ意見交換をする.お茶受けに出されたサウジアラビア土産のお菓子はナツメヤシにヌガーとアーモンドが挟まっていた.そんなにめちゃ甘くなかった.窓の外は雨がしとしと降り続いている.ミーティング後,午前11時すぎ, 某辞典の項目査読┣┣" をすべて撃ち果たし,編集部に返信完了.雨の中,しばし離脱する.

◆[欹耳袋]神田の学士会館ホテルがツイッター(@gakushikaikan)のフォロワー限定での割引宿泊予約サービスを始めた.フォローすることに「実利」がついてくるとは./書評の草稿を公開:リチャード・フォーティ[渡辺政隆・野中香方子訳]『乾燥標本収蔵1号室:大英自然史博物館 迷宮への招待』(2011年4月25日刊行,NHK出版,東京,451+10 pp. +32 color plates, 本体価格2,500円,ISBN:978-4-14-081473-4 → 目次版元ページ).

◆本日の〈おはん〉ランチ:五目ご飯と焼き鮭の定食.ふっくら炊き上げられた五目ご飯と焼き鮭のペアが実にうまい.左奥はサービスの炙り鮪のにぎり寿司.外は冷たい小雨が降り続き,気温は14.5度と昨日以上に肌寒い.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 『進化学事典』の続き.査読┣┣" の次は執筆┣┣" だ.担当が決まっている全12頭のうち,10頭まではなんとか「チャッカマン」を用意できた.査読ほどラクではないが,火おこしさえうまくできればなんとかなりそう.やっかいなのは「進化研究に大きな貢献をした研究者」(8000字)と「付録:進化史年表」(8000字)の残る二┣┣" .とても書ける気がしないんですけど.

午後6時帰還.雨はまだしとしとと降り続いている.今日の最高気温は16.1度ととりたてて寒くはないのだが,半袖を着ていると肩身が狭いように感じるのはなぜか.夜,某近刊の系統樹図版に関して編集部とメールのやり取りが続いている.「オピストコンタ」だの「バイコンタ」だのディープな系統樹の会話が続く.夜遅く,やっと合意に達したかな.

◆本日の総歩数=3510歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=92.7kg(−0.3kg)/28.5%(−0.7%)


1 juni 2011(水)※水無月のスタートは曇り空から

◆午前4時半起床.曇って朝焼けも日の出も見えず.今日から6月だというのに,明け方の気温が10.1度.こんなに寒すぎてどうしようもない(ほんとに衣替えするのか?).しかし,二度寝は災厄.さくっと起きよう.今日はこれから天気は下り坂とのこと.夜には雨が降るらしい.しかし,今のところは薄日が射しこんでいる.気温はかろうじて12度台に達しているが,北風が吹いているので肌寒い.

◆朝から┣┣" 撃ち邁進 —— 今月はお座敷が全部で九つもあってとても多いので,お席亭との段取りを遺漏なくしないといけない.早朝からそのための事務連絡┣┣" をびしびしと撃ち続けている.居室のBGMはもちろんマーラー〈大地の歌〉=インバル&フランクフルト放送響.第5楽章「春に酔える者」曰く:「人生がただ一場の夢ならば終日酒に溺れようぞ」(李白).原稿書け書け┣┣" どもが足元にまとわりついてきた.

◆[蒐書日誌]食欲増進本 —— 今柊二『旨い定食 途中下車』(2011年5月20日刊行,光文社[光文社新書520],東京,238 pp., ISBN:978-4-334-03623-2 → 目次版元ページ).ラーメンライスもラーメンカレーもちゃんと載ってる! 最初の半分,東急の東横線と大井町線,京浜急行,そして京王線の章を読む.都内には大学時代から通算して15年ほど住んだことになるが,最初が駒場寮で,その後は千駄木に住んでから一度も引っ越ししなかった.だから東京の西の方とか東横線沿線は実はいまだに地理がよくわかっていない.世田谷区や大田区なんて脳内ではぜんぶひっくるめてひとつの地域になっている.

◆ずっと某辞書項目の査読をしているが,これが終わっても担当項目の執筆という大┣┣" が待っている.いま書くべき字数を集計をしたら「計44,000字」ほどある.これをこなさないと某辞書┣┣" が退散しないということか.400字詰にして「110枚」.ははは…….それにしても作業途中にワードが落ちまくってどうしようもない.悩んでもしかたがないので,PCを取り替える.Windows とか MS系ソフトのトラブルは踏ん張っても埒があかないので,さくっと取り替えるにかぎる.あせってあれこれ頑張らないことがシアワセへの道だ.そうこうするうちに,あらら,すべてのワード書類がいっさい開けなくなったよん(orz).ワードちゃん,死んだ? 自発的に「.doc」や「.docx」の世界に歩み入るつもりはさらさらないのだが,向こうさんから送られてきたからには対処しないわけにはいかない(「.jtd」に関しては源泉かけ流しで放置する).

◆蜂蜜あれこれ —— 本日,玉川大学ミツバチ科学研究センターから,先日の台風二号の風雨の中で採蜜したというしぼりたての蜂蜜を送ってもらった.小野正人さんからのメールでは「玉川学園の春の花のエッセンス」とのこと.さて,この新鮮な蜂蜜の風味を生かせるレシピは何だろう. せっかく新鮮な蜂蜜をもらったので,トーストに塗ったらさぞかし美味かろうと,念のため「ハニートースト」で検索したら,トンデモナイものがぞろぞろとヒットしてきた(→ ハニートースト画像検索結果). 世間一般にはコレが「ハニートースト」なのか.その過激さに比べれば,「honey butter toast」の方がはるかに穏健だな.新鮮な香りがあるうちにいろいろ試してみます.感謝また感謝です.

◆薄曇りの昼休みはずいぶん久しぶりに万博記念公園を徘徊してきた.正午の気温は15.7度,南風がかすかにそよぐお散歩日和で,お散歩には最適.近隣の研究所の職員とおぼしき人たちが歩いたり走ったりしていた.池の周囲には震災の地割れがまだ残っていた.

◆[欹耳袋]いろいろメモクリップ —— 〈TeX2img〉: \( \TeX \) のソースコードを入力すればコンパイルして画像ファイルとして出力してくれるらしい.スライド作成に使えるツールなのかな./〈つくば丼.com〉:このイベントの選考結果を知りたいな.

◆午後5時撤収.査読┣┣" を撃ち続け,三頭までは倒した.残るは二頭.夜は書く方に転戦できるかどうか.雲がしだいに厚くなってきた夕暮れ時.夕餉は塩鶏をローストする予定.技術評論社の統計曼荼羅本の目次案を送ったところ,年末までのタイムスケジュールが届いた.刷り上がりで約20ページ/章を毎月2章ずつかあ.いつもの講義をそのまま文字化していけばいいわけだけど,だれか口述筆記してくれないかなあ.

◆今日の最高気温は16.6度どまりだった.衣替えを敢行した一般人にはなかなかきびしかったのではないか.明日は雨が降って同じような肌寒さが続くらしい.引きこもって┣┣" 撃ちをするしかないな.

◆本日の総歩数=7685歩[うち「しっかり歩数」2871歩/30分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.0kg(−0.2kg)/29.2%(+0.2%)


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