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日録2010年7月 


31 juli 2010(土) ※真っ昼間の酒盛りと花火大会

◆午前4時半起床.目覚まし時計のようにミンミンゼミの合唱が始まった.曇り.日の出は拝めない.気温24.6度の蒸し暑い明け方.本日は吉瀬の森で真っ昼間からワイン・パーティ,その後,曳舟にて夕暮れの下町酒場をまわり,京島にて隅田川花火大会を鑑賞する飲み会になだれこむ.お,晴れてきたな.猛暑日の予報.

◆週末のまったり┣┣" 撃ち —— 溜まりまくり一週間分の日録を書いているところ.続いて原稿┣┣" の征伐に向かう.朝の食卓では高崎駅前〈茶々〉の焼きまんじゅうがほかほか湯気を立てている.

◆[欹耳袋]科学技術政策研究所資料「ポストドクター等の雇用状況・博士課程在籍者への経済的支援状況調査」/同「ポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析」/「政府交付金10%減額の影響−試算」(PDF)

◆真昼の酒池イン吉瀬 —— よく晴れたお昼前,吉瀬の森にてワイン・パーティに参加.イタリア・ワインのあれこれをつくば在住トレーダーの解説付きで.今回はいずれもおりがらみ・うすにごりの無濾過ワインだったせいか,開栓とともにどんどん色調とにごりが変化していった.日本酒の生酒と同じ.真夏の野外ワインパーティは白も赤もきりっと冷やすととても気持ちいい.さて,この日のパーティで供された数々の「酒池」の列挙をば:

  1. Prosecco Sur Lie 2008.最初に乾杯用として出された白ワインのおりがらみ.微発泡でキリッと冷えた白ワインはうますぎる!
  2. Sassaia 2007.今回供されたイタリアワインはいずれもオーガニック・無濾過・保存料なしの銘柄ばかり.この白ワインも少しにごりが入っていた.
  3. a-iuto! 2006.貴腐ワインのような黄金色をしているが,きりりと辛口の白ワイン.白ぶどうの皮ごと醸すとこういう色になるそうだ.逸品.
  4. Rosato 2005.ロゼと銘打たれて入るが,色合いは赤ワイン.
  5. Lambrusco 2008.微発泡の赤ワイン.めずらしいなあ.うまいなぁ.この辺ですでにボトル一本は軽く空けていることに…….
  6. Rosso del Contadino 7.今回のセレクションの中でも,色合いの鮮やかさといい,軽快な飲み心地といい,ピカイチかもしれない.シチリア産の赤ワイン.
  7. Mariposa 2006.これはボディがしっかりした赤ワイン.産地はサルデーニャ島.ラベルのデザインもいいなあ.
  8. Sol 2004.この日最後に出てきたのはその名も「太陽」.半乾燥の白ぶどうでつくられたこの甘口白ワインは,今回のワインパーティの最後のデザートとして適役だった.

—— 夏の日射しが雑木林の木々の間から漏れる正午過ぎ.気温はもちろん真夏日ライン突破.ワインをつごう一本半ほど飲んでもまだ午後2時とは!

◆夕暮れの酒池イン京島 —— 吉瀬の森のワインパーティからタクシーで帰還.炎天下の昼下がりにボトル一本あまりを飲むと言うのはなかなかきつい.さて.大勢を整えて今度は京島での後半戦に出撃.お供物と供え酒はすでに用意できている.午後5時に東武曳舟駅に到着し,京島の奥深くにひっそり開店している居酒屋〈まりちゃん〉にて,隅田川花火大会鑑賞とともに呑んだり食べたりを午後9時過ぎまで.スカイタワーがこんなに大きく伸びているとは思わなかった.さらに1.5倍にまで高くなるのか.午後10時前に〈まりちゃん〉を出て,午後11時半のTX最終に飛び乗ってつくばに帰り着いたのは午前零時半だった.

—— 弁解の余地なく「呑み過ぎ」です,ハイ…….

◆本日の総歩数=6580歩[うち「しっかり歩数」856歩/10分].全コース×|×.朝○|昼△|夜×.計測値(前回比)=90.6kg(+1.0kg)/25.5%(+0.4%)


30 juli 2010(金) ※生きたり死んだりして原稿を

◆よろよろと午前6時起床.曇り.最低気温24.8度.うう…….よろよろと研究室にたどり着く.雨がときおりざーっと降ったり止んだり.さて,朝の┣┣" 放牧場を見に行ってみるか.

◆[蒐書日誌]R統計本が無料でダウンロードできる!:G. Jay Kerns『IPSUR - Introduction to Probability and Statistics Using R』(→ pdf)/G. Jay Kerns and G. Andy Chang〈RcmdrPlugin.IPSUR〉 - IPSUR の R commander 用プラグイン.

◆来月の┣┣" 撃ちしたく ——よろよろとお昼時.雨が時おり降る昼休み.来月の出張伺・年休届・フレックス変更・外勤届をまとめて提出完了.そろそろ復活して原稿書かないと〜〜.一週間後にはもう進化学会の文化系統ワークショップが終わっているんだぁ(講演準備ゼロからの一打逆転はある得るか!?). 筑波地本創立30周年記念行事.8月20日(金)の夜に〈グランド東雲〉であるとのこと.動員多数.//そういえば7月25日(土)以来,日録をまったくものしていない…….

◆午後になってやっと晴れてきた.

◆[蒐書日誌]新刊:ミシェル・レリス[岡谷公二・田中淳一・高橋達明訳]『幻のアフリカ』(2010年7月9日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー705],1065 pp.,本体価格2,800円,ISBN:978-4-582-76705-6 → 版元ページ).TX車内で本書を立ち読みしていたら手首が痛くなった.この重量は車中読書とか寝転び読書には向いていないのだろうか? 暴漢に襲われたときの護身用には最適!(笑)

◆[欹耳袋]イギリス王立協会のデジタル・アーカイヴ〈The Royal Society Digital Journal Archive〉では,7月30日まで全文無料公開しているという.創刊1665年という最古の雑誌だから掘り起こせばざくざくと出てきそう.確かに,Thomas Bayes, Francis Galton, Charles Darwin, Karl Pearson などなど,よりどりみどり.

◆午後6時前,講談社広報誌『本』9月号掲載予定の原稿(3100字あまり)を音羽にメール送信完了!:三中信宏「生物進化における「収斂」の勝利:サイモン・コンウェイ=モリス『進化の運命』の刊行に寄せて」.午後7時撤収.

◆本日の総歩数=3920歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=89.6kg(+0.4kg)/25.1%(+0.1%)


29 juli 2010(木) ※三浦飲食堂で飲んだくれ天罰

◆午前4時前に起床.南風が吹き抜ける.朝焼けも夕焼けも刻々と表情が変わる.まだ仄暗い東の空がうっすらと暗赤色に色づくくらいが彼誰時の禍々しさを漂わせてよろしいかと.周囲が明るくなってしまうと趣がなくなるので.さて戦闘開始.┣┣" 撃ちの始まりだ.昨夜から湿った南風が強く吹いて体感的にはしのぎやすいが,最低気温は26.1度で,りっぱな熱帯夜だった.南からどんどん雲が湧き上がっていて,熱帯モンスーン地域という地理の言葉を連想してしまった.これから天気は下り坂で,夜にはざあざあ降るという予報だったが,午前7時前いきなり雨がざあざあ降り始めた!

◆サイモン・コンウェイ・モリス『進化の運命』(講談社)について,書店での出足は好調との音羽からの電話あり.販促宣伝文はいま書いてます(油汗).メーリングリストなどへのアナウンスはこれからね.

◆昼休み.外は曇天.居室の照明を落とし,BGMはバッハ〈無伴奏チェロ〉.床に寝転がって『もやしもん9』を読んでいたら,菌がたくさん呼び寄せられてきた心地ぞする.さて,午後の┣┣" 撃ち再開だ.

◆[欹耳袋]映画〈ようこそ,アムステルダム国立美術館へ〉 ※2010年8月21日から渋谷ユーロスペースにて上映開始. @ams_museum/円城塔「ポスドクからポストポスドクへ」(pdf).日本物理学会誌掲載.読みなさい!

◆午後3時,これから本降りの雨になるということですな.いまのところは小降りだけれど.気温は朝から25〜26度台を推移している.午後4時過ぎ,風雨が強まってきたのでとっとと撤収.予期せぬ組合┣┣" 一頭が薮から飛び出てきたので,本命┣┣" は追いきれなかったな……(orz).なんとか明朝までにはケリをつけたいが,その前に夜の巨大┣┣" が〜.この雨だとぬれぬれ覚悟でトツゲキするしかないか.

◆夜の「黒ミサ」 —— このただならぬ空模様と吹き荒れる風雨は今宵の顛末を予期させるに十分だろう.午後6時から天久保の〈三浦飲食堂〉にて,東大の伊藤さんを迎撃するビールパーティをば.午後10時くらいまで.

—— シンプルに飲み過ぎ…….

◆本日の総歩数=7876歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=89.6kg(+0.4kg)/25.1%(+0.1%)


28 juli 2010(水) ※来月の┣┣" の遠吠えがする

◆午前4時起床.晴れた夜明け前,西の空高く欠けはじめた満月がぽっかり浮かぶ.地表近くはセミの大合唱だが,ヒグラシは参加せず.気温23.4度.やや蒸し暑い.今日は系統樹曼荼羅本のための護摩壇をしつらえ式鬼を飛ばす予定.気がつけば来週は進化学会なのに講演準備が手つかずだ.午前9時に早くも真夏日ライン突破して31.6度に達している.昨日までよりも雲がやや多い.

◆蒐書の日々 —— 平均してほぼ毎日1冊ずつ献本をいただいている.もちろん,いずれも関心のある内容なので,日録とか本録あるいはこのツイッターで紹介しているが,ほぼ上限リミットに近づきつつあるように感じる.いただく本と買う本で新刊棚がすぐいっぱいにるので,ただいまプチ整理中./木村衣有子『味見はるあき』(2010年7月刊行,木村半次郎商店,限定1000部).十年ほど前に著者の「カフェ案内」本を呼んだ記憶がある.

◆[欹耳袋]〈seekR〉 —— 「統計分析環境 R のための検索エンジン。R に関係する内容のページに偏った検索結果を表示します。」とのこと./「ヘイドン・ホワイト祭り」関連:pensie_log 「翻訳「実用的な過去」(H. ホワイト)」と「夏のホワイト祭り」.

◆午後の大┣┣" 撃ち —— 系統樹曼荼羅本の目次案(全3巻)を関係者に送付した./外はかんかん照りで外気温は午後2時に32.9度のマックスに達しているが,いまの居室気温は26.5度.制御不能の空調吹き出し口では20.5度.さて,組合の回答交渉に行ってきましょうかねー.

◆午後5時に撤収.晴れて南風が吹き,体感的にはベター.おわっ,『進化の運命』販促大作戦は明日が原稿締切だった〜っ! 夜,南風が強くなってきた.

◆分子系統ワークショップ関連 —— 各講師のハンドアウト原稿は8月10日必着.PCプログラムのインストールは8月18日(水)〜19日(木)に行なう.

◆本日の総歩数=7153歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=89.2kg(0.0kg)/25.0%(0.0%)


27 juli 2010(火) ※未明から組合┣┣" 撃ち延々

◆真夜中から正午まで駆け抜ける —— 午前2時半起床.昨夜の雷雲は消え去り,空高く浮かぶ満月の周囲には薄く虹色の月暈がかかっている.丑三つ時にはすでに研究所に実在していて,これから正午まで9時間を走り続けることになる.BGM,まずはショスタコーヴィチ7番〈レニングラード〉.気温23.2度で涼しい.窓を開けて扇風機をぶんぶんまわす.┣┣" を一頭ずつ撃っているうちに,明け方のセミの大合唱と〈レニングラード〉の轟音が混じり合って,とてもいい感じになってきた.午前5時過ぎ,長い夜が明けて,BGMはより内省的なショスタコーヴィチ8番に移行している.気温は22.4度.昨夜の雷雨のおかげで意外に涼しい早朝を迎えることができた.ただし.ずっと窓を開け放っていたので,そこら中が湿気でべとべとしている.出勤簿に押印完了し,なお定速┣┣" 撃ち中.今日も晴れそうな気配.BGMはショスタコーヴィチの問題作の第4番は音の洪水だ.午前8時過ぎ,そろそろまっとうな職員のみなさんが出勤してくる時間帯なので,悪魔のショスタコーヴィチ・タイムはおしまい.代わってヴィラロボスの〈ブラジル風バッハ〉など流れる朝のひととき.午前3時前からの┣┣" 撃ち乱射が功を奏し,正午直前に,担当していたすべての項目執筆を完了し,Google Docs にどかどか投げ込んだ.

◆つかの間の休息一分半.昼休みは農環研分会の次期執行委員の役職割り振りの会議がある.ラクになるために多忙を極める昼休み.幸いなことに,次期分会執行委員の役職分担はすんなり確定した.ありがたいありがたい.これで「┣┣" 丸投げ」までもう一踏ん張りだ.しばし現実逃避してきます.最高気温は33.3度のかんかん照りになった.さて,復帰直後のターゲットは┣┣" 二頭.すでに放牧場から身柄を確保し,逃げないようふんじばってある.往生際がワルい.観念せいっ!

◆来月の分子系統ワークショップの受講生選考を完了.定員30名+補欠1名を選抜しました.受講動機を読んだ上で受講者近辺の環境を勘案して選んでいるので,現在のポジションとか年齢はあまり関係がなかったりする.遠くからの来られる皆々様はおつかれさんです.

◆強烈な西日で,居室の気温が上昇中.すでに連続15時間の労働をしているので,そろそろ撤収することにしよう.帰ったらまず何をいただこうかな.当然ビールか,やや弱まった活性にごり酒もある.そういえば〈出羽桜〉の「咲」が氷温室に冷えていた記憶が.←これでキマリか!

◆さて,長〜い一日がようやく終わり,そろそろドロのように寝る時間がやってきた.では,また明日.グーテ・ナハト!

◆本日の総歩数=6158歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼△|夜○.計測値(前回比)=89.2kg(−0.1kg)/25.0%(−0.8%)


26 juli 2010(月) ※農大高座の千秋楽と原稿の束

◆午前5時前起床.真っ赤な朝日が東の空からするすると上昇中.晴れ.気温は22.1度とやや低め.

◆迫られる┣┣" 撃ち —— NTT出版の趣意書(“檄文”)は今日まで!/交流センター分子系統ワークショップの受講者選抜は明日まで!/分会定期大会資料原稿は明日正午まで!/次期分会執行委員の役職割り振りミーティングは明日の昼休み!/分会の技専・女性部・青年部からの要求書(案)は早く!/共済組合検印にともなう収入証明書の提出は8月9日まで!

◆[欹耳袋]昨日のラヂオつくば公開収録のレポート:mk88の独り言「ものづくりってなに?」(2010年7月25日).詳細なメモと感想をどうもありがとうございました.

◆本日はとってもあわただしかった.午前中は研究所にてごそごそして昼前に撤収.炎天下,12:30発のTX区間快速で経堂へ.蒸し風呂の農大通りをたどって夏学期最後の統計学高座とレポート出題を終え.午後5時過ぎ経堂駅前〈いまあじゅ〉にてNHK Booksの打ち合わせ.8月3日(火)〜5日(木)は品川カンヅメの予定.帰路,北千住で雷雨が降り始めた.つくばも生暖かい雨がぼたぼた降っていた.

—— でもって今夜は午後十時過ぎに早々と就寝.明日は超早起きして正午までの12時間で分会定期大会資料の原稿を書きまくる予定.執筆クオリティは「50%」に設定.質より速度だ.では,グッドナイト!

◆本日の総歩数=10055歩[うち「しっかり歩数」3292歩/33分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(0.0kg)/25.8%(+0.5%)


25 juli 2010(日) ※天久保にてラヂオ収録と雷雨

◆午前5時起床.東の空に雲がかかって,朝日がいまやっと見えた.昨夜遅くは雨がぽつぽつ降ったが,雷雨にはならなかったようだ.気温は24.7度と準熱帯夜.今日も猛暑日が続くのだろうか.すでに暑い午前7時,遠くから段雷が響いてきた.昨日と今日は方々で「夏祭り」が開催されるからかも.

◆朝のこまごま —— 日録書き二日分完了./8月11日(水)午後に品川にて所用あり.

◆[欹耳袋]本日午後1時から,ラヂオつくば公開収録 @FPGA-CAFE村井啓哲パフォーマンス&平藤雅之+三中信宏+村井啓哲+里山建築+すすたわりトーク「ものづくりってなに?」.午後3時までの予定.

◆[欹耳袋]分類群(taxon)の造語者は Adolf Meyer (1926)『Logik der Morphologie im Rahmen einer Logik der gesamten Biologie』.彼は1938年以降「Adolf Meyer-Abich」と名乗る.

◆昼下がりの公開収録 —— 真夏日の蒸し暑さの中,正午前に天久保の〈FPGA-CAFE〉に向かう.なんだ,リッチモンドの〈フィンラガン〉の隣りのスペースじゃないか! 数年前から平藤さんが中心になって,つくってきた“工房”.アヤシいものがいろいろある.天上から垂れ下がったシダとか.ライトセイバーとか,ハンダづけの一角とか.部屋もアヤシい,集う人々もアヤシい,実施イベントもアヤシい,というアヤシいづくしの空間だった(客が十人ほどいたけどアヤシいぞ).こういう隠れ家があるとは実にうらやましいな.

ひとしきり打ち合わせなどしつつ,Ustream の設定やら,スピーカーの調整やら.午後1時から村井啓哲さんの“演奏会”,とはいっても,iPod によるカオス音楽のパフォーマンス.説明によると,iPod に傾斜角と速度ベクトルの感知機能をもたせて,その刺激を音源に変換するという.カオスが効きすぎるとホワイトノイズになってしまうが,アトラクターにハマるとパターンのある音型が聞こえるそうな.ちゃんと制御できるかどうかは毎回わからないらしい.小一時間,傾く iPod を見つめつつカオスなひととき.

その後,村井さんを囲んでの座談会になだれ込む.一時間半ほどしゃべったような気がするが,全部をラヂオつくばにオンエアするわけではないとのこと.ヤバい話は削ってくださいな.午後4時半にいちおう収録完了.アヤシい工房の中でピザの宅配を注文し,しばし打ち上げ.午後6時過ぎに中締め.天をも畏れぬ放談をしすぎたせいか,自転車での帰り道にいきなり雷雨に遭い,大粒の雨に打たれつつ自宅に速攻帰還したとたん,ものすごいゲリラ豪雨で気温急降下.電話も光ファイバーも天罰切断.

◆この日は午後3時に34.0度の最高気温となり,午後7時になってもまだ30度あった.ところが雷雨の後は一気に気温が下がり午後8時には21.8度にまで下がる.雨は一時間あまりであがった.今日は話し疲れたような気がする.

◆日本の研究者業界には「この道一筋」という昔からの人生観が尊しとされる空気がいまだにあるから,自分ではそこから外に出ようとしないし,まわりからも内にとどめようとする抑制が働く.「一筋」の価値を認めるとしても,それと同時に「アナザー・ワールド」に足を踏み込む「わくわく」感は何ものにも代えられない.しょせん個人はたった数十年しか存続できない系統樹の断片(filomero sensu Daniele Rosa)だから,がーっと暴れて,ぱーっと生きるべし.確かに,考えてみれば,平日も休日もないし,昼も夜も関係ない…….勤務時間という概念もあやふやだし(そもそも「勤務」なんですか?).三日間とれる「夏季特別休暇」だって,ワタクシにとっては集中講義という名の「夏季特別労働」日にほかならない.その一方で,研究者は「僧侶」であり,研究所は彼らが生きる「僧院」.その「僧院」なり「僧侶」がもう少し social であればいいのだが,最近ではギリシャの〈アトス〉とか〈メテオラ〉みたいに,この世の他のすべてから隔絶されたイメージに自他ともに包まれつつある(しかも自給自足しろと言われるし).

◆本日の総歩数=905歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=89.3kg(+0.4kg)/25.3%(+0.4%)


24 juli 2010(土) ※猛暑つくばから松戸の密議へ

◆午前5時起床.気温25.7度の熱帯夜だった.昼も夜もこんな不快な気候では引きこもりになってしまう.東の空からは今朝もまた朝日が憎々しげにぎらぎらと.大暑を過ぎたのだからもっと謙虚になろうね.lino の┣┣" 板を更新する.来週はじめにかけては連日の締切フラッグが立っている.

◆[欹耳袋]ISIS本座・つぶよりどくメント:米川青馬「『大博物学時代:進化と超進化の夢』荒俣宏」(2010年7月23日).「分類学」の歴史は博物学史と重なっているので,荒俣御大のかつての本は参考になる.「日本にやってきたマルセル・モース」,いえいえやってきたのは「エドワード・S・モース」ね.「マルセル・モース」は『分類の未開形態』の著者.

◆午前中は日録書きなど.午後1時の気温が35.6度で昨日よりも高い.買いもので外出したらサウナに入ったような息苦しさが,あまりの蒸し暑さにくらくらして速攻直帰した.午後は某NPOの監査作業.午後3時過ぎに監査報告書を書き終えて,返送の封筒詰めをした.明日必着なので即ポストへ.

◆松戸でのヒミツ会議へ —— 猛暑の中,夕方4時に送迎車が到着し,炎天のもと松戸に向かう.ちょうど夏祭りのシーズンで,途中,柏市内では「お祭り渋滞」に巻き込まれてしまった.午後6時前,松戸の常盤台の京割烹〈和楽〉に来るのは久しぶりだ.本日はとある「七福神ヒミツ会議」ということで,会食と打ち合わせの夜を過ごす.来月11日は品川にてさらなる実務的ミーティングが予定されている.

—— 午後11時過ぎつくばに帰還.雨がぱらぱら降ってきた.なんだかいろんなウラ話をたくさん聞いたのだが,さすがにそれはバラせませんなあ.

◆[分類思考]本日の残響:時々色々「新書『分類思考の世界』」(2010年6月17日)※「かなり自由奔放な筆」……って.まあ確かにそういうところは濃厚にあるかな.

◆[蒐書日誌]ジャッキー・リゴー[野澤玲子訳]『テロワールとワインの造り手たち:ヴィニュロンが語るワインへの愛』(2010年7月刊行,作品社,東京,ISBN:978-4-86182-295-7 → 版元ページ).

以前手にした「テロワール本」:Charles Pomerol『Terroirs et vins de France: Itinéraires œnologiques et géologiques, 3 e édition』(1990年刊行,Éditions du BRGM, Orléans, 350 pp., ISBN:2-7159-0106-2 [hbk])はまるで地質学の本だった.

◆明日はラヂオつくばの公開収録が午後にあるのですが,ビール片手になんでしょーか?>関係者.

◆本日の総歩数=2134歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜×.計測値(前回比)=88.9kg(−0.4kg)/24.9%(−0.1%)


23 juli 2010(金) ※大暑の都内を吹き抜ける熱風

◆大暑の未明は┣┣" 撃ちで幕開け.清廉潔白な前夜は健康的すぎる就寝だった.午前2時半に起床し,さっそく NHK Books の原稿書き開始.午前6時前,最後に残ったエピローグ原稿をやっと完成させ,編集部にメール送信完了.これでやっと NTT 出版の系統樹曼荼羅本に進める.朝日が射しこむ秋葉原.今日もまた暑いのだろうな.6:07 に突き上げる地震.こりゃ,居室の本棚の「末端」が崩落したにちがいない.都内に潜伏しているので,つくばの研究室で「本に埋まる」事態には幸いならなかったが,突き上げ地震だったので書棚の深層雪崩がコワいな.鉄道遅延情報によると,常磐線の早朝の地震と人身事故の影響でこの猛暑の中えらいことになっているらしい…….

◆朝の┣┣" 撃ち@秋葉原 —— NTT出版の〈系統樹曼荼羅〉本シリーズはとりあえず「全三冊」で企画を進めることになっている.図版候補はすでに何百枚もデータベース化されているので,まずは各巻への図版の振分け作業から始める.ある程度終わったところで関係者にメールで連絡し,夕方の対面打ち合わせに備える.

◆祝!「1500フォロワー」達成 —— 記念すべき1500人目のフォロワーさんは @unyonyon121 さんですっ!(拍手また拍手) そのうち二号館でお会いしましょうねー.冬学期は毎週顔を出しますので.

◆昼前の┣┣" 撃ち —— ホテルをチェックアウトして外に出たら,いきなりサウナ風呂のような熱気に包まれる.真夏日なのはもちろんだが,今日も猛暑日ライン突破だろう.岩本町から炎天下の神保町へ突入する.日本教育会館での全農林定期大会(二日目).前日に引き続き,各地本からの質問がまだ続いている.12時半に昼休みに入り,弁当が配布された.午後も4時半まで定期大会は続くはずだが,ワタクシはここで中途離脱して,次なる┣┣"撃ちに向かう.

◆[欹耳袋]オープンバイオ研究会 × 生命情報科学若手の会〈ライフサイエンスバーvol2・生命情報ツールのマッシュアップ〉.2010年9月3日,渋谷〈バーAurra〉./柏野雄太「実践!Rで学ぶ統計解析の基礎」.第一回は「Rは統計解析のブッシュナイフだ」/PHYLIP の「neighbor」と「seqboot」そして njplot の使い方(YouTube動画)か.MrBayes その他「やっかいもの」の説明動画があればきっと絶賛ものでしょう.

◆昼下がりの┣┣" 撃ち —— 午後1時,灼熱の神保町は予想通り35度超の猛暑日となり,熱風が吹いていた.地上は耐えられない暑さなので,即座に地下に潜行する.半蔵門線→千代田線→小田急と乗り継いで経堂へ.早朝のダイヤ混乱の余波がまだ続いていた.ハートフル農大通りは明日からの〈経堂祭り〉の準備であわただしかった.しかし,熱風に吹かれて祭り囃子が聞こえてくると,身体の底からアモルファスに融けてしまいそうな気分になる.今日の農大高座は5月にハワイ出張で休講した穴埋めとしての補講.系統推定論についての講義をした.来週月曜は最後の授業になるが,第二回レポートを出す予定(用意完了).帰りの経堂までの歩きがことのほかきつかった.高温でも空気が乾いていればがまんのしようがあるが,高温高湿では逃げ場がなくなる.

◆[欹耳袋]〈PAST: Paleontological Statistics Package〉※古生物学への応用を前提にした形態測定学と方向統計学の統計分析パッケージ.Windows PC 専用.

◆夕闇迫る六本木ヒルズにて最後の┣┣" 撃ち —— 経堂から小田急で千代田線に入り,表参道で銀座線へ,さらに青山一丁目で大江戸線に乗り換えて六本木で再び地上に出た.六本木ヒルズまでの道のりは遠い.芋洗坂をてくてく降りて,今度はいかにも高級そうな店がずらりと並ぶけやき坂を上っていく.六本木ヒルズ・レジデンスBの一角にある〈TORAYA CAFÉ 六本木ヒルズ店〉がヒミツ会議の待合せ場所だ.予定時刻にはまだ間があったので,いかにも涼しげなミント・サイダーを注文し,うぐうぐとビールのごとく飲んでしまう.午後6時,NTT出版の柴さんと画像担当の杉山さんが登場して,ミーティング開始.

今回企画を進めている〈系統樹曼荼羅〉本は,予定通り「全3巻構成」でNTT出版の企画会議にかけることになった.そのための檄文と目次構成をこの週末に書かないといけない.想定読者層はワタクシの現代新書を関心をもつ方面とグラフィック・デザイナー他か.紙バージョンとともに iPad 版もありかもという耳より情報も.事前に版元ウェブで「メイキング」過程を連載すると宣伝にもなって効果的という案が浮上した.〈系統樹曼荼羅〉本の iPad 版のアイデアはだったが,今回はフルカラーのヴィジュアル本なので,画像をしっかり「見る」には iPad のような読書ツールがむしろ向いているのではないか.確かに部分ごとにうにょうによと拡大縮小できるのはiPadのような電子読書ツールの特権的機能だ.

◆燃え尽きてつくばへ —— 夕暮れの六本木ヒルズを後にしたのは,午後7時過ぎだった.灼熱東京をあとにしてつくばに帰り着いたのは午後8時半.帰宅後は「灰」になって廃人と化す.

◆本日の総歩数=11437歩[うち「しっかり歩数」4773歩/44分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(+0.2kg)/25.0%(−0.2%)


22 juli 2010(木) ※トロピカル東京サバイバル日

◆午前4時半起床.もちろん晴れ.夜明け前の静寂.真っ赤な朝日が東の空から打ち上がる.今日も暑いんだろうなぁ.お昼は神保町でカレーを食べることにしよう.東京プチ旅支度の前の日録書きをする.しかし,どこかで別件の原稿書き(NHK Books エピローグ)のためのまとまった時間が必要.加えて,NTT 統計曼荼羅本の図版選びもしないと.しかも,その合間に農大高座あり.都内潜伏中にはワルいことをしないで時間を確保することを旨とせよ.日録二日分を午前10時にアップ完了.

◆朝から炎天猛暑の予感 —— 午前のうちに早くも真夏日になった.10:55発のTX快速に乗り込む.焼けつく地上から地下に降りるとほっとする.正午前に秋葉原着.その足で宿泊先の〈レム秋葉原〉にスーツケースを預けて身軽になる.さて,今日の本務地へ.外はくらくらする酷暑だ.今日もまた35度超の猛暑日か.

◆[蒐書日誌]神保町駅を降りて寄り道したすずらん通りの東京堂書店にて出会う:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ[木村直司編訳]『ゲーテ地質学論集・気象篇』(2010年7月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫],本体価格1,500円,413 pp.,ISBN:978-4-480-09298-4 → 版元ページ).先月出た:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ[木村直司編訳]『ゲーテ地質学論集・鉱物篇』(2010年6月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫],本体価格1,500円,502 pp.,ISBN:978-4-480-09293-9 → 目次版元ページ)の続編.本巻をもってゲーテの自然科学論集は完結とのことだ.参照:『ゲーテ形態学論集・植物篇』・『ゲーテ形態学論集・動物篇』./小野蘭山没後二百年記念誌編集委員会(編)『小野蘭山』(2010年7月刊行,八坂書房,東京,本体価格12,000円,ISBN:978-4896949582).650ページもの厚さがある論文集.

◆ラテン系パワー全開のウシさんとやや疲れ気味の全農林 —— 今日と明日の二日間,日本教育会館(一橋)で開催される全農林定期大会に筑波地本の傍聴者として参加することが今回の東京出張の本務だ.頭上から真夏の太陽に炙られつつ共立学園方向に向かう.日本教育会館の裏手にある神田一橋中学校の正門近くに派手な装飾の牛が飾られていた.今にも踊りだしそうな感じ.サイズは1メートルあまりもあった.生徒が作ったのだろうか.あとで聞いたところでは,〈カウ・パレード〉の出典品だろうとのこと.

全農林定期大会は大きな組合組織らしく?とてもフォーマルなイベントで,暗黙のドレスコードが厳格だった(ワタクシは遵守しなかった).それにしても,全国から東京に代議員・傍聴者を二百名以上も呼び寄せてこういう集会を開催するというのは,時間も手間もお金もかかってたいへんだろう(瑞穂ちゃんも登場した).情勢報告と活動報告,そして大会提案があって,その後は各地本からの質問が延々と続く.まだまだ続く.無許可専従問題に端を発した全農林の組織問題はまだ回復にはいたっていない.給料の返還など財政面でのダメージはもちろんのこと,組合員の組織率の低下も地本によっては顕著で,中央本部としては相当な危機感を抱いているようだ.

—— けっきょく午後6時半までしっかりみっしりと議事が詰め込まれ,蒸し暑い町中に転がり出たのはもう夕暮れタイムだった.この日の都内の最高気温は午後1時に35.2度.

◆全農林定期大会(初日)終了後,筑波地本で飲み会の誘惑もあったのだが,昼ごはんに食べそこねた「カレー」を食べずしてホテルにもどるわけにはいかない.ということで,ずいぶん久しぶりに神保町交差点近くの地下に降りた〈共栄堂〉にてタンカレーを注文.いつもの真っ黒なソースには変わりないが,サワークリームが浮かんだりしてやや高級感が漂っている.久しぶりだったのでライスとソースを両方とも大盛りに.歯ごたえのある牛タンは充実した満足感をもたらしてくれる.神保町のこのあたりは多くのカレー専門店が犇めいていて,ファン投票の結果もずいぶんばらつくようだ.

◆午後1時過ぎにホテルにチェックイン完了.アルコールなしの都内宿泊はめずらしすぎる.原稿を書かないといけないなと思いつつも,暑さでややバテてしまったのか,午後10時になるかならないかで寝てしまった.あまりに健康的すぎる!

◆本日の総歩数=6524歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(+0.2kg)/25.0%(−0.2%)


21 juli 2010(火) ※猛暑日ラインをあっさり突破

◆午前4時半起床.ただいま夜明け前の絶賛朝焼け中.連日,日の出と日の入りの情景を見逃すわけにはいかない.しかし,気温24.0度とすでに高く,日中が思いやられる.午前9時の気温がすでに29.1度に達している.昨日よりもハイペースの上昇率だ.今日は〈夏休みちびっ子博士〉イベントが所内であるとのことで,受付の玄関ロビーだけ異様に平均年齢が低い!午前9時の気温は早くも31.1度.外は真夏のかんかん照りで逃げ場がない.TLで全国各地から届く「暑い〜」とうめくツイートを眺めていると,ディスプレイから湯気が立ちそうな.農環研はフレックスタイム制なので,人によって朝早くから夜遅くまで働くことはできるのだが,館内空調は「定時」の午前8時から午後6時までしか稼働しない.したがって空調的にはフレックスタイムとはとても言えない.

◆[蒐書日誌]もう書店に並んでるかな?:サイモン・コンウェイ・モリス[遠藤一佳・更科功訳]『進化の運命:孤独な宇宙の必然としての人間』(2010年7月21日刊行,講談社,東京,本体価格2,800円, 726 pp., ISBN:978-4-06-213117-9 → 版元ページ).本文500ページに脚注200ページという部厚さ! 昨夜,音羽から二冊届いた.たいへんお疲れさまでした(>関係者諸氏).ワタクシの名前は奥付に載っています.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 押し寄せる組合┣┣" を蹴散らしつつ,農大高座ハンドアウト二回分をつくりまくる朝のひととき./そんなことよりも,今日はマジで原稿┣┣" に決着をつけないといけないのだが./京都復命書・フレックス変更・年休届・定期大会会場確保,すべて完了./朝イチで広報情報室に脱酸処理してもらう本を持参した.9月いっぱいかかるらしい.よろしくお願いいたします.よみがえるか Willi Hennig 1950!/10:30から領域内会議,半時間.

◆[欹耳袋]@tricken「┣┣"狩り五原則(第二版)」−− まさに家訓ですな.

◆正午の気温は33.6度だった.今日こそ猛暑日ラインを突破するのだろうか? 昼休みに農大高座の三点セット(2回分)と第2回レポート課題の作成をやっとすませた.しかし本来撃つべき┣┣" は向こうの放牧場にて憎々しげにのたうっている.情報センターのメンテナンス作業のため,メーリングリストのサーバーやら研究情報交換サーバーやらがすべて止まっている.そのせいで,関連┣┣" どもが大喜びしているところ…….午後1時半,農環研ロビーにて筑波地本書記長から,全農林定期大会の「傍聴者証」を手渡される.

◆[欹耳袋]本日正午に締め切られた第147回農林交流センターWS〈分子系統学の理論と実習〉(8月23日〜25日,つくば)の応募者総数は「77名」でした.百名超だった昨年までよりも少ないのは,野外仕事の多い夏場に変更されたから? 来週の選抜作業が〜.

◆午後3時前の気温は「34.8度」! ほぼ真夏日.いま文春文庫の解説記事を書いているところに,別の出版社から「進化学史について寄稿を」という執筆依頼電話あり.最近はメールでの依頼が多いので,電話依頼は新鮮だったりする.はっと気づけば┣┣" が一頭増殖….今日のつくばは午後3時に35.2度の猛暑日ラインを突破した.夏眠したいなあ.

◆[蒐書日誌]【種】と分類の新刊近刊 —— Richard A. Richards『The Species Problem: A Philosophical Analysis』(2010年7月刊行,Cambridge University Press[Series: Cambridge Studies in Philosophy and Biology], Cambridge, ISBN:9780521196833 [hbk] → 版元ページ)※「種」はいろいろな意味で「メシのタネ」ということ./いまだと予約割引20%かあ!:David M. Williams and Sandra Knapp (eds.)『Beyond Cladistics: The Branching of a Paradigm』(2010年9月刊行予定,University of California Press[Series: Species and Systematics Volume 3], Berkeley, xiv+295 pp., ISBN:978-0-520-26772-5 [hbk] → 版元ページ).

◆夕暮れの┣┣" 撃ち成就 —— ピーター・D・ウォード[垂水雄二訳]『恐竜はなぜ鳥に進化したのか:絶滅も進化も酸素濃度が決めた』(2008年2月15日刊行,文藝春秋,東京,税込価格2,350円,ISBN:978-4-16-369960-8 → 版元ページ) の文春文庫版の解説記事原稿(4000字強)を午後5時過ぎにやっと書き上げて,編集部にメール送信した.大┣┣" を仕留めた心地ぞする.

◆さて,BGMのショスタコーヴィチ「3」のメーデー合唱行進が終わるから,そろそろ撤収の時刻だ.明日から二日間は神田にて全農林定期大会に出るという公務?がある(もちろん年休ね).あいまに,原稿を二つ,そして農大高座があるので,オモテもウラも実はたいへん忙しいのだ.猛暑日の中,都内を徘徊するのはイノチの危険があるかも…….

◆本日の総歩数=3956歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.1kg(−0.3kg)/25.2%(+0.1%)


20 juli 2010(火) ※近未来の┣┣" 放牧場を鳥瞰

◆午前5時起床.当然の晴れと当然の朝日.気温22.9度で,やや蒸し暑い気がする.三連休明けだが,今日は午前は半日年休.午後から┣┣" 撃ち戦線に復帰する予定.全農林定期大会が明後日から二日間あるので,今週の実質的な労働日はないも同然.

◆午前は半日年休で取手あたりをうろうろしていた.昨日よりも暑さが厳しく,さっき農環研に来てみたら正午前の気温は「32.8度」だった.今年もっとも暑くなった昼下がり,外回りをして,コンビニでつい「ペプシ・ストロングショット(強炭酸)」を飲んだとたん,先日の健康診断でバリウムを飲んだときの記憶が次々に〜.

◆今朝から HootSuite の Home feed が更新されない.Mentions など他のストリームはちゃんと更新されているのに.昼になってもまだ死んだまま…….午後になってやっと生き返った.

◆ものは試しに,ウェブ付箋ツール〈lino〉を利用して,向こう一ヶ月の「行事┣┣" 」を入力して,「┣┣" 放牧場」の風景の鳥瞰図(部分)を描いてみた.図像的展開などという大それたことは口にしないが,わらわらと群れ集う┣┣" どものようすを上空から見るだけでも,事態の把握は直感的にラクになる気がする(図像的思考の威力はそのユーザーにしかわからない).それにしても,すでにこれだけの頭数か…….まだ「原稿┣┣"」や「組合┣┣" 」など,描かれていない放牧場の terra incognita が広大に広がっている.┣┣" 放牧場の「原稿┣┣" 飼育室」の鳥瞰図を示したが,ひとつひとつはたいしたことないように見えても,すべて書きだしてみると,たいへんな光景が広がっている.〈lino〉を使ってみてとても便利そうなのは,┣┣" のサイズと頭数と居場所が即座にわかって楽しいところ.それに「キャンバス」がもともととても巨大な点だ.何頭┣┣" を放牧しても carrying capacity まで到達しなさそうだ.コワいけれども使い勝手はいいかもしれない.また,┣┣" 撃ちデッドラインは日ごとにメールで通知してくれるという.毎朝┣┣" が宅配される生活とはいったいどのようなことになるのだろうか.

◆[欹耳袋]数式の「読み方」教材 —— 日本語編:「数式の読み上げ規則」(pdf)/英語編:「英語での数式読み方」(pdf)

◆炎暑の午後2時 —— 気温34.7度の最高気温を記録した農環研は燃えている〜(汗).午後は組合 ┣┣" を乱射するあいまに,原稿┣┣" を最低ひとつ仕留めないと.まずは分会定期大会資料の印刷に関わる打ち合わせば.印刷業者との相談により,定期大会資料の印刷工程日程がほぼ確定した.今月中に原稿をそろえて入稿することが必須らしい.いったんファイル入稿してしまえば,あとは何とでもなる,とか.チカラ技というかなんというか./次期分会執行委員の役職分担に関する打ち合わせは7月27日(火)昼休みと確定した.

◆[欹耳袋]「燃えよトゥクマン!」という感じで……:@Filogeneticaorg〈Curso Cladística - Tucumán - 16-20 Agosto

◆今日の夕暮れも深紅で印象的だった.┣┣" はまだいるが,そろそろ農環研を撤収するか.ヒグラシが鳴くこの時間帯,「笑うくだん」は新たな伝説を産む.夜は原稿┣┣" を追う.

◆本日の総歩数=9735歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=89.4kg(+0.2kg)/25.1%(−0.3%)


19 juli 2010(月) ※炎天下に近場をあちこち徘徊

◆午前5時起床.雲一つない快晴の朝.南風.のぼる朝日が今日もぎらぎらと元気だ.最低気温は23.0度だったが,予報では今日もまた真夏日になるらしい.名目上の連休最終日は昨日みたいな熱帯温室での罰ゲームは勘弁してほしいな.締切までマイナスをカウントしている原稿┣┣" たちがそこかしこにのたうっている.今月下旬から来月までの┣┣" 撃ちリストを更新完了.とりあえずいつも通り「紙」に記入したが,試しにウェブ付箋ツール〈lino〉を使ってみようかと思っているところ.毎日,その日の┣┣" を宅配してくれるみたいだし(汗).

◆朝は牧園〈とむとむ〉にて —— 炭火焙煎珈琲〈とむとむ〉にてクロワッサン・モーニングなど.サイフォンでたてたブラジル・サントスを堪能しました.ガマン大会と罰ゲームにはさまれて束の間のゆったりタイム.しかし,外はもう真夏日のカンカン照りだ.午前10時には早くも気温30.7度に達した.

◆[欹耳袋]〈生態学会若手の会〉 —— その存在を初めて知りました.

◆[蒐書日誌]Judea Pearl『Causality: Models, Reasoning, and Inference. 2nd Edition』(2009年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:9780521895606 → 版元ページ著者ページ).因果関係の推論はほんとうに難しいなぁ.確率論的因果性とか構造モデルとか.

◆昼は天久保〈ごう家〉にて —— 昨日のガマン大会の延長戦ではないが,天久保のラーメン屋〈ごう家〉にて昼ご飯をば.チャーシューメンと卵かけごはんを注文.しっかりとしたとんこつ系スープなので,こういう猛暑日に食べるには客側にも気力と体力が必要だ.外の店で卵かけごはんを食べるのは久しぶりのことかもしれないな.午後2時前,店を出たら頭上から照りつける拷問のような夏日でくらくらしてしまった.この日の最高気温は33.6度に達した.

◆昼下がりの┣┣" 撃ち夢想 —— 依頼されている『思想地図β』の原稿だが,体系学的な「パターン」を中心にいくつか配置を考えている.書かないと,書かないと!/7月22日(木)はやっぱり都内に泊まらないときついかも./進化学会東京大会も都内泊は不可避だろうな.つくばと大岡山との往復は三時間だから単発出張だったらたいしたことはないが,連日“通勤”するのはつらいな.

◆[欹耳袋]「ミクシィの検索機能ってどうなってしまったの?」 —— しばらく前の仕様変更ののち,「新着日記」とか「検索」のメニューがトップページから消え去ってしまって,日記やレビューの検索がいまだにできないまま.コミュ検索や友だち検索はできるのに.日記とレビュー検索ができない……という質問を投げたら,ツイッターで教えてもらった:「ミクシィのトップページ右上にある【サービス一覧】メニューから ,【みんなの日記を見る】で日記検索,【みんなのレビューを見る】でレビュー検索ができる」とのこと.たいへんありがとうございます.助かりました!

◆今日も沈む夕陽が真っ赤に燃えていた.梅雨明けして以来,連日,日の出と日の入りがとても印象的だ.

◆本日の総歩数=4123歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=89.2kg(−0.1kg)/25.4%(+0.3%)


18 juli 2010(日) ※真夏日の連休中日は罰ゲーム

◆午前5時起床.雲一つない早朝の夏空にのぼる朝日がまぶしい.つい先日までの梅雨空がうそのようだ.気温22.3度.今日はちゃんと原稿を書かないといけない.朝の日射しは強烈だが,吹き渡る風は意外に爽やかなのは湿度が低いせいだろう.日なたは暑くても木陰に入れば気持ちいいかもしれない.

◆┣┣" 撃ちメモ —— 7月20日(火)の午前は急遽半日年休を取ることになった./早く┣┣"撃ちリストを更新しないともう管理しきれなくなってきた.

◆朝から気温はぐんぐん上昇.世の中は三連休でもそんなことはおかまいなしに┣┣" 撃ちは続く.正午前に昨日の日録をアップして,農環研に出発.真夏の青空が広がり,気温はすでに32.4度に達している.セミの合唱が耳の奥でじんじん残響する.

◆何かの「罰ゲーム」でしょーか? —— 休日なので農環研館内はもちろん空調は入らないが,いたしかたなし.組合┣┣" 撃ちスタート.任期のエンディングが近づくとともに,わらわらと┣┣" が増殖してしまった.とにかく昼下がりのこの時間帯に何とかしないことにはどうしようもない.BGM の最初はショスタコーヴィチ11番「1905年」.第1楽章はあまりに陰鬱にして,暑苦しすぎる…….真夏の昼下がりにBGMとするにはふさわしくないかも.しかし「罰ゲーム」にはふさわしい.とりあえず,確定した次期の組合執行委員のリストをつくり,役職分担割り振りの打ち合わせ日時のメールを一斉送信する.ついで,分会定期大会の配布資料の執筆分担リストを執行委員に連絡.併せて,選出委員会・青年部・女性部に配布資料への執筆依頼状を出す.

西日が射し込んでくると居室の気温はどんどん上昇して真夏日ラインを常時突破する.扇風機をかけても温風が吹き付けるばかり.組合┣┣" は元気いっぱいで,ホントにもう〜.BGMは人民弾圧的「11」から,共産党革命的「12」へと移行している.午後4時の室温は「31度」そして,午後5時には「32度」へと.午後6時には「32.5度」まで上がった(熱帯温室並み).大会配布資料の印刷業者に週明けの打ち合わせ依頼のメールを送る.分担原稿は Google Docs に保管することにして,そのための新規アカウントを作成完了.関係者にログイン名とパスワードを連絡する.これで,定期大会資料の原稿ファイルは関係者全員がいつでも共有することができる.

◆午後7時前,西日が射し込んでトロピカル温室状態の居室はさすがに居住性が劣悪だ.まだ組合┣┣" は征伐しきれていないが,そろそろ撤収することにしよう.昼過ぎから約6時間も続いた,温室研究室での罰ゲームをやっと終えて外に出たら,暮れなずむ稲荷川の河畔の木立からヒグラシの鳴き声が聞こえてきた.真っ赤な夕焼けが放射状に広がり,藍色の空には上弦の半月が浮かぶ.乾いた南風が吹き渡り異界の門が開かれる.

—— ちょうど時を同じくして,関東各地で「彩雲」が観測されたらしい:「自然の神秘!雲が虹色に輝く「彩雲」画像がツイッターで人気」.瑞兆であってほしいものだ.

◆[欹耳袋]「ダンバー数」について —— 「ダンバー数(Dunber's number)」とは「安定的社会関係を維持できる人数の認知的上限数」(→ Wikipedia)で「150人」が具体的数値としてよく引用されている.この「ダンバー数」が有名な動物行動学者 Robin I. M. Dunbar が提唱したとはぜんぜん知らなかった.メーリングリスト運営経験からいえば会員数「100名」を越えるとコミュニティに「質」が変わるが,ひょっとしたら「ダンバー数」が絡む認知的事象だったのかもしれない. 自分のML運営経験からいえば「100名」を越えると,グローバルな論議はできなくなって,同じ規模(人数)のディスカッションでもどんどんローカルになっていく.

民俗分類学の知見からは識別可能オブジェクト数は「500」が上限という.ツイッターで過度にフォロワー数が増えても,ロングテールの端っこにいる沈黙多数なフォロワーさんはまったく識別できないだろう.メーリングリストでもそれは例外ではない.ML会員数が数百人になると,管理運営上の規則や制約について真剣に意識せざるを得なくなってくる.とくに「1000名」を越えると,経験則としての「0.1%則」が発現して「3σ」を越える「ヘンな人」が暴れるようになる.「1000名超」の大規模メーリングリストだと,運営側で「ヘンな人」をときどき処刑しながら,全体としてはグローバルかつニュートラルな情報提供(人事公募・新刊情報・行事広報など)に流れていくというトレンドがあるようだ.David Hull『Science as a Process』(1988)が,アクティヴな研究者集団は小さい方が効果的と論じた実例は当時のクラディスト集団.1980年代に Willi Hennig Society がつくられたときその実働集団はたった数十人規模だったはず.

—— 社会関係上の認知的限界を示すダンバー数「150」と,認知分類的な上限を示す「500」は,メーリングリストやツイッターという電子コミュニティでも例外なく当てはまっているのかもしれない.

◆本日の総歩数=6008歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(0.0kg)/25.1%(−0.1%)


17 juli 2010(土) ※さくっと梅雨明け,入道雲が

◆午前5時前にあまりに暑くて起床.これから始まるであろう熱帯夜の季節は睡眠タイムの空調に苦労する.いまの気温は24.2度ですでに蒸し暑い.朝焼けのうちはよかったが,でかい顔をして朝日が照りつけるのはとても憎たらしい.一両日中に梅雨明けになるのだろう.ここのところ,春日にある〈エクメック〉の天然酵母パンを偏愛している(〈daivid pain〉は夏休み中だし……).

◆┣┣" 撃ち予定 —— 昨日のうちに大量の┣┣" が発生したため,週末はさまざまな文章(日録・原稿・組合関連)を書く宿命になっている./そろそろ大団円が近づいてきた農大三点セット:7月23日(金)の補講は系統推定論,7月26日(月)は形態測定学と第二回レポート出題.講義日が近接しているのでたいへんかも./京都の復命書を出すべし./DGC base の監査書類は25日(土)必着./脱酸本,21日に図書室へ./分会次期執行委員の役職分担は21日(水)または27日(火)で日程調整すること.その他,組合┣┣" たくさん./集中講義の日程調整二件(京大霊長研と九大比社文),そして玉川大のシラバス./7月20日(火)の午前は半日年休を取ること.

◆朝から過去五日分の日録を書いている(ハワイ日録は放置したままもうすぐ2ヶ月になる……).そのあとは組合関連の ┣┣" 撃ちのため,空調の入っていない(←ここ重要!)農環研に休日潜入の予定.締切を過ぎた原稿┣┣" 撃ちはそのあとになるか.朝からカピオ前の工事音がにぎやかだ.今年もまた「ねぶた」を保管する倉庫がに建つ季節になった.八月末の〈まつりつくば〉まで一月半か.

◆午前11時,お,関東,梅雨明けしました! 夏本番.昼前にはもくもくと入道雲が立ち上がり,夏空らしい表情になってきた.午後3時に本日の最高気温32.6度をマークした.

◆[蒐書日誌]竹澤邦夫『Rによる画像表現とGUI操作[CD-ROM付き]』(2010年7月刊行,カットシステム,東京,本体価格4,200円,口絵8+344 pp.,ISBN:978-4-87783-246-9 → 版元ページ)※Rをグラフ描画ツールとして使いまわすための本.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 7月24日(土)午後3時台に送迎車が来る.松戸の常盤平にある京懐石〈和楽〉にて会合./9月20日(月)の日本哺乳類学会での宿泊先は〈ダイワロイネットホテル岐阜〉で確定./勁草論文集を五冊発注完了.

◆夏らしい夕暮れが近づいてきた.本日は洗濯物がぱりぱり乾いて心地よし.最高気温は32.6度(午後3時)まで上がったが,この時間帯は真夏日ラインを下回っているもよう.午後4時,昨日までの五日分の日録をやっとアップ.祇園祭モード全開です.さて,日も翳ってきたので竹園あたりに夕餉のアルコール調達に出かけ,たがみ酒店で〈南部美人〉の特別純米「にごり生酒」をゲット.ボトルからして涼しげな「夏の酒」は他にもあるが,つい活性にごり炭酸系を選んでしまう.

◆煮っころがす夕方 —— 今日の夕焼けはことのほか鮮やかだったので,「インカの目覚め」の新ジャガで皮付き煮っころがしをつくってみた.甘辛い味付けは上州風.ジャガイモの平均サイズが親指大だったので,たった半時間でできるシンプルな料理.以下,「皮付き新ジャガの煮っころがし」レシピ:

  1. 小ぶりの新ジャガイモ500グラムを水洗いして,5分間電子レンジで加熱する.イモのサイズで時間は変わるが,固茹での状態にするのが目的.
  2. 厚手のフライパンを熱して落花生油を大さじいっぱい投入.
  3. ジャガイモを強火で十分に炒める.
  4. 濃口醤油4+味醂2+砂糖2[すべて大さじ]を投入し,水300ccを注いで強火で茹でる.
  5. 水分が少なくなってきたら,けっして焦がさないように木べらでゆする.
  6. タレが粘るほど水分がなくなったらできあがり.好みでガーリックバターを少量加えると風味が出る.
注意点は「つねに強火」と「焦がさない」の二点のみ.以上のレシピによる調理時間はほぼ半時間.簡単にできて酒の肴にもご飯の友にもなります.

◆本日の総歩数=4395歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(0.0kg)/25.3%(−0.5%)


16 juli 2010(金) ※久しぶりのつくばは真夏日に

◆午前4時半起床.曇り.東風が涼しい.久しぶりに研究所に来てみたら,フシギなことに「机上┣┣" 」は一頭もいなかった.最近は┣┣" もさるもの,遊び相手のいない留守部屋でじっと待つのではなく,ネット経由で出張先に飛んでくる方が多いのかもしれない.外はかんかん照りで,日射しが痛いほど.梅雨明けも間近か.午前8時,近くで段雷が鳴りまくり.今日は何かイベントでもあるの?

◆[欹耳袋]念のため「紙OED」で確認する:「多型的(polytypic)」という言葉は G. G. Simpson (1945) Bulletin AMNH が初出だが,彼は文字通り「typeが複数」という意味でこの単語を用いた.しかし,のちに Morton Beckner (1959) 『The Biological Way of Thought』が Lutwig Wittgenstein の「家族類似性(family resemblance)」の意味でこの語を初使用した.一方,「多性的(polythetic)」 の初出は P. H. A. Sneath (1962) で,Morton Beckner (1959) の意味での polytypic は誤解を招くという懸念から,その代案として造語された.以後,数量表形学では polythetic を使用するようになった.※書棚に並ぶ「紙OED」に癒されるワタクシってとっても変人かしら…….

◆[欹耳袋]第16回野生生物保護学会・日本哺乳類学会2010年度合同大会でのワルダクミ:自由集会〈哺乳類学者・進化学者 徳田御稔の足跡〉2010年9月20日(月)13:00〜14:45,岐阜大学にて.中立的なタイトルとは裏腹に,演者と演題は:大舘智氏「徳田御稔って誰?」/金子之史「徳田御稔の個人史」/岩佐真宏「徳田御稔と齧歯類分類」/本川雅治「徳田御稔と生物地理学」/三中信宏「徳田御稔の分類と進化論」/総合討論(上記演者+阿部永).

哺乳類学会岐阜大会の講演要旨(「徳田御稔の分類と進化論」)を低温研のワルモノ元締宛に送信完了:

徳田御稔の分類と進化論

三中信宏(農環研/東大・院・農生)

徳田御稔の著書とりわけ『二つの遺伝学』(初版1952年)は,ルイセンコ主義が蔓延した戦後日本の科学界・思想界において必読文献とみなされていた。左翼系出版社である理論社から刊行された本書の中で、徳田はメンデル遺伝学は“観念論”的であるとして排除し、獲得形質遺伝を認めるミチューリン遺伝学を学ぶべきである主張した。「ルイセンコ論争」として後世に知られるこの論争に隠れたもうひとつのエピソードに本講演では焦点を当てたい.それは徳田の弁証法的唯物論に則った「種実在論」が,第二次世界大戦直後の混乱期にあった日本に産み落とされ、「種族維持のための単位として実在する種」という(負の)知的遺産を残したという事実についてである.同時代の1940〜50年代にかけて,進化の「総合学説」を構築しつつあったエルンスト・マイアやテオドシウス・ドブジャンスキーが主張した生物学的種概念に対して,徳田は強く反対する論陣を張った。「種」に関する徳田の基本的立場は,「種」は「個体」とは質的に異なる発展段階にある物質状態として定義できるというものである.物質のとる状態の間の対立や矛盾を通じての量から質への転換を説く弁証法的唯物論はいまではもうすっかり廃れてしまった.ヘーゲルの観念論的弁証法に始まり、マルクスやエンゲルスの思想に沿った弁証法的唯物論にいたる系譜は万物の「運動法則」を求めようとする。「種」が個体や細胞のレベルとは“質的”に異なる物質段階であるという徳田の主張は、この弁証法の延長線上に「種」独自の歴史的運動法則があるにちがいないという信念を植え付けた.現代的な視点から見て,その考えがいかに奇妙であったとしても、それに惹かれる事例は後を絶たない。本講演では,「種」の実在性に対する信念が,ある政治的信念と結びついたときの結末を,徳田のケースを取り上げることで考察してみたい.

—— いまどき「徳田御稔」って言われたっていまやほとんど誰も知らないよねぇ…….「御稔」ってちゃんと読める? 「徳田御稔」については『分類思考の世界』にも登場させたのだが,現代新書編集部から「『弁証法的唯物論』って読者は誰も知りませんから補筆をお願いします」と言われたときは,かなりショックではあった.そーですか,「死語」だったんですかぁ.

◆外は夏らしい青空が広がっている.今日は厳しい暑さだ.午前11時に早くも31.4度の真夏日.酷暑の昼下がり,抹茶味の生八つ橋をいただきつつお茶の時間.ほんまに暑おすなぁ.

◆夕刻の組合┣┣" 撃ち —— いまや弁証法的唯物論よりもはるかにコワい全農林(笑).組合関係でまだ数頭のたうつ┣┣" がいるせいで,原稿┣┣" のことはいまは考えられない…….今日は隙間時間を費やして組合┣┣" の調教に追われている.組合┣┣" が狂暴化しつつある今日この頃.組合の次期執行委員候補が全員出そろったので,週明けには次期の役職分担に関する話し合いの場を設定する必要がある.いよいよワタクシたちの任期も大詰めが近づいてきたということ.じわじわ〜と「次期シフト」したいのだが,あと一時間でそのシフトのための分会定期大会の段取りを決めないといけない.午後5時半から,組合執行部で┣┣" 退治の相談を一時間ほどしてきた.9月1日(水)の分会定期大会に向けて配布資料の作成が当面のターゲットとなる大┣┣" だ.今月中に分担執筆をすませるという目標を設定した.原稿依頼をこれから個別にしないといけない.それにしても,新生┣┣" が多すぎる:1) 原稿執筆依頼(選出委員長・青年部・女性部);2) Google Documents の開設;3) ワタクシの担当項目,etc...

◆真夏日の夕暮れに蝙蝠が空を飛び交う農林団地.アヤシいなぁ.帰り道,北の方角の雲間を何条もの稲妻がするどく切り裂いていた.ひょっとして彼方では雷雨が降っていたりしているのだろうか.つくばは蒸し暑いばかりでぜんぜん雨粒は落ちてこない.

◆明日からは世間的には三連休だが,ワタクシ的には勤務日がそのまま三日間続くことになる.

◆本日の総歩数=5801歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(+0.8kg)/25.8%(−0.7%)


15 juli 2010(木) ※兇雲は消え去り夏空の洛南へ

◆午前5時半にいつもどおり目覚めたものの,さすがに浮上することができず,再び潜水.午前7時半にやっと再浮上.明け方は灰色の曇り空だったが,雲間から久しぶりの朝日が射しこんできた.ここ数日続いた梅雨末期の大雨もやっとジ・エンドか.連日連夜の百鬼夜行も消え去ったか.ホテルでの朝食.ここ〈コープイン京都〉は朝食バイキングがとても充実していてありがたい.

◆[蒐書日誌]タイトルがやっと確定したのでお披露目:三中信宏『進化思考の世界:ヒトは森羅万象をどう体系化するか』(2010年9月下旬刊行予定,NHK Books).本文についてはエピローグを残すのみ.図版はこれからの┣┣" .それとともに原稿テキストファイル(すでに納税した章のみ)がドカッと届いた.約400KB.巨大┣┣" の降臨.最後のエピローグがまだ完成していないのは困ったことだ.書きます書きます.

◆[欹耳袋]7月25日(日)13:00〜,ラヂオつくば公開収録:天久保の〈FPGA-CAFE〉にて.内容は,村井啓哲さんによるパフォーマンス,そして村井さん+平藤雅之さん+ワタクシ+里山建築+すすたわりさんによるトーク「ものづくりってなに?」.

◆宇治での番外編 —— 10時過ぎにホテルをチェックアウト.晴れて猛烈に蒸し暑い.京都駅に荷物を預けて,奈良線で六地蔵へ.久しぶりに上り道で大汗をかいた.今回の脇道は宇治の実家まで両親の生存確認をしに行くため.しばしの滞在.晴れときどき雷雨というやっかいな空もようで,午後になっても蒸し暑いことこの上なし.また坂道を降りて大汗をかき,六地蔵から京都駅に戻る.お土産をいくつか買い込んでから,16:02京都発「のぞみ240号」に乗ったとたん爆睡で,気がついたら新横浜を過ぎたところだった.ときどき目が覚めて車窓を見ると,雨が降っていたり,曇ったりしていたが,関東に入ってやっと天候回復してきた.18:23東京着.午後8時前につくば帰還.やっぱりこっちも蒸し暑いな.

◆京都駅で買ったお土産:1)和久傳「希水」;2)七條甘春堂「京若鮎」;3)一保堂「いり番茶」;4)山田製油「ごまらあ油」 ※和久傳「希水」はさっそくいただきました.「西湖」ももちろんうまいが,「希水」の透明感はこの季節には涼しげでとてもよろし.

◆つくばで待ち受けていた┣┣" —— 先日,広報情報室にて診断してもらった, Max Fürbringer の「崩壊本」の件で見積りが届いた.計1800ページの本だが,修復製本に「約20万円」かかるというのは納得出来るのだが,全ページのスキャン&pdf化にフルカラーで「80万」,モノクロでも「20万」かかるというのはビックリ! 覚悟しなければ先には踏み出せない.

◆[欹耳袋]〈縮小専用。〉の進化 —— ウィンドウズ環境で愛用してきた画像縮小ツール〈縮小専用。〉に,新たに〈縮小専用AIR〉というウィンドウズ/マック対応のスペシャル版が公開されていることを初めて知った.ただし事前に〈Adobe Flash Player〉と〈Adobe AIR〉のインストールが必要.

◆遠距離移動で疲労したのか,夜はほぼ廃人となり,意味もなくうろうろしているうちに睡魔が降臨してきた.

◆本日の総歩数=8904歩[うち「しっかり歩数」2103歩/23分].全コース×|×.朝△|昼△|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


14 juli 2010(水) ※京都市内を西へ東へ跳梁する

◆午前5時前起床.ホテルの窓越しに見ると,昨夜からの雨はまだ降り続いているらしい.祇園祭・宵々々山の今日もあいにくの梅雨空になるのだろうか.前夜のうちに室町通りでは露店の設営が進んでいた.宵々山・宵山・山鉾巡行とクライマックスに近づくにつれて,洛中は身動きが取れなくなるだろう.ときおり雨足が強くなったり小降りになったりを繰り返す午前7時,ホテルのすぐ近くにある〈イノダコーヒ本店〉の洋館にて「アラビアの真珠」とともにしばしの読書タイム:Franco Moretti『Graphs, Maps, Trees: Abstract Models for a Literary History』.比較文学における図像ツールの利用について.こういう本がおもしろい.いつもなら早朝から満席に近いこの店も,これだけ降っているせいかやや空いている.さて,ホテルに戻ってから朝ごはんをば.

◆遠隔地でも┣┣" は追いかけてくる(ターミネーター化).組合関連で,分会定期大会の準備が出遅れたことを知らされた.帰ったらそれをつつかないとダメっぽい./全農林定期大会の代議員・傍聴者会議をまた対面でやるのかぁ:7月16日(金)17:30〜.やたら対面会議をしたがるのは組合の悪いクセ./7月28日(水)14:30〜,農環研にて夏季要求回答交渉.三役出席のこと.┣┣" だらけ!

◆[欹耳袋]┣┣" 撃ち猟師がよりよく生きるための Togetter —— 1) 「コミュニティ:立て,万国の #ToDoShoot erたち!」; 2) 「To Doリストの効果的な作成方法

◆第一幕:東山にて —— 午前9時すぎ,鉛色の低い雨雲が低く垂れ込めて,雨足がさらに強くなってきた.東山の稜線もほとんど見えないほど.これはきっと何かの祟りかなぁ.御池通りでタクシーを拾う.濁流渦巻く鴨川を越えて京大時計台に到着.時おり土砂降りが降る中,ワルモノ三人組が次々に集結する.今回京都にきた本務は勁草書房からの刊行が決まっている:中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る[仮]』(2011年刊行予定,勁草書房,東京 → 目次案)に関わる打ち合わせと,執筆者とのミーティング.まずはじめに文学部の板倉昭二研究室にて小一時間ほど.文化系統学の心理的側面について寄稿をお願いした.

その後,時計台前〈カンフォーラ〉にて「総長カレー」(「8%予算削減」の風評のせいかとりわけ辛かった…)を注文し,さらなるワルダクミをばひそひそ交わす三人組.今回は「総長カレー」のステーキカレーをいただきました.ステーキが巨大で,とっても辛かった.他にビーフカレーともう一種類あった.レトルトで地方発送もしているみたいだが.総長カレーの「ビーフカレー」と「ステーキカレー」がたった数十円の価格差しかないのはとてもフシギ.昼下がり,いったんホテルに戻ってD論のコメントをメールで返信した.

◆第二幕:桂にて —— 午後2時過ぎにしとしと雨の中を阪急で桂に向かう.実はここにある京大・桂キャンパスとその奥の日文研こと国際日本文化研究センターに来るのは初めてだ.午後3時前に桂駅に集結したずっこけ三人組は小雨降る中,タクシーで延々と走る,また走る.こんなに遠いんですか…….丘陵を占有する広大な京大・桂キャンパスを越え,住宅街の深奥部にある閑静な山懐に日文研の敷地は広がっていた.雨雲にかすむ借景はどことなく水墨画.瓦屋根の二階建て研究本館はどう見ても高級和風ホテルにしか見えない.庭だって日本式庭園だし.ここもまた総研大のキャンパスのひとつにちがいないのだが,葉山とか立川とはぜんぜんちがう.

ここに来た目的は『百鬼夜行絵巻』の写本系統を研究している山田奨治さんとの打ち合わせのため.論文集への寄稿について内容と体裁の詰めをしつつ,こういう研究環境にしばらくカンヅメにされるとさぞかし原稿仕事がはかどるにちがいないと確信していた.インテリアとエクステリアともに純和風だが,図書館だけは洋風.円形に配置された書棚は大英図書館を模したものか? いいなぁ.ここ.ときおり激しい雨が降り続く洛西の果ての京大・桂キャンパスは,オーシャンビューこそないものの,葉山の総研大キャンパスとどことなく似ていた.再びタクシーに乗り,日文研をあとにする.戻ってきた京都市街地はときどき土砂降りで,長ズボンなんかとても履いていられないほど.半ズボン&サンダルというのはこういう空模様ではとてもリーズナブルな服装だったかも.

◆食いもののウラみは —— 祇園祭のこの季節は「ちまき」とか「若あゆ」を買うべきなのだろうが,喰いもんのうらみはおそろしい.つい寺町の仙太郎で「水無月」をば.くいもんの恨みはおそろしいということで,吸い込まれるように店に入り,延髄反射で買ってしまって,そのまま食べたという「ほとんどケダモノ」.

◆第三幕:京都駅 —— 桂から帰ってきて,またまた柳馬場のホテルにて一休み.午後6時過ぎにホテルを出る.本日最後のミッションは,午後7時からJR京都駅の〈ホテルグランヴィア京都〉にあるレストラン〈ル・タン〉にて,同志社大学の矢野環さんとともに会食しつつ打ち合わせ.今回の論文集では宗祇の連歌写本に関する系統をテーマに一章を依頼している.古写本購入の逸話が出るわ出るわ.

◆真夜中の京都は雨が上がりました.今日はとてもハードな一日で,明朝ちゃんと起きられるかかなり心配だな.

◆本日の総歩数=9539歩[うち「しっかり歩数」3458歩/38分].全コース×|×.朝△|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


13 juli 2010(火) ※洛中潜入,雨降る祇園祭の夜

◆午前5時起床.曇り.北東風が吹き抜ける涼しい朝は久しぶり.気温は21.5度.さて,遅まきながら旅支度の開始だ.近畿地方は豪雨が懸念されるし,蒸し暑さへの対策も.入洛に同行させる┣┣" の選定も重要.朝9時に農環研に顔出ししてごそごそする.小雨が降って涼しい.

◆[欹耳袋]第147回農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉(8月23日〜25日,つくば)は,応募締切(7月21日)までまだ数日あるが,例年ほどの激戦にはならないみたいだ(去年は競争率が4倍弱あった).ご関心のある方はどうぞ.

◆進化学会関連の大岡山┣┣" たち —— 評議員会は8月3日(火)10:00〜12:00./進化学辞典編集会議は8月4日(水)正午から./そして,8月5日(木)午後の文化系統学ワークショップの講演準備ももちろんしないと./大会期間中のホテルをどうするかという問題あり.まだ確保していないけど.

◆[欹耳袋]〈BioSystematics Berlin 2011〉 —— 基調講演や大会プログラム(暫定版)が公開されている.如月のベルリンへ.

◆京都への旅立ち —— 小雨が降る中をつくば駅に向かう.10:30発のTX区間快速で秋葉原へ.東京発の「のぞみ33号」は12:10定刻に出発.新幹線車中で審査中のD論をひとつ読んで,勁草書房の論文集の間違いチェックをしているうちに14:28京都着.うわ,蒸し暑いなぁ.地下鉄で四条まで.錦近くの〈コープイン京都〉にチェックインしてやっと一息つくことができた.曇りときどき雨というあいにくの空模様だ.

しかし,洛中は早くも祇園祭の雰囲気が上昇中.四条通で長刀鉾のまわりに人だかりがしていた.さて暗くなってきたぞ.じとじと雨が降ったりやんだりの洛中.夕闇が迫る中,祇園祭の山鉾を下から見上げたり,上から見下ろしたりというこの季節ならではの風物詩だ.明日からは室町通りから四条通りまで,山鉾と人出で日に日にカオス度が高まるらしい気配.

山鉾が道いっぱいにずらりと並ぶ室町通りは,夕暮れとともに提灯がともされて,なかなか風情がある.雨が降らなかったらもうちょいよく見えたのだが.室町通り界隈はこの時期,ずらりと山鉾が並び,祇園囃子の稽古がある.四条通りの長刀鉾の中にのぼってみた.建物の二階から橋を渡し,山鉾の中に入ることができる.ちょうどお囃子の練習をしているところだった.「女人禁制」の山鉾は現在では珍しいという.

—— ホテルに帰還後,明日の準備をする.朝から夜まで洛中を駆け回る予定になっている.

◆[蒐書日誌]新美哲彦『源氏物語の受容と生成』(2008年9月20日刊行,武蔵野書院,東京,424 pp.,本体価格12,000円,ISBN:9784838602278 → 版元ページ).先行する〈カンタベリー物語プロジェクト〉と同様に,系統ネットワーク推定のソフトウェアを用いて源氏物語写本群の系図を推定した研究書.〈SplitsTree4〉ソフトウェア中の〈NeighborNet〉を用いた系統推定をしている.現物を見るかぎり,ほとんどは個々の写本の解説で,少しだけ系統関係の記述があるようだ.買うべきか否か.

◆本日の総歩数=6090歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=88.5kg(−0.6kg)/26.5%(0.0%)


12 juli 2010(月) ※強い風雨に晒されて農大通り

◆午前4時半起床.ざあざあと雨が降り続き,風速7メートルの南風が吹き荒れて,ベランダのあらゆるものが散乱していた.最低気温25.3度の熱帯夜.今日は農大に行く日だが足もとをしっかりしていかないとぬれねずみになりそう.夜中のうちに「火山弾」が山ほど着弾していたので,起き抜けに受領メールをピンポンのように弾き返した.午前7時には雨はやんだが,なお湿った南風が吹き込んで蒸し暑いことこの上なし.

◆以前,ある編集者さんから「研究者は,背広にネクタイというフォーマルな写真か,飲み屋で酔っぱらっている写真しかないんですね」と言われたことがある.身なりにかまわない研究者とはいえども,日頃からもっとカジュアルにしてしかもセンスのいいポートレイトを撮り溜めておかないといざというときに困る.ワタクシのホームページに載っている写真は,祇園のとあるお茶屋さんでのショット.ややにやけているのは隣りに16歳の舞妓はんがいやはったからです

◆東京へ出撃 —— 朝から不快指数がぐんぐん上昇中.9:32発のTX区快に乗る.空はもう明るくなっているのに,ときどきどこからか暖かい雨粒がぱらぱら降ってくる.午前11時前に着いた.雨足はさらに強まり,傘なんかぜんぜん役に立たない.

◆[欹耳袋]多国語発音ガイド〈forvo〉からフォローされました:@forvo/東急の〈Bunkamura ザ・ミュージアム〉にて「ブリューゲル版画の世界」が7月17日〜8月29日まで開催されるとのこと.

◆経堂にて濡れて蒸れる —— 本日の農大高座は前回に続いてベイズ統計学で,とくにベイジアンMCMCについての解説とデモ.第一回レポートは今日が締切だが,まだ何十個もの火山弾が今夜遅くまで着弾するにちがいない.講義後,外は曇りときどき雨で,すべてが黴びそうな蒸し暑さだった.経堂駅前の〈いまあじゆ〉にて NHK Books の井本さんにプロローグ原稿を手渡す.次回は7月26日(月)16:30にここで最後のエピローグ原稿の納税.これで本文はすべておしまいということだ.

◆つくばに直帰 —— 午後6時半につくば帰還.夕焼けがとてもきれいだった.しかし,案の定,メール受信箱に大量の農大レポート(ざっと数えて50通以上)が着弾していた.受領メールをどんどん送ったのだが,その後も季節外れの五月雨のように火山弾が次々と.受領メール返信にそろそろ疲れてきたぞ.日が変わって第一回レポート提出は締め切った.

◆明日からの旅仕度もしないといけないし.洛中は祇園祭の真っ最中で梅雨本番?(サイアクやなあ).ネイティヴとしてはどんなに暑うても「涼しい顔」をしていないといけないはずですが…….

◆本日の総歩数=9982歩[うち「しっかり歩数」3958歩/38分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.1kg(−0.1kg)/26.5%(+0.9%)


11 juli 2010(日) ※蒸し暑くて運のワルい投票日

◆午前5時起床.気温21.0度にしては湿度が高く蒸し暑く感じる.また雨がやってくるという予兆だろうか.薄曇りの向こうからやる気満々の朝日がのぼってきた.今日もまたフルパワーの真夏日だったりしたらイヤだなぁ.予想通り昨夜から課題レポートの「火山弾」がぱらぱらと着弾し始めている.今日も書きものの一日.その後は晴れたり曇ったりと一進一退で,すっきりしない空模様.予報では昨日みたいなぎんぎらの真夏日にはならないらしいが,夕方からは雨の心配があるとのこと.

◆早朝の「どかん!」について —— 茨城にやってきてすぐのころ,お祭りなど公的イベント日の朝になると早朝6時とか7時に,方々でいきなり「どかんっ!」「どっかーん!」と打ち上がる音にびっくりした.関東に長く住んでいてもこういう経験は初めてだったので,異文化の地に来てしまったかと思った.茨城特有の文化なのだろうか? 〈日本の花火ホームページ〉中の記事「昼の花火と夜の花火」には,そのような「昼花火」の名称として「号砲/段雷/万雷」が挙げられていた.

◆今日の必修┣┣" —— 参議院選の投票は天気が崩れない朝イチにかぎる.午前9時前に竹園公民館にて投票をすませた.炎天下を往復歩いたらとても蒸し暑かった.

◆〈UTalk〉のアナウンス —— 「UTalk: 世界を分けよう、分類マンダラ」:2010年8月21日(土)14:00〜15:00 @ UT Cafe BERTHOLLET Rouge(東大・本郷キャンパス).その他に:〈Science and Communication〉や〈researchmap〉にもすでに転載されている.「定員15名」という開催規模が UTalk のポリシーを感じさせる.

◆[欹耳袋]MT Holder, PO Lewis, DL Swofford (2010) The Akaike Information Criterion Will Not Choose the No Common Mechanism Model. Systematic Biology, 59: 477-485; doi:10.1093/sysbio/syq028. AIC にしたがってモデル選択してみたら,パラメーター過多の「NCM仮定」は一貫して採択されなかったという論文.Tuffley & Steel (1997) の結論は共通要因がサイト間でパーフェクトに欠如する「極限状況」としてのNCM仮定のもとで「MP=ML」であることを示しただけで,それがモデル選択の最適解であるという要求はしていないはず.現実に最適モデルとして選ばれるかどうかとは無関係で何も問題はないだろう.

◆「平均」のもつ認知作用について —— 統計的な意味での「平均(値)」がヒトの直感にアピールしやすいのは,それが心理的本質主義になじみやすいからだろう.つまり「平均=本質」という等式が無意識のうちにわれわれヒトにはあるということ.やっかいなことに「一般人」のような「一般に」という言語表現は「平均値への強制(矯正)」を背後に隠していることが多い.データから求められた単なる推定値であることを越えて,「平均(値)」が何らかの規範的あるいは強制的意味をもちやすいとしたら,その含意を背後で支えているのはヒト固有の心理的本質主義だろう.「平均」は直感的にだれにでも理解しやすいのに対し,「分散」の理解度は大きく下がるという統計リテラシーの問題もまた,そういう認知心理的基盤を踏まえて考察した方がいいかもしれない.

チャールズ・ダーウィンのいとこのフランシス・ゴルトン(生物統計学の創始者)が19世紀当時の写真合成術に関心をもったのは,「人種」ごとの顔の「平均」を写真合成で算出することにより,各「人種」の本質を求めようとしたから.一方,同じ関心をもったルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは,写真画像をいくら並べても「本質」の発見にはつながらないと見て,代わりに提出したのが「家族的類似度(family resemblance)」という polythetic クラスターの概念だ.この概念的出自を考えるならば家族的類似度はもともとアンチ本質主義的と言わなければならない.だから,ヴィトゲンシュタイン流の「家族的類似度」的な発想で何らかの本質主義を擁護しようとするスタンスは,そもそも概念史的にまちがっているのではないかと推測される

—— 要するに,Richard Boyd が提唱する[弱いけれども]本質主義的な「homeostatic property cluster concept」は概念史的に大丈夫なのかという疑問である.[付記]Ian Hacking (1991), On Boyd. Philosophical Studies, 61(1-2):149-154.(DOI 10.1007/BF00385838)を読むべしとのコメントをもらった.

◆[欹耳袋]オンライン付箋ソフト〈Lino〉.パーソナル用の付箋ソフトはほかにも多々あるが,コンテンツを他人と「共有できる」という点がこの付箋ソフトのウリなんだろう.テキスト付箋だけでなく,画像などファイルの添付もできるという.試用してみるか.

◆夕方が近づくにつれ,しだいに雲が厚くなり,また不快指数も単調に高まっていった.午後5時に家を出たらすでに生暖かい小雨がぽつりぽつりと.イヤな予感とともにノバホールに向かう.今日は東大オケのサマコンがあるので,当日券で入ろうと甘く見ていたのが最大の敗因だった.傘をさしてノバホールに向かう人々多数あり.不安感を増しつつ,「東大オケの当日券はありますか?」と受付の団員に訊いたところ,「本日は満席につき当日券の販売はございません」というすげない返事に弾き返されすごすご退散.きっとつくば在住の東大オケ OG/OB たちがこのときとばかりに売りまくったか,それともつくば外務担当が身を粉にして売り歩いたか.いずれにせよ本番は頑張ってください.精ちゃんの超速チャイ4にはたして最終楽章のシンバルは耐えきれるか!

—— ということで,必然的に長い夜をシズカに原稿を書いてすごすハメになった……. orz

◆本日の総歩数=5765歩[うち「しっかり歩数」3095歩/28分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.2kg(−0.1kg)/25.6%(−0.6%)


10 juli 2010(土) ※真夏日に灼熱カレーを仕込む

◆午前5時起床.久しぶりにすっきり晴れわたる青空.朝日がまぶしい.南風.気温21.3度で涼しい.湿度が低いのは空気が入れ替わったせいか.昨日までの蒸し暑さとは無縁の爽快な朝.さて,この週末も原稿┣┣" とたわむれます.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 久しぶりの晴天で洗濯物をほしまくる./関連メーリングリスト宛に,昨日届いた『進化論はなぜ哲学の問題になるのか』の紹介と目次情報を乱射完了.

◆[欹耳袋]多言語発音ガイド:〈Forvo〉いまの時点で「650.737 語の592.804 件の発音 が241の 言語で」だそうです.

◆強烈な真夏日 —— 暑くならないうちに買い出しに行ってチキンカレーを大量に仕込む準備をしようと思ったが,時すでに遅く午前11時の気温は早くも31.4度に達し,久しぶりの真夏日の夏空が広がる.昼前に農環研に潜入してごそごそする.グロテスクな「13」の〈バビヤール〉をBGMにちょっと仕事.あ,トマトの缶詰を買い忘れたっ.帰りに買うべし(┣┣" 追加).

◆さっきから〈バビヤール〉が背後で絶叫している.ショスタコーヴィチにしろラフマニノフにしろロシア音楽で「鐘(カリヨン)」が鳴ると「この世からおさらば感」が漂うのは気のせいか.マーラーの「鐘」の使い方とはぜんぜんちがう.さて,〈バビヤール〉が静かに幕を下ろしたので,そろそろ農環研から撤収準備を始めるか.このまま「12」→「11」と進軍して「革命成就」を叫ぶわけにはいかないし.午後になってさらに気温は上昇している.湿度が低いのが救いだが,どことなくヨーロッパ内陸的な暑さになってきた.

◆[分類思考]本日の残響: 〈ISIS本座〉 ※「方法論の部屋:分類」の棚に置かれているのだが,なんだか書物戦争が起きそうな気配…….もちろん,「分類学」はもともと議論が尽きない業界なので,緒論が入り混じった雰囲気をブラウズする「棚」があっていいと思います.ワタクシの居室の「分類棚」では毎夜毎夜バトルが繰り広げられているはず./@nash_bridges 「三中信宏を読むならソシュールを読んだ方が早くないですか?と、立ち読みした限りでは思うのであった。」(2010年7月9日)※入らなくてもいい「樹海」に踏み込むのはやめた方が賢明ではないですか?と、ツイートを読む限りでは思うのであった。

◆昼下がりは厨房にてカレーづくり —— どうせ暑いのだからとガマン大会のように火を使い始める.チキンカレーの仕込みを開始.タマネギ大3個+ニンニク+ショウガの薄切りを一時間ほど炒めてしっかりルーをつくる.さらに香辛料などを炒めあわせて,完熟トマトのざく切りを投入する.塩胡椒とヨーグルトであらかじめ下味をつけた鶏のもも肉とホネ付き手羽元計800グラムをナマのまま煮立った鍋に投入.ニンジン大2本は大きく乱切りにして投入.あまり濃い味付けにはしない.今回は鷹の爪を3本入れて中辛にした.いったん沸騰させてから弱火に,あとはそのまま放置しても時間がちゃんと調理してくれる.ビーフカレーやポークカレーだと肉の下準備がかなりたいへんだが,その点チキンカレーは楽だ.

3〜4時間も煮込めばチキンカレーは十分に食べごろになる.最後には鶏肉とホネは泣き別れて,鶏肉がほろほろと崩れるぐらいになる.ここまで煮込むと美味.最後にヨーグルトとガラムマサラで調味完了.付け合わせのジャガイモは小粒の「インカのめざめ」の小粒を皮ごと茹でて食卓へ.ルーづくりに時間はかかるけど,ていねいに煮込めばさらりとしてしかもコクのある味わいが出る.

—— 午後5時過ぎ,最高気温が31度を越えた今日のつくばは,南風が吹き込む夕暮れに蝉の鳴き声がじんじん響いてもう真夏の風景だ.暑いことは暑かったが,湿度が低いので許そう.

◆何十年ぶりかに中学の同級生から電話があった.何事かと思ったら「幸◎実現党に投票してほしい」との投票依頼.うーむ./来週月曜が締切の東京農大のレポートがまだ数通しか届いていない(履修者は「140人」!).この分だと締切日の夜「火山弾┣┣" 」が降り注ぐ公算が大.うーむ.[業務連絡]7月12日(月)締切の第一回レポートをメール送信してくる履修生諸氏,レポートも大事だけれど,「氏名・学籍番号」をお忘れなく! すでに名無しのレポートが散見されます.

◆本日の総歩数=4681歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(+0.1kg)/26.2%(+0.4%)


9 juli 2010(金) ※バリウム飲んで新刊が届いた

◆午前4時半起床.曇り.昨日の日録アップロード完了.今日は終日研究室に実在するが,朝イチの健康診断の後,┣┣" 撃ち戦線に復帰する.来週は祇園祭シーズンに突入している京都に潜入するという工作活動があるので,そのしたくも必要か.

◆でもって,朝イチの┣┣" 撃ち —— 昨年まではメディカルで「人間犬」になっていたのだが,今年は人間ドック募集の広報をスルーしてしまって,職場での定期健康診断とあいなった.午前8時過ぎ,玄関前に横付けされた検診車での検査は初めての経験.炭酸とバリウムでお腹がヘンになって,しかも満腹してしまうワタクシっていったい…….その他の検診項目を受けつつも,下剤とともに水を馬みたいに飲んでいた.朝のいまの気分はマーラーの「5」の冒頭章の「葬送」の気分ですな.一時間もかからずに検診が終わったので,┣┣" 撃ちに復帰しましょ.

◆農大高座も大詰め —— 7月12日(月)の講義はベイズ統計学の続きで「ベイジアンMCMC法」について説明します.デモは MCRobot を用いてこの手法の直感的理解,計算例はRとWinBUGSを使います.時間があまれば「R」についてのガイダンスなど./ついでに今後の講義予定も.補講日7月23日(金)は生物系統学(系統樹の推定)に関連する統計手法の適用,7月26日(月)は形態測定学(かたちの計測)の統計手法です(この日に第2回レポートを出題).最後の9月13日(月)はレポートの解説と総括を予定しています.

◆今日は昨日ほどの酷暑にはならず,午前11時の27.7度が最高気温だった.

◆昼下がりの┣┣" 撃ち —— 7月23日(金)の〈系統樹曼荼羅〉ミーティングは午後6時から六本木の〈TORAYA CAFE 六本木ヒルズ店〉にて./例年通り〈DGCbase〉監査関連書類が届いた.7月29日25日までに返送必着とのこと. /分会の技専要求書(案).当局提出をする./yahoo のアカウントを取得する.flickr〉アカウント取得のため.

◆午後4時,それまでずっと曇り空だったが,いつの間にか雨が降り出している.気温もいまは26.5度まで低下してきた.BGMに久しぶりのショスタコーヴィチ「15」を聴きながら,原稿を書いてます書いてます.その次のBGMは「14」つまり〈死者の歌〉だ.ショスタコーヴィチの後期交響曲はどれもこれも「あの世」感が色濃く漂う.それを聴きつつ,ワタクシは「この世」で原稿を書き続けている.午後7時,「14」が終わったので,そろそろ撤収時刻.NHK Books の「プロローグ」の改訂作業は完了.400字×35枚ほどになった.次は「エピローグ」だ.

◆手羽先を焼く夜 —— 帰宅しても雨はなおざあざあ降り続いている.東風が強い.生活クラブの鶏手羽先があったので,シンプルに塩胡椒を降って,皮付きジャガイモ(二つ割り)とともに,210度のオーブンで40分ほど焼いたらかりっと焼き上がった.よしよし.つくってしまってから反省してもしかたがないのだが,もう少しイタリアンなスパイスを利かせるべきだった.オリーブの風味があってもよかったか.付け合わせも皮付きベークト・ポテトではなく,トマトソースのパスタの方が合っていたのでは?

◆やっと着弾! —— 松本俊吉(編著)『進化論はなぜ哲学の問題になるのか:生物学の哲学の現在』(2010年7月20日刊行,勁草書房,東京,viii+234 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-326-10198-6 → 目次勁草書房近刊情報).帰宅したら仕掛人さんから見本刷二冊が届いていた.現物を手にすると感慨無量でございます.聞くところによると,フライング気味の書店ではすでに店頭に現物が並んでいるとの目撃情報あり.見かけたら手に取ってくださいな.

本書の目次情報を転載すると下記の通り:

【目次】
まえがき(松本俊吉) i

第1章:自然選択の単位の問題(松本俊吉) 1

 1.1 選択の単位の問題小史 1
 1.2 対立遺伝子選択主義をめぐる問題 4
 1.3 集団選択説をめぐる問題 14

第2章:生物学的階層における因果決定論と進化(中嶋敏幸) 27

 2.1 はじめに 27
 2.2 システムと階層 28
 2.3 生物学的実体による通時的な階層形成 32
 2.4 自然選択と進化個体群 36
 2.5 階層間の因果決定性 39
 2.6 階層と選択のレベル 45
 2.7 おわりに 50

第3章:生物学における目的と機能(大塚淳) 53

 3.1 目的論とは:今日における問題 53
 3.2 目的指向性と因果的説明 54
 3.3 進化生物学における機能言明 60
 3.4 発見法としての目的論 65
 3.5 「型の一致」と適応主義批判 68
 3.6 結語 72

第4章:進化論における確率概念(森元良太) 75

 4.1 なぜ確率概念が問題になるのか 75
 4.2 決定論的世界観 78
 4.3 非決定論的世界観 81
 4.4 不可知論と一般化 85

第5章:理論間還元と機能主義(太田紘史) 95

 5.1 理論間還元モデル 95
 5.2 多重実現可能性と機能主義 100
 5.3 論争と展開(1)多重実現再考 106
 5.4 論争と展開(2)機能主義再考 109

第6章:種問題(網谷祐一) 121

 6.1 はじめに 121
 6.2 生物学的種概念 124
 6.3 系統学的種概念 127
 6.4 多元主義 130
 6.5 種の存在論的地位:種は個物か 131
 6.6 おわりに:「種」の認識論的意義 135

第7章:系譜学的思考の起源と展開:系統樹の図像学と形而上学(三中信宏) 141

 7.1 はじめに:分類科学と古因科学 141
 7.2 分類思考:形而上学的パターン認知 144
 7.3 系統樹思考:アブダクションよる推論 152
 7.4 ふたつの思考法:メタファーとメトニミーのはざまで 155
 7.5 おわりに:系統樹の図像学と形而上学 158

第8章:人間行動の進化的研究:その構造と方法論(中尾央) 163

 8.1 起源:人間社会生物学 164
 8.2 代案(1):遺伝子と文化の二重継承説 168
 8.3 代案(2):進化心理学 173
 8.4 継承:人間行動生態学 177
 8.5 結語 180

第9章:進化倫理学の課題と方法(田中泉吏) 185

 9.1 はじめに 185
 9.2 進化心理学とは何か 186
 9.3 倫理の進化を探るために 188
 9.4 「遺伝子の倫理」は可能か 196
 9.5 倫理は主観的か,客観的か 200
 9.6 おわりに 203

用語解説 207
人名索引 231
執筆者紹介 234

◆本日の総歩数=7753歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜○.計測値(前回比)=89.2kg(−0.1kg)/25.8%(+0.3%)


8 juli 2010(木) ※梅雨の中休みは真夏の太陽が

◆午前4時半起床.昨夜は雨がしとしと降り続いていたが,路面はまだ濡れているが,今朝は雨上がりの曇り空.気温22.4度でやや涼しい.今日もおとなしく本務地に実在しています.早朝は靄っていたが,そのうち晴れて真夏の日射しが照りつけてきた.今日は暑くなりそうだ.

◆[欹耳袋]8月21日(土)14:00〜15:00に本郷の東大〈UT Cafe BERTHOLLET Rouge〉で予定されている〈UTalk〉での一席:三中信宏「UTalk: 世界を分けよう、分類マンダラ」 のアナウンス文につき内容確認完了.今週土曜に告知開始とのこと.よろしくお願いいたします(>関係者諸氏).

◆[蒐書日誌]黒岩比佐子『古書の森 逍遙 —— 明治・大正・昭和の愛しき雑書たち』(2010年6月20日刊行,工作舎,東京,口絵4+390 pp.,本体価格3,200円,ISBN:978-4-87502-430-9 → 版元ページ).著者のブログ〈古書の森日記 by Hisako〉の単行本化.上下二段組みでびっしりと活字が組まれていて,全部で220冊の古書が登場する.目次を見ればわかるように,「村井弦斎」や「国木田独歩」など何本かの太い柱のまわりにうずたかく積み上がる古書の山.古書蒐集をめぐるエピソードもいっぱい.

◆┣┣" 撃ち進捗 —— 昨日からメーリングリスト管理ウェブサイトに入れない…….メンテ中なのだろうか.アドレス変更などはしばらくお待ちを./次期の分会執行委員が着々と決まりつつあってうれしいな.組合の仕事は例年の半分もしていないけど(書記長業務).

◆[蒐書日誌]こんな資料があったとは!:『日本における統計学の発展(全55冊)』.昭和55・56・57年度科学研究補助金総合研究(A)研究成果報告書「日本における統計学 研究の発展」(課題番号53301 ; 研究代表者: 西平重喜).速記録だそうだ.参照:Webcat検索結果

◆梅雨はいったいどこへやら.真夏の日射しとともに気温は急上昇.正午には29.9度,そして午後2時には30.7度の本日最高気温をマークした.

◆[蒐書日誌]前野良沢資料集(全三巻) —— 全巻( → 全巻構成)の書誌情報は下記の通り:

  1. 鳥井裕美子(監修)/佐藤香代(編)『前野良沢資料集(第一巻)』(2008年刊行,大分県立先哲史料館大分県先哲叢書],大分,定価5,300円,4+436 pp.)
  2. 鳥井裕美子(監修)/佐藤香代(編)『前野良沢資料集(第二巻)』(2009年3月刊行,大分県立先哲史料館大分県先哲叢書],大分,定価5,100円,16+356 pp.)
  3. 鳥井裕美子(監修)/佐藤香代(編)『前野良沢資料集(第三巻)』(2010年刊行,大分県立先哲史料館大分県先哲叢書],大分,定価5,300円,16+382 pp.)
平凡社・東洋文庫に入っている岩崎克己『前野蘭化(全三巻)』(1996〜1997年刊行)が手元にあるが,大分で別の資料集が出ているとはぜんぜん知らなかった.300部限定出版で,大分県立先哲史料館(a31710@pref.oita.lg.jp)に直接注文するしか入手の手だてはないという.

◆┣┣" どもに包囲されて立往生する昼下がり —— どれか一頭を仕留めればいいのだろうけど…….その決断がまだできない.

◆[蒐書日誌]エルンスト・ヘッケル『生物の一般形態学(Generelle Morphologie der Organismen)』(1866)の電子本について —— ヘッケルの主要著作は,たとえば〈Internet Archive〉から pdf や Kindle など各種のフォーマットでフリーダウンロードできる(→ 検索結果) しかし,ここで公開されているヘッケル『生物の一般形態学』の pdf 版(Band II)を見ると「Tafel III」が欠落しているようだ.東大総合図書館にある「紙」原本を基準に復刻版・電子版の善し悪しが判定できてしまう.電子本の完全性を上げるのはなかなかむずかしいのだろうか.手元にある『生物の一般形態学』(1866)の Walter de Gruyter 版リプリントでは,原書の折込図版(Tafel IV と VII)があっさり無視されていて資料価値はゼロだった.また,同書の電子版は〈Biodiversity Heritage Library〉でも公開されているが(→ 検索結果),こちらは変形図版をスキャン後むりやり定型にデフォルムしてしまっている.うーむ,なかなか及第点は与えられない.テキスト部分に関しては問題がなくても,図版部分のミスは致命的かも.

◆[欹耳袋]これは役に立つ!:山口大学教育学部教育心理学教室「Rオンラインガイド」(2010年7月公開).Rのインストールから始まって,基本操作やいくつかの統計計算まで,音声入り動画ファイル(WMV形式)が公開されている.初心者への説明をするときにとてもいい教材になるのではないかと期待している.次回の農大高座では,ベイジアンMCMCを説明した残り時間に,Rについてのイントロを講義しようと思っていたところなのでグッドタイミングかもしれない.

◆今日は午後6時過ぎに早めに撤収.梅雨らしからぬ淡い夕暮れの光景で,雲の表情も「夏」ではない,掃いた風情あり.さて,夜はNHK Books のプロローグとエピローグの構成を考え直す時間に当てる.いちおうほかの原稿┣┣" たちも連れ帰ってはきたのだが,そのまま放置かも.

◆本日の総歩数=6502歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=89.3kg(0.0kg)/25.5%(−0.1%)


7 juli 2010(水) ※雨降る七夕に新刊は飛び立つ

◆午前4時半起床.雨がざあざあ降る七夕の早朝.予報通りの本格的な降りだ.気温22.7度.今日は午前に領域会議,午後は広報情報室にて文書管理と脱酸処理についての説明会がある.締切をシズカに過ぎつつあるいくつかの原稿については┣┣" 撃ち加圧が高まってきた.雨は早朝であがり,午前9時にはもう青空から夏日が.ニイニイゼミの合唱が始まる.

◆┣┣" 撃ち予定 —— 8月5日(木)の〈農環研・夏祭り〉では分会執行委員の欠席が多いので,マンパワーを補強して,例年通り「焼きそば」の大量調理に備えないと飢餓難民が出るかもしれないとの連絡あり.確かに,組合がエンドレスに焼きそばを焼き続けることが,「民衆蜂起」に対抗する制御棒になっていることは例年たしかである.

◆いきなり飛び出す超弩級の新刊 —— サイモン・コンウェイ・モリス[遠藤一佳・更科功訳]『進化の運命:孤独な宇宙の必然としての人間』(2010年7月下旬刊行予定,講談社,東京,本体価格2,800円,729 pp., ISBN:978-4-06-213117-9)七夕の前夜,音羽から闇夜の飛脚あり.えっ,あのモリス本がついに店頭に並ぶのですかっ.長い道のりだったなぁ.この『進化の運命』はいわば「収斂進化百科」で,宇宙から生物そしてミクロな世界にいたるまで,「収斂(convergence)」がいかに普遍的に生じているかを網羅することで,ヒトの出現は「偶然」ではなく「必然」であると主張する.コンウェイ・モリスの目標は,ヒトの出現は偶然に過ぎないと言い続けたスティーヴン・J・グールドの『ワンダフルライフ』的スタンスの完全粉砕にあり,その点で2003年に原書が出たこの本が翻訳された意義は大きい.同じバージェス動物相を出発点としても結論はかくも異なる.

コンウェイ・モリスの翻訳草稿の紙束とともに,草津温泉にある講談社の保養所に監禁されたのは五年前(2005年)のお盆の数日間(8月12日, 13日14日,そして15日)だった.もともとが脚注だらけのたいへんな本だったが,何はともあれ出版までこぎ着けることができたのは幸いだった.講談社からの情報によると,『進化の運命』は第二週末に見本刷が届き,7月22日には書店店頭に並ぶとのこと.700ページ超の部厚い翻訳書を本体価格「2,800 円」に抑えるために,初刷は「ええっ!? それは強気ですなぁ〜」というくらい刷るらしい.太っ腹っ.

原書は:Simon Conway Morris 『Life's Solution: Inevitable Humans in a Lonely Universe』 (2003年刊行, Cambridge University Press, Cambridge, xxii+464 pp.,ISBN:0-521-82704-3 [hbk] / ISBN:0-521-60325-0 [pbk] → 目次).なお,ワタクシは「編集協力者」として奥付に名前が入っています.

—— でもって,編集協力者としての新たな┣┣" として『本』9月号に掲載する新刊紹介文を依頼された.締切は7月29日.分量は「400字×8枚」.

◆午前11時前に領域会議にすべりこむ.会計検査院は余計な┣┣" を「しもじもの者」に降らせてはいけませんよ.外は晴れときどき曇り.気温は25.8度の蒸し暑い夏日.ニイニイゼミの合唱がフォルテになって室内でも聞こえるほど.今日7月7日は作曲家グスタフ・マーラーの誕生日.1860年7月7日マーラーはチェコに産まれた.さて昼下がりタイムのBGMは,マーラーの「10」からさかのぼることにしよう.ちくちくと┣┣" 撃ちをしているうちに「9」が終わって,いま「8」の第一部のオルガンが鳴り響いている.さあご唱和を!「Veni, veni, Creator Spiritus!」.

◆[欹耳袋]予知能力をみがくしかない —— Science Japan 記事:「日本の科学研究動向レポート、『グローバル・リサーチ・レポート:日本』を発表」(2010年7月6日付).トムソン・ロイターのこのレポート全文は無料登録でダウンロードできる.参考記事:大「脳」洋航海記「日本の科学研究業績はこの10年に渡って低迷し、衰退の兆候すら見せている」(2010年7月7日).今後サイエンティストを目指す人々はいやおうなくこの「沈没船」から脱出するしか選択肢はなくなる? しかし,切迫した問題は向こう十年先のことではなく,「いま」をどうするかということだろう.

◆広報情報室での図書保存説明会に出てきた.いただいた名刺を見ると,図書の脱酸処理・製本・電子化の三社による連携事業だそうだ.とりあえず「ブツ」として手元にある Max Fürbringer 本(1888)と Willi Hennig(1950)を持参.Hennig 本は紙質は話にならないが製本は堅牢なので,脱酸処理のみでOKでしょうとのこと.しかし,Fürbringer 本は逆に脱酸処理をすると彩色図版の変色が心配なのと,紙質は問題ないとのことで,解体してスキャニングした上で再製本してはどうかということになった.ただし,サイズがA3版と大型で,しかも天がアンカットという付帯制約条件があるのでめんどう.いずれにしても,経費との兼ね合いがあるので,そこのところがまず問題か.

◆居室に戻ってきたらいつの間にか雨が降り出していた.BGMは宇宙が共鳴する「8」が終わって,一転,錯乱気味の「7」に突入している.夕方だし〈夜の歌〉もいいかな.ふたたび┣┣" 撃ち戦線に復帰しているうちに, 「7」最終楽章の喧噪がようやくやんだので,今日はそろそろ撤収しよう.

◆こちらからも見本刷り発射の知らせが —— 松本俊吉(編)『進化論はなぜ哲学の問題になるのか:生物学の哲学の現在』(2010年7月中旬刊行, 勁草書房,東京, 本体価格3,500円, ISBN:978-4-326-10198-6 → 目次版元ページ)は,見本刷が本日発送されたとの連絡あり.書店に並ぶのは7月13日以降とのこと.

◆┣┣" 撃ちメモ —— 7月23日(金),18:00から六本木(場所未定)にて,〈系統樹曼荼羅プロジェクト〉に関するミーティング.それまでに図版のセレクションとオーダーリングをすませておかないと./7月12日(月),12:15〜12:55,地本・第三回昇格闘争委員会.農大高座のため欠席確定.

◆午後7時に撤収.小雨でやや涼しくなっていた.夜も雨が降り続く.

◆本日の総歩数=6516歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.3kg(+0.3kg)/25.6%(+0.7%)


6 juli 2010(火) ※今日はおとなしく居室に幽閉

◆午前4時半起床.曇り.気温23.0度.湿度が高い.今日はおとなしく農環研に実在しています.組合┣┣" が吠えているが,相手をしていられるかどうかという感じで(他┣┣" 大杉).そろそろ9月1日に予定している分会定期大会の段取りをつらつら考えたりしている(逃げる準備だ).昨日の日録をさくっとアップロード完了.

◆[欹耳袋]訃報:梅棹忠夫 —— 故・梅棹忠夫の学問的出自は,もともと京大での個体群生態学研究の創始者である内田俊郎と森下正明の弟子筋にあたるらしい.若い頃に梅棹が手がけた数理生態学研究(動物個体群動態)は,その後,湯川秀樹の教え子だった寺本英に引き継がれていったとのこと.ざっと見ても,梅棹忠夫は本筋の「生態学」の道を歩んでいたよう に見える.後年の文明論的な言説とはまったく別の研究者人生があったということだ.こういう機会に,故人を含むかつての「人脈・地脈」の系統樹を描くのは理解を深める手段として有用.

◆「ブループラネット賞」を毎年出している公益財団法人旭硝子財団から刊行された報告書.「本編」と「データ集」との2冊セットで,その一部はインターネット公開されている( → 公開資料[pdf: 2.7MB]):地球環境問題を考える懇談会(編)『生存の条件:生命力溢れる太陽エネルギー社会へ』(2010年5月刊行,旭硝子財団,東京,261 pp.,非売品)/地球環境問題を考える懇談会(編)『「生存の条件」を読み解くために[データ集]』(2010年5月刊行,旭硝子財団,東京,214 pp.,非売品 → 公開資料[pdf: 2.7MB])見開き2ページで統計グラフと解説を付す形式のフルカラー本.

◆[欹耳袋]巨大な歯鯨の学名の話 —— Natureの記事「Call me Leviathan mervillei」で報じられている通り,化石で新発見された巨大なハクジラは学名「レビアタン・メルビレイ(Leviathan mervillei)」と命名されたそうだ.ヨブ記の怪物レヴィヤタンと『白鯨』の原作者の名前を併せ持つとは強烈きわまりない! すでに Togetter - まとめ「Levi・ melvi」が公開されている.こういうキャッチーなネーミングを世に出す楽しみというのもきっとあるにちがいない.

◆┣┣" 撃ちメモ —— 7月25日(日)午後に予定されている:村井+平藤+三中鼎談収録(13:00〜15:00)@〈FPGA-CAFE〉天久保は,正午に現地集合ということになった./明日7月7日(水)10:30から領域会議.

◆[欹耳袋]すべて「本」がらみ —— 書物の電子化を進めている〈Project Gutenberg〉ではCD / DVDへのダウンロードができる新機能が備わったらしい./文化庁から「著作権テキスト」の最新版(2010年度版)が公開中. /オンライン版シカゴ・マニュアル『The Chicago Manual of Style Online』は30日間フリー./絶版図書のデジタルデータ販売に特化した〈絶版堂〉は今年8月に開店予定とのこと./読書猿Classic: between / beyond readers「学術書や論文に出てくる略号をまとめてみた」(2010年7月5日) .これは役に立つ./神保町・三省堂書店イベント情報:「創元社『赤の書』刊行記念フェア 「心理学者ユングを知るために」開催中」(8月1日まで).「2010年人文書の目玉」「ユング心理学の中核をなす禁断の書」「半世紀に及ぶ眠りから覚めた奇書」とは,まるで AKIRA が覚醒したみたい(笑).

◆午後は曇り空が続く.ぜんぜん外に出ていないが,きっと蒸し暑いのだろう.

◆[欹耳袋]今度は PhilBio がらみ —— 生物学哲学のとあるシラバス:Joel Velasco「Philosophy 167 winter 2010」.こんなに勉強すればさぞかし力がつくだろうなぁ(感服)./Richard Boyd ウェブサイト:うん,これは便利だ!

◆午後7時過ぎに撤収.夕暮れの曇り空.

◆本日の総歩数=5564歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.0kg(−0.5kg)/25.5%(−0.8%)


5 juli 2010(月) ※熱帯シブヤで豪雨に打たれる

◆午前5時起床.曇り.気温23.1度で湿度は高いが,北東風が吹いて体感的には涼しい.昨日の日録をアップ完了.今日の夕方に渋谷で納税する NHK Books の原稿をいま書いている(毎度毎度のドロナワ作業).その他,納税期限をシズカに過ぎてしまった案件がいくつかある.6:58,長周期の地震の揺れ(宮城が震源).その後も晴れたり曇ったりの高湿度状態が続く.南風に変わる.今日も不快指数が高いようだ.

◆┣┣" の遠吠えが聞こえ —— 新雑誌『思想地図bis』の正式名称が『思想地図β』に決定したとの東浩紀さんがつぶやいている.依頼原稿を早く書かないと.さりげなく締切を過ぎているのがコワい…….

◆[ソーバー]オンライン書評:〈shorebird 進化心理学中心の書評など〉:書評「過去を復元する」.書評,どうもありがとうございました! ソーバー教授はもともと尤度主義者で,最節約法と最尤法との関連性については長年にわたって追究してきた.1985年に Cladistics 誌に出た論文で最節約法と最尤法とは「同じ」であるという結論をいったんは出したものの,論証にキズがあって翌年の Joe Felsenstein との対談(Systematic Zoology 誌)で正式に撤回している.本書『過去を復元する』では二値的形質(0/1)についての論議が中心だが,一般の塩基配列のようなr値離散形質に対する最節約法と最尤法との関係については,1990年代以降の数理系統学の研究を待たないとダメだった.1994年に David Penny らが離散数学の Menger's Theorem を利用して証明した「NCM(=no-common-mechanism)」の仮定のもとでの「NCM → MP=ML」という定理はその成果のひとつ.もちろんソーバー教授ならば,「NCM」が最尤法と最節約法の同値性(ML=MP)のための十分条件だけではなく,必要条件であるかどうかも問いかけるにちがいないとは思う.まだしばらくこの問題は論議する価値があるだろう.

◆昼下がりの経堂は蒸し風呂 —— 午前いっぱいは納税原稿を書き続け,第6章第4節の15枚あまりを書き上げる.12:00発のTX区間快速に飛び乗る.曇り空.今日は蒸し暑さ絶好調で,経堂から農大への徒歩通勤がこの上もなくつらかった(午後1時にこの日の最高気温29.5度を記録した).本日の高座はベイズ統計学.スライドの数式率が高かったので,思い切って二回に分けることにした.今日のところはベイズの定理と,beta-prior binomial ならびに normal-prior normal という解析的に押し通せるケースを使って説明した.Paul O. Lewis の〈Bayesian Coin Tosser〉は今回も役に立った教育用ソフトだった.最後に,教務からの指示により,学生による講義アンケートの説明をして,その場で携帯電話から農大サイトにアクセスしてもらった.なお,第一回レポート締切は来週月曜(7月12日)なのでお忘れなく>受講生諸氏.

—— 講義後,外に出たら生暖かい雨が降り始めていた.あわてて傘を広げる.不快指数はマックス.

◆夕暮れの渋谷で集中豪雨 —— 経堂から小田急に乗って代々木公園で下車.雨は降ったりやんだりしている.NHKホール斜め向かいのNHK出版の取調室にて原稿を納税し,出版までの今後のスケジュールに関する御白砂に引っ立てられる.プロローグとエピローグの再構成と図版の用意などなどは今月中にすませて,翌8月は強制的ゲラ読みに服することになるだろう.うまくいけば三中信宏『進化思考の世界』(NHK Books)は9月下旬の出版になりそうだ.他人事のようでまだ実感にいたらないが,手渡された本文テキストのプリントアウトをさっそく通読しないと.ドロヌマはなお続く.次回は7月12日(月)16:30に経堂〈いまぁじゅ〉にて.プロローグ(書き換え)とエピローグの原稿を納税する予定.

—— 約一時間のミーティングを終えて外に出たら滝のような集中豪雨で雷鳴が轟いていた.坂の多い渋谷中心街はそこかしこで“川”が流れている.傘をさしていたのに全身濡れねずみになって渋谷駅に駆け込み,ぬれぬれのままつくばに直帰した.さいわいつくばは小雨だった.

◆[欹耳袋]ツイッターのウィジェットを使うと,簡単にブログパーツとしてツイッターを貼付けられることを知った.ものは試しに,はてなの〈leeswijzer〉に貼付けてみた.うまく動いているみたい.

◆群馬〈川場ビール〉のヴァイツェンで一息ついているうちに,じわじわと疲労感につつまれてきた.雨に濡れたせいだろうか.

◆明日はつくばに実在する日.新規┣┣" の着便:1) 7月12日(月)17:30〜,全農林大会代議員・傍聴者会議(筑波事務所).ワタクシは代議員だがこの日はつくばにいないので当然の欠席となる.組合関連の対面会議はかなりの率で欠席し続けている;2) 7月9日(金)に農環研前で定期健康診断がある.今年は人間ドック通知がガルーンでしか流されなかったので,当然のごとく見落としてしまった.健康に関わるこういう大事な通知は使いにくいガルーンではなく,事務連絡メールとして全員に配信すべきだろう(職場に対する信頼度がさらに低下した).

◆本日の総歩数=11154歩[うち「しっかり歩数」4144歩/38分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.5kg(−0.3kg)/26.3%(−0.5%)


4 juli 2010(日) ※今日も日がな一日原稿書きで

◆午前4時半には目が覚めていたのだが,外では雨音がしていて,湿った東風が心地よかったので,怠惰にも午前5時半まで二度寝.気温は22.6度.北東風が吹き抜けている.今日はこまめにぱたぱたと動き回る予定.午前中は阿見アウトレットへの出撃命令がくだったので,毎月恒例の〈つくいち〉には行けないだろう.合間に原稿と日録書き.ついでに京都行きのチケットをさくさくと確保するべし.午前7時には日が射してきた.暑いことは暑いが,昨日までのような不快な蒸し暑さは感じられない.

◆[欹耳袋]「本棚さらし」のトゥゲッターがあるとは知らなかった(汗):Togetter - まとめ「ほんだな!(簡略版)6」.シリーズ化?されているようす.他人の本棚って,ちょっと覗いてみたい興味の対象なんだろうな.

◆阿見のアウトレット初見参 —— つくばの南にある阿見町に巨大なアウトレット〈あみ ブレミアム・アウトレット〉ができたという話は前から聞いていたが,行く機会はないだろうと思っていた.ところが,圏央道を利用するとほんの二十分で行けると知り,さっそくトライ.つくば牛久インターからたった十分足らずで阿見東インター.インターに接するようにアウトレットの巨大な敷地が広がっている.遠景にはかの牛久大仏がそびえ立っていた.しかし,しょせんはお買い物をする場所なので,ショッピングに関心がないワタクシにとっては,炎天下の正午前後のこの時間帯をいったいどこで過ごすのかの方が大問題.〈サン・クゼール〉にてパパイヤ&ジンジャーのジャムを一瓶買って,あとは涼しい〈タリーズ〉にて読書三昧とあいなった.広大な敷地に巨大な駐車場.砂漠の中にラスベガスがあるような,場違いな異次元さだけが印象に残った.午後2時に最高気温は30.0度の真夏日となった.

◆[欹耳袋]東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所と国立民族学博物館共催の企画展示〈アジア文字曼陀羅:インド系文字の旅〉に展示された作品のひとつとして「グラマニメーションで見るインド系文字の旅」というが公開されている.インド系文字の系統発生アニメーションとしてとても興味深い!

◆キルヒャー録(2)『ノアの方舟』 —— 三田で現物を手にした二冊目は生物地理学の古典としても引用されることがあるこの本:

【著者】Athanasius Kircher
【書名】Arca Noë[ノアの方舟]
【刊行】1675年
【出版】Joannem Janssonium, Amstelodami
【所蔵】慶應義塾図書館(三田)5階貴重書室
【所在】142X@84@1
【番号】10200862265

本書は総革装.まず p.23 に「エデンの園」の地図がある:「Descriptio Regionis Edeniae」.続く pp.28-9 間の折込み図としてノアの方舟の建造途中,全体構造(pp.36-7間折込み図),6パーツ(6隻?)分割での外部構造と内部構造(pp.48-9間折込み図)が載っている.Caput IV, pp. 51ff. からはノアの方舟に積み込まれた生物たちの博物誌が延々と続く.p.101に「Nomenclatura Animalium」,続く p.102 に「Nomenclatura Volucrum」,pp.108-9間折込み図としてノアの方舟の船室割当,pp.116-7間の巨大(横1m×縦50cm)な折込み図は鳥瞰図(ornithotropheion),pp.126-7間の折込み図は大洪水のようす,p.159にはアララット山頂に方舟が漂着した図,192-3間の折り込みは洪水後の世界地図(極東に日本も認められる).226-7の折込み図はノア以降の家系図(Arbor genealogiae Noëticae),そしてp.237にはアダム末裔の家系図(genealogica de Adam Usque Abram).いずれも家系図を「樹」として表示している.

—— 時間があればもっと詳細なメモを取ることもできたのだが,ほとんど駆け足のように羊皮紙をめくり続けた時間だった.

◆午後,晴れときどき曇り.蒸し暑さがしだいにひどくなってきた.15:03弱い地震あり.京都行きの新幹線チケットをJTBで確保完了.[往路]7月13日(火):TX快速10:55つくば発→のぞみ33号12:10東京発→京都14:28着/[復路]7月15日(木):のぞみ240号16:02京都発→18:23東京着→18:50秋葉原発TX区間快速→19:43つくば着.午後5時過ぎに関東各地で大雨洪水警報が発令されたようだが,つくばにはまったく関係なかった.

◆[欹耳袋]モデル選択におけるクロス・ヴァリデーション法の総説 —— Sylvain Arlot and Alain Celisse (2010), A survey of cross-validation procedures for model selection, Statistics Surveys, 4: 40-79 (electronic). doi:10.1214/09-SS054 → abstract / pdf. ※フリーダウンロード可能./BioMedCentral からの情報:「Frontiers of Zoology」誌で,先月もっともアクセス数の多かった論文:José M. Padial et al. (2010), The integrative future of taxonomy. Frontiers in Zoology, 7:16. doi:10.1186/1742-9994-7-16 → サイト.オープン・アクセスの論文で,いわゆる〈The New Taxonomy〉派の系列に属している.

◆夜は原稿書き.明日の夕方はシブヤのNHIK出版本丸にて原稿納税と事情聴取だ(汗).外はまだ蒸し暑いまま.

◆本日の総歩数=3394歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.8kg(+0.1kg)/26.8%(+0.4%)


3 juli 2010(土) ※ラーメン片手に日録と原稿を

◆午前4時起床.曇り.湿度が高く靄がかかっている.気温22.8度.昨日の夕方は兇悪そうな空模様だったが,けっきょく雨が短時間ぱらついただけだった.竹園あたりでは外に干してあった洗濯物が夜にはちゃんと乾いていたので,以南の地域では事実上「雨は降らなかった」と言っていいだろう.今日は朝から曇りときどき夏晴れで蒸し暑いことこの上なし.不快指数は連日の高値安定.右手で日録を書いては,左手で原稿をひねり出す週末の始まりだ.

◆[欹耳袋]ツイッター用にずっと使ってきた「HootSuite」が先日バージョンアップされた.「FaceBook」と連携できるようになったことを今の今までぜんぜん気づかなかった.不覚にして迂闊.HootSuite の「ストリーム追加」ボタンを押すだけであらあらフシギ,簡単に 「FaceBook」とつながってしまった.あらあら.

◆キルヒャー録(1)『エジプトのオイディプス』 —— 先月,慶應義塾図書館(三田)の貴重書室で閲覧したアタナシウス・キルヒャーの羊皮紙本について鉛筆メモのまま放置したのでは散逸してしまうおそれが高い.乱雑さを残したまま,とりあえず下記に記録しておこう.

まず一冊目は全4冊からなる大著:

【著者】Athanasius Kircher
【書名】Oedipus Aegyptiacus[エジプトのオイディプス]
【刊行】1652 - 1654年(全3巻4分冊)
【出版】Ex Typographia Vitalis Mascardi, Romae
【所蔵】慶應義塾図書館(三田)5階貴重書室
【所在】141X@117@4@1
【番号】10201103443

この『Oedipvs Aegyptiacus』はサイズが「23cm×33cm」で全4巻構成.革装幀はされておらず仮綴じのまま.エジプトのヒエログリフ(象形文字)の解読を目指したことで有名な本書だが,今回の閲覧では図版参照が主目的だったので最初の2巻(Tome I と Tome II)を借出した.ラテン語の本文にアラビア語・ヘブライ語・ギリシャ語など複数の言語が入り混じる大著.第1巻(Tome I: Syntagma I - V, 424 pp. + index)は,エジプトの折込み地図に始まる地理と歴代王朝の説明.Syntagma III, Caput VII, p.152 に「知の三角形」図版あり.Intellectus と Homo を含む.また,Syntagma V, Caput III, p. 404 には「Amida Numen」という阿弥陀仏の図像あり.

第2巻(Tome II: Class I - VI, 440 pp. + index).Class I はシンボル論,Class II は文法論,Class III は Sphinx Mystagoga(p. 204に図あり),Class IV「Cabala Hebraeorum」にヘブライのカバラ主義に関する記述あり.同章 Caput VII, pp.286-7 間の折込み図として「カバラの樹(Speculum Cabalae Mysticae)」あり.「Arbor mystica in medio Paradisi ad 72 gentium salutem」と記されている.出典元?は「Iconismus inferendus tom. II, Fol.287」.続く pp.288-9間の折込み図が有名な「セフィロトの樹(Systema Sephiroticum)」.

—— 残り2冊は閲覧する時間がなかったが,ターゲットの図版の所在を確認できたので,これでよしとしよう.

◆炎天下のみぞれラーメン —— ここのところラーメンという食べ物から遠ざかっていたので,久しぶりに赤塚の〈がんこやかるがんラーメン〉に行ってきた(参照:「つくばラーメン日記」).もう夏の太陽が頭上から照りつける昼下がりにラーメンをというのはそうとうな“ガマン大会”モードではあるが,決めたからには食べるしかない.ほとんどの客が人気メニュー「みぞれラーメン」を注文しているふうだったので,ワタクシも「みぞれチャーシューメン」をば.ラーメンに大根おろしがたっぷり,しかも大きな梅干しがトッピングされている.待ち客の行列ができる人気店.ごちそうさまでした.午後1時に本日の最高気温29.0度を記録した.

◆[欹耳袋]Togetter - まとめ —— 1) 「アカデミックコミュニティーへの参加とキャリア形成」 ※「@Yoshis693さんによる、アカデミックコミュニティーに所属していないとキャリア形成が非常に難しくなるという話をまとめました。」;2) 「日本のアカデミック就職」/たとえ首都圏のメジャーな大学にいても,研究分野によっては研究者コミュニティー的な意味で「僻地(=不毛の地)」であることもある.学問的伝統と人脈的偶然のせい.

◆夕方になっても蒸し暑さはおさまらない.午後7時過ぎにビールの買い出しに外に出たのだが,まとわりつくような湿気が不快すぎてどうしようもない.湿った南風が吹き込んでいるので逃げようもない.

◆本日の総歩数=2822歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜○.計測値(前回比)=89.7kg(−0.2kg)/26.4%(+0.5%)


2 juli 2010(金) ※雷雲むくむく,雨は肩すかし

◆午前5時起床.薄曇りの向こう側から朝日がのぼってきた.気温20.8度,湿度はやや高いが東風が涼しい.しかし,今日の午後は雷雨になるらしいので要注意.今日は月始めの┣┣" たちを何頭も同時に追いかける日になりそう.

◆さっそく組合┣┣" 撃ち —— 8月5日(金)に開かれる〈農環研・夏祭り〉.ワタクシも大岡山にトラップされて出られないが,オーストラリアでの土壌関係の国際会議で他の分会執行委員にも欠席が.肉体労働の分会タスク「焼きそば」担当をいったいどうすればいいんだろう./農環研分会から出す次期の地本執行委員候補者はすでに確定しているので,次は次期分会執行委員候補者(計8名)の選出だ.選出委員会のみなさんよろしくお願いいたします.ということは,そろそろ分会定期大会開催(9月1日予定)に向けていろいろな資料素材のとりまとめ作業の段取りをはじめないといけない.これはもう日程逆算でばしばしと丸投げ割り振りしか手はない.

◆[蒐書日誌]着便しました:Oren Harman『The Price of Altruism: George Price and the Search for the Origins of Kindness』(2010年6月刊行, W. W. Norton, New York, x+451 pp., ISBN:978-0-393-06778-1 [hbk] → 版元ページ|宣伝YouTube「Oren Harman and The Price of Altruism 」).利他行動の進化研究にブレークスルー(「プライス共分散方程式」)をもたらした George Price (1922 - 1975)の初の伝記.最期は自殺によって人生の終止符を打った Price のロンドンの墓にはその生涯と業績を記した墓碑すらないという.John Maynard Smith や William Hamilton そして George C. Williams ら,当時の進化生物学のビッグネームたちがフル出演している.Price やHamilton が在籍した UCL の Galton Laboratory という「場」は昔も今も活性中心であることがよくわかる.著者は遺族の協力のもとに Price 関連の情報をそろえたと謝辞には記されている.

◆真夏日接近中の昼休みに一仕事 —— 貸し倉庫にて荷物の出し入れなど,マリンバのマレットを出すのは久しぶり.進化学会大会の参加費を早く振り込まないと〜.その後,中央農研センター大会議室にて全農林の「中央オルグ」(12:15〜12:55).外は炎天で真夏並みの暑さ.午後1時の気温は29.9度だった.

◆[欹耳袋]農環研広報誌『農業と環境』最新号(no. 123, 2010年7月1日発行)の記事:大東健太郎・三輪哲久「一般パラメトリック・モデルにおける多重比較(論文紹介)」.Rパッケージ「multcomp」を用いた多重比較に関するレビュー論文の紹介.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後2時過ぎに農環研の温度計は30.3度の真夏日になったことを知らせた.しかしその後はしだいに曇り空へと.昼下がりの┣┣" 撃ちの続きは,今月の出張伺・兼業願・年休届・フレックス変更をすべて提出することから(これが一仕事で).BGMはジャン・ジョフロワの〈バッハ・無伴奏バイオリン[マリンバ版]〉.これは超絶技巧ですなぁ./7月11日(日)の参院選投票をカレンダーメモ./早くプリンターの修理を依頼しないと不便でしかたがない.※あるいはこの機会に「脱ペーパー化」を徹底させてもいいのだが,押印の必要な事務書類は“紙”じゃないとダメだしなぁ.

◆兇悪な雷雲の接近 —— 午後4時半,とつぜん空が黒くなってきた.「北」の天王台あたりではこの時間すでにゲリラ雷雨に襲撃されているという.たしかに,いつもは見える筑波山がぜんぜん見えないので,「北」はすっぽり雷雲に包まれているのだろう.しかし,同じつくばでも「南」の観音台では空模様がぜんぜんちがうことがよくあり,観音台では雨はまだぜんぜん降っていない(土浦野田線が「南北」を天候的に分ける「微気象境界線」だと勝手に呼んでいる).それでも,ときどき遠雷の轟きが聞こえる.稲光も雲間に点滅している.そろそろこちらにも襲来するのかもしれない.

◆夕方の┣┣" 撃ち —— ばたばたと来週月曜の農大三点セットを準備完了.農大高座は今年から一回増える.せっかくなので「R入門」の日をつくろうと画策中.午後6時,一時的に雨がぱらっと降ってきたようだが「雷雨」とはほど遠い.大雨洪水警報が関東各地に出ていたが,そのうち西の空が明るくなって夕陽の一部が見えるほどに天候回復,「南」は肩すかしを喰らって傘なしで悠々と帰宅できた.夜になって蒸し暑さがぶり返してきた.

◆[蒐書日誌]平凡社ライブラリー7月近刊情報:ミシェル・レリス[岡谷公二・田中淳一・高橋達明訳]『幻のアフリカ』(2010年7月近刊,平凡社[平凡社ライブラリー705],東京,1068 pp.,本体価格2,800円,ISBN:978-4-582-76705-6 → 版元ページブログ「今日の平凡社」).千ページを越える厚さで,殺傷力は文句なしの満点(笑).7月9日配本とのこと.

◆本日の総歩数=5777歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=89.9kg(−0.1kg)/25.9%(−0.3%)


1 juli 2010(木) ※月はじめは右往左往する運命

◆午前4時半起床.霧がかかる曇り空.湿度は高いが気温は21.6度とほどよい快適さ.もう7月になってしまった…….

◆今月の┣┣" 撃ちカレンダーを記入 —— 月のはじめは定例┣┣" どもが何頭か待ち構えているのでその退治が先決./午前5時半,メーリングリストの月例アナウンスをさくさくと流した./出張伺だの兼業願だの年休届だのと書類┣┣" がにやにやしている./先月の依頼出張の返信とか,ベネッセからの著作権許可書類とかも処理完了./でも,先々月の「ハワイ日録」がまだ書き上がっていない…….諸方面から「リンクが張られていない」との叱咤激励多し.忘却への道をたどらせてはいけないぞ,と.

◆[欹耳袋]形態測定学国際シンポジウム:〈The Second International Symposium on Biological Shape Analysis〉9 - 11 June 2011, Tsukuba(→ 2nd circular [jpg])のアナウンスが Pete Lestrel さんから届いた.トークをするということで即返信完了.講演内容は論文集として World Scientific(Singapore)から出版することになるという.

◆[蒐書日誌]最新刊:山田実・山田ゆきよ『サンクト・ペテルブルクの異邦人:芸術と文化、歌と生活』(2010年6月30日刊行,未知谷,東京,ii+254 pp.,本体価格2,200円,ISBN:978-4-89642-303-7 → 版元ページ).著者はワタクシと同じ農水省系の植物育種学研究者で(年代はだいぶ上になるが),現在もつくば在住とのこと.前著:山田実『サンクト・ペテルブルク断章:遺伝研究者のロシア滞在記』(2004年5月25日刊行,未知谷,東京,ii+252 pp.,本体価格2,200円,ISBN:4-89642-107-8 → 版元ページ)は出てすぐに読んでいた.今回の新刊はその続編にあたり,著者夫婦がそれぞれ署名入りで交互に書き綴っているところが微笑ましい.前著が著者が断続的に長年にわたって滞在した Санкт-Петербург という土地への「招待状」であったとするならば,今回出た姉妹編はこの地に繁栄を遂げた文化と芸術を柱とするもう一つの「顔」に光を当てているようだ.

著者はロシアのヴァヴィロフ研究所に滞在して研究生活を続けていたのだが,本書の最後の一章「科学と政治」は,そのヴァヴィロフ(Николай Иванович Вавилов 1887- 1943)の小伝に当てられている.ぜんぜん知らなかったのだが,本書が出る前の昨年,著者はヴァヴィロフに関する翻訳を同じ出版社から出していた!:I・G・ロスクートフ[山田実訳]『食を満たせ:バビロフとルィセンコの遺伝学論争と植物遺伝資源[抄訳]』(2009年10月刊行,未知谷,東京,本体価格1,400円,ISBN:978-4-89642-281-8 → 版元ページ).ヴァヴィロフは,ルイセンコとスターリンの犠牲者のひとりであることは確かなのだが,その生涯と業績についての本が日本語で出ていたとは.うっかりしていたなぁ.買わないと〜.ひとつだけ残念なのは,この本が「全訳」ではなく「抄訳」であるという点だ.

—— 四半世紀前に翻訳したスティーヴン・J・グールドのエッセイ集『ニワトリの歯:進化論の新地平(上)』(1988年10月31日刊行,早川書房,東京,296 pp.,ISBN:4-15-203372-X)の上巻第10章:「ヴァヴィロフのための聴聞会」(pp. 184-199)を担当して以来,ずっと印象に残っている研究者だ.『分類思考の世界』の第7章「一度目は喜劇,二度目は茶番」でヴァヴィロフに再登場してもらったのには,そういう私的背景があった.

◆昼下がり,今日は梅雨の中休みで雨が降る気配はまるでない.曇りときどき晴れの蒸し暑い空模様.午後2時に最高気温29.4度を記録した.

◆[欹耳袋]POB blog: philosophy of biology in Japan からのイベント情報:〈第6回生物学の哲学研究会〉,7月18日(日)〜19日(月),京大にて.詳細未定とのこと./〈日本科学史学会・新着情報〉ブログで雑誌『科学史研究』の目次情報が公開されている.

◆午後5時にさくっと撤収.晴れ間の覗く夕方.湿度は高いまま夜を迎える.

◆納税レポート —— 夜遅く,来週月曜に予定されている NHK出版(渋谷)での打ち合わせに関するメール.NHKホールの斜め向かいにあるんですねー.担当編集者の井本さんの集計によると,これまで“納税”した原稿の総量は400字詰にして「304枚ほど」で,NHK Books の組版だと「180ページ」くらいになるそうだ.本文テキストは第6章の残りとエピローグで計50枚になるだろう.さらに図版が50枚入って,文献リストと索引などを付ければ,確かに分量的に「足らないということは全くない」という指摘はその通りだろうなぁ.とりあえず先のことは考えないで足元だけ見ていればいいことにしよう.

◆原稿納税といえば,その他,積み残しの原稿┣┣" どもがぞろぞろいたりする…….締切を踏み倒したという意味で「不良債権」といってしまっては身もふたもないので,とりあえず「原稿┣┣" 」と呼んでいる.考えてみればこれまでのワタクシの数々の著書も一度は「原稿┣┣" 」の段階を踏んでいた.┣┣" 化せずにあっさり活字になった文章なんかひとつもない(ような気がする).

—— 月の始めは原稿┣┣" の遠吠えが夜のしじまに響き渡る…….夏を目前にして染み入るのはセミの鳴き声ばかりではない.

◆本日の総歩数=5128歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=90.0kg(+0.1kg)/26.2%(+0.1%)


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集