images/image1.jpg

Home
oude dagboeken

日録2010年2月 


28 februari 2010(日) ※雨から霙を経て夕陽の月末へ

◆午前3時前に起床.夜中にまた雨が降り始めたようで,しとしと降り続いている.夜明け前の春雨の風情.気温は寒くも暖かくもない.午前4時プラス5.6度,午前6時プラス4.9度.またしても,まる5日間も日録の更新が滞っている.その事後処理をしないと.夜明け前の研究所に侵入.二日続けての東京日参で増殖してしまった本たちとトドどもを搬入するため.そして,不在中ずっと放し飼いしてある放置トドどもの“育ち具合”のチェックも兼ねて.

◆雨降る日曜の朝のこまごま —— 幸い,組合トドをはじめとして留守部屋でおとなしくしていたようなので,これでいったん撤収する./久しぶりに〈david pain〉でパンを買い込んで帰宅する./東京化学同人編集部『生物学辞典』担当に,先日の原稿で欠落していた「分岐図」の項目原稿をメール送信完了.

◆その後,急速に風雨が強まるとともに気温が急降下,帰宅時は一時みぞれのような雨だったが,同じつくば市内のある地域では雪が降ったともいう.午前11時には2.0度まで下がった.日によって「春」になったり「冬」に戻ったりを繰り返している.

◆午後になって冷たい雨は止み,曇り空からしだいに晴れ間がのぞくようになった.小野崎の〈Shingoster LIVING〉を経由して〈MORGEN〉でパンを買って歩いて帰宅する.夕方の日射しが暖かい.やがて暗くなってきた東の空からまん丸な月がのぼってきた.

◆[分類思考]本日の残響:発売されたばかりの中央公論編集部(編)『新書大賞2010』(2010年2月25日刊行,中央公論新社,東京,96 pp.,ISBN:978-4-12-004109-9 → 版元ページ )で,「2009年イチオシ本」として:福岡伸一「種や分類は私たちの内部にしか存在しない」(p. 44に掲載).感謝!「行く先を同じくする旅人と出会った」とのこと.

◆[蒐書日誌]昆虫写真のクォリティがとても高い:「なかもず四季絵日記が本になります」(2010年2月28日).大阪府立大学なかもずキャンパスの四季.大阪公立大学共同出版会発行、本体価格3,800円/ダーウィン書簡集(1821〜1860)を全8巻セットで:Frederick Burckhardt (ed.)『The Correspondence of Charles Darwin 8 Vol Anniversary Set: 1821-1860』(2010年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:978-0-521-12154-5 [pbk] → 版元ページ).計5,750ページで,約10kgの重量がある.値段はUS$395.ゴージャスな高値と思われるかもしれないが,ハードカバー版を買いそろえてきた側から言えば,計15万円がたった400ドルそこそこで買えるというのは超おトクだろうと思う.

◆[欹耳袋]〈cloud9science @Wiki〉「進化の系統樹」(2010年2月24日) .巨大系統樹を大きくポスター印刷する話.使えるかもしれないな./新旧分類学の共存?:Ferdinando Boero (2010)「The Study of Species in the Era of Biodiversity: A Tale of StupidityDiversity 2(1): 115-126, doi:10.3390/d2010115

◆昨夜は赤ワインが空っぽになり,今夜は先日買った〈獺祭〉の活性にごり酒が一本あっさり空いてしまった.毎晩こんな飲み方をしているようでは,ハメツ的な生活ではないかとも思うのだが…….去りゆく如月を送り出し,来る弥生を迎える儀式として許してもらおう.

◆本日の総歩数=10796歩[うち「しっかり歩数」4606歩/51分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=88.2kg(+1.3kg)/27.0%(+0.1%)


27 februari 2010(土) ※雨の田町で原稿を搾り取られ

◆午前3時起床.またひとつ年を取ってしまったか……(orz).真夜中の闇から本降りの雨が降り続いている.昨日は六本木では南からの強風にあおられつつ〈医学と芸術展〉をまわり,三田では生暖かく湿った空気になでられつつ一人2時間の英語レクチャーをふたつ連続して聴いてバーンアウト.帰宅後は半廃人になり原稿は書けず…….で,再起動中.夜明け前の風呂に入り,買ったばかりの〈CafeSolo〉でコーヒーをいただいて,原稿スタート.本日,田町駅前での「納税期限」まであと6時間しかないっ.

◆それでなくても忙しいのに降り注ぐこまごま —— 先日送った『生物学辞典』の「分岐図」の項目がヌけていたとの連絡が編集部からあった.すぐ対応しますね〜.

◆またまた東京へ出発 —— 午前10時すぎまで原稿を書き続けたのち,10:35発のTX快速にて出発.雨上がりの曇天.しかし,昨日とは一転して吹きつける北風が冷たい.車中ももちろん移動書斎に早変わり.秋葉原までキーボードを打ち続ける.JR田町駅の改札を出たのは午前11時半,駅ビルの一階にある〈ルノアール〉田町三田口店にて NHK Books の井本さんがすでに来ていた.さらに一時間ほど原稿を書き続け,第4章第2節「起源地を求めて:フォーブズと歴史生物地理学の黎明」の前半14枚分を渡す.次回は3月12日(金)午後5時に都内のいずこかで納税予定.

◆往路読了本 —— Philip F. Rehbock『The Philosophical Naturalists: Themes in Early Nineteenth-Century British Biology』(1983年刊行,The University of Wisconsin Press[Wisconsin Publications in the History of Science and Medicine, Number 3], Madison., xvi+281pp.,ISBN:0-299-09430-8 [hbk] → 目次).19世紀前半のイギリスにおける体系学と生物地理学の歴史を論じた本書は資料性がとても高い.生物地理学史全体については:Janet Browne『The Secular Ark: Studies in the History of Biogeography』(1983年刊行,Yale University Press, New Haven, x+273 pp., ISBN:0-300-02460-6 [hbk])か.ドイツ語だと:J. Schmithusen 『Vor- und Frühgeschichte der Biogeographie』(1985年刊行,Biogeographica Bd. 20, 166pp., Koeltz, Koenigstein)があるが,項目羅列的であまりおもしろくなかった(=物語的ではなかった)記憶がある.むしろ,地理的分断分布に特化した論争史のレビュー:Nils von Hofsten 1916. Zur ältern Geschichte des Diskontinuitätsproblems in der Biogeographie. Zoologische Annalen, 7: 197-353 の方がまとまった「お話」になっているかもしれない.

◆〈第5回生物学の哲学研究会〉の二日目 —— 昨日と同じく今日の午後も1時からセミナーがある.曇り空のままだがしだいに明るくなってきたようだ.慶應・三田キャンパスの東門から入り,石段坂をのぼって,荒俣コレクションが秘蔵されている図書館の前を通り,三号館の会場へ向かう.哲学者たちは一講演に二時間もかける元気があるのかと痛感する.昨日は午後いっぱいかけて二講演.今日は三講演.しつこく疑うこと,しつこく議論することが哲学者の本領かも.自然科学系のように10分や20分そこそこの講演時間であっさりすませてはいけないのだろう.そういえば,札幌での科学哲学会のおり,哲学者の学会講演は「ひとり最低三十分はほしいよね」という感想を懇親会の席上で聞いた記憶がある.自然科学系の学会だと逆に「ひとり五分のライトニングトーク」の方がウケがいいと思う.植物分類学会が以前,ポスター発表者については「ひとり二分(だったか?)」の“ライトニングトーク”的なフラッシュタイムを設けていたが,とてもいい試みだったと思った.

—— 今日のセミナーには勁草書房から仕掛人氏が来ていたので,さっそくソーバー関係の初校ゲラなど一式をすべて返却して,これにて校了.『過去を復元する』は予定通り4月の出版となります.関係者諸氏,どうもありがとうございます.セミナーの合間に「分岐図」の項目執筆を完了.

今回の研究会では,「生命」とか「個体」をどのように定義するか,あるいはその概念を明示するかという,わりにストレートな形而上学の問題を論じる話題提供が多かった.要するに本質主義のテーマのまわりを議論が行き来していたということ.生物学者は本質主義が基本的に「嫌い」ではあるが,心理的本質主義はきわめて human なものだし,哲学者たちはやっぱり「本質」に愛着があるような印象を受ける.

—— 午後5時半にセミナー終了.またぽつりぽつりと雨が降り始めている.レトロな慶応通り商店街を通って三田から神保町へ.岩波ブックセンターにて『月刊みすず』の読書アンケート号を買ってから,春日経由でつくばに直帰.午後7時前に帰宅した.雨は降っていない.

◆復路読了本 —— 臼田捷治『杉浦康平のデザイン』(2010年2月15日刊行,平凡社[平凡社新書511],東京,カラー口絵8 pp.+254 pp.,本体価格860円,ISBN:978-4-582-85511-1 → 版元ページ).ごちそうさまでした.

◆いちおう毎年の「記念日」なのでワインの飲み過ぎ〜.Domaine D'Aubaret の Merlot 2006をまるまる一本空けてしまいました〜.うー,廃人かも〜.年長の研究者は,後進の若手研究者にとって自分が何らかの意味で「モデル」であり得るのかということをたまには考えた方がいいんじゃないかと思うことがある.独法研究所にいるかぎり,ワタクシはどう考えても誰の「モデル」にはなり得ないけどね.マイノリティーの極みだし.

◆本日の総歩数=6656歩[うち「しっかり歩数」1151歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=86.9kg(−0.6kg)/26.9%(−0.1%)


26 februari 2010(金) ※六本木上空から三田へワープ

◆午前3時起床.気温プラス12.7度.湿った南風が吹き渡り,「生暖かい」と形容するしかない.未明の研究所にて緊急トド撃ちを明け方までこなす予定.それから東京に出発.森美術館〈医学と芸術〉展のあと,慶應・三田へ移動する.仕留めた蕎麦トドを仕掛人氏に手渡しつつ,5th-PoBに参加.あわただしい二日間が始まる.

◆未明の研究所に鳴り響くデンマーク —— まずはカール・ニールセン〈シンフォニア・エスパンシヴァ〉!(ネーメ・ヤルヴィ/イェーテボリ).第2楽章のヴォカリーズはいつ聴いてもすばらしい.とりあえず年度末の出張届と振替申請,契約職員の更新申請などを撃ち果たす.事務トドの増殖と成長は目を見張るものがある.プリンターの調子がイマイチ.続いて,ニールセン〈不滅〉〜! 血湧き肉踊る夜明け前.困ったことに総譜をつい見たくなってしまう.ティンパニーの音変えの具合など.イェーテボリのティンパニストは硬めのバチでガツンガツン叩いてくれるので気持ちいい.〈不滅〉の熱血のエンディングとともに,契約職員の更新に必要な事務書類を領域長にメール提出完了.これで,本日締切分の事務トドどもはすべて仕留めた.BGMにはニールセン交響曲5番が流れ始めている.スネアドラムのカデンツァ・アドリブまで聴くか.でも,帰宅して東京行きの準備をしないと.極私的な好みからいえば,ニールセン5番のスネアドラム独奏の逸品は,ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮の「1968年」の演奏.リム・ショット乱れ撃ちのカデンツァ・アドリブは何度聴いても衝撃を受けた.

◆未明のこまごま —— [組合]3月5日(金)は地本主催の全執行委員セミナー,午後5時半から.3月12日(金)の振替休日は午前10時半から午後4時まで国交労連の集会,霞ヶ関の全日通会館ホールにて.

◆夜が明けてすぐの一仕事 —— 編集長の鶴の一声に召還されて,『生物科学』誌の「巻頭言」(400字詰×3枚半)を立教大学(池袋)にメールした:三中信宏「[巻頭言]学術系インターネット:ML・ブログ・ツイッターの私的体験から」.こういう文章ならばすぐ書けるのにな.

◆さて,東京へ出かけようか —— 気温高めの曇り空.9:00発のTX区快に乗り込む.北千住で日比谷線に乗り換えて六本木へ.今日の午前の目的地は,六本木アークヒルズの〈森美術館〉で今週末まで開催されている〈医学と芸術展〉.六本木で降りて地上に出たとたん南からの強風に吹きさらされたが,即座に森タワーに駆け込んで,52階までエレベーターでイッキに上昇する.森美術館はさらに一階上がった53階にある.平日の午前,しかも開場してすぐの時間帯なのに,〈医学と芸術展〉への来場者は意外なほど多い.世代もさまざまだ.朝からリアルな人体解剖図やプラスティネーションされた“人体スライス”を見たい人がこんなに多いということか.

いくつか呼び物のある展示だったが,とくにダヴィンチの解剖図の直筆が見られたのは幸運だった.縦20センチ弱×横15センチ弱という小さなサイズの紙片のそれぞれに,頭蓋骨・肝臓・脳のイラストと,逆さ綴りの字体で書かれた解説文がつけられている.来場者が鈴なりのときに来ていたら,この実物をじっくり拝むことはできなかったにちがいない.その他,ダーウィンが愛用した象牙の杖(頭にドクロがはめ込まれている)とか,古書(1400年代以降)もたくさん.

出展されていた古書は医学書がほとんどだったが,中には,ダーウィンやヘッケルの本,そしてロバート・フラッドやパウル・ブロカ,ペトルス・カンパーの“形態測定学”なども含まれていた.外科手術の器具とか義手・義足の展示もたくさんあった.古代から現代にいたる,そして西洋と東洋にまたがる広範な展示品の数々はとても刺激的だった.

今回の展示の図録は平凡社から出版されている:森美術館(編)『医学と芸術:生命と愛の未来を探る〜ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト』(2009年11月28日刊行,平凡社,東京,285 pp.,ISBN:978-4-582-20662-3 → 版元ページ).展示品の説明に加えて,前半60ページにはいくつかの解説記事も含まれている.

◆六本木から三田へ —— 六本木を昼前に出て,浜松町から田町に向かう.強い南風に乗って雨粒がぱらぱら落ちてきた.午後は予報通り雨になる気配が濃厚だ.半袖で歩いている人もいるほど気温は高い(というか蒸し暑い).JR田町駅から歩いて,初めての慶應・三田キャンパスへ.小雨の降る中を午後1時前に工事中の正門から入る(東門の方がよかったことをあとで知る).

◆〈第5回生物学の哲学研究会〉は午後1時半から三号館五階の354号室を会場にして始まった.出席者はぼくを含めてたった7名なのに,ひとりの講演持ち時間が「質疑含めて1〜2時間」という驚異的なセミナーだった.ここでの公用語は英語だが,日本語が交じってもよしというユルさが好ましい.初日の今日も講演者はたった二人で,終わったのが午後6時前だった.消耗しますって! その後,三田の図書館に“秘蔵”されている荒俣寄贈図書について「なかのひと」から情報を聞いた(何とかなるかもしれないという感触を得た).

◆午後3時過ぎに雨がいったん本降りになったが,午後6時過ぎには小止みになっていたので傘を広げる必要はなかった.田町からつくばへ直帰.午後7時半につくばセンターの地上に出たら,こっちは雨が降っていた.

◆本日の総歩数=9550歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.5kg(0.0kg)/27.0%(−0.5%)


25 februari 2010(木) ※春一番に乗り花粉は飛ぶ飛ぶ

◆午前5時半起床.ただシンプルに寝坊してしまった.窓を開けると外は濃霧で視界ゼロだった.午前5時の気温はプラス2.1度.湿ってしんしんと寒い.昨夜もまたぜんぜん使い物にならず朝にを迎えてしまった.今日は続きのトド撃ちにいそしまないといけない.昨日,東大農学部7号館Aには「理科三類」の受験会場がすでに用意されていた.国立大学受験生はきょう一日ぜひ頑張ってくだされ.

◆おお!ついに —— エリオット・ソーバー[三中信宏訳]『過去を復元する:最節約原理・進化論・推論』(2010年4月刊行予定,勁草書房,東京,本体価格5,000円, ISBN:978-4-326-10194-8 → 目次)が bk1 で早くも予約開始です! よろしくよろしく.生物学哲学に愛の手を! ※新しいコンパニオンサイトをつくらないと.

◆朝のこまごま —— [組合]分会代表委員をしている農対部からの連絡.講演会は6月4日に,研修ツアーは5月29日にとのこと.やめましょうよ,この委員会の活動は.ムダだし.PTAも組合もそうだけど,不要な活動にマンパワーを駆り出す体制はもう通用しないと思います./3月5日(金)14:00にNTT出版の柴さんと杉山さんが農環研に来ることになった./東大農学部・ES特論Iのシラバス案を提示する.

◆春がすみの午前中.晴れて日射しが暖かい.花粉もすごいようで,鼻がぐすぐすする.昼休みのお茶受けは石下〈ゆたかや〉の「いしげだんご」をいただいています.とてもうまいです.食べ過ぎてはいけません.でもうまいです.

◆「なか」から「そと」へ歩み出ること —— 職場の「なかのひと」から大学での非常勤出講に関わる相談を受ける.ワタクシは今の職場ではダントツにたくさん大学に出講する人(=所内にいない人)なので,相談先としてはリーズナブルかもしれない.現在の職場の制度では,独法から大学に出講する場合,依頼出張または兼業申請のいずれかの形式になる.依頼出張としてならば無給だが,兼業申請する場合は本務地での給料を差し引いた上で出向先から給料をもらうことになる.以前,人事担当に金銭シミュレーションをしてもらったかぎりでは,依頼出張も兼業申請も俸給的にはたいしたちがいはない.しかし,ぼく個人は以前から兼業推進派なので,相手先から給料が出るのであれば,本務地での給料は目減りしても積極的に「兼業」の道を選ぶことにしている.

ぼくのようなスタンスはもちろん少数派で,実際,所内を見渡しても,もともと大学への出講事例自体が少ないし,兼業で「外」に出る人にいたってはほとんどないと言ってよい.それでも,かつて(二十年前)に比べれば,農水省から大学に出て行く(異動であれ出講であれ)ときの「壁」の高さは低くなっている.「ベルリンの壁」が崩壊した年も,農水省国研を取り巻く壁はもっと高かった.いまや,所内に大学の人事公募情報が流れるほどの時代の推移を実感している.いまの農環研に就職して二,三年後のことだが(1990年代初頭),所内のある飲み会で,当時部長だった人が,「みなかくん,先日ある大学からキミを助教授にという割愛願が所にと届いたので,もちろん断っておいたからね」と.ワタクシ,そんなことぜんぜん打診されてなかったし〜(汗).

◆午後になってさらに気温が上昇してきた.午後3時には18.9度まで.4月並みのぽかぽか陽気だ.

◆ひょっとしたらいまつまみ読みしているこの本が,居室の中ではもっとも古い本かも:William Swainson『A Treatise on Geography and Classification of Animals』(1835年刊行,Longman, Rees, Orne, Brown, Green, & Longman, London, vii+367 pp.).NHK Books を書くときのタネ本のようなもの.イギリスで出版された動物地理学の初めての単行本だという.William Sharp MacLeay の五員環分類主義(quinarianism)を国内に普及させた本としても知られている.だいぶ前にたまたまオンライン古書店で買った本.装幀は新しく製本し直してあるが,中身は元本のまま.180年という年月が経とうとしているのによく保存されている.[後記]本書は〈gallica〉から全文が電子化公開されていることを知った.ファイルのタイトルがちがっている(同じ著者の別の貝類学の本と)のがご愛嬌だが,中身はまちがいなく本書である.

◆朝からずっと『生物学辞典』(東京化学同人)の項目執筆をし続けている.25項目もあるとたとえひとつひとつは100〜400字であっても,かなりの字数に達してしまう.これまでの執筆履歴を見なおしてみたら,2005年に最初の執筆依頼があり,統計学関連で10項目,系統学関連でも10項目,そして今回の追加の25項目ということだった.自分でものした執筆項目がいささか多すぎたかもしれない.編集部から過去に提出した執筆項目のゲラを送ってもらったところ,案の定,記載内容の重複が散見される.項目間調整が必要になりそうだが,このトドはしばらく放置して,観察しやすくなるまで成長させるがままにしておこうと思う.辞書組版されてしまうとフォントが小さすぎてどうにも読みづらい.

それにしても,1996年の『岩波・生物学辞典(第4版)』を皮切りに,これまでいったい何冊の辞書項目の執筆に関わってきたことか.しかも毎度毎度似たような項目ばかり天から降ってくる(専門分野を考えれば当然だけど).日本人はもともと辞書が好きなのか,学会企画として辞書が好まれるのか.そもそも,こんなにたくさん辞書をつくって,ちゃんと売れているのか?

—— なんのかんのとつぶやきつつも,午後3時過ぎにはすべての項目執筆を終え,編集部にメールで原稿を送信完了した.勢い余って,東大農学部の次年度シラバス登録も完了してしまった.

◆夕方のこまごま —— 来年度の東大農学部「ES特論I」のシラバスがほぼ確定したので UT-mate からオンライン登録を完了./来年度の契約職員雇用申請を26日までに提出のこと./午後5時,ソーバーのゲラ読みをすべて完了.懸案箇所も解決した.これでやっと三田で耳を揃えて仕掛人氏に手渡すことができる./メーリングリスト雑用をちくちくすませる午後6時./2月27日(土)の原稿納税場所はJR田町駅前の〈ルノアール〉田町三田口店にて,11:30に.

—— 今日は大トドを何頭か仕留めた達成感はあるのだが,所内的には陰険な事務トド数匹が居座り,この世の春を謳歌している組合トドたくさんが無頼化しつつある.明日と明後日は慶應・三田キャンパス付近に実在するので,未明に持ち越しの仕事になるか.

◆午後7時半にやっと撤収.建物の外に出たら強い南風が圃場を吹き抜けていた.あとでニュースを見たらこれが今年の「春一番」だったらしい.

◆明日からは都内に活動場所を移して,三田あたりをうろうろすることになる.下り坂の天気が大丈夫か,やや不安.

◆本日の総歩数=2928歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.5kg(0.0kg)/27.5%(−0.5%)


24 februari 2010(水) ※春のうららの上野から根津へ

◆午前5時半起床.曇りところどころ晴れ間.朝の冷え込みなく,気温プラス3.7度.アメダスによれば午前3時はプラス2.9度まで下がっていたようだ.

◆明け方の逃避行 —— トド撃ちまったく不調.NHK Books 原稿をきょう納税するのちょっとムリみたいです……(すみません),とドタキャンのメールを送って締切の苦しみを先送りにする(週末,慶應に行くときのついでにということで).残りの残務のうち,まずは辞書トド,続いて組合トドか.いずれにしてもきょうは東京には行かないとダメだし.卒論発表会はOKでも専攻交流会は×か.

◆東京出奔前のこまごま —— 東大農学部のシラバス登録締切が迫っているので他の連携教員に連絡メールを出した./『過去を復元する』の copyright ページのコピー.翻訳権の契約書に必要になるとのこと./組合トド関連で地本オルグのアナウンスをしたり,調整メールを送ったり.

◆毎年,ぼくは大学への非常勤出講を数校引き受けていて,それが結果的に専業非常勤講師への「圧迫」ではないかと気になることもある.ただ,出講を依頼する立場からみれば,けっきょくはリクルート担当者のごく個人的な知り合いに打診して非常勤講師(たいてい本務校ありの可能性大)として「一本釣り」するしかないという,非常勤講師の専攻に関わる大学側の現行人事システム上の問題もあるのだろうと思う.もっとシステマティックな制度があれば問題点のいくつかは改善されるのだろう.

◆[欹耳袋]今週行く慶應大学(三田)の図書館には〈荒俣宏寄贈図書コレクション〉が所蔵されているらしい(彼は慶應のOBだし).きっと大量の博物学書が含まれているにちがいない.それにもかがわらず,今では利用されることもなくほぼ死蔵されているとか.もったいないかぎりだ.これは何とかコンタクトをとって閲覧利用ができるかどうかについて確認をする必要がありそうだ.せめて目録が用意されていればいいのだが.「なかのひと」に問合せのメールを送ったりする./グレゴリー・ベイトソン『精神と自然』(1979)には審美的世界観について述べられているという.原書はもっていたはずだけど,いったいどこの棚にあるのだろー?/講談社の新しい社史『講談社の100年』が方々で評判になっているらしい.「本巻10冊プラス年表・資料1冊,さらにDVD1枚」とか.そりゃすごいです.

◆春めく上野公園にて —— 11:55発のTX快速に乗る.春めく青空で,コートがいらないほどの暖かさ.車中,ソーバーのゲラ読みをする.完了.ちょこちょこと修正箇所あり.いくつか疑問点があるので後ほど解決しよう.北千住で乗り換えて上野へ.平日の昼下がりだが,柔らかな日射しの上野公園は賑わっている.目的地は国立科学博物館.月末で終わってしまう企画展〈深海探査と微化石の世界〉を見に来た.エルンスト・ヘッケルの資料や標本とか,放散虫,ハプト藻やケイ藻の写真や標本とか,チャレンジャー号航海の資料とか.会場を一回りして科博をあとにする.

福井〈黒龍〉の本醸造「垂れ口(おりがらみ)」をゲットして,午後の東大農学部に向かう.隠れ部屋にて,辞書項目の2/3まで書き終えた.きょうは東京大学大学院農学生命科学研究科の卒論発表会がある.農学部7号館はすでに明日の東大入試二次試験の会場設営が終わっていた.

◆つくばに帰り着いたのは午後7時半だった.車中読書:臼田捷治『杉浦康平のデザイン』(2010年2月15日刊行,平凡社[平凡社新書511],東京,カラー口絵8 pp.+254 pp.,本体価格860円,ISBN:978-4-582-85511-1 → 版元ページ)を読み進む.八面六臂な活躍ぶりとしか言いようがない.

◆本日の総歩数=7657歩[うち「しっかり歩数」1035歩/12分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.5kg(0.0kg)/28.0%(+0.3%)


23 februari 2010(火) ※いきなり春の陽気が到来する

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ.気温ブラス0.4度.その後,気温は下がり続け,午前6時にはマイナス0.4度になった.ふと見回せば,夜明け前の暗闇の中を蠢くトドたち.昨日降り注いだ組合トドが居室に犇めいている.そのうち,真っ赤な朝日が東の空から.その後,青空が広がってきた.

◆朝のこまごま —— 明日24日の東大の専攻卒論発表会のプログラムが届く./東大農学部教務への返信メールを完了.成績報告変更に関する突発トドはこれにて退治を完了./東大新聞に掲載された届出をしないといけない.朝日新聞に取材されたことも.

◆[欹耳袋]「芸術の樹」の数々 —— 〈アート・ムーブメントの系統樹〉.芸術の流派の系統樹がきわめてアーティステックなのはいつ見ても印象的だ./もうひとつは「芸術の森」〈Who Invented the Avant Garde〉.アヴァンギャルド芸術の樹といえば:Astrit Schmidt-Burkhardt『Stammbäume der Kunst : Zur Genealogie der Avantgarde』(2005年刊行,Akademie Verlag,Berlin, ISBN:3-05-004066-1 → 目次情報)が手元にある.これに載っている「芸術の樹」もかなりバクハツしているが,それ以上にカラフルにしてアートな樹がたくさん見られる.

◆晴れて暖かくなってきた昼下がり.午後2時の気温は15.2度.3月ももうすぐだしね.

◆午後のこまごま —— 東大理学部「生物統計学」の成績評価を開始.出席カードの集計とレポート提出状況の確認から./東大農学部のシラバス(特論)は2月25日(木)までに UT-mate から登録しないといけない./専攻送別会の出席返信完了(3月19日).東京農大・昆研の謝恩会(3月21日)への出席返信メールも完了.

◆午後7時半に撤収.夜,トドのざわめきがあちこちから.明日は東京に出張だがそれまでの時間にどこまで撃ち果たせるかいささかこころもとない.いま騒いでいるのは辞書トド・原稿トド・組合トドの三頭.取捨選択できないというところが三すくみの原因だ.あちらを叩けばこちらが吼える.山口〈旭酒造〉の〈獺祭〉の活性にごり酒(純米大吟醸・磨き三割九分・シャンパン瓶)を買ったのだが,こんなのをいま開栓したら,まわりが騒がしくなってしかたがないので,そのまま氷温室に安置しておくことにしよう.

◆本日の総歩数=4730歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.5kg(+0.3kg)/27.7%(−0.6%)


22 februari 2010(月) ※とてもにぎやかな居室に呆然

◆午前4時半起床.ここのところ乱れ気味だった生活リズムが正常にもどってよしよし.曇り.気温はプラス2.8度(午前5時).冷え込みはない

◆備忘メモ —— 飛び入り出張:今週末の2月26日(金)〜27日(土),第5回生物学の哲学研究会,午後,慶応大学文学部(三田)354番教室.例の生物学哲学論文集のみなみなさま.仕掛人さんも来るらしい.ソーバーの耳揃えが必要か(汗).タイムテーブルを確認したところ,両日とも午後に開催とのこと.一人1〜2時間という持ち時間.気力と体力が続くかなぁ?(心配).でも,慶應の三田キャンパスって初めてなのね.はるかに遠方の日吉キャンパスと矢上キャンパスはどちらも行ったことがあるのに./3月21日(日)はとても忙しい.まずは:「のぐっちゃんを囲む会」,新百合ケ丘駅前〈IL GIRASOLE〉,14:00〜17:00.途中で抜けて:「東京農大・昆研・卒業謝恩会」,本厚木駅前〈村さ来〉,17:00〜21:00.この日は小田急沿線で飲みまくり〜.※ちゃんとつくばに生きて帰るべし!

◆週明けに降り注ぐトドたち —— 先日来ずっと手間取っていた dagboek の残務処理が終わってせいせいしたと思ったら,新たなるトド軍団が次々に押し寄せて来た.今日とりかかるべき仕事は:『過去を復元する』のゲラ読み(週末まで),NHK Books 原稿(明後日また納税),組合「春闘」関連トドども(すでに犇めいている)etc…….とりあえず列挙したが,それだけに終わるかもしれない.先週あれほどトド撃ちしたのにまたもや増殖しつつあるのはなげかわしいことだ.今月から来月までは組合的には「春闘」という名前の「お祭り」のイベントが続く.タイトなスケジュールでしかも急にトドが天から降ってくるので,油断もスキもキライもない…….たまに逃げます.

◆午前11時.曇り.気温はまだ低い.予報では午後になれば暖かくなるというのだが.

◆[蒐書日誌]先日,久しぶりに東大農学部の事務に郵便物を取りに行ったら(いつもは放置),なんと昨年末に献本されていた本がそのままシズカに「熟成」されていた.たいへん申し訳ありませんでした:前野佳彦『事件の現象学1:非日常性の定位構造』(2009年11月19日刊行,法政大学出版局[〈思想*多島海シリーズ〉16],東京,viii+304+8 pp.,本体価格3,800円,ISBN:978-4-588-10016-1 → 版元ページ)と前野佳彦『事件の現象学2:因縁と天命の情念型』(2009年11月19日刊行,法政大学出版局[〈思想*多島海シリーズ〉17],東京,viii+311+7 pp.,本体価格3,800円,ISBN:978-4-588-10017-8 → 版元ページ).添えられていた手紙を見ると,著者は「人間の文化的生態学と系統学(系譜学)を中心に研究」してきたと自己紹介している.この広範な「事物蒐集」はとても魅惑的だと思う.

本書に先立つ二巻本:前野佳彦『散歩の文化学1:ホモ・アンブランスの誕生』(2009年1月6日刊行,法政大学出版局[〈思想*多島海シリーズ〉12],東京,本体価格3,500円,ISBN:978-4-588-10012-3 → 版元ページ)と前野佳彦『散歩の文化学2:東洋的都市経験の深層』(2009年1月6日刊行,法政大学出版局[〈思想*多島海シリーズ〉13],東京,本体価格3,300円,ISBN:978-4-588-10013-0 → 版元ページ).著者の言う「ホモ・アンブランス(散歩人)」.Peripatusとか Tardigrada みたいな「散歩」がしたいなあ.せかせか歩いているようでは思索も哲学もありゃしない.

—— なお,前野さんは今年4月刊行予定:フランセス・イエイツ『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』(工作舎 → 「これから出る本」)の訳者でもある.昨年,日録でこの近刊について言及したことが前野さんの目に留まったようだ.これもまた縁ということ.

◆年末取材された東大新聞の掲載誌も農学部三号館にある文書交換室の郵便ボックスに一ヶ月以上も眠っていた:森友亮「〈著者に聞く〉「種」の分類を哲学する」(週刊東京大学新聞2010年1月12日号二面).いい記事にしていただき,ありがとうございました.こういうことですので,東大農学部への郵送物は必ずしもすぐにピックアップされる状況にはありません.急ぎの場合はつくばにお送りいただければ確実かと(>関係者諸氏).

◆午後のこまごま —— 東大農学部から成績処理の変更に関する問合せメールあり.教務と連携教員に連絡して対応する.UT-mate への成績入力はすでに完了しているので,変更が可能かどうかがまず問題.あとは他の連携教員の同意が得られればOKだ./東大・連携教員の次年度委嘱の可否について人事から問合せ.OKを即返信.

◆[蒐書日誌]六本木アークヒルズの森美術館で開催されている〈医学と芸術展〉は2月28日まで.期間中に行けるかなぁ.展示図録は平凡社から出版されている(日曜の朝日新聞書評欄に載っていた):森美術館(編)『医学と芸術:生命と愛の未来を探る〜ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト』(2009年12月刊行,平凡社,東京,ISBN:978-4-582-20662-3 → 版元ページ).しかし,いまは品切れで重版待ちらしい./期待してます!:平井浩(編)『ミクロコスモス:初期近代精神史研究・第1集』(2010年2月25日近刊予定,月曜社,東京,ISBN:978-4901477727 → 版元プログコンパニオン・ブログ).ほしいなぁ〜.

◆[欹耳袋]地元・茨城の本を出し続けてきた土浦の〈筑波書林〉の社長さんが先月末に亡くなったと今朝の朝日新聞茨城版に載っていた.つくば市内の書店の「茨城コーナー」には〈筑波書林〉の本がたくさん並んでいるが,今後はどうなるのか.出版活動の存続は未定とのこと.

◆[分類思考]本日の残響:shinoのときどき日記「『アーキテクチャの生態系』と『知の編集術』」(2010年2月22日): ※松岡正剛さんとは佐倉統さんの出版記念パーティが初対面だった.十年以上前のことだが.

◆帰宅直前の18:52に地震あり.書棚からの本の崩落はなかったので震度2くらいか.さらなる組合トドがやってきたので即撤収.午後7時半に帰宅する.東京農大の次年度出講に関わる書類トドが待ち構えていた.前門の虎,後門の狼.

◆本日の総歩数=4382歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.2kg(0.0kg)/28.3%(+0.9%)


21 februari 2010(日) ※「日記を溜めてはいけない」

◆今朝は午前6時まで惰眠を貪ってしまった.外はもう明るくなっているし,もう話にならない.滞りまくりの dagboek は14日までは書いたもののまだアップロードしていない.今日は暖かくなりそうな気配だが,それとともに花粉の心配が…….何よりも昨日着弾したゲラ読みをさくさく進めないとまた加圧されるぞ(or カンヅメされるぞ).

◆[欹耳袋]スケジュール「加圧」ソフトウェア:〈pomodoro〉.Mac OSX 用のツールで,ありとあらゆる「加圧」をしてくれるらしい(→ 解説記事).とりあえずインストーラーだけはダウンロードしたものの,コワくてインストールする気になれない.先日教えてもらったオンライン管理ソフト〈Todoist〉もコワくてまだ使っていない.とりあえず,紙メモのトド撃ちリストでしばらくはやっていこうと決心しているのだが.イヤな世の中になってしまったものだ…….みなさん,そんなに加圧されまくりたいのか?(つらいのに)

◆日録残務処理の週末(一) —— 午後2時になってようやく dagboek の15〜17日までを書き終えた.でも,まだ三日分も残っている…….

◆[蒐書日誌]平凡社の〈東洋文庫〉と法政大学出版局の〈ものと人間の文化史〉は,財力ができたら全巻ずらりとコンプリートにそろえたい叢書だ.とりわけ,東洋文庫は高校時代から買い始めたが,最初に買ったのは:井上頼寿『京都民俗志』(129),吉野裕『風土記』(145),川田貞夫・川路聖謨『島根のすさみ:佐渡奉行在勤日記』(226)あたりだったか(京都の実家に帰ればわかる).いずれも1970年代前後の出版で,高校に入ってすぐに買ったはず.東洋文庫は今年中に800巻に達すると言う.そうこうするうちに,ツイッターにハッシュタグ「#toyobunko」がつくられて大喜び.「東洋文庫萌え〜」なみなさんは集結すべし.

◆本棚から“出土”した本 —— 本をまとめ買いしたときに,読まれないままどんどん書棚の深奥領域へと埋没していく本がときどきある.先ほど書棚を整理していて奥の方から半年ぶりに“出土”した本:天野郁夫『大学の誕生(上):帝国大学の時代』(2009年5月25日刊行,中央公論新社[中公新書2004],東京,xiv+391 pp.,本体価格940円,ISBN:978-4-12-102004-8 → 版元ページ)/天野郁夫『大学の誕生(下):大学への挑戦』(2009年6月25日刊行,中央公論新社[中公新書2005],東京,xiv+431 pp.,本体価格980円,ISBN:978-4-12-102005-5 → 版元ページ).上下巻を合わせて850ページに達する大著だ.「この本,読まないと」と思って去年の夏頃に買ったにちがいないのに,半年も塩漬け熟成させてしまってごめんなさいねー.

◆日録残務処理の週末(二) —— 午後6時半,延滞しまくりの dagboek は昨日からの尽力により,やっと20日までのアップデートを完了できた.たかが日記を書くのにまる二日もかけるなよ,という後悔あるのみ.日記はさぼらず毎日つけようね.>ぼく.

◆[蒐書日誌]最新刊:Jared Diamond and James A. Robinson (eds.)『Natural Experiments of History』(2010年1月刊行,Harvard University Press, Cambridge, ISBN:978-0-674-03557-7 [hbk] → 版元ページ) .「歴史をいかにして“実験的”に検証するか?」というテーマに沿って編まれた論文集とのこと.しかも,「実験室内」ではない「野外」での実験的検証の可能性を問うているらしい(→ 目次).そのときのよりどころが「比較法(the comparative method)」であるというのは,Diamond のこれまでの著作(『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上・下)』や『文明崩壊:滅亡と存続の命運を分けるもの』)から十分に予想できる.

◆午後11時過ぎ,ぼくをサイエンスカフェに召喚しようという陰謀が交わされているようすがツイッター経由で伝わってきたので,二つ返事で「OK」.あとはよろしく願いします./ほぼ同時に,ツイッターのフォロワー数が「700名」を越えました〜.どうもありがとう.今日は安らかに寝られそう.

◆本日の総歩数=1112歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=87.2kg(0.0kg)/27.4%(+0.4%)


20 februari 2010(土) ※テポドンが着弾して大あわて

◆午前5時起床.氷点下3度.今日も晴天かな.昨日は日中のトド撃ち果たし作戦で疲弊したらしく,夜,滋賀の〈喜楽長〉活性にごり酒をカレー鍋とともにしこたま飲んだら,あっという間に爆睡モードでした.夜10時前に意識がなくなり,起きたのが午前5時だから,明らかに寝過ぎだ…….生活リズムが狂いっぱなし.

◆[欹耳袋]The Willi Hennig Society Annual Meeting(Hennig XXIX)の登録開始(→サイト).ハワイ〜,ワイキキ〜.4月初めが事前登録とアブストラクトの提出締切なので,浮かれてないでちゃんと提出するように.ハワイだったら昨年のような豚インフルエンザで参加キャンセルというような事態にはならないにちがいない.ホント,去年はそのせいでメキシコの会議は吹っ飛び,シンガポールへは足留めされてしまったからねー. /神戸大学・経済経営研究所・附属政策研究リエゾンセンターに大規模な社史コレクションがありますね.この神戸大・政策研究リエゾンセンターでは社史研究に基づく「多国籍企業系譜図」が公開されている.系統樹マニアはぜひぜひ見るべし.なお,未見ではあるが:神戸大学経済経営研究所附属政策研究リエゾンセンター『本邦主要企業系譜図集』(第1〜7集,1981〜1994年 → 参照ページ)が出版されている.

◆正午前に勁草書房からのテポドンがみごとに命中した! いたたた…….まずは,蕎麦教授「『過去を復元する』復刊によせて」(pp.1-2)と,ワタクシの「訳者解説 余波:「かみそり」をさらに鍛えること」(pp.305-317)のゲラからチェック開始.ゲラになるとそれっぽく見えてしまうのがコワいところ.一週間ほどで返却と仕掛人から指令されているので,放置するわけにはいかない.本文の方は「復刻」なので,修正箇所だけを確認すればいいだろう.最初と最後の追加分のみしっかり見ないと.いずれにせよ,ここまで作業が進んだので残りはもう少しだ.

◆午後は早春の日射しが柔らかく降り注ぐ.漂う空気はまだ冬の冷たさが残っているが,季節の進行には勝てない.

◆さて,今夜は豆腐のたっぷり入ったスンドゥブチゲに,〈武勇〉の「活性諸白酒・純米にごり」をいただきました.四合瓶なんかあーっと言う間に空っぽ.また飲み過ぎたか.今日はもう使い物にならない.さて,日録はどうにか2月14日まで書き終え,アップロードを完了した.しかし,まだ6日分も残っているかと思うと,何でこんなに溜め込んでしまったのか,と後悔するしかない.

◆本日の総歩数=4462歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=87.4kg(+0.1kg)/28.2%(0.0%)


19 februari 2010(金) ※組合トドどもと取っ組み合う

◆午前5時半起床.今日も寝過ごしてしまった…….放射冷却で冷え込みが厳しく,午前5時に最低気温マイナス3.2度を記録した.裸地はいちめんに霜が降りている.今日は放縦の限りを尽くしている組合トドを中心に撃ちまくります,ひたすら撃ちます.延滞はなはだしい日録の更新も本日仕留めるべき大トドのうちの一頭だがそこまで手が回るかどうか.

◆「組合トド」掃討作戦 —— まずは4頭仕留めた:春闘オルグ開催日調整/男女共同参画担当者依頼/就業規則改正/独法組織存続意見書.しかし,今月から来月にかけての春闘行動計画の実施という大トドが盛んに吠えている…….合間に,私費購入書に関する書店への連絡も完了.なお続く組合トド撃ち:春闘オルグ開催日の確定と会場確保.2月26日(金)昼休み.場所(教養室)のオンライン予約と労務担当への連絡は完了した.分会ツイッターへのアナウンスはこれから.PTA活動も組合活動もどんどんラクにしていきましょうよ! とにかく「対面」で打合せをするという縛りをできるだけ最少化すること.リアルな会議とイベントはやめよう.時間ないもん./うーん,続くトド打ちがなかなかきびしいな.次年度の非常勤出講の兼業申請:京大霊長研(形態測定学)と首都大学東京(生物統計学)は伺いを出さないと(トド増殖中)/組合トド暴れる:全農林分会との労働協約の締結・次世代育成プログラムの担当委員選出・分会活動の改善方策.まだまだ先が長いぞ./ML雑用も少しすませた.

◆[蒐書日誌]Kathrin Schubert『Maria Sibylla Merian: Reise nach Surinam』(2010年近刊,Frederking & Thaler,ISBN:978-3-89405-772-5 → 版元ページ).17世紀の女性昆虫学者マリア・シビラ・メーリアンの南米スリナム旅行誌./いただきもの:NHK放送文化研究所『現代日本人の意識構造:第7版』(2010年2月25日刊行,NHK出版会[NHK Books 1151],東京,227+35 pp.,ISBN:978-4-14-091151-8).1973年から5年おきに35年間にわたってアンケート調査を実施して調べた,日本人の自己や社会や生き方に関する「意識調査」の集計と分析.今回は2008年度の調査結果に基づく改訂版とのこと.

◆午前中の組合トドかため打ちの疲労困憊中〜.長時間にわたる「トド皆殺し」に従事していると,メールや電話や対人での応対がしだいに「デューク東郷」と化してゆく自分を発見する.しかし,組合トドどもだけは無慈悲に狙撃しまくりたいな.個体群生態学者がケージの蟲どもを前にして「死ね死ね死んでしまえ〜」とつぶやくように…….昼休みは休憩するのみ.

◆テポドン発射間近 —— ソーバー『過去を復元する』の初校ゲラがやっとできあがったと仕掛人さんから連絡あり.週末に大量のゲラ火砕流がつくばの自宅に到達する気配が濃厚.蕎麦教授に返信しないと.次なる問題はゲラはすぐに打ち返さないといけないという点.これさえクリアできれば彼方にシャングリラが広がるはずだが…./同じく勁草書房の生物学哲学論文集:松本俊吉(編)『進化論はなぜ哲学の問題になるのか(仮)』.原稿の図版の転載許可と人名のカタカナ表記に関する返信をする.Madroño ってティルド付きの「ñ」ゆえスペイン本国の学術誌かと思ったら,カリフォルニア植物学会の機関誌だったんだー.

◆[蒐書日誌]年度末のR本たち:渡辺利夫『誰にでもできるらくらくR言語』(2010年近刊,ナカニシヤ出版,京都,ISBN:978-4-7795-0367-2 → 版元ページ)/安道知寛『ベイズ統計モデリング』(2010年近刊,朝倉書店[シリーズ〈統計ライブラリー 〉],東京,ISBN:978-4-254-12793-5 → 版元ページ)./照井伸彦『Rによるベイズ統計分析』(2010年近刊,朝倉書店[シリーズ〈統計科学のプラクティス〉第2巻],東京,ISBN:978-4-254-12812-3 → 版元ページ).

◆農環研の刊行物がpdf公開 —— 2005年に出版され,すでに在庫のない二冊:陽捷行『散策と思索』(2005年3月刊行,農業環境技術研究所,つくば → 参照ページ) と『農業環境研究の最前線』(2005年3月刊行,農業環境技術研究所,つくば → 参照ページ) がpdfとして公開された.

◆夕方のこまごま —— 来週水曜の東大農学部「生物・環境工学」専攻の卒論発表会プログラムが届いた.午前10時から午後4時まで.そのあとは専攻交流会があるんだったっけ? またお供え物の日本酒を用意しないとかな.今回はがつんとノックアウトされるような日本酒を選んでみるか./『過去を復元する』の訳稿〈テポドン〉は,先ほど勁草書房から束になって発射され,日本海に落下することなく.明日にも正確につくばに着弾するとの予告メールがあった.一週間で内容をチェックして返信しないと,その〈テポドン〉はどかんと自爆するらしい.コワいコワい.

◆今日は晴れのち曇りで午後は陰鬱だったが,夕陽がやたらにまぶしかった.

◆本日の総歩数=2860歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.4kg(+0.1kg)/28.2%(0.0%)


18 februari 2010(木) ※小雪舞う丑三つ時から雪景色

◆午前2時起床.小雪舞う丑三つ時.では,未明のトド撃ちに出発です.昨日は東京に大量の本を抱えていったら,その二倍の本を持ち帰ることになった.本は本を産む? いずれにしても,こんな夜中に大量の本を抱えて歩くのはやめたい.農環研に入るときは名札励行とのお達しあり.ま,とりあえず,夜明け前はごめんなさい,ということで.午前6時前に雪は本降りになっていた.気温はほぼ氷点.積もる気配濃厚.

◆[欹耳袋]来月の駒場での生態学会にてシュプリンガー・ジャパン主催のランチョンセミナー:〈Editor's Insight: 国際誌への論文投稿のコツ、査読・編集の実際〉,3月18日(木) 13:00 - 14:30,G会場/Web of Knowledgeの日本語インターフェースがリリースへ→記事

◆茨城は昼までに5センチの積雪予報.つくばセンターあたりを上から見下ろすかぎり,本道の通行にはとくに問題なし.しかし,脇道は路面もはや白くなっている.

◆図書をめぐる「研究者の論理」と「図書館の論理」 —— ぼくの場合,読書するとは「線を引く」ことは言うに及ばず,いたるところに「書き込み」をすることであると心得ている.真っ白な本は未読本と同義語.したがって,線引きや書き込みができるためにはブツとしての「本」はあらゆる意味でパーソナライズされている必要があり,共有財産という位置づけは有害でしかない.どこそこの機関に公的に所蔵されている蔵書というのはぼくにとっては「本」とはみなされない.

数年前までは,科研費購入図書は「消耗品」扱いだったので,所属機関の備品番号は付かなかった.だから,購入者(すなわち所有者)が消耗品としてパーソナライズし,自由に線引き・書込みができたのに,あるときから交付金・科研費の別なく備品として機関登録されるようになった.このとき以来ワタクシは公費購入本を読めなくなった.こういう個人的な事情により,専門書・一般書を問わずすべての本は「私費購入せざるを得ない」という宿命が発生した.ライブラリアンたちは気づいていないようだが,図書として機関登録することは「図書館の論理」に 「研究者の論理」が譲歩することを意味する.彼らにとって本はきれいに保存することに意義があり,「消耗品としての本」という意識は彼らには希薄だ.しかし,ぼくはそういう「図書館の論理」には与しない.「本」のユーザーである研究者の読み方はえてしてそれに真っ向から対立するから.

—— 「図書館の論理」を徹底させるためには公費購入図書はいっさい利用禁止にすればよい.

◆午前中はよく降りよく積もった雪も昼前には上がり,曇り空になった.よく積もった雪も意外にあっさりと融ける気配だ.

◆二冊の「サウダージ」本 —— 往来堂書店のすごいところは,こういう本がちゃんと書棚にそろって並んでいるところだろう:クロード・レヴィ=ストロース著[今福龍太著・訳]『サンパウロへのサウダージ』(2008年11月28日刊行,みすず書房,東京,vi+204 pp.,ISBN:978-4-622-07351-2 → 版元ページ).来年は14年ぶりにサンパウロに出張する予定なので,こういう本は手にしておきたい./今福龍太,サウダージ・ブックス(編著)『ブラジルから遠く離れて 1935-2000:クロード・レヴィ=ストロースのかたわらで』(2009年5月1日刊行,港の人,鎌倉,133 pp.,ISBN:978-4-89629-204-6 → 版元ページ).この冊子は店頭で初めて手にした.クロード・レヴィ=ストロース『サンパウロへのサウダージ』に関わるある展示企画の出版物.機会があれば:クロード・レヴィ=ストロースの写真集『ブラジルへの郷愁』(1995年刊行,みすず書房,ISBN:9784622039013)も手にしてみたい欲望に駆られるが,現時点では新刊はもちろんのこと古書でもまったく入手できないみたい…….

◆今日は未明起きした割りには,あまりトド撃ちが進まなかったな.明日は心機一転またがんばろう.

◆本日の総歩数=6850歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=87.3kg(−0.1kg)/28.2%(+0.8%)


17 februari 2010(水) ※本郷にて対面執筆と新聞取材

◆午前5時起床.まだ寝過ぎの傾向あり.午前5時の気温はプラス0.3度.先ほどフォロワー数がちょうど「666名」に達した.いまわしくていい数字ですなぁ.夜半に雪が舞いはじめ,明け方はところどころ雪化粧.しかし,今はもう晴れ間が見えてきた.さて,まだぜんぜん進んでいない NHK Books の原稿をいまここで書くか,それともえいやっと東京に出てしまってから書くかが決断のしどころだ.いずれにしても,本郷までの車中執筆&対面執筆は不可避の状況となってしまった.毎度のことではあるが.そんなこんな状況が続いているので,トド撃ちのバイアスはいかんともしがたく,全農林筑波地本の「春闘関連」の指示をすべて放置したままになっている.組合トドたちはいきなり乱入して暴れるというやっかいな性格なので,これまたどこかの日を割いてまとめ撃ちしないとケリがつかない…….

◆[欹耳袋]国立科学博物館の企画展示〈深海探査と微化石の世界:HMSチャレンジャー号から“ちきゅう”まで〉そのうち行かないとと思っているうちに今月末の閉幕を迎える.忘れずに見てきます. /かのエドワード・O・ウィルソンが小説家に転身か?!:Edward O. Wilson『Anthill: A Novel』(2010年4月刊行予定,W. W. Norton, New York, ISBN:978-0-393-07119-1 → 版元ページ)/To hell with POY!:KAZUNORI YOSHIZAWA, Direct optimization overly optimizes data. Systematic Entomology[Published Online: 12 Feb 2010, DOI:10.1111/j.1365-3113.2010.00526.x].

◆丸腰で東京へ —— つくばではまったく原稿が書けなかったので,必然的に車中執筆となった.9:32発のTX区快で根津へ.晴れときどき曇り.気温は低い.この時間帯だと通勤ラッシュから外れ,確実にすわれるのがありがたい.今世紀に入ってからというもの,机に向かって物書きをしている余裕がなくなった.車中とか喫茶店とか待合室とか,要するに「歩きながら書く」日々.書斎の机に向かっての執筆はリタイアするまであきらめるしかないかも.午前10時半に本郷〈ルオー〉到着.さらにキーボードを打っていたら,店に電話が入り,担当編集者さんから急用のため夕方に延期をしてほしいとの連絡があった.時間ができたのはとてもとてもありがたいが,だからといってバクハツ的に原稿が進むわけではない.昼過ぎまで頑張ってから東大農学部へ午後1時からの教員会議は意外にも長引いた.午後3時過ぎに退出.農学部図書館での待ち合わせはドタキャン(ごめん).そのまま再び〈ルオー〉に向かう.

◆【種】はないんですって! —— 〈ルオー〉にて朝日新聞の取材を一時間ほど受けた.Q:【種】はなくなったんですか?/A:あったりまえじゃん! というような受け答えをしてきました.掲載日は未定(そもそも掲載されるんだろーか……).約一時間ほどで取材はおしまい.

◆夕刻の納税 —— 入れ替わりに,NHK Books の井本さんが登場し,午後5時半に15枚ほど手渡して今日のところは解放された.また来週ここで(いつから〈ルオー〉は出先オフィスになってしまったのか……).それにしても毎度毎度の「対面執筆」というスタイルに慣れてしまった自分がコワいなあ.自宅書斎でのゆったり執筆ライフとはまさに対極的だもんね.

◆夕闇迫る中を谷根千へ —— 納税後,暗くなり始めた本郷通りを北上し,とぼとぼと千駄木まで下る.往来堂書店を一回りして収穫.まずはこの二点:臼田捷治『杉浦康平のデザイン』(2010年2月15日刊行,平凡社[平凡社新書511],東京,カラー口絵8 pp.+254 pp.,本体価格860円,ISBN:978-4-582-85511-1 → 版元ページ

おお,ラオ師が降臨されたか!:C. R. ラオ[藤越康祝・柳井晴夫・田栗正章訳]『統計学とは何か:偶然を生かす』(2010年2月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫],東京,321 pp.,ISBN:978-4-480-09271-7 → 版元ページ).1993年に丸善から出版された訳本の文庫化.

—— そんなこんなで,午前9時につくばを出て午後7時過ぎに帰還した.今夜は雪が降るという予報だが,マジですか? これからまた農環研に出勤しないといけないんですけど…….防寒用に毛布を持参した方がいいでしょうかね.時間外だし空調は切れているもんで.先日,居室で凍えたので,やっぱり今夜は止めておこう,ということで午後9時過ぎに撃沈.※幼稚園児並みの早寝…….

◆本日の総歩数=5312歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=87.4kg(−0.9kg)/27.4%(−0.3%)


16 februari 2010(火) ※霙降るラヂオつくばの収録日

◆午前5時半起床.昨日の生活リズムが乱れまくりだったので,今朝は寝坊してしまった.雨はすでにあがっているようだが,北風が強くて体感的に寒い.もちろん,まだ真っ暗.曇天.気温は午前6時でプラス2.7度.先週以来の「非日常」続きのために,日録は実に12日分も更新停止状態.アップデートは一日仕事になるだろう.マジでそろそろ何とかしないと,「dagboek」を返上して「weekboek」とでも改名しなければならなくなる…….

◆ラジオ収録は〈トゥーランドット〉とともに —— 予定通り,午前10時半から〈ラヂオつくば〉の収録が農環研の一室(270号室)で行なわれた.ラヂオつくばの女性担当者と対面での収録は事前打合せを含めて一時間半.正午前につつがなく終わった.ぼくが出演する「リサーチ・エクスプレス」という今回のコーナーは,台本を見るかぎり30分くらいの長さがあるみたい.今日の対面収録ではかなり長くしゃべったが,不適切な発言はきっとなかったものと信じたい.このコーナーは毎月8人ものつくば在住研究者との対面収録をしているそうだ.研究者の紹介コーナーとしては取材回数も収録時間も充実していると思う.今日の挿入曲には,2006年の新宿区民オペラでのプッチーニの歌劇〈トゥーランドット〉の第一幕エンディングを選んだ.

—— 何だか疲れてしまったワタクシ…….これまた非日常の一コマだったし.

◆[蒐書日誌]井筒俊彦『意識と本質:精神的東洋を索めて』(1991年8月8日刊行,岩波書店[岩波文庫・青185-2],東京,417 pp.,ISBN:4-00-331852-8 → 版元ページ).「本質」をめぐる東洋と西洋のはざま./井筒俊彦『東洋哲学覚書 意識の形而上学:『大乗起信論』の哲学』(2001年9月25日刊行,中央公論新社[中公文庫],東京,176 pp.,ISBN:4-12-203902-9 → 版元ページ).

◆見落としトドがいきなり出現! —— 締切が今日午前の書評原稿をすっかり失念していた.急いで書きますと時事通信社に返事をして,マジで急いで書いた.はい.ごめんなさい,ごめんなさい.午後4時に書評トドの征伐完了:日高敏隆『世界を,こんなふうに見てごらん』(2010年1月31日刊行,集英社,東京,163 pp.,本体価格1,300円,ISBN:978-4-08-781436-1 → 版元ページ).元本は『青春と読書』の2009年連載のエッセイの集成.書評記事は時事通信社から配信される予定.日高敏隆がポリグロットになったきっかけが八杉龍一との交流にあったとは知らなかった.昆虫の挿絵が熊田千佳慕だったりします.夜8時,日高敏隆本の書評ゲラが届いて即チェック完了.そういえば,昨日,2月7日(日)開催の「故・日高敏隆 お別れ会」実行委員会からメールがあり,当日は「740名」もの参加者があったとのこと.実に盛大な会だったんですねぇ.

◆午後5時に撤収.外は霙が降っていた.冷え込みが身に染み入る.

◆明日納税するはずの原稿トドがまだ元気いっぱいなので,夜明けまでに何とかしないといけないな,という状況で.ただ,外はみぞれだか雪だか降っているみたいだし,研究所はとても寒そうだが.などと独り言しているうちに午後10時過ぎに撃沈してしまったようだ.なんだか生活リズムがはちゃめちゃで…….

◆本日の総歩数=5312歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=88.3kg(−0.9kg)/27.7%(+0.7%)


15 februari 2010(月) ※22時間の連続トド撃ちで決着

◆[第二幕:深夜の農環研にて]前夜からのトド撃ちは日が変わっても続く.出張旅費の精算とか振替休日の届出なんてのはトドにカウントするまでもない些事だ.午前1時半,まずはトド撃ち果たし一頭目:年度末の「所外貢献」の報告リスト作成.統計や系統に関する質問をたくさん受けているのだが,夏頃にマックが昇天してメールもすべて消え去ってしまった.バックアップから探し出すのがとってもめんどうくさいので,そのまま放置.最低限の報告のみで勝手に処理完了.ここで二時間の仮眠タイム.研究室の床はことのほか冷たかった(マジ寝袋を用意しないとダメかも……).

◆[蒐書日誌]南方熊楠[益田勝実編]『南方熊楠随筆集』(1994年1月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫],東京,490 pp.,ISBN:4-480-08110-0 → 版元ページ).新刊文庫本ではないのだが,東京カンヅメ中にたまたま見かけ,菌類図譜の表紙に惹かれてレジにお連れしてしまった.民俗学的な文章がほとんどだが,彼が深く関わった「神社合祀問題」関連書間が最後にまとめられている.

◆午前3時に覚醒した後,未明のトド撃ちは大学関係を標的にさらに続く —— 締切を大幅に遅れまくり,品川にまで教務から電話がかかっってきた東京農大「実験データー解析概論」の次年度シラバス登録は無事にオンラインで完了.これで世田谷から追い立てられることはしばらくないだろう.(午前4時半)/横浜国大の「生物統計学道場」の次年度シラバスを改訂完了.その他,非常勤出講に関わる事務書類を用意して,常盤台への返送完了.(午前5時)/首都大学東京「生物統計学」出講のための事務書類を返送完了.農環研理事長の承諾書は担当部署に丸投げしますので,あとはいつもの通りよろしく.(午前5時半)

◆[第三幕:早朝の予算決済大立ち回り]本日ぜったいに仕留めなければならない大トドは物品購入である.今日は年度末の会計システム入力の最終日だからだ(しかも午後5時まで).先週は品川に拉致されていたので,今日の締切り日当日に会計システムにばたばたと入力することになる.見積もりやら残額やらを計算する夜明け前.すでにワタクシの予算分は「赤字」になっているので,方々からぶんどらせていただくことになる.RP予算を使っての購入物品リスト(MacBook Air一式)と見積もり金額とリーダーに報告完了(午前6時半).約60万円分.締切当日にこんなもん出すなよ(って,ふつう言うわなぁ).朝早く登場したRPリーダーさんと「荒っぽい金の使い方」の相談をする.もうちょい買えますか? だったら,ついでにアレも購入させてもらってもいいかな?とRPリーダーさんと再度の予算決済調整.でもって,もう10万円の上乗せをして DELL の軽量ノートパソコン一式を発注することになった.追加発注分の購入機器の見積もりをオンラインでぱぱっとつくり,RPリーダーさんへ転送完了(午前9時).よろしくお願いします〜.これで出先でのプレゼンなど仕事がだいぶラクになるはず.

◆いつの間にか外は明るくなっていた.しかし,今日は曇り空か.午前9時に3度台,そのうち雨が降り始めた.

◆[第四幕:ちぎっては投げ,丸めては捨て]予算関連の巨大トドをほぼ仕留めたので,さらにその他のトド撃ちに向かう.朝日新聞からの取材の日時調整を完了.2月17日(水)午後4時から,本郷〈ルオー〉にて.10年前の取材のフォローアップとのこと.朝日新聞・1999年12月15日夕刊の「[21世紀・序奏]系統学」で「【2010年】種という概念がなくなる」 と予言したのはほかならないワタクシだった.「で,【種】はなくなったの?」という取材らしい.この日の午前は同じ〈ルオー〉で原稿納税もある.(午前7時)/東大農学部「エコロジカルセイフティー学特論II」の成績評価の件で,連携教員合田に連絡調整メールを流す.UT-mate経由の成績評価は本日午後5時が入力締切.時間的余裕がぜんぜんない.ついでに,来年度の「エコロジカルセイフティー学特論1」についての相談も.来月がオンライン入力の締切.(午前7時半)

◆[蒐書日誌]ゲアリー・マーカス[大隅典子訳]『心を生み出す遺伝子』(2010年2月16日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・学術234],東京,x+274+101 pp.,本体価格1,200円,ISBN:978-4-00-600234-3 → 版元ページ).2005年に岩波書店から出版された訳本の文庫化.索引・註・文献も含めて資料性高し.ご恵贈ありがとうございます.

◆[幕間劇:会計トドは消え去った]お金関係の結末.公費購入本の予算(約15万円分)をどこからひねり出すかが次なる問題だ.東京出張の旅費すらどこぞからひねり出さないといけない….日常的にお金のことをぜんぜん考えていないから,年度末にあたふたする.毎年,事務(用度係)からは「締切間近になってあわてて予算を使い切るようなことをするな」とクギを刺されている.しかし,ぼくの場合,特段に潤沢な予算があるわけではなく,単に会計決済を先延ばしにして自分のクビを絞めているだけなのだが.たいへんありがたいことに,予算に余裕がある!大東くんに公費購入本とともに近場の出張旅費の肩代わりを依頼できた.これで,今日のうちに会計まわりがきれいさっぱり片付くめどがたった.よかったよかった.(午前10時)

◆[最終幕:締まり始めた扉に滑り込む]お金がらみの大物トドたちがことごとく消えてくれたので,しばし微小トドたちのお相手をする.メーリングリスト関連の雑用をしているところ.年度末が近づくにつれ「異動トド」という季節集団が出現する./ほっと一心地ついて油断したところに,東京化学同人から「辞書項目のご執筆は〜」という,実にバッドタイミングな加圧電話が入り,瞬時にして「蕎麦屋の出前」のような受け答えをしてしまった(ごめんなさいねー).今週末には耳を揃えたいな./NTT出版からのコラボ単行本の企画書は来月までに出しなさい,と.「Nothing in the world makes sense except in the light of phylogeny」がモットー.さてさて,どうなることやら.(午後1時半)/駒場「生物統計学」を受講した学部4年生の成績評価は本日5時とのこと.いきなり最高度の加圧がかかってしまった.該当者の成績評価を終えて,本郷の二号館教務に連絡完了.(午後2時すぎ)/たいていのトドは,放置しておけばその場で傍若無人に成長するだけで,けっして「立ち去る」ことはない.しかし,本日,大きなトド一頭が視界の外に消えるという電話連絡が立川方面からあった.たいへん申し訳ありませんでしたっ(平身低頭).この穴埋めは必ずや.(午後2時半)/農学部の大学院特論の成績評価も本日午後5時が締切時刻だが,連携教員の一人が霞ヶ関に拉致されていて成績集計が遅れた.やっと全員分の成績をそろえて農学部の大学院特論(エコロジカル・セイフティ学特論2)の成績評価は完了した.締切直前の午後4時半にUT-mateにログインしたのだが,ターゲットの「科目」がない! 農学部教務にあわてて電話をしたり,じたばたしてやっとシャットダウンの十分前に成績登録を完了させたという顛末.実に心臓に悪い……(午後5時)

◆[蒐書日誌]岩波書店の最新刊:熊沢誠『働きすぎに斃れて:過労死・過労自殺の語る労働史』(2010年2月18日刊行,岩波書店,東京,本体価格3,200円,ISBN:978-4-00-024456-5 → 版元ページ).思い当たるアナタは読みましょうね.「上」ががむしゃらに働きすぎれば,「下」までそのブレッシャーは及ぶということ.他人事ではない.

◆[カーテンコールの合間のトド撃ち]〈ラヂオつくば〉の取材企画書を用意する.要するに,対談に先立って,「台本」(インタビュー項目)を出演者(=ワタクシ)があらかじめつくって聴き手に渡すということ.A4で5枚も書いてしまった.広報情報室にメール送信して完了.(午後4時)

—— 前夜から延々と約20時間に及ぶ連続トド撃ちまくりで,そろそろ疲労が隠しようもなくなってきている…….残るは,「出張伺トド」(2〜3月分),「NHK原稿トド」,「査読残滓トド」,そして大量の「組合トド」どもか…….あ,そうそう,巨大化した「日録トド」を何とかしないと.先々週の土曜以来,今日で10日も更新がストップしている…….

◆午後7時半,連続実働時間が22時間に達したので農環研を撤収.冷たい雨が降り続いている.風も強い.寒いな.

◆本日の総歩数=2718歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼−|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


14 februari 2010(日) ※雪景色の霧筑波でトド撃ち開始

◆当然のごとく寝坊して午前7時にのろのろと起床する.外は一面の銀世界と思いきや,ミルクのような濃霧が立ちこめまったく遠景が見えなかった.午前6時の気温はマイナス3.7度まで下がっていた.きっと路面はこちんこちんに凍結しているのだろうな.そのうち,霧も晴れ,予想通り遠くまで雪化粧していた.みごとみごと.

◆備忘メモ(#argcafe) —— 昨日のARGフェスト(三浦飲食堂)で, @myrmecoleon さんから『ジャンルコードと分類法:同人誌図書館における分類法の検討』(2009年12月31日C77版刊行,Paradoxical Library,80 pp.)という冊子をいただきました.コミケにおける書籍分類の問題提起.どうもありがとうございました.「生物分類」と同様に「図書分類」もひょっとしてドロヌマなのかしら? そういえばARGカフェで @yuki_o さんのスライドに「錬金術の本をどう図書分類するか?」という問題が挙げられていた.「錬金術の本」,ほんとにどう分類するんでしょうか? ずいぶん前に緑川信之『本を分類する』(1996年刊行,勁草書房,東京,viii+224pp.,ISBN 4-326-00018-X)を読んだことを思い出した.中尾佐助の図書分類法については,中尾佐助『中尾佐助著作集・第V巻:分類の発想』(2005年12月25日刊行,北海道大学出版会,ISBN:4832928910 → 目次)の「月報5」に:山野美贊子「中尾資料の分類:資料総目から著作集へ」(pp.5-6)という記事がある.中尾の図書分類法の実践について.

◆午後になって気温上昇中.雪はみるみる融けていく.おもむろにトド撃ち再開.まずは:松本俊吉(編)『進化論はなぜ哲学の問題になるのか:生物学の哲学の現在(仮)』(勁草書房)のまえがきチェック完了.松本さん,ワタクシの箇所はこれでOKです.よろしく.

◆さあ,勉強しよう! —— 「進化考古学/文化系統学関連書リスト」.とてもいい文献リストをつくっていただき,ありがとうございます.

◆夕方近くなって再び雲が厚くなってきた.気温は低め.アルス・ホールでのリコーダーとチェンバロのコンサート〈17世紀ヴァイオリン音楽の隆盛II〉に行ってきた.詳細はリコーダー奏者・辺保陽一さんのブログをごらんあれ.

◆追いつめられて駆り立てられて —— トド撃ちの進捗があまりに遅過ぎてどうしようもなくなっている.午後9時過ぎに農環研に出発.曇天.24時間後までにいったい何頭まで撃ち倒せているかが問題だ.案の定,深夜の職場ではトドどもが我が世の春を謳歌していた.まずは組合関係から.全農林中央本部メルマガの受信アドレスを各分会ごとに設定せよとのお達しあり.しかも,「受信したメルマガは全組合員に配信設定せよ」だって.見なかったふりをしてスルーしよう.フォールアウトに加担する気はないですよ.適当にやります.巨大なpdfファイルが頻繁に落下してきたら困るなぁ.組合員にはツイッターで「落下した〜」と通知するだけのつもり.今期の農環研分会は当初からバーチャルに動いている.執行委員会は Google Groups だし,職場集会もツイッター.問題は組合員が必ずしもそれに乗り切れていないところか.

—— という短い[第一幕]に続いて,これからエンドレスのトド撃ちのスタートとなる.ワーグナーの楽劇のごとく先は長いのだ.

◆本日の総歩数=3074歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜○.計測値(前回比)=89.2kg(+0.4kg)/27.0%(−0.2%)


13 februari 2010(土) ※つくばARGカフェは雪が降る

◆午前5時起床.曇りのち雪が降り始めた! 気温は午前6時にプラス1.0度だったが,午前8時にはプラス0.4度とほぼ氷温まで低下している.これは積もるぞー.昨日までの連日のカンヅメと都内はしご移動がかなりこたえているらしく,やや疲弊気味.トドの山津波に飲み込まれたのも原因のひとつか.土曜ではあるが,今日の午前中は農環研にてトド撃ちの続き(あまり進まず).

◆午前のこまごま —— 勁草書房から『過去を復元する』の新刊案内文が届く.ちゃちゃっとチェックして返信完了.「ゲラ」という名の巨大トドは来週にも届くらしい.今回は基本的に「復刊」なので,復刻本体部分はチェックする必要はあまりないだろうとは予想しているのだが.いずれにせよゴールが向こうに見えてきたのは喜ばしいことだ./〈笠真〉さん,いつの間にツイッター始めてたんですか? フォローしました: @kasamatensyu./同じくつくば在住のツイッター仲間から午後お茶しませんかとのお誘いあり.初対面だが,これもまた何かの縁でしょうとOKした.よろしく.

◆午後は本降りの雪になった.今年は如月の雪が例年よりも多い.午後1時,〈ダイワロイネットホテルつくば〉一階にあるレストラン〈Brasseries 2plats〉にて,@Lopnorshinobuさんご夫妻とお茶など.どうもお誘いいただき,ありがとうございました.次回はアルコール付きでオフ会など企画しましょう.

◆降りしきる雪の中を〈第7回ARGカフェ&フェスト〉へ —— 午後2時からは筑波大の春日キャンパス(旧・図書館情報大学)にて,つくばではじめて開催される〈第7回ARGカフェ&フェスト〉に参加した(#argcafe).2年前に秋葉原で開催された〈第1回ARGカフェ&フェスト〉ではぼく自身もライトニング・トークをしたのだが,今回はオーディエンスになりきる.午後2時に春日キャンパスの〈情報メディアユニオン〉にてARGカフェが始まった.久しぶりに参加したのだが,ツイッターは当たり前,Ustream でだだ漏れ,というさらにアップデートされたカフェに変身していた.午後4時前までライトニング・トーク(一人五分)が十件あまり(飛び入りもあり).その後,質疑討論が一時間ほど.午後5時に終了.国会図書館エロ本納入状況調査とか,図書データベースの話とか,図書館の今後のこととか,場所柄か,そうとう濃厚に“図書館情報学”なカフェだった.

◆その後,ARGフェストは午後6時から天久保の〈三浦飲食堂〉にて.わざわざARGカフェのためにつくばにやってきた@mothprogさんとともに降りしきる雪の中を春日キャンパスから徒歩移動した.この狭い店内にいったい何人が詰め込まれたのだろうか? 

ARGカフェにて「NDLエロ本納本調査」のトークをされた木川田さんに,『四畳半襖の下貼り』が国会図書館に所蔵されているかどうかについて訊いたところ,確かに納本・所蔵はされているが,公開はされていないとのこと.すでに朗読電子本が販売されているのにフシギなことだ.

—— きわめて人口高密度なARGフェスタののち,深夜近く,降りしきる雪の中,響きのない市街地をとぼとぼ歩いて帰宅した.

◆本日の総歩数=10338歩[うち「しっかり歩数」5556歩/69分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=88.8kg(+1.7kg)/27.2%(+0.4%)


12 februari 2010(金) ※ラマダン明けは神保町へ転戦

◆午前4時起床.昨夜はずっと氷雨が降っていて,ときどき雨足も激しかったりしたが,監獄のガラス越しに見るかぎり今は止んでいるようだ.気温は低そう.本日締切の駒場・生物統計学レポートの提出が火山弾のように雨霰と降り注いでいる.そのつど受領メールを打ち返す.一階〈なだ万〉でピュア和風の朝ご飯を.

◆原稿カンヅメ生活三日目 —— はい,原稿書いてます書いてます.第4章「生物多様性を体系化する:時間軸と空間軸の可視化の試み」の第1節を書き進めているところ.午前11時のチェックアウトまでにさらに15枚書いて,ロビーで待っていた看守さまに手渡す.次回は来週2月17日(水)午前11時に,本郷〈ルオー〉にて“納税”予定.毎月どころか,毎週の原稿“納税”となりそうな気配.この加圧はことのほかきびしいなあ…….

◆午後5時前に神保町駅近くのビヤホール〈ランチョン〉に到着.ビールを飲みつつ本を読み進む:Philip F. Rehbock『The Philosophical Naturalists: Themes in Early Nineteenth-Century British Biology』(1983年刊行,The University of Wisconsin Press[Wisconsin Publications in the History of Science and Medicine, Number 3], Madison., xvi+281pp.,ISBN:0-299-09430-8 [hbk])の第4章「Zonation, Provinces, and Biogeographic Statistics」読了.近代統計学の祖である Adolph Quetlet がイギリスに上陸し,王立統計協会を創設するように働きかけたばかりでなく,生物地理学への統計学的手法の導入をも後押ししたという.生物体系学における哲学と方法論は大陸由来であっても,生物地理学の方法は英国独自のものだった歴史的背景はここにある.

午後5時にNTT出版の柴さんとデザイナーの杉山さんが登場.企画中の『系統樹図鑑』の今後について打ち合わせをする.フルカラーの「図鑑」にするためには経費のことも考えなければならないが,基本コンセプトについては同意に達したので,とりあえずはテーマの分類とそれに沿った企画書づくりを始めるということになった.来月がめど.

—— 午後6時半に店を出る.雨も雪も降らなかったのは幸いだった.

◆今日は品川から始まって神保町と転戦し,午後8時過ぎにやっとつくばに帰り着いた.たった半日(8時間)の空白をねらって何十頭ものトドが来襲していた! その大半は今日が締切のレポート.しかし,成績評価トドとか,蕎麦トドとか,新聞社質問トドもいた.もちろん兇悪組合トドも.これはトド撃ち作戦を十分に練らないととても仕留めきれないにちがいない.

—— 累積疲労のせいか半廃人になってしまった.とにかく今日はもう撃沈するしかないかも.

◆本日の総歩数=5511歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼×|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


11 februari 2010(木) ※カンヅメ二日目しとしと小雨

◆午前4時半起床.カンヅメだから牢獄の窓越しに外を覗くしかないが,まだ暗い品川界隈を見下ろすと,昨夜のしとしと雨はいったん止んでいるようだ.予報では今日は雪になるかもしれないという.こういうカンヅメ状態なので,ホテルの外で雨が降ろうが雪が降ろうが槍が降ろうがたいしてちがいはなかったりするのだが.

◆原稿カンヅメ生活二日目 —— はい,原稿,書いてます書いてます.エルンスト・ヘッケルの第2章はもうすぐ終わるかな.昼過ぎにやってきた看守さまに,ランチしながらさらに書き続け,やっと第2章の終わりまで15枚ほど手渡す.第3章はもう書いてあるから,これからは第4章に突入する予定.ホテルのLANが頻繁に切断されることがあるのはどうしてだろうか.

ここ数年にわたり,系統や分類に関わる「図像(イコン)」に関心を深めつつある.描かれるということは対象に対する描き手の世界観や自然観がそのときどきのコンテクストの中で発現するということ.その現れは今の読み手の立場からいえば時代背景がまったく異なる「図形言語」をどのように読み解くかという問題としてとらえられるだろう.もちろん,描かれた図像は観念としての系譜をもつわけだから,継時的な図像の観念史を共時的な断面で解釈するということになる.

第1章「チャールズ・ダーウィンを取り巻く英国博物学の空気」のダーウィンや,第2章「エルンスト・ヘッケルとドイツ体系学の系譜」のヘッケルは,同じ19世紀でありながらも国がちがうふたりを主役として書いたが,すでに書き終えた第3章「描かれる進化の図像:分類,系統,マップ,ネットワーク」では,体系学史に関わるもっと一般的な図像の話を分類思考/系統樹思考の観点から整理している.

これから書こうとしている第4章「生物多様性を体系化する:時間軸と空間軸の可視化の試み」では,systematic pattern の生物体系学的プラス生物地理学的な可視化ツールとしての図像を掘り下げる心づもりでいる.

—— そういうもくろみを念頭に置きつつ,目次項目のリライト完了.章だけではなく,節まで降りて構成と内容を考えた.午後6時に看守さまにメールで送る.

◆昼前までは寒そうな曇り空だったが,午後になって小雨が降り始めたようだ.

◆追いかけてくるトドたち —— 東大農学部の「ES特論II」の成績評価は2月15日(月)午後5時までとのこと.他の連携教員に連絡して成績の集計と評価をしないと./東京農大の教務から電話連絡あり.次年度シラバスがまだオンライン入力されていないとのこと.あ,そーだったか! カンヅメから解放されたらすぐしますと返事する.

◆本日の総歩数=4580歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝△|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


10 februari 2010(水) ※品川・御殿山に幽閉される日

◆午前4時半起床.曇り.冷え込みなくプラス8.3度.南風が強い.夜明け前の農環研に侵入する.

◆トドも積もれば土石流 —— 明るくなる前に「首都大トド」と「横浜国大トド」を退治してしまおうともくろんだのだが,突如として「東京農大トド」という隠れ大トドが出現したため,三頭とも撃ち果たさないままあえなく撤退するハメになった.三校とも来年度の講義シラバスの件.この時期,どこもかしこも「シラバス〜,シラバス〜」と蟲が鳴くかのごとし…….せっかくトド撃ちを終えてから品川に向かうつもりだったのに〜.でも,しかたがない.今日から三日間はトドどもは大小取り混ぜてすべて放置プレイ.成長しようが繁殖しようがほったらかすしかない.

◆都内で「カンヅメ」にされるワタクシ —— 本日午後から三日間は,NHK Books の原稿書きのため,品川の〈ホテルラフォーレ東京〉にて「カンヅメ」になる.邪念を払い,邪鬼を排し,ひたすら原稿執筆に専念せよとのお達しだ.降りそうで降らない空模様.農環研で昼休みに開催されている中央オルグをとんずらし,12:55分発のTX快速に乗り込む.曇って肌寒い空模様だ.この暗鬱さはこれからの運命を物語っているかのよう.午後1時半にJR品川駅に到着.曇天のもと十分ほどあるいてホテルに到着した.

ロビーの喫茶店〈ボア〉にて,NHK Books の井本さんと打ち合わせをしたのちにチェックイン.とても居住性のいい部屋で,「この椅子がいいんです」と井本さんは強調していた(笑).これから毎日正午に原稿を搾り取られることになる.

—— 午後6時まで原稿を書く.おお,カンヅメ,カンヅメ.

◆さらなる原稿書きの夜.第2章のヘッケル記述の続き.まずはこの章を終わらせないと話にならない.合わせて,第4章のための資料読みも:Philip F. Rehbock『The Philosophical Naturalists: Themes in Early Nineteenth-Century British Biology』(1983年刊行,The University of Wisconsin Press[Wisconsin Publications in the History of Science and Medicine, Number 3], Madison., xvi+281pp.,ISBN:0-299-09430-8 [hbk])の分類学的パターンと生物地理学的パターンの「観念化」の問題.

—— あ,全体の目次の節構成がまだ明文化されていなかった.

◆本日の総歩数=10188歩[うち「しっかり歩数」2545歩/24分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=87.1kg(−0.2kg)/26.8%(−0.7%)


9 februari 2010(火) ※気温20度,花粉舞い飛ぶ午後

◆午前4時20分に起床.放射冷却中ではあったが,昨日ほどの冷え込みはなく,氷点下0.4度.今日の午前だけは農環研に実在するが,午後半日は生物研(大わし)で開催される地本委員会に出席(年休取得済),さらに午後5時からは同じ場所で組合の委員長書記長会議が一時間予定されている.要するに好き好んで「火砕流」の真ん中にバンザイ突撃で飛び込むようなもの…….

◆幽閉の前に —— 明日からの御殿山カンヅメの打ち合わせ.とりあえずチェックインの直前に,御殿山ガーデン〈ホテルラフォーレ東京〉のロビーで待ち合わせということで./2月12日(金)は午後5時に神保町のビヤホール〈ランチョン〉で打ち合わせということになった./所内の「外部貢献」報告は昨日が締切だったが,みごとにスルーしてしまった…….

◆春めく昼下がりは組合とともに —— 春の日射しがさんさんと降り注ぐ午後は,生物研(大わし)にて地本委員会に参加.観音台から大わしまで歩いたらたいへんな運動になってしまった(汗かいた).半日年休取ってまで組合ですかっ! まぁそれはいいとして,午後1時半から午後4時過ぎまで地本委員会.これは予定通りだったが,それに続く委員長書記長会議が午後4時半から7時まであったのは大誤算! 新たな労使関係のもとでの春闘スタイルがまだアモルファスというのが最大の問題かなぁ.車を建造しながら走り続けるというムリがある.

—— あとでアメダスを見たら,正午は16.7度だったが,午後3時に19.7度という最高気温を記録していた.道理で暖かいはずだ.午後7時過ぎに大わしを出て,とぼとぼと歩き続けて竹園へ.今日はいささか歩き過ぎたかもしれない.

◆献本感謝:鬼頭秀一・福永真弓(編)『環境倫理学』(2009年12月24日刊行,東京大学出版会,東京,x+288 pp.,ISBN:978-4-13-062311-7 → 版元ページ).どうもありがとうございます.環境をめぐる倫理学,「外来種」問題,そして環境政策という三部構成.

◆アニバーサリー —— 今週金曜日(2月12日)はチャールズ・ダーウィンの201回目の誕生日.進化学を含む〈古因科学カレンダー〉は,旧Darwin-L主宰者だった Robert J. O'Hara のサイトに残されている.

◆昼間の暖かさが残っていたせいか,夜になってもぜんぜん寒くならない.明日からのカンヅメに向けての旅支度をする.

◆本日の総歩数=14982歩[うち「しっかり歩数」10347歩/94分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.3kg(+0.5kg)/27.4%(+0.1%)


8 februari 2010(月) ※玉川学園で丘陵を昇り降りる

◆午前4時過ぎに起床.放射冷却できびしい冷え込み.午前5時ですでにマイナス4.0度,午前7時にはマイナス5.3度まで下がった.

◆今日は出張日.まずは玉川大学農学部にて学部長とのミーティングの後,使用する予定の講義室の下見をする.次いで,本郷にまわり,東大農学部図書館の地下書庫にて紙魚に変身する.大小取り混ぜてトドが増えているが,放置しているものなお多し.

◆蒐書日誌 —— 昨年亡くなった都城秋穂の「著作集」が刊行中だったとはぜんぜん知らなかった:『「地質学の巨人」都城秋穂の生涯(全3巻)』(2009〜2010年,東信堂,東京 → 版元ページ).第1巻「都城の歩んだ道:自伝」と第2巻「地球科学の歴史と現状」は既刊,第3巻「思想と学問」は近刊予告が出ている./キム・ステレルニー,ポール・E・グリフィス著[太田紘史+大塚淳+田中泉吏+中尾央+西村正秀+藤川直也訳]『セックス・アンド・デス:生物学の哲学への招待』(2009年7月25日刊行,春秋社,xii+308+42 pp.,本体価格4,700円,ISBN:978-4-393-32323-6 → 目次版元ページ)で翻訳書から割愛された部分が,コンパニオンサイトで全文公開された.

◆玉川学園へ —— 9:55発のTX快速に乗り込む.冷たい冬晴れの空.日射しだけは暖かい.ちょうど片道2時間かけて小田急の玉川学園駅にたどりつく.さすがこういう郊外の大学は敷地が広い.駅前の正門を入って丘を上り下りして,やっと最深奥部の農学部6号館(サイエンスホール)に到着した.今回招聘してくれた小野正人さんと農学部長の東岸和明さんと昼食とともにミーティング.秋学期から始まる講義「分子系統進化学」の打ち合わせなど用務を完了した.その後,講義室のある建物を案内してもらう.予定では,受講生にはノートパソコンを持参してもらい.系統推定の講義とパソコン実習を実施する予定になっている.

◆玉川大学の帰りに根津で途中下車して,東大農学部図書館にてちょい所用をすませる.梅の花がもう咲いていた.午後4時過ぎ,不忍通りの〈芋甚〉も〈根津のたいやき〉もお休みだったので,〈往来堂書店〉をひとめぐり巡回したのち,谷中銀座の〈マミーズ〉にてアップルパイを調達して,千駄木駅からつくばへ直帰.午後6時前.

◆本日の残響 —— 蛙と蝸牛「分類思考の世界」(2010年2月6日) /Blog (Before- & Afterimages)「『みすず』読書アンケート特集」(2010年2月5日)

◆来週の火曜に〈ラヂオつくば〉の収録が農環研であるんだった.話す内容を事前に提出せよと広報情報室から連絡があったけど,まだ提出していない.

◆本日の総歩数=14307歩[うち「しっかり歩数」5477歩/53分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.8kg(−0.5kg)/27.4%(+0.6%)


7 februari 2010(日) ※北風にあおられ洞峰ウォーク

◆午前5時半起床.晴れて放射冷却.気温はマイナス3.5度.北風が冷たい.

◆時事通信社からの書評依頼本 —— 日高敏隆『世界を,こんなふうに見てごらん』(2010年1月31日刊行,集英社,東京,163 pp.,本体価格1,300円,ISBN:978-4-08-781436-1 → 版元ページ).予定通り,〈日高敏隆先生お別れ会〉はきょう午後3時からグランドプリンスホテル京都(プリンスホール)にて.きっと大勢集まるだろうな.[後記:信頼できる情報筋によると,実際の「お別れ会」では700名あまりの参加者があったそうな.しかも,山下洋輔(P)&坂田明(Sax)のライヴ演奏付き.さすが! さらに,故人を偲びつつ「ハイボール&喫煙コーナー」も会場内に設けられていたという.]

◆佐賀市のある私立高校から連絡あり.『分類思考の世界』の一節を国語の入試問題として出題したとのことで,そのコピーが同封されていた.『本』に連載されていたときに大学入試問題として出題されたことがあったが,入試問題に出るというのはうれしはずかしな気分.それにしても,認知カテゴリー化と時空的同一性という形而上学を論じた第3章第2節からの長文問題は高校入試問題としては難しいのではなかっただろうか.実際に出題された小問をつらつらと読み進んだのだが,選択問題も記述問題も自分で解いて満点を取れる気がぜんぜんしないんだが……(冷汗).こーいうことでいいんでしょうか? それとも出題文の「書き手」と入試問題の「解き手」は別だからこれでいいのだ,と開き直るべきか.それにしても,サイエンス本が現代国語の入試問題に出題されるということの社会的な宣伝効果は意外に高いのかもしれない.ワタクシの知り合いの進化学者は毎年何十校もの大学入試に出題されていると聞いた.

◆今日は毎月恒例の〈つくいち〉 —— 朝から快晴の青空が広がったが,筑波颪がことのほか強くて体感気温はとても低い.洞峰公園まで一歩きしてから,戻ってつくば中央公園での〈つくいち〉を覗いた.参加している店もやってきた客も寒風吹きさらし状態.いつもの〈ナチュカフェ〉でフランクフルトのバゲットサンドとミネストローネを.ジャムをいくつか買い,〈ブロートツァイト〉でパンを仕入れてから帰還した.

◆午後の愉しみ —— 筑波大学吹奏楽団〈打楽器アンサンブル2010〉を聴きに〈カピオ〉へ.午後3時開演,入場無料.スティーヴ・ライヒの「ナゴヤ・マリンバ」が演目に入っている.これだけでも行く価値があるかも.ソリストをはじめとしてアンサンブルの技量がとても高し.なつかしいチャベスのトッカータも.

◆[欹耳袋]Nature誌記事(Volume 463: 588, 4 February 2010):「Back to books: Researchers should be recognized for writing books to convey and develop science」 研究者が本を執筆することは,科学を伝え発展させるのに貢献していると正当に評価されるべきだという主張.そうだそうだ.

◆午後6時過ぎ,ツイッターのフォロワー数が「600名」に達しました! ありがとう〜./某氏がツイッター界に侵入を試みたので事前にブロックして差し上げた.さようなら〜.

◆匿名オンライン書評の読み方 —— とくにインターネットに流される匿名書評の場合(私信でもときどきあるけど),ほとんど「罵倒」のような感想文に出くわすことがある.著者によってはそうとう凹んでしまう方もいるようだが,それらの書評 を集積して確率分布(評価値を変量とする)を構築したとき「3σ」を外れた書評は無視してもかまわないと思う.誉め過ぎ/貶し過ぎの感想文は“外れ値(outlier)”だから放置しよう.要するに,ヘンなネット書評に悩まないためには「書評確率分布」をつくるしかないということだ.『分類思考の世界』の書評確率分布では文体嗜好で評価が割れる傾向が見られる.世の中には「2時間で食べきれる流動食みたいな新書」もたくさんあるので,拙著もそのつもりでまちがって口にしてしまったんでしょうね.研究者が一般向けの本を書くときには,いつも同様の問題が浮上してくるはずだろう.そもそも流麗な文体でものが書ける科学者なんて数えるほどしかいないのだから.

◆今日はかすかに「花粉」が飛散する気配があった.昨年よりは飛散量が少ないようなのは幸いだ.

◆本日の総歩数=11421歩[うち「しっかり歩数」7305歩/74分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.3kg(+0.9kg)/26.8%(−0.6%)


6 februari 2010(土) ※風花が飛ぶ日に厚木に向かう

◆午前5時半起床.アメダスによると午前2時にマイナス3.4度という最低気温が出ているが,今はマイナス0.7度.寒い.夜明け前の東の空に雲がかかっている.しだいに晴れ間も見えてきた.痛いほど冷たい北風に乗って風花が舞う.

◆朝のこまごま —— さて,溜まっていた4日分の dagboek をアップロード完了./勁草書房の語句説明はなお呻吟中.

◆北風の中を厚木へ —— これからしたくをして東京農大(厚木キャンパス)に向かう.昆研の卒論発表会&追いコンのため.午前9時からすでに昆研の卒論発表会は始まっている.なんせ大所帯な研究室だから(一研究室なのに70人もいるというのは他大学だったら学科並み).卒論発表会のあとは「追いコン」がある.お供物の日本酒を持参しないと.11:55発のTX快速に乗る.本厚木着は午後2時.昆研の発表会場にて午後の発表会に参加した.

午後5時からは,同じ会場で追いコン.今日は島根の〈王祿〉純米吟醸と茨城の〈霧筑波〉初搾り(うすにごり)を持参.これだけの学生がいれば,当然あっという間にからっぽになった.卒業生の一人一言タイムまではまだ理性が残っていたが,その小瀬は,卓上で「青山ほとり」じゃなく,全裸で踊っていた学生もいたりした.

—— 午後7時40分の路線バスにて本厚木に戻り,つくばに帰り着いたのは午後10時過ぎ.宴会の場所は遠かったのに,東京で飲むよりもはるかに健康的な時間帯に帰還するというフシギ.

◆往復車中読書 —— Philip F. Rehbock『The Philosophical Naturalists: Themes in Early Nineteenth-Century British Biology』(1983年刊行,The University of Wisconsin Press[Wisconsin Publications in the History of Science and Medicine, Number 3], Madison., xvi+281pp.,ISBN:0-299-09430-8 [hbk])の後半第二部「Organisms in Space and Time」に進む.この本を読み始めたのはつくばに着任した年のことだから,実に二十年越しの読書ということになる.要するに,前半第一部の分類学史の部分だけ読んで放置してしまっただけなのですが.第二部は生物地理学史の話だが,いまやダーウィン学者として有名になった Janet Browne の出世作:Janet Browne『The Secular Ark: Studies in the History of Biogeography』(1983年刊行,Yale University Press, New Haven, x+273 pp., ISBN:0-300-02460-6 [hbk])と奇しくも同年に出版された.ドイツ観念論の影響を受けた分類体系化を19世紀イギリスの博物学者たちは“輸入”したが,生物地理学における同様の観念論的パターンの構築は英国独自のものであると Rehbock は指摘している.

◆本日の総歩数=5867歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=86.4kg(−0.1kg)/27.4%(−0.2%)


5 februari 2010(金) ※春めく日射しが降り注ぐ日中

◆午前5時起床.雲一つなくきりきり放射冷却して気温は急降下しマイナス4.8度.午前7時にはマイナス5度の最低気温に.朝焼けのグラデーションが鮮やかだった.快晴の一日の始まり.

◆午前の加圧 —— 計量生物学会の査読をしないと!/RP購入の見積書は!/所外貢献の報告も忘れずに!

◆『月刊みすず』「読書アンケート」特集号(2010年1-2月合併号)がただいま着便.毎年恒例のお楽しみ&情報収集タイムに入ります.知っている評者&ターゲット本が早くもぞろぞろ出てきている.この特集号だけでも市販すればいいのにね.編集部に何冊か送ってもらえるよう依頼した./読書アンケート特集からさっそくの釣果:新妻昭夫『進化論の時代』(2010年刊行予定,みすず書房)※いつ出るんでしょ?

◆おお! —— 勁草書房の生物学哲学論文集の担当編集者が“ソーバー仕掛人氏”に変わったことを知る.「ウシジマくん」はターミネーターか.もう逃げられないわけね…….

◆[蒐書日誌]渡辺京二『黒船前夜:ロシア・アイヌ・日本の三国志』(2010年2月17日刊行,洋泉社,東京,本体価格2,900円,ISBN:9784862485069 → 版元ページ).前著:渡辺京二『逝きし世の面影』(2005年9月9日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー552], ISBN:4582765521→ 書評目次)もバツグンにおもしろかった.

◆乾いた北風が吹く午後のこまごま —— 午後1時半,ろうきんの手続きは完了した./来週のラヂオつくばの収録場所の変更通知.270号室へ.

◆[欹耳袋]JAIST-EELC2010:〈言語の起源と進化〉国際ワークショップ,2010年3月10〜12日,キャンパスプラザ京都.オーガナイザーの橋本敬さんからアナウンスをいただきました.

◆日中,風は冷たかったが日射しはすでに春を思わせる暖かさだった.午後7時に撤収.でも, やっぱり日没後は冬の寒さが忍び寄る.夜空に星.日録は順調にたまってしまってもう四日分だ…….

◆本日の総歩数=4390歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.5kg(−0.3kg)/27.6%(+0.4%)


4 februari 2010(木) ※厳冬立春は寒気の奥底に蠢く

◆午前4時過ぎ起床.前夜の雪はもう止んでいた.夜明け前の星空.立春だというのに今朝の冷え込みはことのほか厳しく,午前6時の気温はマイナス5.4度で,午前7時にはマイナス5.6度ま最低気温を記録した.脇道はもちろん,幹線道路の交差点もかちかちに凍結しているのでスリップ要注意.今の季節は未明の職場に向かうのは覚悟が必要.空調も稼働していないしね.朝から冬晴れ.気温低くて午前10時になってもプラス1.7度,11時でも3.3度どまり.農林団地構内の圃場は真っ白に雪化粧.

◆午前のこまごま —— 10:30から領域内会議.事務連絡は今後ML配信を廃止してグループウェア(ガルーン)のみにするそうな.トラブル多発の懸念あり.農環研業務連絡ツイッターを誰かやってくれませんかね.ガルーンの「樹海」で朽ち果てるよりも,ツイッターのタイムラインの方がマシでしょ.だって,ガルーンで検索し始めると「迷子」になって目的地にたどりつけないし./年度末の業績報告のうち「所外貢献」については2月8日が領域長締切.その書式はガルーンにあるというので,小一時間の“捜索”を敢行した.やっぱり不便ですなあ…….ガルーンは使い勝手が悪い.慣れればいいという問題ではなく,仕様が問題.ユーザーに不便を強いてはいけません.

◆本日の蒐書日誌 —— 伊藤悠『シュトヘル・第1巻』(2009年4月4日刊行,小学館,東京, ISBN:978-4091825292).どーして2冊も注文してしまったかわからないのだが,アマゾンからただいま着弾./共立出版シリーズ〈数理生物学要論(全3巻)〉完結: 『「数」の数理生物学 』,『「空間」の数理生物学』に続く最新刊『「行動・進化」の数理生物学』が出版.

◆午後のこまごま —— 1月末に出題した「生物統計学」レポートがぽつりぽつりと届き始めている.無事に届いたレポートには受領メールで返信をしているので,届かなかったら送信事故です.再度お送りください.>受講生のみなさん.

◆昼下がりの「火砕流」 —— [組合]全農林筑波地本から「春闘」関連の行動やら会議やら行事やら年度末までの数々の「指示」がどわーっと届く! もはや「トド」などと言っていられない.「火山弾」よりも兇悪な「火砕流」が押し寄せてきたと表現しておこう.まずは逃げます(おいっ)./3月5日(金)17:15〜,第3回全執行委員セミナー(筑波事務所3F第一会議室),これまた春闘がらみ.

◆とどめの「小惑星」 —— たいへんかもしれない「小惑星」が接近してきた気配…….この件は回避するわけにはいかないでしょうねぇ,と葉山と駒場をちらちら見やる./東京○学同人から「辞書項目のご執筆は?」との加圧電話も上の空で…….

—— この年度末は「天変地異」だと理解すればいいのですね.

◆ささやかなトド撃ちひとつ —— 勁草書房原稿の図版とキャプション,それらを貼り込んだ原稿を執筆者メーリングリストに投げた.原稿本体に関する作業はこれですべておしまい.あとは,用語解説のみ.しかし,生物体系学・種カテゴリー・種タクソン・メレオロジー・メトニミー・普遍論争・本質主義 etc. ……(汗).

18:50発の路線バスで帰宅する.晴れて寒い.気温はほぼ氷点.

◆本日の総歩数=5342歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.8kg(+0.2kg)/27.2%(−0.4%)


3 februari 2010(水) ※またもや雪が降りしきる夜半

◆午前4時前に起床.薄曇りの空は朧月夜だった.気温はマイナス3.0度だが,これからもっと下がるかもしれない.午前7時にはマイナス3.7度の最低気温を記録した.雪はまだところどころ残っている.空は快晴.

◆対外的な備忘メモ —— 今年の〈筑波農林研究団地一般公開〉は4月16日(金)〜17日(土)の二日間(→ 詳細情報).農環研(@niaes)での展示は16日,翌17日は筑波事務所に場所を移してプレゼン&展示を担当します.初めて来られる方はアクセスに十分ご注意ください.ワタクシは系統樹のプレゼンをしながら,ダーウィン本やヘッケル本を展示する予定.当日手伝ってくれる助手はすでに確保してある.

◆朝のこまごま —— 今週は近場の東京出張もなく,連日のトド撃ち三昧が待っている.しかし微小トドはばたばたと打ち倒せても,せせら笑う巨大トド数頭がまだ残っている.とりあえずは勁草トドにケリをつけないといけない.と,つぶやいているうちに,うわっ,自分の原稿の改訂がまだすんでないのにもう入稿されてるし……(おそるべし勁草書房).ま,改訂作業はそれとは関係なく続くのだった./海游舎から電話あり./ろうきん担当者の来室は2月5日(金)午後1時半.

◆午前10時,薄曇り.気温は3.8度.寒い.献本感謝 —— ジェリー・A・コイン[塩原通緒訳]『進化のなぜを解明する』(2010年2月8日刊行,日経BP社,東京,461 pp.,本体価格2,400円,ISBN:978-4-8222-8420-6).原書:J. A. Coyne『Why Evolution Is True』.一般向きの良書だと思います.著者が専門とする種分化の論議が楽しみ.

◆復刊準備の一環として —— 旧・蒼樹書房版のページに復刊予告メッセージを付け加えたりしてみる.ついでに,日本語版序文とあとがきのhtmlを修正したりとか.4月以降,勁草書房からの復刊が出た時点で新しいページに移行する予定.

◆昼下がりのこまごま —— [組合]第5回委員長書記長会議は2月9日(火)午後5時から一時間ほど.第36回地本委員会(13:15〜17:00)に引き続き,同じ農業生物資源研究所(大わし地区) 大会議室にて./領域会議は2月4日(木)10:30〜11:30./秋田県の農業試験場から統計質問メールあり.GLMの出番か.

◆やっと本文脱稿 —— 夕方,本文だけはリバイス完了し,午後6時過ぎに関係者にメール送信した.松本俊吉(編)『進化論はなぜ哲学の問題になるのか(仮)』(2010年6月刊行予定,勁草書房)の記事:三中信宏「系譜学的思考の起源と展開:系統樹の図像学と形而上学」.4月にはソーバー本の復刊,6月にはこの論文集の刊行と,“勁草城”からの砲撃は続く.しかし,まだ残務あり.図版解説と語句説明のケリをつけないといけない.

—— 午後7時過ぎによろよろと撤収する.矢折れ力尽きました.

◆またも雪が降るとは —— 午後10時過ぎから雪が降り始めて驚く.すでに白く積もり始めている.気温は早くも氷点下なので一昨日よりしっかり残りそうな気配あり.今夜は長野の〈真澄〉純米吟醸あらばしりを賞味したので,なんだかほわほわしてしまった.雪が降り続く外はホネまで凍える.

◆本日の総歩数=5876歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=86.6kg(−0.6kg)/27.6%(+1.2%)


2 februari 2010(火) ※雪化粧でトド撃ちも冷え込む

◆午前4時半起床.昨夜,日が変わる頃は雪がかなり降っていたが,今はすでに止んでいて,見渡すと芝生や植え込み以外に積雪はないようだ.気温はかなり低いので路面凍結しているかもしれない.午前7時の最低気温はマイナス1.8度.地上に降りてみると意外に真っ白に積もっていて,ところによっては2〜3センチの積雪かもしれない.快晴の青空がひろがる.朝日の当たる畑地からは水蒸気がもうもうと立ち上っていた.幹線道路はまったく問題ないが,脇道や抜け道は融雪ががりがりに凍りついていて,スリップの危険度が高くなっている.とくに踏み固められた交差点が要注意だ.

◆朝のこまごま —— 某出版社との企画打ち合わせのメールを出す.単著は当面はムリなのでコラボレーション本ということで.よろしく.とりあえず関係者が密議をするということで,来週,都内某所にて顔合わせとなりそうだ.ときどきユング『赤の書』のアヤシい図版を見入っているが,ひょっとして魅入られたか? やはりヴィジュアル系の本は読者への「染み入り度」がちがうと思う.Christiane Klapisch-Zuber のフルカラー系図図鑑(2003)などを見ると,系統樹もまた例外ではないと強く思う./東大の専攻送別会のこと(横山伸也さん).3月19日(金),18:00〜20:00,竹橋の如水会館にて.事前申込と参加費振込をすること.

◆[欹耳袋]電子化トド撃ちのためのタスク・マネージャー,その名も〈Todoist〉とは! こういうツールがあるとは知らなかった.そろそろ手書きの「トド撃ちリスト」ともおさらばか.それとも,伝統の「技」としてマニュアルにこだわるか.ふだんの持ち歩きのスタイルと機動性を考えると電子機器ではなく,手書きメモを越えるツールはないと思うんだけどな./先日,千現の〈千年一日珈琲焙煎所〉でいただいたコーヒーは,デンマーク製の〈eva solo〉というコーヒーメーカーで出された.こういうものを見るとついほしくなる.幸い通販でも(アマゾンでも)買えるようだ.

◆午後は微小トドどもを一網打尽にした.まずは今月のトド撃ちリストの更新を完了.ついでに出張届4件・年休2件・振替申請1件の提出も完了.細かいトド撃ちにかまけていて,所内評価会議という大トドに出席することをすっかり失念してしまって,天上からお灸が飛んできた….ま,そういう失敗もよくある.トド撃ちリストから漏れた案件はぼくにとっては「この世に存在しない」ものだから.今回は RPリーダーが災厄を被ったようだ(ごめんね).

◆曇りときどき晴れの午後のこまごま —— アメリカ自然史博物館のツイッター(@atAMNH)をフォローした.記事:「AMNH Launches First iPhone App」.恐竜はいつでも強い!/海游舎に印税の件で連絡メールをする.そろそろ確定申告の季節だし.

◆夕方になって雲が厚くなってきた.午後7時に帰宅する.星空.ぴりぴり乾いて冬の寒さ.勁草書房の原稿をリバイスしないと…….単行本の論集ではあるのだが,編者を含めて3名の「レフリー」が着き,いろいろな修正意見が付されている.その対応がリバイスの中心.何のことはない,いつもの査読論文書きとぜんぜんちがいがない作業だ.

◆本日の総歩数=3938歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.2kg(−0.2kg)/26.4%(−0.8%)


1 februari 2010(月) ※バスで通う月曜は雪降る如月

◆午前4時半起床.曇りのち霧が立つ.午前7時の最低気温はマイナス0.7度だった.天気予報では今日の午後から関東地方は全域で雪が降り積雪が予想されるとのこと.今日はバス通勤.つくばセンターの新しいロータリーから,7:42発の農林団地経由牛久行きのバスに乗る.公共交通機関での出勤はずいぶん久しぶりのことだ.半時間後に農環研着.晴れてきた.

◆朝の[組合]のこまごま —— 地本委員の遅れていた選挙の投票集計が終わり,ぼくを含む分会三役がめでたく?地本委員に選出された.で,来週2月9日(火)にさっそく生物研(大わし)で午後いっぱい第36回地本委員会が開催される.半日年休をとって組合活動をするというのは負担ではある.その際の資格審査委員を農環研から出すように指示されているので,調整メールなど.当日だけならまだしも前日8日(月)の昼休みに「予備会議」を開くというが,この日は出張なので当然出られない.他の地本委員(委員長と副委員長)に打診してみたらやっぱり前日はムリらしい.だから,ぼくが資格審査委員を引き受けて前日の予備会議をすっぽかすという予定調和?のようなことになった.いずれにしても,対面会議ばっかりやっているのが筑波地本の特徴だけど,ぼくのライフスタイルにはぜんぜん合致しないのね.ごめんねー.

◆[欹耳袋]北大CoSTEPの新設ML:〈科学技術コミュニケーション・メーリングリスト〉(略称 STCom) /楽しみです! 『月刊みすず』2010年1・2月合併号〈読書アンケート〉特集号.ブツはまだ手にしていないが……./今和次郎関連:工学院大学図書館の〈今和次郎コレクション〉/Carl G. Jung『The Red Book』(2009年10月刊行,W. W. Norton, New York, xii+371 pp., ISBN:978-0-393-06567-1 → 版元ページ)の日本語訳作業が難航しているらしい.さぞかし難行苦行なんでしょうねぇ…….机のヨコにおいてある英語版をときどき開くのですが,マジでこれを翻訳するんですか?と思ってしまうこのごろ.ユングおそるべし!

◆午前のこまごま —— 先週終わった駒場での「生物統計学」の「学生による授業評価アンケート」集計結果を公開しました.来年もがんばるねー/昨年,豚インフルエンザ流行で中止になったメキシコでの国際会議(ICSEB)が,仕切り直しで来年2月にベルリンで開催されるとの連絡が IOSEB カウンシルに広報された:〈ICSEB-VII: BioSystematics Berlin 2011〉(21 - 27 February 2011, Seminaris, Berlin-Dahlem). それにしても2月のベルリンって寒くないですか……./メーリングリストの月例アナウンスを遅延なく流した./次年度,横浜国大の非常勤講師調書を確認して返信した./2月8日(月)午後4時,東大農学部図書館前で待ち合わせ.『国立公園』借出しアゲイン./先日申し入れのあった「本を書きませんか」メールに対して遅ればせながら「単著はムリっぽい……」という返事を返した.断りの連絡は速攻でというのが鉄則だが,今まで引っ張ったのは「あのアイデアはいけるかも」という希望的観測があったから.その旨付記した.うまくいけばいいのだが.

◆降りそうで降らない鉛色の空が午前いっぱい広がっていたが,午後になって雨(not 雪)が降り出し,風も強まってきた.

◆午後のこまごま —— ソーバー『過去を復元する』の著者新序文と訳者解説原稿をいくつか修正して,勁草書房にメール返信完了.とくに問題がなければ,今週のうちに印刷所入稿となる予定.よろしくお願いいたします.>仕掛人「ウシジマ」さま/すっかり忘れていた首都大学東京の成績評価を半年ぶりに完結させて返信した.ごめんなさいごめんなさいと南大沢方面に向かってアタマを下げ続ける.半年先のことを聞く.首都大学東京でのワタクシの講義は「R」を使った統計学だったのだが,統計の講義が中心で,R演習に割く時間が少ないという問題点が指摘されていた.幸い,次年度からは同じ学科で同時期に集中講義に来ていた(うちの近くの)某先生がP***ではなくRプログラミングを担当するという.すばらしい!

◆午後の[組合]のこまごま —— 春闘に向けての中央本部オルグを農林団地の各分会で実施するという.いつもいきなり“火山弾”が降ってきて災厄がもたられされる…….速攻で五階教養室を会場として確保し,当局労務担当に連絡し,地本担当者に会場が確保されたことを返信,さらに分会ツイッターで組合員に中央オルグ実施をアナウンスする.ここまでで小一時間の作業.で,肝心の中央本部オルグ開催日の2月10日(水)はワタクシは都内でカンヅメになっているのでみごとに欠席だったりする.※中央オルグって参加したことがないような気がする.

◆夕方まで雨が降り続いていたが,さらに気温は下がり,午後6時をすぎて「みぞれ」になりつつあると速報が寄せられている.こりゃあ,夜はやっぱり本格的な雪になるんだろうねー.午後7時半,国道408号沿いのバス停に立っていたら,牡丹雪が混じった冷たい雨が降りしきっていた.気温はすでにほぼ零度だった.夜10時を過ぎて本格的な雪になり,地面は真っ白に.都心でも積雪が観測されたとのニュースが流れていた.明朝までにどれくらい積もることやら.

◆本日は,大小取り混ぜてのトド撃ちがはかどったが,勁草書房の論集原稿がまだ滞っている.これは明日ケリをつけることにしよう.他にも査読系の残務があるんだけど.あ,ビオストーリー誌の原稿も,お,それを言い出すと原稿トド軍団が大挙して押し寄せる〜.

◆本日の総歩数=4833歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=87.4kg(+0.7kg)/27.2%(+0.2%)


--- het eind van dagboek ---

Map フリーアクセスカウンター自転車 通販人気 シューズ
[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集