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日録2016年3月 


31 maart 2016(木)※農環研最期のじたばた

◆午前6時前起床.気温4.4度.晴れ.朝日がまぶしい.四日ぶりの観音台は春めく陽気と南風がゆるゆる流れている.午前9時の気温は14.3度.今日も20度に達するとの予報.しかし,農林団地の桜並木は満開にはまだまだ遠い.花見客もまったくなし.農環研の「最期の日」はおだやかだ.しかし,水面下での「農水国研組織再編ミッション」は着実に遂行されつつある.農環研入り口にある “石の名札” もすでに真っ白なコクーンに覆われて,明日の完全変態脱皮の日を待つ(それが “最終形態” かどうかは誰も知らない).

◆[欹耳袋]2016年3月24日(木)に開催された第63回日本生態学会大会自由集会W33〈道具としての「形態測定学」:生殖器形態の定量化〉のプレゼン資料が公開されました:〈形態測定学関連講演アーカイブス〉.

◆年度末の連続┣┣" 撃ち —— 【新URL移行】ワタクシのウェブサイトは明日2016年4月1日に下記の新URLへ引っ越します → http://cse.naro.affrc.go.jp/minaka/.その理由はもちろん農水国研の統合にともなって「農環研」という組織が消滅し「niaes」というサブドメインが消え去るから.しかも,移行に伴う猶予期間はまったくなく,明日になれば旧URL http://cse.niaes.affrc.go.jp/minaka/ は使用不能になる.しかもしかも,URL変更の手続きは明日の新年度開始以降にならないと始められない.そんなわけで,ワタクシのウェブサイトは新しいURLが有効になるまでしばらく閉鎖ということになります./【ML一時閉鎖】農水国研統合にともなうメーリングリスト管理者(=ワタクシ)の異動により,EVOLVE / TAXA / BIOMETRY などワタクシが管理しているいくつかのメーリングリストは新年度以降しばらく運用停止になります.移行手続きが完了しだい再度ご連絡します.これまた,新年度にならないとML管理者の移行手続きができないので,メーリングリストの運用に “空白期間” が生じてしまうということです.まったくもう.

◆休みなく┣┣" 撃ちは続く —— 明日付けの「雇用契約書」なる一枚紙に署名捺印してきた.雇用主である農研機構理事長の名前を初めて見た.さらに,その読み方も農研機構サイトをチェックして初めて知った.「いべ」とか読んだら即クビだろうか.漢字「邊」がとりわけ難しいので手書きできるとはとうてい思えない.困った./新しい所属名称の詳細(「ほげほげ機構どこどこセンターあれあれ領域それそれユニット」)も確認したけど,まだぜんぜん暗記できていない./正午前,本日付けで退職する農環研理事長がいま正面玄関で見送られている.ワタクシは居室でリヒアルト・シュトラウスの交響詩〈英雄の生涯〉を BGM に年度末┣┣" どもとの格闘を続けよう./年度末の残務事務┣┣" をまとめて成敗だん.新年度はできるだけ “更地” にして迎えたいものである./来年度からの新しい所内ネットワーク〈デスクネッツ〉なるものの通知がハガキで各人に届くらしい.以前の「私の番号」と同列に「そんなもん見ませんでした」反撃することは可能だろうか(やめれ).

◆最高気温20度超の暖かかった「農環研の最期の日」.いつまでも長居していてもしかたないのでそろそろ撤収しよう.明日からは「ほげほげ機構どこどこセンターあれあれ領域それそれユニット」のユニット長としての新年度の仕事が始まる./年度末ぎりぎりまで「すぐ対応して」「即返事を」「今でしょ」┣┣" どもが次々に飛び込んできて,おちおちお米も砥いでいられないんですけど./観音台第七事業場の「労働者の過半数を代表する者」に関するメール投票をする./組合は組合でメールがどんどん着弾するし,逃げ場がもうどこにもない感じ.

◆2004年に農水の旧国研が独法になる直前は,今回の組織再編よりももっとカオスだったことを記憶している.どこかの雲の上ですでに “青写真” ができていて,あれこれ検討課題が下々に降ってくるのだが,何かを上申意見を出してもそれに対して応える “神託” があることはまずない.独法化の混乱が過ぎ去ったあとに当時の科長がしみじみ言っていたことだが,「一歩踏み出せば退路を断たれて,とにかく前に進むしかない.しかし,目の前にはひとつしか扉がない.それを開けてさらに一歩踏み出せば(以下同文)— これが下々から見た組織改革の姿だよ」と.雲の上の方では何かしら “ぐろーばる” な戦略を立てて進もうとしているに違いないが,その “青写真” が下界に降臨したときの打算と思惑そしてパワーポリティクスと局所的な獲り合いを見たことがない「なかのひと」はいないはず.今回の組織再編はまだマシな方だった(と思いたい).

◆やっかいなメーリングリストの移管対応をしないといかんのだが,日付が変わって名目上ワタクシが「異動」しないことには手を付けられないというもどかしさがマックス.とりあえず,EVOLVE / TAXA / BIOMETRY には一日早い月例アナウンスを送信.明日になればこれらのメーリングリストが運用一時停止になるので時間との勝負.さて,管理者異動に伴う移行手続きの段取りを確認しないと.メールの自動署名も変更しないといけない.ハンコを新調しないといけない.名刺も新しくつくらないといけない — いけないだらけ.

◆明日の新独法船出の朝イチ BGM は〈春の祭典〉でキマリ.

◇本日の総歩数=5089歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.3kg(+1.1kg)/ 31.2%(−1.0%)


30 maart 2016(水)※上州湯けむり旅の結末

◆午前5時半起床.晴れ.ひんやりした山間の冷気.朝イチの「法師の湯」は誰もいない独占状態だった.ここ法師温泉は前日の川古温泉と同じ石膏泉.湯船の玉砂利のすき間からゆらゆら浮き上がる気泡と湧き上がる源泉.足元湧出泉の悦楽.ああ,フルムーン.

◆[蒐書日誌]上州温泉本 —— 法師温泉の購買部に置いてあった上毛新聞社からの温泉本たち:小暮淳『みなかみ18湯[上]』(2012年9月15日刊行,上毛新聞社,前橋,98pp., ISBN:978-4-86352-069-1 → 版元ページ)/小暮淳『みなかみ18湯[下]』(2013年4月24日刊行,上毛新聞社,前橋,108pp., ISBN:978-4-86352-087-0 → 版元ページ)/小暮淳『新ぐんまの源泉一軒宿』(2014年4月26日刊行,上毛新聞社,前橋,130pp., ISBN:978-4-86352-106-3 → 版元ページ)/小暮淳『群馬の小さな温泉』(2010年10月,上毛新聞社,前橋, ISBN:978-4-86352-033-2 → 版元ページ).

◆法師温泉は意外なほど外国人宿泊客が多かった.検索してみると,確かにこれだけプラスの感想が付けば,たとえ三国街道の山奥でも海外からやって来る動機づけとして十分かも → TripAdvisor.ひょっとしたら日本人宿泊客よりも混浴温泉の入湯マナーをちゃんと勉強しているように見受けられた.

◆早めに法師温泉をチェックアウトして,高崎へ.観音山はもうお花見できるかな.午後の最高気温は19.8度と予報通りの暖かさになった.昼寝をしたり寝読みしたりとあいかわらず怠惰な時間を過ごしている.ちょこっと┣┣" 撃ちしてみるかということで,ごまめ┣┣" 数頭を退治.さらにもうちょい┣┣" 撃ちが捗った.

◆しかたがないから年度末じたばたのつくばに帰るとするか.午後6時に出発.関越道の鶴ヶ島ジャンクションから未完成の圏央道をたどり,堺古河インターで降りる.暗闇道で迷子になって午後8時半にやっとつくば帰還.総走行距離575km.明日からはすっかり放置してしまった堆積┣┣" どもと格闘する運命を甘受する.

◇本日の総歩数=4854歩. 朝△|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


29 maart 2016(火)※天神平から法師温泉へ

◆午前5時過ぎ起床.山間の狭い空が白んできた.みなかみの気温は0.1度まで下がっているが,さらに標高が高いこの場所だときっと氷点下だろう.さて,朝風呂へ.湯温が低くても気温がさらに低いので長湯していれば十分にあたたかい.午前7時,やっと朝日が赤谷川の渓流に差し込む時間になった.

◆[欹耳袋]DOTPLACE「三中信宏×山本貴光:本を読むときに系統樹で考えるための《可視化することばとビジュアル》後編「“本”とのつきあい方」(2016年3月28日)※前編「ネットワークを読み解くリテラシーを、基本的に人間は持っていない」(2016年3月10日)と中編「デザインの視点からデータを考える」(2016年3月17日)に続く山本さんとの対談はこれにて大団円.

◆上州逃避行は続く —— 午前10時にチェックアウト.何とかとケムリは高いところに昇る.ということで,谷川岳の天神平までロープウェイで上がった.周りはスキーやスノボを抱えたり,雪山登山姿もちらほらと.関東では気温が17〜18度まで上がっているそうで,明日以降は春の陽気が強まるとの予報.しかし地上がどんなに春めいても,標高1300メートルの天神平は雪だらけ.気温5度の雪景色が広がる.真正面には谷川連峰の山々が真正面にそびえ立つ.ただ単に上がって降りただけの “純粋昇降” だったが,休日なんてぇのはしょせんこんなどうでもいいことに費やしていいのだ.

◆高いところに昇っただけでは飽きたらず,旧三国街道をたどり,三国峠直下の法師温泉・長寿館へ.今回はもっとも古い本館の二階に潜伏することになった.旧国鉄の〈フルムーン〉宣伝で一挙に全国デビューした法師温泉はいまでは外国人の客もちらほら見られるほどになった.定員は150人ほど泊まれるらしいが,この日ももちろん満員御礼である.まずは〈法師の湯〉へ.大きな湯小屋に広い湯船が四つ.底の玉砂利や石のすき間から源泉が湧き上がる.こういう足元湧出泉は極楽極楽.新年度異動の辞令交付の段取りなんかもうどうでもええいう感じ.

◆しかし,一山越えれば上越のこんな山奥にもインターネットはちゃんとつながる.ということは,必然的に観音台(&その他方々)から┣┣" どもが無慈悲にも湯船に飛び込んでくるということだ.何頭かは湯船の中で退治したが,まだまだはてしない.暮れなずむ山間の一軒宿で MacBook はメール発信と┣┣" 退治をし続けている.

◆法師温泉には与謝野晶子や川端康成,直木三十五らが逗留したそうな.中西悟堂はこのあたりの鳥を読み込んだ俳文を残している.歴史のある温泉の敷地や建物,館内の調度や資料を眺め歩くのも古い温泉宿の楽しみのひとつ.

◆夜,ご飯を食べてからも温泉に浸かったりごろごろしたりして無為な時間がだらだら過ぎていくのがとてもよろしい.

◇本日の総歩数=7197歩. 朝◯|昼△|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


28 maart 2016(月)※旧三国街道湯けむり旅

◆午前6時過ぎ起床.曇り.気温7.4度.来年度からワタクシは裁量労働になることが確定した.定時労働・裁量労働・フレックス労働の三択になる職場環境がどんな感じかはまったく実感が湧かないが,おそらく大半の職員・研究員は定時労働か遅めのフレックスを選ぶのだろうか.予想ができないので当てずっぽうなんだけど.

◆[欹耳袋]毎日新聞「卓越研究員制度:若き研究者を熱烈歓迎! 国選抜150人に引き合い300件 トヨタ年収1450万円」(2016年3月28日) → JREC-IN(卓越研究員

◆逃げまくる年度末 —— 来月からワタクシが所属する独法研究機関が組織改編のためばたばたしている.こういう研究環境に長くいれば,よくわからない “天変地異” からのもっとも効果的な逃れ方は身についてくる.ワタクシもつくばから遠く離れて,上越の山の中に遁走することになった.北関東道で一部スコールのような雨に見舞われたが,群馬県に入ってからは晴れたり曇ったりの空模様.関東平野をちょいと爆走すれば,谷川連峰をはじめ武尊山など雪山が間近に見える.ここは上毛高原サービスエリア.月夜野インターで関越道から降りて,旧三国街道をひたすら上がっていく.

◆やがて赤谷湖が見えてきたら,猿ヶ京温泉の手前で赤谷川の渓谷に分岐し,川沿いに進めば突き当たりにあるのが川古温泉〈濱屋旅館〉だ.川縁に立つ建物の入口は小ぶりだが,その奥には新館の旅館部と旧館の湯治部が続いている.

◆まずは露天風呂へ.旅館の玄関向かい側の岩窟には観音様が.ここは石膏泉の源泉かけ流しで,湯滝から源泉が注ぎ込んでいた.男女混浴だが,平日のせいか泊り客は少なかったのでほぼ独占状態.すばらしい.混浴内風呂は足元湧出ではないが,湯船の底に玉砂利が敷き詰められている.源泉が39度というぬるさなので,長時間浴がデフォルト,湯船の縁には年季が入った木製の「寝湯枕」がいくつか置かれていた.一時間くらいは平気で入っていられる.夕餉はイノシシ鍋を中心に鱒のお造り,岩魚の塩焼き,自家製生ハムと素材の味が楽しめるメニューだった.

◆今日はよく逃げて湯船に沈んだのでとてもシアワセな一日だった.夜遅くふたたび露天風呂へ.赤谷川の谷底に冷気が漂う.見上げればつくばよりもたくさんの星が.年度末の逃亡者にとって源泉かけ流しの石膏泉露天風呂は桃源郷すぎる.

◇本日の総歩数=1993歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.2kg(−0.7kg)/ 32.2%(+0.2%)


27 maart 2016(日)※花冷えの日曜に旅支度

◆午前5時半起床.気温3.2度.晴れ.

◆[欹耳袋]来月のN響定期公演で武満徹の〈系図(ファミリー・トゥリー)― 若い人たちのための音楽詩〉が演奏されるらしい(→ アナウンス).この曲はワタクシの『生物系統学』(1997)の “公式BGM” でもあり,プロローグの冒頭とエピローグの最後に引用されている.

◆雲が広がるお昼前.気温は11度を超えたが,暖かいのか涼しいのかよくわからない.あいかわらず花粉が飛びまくっているようで,ティッシュと親友状態.有人ガソリンスタンドにてオイル交換と洗車の真っ最中.仙台で連日連夜炸裂していた間にひっそりと観音台に届いていた『植物学の百科事典』の「分岐図と系統樹」再校ゲラのチェック終了.要修正箇所はとくに見当たらなかったので,このまま丸善出版編集部に返します.よろしく〜.

◆[欹耳袋]えっ!— 結構人ミルクホール「3/31で閉店のお知らせ」.

◆数日後の新年度から所属研究機関名が変わったり事務手続きが変わったりネットワークまわりが変わったりするはずなのだが,今年度内には何も手がつけられないので,じっとエイプリルフールを待つしかない.メーリングリストもしばらく止まるよん(管理者が “異動” するので).また,新年度からはガルーンに代わる所内LAN〈デスクネッツ〉とかいうのが使われるそうなんだけど,URLとか何も情報がないので何もできまへんな.すべてはエイプリルフール以降のこと.今回の独法統合に関しては “軟着陸” というコンセプトがまったく欠如している.そんなわけで,来月以降は五里霧中ですな.まあ,ワタクシは明日から三日ほど雲隠れいたしますので,どっちにしても来年度になってから “ハード・ランディング” するしかないんだけど.

◇本日の総歩数=4190歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


26 maart 2016(土)※観音台のお花見はまだ

◆午前6時前起床.気温1.2度.薄雲が広がる青空.六日ぶりの観音台は花曇りでひんやりと言いたいところだが,桜なんぞ農林団地のどこにも花開いていないようだ.もちろんお花見渋滞の大波は今年はもっと暖かくなってからのことだろう.午前10時の気温は7.6度.┣┣" 飼育場の頭数は着実に増えていた.年度が変わると大わらわ必定.帰りしなに,農環研の圃場を周回したところ,稲荷川沿いの一本だけが花開いていた.農環研があと数日でお亡くなりになっても,この桜は毎年咲き続ける.

◆[欹耳袋]Togetter -「京大教授がたったの年収940万!」※「えーっ!」とのけぞるようなことではまったくない.公開されている俸給表を見ればおおよそのところは万人に “見える”わけだし.その金額が高いかどうかは見る人しだい.国立大学法人でも独立行政法人でも,職員の俸給表は完全に “可視化” されているわけで.たとえば,今月末で消えてなくなる農環研の俸給表ならばここに公開されている.もらっている給料が “高い” かどうかは基準による.微分係数的な「瞬間俸給額」もあれば,ある年月区間で定積分した「累積俸給額」もあるだろうし.でも,そんな基準より,誰がモノを言っているかの方がはるかに重要だろう.

◆桜の開花宣言があった割にはぜんぜん花が開かない日が続く.今宵は久留米・山口酒造場〈庭のうぐいす〉純米吟醸「はなびえ」を開栓.お花見銘柄はほんのり甘めが多いが,この「花冷え」はキリッと芯があるのどごし.きつね丼とともに.

◇本日の総歩数=7109歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.9kg(+0.1kg)/ 32.0%(+2.1%)


25 maart 2016(金)※雪舞う仙台からの帰還

◆ホテルの窓から見上げる仙台ブルーの青空.午前5時半にいったん起床したのに,ふと気がつけば午前8時過ぎという盛大な二度寝をしてしまった.仙台滞在最後の朝朝の最低気温は0.5度まで下がった.そういえば,今回の仙台お座敷が MacBook ちゃんのプレゼン初舞台だったのだが,前の MacBook Pro ではつねに必要だった「システム環境設定」>「ディスプレイ」>「ディスプレイを検索」の手順はいっさい不要で,そのままするっと投影できた.初回にしては上出来.

◆午前11時前にホテルをチェックアウト.青空から時おりあられがぱらぱら降りかかり,雪が舞うというフシギな空模様.気温は6.9度.北風が冷たい.新幹線までの待ち時間は臨時┣┣" 飼育場に並んでいるやつらの “顔立ち” をながめる.東北新幹線車中では仙台駅ホームで売られていた北海道新幹線開通記念御祝儀駅弁をばくばく喰ってしまった.午後2時過ぎ,上野駅にて常磐線乗り換え.都内の気温は13.8度まで上がっている.よく晴れて花粉がきな粉のように飛び交っているにちがいない.北千住でTXに乗り換え,午後4時前につくば帰還.スムーズに社会復帰すべく旅の後片付けをあれこれこなす.仙台でダブル滑落した Mac OS X 10.11.4 とXcode 7.3 への登攀も無事完了.

◆雪降る仙台から五日ぶりにつくば帰還.杜の都でさんざん飲んだはずなのに,今宵もまた背徳ナイト.開栓したのは,栃木のさくら市・仙禽酒造の〈仙禽〉「モダン仙禽・雄町2016」.2015醸造の新酒.奈良の油長酒造とは対照的に “テロワール” を前面に出しているのが仙禽酒造.すっと筋が通る味わい.鶏手羽元の煮込みは当店の定番メニューでございます.

◆[欹耳袋]Vanity of vanities「ネットワークを読み解くリテラシーを、基本的に人間は持っていない」(2016年3月20日)※ワタクシたちの対談(前編中編)の「後編」がそろそろ公開されるかなあ.

◆今週末はさらなる社会復帰プログラムを実行しないと.

◇本日の総歩数=10845歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


24 maart 2016(木)※仙台国際センター高座

◆午前7時過ぎのろのろ起床.うう…….外はいい天気.気温4.1度.連日性懲りもなくこういう生活が旅先で続いている.日常に戻れるのか.午前中は紙芝居の編集.

◆学会最終日の光景 —— 第63回日本生態学会大会の会場である仙台国際センターは地下鉄東西線から直結している.今日は北風が冷たい.大会最終日ともなると “宴の後” 的な空気が漂うのはいつものこと.ホテルをチェックアウトしてスーツケースを転がして来場する率も高くなる.そういう参加者たちの中で観音台に発射する年度末事務書類を書き続ける理不尽さ.ふと見回すと,ロビーのソファーが “簡易宿泊所” と化していた.連日連夜の蓄積疲労たちがそこかしこでイビキをかいている.

◆今回の大会でのワタクシたちのお座敷は最終日の最後の夕方から始まる:自由集会W33〈道具としての「形態測定学」:生殖器形態の定量化〉17:00〜19:00@RoomF.今日のうちに帰路につく流れに抗して,いったい何人の集客がきたいできるのかと思ったら,意外にも50名ほど集まったようで,会場の席はかなり埋まったようだ.善哉善哉.最初の露払いトーク:三中信宏「形態測定学はかたちのデータをどのように可視化してきたか?」.三中信宏「形態測定学はかたちのデータをどのように可視化してきたか?」が時間通りに終わったので,最終日にしてやっと本務を果たすことができた.

◆[欹耳袋]統計グラフィクスの創始者プレイフェアについて —— Ian Spence 2006. William Playfair and the psychology of graphs. Proceedings of the American Statistical Association: 2426-2436. pdf.今回のトークで大活躍してくれたのは Playfair さんだった.

◆午後7時,自由集会終了.みなさん,おつでした.今年9月にフロリダで開催される国際昆虫学会議(ICE)で昆虫形態測定学のワークショップが開催されるとのこと.その後,仙台駅前の〈古々がみそ〉にて懇親会で盛大に打ち上がり,生態学会仙台大会の昼の部と夜の部はすべて完遂した(嵐のような拍手また拍手).

◆今回の仙台滞在は5泊6日という長期旅先ライフだった.明日はつくばに帰るだけの単純移動日だ.やっと日常に戻れるが,それは年度末┣┣" との格闘の新たな始まりでもある.

◇本日の総歩数=15591歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


23 maart 2016(水)※紙芝居やっと仕上がる

◆午前5時前起床.気温5.2度.仙台滞在四日目の朝.

◆[蒐書日誌]幾何学的形態測定学の近刊と総説 —— Fred L. Bookstein 『Biometrics and Morphometrics for Anthropologists』(2016年刊行予定,Cambridge University Press, Cambridge)※著者本人が「under review」と書いているので,まちがいなく出るだろう.また,彼の総説記事がひとつオンライン公開された:Fred L. Bookstein 2015. Integration, Disintegration, and Self-Similarity: Characterizing the Scales of Shape Variation in Landmark Data. Evolutionary Biology, 42(4): 395–426. Published online 2015 Apr 19. doi: 10.1007/s11692-015-9317-8 html | pdf.標識点の確率分布に関する新たな提案.生物学的に見て単純すぎる(しかしこれまでデフォルトだった)「isotropic offset Gaussian」分布と半正定分散共分散行列をもつだけのパラメーターが多すぎる分布との中間に「自己相似型」の分布を導入する.

◆午後,明日の紙芝居 173MB を 7MB に縮小してやっと仕上がり.今回はとても時間がかかった.

◆生態学会懇親会に湧く仙台の街を抜け,まずは〈楯野川〉純米大吟醸・春にごりから.春めく甘さ.お花見の季節ならではのこういう春霞のような日本酒はシアワセを呼ぶ.続いて,〈村祐〉茜ラベル無濾過本生.冷酒はここまで.盛岡〈あさ開〉南部生酛造り・特別純米のお燗にはじっくり煮こまれた身欠き鰊の棒煮.最後は広島〈神雷〉純米・八反錦・三温至福のお燗.

◆気分よく帰ろうとふわふわ歩いていたら,生態学会懇親会帰りの兇悪な面々に拉致され,今回の生態学会で宮地賞を受賞された高橋一男さんを囲む会へ強制連行.駅前の店で気がつけば午前様寸前だった.ビールはただの水に過ぎない.

◆連日連夜のうう…….しかし,ワタクシは明日のお座敷のために仙台に来たのだ.うう……

◇本日の総歩数=9536歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


22 maart 2016(火)※今日もまた仙台街歩き

◆午前5時前起床.外は真っ暗.気温4.6度.冷え込んでいる.

◆[欹耳袋]himaginaryの日記「p値の価値」(2016年3月19日).「p値」という割れ目からいろいろな “魑魅魍魎” どもがわらわらと姿を現しているようだ./生物データの可視化あれこれ —— 『Nature Collections: Visual Strategies for Biological Data』が Nature Shop からpdf電子本として販売されている.Cf: Nature Methods | Methagora | Data visualization: A view of every Points of View column. 30 July 2013./William Playfair[Edited by Howard Wainer and Ian Spence]『The Commercial and Political Atlas and Statistical Breviary』(2005年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:9780521855549 [hbk] → 版元ページ)※18世紀末に統計グラフィクスの分野の先駆となった William Playfair の図版が復刻されていた.

◆宿泊しているホテルの朝食フロアにて,(もう風前の灯の)のうかんけん某氏と出くわす.生態学会ほどの巨大学会ともなれば本部業務だけでそれはもうタイヘンらしい.珈琲中毒と自称する某氏に「一番町のホシヤマ珈琲本店へ」と耳打ちしておいたんだけどそれでよかったかな.仙台の街ナカで「この珈琲店は必修です」といえる店はどこだろう.〈ホシヤマ珈琲〉,〈As Time〉,〈デ・スティル〉の三点はすでに射程に入っているのだが.

◆[欹耳袋]NHK NewsWeb「文化庁を京都に 国機関の地方移転 基本方針決定」(2016年3月22日).

◆[蒐書日誌]荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために:在野研究者の生と心得』(2016年3月1日刊行,東京書籍,東京, 255 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-487-80975-2 → 目次エン-ソフ版元ページ)※読了. “在野研究者” 16人の評伝から汲み取れる “心得” を記すというスタイルは読みやすかった.全40の “心得” がどれくらい広く当てはまるのかは問題ではない.むしろ “在野” で研究を続けるときの “行動オプション一覧” と考えればうなずける.

◆夕方の広瀬通りはまだ明るい.まずはお通し酒として〈杜の蔵〉燗酒お猪口.炙りサワラのお刺身.続いて〈生酛のどぶ〉仕込み15号の炭酸割り.〈菊鷹〉純米無濾過生酒「Hammingbird」はとっても果実な香りだった.ここから燗酒への高みへ移行.横田の〈田从〉純米の熱燗.ちょい辛の麻婆豆腐には〈神亀〉純米のお燗を.最後は,島根〈玉櫻〉生酛純米・山田錦70の熱燗.今宵はこれにてさくっとアガリ.午後6時半にはホテル帰還というありえへんヘルシーさをここで繰り返し強調しておきたい.

◆El Capitan アップデートへの道は険しかった —— El Capitan 10.11.4 への更新登攀スタート.1.44 GB が降臨している.しかも,Xcode version 7.3 も同時に.どーするのん,これ(汗).更新へのダブル登攀はあえなく失敗.絶賛滑落.El Capitan が 1.44GB なのに,Xcode が 4.87GB ってマジですか.何度やってもダメなので,今日の登攀を断念する.

◇本日の総歩数=6243歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


21 maart 2016(月)※杜の都に冷たい北風が

◆午前7時のろのろ起床.晴れ.気温4.1度.前夜の報いの うう…….

◆[欹耳袋]産経ニュース「宮城にツタヤ図書館開館 全国3例目、内覧会開く」(2016年3月20日)※「批判もあったCCC独自の本の分類は変えず」— あららら.でも,CCC としては商売道具である「ライフスタイル分類」を捨てるわけにはいかない事情があるんだろう.

◆[蒐書日誌]有松唯『帝国の基層:西アジア領域国家形成過程の人類集団』(2015年12月29日刊行,東北大学出版会,仙台, 本体価格4,500円, ISBN:978-4-86163-266-2 → 版元ページ)※仙台一番町の〈ホシヤマ珈琲本店〉にて現物を視認.昨年5月の東北大での第7回クワトロセミナーのおり,本書の原稿を通読する機会があった.遅ればせながら出版おめでとうございます./旦部幸博『コーヒーの科学:「おいしさ」はどこで生まれるのか』(2016年2月20日刊行,講談社[ブルーバックス・B-1956],東京, 317 pp., ISBN:978-4-06-257956-8 → 版元ページ)※ひさしぶりに買ったブルーバックス.仙台一番町の〈ホシヤマ珈琲本店〉にて珈琲充したのち手にするにはピッタリの本.

◆仙台の街をときおり冷たい北風が吹く.アーケード街の中にいれば震え上がるほどではないが,道行く人はしっかり冬の装いだ.

◆[蒐書日誌] “野生” の研究者のための処世訓 —— 荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために:在野研究者の生と心得』(2016年3月1日刊行,東京書籍,東京, 255 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-487-80975-2 → 目次エン-ソフ版元ページ)※メインタイトルだけではいったい何の本だか皆目見当がつかなかったが,サブタイトルを見て即座にレジにお連れした.本書の「在野研究者」とは「狭義の学術機関に頼らずに学的な営みをつづけてきた研究者たち」(p. 5)という意味で用いられている.

本書で取り上げられている16人の「在野研究者」たちはすべて故人だが,著者は,先人たちの在野研究人生から学び取れるさまざまな教訓を全40箇条の〈在野研究の心得〉としてまとめている.

本書は「文系」の研究分野を念頭に置いて編まれているので,大学の「なか」か「そと」かが在野であるかどうかの分かれ目になっている.ワタクシたちのように,大学の「そと」なんだけど,研究機関に場所を占めている研究者はいささか宙ぶらりんな立ち位置になってしまうが,本書から得るものはきっとあるだろう.

研究する人生の “軸” は複数なので,ひとりの研究者のある軸を見れば「なか(=非在野)」だけど,別の軸では「そと(=在野)」という多面性は多かれ少なかれきっとあるだろうから.

ワタクシは「在野研究者」の “失敗例” をいくつか見たことがあるので,本書に取り上げられているような “成功例” との差が何に起因しているのかが気になる.大域的な共通要因と局所的な個別要因の両方があるのは当然だろうけど.

◆さらに強く北風が吹きつける夕暮れ時.日中の最高気温は11.1度まで上がったが,日が陰るとともにするすると気温降下.やはり,つくばに比べて春の接近が遅いみたい.今宵は満を持して牛タンである.滑舌をよくするためにもたくさん食べないと.

◆そういえば,昨年の8月26日に産総研・江渡浩一郎さんのところで開催したニコニコ学会β〈ラヂオ横の会〉で, “野生の研究者” たちはどうすれば生き延びられるだろうかという話をしたことを思い出した(→ 日録2015年8月26日).たとえいまは大学や研究機関の「なか」にいられたとしても,いずれは「そと」に出ることになる.そのとき “野生” のなかで研究者がどう生きていくのかという話.「なか」にいるうちは見えないことが,「そと」に出たとたんに見えてしまう.

◆明日もまた仙台街歩きが続く.

◇本日の総歩数=9476歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


20 maart 2016(日)※休む間もなく丸腰仙台

◆午前6時過ぎのろのろ起床.朝日がまぶしい.気温は9.7度.仙台あたりの天気予報と予想気温をチェック.朝のうちに四日ぶりの観音台へ.薄曇り.辛夷の花はそろそろ目立ってきたが,農林団地の桜並木はまだぜんぜん開いていない.菜の花畑の黄色だけが鮮やか.日曜なのに,農環研内では台車で研究室の引越し作業をしている知人とすれちがった.「年度内に新しい部屋に移転完了しないと」とのことだが,物理的な引っ越しはいつでもどこでもタイヘンだ.

◆春の杜の都へ —— 午後1時前,つくば駅なう.気温は15度台.南風が春らしい.五泊六日の旅が始まる.午後2時過ぎ,上野駅から東北新幹線〈はやぶさ23号〉に乗車.都内はすでに気温19.0度.さて,目的地の仙台の寒暖はどうだろうか.午後4時,仙台着.新幹線車中はもわっと蒸し暑かったが,さすが杜の都では街路樹をひんやりした風が吹き抜けている.アーケード街を通りぬけ,広瀬通りに面したとあるホテルにチェックイン.

◆学会大会開催地は,昼はともかく,夜になると方々で “鉢合わせ” が頻発するので,よく考えて行動しないといけない.うろうろするのはヒトの常.夕暮れ時を見計らって〈文化横丁〉と〈いろは横丁〉をうろうろしたんだけど,意外にも閉まっている店が多く人気がない.午後5時じゃ,まだ早すぎたかと orz.

◆ところが,転んでもただでは起きないワタクシ.〈いろは横丁〉となりの細長いビルの階段がワタクシを呼んでいるではないか.見上げれば3階に極楽が.この店には宮城のすべての蔵元の酒があるという.まずは〈萩の鶴〉純米吟醸別仕込「猫ラベル」から.お花見猫の図柄.ほんのり甘い食前酒.続いて〈阿部勘〉辛口純米.仙台せりのおひたしとともに.〈一ノ蔵〉Madena.鳴子温泉水を使って造ったとのこと.ポートワインみたいな色と味わい.ここはとてもいい雰囲気のお店だった.

◆零次会の後,駅前に移動して〈伊都キャンパスに移った粕谷さんと呑む会〉へ突入する.午後11時までよく飲みました.ホテル直帰で爆睡に突入.学会開始前にすでにクライマックスに達してしまった感がある.しかし, “丸腰” のまま仙台に出撃してしまったので,明日からはココロを入れ替えて仕事しないと.

◇本日の総歩数=13766歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.8kg(+0.4kg)/ 29.9%(+3.1%)


19 maart 2016(土)※春雨じゃ濡れて参ろう

◆午前5時半起床.曇り.気温13.7度.雨雲がかかってきたはずだが,まだ本降りではないようだ.昨日と同じく,午前6時半に朝ごはん.降り続く雨.年度末の報告書┣┣" 一頭を観音台に放流.そうこうするうちに,天気予報通り,春雨がしとしと降りだした.傘を忘れたのはまったくもって不覚だった.ホテルをチェックアウト.

◆[欹耳袋]MacBook 人柱レポート:MacBook で Google 日本語入力していると,入力位置が吹っ飛んだり,ちゃんと漢字変換できなかったりすることがときどきある.MacBook Pro のときは何の問題もなかった.どうして?

◆[蒐書日誌]山本紀夫『トウガラシの世界史:辛くて熱い「食卓革命」』(2016年2月25日刊行,中央公論新社[中公新書・2361],東京, 8 color plates + x + 234 pp., ISBN:978-4-12-102361-2 → 目次版元ページ).南米原産のトウガラシがどのように世界中に伝播していったかを世界史と絡めつつ解き明かす.ずっと昔から浸透していたと勝手に思い込んでいた韓国のトウガラシ食文化が実はほんの三世紀足らずの歴史しかなかったとか,四川料理のような激辛トウガラシ嗜好は中国の中では地域的にごく限定されているとか,甘味トウガラシであるパプリカがなぜハンガリー社会に広まったかは世界史と連動していたとか,本書には意外な指摘が随所に見つかる.

欲を言えば,カラー写真がもっとたくさんあればきっと食欲がより亢進したにちがいない.南米のトウガラシ原産地の紀行:高野潤『〔カラー版〕新大陸が生んだ食物:トウモロコシ・ジャガイモ・トウガラシ』(2015年4月25日刊行,中央公論新社[中公新書2316],東京,vi+182 pp., ISBN:978-4-12-102316-2 → 版元ページ)の第4章「トウガラシ」(pp. 113-142)には,多様なトウガラシとそれを用いた料理の数々がカラー写真で掲載されている.

そういえば,ずいぶん前に “辛子色の本” を読んだことがあるぞと手繰ってみたら,この本だった:アマール・ナージ[林真理・奥田祐子・山本紀夫訳]『トウガラシの文化誌』(1997年12月30日刊行,晶文社, 東京, 311+ x pp., 本体価格2,800円, ISBN:4-7949-6331-9 → 目次・書評).本書『トウガラシの世界史』の著者も訳者のひとりとして関わっていたことを知った.さらに,こういう本があることも教わった:山本紀夫(編著)『トウガラシ讃歌』 (2010年4月刊行,八坂書房,東京, 本体価格2,400円, ISBN:978-4-89694-954-4 → 版元ページ

さて,次なる車中読書本は当然これか:武政三男『スパイスの科学』(2015年3月20日刊行,河出書房新社[河出文庫・た34-1],東京,300 pp., ISBN:978-4-309-41357-0 → 版元ページ).方々でカレーを食べるしかなくなるな.実際,立川滞在中は毎日一度はカレーを食べているんだけど.

◆お昼過ぎの統数研にて,午後の総会の開始を待つ昼休み.高松界隈は雨が小止みになったが,湿度が高くて蒸し暑い.まったくイヤな空模様である.

◆[欹耳袋]系統樹ハンターとして —— 安岡孝一「タイプライターからコンピュータへ:QWERTY配列の変遷100年間(1)」(2015年7月2日)※キーボード文字配列の “系統発生” についていの連載記事./プラレールによる進化の系統樹 → ツイッター

◆午後5時過ぎ,つくば帰還なう.立川は南風だったが,つくばはすでに北風に変わっている.雲は消え,夕日がまぶしい.いつもならほっこりできるところだが,今回はそうは問屋が卸さない.

◇本日の総歩数=8822歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


18 maart 2016(金)※多摩モノレールごとごと

◆午前5時半起床.八王子の気温は5.1度.午前6時半に地下のレストランで朝食をすませる.

◆春めく昭和記念公園の向こうへ —— 午前9時前,多摩モノレールの高松駅で下車.統数研への道は春爛漫.晴れわたる春霞の青空高く揚雲雀のさえずりが.チュートリアル会場ではすでにくぼ師が護摩壇を設置していた.それにしても WiMAX 2+ に電波が届かない.統数研は “電波飢餓度” にかけては観音台とまったく遜色ないと見た.ホントに困ったことだ.

◆くぼ法話 —— 午前9時半から2016年応用統計学会・日本計量生物学会チュートリアルセミナーがスタート:久保拓弥「統計モデリング:一般化線形モデルから階層ベイズモデルへ」(→ コンパニオンサイト「生態学のデータ解析 - 計量生物学会・応用統計学会チュートリアル2016」).正午までの2時間半という長丁場だ.会場を埋める100名あまりの受講者たちが待ち構えている.

◆まずは通常の線形モデルから一般化線形モデルへの道をたどる.計数データのポアソン回帰と比率データのロジスティック回帰が実例だった.R の glm() 出力での summary() 項目について:パラメーター推定値「Estimate」を標準誤差「Std. Error」で割ったものが標準化された「z value」となる.「z value」の確率「Pr(>|z|)」は両側テールにパラメーター分布(← ヤバい!)の棄却域を設定し,その確率値が0に近いほど当該パラメーターは “0から遠く” ,逆に最大値 0.5 に近いほど “0に近い” とくぼ師は説明していた.なるほどね.GLM法話が終わったところで一休み.

◆休憩後,チュートリアル再開.くぼ法話は一般化線形モデルからベイズモデルへと登攀を続ける.GLM の glm() 出力のパラメーター(標準化された z value)の確率分布は頻度主義的には解釈がめんどうだが,ベイジアン的にはごくふつうに解釈ができる,と.なるほどなるほど.MCMCサンプラーとしては「BUGS」かつ「Gibbs sampler」なツール(今日はJAGSを用いる:library(rjags))がイチオシかと.いま評判の Stan は Hamiltonian Monte Carlo なので,すでにMCMCを卒業してしまっている.

◆最後は階層ベイズモデルへ.「個体差」による極端な「過分散」がある場合にはうまく統計モデル記述ができないことがある.その場合,「個体差」の原因は観察できるわけではない.GLMだと「個体差」をランダム効果としてモデルに入れればよい.しかし,パラメーター数がサンプル数よりも大きくなると不可能になる.いま「個体差」に確率構造を導入する.事前分布として主観的やフラットではなく,データに合わせて「階層事前分布」を考える.ランダム効果は局所的パラメーターは階層事前分布,固定効果は大域的パラメーターはフラット事前分布.階層事前分布を決定するハイパー・パラメーターが従う超事前分布はフラットと仮定する.超事前分布に基づく「個体差」の “重み” を付けて事前分布をミックスするという考え方.階層ベイズモデルの真部分集合が一般化線形混合モデル(GLMM)である.

◆もっと複雑な階層ベイズモデルについて.複数のランダム効果がある場合(たとえば「個体差」に加えて「ブロック差」がある場合),GLMM だとまちがった結論を導くことがある.階層ベイズモデルをつくればその問題点を超えられる.以上をもって,くぼ法話は終わった.その後,休みなく対面理事会へなだれ込む.

◆気温が20度を超えた午後,昭和記念公園北の “電波飢餓圏” からやっと生還.WiMAX 2+ はまったく何の役にも立たなかった.南風が強まってきて,湿っぽい蒸し暑さが淀んでいる.ぜんぜんさわやかではない.観音台から電話あり.新年度からの人事が内定し,ワタクシのポストと居場所が決まった.今日の最高気温は20.9度まで上がった.ああ,爽快ではない.暑いなあ.

◆夕方,大きめの┣┣" を放流したが,すぐまた戻ってくるにちがいない.そういえば,来週の仙台お座敷の準備がまったく手つかずだ.困ったことだ.

◆春めく立川の夜は春めく “お水” がよりどりみどりだった.まずは埼玉〈花陽浴〉純米吟醸おりがらみ雄町.続いて,山口〈中島屋〉純米生酒「春つげ酒」.アテはこれまた春らしいトビウオのたたき.この店のカウンターに須賀原洋行『実在ゲキウマ地酒日記1』(2013年10月刊行,講談社[イブニングKC],東京, ISBN:978-4-06-352489-5 → 版元ページ)が並んでいた.おもしろすぎる.でも,著者の奥さん(「ヨシエさん」)はもう亡くなったはず.「気分は形而上」でも「ゴキちゃん」でもいいから著者にはもっと漫画を描いてほしい.

◆[欹耳袋]DOTPLACE:三中信宏×山本貴光:本を読むときに系統樹で考えるための《可視化することばとビジュアル》中編「デザインの視点からデータを考える」(2016年3月17日).先日公開された前編「ネットワークを読み解くリテラシーを、基本的に人間は持っていない」に続いて.

◆西から雨雲が接近してきた.こういうときにかぎって傘をもってこないとはウカツだった.

◇本日の総歩数=9453歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/ 未計測


17 maart 2016(木)※春めく立川は餃子天国

◆午前6時半のろのろ起床.晴れ.気温は1.4度.出勤簿に押印しなくてもいい日々が月末まで続く.今日の朝はいま評判の「沼サン」に初トライ.「基本型」の食材であるベーコンを切らしていたので,ウィンナソーセージの薄切りでごまかした.大量のキャベツの水切りがポイント.美味.

◆[欹耳袋]Togetter -「日本社会心理学会第3回春の方法論セミナー(2016/3/17)」※〈統計的因果推論への招待〉— 因果の祭典.たった半日でも十分に疲れました.

◆[蒐書日誌]偶然発見:鵜飼保雄『トウモロコシの世界史:神となった作物の9000年』(2015年1月刊行,悠書館,東京, 本体価格4,000円, ISBN:978-4-86582-000-3 → 版元ページ)※こういう本が出ていたことをぜんぜん知らなかったぁ.

◆午前11時の重役出勤.気温はすでに16.6度まで上がっている.観音台は陽光が菜の花畑に降り注いでいる.そして,目には見えないが,花粉の祭典も絶好調である.そして,待ち受ける┣┣" ども./外部からのネット接続でこーいう画面が毎回出るようでは農水ネットワークは世も末ですなあ.年度末で気ぜわしいのでワタクシからは対処してあげないけど./本郷から「シラバスの英文項目が未入力です」とのメールあり.そんなもん知らんがな,とはいえないので,UT-mate から「生物統計学」シラバス修正.本郷から返信あり,シラバスの英文項目は「授業のキーワード」だけではなく,「授業の目標・概要」も「授業の方法」も「成績評価方法」も.教務さまの仰せの通り,UT-mate から英文シラバスを追加記入.これでケリがついたようだ.

◆[蒐書日誌]カワバタヒロトのブログ「蜂須賀正氏「世界の涯」とドードーについて」(2016年3月13日)※復刻版:蜂須賀正氏『博物随想 世界の涯:幻の鳥たちを求めて』(2015年3月29日刊行,武江 我刊我書房,東京,192 pp. 税込価格6,500円 → 版元ページ)の初版は1950年.アンカットの軽フランス装.

いま検索してみたら,平凡社ライブラリーから復刊された:蜂須賀正氏『南の探検』(2006年3月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー570],東京, ISBN:4-582-76570-X → 版元ページ)もすでに品切れになっているのか.

◆春めく立川は餃子天国 —— 午後3時,つくば駅.明日からの日本計量生物学会大会の前日から立川へ移動する.春爛漫の陽気というよりも初夏の暑さを感じる.午後のいまの最高気温は19.8度.都内は20.4度.長袖は不適切な服装だったかも.午後4時半,立川着.西日がまぶしく,しかも暑い.まずはホテルにチェックインして荷物から解放される.

この地に来て〈餃子天国〉をまたいで通りすぎるという選択肢はありえへん.夕刻の逢魔が時,中央線沿いのピンク色のマンションの一室へ.餃子とお新香と冷やしトマトのみというシンプルなメニューの中に,冬季限定の牡蠣餃子があるやんか.もちろん注文.待つこと15分.二つずつ牡蠣が入った8×5×5cmサイズの餃子が五つ.至福.牡蠣餃子はひとつ100グラム超の重量がある.これを五つ完食するには覚悟をもって注文するしかない.中心部の牡蠣を取り巻くように豚挽肉が取り巻いている.加熱により滲みでた牡蠣の汁がとってもジューシー.〈餃子天国〉の餃子はいわゆる認知的な「餃子分類体系」の中にはおさまってくれない.飲み物メニューは日本酒も含めて充実しているのだが,今宵はヘルシーにもエビスビール黒樽生の中ジョッキにとどめた.

◆[欹耳袋]明日からのお仕事:日本計量生物学会年会【日程】2016年3月18日(金)〜19日(土)【場所】統計数理研究所(立川)※ワタクシはちゃんとチュートリアルから出席するん.

◆くぼ師チュートリアルのペイジ:「生態学のデータ解析 - 応用統計学会チュートリアル2016」.すでに R の最新版 3.2.4 が公開されているが,チュートリアル前夜になってあわててバージョンアップをしたら,きっとフシアワセが来たりて笛を吹くにちがいない.それよりも,高松の統数研内でちゃんと WiMAX が繋がるかどうかが気がかりだ.

◇本日の総歩数=7074歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.4kg(−0.4kg)/ 26.8%(−3.7%)


16 maart 2016(水)※聖イグナチオ教会仰視

◆午前6時過ぎのろのろ起床.晴れ.最低気温は氷点下1.6度まで下がっている.

◆[欹耳袋]三中信宏・吉川浩満〈文化は進化論で本当に語れるのか?— アレックス・メスーディ『文化進化論』(NTT出版)刊行記念トークショー〉2016年4月12日(火)20:00〜22:00@本屋B&B(下北沢).

◆午前11時,つくば駅.曇り空.気温7.1度.四ツ谷へ出撃.正午,東京駅なう.曇り空の都内は正午の気温が11.2度と,当たりさわりのない暖かさ.これから中央線快速で四ツ谷へ.本日の出撃先:日本社会心理学会・第3回春の方法論セミナー〈統計的因果推論への招待〉2016年3月16日(水)13:00〜17:30@上智大学四ツ谷キャンパス3号館521教室.

  • [四谷]上智大学なう.日本社会心理学会・第3回春の方法論セミナー〈統計的因果推論への招待〉2016年3月16日(水)13:00〜17:30 ow.ly/ZvZQW ※参加者が続々. #jssp_ss2016
  • #jssp_ss2016 UST中継もあるのか. twitter.com/jssp_pr/status… posted at 12:52:56
  • _φ(・・ twitter.com/jssp_pr/status… posted at 12:54:01
  • #jssp_ss2016 人多い.コッソリお昼ごはんが食べられへんやん. posted at 12:55:00

  • #jssp_ss2016 心理学研究の「再現可能性」の問題.論議いろいろ. posted at 13:04:53

  • #jssp_ss2016 大塚淳さん,登場なう. posted at 13:11:16
  • #jssp_ss2016 演題は「因果と確率の哲学」. posted at 13:11:43
  • #jssp_ss2016 すぐ前のアナタ,ワタクシのツイートを読むよりも前を見ようね. posted at 13:15:24
  • #jssp_ss2016 哲学としての因果を存在論・意味論・認識論の視点から考えてみる. posted at 13:17:25
  • #jssp_ss2016 アリストテレスの因果論からデカルトの認識論的展開,そしてヒュームの懐疑論へ. posted at 13:27:08
  • #jssp_ss2016 経験論・確率論に基づく存在論と認識論(バートランド・ラッセルの論理実証主義,カール・ピアソンの「科学の文法」).それ以外のものはいっさい意味がない.したがって,語らない. posted at 13:32:10
  • #jssp_ss2016 しかし,因果とは実世界への「介入」,可能性としての「反事実的状況」,不可視的な「世界の構造」は “語りえないもの” だが,それこそが因果推論の対象ではないだろうか. posted at 13:35:01
  • #jssp_ss2016 Kripke の可能世界意味論は現実世界だけではなく可能世界すべてを見渡す.必然性・可能性は可能世界についての命題である. posted at 13:37:58
  • #jssp_ss2016 David Lewis の反事実条件アプローチは可能世界実在論を導く.より穏当な存在論・認識論としてRubinの因果推論とPearlの因果グラフ理論がある. posted at 13:43:21
  • #jssp_ss2016 Rubinの認識論.可能世界の「差」をもって因果構造を考えモデルを立てる. posted at 13:47:31
  • #jssp_ss2016 Pearl の因果グラフ理論.「介入」に基いて因果を調べる.因果グラフの “影” として確率分布を解釈する. “影” から因果グラフを推論するのがポイント. posted at 13:50:20
  • #jssp_ss2016 単に方法論的ツールとしてだけではなく,もっと深い哲学として因果推論を考える必要がある.見ているものがぜんぜんちがう可能性があるから. posted at 13:53:29

  • #jssp_ss2016 続いては林岳彦さんが登場.. posted at 13:54:44
  • #jssp_ss2016 「ぼくらが因果鉄道の旅に出る理由」. posted at 13:55:26
  • #jssp_ss2016 @ynabe センセのツイートが写されているなう.理由のないところに理由を探しに行く. posted at 13:58:21
  • #jssp_ss2016 昨日刊行された海游舎『交尾行動の新しい理解:理論と実証』という本に性淘汰に関する章を寄稿されたらしい. posted at 14:01:18
  • #jssp_ss2016 因果推論の二つの流れ.ひとつはRonald A. Fisherの実験計画法,もうひとつは Sewall Wright のパス解析.ホームページの「因果推論曼荼羅」を見よ. posted at 14:06:51
  • #jssp_ss2016 休憩なう.会場をざっと見渡した感じでは200名くらいかな. posted at 14:22:39

  • #jssp_ss2016 星野崇宏「統計的因果効果の推定について」スタート.なんと二時間もの長丁場である. posted at 14:30:05
  • #jssp_ss2016 実験研究 vs. 調査観察研究. posted at 14:37:23
  • #jssp_ss2016 欠測データとルービン因果モデル. posted at 14:40:11
  • #jssp_ss2016 ルービンの因果モデル.反事実の仮定(介入条件vs対照条件)での結果の差の期待値を「因果効果」と定義する.可能世界あるいは多世界を前提. posted at 14:46:02
  • #jssp_ss2016 潜在結果変数アプローチ.個人レベルでは反事実条件は不可知だが,個体群レベルで期待を考えようということ. posted at 14:47:46
  • #jssp_ss2016 潜在結果変数の「欠測値」とみなすことで,反事実的仮定をデータ解析の手順にとりこむ. posted at 14:54:00
  • #jssp_ss2016 因果効果推定のための共変量調整法さまざま. posted at 15:02:46
  • #jssp_ss2016 対照群と実験群とのマッチング(均衡化)と共変量に関する層別化. posted at 15:13:09
  • #jssp_ss2016 無作為化されない二群間の比較だと「差」に関しては誤った結論を出してしまう危険性がある. posted at 15:23:07
  • #jssp_ss2016 回帰分析で因果効果を推定しようとすると仮定がきびしすぎる.その解決策として提案されたのが「傾向性スコア」である. posted at 15:27:40
  • #jssp_ss2016 無作為化割り当てされていない場合は共変量に関する群間差がありえる.その差を単一指標として数値化したい.その指標を「傾向スコア」と呼ぶ.この傾向スコアは各被験者の「典型性」を表す.ロジスティック回帰モデルで推定できる. posted at 15:30:49
  • #jssp_ss2016 傾向スコアに関して「基準化」することにより調整を行なうことができる. posted at 15:34:54
  • #jssp_ss2016 勉強勉強また勉強. twitter.com/jssp_pr/status… posted at 15:35:36
  • #jssp_ss2016 傾向スコアの逆数によって重みづけ平均する方法(IPW). posted at 15:37:01
  • #jssp_ss2016 岩波データサイエンスvol.3「因果推論特集」を読め. posted at 15:42:28
  • #jssp_ss2016 カーネル回帰をもちいたマッチング法も提案されている. posted at 15:43:46
  • #jssp_ss2016 傾向スコア(propensity score)を用いた研究が増え続けている. posted at 15:59:14
  • #jssp_ss2016 無作為化できない状況での背景要因(共変量)のコントロール法として傾向スコアは普遍的に役立つだろう. posted at 16:00:36
  • #jssp_ss2016 Imbens and Rubin 2014 の本. posted at 16:06:18
  • #jssp_ss2016 これか:Causal Inference for Statistics, Social, and Biomedical Sciences: An Introduction ow.ly/Zwv48 posted at 16:07:38
  • #jssp_ss2016 グラフィカル・モデリングにはあまり深入りする必要がないだろう. posted at 16:08:40
  • #jssp_ss2016 星野さんトーク終了.ちょうど2時間だった.ふぇ〜 posted at 16:33:46

◆午後6時過ぎ,つくば帰還.今日は長時間の詰め込まれだったので聴き疲れた.明日からはまた “関東甲信越 小さな旅” に出る.

◇本日の総歩数=8790歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.8kg(+0.2kg)/ 30.5%(+0.4%)


15 maart 2016(火)※領域解散会の昼と夜に

◆午前6時過ぎ起床.晴れ.昇る朝日がまぶしい.気温2.4度.雨上がりの観音台は北風が涼しい.昨夜はかなり降ったらしく,そこかしこに大きな水たまりが残っていた.午前8時の気温は6.6度.次に出勤簿にハンコを押すのは月末の3月31日である.それまでの2週間は全国?あちこち徘徊することになっている.所内的不確定要素があるけど知らん.

◆[蒐書日誌]山田奨治『日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか』(2016年4月刊行予定,人文書院,京都, 本体価格1,800円, ISBN:9784409241080 → 版元ページ)※五年前の前著:山田奨治『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(2011年9月20日刊行,人文書院,京都,228 pp., 本体価格2,400円,ISBN:978-4-409-24092-2 → 書評目次版元ページ著者ブログ)に続く新刊.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 公式研究記録ツイッターに投稿するという定例お仕事.研究記録ツイートを70つぶやき余り投げ込んだ.ライフログとしてつぶやき続けていれば,研究記録なんてラクなもんだ.仕事がらみのツイートを鍵アカにコピペしているだけなので.それをチェックするのは管理職だが,後生だから「いいね!」はしないでほしい./現行の所内「ガルーン」に代わる「デスクネッツ」なるものはちゃんと今月中に利用可能になるのだろうか,という暗雲が心の中に広がってきた.

◆領域解散会(昼の部) —— 現在の生態系計測研究領域は今年度をもって解散となる.青空のお昼休みは稲荷前の〈チムニー・ギオット〉にて領域解散会(昼の部)のランチ・バイキング.もう何年もこのイタリア料理店には来ていなかったが,あいかわらず繁盛していた.午後1時の気温は12.3度.日差しも花粉も十分すぎる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 裁量労働制に関する全所説明会 13:30〜14:30.新年度からは裁量労働が可能になる.通常労働とフレックスタイム労働を加えた三択から選べるとのこと.いろいろ変更あり.年休の取得は「全日」単位のみ.「振替休日」は事後同一週内,「代休」ならば事後八週間内で取得可能.兼業については,これまでのようなめんどうな労働時間管理は不要になるので,ワタクシ的にはとてもラクになった.とくに報酬を伴う兼業の場合,正規の勤務時間が削られることで,半額しか給料が支給されない月もあったが,来月以降はそういう “逆境” はもうないかな.いずれにしても,裁量労働制は該当者の「自己管理」というとらえどころのないものが前提になるので,労務管理側としてはまだ予測できない部分が大きそうな気はした.来年度から初めて裁量労働制が導入されるので,誰も彼もが手探り状態.労務管理側としては裁量労働とはいえ “首輪” を付けたい願望がありあり.しかし,締めあげると裁量労働の精神が台無しになる.そのあたりのさじ加減がこれから問題になるのだろう.

◆[欹耳袋]農研機構「新しい農研機構の組織の概要が決まりました」|農環研「新しい農研機構の組織の概要が決まりました」(2016年3月15日)※あれ,新内部組織の英文名称が公表されていないぞ.もう来月のことなのにまだ紆余曲折している

◆領域解散会(夜の部) —— 午後7時から東新井に移ってきた〈三浦飲食堂〉にて.旧店舗に比べてワインのコレクションが二倍に増えたとのこと.もちろん,予定通りベルギービール溺死だった.午後10時前に散会.

◆[欹耳袋]本が好き!:照月「『世界を読み解く一冊の本』— 11本の論文集です。「東西の名著、奇書にたどる人類知」と帯にあります。」(2016年3月15日)※この論文集をとりあげてもらえるとはありがたや.

◆明日からは出勤簿にハンコを押さない生活が月末までずっと続く.

◇本日の総歩数=8945歩. 朝◯|昼△|夜×. 計測値(前回比)= 93.6kg(−0.2kg)/ 30.1%(0.0%)


14 maart 2016(月)※しとしと雨降る観音台

◆午前5時半過ぎ起床.雨.気温4.7度.今朝の朝餉の食卓には錦市場〈三木鶏卵〉の「特上だし巻き」を.ワンランク下の「上だし巻き」よりもだしの量が多いと聞いた.週明けの観音台は冷たい雨がしとしと降っている.午前8時の気温は5.2度.

◆[蒐書日誌]金菱清(編)東北学院大学震災の記録プロジェクト『呼び覚まされる霊性の震災学:3.11生と死のはざまで』(2016年1月刊行,新曜社,東京, 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7885-1457-7 → 版元ページ).松谷みよ子(編)『現代民話考3:偽汽車・船・自動車の笑いと怪談』(1996年刊行, 立風書房, 東京)をすぐに想起する.

◆午前の┣┣" 撃ち —— Adobe Creative Cloud のライセンス期限は明日の3月15日.契約がちゃんと継続できるかどうか心配していた.もっとも出番が多いにちがいないこの時期に使えなかったら話にならないし.幸い,農環研としてグループ契約ということで向こう一年間の継続手続きだん.次年度からは会計システムも “なろ様仕様” になり,物品の決済だけでなく,出張管理も一元化されるとのこと.一から練習しないとダメらしく,事前に「なろ会計入力システム訓練期間」が設定されている.しかし明後日から月末まで出勤簿にハンコを押さない生活だから練習のしようがない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 雨が降り続く午後,BGM にヒナステラの組曲〈エスタンシア〉なんぞをかけたものだから,もうノリノリで仕事どころではない.背後では,先日届いた “骨壷” が MacBook のファイルたちを黙々と呑み込んでいる./ワタクシの MacBook では Office for Mac 2011 がまだ現役.El Capitan にしてから「Visual Basic for Applications を読み込むことができません」というエラーが取り憑いてしまったが,放置してもとくに問題なし.

◆「生物統計学」の成績評定ミスがもう一件発覚してしまいましたが,先ほど成績修正を教務に報告しました.もうこれ以上はないはずですが,まったくもって申し訳ありませんでした.

◆[欹耳袋]Leiter Reports: A Philosophy Blog | In Memoriam: Hilary Putnam (1926-2016). 13 March 2016 ※哲学者ヒラリー・パトナムが中皮腫で逝去.

◆夜になっても冷たい雨が降り続いている.今宵は奈良の記憶とともに〈風の森〉27BY純米しぼり華・露葉風(うすにごり)とともに,親が多めの親子丼(つゆだく).今日の午後の最高気温は7.4度.春なのにまだまだ寒い日が続く.

◆[蒐書日誌]近刊情報ふたつ —— 岩波書店編集部(編)『科学者の目、科学の芽』(2016年4月近刊,岩波書店[岩波科学ライブラリー],東京).岩波『科学』2014年6月号の特集〈科学エッセイの楽しみ〉の単行本化./安達香織『縄紋土器の系統学:型式編年研究の方法論的検討と実践』(2016年4月刊行予定,慶應義塾大学出版会,東京, 本体価格7,000円, ISBN:978-4-7664-2325-9 → 版元ページ).「縄紋土器型式編年研究の方法論を、生物学の一分科である系統学をふまえて確立するとともに」というあたりが気になる.

◆明日以降は寒気が抜けて春本番の暖かさが到来するとの予報.ワタクシ的にはそれよりも「花粉の祭典」が一日も早くフィナーレになることを願ってやまない.

◇本日の総歩数=4951歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.8kg(+0.6kg)/ 30.1%(−1.7%)


13 maart 2016(日)※燃え尽き姉三六角蛸錦

◆はっと目覚めれば,なんと午前7時半ではないか.窓から差し込む朝日を浴びて “灰” になる.

◆[欹耳袋]余波また余波 —— Togetter -「アメリカ統計学会 p値の見直し勧告 への感想」./ニュースの社会科学的な裏側「アメリカ統計学会「P値至上主義による統計的仮説検定を超えて行こう」」(2016年3月9日).

◆ぐずぐずしているうちに日が高くなってしまった.お昼前,錦市場で〈三木鶏卵〉の特上だし巻きをゲットしてきた.そろそろチェックアウトの時間だ.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「(かれんとスコープ)スマホ世代のPC知らず スキル低下 職場で波紋」(2016年3月13日)※「従来はデジタルデバイドといえば中高年の問題だったが、今後は若年層の内部で顕在化してくるかもしれない」|日本経済新聞「若者のパソコン離れ、「新たなデジタルデバイドに」橋元良明・東京大学大学院情報学環教授に聞く」(2016年3月13日)※「日本人は手先が器用なのでスマホの操作に適していることなどが影響しているのかもしれない」.

◆午後5時,つくば帰還.気温6度台の冷え冷えした曇り空の夕暮れ.明日はめずらしく平常労働日である.

◇本日の総歩数=10470歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/未計測


12 maart 2016(土)※橿原にて風の森を歩く

◆午前5時過ぎ起床.気温1.4度.先週来たときとは大違いの冷え込み方.京都の朝はイノダから.今朝の最低気温は1.0度だった.ほんま寒いわぁ.〈イノダコーヒ〉本店の開店は午前7時だが,常連さんはその前から自動ドアを押し広げてどんどん席についている.ワタクシもそうしてみた.しかし,正規開店時刻の半時間後には店内がほぼ満席になってきたので,さくっと撤収.外は青空.洛中の町並みに朝日がさんさんと降り注いでいる.午前8時の気温は3.2度.天気がとてもいいので,ゆらゆらと出撃しましょうかねぇ.

◆[欹耳袋]来月の高座 —— 三中信宏・吉川浩満〈文化は進化論で本当に語れるのか?:アレックス・メスーディ『文化進化論』(NTT出版)刊行記念トークショー〉2016年4月12日(火)20:00〜22:00@本屋B&B(下北沢).

◆旅先の┣┣" 撃ち —— Biology Letters に受理されたとの連絡あり.うまく売り込んでね./年度末になってひときわ出番が多くなりそうな今月になって,Adobe CC のライセンスが切れるかどうかやきもき.いちおう継続決済はすませたのだが,3月15日の expiration date に間に合うかどうかというビミョーなタイミング.買い取りではなくなった報い.

◆[欹耳袋]悪行の数々 —— DOTPLACE:三中信宏×山本貴光:本を読むときに系統樹で考えるための《可視化することばとビジュアル》前編「ネットワークを読み解くリテラシーを、基本的に人間は持っていない」 ※昨年の図書館総合展B&Bブースでの対談記録.中編・後篇と順に公開されるとのこと./作品メモランダム「三中信宏+山本貴光「本を読むときに系統樹で考えるための《可視化することばとビジュアル》」」(2016年3月11日) ※「三中先生ではないほうの三中も出ていて」— ワタクシはプロレス修行したことないし(笑).「さんなか」とか「さんちゅう」と呼ばれないためにも,フリガナを付けないとダメかも.

◆ふたたび橿原へ —— 午前11時,京都駅.近鉄特急に乗ったところ.行楽日和の京都だが,ワタクシはこれから橿原新宮前へ出撃である.近鉄車内ランチはもちろん〈志津屋〉の「元祖ビーフカツサンド」である.車内が意外に混雑していて,指定券をもたない疋田センセが右往左往している.正午前,大和八木.だいぶ南に下がってきたばずだが,奈良県はもっともっと南まで広がっている.ふと気がつけば,周りの乗客はほとんどいなくなっていた.正午ちょい過ぎに橿原神宮前着.車で運ばれて一年ぶりの橿原市昆虫館へ.昼下がりののどかな田園風景.菜の花があちこちに咲いていた.

◆本日のお座敷 —— 橿原市昆虫館サイエンスカフェ〈酒米のルーツをさぐる〜DNAでさぐる日本酒米の起源〜〉13:30〜16:30@橿原市昆虫館(奈良県橿原市).ワタクシのお仕事はコメンテーターというチョイ役である.

◆午後1時過ぎに開場.今日の酒米サイエンスカフェはとても評判がよくて,定員50名がすっかり埋まって満員御礼.関係者を含めると会場いっぱいの65名になるという.午後1時半スタート.最初の基調トークは神戸大の森直樹さん.酒米の分子系統について.在来の酒米群は近畿(伊勢あたり)の祖先系統から派生した単系統群らしい.続いては〈風の森〉油長酒造の山本嘉彦社長.ある酒質を最初にイメージして,その目標に向かって酒造りをするという姿勢,クオリティをきちんとコントロールすることを旨とするなど,日本酒の蔵元というよりは若きエンジニアという感じがした.三番目は,天理の〈登酒店〉の登和成社長.奈良の日本酒を大きく販売展開した人.ワタクシと副島顕子さんはちょいちょいとコメントを.ワイン醸造で使われる “テロワール” という概念はおそらく日本酒には当てはめられないだろうとの山本社長のコメントが印象的だった.醸造用葡萄は摘果してからの保存性が悪いので地産地消せざるをえない(だから “テロワール” という発想が生まれる).一方,日本酒造りのもとになる米は保存性が高く長距離輸送もできる.だから,酒造りのゴールを設定したとき,どこの産地の米を用い,どの系統の酵母を使うかの組み合わせが,ワインに比べて日本酒の方が多様度があるだろう.蔵元によっては地元の米にこだわるところも出てきたが,油長酒造はそうではないとの返事.使用する酵母についても品質が安定していて酒造りのプロセスがちゃんと統制できる協会系酵母が好ましいと言われていた.新しく見つかった酵母はリスクが高いし,ましてや得体のしれない “蔵つき酵母” はコワくて使えない.

◆[欹耳袋]農林水産省 maff の facebook の投稿を見るたびに,肩の力がふうっと抜けるのがとても心地よし(こんなんでいいのかという感情とこれでいいのだ!という感情のないまぜ).

◆休憩後は,奈良の地場野菜を扱う株式会社〈粟〉の三浦雅之さん,最後に,奈良県農村振興課の下浦隆裕さんと続き,予定通りの午後4時半に酒米サイエンスカフェは終了.終了後の懇親会は今井町の〈粋庵〉にて.一階の席がいっぱいになる20余名が集結.二階の別室には〈篠峯〉の千代酒造の社長さんも来られ,今をときめく二大蔵元を擁しての大盛会になった.もちろん〈風の森〉に〈篠峯〉は必修銘柄,その他には〈花巴〉や〈濁酒〉も登場した.さんざん呑んで午後9時過ぎに散会.八木西口駅から近鉄に乗り,よろよろと京都のホテルに戻った.もちろん午前様.報いのうう…….

◆明日はつくばに帰るだけの簡単なお仕事である.

◇本日の総歩数=14167歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測


11 maart 2016(金)※寒風が吹き抜ける洛中

◆午前5時半過ぎ起床.気温3.3度.曇り空.雨や雪は降らなかったようだ.このところ,ワタクシが爆睡している夜中になると┣┣" 臨時牧場が騒がしくなる.先ほど予定されていた┣┣" 選手がほぼ出揃ったとのメールあり.そろそろスタートですかそうですか.

◆[欹耳袋]〈森山先生を支援する会〉※「この会は,国立大学法人岡山大学医歯薬学総合研究科(薬学系)教授の地位を奪われて,2015年12月28日付で不当に解雇された森山芳則先生の解雇撤回と研究の場への復帰のために協働する人々の会です」

◆またも西方浄土への旅立ち —— 午前9時過ぎ,つくば駅.気温4.0度.曇り空からときおり冷たい雨粒が降りかかる.冬に逆戻り.東京駅.曇りときどき小雨.午前10時の気温は3.8度.都内も寒すぎる.新幹線車中の┣┣" 撃ち.メール経由のみならず電話経由で重要┣┣" が一頭なだれこんできた.しかし,ワタクシの「yes」の返事ひとつで即座に退散してくれたのはよかった.所内人事┣┣" はこんなもんです.続いて岩波書店にゲラの返信.来月出版される予定のエッセイ集の一部.午後1時,京都着.晴れと曇りのハーフアンドハーフ.暑くも寒くもなし.午後3時,京大.理学部三人組の最終講義@理学部6号館の4F講義室.けっこう混雑してるやん.あがた先生が采配を振るっている.黙祷30秒.疋田センセの昔語りから始まる.

◆北白川〈カフェ・コレクション〉の看板メニュー「鶏皮のバターライス」.「鶏皮ばっかり使て,本体の鶏肉はどうするんやろ?」という深刻な疑問に,「そんなんチキンライスに決まってるやん」とあっさり切り返されるなど.

◆統計学の「p値」をめぐるASA声明 —— ことの発端はアメリカ統計学会(ASA: The American Statistical Association)の声明だった:ASA Press Release | ASA Releases 'Statement on Statistical Significance and P-Values' [pdf] 7 March 2016.元論文:The American Statistician | The ASA's statement on p-values: context, process, and purpose. 7 March 2016 ※コメントが21個もくっついている〜.これを受けて:Nature | News | Statisticians issue warning over misuse of P values. 7 March 2016 と燎原に火が広がる如し.日本語でも:東京で働くデータサイエンティストのブログ「「p値や有意性に拘り過ぎるな、p < 0.05かどうかが全てを決める時代はもう終わらせよう」というアメリカ統計学会の声明」(2016年3月9日)とかサイナビ!「再現性・再現可能性を議論する」(2016年3月8日)とか.

◆農学分野での統計データ解析に接する機会が比較的多いワタクシの目から見れば,「ゆーい差決戦主義」や「p値バンザイ突撃戦」への数々の批判をよそに,研究現場では文字通り “レガシー” な統計手法がいまなおまかり通っている.統計手法にも “賞味期限” があるはず.やっかいなことに,すでに古ぼけた統計手法が使われ続けることによって,その手法を生み出した古ぼけた思考や哲学もまたいつまでも延命されてしまう.統計学者の多くは「統計学の哲学」には関心がないので,検定・尤度・AIC・ベイズ等の背後にある科学哲学に目を向けない.

これまでの統計研修や統計高座を通じてたびたび “タイムスリップ” に遭遇した経験があるワタクシしては,“レガシー” な統計分析手法を支える “レガシー” な統計思考法をユーザーに考えなおしてもらうよう導くしかないわけでして.大きな “慣性” をもつ思考法はすぐには断ち切れないだろうから,それに代わる別の思考法に乗り換えるよう,あるいは二股かけるよう周囲をそそのかすのがワタクシたちの使命なのだろう.そういうワルイことはとても楽しい.

研究現場の統計ユーザーにとって,広がり始めている “新しい統計学”(その正体はまだとらえどころがない)について知る機会がないだけのことが多いので,いったんその味を体験すれば次の一歩を踏み出す動機づけとなるだろう.その後押しをするのがワタクシたちのお仕事.ただし,過去からの研究系譜を伝承しなければならない現場のニーズを考えるなら,“レガシー” な統計手法もちゃんと知った上で,それとは別の(現代的な)統計的思考も身につけないと困ることになるだろう.複数のトラックの上を同時並走するイメージ.

教える側のワルダクミ戦略からいえば,「現代の統計学のスタート地点はもっと先なんだよ」と垂訓することはまったくの逆効果にしかならない.それは多くの統計ユーザーを統計学の勉強そのものから忌避させ遠ざけることになるだろうから.むしろ,そういう “北風戦略” とは対極的な「かつてはこう考えていたけれども,こんな風に見ればちがうことがわかるよね」という “太陽戦略” の方がはるかに浸透力があるとワタクシの経験は物語る.

◆今宵はしごく健全な夜である.明日の夜は背徳の極みとなることが運命づけられている.

◇本日の総歩数=17174歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.2kg(+0.2kg)/31.8%(+0.5%)


10 maart 2016(木)※またもや旅支度をする

◆午前5時半起床.気温は3.6度.うすら寒い曇り空の観音台は午前8時の気温が所内計測で4.4度.冷え冷えとしている.今日の気分はシベリウスの交響曲かな.パーヴォ・ベルグルンド指揮のヨーロッパ室内管弦楽団による全集から.シベリウス交響曲1番のスケルツォで振り落とされた.ニールセンとかシベリウスの高速三拍子は聴いた感じと書かれた総譜とがみごとにずれていて,実際に演奏しないことには身につかない気がしてならない.

◆[蒐書日誌]山本紀夫『トウガラシの世界史:辛くて熱い「食卓革命」』(2016年2月25日刊行,中央公論新社[中公新書・2361],東京, 8 color plates + x + 234 pp., ISBN:978-4-12-102361-2 → 目次版元ページ)※条件反射的に垂涎してしまう本.

◆午前の┣┣" 撃ち —— とある対談原稿のチェック終了.編集部に放流完了./シベリウスの1番と3番が終わり,続いて2番.自分で演奏したことのある曲なので,何年たってもティンパニーの譜面を覚えている./所議報告&領域会議 10:30〜11:30.

◆[欹耳袋]NHK NewsWeb「東京大空襲から71年 慰霊堂の犠牲者名簿に誤り」(2016年3月10日)※「名簿を手書きで書き写す過程で、判別しにくい文字が誤って記載された可能性が高い」— これもまたある写本系統の発生./ニューズウィーク日本版「ネイティブの英語はなぜ世界でいちばん通じないのか」(2016年3月7日)※これからは “many Englishes” でOKということでよろしいかと.

◆正午になっても気温は6.9度と冬のような寒さが続く.曇り空のお昼休みは引きこもりつつシベリウスの6番.先日発注した AirMac Time Capsule 着便なう.外観だけでなく.抱えたときの重量感がまさしく “骨壷” そのもの.Mac Pro だけとちゃうんやなあ.お線香でも手向けまひょか.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 統計コンサルティング業務一件./シベリウス6→4が終わったので,最後は5→7と渋さを極めるしかない./あらあら,Firefox さんから「nss.sys.affrc.go.jp は不正なセキュリティ証明書を使用しています。」という警告ががが.繰り返し「農水ネットワークサービスシステムは信用できないサイトです」と警告が連発されるので,身の安全のために切断.というか,そもそもNSSにぜんぜんつながらないのはなぜだろーか.政府認証基盤(GPKI)から証明書をもらえばいいそうだが,そんなことはやってらんない.

◆[欹耳袋]大学交付金問題(続) —— 朝日新聞デジタル「国立大の交付金、特色競わせ配分 約100億円分、3分類で評価」(2016年3月10日)※各大学への傾斜配分率一覧表./西日本新聞「熊本大、大分大など運営費交付金増」(2016年3月10日).

◆[蒐書日誌]春日直樹(編)『科学と文化をつなぐ:アナロジーという思考様式』(2016年3月近刊,東京大学出版会, 東京, 本体価格4,200円, ISBN:978-4-13-060315-7 → 版元ページ)※あらあら,知ったお名前がひとりまたひとり.

◆寒い夜,またしても旅支度である.明け方にかけて雪が舞うかもとの予報.

◇本日の総歩数=4876歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.0kg(−0.4kg)/ 31.3%(+0.2%)


9 maart 2016(水)※寒の戻りの冷たい春雨

◆午前5時過ぎ起床.気温12.3度.あいかわらず暖かい夜明け前.春の陽気の昨日とは一転して,朝から冷たい北東風が吹きつける観音台は灰色の雲が広がっている.気温は明け方よりもさらに下がって午前8時のいま8.8度.今日は長袖に靴下で防寒している.

◆[欹耳袋]京都新聞「大学卒業式なぜワーグナー 京大や東大、反ユダヤでも異論なく」(2016年3月9日)※「慶応大では1968年まで演奏実績をさかのぼることができた」「定着の経緯は謎のまま」— 東大オケは1942年から式典奏楽を担当してきた.『東京大学音楽部管弦楽団60年史1920—1980』には「[入学式の]開式前にオーケストラによるワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が奏され」(p. 34)と記されている.各大学のオーケストラ史にも同様の記載がないんだろうか.いずれにしても,この研究者の動機づけはそういう政治的関心にあるようだが,おそらく的はずれだろう./毎日新聞「京都大「高等研究院」新設へ 定年研究者の流出防止」(2016年3月8日)※「優れた研究者が定年(65歳)後も学内で研究に専念するための新組織「高等研究院」を4月に新設」—「定年(65歳)後も」がなければベター.

◆午前の┣┣" 撃ち —— MacBook ちゃんの Parallels Desktop を ver. 10 から ver. 11 にアップデート.この勢いで Windows も 8.1 から 10 にしようかと思ったが,Win 10 だとメモリー割り当てを 2GB 以上に増やさないとダメらしい.もともと 8GB しかない MacBook には荷が重いかも.そうこうするうちに MacBook Pro の Win 8.1 が「更新の祭典」に突入.即座に Win 10 に格上げする予定.

◆正午の気温はさらに下がって6.3度.まもなく雨が降り出しそうな気配が濃厚.午後1時,観音台に冷たい雨が降ってきた.気温は5.4度とさらに低下.午後3時,気温4.5度.どんどん下がっている.石垣島直送の「オトナのスイーツ」をいただいた.

◆MacBook Pro の Parallel Desktop 11 上での Windows 9→10 更新の “儀式” はまだ延々と続いている.忘れないうちに備忘メモを:

  1. Parallels Desktop 11 を起動
  2. Win 10 では仮想マシンに最低2GBのメモリーをあげないと文句を言う(Win 8.1 は1GBでOK).いったんWindowsをシャットダウンし,コントロールセンターの設定画面でメモリーを増やす.
  3. Virtual Machine メニューの「処理」から「Windows 10 へのアップグレード」を選択
  4. MediaCreateToolx64.exe をダウンロード
  5. MediaCreateToolx64.exe を起動すると Windows 10 がドサッとダウンロードされてくるのでじっと待つ
  6. いろいろ設定とか再起動とかが繰り返されるがひたすらじっと待ち続けるとそのうちシアワセが到来する
  7. Windows 8.1 → 10 にしたら,20GBほど多く仮想PCに専有されるので,ディスクスペースは事前に確保しておくように.

—— うっかり Y! mobile でDLしたもんだから,3GBあまり使いきってしまった(あわわ).今月はもう Y! mobile は使えない(orz).

◆午後の┣┣" 撃ち —— Windows 更新の祭典の合間に,向こう一ヶ月の┣┣" 撃ちカレンダーを更新.やっぱり今月の過密狩猟スケジュールがタイヘンなことになっている.

◆[欹耳袋]NHK NewsWeb「国立大交付金 最高評価9校は18%増 一方で24%減も」(2016年3月9日)※このNHKニュースで,京都教育大学の次年度の運営費交付金が25%近く減らされると報じていたけど,マジでどうするつもりだろう.同大理事は「経費削減に努めて」と言いつつも「安定した配分が必要では」と反論していた.「文部科学省は「交付金が減額される大学に負担をかけることは承知しているが、交付金にメリハリをつけることで、これまで以上に大学の改革を促進したい」と話して」— でも改革の前に行き倒れになるリスクの方が高いだろう.この文が「文部科学省は「交付金が減額される大学に負担をかけることは承知しているが、交付金にメリハリをつけることで、これまで以上に大学の淘汰を促進したい」と話して」だったら,すごくよく意味が通る.

ところが,日本経済新聞「国立大交付金、42校増額 改革評価で傾斜配分」(2016年3月9日)を読むと,「各国立大の拠出金計101億円(運営交付金総額の約1%)を再配分」「増額幅は最大約7千万円、減額幅は同約5千万円だった」と書かれている.ありゃりゃ,話がぜんぜんちがうじゃん.NHKの “誤報” かな.

参照:文部科学省「平成28年度における国立大学法人運営費交付金の重点支援の評価結果について」(2016年3月9日)※これは評価結果の公表ね.運営費交付金の増減については書かれていないみたい.

◆冷たい雨が降り続く夜,MacBook ちゃんへの Windows 10 インストール作業.これでもう VAIO Pro(Win 10)の出番がまったくなくなってしまったなぁ.

◆気温はさらに下がり続けて2.8度.雪になりはしないだろうけど,寒暖の差が大きすぎる.

◇本日の総歩数=3419歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.4kg(−0.4kg)/ 31.1%(+0.1%)


8 maart 2016(火)※朝から霧筑波に包まれ

◆午前5時半起床.気温12.2度.霧筑波.今日の関東地方は最高気温が20度を超えるとの予報.ダウンジャケットを袖まくりしている人を見かけた京都での教訓として今年初の半袖出勤をするつもり.暑けりゃ脱げよ.ムリするなよ.朝の観音台は濃霧がまだ消え去らない.いまの気温は12.2度だが,日中は20度超の予想なので,今年初の半袖&裸足サンダル.心地よい.今朝の BGM はバッハ〈マタイ受難曲〉.演奏はもちろんアーノンクール指揮の Concentus Musicus Wien で.

◆[欹耳袋]産経新聞「ニホンカワウソは固有種 遺伝子解析で判明」(2016年3月7日)|日本経済新聞「ニホンカワウソは「日本固有種」東農大などDNA分析」(同日) — 出典を示せと何度言えば.元論文:Evaluating the Phylogenetic Status of the Extinct Japanese Otter. PLOS ONE, 3 March 2016 DOI: 10.1371/journal.pone.0149341.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 細かい┣┣" どもの一掃処分は “ぷちぷち” を潰すようなもの.しかし,年度末は大物┣┣" がいきなり「うわん」と出現することが多い.血圧によろしくない.見たくない┣┣" を「透過率100%」に自動設定できないだろうか.

◆[欹耳袋]NHK NewsWeb「山大2次試験 生物で出題ミス」※「再発防止策として、今後は使われる用語について高校の教科書と照らし合わせる専門の担当者を試験科目ごとに1人ずつ置くほか、試験当日に点検を行う担当者を置く」— はぁ…,たくさんの生物教科書をいちいちチェックするのはタイヘンだろうなぁ.

◆長〜い〈マタイ受難曲〉がやっと終わって,ワタクシも成仏できそうな気分.しかし,静かに成仏しようと思ったら,いきなり現世に引き戻される.世の中に快楽にまさるものなし,ということで.

◆[欹耳袋]直前宣伝! —— 橿原市昆虫館サイエンスカフェ〈酒米のルーツをさぐる~DNAでさぐる日本酒米の起源~〉【期日】2016年3月12日(土)13:30〜16:30【場所】橿原市昆虫館研修室1(奈良県橿原市)※50名定員はもうすぐ満席ですよん.それにしてもさすが油長酒造のパワーである.アフターファイヴ〈「風の森」の会〉がワタクシを呼んでいる.今しばらくは現世に留まった方が楽しいにちがいない./毎日新聞「酒米のルーツさぐる 研究者、蔵元がトーク 橿原市昆虫館で12日/奈良」(2016年3月8日)※森直樹(神戸大)・山本嘉彦(油長酒造)・登和成(登酒店)・副島顕子(熊本大)・三浦雅之(粟)・下浦隆裕(奈良県農村振興課),そしてワタクシ.もうすぐ満員御礼かも.

◆お昼休みの BGM はガーシュインの歌劇〈ポーギーとベス〉.演奏はアーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団.これも長丁場だ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 外は20.5度まで気温上昇.しかし,京都で鍛えられたワタクシには屁でもない暑さ./来年度の分子系統ワークショップに関する打ち合わせ.開催日程確定しました./UT-mate へのシラバス入力完了.大┣┣" だったわぁ.

◆[欹耳袋]農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉【日程】2016年10月26日(水)〜28日(金)【場所】農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター(電農館)※白羽の矢とか受講生募集はまだまだ先の話.

◆午後の最高気温は21.0度まで上がり,半袖&裸足&ビルケンシュトックで何一つ支障なかった.しかし,明日は一転して寒の戻りまくりらしい.その日の天気予報を見ないと着ていくものが決められない日々が続く.

◇本日の総歩数=4809歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.8kg(+1.2kg)/ 31.0%(−0.5%)


7 maart 2016(月)※京都の朝はイノダから

◆午前6時過ぎのろのろ起床.気温15.3度ってなんですねん.曇り空の洛中.昨夜の「うう」からは解放された.京都の朝はイノダから.午前7時開店のイノダコーヒ本店はお客さんが次々入ってくる.暖かい今朝は外のテーブル席も使われている.アラビアの真珠にはお砂糖とクリーム全部入り.ホテルのある柳馬場蛸薬師からイノダコーヒの堺町六角への座標移動の途中,ところどころ道路が濡れていた.夜中のうちに雨雲が通りすぎたようだが,もう傘はいらないかな.関東地方はいまが本降りみたいね.店内が混んできたのでそろそろ撤収しよう.◆午前10時,雲間から陽光が.そろそろチェックアウトしようかな.気温はすでに17.6度.半袖をもってくるべきだった.

◆[欹耳袋]Firefox が重く遅くなったら確かに「リフレッシュ」すると効き目がある:Firefox ヘルプ「Firefox の動作が遅い」.

◆京都駅にて奈良線へ乗り換え.もう気温18.9度なんですけど.「みやこ路快速」って稲荷駅には停まらへんのか.正月のかきいれ時だけ臨時停車させるとは.昼下がりの京都の気温は19度を超えた.京都観光スポット第一位の伏見稲荷にひしめいていた外国人観光客たちは半袖のポロシャツとかTシャツ姿が多かった.一方,日本人観光客はコートにマフラー,果てはダウンジャケットとガマン大会を見ているようだった.伏見稲荷の千本鳥居をくぐるのはいったい何十年ぶりのことだろうか.かつてこの近くに住んでいた頃は,稲荷山の上まで駆けては,帰りの参道で磔になった “雀焼き” とか,“傷痍軍人さん” をこわごわ眺めたものだった.千本鳥居からの帰りしな,参道に並ぶ店に雀焼きとか鶉焼きが今でも売られているかどうかチェックした.鶉焼きは確かに売られていたが,雀焼きを出していたのは一店舗だけだった(しかも店内のみ).

◆[欹耳袋]Togetter -「「落ちこぼれ」ではなく「浮きこぼれ」。新たな言葉の定義に迫る。」 ※「浮きこぼれ」という新語は今朝はじめて知った.頻度分布には必ず上と下の両側に “端っこ” があることを考えれば納得できる.片方を表す言葉はあっても,もう片方を指す言葉がこれまでなかったということか.「浮きこぼれ」はけっして新しい言葉ではないようで,「吹きこぼれ」とも呼ばれてきたらしい.

◆午後1時半の新幹線に乗る.今回の京都一泊旅行の最後は〈志津屋〉のオムレツサンドでおつかれさん.午後4時前に東京着.最高気温が20.9度だった京都よりも5度ほど気温が低い都内をおおいにほめてやりたい.しごく心地よい.つくばに近づくにしたがって┣┣" の遠吠えが聞こえてきた.今日中に大学院のシラバスを出せという無理難題が浮上.あと7時間半の勝負である.午後5時過ぎ,つくば帰還.気温15.2度.雨上がりのセンター広場は湿っぽくも涼しい風が吹いている.

◆明日からはマジメに観音台に実在する.

◇本日の総歩数=11334歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


6 maart 2016(日)※蒸し暑い陽気の京都へ

◆午前6時のろのろ起床.曇り空.気温8.1度と高すぎる.午前10時の気温は昨日よりもさらに高く13.2度まで上がってきた.花粉が降り注ぐ戸外に長居は無用.この夏,あの著者が千ページを超える大著を出版するとのこと.またか.昨日,駒場で得た情報.

◆[欹耳袋]日経DUAL — 川上未映子のびんづめ日記「夫婦だけでは両立は絶対無理【第13回】6分の1くらいしか仕事こなせなくて、いつだって悔しいしすごく焦っているんです」(2016年3月4日)

◆京都はもう蒸し暑い —— 午前10時過ぎにつくばを出発.遅延なく午後2時半に京都着.蒸し暑い曇り空が洛中を覆っている.午後の気温が21.7度というありえへん高さにすでにワタクシ的には敗色が濃厚である.しかも,夕方以降は雨になるらしい.こんな天気なのに錦市場はものすごい数の観光客でごった返していた.午後3時,柳馬場蛸薬師上ルのホテルにチェックイン.即座に北白川に出撃.

◆京大理学部で長年にわたってぶいぶいいわせていた疋田努教授も今年度をもって定年となる.もちろんフォーマルなパーティは別途あるらしいが,ワタクシ的にはその影で挙行される今回のパーティの方が好ましい.そのためだけにつくばからやってきた.

◆京大の北部キャンパス正門には最終講義の巨大な看板が掲げられていた.反対側の柱にはフィールズ賞受賞の森重文教授の最終講義アナウンスが.今の季節,方々で「最終講義」なるイベントが催されているが,その内容は文字通りの “個人史” から後進への “檄文” までいろいろあるような.ワタクシだったら何を話すことになるだろうか.

◆日曜日にもかかわらず理学部2号館の中は厨房と化している.雨雲が刻一刻と南から上がってきている.雨降りだすのは時間の問題やな.傘をもってきてよかった.午後5時過ぎから1階の会議室でスタート.今夜の酒宴には40名もの参加者が集結するとの予想.ホンマですか.主役はもちろん疋田センセ.長年変わらないこの出で立ち.もちろん裸足にサンダルというワイルドさ.テーブルには伝統の手作り餃子をはじめ,カンパチやタイのおつくりなどが和洋取り混ぜてずらっと並んだ.そして林立する日本酒たちがどんどん消費されていく.炸裂する大立食パーティ.

◆午後9時過ぎにへろへろになってホテル帰還.雨はぜんぜん降っていない.当然の報いとして,かなりの「うう……」である.

◇本日の総歩数=10462歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 92.6kg(−0.5kg)/ 31.5%(−0.1%)


5 maart 2016(土)※調子に乗るな馬に乗れ

◆午前5時半いったん起床.お米を研いで二度寝して午前6時半に再起床.曇り空.気温は6.8度.ぬるすぎる.

◆[欹耳袋]京都大学理学研究科「最終講義のご案内」※さて,明日に続き,3月11日(金)も北白川に実在可能なんですけどね.

◆午前10時過ぎ,つくば駅.気温11.2度.薄曇り.寒くもなく暖かくもなし.花粉だけはふんだんに飛び交っているようだ.これから駒場へ.今日は新しい MacBook ちゃんを初めて外出させる.この軽さは快適すぎて MacBook Pro 13 に勝ち目はまったくない.本日午後の実在場所:生物学史研究会〈佐藤恵子著『ヘッケルと進化の夢』(工作舎、2015年)合評会〉14:30〜17:30@東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室※ありゃりゃ,午後2時からだったか.

◆[欹耳袋]Github | Tutorial for the R package treeplyr —「The purpose of treeplyr is to provide functions for matching a tree to data, and to manipulate that data using dplyr--all while maintaining a perfect match between the tree and the data. 」

◆時間に余裕があるので,神保町に立ち寄る.週末の神保町はランチ難民のリスクが高い.早めに〈共栄堂〉のある地下に駆け込んで,デフォルトのポークカレー(中盛り)ともうすぐ終わる焼きりんごを.たまに食べるとおいしいわぁ.辛いカレーのあとにはひんやりした焼きりんご.クリームをたっぷりかけると酸味のある紅玉とベストマッチ.店を出た正午過ぎには階段の上まで行列が伸びていた.その後,東京堂書店〈Paper Back Café〉カウンターにて講演要旨をものするという因果な昼下り.都内の気温は15.0度まで上がっている.暖かいというかむしろ暑いと形容したい.午後1時半,生態学会自由集会のアブストラクトをやっと岡山に送って,これから駒場へ出撃.午後2時,駒場.気温が高くて腕まくりしている人もいる.会場の14号館に潜入.

  • [駒場]合評会参加予定者は20名あまりとのこと.現時点で15名ほど. posted at 14:16:13
  • [駒場]MacBook ちゃんを持参したのはよかったが,ケーブル類を忘れてきたので,USBにさえ繋げられない.ケーブルを忘れたら運の尽きであることを実感なう. posted at 14:17:41
  • [駒場]午後2時半スタートだが,すでにほぼ満席. posted at 14:23:21
  • [駒場]何だか「ビッグネームたち」がたくさん集まっているようなんですけど. posted at 14:38:57
  • [駒場]著者による紹介タイムなう.壁一面の〈ヘッケル文庫〉が駒場(8号館)にあったそうな.極東書店から佐々木力さんが購入したとのこと. posted at 15:11:46
  • [駒場]奥村大介さんのコメントなう. posted at 15:36:31
  • [駒場]日本人が書いたヘッケル伝:岩崎重三『進化論者ヘツケル』(1921年,洛陽堂) ci.nii.ac.jp/ncid/BA60728648 /永野為武『偉大なる科学者の生涯 : ヘッケル伝』(1954年,みやぎの文庫・第1集) ci.nii.ac.jp/ncid/BA78514804 posted at 15:39:51
  • [駒場]休憩なう. posted at 16:14:00
  • [駒場]合評会再開なう. posted at 16:22:41
  • [駒場]鈴木善次さんのコメントなう. posted at 16:37:12
  • [駒場]佐藤恵子 2008. 「ビオトープ」はヘッケルの造語ではない! : ヘッケルとダールの原典に基づく「ビオトープ」という言葉の由来についての検討.東海大学総合教育センター紀要, 28, 33-43 ci.nii.ac.jp/naid/110006979… posted at 16:46:29
  • [駒場]おい,国立環境研のサイトにも「ビオトープはヘッケルの造語」って書いてありまっせ. posted at 16:48:58
  • [駒場]終了なう. posted at 17:42:05

◆午後8時,つくば帰還.今日の合評会で,著者・佐藤恵子さんが自著紹介のおり「家庭の事情のため研究が進捗しなくて」と繰り返されるたびに,そのたびに小川眞里子さんが「家庭の事情ってあるのよねぇ」とうなずいていたのが印象に残った.ワタクシよりも少し上の世代の女性研究者の苦労を垣間見た瞬間.

◆明日は京都に飛ぶ.雨になるとの予報.雪ではないので傘を持参しないと.

◇本日の総歩数=12221歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.1kg(−0.1kg)/ 31.6%(−0.6%)


4 maart 2016(金)※花粉の祭典が連日盛会

◆午前4時半起床.気温は氷点にも達していない.今日も暖かくなるらしい.朝から花粉ふがふがの観音台はすでに気温が7.1度.朝イチの緊急┣┣" 撃ちのためヴェルディ〈レクイエム〉の「Dies irae」を聴きながらアドレナリン放出中.

◆[欹耳袋]友朋堂書店に続き,LALAガーデンの〈くまざわ書店〉が一ヶ月後に閉店するのは(→ 常陽新聞ツイート),イーアスの〈アカデミア書店〉にリソースを集めたということか? いったいこれからどうしましょうかって感じで.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 帯広への出張関連事務書類返信.しかし,これはまったく本命ではない./緊急度の高い案件.じたばたと残額の決済.こんな時期まで申し訳ありませんでした.買えるはずの古書の公費購入がアウトになったので(納期の問題),突如として緊急┣┣" が自然発生したわけで.古書はよほど確認しないと公費購入のリスクが大きすぎる.だから,たいていは私費購入になってしまう./毎年来月に開催されている一般公開は今年はないとのこと.そりゃあ開催する余裕はどこにもないわなぁ.

◆正午の気温は11.7度.暖かな陽光と南風と花粉の三点セット.国道を走れば榎戸付近の道路工事渋滞に巻き込まれ,側道に逃げ込もうとすればコガネムシのように裏返った事故車に出くわす昼休み.のどかな弥生三月である.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後は大きめの┣┣" たちをひねりつぶしたのだが,ほんとに大きい┣┣" 数頭が我が世の春を謳歌している.(´・_・`)/統計コンサルティング業務┣┣" 4件を仕留めた.たいへんお待たせして申し訳ありませんでした./Dropbox の共有箱が日々アップデートされているようだが,ちょっとコワくて近寄らないようにしている.

◆[欹耳袋]新雑誌 Journal of Language Evolution, Volume 1, Issue 1, Jan 2016 → 目次

◆昨夜同期した MacBook ちゃんからの初ツイート.USB Type-C たったひとつという “ミニマリズム” の極致にまだ慣れていない.最初期の MacBook Air が同じように “最節約的” だったことを思い出させる.でも,USB-C というルートがひとつだけなので,周辺機器をいろいろつなぐと “系統樹” みたいに分岐するわけで,それはそれでおもしろいが.

◆啓蟄の前夜から「酒の蟲」はゴソゴソし始める.今宵は〈風の森〉純米しぼり華・露葉風70のおりがらみを抜栓.アテは豚もも肉&バラ肉の煮物.大根と馬鈴薯とともに煮崩れる直前までじっくり煮含める.ああ,まいう〜.

◇本日の総歩数=5869歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.2kg(−0.5kg)/ 31.0%(+0.8%)


3 maart 2016(木)※お雛祭りは日本酒祭り

◆午前5時半起床.今朝の最低気温は氷点下2.5度.五日ぶりの観音台は朝から穏やかに晴れわたっている.遠くの方が霞んでいる一因は花粉にちがいない.ということで,窓の全開放はやめておこう.朝イチの BGM はアマティ弦楽トリオによるバッハ〈ゴルトベルク変奏曲〉から.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 朝から猛然と┣┣" 撃ちしまくって,すでに6頭も仕留めた.しかし,どれもこれも次年度の兼任受諾とか,学会の理事会出欠連絡とか,見学旅行日程など.まだ┣┣" 放牧場は個体数が多すぎる./来年度の分子系統ワークショップに関するコーディネーター面談日の時間調整,さらに西の方での系統樹展示に関する企画案についてメール.ここまでだん.しかし,まだまだ終わらない./「統合に伴うネットワークサービスへの影響」なる連絡メールが届いた.これって,4月1日午前0時ちょうどに申請すれば,ギャップなく移行できるということでしょうか?(研究データ交換システムとメーリングリスト).超じゃまくさいんですけど……./いずれにしても,今回の独法統合とともに,ワタクシのウェブサイトの URL が変更される(niaes→naro)ことをそろそろ関係処方面に周知しないと.

◆春のうららの観音台は正午の気温がすでに13.9度と,日差しも花粉もたっぷりの日和になった.「短距離緩歩体」はうろうろしてから農環研に戻ってきた.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 事務書類の極端に小さな記入欄には書いた本人すら「読めない字」を書いても相手から文句を言われる筋合いはまったくないと思う.記入している本人が読めないないんだからもうどうしようもない./発注していた MacBook 着弾.アダプター類も束になってくっついてきた.来年度からのお座敷や地方巡業にはこれを連れ歩くことになるだろう./今年度の業績評価通知書を手渡された.予想通りの「s」+「b」=「A」という結果.来年度からは評価基準ががらりと変わるのでいったいどうなることやら./新しい MacBook に保護シートを貼ったりキーボードカバーをかぶせたりしているうちにうっかり電源キーを押してしまって,いきなり初期設定作業の大波が押し寄せている.とりあえず El Capitan の絶壁が見えたところで残りは後回しにする./MLの無効アドレス31件を配送停止処理だん.

◆夕焼けグラデーションから夜へと移行.今日の午後の最高気温はなんと17.5度まで上がった.もちろん朝夕もコートいらず.帯広の最高気温が氷点下3.9度であることを考えると彼我の差は大きすぎる.お雛祭りにかこつけて呑みまくる夜.高知〈司牡丹〉純米吟醸生原酒「立春朝搾り」と奈良〈三諸杉〉無濾過生原酒・山乃かみ酵母.〈司牡丹〉は若々しくフレッシュなのどごし.うすにごりの甘い味わいと炭酸ガス感.お雛祭りにふさわしい新酒.〈三諸杉〉は甘酸っぱい味わい.ああ,奈良のお酒って感じで.

◆夜,旧 MacBook Pro から新 MacBook へ約 150GB が流入している.あと半時間かかる.午後11時,同期完了.

◇本日の総歩数=6532歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(+0.4kg)/ 30.2%(−1.2%)


2 maart 2016(水)※サヨナラ帯広また今度

◆午前6時過ぎよろよろ起床.もちろんうう…….気温は氷点下6.1度.薄雲が広がっている.朝日がまぶしい.ゆるりと朝風呂ののち,さて朝ごはんへと着替えたら,ズボンが泥だらけになっていた.左手首にも内出血の跡がある.よく覚えていないが,昨夜は凍結した横断歩道でよほど盛大に転倒したにちがいない.外は朝日がさんさんと降り注ぎ,こちこちのアイスバーンに反射している.午前8時の気温は氷点下9.0度とさらに下がり続けている.遅めの朝食はホテル2階の〈バイプレーン〉にて.もぐもぐ食べていたら,「ひょっとしてみなかさんでは」と声がかかる.なんと弊社企画戦略室長の夫君ではないか.たとえ遠望でもワルいことはできない.それにしても研究者カップルの「遠距離婚」率は高いなあ.

◆[欹耳袋]マッチポンプブログ「文化庁指針(漢字のとめ・はねなど)への誤解と早とちり」(2016年2月29日)※字形も筆順も制約をもっと緩めないと.

◆午前10時,ホテルをチェックアウト.雪の中の統計お座敷二日間を務め上げ,つくばに帰る日.空港バスの待ち時間に〈六花亭〉本店の喫茶部へ.珈琲とともに「帯広の春」がやってきた.“雪” の下にはベリー類が埋まっていた.

◆[欹耳袋]AFPBB News「白髪化促す遺伝子特定、研究」(2016年3月2日)※元論文:Kaustubh Adhikari et al. 2016. A genome-wide association scan in admixed Latin Americans identifies loci influencing facial and scalp hair features. Nature Communications, 7: 10815, 1 March 2016 doi:10.1038/ncomms10815.

◆午後1時過ぎ,一昨日の日録を更新したところでとかち帯広空港を離陸.サヨナラ帯広,また来て十勝.午後4時過ぎに羽田空港着.午後6時前につくば帰還.関東は暖かすぎる.

◆明日からの観音台実在の日々は放置┣┣" 一網打尽に費やされる.

◇本日の総歩数=9419歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


1 maart 2016(火)※舞い上がる雪煙に遭難

◆午前5時半起床.気温は氷点下6.7度.豪雪の帯広で迎える三月.雪はすでに止んでいるが,濃霧で視界が効かない.まずは朝風呂へ.メーリングリストへの月例アナウンス.ついでに配送不能の無効アドレス25件をばっさり削除.年度末のML大掃除はなお続く.さらに21アドレスを削除.午前7時過ぎ,しだいに空が明るくなってきて,雲間から朝日がさしてきた.

◆[欹耳袋]Togetter -「相関係数の大小は相関の有無とは全く関係ない件について。」※みなさん,気をつけましょう.

◆午前9時前,畜大着.山になった積雪が朝日を反射してまぶしいのなんのって.午前8時の気温は氷点下4.2度.西風が強まって雪煙が舞い上がる.

  • [帯広]PC接続だん. posted at 08:56:43
  • [帯広]完全無作為化法のR実習だん. posted at 10:02:14
  • [帯広]一要因乱塊法の説明&実習だん. posted at 11:01:22
  • [帯広]二要因乱塊法と交互作用の可視化だん.ここでお昼休み. posted at 11:51:12

◆正午の気温は氷点下2.3度.青空が広がってはいるが,平均10メートル超の西風が吹きつけて,雪煙のホワイトアウトに巻き込まれた.キャンパス内でも容易に遭難可能なレベル.

  • [帯広]もうすぐ午後の講義スタート. posted at 12:58:10
  • [帯広]モデル選択の解説と実習だん. posted at 14:04:24
  • [帯広]モデル選択論演習の続きだん.次は一般化線形モデル. posted at 14:39:22
  • [帯広]午後4時,全講義日程だん.午後4時半から同じ5番講義室にて,畜産生命科学部門合同セミナー:三中信宏「分類学と系統学の体系思考法:多様性を可視化するダイアグラムの系譜」16:30〜18:30. posted at 16:11:00
  • [帯広]生 @ynabe センセイなう! posted at 16:22:35
  • [帯広]_・) 。oO (帯広に来た最大の収穫かも!) posted at 16:23:29
  • [帯広]そろそろ始まるん〜 posted at 16:28:39
  • [帯広]セミナーだん.おつでした. posted at 18:02:21

◆講義とセミナーの終了後は昨日と同じく街ナカに出撃.一次会は地酒処〈えふし〉,そして二次会は〈北の屋台〉へ.さんざん呑みまくって,凍結した交差点で盛大に転倒して,午前様のホテル帰還.

◇本日の総歩数=3981歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


--- het eind van dagboek ---