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日録2013年9月 


30 september 2013(月)※洛南ミッション遂行後帰還

◆午前6時前起床.東山にかかる雲が紅に染まる.気温18.9度.今日もよく晴れそうな京都.午前9時過ぎ,もうすぐチェックアウト.今日も洛南肉体労働ミッションは続く.外気温はもうすぐ夏日ラインを越えそう.京都はいつまでも暑い.

◆[自然を名づける]本日の打音:オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)「分類というありふれた、しかし奇妙な分野――『自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』」(2013年9月29日)/本日の日経新聞書評欄にも載ったそうだがまだ確認できていない.

◆[欹耳袋]毎日jp「さまよう入試:/1 大学に「余力なし」 作問依頼「実際は200校以上」 「教育理念」コンサル相談も」(2013年9月30日)※「入試問題の作成は本来、大学教員の仕事だが、学生指導、研究など通常業務と並行して作るため負担は大きい。入試の多様化で実施回数が増えた上、教養課程の廃止で入試に詳しい教員が減るなど負担は増す一方だ」「一部の有力大学を除き、本当の意味で『自力』で入試問題を準備する余裕は今の大学にはない」— しかも入試でちょっとでもミスがあると大々的に報道されて社会的に制裁されるもんねえ.本来,たいした問題じゃないはずなのに.大学入試問題の「作成」という点でいえば,大半の大学が “プロ” である予備校に任せるのはごく自然な流れでしょう.

◆総550kmのドライブ(復路) —— 正午過ぎに宇治の実家を出発.平日の真昼間といえども,高速はどこも混んでいた.京滋バイパスから名神さらに東名と逆コースで帰る.しかし,夕方の首都高渋滞に巻き込まれ,谷田部インターを降りたのは午後8時.京都から途中休憩込みで8時間ほどかかってしまった.車での京都往復は負担が大きいのでもうやめよう.

—— 都内はときおり小雨がぱらついたが,つくばはまだ大丈夫.後片付けがさあたいへん.明日からは神無月だ.

◆本日の総歩数=7527歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/ 未計測


29 september 2013(日)※未明の長距離運転で京都へ

◆午前2時半過ぎ起床.気温18.4度と冷え込みなし.旅から旅へ,放浪はなお続く.八王子から帰ってきたと思ったら,間髪入れずに京都へ.

◆総550kmのドライブ(往路) —— 旅支度をまた整えて,午前4時前につくばを出発.まずは常磐道から夜明け前の首都高を駆け抜けて東名へ.都内といえどもこんな時間帯だとさすがに車はほとんど走っていない.東名の御殿場あたりで夜明けを迎える.大型トラックが多い.浜名湖近くで朝ごはん.北関東道のようにがらがらに空いていた東名から名神へ.だんだん混んできた.山科を越えるともう渋滞でどうしようもないが,幸い瀬田東ジャンクションから京滋バイパスに逸れる.宇治東インターで府道へ.実家に手取り着いたのは午前11時過ぎだった.総距離550キロを休憩込みで7時間で駆け抜けた.

◆洛南肉体労働ミッションの昼下がり —— 実家の後片付けもそろそろ最終段階.しかし,まだ “未踏査” の押入れやら物置きが放置されている.洞窟調査と同じで,どこに新たな暗黒領域が口を開いているかは入ってみないとわからない.大物を車に積み込む作業が夕方まで続く.不動産屋と打ち合わせ.未踏査ゾーンを探っているうちに夕方が近づき,配電停止の室内はだんだん暗くなり,作業続行不能に.この日はこれで切り上げる.

◆夕闇の蹴上へ —— また車で移動.宇治から山科を経由して東山を越えればそこは蹴上.真夜中の長距離移動&洛南肉体労働ミッションを完遂し,いま蹴上の定宿から暮れなずむ洛中を見下ろしている.一休みしてから疎水インクラインをくぐって南禅寺方面へ.金地院を通り抜けて南禅寺門前の豆腐料理〈順正〉にて豆腐懐石.豆腐の喰い過ぎだ.

◆ホテルに帰還後,夜更けの┣┣" 撃ちは続く.

◆本日の総歩数=11531歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/ 未計測


28 september 2013(土)※南大沢で燃え尽き灰になり

◆午前2時半起床.誰も寝てはならぬ.首都大と横浜国大のレポート課題をそれぞれ発射.夜明け前の一仕事は終わった.そうこうするうちにサンリオピューロランドから朝日が昇ってきた.引き続き分割┣┣" の放流はなお続く.

MAFFIN の VPN 接続ができなくなっているのは,何かしらの作業中ということかな.「法定電気設備点検に伴うシステムメンテナンス」とのこと.週明けまで続くらしい.ということで,日録更新不能.

◆[自然を名づける]本日の打音:ラジオカフェ「フジツボは何に分類されるでしょう? 『自然を名づける』」(2013年9月26日)/ズー・エクスプレス No.659「書籍紹介:自然を名づける──なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか」(2013年9月27日)

◆午前10時前,南大沢駅着.首都大へ.今日もすっきり秋晴れの青空.気温は19度台.午前いっぱいはGLMなお座敷.ランチタイムののちの午後は多変量確率分布と多変量解析.そしてリサンプリング統計学について話したところで定刻になった.午後4時過ぎに高座終了.南大沢から新宿行き特急に乗ってつくば直帰.

◆アタッカで新たな旅支度をする.そしてさくっと早寝.めまぐるしい生活.

◆本日の総歩数=8171歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/ 未計測


27 september 2013(金)※南大沢後半戦は爽快秋晴れ

◆午前4時前起床.気温はなんと11.3度まで下がっている.夜明け前の┣┣" 撃ち開始.午前4時,いま外気温は10.2度.今季初のひとケタ台になるのは間違いなさそう.さて,今日からの南大沢攻めは半袖にするかそれとも長袖かという大問題がいきなり浮上する.朝焼けグラデーションなう.午前5時の気温は9.4度.今季最低気温レコードを絶賛更新.

◆首都大学東京集中講義(後半戦二日目) —— —— 午前7時半,つくば駅.からりと秋晴れ.今朝の最低気温は9.0度まで下がった.満員電車の中でも続く┣┣" 撃ち.Wifi がつながるたびに分割┣┣" を放流する.秋葉原から岩本町へ.さらに都営新宿線から京王線へ.都内の気温は20度台まで上がってきた.昼間は半袖でおっけー.午前10時,南大沢着.首都大へ.乾いた空気が冷たい.秋の日差しがさんさんと降り注ぐ.

◆乱塊法の午前が終わり,昼休み。外はよく晴れて,八王子の正午の気温は26度と夏日ラインを越えた.午後はモデル選択論の解説と実習.講義とパソコン実習を混ぜて進めるとき.話すスピードのままパソコン操作をすると,多くの受講生はついてこれなくて振り落とされるという問題.しかも,ワタクシは実はものすごく早口なのだ.もっと遅くしないと.気をつけるべし.午後4時過ぎ,本日の高座は終わった.

◆[欹耳袋]三次元画像をpdfに埋め込む —— Barnes DG, Vidiassov M, Ruthensteiner B, Fluke CJ, Quayle MR, et al. (2013) Embedding and Publishing Interactive, 3-Dimensional, Scientific Figures in Portable Document Format (PDF) Files. PLoS ONE, 8(9): e69446. doi:10.1371/journal.pone.0069446.確かにpdf内の図がクルクル回転する.

◆多摩センターにて —— 南大沢から京王多摩センターへ移動.スーツケースを転がして多摩センター駅前の坂を上がる.まずは定宿の京王プラザ多摩ホテルにチェックイン.八王子の午後4時の気温は22.1度.つくばと同じような気温変化のようだ.外はまだ明るいので,とりあえず一休み.

夕暮れのパルテノン多摩.今週末は何かしらのマラソンイベントがあるらしく,会場設営の真っ最中だった.そういえばホテルも “体育会系” の客がとても多かったな.パルテノン多摩の5階にある地中海料理〈トレーノ・ノッテ〉にて清く健全な夕食をすませてホテル帰還.

あまりに健全過ぎて仕事をするしかない気分だが,ナチュラルにそのまま寝てしまった.引き連れてきた┣┣" は放置状態.

◆本日の総歩数=7646歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=94.9kg(−0.2kg)/ 30.3%(+0.3%)


26 september 2013(木)※半年ぶりの町田は雨上がり

◆午前5時起床.雨はもうやんで,今は曇り空.台風は南岸沖を通り過ぎたようだ.気温21.4度.

◆早朝の┣┣" 撃ち —— 三田のお座敷が確定:慶應義塾大学文学部極東証券寄付講座〈文献学の世界:世界を収める/読み解く1冊の本〉・三中信宏「生物・言語・写本:系統推定論の歴史とその普遍性について」.2013年10月11日(金)14:45〜16:15,慶應義塾大学三田メディアセンター.今回の講義では,三田の鉄壁図書館からアタナシウス・キルヒャー『エジプトのオイディプス(Oedipus Aegyptiacus』(1652 - 1654)原本を借りだして,かの「セフィロトの樹」をネタに系統推定論の噺をする予定.なおこの講義は慶應義塾大学文学部の全専攻共通科目で学部生が受講するとのこと.他の講義も含めて,後日,本にして出版するらしい.『生命の教養学』と同じ.

◆[欹耳袋]NAVERまとめ「”家にある物”で簡単に台所のコバエを退治する方法!「めんつゆトラップ」」(2012年8月5日).かの「スズメバチほいほい」みたいな構造の撃退器.

◆半年ぶりに町田へ —— 午前7時半,つくば駅.町田出撃の日々が今年も始まった.曇り空.守谷にて車内アナウンス.山手線が人身事故で内回り・外回りともに止まっているとのこと.山手線人身事故の影響で京浜東北線やら中央線のダイヤ遅延が目に余るようなので,北千住から千代田線に乗り換えるかな.北千住で千代田線に乗り換え.もっと混雑するかと思ったら,いつもよりむしろ空いているほどだった.

都内はときおり雨が降っているが,玉川学園前に着くまでにはきっちり止んでもらわないと困ります(傘を忘れたワタクシ).そのまま小田急に入り,新百合ヶ丘まで.曇り空.多摩急行から各停に乗り換える.午前10時,玉川学園前.雨上がりで曇りときどき晴れ.半年ぶりに大学キャンパスに入る.正門噴水池周囲の大工事はまだまだ続いていた.午前9時の都内の気温は21.4度と明け方よりも下がってきた.

青空が広がって台風一過の空の表情.気温は20度台とさらに低下.講師控室にて,町田の果てまで追っかけてきた70MBものイラストレーターファイルをダウンロードしつつ,今日の初回講義のイメージづくり.午前11時から,分子系統進化学の初回講義.受講生は20名ほど.今年の講義室は,去年までとはちがって,各自に電源と優先LANがつながる.もちろん,学内無線LANもつながる.よしよし,ワタクシだけ E-mobile なんだけど,上の階のせいか電波の受信状態が良好.よしよし.

◆午後1時前に講義終了.今日はガイダンスと概論のみだったので配布物なし.来週はいろいろ用意しておかないと.青空だったのに,また曇ってきた.経堂にて途中下車.北口すずらん通りの〈らあめん英〉にて角煮ラーメン.硬麺のとんこつラーメンはひさしぶりだなあ.あまりしつこくない豚骨スープが絶品.ラーメン激戦区の経堂で20年以上も店を続けているだけのことはある.サイドメニューの卵かけごはんは,白身だけ軽くメレンゲになっているという芸の細かさ.

◆[欹耳袋]動物遺伝系大学院留学記「研究者としての英語力」(2012年12月20日)|「農学部の教授」(2013年2月9日).適材適所はあるんだよねえ.

◆つくば直帰.帰ってからも┣┣" のお相手をする運命.[つくば]っく.曇り空.午後4時の気温は20.4度.北風が心地よく冷たい.にじりよる大┣┣" 一頭(暑苦しい).夜になって気温が急速に下がってきた.

◆本日の総歩数=10031歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.1kg(−0.2kg)/ 30.0%(+0.1%)


25 september 2013(水)※台風の余波で雨が降り続く

◆午前5時過ぎ起床.曇り.気温22.6度.北東風.めずらしくヒグラシが鳴く明け方.午前6時,朝日が差してきたが,ときどきぱらっと雨が降るヘンな空模様.雨が降っては晴れ間が見え,また雲が広がる観音台は朝から湿度が高くて蒸している.気温は23度前後.今月はこれでもう出勤簿に押印する必要がないぞと力いっぱい押したら印鑑ホルダーが崩壊した. 昨日,ひさしぶりに〈ピーターパン吾妻店〉で六穀パン「Sechskorn Brot」を買って今朝の食卓へ.つくばには個性あるパン屋がいろいろあるが,正統派のドイツパンは〈ピーターパン吾妻店〉にかぎる.

◆[欹耳袋]産経新聞「大学で広がる「5年雇い止め」 法改正で非常勤講師を直撃」(2013年9月22日)※ワタクシも某大学から「非常勤はあと五年ね,ヨロシク」と引導を渡されてるし.はたして首尾よく後釜が見つかるのかなー(ワタクシが心配することではないけど).雇い止めされる本人にとってはもちろん災厄だが,五年ごとに別の非常勤講師や非常勤スタッフを探さなければならない大学側もきっとたいへんだろうと思う./日本学術会議若手アカデミー委員会若手研究者ネットワーク検討分科会「改正労働契約法に関する若手研究者アンケート」※【締切】2013年10月2日(水)正午とのこと.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 原稿書きまくり(遅すぎる……)/外は小雨がしとしと降っている.北海道あたふた出張の後始末.書類決済の効率化は何とかならんもんでしょうか? 紙が飛び交い,人が出入りするのはムダ./三田の鉄壁図書館貴重書庫からどの本をかっさらうかという大問題が浮上.明日までに作戦本部に報告しないと.やはり,アタナシウス・キルヒャーの羊皮紙本でしょうか.ダーウィンとかヘッケルだったら居室の本棚に並んでるし.

◆[蒐書日誌]本日着便:Matthias Bauer and Christoph Ernst『Diagrammatik: Einführung in ein kultur- und medienwissenschaftliches Forschungsfeld』(2010年刊行,transcript Verlag[Reihe: Kultur- und Medientheorie], Bielefeld, 368 pp., ISBN:978-3-8376-1297-4 → 版元ページ).

◆いつ雨が降るかわからないので,本日の昼休み徘徊は中止.ずるずる原稿もまだ終わらないし…….

◆[欹耳袋]時事ドットコム「手書きの人が減少=会話の食い違い「自分に問題」-国語世論調査・文化庁」(2013年9月24日)※やむを得ない「手書き署名」以外は肉筆書きはいっさいしたくないです.

◆午後の┣┣" 撃ち —— どえらい難産だった連載原稿をやっと編集部にメール送信して真っ白に燃え尽きた.この連載を書くのにあたって:John W. Tukey『Exploratory Data Analysis』(1977年刊行,Addison-Wesley[Addison-Wesley Series in Behavioral Science: Quantitative Methods], Reading, xvi+688 pp., ISBN:0-201-07616-0 [hbk])をちょこちょこ読みなおしたのだが,この大御所の “ぬえ” みたいな言動の数々はなんとかしてほしい.後継者というか理解者が少ないというのもわからないではないな.EDAのドロヌマに足を取られさえしなければ,原稿をもっと早くさくさくと書き上げていたにちがいない(そーだそーだ).Tukey については以前まとめたことがある:「探索的データ解析(EDA)に関連して」.ついでに:美添泰人「探索的データ解析法の考え方」 [pdf] ※テューキー先生の近くに留学されていたとのこと.探索的データ解析の黎明期の記録.

◆[欹耳袋]大阪バイオサイエンス研究所の存廃 —— 読売新聞|yomiDr.「関西生命科学の拠点、危機…大阪市補助金が激減」(2013年9月24日)/自分で書評を書いたのに,この著者がいま存続の危機にある大阪バイオサイエンス研究所に滞在していたことをすっかり忘れていた:サミュエル・コールマン[岩舘葉子訳]『検証・なぜ日本の科学者は報われないのか』(2002年4月10日刊行,文一総合出版,東京,395pp., ISBN:4-8299-0065-2 → 書評目次

◆夕暮れとともに雨足がしだいに強まってきた.台風の影響か? 湿度も気温も高い蒸し暑い一日だった.

◆本日の総歩数=2402歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.3kg(0.0kg)/ 29.9%(−0.1%)


24 september 2013(火)※連休明け早々じたばた醜態

◆午前5時過ぎ起床.雨上がりの曇り空.気温17.8度.台風20号は直角に折れて関東をかすめるコースを進みそう.実害はないようだ.曇り空の観音台.午前7時の気温は17.9度と心地よく涼しい.秋めく朝イチのBGMは鈴木秀美のバッハ無伴奏チェロ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 書けない原稿は徹底的に書けないものである.のろのろ原稿の出だしだ./来月から始まる〈系統樹の森〉展示関連のドキュメントファイル群が数十MBのサイズで次々に降り注ぐなう.どんどん弾き返してもどんどん更新されて戻ってくる〜.分単位でメール往復ピンポン状態.理想は秒単位での同一分内返信.

◆[欹耳袋]まったく鎮火しないな —— Togetter -「非難殺到『あなたの言っていることは、あなた以外の世界では通用しませんよ』はどう解釈するべきなのか?」※もういいから,異常乾燥警報でも発令して全員退避しようよ./Togetter -「科学と報道」※このネタはいつも可燃性が高いのか.

◆薄曇りときどき晴れ間の見える観音台を昼休み徘徊だん.稲が刈られたあとの田んぼは「ひこばえ」が青々と伸びている.気温は夏日ラインを越え,歩きまわるにはまだ暑いかも.歩き読み本:高宮利行『本の世界はへんな世界』(2012年11月27日刊行,雄松堂出版,東京,4 color plates + vi + 269 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-8419-0618-9 → 目次版元ページ).持ち主がいろいろ書き込んだ本を「手択本(association copy)」と呼ぶことを知った.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「多い出張、少ない有休 世界で異質な日本人の「働き方」 」(2013年9月23日)※個人個人の勤労スタイルっていろんな制約下で決まっているのだろう.勤労スタイルの「平均」を論じるよりも,その「分散」の方がむしろ気になる.平均的に会議が多いとか出張が多いかどうかではなく,人によってどれくらいばらつくか.ワタクシの勤労スタイルだと,有給休暇を切り崩して働いているので,年末には足りなくなることがある.ワタクシは会議にはほとんど出ない代わりに,出先での仕事は異様に多い.本務地に実在しない勤務スタイルがすでに定着していて,振替休日とか夏季休暇がぜんぶ勤労日に “一括変換” されている点でかなり少数派であることはまちがいない.

ワタクシの場合は極度にパーソナライズされたスタイルなので,他の人の参考にはいっさいならない(反面教師にはなりえるかも).

◆夕方,ケーズ電気で型番のちがうインクカートリッジを買ってしまったので,明日また出直しという不運.今宵は福岡・八女の〈三井の寿〉「夏純活性にごり Cicala」を開栓.グリーンボトルに蝉デザインのグリーンラベル.しかし,吹き出すような朱夏の勢いはすでになく,白秋のごとくふつふつと酸味が漂う.食卓に並んだのは,ほっけのひらき,モロヘイヤ,夏野菜のバーニャカウダ,そしてみょうがのお味噌汁.そこはかとなく,夏から秋へと移行する夕餉.今年のセミの季節も過ぎ去ってしまい,涼しい夜が降りてきた.

◆ああ,原稿原稿原稿が〜.じたばたじたばた.

◆本日の総歩数=10570歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.3kg(−0.2kg)/ 30.0%(+0.4%)


23 september 2013(月)※秋分の休日もごそごそ働く

◆午前6時半,のろのろ起床.雲の多い朝.気温は19.2度と高めだが,昨夜からの北東風がやまない.風が強すぎて窓を全開にできないもどかしさ.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「(ニュースの本棚)統計学を知る どんな場合に使えないのか 佐藤俊樹」(2013年9月22日)/Colorless Green Ideas「統計について相談するときに心がけておきたい3つのこと」(2013年9月22日)※「相談は早めに行う」「統計は魔法の杖でないと知る」「情報の出し惜しみをしない」— 確かに!

◆[蒐書日誌]ワタクシの『生物系統学』はときどきブックオフのような新古書店の忘れ去られた理系コーナーに激安価格で “放置” されていることあり.ソーバー『過去を復元する』だって,千円台の値段で叩き売られていたのを目白駅近くのブックオフで目撃したことがある.オンライン(古)書店で高い物件をつかまされるよりは,リアル(古)書店をまわった方が得策かもしれない.

いま気がついたんだけど,アマゾンの『生物系統学』書評:「文系・理系を問わずお勧めしたい一冊」(2010年2月3日)は,とてもありがたやありがたや.この本は東大出版会から執筆依頼された35歳のときから五年ほどかかった単著だった.自分の専門分野での最初の単著はその後の進路を方向づけるので今でも思い入れがある一冊だ.それだけでなく,本書は続くワタクシの単著群のルーツでもあった.『進化思考の世界』の「あとがき」に記した通り:

  • 「本書『進化思考の世界』は、前著である『系統樹思考の世界』と『分類思考の世界』に続く三冊目の「思考本」である。私が本を書くときは前作の延長線上にビジョンを描くので、この三冊は明らかに「姉妹本」であると断言できる。しかし、さらにさかのぼるならば、これらの本のルーツとして私の処女作である『生物系統学』(三中一九九七)を挙げることは自然な流れだろう。その本を書くのに私は約五年を費やした。この点に関してはグールドと同じく本を育てたという自負がある。」(p. 238)

  • 「『生物系統学』以降の私の「思考本」たちは、本書を含めて、いずれもこの問題意識を共有しつつ書かれてきた姉妹本である。この意味で、私はなお未完成の単一仮想本を今も連綿と書き続けているのかもしれない。装幀と造本の上では確かに個別分割された別個の書物であることは否定しようもない。しかし、内容のつながりからいえば、私はこの十年あまりをかけて一冊の仮想本を書き続け、なおそれは完結しそうにないという夢想すらしてしまうことがある。」(p. 239)

—— この “単系統群” はいまも将来に向かって開かれている.

◆正午過ぎ,観音台へ.連休最終日の農環研はほぼ無人.正午の気温は23.0度.雲間からときおり日差し.あいかわらず強い東風が吹いている.┣┣" に追い詰められているので,午後からは居室引きこもり.頑張れば,少しずつ┣┣" が減る.しかし,┣┣" がいなくなった空きニッチにすかさず別┣┣" が入り込む.そういえば,今週から毎週の町田通いが始まるのか.ということは,半月遅れで冬学期コマバ通いも始まるということでして.午後5時,観音台撤収.気温は21.0度.冷たい東風.帰ってからも原稿┣┣" の追っかけは続く.

◆[欹耳袋]Togetter -「屋根裏部屋の博物館と渋沢敬三」※みんぱくの澁澤敬三展示などなどに関連するツイートのまとめ./Predicting Publication Success for Biologists. BioScience [pdf] ※ほほー./京都水族館の期間限定メニュー「京漬物黒ドッグ」※食べてみたいようなコワいよーな.竹炭黒パン+イカ墨ソーセージ+しば漬けイカ墨和えというレシピは最強ではないだろうか.

◆それにしても,この原稿┣┣" はしぶとい.たった10枚そこそこの分量なのに,もう一ヶ月ほど呻吟している.とにかく発破をかけて進まないとずるずる遅れるばかり.

◆本日の総歩数=2005歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.5kg(−0.2kg)/ 29.6%(+0.4%)


22 september 2013(日)※北東からの強風によろめく

◆午前7時過ぎ起床.朝日がさんさんと降り注いでいる.気温20.6度.暑すぎる.午前中は残暑の日差しがとても強かった.

◆[欹耳袋]BioMedサーカス.com「ポスドクはポスドク問題の解決を国に期待していても良いのか?」(2013年9月8日)※「研究者になれて幸せだという思いもあります。ですが、一方で、それなりの普通の生活もしたいとも思っています」/アメリカポスドクの歩き方「楽な道はない」(2013年9月21日)※「多くの日本のポスドクが思う”ハイスタンダードな”普通の生活を求めるなら、責任がのしかかる立場を受け入れなければならない」— “普通の生活” ってイメージがぜんぜん湧かない.小さいころから “変” だったから.それをあえて求めるだけの価値を見いだせない.

◆午後になって雲が広がり,北東風が吹き込んできた.湿度はまだ高いが,体感的には不快ではない.師走に二週連続で決行する宮崎統計巡業の「定宿」を確保完了.背徳の西銀座通りに至近.

◆[欹耳袋]毎日jp「サイエンスカフェ:「科学者ではない」」(2013年9月12日)※この記事が “震源” だったのか.「鳥類学者」が「鳥たち」を観察してきたとするならば,ワタクシたち科学者は「アッシジの聖フランチェスコ」のように「鳥たち」に説教し続けよう.科学を伝道する科学者には宗教的熱情が必要である.いっさいの中間媒介物はじゃまになる(こともある)./Togetter -「サイエンスカフェ:「科学者ではない」の感想ツイート」.異常乾燥注意報発令した方がええな.不慮の「山火事」に見物人が寄ってたかってアブラをまき散らすからぜんぜん鎮火しない.

◆夕方になり,東風がさらに強まってきた.午後5時の気温は23.0度.涼しさ快適.窓を全開放すると,いろんなものが飛び散る.そろそろ晩ご飯の支度にとりかかる時間だ.北東風が吹き抜けて肌寒いので,今夜は燗酒にしましょーかねー.ということで,今宵は蓮田〈神亀〉の「純米吟醸・ひこ孫(18BY)」の燗酒.アテは栃尾揚げ(醪と蕗味噌と九条葱をはさむ)と木綿豆腐,そしていつもの親子丼.深夜になっても風速10メートルの北東風がごうごうと吹く.午後11時の気温は21.2度.

◆本日の総歩数=2594歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.7kg(−0.4kg)/ 29.2%(−0.9%)


21 september 2013(土)※夏の日差しの多摩センター

◆午前7時過ぎ起床.うう…….日本を狙っている台風20号.ポッキリ折れるような予想進路だな.

◆[欹耳袋]中日新聞「「奨学金」世代間で見方に差 経済状況、大きく変化」(2013年9月19日)※「五十代以上と三十代以下では、考え方に体験から生まれた断層が生じている」

◆首都大学東京集中講義(前半戦二日目) —— 午前10時前,首都大に到着.あっつ~.朝イチの正規分布談義.確率分布ワールド全開.首都大の統計高座のお座敷は生物実験室なのだが,いつも必ず天井から「ハエ取り紙(ロール)」がぶら下がっている.実験材料としてハエを扱うからだろうが,ハエ取り紙という商品がいまだに売られていることが驚き.昼休みをはさんで午後は実験計画法の説明.八合目まで到達した岩棚でビバークする.分散分析から多重比較まで話したところで,午後4時過ぎになった.首都大の統計高座前半戦終了.外は蒸し暑い空気.秋らしくない.昨日の都内は最高気温29.3度,今日は29.9度と夏が戻ってきたようだった.一週間後の南大沢後半戦ではもっと涼しくなっていることを期待しよう.

◆[蒐書日誌]新里達也・槇原寛・大林延夫・高桑正敏・露木繁雄『カミキリ学のすすめ』(2013年9月20日刊行,海遊社,東京,ISBN:978-4-905930-26-6 → 版元ページ

◆午後7時前につくば帰還.全身疲労が徘徊している.夕ごはんは閉店間近の〈ふくむら〉へ.満員のにぎわいだった.

◆[欹耳袋]プレジデント・オンライン:前野ウルド浩太郎「史上最大の現場(バッタ博士の「今週のひと工夫」最終回)」(2013年9月21日)

◆[自然を名づける]本日の打音:まるはなのみのみ「【書評】自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか」(2013年9月19日)/onsenmaru blog「自然を名づける」(2013年9月18日2013年9月19日).

◆本日の総歩数=10032歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


20 september 2013(金)※南大沢集中講座前半戦開幕

◆午前5時過ぎ起床.気温14.2度.北西の風.涼しい夜明け前.真夜中に強い揺れがあったが,そのまま寝てしまった.午前2時半じゃ,起きないな.

◆[蒐書日誌]クリストファー・アレグザンダー[中埜博監訳]『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 生命の現象』(2013年9月刊行,鹿島出版会,東京,本体価格9,500円,ISBN:9784306045934 → 版元ページ).『時を超えた建設の道』よりは高いけど『パタン・ランゲージ』よりも安いじゃないか! いずれにしても,鹿島出版会から出されるべくして出た訳本だろう.何年か前に中谷礼仁さんから翻訳進行中と聞いていたのは別のアレグザンダー本だったかな.それにしても,鹿島出版会からクリストファー・アレグザンダーの新刊やら復刊がいきなり大挙して出るのはなぜ?

◆首都大学東京集中講義(前半戦初日) —— 午前7時半,つくば駅.快晴好天.南大沢出撃の朝.秋葉原で岩本町へ移動.都営新宿線に乗る.笹塚.都内も快晴.午前8時の気温は22.1度.からっと快適.南大沢まで区間急行であと40分.若葉台通過.車窓風景がいかにも「京王線沿線的」になってきた.京王多摩センター.今夜はここに泊まる.午前10時前に南大沢着.日差しがまぶしすぎる.午前10時半開始.今年の受講生は15名ほど.午前の統計学概論を終えてお昼休み.八王子は正午前に28.9度まで気温が上がっている.校舎の中庭から見上げる空はどこまでも青い.午後は確率分布とパラメトリック統計学について解説.午後4時過ぎにおしまい.

◆本日の総歩数=13112歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=96.1kg(+0.3kg)/ 30.1%(+0.2%)


19 september 2013(木)※今週唯一の観音台実在日に

◆午前5時過ぎ起床.気温13.0度.六日ぶりに出勤した観音台は残暑の名残すらなく,すでに秋めいていた.今朝の最低気温は12.8度まで下がったが,午前8時の気温は20.0度.居室の窓全開.農環研,今朝も全館空調が元気よく稼働開始なんですけど…….夏日ラインを越えてからでいいよ.

◆[蒐書日誌]工藤裕之『北海道廃止ローカル線写真集・追憶の鉄路』(2011年12月24日刊行,北海道新聞社,札幌,413 pp., ISBN:978-4-89453-619-7 → 版元ページ | facebook).北海道車中読書本.とてもいい! 本書に取り上げられている瀬棚線・岩内線・羽幌線・天北線・興浜北線・渚滑線・興浜南線・湧網線・標津線(すべて廃線)はかつて大学生の頃にすべて乗った経験がある.工藤裕之『北海道廃止ローカル線写真集・追憶の鉄路』は鉄道カラー写真が満載.確かに,こういう光景を自分の目で見た記憶がある.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 某学会から送られてくる文書ファイルがすべてパスワード付きなのだが,肝心のパスワードを失念してしまって事務局問い合わせ.この件はしばらく放置する./東大 UT-mate からの成績入力完了.┣┣" が一頭去っていった./横浜国大のレポート出題がまだだ.

◆[蒐書日誌]ご恵贈本(感謝感激雨あられ):ラノベ統計本! —— 石田基広『とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト)―データ分析のはじめかた―』(2013年9月25日刊行,共立出版,東京,x+211 pp., ISBN:978-4-320-11048-9 → 版元ページ).統計本も時代とともに移り変わっていくのだ.

◆[欹耳袋]メモクリップいろいろ —— 47NEWS「国立大教員の1万人目標に年俸制 文科省、15年度末までに」(2013年9月18日)※昨日の専攻教員会議の議題のひとつだった.紆余曲折ありまくりだろう./J-CASTニュース「東大が「優」成績者を3割に限定 成績評価見直しで「質」を確保」(2013年9月18日)※これも昨日の議題のひとつ.私立大学ではすでにやってるところもある./朝日新聞デジタル「大学運営から教授会排除を 競争力会議の民間議員」(2013年9月18日)※「優秀な教員確保のために、中高年の教員の給与を抑え、その分を若手や外国人研究者に回す」— マジっすか?/朝日新聞デジタル「色覚異常、気づけず後悔 小4一斉検査中止から10年 進路、直前に断念も」(2013年9月19日)※「検査が社会的な差別にもつながりかねず、異常があっても生活に支障がない人が多い」— 遺伝的変異は可知.

◆秋の到来とともに,昼休み徘徊がふたたび始まる.正午の気温は25.3度.吹く風こそ涼しいものの,日なたの日差しはまだまだ夏を引きずっている.

◆[蒐書日誌]化石の意味(新訳) —— マーティン・J・S・ラドウィック[菅谷暁・風間敏訳]『化石の意味:古生物学史挿話』(2013年9月13日刊行,みすず書房,東京,iv+334+43 pp., 本体価格5,400円,ISBN:978-4-622-07767-1 → 目次版元ページ ).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 札幌の出張伺の修正再提出(台風による帰路変更)と葉山の復命書などなどをレシートとともに提出した./今月中に農環研に来るのは来週火曜のたった一日だけであることが明らかになった(実在率=8/19≒0.42).出張講義のハンドアウト類をいつ用意するかを計画しておかないと./とりあえずは,明日からの南大沢出張高座のしたくからだ./午後3時半から領域会議が小一時間./たとえ少しずつでも┣┣" が減ってくれることは良きことかな.

◆[自然を名づける]本日の打音:まとまり日記「自然を名付ける」(2013年9月19日)※ご指摘のバークリー司教の言葉「実在の知覚できる」(p.267)の原文は英語です.

◆秋の虫がすだく今夜は中秋の名月ですなあ.お団子お団子.

◆本日の総歩数=12436歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.8kg(+0.3kg)/ 29.9%(+0.2%)


18 september 2013(水)※秋晴れの本郷にて教員会議

◆午前5時過ぎ起床.気温14.3度.すっきり涼しい夜明け前.今日も秋晴れが広がりそう.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 定員いっぱい間近との連絡:〈系統樹の森〉スペシャルトーク:「生命の樹から系統樹へ/系統樹の森を逍遥して想うこと」出演:杉浦康平・三中信宏・杉山久仁彦.2013年10月25日(金)18:30~20:00@竹尾見本帖./北海道を流浪している間に,観音台に┣┣" が降り積もっていたようだ.とりあえずは締め切り間近の東大の成績入力┣┣" の様子見./先日の台風18号で欠航したフライトの代金返却完了とのメール連絡が国内線ドットコムから届いた.あとは,農環研側の出張伺の内容変更(帰路)を再提出しないといけないが,それはあとまわし.めんどくさそうなので.

◆[欹耳袋]琉球新報「働かないアリは長生き 琉大・辻教授ら研究チーム発見」(2013年9月18日).Shigeto Dobata and Kazuki Tsuji | Public goods dilemma in asexual ant societies | September 17, 2013, doi: 10.1073/pnas.1309010110 PNAS September 17, 2013 | abstract.長生きを選びたい.

◆ひさしぶりに本郷へ —— 午前10時半,つくば駅.気温は24.4度.日差しは強いが乾いた青空が広がる.午後は,本郷にて新入教員の歓迎昼食会と専攻教員会議.正午前,根津の坂を上がる.焼けつくような日差しがまぶしすぎる.気温は26.0度と夏日ライン突破している.農学部7号館Aの教員会議室に登攀.正午過ぎ,もうすぐ歓迎昼食会が始まる.

午後1時から始まった専攻教員会議が終わったのはもう午後4時前だった.農学部グラウンドの脇には先日の台風に揺さぶられた銀杏がたくさん落ちていた.都内の最高気温は28.7度まであがり,日なたは夏の暑さだった.日が傾いて影がだんだん長くなる時間帯.千駄木までぶらぶら散歩.ツクツクボウシが消え入りそうに鳴いていた.

午後6時前,つくば帰還.夕焼けグラデーション,東に(ほぼ)満月,西に宵の明星.気温19.5度と涼しくなってきた.昼間暑かったからビールにするか,それとも日暮れて涼しくなったから日本酒か,という大問題が浮上してきた.

◆[欹耳袋]ある医療系大学長のつぼやき「10月19日激論が予想される研究力シンポジウムの練習(1)」(2013年9月17日)※「研究力∝(研究者数、研究時間、狭義の研究費、研究者の能力)∝論文数∝お金」/Y!ニュース: PHP Biz Online 衆知(Voice)「青空文庫プロジェクトの成果/山形浩生(評論家兼業サラリーマン)」(2013年9月16日)/つぶやきかさこ「フリーランスは社畜以上の“仕事の奴隷”になる危険も~休みを取る力」(2013年9月17日)※「パラレルキャリア」というのは実感できることば./三枝陽子「むしパパ:ある昆虫学者の日常」所収:プリンセスGOLD 2013年4月号.連載期間は2011年4月から2013年5月までとのこと.

◆[自然を名づける]本日の打音:地方大学教員の暮らし方「面白くて」(2013年9月13日)※( ´ ▽ ` )ノ

◆[欹耳袋]今年度の第29回国際生物学賞の受賞者は Joseph Felsenstein 教授に決定 → 日本学術振興会.※尤度尤度尤度〜.拍手拍手拍手〜.

◆東大農学部の成績が全員分そろったので,明日は UT-mate としばし遊ぼう.

◆本日の総歩数=7642歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.5kg(+0.9kg)/ 29.7%(+1.5%)


17 september 2013(火)※函館朝市からつくばへの道

◆午前5時起床.台風通過とともに寒気が入ってきたのか,最低気温は11.6度まで冷え込んだ.半袖しか持ってこなかったワタクシはいったいどうすればいいのやら.

午前6時,函館駅前朝市をひとまわりしてきた.空は雲ひとつない快晴,市場は早朝から賑わっている.店先の水槽から大きなカニが這い出ていた.朝市は朝が勝負なので,午後は早々と閉店してしまう.朝型人間にはピッタリ.どの飯屋も朝早くから開いている.

市場のすぐ近くで午前6時から開店している〈あけぼの食堂〉にて朝ごはん.エゾバフンウニと自家製イクラの二色丼.見ての通りの背徳飯.うまいなんてもんじゃないね.転んでもタダでは起きないワタクシ.

なぜ平日の朝にワタクシが函館にいるのかという根本的問題は解消されていないのだが,そんなことはもうどうでもよくなってきた.ワタクシも根性で青函トンネルを突破すべきだったのかもしれない.でも,新鮮な海老や蟹やイクラやウニやホタテたちに「帰るなよ」と引き留められ,現状の中での “幸福最大化” がより重要だと思い始めた.しかし,今日こそはつくばに帰り着かないと!

とりあえず,昨日までの日録はアップした:「少年よ,札幌で虫網を振れ」ならびに「台風に翻弄され函館に漂着」.午後9時過ぎ,スーツケースへのパッキング開始.午前10時前にチェックアウト.

◆函館駅構内は昨日のような殺気立った喧騒はもうない.コインロッカーに荷物を放り込んでからうろうろする.正午過ぎの出発なので,まだ時間はある.珈琲片手にしばし本読み.台風一過の青空だが,点々と浮かんだ雲が強風に流されている.台風の吹き返しの西風のせいだろう.午前10時の気温は23.4度と高く,日なたは紫外線がさんさんと降り注いでいる.

やや早いランチを求めてまたまた駅前市場へ舞い戻る(完全にリピーター化している).どんぶり横丁市場の〈味鮮まえかわ〉にて,朝イカ丼(温泉たまご付き)を注文.イカ絶品,イカすごい,函館えらい!

◆本州への旅立ち —— 12:04発の新青森行き特急スーパー白鳥30号に乗った.これでやっと本州に渡れる.車内アナウンスで「竜飛海底」というなつかしい言葉が.午後1時前,木古内駅.北海道新幹線の建設が大々的に進んでいた.もうすぐ青函トンネルだ.竜飛海底駅で一時停車の後,午後1時半,青森川の蟹田駅着.本州だ,本州だ.スーパー白鳥の青森着駅メロディーがとてもなつかしいあの旋律だった.

新青森駅にて東北新幹線はやぶさ12号に乗り換える.あとはひたすら南下すること四時間の予定.そういえば盛岡以北の東北新幹線に乗るのは初めてだった.盛岡,仙台と南下するたびに,車内がどんどん混んできた.今日は全車満席とのこと.外は秋晴れ.東北新幹線には「禁断の車輌」こと〈グランクラス〉なる特別車があるらしい(それは初耳).ワタクシの乗ったはやぶさも「10号車」がグランクラス指定だった.新幹線なのに飲み放題とのこと.なんて背徳な.禁断の10号車ではすでに呑んべが出現しているということか.

—— およそ7時間あまりの長旅の末,午後7時半につくば帰還.こちらの気温は20.4度.涼しい東風が秋の到来を実感させる.見上げれば月がくっきり.たいへんお疲れさまでした>ワタクシ.

◆本日の総歩数=5671歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


16 september 2013(月)※台風に翻弄され函館に漂着

◆午前6時起床.曇り.昨夜から雨が降ったりやんだりしている.台風18号のせいで羽田行きフライトは午前中はすべてキャンセルか.むむむ.JAL欠航・遅延サイトと国内線ドットコムはどっちもつながらないし.とりあえず,新千歳空港に行ってみるしかないかなあ…….

◆迷走する帰路 —— 午前9時,札幌駅.10:37発の特急スーパー北斗10号の指定席はもちろん売り切れで,自由席車の長蛇の列に並び,かろうじて座れたのはハッピー.これから三時間あまり乗って函館を目指す.新千歳空港にあえて行くまでもなく,羽田行きフライトは午後2時くらいまですべて欠航なので,あっさり方針転換して鉄路でつくばを目指すことに.予期しない鉄分の多さ.小雨が降り続いている.

札幌定刻発車.つくばまで約10時間の鉄路旅スタート.ジョルダンの運行情報を見るかぎり,東北新幹線はいまのところちゃんと動いているようだが,こっちも目が離せない状況.途中で阻まれたら,近辺の温泉で一泊だー(もうやけくそ).南千歳駅.新千歳空港から流れてきた乗客ですし詰め状態になる.苫小牧通過.左手に灰色に霞む海が見えてきた.波しぶきの向こうに水平線.帰るのが昨日だったら,こんなにじたばたしなかったのだろうが,まさか青函トンネルをくぐることになろうとは.正午前,登別駅.駅の近くに小さな漁港があるのに気づいた.さらに乗客が乗り込んできた.東室蘭駅.車窓は灰色の雨模様.車内は身動きできない人間模様.午後1時,長万部通過.湾岸をなぞる線路が海と陸を隔てる.もうすぐ八雲.先月の北ドイツ車窓風景を髣髴とさせる大沼公園駅.雨足が強まってきた.特急はいま10分遅れ.

ところが,函館直前の五稜郭まできて「函館から新青森への特急スーパー白鳥は大雨により運転取り止めとの」との車内アナウンス.車内がざわつく.不安を抱えたまま終着の函館駅で吐き出される.駅のアナウンスによると,津軽海峡線は午後5時過ぎまでのすべての特急が台風の大雨による運休が決定したらしい.

さて困ったぞ,と.この状況だと帰宅困難かも…….函館駅で路頭に迷う乗客の大群.みどりの窓口からはチケット変更の客が何重にもとぐろを巻く大混雑が伸び,それにトイレ待ちの長蛇の列が絡みあい,通り抜けるのもやっと.まさか青函トンネルをくぐり抜けられないとは想像していなかった.なんかもうどうでもよくなってきた感じ.駅前でうろうろするサッポロ学会関係者と思しき複数名を目撃.近くの学生グループは「駅で野宿だ」と気勢を上げていた.

台風が通り過ぎた函館は沈む夕日に照らされてパーフェクトな二重の虹がかかった.このときだけはチケット待ちの疲れも忘れ,誰もが写真を撮りまくっていた.じたばたしてもしかたない.観念したワタクシはさくっと駅前のホテルにチェックインしてしまった.験直しに駅前でスペシャル海鮮丼でも食ってみる.転んでもタダでは起きない楽観主義がたいせつ.駅前の函館朝市に隣接する〈どんぶり横丁市場〉をひとまわりして,〈恵比寿屋食堂〉に入る.まずはイカ刺しとビール.そして五色丼を注文した.そういえば,今日はお昼ごはんを食べる心の余裕がなかったな.

◆予期せぬ函館の夜 —— 函館駅のチケット変更の長蛇の列は昼間からぜんぜん進展していない.ホテルと駅を往復しては状況を観察しているのだが,行列の全長がぜんぜん短くなっていないのはどうしてだろう.「函館では地ビールを飲め」という天の声に導かれて,明治館通りの〈はこだてビール〉に向かう.まずは「北の夜景」というケルシュから.ホップの苦味が試練の夜にふさわしい.続いて「社長のよく飲むビール」がジョッキで運ばれてきた.アルコール度数10%.美味.つくば土産に買ってしまった.

午後9時過ぎ,さて,函館駅の “チケット行列” にふたたび参戦.しかし,この行列の長さだと,番がまわってくるのは真夜中になるかもしれない.サッポロで待機していた方がよかったかもという後悔の念が.午後11時,まだまだ続く待ち行列.午後11時半になってやっと番がまわってきて,明日のJRチケットを確保できた.これでホテルへ戻れる.JR函館の駅スタッフは,昼間からこんなに夜遅くまでの長時間,てきぱきとチケット変更をこなしていた.職務とはいえたいしたものだ.ありがとうありがとう.これで本州に帰れます.

◆[欹耳袋]Togetter -「台風一過のきれいな夕焼け画像」.

◆台風が通り過ぎ,夜空には欠けた月がこうこうと輝いている.午後11時の函館の気温はなんと15.6度まで下がっている.冷たい海風に吹かれる深夜の駅前.このまま「秋」に突入するんだろうなあ.

◆本日の総歩数=9433歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


15 september 2013(日)※少年よ,札幌で虫網を振れ

◆午前5時半起床.雨.つくばはすでに大雨になっているらしい.台風18号の動きが心配だが,気に病んでもしかたがない.午前いっぱいはホテルでスライド修正とイメージづくり.昼過ぎに北大農学部へ.日本昆虫学会第73回大会・昆虫分類学若手懇談会企画シンポジウム〈分類学の過去・現在・未来〉会場に到着.農学部の建物に入るのはひさしぶり.

◆昆虫学会札幌大会シンポジウム〈分類学の過去・現在・未来〉9月15日(日)13:00〜16:00,C会場(北大農学部)スタート!

  • [札幌]趣旨説明ちう.もうすぐ出番. posted at 13:15:04
  • [札幌]三中信宏「昆虫分類学若手懇談会の40年にわたる歴史から見えてくる展望」トークだん.次は @mothprog さんの生物多様性情報学のお話なう. posted at 13:55:02
  • [欹耳袋]Cybertaxonomy の実装:EDIT www.e-taxonomy.eu | ViBRANT vbrant.eu posted at 14:05:37
  • [欹耳袋]ZooBank zoobank.org posted at 14:06:43
  • [欹耳袋]LODAC lod.ac posted at 14:22:27
  • [欹耳袋]GBIO www.gbio.org posted at 14:25:11[※修正:Global Biodiversity Informatics Outlook
  • [欹耳袋]日本は強烈な人材不足らしい(生物多様性情報学). posted at 14:27:44
  • [札幌]次は戸田正憲さんのトーク「ゲノム配列を利用した網羅的系統解析とこれからの分類学」. posted at 14:32:09
  • @mothprog あらま,間違ってしまったー. posted at 14:36:39
  • [欹耳袋]「大技・中技・小技」じゃなくって「大枝・中枝・小枝」だった. posted at 14:42:50
  • [札幌]ひさしぶりに saigusa さんの声を聞いた. posted at 15:11:23
  • [欹耳袋]やはり「若手の会」を創設した世代は い く つ に な っ て も 声が大きいぞ. posted at 15:12:37
  • [札幌]最後のトークは @dantyutei さんの「若手奨励賞受賞!ウラ講演」だ. posted at 15:15:32
  • [札幌](承前) @dantyutei さんが “分類学の輝ける道” を説いている! posted at 15:23:12
  • [欹耳袋] @dantyutei 名言録「本を書いた人には暖かい言葉を贈ろう」 posted at 15:38:59
  • [札幌]総合討論なう. posted at 15:41:29
  • [欹耳袋]来年の昆虫学会大会(広島大学:鏡山)での講演を依頼された. posted at 15:42:44

◆でび部屋にて —— 午後4時にシンポジウムが終わり,ワタクシのお仕事もこれにて終了.でびるまん師〈とらのあな〉部屋を訪問.でび部屋での話題:パシフィック・リム,よつばと,先行者(ようわからん).でび部屋に拉致されている静岡大のYSMRセンセが代わりに論文を書き始めたなう.とってもフシギな光景.うなぎパイ mgmg.夜のお菓子.午後5時過ぎ,まだでび部屋に根を生やしている.冊子版『AnimEcoなヒトビト』を読み始める.コミケで販売したらしい.冊子版『AnimEcoなヒトビト・2』を読了.Q大学のK谷さん…….『AnimEcoなヒトビト』全三冊読了.きわめて充実した読書タイムであった.傍らではひとり論文を書き続けるYSMRセンセ.

—— 『AnimEcoなヒトビト』オンライン版.ほとんど実話というところがさすが!

◆[欹耳袋]プレジデント・オンライン:前野ウルド浩太郎「こんなにありますバッタの謎(バッタ博士の「今週のひと工夫」第12回)」(2013年9月14日).

◆午後6時半,農学部正面にてシンポジウム関係者と待ち合わせて,〈場末の和顔〉にて懇親会.北海道に来て,鹿児島の地鶏を喰う夜.

◆[蒐書日誌]Q. Ethan McCallum[磯蘭水監訳・笹井崇司訳]『バッドデータハンドブック――データにまつわる問題への19の処方箋』(2013年9月近刊,オライリー・ジャパン,東京,ISBN:978-4-87311-640-2 → 版元ページ).『バッドメソッドハンドブック』とか『バッドペーパーハンドブック』とか『パッドプレゼンハンドブック』とかもきっと需要があるにちがいない.輝かしい成功事例ばっかりじゃなくって,〈失敗知識データベース〉の「失敗まんだら」みたいなイメージができているときっと頼りになると思う.

◆午後11時前に解散.ホテルに帰って確認したら,明日のフライトはみごとに欠航が確定していた……(orz).

◆本日の総歩数=5619歩. 朝−|昼−|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


14 september 2013(土)※夜の観音台から夜の札幌へ

◆午前2時半起床.丑三つ時の再起動.観音台へ直行.午前3時の気温は22.5度.星空.農林団地構内の茂みからはスズムシの鳴き声が聞こえる.三連休初日,真夜中の農環研にはもちろん誰もいない.スライドを完成させるまでに残された時間は6時間.

それはそうと,迫り来る台風18号予想進路.ちょうどサッポロからの帰路フライトに合わせて関東直撃みたいなんですけど……(汗).ううむ.行きは雨で,帰りは台風か.

◆真夜中の┣┣" 撃ち —— サッポロ高座のネタに昆虫分類学若手懇談会の過去40年に及ぶ出版物(『ニュース』と『パンミクシア』)を掘り返している.いやぁ,おもしろすぎて.今をときめく?昆虫学の “重鎮” たちの「黒歴史」があちこちに.そのいくつかはサッポロにて暴露いたしませう.ご感心のある方は昆虫学会札幌大会シンポジウム〈分類学の過去・現在・未来〉9月15日(日)13:00〜16:00,C会場(北大農学部)へどーぞ(→ 大会ウェブサイト).おお,そうか.この大会アイコンはクラークさんだったのか.「少年よ,虫網を振れ!」

◆午前9時半,さて,サッポロ高座用のスライドが50枚あまりできたところで,観音台を撤収しよう.帰宅してからさくっと旅支度だ.朝は曇っていたが,今は青空が広がっている.午前9時の気温は27.4度と今日も真夏日ライン狙いの空模様.

◆サッポロへの旅立ち —— 正午過ぎ,つくば駅.夏の日差し.気温30.7度.午後2時前,浜松町で東京モノレール乗り換え.都内も蒸し暑すぎる.今日の最高気温は午後1時過ぎの32.5度だった.羽田空港第一ターミナルにて.すでに検査場を通ってしまったので,搭乗までゲートあたりでゆるゆるしている.一時間半のフライトののち,午後5時過ぎに新千歳空港着.夕陽に染まる滑走路.駅にて快速エアポート乗車.けっこう混んでる.指定席は満席.さて、サッポロに進撃するぞ.

◆午後6時過ぎに札幌駅に到着し,ホテルにチェックイン.健全かつアカデミックな昆虫学会懇親会への参加を阻むサッポロ闇組織によりホテルから拉致され.ススキノ方面に連行される.二条市場近くのアジト〈ノースアイランド〉へ.九龍城のように入り組んだ迷路のような建物の奥深く,立て続けの地ビール呑みの拷問に耐え,さらに札幌駅北口での日本酒攻勢にも耐え,やっとホテルに戻ってきたのは午後11時過ぎだった.

◆[欹耳袋]d-labo セミナー・イベントレポート公開:三中信宏「ヴィジュアルなサイエンス~分類と系統を視覚化する~ 」.8月20日のセミナー記録./動的唯名論!:渡辺一弘「動的唯名論はどんな哲学的問題に答えようとしているのか?

◆明日はお座敷の日.スライドの編集をさらに続けないと.

◆本日の総歩数=11069歩. 朝−|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=94.6kg(−0.9kg) / 28.2%(−0.9%)


13 september 2013(金)※旅立ち前日のしたくは未遂

◆午前3時半起床.気温23.4度.北東の涼風が吹き抜ける.誰も二度寝してはならぬ.午前6時,朝日と時の鐘.夏の日差しがまぶしい観音台は午前8時の気温がすでに25.7度と,昨日よりもさらに急角度で上昇している.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 小笠原あたりで発生した台風18号が関東目指して北上していて,北海道からの帰りがやや不安.サッポロへ行くのはいいとして,台風で帰ってこれなくなったらハッピーかはたまたアンハッピーかという問題.サッポロからの復路フライトが台風でムリだったら,イケナイ場所に籠城すればいいらしい./今月末から講義が始まる出向先から,すでに登録したシラバスに至急加筆せよとの連絡あり.各回のキーワード抽出はすぐできるとしても,毎回の「授業概要」とか「授業外指示(課題等)」を示せっていうのはムリじゃないかなあ.

◆[蒐書日誌]ドレスデンの書店に注文 —— Matthias Bauer and Christoph Ernst『Diagrammatik: Einführung in ein kultur- und medienwissenschaftliches Forschungsfeld』(2010年刊行,transcript Verlag[Reihe: Kultur- und Medientheorie], Bielefeld, ISBN:978-3-8376-1297-4 → 版元ページ).

◆[欹耳袋]来月から開催される竹尾見本帖での展示〈系統樹の森はがきダイレクトメールは,機会があればぜひ手にとってその美麗な印刷をご鑑賞ください.実際に展示される系統樹パネルのミニチュア版です.

◆[蒐書日誌]見本刷着便 —— 高桑和巳(編)『成長:生命の教養学IX』(2013年9月30日刊行,慶應義塾大学出版会[慶應義塾大学教養研究センター・極東証券寄附講座〈生命の教養学〉シリーズ],東京,xiv+250 pp., 本体価格2,400円,ISBN:978-4-7664-2070-8 → 目次版元ページ).この〈生命の教養学〉シリーズは日吉キャンパスでの「極東証券寄附講座」のひとつ.来月,三田キャンパスで担当する講義〈文献学の世界:世界を収める/読み解く1冊の本〉も同じく極東証券寄附講座だ.

◆ヨーン本の販促ポップをひねり出すという現実逃避的お昼休みの簡単なお仕事.外は30.0度の真夏日ラインに到達している.

◆[欹耳袋]橋本鉱市他 2013. 研究者市場における文科系博士院生の就職要件 : JREC-INによる公募情報の分析. 東京大学大学院教育学研究科紀要. 52巻, 2013.3, pp. 61-86 → CiNii | UT Repository.いまの応募者に求められている要件は,「研究業績」と「教育経験」,そして,この論文で初めて目にした「ポスト近代型能力」.ポスト近代型能力とは「コミュニケーション力」や「学生対応力」を含む「ほにゃらら力」全体.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 昨日の午後2時にオンライン発注した名刺が翌日の午後4時に手元に届くという迅速さはスゴいな.今回も〈マヒトデザイン〉のお世話になりました.明日からの札幌出張に間に合ってしまった.Adobe Illustrator でアウトライン化した版下ファイルを送信する「完全データ注文」だとホントに速攻で名刺をつくってくれる.代金は300枚で1800円という安さ!

◆[蒐書日誌]Richard H. Zander『A Framework for Post-Phylogenetic Systematics』(2013年刊行,Zetetic Publications, St. Louis, iv+209 pp., ISBN:978-1492220404 [pbk] → 目次)※分岐学派と進化分類学派との “もうひとつの総合” ?

◆[欹耳袋]"Details" by Tengyu Bookstore「織田作之助「夫婦善哉」と天牛書店」(2013年8月24日)/とても昔の話.ある飲み屋のトイレが天井から壁から床まで「すべて鏡張り」だったことを強烈に記憶している.球体ではなかったからよかったが,江戸川乱歩の『鏡地獄』とはきっとああいうものだったにちがいない.

◆販促大作戦!怒涛の手書きPop檄文.ヨーン本の手書きポップを編集部に送ったところで,とりあえず撤収しよう.サッポロの高座準備も原稿も何も進んでいないので,夜中に再出動するしかない.

◆本日の総歩数=2578歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.5kg(0.0kg) / 29.1%(−0.3kg)


12 september 2013(木)※日常が観音台で待ち構える

◆午前5時前起床.晴れ.東の空がライトブルー.気温20.8度.午前5時の気温は20.1度.秋ですなあ.日の出.午前7時,今朝は最低気温が19.8度まで下がったのに,日差しが強くてもう暑い.午前8時,五日ぶりに観音台実在.気温は早くも夏日ラインを越える25.4度.夏の服装は何も変わりなし.空は快晴,林からはツクツクボウシの合唱.農環研はいつもどおり全館空調が稼働している.たしか先日「延長運転」するとの事務連絡があったような気がするが.残暑がこんなに続く年は柔軟に運用してほしい.

◆[欹耳袋]秋のお座敷ひとつ —— 「筑波大学アメリカ文学会(10月例会)詳細」 2013年10月19日(土)13:00~@筑波大学総合研究棟A.「「人文学」と「科学」のそれぞれの分野における"Life"の表象・解釈・意味づけの差異と共通点」/【悲報】つくばの〈ふくむら〉がもうすぐ閉店になるらしい.

◆平日復帰の┣┣" 撃ち再開 —— ワタクシの今年の夏季休暇はチャイナタウンで “休養” したことになっている.休もうが働こうが届け出するときは「夏季休暇(休養のため)」と書くのがオキテ.休暇とは 出勤印のない 労働日.※あまりに “黒” すぎる.でも,「労働日とは出勤印のある休暇」とか言うのは “白” すぎて問題なんだろうな./そして,いま再び日常に戻る.「ぜんぜん」三点セットの悲哀:昆虫学会のスライドぜんぜん……&連載原稿ぜんぜん……&樹シンポジウム報告原稿ぜんぜん…….それぞれ有形無形の加圧が増しつつある.

◆[欹耳袋]Windows PC を用いてパソコン実習をするとき,画面拡大ツールの〈ZoomIt〉はすでに手放せなくなっている.拡大した上でマーク付けでき,Vista 以上のOSでは拡大しながら操作もできる.Mac OS X だとユニバーサル機能の「ズーム」をオンしておけば,いつでもディスプレーを拡大できるので手軽だが,ZoomIt のようなマーク付けの機能がない.ずいぶん以前にそういうツールがあるか探してみたがヒットしなかった.スクリーンのコピーに書き込むだけだったら,Mac OS X でも Magic Pen とか ScribbleScreen みたいなツールがないわけではないけど,使い勝手がイマイチで…….

◆午後の┣┣" 撃ち —— 名刺の在庫が底をついたので,速攻で ai ファイルを名刺業者に送ってオンライン発注.配り歩いた覚えはないのだが./東大農学部の特論成績評定のための連絡など./常盤台での統計道場が終わったと思ったら,間髪入れず,南大沢の元締から連絡あり.今月後半は二週続きで週末の生物統計学集中講義が予定されている.多摩センター泊の日々./そういえば,横浜国大は常盤台キャンパス内で頻繁に迷子になった.丘陵地帯で起伏がある上に鬱蒼とした森や茂みが遠景を隠してしまうせいだろう.しかも,踏み分け道やけもの道が随所にあって,ところどころに掲示されているマップを見てもよくわからない.何回行っても迷う.

◆[欹耳袋]本日の打音:HONZ「『自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』分類学の進化」(2013年9月12日) 書評感謝!

今夜は横浜〈清風楼〉のおみやげシウマイを蒸すことにしよう.蒸し器で数分,熱々を食卓へ.豚肉と小柱がぎゅっと詰まったシウマイを噛みしめるシアワセ.昨年暮れから一夏を越した〈庭のうぐいす〉の特別純米「ふゆにごり」を開栓.深みの出てきた活性にごり酒とともにチャイナタウンの夜を思い出す.

◆本日の総歩数=2724歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.5kg(+0.3kg) / 29.4%(−0.3%)


11 september 2013(水)※チャイナタウンの最後の朝

◆午前4時前起床.気温22.1度.小雨が降っているようだ.昨夜はよく寝た.疲れていてもよく寝れば復活する.午前7時にチェックアウト.スーツケースは横浜駅のロッカーに放り込んで常盤台へ.ときどき小雨がぱらつく空模様.午前8時の気温は22.2度.涼しいようでいて,湿った空気がまとわりつく.国大西のローソンで一休みしていたら,雨足が強まってきた.でも,そろそろ情報基盤センターへ出撃しないと.

◆[欹耳袋]毎日新聞:らっこ・アーティスト「アメリータ・バルタール タンゴの魔力は今も」(2013年9月5日)※みんな,〈ブエノスアイレスのマリア〉を聴け!→ iTunes./hellog~英語史ブログ「#1578. 言語は何に喩えられてきたか」と「#1579. 「言語は植物である」の比喩」.言語系統樹は生物系統樹の “模倣” ではありえない.歴史的には言語系統樹の方が先行しているから.

◆横浜国大〈統計道場〉三日目 —— 午前9時,パソコン実習室に入る.教員用パソコンを除いて,すべての学生用パソコンは昨日インストールしたものが消去されているようだ.これは予想通りなので,各自再インストールしてもらう.本日の実習用スクリプトを点検.R Commander の新バージョン 2.0.0 から組み込まれた「R Markdown」機能はうまく使いこなせば RStudio との連携強化ということなんだろうね.ちょいちょいと触り始めたばかりだが,Rcmdr の R Markdown からエクスポートした .Rmd ファイルを RStudio に読み込み,knitr で html 化すれば即座にウェブ仕様に変換できる.すばらしい!

正午前にお昼休み.午前中は乱塊法とその応用について.さらに,統計モデル概論をした上で,午後の高座につないだ.午後はモデル選択論にからめて尤度とAICの意味を解説した.R commander の「線形モデル」と「一般化線形モデル」の構築メニューにさりげなく一般化加法モデル(GAM)のオプション(スプラインと多項式の予測子)が突っ込まれていることを発見.多変量解析について説明したところで定刻の午後4時になった.今回は計算機統計学とベイズ統計学までは解説する余裕がなかったな.レポート課題は後ほどアナウンスすることにして,今回の集中講義はこれにてオシマイ.受講生のみなさん,お疲れさまでした.

—— 曇り空の横浜国大キャンパスから路線バスで横浜駅まで出て,〈清風楼〉のシウマイを買ってから帰路.つくばに帰り着いたのは午後8時前だった.

◆明日と明後日の二日間だけはつかの間の観音台ライフ.週末からの三連休はサッポロ[ナイト]ライフが待っている.その前に,遅れまくりの原稿一件と講演準備がデューティ.

◆本日の総歩数=7830歩. 朝−|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


10 september 2013(火)※常盤台での統計道場は続く

◆午前6時前起床.外は晴れ.気温22.4度.まだまだ続く統計道場.

◆チャイナタウンの┣┣" 撃ち —— 昨夜のうちに,大分湯けむり巡業の宿と足をすべて確定した.今回もばっちり./東京化学同人『行動生物学辞典』は11月刊行予定とのこと(→ 情報).やっとこの辞典┣┣" から解放されたか./サッポロでの「ナイトライフ」の予定が舞台裏で着々と埋まりつつある.

◆横浜国大〈統計道場〉二日目 —— 昨日と同じバスに乗り,午前8時過ぎに横浜国大に着いた.曇りところどころ晴れ.午前8時の気温は23.7度.日差しが強く,木々のミンミンゼミがかしましい.ローソンで一休みしてから出撃だ.情報基盤センターPC実習室なう.コピーしたファイル類はすべて削除されずに残っていたので手間が省ける.よしよし.午前9時半の定刻に統計道場の二日目スタート.

ランチタイム.昼休みも日光を避けるかのように薄暗いPC実習室にてごそごそしている.午前中はパラメトリック統計三昧.Windows Vista の “不幸誘引” により(日本語OSのせいにより),マルチバイト文字によるパス汚染が頻発.再インストールとあいなった.R関連のソフトウェアはできる限りルートに近いところにインストールして,マルチバイト文字汚染から身を守るべし.

午後は実験計画法のストーリーをひと通り話し,分散分析と多重比較について解説したところで午後4時になった.本日はこれにておしまい.常盤台からの帰りがけにぱらっと通り雨が降ったが,すぐに上がった.午後6時前,チャイナタウンに帰り着く.連日連夜の累積疲労がじわじわと表面化してきた.

◆[欹耳袋]パソコン実習付きの集中講義では,当日いきなり出向いてその場でパソコン環境を見ながら実習を始めることになる.OSのバージョンとかセキュリティー管理,受講生側の使用環境(個人フォルダーの置き場所)などケース・バイ・ケースで毎回すべて個別対応が必要になる.日本語OSでのパスの “マルチバイト文字汚染” の防除をはじめ,RやRStudioの説明以前のコンピューター側の説明の方がはるかに手間取ったりする.横浜国大の場合,Windows Vista という “不幸を呼ぶOS” なので,さらにさらに注意が必要.ほんとうはTAがいた方がいいのだが,今回は幸いRをすでに知っている受講生がヘルパーになってくれたのでとても助かった.

◆チャイナタウンの静かなる第三夜 —— 今日もちゃんとお座敷を務めたので,まずは新装開店した〈山東〉本館にて青島ビールをぐびっ.改装前の店はもっと狭くていつも客の行列ができていたが,新しい店舗はゆったりして,居心地とてもよし.キュウリのオイスターソース和えをつまんでいるうちに,看板メニューの水餃子が運ばれてきた.ココナッツミルク入りの甘くて辛いタレをつけていただく.美味.続いて,関帝廟通りの〈清風楼〉にてシウマイとやきめし(並)という定番コース.閉店間際だったせいか,客はワタクシひとりだった.平日の中華街は待つことなく入れる(というか,そういう店ばかり選んでいる).

◆[欹耳袋]「日本語方言の系統樹からみるミームの系統進化」という論文がアンテナに引っかかってきたけど,「自動車のデザインの系統樹からみるミームの系統進化」の姉妹論文なんだろうね(→ archief 記事).

◆明日は統計道場の最終日.これが終わればいったんつくばに帰れる.

◆本日の総歩数=6541歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


9 september 2013(月)※朝日の中華街から出撃する

◆午前5時前起床.気温21.5度.チャイナタウンの夜明け前.午前7時,チャイナタウンから常盤台への出撃タイム.外は曇り空.気温21.7度.

◆[欹耳袋]プレジデント・オンライン:前野ウルド浩太郎「初めてハンサムと言われた(バッタ博士の「今週のひと工夫」第11回)」(2013年9月7日)/〈大江戸日本酒まつり〉/読書猿Classic: between / beyond readers「心理学者が教える少しの努力で大作を書く/多作になるためのウサギに勝つカメの方法」(2013年9月8日).これだ!「Binge Writingとは何か?」→「実際に書くことに費やす時間よりも、悩む時間の方が長い書き方。」これだこれだ!

◆┣┣" 撃ち予定 —— 大分県農林水産研究指導センター主催の統計研修の日程が確定した:11月25日(月)〜27日(水).宿と足の確保をしないといけない./慶應義塾大学文学部極東証券寄付講座「文献学の世界」の講義に関する問い合わせがきた.そろそろ三田の鉄壁図書館貴重書書庫からどの本を持ち出すか決めないと.

◆常盤台ふたたび —— 午前7時半のみなとみらい線に乗り,出勤ラッシュの横浜で降りる.横浜駅からの路線バス時刻とコースがなんだか大きく変わったようだ.横浜国大着.曇り空.集中講義が始まる一時間半も前に大学に着いてしまったので,大学西バス停前のローソンにて一休み.下界はやや蒸し暑かったが,台地の上はほどほどに心地よく涼しい.

◆横浜国大〈統計道場〉初日 —— 午前9時前,さて,情報基盤センターのパソコン実習室に向かおうか.午前9時半,集中講義始まります.受講生は20名ほど.まずは統計学曼荼羅概論から.その後,午前いっぱいは,データ可視化と統計モデルの基礎,そしてパラメトリック統計学の門前まで話をした.

昼休みの横浜国大キャンパスはツクツクボウシの蝉時雨.曇り空.横浜の気温は夏日ラインを越えているが,丘の上のせいか,それほど暑さは感じない.

午後のR実習で Rcmdr が “呪い” を吐きまくっていたので,困り果てていたのだが,単にパッケージのアップデートを忘れていたという身から出たサビだった.とにかく細大漏らさず更新しまくってやっと正常に稼働するのがRという王様.そして,RとRStudioをインストールするときは,2バイト文字がパスに入らないように注意すること.

—— 常盤台でのお座敷がはねたのは午後4時過ぎだった.集中講義は初日のお座敷がとても疲れる.国大南門バス停から横浜西口へ移動.午後はよく晴れてやや蒸し暑かった.午後5時になっても気温は26.0度とほとんど下がらず.

◆チャイナタウンの静かなる第二夜 —— ホテルにいったん帰ったのち,身軽になって再出撃.せせこましい香港路を下って関帝廟通りへ.まばゆくライトアップされた関帝廟を横目に,これまた久しぶりに広東料理〈徳記〉に入る.平日の早い時間帯なので客はだれもいない.まずはピータンをアテにビールをぐびっ.中華街ラベルのサッポロビールはここでしか見たことがない.続いて,迷わず豚足そばを注文.ふるふるに煮こまれた皮付きホネ入りの豚足まるごと二本.コラーゲンたっぷりの豚足は骨格を解体しながら食べる.平麺の中華そばに具はまったく入っていない.豚足煮込みのタレにつけ麺のように浸して食べるスタイルを最初に来たときに女将さんから教えてもらった.

◆明日は統計道場の二日目.まだ先は長いぞ.

◆本日の総歩数=5629歩. 朝−|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


8 september 2013(日)※雨に濡れるチャイナタウン

◆夜明けの雨はもう上がり,曇りときどき晴れ.横浜の午前9時の気温は26.9度,湿度86%.葉山は雨上がりの蒸し暑い空気に包まれている.

◆[欹耳袋]細川亜衣『食記帖』(2013年8月8日刊行,リトルモア,東京,341+viii pp., 本体価格1,600円,ISBN:978-4-89815-366-6 → 版元ページ著者サイト)に載っている「厚切りトースト」の焼き方(p. 7).「角食パンを4枚切り」にして,「両面に軽く霧を吹いて」から「250度のオーブンの上段」で両面を焼く.「きつね色になったら,薄切りパターを全面にのせ」,「パターが溶けてパンにじんわりと染みこむまで焼く」.ここからがポイント.「温めた皿に盛ってすかさず食卓に運び,齧りつく.熱々はほんの一瞬だが,このほんの一瞬がおいしさの頂点である」と.先日,その「ほんの一瞬」を追体験した.

◆不覚の二度寝により半時間ほど参戦が遅れてしまったが,第7回生物学基礎論研究会・生物学史分科会夏の学校の二日目はすでに始まっている.


    中島敏幸「生物学的情報理論の展望」

  • #FHB2013 今のトーク:中島敏幸「生物学的情報理論の展望」. posted at 09:48:19

  • 田中泉吏・高橋昭紀「断続平衡説の歴史と哲学」

  • #FHB2013 続いて:田中泉吏・高橋昭紀「断続平衡説の歴史と哲学」. posted at 10:12:18
  • #FHB2013 Eldredge & Gould 1972. Punctuated equilibria: an alternative to phyletic gradualism の pdf はこちらからDL tinyurl.com/kwojba4 posted at 10:17:50
  • #FHB2013 断続平衡説の実質的な進化モデルについて Eldredge (1971) に書かれていた.その内容を “古生物学の革命” に仕立てあげたのが Gould の役回りだった. posted at 10:22:54
  • #FHB2013 David Sepkoski 2012. Rereading the Fossil Record: The Growth of Paleobiology as an Evolutionary Discipline tinyurl.com/k7be8hb posted at 10:33:31

  • 藤岡毅「極端に実用主義的なトップダウン科学政策がルイセンコ事件をもたらした」

  • #FHB2013 再開:藤岡毅「極端に実用主義的なトップダウン科学政策がルイセンコ事件をもたらした」. posted at 10:58:29

  • 浅井健一郎「霊長類社会学の起源ー19世紀社会学から何を学んだのだろうかー」

  • #FHB2013 続いて:浅井健一郎「霊長類社会学の起源ー19世紀社会学から何を学んだのだろうかー」 posted at 11:32:08
  • #FHB2013 今西錦司デジタルアーカイヴ tinyurl.com/mgnrfhw tinyurl.com/k3rpump posted at 11:48:45
  • #FHB2013 今西錦司の「種社会論」の成立に影響を与えた可能性のある著作:エスピナス,田邊元『種の論理』,米田庄太郎の社会学(タルド,ジンメル) posted at 11:51:28
  • #FHB2013 社会学における「種」を言い出したのはデュルケーム.京都学派の「種」はそれを逆転させた. posted at 11:54:11
  • #FHB2013 今西錦司の種社会論はタルドの系譜に連なる. posted at 11:55:08

  • 高橋さきの「言語の生得性をめぐって」

  • #FHB2013 午前のセッションの最後は:高橋さきの「言語の生得性をめぐって」 posted at 12:02:30
  • #FHB2013 報告文は2400字を11月30日までに. posted at 12:33:46

  • 横山尊「日本の優生学史研究は何をしてきたか?―新型出生前診断の登場を受けてー」

  • #FHB2013 午後の最初のトーク: 横山尊「日本の優生学史研究は何をしてきたか?―新型出生前診断の登場を受けてー」 posted at 13:58:49

  • 鈴木和歌奈「細胞へのケア:身体・ケア・アフェクト」

  • #FHB2013 次の講演:鈴木和歌奈「細胞へのケア:身体・ケア・アフェクト」 posted at 14:02:17
  • #FHB2013 [「iPSソムリエ」が細胞を見分けられるのは “chicken sexer” 並みの熟練をしているからだろう] posted at 14:15:37
  • #FHB2013 [iPSソムリエは要するに “分類学者センス” をもてるかどうか] posted at 14:22:15
  • #FHB2013 タチバナさん,いるじゃん! posted at 14:25:08

  • 中野浩「水俣病事件からみた食品衛生学の様相」

  • #FHB2013 次は:中野浩「水俣病事件からみた食品衛生学の様相」 posted at 14:35:23

  • 三中信宏「視覚化される分類と系統:科学のもつヴィジュアル性のルーツ」

  • #FHB2013 ワタクシの噺:三中信宏「視覚化される分類と系統:科学のもつヴィジュアル性のルーツ」は終わりました. posted at 16:08:23

  • 佐藤直樹「動的な創発概念による生命理解の提案」

  • #FHB2013 今のトーク:佐藤直樹「動的な創発概念による生命理解の提案」 posted at 16:08:53
  • ピンポン! RT @celmisia: うちの佐藤先生? RT @leeswijzer: #FHB2013 今のトーク:佐藤直樹「動的な創発概念による生命理解の提案」 posted at 16:10:27

  • 丸山真一郎「葉緑体など真核生物細胞内小器官の起源の単一性について」

  • #FHB2013 最後のトークは:丸山真一郎「葉緑体など真核生物細胞内小器官の起源の単一性について」 posted at 16:38:29

  • #FHB2013 Closing Remark なう. posted at 17:13:55

◆雨降る横浜チャイナタウンにて —— 午後5時半,研究会は終了.雨足がしだいに強まってきた.逗子から横浜経由で元町・中華街駅へ.あいにくの雨.今夜から三日間はチャイナタウンに潜伏する.地上に出たとたん「どっかーん」と特大の打ち上げ花火の轟音.〈横浜スパークリングトワイライト2013〉のイベントの真っ最中.しかし,ワタクシは飯を喰うことが先決だ.花火よりごはん.夕闇の市場通り.チャイナタウンに潜伏する最初の夜は,関帝廟通りに面した〈愛群〉にて.必ず一度は来るお気に入り.写真は焼売.海老のフレークがトッピングされている.看板メニューの「牛バラ肉煮込み」を注文しないわけにはいかない.一人前はボリュームがありすぎるので,ハーフにしてもらった.五目チャーハンも〈愛群〉の人気メニュー.エビがぷりぷり.〈愛群〉にて軽く食べたのち,雨のチャイナタウンの路地へと消えゆくのだった.

◆本日の総歩数=5629歩. 朝−|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


7 september 2013(土)※葉山の丘の上に召喚されて

◆午前5時起床.曇り.気温21.5度.北東風が肌寒い明け方.曇り空の午前6時,時の鐘が響きわたる竹園あたり.遠方から段雷が轟く.

◆[欹耳袋]日経BP-ITpro「山形県が OpenOffice.org から MS Office へ再移行」(2013年9月5日).「民間や国、他の自治体などから送られてくるMicrosoft Officeのファイルを OpenOffice.org で開くと、書式やレイアウトが崩れてしまうといった問題」— だからMSに復古するって? それは本末転倒でしょう./Y!ニュース — 上昌広「加藤茂明教授のこと」(2013年9月4日).「論文の結論を変えるような不正はなく、殆どが「データを綺麗にして、説得力を増す」程度のものだった」.データ解析場面での “操作” が問題.

◆葉山へのプチ旅 —— 午前8時前,つくば駅.曇り空.午前7時の気温は22.7度.湿度が低ければもっと快適だろう.今日から五日間の神奈川巡業が始まる.まずは逗子経由で葉山に向かう.午前9時,新橋駅にて地下に潜り,横須賀線久里浜行きに乗車.都内も曇り空.午前10時,JR逗子駅下車.ひさしぶりの駅前.タクシーで総研大葉山キャンパスへ.しばらく来なかったうちに,山越えの大きなトンネルがぶち抜かれていた.リゾート感満点の湘南国際村にたどり着いた.北関東に比べて格段に暖かい.

◆午前10時半,第7回生物学基礎論研究会・生物学史分科会夏の学校がスタート.最初は主犯による檄飛ばしから.

  • [葉山]第7回生物学基礎論研究会・生物学史分科会夏の学校 tinyurl.com/mw52nlf のハッシュタグは #FHB2013 でいいですかね. posted at 10:45:28
  • #FHB2013 は「Foundations and History of Biology」の略のつもり. posted at 10:46:40

  • 武田浩平「屋久島の事例から探る開発と自然保護のジレンマ」

  • #FHB2013 最初のトーク:武田浩平「屋久島の事例から探る開発と自然保護のジレンマ」 posted at 10:49:16
  • あ… RT @ynabe39: 分類学のイメージが悪くなったぞ。 posted at 11:03:55
  • #FHB2013 1970年林野庁委託調査では,屋久杉の森林は「遺伝子の宝庫」と明記. posted at 11:06:26
  • #FHB2013 1970年代,サル研究を経由して京大霊長研と屋久島とのつながり.照葉樹林文化論との関わり? posted at 11:26:32

  • 東城義則「大正・昭和初期における動物調査の諸相―春日神鹿保護会によるシカの調査記録について―」

  • #FHB2013 次のトーク:東城義則「大正・昭和初期における動物調査の諸相―春日神鹿保護会によるシカの調査記録について―」 posted at 11:29:06
  • #FHB2013 研究が終わると研究者はフィールドを去ってしまう,という問題. posted at 11:34:11
  • #FHB2013 奈良の鹿の頭数調査は百年前の1914年に開始された. posted at 11:51:05
  • #FHB2013 「神鹿衛士」と「鹿守」という役職あり. posted at 11:52:01
  • #FHB2013 春日神鹿保護会の活動には北大の八田三郎(動物地理学「八田線」提唱者)が深く関わっていた. posted at 12:03:45
  • #FHB2013 今回の研究は参加者30名余り.生物学史・生物学哲学・科学論なメンツの集結. posted at 12:42:25

◆正午過ぎ,ランチタイム.午後1時,午後のセッション開始.


    松本俊吉「進化の偶発性,もしくは生物学的法則の創発性,もしくは生物学と物理学との関係」

  • #FHB2013 松本俊吉「進化の偶発性,もしくは生物学的法則の創発性,もしくは生物学と物理学との関係」 posted at 13:13:35
  • #FHB2013 John Beatty 1995. 生物学に「法則」はあり得るか? 生物学固有の「一般化」は法則性ではなく偶然的な結果の記述にすぎない. posted at 13:23:07
  • #FHB2013 遺伝暗号が全生物に共有されていることは「法則」といえるか? それとも歴史の「偶然」か? [それは歴史的にユニークな共有派生形質=相同でしょう.] posted at 13:25:04
  • #FHB2013 「法則」といえるからには counterfactual 要件(それ以外ではダメである)を満たす必要がある. posted at 13:26:50
  • #FHB2013 Elliott Sober の「埋め込み戦略」を用いた生物学的法則の擁護は生産的ではない. posted at 13:35:12
  • #FHB2013 生物学には固有の「普遍法則」はない. posted at 13:37:14

  • 千葉将希「種や高次タクサは歴史的本質をもつか」千葉将希「種や高次タクサは歴史的本質をもつか」

  • #FHB2013 次のトーク:千葉将希「種や高次タクサは歴史的本質をもつか」千葉将希「種や高次タクサは歴史的本質をもつか」 posted at 13:51:05
  • #FHB2013 本質とは「必然的性質」である.いくつかの新しい本質主義をレビューする. posted at 13:53:47
  • #FHB2013 伝統的本質主義のもとでは,種や高次分類群にも自然種(natural kind)の本質的定義が成り立つと考える.それは進化的には否定された. posted at 13:59:17
  • #FHB2013 しかし — 個々の種や分類群が内在的な本質をもたなかったとしても,外在的な本質はあり得るのではないかという反論.「歴史的本質主義」に基づく論議. posted at 14:00:50
  • #FHB2013 特定の共通祖先から由来したという関係性(外在的特性)が「歴史的本質主義」である.分岐学者たちがすでに論議してきたヘニック流の厳密な単系統群は「歴史的本質」を共有している. posted at 14:02:43
  • #FHB2013 (承前)[ダメじゃん,その議論…….系統樹の推論的特徴を見逃しているから.] posted at 14:04:19
  • #FHB2013 [LaPorte 終わってる……] posted at 14:05:05
  • #FHB2013 [Kripke もう退場していいよ……] posted at 14:07:12
  • #FHB2013 歴史的本質主義への批判.歴史的本質では単系統群のもつ内在的性質の因果的説明にはならないだろう. posted at 14:09:10
  • #FHB2013 自然種を “復活” させてもいいだろう.[歴史的本質主義ではなくさっくり「心理的本質主義」と言いましょう] posted at 14:10:23
  • #FHB2013 [哲学者は「本質主義」が可愛くてしかたがないんだ……] posted at 14:12:34

  • 鈴木大地「脊椎動物における新奇な神経機能(像形成視)の進化」

  • #FHB2013 次は:鈴木大地「脊椎動物における新奇な神経機能(像形成視)の進化」 posted at 14:26:17

  • 南波孝次「生物学者Julian S. Huxley の文化観:現代的総合と人類学における文化進化論への影響」

  • #FHB2013 南波孝次「生物学者Julian S. Huxley の文化観:現代的総合と人類学における文化進化論への影響」あらため,文化進化論と現代的総合の関わり. posted at 15:03:17
  • #FHB2013 パーソンズ,ルーマn... posted at 15:22:24

  • 長谷川眞理子「人間行動進化学会の設立とその後:進化に基づいた人文社会系科学の統合の試み」

  • #FHB2013 休憩後の共通セッション〈生物学の人文・社会科学的研究を模索する〉.キーノートスピーカー:長谷川眞理子「人間行動進化学会の設立とその後:進化に基づいた人文社会系科学の統合の試み」 posted at 15:42:16
  • #FHB2013 昨日は宗教学会大会でアタマが腫れたそうな. posted at 15:46:17
  • #FHB2013 Human universal, cultural evolution, EEA (environment for the human evolutionary adaptation), and niche construction. posted at 16:06:19
  • #FHB2013 進化的思考をとりこんだら「世界の見え方」がどう変わるのかを人文・社会科学がまだわかっていない. posted at 16:17:49
  • #FHB2013 群淘汰・目的論・進歩観がハードル. posted at 16:22:45

  • 中尾央「メタ科学再構築プロジェクト」

  • #FHB2013 コメント by 中尾央「メタ科学再構築プロジェクト」. posted at 16:28:13
  • #FHB2013 normative な科学哲学をつくるために. posted at 16:30:22
  • #FHB2013 「鳥」にとって役に立つ「鳥類学」になるためには. posted at 16:33:32
  • #FHB2013 現在のSTSは科学者コミュニティから乖離している点でダメ. posted at 16:34:19
  • #FHB2013 日本の生態学コミュニティー:伊藤嘉昭・SMD・キク母 et al. にちゃんとインタビューしておいて,メタ科学的研究が必要だろう. posted at 16:39:25

  • 飯田香穂里「歴史学」

  • #FHB2013 コメント by 飯田香穂里「歴史学」. posted at 16:42:05
  • #FHB2013 日本の遺伝学史,とくに木原均を中心に. posted at 16:45:05
  • さっきお名前があがりました #FHB2013 RT @tetyahara: 山の手腺車内はジョジョジョジョジョ。でも、モノレール車内までは侵略されてないよ。これから羽田に向かう。 posted at 16:46:26
  • #FHB2013 当時の実用的な遺伝学は「優生学」と「農学」の二つだった.1915年・育種学会創立→1920年遺伝学会改名→1951年育種学会が分離独立.ルイセンコ論争とのからみ. posted at 16:49:20
  • @discoder_x @Sakanashi_K いえ,分類は系統の切断面として表現可能. posted at 16:51:33
  • #FHB2013 木原均の関心は作物研究の文化的意味まで含む.直弟子の中尾佐助への影響. posted at 16:52:27

  • 見上公一「ナショナル・バイオリソース・プロジェクトに関するSTS研究」

  • #FHB2013 コメント by 見上公一「ナショナル・バイオリソース・プロジェクトに関するSTS研究」. posted at 16:53:49
  • いえいえ,日本進化学界の “生き証人” のひとりとしてのご指名ですよ #FHB2013 RT @tetyahara: 本質フェチの集いで名指しされたとか。本質って、「私にとってとっても大事なもの」のことね。 posted at 16:59:52

  • 標葉隆馬「生命科学と社会の間を見てみる/見てみたい」

  • #FHB2013 コメント by 標葉隆馬「生命科学と社会の間を見てみる/見てみたい」 posted at 17:07:49
  • [葉山]休憩ちう. posted at 17:30:50
  • #FHB2013 そろそろフロアディスカッションの時間〜. posted at 17:40:08

  • #FHB2013 瀬戸口明久さんがファシリテーター. posted at 17:42:20
  • #FHB2013 ワルモノのアジテーションはさらに続く. posted at 17:56:38
  • バイオポリティクス RT @l_z_b: 初めてまったくわからない概念がでてきた。 posted at 18:06:06
  • 日々是勉強 RT @l_z_b: バラさないでください。 RT @leeswijzer: バイオポリティクス RT @l_z_b: 初めてまったくわからない概念がでてきた。 posted at 18:07:15
  • @celmisia @TetYahara まあ,いまのコマバはSTSな研究者もちゃんと生息しているのでは? posted at 18:28:20
  • @celmisia @TetYahara おお,確かに! jssts.jp posted at 18:31:17
  • #FHB2013 キク母,今西進化論と戦った日々. posted at 18:34:37

◆午後7時,総研大食堂にて懇親会.さらに午後9時から「ナイトセッション」が始まった.

  • [葉山]懇親会後のナイト・セッションなう。 posted at 21:02:47
  • [葉山]瀬戸口明久。日本野鳥の会の歴史。1930年代、野鳥観察がブームだった。 posted at 21:54:18
  • [葉山]柳田国雄の息子は動物学者。 posted at 22:04:51
  • [葉山]現代のフィールド科学における専門家とアマチュアの役割は何か? posted at 22:15:19

◆午後10時半,すだく秋の虫のような寝息をバックグラウンドにナイトセッションだん.湘南国際村センターのホテルにチェックインしてやっとくつろぎのひととき.最後の ούζο が効いたな.

◆本日の総歩数=6008歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=95.2kg(+0.4kg) / 29.7%(+0.3%)


6 september 2013(金)※前線通過で秋本番の涼しさ

◆午前4時前起床.気温24.4度.昨日の前線通過で空気が入れ替わり,北東からの涼しい風が吹き抜ける夜明け前.爽快至極.気温23.3度.曇り空の早朝は窓を全開にして乾いた風を通す.曇りところどころ晴れ間の見える観音台は昨日よりも涼しい.午前8時の気温は24.2度.

◆[欹耳袋]受講生募集開始 —— 第176回農林交流センターワークショップ 〈分子系統学の理論と実習〉2013年11月6日(水)〜8日(金)@つくば.募集締切は10月4日,定員30名です.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 葉山にはどの日本酒を投下すべきかという難問.ワインはどうせキク母が用意するだろうし.バクハツ系はキケンなのでやめにして,火入れした常温OKのにしようか./昨夜から放置したままの Win PC はフルスキャンがやっと終わっていた.アップデートはすべて完了.R本体&パッケージ&RStudio も最新版にした.Firefox と Thunderbird もピッカピカ.でも,使い慣れたこの Win PC も XP のままあと一年でリタイアか.

◆[蒐書日誌]マーティン・J・S・ラドウィック[菅谷暁・風間敏訳]『化石の意味:古生物学史挿話』(2013年9月近刊,みすず書房,東京,ISBN:978-4-622-07767-1 → 版元ページ).全面改訳とのこと.海鳴社から出た前の訳はベック先生に悪訳をこき下ろされて絶版に追い込まれたもんね./何年も前からアマゾンの近刊予告に出ている:Huelsenbeck『Stastical Phylogenetics』の刊行予定が来月だ! ほんとうに,こんなええかげんな著者名とタイトルで Sinauer から出るのか(笑).

◆[欹耳袋]Togetter -「生物の高次分類群は必要?: 魚類の新規分類群「ペラジア」からはじまる系統と分類の話」 —— 1990年代以降に成立した一学派としての「phylogenetic taxonomy」あるいは “政治団体” としての「PhyloCode」党を明示的に指す以外は,「系統分類学」という言葉は禁句であるというメッセージがワタクシの『生物系統学』の根幹にあります.

三中信宏「分類学と系統学:ある蜜月の終焉」日本植物分類学会ニュースレター, (84): 12-17 (1996.8) では,「もうそろそろ分類学と系統学は互いに相手から解放され,それぞれの道をしっかり進むべきではないだろうか。偽りの蜜月はもう終わったのである」と書きました.分子系統学が浸透する直前の1990年代はじめから,分類学と系統学は,たとえ同じ “家” に住んではいても,いつの間にか「お互いの心が離れていた」ということです.その現実を直視できるかどうかという覚悟の問題だとワタクシは考えています.それは二択で勝ち負けを競うことではなく,互いに相手の将来を束縛しないであげてねということです.たとえ蜜月は終わっても,交際を続けることは可能ですから.

植物分類学会ニュースレターに載った特集〈伊達騒動「分類学・系統学・生態学」〉は今では誰でもフリーアクセスできます.個人的には最後の「若手学生の感想」が当時の雰囲気を伝えていて興味深い.東北大学の〈伊達騒動〉の場では大橋広好さんも演者の一人だったけど,途中で激怒して帰ってしまったしねぇ.伊達騒動のとき「講演したのに書き残さなかったのは誰か?」を知りたい向きは,EVOLVE アーカイヴ「[EVOLVE:1916] DATE-story (JSPT Newsletter, No.84)」(3 Sep 1996)を見るように.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 来週の横浜国大と下旬の首都大学東京の生物統計学集中講義の準備完了.スライド&ハンドアウト&R一式を用意した.

◆[欹耳袋]サッポロ出張関連 —— 昆虫学会:北大農学部周辺飲食店マップ公開:「昼食編」に「夕食飲会編」といたれりつくせり./もっとスゴいのは:〈Dr.陳の札幌グルメバイブル〉というサイト./サッポロ情報が自発的に向こうからどんどん集まってくる.そして,学会会期中は「夜の予定」から埋まっていく.

◆午後6時過ぎ,市役所にて県知事選の不在者投票をすませてから帰宅.今日は最高気温が26.4度と,猛暑を忘れさせる涼しさ.アオマツムシが鳴く夕暮れの今は23.3度.東風が心地良し.明日からの神奈川巡業を控えて旅支度をする夜.

◆本日の総歩数=3406歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.8kg(+0.6kg) / 29.4%(+0.2%)


5 september 2013(木)※明け方から驟雨が降り続く

◆午前4時過ぎ起床.気温26.0度の熱帯夜.夜明けは遠い.巨大な雨雲の本体がこれからやってくるのか.午前6時,遠雷とともに雨が降りだした.東の空は明るいのに頭上にだけ雷雲が居座っている.午前6時の気温は25.3度と蒸し蒸し.雨が降ったりやんだりの観音台.所内LANがいま死んでいる.瞬間停電があったようだ.午前8時の気温は26.2度.梅雨時でもこれほどの蒸し暑さはあまり経験しない.一晩中かけっぱなしにしていた除湿機は朝来てみたら貯水タンクが満杯になって停止していた.雷が轟き,驟雨が降り続く.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「マグロやサバ、祖先は共通の深海魚 国際研究グループ」(2013年9月5日).元論文:Masaki Miya et al. 2013. Evolutionary Origin of the Scombridae (Tunas and Mackerels): Members of a Paleogene Adaptive Radiation with 14 Other Pelagic Fish Families PLoS ONE 8(9): e73535. doi:10.1371/journal.pone.0073535.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 竹尾から〈系統樹の森〉の案内ハガキが届いた.全4種類のデザイン.メタリック光沢があって,スキャンすると黒っぽくなってしまう…….現物はとても美麗./統計講義用の Windows XP 機をひさしぶりに立ち上げたら,大喜びで各種アップデートに耽ってしまってぜんぜん仕事が進まない.アップデートの大波が過ぎたと思ったら,今度はマカフィーがPC全体の「フルスキャン」を始めやがった.このため午前中のお仕事はもうムリだ./福浦へ一冊郵送./先月の d-labo セミナー のレポート原稿チェック.近日中に公開されるだろう.

◆[欹耳袋]日本生物地理学会会報(Bulletin of the Biogeographical Society of Japan)の電子化がすべて終わったので,複写依頼に応えることができる.とりあえず,オーストラリアから届いた北千島探検記録に関するリクエストに返信.学会としての電子化公開のしかたについてはこれから検討する.

日本生物地理学会は,戦前は旧日本国領土の隅々に探検団を派遣する財力があった.ただし,敗戦後は一度つぶれかかった経緯があって,ジャーナルをコンプリートにそろえている国内機関はほとんどないと思う.たまたまワタクシが学会賞の副賞としてもらった全巻バックナンバーを電子化してもらった.

実は,生物地理学会には Biogeographica: Transactions of the Biogeographical Society of Japan なる別の不定期刊行物が戦前出されたことがある.ただし,これはワタクシ自身,農環研の「湯浅文庫」で vol. 1, vol. 2, および vol. 3 を手にしたことがあるだけで,その全貌は不明のままだ.いま CiNii Books で調べたかぎりでは,この Biogeographica は Vol. 4 までしか出されていなかったようだ.学会本部にも所蔵されていない出版物なので,電子化するめどはまったく立たない.

—— 歴史の長い学会の過去を掘り返すと不明なことがいろいろ出てくる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 昆虫分類学若手懇談会ニュース,no. 91(2 September2013)が届いた.来週の昆虫学会札幌大会シンポジウムの講演要旨など.若手の会もそろそろウェブサイトをつくった方がいいね./宮崎県総合農業試験場から師走湯けむり統計巡業の出張依頼書が早々と届いた.また佐土原に通勤する日々がやってくる.

◆[欹耳袋]Take a Risk: 林岳彦の研究メモ「今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースをまとめてみた(前編:検定力が低い)」(2013年9月2日).「サンプルサイズをやみくもに多くして、「瑣末な差」に統計的有意性を見いだしたとしても、それは「現実を知る/現実に対処する」ためには何の役にも立ちません」.確かにそうだよねぇ.どんな些細な「差」でも “有意差” にしてしまえるから.

◆朝から始まったマカフィーの「フルスキャン」作業はけっきょく夕方の撤収タイムが来てもまだ終わる気配がない(いま「89%」やて!).このまま放置して帰るしかないかー.Win PC は湯水のように時間を消費する.引きこもりの Win PC を研究室に放置したまま撤収.

◆[欹耳袋]毎日新聞「東大・中内教授:iPS有力研究者が米国流出」(2013年9月5日).「再生医療のトップランナーの「頭脳流出」は波紋を広げそうだ」— ぐろーばる化が好きなら「頭脳流出」は死語にしないとね.

◆午後3時を過ぎてやっと西日が差してきた.気温は28度台.暑いことは暑いが,じめじめ感は午前中よりははるかにマシ.

◆締切を過ぎた原稿の進捗がはかばかしくない.明日中にはケリをつけないと.

◆本日の総歩数=3175歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.2kg(−0.4kg) / 29.2%(−0.4%)


4 september 2013(水)※驟雨に何度も濡れる観音台

◆午前4時起床.本降りの雨がざあざあと降っている.気温23.7度.雨音が安眠を妨げる.雨音に混じってときおり雷鳴も.降っては止み,止んでは降る.ふたたび本降り.曇りときどき小雨の観音台.南から青空が広がってきた.午前8時の気温は24.8度.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 〈系統樹の森〉展示を主催する竹尾から案内状ができたとのメールあり.これはもう方々にばらまくしかない.葉山とかサッポロとか常盤台とか南大沢とか./頼まれていた推薦状一通を郵送./生物地理学会と昆虫分類学若手懇談会のジャーナル電子化作業完了の通知を関係者に出し,保管場所URLを連絡する./秋になると方々に出かける巡業ロードが始まる.その(心の)準備を始めよう./午前10時半から領域会議を一時間ほど.

◆[蒐書日誌]やっと着弾した —— Michael Schmitt『From Taxonomy to Phylogenetics: Life and Work of Willi Hennig』(2013年4月刊行,Brill, Leiden, xvi+208 pp., ISBN:978-90-04-21928-1 [hbk] → 目次版元ページ).体系学者 Wiili Hennig の初の伝記.これまで数々の家族内部資料を駆使して伝記記事を書いてきた蓄積を考えれば,Hennig 伝をまとめる最適の伝記作家だろう.写真や図版はすべてカラー印刷.値段が高くなるのもしかたないかも.ハードカバー版とeBook版のみ出版された.昨日の新幹線車中で読み始めた.

◆いかにも夏らしい空にこれまた夏らしい入道雲が湧き上がる昼下がり.気温は30.7度.絞れば雨が滴るほど湿度が高くてどうしようもない.ときおり雷鳴とともにスコールがあたり一面を濡らしていく.日が差しているのにスコールが急にざあざあ降りだす亜熱帯気候.いくつもの銀行を駆けまわる昼休み.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今年もまた大分湯けむり巡業が予定されているとの連絡あり.日程調整開始./出張依頼先の近くに温泉があるかどうかはとても重要なポイント.大分県庁に出張するときは別府・北浜温泉に宿を取り,田山花袋『温泉めぐり』と織田作之助『続・夫婦善哉』を携えて毎朝出勤する日々.信州大なら浅間温泉,山口大なら湯田温泉,愛媛大なら道後温泉,東大なら六龍鉱泉./今年の種生物学会シンポジウムは共同浴場〈不老泉〉の真向かいで開催か.ワタクシの今年の別府湯けむり巡業はその直前の予定なので,めぼしい「場所」はリストアップしておきましょう.

◆[蒐書日誌]形態学本あれこれ —— ワタクシが学部4年のときに Rupert Riedl の比較形態学本『Die Ordnung des Lebendigen: Systembedingungen der Evolution』(1975年刊行,Verlag Paul Parey, Hamburg)という比較形態学本の英訳版:Rupert Riedl[translated by R. P. S. Jefferies]『Order in Living Organisms: A Systems Analysis of Evolution』 (1978年刊行,John Wiley & Sons, Chichester, xx+313 pp., ISBN:0-471-99635-1 [hbk]) を読んだことがある.システム,システムと連呼しているので,ワタクシ的には彼の観念論は「Adolf Naef の生まれ変わりか!」と読めてしまった.

Rupert Riedl はもともとの出自は Adolf Remane の比較形態学を継承した形態学思想の持ち主だとワタクシは理解している.後年は生物学哲学に近い仕事が多くなったが.Riedl の形態学は1975年のこの本と翌年の:Rupert Riedl『Die Strategie der Genesis: Naturgeschichte der realen Welt』 (1976年刊行/1984年,R. Piper & Co. Verlag[SeriePiper 290], München, 381 pp., ISBN:3-492-00590-X [pbk]) が主著だろう.

Rupert Riedl『Biologie der Erkenntnis: Die stammesgeschichtlichen Grundlagen der Vernunft』(1979年刊行,Verlag Paul Parey, Hamburg, 231 pp., ISBN:3-489-61034-2 [hbk])は進化的認識論の本で,Franz M. Wuketits らドイツの生物学哲学(新カント派)にとって大事な著作.

◆夕方,巨大な入道雲が南の方からせり上がってきたけど,また一雨くるのかと思ったら,案の定,今日何度目かのスコールが降りだした.ニュースを見ると,栃木で竜巻,ナゴヤは豪雨で水没しているらしい.昨日のうちに京都日帰り往復できたのは幸運だったというしかない.昨日の京都といい,今日のつくばといい,天気の移り変わりがめまぐるしすぎる.夜になっても不安定な天気が続く.関東地方にかかる雨雲の「ベルト」が北上しつつもほとんど位置を変えていないのがすごいな.定点降りまくりか.

◆茨城県知事選の不在者投票をすませないといけないな.

◆本日の総歩数=4170歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.6kg(−0.5kg) / 29.6%(0.0%)


3 september 2013(火)※京都ミッションは天候不順

◆午前4時半起床.気温25.0度.湿り気のある涼しい東風が吹き渡る夜明け前.午前5時,真っ赤な朝日が昇ってきた.今日は日帰りで臨時京都ミッション.さくっと出かけてさくっと帰還する.

◆午前8時過ぎ,TXつくば駅.気温は28.4度,湿度が高くて蒸し暑い.見上げれば夏の空に逆戻り,青空のあちこちに綿菓子のような積雲がところ狭しと浮かんでいる.水蒸気たっぷり,絞ればすぐ雨になりそうな感じ.午前9時半の東京駅.平日の朝の新幹線ホームは空いている.都内の午前9時の気温は30.6度.

箱根を越えるまではよく晴れていたが,静岡を過ぎて雲行きがあやしくなってきた.名古屋を過ぎていきなり本降りの雨がざあざあ降りだす.正午きっかりに京都駅に着いた.本降りの雨が降り続き蒸し暑い.JR奈良線の「みやこ路快速」に乗って,洛南ミッションの始まり.ときおり驟雨に濡れまくる奈良線.桃山あたりで雨は止んで青空が広がってきた.せわしない空模様.そして,六地蔵で下車.蒸し暑〜.

地下鉄東西線で一駅乗って石田で下車.いったい何度ここに通ったことか(それも平日に).予定通りターゲットを捕捉し,速攻で制圧した.今回の京都ミッションは瞬殺で作戦遂行を終えた.長居は無用だ.スコールが降り注いでは晴れ間がのぞくという不安定な空模様だが,さいわい傘を開くことはなかった.

再び東西線に乗って京都市役所前で下車.寺町通りを北上し寺町二条の寿司〈末廣〉にて持ち帰りの鯖寿司をゲット.目の前で鯖をまるまる一本使った押しずしができあがっていく.ちらし寿司を注文したいところだが,そこはぐっとこらえて京都駅へ直行.ポルタ地下〈イノダコーヒ〉にてハムサンドとアラビアの真珠を注文した.〈仙太郎〉の栗蒸し羊羹も買うたし,完璧なロジスティクスやな.

京都駅.またしてもざあざあ雨が降りだした.今日の京都は降ったり晴れたりまた降ったりと落ち着きのないことこの上なし.午後3時過ぎの新幹線に乗る.名古屋駅を過ぎた頃には雨はやみ,雲間から青空が見えてきた.午後5時半に東京着,夕暮れ時のTX車内は疲労が漂っている.午後7時,つくば帰還.気温27.0度.本日の日帰り京都ミッションはこれにて幕となった.

◆[欹耳袋]印刷タイムズ「竹尾「紙とインフォグラフィックス 系統樹の森」10月9日から開催」(2013年9月3日).今回の企画展示〈系統樹の森〉を主催する竹尾は「紙」の専門店なので,プレスリリースはもっぱら紙・印刷・デザイン業界に対して行われたようだ.このワルダクミを農環研にどのように認めさせるかという難題はまだ解決していない(見切り発車した)論文を書いたり学会に行ったりする以外にもさまざまなアウトプットのかたちがありえることは必ずしも “所内的には” 認知されていない.ま,何とかなるでしょう.

◆夜は,おみやげに持ち帰った〈末廣〉の鯖寿司をばくばく食べて,〈王祿〉の無濾過生原酒「丈径」をうぐうぐ呑んだので,もう使いものになりまへん.脂の乗った肉厚の鯖の旨さ.あとはもう寝るだけ.

◆明日は再び日常に復帰して原稿仕事に専念する.

◆本日の総歩数=10369歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.1kg(−0.2kg) / 29.6%(+0.3%)


2 september 2013(月)※あの入道雲はスーパーセル

◆午前5時前起床.気温23.2度.涼しい風が吹き抜ける夜明け前.ヒグラシ独唱.曇り空の観音台はやや蒸し暑い.午前8時の気温は25.1度.今月最初のBGMはアストル・ピアソラ〈ブエノスアイレスのマリア〉.小松亮太他によるライヴ録音版.6月の東京オペラシティ・タケミツメモリアルでの熱狂が思い出される.進化学会大会が今週開催だったとしたら,朝イチの大会出席率はさぞかし低かっただろうねぇ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 月始め恒例の出張伺・兼業願・年休届などなどをまとめて書いていたらもうお昼休み目前./昆虫学会と植物学会が大会激突するサッポロ近辺では,すでにホテルが確保できない状況にあるらしい.ワタクシは5月の時点で昆虫学会札幌大会の「宿」と「足」を速攻確保していた.学会パッティングを知らずにうっかりすると,「宿なし」と「足なし」でにっちもさっちもいかなくなるから.二学会激突のサッポロでは,「宿」と「足」だけではなく,ナイトライフの「店」をめぐる熾烈な資源獲得競争がありそう.札幌ナイトライフ戦線拡大.ワタクシ的にはあそことあそことあそこに行ければよしとしよう./提出すべき事務書類→印刷→ミス発見→訂正というプロセスを何度も繰り返して,いまやっと作業終了.月ごとにたった一回の作業なので毎回学習できない./どうせお昼休みはつぶれるので,今月の┣┣" 撃ちリストのリニューアルでもしておこう.

◆[蒐書日誌]いただきもの三冊 —— 井上英治・中川尚史・南正人『野生動物の行動観察法:実践 日本の哺乳類学』(2013年8月20日刊行,東京大学出版会,東京,vi+184 pp., ISBN:978-4-13-062223-3 → 版元ページ)/坂本大三郎『山伏ノート:自然と人をつなぐ知恵を武器に』(2013年9月25日刊行,技術評論社[生きる技術!叢書],東京,ii+220 pp., ISBN:978-4-7741-5917-1 → 版元ページ)/藤井聡『プラグマティズムの作法:閉塞感を打ち破る思考の習慣』(2012年5月25日刊行,技術評論社[生きる技術!叢書],東京,ii+317 pp., ISBN:978-4-7741-5023-9 → 版元ページ).

◆[欹耳袋]生きるすべ 柳田充弘ブログ「改めて捏造データを含む論文を考える」(2013年8月29日) —— 「今後、エリート教育、恵まれた家庭、温厚な人柄、こういう人たちが研究社会で増えるのなら、捏造論文も捏造行為者もそれに比例してどんどん増える様な気がするのです。成功へのプレッシャが生みだす人々の行為なのだろう、と。」/「追加して言っておきたいこと」(2013年8月30日) —— 「どうしたらいいのか、わたくしの持論ですが、高額研究費のたとえ10分の1でももらえてただし職の保障があるところで、主宰者はそれ以上の欲もなく、しかし元気よくしかも質素に研究をするのであれば、捏造とも無縁、無茶なストレスも受けない研究環境を作れる人たちだと思うのです。」

◆午後の┣┣" 撃ち —— 原稿┣┣" に尻を叩かれる.締切を過ぎた原稿がひとつ,締め切り間際のがひとつ.番町皿屋敷みたいな./日本生物地理学会の刊行物(会報と Biogeography)ならびに昆虫分類学若手懇談会の刊行物(ニュースとパンミクシア)の全バックナンバー電子化作業が終わった.ありがたやありがたや.これでサッポロ高座のネタは全部手もとにそろった.

◆あの入道雲はスーパーセル —— 午後2時前,気温は今のところ30.2度どまりだが,みごとな入道雲が西の空に立ち上がっていた.真夏でもあまり見られないような巨大な入道雲だった.ときおり遠雷がごろごろ響いてくる.せり上がった入道雲の本体が灰色から黒くなってきて,ひっきりなしに雷鳴が轟く.つくばはその影響はなかったが,ニュース速報でちょうどこの時間帯に入道雲の真下にあたる埼玉の越谷近辺で大きな竜巻が被害をもたらしたとのこと.あの入道雲は昨年つくばを襲ったのと同じ「スーパーセル」だったことを知ったしだい.参照:朝日新聞デジタル「なぜ今ここで? 竜巻生むスーパーセルとは?」(2013年9月2日).

◆今日の最高気温は,午後2時過ぎの33.0度だった.昨日みたいに雷雨が降らなかったので,急速冷却されることなく真夏日のまま夕刻を迎える.暑さが去らない日々が続き,夕餉の食卓には冷たい飲み物が並ぶ.今夜は佐賀〈天吹〉の純米吟醸「すぱーくりんぐ」を開栓.ブルーボトルにおしゃれなラベルはいくつもの蔵元に定着したデザインのようだ.氷温室保管してあったので噴き出し事故の心配はない.しゅわしゅわ〜.アテはジャーマンポテトと新サンマ.夏と秋をまたぐ夕食.

◆[欹耳袋]産経ニュース「【翻訳机】青木薫(翻訳家)「理解して訳す」を目標に - MSN産経ニュース」(2013年9月1日).「著者の言葉を理解するためには、やはりと言うべきか、文化と文化の間の深い断崖に向き合うしかないのである」.翻訳ってたいへんだよねえ.

◆明日は緊急の京都ミッションにつき,俊速往復移動する.

◆本日の総歩数=3864歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.3kg(+0.5kg) / 29.3%(+1.0%)


1 september 2013(日)※嵐とともに九月の幕が開く

◆午前4時前起床.気温26.6度の熱帯夜.月始めの活動開始.日の出.気温26.0度.とりあえず,今月のメーリングリスト月例アナウンスを流して,一仕事終える.今日も猛暑日になりそうなので,〈つくいち〉には行かないことを緊急自分会議で可決した.

◆[欹耳袋]今朝の朝日新聞書評欄コラム〈本の舞台裏〉「デフレの中の新書」に登場する講談社現代新書の「ミスター新書」氏は,ワタクシの『系統樹思考の世界』と『分類思考の世界』の担当編集者だった.いまや現代新書ヒットメーカー.ハードカバーで出されるべき本が “デフレ” になって,新書というフォーマットで出版されるのが現在の状況であるという指摘は,確かに以前そう聞いた記憶がある.新書という形式は均一でも内容の分散は大きいということ.

◆午前10時前にはもう32.6度.昨日よりも格段に暑い.正午過ぎには35.2度の猛暑日に.自動車の修理に研究学園方面に出向いたのだが,イーアス渋滞とコストコ渋滞で身動きが取れない.ランチは四川料理〈Ainey's〉にて排骨担々麺.猛暑日には熱くて辛い担々麺を.あっつ〜.修理が終わってからちょいと観音台へ.進化学会期間中はまったく寄り付かなかったので,様子見に.頭上を通りすぎてしまった農環研分会定期大会資料類は脇に押しのける.書類に混じって予約しておいたアストル・ピアソラ〈ブエノスアイレスのマリア〉のCD二枚組が届いていた.東京オペラシティでの演奏会のライヴ録音(→ 2013年6月29日日録).

◆[欹耳袋]ワイリー・サイエンスカフェ 「英国生態学会が「査読のためのガイド」を公開|分野を問わず査読者に役立つ内容」(2013年8月21日)→ British Ecological Society | A Guide to Peer Review in Ecology and Evolution [pdf: open access]./Why Evolution Is True | Best mimicry ever | 31 August 2013.ムラサキシャチホコのみごとな “落ち葉擬態” と飛翔動画(海野和男).飛び立つときは枯れ葉のくるくる巻きがちゃんと伸びている.

◆夕方になって北の方から禍々しい兇雲が.北西方向から遠雷と稲光とともに黒雲が空を覆い始めた.風が荒れ狂う.雨雲ズームレーダーを見ると,坂東市から常総市にかけてはすでに “真っ赤” になっている.雷鳴が接近してきた.ときおり,太い稲光も.全天を暗雲が覆い,その下を黒猪が何頭も駆け抜けている.午後5時,真っ暗な空からいきなり驟雨が降り注ぐ.叩きつけるスコールのカーテンが強風に煽られて何重にも揺れている.しかし,ものの半時間ほどで雷雲は通り過ぎた.

◆午後8時の気温は22.5度.ほんの数時間で10度も下がった.今夜は窓開放で寝られるかな.

◆[欹耳袋]学会大会に参加する “心構え” って何? —— ヤムイモの頭のBlog「はじめて学会に参加する人のための7つのTips」(2012年10月31日).いわく:「若手大学院生の学会発表の態度がよろしくない」&「発表という”手続き”をこなすこと以外に興味がなく、人と交わろうとしない」.

長年にわたって学会を運営してきた年長世代と新たに入ってくる若手世代では認識にギャップがあるのは否定できない.元記事は学会に初参加する新人が「粗忽をしない」ための “心得集” だろう.年長世代が期待する新人の “心構え” と考えれば目くじらをたてることではない.しょせんは,そんな “心得” や “心構え” はローカルルールでしかないからだ.学会ごとに固有の「文化」や「不文律」があることを認めた上でも,それらはどうしようもなくローカルでしかない.

若手世代の研究者にとって学会に参加する意義は,年長世代と「つきあう」ことではないだろう.「自分より上の世代」のシニア研究者はどうせ何を言っても変わらないだろうし,放置しておいてもそのうち視界から消え去るだろう.一方,「自分よりも下の世代」の若手研究者はひょっとしたら向こう何十年もつきあい続ける可能性がある.どちらに目を向ければいいかは自ずと明らかだ.これからのことを考えれば,つねに「自分よりも下の世代」に働きかけ続ける(=洗脳し続ける)努力が利己的には正しい戦略となる.

知り合いの多いホームグラウンドの学会ではなく,アウェイな学会に参加するときはまたとない(自分よりも下の世代との)人脈づくりのいい機会と考えると “面の皮” が厚くなるだろう.ワタクシにとっては,もともと “ホームグラウンド” と呼べる学会が(思い当たら)ないので,どこの学会に行ってもつねに “アウェイ” 感があふれる.たとえ学会役員をしたからといって,その学会が “ホームグラウンド” であると思いこむ必要はないだろう.

—— ワタクシはどこにでもいるけれど,どこにもいない.

◆明日からは平常労働日が戻ってくる.

◆本日の総歩数=1918歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)=94.8kg(−1.5kg) / 28.3%(−0.8%)


--- het eind van dagboek ---