images/image1.jpg

Home
oude dagboeken

日録2011年7月 


27 juli 2011(金)〜5 augustus 2011(金)
      ♪ 〜地球のウラ側で時間も季節も正反対〜 ♪

   → Diario do Hennig XXX(São José do Rio Preto, Brasil)


27 juli 2011(水)※旅立ちの朝は曇り空で蒸し暑い

◆旅立ちの朝は今にも雨が降りそうな曇り空だ.午前4時半に起床.昨夜は遅くまで旅支度をしたが,朝はちゃんと起きられた.最低気温23.0度で熱帯夜ではなかったが,なんとなく蒸し蒸しして快適ではない.ばたばたと家事をしたのち,つくばセンターに重いスーツケースを抱えて小走り.小雨が降りだしてさらに不快指数は高まってきた.午前7時発の成田空港行きシャトルバスに乗り込む.意外に客が多いな.

◆昨日の夕暮れ,つくばセンターの上空に出現したムクドリの大群がけたたましく跳び回る.毎年この季節はセンター広場周囲の並木が彼らのねぐらとなっている.それにしても絵に描いたような「自己組織化」的な編隊パターン.

◆地球の裏側へ —— 朝の出勤タイムと重なったせいか,成田空港への道路が混んで,たっぷり二時間かけて第一ターミナルにやっとたどり着いた.雨足は強まっている.湿度が高くどうしようもないが,これから行く国は「冬」だから,あまり薄着にしていると痛い目に遭う.

とりあえず空港に着いてすぐにエールフランスのチェックインをすませ,スーツケースを預けて身軽になる.両替所にてユーロを買ってから,コーヒーショップにてしばし一休み.フライト(AF275)は11:55なのでまだ時間はある.日録書きをする朝のひととき.

成田からパリまでは12時間20分のフライト,パリで六時間待ちののち,サンパウロまでさらに11時間半.九時間待ちで国内線に乗り換えて一時間飛び,最終目的地のサンジョゼ・ド・リオプレトにやっとたどりつく.純粋に空を飛んでいる時間は25時間.それに乗り換え時間が15時間ほど余計にかかる.これ以上の長旅はそうそう経験できない.何はともあれ日本を出てしまえばなんとかなるだろう.

—— これからの旅先日記は「Diario do Hennig XXX」をごらんあれ.


26 juli 2011(火)※学会参加者と洛中ですれちがう

◆午前5時くらいに一度目覚める.外はよく晴れた朝の空.遠くの北山まできれいに見渡せる.昨日のように日中は暑かったらいやだなあ.午前8時過ぎにやっと朝食へ.朝日にきらめく鴨川の向こうに東山の山並みが広がる.

◆[欹耳袋]まとまり日記「科学哲学には何が期待されていて何ができていないのか」(2011年7月26日)

◆日中はいくつか用事をすませてから,午後三時過ぎの新幹線でつくばに帰る.洛中には学会参加者と思しき旅行者の姿がちらほら見えた.ワタクシはその人達とは真逆の移動をしていることになる.

◆午後7時前につくば着.夜,ばたばたと旅支度.忙しすぎる〜.もうたいへん〜.

◆本日の総歩数=3720歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=未計測/未計測


25 juli 2011(月)※突然「そうだ 京都に行こう」

◆午前5時前に起床.日の出.青空が広がる.気温21.5度で北東風が心地よし.国外逃亡の週の始まりだ.午前8時,観音台の居室はいま室温が28.0度ある.さいわいたったいま全館空調が稼働しはじめた.今日は暑くなりそうなのでありがたやありがたや.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 祇園祭の喧噪が過ぎ去った古都に向けてテポドンを2発発射した.しかし,一挙に攻め落とせるとは思っていない.応仁の乱とか戊辰戦争くらいの覚悟で攻め入る必要があるかも./とりあえず受信箱に巣食っていた┣┣" どもを一掃処分したのだが.空きニッチにしておくとどんどん侵入┣┣" がはびこるだろうなあ.

◆[欹耳袋]昨年9月に岐阜大学で開催された哺乳類学会大会のシンポジウム記録が公刊された:大舘智氏・金子之史・岩佐真宏・本川雅治・三中信宏(2011)「哺乳類学者・進化学者 徳田御稔の足跡[2010年度大会自由集会記録]」哺乳類科学(日本哺乳類学会),51(1): 206-211.

◆さて,午後からはいきなり京都に行くぞー.ということで,夕暮れの蒸し暑い京都駅に到着した.ほんとうだったら明日から始まる〈SMBE 2011〉&日本進化学会年次大会に参加するはずだったのだが,国外逃亡を優先してしまった.河原町御池のホテルにチェックインしてから用事をすませる.かなりのハードスケジュールだったかも.

—— 寝る寝るワタクシ.

◆本日の総歩数=6340歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=92.7kg(−0.6kg)/28.9%(−1.1%)


24 juli 2011(日)※久しぶりに青空と日射しが戻る

◆午前5時前に起床したら,久しぶりに真っ青な快晴の夏空が広がり,ちょうど日の出の時間だった.最低気温は18.6度.だいぶ夜明けが遅くなってきたか.昨日まで吹き続いた台風六号からの北東風はもうおさまっている.今日は暑くなりそう.午前7時,いろんな方角から段雷が轟きわたる.今日は夏祭りが方々であるのだろう.午前8時,気温は25.0度の夏日ラインをこっそり突破していたりする.青空が広がって日射しが強いが,東風が吹き抜けて爽快.いまのところは体感的にそれほど暑くはない.

◆[欹耳袋]トークの全内容を一枚のスライドに書きこむ荒技!:Daily Life「ナンシー」(2011年7月24日).たとえて言えば,ポスター発表のポスターを一枚スライドにぎゅっと圧縮して,部分拡大しながらトークしたということか.しかし,たった一枚でもスライドのあるトークは安心して聞いていられる.十年前にギリシャで開催された国際系統進化生物学会(ICSEB)で,壇上で一枚のスライドもなく講演原稿をめくりながら「音読」をひたすら三十分やりとげた研究者がいた.Olivier Rieppel さんという誰もが知っている有名な古生物学者だった.あれほどのカルチャー・ショックはなかった.あのときも「種」に関する講演だったなあ.しかし,考えてみればプレゼンツールが普及する前は,誰もがスライドなしに「講演を読みあげる」というのは標準的なスタイルだったはず.いまでも哲学系(人文社会系も?)の学会では,文字通り「原稿を読み上げる」スタイルの発表は残っている.「種」問題も哲学と考えれば Rieppel さんの発表は正統的≠セったのかもしれない.

◆[蒐書日誌]Rのグラフィクスにのめりこむ —— H・ウィッカム[石田基広・石田和枝訳]『グラフィックスのためのRプログラミング:ggplot2入門』(2011年7月18日刊行,シュプリンガー・ジャパン,東京,viii+227 pp., 本体価格4,000円,ISBN:978-4-431-10250-2 → 版元ページ).ご恵贈感謝です.Rのパッケージ「ggplot2」を用いたさまざまなグラフィクスの教科書.出力がとてもきれいだけど,没入すると社会復帰できなくなりそうで…….原書は:Hadley Wickham『ggplot2』(2009年刊行,Springer-Verlag, Berlin, ISBN:978-0-387-98140-6 → 版元ページ).

◆日曜の┣┣" 撃ち —— 午前中は家でごそごそし,午後から観音台に行ってきた.朝のうちは風が心地よかったが,昼下りは晴れたり曇ったりでしだいに不快指数が上昇.涼しくハッピーな日々はもうおしまいかな.それでも最高気温は28度どまりなのだが.ブラジル出張関連の旅支度はなおも続くのだった(講演スライドはどーする).Hennig Society Meeting はふだん行く機会のない国で開催される頻度が高い.気がつけば,日本ではけっして換金できないかもしれない紙幣や硬貨が溜まっていた.メキシコ(ペソ)・アルゼンチン(ペソ)・ブラジル(ヘアル)・オーストラリア(ドル)など.ブラジルに入国してからまとめてへアルに換金しよう.中継地パリや目的地サンパウロから「寒いから上着を」との情報が届いた.トロピカルな暑さに慣れてしまうと別世界のように聞こえてしまう.服装的に「半袖・短パン・サンダル」の三点セットはありえへんとのこと.スーツケースに詰め込む服装一式を再検討しないといけないらしい.

◆[欹耳袋]向こう十日間の天気予報 —— サンパウロパリ.いずれも日中は20度を越えるが,朝夕は10度台で,日本だと秋本番のころに相当するか.

◆夜,いささか気の重いメールをふたつほど「えいやっ」と送ってしまった.海外逃亡する前に仕留めるべき┣┣" どもだったから.

◆本日の総歩数=5043歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.3kg(+0.3kg)/29.0%(−0.2%)


23 juli 2011(土)※思いがけず涼しい夜は快眠熟眠

◆午前4時半過ぎ起床.曇り.気温17.3度.肌寒いほど涼しい.丑三つ時は14.9度まで冷え込んだようだ.熱帯夜という言葉は遠くに消え去っている.そういえば,昨日も一昨日も自宅のエアコンはずっとオフだった.これ以上の節電効果はない.週末は講演準備に明け暮れる(つもり).その後,晴れ間がのぞいてきたが,夏の暑さにはほど遠い.涼しい北東風が通奏低音のように吹いているからだろう.天気予報では真夏日が来るぞ来るぞとオオカミ少年のようにリピートしていたがほんとうだろうか.

◆週末の┣┣" 撃ち一頭 —— 〈系統樹ウェブ曼荼羅〉の第8回連載記事「祖先の蔭に護られて:系統樹二千年の歴史をさかのぼる」のゲラが届いた.チェックして返信する.今月末に公開予定.海外逃亡する前でよかったのお.

◆[蒐書日誌]ブラジル・ポルトガル語関連(持参本) —— 日向ノエミア(編)『日本語-ブラジル・ポルトガル語辞典』(2010年9月10日,三省堂,東京,ii+857 pp., ISBN:978-4-385-12290-8 → 版元ページ).最近,日本語→ポルトガル語辞典の新しいのがいくつか出ているが,本書を選んでみた.あまりかさばらないのがありがたい./猪木亜弥子ファニー『旅の指さし会話帳23・ブラジル[ブラジル(ポルトガル)語]』(2001年12月10日,情報センター出版局[ここ以外のどこかへ!アメリカ・オセアニア8],東京,128 pp., ISBN:978-4-7958-1913-9 → 版元ページ).

◆曇り空の昼下がり,観音台に実在する.地球のウラ側でのお座敷のしたくをば.来週の今頃はもう地球の裏側にいるんだもんねえ.現時点での最高気温25.4度でやっと夏日.居室はここのところ涼しかったせいで27度台.まあ許容範囲内だろう.噺のイメージづくりは進むが,ぜんぜん終わらん.お,ニイニイゼミの合唱をバックにミンミンゼミのバリトン独唱が農林団地に響き渡っている.週末なのでもちろん全館空調は入らないが,窓を開けて扇風機をかければぜんぜん問題なし.居住性は上々だ.こういう日々が続いてくれるとほんとうにシアワセなのだが,きっと長続きしないよねえ.

◆[欹耳袋]本日午後,本郷で開催されたシンポジウム〈消えゆく学会〜問い直される学会の役割と社会との関係性〜〉.学会とか学会誌を「ビジネス・モデル」の観点から考えると問題ありすぎだろうなあ.当事者的には学会が多すぎてどうしようもない./Pete E. Lestrel セミナー「Boundary Morphometrics: Issues and examples drawn from the Craniofacial Complex using a Fourier-Wavelet Model」.2011年7月26日(火)15:30〜17:30 @東京大学農学部1号館地下1階・第5番講義室(→地図).

◆国外逃亡する10日間の間,┣┣" どもがどれくらい成長してしまうのかが,かなり不安.すでに早々と農大からのレポート返送一番乗りあり.帰国日が提出締め切りに近いので,ピンポンのように受領メールを返さないとかな.ここのところ動向が静かすぎる某論文集のこととか.月末だからハッパをかけないと.

◆[欹耳袋]〈RoaringApps: Application compatibility wiki for Mac OS X Lion〉.Mac の新OS「Lion」で既存のソフトウェアが動くかどうかを網羅的にチェックするサイト.ライオンを解き放つ前のご用心.Togetter - 「OS X Lionで動かないアプリまとめ」 よりももっと徹底的かもしれない.

◆夕暮れタイム.午後の最高気温は26.0度まで上がったが,北東風が涼しかったので今日もまたエアコンいらずの一日になりそうだ.夏野菜のストックを利用してラタトゥイユのしこみをすませた.今夜の夕餉でポークソテーとともに食卓に登場する予定.明日は貴重な高座準備の日.

◆本日の総歩数=4574歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.0kg(−0.2kg)/29.2%(+0.7%)


22 juli 2011(金)※世田谷の最終講座は涼しい一日

◆関東地方だけ逸れていった台風六号の置き土産というか遠隔操作でオホーツク海高気圧からの冷気が入ってきて,一晩中快適快眠.午前4時半過ぎ起床.曇り空の隙間から朝焼け.北風.最低気温はなんと15.3度.いまの季節では信じられない涼しさ.今日は農大高座の最終回.

◆最後のお勤めのため経堂へ出撃 —— いつもどおり7:56発のTX快速に乗る.外は曇りときどき晴れ.冷たい風が気持ちよい.途中,晴れ間から日が射すこともあったが,都内は曇り.北風が涼しい.今日はさしたるダイヤ遅延もなくほぼ定刻に経堂着.心地よく農大通りを下って桜丘に到着.

◆農大高座(今期最終回) —— ベイズ統計学の解説.いままではベイズの定理から始まる「本道」を進む講義をしてきたのだが,これだとどうしても「イバラの道=数式の道」に学生を誘い込むことになってしまう.今年はそこを改良して,「ベイズ流の統計学」ではなく「ベイズ流の推論様式」に軸足を移してみた.つまり,ベイズの定理から導かれる「事後分布∝尤度×事前分布」から話を始めるのをやめたということ.

その代わりに,従来の統計学が「データ」のみに基づく尤度的推論をしてきたのに対し,ベイズ統計学は「データ+事前情報」に基づく推論によりベストの仮説を導こうとしているという点を強調した.統計の方法論としてではなく推論のスタイルに着目して,ベイズ主義的世界観(「森羅万象は確率化≠ウれる」という信念)を見直すとき,統計学というリクツの世界とは別の「実用主義」的側面がクローズアップできる.

ベイズ的推論のもつこの特徴(特長では必ずしもないが)を話した上で,やっとベイズの定理すなわち「事後分布∝尤度×事前分布」の登場だ.事後分布が解析的に解ける「beta-prior binomial」なケースについては〈Bayesian Coin Tosser〉のデモンストレーションがとても効果的(データを固定した時の事前分布の影響が可視化できるので).

一般には,数値的に事後分布が求まらないので Bayesian MCMC の原理を説明する.その際に〈MC Robot〉はいつもたいへん重宝している.〈MCRobot〉は二次元正規分布の MCMC サンプリングのデモンストレーション.ついでに,再び〈Bayesian Coin Tosser〉を出してきて,一変量分布の MCMC サンプリングをデモする.マルコフ連鎖の鎖を長くするほど事後分布の山並み≠ェクリアに見えてくる.

〈Bayesian Coin Tosser〉と〈MC Robot〉(→ どちらも Paul Lewis Laboratory Site からダウンロードできる)は Windows ソフトウェアだが,Darwine を利用して Mac OS X 上でも走らせることができる.

—— 高座の最後は「データ可視化」について最後のダメ押しをしたうえで,第二回レポートを出題した.受講生のみなさん,どうもお疲れさまでした.

◆曇り空の農大通りを駅まで上ってから,いつもの〈はるばるてい〉にて香麺をば.来月から一ヶ月あまりは長期休業して,ヨーロッパ方面に外遊してくるらしい.バカンスですなあ.その後,炭焼珈琲〈いまあじゅ〉で一休みしてから新宿に出る.午後3時,紀伊國屋書店前でフランスから帰国した小坂井敏晶さんと会う.ご本人とは初対面なので自著本のやり取りなど(新書は「名刺」代わりということだ).社会心理学という分野は学問的所属がゆらゆらしているらしい.本務地のパリ第八大学では,トップが変わって心理学は「自然科学」と分類されたために,理系%Iな業績評価が幅を利かせる現状とのこと.神の国フランスでは「永遠的真理(イデア)」は日本では考えられないほどの絶対的価値がある.午後4時過ぎに新宿で解散,そのままつくばに直帰.本日の都内の最高気温は24.2度で夏日ラインにさえ到達しなかった.

◆小坂井さんからのいただきもの: 小坂井敏晶『人が人を裁くということ』(2011年2月18日刊行,岩波書店[新赤版1292],東京,viii+205+5 pp., ISBN:978-4-00-431292-5 → 版元ページ).

◆帰ってきたつくばは雲の広がる夕焼け空.北東風が吹き渡り,上層階は肌寒いほど.夕暮れとともに気温は20度を下回った.今夜は新ジャガの煮っころがしとこんにゃくのもろみ漬けを肴に銀河高原ビールをば.メインは親子丼でささやかに.

◆本日の総歩数=11060歩[うち「しっかり歩数」4773歩/52分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.2kg(+0.2kg)/28.5%(+0.4%)


21 juli 2011(木)※台風からの吹き返しで目覚める

◆午前3時前に起きたのだが,丑三つ時から外の吹きすさぶ台風の風の音で目が覚めていた.曇り空.雨はぜんぜん降っていないのだが,北東風が瞬間風速16メートル超で吹き荒れている.現時点での最低気温は20.9度で,とても快適に寝られたことはよしとしよう.午前7時,風速10m,気温19.9度.ちょいと寒すぎやしないかい.午前8時,外の気温は20度で涼しすぎるほどなのに,いま全館空調がオンになったぞ.

◆[欹耳袋]昨夜は Mac OS X Lion の売り場がとても混んでいたみたいだった.ダウンロードしようと思っていたのだが,台風の吹き返しに一晩さらされて,来月上旬にブラジルから帰ってきてからでも遅くはないかと思い直した.環境が変わって動くものが動かなくなるとかなり困るので.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 携帯用のポルトガル語辞典は,前回サンパウロに行ったときに買った Oxford の Portuguese Minidictionary だが,視力検査を受けているかのようなフォントサイズの小ささは,13年が経過した今となってはかなりきびしいものがある.買い替えるか.

◆[欹耳袋]植物命名規約に関するメルボルンIBCについてさっそく Nature 速報 —— Nature News「Botanists shred paperwork in taxonomy reforms」(2011年7月20日).ラテン語だけでなく英語もOK,紙だけでなく電子出版もOKという大変革.

◆昼休みの┣┣" 撃ち —— 昼休みに貸し倉庫に行って,海外旅行用のスーツケースをもってこようと思ったら,倉庫内の荷物が見る影もなく崩落していて,予期しない大仕事になってしまった.振り返ってみれば「3・11」以降,一度も来ていなかった.震災時のまま静かにいままで時を刻んでいたということだ.冷たい北東風が吹きつけた午前は19.8度まで気温が下がったが,晴れ間の除く午後は日射しで少し暖かくなってきた.それでも外気温はやっと21度を越えたところ.連日の真夏日・猛暑日を忘れてしまいそう.

◆[欹耳袋]Mac OS X Lion への移行はしばらく様子見しようかな —— Togetter - 「OS X Lionで動かないアプリまとめ」 .PAUP* version 4.0 は Mac Power PC の Classic 環境でとてもよく働いてくれた.PAUP* と共進化してきた MacClade も使い勝手のいいソフトだった.しかし,Intel Mac になってから Rossatta でかろうじて生きながらえてきたが,Lion の登場とともにその命脈も尽きようとしている.個人的には PAUP* / MacClade 用に PowerBook をいまも温存しているので,実用的には問題ないが先がないことは重々承知している.PAUP* に限っていえば,Win PC で PAUP*(DOS版)を PaupUp でくるんで使うというのはけっこう快適かも.Win版PAUP* はインターフェイスがへたれだが,DOS版PAUP*+PaupUp は使いやすい.MacのClassic環境での PAUP* の使い心地に近いものがある.研究者にとっては,ハードウェアや OS の新しさよりも,既存のツール(アプリ)がどこまで使い続けられるかの方がはるかに切実だろう.しかし,アップルはどんどん先進的なものを出してきてしまう.だから,現物の系列をタイムラインで保全する必要があるなあ.

—— 【教訓】研究者は古いマックを捨ててはいけない

◆午後の┣┣" 撃ち —— 海外旅行アイテムのチェック開始.毎年のことなので間違いはないはずだが./成田空港行きのシャトルバスの予約完了./海外旅行保険の契約書が届いた./肝心の講演スライドはまだ……(汗).

◆夕刻,北東の冷涼な風が終日吹き続け,秋口のような快適な夕暮れをいま迎えている.午後になって雲が切れ晴れてきたが,ぎらぎらした夏の太陽ではない.気温は20度を下回りそうで,今夜も心地よく寝られるにちがいない.そうこうするうちに,午後10時の気温が18.1度.北東の風が肌寒い.寝ている間にこれ以上もっと下がるようなら毛布が必要かも.今夜は蒸し暑い夏の夜ではない.秋風が吹く季節のような涼しさだ.

◆明日は,世田谷の高座の最終回.第二回レポートを配布して,全体の総括をする予定.

◆本日の総歩数=7020歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.3kg(−0.1kg)/28.5%(+0.4%)


20 juli 2011(水)※台風の驟雨と強風で濡れネズミ

◆午前4時半起床.曇り.雨は降っていない.気温は25.2度の熱帯夜だったが,台風からの兇風が吹きわたる.中心はまだ四国あたりにあるらしい.これから東方に進んでくるのか.東の空の晴れ間から朝焼けが見えた.ほんとうに台風がやってくるのか.

◆[欹耳袋]スナック菓子を彷彿とさせる本日の Google トップページのエンドウ豆ロゴ(→「Google Austria Logo - Gregor Mendel's 189th Birthday」)は,チェコの遺伝学者 Gregor Mendel の誕生日のお祝いだそうだ. ロゴのデザインがとても洒落ている.メンデルの代表作『植物雑種の研究』(1856年)を踏まえて,大文字「G」はエンドウマメの「緑(優性)」を,小文字「y」は「黄(劣性)」をそれぞれ表す.一方の「G」を「Google(優性)」と,他方の「y」を「yahoo(劣性)」と,まかりまちがっても誤読しないように(笑).

◆午前の┣┣" 撃ち —— ブラジル関連:朝イチ,事務でブラジル行きの航空券やらビザなど一式を受け取ってきた.サンパウロ州ではデング熱が流行しているとのことで,外務省の注意情報「蚊に刺されてはならぬ」が発令されているらしい./扶養関係の書類の修正と再提出をすませる./農大の最終講義の三点セット.あ,ハンドアウトはいらないか.それよりもレポート課題をつくらないと.「library(rgl)」でエラーが出てしまい3Dグラフィクスが描けない(orz).R-2.13.1 on MacBook Air.でも,再起動したらちゃんと動いた.Rに関してはときどき疑心暗鬼になるなあ…….何度も痛い目に遭っているし.

◆本日のお昼はラボ飯で「正統派たまごかけごはん」.たまには,研究室にて正しい玉子飯をきっちり食べてもいいよね.この上なく最節約的でうまかった.それにしても台風六号はいったいどこへ行ったんだろう? 天候回復してる.午後1時に本日の最高気温30.0度.いちおう真夏日だけど,先日みたいな無慈悲な猛暑ではぜんぜんない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 農大の第二回レポート出題に意外に手間取ってしまった.Rの適切なテストデータを使おうと思ったのだが,どのデータが何に使えるのかが開いてみないことにはよくわからない.コマンドから逆引きすればいいのかもしれないが,これだけたくさんあっても徘徊して探しまわらなければならないというのは非効率的.データマネージャーの支援を受けてもやっぱりファイルを開かないことには確認できない.それでも,何とか課題を作り終えた.22日の最終講義の時に配布します.

◆[欹耳袋]asahi.com「吉良龍夫さん死去 植物生態学研究の第一人者」(2011年7月19日).1970年代に共立出版から何十冊も出た〈生態学講座〉という昔懐かしい「黄緑表紙」叢書をつい連想する(→AFFRITデータベース).学問はそれを担う人とともに,そして世代とともに不可避的に変わっていくというのは真実ではあるのだが,ちょっとコワいような気もする.ワタクシ自身もその「潮流」の中でいやおうなく流されていくわけだから.

◆午後5時前,台風はもう去ってしまったかと思ったら,いまになって兇悪な黒雲が覆いはじめた観音台.外気温は27.3度.ざーっと降り始める前に撤収した方が身のため.クレオでちょいとお買い物.ときおり雨が強く降って,強い風に雲がちぎれ飛んでいる.その後は風向きが東寄りになって,雨はやみ,紫色の曇り空に.気温は急降下して午後7時には21.7度とエアコンいらずの涼しさになった.夜になってさらに気温は低下した.

◆[欹耳袋]ASCII.jp×ビジネス「Androidに至るモバイル進化の系譜」(2011年07月20日).「モバイル進化系統樹」の画像をさっそくリンク.お座敷でのネタとして.

◆うーん,早く講演スライドをつくらなきゃー.なきゃー.きゃー.

◆本日の総歩数=5651歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.3kg(−0.1kg)/28.5%(+0.4%)


19 juli 2011(火)※連休が明けて巨大台風が接近中

◆午前4時半起床.気温26.5度の熱帯夜.台風六号はしだいに接近していて,くもりときどき小雨が降る空模様.久しぶりのお湿りだが,これから本降りになるらしい.午後からは風雨が強まるとの予報.ときおり土砂降りの午前9時の観音台.雷鳴の轟も混じる.台風周縁の雲がかかってきたのだろう.今週は金曜までつくば実在.その後は国内外をばたばた移動する.気温は26.5度で蒸し暑い.まずは┣┣" 撃ちリストの更新作業から始めよう.

◆[欹耳袋]朝のNHK総合で「白黒テレビ」の復活の報道があったが,ワタクシ的には1989年10月までは千駄木の下宿で白黒テレビは現役バリバリだった.知り合いからタダでもらった白黒テレビだったが,十年近くもよくぞ働き続けてくれたと感謝している.また,「ダイヤル式黒電話」にいたっては,竹園の自宅で光ファイバー回線につないでいまも現役だったりする.外からかければちゃんと鳴るし,もちろん会話もできる.まわりを見回すと.ダイヤルを「じーこじーこ」と回す触感を知らない世代がどんどん増えている.

◆[欹耳袋]トイレの話 —— 十年あまり前,ドイツ中部のゲッティンゲン大学に行ったとき,学内のトイレの表示プレートに「H」と「D」としか書かれてなくって,かなり焦ったことがある.自信がなかったので「D」の方をコッソリ覗き込んだのはアヤシさ満点.トイレの中に Damen たちがいたらエラいことになったにちがいない.緊急を要する(かもしれない)トイレの表示は万国共通のピクトグラム(→画像検索)を採用していただきたいものだ.こんなのはちょっと問題があるが,こういうのはシンパシーを禁じえない.

◆昼前,土砂降りの兇雲は通りすぎて一時的に空が明るくなってきた.気温は朝から急降下して24度台.涼しいのか蒸し暑いのかよくわからない.ランチタイム前に東大の「生物統計学」シラバスを更新し,農大の履修者名簿を確認した(来月の成績集計のため).ツイッターの調子が朝からとても悪い.本体もつながらないし,HootSuite が死んだままになっている件.曇りときどき雨が降ったり止んだりの蒸し暑い昼休みは,〈おはん〉にて定番の「まぐろ煮定食」をば.小雨の中でもとても混んでいた.

◆ブラジル旅行の準備┣┣" 撃ち —— まだ講演スライドがぜんぜんできていないのがいささか問題だが,それとは別に「海外旅支度」はさくさくと進めておく必要がある.とりあえず,関係者に配布する旅程表の作成,海外旅行保険のインターネット契約,国際ローミングサービスの確認(SMSについても),中継地点がパリなので,そのへんの情報も得る必要がある.サンパウロ市内では空港間(国際線←→国内線)の移動あり.移動スケジュールをひとつひとつ書きだしてみると,実に遠距離旅行であることを痛感する.あとは講演内容だけか(早くしないと).

◆台風は確かに接近中のはずなのだが,雨は降ったり止んだりの一進一退を繰り返している.日中の気温は26度前後を推移したが,湿度だけはものすごく高いので,不快この上なし.台風六号は四国に接近上陸して,南海上を東進するらしい.関東には明後日の木曜あたりにかすめるとの予報.旅程表がしあがったところで,念のため早めに撤収する.

◆[欹耳袋]さらなる話の続き —— はてなブックマーク:山形浩生 - 「日本科学哲学会『ダーウィンと進化論の哲学』:こんな連中に科研費やるのは無駄だと思う。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal」 ※ワタクシは「淀川長治」かあ〜(笑).日本の場合,科学哲学の「業界」は想像以上に小さいのでワタクシ的にはあまり関心がない.現時点では一体性のある「団体」というよりも,意識をもった個人からなる「束」とみなした方が現実に即しているのではないだろうか.もちろん,生物学哲学の若手研究者たちは David Hull の言う「活動的な小集団」を形成しているようにみえるので,近未来的に実行力のある集合体をつくっていくのかもしれない.いずれにせよ,ワタクシは科学哲学者「個人」の仕事に興味はあっても,(日本の)科学哲学者「集団」に対する意見は何もない.

◆夜になってもさして風雨が強まるわけでもない.要するに,台風六号は,日本海にある高気圧によって鋭角に弾き返されて,のろのろと南会場を東に進んでいるのだろう.

◆本日の総歩数=11484歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=93.6kg(−0.1kg)/28.5%(−0.4%)


18 juli 2011(月)※真夏日続きの三連休が過ぎゆく

◆午前3時前に目が覚める.日本は熱帯夜,ドイツは決勝戦.NHK-BS から伝わるざわめきをBGMにして,二度寝.午前5時すぎに再び起きたら引き分けにもつれ込んでいた.最低気温は25.5度までしか下がらず,朝日がぎらぎら状態.最終的にPK戦で勝って世界一になれたのはよかったですな.タイムラインもニュース報道もおめでとう一色に.

◆話の続き —— [欹耳袋]山形浩生「日本科学哲学会『ダーウィンと進化論の哲学』:こんな連中に科研費やるのは無駄だと思う。」(2011年7月17日).元記事の加筆訂正がどんどん進行している.タイムラインで編集履歴をたどった方がよかったかも.山形浩生さんとは書評の基本スタンスがきっとちがうので,合意にいたるとは思えないが,そんな一般論とは別に,ワタクシの書評(2011年7月1日)を「それだけに、なんで三中氏がほめてるのかよくわからん」と解釈したのは的外れ.ぜんぜん褒めてないことは読みゃわかるでしょう.

玉石混交の論文集を手放しでほめるようなリスキーなことはとうていできない.ましてや,本書みたいに既出論文の寄せ集めた論集だと,なおさら読者サイドとしては気を付けないと.しかし,どんな論文集にも「うまい部分」は必ずあるわけで,ワタクシの書評ではそこを取り上げた.だから,ワタクシが本論文集を「ほめた」と山形浩生さんが考えるのはワタクシの本意ではないということです.むしろ,「ほんまにええ論文集が出たなあ.よかったやん」という論調のウラをそっと読みとっていただければそれですんだ話ではないかと思います.山形浩生さん的にはもっとストレートに斬ってしまうのが書評の基本姿勢なのだろうと推測していますが,ワタクシの場合はそうではないということで.「オマエ,ばかだなあ!」と「あんた,ホンマに賢いなあ」という表現のちがいですね.

—— 結論を言えば,山形浩生さんの今回の書評に対しては基本的に異論はないですよ.日本科学哲学会に「学会」としてどうこうしてほしいということではなく,日本科学哲学会の「会員」はもっとガンバローということです.個人的には科学哲学はできるだけエンカレッジしていきたいという基本路線をずっと守っていくつもりでいます.

◆台風が接近してきたからか,今日は曇が多め.それでも気温は午前9時前にすでに32.0度に達している.青空に薄い雲がまだらに飛び散る.下界のカピオ前では〈まつりつくば2011〉に向けて,「ねぶた小屋」の工事が昨日から始まっている.昼前には34.4度に達した.

◆ついでに読み進む連休最終日 —— リナ・ボルツォーニ[足達薫・伊藤博明訳]『記憶の部屋:印刷時代の文学的 − 図像学的モデル』(2007年5月25日刊行,ありな書房,東京,8 color plates + 478 pp., 本体価格7,500円,ISBN:978-4-7566-0796-6 → 詳細目次版元ドットコム).昨日読了した姉妹書『イメージの網:起源からシエナの聖ベルナルディーノまでの俗語による説教』からさかのぼってきた.中世の「記憶術」の発現形態としてイメージがどのように利用されてきたかを問う.多くの実例に基づく議論展開は姉妹書と共通している.まずはじめに記憶術とイメージとの関係について,著者はこう述べる:

記憶術には長く持続した歴史があり,その中で記憶術は,連続性と変形と差異によって演じられる魅惑的なゲームと化した.古典世界は,弁論家たちが記憶を強化するために用いてきた技術を,中世へと継承する.それらの技術は,心の本性の働きの観察に基づくものであり,三つの本質的な構成要素,すなわち場所(「トポス/場所」[loci]),順序/秩序[ordine],イメージ(「能動的イメージ」[imagines agentes])を利用するものであった.実際それは,秩序立てて配置された場所の行程を心の中に固定することである.それらの場所のそれぞれにひとつずつイメージが置かれ,それらのイメージは,連想ゲームを通じて,覚えられるべき事柄に結びつけられている.(p. 13)

記憶術が「場所」を手がかりにして知識の「秩序」化を目論むわざであることはすでに知られているが,著者はそこに「能動的イメージ」のもたらす貢献を積極的に評価しようとする.その理由について:

イメージや視覚的図式[schemi visivi]を軽視する長い伝統があり,この伝統は今も生きいる.図示された表/図表[tavole],「系統樹」[alberi],様式化された系統樹/系統図[diagramma]の豊かな遺産は,それゆえ,われわれの批評的地平から除かれ,書物のページからも物理的に排除されてきた.……本書の最初の二つの章は,まさしくこの視覚的遺産を再発見し,テクストが用いているそれらの図式[schemi]は単なる物珍しいだけの付属品などではなく,この時代の正確な文化的設計図[progetto]と知を受け入れ伝達する方法とを表明しているという点で,テクストを構成する有機的な一部であることを明らかにする.(p. 17)

続く第1章「知を見えるものにする —— アカデミア・ヴェネツィアーナの経験」では,15世紀末〜16世紀前半のアカデミア・ヴェネツィアーナにおける知識の「可視化」の試みが考察される.

アカデミアの出版計画でくりかえし語られる「系統樹[alberi]」が指すもの,さらに順序/秩序への還元が指すものについての正確な理解が得られる.その方法はつまりは視覚化すること[visualizzazione]である.系統図[diagramma]を用いることによって,懸案の問題を一般から特殊にいたるまで分割し,心によってそれを順にたどっていく過程を再現するような方法で,印刷されたページの上に言葉が配置される.(p. 44)

さらに,第2章「知の系統樹と修辞学的機構」では,15〜16世紀の著作をいくつか取り上げながら,記憶術の実践におけるイメージ(図表・系統図・系統樹・円環など)が果たしてきた役割を確認する.興味深い点は,時代を下るにしたがって,「図式[schema]はその本質を幾何学的な「形象[figura]」へと変える」(p. 89)という著者の指摘である.その一例が系統樹の図像学的変遷だった:

たとえば,中世において,分類学,記憶術,さらに神秘学を目的として最も頻繁に用いられたイメージのひとつに系統樹[albero]がある.そして中世の,いわば感覚に訴えるような装飾性が加えられた系統樹[albero]が,一六世紀にその一変種として様式化された系統樹/系統図[diagramma]へと変容したことはよく知られている.(p. 90)

系統図[diagramma]の威力は,まさに,認識にいたる過程の構造を再現し,それゆえさらに認識された対象それ自体の構造も再現する点にある.(p. 92)

系統図[diagramma]は — 情報科学における隠喩を用いるなら — 身体と精神の間をつなぐインターフェースと化すのみならず,定義および部分への分割全体を統べる秩序を再生産するがゆえに,分析されたテクストには存在していなかったものさえ直接目に見えるようにする.(p. 94)

—— 本書は,現代にまで継承されている能動的イメージとしての系統樹などの図的言語の歴史にふみこむ情報ソースとして役に立つ.

◆午前11時前,すでに33.5度.青空に薄い雲がまだらに飛び散る.下界のカピオ前では〈まつりつくば2011〉に向けて,「ねぶた小屋」の工事が昨日から始まっている.午後になってしだいに雲が空を覆いはじめてきたが,気温は31度台でつらく蒸し暑い.本日の最高気温は午後2時前の34.8度だった.ほぼ猛暑日.昼下りはずっと翻訳本を読み進めていたのだが,訳文がこれまたかなりつらく苦しい.夕方の午後5時過ぎ,蒸し暑い曇り空から小雨がぱらぱらと降ってきた.いよいよ台風が接近してきたということか.今夜の夕餉はガッツリ系のジャーマンポテト.真っ白いヴルストがうまかったー.

◆本日の総歩数=1334歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.6kg(−0.1kg)/28.5%(−0.4%)


17 juli 2011(日)※三連休中日は猛暑の本読み三昧

◆連休なのに午前4時すぎ起床.朝焼けグラデーション.西の空には丸い名残月が浮かんでいる.気温は24.5度で湿度高し.三連休中日だが原稿を書いて講演のしたくをする宿命にあるワタクシ.

◆[欹耳袋]hellog〜英語史ブログ「言語系統図と生物系統図の類似点と相違点」.ここに書かれているように,オブジェクト(言語と生物)が異なれば,伝承プロセス(変遷過程)に関するちがいがあるのは当然.むしろ,オブジェクトが異なるにもかかわらず,系譜パターン(祖先子孫関係)の認識や表現が共通していることの意味を考えることが重要だろう.パターンの「かたち」が分岐的ツリーか網状ネットワークかは単なる „ モデル “ の問題であって,より上位の共通性を否定するものではない.

◆[蒐書日誌]荒俣宏(監修)『アラマタ生物事典』(2011年7月12日刊行,講談社,東京,ISBN:978-4-06-217069-7 → 版元ページ).クレオのリブロに配本されていた新刊.巻頭の系統樹ではどうもお世話になりました.そのうち献本されるでしょう.

◆知り合いの研究者からしばらく音信がないなと思っていたら,避暑のため母国のスウェーデンに帰っているとのこと.連日の無慈悲な猛暑と迫り来る巨大台風に責め立てられる日本よりは,北欧の方がきっとはるかにシアワセだろうなあと確信する.

◆正午にならないうちに気温がすでに猛暑日ラインに急速接近している.直射日光に照らされたベランダは炎熱地獄.午後1時半に35.0度の猛暑日ラインをあっさり突破したつくばセンターは暑いのなんのって.こういう炎天下のお買い物も修行のうちか.

ついつい誘引されて竹園〈Ben-Bella〉にて,夏場だけの「冷やしトマトラーメン」といつもの「つるんこ水餃子(ハーフ)」を注文する.この冷やしトマトラーメンは冷たいピリ辛トマトスープの上にトッピングされている温泉卵を崩し混ぜていただくのが絶品.店内は節電中でエアコンはオフだったが,即ひんやり. 空は雲ひとつない青空.Ben-Bella の帰りがけに,ビールの買出しにクレオまで行ったら,炎天下のペデの一角で子供相手の大道芸をしているフォロワーさんを見かけたりして.

本日の最高気温は午後2時半の35.3度だった.南海上の大型台風6号が通り過ぎるまではこの猛暑は変わらないとの予報.

◆やっと読了 —— リナ・ボルツォーニ[石井朗・伊藤博明・大歳剛史訳]『イメージの網:起源からシエナの聖ベルナルディーノまでの俗語による説教』(2010年12月25日刊行,ありな書房,東京,8 color plates + 342 pp., 本体価格6,400円,ISBN:978-4-7566-1016-4 → 詳細目次情報版元ドットコム).一度は通読したのだが,付箋を貼りつつ主要な論点を確認,ついでに詳細目次も入力した.一言で言えば,15〜16世紀において中世的知識がどのように「視覚化」されたかを,媒介としての説話者の果たした役割を鑑みつつ考察したということになるだろう.個人的な関心は,その視覚化に用いられたさまざまな「図的言語」の起源と歴史にある.本書の序文を読むと,この論点が中心に据えられていることがわかる:

私たちがここでとりくんだ概念図[schemi / スケーマ](図表[tavola],系統図[diagramma],系統樹[albero],階段型[scala]などの視覚的図式)を,出版物がどのように用い,視覚化し,変容させたのかという問題は未解決のままである.(p. 12)

文章(テクスト)と図表(イメージ)との複合体を著者は「サイクル(ciclo)」と呼ぶ(p. 14).

続く第2章「寓意と記憶のイメージ —— 『霊的対話』と「知恵の塔」のサイクル」では,いくつかの実例を通してこの議論をさらに展開する.著者の基本スタンスは,文字によって描かれた世界がそれと並行する図表によって表現された世界とどのように関わってきたかに注目する(p. 80).系統樹や階梯のおぼろげな起源は6世紀にまで遡れる深いルーツをもっている.そのひとつは教育的ツール(記憶術)としてのイメージである:

問題となるのは,テクストとイメージが対置されるのではなく,密接に結びついている混合の所産であり,それゆえ,すでに見たように,メッセージを理解するためにはその両方と,これらを結びつける関係を解読しなければならないということである.……しかし,これらの起源はより古い.ここには教育の伝統,スコラ学の伝統,聖書注釈の伝統といったさまざまな伝統が流入している.たとえば,生徒が理解し記憶するのを助けるような,論理学の推論や修辞学の分類を表現する系統図(diagrammi)や円形概念図(schemi circolari)の使用は学校では広く普及していた.(p. 83)

もうひとつは法学的ツールとしてのイメージ,すなわち家系図である:

同様の概念図[スケーマ]は血縁関係を視覚化するために用いられたが,これは法学の伝統や,人々の間の関係を管理する上で,第一級の役割を果たしていた.系統図は他の様々な幾何学的概念図と同様に,装飾的要素で飾られ,図像学的文脈の中に挿入されることが可能だった.感覚と空想に感銘を与えることのできる正真正銘のイメージは,このようにして概念図に同伴するか,その機能を永続させつつ,完全に概念図そのものにとってかわることができた.系統図(diagrammi)が系統樹(albero)へと変わる事例が最も一般的である.(p. 85)

さらにもうひとつは生命の樹(lignum vitae)である:

「生命の樹」のラウレンツィアーノ写本に収録されているヴァージョンは,これが十字架と同化していることが一目瞭然である.……系統樹/十字架の土台には『ヨハネの黙示録』の「私は果実をもたらす生命の樹を見た」(vidi lignum vitae afferens fructus[第22章2節])という一行を読むことができる.このイメージは,話題となっている「生命の樹」が天国の中央に植えられたのと同じものであるという事実を目の前に突きつける.(p. 102)

メッセージを視覚化する能力に着目するとき「生命の樹」のイメージはかくも強力だった.著者は古代の「血縁樹形図(arbor consanguinitatis)」が聖書的に再解釈されて,「エッサイの樹」のようなイメージを生み出したと言う(p. 86).

さらに,第3章「系統樹とその他の概念図 —— いくつかの使用例」では,ペトラルカやルルスあるいはフィオーレのヨアキムによる「樹」の使用を考察することにより,これらのイメージのもつメッセージ力がヨーロッパ文化に深く根付いた経緯をたどる.本章の後半に詳述される13世紀のヤコポーネ・ダ・トーディによる系統樹の使い方はとても印象的だ.最後の第4章「シエナの聖ベルナルディーノ」では,15世紀の説教師ベルナルディーノの事例を検討することで,聖書のテクストとそのイメージ的な視覚化がどのように実現していたかが詳しく考察される.

—— 本書全体を通じて,中世のさまざまな「サイクル(=テクスト+イメージ)」の実例をひとつひとつていねいに分析しながら,上述の視覚的図式がどのような用いられ方をしたかを考察している.姉妹書である:リナ・ボルツォーニ[足達薫・伊藤博明訳]『記憶の部屋:印刷時代の文学的 − 図像学的モデル』(2007年5月25日刊行,ありな書房,東京,8 color plates +478 pp., 本体価格7,500円,ISBN:978-4-7566-0796-6 → 詳細目次版元ドットコム)とともに,本書は系統樹や階梯などの図形言語がどのような歴史的文脈のもとに生まれたのかを知る上で貴重な情報源である.なお,翻訳文がいささか読みづらいのが難といえば難.

◆[欹耳袋]山形浩生「[朝日新聞書評ボツ本]日本科学哲学会『ダーウィンと進化論の哲学』:こんな連中に科研費やるのは無駄だと思う。」(2011年7月17日).これだけ叩かれてなお立ち上がれるなら何の心配もなし.感じるものがなければ将来なし.てな感じですかね.

◆夕餉は銀河高原ビールとチリワイン新酒をば.明日は連休最終日.晴れるようだが,翌日からは台風の影響で風雨が強まるらしい.明日未明にサッカーのワールドカップ決勝戦があるらしい.とくに,ファンではないけどいつもの起床時間帯に生中継が重なっているので,チラ見してもいいかな.

◆本日の総歩数=4134歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(0.0kg)/28.9%(+0.8%)


16 juli 2011(土)※朝から真夏の太陽にあぶられる

◆午前4時にいったん起きてごそごそしたが二度寝.午前6時前に本格起床.外はもちろんぎらぎら晴天で,明け方の最低気温は24.1度.蒸し暑い.昨日は猛暑日になった茨城県南部だが,今日も同じくとの予報.ブラジルでのスライドづくりをしないとかなあ.いまふと気がついたら右のすねに十センチほどの切り傷ができていた.気がつかない方もどうかしているが,どこでケガしたのかぜんぜん覚えていない.何かにぶつかったのか,それとも蹴っ飛ばしたのか.

◆[欹耳袋]Togetter - 系統樹に関する備忘録.ここにツイートしている人たちは,われわれの『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』の潜在的読者層にちがいない.なお,図書館情報学では「認知的転回(cognitive turn)」という概念があるらしいがレファレンスがあんまりないみたい./ついでに:hellog〜英語史ブログ「言語系統図と生物系統図の類似点と相違点」(2011年7月13日).オブジェクトが異なれば「プロセス(変遷)」に関するちがいがあるのは当然.むしろ,「パターン(系譜)」の認識や表現が共通していることの意味を考えることが重要だろう.

◆扶養の申告だの,MLのアドレス登録だの,ファンコイル清掃の段取りだの,東大「生物統計学」シラバス作成だの,とりあえず小┣┣" どもをちまちまと撃っている真昼間.今日も猛暑日.正午前に早くも33.6度まで達してしまった.幸い受信箱の未処理メールはほとんど片付いてくれた.一息ついて自家製梅ジュースの炭酸割りをばいただいてます.

◆来週の┣┣" 撃ちメモクリップ —— 居室ファンコイル清掃は7月26日(火).プリンターを移動して作業可能な状態にすること./東大の冬学期シラバスは8月21日までに確定させること./農大の第二回レポートは7月22日(金)に出題する.成績評価は来月でいいけど,レポートとか出欠の集計はそろそろ始めないと間に合わないかも.

◆日中の最高気温は34.6度まであがったので,夕方になればちょっとはおさまっているかと先ほど観音台に向かった.ところが,ずっと締めきってあった居室は実に33度という生存不能な温度だったので,荷物の整理だけすませてほんの十分の滞在時間で即撤収.帰りがけにビールを買う.鮮やかな夕焼けグラデーションにかぶさるようにムクドリの大群がけたたましく戻ってきた.趣きも何もあったものではない.

◆[蒐書日誌]森雅秀『チベットの仏教美術とマンダラ』(2011年7月刊行,名古屋大学出版会,名古屋,本体価格12,000円,ISBN:978-4-8158-0670-5 → 版元ページ).またしても名大出版会か〜.カラー図版がたくさんとはいえ本体価格12,000円! サイフが夏痩せ…….そういえば,今年の春に出た隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」:フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』(2011年3月近刊,名古屋大学出版会,名古屋,528 pp., 本体価格7,400円,ISBN:978-4-8158-0661-3 → 版元ページ)もまだ買っていない.名大出版会とまともに付き合うと自己破産しそう(汗).

◆┣┣" の地鳴りがしたのは空耳か,それとも…….

◆本日の総歩数=3568歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.7kg(−0.3kg)/28.1%(+0.9%)


15 juli 2011(金)※猛暑日の世田谷で虫の息になる

◆午前4時半起床.やや飲み過ぎか.即朝風呂.明け方の最低気温は21.9度.昇る朝日とシンクロして気温は急上昇ちう.今日もぎらぎら夏空.朝イチで世田谷に向かい,午前と午後の高座をふたつこなすのがお仕事.

◆炎暑の世田谷で高座がふたつ —— いつもどおり7:56発のTX快速に乗る.すでに蒸し暑い.先が思いやられる.代々木上原で地上に出る.都内はもちろんかんかん照り.うだる暑さに加えて,小田急は遅延してるし.経堂からは真夏日にあぶられつつ農大通りをとぼとぼ歩いてくだる.

◆桜丘高座(第一部) —— 今日は補講と合わせて体系学と統計学についての話をする.ほぼ十八番となっているネタ.午前いっぱいは分類と系統との関係について.

◆午前の高座が終わって,農大前のロイヤルホストにて昼食をば.都内は午後1時に33.7度に達した.その後,根を生やして原稿書きに邁進する:系統樹ウェブ曼荼羅・第8回「家系図の図像学:生命の樹と唐草模様」.もうすぐ15枚か.別件で,懸案の翻訳出版企画が正式にゴーサインとの連絡あり.巨大┣┣" の発生を目の当たりにする.午後3時半,系統樹ウェブ曼荼羅の原稿を編集部に送信を完了.さて,補講のしたくをちょいとしましょーかね.

◆桜丘高座(第二部) —— 後半は系統推定論に関する解説と統計学との関わりについて.ベイズの話が時間切れで終わってしまったので,来週の最終日まわしにする.第二回レポートと成績評定のことをそろそろ考えないといけない.

◆朝8時に家を出て午後8時に帰り着く.夕餉には高知〈美丈夫〉純米吟醸うすにごりが即座に空っぽになって,すでにへろへろなワタクシ.

◆本日の総歩数=9474歩[うち「しっかり歩数」3529歩/36分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(+0.3kg)/27.2%(−1.1%)


14 juli 2011(木)※パワーが三分間しかもたない朝

◆昨夜の飲み過ぎが祟ってお寝坊なら常人だが,いつも通り午前4時半に目が覚めて朝風呂.最低気温は21.8度まで下がったが朝日とともに急上昇.すでに真夏日ラインに近づいている.居室はすでに30度.空調プリーズ.

◆朝の┣┣" 撃ちの続き —— いきなりキャンセルになったサンパウロからの国内線の件.代替フライトをエージェンシーに用意してもらった.日本では予約できない航空会社が多いとのことで,時間的余裕ありまくりの旅程表が送られてきた.サンパウロで乗り換えに約10時間待ちとか…….うわー.中継地のパリでも6時間待ちとか.学会大会期間は5日間,往復空路が5日間.パリでの宿泊はなく,ひたすら飛び続ける南半球への出張.過去にもっとも時間がかかったのはギリシャのペロポネソス半島.往復6日間かかった.改訂旅程表を Hennig XXX 事務局に送信した.São José do Rio Preto 空港まで送迎車を出してくれるとのこと.二週間後の出発だが,そろそろ旅支度をしないといけないかな.

◆夕方から新宿へゴー.夕暮れだというのにぜんぜん暑さがおさまらない.ビールを飲みたいところだか,今夜はワインで.午後11時すぎにつくばに帰り着く.

◆本日の総歩数=5783歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝−|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


13 juli 2011(水)※今日は本郷で真夏の太陽を浴び

◆午前4時過ぎ起床.朝焼けが鮮やか.センター広場の並木に巣食っているムクドリの大群がかしましく飛び立っていった.今の季節,つくばセンターはムクドリだらけだ.未明の最低気温22.5度でしのぎやすいが,日中は真夏日になるとの予報.早朝は雲が多かったがしだいに晴れる気配.今日は午後から本郷にて教員会議,そのあと打ち上げ.春学期はもうすぐおしまい.

◆朝の緊急┣┣" 撃ち —— サンパウロの学会事務局から緊急メールあり.予定していた国内線(Pantanal Linhas Aéreas)がフライトをキャンセルしたので,旅行会社に確認するようにとのこと.中南米ではよくあることで,予約したのに入っていないことがある.5年前にメキシコに行った時も,メキシコシティーからオアハカに飛ぶ国内線のチェックインカウンターで,「フライトの予約が入っていないよ」とすげなく宣告され,窓口で「Por favor!」と泣きついた覚えがある.はたして飛ぶのかどうかわからない,フライトがいつどこからかも不確定,ちゃんと離着陸してくれるのかがややアバウト.まあ,いろいろと.こういうユルさがまたいいのかもしれないが.とりあえず,農環研の担当者に連絡してフライトの確認をしてもらうことにした.そういえば,オリヴァー・サックス[林雅代訳]『オアハカ日誌:メキシコに広がるシダの楽園』(2004年2月29日刊行,早川書房[ナショナル・ジオグラフィック・ディレクションズ], ISBN:4-15-208547-9 → 感想)は,メキシコでのフライトがいかに「ユルイか」を知るのにいい本(笑).

◆[系統樹思考]本日の反響: コーパスいぢり 〜langstatの研究日誌〜「系統とか分類とか」(2011年7月12日) ※距離に関心がおありでしたら,その名もズバリ『Encyclopedia of Distances』をレファレンスとしてお薦めします.

◆熱風が吹く弥生坂を登攀 —— 11:30発のTX普通にて都内へ.すでに真夏日となった正午過ぎ,根津で地下鉄から地上に出たら,くらくらする夏の日射しと南からの熱風で焦げそうだった.午後1時から農学部の専攻教員会議.東大が FacebookTwitter の公式アカウントを取得したとのこと.農学部進学内定者ガイダンスは9月30日(金)18:00〜(@各専攻).進学振り分けに関するあれやこれや.

午後4時半に会議を終えて,打ち上げへ.かなり飲み食いしてしまった.本日の都内の最高気温は32.7度.ビールがことのほかうまい.午後11時過ぎにへろへろとつくばに帰還する.もうへろへろだ.

◆[欹耳袋]本日から使えるようになったらしい: twitter.blog「#日本語ハッシュタグ」(2011年7月13日).

◆本日の総歩数=7162歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.7kg(+0.7kg)/28.3%(+0.1%)


12 juli 2011(火)※ひたすらじっと耐え忍ぶ炎熱界

◆午前4時半前に起床.やや雲が多く,朝焼けも朝日も見えなかったが,そのうち晴れてきた.最低気温は23.6度.風もなく湿度が高くて朝から不快.今日も農環研にひっそり実在します.夏日ぎらぎら.ノシメトンボが飛んできた.すでに27度を越えた観音台は朝からすでに蒸し暑い.居室をイッキに世俗的にしてしまうカール・オルフをBGMにして.

◆朝の┣┣" 撃ち —— [欹耳袋]お,Hennig XXX の大会プログラムが届いた.そろそろ講演準備を始めないと!/9:30から所内のエコバランス研究会に行ってくるか.得体の知れないミーティングに出るのはいやはやなのだが…….11時すぎに終わった.次回は来月やるらしい.現時点での最高気温は31.2度か.昨日よりも積雲が多いみたい.

◆[欹耳袋]「Phylographics」関連の話題 —— NAGGLY.COM「巨大な円形の生物種進化系図ポスター「Tree of Life」」(2011年7月10日).こういう「Circle tree」は可視化の絶品だと思う.系統樹を円形や球状に系統樹を描画するというのは,全体を一望できるという点で利点があるということだろう.中世の記憶術(ars combinatoria)でさまざまな円環が記憶の「技」として用いられてきたことに始まり,1930年代に植物学者 Herman Lam が球面系統樹を描き,そして現代の高次元グラフィクスツール〈Walrus〉にいたるまで,ツリーを円や球として描くスタイルは長い歴史をもっている(→ 系統樹ウェブ曼荼羅「第6回 円から球へ:高次元系統樹を描く」)./Rod Page - iPhylo「Talk @vizbi on phylogeny visualisation」(Vimeo) と「スライド」(SlideShare)いずれも VizBi2011: Workshop on Visualizing Biological Data でのトークの公開(2011年7月12日)./系統学や統計学を「情報グラフィクス」の観点からデータ可視化のツールを提供する分野であるとみなすのは有意義だ.

◆以前,とある翻訳を手がけたとき,共訳者から送られてきた下訳を一目見て,ページ全体に大きく赤マジックで「×」をつけ,余白スペースに一から翻訳をし直したことがあるけど(→これとかこれ),あれって最大級の「人格否定」だったのかなあ.だって下訳文が orz だったし.しかも,草稿原稿ではなく,組版が終わった校正ゲラでの所行なり.

◆昼下りの┣┣" 撃ち —— 今週の農大高座の三点セット+補講分の支度を完了.そろそろ第二回レポートと成績評価について考えないと./系統樹ウェブ曼荼羅の第8回連載記事を書きはじめる.

◆[欹耳袋]農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉:2011年10月26日(水)〜28日(金).第三日目もタイムテーブルが確定した.あとは中日だけか./Issei’s Analysis 〜おとうさんの解析日記〜「統計学を勉強するときに知っておきたい10ポイント」(2011年7月12日).

◆午後4時,本日の最高気温は33.3度.昼間は陽の目を見たくないが,夕方になると南風が通ってちょっとだけしのぎやすくなった.さて,そろそろ撤収してビールを買って帰ることにしよう.たがみ酒店にて常陸野ネストビールのヴァイツェン買った! あとは,ポトフのヴルストに火が通ったらビールビール.まずは常陸野ネストビールを飲んでから,「サマーど」の最後のゲルを飲み干した.そろそろあがりかなぁ.「サマーど」は,四合瓶(其の壱)がこれで空っぽ.其の弐は「森」の氷室にて保管している.

◆[欹耳袋]真っ黒けのG≠フ話 —— 今日,居室エアコンのファンコイルを清掃してくれた業者の話.とあるラボでファンコイルから漏水するとのクレームがあり,かけつけて調べてみたところ,排水管におびただしい数のG≠ェみっしり詰まっていたりとか,排水トレーが一面G≠ナ埋め尽くされていたという身の毛もよだつ実話あり.エアコンの中はG≠ノとって住みやすかったりするのか.なお,先日,うちのファンコイルから漏水した原因はホコリであってG≠ナはなかったようだ.

◆本日の総歩数=3338歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.0kg(−0.3kg)/28.2%(+0.5%)


11 juli 2011(月)※夏本番だからと自分を説得する

◆午前4時半起床.今日も朝日がぎらぎらと.夜中に蒸し暑くて目が醒めたら,室温が29度だった.朝からセミの合唱が響く観音台.午前7時半の外気温は27.7度.週末ずっと締め切っていた居室は30.5度.どうせあまり仕事にならないので,まずは空気の入れ替え.BGMはヤナーチェクの〈グラゴル・ミサ〉.週のスタートから真夏日まっしぐら.朝から┣┣" 撃ちまっしぐら.

◆大┣┣" 撃ちの始まり —— 農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉:2011年10月26日(水)〜28日(金)のカリキュラム案を作成中.本日中に「白羽の矢」を放ちまくる予定.つくばだけでなく帝都だろうが古都だろうが撃ちまくりです.昼前に素案ができたので,白羽の矢を諸方面に放つ.矢文が無事に届きますように.午前11時までの最高気温はすでに32.1度.あっちっち〜.

◆炎天下の昼休みに農環研の周囲を徘徊.雑木林からは蝉時雨.いまの季節のつくば(平地)はニイニイゼミだけだが,その後ニイニイゼミ→アブラゼミ/ミンミンゼミ/ヒグラシ→ツクツクボウシという遷移≠ェ毎年見られる.今日は趣向を変えていつもは入り込まない細い側道を奥へたどっていった.雑木の枝が垂れ下がりふだんはほとんど誰も通らないようだ.その奥には,ハグロトンボが数十匹群舞するフシギな一画があり,まだその先にうっそうと茂った道が続いていた.

◆[欹耳袋]コマバ村界隈の食事情 —— 「東大駒場キャンパス近くでこれはというお店は?」との問いに対して,情報が集まったのでまとめておこう:

  • おでん屋〈おかめ〉.先端研近くの上原にある.
  • 和食処〈俊樹〉.これまた先端研の近くの店.
  • そば処〈〉.駒場裏門を出て山手通りをわたってすぐ.
  • カフェ〈Venice Cafe〉.ちょい離れた渋谷駅南側エリア.
  • 魚料理〈英香〉.駒場下商店街の中.
  • ベーカリー〈ル・ルソール〉.駒場東大前駅から至近.持ち帰り.
  • ラーメン〈嚆矢〉.経堂〈はるばるてい〉の直系子孫店.淡島通りへ抜ける道の途中.入るのに勇気が必要かも
  • リストランテ〈〉.これも淡島通りへ抜ける途中の店.「ちょっと有閑マダム向き」との声あり.
  • カフェ〈アンサンブル〉.淡島通り沿いの喫茶店.『進化思考の世界』の原稿をよく納税した場所.
  • カレー屋〈ルーシー〉.駒場駅下すぐの半地下にある.

—— 最近,駒場東大前あたりに行く機会が減っている.キクマル父にも訊いてみるか.

◆大┣┣" 撃ちの進捗 —— 分子系統ワークショップの講師予定者から「OK」の返事がぽつぽつと帰ってきた.昨年はなかったが,今年は MEGA 5 の高座,あります! 共進化解析もおっけー.三日間のうち初日の時間割はこれで確定.残る二日間も返事待ってますっ.

◆直射西日とともに居室の温度がぐんぐん上がってきたので即撤収.逃げ場のない西日ってどうしようもない.今日はひさしぶりに休肝日にしよーかな,と.今日は紅にきれいに染まった夕焼けだった.夜になっても蒸し暑さは解消されない.

◆本日の総歩数=4341歩[うち「しっかり歩数」1877歩/21分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.3kg(+0.1kg)/27.8%(+0.1%)


10 juli 2011(日)※猛暑サンデーはDarwineと格闘

◆午前4時過ぎ起床.真っ赤な朝焼けに続いて,今日も元気よく朝日が打ち上がった.いまの気温は24.7度とほぼ熱帯夜.最低気温23.8度までしか下がらなかった.湿度が高く朝から不快指数が高値.パーフェクトな晴天で,今日も真夏日になるだろう.

◆朝から Darwine を —— 統計学や系統学のソフトウェアは使用環境がさまざまで,Mac版とWin版をうまく使い分ける必要がある.一世代前の PowerPC の時代は〈Virtual PC for Mac〉なるツールを使って,MacにWindows環境をはめ込んでいた.その後,Inter Mac になってからは,公認の〈Boot Camp〉を使えば,一台のMacで「両OS遣い」ができると聞き,食指を伸ばしそうになったこともあった.しかし,新たに Windows OS を買わないといけないこと,並行的に両OSが起動するわけではないとのことで断念.ここ何年かは必要に応じて Mac を持参したりWin PCに代えたりとそのつどマシンの使い分けしていた.

今朝,ふと思い立って,MacBook Air に〈Darwine〉を入れてみることにした.Windows ソフトウェアが Mac OS X 上で使えるようになると,もっとシアワセな高座人生が送れるからだ.しかも Darwine だと Windows の OS を別途用意する必要がないという手軽さがある.あれこれ試行錯誤があって,インストール作業には午前いっぱいかかってしまったが,結果はオーライだった.

備忘メモとして,Darwine のインストールの要点を箇条書きしておく:

  1. X11システムの確認:Mac OS X の「X11ウィンドウシステム」が事前にインストールされていることを確認する.なければシステムディスクから新規インストールしておく.
  2. Darwine のインストール:〈Wine Builds for OS X〉から〈Darwine-x86-1.0.1.dmg〉をダウンロード.展開したフォルダーを Mac OS X の「アプリケーション」にコピーする.
  3. Windows小宇宙の創世:Darwineフォルダー内の「WineHelper」を起動し,サブフォルダー「Sample WineLib Applications」内の「winecfg.exe」を開く.エラーが出てダメなら再起動する.うまくいけばユーザーのホームフォルダー内に「/.wine」という隠しフォルダーが作られ,その中にWindows小宇宙が形成される.
  4. Windowsソフトウェアのインストール:「WineHelper」の「Application」メニューの「Open…」により Windows 実行ファイルはX11上で起動する.インストール先は「/.wine」のルートまたは「Program Files」サブフォルダー内となる.
  5. WinBUGSのインストール:〈The BUGS Project〉から WinBUGS のインストーラーとパッチさらに認証キーをダウンロードする.「WineHelper」からインストーラーを起動した上で,パッチを当て,認証キーを通す.これでおしまい.
  6. 他の Windows ソフトウェアも同様にインストールできる.
  7. 以後,Windows 実行ファイルは Darwine と関連付けられているので,該当アイコンをクリックすれば自動的に「WineHelper」が立ち上がり,X11上で実行ファイルが起動する.

とりあえずの目標は〈WinBUGS〉が Mac OS X で動けばよかったのだが,ついでに他の Windows ソフトウェアを試してみたら,WinBUGS だけでなく,tps系の形態測定解析ツールのすべて,PAUP* for Windows, TNT for Windows, MEGA for Windows や MC Robot など系統推定ソフトウェア群など,今後の高座で必要になるWindowsソフトウェアの動作確認がほぼすべて成功した! PAUPup だけはダメだった(が,なんとかなるかも → 「.NET Framework」がインストールできず断念[追記]).なお,Darwine は Mac OS X 内にWindows環境を「隠して」つくるので,隠しフォルダーや隠しファイルを可視化するためのツール〈TinkerTool〉が“小宇宙”との間でファイルをやりとりするときにたいへん役に立った.

以上のようにことが首尾よく運んだのは先達たちの「御神託」のおかげ.ここに謝意をこめて記しておく:

—— わざわざ Boot Camp を使わなくても Darwine にお出ましいただくだけでシアワセになれることがわかった.

◆午後になってもカンカン照りの夏空は元気いっぱい.気温はさらに上昇し,午後2時には34.1度に達した.セミの大合唱が下界から聞こえてきて,うだるようなという形容がぴったりだ.いきなり夏本番.

◆本日の総歩数=387歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.2kg(+0.1kg)/27.7%(+0.2%)


9 juli 2011(土)※梅雨明け直後にいきなり酷暑日

◆午前4時半過ぎ起床.曇り.最低気温24.0度で早朝からもう蒸し暑い.今日は遠出も近出も予定はなかったかな.でも,┣┣" が┣┣" が┣┣" が〜.午前10時には早くも30度の真夏日ラインー突破した.予報では今日明日ともに厳しい暑さが続くという.東海地方まではすでに梅雨明けしているが,関東も時間の問題か.

◆[欹耳袋]Rの病状と治療 —— 予定通り最新版〈R-2.13.1〉がCRANからリリースされた.しかし,案の定,Rcmdr の起動に失敗する.パッケージ「nnet」が読み込めないとのエラーメッセージ.該当パッケージを入れ替えてもダメ.バージョンアップしてすぐの時期には,以前から繰り返しこのようなエラーが出る.最近では Rcmdr まわりの起動エラーに慣れてしまって,それがちゃんと動く古いバージョンのRを高座用に持ち歩いている.Windows では複数バージョンのRを併存させられるのでラクなのだが,Mac OS X はインストールした時点ですでに入っているバージョンは上書きされてしまう.幸いなことに,今回の最新版は,いったん再起動したらちゃんとRcmdrを開くことができた.よしよし.これでいけるぞ.ということで,プレゼン用の MacBook Air も R-2.13.1 にやっと更新した.

最近のバージョンアップに伴って Rcmdr の起動失敗が頻発する.予想される症状と対症療法は下記の通り(Mac OS Xの場合):【症状】R-2.13.1にアップデートして,パッケージ類をすべて更新しても,Rcmdr が起動できず「nnetが読み込めない」というエラーが出る.【治療】パッケージインストーラーで「nnet」を再ダウンロードし,Rを再起動すればよい.他のパッケージがトラブった時も同様の対処でなんとかなる.

そんなこんなで,Mac OS X でのRの更新作業を終えた.ついでに Windows の方もRを更新できればよかったのだが,Windows版はまだ 2.13.1 にアップデートされてないようだ.秋以降は方々で「R高座」や「R道場」を引き受けているので,受講生に配布するファイル類も揃えておかないと.当面のR講義&実習はWindows環境で行なうので,Windows版Rがアップデートされないかぎりしたくは終わらない.

◆[欹耳袋]MAFFIN御法度ページの判定基準がよくわからないことがある.いきなり「オレンジ・カード」を振られて「接続先は記録したからね」とか宣告されても,「また地雷を踏んだかあ」というあきらめモード.でもって,かまわず何度でも踏むことになる.ヤバいサイトに行ったわけではない.「性淘汰」とか「精子競争」でもひっかかったことがある.MAFFINでネット接続していると,ときどきこの「オレンジ・カード」で警告されてあわててしまうことがある.もちろん,E-mobile が常時繋がっているので実害はないのだが.得た情報によると,MAFFINではFortinet社が開発した〈FortiGate〉というソフトウェアをウェブ・フィルタリングに利用しているとのこと.

◆早々と梅雨明け宣言 —— 本日の最高気温は33.7度.梅雨をすっかり忘れ果てたような夏空が広がっているなあと思ったら,何のことはない,関東地方はあっさり梅雨明けしてしまった:asahi.com「九州北部・関東甲信・北陸が梅雨明け 気象庁発表」.猛暑日も近い暑さで,太陽が真上からじりじり照りつける.湿度も高いし,今日は外には出たくないないない.

◆[蒐書日誌]Sharon Bertsch McGrayne『The Theory That Would Not Die: How Bayes' Rule Cracked the Enigma Code, Hunted Down Russian Submarines, and Emerged Triumphant from Two Centuries of Controversy』(2011年4月刊行,Yale University Press, New Haven, xiv+320 pp., ISBN:978-0-300-16969-0 [hbk] → 目次版元ページ).寝読み.Part V「勝利」を読み進む.事後確率の計算を取り巻く「重積分の苦界」にあえいできたベイジアンたちにとって,マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)というサンプリング法の開発は「高次元呪文」からの解放と受け止められた(p. 221).このブレークスルーは,伝統的な統計学アカデミアの「中」ではなく,統計学と物理学が接するいわば「外」の領域で生じたと著者は指摘する.Bayesian MCMCにかぎらず,ベイズ統計学の現代的発展はいつもアカデミアの「外」を舞台としていたということだ.

—— 統計学史の本は何冊も出ているが,ベイズ統計学の歴史に特化した本はこれまでなかったような気がする.本文中に数式がひとつもなく,いろいろなエピソードが拾われているので,日本語に翻訳される価値はあると思う.

◆蒸し暑さが続く夕暮れ,今夜は半月が空にくっきりと浮かんでいる.関東甲信の梅雨明けをお祝い?して,今夜はロールキャベツを「サマーど」とともに.一升瓶は順調に消費され,いよいよ下層のゲル化した「にごり」の領域に入っていく.例年の「サマーど」は比較的さらりとしていた記憶があるのだが,今年のはとても濃厚.石川〈宗玄〉のにごり酒を連想した.

◆本日の総歩数=4200歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.1kg(−0.1kg)/27.5%(+0.1%)


8 juli 2011(金)※真夏日の世田谷で不快指数最高

◆丑三つ時にぐらりと揺れたが,お構いなしにそのまま寝続けた.午前4時半起床.雨がざあざあ降っている.気温24.1度.空気がじとじとして不快.

◆[欹耳袋]魚類系統体系学の現代史 —— Marcelo R. de Carvalho and Matthew T. Craig (eds.)『Morphological and Molecular Approaches to the Phylogeny of Fishes: Integration or Conflict?Zootaxa, 2946 [Special Issue]: 1-142 (8 July 2011) → サイト(open access).単に「魚の系統」だけの話ではなく,もっと一般的な論議がなされている.Colin Patterson が冥界から戻ってきたぞ! Gary Nelson もいる.

◆定例の世田谷高座へ —— いつもどおり7:56発のTX快速に乗る.常磐線が人身事故のため運転見合せとの車内アナウンスあり.途中から車内が混み合ってきた.小雨が上がって蒸し暑い.都内は薄曇り.千代田線が遅延したおかげで多摩急行に乗れた.経堂下車.農大通りを歩いて下るのは難行苦行.蒸し暑すぎる.

◆本日の農大お座敷 —— 計算機統計学のうち「リサンプリング法」について話をした.ノンパラメトリックなブートストラップとジャックナイフ,そしてパラメトリック・ブートストラップについて.統計学ワールドを席巻しつつある計算機統計学の野望についても解説した.デモRスクリプトは公開(Unicode)したのでどーぞ.

[広報]「実験データー解析概論」の補講の日時と場所は確定しました:来週7月15日(金)五限 16:20〜17:50@世田谷キャンパス112教室(いつもと同じ).同日の二限10:30〜12:10の講義もいつもどおりあります.二つ続きなので「生物系統学と統計科学」と銘打つ連続高座にします.

—— そろそろ第二回レポート出題と成績評価の作業を┣┣" 放牧場の見えるところに近寄せておかないと.

◆桜丘での高座を終え,蒸し暑い農大通りを再び経堂までもどる.この日の都内の最高気温は正午過ぎの31.4度だった.湿度が高くて不快指数が極大.駅前の〈はるばるてい〉にて「涼麺」を注文.冷たい香麺で,わさびがたっぷり添えられている.徹底的に混ぜまくっていただきました〜.その後,しばし徘徊してから,つくばに帰還.蒸し暑さはぜんぜん解消されず.蒸し暑い夕暮れはことのほかビールがうまい.

◆車中読書 —— Sharon Bertsch McGrayne『The Theory That Would Not Die: How Bayes' Rule Cracked the Enigma Code, Hunted Down Russian Submarines, and Emerged Triumphant from Two Centuries of Controversy』(2011年4月刊行,Yale University Press, New Haven, xiv+320 pp., ISBN:978-0-300-16969-0 [hbk] → 目次版元ページ).まだブラウズしているだけ.著者によれば,ベイズ統計学の実用性は宇宙開発や軍事産業でいち早く評価された.それゆえ,現代ベイズ統計学は,アカデミックな統計学界とは乖離しつつ,秘密裡に水面下で発展してきたと著者は言う.トーマス・ベイズ以来,何世紀にもわたって,ベイズ統計学が叩かれ続けてきたにもかかわらず,現代にいたるまで生き延びてきた理由は,個人的な「信念」あるいは「行動規範」に対する合理的補強をベイズ統計学が提供し続けてきたからだということ.ネイマン-ピアソン流の頻度主義統計学はその点で失敗したということか.

◆出先でメールボックスを開くたびに,びっくり┣┣" が飛び出してくるフシギ.進化学事典のラストスパートの号令が鳴響いた.とにかく月末までに原稿を書き上げないことにはどうしようもない./第155回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉についての連絡.まずはカリキュラムを確定させた上で,受講生募集に進む./昨年9月に岐阜大学で開催されたシンポジウムの報告が出版された:大舘智志・金子之史・岩佐真宏・本川雅治・三中信宏 2011, 2010年度哺乳類学会大会自由集会記録〈哺乳類学者・進化学者 徳田御稔の足跡〉.哺乳類科学, 51: 206-211. /〈Hennig XXX〉事務局からホテル宿泊に関する確認メール.これでオッケー.

◆やっと一週間が終わって,心安らかな週末を迎えられる.

◆本日の総歩数= 歩[うち「しっかり歩数」 歩/ 分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.2kg(−0.9kg)/27.4%(−0.5%)


7 juli 2011(木)※雨降る本郷にて七夕のお勤めを

◆午前3時過ぎ起床.久しぶりの梅雨空.午前3時くらいから本降りになっていたようだ.気温21.7度.北東風が涼しい.雨雲の本体はしだいに東に抜けていき,午前6時前には雲間から青空がのぞくようになった.今日は昼過ぎに本郷へ.保全生態学特論の最終回.

◆┣┣" 撃ち予定 —— 所内RPの「エコバランス研究会」は,7月12日(火)9:30〜11:00@519号室./とある本の翻訳企画は順調に進んでいるらしい.確定したらまた大┣┣" の出現だ.

◆[欹耳袋]「アンチパワポ」運動の広がり —— 「Anti-PowerPoint Party (APPP)」なる政党があるらしい:Gigazine「マイクロソフトのPowerPointに反旗を翻す「アンチパワポ政党」」(6 July 2011)|Macworld「Swiss party makes dislike of PowerPoint a political issue」 (5 July 2011)/〈エドワード・タフティ研究〉でのプレゼンテーション論./必読書:Edward R. Tufte『The Cognitive Style of PowerPoint: Pitching Out Corrupts Within, Second Edition』(2006年刊行,Graphics Press, Cheshire, 32pp., ISBN:0-9613921-6-9 [pbk] → 版元ページ).

◆[系統樹思考]本日の反響:MuBlog「小説木幡記:現代学生事情」(2011年6月18日) l ※学生さんに選ばれなかった顛末(涙).

◆七夕の弥生高座(最終日) —— 11:00発のTX区間快速で出撃.つくばは小雨がぱらついて蒸し暑かったが,しだいに天候は回復し,根津の弥生坂の登攀はまたしても夏日に照らされることになった.今日は真夏日ではないが蒸し暑いのはかえってたちが悪い.朝日堂でパンを買い,弥生キャンパスの隠れ部屋にてごそごそする昼休み.JR新宿駅東口の〈ベルク〉では,「ドキドキ夏生」や「Summer ど」が置かれているらしい.これはかなりの吸引力だ.機会を見つけて行くしかない.

午後1時過ぎから,弥生講堂アネックスにて「保全生態学特論」集中講義の最終日.外は晴天.今日はまず前回の続きとして,系統推定法(NJ, MP, ML, Bayes)の方法論としての長短相互比較とシミュレーション研究から得られた知見について話した.続いて,推定系統樹の信頼性評価に関する計算統計学の理論(リサンプリング法とパラメトリック・ブートストラップ法)を解説した後に,MEGA version 5.05 と PAUP* mit PAUPup のデモンストレーション.最後に,応用系統学の問題として,祖先形質復元・系統樹マッピング・系統学的多様度のトピックスに言及した.午後4時すぎに講義終了.みなさん,たいへんお疲れさまでした.

三週連続の集中講義が無事に終わったので,とりあえず樽生ギネス1パイントをぐいっとあおり,フライシュ・ヴルストをわしわしと食べてからつくばに帰ってきた.第二弾は常陸野ネストビール編(リアルジンジャーエール)だ.

◆今夜は七夕にしては雲が多くて蒸し暑く,あまりめでたい夜空ではないな.予報ではこれから雨になるらしい.

◆[欹耳袋]Spencer M, Davidson EA, Barbrook AC, Howe CJ. (2004), Phylogenetics of artificial manuscripts. Journal of Theoretical Biology, 227(4): 503-11. doi:10.1016/j.jtbi.2003.11.022 → abstract. 人造写本の実験的伝承過程からの系統推定を通した写本系統と生物系統との比較.「棒の手紙」の系統論はこれでいけるか.

◆本日の総歩数=5974歩[うち「しっかり歩数」1068歩/10分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.1kg(−0.2kg)/27.9%(+0.4%)


6 juli 2011(水)※炎天下に徘徊してはいけません

◆午前4時半起床.晴れ.ちょうど真っ赤な朝日が地平線から昇り始めるところだった.気温は21.0度で湿度も低く気持ちよし.ひさしぶりに牧園の〈david pain〉にて朝のお買い物.開店十分後には店に着いたにもかかわらず,サンドイッチ類はすでにほぼ売り切れ.開店前から並ぶという「行列耐性」はないので,あるものからセレクション.すでに夏日ラインを越えた観音台.今日も晴れて暑くなるだろう.

◆夏空の午前の┣┣" 撃ち —— 進化学会ニュース連載に関して自ら進んで「┣┣" 囲い込み」をしてしまった…….放牧場の隅の方に隔離施設を建てるかな./10時半から小一時間の領域会議.業績評価に関する変更についての説明./一時間ほど居室を離れていた間に,懸案原稿┣┣" は向こう数ヶ月は隔離部屋に静かに入ってくれることになった.秋に締切りとのこと.善哉善哉.

◆放牧場の┣┣" どもの行動特性のうち,「押し寄せる・居座る・暴れる・騒ぐ」については日常的関心の的ですが,「立ち去る」とか「亡くなる」についてはあまり深く考えたことがない.去る┣┣" は追わず.しかし,逝去┣┣" はどうしようか…….お線香の一本もあげるべきか.

◆[欹耳袋]現代ニッポンの“土俗宗教”のニュース —— あ〜あ,海外にまで伝わってしまった:The Independent 紙記事「Ex-minister blames his blood group for outburst after Fukushima disaster」(6 July 2011)The Independent のこの記事は,日本人の血液型信仰を「popular cultural belief」と一言のもとに却下.記事を書いた記者はこの“血液型教”の理解に相当苦しんだんじゃないだろうか(最後の段落では茶化してる).

◆[蒐書日誌]べいづは勝つ! かならず勝つ! —— Sharon Bertsch McGrayne『The Theory That Would Not Die: How Bayes' Rule Cracked the Enigma Code, Hunted Down Russian Submarines, and Emerged Triumphant from Two Centuries of Controversy』(2011年4月刊行,Yale University Press, New Haven, xiv+320 pp., ISBN:978-0-300-16969-0 [hbk] → 目次版元ページ).速攻でブツが届いた.ベイズ統計学の歴史をたどった本.統計学が中心テーマの本なのに「数式」がみごとにひとつもない.これはスゴいことかもしれない.それにしても長いサブタイトルだ.テレビ番組の二時間ドラマの宣伝文句みたい.べいづ,べいづ,べいづ.

—— なお,本書の著者は今月号の日経サイエンスにも寄稿している:S. B. マグレイン「ベイズ規則の応用広がる」日経サイエンス2011年7月号,pp. 20-21.

◆昼休みの観音台は真夏日ラインを突破していま30.3度.さて,外に出ようかそれともやめとくか思案ちう.真夏日の農環研圃場を炎天下の徘徊タイムだん.ちょっともう使い物にならないくらい…….真夏の昼下がりみたいな暑さ.日射しが照りつける昼下り,構内林からニイニイゼミの合唱が本館まで響いてくる.そういえば,昨日はカナブンが飛んでいたな.本日の最高気温は30.8度なり.

◆前世紀末のこと.春先のサンパウロ大学構内を歩きまわっていたら,林の中をモルフォ蝶の真っ青な金属光沢がいたるところできらめいていた.樹上からは「カタカタカタカタ……」と木を叩くような音がするのだが,その正体はわからず.そう,〈もののけ姫〉の木霊のような音.いっしょに歩いていたAMNHの研究者は「きっとセミだろう」と言っていたが,カタカタ鳴く蝉ってほんとうにいるのかなあ.目前の林床をひらひら飛んでいたのは,擬態で有名に Heliconius だった.

◆[欹耳袋]「モンティ・ホール問題」って教育的におもしろい素材かも.確率というものがどういうふうに直感的に認知されるのか,そのあたりを実感することが統計的推論の受け皿として重要だから.

◆居室の殺人西日攻撃に耐えかねてあえなく敗退しそそくさと撤収.気温は28度台でたいしたことないはずなのに日射しが暑すぎてどうしようもない.さて,昨日のラタトゥイユを次のステージに移行させるため厨房にこもる.

◆[欹耳袋]今日の朝日新聞夕刊の一面記事によると,生肉・生レバーの流通問題とからんで,押上の〈もつ焼き・まるい〉では,ユッケ事件以降,看板商品の「レバ刺し」の代わりに,火で炙った「レバたたき」を出すようにしているらしい.久しぶりに行ってみようかなあ.

◆今夜は東寄りの夜風が涼しい.窓をちょいと開けておけば快眠が保証されそう.

◆本日の総歩数=8189歩[うち「しっかり歩数」4290歩/39分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.3kg(+0.1kg)/27.5%(+0.1%)


5 juli 2011(火)※真夏日の白昼に雷雲が突然出現

◆午前4時半起床.曇り.夜中のうちに前線が通過して一雨降ったようだ.外界を見下ろすとまだ濡れているところがある.気温は24.2度.雲間から朝日がのぞく.午前5時の気温は23.5度.昨夜から仕込み始めたラタトゥイユづくりの続き.煮込みの深さごとの変化が楽しめる.午前8時前の観音台は夏の日射しがまぶしい.外気温28.5度,居室の気温は29度超.今日も居住限界まで居続けよう.夜半に梅雨前線が北から南へ通り過ぎ,今朝は青空が広がった.空気は湿っぽいが,この季節にしては快適な南風が吹いている.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 所内ネットワーク担当から登録端末に関する┣┣" 三頭が直送されてきたので撃ち取った.こういうネットワーク管理ってたいへんだよねえ.PCとかプリンターとかどんどんネット接続して,しかもひっきりなしに機器が更新されたりするし,ユーザーもきっちり管理しているわけではない(かもしれない)し./玉川大の次年度出講に関する希望調査票が届いた.今年の冬学期の高座がまだ始まってもいないというのに./横浜国大〈統計道場〉の成績報告票も届いた.今年の道場がまだ開かれてもいないというのに./┣┣" が撃ち果たされる前にさらなる┣┣" が積み重なる「┣┣" 抱きの刑」,あるいはけっして加わりたくない〈積み┣┣" 〉ゲーム.

◆[欹耳袋]農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉:2011年10月26日(水)〜28日(金)@農林水産技術会議事務局筑波事務所(茨城県つくば市)※受講生募集については後日アナウンス./今月下旬に京都で開催される〈SMBE 2011〉のタイムテーブル:pdf

◆気温31.0度の真夏日のランチは〈おはん〉にて.ここで「魚」以外のものを食べるのは初めてかもしれないな,ということでハンバーグ定食なり.夏の青空,熱い南風,セミの合唱という三点セットがそろった.

◆午後の┣┣" 撃ち —— ブラジル出張の決済┣┣" がやってきたので押印して即放流./今週の農大高座のしたく完了./東大・生圏システムの集中講義(最終回)の準備もおしまい./秋のつくば数理統計研修の時間割案が流れ着いたのでチェック完了.

◆夕刻の雷雲 —— 午後3時過ぎ,筑波山の方面から邪悪な黒雲が南下しつつある.撤収の体勢を整えておこうと思ったら,その雷雲は東に逸れてしまった.代わりに,南側に突如として積乱雲が発生し,午後4時過ぎ激しい雷鳴が轟く.南の池の台は土砂降りだったらしいが,観音台はぜんぜん降らず.撤収タイムと心得てすたこら観音台を脱出するときにちょっとだけ大粒の雨に降られた.しかし,竹園に着く頃には雨の気配すら消えてしまい,雲の隙間から夕日が挿し込む.

午後5時過ぎ,前線通過で空気が入れ替わったのか,気温が急降下している.さて,ラタトゥイユのお世話の続きを.まるでもう梅雨明けして真夏がやってきたような日が続いている.夏バテ防止のためにもしっかり野菜を食べないといけない.夏野菜たちがずいぶん安くなってきたのは幸いだ.仕込むと言っても,スライスした野菜たちをオリーヴオイルを敷きながらひたすら深鍋に詰め込んでいくだけ.調味料はゲランド塩のみ.トマトの分量で酸味が決まる.今日は完熟トマトがたくさんなので酸っぱい.

ついでにトルティージャも焼いてみた.新ジャガと新タマネギがたっぷり入ったスペイン風オムレツ.卵もたくさん使うので厚さは十センチ近くになる. 大学時代から使い込んだオムレツパンが威力を発揮する.トルティージャの中身であるジャガイモとタマネギは,ふつうにジャーマンポテトをつくる要領でオリーヴオイルでしっかり甘みが出るまで炒める.トルティージャをオムレツパンで焼くときはちょいとしたコツがある.それは片面ずつ二回に分けて半熟に焼き上げ,両面を貼りあわせるという裏ワザ.いっぺんに焼くとまちがいなく失敗するので,二回に分けるのが秘訣.こうして中までじっくり火を通すと,焦げずにしっかり焼きあがる.それ以上の厚さだとオーブンが必要になるだろう.焼き立てのトルティージャには銀河高原ビールがよく合う.

◆そろそろ忙しくなりそうだなあ,と┣┣" たちの遠吠えを聞きつつ夜は更けていく.

◆本日の総歩数=4089歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.2kg(0.0kg)/27.4%(−0.2%)


4 juli 2011(月)※熱帯夜の夜明けは湿った南風が

◆午前4時半起床.一晩中ずっと南風が吹き抜けて快眠できた.しかし,最低気温は25.5度の熱帯夜.湿度高し.南風がなかったらさぞかし寝苦しかったにちがいない.今週前半はつくばに実在.後半は都内の高座が続く.午前8時前,薄曇りの観音台.外気温は26.6度だが,ずっと締め切っていた居室は,全館空調がまだ稼働していない現時点で,すでに29.5度.中も外も蒸し暑い.

◆[欹耳袋]日本進化学会京都大会の参加登録・演題登録が7月9日(土)まで延長されたとのこと→大会サイト.あわせて,学会評議員会の開催通知や進化学事典編集会議のアナウンスもきたが,ブラジル出張なので「欠席」の返事を返す.

◆お昼前,締切が迫っている┣┣" を一頭撃ったので,解体場まで引きずっていくことにしよう.なにっ,外気温はすでに31.8度まで上がっている.南風も吹き荒れているようだし,外には出たくないなあ.外まわりの昼休み.炎天つくばはいま32.0度.あぢぢ〜.さ,早く「森」に帰ろう.

◆[蒐書日誌]クリス・マチソン[松井正文監訳/西川完途訳]『サンショウウオ・イモリ・アシナシイモリのなかま』(2011年6月25日刊行,朝倉書店[シリーズ・知られざる動物の世界:4],東京,iv+114 pp., ISBN:978-4-254-17764-0 → 版元ページ).ヴィジュアルなカラー生態写真が魅力的なこのシリーズの最新刊は両生類,なかでもサンショウウオとイモリの仲間が取り上げられている.このシリーズ,日本語訳されるのは7冊だけだが,原書のシリーズは何十冊も刊行されているらしい.どういうセレクションで翻訳本を選んだのか気になる.かなりマイナーな動物群をピックアップしているみたいだし.

◆最近は研究所の警備がどこも厳しくなって,ドロボーさんの被害は少なくなっているようだ.しかし,かつては入り放題で,現金やパソコンなどかなりの被害が出ていた.市内の某研究所なんか数年前ノートパソコンを数十台ごっそり盗まれたことがあった.研究所とか大学ってドロボーさんにとっては敷居が低いのだろうか.ワタクシ自身も,研究所の居室にかつてドロボーさんが侵入して引き出しの中を引っ掻き回されたことがあった.もちろん現金なんぞぜんぜん置いてないからしょせんムダなことだったのだが,机を荒らすよりも目の前の本棚からめぼしい古書を数冊抜けばあっという間にもっといいカネになるのにねぇ.ま,今後フトドキ者が深夜うちの居室に侵入したときには,この世に生まれてきたことを深く後悔するくらい祟ってやろうかな.

◆直射日光がじりじりと屋上を焼く昼下り.五階の廊下が異様に暑いので,ドア締切・照明なし・カーテンという暗い「森」に潜伏する.どうも居室のエアコンから「漏水」しているらしく,床が急速にしっとりしてきた.いくら「森」に水分が必要だからったって〜(うわ〜).とりあえず,これ以上湿気ると水浸しになりそうな勢いなので,応急措置をした.

◆ニッポンの夏,〈サマーど〉の夏! —— 居室が西日で暑くなりすぎたので即撤収.観音台は南からの熱風に煽られてニイニイゼミの合唱がひときわ大きく響いていた.早々と夏の夕暮れの雰囲気が漂う.ゲットした秋田・山本合名会社の〈サマーど〉の一升瓶を頑丈な四合瓶に分けて持ち帰った.炭酸ガスが湧くので栓には気を付けないといけない.

今年の〈サマーど〉は例年になく辛口で実にうまい.近くで買える人はもう買うしかない.肴には棒餃子と青椒肉絲そしてさつま揚げとポテトサラダなど.活性にごり酒には肉がよく合う.

さて,夕餉のあとの一仕事は「ラタトゥイユ」を仕込むこと.茄子・新玉葱・ズッキーニ・パプリカ・完熟トマトなど夏野菜がいろいろと出回るいまの季節にはもうつくるしかない.あとはオリーヴオイルとゲランド塩のみ.シチュー用の大鍋にたっぷりつくる.

◆[欹耳袋]Rあれこれ —— 勝虫日記「Rを教えるにあたってのクイック・ガイド」(2011年7月3日)※方々でR講習を開いているので,効率的かつ浸透率の高い教授法にはいつも関心がある.いまのところR本体とともに Rcmdr / RStudio を併用するのが効果的ではないかという結論に落ちついている./Rで検索:〈R seek〉と〈seek R〉/Rで系統:Liam Revell〈Phylogenetic Tools for Comparative Biology〉と〈R-phylogenetics ("phytools") beta version distribution page〉.

◆本日の総歩数=7761歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.2kg(+0.1kg)/27.6%(+1.0%)


3 juli 2011(日)※きたるべき統計本の構想を練る

◆午前4時過ぎ起床.晴れ.朝焼けの東の空に向かって日の出を拝む.気温22.4度.東寄りの微風.湿気がなくて爽やかな早朝.意外に涼しかったので,ちょいと歩いてみるかと筑波大方面へ徘徊したのが運の尽き.情け容赦なく夏の朝日がぎらぎらと熱射光線を浴びせかけ,一時間ほどであわてて帰還.午前6時の気温はまだ24.2度で序の口.今日も暑くなるのかな.〈つくいち〉はどうしようかな.

◆近未来的統計本┣┣"たちの執筆構想 —— できれば来年出しておきたい「統計本」が二冊ある:

  • 三中信宏『統計曼荼羅ガイドブック[仮]』(2012年刊行予定,技術評論社[tanQブックス],東京 → 目次案
  • 三中信宏『Shall We 生物統計学?』(2012年刊行予定,講談社サイエンティフィク[Shall We シリーズ],東京 → 目次案
技術評論社の統計本は「統計曼荼羅」を鳥瞰するためのガイドブック.要するにワタクシが方々で開いている統計高座のまとめ本みたいな位置づけ.これが出版されたら教科書℃w定しようかと狙っている.二年ほど放置してしまったが,さりげなくひっそりと書き始めているところ.しかし,すでに毎月ノルマがあったりする…….一方,講談社サイエンティフィクの統計本は「統計思考の世界」についての噺.これまたワタクシにとって十八番になりつつある「統計学概論」を掘り下げて一冊にしようというもくろみ.目次を書いたからには「中身」を何とかしないといけないなあ…….企画が立上ってからもう二年になろうとしているし.これら統計本┣┣" 二頭はいわばタテとヨコの関係にあって,それぞれちがう視点から統計学の世界を見ている.そんなイメージで並行執筆することになるだろう.

—— いずれにせよ,書くしかないということですな.

◆久しぶりに朝の歩き読み —— 田中公明『曼荼羅イコノロジー』(1987年8月10日刊行,平河出版社,東京,316 pp., ISBN:4-89203-122-4 → 目次).1990年代はじめ,統計研修の質疑の場の勢いで「統計曼荼羅」を手書きしたのがそもそものきっかけ.タントラも何も知らずにいるのはまずい.少しは密教の世界観を知らずにはすまされないだろうと思って手にしたのが本書だった.世の中の景気が今よりももっとよかった当時,一種の「曼荼羅ブーム」が日本を駆け抜けたことを著者は冒頭で記している.ワタクシにはぜんぜん記憶がないのだが,世紀末はそういう「スピリチュアル」なものへの社会的要求が高まったのだろうか.

チベットでは「砂曼荼羅」が本式であって,修行のたびに壊される宿命にあったとか.紙に描かれたからこそ後世に伝承されたのだが,鉛筆の手書きをスキャンしてjpeg画像で公開しているようでは話にならないのかもね.いずれにしても,金剛界曼荼羅や胎蔵界曼荼羅という図像により密教的世界観がどのように視覚化されていったのかについて,本書を通して自分なりの理解が深まったことは収穫だった.二十年ぶりに読み返してみると,曼荼羅の図像世界に関してものすごく詳細にわたって解説されていたことがわかる.本書は入門書ではけっしてなかった.

—— そういえば,十年ほど前,トゥプテン・ジンパ(監修)《マンダラ・コスモロジー:チベット仏教の知恵と心の芸術》(2000年刊行,デジタローグ発行/トランスアート発売,東京,ISBN:4-88752-021-2[CD-ROM and booklet] → 情報)というCD-ROMが発売されたことがあった.インドの密教修道僧たちが砂曼荼羅を描く過程を動画記録した作品だった.曼荼羅を砂で書く濃密な時間の流れが張りつめた緊張感とともに伝わってきた.

◆その後も晴れたり曇ったり.朝早く夏日ラインを超えてしまったが,南風に変わって体感的にはやや涼しくなってきた.しかし,気温はじわじわ上がっている.明け方だけが爽快な時間帯で,それ以外はひたすら耐え忍ぶしかない季節.

お昼過ぎ,┣┣" 放牧場をこっそり遠隔観察をしに農環研に潜入したら,週末締め切られていたずっと居室の温度が真夏日ラインを突破していたので,あわてて撤収〜.┣┣" たちは夏眠していたようだった.お持ち帰り┣┣" とともに帰宅する.昼下りからとても蒸し暑く,夕方になってから最高気温30.9度の真夏日となった.

午後は自宅の地デジ化大作戦のための資材調達ののち,梅園の〈カフェ・メモリーズ〉にてスフレ・パンケーキセットとともに一休み.夏草の緑が色濃くなっていた.夕暮れ時,やっと mission complete! もう疲れまくり.それでも「アナログ放送停止まであと〜日」という脅迫文がテレビ画面の隅から消え去ったのはうれしい.映像がコワいくらい鮮やかだねぇ.

◆近未来的統計本┣┣"たちの執筆構想(続) —— 時空断面としての「統計曼荼羅」は統計ツールの鳥瞰的な分類パターンだから,統計ツールが世の中にいくつあってもしょせんは平面内に配置されるだけだ.一方,そういうさまざまな諸法を生み出したプロセスとしての「統計思考」はもっとシンプルに整理することができるはず.統計ツールの実際のしくみとかやり方について学ぶ前に,そもそもなぜそのような統計ツールが世に現れたのか,それを使うことによってどんな問題が解決され何がわかったことになるのか,ユーザーは解析結果をはたしてgut feeling のレベルで納得できるのかというような問題の考察は,もっと“身体”に近い感性で感じ取る必要があるだろう.

◆夜遅くなっても湿った南風が吹きこんで蒸し暑い.

◆本日の総歩数=10484歩[うち「しっかり歩数」6889歩/63分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.1kg(−0.8kg)/26.6%(−1.2%)


2 juli 2011(土)※北東風のせいで部屋中が湿気る

◆午前4時半起床.曇り.気温23.0度.湿った北東風が吹きこむ.風に吹かれていると体感的に涼しいが,窓を全開にしていると湿気で床がべたべたする.空気中に水気が多すぎて視界がきかない代わりに.一ノ矢八坂神社が午前六時を告げる鐘の音はよく聞こえる.午前8時,だんだん空が明るくなってきた.気温24.0度.じっと風に吹かれて入ればそれなりに涼しいが,ごそごそ動くと蒸し暑いというビミョーな感じ.

◆[欹耳袋]系統樹ウェブ曼荼羅・第7回連載「祖先の蔭に護られて:系統樹二千年の歴史をさかのぼる」が公開された.今回の記事は家系図の話.二〜三回続ける予定.

◆週末早朝の┣┣" 撃ち —— サンパウロの旅行会社からブラジルでの滞在先ホテルの確認メールを送ってきたのだが,泊数をカウントし間違えている気配がかなり濃厚.一泊のちがいくらい誤差範囲というアバウトな感じかもしれないが,念のため変更メールを出さないと.サンパウロの旅行会社に滞在日程の修正依頼メール,Hennig XXX 事務局にフライト日程の連絡メールをそれぞれ出した.そういえば,サンパウロ国際空港からの国内線での移動は〈Pantanal Linhas〉という航空会社.中南米の国内線フライトはいつもどきどきする.時間通り飛ぶかとか,まあ,いろいろと…….

◆[欹耳袋]〈ICC 2011〉11-15 July 2011, University of St Andrews, Scotland ※今月開催される国際分類学会議のアナウンス.スコットランドのセント・アンドリュースって一度は行ってみたいな.

◆気温が27度ラインを越えた蒸し暑い昼下り,天久保の〈百香亭・筑波大学店〉にて「担担麺」でしっかり鍛えてきた.大きな赤唐辛子が何本も入ってアタリ.辛くてハッピー. 「タンタンメン」の正しい表記は「坦々麺」ではなく「担担麺」であることを知った.

◆[蒐書日誌]データ視覚化の近刊とサイト —— Manuel Lima『Visual Complexity: Displaying Complex Networks and Data Sets』(2011年7月近刊,Princeton Architectural Press, New York, ISBN:978-1-56898-936-5 → 版元ページ).この版元からは同様の傾向の本:Daniel Rosenberg and Anthony Grafton『Cartographies of Time: A History of Timeline』(2010年刊行,Princeton Architectural Press, New York, 272 pp., ISBN:978-1-56898-763-7 [hbk] → 目次版元ページ)が昨年出版されている.個人的にはとてもおいしい出版社で,この近刊も即座にオンライン発注してしまった.内容的には,ウェブ連載中の系統樹曼荼羅とかなり重なるようだ.また,著者のサイト〈Visual Complexity〉にはとても興味深い図像がたくさん公開されている.

◆[欹耳袋]ハエほいほい —— 時事ドットコム「ハエ退治に手作り装置=主婦が紹介、口コミで広がる−宮城」(2011年7月2日)※捕獲のしくみは「スズメバチほいほい」 とまったく同じようだ.

◆午後4時前,いつの間にかシエスタしてしまった…….起き抜けの無防備なところに「魔」が降臨してしまい.執筆予定の統計本二冊『統計曼荼羅ガイドブック[仮]』と『Shall We 生物統計学?』の目次づくりをはじめてしまった.これはきっと何かが取り憑いたにちがいない.┣┣" 神さまか.外は晴れたり曇ったりしている.気温27度超.湿った東風がずっと吹いて蒸し暑い.

◆インカのめざめを地獄の強火で —— 統計学本2冊の目次案を練り上げたところで,夕暮れの厨房へ離脱.新ジャガ(インカのめざめ)の煮っころがしをつくるぞー.新ジャガの煮っころがしと牛肉の煮物の付け合せ.極小サイズ(2〜3センチ)のインカのめざめを使った即席の一品.毎年,新ジャガが出まわるこの時期にしかつくれない季節料理.とっても簡単でしかもメイン料理になれる.昨年もこの季節につくったが(→ 2010年7月17日),念のためパワーアップしたレシピを下に記しておく:

  1. 新ジャガイモ500グラムを皮付きのまま水洗いして,5〜10分間電子レンジで竹串が通るくらいまで固茹でにする.
  2. 厚手のフライパンを強火で熱して,油(サラダ油・ごま油・ラー油を適宜混ぜる)を大さじいっぱい分を投入する.
  3. フライパンを強火にしたまま,ジャガイモを軽く焦げ目がつくまで十分に炒める.
  4. 濃口醤油4+味醂2+砂糖2(いずれも大さじ)を投入し,水300ccを注いで蓋はしないで強火で茹でる.水分が少なくなってきたら焦がさないようにゆする.
  5. 水分が飛んでタレが粘るほどになったらできあがり.香りづけにバターを少量加えると風味が出る.大皿に盛ってそのまま食卓へ.

この新ジャガ煮っころがしレシピの極意は「すべて強火でイッキに」という一点に尽きる.チャーハンをつくるときと同じく,大火力ガスレンジを用い短時間で仕上げること.濃い目の味付けなので,ビールの肴にもごはんのおかずにもなる. なお,今回付けあわせたのは牛肉切落しのすき焼き風煮物.家庭ごとのスタイルで牛肉を煮て,新ジャガ煮っころがしに添える.ジャガイモのタレが濃いめなので,牛肉はややあっさり味付けした方がバランスがよい.ごはんに盛り付ければ「新ジャガ牛丼」になる.

◆明日は数日ぶりに農環研にちょいと潜入してみようかな.放置している┣┣" 放牧場のようすを見てこないと.でも蒸し暑かったら萎えるなあ.

◆本日の総歩数=1591歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.9kg(0.0kg)/27.8%(+0.3%)


1 juli 2011(金)※真夏日の都内出撃,雷雨の襲撃

◆午前4時半起床.曇りところどころ晴れ間から朝焼けがのぞく.早朝なのに気温23.3度.はや蒸し暑い.空気中に水分が多いせいか,もわもわと雲が広がっている.昨夜遅くから農大レポートが立て続けに着弾し,その受領返信に追い立てられているところ.メーリングリストの月例アナウンスをすべて送信完了.月始めの定例┣┣" ということでさくっと仕留める.

◆[蒐書日誌]チャールズ・ダーウィンの進化図像学 —— Julia Voss[Lori Lantz訳]『Darwins Pictures: Views of Evolutionary Theory, 1837-1874』(2010年刊行,Yale University Press, New Haven, x+340 pp.+16 color plates, ISBN:978-0-300-14174-0 [hbk] → 目次版元ページ情報).現物が着便した.原書のドイツ語版よりもはるかに立派なハードカバー造本だ.

◆金曜の定例都内出撃で蒸し暑い農大通りを往復する —— 7:56発のTX快速に乗る.よく晴れてすでに蒸し暑すぎる.都内に入ると青い夏空が広がっていた.千代田線の新型車両は冷房がよく効いていたが,駅のホームは蒸し風呂状態.今月から大々的に節電するという意志は明確に伝わるが,適当に取捨選択して“立ち去る”ことを考えないとね.経堂からのウォーキングはかなりつらかった.湿度が80%もあったらしい.気温はもちろん夏日ラインを突破していた.

◆本日の桜丘高座 —— 今日の高座は多変量解析.常人には見えない多変量高次元データの「見える化」が多変量解析の最終目標です.グラフ描画による可視化(e.g., クラスター分析)や次元削減による低次元空間への射影(e.g., 主成分分析)など多くの多変量解析ツールに共通する想念(Leitmotiv)は高次元データの「見える化」を軸にして理解できます.

◆農大関連アナウンス —— ワタクシのブラジル出張により休講になる7月29日(金)の補講は,教務と相談した結果,7月15日(金)五限に決定しました.講義室は未定ですが,追って教務からアナウンスされます./第一回レポートは本日が提出の締め切り.未提出の履修生は“本塁憤死”にならないように気をつけて.

◆[欹耳袋]日本地球惑星科学連合の2010年度大会でのシンポジウム〈G-HE030:地球科学史、地球科学の哲学〉の演題と要旨が公開されている.このシンポジウムについては,日本科学史学会『科学史研究』の最新号(2011年夏号)にも報告が載っているらしい.

◆講義後はまた蒸し風呂な農大通りを経堂駅まで這い戻り,〈はるばるてい〉にてカレー香麺.しかし,都内があまりに蒸し暑いので,長居は無用とつくばに逃げ帰ることにした.節電ダイヤで接続が悪くていらいらする.都内の今日の最高気温はほぼ34度だったようだ.午後4時の気温はやっと真夏日ラインを下回ったが,東京アメッシュに凶相の雷雲が発生してつくばに接近しつつあるのが見える.そうこうするうちに竹園あたりで雷鳴が轟き始め不穏な風が.ぽつりぽつりと降り出した雨はいきなり豪雨に.落雷が激しく強風に煽られて「雨のカーテン」がたなびいている.ベランダが浸水状態.雨足が強すぎて視界ゼロ.一時間ほどで兇悪な雷雲は通り過ぎたらしく,雨は小降りになった.

◆[欹耳袋]本に埋れて絶命することははたしてシアワセか否か —— YOMIURI ONLINE「震度5強の長野で男性、大量の雑誌に埋もれ死亡」(2011年7月1日).同様の事件はときどき聞く.去年だったか静岡でも本の山が崩れて女性が亡くなった事故があった.草森紳一も風呂場に閉じ込められたし(→『随筆 本が崩れる』),収集雑誌の重みに耐えかねて木造家屋の天上が抜けたという事故もあった(「天上がみるみるたわんできた」という目撃者証言が妙にリアルだった).

◆激しい雷雨に吹き寄せられたように,メールボックスに本日締め切りのレポートが数十通入っている.さくさくと受領メールを返す.ところが,ひとつ返すたびにふたつ新着レポートが届き,はてしなくピンポンし続けることになった./東大の専攻修論中間発表会は10月5日(水)に確定した./所内RPのエコバランス研究会の日程調整.

◆[蒐書日誌]蘭語修練のために —— クレインス・フレデリック,クレインス桂子『中級オランダ語 : 表現と練習(CD付)』(2011年5月刊行,白水社,東京,本体価格3,000円,ISBN:978-4-560-08563-9 → 版元ページ).姉妹編である前著:クレインス桂子,クレインス・フレデリック,河崎靖『オランダ語の基礎:文法と練習(CD付)』(2004年4月20日刊行,,白水社,東京,本体価格2,800円,ISBN:4-560-00638-5 → 版元ページ)に続く中級編.

◆[欹耳袋]今月に入ってから画面左下に「アナログ放送終了まであと23日です!」というワッペンがくっついてしまったテレビで〈もののけ姫〉をしばし鑑賞.そういえばこの映画の主題歌を歌った米良美一が,バッハ・コレギウム・ジャパンのCDで Bach カンタータのカウンターテナーを担当しているのを知ったとき,両者のギャップがなかなか埋まらなかった記憶がある.

◆[分類思考]本日の残響:けれっぷ彗星「分類思考の世界」(2011年7月1日)

◆真夜中の滑りこみ —— 夜,スコールはもう通り過ぎたが,季節はずれの五月雨のごとく農大レポートが着弾し続けている.レポート締切りまで残すところわずかな時間となったが,学籍番号と氏名を記入していない学生はまだいない.よしよし.結局,日が変わる直前の本塁突進組が今年もいた.最終提出者のタイムスタンプは「Sat, 02 Jul 2011 00:00:03」.桜丘からつくばまでのメール転送時間が「3秒」かかったとみなして受理した.受講生のみなさん,たいへんお疲れさまでした.

◆本日の総歩数=8488歩[うち「しっかり歩数」4351歩/42分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.9kg(−0.3kg)/27.3%(−0.4%)


--- het eind van dagboek ---

Map フリーアクセスカウンター自転車 通販人気 シューズ
[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集