● 11月3日(月): 太平洋上空で大トドと格闘し成田到着

◆日本では「文化の日」だが,機内ではあまり文化的なふるまいはできない.寝たり読んだり喰ったりしているうちに日が変わってしまった.

◆アルヘンティーナの引きずり本 —— まずはアルゼンチン・ワインの最新リストをば(ブエノスアイレスの免税品店にてゲット):August Foix『Guia Terruños: Argentina Wine & Lifestyle Tour, 2008-2009』(2008年刊行,Gruppo Terruño, Mendoza, 288 pp., ISBN:978-987-23899-1-8 [pbk] → 版元ページ).アルゼンチンのワイン産地めぐりを中心とする観光ガイド本.ところどころ英語対訳が付けられている.南北に長い国だが, Mendoza や La Rioja をはじめ,こんなにたくさんのワイン産地があるとは知らなかった.とりわけ,Mendoza のワイン生産量は世界的に見ても多いらしい.また,南のパタゴニア地方に行くと,ワインだけではなく,スキーリゾートや狩猟もレジャーとして定着しているらしい.

もうひとつは:Jorge Luis Borges『Textos Recobrados』の全3巻本(ペーパーバック版).同じ著者による論集『Obras Completas』(全4巻)に所収されなかった短いエッセイや記事の集成.EZEIZA の Yenny 書店で購入.『Obras』の方は揃いではなかったが,『Textos』は3巻ともそろっていたので.この3冊の書誌情報は下記の通り:

  1. Jorge Luis Borges『Textos Recobrados (1919-1929)』(2007年9月刊行,Emecé Editorial, Buenos Aires, 584 pp., ISBN:978-950-04-2935-1 [pbk])
  2. Jorge Luis Borges『Textos Recobrados (1931-1955)』(2007年10月刊行,Emecé Editorial, Buenos Aires, 400 pp., ISBN:978-950-04-2952-8 [pbk])
  3. Jorge Luis Borges『Textos Recobrados (1956-1986)』(2007年11月刊行,Emecé Editorial, Buenos Aires, 400 pp., ISBN:978-950-04-2965-8 [pbk])

◆また,うたた寝をしてみたり,本を舐めたりしているうちに,ベーリング海峡を越えてシベリア上空から太平洋に抜けていた.『』の新書化のための序論書きを突っつかれているのだが,その構想を夢うつつで描いてみる.ついでに,帰国直後に神戸で開催される〈ISHPSSB Off-year Workshop Kobe〉のスライドのイメージづくりをしてみる.帰国してからはきっとまったく時間がないだろうから,こういう機内での“監禁状態”を逆手にとるのがいいにちがいない.

—— とは言いつつも,しだいに睡魔がべったりと張りつき,食事が運ばれてきてにわか“ブロイラー”と化してきた.胃袋はもういいから,もっと働け脳,よろしく.


◆来年の〈Hennig XXVIII〉はシンガポールでの開催となる.アジアでは初めての開催だ.今度はすごく近いのでラクだなあ.

—— そんなわけで,今回の地球のウラ側への長旅も,これでようやく「ジ・エンド」という最後の字幕を流すことができる.飛行機が高度を下げはじめ,雲がかかった筑波山の山頂だけが旋回中の鹿島灘からくっきりと見えた.明日からはまた,日本での日常生活にもどることになる → いつもの「日録」へ.


Contenido: Diario de a bordo en San Javier de Tucumán

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