◇午前3時半起床.涼しい.パリに来て以来,「熱帯夜」という言葉を忘れてしまった.パソコン以外の荷物をがしがしと詰める.Roissy II へのタクシーは8時前に頼んであるので,それまでは日録とメールを書き続けることにしよう.
◇午前7時にチェックアウト.午前8時前にミニバン型の乗合いタクシーの Timhotel Quartier Latin に到着.空港(CDG2)まで 26 ユーロで行ってくれるので格安.いくつかのホテルを回って予約客を拾っていく.おお,エッフェル塔を遠目に見つつ,凱旋門のロータリーをぐるりと.ここがかのシャンゼリゼ大通りなのですね(ほとんど“はとバス観光”気分).ぼくの中学時代の同級生がちょうどいま参加しているという電波宇宙工学の会議が開催されている Palais des Congres を見上げつつ,空港に直行.
―― フライトの3時間前に Roissy II(ホールF)に着いたが,けっこうな混みようだ.早々にチェックインして,短時間集中的にオミヤゲを買ったりして.※こういう学会の参加者は空港でしか土産物を買う余裕がないのだ.
―― ん? 相当にバイアスのかかったセレクションになったかも....Livarot,Reblochon de Savoie, Tomme de Savoie, そして Fourme d'Ambert ... これだけで 2kg は越えたんじゃないかな[AOCばっかり].日本で買うよりははるかに安い.※ただし機内の荷物棚に“異臭”が漂うかもね.
―― その他もろもろを買い込んで10時55分に搭乗開始.バスで移動する.※帰国便に搭乗するたびに「終ったね」と感じる.
◇エール・フランス272便はほぼ満席でした.10時間あまりのフライトの間に読んだ本:W. G. Rogers (1965),『Wise Men Fish Here: The Story of Frances Steloff and the Gotham Book Mart』.主人公の前半生はほとんどドラマの筋書きそのもの(脚本みたい).1/3ほど読み進む(うつらうつらする).
―― ついでに,昨日買った Dubessy and Lecointre (編)『Intrusions Spiritualistes et impostures intellectuelles en sciences』も少々.“spiritualisme”をつい「心霊主義」と訳してしまったが,要するに唯物論に対抗する〈唯心論〉ということだったのですね.ほほー.Lecointre 氏いわく:
基本的な対置図式がわかろうというもの.この論集では,パリ学際領域大学(UIP)での唯心論の突出が大きな論争点になっているようだ.
◇ほとんど夢うつつ状態で,飲食と活字のパラダイスが過ぎゆく.旅の終わりとしては実にすばらしいではないか!
―― そうこうするうちに機体は早くも成田への下降体勢に.
◇これでまた,幸か不幸か「日常」に戻ることになる.ここから後は,いつもの日録へと連なる.