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oude dagboeken

日録2015年12月 


31 december 2015(木)※大みそかは篠峯が炸裂

◆午前6時半起床.気温は氷点下0.3度まで下がっている.おだやかな大晦日の夜明け.

◆[欹耳袋]共同通信 47NEWS「日本のタヌキは固有種:帯畜大、頭骨で裏付け補強」(2015年12月28日)※元論文は:Sang-In Kim et al. 2015. Evolutionary and biogeographical implications of variation in skull morphology of raccoon dogs (Nyctereutes procyonoides, Mammalia: Carnivora). Biological Journal of the Linnean Society, 116(4): 856–872, doi: 10.1111/bij.12629 Dec 2015 abstarct./Matthew Hall, Mark Woolhouse, Andrew Rambaut 2015. Epidemic Reconstruction in a Phylogenetics Framework: Transmission Trees as Partitions of the Node Set. DOI: 10.1371/journal.pcbi.1004613.生物地理学的な内容.

◆昨夜から戸外で冷却していた黒豆を取り込む.これで完成.毎年のことながら三日がかりの厨房仕事である.【黒豆 version 2015】 ——

  1. 用意するもの:黒豆250グラム・砂糖250グラム・日本酒小さじ2・薄口醤油50cc・水1.3リットル.※重曹と鉄くぎは不要.
  2. 黒豆は鉄の厚手のフライパンに入れて24時間水に浸す.
  3. 砂糖・日本酒・薄口醤油を加えて沸騰させる.いったん火を止めアクをすくってから,戸外で放置して十分に冷めるのを待つ.余分な煮汁は別容器に取り分け,黒豆が完全に浸るくらいの液量にする.
  4. ところどころ金串で穴を開けたアルミホイルの落し蓋をしてから,再び火入れ.沸騰したらごく弱火にして,約8時間ふつふつ炊き続ける.水気が少なくなってきたら取り分けた煮汁を足し続け,炊いている間は黒豆が煮汁から露出しないように注意する.
  5. 加熱と冷却を何度か繰り返して黒豆に味が染み込んだら,火からおろして,フライパンに入れたまま戸外に一晩放置する.

◆[欹耳袋]毎日新聞「大学入試:新共通テスト、「記述式」分離先行案 50万人分「採点に数カ月」「高校生活に影響大」」(2015年12月31日) ※「受験者50万人分の大量の採点をどんな体制で行うのか」「人海戦術」— 採点者はいったい誰なんでしょうねぇ.新共通テストの採点を実際に担当するにちがいない国立大学教員は年度後半はまったく身動きが取れなくなるのでは? いや,それどころじゃないか.実質的に年に二回の「新共通テスト」を実施することになるから,準備段階も含めれば一年中ずっと「新共通テスト体制」が続く.

◆[蒐書日誌]お祭りが終わって ——

  • #springerlink 昨日一昨日まで確かにフリーダウンロードできていた本がすでにフリーではなくなっているケースがいくつかあるようだ. posted at 11:42:30
  • #springerlink あ,ごめん,「いくつかある」じゃなかった.全部フリーではなくなったみたい.みなさん,ご確認を.クリスマスだけの “Springer ephemeral” だったということか.いい夢をありがとう. posted at 11:47:57

◆大晦日厨房業務.百合根,炊きあがりましたー.おだやかな夕方のつくばセンター界隈を一回りだん.さすがに大晦日は売る気満々&買う気満々のシナジー絶好調.たがみ酒店もレジ前の列が長かった.

◆[欹耳袋]大谷哲「お知らせ「大学非常勤講師健康調査のお願い」」(2015年12月31日)→社団法人日本産業衛生学会非正規雇用研究会「大学非常勤講師健康調査2015」※回答期間は「2016年1月末日」までとのこと.

◆毎年の大晦日の厨房仕事の最後はローストビーフである.今年のレシピはこんな感じ:

  1. 並木〈マルゲンミート〉の牛肩ロース肉400g×2個.まずはタコ糸で緊縛する.
  2. 下味付けには赤ワインと〈三諸杉〉のおりがらみをベースに,タイミングよく届いた〈風の森〉新酒の酒粕を混ぜてみた.濃口醤油をまわしかけ,スライスにんにくを.冷蔵庫で一晩寝かす.
  3. 半日かけて肉を室温に戻す.オーブンの温度設定は150度で焼き時間40分.焼き上がったら即座に戸外で空冷.

粗熱が取れたローストビーフにナイフを入れる緊張の瞬間.端っこでこれくらいの赤みだと,真ん中部分はいい感じのレアに焼きあがっているだろう. 下味を控えめにしたのは正解.お肉そのものが絶品だった.NHK-BS3 で〈ジュラシック・パーク〉第一作を見ながら,がつがつと肉を喰うシアワセよ.ローストビーフには〈篠峯〉27BYもろみ純米吟醸生酒.新酒の活性にごり酒は肉にピッタリの “お水” である.ティラノサウルスの重低音とともに呑んで食べる大晦日の夜.

◆午後11時,早くも除夜の鐘が聞こえてきた.あれは一ノ矢八坂神社か.今年もつつがなく過ぎていき,積み残し┣┣" は順調に年越しして,新たな一年を迎えようとしている.新年早々0:00にメーリングリストへの月例アナウンスを発信.ついでに大晦日の日録を更新しようとしたら,ネットが異様に重い.「あけおめ」メールが高密度で飛び交っているのだろう.遠くから花火の音が聞こえてきた.真夜中の初詣は御免被りたいので,日が変わったらさくっと寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆本日の総歩数=3035歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.3kg)/ 30.4%(−0.4%)


30 december 2015(水)※黒豆を炊き牛肉を縛る

◆午前7時起床.薄雲がかかる空.気温は氷点下1.0度.黒豆の炊き始め.本日,油長酒造から〈風の森〉新酒が届くとのこと.ありがたやありがたや.年末だけの蔵元直売会があるらしい.いいなあ.外が明るくなり,青空が広がってきた.

◆[欹耳袋]Togetter -「平野レミさん90分生放送「おせち家族に福きたる!」 意外に順調と思いきや衝撃のラストが待っていた!!」— 昨日の朝,たまたまNHKを見ていたら,スタジオで “レミパン” を振り回しているおばさまがいて,ご本人だった.

◆年の瀬の厨房風景 —— 早朝一度煮立てた黒豆は戸外ですでに冷たくなっていた.これから黒豆の本格的な火入れを開始.まずは沸騰させてから超弱火に.これから夕方まではこのままふつふつと炊き続ける.

◆[欹耳袋]分岐年代のベイズ推定(総説記事) —— Mario dos Reis, Philip C. J. Donoghue & Ziheng Yang 2015. Bayesian molecular clock dating of species divergences in the genomics era. Nature Reviews Genetics, doi:10.1038/nrg.2015.8. Published online 21 December 2015. abstract

◆奈良からの直送便が届いた! 油長酒造の新酒〈風の森〉27BY初しぼり・秋津穂純米無濾過無加水生酒「笑う門には福来たる」と酒粕,千代酒造のバクハツ系〈篠峯〉27BYもろみ純米吟醸生酒.今年は奈良の御神酒で年が越せそうで,予備用の〈風の森〉26BY「笊籬採り」の一升瓶も冷蔵庫に横たわっている.氷温室の中はすでに正月が到来したような賑やかさ.これはもう歳末ローストビーフ仕込み大会を決行するしかない.

◆[蒐書日誌]連日の Springerfest は今日も続く ——

—— どうやらまちがって(?)公開設定された本もあるようで,前日はダウンロードできたのに,翌日にはできなくなったという話をぽつぽつ聞く.

◆昼下り,MacBook Pro の Parallels Desktop に頼りきりでここ数ヶ月ずっと放置していた VAIO の Windows 10 をひさしぶりに起動したら,待ってましたとばかりに「更新の祭典」歳末大バーゲンが始まった.長蛇の行列が伸びていた〈マルゲンミート〉から帰ってきてもまだぜんぜん終わる気配がない.夕方になっても,Windows 10 の「更新の祭典」がまだ延々と続いている.ブルックナーの交響曲のようなこの長大さには何か戦略的意味があるのだろうか.黒豆が炊きあがるか,更新が完了するかはいい勝負かもしれない.午後5時前,更新の祭典はめでたく終了したようだ.炊き始めて8時間が経過した黒豆はいったん火から下ろして夜風で急速冷却する.

◆夕焼けグラデーションに染まる西の空.ふと気がつけば食卓にはちょうどいい感じに熟成されたかぐわしいArnaud の Mont d'Orが常温放置されている.さて,今宵のお供は vin rouge ou vin blanc? 白い “お水” だったら安い Gewürztraminer があるけどきっとモンドールには勝てないだろう.というわけで,赤い “お水” を登場させることに決定.

◆モンドールを開いてみたらちょうど食べごろだった.まずはそのまますくっていただく.先日〈da Dada〉でゲットした Ezio Trinchero の〈a-yuzuki〉を開栓.この酸味は濃厚なモンドールに負けない.最後は,白ワインを降ってニンニクとパン粉をトッピングして180度のオーブンで15分まてば,フォンドールに変身.バゲットに乗っけて,たらりたらりを気にしながら完食.

◆午後10時を過ぎて黒豆の最後の火入れ.この段階が終われば完成.黒豆と平行してローストビーフの下準備.まずはタコ糸で緊縛する.下味付けには赤ワインと〈三諸杉〉のおりがらみをベースに,タイミングよく届いた〈風の森〉新酒の酒粕を混ぜてみた.濃口醤油をまわしかけ,スライスにんにくを.〈マルゲンミート〉の肩ロース肉なので,下味は最小限に.

◆明日の大晦日は厨房に終日立てこもることになりそう.

◆本日の総歩数=3704歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 93.1kg(−0.2kg)/ 30.8%(−0.8%)


29 december 2015(火)※年の終わりの第九演奏

◆午前5時前起床.夜明け前の気温はいま氷点下1.8度.お一人様ホカペのスイッチオン.午前6時前,氷点下4.3度の凍てつく寒さの彼方から,大曽根・千光寺の時の鐘が暗く響きわたる.

◆[欹耳袋]大阪大学「大阪大学における公的研究費の不正使用について」(2015年12月28日).証拠書類が時効廃棄されるほど前から伝承されてきた長年の “伝統技芸” だったわけね.

◆年の瀬の臨時┣┣" 撃ち —— お正月用の黒豆を炊く準備.まずは黒豆は鉄のフライパンで水浸しにして,そのままベランダで一昼夜放置する.重曹とか錆びた鉄釘とかは不要.炊く前に十分に浸水するのが肝要./MAFFIN ネットワークにつながらないんですけど……./やっとMAFFIN につながったので,昨日からの Springerfest のようすなどアップ.

◆[蒐書日誌]Springer Fest は今日も続く ——

◆[蒐書日誌]菊水健史・永澤美保・外池亜紀子・黒井眞器『日本の犬:人とともに生きる』(2015年12月25日刊行,東京大学出版会,東京, viii+234 pp., 本体価格 4,200円, ISBN:978-4-13-060230-3 → 版元ページ).ご恵贈ありがとうございます.

◆[蒐書日誌]午後になっても “お祭り” の熱狂はなお続く ——

—— SpringerLink で公開された書籍群はけっして数学分野だけではなく,もっと広範な自然科学・科学史・科学哲学・哲学・ナチュラルヒストリーにも及んでいる.Springer-Verlag 本体だけではなく,いくつもある Springer の「インプリント(imprints)」— Junk, Reidel, Kluwer, Birkhäuser, Chapman and Hall など —にも目配りしておくといい.つまり,Springer の社歴と出版業界寡占化の経緯を知っていれば,より効率的に “探書” できるだろう.しかし,この Springerfest に舞い上がっているとキリがない.

◆午後3時前,ノバホールへ.これから第九をしっかり聴くのだ:〈第10回つくばで第九〉.午後5時半,ノバホールから出たら外はもう真っ暗な夕闇だった.今宵の夕餉は仕込んで三日目になるキャベツカレー.丸ごとだったキャベツはすでに植物繊維と成り果てている.味のなじみ具合はちょうどいい感じ.明日さらに食べた残りは冷凍庫へ直行させる予定.

◆[欹耳袋]YouTube「第3回東北支援シークレット チャリティイベント「羽田空港フラッシュモブ2015」KnK 」(2015年12月28日)Cf:「羽田で第9のフラッシュモブ、JALのCAも参加」.さる12月25日のクリスマスに羽田空港第一ターミナルで開催されたとのこと.

◆明日は黒豆を炊く儀式だ.正月用のローストビーフの仕込みも始まる.

◆本日の総歩数=3217歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.3kg(+0.2kg)/ 31.6%(+0.4%)


28 december 2015(月)※仕事納めのお祭り状態

◆午前6時起床.気温氷点下1.6度.朝焼けグラデーション.つらい米とぎ.年内最後の観音台は冷たく乾いた青空が広がっている.今朝の最低気温は氷点下3.0度,午前9時になっても3.7度.暦的には仕事納めでも,ぜんぜん納まらない┣┣" 撃ちがじたばた続く.農環研の駐車場がいつになく空いていたのは年休を取った人が多いからだろう.ワタクシも居室にいる必要はまったくないのだが,かたちだけの “小掃除” とかしないといけない.その間にも某『植物学の百科事典』ゲラが庶務に届いたりする.┣┣" に年末年始はないのか.

◆[欹耳袋]いきなりシュプリンガー祭り —— Togetter -「Springerから本が色々無料DLできるようになったらしい」※予期しないクリスマス・プレゼントというわけではないだろうが,Springer-Verlag が大量の書籍を無料ダウンロード可能にしてくれた(→ SpringerLink).年の瀬のせわしない時だが,この機会をまたいで通るわけにはいかない.2004年以前に出版された書籍がまとめて公開されたらしい.さっそく探書してみた:

◆仕事納めの┣┣" 撃ち —— 初校ゲラ┣┣" 一頭を放流./昼下り,〈ゴルトベルク変奏曲〉をBGMにして,居室で掃除機をぶん回すのが居室の年末 “小” 掃除である.

◆今回の「Springer 祭り」のハッシュタグは #springerlink だった.お祭りがさらに盛り上がる午後:

◆お祭りのそこはかとない疲労感とともに,夕焼けグラデーションのなか帰宅.仕事納めの今日は早々と帰った人が多かったようだった.正面玄関両側には早くも門松が据えられていて,気分はもう年明けの仕事始めを待つばかりだった.独法化前の前世紀だったら,「御用納め」ともなればお昼すぎから方々の部・科で酒盛りが始まって,夜遅くまで酒宴がはてしなく続いたものだが,そういう belle époque(?)の風習はとうの昔になくなっている.“仕事納まらず” の夜は奈良・大倉本家の〈金鼓〉純米無濾過生原酒うすにごりが空っぽになった.呑むごはんのあとは食べるごはん.豆腐と三つ葉を和えたのを炊きたてご飯にたっぷりかけて,刻んだ梅紫蘇をトッピング.お醤油いらずで,わしわし食べられるシアワセ.

◆お祭りは夜も続く:

—— Oktoberfest ならぬ Springerfest 状態である.

◆明日からは “非日常” の日々がしばらく続くが,年越しする気満々の┣┣" どもが背中におぶさってきてうっとおしいことこの上ない.

◆本日の総歩数=3451歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(+0.3kg)/ 31.2%(−0.1%)


27 december 2015(日)※丸ごとキャベツ大変身

◆午前7時前のろのろ起床.朝日がまぶしい青空.気温は4度台と冷え込みなし.

◆[欹耳袋]“地雷” の続き —— 大阪大学での不正経理事件という “地雷” の影響は,当の研究者本人はもちろん(いろんな社会的制裁を受けて日本での「敗者復活」はもはやないにちがいない),残念ながらはるかに広範囲の科学者コミュニティに及ぶだろう.しかし,研究者コミュニティの「変人度頻度分布」を考えたとき,ある頻度で社会的・倫理的な問題行動を起こす人は絶対避けられないという前提をいつも置く必要がある.一般社会でも,科学者コミュニティでも,この点については何の差異もない.“外れ値” を根本的に除去しようとしてムダに厳しい措置を講じると,結果的に科学者コミュニティ全体にとっての災厄になる. “外れ値” が問題を起こしたならば “外れ値” 本人に責任を取ってもらう制度づくりを旨とすること.リスク要因は徹底除去するのではなく,適切に統制する制度をつくればいい.

もちろん,無害な “外れ値” はちゃんと温存しておかないとコミュニティにとって困ることになるのはみなさん知っていることだろうけど. “外れ値” は基本的には放置しておけばいいだろうし,今までだったらそれを許容するフトコロの深さが大学や研究機関にあったはずなのだが,最近はそういう許容度がないに等しい.大いなる “外れ値” は日本の大学や研究機関とは別のニッチで開花してもらうしかないのかもしれない.

参照:大隅典子の仙台通信「大学における研究費執行をどのように改善すべきか?」(2015年12月27日)※「例えば今回のような研究費使用のルール違反は、仮に単年度会計を撤廃しても生じるのではないかと私自身は考える。最大の問題は、倫理観の欠如であろう」と指摘した上で,「研究倫理の徹底は当然として、単年度会計云々より、もっと根本的に不正が起きにくく、なおかつ、研究者も大学の事務系職員も余分な仕事が増えないような仕組みを考えるべきなのではないだろうか?」と具体的な提案をしている.

◆クリスマス・ローストチキンの最後の御奉公として「キャベツ丸ごとカレー」を仕込んだ.レシピは次の通り:

  1. 丸ごとキャベツは芯を繰り抜いて圧力鍋に入れ,ローストチキン&スモークチキンのホネから取ったスープを注ぐ.沸騰後中火にして30分煮こむ.
  2. 定石通りのカレールーをつくる:別の深鍋で薄切りの玉ねぎ・ニンニク・しょうがを焦がさないように一時間ほど炒め,カレー香辛料と缶詰トマトを混ぜて伸ばす.
  3. 2の鍋に1のキャベツを汁ごと投入し,沸騰したら火を弱め,キャベツが十分に柔らかくなったら木べらでざく切りする.
  4. 中火のまま水分を飛ばすように1時間煮込む.もしあれば冷凍カレーソース(前回のあまりもの)を投入すると味がより深まる.
  5. 最後にヨーグルトを適宜混ぜて調味すればできあがり.

—— キャベツ以外の「具」はいっさいないが,このカレーはむしろローストチキン出自のチキンスープが主役のカレーであって,キャベツは添え物にすぎない.これでいいのだ.

◆冬空のもと冷たい北風が吹きつける午後は,洞峰北の中華料理〈ヤマト〉で昼食をすませ,歳末の買い出しなど.〈みずほの村市場〉から〈コストコ〉経由で〈スガヤコーヒー〉へ.いずこもかなりの人出だったが,大晦日までまだ余裕があるのでマシなんだろう.今日の最高気温は11.5度どまりだった.

◆夜,気温はすでに氷点下まで下がっている.明朝はことのほか厳しい冷え込みが予想されるので,おふとんやあんかを総動員して耐寒防衛しないと.明日の仕事納めはもちろん年休なのだが,ぜんぜん納まっていない┣┣" どもをなんとかしに観音台に出撃する.

◆本日の総歩数=3959歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.3kg)/ 31.3%(−0.2%)


26 december 2015(土)※年の瀬スイッチがオン

◆午前6時半のろのろ起床.曇り.気温1.4度.

◆[欹耳袋]四方哲也さんまでこの “地雷” を踏んでしまったとは慨嘆するしかない —— NHK NewsWeb「大阪大学大学院教授 1億5000万円余の不正経理か」(2015年12月25日)|朝日新聞デジタル「教授が研究費1.5億円を不正処理か 大阪大大学院」「阪大院教授らの研究費不正経理、2.7億円 大学が発表」(2015年12月25日)|科学技術振興機構報・第1160号(2015年12月25日)「戦略的創造研究推進事業に係る研究費の不正使用調査結果について」とくに「別紙1:不正使用調査結果詳細」|Togetter -「大阪大学教授が1億円を超える不正経理」|Y!ニュース:榎木英介「繰り返される研究費不正~単年度主義のせい?」(2015年12月26日)※「こんなことが続けば、人々の研究者への信頼など地に落ちていくだろう。予算を不正に使用したり、不正な経理処理を行うことは明らかなルール違反であり、免罪などできない」「しかし、規制を強化しても、研究費の基金化や年度繰り越し使用が一部で認められても、後を絶たない研究費の不正。いくら倫理を説いても効果が薄いということだ。背景には予算の単年度主義も含めた、構造の問題がある」.

◆風がやや冷たい午後は,乾いた青空が広がっている.気温11度台.デパートやスーパーは,昨日までのクリスマスな雰囲気から一転して,正月気分を盛り上げようと買い出し部隊を誘引していた.

◆[欹耳袋]ある論理的欠陥 —— 朝日新聞デジタル「「六曜は迷信」差別を助長? 大分でカレンダー配布中止」(2015年12月26日)※「六曜は科学的根拠のない迷信や慣習であり、ひいては差別を助長しかねない」— 何これ? 「六曜」という文化が被差別部落の「同和問題」と同関連するのかはワタクシにはまったく理解できない.たとえ,共通の非科学的な偏見が一方では同和問題を引き起こし,他方では「六曜」という文化も温存しているとしても,問題が生じるならばそれぞれ別個に対応すればいいだけのこと.なぜことさらに「六曜」だけが取りざたされるのかという点がフシギ.人口ピラミッドにまで影響を及ぼす「干支」の方が,科学的根拠のなさという点でいえば同等なのに,はるかに社会的影響が大きいだろうに.そもそも「六曜」を封印することにより「同和問題」の解決にもつながるという信念は論理的に支持できないのではないか.「X」を非科学的偏見,「A」を同和問題,そして「B」を六曜とするとき,「XだからAが起こる」かつ「XだからBが起こる」という前提から「BをやめればAもなくなる」という結論はけっして導けない.こういうきわめて単純なロジックの問題点を「おかしい」と言えないのは も の す ご く ヘンすぎる(相手が部落解放同盟だからか?).

◆じわりじわりと「年の瀬」なるものに流されていく感じがするが,まだちょっと早いぞ.

◆本日の総歩数=4585歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.1kg(−0.3kg)/ 31.5%(+0.5%)


25 december 2015(金)※クリスマス呑みまくり

◆午前5時半起床.気温8.0度.昨夜のローストチキンのホネを圧力鍋でスープに変身させる夜明け前.曇り空の朝.昨夜のローストチキンのホネは上質のスープに変身し,残った小骨付きのお肉は参鶏湯もどきの鶏雑炊にする予定.

◆[欹耳袋]Togetter -「女子の理系進学を阻む教育」— たいして事情を知らない学校の先生が何を言っても聞き流せばいいと思うが,確かに全体の中では少数派で相対的に孤立していれば不安になるのはしかたがないのかもしれない.実際,その道を選んだ結果いろいろな障害や壁に出くわすリスクはつねにあるわけだし.しかし,人生いろいろな場面で危機がやってきたとしても,うまいものを喰って安らかに寝れば,そのうち何とかなる — そういう何の根拠もない自信とか楽観主義って生きていく上でとても大事だと思う.

◆午前の┣┣" 撃ち —— すっかり忘れ去っていた原稿┣┣" が年の瀬の取り立てに来たので,あわてて押し入れに隠れようとしたが時すでに遅し.しかし,家主さんが厳しくなさそうでホッ./Adobe Acrobat Pro DC で pdf をオープンしたときに最初に出る「コンテンツ準備の進行状況」機能をオフすることは不可能であるであることを知った(orz).El Capitan でイライラ感を軽減するための方法:「編集」>「アクセシビリティ設定アシスタント」>「スクリーンリーダーのオプションを設定」>第3シートで「現在表示されているページのみを読み上げる」に変更.しかし,根本的な対策はただひとつ:「A c r o b a t は 使 わ な い」.

◆[欹耳袋]えっ! —— 朝日新聞デジタル「オルガン奏者の鈴木隆太さん死去 長野五輪で諸国歌編曲」(2015年12月24日)※慶應ワグネルOB.その昔,NHK のジュネスオーケストラの打楽器パートで共演したこともある知人だった.故・鈴木隆太さんにからんで思い出したことなど.1977年の夏,NHKホールでのジュネス・オーケストラの演奏会(メインは Richard Strauss 交響詩〈英雄の生涯〉)に彼とともに出演したのち,渋谷の映画館で映画〈スターウォーズ〉第一作を観た.渋谷のオールナイトの映画館(東急?)を出て,疲労困憊の鈴木隆太さんら打族の面々と別れ,始発で千駄木の下宿に帰った記憶がある.ジュネス演奏会用の衣裳を一晩中ずっと抱えたままだった.もう30年も前のことだった.そういえば10年前の2006年に,ほぼ20年ぶりに鈴木隆太さんからメールがあった.「ベルリン・フィルで主席ティンパニストの Rainer Seegers 氏と仕事をしているんだけど彼が熱心な蛾の研究者であるとのことを知ってるか?」というメールだった.さらに記憶を遡れば,鈴木隆太さんのご自宅にも打族で押しかけたことがあったなあ.ワグネルのニールセン〈不滅〉演奏会で彼が第一ティンパニーを叩いたとき,真っ赤な Vic Firth のマレットでプラスチックヘッドを凹ませた “怪力” に驚いたこともあった.ワタクシたちの世代になれば,そろそろ病気や逝去でいなくなってしまう知人が増えてくる.けっして他人事ではないので,現世を見る視点や視座もごく自然に変わる.若い世代には見えないものやことがだんだん見えてくる.

◆今日のランチは「最強鶏雑炊」だった.昨夜のローストチキンの残りのホネ類一式を圧力鍋でたっぷり一時間の灼熱釜茹でにより濃厚スープを取り,小骨と鶏肉破片を土鍋でぐつぐつ煮込んで雑炊に.調味の必要はまったくない.ホネまですべて完食できるシアワセ.鶏さん,ありがとう.

◆[欹耳袋]日経ビジネスオンライン「達人技「土はなめれば分かる」は本当だった — 第1回世界土壌微生物オリンピック結果発表会」(2015年12月18日)※誰かと思えば横山和尚か.ひさしぶりにその “不変性” を実感した./ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.480「森と干潟の流域を歩く「小網代の森」探訪記・後編」(2015年12月25日)※「三浦半島にある「小網代の森」の保全活動を推進している進化生態学者・岸由二さんのインタビューの後編」.

◆穏やかな空模様のクリスマスの昼下りに満を持して?重役出勤.気温は14度を超え,柔らかな日差しが暖かい.仕事納めが迫っているので,いろいろとごそごそしている.BGM は時節柄バッハの〈クリスマス・オラトリオ〉しかないよね.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 非常勤出講先の某私立大学から,源泉徴収票は今年度はウェブからダウンロードせよとのお達し.はいはいと教員サイトにつないでpdfでゲットしたまではよかったが,使われているフォントが表示は正常でも印刷するとすべて文字化けしてしまう.あわてず騒がず「画像として印刷」した./名古屋にとある論文pdfファイルを送信.何の因果か紙ジャーナルからページごとにスキャンするハメになった(orzorzorz).

◆午後4時過ぎ,〈クリスマス・オラトリオ〉全曲が終わったので,そろそろ観音台を撤収しようかな.

◆夕焼けに染まる西の空がしだいに黒ずんで,代わりにクリスマスの満月が東の空からまぶしく昇ってきた.浄められた夜,月に憑かれたワタクシは再出撃の時刻を待ち続ける.午後7時前,つくばセンターでピックアップしてもらい,平塚通りの〈da Dada〉へ.今宵は「大感謝祭」である.キャッシュオンでいろいろなイタリアワインが呑めた.ヤギのももの骨付き丸焼き,ラザニア,ピザなどいろいろと.カウンターには常温保存された〈竹鶴〉の一升瓶がずらりと並んでいた.入れ替わり立ち代りお客さんが出入りして終始大盛況.午後10時すぎに店を出て帰宅.

◆明日は何もないので安らかに寝るのみ.

◆本日の総歩数=5653歩. 朝◯|昼△|夜×. 計測値(前回比)= 93.4kg(+0.1kg)/ 31.0%(+0.2%)


24 december 2015(木)※イヴの厨房は終日戦場

◆午前5時過ぎ起床.気温6.0度.雨雲はもう通り過ぎたようだ.朝の観音台はまだ霧雨が降っている.気温は7.0度.今日は雲の上の某VIPが来所するとのことで,駐車制限エリアが設定されている.しかし,ワタクシにとっては,今宵のローストチキン勝負の方がはるかに大きな関心事でありまして.

◆[欹耳袋]カレントアウェアネス・ポータル「図書館問題研究会、「CCCの運営する図書館(通称「TSUTAYA 図書館」)に関する問題についての声明」を発表」(2015年12月24日)|図書館問題研究会「CCCの運営する図書館(通称「TSUTAYA 図書館」)に関する問題についての声明」(2015年12月2日)※「利用者が図書館を使うために必要な情報すら公開されない異常な事態」.「資料・情報を収集し、利用しやすく組織化するという公共図書館の本来の機能は犠牲にされている。これは、「TSUTAYA図書館」が公共図書館の理念そのものを共有していないためであり、単に能力やノウハウが欠如しているのではなく、理念を達成する意志もない」.

◆晴れ間が広がってきたお昼前,今日は早々と観音台を撤収しよう.厨房では丸鶏さんが首を長くして(あ,もうなかったか)待っているにちがいない.本日,つくば市内で久保本家酒造の〈酔龍〉と〈生酛のどぶ〉を常備している店を発見した.〈竹鶴〉も常備されていて言うことなし.クリスマス・イヴにシアワセが降誕した瞬間だった.そして,早くもワタクシは Romano Levi のグラッパへと静かにステージを上げつつある.

◆[欹耳袋]統計曼荼羅が続々と —— 個体群生態学者はいかに〈統計曼荼羅〉を踏破すべきか:Paperity | How to walk on statistical mandalas as a population ecologist.元論文:Yukihiko Toquenaga 2015. How to walk on statistical mandalas as a population ecologist. Population Ecology, DOI 10.1007/s10144-015-0532-z, First online: 21 December 2015 abstract | pdf.昨年10月に筑波大学で開催された第30回個体群生態学会の基調シンポジウム〈統計と個体群生態学〉特集号の巻頭論文.ワタクシの「統計曼荼羅」の徳永画伯バージョンが公開された./日本社会心理学会「第3回春の方法論セミナー「統計的因果推論への招待」」※アナザー〈統計曼荼羅〉:空也上人のように尤度を吐く Ronald A Fisher に対するは天竺鼠を撫でる Sewall Wright. —— なんだかいきなり〈統計曼荼羅〉が流行りだしてとてもうれしいクリスマス・イヴ.

◆クリスマス・イヴの厨房は今年もてんてこ舞い —— 夕焼けに西の空が染まり,クリスマス・イヴ恒例の〈コート・ダジュール渋滞〉や〈KFC渋滞〉が始まるころ,厨房は大忙し.昨日,並木の〈マルゲンミート〉に予約しておいた2kgもの丸鶏の周りを厨房作業はまわっていく.前夜からたっぷり塩を摺りこんでおいた丸鶏を朝から常温に戻す.肉のローストは常温にもどすのが必須.夕方からやっと調理スタート.

◆今回のレシピは以下のとおり:

  1. 丸鶏(2kg程度のサイズ)は前夜から塩をたっぷり刷り込みローズマリーとローレルとともに冷蔵安置.翌朝から半日かけて常温にもどす.
  2. ジャガイモ大2個,マッシュルーム10個,ニンニク5片を用意する.フライパンにオリーヴオイルを火にかけ,薄切りにしたニンニクを投入して黒焦げにならないように香りづけする.その後,小さめに乱切りしたジャガイモと丸ごとマッシュルームそして丸ごとニンニクを焼き色が付くまで炒める.塩胡椒で調味する.
  3. 炒めた詰め物野菜を熱いうちに 1) の丸鶏の腹の中にぎゅうぎゅう詰めして,開口部は楊枝で留める.前肢・後肢ともタコ糸で緊縛する.
  4. オーブンを250度に設定.3) の丸鶏にオリーヴオイルを刷毛でたっぷり塗ってオーブンへ.焼き時間は25分.
  5. いったんオーブンから出して,たまったオリーヴオイルをまわしかけ,今度は150度の温度設定で60分焼く.
  6. 焼きあがったら粗熱を取ってから食卓へ.あとは,わしわし食べるのみ.

—— ローストチキンは毎年欠かさず年末に仕込んでいるので,レシピはほぼ調理的安定点に達している.それにしても,詰め物こみで計2.5kgのローストチキンはずっしりと重い.

◆明日はクリスマス.そろそろ年内の┣┣" 撃ちもおしまいにしたいんだけどなあ…….

◆本日の総歩数=2686歩. 朝◯|昼△|夜×. 計測値(前回比)= 93.3kg(−0.5kg)/ 30.8%(0.0%)


23 december 2015(水)※凍える曇り空から雨が

◆午前6時過ぎ起床.曇りの夜明け前.気温0.4度.まずは米を研ぐ.

◆休日の┣┣" 撃ち —— クリスマスが間近なので,最新版の「R 3.2.3 "Wooden Christmas-Tree" released on 2015/12/10」をインストール.しかし,Win 版 R-3.2.3(64bit版)でパッケージを更新したら Hmisc, rmarkdown, mgcv で「既存のインストールを取り除くことが出来ませんでした」というフシアワセか発生し,クリスマスの前日に悲しみに打ちひしがれる.Mac 版はシアワセに満ちあふれているのに…….たいていの場合,R のアップデートはいつも「試練の時」である.だから,講義とか講習とか,大事な日の直前に R を更新してはならぬという教訓は,かなり前からワタクシ的な「家訓」となっている.今回は年が明けるまで何もないのでアップデートしてみたら案の定フシアワセが降臨した.Win 版 R をいったんアンインストールしてから再インストールしたのだが,やはり「R/win-library/3.2/Hmisc/libs/x64/Hmisc.dll' を読み込めません」というエラーが出て,カナシミにずぶずぶと沈没する.64bit版はダメダメだったが,幸いなことに,32bit版を試したら問題なく Rcmdr が起動した! 半分だけシアワセになれたのでよしとしよう. ということで,RStudio も64bit版ではなく32bit版にリンク変更.これでフシアワセを年越しさせなくてもすむようだ.

◆昼下りの観音台は冬の寒さが身に沁みる.午後1時の気温は7.5度.日差しが暖かかった昨日の同時刻より6度も低い.北風に揺れる木々を見上げ,思わず「ああ,風の森だ」とつぶやいたワタクシは実は詩人か,単なる呑み助か.誰もいない休日の暗く静かな居室にてごそごそしている.すっかり失念していた原稿┣┣" 一頭(1500字)がぬっと顔を出してたまげた.でも,文字数にしてたった「10ツイート」じゃないか.こういうショート原稿は呼吸するように書きましょう.>早くしろ(汗).

◆[欹耳袋]東京大学広報委員会『学内広報』No. 1230(2002年2月22日)[→ pdf].特集は〈駒場寮廃寮の完結と将来の駒場キャンパス〉(pp. 1-23).大学側から見た駒場寮廃寮問題の顛末.

◆予報通り冷たい雨が降り始めた夕方.午後4時の気温は6.8度と,午後3時の最高気温7.8度から早くも下がり始めた.底冷えのする夜.クリスマスを控えて丸鶏が厨房を占拠している.今日の前哨戦は玉川大学から送ってもらった山口の〈グルメロード安田〉のスモークチキン.一羽まるごとを燻製にした逸品だ.サイズは1kgそこそこだが,肉(というかハム)をホネから外すと,かなりの分量になる.残ったホネはそのままスープの素として有効利用する予定.

◆[欹耳袋]Yutty!「なぜ銭湯といえばケロリン桶なの?製造元の内外薬品に突撃調査!」(2015年12月23日)|「ケロリン桶の工場見学に行ってきた!職人ワザの◯◯は必見!」(2015年12月23日)※温泉にもケロリン桶は広域分布している.

◆しだいに雨足が強まってきた.気温は5度台.明日のクリスマス・イヴはもちろん年休を取っている.ローストチキンの段取りを確認しないと.とりあえず,ローストチキンの下準備は終わったので勝負は明日の厨房にて.

◆本日の総歩数=4039歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.8kg(+0.2kg)/ 30.8%(+1.3%)


22 december 2015(火)※おだやかな日和の冬至

◆午前5時半起床.気温0.2度.冬至の朝も米とぎから始まる一日.余裕の朝はシュトーレン.食パンのようにばくばく食べてはならぬ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 大きめの┣┣" 2頭を放流.外はよい天気である./放流した一┣┣" が良き結果になりそうでよかったよかった./案件終了.やっと外に出られる.

◆[欹耳袋]スキマ産業としての非常勤講師? —— Commentarius Saevus「来学期から東京大学非常勤を辞めることになりました」(2015年12月21日)※「1. 給与と労働量」「2. データベースへの学外アクセス停止、そして身分の問題」「3.取材禁止」— 「1. 給与と労働量」については,確かにクォーター制のターム科目だと,セメスター科目に比べて,試験と成績評価の業務量が単純に「倍数化」するだろう.同じ駒場で講義を担当している(た)ワタクシ的には講義時間が90分から105分に増えた負担が厳しかった.しかし,より問題なのは「給料」のことだ.私の場合「時給8,590円」だが,90分講義の昨年も105分講義の今年も同じ時給で計算され.一回の講義ごとに「8,590×2時間=17,180円」と計算されている.講義時間が15分長くなった分,実質的な〈賃下げ〉ではないか.ワタクシは身分的には東京大学の「なか」と「そと」をまたいでいるのだが,連携併任教授については辞令を毎年もらっている.しかし,非常勤講師に対しては辞令も契約書も出したことがないようだ.いずれにしても労働条件に関して訊くべきことは訊いておいた方がいいだろう — こう書いてみて気になったので,本郷に問い合わせメール送信.

◆午後の┣┣" 撃ち —— ひさしぶりに〈おはん〉にて海鮮ちらしのランチ.観音台 “重役” 出勤の午後.北風は冷たいが,日差しは十分に暖かい.せっかく好き放題したかったのに,臨時所議報告に拘束されてしまった.しばしごそごそしてから,今日も夕焼けに染まりながら帰宅.

◆夕餉は奈良は桜井・今西酒造の〈みむろ杉〉27BY純米吟醸・山田錦・無濾過生原酒おりがらみを開栓.ローストビーフとベークドポテトとともに.

◆[欹耳袋]日本社会心理学会「第3回春の方法論セミナー「統計的因果推論への招待」」【日時】2016年3月16日(水)13:00〜17:30【場所】上智大学四ツ谷キャンパス3号館521教室.「無料(事前予約不要;会員以外の参加も可)」とのこと.これはもう行くしかないか.

◆明日は休日だが,今月に入って非日常な日々が続いているので,特段の解放感はない.

◆本日の総歩数=2443歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.6kg(−0.5kg)/ 29.5%(+0.3%)


21 december 2015(月)※自由だがヒマではなく

◆午前6時前起床.気温4.0度.午前8時,てっきり雨になるかと思ったら,雲間から青空が覗いている.しかし,気温は2.0度と明け方よりもさらに寒くなってきた.〈モルゲン〉のシュトーレンをちょいと味見.午前9時,遅めの観音台.灰色の曇り空だが,それほど陰鬱な天気ではない.今朝の最低気温は1.8度まで下がったが,午前9時過ぎの今は5度台.出勤簿押印なしのフリーダムを満喫している.しかし,┣┣" どもが消え去ったわけではけっしてない.

◆午前の┣┣" 撃ち(少しだけ) —— 所内の課題報告書の最終チェック.この件はこれにて終了かな.

◆[蒐書日誌]時には昔の話を —— 松本博文『東大駒場寮物語』(2015年12月10日刊行, 角川書店, 東京, 287pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-04-103277-0 → 目次版元ページ)※言葉にならないくらいいい本だった.東京大学駒場寮の長い歴史とその終焉までの経緯が詳細に語られている.本書の第1章「ある駒場寮生の話」(pp. 11-94)から第2章「自由の駒場寮史」(pp. 95-172)に書かれている寮内での体験談の多くはワタクシも体験した.同時に,まったく知らなかったことも多かった.『東大駒場寮物語』に描かれている時代は1990年代前半から2000年代はじめまでだ.一方,ワタクシが駒場寮に住んでいたのは本書よりも15年ほどさかのぼる1976〜78年のことだった.本書はもう30年も前の私的な記憶を掘り起こし再生する上でとてもよい “触媒” としての役目を果たしてくれた.

実際,本書を読み進むにつれて随所で昔の記憶がよみがえってきた.思い起こせば,ワタクシが駒場寮に入寮した当初は〈日曜会〉という部屋に入ったが(中寮26-B,のち中寮30-S),二年生になってからは東大オケ部屋をつくった(中寮B側,1階ではなかった).部屋の真ん中に焚き火の焦げ跡が残り,壁には所狭しと落書が書かれていた.駒場寮はキャンパス内の「閉じた生活の場」だったので,ありとあらゆることが起きていた記憶がある.当時は成田空港建設に関わる三里塚闘争がクライマックスを迎えていて,駒場寮内外でいろいろな動きや騒ぎがあった.三里塚に通っていた上級生や同級生も少なからずいた.

もちろん「寮雨」とか「インポ合戦」とか「ストーム」など,本書で言及されているかつての駒場寮ならではの “恒例行事” はすべて実体験した.関東大震災クラスの地震でも倒れないようにと極厚のコンクリ壁で建てられた駒場寮の薄暗い寮内には女子大生はけっして立ち入らなかった.しかし,深夜や早朝に,いないはずの女性の姿を廊下や炊事場で(室内でさえ)見かけることがあったが,あれはきっと幻覚だったにちがいない.

ワタクシが体験した「ストーム」は,真夜中にドアを叩きまわるような生易しいものではなく,ドアを蹴破って狼藉をはたらくタイプが多かった.もちろん,防御する側の寮生はバケツで水を浴びせたり,ときには乱闘による負傷事件になったこともある(それが禁止措置の直接の原因となった).「ストーム」があるときには,事前に察知した寮委員会が「これからストームがある模様です」と寮内放送で “警戒警報” を流していた記憶がある.「ストーム」する側も寮外で「ストーム・シュプレヒコール」を叫んでから寮内に突入していった.そんな時代だった.

いったい何年留年を続けているんだかわからない素性不明の寮生は掃いて捨てるほどいた(泥棒が明寮の空き部屋に住み着いていたこともあった).夏の盛り,中寮の階段の壁にしがみついて「み〜んみ〜ん」と鳴いていたあの寮生はその後どうなったのだろう.寮食堂で余り物が出たときは,夜遅く寮内放送で「 “残食” ありまーす」と流されたとたん,バイソンのごとき地響きが中寮・北寮・明寮から轟き,あっという間に寮食堂に行列ができた.半額で食べられたからだが,当時の駒場寮生はみんな飢えていたんだろう.真夜中の道路工事のバイトは一晩一万円だったせいか大人気だった.本書を手にした元駒場寮生ならば,こういう断片的な記憶がつぎつぎに浮かんでくるにちがいない.

しかし,本書の後半,第3章「駒場寮存続運動」(pp. 173-194),第4章「一寮委員の記憶」(pp. 195-236),そして第5章「駒場寮最後の日々」(pp. 237-280)に詳細に記されている駒場寮廃寮闘争の顛末は,ワタクシのまったく知らない時代のことだ.寮委員長を務めた著者はさまざまな残存資料を踏まえて,駒場寮がどのような経緯で廃止されるにいたったのかをたどる.廃寮に関わった教養学部の教員たちは終始 “ワルモノ” として本書に登場する.確かに,寮生からみればそうなのかもしれないが,駒場寮問題の最前線に立ち会った教員の中には「寮生相手にこんなことまでしないといけないのか」という苦しい自問自答があったことをワタクシは個人的に聞いている.

オビには「自らの居場所を守ろうとした学生たちを描く、哀愁の青春ノンフィクション!」と書かれている.確かにいまの駒場キャンパスには “駒場寮遺跡” しか残っていないもんなあ.〈駒場寮同窓会WEB〉はいまも維持されている.一方で〈駒場寮の公式ホームページへようこそ!〉は廃寮前のままのコンテンツがいまも公開されているようだ.著者によれば,駒場寮関連の大量の資料は別途保管されているとのこと.欲を言えば,巻末に「人名索引」があった方がよかった.

本書のもとになったのは:松本博文「【連載】東大駒場寮物語」(2015年11月3日〜12月4日)という連載記事だ.また,掲載されている駒場寮の写真は,大薄朋子が撮影したものである.彼女の駒場寮写真集『2001年の夏休み 東京大学駒場寮写真集』(2015年9月発行)はネット販売され,その他の駒場寮の写真は Instagram 「komabaryo」でも公開されている.本書の出版を記念してこんなイベントも企画されている:本屋 B&B「松本博文×中川淳一郎「本で書けない駒場寮のキワドい話」『東大駒場寮物語』刊行記念」2015年12月24日(木)19:30〜21:30.

—— 以上の書評は本録で公開した.

◆午後も研究室でごそごそして,夕焼けに染まりながら帰宅.

◆[蒐書日誌]首都圏発cushu手帳『新潟酒の陣2016・準備号:新潟の酒蔵&まちめぐり』(2015年12月10日刊行,ニール, 新潟, 96pp., 本体価格463円, ISBN:978-4-9907981-4-7 → 版元トップページ)※来春 2016年3月12日(土)〜13日(日)に新潟市・朱鷺メッセで開催される〈新潟酒の陣2016〉に向けての準備号.ワタクシも一文寄稿させていただきました:三中信宏「かつて千駄木の路地裏に新潟の銘酒あり」(pp. 81-83).その内容は,駒場寮を出て千駄木に下宿していた頃の思い出話.

◆名目上はヒマなはずだけど,油断すると┣┣" がおぶさってくる.気をつけないと.

◆本日の総歩数=3360歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 94.1kg(−0.1kg)/ 29.2%(+0.5%)


20 december 2015(日)※氷点下の明け方は惰眠

◆午前6時起床.きりきり冷え込んで,いま氷点下4.1度.米とぎが寝起きの試練.朝焼けグラデーションが始まろうとしている.今朝の最低気温は氷点下4.7度だった.ここ数年,『月刊みすず』の新春書評アンケート原稿依頼が届くたびに年の瀬をひしひしと実感する.今年もまたその季節がやってきた.どの5冊をピックアップするか.

◆[欹耳袋]学問的不平等の話 —— Akira S. Mori​, Shenhua Qian, Shinichi Tatsumi 2015. Academic inequality through the lens of community ecology: a meta-analysis. PeerJ, 3:e1457.著者による紹介記事:ASM's Lab「Academic inequality」(2015年12月7日)※「科学・社会・スポーツの分野をまたいで、不平等性にある種の普遍性というか根深さがあること」.

◆午後はちょいと観音台へ.北風が農林団地の落ち葉を舞い上がらせる.ひんやりした居室でごそごそと.月刊みすずの「読書アンケート」候補本リストはあっという間に10冊を超えてしまったので,きびしく選抜しないと.

◆[欹耳袋]〈第9回ニコニコ学会βシンポジウム ~THE FINAL~〉 —— Togetter -「登壇者確定→学会回顧・宣伝→当日リハーサル→開場・開演直前」「開演」「1stセッション「ニコニコ学会βを50分で振り返る 〜これまでとこれから、そして『いま』〜」」「2ndセッション「第9回 研究100連発」」「3rdセッション「科学へのアンビバレントな想い」」「4thセッション「マッドネスマックス〜研究はデスロード〜」」— 動画はこちら

◆乾いた北風が冷たかった今日は最高気温が10.4度どまり.日暮れて気温はさらに下がってきた.こういう冬本番の日は熱々の肉じゃがを.“お水” はひさしぶりに掛川・土井酒造場の〈開運〉無濾過純米.この季節ならではのお楽しみ.

◆本日の総歩数=2978歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.2kg(−0.3kg)/ 28.7%(−1.0%)


19 december 2015(土)※本郷から厚木への冬旅

◆午前6時前のっそり起床.気温は氷点下0.1度.年の瀬の┣┣" 撃ちカレンダーのゴールが見えてきた.洞峰公園〈モルゲン〉で予約しておいたシュトーレンを引き取ってきた.ずっしり重い枕のようなシュトーレンをたくさん食べるんだ.

◆[欹耳袋]Timetree と鳥類の系統発生・生物地理 —— Santiago Claramunt and Joel Cracraft 2015. A new time tree reveals Earth history’s imprint on the evolution of modern birds. Science Advances, 1(11): e1501005 DOI: 10.1126/sciadv.1501005,11 December 2015. html | pdf.たとえ “timetree” を用いたとしても,それが neo-dispersalism を支持する論拠にはならないということ.偶然的な long-distance dispersal が deep history を “帳消し” にしてしまうという結論は早計である.

◆本郷冬景色 —— 午前11時,つくば駅.青空.気温は8度台.自然史学会連合総会に出席するため本郷へ.正午過ぎ着.本郷通りは冷たい北風にイチョウの葉が花吹雪のように舞い散っていた.総会が始まる前に本郷キャンパスを一回り.冷たい北風にイチョウの葉が花吹雪のように舞い散っていた.午後1時から始まった自然史学会連合総会は午後3時過ぎまで.

◆[蒐書日誌]本郷通り赤門前の〈大山堂書店〉にて:Nicholas Rescher『Scientific Explanation』(1970年刊行, The Free Press, New York, xviii+242 pp.)をゲット.派手目のカバージャケットに誘引されて気持ち半分は “ジャケ買い” だったが,結果的にはいい科学哲学本を手にしたと思う.この版元は同時期に Carl G. Hempel『Aspects of Scientific Explanation and Other Essays in the Philosophy of Science』(1965年刊行, The Free Press, New York, viii+504 pp.)も出しているが,そういえば,Hempel 本の表紙もかなりケバかったな.

◆[欹耳袋]政府関係機関の地方移転問題(続) —— 時事ドットコム「34機関に絞り込み=地方移転の候補-政府」(2015年12月18日)※「研究所などは丸ごとの移転ではなく、地方に連携拠点を造ったり、研究者を地方大学に併任させたりする機能の一部移転を想定している」./京都新聞「文化庁など一部移転に後退も 政府の消極姿勢露呈」(2015年12月19日)※「一部移転の内容も、研究者が東京に住みながら地方にも研究室を置くケースや、府県が運営する研究所との単なる共同研究など地方側からは「移転」と受け止められないような形もある」./毎日新聞「クローズアップ2015:地方移転、腰重い霞が関 看板だけの懸念も」(2015年12月19日)※「多くの道府県が既に地方にある政府系研究所などの移転を求めた結果、政権が目指す「東京から地方へ」に沿わない案件」./参照:「まち・ひと・しごと創生会議(第8回)議事次第」(2015年12月18日)とくに「資料4-3 具体的検討を進める提案の概要〜研究機関・研修機関等〜」[pdf].※移転への反論を十把一からげに「抵抗勢力」とみなす論調が強まっている(マスコミも知事会も).しかし,研究機関を移転させることにより(まちがいなく付随する数々のマイナス面を乗り越えて)何らかの一発逆転の “勝算” があると楽観的に主張する論拠はいったいどこにあるのだろう.

◆午後3時に本郷を出て,午後5時前に本厚木駅着.夕暮れの薄暮.わざわざここまで呑みに来るとは酔狂の極みであるな.丘を登って東京農大昆研の大忘年会に参加.今宵の “お水” は,栃木県さくら市・仙禽酒造のしぼりたて活性にごり酒〈雪だるま〉と新潟県上越市・新潟第一酒造〈山間〉の活性にごり酒.今日はバクハツ系日本酒で揃えた.一升瓶のスキマから岡島センセイの笑顔が.その岡島さんは今年度をもって定年,あとを引き継ぐ小島さんと石川さんは大勢の学部生・院生を抱えてタイヘンだ.来年度以降のことなどいろいろと話をした.いずれにしても昆研は安泰である.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「長崎大が働き方改革 無駄な業務減らし研究時間確保」(2015年12月18日)※「外部コンサルタントの指導のもと、無駄な業務を減らして本来の研究などに割ける時間を増やす」— 農林団地にもぜひ!

◆午後8時前に路線バスで本厚木駅へ.つくばに帰り着いたのは午後10時半だった.気温はすでに氷点下に下がっている.

◆本日の総歩数=10031歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)= 94.5kg(−0.3kg)/ 29.7%(+0.7%)


18 december 2015(金)※一週間ぶりに観音台へ

◆午前5時過ぎ起床.気温は氷点下0.9度.一週間ぶりの観音台.今朝の最低気温は氷点下1.6度まで下がり,通勤路の路傍は霜が降りていた.冬らしい乾いた冷気と放置居室の┣┣" の山.年末によくある風景である.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 年末年始の┣┣" 撃ちカレンダー更新./居室の堆積┣┣" 山を切り崩している.先はまだ長い./宮崎と本郷に要返送ブツを送り出す./質問┣┣" 一頭への追加回答を小野川に放流./ごまめのような┣┣" どもをひねりつぶす昼休み.

  • #TodaiStat 生物統計学レポートは締め切りました.届いたレポートについてはすべて受領返信メールを返しましたのでご確認を. posted at 05:35:00

◆[欹耳袋]ローカルな研究文化の伝承の危機 —— 昨夜の所内忘年会での話.毎年の年度始めに開催される「設計検討会」では,その時点ですでに成果があるor確定した研究内容を「やる予定です」と “未来形” で述べる.年度末の「成績検討会」ではその内容を「やりました」と “過去形” に書き換えるだけにするのが健全な研究者人生.このやり方だと,時間に追い立てられることなく,新しい仕事を一年かけてじっくり進められるだろう.その成果は次年度の設計検討会でふたたび “未来形” で話せばよい — これがワタクシが旧国研の農環研に赴任したとき,当時の室長から教えられた「一枚刷」の書き方だった.ところが,最近の短期的なプロジェクト研究ではこの「手」が使えなくなりつつあるらしく,年度始めの設計検討会で口にしたことはその年度内にちゃんと成果を出して年度末の成績検討会で報告を迫られるとのこと.そりゃストレスも溜まるって.ある研究組織内での研究者があわただしく入れ替わり,研究組織もいつなんどき改組されるかわからない状況では,固有の「研究文化」がどのように伝承されていくのかははなはだ心もとない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 鳥取からの統計コンサルティング業務一件./13:30〜14:30,所内のマタニティ・ハラスメント講習会./そういえば,12月4日以降まる二週間,例の「研究記録ノート」をぜんぜんつぶやいていない.そもそも,地方巡業しまくっていて,つくばにぜんぜんいないんだからしかたない.これからも仕事納めまでずーーーっと年休なので,年内はもうつぶやかないだろう.次回のつぶやきは新年からか.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「理研など 高額雇用可能に 特定法人に指定、政府が新法提出へ」(2015年12月18日)※理研・産総研・物材機構の三つが「特定国立研究開発法人(仮称)」に指定されることになるらしい.

◆吹きつける北風が冷たい一日だった.西の空が夕日に染まって燃え上がる.さて,そろそろ買い出しに行こう.今宵はひさしぶりにローストビーフを焼いたので, “お水” は海老名・泉橋酒造の活性純米にごり酒「雪だるま」ラベルをしゅわしゅわ開栓.トンボラベルシリーズの最終章は真冬の田んぼの中でトンボの卵が微笑んでいる図.今回は300g塊だったので,オーブンの温度設定は150度で20分.この設定だと中心部分はきれいなレアに焼きあがる.肉を焼いたら迷わず日本酒を.至福のひとときである.

◆[欹耳袋]Togetter -「生き物系イベントは生物・自然の保全や啓蒙に役立つのか?」※ #いきもにあ のツイート束ね.

◆[蒐書日誌]ま,またしても “お蚕本” が! —— 畑中章宏『蚕:絹糸を吐く虫と日本人』(2015年12月刊行,晶文社,東京, 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7949-6899-9 → 版元ページ)※富岡製糸場が世界遺産になってからというもの,NHK大河ドラマ〈花燃ゆ〉の後半が長州偉人伝から上州蚕業物語に大変身するわ,お蚕本が次々出版されるわ,インパクトが強すぎるな.

◆明日は本郷での自然史学会連合総会ののち,厚木へ移動して東京農大昆研忘年会を襲撃する予定.

◆本日の総歩数=5164歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 94.8kg(+0.7kg)/ 29.0%(−1.1%)


17 december 2015(木)※都内出撃後の白昼呑み

◆午前5時過ぎ起床.気温9.1度.ひさしぶりの “日常” にもどり,お米を研ぐ生活が復活.まだ土の匂いが残っているのは妙見温泉の名残りである.

◆年内最後の定例都内出撃 —— 午前7時半過ぎ,つくば駅.曇り.気温は8.5度.年内最後の定例都内出撃の朝はひんやりしている.午前9時過ぎ,新宿駅.ちょこちょこダイヤ遅延している線があるようだ.都内もなんとなく曇り空.気温は10.2度.小田急乗り換え.午前10時,玉川大学.雲間からところどころ青空が見える.今日は冬らしい空模様.今日の講義は Bayesian MCMC 尽くしだった.次は来年ね.

  • #TodaiStat 生物統計学のレポートは明日が締切.今朝まで届いた22通についてはすでに受領メールをすべて返信しました.提出した受講生はご確認を. posted at 07:47:59

◆年内の大学の講義は今日でおわり,三週間連続の南九州師走巡業もすべて完了した.気がつけば今年も残すところ2週間となった.観音台も残日はすべて年休にしているので,出勤簿にハンコを押す必要すらない.外見的には完全なフリーダムなのだが.

◆[欹耳袋]毎年,冬になると方々の農業試験場から統計研修の依頼を受けるようになってもう数年になる.農環研でワタクシが背負っている公的ミッション(中期計画の担当課題)にはない仕事なので,引き受ける義務はないのかもしれない.しかし,明文化されていない個人ミッションの遂行は実は大事.国研研究員として担当の公的ミッションをちゃんと進めるのは当然.それとは別に,歴史的な経緯により外部から期待されているさまざまな非公的ミッションは確かにある.非公的とは「私的」という意味ではない.明文化されていないが,それでも公的というしかないミッション.そういう非公的ミッションはよくもわるくも “パーソナライズ” (「余人をもって代え難し」)されてしまうので,その人がいなくなったとたんににっちもさっちもいかなくなる.明文化されていないからこその永続性のなさ.しかし,外部からのニーズは残る.明文化されないことのもう一つの負の側面は,きちんとした評価の対象にならないこと.ワタクシくらいの年代になればそれはもう好き放題できるので,研究所の中にいようが外に出ようが誰からも文句は言われない.しかし,まだキャリア形成途中の若手には負担が大きすぎるかも.ワタクシができることといえば,中や外でやらかしてきた “悪行” をそのつど記録に残して,公開することしかない.

◆はっきりしない曇り空の昼下り.いつものように経堂で途中下車.今年最後の〈はるばるてい〉.こういうときしかないだろうと,真っ昼間から “お水” をいただくことに.年の瀬のささやかなシアワセですなあ.〈はるばるてい〉は昼飲みのためにあるパラダイス.まずは〈天の戸〉とともにねぎ鶏.看板メニューの鶏チャーシューの一皿.続いて,やや色が付いた原酒とともにねぎワンタン.黒酢に辣椒を溶いたものを付けて.シメは支那そば.店を出たのは午後2時半.まだ真っ昼間だった.

◆[欹耳袋]What is a good model? — Evidential statistics, information criterion and model evaluation. 12-13 January 2016@統数研(立川) の講演要旨.やっぱりホテルを確保しないと日帰りはタイヘンだろうなあ.

◆午後5時,つくば帰還.もう夕闇が降りている.さて,所内の忘年会まで一休み. “準備運動” はもう十分にすませた.午後7時から,デイズタウンの〈串とんぼ〉にて忘年会.行くときは雨がぱらぱら降っていたが,帰るときにはもう上がっていた.気温はすでに5度台.この分だと明日は氷点下になるかも.

◆本日の総歩数=12478歩. 朝◯|昼△|夜×. 計測値(前回比)= 94.1kg(+1.2kg)/ 30.1%(−0.6%)


16 december 2015(水)※飫肥天もってつくばへ

◆午前4時前にもう目が覚めてしまったので,真っ暗闇の天降川の川音に誘われてお風呂へ.川べりの「傷の湯」で夜明け前の長湯三昧.ぬるめの湯温.じっとしていると泡々が付着する.温泉にぶくぶく沈んでいても,無作法な┣┣" どもは飛び込んでくる.そろそろ打ち返すぞ.

◆午前6時を過ぎても夜明けはまだだ.微小┣┣" どもを征伐してから,神経痛の湯に沈んできた.旧温泉分類でいう「重炭酸土類泉」なので,舐めてみると金気と土気が混じった味.湯舟の縁に付着した析出物は黄土色.やや大きめの┣┣" を小野川に打ち返した.午前7時,空がやっと白んできたが,散歩に出かけるにはまだ薄暗すぎる.朝ごはんが運ばれてくる前に,川べりのお風呂へ.昨夜はわからなかったが,簾越しに外の景色が丸見え.確かに半露天である.本館入り口に併設されている喫茶コーナー.かまどと囲炉裏が現役だった.その後,山のいで湯の朝の風景を満喫.妙見温泉に来るのも今回で三度目になる.妙見温泉はとても居心地がいいので,個人的にはここに “地方移転” してもいいかな,と(それは冗談).

◆午前10時前,JR国分駅にて宮崎行き特急きりしま8号乗車をまつ.今日は北風が冷たいような.南宮崎駅にてかの豪華寝台特急〈ななつ星〉とすれちがった.ピカピカに磨き上げられた車輌はさすがにJR九州がメンツをかけて?走らせているだけのことはある.〈ななつ星〉が発車するときは南宮崎の駅員総出でお見送りのセレモニーをしていた.ただごとではない.この〈ななつ星〉は「博多→鹿児島中央→博多」コースだが,鹿児島での宿泊先は妙見温泉でもっともゴージャスな〈妙見石原荘〉だったはず.ベストセラーでもイッパツ当てて,こーいう豪華旅も悪くないなあ(と捕らぬ狸の皮算用なう).

◆正午,宮崎ブーゲンビリア空港着.吹く風はやや冷たいが,日差しがさんさんと降り注ぐ.搭乗時刻まで一休み.おみやげはやっぱり「飫肥天」と「チキン南蛮(冷凍)」でしょ.しかし,その後,保安検査の「再検査」なるトラブルが発生し大混雑.飛行機を降りた客が搭乗フロアに “逆流” してしまったそうで,上を下への大騒ぎだったようだ.午後4時,羽田空港到着.大分の離陸は遅れたが,強い西風に煽られてほぼ定刻に羽田に着いた.東京は曇り空.何だか蒸し暑いような.モノレールの遠景.赤くて大きな夕陽が沈んでいく.

◆午後6時半,つくば帰還.旅の後始末はいつもたいへんである.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「留学の有無で年収に大差 明大が大規模追跡調査 能力・意欲も向上」(2015年12月16日)※「留学は語学力だけでなく、社会人に求められる能力の向上にも効果がある」— 留学しなくてもその能力ありでは? 記事にあるような「年収」と「留学の有無」だけを “直結” してしまうと,背後に潜んでいる複雑な因果構造が見えなくなってしまうだろう.

◆明日は年内最後の町田への定例都内出撃日.大仕事のあとは小仕事がくっついている.

◆本日の総歩数=6033歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


15 december 2015(火)※巡業を終え妙見温泉へ

◆午前5時起床.気温12.4度.昨夜は雨がパラパラ降ったが,今日も空模様はよくないとの予報.京都の朝はイノダから;日向の朝は冷や汁から.さて,今日も佐土原統計巡業に向けて心の準備をいたしましょう.午前9時,佐土原着.雨上がりの曇り空.地面はところどころまだ濡れている.統計研修二日目の準備.

  • [佐土原]GLM解説なう.休憩後に演習. posted at 10:09:56
  • [佐土原]GLMのロジスティック回帰とポアソン回帰の演習だん. posted at 11:14:49
  • [佐土原]多変量解析のクラスター分析について説明して,お昼休みなう. posted at 11:54:10

◆ランチは今日も「ごはんの祭典」.空は晴れところどころ雲が浮かぶ.風もなく師走らしからぬ天気.気温は19.0度まで上がっている.午後は20度超か? 半袖が必要だったな.後悔先に立たず,後も絶たず.

  • [佐土原]午後は個別の統計コンサルティングなので,届いた質問票を読んでいるところ. posted at 12:49:23
  • [佐土原]主成分分析解説だん. posted at 13:36:02
  • [佐土原]統計研修後半戦だん.ほへー.質疑のあとに時間があったので,リサンプリング統計学まで解説&実習した. posted at 15:52:37

◆午後4時,JR佐土原駅.統計研修が終わってもさらなる旅路は続くのだ.本日午後の宮崎の最高気温は実に20.8度.暑すぎるっ.宮崎駅にて鹿児島中央行きの特急「きりしま15号」に乗り換え.車内は冷房ががんがんかかっていた.都城.夕暮れに向かって走る特急きりしま.いつもより車内が混んでいるのはなぜだろう.西都城.とても大きな┣┣" が東京から飛んできた.温泉に浸かってゆっくり考えることにしよう.夕闇の霧島神宮駅を越えれば,もうすぐ国分駅.ここで下車.どういうわけだかタクシーが出払っている.何だか町中も渋滞あちこち.タクシーの運転手もこんなことはめったにないと言っていた.

◆♨♨♨♨♨ —— 午後6時半,天降川をわたって,対岸の川沿いにある妙見温泉の〈田島本館〉にチェックイン.闇から聞こえてくるのは川のせせらぎの音のみ.ここは湯治部と旅館部を擁する古くて大きな温泉宿.ワタクシは旅館部に投宿したが,自炊する湯治部も楽しそうかもしれない.ここは効能ごとに「神経痛の湯」「胃腸の湯」「傷の湯」という三つの源泉が湧いている.川べりの湯小屋にある胃腸の湯は激熱,となりの湯舟の傷の湯は対極的なぬる湯.湯舟は小さい.一方,別棟の神経痛の湯はほどほどに大きくほどほどに熱い.夕ごはんは部屋食で.泊り客はほとんどいなかった(平日だもんねー).

◆[蒐書日誌]あんな巨大な本が翻訳されるとは! —— Hartmut Bohnacker, Benedikt Groß, Julia Laub and Claudius Lazzeroni[国分宏樹監訳]『Generative Design ― Processingで切り拓く、デザインの新たな地平(仮)』(2016年2月刊行予定, BNN新社, 東京, ISBN:9784802510134)の近刊予約がアマゾンで始まったとのこと(→ 版元情報).

本書のドイツ語原書:『Generative Gestaltung: Entwerfen, Programmieren, Visualisieren mit Processing』(2009年刊行,Verlag Hermann Schmidt, Mainz, ISBN:978-3-87439-759-9 → 版元ページ)はすでに英訳されている:『Generative Design: Visualize, Program, and Create with Processing』(2012年8月刊行,Princeton Architectural Press, New York, 480 pp., ISBN:978-1-61689-077-3 [hbk] → 版元ページ|コンパニオン・サイト〈Generative Gestaltung〉).系統樹ダイアグラムが(も)たくさん載っている図版集.ちょうど一年前,三中信宏(監修)・杉山久仁彦(著)『生命の樹から系統樹へ/系統樹の森を逍遥して想うこと』(2014年11月刊行,神戸芸術工科大学〈系統樹の森:芸術工学とインフォグラフィックス〉大阪展・公開講座図録,60 pp.)を出すにあたって,その本の系統樹図版の掲載許可メールを筆頭著者の Hartmut Bohnacker さんに出したことがあった.

◆三つの湯を順繰りに入ってきたら,早々と湯疲れ状態.午後10時,もう寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆本日の総歩数=5280歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


14 december 2015(月)※佐土原統計巡業の初日

◆午前5時半起床.気温10.8度.外は真っ暗.午前6時半,朝食へ.宮崎の朝はやっぱり冷や汁から.チキン南蛮も朝からマストである.ついでにおでんを柚子胡椒で.ないのは “お水” だけ.午前8時過ぎ,昨日の “牛日録” をアップして,出撃準備.青空が広がってきた.

◆[欹耳袋]読売新聞「『21世紀に読む「種の起原」』 デイヴィッド・N・レズニック著(評・松木武彦)」(2015年12月14日)※「原書では渾然となっている二つの鍵概念「自然淘汰」と「種分化」とを分けて組みなおす」.

◆午前9時,佐土原の宮崎県総合農業試験場着.穏やかな青空が広がる実験圃場.講義棟にてさっそく準備セッティング.

  • [佐土原]もうすぐ統計研修スタート.今日の午前中は前回の実験計画法関連事項の復習とRによる演習にあてる予定. posted at 09:26:15
  • [佐土原]午前中は実験計画法演習:PlantGrowth(一要因完全無作為化法)・TwoFactorRBD.xls(二要因乱塊法)・daphnia.txt(三要因完全無作為化法).その後,モデル選択論のイントロ.お昼休みなう. posted at 11:50:54

◆佐土原の宮崎県総合農業試験場での統計高座は午前の部が終わった.南国宮崎は今日もよく晴れて暖かい.正午前にはすでに17.0度に達している.関東では見ないので棕櫚の大木に出くわすたびに見上げてしまう.ランチタイムは「ごはんの祭典」が盛大に執り行われていた.

  • [佐土原]そろそろ午後の研修開始. posted at 12:58:06
  • [佐土原]モデル選択の話.休憩ちう. posted at 13:54:58
  • [佐土原]モデル選択の演習だん.初日はこれにてあがり. posted at 15:47:02

◆午後4時半,ホテル帰還.暖かい夕方.しばし休息のひとときを.午後5時半,あたりがだんだん暗くなってきたので,ごそごそし始めよう.たそがれ時の西銀座通り.ネオン街は今宵も人通りが少なかった.最初は〈新政〉エクリュから.開戦直後のフレッシュさ.都農の岩牡蠣をほんのり温めて.宮崎地頭鶏の炭火焼きが攻め込んできたので,名張の〈而今〉27BY特別純米おりがらみで迎え撃つ.〈國権〉純米生原酒・垂れ口は塩トマトをアテに.にんにく丸ごとひとつを素揚げした「にんにくばくだん」は最終兵器なり.〈綿屋〉綿屋倶楽部純米酒.よくしみたおでんが絶品.今宵は意外にも健全に早く帰還した.

◆明日も続く佐土原統計巡業.もう寝るしかない.

◆本日の総歩数=10968歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測


13 december 2015(日)※宮崎牛に幅寄せされて

◆午前5時過ぎ起床.気温6.8度.雨は降っていないようだ.

◆[欹耳袋]むしブロ — クマムシ博士のドライ日記「「クマムシに外来遺伝子17%」は真実か」(2015年12月12日)

◆ふたたび日向へ —— 2週間前の前半戦に続き,宮崎県での統計巡業後半戦が明日から始まるので前日からの出撃だ.午前10時前,つくば駅.小雨.気温9度のうすら寒さ.正午前,羽田空港第2ビル到着.都内も雨.お昼時なのでどのお店も大混雑していた.早めに保安検査場を通過し,搭乗口へ.

◆午前1時過ぎに羽田空港を離陸した ANA609 は,午後3時過ぎに宮崎ブーゲンビリア空港に着陸.晴天.気温は17度もある.つくばとは比べ物にならない暖かさと棕櫚の街路樹に降り注ぐ日差し.ああ南国,ああ宮崎.JR特急にちりんで宮崎駅へ移動し,その足で駅前のホテルにチェックイン.

◆夕方,今日は時間に余裕があるので,宮崎の繁華街をしばし散策したのち,橘通のレトロな喫茶店〈ウルワシ珈琲〉にて珈琲充.日が没しあたりが真っ暗になって,やっと若草通アーケード街に賑わいが.前からとても気になっていた〈蜂楽饅頭〉の店先に行列ができていたので,ついワタクシも列に並ぶ.黒あんと白あんの2種類のみ,しかもひとつ100円(税込)というフトコロに優しいお値段.焼きたてのほかほかを包んでくれるので,温かいうちに食べるとことのほか美味である.

◆[蒐書日誌]松本博文『東大駒場寮物語』(2015年12月10日刊行, 角川書店, 東京, 287pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-04-103277-0 → 目次版元ページ)※車中読書.まだ1/3しか読んでいないが,書かれている体験談のほとんどは首肯できる.随所で昔の記憶がよみがえってきた.ワタクシの記憶は本書よりも15年ほど前の1970年後半だが,「寮雨」とか「ストーム」は実体験した世代.寮部屋が「B」側だったのでよく寝られた.夏の盛り,中寮の階段の壁にしがみついて「み〜んみ〜ん」と鳴いていたあの寮生はその後どうなったのだろう,とか.

ワタクシが体験した「ストーム」は,真夜中にドアを叩きまわるような生易しいものではなく,ドアを蹴破って狼藉をはたらくタイプが多かった.もちろん,防御する側の寮生はバケツで水を浴びせたり,時には乱闘になったこともある(それが禁止措置の直接の原因となった).「ストーム」があるときには,事前に察知した寮委員会が寮内放送で「これからストームがあるもようです」と “警戒警報” を流していた記憶がある.「ストーム」する側も寮外で「ストーム・シュプレヒコール」を叫んでいた.そんな時代.記憶再生もうひとつ:寮食堂で余り物が出たときは,夜遅く寮内放送で「 “残食” ありまーす」と流されたとたん,バイソンのごとき地響きが中寮・北寮・明寮から轟き,あっという間に寮食堂に行列ができた.半額で食べられたからだが,駒場寮生はみんな飢えていたんだろう.

—— こういう「再生記憶」はその都度こまめに書き留めておかないとすぐに揮発してしまう.この点,『東大駒場寮物語』はとても良い “触媒” である.

◆[欹耳袋]Togetter -「亀井静香とムツゴロウの犬肉エピソードについて」※かつて駒場寮で “焼き犬” サバトがあったかどうかをめぐって.

◆宮崎初日の夜は,宮崎牛に盛大に幅寄せされるべく,海際の一ツ葉公園に面した鉄板焼ステーキ〈ミヤチク〉へ出撃した.〈ミヤチク〉店内に入ると,さっそく宮崎牛ロース肉がお出迎え.脂の入り方が尋常ではない.目の前の鉄板を舞台に,手練のシェフがぶわあっとフランベしてくれた.火遁の術である.炎の向こうから,レアのお肉がずらりと勢揃いして食パンに乗ってやってきた.うまい〜うまい〜うまい〜(泣くなよ).グラスワインが進む〜.そして,牛脂をたっぷり含んだ食パンは,バターとシナモンシュガーによってお色直しされ,背徳にして美味この上ない食後のデザートに大変身.すばらしい(拍手また拍手).

◆シアワセになれたところで,明日からの高座の準備点検を.

◆本日の総歩数=10096歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 92.9kg(−0.1kg)/ 30.7%(+0.8%)


12 december 2015(土)※冬景色洞峰公園一周り

◆午前5時過ぎ起床.気温8.4度.El Capitan が 10.11.2 になった.

◆洞峰公園冬景色 —— お昼前,〈モルゲン〉で食パンを待つスキマ時間に洞峰池を一周.見渡すかぎりの冬景色.その後,一週間ぶりの観音台へ.今日は朝から気持ちよい青空が広がり,午前10時の気温は13.1度と外出するにはぴったりの日和.一週間不在していた間に,┣┣" が積もっていたので,ひとつひとつ┣┣" 叩きでつぶしていく.こうして┣┣" 個体数はかなり減ったが,次に観音台に来るのは九州巡業から戻ってくる一週間後なので,その間にきっとまた増えているだろう.

◆増殖する丸眼鏡たち —— 午後は春日の〈トーキョードー〉眼鏡店に出向き,先月新調した丸眼鏡ふたつの最終調整.手前の白っぽいのは遠距離焦点,最奥の黒は焦点距離30センチ,真ん中二つが新調もので,それぞれ焦点距離50センチと1メートル.

◆[蒐書日誌]室井尚『文系学部解体』(2015年12月10日刊行, 角川書店[角川新書・K-58], 東京, 238pp., ISBN:978-4-04-082051-4 → 目次版元ページ)※著者のブログ〈短信〉の掲載記事を踏まえた新書.プログ発の単行本化という点では,日比嘉高『いま、大学で何が起こっているのか』(2015年5月29日刊行,ひつじ書房, 東京, viii+151 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-89476-769-0 → 目次版元ページ日比嘉高研究室)と同じカテゴリーだろう./日本の哺乳類(第2版) —— S. D. Ohdachi, Y. Ishibashi, M. A. Iwasa & T. Saitoh (eds.)『The Wild Mammals of Japan, Second Edition』(2015年7月刊行,松香堂, 京都, xxvi+506 pp. + 4 maps, 本体価格7,000円, ISBN:978-4-87974-691-7 → 版元ページ)※フルカラーの大型本.ご恵贈感謝.

◆今夜は冷蔵庫の余り物の一掃処分として “てーげー” なものを食卓に登場させてしまった.中華鍋で鶏皮から脂を取り,キムチをぶちこんでから,もやしと舞茸をざくっと炒める.調味は塩胡椒で “てーげー” に.青海苔をトッピング.しかし, “お水” はけっして “てーげー” ではない.東京駅のはせがわ酒店でゲットした鈴鹿の〈作〉Prototype M の四合瓶(初めて見た)を開栓.白ワインのシャンパンボトルのような形状.火入れにしてこの微炭酸はすばらしい.

◆[蒐書日誌]篠田直樹『シノダ課長のごはん絵日記』(2013年4月20日第1刷刊行/2015年12月1日第3刷刊行,ポプラ社,東京,207pp., 本体価格1,300円, ISBN:978-4-591-13386-6 → 版元ページ|facebook〈シノダ課長のごはん絵日記〉)※先月放映されたNHK〈朝からサラメシ!スペシャル〉を見て,ついポチッと.放映直後に速攻で品切れになったらしく,急遽増刷されたようだ.

本書は写真ではなく “絵日記” である点が最大の特徴.手描きのごはん絵とそのスキマを埋めている手書きの文章は,かつての妹尾河童『河童が覗いた〜』シリーズを髣髴とさせる.

著者は初版出版後に課長から部長へと昇進されたのちも,ブログ〈食いしん坊サラリーマン シノダ部長の絵日記〉にて「ごはん日記」を続けている.シノダ課長→シノダ部長とくれば,当然の流れとして,今後『シノダ取締役の〜』,『シノダ常務の〜』,『シノダ社長の〜』,『シノダ会長の〜』とぜひ連作化していただきたいものである.

◆明日からは宮崎巡業の後半戦.旅支度がすんだので寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆本日の総歩数=11222歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.0kg(−0.6kg)/ 29.9%(+0.8%)


11 december 2015(金)※駒場は大雨から夏日へ

◆午前4時過ぎ起床.本降りの雨が降っている.気温9.9度.午前6時半,つくば駅.雨中の駒場出撃.気温は12.3度.最高気温は20度を超えるという予報.もちろんコートは不要.日中は半袖でもワタクシ的には問題なし.

◆午前8時過ぎに駒場東大前に降り立つ.本降りの雨が降り続いている.朝イチの駒場キャンパスは水浸し.午前8時の気温8.2度.本日の「生物統計学」補講は分類と系統と統計の三題噺.

  • #TodaiStat 駒場は本降り.講義室(521)なう.誰もいないんですけど(orz). posted at 08:19:47
  • #TodaiStat いまやっとふたり……. posted at 08:24:49
  • #TodaiStat いまやっと8人〜.始めるかー. posted at 08:32:37
  • #TodaiStat 生物統計学はこれにてすべて終了しました.みなさん,お疲れさまでした.レポートお忘れなく. posted at 10:14:33
  • #TodaiStat 駒場での第4学期専門科目「生物統計学」の講義は今年限りです.来年度からは理学部の大学院修士課程の一科目として「生物統計学」を開講することになっています.ノートパソコン持込みのR実習付き講義を予定していますので,機会があれば三年後にまた本郷でお会いしましょう. posted at 12:16:52

◆午前10時過ぎ,駒場を水浸しにした兇悪な雨雲は過ぎ去り,青空が急速に広がってきた.南風強し.気温は急上昇.いま14.4度.まぶしい日差しとともに強い南風が色づいたイチョウの葉を吹き散らした.駒場キャンパスの秋もこれでやっと終わった気配が濃厚.午前11時の都内の気温は22.0度.一刻も早く脱出するしかないっ.正午の都内の気温は23.8度.ひさしぶりに「夏日ライン」が視野に入ってきた.つくばも同時刻に23.5度と競り合っている.半袖と冷房が必要かも.急に気温が上がるこういう日に冬の装いでいられるみなさんは驚嘆と尊敬に値する.夏日ライン寸前なのにマフラーとかダウンとかありえへんでしょ.

◆[蒐書日誌]松本博文『東大駒場寮物語』(2015年12月10日刊行, 角川書店, 東京, 287pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-04-103277-0 → 目次版元ページ)※駒場の講義から帰ってきてすぐに,駒場寮史の本が届くとはグッドタイミング.ここに描かれているのは1990年代前半.ワタクシが駒場寮に棲息していたのは,さらに15年ほどさかのぼった1970年代後半のことだった.駒場寮はキャンパス内の「閉じた生活の場」だったので,ありとあらゆることが起きていた記憶がある.本書に掲載されている寮の写真は,大薄朋子が撮影したものである.彼女の駒場寮写真集『2001年の夏休み 東京大学駒場寮写真集』(2015年9月発行)はネット販売されている.また関連する駒場寮の写真は Instagram 「komabaryo」でも公開されている.

◆午後1時,つくば帰還.お昼過ぎの気温は24.4度だった(夏日でんがな).自宅の窓を全開放.あとは冷たいものをぐっと飲むしかないっ.

◆[欹耳袋]知人から「専門書の翻訳分担者を紹介してもらえないか」との依頼メールあり.紹介するのにやぶさかではないのだが,問題は報酬としての翻訳料.まる一冊訳して印税が10万円に届かないというのは,いくらなんでも低すぎないかということ.いいように買い叩かれているんじゃないですか? しかも分担するということは,少ない印税をさらに折半するわけだから,ワタクシ的には問題外の外だし,紹介しようにも相手に対して申し訳なさすぎる.専門書とはいえ特定分野の業界の個別特殊な事情があるのかもしれないが.

◆午後はよく晴れて南風が暖かかったが,夕方になって北西の風に変わり曇ってきた.今日は何の予定もないので,ゆるりとしている.夜になってまた雨が降ったり止んだり.

◆本日の総歩数=10487歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 93.6kg(−0.1kg)/ 29.1%(0.0%)


10 december 2015(木)※定例都内出撃疲労困憊

◆午前5時前起床.気温はすでに氷点下0.4度まで下がっている.大分に比べてさすがつくばは寒い.午前7時半,つくば駅.定例都内出撃の朝は氷点すれすれ.雲が多め.午前8時半過ぎ,新宿駅.都内は穏やかな青空.気温は6.2度.

◆[欹耳袋]Togetter -「日本ほど英語の通じない国はない」※世界には自分が知らないいろんな言語があり,英語にも想像以上に「いろんな英語(Englishes)」があるということでもういいのではないかと思う.

◆午前10時,玉川大学到着.雲が広がる青空.気温はまだ10度に達しない.今日はべいづ〜〜べいづ〜〜べいづ〜〜(歌うなって).

◆玉川大学での講義を終え,経堂の〈はるばるてい〉へ.両隣の女性客ふたりがそれぞれ,こんな昼下りから日本酒やワインやカクテルを注文していた.女性の独り昼呑みができる店はそうそうない.さすがは異世界〈はるばるてい〉と感服しつつ,いつもの香麺(大盛り)を完食だん.曇り空のハートフル農大通りにて珈琲充.

◆午後4時前,駒場.曇り空だが,寒くはない.

  • #TodaiStat 今日の講義はベイジアンMCMCについて先週の続きの解説をし,その後,分類と系統のイントロを話しました.残りは明日朝イチの補講で説明します. posted at 18:31:23
  • #TodaiStat 明日の補講はとなりの521教室にて1限です. posted at 18:31:56

◆午後9時,つくば帰還.服を着た疲労困憊がタテになったりヨコになったりしている.寝るん〜〜寝るん〜〜寝るん〜〜(歌わんでええ)

◆本日の総歩数=12676歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(0.0kg)/ 29.1%(−0.5%)


9 december 2015(水)※大分統計巡業から帰還

◆午前5時過ぎ起床.気温8.6度.朝イチの内湯に入って,夜明け前の街をしばしお散歩.今日はやや曇っている.午前8時に〈山田別荘〉をチェックアウト.Booking.com で予約を受け付けているせいか,外国人宿泊客がとても多くなったそうな.JR別府駅の到着アナウンスは,まるで汽笛が響きわたるように,「べっぷ〜〜〜,べっぷ〜〜〜」と歌う.いつまでも記憶に残る(→ YouTube「別府駅 発車案内板&到着放送」).「ぷ〜〜」が耳について離れない.

◆午前9時過ぎ,大分県庁着.統計高座の最終日.大分市はすでに気温11度を超えて,暖かすぎる.今朝のつくばは氷点下1.5度まで下がったのに,大分の最低気温は+8.1度だもんなあ.

  • [大分]モデル選択論の講義と実習.休憩なう. posted at 10:30:05
  • [大分]一般化線形モデルの解説と実習だん.ランチタイムなう〜.今日はいかなる背徳飯か? posted at 11:48:09

◆本日のランチは県庁ヨコの海鮮料理〈ほどじま〉にて「ひゅうが丼定食」を.昨日に比べればヘルシーなことこの上なし.大分の魚料理として有名な「ひゅうが」も「りゅうきゅう」も語源不明とのこと.醤油味の「りゅうきゅう丼」もうまいが,「ひゅうが丼」はすりごまがたっぷり入っていてグッド.

  • [大分]もうすぐ午後の部のスタート. posted at 13:00:01
  • [大分]質疑とコンサルティングの時間. posted at 14:04:26
  • [大分]三日間の統計研修が終わったなう. posted at 15:11:17

◆今回の統計研修は,受講人数が10名そこそこだったので,大きなフシアワセもなく,つつがなく三日間を終えることができた.午後4時,大分駅にて空港バスの待ち時間にマンゴーティ・フラペチーノ.大分市内の最高気温は18.5度まで上がった.とにかく暑すぎて話にならない.半袖を着て来るべきだったと海よりも深く反省.今年はとりわけ気温が高いらしい.午後4時半の空港直行バスに乗り,午後5時半には大分空港着.夜のフライトはほとんどないので,空港内は閑散としている.夜になっても気温がぜんぜん下がらないので,「かぼすシェイク」なるもので強制冷却.

◆ワタクシのいない観音台に,ややキケンな日本酒が着弾するとの関係筋からの情報あり.暖かい居室で噴出事故が起きないように,指示いろいろ.所外貢献等中間報告を観音台に送信.観音台の┣┣" を国東半島で撃つことになってしまった.さて,そろそろ保安検査場を突破しないと.

◆午後11時過ぎ,つくば帰還.大分は遠かった.すべての残務は明日の夜明け前にまわして,今夜は寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆本日の総歩数=13475歩. 朝◯|昼◯|夜−. 計測値(前回比)= 未計測/未計測


8 december 2015(火)※別府湾をぐるりと回り

◆午前5時過ぎ起床.気温6.3度.午前6時半,宿の近くにある共同湯〈春日温泉〉へ.別府ともなれば共同湯にも自家泉源がある.湯舟の正面奥にある観音像の真下に泉源がある.小窓に100円を置いてから入湯.お風呂から出たら別府タワーが朝日に輝いていた.別府の〈駅前高等温泉〉の件.一昨日,通りがかったときは大きな工事をしていて,てっきり休業しているものと思ったが,ちゃんと通常営業していた.午前8時半,通勤客や学生とともに日豊本線下りで大分へ.朝日に輝く別府湾.

◆午前9時,県庁着.大分市は青空が広がり,午前9時の気温は10.0度.日差しあたたか.統計高座の二日目.

  • [大分]研修開始なう.まずは講義関連資料数百MBの配布作業から. posted at 09:33:15
  • [大分]実験計画の舞台上の演技について話をした.F値を手にするワタクシたち. posted at 10:30:03
  • [大分]休憩しまくり. posted at 10:35:23
  • [大分]分散分析から多重比較まで一通り解説をしたところでランチタイムなう. posted at 11:51:36

◆本日のランチは,大手町にある中華料理〈新華園〉にて「焼き豚玉子飯(大盛り)」を完食.年に一度だけの背徳飯である.大分は親(鶏)だけでなく子(卵)も油断してはいけない.どんぶりの上からかぼすをたっぷり搾るのがお作法.この「焼豚玉子飯」は大盛りでもたった600円.大分県人,いったいどんだけ大食いなのか.

◆[欹耳袋]毎日新聞「改革しわ寄せ学生に 交付金削減、国立文系を圧迫 福教大「彫刻」の講義開けず」(2015年12月6日)※「文部科学省は「シラバスで計画した授業は実施するのが原則だ」」— どの口がそれを言う.

  • [大分]たらふくランチのあとは腹ごなしのため午後の準備なう. posted at 12:57:07
  • [大分]RStudio の「Tools」>「Global Options」>「General」設定:1) 「Default working directory」を各自変更 2) 「Default text coding」を「UTF-8」に変更. posted at 12:59:41
  • [大分]乱塊法の説明が終わって一休みなう. posted at 14:02:21
  • [大分]二要因乱塊法の実習までだん. posted at 14:50:29
  • [大分]午後のPC実習室は日差しが入って気温がどんどん上がっている.外気温がすでに16.9度なので,実習室内はもちろん20度超え. posted at 15:00:30
  • [大分]split-plot, strip-plot, model selection のイントロまで話して,本日の高座だん. posted at 16:04:48

◆夕暮れの別府湾をグルっと回って別府駅到着.今日もつくば的にはとても暖かい日で,コートも要らなければ,長袖もじゃまだったのだが,大分の地元のみなみさんはしっかり冬支度している.そんなに着込んで暑くないんですか.とりあえずお風呂に入って今宵の出撃体制を整える.今宵は駅前の〈大和田鮨〉へ.まずは関アジと関サバのお刺身から.鯛のあら炊きには大分の〈智恵美人〉純米吟醸.場所を移して〈チョロ松〉へ.外国からのお客さんもちらほらと.〈チョロ松〉に来たからには「かも吸そば入り」を注文するしかない.ほかほかと温かくなれる.

◆明日は統計高座の最終日.夕方まで大分県庁,そのまま大分空港から飛ぶことになっている.

◆本日の総歩数=11895歩. 朝◯|昼△|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


7 december 2015(月)※鉄輪〜大分県庁〜北浜

◆午前5時前起床.鉄輪温泉街の夜明け前.湯けむり通りの坂道を朝刊配達のバイクが走る.気温9.0度.朝イチの内湯は一晩中ずっと熱湯源泉が掛け流されていたので,そのまま入ると “地獄蒸し” になりそうな気がした.ゴメン,ちょっと「加水」してしまいました.鉄輪温泉や上手の明礬温泉はもともとめっちゃ熱いのだが,旅人が共同湯で勝手に加水するのは “温泉お作法” 的によくないと聞いていた.しかし,明礬の〈鶴寿泉〉に朝イチで入ったら暑すぎて真っ赤になった.地元のお年寄りが「ダメダメ,どんどん水入れて〜」とホースでどばどばと.

◆[欹耳袋]来年早々の立川での国際シンポジウム —— 〈What is a good model? — Evidential statistics, information criterion and model evaluation〉12-13 Jan 2016, ISM./Natalie Cooper et al. 2015. A cautionary note on the use of Ornstein Uhlenbeck models in macroevolutionary studies. Biological Journal of the Linnean Society, 1 DEC 2015 DOI: 10.1111/bij.12701 html | pdf [open access]

◆午前6時半,いでゆ坂に面した共同湯〈渋の湯〉はまだ仄暗いうちに開く.湯雨竹システムで源泉を冷却しているとはいえ,朝イチはめっちゃ熱い.地元の一番客が盛大に冷水を注ぎ込んでいた.やすらぎ通り沿いにある貸間旅館の地獄蒸し場.蓋を開ければそこは地獄にして,いろんな食材が瞬時にして蒸しあがる極楽.早朝の温泉街をぶらぶら歩く楽しみ.午前7時になってやっと空が白んできた.噴気の向こうには高崎山がそびえ立つ.そろそろ朝ごはんの時間だ.

◆午前8時の別府駅西口行き路線バスに乗る.8:27発の日豊本線で別府から大分へ.大分市内はとてもいい天気で,数年にわたる再開発工事を経てやっと完成したJR大分駅前のバスロータリーに朝日が降り注いでいた.

  • [大分]開始直前のじたばたセットアップ真っ最中. posted at 09:23:45
  • [大分]所長さんの開会あいさつなう. posted at 09:33:19
  • [大分]統計学概論と統計曼荼羅のお話だん.休憩中. posted at 10:23:33
  • [大分]さて,Rの黄金三点セットのインストールだ.フシアワセが降臨しないことを祈ろう. posted at 10:30:48
  • [大分]R インストーラー のダウンロード時間「残り31分」.大分県,LAN回線が細すぎるのでわ……(orz) posted at 10:40:41
  • [大分]Rcmdr 関連パッケージが大挙して降臨ちう. posted at 11:23:15
  • [大分]RとRcmdrにインストールだん.心安らかにランチタイムへ. posted at 11:52:02

◆県庁前〈こつこつ庵〉のランチ定番はとり天定食(650円).とり天のテーブルマウンテンを酢醤油とともに制覇する.最初に来た9年前からまったく変わらないたたずまいの〈こつこつ庵〉.これもまた一種の「看板建築」と呼んでいいものかどうか.

◆[欹耳袋]脳のなかのこびと軍団「Rのプロキシ設定」※Rアイコンの右クリック>「プロパティ」>「リンク先」の末尾に「 --internet2」を追加でOK.セキュリティーなどの理由で “外” につながらないときの対処法.大分県庁についてはこの対策で問題解決した.

  • [大分]午後の統計研修は箱ひげ図から始まり,確率分布から正規分布への山道をたどる予定. posted at 12:55:29
  • [大分]確率分布の山を這い上がっているなう. posted at 13:59:33
  • [大分]正規分布の神制について話した.憑かれた. posted at 15:10:15
  • [大分]さて,中心極限定理なう〜 posted at 15:15:35
  • [大分]統計研修の初日だん.ほへー. posted at 16:06:38

◆ふたたび日豊本線に揺られ,夕暮れ時の別府湾を眺めながら別府へ舞い戻る.定宿の〈山田別荘〉にチェックイン.露天風呂は改修中とのことだが,ワタクシにとってここは内湯さえあればいいので問題なし.一風呂浴びて夜の出撃まで待機.別府北浜の夜,数年ぶりに八坂レンガ通り奥にある〈はじめ寿司〉へ.関アジのお刺身から.おとなりのお客さんから関サバお刺身がやってきた.ブリの窯焼き,タコ・里芋・糸こんにゃくの煮物,そして最後は穴子の一本にぎり.日本酒は大分の〈鷹来屋〉と〈西の関〉,秋田の〈山本〉,そして新潟の〈鶴齢〉.たった四合で今宵はおしまい.ヘルシーすぎる.

◆明日は別府からの電車通勤だ.二日目の統計高座も朝から夕方まで続く.

◆本日の総歩数=12378歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測


6 december 2015(日)※別府湯煙旅初日は鉄輪

◆午前4時過ぎ起床.気温7.7度.いいアイデアは真夜中に降臨する.

◆毎年恒例の別府湯煙巡業へ —— 今年もまた大分での統計研修シーズンがやってきた.2007年から毎年開催されているのでもう9年目になる.午前8時過ぎ,つくば駅.晴れ.気温は10.0度.北寄りの風が涼しい.浜松町からのモノレール.遠景の富士山がくっきりと.午前10時,羽田空港第一ターミナル着.都内は雲の多い晴天.チェックイン.日曜午前の空港は意外に混んでいる.フライトまでまだ時間があるので,お昼ごはんの案件が浮上.やはりここはアノ「卵」のお店でしょうか.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「図書館は出版社の敵?売り上げ悪影響を危惧」(2015年12月4日)※「新潮社など複数の出版社と大手書店、有名作家らは連名で、一部の新刊本は貸し出し開始を発売から1年間遅らせるよう、年内にも図書館側に要請」※洋書の場合,高価なハードカバー版は図書館用,大幅に安価なペーパーバック版は個人購入用と理解している.ところが,最近はハードカバー&ペーパーバックの二本立てではなく,ハードカバー&電子本になって,しかも電子本がけっして安いわけではない.実質的な値上げなのか.この傾向は学術書の場合で,一般書に当てはまるかどうかはわからないが.(公費購入した学術書の電子版がどのように “配架” されているのか,前から気になっているのだが,みなさんどうしているのだろう.未体験ゾーンなのでぜんぜん想像ができない.)

別件だが,「本を日本語で出版するよりも,外国語(たとえば英語)で出版した方が読者層がより広がる」という通説はほんとうなんだろうか? 確かに,言語ユーザーの数からいえば「潜在読者数」は多くても,実際に買って読んでくれる「実質読者数」ではどうなのかという問題.ワタクシが三年前に翻訳したある科学啓蒙書を例に取れば,翻訳本は幸い三刷まで重版されて,この手の本にしてはそこそこ売れている.そのことを原著者にメールしたら,とても驚いたようで,「アメリカではハードカバー&ペーパーバックを合わせてもそんなに売れていない」と.

その返事に今度はワタクシの方がびっくりした.内容的には一般向けの科学書なので,英語圏の潜在読者層の厚さから言えば日本語の比ではないはず.しかし,実際に本を買ってくれる実質読者数とは必ずしも相関しないということか.サンプルサイズが小さすぎて結論は出せないが.刷り部数が意外に少ないかも.専門的な学術書の価格の高さを見るときっと数百部しか刷っていないだろうと推測していたが,一般向きの本でもハードカバー版はその傾向があるのかもしれない.ペーパーバック版や電子版で部数を稼いでいるでは.

旧共産圏(ソビエト・東欧)の本はマジで「この機会を逃したら即アウト」というスリル感があった.いまだと,中南米の出版物がそれに相当し,出版されているはずなのに,まったくヒットしない本がいくつもある.

◆大分に飛べば,別府のとり天と中津の鶏唐揚げという「親」につつきまくられるので,その前に「子」をしっかりいただかないと.羽田空港第一ターミナル地下には,〈赤坂うまや・うちのたまご直売所〉という卵の専門店がある.お昼前だというのに店の外には行列ができていた.注文したのはシンプルこの上ない「卵かけごはん」.卵ふたつまで,ごはんのおかわり一杯までは定額の550円.お漬物や鰹節つくだにのトッピングあり.「子」をしっかり食べたからには,大分では「親」を食べつくすしかない.

◆お昼前に羽田空港を離陸し,大分空港には午後2時前に着陸.曇り空.別府行きのバスで移動.曇りときどき小雨が降るJR大分駅前では,油屋熊八があいかわらず心斎橋のグリコみたいにバンザイしていた.駅前高等温泉は休業中みたい.泉源を掘削しているような.路線バスに乗り換えて鉄輪温泉へ.いつもは明礬温泉まで行くのだが,今年は鉄輪温泉の湯治貸間旅館が立ち並ぶ一角にある旅館〈さくら屋〉に投宿.そこらじゅうの道端から源泉の噴気が吹き上げていて,「ああ別府,ああ鉄輪」とつぶやくことしきり.

〈さくら屋〉のある湯けむり通りからちょっと上がったところで,熱湯のような源泉を加水せずに瞬時に冷却する画期的な〈湯雨竹【ゆめだけ】〉システムの実物を初めて目撃した.竹の束に源泉を通すだけ.共同湯〈渋の湯〉や〈ひょうたん温泉〉で使われている.その〈ひょうたん温泉〉は日曜の夕方ということもあり,大型バスが横づけされてとんでもない混雑だった.さすがは,ミシュランの星が付くだけのことはある.それでも,打たせ湯の「瀧湯」でしっかりトド化してきた.

旅館〈さくら屋〉の内湯の一人風呂は百度すれすれの源泉かけ流し.先週の出水・湯川内温泉〈かじか荘〉とはまったく異なる泉質と泉温の鉄輪温泉.特有の “鉄輪臭” がする食塩泉はダシの味.ああ,鉄輪. 夕餉の膳に,名物・地獄蒸しとともに大きなとり天が登場した.まだまだ序の口.明日以降はとり天と唐揚げの猛攻が始まると覚悟する.夜,こたつに根を生やし,明日の統計高座の準備,瓶入りコカ・コーラ,そして『別府八湯温泉本』の最新刊をくまなくチェックする.別府最初の夜は更けゆく.

◆本日の総歩数=8825歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(−0.4kg)/ 29.6%(−0.1%)


5 december 2015(土)※冬晴れの洞峰公園にて

◆午前5時前起床.気温3.3度.冷え込む夜明け前.水が冷たいので米とぎにはつらい日々が続く.

◆[蒐書日誌]Denise Phillips and Sharon Kingsland (eds.) 『New Perspectives on the History of Life Sciences and Agriculture』(2015年刊行, Springer-Verlag [Series: Archimedes, volume 40], Berlin, ISBN:978-3-319-12184-0 → 版元ページ)※応用科学としての生命科学と農学の科学史.

◆お昼前に洞峰公園へ.朝から冬晴れの青空が広がり,降り注ぐ日差しが暖かい.正午の気温は15.3度.洞峰池のまわりのもみじが真っ赤に色づいていた. 〈モルゲン〉にて食パンをゲット,ついでにシュトーレンの予約をすませた.続いて,となりの〈コーヒー・ファクトリー〉で珈琲豆をゲット,ひさしぶりにカプチーノ.その後,観音台にて,明日からの別府湯煙巡業のしたくなど.

◆[蒐書日誌]我が蚕は永遠に不滅です —— 馬場明子『蚕の城:明治近代産業の核』(2015年8月10日刊行,未知谷,東京, 154 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-89642-478-2 → 目次版元ページ).日本の養蚕業を支えた養蚕学の歴史をたどっためずらしい本.著者は,関係者への丹念なインタビューとともに,日本各地はもとより,さらにはメンデルの故郷であるモラヴィアにまで足を伸ばして,養蚕学の長い学統がいまなお着実に伝承されている経緯をたどる.厚い本ではけっしてないが,養蚕学とその後継である昆虫遺伝学のいまを知る上で貴重なルポルタージュに仕上がっている.

本書の「語り部」として繰り返し登場するのは,九州大学農学部附属遺伝子資源開発研究センターで蚕の系統保存を担当してきた伴野豊教授である.動植物の系統保存のためにはまちがいが許されない作業が長期間にわたって続く.第1章「風穴」冒頭の蚕種保存のエピソードはとても印象に残る.信州や上州の自然風穴を利用した蚕種の冷蔵保存は,養蚕業が爆発的に発展した明治時代にはさかんに利用され,蚕糸の安定供給に大きく貢献した.九大では数百にものぼる蚕の純系を確実に保存するため,あえてその風穴を利用して蚕種の分散保存を行なっているそうだ.

第3章「日本の遺伝学は蚕から始まった」以降の数章では,養蚕学の理論的バックグラウンドとなった昆虫遺伝学の歴史をさかのぼる.外山亀太郎を始祖とする日本の昆虫遺伝学は蚕の遺伝様式の研究によって強力に推進された.外山は東大農学部で養蚕学の教鞭を執ると同時に,高円寺にあった蚕糸試験場でも研究を続けた(マイマイガの遺伝を研究した Richard B. Goldschmidt を日本に招聘したのは外山だったと彼の自伝に記されている).その外山の弟子が,九大農学部の養蚕学講座で教授職にあった田中義麿である.養蚕業が日本の中核産業として繁栄した時代には,東大や九大をはじめ,方々の大学の農学部や工学部に「養蚕学」を関した研究室があった.

本書の後半になると,明治時代から現代にまで連綿と続く蚕の継代保存の苦労話や逸話が数多く語られる.九大で系統保存の作業に従事している技術職員が「ここの世界は一〇〇点か〇点です」(p. 129)と語るのはまさにその通りだろう.純系が一度でも交雑してしまえば一巻の終わりだから.必ずしも「すぐに役立つ研究」とはいえない蚕の系統保存を一世紀にわたり飽くことなく続ける彼らを著者は「求道者」と呼ぶ.蚕にかぎらず,ショウジョウバエでもイネでも,実利を求めない永続的な系統保存は外から見れば確かに “求道” のように見えるかもしれない.さらに言えば,科学の世界でのそのような “求道” は系統保存だけではない.しかし,著者も指摘するように,科学にとってきわめて重要な意義をもつ “求道” としての仕事がけっして俗世から切り離されてはいない点をもっと強調してよかっただろう.

本書に登場する蚕の研究者たちは総体としては多くはない.焦点を絞ってじっくり取材をするというのが著者の基本姿勢なのだろう.本書を読了すればわかるように,養蚕学は昆虫遺伝学を介して昆虫ゲノム研究というもっとも現代的な研究分野につながっている.産業としての栄枯盛衰が学問分野の行く末を大きく左右した典型的な事例のひとつが養蚕学だった.かつての蚕糸試験場には何百人もの研究者が在籍していたという.蚕糸試験場はその後つくばに移転して蚕糸・昆虫農業技術研究所と改組改名され,現在では農業生物資源研究所に合併されて現在に至っている.多くの養蚕学研究者たちは養蚕業の衰退とともにどのような研究者人生を歩んだのだろうか.

思い起こせば,養蚕学との個人的なつながりがないわけではない.私事になるが,ワタクシの大学院時代の指導教官だった斎尾乾二郎教授は,東大理学部数学科から学士入学で農学部に入り,卒業後は蚕糸試験場で生物統計学の研究を続けたのちに,東大農学部生物測定学教室に赴任した.また,ワタクシの学位論文の副査のひとりは,かつての外山亀太郎に連なる東大農学部養蚕学教室(現・昆虫遺伝研究室)の吉武成美教授だった.

長い歴史をもつ養蚕学は想像以上に広い研究領域を含んでいたにちがいない.そのなかでもとくに蚕の系統保存研究がたどってきた歴史を中心テーマに置いた本書はワタクシにとってとても興味深い本だった.文献リストと索引があればさらに資料的価値が高まっただろう.

参考文献:

  1. 伴野豊 2008. カイコリソースの起源に関する情報. ニュースレターおかいこさま, (13): 2-3. [pdf]
  2. Richard B. Goldschmidt 1960. In and Out of the Ivory Tower: The Autobiography of Richard B. Goldschmidt. University of Washington Press, Seattle, xiv+352 pp. → 目次
  3. Lisa Onaga 2010. Toyama Kametarō and Vernon Kellogg: Silkworm Inheritance Experiments in Japan, Siam, and the United States, 1900–1912. Journal of the History of Biology, 43(2), 215-264. [abstract]
  4. Lisa Onaga 2012. Silkworm, Science, and Nation: A Sericultural History of Genetics in Modern Japan. Doctoral Dissertation. Cornell University [abstract]
  5. Lisa Onaga 2015. More than Metamorphosis: The Silkworm Experiments of Toyama Kametarō and his Cultivation of Genetic Thought in Japan’s Sericultural Practices, 1894–1918. [abstract]. Pp. 415-437 in: Denise Phillips and Sharon Kingsland (eds.) New Perspectives on the History of Life Sciences and Agriculture. Springer-Verlag[Series: Archimedes, volume 40], Berlin, ISBN:978-3-319-12184-0 → 版元ページ
  6. Sarah Seiter 2011. Butterflies and Science | Silkworms and Samurai: How Butterflies Shaped Modern Science in Japan | 9 July 2011.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 生態学会仙台大会の自由集会の日時・会場が確定したとのこと.最終日の最後って設定がややビミョーだけど./東京農大昆研からOB会ニュースが届いた.今年の忘年会は12月19日(土)とのこと.同日午後の自然史学会連合総会@本郷が終わったら,その足で厚木に転戦すればいいかな.参加すると返信./先日来,ずっと気になっていたML投稿への返信.

◆今日の昼間は最高気温が16.4度まで上がり,わりに暖かかった.夕焼けグラデーションからすとんと夕闇が降臨.夜は旅支度あるのみ.

◆本日の総歩数=4067歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.1kg(+0.5kg)/ 29.7%(+2.1%)


4 december 2015(金)※初霜降りて成績検討会

◆午前5時前起床.米とぎつらい.気温は3.9度まで下がっている.冬晴れの観音台.最低気温が1.7度まで下がり,初霜が降りていた.一週間ぶりの観音台はすっかり冬景色に変わっている.今日は朝から夕方まで所内の成績検討会.これまで5年間の総括ということで,直前ドロナワ準備が続く.

◆[蒐書日誌]伊勢田センセまで!:伊勢田哲治(著)/なつたか(マンガ)『マンガで学ぶ動物倫理』(2015年11月25日刊行,化学同人,京都, 151 pp., 本体価格1,100円, ISBN:978-4-7598-1813-0 → 目次版元ページ)※ご恵贈感謝.ベレー帽をかぶった著者近影.

◆年に一度の大┣┣" 撃ち —— 午前9時過ぎから所内RP成績検討会スタート.お昼前にワタクシの出番終了.一年間のまとめ,そして中期計画五年間の総まとめ.データ可視化のためのダイアグラム論とインフォグラフィクスがワタクシが担当したテーマ.さまざまなデータをどのように「見える」ようにするかが大事.農林団地内ではデータはどんどん集まるが,その可視化はあまり研究されていない.

  • 質疑「データをいかに可視化しようが,見る側のリテラシーが低ければ理解は進まないだろう」/回答「見る側によって可視化の段階化をすることで,fine-tuned な対応ができるのではないか?」
  • 質問「データ可視化を中核とする機械学習システムをつくればニーズが生まれるのではないか?」/回答「可視化はビジネスになるんですね!」
  • 質問「大量のデータに基づく推論や理解はどこでも需要があるんだけど,その事態がなかなか改善できないのはなんとかならないか?」/回答「ワタクシが次の中期計画でやればいいんですかね?」

成績検討会は昼休みをはさんで午後も続く.今年度をもって第3期中期計画はもちろん農環研という組織もジ・エンドになる.来年からの研究方向を模索するのは今回の成績検討会の重要な役割.

成績検討会の席上,「みなかさん,「ヤバい」という言葉は若者には反対の意味に受け取られますよ」と某コーディネーターから耳打ちされた.「この原稿,ヤバいね」「課題進捗,ヤバすぎる」etc. — その誤解,確かにヤバい(あっ)./まるで「壁新聞」のように文字と図表が “みっしり” 詰め込まれたスライドは「読まないでください」という潜在メッセージが込められているにちがいない(と思いたい).

—— 午後3時過ぎ,成績検討会がやっと終了した.朝から始まって6時間もの長丁場だった.

◆[欹耳袋]yuku kawa「『現代思想』 2015年9月号 特集「絶滅」」(2015年12月4日)/日本照明工業会:蛍光灯製造に関するマスコミ報道に対するご説明「2020年に白熱灯(白熱電球)、蛍光灯(蛍光ランプ)製造が禁止されることはありません。」[pdf](2015年12月2日)./読売教育ネットワーク「「剽窃防ぎ、学びの質向上」成瀬尚志・京都光華女子大学短期大学部講師」(2015年12月3日)※「教員が、学生の出した課題をきちんとフィードバックしていないことも問題になります」— そのためのインフラはどうするつもり?/#ガチ議論 のスレッドが延々と伸びている.

◆日暮れて寒くなってきた.アジフライが夕餉の食卓に登場したので,迷うことなく “お水” は岐阜は多治見の〈三千盛〉純米大吟にごりをアワアワ開栓.こういう活性にごり酒は揚げ物や肉料理それから中華料理にぴったり.もちろん瞬時にしてすっからかんに.四合瓶は「ワンカップ」と心得よ.

◆週末の明日はちょっとはラクになるかな.しかし,またまた旅支度をしないといけない.

◆本日の総歩数=4317歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.6kg(+0.1kg)/ 27.6%(−1.0%)


3 december 2015(木)※いつもの定例都内出撃

◆午前5時過ぎ起床.気温8.4度.雨は降っていない.午前7時,つくば駅.定例都内出撃の朝.予報では本降りになるらしいが,つくばの空はむしろ曇り空が明るくなってきた.気温8.2度.

◆[欹耳袋]だからもともとムリだってば —— 産経新聞「政府機関移転は困難…群馬県議会「国の本気度に疑問」」(2015年12月1日)※「移転した場合のメリット、デメリットを単純比較されれば、メリットは少ない」/毎日新聞「政府機関移転:3施設誘致を取り下げ 出雲市 /島根」(2015年12月2日)※「国が示した方針に対し、「短期間で対応するのは困難」と判断した」— 誘致取り下げはこれからも増えるだろうな.

◆都内は鉄路災厄日 —— 午前9時,新宿駅は大混雑.山手線のドア故障やら,中央線快速の人身事故やら.しかも,横浜線の架線事故の振替混雑で小田急も大遅延.都内の気温は10.6度.いつ雨が降りだしてもおかしくない空模様.先月から放置してしまった組合の意見集約をやっとメール送信した.すまんすまん.午前10時過ぎ,玉川大学着.小田急のだだ遅れによりやっと20分ほど遅延して到着.冷たい小雨に濡れるキャンパス.人影は少ない.

◆[欹耳袋]大人数が移動する学会大会では宿泊先確保が先決.講演要旨とかプレゼン紙芝居とかはいつだってできるけど(締切はあるが),「宿」と「足」の予約は早い者勝ち.日程が確定したらすぐ決めるべし.学会事務局が旅行業者に委託してホテル斡旋というやり方は,標的の奪い合いになるだろう.大手業者との競り合いの勝敗は火を見るよりも明らかかもしれない.その昔,生物学系の “野性的(野生的)” な研究者たちは学会会場の中でテントを張って野宿したものだ.実際,大学構内の原っぱに学会参加者たちの「テント村」が自然発生した事例を知っている.

◆玉川大学で最尤法演習の講義を終え,雨上がりの経堂駅前にて珈琲充.午後1時の気温は10.7度.ひんやりした昼下り.今日はもう傘は不要かな.小田急はまだダイヤが乱れている.昨日の大移動日録をやっと更新.午後4時過ぎ,駒場キャンパス着.雲間から青空がのぞく夕方.

  • #TodaiStat 本日の講義はベイズ統計学です.ついでにレポート課題を配布します. posted at 16:41:58
  • #TodaiStat 講義だん.本日はベイズの定理と解析的な事例を中心に解説しました. posted at 18:27:19

◆講義後,本郷の〈鮒兼〉にて生物地理学会事務局の忘年会.つくばに帰り着いたのは午後11時前.夜風が冷たい.今日も長い一日だった.

◆本日の総歩数=15437歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.5kg(+0.8kg)/ 28.6%(−1.5%)


2 december 2015(水)※♨発宮崎経由つくば着

◆午前5時過ぎ起床.山の出で湯は夜明け前.まだ薄暗い坂を上がって「上の湯」の小さな湯舟に沈む.泉温が36~37度しかないので,長湯しないとぜんぜん温まらない.半時間ほどじっと浸かっていた.ここ〈かじか荘〉の上の湯小屋は,湯船が深い.底には砂利が敷き詰められていて,椅子代わりの岩が置かれている.砂利の隙間から絶えず泡がぽこぽこ湧き上がり,足元湧出を実感できる.透明で青みがかった温泉はめずらしい.甲子温泉大黒屋の岩風呂のミニチュア版か.

霧島あたりの濃厚な硫黄泉に入ると,豪快な大地パワーに圧倒される,一方,同じ鹿児島でも出水まで来ると泉質がやさしくなるようで,〈かじか荘〉も透明のアルカリ性単純泉.〈かじか荘〉の「下の湯」の湯船は「上の湯」よりも二倍ほど大きい.やや緑がかった透明なお湯を通して底の砂利までくっきり見える.地元の通いらしいお年寄りが二人先客だった.温めの泉温なので一時間くらいずっと浸かっているのがデフォルトの入り方とのこと.冬場はそうしないと湯冷めしそう.

〈かじか荘〉ではすべての水仕事に温泉水を使っていて,ごはんも温泉水で炊き上げる.朝ごはんで出された炊きたては確かに独特の風味があった.部屋の蛇口をひねったら硫黄のにおいがする水だった.

◆宿の送迎車で出水駅まで送ってもらった.海からの西風が冷たい.天気予報では九州の天気は下り坂らしいが,今は青空が広がっている.宿の話では鶴はもう一万羽ほど飛来しているとのこと.さすが鶴の里である.九州新幹線さくら405号に乗り込む.昨日乗ったさくら412号に比べて,いま乗ったさくら405号の方が居住性がはるかに高いのはなぜ? グリーン車並みの2+2席,椅子のクッションよし,おまけにブラインドは竹の簀の子だ.半時間弱で鹿児島中央に到着.駅構内のおみやげコーナーがゴージャスすぎる.さつま揚げを買わずして鹿児島を去るわけにはいかない.鹿児島本線の特急きりしま8号乗車.9:58発.右手に広がる錦江湾,その向こう側には桜島がどんとそびえている.しだいに曇り空になってきた.鹿児島エリアで食べた駅弁の中では「桜島灰干し弁当」がピカイチだった.人気があるのもむべなるかな.

◆正午過ぎ,南宮崎から乗り換えて宮崎ブーゲンビリア空港到着.宮崎は薄曇り.気温は15.8度まで上がっている.フライトまでまだ時間があるので,休みまくるしかない.午後2時前,保安検査場を通過してゲート前で待機中.なんだか雨が降りだしているような.しかし,定刻に離陸し,午後4時前に羽田空港着陸.曇り.気温12度とのこと.つくばへのシャトルバスに間に合った.しかし,スコールが降ったり止んだりする気まぐれな空模様.初冬らしからぬ荒れっぷり.

◆午後6時前,つくば帰還.降り続く雨とうすら寒い夕闇のダブルパンチで鹿児島に戻りたくなる.次に行くのは再来週だ.

◆本日の総歩数=未計測. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/未計測


1 december 2015(火)※師走を宮崎で迎える朝

◆午前5時過ぎ起床.夜明け前の暗闇.気温7.5度.南国は冷え込んでいる.前夜のダメージはまだ残っているが,冷や汁を二杯食べてやっと元気になった.午前8時半にチェックアウト.そのまま佐土原へ移動.

◆[欹耳袋]先日の所議報告で聞いたところでは,農環研内で “電子的” な研究記録ノートをつくっているのはワタクシのいる研究領域の3名のみであるとのこと.他の研究員はみんな “紙” のノートを書いているのか.これは意外. “電子的” な研究記録ノートをつけている3名のうち2名は MAFFIN の wiki を使用している.そして残る1名すなわちワタクシは「鍵付きツイッター」に日々の研究活動記録を垂れ流すことが研究記録ノートである.ワタクシと管理職のみの閉じた世界.はたしてツイッターが研究記録ノートになるのか,雲の上から何かしらクレームがつくのではないかと言い出しっぺのワタクシ自身が危惧していたのだが,とくになにも物言いはなく,今日までずっと鍵付きツイートを垂れ流し続けている.ワタクシの場合は,まったく実験をしないので,「研究記録ノート」は「研究ライフログ」と同義語.となると,息をするようにツイートするのが研究上の “生存確認” にとって最適のツールという結論に達した.「紙に書け」と言われても困りますって感じで.実験科学ではけっしてないワタクシたちのような研究分野であえて「研究記録ノート」をつくれと言われたら,こういう別の意味で “実験” 的なことをするしかないだろう.

◆午前9時前,佐土原着.朝から日差しがさんさんと.今日も暖かくなりそうな気配.高座が始まる前に師走の月例アナウンスをメーリングリストに送信.

  • [佐土原]そろそろ二日目の統計研修スタート. posted at 09:28:13
  • [佐土原]実験計画法(完全無作為化法)の最初から分散分析・多重比較まで説明&実習だん.お昼休み〜 posted at 11:55:26
  • [佐土原]研修棟なう.午後1時からの高座は乱塊法と多要因実験の話. posted at 12:59:14

◆今日の午後は乱塊法の基本形とその変異形(分割区法・細分区法)まであれこれ説明しまくった.去年までは MacBook Air とVAIO Pro の両方を持参して交互に使ったのだが,PCを切り替えるたびにプロジェクターをリセットしなければならずタイヘンだった.今回の研修には MacBook Pro に Parallels Desktop のWindows 8 を乗せてきたのでその手間が省けてとても効率的だった.

◆日向から薩摩へ —— 午後4時前,農試での統計高座(前半戦)を終え,JR佐土原駅へ.年季の入った錆びまくりの跨線橋をわたる.これでやっとお仕事から解放されてフリーダム.宮崎駅にて,特急にちりん13号から向かい側に停車しているきりしま15号へと乗り継ぎ.午後5時過ぎ,都城.霧島連峰の向こうに夕陽が沈んでいく.昨日の日録をやっと更新した.山の中にぽつんとある北俣駅にて信号停車.外はもう暗くなってきた.午後7時前,鹿児島中央駅着.初めての下車.しかし,先は遠い.午後8時前,九州新幹線・出水駅を下車してやっと湯川内温泉の〈かじか荘〉にたどり着いた.本館と湯治部の建物があり,ワタクシは別館に通された.この日の宿泊客はたった3人だった.まずは至福の足元湧出泉にぶくぶく沈む夜.闇の向こうから川のせせらぎが聞こえるのみ.ぶくぶく…….

◆本日の総歩数=未計測. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


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