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日録2015年11月 


30 november 2015(月)※小春日和の佐土原高座

◆午前5時過ぎ起床.雨.気温10.3度.午前6時を過ぎたのに外はまだ真っ暗である.さすが九州.一夜明けた宮崎は小雨がまだ降っていたが,天気はしだいに回復に向かっている.ホテルのロビーからJR宮崎駅前ロータリーを見下ろす.棕櫚の街路樹は宮崎のシンボル.

◆宮崎の朝は冷や汁から始まる.もちろんチキン南蛮はいつでもどこでも.午前8時,車に乗って佐土原へ出撃.午前9時前に到着.さっそく会場でのセッティングなど

  • [佐土原]宮崎県総合農業試験場なう.青空が広がっている.研修棟にてPCセッティングの真っ最中. posted at 08:31:01
  • [佐土原]受講生がひとりまたひとり. posted at 08:55:31
  • [佐土原]もうすぐスタート. posted at 09:12:05
  • [佐土原]午前の高座が先ほど終わった.事前にR三点セットのインストールを念押ししたのだが,それでもさまざまなフシアワセが憑依した.Rcpp パッケージだけどうしてもインストールできないとか,> library(Rcmdr) 入力しても無言で息絶え「>」のみが返ってくるとか. posted at 12:34:53
  • [佐土原]農試の空はどこまでも青い. pic.twitter.com/nAeoVqj5TA posted at 12:38:48
  • [佐土原]今日のお昼ごはん(マジごはん) pic.twitter.com/JCLLdiDNVf posted at 12:39:33
  • [佐土原]水木しげるが亡くなったとなると,統計高座で頻繁に水木原画を使わせてもらっているワタクシとしては何かしら弔意を表すしかないな. posted at 12:53:36
  • [佐土原]さて,午後の高座. posted at 13:00:14
  • [佐土原]初日の高座だん.午後はデータ可視化の演習から始まり,箱ひげ図,確率分布.正規分布の神性,そして分散の不変推定値まで終わらせた. posted at 15:52:56

◆午後5時前,ホテル帰還.今日の佐土原は日差しが降り注ぐ暖かい午後だった.最高気温は18.8度まで上がり,長袖だったのでやや暑かった.霧島の峰々を染める夕焼けが夜を呼んでいる.まずは〈鍋島〉大吟醸山田錦から.続いて〈一白水成〉純米吟醸愛山,そして〈喜久盛〉の「タクシードライバー」がやってきた.久留米〈山の壽〉純米吟醸山田錦.地元でしか味わえない佐土原茄子を焼いてもらった.〈紀土〉純米大吟醸山田錦.最後は秋田〈新政〉純米90.

◆当然の報いとして盛大な「うう……」が降臨.明日も朝から一日仕事だ.

◆本日の総歩数=未計測. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


29 november 2015(日)※一年ぶりの宮崎巡業へ

◆目が覚めれば午前8時,うう,朝日がまぶしい…….旅支度を確認してつくば駅へ.見上げれば穏やかな初冬の青空が広がるセンター広場.熟睡中だった今朝の最低気温は1.3度まで下がったが,いまは12度近い.南九州巡業の始まりは幸先よし.

◆[欹耳袋]The Genealogical World of Phylogenetic Networks | Books about the history of trees and networks | 17 June 2015 および More literature on trees and networks | 21 September 2015.

◆お昼前,浜松町にてモノレール乗り換え.都内もすがすがしい青空,そして空高く筋雲が流れる.正午,羽田空港第2ビル.そんなに混んでないね.スーツケースを預けてチェックイン.自動手荷物預かり機なるものを初めて見た.しかし,昨夜の深夜食堂の “ダメージ” がまだ残っていて,羽田空港に着いたら何か食べようという欲求がまったく湧き上がらない.

◆[欹耳袋]AFPBB News「クマムシに大量の外来DNA、驚異の耐久性獲得の一助に?」(2015年11月26日)※出典URLを明記してやと何べん言うたらわかるねん! 元論文:元論文:Evidence for extensive horizontal gene transfer from the draft genome of a tardigrade. doi: 10.1073/pnas.1510461112 abstract

◆午後1時過ぎに羽田を飛び立ったANA機は,ほぼ定刻通りに,小雨に濡れる宮崎ブーゲンビリア空港に着陸した.気温12度台.つくばとあんまり変わらないな.宮崎空港では “儀礼” としての「100%マンゴージュース」をいただいたのち,スキマ時間に昨日の深夜食堂日録をアップ.そろそろ宮崎市内に進撃しよう.雨はまだ降り続いている.宮崎空港駅から延岡行き鈍行に乗って宮崎駅までは10分たらず.福岡空港並みに交通至便なロケーションにある空港だ.宮崎駅前のJR九州ホテル宮崎にチェックイン.小雨が降っては止むぐずついた空模様.薄暗くなってきた午後4時の気温は11.1度とつくばよりも肌寒い.

◆[蒐書日誌]近刊3冊 —— Hadley Wickham[石田基広・市川太祐・高柳慎一・福島真太朗訳]『R言語徹底解説』(2015年12月下旬刊行予定,共立出版,東京, 本体価格5,400円, ISBN:978-4-320-12393-9 → 版元ページ)※「10年以上のRプログラミング経験を持つ原著者の知識や経験をまとめ」./手代木求『世界のタテハチョウ図鑑:卵・幼虫・蛹・成虫』(2016年1月刊行予定,北海道大学出版会,札幌, 本体価格32,000円, ISBN:978-4-8329-8223-9 → 版元ページ)※「世界の全225属のタテハチョウを686種収録!」— 本体価格「32,000円」は昆虫図鑑だったらごく普通の価格帯.超豪華超高値の図鑑が日本でどんどん出版されるのは「どういうわけだかふと値段が計算できなくなる」読者が多いからだろう./松本博文『東大駒場寮物語』(2015年12月上旬刊行予定, 角川書店, 東京, 本体価格1,800円, ISBN:978-4-04-103277-0 → 版元ページ)※「自らの居場所を守ろうとした学生たちを描く、哀愁の青春ノンフィクション!」— いまや駒場キャンパスには “駒場寮遺跡” しか残っていないもんなあ.

◆夜になって雨足はさらに強まってきた.午後7時の気温は10.3度と南国らしからぬ寒さが続く.宮崎に来たからにはもちろん「チキン南蛮」にお参りしないことには神罰が下るので,山形屋デパート裏の〈おぐら本店〉へ直行した.チキン南蛮にお参りして一安心.しかし,この参拝をすませると,極限まで満腹するので「次っ!」にはならない.宮崎の繁華街である一番街を中心に,橘通り・西橘通り・中央通り・西銀座通りとニシタチを一周り巡回したが,今宵は気力と体力が不足していて,さくっとホテル帰還.実にめずらしく “お水” も “お湯” もない夜を迎えている.しかし,昨夜は真夜中の背徳マックスだったので,たまにはおとなしくしているのも免罪のうちか.繁華街のどまんなかにある〈蜂楽饅頭〉の店には通りかかるたびにいつも行列ができている.今日みたいな雨の日も客足が途切れなかった.ひょっとして有名店?

◆午後10時から放映されたNHK-BSプレミアムテレビドラマ〈蝶の山脈~安曇野を愛した男~〉をしっかり見た.

◆明日からは宮崎県総合農業試験場(佐土原)での統計研修が始まる.

◆本日の総歩数=14750歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 92.7kg(+0.2kg)/ 31.1%(+2.6%)


28 november 2015(土)※泥縄の結末は深夜食堂

◆午前5時前起床.気温はすでに0.7度まで下がっている.ひょっとして氷点下になるかもと思ったが,最低気温は0.2度だった.もちろん今季最低を軽やかに更新.朝から快晴の青空が広がっている.ベランダの多肉植物類は昨夜のうちに室内に退避させておいた.

◆[蒐書日誌]馬場明子『蚕の城:明治近代産業の核』(2015年8月10日刊行,未知谷,東京, 154 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-89642-478-2 → 目次版元ページ).日本の養蚕業と養蚕学の変遷をたどったルポルタージュ.未知谷の本は装幀がどれもレベルが高くていつも感心する.

◆[欹耳袋]地方移転問題 pros and cons —— 時事ドットコム「地方創生、補正で支援=安倍首相「施策を総動員」-知事会議」(2015年11月27日)※「政府関係機関の地方移転では「地方の声を政策に反映させる」として、地方側から寄せられた提案を尊重する考え」./全国知事会「平成27年11月27日 「全国知事会議」の開催について」>「資料1-1 地方創生実現のための緊急決議(案)」[pdf]/[欹耳袋]茨城新聞「研究機関移転「大きな損失」筑波大学長が懸念」(2015年11月27日) ※「大学にとっても損失だが、個々の研究機関にはもっと損失になる」.

◆お昼前,前倒し┣┣" 撃ちのため観音台へ.乾いた空気と冷たい西風,そして雲一つない青空はもう冬の景色.午前10時の気温は12.0度.全館空調の切れる冬の居室ではお一人様用ホカペが唯一の暖房器具.午後2時,いったん観音台を撤収.インフルエンザ予防接種をすませてから,のちほど再出撃する.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「若手研究者1割増・ベンチャー倍増…新科学計画に八目標」(2015年11月28日)※「40歳未満の大学教員数→1割増」「引用回数の多さで上位10%に入る論文数→2割増」「自然科学系の女性研究者の新規(以下略.はいはい./朝日新聞デジタル「日米の学者ら抗議声明 「帝国の慰安婦」著者の在宅起訴」(2015年11月27日)※韓国だけの話と言い切れなくなっている社会情勢が不安./ibaibabaibaiのサイエンスブログ「動的平衡なんて怖くない」(2015年11月24日)※ツイッターで引用を見たとき「 @ibaibabaibai さんみたいなことを書く人が他にもいるんだ」と思ったらご本人だった.

◆鮮やかな夕焼けののち夕闇の観音台へ再出撃とあいなった.ここからは時間とのバトルが始まる.お一人様ホカペの周囲数十センチの範囲だけ心地よく暖かい.午後9時,来週の所内成績検討会用の提出資料(7000字弱)が仕上がった.中期計画5年分の総括をしないといけないので,例年よりも大幅に分量が増えた.これで一つ目の山は越えた.午後11時半,二つ目の山で遭難しかけている(orz).午前2時前,やっと二つ目の山を越えた.気温は3.1度まで下がっている.これにて観音台を撤収するん.

◆深夜食堂(つくば編) —— 午前2時半からいささか遅めの晩ごはんがスタート.


客「お,いいねぇ,ローストビーフ.真夜中のレアなローストビーフ」
主人「食い意地はってるねぇ,まったくもう」
客「生っぽい肉なら,ほれ,濁酒を出して」
主人「えーっ,こんな時間に呑むのかい」




客「牛肉だけじゃ物足りないなあ」
主人「白菜と豚バラ肉の煮物が残っていたような」
客「やだなぁ,隠さずにどんどん出してよぉ」
主人「真夜中に餓鬼が乱入したような気が」
客「口悪いなぁ」




客「何か汁物ない?」
主人「すまんな,豚汁はもう終わっちまって」
客「じゃあ,何でもいいや.具だくさんの汁物」
主人「油揚げと蕪の味噌汁があったよーな」
客「いいねいいね」





客「さて,最後は新サンマとご飯でシメだな」
主人「まだ食うのかい」
客「これくらいは朝飯前……,ん,確かに朝飯の前だ」
主人「はいよ,これで御勘定だよ,追加はなし」
客「はいはい」




◆ということで,満腹寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪の午前4時前.いまの気温は2.3度.羽毛布団と毛布がワタクシを呼んでいる.ちゃんと熟睡して,明日からの南九州巡業に備える.

◆本日の総歩数=7165歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)= 92.5kg(+0.2kg)/ 28.5%(−1.4%)


27 november 2015(金)※地方巡業前のじたばた

◆午前5時前起床.夜明け前の米とぎ.気温8.2度.午前8時過ぎの観音台.昨日までのどんよりした天気を吹き払うような乾いた青空が広がっている.午前8時の気温は8.8度.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 科研費残務┣┣" 最後の一頭を放流.これで全部おしまいかな./熊本からRStudioインストール時のトラブル報告とその対応メールのやりとり.RStudio 起動時の「Error in nchar(homeDir) : invalid multibyte string 1」というエラーメッセージは,ユーザーネームがマルチバイト文字(全角文字)だから.全角文字をとにかく根絶やしにすべし.

◆[蒐書日誌]読了 —— 近藤信行『安曇野のナチュラリスト 田淵行男』(2015年11月25日刊行,山と渓谷社, 東京, 414 pp. + 24 plates, 本体価格2,600円, ISBN:978-4-635-31035-2 → 目次版元ページ).山岳写真家にしてナチュラリストだった田淵行男(1905-1989)は,第二次世界大戦中の強制疎開により安曇野に住むようになるまで,さまざまな経歴を転々とした.第3章までに描かれた前半生の経緯はとても興味深く読めた.彼が山岳写真家として本格的に活動を始めたのは戦後のこと.いつも独りで山歩きをしながら山岳写真の技術を身につけたというキャリアの積み上げ方が印象的だ.さらに,若い頃から関心を持ち続けた高山蝶やアシナガバチを対象とする研究スタイルの完成も,昆虫学者たちの個人的なつながりを覗けば,学会や同好会に属することなく自分で確立したという.掲載されているモノクロ山岳写真や蝶の細密カラー図版そして雪形の写真は一見の価値あり.

田淵行男は確かに “孤高” という表現がぴったり当てはまるのかもしれない.しかし,本書の後半は彼の仕事の紹介が中心で,彼の生活を支えたプライベートなことどもはあまり言及されていない.同時に,彼のように在野ナチュラリストとして長年にわたって研究を続けた事例は他にも少なからずあるだろう.同じく高山の蝶蛾を論じた2冊の本:神保一義『高山蛾:高嶺を舞う蛾たち』(1984年6月30日刊行,築地書館[蝶蛾シリーズ・7],東京, viii+192 pp., 0045-184051-4818)と渡辺康之『高山蝶:山とチョウと私』(1986年6月10日刊行,築地書館[蝶蛾シリーズ・10],東京, viii+210 pp., ISBN:4-8067-2259-6)がワタクシの手元にある.時代的には田淵の晩年に重なっているはずだが,この2冊には彼への言及はほとんどないようだ.彼らはみなそれぞれ独りで研究を続けてきたということだろうか.

なお,田淵行男を主人公にしたテレビドラマ〈蝶の山脈~安曇野を愛した男~〉が2015年11月29日(日)にNHK-BSプレミアムで放送される(→ NHKドキュメンタリー番組ホームページ).また,安曇野には彼の没後に建てられた〈田淵行男記念館〉があるという.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 来週の所内成績検討会用の配布資料とプレゼン紙芝居をつくっているのだが,まだ先が長い(けど先はない)./「エクセルで回帰分析したいんだけど」という問い合わせがありこの世の終わりを実感する.悪いこと言わないからやめなさい./悪の道へ:StatPlus:mac LE※Windows だとエクセルの統計分析アドイン〈分析ツール〉に相当するフリーソフトウェア.

◆鮮やかな夕焼けグラデーション.そろそろ撤収タイムだ.いささかお疲れ気味なので,今宵は「呑むごはん」か「食べるお酒」の二択しか思い浮かばない.冬将軍が攻め込んできた今日は,日暮れて気温がさらに下がっている.今宵のメインは定番飲み屋メニューである鶏手羽元の親子煮込み.そして,当初の予定通り,“お水” は「呑むお米」=「食べるお酒」というベストセレクションとなった.奈良・大倉本家が誇る〈金鼓〉の「濁酒【だくしゅ】」.水酛仕込みという日本酒の祖先型を今に伝えるトラッドなにごり酒.十分に冷やしたのでバクハツ事故にはいたらなかったが,それでもアワアワが噴き出しそうになる.上澄みは飯粒がそのまま浮いていて「呑むご飯」そのもの.しかし,瓶の底はこんな感じで粘度が高くなり,泡がぶくぶく吹き上がる「食べるお酒」という表現がピッタリ当てはまる.関東にいると〈金鼓〉の「濁酒」を入手できるチャンスはきわめて低いが,先日,四ツ谷駅前の某酒店にてゲットできた.

◆明日は前倒し┣┣" 撃ちとともに旅支度をしないといけない.週明けからは九州のあちこちを旅から旅へときどき♨という巡業生活が長く続く.

◆本日の総歩数=4475歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.3kg(−0.5kg)/ 29.9%(−1.0%)


26 november 2015(木)※雨上がり定例都内出撃

◆午前5時前起床.気温5.0度.ひさしぶりのきびしい冷え込み.しかも外は雨が降っている.

◆[欹耳袋]日経サイエンス最新号(2016年1月号 → 目次)に,ダニエル・E・リーバーマン[塩原通緒訳]『人体六〇〇万年史:科学が明かす進化・健康・疾病[上・下]』(2015年9月25日刊行,早川書房,東京,332+349 pp., 本体価格2,200円/各, ISBN:978-4-15-209565-7 [上]/ ISBN:978-4-15-209566-4 [下] → 上巻下巻)の書評を書きました(p. 124).

◆午前8時前,つくば駅.定例都内出撃の朝は本降りの雨が降り続いている.気温5.2度.秋葉原は雨,神田では青空,そして午前9時過ぎの新宿では曇りと目まぐるしく変わる空模様.午前9時の気温は7.3度.小田急快速急行乗り換え.午前10時,玉川学園前.小雨が降ったりやんだり.今日の講義はモデル選択と最尤法についての説明&MEGA実習をした.来週はブーツストラップ法を中心に系統樹の信頼性評価について話す予定.正午の気温は10.3度.午後1時,雨は上がって曇り空.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「芥川賞受賞者、落選者より長寿 直木賞、受賞者の方が短命 大阪大教授ら研究」(2015年11月26日)※芥川賞は「受賞の有無で所得や幸福度が大きく変わり」,直木賞は「過労などが悪影響を及ぼす可能性」— こういう説明でええのか,ホンマに?

◆午後1時半,経堂にて途中下車.寒々しい曇り空の昼下り,道行く人たちはダウンジャケット姿が目立つ.ひんやりしたまま都内をあちこち動きまわると “ガス欠” になるので,経堂駅前のグリル〈しずる〉にて牛ハラミ焼き定食(肉大盛り・塩ダレ)を完食.麦飯・塩キャベツ・味噌汁のセット.レアのハラミはとても美味で,エネルギーチャージ完璧.コスパもよく,あのあたりではイチオシのお店.

◆[蒐書日誌]ご恵贈本2冊 —— 平坂寛『深海魚のレシピ:釣って、拾って、食ってみた』(2015年11月15日刊行,地人書館,東京, 本体価格2,000円, xx+169 pp., ISBN:978-4-8052-0891-5 → 目次版元ページ)※前著の外来魚レシピ本:平坂寛『外来魚のレシピ:捕って、さばいて、食ってみた』(2014年9月10日刊行,地人書館,東京,viii + 201 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-8052-0879-3 → 目次版元ページ)に続く深海魚編./景山三平監修|藤井良宜・佐藤健一・冨田哲治・和泉志津恵編修『医療系のための統計入門』(2015年11月10日刊行,実教出版[〈事例でわかる統計〉シリーズ],東京, 212 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-407-33713-6 → 版元ページ

◆[欹耳袋]2016年度日本計量生物学会の年会とチュートリアルのアナウンスが届いた.【期日】2016年3月18日(金)〜19日(土)【場所】統計数理研究所(立川).18日(金)9:30〜12:00は久保拓弥さんの高座「統計モデリング入門:一般化線形モデルから階層ベイズモデル」.

◆午後4時過ぎ,駒場着.うすら寒いまま夕暮れ時に突入しつつある.

  • #TodaiStat 本日はリサンプリング統計手法(ブーツストラップ,ジャックナイフ etc.)について解説します. posted at 16:32:43
  • #TodaiStat 講義室なう. posted at 16:43:56
  • #TodaiStat 講義だん.来週はべいづ統計学です. posted at 18:24:10

◆[欹耳袋]ReseMom「お茶の水女子大、運営費交付金削減に反対意見発表」(2015年11月24日)※「お茶の水女子大学は、これまでも自己収入の積極的な獲得をはじめ、正規教員を削減し、教職員の給与水準も低下させて経費削減に対応」.

◆午後9時前,やっとつくば帰還.今日の都内は最高気温が11.5度.北風が冷たかった.来週からの連続地方巡業を考えると,さまざまな案件をすべて前倒しで進めないとタイヘンなことになりますよ.

◆本日の総歩数=14659歩. 朝◯|昼△|夜−. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.5kg)/ 30.9%(+1.4%)


25 november 2015(水)※冬がいきなり到来する

◆午前6時前のろのろ起床.曇り空.気温9.1度.北風が吹く寒い朝.寒々とした観音台はショスタコーヴィチ後期交響曲のように陰鬱な灰色の雲が広がっている.午前8時の気温は9.4度.日中もこのままほとんど上がらないとの予報.BGM はあの世の交響曲15番.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前10時半から所議報告と領域会議.年末の諸事でいろいろあわただしくなってきた./研究記録ノートという名の鍵付きツイートを垂れ流す.所内で “デジタル” な研究記録ノートをつくっているのは当研究領域の3名のみであると聞いた.他の研究員はみんな “紙” のノートを書いているのか.意外.

◆[欹耳袋]佐賀新聞LiVE「書店と図書館は違う — 慶応大文学部(図書館情報学)・根本彰教授」(2015年11月24日)※「CCCは書店と図書館の違いが認識できているのか」./MotionGallery「いそうでいない、空想昆虫(ニセ蟲)図鑑の制作」※クラウドファンディングで本造りをしたのか./〈Tenth + Fourth〉— 本造り工程の動画.

◆外は陰鬱な曇り空.お昼前だというのに気温は10度にも達しない.BGM は交響曲14番〈死者の歌〉から13番〈バービー・ヤール〉へと陰鬱に続く.正午の気温はさらに下がって8.2度.予報通り雨が降りだした.とても昼休み徘徊どころではない.

◆[欹耳袋]日本の科学を考えるガチ議論「文科省官僚への質問、第二弾:本音は引き出せたか??」(2015年11月10日)|「多方面からのご意見、ご感想」(2015年11月13日).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 堆積していた配布物を配り歩く午後./向こう一月間の┣┣" 撃ちカレンダー更新./統計コンサルティング業務一件.

◆今日は最高気温が9.6度どまりの寒々とした一日だった.夜になって気温はさらに下がり続け,午後9時の今はなんと5.5度を指している.家の中はもちろんすっかり冬仕様.そして食卓にはホットなキャベツカレーが今季初登場した.肉なしのキャベツ丸ごとひとつを深鍋で煮込む.今回はいくつかのステップをバイパスしたのでほぼ2時間という短時間で完成した.

「キャベツ丸ごとカレー」のレシピは以下のとおり:

  1. キャベツは芯を繰り抜いた丸ごとひとつを用意する.
  2. 圧力鍋にキャベツを放り込み,水をひたひたになるほど入れ,ブイヨンを適宜投入.中火で30分煮こんで,火を止め圧力が下がるのを待つ.
  3. 別の深鍋で玉ねぎ・ニンニク・しょうがをじっくり炒め,香辛料と缶詰トマトを投入して,通常のカレールーをつくる.※今日はレトルトの「炒め玉ねぎ」を使ったので,短時間ですんだ.
  4. 3の鍋に2のキャベツを汁ごと投入し,木べらでキャベツをざくざく刻む. 5) 中火のまま水分を飛ばすように1時間煮込む.もしあれば前回のカレーソース(冷凍)を投入すると味が深まる.
  5. 最後にヨーグルトを適宜混ぜて調味すればできあがり.

いつもは圧力鍋を使わないので,ほぼ一昼夜かけていたが,今回はごく短時間でスピーディに完成した.圧力鍋さまさま.煮込んだキャベツから甘みが出るのでスパイスをやや強めに効かせた方がうまい.

◆[欹耳袋]松代の〈ラ・スタッラ〉は来月華麗に復活とのこと.

◆午後11時,気温5.1度.今夜はぬくぬく寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆本日の総歩数=5209歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.3kg(−0.2kg)/ 29.5%(−0.6%)


24 november 2015(火)※連休明けのオケ同窓会

◆午前5時過ぎ起床.気温10.7度.米とぎ.今日は全日年休なのでフリーダムを満喫している.夜半の雨を降らせた雨雲はすでに消え,雲間から日差しが差し込んできた.名残りの水たまりを踏んで観音台へ.午前10時の気温は13.4度.日中は20度超の暖かさになるとの予報.

◆[蒐書日誌]近藤信行『安曇野のナチュラリスト 田淵行男』(2015年11月25日刊行,山と渓谷社, 東京, 414 pp. + 24 plates, 本体価格2,600円, ISBN:978-4-635-31035-2 → 目次版元ページ)※『山と溪谷』誌連載記事の単行本化.とても惹かれる400ページ超の伝記.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 連休明けを待ちかねていた┣┣" どもが押し寄せてきた./とっくに放流だん!だったはずの科研費┣┣" が残務を咥えて戻ってきた(orz).まだあるんですかそうですか./先月末の〈分子系統ワークショップ〉のアンケート集計が届いた.平均的には今年もとても好評でよかった.系統推定ツールボックスの「中身」は質・量ともに年々単調増加しているので,ユーザーは適切な使い方と使い分けの知識が必須.

◆[欹耳袋]Jean-Baptiste Piggin の資料ふたつ —— Jean-Baptiste Piggin 2015. The Missing Manual: Schadt's Arbores. Available from Academia.Hermann Schadt の中世樹形ダイアグラム本:Hermann Schadt『Die Darstellungen der Arbores Consanguinitatis und der Arbores Affinitates : Bildschemata in juristischen Handschriften』 (1982年刊行,Verlag Ernst Wasmuth, Tübingen, 412 pp. with 88 plates., ISBN:3-8030-4006-X → 目次)を読むための資料./ Jean-Baptiste Piggin. Peter's Stemma. Available from Piggin.net.12世紀の Peter of Poitiers (Petrus Pictaviensis: ca.1130–1205) の著書『Compendium Historiae in Genealogia Christi』のキリスト教家系図に関する資料.最新の出品は Sotherby's で「250,000〜350,000 USD」という価格が付けられている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— Inleiding tot de R-statistiek「Rの脆弱性と普及度について」(2015年11月21日)※リンク数カ所修正./科研費┣┣" 征伐のための残務処理完了./とりあえず,来月しょっぱなの所内成績検討会に向けての段取りをつけたところで,今日はもう軽やかに観音台撤収だ.

◆[欹耳袋]〈おんせん県おおいた新フロジェクト〉の動画「シンフロ」は7週間で100万回再生されたそうな.さすが温泉県である.

◆午後3時,つくば駅.気温18.0度の小春日和のなか,臨時の都内出撃へ.午後4時過ぎ,ひさしぶりに丸の内オアゾを徘徊.夕暮れとともに,真向かいの八重洲側の高層ビルの隙間から,ちょっとだけすり減った月が昇ってくる.午後7時,背徳の夜の街・新宿三丁目に到着.とある雑居ビルのとあるお店にて東大オーケストラの同楽年会.前回はもう5年前のことだ.消息いろいろ.ワタクシたちの年代になれば,そろそろ “第一幕” が終わって,気分的にあるいは実際に次のステージに足をかけ始めている.この “お水” の写真は〈新政〉26BY酒こまち・生酛木桶仕込純米「エクリュ(生成)」と〈篠峯〉27BY雄町純米吟醸.午後10時近くに解散.つくばに帰り着いたのは午前さますれすれ.もちろん,うう…….

◆本日の総歩数=9993歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.5kg(+0.2kg)/ 30.1%(−0.4%)


23 november 2015(月)※霧雨が降る連休最終日

◆午前6時半のっそり起床.気温10.0度.曇り空.北西の風.

◆[欹耳袋]雑誌と論文にまつわるお金の問題 —— (その一):macroscope 「学術論文の「オープン化」と費用負担」(2015年11月19日)※「知識が提供されるためには、その費用をだれかが分担するように制度をつくっておくことが必要だ」./(その二):たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-「論文誌が高くなりすぎて」(2015年11月22日)※「とりあえず要は『金くれ』ってことです、論文に限らず色んな問題これで解決するし(/・ω・)/」— 確かに.

ワタクシがいる農環研という国研は今年度末に消えてなくなるのだが,吸収先の農研機構がはたして雑誌や書籍の購入を今後ちゃんと維持してくれるのか気になっている.Cf: leeswijzer「雑誌が買えなくなりました(orz)」(2013年7月29日)&「雑誌が買えなくなりました(orz)― 後日譚」(2013年10月7日).

研究機関での電子ジャーナルや電子書籍の購入は,いかなる意味でも「公費による学術ライブラリーの構築」には繋がっていないと思えてならない.電子的に “そこ” にあるように見える雑誌や本は単なる「幻」ですよ,というオチ.ワタクシにとって「電子図書館」は蜃気楼みたいなイメージしか湧いてこない.

ワタクシのように,研究機関的にマイナーな分野にいると,研究上必要な雑誌の購読は「紙雑誌を私費購入する」というのが原始的だが有効な研究環境防衛手段と言わざるをえない.ある意味,そういう姿勢は学術出版寡占企業の猛攻に対するパーソナルな “退却戦” であることは確かだろう.そうかと言って,現行の「電子雑誌の公費購入」を続けることは金の切れ目が縁の切れ目という身も蓋もない結末が待っている.それは “バンザイ突撃” をも覚悟した組織的な “玉砕戦” かもしれない.

—— そろそろ,新たな「研究者が生き伸びる道」を模索しないといけない.

◆朝から冷たい霧雨が降り続く勤労感謝の日.お昼を過ぎても11度台の肌寒さなので,天久保の〈大盛軒・学園店〉へ直行.さいわい待つことなく定番の肉そばにありついた.サイドメニューとしてにんにくたっぷりの餃子も.相席だった向かいのおじさんは,瓶ビールと餃子とレバニラ炒めという “黄金の三点セット” を注文していた.ちょっとうらやましかった.休日でも満席になる繁盛ぶりは,ラーメン激戦区つくばの中でもゆるぎなし.店を出るときには長蛇の列が伸びていた.雨降る午後,天久保の〈千年一日珈琲〉にて聞いた話によると,〈ブロートツァイト〉は今年もドライフルーツのシュトーレン(Fruchtbrot)をつくらないとのこと.手間が掛かり過ぎるらしい.残念.

◆休日の┣┣" 撃ち —— 新潟のとある酒雑誌のゲラ返信.いろいろ文章を書いてきたが,日本酒の話を書くのは初めてかも知れない./来春の帯広行の「宿」と「足」を予約完了.はい,もちろん天然モール泉かけ流しの駅前ホテルです.ホテルとフライトは出張日程が決まったら即座に先手を打って確保しないとダメ.

◆[欹耳袋]Y!ニュース「北の湖理事長の急逝と多臓器不全(榎木英介)」(2015年11月21日)※人としてのさまざまな「死に方」を考えさせる良記事.

◆日没とともに冷気が忍び寄る.今宵の夕餉は圧力鍋で仕込んだボルシチと〈ピーターパン〉吾妻店のライ麦パン.三連休明けのあしたは全日年休にしている.

◆本日の総歩数=6348歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 93.3kg(+0.5kg)/ 30.5%(+0.5%)


22 november 2015(日)※上州蕎麦ヌーボー休日

◆午前5時過ぎ起床.気温12.0度のわりには北風が冷たい.昨日の日録更新.「Rの脆弱性と普及度について」とともに「LaTeXiTインストール作業」についてもまとめた.

◆[欹耳袋]theatrical - 『「Rの脆弱性と普及度について」 - Inleiding tot de R…』 へのコメント(2015年11月21日)※「こういう問い合わせってちゃんと金払ってるのかな?」— 統計研修中の質問に対して “対価” を要求するわけにはいきまへんわなぁ./Togetter -「この発想は無かった!! 「EXILEの画像をアップすると近い構図の確率分布の画像が送られてくる」タグまとめ」※何かもう笑うしかないなあ.統計高座のネタに使えるか(うーん)./Lilacの妊娠・出産・育児ノート「仕事が忙しい共働き夫婦の両立生活」(2015年10月25日)※「仕事が忙しいのに、育児や家事の全てを自分たち夫婦だけでやるのは無理」「まずは誰がやっても良い家事から外注するのが良い」.

◆[蒐書日誌]夜明けに読む『深夜食堂』 —— 安倍夜郎『深夜食堂(第15巻)』(2015年10月5日刊行, 小学館,東京, ISBN:978-4-09-187296-8 → 版元ページ)|『深夜食堂(第14巻)』(2015年5月5日刊行, 小学館,東京, ISBN:978-4-09-187082-7 → 版元ページ)※→ 既刊1〜13巻

◆[欹耳袋]金沢工科大学〈[世界を変えた書物]展 — 人類の知性を辿る旅〉※明日が最終日とは残念./「いっぽん!! ~しあわせの日本酒~」という日本酒コミックが新連載らしい.

◆連休中日の本日は朝から常磐道と北関東道を走破して高崎へ向かった.高速道路渋滞をかいくぐって午前10時半に到着.灰色の曇り空からときおり小雨.気温は12度台前後で冷え冷えしている.今日のランチは藤岡の鏑川近くにある〈蕎麦処 鏑屋 響〉にて蕎麦遊膳「鏑」を注文.今年の新蕎麦を賞味できるシアワセ.

ここ〈響〉は高崎市街地からはかなり外れたロケーションだが,いまや中山峠の〈一期一会〉や中居の〈拓心庵〉に並ぶ超人気店になってしまった.国道17号を前橋方面まで行けば,〈凡味そばきり〉とか〈そば処 梅の花〉という別の選択肢もあるだろう.

◆[欹耳袋]突然だが想像してみてほしい「「黒板消し」を「ラーフル」と呼ぶ人は鹿児島県出身です」(2015年11月19日)※「教師をしていた鹿児島市の石田正義さん(88)は「ラーフル」について27年にも及ぶ研究を冊子にまとめました」— この記事か:南日本新聞社・373news.com「鹿児島だけか「ラーフル」 研究27年、鹿児島市の石田さん」(2015年11月19日).言及されているもうひとつの研究:上村忠昌「「ラーフル」考」.方言地理のケースとして興味深い.

◆午後7時前,ところどころ断続的に渋滞した常磐道を南下してやっと帰還.ひんやりした冷気が身に沁みる.明日は何にも予定がないフリーダム!

◆本日の総歩数=2218歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.5kg)/ 30.0%(−0.6%)


21 november 2015(土)※小春日和の三連休初日

◆午前5時起床.気温8.4度.米とぎがつらい夜明け前.曇りときどき小雨が降ってうすら寒かった昨日とは一転して,朝から初冬の青空が広がっている.お昼前には18.5度まで気温が上がり,昨日よりも4度も高くなっている.小春日和の日差しが暖かい.〈モルゲン〉で食パンを,そして〈コーヒー・ファクトリー〉で珈琲豆をそれぞれゲットした.

◆[欹耳袋]Rの脆弱性と普及度について —— 先日,某県の農業試験場から「R」を “公的” に導入する際の問題点について問い合わせがあった.試験場のコンピューターに R をインストールしようとしたら,システム管理者からの以下の質問があったそうだ:

  1. Rのソフトウェアとしての「脆弱性」に問題はないか?
  2. 統計言語としてのRの「普及度」を示す証拠はないか?

この二つの質問については,他の公的機関でも R インストールに際して同様の状況が起こりえると考えて,下記の回答を用意した:

【Rの脆弱性について】

  • フリー・ソフトウェアのRは国際的な開発チーム(The R Project for Statistical Computing)によってしっかりサポートされ,頻繁にバージョンアップされている.そのホームページ(CRAN: The Comprehensive R Archive Network)を通じて最新バージョンをいつでも入手することができる.
  • 全世界に大きなRユーザー・コミュニティーが存在しており(日本であれば,たとえば RjpWiki),脆弱性を含むバグやホールがあったとしても,早急に対応できる体制にあると期待される.
  • フリー・ソフトウェアとして何か障害や被害があったときの責任はだれが取るのかという点についてはフリー・ソフトウェア/商用ソフトウェアの差異はないと思われる.たとえば,MS Word や MS Excel あるいは pdf ファイルに感染したウィルスによって被害が発生したからといって,提供元の Microsoft 社や Adobe 社を訴えたりできないだろう.フリー/商用に関係なく,ソフトウェアはユーザー個人あるいはシステム管理者の責任のもとで導入されるべきものである.
  • 幸いなことに,脆弱性対策情報データベース(JVN iPedia)によれば,過去にRのセキュリティー上の問題が指摘された報告はたった一件しかない(→ 「JVNDB-2008-006199」2012年12月20日).もちろん,脆弱性が指摘されたこの旧バージョン(version 2.7.2)はすでにより新しいバージョンのRに置き換えられている
  • Rの開発・維持・テスト・公開の作業工程がどのように進められているのかについては下記を参照されたい:The R Foundation for Statistical Computing「R: Software Development Life Cycle — A Description of R's Development, Testing, Release and Maintenance Processes」December 15, 2014 [pdf]

【Rの普及度について】

  • 統計言語としてのRの占有度については:SciStat「SAS SPSS R」(2015年8月27日)のまとめが参考になる(元記事:R-bloggers「Forecast Update: Will 2014 be the Beginning of the End for SAS and SPSS?」2013年5月14日).SAS や SPSS といったメジャーな統計言語のシェアが減少しているのに対し,R は着実にユーザー数を増やしている.その記事には「SAS、SPSS、Stata、R、JMPを取り上げ、その消長を予測している。筆者は、SAS、SPSSをおさえて、近い将来、Rがこの分野で首位を狙うと主張している」と書かれている.
  • 一方,プログラミング言語としてのRについては,IEEE Spectrum「The 2015 Top Ten Programming Languages」(2015年7月20日)を見ると,トップ10の「第6位」に入っている.
  • また,2011年のやや古い情報だが,〈統計インフラのつくり方〉 というサイトの「2. 統計ソフトの市場シェア」にも,Rユーザー数の大幅な伸びが報告されている.
  • 直上記事が参照している元記事:r4stats.com「The Popularity of Data Analysis Software」は常時アップデートされていて,最新の統計分析ソフトウェア占有率比較は2015年10月17日時点の最新データに基いている.それによると,2014年時点での学術論文に使用された統計ソフトウェア・ランキングでは,第1位のSPSS(有料),第2位のSAS(高価!)に続いて,無料のRが「第3位」に位置している(Figure 2a).
  • なお,農林水産研究情報総合センター(AFFRIT)にもRがインストールされていて(→ AFFRIT Portal「統計解析ソフト R に関する情報」),農水省系国研の研究者ならびに登録ユーザーであれば誰でも利用できる体制になっている.

—— 以上の回答は下記に公開した:Inleiding tot de R-statistiek「Rの脆弱性と普及度について」(2015年11月21日).

◆穏やかな日和の午後は El Capitan 登攀以来ずーーっと放置していた TeX 環境の整備.何箇所かでつまずいたりしたが,何とか LaTeXiT が動いてくれるようになったのでよしとしよう.以前に比べてTeXインストーラーの性能がずいぶんよくなってきた気がする.いまのところ,日本語まわりの設定や画像ファイルへの出力はまったく問題なし.TeX で組版しようなどと考えていないので,とりあえず数式が編集できて,InDesign 紙芝居に貼り込めれば機能的には十分だ.

備忘メモとしてインストールの手順を以下にまとめる:

【LaTeXiT インストール作業(2015年11月21日完了)】

  1. Homebrew インストール:参照 → 「【Mac】OS X 10.11 El CapitanにHomebrewをインストールする方法」(2015年10月8日)
  2. imagemagick,ghostscript,pdf2svg インストール:参照 → 「Macでプレゼン資料に数式を貼り付けるのに便利な「LaTeXiT」」(2014年9月8日)
  3. MacTex インストール:参照 → 「The MacTeX-2015 Distribution」>「Downloading MacTeX 2015」※Safari でのダウンロードが強く推奨されている.ダウンロードしたインストーラー「mactex-20150613.pkg」からインストールする.
  4. El Capitan でのトラブル処理:参照 →「** TeX on El Capitan **」.TeX Live ユーティリティの「環境設定」でリンク先を「/usr/texbin」から「/Library/TeX/texbin」に変更する.その他いろいろなファイルの更新を完了.
  5. LaTeXiT 初期設定:アプリケーション>TeX>LaTeXiT 起動>アップデート.LaTeXiT の「環境設定」>「プログラム」のリンク設定は下記の通り:
     pdfLaTeX — /Library/TeX/texbin/pdflatex
     XeLaTeX — /Library/TeX/texbin/xelatex
     LaTeX — /usr/local/texlive/2015/bin/x86_64-darwin/platex
     dvipdf — /usr/local/texlive/2015/bin/x86_64-darwin/dvipdfmx
     Ghostscript — /usr/local/bin/gs
     ps2pdf — /usr/local/bin/ps2pdf
    
    以上の設定で,LaTeXiT は正常に作動するようになった.
  6. 作動テスト:参照 →「LaTeX - コマンド一覧

◆今日の最高気温は19.7度まで上がり,ぽかぽか陽気だった.明日からはしだいに下り坂になるとの予報.

◆本日の総歩数=4584歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 93.3kg(+0.5kg)/ 30.6%(+1.1%)


20 november 2015(金)※数理統計研修の千秋楽

◆午前5時起床.気温10.3度.米とぐ夜明け前.うすら寒い曇り空の観音台は午前8時の気温12.2度.落ちるべき葉はほとんどみんな散ってしまったようだ.三日ぶりの居室には大┣┣" 小┣┣" とりまぜて賑わっている(orz).

◆[欹耳袋]第17回図書館総合展・動画記録の公開 — 11月10日(火)〜11日(水)11月12日(木).ワタクシが出た〈分類フォーラム〉の第一部第二部.何かのついでにコレも(笑):〈公共図書館の未来像〉※ワタクシはまだ見ていないけど.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 島根県からの統計コンサルタント┣┣" 一頭を仕留める./来春の帯広畜産大学の襲撃日程は「2016年2月28日(日)〜3月2日(水)」で確定しました.たくさんの弾薬と毒物をもちこむ予定です./来年度の東京大学大学院理学系研究科の「生物統計学」非常勤出講に関わる事務書類を返送.駒場から本郷へ,学部から大学院へと移行するので,もちろんR実習付きにする予定./ワタクシの後任として「分子系統進化学」の非常勤講義を引き受けてくれる人がいないかな.講義+PC実習,TA付き,人数は十数名くらい./新学術領域の分担承諾書を所内決済放流./成績再評定に関する┣┣" を常盤台宛てに放流./今月はじめの〈分子系統ワークショップ〉のアンケート集計が送られてきた.

◆[蒐書日誌]上村信太郎『山の不可思議事件簿』(2015年10月15日刊行,山と渓谷社,東京,190 pp., 本体価格900円, ISBN:978-4-635-32005-4 → 版元ページ).同じ出版社から出た:田中康弘『山怪:山人が語る不思議な話』(2015年6月16日刊行,山と渓谷社,東京,254 pp., 本体価格1,200円, ISBN:978-4-635-32004-7 → 目次版元ページ)と同類の本かと思ったら,本書は世界の登山家の逸話やふしぎ話が中心で,『山怪』のようなぞわぞわする怖さは感じられなかった.やはり同じ版元から年明けに出る:東雅夫(編)『文豪山怪奇譚:山の怪談名作選【明治・大正編】』(2016年1月22日刊行予定,山と渓谷社,東京,本体価格900円, ISBN:978-4-635-32006-1 → 版元ページ)は今から気になっている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今日は数理統計研修(応用編)最終日.午後の質疑タイムを担当するミッション遂行のため電農館へ出撃.小雨が降っている.正午の気温は14.0度どまり.午後1時から小一時間で質疑はおしまい.これで今年の大仕事のひとつは終わった.

◆今日の最高気温は14.4度どまりだった.夜風が冷たい今宵の夕餉は今季初のきりたんぽ鍋.こういう夜は新潟は上越市・新潟第一酒造の〈山間【やんま】〉を開栓.26BY最後の15号かめ口中取り直詰めの純米大吟醸無濾過生原酒.直詰め特有の微炭酸がぷちぷちして快楽この上なし. しかもしっかり太いボディーがある.

◆[欹耳袋]新潟日報モア「新大学長「削減受け入れられぬ」— 財務省の国立大交付金削減案を批判」(2015年11月19日)※「これ以上減らされると将来的には授業料を上げざるを得ない。常勤の若手教員を多く抱えることも難しくなる」

◆[蒐書日誌]泉けい『ガンボ! ジャズの生地、ニューオーリンズに万感の思いを込めて』(2006年12月12日刊行,テン・ブックス,東京,271 pp.,本体価格1,400円,ISBN:4-88696-019-7 → 目次版元ページ).今から6年も前に買ったのにぜんぜん読んでいなかった.先日ふと手にとってみたら実はとてもおもしろい本だった.1980年代なかばから2003年までの十数年にわたってニューオーリンズに住んだ著者の回想録.ワタクシがニューオーリンズに行ったのは,ハリケーン〈カトリーナ〉が襲来したあとの2007年のことだった(→ 「Cahier du Vieux Carré (28 June - 4 July 2007)」).スワンプの強烈な蒸し暑さ,ザリガニやオイスターやガンボやポーボーイの味覚,バーボン・ストリートの不夜城の喧騒,そして〈カフェ・デュ・モンド〉のベニエにてんこ盛りの粉糖.10年近く前の旅の記憶をたどりながら,30年も前の彼の地のようすを想像しながらの読書だった.本書に書かれている「ジャズ・フューネラル」ならぬ「ジャズ・ウェディング」をこの目で見ることができたのは幸運だったのかもしれない.

◆明日からの三連休はとりあえず急ぎの仕事はない.大物の延滞原稿┣┣" がずっと控えの間に鎮座しているので,ご挨拶に伺おうか.

◆本日の総歩数=7005歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.8kg(+0.4kg)/ 29.5%(−1.2%)


19 november 2015(木)※雨上がり定例都内出撃

◆午前5時起床.まずは米とぎ.ずっと降り続いていた雨はもう止んでいる.気温12.0度.

◆[分類思考]本日の残響::月が私を狙ってる!「 三中信宏 『分類思考の世界』」(2015年11月18日)※あらら,ここにもまた “噛まれた” 被害者がお一人様.「新書に求めてるのは、分子系統学の受け入れられ方とか、それこそ"現在"の「学会の空気」だからなあ」— それを “新書風” に書くのはムリ.『生物系統学』とか『自然を名づける』くらいの重さになってしまうだろうから.

◆午前7時半,つくば駅.晴れところどころ曇り空.定例都内出撃の朝は北風がやや冷たい.午前8時半,新宿駅.都内も晴れところどころ曇り.午前10時,玉川大学着.雲はほとんどなくなって,北東風が涼しいキャンパス.午前9時の気温は13.4度と昨日の同時刻よりも4度以上低くて快適.実習用の Win 8.1 を起動.午前11時前に講義室.今日は分子系統学に関わる統計学の話をします.午後1時,雲がやや多くなってきた.いつものように経堂にて途中下車.いつもの〈はるばるてい〉にていつもの香麺を完食し,しばし駅前珈琲充.昨日ほどではないが,それでも18度超の昼下りは暖かすぎる.

◆[欹耳袋]読売新聞「広がるヤマビル被害…小学生の野外学習にも影響」(2015年11月16日) ※「ヤマビルの吸血被害が兵庫県内に広がっている」「犯人は鹿だ」— ここまではええけど,忌避剤〈ヒル下がりのジョニー〉っていう商品ネーミングw.

◆午後4時,駒場へ.そーか,今年の駒場祭は今週末だったか.

  • #TodaiStat 本日の講義は多変量確率分布の続きと多変量解析についてです. posted at 16:24:49
  • #TodaiStat 講義室なう.異様に少ないのはなぜ? どーして? posted at 16:43:10
  • #TodaiStat 本日は多変量解析の事例としてクラスター分析と主成分分析について解説とデモをしました. posted at 18:33:49

◆[欹耳袋]Togetter -「「かけ算の順序」なんてもう古い⁈ 今や時代は「足し算の順序」‼︎」※"順序カルト" —「白昼の暗黒」と言うしかない./ZDNet「MIT、マルコフ連鎖モンテカルロ法を高速化するアルゴリズムを発表」(2015年11月18日)

◆午後9時,つくば帰還.夜になって気温が低下し,いま11.2度.明日は数理統計研修(応用編)の最終日.午後の質疑タイムを切り盛りしなければならない.すでに質問票がいくつか届いているのだが,まだチェックできていない.

◆本日の総歩数=13499歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.4kg(−0.8kg)/ 30.7%(+1.3%)


18 november 2015(水)※本郷は青空から雨空へ

◆午前5時起床.夜明け前の厨房仕事だん.雨はいまは止んでいる.気温は14.3度.天気予報とは裏腹に,雲が切れて青空がだんだん広がってきた.午前7時の気温は14.1度.湿っぽかった昨日までと比べて格段にさわやか.

◆昨夜の悲報.長く常用していたメガネが昨夜いきなりぽっきり折れてしまった.ワタクシの場合,丸メガネはほとんど “身体化” しているも同然なので,丸メガネのない人生など考えられない.しかし,長年使った丸メガネがたとえ崩壊したとしても,ワタクシには〈丸メガネ研究会〉という強力な味方がいる.必ずや後継丸メガネが見つかるにちがいない.幸いなことに,つくばの春日にある〈トーキョードー〉眼鏡店は,茨城では唯一の〈丸メガネ研究会〉会員店なので,これはもう一択で駆け込むしかない.

◆駅前ロータリーの〈SAZA COFFEE〉にて一休み.午前10時の気温は19.3度.湿っぽい南風が土浦学園線の落ち葉の山を吹き散らかしていた.今日はこれから本郷出撃.その前に日本進化学会評議員のオンライン投票を.このようすだと午後は20度超になるのはまちがいないだろう.今年はいつになっても半袖をしまい込むことができない.

◆[蒐書日誌] “自然” をつくる —— Melinda Baldwin『Making Nature: The History of a Scientific Journal』(2015年8月刊行, The University of Chicago Press, Chicago, viii+309 pp., ISBN:978-0-226-26145-4 [hbk] / ISBN:978-0-226-26159-1 [e-book] → 目次版元ページ)※Nature誌の歴史をたどる./岩田隆太郎『木質昆虫学序説』(2015年12月刊行予定,九州大学出版会,福岡,512 pp., 本体価格8,000円, ISBN:978-4-7985-0170-3 → 版元ページ)※「序説」なのに500ページ超.ワタクシ的にはこの著者のエッセイ集『カフェ・タケミツ:私の武満音楽』(1992年11月,海鳴社)を読んでみたい.

◆正午前,弥生キャンパス着.曇り空の都内は湿っぽい空気が淀んでいる.気温はすでに20.5度まで上がり,不快指数はきっと高いにちがいない.農学部3号館の隠れ部屋にて,午後の専攻教員会議まで一休み.統計コンサルタント┣┣" 一頭を征伐.もう一件の返信メールを出したところで,そろそろ専攻教員会議へ.午後3時過ぎ,専攻教員会議終了.今日は配布資料はたった「252ページ」しかなかったので,早くすんだ.外に出たら雨が降り始めている.本降りにならないうちにつくばに帰らないと.

◆[欹耳袋]研究結果の再現可能性 —— Togetter -「心理学の再現可能性(再現性)」 /ちとせプレス「心理学研究は信頼できるか?――再現可能性をめぐって(4)」(2015年11月16日)※前連載記事へのリンクあり.

◆雨に濡れる弥生キャンパスからの帰りしなに,根津の〈芋甚〉へ寄り道.ひさしぶりに「御前しるこ」を注文.もっと寒ければおしるこのありがたみを実感したにちがいない.ちなみに,関東では「ぜんざい(汁なし)→田舎しるこ→御前しるこ」の順に粒餡からこし餡へと移行する.一方,関西ではこの移行は「亀山(汁なし)→ぜんざい→しるこ」という相同な変換系列に置き換わる.おしるこやぜんざいにも “系統” あり.その後,往来堂書店にて「壁」を一巡してから千駄木駅へ.雨足が強くなってきた.

◆[欹耳袋]OISTプレスリリース「魚類ゲノム進化3億年の謎に迫る」(2015年11月17日)※元論文:doi: 10.1073/pnas.1507669112 [abstract]/CRAN Package — phylometrics: Estimating Statistical Errors of Phylogenetic Metrics.

◆午後6時前,つくば帰還.本降りの雨.

◆本日の総歩数=7967歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 93.2kg(−0.5kg)/ 29.4%(−0.6%)


17 november 2015(火)※今日も暖かくて半袖に

◆午前6時のろのろ起床.曇り.気温14.9度.早朝は雲が広がっていたが,いまは青空の観音台.昨夜は懇親会で車を乗り捨てたので,今朝はつくバス出勤.午前8時の気温は15.9度ともう暖かすぎる.

◆[欹耳袋]毎日新聞「今週の本棚:養老孟司・評 『ヘッケルと進化の夢−一元論、エコロジー、系統樹』=佐藤恵子・著」(2015年11月15日)./はてな匿名ダイアリー>「京大受験生のための京大退学エントリ」(2015年11月15日)※うわ,pdfが30ページもある!

◆統計研修は今日も続く ——

◆電農館から農環研に帰還.ふたたび雲が広がっている.午前のうちに気温は19.1度まで上がっている.初冬とは思えない暖かさ.こまごま┣┣" 撃ちのお昼前.

◆[欹耳袋]筆順問題ふたたび —— 東京書籍:小学校「新しい算数」>「Q13:数学記号や分数などの書き順」※「教科書では演算記号や等号,分数の書き順が示してありますが,それには何か基準があるのですか。また,それは必ず守らなければならないものですか」という質問に対して,次のように答えている:

以前は「確かでないことは教科書には載せない」との立場から,演算記号や分数の筆順など,明確な筆順が存在しないものについては教科書には載せておりませんでした。しかし,「児童に好きな筆順で書いてよいと指導すると,混乱が生じることもあるので,正式な筆順がないとしても,何らかの筆順を示して欲しい」との要望も多く,現在の教科書では,「+,-,×,÷」などの演算記号や等号,「%」の記号,分数などについても筆順を示すようにしました。

教育現場での「筆順強制」のリクツが漢字でも記号でもまったく同一なのが興味深い:「筆順の根拠はない」→「それでは生徒が混乱する」→「筆順を “決まりごと” として決める」→「だからちゃんと守れ」.生徒側の “混乱” はむしろ “多様性” を学ぶ契機になるという発想がまったくない.もうひとつ,たとえ論拠のない “決まりごと” でも強制してかまわないという悪しき実例を教師が示しているのは,低温やけどのように生徒に対してよくない刷り込みを長期にわたって続けることになるだろう.「学級経営」とか「授業計画」のような教育学の分野ではそういう “決まりごと” の発想が根強くあるのかもしれないが.

漢字の筆順については:松本仁志『筆順のはなし』(2012年11月10日刊行,中央公論新社[中公新書ラクレ・435],東京,270 pp., ISBN:978-4-12-150435-7 → 目次版元ページ)を読んで目からウロコが何十枚も落ちた → 書評:三中信宏「漢字筆順の自然的変異と教育的規範との二律背反」(2014年5月13日).

◆午後の┣┣" 撃ち —— お昼休み,昨日の日録をようやくアップした./年明けの┣┣" たちが着々と空きニッチに侵入しつつある.そうですか仙台の夜ですか,そうですか帯広のお座敷ですか,そうですか駒場から本郷に移転ですか./新法人統合に向けての内部組織案に関する全所説明会が13:15から小一時間./そろそろ来年度の学会費を払う季節がやってきた./二号館にメール返信.来年以降は駒場から本郷に移るよ./続いて,帯広へメール返信だん.骨付き肉アゲインか.

◆[蒐書日誌]ご恵贈ありがとうございます:ステファノ・マンクーゾ,アレッサンドラ・ヴィオラ[久保耕司訳]『植物は<知性>をもっている:20の感覚で思考する生命システム』(2015年11月20日刊行,NHK出版,東京,211+18 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-14-081691-2 → 版元ページ)./アレックス・メスーディ[野中香方子訳|竹澤正哲解説]『文化進化論:ダーウィン進化論は文化を説明できるか』(2016年1月刊行予定,NTT出版,東京, ISBN:978-4-7571-4330-2 → 版元ページ).原書:Alex Mesoudi『Cultural Evolution: How Darwinian Theory Can Explain Human Culture and Synthesize the Social Sciences』(2011年9月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xvi+264 pp., ISBN:978-0-226-52043-8 [hbk] / ISBN:978-0-226-52044-5 [pbk] → 目次版元ページ | 著者サイト

◆夜の┣┣" 撃ち —— 箱崎宛の返信.出ます出ます出ます.う,仙台のホテルを期間変更しないといけないかも.しかし,ちょうど生態学会と物理学会がホテルをめぐって激しいバトル中かもしれないし……(嵐ほどではないだろうが).それよりも,箱崎はもうないんだ.かつて「六本松」と呼んでいたキャンパスがなくなり,今また「箱崎」もなくなってしまい,兵どもが夢の跡.嗚呼,いと遠し./仙台の宿の追加完了.先月予約した時よりも宿泊代金が大幅に上がっているような./ロンドンの自然史博物館から「日本語の論文が送られてきて困っているんだけど……」との助けてメールあり.書誌情報と要約を英訳して返信./生態学会仙台大会の自由集会企画がリジェクトされることなく通ったとの連絡あり.今年はシンポジウムが少なく,その分,自由集会にどっとなだれ込んだらしい.

◆雨夜.明日は本郷に実在する日.予報では本降りの雨になるらしい.

◆本日の総歩数=4778歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(−0.5kg)/ 30.0%(+2.0%)


16 november 2015(月)※小春日和の研修後半戦

◆午前5時半起床.気温10.3度.霧筑波.早朝の濃霧がまだ消え残っている観音台は降り続いた雨の名残の水たまりがそこかしこに.午前8時の気温は11.3度.日中は20度超の小春日和になるとの予報.今日から数理統計研修(応用編)がスタートする電農館VCホールはきっと夏日ラインを超えるだろうから季節外れの半袖出勤.

◆[欹耳袋]京都新聞「千年間の神職の系図公開 京都・上賀茂神社」(2015年11月16日)※「重要文化財指定を受ける神職の系図「賀茂禰宜(ねぎ)神主系図」を特別公開」「825年から約千年にわたる一族の系図や出来事が記録」.この系図の高精細画像:ADEAC「賀茂県主同族会(上賀茂神社) 賀茂祢宜神主系図ほか」.

◆数理統計研修(応用編)スタート —— 朝からくっきりすっきりよい日和.午前10時過ぎに電農館に出撃.今週は数理統計研修(応用編)が金曜まで続く.

  • #統計研修 最初の開幕セレモニーのあとは,ワタクシの「多変量解析概論」です. posted at 10:18:11
  • #統計研修 多変量解析概論だん.主成分分析 on Rcmdr を中心に「高次元空間サバイバル」の技法について解説しました. posted at 12:08:35
  • #統計研修 研修中ほとんどまったくフシアワセに取り憑かれなかったのは幸いだった. posted at 12:33:08

◆[欹耳袋]作品メモランダム「本を読むときに系統樹で考える、可視化することばとビジュアル」(2015年11月9日)※どーもどーも,図書館総合展の対談はエンジョイいたしました./東京新聞「ユニークな社史にびっくり 1万7500冊所蔵の県立川崎図書館」(2015年11月15日)※「県は、財政対策などを理由に、図書館を起業支援施設(高津区)に移転させる。「確定した方針」(県教育委員会)だそうだが、施設に十分なスペースはなく、蔵書が分散する恐れも出ている」.

◆正午過ぎに講義を終え,電農館のお座敷から農環研の “森” へ帰還.よく晴れてはいるが雲がだんだん広がってきた.気温はお昼前に早くも19.8度まで上がっていて,日差しが暖かな小春日和である.イチョウ並木はもう半分くらい散っていた.パーフェクトな青空と真っ黄色のコントラストはこの季節ならではの眼福.午後になって雲がだんだん広がってきた.

◆[欹耳袋]政府関係機関の地方移転関連記事 —— 毎日新聞「石破担当相:「政府機関の地方移転を推進」年内に方針」(2015年11月16日)※やる気満々ということか./毎日新聞「毎日フォーラム・ファイル:政府機関 42道府県が69機関の誘致提案」(2015年11月16日)※「全国知事会からは「各県へ1〜2機関、少なくとも2割程度の機関を移転して欲しい」との要望」— 「抵抗」というマイナスイメージの表現はこの文脈ではやめた方がいいね.「地方移転の大義」があるとしたら,「とどまる大義」もあるわけだから.ただ,現実問題としては「完全拒否」はムリだろうから,実害のない範囲で “落とし所” を探しているのがいまの状況だと,さる大きな機関の “うえのひと” が昨夜つぶやいていた./タウンニュースさがみはら中央区版「JAXA存続へ署名活動 15日実施 市挙げて阻止へ」(2015年11月5日).

◆午後の┣┣" 撃ち —— Homebrew 降臨.続いてゴーストたちがドサドサ降臨してきた.しかし,先はまだ長いので一休みして,続きはあとで.午後6時前,上横場の懇親会会場へ.午後5時の気温17.6度.日が暮れてもぜんぜん寒くない.午後8時過ぎのつくバスで帰宅.連日のこの暖かさはどうしたことか.

◆本日の総歩数=94.2歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 94.2kg(+0.2kg)/ 28.0%(−0.5%)


15 november 2015(日)※七五三はひちごさんや

◆午前5時半起床.雨.気温14.2度.

◆[欹耳袋]君の名は? —— 初めてメールをよこす人が「名字」しか名乗らないことがときどきある.なぜ「フルネーム」を名乗らないのか怪訝に思う.日本の会社文化あるいは事務文化に固有の何らかの理由があるのだろうけど.役職あるいは部署を「主語」として発信しているのであれば納得できる.しかし,そういうケースでこちらから返信する場合,「[名字]様」ではなく「[部署]御中」と書くべきかどうかという新たな悩みが浮上する.他の国研からのメールではほとんど遭遇しないが,都道府県の行政部局から届くメールには「部署・名字のみ」が割に多い.あと,別件だが,医薬業界からのメールには「〜〜先生御侍史」と書いてくるケースが多々あって,ワタクシ的には肩がこるから何とかしてほしいな.

◆午前のうちに雨雲は通りすぎ,雲間から青空がのぞいている.午後になってやっと日差しが戻ってきた.青空が広がるとともに暖かい南風が吹き込み,午後の最高気温は18.8度になった.某ナンバーの通知カードが漂着.

◆[蒐書日誌]Ian L. Dryden and John T. Kent (eds.)『Geometry Driven Statistics』(2015年9月刊行,Wiley[Wiley Series in Probability and Statistics], Hoboken, xviii+394 pp., ISBN:978-1-118-86657-3 [hbk] → 目次版元ページ)※統計学者 Kanti V. Mardia 記念論文集.方向統計学から形態測定学まで.

◆[欹耳袋] 読売新聞「姿変われど授業の中心…黒板」(2015年9月15日)※「黒板は授業の流れをわかりやすくし、写したノートを後で見返したときの理解も助けてくれる」— 板書の可読性が確保できる最大教室サイズについて知りたい.たとえば,こんな記事がある:世田谷区立笹原小学校「弱視児と板書文字ー板書におけるお願いー」※記事の下の方に「板書フォントサイズ」と「可読性」の関係を示すデータが転載されている.その元論文はこれ:元論文:樋渡亮 1963. 学校における視力対策:学校教育に必要な遠方視力. 日本眼科学会雑誌 67(9): 930-939.※板書の字サイズとして「大=10cm^2」「中=7.5cm^2」「小=5cm^2」と設定されている.ワタクシが必要に迫られて板書するときは一辺5cmのサイズで書くから,「25cm^2」か.それでも大学の大教室だと後方からはぜんぜん見えないと言われる.板書は小中高の教室サイズにのみ最適化されたツールと言うしかないんじゃないか.

◆雨上がりの夕焼けグラデーションがひときわ鮮やかに西の空を染めるころ,RStan が降臨した.また一歩,さらなる悪の道へ.

◆[蒐書日誌]ヨコタ村上孝之『世界のしゃがみ方:和式/洋式トイレの謎を探る』(2015年9月15日刊行,平凡社[平凡社新書・788],東京, 191 pp., ISBN:978-4-582-85788-7 → 目次版元ページ).よく知っていそうで,実は未知の世界がトイレを覗けば広がっている.トイレにも奥深い文化史があるのだ.知らない国の知らないタイプのトイレが写真付きで次々に紹介される.日本にしかないと広く思われている「和式トイレ」が実は “グローバル” な様式だったり,「洋式トイレ」は思いの外 “ローカル” であると知ってまずはびっくり.

ワタクシ自身にも,上海郊外の工場の屋外トイレがマジで「仕切りなしの穴だけ」だったのに驚倒したり,ブダペスト中央市場の有料トイレで管理人から「たった20センチのトイレットペーパー」を数フォリント払って買わされて呆然としたトイレ経験がある.

本書『世界のしゃがみ方』を読んでトイレ学に目覚めた読者は,今夏出版されたばかりの最新刊:日本トイレ協会(編)『トイレ学大事典』(2015年8月,柏書房,本体価格12,000円, ISBN:978-4-7601-4608-6 → 版元ページ )をきっと手にしたくなるにちがいない(ホンマかいな).

◆雨に始まり夕焼けに終わった日曜だった.今宵は今季初のおでんが食卓に登場.おともの “お湯” は秋田・山本合名会社〈白瀑〉純米をお燗で.秋田県産美山錦.瓶燗火入れ急速冷却低温瓶貯蔵.この赤ラベルのコスト・パフォーマンスの良さはバツグン.燗酒うまし.

◆先週の基礎編に続き,明日からは数理統計研修(応用編)が始まる.また電農館に通勤する日々が続く.

◆本日の総歩数=2037歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.0kg(0.0kg)/ 28.5%(+0.4%)


14 november 2015(土)※雨空のパルテノン神殿

◆午前5時半起床.気温11.7度.今日は玉川大学での補講のため臨時都内出撃.午前7時,つくば駅.予報通り小雨が降りだした.午前8時半,新宿駅.週末なのでさすがに空いている.曇り空だが雨は降っていない.小田急乗り換え.都内の気温は12.7度と冬めいている.

◆ “パルテノン神殿” への初登城 —— 午前9時半,玉川大学着.冷たい雨が降るキャンパスは人影まばら.大きな噴水のある池を臨む朔風館テラスからの眺望はそんじょそこらの大学ではまったく勝負にならない.今日は初めて “パルテノン神殿” に参拝する.

◆[欹耳袋]西日本新聞「【見解】政府機関の地方移転をどう考える」(2015年11月13日)※「地域を活性化する機会 東京大先端科学技術研究センター教授 牧原出氏」「夢物語は捨てるべきだ 九州大大学院法学研究院准教授 嶋田暁文氏」./鳥取県では —— 鳥取県・知事定例記者会見(2015年11月11日)「3 政府関係機関の地方移転の動向」※「果樹研とそれから職業能力開発大学校の地方移転については引き続き検討を進めるということでの提示」/日本海新聞「統計センター移転「女性多いから無理」 知事憤慨」(2015年11月12日)※「平井知事は「転勤に支障があるというのは意味が分からない」」— わかった方がいいと思う.

一方,京都府では —— 京都新聞「文化庁京都移転に賛意 文科相、省内に検討指示」(2015年11月13日)※「これまで否定的だった同省の姿勢を一転させ、移転を前提とした費用面などの検討に入るよう、省内に指示した」.

◆玉川大学の “パルテノン神殿” こと大学教育棟に初潜入を敢行.コッソリ正面から入ろうと思ったら,正面ホールの巨大な壁画に見降ろされて震え上がる.ここではちゃんと授業をしないと簀巻にされてミツバチに刺されまくる刑が待ち受けているにちがいない.ここはやっぱり “神殿” であった.

午前11時から補講.今日はDNA塩基配列の置換モデルと最尤法について説明した.無事に mission complete.講義終了後,大学ショップで蜂蜜入りジャムを買う.小雨が降り続いているが,傘をさすほどではない.いつものように経堂で途中下車.〈はるばるてい〉にてチャーシューワンタンメンを注文.雨足が強まってきた.

◆[欹耳袋]日本図書館協会「図書館の自由に関する宣言」※「2.  すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する。この権利を社会的に保障することは、すなわち知る自由を保障することである。図書館は、まさにこのことに責任を負う機関である。」

◆[欹耳袋]ScienceNewsline「ダイアグラムの方向によって理解度に違いが生じる」(2012年9月18日)※これは興味深い研究.樹形図の右→左と左→右の理解差.「西欧文明の場合は、左から右に向かって読むのが普通であり、ダイアグラムもこの枠組みにそって理解される」— ということは文化的な変異があり得るのか? 元論文:Laura R. Novick, Andrew T. Stull and Kefyn M. Catley 2012. Reading Phylogenetic Trees: The Effects of Tree Orientation and Text Processing on Comprehension. BioScience, 62 (8): 757-764. doi: 10.1525/bio.2012.62.8.8 html | pdf.さらにつながる:Jonathan Dees, Jennifer L. Momsen, Jarad Niem, and Lisa Montplaisir 2014. Student Interpretations of Phylogenetic Trees in an Introductory Biology Course. CBE Life Sciences Education, 13(4): 666-676 doi: 10.1187/cbe.14-01-0003 html | pdf.これら系統樹(分岐図)の可視化と可読性に関わる認知心理学的研究は末広がりにたどれそうな気配が濃厚.

◆午後4時半つくば帰還.冷たい雨が降り続いている.今日の都内の最高気温は正午過ぎの14.0度どまりだった.今宵は〈照宝〉の蒸籠で〈清風楼〉のシュウマイを蒸し上げる.フランスのテロについてはまずは Le Monde を見ろって.

◆本日の総歩数=10326歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.0kg(+0.4kg)/ 28.1%(0.0%)


13 november 2015(金)※初冬の青空に落葉舞う

◆午前5時半のろのろ起床.気温8.3度.横浜中華街から持ち帰った新品の蒸籠,今朝の厨房での初のお仕事は551蓬莱の豚まんを蒸し上げること.何でもかんでも蒸しまっせ.明け方の雲は消え,今は青空が広がる観音台.街路のフウノキはほとんど散り果てて,落ち葉の山がそこかしこにできている.牧園の〈david pain〉にてカヌレや栗のデニッシュをゲット.二日ぶりに居室に入ったが,寒くなったせいか┣┣" 放牧場は閑散としている.気温11.2度.

◆[欹耳袋]ぬかよろこび通信「猫よけペットボトルの起源」(2015年11月10日)※ニュージーランドが発祥地とは知らなかった.その文化伝承経路やいかに.昨日,横浜中華街の横丁で,煉瓦塀のように水入りペットボトルを積み上げた一角があったが,はたして効き目があるのだろうか.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来春の法人組織改革をめぐる内部組織案の全所説明会が来週火曜にあるとのアナウンス./日経サイエンス2016年1月号の書評二校ゲラ返信./午後の統計研修質疑タイムに向けて,受け取った質問票を読みましょう.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後1時前,電農館着.統計研修最終日の質疑タイムは午後1時から竹澤邦夫さんと三輪哲久さんとワタクシの3人を質問回答者として始まった.例年になく多くの質問が集まり,質疑が終わったのは午後2時半を過ぎていた.基礎編受講者のみなさん,どうもお疲れさまでした.これにて数理統計研修(基礎編)は終了し,来週月曜からは応用編が始まる.

◆[欹耳袋]図書分類と図書系統 —— 昨日の図書館総合展〈分類フォーラム〉でのワタクシの高座は,すでに Ustream で録画が公開されている:第17回図書館総合展チャンネルE — 分類フォーラム[第一部]三中信宏「ヒトはつい、分類してしまう生き物だった」→ Ustream.録画では 5:30 あたりから第一部が始まり,質疑を含めて100分という長丁場だった.

この〈分類フォーラム〉では分類と系統に関するいつものお話が中心だったのだが,図書を対象とする分類と系統についても触れたので,ワタクシの見解を以下にまとめておく:

  • 図書をオブジェクトとする「分類」は修辞学的には「メタファー(隠喩)」によるクラスタリング(グルーピング)である.メタファーによる「図書分類」は,オブジェクト間の類似度の定義(分類基準)さえ明示されているかぎり,整理と検索に有効である.
  • 一方,図書をオブジェクトとする「系統」は「メトニミー(換喩)」であり,棚に並べられた有限個の図書を “部分” としてその背後に仮定される “全体” へのつながりを見せようとする.この意味でメトニミーに基づく「図書系統」は図書配列者の意図・主張・主義に基づく体系化である.
  • 日本十進分類法(NDC)については本フォーラムの第二部で議論されることになっているが,そのような分類基準に基づくメタファー的「図書分類」はグローバルすなわちパブリックな基準としては有効だろう.一方,メトニミー的「図書系統」はその背景の意図・主張・主義が読み取れるローカルあるいはプライベートな範囲でのみ通用するだろう.
  • 海老名市立中央図書館のケースでいえば,CCCが導入した「ライフスタイル分類」はメトニミーに基づくひとつの図書系統である.それはローカルであるべき図書系統をグローバルに適用した点でまちがいであることはもちろん,図書配列者(この場合はCCC)側のプライベートな意図・主張・主義を “企業秘密” として隠蔽しつつパブリックに押し付けた点で二重の過ちを犯してしまった.
  • したがって,CCCが主張する「ライフスタイル分類」はメタファーに基づく図書分類を構築する方法論として使いものにならないだけでなく,メトニミーをふまえた図書系統としても機能不全であると言わざるをえない.
  • 結論として,CCCの「ライフスタイル分類」は図書分類と図書系統の根本的な差異を見逃した点で致命的であり,残念ながら改善の余地はないだろう.

海老名市立中央図書館をめぐる TRC vs. CCC の現在進行形の駆け引きを傍から眺めていて,今回のトークに絡ませることも最初は考えた.しかし,その論点で “炎上” されたのではワタクシの意図からは外れてしまうと考え,高座では社会問題化している「CCC問題」はあえて “封印” した.ところが,講演後の質疑討論の中でまさにその「CCC問題」がいきなり浮上してきたのは実にタイムリーな渡りに船だった.録画を見ればすぐわかるように,分類フォーラム会場での質疑の中では,上記のように CCCの「ライフスタイル分類」が二重の意味でまちがい犯している点,さらにそれに対する TRC の対応は正しかった点を指摘した.

海老名市立中央図書館の図書分類問題に関するワタクシの考えはTRC谷一文子会長の発言を踏まえている.その記事の中で,CCCの「ライフスタイル分類」について,谷一会長は「率直なところ、あの分類は図書館としてはノーだ」と明言しているからだ.したがって,あくまでも図書分類の「方法論」についてのTRC見解は「正しい」とワタクシは言ったわけで,海老名の件でTRCがなぜCCCとすっぱり縁を切らなかったのかなどなどの(おそらくは政治的な)点についてはまったく別次元の問題だと考えている.

そもそも,オブジェクト体系化を修辞学(メタファー/メトニミー)から考察するという視点は,四半世紀前に出版された:Patrick Tort『La raison classificatoire : quinze études』(1989年4月刊行,Éditions Aubier[Les complexes discursifs 2], Paris, ISBN:2-7007-1853-4 [pbk] → 目次)で初めて知った.その本に啓発されて,ワタクシの『分類思考の世界』の第4章「真なるものはつねに秘匿されている」では,分類=メタファーと系統=メトニミーを対置して論じた.つい最近も,読書猿Classic: between / beyond readers「検索と〈探しもの〉の力を拡張する、レトリックが教える3つの考え方ー図書館となら、できること」(2015年10月3日)という記事を読んだ.修辞学的視点はこのような分類の論議にとって効果的なのだろう.

—— 「図書をどのように体系化するか」という大きな問題は図書館情報学の「中」と「外」の両方向からアプローチできるにちがいない.

◆午後になって,雲がしだいに広がってきた.研修会場の中は20度を超えていたようだが,外の最高気温は15.4度どまりだった.いったん農環研に戻り,夕暮れにさくっと撤収.明日は玉川大学の補講があるので,朝から臨時都内出撃である.

◆本日の総歩数=2853歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.6kg(−0.2kg)/ 28.1%(−0.6%)


12 november 2015(木)※連日のパシフィコ横浜

◆午前5時前起床.気温11.1度.今朝もたいして冷え込まなかったので,米とぎがラク.ワタクシは今日もまたパシフィコ横浜に行かねばならぬ.

◆[欹耳袋]図書館総合展にて小耳に挟んだ情報によれば,Alex Mesoudi の訳本が来月出版予定だそうな.そういえば Alan de Queiroz の分子系統地理学本の翻訳もどこかの出版社が版権ゲットしているはずだが./カレントアウェアネス・ポータル「E1733 - 「学術情報のあり方:人社系の研究評価を中心に」<報告>」(2015年11月12日)※あらま,こんなところにもご登場とはまこと神出鬼没なり.

◆ヨコハマふたたび —— 午前9時過ぎ,つくば駅.遅延なくヨコハマ入り.まずはみなとみらい線で横浜中華街へ.平日というのに巨大肉まんが積み上がっていた.大通りに面した中華調理器具〈照宝〉にて新品の蒸籠を奮発して大人買い.以前使っていた同じ〈照宝〉の古い蒸籠はかれこれ30年ものだったので,さすがに方々のタガがゆるみまくっていた(修理して使っても20年が寿命と店で聞いた).新品の蒸籠は檜造りの上等品.枠の厚みと曲げ方も重厚この上なし.焦げないようにステンレス製の蒸籠台もあわせて購入.これで何でもかんでも蒸しまくれる.

◆横浜中華街を一巡したのち,パシフィコ横浜の〈図書館総合展〉会場へ.とてもよい天気である ——

◆午後3時過ぎ,パシフィコ横浜でのお座敷をすませ,東横線特急で渋谷に向かう.午後4時,駒場キャンパスへ.

  • #TodaiStat 今日は一般化線形モデル(GLM)について説明します. posted at 16:38:36
  • #TodaiStat 本日の前半は一般化線形モデルについて,後半は多変量確率分布の話をしました. posted at 18:29:39
  • #TodaiStat みなさんが斎藤正彦『線形代数入門』をいまも教科書として使い続けているにある種の感慨を覚えます.あの本は未成年にとっては難しすぎるなあ. posted at 18:31:59

◆午後9時,つくば帰還.今日もあちこち駆けまわった一日だった.明日は観音台に実在する.午後イチで,統計研修最後の質疑タイムをオーガナイズするというお仕事あり.質問票がいくつか届いているが,まだぜんぜん見ていない.

◆本日の総歩数=14148歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.8kg(−0.2kg)/ 28.7%(−0.2%)


11 november 2015(水)※観音台からヨコハマへ

◆午前5度過ぎ起床.米とぎ.気温11.8度.雨雲はやっと通り抜けたようだ.今日は朝イチで統計研修の高座がある.

◆[欹耳袋]日本の科学を考えるガチ議論「「若手にテニュアポストを」と国が宣言?」(2015年11月10日)

  • #統計研修 会場なう.まだ誰も来てません(orz).外はひさしぶりの朝日がさんさんと.今朝の最低気温は10.6度まで下がったが, “発熱体” が集結する白熱教室になると予想して半袖出勤. posted at 08:18:00
  • #統計研修 はい,今日の朝イチは「R実習I」ということで,R/Rcmdr/RStudio の操作ガイダンスとともに,昨日の実験計画法の続きを説明します. posted at 08:19:08
  • #統計研修 Win 8.1 が講義中の強権的「更新の祭典」に突入しないように,今から起動している. posted at 08:21:13
  • #統計研修 今日の「R実習I」では,昨日の実験計画法の演習も含めてRコマンダーを主に利用します. posted at 08:46:51
  • #統計研修 みなさんのR と Rコマンダーのごきげんはいかがでしょうか? posted at 08:54:28
  • #統計研修 ではそろそろ開始します. posted at 08:59:33
  • #統計研修 R演習Iだん. posted at 12:15:08
  • #統計研修 微小なフシアワセが現れては消えた午前中. posted at 13:18:58
  • #統計研修 午前の「R実習I」では,R / Rcmdr の操作方法の概論から始まり,昨日の完全無作為化法のRでの計算手順,そして乱塊法(一要因,二要因)の解説と実習,さらに多重比較も説明しました.RMarkdown が必ずしもうまく動かなかったのは残念. posted at 13:28:59
  • #統計研修 講義に関するご質問などは最終日の質疑の時間にお答えします. posted at 13:29:43
  • #統計研修 必要なパッケージが「見つからない」というエラーも “ホワイトノイズ” のように頻発する.ネット経由でダウンロードしたにもかかわらず,エラーになるケースも少なくない.その都度,オンラインあるいはオフラインで当該パッケージを入れなおすしかない. posted at 13:34:19
  • #統計研修 管理者権限にまつわる “ご不幸” についてはどうしようもないところはある.拡張子表示設定の変更方法が Windows のバージョンによってまちまちなのは,もう「マイ黒ソフト,死ね死ね死んでしまえ」と呪い続けるしかない. posted at 13:36:46
  • #統計研修 研修生のみなさんは最終日まで生き延びることが先決です. posted at 13:37:21

◆ヨコハマへ —— ひさしぶりに日差しが降り注ぐ昼下り,いったん帰宅して午後1時にヨコハマへ向けて再出撃.午後3時過ぎに到着.昨日から始まっている〈図書館総合展〉が開催されているパシフィコ横浜の展示場へ.ここに来るのはいったい何年ぶりのことだろう.案の定,巨大な展示ホールのなかで迷子になってしまって,人並みをかきわけ右往左往.目印はARGのブース.今日のヨコハマお座敷は,〈本屋B&B〉ブースでの対談:三中信宏 ×山本貴光〈本を読むときに系統樹で考える、可視化することばとビジュアル〉11月11日(水)16:00〜17:00.あっという間に時間が過ぎてしまった.クロストークが終わって展示場の外に出たら,巨大な光輪が回っていた.

◆[欹耳袋]学会誌での書評の書き方 —— Alexander D. Lee et al. 2010. How to Write a Scholarly Book Review for Publication in a Peer-Reviewed Journal: A Review of the Literature. The Journal of Chiropractic Education, 24(1): 57–69. html | pdf

◆図書館総合展でのお仕事が終わった夜は横浜中華街〈清風楼〉へ.どんぶりに盛られた定番の「やきめし(並)」.ついでにスープ代わりの「わんたん」.あとは名物のシュウマイもデザートに.これくらいなら難なく完食.しかし,帰路はもうたいへんだった.川崎駅あたりで線路内人立ち入りとのことで,東海道線は上下とも運転見合せが1時間.午後6時過ぎに横浜チャイナタウンを出たのに,帰路に4時間近くもかかって,つくばに帰り着いたのは午後10時前.

◆今夜は気温は8度台まで下がっている.明朝はかなり冷え込みそう.またまたパシフィコ横浜へ日参する.

◆本日の総歩数=12430歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 94.0kg(−0.2kg)/ 28.9%(0.0%)


10 november 2015(火)※つくバスで電農館出勤

◆午前5時過ぎ起床.気温16.8度.雨がぽつぽつ落ちる音がする夜明け前の闇.今朝はつくバスで農林団地中央へ.乗り捨てた車を拾って農環研なう.小雨が降り続く観音台.午前8時の気温は16.0度.昨日は蒸し暑い一日だったが,今日もぐずついた空模様との予報.朝イチの BGM はグスタフ・レオンハルト/ラ・プティット・バンドのバッハ〈ミサ曲・ロ短調〉.

◆[欹耳袋]図書館総合展 —— パシフィコ横浜に出向くのはずいぶんひさしぶりのことなので,会場で迷わないようにしないと./第15回日本分類学会連合公開シンポジウム〈東南アジアにおける生物多様性研究最前線〜現在、そして未来〜〉【日時】2016年1月9日(土)13:15~17:30【会場】国立科学博物館上野本館2階講堂.詳細は後日アナウンスされるだろう.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来月から年明けにかけて連続する統計巡業の “演し物” と配布資料のチェック.┣┣" をまとめて成敗したような爽快感.

◆[欹耳袋]統計学のリクツを理解するのに数学が必要であることはもちろんだし,その覚悟がある学習者は微積分や線形代数の知識体系を身につける修行をどこかですませておかないといけないにちがいない.ただし,ワタクシが日々相手にするのは,必ずしもその「覚悟」ができていない聴衆でして.Ian M. Lyons and Sian L. Beilock 2012. When Math Hurts: Math Anxiety Predicts Pain Network Activation in Anticipation of Doing Math. PLOS ONE Published: October 31, 2012 DOI: 10.1371/journal.pone.0048076 という論文が数年前に出た(html | pdf).日本語解説記事:CNN「数学が苦痛――苦手だと本当に「痛み」感じる 米で実験」(2012年11月5日)※これが事実だとしたら,受講生に数学や数式を強要することは文字通りの「虐待」になってしまう.覚悟のできていない相手に「統計学」を教えることが多いワタクシとしては,たとえ簡単な数学や数式だったとしたも,それが「ある」だけで「苦痛」と感じる人がいることを念頭に置く必要がある.しかし,教える側の数学リテラシーが高いとそれをつい見落としてしまう.「受講生はこれくらいの数学はわかっているにちがいない」という教える側の暗黙の仮定は,たいていの場合,裏切られるためにのみ存在している.学部生であれ,院生であれ,職業的研究者であれ,ほとんどいつもそれはあてはまる.ではどうするのか?— という問題意識が,ワタクシの統計高座の出発点だったりする.

◆統計研修の午後のお座敷 ——

  • #統計研修 講義室なう. posted at 12:47:18
  • #統計研修 実験計画法だん. posted at 16:57:59
  • #統計研修 Rまわりのフシアワセがなかなか根絶できない.ネットに繋がっていない研修環境が不幸に輪をかけている.こればっかりはしかたがないので,根気よく個別対応を続けるしかない. posted at 18:20:25

◆実習付きの統計巡業をするときの注意点がいくつかある:

  1. 「実習用パソコンは統一すること」— 教室内にさまざまなOS(Win / Mac / Linux)が混在していると,さまざまなかたちのフシアワセが生まれいづるし,その個別対応には時間がかかってしまう.
  2. 実習に使用するソフトウェアは必ず “事前に” インストールを完了し,正常に起動するかどうかを確認しておく.講義が始まってから「実は動かなくて……」という告白がここのところたいへん多くなってきた.ひょっとしてPCスキルの平均値が落ちているせいかも.
  3. 可能ならば「TA」の役回りを分担してくれる受講生がいると,PC実習中に発生するフシアワセのひとつひとつを手分けしてもらえるので,たいへん助かる.
  4. 巡業先によっては,インターネット接続への “恐怖心” が異様に高いところがあって,事実上の「ネット鎖国」並みの障壁を設けているケースが増えてきた.最近ではオフラインを念頭に置いて,必要なものはUSBメモリーで配布しているが,これもそろそろヤバいかも.
  5. 公的にいくら鎖国しても,私的に開かれていれば実質的には何も問題がないので,そういう道があることを示していくしかないのがアホらしいかぎりだ.

◆明日は観音台から横浜へ日帰りするので,いちだんと忙しい.

◆本日の総歩数=3960歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.2kg(−0.3kg)/ 28.9%(+0.1%)


9 november 2015(月)※数理統計研修スタート

◆午前5時前起床.気温14.3度.今は雨は降っていないようだ.曇りときどき小雨が降る観音台は晩秋がいちだんと深まっている.木々の葉は樹上よりも地面の方が多くなってきた.午前8時の気温は15.2度.日中は20度を超えるそうなので, 統計研修 のお仕事もあり,半袖出勤とあいなった.

◆[欹耳袋]NHKクローズアップ現代「日本酒ルネサンス 知って広がる新たな楽しみ」2015年11月9日(月)19:30〜放送予定.※数理統計研修懇親会とバッティング(orz).

◆朝イチの┣┣" 撃ち —— ダニエル・E・リーバーマン[塩原通緒訳]『人体六〇〇万年史:科学が明かす進化・健康・疾病[上・下]』(2015年9月25日刊行,早川書房,東京, 332 / 349 pp., ISBN:978-4-15-209565-7 / 978-4-15-209566-4)の書評原稿ゲラが届いたので,ざっとチェックしてさくっと返送.この件はおしまい./毎回の講義時間が「90分」から「105分」に変わったせいで,すでに “身体化” されている講義内容の “継ぎ目” がズレてしまって,ときどき中途半端だったり,時間不足になってしまう.あと,途中休憩は教員・受講生の双方にとって必須./午前9時半.では,そろそろ電農館へ出撃しよう.

  • #統計研修 電農館VCホールなう. posted at 09:57:17
  • #統計研修 みなさん,おはようございます. posted at 09:58:49
  • #統計研修 無線Wi-FiルーターはVCホール室内でもちゃんとつながりますので,ご持参の受講生諸氏は適宜つないで垂れ流してください. posted at 10:02:07
  • #統計研修 ← これが本研修のハッシュタグなので,質問などありましたらいつでもどーぞ. posted at 10:02:49
  • #統計研修 今年は70名を越える基礎編の受講者を集めたので大きなホールがぎっしりオイルサーディン缶のごとし. posted at 10:07:19
  • #統計研修 午前の統計学概論だん.さまざまなかたちのフシアワセが発生した. posted at 12:09:30

◆午後1時前,曇り空の農林団地を駆け抜けて農環研へ帰還.気温は20.5度まで上がり,体感的にやや蒸し暑い.酒屋に初しぼりが林立しているのは旬の風景.統計研修はもう午後の部に突入しているはず(息絶えないように).夕方の懇親会でおおいに蘇生しましょう.

  • #統計研修 今回の研修会場である電農館VCホールは,天上が高く,昨年までのプレゼンテーション室に比べれば圧迫感は緩和されています.ただし,今年の基礎編は70名余りいるので,フロアは通りぬけもたいへんなほどみっしり人が詰め込まれています.室温はあっという間に夏日ライン超え. posted at 14:30:43
  • #統計研修 陳列する統計本たちの用意なう.十数冊は持ち込めるかな. posted at 14:31:51

◆午後の┣┣" 撃ち —— 科研費申請の分担承諾書を全員分提出./成績検討会の提出資料様式が届いた.年の瀬である.

  • #統計研修 今回の研修会場である電農館VCホールは,天上が高く,昨年までのプレゼンテーション室に比べれば圧迫感は緩和されています.ただし,今年の基礎編は70名余りいるので,フロアは通りぬけもたいへんなほどみっしり人が詰め込まれています.室温はあっという間に夏日ライン超え. posted at 14:30:43
  • #統計研修 陳列する統計本たちの用意なう.十数冊は持ち込めるかな. posted at 14:31:51
  • #統計研修 電農館アゲイン. posted at 15:58:47
  • #統計研修 研修会場が静まり返っているなう.死亡率やいかに. posted at 15:59:59
  • #統計研修 統計本の展示だん. posted at 16:00:44
  • #統計研修 Rお助け作業数件だん.これでフシアワセな受講生はすべていなくなった. posted at 16:36:36

◆午後5時前,ふたたび農環研へ.今日は最後の農環研収穫祭があるのだが,ワタクシは筑波事務所食堂での統計研修懇親会に出ることになっている.新酒の祭典なり.会津坂下の〈天明〉の新酒は瑞穂黄金の純米おりがらみ本生「中取り零号」は予想通りの甘口.もう一本の栃木県は小山の〈鳳凰美田〉の新酒は五百万石の初しぼり純米吟醸生は特有の吟醸香が漂う.

◆午後8時過ぎ,つくバスにて帰宅.雨はもう止んでいる.冷え込みはまったくない.明日はひさしぶりのつくバス出勤.

◆本日の総歩数=8196歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 94.5kg(+0.8kg)/ 28.8%(+0.4%)


8 november 2015(日)※本降りの雨が降る立冬

◆午前5時過ぎ起床.曇り.立冬ですかそうですか.気温は12.7度と冷え込みゆるし.夜明け前の厨房にて米とぎとポトフの仕込み.

◆[欹耳袋]東京新聞「政府、47機関移転を優先検討 道府県要望の7割」(2015年11月8日)※「47機関の内訳」→「観光庁や文化庁など7」「森林技術総合研修所や環境調査研修所など11」「産業技術総合研究所や理化学研究所など29」.

◆予報通り雨が降りだしたつくばはしっとりひんやりしている.午前8時の気温は13.2度.

◆[欹耳袋]大学まわりの話題は尽きない —— dot.ドット「安倍政権“横暴改革”で大学崩壊 人件費削減、研究者は非正規雇用に 〈週刊朝日〉」(2015年11月6日)※「現在国が進めている大学改革では、機能どころか組織の縮小段階に入っています」(豊田長康).“つぼやき本” が刊行されるとのこと./朝日新聞デジタル「(異論のススメ)大学改革 短期的な成果主義は無用 佐伯啓思」(2015年11月6日)./全国大学院生協議会「<速報>2015年度大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査報告書概要版が完成しました。」(2015年11月1日)※「今年は過去最高となる、118国公私立大学・1051人からの回答を頂きました」

◆[蒐書日誌]エルンスト・ヘッケル家系図 —— Ernst-Ekkehard Kornmilch『Die Ahnen Ernst Haeckels: Darstellung der wichtigsten Personen und Familien, einer Ahnenliste bis zur XV. Generation und einer Nachkommenliste』(2009年刊行,VWB[Ernst-Haeckelhaus-Studien: Band 12], Berlin, xii+146 pp. with 24 plates, ISBN:978-3-86135-492-5 [pbk] → 目次版元ページ)※Ernst Haeckel の家系をなんと14世紀までさかのぼってたどった労作.Olaf Breidbach の序言(p. v)によると,ナチスドイツ時代に出版された:Heinz Brücher『Ernst Haeckels Bluts= und Geistes=Erbe : Eine Kulturbiologische Monographie』(1936年刊行,J. F. Lehmann, München, vi+188 pp. with two tables → 目次情報1情報2情報3)以降,Haeckel の家系についてはほとんど調査が進まなかったとのこと.祖先だけではなく子孫のリストも付けられている.

◆[欹耳袋]今朝の朝日新聞広告に,「統計学的形態論」を副題とするアノ本が,フリー・プレスではなく,出版科学総合研究所から復刊されていることを知った.著者名を隠すという念の入れよう.初版が出て20年が経過した現在でも “潜在需要” がどこかにあるのだろうか./Lifehacking.jp「まさに論文工場。アウトラインプロセッサとエディタを融合したManuscripts」(2015年11月6日)/BBCニュース「ハイテク日本は実はローテク? まだファックスやカセットテープが」(2015年11月6日)※「容赦ないほど保守的で、コンピューターを外の世界とつなげることを嫌う」「新たなソフトのインストールは禁止する」.

◆冷たい雨が降り続く日曜日.午後になっても気温は15度台のまま.夕闇の観音台は冷たい雨に濡れている.午後4時の気温は14.9度.明日からの統計研修の準備のため農環研にこっそり潜入.明日からの統計研修で使うUSBメモリーの用意をしないと.遠方からの統計研修参加者は,すでに雨降るつくばにたどり着いて,宿泊施設にチェックインしているのだろうか.

◆[欹耳袋]AFPBB News「クラゲは引く力で前進、進化の前提覆す?米研究」(2015年11月4日)※「今回の研究成果は、エネルギー効率が従来よりはるかに高い潜水艦の設計に役立つことが期待される」— 軍事研究だったのか! 元論文(doi:10.1038/ncomms9790)には「the mechanistic basis for bio-inspired and biomimetic engineered vehicles」とオブラートにくるんだ表現になっている.

◆今日は終日雨が降り続き,夜になっても湿ってひんやりしている.今宵は豚肉とソーセージのポトフがメイン.昨日から仕込んだポトフの食材は,生活クラブの豚ロース肉塊・じゃがいも・にんじん・玉ねぎ・大根・キャベツが主役.最後にフランクフルトを投入してできあがり.最初の作業は圧力鍋を利用して短時間に仕込み,その後は深鍋でちょろちょろ火.

おともの “お水” は栃木の〈鳳凰美田〉26BY「Wine Cell」を開栓.ワイン酵母で醸した純米吟醸酒は芳しい.〈鳳凰美田〉はときどきとんがった銘柄を出してくれる.まちがいなく日本酒ではあるのだが,気分的には白ワイン.

◆夜になっても雨が降り続いている.明日からの2週間は,電農館での数理統計研修(基礎編・応用編)があるので,観音台には実在しても,農環研に実在するかどうかは確率的にしか決まらない.

◆本日の総歩数=2406歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(0.0kg)/ 28.4%(−0.4%)


7 november 2015(土)※雲が多めの週末お休み

◆午前5時過ぎ起床.気温12.0度の夜明け前.午前11時の気温は18.4度.北東風に吹かれて何体ものロボットが徘徊する大清水公園.晩秋の空をロケットが突き刺していた.雲がだんだん広がってきた.今日は静かに過ごす.

◆[欹耳袋]「日本の科学を考えるガチ議論」2題 —— 「研究は、結局、最後は人である」(2015年11月5日)※「問題はキャリアパスが崩壊していることではないか」「最後は人です。人に投資すべきなのに、それを減らして消耗品を買わせているのが現状」./「日本の科学の三つの問題点:成果と連動しない任期制、ハイリスク投資の欠如、副業禁止」(2015年11月6日)※「研究員の副業をもっと自由に」というのは正論.

◆午後になって本格的な曇り空.午後2時の気温は17.4度.やや湿った北風に土浦学園線沿いの銀杏の黄葉が吹き散らされている.

◆[欹耳袋]政府関係機関の地方移転がらみ —— 情報がひとつまたひとつと集まり始めた:

元締めであるまち・ひと・しごと創生本部を見ると,昨日開催された委員会の資料が新たにいくつか公開されていた:

  • まち・ひと・しごと創生本部>政府関係機関移転に関する有識者会議>第2回平成27年11月6日議事次第・資料
    1. 資料4には「更なる精査を要する提案に該当しないものの考え方」には「以下に該当する提案は、今後の精査を進めない」の筆頭に「東京圏外の機関(つくばの研究機関を含む)に係る移転の提案であり、移転による機能の向上・デメリット極小化が明らかに見込まれないもの」とある.
    2. 資料5には「研究機関の移転について」を見ると,国研等研究機関の地方移転について,本部はそうとう高いハードルを設定しているようだ.

そんなこんなで,地方から地方に移転させられてはたまらん,と茨城県知事もねじ込んでいるわけでして:

◆夕暮れ時の甘酸っぱい亜麻猫ちゃん.別誂中取りはこれにて空っぽ.さて,次の “お水” はどうしようかな.

◆[欹耳袋]Colorless Green Ideas「統計を勉強する前に数学に悩まされる人のための一冊」(2015年11月7日)※新刊:永野裕之『統計学のための数学教室』(2015年9月刊行,ダイヤモンド社,東京, ISBN:978-4-478-02824-7 → 版元ページ)の紹介.

◆[蒐書日誌]『現代思想・2015年11月号[43巻17号]』(2015年11月1日発行,青土社,東京,本体価格1,300円, ISBN:978-4-7917-1308-0 → 版元ページ)※特集〈大学の終焉 — 人文学の消滅〉.今日になってやっと入手.『現代思想』はフォントが小さくなるほどおもしろい(そこかっ)./ピーター・メンデルサンド[細谷由依子訳|山本貴光解説]『本を読むときに何が起きているのか:ことばとビジュアルの間、目と頭の間』(2015年6月30日刊行,フィルムアート,東京,xviii+430 pp., ISBN:978-4-8459-1452-4 → 版元ページ)※速攻で読了というか視了.これで “予習” はバッチリだ.

◆本日の総歩数=7248歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(+0.1kg)/ 28.8%(−0.7%)


6 november 2015(金)※木の葉舞い散る観音台

◆午前5時前起床.気温9.2度.これから米とぎ.早くも忘年会のお声がかかり始める季節になった.早朝は霧がかかっていたが,今はすっきり晩秋の青空が広がっている.午前8時の気温は11.1度.たいした冷え込みはなかった.朝イチの BGM はトン・コープマンによる〈フーガの技法〉.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 朝,所内のトイレに行こうとすると,たとえ時間をずらしても必ずトイレ掃除タイムとバッティングしてしまう現象に名前を付けたい./「ごめんなさい,〜時までには書き上げます」とメールしてしまったので,書くん〜♫•*¨*•.¸¸♪/わぉ,瞬間停電.しかし,中にいても実は外にいるワタクシには何の影響もない./お約束の書評原稿1600字弱を編集部にメール送信.締切2分前の本塁滑り込みセーフ.こんな binge writing をしてはならぬ.

◆日差しがまぶしいお昼休み.正午の気温は20.2度と昨日と同じく暖かい.ショートコース徘徊だん.歩き読み本:鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』(2015年9月,京都大学学術出版会).すでに読了しているが,第I部を再読.午後書評を書く.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 臨時所議報告14:00〜14:30.配布資料は即シュレッダー送り./「分担承諾書,すぐ送ってね♥」とメールしたら「送りました」と折り返し返事が.すばらしい以心伝心./来年の分類学会連合の総会・シンポジウムの件でメールあれやこれや.

◆[蒐書日誌]学術書は “三回り外” まで目を向けよ —— 鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』(2015年9月25日刊行,京都大学学術出版会,京都, vi+155 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-87698-884-6 → 目次版元ページ).

本書は,専門的な「学術書」を出版する側から見たときのさまざまな問題点とその解決策について,具体的な事例を挙げながら論じている.出版企画が立ち上がってからの内容構成のポリッシュアップそして原稿執筆(第II部「書いてみる」),続いて実際に原稿がそろったあとの印刷所への入稿以後の工程への配慮,さらには見出しと索引の作成法にいたるまで(第III部「刊行する」),執筆する側には必ずしも見えていなかったことが本書には書かれている.しかし,ワタクシ的には,第II部と第III部に先立つ序章と第I部「考える」がとても考えさせる内容だったので,以下ではこの部分に焦点を絞ることにする.

冒頭の序章「Publish or Perish から Publish and Perish の時代へ ― なぜ,学術書の書き方を身につけるのか」(pp. 2-14)では,そもそも学術書を出版することにどのような意義があるのかを問いかける.ひとつの側面は科学コミュニティーのなかでの専門書の位置づけの変化である.20世紀末の科学における成果主義と競争原理のもとでは,研究活動のアウトプットとして専門的な出版物を出し続けなければ生き残れない(「Publish or Perish」)傾向がますます強まっている.序章では,その反映が学術出版の世界的傾向として現れていると指摘とされる.すなわち,出版物の売上額が全体として低下する中で,大学出版部の数は逆に増えているという事実は,研究成果としての学術書をたとえ出版したとしても読まれない(「Publish and Perish」)状況へと事態はさらに変わりつつあると著者は言う.

このような学術書をとりまく厳しい状況をふまえて,著者は次のように宣言する:

それでも研究者として評価されるためには,「Publish」の営みを続けなければならない.とすれば,「Publish」そのもののあり方を根本から見なおして,真に意味のある出版をしようではないか.学術書の書き方を考えることは,そのために大いに役に立つ,というのが本書の提案です.(p. 11)

続く第I部の第1章「知識か「情報」か ― 電子化時代の「読者」と知のあり方」(pp. 17-31)では,電子出版が広く普及した今の時代に,専門的な学術書を一般読者へどのようにアピールすればいいのかという問題を提起される.つまり,見えなくなってしまった読者をいかにして連れ戻せるのか.これは本書全体を貫く問題である.紙の出版物から電子出版物への移行は1990年代に入って急激に進む.その一方で,学術ジャーナルの電子化とともに,出力される論文の内容がどんどん狭隘化してきた(p. 25).著者は,この狭隘化は,学術「出版」が学術「情報」とみなされる背景と関係していたと指摘する(p. 28).確かに,学術書よりも雑誌論文が重視されてきた自然科学では,学術「情報」と言われてもあまり違和感はない:

しかし問題は,こうした考え方が,一つの体系としての歴史の中で組み上げられてきた「知識」を,単に個別に切り分けられたものとして見なしてしまうような雰囲気を醸し出したことではないか.(p. 29)

学術「知識」がひとつの体系(システム)であるならば,それを細分化した「情報」の破片との差異は明白だ.ワタクシが知っている範囲でも,最近の学術書の電子本のなかには,たとえ単著であっても,章ごとに「切り売り」されていることが少なくない.本全部ではなくどこかの章だけ買う人っているんだろうか.論文集だったらわかるけど,単一著者本の「部分買い」をする購入者の動機とその “読み方” がとても気になっている.

次の第2章「知の越境と身体化 ― 学術書の今日的役割と要件」(pp. 33-45)では,学術的な「知識」の体系としての学術書の意義について考察を深める.そもそも,断片ではないひとまとまりの体系としての「知識」はなぜ必要とされるのだろうか:

以上のような「狭隘化」の問題は,学部—大学院の接続だけでなく,高校から学部へ,あるいは大学(大学院)から実業界へという,進学・進路のあらゆる場で共通しているように思えます.大学院重点化等の制度的問題に加え,前章で指摘したように,必要な「情報」を必要なときに逐次的な参照すればよいという風潮が教育の場に広がったこと,あるいは「専門外の専門を学ぶ」重要性すなわち「教養」あるいはリベラル・アーツ重視の作法が失われたことが,こうした深刻な社会的状況を招いたのではないか,と筆者は考えているのです.(pp. 37-38)

このように,学術知の体系を習得する上で学術書にはまだ存在意義があると著者は言う.では,この目標を掲げた学術書はどのように書かれるべきか — 著者は「二回り外,三回り外の専門家に向けた本」(p. 13)という巧みなモットーを提示する.視界から見えなくなってしまった読者を取り戻し,さらには偶然手にとった読者をも引き込むような学術書 — 著者はそのような本造りをするための大技小技を,以下の第II部と第III部で開示していくことになる.

著者が勤務する京都大学学術出版会が出す「学術書」はいかにも「大学出版会の本」のイメージ通りの造本で店頭に並ぶ.しかし,「紙の本」の出版体裁は内容とはほとんど無関係といえる..とくに,近年多くの出版社が参入し,その結果 “変異” がとても大きくなった「新書」のスタイルだと,アタリハズレも少なくないし,不注意に手にすると “噛まれる” ことがある.たとえば,ワタクシが講談社現代新書から出した『系統樹思考の世界』と『分類思考の世界』の2冊の “書評頻度分布” を見ると,「新書なのに難しすぎる」という感想が意外に多い.

「新書だからきっと読みやすいだろう」という先入観は期待値としては当たっているかもしれないが,内容的な “分散” も無視できないほど大きい.講談社の担当編集者はかつて「コンテンツをたまたま “新書” というフォーマットに詰め込むだけです」と言っていた.だから,ワタクシの書いた現代新書2冊は「新書」という仮面をつけた専門書だと考えた方がいいだろう.“流動食” のような新書ではけっしてない.原稿の分量だってどちらも400字詰にして400枚以上書いたので,ハードカバー本で出せたかもしれない,しかし,ああいう晦渋な内容で(おいっ)専門書ジャンルとして出したら,印刷部数は大幅に少なく(重版も危ういだろう),価格はきっと数倍になり,必然的に読者は数分の一に減ったはず.新書,ありがとう(そこかっ).

内容的には学術書であっても,体裁的には新書で出すという出版戦略はきっとありえるだろう.ただし,担当編集者による “査読” はものすごくきびしくなる.提出した原稿のリジェクトや major revision,素行が悪いと “独房” 監禁さえある(複数の大手出版社の体験).新書だからといって好き放題書けると思ったら大間違い.編集者と校閲部のレフリーには脂汗が出た.

多くの潜在読者層にアピールするには努力に努力を重ねるしかない.それは学術書も新書も同じ.本書『学術書を書く』からは,学術書をつくる側の心意気が強く伝わってきた.それにしっかり応えるのは書き手の側にかかっている.

—— 以上の書評は本録にて公開した.

◆午後5時前,夕焼けグラデーション.そろそろ観音台から撤収だ.長居は無用.

◆本日の総歩数=8766歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.6kg(−0.7kg)/ 29.5%(+1.0%)


5 november 2015(木)※二週間ぶりの都内出撃

◆午前5時過ぎ起床.気温6.2度.午前7時過ぎ,つくば駅.青空.定例都内出撃の朝は晩秋の冷気に包まれている.午前9時前,新宿駅.都内も青空.さて,乗り換え.今朝はめずらしくダイヤ遅延なし.

◆[欹耳袋]カレントアウェアネス・ポータル「5年で60%のURLが消滅:国立国会図書館、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)で収集した国の機関のウェブサイトのURLの残存率の調査結果を発表」(2015年11月4日) /読売新聞「イカはどっちが上で議論?学術的にはゲソ」(2015年11月5日)※「シンポを機に一般の論議も深まりそうだ」— それはイカがなものか.

◆午前9時半,玉川大学着.秋の深まりを感じさせるパルテノン神殿の威容(なんのこっちゃ).講師室にてほっこりするも,秋色に染まる瀟洒な玉川大学キャンパスにも無粋な┣┣" がネットから闖入する憂き世.あ,講義中に「更新の祭典」が強制執行されないよう Win 8.1 を傍らで起動しておこう.今日は楽しい最節約法だ.

◆[蒐書日誌]ニューズウィーク日本版・印南敦史「SEALDs時代に「情けない思いでいっぱい」と語る全共闘元代表」(2015年11月2日)※書評されている山本義隆『私の1960年代』は買い物かごにずっと入れっぱなしなんだけど./松本博文『東大駒場寮物語』(2015年12月刊行予定, KADOKAWA)Cf: 松本博文「ある駒場寮生の話【連載にあたって】」(2015年11月3日).

◆午後1時前,玉川学園前駅.小田急は相模原駅での人身事故のためダイヤが大幅に乱れているとのこと.都内の気温は21度を超え,日差しがやや暑い.半袖にすべきだったか.経堂にて途中下車.駅前にてひっそりと珈琲充.書評原稿書き.

◆午後4時前,疲労が服を着て駒場キャンパスにたどり着く.

  • #TodaiStat 講義室なう.今日はモデル選択論の続き.実例中心に. posted at 16:48:10
  • #TodaiStat 講義だん.今日はモデル選択の実例(実験計画法の例と人為データ)を説明し,後半はルドルフ・カルナップの確証理論,カール・ポパーの反証理論,現代の data-as-evidence 派(エリオット・ソーバー,リチャード・ロイヤル)への影響について話しました. posted at 18:30:55

◆午後9時前に帰還.今日も朝から14時間の出撃だった.

◆本日の総歩数=11520歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.3kg(−0.1kg)/ 28.5%(−1.3%)


4 november 2015(水)※休み明けは初冬の風景

◆午前5時過ぎ起床.朝焼けグラデーション.今朝は冷え込んで気温6.5度.きりっと冷え込む秋晴れの観音台は,街路樹のフウノキから落ち葉が舞い散る季節になった.農林団地構内の木々も色とりどりに紅葉している.今朝の最低気温は6.2度,今は11度台に届きそうな上がり方.朝イチの BGM は J. S. Bach のオルガン曲から.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「センター後継テスト、国立大の68%「複数回は厳しい」」(2015年11月4日)※「問題の管理や答案の輸送、試験監督の配置も必要」「試験問題の作成委員の半分が国立大教員」「国立大には負担感が大きい」— そりゃムリでしょう./しんぶん赤旗「【主張】財務省の予算提案 — 国立大学交付金削減を許すな」(2015年11月2日)※「授業料40万円増の危険が」「財政支援の充実こそ必要」— いいこと言った.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来年3月の生態学会仙台大会で開催される予定の形態測定学小集会の演題をメール送信.今回はゲニタリアの形態測定学がテーマとのことですが,ワタクシは現代の形態測定学が統計科学の「可視化」の精神をどのように具現してきたかについて噺をするつもり./先週の分子系統ワークショップ関係者へのお礼メール送信.おそらく来年も開催されることになるだろうと聞いている./カケンヒ┣┣" は今日中に仕留める./統計コンサルティング業務一件./Parallels Desktop の Win 8.1 が「更新の祭典」の真っ最中なので,そのまま放置して,次っ./いま観音台では「申請書」やら「分担承諾書」やら「分担依頼書」やらが目まぐるしく飛び交っているにちがいない./届いた書類┣┣" どもは即座に放流せよ./さ,次っ./e-Rad 作業の「確定」まで,あと一時間を切った.

◆[欹耳袋]「サンプルサイズの決め方」についての疑問のほとんどすべては,永田靖『サンプルサイズの決め方』(2003年,朝倉書店 → 版元ページ)を見れば答えが見つかるだろう.R を使ってサンプルサイズ n を求めるときは,検定力(power)と効果量(delta)を与えて:

     power.t.test(n=NULL, power=0.95, delta=0.5, sd=1, 
                  sig.level=0.05, strict=TRUE)
と計算すればいい. Cf: 竹澤邦夫「69. 検出力の計算と例数設計」.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝です:宮岡絵美 @miyaokaemi 『境界の向こう』(2015年10月31日刊行,思潮社,東京,94 pp., ISBN:978-4-7837-3476-5 → 版元ページ)※いろいろな出版社から本をもらっているが,詩集の思潮社からは初めて.

かつて『生物系統学』を書いていたとき,鈴木理子『系統樹』(1988年10月10日刊行,国文社,東京, 111 pp.)という詩集の存在に気づいて,版元に連絡したとき,「これは詩集でして,生物学の本ではないですよ」と念押しされた記憶が蘇る.また,『系統樹思考の世界』では,結城千賀子『歌集 系統樹』(2001年6月11日刊行,角川書店[表現叢書・73],東京,235 pp., ISBN:4-04-871911-4)の短歌を引用したら,作者からじきじきに封書をいただいたことも思い出される.

  「そんざいについて」(pp. 84-86):

   それでもじゅうようなしんじつは
   かくされたままばんにんにそんざいする

   るいじしてそんざいするとどうじに
   われわれはあくまでもひとりひとりで
   そんざいする

◆お昼すぎ,カケンヒ┣┣" の┣┣" めを刺した.先日来の重要案件にケリがついたので,ちょっと徘徊した.コダーイ・ゾルタンのチェロ独奏曲は心がざわめく昼下りにふさわしい BGM.そして〈風の森〉の新酒が出る季節になった.

◆[欹耳袋]堀春彦「サンプル数とは何か?」(2005年以前)※「データの観察個数を示すとすれば、標本の大きさ(サンプル・サイズ)という用語を使わなければ間違いである旨指摘があった」— はい,要注意要注意.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 一山踏破したところで,向こう一ヶ月の┣┣" 撃ちカレンダーの更新./原稿┣┣" 新規一頭は,見苦しくあばれることもなく,一声上げて去っていった.すばらしくお行儀のいい┣┣" だった./原稿締切に間に合わなそうなときは,「遅れてすみません.◯◯までには何とか」とその場ですぐに(←ココ重要)メールすること.「ナシのつぶて」はダメ.それは禁じ手.原稿を三度督促して,まったくナシのつぶてだったら,すかさず「Three strikes, you are out」と言うと効果的かも.かく言うワタクシも「you are out」にならないうちに,ちゃちゃっと原稿を書くん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆冷凍庫を占拠しているご飯玉どもを一掃処分するため,今宵は「炒飯の祭典」が挙行された.手前はシラスと太ネギたっぷりの卵チャーハン,奥はゴロゴロ叉焼とレタスの炒飯.これはもうハートランド・ビール以外に “お水” の選択肢はない.

◆[欹耳袋]産経ニュース「京都聖母女学院短大が30年3月に閉学 来春入試で募集停止…定員割れで赤字続き 50年以上の歴史に幕」※京阪藤森駅近くのあのレトロな校舎がもったいない.学校法人聖母女学院 — ワタクシはここの幼稚園にかつて通っていたのだった.第一軍道から師団街道あたりをぶいぶいいわし?練兵場から稲荷大社まで駆けまわった日々.

◆明日は二週間ぶりの定例都内出撃日.

◆本日の総歩数=7290歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.4kg(0.0kg)/ 29.8%(+0.8%)


3 november 2015(火)※文化の日は文化的作業

◆午前6時半のろのろ起床.雨上がりの遠景は白くかすんでいる.気温12.6度.霧がどんどん濃くなって視界不良.しかし,文化の日はさすが晴れの特異日.朝日が昇るとともに早朝の濃霧は文字通り雲散霧消し,深い青色の晴天が広がってきた.昨日の本降りの雨のおかげで遠くまでくっきり見える.

◆[欹耳袋]来週のお座敷(その一):TRCデータ部ログ「2015年第17回図書館総合展に出展します」(2015年10月30日)/来週のお座敷(その二):本屋B&B「第17回 図書館総合展に出店します。(ブース内イベント情報あり)」(2015年11月2日).

◆文化の日の文化的な┣┣" 撃ち —— 文化の日は文化的に過ごさないといけない.ワタクシたちの稼業では今がまさにカケンヒ┣┣" 撃ちシーズンの真っ最中.なので,しかたなく朝早くから文化的な e-Rad 入力作業に没頭した.年度ごとの金額の積み上げが合わないのなんのとじたばたしつつも,お昼前に入力作業はほぼ終了.まだ修正が必要な箇所があるかもしれないが,とりあえず参画研究者にメール送信.これで山は越えた(はず).

◆[欹耳袋]日々記―へっぽこライブラリアンの日常―「海老名市立中央図書館に行ってきました」(2015年11月2日)前篇後篇

◆あたたかな昼下り,最高気温は20.3度まで上がり,10度あたりをうろうろしていた昨日の師走並みの寒さとは大違い.それにしても,連日こうも温度差があるようでは服装の選択にも困る.昨日は半袖では凍えたにちがいないが,今日は長袖ではちと暑かった.お昼ごはんは研究学園の中国四川料理〈Ainey's〉へ.写真を撮るヒマもなく定番の坦々水餃子をばくばく食べ,海老と蟹のクレープをつるりといただき,最後は汁なし担々麺の辛味を堪能するという充実坦々コース.たまに四川料理の辛さと出会うと目が覚める心地ぞする.

◆夕焼けグラデーション.今日は晩秋らしい心地よい日和だった.四合瓶はすぐに空っぽになるのでつまんない.

◆本日の総歩数=3316歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.4kg(+0.2kg)/ 29.0%(−0.3%)


2 november 2015(月)※冷たい雨降る隙間の日

◆午前4時過ぎ起床.気温11.3度.冷たい雨が降っている.夜明け前の米とぎが苦行になってきた.本降りの雨が降り続く観音台.街路樹の色づきが日に日に鮮やかになってきた.午前8時の気温は10.7度と冷え冷えする週明け.今週は「読書するな週間」になりそう.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今さら訊けない恥ずかしい質問ほど朝イチにしよう./最近「秘密の質問に答えよ」と問われることが多くてとてもカナシイ(健忘症か)./「非推奨環境の警告」— うう……/e-Rad は El Capitan に対応していないんですか?(orz)/パスワード再発行するも,ログイン絶賛認証拒否(´・_・`)/企画戦略室の担当者も右往左往なう.ごめんなさいごめんなさい./やがて送られてきたのは「11111111111111111111」— まるでショスタコーヴィチ交響曲〈レニングラード〉の戦闘場面の譜例みたいな./すったもんだの末,お昼前にやっとログイン成功./スタートラインに立った時点ですでに真っ白に燃え尽きている気が.

◆気温は朝からさらに下がり続けて,正午前だというのに10.1度.雨が降っているので徘徊は中止.スタート前で朝から完全燃焼してしまった.ちっとは元気にならないといけないので,〈レニングラード〉交響曲を流す昼休み.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 冷たい雨に濡れる観音台.ランチタイムではあるが,戦いの日々はもう始まっている.課題代表┣┣" と研究分担┣┣" がリング上で激しく乱闘中./リングサイドに目を向ければ,来週から始まる統計研修┣┣" がRフシアワセ神を従えて参戦しようと手ぐすねを引いている./届いたばかりの数理統計研修テキスト2冊を積み上げて,某県に取り憑いたRフシアワセ妖怪の除霊指示.

◆[欹耳袋]NHK NewsWeb「東京大学が初の推薦入試 きょうから願書受け付け」(2015年11月2日)※「後期日程を廃止して推薦入試を導入することを決め、募集定員は、10の学部で合わせて100人程度」.

◆午後5時前,冷たく暗くなってきたからもう帰ろうかなぁ.今日って年休だったことを思い出す夕暮れ時.ひやおろしの季節が終われば,いよいよ新酒の季節だ.夕餉には秋田醸造〈ゆきの美人〉の27BY純米吟醸「秋仕込みしぼりたて生酒」を開栓.さすがヌーボーは新鮮さがちがう.フレッシュな炭酸ガス感は,冷やではもちろん,熱燗にしてもぜんぜん抜けない.

◆[欹耳袋]Qiita「Visualized 2015に関するメモ」(2015年11月2日)※マニュエル・リマさん,またしても登場だ.

◆明日は文化の日なので,この上もなく “文化的” な e-Rad 入力に励むことにしよう(自虐).

◆本日の総歩数=2987歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.2kg(0.0kg)/ 29.3%(−0.5%)


1 november 2015(日)※霜月の早朝は冬の到来

◆午前6時起床.晴れ.最低気温3.6度ときびしく冷え込む朝.11月になってしまったか…….まずはメーリングリストへの月例アナウンス送信.一昨日からの二日分の日録をアップして,気分は神無月から霜月へ.

◆[欹耳袋]来週,横浜で開催される図書館総合展では二つのお座敷を務めることになった.ひとつは,いま論議の渦中のTRCが主催する〈分類フォーラム〉11月12日(木)13:00〜17:00 での高座:三中信宏「ヒトはつい分類してしまう生き物だった」— ライフスタイル分類ではない.もうひとつの高座は,〈本屋B&B〉ブースでの対談:三中信宏 ×山本貴光〈本を読むときに系統樹で考える、可視化することばとビジュアル〉11月11日(水)@パシフィコ横浜・ブース18.そんなわけで,二日連続でヨコハマをうろうろすることになる./IRORIO「火種が残った海老名市のツタヤ図書館、TRCとCCCの溝が明らかに」(2015年11月1日).

◆気温15度のきりっとした冷気.遅めの朝ごはんは小野崎の〈cox〉にて.ベーコンと玉葱のスープ,ベシャメルソースがかかったパン,そしてサラダ3品.

◆[欹耳袋]お金の問題たち —— ハフィントン・ポスト|朝日新聞デジタル「子どもの貧困「お金持ちになりたい、塾に通う子をずるいと思ってた」」(2015年11月1日).※「自分の学力レベルが分からず、高校受験の情報格差もつらかったです」— “壁” の向こうが見えないのはつらいはず./朝日新聞デジタル「研究費はネットで工面…支援募り、見返りは論文に名前」(2015年10月31日)※アカデミスト @academist_cf クラウド・ファンディングの紹介記事.

◆[欹耳袋]TED2015 — マニュエル・リマ「人類の知識を表す視覚的表現の歴史」※マニュエル・リマさんの TED でのトーク.チェイン,ツリー,ネットワーク! そして networkism.

◆天久保から東新井に移転してきた〈三浦飲食堂〉新店舗の場所を確認.〈クレオン・ル・プレジール〉が元あった場所だった.その〈クレオン・ル・プレジール〉は同じビルの一階に移転.玉突きのように店が入れ替わる.

◆秋晴れの中央公園での〈つくいち〉を一周りして帰還.見上げれば刷毛ではいたような筋雲が流れていた.午後の最高気温は17.0度どまり.晴れてはいても北東風が冷たい.さすが霜月.

◆[欹耳袋]宇治市商工観光課「♪「響け!ユーフォニアム」宇治探訪マップができました♪」(2015年9月14日)※いや,TVアニメ〈響け!ユーフォニアム〉がらみでここまで盛り上がっているとはぜんぜん知らなんだー.Cf: あにたび「「響け!ユーフォニアム」の聖地巡礼・舞台探訪をまとめてみた(宇治市、大吉山など)」※黄檗駅前〈中路ベーカリー〉とか,どんなけ地元やねんて感じ.主人公の通学路である「茶畑の坂道」は,ワタクシの実家があったエリアだったりする.

◆夜風がしっとり冷たい.明日は本降りの雨になるとの予報.お布団&毛布と “ねんごろ” になる.

◆本日の総歩数=7216歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.2kg(−0.8kg)/ 29.8%(+1.1%)


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