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◆午前5時前起床.朝焼けグラデーションなう.気温は11.8度まで下がっている.今季最低記録の更新.けっきょく最低気温は10.8度まで下がり,秋を飛び越して初冬の冷え込みになった.しかし,予報では日中は夏日ラインに近づくそうなので,うっかり長袖を着たりすると盛大に後悔するにちがいない.服装に関しては予想最高気温を念頭に意思決定するのがつねにベスト.本日は本郷出撃日なので,観音台のことは忘れてゆるゆるしている.
◆[欹耳袋]東洋経済オンライン「別府の「超グローバル大学」は何がスゴイのか 留学生が約80カ国から3000人も集まる秘密 | 九州経済オンライン」(2015年9月30日)※確かに,別府の街ナカや店で留学生たちに出会う機会は多い./archief voor stambomen「ビートルズの系統樹」(2015年9月30日).
◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前10時過ぎ,つくば駅.これから本郷へ出撃.晴れ.気温20.6度と気温は順調に上がっている./倍率2倍で確定した.一両日中に受講生の選考をしないと./┣┣" はTXよりも高速に移動する./あのダブルブッキングは無事に回避された.
◆[蒐書日誌]ある “反ベイズ攘夷” の旗揚げ —— Asya Pereltsvaig and Martin W. Lewis『The Indo-European Controversy: Facts and Fallacies in Historical Linguistics』(2015年4月刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xii+324 pp., ISBN:978-1-107-05453-0 [hbk] → 目次|版元ページ)を読み始める.本書は,どこの研究分野でも生じ得る “攘夷運動” のひとつとしてあらかじめ相対化した上で,読み進めるのがいいだろう.生物体系学でも,写本系図学でも,同様の “運動” があった.ワタクシ的には,本書の著者らが歴史言語学の「比較法」をどのようにとらえるのかという点に興味がある.言語進化の確率過程によるモデル化は1950年代からすでに発表されている.その点で,分子進化の確率モデルよりもはるかに先行している.歴史言語学と系統生物学の両分野で互いに無関係に進められてきた研究のスレッドを結びつけたのが Russell Gray & Quentin Atkinson の仕事だった.それに対して,本書はまるまる一冊を当てて彼らのベイズ言語系統学・言語系統地理学を攻撃する:「言語進化を生物進化にたとえるのは論拠がない.だから同一の方法論では解析できない;言語地理はウィルス伝播ではない」(p. 3);「Gray & Atkinson が提唱する印欧語族の「アナトリア発祥仮説」など,大半の歴史言語学者は歯牙にも掛けていないし,彼らのベイズ系統推定法なんぞ誰も認めてはいない」(p. 3);「言語学界ではトンデモ扱いされているにもかかわらず,Gray & Atkinson の研究プログラムはハイインパクト・ジャーナルやマスメディアでもてはやされている」(p. 4)— 学問分野間のこのあたりの “温度差” がとても興味深いが,ケンカを売るときはこうでないとね.
◆[欹耳袋]国立国語研究所・統計数理研究所合同研究集会〈統計的言語研究の現在〉コーパス日本語学ワークショップ2015・サテライトシンポジウムでの講演:村脇有吾「言語変化と系統への統計的アプローチ」のスライドが公開されている(→ pdf).言語系統学への言及もあり,いま読んでいる “攘夷本” とのからみで要チェック.
◆お昼前の都内は穏やかな秋晴れ.気温は午前中に24.2度まで上がっている.千駄木駅から不忍通りをぶらぶら南下,往来堂書店のウォールを一回りして,平日は静寂そのものの根津神社を通過して,S坂から地震研へ侵入し,弥生キャンパス着.イチョウはさすがにまだ色づいてはいないが,銀杏はすでに盛大に落下している.東大構内も銀杏拾いのシーズンになった.銀杏が豊作なら,鯛も豊漁だ.めずらしく待ち客の列が短かったので,熱々の鯛をアタマからばくっと.うん,これこれ.食欲の秋本番.ただし,焼きたてなので,包んでいる竹の皮をすぐ開封しないとムレてしまう.
◆午後1時過ぎに始まった専攻教員会議は2時間あまりでさくっと終了.千駄木の隠れ家で珈琲休憩していたら,新規書評依頼が飛び込んできたので,あわてて転戦.午後6時過ぎにつくば帰還.今日の日中,都内はいちおう夏日ラインを超えたものの,夕暮れのつくばは20度を下回る涼しさになっていた.
◆明日は玉川大学が体育祭準備のため休講なので,駒場出撃の夕方まではフリーダム.
◆本日の総歩数=10034歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 93.9kg(−0.2kg)/ 28.9%(−0.6%)
◆午前5時前起床.気温18.2度.北西風.秋晴れ観音台は湿度が低いせいか昨日よりもさわやかな感じ.午前8時の気温は21.0度.
◆[欹耳袋]日本の科学と技術「大学の教員公募が実際には公募になっていないことがある理由」(2015年9月27日)※「公募が本当に公募なのか、公募でどんな人材が求められているのかは、ひとえに採用する大学側の都合であり、応募する側には知りえないことです」./日本経済新聞「スーパーグローバル大「外国人教員等」 実態は経験浅い日本人 苅谷剛彦・オックスフォード大教授」(2015年9月28日)※「「等」の弾力的解釈は官僚作文の典型」— 「等」はワイルドカードなり.
◆午前の┣┣" 撃ち —— まずは追い込まれてのドロナワ仕事から片付ける:
—— 農水国研のこの「再教育プログラム」はけっこうきつい.なかのひとはみんなちゃんと要求水準をクリアできているんだろうか.
◆昼休み,今日も夏日ラインをあっさり越えた農林団地は日差しが降り注いでいる.午前中にかろうじて “再教育” をクリアしても,┣┣" が減った気がしない.
◆午後の┣┣" 撃ち —— 佐土原から連絡あり.今年もまた地頭鶏に追いかけまわされる日程が確定した.まずは,ブーゲンビリア空港まで飛ぶ「足」と地頭鶏を食べつくす「宿」を確保.アフターの宿泊先を物色中./合志と犬山からの連絡はまだない.
◆[蒐書日誌]ひさしぶりに系統樹ハンターが獲物をゲットした —— Pete Frame『The Beatles and Some Other Guys: Rock Family Trees of the Early Sixties』(1997年刊行,Omnibus Press, London, iv + 31 plates + 4 pp., ISBN:0-7119-3665-X [pbk])※1960年代前にルーツをもつビートルズに関わる “家系図” 集.大判の家系図が31枚も折り込まれている.どれを広げてもオモテ側の家系図はテキスト分量が半端ではない.ウラ側には写真集.この著者は長年かけて「Rock Family Trees」を描いてきたとのこと → Pete Frame 〈Family of Rock〉.彼の「ロックの系統樹」本は3冊まとめてすでに発注済み.
ロックの系統樹については,以前 Edward R. Tufte のインフォグラフィクス本『Visual Explanations: Images and Quantities, Evidence and Narrative』(1997年刊行,Graphics Press, Cheshire, 157 pp., ISBN:0-9613921-2-6 [hbk] → 版元ページ)で見たことがある(pp. 90-91 のモノクロ図版).エルヴィス・プレスリーに始まるこのロックンロール系統樹の元カラー図版は,Fake Plastic Rock「The Genealogy of Rock」(2008年7月9日)に掲載されている.さらに,ロックからヘヴィ・メタルにいたる巨大な系図については〈Map of Metal〉をじっくり鑑賞すべし.
◆午後の最高気温は26.4度まで上がったが,日没とともにするすると気温降下.明朝は今季最低の寒い朝になるらしい.
◆本日の総歩数=3721歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.1kg(+0.1kg)/ 29.5%(0.0%)
◆午前5時前起床.気温17.9度.お米をとぐ水が冷たい.真新しいイヤープランナーを前にして,気分はもう神無月.秋晴れの週明け.朝日を浴びる観音台は満開の金木犀の香りが漂っている.実に11日ぶりに出勤簿に押印だん.午前8時の気温は21.5度.予報では夏日ラインを越えるのは確実らしい.この分だと,半袖&サンダルという “正装” は10月になっても続くにちがいない.
◆[欹耳袋]毎日新聞「文系廃止通知:ミスでした 真の対象、教員養成系のみ 国立大巡り文科省 釈明に奔走、撤回はせず」(2015年9月27日)※「通知を何度読み返してもそうは理解できない」「通知を作った役人の文章力が足りなかった」— ミスは謝るけど撤回はしないし,もうすぐ辞める文部科学大臣も他人事のように責任を取らない.それですんでしまうことがよくわかった.
◆午前の┣┣" 撃ち —— ┣┣" 大征伐は静かにスタートしている./物品現況調査票(備品と一般物品)提出.行方知れずの物品がちらほらと./来春の〈とよなかサイエンスBar〉の返事.大阪でお座敷です./分子系統ワークショップの直前リマインダー配信と講師陣への使用ソフトウェア連絡依頼./科研費申請についての所内手続き日程チェック./神無月の不在届一式提出.来月は「8不在日/21労働日=38%不在率」と平均的な農環研実在度だ.
◆[蒐書日誌]The Ancestor's Tale 第2版 —— Richard Dawkins のツイートによると,10年前に出た:Richard Dawkins and Yan Wang『The Ancestor's Tale: A Pilgrimage to to the Dawn of Life』(2004年刊行,Weidenfeld & Nicolson, London, ISBN:0-297-82503-8 [hbk] → 目次)の第2版がいま準備されているらしい.
◆残暑の日差しが降り注ぐ農林団地.昼休みの気温は28.0度まで上がっている.ショートコース徘徊.ミンミンゼミが鳴くなど季節は逆戻り.このあたりでは今が金木犀の盛りなのだろう.
◆[欹耳袋]データえっせい「首都圏私立大学の非常勤教員率の分布」(2015年9月28日)※「全教員の3人に2人が非常勤というのが,首都圏の私大の平均的な姿」「教員の非正規化は,大学教育の効果が上がるのを妨げる一番の条件になっている」.
◆午後の┣┣" 撃ち —— 来月の┣┣" 撃ちリスト更新.何だか “バンザイ突撃” みたいな感じがしないでもない. —— けっして抗えない┣┣" が上陸.「タイムスケジュール的には比較的殺人的」だそうな.お迎えするには白装束が必要なのかも.ということで,とりあえず(コワいけど)引き受けてしまった……(いいのか,おい)./マニュエル・リマさんから訳本の送付依頼があったので,ものすごくひさしぶりに海外発送用の invoice を書いた./やっとこさパスワードを発掘して,「研究者行動規範教育e-ラーニング」にログインしたものの,何だか一週間くらいかかりそうな悪寒がするんですけど…….この山のような問いを答えないと先がないかと思うととりあえずログアウトするしかないよなぁ.またあとで./見なかったことにして,別の┣┣" を撃とう./メーリングリストのアドレス登録作業とか,課題レポートの受領返信とか,微小┣┣" たちの群れ./西日が直撃して暑いと思ったら午後の最高気温は28.2度まで上昇していた.あっつー.
◆さざなみのようなうろこ雲が空高く夕日に照らされる午後5時過ぎ,東からゆっくり昇ってきたスーパームーンを横目に厨房へ.
◆本日の総歩数=11022歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.0kg(+0.2kg)/ 29.5%(+0.3%)
◆午前5時半起床.曇り空.気温20.0度.一時的に雨がぱらぱら降ってきた.午前8時,空が明るくなってきた.気温20.3度.北風が冷たい.
◆迫り来る月末┣┣" 撃ちの前兆 —— 今月ってあと三日しかないんだぁ……(棒読み)./専攻教員会議資料ダウンロード.計289ページ.まあまあの分量./来春の農水国研組織統合に関わる備品の「物品現況調査」なる緊急┣┣" が押し寄せてきた.締切は今月末(あと三日しかないやんけ)./研究不正に関わる e-Learning のことはとりあえず忘れよう.というか,パスワードを忘れた./とにもかくにも,┣┣" 箱を現地調査しに行くしかないか.
◆[欹耳袋]SankeiBiz:松岡正剛「系統樹があらわすネットワーク分岐 トップダウンでもボトムアップでもないツリー観」(2015年9月27日)※先々月のワタクシの〈夜学〉での高座を取り上げてもらった.「ぼくはヒルベルト・バイヤーや杉浦康平のダイアグラム・デザインとともに青春をおくった」— いまから30年前の巨大本:杉浦康平・松岡正剛(編)『ヴィジュアルコミュニケーション』(1976年12月20日刊行,講談社[世界のグラフィックデザイン・1],東京,239 pp.)は,先々月の赤堤 ISIS フェスタ:三中信宏「鎖と樹と網を編集する夜学」のときに会場で展示した.また,言及されているバイヤーの本とはこれのこと:L. Visintin, Herbert Bayer und Wilhelm Goldmann『Goldmanns Grosser Weltatlas : die Umwelt des Menschen - Astronomie, Geologie, Geographie, Klimakunde, Wirtschaft, Bevölkerungskunde』(1955年刊行,Wilhelm Goldmann Verlag, München, 323 pp.).
◆お昼前,曇りときどき小雨が降る観音台へ.しばらく不在にしていた居室はひんやり静かだった.闖入┣┣" どもに荒らされることもない机の上に置かれていた密林便は先日注文した Bindex の2016年イヤープランナーだった.その昔,ファットな「システム手帳」を持ち歩いていたときもあったが,減量を繰り返した結果,淘汰されずに最後まで残ったのは,一年分の予定が記入できる蛇腹一枚紙のイヤープランナーだけだった.まるでチョウチンアンコウのオスみたいなメモ帳の究極の進化形.Filofax のような “外来” イヤープランナーは日本の祝休日に対応していないことがあってめんどうなので,最近はもっぱら国産のものを愛用している.さて,届いたばかりの今はパーフェクトに真っ白なイヤープランナーだが,来年はどのように埋まっていくのだろうか.
◆┣┣" 津波はすでに到達していた —— これからの予定を確認したら,うわわ,まさかのダブルブッキングが発覚.あわわ.筑波事務所とパシフィコ横浜に同時に実在することはできないぞ.クローンをひねり出すかっ(ムリ).とりあえず農研機構事務局に講義日程変更の依頼メール送信(じたばた).これほど盛大なダブルブッキングは記憶にない./犬山と佐土原と合志に開催日程打診メール送信./ひさしぶりに Booking.com で別府の宿を確保.あわせて楽天トラベルで大分までのフライトも確保した./来年如月の奈良お座敷のために宿を確保.ついでに懸案事項だった〈とよなかサイエンスBar〉についても打診し,開催が確定した./半年先までの┣┣" どもがどんどん征伐されていく.
◆[蒐書日誌]三輪哲久『実験計画法と分散分析』(2015年10月刊行予定,朝倉書店[〈統計解析スタンダード〉シリーズ・04], 東京, 本体価格3,600円, ISBN:978-4-254-12854-3 → 版元ページ)※シリーズ全体が遅延なくイッキに全部出そろうってのはめずらしいかもしれない.ここのところ実験計画法に関する新刊出版はまったくなかったので,きっと参考になるにちがいない.
◆日中の最高気温は24.1度.夜になっても気温は20.0度を下回らず,蒸し暑さが居座っている.今宵は十五夜.空高く中秋の名月が大きく輝いている.さあ,お月見団子をたくさん食べないと.
◆怒濤の月末を生き抜くため,心安らかに寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪
◆本日の総歩数=5518歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.8kg(+0.8kg)/ 29.2%(+0.8%)
◆午前5時半起床.雨上がりの曇り空.気温17.4度.朝食のテーブルから駅前を眺める.パルテノン多摩への坂道を行く人たちが傘を広げ始めた.
◆[欹耳袋]マークダウンあれこれ —— R Commander で RMarkdown:Rcmdr のメニュー操作履歴をスクリプト画面「Rマークシート」で確認&編集.左下の「Generate report」ボタンを押せば html として出力される.また,Rcmdr で Markdown ファイルを保存し,RStudio でオープンすれば,「Knit HTML」ボタンでも html 化できる.とりあえず,Rcmdr の中だけでも大丈夫なことを確認した./RStudio で RMarkdown:RStudio でRスクリプトを編集し,「File」>「Knit」メニューで html としてコンパイルすればOK.あるいはスクリプトウィンドウの「Compile Notebook」ポタンでもOK.
◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「クジラ死骸の処理、困った 港に1週間、爆発の恐れも」(2015年9月26日)※「腐敗で体内にガスがたまって爆発する可能性もある。「海に浮いたプロパンガスと同じで、危険な状態」」— 以前,腐敗鯨のガス爆発動画を見たが,相当な威力だった.
◆午前9時過ぎ,チェックアウトして南大沢へ出撃.雨上がりの曇り空.気温は20.4度,湿度は90%近くあって蒸し暑い.半袖が正解.講義室にてPCセッティング.かろうじて WiMAX がつながっているのでハッピーだが,いつ “電波飢餓” に陥るか気が気ではない.昨日よりも暖かいせいか,蚊が飛ぶ生物実験室.ショウジョウバエではない.今日は集中講義の最終日.度重なる Yosemite の “ご不幸” を回避するため,今日は Windows PC のみをプロジェクターにつなごう.午前中はモデル選択論の続き,さらに一般化線形モデルの解説と実習.
◆昼休み,晴れてきた.日差しが中庭に差し込む.けっして望んでいないのに,ふと気がつけば┣┣" 箱が千客万来.
◆午後の講義は一般化線形モデルの実例をいくつか(比率データのロジスティック回帰とカウントデータのポアソン回帰).休憩後,ベイズ統計学と MCMC の説明.午後4時半ちょうどに終了.今回は多変量解析とリサンプリング統計学まではカバーできなかった.横浜国大でもそうだったので,講義時間とのバランスを考えればしかたがないのだろう.八王子の午後の最高気温は24.1度に達し,湿度も高く蒸し暑かった.
◆午後8時前,つくば帰還.空には大きな満月のまわりを取り囲む暈が輝いていた.南大沢でのお座敷が終わり,今月の大仕事はこれにておしまいとなった.
◆本日の総歩数=8983歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/未計測
◆午前5時前起床.まずは米とぎから.雨は降ったり止んだり.気温17.7度.そして,一泊分のぷち旅支度をじたばたと.
◆[欹耳袋]第47回種生物学シンポジウム@岐阜羽島※「特別講演」と「交流会」だけ参加してオサラバするとか,きっと万死に値するんだろうなぁ.
◆雨の中を南大沢へ —— 午前7時過ぎ,つくば駅.南大沢の後半戦に出撃する朝は雨がしとしと.都営新宿線経由で笹塚にて橋本行き区間急行に接続.都内は本降り.気温16.4度,北風が冷たい.天然空調ということで半袖がベスト選択である.京王線は今日から新ダイヤに変わったとのことで,相模原線にも準特急が走るらしいので,京王多摩センターで乗り換えて初準特急体験.午前10時,南大沢着.雨はしとしと降り続いている.首都大学東京へ.講義室にてPCセッティング.
◆午前中の高座は多重比較について解説・演習,さらに乱塊法のイントロまで話したところで昼休み.Yosemite とプロジェクターとの相性がよろしくないようで,スイッチャーでPCを切り替えると反応しないことがある.昨日は Yosemite に入っている Windows 8.1 が出先で盛大に「更新の祭典」を勝手に始めてしまい,E-mobile が 1GBも酷使されたせいで,7GBリミットが目前.今回の南大沢出撃では WiMAX に頼りきりにならざるをえない.予想はしていたが,WiMAX の電波状態が絶悪.かと言って,容量貧乏な E-mobile に頼るわけにもいかずという困った首都大.生物実験室のドアを開放し,ノブに WiMAX をぶら下げると電波は何とか届くようだ.降り続く雨また雨.観音台にいなくても┣┣" はかまわずやってくる.しかし,銀色連休前からずっと観音台にいないので e-Learning どころではない(キリッ).
◆そろそろ午後の高座が始まる.雨降る八王子の気温はいま17.4度,北の風.午後は,午前に引き続いて乱塊法(一要因&二要因)から始まり,次はモデル選択論についての解説と実習.午後4時半に後半戦初日を終え,多摩センターの定宿にチェックイン.雨はなおしぶとく降り続いている.
◆立川ナイトライフ —— 日が暮れて多摩都市モノレールで再出撃.先週と同じく,立川南エリアの横丁をあちらこちら.今宵はひやおろしの祭典である.まずは〈鍋島〉純米 Harvest Moon ひやおろしから.続いて〈三井の寿〉Porcini 秋純吟ひやおろし.秋はきのこである.〈新政〉No. 6 特別純米 R-Type いきます.おしまいは〈七田〉純米ひやおろし.日本酒は日替わりで20種類ほどあった.まだ早い時間帯だったのでカウンターに座れたが,JR立川駅南口から徒歩1分という近さのせいか,すぐ満席になった.予約した方が安全かも.ひとり一次会は以上.
立川ナイトライフの最後は餃子でしめるのがお作法.立川南のあやしげな暗がり吸い込まれるワタクシ.厨房内の主人は一心不乱に餃子を詰め続けている.ここは餃子の他には冷やしトマトとお漬物しか食べ物メニューがない.それなのに毎度行くたびにほぼ満員だ.奥のテーブルでは外国人グループがオニのように餃子を平らげていた.注文するのはもちろん「にんにく餃子」である.餃子なんだからにんにくは当たり前とかほざいていたら天罰がくだる.一個が7×4×4センチというこぶし大の特大サイズ.それが5個も並べばずっしりと.にんにく餃子の中心部はスライスされた生にんにくがギュウギュウに詰め込まれている.しっかりと蒸し焼きされているにもかかわらず,歯応えが残るにんにくはただものではない.それを5個も平らげればだれでも “最終兵器” になれる(翌日,社会のメイワクかもしれないことは重々承知の上).
◆午後9時,多摩センター帰還.霧雨はまだ降り続いている.気温は17.1度.ぐずぐずしないでさくっと寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪
◆本日の総歩数=12323歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.0kg(−0.6kg)/ 28.4%(−3.3%)
◆午前5時前起床.朝焼け前.気温17.5度とやや高め.
◆[欹耳袋]リマインダー)第196回農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉2015年10月28日(水)〜30日(金)@つくばの受講申込締切は【9月29日(火)正午】です.
◆午前7時過ぎ,つくば駅.連休直後の定例都内出撃の朝は青空が広がっている.でも,午後からは下り坂との予報なので傘を持参.気温18.9度.迷うことなく半袖で.午前8時半,新宿駅.小田急は踏切内の自動車立往生やら急病人介護でダイヤ乱れているとのアナウンス.しかし,とりあえず止まらずにちゃんと走っているのでよしとしよう.新百合ヶ丘で準急に乗り換え.午前9時半,雲が広がってきた玉川大学キャンパスにたどり着く.いつもより早めに着いたので,本を読む時間がある.
◆[欹耳袋]朝日新聞「STAP細胞「再現できず」米中などチームが論文発表」(2015年9月24日)※元論文:Alejandro De Los Angeles et al. Failure to replicate the STAP cell phenomenon. Nature, 525, E6–E9 (24 September 2015) doi:10.1038/nature15513. [abstract]
◆午前11時から講義.今日の講義はいくつかの “フシアワセ” が降臨した(ワタクシにも).Yosemite の Parallels Desktop に Windows ソフトウェアをインストールするのは一筋縄ではいかないようだ.Mesquite では「なんちゃら.dll があらへんで〜」というエラー,MrBayes は単に Java 1.6 が入っていなかったという凡ミス.まったくもう.
◆[欹耳袋]「230万」の威力 —— Cody E. Hinchliff et al. 2015. Synthesis of phylogeny and taxonomy in a comprehensive tree of life. Published online before print September 18, 2015, doi: 10.1073/pnas.1423041112, PNAS September 18, 2015 [abstract] — 2,339,460 OTUs !/Open Tree of Life | Open Tree Taxonomy (OTT).
◆午後は予報通り曇り空から小雨がぽつぽつと.経堂で途中下車.〈はるばるてい〉はやっと長い休みが明けたようだが,まだ本稼働ではなさそう(店の前を通過して確認).高架をくぐって〈しずる〉にてランチ.午後2時の都内の気温は22.5度,湿度70%でやや蒸し暑い.時間があるので懸案の原稿書き.序章96文字追加. “静止摩擦” を越えてやっと動き始めた.
◆[欹耳袋]「データをして語らせる」と言いながら,実際は「データをだしに騙る」所業.
◆午後4時,駒場着.小雨に濡れる夕刻のキャンパス.
◆帰路,池袋駅でのドア故障の影響で山手線が大幅遅延.午後9時前,つくば帰還.小雨に濡れるセンター広場.山ほど晩ご飯を食べてやっと一息ついた.〈玉川〉26BY純米吟醸・山廃・手つけず原酒「祝」は〈玉川〉にしてはめずらしく微発泡なフレッシュ感満点.
◆本日の総歩数=14320歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.6kg(0.0kg)/ 31.7%(+1.4%)
◆午前6時過ぎのろのろ起床.連休最終日の朝は雲がやや多め.気温は15.6度とさらに下がっている.
◆[欹耳袋]PAUP* の現在 —— 版元である Sinauer のサイトには「As of June 18, 2015, Sinauer Associates is no longer selling PAUP*」と書かれている.この Sinauer サイトから PAUP* alpha test version のダウンロードサイトへのリンクが張られているので,とりあえずは “自由” に使わせてもらっていいということだろう.
◆連休最後の┣┣" 撃ち —— 極楽連休に続く地獄労働に向けて,ちくちくと高座のしたくなど./常盤台と南大沢のレポート課題をそれぞれの元締めにメール送信.
◆[蒐書日誌]折居彪二郎研究会(編)『鳥獣採集家 折居彪二郎採集日誌:鳥学・哺乳類学を支えた男』(2013年11月刊行,一耕社,苫小牧,8図版+640 pp., 本体価格6,400円, ISBN:9784903640457 → 版元ページ ).折居彪二郎については,苫小牧市立中央図書館〈折居彪二郎関連資料〉からリンクされている「折居彪二郎 採集記録、関連資料一覧(年代順)」のコンテンツが充実しまくり.
◆銀色連休の最終日は秋風の吹く涼しい一日だった.連休中どこにも遠出しなかったが,それなりにエンジョイした.最高気温は26.1度でも,これだけ空気が乾燥していれば不快という言葉はとりあえず封印させてもかまわない.その極楽ライフも今宵かぎり.こういう日はやはりひやおろしで最後を飾るのがいいかも.最後の夜は,天然ぶりのあら炊きと野菜の揚げ浸しをアテにして〈庭のうぐいす〉特別純米ひやおろしとともに.筑波西武で北海道産の天然ブリのあらが半値だったのでゲット.さっそく廚房にて「ブリと大根のあら炊き」を仕込んだ.レシピは以下のとおり:
ついでに野菜の冷製揚げ浸しも:
◆さぁ,明日からはいきなり都内出撃の日々が続くぞ.
◆本日の総歩数=2756歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.6kg(−0.4kg)/ 30.3%(+1.1%)
◆午前5時前起床.夜明け前の朝焼け.気温16.6度.
◆[蒐書日誌]建部民雄『ゴルトシュミット : 日本と関係の深かった遺伝生理学のパイオニア(正・続・続々)』(1984〜1988年,関西図書出版,大阪).自費出版された Richard B. Goldschmidt 評伝.30年ほど前に著者からご恵贈いただいたのだが,いま “森” を探索するも未発見.いったいいずこにお隠れになったのやら./山本義隆『私の1960年代』(2015年10月刊行予定,金曜日,東京, ISBN:978-4-86572-004-4 → 版元ページ).
◆お昼時の観音台へ.出勤簿にハンコを押す必要のない日にかぎって研究室に実在するワタクシ.気温はすでに夏日ラインを超え,残暑にあおられて全盛期を過ぎたツクツクボウシが絶唱している./毎年うっかり買い忘れるので,早々と 2016年イヤープランナーを発注./1924年刊行の Ernst Haeckel 著作集(全6巻)を昨夜発注したのだが,計3000ページがそのうち観音台に落下するのだろうか.
◆[欹耳袋]Ernst Haeckel と最初の妻 Anna Sette との往復書簡集とか,二番目の妻 Agnes Hüschke の息子による回顧文とか,Frida von Usler-Gleichen との暴露本とかぱらぱら見ている.もちろん当時は「紙」の手紙.現代のみなさんが将来「書簡集」を編まれることになったとしたとき,ええかげんなメールとか適当なツイートとかばさばさと束ねられるかと思うと,「末代までの恥」ということばがリアルに迫ってくる.心しましょ.
◆今日もすっきり秋晴れの空が広がる一日だった.午後の最高気温は27.0度まで上がったものの,空気が乾いていたのでさわやかな暑さ.夕方近く,またしてもつくばセンターに出撃し,ビールとサモサで一休み.この大型連休中はお墓参りや旅行で出かけている家が多いせいか,ほどよく人口密度が低くてこれまたよろし.秋色の夕焼け.さて,そろそろ厨房に入ろうかな.
◆本日の総歩数=3638歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.0kg(+0.3kg)/ 29.2%(+0.3%)
◆午前5時半起床.雲の隙間から朝日が差し込む.最低気温は15.7度.いま17.0度.
◆[みなか先生]Knowledge As Practice「最近読んだ統計分析のオススメ本を2冊」(2015年9月19日)
◆秋の大型連休中日の今日は暑くも寒くもなく,ゆるゆる過ごすにはちょうどいい日和だった.お彼岸の墓参りという風習がないので,渋滞をかいくぐって遠くまで出かけることもなく,平和な休日.しかし,こんないい日和なのに一歩も出ないで午後3時過ぎまでに7,600字も書いてしまったので,ちょいと気分転換に外出する.タイミングよくつくばセンターで〈プレミアムビールとうまいもの祭り〉というイベントをやっていた.まずは,埼玉の深谷からわざわざ出店した焼肉居酒屋〈ピンナ〉の厚切りベーコンとプレミアム・モルツのハーフ・アンド・ハーフ.続いて,天久保のワイン屋〈プルミエ〉でスパークリングな赤ワインと生ハム.屋台村の上を見上げれば秋らしい青空が広がっていた.こういうだらだらした感じが休日らしいなあ.
◆夕方の加筆により,さらに増えて8,411字.もうこれくらいにしておこう.
◆[蒐書日誌]ヘッケル山脈の裾野ははてしなく —— 佐藤恵子『ヘッケルと進化の夢:一元論、エコロジー、系統樹』(2015年9月20日刊行,工作舎,東京, 418 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-87502-466-8 → 目次|版元ページ).かつて岩波文庫に『生命の不可思議』(後藤格次訳,1928年刊行,全2冊)が入るくらいには知名度があったエルンスト・ヘッケルだが,現在では図版集『生物の驚異的な形』(小畠郁生監修|戸田裕之訳,2009年4月30日刊行,河出書房新社,141 pp., 本体価格2,800円,ISBN:978-4-309-25224-7 → 紹介|目次|版元ページ[新装版])を除けば,ヘッケルの日本語訳著作はほとんど入手できなくなってしまった.
しかし,地球上の生物多様性とその系統的体系をその卓越した画才を発揮して存分に描ききったヘッケルの功績は色あせてはいない.ヘッケルは生物の系統関係に基づく壮大な体系を系統樹という樹形ダイアグラムを通して可視化した.現代の最先端の生物進化学において用いられている系統樹は,その推定手法こそ一世紀半前のヘッケルの時代とは様変わりしているとはいえ,生物多様性を説得力のあるダイアグラムを用いて視覚化するという点でヘッケルの直接の影響を受け続けている.彼と同時代のチャールズ・ダーウィンが絵がとても下手だったことを考えあわせるならば,系統樹というインフォグラフィック・ツールの手法を芸術的に磨き上げたヘッケルは時代を超えてその意義を積極的に評価しなければならないだろう.ワタクシたち系統学者はヘッケル師に足を向けては寝られないはずである.
19世紀なかばから20世紀はじめにかけての長い人生でヘッケルが残した膨大なドイツ語著作は,生物学だけでなく哲学・思想・芸術の分野にも及ぶはてしない裾野の広さゆえ,今となっては登攀すら困難な “山脈” を築き上げているように見える.ワタクシの手元にも古書店を探し歩いては少しずつ蒐めたヘッケルの分厚い本が何冊もあるが,彼の執筆活動の全体を見渡したとはとうてい言えない.
今回出版された『ヘッケルと進化の夢:一元論、エコロジー、系統樹』の目次構成を見ると,第一部は生物学的な内容に重きが置かれているが,第二部ではむしろ生物学の「外」でのヘッケルの影響を様相に光が当てられている.前半の第一部「生涯と一元論の構想」(pp. 21-143)では,ヘッケルの主著である『有機体の一般形態学』(1866年)を中心に据えて,彼の生涯とその生物学的業績を広く見渡すとともに,その背後を流れる一元論を当時の思想的状況をふまえて明らかにしようとする.そして,後半の第二部「一元論をもたらしたもの:文化・社会への影響」(pp. 149-385)では,ヘッケルの一元論が当時のドイツにおいてどのような支持と反論を引き起こしたのかについて,ヘッケルが関わったさまざまな論争や活動の事例を通して解明する.
まずは第1部「生涯と一元論の構想」から始めよう.第1章「ヘッケルの生涯と一九世紀ドイツ:進化論との遭遇および一元論への開眼」(pp. 22-65)はヘッケルの短い評伝である.のちに展開されることになる一元論の思想をヘッケルがいつどこで身に付けたかに主眼が置かれている.「一元論(Monismus)」は本書全体を貫くキーワードなので,著者が引用するヘッケルの言葉をここで掲げておこう:
「この時から私は本物の一元論者となり,信仰のあらゆる虚構の縛りから解かれて,情け容赦のない決然とした態度で,統一的な[一元論的な]世界観を主張することになった.これは,世界の進化過程のあらゆる場所に,作用する原因(causae efficientes)だけを認め,いかなる合目的な原因(causae finales)」も認めないものであり,すべての事物の中に自然の進化という唯一の機会的な原動力を見出す世界観なのだ」(pp. 53-54)
第2章「一元論と『有機体の一般形態学』」(pp. 66-100)はヘッケルの主著(1866)の分析である.この本:Ernst Haeckel『Generelle Morphologie der Organismen (2 Bände)』(1866年刊行,Georg Reimar, Berlin)は現在ではインターネット上に丸ごと電子化公開されている(→ Internet Archive).続く第3章「[資料篇]『有機体の一般形態学』の章立てと概要」(pp. 101-143)は,この章にかぎり上下二段組にして,『有機体の一般形態学』全2巻の内容を章ごとに簡潔にまとめている.半世紀前に出た出版百周年記念論文集:Gerhard Heberer (Hrsg.)『Der gerechtfertigte Haeckel : Einblicke in seine Schriften aus Anlaß des Erscheinens seines Hauptwerkes «Generelle Morphologie der Organismen» von 100 Jahren』(1968年刊行,Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, x+588 pp. → 目次)にも『有機体の一般形態学』からの抜粋が掲載されていたが,この第3章では網羅的に全章の要約が付けられている.他書では見たことがない内容で,資料的価値の高い章といえる.
後半の第2部「一元論をもたらしたもの:文化・社会への影響」はヘッケルをとりまく当時の状況についていろいろな方向から光を当てて考察している.最初の第1章「魅惑的な生物発生原則」(pp. 150-179)は『有機体の一般形態学』で提示された仮説「生物発生原則」を論じる.ヘッケルの名を一躍有名にし,のちに彼の足を引っ張ることになる「生物発生原則」について,著者は次のように述べる:
過去の生物を直接に調査することはできない.それを語るには,わずかな,しかも不完全な形状で出土する化石以外には依拠するものがなかったが,これに頼っていれば途方もなく長い時間がかかり,目標達成の道はかなり険しい.そこで強力に補うツールとしてヘッケルが用いたのが「生物発生原則」なのである.彼の一元論的な自然観によれば,ある生物個体の胚発生は,その生物種の辿った系統発生(進化の道筋)を反復するものとなる.これが正しければ,観察のできる個体発生のプロセスから祖先形態を推察して,進化の仮説をつくることができる.もしその祖先生物の存在が現実に証明されれば,つまり,化石や,あるいは世界のどこかで生息しているのが発見されれば,その仮説も,そしてまた生物発生原則も正しいものとなり,真実に近づくという方法論である.(p. 152)
ヘッケルの「生物発生原則」が後世に残した正負の知的遺産について,著者は現代の進化発生生物学にいたる影響ともからめて考察している.19世紀当時のドイツ形態学の変遷については,本書でも繰り返し引用されている:スティーヴン・J・グールド[仁木帝都・渡辺政隆訳]『個体発生と系統発生:進化の観念史と発生学の最前線』(1987年12月10日刊行,工作舎,東京, 649 pp.)の他に:
がたいへん参考になる.
本章では,なぜヘッケルがここまで強い影響力を持ちえたのかという点にも触れられている.ある一節「当時のヘッケル・イメージ —— 熱狂と憎悪」(pp. 176-179)の中で,著者は遺伝学者リチャード・ゴールドシュミット(リヒアルト・ゴルトシュミット)が回想録の中で生前のヘッケルの人となりについて書き残していると記している(p. 176).その回想録とは:Richard B. Goldschmidt『Portraits From Memory: Recollections of a Zoologist』(1956年刊行,University of Washington Press, Seattle)である.彼の自伝:Richard B. Goldschmidt『 In and Out of the Ivory Tower : The Autobiography of Richard B. Goldschmidt』(1960年刊行,University of Washington Press, Seattle)とは別に回想録が書かれていたことをワタクシは初めて知った.ゴールドシュミットの回想には次のようなことが書かれているそうな:
何度か噛みしめるように,現在の世代(一九五〇年代の人々のこと)には,ヘッケルが当時果たした役割の大きさ,その影響力の大きさを推し量ることはおよそ難しいだろうと述べられている.ヘッケルの書いた書物(特に『自然創造史』と『人類発達史』)は,多くの若者の心,一般の素人の心,また学者たちの心をも捉え,老いも若きも,ドイツ国内も国外も合わせれば,何十万という人々に影響を与えたという.(p. 176)
第2章「ミッシングリンクの夢──ガストレア、モネラ、ピテカントロプス」(pp. 180-224)は,生物発生原則をよりどころとしてヘッケルが想像した仮想生物たちのエピソードである.とりわけ,始原生物モネラをめぐる「バチビウス・ヘッケリ論争」(pp. 186-189)が興味深い.また,ヘッケルが提唱した人類進化をめぐる「ピテカントロプス仮説」(pp. 213-224)のなかで,想像上の「レムリア大陸」が人類発祥地として当時はリアルに受け取られていたと書かれている.
続く第3章「科学の自由について」(pp. 225-244),第4章「ドイツ一元論者同盟と教会離脱運動」(pp. 245-264),そして第5章「ヘッケルの人種主義と優生思想」(pp. 265-290)は,ヘッケルの思想的立場と政治的信念さらには社会活動について考察している.とくに,ヘッケルの政治的信条がのちのナチス・ドイツにどのように継承されていくのかは議論が多々あって錯綜しているようだ.ヘッケル自身もナチス時代には “典型的アーリア人” として家系分析された上で政治的に利用されたのだ(→ Heinz Brücher『Ernst Haeckels Bluts= und Geistes=Erbe : Eine Kulturbiologische Monographie』1936年刊行,J. F. Lehmann, München → 目次).
第6章「エコロジーの誕生」(pp. 291-312)ではふたたび生物学に戻る.現在にも継承されている「生態学(Oekologie)」ということばを「分布学(Chorologie)」の対語として造語したヘッケルだが,いわゆる生態学的研究を自ら手がけたわけではないらしい.生物学史的エピソードとしては,次の第7章「プランクトン論争」(pp. 313-333)はとてもおもしろい.19世紀末,ヘッケルは海洋プランクトン調査を主導したヴィクトール・ヘンゼンと大論争を繰り広げた.進化的なスタンスでプランクトン生態学を進めるべきだとするヘッケルに反発したヘンゼンは,のちに統計分析に基づく定量的な海洋生態学研究法の基礎を築くことになる.
第8章「自然の芸術形態」(pp. 334-357)では,アートやグラフィック・デザインの世界にもかぎりない影響力を及ぼしたヘッケルの著作『Kunstformen der Natur』(1899-1904年,Bibliographisches Institut, Leipzig und Wien → 『新装版・生物の驚異的な形』2014年8月27日刊行,河出書房新社 → 版元ページ)に目を向ける.著者はこれまで何度も復刻されてきたこの図版集を可能にした一因として,顕微鏡の性能向上とカラー印刷技術の進歩があったと指摘する(pp. 348 ff.).
最後の第9章「結晶の魂──結晶、ゼーレ、実体則」(pp. 358-385)はとても興味深い内容だった.長命なヘッケルの遺著『結晶の魂(Kristallseelen)』(1917年)では,オットー・レーマンの液晶理論とリヒャルト・ゼーモンのムネーメ(記憶子)論が,ヘッケルの一元論的哲学と共鳴したという.つまり,無機物から有機体への生命誕生の根源を透視することができたと老ヘッケルは感じ取ったようだ.
生前から毀誉褒貶が際立っていたヘッケルをめぐっては,今世紀に入って本格的伝記が相次いで出版された:
この2冊の伝記はいずれも600ページもある大冊で,ヘッケルのたどった足跡を真正面から科学史的に論じることがいかにたいへんな力仕事であるかを物語っている.
19世紀から21世紀の長きにわたってそびえ立つ “ヘッケル山脈” を見上げるとき,まったく予期していなかった本書のような本格的評伝が日本語で出版されたことはとてもありがたい.巻末には文献リストと索引が完備されている(ワタクシ側から言えば「蒐書はまだ当分終わりそうにないな」という感を強くした).19世紀ドイツ進化形態学の錯綜した様相を理解するためにも,当時の自然科学や人文・社会科学周辺との密接なかかわりについて知る上にも,さらには科学と一般社会との関係を考察する際にもまちがいなく必読書だろう.掛け値なく読書の秋にふさわしい一冊である.
—— 以上の書評は本録でも即日公開した.
◆本日の総歩数=2110歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(−0.6kg)/ 28.9%(+0.9%)
◆午前6時過ぎのろのろ起床.曇りところどころ晴れ.気温18.3度.まずは国勢調査オンライン送信完了.らくらく.お昼前に〈コーヒー・ファクトリー〉にて珈琲豆をゲットし,水だしコーヒーをいただく.
◆[欹耳袋]昆虫分類学若手懇談会ニュースの最新号(no. 93, 2015年9月1日発行)が届いていた.いま開催中の箱崎での日本昆虫学会大会では,小集会のひとつとして若手懇シンポジウム〈形態を観察するための How To 講座〉が明日あるとのこと./昆虫分類学若手懇談会の公式HPが新規開設された.すでに電子化されているニュースと Panmixia のオンライン公開が望まれる.
◆[蒐書日誌]佐藤恵子『ヘッケルと進化の夢:一元論、エコロジー、系統樹』(2015年9月20日刊行,工作舎,東京, 418 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-87502-466-8 → 目次|版元ページ)さくっと読了.後半の第2部「一元論をもたらしたもの:文化・社会への影響」(pp. 149-385)はヘッケルをとりまく当時の状況がよくわかる.
◆昼下がりの観音台はよく晴れて残暑の日差しが強い.気温はすでに24.6度と夏日ライン寸前.ツクツクボウシとミンミンゼミが思い出したように合唱している.成績評定に関する重要案件にケリをつけた.今日の最高気温は午後1時過ぎの27.1度.残暑の逆襲だ.そろそろ観音台を撤収しよう.
◆[蒐書日誌]Léon Croizat『Manual of Phytogeography, or, An Account of Plant-dispersal throughout the World 』(1952年刊行, Uitgeverij Dr. Wilhelm Junk, Den Haag → 目次)が先月 Springer から復刻されたことを知った(→ 版元ページ).Print-on-demand の paperback (ISBN:978-94-017-5744-7)と ebook (ISBN:978-94-017-6113-0)の両方で出ている.Croizat の著作のうち,商業出版ルートに乗っているのはこの『Manual of Phytogeography』だけで,それ以外の『Panbiogeography』(1958)やら『Principia Botanica』(1961),『Space, Time, Form』(1964)などの大著はすべてベネズエラでの自費出版だ.Croizat の著作販売の窓口だった古書店(Wheldon & Wesley)が10年ほど前に “家庭内の事情” (→ Cf: 2006年11月29日・日録「ヘイ・オン・ワイをめぐる一古書店の話」/ Hermann L. Strack「10 DECEMBER 2005 - WHELDON & WESLEY....... THE FINAL CHAPTER」)により廃業してしまったので,今ではどれもこれも入手不能になってしまった.汎生物地理学の一端をちょいと覗いてみるだけなら John Grehan が開設しているポータルサイト〈Panbiogeography: A road map to evolution〉がいいかも.
◆毎年お彼岸の墓参りという年中行事がないので,遠距離移動する義務はどこにもない.明日もゆるゆると休みが続く.
◆本日の総歩数=6492歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.3kg(+0.4kg)/ 28.0%(−2.0%)
◆午前4時半起床.外は真っ暗.気温21.2度.不在中に堆積していた┣┣" 層の切り崩しにかかる.ふと気がつけば,ホテルの窓の外は明るくなっていて,朝日がさんさんと降り注ぎ,雲一つない青空が広がる.善哉善哉.昨日と一昨日の日録をアップ.今日はすっきり秋晴れになりそう.しかし,パルテノン多摩まわりを徘徊している余裕はない.
◆[蒐書日誌]岩波データサイエンス刊行委員会(編)『岩波データサイエンス (第I期・全6巻)』(2015年10月刊行開始,岩波書店,東京 → 版元ページ)※そーかそーか全6巻も出すのかぁ — と他人事のようにつぶやいてみる(締切はまだ先のはず……).
◆[欹耳袋]favy「つくば市民が教える!!完全制覇したい「つくば市」の人気ラーメン店8選」※まだ未体験店はあるが,けっこういいセレクションだと思う.
◆午前10時,南大沢着.さわやか秋晴れと言いたいが,気温はすでに夏日ラインに急接近していて,首都大キャンパスは乾いた暑さと金木犀の香りに包まれている.昨日から始まっている日本社会教育学会大会の参加者たちをすり抜けて講義室へ.
◆午前の講義が終わった.分散概念の導出と自由度,そして推定量の不偏性について解説と実習.RStudio をインストールしたら,先行する竹中センセのワークブック地縛霊がわらわらと立ち上がってきたので,その除霊をしないといけない.気温はお昼前に27.7度まで上がっている.夏.今日の首都大キャンパスは E-mobile の電波状況がとても悪い.WiMAX は最初から死んでいる.夜フクロウだけが,E-mobile のかすかな電波を拾ってくれる.
◆[欹耳袋]11月にパシフィコ横浜で開催される第17回図書館総合展での〈分類フォーラム〉で一席:三中信宏「ヒトはつい、分類してしまう生き物だった」— 分類フォーラム[第一部]~「分類思考の世界」の著者が語る分類のあれこれ~ 2015年11月12日(木)13:00–14:45.図書館流通センターからのアナウンスはこちら.
◆八王子の午後の最高気温は28.7度まで上がった.関東内陸部では真夏日になった地点もあるらしい.首都大キャンパスをあとにして,午後5時前に南大沢駅から帰ろうとするも,京王線が転落事故で遅延しているとのアナウンス.小田急の多摩急行に迂回.午後8時,つくば帰還.新百合ヶ丘まわりだったので時間がかかってしまった.これにて前半戦は終わった.来週も同一のスケジュールで出撃する.大型連休をはさむので,次に出勤簿にハンコを押すのは9日後ということになる.
◆今夜はひたすら寝るしかない.
◆本日の総歩数=7686歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測
◆午前5時過ぎ起床.今は雨は止んでいるようだが,次々に大きな雨雲が来る.雷鳴.気温17.7度.雷が轟いては雨がざーっと降ってくる.プチ旅支度.
◆[欹耳袋]北海道大学創成研究機構「研究者のためのスキルアップセミナー⑥「その服装?それじゃ研究は伝わらない-着こなしも、プレゼンスキルの一つです-」を開催します」※当然だよね〜,着こなし大切だよね〜(爆笑)※どの口がそれを言う./京都大学学際融合教育研究推進センター が実施している 〈分野が違えば世界が違う? 学術分野の文化、比較大調査〉のアンケートサイト.
◆八王子への旅路 —— 今年もまた南大沢での生物統計学集中講義のシーズンになった.ふりかえれば10年前の2005年から「生命科学特論」として生物統計学の集中講義を担当している.計4日間を2週間に分けて開講する.午前7時過ぎ,つくば駅.小雨がぽつぽつ降り続く.気温17.9度.つくばから南大沢までははてしなく遠い.守谷で雨足が強くなってきた.秋葉原も小雨.岩本町から笹塚,調布と乗り継ぐ.雨は小止みになり,青空がところどころ見えている.橋本行き京王線急行に乗り換え.午前9時半過ぎに南大沢着.やや早く着きすぎたか.雨に濡れる南大沢アウトレットを通り過ぎ,首都大学東京の「顔」である巨大アーケードをくぐって,てくてく歩く.もう少し秋が深まり学園祭の頃になればキャンパス内は色づくだろう.8号館の講義室でさっそくPCのセッティング作業.昨日は長袖を着てたいへん後悔したので,今日はもちろん半袖アロハという TPO をわきまえまくった服装でやってきた.
◆昼休み.雨は止んでいるが,まだ油断はできない.曇り空の首都大学東京キャンパス.生物統計学の集中講義は8号館の生物実験室が教室.見下ろす中庭がきれいに整地されてしまった.先日行った横浜国大のようにもっとワイルドなキャンパス風景であってほしかったな.
◆[欹耳袋]ダイヤモンド・オンライン「大学は職業訓練校になるべきか? 文科省がいう「真の学力」とは何なのかを追求し滋賀大学がデータサイエンス学部を新設する理由.佐和隆光氏×坪井賢一対談(後編)」(2015年9月18日)※「統計科学は、統計学とは別物扱いされていた」「日本の統計学者は分野点在型に散らばっている」「仮に総合大学でデータサイエンス学部を作ろうという機運が盛り上がっても、経済学部、工学部、理学部などの間で主導権争いが繰り広げられることになるでしょうね」— 納得.
◆[蒐書日誌]佐藤恵子『ヘッケルと進化の夢:一元論、エコロジー、系統樹』(2015年9月20日刊行,工作舎,東京, 418 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-87502-466-8 → 版元ページ)の第2部「一元論をもたらしたもの:文化・社会への影響」の第1章「魅惑的な生物発生原則」(pp. 150-179)読了.遺伝学者 Richard B. Goldschmidt が『自伝』(1960)とは別に『回想録』(1956)を書いていたことを初めて知った(p. 176).この回想録には Haeckel の人となりについての記述があるらしい.回想録:Richard B. Goldschmidt『Portraits From Memory: Recollections of a Zoologist』(1956年刊行,University of Washington Press, Seattle)発注.ついでに,自伝:R. B. Goldschmidt『 In and Out of the Ivory Tower : The Autobiography of Richard B. Goldschmidt』(1960年刊行,University of Washington Press, Seattle)も発注完了.
◆午後4時半に初日を終え,京王多摩センターへ.ときどき思い出したように雨が降りかかるが,青空から夕日が差し込むまでに回復した.ホテルにチェックインしてから夕ごはんの探索のため多摩都市モノレールで立川へ.多摩センターよりも立川の方がはるかに選択肢が多い.まずは〈文佳人〉純米秋あがり.続いて〈祐村〉純米辛口限定品.そして香川名物の骨付鳥のために造られたという香川〈川鶴〉吟醸うすにごり「讃岐くらうでぃ」.これはアルコール度数が低い(6%)ので清涼飲料水.酸度がとても高いにごり酒で,ヨーグルト系の乳酸飲料みたいなのどごし.骨付鳥の攻め(未体験ゾーン)にも十分耐えられそう.最後は,青森〈豊盃〉特別純米秋あがり.秋ですなあ.立川で呑んだら最後は駅南至近の〈レインボウスパイス〉でチキンマサラカリーを.カウンター7席のみの極小空間だが,立川では指折りの有名なカレー屋だそうだ.たいてい満席だが,夜遅いと入れる確率が高くなる.カレースパイスの直撃をターメリックライスが受け止める.
◆明日も朝から夕方まで南大沢のお座敷だ.
◆本日の総歩数=12972歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.9kg(+0.2kg)/ 30.0%(+0.6%)
◆午前5時前起床.本降りの雨.気温16.9度.
◆[欹耳袋]西日本新聞「九大の研究資料が散逸危機 750万点、財源不足 [福岡県]」(2015年9月17日)※「このままでは、他の博物館に譲ったり、破棄したりするしかない資料もあるのではないか」— お金の問題は以前聞いた通りだ.
◆定例都内出撃シーズン開幕 —— 午前7時半,つくば駅.雨は降り続いている.秋学期最初の定例都内出撃の朝.午前9時,新宿駅.本降りの雨になった.気温は17.5度と低めだが,密閉空間では蒸し暑い.小田急乗り換え.新百合ヶ丘は雨ざあざあ.午前10時,玉川大学なう.およそ8ヶ月ぶりに来た玉川大学キャンパスは雨が川になっていた.昨年度からずっと工事が続いていた正面ゲート奥の “パルテノン神殿” (みなか命名)はすっかり完成していて,「教育棟2014」という名前が付けられていた.隣接する直角三角形の建物は「朔風館」というカフェテリア.私学ならではのゴージャスさ.大学8号館講師室にて一休み.講義室へ.初回はいつも緊張するPC接続.はたして「Yosemite の悲劇」は繰り返されるのか? 講義全体のガイダンスからスタート.今年の受講生は10名ほど.分類学の概論を終えて,休憩.午後は系統学概論.順調なスタート.
◆午後1時,玉川学園前から小田急へ.雨はあいかわらずざんざん降り続いている.防水靴を履いてきてよかった.午後1時の気温は18.7度だが,涼しいんだか蒸し暑いんだかわからない.ランチを求めて経堂で途中下車.どこもかしこも雨で水浸しだ.ひさしぶりに行った〈はるばるてい〉は「ロング夏休み」と書かれていてアウト(いつまで休むのか).高架をくぐって〈鶏ロック〉で濃厚塩ラーメンを.このあたりはラーメン店激戦区である.ランチ後,経堂コルティの上層フロアで静かに本を読む.
◆[欹耳袋]ない袖は振れない —— 来月から農環研でも公式の「研究ノート」を作成して管理するということで,所内的 “パブリック・コメント” を集めた上で,正式に実施する予定.今日の所議説明&領域会議でもその話題が出たのだが,ワタクシの近辺では「何を書きゃいいんですか?」状態からまったく脱出できていない.実験系の研究分野ならば, “お手本” となる模範的「実験ノート(研究ノート)」のお作法はいろいろ見つかる.たとえば,東京大学大学院工学研究科応用化学・藤田研究室「実験ノート」とか,大阪大学医学部「データ記録と管理について」には,具体的な「実験ノート」の作成法が詳しくまとめられている.いま農環研で進めている「研究ノート」のフォーマットはこういう実験科学でのスタイルを踏襲するようだ.
その一方で,ワタクシのような地に足の着いていない(=実験なんか知らないよん)タイプの研究者が,「さぁ,今日から研究ノートをつくれ」と言われたとき,いったいどうすればいいのだろうか.要するに,「研究ノート」に何を書けばいいのか? 世の中には,数学やら統計学のリクツだけやって飯喰ってる研究者も(たくさん)いるはずだけど(農水省系にもちょっとはいる),そういう方々は「研究ノート」を強制されたとき,いったい何を書くつもりなんだろうかと,真剣に知りたい.ワタクシの場合,昔の論文やら畑違いの本やらを読む時間が研究生活のほとんどなのだが,「今日はこの論文読んだよん」とか「この本おもしろいよん」とか研究ノートにちょこちょこ書けば許されるのだろうか.
しかも,研究ノートは「紙」のノートに「手書き」で記せとか,一昔前に先祖返りしたようなお作法を持ちだされても困ってしまう.幸いなことに,農環研では「研究ノート」の形式は「紙」でなくても「デジタル」でOKということらしいので,こんなアイデアを試行することにした.いつもワタクシは朝から晩までツイッターでライフログを書き記している.ツイートには仕事に直結するものも当然あるので(「うう寝るん〜」とか除外),鍵付きアカウントを新設し,まっとうなツイートだけ転送しておく.これで修正不能性とタイムスタンプは問題なし.この鍵付きツイッター束をもってワタクシの「研究ノート」とする.あとは「研究ノート」をチェックする管理職をツイッターに引きずり込んで,フォロー承認すれば,定期的に第三者チェックがツイートされるだろう.これでいいんじゃね?
以上のスタイルを提案したところ,驚くべきことに「やってみれば」と仮承認が得られたので,今日の午後から実際にやり始めている.もしそのままOKになれば,ワタクシにとっては「研究ノート」をつくる負担はゼロに等しい.要するに,流したツイートのまんまなのでとても楽チン.ワタクシの場合,朝から晩までのべつ幕なしにツイートしているので,その真部分集合が「研究ノート」になるということだ.(それでいいのかという反論はいっさい受け付けません)
◆午後3時過ぎ,そろそろ雨の駒場に移動.どこに行っても水浸し.都内の午後の気温はずっと18度台をキープしている.
◆午後8時半,つくば帰還なう.小雨が降り続いている.気温は18.9度.今日の都内は気温こそ19度に届かなかったものの,いたるところの密閉空間(電車とか教室とか)が蒸し暑かった.〈秋鹿〉純米吟醸無濾過生原酒「大辛口」をいただいてスッキリしよう.
◆[蒐書日誌]佐藤恵子『ヘッケルと進化の夢:一元論、エコロジー、系統樹』(2015年9月20日刊行,工作舎,東京, 418 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-87502-466-8 → 版元ページ)の第1部「生涯と一元論の高層」(pp. 22-143)読了.とてもいい感じで読み進んだ.第1章「ヘッケルの生涯と一九世紀ドイツ:進化論との遭遇および一元論への開眼」(pp. 22-65)はヘッケル小伝.第2章「一元論と『有機体の一般形態学』」(pp. 66-100)はヘッケルの主著(1866)の分析.続く第3章「[資料篇]『有機体の一般形態学』の章立てと概要」(pp. 101-143)は他では見たことがない内容.この章だけ上下二段組にして,『有機体の一般形態学』全2巻を章ごとにまとめている.価値ある章.
◆長袖はまだ季節はずれであることが判明したので,明日からの南大沢出撃ではまた半袖に戻ろう.
◆本日の総歩数=14272歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.7kg(−0.6kg)/ 29.4%(−1.6%)
◆午前5時過ぎ起床.曇り,気温19.3度.米とぐ水が日に日に冷たくなっていく.曇り空の観音台は気温21.0度.気温は昨日とほとんど変わらないが,空気が湿っているせいか,さわやかさはあまりない.朝のBGM はMusica Antiqua Köln の〈フーガの技法〉.
◆[欹耳袋]先月末,世田谷赤堤で開催された〈ISIS Festa〉お座敷にワタクシが出た夜のレポートと写真が公開されました:イシス編集学校「第3回ISISフェスタ:Day3 | 三中信宏「鎖と樹と網を編集する夜学」2015.8.29 Sat | 19:30~22:00」.
◆午前の┣┣" 撃ち —— 年度後半は組合の職場委員を担当するので,配布物とか動員とか小┣┣" どもが発生する.さっきメールボックスを開けたら,組合関係の一太郎文書ファイル(.jtd)が届いていたので,即刻焼却処分.以前,分会書記長をしていたときも .jtd は読まずに焚書していた.読めない文書は燃やせばいい./所議報告&領域会議 10:30〜11:30.公式の「研究ノート」つけろつけろ案.ノートは何でもいいそうなので「ジャポニカ学習帳」でも使うか.
◆[蒐書日誌]ヤマザキマリ,とり・みき『プリニウス・III』(2015年9月15日刊行,新潮社[バンチコミックス45プレミアム],東京,ISBN:978-4-10-771841-9 → 版元ページ|特設サイト)※読了.半年ごとに出る新刊を読むのは楽しい./白倉敬彦『春画の色恋:江戸のむつごと「四十八手」の世界』(2015年9月10日刊行,講談社[講談社学術文庫],東京, 8 color plates + 389 pp., ISBN:978-4-06-292319-4 → 版元ページ)※最近はこういうカテゴリーの本が文庫や新書でたくさん出ている.よく売れているということだろう.
◆[欹耳袋]47NEWS「「ツノガイ」数週間で化石に 名古屋大が解明」(2015年9月15日)※即座におせち料理を連想させてくれる写真(笑).それはそれとして「15日付の英科学誌電子版に発表した」という一文はほとんど無情報.雑誌名は?
◆雲の多い観音台は正午の気温が22.8度.湿度が高いせいでロングコース徘徊は蒸し暑い.歩き読み本:野村哲也『〔カラー版〕イースター島を行く:モアイの謎と未踏の聖地』(2015年6月25日刊行, 中央公論新社[中公新書・2327], 東京, x+178 pp., 本体価格1,000円, ISBN:978-4-12-102327-8 → 版元ページ)をやっと読了.写真美麗.
◆[蒐書日誌]佐藤恵子『ヘッケルと進化の夢:一元論、エコロジー、系統樹』(2015年9月20日刊行,工作舎,東京, 418 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-87502-466-8 → 版元ページ)※400頁もある日本初の伝記.ご恵贈どうもありがとうございます!/ご恵贈の翻訳書 —— ダニエル・E・リーバーマン[塩原通緒訳]『人体六〇〇万年史:科学が明かす進化・健康・疾病[上]』(2015年9月25日刊行,早川書房,東京,332 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-15-209565-7 → 版元ページ)&『人体六〇〇万年史:科学が明かす進化・健康・疾病[下]』(2015年9月25日刊行,早川書房,東京,349 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-15-209566-4 → 版元ページ)※天高く本積み上がる.
◆夜,予報通り雨が降りだした.明日は秋学期の定例都内出撃初日.半年ぶりなので玉川学園前までの時刻表をチェックするなど.駒場はまあ転んでもたどりつけるだろう.
◆本日の総歩数=10270歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.3kg(0.0kg)/ 31.0%(+2.0%)
◆午前5時前起床.気温15.6度.北風が涼しすぎる.観音台は筋雲が高くたなびく秋空が青い.気温は21.3度.北東風.
◆[蒐書日誌]山極寿一『ゴリラ[第2版]』(2015年8月25日刊行,東京大学出版会,東京,viii color plates + iv + 248 + 38 pp., 本体価格2,900円, ISBN:978-4-13-063344-4 → 版元ページ)※ご恵贈感謝です.初版は10年前の2005年5月20日刊行.
◆午前の┣┣" 撃ち —— 玉川大学の新しいTAさんから事前連絡メールあり.半年間よろしくお願いいたします.
◆今日もロングコース徘徊.夏のような雲が点々と散らばる昼休みは夏日ライン手前のからっとしさ暑さになった.コスモスが花開き始めていた.土屋敦『男のハンバーグ道』(2015年6月8日刊行,日本経済新聞出版社[日経プレミアシリーズ・276], 東京, 238 pp., ISBN:978-4-532-26276-1 → 版元ページ)読了.ミンサー必須.
◆午後の┣┣" 撃ち —— やや気の重いメール返信./秋学期の講義開講直前の連絡が駒場と町田から相次いで届いた.学事暦でも夏は過ぎてしまったということ.
◆[欹耳袋]Willyの脳内日記「日本の博士課程は人生の罰ゲームか」(2015年9月12日)※「日本のアカデミアに残るという選択が非常に過酷である理由はいくつもあるが、その第一関門が「博士課程院生が職業人として認められていない」」.
◆今日の最高気温は夏日ラインに届かない24.9度だった.日差しがあれば蝉はまだ鳴いているが,めっきり肌寒くなった朝晩は秋の虫が制覇している.今夜も涼しい.
◆本日の総歩数=11613歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 94.3kg(0.0kg)/ 29.0%(0.0%)
◆午前5時前起床.夜明け前.オホーツク並みに涼しい北東風が吹き抜ける.気温20.3度.週明けの観音台はすっかり秋めいている.薄雲が広がっているものの,午前8時の気温は22.3度.乾いた北東風が心地よし.居室の窓を全開にして,BGM はバッハ〈無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ組曲〉を.微小雑用┣┣" を一網打尽にする前に,留守中に届いていた本を開封する.
◆午前の┣┣" 撃ち —— オホーツク復命書を提出し,メーリングリストのアドレス登録をすませ,第10回連載ゲラのチェック完了.
◆ひさしぶりの昼休みロングコース徘徊.強い日差し,気温は夏日ライン超えの25.7度まで上がり,蝉の合唱とともに夏がまだ居残っている感あり.稲刈りはもう始まっていて,田んぼはまだら模様になっていた.本日の歩き読み本:土屋敦『男のハンバーグ道』(2015年6月8日刊行,日本経済新聞出版社[日経プレミアシリーズ・276], 東京, 238 pp., ISBN:978-4-532-26276-1 → 版元ページ)の前半2章を読了.牛すね肉のひき肉がベスト」「ひき肉は低温のまま」「手ごねではなくすりこぎで」など実に明快な “ハンバーグ料理科学” 本.
◆午後の┣┣" 撃ち —— さて,秋学期がいよいよスタートするぞ./「課題レポートを期限内に提出=単位ゲット」という一般則が日本の大学にはあるのか?
◆[蒐書日誌]Paul Maas[Barbara Flower 訳]『Textual Criticism』(1958年刊行,Oxford at the Clarendon Press, x+59 pp. → 目次)※ミネソタの〈Rulon-Miller Books〉から届いた古書.独語原書の改訂第2版:Paul Maas『Textkritik [Zweite verbesserte und vermehrte Auflage]』(1949年改訂増補第2版刊行[1927年初版刊行],B. G. Teubner Verlaggesellschaft, Leipzig, 31pp. → 目次)ならびに改訂第3版(1957)を踏まえた英訳.前所有者である古文書学者 Julian G. Plante の署名入り.マルジナリアには徹底的な書き込みと下線が引かれている.本文総ページ数がたった59ページなのにハードカバー版というぜいたくな造本.独語版には索引はなかったが,この英語版には付いている.ワタクシの所有する独語版は1949年に出版された第2版.戦後間もない時代のせいで紙質は絶悪,本としての造りも崩壊寸前.英訳版は20年ほど前に外部複写依頼をしたことがあるが,当時は国内では私立大学にしか所蔵されていなくて,「私費でしか受け付けられない」と言われた.いま CiNii Books で調べたら国立大学にも入っているようだ.
◆[欹耳袋]logical cypher scape「『現代思想2015年9月号』『Newton2015年10月号』『日経サイエンス2015年10月号』」(2015年9月2日)※『現代思想』今回の特集は「鼎談」と「翻訳」が主役ですね.ワタクシが書いたとおり,生物進化上の「絶滅」は,因果プロセスとしての仮説を論じる前に,系統樹あるいは分岐図の上で絶滅を仮定してもよいかどうかという認識論上の問題を解く必要があるでしょう.「系統樹思考」が形而上学の「メレオロジー」と密接な関係があるというのは part-whole relationship を考えれば自然な発想だと思う.先日の生物学基礎論学会@網走では「それは一般外延メレオロジーなのか?」というスルドイ質問が.返答して,「Henry S. Leonard and Nelson Goodman 1940. The Calculus of Individuals and Its Uses. The Journal of Symbolic Logic, 5(2): 45-55 の個体計算論でいけるでしょう」と口走ったのだが,大丈夫か?>ワタクシ.形而上学への「地獄の門」はいたるところに口を開けている.
◆涼しい夜風.気温はすでに20度を下回っている.しばらく道東に行っていた間につくばもいい季節になった.
◆本日の総歩数=14148歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 94.3kg(+0.8kg)/ 29.0%(+1.1%)
◆午前6時半のろのろ起床.オホーツク最後の朝は小雨に濡れている.気温17.6度.午前8時にホテルをチェックアウト.小雨降る網走川をあとにする.次にこの景色を目にするのはいったいいつのことか.
◆網走駅前で空港行きバスに乗り込んだら,ワタクシを含めてたった2人しか乗客がいない.なんだこりゃ.網走湖を右手に眺めながら半時間ほどで空港着.空港も閑散としていた.離発着がほとんどないわけね.
◆フライトまであと1時間もあるので,ゆったりした空気.午前10時過ぎに保安検査場を通り,10:45発の ANA に.ひょっとしてプロペラ機なのか!(いったい何年ぶりか) プロペラのばたばた音とともに離陸したミニサイズの双発プロペラ機は,乱流に揺さぶられつつ1時間ほどで雨の新千歳空港に着陸した.
◆新千歳ではあわただしく羽田空港行きのジャンボなジェット機に乗り継いで午後2時前に羽田着.蒸し暑い都内は気温25.9度の夏日.つくばセンター行きのシャトルバス待ち時間に,第2ビル地下に今夏オープンしたばかりの〈eggcellent BITES〉でハンバーガーを.かなりうまいと思うぞ.メルセデス・ベンツが提携する店だとあとで知った.店の前にベンツがごろごろしていたのはそのせいだったか.
◆午後3時前,つくばセンター行きバス発車.これにて横浜中華街からオホーツクへの長旅は終わった.この1週間というもの,横浜中華街からオホーツクへと旅が続いてややお疲れ気味.午後4時半,つくば帰還.曇りときどき小雨がぽつぽつ.気温24.9度.蒸し暑すぎてオホーツクに帰りたい.その後,青空が戻り,鮮やかな夕焼けの空が広がってきた.
◆本日の総歩数=7019歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測
◆午前5時過ぎ起床.昨夜の風雨は過ぎ去り,曇りところどころ晴れ間が覗く.気温15.0度.朝日がさんさんと降り注ぐ.午前8時,さて,そろそろ出撃タイム.薄い雲が広がってきた.午前7時の気温16.5度.今日も半袖でまったく問題なし.
◆路線バスに半時間あまり揺られて東京農大オホーツクキャンパス着.気温16.5度.すっきり青空,さわやかな海風.農大応援団がバスに荷物を積み込んでいた.午前9時からすでに基調講演が始まっている:金岩稔「国際水産資源管理における管理方策とその決定過程」.漁業資源管理に関する統合モデル「Stock Synthesis[SS]」について.
◆この生物学基礎論研究会は講演時間が「30分」と「60分」の二択.「一般講演15分」などという理系学会によくあるせわしない制約はいっさいない.さすがテツガク系であると感心する.
◆網走といえば監獄である.よく晴れ上がったお昼休みに網走監獄をこわごわ視察.この日は最高気温が22.4度のぽかぽか陽気だった.監獄の房は放射状に五棟が配置されている.どこを向いても監獄だらけ.懲罰房という名の独房.とある出版社の地下にも書き手を叩き込むこういう独房があったりするとコワい.原稿を書き上げないうちは出してもらえないとか.付設の〈監獄食堂〉にてザンギ丼をいただく.最初から最後まで監獄づくし.午後2時ギリギリに戻ってきて滑り込みで間に合った.
◆[欹耳袋]身内に背後から袈裟懸けにばっさりと —— 経団連「国立大学改革に関する考え方」(2015年9月9日)※「今回の通知は即戦力を有する人材を求める産業界の意向を受けたものであるとの見方があるが、産業界の求める人材像は、その対極にある」— あららら./毎日新聞「国立大・文系廃止通知:下村文科相「見直し求めた」と釈明」(2015年9月11日)※「通知に対し学術界から「文系軽視か」と批判が出るなど波紋が広がる中、文科省は火消しに躍起」— 経済界からもね./読売新聞「富山大 文系定員100人規模削減も」(2015年9月11日)※「同大幹部は「文系の定員削減規模がさらに拡大する可能性もある」と話している」— 末端で振り回される “被害者” やなあ.
◆網走最終日の夜は〈THE ƎND 縁戸〉にて打ち上がる.網走をよく知るみなさんにお世話になりまくりで,明日はもう帰路につく.
◆本日の総歩数=9668歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測
◆午前5時前起床.日本東端だけあって,もうすっかり明るくなっている.晴れ.気温15.2度.カモメが鳴きながら飛び交い,朝日が昇るオホーツクの朝.今日の紙芝居のドロナワ作業はまだ続いている(泣).
◆午前9時前,人生初の東京農大オホーツクキャンパス着.雲は多めだが,とりあえず雨の心配はなさそう.気温は17度台なので,半袖アロハでぜんぜん問題なし.農大オホーツクキャンパスは初めてだが,農大関係者でもここまでわざわざ来たことのある人は少ないにちがいない.3G ながら E-mobile はちゃんとつながるが,WiMAX はぜんぜんダメ.ここオホーツクキャンパスは生物産業学部のみの単一学部で,生物生産学科やアクアバイオ学科など四つの学科に分かれている.
◆今回のオホーツクお座敷 —— 第9回生物学基礎論研究会:シンポジウム〈Population Thinking vs. Typological Thinking〉14:30〜17:30@11号館201教室.
◆お昼休み.外は灰色の曇り空が広がっている.正午の気温は17.7度.涼風が吹き抜ける.東京農大オホーツクキャンパス内をしばし散策.まだ夏休み中のせいか,学生はあまり見かけない.午後2時半からの高座の紙芝居がやっと完成.そろそろ出番だ.
◆午後5時半に初日は終わった.雨は降り続いている.網走繁華街にて懇親会.午後10時過ぎ,懇親会を終え,台風の風雨のなかホテル帰還.気温は14.6度.
◆本日の総歩数=10407歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測
◆午前5時過ぎ起床.気温22.8度.雨はなおざあざあ降り続く.つくばは水浸し.「線状降雨帯」という新しい言葉を覚えてしまったではないか.今日午後の羽田からのフライトは大丈夫だろうか(線状降雨帯のように広がる不安).常磐線遅延・常総線運休・武蔵野線運休とくれば,つくばエクスプレスの社会的地位がアップするのも当然だわなあ.午前8時過ぎ,気象特別警報発令中の観音台は土砂降りの雨.稲荷川の水位がとんでもなく高くなっていた.
◆水も滴るいい┣┣" 撃ち —— 今日のお昼までは研究室に実在しますが,いないことになっているので所内で見かけても声をかけないでください>なかのひと./第10回連載原稿メール送信./講義の課題レポートをメール提出させるとき,受領メールをもれなく返信しておくといざというときに役に立つ,「レポート出したのにどーして……(以下略)」というクレームがあったとき,「出したというならワタクシからの受領返信メールを転送せよ」と言えばよいから.
◆降り続く大雨.【注意喚起】国道408号から農環研敷地に入る稲荷川側道は一箇所で豪雨による侵食が大きくなっているので,脱輪しないよう注意してください.|農環研「C地区駐車場」の入り口あたりは道路がすでに冠水していて,車の出入りができなくなっているとのこと.稲荷川の水位はさらに増水中.|エリアメールでつくば市の一部に「避難準備情報」が発令されたとのこと.
◆オホーツクへの旅路 —— 午後1時前,つくば駅.雨は止み,空は明るくなってきた.それとともに蒸し暑さとメゾピアノの蝉時雨が戻ってきた.雨に降られないうちに旅立ち.ひたすら北を目指す.しかし,守谷でまた雨が降りだした.そして都内方面は本降りみたい.浜松町でモノレールに乗り換え.都内は雨.羽田空港第2ビル.平日の午後は混雑なし.チェックインして手荷物を放り込んだのでラクラク.HANEDA-Free-WiFi は接続キケンと判定されてしまったので,Emobile をごそごそ取り出す.午後3時半,保安検査場を突破して,女満別空港へ向けて搭乗.16:15 に ANA4779 は定刻離陸した.
◆[欹耳袋]水没する茨城 —— NHK NewsWeb から速報みっつ:「茨城・鬼怒川で堤防決壊 孤立住民の救助急ぐ」/「茨城 桜川市 桜川も堤防越え水があふれる」/「茨城 土浦市で706人に避難勧告」— わわ.
◆午後6時,女満別空港着.同じ研究会への参加者が借りたレンタカーに乗せてもらって網走駅へ.さすがに東の果ての街はもう真っ暗だった.夜の闇に浮かび上がるJR網走駅は凄みがあった.午後7時前,駅近くのホテルにチェックイン.網走市街地の気温はいま16度.半袖しか持ってこなかったのは敗因かもしれないが,許容範囲内.午後7時の大音響サイレンが四方に響きわたる.
◆はるばる網走に来たからにはお魚をいただくしかない.網走ナイトは繁華街の〈喜八〉から始まる.ここ〈喜八〉は網走でも超人気店.真っ赤に起こされた炭火の向こう側で “巨大” な店主が鰊を焼いていた.まずはお造り五点盛り. “お水” は〈奥播磨〉純米吟醸「喜八」.続いて鯨のお造り.〈喜八〉は鯨料理が看板. “お水” は奈良の〈八咫烏〉特別純米.さらに,巨大な鰊を焼いてもらった.このフレッシュさはすばらしい. “お水” は山形〈出羽桜〉の特別純米「一耕」.初日はヘルシーにもここで打留め.
◆北海道全体がふたつの “目玉” にはさまれて「吹きさらし」になっている.明日の道東はいったいどうなるのか.
◆本日の総歩数=12685歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.5kg(+0.4kg)/ 27.9%(−1.3%)
◆午前5時前起床.集中講義最終日の今朝も雨.気温19.3度.
◆常盤台統計道場最終日 —— 昨日と同じ時間に常盤台着.国大西ローソンにて一休み.途中一時止んでいた雨がまた降りだした.気温23.9度.涼しいようで蒸し暑い.午前8時半,PC実習室へ向かう.
◆パソコン実習室に隣接して図書館フロアが広がっているが,けっきょく立ち入る余裕がなかった.朝から夕方まで一歩も外に出ないで “自主的監禁” .
今回の統計道場では,変量間関係・多変量解析そして計算統計学についてはスルーして,最後はベイズ統計学の解説と実習にした.受講生のみなさん,お疲れさんでした.
◆夕方のキャンパスはまぶしい夕日に降りしきるスコールがひかり輝くという奇妙な空模様だった.日本を串刺しにしている台風18号の影響で「線状降雨帯」が関東を南北に伸びているとのことで,東京や神奈川は目まぐるしく降ったり止んだりした.常盤台からの帰路,途中立ち寄ったチャイナタウンは土砂降りで足元ずぶ濡れ.横浜からの鉄路も大雨やら信号故障で方々遅延していた.午後8時前,つくば帰還.つくばは小雨だったので傘いらず.午後8時の気温は24.6度.南風が蒸し暑くて不快.また本降りの雨だ.
◆明日の午後はオホーツクに飛ぶのだが,この大雨ではたしてほんとうに飛ぶんだろうか? 道東には別の台風17号が接近中だし.
◆本日の総歩数=8910歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 未計測/未計測
◆午前5時半のろのろ起床.本降りの雨が降り続くチャイナタウンはまだ起きていない.気温20.1度.常盤台統計道場の二日目.今日も一日雨ですかそうですか.
◆常盤台統計道場二日目 —— 昨日と同じく,午前8時過ぎには常盤台の丘の上にいた.丘の上も本降りの雨.横浜国大キャンパスに生い茂る木々から滴る雨粒.気温は20度ラインを下回る19.9度.昨日よりも涼しくてとてもよろしい.PC実習室に向かう前の一休み@ローソン横浜国大店.午前9時前,そろそろ実習室に出撃する時間だ.濡れ濡れて進軍.PC実習室C・D着.何よりもまず「R3点セット」の再インストールをしないと.といっても,PCの起動だけで10分かかるというノンビリYNUのシステム.
◆雨がざあざあ降り続くキャンパス.落葉を掃除してはならぬという “家訓” があるらしい一角に知人をたずねて,ごあいさつなど.午後のしたくをするかな.ヨコハマに来て以来,雑┣┣" どもが押し寄せてこないのはシアワセである.
◆本降りの雨のなか,野毛でおそばをたぐってからチャイナタウン帰還.それにしてもよく降り続く.明日は統計道場の最終日.
◆本日の総歩数=12963歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測
◆午前4時半起床.雨に濡れるチャイナタウンの夜明け前.気温23.3度.日付変更線の向こう側から遠路はるばるやってきた台風17号は今週後半の網走巡業に影響をしそうな心配がある(フライトは大丈夫か).その一方で,昨夜いきなり発生した台風18号は近畿串刺しコース.逃げ場がまったくない.いつの間にこんな “伏兵” が登場したのか.まったくもって賑やかなことだ.
◆常盤台の丘の上へ —— 午前7時過ぎ,本降りの雨に濡れる朝のチャイナタウン.そろそろ常盤台への出撃時刻だ.みなとみらい線で横浜へ.さらに相鉄バス〈浜10〉に乗って横浜国大に向かう.午前8時過ぎ,小雨が降り続く横浜国大キャンパスに降り立つ.台地の上にあるためか,不快指数が低くてとてもよろしい.国大北バス停前のローソンにて一休み.午前8時半,情報基盤センターPC実習室に出撃しよう.何度も来ているけど,いちおうキャンパスマップで目的地を確認.この丘の上ではいつでもどこでも森や林の中で迷子になるリスクを背負っている.そして,案の定,プチ迷子になった.例年通りてっきり情報基盤センターのPC実習室A・Bが教室だと思っていたのだが,事務室で確認したら今年は別の棟にある「実習室C・D」だとのこと(初耳だ).またまた迷ってやっと目的地にたどり着いた.すでに受講生が数人いた.OS は Windows 8.1 だが,起動にものすごい時間がかかる.先行き不安.
◆引きこもりのPC実習室の外は雨上がりの蝉時雨.正午の気温は25.2度,湿度86%でムシムシする.
◆午後4時半,初日の集中講義を終え,ふたたびバスで横浜へ.雨は降ったり止んだり.横浜から桜木町へ.夕暮れの野毛に立ち寄ってから中華街帰還というすばらしいコース.締めは関帝廟通り〈徳記〉の「豚足そば」しかない.小雨が降り続く平日夜のチャイナタウンは喧騒とは無縁だった.
◆明日は集中講義二日目.初日のじたばたが終わればあとは “定速運行” で最後まで突っ走れるだろう.
◆本日の総歩数=7799歩. 朝−|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 未計測/未計測
◆午前6時前のろのろ起床.曇り.気温21.9度.涼しい北東風が吹き抜ける.厨房に大きなハエが迷いこんできたので,輪ゴムパッチンで仕留める.ときどきこのワザが役に立つ.1m〜1.5m程度の距離だったらはずさない.曇り空の観音台へ.気温は夏日ラインあたりを推移している.午前中は別件の高座紙芝居のしたくなどごそごそと.午前11時過ぎ,観音台撤収タイム.次に農環研に顔を出すのは8日後になる.それまでオサラバじゃ!
◆[欹耳袋]Togetter -「統計解析の目的:知見の一般化?それとも、傾向の確認?」 _φ(・・
◆正午過ぎ,つくば駅.やや蒸し暑い曇り空の昼下がり.正午の気温はちょうど25.0度.昨日オープンしたばかりの〈BiVi〉を横目に地下へ潜る.午後2時半,横浜中華街の朝陽門近くの定宿〈ローズホテル横浜〉にチェックイン.明日からまる三日間,常盤台の横浜国大で隔年開講している〈統計道場〉だ.常盤台はホテル不毛地域なので,いつもチャイナタウンを前線基地として毎朝出撃する.
◆中華街の入り口にそびえ立つ門の多くがちょうど改修工事中でシートにくるまれていたが,關帝廟通りの地久門だけは例外だった.ヨコハマはじっとり蒸し暑い.にもかかわらず,中華街のメインストリートはすれちがいにも困るほどの混雑で,その人いきれが不快指数をいやが上にも押し上げる.今日は路地の奥までどこの店も行列が長く伸びているが,平日になれば静かになるはず.まずは〈江戸清本店〉の豚まんをしっかり食べて冷静になろう.中華街の豚まんは〈江戸清〉一択だ.
◆小雨がしとしと降る蒸し暑い夕暮れ直後のチャイナタウンは人が減ってまっすぐ歩けるほどになった.市場通りを南下し,関帝廟通りを越え,〈梅蘭〉本店の真向かいにある〈雲龍〉へ.まずは麦の “お水” と「巻き揚げ」から.巻き揚げは豚細切り肉・海老・椎茸・たけのこを網脂に包んで揚げたもの.揚げたての熱いうちにばくばく食ってしまうのがよろし.しかし,巻き揚げだけですむはずがない.メインは看板メニューの「排骨麺」.博多ラーメンのような固めの細麺にすっきりスープ.そして骨付き豚肉の揚げたてがトッピング.
—— 中華街,ますます奥が深いぞ.
◆今宵は健全この上ない夜だった.明日から3日連続の統計道場.毎日,横浜駅からバス通勤で常盤台と往復する日々が続く.
◆本日の総歩数=7590歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.1kg(−0.1kg)/ 29.2%(+0.6%)
◆午前5時前起床.曇り.気温21.8度.涼しい朝.たったいま「お使いの Mac が感染している可能性あり!」という警告ウィンドウが開いたが,華麗なるスルー処理.
◆午前中は洞峰公園の周囲をうろうろしていくつかの案件をこなす.昼下がりの観音台は蒸し暑さが募る.正午の気温は2.68度.しばし巡業のドロナワをなう.
◆[欹耳袋]全角英数字は撲滅せよ —— 毎日新聞「メタボ健診データ:8割が検証不能…厚労省3年放置」(2015年9月4日)※「被保険者証等番号」と「レセプトデータ」で数字の全半角が混在したためらしい./NHK NewsWeb「メタボ検診 システムのミスで十分活用できず」(2015年9月4日)※「厚生労働省は3年前には突合率が低いことを把握しましたが、原因が分からず改修していなかった」— ええかげんにシステムをつくってしまったというお粗末./時事通信「メタボ健診、効果検証できず=データ数十億件宙に―厚労省対策放置か・検査院」(2015年9月4日)※「全半角や漢字・カタカナ書きの違いで同一人物と認識しない」「入力の統一マニュアルもなかった」「再照合も困難」— orz.
要するに,公文書では「全角英数字」を撤廃(or禁止)すればいい.全角英数字と半角カタカナは「入力可能」だからつい使ってしまう.最初から “御禁制” にして「入力不能」にしてしまえばいいのかな.しかし,本件を報道している新聞記事そのものがことごとく「全角数字オーライ」なのがとてつもなく “闇” である.Cf: R25「ネット新聞が全角英数なのはなぜ?」.
〈絶対フォント感〉のひとつとして「絶対全半角感」とか「絶対ハイフン感」は意識して身に付けたい.全角英数字や半角カタカナを見たら気持ち悪くて吐き気がするとか.そういえば,統計研修のため某県の農業試験場に出向いたときのこと,R実習中に計算エラーが出るというので見てみたら,全角英数字でコマンドが入力されていて全身脱力した経験がある.「Rプロンプトで全角英数字を入力するとPCがバクハツしますよ」とシズカに一言諭した覚えがある.
◆[蒐書日誌]ご恵贈ありがとうございます —— 池庄司敏明『蚊[第2版]』(2015年7月15日刊行,東京大学出版会,東京,viii+284 pp., 本体価格5,400円, ISBN:978-4-13-060229-7 → 版元ページ).ワタクシが学部生だった頃,池庄司先生の「昆虫生理学」の講義を農学部1号館地下の第4講義室で受けたことがある.つい先日もNHKのニュース番組に「蚊の達人」として捕虫網をもって登場されていた.
◆週明け常盤台での統計道場の配布ブツ一式をUSBに詰め込んだ.残る┣┣" は旅支度のみ.
◆本日の総歩数=2391歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.2kg(+0.3kg)/ 28.6%(−2.5%)
◆午前4時過ぎ起床.雨.気温22.5度.南風.早朝の雨は上がり,雲の向こうに昇る朝日,青空が覗いている.空気が湿っぽい.観音台は昨日よりも夏っぽい空の表情.晴れと曇りが半々.夜半の雨のなごりが点々と残っている.午前8時の気温は23.5度.
◆[欹耳袋]Togetter -「Researchmapを使おう」※ワタクシ自身はまだ Researchmap のユーザーではないのだが,業績リストの様式を網羅的かつ統一書式にするという提案はとても魅力的だ.各研究者が自分の研究アウトプットを網羅的(=業績 or not を気にしない)に書き出し,評価者は自分側の基準でやる.これならいちいちローカルに異なる書式で書きだす必要がない.
◆午前の┣┣" 撃ち —— MacBook 「Windows 8.1 結界」でのRワールド創世記:スクリプトやデータはすべて「PC>Documents」に起き,RStudio の「Tools>Global Options」で working directory と text encoding を変更すること.
◆[蒐書日誌]自然種としての生物分類群 —— Dina J. Kornet 『Biologische taxa als natuurlijke soorten』(1987年刊行, Eburon[Filosofische reeks UvA 22], Delft, 76 pp., ISBN:905166009X)
◆晴れところどころ雲が浮かぶ正午の気温は28.2度.蒸し暑い南風が吹く昼休みはそれなりに「夏」を引きずっているが,蝉時雨はツクツクボウシに占拠され,盛夏の勢いはすでにない.ショートコース徘徊.
◆[蒐書日誌]ご恵贈ありがとうございます:フランシス・ラーソン[矢野真千子訳]『首切りの歴史』(2015年9月30日刊行,河出書房新社,東京,本体価格3,200円,342 pp., ISBN:978-4-309-20685-1 → 版元ページ)※比喩ではない「首切り」の話.首が首が…….
◆[欹耳袋]shorebird 進化心理学中心の書評など「進化学会2015 参加日誌 その1」(2015年9月2日)./JST>科学技術情報プラットフォーム>STI Updates「タイトルが短い論文の利点(論文紹介)」(2015年9月3日)※短いタイトルの元論文は Nature と Science 両誌で紹介された./Togetter -「Mikihito Tanaka 「ジャーナリズムにおける群衆の数え方」の基本について。」
◆午後の┣┣" 撃ち —— 巡業先での「R」環境構築道具一式(for Windows & Mac OS X)は USB メモリーに格納.常盤台と南大沢のしたくはこれでもういいだろう.駒場の定例講義も大丈夫そう.あとは町田の系統学高座の準備だけか.
◆[欹耳袋]文章の「漢字含有率」を計算してくれるサイト —— 〈漢字使用率チェッカー:入力画面〉によれば「漢字含有率30%」がベストとのこと.ワタクシのいくつかの文章の「漢字含有率」を試しにチェックしてみた.
こんなふうに,ワタクシの書く文章は漢字含有率はだいたい「30%前後」におさまっているようで,評定はすべて「比較的、適正な漢字使用率です。」となった.極私的な執筆方針として「漢字はできるだけ使わない」ようにしているのだが,世の中でよく見かける漢字だらけの “黒い” 文章はいったいどうなるのだろう.
—— さらに詳細な文章分析をするには〈日本語文章難易度判別システム(beta版)〉というツールも開発されているとのこと.
◆今日の午後の最高気温は30.6度の真夏日だった.真夏のような入道雲の伸び上がりを見上げながら帰宅.明日の土曜は朝からじたばたすることになっている.
◆本日の総歩数=8884歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.9kg(−0.1kg)/ 31.1%(+1.9%)
◆午前5時前起床.気温23.3度の曇り空.青空に薄雲のレイヤーが広がる観音台は午前8時前には25.0度の夏日ラインに接した.これから天気は下り坂,午後には雨になるとの予報.
◆[欹耳袋]粕谷英一 2015. 生態学におけるAIC の誤用:AIC は正しいモデルを選ぶためのものではないので正しいモデルを選ばない. 日本生態学会誌 65: 179-185※「赤池情報量規準(AIC)について、真のモデルを特定するために使うことは本来の目的から離れている」— 『AIC: A User's Manual』という取説が研究者にとって必要な時代.AIC によって選ばれたモデルが「真」であるという信念はある種の「実在論」だろう.ところが,AIC はその精神からして,真偽を重要視するのとは対極的な「道具主義」に近い.不正確なモデルであったとしても,predictive accuracy が高ければよいという立場.これは真偽にこだわる立場とは相容れない.
◆午前の┣┣" 撃ち —— Yosemite の Parallels Desktop が盛大に Windows 8.1 の更新の祭典真っ最中.ところかまわずメイワクなことだ./Parallels Desktop に R 3.2.2 for Windows をインストールするとき,GUI設定ファイル「RConsole」は「PC > Documents」に置くこと./MacBook の中に「Windows 8.1 結界」をコッソリつくり続ける作業はさらに続く.
◆[欹耳袋]これから科学哲学を学ぶアナタに —— 菅原裕輝「科学哲学を専門的に学びたい高校生・大学生のために(随時更新)」(2015年8月31日)の前半は総論としては役立つだろうが,後半「4. 科学哲学(者)とは」の個別 “形成体” 事例はじっくり検討する価値あり.反響ありまくり:B!「菅原裕輝「科学哲学を専門的に学びたい高校生・大学生のために(随時更新)」 - researchmap」.もちろん,反論も:Don't think!! Feeeeeeel!!「「科学哲学を専門的に学びたい高校生・大学生のために」を批判する」(2015年9月1日)※「東大の科学史科学哲学研究室が狭義の科学哲学の研究室ではない」— それは周知のこと.
◆正午の気温は26.2度.空半分は青空,残り半分の曇り空からときおり雨粒が降ってくる.今年は猛暑の夏だったのでずっと自粛していたが,ほぼ2ヶ月ぶりにショートコースの昼休み徘徊だん.田んぼではもう稲穂が頭を垂れていた.遅ればせながら:日比嘉高『いま、大学で何が起こっているのか』(2015年5月29日刊行,ひつじ書房, 東京, viii+151 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-89476-769-0 → 版元ページ|日比嘉高研究室)を歩き読み開始.雨粒でちょっと濡れてしまった.この本が書かれた頃よりも大学文系学部の状況はさらに悪化している.
◆午後の┣┣" 撃ち —— MacBook Pro のなかに R for Windows を動かすためだけの “ミニ世界” をつくった.これで方々の巡業に VAIO Pro を持ち歩く必要はもうなくなりそう./講義時に不可欠の拡大鏡ツールである ZoomIt も問題なく使えるようだ.この ZoomIt のような拡大鏡ツールが Mac にもあればいいんだけど,これは!というものはまだお見かけしない./常盤台の「統計道場」は隔年開講だが,一昨年のPC実習室は「Windows Vista」の極悪環境だったなぁ(遠いまなざし).さて,今回は Win 8.1 かな(いきなり Win 10 とか言わないでね).続く南大沢は毎年おとなしい Windows 環境なのであまり心配はしていない.常盤台も南大沢も必要なだけネット経由でCRANからダウンロードできるし.徹底的に “CRAN鎖国” していた桜丘とはおおちがい.
◆[欹耳袋]先週末の〈ISISフェスタ~15周年の本楼夜学~〉の高座のあと,「多様性の可視化という研究分野は日本だとどこで学べるんでしょう」という質問を受けた.はて?と考えこんでしまった.インフォグラフィックスやデータ可視化は,サイエンスとアートの中間領域なので,日本の大学や研究機関でどこにおさまるのだろう? マニュエル・リマさんが来日したときも受け皿になったのは多摩美大だったし.グラフィック・デザイン分野は有力な選択肢.しかし,それではアート系の分野とサイエンス系の研究者コミュニティが交わる「場」がないなあ.と,またもや思案投げ首.結局は,積極的に軽いフットワークであちこち探しまわるか,あるいは自分が “形成体” になって造ってしまうかしかないのかも.
◆しとしと雨でそこらじゅうじとじとするうっとおしい夜.雨夜の読書:アンソニー・グラフトン[ヒロ・ヒライ監訳・解題/福西亮輔訳]『テクストの擁護者たち:近代ヨーロッパにおける人文学の誕生』(2015年8月25日刊行,勁草書房[bibliotheca hermetica 叢書],東京, viii+470+xli pp., 本体価格7,500円, ISBN:978-4-326-14828-8 → 版元ページ)を第2章まで読了.ポリツィアーノによって定式化された本文批判の系譜学的方法について.カール・ラハマン以前に stemmatics の方法論がつくられていたということ.
◆本日の総歩数=10676歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.0kg(−0.4kg)/ 29.2%(−0.4%)
◆午前4時過ぎ起床.夜明け前の米とぎ.気温24.6度とひさしぶりの熱帯夜ラインすれすれ.朝の通勤路は本降りの雨.梅雨時のような湿った南風が吹き込み不快指数はずっと高いまま.午前8時の気温は25.5度.
◆[欹耳袋]日本経済新聞「政府機関誘致、地方に期待感 42道府県が提案」(2015年9月2日)※「省庁側の抵抗は必至」— 今回は “抵抗” する側にまっとうな理由がある.
◆午前の┣┣" 撃ち —— 実に3ヶ月ぶりに VAIO Pro を起動したら,「69個」計264MBもの更新プログラムが押し寄せてきた.「蚊柱」のようなウザさ.VAIO Pro を再起動してもなお “蚋” のようにまとわりつく更新アップデートども./所議報告&領域会議,10:30〜11:30./今回の「政府関係機関の地方移転」のウラで糸を引いている “黒幕” はいったい誰かという問題が急速浮上.ある研究所の領域やセンターをピンポイントで “狙撃” するからには組織情報をリークした “黒衣” がいるはずだという話.なるほどね.
◆曇りときどき晴れの昼下がり.気温は30度の真夏日寸前で,異様に蒸し暑い.午後の最高気温は31.2度.帰ってきた真夏日がつらすぎる.
◆[欹耳袋]研究記録だって? —— 本日の所議報告&領域会議で,研究員それぞれが公的な「研究記録」を作成するという案件があった.所としては研究員の意見を吸い上げる気まんまんなんだけど,ワタクシのような “非実験系” 研究者の場合,いったい何を書くんだろうという素朴な疑問あり.「よく読みました」とか「よく考えました」でもOKなのかな.理論系の研究者が公的な「研究記録」にいったい何を書いているのかはとても興味があるが,まわりにほとんどいないのでよくわからない.たいへん困ったことである.
しかも,提示された素案では「研究記録は “自筆” で」とか考えているようなので,会議の席上,一言のもとに「それ,ムリです」と意見したもののはたしてどうなることやら.ワタクシの場合,農環研に入って以来ずっと「雑録ノート(のようなもの)」を持ち歩いているので,それを公的な「研究記録」として “転写” すればいいんだろうか.ただし,ワタクシの自筆を解読できる人はきっといないにちがいない(自分でも読めないことがある).写メして研究記録に貼り付けるとかできないかなあ.「改変箇所は “見え消し” で」とかさらにオソロシイ話も会議ではちらっと出たし.
ワタクシはぜんぜん知らなかったけど,すでに手書き用の「研究記録用ノート」が商品化されている:コクヨの〈リサーチラボノート〉やアズワンの〈研究記録用ノート〉.さらに「電子ラボノート」もあるようだ.公的研究記録を “自筆” で書くというのはワタクシにはムリっぽいので,もっとラクにできるのならそれに越したことはない.
—— 研究ノートをちゃんと書いていなかった “STAPちゃん” のせいで,しもじもの研究員たちはたいへんメイワクしている.
◆4:17 地鳴りと地震.直下型だった.
◆本日の総歩数=4294歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.4kg(−0.4kg)/ 29.6%(−0.4%)
◆午前5時過ぎ起床.今朝も曇り空.気温21.0度.米とぐ水の冷たさに9月の到来を実感する.月始めのお仕事として月例アナウンスをメーリングリストに配信.今朝も曇り空の観音台はときどき小雨が降っている.気温は21.8度とほとんど変動がない.涼しいようだが,湿度が高いので油断禁物.朝イチの BGM は Gidon Kremer のバッハ無伴奏.
◆[欹耳袋]寝耳に水 —— 書泉「書泉ブックマート閉店のお知らせ」(2015年9月1日)※同じ神保町のグランデは残してブックマートを閉じる,と.あのバツグンの立地の空きスペースは今後どうするつもりなのだろう?
◆午前の┣┣" 撃ち —— 10月28日〜30日につくばで開催される農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉の初日夕方は,懇親会を,いつもの筑波事務所食堂ではなく(←ココ重要),交流センター会議室で開催します.一升瓶が林立します./EVOLVE をはじめワタクシが個人的に運営しているメーリングリストはクローズドな私的空間です.何千人も会員はいますが,“閉じている” という点で公共空間ではまったくないでしょう.そこでの神はワタクシです.また,MLの運営には神さまは「おひとりさま」がベスト.「八百万の神」の世界はじゃまくさいからね./今月から始まる講義のお膳立てとか集中講義ふたつのしたくとかあれこれしていたらもうお昼休み.
◆お昼前,いまは降っていないようだが,これから巨大な雨雲に包まれそうなので外に出られない.
◆[欹耳袋]R package: paleotree — Estimating the Minimum Number of Character Transitions Using Maximum Parsimony.
◆午後の┣┣" 撃ち —— 南大沢と常盤台の集中講義,町田と駒場の定例講義のハンドアウト類(向こう半年間分)はすべて準備完了.あとはPC実習の支度があるんだけど,VAIO Pro を3ヶ月ぶりに起動するのは そ う と う な覚悟が必要なので後回しにしたい.
◆[欹耳袋]さらなる寝耳に水 —— 毎日新聞「県:国の5機関を誘致へ提案 日本語教育や自衛隊学校、別府など5市1町に /大分」(2015年8月29日)※「▽農業環境技術研究所の生態系計測研究領域8人と農業環境インベントリーセンター13人=豊後大野市」.ドンピシャの標的じゃないか(大汗).「豊後大野」は大分県農林水産研究指導センターの本拠地ね.別府だったらいいかも(違.
国の機関に対する都道府県からの「誘致リスト」ってもう発表されているんだっけ?と調べてみた:
そして,これが集計された提案リストだ:
国立研究機関から好き放題ちぎり取って,「地方創生」に何かしら役に立つという勝算があるとは思えない.その前に,官邸が予定しているような今年中の決着はまあムリだろう.都道府県どうしの利害対立,監督省庁からの反発などありとあらゆる事態がありえるだろうし.いま進行中の法人改組はどーなるの? 後先の諸々のことをちゃんと考えているとはとても思えないなあ.
◆蒸し暑い夕暮れ.夕餉は〈王祿〉「渓」の残りと手羽元,冷奴,もろきゅうという飲み屋メニュー.夜になり,遠雷とともに兇悪雷雲が西から接近してきた.天上も下界も不穏な月始めである.
◆本日の総歩数=4362歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.8kg(0.0kg)/ 30.0%(0.0%)