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日録2015年4月 


30 april 2015(木)※四月最後の本郷高座

◆午前4時半起床.気温11.6度.朝焼けグラデーションに続いて鮮やかな朝焼けを拝む.

◆[欹耳袋]経済産業省「クロスアポイントメント制度の基本的枠組と留意点をとりまとめました」※「大学や公的研究機関、企業等の壁を越えて、複数の組織において活躍できるような環境を整備する」— 事務仕事が “整数倍” で増えないことが肝要.

長年にわたって複数の職場との「タコ足勤務」を続けてきたワタクシの経験からいうと,職場事の事務文化の “多様化” と “独立進化” と “暗黙知” がつねに足かせになってきたように感じられる.職場間での文書様式のちがいなんかは序の口で,今まで可能だったことが次の年には可能ではなくなった理由が何だかよくわからないとか,職場間の “イーターフェイス” の “規格” がいきなり変わって,つながらなくなってしまったとか.そういう “砂塵嵐” が個々の研究者の時間を無慈悲に削り取っていくのだが,その責任は事務方の末端にあるのではないこともまた事実.実際にあれやこれやのやりとりに関わっている担当窓口には,一言ではいえないくらい世話になっている.矛先を向ける方向はそこではない.

現行の非常勤兼業とか連携教員とか,あるいはこれから広まっていくだろうクロスアポイントメント制で,複数の職場にまたがって所属する教員・研究員はさらに増えるだろうが,兼務先それぞれで当人が背負う事務作業の「整数倍増大」がたいへん気になるところ.N個の職場を兼務すると,雑用的な事務仕事WはN×W/N=Wとはならず,現状はまちがいなくN×Wに近くなっている.実際,会議や書類や手続きはほぼ整数倍.だからといって報酬が整数倍になるわけでは け っ し て ない.

◆午前10時,TXにて本郷出撃.今日もよく晴れて気温は23度に接近中.夏日は確実だろう.車中から事務メールを送りまくるというまことに非精緻のきわみ.お昼前,根津.連休期間であるせいか,根津駅から根津神社の参道にいたる不忍通りからすでに人混みがあふれている.雲が多い都内は,夏日ラインには達していないもののやや蒸し暑いお昼前の弥生キャンパス.今日は午後から「保全生態学特論」の最終回お座敷がある.午後1時,農学部1号館第4講義室へ.まずはベイジアン MCMC 講義.べいづ酔いしたので休憩./Yosemite 人柱レポート:HDMI 接続だとマウスポインターが消える怪.デスクトップからは消えるが,ディスプレイ上では見える.なんぞこれ./Parallels Desktop の使い方:Coherence オン時は Dock フォルダー./Coherence オフ時は「Windows 8.1」画面のフルスクリーン表示./午後5時,レポートを提出してもらって,全3回の集中講義はおしまい.千駄木までぶらぶら歩いてつくば直帰.

◆[欹耳袋]時事ドットコム「有毒ガスで通行止め=磐梯吾妻スカイライン-福島」(2015年4月30日)※「火山ガス注意」という標識が立っていた火口原のあのあたりかな.

◆昔なつかし「黒電話」.ワタクシがつくばに来たばかりの1980年代末,ともにつくばにやってきて,そのまま居着いている.十分すぎるほどお年寄り機にもかかわらず, “病気” や “けが” とはいっさい無縁で,矍鑠とした余生を自宅で送っている.しかし,引退したわけではない.いまはNTTフレッツ光回線につながり,自分の電話番号もあるちゃんとした現役機.今朝もワン切りのいたずら電話でひさしぶりに「ジリリ〜ン」と鳴った.

◆午後7時,つくば帰還.磨り減った磨り減ったー.明日のメーデーは何事もないかのようなただの平日労働日である.実際,何事もない.

◆本日の総歩数=10200歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.2kg(0.0kg) / 31.0%(+0.4%)


29 april 2015(水)※飛び石連休は動く日

◆午前4時半起床.雲が多めの夜明け前.気温13.0度.明け方の雲は消え,青空が広がっている.午前6時の気温は15.3度と,昨日以上のハイペースで上昇中.

◆[蒐書日誌]三中信宏『みなか先生といっしょに 統計学の王国を歩いてみよう:情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!』(2015年5月26日刊行予定,羊土社,東京,本体価格2,300円, ISBN:978-4-7581-2058-6)の目次を公開.再校ゲラではノンブルはまだ確定していない.すでに再校ゲラはすべて編集部に返送してしまい,カバージャケットの写真もなんとか決まりそうなので,あとはもう何もやることがないというつかの間のシアワセを満喫している.早くも e-hon7net では予約注文が始まっている.

◆飛び石休日の┣┣" 撃ち —— 明日の東大生圏システム「保全生態学特論」のレポート課題作成と配布物バージョンアップ./いま検索してみたら “農水独法” の代わりに "農水国研" と書いている人はまだいないみたいね.ワタクシは "農水国研" と書くことにしよう.とくに致命的なデメリットはなさそうだし.「(国研)農業環境技術研究所」と書くということです./再来月お座敷用の橿原の宿を確保./連載6回目の色校確認.

◆雲が広がってきた昼下がりは南風が心地よい.新鮮な生卵があるので,今日のランチは卵かけごはん.これ以上シンプルにはなれない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 車の定期点検が終って,初夏の日差しがまぶしい観音台へ.気温は23.6度と,夏日ラインに届かないものの,乾いて暑い./再来月に予定されている東大での専攻研究会議の配布資料をはやばやと担当者に送信.当日は神武天皇陵結界に拉致されていて出席するあたわず.

◆[蒐書日誌]昼間の自動車点検の空き時間にイーアスつくば店のアカデミア書店を徘徊したときの備忘メモ:エルンスト・ヘッケル著[小畠郁生監修|戸田裕之訳]『新装版・生物の驚異的な形』(2014年8月27日刊行,河出書房新社,東京, ISBN:978-4-309-25304-6 → 版元ページ)※2009年4月に出た旧版の復刊./平野亮『骨相学:能力人間学のアルケオロジー』(2015年2月刊行,世織書房,東京,ISBN:9784902163773)※うっかり探書アンテナに引っかからなかった本./「反知性主義」の本は何がいいかと探しまわったが,リチャード・ホーフスタッター以外の本しかなかったので,何も買わずに出てきた.骨相学本を買うべきだったかとちょいと後悔している.

◆夕日が真横から照りつけてきたので,そろそろ観音台を撤収しよう.今日は “働” いたというよりも,人なしの “動” いたという感じ.

◆本日の総歩数=6026歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.2kg(−0.6kg) / 30.6%(+0.1%)


28 april 2015(火)※真夏日ラインは目前

◆午前4時半起床.米とぎの儀式から.午前5時の気温は12.3度.今日も暑くなりそうな気配.朝から初夏の日差しが照りつける観音台はすでに気温19.3度と,昨日以上のハイペースで上がっている.潅水が終った水田は方々で代掻きが始まった.

◆[欹耳袋]なんとイオンモールつくばの中にアメリカン・ステーキ・ハウス〈デンバー・プレミアム〉が.観音台からあまりに近すぎる!

◆午前の┣┣" 撃ち —— 新規原稿┣┣" お一人様をお迎え.その反動で,根付き┣┣" 二頭お蔵入り.とりあえず┣┣" 箱を空っぽにして心機一転だ.

◆[欹耳袋]「日々是点数」という職場の話 —— きのう,昨年度の「業績評価結果通知書」が手渡された.「s+b=A」という妥当な結果.ワタクシたちの世代になると,置かれている個人的状況によって研究上のアウトプットが出たり出なかったり分散値が大きくなりがち.かつて「実践プレゼンテーションテクニック-講演はショータイム!-」に書いた通り,「出力しない者は研究者ではない(「死人」)」である.これからもできるだけ長く生産的に生き続けたいと思う.

個人業績評価の内訳は「研究成果+所内・所外貢献=総合評価」という点数化がなされている.ワタクシの場合,研究成果は「s」で所内・所外貢献が「b」なので総合評価は「A」ということ.実に事細かに点数化されていることは農水国研の研究なら誰でも知っている.農水国研の場合は,大学とはちがって「教育・研修」への評価はかぎりなく低いので,論文イッパツ当てればオッケーという傾向はあるかもね.ちなみにIF=20以上のジャーナルにトップオーサーで一本載れば,研究成果的にはそれだけで「s」評価ね.

あ,個人業績の評価基準は農水国研ごとにちがっていて,たとえば生物研はもっと原著論文へのウェイトが高いよね.バイオサイエンス系だったらそれでもいいんだろうけど.農水国研にもいる(はずの)人文社会系研究員なんかいったいどうしてるのかな.ああ,単著で単行本を5冊も書いたら「s」評価になるけどね.

ということで,いま話題になりまくっている広島大学のケース:「世界をキャンパスとして展開する広島大学改革構想」>「徹底した大学のモニタリング」※誰がモニターするんだろうか.>「教員個人評価」※「年次活動評価」「教員活動の点数化」「処遇への反映」— 農水国研の評価基準を見ているような錯覚が.で,国立大学法人には全農林みたいな組織はなかったっけ?/Togetter -「広島大学「徹底した大学のモニタリング」ツィートまとめ」※エラい騒ぎになってしまったな.

◆カンカン照りの昼休みにもかかわらずロングコース徘徊.農環研の温度計は27.6度を指していた.昨日に続いて夏日ラインをかろやかに突破.暑いなんてもんやないな.湿度が低いからまだ許せるものの,暑いものは暑いと言うしかない昼下がり.本日の歩き読み:畑農敏哉『アマチュアオーケストラに乾杯! :素顔の休日音楽家たち』(2015年4月30日刊行,NTT出版,東京, x+217 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-7571-7048-3 → 目次版元ページ)読了.いまなお増殖しているというアマオケの多様化とそのメイキング体験談がおもしろい.

◆[欹耳袋]NHK NewsWeb「気温上がり東北・関東で真夏日のところも」(2015年4月28日)※そうだろうそうだろう.つくばも最高気温が28.8度まで上がっている.シュワシュワひんやりした飲み物プリーズ.

◆午後の┣┣" 撃ち ——

  • [つくば]0.1節チェックだん.ここは問題なかろう. posted at 14:44:19
  • [つくば]0.2節チェックだん.体系学の論理と直感に関する加筆が査読者から求められている. posted at 14:54:45
  • [つくば]0.3節チェックだん.ここのところは大丈夫だろう. posted at 15:21:06
  • [つくば]0.4節チェックだん.一般化パターン分岐学,おっけー. posted at 15:30:24
  • [つくば]公理論的体系学の0.5節チェックだん. posted at 15:33:34
  • [つくば]最後の0.6節チェックだん.歴史科学的アブダクションについての加筆説明をレフリーから求められている. posted at 15:40:14

◆南風が吹き抜ける夕刻.とりあえず,ゲロルシュタイナーでしゅわしゅわする.その後,よなよなエールでさらにしゅわしゅわする.暑かった一日はしゅわしゅわで閉じるに限る.

◆本日の総歩数=12053歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.2kg) / 30.5%(−0.1%)


27 april 2015(月)※半袖出勤する週明け

◆午前4時半起床.晴れ.気温10.3度.まずは米とぎから始まる月曜の朝.初夏の青空が広がる観音台は朝から気温がぐんぐん上昇している.午前8時の気温は17.2度.日中は夏日になるとの予報.今年初の半袖出勤日.夏の「のうかんけん的正装」に一歩近づいた.今朝は空気も乾いているし,花粉の祭典はとっくに終っているので,居室の窓を全開放.朝イチの BGM は Carl Nielsen の〈不滅〉から.ブロムシュテット指揮/サンフランシスコ交響楽団.

◆早朝から始まる┣┣" 撃ち ——

  • #NodaiStat 先週の「実験データー解析概論」はとても “不幸せ” で,たいへん申し訳ありませんでした……. posted at 05:13:03
  • #NodaiStat 【感想】「R入れるのたいへんでした」「途中から何やってるのかわからなくて難しかった」「授業目的を見失いそうです……」/【回答】うう,すまんすまん……. posted at 05:14:47
  • #NodaiStat 【質問】「あとでインストールする zip ファイルのリストを出してください」/【回答】連休明けの講義では,Rコマンダーのインストールに必要な55個のパッケージを含む一揃いをお渡しできるようにします. posted at 05:16:23
  • #NodaiStat 【感想】「せ,先生,落ち着いて下さい.大丈夫ですから(笑)」/【回答】じたばたしてすまんすまん. posted at 05:17:35
  • #NodaiStat 【質問】「┣┣" って何ですか?」/【回答】それは「ToDo」です.みなさんも研究室配属になれば研究室固有┣┣" に付きまとわれます. posted at 05:19:02
  • #NodaiStat 次回こそはシアワセな統計人生を歩みたいものです. posted at 05:22:59

—— さて,気を取り直して次っ:

  • #NodaiStat 続いて,前回の「生物統計学」の質問への回答.みなさんは高校ですでにジョン・テューキーの「箱ひげ図」を教わってきたわけね.とても質問が多かったのにビックリ. posted at 05:41:53
  • #NodaiStat 【質問】「メディアンは外れ値も含めて真ん中の値なのですか?」/【回答】その通り.メディアンは大小順で決まる値なので,飛び抜けてヘンな外れ値があっても(平均値とはちがって)あまり影響を受けません. posted at 06:08:57
  • #NodaiStat 【質問】「高校で,箱ひげ図のひげは最大値と最小値を結ぶと教わったのですが」(類似質問複数)/【回答】高校数学で箱ひげ図がどのように教えられているか知らないのですが,開発者のジョン・テューキーは箱の長さの1.5倍をひげと設定しました. posted at 06:11:28
  • #NodaiStat 【質問】「箱の上下でひげの長さにちがいがあるのはなぜですか?」(類似質問複数)/【回答】箱×1.5倍のひげを伸ばした先にデータ点がなければ,データがある場所まで短縮するので,長さにちがいが生じます. posted at 06:13:37
  • #NodaiStat 【回答】続)箱ひげ図に関しては,ワタクシの連載〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉の初回「データ解析の第一歩は計算ではない」 ow.ly/M8Uo1 で詳しく説明しましたのでご参照を. posted at 06:16:07
  • #NodaiStat 【回答】続)生データ→幹葉表示→箱ひげ図というデータ可視化の流れがあります.幹葉表示については追加説明:「質問コーナー:散布図の幹葉表示の作成方法が一部分理解できません…」 ow.ly/M8UWw を載せましたのでご参考まで. posted at 06:21:44
  • #NodaiStat 【質問】「統計学の本質は人が人にデータを伝達することではないですか?」/【回答】情報(information)としてのデータの伝達だけだったらネット経由がもっとも確実ですね.データのもつ「情報的なもの(informativeness)」の読み取りこそ重要. posted at 08:19:20
  • #NodaiStat 【感想】「R を使ってみたい」/【回答】ようこそ R 結界へ.インストール手順についてはワタクシのサイトでも公開していますが,RjpWiki www.okada.jp.org/RWiki/ がオススメです. posted at 08:21:55
  • #NodaiStat 【質問】「高校で数III(微分積分学)を履修しなかったのですが,授業の理解に支障がありますか?」/【回答】まったく支障ありません.ご心配なく. posted at 08:26:09
  • #NodaiStat なお,計算する前に「データを見る」ことの重要性は PLOS Biology に出たばかりの論文(Cf: ow.ly/M93ZH )でも強調されています.ん,英語の論文は読んだことないって? 本文じゃなく,図表をしっかりみればそれで十分. posted at 08:30:47
  • #NodaiStat 以上,先週の「生物統計学」の質疑応答でした. posted at 08:31:24

—— 以上のツイートをまとめて公開しました:

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来月の不在申請書類一式を提出.つくば実在率は「12実在日/18労働日=67%」と驚異的に良好な勤務状況.こんなことではいけない.もっといなくならないと./とあるサイトにログインするたびにドキドキしてしまうのはなぜ./来月の┣┣" 撃ちカレンダー更新.

◆BGM は続いて Carl Nielsen 5番へ.同じくブロムシュテット/SFS.いつ聴いても第1楽章のスネアドラム「カデンツァ・アドリブ」というのは血沸き肉踊る.周囲のオーケストラとまったく関係なく延々と一人で叩き続ける.研究者人生もかくありたいものである.怒涛の5番が終ったので,古典回帰の交響曲2番〈四つの気質〉へ.端正な〈四つの気質〉から,ちょっとエキセントリックな交響曲3番〈広がり〉へ.Nielsen の「闘争の三拍子」はいつも前のめりに蹴躓きそうになる.Nielsen の3番はパストラールな第2楽章が絶品.舞台裏からバリトンとソプラノの独唱ヴォカリーズが響いてくればそこは田園の景色.続いて交響曲6番.ぜんぜんシンプルじゃないんですけどねぇ.同じくブロムシュテット/SFS.ニールセン1番の途中でお昼休みになるん.

◆予報通り軽やかに夏日ラインをクリアした昼休みは農林団地周りのロングコースを徘徊.気温26.5度.みずみずしい新緑が夏の到来を実感.強い日差しが灌水が始まった水田に反射している.歩き読み本:畑農敏哉『アマチュアオーケストラに乾杯! :素顔の休日音楽家たち』(2015年4月30日刊行,NTT出版,東京, x+217 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-7571-7048-3 → 目次版元ページ).

◆午後はプッチーニの歌劇〈ラ・ボエーム〉を流しながら,┣┣" 箱に滞留し続ける “根付き┣┣" ” の一掃処分に励む./来月呼ばれている東北大学・第7回クワトロセミナーは,竣工したばかりの片平キャンパス〈知の館〉の会議室で開催されるとの連絡あり.青葉山に登山して熊さんと遭遇するリスクはかぎりなく低くなった./じゃまくさい新規┣┣" が一頭出現したせいで,本郷に連絡しないといけなくなった.電話口でコメツキバッタに大変身.験直しに撤収しよう.

◆今日もまたすり減ってしまったので,夕餉でちゃんと補填すべく,秋田の〈Sparkling Yamamoto〉純米吟醸うすにごりの泡泡を開栓.夏日になったので発泡系の日本酒はこれからの季節のマスト.しかし,泡泡日本酒だけではイマイチ補填が十分ではないので,しかたなく焼肉丼を追加.しかたないなぁ.まいう.

◆[蒐書日誌]深夜食堂スピンオフ本 —— 堀井憲一郎[協力:安倍夜郎]『深夜食堂の勝手口』(2009年11月4日刊行,小学館[Big Comics Special],東京,ISBN:978-4-09-182796-8 → 版元ページ)/ビッグコミックオリジナル・dancyu共同編集[協力:安倍夜郎]『深夜食堂×dancyu:真夜中のいけないレシピ』(2011年12月5日刊行,小学館[Big Comics Special],東京,ISBN:978-4-09-184220-6 → 版元ページ).

◆明日も続く┣┣" 撃ちの日々.今月中に仕留めたい大物はあと一頭.

◆本日の総歩数=10284歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 93.0kg(+0.7kg) / 30.6%(−0.4%)


26 april 2015(日)※日曜はゲラ読み三昧

◆午前5時過ぎ起床.朝日がさんさん.しかし,気温は5.8度とひんやりしている.まずは米とぎから.

◆日曜の┣┣" 撃ち —— ひさしぶりに VAIO Pro を開いて R 3.2.0 のインストール.念のため Rcmdr のみを CRAN からインストールしたら依存パッケージがなんと「55個」もあった.そりゃあ時間切れになるはずだ.計65MB分の Rcmdr zip ファイルがそろった.

  • #NodaiStat 羊土社『実験医学 online』連載の〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉 ow.ly/M7mu3 は連休明けの5月7日をもって閉鎖されるので,読み落としのないように. posted at 07:19:45
  • #NodaiStat 次回の「実験データー解析概論」では,前回途中でコケてしまった R コマンダーのインストールを終わらせます.必要なパッケージ類は事前に取り揃えて当日ダウンロードできるようにします. posted at 07:21:54

◆[蒐書日誌]Michael J. Crawley『The R Book』(2007年6月刊行,John Wiley & Sons,Chichester, viii+942 pp.,US$ 110.00,ISBN:978-0-470-51024-7 [hbk] → 版元ページコンパニオンサイト)が archive.org [pdf: open access] から一冊まるごとダウンロードできる!

◆三中信宏『みなか先生といっしょに 統計学の王国を歩いてみよう:情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!』(2015年5月下旬刊行予定,羊土社,東京,本体価格2,300円, ISBN:978-4-7581-2058-6)の再校ゲラと格闘する日曜日.ゴールデンウィーク前にケリをつけるんだ!(というか締切は明日だ)

  • [つくば]「はじめに」(pp. 3-4)と「プロローグ:これから歩み始めるみなさんへの前口上」(pp. 8-19)の再校ゲラチェックだん. posted at 11:06:12
  • [つくば]第1部(pp. 18-69)と第2部(pp. 70-93)の再校ゲラチェックだん. posted at 11:59:17
  • [つくば]第3部(pp. 94-131)の再校ゲラチェックだん.さくさく. posted at 12:03:11
  • [つくば]第4部(pp. 133-174)の再校ゲラチェックだん.速攻制覇. posted at 12:10:59
  • [つくば]巻末ブックリスト(10 pp.)の再校ゲラチェックだん.これでおしまい. posted at 12:22:54
  • [つくば]索引まで含めると200ページくらいの分量になりそうね. posted at 12:37:42

◆暖かな南風とともに午後の気温は上がり続け23.7度に達した.こんな陽気ではもう半袖しかないだろうねぇ.ランチはいま絶賛大増築中の小野崎〈Shingoster LIVING〉にてサンデーブランチを.そして,昼下がりの観音台の誰もいない居室にて細々と調べ物をする午後.羊土社の再校ゲラはすべてのチェック項目に対応完了.これにてワタクシのもとから関係する全┣┣" は去っていった.帰ってこないように.

◆[欹耳袋]Tracey L. Weissgerber et al. 2015. Beyond Bar and Line Graphs: Time for a New Data Presentation Paradigm | PLOS Biology | 22 April 2015 | DOI: 10.1371/journal.pbio.1002128. この論文の「記述統計量を計算する前に生データを示せ」というメッセージは,有名な〈Anscombe’s quartet〉[Wikipedia] を連想させる(→ Cf:「Anscombe’s quartet について」).

◆西日を浴びつつ観音台から帰還.ゴールデンウィークを控え,あちこちの水田は早くも灌水が始まっている.茨城県南部は今月末から来月はじめが田植えシーズン.

◆本日の総歩数=6496歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.3kg(0.0kg) / 31.0%(+0.6%)


25 april 2015(土)※吹き抜ける風も涼し

◆午前5時半起床.昨夜は不覚にも寝落ちしてしまったので,昇る朝日を拝みつつ朝風呂.気温11.4度.午前9時の気温は17.9度まで上がってきた.乾いた東風が吹き抜けて爽快.家中の窓を全開.

◆[欹耳袋]哲劇メモ「東浩紀×吉川浩満「運と確率の進化論――『理不尽な進化』をめぐって」@ゲンロンカフェ」(2015年4月24日) /〈サイエンスライティング研究〉. /Togetter -「 #これが大学教員のしごとだったなんて大賞 のまとめ」 http://togetter.com/li/811821 ※大学ごとに仕事の環境はちがう.常勤・非常勤でも別々.連携大学院とか客員教員なんて “分散” が大きすぎる.

◆休日の┣┣" 撃ち —— ある県の統計研修事務担当者から「研修生には Excel 入りのノートパソコンを持参させればよろしいでしょうか?」との問い合わせあり.「統計実習には×××なソフトウェアなので[伏せ字あり]」と返信./験直しに最新版 R 3.2.0 を MacBook Pro に入れてみたら案の定 MASS のトラブルで Rcmdr が立ち上がらなくなった.毎度毎度の “不幸せ” なのでもう慣れてしまったが(orz).困りましたなぁ.library(Rcmdr) で「共有ライブラリ '/Library/Frameworks/R.framework/Versions/3.2/Resources/library/***/libs/***.so' を読み込めません」というエラーが頻出.そのたびに CRAN から該当パッケージをダウンロードすること十数回.最後に「Rcmdr が読み込めません」という “神託” が下されたときは,思わず「風呂桶の中に沈めてやろうか」と罵った.しかし,それもまた修行のひとつと観念して,パッケージの入れ替えを続け,先ほどやっと Rcmdr が正常に起動できた(拍手と感涙).

◆[欹耳袋]Mac OS X で R のメジャーバージョンアップしたときの困ったこと:旧バージョンで使っていたパッケージ(.pgk)をひとつひとつ手仕事でインストールしないといけない.Windows パッケージ(.zip)のように一括インストールする方法はないものか.R 本体をバージョンアップして,パッケージを継承したのちバージョンアップをすませても安心できない.Rcmdr はすでにある最新バージョンのパッケージの再インストールを “小出し” に要求する.そのつどひとつひとつ CRAN からダウンロード.そんなわけで,農大みたいに学内から CRAN に接続できない環境では災厄となる.

◆午前中はよく晴れていたが,午後になって雲が広がってきた.R インストール修行が終ったので,ちょいと出かけてくるん.〈Coffee Factory〉にて珈琲豆を調達したのち,三日ぶりの観音台にて静かなる┣┣" 撃ち.午後4時前に帰宅.

◆今宵の夕餉は金目鯛の煮付け with 筍と蕗,長崎の天然ブリの岩塩オリーヴ油ロースト,そして大分のおきゅうと酢味噌和え.どうみてもどこぞの飲み屋にしか見えない. “お水” は滋賀・長浜の〈七本鎗〉25BY純米吟醸無濾過生原酒中取り・玉栄.滋賀の日本酒はすばらしい.

◆[蒐書日誌]気になる新刊 —— 山田奨治『東京ブギウギと鈴木大拙』(2015年4月刊行,人文書院,京都, ISBN:9784409410813 → 版元ページ)※とりあえずメモしておく.

◆本日の総歩数=4856歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 92.3kg(−0.1kg) / 30.4%(−0.4%)


24 april 2015(金)※初夏の陽気の世田谷

◆午前5時前起床.気温12.4度.雲が多い明け方.

◆定例都内出撃 —— 午前7時過ぎ,つくば駅.秋葉原から神田までの区間,出勤時間帯にもかかわらず混雑度が低いように感じたのは,常磐線延伸効果のせいか.午前8時の気温は18.8度まで上昇している.新宿駅.すでに暖かすぎる都内は半袖姿もちらほらと.経堂に向かう小田急は冷房が入っている.

◆午前10時前,穏やかな陽気の農大キャンパス.経堂からのてくてくが暑かったのは,気温がすでに20.2度まで上がっているからにちがいない.出勤簿にハンコを押し,まずはコンピューター演習室にて事前準備の真っ最中.持ち込み MacBook Pro の HDMI 接続が前回ダメダメだったので,通常の RGB 接続にする.これはまったく問題なし.メインPC起動だん.しかし農大LANから CRAN につなごうとすると「ポート80でコネクトできない」とのエラーメッセージ.むむむ.こりゃタイヘン.CRAN から zip をひとつひとつダウンロードすることはできるようだ.うう,じゃまくさい…….しかも,二週間空いてしまった間に,R 3.2.0 にアップしないとダメかー.最初からインストールし直し(orz).

  • #NodaiStat 今日の「実験データー解析概論」の講義は,統計学概論の続きで,データ可視化の実例を R と R コマンダーを使って実習します.この二週間のうちに R がバージョンアップされてしまったので,再インストールします. posted at 10:39:47
  • #NodaiStat R 3.2.0 絶賛インストールちう.続いて,Rcmdr, RcmdrMix, car, sandwich, mgcv のパッケージをインストールします. posted at 11:16:02
  • #NodaiStat 今日は Rcmdr のインストール作業で時間超過してすみませんでした.ぜんぜん終わりそうにないので,再度戦略を練りなおして,来週は軽やかにインストールをクリアしたいと思います. posted at 12:39:13

◆orzorzorz —— 農大学内ネットワークの制約のため,CRAN に直接つながらないのがこんなにタイヘンとは思わなかった.すべての zip をひとまとめにして来週は配布するようにしないとぜんぜん先に進めない.いや,来週はお休みなので連休明けの┣┣" だな.

◆しかし,ここで絶命するわけにはいかない.半時間後には次の講義が.

◆今日の高座(前半)はイマイチな顛末だったので,連休明けには関連するすべての R パッケージをオフラインで配布する準備をしないといけない.CRAN 不毛の地ゆえ.

◆涼しい風が吹き抜ける夕暮れ時.厨房仕事が始まる.磨り減り感が尋常ではない…….今宵の夕餉は,親が多めの親子丼をしっかり食べて,すり減った分をしっかり補充したので,時間外┣┣" 撃ちはもうやらん.秋田土産のいぶりがっこがあれば,〈風の森〉露葉風純米の二合や三合はちょちょいのちょい.JR秋田駅のおみやげコーナーにはいろいろないぶりがっこがあったが,農業生産法人いぶりの里「いぶり大根漬」のみいっさいの化学調味料なし.

◆[蒐書日誌]ご恵贈本2冊 —— ダニエル・C・デネット[阿部文彦・木島泰三訳]『思考の技法:直観ポンプと77の思考術』(2015年4月20日刊行,青土社,東京,666+44 pp., ISBN:978-4-7917-6843-1 → 版元ページ)※うわ,700ページもあるんですかぁ./酒井聡樹『これから論文を書く若者のために:究極の大改訂版』(2015年4月25日刊行,共立出版,東京,xxiv+299 pp., ISBN:978-4-320-00595-2 → 版元ページ)※ご恵贈感謝.旧版『これから論文を書く若者のために(大改訂増補版)』が出版されたのが2006年4月だったから,もう9年が経ったのか.月日が過ぎるのは早い.こうなったら次は「至高の〈これ論〉」しかないな.

◆またしても┣┣" 箱が賑やかになってきた.

◆本日の総歩数=12976歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 92.4kg(0.0kg) / 30.8%(−0.2%)


23 april 2015(木)※根津神社つつじ満開

◆午前5時前起床.晴れ.気温9.8度.今年も新緑の大菩薩〈ペンションすずらん〉に立てこもる日が近づいてきた.持参する一升瓶のセレクションをどうするか.

◆[欹耳袋]花沢正純さんのこと —— Togetter -「東京教育大1960-1970年代数学基礎論」※ここに名前が挙がっている「花沢さん」とは「花沢正純」さんのことかな? 今から20年以上も前のことだが,花沢正純さんとは共著の論文がひとつある:Masazumi Hanazawa, Hiroshi Narushima, and Nobuhiro Minaka 1995. Generating most parsimonious reconstructions on a tree: A generalization of the Farris-Swofford-Maddison method. Discrete Applied Mathematics, 56 (2–3): 245–265 [abstract | pdf].その後も,花沢正純さんは東海大学の同僚だった成嶋弘さんと数理系統学の研究を続け,最節約法に基づく系統推定の論文をもう一つ出している:H. Narushima & M. Hanazawa 1997. A more efficient algorithm for MPR problems in phylogeny. Discrete Applied Mathematics, 80 (2–3): 231–238 [abstract | pdf].その花沢正純さんが2007年に亡くなっていたとはぜんぜん知らなかったし,詰将棋やパズルの作者だったとは初耳でびっくりしている.

◆ほぼ夏日の本郷出撃 —— 午前10時前,つくばセンターは青空が広がる.気温16.4度.風もなく初夏のような日差しがまぶしい.初夏の日差しの都内は午前11時前に早くも気温が23.4度に達している.千駄木駅で降りて不忍通りをぶらぶら南下し,長蛇の行列の〈根津のたいやき〉を軽やかにスルーして〈つつじ祭り〉真っ最中の根津神社へ.しかし,境内に入るまでにすでに人だらけ.平日のお昼前というのに,根津神社境内は行き交うのも苦労するほどの混雑ぶり,今は中咲きの品種が見頃とのこと.満開のツツジの上を白昼なのにコウモリが群舞する非日常的な光景だった.つつじを愛でに来たんだか,人混みにもまれに来たんだか.週末や連休中はとんでもないことになりそう.

◆都内は正午前に24.8度と夏日寸前.午後は〈保全生態学特論[という名の生物体系学高座]〉の第2回目は農学部1号館地下4番講義室にて午後1時からスタート.本日の高座は系統推定論の各論.ついでに,尤度概念とモデル選択論とリサンプリング統計学の噺も.べいづは来週まわしでござんす.午後5時前に弥生キャンパスをあとにする.

◆[蒐書日誌]ホホホ座『わたしがカフェをはじめた日。』(2015年4月6日刊行,小学館,東京,88 pp., ISBN:978-4-09-388417-4 → 版元ページ)※京都市内カフェ案内.北白川〈ガケ書房〉あらため〈ホホホ座〉の本./芸工展実行委員会+サポーター(編)『谷根千すごろく:谷根千道中道案内』(2014年12月1日発行,芸工展実行委員会事務局,東京, 48 pp.)※千駄木の往来堂書店にて.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「学者のユートピア(鹿島茂)」(2015年4月19日)※「スカラトピア(学者のユートピア)構想」—「アイディアの核心は、いま流行の介護付老人ホームの「学者・研究者限定バージョン」をつくるという点にある」.

◆地下にいるうちに夏日寸前の午後は過ぎ,もう夕方.根津神社の混雑はピークを越えたようだ.しかし,客層の年齢期待値の高さのせいか,〈芋甚〉は激混みだった.〈結構人ミルクホール〉にてブラジルスタウト.超苦い.つくばに帰り着いたのは午後7時前だった.明日の経堂出撃は半袖一択かな.

◆本日の総歩数=10273歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.4kg(−0.7kg) / 31.0%(+0.8%)


22 april 2015(水)※爽やかな青空と空気

◆午前4時過ぎ起床.気温10.5度.北東風.朝焼けグラデーションとともに,朝日が昇ってきた.青空が広がる観音台は朝から初夏のような日差しと乾いた空気が心地よい.午前8時の気温は15.7度.朝イチの BGM は Carl Nielsen 〈バイオリンとピアノのためのソナタ〉.Lydia Mordkovitch (Vn)/Clifford Benson (Pf).

◆[欹耳袋]三中信宏『みなか先生といっしょに 統計学の王国を歩いてみよう:情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!』(2015年5月下旬刊行予定,羊土社,東京,本体価格2,300円, ISBN:978-4-7581-2058-6)は早くも honto にエントリーしているが,予約受付はまだ始まっていない.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 領域長とごそごそ相談.うちの研究所もあと一年足らずの “余命” だから,人事とか契約とかいろいろじゃまくさい調整がある./9:15からRP設計検討会.担当分野の報告をしてお仕事はおしまい.11:40に検討会は終了した.

◆[欹耳袋]Treemaps と系統樹の描画法 —— Ulrich Kutschera 2011. From the scala naturae to the symbiogenetic and dynamic tree of life. Biology Direct 6:33 [pdf]/Adam Arvelakis et al. 2005. Using treemaps to visualize phylogenetic trees. [pdf]/Eric H. Baehrecke et al. 2004. Visualization and analysis of microarray and gene ontology data with treemaps. BMC Bioinformatics 2004, 5:84. [html | pdf].

◆晴れ間の広がるお昼休み.気温は20.2度まで上がり,絶好の徘徊日和となった.昨日は煙のように群れ飛んでいたケバエどももまとわりつかず,ひばりとうぐいすのツイートをステレオで聴きながら,ロングコースを一周り.しばらくは穏やかな日が続くとの予報.農環研構内ではモクレンの花が開き始めた.

歩き読み読了:水村美苗『増補 日本語が亡びるとき —— 英語の世紀の中で』(2015年4月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・み-25-4],東京,460 pp., ISBN:978-4-480-43266-7 → 目次版元ページ).巻末の「文庫版によせて」(pp. 408-454)という増補部分だけでも買う価値があった.本書の中心テーマは「文学」だが,巻末増補のなかのある一節「自然科学と母語の関係,そして,翻訳文化の重要性について」(pp. 415-424)では,科学と言語についての見解が述べられている:

  • 「母語が英語ではないこと,西洋語でさえないことは,場合によっては,生産的な結果をもたらしうるのではないか — というより.そう願うのである」(p. 416)
  • 「日本語で自然科学を研究することが,必ずしもマイナス面ばかりではないかもしれない」(p. 419)
  • 「自然科学においても微妙な思考は母語でせざるをえないとするならば,日本語が,その言葉でもって科学ができるような言葉であり続けて欲しいと,そう願うだけである.もちろん,それに欠かせない条件とは,日本において,翻訳文化が,学問でも盛んであり続けるということにほかならない」(p. 421)
  • 「このように〈国語〉がきちんと機能していて,初めて,自然科学の分野でも意味のある研究ができるようになるというのが,よく見えてくる」(p. 424)

著者の見解を支持する論拠が必ずしも明示されているわけではないのが残念である.内容的には,以前読んだ:松尾義之『日本語の科学が世界を変える』(2015年1月15日刊行,筑摩書房[筑摩選書・0107],東京, 238 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-480-01613-3 → 書評目次版元ページ)と強く共鳴しあっている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— そろそろ耳を揃えて年貢を納める時がついにやってきたのだ./羊土社からの大量の初校ゲラ類を放流してせいせいしたと油断していたら,同じくらい大量の再校ゲラ┣┣" どもがまとめて上陸.たすけてー.

◆[蒐書日誌]Sean B. Carroll『Brave Genius: A Scientist, a Philosopher, and Their Daring Adventures from the French Resistance to the Nobel Prize』(2013年刊行,Crown Publishers, New York, x+582 pp., ISBN:978-0-307-95233-2 [hbk] → 版元ページ)※分子生物学者ジャック・モノーと文学者アルベール・カミュが第二次世界大戦中の対独レジスタンス運動を通じて交流を深めていった経緯が綴られている.

この伝記を書いた著者は進化発生学の研究者として有名で:ショーン・B・キャロル(渡辺政隆・経塚淳子訳)『シマウマの縞 蝶の模様:エボデボ革命が解き明かす生物デザインの起源』(2007年4月30日刊行, 光文社,16 color plates + 405 pp., ISBN:978-4-334-96197-8 → 書評目次版元ページ著者サイト)の著者でもある.

◆[欹耳袋]理化学研究所プレスリリース「哺乳類と爬虫類-鳥類は、独自に鼓膜を獲得」(2015年4月22日).※「倉谷形態進化研究室」という組織名称になったのか.

◆夜遅く,雨がぽつりぽつりと.明日は本郷お座敷の二週目である.

◆本日の総歩数=10093歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.1kg(−0.2kg) / 30.2%(−0.1%)


21 april 2015(火)※大きな┣┣" を放流

◆午前5時過ぎ起床.曇り.昨夜,ベランダを荒らしまわった風雨は通り過ぎ,静かな朝を迎えている.気温17.5度.健康的な曇り空が広がる観音台は昨日のような不快指数の高さは感じられない.午前8時の気温は17.6度.今年は〈Carl Nielsen 150 år〉 — 生誕150年か.しばらくは “ニールセン漬け” になりましょう.

◆[欹耳袋]総務省「「夏の生活スタイル変革」(朝型勤務)に関する通知」(2015年3月27日)>「「夏の生活スタイル変革」(朝型勤務)について」[pdf] ※ソースはこれか./NHK NewsWeb「厚労相 経団連に朝型勤務検討を要請」(2015年4月20日)※「国民運動」としていっせいにやらなくても,個人ベースでいろんな働き方をすればいいでしょう.それができないから,みんなでいっしょにということになるんだろうけど,これまでとは逆の “均一化圧力” がきっとあるにちがいない.「業務の性質上実施が困難な職員」とか「本人の事情により実施が困難な職員」のほかに,「社会の仕組みにより実施が困難な職員」もきっといるだろうから.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 公開なう!:羊土社・実験医学online – 三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉連載第12回(最終回)「統計データ解析の地上世界と天空世界 — 連載の総括として」※『実験医学』2015年4月号に掲載された記事のオンライン版./遅れ気味だった:三中信宏『みなか先生といっしょに 統計学の王国を歩いてみよう:情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!』(2015年5月刊行予定,羊土社)の索引項目ピックアップ作業が終わり,速攻で神田小川町に放流した.これでワタクシがやるべきことはすべて終わった./本書の出版にともない,『実験医学online』でウェブ公開されている全12回連載記事〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉は2015年5月7日をもって閉鎖される.まるごとダウンロード完了.

◆[蒐書日誌]届いたよん〜:畑農敏哉『アマチュアオーケストラに乾杯! :素顔の休日音楽家たち』(2015年4月30日刊行,NTT出版,東京, x+217 pp., 本体価格1,700円, ISBN:978-4-7571-7048-3 → 目次版元ページ)※はじめの一歩でちょこっと貢献させていただきました.出版成就おめでとうございます.

◆曇り空の昼休みは気温16度とほどよい徘徊日和.ロングコースで農林団地の周辺を歩き回る.湿った空気にこの季節ならではのケバエの群舞.歩き読み本:水村美苗『増補 日本語が亡びるとき —— 英語の世紀の中で』(2015年4月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・み-25-4],東京,460 pp., ISBN:978-4-480-43266-7 → 目次版元ページ).昼下がりの BGM は Carl Nielsen の歌曲集.テノール独唱 Kurt Westi /ピアノ伴奏 Henrik Metz.さらに続けて,同じく Nielsen の合唱曲〈Hymnus Amoris〉と〈Søvnen〉そして〈Fynsk Forår〉.Leif Segerstam指揮/デンマーク放送交響楽団.

◆[欹耳袋]Michael Heads 2014. Biogeography by revelation: investigating a world shaped by miracles. Australian Systematic Botany, 27(4) 282-304. abstract ※歴史生物地理学の現代史の捏造について.この論文で俎上に上がっている生物地理学の現代史を論じた Alan de Queiroz 『The Monkey's Voyage: How Improbable Journeys Shaped the History of Life』(2014年1月7日刊行,Basic Books, New York, viii+360 pp., ISBN:978-0-465-02051-5 [hbk] → 版元ページ特設ページ)の翻訳権はすでに日本の出版社が取得したと聞いている.生物地理学も,生物体系学と同じく,その現代史を叙述するのは今はまだとても難しい段階なのだろう.

◆本日の “ニールセン漬け” の最後は歌劇〈アラジン〉全曲.ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/デンマーク放送交響楽団.

◆先週の農大講義の質問票から ——

  • #NodaiStat 先週は雑草学会大会のため休講してすまん. posted at 16:12:57
  • #NodaiStat 前回は最初の講義だったので “紳士淑女” 的?な質問が多かったような気がする. posted at 16:14:07
  • #NodaiStat まずは「生物統計学」の方から. posted at 16:14:38
  • #NodaiStat 【質問】「計算統計学が普及した現在,パラメトリック統計学の存在意義は?」/【回答】いきなり核心な質問ですが,数理統計学の数学的な理論体系はやはり強いですね.ただし,昔は「それ」しかなかったわけですが,いまでは他の選択肢もあるということです. posted at 16:18:57
  • #NodaiStat 【質問】「群内のばらつきはどのように評価するんでしょうか?」/【回答】平均値からの偏差として数値化するのが出発点です.これについては実験計画法のところで,具体的な数値データをお見せしながら説明します. posted at 16:20:36
  • #NodaiStat 【質問】「哲学的要素が強いような」/【回答】初回でしたからぐっと抑えました. posted at 16:21:35
  • #NodaiStat 【質問】「教科書は使いますか?」/【回答】使いません.その代わりにワタクシの連載記事〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉 ow.ly/LTdBS を読んでおくと役に立つでしょう.このウェブ連載はGW明け「5月7日」をもって公開終了です. posted at 16:24:14
  • #NodaiStat 【質問】「講義にパソコンを持ち込んでもいいですか?」/【回答】おっけー. posted at 16:33:59
  • #NodaiStat 【質問】「レポートはパソコンで提出した方がいいですか?」/【回答】手書きレポートを写メしさえしなければ何でもいいです. posted at 16:35:08
  • #NodaiStat 【質問】「スマホやPCを持っていないんですが……」/【回答】大学のパソコンを利用するという手はありますね. posted at 16:36:12
  • #NodaiStat 【質問】「講義資料のpdfはコピーするべきですか?」/【回答】pdfでダウンロードしてあるなら,紙への出力はしてもしなくてもOKです. posted at 16:37:20
  • #NodaiStat 【質問】「一度に大量の質問をすることはOKですか?」/【回答】大量に質問する前に,質問内容を自分なりに整理することもまた重要な訓練です.受けた質問については可及的速やかに返信します. posted at 16:39:05
  • #NodaiStat 【質問】「藻類からエネルギーをつくる研究施設がつくばにあると聞いたのですが」/【回答】ありますあります.ただし,それはワタクシのいる研究所ではないのです.つ〈藻類バイオマス・エネルギーシステム研究拠点〉 www.algae-biomass-tsukuba.jp posted at 16:43:37
  • #NodaiStat はい,「生物統計学」は以上ね. posted at 16:44:29
  • #NodaiStat 次は「実験データー解析概論」. posted at 16:44:53
  • #NodaiStat 【質問】「自分のパソコンを持ってきたほうがいいですか?」/【回答】とりあえず,実習室の Win PC がちゃんと動くみたいで安心しましたが,自宅や研究室で使いたいということであれば,自分のPCを持参してもOKです. posted at 16:46:17
  • #NodaiStat 【質問】「Rのインストール時に「管理者権限がぁ〜」とか文句言われるんですけど」/【回答】講師であるワタクシも文句を言われますのでご心配なく.次回の実習時にチェックする必要があります. posted at 16:47:41
  • #NodaiStat 【質問】「先生がたいへんそうだった」/【回答】(感涙). posted at 16:48:20
  • #NodaiStat 【感想】「先生かわいいです」/【回答】(●'◡'●)ノ♥. posted at 16:48:59
  • #NodaiStat ということで,金曜の第2回講義をお愉しみに. posted at 16:49:36

◆今日はワタクシ的にはとてもよく働いたので,ご褒美の夕餉を.今宵は奈良・久保本家〈生酛のどぶ〉を開栓.頑張った夜はお肉を食べるしかない.オージービーフのステーキと朝採りクレソンのつけ合わせにはクリアな上澄み部分を.そして,モッツァレラチーズとスーパーフルーツトマト(JAファーマーズマーケット)のカプレーゼには濃厚なにごり部分を.すばらしいカップリング.しめのごはんは背徳マックスなので,良い子はけっしてまねしてはいけません.ステーキの脂身部分を細かく刻み,炊きたてごはんに埋め込む.エシレバターひとかけをトッピングして融けるまでしばし待つ.食べる直前に醤油をひとたらし.後先考えずによく混ぜてわしわし食べる.至福の時.エシレバターと醤油の相性はあまりに良すぎる.

◆本日の総歩数=11740歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.3kg(0.0kg) / 30.3%(+0.1%)


20 april 2015(月)※兇悪雨雲が襲来する

◆午前5時過ぎ起床.曇り.気温13.2度.四日ぶりの観音台は曇り空.南から湿った風が吹き込んでいる.午前8時の気温は18.7度と異様に高い.これから荒れ模様の天気になるとの予報.不安で妖しい朝にピッタリの BGM はバルトーク・ベラの〈中国の不思議な役人〉.アバド/ロンドン交響楽団.

◆[欹耳袋]大隅典子の仙台通信「日本の学会系科学雑誌を盛り上げるには:研究者も海外ブランドがお好き? 」(2015年4月19日).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 秋田出張の復命書提出.これで,再来月まで遠出の出張はない(はず).来月下旬の帝京大学八王子キャンパス出張はつくば的には十分に遠隔地だが,事務的には単なる都内出張のひとつにすぎない./ほんの数日いなかっただけでご恵贈本やら買った本やらが開封されないまま机に積み上がっているというシアワセな居室./今週水曜の専攻教員会議資料が送られてきた.たった「237ページ」しかない.年度始めは静かに時が流れているのだろうか(違).いずれにしても,ワタクシは農環研の設計検討会があるので欠席するん.

◆[欹耳袋]最新号の Systematic Biology, 64(3) May 2015 は読むべき論文多し.Phycas: Software for Bayesian Phylogenetic Analysis./また,同時に “紙” で届いた Systematic Biology 誌の最新号 64(2), March 2015 の書評記事:David A. Morrison, pp. 363-365 は Manuel Lima 2014. The Book of Trees ともう一冊の書評(→ extract).評者は Lima は生物体系学の正確な知識が欠けているのではないかと指摘する.それらの箇所はワタクシが翻訳していたときにも気づいていたところと同じだった.翻訳本:マニュエル・リマ[三中信宏訳]『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィックス』では,それらの問題箇所はすべて訂正済みなのでご安心を.

◆観音台は雲がますます厚くなり,気温は20.5度まで上がってきた.農林団地は桜に続いてハナミズキが目立ってきた.ツツジはまだ.南からのしっとりした温風が吹き込み,いまにも雨が降り出しそうな気配.お昼前,とうとう雨が降りだした.雨のお昼休みは徘徊もせず引きこもる.とりあえず,ここ数日の間に届いた本たちを陳列して悦に入る.

◆[蒐書日誌]なくなってしまった店たち —— 甲斐扶佐義『ほんやら洞日常』(2015年4月1日刊行,風媒社,名古屋,657 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-8331-3167-4 → 版元ページ)※昨年2014年1月から始まり,〈ほんやら洞〉が火事で全焼する今年1月までの一年日記.著者の写真集:甲斐扶佐義『Beautiful Women in Kyoto:京都ほんやら洞・八文字屋の美女たち』(2006年6月15日刊行,冬青社,東京,255 pp., ISBN:4-88773-045-4 → 版元ページ)を手にしたのはもう10年も前のことだったか./大坊勝次・金憲鎬『大坊珈琲の時間』(2015年4月1日刊行,自由空間,名古屋,151 pp., ISBN:978-4-905024-10-1 → 情報)※昨年読んだ:大坊勝次『大坊珈琲店』(2014年7月26日刊行,誠文堂新光社,東京,256 pp., ISBN:978-4-416-71434-8 → 版元ページ特設サイト)に引き寄せられて,千駄木・往来堂書店でゲット.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今年も大分県農林水産研究指導センター主催・数理統計研修(基礎編)の日程調整をする季節になった.やりとりの結果,師走の湯けむり旅ということに./R の最新版 3.2.0 のバイナリーが公開されたが,今まで何度も何度も “痛い目” に遭っているので,少なくとも講義や講習の直前にはけっしてアップデートしないようにしている.この点に関しては “人柱” にはならない.

◆生暖かい南風がしだいに強くなってきた.雲間からときおり雨がぼたぼた降りかかる.午後5時の気温は21.2度.梅雨時のような不快指数の高さ.夜になってのいっこうに気温は下がらず,風雨が吹き荒れ,ベランダのものがなぎ倒される騒ぎに.

◆本日の総歩数=5315歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


19 april 2015(日)※お忍びランチの午後

◆午前6時にいったん起きて米とぎ.二度寝をのろのろ午前7時半まで.外は晴れ.午前7時の気温は11.6度.その後もぐずぐずと非生産的な時間経過を満喫し,お昼前にやっとヨコからタテになった.

◆曇り空の午後は柴崎にて華麗なるランチをぱあ〜っと.「つくば」「イタリアン」「お忍び」にベストマッチするお店はここしかない(断言).その後,〈ピーターパン吾妻店〉でひさびさに Vollkornbrot をゲット.さらに,〈友朋堂吾妻店〉で甲斐扶佐義『ほんやら洞日常』(2015年4月1日刊行,風媒社,名古屋,657 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-8331-3167-4 → 版元ページ)を手に取る.最後は,牛すね肉塊を手に帰宅したら,アマゾンにお急ぎ便で発注していた歩数計兼時計がもう着便していた.これで明日からまた徘徊記録をちゃんと付けられる.

—— 申し分のない完璧な昼下がりである.

◆[蒐書日誌]ポール・J・シルヴィア[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行,講談社サイエンティフィク,東京, xii+178 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-06-153153-6 → 版元ページ|原書書評:書評篇実践篇投稿篇共著篇)は幸いとてもよく売れているようで,アマゾンの「科学・テクノロジー」ジャンルで第一位というのは拍手もの.しかし,現時点では品切れになってしまい「2015年5月20日に入荷予定です」と表示されている.何とかならんもんでしょうか.一ヶ月先かいっ.いずれにしても緊急増刷されるようでこれまたハッピー.

◆何年ぶりかで京都の中学の同級生から電話がかかってきて,いきなり「ネイティヴ京都弁」スイッチがオンになった夕暮れ時.再来月に京都で中学の同窓会があるとの連絡.日程的には問題なさそうなので参加と返事.

◆気温が日に日に高くなってくるとおでんはそろそろおしまいかなあと思うが,たまに寒い夜が来るとしこみたくなる.今宵は洋風にポトフなど.昼間から牛すじ肉でしっかりダシをとり,新玉ねぎ・新じゃが・にんじんなど根菜をふつふつと煮こむ.途中でベーコンを投入し燻製フレーバーを添加.キャベツは最後に最後に参入させ,仕上げにソーセージを温めて完成.

◆明日からはまた┣┣" 撃ちの日々に復帰する.

◆本日の総歩数=未計測. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)= 93.3kg(+0.5kg) / 30.2%(−0.2%)


18 april 2015(土)※千秋公園はお花見時

◆午前7時過ぎ,のろのろ起床.昨日は昼夜に秋田市内を徘徊しすぎて歩数が19000歩を超えていた.外は曇り空,気温は9.0度.今日はつくばに帰るだけの簡単のお仕事.まずは朝ごはんから始まめよう.

◆[欹耳袋]Yosemite 人柱レポート:Acrobat の分割画面(Acrobat Pro Creative Cloud の場合「ページを整理」画面)からは全画面表示ができない.いったん分割画面をオフにすればOK.

◆お座敷の翌日は時間と心の余裕があったので,朝食後に千秋公園をひとまわり徘徊してきた.関東ではすでに葉桜になってしまったが,秋田はちょうど今が桜の見頃である.城門をくぐると城址内のいたるところにお花見シートが敷き詰められ,前夜から泊まりこみで場所確保していたとおぼしき若者たちが毛布や寝袋にくるまって熟睡していた.まさにお花見シーズン@秋田の到来である.

◆[欹耳袋]ツイッターに「この本だれか訳してよ」と書くと,自分が翻訳するハメになる時代がやってきた(実話).ツイッターに「こんな本があったらなぁ」とかつぶやくときっとタイヘンな災厄が降りかかるにちがいない……(gkbr).もちろん,売り出し中の若手はそういう “世の中の仕組み” を逆手に取ればいいのだ.

◆秋田からの帰路 —— 午前10時にホテルをチェックアウト,秋田駅へ.花曇り.涼しい風が吹く街なかは気温12.8度.秋田新幹線〈こまち18号〉に乗る.評判の関根屋「比内地鶏のいいとこどり弁当」といぶりがっこはもちろんゲットした.秋田駅のコンビニには〈レモンジーナ〉がずらりと並んでいた.〈レモンジーナ〉初体験者の感想は「土の味」というよりも「炭酸鉱泉水」の味わい.11:06に秋田駅を発車.角館通過.雲が厚くなってきた.この辺りの武家屋敷桜並木もそろそろ見頃にちがいない.盛岡で連結.雲間から雨がぼたぼた降ってきた.仙台通過.とてもいい天気.

◆[欹耳袋]国立科学博物館企画展〈国産顕微鏡100年展〜世界一に向けた国産顕微鏡のあゆみ〜〉2015年3月3日〜4月19日.※明日までか!/東京新聞「大学授業にわいせつ画像 九州大、教授が誤って映す」(2015年4月18日)※講義中 “アヤシゲ?なツイート” が画面を汚すワタクシもそのうち糾弾されるのだろうか…….

◆常用している時計兼歩数計をどこかでなくしてしまったようなので,速攻でアマゾンお急ぎ便発注.明日にはつくばに届くとのこと.

◆午後4時過ぎ,つくば帰還.さあ,背徳の夜がやってきた.

◆本日の総歩数=ca.10000歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


17 april 2015(金)※秋田小町のお出迎え

◆午前4時起床.気温12.2度.本日は農環研の一般公開日だがワタクシは北へずらかる.多くのみなさんのご来場を!

◆北へ北へ —— 午前7時過ぎ,つくば駅.では,北へ出撃〜.午前9時,大宮駅にて秋田新幹線〈こまち7号〉に乗り換え.大宮の次は仙台まで止まらない.午前10時,仙台駅.曇りところどころ青空.北への旅路はまだ続く.午前11時,盛岡駅.ここで切り離された〈こまち7号〉は今度は西を目指すのだ.曇り空が続く.秋田に着くまでに終わらせるはずの計算が進まないよぉ(号泣).午前11時半,田沢湖駅.灰色の空から降る雨が窓ガラスに斜線を描く,谷には残雪がたっぷり残っている.角館駅通過.昔はローカル線でこの辺を旅した記憶があるが,新幹線で行けてしまうとはねぇ.正午,大曲駅.ここからは逆方向で終点の秋田駅へ.雨はなお降り続いている.とりあえず今宵の紙芝居は40枚ほどできたので,ワタクシ的には「よし」としよう.計算が完了しないかもしれないが,それはそれで何とかしましょう.それにしても phylolm って使いにくいのぉ.というか,実験的な種間比較法のツールはアブナイことこの上ない.

◆午後0時半に秋田駅着.雨はもう上がったのかな.寒気がただごとではない.秋田の春はまだなのか.とりあえず比内地鶏の迎撃を受ける.昼ごはんをすませ,駅からぶらぶらと千秋公園沿いに歩く.曇りときどき冷たい小雨がぱらつく空模様.午後1時の気温は9.5度とかなり肌寒い.広小路から竿燈大通りへ.駅前の変貌ぶりもすごいが,中心街のあちこちが再開発されていて,美術館やら真新しい大きい建物が立っている.川反近くのホテルにチェックイン.

◆川反あたりはとてもなつかしい風景だ.この前来たのはいったい何年前のことだろうと過去の悪行録をチェックしたら,この前に来たのは1999年に秋田大学で開催された日本植物学会第63回大会のときだった.もちろん非学会員としてだが,「系統樹思考に基づく生物地理学的推論:系統樹マッピングに関わる数学的問題の解決に向けて」という講演をしたらしい.

◆今日の高座は:日本雑草学会第54回大会〈若手の会・外来雑草問題研究会 合同研究会〉【日時】2015年4月17日(金)17:00〜19:30【場所】秋田市にぎわい交流館AU【テーマ】系統関係を考慮した種間比較とは? ホテルで一休みしてから,今日のお座敷がある〈秋田市にぎわい交流館AU〉に出向いて,MacBook Pro の接続チェック.問題なし.というか,プロジェクター接続の “おまじない” に慣れてきたということ.この時間,つくばはTXが落雷で止まるほどとんでもない兇悪雷雲が通過しているようだ.秋田市内も雨がときどき降っては止むはっきりしない空模様.傘を開くか開かないか迷う.お座敷にて MacBook Pro の接続チェックだん.高座が始まるまで時間があるのでアーケード街の喫茶店にてしばし珈琲充.午後5時前,お座敷にて待機.ひとりまたひとりとお客様がご来場.それほど大きなスペースではないので,しだいにぎゅうぎゅうになってきた.隙間に詰め込まれる椅子また椅子.

◆ワタクシの噺は:三中信宏「系統関係に基づく種間関係の復元:系統学と生態学のはざまの30年」.なぜ生態学者はいつまでたっても系統学がキライなのかというメッセージとともに,そろそろ年貢を納めて “改宗” するように迫ってきた.ついでに Mesquite などのデモも.午後7時半に集会はお開き.駅前にて懇親会.午後11時過ぎにホテル帰還.ほへ~.

◆明日はゆっくり帰りましょう.

◆本日の総歩数=19075歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.7kg) / 30.4%(+0.4%)


16 april 2015(木)※春めく陽気の本郷で

◆午前5時前起床.朝焼けグラデーション.気温5.4度.

◆あたふた┣┣" 撃ち —— 明日の秋田でのお座敷用紙芝居30枚作成.まだまだ続く紙芝居づくり./お昼前,新緑の弥生キャンパス到着.ツツジも咲き始めている.気温は18度台で,もちろん半袖でもオッケーの暖かさ./新規お座敷一件への肯定的返事./奈良お座敷の回数が増殖する案件について./弥生講堂一条ホールの確保完了.

◆午後1時前,農学部1号館地下の第4講義室.2年ぶりにまたここに来た.今週から3週続きで,生圏システムの「保全生態学特論」という名の生物体系学高座をする.午後半日の集中講義.本日の受講生は6名.講義室でちゃんと HDMI が使えてありがたい(ただし,スピーカーはオフにすること).体系学と統計学の概論を午後4時半まで.

◆[欹耳袋]Yosemite 人柱レポート:Adobe Acrobat Pro DC を HDMI 接続して紙芝居していたら,異様に動作が重くなった.これは Adobe のせいかもしれない.

◆お座敷がはけたのち,千駄木路地裏の〈結構人ミルクホール〉にてブラジル・ダテーラ農園の深煎り珈琲充したのち,〈往来堂書店〉を一周りという定番コース.つくばに帰り着いたのは午後7時.今日は暖かな一日だった.

◆[蒐書日誌]Michael D. Gordin『Scientific Babel: How Science Was Done Before and After Global English』(2015年4月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, vi+415 pp., ISBN:978-0-226-00029-9 [hbk] → 版元ページ情報).出版を待っていた本がやっと届いた.科学と言語の関わりを歴史的に振り返る.本書は日本のアマゾンは発売開始が遅かったので,amazon.com に発注した.タイミングよく文庫化された:水村美苗『増補 日本語が亡びるとき —— 英語の世紀の中で』(2015年4月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・み-25-4],東京,460 pp., ISBN:978-4-480-43266-7 → 版元ページ)は文学での日本語の問題を論じている.科学と言語への言及も随所にあるようだ.

◆明日は秋田にてお座敷.朝早くつくばを出て5時間かけて鉄路で秋田へ向かう.秋田新幹線に乗るのはもちろん初体験.しかし,紙芝居やらデモの用意がまだ終わっていないというていたらく.あってはならない binge writing だ.

◆本日の総歩数=9014歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.5kg(+0.1kg) / 30.0%(−0.5%)


15 april 2015(水)※接近する兇悪低気圧

◆午前5時過ぎ起床.気温11.9度.青空が広がってきた.朝日がさんさん.気温上昇.雨上がりの観音台は前夜の雨のせいで水浸しになっている.しかし,雨雲は東に消え去り天気は回復.こんなにきれいな青空を見上げたのはいったい何日ぶりのことか.午前8時の気温はすでに15.8度まで上がっている.今日は暖かくなるとの予報.朝の BGM はグレン・グールドの平均律.

◆[欹耳袋]ある医療系大学長のつぼやき「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究(ダイジェスト版)(その2)」(2015年4月14日)|「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究(ダイジェスト版)(その3)」(2015年4月15日).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 翻訳の案件ひとつに「ノー」と言うワタクシ.翻訳を一冊手がけたら向こう数年間は “免疫” されたい./MEGA 6 for Mac OS X の汚いフォントは何とかならんのか./明日から三週続きの弥生キャンパス高座〈保全生態学特論(という名の生物体系学)〉のハンドアウトは私のサイトからダウンロードしてね>受講予定者のみなさん./弥生講堂一条ホールの申込書類は完成.あとは,明日,農学部6号館でハンコをもらって提出するのみ./その他書類いろいろ.

◆不穏な南風が萌え出づる若葉の枝をゆさぶり,青空はときおり雲に覆われる.正午の気温は20.5度.ロングコース徘徊で歩きまわるとやや暑いような.まだ潅水が始まっていないのに田畑には水たまりが点々と残っている.ML のブーツストラップ計算がまだ終わっていない(orz).

◆[欹耳袋]できる研究者は倍返しだ! —— YouTube | Paul Silvia, PhD - How to Publish a Lot and Still Have a Life Pt 1※Part 2, 3, and 4 もあり./道が無くてもbajaがある~season 3~「本日のお買い物:できる研究者の論文生産術」(2015年4月13日)※「最も大切なことは「スケジュール派」になること。これは森博嗣氏の執筆スタイルと完全に一致している」./まるはなのみのみ「【書評】できる研究者の論文生産術」(2015年4月13日) ※「三中さんの「推薦の言葉」は、週刊誌の裏とかにある怪しげな商品セールスのようで笑ってしまった」— す,すまぬ…….

◆午後の┣┣" 撃ち —— 秋田お座敷の準備じたばた.なかなか進捗しない.Binge writer になってしまう〜.

◆せっかく日中はよく晴れてくれたのに,夕刻,強い南風とともに西の方からアヤシい黒雲が接近してきた.そうこうするうちに雨が降り出し,雷鳴と稲妻,そして瞬間停電と,夏の夕立のような険悪な空になっていった.雷鳴が轟く今宵の夕餉はシンプルかつスタミナ派の焼肉丼. “お水” は奈良は桜井市・今西酒造の〈三諸杉〉の「三輪のどぶろく」を開栓.バクハツ系のキケンきわまりない純米酒.ガス抜き栓だからといって油断すると,バクハツする. “飲むごはん” という形容がぴったりの濃厚さ.焼肉丼を完食して,このどぶろくを制覇したら軽く二食分になってしまう.ぶくぶく〜.噴出事故を防ぐため,瓶の容量よりも少なめに詰められている.もちろん,あっという間に空っぽに.

◆明日は本郷にて半日のお座敷がある.

◆本日の総歩数=11118歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.4kg(−0.1kg) / 30.5%(+0.9%)


14 april 2015(火)※空がぐずつく観音台

◆午前5時過ぎ起床.気温10.4度.雨はいまは止んでいるようだ.曇り空の観音台は雨上がりの空気がしっとり湿っている.午前8時,気温は11.3度と冷え込みなし.朝イチの BGM は Keith Jarrett の〈Paris Concert〉から.

◆[欹耳袋]ある医療系大学長のつぼやき「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究(ダイジェスト版)(その1)」(2015年4月13日)※今後数回にわたって分割掲載されるとのこと.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 原稿書きでうんうん唸っている居室に,奈良からきわめて強力な “援助物資” が着弾:1) 油長酒造〈風の森〉山乃かみ酵母・雄町純米しぼり華.奈良県内限定販売.2) 久保本家〈生酛どぶ〉仕込み14+13号.バクハツするかも.3) 大倉本家〈大蔵〉特別純米・備前雄町「阿らばしり」.4) 京都・木下酒造〈玉川〉純米吟醸手つけず原酒山廃「祝」.そして,おまけのしぼりたてレアな酒粕のアルコール臭が研究室に漂う至福の時間.奈良の精鋭と京都の傭兵が勢揃い.ありがたやありがたや〜そんなわけで,いま冷蔵庫の氷温室には一斗を越える量の日本酒が冷蔵安置されている.勝手にもっていかないでね./勢いづいて,連載第6回ゲラ読みを速攻で終わらせる./返す刀で書評記事原稿(846字)も.現物援助の威力はたいしたものである.

◆[欹耳袋]東大出版会:「「UP」4月号特集「東大教師が新入生にすすめる本」」(2015年4月13日) >「UP510号「アンケート 東大教師が新入生にすすめる本」」 [pdf].

◆午後の┣┣" 撃ち —— 巻末「生物統計学へのお誘い本ブックリスト」(5,032文字)を羊土社編集部へメール送信./明後日から始まる東大・生圏システムの「保全生態学特論(という名の生物体系学)」半日集中講義×3の配布資料とサイトをつくった.あとでアップロードして公開する./『統計学の王国を歩いてみよう』の索引語リストは週明けでいいとのこと.これでずっと放置していた雑草学会高座の準備がやっと始められる(おいっ).

◆[欹耳袋]ワタクシの『生物系統学』の新たなミスが18年ぶりに指摘されるという事案が発生:p. 59図2-9キャプション中の「この分岐図から導かれる系統樹は3つあり(4-6)」は「(1-3)」の間違い.ひょえ〜.増刷されるときにはしっかり訂正しないと.さらに,この18年もの間,「蝿の王」がずっと「揚げものの王」であり続けたことなど,恥ずかしすぎてとても口外できるようなミスではない. “みどり本” の著者がいみじくも指摘したとおり,本を書いたことによる「負債」は未来永劫にわたって払い続けなければならぬ.どんな本だって叩けば「負債」なんかいくらだってある(はず).確かに,本を書かなければそのような「負債」は背負わなくてもすむだろう.しかし,ワタクシはあえて「負債の上乗せ」を確信犯的にいまなお続けている.

◆ひさしぶりに PAUP* が徹夜の計算をしてくれることになった.がんばってねー.

◆本日の総歩数=5350歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.5kg(−0.7kg) / 29.6%(+0.9%)


13 april 2015(月)※春雨にしては寒々と

◆午前6時過ぎ.当然の「うう……」.週明けの観音台は曇り空.気温は10.2度で,北東風が不吉な音を立てている.イマイチな状態ぶくぶく〜.冷たい雨に濡れる観音台,そして雨粒が滴る MacBook Pro.

◆[系統樹大全]ホンシェルジュ「本棚の本まとめ - インフォグラフィックスが好きな人に手にとって欲しい本5冊」(2015年4月12日).

◆午前の┣┣" 撃ち —— プロローグ「これから歩み始めるみなさんへの前口上」(5,187字)を羊土社へメール送信.

◆[欹耳袋]Data Elixir is a weekly collection of the best data science news, resources, and inspirations. ためしに購読することにした./logical cypher scape「吉川浩満『理不尽な進化』」(2015年4月11日).

◆[蒐書日誌]まずは,生物地理学会大会初日の会場でゲットした本から —— 蜂須賀正氏『博物随想 世界の涯:幻の鳥たちを求めて』(2015年3月29日刊行,武江 我刊我書房,東京,192 pp. 税込価格6,500円 → 版元ページ).生物地理学会の founder のひとりだし,ドードー鳥の本だし,1950年に出た元本はほぼ入手困難だし.部分復刻本.限定200部中120番.軽フランス装・アンカット・糸かがりという凝った装幀.玉川重機のイラストと署名がある.フランス本の天アンカットは知ってるけど,本書は地アンカットというめずらしい装幀になっている.まだページを切り開いていないのだが,読了したあかつきにはいずれはちゃんと製本しないといけないのだろう.

さらに,池袋出撃のあいまに立教通りに面した古書店〈夏目書房〉にてゲットした本たち —— まずは3冊500円の新書から:コリン・コバヤシ『ゲランドの塩物語:未来の生態系のために』(2001年5月18日刊行,岩波書店[岩波新書・新赤版730],東京,xiv+200+4 pp., ISBN:4-00-430730-9)/F・G・ケニオン[高津春繁訳]『古代の書物』(1953年11月20日刊行,岩波書店[岩波新書・青版147],東京,4 plates+xii+184 pp., ISBN:4-00-41307305)/エリク・ド・グロリエ[大塚幸男訳]『書物の歴史』(1992年3月10日刊行,白水社[文庫クセジュ・728],東京,4 plates +162+iii pp., ISBN:4-560-05728-1).もう一冊,ダイアグラム史の資料として:種村季弘(監修)『図説 占星術事典』(1986年3月20日刊行,同学社,東京,289 pp., ISBN:4-8102-0043-4 → 版元ページ).

—— ┣┣" が積み上がるのは見たくないが,届いた本が積み上がるのは至福のとき

◆冷たい雨が降り続く夕方.日中の最高気温は10.5度どまり,夕暮れて9度台.さむさむ.

◆[欹耳袋]たおやかな生活を希望して「基礎研究者にとって生き難い世の中に」(2015年4月13日).

◆本日の総歩数=5096歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 94.2kg(+1.6kg) / 28.7%(−1.9%)


12 april 2015(日)※青空が広がる西池袋

◆午前6時過ぎ,のろのろ起床.気温4.7度.朝日がまぶしい.

◆第70回日本生物地理学会大会(二日目) —— 午前8時半,つくば駅.昨日に続いて池袋出撃の朝.山手線が架線倒壊でアウトらしいので,別経路を探索しよう./午前10時,青空が広がる立教大学キャンパス着.午前10時の気温は14.7度.北寄りの乾いた微風が涼しい.チャペルからは日曜礼拝の奏楽が.今日は第70回生物地理学会大会の二日目.一般講演とシンポジウム.

◆車中┣┣" 撃ち —— 朝日がさんさんと差し込むTX車内で,無慈悲なる┣┣" 殲滅遂行.┣┣" たちに混じって,「.xlsm」なる邪悪な Excel 事務文書ファイルが届いた.もちろん “滅菌除霊” してから提出する.所内事務書類にもマクロたっぷりの出張伺Excel書式があるけど,Excel マクロは成仏していいよ./ここ二三日の間にフォロワー数が70名余り一挙に増加.そのほとんどは講義が始まった農大の学生さんでしょう.

◆[欹耳袋]Yosemite 人柱レポート:「Portables:キーボードのバックライトを調整する」※「システム環境設定」>「キーボード」>「環境光が暗い場合にキーボードの輝度を調整」のチェックを外す>「F5」と「F6」でマニュアル輝度調整できる.ワタクシの場合,キーボードカバーを常時利用しているので,バックライトは不要.「F5」で完全オフに設定した./ヨセミテのせいではないのだが,MacBook Pro 13" は MacBook Air 11" よりも格段に重い.が,MBA 11" と VAIO Pro 11" の両方を背負っていた頃に比べればちょっとだけ軽いので許す.

◆暖かな日差しが降り注ぐ昼休み.午後は立教大学がTOEIC会場になっているらしく,怒涛の受験者の渦に巻き込まれた.春めくキャンパス.気温は17.5度まで上がっている.日本生物地理学会第70回年次大会二日目午後のシンポジウム〈昆虫を操作する寄生者たち:分子メカニズムから生態系に与える影響まで〉.午後4時半にシンポジウムは定刻終了.その後,総会.午後5時,今年度の大会はつつがなく終わった.

◆大会終了後は,シンポジウム演者とともに池袋西口の〈木々家[はやしや]〉本店へ.野菜をかじり,生肉を喰い,日本酒を呑むという実にワイルドな世界だった.〈鍋島〉〈薄墨桜〉〈昇龍蓬莱〉〈新政〉etc.その後,東口に移動し,うどん処〈硯家〉本店にて二次会.ここでもまた日本酒を浴びるように呑み続け,最後に釜玉うどんを平らげて散会.みなさん,どうもお疲れさまでした.へろへろになって午前様のつくば帰還.もう使いものになりまへん.

◆本日の総歩数=12011歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 92.6kg(+0.6kg) / 30.6%(−0.7%)


11 april 2015(土)※春雨が降る立教大学

◆午前5時半起床.雨.気温9.4度.今日と明日は池袋日帰り出撃.

◆第70回日本生物地理学会大会(初日) —— 午前8時過ぎ,つくば駅.冷たい雨が降り続く朝.うっかり乗り過ごし(orz).都内も雨がしとしと降っている.池袋へゴー.ふと気がつけば Gmail ┣┣" 箱に11頭も積み重なっている.午前10時,やっと池袋着.雨に濡れる立教大学キャンパスは学生がちらほら.例年のような新入生の混雑とサークル勧誘の喧騒はない.遅刻して生物地理学会評議員会へ.お昼前.┣┣" を半分に減らしてからタッカーホールに移動.午後は司会業なり.

◆フォローアップ —— 昨日の「実験データー解析概論」では,R 本体のインストールを完了しました.来週は休講ですが,再来週は R コマンダーをインストールし,メニュー形式での操作ができる計算環境を整えます.RStudio というプログラミング環境はあとでインストールします./「生物統計学」の初回講義は全体ガイダンスと統計曼荼羅,さらに概論のイントロまで話しました.再来週の第2回講義では概論の続きとともに,データ可視化のための統計グラフィクスの効用について講義します.

◆[欹耳袋]大人数を前に噺をするということ —— 昨日の東京農大の講義は,ひとつが100名 in PC実習室,もうひとつが200名 in 講義室という “講義環境” だったので,ひさしぶりに大人数を相手に噺をするときのポイントを再認識した.

ひとつはスライドの形式.基本は「字は少なく・大きく・太く」&「イメージ喚起の絵を見せる」ことが.たとえスクリーンが大きくても安心してはいけない.後方の学生には何も見えていない.細かい資料は配布(紙orファイル)する.もうひとつはトークの目線.教壇からは「一対多」であっても,学生からは「一対一」.だから,学生ひとりひとりが「自分だけに話しかけられている」と感じさせるように教壇から話す心がけはとても重要.目線が外れたら学生は確実に寝る.

ワタクシのいまの講義スタイルはかつて定職がなかったころの予備校アルバイトですべて体得した.その予備校の超名物講師が配布した「講義心得:講師のための授業マニュアル」は今でも重宝している.そのコンテンツは10年前のワタクシの日録に再録した(→ 日録2006年3月6日).そこに挙げられている心得の数々はいまでも役に立っている.

教育機関ではない研究所に長くいると大人数を相手に噺をする機会はほとんどない.ときどきこうやってむかし身につけた高座スキルを錆びつかせないようにすることは大事.大学で講義をすると「なんだか予備校のセンセイみたいです」と感想に書かれることがあるが,「みたい」じゃなくって,「本職」だったんだよ.

◆雨上がりの夕方,池袋の街はひとつまたひとつと灯りがともる.まずは〈残草蓬莱〉特別純米槽場直詰生・五百万石,〈花陽浴〉純米吟醸おりがらみ生,そして〈新政〉エクリュ純米から始まる夜.〈来福〉X・赤・直汲み.市販されていない超限定銘柄.和歌山〈車坂〉純米大吟醸生原酒うすにごり.栃木〈発光路強力〉純米吟醸無濾過生原酒.栃木で強力をつくっているとは知らなかった.福岡〈山の壽〉OKIRO.活性生酒だがガス感あまりなし.最後は,広島〈寶剣〉純米吟醸・愛山.たくさん呑んでいるようだが,五勺単位なので,そんなにたいしたことはない.午後10時過ぎに無事帰宅.つくばも雨上がり.

◆本日の総歩数=9484歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)= 92.0kg(−0.3kg) / 31.1%(0.0%)


10 april 2015(金)※新年度初の経堂出撃

◆午前5時前起床.気温2.0度.連日の寒すぎる夜明け前.午前7時半,つくば駅.空気が冷たい曇り空の朝.新年度初の都内出撃日.

◆[欹耳袋]アメリカ自然史博物館も粋なことやるやん —— American Museum of Natural History | Culture Salon: Rice Wine and Sake.※〈白川郷〉にごりや〈南部美人〉特別純米&大吟醸はいいけど梅酒とマッコリはちがうだろ.

◆ひさしぶりのハートフル農大通り —— 朝の都内はTX・山手線・中央線・小田急すべてが遅延しているというみごとなシンクロぶり.雲が広がる経堂駅前.今日は東京農大(世田谷)の初回講義日.曇りときどき小雨というあいにくの空模様ながら,ひさしぶりに経堂からハートフル農大通りを下って世田谷キャンパスまで往復した.農大通り商店街ではいつもの「農大ファミリー」がお出迎えとお見送り.

◆[蒐書日誌]新刊2冊 —— E. Serrelli and N. Gontier (eds.) 『Macroevolution: Explanation, Interpretation and Evidence』(2015年3月刊行,Springer-Verlag, Berlin, ISBN:978-3-319-15044-4 [hbk] → 版元ページ).各論考はおもしろそうだが,ちと高いか./Edgar Crombie (ed.) 『Phylogenetics and Phylogeography: Integrated Studies』(2015年3月刊行,Callisto Reference, ISBN:9781632395115 [hbk] → 版元ページ).執筆者陣の情報が皆無なのでリスクが高すぎる.

◆新学期早々の世田谷キャンパスには大勢の新入生がいて,相転移しそうな人口密度だった.さすが農大.午前中のワタクシの担当講義は,ここ数年続いている生物応用化学科3年の選択科目「実験データー解析概論」.今年から18号館のパソコン演習室が使えることが急に決まり,TAなしで100名ほどの学生を相手に巨大な実習室で大奮闘してきた.これが毎週続くのは修行である.お昼休みになると講義棟から膨大な数の学生が大河のように流れ出してくる.私立大学には異質の「スケール効果」があると思う.

◆[欹耳袋]J. B. Harley and David Woodward | The History of Cartography ※全巻(Vols 1 – 3)ダウンロード可能.シカゴ大学出版局は太っ腹.この The History of Cartography はさらに第4〜6巻と続いているのか(→書誌情報).

◆午後の講義は,今年から新規に始まったバイオサイエンス学科1年生の必修科目「生物統計学」.必修なのでほぼ200名もの学生が教室にぎゅうぎゅう詰め.これはこれでさらに相転移しそうだった.新入生ということはほんの数週間前までは高校生.しかもバイオサイエンス学科は農大でも入るのが難しい学科とのことで,必然的?に「元JK率」がとても高い!(すばらしい!)

◆初回講義を二つこなして,虫の息で雨降るつくばに帰り着いた夕暮れ時.ほへー.

◆本日の総歩数=14100歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 92.3kg(−0.5kg) / 31.3%(+0.3%)


9 april 2015(木)※観音台は桜花の絨毯

◆午前5時過ぎ起床.気温3.0度.寒いん.今日もたくさん書こう.朝日がまぶしい観音台は昨日の「いきなり真冬」の直撃で,桜がだいぶ散ってしまった……ように見えたのだが,意外にがんばって散り残っている.これで暖かくなればみごとな桜吹雪が楽しめるかもしれない.午前8時の気温は6.0度.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 弥生講堂に事務連絡.来春の仮押さえ./諸橋大漢和辞典買え買えDMが届いて,食指がぴくぴく動く.小学生の頃に『新字源』の書写というのをやったことがある./五月中に杜の都を爆撃することになりそう.みずみずしい新緑だろうなあ./あちらの方の科研費もダメだったようで,なかなかきびしい.

◆[欹耳袋]形質の相同性(homology)の議論で「同一性」という観点を温存すると,「同一であるとはどういうことか?」という[正しい意味で]形而上学的な難問と格闘するしかない.Adolf Remane (1952) は その点では Adolf Naef の “観念論形態学” を温存している.Willi Hennig (1950) が Adolf Remane と一線を画しているのは(お互いに相手を引用していないはず),Hennig が “観念論形態学” を徹底的に排除しようとしたから.Hennig が synapomorphy(共有派生形質)という概念を出してきたのは,同一性ではなく,系譜性をもって形質進化を論じようという点で Remane に対抗する概念体系を出そうとしたのでしょう.

もし相同性を「同一性」の観点からアプローチするのであれば,それは Joseph H. Woodger (1945) が提唱し,科学史に転向する前の数理分類学者 Nikolas Jardine (1967)が発展させた「公理論的相同」という考え方はある.要するにメレオロジーね.形質というパーツの「同一性」に基いて相同性を議論するのは,単にヒトによる認識のありようの問題ではなく,(心理的)本質主義というもっとやっかいなモノを突っついてるはず.Naef や Remane はそれでいいと考えたけど,Hennig は別の立場だった.

Adolf Remane (1952) が英語に翻訳されないままなのは残念至極なのだが(この点は Stephen J. Gould がかつて指摘した通り),1950年代 Remane の仕事の背後にある20世紀前半の観念論形態学やら系統学に首をつっこむのはコワいなあ.

相同性をめぐる Remane と Hennig の関係については,古い論文がいくつかある.最近はドイツ語の論文を読む生物学者は少数派になってしまったかもしれないけど:

  • Joachim Illies 1967. Zur modernen Systematik: Ein Vergleich der Methoden von Hennig und Remane. Zoologische Beiträge (Neue Folge), 13: 521-528.
  • Rainer Hengsbach 1973. Zum Verständnis der phylogenetischen Ansichten von Schindewolf, Hennig und Remane. Zoologische Beiträge (Neue Folge), 19: 315-317.

Adolf Naef の “観念論形態学” の今日的意味については,一昨年まとまった論文が出た:Olivier Rieppel, David M. Williams and Malte C. Ebach 2013. Adolf Naef (1883-1949): On foundational concepts and principles of systematic morphology. Journal of the History of Biology, 46: 445-510.

—— この辺りの論議は深煎りするとコワいので┣┣" 放牧場の遠くの隅の方に置きましょうかね.みだりに刺激しないよう,そおっとそおっと遠くから.

◆昼休み,ロングコース徘徊.曇りときどき雲間の青空がのぞく観音台は9度台の気温.10度には達しなかったものの,日中の最高気温が2度だった昨日に比べれば十分すぎるほど暖かい(風はやや冷たい).桜吹雪を見に農林団地に来る人はさすがに少ない.

  • [つくば]「第5章:ばらつきを数値化する」(pp. 52-61)ゲラのチェックだん. posted at 10:07:58
  • [つくば]「第6章:自由度とは何か」(pp. 62-75)ゲラのチェックだん.ここまでの章をまとめて羊土社編集部に返送. posted at 10:39:33
  • [つくば]「第7章:確率変数と確率分布をもって山門をくぐる」(pp. 74-83)ゲラのチェックだん. posted at 11:32:30
  • [つくば]「第8章:正規分布という王様が誕生する」(pp. 84-93)ゲラのチェックだん. posted at 11:44:42
  • [つくば]「第9章:ピアソンが築いたパラメトリック統計学の礎石」(pp. 94-103)ゲラのチェックだん. posted at 14:20:07
  • [つくば]「第10章:秘宝 — 確率分布曼荼羅の発見!」(pp. 104-113)ゲラのチェックだん. posted at 14:32:36
  • [つくば]「第11章:実験計画はお早めに」(pp. 114-121)ゲラのチェックだん. posted at 14:48:23
  • [つくば]「第12章:完全無作為化法の分散分析 — 地道に計算する衆生に正規分布の王様は手を差し伸べる」(pp. 122-138)ゲラのチェックだん. posted at 15:05:23
  • [つくば]「第13章:乱塊法による分散分析 — 天地は最後にむすびつく」(pp. 139-148)および「エピローグ:情報可視化,統計モデリング,アブダクション」(pp. 149-151)ゲラのチェックだん.これですべておしまい. posted at 15:17:01
  • [つくば]残務は「プロローグ」「統計ブックガイド」「索引項目選定」そして「太字箇所抽出」の四つだけ. posted at 15:43:38
  • [つくば]羊土社にゲラの残りをすべて返送だん.午後は12.0度まで気温が上がったが,夕方のいまはまた8.9度に低下.冷たい東風が体感気温をぐっと下げている. posted at 17:50:17

◆冷気が夜の底に淀む今宵はいつもの「親が多めの親子丼」. “お水” は〈風の森〉26BY純米しぼり華・露葉風.開栓直後は微炭酸サイダー感があふれる.ちゃらちゃらしたレモンジーナを飲むくらいなら,風の森を呑め.たくさん盛りつけたはずの “親” たちは酒の肴として食べつくされてしまい,ごはんを食べるときは「親なし子のみ丼」と成り果てる. “親” はなくとも “子” はうまい.

◆[欹耳袋]J. H. Woodger と白上謙一は発生生物学つながり.白上謙一が訳した G. G. Simpson『動物分類学の基礎』の訳者あとがきに異端の書『Epigenetics』の著者である発生学者 Søren Løvtrup が「日本名 葉村巌」(p.258)と紹介されていて,積年の謎のまま今日に至る.

◆明日は経堂で生物統計学の初回講義があるが,いたいけな新入生や酸いも甘いも噛み分けた?三年生がどんな反応を示すかみもの.

◆本日の総歩数=13043歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.2kg) / 31.0%(−0.1%)


8 april 2015(水)※みぞれから牡丹雪へ

◆午前5時過ぎ起床.風雨強し.気温は3.9度と真冬並みの寒さ.明け方の雨はみぞれになり,いま雪に変わろうとしている.真冬に戻った観音台はお花見どころではない.午前8時の気温は1.4度.冬服をしまいこんでしまったことを海よりも深く反省している.

◆[欹耳袋]日本生物地理学会第70回年次大会シンポジウム〈昆虫を操作する寄生者たち:分子メカニズムから生態系に与える影響まで〉【オーガナイザー】陰山大輔(農業生物資源研究所)【日時】2015年4月12日(日)13:00~16:40【場所】立教大学(池袋キャンパス)14号館2階D201号室(→ 地図)【演者】陰山大輔(農業生物資源研究所)「趣旨説明:昆虫を操作する寄生者たち」/安佛尚志(産業技術総合研究所)「ショウジョウバエのオス殺しの謎に迫る」/勝間進(東京大学大学院農学生命科学研究科)「バキュロウイルスによる巧みな宿主制御戦略」/佐藤拓哉(神戸大学大学院理学研究科)「森と川をつなぐ寄生虫-ハリガネムシ類による宿主操作の生態学的意義」/菊池義智(産業技術総合研究所北海道センター)「カメムシに殺虫剤抵抗性を賦与する Burkholderia 共生細菌」【参加費】無料.

◆午前の┣┣" 撃ち —— をを,農環研は本日特別に全館暖房が入るらしい.すばらしい.午前9時過ぎには1.0度まで気温が下がり,牡丹雪が降り続いている観音台.冬ですかそうですか.午前10時半から所議報告と領域会議がお昼前まで.その後,RPの設計検討会資料づくりで昼休みになだれこむ.雪はもう止んでいるようだが,小雨は降り続いている.正午の気温は2.4度と極寒の昼休み.あまりに寒すぎるので,本日の昼休み徘徊は中止.全館暖房のぬくぬくに包まれる.

◆[蒐書日誌]書評依頼本 —— D. E. Fastovsky,D. B. Weishampel[真鍋真監訳/藤原慎一・松本涼子訳]『恐竜学入門:かたち・生態・絶滅』(2015年1月30日刊行,東京化学同人,東京,xviii+396 pp., 本体価格6,800円, ISBN:978-4-8079-0856-1 → 版元ページ).

◆[蒐書日誌]アムステルダムの古書店 Antiquariaat A. Kok & Zn に依頼していた雑誌バックナンバーが届いた:Willi Hennig 1958. Die Familien der Diptera Schizophora und ihre phylogenetischen Verwandtschaftsbeziehungen. Beiträge zur Entomologie, 8 (5/6): 505-688. このジャーナルの本号は農環研にも所蔵されてはいるけれど,手に届くところにブツがないと何かと困るので.どういうときに原本がないととても困るかといえば,それは図版を参照するとき.本文テキストであればコピーでも十分だし,運がよければどこかに転がっている電子化されたファイルからゲットすることができる.しかし,図版はそう簡単ではない.電子化ファイルの図版は解像度が低すぎて,そのままでは使えないことがある.しかし,原本があればこの問題はクリアできるだろう.それにしても1950年代のドイツの雑誌は紙の痛みぐあいがただごとではない.第二次世界大戦敗戦後の物資窮乏の時期,質のよくない印刷用紙しかなかったのだろう.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 窓越しに外を見やると何かしら雪のようなものがまた降りだしている.午後1時の気温は2.7度.

  • [つくば]「はじめに」(pp. 2-3)および「第1章:データ解析の第一歩は計算ではない」(pp. 4-19)ゲラのチェックだん. posted at 14:05:43
  • [つくば]「第2章:データの位置とばらつきを可視化しよう」(pp. 20-32)ゲラのチェックだん. posted at 14:22:23
  • [つくば]「第3章:王国の考え方を身につけよう — アブダクション」(pp. 33-42)ゲラのチェックだん. posted at 15:07:41
  • [つくば]「第4章:モデルと本質 — 既知から未知へのアブダクション」(pp. 43-51)ゲラのチェックだん. posted at 16:40:32

—— 居室の「自主点検チェック表」締め切り間際に滑り込み提出./統計┣┣" の地響きは別の統計┣┣" を覚醒させ(てしまっ)た.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「凍える春、都心で雪 関東中心に真冬並みの寒さ」(2015年4月8日)※10日まで寒さが続くとなると,経堂出撃初日は冬の装備が必要か.

◆夕暮れつくばは小雨に濡れる.午後6時の気温は3.3度.結局,今日の日中は最高気温が4度にも達しない冬日だった.今宵は何かあたたまるものを食べないと.

◆本日の総歩数=5127歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.0kg(+0.2kg) / 31.1%(+0.1%)


7 april 2015(火)※春から冬へ寒の戻り

◆午前4時半起床.気温10.4度.雨が降ったりやんだりしている.冷たい霧雨が降り続く観音台.農林団地の桜並木は樹上を見上げるよりも路面を見下ろす方が桜色が濃くなってきた.午前8時の気温は9.2度.春から冬に逆戻り.寒い朝の BGM はバルトーク〈無伴奏バイオリンソナタ〉から.他者と比べるから問題になったりつらくなったりするのであって,最初から比べなければいいだろう.

◆[欹耳袋]オアゾ丸善本店でマニュエル・リマ『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全』関連ブックフェアが始まったとの連絡あり.近いうちに確認に行くことにしよう.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 奈良県からの新規お座敷の件につき,関係者にメールいろいろ./新法人移行に対応して農環研の事務封筒一式は「国立研究開発法人」シールをぺたぺた貼られることになった.なんてお手軽で安上がりなこと.組織の名称変更はしょせんこの程度の扱いということ./JSPSからの受託研究費配分額が確定し,もう使えることになった.ありがたやありがたや./日外アソシエーツ『現代日本執筆者大事典・第5期』への収録依頼が着弾.ちゃちゃっと書いて返送完了./今週から始まる東京農大の講義では「紙」の配布物を全廃することにしたので,毎週大量の紙束を抱えて経堂に向かう必要がなくなった.身軽なことはいいことだ.ただし,初回だけは例外的に「紙」を用意する.100枚+200枚(重〜)./年度が変わるとメーリングリストの変更申請が激増する.

◆[蒐書日誌]林純次『残念な教員:学校教育の失敗学』(2015年2月20日刊行,光文社[光文社新書・741],東京,261 pp., ISBN:978-4-334-03844-1 → 版元ページ).著者が指摘するような「問題のある教員」はいまの中学校や高等学校には少なからずいるだろう.その点で「プロフェッショナルとして生徒の成長という「結果」を重んじるスタンスで教育活動を行っている」(p. 15)という著者の理念には納得できるものがある.

しかし,本書の読後感としては,「プロフェッショナル教師」なる者が “学校” という閉じられた空間とその制度にむりやり “over-fitting” しようとしているありさまが濃厚で,読んでいるだけでワタクシは息苦しくなった.著者の立場からすれば,おそらく彼が信奉する理念や方針から外れたとたんに “残念な教員” という烙印を一律に押されるのだろう.多様さとか柔軟さあるいは融通という考えは本書の対極にある.

ずいぶん前にも「プロフェッショナル教師」という看板が社会的に注目を浴びたことがある(「プロ教師の会」で検索すればわかる).ワタクシが違和感を覚えるのは,そういう「プロフェッショナル教師」による狭い学校ワールドの現状肯定を背景にした “over-fitting” の息苦しさである.「プロフェッショナル教師」が自分一人で信じる道を進む分にはかまわないのだろうが,周囲の教員や生徒にそれを独断的に強要するのは(別の意味で)きわめて “残念な教員” にしかワタクシには見えない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— うすら寒い昼下がりの BGM はフランツ・シュミットのオラトリオ〈七つの封印の書〉だ.ミトロプーロス&ウィーン・フィル./電子メールならぬ「紙」メールを海外に出すのはいったい何年ぶりのことだろう.いささか色あせた縞々のエアメール封筒にそこはかとない郷愁を覚えつつ,Cambridge University Press に署名した出版契約書を送る.そして,ロンドン自然史博物館には再スキャンした図版画像を送信.残るは本文の revision だけ./読まれないまま放置されている本がどうしてこんなにたくさんあるのか?

◆[蒐書日誌]シアワセな人生のためにむしろ読むべきなのはこの本だ!:上原浩『純米酒:匠の技と伝統』(2015年3月25日刊行,角川学芸出版[角川ソフィア文庫・19095],東京,334 pp., ISBN:978-4-04-409480-5 → 版元ページ).2002年に出た元本:上原浩『いざ、純米酒:一人一芸の技と心』(2002年刊行,ダイヤモンド社)には超高価な古書価が付いている.本書の文庫化はシアワセへの道./もっとピリッとした人生にしたいならこの本を:武政三男『スパイスの科学』(2015年3月20日刊行,河出書房新社[河出文庫・た34-1],東京,300 pp., ISBN:978-4-309-41357-0 → 版元ページ).元本:武政三男『スパイスのサイエンス:スパイスを科学で使いこなす!』(1990年刊行,文園社).

◆[欹耳袋]高見台クリニック「カメムシ (2)臭い成分について」(2014年1月26日)※「カメムシの臭い成分とコリアンダーの臭い成分はほとんど同じ化学成分である」「パクチーの代わりにカメムシを使えるか?」— 実践例:デイリーポータルZ「カメムシはパクチーの代わりになるか」(2010年7月6日).2010年4月,立教大学で開催された生物地理学会大会で,昆虫食文化研究で有名な野中健一さんが特別講演をした.生カメムシは「脳に突き刺さるスルドイ刺激が最高の食材」とのこと.最高度に臭いカメムシを生きたまま齧ると「その鮮烈な嗅覚刺激でトランス状態に入れる」らしい.コリアンダーの匂いに飽き足りなくなったら,即「生カメムシ」か.うわ〜.

◆午後4時を過ぎ,気温8度台まで下がってきた夕暮れ時.小雨はあいかわらずぽつぽつ降り続いている.

◆本日の総歩数=4054歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 92.8kg(−0.3kg) / 31.0%(+0.1%)


6 april 2015(月)※桜吹雪の観音台春霞

◆午前5時起床.気温8.3度.めずらしく青空から朝日が差しこむ.先週以来ひさしぶりの青空が広がる観音台.朝から気温が上がり,午前8時には10.6度.春霞の農林団地は週末の風雨にもかかわらず,満開の桜がまだもちこたえている.このようすだと今日もお花見渋滞は必至だろう.もちろん帰宅時も要注意だ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 各研究員への研究交付金配分額は昨年と同額になりそう./第6回連載原稿を画像とともに編集部に送信./査読者からのコメントをじっと見る.そろそろ届くはずの新刊:ポール・J・シルヴィア[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』には「投稿論文なんかどうせリジェクトされるんだから気にするな」とあって肩の力が抜けた.確かに,ハイインパクトなジャーナルほど「ほとんど落とされる」んだから,「リジェクトされたらどうしよう」と思い悩むのは時間のムダかもしれない.「リジェクトされた? じゃ次ね」というのが正しい研究者のあり方かもしれない(後ろ髪が引かれないでもないが).欧米の大手出版社の場合,査読学術誌のみならず,単行本の book chapter でもちゃんと査読(校閲)が付くのでうかうかしてはいられない.

◆うすら寒かった昨日とは一転して,ぽかぽか陽気の昼休みはショートコースで徘徊だん.所内の温度計は23.2度を示していた.農林団地はお花見客がいちだんと多かった.春霞み 桜吹雪の 観音台.アメダスでみると昨日の,寒かった午後1時は10.6度,春うららの今日の同時刻は22.0度.ところが,明日は寒気が押し寄せて今日よりも10度以上下がるとの予報.服装が日によって着せ替え人形のごとし.

◆[欹耳袋]ITpro「パソコンが使えない?!“スマホネイティブ”がやってくる」(2015年4月6日) ※「新入社員のタイピングが遅い」「ローマ字入力の方法を知らない」「ファイルやフォルダーを意識しない」「メールマナーの低下」— あるある./Colorless Green Ideas「科学における「ダメな統計学」を説明した本」(2015年4月4日) 参考:Statistics Done Wrong

◆[蒐書日誌]ウワサをすれば着弾!:ポール・J・シルヴィア[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行,講談社サイエンティフィク,東京, xii+178 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-06-153153-6 → 目次版元ページ).ワタクシは推薦檄文を寄稿しました.みなさん,ムダな抵抗はもうやめて,ひたすら「たくさん」書きましょう.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 春爛漫の昼下がりに最適な居室 BGM はマーラー〈大地の歌〉である./アマゾン@日本よりもamazon@アメリカの方が発売が早い新刊があったので,ついよろめいてUSA側にポチっ!してしまったワタクシ.到着日に有意差はないような気がするけど,ま,気持ちの問題ということで./新規書評依頼┣┣" お一人様が飛び込んできたので暖かく歓待することにした./他人の原稿を勝手に切り詰めた償いはしてもらうからね./日本人が誰一人参加しない非英語圏での国際会議で英語講演をすることは確かに極楽だった(実体験).たとえ会議の「公用語」が英語であったとしても.世界中には「いろんな英語」があるんだという認識をもつことができたという点で貴重な経験./よし,revised ms の図版はこれで大丈夫(だろう).あとは本文の改訂.

◆小雨がぱらぱら降る夕暮れ時.春雨に濡れる竹園.

◆本日の総歩数=8458歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 93.1kg(+0.6kg) / 30.5%(−1.9%)


5 april 2015(日)※雨の日曜にゲラ読み

◆午前6時過ぎのろのろ起床.雨.気温9.2度.

◆いま格闘中の巨大ゲラ┣┣" —— 先日,ゲラがつくばに着弾した:三中信宏『みなか先生といっしょに 統計学の王国を歩いてみよう:情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!』(2015年5月中旬刊行予定,羊土社).羊土社『実験医学』に一年余り連載していた記事を編集部の方針で速攻単行本化へ.とっても長ったらしい書名だが,メインタイトルは「統計学の王国を歩いてみよう」で,サブタイトルが「情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!」,さらに「みなか先生といっしょに」という枕詞が付く.

基本はもちろん連載記事(計55頁)だが,ヴィジュアル重視の方針により,図表はフルカラー拡大,本文欄外に脚注を付けるというスタイル.送られてきたゲラのノンブルはすでに150頁を越えている.さらに統計ブックガイドとか統計マンダラとか索引を付け加えたら,200頁近くの分量になるかも.

単行本を書く機会がここ数年増えてきたが,統計本をものするのは実はこれが初めて.統計学におそれおののく学部学生からツラの皮が厚くなってしまった研究者まで,潜在読者層は広いのではないかと取らぬ狸の皮算用している.本体価格は2000円以下になるでしょう.

なお,『実験医学』連載中の〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉ポータルサイトは,この本が出版されると同時に閉鎖される予定.

◆小雨に濡れる農林団地の桜並木.しかし,思ったほど散らずに持ちこたえている.正午の気温は10.7度.こんなうすら寒い花冷えの昼下がりでも,いたるところ傘をさした花見客で混んでいる.〈モルゲン〉の食パン2斤予約.午前中は電話さえつながらない繁盛ぶりに驚く.

◆花冷えの┣┣" 撃ち —— 来週から始まる東京農大のふたつの講義「実験データー解析概論」と「生物統計学」の半年分のハンドアウトと出席カード,初回ガイダンス配布資料,そして講義ポータルサイトの準備が終った./東京農業大学応用生物科学部生物応用化学科「実験データー解析概論」の受講予定者のみなさん,昨年までとは異なり,今年度はパソコンを用いた統計実習を実施しますので,初回講義には必ず出席してください.この情報はLINEなどを通じて周知よろしく.「実験データー解析概論」の講義予定などについては,すでにサイトで公開しましたのでご参考まで.初回講義時のガイダンスで詳しく説明します./東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科「生物統計学」受講予定者のみなさん,今年度から講義を担当することになった三中信宏です.「生物統計学」は必修科目ですので,4月10日(金)の初回講義から出席してください.この情報はLINEなどを通じて周知よろしく.「生物統計学」の講義予定などについては,すでにサイトで公開しましたのでご参考まで.講義の進め方などの詳細は初回講義時のガイダンスで説明します./世田谷キャンパスの「パソコン実習室」なるものをワタクシがいままで一度も使ったことがないという点はかなりの不安要素.そもそも学内コンピューターの使用申請をまだ済ませていないのだけど,はたして大丈夫なんでしょうか?(誰に訊いてるねん)/ワタクシの〈資料いろいろ〉のリンク不備箇所を指摘されたので,修正して再アップロード.ご教示どうもありがとうございました.

◆夕暮れ.雨足がやや強まってきたようだ.午後5時の気温は11.1度.〈モルゲン〉のパン棚はもうすっからかんだった.〈コーヒー・ファクトリー〉にて珈琲充〜のひととき.

◆[欹耳袋]Yosemite 人柱レポートふたつ:Firefox で Adobe Flash Player がたびたびクラッシュするときの対処法:Mozilla Support「Adobe Flash プラグインがクラッシュしました」※「ハードウェアアクセラレーションを有効化」をオフに設定すれば直る./画像縮小ツール Squeeze をずっと愛用してきたのだが,最新の version 2.1b2 にしても,画像ファイルへの書き出しがまったくできない(「書き出す……」メニューが現れない).

◆新年度・新学期が本格的に始まってしまう〜.

◆本日の総歩数=3324歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)= 92.5kg(+1.1kg) / 32.4%(+1.6%)


4 april 2015(土)※花曇りは寒気の再来

◆午前6時のろのろ起床.曇り空.北東風の風音がただごとではない.気温11.2度.曇りときどき小雨.気温は昨夜から下がり続け,午前9時には9度台に.冷え冷えする朝.

◆[欹耳袋]女性教授奮闘記 from Toyama「新年度ですね。ポスドクや研究について、最近、思うこと。」(2015年4月1日)※論文を書く訓練についての所見いくつか.「薬学領域では、自分で実験デザインを考え、結果を考察して、論文をとにかく書くということができる若手比率が随分へっているような気がします」「最近、論文を書くプロセスを経験していないポスドクの方と話すことが多く、本人がそれを残念に思っていない場合も多かったりするので、これでいいのかなあ・・と、時折思います。」という現状認識を踏まえて,「マシーンとして大学院を終えたとしても、それだけが研究活動ではないということを自分が認識して、卒業後に研究者としての一連のプロセスをつめるチャンスがある時は(アカデミアなら、ボスは必ずその機会を与えようとしますし、企業でも、最近は、学位をとらせるところが多いので、チャンスはあると思います)、大学院生時代のマシーンだったことは、それはそれとして、新たに学ぶということをしないと、だめなんじゃないかな・・と、感じます」と言う.

ひと月前に読んだ:大隅典子の仙台通信「研究業界を取り巻く過当競争の行方」(2015年3月10日)でも同じ問題点が指摘されていたことを思い出した.その記事でも,大きなチーム研究では「研究のビギナーが「論文を書く経験が圧倒的に足りなくなる」ことを指摘しておきたい」「1本の論文の著者が多くなるということは、本当の意味で研究者になる訓練を受けられる人が減ることを意味する」と指摘されていた.

◆[蒐書日誌]中尾央『人間進化の科学哲学:行動・心・文化』(2015年3月31日刊行,名古屋大学出版会,名古屋, iv+244pp., 本体価格4,800円, ISBN:978-4-8158-0803-7 → 目次版元ページ)※ご恵贈ありがとうございました.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 昆虫分類学若手懇談会会報 Panmixia no. 18 特集〈分類学の過去・現在・未来〉ゲラのチェック.2013年9月,日本昆虫学会第73回大会(北海道大学)での昆虫分類学若手懇談会企画シンポジウム〈分類学の過去・現在・未来〉の記録.次:三田敏治「まえがきにかえて」(pp. 2-3)|三中信宏「昆虫分類学若手懇談会:40 年にわたる歴史から見えてくる展望」(pp. 3-9)|神保宇嗣「分類学研究の新しい可能性としての情報技術と情報学」(pp. 10-18)|戸田正憲「ゲノム配列を利用した網羅的系統解析とこれからの分類学」(pp. 19-25)|丸山宗利「野外調査の愉しみと大切さ」(pp. 26-27),以上.出版されるまでにいささか時間がかかったが,ちゃんとサーキュレートさせることもまた仕事の続き.

◆この季節に湿り気のある肌寒さはかなりこたえる.今日は苅間の中華料理〈アイニーズ〉にてお昼ごはん.つくば中心部で四川料理といえばここ.いつもは坦々水餃子と排骨坦々麺という “坦々づくし”.今日は「汁なし担々麺」があったので即注文.ぴりぴり辛い担々麺は肌寒さ対策に効き目あり.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「「哲学」人気じわり 迷える時代の羅針盤か」(2015年4月3日)※喜んでいいのやらビミョー./Togetter -「村井さんちのオーブン焼き」※よし,つくってみるかー./〈探検!京都大学〉./高次元ワールド鑑賞:Tour 6DHypercubes, starting from dimension 0 up to dimension 6

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今日は新学期に向けての「統計高座」の舞台裏設営でてんやわんやだった.一週間後に始まるお座敷(ca.100名)がいきなり「PC実習付き(TAなし)」となったスリル感満点の展開./オンライン公開分についてはすべてダウンロードした.

◆本日の総歩数=1956歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)= 91.4kg(−1.4kg) / 30.8%(+0.2%)


3 april 2015(金)※ハチ公と芋甚の午後

◆午前5時半起床.曇り.気温11.3度.南風が吹き抜ける曇り空の朝.今日は午後から東大農学部の進入学ガイダンスと怒涛の安田講堂地下での学部全体の巨大歓迎パーティがある.

◆[蒐書日誌]ポール・J・シルヴィア[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行予定,講談社サイエンティフィク,東京, 192 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-06-153153-6 → 近刊検索β情報)※やっと版元の近刊リスト [pdf] に載った.厚さは190頁ね.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 朝イチで髪の毛をばっさり切り,曇り空からときおり小雨が降りかかる観音台へ.強い南風にあおられて桜吹雪の予兆あり.こんな日でも花見客は引きも切らず.お昼まではつくば,午後は本郷.雨これ以上降らんといてほしいわぁ./本郷出撃までに仕留めるべき┣┣" 数頭.世田谷にはとりあえず質問メール送信./責任重大な┣┣" がドアをノックしている./第5回連載記事の色校正チェック.

◆[欹耳袋]京都新聞「京都・四条通、道路工事で渋滞慢性化 観光客「歩いた方が早い」」(2015年4月3日)※車線半減だから当然の帰結.先月,京都に行ったとき,四条通りの歩道の幅がこれまでの2〜2.5倍に拡張されていて,とても歩きやすかった.あの道路幅で車も人もはムリでしょうから,終日「歩行者天国」にした方がいいような.あるいは歩行者と祇園祭の山鉾巡行だけのための専用道路とか.

◆正午過ぎ,本郷へ向けて出撃.曇り空.生暖かい南風が湿った空気を吹き込んでいる.曇り空の弥生キャンパスなう.ときおり吹きつける南風に桜の花びらが舞い散る.気温はすでに19.3度まで上がり,湿っぽい空気が蒸し暑い.根津に来たら,まずは〈芋甚〉でしょ.いつもの「小倉豆かん」.赤エンドウ豆の塩豆が美味.豆さんがお好きなアナタにおすすめ.

◆午後2時から,今日のお仕事である専攻・専修の新入学ガイダンスが始まる.まずは大学院の専攻ガイダンス.弥生キャンパスの桜はところどころ葉桜化している.南風が強まってきた.湿気があって不快指数高し.午後3時40分からは学部の専修ガイダンス.今年は30名を越える学部生が進学してきた(空前).本専修・専攻の礎を築いたハチ公の飼い主・上野英三郎(農業土木)もきっと喜んでいるだろう.

◆おっと忘れてはならない.いまや東大の “新名所” となってしまった弥生キャンパス「新ハチ公像」.農学部正門ヨコに据えられたハチ公像の前には今日もカメラ片手の人だかりが.本日,ワタクシがガイダンスしてきた専攻・専修の創始者は他ならないこのハチ公の飼い主である上野英三郎(農業土木学).ハチ公ほど名前が知られていないのはちょいとかわいそうなので,さりげなく宣伝してあげましょう.

◆午後のスキマ時間も┣┣" 撃ち —— 校正ゲラ新規┣┣" 一頭が農学部三号館を襲撃してきたので,速攻で征伐し,編集部に打ち返した.

◆午後5時半,安田講堂地下の生協食堂へ.今宵は恒例の農学部進入生歓迎会がある.いかに広い生協食堂といえども,何百人も集まればギュウギュウ詰めの人口密度になる.館内気温がひたすら上昇し続けるので,頃合いを見計らって撤収.この上もなくヘルシーな夜になってしまった.

◆帰宅したら別件の校正ゲラ新規┣┣" おひとりさまが玄関先でにやにやしていた.やたら校正┣┣" が着弾するのは何かに憑かれているからだろうか.週末は本気出さないとえらいことになる.

◆本日の総歩数=17987歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)=92.8kg (−0.4kg) / 30.6% (−0.6%)


2 april 2015(木)※┣┣" の詰まり……

◆午前5時過ぎ起床.気温5.6度.朝焼けグラデーション.朝からすっきり青空が広がる観音台は昨夜の雨の痕跡なし.午前8時の気温は8.8度.予報によると今日は乾いた陽気になるらしい.農林団地のお花見混雑は昨日よりもひどくなるかも.朝イチの BGM はスビャトスラフ・リヒテルの平均律から.

◆[欹耳袋]東洋経済オンライン「育休世代のカリスマが、会社を"降りた"ワケ:あの話題の筆者が陥ったジレンマ」(2015年4月2日)※『「育休世代」のジレンマ』著者中野円佳 @MadokaNakano さんのインタヴュー記事.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 先月の生態学会鹿児島大会自由集会〈道具としての「形態測定学」:昆虫のかたちの定量化法〉でのプレゼン紙芝居をアーカイヴ用に岡山に発射.近いうちに公開されるだろう./午前10時から業績評価に関する個人面談を半時間ほど./今月の出張日程をガルーンに登録./メーリングリストごそごそ作業./今月の┣┣" 撃ちリスト更新.

◆[欹耳袋]R の「ggtree」パッケージ —— [欹耳袋]YGC | viewing and annotating phylogenetic tree with ggtree | 21 December 2014/R-bloggers | an example of drawing beast tree using ggtree | 31 March 2015.あとで試してみよう.

◆春の陽光が降り注ぐ昼休みの農林団地.気温は14.5度と昨日よりもやや低かったが,乾燥した北風と日差しがちょうどいいバランスで,ロングコース徘徊には絶好の日和だった.桜並木は当然らことながら昨日よりも有意に激しいお花見渋滞.

◆[欹耳袋]「国立研究開発法人」を「(国)」と略すか,「(国研)」と略すか,それとも別の略記法を採るかをめぐって, “なかのひと” たちの水面下での静かなせめぎ合いが続いている.フォーマルにはどうでもいいことだが.新しい「用語」や「略語」や「訳語」は基本的に “使ったもん勝ち” だという信念がワタクシにはある.今回のリネームについては,「国立研究開発法人農業環境技術研究所」という組織そのものがあと一年の余命と確定しているので,所内でもそこはかとなく別の意味での「どうでもええやん感」が漂っている.まさに vanitas.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 常盤台宛に非常勤出講書類を返送./業績報告書と業績評価票の改訂版をメール送信.今年は「s+b=A」ってことで./うっかり放置していた某ジャーナルの購読手続き./世田谷に講義室の問い合わせ一件.すぐ返事あり.やっぱりそーかぁ.ということで,本年度開講の生物応用化学科3年「実験データー解析概論」は世田谷キャンパスのパソコン実習室が教室です.昨年までとは内容的にガラリと変わります.R 使いまくります.100名程度の学部生相手にいかに実習を組むかという巨大┣┣" がいきなり浮上.TA いません(おい).初回講義までの1週間の間に世田谷の教務課へのメール爆撃回数が増えまくるにちがいない:Q「実習室でネット自由に使えます?」「Win or Mac ?[愚問か…]」「RとかダウンロードしてもOK?」「USB 刺しまくり許す?」「学生さん,PCちゃんと使える?」etc.

◆[分類思考]三中信宏『分類思考の世界:なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』(2009年9月20日第1刷刊行/2009年10月8日第2刷刊行/2009年12月3日第3刷刊行/2013年7月26日電子本刊行,講談社[現代新書2014],本体価格800円(税込価格840円),328 pp.,ISBN:978-4-06-288014-5 → 目次コンパニオンサイト版元ページ残響録)第4刷重版に向けての「正誤表」作成.他にもあったらご連絡を.

◆新年度になったとたんに┣┣" 箱がぎゅうぎゅう詰めになったというオチでした.

◆本日の総歩数=11093歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 93.2kg (−0.4kg) / 31.2% (+0.5%)


1 april 2015(水)※農林団地お花見混雑

◆午前5時前起床.気温9.2度.雲間から小雨がぽつぽつ観音台.週末いなかったうちに農林団地の桜は見頃になっていた.雨が降り出しそうな気配なので,今日は毎年恒例の「お花見渋滞」が危惧される.抜け道づたいに出勤&帰宅するように注意しないとタイヘンなことになりますよ.

◆[蒐書日誌]講談社現代新書から出ている拙著2冊が今月それぞれ増刷される:

『系統樹思考』は3年半ぶり,『分類思考』は5年半ぶりの重版.いずれも絶版にならずに長くサバイバルしてくれるのは著者として喜ばしいことである.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 本務地の “枕詞” が今日から変わった.しかし,この新名称のイノチも向こう一年しか有効ではない./というわけで,新年度最初のお仕事は,まずメール署名の所属を「独立行政法人」から「国立研究開発法人」に一括変更しないと!/その上で,月例アナウンスを各メーリングリストに送信./新年度の人事異動ビラが桜吹雪のように舞う./非常勤出講先の講義室割当表が送られてきたのだが,どうやらコンピューター実習室が使えるらしい.統計実習があればとても効果的であることは間違いないのだが,例年100名ほどの学生を相手にTAなしでやってきたのだが,PC実習は大丈夫なのだろうか.┣┣" が不気味に成長真っ最中.

◆[蒐書日誌]廣田吉崇『お点前の研究:茶の湯44流派の比較と分析』(2015年3月30日刊行,大隅書店,大津, vi+216 pp., 本体価格4,000円, ISBN:978-4-905328-10-0 → 目次版元ページ).ご恵贈どうもありがとうございます.本書では,茶道の「お点前」の “行動形質” をコード化することにより,まずはじめに「対応分析(correspondence analysis)」による各流派の多変量解析,ならびに最節約法に基づく流派の文化系統推定を試みている.茶道の所作については分割された “行動形質” ひとつひとつについての「仮想祖先的お点前」の復元と,それを連続させたときの一連なりの「お点前システム」の復元という問題が残るだろう.形質状態変化の方向性については千利休を archetype とするかどうかも問題.ワタクシ的には,茶道流派の系統推定は写本系譜学の行動形質バージョンとみなしている.情報源が文字テキストとして残されているのではなく,一連の行動形質として伝承されてきたということ.たとえば社会性昆虫の行動形質に基づく系統推定法が使えるはず.

◆昨日まで奥那須での温泉生活だったので,今日ひさしぶりに農林団地に出勤し,ほぼ満開の桜に驚いたしだい.今日は曇り空だが,雨はまだ降り出していないようだ.お昼休みの気温は17.7度まで上がり,農林団地は予想通りのお花見渋滞.構内道路は車と人が入り乱れていた.まだ満開ではなさそうなので,ここ数日は見頃のまま集客力が高いにちがいない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— Yosemite 人柱レポート:mi テスト版(3.0.0b8)に代えて以来,起動時にいきなり落ちるトラブルはまったくなくなった.メニューがかなり複雑になっていて,まだわからないことも多々あるが,安定している点は評価高し./やっと先月末三日間の湯けむり日録を更新./先月の復命書と今月の不在届(出張・振替)提出.今月はおとなしく観音台に実在する日が多い./年度始めに積み上がる┣┣" どもはすべて冗談ではない.

◆花曇りの昼下がり,BGM はストラヴィンスキー〈春の祭典〉.ゲルギエフ/キーロフ歌劇場管弦楽団.やっぱり春なんだから,踊ったり,行進したり,生贄になったり,祖先を呼び出したりしないといけない.生贄たちの「11連符」がフォルテで刻まれると血湧き肉踊る.〈春の祭典〉を BGM にしていて困るのは,つい変拍子で机を叩いたり,強打で床をどかどか踏みつける点.

◆[蒐書日誌]日本秘湯を守る会(監修)『日本の秘湯(第20版)』(2015年3月吉日刊行,朝日旅行,東京,209 pp.)※大丸温泉旅館にてゲット.もう一冊,南会津の道の駅しもごうにて無料配布されていたパンフレット:あいづふるさと市町村圏協議会『会津温泉図鑑2015 Viva Spa Aizu』(2015年3月1日発行,あいづふるさと市町村圏協議会, 会津若松, 50 pp.).

◆夕方,冷たい北風が吹き,ときどき小雨がぱらつく空模様.お昼時はあれほど混雑した農林団地も帰宅するころにはほとんど花見客はいなくなった.午後6時の気温は10.5度と急降下.北風が吹きすさび,雨音がベランダに響く.そろそろ宇都宮餃子を焼く時間だ.

◆本日の総歩数=6305歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)= 93.6kg(+1.5kg) / 30.7%(+1.1%)


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