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日録2015年2月 


28 februari 2015(土)※日光燦々,花粉散々

◆午前7時過ぎのろのろ起床.青空が広がり,朝日がまぶしい.気温1.4度.

◆[欹耳袋]ワセダの夜に聞いた話 —— かつて大学入試の補欠合格を取らなかった時代のこと,合格したのに入学しない受験生の率をいかに正確に推定して,上乗せ入学者数を決定するかは私立大学にとって死活問題だった.そこで登場するのが統計学.その大学のある統計学の教授は,毎年この入学者数を神ワザのように正確に「当てる」ことで有名だったそうだ.入試の得点頻度分布を射るように見つめ,瞬時にして「ここまで」と合否ラインを引いたとか.大学当局もその “アポロンの神託” を頼りにしたそうな.ワタクシが聞いたかぎりでは,補欠合格の事後操作をするようになってから “神託” は下されなくなったとのことだった.

「古き良き?時代の昔話だった」とつぶやいたら,すかさず「今でもやってます」との複数の返答あり.政府方針で,入学者数の超過許容上限の締め付けがさらに厳しくなれば,再びあの “神ワザ” や “神託” が重宝されるようになるかもしれない.

◆[蒐書日誌]杉田敦『静穏の書:白い街、リスボンへ』(2015年1月31日刊行,彩流社,東京, 143 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-7791-2079-4 → 版元ページ).前著:杉田敦『白い街へ:リスボン,路の果てるところ』(2002年2月28日刊行,彩流社,東京, 274 pp., ISBN:4-88202-734-8 → 版元ページ)と杉田敦『アソーレス,孤独の群島:ポルトガルの最果てへの旅』(2005年1月5日刊行,彩流社,東京, iv+258+12 pp., ISBN:4-88202-925-1 → 版元ページ)に続く10年ぶりの最新刊.熊本・長崎書店でたまたま遭遇した.前2冊はとても詩的な本だったが,今回の新刊は文字通りの詩集(&モノクロ写真集)だ.

◆四日ぶりの観音台.最高気温11.0度の割りには,降り注ぐ日差しはぽかぽかと暖かく,花粉センサー全開の昼下がり,幸いにして新規┣┣" 御一行様をお待たせするような粗相はなかったようだ.ワセダでの会議資料を整理し,一┣┣" を放流してさくっと撤収.来月持ち越しの残務┣┣" どもは数が減っていないが,今のところおとなしくしているので,binge writer 苦界に堕ちないように気をつけよう.和らぎの夕焼けに染まる西の空.

◆〈竹鶴〉純米にごりの熱燗とともに,如月が足早に通り過ぎていく.天気予報によれば弥生三月は雨とともに開幕するらしい.

◆本日の総歩数=2999歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=92.2kg(−0.2kg)/ 30.0%(0.0%)


27 februari 2015(金)※馬齢を重ね都内出撃

◆午前6時前のろのろ起床.気温は0.3度.湿度の高い冷え冷え感.遠景がもやっている.

◆[欹耳袋]奈良での初お座敷:橿原市昆虫館・むしムシぜみな~る講演会サイエンスカフェ:三中信宏「サイエンスはアートである:万物の多様性を目で見ること」【日時】2015年3月14日(土)13:30〜15:00@橿原市昆虫館(奈良).

◆[蒐書日誌]近刊情報:中尾央『人間進化の科学哲学:行動・心・文化』(2015年3月下旬刊行予定,名古屋大学出版会,名古屋, 本体価格4,800円, ISBN:978-4-8158-0803-7 → 版元ページ)※もう売れっ子やん.

◆ワセダ出撃(三日目) —— 午前10時,つくば駅.ワセダ出撃三日目.青空が広がり,気温は4.4度.今日は神保町まわり.ここのところ神保町に来れば〈共栄堂〉のスマトラカレーが定番だったが,本日は趣向を変えて,数年ぶりに神田古書センター内の〈ボンディ〉へ.ランチタイムになると狭い二階の廊下に長蛇の列ができるが,お昼前だったのでラクラク入店.

前菜の茹でジャガイモのサイズが以前よりも有意に大きくなった気がする.なお,ここの茹でジャガイモは皮付き丸ごとふたつ運ばれてくるが,ちまちま皮をむくのではなく,皮付きのままスプーンでざっくり割って,熱々のうちにさいころバターを溶かしこみ,好みでソルト&ペパーを振ってばくばく食べるのが,ワタクシの昔からのスタイル.注文はもちろんチーズカレー(辛口)の一択.ご飯にもチーズが乗っていて,さらにルーにもたっぷりチーズ.老舗の欧風カレーの味わいをひさしぶりに再確認してとても満足.店を出るランチタイムには店内はもう満席になっていた.さすが.

◆午後1時前,戸山キャンパス着.昨日の雨空とは一転して,すがすがしい青空が広がっている.午後1時の気温は13.9度あるが,北風がやや冷たいので,体感気温はもっと低い.早稲田キャンパスに比べて,戸山キャンパスは建物だらけで,高層ビルの隙間を縫うように移動しないといけない.「建物,多すぎません?」と早稲田のセンセイたちに訊いたら,「理工学系のある西早稲田キャンパスはもっとせせこましいです.余裕なんてぜんぜんありません」とのこと.かたわらでそれを聞いていた所沢キャンパスのセンセイは「うちなんか余裕しかないですよ」と一言.ワセダいろいろ.

◆午後1時から,A03分科会スタート.文献系図に関心のある文献学者は「ツリー」ではなく「ネットワーク」に強く強く惹かれるようだ./歴史言語学者は言語系統樹を推定した時点でやることがなくなってしまった./「やっぱりギリシャ語とラテン語が読めないとねぇ」「ユークリッドはアラビア語で」— 西洋古典学,コワすぎる……(gkbr)./オモテの「テキスト文字列」ではなく,ウラの「意味内容列」を情報源として使えるかどうか./ヒアリングまで進んだときに提出を求められる研究計画書をどのように書けばいいのかという問題が急浮上してきた.

◆ワセダでの分科会は午後3時過ぎにさくっとお開きとなり(┣┣" は積み上がったが),上野広小路〈うさぎや〉のどら焼きを引き連れてつくば直帰コース.午後5時前に帰還.風が冷たい夕暮れ.気温は8.6度.

◆[欹耳袋]柴田武の『方言論』に関するタテ書き記事を〈雑誌『国語学』全文データベース -簡易検索-〉からふたつダウンロードする.方言学にも「国内学派」が対立していたことを知った.

◆馬齢を重ねたらしっかり呑んで読むしかない.安倍夜郎『深夜食堂』をだらだら寝読みする夜は更けていく.

◆本日の総歩数=14524歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=92.4kg(+0.6kg)/ 30.0%(−0.1%)


26 februari 2015(木)※雨が滴るワセダの森

◆午前6時前のろのろ起床.気温6.2度.曇り.今日は本格的な雨になるとの予報.MAFFIN-VPN が「サーバー内部エラー」で接続できなくなっている.

◆[欹耳袋]人文情報学月報 / Digital Humanities Monthly「DHM 042 【前編】」(2015年2月25日)※松森智彦「分類と階層化」という巻頭言が載っている.R によるクラスター分析.

◆午前の┣┣" 撃ち —— VPN 接続が復活したので,昨日の日録更新./『実験医学』連載〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉の単行本化についての羊土社との出版契約書(案)が届いた.意外に早く上梓されるかもしれない.書名は連載名とは異なる./契約職員の再契約書類が不備だったので,スキマ時間にじたばたつくって観音台に送信.よろしく〜.

◆[欹耳袋]ワセダ出張をめぐるじたばたの顛末:早稲田大学から出張依頼が農環研へ→私学だから受託出張じゃなきゃダメ(農環研>早稲田)→天下のワセダとしてはぜひ宿泊費込みで出張依頼したい(早稲田>農環研)→都内出張に宿泊はムリ〜(農環研>早稲田)→事務ワールドでバトル激化→支給額で折り合いつかず→通常の出張として交付金で行ってくれ(農環研>ワタクシ)→年度末にそんな無理難題を言われてもすでにフトコロがすっからかん(ワタクシ>農環研)→領域長経費でそこを何とか(農環研>領域長)→しかたがないがやむをえん(領域長>農環研)→ホッ(農環研&ワタクシ)[イマココ].そんなこんなで,研究者は事務のみなさまに日々たいへんなごメイワクをいろいろおかけしているので,深い感謝の念を忘れてはならぬ.

◆ワセダ出撃(二日目) —— 午前10時過ぎ,つくば駅.気温6.5度.路面は濡れているが,いまは降っていない.正午前,早稲田着.都内はしっかり雨が降っている.早大南門通りの〈キッチン南海〉早稲田店にて定番カツカレー.税込みたったの660円.神保町の本店は常時行列ができていてなかなか入れないが,早稲田店は時間帯がよかったせいかすぐ入れた.それにしてもいったい何年ぶりのことだろう.〈キッチン南海〉は学生の頃,神保町本店によく行っていた.あの頃はもっとボリュームのある揚げ物の定食をばくばく喰っていた記憶があるが,さすがにそういう定食ものにチャレンジする胃力が弱ってきたのがカナシイ.

食後,向かい側の古書店〈ブックス・ルネッサンス〉を一周り探書する.雨がしとしと降り続く戸山キャンパスは白梅が花開いていた.午後1時から分科会(A02班)が始まるのだが,電源キット一式をつくばに忘れてきたという大ボケ.バッテリーが続くかぎりのイノチということで.日本文学の分科会で新たな “異界” が広がる.日本文学なみなさん,ことば(普通名詞・固有名詞)がぜんぜんわからないんですけど…….「オコトテン」が「乎古止点」とすぐに脳内変換できないワタクシ.

分科会が終わり,休憩をはさんで午後3時からは全体会議スタート.外は雨足がだんだん強くなってきたようだ.

◆全体会議ののち,早稲田駅前の〈茜どき〉にて晩ご飯.午後8時にはさっくり解散となり,つくばに帰り着いたのは午後9時半過ぎという驚異的な健全さ.都内はまだ雨が降っていたが,つくばに戻ってきたら雨上がりだった.

◆明日はワセダ出撃最終日.午後に分科会がひとつある.

◆本日の総歩数=7786歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.8kg(0.0kg)/ 30.1%(+0.1%)


25 februari 2015(水)※都の西北のワセダへ

◆午前5時半のろのろ起床.気温は6.6度.曇り空.今日から三日間は日帰り都内出撃.だから,朝は余裕ありまくり.

◆[蒐書日誌]森鷗外[池内紀編注]『椋鳥通信(中)』(2015年2月17日刊行,岩波書店[岩波文庫・緑6-10],東京,502 pp., ISBN:978-4-00-360021-4 → 版元ページ).昨年10月に出た:森鷗外『椋鳥通信(上)』(2014年10月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・緑6-9],東京,481 pp., ISBN:978-4-00-310069-1 → 版元ページ)の続編.つぶやきまくる鷗外.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 東京大学理学部生物学科「平成27年度授業概要」ゲラのチェック./物品契約の確認だの,兼業申請の件だのをリモートで処理./放置すると「┣┣" 箱」がすぐ混み合ってくる.たいていのことは観音台に実在しなくてもなんとかなるので出先でもOK.

◆都の西北のワセダへ出撃 —— お昼前,つくば駅.11時の気温は9.2度.早稲田大学文学学術院というところで今日から三日間の会議があるんだけど,「戸山キャンパス」って「早稲田キャンパス」とは別の場所なのかっ!(知らんかったぞ) とりあえずワセダを目指せばよし.途中,湯島でひさしぶりに〈デリー〉本店.お昼時を外したはずだが,それでも行列ができていた.もちろんコルマカレーを注文.ここに通い始めてからもう35年を越えるが,コルマカレー以外はほとんど注文したことさえない.不惑のうまさは健在だった.

◆午後2時から分科会が始まる.文学学術院の結界で「ノウガク」といえば,当然「農学」ではなく,「能楽」のことであるというカルチャーショックに膝をつく.謡曲の流派対立の話はまるで別世界.シテ,ワキ,ツレは単なる普通名詞扱い.謡曲異本の本文テクストと振り付けの動画解析に基づく系統推定とか.茶道所作の系統推定と同じような感じか.想像を越える異次元世界である.

この分科会は写本系統推定の理論グループなので,まだ話の共通言語が保たれているようだが,他の分科会はいったい…….他班の感触を確かめないとなかなか先に進めなさそう.いずれにしても,申請書「様式S-1-19」の作成がものすごくたいへんそう.スキマ時間に微小┣┣" どもを弾き返す昼下がり.

◆[蒐書日誌]小耳に挟む本の情報 —— 長島弘明『国語国文学研究の成立』(2011年刊行,放送大学教育振興会[S804],東京, ISBN:978-4-595-13971-0 → 版元ページ).放送大学のテキスト.日本古典の textual criticism の方法についてよく解説されていると竹本幹夫さんから紹介./池田亀鑑『古典の批判的処置に関する研究(全3巻)』を読めと矢野環さんは言う.

◆午後2時前,東西線早稲田駅で地上に上がる.戸山キャンパスへ.案の定,キャンパスにたどり着くのに迷い,構内でも迷いまくってやっと文学学術院のバウムクーヘンみたいな建物に到着.すでに会議は始まっている.今日から三日間は早稲田大学文学学術院にて新学術領域申請プレ会議ということで,ヒアリング前の打ち合わせ.今日はワタクシが関係する分科会,全体会議は明日.その他の分科会も前後に開催される.

◆会議が終わって午後5時半,しばし珈琲充してから,早稲田通りの創作料理〈麻の葉〉というお店へ.テーブルふたつ,カウンター席いくつかという小さな店ながら,とても繁盛しているようで,われわれを含め,予約客でほぼ満席になってしまった.おまかせプレートを注文したら,とても充実した盛りつけ方.ぶりのごま刺しなどおぼろ豆富などアテもうまい.日本酒のメニューはさほど充実していないが,ここは美味しい料理をしっかりいただく店と知った.ランチも超人気だそうな.そうでしょうそうでしょう.

◆[蒐書日誌]きのう書評を公開した:松尾義之『日本語の科学が世界を変える』(2015年1月15日刊行,筑摩書房[筑摩選書・0107],東京, 238 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-480-01613-3 → 書評目次版元ページ)と内容的に関わりがある本を3冊挙げる:

  • デイヴィッド・リヴィングストン[梶雅範・山田俊弘訳]『科学の地理学:場所が問題になるとき』(2014年6月16日刊行,法政大学出版局,東京,xii+298 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-588-37120-2 → 書評目次版元ページ)本書はグローバル科学を生み出すローカルな科学の「場」のもつゲニウス・ロキ( “土地柄” )を論じている.
  • 山田慶兒(編)『東アジアの本草と博物学の世界(上)』(1995年7月21日刊行,思文閣出版,京都,x+333+xix+2 pp.,ISBN:4-7842-0883-6 → 目次版元ページ)ならびに山田慶兒(編)『東アジアの本草と博物学の世界(下)』(1995年7月21日刊行,思文閣出版,京都,x+350+xiv+2 pp.,ISBN:4-7842-0885-2 → 目次版元ページ).日本を含む東アジア圏のローカル博物学の「場」がもつゲニウス・ロキについて論じられている上巻の論考がとても参考になる(→ 書評1書評2).
  • 西村三郎『文明の中の博物学:西欧と日本(上・下)』(1999年8月31日刊行,紀伊國屋書店,東京,vi, 1-348[上巻]/pp.vi, 349-732[下巻], ISBN:4-314-00850-4 / ISBN:4-314-00851-2[下巻]→ 書評).日本と西洋の博物学のちがいを論じたこの大著は,日本ローカルの博物学のもつ本性を知る上で必読.

これらの諸論考をよく読むと,ローカルな「日本の科学」のゲニウス・ロキは,必ずしもいつも善良ではなく,ときとして邪悪であることがわかる.ワタクシが『日本語の科学が世界を変える』に描かれている「日本語で科学ができるシアワセな日本」に対してそれほど楽観的になれない理由のひとつはここにある.

ローカルに遂行される科学はその「場」を支配するゲニウス・ロキと日常的に遭遇するということだ.ゲニウス・ロキがローカルな科学に牙を剥くとき,ローカルな日本の科学者はある場合は幸いにしてグローバルに生き延び,またある場合はその餌食になって偏狭な科学理論に固執したりしたはずである.

著者の主張がイマイチしっくりこないのは,挙げられている事例のほとんどが物理学や化学あるいは実験系・理論系の生物科学だったからだと気づかされる.さまざまな科学ごとにローカルな「場」のゲニウス・ロキの表情は異なっている.とりわけ自然史や体系学のような歴史叙述的科学の場合,ローカルな科学の「場」を相対化するためには,グローバルな科学の「眼」を同時並行で鍛える必要があるだろう.

◆午後10時半につくば帰還.今夜は「うう……」ではない.明日も明後日もワセダに出撃だ.

◆本日の総歩数=10327歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.8kg(−0.6kg)/ 30.0%(−0.4%)


24 februari 2015(火)※一転して涼しい曇天

◆午前5時起床.気温3.4度.曇り空の観音台は午前8時の気温6.5度.冷え冷えしている.昨日のような薄着のままではかなり “涼しい” かも.農林団地の遠景が靄でかすんでいる.朝イチの BGM は Musica Antiqua Köln〈フーガの技法〉.

◆[欹耳袋]をを,麗面人さん! Eva さん,昨年亡くなったんだ.RIP./Togetter -「#大学教員の何かのスイッチが入る瞬間 まとめ」.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 出張伺でじたばた.国や都道府県からの依頼出張と私学や民間からの受託出張ではフローチャートがちがうとなんべん言われたら>ワタクシ./明日から三連続都内出張に向けてお供え物の用意./契約職員雇用手続き更新./来年度の兼業申請2件(常盤台と犬山)提出./「JSPS 年度末報告書出せ出せ」┣┣" が乱入してきた.

◆曇り空の昼休みは,昨日の17.0度という暑さはなく,気温10.8度と徘徊日和.ロングコースで一周りだん.松尾義之『日本語の科学が世界を変える』(2015年1月15日刊行,筑摩書房[筑摩選書・0107],東京, 238 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-480-01613-3 → 目次版元ページ)読了.放言もあるが著者の主張は納得できる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 明日から週末までは観音台に実在しないので,カレンダーを早々と来月にめくってしまった./ひさしぶりに Web OPAC での ILL 複写依頼2件.

◆[蒐書日誌]書評:日本語で科学ができるシアワセな日本 —— 松尾義之『日本語の科学が世界を変える』(2015年1月15日刊行,筑摩書房[筑摩選書・0107],東京, 238 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-480-01613-3 → 目次版元ページ).ところどころ勇み足の “放言” が散見されるが,一読してとても「元気が出る本」だった.「日本語で科学ができるシアワセな日本」の意味するものについて,長年にわたって日経サイエンス誌など主要な科学誌の編集に携わってきた著者は,数々の具体的なケースを挙げながら論じている.自らの豊富な体験と見聞を踏まえた著者の問題意識(本書全体を貫く基調モチーフ)は「はじめに」に明言されている:

日本語で科学ができるという当たり前でない現実に深く感謝すること,この歴史的事実に正面から向き合ってきちんと評価し大切に伝統を保持していくこと,それが日本語で科学することの意義であり責務である.それは日本の科学や技術を発展させる原動力となり,世界中の人々が望んでいることにつながっていくはずだ,と.(p. 15:下線部は原文傍点)

第1章「西欧文明を母国語で取り込んだ日本」と続く第2章「日本人の科学は言葉から」では著者の問題設定の背景が述べられる.他のアジア諸国では母国語ではなく「英語で科学する」ことが当たり前である.ところが日本は例外的にそうではない.「でも,それは自然にそうなったわけではない」(p. 20)と指摘する著者は,西洋の科学を翻訳を通じて思考枠まで含めて丸ごと取り込んできた日本の科学受容の歴史を振り返る.江戸時代末期から明治にかけて日本に入ってきたさまざまな科学はことごとく翻訳され,日本の科学者コミュニティーの血となり肉となった.東アジア諸国の中でも際立って特異なこの経験が,今日の日本の科学の基盤を築いたとみなす著者は次のように述べる:

本音を言えば「日本語主導で独自の科学をやってきたからこそ,日本の科学や技術はここまで進んだのではないか」と思うところはある.(p. 21)

この見解に対しては,もちろん支持と反論がともにあることを承知しつつ,著者はあえてそのプラスの面に光を当てようとする:

再認識すべきは,少なくとも日本の創造的な科学者にとって,英語は必要ではあっても十分な武器ではない,ということだ.最大の武器,それは日本語による思考なのだ.このきわめて当たり前の事実を,当たり前と思わないでかけがえのないチャンスと見ること,そこに,日本の科学の未来があると私は思う.(pp. 36-37)

過去から続いてきたこの伝統を現代の研究者は将来につないでいく義務があると著者は力説する:

日本語の科学をより豊かにするためにどうするか.私の提案は,科学者は一割でも二割でもいいから,英語によるつまらない論文書きを減らしなさい,というものだ.(p. 42)

その代わりに,科学者は,次世代の若者の心を掻き立てるような日本語による教科書や科学啓蒙書を書くべきである.(p. 43)

現実問題としては,たとえ「英語によるつまらない論文書き」であっても減らすわけにはいかないだろう.したがって,われわれ研究者はそういう(つまらない)論文書きをするかたわら,日本語でのアウトプットを出し続けるしかない.要するに,日本語と外国語でとにかく「もっとたくさん書け」ということになる.それしか道はない.

次の第3章「日本語への翻訳は永遠に続く」では,日本語による科学を長年にわたって支え続けてきた翻訳に目を向ける.日本語による科学の実践を可能にした歴史的要因としての翻訳を著者は大きく評価し,将来にわたって翻訳の努力を科学者たちは怠ってはならないと言う:

いまのところ問題はないようだが,あえてカタカナ表記を選ぶ場合ならいざ知らず,翻訳の労をいとうためのカタカナ表記というのも散見される.この手の科学者のサボタージュが,将来の日本の科学に何らかの悪影響を与える可能性は無視できないと思う.(pp. 65-66)

日本人の科学のユニークさは,日本語で科学を展開していることであり,そのためには,永遠に新しい言葉を日本語に翻訳し続けなければならない.(p. 83)

ワタクシ自身も自分の専門分野(生物体系学)のかなりたくさんの専門用語に翻訳語を新規に “造語” した経験が少なからずあるが,翻訳語を体系的に構築するには理論の枠組みそのものを理解しないといけない.それとともに,翻訳を通じて科学の最先端を日本語で紹介できるのは研究者としてはヒソカな悦楽でもある.

第4章「英国文化とネイチャー誌」と第5章「日本語は非論理的か?」は,英語と日本語の比較論.続く第6章「日本語の感覚は、世界的発見を導く」では,理論物理学と中立進化論を取り上げ,日本人がなぜ世界的業績をあげることができたかを日本語との関わりの中で考察する.

これらの事例を踏まえて,第7章「非キリスト教文化や東洋というメリット」では,科学における文化の違いがもたらす積極的意義を著者は指摘する:

ともすれば,西欧社会で学ぶことが科学などの知的競争でメリットになるかのような言われ方をするが,創造性という観点に立った時は,決してそんなことはない.むしろマイナスの面さえあると言わざるをえない.逆に,しっかりとした異文化の母国を持っていることこそが,創造性豊かな成果を生む源泉となりうるのだ.(p. 144)

著者のこの認識を踏まえて,科学におけるいわゆる「グローバル化」対「ローカル化」の功罪の議論につながっていく:

こうした中で,いまの科学界あるいは日本の科学界は,どちらの方向を思考したらよいのだろうか.私は,グローバル化とは反対の方向,つまり日本ローカルでよいから,個性的で地域的な発想力を磨き育てる方向に向かうことではないかと思う.(pp. 146-147)

日本語できちんと科学すること,もっともっと日本語で科学すること,それがいま,最も普遍的で世界に貢献する道だと思う.(p. 147)

ワタクシは,進化学や系統学の現代史を振り返るかぎり,かぎりなく偏った学説の数々が “ローカル” に生じた実例をいくつも知っているので,著者ほど楽観的にはなれない.しかし,ローカルな科学が育つ場を鍛えあげて, “グローバル” に通用するよう力を尽くすという前向きな姿勢には共感する.

日本語で科学ができる日本人の幸運は,著者が言うように,先人たちの努力により形づくられてきた.ローカルに生まれた科学理論を育てるとともに,グローバルな文脈の中でそれらがどのような位置を占めているのかを評価できる眼力を育てていくことがいま求められているのだろう.それがあって初めて「日本語で科学ができるシアワセな日本」の将来がさらに拓けるだろう.それはワタクシたちの世代の研究者コミュニティーの双肩にかかっている.

—— 本書の新聞書評記事を見つけた:1) 竹内薫「日本語の科学が世界を変える 松尾義之著:母国語で学ぶ大きな利点」日本経済新聞(2015年2月18日) |2) 岡ノ谷一夫「『日本語の科学が世界を変える』松尾義之著:半端な英語化を越えて」読売新聞(2015年2月23日)

◆明日からは三日連続の都内出撃だ.

◆本日の総歩数=10085歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=92.4kg(−0.3kg)/ 30.4%(+1.8%)


23 februari 2015(月)※雨のち春のち雷夕立

◆午前4時半起床.気温6.6度.雨.雨上がりの観音台は湿った冷気が淀んでいる.午前8時の気温は7.3度.今日の日中は南風が吹いて気温急上昇との予報.だから,春めく薄着を敢行.この時間帯はかなり寒いんですけど.雨上がりの靄がかかっていて,気温はまだ7.8度までしか上がっていない.

◆[蒐書日誌]着弾なう!:羊土社『実験医学』2015年3月号発売.三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉第11回「正規分布を踏まえたパラメトリック統計学の降臨」pp. 628-632.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 箱崎への帰路フライト半券返送./リマ本販売に関する提案.

◆晴れ間がのぞく昼休み.正午の気温は13.9度まで上がった.予報通り暖かくなり,ロングコースを一時間も徘徊すると暑くなってきた.今日は半袖でも問題なかったかもしれない.昨日の箱崎で春一番の洗礼を受けてきたが,つくばにはまだ吹き込んでいない.昼休みの読み歩き本:松尾義之『日本語の科学が世界を変える』(2015年1月15日刊行,筑摩書房[筑摩選書・0107],東京, 238 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-480-01613-3 → 目次版元ページ)を第4章まで読了.とてもおもしろい本なのでみんな読もう.著者は日経サイエンス誌の編集に長く携わっていたそうだ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 急な都内出張の申請をじたばたと.振替休日の入れ替えもじたばたと./ワタクシの場合,農環研の中では飛び抜けて「兼業」が多いようで,先ほど人事から「利益相反にならないよう要注意」とのお達しあり.「独立行政法人農業環境技術研究所利益相反マネージメント基本方針」という文書を初めて精読したしだい.中だけでなく外でもゴソゴソ動いていれば,そういう “リミット” に接近することもあるのはしかたない.まあ,ほとんどのまっとうな独法研究員諸氏には関係のないことなのですが.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝:マシュー・M・ハーレー,ダニエル・C・デネット,レジナルド・B・アダムズ[片岡宏仁訳]『ヒトはなぜ笑うのか:ユーモアが存在する理由』(2015年2月20日刊行,勁草書房,東京, 564 pp., 本体価格3,500円, ISBN:978-4-326-15432-6 → 版元ページ)/ジョン・A・ペレスコ[鈴木宏明訳]『自己組織化:自然界の法則に学ぶ未来のエンジニアリング』(2015年2月27日刊行,森北出版,東京,8+2+xx+286 pp., 本体価格4,200円,ISBN:978-4-627-92191-7 → 版元ページ).

◆午後5時前から真夏の夕立のようなスコールとともに早すぎる春雷が轟く.正午過ぎには17.0度まで上がり,春の陽気だったのに,午後は気温急降下.いまは10度を切ろうとしている.この雷雲は南下するいった.

◆[欹耳袋]京都大学生活協同組合〈シーボルトと分類学研究〉Book Collection 2015年2月9日(月)〜3月13日(金)※来月,北白川を襲撃するときに見に行こう.|関連トークイベント〈シーボルトと京都大学の分類学者たち〜分類学って何だ?〉2015年2月24日(火)18:30〜20:30@ショップルネ イベントコーナー.出演者:松井正文・疋田努・長益英敏・本川雅治.

◆足早な2月は今週で終わってしまう.来月に積み残される┣┣" どもを最少化することが当面の目標だ.

◆本日の総歩数=12090歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=92.7kg(+1.6kg)/ 28.6%(−2.0%)


22 februari 2015(日)※春一番に吹かれ帰還

◆午前7時にのろのろ起床.当然の結末の「うう……」でして.更に2時間ほど経って,やっと復活.福岡は雨上がりの曇り空.気温は13.7度とありえへん暖かさ.ゆっくり朝ごはんをいただいて,チェックアウトのしたくをする.

◆[欹耳袋]こにしき(言葉、日本社会、教育)「博士論文を出版する(その1)」(2015年2月18日)※最近は修士論文を「一般書」として出すケースも.寺沢拓敬『「なんで英語やるの?」の戦後史 — 《国民教育》としての英語、その伝統の成立過程』(2014年2月28日刊行,研究社,東京,xiv+285 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-327-41088-9 → 版元ページ)とその続編:寺沢拓敬『「日本人と英語」の社会学 — なぜ英語教育論は誤解だらけなのか』(2015年1月31日刊行,研究社,東京,xiv+284 pp., 本体価格2,600円, ISBN:978-4-327-37821-9 → 版元ページ)の2冊はすでにつくばに着弾している.

◆午前11時,福岡空港なう.朝から降ったり止んだりの空模様が続く.いまの気温は14度近くあって,空港内はむしむししている.この南風は北九州一帯の春一番とのこと.12:35に離陸,1時間あまりで羽田着陸.寒々しい曇り空.気温は8度.九州とは大違いだ.高速バスで移動.つくばセンターに降り立ったのは午後4時過ぎだった.曇り空.さすがにつくばは寒い.こりゃ寒い.

◆長旅でお疲れの今宵は〈竹鶴〉純米にごりを開栓.上澄みバージョンとよく撹拌したバージョンの二通り.

◆本日の総歩数=5771歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


21 februari 2015(土)※箱崎にて出張お座敷

◆午前6時過ぎ起床.気温は6.9度.うう…….曇り空の福岡.雨はまだ降り出していない.さて,高座紙芝居づくりの続き.本日の高座の紙芝居がやってできあがった.計59枚.166MB もある巨大 pdf を11MB にまで圧縮.ホテルから見上げる空は晴れて日が差しているけどホンマに雨降るんか?(疑念もくもく).

午前10時過ぎ,そろそろ天神を出撃して,箱崎に向かいます>関係者のみなさま.昨日の背徳日録を書いている時間がぜんぜんない.

◆午前11時前,九大箱崎キャンパス着.箱崎九大前駅にて,売れ行きがすごい『昆虫はすごい』のすごい著者と遭遇.今日の高座がある工学部の大講義室まで案内してもらった.また雲が広がってうすら寒い空に戻っていた.予報通り雨が降り出すのだろうか.すでに移転してしまった工学部の跡地が大々的に撤去作業の真っ最中.続いて理学部,農学部と移転をした後,九大博物館もまた伊都キャンパスに移転してしまうとの丸山さんから聞いた.

◆旧工学部に設けられた今日の講演会場はとても巨大な講義室で,このレトロな重厚感は最近のぺらぺらした新築校舎では味わえない.ひときわ高くそびえ立つ教壇.橙色に光るライティング,迫るようにせり上がるひな壇の席のひとつひとつに卓上灯が設置されているという念入りなインテリア.その会場にて主催者ならびに他の講演者とともに打ち合わせ.その後,九大博物館の同時開催されている展示〈金平亮三の植物描画〉を見て回る.

◆本日のお座敷 —— 九州大学総合研究博物館公開講演会〈科学描画:科学と芸術のはざま〉【日時】2015年2月21日(土)13:10〜17:00【場所】九州大学・箱崎キャンパス(旧工学部本館1階大講義室).

午後1時前にはすでに数十人の聴衆が集まっていた.見知った顔もちらほらと.13:10定刻開始.まずは副館長の挨拶から.

最初はワタクシの噺から:三中信宏「科学は芸術である:蒐集物の多様性とパターンはいかに視覚化されてきたか」.知識を体系化する「可視化・視覚化」は広い普遍性をもっていた.博物学の世界でも,個々の生物を描画することにより視覚化し,さらに多様な生物の体系を可視化するためにさまざまな試行錯誤がなされてきた.エルンスト・ヘッケルが知らしめようとした自然の “芸術的形態(Kunstformen)” とは,単に個々の生物の形態が芸術的であるというだけではなく,生物多様性をまとめ上げる系統樹というシステムが芸術的であるという解釈ができる.さらに,早田文蔵はツリーではなくネットワークというシステムに分類学のあるべき姿を見てしまった.データの巨大化にともなう情報のはてしない蓄積は,現代の科学にとっても「可視化・視覚化」という “芸術的視点” の再評価を迫る.科学は一枚岩ではない.人間の目にちゃんと「見える」かどうかが重要である科学は確かにある.元をたどればアートの中からサイエンスは生まれた.そのサイエンスに再びアートのスタンスを取り戻すことは,ナチュラル・ヒストリーのようなサイエンスとアートが混じりあう場に成立した科学にとって大きな使命となるだろう.

次の講演:木村政司「科学描画:精確に描けること以上に大切なこと」は,博物館における科学描画の位置づけから始まった.イラストレーションを担当する部署は諸外国の大きな博物館ではちゃんと設置されているの.日本では科学描画の待遇はひどいし,社会的地位も低いままの境遇が現在に至るまで改善されていない.サイエンティフィック・コミュニケーションを標榜するのなら,まずは科学描画のもつ社会的意義を正当に評価することから始まるのではないか.

最後の講演:田中伸幸「種を描く: 記載としての植物図」では,植物学者・牧野富太郎が描いた植物画をとりあげながら,分類学における描画の意味が議論された.徹底的な描画にこだわった牧野は詳細きわまりない植物画をいくつも残している.チャルメルソウの図にいたっては 8k の詳細画像で見ると,幅1mmに5本線が筆で書きこまれているらしい.牧野の植物画は単にある一個体を描いただけではなく,彼によって認知された “種” を描画することにほかならなかった.ワタクシ的に印象に残ったのは,「細かく描きすぎるとかえってわからなくなる」という指摘だった.巨大な系統樹や系統ネットワークもまったく同じで,詳細に描きすぎるとかえって見えなくなる.「可視化・視覚化」のもつ大きな問題点の一つがここにある.

講演後,三人の演者と博物館の三島美佐子さん&丸山宗利さん(進行役)をまじえての質疑討論を1時間ほど.午後5時に本日のイベントは終了した.最初はいったいどういう展開になるのかまったく予想できなかったのだが,終わってみれば意外にも興味深い問題意識の共有と議論の交差がいくつもあって,箱崎に来た甲斐があった.

◆今宵も西中洲へ沈みます —— 会場を出て見れば夕方の箱崎はいつの間にか本降りの雨になっていた.寒いような寒くないような微妙な冷え込み.いったん天神のホテルにもどり一休み.雨はなお降り続いている.

夕闇が降りてきた頃合いを見計らって,傘を手に今宵もまた西中洲の暗い路地をたどる.まずは野菜のおでんの盛り合わせから.一仕事終わったあとのヱビスビールは格別.店主いわく「おきゅうと」は小倉では食べないらしい.〈ツルカメノミセ〉へ移動.以前から気になっていた店だったが,あばら屋のようなぼろぼろのドアを開けるのは相当な覚悟がいる.店の中は薄暗く目が慣れないと最初のうちは何も見えない.暗がりの中にひげのマスターがいた.使い古した板切れに手書きのメニューもぼろぼろ.アヤシすぎる.

〈ツルカメノミセ〉ではすべての肴は燻製になって出てくる.酸味が立つ〈長珍〉ささにごり生の燗.黒っぽい牡蠣の燻製は噛みしめるとじんわり味わいが滲み出る.イカナゴが成長した「カナギ」の燻製を〈石鎚〉雄町純米の燗とともに.店主のおすすめで佐賀〈東長〉慶紋純米.コクのある常温.とんでもない日本酒が暗がりから次々と.ぼろぼろのドア越しに外の光がこの異界に漏れてくる.さらに続いて〈竹鶴〉「門藤夢様」の燗.だいぶ呑んでる.今宵はこれにて打ち止め.夜更けの西中洲から春吉は雨がまだしとしと降っていた.

◆明日はつくばに帰るだけの簡単なお仕事.

◆本日の総歩数=12900歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


20 februari 2015(金)※高座前日の博多入り

◆午前5時前起床.気温は氷点下0.7度まで下がっている.じたばた.夜明け前の観音台に実在.旅立ち直前のじたばたはなお続く.立つ鳥はあとを濁しまくる.朝日に染まる東の空を見ながら観音台を撤収.これから旅支度だ.午前9時前,旅支度はほぼ完了.あとは箱崎高座のスライドづくりだけか(おいっ).

◆[欹耳袋]Nature > News Feature | Museums: The endangered dead | 18 February 2015 ※自然史博物館の危機.人材もポストも消滅の危機.

◆[欹耳袋]日比嘉高研究室「「大学は役に立つのか」にマジレスしてみます 個別分野編(日本文学研究)その1」(2015年2月9日)|日比嘉高研究室「続「大学は役に立つのか」マジレスしてみます 個別分野編(日本文学研究)その2 」(2015年2月20日).

◆博多への出撃 —— 午前9時過ぎ,つくば駅.午前9度の気温は6.4度.青空が広がるセンター広場は冷え込みがゆるんでいる.浜松町.都内も青空が広がるいい天気.モノレールに乗り換えて,羽田空港第二ターミナルへ.チェックインをすませ,ドネルケバブ・プレートを喰って,昨日の日録を更新して,これから余裕のよっちゃんで保安検査場に向かおうというところ.BNN新社から「校了!」とのメールあり.善哉善哉.

◆天神パラダイスへ —— 午後2時過ぎ,定刻よりも早く福岡空港着.天神駅で降りて,地下街を南下.福岡市内はすでに12度台まで気温が上がり,日差しも暖かく,関東よりも格段に春の気配が濃厚.一年ぶりの天神は平日の昼下がりなのに,地上も地下も人が多い.福岡市内はまだ「ふんがー」ではない(ようだ).お座敷の支度がぜんぜんはかどっていなかったので,午後3時にホテルにチェックインしてからというもの,ひたすら “紙芝居” づくりに励む.午後4時過ぎ,高座スライドの第1枚目が完成しただけなのに,準備の大半が終わったような気になっている困った人.もっと書け.

◆[欹耳袋]Lambert of Saint-Omer: Liber Floridus公開サイト @ Universiteitsbibliotheek Gent./Isidore de Seville: Etymologiae.テクストは LacusCurtius で,また写本ファクシミリは Herzog August Bibliothek Wolfenbütte にて公開されている.こういう古い写本がネット経由で見られるのはありがたい.

◆ねじり鉢巻 —— ホテルにカンヅメされて,ふと気がつけばもう午後9時前だった.中洲方面から聞こえてきたセイレーンの歌声に,ふらふらと国体道路南の春吉へ.今宵のスタートは〈さが蔵〉から.佐賀の蔵元の日本酒しか並んでいない冷蔵庫は壮観.〈鍋島〉〈七田〉〈東鶴〉などメジャーな銘柄の他に,はじめて見るものがたくさんありすぎる.〈鍋島〉の新酒揃い踏み.もちろん完全制覇.〈東鶴〉おりがらみ。次いで〈鍋島〉の新酒を三つそろい.山田錦・五百万石・雄町。〈東一〉純米大吟醸おりがらみ.〈さが蔵〉一番人気のアテは「大根の唐揚げ」.出汁でほどよい硬さに炊きあげられた大根を唐揚げしたもの.熱々のうちにいただくとシアワセになれる.〈七田〉番外品火入れと〈天吹〉特別純米超辛口.シアワセになったところでオペラを聴きながら燗酒.誰も寝てはならぬ.

◆明日のお座敷 —— 九州大学総合研究博物館公開講演会〈科学描画:科学と芸術のはざま〉【日時】2015年2月21日(土)13:10〜17:00【場所】九州大学・箱崎キャンパス(旧工学部本館1階大講義室).

◆スライドつくらないとぉ〜(悲鳴).

◆本日の総歩数=10938歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.1kg(−0.4kg)/ 30.6%(+0.5%)


19 februari 2015(木)※青空から夕立へ急変

◆午前5時前起床.気温0.2度.早朝は氷点下1.5度までいちおう冷え込んだが,懸念されていた道路の凍結箇所はまったくない.青空の観音台はそこら中にみずたまりがあるだけの穏やかな朝.朝イチの BGM はアーノンクールのマタイ受難曲から.今日は気温が上がって春めくのだろうと思いきや,天気予報によると春めかないらしい.

◆[蒐書日誌]マニュエル・リマ[三中信宏訳]『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィクス』(2015年3月19日刊行予定,ビー・エヌ・エヌ新社, 東京, 215 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-86100-956-3 [hbk] → 目次).本日,版元ページが開設され,書誌情報と目次,サンプルページなどが公開された.さあ販促イノチだ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 向こう一ヶ月の┣┣" 撃ちリスト更新./犬山から非常勤出講依頼が届いた.来年度の冬学期の開講.

◆[欹耳袋]年度末のせいか,所内外からさまざまな事務書類の提出に日々追いまくられている.すでに事務文化の秘技となりつつある「ネ申えくせる」や「ネ申わーど」の書式は当該組織に対する “忠誠心” のテストであると割りきって,ことごとく裏切るようにしている.「ネ申わーど」は下々の者にとって ま だ 慈悲深い方なので,きわめて日本的な罫線表など適当に崩しながら文書作成しても許してもらえるだけのフトコロの深さがある.一方,「ネ申えくせる」は無慈悲なので書式は不可触.下界の怨嗟の声はまったく届いていないようだ.所内の「ネ申えくせる」書式の中にも,入力値(文字・数字)にヘンな自動変換が設定されているセルがときどきある.事前には不可視なのでそういう「セルを踏んだらさようなら」ということで,貴重な時間を費やしてムリヤリ記入したい内容を押し込むすべを考える.もっと若かった頃は,いったんプリントアウトして,手書きで書類を作成し,スキャンして画像化.それをエクセルやワードに画像貼り付けした上で,拡張子「.doc」や「.xls」のファイルとして送ったこともあった(若気の至りですな).

—— みなさん,「ネ申」には面従腹背しましょうね.

◆青空に雲が点々と浮かぶ昼休みはロングコースの徘徊タイム.正午の気温は9.0度.北風は微風,そろそろ冬は退散しつつあるようだ.本日の歩き読み本:高橋輝次(編著)『増補版 誤植読本』(2013年6月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・た70-1],東京,671 pp., ISBN:978-4-480-43067-0 → 版元ページ).原稿書きとゲラ読みの間はコワくてとても読めなかった本にちがいない.┣┣" が去っていったのでやっと紐解く気になった.「誤植しかたなし」という諦念?がそこはかとなく漂っていて救われる.そういえば,先日ある連載記事の初校ゲラを見ていたら,本文はまあたいした問題はなかったのだが,ワタクシの名前のローマ字綴りが「Nobuhiro Sannaka」と書かれていた.こういう大きい “蟲” は意外に見落とされやすい.もしもそのまま見逃されて活字になってしまったらと想像すると gkbr なんだけど,そのときはいっそ開き直って「さんなか・のぶひろ」で通すしかなかったかも.何だか『稲生物怪録』(→ 『妖怪の肖像:稲生武太夫冒険絵巻』とか『平田篤胤が解く稲生物怪録』とか)に出てくる妖怪の親玉である山本[=さんもと]五郎左衛門みたいでアヤシさ満点.

◆[蒐書日誌]自然史学会連合が監修した本が着弾 —— 自然史学会連合(監修)・子供の科学(特別編集)『理科好きな子に育つ ふしぎのお話365 — 見てみよう、さわってみよう 体験型読み聞かせブック』(2015年2月23日刊行,誠文堂新光社,東京,391 pp., 本体価格2,300円,ISBN:978-4-416-11500-8 [hbk] → 版元ページ).現物を手にすると,大判ハードカバーの装幀で,ずっしりと重いフルカラー本.学校の図書室に常備してもらうのに向いた本かも.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 箱崎高座のしたく真っ最中.今回は新作噺を盛り込む.

◆[欹耳袋]ワタクシの居室は統計学関連の本がたくさんあって,農水独法研究所ではここにしかないものもあるので,外部からの相互貸借依頼が広報情報室経由でときどきある.ブツがあればその場で貸し出しOK.ただし,組織改編で今は亡き研究室の蔵書を引き取っているような場合,所在不明のことも.ま,うちの場合は公費購入した本は研究室というか研究者個人の部屋に置かれるので,人事異動とか組織再編で “行方しれず” になってしまう本は少なくないようだ.かといって,広報情報室で一括管理するのもきっと人員的にムリだろうし.公費購入本は,仮にデータベースに登録してあっても,その所在を最後まで追跡して確認するのが難しい場合も確かにある.データベース上はワタクシの部屋に「ある」はずなのに,見たことも聞いたこともない本の相互貸借依頼があると右往左往する.

◆凶相の雨雲が接近してきたので観音台をサクッと撤収.つくばの真上だけ丸いお盆のように灰色の雲が広がり,夏の夕立のような大粒の通り雨.東を見れば青空,西からはまぶしい夕陽が差し込んでいるのに雨に濡れるという理不尽な天気.

◆夜もまた高座紙芝居の仕込みが続くが,なかなか終りが見えない…….

◆本日の総歩数=10025歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.5kg(−0.5kg)/ 30.1%(+0.6%)


18 februari 2015(水)※雨降る本郷にて会議日

◆午前4時起床.雨.気温1.1度.昨夜から引き続く夜明け前の┣┣" 撃ち.昨晩のケリつけるん:

  • [つくば]最終ゲラ p.95 まで読了. posted at 04:34:36
  • [つくば]最終ゲラ p.109 まで読了. posted at 04:38:00
  • [つくば]最終ゲラ p.121 まで読了. posted at 04:40:39
  • [つくば]最終ゲラ p.133 まで読了. posted at 04:44:59
  • [つくば]最終ゲラ p.143 まで読了. posted at 04:49:53
  • [つくば]最終ゲラ p.157 まで読了.新たな蟲を一匹捕捉. posted at 04:59:29
  • [つくば]最終ゲラ p.169 まで読了.立て続けに新たな蟲を二匹捕捉.神は細部に宿るが,蟲は見出しに宿る.やばいやばい. posted at 05:06:54
  • [つくば]最終ゲラ p.177 まで読了.今度はフッタに蟲が反復出現.アブナイなあ. posted at 05:12:40
  • [つくば]最終ゲラ p.189 まで読了. posted at 05:15:06
  • [つくば]最終ゲラ p.197 まで読了.これで Chapter 11 まですべてチェックだん. posted at 05:16:54
  • [つくば]最終ゲラ p.198 まで読了.微小な蟲を一匹捕捉だん. posted at 05:28:58
  • [つくば]最終ゲラ p. 201 まで読了.ミクロきわまりない「図版クレジット」ページにも極微小な蟲が数匹潜んでいた. posted at 05:38:37
  • [つくば]最終ゲラはすべて読了.索引にも蟲が一匹いた(もっといるかもしれないなあ……). posted at 05:58:36

—— 昨年から肩に居座っていた巨大┣┣" 一頭がやっと去っていった.

◆雨の本郷へ出撃 —— 午前8時の気温は2.6度.冷たい雨(not 雪)が降り続くなかを都内出撃.今日は本郷出撃日.雨はたいしたことないが,湿度の高い冷え込みはきびしい.午前11時過ぎ,雨から雪に変わりそうな根津に到着.

降りしきる冷たい雨のせいか,不忍通りの〈根津のたいやき〉はきわめてまれなことに長い行列が伸びていない(というか客がほとんどいない).いつもなら長蛇の列で1時間待ちは当たり前なのに,こんなめずらしい機会を逃してはあのたい焼きを食べる機会はないと即決.6個もまとめて買ってしまった.

〈根津のたいやき〉は焼きたてを手渡されるので,袋のままだと湯気で蒸れてしまってタイヘンなことになる.だから,最初の仕事はたい焼きの「開封の儀」.時間を置かずに開封して冷ます作業が必須.とりあえず,弥生キャンバスの農学部3号館隠れ部屋にて熱々をmgmg.んま〜.たい焼きが冷めたら包みなおそう.〈根津のたいやき〉はたい焼きを “経木” に包んでくれるのがとてもめずらしい.

◆[蒐書日誌]講談社サイエンティフィクから連絡があり,4月に刊行予定の Paul J. Silvia[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行予定,講談社サイエンティフィク,東京, 192 pp., 本体価格1,800円情報)は本体価格1,800円とのこと.ワタクシの短い推薦文:三中信宏「千字の文も一字から:これなら書ける!究極の指南書登場」が冒頭に入る./異なる本で「ISBNが重複する」という出版事故がありえることをはじめて知った.ワタクシが気づいて通報したので未然に防げたらしい.よかったよかった.

◆本郷での┣┣" 撃ち —— マニュエル・リマ本は編集部から「校了」という至福の単語が聞こえてきた.「校了」— ああシアワセ./羊土社『実験医学』2015年4月号掲載予定の連載:三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉第12回(最終回)「統計データ解析の地上世界と天空世界 — 連載の総括として」ゲラ返信だん.これでもうひとつの重い肩の┣┣" が去っていった.連載がもうすぐ終了するので,間髪入れずに単行本化の作業へとつながる.現時点では『統計学の王国を歩いてみよう:情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!』というような書名になる予定.コンテンツについてはこれから羊土社と相談していく.

◆[欹耳袋]academist 挑戦者・小松貴「謎多きアリの「居候」の多様性を調べたい!」— ※うわわ:「プロジェクト開始から3日足らずで目標金額の50%に到達!アカデミスト史上最速のペースです」.

◆今日の専攻教員会議は始まりも遅かったが,終わりも午後5時半までかかった.小雨降る夕闇の弥生坂を下って,やはり小雨降る夜のつくばセンターへ.けっきょく,つくばも都内も雪はぜんぜん降らなかったようだ.明日は朝から観音台にて高座の準備をする.

◆本日の総歩数=8155歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=92.0kg(−0.5kg)/ 29.5%(0.0%)


17 februari 2015(火)※辛子蓮根をかじる雨夜

◆午前4時半過ぎ起床.米とぎ.気温は2.1度.午前6時の時の鐘.曇り空が広がる観音台は午前8時の気温が1.7度と冷え冷えしている.朝イチの BGM は Wilhelm Friedemann Bach の〈フルートのための二重奏曲〉.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「若手の研究環境、改善急げ 次期科学技術基本計画に向け提言相次ぐ」(2015年2月5日)※「ベテランは大学や研究機関の予算ではなく外部から獲得した資金で研究を進め、浮いた予算を若手が使えるような仕組み」.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 小┣┣" ども — 東京農大と首都大学東京の来年度兼業申請と出講事務書類一式の発射./さらなる小┣┣" ども — 来月の計量生物学会大会の参加登録の後始末./曇り空からぽつりと降ってはまた止むという中途半端な空模様.大きな┣┣" ,小さな┣┣" を取り混ぜて何頭か仕留めてきた./栃木農試からの統計コンサルタント業務一件.

◆お昼休みは絶賛コピー大会.現物ではダメでコピーを提出せよとのこと(逆じゃね?).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後イチで,所内研修「公的研究費に係るコンプライアンス及び運営・管理に関する職員研修」(13:30〜14:40)受講./さて,┣┣" 撃ちの続きだ./所外貢献等に関する中間報告./推薦文1327字を書き上げて音羽にメール送信.よろしくよろしく.

◆[蒐書日誌]Paul J. Silvia[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行予定,講談社サイエンティフィク,東京, 192 pp., 本体価格1,800円情報)※本体価格が確定したとの連絡あり.版元から初校ゲラを送ってもらって通読したが,四色刷りで訳文はとても読みやすい.原書は図版のクォリティーがかなり低かったが,翻訳書ではより高画質のものに差し替えられるようだ.ワタクシの短い推薦文:三中信宏「千字の文も一字から:これなら書ける!究極の指南書登場」が冒頭に入る.

◆午後5時前,小雨に濡れる観音台を撤収.湿った冷気はあまりよくない.暦的には春とはいえ,朝晩はまだまだ冬が続いている.今宵は久留米〈庭のうぐいす〉の純米吟醸(火入れ)「ぬるはだ」の燗酒をゆるりといただく.アルコール度数14度と肝臓にとてもやさしい日本酒なのがとてもよろし.からだが温まったところで,熊本土産のからし蓮根と “お水” へ移っていく. “お水” は東村山〈屋守〉の純米中取り直汲み無調整生の残り.炭酸ガスがまだしゅわしゅわしていた.夜の┣┣" 撃ちは最終ゲラのチェック:

  • [つくば]最終ゲラ p.14 まで読了. posted at 21:10:01
  • [つくば]最終ゲラ p.43 まで読了.要修正箇所はひとつ. posted at 21:53:56
  • [つくば]最終ゲラ p.47 まで読了.ここまでの要修正箇所はふたつ. posted at 22:11:17
  • [つくば]最終ゲラ p.77 まで読了. posted at 22:23:06

—— まだまだ続くゲラ読み作業.残りは夜明け前にケリつけたる.予報では明日の関東地方は雨から雪になるらしい.

◆本日の総歩数=6695歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=92.5kg(−0.8kg)/ 29.5%(+1.0%)


16 februari 2015(月)※大┣┣" 一頭を放流す

◆午前5時前起床.気温は氷点下0.9度.今朝の最低気温は氷点下3.1度と冬のままだが,朝日が昇ればしだいに春めいてくる.観音台はいま1.5度.今日は昨日よりも暖かくなるとの予報.それとともに「ふんがー」の季節の到来だ.朝イチの BGM はピアソラ〈Romanza del duende[小悪魔のロマンサ]〉.

◆[蒐書日誌]自然史学会連合(監修)『理科好きな子に育つ:ふしぎのお話365』(2015年2月10日刊行,誠文堂新光社,東京,392 pp., 本体価格2,300円,ISBN:978-4-416-11500-8 → 版元ページ)※自然史学会連合の参画学会が協力してつくった子ども向けの自然史書.進化学会の代表委員であるワタクシも系統樹についてのページを担当した:三中信宏「大昔の進化の歴史はどうやって調べるの?」.最初の企画から紆余曲折ありまくりだったが,やっと出版されてよかった.アマゾンでもすでに発売開始されている.

◆午前の大┣┣" 撃ち —— 今日こそはカタをつけないと.BGM はいきなり John Coltrane Quartet の〈Ballads〉へとなだれこむ.

  • [つくば]再校ゲラ p.109 までチェックだん. posted at 08:51:59
  • [つくば]再校ゲラ p.121 までチェックだん. posted at 09:10:11
  • [つくば]再校ゲラ p.133 までチェックだん. posted at 09:21:01
  • [つくば]再校ゲラ p.143 までチェックだん. posted at 09:28:21
  • [つくば]再校ゲラ p.157 までチェックだん. posted at 09:42:40
  • [つくば]再校ゲラ p.177 までチェックだん. posted at 09:57:43
  • [つくば]再校ゲラ p.189 までチェックだん. posted at 10:03:01
  • [つくば]再校ゲラ p.197 までチェックだん.これをもって『THE BOOK OF TREES:系統樹大全』の再校ゲラのチェックはすべて完了. posted at 10:10:20

◆[蒐書日誌]研究用の文献はたいてい私費購入しているが,今年はめずらしく公費が残ったので,『Oxford Latin Dictionary, Second Edition 』(2012年3月刊行,Oxford University Press, Oxford, ISBN:978-0-19-958031-6 [hbk] → 版元ページ版元ページ [日本])と Claire Bowern and Bethwyn Evans (eds.)『The Routledge Handbook of Historical Linguistics』(2014年6月刊行,Routledge[Routledge Handbooks in Linguistics], London, ISBN:978-0-415-52789-7 [hbk] → 版元ページ)をオトナ買い.全部で10万円近くのお買い物.ラテン語と歴史言語学の饗宴.

◆大┣┣" を仕留め,┣┣" 放牧場を遠くからぼおっと眺める.現実逃避気味に卓上整理なんぞを始めたら,もうキリがなくなってしまって.前世紀末のメモ書きなんぞが大量に “出土” してしまい,「ああ,あの頃はもっと “善人” だったのに」とか感慨にふけるお昼前.昼休みのロングコース徘徊.正午の気温は9.4度と低めでも,日差しは春めいている.空も冬らしくなく,どことなく秋空のような雲の表情.散歩するにはとても快適.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後の BGM はカール・ニールセンの弦楽四重奏曲から始まる.『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全』の再校ゲラを今朝すべて返却したと同時に,カバージャケットやらオビの案が提示され,出版契約関係のメールが飛び交うようになった.この段階まで来て,やっとワタクシの手を離れたということになる.写真はカバージャケットの見開き.原書と同じくハードカバー上製本で,さらにオビを巻かれて店頭に並ぶことになる.次なるお仕事は販促大作戦だ.

◆[蒐書日誌]山本貴光(編)『サイエンス・ブック・トラベル:世界を見晴らす100冊』(2015年3月24日刊行予定,河出書房新社,東京,本体価格1,600円, ISBN:978-4-309-25323-7 → 版元ページ).ワタクシが寄稿した:三中信宏「生物の分類や進化は科学的に研究できるのか?」は刷り上がりで6ページ.エルンスト・ヘッケル[小畠郁生監修|戸田裕之訳]『生物の驚異的な形』(2009年,河出書房新社),チャールズ・ダーウィン[渡辺政隆訳]『種の起源(上・下)』(2009年,光文社),そしてカール・ジンマー[長谷川眞理子日本版監修]『進化:生命のたどる道』(2012年,岩波書店)の3冊を取り上げた.

◆夜の┣┣" 撃ち —— マニュエル・リマ『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全』の最終ゲラ,キターッ! 18日朝までにさらなる修正箇所を報告しないといけない.一難去ってまた一難.最終ゲラを読むか,もう寝るか,それが問題だ.

◆本日の総歩数=10394歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=93.3kg(+0.3kg)/ 28.5%(+0.4%)


15 februari 2015(日)※┣┣" がにやにやする

◆午前6時過ぎのろのろ起床.外はもう明るい.気温は氷点下3.8度まで下がっている.そして最低気温は午前7時前の氷点下4.2度.さすが関東は冷え込み方がちがう.

◆[蒐書日誌]朝の寝読み本 —— ヤマザキマリ,とり・みき『プリニウス・II』(2015年2月15日刊行,新潮社[バンチコミックス45プレミアム],東京,ISBN:978-4-10-771799-3 → 版元ページ特設サイト).

◆[欹耳袋]毎日新聞「ストーリー:英のラテン語辞書編集(その1) 101年、二つの大戦越え」(2015年2月15日)|毎日新聞「ストーリー:英のラテン語辞書編集(その2止) 言葉を後世に伝える」(2015年2月15日).このラテン語辞書のことか:Dictionary of Medieval Latin from British Sources (Wikipedia).版元:Oxford University Press | Dictionary of Medieval Latin from British Sources

◆日曜の┣┣" 撃ち —— 第4回連載記事のゲラ返信.午後,5日ぶりの観音台は風速10メートルの北風が吹き荒れて,乾いた青空から陽光が降り注ぎ,春先ならではの土煙が盛大に舞い上がっていた.新規┣┣" どもの堆積状況を検分.今日は北風が強すぎる.平均10メートル,瞬間的に20メートル.気温は7度台だが,体感気温はもっと低い.

  • [つくば]再校ゲラ p.9 までチェックだん. posted at 13:42:05
  • [つくば]再校ゲラ p.15 までチェックだん. posted at 15:22:02
  • [つくば]再校ゲラ p.31 までチェックだん.これにて観音台を撤収する. posted at 15:53:53
  • [つくば]再校ゲラ p.47 までチェックだん.気温急降下ちう. posted at 19:09:58
  • [つくば]再校ゲラ p.77 までチェックだん. posted at 21:31:43
  • [つくば]再校ゲラ p.95 までチェックだん. posted at 22:33:20

◆[欹耳袋]日本経済新聞「(プロムナード)ティータイムと進化論 内田麻理香」(2015年2月14日)※ワタクシはダーウィンがいつも自宅で何を食べていたかの方が気になるなあ.エマさんのレシピ本:Dusha Bateson and Weslie Janeway『Mrs. Charles Darwin's Recipe Book: Revived and Illustrated』(2008年刊行,Glitterati, New York, 175+xvii pp., ISBN:978-0-9801557-3-0 [hbk] → 版元ページ特設ページ書評記事)をときどきめくっている.エマ・ダーウィンが書き残した家庭料理ノート(→ DAR214Emma Darwin's Recipe Book. 94 images)から55品目を “復元調理” して,そのカラー写真も載っている.うまそうなのもあれば,イマイチなのも.チャールズ・ダーウィンは甘党だったようで,エマ夫人のレシピにはスイーツ系プディングがいろいろ.「厨房から見たダーウィン家」はとてもユニークな視点になる.

◆夕方,洞峰公園北の〈モルゲン〉で予約しておいた食パンを引取り,となりの〈Coffee Factory〉にて珈琲豆の調達.マガジンラックにハードカバーの珈琲本があって,とてもおもしろそうだった:Michaele Weissman『God in a Cup: The Obsessive Quest for the Perfect Coffee』(2008年刊行, Houghton Mifflin Harcourt, New York, ISBN:9780470173589 [hbk] → 版元ページ)※著者はコーヒーを求めて世界中を飛んだらしい.

◆[蒐書日誌]N. B. Davies, J. R. Krebs, S. A. West[野間口眞太郎・山岸哲・巌佐庸訳]『行動生態学・原著第4版』(2015年3月26日刊行予定,共立出版,東京,ISBN:978-4-320-05733-3 → 版元ページ).原書2012年.旧蒼樹書房の第2版訳(1991)から実に四半世紀ぶり.価格情報がぜんぜん入ってこないけど,きっと高くなるんじゃないかなあ.

◆ゲラ読みがなかなか進まない…….明日からはまた┣┣" を追っかけまわす日々が始まる.

◆本日の総歩数=1745歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.0kg(+1.9kg)/ 28.1%(−2.2%)


14 februari 2015(土)※肥後からつくばへ帰る

◆午前6時半のろのろ起床.うう…….差し込む朝日に射られて “灰” と化す.マニュエル・リマ『系統樹大全』の再校ゲラをTV画面に映して読みまくるホテルの朝.

◆[蒐書日誌]もうすぐ手を離れる —— マニュエル・リマ[三中信宏訳]『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィクス』(2015年3月19日刊行予定,ビー・エヌ・エヌ新社, 東京, 215 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-86100-956-3 [hbk] → 目次アマゾン近刊予約)※再校ゲラを読んで蟲採りの真っ最中.本体価格が決まり,目次見出しの改訂,そしてページネーションの確定などいくつかの情報が追加された.

◆火の国からの帰り道 —— チェックアウトの午前11時前まで部屋で粘る.交通センターからバスで阿蘇くまもと空港へ.フライトまで時間ありまくりなので,馬肉とからし蓮根と陣太鼓を物色.ロビーで昨日までの三日分の日録をやっと更新.日記は溜めこんではいけません.フライトは午後3時前.羽田には午後4時過ぎ着.午後7時,つくば帰還.午後7時の気温は2.4度とえらく冷え込んでいる.さすがに熊本よりも寒さが格段にきびしい.

◆[欹耳袋]銀座で働くデータサイエンティストのブログ「Rでデータ分析・統計学・機械学習・データマイニングを学ぶならこの10冊で(2015年2月版)」(2015年2月13日)/Togetter -「「○○大学の~です」「ご静聴ありがとうございました」 - 学会で要らないものあれこれ」.

◆[蒐書日誌]長谷川郁夫『美酒と革嚢:第一書房・長谷川巳之吉』(2006年8月30日刊行,河出書房新社,東京,vi+441+xvii pp., 本体価格5,800円, ISBN:4-309-01773-8 → 目次版元ページ)の感想文を公開.買ったのが2006年,読み終わったのが2015年.10年がかりの大読書!(というか,もっとさくさく読めよ>ワタクシ).

◆明日の日曜も休みはない.とりあえずは確定申告のレシート類の整理から.平行してゲラ読みの続き.観音台に堆積している┣┣" どもはとりあえず見ないことにして.

◆本日の総歩数=6872歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/ 未計測


13 februari 2015(金)※お座敷がはけて再迎撃

◆午前5時半起床.外は真っ暗.午前7時前に朝食をすませ,迎車にて合志に出撃.今日も午前9時から午後5時まで統計研修.

◆熊本農試統計研修(二日目) —— 午前8時過ぎ,熊本農試着.今日は青空が広がる絶好の研修日和.高座のスタートは午前9時きっかり.方々での統計巡業の経験を積むと,さまざまなかたちの “ご不幸” に遭遇する.そのつどじたばたと対症療法に明け暮れている.実験計画法づくしの午前を終えて昼休み.外はとてもいい天気.

◆出先の┣┣" 撃ち —— 先日,ネ申わーど書式を送りつけてきた都内某有名私立大学が,さらに輪をかけてものすごいネ申書式の事務書類(.doc)を金曜必着で送れと無理難題をふっかけてきた.事務書類のネ申えくせる書式とかネ申わーど書式はすべて利己的な “ミーム” であって,われわれ研究者や大学人は好き放題乗っかられている “ヴィークル” である.そーいうネ申書式の延長表現型がほかならない事務文化である.適当にフォーマットを崩しながら書類を作成し,農試のプリンターで印刷してもらって,押印,速達で返送完了.

◆午後,一般化線形モデルの講義でまた新たな “ご不幸” が発生.件の “結界” パソコンがエクセルのスプレッドシートをインポートしてくれない.またもやじたばたしまくって,最終的にはエクセルからクリップボードにコピーして,R にインポートするという応急処置.しかも RStudio と Rcmdr が連携できないので,やむを得ず,R 本体のエディターでスクリプトファイルを開いて実行ということになった.午後3時半に講義が終わり.その後1時間あまりの質疑タイムを経て,午後5時に統計研修の全日程を終えた.

◆[欹耳袋]公開なう!:羊土社・実験医学online – 三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉連載第10回「実験計画はお早めに―完全無作為化法」※『実験医学』2015年1月号に掲載された記事のオンライン版.あと2回で本連載は終了し,その後すぐに単行本化の作業が始まる.連載原稿はすでにすべて出したので,やっと一息つけるかと思いきや,そうは問屋が卸さない.

◆研修後の第二次迎撃 —— 合志から1時間あまりかかって市街地に戻り,上通りにて一息ついている.研修前の第一次迎撃に続く第二次迎撃のスタートは上通りアーケード街の一本裏に入った上乃裏通り.一階の〈コルリ〉でまずスパークリングワインをいただいてから,二階の〈瑠璃庵〉へ移動する.大きな古民家を改造したとのことで,店内は天上がとても高く,時代の付いた太い梁が何本も走っていた.日本酒・ワイン・焼酎・ウィスキーなどよりどりみどり.焼酎文化圏まっただ中であるはずの熊本に来ても,なおひたすら日本酒を追い求める.

—— 当然の結末としてかなりの「うう……」.

◆明日はつくばに帰るだけの簡単なお仕事が残っているだけだが,ゲラ読み┣┣" がすくすくと成長している.明日の朝は時間の余裕があるので,撃ち果たしたい.

◆本日の総歩数=7278歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


12 februari 2015(木)※熊本農試にて巡業高座

◆午前5時半起床.いささかうう…….午前7時半,ホテル前から迎車にて合志の熊本県農業研究センターへ.危惧された道路混雑がそれほどでもなかったので,半時間ほどで到着.広大な実験圃場のど真ん中にある熊本県農業研究センターの本館.経費節減のため,いたるところ照明は落とされるは,空調は切られるは,どこも財政はきびしい.講義会場にてさっそくパソコンの設定を開始.休日明けでひんやりと冷えている館内.夜中に雨が降ったようだが,いまは晴れ間がのぞいている.しかしまた雨になるとの予報.午前9時前,受講生が集まってきた.暖房が入ったけどまだひんやりが続く.

◆[欹耳袋]「ASAP(=as soon as possible)」の日本語訳が「なる早で」となることを初めて知った.そーだったのか.

◆熊本農試統計研修(一日目) —— 今年の受講生は40名ほど.昨年に続いて二回目の受講生も1/3ほどいるとのこと.いつも通りの統計学概論から入って,休憩後に受講者の R 作動確認したとたん,あちこちで “マルチご不幸” が.農試所内で共同購入したという富士通のノートPCが元兇.ユーザーの個人フォルダー名が「ユーザー」とカタカナ名設定されていて,これが不幸の根源.R+Rcmdr とR+RStudio の二点セットでの利用はまったく問題なかった.ところが,R+RStudio から Rcmdr を起動しようとすると「ホームディレクトリーにマルチバイト文字が入っているのでダメ」という人生初エラーが出現.同一機種をもっている複数の受講者が同一の “マルチバイトご不幸” にあえぐことになった.

◆勝手に「ホームディレクトリー」の名称を「ユーザー」から変えてしまうと,別の大惨事が起こりそうな気がして手も足も出せない状況に追い込まれたが,ここはグッと踏みとどまり R+RStudio +Rcmdr の三点セットは今回の研修では使わないことにした.

昼休み.正午の気温は10.7度.曇り空.午前の “実習マルチご不幸” で半ば燃え尽きている…….

午後もときどき “Rのご不幸” が発生した.それでもパラメトリック統計学の登攀はまだ終わらない.当該機種では R の GUI preferences の保存もできないようなのだが,兇悪な “マルチバイト結界” を踏んでしまったということで見なかったことにしよう.白昼の暗黒.午後4時半まで登り続けた.初日終了.

◆午後6時,ホテル帰還.今日は午後4時半まで講義&実習.その後,抜け道抜けまくりで市街地まで送ってもらった.上通り北にある郷土史専門の古書店〈舒文堂河島書店〉を一周りしてから,アーケード街の〈長崎書店〉を再訪物色,そして下通りアーケード伝いにホテルに帰ってきた.今日の研修は数々の “ご不幸続き” でかなり疲弊した.

◆研修中の自発的出撃 —— 今宵は別のお店に出撃しよう.一年ぶりの〈あかり道〉へ.ここは地場野菜をはじめ,とてもおいしい肴を出してくれる.まずは岐阜〈小左衛門〉の仕込み水をいただいてスタート.佐賀の〈鍋島〉純米吟醸・雄町.同じく佐賀の〈東鶴〉純米吟醸・山田錦の荒ばしり生.微炭酸が効いている..純米吟醸・雄町.アテはご当地の塩トマト.熊本に来て馬刺しをまたいで通りすぎるのはご法度.サシの入り方がすばらしい.白子の味噌焼き.そろそろシーズンが終わるらしい.さらに蟹とアボカドの焼き物など.とても健全なナイトライフである.

◆まだ半分しかお座敷は終わっていない.明日は統計研修二日目.朝早くから出撃する.

◆本日の総歩数=7940歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


11 februari 2015(水)※火の国くまモンの迎撃

◆午前5時半過ぎ起床.気温は氷点下4.1度まで下がっている.再校ゲラと格闘する旅立ちの朝.

◆[欹耳袋]九州大学〈博物館公開講演会「科学描画-科学と芸術のはざま」〉※会場になっている箱崎の「旧工学部本館1階大講義室」って「定員400名」って巨大.あ,したくしますします./マニュエル・リマ[三中信宏訳]『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィクス』(2015年3月刊行,BNN新社 → アマゾン近刊予約).アマゾンの書誌情報が改善されてよかった.一点だけ訂正:「ソフトカバー」というのは間違いで,正しくは「上製本」ね.

◆くまモンの国へ —— 年度末の熊本統計巡業のため,前日の休日に移動.昨年は大雪だかなんだかの予防線を張って夜行列車で熊本入りしたが,今年はあっさり空路移動とあいなった.午前9時,つくば駅.今朝の最低気温は氷点下4.5度だったが,そろそろ氷点を越えているにちがいない.旅立ちの朝はいい日和.午前10時半,浜松町にてモノレールへ乗り換え.空港快速はなんだかとても混んでいる.都内は快晴.

◆羽田空港第2ターミナルは,休日ではあるがまったく混雑していない.出発ロビーの端っこで絶賛ゲラ読み.まだ時間があったので,第二ターミナルの〈ベトナムチョ〉にて牛肉のフォーでランチ.初めて入った店だったがとてもうまかった.コリアンダーの葉っぱをたっぷりと.

定刻通り正午過ぎに羽田を飛び立ったソラシドエアは,これまた定刻通りの午後2時過ぎに阿蘇くまもと空港に着陸した.機内は以外に混んでいて,くまモンをじっとにらみながら荷物が出てくるのを待つ.熊本は薄曇りの昼下がり.空港からはシャトルバスで市内交通センターへ.

熊本市街地の繁華街をてくてく歩いてサンロード新市街のホテルにチェックイン.MacBook Air からHDMI出力して,ホテルのテレビ大画面でお仕事できることになった.目にやさしいPC環境構築はとても大事.夕暮れ近く,熊本市街の中心,上通アーケード街の南端に到達.大々的に掲げられているこのオブジェ,どうみても有性生殖の「受精の瞬間」にしか見えない…….

◆研修前の第一次迎撃 —— 日本料理〈とみた〉にて.上質の空間と料理と日本酒セレクション.まずは〈新政〉の六号酵母を二種類味わってから,地元熊本の〈産山村〉へ.おりがらみで微炭酸.すばらしい.神奈川の〈いづみ橋〉はお料理にぴったり.レアな山廃〈田酒〉.ああ,お酒な夜.しかし,熊本に来て熊本ラーメン〈桂花〉本店の前を黙って通り過ぎるわけにはいかない.夜10時過ぎに入店して特製ラーメンを.本務が始まる前夜からこのありさま.この背徳に付けるクスリはどこにもない.

—— 仕事の前夜にたくさん呑んではならぬ.ならぬものはならぬ.

◆本日の総歩数=11751歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.1kg(−0.7kg)/ 30.3%(+0.9%)


10 februari 2015(火)※旅立ち前日のじたばた

◆午前4時半起床.気温は氷点下5.3度まで下がっている.今朝の最低気温はさらに下がって氷点下6.7度だった.今季最強の寒気が降臨している.明け方のきびしい冷え込みからまだ復帰できていない観音台は午前8時になっても氷点下1.6度.氷と霜柱がいたるところに.

◆[欹耳袋]誰もまともに聴こうとしない残響 —— 理化学研究所>広報活動>トピックス2015>「研究不正行為に関する処分等について」(2015年2月10日).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 本日は会計入力システムがフル稼働しそうな気配が濃厚./RP経費での購入希望物品をエントリー.所内会計締め切りが刻一刻と近づいている.交付金の残金もあれやこれやしないといけない./会計入力システムとの格闘真っ最中./所内の物品購入体制が先月末に大きく変わって,よくわからないので,よくわからないままいろんな書類を作成しては,よくわからない方面にどんどん┣┣" どもを放流している.諸般の事情でしかたがないこととはいえ,年度末に会計まわりが変更されると困るんです./DMハガキ着弾.「多検体を同時破砕」する「セルフデストロイヤー」ってコワい機械が世の中にはあるもんだとよく見たら,「セルデストロイヤー」だったというオチ./会計残金が「12,637円」となったところでやっとお昼休み.午前中は会計入力システムとの闘いだった.

◆昼休みに喰いこんで会計入力作業をがんばってしまったので,超ショートコースで徘徊.歩き読み本:宮田珠己『四次元温泉日記 』(2015年1月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・み-27-2],東京,本体価格720円, 294 pp., ISBN:978-4-480-43238-4 → 目次版元ページ).南山荘の異次元迷路,上野屋旅館,陽光荘,湯之谷山荘と迷路湯の旅は続く.そして,金具屋を経て湯之島館でもっておしまい.なかなか風情のあるヘンな温泉本で読後感とてもよし.午後の BGM はマーラー〈大地の歌〉.竹林の中で麻雀しながら昼酒を呑んでいるようなゆるゆるさ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 都内某大手私立大学から送られてきた事務書類フォーマットが,悪辣ワードのきわめつきネ申書式.マス目一つ一つに文字を打ち込ませる忍耐力試練を要求してきたので,書式をぐちゃぐちゃに崩して入力した上,神ならぬ紙に打ち出して可読性に欠ける手書き入力してあげて返送.ワタクシは何もワルくない.ネ申フォーマットはエクセルだけではなく,ワードにも伝染するのか./二階に放流したはずのアウトプット報告┣┣" の群れがそのまま回遊して五階に戻ってきてしまった.熊本帰りの週明けに再提出ということになった.くー./社会貢献に関する所内中間調査の締切は今週金曜日.熊本から送れってか?

◆[欹耳袋]2015年生物学史分科会シンポジウム〈中村禎里と冷戦期日本の生物学史研究〉【日時】2015年3月15日(日)13:00~16:30【場所】順天堂大学医学部10号館1階105カンファレンスルーム.

◆いろんな┣┣" を撃ったり撃たれたりで跡を濁しまくりつつ観音台を撤収する午後5時前.旅立ち前夜も余裕はない.旅支度とゲラ読みの夜が更けゆく.

◆本日の総歩数=10698歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.8kg(0.0kg)/ 29.4%(+0.6%)


9 februari 2015(月)※締切の嵐を生き延びて

◆午前5時前起床.昨夜の霧は晴れ,遠くまでくっきり見渡せる.気温0.3度.氷点ちょい上0.9度の観音台はやや湿り気味の底冷え.週明けは二日間は残務┣┣" 撃ちしまくる予定.BGM は景気付けにガーシュインの歌劇〈ポーギーとベス〉.アーノンクール/ヨーロッパ室内管弦楽団.

◆[欹耳袋]教える人のネターノート「150台のプロジェクターと繋いでわかったMacBookAirのお作法(詳細篇)」(2013年1月4日)※ワタクシはいつも MBA で pdf プレゼンしているが,接続順はまったく関係ない.それよりも,Thunderbolt → HDMI でプロジェクターと接続する手があったことを初めて知った.ケーブル発注.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 「生物統計学」UT-mate 成績登録終了.これで本年度の “採点の祭典” はすべて終わった./Paul J. Silvia[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行予定,講談社サイエンティフィク,東京)初校ゲラの要修正箇所(10個あまり)をチェック終了.とても読みやすい訳文なので,安心しておすすめできる./著作権許認可書類の返送./WHS と SSB のメンバーシップ更新だん.SSB は今年からウェブ決済できなくなった(ファクスやで!).WHS はいつも通りオンラインでOK.しかし今年の年会は New York Botanical Garden なのでやや盛り下がっている.もっと “僻地” で開催してほしい.国際会議は日本語も英語も通じない国でやるのがいい./その他,国内学会の支払いはまだ全部終わっていない./採点の祭典,UT-mate に最後の追加.これでホントにおしまい.

◆午後の┣┣" 撃ち —— こんないい天気に引きこもる不健康な昼休み.来年度のフレックスタイム申請./今月末の新学術領域(応募中)の会議は全体会議と分科会の二本立て.都内で泊まりこみということになるらしい./年度末の大仕事,著作物成果登録作業がやっと終わった.一年間も溜め込んでしまうと,登録フォーマット書類だけではなく,運びこむブツの数が増えすぎて.とりあえずことしは40件ほど搬入した.

◆しばし遠のく┣┣" もいれば,近寄ってくる┣┣" もいる —— 毎月アップデートしていればよかった「┣┣" 撃ちリスト」.今年に入ってから半月に一度どころか10日に一度のハイペースで更新し続けている.一頭仕留めるたびに撃墜王よろしく赤を引いていく快感.しかし,仕留めた頭数よりも,増殖個体数の方が多いので,キリがない.ワタクシはそもそも “紙” 上に┣┣" 撃ちリストをしたためるので,このA6サイズのメモ用紙をうっかりなくしたら,明日から路頭に迷うことになる.

◆今季最強の寒気が流れ込んでいる関東地方.すでに氷点下まで冷え込んでいる今夜は,とってもよーく温まるきりたんぽ鍋とともに東村山〈屋守〉の純米中取り直汲み無調整生をしゅぽんと開栓.直汲みならではの微炭酸を堪能できる.やもりラベルは期待を裏切らない.今夜はぬくぬくして寝ないとタイヘン.

◆寝読みの続き:長谷川郁夫『美酒と革嚢:第一書房・長谷川巳之吉』(2006年8月30日刊行,河出書房新社,東京,vi+441+xvii pp., 本体価格5,800円, ISBN:4-309-01773-8 → 目次版元ページ)の第2部第7章「「永住の地」へ —— 鵠沼移住」(pp. 346-360)と続く長大な第8章「第一書房新体制」(pp. 360-408).第二次世界大戦中はあれほど軍部の検閲が厳しかったにもかかわらず,出版業界は大盛況で第一書房も岩波書店も大儲けしたとの記述に驚く.長谷川巳之吉がどんどん転げ落ちていく姿がみもの.このころ,第一書房の雑誌『セルパン』にアドルフ・ヒトラー『我が闘争』の抄訳を掲載したかどで,戦後,長谷川巳之吉は公職追放されたという.

◆明日は締め切りが迫っている運営費交付金の会計システム入力をイッキに終わらせる.残念ながら “binge worker” はまだここにいる.

◆本日の総歩数=6685歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.8kg(−0.1kg)/ 28.8%(+0.6%)


8 februari 2015(日)※残務処理に勤しむ日曜

◆今朝は午前7時過ぎにのろのろ起床.外は曇ったり晴れたりすっきりしない空模様.気温も氷点下にさえならないぬるさ.やっと前日の「うう……」から脱却.

◆[欹耳袋]九州大学総合研究博物館公開講演会〈科学描画:科学と芸術のはざま〉【日時】2015年2月21日(土)13:10〜17:00【場所】九州大学箱崎キャンパス【演者】三中信宏/木村政司/田中伸幸.※ポスターが公開されている.Facebook もあり.

◆日曜の残務┣┣" 撃ち —— Paul J. Silvia[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行予定,講談社サイエンティフィク,東京)初校ゲラすべて読了.日本語で読んでも,おすすめできる本.さて,推薦文(というか檄文)をスケジュール通り書かないと./生物統計学の成績評価.明日 UT-mate に入力するん.これで今年の「採点の祭典」はおしまいだ./業績アウトプットのリストを更新.所内提出用の「研究成果登録フォーム」を前回最後に提出したのは去年の3月4日.それ以降11ヶ月間まったく何も出していない.週明けにドカッと登録する./アップルストアで “仮想的” 高額お買い物.研究室の “什器” をこの機会にまとめて更新したい.

◆雨がぽつぽつ降り始めた昼下がり.午後1時の気温は4.7度.雨足がしだいに強まってきた.午後4時前,雨は上がり,西から青空が広がってきた.今日は一歩も外に出ない日.

◆[蒐書日誌]六草いちか『それからのエリス:いま明らかになる鷗外「舞姫」の面影』(2013年9月3日刊行,講談社,東京,364 pp., 本体価格2,500円,ISBN:978-4-06-218595-0 → 版元ページ).前著:六草いちか『鷗外の恋:舞姫エリスの真実』(2011年3月8日刊行,講談社,東京,332 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-06-216758-1 → 版元ページ)の続編.なお,森鷗外の『舞姫』は青空文庫に入っている.Cf: 時事ドットコム「鴎外「舞姫」モデルの晩年明らかに=ベルリン在住のライターが調査」を踏まえた調査の顛末.

◆[欹耳袋]Jae-Cheon Sohn et al. 2015. The fossil record and taphonomy of butterflies and moths (Insecta, Lepidoptera): implications for evolutionary diversity and divergence-time estimates. BMC Evolutionary Biology 15:12. doi:10.1186/s12862-015-0290-8. abstract

◆[蒐書日誌]その他の近刊・新刊たち —— 鈴木広光『日本語活字印刷史』(2015年2月刊行,名古屋大学出版会,名古屋,本体価格5,800円,ISBN:978-4-8158-0795-5 → 版元ページ)/戸田山和久『科学的実在論を擁護する』(2015年2月刊行,名古屋大学出版会,名古屋,本体価格3,600円,ISBN:978-4-8158-0801-3 → 版元ページ)/M・P・ホール[吉村正和・大沼忠弘・山田耕士訳]『新版 カバラと薔薇十字団』(2015年1月刊行,人文書院[象徴哲学大系 III],京都,本体価格4,000円,ISBN:9784409030851 → 版元ページ)※この象徴哲学大系シリーズからはさらに3冊が新版で出る(出た)./村田麻里子『思想としてのミュージアム:ものと空間のメディア論』(2014年12月刊行,人文書院,京都,本体価格3,200円,ISBN:9784409240991 → 版元ページ).

◆外は一面の霧筑波.霧がどんどん濃くなっている.気温はほぼ氷点.明日と明後日の二日できちんとケリをつけるべき┣┣" どもがわらわら.

◆本日の総歩数=0歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=91.9kg(+1.3kg)/ 28.2%(−2.6%)


7 februari 2015(土)※新百合ヶ丘にて昼飲み

◆午前5時半起床.気温は氷点下3.3度.朝焼けグラデーション.最低気温は氷点下4.4度まで下がった.日の出がまぶしい.

◆[蒐書日誌]アマゾンにもう近刊予約が出てる! —— マニュエル・リマ[三中信宏訳]『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィクス』(2015年3月19日刊行予定,ビー・エヌ・エヌ新社, 東京, 215 pp., 予価未定, ISBN:978-4-86100-956-3 [hbk])./Paul J. Silvia[高橋さきの訳]『できる研究者の論文生産術:どうすれば「たくさん」書けるのか』(2015年4月7日刊行予定,講談社サイエンティフィク,東京)への推薦文をワタクシが書くことになり,版元より初校ゲラとともに書誌情報をいただきました.

◆[欹耳袋]高橋康介「Rとウェブの融合(ESTRELA連載記事)」(2014年7月〜)※rCharts, rmarkdown, slidify など.

◆[蒐書日誌]蜂須賀正氏『世界の涯』(2015年3月刊行予定,武江 我刊我書房 → 情報)※限定200部,定価6,200円.軽フランス装・アンカット・糸かがりというゴージャスな装幀らしい.パーソナルな復刻版なのだろうか./Hallam Stevens『Life Out of Sequence: A Data-Driven History of Bioinformatics』(2013年11月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, ISBN:9780226080178 [hbk] → 版元ページ

◆[蒐書日誌]昨夜から今朝にかけての寝読み本:長谷川郁夫『美酒と革嚢:第一書房・長谷川巳之吉』(2006年8月30日刊行,河出書房新社,東京,vi+441+xvii pp., 本体価格5,800円, ISBN:4-309-01773-8 → 目次版元ページ).第2部第5章「ある転向」(pp. 302-333).第一書房から出版された土田杏村全集を企画したのは由良哲次(由良君美の父).続いて第2部第5章「戦時体制版」(pp. 333-346).第二次世界大戦中に “転向” した長谷川巳之吉と抵抗した岩波茂雄との対比.ディテールから浮かび上がる戦時下の出版状況と出版人.

それにしても腕力が必要な寝読み本である.しかし,この『美酒と革嚢』で十分に鍛えておけば,次に待機している長谷川郁夫『吉田健一』(2014年9月30日刊行,新潮社,東京,ii+654 pp., 本体価格5,000円,ISBN:978-4-10-336391-0 → 目次版元ページ)もきっと寝読みで読破できるにちがいない.こういう “巨大本” は,かさばるので車中読書本としてはいささか不向きなので,寝読み向き.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「 「脱・時間給」、金融・製薬中心に導入へ 厚労省案:16年4月の法施行目指す 」(2015年2月6日)※「対象の職種として金融ディーラーやアナリスト、金融商品開発、コンサルタント、研究開発職の5つを例示」.「年収1075万円以上」の「研究開発職」って.

◆新百合ヶ丘にて昼飲み —— 午前10時前,つくば駅.出撃だ.『できる研究者の論文生産術』のゲラを読むTX車中.第3章まで読了.つい “朱” を入れてしまう因果な性分.正午前,新百合ヶ丘到着.ゲラの第4〜5章読了.間違って本厚木行きの各停に乗り換えそうになった.土曜のお昼.穏やかな日和の駅前は人多し.バッハのシャコンヌを弾くストリート・ミュージシャン.

今日は駅前ストリートの突き当たりにある〈La Campagna〉にて,のぐっちゃんの会.前回は出版記念パーティに振替だったので,2年ぶりの開催だ.午後2時まで立食で集中的にワインを飲むまた呑む.その後,店を吐き出された呑んだくれ集団.道行く人たちはけげんな表情で見ないふりをして通り過ぎていった.二次会は駅前ビル上の蕎麦屋〈つづらお〉にて日本酒の鯨飲へと突入.ここは神奈川だし〈昇龍蓬莱〉はマスト,そして〈紀土〉とか〈ばくれん〉とか〈雨後の月〉とか.外はまだ明るいというのに,この背徳集団はいったい何をしておるのか.

真っ昼間から延々と飲みまくりで,午後8時過ぎに小雨降るつくばに帰り着いたときはもうへろへろで使いものにならない状態.うう…….

◆本日の総歩数=7074歩. 朝◯|昼×|夜◯. 計測値(前回比)=90.6kg(−0.8kg)/ 30.8%(+0.9%)


6 februari 2015(金)※夕暮れ神楽坂の賑わい

◆午前5時半過ぎ起床.気温は氷点下1.4度.朝焼けグラデーション.時の鐘が響き渡る午前6時.結局,雪はぜんぜん降らなかったなあ.氷点下2.8度まで冷え込んだ今朝はいたるところで路面凍結.朝日を反射してまぶしいのなんの.小野川沿いで自動車と通学小学生との接触事故らしき現場を通る.運転要注意.冬晴れの観音台はどこもかしこもアイスバーンと化している.

◆[蒐書日誌]MPCM 論文集 —— László Zsolt Garamszegi (ed.) 『Modern Phylogenetic Comparative Methods and Their Application in Evolutionary Biology: Concepts and Practice』(2014年刊行, Springer-Verlag, Berlin, xvi+552 pp., ISBN:978-3-662-43550-2 [hbk] → 目次版元ページコンパニオンサイト).系統学的種間比較法の計算ツールは今ではよりどりみどり.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 大会議室にて課題評価会議を傍聴.10:30〜11:10./熊本の繁華街はアーケード街に阻まれて迎車がなかなかめんどくさいことになるらしい.滞在先ホテル直下に車が入れないという事態に./第17回日本進化学会大会【会期】2015年8月20日(木)~23日(日)【場所】中央大学・後楽園キャンパス※とりあえずカレンダーに記入して,と.

◆みぞれ降る昨日とは一転して青空が広がる観音台は日陰がまだ凍っていた.ロングコース徘徊だん.歩き読み本:宮田珠己『四次元温泉日記 』(2015年1月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・み-27-2],東京,本体価格720円, 294 pp., ISBN:978-4-480-43238-4 → 目次版元ページ)の積善館・大沢温泉・藤三旅館・日景温泉・微温湯温泉・高友旅館・喜至楼まで読了.とにかく迷路が大好きな著者.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 臨時の所議報告.独法 “超合体” の案件について./著作権管理NPOから書類が届く.ヨーン『自然を名づける』が成蹊大学法学部の「資料読解力・文章表現力」入試問題に出題されたとのこと.問題文だけで8ページもある!

◆[蒐書日誌]渡辺守『トンボの生態学』(2015年1月15日刊行,東京大学出版会[ナチュラルヒストリーシリーズ ],東京,viii+255 pp., 本体価格4,200円,ISBN:978-4-13-060196-2 → 目次版元ページ).ご恵贈感謝.東大出版会の〈ナチュラルヒストリーシリーズ〉は,1993年1月に出た糸魚川淳二『日本の自然史博物館』に始まり,すでに20年以上も続いている叢書.すでに44冊刊行されているが,前世紀のものは品切れになり始めている.ワタクシの『生物系統学』は幸いにして〈ナチュラルヒストリーシリーズ〉の1冊としてまだ淘汰されていないようで,第4刷の残部は150冊あまりとの連絡が先月あった.うまくいけば「輝け!第5刷」かと捕らぬ狸の皮算用の真っ最中.

◆夕闇の神楽坂をうろうろ —— 午後4時半,つくば駅.これから夕暮れの神楽坂に向かう.午後6時前,夕暮れの神楽坂に立つ.うねうねした坂道の路地には両側にお店が並ぶ.夕闇が降りてくると灯火がひとつまたひとつ.しかし,ワタクシはそういう誘惑をものともせず,東京理科大の “無粋” なビルディングに吸い込まれていくのだった.

今宵は計量生物学会の対面理事会という御役目あり.医学統計学のOHS御大とかST前会長とか重鎮がずらり.来年度の年会は2016年3月3日(木)〜5日(土)と決定.その他,細々とした議題が次から次へと.理事会終了後は神楽坂にトラップされることなく健全に直帰.ヘルシーな夜も(たまには)あるということで.

◆今夜は健全でも,明日は真っ昼間から飲みまくるのでまことに不健全.

◆本日の総歩数=15427歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)=91.4kg(+0.1kg)/ 29.9%(−0.3%)


5 februari 2015(木)※観音台にみぞれが降る

◆午前5時前起床.気温2.4度.まだ何も降っていない.冷たい小雨が降りだした観音台.都内はすでに雪になっているようだが,茨城県南部はまだ雨のまま.午前8時の気温は2.0度.

◆[欹耳袋]店じまい2件 —— 農林水産省共済組合〈南青山会館〉は今月いっぱいで閉館になるとのこと.以前は東京に出かけたおりにときどき利用したし,カンヅメ論文書きに没頭するため奥の “座敷牢” に自主的に幽閉されたこともあった./北白川の〈ガケ書房〉がもうすぐ移転するとは知らなんだー.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今年もまた『月刊みすず』の「読書アンケート特集」号57巻1号[no. 634]2015年1-2月合併号(2015年2月1日発行,みすず書房,東京,本体価格300円 → 版元ページ)が届いた.毎年2月はじめにこの特集号を読むのは年中行事のひとつとなっている.今年はサイエンス系の本がいつもより少ないかも.ワタクシの寄稿は pp. 92~93.挙げた本たちはこちら:leeswijzer「『月刊みすず』「読書アンケート」用セレクション5冊+次点5冊」(2014年12月31日)./原稿原稿また原稿:

  • [つくば]羊土社・連載〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉原稿,925字だん. posted at 09:30:14
  • [つくば]羊土社・連載〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉原稿,1215字だん. posted at 09:59:07
  • [つくば]羊土社・連載〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉原稿,941字だん. posted at 10:25:42
  • [つくば]羊土社・連載〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉原稿,1155字だん. posted at 11:15:22

以上で,羊土社・連載〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉の最終回連載記事「データ解析と統計的推論 — 連載の総括として」の原稿(4,603字)は書き終えた.速攻で編集部に送信.これで連載は大団円.単行本化の作業は先のこと.

◆朝からずっと小雨が降り続いている@観音台.午前11時の気温は2.0度.雪の気配はまだない.さすがにこの天気では昼休み徘徊はムリなので,月刊みすずでもめくりながらひっそりした時間を過ごすことにしよう.

◆[欹耳袋]ウミガメの頃「諸刃の剣としての今日的人種科学 Fullwiley, “The Contemporary Synthesis”」(2015年2月4日)※「人々の遺伝的な違いが従来通りの政治的・社会的な人種分類に結び付けられてしまう傾向が加速」.Target article – Duana Fullwiley 2014. The “Contemporary Synthesis”: When Politically Inclusive Genomic Science Relies on Biological Notions of Race. Isis, 105(4): 803-814 DOI: 10.1086/679427

◆融けかけのかき氷のようなみぞれが降りしきるなか,夕暮れの観音台を撤収.気温は1.6度.昼間は雨だったが,これから雪に変わる?

◆[蒐書日誌]実に8年ぶりの “再起動” —— 長谷川郁夫『美酒と革嚢:第一書房・長谷川巳之吉』(2006年8月30日刊行,河出書房新社,東京,vi+441+xvii pp., 本体価格5,800円, ISBN:4-309-01773-8 → 目次版元ページ).夜の寝読み本.この巨大な評伝本は半分以上読んだところで放り出してしまった.第2部第3章まで読み終えたのが2007年3月のことだったので,実に8年ぶりに続きを再開したことになる.

今さら素知らぬふりをしてその続きを読み進むべきか,それとも反省して禊をすませて最初から読み直すべきか迷っていたのだが,再開の第一歩は第2部第4章「春山行夫登場」(pp. 265-302)読了.意外にも忘れているようで話の筋をちゃんと覚えている.日本のグラフィック・デザイナーの先駆だった亀倉雄策が弱冠19歳で第一書房に乗り込んでくる場面がすごい(pp. 267ff.).

◆夜の┣┣" 撃ち —— 『THE BOOK OF TREES — 系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィクス』の巻末「訳者解説」の初校ゲラが着弾.レイアウト変更により図版が大きくなって可読性アップ.頑張って書いたので,7000字+図版3枚で刷り上がり6ページにもなった.これで初校のチェック作業はすべて完了.あとは来週に出る予定の再校ゲラを待つばかり.

◆どうやら予報は外れて雪は降らなさそうなので,明日は平常出勤.夕方から神楽坂へ.

◆本日の総歩数=2423歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.3kg(+0.4kg)/ 30.2%(+0.2%)


4 februari 2015(水)※さらさら流れ去る立春

◆午前5時半過ぎ起床.気温は氷点下4.0度まで下がっている.雲がやや多めの観音台.朝方の最低気温は氷点下4.9度.午前8時の今も氷点下2.9度と厳しい冷え込みが続く.『月刊みすず』2015年1・2月号「読書アンケート特集」号がまだつくばには届かない…….不安を掻き立てるオリヴィエ・メシアン〈クロノクロミー〉を聴きながら待っている.

◆[欹耳袋]〈正直なシラバス〉という正直なサイト —— ICT教育ニュース「Woolop/大学・教授の評価を見られるクチコミサイトに正式版」(2015年2月2日) → このサイト〈正直なシラバス〉は学生起業家が頑張っているのか:東京大学新聞オンライン「「正直なシラバス」はいかにして立ち上がったか」(2014年10月29日).ワタクシもすでに俎上に乗っている.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来月末の日本動物遺伝育種学会・在来家畜研究会公開合同シンポジウムの日程をうっかり勘違いして,ホテル予約が一日ずれていたことが今日になって発覚.あわてて変更.年度末の方々の出張先ホテルをまとめてオンライン予約すると,ときどきこういう日程選択ミスがある.要注意.宇都宮を含めて年度末の出張計6件のホテル予約状況を再確認.他は問題ないようで一安心.

◆[欹耳袋]ある研究所の末路 —— 読売新聞「大阪バイオ研が解散へ…補助金廃止、理研に譲渡」(2015年2月3日)※「OBIの施設は今後も理研が活用していくとはいえ、研究や人員は引き継がれない。関係者からは「大阪の財産の喪失」との声も漏れる」/産経ニュース「大阪バイオ研、3月解散へ 大阪市が補助金打ち切り 理研に譲渡」(2015年2月3日)※「同市の担当者は「OBIの研究成果が無にならないよう、理研に継承してもらいたい」と話した」— あんじょう頼んまっせ,てか?

◆[蒐書日誌]越智敏之『魚で始まる世界史:ニシンとタラとヨーロッパ』(2014年6月13日刊行,平凡社[平凡社新書・740],東京, 237 pp., ISBN:978-4-582-85740-5 → 目次版元ページ)の書評公開:三中信宏「ニシンとタラが世界史をまわす」(2015年2月4日).

◆青空の観音台は風もなく正午の気温は7.4度と春の到来を予期させる.ロングコースで徘徊してきた.本日の歩き読み本:宮田珠己『四次元温泉日記 』(2015年1月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・み-27-2],東京,本体価格720円, 294 pp., ISBN:978-4-480-43238-4 → 目次版元ページ)の木屋旅館,麻吉旅館,そして甲子温泉.P. 86:「温泉旅行とは,つまり何もしない旅行のことである」「見聞も広まらず,見るべきものも見ず,明日に向かって何も前進しないのが温泉旅行の醍醐味である」.つげ義春の温泉話みたいな.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 自然史学会連合が編纂した子ども向けの自然史書籍がもうすぐ誠文堂新光社から出版されるとのこと.ワタクシが取材されたのは見開き2ページ分だけ./羊土社『実験医学』2015年4月号掲載予定の連載:三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉第12回「データ解析と統計的推論 — 連載の総括として」をいま書いているところ.最終回なので「おあとがよろしいようで」と言わなければならない./【教訓】Trying to write isn't writing (p. 52) — Paul J. Silvia 2007. How to Write a Lot.

◆今日も夕焼けグラデーションとともに観音台を撤収.そろそろ来週の熊本巡業の準備をしないと.とりあえず,ひさしぶりに VAIO くんを起動して,勝手に好きなだけ更新作業に耽っていただくことにする.R まわりのバージョンアップいろいろはそのあとの話.明日は朝から雪になり,明後日にかけて降り続くらしい.出勤の足の確保をどうするか.

◆本日の総歩数=12013歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.9kg(+0.7kg)/ 30.0%(−0.6%)


3 februari 2015(火)※♪〜┣┣" は外ぉ〜♪

◆午前5時前起床.気温は氷点下5.2度と冷え込みがことのほかきびしい夜明け前.朝焼けグラデーション.今朝の最低気温は氷点下5.9度だった.乾燥した冬晴れの観音台に霜柱が立つ.午前8時の気温は氷点下2.1度.今朝もチッコリーニのサティが流れる研究室.

◆[欹耳袋]研究学園駅前にシェアスペース〈ヴィアート〉施設があるとはぜんぜん知らなんだ.もっくんカフェとかはしばみとか知っているお店も出てるし.

◆午前の┣┣" 撃ち —— MacBook Air のディスク容量がいよいよきつくなってきたので(そろそろ買い換えるべきか),Mail と添付ファイルの大掃除をしたら,なんと4GBほど減量できてしまった! 日頃からどんだけメール出しまくっているのか./運営費交付金の会計システム入力期限は「2月16日」とのこと.誰も遅れてはならぬ./来月の生態学会鹿児島大会の航空券領収書を事務に提出.

◆[欹耳袋]「キュジャスの系図表(stemma de Cujas)」関連資料まとめ —— 蒐集家ジャック・キュジャス(Jaques Cujas)が1564年に公刊した「キュジャスの系図表」は,もともと9世紀末の『西ゴート族のローマ法典(Lex Romana Visigothorum)』に所収された図版である.最古の系図表(stemma)とされるこの図版は,家系図のもっとも古い祖型のひとつであり,時代的には「樹」よりも前に用いられていた.関連する調べ物をした備忘メモ:

  • Christiane Klapisch-Zuber『L'ombre des ancêtres : essai sur l'imaginaire médiéval de la parenté』(2000年刊行,Librairie Arthème Fayard, Paris, 458pp with 24 plates. ISBN:2-213-60427-4 [pbk]→目次).Pp. 24-25 に解説文,小さなモノクロ図版 no. 2.
  • Christiane Klapisch-Zuber『L'arbre des familles』(2003年刊行,Éditions de La Martinière, Paris, 215 pp., ISBN:2732428256 [hbk]).Pp. 32-33 に解説とカラー図版(大判フルページ).
  • Alexander Patschovsky (Hrsg.)『Die Bildwelt der Diagramme Joachims von Fiore: Zur Medialität religiös-politischer Programme im Mittelalter』(2003年12月刊行,Jan Thorbecke Verlag, Ostfildern, x+277 pp., ISBN:3-7995-0130-4 [hbk] → 目次版元ページ編者サイト).冒頭章:Steffen Bogen und Felix Thürlemann「Jenseits der Opposition von Text und Bild. Überlegungen zu einer Theorie des Diagramms und des Diagrammatischen」(pp. 1-22)の pp. 12-15 に解説,p. 218 にカラー図版(完全サイズ)BT5 とそのドイツ語解説図 BT6.
  • Hermann Schadt『Die Darstellungen der Arbores Consanguinitatis und der Arbores Affinitates : Bildschemata in juristischen Handschriften』 (1982年刊行,Verlag Ernst Wasmuth, Tübingen, 412 pp. with 88 plates., ISBN:3-8030-4006-X).Pp. 27-33「Das Agnationsschema: Typ 1」 に解説,p. 368 に図版解説(Typ 1 カテゴリーの Aufbau の解説),モノクロ図版 Nr. 1.
  • Stemma Agnationis. P. F. Girard & F. Senn 1967 Textes de droit romain, tome I. Paris, pp. 470-471, n. 26. キュジャスの系図表のトランスクリプション.
  • Jean-Baptiste Piggin: Rereading Isidore. 「 The oldest surviving document containing a matrix of this type, from the late 9th century, has become known as the Stemma of Cujas, after a collector, Jacques Cujas, who published it in 1564」
  • 種村剛(TANEMURA, Takeshi):法-中世-ヨーロッパ. 「西ゴート族は、西ゴート人には『エウリック王法典』(Codex Euricianus 475年頃)、ローマ人には、『西ゴート族のローマ人法典』(Lex Romana Visigothorum)いわゆる『アラリック抄典』(Breviarium Alaricianum 506年頃編纂)が公布された。」
  • Wikipedia: Lex Romana Visigothorum. 「La Lex Romana Visigothorum (o Wisigothorum), detta anche Breviarium alaricianum, è una raccolta di leggi scritte composta dai Visigoti durante il loro dominio nella Gallia meridionale, con capitale Tolosa, voluta da Alarico II nel 506.」

◆昼休みの観音台.気温は7.1度と低めだったが,風はほとんどないも同然で徘徊日和の昼下がりだった.農環研の実験圃場の茂みをメジロが縫っていた.歩き読み本:越智敏之『魚で始まる世界史:ニシンとタラとヨーロッパ』(2014年6月13日刊行,平凡社[平凡社新書・740],東京, 237 pp., ISBN:978-4-582-85740-5 → 目次版元ページ)読了.後半章は北米沿岸のタラが主役.タラは塩なしできっちり乾燥すれば5年間も保存が効くという優良食材.ただしハンマーでさんざん叩きのめして,何日も水に漬けないと食べられなかったらしい.最終章には,かつての魚食レシピが載っている.ただし,どれもこれもいっこうに食欲が湧かない…….脂の乗ったニシンに果物を詰めてベリーの酸っぱい果汁をかけるとかありえへんやろ.タラにいたってはとても臭かったらしい.京都の〈いもぼう〉を見習いなさい.とどめを刺すのは「うなぎパイ」.けっして浜松の銘菓を想像してはならない.生のうなぎをぶつ切りにして,パターたっぷりのパイ生地で焼き上げる料理らしいが,ワタクシはけっして食べたくない……(胸焼けしそう).ということで,『魚で始まる世界史』は漁業をめぐる権力争いが世界史を動かす大きな要因だったことを示すとてもおもしろい本で,魚や肉が当時の西洋社会の中でどのようなイメージを帯びていたのかがわかる.ただし,レシピはイマイチな気がした(著者を責めているわけではない).

◆チッコリーニのエリック・サティ:ピアノ音楽全集は全5CD聴き終わった.午後イチの BGM はマーラー3番.エサ=ペッカ・サロネン/ロスアンジェルス・フィルハーモニック.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 第4回連載原稿を図版URLとともに編集部にメール送信./著作権管理団体からメールあり.拙訳『自然を名づける』が都内某大学の入試問題に出題されたらしい(きっと「現代国語」だろう).入試問題集への転載に関する承諾書類を送るとのこと.大学入試シーズンが始まったので,今年もどこかの入試会場でワタクシの文章に悩む受験生がきっと…….

◆[欹耳袋]今日の朝日新聞夕刊に「ニュートン、植物学でも先進 現代の学説に近いメモ、英の学者分析」という記事が載っていた.出典は「2日付の英科学誌ネイチャーの関連誌で発表した」と.そーいう引用のしかたではアカンて,何べん言うたらわかるねん! 元論文:David J. Beerling | Newton and the ascent of water in plants | Nature Plants, 1, 2 Feb 2015,​doi:10.1038/nplants.2015.5.Nature 姉妹誌の newcomer か.

◆夜のお仕事の確定申告作業.ひー.まだ時間があるけど覚悟だけはしておこう.

◆本日の総歩数=12648歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.2kg(−0.4kg)/ 30.6%(−0.8%)


2 februari 2015(月)※ゲラ読みの幕が下りる

◆午前5時半起床.気温は氷点下2.4度.朝焼けグラデーション.夜明けがだんだん早くなる.気温は氷点下4.3度まで下がっている.今朝の最低気温は氷点下5.2度.霜と氷の観音台は冬晴れの空が広がっている.武満徹全集視聴週間,今週の BGM はギター独奏〈Equinox〉から始まる.

◆[欹耳袋]河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり「競争的資金に関する新ルール!」(2015年1月29日).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 啓蟄は一ヶ月も先なのに『系統樹大全』訳者あとがきの文献リストが “蟲” の巣窟になっている.マニュエル・リマ『系統樹大全』訳者あとがき「知識の大いなる樹 — 千年の時を超えて」(pp. 202-206)ゲラ読み完了.文献追加6件.以上で,索引を除くすべてのゲラ読みが終了した.訳者あとがきの図版3枚がもう少し大きくなるといいなぁとつぶやいてみる./月刊みすず〈読書アンケート特集〉号はもうすぐつくばにも届くだろう.

◆[欹耳袋]読売新聞「仏の世界的ピアニスト、チッコリーニさん死去」(2015年2月2日)※アルド・チッコリーニ〈エリック・サティ:ピアノ音楽全集〉という全5巻CDが手元にある.午後の BGM は急遽予定を変更して,チッコリーニのサティを聴くことにしよう.そういえば,秋山邦晴『エリック・サティ覚え書[新装版]』(2005年11月20日刊行[初版1990年6月],青土社, ISBN:4-7917-6214-2 → 目次)という分厚い本が書棚の上にずっと鎮座している.半分くらい読んで放置したままはや数年が経つ.ジョルジュ・ペレックを読むとサティを連想するのはなぜだろう.

◆早春の日差しがさんさんと降り注ぐお昼休みはロングコースの徘徊タイム.正午の気温は6.9度.北風はやや冷たいが,うろうろ歩きまわれば十分に暖かい.茂みからはキジの鳴き声が聞こえてきた.歩き読み本:越智敏之『魚で始まる世界史:ニシンとタラとヨーロッパ』(2014年6月13日刊行,平凡社[平凡社新書・740],東京, 237 pp., ISBN:978-4-582-85740-5 → 目次版元ページ)の第4章まで読了.ニシンが世界史を廻していた時代のこと.

◆[蒐書日誌]宮田珠己『四次元温泉日記 』(2015年1月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・み-27-2],東京,本体価格720円, 294 pp., ISBN:978-4-480-43238-4 → 目次版元ページ).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後の BGM はチッコリーニのサティピアノ全集だ./明日〆切の成績入力案件は完了./本郷から新年度の時間割表が届く.「105分」講義が始まってしまう.コンテンツの “切り分け方” を考えなおさないといけない./来年度の出講関連書類一式返送./連載第3回.色校確認してこれでOKと思ったら,本文中に重大ミスがあり,あわてて修正箇所を指示したところ.あぶないあぶない.

◆昼間は早春らしい日和だったが,夕焼けグラデーションから宵の明星が輝くこの時間帯になると,しんしんと寒さが忍び寄る.今宵も何かしら暖かい飲み屋メニューを用意したくなるのはいたしかたない.

◆本日の総歩数=12019歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.6kg(+0.3kg)/ 31.4%(+0.8%)


1 februari 2015(日)※残務処理に追われる日

◆午前5時半起床.気温は氷点下0.1度.メーリングリスト月例アナウンス送信.早朝の最低気温は氷点下4.0度まで下がった.

◆[欹耳袋]九州大学総合研究博物館公開講演会〈科学描画:科学と芸術のはざま〉【日時】2015年2月21日(土)13:10〜17:00【場所】九州大学箱崎キャンパス(旧工学部本館1階大講義室)【演者】三中信宏(農業環境技術研究所)/木村政司(日本大学)/田中伸幸(高知県立牧野植物園).そろそろこのトーク準備をはじめないと.

◆[蒐書日誌]ジャック・ブロス[藤井史郎・藤田尊潮・善本孝訳]『世界樹木神話【新装版】』(2008年10月30日刊行,八坂書房,東京,528 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-89694-919-3 → 目次版元ページ).先日,渋谷の Bunkamura ザ・ミュージアムのショップで現物をたまたま見かけたので発注.こういう樹木文化史の大著がすでに出ていたとはぜんぜん知らなかった.偶然邂逅のたまもの.2000年8月に出た翻訳の新装版とのこと.原書は:Jacques Brosse『Mythologie des arbres』 (1989年刊行, Librairie Plon, Paris, ISBN:2259020313).

本書と同様の視点で,「樹木」を文化史的に考察した以下の本も手元にある:

  • Roger Cook『The Tree of Life: Image for the Cosmos』(1974年11月刊行,Avon Books, New York, 128 pp. → 目次).訳本:ロジャー・クック[植島啓司訳]『生命の樹:中心のシンボリズム』(1982年12月15日刊行,平凡社[イメージの博物誌15]→ 目次
  • 杉浦康平『生命の樹・花宇宙』(2000年7月30日刊行,日本放送協会出版,269 pp., ISBN:4-14-080488-2 → 書評・目次
  • Alexander Demandt『Über allen Wipfeln: Der Baum in der Kulturgeschichte』(2002年刊行, Böhlau Verlag, Köln[Reprinted in 2005. Albatros Verlag, Düsseldorf], xii + 366 pp. with 16 color plates, ISBN:3-491-96140-8 [hbk] → 目次

◆昼下がりのつくばはまた北風が強まってきた.正午の気温は7.8度だが,体感気温はずっと低い.冷たい北風に吹きさらされる観音台へ.午後2時の気温は7.5度.風速は8メートル,瞬間的に15メートルを越えている.人気のない居室の BGM はオリヴィエ・メシアン〈世の終わりのための四重奏曲〉.空調が切られてとても涼しい研究所にてごそごそと.

◆昨年師走から溜めまくっていた統計質問の数々を一挙に処理する大仕事 ——

  • #TodaiStat 1月28日(水)の補講での質問と回答.この日は形態測定学の噺でした. posted at 14:38:47
  • #TodaiStat 【質問】「形態測定学の講義を開講した方がよいのでは?」/【回答】大学院の集中講義としてはこれまで何度か開講しているのですが,学部生相手は未経験ゾーン. posted at 14:40:11
  • #TodaiStat 【質問】「形態はすごく興味があったのに,数学と解析ごりごりでやめようかと思いました」/【回答】ルーツは比較形態学とか進化形態学であっても,形態測定学はまったく別次元のツールを使いますからねぇ. posted at 14:42:33
  • #TodaiStat 【質問】「薄板スプラインを使った形態変形の記述ですが,標識点をたくさん取らないとダメでしょう.標識点の選び方の恣意性も問題」/【回答】まさにその通りで,標識点が唯一のデータ源であるときには対応関係が確実な相同点対をどう設定するかは大問題. posted at 14:45:57
  • #TodaiStat 【回答】標識点だけではなく,点の近傍での微分係数をも情報源とする拡張版(sliding semilandmark 法)もあります.輪郭曲線の情報を取り込むには適したやり方. posted at 14:48:10
  • #TodaiStat 【質問】「サイズとシェイプについては “反転” 変換は考えないのですか?」/【回答】反転ももちろん考えます.ひっくり返して一致するシェイプは同じ同値類に属するということ. posted at 14:50:01
  • #TodaiStat 【質問】「種ごとのシェイプの差には興味ないのですが,個体の成長に伴うシェイプの変化には興味がわきました」/【回答】個体発生上の形状変化についてはすでに形態測定学の適用事例がいくつもあります. posted at 14:51:50
  • #TodaiStat 補講で話した幾何学的形態測定学について勉強するなら,まずは Miriam L. Zelditch らの教科書 ow.ly/IhzjD とコンパニオンサイト ow.ly/IhzjE から入門するのがベストでしょう. posted at 14:55:42
  • #TodaiStat また,講義中にデモした,薄板スプライン系のフリーソフト(tpsTri, tpsSplin, tpsRegr, tpsRelw)については SUNY Stony Brook の形態測定学ポータルサイト ow.ly/IhzoQ へ. posted at 14:57:54
  • #TodaiStat 【質問】「メインフレーム上の SPSS ユーザーでした.R デモを見るといい時代になったものだと感心します」/【回答】駒場生のみなさんがそう受け取ってくれれば講義した甲斐があるというもの. posted at 15:00:10
  • #TodaiStat 【質問】「レポート課題に出された Stanford Encyclopedia of Philosophy は初めて見ました.面白そうです」/【回答】今後ももっと科学哲学してください. posted at 15:01:36

  • #TodaiStat 一週さかのぼって1月15日の講義での質問と回答. posted at 15:13:57
  • #TodaiStat この日は十八番の「系統・分類」の噺だった. posted at 15:15:20
  • #TodaiStat 【質問】「系統や分類で系譜化・集団化するのはいいが,それ自体に普遍化された意味があるのか疑問に思った.根本原理を提唱しようとする流れがなければ個々をつないで導かれる結論の利用価値が損なわれるのではないか?」 posted at 15:17:40
  • #TodaiStat 【回答】あるオブジェクト集合の系統や分類を実行する目的は,一般的・普遍的な法則性を求めているわけではけっしてありません.多様性を理解するために必要な知識の獲得がそもそもの動機だったはずです. posted at 15:20:07
  • #TodaiStat 【質問】「日本人が個別コレクションを志向し,根本原理が “天から降ってくる” 由来はどこに?」/【回答】西村三郎1999『文明の中の博物学:西欧と日本』紀伊国屋書店と山田慶兒(編)1995 『東アジアの本草と博物学の世界』思文閣出版をどーぞ. posted at 15:24:47
  • #TodaiStat 【質問】「系統樹を生命に適用するのはむしろ新しいというは目からウロコ.南方曼荼羅が「何かすごそう」と思う気持ちは私にもある」/【回答】南方曼荼羅についてはこちらを:三中信宏 2013「南方曼陀羅:世界を体系化するある思惟の図像的背景」科学,906-909. posted at 15:28:58
  • #TodaiStat この記事は pdf もダウンロードできます: ow.ly/IhAMH posted at 15:30:46

  • #TodaiStat さらに一週さかのぼって1月8日の質問と回答.この日はベイズ統計学でした. posted at 15:35:54
  • #TodaiStat 【質問】「ベイズについてとてもよくわかりました」vs.「ぜんぜんわかんなかった(泣)」/【回答】それがベイズです(キリッ). posted at 15:38:31
  • #TodaiStat 【質問】「ベイズをめぐる哲学的な問題点って?」/【回答】統計学からいえば「主観的確率」をどう考えればいいのかという問題が中心ですが,科学哲学からいえば「ベイズ確証理論,OK?」というもっと大きな問題が潜んでいます. posted at 15:41:04
  • #TodaiStat 【質問】「ベイズは実用的だと思いますが,事前確率分布を使うのは美しくない」/【回答】「美しくない」!「美しくない」!「美しくない」!— 大事な点なので三回繰り返しました. posted at 15:42:42
  • #TodaiStat 【質問】「最近,ベイズが流行っているのはなぜでしょうか?」/【回答】ワタクシも知りたいです — というのは冗談としても(棒読み),多くのパラメーターを含む複雑な統計モデルを扱える現実的手法はベイズ法だけというのは事実です. posted at 15:47:10
  • #TodaiStat ワタクシの「おすすめ本リスト」 ow.ly/IhBpG にも挙げましたが,ベイズ統計学が今なぜこんなに?と関心のある人は,シャロン・バーチュ・マグレイン[冨永星訳]『異端の統計学ベイズ』(2013年10月,草思社)をどーぞ. posted at 15:49:46
  • #TodaiStat 【質問】「ベイジアン MCMC のデモがきれいでした」/【回答】デモに用いた MCMCRobot www.mcmcrobot.org はぜひお試しを. posted at 15:52:32
  • #TodaiStat また,もうひとつの MCMC アニメーションはこちら:「Animating the Metropolis Algorithm」 ow.ly/IhBAh ※統計学の理解を深めるには静止画像や動画がとても効果的です. posted at 15:53:49

ここまででやっと1月分が終わった.しかし,まだ昨年の師走分が残っている.しかし,居室が冷蔵庫のように冷たくなってきたし,ジョン・ケージも終わったし,そろそろ撤収しよう.

  • #TodaiStat さらにさらに一週間さかのぼって,昨年12月18日の質問と回答.この日のお題はリサンプリング統計学(ブーツストラップとかジャックナイフとか)でした. posted at 17:56:32
  • #TodaiStat 【質問】「リサンプリング統計法は考え方がシンプルでわかりやすかったです」/【回答】善哉善哉. posted at 17:57:25
  • #TodaiStat 【質問】「母集団の一部にすぎないデータからさらにリサンプリングするというのは乏しい情報をさらに乏しくするようなもの.データの全部分集合に対して統計量を計算してそのばらつきを求めた方がいいのではないか? コンピューターを使えばそういう網羅的計算も可能だろう.」 posted at 18:00:49
  • #TodaiStat 【回答】データの全部分集合からの計算は問題のサイズが大きくなると手に負えなくなります.リサンプリング統計手法はデータを繰り返し “揺さぶる” ことで統計量のばらつきを定量的に評価する方法だとみなしてください. posted at 18:04:28
  • #TodaiStat 【質問】「ブー “ツ” ストラップとは認めたくない」/【回答】『ほらふき男爵の大冒険』に出てくるブーツのひも(ストラップ)をひっぱって空を飛ぶ法螺話が bootstrap 法のルーツです.したがって「ブートストラップ」という呼び名はワタクシ的には拒否します. posted at 18:07:46
  • #TodaiStat 【質問】「RStudio は無料ソフトウェアですか?」/【回答】事前に R をインストールした上で,RStudio www.rstudio.com をダウンロードしてください.もちろん無料です. posted at 18:09:26
  • #TodaiStat 【質問】「前回の多変量解析の講義で,4次元立体を切断するとき,切り口の3次元断面を見ていたのか,それともディスプレイ上で2次元断面を見ていたのか?」/【回答】4次元立方体の3次元切断面を2次元平面に射影して見ていたことになります. posted at 18:12:52

  • #TodaiStat まだ続く質問回答劇.さらにさらに一週間さかのぼって12月11日分.この日は多変量データと多変量解析について話した. posted at 18:20:07
  • #TodaiStat 【質問】「主成分分析やクラスター分析は多変量データの意味付けとか可視化のツールではあっても,何の役に立つのかがわかりません.結論を出すためのツールではなく,研究方針などを見定めるためのツールということでしょうか?」/【回答】まさに,それ! posted at 18:26:52
  • #TodaiStat 【質問】「4次元以上の超立体がぜんぜん “見えません” ……」/【回答】見えなくても日常生活には困らないと思いますよ. posted at 18:29:16
  • #TodaiStat 【質問】「データ集合の分散・共分散によっては,クラスター分析で点間の単純な距離は不適切ではないか?」/【回答】クラスター分析は群(クラスター)の構造を “発見” するための手法なので,データ集合とはいえ単純な構造を仮定しているわけではありません. posted at 18:32:33

  • #TodaiStat 最後は12月4日分.この日は一般化線形モデルと多変量パラメトリック統計学の話をした(ような覚えがある). posted at 18:36:18
  • #TodaiStat 【質問】「リンク関数って生データを関数変換したものですか?」/【回答】ピンポン. posted at 18:37:48
  • #TodaiStat 【質問】「GAM がよくわからなかった」/【回答】GAM についてはよく説明しなかったので. posted at 18:38:52
  • #TodaiStat 【質問】「線形代数は習ってません……」「行列が出てきてとてもカナシかった」/【回答】今からでも遅くないので,ベクトル・行列・線形代数は駒場の教科書を復習しましょう.文系でも理系でも線形代数と微積分は必須ツールです. posted at 18:41:15
  • #TodaiStat 【質問】「ポアソン回帰の説明に使った実例で,スワルスキーカブリダニは生物農薬の一種なので,益虫ダニに対する殺菌剤の悪影響を調べた実験でしょう」/【回答】すまん,もう一回勉強してくる. posted at 18:43:46

—— 以上をもって,過去6回分の質問票への回答とします(→ Inleiding tot de R-statistiek にも載せました).【教訓】質問票を年越しでずっと抱え込んではいけません.

◆今日も鮮やかな夕焼けグラデーション.午後5時の気温は4.6度.呑み屋メニューはもう手慣れたもので.今宵は鶏手羽元&ゆで卵&皮付きじゃがいもの和風煮込み.手羽元1kgに対して,味付けはいつも通り日本酒150cc/三河みりん100cc/濃口醤油50ccの割合.まずは厚手の深鍋を熱してオリーヴオイルで手羽元を焦げ目が付くように炒める.日本酒とみりんを注いでひと煮立ちさせ,中火にしてからゆで卵と皮付きジャガイモ(今回はインカのめざめ)を投入.醤油を注ぎ,蓋をして焦げつかないように中火でじっくり煮上げる.ジャガイモに串が通ればできあがり.残ったつゆを絡めて味をなじませる.失敗することはまずない.今宵は秋田の〈刈穂〉「六舟」26BY純米吟醸・無濾過中取り生原酒を開栓.きりりとフレッシュ.

◆明日からは平常労働日.向こう10日間はどこにも遠出せず観音台に実在する予定.

◆本日の総歩数=1071歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.3kg(−0.3kg)/ 30.6%(0.0%)


--- het eind van dagboek ---