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日録2014年12月 


31 december 2014(水)※厨房に籠って年を越す

◆午前5時起床.気温は氷点下2.3度まで下がっている.花も嵐も踏み倒し,今日はいよいよ大晦日.新年に向けての厨房作業は着々と進んでいるのだが,一昨日から始まった黒豆がやっと完成.今年はこんな感じのしあがりに.

◆【黒豆 version 2014】 ——

  1. 用意するもの:黒豆250グラム・砂糖250グラム・日本酒小さじ2・薄口醤油50cc・水1.5リットル.※重曹と鉄くぎは不要.
  2. 前日から黒豆は鉄の厚手のフライパンに入れて24時間水に浸す.
  3. 黒豆の吸水が終われば砂糖250グラム・日本酒小さじ2・薄口醤油50ccを加えて沸騰させる.いったん火を止め戸外で放置して冷めるのを待つ.余分な煮汁は別容器に取り分け,黒豆が完全に浸るくらいの液量にする.
  4. 再び火入れし,沸騰したらごく弱火にして,アルミホイルの落し蓋をした上,約10時間ことこと煮る.水分が少なくなってきたら取り分けた煮汁を足し続け,炊いている間は黒豆が煮汁から絶対に露出しないようモニターし続ける.これがしわが寄らずにふっくらと炊き上がるコツ.
  5. 黒豆が十分に柔らかくなったら,火からおろして,フライパンに入れたまま落としぶたとラップで密閉したのち,戸外に一晩放置する.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「妻よ、家事能力の低い夫を叱らないで — 武蔵大学社会学部助教・田中俊之さん」(2014年12月26日)※「仕事と家庭との両立に理解を示さないいわゆる「粘土層」の人達」「明文化されていない「企業風土」が足かせ」— 中高年世代を指す「粘土層」という形容表現を初めて見た.さわると汚れる,除去するのがめんどうくさい,いつまでも淀んでいて水が澄まないというイメージの文字化かな.ワタクシは1970年代前半の京都の府立高校で「家庭科男女共修」世代だったが,家庭科を受講したかどうかが日常的な家事・育児・介護などに取り組む姿勢に “有意差” をもたらすとはとても思えない.一人暮らしをする・乳幼児や老人が身近にいるという状況がもっと重要./Togetter -「介護と仕事の両立への備えについて」※たしかに,ある日いきなり表面化する問題なので,心の準備と事前知識はとても重要.

◆午後1時過ぎには気温12.5度まで上がり,大晦日に小春日和と呼ぶのはおかしいが,暖かな昼下がりの日差し,NHK-BS3では〈昼下がりの情事〉絶賛放映中.それに合わせて昼下がりの「ローストビーフ焼き」に入る.魅惑のワルツならぬ魅惑の牛肉は前夜からしっかり下味を付けておいた(今回はやや和風なテイストに).500g塊なので,いつもどおり150度×40分の設定でローストする.粗熱が取れたらすぐに食べる分はそのまま冷まし,それ以外は冷蔵庫または冷凍庫へ直行させ,年明けの解凍を待つ.いちばん細いのを試しに切ってみたら,ややウェルダンだったかも.あまり肉々しくない年の暮れ.

◆毎年恒例となったみすず書房の『月刊みすず』の年頭「読書アンケート」特集.原稿はまだ書いていないけど,今回は下記の5冊を選び,次点5冊と合わせて下記の通りリストアップした:

●今年の5冊

【書名】The Book of Trees: Visualizing Branches of Knowledge
【著者】Manuel Lima
【刊行】2014年4月
【出版】Princeton Architectural Press, New York
【ISBN】978-1-61689-218-0 [hbk]
【目次】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140415/1397545362
【短評】フルカラー版のアナザー「系統樹曼荼羅」本.千年の時を超えて知識の樹と情報可視化がつながる偶然と必然.

【書名】科学の地理学:場所が問題になるとき
【著者】デイヴィッド・リヴィングストン[梶雅範・山田俊弘訳]
【刊行】2014年6月16日
【出版】法政大学出版局,東京
【ISBN】978-4-588-37120-2
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140814/1407913851
【短評】ローカルな研究の場で生まれる科学的知識は格闘して初めてグローバルになれることを具体的事例とともに論じた本.

【書名】実在論と知識の自然化:自然種の一般理論とその応用
【著者】植原亮
【刊行】2013年12月20日
【出版】勁草書房,東京
【ISBN】978-4-326-10227-3
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140208/1391921879
【短評】自然種(natural kind)をめぐる実在論的スタンスの勝利宣言の書.ワタクシはぜんぜん折伏されなかったけどおもしろい.

【書名】ラインズ:線の文化史
【著者】ティム・インゴルド[工藤晋訳]
【刊行】2014年6月30日
【出版】左右社,東京
【ISBN】978-4-86528-101-9
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140601/1401602761
【短評】「線」をめぐる広範な人類学的・文化史的論考.想像力をかきたてられ,章ごとに思考が多方向に広がっていく.

【書名】Cogwheels of the Mind: The Story of Venn Diagrams
【著者】Anthony W. F. Edwards
【刊行】2004年
【出版】The Johns Hopkins University Press, Baltimore
【ISBN】0-8018-7434-3
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140126/1390687435
【短評】集合論のベン図(オイラー図)をめぐる歴史と物語.論理学における可視化を取り上げためずらしい本.尤度は出てこないよ.

◎次点の5冊

【書名】ある文人学者の肖像:評伝・富士川英郎
【著者】富士川義之
【刊行】2014年3月5日
【出版】新書館,東京
【ISBN】978-4-403-21106-5
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140511/1399770529
【短評】ある「文人学者」の評伝.今はもう “野生絶滅” が危惧されるこういうタイプの学者がかつての大学には確かにいた.

【書名】工作舎物語:眠りたくなかった時代
【著者】臼田捷治
【刊行】2014年12月10日
【出版】左右社, 東京
【ISBN】978-4-86528-109-5
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20141223/1419255427
【短評】1970年代のある出版社をめぐる人脈の系譜.そのネットワークと知的遺産は現在もなお残存し残響している.

【書名】The Evolution of Phylogenetic Systematics
【編者】Andrew Hamilton
【刊行】2014年
【出版】University of California Press[Series: Species and Systematics, Volume 5], Berkeley
【ISBN】978-0-520-27658-1
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140711/1404969658
【短評】系統体系学(phylogenetic systematics)の現代史をめぐる論集.特定の科学の歴史を見る視点はただひとつではない.

【書名】読書礼讃
【著者】アルベルト・マングェル[野中邦子訳]
【刊行】2014年6月10日
【出版】白水社,東京
【ISBN】978-4-560-08357-4
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20141230/1419943054
【短評】本を書き,本を読み,本を造る — 広い意味での「読書」を中心テーマとして著者の個人史は南米・中東・欧州をまたいで広がる.

【書名】筆順のはなし
【著者】松本仁志
【刊行】2012年11月10日
【出版】中央公論新社[中公新書ラクレ・435],東京
【ISBN】978-4-12-150435-7
【書評】http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20140513/1399927683
【短評】ワタクシ的には “救われた” 感がとても強い本だった.学校教育での漢字筆順の「規範」は閉じた世界の中だけに通用する.

◆夕暮れ.天気予報では午後から雨が降るようなことを言っていたが,けっきょく青空が広がる雨雲とは無縁のとても穏やかな日和の大晦日だった.牛肉を焼きまくる合間にも翻訳は進んでいた.著者プロフィール翻訳終了.これだけ固有名詞が並べば,翻訳の必要はもともとないかもねー.年越しニシンそばとローストビーフと〈風の森〉.今年もゆるゆると過ぎていく.

◆年越しそばの次は年越し┣┣" たちとともに ゆく年くる年.ご〜ん.

◆本日の総歩数=1169歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.2kg(−0.3kg)/ 30.6%(+0.4%)


30 december 2014(火)※厨房と原稿の歳末仕事

◆午前5時半起床.気温氷点下0.6度.平熱復帰.国際計量生物学会(IBS)からはやばやと件名「Happy New Year!」なるメールが届き,暮れゆく年の瀬と来るべき新年を実感する夜明け前.今朝の最低気温は氷点下2.1度.雲が多く朝日が差さないのでまだ冷え冷えとしている.厨房では昨夜から浸水させた黒豆を炊き始める.夜明け前に調味料類をすべて投入していったん沸騰.アク取りしたのち戸外で急速冷却.そして,超弱火で炊き続ける.仕上がりは10時間後の今夜になる.その後,青空が広がり穏やかな冬晴れに.気温も昨日よりだいぶ高くなってきた.南側の部屋は温室状態に.

◆年の瀬の原稿仕事はすき間なくみっしりと:

  • [つくば]第1章「象徴樹」の解説文翻訳だん. posted at 11:47:24
  • [つくば]第2章「垂直樹」の解説文翻訳だん. posted at 12:18:57
  • [つくば]第3章「水平樹」の解説文翻訳だん. posted at 12:36:00
  • [つくば]第4章「多方向樹」の解説文翻訳だん. posted at 13:19:51
  • [つくば]第5章「放射樹」の解説文翻訳だん. posted at 13:47:41
  • [つくば]第6章「双極樹」の解説文翻訳だん. posted at 14:06:16
  • [つくば]第7章「矩形樹マップ」の解説文翻訳だん. posted at 14:22:47
  • [つくば]第8章「ヴォロノイ樹マップ」の解説文翻訳だん. posted at 14:43:42
  • [つくば]第9章「円環樹マップ」の解説文翻訳だん. posted at 15:24:29
  • [つくば]第10章「多層同心円マップ」と第11章「階層懸垂マップ」の解説文翻訳だん. posted at 15:56:14

以上をもって,Manuel Lima『The Book of Trees: Visualizing Branches of Knowledge』(2014年4月刊行,Princeton Architectural Press, New York, 208 pp., ISBN:9781616892180 → 目次版元ページ著者サイト)第1章〜第11章 pp. 47-197 の全コンテンツの翻訳を終了.

◆[蒐書日誌]アルベルト・マングェル[野中邦子訳]『読書礼讃』(2014年6月10日刊行,白水社,東京,430+14 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-560-08357-4 → 書評目次版元ページ).半年前に買った本だが,ベッドサイド・ブックと化し,読了するのに実に半年もかかってしまった.年越しなかったのは幸い.

前著:アルベルト・マングェル著[野中邦子訳]『図書館:愛書家の楽園』(2008年10月10日刊行,白水社,302+38 pp.,本体価格3,400円,ISBN:978-4-560-02637-3 → 版元ページ)やさらにその前の:アルベルト・マングェル[原田範行訳]『読書の歴史:あるいは読者の歴史』(1999年9月30日刊行,柏書房[叢書Laurus],東京,354+38 pp., ISBN:4-7601-1806-3 → 書評・目次)の読者だったら,その2冊の延長線上に本書があることがわかるだろう.

しかし,この『読書礼讃』はこれまでの2冊と比べて “個人史” 的な内容が散りばめられていて,なかば本を通した自叙伝のように読むこともできるだろう.450ページもある大冊で,寝読みするにはいささか腕力が必要だった.本の背後に広がる歴史的・文化的・政治的コンテクストを重視する姿勢は前著と変わりない.ときおり垣間見える厳しい視線や批評も含めて.

読了するのに半年かかるというのはワタクシにしてはめったにないことだが,速読するようなタイプの本ではないので,結果的にはこれでよかったのだろう.

◆夜,朝からずっと10時間ほど炊き続けた正月用の黒豆はやっと火からおろすことができた.今夜は一晩かけ戸外でゆっくり冷やして味を染み込ませる.次に待っている厨房仕事は恒例のローストビーフ.まずは塩胡椒の揉み込みと緊縛作業をすませる.これから氷点下になる戸外に一晩放置して,常温に戻った明日の午後には焼きステージに入れるだろう.

◆本日の総歩数=0歩. 朝◯|昼−|夜◯. 計測値(前回比)=90.5kg(−0.9kg)/ 30.3%(−0.4%)


29 december 2014(月)※氷雨が降る微熱的一日

◆午前5時半起床.路面が濡れている.気温2.0度.年内の表立った行事は昨日ですべて終わったので,今年の活動記録をすべて「過去帳」に移管し,来年の活動予定リストを「未来帳」から搬入した.冷たい雨がずっと降り続いている.午前9時の気温は2.4度.

◆[欹耳袋]これが┣┣" の起源だ —— Togetter -「傍観者による┣┣"の成長の記録」.

◆[蒐書日誌]Alex Reinhart[西原史暁訳]『ダメな統計学』(2014年12月28日公開 → ダウンロードページ).ウェブ公開されている原書:Alex Reinhart『Statistics Done Wrong: The Woefully Complete Guide』をもとに,ブログで先行公開された翻訳のpdf版.翻訳については下記を参照されたい:

なお,原書についても来年春に出版されるとのこと:Alex Reinhart『Statistics Done Wrong: The Woefully Complete Guide』(2015年3月刊行予定,No Starch Press, ISBN:9781593276201).

◆午後になってようやく雨雲は去り,西から晴れ間が広がってきた.それでも,午後3時の気温は5.6度と冷え冷えしている.正月用の黒豆を炊くしたく開始.炊きあがるまで三日かかるので今日から始めてちょうどいい具合.

◆[欹耳袋]Visualoop | 20 new data viz tools and resources of 2014 | 20 December 2014 ※いま翻訳している Manuel Lima 2014『The Book of Trees』の後半章では,21世紀に入ってからのいろいろなデータ視覚化ツール(知らなかったものがほとんど)が数多く紹介されていて,この世界は日進月歩であることを実感している./Mark Colvin 2014. Entomological Collections - Their Historic Importance and Relevance in the 21st Century [Online]. Available from http://www.dispar.org/reference.php?id=92.

◆微熱的夕陽がまぶしすぎる.そして,微熱的な夜は仕事せずに早く寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆本日の総歩数=0歩. 朝◯|昼−|夜◯. 計測値(前回比)=91.4kg(+0.2kg)/ 30.7%(0.0%)


28 december 2014(日)※加圧に次ぐ加圧の日々

◆午前7時前のろのろ起床.気温は氷点下6.3度まで下がり,厳冬期の到来.今朝の最低気温は氷点下6.9度ということで,もちろん今季最低を更新.きりきり冷え込む早朝の米とぎは難行苦行.

◆[文化系統学]本日の響音:®「文化系統学への招待―文化の進化パターンを探る [編著]中尾央・三中信宏」(2014年12月27日).本書の書評や感想はなかなかオモテに出てこないので,けっして頻繁ではないが,ときどきこういう反響があるのはうれしい.

◆年の瀬も連日┣┣" 撃ち —— 朝早く第11章のキャプション8項目の翻訳を終えた.これで,Manuel Lima『The Book of Trees: Visualizing Branches of Knowledge』(2014年4月刊行,Princeton Architectural Press, New York, 208 pp., ISBN:9781616892180 → 目次版元ページ著者サイト)の本論(pp. 47-197)の翻訳はほぼ終了した.あとはイントロ(pp. 15-43)と各章の序論(半ページずつ)を片付ければすべておしまいということになる.先月は地方巡業などが続いて翻訳スケジュールから大きくズレこんでしまったが,今月は連日の巻き返しで何とか予定通りのペースに戻れそうな気配がしてきた.BNN新社からの翻訳出版予定は「2015年3月」と決められている.年内にどこまで進捗できるか.気持ちよく新年が迎えられるかどうかの瀬戸際の日々が続く.

◆[蒐書日誌]フランス・ドゥ・ヴァール[柴田裕之訳]『道徳性の起源:ボノボが教えてくれること』(2014年12月11日刊行,紀伊國屋書店,東京,1 折込カラー図版 + 8 モノクロ図版 + 332 pp., ISBN:978-4-314-01125-9 → 版元ページ)※これは新年早々の書評本.

◆晴れてはいるが冷気が充満している観音台.すでに完全休暇モードの農環研は人気がまったくない.これまたフライング気味に「謹賀新年」の掲示が貼られているが,見る人は少ないだろう.年の瀬に届いた2月号連載の色校正を速攻でチェック&修正箇所を返信.来年度の実在マップを居室に入り口に貼りだして,即撤収しないと.正午の気温は5.7度.寒すぎて長居は無用.吉瀬の〈ナチュカフェ〉でランチしたのち,午後3時半,つくば駅に立つ.気温はいっこうに上がらず最高気温は7.8度どまり.とある忘年会のため,これから柏方面に出撃する.

◆[蒐書日誌]高知新聞社(編)『MAKINO:牧野富太郎生誕150年記念出版』(2014年1月26日刊行,北隆館,東京,VIII カラー口絵 + 230 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-8326-0979-2 → 版元ページ)※高知新聞に連載された評伝記事の単行本化.流山おおたかの森SC紀伊國屋書店の深奥部棚にビニールラップに包まれたまま陳列されていた.

◆午後5時から3時間ほど柏駅前でおとなしく呑んで帰る.午後9時過ぎ,つくば着.センター広場のイルミネーションが寒空に光り輝いていた.氷点下ではないだけ昨夜よりはマシ.しかし,今夜から明日にかけては雪が降りだすんですかそうですか.

◆本日の総歩数=8820歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.2kg(+0.5kg)/ 30.7%(+0.2%)


27 december 2014(土)※ワタクシを探さないで

◆午前5時半起床.気温氷点下1.2度.月刊みすず「読者アンケート」に載せる本を選書ちう.とりあえず本録から20冊ほどピックアップして絞り込む.今朝の冷え込みはたいしたことないなと思っていたのだが,実は午前7時過ぎに氷点下4.0度まで下がっていた.

◆[欹耳袋]奇しくも同じ日に —— 理化学研究所>広報活動>トピックス2014:「STAP細胞論文に関する調査結果について」(2014年12月26日)/東京大学>記者発表一覧「記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告( 最終 )」の実施について」(2014年12月26日)

◆朝から冬晴れの青空で日光が降り注いでいるのだが,気温はいっこうに上がる気配がなく,お昼前になっても5.3度止まり.

◆農環研居室の入り口に貼りだしている「三中信宏の実在地図」は今世紀に入ってからのワタクシの在・不在を所内的にアナウンスしてもう15年にもなる.さすがに,いまのワタクシの勤務実態には合わなくなってきたので,そろそろ書き換える必要がある.基本的には,居室に「実在します」vs「不在です」の二択表示さえあれば十分な気がする.いま貼りだしているマップは「〜に出かけて不在です」の選択肢がいくつも書き連ねてあって(ある意味)親切なのだが,「〜に出かけて」という情報はもはや不要かもしれない.しかし,「不在です」だけでは不親切な気もしないでもない.ということで,簡略版(上図)と詳細版(下図)の2種類の「三中信宏の実在マップ」を作図.どちらかを居室入り口に貼りだす予定.

◆午後いっぱいかけて第10章のキャプション11項目の翻訳を終える.図版キャプションについてあとは第11章を残すのみだ.午後7時,つくばは早くも氷点下0.7度まで気温が下がってきた.今夜は焼き牡蠣の食い過ぎで死むかも〜. “お水” は先日開栓した〈風の森〉25BY純米大吟醸笊籬採りキヌヒカリ.その後,第11章のキャプション4項目を翻訳したところで弓折れ矢尽きた.午後11時の気温がすでに氷点下3.5度とありえへんほど冷え込んでいる.今夜はぬくぬくして寝ないとヤバい.

◆降臨を待ち焦がれる“文章の神様” なんかどこにもいないので,現世での「時間設定・予定厳守・弁解無用」しか頼るべきものはない.明日も翻訳イノチの一日になる.

◆本日の総歩数=829歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.7kg(−1.6kg)/ 30.5%(+0.8%)


26 december 2014(金)※仕事納めが納まらない

◆午前5時半起床.朝風呂.朝焼けグラデーションなう.気温は氷点下5.0度まで下がっている.ご期待にお応えして「うう……」.今朝は氷点下5.4度まできりきり冷え込み年の瀬の寒さが一段と身にしみる.朝の観音台に朝日が差しこみ灰となる.

仕事はぜんぜん納まっていないが,暦的には仕事納め.今年の出勤簿押印も今日が最後だ.四半世紀前,農環研に入ってすぐの頃,当時の室長から「国家公務員[当時]は出勤簿にハンコを押したことに対して給料が支払われる」と言われたことを今でもよく覚えている.それにしても今年もまた観音台にいたりいなかったりせわしなくしていたことが出勤簿を鳥瞰すれば一目瞭然.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前中に第8章のキャプション11項目の翻訳終了.ほへー( “魂” が抜ける音).

◆正午の気温7.9度.北風強し.窓越しの隙間風が冷たい.のーかんけんはすでに年休を取って出勤しない人も多いようで,仕事納めとはいえ所内は閑散としている.年末らしくてとてもよろしい.かつて旧国研だった頃は,御用納めといえば午後は所内のいたる部屋で(事務室も含めて)公然と飲み会が開かれ,ひとつまたひとつと夜までハシゴすることも珍しくなかった.とくに管理職ともなれば,そういう “あいさつ回り” は習慣と化していたようだ.今にして思えば,よくまああんなに頻繁に職場のなかでがんがん飲みまくっていたなぁと思う.忘年会や新年会にかぎらず所内宴会は随時開催されていたし.

今ではもう所内でおおっぴらに呑むことはできないし,酒蔵と化していた管理職部屋もないし,そもそも若手はお酒をあんまり飲まないし.いろんな条件が重なって “シラフ” な独法研究所が現在の姿.隔世の感ありまくり.

—— そういう昔話を,昨夜の領域うちうち忘年会では,お馬さんを食べながら問わず語りしたのだった.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 続く第9章のキャプション12項目の翻訳終了.抜け出るものがもう何もない状態./来年度の新規┣┣" おひとりさま登場.負担が90分長くなるだけなので,人助けだと思ってやりましょう.

◆「生き延びるすべ」について —— 昨夜の領域うちうち忘年会ではとても大切な話も交わされた.参加メンバーがワタクシ以上の年長者組と30歳台ポスドク組に世代分離していたので自然とそういう流れになったのだが.

そもそものきっかけは,若手研究者の「テニュアトラック上のポスドクでも “不安” からは逃れられない」という問題提起だった.彼が言うには「テニュアトラックの五年間の業績をどう評価されるかわからない」ので不安を覚えるそうだ.その意味で任期付き研究員やポスドクは〈不安の世代〉だと言い切る.仕事してアウトプットを出していれば問題ないだろうと返答してもやはり不安はぬぐえないという.とくに,独法研究所の場合,合併などの組織改編が大規模かつ頻繁にあり得る.彼が言うには,研究環境ががらっと変わったときに,自分のしている仕事を評価する側の視点もまた変わってしまうのではないか,そのときにはどう対応していいのかという悩みらしい.

ワタクシはこう答えた:「われわれのような[所内的に]マイナーな研究領域では,どうせ所内的な評価は上っ面だけなんだから,そういう皮相な評価者による評定を気にしすぎて,自分の研究内容を “over-fitting” するのは戦略的にまずいだろう」と.続けて「第一,研究組織が変わったりして評価者が異動・退職してしまえば,あるいは所属機関の基本方針が変わってしまえば,そもそも “over-fitting” するだけの価値はないだろう.新しい評価者や新しい基本方針が出現するたびに最初から “over-fitting” し直すのはむなしいというしかない」と言い添えた.

ここでもうひとりの年長研究者が発言:「所内での評価なんか気にしていたらダメになります.農水省の研究所はもともと悪しき意味での “公務員” 的な空気が漂っているので,管理職や評価者の言うことに従っても将来は拓けません.もっと “外” に出ましょう」と.彼いわく:「いったん “外” に出て広い人脈ネットワークをつくり, “外” の研究資金を取ってきた上で,独法の “中” で仕事をするように心がければこわいものは何もない.そうやってアウトプットをちゃんと出し続けている研究者は強い」.

確かに,独法的にマイナーな分野の研究者はマンパワーもなければ資金的にもきびしい.組織改編の際には最後まで “着地点” と身の振り方が決まらずやきもきすることが常である.周囲を見回したところで,研究者人生における “ロール・モデル” を身近に見つけることも簡単ではない.独法研究所でマイナー分野の研究者がキャリア形成をしくじるケースがあとを絶たないのは,当人の個人的資質や努力の欠如に主たる原因を求めるわけには必ずしもいかないだろう.ただ,そういう逆境を何度か乗り切れば,そして不運にも “淘汰” されなければ,その先の研究者人生を生きていくすべは身につけられるかもしれない.

所属する研究組織に対して “over-fitting” するなというのはワタクシ的にはもっとも重要な個人的スローガンである(この点に関してはいっさいブレはない).いろいろな外圧(政治的・戦略的・経済的)によって独法研究所の組織は変わっていくだろうが, “中” の関係者がそのつど右往左往しても疲弊するだけ.所内的にマイナー分野の研究者は,独法研究所の “中” でむなしくじたばたするよりも, “外” で「出る杭」「出過ぎた杭」になるのが研究者戦略的にはいいかも. “中” で「杭を出す」といろいろめんどくさいことになりかねないけど, “中” での存在感を消して “外” で暗躍すればまったく問題ないだろう.

というわけで,はからずも年長研究者ふたりの意見が合致した夜だった.研究組織や管理職や評価者はけっしていつも自分のことを考えてくれるとはかぎらない.独法研究所に在籍する若手研究者はもっと「したたか」になった方が身のためだと強く思う.

—— 以上の内容はこの日録のほかに,実はずっと前にアカウントだけは取ってあった note への初投稿記事として公開した:leeswijzer note「「生き延びるすべ」について」(2014年12月26日).note って意外に使いやすいね.

◆明日から年末年始の名ばかり休暇が開幕する.とにかく原稿仕事をどんどん先に進めないと年が越せない.そういえば,月刊みすずの「読者アンケート」原稿の締め切りは今日だったなぁ.うんうん.ずずー(お茶をすする).

◆本日の総歩数=3309歩. 朝−|昼−|夜△. 計測値(前回比)=92.3kg(+1.5kg)/ 29.7%(−0.3%)


25 december 2014(木)※門松が立つフライング

◆午前5時半起床.気温は氷点下2.7度まで下がっている.よく晴れた観音台は朝日がさんさんと降り注ぐ.農環研正面入り口の両側に “リアル” 門松が早くも置かれていた.数年前までは大きな “リアル” 門松が例年のことだったが,その後,経費削減の煽りをくらってか,薄っぺらい “紙” 門松がぺたっと貼られるだけになってしまった.それが再び “リアル” 門松へと復帰.ひさしぶりにずっしり重量感のある門松が並んだ.今年の出勤簿にハンコを押すのは今日と明日の二日間だけ.今年もよく働きました,というかよく不在しました.今朝の最低気温は氷点下3.5度.午前9時過ぎの今は4.3度.朝イチの BGM は〈ブラジル風バッハ・5番〉から.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 例年,居室の大掃除はせず,年賀状も書かないので,年末だからといって┣┣" 撃ち以外でじたばたすることはあまりない.とりあえず,カレンダーを「2015年1月」にめくって,年頭の┣┣" 撃ちリストの更新.ゆく┣┣" くる┣┣" ./駒場の「生物統計学」補講日程調整.できれば1月最終週の同じ曜日・時限に開講したいんですけどねぇ./10:30から年内最後の所議報告&領域会議./駒場の「生物統計学」補講は「2015年1月28日(水)4限511教室」で確定です.のちほど教務からアナウンスされます.

◆正午の気温10.8度.よく晴れて北風が冷たい観音台.今日の最高気温は正午過ぎの11.3度どまりだった.

◆[欹耳袋]Olivier Gimenez et al. | Statistical ecology comes of age | Biology Letters | DOI: 10.1098/rsbl.2014.0698 Published 24 December 2014.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 朝から12項目のキャプション翻訳完了.夕暮れが近づき, “魂の限界” が見えてきたのでとりあえず撤収しよう.その後,さらに7項目の翻訳. “魂の限界” を越えてしまったので,今日はもう使いものになりまへん.

◆夜は領域うちうち忘年会.鶏さんの翌日は馬です.〈笠真〉にてお馬さんを食べまくる.たくさん呑んでへろへろ帰宅.

◆本日の総歩数=8189歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.8kg(−0.4kg)/ 30.0%(−0.5%)


24 december 2014(水)※鶏と格闘するイヴの夜

◆午前5時前起床.気温は氷点下3.5度まで下がっている.数日ぶりのきびしい冷え込み.夜明け前に第4章の図版キャプション翻訳終了.あまりスッキリ晴れていない観音台は朝日も差さず冷え冷えとしている.今朝の最低気温は氷点下3.7度だった.今日と明日は,どんなにたくさん食べたり呑んだりしても許されるのでとてもありがたい.

◆[蒐書日誌]着弾なう!:羊土社『実験医学』2015年1月号発売.三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸第9回「秘宝:確率分布曼荼羅の発見!」pp. 110-113.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 明日の所内うちうち忘年会の最終連絡./ここぞというときに高津春繁『ギリシャ・ローマ神話辞典』(1960年2月,岩波書店)がお隠れになって大騒ぎ.本棚の奥深く探索して発見./某学会大会が来年3月に京都で開催される.たった今,大会担当幹事から「三月の京都は観光ハイシーズンなので,いますぐ宿を確保せよ」との非常事態宣言が出された.昨今の円安のせいで日本に観光客が押し寄せているのではないかと推測される./正午までに11項目の翻訳を終え,本日第1回目の “魂の限界” が目前に迫ってきた./「文章の神様」なんかどこにもいないんだという身も蓋もない “無神論” をとある本で読んで以来,四の五の言わずに地道に文章を書き翻訳することを黙って心がけている.

◆クリスマス・イヴのお昼休み BGM はシェーンベルク〈グレの歌〉にかぎりますなあ.サイモン・ラトル/ベルリン・フィル.

◆[蒐書日誌]クリスマスに積み上がる本たち —— リチャード・ドーキンス[吉成真由美訳]『進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義』(2014年12月25日刊行,早川書房,東京,246 pp., ISBN:978-4-15-209513-8 → 版元ページ)※真っ赤なカバーのドーキンス本.ご恵贈ありがとうございます./林望『増補 書藪巡歴 』(2014年12月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・は-37-4],東京,339 pp., ISBN:978-4-480-43228-5 → 版元ページ)※増補部分に所収された『書誌学の回廊』の原本はワタクシの『生物系統学』で写本系図の説明に引用したことがある./金坂清則『イザベラ・バードと日本の旅』(2014年10月15日刊行,平凡社[平凡社新書・754],東京,270 pp., ISBN:978-4-582-85754-2 → 版元ページ).

◆午後の┣┣" 撃ち —— マウリッツ・エッシャー,双曲幾何学,グロモフ積,TreeViz etc. — そうですかそうですか./おやつタイムまでにさらに10項目の翻訳を終え,本日第2回目の “魂の限界” が./午後4時過ぎ,本日分の “原稿する” バワーが尽きてしまったようだ.

◆クリスマス・イヴの厨房は大忙し —— 今日と明日のクリスマス期間は何をどれだけ食べても許されるとてもありがたい日.社会趨勢的にはやはり「鶏さん」をいただかなければならないと思い.知床若鶏の丸鶏(一羽2kgほど)を前にローストチキン厨房仕事を開始.ジャガイモとマッシュルームそして丸ごとニンニクをぎゅっと詰め込んだ丸鶏はさらにずっしりと重い.オリーブオイルを塗ってオーブンへ.まずは250度の高温設定で25分焼いて皮に焦げ目を付け,続いて200度の低温設定で45分じっくり焼いた.

今回のレシピは以下のとおり:

  1. 丸鶏(2kg程度のサイズ)は常温にもどして,塩をたっぷりすりこむ.今回は沖縄の海塩(パウダー)を使用した.
  2. 詰め物野菜のジャガイモ3個,マッシュルーム10個,ニンニク10片を用意する.フライパンにオリーブオイル適量を火にかけ,薄切りにしたニンニク2片を投入してごく低温で香りづけする.その後,ジャガイモ(乱切りにして電子レンジで懐柔しておく)とマッシュルーム(二つ割り)と丸ごとニンニクを焼き目がつくまで炒める.塩胡椒で適宜調味する.
  3. 炒めた詰め物野菜が冷めたら,1) の丸鶏の腹の中にぎゅうぎゅう詰めして,開口部は楊枝で留める.前肢・後肢ともタコ糸で緊縛する.
  4. オーブンを250度に設定.3) の丸鶏にオリーブオイルをたっぷり塗って,ローズマリーを散らし,オーブンへ.焼き時間は25分.
  5. いったんオーブンから出して,垂れた油をまわしかけ,今度は200度の温度設定で45分焼く.
  6. 焼きあがったら粗熱を取ってから食卓へ.

ひさしぶりの大物料理だったが自己評価ながらできはとても良かった.焼き色はこんがりきつね色,中はしっとりジューシー.お肉と詰め物をばくばく食べたら動けなくなった.

◆明日のクリスマスは鶏さんの祭典からお馬さんの祭典へと舞台は変わる.

◆本日の総歩数=3836歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.2kg(−0.1kg)/ 30.5%(0.0%)


23 december 2014(火)※休日は湯葉また湯葉を

◆午前5時半起床.気温3.2度.外は真っ暗.冷え込みはたいしたことない.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「中教審が大学入試改革案答申 高校や大学、期待と困惑」(2014年12月23日)— 「本当に実現するのか」.※ワタクシもそう思うが.Cf: 文部科学省>政策・審議会>審議会情報>中央教育審議会:「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(中教審第177号)」(2014年12月22日).

◆この季節にしては日差しが暖かかった今日のランチは北千住の〈宇豆基野〉北千住本店にて湯葉の喰いまくり.北千住駅から東京電機大の高層ビルを横目に,常磐線沿いにてくてく歩いていくと,線路沿いにいきなり出現する和風建築.予約客で満員御礼という超人気店.店に入ると「豆魂」の掛け軸が出迎えてくれた.ここのランチは湯葉コーナーでできたての湯葉を食べ放題できるというのが売り物.確かに巨大な引き上げ湯葉の桶(槽)がずらりと並ぶ店内.お客さんは両側にずらりと並んでできたての湯葉をすくう.豆腐・湯葉・生麩と「豆魂」と戦い続けた昼下がり.豆はとても強かった.当分の間,湯葉は食べないでおこう.

◆[欹耳袋]HONZ「ここまで書いてええんかい 『工学部ヒラノ教授の事件ファイル』」(2014年12月22日)※確かにかつての国立大学は “アバウト” な資金調達をしていたな.

◆午後4時過ぎ,早くも夕暮れを迎える時間だ.夕陽を浴びて輝く飛行機雲が一直線に西の空を伸びていく.今日は最高気温が10度を越え,風は冷たいが日差しは暖かかった.途中長い中断があったが,午後6時までに第3章全13項目の翻訳を終えた.12世紀サントメールのランベールの「善悪の樹」から21世紀 Debian OS のバージョン系統樹まで一千年を飛び越すくらくら感覚.

◆本日の総歩数=5687歩. 朝◯|昼△|夜◯. 計測値(前回比)=91.3kg(−0.3kg)/ 30.5%(+0.2%)


22 december 2014(月)※飛び石が隔離する冬至

◆午前5時過ぎ起床.気温2.5度.今年最後の労働ウィークが開幕.冬至の夜明け.気温は4.0度と冷え込みなし.当時の朝の観音台.一昨日の雨の名残りの水たまりが点々としているが,空は真っ青な快晴.今朝の最低気温は1.7度,午前8時のいまは5.1度まで上がってきた.朝イチの BGM はアストル・ピアソラの〈ブエノスアイレスのマリア〉.冷え冷えとした朝の居室.おひとりさま用の足元保温マットは冬の研究室でサバイバルするための必需品.

◆[欹耳袋]YouTube「ミルフィーユ きれいな食べ方」— あわわわ.しかし,ミルフィーユの食べ方としては, “一刀両断” ではなく,一枚ずつ剥がして食べた方が美的かもしれない.この動画のように “層序” に対して垂直ではなく,平行にナイフを入れるということ.パイの硬さとクリームの柔らかさがどうにもアンバランスなので,はがしながら食べたいというだけのことなんだけど.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 領域内うちうち忘年会の連絡.年の瀬ですなあ./羊土社連載記事のゲラが古い記事だったことが締切日の今になって判明.あわてて連絡./羊土社『実験医学』2015年2月号掲載予定の連載:三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉第10回「実験計画はお早めに:完全無作為化法」の正しいゲラが送られてきたので,速攻でチェックして編集部に返信.この連載ももうすぐ終わりだ./翻訳しまくり.英文翻訳をしているぜんぜん気がしない.ラテン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語までは冷静でいられたが.ついにオック語まで登場.三省堂『言語学大辞典』を本棚の奥から引っ張り出すはめに./11:30〜12:00まで,所内不正経理に関する全所説明会.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「「浪人生ここまで減ったとは」鴻上尚史さんと歩く予備校」(2014年12月22日)※ワタクシは鴻上尚史氏と同じ生まれ年だが,かつては “高校4年生” というのは当たり前だったと記憶している.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今日は17項目の翻訳を終え,またしても “魂の限界” が目前に迫ってきた.冬至なのであっという間に夕焼けグラデーション. “魂” が抜けたのでそろそろ撤収しよう.

◆[蒐書日誌]臼田捷治『工作舎物語:眠りたくなかった時代』(2014年12月10日刊行, 左右社, 東京, カラー口絵 4 + 293 +7 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-86528-109-5 → 目次版元ページ)読了.〈系統樹の森〉展の関係者たちがすべてつながった感が強い.見えていなかった系譜の顕現化というべきか.

本書は1970年台の工作舎を中心とする人脈と業績について,当時の関係者たちの証言やインタヴューを中心にたどった本である.本書で主役を演じる松岡正剛さんとはワタクシはずいぶん前に佐倉統さんの出版記念パーティで紹介されたのが唯一の対面だった.もう一人の立役者である杉浦康平さんとは昨年からの〈系統樹の森〉展示の企画段階で何度かお会いした.

ワタクシがのちに『系統樹曼荼羅』の共著者となる杉山久仁彦さんと駒場のとある喫茶店で初めてお会いしたとき,「三中さんのこれまでの著書は図版の扱いがなっていませんね」と指摘された.そのときははっきり言って何が問題なのだろうと実感が湧かなかった記憶が今でも残っている.しかし,本書の冒頭で,著者が「いまから四十年ほど前,七〇年台前半ころまでの出版デザインはまだまだ立ち後れていた」(p. 8)と指摘し,「人文学・学術系の堅い内容の書籍はもっと遅れていた.編集者が何らのセオリーもないまま,自己流で装丁をまとめあげているケースが多くを占めていた」(p. 8)と言う状況がその後も大勢を占めていたということなのだろう.本造りにはグラフィック・デザインあるいはアート・ディレクションという仕事があるのだとワタクシが実感するまでにはしばらくの時間が必要だった.

本書には視覚的デザインとしての “ダイヤグラム” への松岡さんと杉浦さんの関心の深さに言及した部分がある.共著で出た杉浦康平・松岡正剛(編)『ヴィジュアルコミュニケーション』(1976年12月20日刊行,講談社[世界のグラフィックデザイン・1],東京,239 pp.)は手元にもっているが,確かにワタクシ自身がいまやっていることと密接に関係していることはまちがいない.そういえば,杉浦さんが強く影響を受けたと著者が書いている(p. 147)Herbert Bayer『世界地理地図帳(Goldmanns Grosser Weltatlas)』は,ワタクシが2年前に入手して,その後杉山さんに渡っていった.

本書第2章には次のような記述がある:「講談社現代新書のカバー裏面に年表や地図,構造図などのダイアグラムを入れる試みは杉浦の提案.カバー裏に図版が入っているとは…….破天荒な挑戦だ」(p. 90).杉浦康平が現代新書の装丁を手がけたのは1971〜2004年の30年余りだったそうだ(p. 89).ワタクシがその現代新書から『系統樹思考の世界』(2006)と『分類思考の世界』(2009)を出したのは,ポスト杉浦康平時代だったので,カバージャケット裏にダイアグラムを刷るという “文化” は現代新書からはすでに喪われていた.ワタクシがあえて “カバー裏” にアタナシウス・キルヒャーの「セフィロトの樹(Systema Sephiroticum)」とかジョルダーノ・ブルーノの「イデアの影(De Umbris Idearum)」のダイアグラムを刷りましょうと編集部に提案したのは,杉浦イズムとはまったく無関係のことだった(現代新書にそんな過去があったとは知らなかったし).しかし,結果的には “カバー裏ワールド” の一時的な復活になった(担当編集者だった川治豊成さんのおかげ).

本書を通読して,あらためてダイアグラムやインフォグラフィックスが1970年台当時から工作舎というデザイン(「編集工学」)の現場で論議されてきた状況を垣間見ることができた.そして40年後のいま,かつての「なかのひと」とは異なるバックグラウンドのもとに,ワタクシは彼らとは異なる知的系譜をたどってこの世界に足を踏み入れ,ぜんぜんちがう窓からこの世界を覗きこんでいる.昨年の神保町での〈系統樹の森〉展示だけでなく,先般終了した〈系統樹の森・大阪展〉もまた本書に記録されている40年前の歴史の末端に位置している.松岡正剛さんや杉浦康平さんの放つ “オーラ” は今なおただごとではない.実際に対面してみてワタクシはそう強く感じた.だからこそ,ワタクシはその結界の “外” にいなければならないということだ.

おそらく多くの読者は,本書に描かれた時代の工作舎の “不夜城” のごとき労働環境やあってないような給料制度に驚くにちがいない.それはそれで確かに昭和的な出版社の “ブラック” ぶりを象徴する一例ではある.しかし,それ以上に本をめぐるグラフィック・デザインやアート・ディレクションの変革が生まれた “梁山泊” での逸話の数々はたいへん興味深い.個人的な知り合いの名前が思わぬところで登場し,意外な人たちが水面下で人脈的につながっていたことを本書を通じて知ることができた.世代的に関係者たちが表舞台から次々と退く前にこのような記録を残してくれた著者に感謝したい.

◆職場や通勤路が心なしか空いているように感じられるのは,すでに年末のおやすみモードの人たちがいるせいだろうか,それとも飛び石連休のすき間の平日だからか.今夜はかぼちゃを食べて,柚子湯に入って,ゆっくり寝るん〜♫•*¨*•.¸¸♪

◆本日の総歩数=2667歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.6kg(+0.3kg)/ 30.3%(−0.3%)


21 december 2014(日)※我れ呑む,故に我有り

◆午前5時半起床.気温は7.3度と高い.冬の夜明け前は米研ぎがつらい.雲が多い土曜日.午前のうちに12項目の翻訳をこつこつ進めて,早くも “魂の限界” に達してしまったので一休みする.

◆[蒐書日誌]昨日の車中読書:山本千代喜『酒の書物』(1955年12月10日刊行,龍星閣,熱海,553 pp.)※かつての活版印刷で造本されたクロス装丁本.背は日焼けしていても風格が滲み出る.古今東西の酒に関する書物からさまざまな言い伝えや逸話を蒐めた雑誌連載記事を単行本化したもの.本書の初版が出たのは第二次世界大戦の真っ最中の1941年のこと.時節柄「酒が飲めない時代」だったにちがいない.だからこそ酒また酒また酒.

前に読んだ青木正児『酒の肴・抱樽酒話』(1989年6月16日刊行,岩波書店[岩波文庫・青165-2],東京,238 pp., ISBN:4-00-331652-5 → 版元ページ)が中国と日本の “酒話” を蒐めたものとすると,本書はイギリスからヨーロッパにかけての “酒話” にターゲットを絞ったことになる.

本書に登場する “酒話” もまたどれも薀蓄傾けまくりで類書にない話題が取り上げられている.たとえば,「ビボ・エルゴ・スム」(pp. 70-71)を読む.William Juniper の『The True Drunkard's Delight』(1933)から取られた「Bibo, ergo sum」という引用 —「我呑む.故に我有り」.けだし名言だなあ.550ページもある大著なので,まだしばらくは楽しめそう.

◆曇りときどき晴れ間が覗く昼下がり.ランチに鮟鱇と鹿と鴨を喰ってパワー充填.しかし,午後さらに10項目をこつこつ翻訳したら,再び “魂の限界” がきてしまった.口から白いケムリがぼわっと出そう.ここのところ “魂” が歳末大安売り中なので,救済策もお安くあげたい.夜はキムチ鍋でまたまたパワー充填.放電と充電を繰り返す一日だった

◆.明日の冬至は今年最後の労働ウィークの始まり.しかし,飛び石で休日になるのでいまひとつノリが悪い

◆本日の総歩数=905歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)=91.3kg(+0.6kg)/ 30.6%(0.0%)


20 december 2014(土)※雨の厚木で昆研忘年会

◆午前5時半起床.気温1.1度.寒いなあ.

◆[欹耳袋]最近よく耳にする「ていねいに説明する」という表現は,国や政府は下々の者が何を言おうが「聞く耳を持たない」と “同義表現” なのだという役割語のセンセイの指摘.まさにそのとおりと膝を打ったしだい.あの見下したような慇懃無礼さは格別の味わいがある.

◆週末の┣┣" 撃ち —— ラテン語の図版を見ながら,そのキャプションを翻訳するという階段を一歩一歩踏みしめて上がっている.15世紀の『黄金伝説(Legenda aurea)』とかカッコええなあ.英・独・仏・西・羅が入り交じって朝からグローバル.正午前,8項目翻訳したのでそろそろ “魂の限界” かなあ.

◆[蒐書日誌]阪上孝(編)『変異するダーウィニズム:進化論と社会』(2003年11月1日刊行,京都大学学術出版会,ISBN:4-87698-621-5 → 目次・書評)が京大京都大学学術リポジトリKURENAIから全文公開された.章ごとにpdfでダウンロードできる./ジョン・J・レイティ,リチャード・マニング[野中香方子訳]『GO WILD 野生の体を取り戻せ!科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス』(2014年12月20日刊行,NHK出版,東京,301 pp., 本体価格2,200円,ISBN:978-4-14-081661-5 → 版元ページ).ご恵贈感謝です./浅井元朗『植調 雑草大鑑』(2015年1月近刊,全国農村教育協会,東京 → 近刊検索β)※「「日本原色雑草図鑑」の系譜を引き継ぐ進化版」「多くの種を網羅的に登載」「カラー写真3,655点、雑草の一生を写真で掲載」.

◆雨降る厚木で忘年会 —— 正午過ぎ,はっきりしない空からときどきポツポツと雨粒が落ちてくる.センター広場の〈西瓜糖〉にて焼きそばをばくばく食べて,そのままTXへ.今日は厚木にて東京農大昆研の(発表会と)忘年会.正午の気温は6.2度と寒い.神奈川あたりはすでに雨雲の支配下にあるようだが,茨城はまだ大丈夫.新宿駅.都内の気温は6.9度.雲間からぽつぽつ小雨が降っている.小田急快速急行に乗り換えて本厚木へ.神奈川県はこれからさらに雨足が強くなりそう.

◆午後4時,本厚木駅.冷たい雨が降っている.夕闇の丘の上,東京農大厚木キャンパスに着いたときは年末の昆研研究発表会はまだ終わっていなかった.怠惰なワタクシは研究発表会のあとの忘年会のみの参加ということで.昆研研究発表会の講演要旨集は確保.一研究室なのに卒論生以外で21名もプレゼンするとはいつもながら巨大ラボ.やっと終了.忘年会までの待ち時間のなか,センセイたちは出版社との打ち合わせの真っ最中.

◆午後5時半から昆研忘年会.例年通り形態系実験室に数十人が結集.雨また雨.蟲また蟲.酒また酒.奈良の〈金鼓〉純米うすにごり無濾過生原酒は密閉栓の活性にごり酒とはいえガスはたいして入っていなかった.ガス抜き栓の〈仙禽〉しぼりたて活性にごり酒「雪だるま」の方がしゅわしゅわしていた.滋賀の〈金亀〉白80という甘口銘柄は初体験.新酒なのに黄色い.もちろんまだ忘年会が続いていたが,ワタクシは午後7時に離脱(この見極めがつくばに帰れるかどうかの運命の分かれ道).外は雨がざあざあ降っている.本厚木行きバスがなかなか来ないバス停で待ちぼうけ20分.

◆午後10時半,つくば帰還.雨上がりの湿った冷え込み.やっぱり厚木は遠かった.

◆本日の総歩数=8116歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=90.7kg(−0.3kg)/ 30.6%(+0.5%)


19 december 2014(金)※観音台に重い本が着弾

◆午前6時前のろのろ起床.気温は氷点下4.0度まで下がっている.今朝の最低気温は氷点下4.3度.4日ぶりの観音台は霜と氷と霜柱だった.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 第2回連載修正ゲラのチェック./熊本農試への統計研修内容に関する返信./ひたすら翻訳するん.

◆[蒐書日誌]南方熊楠[飯倉照平監修|松居竜五・ 田村義也・中西須美・志村真幸・南條竹則・前島志保訳]『南方熊楠英文論考[ノーツ アンド クエリーズ]誌篇』(2014年12月20日刊行,集英社,東京, 894 pp., 本体価格12,000円, ISBN:978-4-08-789001-3 → 目次版元ページ).先日の自分会議において満場一致で私費購入が認められた新刊が本日届いた.本書の姉妹本で,10年前に出た:南方熊楠[飯倉照平監修|松居竜五・田村義也・中西須美編訳]『南方熊楠英文論考[ネイチャー]誌篇』(2005年12月20日刊行,集英社,東京, 422 pp., 本体価格5,600円, ISBN:4-08-781332-0 → 書評目次版元ページ)と比べて厚さが2倍以上もあって狂喜.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 冬の日差しの昼下がりにシギスヴァルト・クイケンの〈無伴奏ヴァイオリン〉を BGM に快調に飛ばしている.来年度のシラバスをつくれコールが二校まとめて届いたんだけど,非常勤講師なのに「オフィスアワー設定必須」という無理難題をふっかけられてくらくらしている./午後3時から臨時所議報告は経理不正の問題をめぐって1時間かかった./ごりごり翻訳するん.

◆[蒐書日誌]本は本を呼び集める —— これまた重量級のいただきもの:伊沢紘生『新世界ザル:アマゾンの熱帯雨林に野生の生きざまを追う(上)』(2014年11月25日刊行,東京大学出版会, 東京, カラー口絵 1-8, i-viii, 1-413 + 4 pp., 本体価格3,600円, ISBN:978-4-13-063339-0 → 版元ページ)|伊沢紘生『新世界ザル:アマゾンの熱帯雨林に野生の生きざまを追う(下)』(2014年11月25日刊行,東京大学出版会, 東京, カラー口絵 1-8, i-x, 415-913 + 4 pp., 本体価格4,200円, ISBN:978-4-13-063340-6 → 版元ページ)※上下合わせて900ページ超という分厚さは『南方熊楠英文論考[ノーツ アンド クエリーズ]誌篇』といい勝負だ.

年明けのイベント:「『新世界ザル』刊行記念イベントをジュンク堂書店池袋本店で開催」に連動するブックフェアにちょいと絡んでいるので,年末年始に本書を読了する必要がある.それにしてもこの分量で,参考文献リストもなければ索引もないというのは,ロシアの長編小説でも読む気分で立ち向かわなければならないということか.

◆[欹耳袋]Y!ニュース 「静かな侵略者……外来同種の雑草たち(田中 淳夫)」(2014年12月18日)※「改めて種とは何か? 外来と在来の差はどこに設けるのか? と考えてしまうのである」— はい,_φ(・・.もっとも「なんだかヘンだろう」と感じるのは,遺伝子レベルの事前知識を得ているからであって,表現型の情報しかなかったら「ヘン」とは思わなかったにちがいない.現象世界(the phenomenal world)は目に見えるすなわちヒトが認知できる情報源がすべて.ローカルな認知分類世界の “外” から侵入する動植物はもともと認知対象に入っていないということだろう.

◆夕暮れ撤収.午後6時を過ぎ,気温は2.0度まで下がってきた.冷蔵庫から転がり出てきた〈風の森〉25BY純米大吟醸笊籬採りキヌヒカリは吹きさらしの夜のベランダで冷えてもらうことにした.生活クラブの鶏肉があったので,一択で “親” が多めの親子丼をしこむ.〈風の森〉25BY純米大吟笊籬採りキヌヒカリを開栓. “親” を肴にお酒をいただいて,最後に “子” だけの丼ご飯をいただくという文字通りの一石二鳥. “親” の味がよく染みた “子” だけの丼はもはやただの玉子丼ではないのだ.

◆明日は東京農大昆研の発表会と忘年会.天気予報によると午後から本降りの雨になるらしい.

◆本日の総歩数=4027歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.0kg(+0.1kg)/ 30.1%(+1.1%)


18 december 2014(木)※最後の定例都内出撃日

◆午前5時半起床.やや「うう……」な寝起き.気温は氷点下2.0度まで下がっている.朝風呂の悦楽へ.冬晴れの朝焼けグラデーションから日の出へ.

◆年内最後の定例都内出撃 —— 午前7時半,つくば駅.今年最後の定例都内出撃の朝.都内はどこの駅も混雑している.すっきりきりっと冬晴れ.所内の “内々” の領域忘年会アナウンス送信.心当たりのある方は即返信よろしく.登戸手前の多摩川の鉄橋上で信号停止.ええ眺めですなあ.所内RP報告書の文面をチェックし,観音台にメール返信.ネット伝いに押し寄せる┣┣"┣"┣"┣"┣"…….「ラボTX」ならぬ「ラボ小田急」状態.午前10時,玉川大学着.雲ひとつない青空.今日も寒さが身にしみる.今年最後の分子系統進化学講義はベイジアンMCMCの説明と MrBayes を用いた分子系統推定の実習.都内の正午の気温は7.8度.北寄りの風がすーすー冷たい.

◆[欹耳袋]産経ニュース「汚名返上目指すも、疑惑晴らせず…小保方氏、STAP再現できず」(2014年12月18日)※ない袖は振れないって.

◆今年最後の経堂〈はるばるてい〉を途中経由して,今年最後の駒場キャンパスへ.昨日の日録をやっと更新.本日の講義はリサンプリング統計学だった.午後6時,真っ暗なキャンパスを出て駒場東大前駅へ.年内の定例お仕事はこれにておしまい.

◆[欹耳袋]日本経済再生本部>産業競争力会議ワーキンググループ>新陳代謝・イノベーション「イノベーションの観点からの大学改革の基本的な考え方」(2014年12月17日).「イノベーションの観点からの大学改革の基本的な考え方」にある「特定研究大学は、卓越大学院を有し、卓越研究員の制度を積極的に活用することが想定される」というくだりの “卓越” というキーワードが目立つ.

◆午後8時.つくば帰還.マジよれよれ,よろよろって感じで.

◆本日の総歩数=12184歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=90.9kg(+0.9kg)/ 29.0%(−1.2%)


17 december 2014(水)※寒風が吹きすさぶ本郷

◆午前5時前起床.気温3.0度.今日は本郷出張日なのでゆるゆるできそうだったが,昨日の雪の上州ミッションの後始末の連絡を方々にしてり,あちこちうろうろしていたので,けっきょくお昼前までかかってしまった.

◆[欹耳袋]Colorless Green Ideas「ダメな統計学:目次」(2014年12月17日)※「ここに公開する『ダメな統計学』は、アレックス・ラインハート氏が書いたStatistics Done Wrongの全訳である」—!/Bunkamura「Bunkamura25周年記念 キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展」 ※ジョゼフ・バンクスだ! 会期は2014年12月23日(火)〜2015年3月1日(日).

◆[蒐書日誌]新刊発注 —— 南方熊楠[飯倉照平監修|松居竜五・ 田村義也・中西須美・志村真幸・南條竹則・前島志保訳]『南方熊楠英文論考[ノーツ アンド クエリーズ]誌篇』(2014年12月20日刊行,集英社,東京, 本体価格12,000円, ISBN:978-4-08-789001-3 → 版元ページ)※900ページで12,000円! 早めの自分へのクリスマスプレゼントということで自分会議で即決.10年前に出た:南方熊楠[飯倉照平監修|松居竜五・田村義也・中西須美編訳]『南方熊楠英文論考[ネイチャー]誌篇』(2005年12月20日刊行,集英社,東京, ISBN:4-08-781332-0 → 目次版元ページ).

◆正午前につくば駅へ.今日は本郷出撃.午後1時から専攻教員会議.463ページもの配布資料(pdf)を消化し,その後,専攻会議に突入.午後4時までかかった.エクトプラズムが出そう.外は気温6度台の寒さ.吹き荒れているのは北風かと思ったら南風だった.あまりに寒すぎてシラフではいられない.当然のごとく「うう……」になってつくば帰還.

◆明日は年内最後の定例都内出撃日.

◆本日の総歩数=16541歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=90.0kg(−1.0kg)/ 30.2%(−0.1%)


16 december 2014(火)※雪降る上州ミッション

◆午前5時前起床.気温1.2度.雨雲だか雪雲がかかっているようだが降ってはいない.しかし,タイムラインをさかのぼると,ついさっきまでつくばは雪がちらついていたらしい.午前5時過ぎ,初雪確認.氷の粒がさらさら音を立てて降っている.

◆[欹耳袋]篠本滋「大学院生へのメッセージ version 4.3: 2014/12/15」(2014年12月15日)※ワタクシには無縁の世界だが,大きい研究グループの一員として勉強・研究するということはこういうことなのかと思う.

◆雪降る上州ミッション(進撃の上信電鉄篇) —— 午前10時つくば発.南流山駅で乗り換え.小雪がちらちら舞っている.武蔵野線に乗り換え.長距離鉄路移動はまだ始まったばかり.熊谷通過.車窓風景は雨が降っているようないないような.第2回連載原稿のゲラを速攻でチェック.正午前,高崎着.上州は冷え冷えした灰色の曇り空.雨も雪も降っていない.

◆高崎に来てまず最初に南銀座通りの〈一二三食堂〉へ.もともとの場所から一筋奥に移築されてからは初めて.店の感じは旧店舗の “土間っぽい” イメージをよく残している.〈一二三食堂〉には「ヒレソースカツ丼」という人気の看板メニューがある.しかし,高崎でソースかつ丼といえば〈栄寿亭〉でいつも「C丼」を食べている.いつもソースカツ丼では芸がないので.ここは磐石の安定メニュー「あじフライ定食」を注文する.妙義山のようにそびえる刻みキャベツの上に巨大なあじフライが2枚も乗っている.冷奴に目玉焼きにお新香,そして具沢山のお味噌汁と脇役も充実しまくり.そして,〈一二三食堂〉の食後の飲み物は,コーヒーではなく,もちろん冷たい牛乳の一択だ.

◆駅に戻って上信電鉄乗り場へ.乗車するのは実は初めての体験.車社会の群馬に住んでいたころは,上信電鉄とか上毛電鉄に乗る機会はまったくなかった.富岡製糸場が世界遺産に指定されたことから一挙に大フィーバー.かつては地味目だった車体も往復乗車券もお色直しでたいへんなことになっている.しかし,上信電鉄は一皮むけば単線でしかもワンマン運転超ローカル私鉄.冬枯れのたんぼを横切って延々と伸びる鉄路.無人駅も多い.鉄分の多い方には魅力ありまくりではないだろうか.上信電鉄は南高崎と根小屋の間に新駅をつくるそうだが,城南大橋が烏川を越えたあたりにできるのかな? こんな平日にもかかわらず片手にカメラの観光客たちとともに一路(単線だし)上州富岡へ.高崎駅から30分あまりかけて二両編成の列車は上州富岡駅着.他の駅と同じく,さびれ気味に見えたのはプラットフォームだけで,駅前は大改装され誰の目にも大々的に「世界遺産シフト」の資金投入が明白.

◆小雪が舞い始めた駅前から10分ほど狭い路地が連なる街中を歩いて富岡製糸場へ.上毛カルタに「日本で最初の富岡製糸」と歌われるここは地元グンマーにとってはやはり自慢なのだ.それにしても寒すぎてどうしようもない.午後3時過ぎの気温は3.2度.ここで体力を消耗しては夕方からの作戦遂行に差し支える.今日の本務地である上州ミッション最前線に向かうべく駅に向かう.しかし,上信電鉄のダイヤがとても低密度すぎてかなり困ってしまった.しかも,オサレな駅舎で待っているうちに雪がだんだん強くなってきた.午後3時過ぎの気温は3.2度.やっと上り列車に乗れた.前の席のおじさんが盛大にいろんなものを食べていてとてもうらやましい.

◆午後4時過ぎ,上信電鉄・吉井駅にて下車し,降りしきる雪の中を延々と歩いてミッション最前線へ.午後5時から作戦開始.午後7時,雪降る上州ミッションはすべて完了した.雪から雨に変わりつつあるが,夜になっても気温1〜2台という凍える寒さが続く.いろいろ一筋縄ではいかなかった上州ミッションだが,今回の作戦完遂でやっと解放された.

◆午後9時過ぎ,つくば着.雨上がりのセンター広場を横切る.気温3.4度.今日の雪中行軍はかなりきびしかった.

◆本日の総歩数=17607歩. 朝◯|昼△|夜−. 計測値(前回比)=91.0kg(−0.1kg)/ 30.3%(−0.1%)


15 december 2014(月)※翻訳に追われる月曜日

◆午前5時前起床.気温は氷点下5.4度まで下がっている.今朝の最低気温は氷点下5.5度.通勤路の田畑はどこも霜で真っ白に.真っ青な冬空が広がる観音台は乾燥して静電気がぴりぴり飛びまくる.朝イチの BGM はグスタフ・レオンハルトの〈平均律〉から.

◆[欹耳袋]谷岡学園 What's New「【芸工大】公開講座「生命の樹から系統樹へ/系統樹の森を逍遙して思うこと」が開催されました。」※〈系統樹の森・大阪展〉の来場者数は計360名だったらしい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 急な年休伺を提出.年始めにはちょうど「40日」あった年休が,いまは「22.5日」に減っている.取得年休はたった「17.5日」なので少なすぎる.しかし,出張やら兼業やらで不在の日が多いので,これ以上どこで年休を取るのかという現実問題がある./メーリングリスト関連の小┣┣" 二頭を処理./来年のカレンダーが届き始めた.来たるべき┣┣" たちが大喜びで空きニッチを占拠スタート.

◆[欹耳袋]Togetter -「「分類学関連分野の名古屋議定書への対応に関する日欧ワークショップ」つぶやきまとめ」/Togetter -「ワークショップ「日本と世界の生物多様性情報学の現状と展望」まとめ」.

◆午後の┣┣" 撃ち —— さらに10項目の図版キャプションを翻訳したところで撤収.明日の関東は雨または雪ですと?

◆前夜からことこと煮込み続けた「牛スネ肉のビール煮込み」.思わぬ伏兵に足をすくわれ,牛肉1kgは脇役に転落し,代わってロシュフォール10とエシレバターの饗宴とあいなった.さすがにビールとバターが上質だと,煮込んでいる最中から厨房にシアワセが充満する心地ぞする.ちょうど24時間が経過した今宵の夕餉に食卓に登場.付け合せはパスタとマッシュポテトのみ.バゲットの熱いのを添えるのもよし. “お水” はもちろん残りのロシュフォール10.アルコール度数11.3度の最強ベルギービールとともに.まいうまいう〜.

◆備忘メモ —— 牛スネ肉のベルギービール煮込み:牛スネ肉塊1kgは大きく切り分けて,たっぷり塩胡椒し,厚手のフライパンできっちり焼き色をつける.玉葱(大3個)は薄切りにして,煮込み鍋に無塩バター100グラムを溶かし,きつね色になるまで一時間ほどじっくり炒める(けっして焦がしてはならぬ).肉を投入してからめる.シチュー鍋にベルギービールをためらうことなく3本(計1リットル)どぼどぼ注ぎ込む.煮込みに使えるベルギービールはどの銘柄もけっして安くはないがケチってはいけない.ベルギービールを注ぎ込んだあとは,一昼夜ごく弱火で煮こみ続けると牛スネ肉は煮崩れるほど柔らかくなる.調味は塩胡椒のみ.それ以外は何一つ必要ない.お好みでマッシュポテトとパスタをつけ合わせてできあがり.

—— 体の芯からほかほかと暖かくなるのに,フトコロは外気温のように極寒…….バターとビールがもっと安ければよかったのだが.

◆明日は上州ミッション(進撃の上信電鉄篇)だ.雪が降ろうが槍が降ろうが上州を目指すのだ.これが最後の最後.

◆本日の総歩数=3336歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.1kg(+0.8kg)/ 30.4%(+0.2%)


14 december 2014(日)※断髪して寒風に震える

◆午前5時前起床.気温は氷点下3.0度まで下がっている.午前6時,氷点下4.0度ですかそーですか.昨日の三省堂サイエンスカフェをもって,今年のお座敷はすべて終わったことになる.年の瀬.そして今日は投票日だ投票日だ投票日だ投票日だ投票日だ.今朝の最低気温は氷点下4.4度だった.インフルエンザ予防接種と投票をすませてくる.

◆[蒐書日誌]三中信宏(監修)・杉山久仁彦(著)『系統樹の森:系統樹の森で学んだこと』(2014年11月29日刊行,非売品,60 pp. → 詳細目次:leeswijzer | archief voor stambomen).2014年11月25日(火)~12月7日(日)に谷岡学園梅田サテライトオフィス CURIO-CITY(グランフロント大阪A・16階)で開催された〈系統樹の森:芸術工学とインフォグラフィックス〉展にあわせて,神戸芸術工科大学セミナーテキストとしてつくられたフルカラー版ブックレット.1000部限定の非売品.正誤表が添付されている.

◆日曜の┣┣" 撃ち —— とりあえずキャプション8つを翻訳して DropBox に放り込んだ.遠くを見ずに足元だけを見るんだ.

◆[蒐書日誌]松生恒夫・鈴木俊久『オリーブオイル・ハンドブック』(2014年11月30日刊行,朝日新聞出版[朝日新書・490],東京,237 pp., ISBN:978-4-02-273590-4 → 版元ページ)※インフル接種の待ち時間に読了.鈴木俊久の「基本編」(pp. 13-182)は,オリーブの産地・品種・搾油・等級について詳しい.「エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル」だからといって実はピンからキリまであると指摘されている._φ(・・

◆午後,人気のない観音台.断髪したので冷たい北風に吹かれる首筋がすーすーする.午後になっても気温は8.5度どまり.乾燥した冬晴れの青空が広がっている.

◆真っ赤な夕日がすとんと落ちて,気温はみるみる下がっていく.午後6時には早くも1.7度.こういう夜は暖かい料理をつくらないといけない.生協から届いた牛スネ肉が1kgもあるので,寒いこの季節にはぴったりの「牛肉ビール煮込み」をつくろうと思ったのが運の尽き.いつも料理に使っている熟成系ベルギービール(「De Verboden Vrucht」とか「Gouden Carolus Classic」)がことごとく品切れで,けっきょくもっとも高価な「Rochefort 10」を5本も買う羽目になったのが一敗目(大出費[泣]).さらに,ビール煮込みには無塩バターが必須品なのだが,このご時世でどこの店もバターが品切れ,やむを得ず清水の舞台から飛び降りて〈エシレバター(無塩)〉を買わざるを得なかったのが二敗目(とどめ).暖かくなろうと買い出しに出たらフトコロがかえって寒くなってしまったというオチがついた.

この二連敗でフトコロはすっからかん.牛スネ肉はお値段は1kgでたった2,000円だったのに,ロシュフォールは800円×5本(コワくて計算したくない……),そしてエシレバターはたった100グラムで1,000円也.冷静になってよくよく考えてみれば,牛肉1kgよりもビールとバターの方が二倍以上もお金がかかってしまったという主客転倒ぶり.したがって,厨房でごそごそつくり始めた料理は,「牛スネ肉ビール煮込み」ではなく,「熱々ビールとパターの牛スネ肉添え」と呼ぶべきか.

◆今夜はきびしい冷え込みになるようだ.厨房では,かかった経費とはまったく関係なく,ビール煮込みがふつふつと煮えている.明日は平常労働日.観音台に終日実在し,大小取り混ぜての┣┣" 撃ちに勤しむ予定.

◆本日の総歩数=5261歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=90.3kg(−1.0kg)/ 30.2%(−0.3%)


13 december 2014(土)※神保町で師走のお座敷

◆午前5時過ぎ起床.気温はひさしぶりに氷点下1.7度まで下がっている.今朝の最低気温は氷点下2.1度.ここのところ “暖かい” 日が続いていたので,ひさしぶりの冷え込みは身にしみてきびしい.厨房にておでんを温める.

午前9時,今日の神保町お座敷での紙芝居はやっと用意できた(ことにしよう).すでにワタクシの高座用 MacBook Air にセットアップされた.

◆土曜の┣┣" 撃ち —— 来週の専攻教員会議の資料が「463 pp.」もあるんですけど…….東大は議題が多すぎるん./査読┣┣" がいつの間にか一頭やってきたのだが.どーしましょ…….これは,行きがかり上,むげに追い払うわけにはいかないし./そういえば,『月刊みすず』の書評アンケート依頼が観音台に届いていた.今年ももう終わりだな./その他,数頭の微小┣┣" どもがやってきた.

◆師走の神保町高座へ出撃 —— 正午前,つくば駅.持参する配布物がずっしり重い.六町での人身事故のためダイヤが乱れていたが,時間的には余裕があるのでまったく問題なし.それよりもTXでも人身事故があるんだ,という新鮮な驚き.

午後1時,神保町着.都内はよく晴れて日差しが暖かい.正午の気温は12.2度.まずはすずらん通りをひとまわりした.新刊・古書とりまぜてリアル書店の店頭をうろうろするのは愉しいものだ.その後,早々と本日のサイエンスカフェ会場である三省堂書店2階〈UCCコンフォート・カフェ〉へ.初めて入る店.昼下がりのプレーン・ワッフルとサイフォン炭焼きコーヒーで一休み.

◆午後2時,そろそろ会場設営が始まったようなので,ワタクシも混ざりに行こう.ここは手前が禁煙席,奥が喫煙席.喫煙席フロアをサイエンス・カフェに使い,手前の禁煙席はそのまま営業を続けるらしい.プロジェクター接続テスト.配布資料(非売品ブックレット 60pp.+正誤表+パンフレット)の用意.あとはお客さんを待つのみ.

◆午後3時前,お客さんが次々と来場してきた.本日のファシリテーター保坂直紀さんも登場.バイオリンをもっていたので訊いてみたら,なんと東大オケ53Vnだそうだ.30人ほどの聴衆を前に,午後3時の定刻開始:第59回三省堂サイエンスカフェ:三中信宏「系統樹というアート:目で見る多様性,デザイン,インフォグラフィクス」.ワタクシが40分ほど話をして,その後,ファシリテーター主導の質疑タイム.午後4時過ぎの予定時刻ピッタリに終了.今回のサイエンス・カフェはとても和やかな雰囲気の時間が過ぎていった.手練のファシリテーターが間に入ったせいもあるだろうが. “カフェ慣れ” している常連さんが多かったのかな.

◆聞くところでは,ワタクシの『系統樹思考の世界』と『分類思考の世界』はどちらも “紙版” は現在品切れとのこと.会場入口に拙著のブースを設けていただいたが,三省堂書店の威信にかけて全国から在庫を集めたそうだ.

◆午後5時前,三省堂を出て.夕暮れのすずらん通りをもうひとまわり徘徊してから,靖国通りに面した〈ランチョン〉の階段をのぼる.まずは「琥珀の時間」とランチョン風ポテトのオードブル.ほかほか温まる一皿.続いて,三陸産の生牡蠣の快楽に浸る.アサヒ黒生ビールのグラスを傾けながら.東京堂書店で買ったばかりのピョートル・ワイリ,アレクサンドル・ゲニス[沼野充義・北川和美・守屋愛訳]『新装版・亡命ロシア料理』(2014年11月25日刊行,未知谷,東京,231 pp. + 8 plates, 本体価格2,000円, ISBN:978-4-89642-458-4 → 版元ページ)を読んでいる.いい本だなあ.ビールグラスの底から┣┣" が一頭出現する.ま,これくらいのサイズだったらきっと何とかなるだろう.

◆午後8時過ぎ,つくば帰還.今日は早く始まったので早く帰ってきてしまった.

◆本日の総歩数=10009歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=91.2kg(0.0kg)/ 30.5%(+0.8%)


12 december 2014(金)※所内で年貢を納める日

◆午前5時過ぎ起床.米とぎ.気温6.9度の暖かい夜明け前.一週間ぶりの観音台は雨上がりの曇り空.気温は明け方よりも低くなって6.7度.今日は所内の成績検討会.年に一度の年貢を納める会議.しかし,プレゼン用紙芝居がまだできていないというドロナワ状態.こういう切羽詰まったときの BGM はプッチーニの歌劇〈トゥーランドット〉でキマリ.主人公の “名もなき王子” をめぐるご都合主義ストーリーは根拠のない自信をつけてくれる.午前9時,所内成績検討会の紙芝居は用意できた(ことにしよう).成績検討会は9:15からだ.

◆[蒐書日誌]経堂・すずらん通りの〈遠藤書店〉でゲットした古書2冊 —— 山本千代喜『酒の書物』(1955年12月10日刊行,龍星閣,熱海,553 pp.)※古今東西のお酒のネタ本.函入り.原書は1941年出版.山本千代喜は創元社の雑誌『嗜好』の編集長を務めた人./岩満重孝『京の和菓子』(1975年7月10日刊行,柴田書店,東京,300 pp.+折込地図 1p.)※和菓子の画文集.雲龍・阿闍梨餅・御池煎餅・道喜粽・大極殿・松風・あぶり餅・八つ橋・茶団子 etc.函入り.装丁に味わいがある.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「鳥の種類の爆発的増加、恐竜絶滅後か 国際チームが解析」(2014年12月12日)— いつも思うのだが,こういう科学関連の新聞記事はなぜ元論文へのリンクを明示しないのだろうか.オープンアクセス論文なのに.「読者が求めていないから」というのは新聞社側の読者を馬鹿にした態度であって,記事にリンクを明示しない “風習” があるかぎり読者側のニーズは掘り起こせない.

元論文:Erich D. Jarvis et al. | Whole-genome analyses resolve early branches in the tree of life of modern birds. Science 12 December 2014: Vol. 346 no. 6215 pp. 1320-1331. DOI: 10.1126/science.1253451 full | pdf [open access] ※「We developed ExAML, a computationally more efficient version of the maximum likelihood program RAxML」— あとで要チェック.

◆ワタクシの出番はお昼前.可視化とグラフィクスという担当テーマは “基盤的” すぎて,なかなかつながりが実感できないというのがホンネかもしれない.しかし,関係があることはわかってもらえたはずなので,所内的なコアをつくるのが次なる仕事になるという雰囲気.成績検討会は正午でいったんランチタイム休憩.〜寄せては返す┣┣" の波〜.画像ファイルの送信に時間がかかりすぎて,やっと第2回連載原稿を送ることができた.午後も成績検討会の続き.ワタクシの出番はお昼前に終わってしまったので,気分的にはラク.午後3時,年貢を納める成績検討会は終了.翻訳を進めているうちに午後5時前.〈トゥーランドット〉全曲がめでたく終わったので,今日はそろそろ撤収しよう.

◆明日からは寒波が襲来するらしい.耐寒対策として今宵は秋田の白瀧・純米〈ど〉の新酒を開栓.

◆[欹耳袋]すでに満員御礼ではありますが —— 第59回三省堂サイエンスカフェ:三中信宏〈系統樹というアート:目で見る多様性,デザイン,インフォグラフィクス〉【日時】2014年12月13日(土)15:00〜16:10【場所】三省堂書店神保町本店2階・UCCカフェコンフォート※コーディネーター保坂直紀.

—— ということで,明日の紙芝居の用意をしないといけないのだが,睡魔が来たりて笛を吹いている.

◆本日の総歩数=5073歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=91.2kg(−0.9kg)/ 29.7%(0.0%)


11 december 2014(木)※旅疲れの定例都内出撃

◆午前6時,のろのろ起床.気温3.3度.旅の疲労を引きずったまま朝を迎えてしまった.

◆[欹耳袋]公開なう!:羊土社・実験医学online – 三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉連載第8回「ピアソンが築いたパラメトリック統計学の礎石」※『実験医学』2014年12月号に掲載された記事のオンライン版.

◆それでも定例都内出撃 —— 午前7時半,つくば駅.うすら寒い曇り空.曇りの都内.気温は9.9度.京王線が人身事故で止まっている(た)影響でダイヤ遅延ありまくり.小田急は大丈夫のようだが上り線は振り替え輸送の影響で遅延しているとの車内アナウンス.代々木上原.ありゃりゃ,雨〜.予報では,さらに本降りになりそうな気配.午前10時,玉川大学着.小雨が降ったり雲間から日が差したり.気温は高め.今日はべいづだ.

◆[自然を名づける]本日の打音:I'm Standing on the Shoulders of Giants.「類似点と相違点」(2014年12月11日).

◆経堂にて途中下車.雨は降ったり止んだりを繰り返している.カフェラテとともに一休み.神保町から巨大な┣┣" が着弾しました……(ひー).来る┣┣" は拒まず,というわけで,神保町に返信だん.立川の御大はワルいことを考えますなあ.午後3時半,駒場.雨上がりのキャンパスは寒々しい.今日は多変量解析の講義です.

◆[欹耳袋]メモ置場:Rによる仮説検証・統計解析・バイオインフォを中心に備忘メモ

◆午後8時過ぎにつくば帰還.とっても疲れましたぁ.明日は所内成績検討会.年に一度の年貢を納める日.

◆本日の総歩数=12025歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=92.1kg(+1.6kg)/ 29.7%(−0.4%)


10 december 2014(水)※湯けむり巡業の千秋楽

◆午前5時半起床.朝イチの温泉は快楽の極み.玄関脇の洋館風ロビーに朝日がさんさん.今朝の朝食はここでいただいた.午前9時前,宿をチェックアウトし,スーツケースを転がす別府駅前.今朝は冷え込みはなく,点々と雲が連なる青空に油屋熊八が飛んでいた.今日は大分巡業最終日.別府は外国人観光客がとても多かった.投宿していた〈山田別荘〉も,Booking.com で優良認定されたとのことで,外国からの予約が入るらしい.ローカルにしてグローバル.

◆[分類思考]本日の残響:金木犀、薔薇、白木蓮「97:三中信宏 『分類思考の世界』」(2014年12月8日)※「論説とエッセイがまじりあったようなテイスト」— 書評頻度分布のなかでは多数派かも.

◆[欹耳袋]毎日新聞「アメリカの鳥:「世界最大」鳥類図鑑を復刻 ペリー来航時献上」(2014年12月10日)※「オーデュボンが、北米の野鳥と植物を描いた銅版画の図版」「世界に約120セットしか現存せず」「大きさは半畳」— ほしい./Togetter -「第46回種生物学シンポジウムまとめ」.

◆統計巡業千秋楽 —— 午前9時過ぎ,県庁着.午前中は一般化線形モデルの解説と実習.実例はロジスティック回帰とポアソン回帰.さらに,多変量解析講義へとなだれ込んでランチタイム.暖かい昼休み.今日のランチは県庁前の〈こつこつ庵〉にて.大分に来たときは必ず一度は入る店.注文したのは「琉球丼」.ネタは新鮮なかんぱち.琉球が食べられるのは大分だけの特権.揺るぎなき美味.大分巡業も午後の講義を残すのみだ.琉球丼パワーで乗り切るしかない.午後は質問タイム.午後4時前,統計研修全日程終了.みなさん,どうもお疲れさまでした.

◆午後4時の空港行きバス「エアライナー」にて早めに空港入りしたにもかかわらず,予定していたフライトが機材調達の遅れにより半時間以上遅延するとのことで,「空港内限定お食事券」なるものをいただいてしまった.そのおかげで,大分での最後の晩ごはんは「宇佐の鶏唐揚げ定食」にキマリ.

◆空港ロビーで流されている「おんせん県おおいた♨」のCMが濃すぎておなかいっぱい:YouTube「おんせん県って言っちゃいましたけん! CMシリーズ総集編 」— 濃すぎる〜.とくに「温泉ガールズ」編とか「絶叫ホタルおじさん」編あたり.

◆そして,大分空港ビル内にある鮨〈海甲〉が閉店してしまったことを今日初めて知った.去年来たときは帰りがけに食べられたので,閉店は今年に入ってからのことだったのか:朝日新聞デジタル「大分)大分空港の名物すし店に幕 全国のファン惜しむ」(2014年5月24日).残念残念.

◆けっきょく定刻よりも50分遅れで雨の大分空港を飛び立ったJAL機は,午後9時半過ぎに羽田空港着.羽田も小雨.つくばセンター行き高速バスの最終便でつくばへ.午後11時半,つくばセンターに降り立った.

◆明日は定例都内出撃日.まったくすき間なくみっしりと予定が┣┣" が詰まっている.

◆本日の総歩数=8525歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


9 december 2014(火)※別府から大分への通勤

◆山田別荘にて午前3時前起床.まずは真夜中の廊下をたどって一番風呂へ.羊土社『実験医学』2015年2月号掲載予定の連載:三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉第10回「実験計画法(1):完全無作為化法のもとで得られたデータから幕が開く」の原稿を別府北浜の温泉からやっと編集部に送信.

◆[欹耳袋]Ronald A. Fisher 1926. The arrangement of field experiments. Journal of the Ministry of Agriculture of Great Britain, 33: 503-513. [pdf].実験計画法の萌芽となった論文.この論文には,今なお有効な実験計画の次の3原理の理念が提唱されている:

  1. 「反復実施」(p. 505):同一実験処理を複数回実施することにより,その処理にともなうばらつきを評価する.
  2. 「無作為化」(p. 506):実験処理区のランダムな配置をすることにより,背景要因によるデータへの体系的な影響を偶然誤差化する.
  3. 「局所管理」(p. 509):実験場所を適切にブロック分割することにより,ブロック内の実験環境の均一化をはかる.

◆午前9時前,別府から出勤.亀の井ホテルをかすめるように佐伯行き鈍行列車がごとごと走りだす.大分駅までたった15分の鉄路旅.別府湾全景が見渡せる.

午前9時過ぎ,大分県庁OAプラザ着.今日もええ天気.すでに受講生が集まり始めている.今日の講義の直前じたばた準備だ.午前中は実験計画法の講義と実習.完全無作為化法と乱塊法が終わった時点でお昼休みとなった.

よく晴れた官庁街を横切って,今日のランチは近くの〈三徳寿司〉にて近海もの生マグロの鉄火丼がたった600円とは.すばらしい!

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「問い直す、旧石器捏造事件 発覚から14年、相次ぎ関連書籍」(2014年12月8日)※「竹岡氏は石器を観察して分析する「型式学」の重要性を訴えてきた」— “闇” だねぇ.

◆午後の講義は実験計画法の続き.ひさしぶりに地べたの R で分割区法の計算をしたらみごとにエラー連発で orz.午後5時前,モデル選択論をもって本日の講義を終え,別府への帰路につく.夕暮れの駅前を抜けて〈山田別荘〉帰還.別府タワーが浜の近くで輝いている.

◆別府ナイトタウン出撃寸前に緊急指令が入り,前線基地にて待機ちう.はたしてどのような運命が待ち構えているのだろうか.大分大学の大竹センセイとともに夕闇の北浜通りを南下して〈チョロ松〉へ.昔ながらの雰囲気の居酒屋.〈チョロ松〉といえば看板メニューは「かも吸」.骨付きの鴨肉がごろごろ入り,土鍋でぐつぐつ煮えたのが運ばれてきた.追加でそば入りにした.出汁の味,食べごたえともにすばらしい.〈鷹来屋〉山廃の燗酒と冷酒とともに.別府がいろいろと “深み” のある街であることを実感.

◆当然のごとく「うう……」となっている最中に,Nature Communications から投稿履歴に関するメールが届いた.明日は大分巡業の最終日だ.

◆本日の総歩数=10835歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測/未計測


8 december 2014(月)※明礬〜大分県庁〜北浜

◆午前5時前起床.冷気がカーテンのすき間から流れこむ.大分市内の気温は2.9度だが,明礬温泉あたりは標高が300メートルほどあるので,下界よりも3度ほど低いらしい.ということは氷点下ですかそうですか.こんな山の温泉街からでも E-mobile のか細い電波はちゃんと日録を更新してくれる.WiMAX はぜんぜんダメですなあ.

◆午前6時,闇の中の湯屋で朝イチの緑礬泉を堪能してこよう.ここ〈山田屋旅館〉の緑礬泉は小さい湯槽に隣接する透明淡緑色の源泉槽から高温泉が絶えず注ぎ込まれている.昨日入ったときはぬるめだったが,一晩でお湯が入れ替わったせいか,朝イチは “飛び切り湯” と化していた.

◆しかし,朝イチの熱さでいえば,午前7時からオープンするすぐ隣りの共同湯〈鶴寿泉〉は別格.熱すぎて火傷しそうなほど,慣れているはずの地元の利用者も足を突っ込んではあわてて引っ込める.朝イチだけは “加水” も許されているようだ.午前6時の大分の気温は1.8度.つくばは同時刻に氷点下1.0度なので,明礬温泉あたりはつくばと同格の冷え込み方.そろそろ明礬大橋の向こうの別府湾から朝日が昇ってくる時刻だ.夜明けは橋の向こうから.今朝の〈鶴寿泉〉はぬるいほどで,先客のおじいさん二人が,源泉をどばどば注ぎこみながら,懸命に湯槽からぬるいのを捨てていた.

◆午前8時半,別府駅.山から降りてくると別府湾が朝日を照り返してまぶしかった.別府は冬晴れ.すでにやや湯疲れしながらも,これから大分県庁へJR出勤する.別府発8:50の各停に乗ると大分には9:05着.ちょうどいいタイミング.

◆午前9時半前に県庁着.新館9階のOAプラザへ.すでに20名ほどの参加者がすでに集まっている.センター長の挨拶から始まる統計研修.まずは統計曼荼羅の噺から.続いて,Rのインストール.今回は県庁のOAプラザというPC実習室を使ったので,R三点セットのインストールはいっさいの “ご不幸” なく完了した.すばらしい.

◆午前のお仕事を終え,すでにお疲れ気味.本日のランチは,強力エナジー注入のため,“三つ目” をドーン! 県庁裏にある〈新華園〉の焼豚玉子飯(大盛り).かぼすをたっぷり絞るのが大分スタイル.客が次から次へとやってくる人気店.

◆午後は確率分布あれやこれや.その後,Rのデータ読み込みとか,統計参考書リストとか,実験計画法の予告編とか.午後4時に本日の講義はすべて終了した.

◆JR大分駅から別府へ帰還.重いスーツケースをごろごろ引きずって駅前通りを過ぎ,いつもの〈山田別荘〉にチェックイン.大分に来るときの “定宿” となりつつある.歴史のある屋敷を旅館に転用したとのことで,湯槽は典型的な半地下の源泉かけ流し.いたるところにケロリン桶がある.北浜の他の温泉同様,源泉は熱すぎるが,湯槽はちょうどいい湯加減に調節されている.今宵は泊まり客が多いらしい.

◆一風呂浴びてから夜の街へと飛び立つ.夕闇が深くなってきた頃合いを見計らって,別府ナイトライフに出撃.まずは獣道のように細くしかも薄暗い裏銀座通りにある餃子〈湖月〉へ.まだ早い時間だったせいか,老夫婦と韓国人カップル以外に客はなし.アヤシゲな招き猫ショーウィンドウの横に入り口が.カウンター7席のみの極小店舗.〈湖月〉はメニューも極小.この焼き餃子(「鍋烙」)と瓶ビールしかない.客が迷うことをいっさい許さないシンプルさ.ぴりぴり辛い辣油とタレにつけていただく.一人前15個だが,ひとつひとつがワンタンほどの小ささなので,ばくばく食べてもまったく問題なし.

◆竹瓦温泉まで夜の別府の裏道を歩きまわる.毛細血管のような得体のしれない通りが多すぎてわくわくする.今宵のメインは,北浜通りの洋食屋〈グリルみつば〉にて,豊後牛ロース肉のステーキを目の前で焼いてもらう.特製ソースがまいう.大分に来たら,とり天とか唐揚げばっかりではなく,おいしい牛さんをちゃんと味わいたい.牛さん,エライ.今日は呑むのではなく食べるのが主体だったので,宿に帰ってきたのはなんと午後7時半.また風呂に入って即就寝.

◆のど風邪がなかなか治らない.明日はまた温泉から出勤し,朝から夕方までの大分県庁詰めで統計研修の続き.その合間に遅れまくっている原稿を仕上げる.

◆本日の総歩数=8395歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)=未計測/未計測


7 december 2014(日)※明礬温泉ぶくぶく水没

◆午前4時半起床.気温は氷点下2.6度.夜明け前のじたばた旅支度.さらに下がって氷点下3.5度.朝焼けグラデーション.日に日に夜明けが遅くなる.あと二週間もすれば冬至.午前7時前にはもっと下がって氷点下4.2度が最低気温.きびしく冷え込む.

◆別府湯けむり巡業へ —— 午前9時前,つくば駅.かろうじて氷点下の気温から脱し0.2度に.豊後の国への旅路はいま始まったばかり.午前10時,浜松町にて空港モノレールへ乗り換え.都内はとてもいい天気.羽田空港第一ターミナルは意外に混雑していて,手荷物預けに時間がかかってしまった.まだ時間があるので,ジンジャーラテを片手にくつろぎタイム.犬山から来年度の非常勤出講に関するネ申エクセル書式が届いたので,負けずに書きなぐって返信.正午前,保安検査場を通過.第二ターミナルよりも第一ターミナルの方が,保安検査場通過後の “お愉しみ” がたくさんあるように感じる.定刻の12:30に羽田を離陸.

◆午後3時半,大分空港なう.国東半島は上天気.これから空港バスで別府まで移動する.例によって道路が混雑していて別府北浜バスセンターまで1時間半もかかってしまった.うすら寒い曇り空.遠く仰ぎ見る山頂は真っ白に冠雪し,九州に来たのに寒さからぜんぜん逃れられない.JR別府駅までスーツケースをごろごろ転がす.別府のシンボル油屋熊八は今日も駅前で元気に空を舞っていた.大分駅で最新の時刻表など情報アップデートしてから〈べっぷ駅市場〉へ.しかし,夕方近くだったせいか?開いている店があんまりなかったのは残念.しかし,コケてもただでは起きまへん.地獄蒸し温泉卵をゲット.別府・大分では卵は「三個でひとつ」とみなされるので(個人的見解),温泉卵を “ひとつ” いただきました.うまいっす.

◆別府駅から山道を走る.明礬大橋に夕暮れが降臨するころ,今宵のお宿である〈山田屋旅館〉にチェックイン.古くからある宿が立ち並ぶ明礬温泉街の中ではかなり目立つ “和モダン” な旅館.道路をはさんで向う側にある別棟の湯屋はさらに和モダンに改装されてオサレになっていた.ひさしぶりの緑礬泉は強烈な酸性泉なのでぴりぴり沁みこむ “いたぎも” 感覚がやみつきに.季節によっては熱湯のように熱いが,今日は心地よく長湯できた.〈山田屋旅館〉の夕食は意外にも洋風なんですね.野菜と魚が中心なので,白ワインにピッタリのメニュー.明礬温泉ではここしかない主義主張.夕食後,ふたたび温泉へ.半地下の湯槽に浸かりながら湯屋の高い天上を見上げる.別府では湯屋の天井空間がとても高くて大きいのが特徴.

◆[欹耳袋]47NEWS「海外経験は漏えいリスク 秘密保護法で内調」(2014年12月7日)※治安維持法と “特高” の時代かい.そのうち「洋書を買う輩はアブナイ」とか「グローバルなんちゃらはキケン思想の温床」とか言われるようになったら目も当てられない.右手には “グローバル化” を,左手には “平成鎖国”を.みごとなダブルバインド.

◆明日は硫黄臭をまとったまま大分県庁に出勤することになる.

◆本日の総歩数=8058歩. 朝◯|昼−|夜×. 計測値(前回比)=90.5kg(−0.3kg)/ 30.1%(+0.6%)


6 december 2014(土)※底冷え都内に補講出撃

◆午前6時半にのろのろ起床.最低気温は氷点下2.7度まで下がった.もちろん「うう……」な朝.午前8時前,つくば駅.きりきり冷え込むつくばの朝.今日は臨時都内出撃.はるばる玉川学園まで補講に出撃する.

◆午前10時,玉川学園前駅下の〈ドトール〉にてカフェラテ充.午前9時の都内の気温は5.3度と,昨日よりもさらに低い.玉川学園は高校説明会があるらしい.正門ゲート奥にそびえ立つ完成間近の “パルテノン神殿” に圧倒されるにちがいない.今日の補講は分子系統推定のPC実習が中心.デモの作動確認.午前11時前,大学5号館.むむむ,臨時の講義室なので,勝手がちがうぞ.Mac からプロジェクターにつながらない…….むむむ.

◆午後1時前,講義終了.とりあえず終わってよかったが,今日のPC実習は大小取り混ぜて “ご不幸” があった.帰りがけに大学ショップにて蜂蜜ジャムをいくつか買った.玉川学園といえば蜂蜜だ.午後になっても都内は気温9度に達しない寒さが続く.よく晴れていて日向はそれなりに暖かいのだが.経堂で途中下車.灰色の雲が南から這い上がってきた.寒々しいすずらん通り.ついこの間まであった〈アイバンラーメン・プラス〉がきれいになくなっていた.遠藤古書店を一周り探書してから駅に戻った.

◆[蒐書日誌]『温泉批評・2014年秋冬号』(2014年10月15日発行,双葉社[双葉社スーパームック],東京,ISBN:978-4-575-45486-4 → 版元ページ)※創刊3号目だが,こういうムックが出ていたとはぜんぜん知らなかった.他の温泉メディアでは取り上げられない話題が並んでいる.

◆[欹耳袋]グランフロント大阪で開催中の〈系統樹の森・大阪展〉は明日12月7日(日)が最終日です.午後5時までですのでお見逃しのないよう.写真は昨日のギャラリーツアーのようす.

◆都内は局所的に曇っていたが,茨城に入ったらまた青空が戻ってきた.それにしても寒々しい一日だった.つくば直帰後,明日からの大分出張のしたくのため観音台へ.鮮やかな夕焼けがだんだん闇に覆われていく.気温6.5度.冷え冷えとした居室の BGM はジョン・ケージの名作〈4分33秒〉がベストフィット.東の空に大きな満月が煌々と輝いていた.

◆明日からの旅立ちの仕度がなかなか終わらない.

◆本日の総歩数=12335歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=90.8kg(+0.1kg)/ 29.5%(−0.6%)


5 december 2014(金)※角打ち酒場で激闘痛飲

◆午前5時前起床.気温2.0度.冬晴れの観音台はあちこちに真っ白な霜が降りていた.今朝の最低気温は1.0度.午前8時には3.5度まで上がってきた.月曜以来の出勤簿押印.次にハンコを押すのは一週間後の金曜だ.それまでは九州に高飛びする.朝イチの BGM はいただきものの〈Pausa〉.独唱テノールは Antonio Signorello,ピアノは仁戸田敦子.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 年度末(2015年2〜3月)の国内出張にともなうフライトとホテルの確保に走る.統計巡業先の熊本は足・宿ともに余裕ありまくりだったが,生態学会の大所帯が民族移動する鹿児島はかなりヤバそう.計量生物学会がある京都が春の観光シーズンに突入している点で意外にきわどかった.出張先の「宿」と「足」の確保に手間取るケースが格段に増えてきたのは,国内旅行者が増大しているからだろう.観光シーズンに突入したり巨大学会と遭遇したら身の不運をかこつしかないが,とにもかくにも “出張難民” とならないよう気をつけないと.というわけで,熊本・福岡・京都・奈良・鹿児島・宇都宮・秋田の宿と足はすべて確保できた.これで枕を高くして寝られる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 2015年2月21日(土)午後に開催される九州大学総合研究博物館・公開講演会〈科学描画:科学と芸術のはざま〉@旧工学部本館1階大講義室(九州大学・箱崎キャンパス)での講演タイトルと要旨を送信./奈良・橿原市昆虫館サイエンスカフェ — 2015年3月14日(土)13:30〜15:00 での高座:三中信宏「サイエンスはアートである:万物の多様性を目で見ること」はすでに確定している.

◆夕暮れの都内出撃 —— ワタクシは〈富士山〉よりも〈風の森〉とか〈鍋島〉とか〈玉川〉という “地形” を[の]みたい.四谷三丁目駅前のセルフ角打ち〈やまちゃん〉にて「冬の試し会」.何の変哲もない狭い雑居ビルの4階に〈やまちゃん〉はあった.中に入ったらすでに超満員で,グループごとに宴席のセッティングに余念がない.「セルフ角打ち」のネーミングどおり,約50種類の地酒を自分でかってに呑んでいいというシステム.おつまみなどもちこみはすべてタダという.呑み屋なんだか酒屋なんだかよくわからない.テーブルは事務机とスチール椅子というどこかの大学の会議室みたいな店内.ただし予約で満杯.文字通りの「角打ち」の立ち飲みグループもあり.超高密度でのみまくって午後10時に「うう……」となり,午前様になる寸前につくばによろよろ帰り着いた.

◆明日は朝から玉川大学の補講のため臨時都内出撃.そろそろ体力の限界かもしれない.

◆本日の総歩数=11998歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=90.7kg(−0.5kg)/ 30.1%(+0.2%)


4 december 2014(木)※都内は冷たい雨が降る

◆午前4時半起床.朝風呂だん.今の気温は3.0度.午前7時半,つくば駅.定例都内出撃の朝は冷え込みが身にしみる.午前9時前,新宿駅.山手線内の発煙事故の影響でどこの駅も混みまくり.都内の気温は9.2度.午前10時,玉川大学着.曇って寒い.冬の寂寥感あふれまくりのキャンパス.

◆[蒐書日誌]ワタクシが研究室にいなかった間にしんしんと降り積もっていた着便本たちは以下のとおり:

  • ジョージ・グリーンスタイン, アーサー・G・ザイアンツ[森弘之訳]『量子論が試されるとき:画期的な実験で基本原理の未解決問題に挑む』(2014年12月25日刊行,みすず書房,東京,iv+422+xxi pp., 本体価格4,600円,ISBN:978-4-622-07871-5 → 版元ページ)※ご恵贈ありがとうございました.
  • ピンカス・ギラー[中村圭志訳]『知の教科書 カバラー』(2014年10月10日刊行,講談社[講談社選書メチエ・584], 東京, 318 pp., 本体価格1,750円, ISBN:978-4-06-258587-3 → 版元ページ)※カバラ思想は基本教養.それにしても本書のどこを探しても,原書タイトルなど書誌情報がぜんぜん載っていないんですけど…….ちょっと調べたところではこの本ね:Pinchas Giller『Kabbalah: A Guide for the Perplexed』(2011年刊行).
  • Paul J. Silvia『How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing』(2007年刊行,American Psychological Association , Washington DC, xii+149 pp., ISBN:978-1-59147-743-3 [pbk] → 版元ページ)※もっと書きましょう!
  • 五十嵐日記刊行会(編)『五十嵐日記:古書店の原風景 — 古書店員の昭和へ』(2014年11月20日刊行,笠間書院,東京,326 pp., 本体価格2,400円, ISBN:978-4-305-70755-0 → 版元ページ)※本体「五十嵐日記」は半世紀前(1950年代)の神保町古書店街を記録している.
  • 臼田捷治『工作舎物語:眠りたくなかった時代』(2014年12月10日刊行, 左右社, 東京, カラー口絵 4 + 293 +7 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-86528-109-5 → 版元ページ)※「1970年代、松岡正剛が率い、伝説として語り継がれる初期工作舎。全国から若者が集まり、不夜城の熱気をもち、多くの才能を輩出した」
  • 本屋さんか:創刊30周年記念復刻(全12冊)』(2014年8月10日刊行,どむか,東京,本体価格1,500円 → 版元ページ)※北白川〈ガケ書房〉にてゲット.1980年代の本の雑誌.
  • 園信太郎『確率概念の近傍:ベイズ統計学の基礎をなす確率概念』(2014年5月15日刊行,内田老鶴圃,東京,vi+105 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-7536-0121-9 → 版元ページ)※えいやあっと発注したのだが,予想通りタダモノではなかった.体裁的にも内容的にも尋常ならざるオーラを帯びた本.本論部分(第1〜5章)はたった39ページしかないのに,付録はその倍の分量がある.付録A, Bで計30ページ,そして付録C「いくつかの文献」が30ページ.タダゴトではない.おもしろそう.
  • 市原清志・佐藤正一『カラーイメージで学ぶ〈新版〉統計学の基礎[CD-ROM付]』(2014年9月9日刊行,日本教育研究センター,大阪,viii+305 pp., 本体価格4,200円,ISBN:978-4-89026-171-0 → 版元ページ版元ドットコム)※旧版と比較してみたところ,2群間の差の検定に関する章がROC分析を含む3章に分割され,さらに適切な統計処理の章,シミュレーションの章,そして実験の章が増補されている.
  • Ziheng Yang『Molecular Evolution: A Statistical Approach』(2014年5月, Oxford UP http://ow.ly/F7Fon )※分子進化学とりわけ分子系統学の解説に特化した新刊.全体構成は前著『Computational Molecular Evolution』(2006)に準拠している.各章ごとに演習問題を置くなど,統計学的分子進化学の最新の教科書として読まれることを前提にしている.とくに分子系統推定におけるベイズ法(Bayesian MCMCを含む)については前著よりもはるかに強化され,120ページを割いて解説されている.関心のある読者にとってはきっと参考になるだろう.

—— 積み上がった新着本の山は以上の通り.

◆午後1時,系統樹の信頼性評価に関する講義を終えて,小雨がぱらつくうすら寒いキャンパスをあとにする.正午の気温は10.8度.さむさむ.経堂経由で駒場へ.冷たいしとしと雨に濡れるキャンパスは静かすぎる.講師室に避難して引きこもり.『系統樹の森』ブックレットの正誤表が完成した.一般化線形モデルと変量間共分散の解説をして,小雨降る夕闇の駒場キャンパスをあとにする.

◆[蒐書日誌]中島義道『東大助手物語』(2014年11月15日刊行,新潮社,東京,190 pp., ISBN:978-4-10-439709-9 → 版元ページ)※車中読了.この上もなく神経質な助手が病的にエキセントリックな教授に翻弄される実録物語.おもしろいかと訊かれればおもしろくない.「ご愁傷様でした」と言うしかない.むしろ,なぜコマバにはこういう「逸話」が多々生じるのかという点が気になる.何かあるんですか?(邪悪なゲニウス・ロキとか)

◆駒場の後は神楽坂に転戦.理科大にて開催されている計量生物学会理事会に参加するも,大きく遅刻して最後のたった10分のみの実在となってしまった.つくば直帰.雨は上がっているが,湿っぽい冷気が水たまりの残るセンター広場に淀んでいる.今日の14時間労働は終わり,明日はめずらしく観音台に実在する.

◆本日の総歩数=15798歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)=91.2kg(−0.1kg)/ 29.9%(−0.3%)


3 december 2014(水)※寒気の底の上野と本郷

◆午前4時過ぎ起床.気温氷点下1.0度.夜明け前の観音台.気温はさらに下がって氷点下1.4度.〈風の森〉はすべて氷温室に無事格納された.さて,夜が明ける前に観音台を撤収しないと.暗躍を旨とするワタクシ.今朝の最低気温が氷点下1.8度.

◆[欹耳袋]Transmitting Science | Quantitative Cladistics and Use of TNT |29 June - 3 July 2015 | Barcelona Spain.

◆第30回国際生物学賞記念シンポジウム〈生物の分類学と進化学の新展開〉二日目 —— 午前8時の気温は4.5度.きりきり冷え込む朝.しかし,そろそろ上野に出撃しないといけないのだが,ちょい出だしが遅れてしまった.上野に着いたのは午前10時半,科博講堂着.恐竜づくし,のち巨大コンニャクづくし.ショクダイオオコンニャクはちゃんと食用の「蒟蒻」になるんだ! 昼休み.昨日同様,すっきり青空の上野公園.正午の都内の気温は12.2度.公園内をぶらぶらしてから本郷に移動する.

◆千駄木路地裏の〈結構人ミルクホール〉にてグァテマラの深煎りとたまごサンド.ばくばく食べたので写真はないっす(ケダモンですな).しばらく潜伏して仕事する.新年度からの新連載ゲラのチェック.続いて,Manuel Lima 2014『The Book of Trees』の「Foreword to Japanese Readers」翻訳.2100字ほど.では,そろそろ本郷通りに転戦するぞー.

◆乾いた青空が広がる本郷通り.理学部2号館着.弥生キャンパスに比べて,本郷キャンパスのイチョウの紅葉はなんだか不完全燃焼みたいね.323セミナー室なう.ヒミツのキックオフ・ミーティングがもうすぐ始まる.考古学な話題提供が続く昼下がり.「型式学(typology)」は【種】噺に通じるものがある.一方,編年(seriation)は系統推定側の問題.午後6時過ぎ,ミーティング終了.外はもうすっかり夕闇の中.本郷三丁目の〈やき龍〉にて懇親会.うう…….

◆明日は定例都内出撃日プラス計量生物学会理事会.

◆本日の総歩数=13782歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.3kg(−1.1kg)/ 30.2%(+0.2%)


2 december 2014(火)※上野の森の学士院にて

◆午前5時前起床.気温8.3度.朝イチの厨房仕事はローストビーフを焼くこと.ローストビーフ(250グラム×2本)はいつもどおり150度の温度設定で,焼き時間は25分にした.午前6時には焼きあがる予定.スッキリ朝焼けグラデーション.気温は5.1度まで下がっている.

◆午前8時半,つくば駅.きりりと乾いた冬晴れの青空.今日は上野の森の日本学士院講堂にて開催される第30回国際生物学賞記念シンポジウム〈生物の分類学と進化学の新展開〉へ出撃.午前9時半過ぎ,上野着.イチョウが散り始めた上野公園を横目に日本学士院へ.会場の席はまだ埋まっていないが,見わたすと知り合いがたくさんいるようだ.ワタクシは電源がかろうじて取れる後ろの端に陣取って,絶賛内職(泣).電源確保が困難を極め,WiFi電波も細すぎる…….

◆午前10時,定刻にシンポジウム開始.Gonzalo Giribet さんの高速レクチャーを聴きながら,『系統樹の森』ブックレットの “蟲捕り” を終えた./来年の応動昆大会(山形大学)は,日本動物遺伝育種学会・在来家畜研究会公開合同シンポジウムとぶつかってしまって参加できないことが判明.ごめんなさいメールを小集会主宰者に送信./世の中にはヘンな無脊椎動物がたくさんいるなあ……./橿原市昆虫館から市民講座の打診あり.お引き受けする方向で日程調整に入る./午前中はとても仕事がはかどった(おいっ).

◆お昼休みは上野公園をぶらぶら徘徊する.師走らしく,吹く風はやや冷たいが,日なたは十分に暖かい.上野公園のスタバにてカプチーノ充.観光客や修学旅行生多し.上野公園を歩き回るのはずいぶんひさしぶりのこと.外に出ても WiMAX の柱がたった一本しか立たないのは上野は意外にも電波僻地ということか.ときおり吹きわたる風が落ち葉を巻き上げ,空っぽの紙コップを転がしていく.快晴の上野公園はゆったり.午後1時前,そろそろ日本学士院講堂にもどる時間だ.

◆今回の受賞者である Peter Crane 博士は “古き良き分岐学” の時代からキャリアが始まったんだな.午後5時半,受賞講演が終わり,2週間後の所内成績検討会の配布資料も作成完了できたので,つくば直帰だ.午後も仕事がとても進捗した(こらこら).みなさんはレセプションへどーぞ.

◆ぴりぴり寒い夕闇のつくばセンター.午後8時過ぎには気温はすでに2.6度まで下がっている.ということは明朝はいったいどうなる……(brbr)

◆本日の総歩数=6633歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=92.4kg(+1.1kg)/ 30.0%(−0.3%)


1 december 2014(月)※師走開幕はつくばから

◆午前5時半起床.師走はスタートは雨.気温13.5度.いきなり霧筑波の夜明け前.朝から濃霧が立ち込める観音台はときどき冷たい小雨が降りかかり,雰囲気的に師走の到来を醸し出している.午前8時の気温は12.9度.農林団地構内は冬めく景色.BGM は年末らしくバッハ〈クリスマス・オラトリオ〉.

◆[欹耳袋]Togetter -「「系統樹の森」展 公開講座」※どうもありがとうございました.

◆師走初日の午前の┣┣" 撃ち —— 師走はじめの2週間は今日を含めてたった3日しか農環研に実在しないので,所内でしかできない仕事を優先.しかも職場を一週間放置した翌日(11月12日)はいきなり成績検討会だったりするので,そこまで見渡して今日の┣┣" を撃つプランを立てないといけない./出張伺の再提出./大阪の復命書./出席票の印刷./熊本農試からの統計研修講師依頼の件につき,所内決済の下準備.こういう微小┣┣" どもはいくらでもなぎ倒せる./メーリングリストへの月例アナウンス送信./確かにメーリングリストのエラー返信数がただごとではない.先日,情報センターから “お小言” をいただいたのも当然のことかも.以前だったら, “死亡アドレス” をちくちく蟲捕りしていたのだが,その後は思いっきりてーげーになって,いっしょくたにゴミ箱送りでほっかむり.年の瀬の大掃除は,リアル研究室ではなく,メーリングリストの方が優先になるだろう.

◆師走初日の午後の┣┣" 撃ち —— 来年の日本計量生物学会の年会とチュートリアルの案内が届いた【期日】2015年3月12日(木)〜13日(金)【場所】京都大学医学部芝蘭会館./来年の分類学会役員会は欠席.翌日の総会で事務報告をする./新着┣┣" たちの空きニッチがほとんどなくなってしまったので,今月の┣┣" 撃ちリストを早々と更新しないといけない.更地をつくるからさらに┣┣" が侵入するのかもという疑念をあえて否定しつつ.今月の┣┣" 撃ちカレンダーを更新している最中にも,空きニッチを狙って┣┣" が一頭また一頭.最近の┣┣" のおそるべき点は,単に勝手口から突入してくるだけではなく,ちゃんと調整スケジュール表を背負って表玄関から入ってくること.

◆京都みやげは〈仙太郎〉の「渋栗蒸し羊羹」.栗が敷石のように敷き詰められている快感.

◆[欹耳袋]山上朮「チュートリアル:英文翻訳調の文章の書き方」※「すべての状況でこの文体はオプションです。あなたにはこれを使うことを、あるいは使わないことを選択する自由が与えられています」— みごとな “反面教師” で勉強になる.多くの研究者は外国語からの「翻訳」のための技法を学ぶ機会は,通常のキャリアづくりの過程では,ほとんどないだろう.輪読会や勉強会のアウトプットとして翻訳 “でも” だそうかなどという心がけではロクな翻訳書が出ない.そんなワルい事例はいくらでもある.研究者は「翻訳」を軽く考えてはいけないし,また気安く引き受けてはいけないのだろう.元記事の「英文翻訳調」でちゃんと訳文が書けるのであれば御の字で,たいていの場合,そのレベルにすら達していないことが多々あるから.ワタクシの場合は,たまたま農学部の研究室に配属された先に “渡辺政隆” という手練がいたので,S. J. Gould をはじめ自然科学書の翻訳の大技小技を脇見で学ぶことができた.

◆[蒐書日誌] 瀬川正仁『集める人びと:蒐集の小宇宙』(2014年11月11日刊行,バジリコ,東京, ISBN:978-4-86238-214-6 → 版元ページ)※「モノに魅せられ、それを蒐めるコレクター/コレクターたちそれぞれの人生を追いかけ、 コレクションとともに収録したルポルタージュ」— すぐ買わないと.

◆夕方になっても雨はまだ降り続いている.今日の最高気温は,予報では20度近くになるはずだったが,実際には昼過ぎの14.1度止まりだった.夕暮れの BGM〈マタイ受難曲〉が終わったからそろそろ撤収しよう.

◆〈系統樹の森〉大阪高座の自分へのご褒美は〈風の森の森〉.つい先ほど一升瓶が6本も届いて狂喜乱舞.文字通り〈風の森〉の森である.左から順番に:「25BY雄町純米吟醸しぼり華」「25BY秋津穂純米しぼり華(おりがらみ)」「25BY秋津穂純米大吟醸しぼり華(おりがらみ)」「25BY露葉風純米しぼり華」「25BYキヌヒカリ純米大吟醸笊籬採り」そして新酒の「26BY山田錦純米吟醸笊籬採り」.以上.今夜はきりたんぽ鍋とともに左端の「露葉風」を開栓する予定.けっきょく半分ほど空いて「うう……」状態.

◆明日と明後日は上野の森に出撃する.

◆本日の総歩数=4151歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=91.3kg(+0.3kg)/ 30.3%(0.0%)


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