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日録2014年4月 


30 april 2014(水)※飛び石連休と飛び石労働

◆午前5時前起床.雨.気温13.7度.雨々降れ降れ観音台.ひさしぶりのまとまった雨になった.午前8時の気温は13.7度.半袖ではちと肌寒かったかも.飛び石労働日,朝イチの BGM はシェーンベルク〈グレの歌〉.ケーゲル&ドレスデン.

◆[欹耳袋]さらなる残響が —— 毎日新聞「理研:倫理研修に半数が不参加 管理職550人に義務付け」(2014年4月29日)※「一般の研究員に対するコンプライアンス研修」は「外部登用した理事に監視の役割を担ってもらう」– うわぁ.「ワルいこと」が後を絶たないとしても,それを根絶するために労力を湯水のように注ぐのは,対外的ポーズとしては効果的でも,実質的には壮大なムダでしょう. “外れ値” に懲りて “母集団” を滅菌するような愚行.余波が到達しないことを祈るのみ.

◆飛び石労働日の┣┣" 撃ち —— ひたすら原稿を書くしかない./R 3.1.0 の VAIO Pro への再インストールをおそるおそる完了.先日は “毒” を吐きまくって息絶えてしまったが,今回は何とか最後まで完了した.でも,いつ “腹中蟲” が暴れだすかわからないので,R 3.0.3 を傍に置いておく./Firefox の最新バージョン ver 29.0 って Google Chrome みたいな外観.

◆[欹耳袋]文科省も火だるまに —— 一研究者・教育者の意見「小保方騒動から見えてくる日本の高等教育」(2014年4月19日)※「小保方さんは文科省が目指してきた理想の大学・大学院で教育を受けてきたのである」「その理想の教育を受けた小保方さんが、なぜ……」|「日本の異常な研究費助成制度」(2014年4月20日)※「3/4の研究者が得ている基盤研究Cの額が低すぎることは極めて問題であり、これで世界に通じる研究を行うことは不可能である」|「「選択と集中」の行き先」(2014年4月29日)※「日本の科学研究行政における「選択と集中」を支えるものは「論理」ではない。 むしろ「信仰」」「誤った「選択と集中」を行っても誰も責任を問われない」

◆小雨がしとしと降り続く昼休みは徘徊中止.正午の気温は17.0度,湿った南風が涼しい,というか半袖だと肌寒い.芽吹き屋の柏餅 mgmg.

◆[欹耳袋]大学非常勤講師は怒る —— The Atlantic | Elizabeth Segran | The Adjunct Revolt: How Poor Professors Are Fighting Back | 28 April 2014.

◆午後になって雨は本降りに.今日はずぶ濡れにならないうちに撤収しないと.雨夜の夕餉には〈いずみ橋〉「とんぼラベル6号」25BY槽場直詰め無濾過生原酒を開栓.海老名産の山田錦.アルコール度数は19度もあって超キケン.アテは生活クラブの豚ロース肉の味噌漬け.

◆加圧原稿書きは夜遅くまで続くのだった.「どうしてもっと早くから……」という後悔は先に立たず,後も絶たない.

◆本日の総歩数=3124歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.4kg(−0.4kg)/ 30.7%(+0.3%)


29 april 2014(火)※読んで考えて書く休日を

◆午前5時起床.雲間から真っ赤な朝日がのぞいている.気温14.3度と高いのなんの.今日は天気が下り坂との予報.

◆[欹耳袋]備忘メモ:日本昆虫学会第74回大会広島大会(2014年9月13日〜16日@広島大学)の大会サイトで,公開シンポジウム〈これからの科学者を育てるために〉と〈昆虫学会・秋の学校〉の講師紹介が公開された.〈昆虫学会・秋の学校〉はよくぞここまでワルモノ講師ばっかり集めたものだ.ワタクシ的には昆虫学会エクスカーション〈酒の街西条酒蔵めぐり〉をとても期待している.こういう “巡検” はぜひ毎回開催してほしいなあ.

◆朝のうちは日差しが強かったが,お昼近くになって雲が広がってきた.気温は19度まで上がってきたが,吹き抜ける東風のせいか,体感的には昨日よりもかなり涼しい.今日のおひとり様ランチは「目玉焼きごはん」.厚手のオムレツパンを火にかけ,油を薄く引いてから生卵を割り入れる.白身が固まり黄身にぽつぽつ気泡が浮かぶまでゆっくり焼く.これで半熟.玉子ごはん専用醤油をちょいと垂らして食卓へ直行.生卵も煮抜きもそれはそれで美味いのだが,ごはんには半熟の目玉焼が合う.「目玉焼き丼」とか「きつね丼」みたいな “平和” な丼ものに慣れてしまうと,かの「しそ肉バター丼」がいかに地上最強(兇)な丼であるかが実感できる.だって,バターの塊100グラム超を “ドスン” と投入するような蛮行はもうムリだし…….

◆午後は〈モルゲン〉にて食パンを確保.つくばにこれだけパン屋が増えても,食パンに関しては洞峰公園北〈モルゲン〉の一択.その地位はいまなお盤石.夕方に行けばパンは何一つ残っていない.その後,〈コーヒーファクトリー〉にて一休み.空気がしっとりしている.洞峰池を一周りして帰還.薄曇りときどき晴れ間.おまけに肌寒い東風が吹いて,16度前後の気温以上にひんやりしている.

◆[蒐書日誌]今日の歩き読み本:富士川義之『ある文人学者の肖像:評伝・富士川英郎』(2014年3月5日刊行,新書館,東京,446 pp., 本体価格3,600円,ISBN:978-4-403-21106-5 → 目次版元ページ).四六判450ページのハードカバー本を読み歩くにはそれなりの腕力が必要.まるで握力と筋力トレーニングみたい.150ページまで読み進んだが,まだ全体の1/3だ.先は長い.著者いわく:「もはや絶滅危惧種と見なされている反時代的な「文人学者」が,いったいどのような存在であったのかを少しでも掘り下げることができたら,というのが,いまのわたしのささやかな願いでもある」(p. 53).「文人学者」って今ではもうリアルなイメージが湧かないような.思いつくまま名前を挙げれば,富士川英郎,徳永康元,由良君美 …… いずれも本を通じて知っているだけだし.

◆夜のスイーツは水戸・千波湖〈ルブラン〉の「レジオン・ド・マロン 岩間70%」.食べても食べても栗だらけのテリーヌ.栗の石畳をカットすると,栗がごろごろ “出土” する悦楽.

◆夜になって,天気予報通り,雨がぽつぽつ降りだした.明日と明後日は本降りになるらしい.

◆本日の総歩数=8828歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(+0.1kg)/ 30.4%(−0.2%)


28 april 2014(月)※大型連休前に加圧されて

◆午前5時前起床.日の出なう.気温8.5度.薄雲が広がってきた観音台は半袖だとやや涼しいかも.午前8時の気温は15.0度.飛び石労働日の朝イチに原稿加圧メールが届いて,原形をとどめないほど凹んでいるなう.

◆[蒐書日誌]植物学者・牧野富太郎の伝記が北隆館から出版されていたとは知らなかった:高知新聞社(編)『MAKINO:牧野富太郎生誕150年記念出版』(2014年1月刊行, 北隆館, 東京, ISBN:978-4-8326-0979-2 → 版元ページ

◆正午の気温は20.2度.やや蒸し暑い曇り空の農林団地周辺をぐるっと徘徊.田植え間近の水田はどこも潅水の真っ最中だった.歩き読み本:デイヴィッド・クリスタル[國弘正雄訳]『地球語としての英語』(1999年1月8日刊行,みすず書房,東京,iv+215+x pp., ISBN:4-622-03381-X)をざっと読む.本書はもう版元品切れみたいね.最終章「地球英語の未来」から:「英語が全く予測不可能な言語変化の嵐にさらされる,ということである.全世界にわたって英語が拡散していった結果,英語が根をおろしたさまざまな地域で,新しい英語の種類が登場した」(p. 179)/「これらの新しい英語の種類はいまや『新しい英語たち』と複数形で呼ばれる」(p. 179)/「複数の新しい英語たちの出現は,究極的に英語が分裂して一連の相互理解不能の諸言語に分かれてしまうという化け物の到来を予想」(p. 185).グローバルに分布する言語コミュニティーが,ローカルに “言語進化” を遂げるというシナリオは十分にありえる.

◆今日は一日中ずっと資料の読みまくり.実験はしない代わりに,読んで考えるのがワタクシの日々の仕事.

◆[欹耳袋]中村禎里といえば,通史としての『生物学の歴史』(1983年3月5日刊行,河出書房新社,東京,327+48 pp., 0045-068302-0961)とか個別史『ルィセンコ論争』(1967年11月刊行,みすず書房,東京)を大学院時代に読んで勉強した記憶あり.『近代生物学史論集』(2004年刊行,みすず書房,東京)は東日本大震災で書棚が崩落してから行方不明のまま.合掌.

◆初夏の陽気だった今日はサイダー代わりに〈八海山〉の「発泡にごり酒 Sparkling」をシュポンと開栓.〈八海山スパークリング〉は〈獺祭スパークリング〉と同じくシャンパン瓶だが,コルク栓ではなく,ビールと同じ金属冠.これからの季節,さらに気温が上がると,ビール代わりにこーいうタイプのしゅわしゅわ日本酒が大活躍.アルコール度数もまたシャンパン並み.今夜のアテは生活クラブの豚肉の生姜焼き.肉料理にはしゅわしゅわ日本酒を.最初は透明でもだんだん濁ってくるん〜.だし巻き登場.最後の瓶底はもうどろどろで,うまうまで.

◆[欹耳袋]アラ探しにもほどがある —— 朝日新聞デジタル「山中教授が会見「論文内容に自信」 元データはなく謝罪」(2014年4月28日)/NHK NewsWeb「京大 山中教授が自身の論文巡り会見」(2014年4月28日)※研究者全員にデータロガーをつけて,24時間態勢で一挙一動漏らさず監視すりゃいいんじゃないか.アホかいな.

◆明日の飛び石連休は “身染みて” 原稿書きまっせー.

◆本日の総歩数=8578歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(+0.1kg)/ 30.6%(+0.2%)


27 april 2014(日)※気分だけリゾートライフ

◆午前5時前起床.気温9.1度.日の出がどんどん早くなってしまうと,彼は誰時の薄暗がりを見逃してしまうことが多くなる.気温は8度台.朝日はまぶしくても空気はひんやり.

◆[欹耳袋]目黒寄生虫館の特別展〈ヤマビル〉.2014年4月26日〜9月28日.半年間もの山蛭責め.ポスターがあまりにもダイレクトすぎる.うわぁ~.

◆[蒐書日誌]Fred L. Bookstein『Measuring and Reasoning: Numerical Inference in the Sciences』(2014年刊行,Cambridge University Press, New York, xxviii+535 pp., ISBN:978-1-107-02415-1 [hbk] / ISBN:978-1-107-72282-8 [eBook] → 版元ページ).数値解析と統計的推論の世界を C. S. Peirce の「Abduction」と Edward O. Wilson の「Consilience」をキーワードに展開する大著.600ページ近くある.幾何学的形態測定学も統合されている.最初から最後まで読まないと!

◆行楽日和の午前中は引き籠りで,著作権処理文書の返送,岩波『科学』特集号のゲラ修正,そして東京農大昆研の新歓合宿への参加返信.外気温はいまにも22度を越えそう.吹き抜ける風が爽快.初夏の陽気の昼下がりは気温24.0度.湿度が低いので,自宅引き籠りでも窓を全開放すれば,気分だけは高原ライフ.カレンダーを5月にめくってしまおう.昼寝読み本:高橋一喜『日本一周3016湯』(2014年3月30日刊行,幻冬舎[幻冬舎新書・340],東京,503 pp., ISBN:978-4-344-98341-0 → 版元ページ).本文をずっと追っていると,欄外フッタにずらりと並ぶ「3016湯リスト」からしだいに乖離してしまう.このリストはあとで再読しないと.

◆[欹耳袋]数日前,著作権処理会社から連絡があり,都内の某私立大学の入試問題(現代国語)に『分類思考の世界』が出題されたので,手続きをよろしくとのこと.入試が終わって年度が変わる今の時期にはときどきこういう事案が舞い込む.たいていの場合,実際に出題された問題と設問がセットになって送られてくるのだが,今回は設問なしの問題文のみが同封されていた.問題文の傍線部や空白部を手がかりにいったいどのような設問に受験生たちが取り組んだのか気になる.入試問題として自分の文章が取り上げられるとき,書いた本人の「意図」は何の関係もない.「傍線部で著者は何を言おうとしてるのか述べよ(50字以内)」という設問に対して,「著者は何も考えていないんですけど……」という “不都合な真実” は隠蔽される.

系統樹思考の世界』よりも『分類思考の世界』の方が入試にはより高頻度に出題されている(二倍以上の差がある).あんな韜晦な(どの口がそれを言う)文章を出された受験生の方こそいい迷惑かもしれない.今回の出題箇所は『分類思考の世界』末尾のエピローグ.南米アルゼンチンのトゥクマンを舞台として,マーラーの〈復活〉を BGM に生者亡者たちが競演する一幕.平均点はきっと低かったんじゃないかなあ…….

いずれにしても,入試問題として化粧直しされた時点で,元の文章も改変されるのはもちろん,著者の意図も改変されるので,ワタクシにとってはあずかり知らぬことと観念するしかない.

◆[欹耳袋]Jタウンネット茨城県「木の葉丼って何?」 関西人「えっ、木の葉丼知らんの? 全国区違うの?」(2014年4月18日)※衣笠丼とか他人丼も関西ローカル.ところで,今夜は「きつね丼」をつくるんやけど.

◆今宵はシンプルな「きつね丼」をひさしぶりに.レシピはとっても簡単:

  1. 濃いめの出汁(昆布)を用意する.
  2. 大量の油揚げと大量の九条ねぎを無慈悲に刻みまくる.
  3. 味醂を煮切り,日本酒とざらめ砂糖を適量加え,1 の出汁を加えて煮立てる.
  4. 最初に油揚げをふっくら柔らかくなるまで煮る.途中,味見しながら薄口醤油を適宜加える.
  5. 油揚げが煮えたら,火を止め,九条ねぎを投入.予熱で混ぜ合わせる.
  6. 丼飯に汁ごとかけて,粉山椒とともに食卓へ.

注意点はふたつ:

  • 味付けの基本は「甘め」を心がけること.醤油入れ過ぎたらアウトやで.味ないし.
  • 九条ねぎに火ぃ見せたらアカン.予熱で十分.鍋が熱いうちに油揚げと混ぜるべし.

◆明日は飛び石の平日労働日.盛り下がるなあ……

◆本日の総歩数=1863歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(0.0kg)/ 30.4%(−0.5%)


26 april 2014(土)※パンをぶら下げ松見公園

◆午前5時過ぎ起床.朝日がまぶしいGW初日.気温は8.8度.今朝の朝日新聞,本日封切り〈テルマエ・ロマエ II〉の全面広告が計10ページも.ほんまアホかいなというか,連休日本は平和やなというか,これはもう♨に行くしかないというか.

◆[欹耳袋]大隅典子の仙台通信「科学者は競争的すぎる環境に付いていけない」(2014年4月26日)※みんな読め./3D printed Phylogenetic Tree Pendant.※系統樹グッズ!

◆さわやかな初夏の陽気.気温はすでに20.3度まで上がってきた.天久保〈ブロートツァイト〉にてパンを買い込んで帰還.今日は特別に〈フィンラガン〉の “裸足” のマスターが出店して,生ハムをスライスしていた.生ハムが食べたい人は今すぐ直行せよ.

◆昨日の高座に関連して ——

  • #NodaiStat ゴールデンウィーク突入ですが,忘れないうちに前回講義の質問からいくつか. posted at 17:31:07
  • #NodaiStat 【質問】「箱ひげ図の外れ値はデータ棄却の目安となりうるのか?」/【回答】なりません.ジョン・テューキーの箱ひげ図はもともとデータの “挙動” を効果的に視覚化するため「だけ」のツールです. “ひげ” の外側の「外れ値」は当該データの妥当性を見直す赤信号です. posted at 17:34:02
  • #NodaiStat 【質問】「サンプル数はどのように決めるのでしょうか?」/【回答】実験者がどの程度の「精度」を統計分析に求めるかによってサンプル数は変わります.サンプルサイズが小さければ精度は低いですが,やみくもにたくさんサンプルを取ればいいというものでもありません. posted at 17:37:25
  • #NodaiStat 【質問】「データセットにある直線モデルを当てはめる基準は?」/【回答】モデルをデータに当てはめる手順については連休明けの実験計画法で具体的に解説します.基本は観察データからの “ズレ” が最小になるようにモデルのパラメーターを推定します. posted at 17:40:00
  • #NodaiStat 【質問】「何気なく使っている “変数” などの単語の意味が混乱してきました」/【回答】確率をともなった変数がこれからの講義の中心になります.次回は確率変数と確率分布について解説しますので,その混乱はきっと解消するでしょう. posted at 17:42:19
  • #NodaiStat 【質問】「モデルは “心” のなかにあるというのがすごく納得できた」/【回答】観察データを説明する際には,どんなモデルを仮定すれば私たちは納得できるのかという “心” の問題を抜きには論じられません.単なる数学の問題ではないのです. posted at 17:45:12
  • #NodaiStat 【感想】「教室,うるさいですね.申し訳ないです」/【回答】どーもどーもありがとうございます.野鳥のさえずりか虫の音とみなしているので. posted at 17:48:11
  • #NodaiStat 質疑回答ツイートはそのつどワタクシの〈租界R〉 ow.ly/wbFxV で公開しています. posted at 17:49:57
  • #NodaiStat 講義中にデモした「データとモデルとの関係」について RPubs で公開しました:RandomError.R rpubs.com/leeswijzer/16283 posted at 19:11:28
  • [欹耳袋]租界R:「統計学へのお誘い本リスト(Version 24-April-2014)」 ow.ly/wbJfX ※ダレル・ハフ『統計でウソをつく法』を追加. #NodaiStat posted at 19:09:36

◆今夜は三重の〈作〉「Prototype-M」を開栓.直汲み純米原酒無濾過火入れ.微発泡で一升瓶の密閉栓が跳ね上がる.「極微発泡」とは書かれていてもガス圧はかなり高い.長野〈帰山〉活性にごり酒や和歌山「鉄砲隊≪爆発にごり≫」ほどの “殺傷力” はないが,開栓時は要注意.〈作〉の「プロトタイプ」はラベルの色によってキャラが異なる.通常の「火入れ」とはちがう「瓶火入れ」がこの蔵元のわざ.確かに,火入れしているのにフレッシュな味わいは「生酒」そのもの.〈作〉プロトタイプには「G・H・M・N」の四種類があり,やっと全種類制覇できた.

アテは並木「マルゲンミート」のスペアリブ.まる一日下味をつけ,230度設定のオーブンで一時間ほど焼けばちょうど食べごろになる.スペアリブにはぴったりの相性.しかし,シンプルに肉の喰い過ぎである.連休初日からこんな食生活はペケ.

◆本日の総歩数=5286歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=93.6kg(−0.2kg)/ 30.9%(+0.6%)


25 april 2014(金)※初夏の陽気の経堂出撃日

◆午前4時半起床.外はもう明るい.気温7.3度.日の出.今日もいい天気.

◆[欹耳袋]MSN産経ニュース「STAP問題、理研調査委員長、辞任へ 自身の論文データに疑義」(2014年4月25日)※「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」という弁解は関係者の間では “定型句登録” されているわけね./毎日新聞ニュース「北九州高「魚部」:顧問が異動…野外活動できないピンチ!」(2014年4月25日)※公立高校だと顧問に影響力が大きいのでどこでもありえる事態.地方公務員的に人事異動させたのだろう.

◆定例経堂出撃の朝 —— 午前7時半,つくば駅.南風が吹き込む暖かい朝.気温はすでに12度超.午前9時,新宿駅.小田急各停に乗り換え.午前9時の都内の気温は17.6度.日差しが強そう.午前10時前,農大キャンパス到着.経堂から農大通りをてくてく歩いてくると暑いくらいの陽気.本日の講義はデータ可視化ツールとしての箱ひげ図,そして統計モデルの認識的論的基礎としてのアブダクションについて噺をする.また,先週グレていた Rcmdr のデモを再度示す.午前10時の都内の気温はもう19.8度もある.正午前に講義終了.次に来るのはゴールデンウィーク明けの5月9日.「統計モデル」という入り口からパラメトリック統計学の参道を登り始めた.

◆[欹耳袋]Alex Reinhart〈 Statistics Done Wrong: The woefully complete guide〉.Darrell Huff『How to Lie with Statistics』(1954年)を思い出す:ダレル・ハフ[高木秀玄訳]『統計でウソをつく法:数式を使わない統計学入門』(1968年7月24日刊行,講談社[ブルーバックス・B-120],東京,223 pp., 0241-177205-2253 / ISBN:4-06-117720-6 → 版元ページ)は高校のころ最初に手にしたブルーバックスの一冊だったが,いまでも絶版にならずに店頭で見かけることがある.もちろん京都の実家にあった本棚からピックアップしてきた.いまは本体価格880円(+消費税8%)だが,当時は「定価250円」.消費税の概念そのものがない時代だった.翻訳出版後すでに半世紀が経とうとしているが,なお引用されているとはたいしたもの.本書がまだ売られているとしたら,「統計学へのお誘い本リスト」にエントリーさせてもいいかな.

◆午後1時過ぎ,経堂への帰路.農大通りの路傍には〈ハートフル・ファミリー〉というモニュメントが建っている.この道は毎週往復していたのだが,この〈ハートフル・ファミリー〉をしげしげと見たことはこれまでなかった.駅前商店街の自転車置き場にひとつと農大通りの端にもうひとつ建っている.農大通り商店街のウェブサイトをチェックしたら,この〈ハートフル・ファミリー〉は大家族で,それぞれのキャラクター設定が実に細かいことを初めて知った.

◆[蒐書日誌]車中読書本:南陀楼綾繁『谷根千ちいさなお店散歩』(2014年4月17日刊行,WAVE出版,東京,160 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-87290-668-4 → 版元ページ)読了.この地域の “毛細血管” の末端にあるような店まで登場する.いい本.ただし,マップがやや “粗い” ので,迷子になる読者はきっといるだろう.

◆午後4時過ぎ,つくば帰還.今日はとても乾燥していたので,水分欠乏気味.とりあえず,上野広小路〈うさぎや〉のどらやきを食べる.

◆明日からの連休中は積み残し原稿を書くのみ.

◆本日の総歩数=12960歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(0.0kg)/ 30.3%(−0.5%)


24 april 2014(木)※観音台の水田は潅水開始

◆午前5時前起床.気温7.8度.晴れ.オレンジ色に輝く日の出.すっきり青空の観音台.ところどころに水たまりがあるのは夜中に雨が降ったということか.午前8時の気温は14.2度.朝イチの BGM は Pascal Schumacher & Jef Neve の〈Face to Face〉から.着便本が積み上がる朝はささやかなシアワセに浸れる.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 昨日あった所内領域会議の配布物をチェック.来月から10月までは「軽装を実施しましょう」シーズン.「上着,ネクタイを着用しないなどの軽装に取り組みます.職員の皆様には,軽装実施にご理解いただき,ご協力願います」– 言われずとも常時最大限の “ご協力” をしてまっせ./今日もぽかぽか陽気が続く.午前11時の気温は18.5度と昨日よりも高い.細かい┣┣" をひねりつぶしてから,やや大きめの定例┣┣" を仕留めたところ./先ほど手渡された昨年度のワタクシの業績評価結果通知書によると,総合評価は「A」.努力が及ばず,昨年のようにはいかなかった.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「認知症で徘徊し線路で事故、遺族の賠償減額 名古屋高裁」(2014年4月24日)|昨年の一審判決:朝日新聞アピタル「家族の責任、どこまで 徘徊中、線路に…遺族に賠償命令」※シンプルに「在宅介護はもうムリ」という結論ですね.政府の基本方針を裁判所が棄却したという意味.

◆昼休み徘徊タイム.乾いた南風と紫外線たっぷりの日差し.気温は20度ライン目前.半月前までは桜吹雪だったのに,いまはもう新緑と花水木の季節に変わった.農林団地周辺の水田は田植えのための潅水がもう始まっていた.本日の歩き読み本:尾上圭介『大阪ことば学』(2010年6月16日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・文芸168],vi+214 pp.,本体価格860円,ISBN:978-4-00-602168-9 → 版元ページ)読了.以前,途中放置してしまった文庫本.

◆[欹耳袋]「自由に働け」と強制される不自由 —— 朝日新聞「「残業代ゼロ」一般社員も 産業競争力会議が提言へ」(2014年4月22日)/東京新聞社説「残業代ゼロ案 際限なく働かせるのか」(2014年4月24日).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 三重県農試からの統計コンサルタント業務.メールのやり取り./来月の不在届(出張伺・年休届・兼業願・振替日)一式を提出.5月のつくば不在率は「5不在日/20労働日=25%」と超優良な勤務態度.こんなことではいけない.もっといなくならないと./朝からの連続┣┣" 撃ちが一段落したので,着便した本を開封してすりすりタイムへ移行.

◆[蒐書日誌]南陀楼綾繁『谷根千ちいさなお店散歩』(2014年4月17日刊行,WAVE出版,東京,160 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-87290-668-4 → 版元ページ)※昨日,千駄木の往来堂書店にてサイン本をゲット.谷根千エリアの “毛細血管” の隅々に最近また新しい店ができている./石田基広『R言語逆引きハンドブック(改訂2版)』(2014年5月1日刊行,C&R研究所,東京,704 pp., 本体価格4,700円,ISBN:978-486354-147-4 → 版元ページ)※初版:石田基広『R言語逆引きハンドブック』(2012年2月3日刊行,C&R研究所,東京,663 pp., 本体価格4,600円,ISBN:978-4-86354-093-4 → 版元ページ)からたった2年あまりで改訂版とはすばやすぎる.というか,Rの進展が速いということだろう./Nathan G. Swenson『Functional and Phylogenetic Ecology in R』(2014年刊行,Springer Verlag[Use R!], Berlin, xii+212 pp., ISBN:978-1-4614-9541-3 [pbk] → 版元ページ) ※系統学的多様性・機能的多様性,帰無モデル,比較法など.

さらに,ドイツの古書店からも2冊同時に着弾した:H. -J. Hannemann (ed.) 『Bericht über die Hundertjahrfeier der Deutschen Entomologischen Gesellschaft Berlin, 30. September bis 5. Oktober 1956』(1957年刊行, Akademie-Verlag, Berlin, 295 pp. )※ドイツ昆虫学会創立100周年記念論文集.シュトットガルトの Antiquariat Seidel & Richter から届いた.Willi Hennig の論文「Systematik und Phylogenese」(pp. 50-71)が載っている./Beiträge zur Entomologie Band 10, Nr. 3/4, pp. 221-458, 1960.ベルリンの Fundus 書店から届いた.Willi Hennig の系統地理学の先駆的論文「Die Dipteren-Fauna von Neuseeland als systematisches und tiergeographisches Problem」(pp. 221-329)の掲載号.

—— 以上,昨日の「サン・ジョルディの日」にあわせてやってきたのは偶然か.

◆本日の総歩数=10143歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(−0.9kg)/ 30.8%(+0.3%)


23 april 2014(水)※不忍池から根津への細道

◆午前5時前起床.曇り.気温10.8度.午前9時,つくば駅.今日は本郷にて専攻教員会議.気温は16.7度,暖かい日差し,南風が吹いている.長袖を着てきたのは判断ミスだったか…….

◆[欹耳袋]日本計量生物学会の2014年度年会プログラムが公開されました(→ pdf).二日目に特別セッションをオーガナイズしています(→ leeswijzers stamboom):

日本計量生物学会特別セッション
〈ゲノム情報学・農学・生態学における統計モデリング〉

【場所】統計数理研究所大会議室(立川)
【日時】2014年5月24日(土)13:00〜15:30

オーガナイザー・座長 三中信宏(農業環境技術研究所)

  1. 岩田洋佳(東京大学):生物資源のゲノムワイド探索における統計モデリング
  2. 山村光司(農業環境技術研究所):外来生物防除の植物検疫における統計分析について
  3. 高橋一男(岡山大学):生物形態と遺伝情報:ゲノム情報から見た生物多様性
  4. 粕谷英一(九州大学)生態・行動データの統計モデリングにおける問題点

  コメンテーター 島谷健一郎(統計数理研究所)

◆[蒐書日誌]東京大学出版会からご恵贈本2冊 —— 多田満『センス・オブ・ワンダーへのまなざし:レイチェル・カーソンの感性』(2014年4月14日刊行,東京大学出版会,東京,xiv+310+14 pp., 本体価格3,200円,ISBN:978-4-13-060224-2 → 目次版元ページ)/田付貞洋(編)『アルゼンチンアリ:史上最強の侵略的外来種』(2014年3月20日刊行,東京大学出版会,東京,viii+334 pp., 本体価格4,800円,ISBN:978-4-13-060224-2 → 目次版元ページ).

◆[欹耳袋]The Huffington Post「PTA役員選出で「壮絶な争い」 仕事内容に疑問の声も」(2014年4月22日)※あらあら,ワタクシのツイートも拾われていますがな.つくばの場合は父親が PTA 本部役員をする率が高いように思われるので,他の地域とは事情がちがうところはきっとあるだろう./日本経済新聞「言語野作る遺伝子を特定 慶大など、進化解明へ一歩 」(2014年4月22日)※「言葉の理解などにかかわる脳の言語野を、遺伝子「GPR56」が作り出すことを突き止めた」

◆春爛漫の都内をうろうろする —— 気温が20度を越えた今日の都内はどこもぽかぽか陽気.所用があってお昼前に銀座のど真ん中へ.しばらく来ないうちにいろいろ再開発があったりして,変貌していた.今日の夕方あたりここをうろうろしていたら,きっとオバマ警護で殺気立った警察官に職質されていたにちがいないが,正午前はまだのどかな雰囲気だった.

銀座線で上野広小路へ出て,不忍池をひとまわり.さらに,動物園わきから池之端に抜けて,鷗外荘〜六龍鉱泉〜根津はん亭と定番コースをたどる.根津の〈芋甚〉にて一休み.これだけ暖かくなると小倉アイスがよく売れる.ひさしぶりだったので,奮発して「アベック豆かん」を注文.通常の豆かんに小倉アイスとバニラアイスがトッピング.恒例のつつじ祭り真っ最中の根津神社は平日なのにとんでもない混雑ぶり.つつじが一面に植わっている築山はすれ違うのにも難儀するほど.ゴールデンウィークまでには満開になるだろう.

S坂を這い登り,地震研の裏門から弥生キャンパスに侵入.都内は正午前に早くも20.1度まで上がっている.午後1時からは “ペーパーレス” 専攻教員会議.いつもの会議室に行ってみれば,教員全員がPC持参のただならぬ光景が広がっていた..

◆[欹耳袋]東京大学五月祭トップページ.とんとご無沙汰の五月祭.最近はいったいどんな感じなんだろうか.

◆午後5時過ぎにつくば帰還.今日はてくてくよく歩いたぞ.

◆本日の総歩数=13951歩. 朝◯|昼−|夜△. 計測値(前回比)=94.7kg(−0.5kg)/ 30.5%(+0.1%)


22 april 2014(火)※今日は陽光が戻ってきた

◆午前5時起床.曇り.気温11.1度.明け方までは霧雨が降っていたが,その後は急速に天候回復.ひさしぶりの朝日に照らされた観音台は午前8時の気温がすでに14.2度.日中は暖かくなりそう.朝イチの BGM はバッハの〈ミサ曲ロ短調〉.暑かったり寒かったりしても季節の移ろいは着実で,国道408号沿いのフウノキ街路樹はここ数日の間に新緑が鮮やかになってきた.

◆[欹耳袋]毎日新聞「PTA:役員決めは罰ゲーム? やらない人はトイレ掃除も」(2014年4月21日)※「ただ今のPTAは専業主婦を前提とした高度成長期のシステム」「忙しい現役世代の保護者だけで活動を担うのはもはや無理なんです」.ワタクシがかつてPTA本部役員をやった経験でいえば,役職を引き受けた上で,「どうでもいい仕事」や「ムリな作業」は勝手にやめてしまって,反論はいっさい受け付けないという “トロイの木馬” 戦術はかなり有効だった.PTAって何の意味もない行事や時間だけ盗られるイベントが多すぎるので,無慈悲にかつ徹底的に切り捨てても被害者は誰もいない.中に入って執拗に潰していけばいいと思う.ほんとうに意味のある限られたことだけ,実現できる範囲でやればいい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 某独法研の某事務のお姉さんはワタクシの日録をチェックして,出張伺やら年休届やら兼業願やらの日程に間違いがないか確認しているというコワい話を聞いている…….依頼出張先に提出すべき履歴書やら業績リストを出し忘れていたら,先方の担当者が「みなかさんのブログから必要項目を拾って適当につくっておきましたからハンコだけお願いします」と文書ファイルが送られてきたこともあったな.そのうち,日頃のブログやらツイッターの内容から「研究趣意書」とか「業績報告書」とか「次年度計画案」を勝手に誰かが書いてくれる日もきっと近いぞ,と.こうやって実名で自分の情報を公開しておくと,そらいろいろありますわなぁ

◆[蒐書日誌]半世紀ぶりに復刊された:宮本又次『関西と関東』(2014年4月20日刊行,文藝春秋社[文春学芸ライブラリー], 東京, ISBN:978-4-16-813016-8 → 版元ページ).1966年に出た青蛙房の原本:宮本又次『関西と関東』(1966年10月10日刊行,青蛙房[青蛙選書・21], 東京, 343 pp., 0339-01021-3800 → 目次)を京都の実家からちゃんとピックアップしてきたワタクシの判断は正しかったようだ.オビには「日本エッセイスト・クラブ賞を受賞」と記されている.目次をざっと眺めるかぎり,硬派の本に見えるが,当時はよく売れたのだろう.ワタクシが私蔵しているのは1974年の第4刷だが,高校生のときに買ったのだろうか.記憶はおぼろげでもう定かではない.しかし,函入りハードカバーの原本は半世紀経ってもしっかりしている.「ああ,いかにも昔の青蛙房の本!」と誰もが思う装幀.

◆雲が広がってきた昼休み.正午前には19度超まで上がったが,日差しはなく湿った東風が吹いていた.歩き読み本:山崎まゆみ『だから混浴はやめられない』(2008年10月20日刊行,新潮社[新潮新書285],ISBN:978-4-10-610285-1 → 版元ページ)読了.また♨に行くかぁ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— Kevin de Queiroz and David A. Good 1997. Phenetic clustering in biology: A critique. The Quarterly Review of Biology, 72: 3-30. pdf [open access]./ひさしぶりに Web OPAC で外部複写依頼だん.Isis 誌なんて農水独法には ど こ に も ありまへん:Andrew Hamilton and Quentin D. Wheeler 2008. Taxonomy and why history of science matters for science: a case study. Isis, 99(2): 331-340.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタルから —— 「慈恵医大の内科医、科研費不正申請か 研究業績を粉飾?」(2014年4月20日)※「名前の英文表記が同じ研究者の論文を自分の業績のように見せかけ、執筆論文を上乗せ」– ワタクシのようにマイナーな苗字だと “上乗せ” 不能だしw/「転載バトル続くネットの中 引用はこうやれ!」(2014年4月18日)※キーワードは「主従関係性」と「明瞭区別性」./古澤満コラム「第24回 競技場内研究者」(2013年3月20日) ※「学問の大きな流れに沿った研究をするタイプで、これを「競技場内研究者」と名付けます」「独自の世界の中で孤独に奮闘する研究者です。この種の人たちを「荒野の研究者」と呼ぶそうです」.

◆日に日に夕暮れが遅くなってきた.今夜は簡単ハヤシライスを.

◆本日の総歩数=8759歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.2kg(−0.4kg)/ 30.4%(−0.2%)


21 april 2014(月)※冷たい小糠雨が降り続く

◆午前5時過ぎ起床.曇り.気温9.2度.午前6時過ぎ,季節を巻き戻した肌寒さ.冷たい霧雨が降り続く竹園あたり.どんより曇り空の観音台は今のところは雨は止んでいる.午前8時の気温は10.4度.週明け朝イチの BGM はストラヴィンスキー〈春の祭典〉.ゲルギエフ/キーロフ歌劇場管弦楽団.

◆[欹耳袋] “アブナイ大学” 三連発 —— Deus ex machinaな日々「「教職員用」危ない大学とはこういうところだ」(2014年4月9日)|「「教職員用」危ない大学とはこういうところだ 其の二 」(2014年4月15日)|「「教職員用」危ない大学とはこういうところだ 其の三 」(2014年4月18日).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 〈春の祭典〉の変態的変拍子のリズム打ちを無意識のうちにしてしまう病気に名前を付けよう.つい「11連符」を強打したくなる症状とか.第二部〈いけにえ〉の妖しい和音とともに┣┣" 撃ち開始.まずは東京農大にごめんなさい返信一通出す.続いて,メーリングリストの登録作業┣┣" をひねりつぶす.静かに積み上がる┣┣" の山(見ない)./学会理事会の投票をウッカリ失念していて,あわてて返信.

◆[欹耳袋] “アブナイ科学界” 三連発 —— 小野昌弘のブログ「STAP問題で明らかになった科学評価システムの制度疲労(上)勝者が勝ち続ける理由」(2014年4月20日)|「STAP問題で明らかになった科学評価システムの制度疲労(中)形骸化してきているNatureら有名雑誌の論文査読システム」(2014年4月20日)|「STAP問題で明らかになった科学評価システムの制度疲労(下)問題は理研とNatureにとどまらない」(2014年4月20日).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 昼休みは霧吹きで吹いたような小糠雨が降り続いたが,その後は空が明るくなって雨は小止みに.午後1時の気温は15.8度と高くなってきた.今日は徘徊中止.その代わり,降り積もった┣┣" どもをまとめて成敗.

東大の専攻教員会議ではこれまで分厚い紙束が毎回配布されていた.今年度から専攻長が交代し,いきなり紙束の配布をやめ, OneDrive からすべてダウンロードせよとの通知.「これも時代の流れか」と少し感動しつつ,サイトから DL し始めたら書類サイズが「125MB」もある件.もちろん MAFFIN ネットからは OneDrive に接続できないので,ちょちょいと Wi-Fi を起動して DL しようと思ったら,サイズが巨大すぎたのかあえなく失敗.何度かトライして,やっと MAFFIN から専攻教員会議資料を DL でき,パスワード入力して開いてみたら,何と「353ページ」もあって,へなへな.専攻教員会議配布資料のページ数なんか今まで数えたこともなかったのだが,毎月毎月こんなに配られていたとはまったく知らなかった.東大,どう考えても会議の議題が多すぎるのでは? オッカムの電気剃刀が必要.

◆[欹耳袋]本か論文か? ——川上桃子「本か論文か?台湾社会学者の学術コミュニケーション選択:3人の専門家へのインタビュー」(2013年9月公開,日本貿易振興機構・アジア経済研究所「海外研究員レポート」→ html | pdf [open access]).台湾での人文社会科学コミュニティーでの出版をめぐる現状に関する現状レポートだが,日本にもかなり当てはまる興味深い内容だ.もちろん,人文社会科学以外の分野にも通じる.以下,いくつか備忘メモ:「学者としてのトレーニングの過程で、雑誌論文しか読んでいない人は、本を書きたいとは思わない」/「本を書く人は、とにかく神経が図太くなければなりませんよ(笑)。周囲が次々に成果を出していく中で、「去年のあなたの出版物は?」と聞かれ続けることに耐えねばなりませんからね」– 本だけを書く研究者はさぞかし風当たりが強いだろうなあ/「本——もちろん「優れた本」という限定つきですが——には、論文にはない持続的な影響力が生まれます。学界の流行が過ぎると多くの論文が読まれなくなるのに対して、根源的な問いと向き合った優れた本は、長期にわたって、読者に影響を与え続けます」– うんうん/「しかし、評価システムのプレッシャーのなかで、論文を成果発表の中心とせざるをえない状況が生じています。けれども、より重要なのは、大学院等でのトレーニングの過程で、ロールモデルとなるような魅力的な書物との出会いがあるかどうかではないでしょうか」/「今の台湾の若い世代の研究者が直面している環境は、ありていに言って、本を書くことを罰するものです」/「本を書くには時間がかかるのに報われないのだから、若い研究者が本を書かないのは当然です」.

ついでに,「本を書く研究者」で検索すると,趣きのある記事がいくつもヒットする: あえて名を秘す?「あとがき」※「分野の専門化は確実に進んでいるかも知れない。ひょっとしたら、この様な話題についてこんな感じで本を書くことが許される最後の世代に我々は属しているかも知れない。ちょっと、さびしい気もする。」

◆お昼過ぎはいったん空が明るくなったのに,夕方になってまたまた雨がしとしと.日中の最高気温は16度弱.肌寒い夜の闇が降りてきた.福島・二本松〈大七〉の「宝暦大七・生酛純米大吟醸・雫原酒 23BY」を開栓.山田錦の超扁平精米.せっかくの「宝暦大七」.粗相があってはなりませぬ.アテは苺の春サラダとマカロニ,そして生活クラブの鶏肉を唐揚げに.金田のイチゴ農家から分けてもらった番外品のはね出し苺は果物というよりは野菜の食感.今年の正月は,同じ〈大七〉の生酛純米大吟醸「妙花闌曲」雫原酒をいただいた.うまいのなんのって.この境地まで来れば,新たなステージの日本酒.

◆[欹耳袋]「 大介護時代 第1部 働きながら」※連載第1部(全6回)の束ねサイト.第2部以降の連載にも期待したい.

◆本日の総歩数=3695歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.6kg(+0.7kg)/ 30.6%(−0.1%)


20 april 2014(日)※曇天の枝垂れ桜と八重桜

◆午前5時半起床.曇り.気温5.5度.薄ら寒い早朝.今日はずっと日が差さないらしい.

◆[欹耳袋]logical cypher scape「エリオット・ソーバー『過去を復元する』三中信宏訳」(2014年4月19日)※「思っていた以上に統計学だった」「難しかったので、途中で読むのを断念した……orz」– すまんすまん.Joe Felsenstein versus Steve Farris の大論争は,言ってみれば「ガメラ対ギャオス」の闘いみたいなもんでして…….

◆[蒐書日誌]作家生活の内側から —— 最相葉月『最相葉月 仕事の手帳』(2014年4月1日刊行,日本経済新聞出版社,東京,230 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-532-16927-5 → 版元ページ).ひとりの作家がどのように仕事を進めてきたかについて自ら語った本.こういう内容の本は今まで読んだことがないかもしれない.単に「文章の書き方」にとどまらず,作家としての仕事の進め方や資料の集め方,関係者との人間関係づくり,さらにはインタビューの大技小技まで,自分の経験や講義あるいは対談をもとに具体的に書かれていて,とても興味深い本になっている.

第1章「仕事の心得」(pp. 15-90)では,仕事の立ち上げから完成にいたるまでを構成するさまざまな局面について,著者がうまくいったり失敗したりあるいは迷ったりした経験が綴られている.それは,原稿の督促をめぐる絶妙な駆け引き(「上手に催促できますか」pp. 31-33)だったり,あるいは公開ブログを書く書かないのせめぎあい(「ブログを書きますか」pp. 67-69)だったりする.「読者が書き手を救うとき」(pp. 79-81)では,自分の本の書評に関して著者はこう言う:


「インターネットには様々な本のさまざまな感想があふれている.書いた人はきっと,作家本人が目にすることなど想像もしていないだろう.だが,書き手はその一つ一つに一喜一憂し,時に深く傷つき,時に励まされている」(p. 81)


そうだそうだ.ただし,書き手の側も「書評頻度分布」をコッソリつくることで防衛線を張る程度には賢くなっているのだが.

続く第2章「聞くこと」(pp. 91-131)では,インタビュアーとしての著者の仕事に目を向け,実際の対談記事を再録しながら,要所要所でインタビューのコツと反省点が差し挟まれている.前半は作家・三浦しをんとの,後半は写真家・野町和嘉とのインタビューだ.

第3章「書くこと」(pp. 133-169)はワタクシにとって精読の価値があった.第1節「科学を書く」では,日本での科学ジャーナリズムに対する著者の見解が述べられている.まず,科学書を “誰” が書くのかについて:


「英米ほど科学ジャーナリズムやその市場が成熟しているとはいえない日本では,たとえ専門分野を修めた優秀な人でも筆一本で生活している人はごくわずかである.全国の大学が文部科学省の予算で科学ジャーナリズム講座を展開し始めたので状況は多少変わりつつあるが,いまのところ日本で科学ジャーナリストといえば新聞社やテレビ局の科学記者が大半である」(p. 135)


と言う.確かに,いまの日本の学問的環境では,現役の科学者が一般向けの科学書を「書く」ために乗り越えるべきハードルはむしろ高くなってしまったかもしれない.著者は,それに加えて読み手の側の問題もあると指摘する:


「理科教育のあり方から議論しなければならないが,要するに,よほど関心の高い読者は例外として,科学の本を楽しんで読んでくれる人が日本にはまだまだ少ないのである」(p. 136)


第2節「人間を書く」では,早稲田大学大学院での講義をもとに,伝記・評伝の書き方を論じる.取り上げられている題材はもちろん:最相葉月『星新一:一〇〇一話をつくった人』(2007年3月30日刊行, 新潮社,東京, ISBN:978-4-10-459802-1 → 書評|版元ページ:上巻下巻[新潮文庫]).著者は一次資料の集め方から遺族との関わり方にいたるまで,伝記作家としての「仕事の作法」について具体的に書いている.

この星新一伝を書くにあたって,著者は未整理の膨大な一次資料を参考にしたと書いている(p. 160).ワタクシの書評でも書いたが,星新一の父親である星一は(息子とは別個に)とても興味深いひとりの人物だ.著者もそのように感じたようで,次のようにコメントしている:


「星一という人はほんとに謎多き人で,実は取材しながら,こちらのほうがおもしろいじゃないかとのめり込みそうになったぐらいでした」(p. 164)


最後の第4章「読むこと」(pp. 171-226)は,ノンフィクション本の書評を集めている.「読むことは書くこと.書くことは読むこと.私の中で両者は不即不離の関係にある」(p. 175)と言うだけのことはあって,この章に束ねられたいくつもの書評(いずれもブック・アサヒ・コム掲載)は読みでがある.

つい最近読んだ:沢木耕太郎『旅する力:深夜特急ノート』(2008年11月30日刊行,新潮社,東京,289 pp., ISBN:978-4-10-327513-8 → 版元ページ特設ページ)でも,一人の作家がどのような「修行時代」を送りつつキャリアを積み上げていったかが自伝的に書かれていた.本書もまたもうひとりの作家がどのように “つくり/つくられて” きたのかが垣間見えてとても興味深かった.

◆今日の午後は石岡の常総風土記の丘へ.枝垂れ桜が散り始め,代わって八重桜が開きだしていた.山桜はもう少し先まで待たないといけない.

◆本日の総歩数=1885歩. 朝◯|昼△|夜△. 計測値(前回比)=94.9kg(+0.8kg)/ 30.7%(+0.9%)


19 april 2014(土)※真っ白な灰にも春の陽光

◆午前6時起床.気温6.8度.昨日の雨天から一転して,今朝は朝日がまぶしい.きのうの日中,つくばは7〜8度,夜は6度台,都内も10〜11度,夜は8〜9度.寒かったはず.雨で空気が入れ替わったのか,すっきり・くっきり・きりっとした朝.

◆[欹耳袋]保立道久の研究雑記「歴史家と読書――生涯に100冊の本を徹底的に何度も読む。」(2014年4月18日)※「一定数の本を何度も読むことが大事だということは、おそらく歴史学においてはいまでも通用する」

◆[蒐書日誌]富士川義之『ある文人学者の肖像:評伝・富士川英郎』(2014年3月5日刊行,新書館,東京,446 pp., 本体価格3,600円,ISBN:978-4-403-21106-5 → 目次版元ページ)※息子による父親の伝記.富士川英郎といえば小澤書店から出たエッセイ集『讀書〜』シリーズをすぐ連想する:『讀書好日』(1987年3月20日刊行,小澤書店),『讀書游心』(1989年6月20日刊行,小澤書店,ISBN:なし[0095-120107-0791])『讀書間適』(1991年11月20日刊行,小澤書店),そして研文出版の『讀書散策』(2003年3月30日刊行,研文出版,東京,ISBN:4876362173),さらには文庫本アンソロジーも最近出た:富士川英郎(高橋英夫編)『読書清遊:富士川英郎随筆選』(2011年6月10日刊行,講談社[講談社文芸文庫],東京,286 pp., ISBN:978-4-06-290124-6 → 版元ページ).

◆[欹耳袋]engadget「MagSafe 2対応ポータブルバッテリーBatteryBox 予約開始。MacBook Air を12時間駆動、iPhone 5s を8回フル充電」(2014年4月2日)/engadget「ノート向け超小型ACアダプタ Dart が予約開始、79ドルから。MacBook用は148ドル〜」(2014年4月15日)

◆今日は “灰” からの復活をはかるべくゆるゆる過ごした.

◆本日の総歩数=1610歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.1kg(0.0kg)/ 29.8%(−0.5%)


18 april 2014(金)※冷たい雨が降る馬事公苑

◆午前5時前起床.曇り.雨はまだ降り出していない.気温13.2度.午前6時前,雨が降りだした.昨日までの陽気とは別世界のように,今朝は肌寒い.今日は定例経堂出撃日.お出かけには長袖に戻った方がよさそう.しかし,雨が降っても原稿加圧は止まらない.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「大学図書館、火の車 海外誌値上がりに、円安追い打ち」(2014年4月17日)※「国内の大学図書館は11年4月に連合組織「JUSTICE」をつくり、団結して海外の出版社との価格交渉にのぞんでいる」.

◆雨の朝,定例経堂出撃 —— 午前8時前,つくば駅.冷たい雨がしとしと降り続いている.農環研の一般公開日だが,ごめんねごめんねということで出撃する.TXつくば駅構内は E-mobile は通じるが,WiMax はダメっぽい.午前7時の気温は9.3度と明け方よりも大幅に下がっている.TXは緊急地震速報受信とのことで発車が遅れた.都内も雨模様.山手線がのろのろ遅延,中央線も急病人でさらに遅延,小田急はドア異物対応でもっと遅延.何だかスムーズに進まない.都内は午前9時の気温が9.0度と降下している.農大通り,雨は小止みで傘をさすまでもない.農大キャンパス着.非常勤講師室にて一休み.WiMax 使い始め(二日目)だが,電波 “柱” がぜんぜん立っていなくてもネットに繋がる.ただし,室内奥深くだと届かない.E-mobile はときどき LTE でも激遅だったりする.フシギな Wi-Fi ルーターたち.

◆呪いの R 3.1.0 を除霊する —— 今日の講義は Rcmdr がエラー吐きまくりで絶命した.R 3.1.0 にアップデートしたときにちゃんと動作確認したはずなのに…….MASS, nnet, rgl パッケージを再インストールして,Rcmdr の性根を叩き直し,やっとグレなくなった.エラーが出たらとにかくしらみつぶしに再インストールを繰り返せばそのうちまっとうな Rcmdr になってくれる.【教訓】R 本体をアップデートしたら,とにかく「ちゃんと動くかどうか」をしつこくしつこく確認すること.油断すると授業中に足をすくわれる.また,「R をアップデートしない」という選択肢は講義利用時はとても有効である.そんなこんなで,Rcmdr をタコ殴りし続けた.今度もし授業中にグレやがったら,その場で旧バージョンに戻すからな(脅迫).講義ツールとして使うときは「安定と安心」が必須なので,新バージョンが出ても性急にアップデートしないのが得策.Windows は 3.0.3 のまま据え置く.

◆[欹耳袋]世に倦む日日「笹井芳樹の陥穽 - Nature論文リバイズを「企画」した責任者は誰なのか」(2014年4月17日)※良記事なのだが,末尾に「山崎豊子にこの事件を小説に書いて欲しい」と書かれている.山崎豊子がまれに見る「盗作累犯作家」であることを知っての記事だとしたら,おそるべきインパクトがある.盗作に盗作の上塗りをしたらいったいどうなるんだろう.

◆正午の都内の気温は11.4度.昨日までの暖かさとは段違いの寒さ.小雨がぽつぽつ降ってきた.馬事公苑の中にある農大〈食と農の博物館〉 をひとまわり.二階にある農大ゆかりの日本酒陳列コーナー「酒の壁」を見ないで帰るわけにはいかない.日本の蔵元の実に6割は農大醸造学科出身だそうな.あの銘柄もこの銘柄もぜーんぶ農大ルーツ.

◆[蒐書日誌]東京農大校友会(編)『醸す人:東京農大魂』(2013年6月1日刊行,東京農大出版会[逸品堂シリーズ・1],東京,263 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-88694-423-8 → 農大広報記事版元ページ).フルカラー版の蔵元リスト.

◆本日の〈実験データー解析概論〉に寄せられた質問から:

  • #NodaiStat 今日の統計学概論は R のデモが不調で申しわけありませんでした.先ほど “教育的指導” をしましたので,次週お見せします.先ほどの講義の質問からいくつか. posted at 16:10:49
  • #NodaiStat 【質問】「個々の差が大きくても平均化してしまえば違和感のない数値となる実験があった.平均化というのは個々の差の意味をなくすものだろうか?」/【回答】次回説明しますが,平均と分散はデータの挙動の異なる側面に光を当てます.分散は情報源としてとくに重要です. posted at 16:24:56
  • #NodaiStat 【質問】「資料が開かれた窓でも視界を妨げる壁でもなく歪んだガラスであるという考えは,モヤモヤしていることを観察しいろいろな視点からとらえる必要があるということでしょうか?」/【回答】カルロ・ギンズブルグの喩えはデータ自体に歪みがあることを認識せよということ. posted at 16:28:33
  • #NodaiStat 【質問】「手元に配られたスライドが講義中のスライドより少ない……」/【回答】それはあえてそうしているということです.私にとってスライドは副次的なもので,毎回の「噺」が第一義だと考えてください. posted at 16:33:02
  • #NodaiStat 【回答】(承前)教室での講義は「スライド上映会」ではありません. posted at 16:35:08
  • #NodaiStat 【質問】「授業とは関係ないですが,応用昆虫学がどういうものか気になります」/【回答】担当の教員によって内容はずいぶん変わります.私がかつて受けた「応用昆虫学」は「害虫防除学」そのものでした.「昆虫生態学」のような講義もあると聞いています. posted at 16:37:40
  • #NodaiStat 来週の講義では,箱ひげ図を例にとって,データの挙動を記述する指標としての「中央値」と「ばらつき」について解説します. posted at 16:43:27

◆[欹耳袋]ワイリー・サイエンスカフェ 「<記事紹介> 世界的に増える「論文コピペ」、海外ジャーナル編集長の対応は? 悪質度に応じて処分、「出入り禁止」から単なる修正まで」(2014年4月16日)※「盗用は増えている」と断言.「最もあからさまなのは、他の著者の論文を丸ごとコピペしてからわずかに改変して投稿するComplete copyingです」– すげぇ,丸パクリかぁ.「英語の苦手な著者が他の論文からうまい言い回しを借用するというのが典型的な例」もまた「盗用に当たると指摘される」– これは身近にもありそうな気配が濃厚.おそらく剽窃検出ツールがきめ細かくなって,そういう “罪の軽い?” コピーも検出できてしまうようになったから,問題が表面化したのだろう.結びは:「研究者にとって “reputation”(評判)は最も重要な財産のひとつで、盗用が一度発覚すればたいていは研究者生命を断たれる」.

◆本日の総歩数=17829歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=94.1kg(−0.4kg)/ 30.3%(−0.3%)


17 april 2014(木)※菜の花が満開の昼下がり

◆午前4時半起床.気温10.9度.お肉を焼く夜明け前.前夜から下準備しておいた牛肉肩ブロック500グラムを「150度35分」の設定でオーブンに投入.焼き上がったら粗熱をとってから,氷温室へ直行させる.明け方にローストビーフを焼くのは,夕餉の食卓のため.焼いてから半日置かないと肉汁が落ち着かないので,時間逆算すると,夜食べるには朝のうちに焼くしかない.

今日も暖かく穏やかな朝を迎えた観音台はいい天気.午前8時の気温は13.8度.日中も20度を越えるだろうとの予報.関係者諸方面,給料が「元に戻った」のはとてもいいこと.

◆[欹耳袋]Nature 創刊号の巻頭言は Thomas H. Huxley の文「NATURE: APHORISMS BY GOETHE」4 November 1869.その末尾は「the vision of the poet will remain as a truthful and efficient symbol of the wonder and the mystery of Nature」だった.ほんの一世紀半前の Nature 誌は,南方熊楠が頻繁に投稿できるほど, “間口の広い” 雑誌だったのにねぇ.1998年に出た W. Gratzer (ed.) 1998. A Bedside Nature: Genius and Eccentricity in Science 1869-1953. Macmillan / W. H. Freeman という本誌のアンソロジー本をひもとくと,それはそれはトンデモな記事が満載で.Nature はこうでなくっちゃ!

◆午前の┣┣" 撃ち —— 三中信宏〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉連載第3回「データのふるまいをモデル化する」ゲラを返送する.本連載のオンライン版にはそろそろ第2回記事が公開されるかな.〔追記:5月の連休明け公開とのこと〕/飛び込みの依頼原稿(たった200字)は一息で書き上げて返信.

◆[蒐書日誌]最相葉月『最相葉月 仕事の手帳』(2014年4月1日刊行,日本経済新聞出版社,東京,230 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-532-16927-5 → 版元ページ)※先日,ララガーデンのくまざわ書店にてゲット.

◆昼休みは19.9度.夏日になった昨日ほどではないが,それでも日なたを徘徊すれば暑くなる.花粉の祭典も閉幕し,湿度も低く,外歩きには格好の日和.明日から空模様が一転するらしいので今日の晴天は貴重.本日の歩き読み本:吉田元『近代日本の酒づくり:美酒探求の技術史』(2013年12月13日刊行,岩波書店,東京,xii+261+5 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-00-025934-7 → 版元ページ)読了.戦後の日本酒業界の話.戦前戦後の海外での酒造についても言及.台湾・朝鮮・中国・ハワイ・アメリカ本土・カナダ・ベトナム.あとがきのことば:「定年後は授業も会議もなくなったので,毎日酒のことを考えつつ,執筆に専念できた」(p. 259).いいね!いいね!いいね!

◆午後の┣┣" 撃ち —— 沖縄から「シラバス書け書け書け」メールが届いて悶絶.加圧シラバス書きまくりで返信完了./GW前後の┣┣" 撃ちリストをアップデート.原稿,書きます書きます.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「(大介護時代)働きながら:6 情報編 「辞めずに休業」制度を知ろう」(2014年4月17日)※「介護は突然にやってくる。 ただ、仕事に追われる日常のなかで、自分の身に引きつけて考えることは難しい」.どこの職場にも介護休暇や介護休業のような制度が「ある」とは思うが,その制度がどのように「運用」されているのかは,当事者になってみて初めてわかる.場合によっては,運用に問題があってせっかくの制度が活かされていない場合もある.

ワタクシが経験した例を挙げれば,両親を同時に遠距離介護したとき,制度としては「5日間/親/年」の介護休暇があって,単純計算では計「10日間/年」となるはずだった.しかし,介護休暇を2日取った時点で父親が先に亡くなった.被介護者が亡くなったのだから,介護休暇の残日数「3日」は消滅するのはしかたがないのだが,まるまる残っていたはずの母親の介護日数も「5日」から「3日」に減らされてしまった.事務でいろいろ調べてもらったのだが,けっきょくは法律上の問題ということだった.介護途中に被介護者一方が死去した場合,介護休暇の総日数は半分になり(これは当然),年度内ですでに「2日」使用しているならば「5−2=3残日」という計算になるらしい.

—— こういう介護制度の法律や運用の実際は,事前にはわからないので,当事者になって身を持って体験してもらうしかない.

◆夕餉はもちろんローストビーフ.あわせて〈a-iuto!〉を開栓.日本酒でもワインでも,うすにごり系の破壊力はただごとではない.

◆[欹耳袋]残響(論文のオーサーシップについて) —— 科学政策ニュースクリップ「笹井博士会見感想」(2014年4月16日)/Togetter -「笹井博士会見が提起した論文のオーサーシップの問題」※実際に書いてもいないのに「オーサー」とはこれいかにと思うが,エディター対策用の「魔除けオーサーシップ」ってのがあるそうなので,ギフトオーサーシップもあればゴーストオーサーシップもあるわなあ.数学者ポール・エルデシュが,まったく知らない研究者から送りつけられた “共著論文” の原稿に,新しい定理を書き足して送り返したというエピソードをどこかで聞いたことがあるけど,そういうオーサーシップ伝説は古き良き時代のものだろう.

生物学とはいえ,多様な研究分野と学問文化があるので,ギフトやらゴーストで「著者性」が問題視されるかどうかは総論では片付かない.ワタクシのいる業界(リクツっぽい生物体系学とか生物学哲学)では「単独著者」はけっして珍しくない.でも,周囲を見回してみれば,ワタクシのいる業界でも大きなプロジェクトを背景にした「multi-author paper」はどんどん増えてきている.

—— ワタクシ的には論文や本は「独りで書く派」なので,いつも独りでゴソゴソしている.

◆明日は定例経堂出撃日.終日,春雨が降り続くとの天気予報.荷物が多いのでやや憂鬱.

◆本日の総歩数=8860歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.5kg(+0.4kg)/ 30.6%(+0.6%)


16 april 2014(水)※夏日ラインを越える陽気

◆午前4時半起床.気温8.6度.外は夜明け前の薄明.今日も春らしい穏やかな空模様の観音台.午前8時の気温は16.3度と昨日の同時刻よりも4度ほど高い.今日は朝イチで所内設計検討会があるので,そのスライド準備をドロナワちう.それにしても,今月から給料がやっと元に戻って(not 賃上げ)よかったね>関係するみなさま.

◆[欹耳袋]本日は “準主役” の独唱会なり —— ニコニコ生放送「 STAP細胞論文指導役・笹井芳樹副センター長 記者会見 生中継 (番組ID:lv176175634)」(2014年4月16日)/理化学研究所「STAP細胞論文に関する笹井芳樹副センター長の会見時の資料について」(2014年4月16日)/毎日新聞「STAP細胞:「研究停滞が最大損失」笹井氏16日に会見」(2014年4月16日).誰も寝てはならぬ.Vinceró!

◆午前の┣┣" 撃ち —— 年度始めの恒例行事である所内RP設計検討会会場に向かう.9:15開始.ワタクシも報告をすませた.終わったのは正午ちょい過ぎ.今年はとても長丁場だった.

◆[欹耳袋]「可視化」の新しい科学? —— データや解析結果の可視化や視覚化は,実はもっと広くて未開拓の研究領域につながるのではないかとの質疑が設計検討会であった.「情報学」は単に大量のデータを束ねるだけではなく,それらを「見せる」という点にもっと関心を向けるべきだろう.生物の内的形質(分子情報と形態情報など)と外的形質(地理的分布情報など)を組み合わせるというのは,データ・ハンドリングの点では現実的であっても,その可視化・視覚化についてはほとんど研究が進んでいないと先ほどの設計検討会で大澤剛士さんは言っていた.

情報グラフィクスやデータ可視化に深く関わる「インフォグラフィクス」って,なかば “アート” なデザイン性が重要だったりするので, “科学” となかなかうまく結びつかないという問題はある.一般的な「科学とアートとの関係」の問題のひとつの発現として.データがどんどん多層化・複雑化していくいまの傾向を考えれば,「データをヴィジュアルに読むすべ」がより必要とされるだろう.

系統樹というダイアグラムは,目に見えない情報(関係性)を “見える化” するという点で,長年にわたってその有効性が立証されてきた視覚化ツールである.ただし,系統樹の上に何でもかんでも乗っけてしまうのはそろそろムリかもねぇ.また,種内系統地理学でも「ネットワーク可視化」という問題は未解決なまま.系統ネットワークは「現実世界」をよりリアルに推定するためのモデルだが,われわれがそれをちゃんと “解読” できる眼力をもっているかどうかはまったく別問題.せっかく推定結果が得られても「読めない」ことはよくある.ツリーは強し,されどネットワークは弱し.

—— ひょっとしたら「可視化」をキーワードにしてまったく新しい研究分野の扉が開きつつあるのかもしれない.

◆晴れ上がった昼休みは昨日よりも格段に暖かい,というか暑いほど.いつもの周辺徘徊はハーフコースでひとまわり.気温は25.0度.夏日に達した.桜が散って,つぎはモクレンの濃い紫色が花開く.

本日の歩き読み本:吉田元『近代日本の酒づくり:美酒探求の技術史』(2013年12月13日刊行,岩波書店,東京,xii+261+5 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-00-025934-7 → 版元ページ)を第6章まで読了.合成清酒(第4章)と四季醸造(第5章)について.第4章には戦前戦後の理化学研究所が携わった「合成清酒」研究に言及している.旧理研発のベンチャー企業のうち〈理研肝油〉がもっとも成功した例とするならば,合成清酒〈理研酒〉もそれに匹敵する成功をおさめたとのこと.仁科芳雄所長に要請されて戦後の理研での合成清酒研究を率いたのが,かの坂口謹一郎だった(p. 128).この “合成清酒” の技法がのちに悪名高い「三倍醸造酒」の浸透につながっていく.

◆[欹耳袋]埼玉新聞「担任、息子の入学式へ…高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意」(2014年4月11日)※当人が休暇理由を言う必要はないし,管理職が理由を聞き出すのは違反.保護者や議員や教育長が怒るのは問題外.有給休暇を取るにあたって,その内容と理由を問いただしてはならないというのは,国家公務員でも地方公務員でも適用されること.

実際,労働基準法39条5項「使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」と明記されている.最高裁判例(「最二小判昭和62年7月10日」)もある.労務安全情報センター「32 年次有給休暇」には「年次休暇の利用目的は労基法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である」とある.学校は法律を超越した「悪い意味」での “聖域” あるいは “聖職” 扱いということか.

—— 論理とか根拠とか証拠とはまったく別のところで,単なる “雰囲気” に流されて事態がどんどん動いていくのは「反知性主義」にほかならない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— まずは┣┣" 撃ちカレンダーの更新.ゴールデンウィーク明けまでの予定を記入./鹿島から受託出張の依頼あり.もちろんOKの返事.

◆[蒐書日誌]先週,神保町の岩波書店の “お白洲” にてお奉行さまからいただいた2冊の本:石橋克彦『南海トラフ巨大地震:歴史・科学・社会』(2014年3月11日刊行,岩波書店[叢書:震災と社会],東京,xii+205+45 pp., 本体価格1,800円,ISBN:978-4-00-028531-5 → 版元ページ)と日本地質学会監修,清川昌一・伊藤孝・池原実・尾上哲治『地球全史スーパー年表』(2014年2月18日刊行,岩波書店,東京,1 map + 24 pp., 本体価格1,300円,ISBN:978-4-00-006250-3 → 版元ページ).

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「(大介護時代)働きながら:4 管理職、有休使い親元へ500キロ」(2014年4月15日)※ある年代になれば誰でもこうなる可能性はある./朝日新聞デジタル「(大介護時代)働きながら:5 「前例ない」休業渋られ転職」(2014年4月16日)※「制度は整っていた。しかし……、「ある」と「使える」は別だった」– これ,とても重要.

◆明日からはまた執筆生活に戻る.

◆本日の総歩数=8880歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.1kg(0.0kg)/ 30.0%(−0.5%)


15 april 2014(火)※赤っぽい月が欠けている

◆午前5時半起床.気温4.6度.まぶしい朝日にクラクラ.穏やかな陽気の観音台は春霞の青空が広がっている.午前8時の気温は12.4度.日中は昨日以上の暖かさになるとの予報.朝イチの BGM は鈴木秀美のバッハ無伴奏チェロ.昨日「みなかさんの日本酒ベストは?」と問われたので,すかさず「王祿・秋鹿・風の森・悦凱陣・十旭日・奈良萬・不老泉・蒼空・鍋島・竹鶴の十択です」と返答した.順不同.「炭酸ガス系うすにごり」という条件を加えると,また異なるランキングになる.もちろん,「燗酒」という条件を与えればさらにまた別のランキングが.いずれにしても,良き研究者は朝っぱらから日本酒テロを決行してはならぬ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 某国際学会の役員選挙のオンライン投票をすませた./農大三点セットの用意完了.ついでに,向こう半年分の講義資料をアップデートも完了./自然史学会連合が企画している本に関する取材の日程調整を依頼した./来月の日本計量生物学会大会(統数研)の参加申し込みと宿の確保完了.立川は遠すぎる.

◆[蒐書日誌]もうひとつの「系統樹曼荼羅」本 —— Manuel Lima『The Book of Trees: Visualizing Branches of Knowledge.』(2014年4月刊行,Princeton Architectural Press, New York, 208 pp., ISBN:9781616892180 → 目次情報版元ページ著者サイト).やっと着弾した.フルカラーのみごとな「系統樹曼荼羅」本.著者が出版前にメールに書いていたように,ワタクシの『系統樹曼荼羅:チェイン・ツリー・ネットワーク』と図版の重複がかなり多い.

◆南風が吹き込む昼休みは気温が21.5度まで上がって,初夏のぽかぽか陽気になった.半袖で正解.いつもの農林団地周辺徘徊.藪からはキジの絶叫やウグイスのさえずりが聞こえてきた.本日の歩き読み本:吉田元『近代日本の酒づくり:美酒探求の技術史』(2013年12月13日刊行,岩波書店,東京,xii+261+5 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-00-025934-7 → 版元ページ)第4章まで読了.明治以降の日本酒づくりの詳細.とくに「酛づくり」の技術が詳しく説明されている.

◆[欹耳袋]汎生物地理学とメタ解析,そして視覚化 —— 週末の生物地理学会シンポジウムでの岩崎貴也さんの講演「GISによる比較系統地理が持つ可能性:生物群集レベルでの分布変遷史の復元を例に」のあと,つくばに帰ってきてから関連文献を確認した.個々の生物群の系統情報・地理情報をメタ解析して,地図上で重ねあわせ,共通のパターンを抽出するというのは,Leon Croizat 以降の汎生物地理学の手法に近いようだ.Croizat 自身がやろうとした個々の分布圏(track)の集積を踏まえた一般化分布圏(generalizad track)の構築は,現代風にやるなら,きっと地理情報からの「メタ解析」になっただろうと思われる.

実際,Leon Croizat の後継者たちは,一般化分布圏の推定をグラフ理論を用いた定量的方法で進めようとしている.ボロノイ図とその双対であるドロネー図の適用は1990年代に汎生物地理学では提唱された.彼の講演の中で出てきた Barrier Line と Connectivity Line の概念は,理論的にはボロノイ図とドロネー図の推定だろうが,理念的には汎生物地理学っぽい香りがした.

Leon Croizat 自身は Daniel Rosa の定向進化説(内因進化説)を信奉していたので,現代の進化学に照らせばエキセントリックだ.しかし,一般化分布圏の推定に関するメタ解析的な視点を1950年代にすでに提示した点である程度の評価はできる.1970年代の分断生物地理学(vicariance biogeography)が種分岐図の集積により地域分岐図を推定しようとした研究プログラムを方向づけたからだ.

汎生物地理学(panbiogeography)については,Croizat の何千ページもの著作を読まなくても,Robin C. Craw, John R. Grehan, and Michael J. Heads『Panbiogeography: Tracking the History of Life』(1999年刊行,Oxford University Press[Oxford Biogeography Series, No.11], New York, viii+229pp., ISBN:0-19-507441-6 [hbk] → 目次)を読めば十分だろう.一方,歴史生物地理学のパラダイムとしての汎生物地理学の評価については:C. Barry Cox 1998. From generalized tracks to ocean basins — how useful is panbiogeography. Journal of Biogeography, 25: 813-828, Readcube [pdf: open access].

◆午後の┣┣" 撃ち —— 新年度になってからは,MAFFIN ネットワークとは必要最低限度の接続しかしなくてもすむようになった.そのせいで,「電波飢餓状態」がいっそうひどくなってきたので,この際もう一本増やすことにした.契約完了.

◆赤っぽい月が東の空にぼんやり浮かんでいる.上の方がやや霞んでいるのは月食のせい? 妖しい夜空.朝っぱらから〈王祿〉を連呼してしまったので,自分でもその気になってしまい,今夜は〈王祿〉23BY純米吟醸「渓」にごり(仕込み22号)を開栓.このぶくぶく具合は快感と言うしかない.本日のアテは完璧チャイニーズ.シュウマイ,春巻き,そして回鍋肉.活性にごり酒はこういう料理にもピッタリ.

◆[欹耳袋]再び喧しさが増してきた —— Togetter -「柳田先生ツイート(4/13-15)」(2014年4月15日)/Togetter -「サイエンス・ライター片瀬久美子さんのツイートまとめ(4/14-15)」(2014年4月15日) /朝日新聞デジタル「(耕論)STAP、逆風の科学界 ロバート・ゲラーさん、大隅典子さん」(2014年4月15日)※「STAP細胞」という枕詞を置きさえすれば「なんでもあり」という空気が急速に充填されている./NHK NewsWeb「STAP論文共著の笹井氏があす会見」(2014年4月15日)※またもや「白昼の闇」が再現されるのでは.

◆明日は所内の設計検討会が午前中にある.その準備が夜になってもまだ続いている.

◆本日の総歩数=10257歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.1kg(+0.2kg)/ 30.5%(+0.4%)


14 april 2014(月)※外は春でも中はドロナワ

◆午前5時過ぎ起床.気温6.5度.雲間から朝日が差し込む.週明けの観音台は今日も穏やかな朝を迎えている.午前8時の気温は13.6度.南寄りの微風.今年の「花粉の祭典」もそろそろ幕が引かれようとしている.朝イチの BGM はグスタフ・レオンハルトの平均律.

◆[欹耳袋]Colorless Green Ideas「Rのバージョン3.1.0がリリース」(2014年4月14日)

◆午前の┣┣" 撃ち —— 週明け早々の小┣┣" なぎ払いはなかなか終わらない.忘れないうちに最新版 R 3.1.0 へのアップデートを始めたら,ドロヌマへ直行してしまった.ローカルに置いているパッケージ(.pkg)群は一括インストールできないので,百個あまりをひとつひとつ手作業でインストールするはめに.R をアップデートしても安心してはいけない.パッケージを起動したら案の定「名前空間エラー」が頻発.そのつどひとつずつ CRAN から再インストールを繰り返し,ようやくエラーは出なくなった.R更新時の定例苦行なり.

R格闘はなお続く.MacBook Air に強制された「パッケージひとつひとつインストール」修行が終わり,今度は VAIO Pro のR更新でパッケージ読込不能という新たな試練が発生.ローカルのパッケージ(.zip)が「読めない」と文句言われる.パッケージの「展開」と「MD5チェック」は通過したのだが,パッケージへの「コネクションが開けない」とのエラーメッセージ.zip フォルダーの場所を変えてもダメ.今まではこんな面倒なことはなかったのに,3.1.0 になって急にハードルが高くなった.

とりあえず Windows での更新は断念し,当面は旧バージョン(3.0.3)を使い続けることにする.Rの更新と作動確認は毎度のことながら時間と気力が必要.Windows の場合は RStudio が最新版の R を探すので,もちろん 3.1.0 はアンインストールしないといけない.

とりあえず R 苦行はここらへんでオシマイにして,次の┣┣" 撃ちへ移ろう.

◆正午の気温は17.0度.大きな雲がもくもくと湧き上がっていて,空の表情は初夏.すでに散り果てた農林団地の桜並木には新緑のシーズンがもうすぐやってくる.

◆[欹耳袋]栗原裕一郎『〈盗作〉の文学史:市場・メディア・著作権』(2008年6月30日刊行, 新曜社, 492 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-7885-1109-5 → 書評目次版元ページ著者ブログ)※山崎豊子の “盗作累犯” についての詳細な記述(第4章「すべての文章はデータでしかない?」pp. 188-231)がとてもおもしろい:


「山崎の盗作事件の問題点は……小説を書くということへの意識が他の作家とは根っこのところで違っており,そのズレが盗作疑惑というかたちになって現れているといえるかもしれない」(p. 189).山崎豊子の盗作疑惑が最初に浮上した作品『花宴』について,「山崎は『制作の過程で,秘書が資料集めしたときに起った手違いで,悪意はなかったが,結果的に訳文を盗用することになってしまった』……と非を認めた」(pp. 191-192).この盗作事件により山崎豊子は日本文藝家協会を退会することになる.当時の会長だった丹羽文雄は「彼女は居丈高になったり,泣き出してみたり,千変万化するらしいが,文学者としての根本の心構えを紛失してしまっている」(p. 202)と厳しく糾弾した.

この盗作事件で山崎豊子の作家生命は絶たれたかに見えたが,わずか一年後に作家活動を再開し,さらに悪質な盗作行為を繰り返し何度も犯したと本節では詳述されている.重要なことはその累犯に対しては山崎本人が何ひとつ反省していないという点.盗作事件は作家にとってはダメージになるので,法廷闘争を含め,山崎豊子は徹底抗戦したという.朝日新聞社に対する訴訟は山崎の勝訴となった.「司法判断が「文学の本質」を保証するというのはナンセンスである」(pp. 227-228)と栗原裕一郎は指摘する.『花宴』の盗作を糾弾した奥野健男は「文学部の怠け者の劣等生がレポートや卒論などを,他人の著作からノリとハサミででっちあげるのと同じように,作家が暮夜ひそかに先輩の著作を原稿用紙に引き写すなどという情景は想像したくもない」と書いている(p. 195).そのあげく,山崎豊子がその後 “国民的女流作家” となったことは周知の通り.

—— ことほどさように,いずこの世界でも確信犯的な剽窃を繰り返す輩はいる.だから,剽窃したこともするつもりもない大多数に対して「剽窃してはいけない」などと教える前に,剽窃した当の本人にきちんとした制裁をするというのがスジでしょう.


◆午後の┣┣" 撃ち —— 明後日の所内設計検討会資料を送信.年度始め特有の┣┣" のひとつ.設計検討会用のスライドは明日つくる.

◆[欹耳袋]残響が方々から —— むしブロ「小保方さんの会見に思うこと」(2014年4月10日)/アメリカポスドクの歩き方「ただ純粋に悲しく悔しい」(2014年4月13日)/Togetter -「柳田先生ツイートまとめ(4/13)」/科学政策ニュースクリップ「放牧ラボとブロイラーラボ~人材育成の流儀」(2014年4月11日).

◆本日の総歩数=3065歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(+0.8kg)/ 30.1%(−0.8%)


13 april 2014(日)※朝から夜まで池袋春景色

◆午前5時半起床.朝日が眩しい.気温3.4度.明け方のドロナワ仕事で,本日の高座スライドはさらに5枚増強された.

◆池袋出撃(二日目) —— 昨日よりも半時間早くつくばを出て,午前9時過ぎに立教大学到着.今日は生物地理学会大会二日目.午前9時の都内の気温は13.9度.昨日の最高気温は20.0度だったが,今日もそれくらいまで上がるかな.朝から穏やかな空模様で,日曜のキャンパスは閑散としている.大会会場にてドロナワなスライドいじりはなお続く.いつもエンドレス作業.校舎インフラに関して私立大学と国立大学を比較したときの最大の有意差は「トイレのスペック」にあらわれる.立教に限らず,私立大学に来るたびにこの点を痛感する.私立大学のトイレはどこも “居住性” がとても高いということ.午前9時半から一般講演が始まった.ランチタイムは,朝,池袋駅地下の〈成城石井〉で買ってきたバジルシード入りタマリンドジュースとサンドイッチ.タマリンドの飲み物はブラジルで毎朝出されたことを思い出す.

◆午後1時から一般講演の続き.午後2時半まで.休憩をはさんで午後3時過ぎから大会シンポジウム〈系統地理学はどこに向かうのか?:生物地理から言語地理まで〉.今大会ではこれがワタクシの本務.最初はワタクシの趣旨説明:三中信宏「進化研究における歴史地理学の諸方法:過去半世紀の系譜をたどる」から.続く講演については会場からの実況ツイートを並べる:

  • #Biogeo2014 をハッシュタグにしよう. posted at 15:38:00

  • 1) 岩崎貴也「GISによる比較系統地理が持つ可能性:生物群集レベルでの分布変遷史の復元を例に」

  • #Biogeo2014 岩崎:系統地理は「各論」にすぎないのか? 生物群集単位の共通の分布変遷史を調べるというアプローチがあるだろう. posted at 15:39:29
  • #Biogeo2014 それって,共通要因としての「vicariance event」のことだろう. posted at 15:40:12
  • #Biogeo2014 岩崎:多種の分子系統樹を同時に解析して,「共通要因」を抽出する.それを通じて書く分類ごとの「個別要因」も特定できるだろう. posted at 15:41:56
  • #Biogeo2014 岩崎:GIS を用いて地図化の新しい手法を開発した.遺伝解析結果をGISで可視化して,地理的パターンの共通要素を抽出する. posted at 15:44:10
  • #Biogeo2014 岩崎:Barrier Line(遺伝的障壁)via Monmonier Algorithm と Connectivity Line(遺伝的つながり)via Spatial Amova.メタ解析しまくる. posted at 15:46:42
  • #Biogeo2014 Barrier Line の重ねあわせ→共通部分を見つける.温帯林の分布変遷に影響した障壁がいくつかある. posted at 15:48:20
  • #Biogeo2014 Connectivity Line はボロノイ図のデローネ線か. posted at 15:51:15
  • #Biogeo2014 岩崎:Connectivity Line により分布変遷の歴史を共有する地域集団が見つかる. posted at 15:52:04
  • #Biogeo2014 それって Leon Croizat の [generalized] track ではないのか? posted at 15:52:53
  • #Biogeo2014 岩崎:Barrier Line と Connectivity Line とは相補的だった. posted at 15:54:19
  • #Biogeo2014 岩崎:生態ニッチモデリングによる分布適地の推定.複数モデルの重ねあわせにより集計する. posted at 15:56:36
  • #Biogeo2014 岩崎:Connectivity Line の遺伝的まとまりと一致する場所に分布適地があった. posted at 15:57:50
  • #Biogeo2014 岩崎:遺伝的まとまりは ESU. posted at 16:00:20
  • #Biogeo2014 岩崎:氷期の前後で生物相のグローバルな変遷があったというよりも,ローカルに生存し続けたと見る方が妥当だろう. posted at 16:01:46
  • #Biogeo2014 岩崎:地理学側の知見や方法を生物地理学にもっと使ってもいいのではないか. posted at 16:02:56
  • #Biogeo2014 ことなるレイヤーを組み合わせた統合的解析もかなたに見えてくる. posted at 16:03:57
  • #Biogeo2014 RAD-seq 解析によるもっと詳細なNGS方法を試している. posted at 16:05:02

  • 2) 川北篤「共生系の生物地理:コミカンソウ科植物と送粉者ハナホソガはどのように分布を広げたのか?」

  • #Biogeo2014 続いての講演は:川北篤「共生系の生物地理:コミカンソウ科植物と送粉者ハナホソガはどのように分布を広げたのか?」. posted at 16:16:03
  • #Biogeo2014 川北:この共生系は2,500万年前に起源した.ゴンドワナはすでに分裂した後だから,長距離分散を考えるしかない. posted at 16:39:15
  • #Biogeo2014 川北:共生系がどのようにして分布を広げるか? posted at 16:49:51

  • 3) Sean Lee「日本列島の言語系統地理学」

  • #Biogeo2014 本日最後の講演は:Sean Lee「日本列島の言語系統地理学」. posted at 17:01:05
  • #Biogeo2014 Sean Lee:tinyurl.com/omhtnsd posted at 17:06:04
  • #Biogeo2014 Sean Lee:NeighborNet による日本語と琉球語の系統関係. posted at 17:10:44
  • #Biogeo2014 Sean Lee:日本語の言語間距離(patristic distance)と地理的障壁の関係.言語距離行列と海による隔離の有無の行列を Mantel 行列検定. posted at 17:14:54
  • #Biogeo2014 Sean Lee:Patristic distance は事前に推定した言語系統樹に沿って計算した. posted at 17:16:04
  • #Biogeo2014 Sean Lee:アイヌ語の言語系統地理はベイズ推定で. posted at 17:22:35
  • #Biogeo2014 Sean Lee:緯度経度のランダマイズして,妥当性をテスト. posted at 17:25:51
  • #Biogeo2014 Sean Lee:言語の見えない心理的障壁を解明できるか. posted at 17:31:05
  • #Biogeo2014 Sean Lee:言語進化と生物進化の共通の方法論はあるか.Brockmann and Helbing 2013. Sciecnce の論文.インフルエンザウィルスの拡散をネットワーク可視化. posted at 17:32:48
  • #Biogeo2014 Sean Lee:言語と生物には共通の「距離」があるのではないか. posted at 17:34:10

◆午後5時半過ぎにシンポジウムは終了.今夜の懇親会は池袋北口の〈酒菜家・池袋店〉にて.乾杯のビールのあとはもういろいろ.まずは〈村祐〉純米大吟醸から,小布施〈ソガペールエフィス〉が目の前を通りすぎ,〈新政〉の「亜麻猫(改)」が何匹もやって来る.ついでに「やまユ」も.集中的に呑みまくり,最後は〈白瀑〉の「ど」.

◆[蒐書日誌]上野輝彌・坂本一男『日本の魚:系図が明かす進化の謎』(2004年2月25日刊行,中央公論新社[中公新書1736],東京,4 color plates + xii +224 pp., ISBN:4-12-101736-6)※絶版になってしまったとのことで,学会会場にて上野さんからサイン本をいただいた.どうもありがとうございます.

◆本日の総歩数=8145歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=93.1kg(−0.8kg)/ 30.9%(−0.2%)


12 april 2014(土)※池袋で生物地理学会大会

◆午前5時前起床.気温は1.6度.ここ数日,寒暖の日較差が大きすぎる.午前6時の時の鐘.気温は0.5度とほぼ氷温.冷える冷える.けっきょく今朝のつくばの最低気温は氷点ちょうどまで下がった.

◆[欹耳袋]Togetter -「柳田先生ツイートまとめ(4/1-4/4)」/「柳田先生ツイートまとめ(4/10-11中心)」 ※バンダから響いてくる独白./Togetter -「小保方氏騒動についての蔵田伸雄・北海道大教授の談話のあれこれ」※とんでもないとばっちりということで.

◆池袋出撃(初日) —— 午前8時過ぎ,つくば駅.早朝は寒かったが日中は暖かくなるとのことで,あえて薄着で出撃する.本日は池袋の立教大学を襲撃する.午前10時前,池袋着.立教大学へ.すでに新入生の新歓シーズンも終わったようで,とても静かな春のキャンパス風景.午前10時から生物地理学会評議員会.一時間足らずでおしまい.キャンパス内〈山小屋〉にてランチなう.とても立派なビル全体が大学のサークルボックスだそうで.さ す が 立 教 !

◆本日の公開イベント:日本生物地理学会主催・立教大学理学部共催シンポジウム〈次世代にどのような社会を贈るのか?〉2014年4月12日(土)13:30~18:00@立教大学タッカーホール.ついでに,明日の生物地理学会シンポジウム〈系統地理学はどこに向かうのか?:生物地理から言語地理まで〉2014年4月13日(日)15:00~17:30@立教大学14号館D201号室.

◆正午前に立教大学タッカーホールへ.午後の公開シンポジウムは事前申込み分ですでに500名を越えているらしい.開場までまだ半時間以上あるが,すでに取材が入っているようだ.ワタクシは司会をするだけなので,ラクラク.午前1時半から開始,午後6時半にシンポジウムが終わった.いつもの二倍の長丁場.明日の本番があるので,健康的な帰還.午後9時前にはつくばに着いていた.あまりに健全ナイトすぎてきわめて憂慮すべき事態だ.明日の夜は性根を入れ替えよう.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「(大介護時代)働きながら:3 揺らぐ心、それでも母と」(2014年4月12日)※「1周も2周も遅れていく、という不安がありました」– 周囲のことは見ない方が身のためなのだろう.

◆ドロナワの深夜 —— さて,気分一新,明日の生物地理学会シンポジウムのスライドを今からつくろう(大汗).午前1時半,とりあえず20枚の新作スライドをひねり出したところで,寝ることにしよう.残りは明日まわしということで.良い子は長時間労働や夜更かし仕事を自慢してはいけません.

◆本日の総歩数=10842歩. 朝◯|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)=93.9kg(−1.1kg)/ 31.1%(0.0%)


11 april 2014(金)※経堂定例出撃の日々再び

◆午前5時前起床.気温2.7度と冷え込んでいる.朝焼けグラデーション.午前5時過ぎ,冷え込み厳しすぎ.いま0.7度.氷点下になりそう.

◆[欹耳袋]Togetter -「数学を学ばなかった人が統計を学ぶことは可能か」※【私的回答】できます./[欹耳袋]朝日新聞デジタル「富士通、ニフティを売却へ 会員減少で業績低迷」(2014年4月10日)/新バージョン R 3.1.0 のソースがリリースされたようだが,実行ファイルが公開されるまでしばらくじっとガマンしよう.高座前夜にじたばたしていいことは何一つない.

◆今年度も経堂へ —— 午前7時半,つくば駅.今季最初の経堂定例出撃の朝は日差しがまぶしい.午前9時,新宿駅にて小田急乗り換えはひさしぶり.都内はとてもいい天気.午前10時,農大キャンパス到着.げげっとのけぞるほど,キャンパス風景が一変していた.去年まで延々と工事が続いていた図書館後の建て替えが完了し,講義棟に接続する巨大な〈農大アカデミアセンター〉がそびえ立っていた.そしてかつての旧校舎は跡形もなく更地に変貌.そのあおりで非常勤講師室も移転してアカデミアセンター内に引っ越ししていた.たった半年来なかっただけでこんなに変わるとは.迷子になってしまった.

◆真新しくだだっ広い講師控室にて高座のしたく.今日の「実験データー解析概論」初回講義は東京農業大学応用生物化学部生物応用科学科三年生が相手だが,初日はいったい何人の学生が来るのか予想できない.10:40から講義開始.全体ガイダンスに続いて統計学概論のイントロを話した.ハンドアウトと出席カードを140部ずつ用意したのですが,ほとんど余らなかったので,昨年よりも30名ほど多いかな.講義室では HDMI 接続ができることを知った,VAIO Pro からアダプターなしでつながる.すばらしい.

正午前に終了.講師控室で初回アンケート集計をしていたら,数IIIC まで履修した学生さんが意外なほど多いことにビックリ.「見かけに似合わずとっても早口ですね」というコメントも…….午後1時前,経堂に戻る.正午の気温は16.5度.適度の陽気.農大通り沿いの店がまた大きく様変わり.毎年通るたびに方々で店が入れ替わっている.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「(大介護時代)働きながら:2 午後3時、仕事切り上げ君を待つ」(2014年4月11日)※前回に続き,とてもいい連載記事.

◆午後2時前,神保町.昼下がりの都内は17度台のほどよい暖かさ.東京堂書店のカフェコーナーでまどろんでいる.しかし,まどろみのあとは某書店にて “加圧” が宿命づけられている.岩波書店なう.事情聴取と原稿加圧(汗).午後4時前,神保町での加圧ののち解放され,とぼとぼとつくばっく.

◆明日からは池袋にて日本生物地理学会第69回年次大会がある.今年は日帰りしまくる.

◆本日の総歩数=12773歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.0kg(−0.1kg)/ 31.1%(+0.5%)


10 april 2014(木)※初夏の陽気の徘徊タイム

◆午前5時起床.気温8.8度.朝から日差しが暖かい観音台.午前8時の気温は14.4度.日中は夏日になるそうなので,今年初の半袖出勤!

◆[欹耳袋]YOMIURI ONLINE「標高わずか3m、あの天保山より低い山あった」(2014年4月10日)※「仙台市宮城野区の日和山(ひよりやま)が、18年ぶりに「日本一低い山」の座に返り咲いた」「東日本大震災の津波で削られ」– ヤバい,『分類思考の世界』の冒頭「1-1 日本最低の山と日本最短の川」を書き換えないと!

◆午前の┣┣" 撃ち —— 高座スライド鋭意作成中.Léon Croizat の半世紀前の “紙束” の中から特定の図を探し出すというのは,まさに「干し草の中から針を探す」ようなもの.とりあえず “針” が何本か見つかったので,高座スライドはなんとかなりそう.外気温はすでに21.9度まで上がってきた.夏日近し.

◆[欹耳袋]やまびこの反響とみんなの迷惑 —— YouTube - THE PAGE「STAP細胞問題で小保方晴子氏が会見 」(2014年4月9日)/Nature NewsBlog | Acid-bath stem cell scientist apologizes and appeals | 9 April 2014/NHK NewsWeb「東大 全学生に研究倫理教育へ」(2014年4月9日)/朝日新聞デジタル「理研の優遇法案、今国会成立を断念へ STAP問題受け」(2014年4月10日) —— もう “外れ値” であることははっきりしたんだから,何の意義もない一般論の垂れ流しや痛くもない腹をオペするような愚行はやめようね.

◆桜がほぼ散ってしまったお昼休みは徘徊タイム.気温は22.6度まで上がった.農林団地周辺の田んぼはキジにウグイスにカエルでにぎやかだった.本日の歩き読み本:吉田元『近代日本の酒づくり:美酒探求の技術史』(2013年12月13日刊行,岩波書店,東京,xii+261+5 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-00-025934-7 → 版元ページ).歴史的背景を踏まえた明治以降の日本酒づくりについて,多くの図版とともにていねいに説明してある良書.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 引き続き高座スライド素材収集./古い学術誌のバックナンバーもちゃんとオンライン古書店で買えることを知った.第二次世界大戦直後の Beiträge zur Entomologie 誌のある号を発注完了.農環研にもあるんだけど,その号に関しては現物を持っていないと困るので.

◆[欹耳袋]学生時代から,研究に関連する「実験ノート」なるものを記録したことは一度もない.「落書き帳」なら何十冊もあるけど.世の中にはいろいろな科学があるので,画一的に「実験ノート万歳!」と言われても困ってしまう.それが必要な業界の科学者だけちゃんと記録してくださいね.

◆今日の最高気温は23.4度と夏日ラインは突破しなかったが,西日が当たる居室は軽やかに夏日の暑さだった.今日は半袖が正解.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「(大介護時代)働きながら:1 会社、保育園、母待つ家へ」(2014年4月10日).このケースはかなりお金をつぎ込んで「時間」と「労力」を買っているように見える.選択肢としてはきわめて妥当だろう.こういう介護の問題はどの世代でもいつ降り掛かってくるかわからないので,他人事と思わない方がいいね.生物学的に考えれば親世代はいつまでも “不死身” ではないのだが,こちらの心の準備ができていないうちにいきなり「えっ!」という事態になってあわてふためく場合が多いようだ.ワタクシの場合もそうだったが,当事者になってみると,さまざまな情報が乏しくて手探りだった覚えがある.尤度の高いシナリオをいくつか事前に考えておいて,その心づもりをしておくこと.参照:平山亮『迫りくる「息子介護」の時代:28人の現場から』(2014年2月20日刊行,光文社[光文社新書・682],東京,318 pp., 本体価格880円,ISBN:978-4-334-03785-7 → 書評目次版元ページ).

◆明日は経堂出撃の初日だ.春学期がいよいよスタート.

◆本日の総歩数=9064歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.1kg(+0.1kg)/ 30.6%(−0.6%)


9 april 2014(水)※マルチタスクはムリです

◆午前5時前起床.気温6.2度.午前6時の時の鐘が鳴り響く.今日も暖かくなるとの予報.春霞の観音台は今朝ものどかな朝を迎えている.午前8時の気温は11.9度.昨日よりも高め.朝から文献探索.

◆[欹耳袋]今週末の第69回日本生物地理学会大会シンポジウム〈系統地理学はどこに向かうのか?:生物地理から言語地理まで〉2014年4月13日(日)15:00〜17:30@立教大学(池袋)14号館D201号室の演者に直前の連絡をする.もうすぐか.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 微小┣┣" も積もれば山となる(再)/所内領域会議 10:30-11:30.

◆正午前の気温は18.1度.風もなく暖かい日差しのお昼休み.いつもの徘徊タイム.農林団地の桜並木は半分ほど散ってしまい,お花見客はさすがに激減していた.歩き読み本:吉田元『日本の食と酒』(2014年1月10日刊行,講談社[講談社学術文庫・2216],東京,282 pp., 本体価格960円, ISBN:978-4-06-292216-6 → 版元ページ)を読了.前半3章は15〜17世紀の京都山科が舞台だったが,続く第4章は同時代の奈良興福寺での食生活を論じる.さらに第5〜6章は江戸時代初期の日本酒づくりを取り上げ,とくに「火入れ」技術の進展を詳しく論じている.河内長野の〈天野酒〉とか奈良の〈菩提酛〉という名前が登場する.最後の第7章「大豆発酵食品」は,味噌・醤油・納豆・酢などの伝統的製法を取り上げている.

著者・吉田元氏は京大農学部水産学科の出身.学部時代は舞鶴で過ごしたとあとがきに書いている.「大学院を出てからも長い間就職口はなく,私は疲れ切っていた.教授の喜源の良し悪しに毎日一喜一憂するような無給研究員の境遇はみじめなものだ」(p. 259).さらに続く回顧話:「私がいた実験化学者の世界では,四〇歳までに自分の研究チームを持てないようでは,将来の見込みはまずない.周囲の人は「あいつの研究者人生は終わったね」と思っていたことだろう」(pp. 259-260).

さて,次は同じ著者の日本酒本:吉田元『近代日本の酒づくり:美酒探求の技術史』(2013年12月13日刊行,岩波書店,東京,xii+261+5 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-00-025934-7 → 版元ページ)に移ろう.

◆[蒐書日誌]ご恵贈ありがとうございます:藤川直也『名前に何の意味があるのか:固有名の哲学』(2014年3月20日刊行,勁草書房,東京,viii+244 pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-326-10231-0 → 版元ページ)※ひさしぶりに「固有名」による「直示的定義」という表現に再開した.

◆[欹耳袋] “O嬢” 独唱の日 —— 毎日新聞「<写真特集>小保方氏が理研に提出した不服申立書」(2014年4月8日)/YOMIURI ONLINE「不服申立書の全文・上」「不服申立書の全文・下」(2014年4月8日)※聴衆は日に日に少なくなっているけど, “夢の国” からやってきた独唱者にとってはそんなことはどうでもいいのだろう.トゥーランドット姫とピン・ポン・パン三人組.あ,四人だったか./弁護士の放課後 ほな行こか~(^O^)ノ 「小保方晴子氏の代理人として」(2014年4月7日)※こちらはピン・ポン・パンの歌詞.

科学的問題はどこかに消し飛んでしまって(理研がやるやる宣言しているけど),残るは法廷に引きずり出されることになるだろう科学者的問題のみ.幸福の科学だろうが恐山のイタコだろうが,何が闇から出てきてもフシギではない.物見高い観客は増えるだろうけど.今日の会見後はもっと周辺的でアヤシゲなゴシップがわんさか湧いて出てくるだろう.突撃取材メディアは鵜の目鷹の目で狙っているはず.

昼下がりにニコ動の中継をちらちら眺めたかぎりでは,実にすばらしい「質疑対応」の才能がありますねぇ.窮地に追い込まれ,数百人の報道陣を前にして,なおすべての質問を「かわし切る」というのは,記者たちの切り込みの甘さ以上に, “O嬢” がウワテだったということ.というわけで,科学の場とは無縁になりつつある泥仕合には関心を示さないというオトナの対応もありではないでしょーか.ワタクシ的には,渦中の “O嬢” がこれだけ叩かれてなお「理研で研究し続けたい」と言っていることに戦慄している.

—— さながら〈世にも奇妙な物語〉的な,日常の裂け目からずるりと姿をあらわす歪んだ怖さにおののく.

◆[自然を名づける]本日の打音:Aviculo-Mania「本の紹介 <38>」(2014年2月9日)

◆本日の総歩数=9622歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.0kg(−0.3kg)/ 31.2%(+0.1%)


8 april 2014(火)※農林団地は桜吹雪絶好調

◆午前5時過ぎ起床.気温3.4度.米とぎと日の出.春霞の観音台は日差しが暖かい.明け方の最低気温は3.9度と冷え込んだが,午前8時のいまは11.3度.昨日以上の陽気になるとの予報.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 春学期の講義開始日が近づいてきたので,あれこれしたくを進める.しかし,午前中は Windows 8.1 様の お も て な し に時間を盗られてしまって,実質的な┣┣" 撃ちが進まなかった.

◆[欹耳袋]カーテンコールと顔見世 —— 時事ドットコム「共著者「予断なく検証」=理研のSTAP実験-1年かけ判断」(2014年4月7日)/理研による昨日のクローズドな会見の全容はこちら:FNNnewsCH「(全録)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見(1/3) 」(2014年4月7日)|FNNnewsCH「(全録)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見 質疑応答(2/3) 」(2014年4月7日)|FNNnewsCH「(全録)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見 質疑応答(3/3) 」(2014年4月7日)./時事ドットコム「小保方氏、9日会見=STAP細胞、発表後初-8日に不服申し立て」(2014年4月7日).これについては中継予定らしい:ニコニコ生放送「小保方晴子氏 記者会見 生中継<STAP細胞・最終報告書に対する不服申し立て> (番組ID:lv175328217)」.

◆正午前に気温は21.0度に達した.昨日よりもさらに暖かいぽかぽか陽気.昼下がりの農林団地はどこもかしこも桜吹雪.今週末まではもたなさそうな気配が濃厚.午後1時の気温は21.8度.

◆[欹耳袋]東洋経済オンライン:スタンフォードの研究室から「まるで「持ち込み原稿」?論文審査の裏側 ふつうの人はほとんど知らない研究評価システム事情」(2014年4月8日)※「とあるジャーナルでは編集長が1000万円近い年俸」!!! Editor-in-Chief にそんな巨額の報酬を払えるジャーナルはいったい author からどれだけぼったくっているのかと気になる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 非常勤出講先の「応用生物科学部応用生物化学科」という名称が何年経っても正確に記憶できないんですけど.だいたい一致していればいいんじゃないでしょうか(農大のみなさん,ごめん).あ,まちがえた:「応用生物科学部生物応用化学科」が正式名称だった./学術誌の Correspondense 欄とか Letters to the Editor 欄とか Forum 欄にちょこちょこ載っている短報を読むのは,Full paper を読むよりもむしろ難しいかもしれない.

◆[欹耳袋]こにしき(言葉、日本社会、教育)「学振PDに提出した計画書をアップします」(2014年4月9日)※「DC1は大幅に縮小して、DC2やPDを手厚くするべき」「競争的な資金配分も大幅に緩和して、浅く広く行き渡るようにすべき」/発声練習「書誌情報と論文PDFファイルの管理法」(2014年4月8日).

◆諸方面で新学期が起動し始める音が聞こえてくる.独法研究所の中にいれば新年度の音しか耳に入らないが, “外” に一歩でも踏み出せば,あちこちから.

◆本日の総歩数=3266歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.3kg(−0.1kg)/ 31.1%(−0.2%)


7 april 2014(月)※桜がひらひら舞う観音台

◆午前5時前起床.気温4.4度.朝焼けグラデーション.さむ〜.週末の荒っぽい空模様を忘れさせるのどかな青空が広がる観音台.今朝の冷え込みは3.9度まで下がってただ事ではなかったが,日中は暖かくなりそう.週明け最初の BGM は高橋悠治のエリック・サティ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 津波のごとく迫りくる┣┣" の群れ(→ イメージ写真).とりあえず,微小┣┣" 撃ちから始まる週明けの研究室.メールの返事とか返事とか返事とか.じたばた┣┣" 撃ちしていて,BGM がサティの「場末のねぇさん」だったりすると脱力しまくる.

◆[欹耳袋]森林ジャーナリストの「思いつき」ブログ「研究者という名の「人材」」(2014年4月5日)※地方自治体の研究機関に出向くと,「公務員という人材」はいても「研究者という人材」はタテマエ上はいないことがよくわかる.農業試験場の「研究員」であっても,県庁の人事は他の事務職の「公務員」と同等に人事ローテンションをまわしてしまうのでどうしようもないというボヤキは,九州でさんざん聞かされた.都道府県だけではなく,国立の研究機関でも研究員という人材をちゃんと育てられているかといえばけっしてそうとも言いがたい.研究機関の「中」での異動はあり得るので,「ライフワークをもってはいけない」と農水省に入ったときに言われた.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝! —— 松本俊吉『進化という謎』(2014年3月20日刊行,春秋社[シリーズ〈現代哲学への招待〉], 東京, xii+388+20 pp., 本体価格3,600円, ISBN:978-4-393-32354-0 → 目次版元ページ).

◆穏やかな昼休みは観音台周辺徘徊タイム.気温は16度台と暖かい.フライングで桜吹雪スイッチが入ってしまった木もあるが,農林団地の桜並木は大半がはらはら舞い散る程度.まだしばらくは花見できそう.田んぼの水たまりからはカエルの合唱.昼休み歩き読み本:吉田元『日本の食と酒』(2014年1月10日刊行,講談社[講談社学術文庫・2216],東京,282 pp., 本体価格960円, ISBN:978-4-06-292216-6 → 版元ページ)前半3章読了.応仁の乱の前から書き記された京都・山科家の日記を手がかりに中世の食生活を再現する.狸・兎・鯨はよく食べられていた.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今週金曜から始まる東京農大の講義準備.新年度恒例三点セットの件は一件落着.半年の長丁場なので,学期始めに大半の作業にケリをつけたい.

◆[欹耳袋]くねくね科学探検日記「科学が好きということとSTAP騒動」:その1その2その3その4 (2014年3月31日)./わがまま科学者「理研CDBを守れ」(2014年3月31日)/Togetter -「ボストン在住のYさんによる論文不正関係ツイートまとめ」 .

◆予定通り,夕餉は〈鍋島〉の25BY純米吟醸・中汲み無ろ過・オレンジラベル生(五百万石)を開栓.フレッシュな微炭酸としっかりした旨味.最後の締めはカツカレー.

◆[欹耳袋]Science Insider | German University Tells Elsevier 'No Deal' | 27 March 2014.Cf: 情報管理Web「独:コンスタンツ大学、エルゼビア社との購読契約を継続せず」(2014年4月3日).「研究者が2014年以降の論文の購読を希望する場合には、図書館相互間の貸し出しやペイ・パー・ビュー方式による購読を利用し、その費用は大学図書館が負担する。その方が購読料契約よりも費用を抑えられる」– 研究者の負担ではないわけね!

◆本日の総歩数=12448歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.4kg(+0.4kg)/ 31.3%(+0.1%)


6 april 2014(日)※気まぐれな空模様の日曜

◆午前6時のろのろ起床.気温は5.1度.雨は止んだがうすら寒い朝.朝イチで〈つくいち〉へ.午前10時の気温は9.0度と寒いが,空を見上げれば夏のような雲が方々で湧き上がる空模様.雨が降る気配は今のところまったくない.

◆[欹耳袋]おとといの東大農学部進入学ガイダンス後の歓迎パーティでは,ワタクシの出身母体である応用生物学専修(旧・農業生物学科)の旧知の教員たちとともに,根津の二次会で “ベル・エポック” の昔話で盛り上がった.かつての院生は指導教官から「いかに教育されなかったか」という話.とくに,ワタクシが在籍した生物測定学研究室は,年限を越えて長居をする大学院生やオーバードクター(ポスドクではない)が多数いることで有名な部屋だった.ワタクシが大学院を受けたとき,指導教官は「ここに来てもしかたないよ」と一言.覚悟のうちですって.

実際,研究室内での「院ゼミ」(大学院セミナー)の担当の番が回ってきても,とくに研究状況のチェックがはいるわけでもなく,実験ノートの提出を求められるわけでもなく(爆笑),淡々と年月が過ぎていった.修士の時もそう,博士に進んでからもそう.二次会に来た渡辺政隆さんに指摘されて思い出したのだが(彼とは長く同じ部屋にいた),ワタクシがデフォルトの三年で学位論文を出すとは指導教官は予想していなかったらしい.それくらい放置されていたということ.そういう放置はワタクシだけではなかった.D3の夏だったか,指導教官と話をする機会があって,「ところでミナカくんは博士論文はどうするつもりか?」とめずらしく問われたので,「今年中に出しますよ」と答えたら,彼はおもむろにカレンダーをめくり,12月15日の提出期限からの “時間逆算” をした.渡辺政隆さんの記憶によれば,指導教官は「ミナカくんはてっきりまだ出さないものと思っていたのに」と語っていたそうだ(出すときゃ出すんだ).それから審査委員会がばたばたと立ち上がり,ワタクシは連日ドロナワをないまくって,予定通り年内に学位論文を提出.副査のひとりだった養蚕学の権威は,審査委員会の面接時に所要で欠席した.後日,「教授室で個別査問するから」とのことで3号館に出かけたら,お茶を飲みながらの査問ではなく虫採り談義になってしまったり.

ワタクシが学位を取ったのは今から30年前の1985年のことなので,当時はこういう大学院の光景は(農学部では)ふつうだったと思う.もちろん,学位を取って修了したからといって職があるわけではまったくなく,その後の5年間ほどは予備校でバイトしたり,グールドの翻訳を研究室にまだ居続けていた渡辺政隆さんと進めたりしていた.長老のODたちもバイトの合間に研究室に顔出ししていた.ときどき,指導教官から公募情報をもらって和光に行っては面接で落とされたり,越中に送っては書類審査で弾かれたりしていた.農水省の選考採用が通ったのは博士論文の内容ではなく,むしろ修士論文が効いたらしかった.予期しないことが就職に役に立つこともある.

以上,根津の夜に思い出したことをつらつらメモ書きしてみた.すべては “古き良き時代” のことで,30年後の現在,大学院が置かれている状況に通用することではないだろう.かつては,「指導しないことが指導だった」とワタクシは信じている.大学院に入るような「変人」は,もともと自分で自分を “Bildung” できることが大前提だったから,放置しておいても勝手に独立栄養で育っていった.もちろん,闇から闇へと消えていった院生もいたけど,当時はバブル景気だったからなんとかなった.世の中の景気というのはとても大事な要因で,あんなええかげんな大学院&OD生活でも何とかなったのは経済状況がよかったから.好景気あっての “ベル・エポック” だった.

◆休日の┣┣" 撃ち —— 羊土社の連載原稿(第3回)がやっと完成したので,編集部にメール送信:〈統計の落とし穴と蜘蛛の糸〉第3回「データのふるまいをモデル化する」.6000字に3日もかかっているようではあきまへんな.

◆午後になって,天気予報通り,雲が広がってきた.西日本ではところにより雪や雹が降っているらしいが,つくばはまだ雷雨もなく突風も吹いていない.しかし,午後2時過ぎには灰色の雲から雨がぽつぽつと.しかし,先日のような土砂降りになることもなく,雨はかすめていった.雨上がりの燃えるような夕焼けがとても鮮やかだった.今日はひんやり花冷えだった.こういう日はゆったり燗酒で締めくくるしかない.

先月のうちに奈良の梅乃宿酒造が出している〈山風香〉シリーズの二本:〈風香〉純米吟醸・生・備前雄町・うすにごりと〈山香〉純米吟醸・火入れ・山田錦&アケボノはゲットした.しかし,〈風香〉の方は冷酒のままあっけなく空っぽになってしまい,残るは燗酒の〈山香〉のみ.おもむろに登場する銚釐はステンレス製.しかし,銚釐があるだけで燗酒がラクラク〜.しかも一合ではなく八勺用なので,酒かん計をセットしてすぐに適温になる効率の良さ.至福のひととき.

◆[欹耳袋]Colorless Green Ideas「夜遅くに成田空港から都心に脱出する方法(2014年4月版)」(2014年4月6日)※午後11時を過ぎてもバスなら都内にたどり着けるらしい.夜遅く成田空港に着いたことはこれまで一度もないなあ.真夜中のオアハカ空港到着とか,海外ではそういう経験は何度かあるけど.

◆本日の総歩数=2290歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.0kg(+0.3kg)/ 31.2%(+0.8%)


5 april 2014(土)※桜満開の北条大池を巡る

◆午前6時半うう起床.すっきり晴天.北風が冷たい.気温は6.5度.

◆[欹耳袋]ワタクシが翻訳をするときは「from scratch」以外にはありえない. “下訳” なんかたいていの場合どうしようもないので,けっきょく「再翻訳」する二度手間がかかってしまう.翻訳は自力で地べたから這い上がるしかない. “下訳” は消去されるためにのみ存在する./Colorless Green Ideas「研究室の藪の中」(2014年4月4日).ひさしぶりの “新作” だ./本の虫「Rの興隆が科学にオープンソースをもたらす」(2014年4月4日).

◆[系統樹思考]本日の反響:fuminari0815のblog「系統樹思考の世界(講談社現代新書) 三中 信宏」(2014年4月2日).

◆北条大池は桜が満開 —— 昨日の兇悪な空模様から一転,今日は風がやや冷たいながらもいい日和になった.北条大池の桜が見頃になったというので行ってみた.満開の桜の向こうにそびえる筑波山.山桜が見頃になるのは今月下旬か.桜と筑波山と平沢官衙遺跡の三点セット.のどかな風景ですなあ.

◆[欹耳袋]毎日新聞連載記事 —— 「崩壊・STAP論文:/上(その1) 密室が生んだ捏造 助言役、責任果たさず」(2014年4月2日)|「崩壊・STAP論文:/上(その2止) サインだけの共著者 チーム内も議論少なく」(2014年4月2日)|「崩壊・STAP論文:/中 ゆがんだ研究競争 有名誌への掲載、過度に重視」(2014年4月3日)|「崩壊・STAP論文:/下 「博士」増員あだ 政府が支援、30年で3倍」(2014年4月5日)※最後の記事では,「教員足りず放置状態/就職難で質も低下」という見出しが.いくらなんでも一般化しすぎでしょう.

◆昼間はよく晴れてそこそこ暖かかったが,夕方になって雲が広がり風が冷たくなってきた.雨がぽつりぽつりと.深夜,気温急降下.雨も降っている.明日のアヤシイ空模様に要注意.

◆本日の総歩数=3554歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.7kg(−0.1kg)/ 30.4%(+0.8%)


4 april 2014(金)※春の雷雨と一升瓶の本郷

◆午前5時起床.気温13.1度.降り続く雨.雨が降ったり止んだりの観音台.今日は一日こういう空模様らしい.農林団地お花見渋滞は昨日に続いて回避できるかな.風が強くないので桜吹雪にはならないだろう.午前8時の気温は13.2度.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 朝から加圧原稿に立ち向かう.しかし,なかなか進捗しないな.困ったな./MacBook Air が窮屈になってきたので8GB分の大掃除をした.「フロッピー8000枚分」かぁ〜(フロッピー換算するのはもうそろそろやめなさい)./メールでの課題レポート提出はそれはそれは逸話がたくさんあって…….手書きレポートを写メで送りつけるツワモノ,彼氏のスマホからレポートを送ったらしく彼氏の名前付き(本人の名前なし),悪名高い windat でレポートを添付するコマッタちゃん,etc...

◆兇悪雷雲が襲来する本郷にてお仕事と宴会 —— お昼前に観音台を撤収.雨降る農林団地は今日も花見客はまばら.ところどころ散り始めていた.それでも昨日から居座っていた雨雲はやっと雲散霧消し,青空が広がってきた.正午過ぎ,TXつくば駅.東大農学部の進入学生ガイダンスのため本郷に向かう.TX車内で原稿を書く生活がまたもや始まった.外気温は20度を越えている.午後1時過ぎ,東大農学部着.雨上がりの弥生キャンパスは春を飛び越えて初夏の陽気と日差し.午後1時過ぎの気温は22.0度まで上がっている.農学部3号館の隠れ部屋で一休み.専攻の大学院入学ガイダンスは午後2時から.インターバルをはさんで,午後4時前から専修学部ガイダンス.

窓から外を見上げると,入道雲が北の方角にそびえ立っている.天気ニュースによると茨城県から埼玉県にかけて大きな雷雲が発達し突風と雹に要注意とのこと.午後5時,その兇悪なる雷雲が本郷にまで南下してきた,ときどき突風が吹く.そして,雷鳴と豪雨の襲来.大粒の雷雨がぼたぼた降ってきた.真夏の夕立ちみたいなざあざあ降り.季節外れの土砂降り.傘を持ってこなかったのは失敗.幸い,スコールは短時間で通り過ぎて小止みに.午後5時半前に水たまりを踏み越えて安田講堂に向かう.

中央食堂にて農学部歓迎パーティ.学生と教職員がひしめく地下食堂では,すでに開会の挨拶が始まっていた.午後7時前にお開き.その後,応用生物学専修(旧・農業生物学科)の面々とともに根津の〈車屋〉になだれ込む.昔話に花が咲き,〈大雪渓〉濁り酒など一升瓶が転がる夜だった.専攻長とともにTX最終一本前に乗って,花の午前さま帰宅.冷たい北風が吹くセンター広場.

◆本日の総歩数=9273歩. 朝◯|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=94.8kg(0.0kg)/ 29.6%(−0.8%)


3 april 2014(木)※春雨がまる一日降り続く

◆午前4時起床.雨.気温11.2度.雨の中を響いてくる午前6時の時の鐘.雨々降れ降れ観音台.明け方から本降りになり,農林団地の桜並木は春雨に打たれている.でも,これくらいだったら散る心配はないだろう.お花見渋滞は今日だけは解消されるかな.午前8時の気温は13.0度.湿り気のある暖かい朝.

◆[欹耳袋]T. Caro et al. | The function of zebra stripes | Nat Comm 5 | 1 Apr 2014. doi:10.1038/ncomms4535 ※シマウマの「縞」の機能は「カモフラージュ」ではなく「ハエよけ」だった!/Phil. Trans. R. Soc. B. | Theme Issue - Inclusive fitness: 50 years on | Volume 369 | 19 May 2014/あんちべ!「統計屋による新社会人のための統計系入門書お薦め一覧」(2014年4月1日)※「あれっ,べいづ本は?」などと口にするやいなや,その場で殴られるのかなw

◆[蒐書日誌]岡田喜秋『定本 日本の秘境』(2014年2月1日刊行,山と渓谷社[ヤマケイ文庫],東京,382 pp., ISBN:978-4-635-04766-1 → 版元ページ)※高度経済成長「前」の記録として.山奥だったり,岬の突端だったり./高橋一喜『日本一周3016湯』(2014年3月30日刊行,幻冬舎[幻冬舎新書・340],東京,503 pp., ISBN:978-4-344-98341-0 → 版元ページ)※これはこれでスゴいなあ.怪挙.

◆昼休みは筑波事務所の郵便局まで雨の中を歩いて往復した.この空模様ではさすがにお花見客はほとんどいない.構内道路に列をなす車もない.農林団地のこの季節の見ものは「桜・菜の花・青空」の三点セットなので,晴れてくれないことには話にならない.いちおう写真を撮ったが,桜と菜の花のツートンカラーでいまひとつさえない.フランスから帰国したばかりのけんのじくんからリヴァロ,いただきました! 居室がいきなりシアワセな “リヴァロ臭” に満たされる雨の昼下がり.とりあえず今月末まで冷蔵庫に低温隔離してじっくり熟成させ, “致死率” を上げるのがいいかもしれない.

◆_・) 。oO (こんなに原稿が書けないはずはない.大きな力が働いているにちがいない)

◆[欹耳袋]そこらの大学生や大学院生のメンタルヘルスを心配するよりも,大学教員や研究者の方がはるかに「変人」が多いことはみんなわかってると思うけどね.ワタクシのような「変人」でもちゃんと生きていける世の中であってほしいな.

◆農林団地の桜並木は,夕暮れが近づくにつれてしだいに強まってきた雨に濡れている.今日はさすがに花見客もなく終日閑散としていた.さくっと撤収.

◆本日の総歩数=5298歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.8kg(−0.4kg)/ 30.4%(−0.1%)


2 april 2014(水)※農林団地はお花見渋滞中

◆午前4時半起床.気温4.7度.春爛漫.日に日に桜色に染まる観音台.朝から穏やかに晴れ上がり,午前8時の気温は13.3度と夜明け前の最低気温3.8度からイッキに10度も上昇した.今日は20度超の暖かさになるかな.農林団地は桜が満開.お花見渋滞の真っ最中

◆[欹耳袋]“O嬢の物語” の残響いろいろ —— Nature News | Stem-cell scientist found guilty of misconduct | 1 April 2014.※これはエイプリルフール会見の記事./科学政策ニュースクリップ「問われるのは論文の著者とは何かということ」(2014年4月1日)※「論文の著者というのが、結構いい加減かということがバレてしまった」./小野昌弘のブログ「STAP問題が照らし出した日本の医学生物学研究の構造的問題」(2014年4月2日)※この内容はとても興味深い.

こういう場外の科学者的問題とは別に,肝心の科学的問題についても香港で進展があったようだ:Wired「香港中文大学、STAP細胞作製の再現に成功か」(2014年4月2日).一瞬「をを!」と思ったが,同時並行で:TBS News i「香港の研究チーム「STAP細胞は存在しない」 」(2014年4月2日)という報道も流れていて,五里霧中状態.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 科学基礎論学会の大会プログラムが送られてきた.2014年6月14日(土)〜15日(日)@慶應義塾大学三田キャンパス.ワタクシは,科学基礎論学会は初登場で,しかも非会員だが,ワークショップ〈生物学の哲学の〈これまで〉と〈これから〉〉で噺をすることになっている.科学基礎論学会にはたして “ドレスコード” はあるんだろーか.もちろん,それが判明したところで,ワタクシには何の関係もないんだけど.

◆[欹耳袋]国際古生物学会議〈IPC4〉って,アルゼンチンのメンドーサで開催か.アルゼンチン・ワインの大産地!(裏山すぎる)/論駄な日々「東京の思い出スポット(カレー編)」(2014年3月31日)※「カレー編」以外もあるぞという伏線だろーか./Jタウンネット「「カレーは牛肉?豚肉?」境界線は「三重県」にあった!」(2014年3月30日)※「肉」といえば “牛” かそれとも “豚” かという基本認識のちがいか.

◆農林団地の桜はいまが満開.青空に雲が点在する穏やかな空模様で,お昼休みの構内道路はどこも花見客の車の列で大渋滞.気温はすでに18.0度まで上がっている.いつもの周辺徘徊.マンフレド・シュピッツァー[小林敏明訳/村井俊哉監修]『デジタル・デメンチア:子どもの思考力を奪うデジタル認知障害』(2014年2月4日刊行,講談社,東京,398 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-06-218205-8 → 目次版元ページ)読了.春の日差しは木漏れ日でもまぶしい.

◆[自然を名づける]本日の打音:日々のなんだかんだ「自然を名づける」(2014年3月1日) /仮想粒子日記「トマトよりもマッシュルーム?!」(2014年3月30日).ふたつの記事とも,本書に出てくるピザの具材とヒトとの類縁関係に言及している.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 書評原稿ひとつ送った.締切り前!(快挙だ)/某誌への投稿原稿の査読依頼を丸投げ完了.よろしくよろしく./座右の銘:〈千字の文も一字から〉.

◆[欹耳袋]MSN産経ニュース「業績稼ぎがはびこる大学の劣化 社会学者 関西大学東京センター長・竹内洋」(2014年4月1日)※著者は,以前は「剽窃教授は論外だが、なにも書かないから事件沙汰を免れているだけの無業績教授が放置されているのもかなりの問題だと思った」.しかし,「剽窃は学問研究の〈積極的冒涜(ぼうとく)〉であるだけに事件とされ、措置が講じられる。しかし、〈消極的冒涜〉である「見せかけ学術論文」が事件になることは少ない」という点を考えると,「その昔の無業績教授が別様にもみえてくる。当時、よく言われていた「論文はやたらに書くべきものではない」という学問への畏怖ゆえの無業績だったかもしれないのである」と結論している.アウトプットしない研究者は存在しないも同然の “屍者” なのでそもそも救済の余地はない.しかし,著者の意図が,研究者の人生を “積分” したときにはたして胸を張れる総体を生み出せたのか自問せよという点にあるのなら「御意」と言うしかない.

◆夕方になって雲が広がってきたが,まだ農林団地はお花見渋滞が続いている.稲荷川側道から国道408号に脱出し帰宅.桜が見頃の時期は行き帰りにいろいろな抜け道を活用する.

◆本日の総歩数=7651歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.2kg(−0.8kg)/ 30.5%(−0.2%)


1 april 2014(火)※めまぐるしい新年度初日

◆午前5時前起床.気温5.8度.上る朝日とともに百鬼夜行は消え失せる.青空の広がる観音台は,明け方の冷え込みを少し引きずっている.午前8時の気温は12.0度.日中は昨日並みの陽気になるらしい.桜並木の色合いが一段と鮮やかになるだろう.

◆午前の┣┣" 撃ち —— メーリングリストへの月例アナウンスを放流して月は始まる./いちおう所内の年度始め人事異動のようすを遠くから確認しておくか./編集担当の某学会誌の J-Stage 公開前チェック.

◆[欹耳袋]“O嬢の物語” (番外乱闘編) —— 本題である科学的問題は脇に置いといて,懸案の科学者的問題についてはエイプリルフールではない大炎上が.

まずは中継されたセレモニーから:ニコニコ生放送「STAP細胞 研究論文の疑義に関する最終報告 調査委員会による記者会見 (番組ID:lv174525186)」|ニコニコ生放送「STAP細胞 研究論文の疑義に関する最終報告 理研による記者会見 (番組ID:lv174525904)」 (2014年4月1日)※午前は調査委員会から,午後は理研から発表だった.詰めかけた報道陣を前にしての理研側の事態収拾への格闘シーン.

並行して公開された理研側の文書:理化学研究所「研究論文(STAP細胞)の疑義に関する調査報告について」(2014年4月1日)の「研究論文の疑義に関する調査報告書」を見ると,「このような行為やずさんなデータ管理の背景には、研究者倫理とともに科学に対する誠実さ・謙虚さの欠如が存在すると判断せざるを得ない。」(p. 9)と書かれていて,これで勝負はあったかと思ったのだが…….

そのとき,いきなり大展開:毎日新聞「STAP細胞:小保方さん「不正認定2点、承服できない」」(2014年4月1日)※ずっと姿を消していた “O嬢” が弁護士三名を従えて舞台袖から飛び出してきたのはまさに想定外の事態.

さらなる “O嬢” の卓袱台返し:朝日新聞デジタル「小保方さん「最終報告、承服できない」 不服申し立てへ」(2014年4月1日) ※「Nature 論文を撤回するつもりはさらさらありません」どころか「修正原稿はすでに Nature 編集部に送った」とはこれまで一ヶ月間の報道とは真っ向勝負.いまにも撤回しそうな雰囲気は完全にリセットされ,ストーリーはみごとにリプログラミング.舞台はポーアイから法廷へと移るのか.

そして “主役” を含むオールスター揃い踏み:続いて公表された理化学研究所「研究論文(STAP細胞)の疑義に関する調査報告について(その2)」(2014年4月1日)には “O嬢” 以外の共著者たちのコメントも載っていた.

ノーベル賞理事長が “O嬢” の卓袱台返しに対して「彼女は “ビリーバー” だから」の一言で切り捨てようとしたその瞬間,雲の上からダメ出しががが:朝日新聞デジタル「文科相「調査は不十分」 論文不正、理研に再提出求める」(2014年4月1日)

—— ということで,時すでに遅く,科学者的問題をめぐる「場外乱闘」は後戻りできなくなってしまったのだった.ワタクシとしては科学的問題の方に何らかの進展があることを期待しているのだが.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝:グレゴリー・チャイティン[水谷淳訳]『ダーウィンを数学で証明する』(2014年3月25日刊行,早川書房,東京,167 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-15-209447-6 → 版元ページ).でも,進化プロセスに「証明」はもともと不要だと思うよ.

◆[系統樹思考]本日の反響:アマゾン・カスタマーレビュー「系統の歴史(By エスニ印)」(2013年9月3日)

◆午後の┣┣" 撃ち —— ワタクシの場合,「実験ノート」とかキャリアの最初のころから存在していないので,イメージがぜんぜん湧かないんですけど.「落書き帳」みたいなノートは何冊もあるけどねー./そんなことより加圧されまくりの原稿┣┣" (複数)がシンクロして暴れ始めた.何とかしないと.

◆[欹耳袋]ポーアイだけではなかった —— TBS News i「筑波大学の教授グループ、研究論文で画像ねつ造などの不正」(2014年3月31日)※「外れ値」をゼロにするよりも,まっとうである割合を増やす努力がより生産的だろう./筑波大学「本学生命環境系教授及び元講師論文に関する調査結果について」(2014年3月31日)※研究不正調査に投入された “資源” の大きさを考えると暗然として言葉なし./朝日新聞デジタル「論文3本に不正、筑波大教授退職 画像を改ざん」(2014年4月1日)※悪しき意味での「文化的継承」ってあるんだろうね.

◆新年度の景気づけにスペアリブをどかーんと焼いた.肉を焼いたら, “お水” はお作法として活性にごり酒しかない.秋田醸造の〈ゆきの美人〉純米吟醸活性生酒をシュワシュワ開栓.日本酒の「微炭酸」表示に騙されてはいけない.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「女性研究者は「覚悟必要」 稲葉・京大副学長が苦言」(2014年4月1日)※これは「エール」であって「苦言」ではないと思う./むしブロ「アカデミアを卒業します」(2014年4月1日)/Togetter -「 @yashirosatoru さんの質問の作法に関するTweet」※学会や研究会での質問スタイルを自分なりに磨くために.

◆明日からは本気出す!

◆本日の総歩数=7919歩. 朝◯|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=96.0kg(−0.1kg)/ 30.7%(−0.2%)


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