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日録2013年7月 


31 juli 2013(水)※気がつけば八月が目の前に

◆午前5時前起床.曇り空.気温23.6度.セミ軍団は早朝の発声練習.午前8時.気温24.4度.生ぬるい空気の漂う観音台は曇り空.今日は旅支度の一日.細々┣┣" どもを退治し続ける.

◆[蒐書日誌]書誌情報と確定目次を公開 —— キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』(2013年9月3日刊行予定,NTT出版,東京,vi+382+x pp., 本体価格3,200円,ISBN:978-4-7571-6056-9 → 目次版元ページe-hon 近刊予約7-net 近刊予約).

◆日中の壮大なる┣┣" 撃ち —— 午前10時半から所内領域会議を小一時間./秋の分子系統ワークショップの件につき,講師予定者全員と農林交流センター事務局への連絡完了.2013年度・第176回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉.受講生の募集は近日開始です./昼休み,銀行にてユーロを買う./滞在予定ホテルの変更完了./グローバルデータのWiFi予約完了./あとはジャーマン・レイル・パスの件.これはちとやっかい.

◆[欹耳袋]Togetter -「文化系統学・文化進化研究の現在―『文化系統学への招待』合評会」.拾いきれていないツイートがあると思いますので,追加よろしく〜./プレジデント・オンライン:前野ウルド浩太郎「奪われた成果――バッタ博士を襲う黒い影(バッタ博士の「今週のひと工夫」第5回)」(2013年7月27日)./raxmlGUI

◆科学にはグローバル言語が必要か? —— Scott L. Montgomery『Does Science Need a Global Language? English and the Future of Research』(2013年5月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xiv+226 pp., ISBN: 978-0-226-53503-6[hbk] / ISBN: 978-0-226-01004-5 [eBook] → 版元ページ).科学の lingua franca としての英語は,もはや単一言語「native English」ではなく,複数形としての「nonnative Englishes」であるとの認識のもとに,現代科学のコミュニケーション言語に関する考察が展開されている.とてもおもしろそう.

◆明日は国外逃亡前日なので,いたりいなかったりする.ま,しかたないよね.

◆本日の総歩数=5247歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.7kg(−0.9kg) / 28.3%(−0.3%)


30 juli 2013(火)※真夏日の観音台で泥縄作業

◆午前5時前起床.曇り.真っ白な朝霧.気温23.1度.昨日と一昨日の日録をやっと書いてアップ.朝霧はしだいに晴れ,夏の日差しと空が戻ってきた.今日は昨日よりも大幅に暑くなるらしい.午前8時の観音台.気温は24.7度.

◆[蒐書日誌]キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』.印刷所に入る直前のゲラが確認のため送られてきたので即チェック.刊行日は「2013年9月3日」,総頁数は「vi+382+x pp.」で計400ページ.定価は3,200円.カバージャケット案が続いて届いた.カバーができると近刊の “現実感” ががぜん高まってくる.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 農環研ウェブ講座「農業環境のための統計学」 第12回「パラメトリック統計学の世界を眺める」の公開前チェック.明日7月31日の夜に公開予定.一年間にわたる連載はこれでオシマイです./高桑和巳(編)『生命の教養学 IX:成長』(2013年近刊,慶應義塾大学出版会)の担当章:三中信宏「成長と進化思考」(pp. 223-250)の修正点確認.この本もこれでケリがついたかな.

◆[蒐書日誌]岩波『科学』2013年8月号特集〈南方熊楠――森の巨人がまいた胞子(タネ)〉.やっと版元ページに目次が載った.今日はじめて現物を手にしたので目次とページを確認(→ここ).ざっと見た感じ,ワタクシの記事も含めて「南方曼陀羅」がいたるところに登場する.ワタクシの起稿はカラー図版にしてもらったので,pdf ファイル購入を決断.

◆[欹耳袋]大学の “非常勤講師” 問題(1) —— dlitlog「大学の非常勤講師は「良いバイト」?」(2013年7月29日).大学の非常勤講師は,現金収入を得る方法としては,けっして「良いバイト」ではない.ワタクシの場合,毎週,都内の私立大学に非常勤出講するときの報酬は月額にして三万円弱(交通費別).学期で平均して毎月定額が支払われるので,半年間の合計を授業回数で割り算すると,約一万円/回となる.国立大学の非常勤講義は,私立大学のような平均月給支給ではなく,時給×講義回数が月ごとに支給される(交通費別).ただし,時給は大学ごとに千差万別.五千円弱/時からほぼ一万円/時まで幅があり,私立大学よりも分散が大きいようだ.

この単価計算だけなら「良いバイト」と言えなくもない.しかし,毎回の往復に5〜6時間かかる遠距離通勤,さらにレポートや成績評価などの教務作業が講義時間とは別に上乗せされることを考えれば,「良いバイト」度は大幅に下がってしまうだろう.とくに,百人規模の大教室だと,この時間外労働の負担はかなり大きい.大学教員や研究員がときどきつぶやいているように,事前準備+講義+教務作業+往復通勤時間をあわせて時給計算したならば,とても他人には言えないような “ブラック” な働き方をしていることはまちがいないだろう.「良いバイト」であるはずがない.

いずれにしても,学外から非常勤講師として大学に教えに行くというのは,少なくともワタクシにとっては,「稼ぎに行く」というよりも,「布教に行く」あるいは「洗脳に行く」という宗教的動機の方が強いかもしれない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今月のカレンダーにはもう一頭も┣┣" がいないので,早々とめくってしまい気分はもう八月.ついでに九月のカレンダーに今は沖を回遊している┣┣" どものリストアップ./Herbert Bayer 1955. Goldmanns Grosser Weltatlas 初版本を発注完了.この秋に予定されている某企画に使う資料として.日本国内にはほとんど所蔵されていない初版本.著者 Herbert Bayer は Bauhaus がらみ.大判の図版集らしい.

◆[欹耳袋]大学の “非常勤講師” 問題(2) —— すくらむから記事ふたつ:「ブラック早稲田大学を刑事告発-教員の6割占める非常勤講師4千人を捏造規則で雇い止め|松村比奈子氏」(2013年7月29日)|「非常勤講師の三重苦=奨学金ローン地獄・高学歴ワーキングプア・人間破壊と生命の危機|松村比奈子氏」(2013年7月30日).このインタビュー記事に書かれているように,「たとえば大学の非常勤講師は細切れパート労働なんですね」&「事実上、私たちは無期雇用されていた」&「今回の労働契約法改正以前からそうでした」という指摘から,今年4月からの労働契約法改正がどのような影響を実際にもたらし得るのかがまだ見通せないことがわかる.雇っている大学も雇われている当事者もそうなのかも.

その一方で,「6コマ持っている専任教員は年収1,500万円で、10コマ持っている非常勤講師は年収300万円というのは、どう考えても合理的な説明のつかない格差です。そこに不満がある」という糾弾はフェアではない.専任教員と非常勤講師の仕事はけっして ceteris paribus ではないはず.講義コマ数と年収との単純比較はアピール度は高いが,正確ではない.

—— ワタクシには本務地があるので,非常勤講師としての「稼ぎ」は度外視してもいいのだが,専業非常勤講師はそうはいかないだろう.非常勤講師を雇っている大学は相手の弱みにつけこんで安く買い叩いてはいけない.

◆次の旅支度は着々と進んではいるが,まだケリがつかない…….講演準備もちゃんとしなきゃいけないんだが.

◆[欹耳袋]大学の “非常勤講師” 問題(3) —— ニューズウィーク日本版:池田信夫「日本の大学は非常勤講師を使い捨てる「ブラック大学」」(2013年7月30日).「それなのに日本では、准教授になったら1本も論文を書かなくても昇進し」「このように研究者に競争がまったくない状態」- あのね,ウソを混ぜなさんなって!

◆本日の総歩数=3400歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=95.6kg(+1.6kg) / 28.6%(−0.3%)


29 juli 2013(月)※じとじと雨が降り続く宇治

◆昨日のシンポジウムと合評会で燃え尽きたらしく,いったん午前6時に目覚めたものの,また沈没(ぶくぶく……).午前11時のチェックアウト時間ぎりぎりにホテルを出て,地下鉄東西線で石田に向かう.生暖かい雨がしとしと降り続く蒸し暑い一日.しかし,今日の宇治ミッションでみごと作戦遂行に失敗し,あえなく敗退.雨に濡れて六地蔵からとぼとぼつくばまで帰ってきた.験直しにJR京都駅の伊勢丹で,〈仙太郎〉の「七穀ぼたもち」を買ってきた.

◆午後6時過ぎにつくばに帰り着いた.京都から帰ってきても同じように生暖かい雨がぼたぼた降っていた.┣┣" 箱がいつのまにか豊漁に湧いている…….明日からは国外逃亡までの直前決戦残務処理に臨む.

◆本日の総歩数=8258歩. 朝−|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


28 juli 2013(日)※百万遍の夏の夜は長かった

◆午前5時前起床.曇り.気温20.8度,北風の吹く涼しい朝.昨夜の雷雨が涼気を運んできたか.プチ旅支度.午前5時,青空が広がってきた.昨日の蒸し暑さからは想像できないすがすがしさ.気温20.6度とさらに低下.

◆そうだ 京都、行こう —— 午前8時過ぎ,東京駅.都内の午前8時の気温は25.5度.新幹線プラットフォームは蒸し暑さが充満している.では,京都一人旅へ.今日の行き先は「京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)」なんだが,それってどこにあるねん? いま調べてみたら,西部構内にあるのか.名古屋.矢場とんに釣られて途中下車してはならぬ.味噌煮込みや手羽先にも誘惑されてはならぬ.京都着.午前11時前にすでに33.2度と歓待されまくり(汗).とりあえず,蹴上の定宿(今月だけ)に荷物を放り込む.ロビーが涼しすぎて炎天下に出る勇気がぜんぜん湧いてこない.ちょいと一休みしてから,百万遍方面に出撃.京大.正午の気温は33.2度.あっつ〜.やや探しまわって京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)西館にたどりついたところ.まだ,スタッフしかいない.

◆白眉センター&CAPE共催セミナー〈文化系統学・文化進化研究の現在―『文化系統学への招待』合評会〉 —— 午後1時から開始.参加者はざっと50名ほどになるらしい.小さめの部屋がほぼいっぱいに.ハッシュタグは #hakubicape にしましょうか.

  • #hakubicape そろそろ参加者がぽつりぽつりとやってきて. posted at 12:26:44
  • #hakubicape 会場の iCeMS 西館は階段多し.トイレの中にも階段がある. posted at 12:30:05
  • #hakubicape @tiseda 師,登場なう. posted at 12:37:58
  • #hakubicape @sakura_osamu センセ,登場なう. posted at 12:39:18
  • @seanshlee えっと,本館の北側に,西館への立て看板が立っています. posted at 12:43:27
  • #hakubicape @seanshlee さんが道に迷っているなう. posted at 12:45:16
  • @seanshlee わかりましたか? posted at 12:46:54
  • #hakubicape @MasakiHoso 白眉師,登場なう. posted at 12:47:59
  • “耐熱性” が勝敗を決めるかも RT @sakura_osamu: こんにちは! 京都はクソ暑いです! 会場にたどり着くだけでヘロヘロ汗だく。RT @leeswijzer: #hakubicape @sakura_osamu センセ,登場なう. posted at 12:49:19
  • @seanshlee お気をつけて〜 posted at 12:52:02
  • #hakubicape @SeanSHLee さん,いまやっと登場.おつでした. posted at 12:52:52

  • #hakubicape 白眉センター&CAPE共催セミナー〈文化系統学・文化進化研究の現在―『文化系統学への招待』合評会〉 www.hisashinakao.com/cul_evo/ 開会なう. posted at 12:54:24
  • #hakubicape 白眉センターの田中センター長の挨拶なう.白眉だ. posted at 12:55:05
  • #hakubicape 「合評会」は正しくは「がっぴょうかい」と読むことを先ほど初めて知った.てっきり「ごうひょうかい」と思い込んでいて,ぜんぜん漢字変換されないのはフシギだと思っていた. posted at 12:57:37
  • #hakubicape ゆくゆくは論文集を.初耳. posted at 12:58:25

  • #hakubicape 最初の講演:Sean Lee @SeanSHLee言語系統進化の模様と仕組みow.ly/no35P [abstract] posted at 13:00:44
  • #hakubicape 日本列島における言語多様性.日本語族の系統進化,アイヌ語族の系統地理. posted at 13:02:56
  • #hakubicape lingdy.aacore.jp/PearStory/ 琉球各地域での言語表現. posted at 13:08:01
  • #hakubicape こりゃ,ぜんぜんわからんなあ……. posted at 13:10:04
  • #hakubicape 基礎語彙に基づく NeghborNet による系統ネットワーク.Delta score (Holland et al. 2002 MBE) は系統関係の鮮明さをあらわす.日本語は0.4,琉球語の0.22は世界中でもっとも鮮明なレベル. posted at 13:13:22
  • #hakubicape 琉球列島における言語的な異所的種分化モデル.Jaccard 方による言語間距離行列と陸地との接続行列とのマンテル検定による行列相関検定をすると有意になる.海で隔離されると遠縁になる. posted at 13:15:38
  • #hakubicape 陸地で接続しているか海で隔てられているかによって,言語系統の近縁さに規則性がある. posted at 13:18:22
  • #hakubicape 日本語におけるベイズ系統推定.年代に関する事前情報を与える.上代日本語と中世日本語と東京・京都の分岐.進化モデルはRelaxed clock with covarion. posted at 13:20:32
  • #hakubicape Lee and Hasegawa 2011. Proc. Roy. Soc. B. posted at 13:21:02
  • #hakubicape 弥生時代における日本語の分岐が推定される.The Tower of Babel Database starling.rinet.ru による追試もした. posted at 13:23:12
  • #hakubicape 言語と話者はともに進化する ow.ly/no3Qf posted at 13:25:19
  • #hakubicape Lee and Hasegawa 2013 PLOS ONE によるアイヌ語の研究. posted at 13:26:31
  • #hakubicape アイヌ語の共通祖先は1300年前.端点の地理情報を利用すると,北日本における系統地理進化を復元できる. posted at 13:28:52
  • #hakubicape S Lee & T Hasegawa 2013. Evolution of the Ainu Language in Space and Time. PLoS ONE 8(4): e62243 ow.ly/no48s posted at 13:31:18
  • #hakubicape パターン研究は現象の模様の記述.プロセス研究は現象の仕組みの究明. posted at 13:33:52
  • #hakubicape @SeanSHLee さんの講演おしまい. posted at 13:35:20
  • #hakubicape 質問:「言語進化におけるシュライヒャーとシュミットの問題はどのように解決されるのか?」/回答:「今回は垂直伝播だけ考えるが,今後は水平伝播も必要」 posted at 13:37:23
  • #hakubicape @tiseda 質問:「言語のベイズ推定の統計モデルはどのように選ぶのか?」 posted at 13:40:24
  • #hakubicape 名古屋大学・有田さん「言語進化モデルを変更したときの頑健性についてはどうか?」 posted at 13:43:37
  • #hakubicape @sakura_osamu 質問「アフリカの言語は海で隔離されていないがその分化は?」「最近では政治的な nation state による言語変化への影響が無視できないだろう.」 posted at 13:45:41
  • #hakubicape 回答:「Robert M. Ross et al. 2013. ow.ly/no4yJ による民話の伝播研究が参考になる」 posted at 13:48:32

  • #hakubicape 次の講演は志田泰盛「多書体・継続型混交を許容する文献系統の推定に向けてow.ly/no4BN [abstract] posted at 13:49:44
  • #hakubicape インド古典文献の写本系統樹の話題. posted at 13:50:18
  • #hakubicape RT @ks_sato: @s_kodama さんと @leeswijzer さんがいるおかげで、TL見てるだけでも文化系統学セミナーの様子が辿れる。ありがたや posted at 13:50:59
  • #hakubicape パームリーフに鉄筆で書き付けカーボンで記すというインド古典文献. posted at 13:53:16
  • #hakubicape 原典復元と伝承推定に関わる「Donaldson のジレンマ」. posted at 13:58:36
  • #hakubicape 混交(contamination)と誤写の問題.インドでは文字も多様. posted at 14:01:26
  • #hakubicape D. Goodall & H. Isaacson 2003 は,文献ステマの推定には批判的./H. Isaacson 2009. Manuscript Cultures 2: 14-21. ラハマン法には問題がある. posted at 14:04:09
  • #hakubicape 原典が喪われると現存写本がすべて同じであっても真実には届かない. posted at 14:10:20
  • #hakubicape 写本系統のハードル.混交と並行発生と筆記者の推測. posted at 14:13:07
  • #hakubicape Taisei Shida 2013. J. Indian and Buddhist Studies の論文. posted at 14:15:57
  • #hakubicape インド写本系統学では,まずトップに PAUP* が筆頭.次いで SplitsTree. posted at 14:23:52
  • #hakubicape 1960年代に文献系譜への疑念,半世紀後の2010年からコンピューター系統学が使われ始めた.Philipp A. Mass の論文. posted at 14:25:15
  • #hakubicape 石田勝世 2011. posted at 14:25:48
  • #hakubicape をを,NEXUS ファイルが! posted at 14:26:06
  • #hakubicape Cardiogram analysis. Studies in Stemmatology I, II. Shock waves in text traditions. posted at 14:30:18
  • #hakubicape 写本を実際に手がける「scribe」のエージェント性をどう考察するか. posted at 14:37:01
  • #hakubicape 休憩なう. posted at 14:39:30
  • #hakubicape まだしばらくはこのまま話を聞くだけでいい. posted at 14:49:47
  • #hakubicape インド古典文献の写本系統推定研究はあとでフォローしておこう.デーヴァナーガリー文字って呪術的に見える. posted at 14:51:06

  • #hakubicape 休憩後の講演:有田隆也「言語進化の基本的問題を考えるための2つの計算論的モデルow.ly/no5Xx [abstract] posted at 14:54:51
  • @r_obtusifolius @ken_no_ji @ucchy_v3 |彡 サッ posted at 14:55:58
  • #hakubicape 学習が進化に与える影響.Baldwin効果(遺伝的同化).学習の恩恵が適応度地形が変化するならば進化への影響があるだろう. posted at 14:58:20
  • #hakubicape Hinton & Nowlan 1987 model. 学習可能性.Baldwin / Hiding effect. posted at 15:03:16
  • #hakubicape 動的な適応度地形でのBaldwin効果を考える.ゲーム論的相互作用と言語的相互作用. posted at 15:06:45
  • #hakubicape 計算論的モデル.言語を含まないモデルと言語を含む共進化モデル. posted at 15:10:35
  • #hakubicape エージェントが分布する二次元言語空間で,エージェント間相互作用を考える. posted at 15:26:40
  • #hakubicape 言語系統ネットワークになる. posted at 15:28:22

  • #hakubicape 次の講演:田村光平「文化の「オミクス」研究へ向けてow.ly/no6Wp [abstract] posted at 15:42:35
  • #hakubicape culturomics(文化のオミクス)= Ngram viewer. posted at 15:44:18
  • #hakubicape 文化庁(編)『日本民俗地図』(1960年頃・全10巻) ow.ly/no749 を用いて日本の文化多様性を調べる. posted at 15:49:57
  • #hakubicape 年中行事に関する文化研究(『日本民俗地図』1,2巻)に着目. posted at 15:51:26
  • #hakubicape まずは主成分分析から.|PC1&2で30%弱の分散説明率なので,ちょっと低すぎるかも. posted at 15:53:23
  • #hakubicape つぎは「Fst」の値.文化的群淘汰説.遺伝子だと無理でも,文化なら可能か. posted at 15:54:27
  • #hakubicape Ross et al. 2013 にFstの実例が載っている. posted at 15:55:18
  • #hakubicape 日本の文化だと0.0592.遺伝子Fstの100倍程度. posted at 15:56:00
  • #hakubicape 都道府県での分化は地理的距離によって決まっているようだ. posted at 15:57:23
  • #hakubicape Cultural Macroevolution on Neighbor Graphs. ow.ly/no7ll posted at 16:05:02
  • #hakubicape あるプロセス仮定のもとで統計的パターンのちがいは? posted at 16:10:51
  • #hakubicape 謝辞に「さいとう “人類最強” まりえ」という名前がw posted at 16:15:52
  • #hakubicape 文化多様性と言語系統樹とは関係がない(中国の場合).矢野環談. posted at 16:21:13
  • #hakubicape 文化オミクスは最強の学問である(?) posted at 16:23:44

  • #hakubicape 休憩なう. posted at 16:25:11
  • #hakubicape 合評会用セッティングが終わり,開始を待つばかり. posted at 16:40:25

  • #hakubicape 細将貴 @MasakiHoso 「系統推定は手段か,ゴールか?」始まった. posted at 16:41:45
  • #hakubicape 系統推定の目的は系統樹ではないだろう. posted at 16:43:13
  • #hakubicape 生物側の概念や理論をもっと文化系統にも全面的に導入されるべきだろう. posted at 16:44:31

  • #hakubicape 次は,伊勢田哲治 @tiseda のコメント.配布資料あり.これが文系の合評会文化の正道だそうだ. posted at 16:47:38
  • #hakubicape 文系の合評会は「けなす会」である.合評会向きではない論集かも. posted at 16:51:27
  • #hakubicape 全体として “堅実すぎる” ような気もする. posted at 16:51:55
  • #hakubicape 系統推定が適用できたからと喜んではいけない.適用結果の是非をどのように判定すればいいのか. posted at 16:53:46
  • #hakubicape @tiseda センセ,舌鋒とても鋭し.三歳児が泣き出すかもw posted at 16:54:47
  • #hakubicape 系統樹が「ない」ときに,むりやり系統樹をひねり出す誤りについての釈明は? posted at 16:55:29
  • _φ(・・ RT @knagasaki: 伊勢田さんは文系のなかでもかなり厳しそうな・・・ RT @leeswijzer #hakubicape 次は,伊勢田哲治 @tiseda のコメント.配布資料あり.これが文系の合評会文化の正道だそうだ. posted at 17:01:41

  • #hakubicape 最後に佐倉統 @sakura_osamu さんのコメント「ミーム論の轍を踏まないために」. posted at 17:02:51
  • #hakubicape かつてミーム学にハマっていたことがあった.でも現在はもうダメダメになっている. posted at 17:05:50
  • #hakubicape ミーム学は分野として確立できなかったが,文化系統学はどうか? posted at 17:06:34
  • _φ(・・ RT @l_z_b: 師匠弟子関係の系統を考えれば、厳しいのもたちどころに理解されると思うけれども posted at 17:07:44
  • #hakubicape @sakura_osamu センセが燃えている! posted at 17:10:44
  • #hakubicape 「文理の壁」は手強い.想像の共同体であり,越えるには手練手管が必要である. posted at 17:13:22

  • #hakubicape 編者からのリプライ.まずは中尾さんから. posted at 17:14:10
  • 科学としての組織化など科学社会学としての問題でした RT @gakeau: …なにが必要だって言ったんだろう RT @leeswijzer: #hakubicape 最後に佐倉統 @sakura_osamu さんのコメント「ミーム論の轍を踏まないために」. posted at 17:19:09
  • #hakubicape なかお氏も燃えている. posted at 17:20:48
  • @ucciuccini センセの弟子だからでしょ!(キリッ) posted at 17:45:24

  • #hakubicape ワタクシもリプライさせていただきました. posted at 17:45:55

  • #hakubicape @SeanSHLee あいまいさとかまちがいを許容するフトコロの深さが必要. posted at 17:47:13
  • #hakubicape @SeanSHLee 言語学者はことのほか査読がきびしい. posted at 17:48:33
  • #hakubicape 第一世代の研究者は何も変わらない.第二世代以降が狙い目. posted at 17:49:21
  • #hakubicape 年上の研究者はもうダメだ. posted at 17:50:04
  • #hakubicape フロアとのディスカッションはそろそろおしまいかな. posted at 17:55:36
  • #hakubicape @MasakiHoso 師がディスカッションの締めの言葉を.さすが白眉! posted at 18:07:54
  • #hakubicape 最後は @tiseda センセの閉会の辞. posted at 18:10:41

◆京都の蒸し暑い夜に —— シンポジウム終了後,参加者30名ほどが集って,百万遍交差点北にある季節料理〈門〉にて懇親会.午後9時過ぎに終わる.

◆本日の総歩数=6802歩. 朝○|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


27 juli 2013(土)※夏休み公開から雷雨の柏へ

◆午前5時前起床.気温24.9度.蒸し暑い明け方はひさしぶりの熱帯夜.午前8時過ぎに生暖かいスコールがざあざあ降ってきたが,すぐに上がる.晴れときどき曇りときどきスコールという不安定な空模様.

◆[欹耳袋]2013年11月6日(水)〜8日(金):農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉@農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所(つくば).最後の最後に,杉並のシェフ殿からOKの返事が届き,予定していた全員に講師を引き受けてもらえることになった.

◆早朝のおわび —— すでに遅れまくっているみんぱく系統樹シンポジウムの原稿の件で,オーガナイザー氏から加圧メールが届いたので,瞬速で「来月仕上げます」と返事する.滞っている案件は,現状がどうであれ,問い合わせがあれば脊髄反射で速攻返事を返すのが基本.放置は禁物.

◆農環研〈夏休み公開〉というお祭り —— 本日は朝から農環研〈夏休み公開〉のため休日出勤.ワタクシの仕事場は農環研構内の「ミニ農村」.午前9時前,観音台はすでにお祭り一色.そろそろオープン時間だ.伝統的な茨城の谷津田を模した「ミニ農村」.田んぼが広がり,メダカもいればザリガニもいる.そのミニ農村の一角に設けられたザリガニ池.ザリガニ釣りをしようと早くも子どもたちが集まってきた.そして,「お祭り男」が登場しないわけがない! 満を持していとけんさんが絶唱する侵入外来生物の歌また歌.お祭り男はひとりだけではない.しばいけくん登場.

農環研の粋?を集めた「流しそうめん装置」.かつて農環研で夏祭りをしていた頃にはもっと大掛かりな流しそうめん装置があったのだが,今回はその簡略版.しかし,随所にかつてのノウハウが詰め込まれている(らしい).しかし,わらわらと集まってくる子どもたちにとっては,流しそうめん装置のメカや由来よりも,次々に上流から流れてくるそうめんをいかにすくうかの方が大事.竹樋の両側にずらりと並ぶ壮観な光景.ワタクシは午前中は流しそうめんの「茹で担当」に徹した.

お昼休み.今日の農環研公開は夏休みということもあって予想通り親子連れがたくさん.正午過ぎ,真夏日ラインが目前まで迫ってきた.気温30.0度.ときどき遠雷が鳴ったりしたが,今のところスコールどころか雨の一滴も降っていない.このまま午後4時の終了まで天気がもってくれればいいのだが.幸い雷雲は見当たらないが,いつ何時スコールがやってくるかわからない.そろそろ午後の出陣タイムである.流しそうめんは午後2時前に300食分をすべて食べきり,めでたく大団円を迎えた.最後のステージはどの子も真剣な眼差しでそうめんをすくい続けていた.

午後3時,北の方に兇悪な雷雲が渦巻いているようだが,南の観音台にはいまのところ影響なし.気温は28.9度.晴れ.あ,つくばのすぐ西側に新たな雷雲発生.こりゃ来るかな? ぽたぽたと生暖かい雨粒が一時だけ落ちてきたが,また青空が戻ってきた.午後4時撤収.

◆[欹耳袋]第60回日本病跡学会総会で,シンポジウム〈ユング《赤の書》について〉開催.あわせて中沢新一の特別講演「南方熊楠の病跡」も.2013年7月27日(土)〜28日(日)@大阪国際会議場.個人的には,二日目の講演:大谷正人「マーラーの交響曲-第2番・第8番・第9番の楽曲分析を中心に-」と上宇都ゆりほ「金子みすゞ考-擬態と虚構の構造」に強く心惹かれるものがある.「病跡学」ってとてもおもしろそうだけど,仮説検証がたいへんそう.何よりも,歴史に名を残す著名人たちが誰も彼も? “病気持ち” であることが印象的.

◆夜はこれまたお祭り騒ぎの柏へ出撃 —— 午後6時,つくば駅.これから柏に出撃する.午後5時の気温26.4度.蒸し暑い.北から巨大な雷雲が南下してきそうな気配濃厚.今日は隅田川花火大会と柏のお祭りで柏駅前は通るのも難儀する混雑ぶり.何とか駅前を南下して目的地へ到着できた.店に入ってしばらくしたらものすごいスコールが降り注いできた.お祭りモード全開の激混み柏駅前だったが,このスコールで多少は冷やされたのか,午後9時に店を出たときにははおとなしくなっていた(隅田川花火大会は途中中止になってしまったとか).さて,つくばに帰ることにしよう.午後11時過ぎ,つくば着.こちらも雷雨が激しかったらしい.

◆明日は「そうだ 京都、行こう」ということで,一泊二日の一人旅.猛暑にならないことを祈りつつ.祟られないことを願いつつ.

◆本日の総歩数=14760歩. 朝○|昼−|夜×. 計測値(前回比)=94.0kg(−0.4kg) / 28.9%(−0.3%)


26 juli 2013(金)※経堂通いも今日でおしまい

◆午前5時前起床.曇り.靄がかかっている.気温23.4度.つくば駅.午前7時の時点で25.0度の夏日ラインに達している.先が思いやられる今期最終の経堂出撃の朝.

◆[分類思考]三中信宏『分類思考の世界:なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』のKindle版が本日発売.ついでに eBook も.新たな読者が増えればいいな.

◆今期最後の経堂お座敷 —— 午前9時の新宿駅.都内の気温は27.9度.あっつー.農大キャンパスなう.気温は28.0度.いつもの夏らしい空模様.ここに来るのも今期は今日でおしまいだ.前回に引き続き,生物多様性の統計解析についての話をした後,第二回レポートを出題.正午,農大今期最終講義終了.蒸し暑い昼下がり.講師控え室にて一休み.レポート集めや成績評価という残務は残っているが,とりあえず一区切りついた./受講生のみなさん,一学期間お疲れさまでした.第二回レポートは8月10日(土)が締切です.ユニークな「統計曼荼羅」が送られてくることを心待ちにしています.

◆[欹耳袋]雑誌が買えなくなりました(orz) —— 農環研の次年度購入雑誌に関するアンケートを観音台に返信した.現状の財政を考えると,Springer, Elsevier, Wiley という大手寡占出版社のパッケージ雑誌をこれまでどおり購入すると,個別購読雑誌にまわす予算がほとんどなくなるらしい.これら大手の雑誌パッケージ購入価格の着実かつ大幅な上昇と昨今の円安を考えれば不可避の事態か.

これからは各大学や研究機関ごとにジャーナルの「無慈悲な絞り込み」があるだろう.今回のアンケートも雑誌ごとの「コストパフォーマンス評定」にほかならない.メジャーな研究分野は当分はいいとしても,マイナーな分野はたいへん.マイナー研究分野では,こういう「金不足」になると,真っ先に淘汰圧が高まるので,自己防衛を考えるのがなかなかたいへん.私費投入も辞さずという覚悟も必要.

以前,所内領域会議で「今後は研究所としての公費購入雑誌はなくなっていくのではないか」という見解があった.必要な論文ごとにそのつど「物品購入」するというやり方だ.論文をひとつひとつ「公費で買う」というのはあながちありえない選択肢ではなくなってきた.ジャーナルを購入するのもお金がかかりすぎ,かといって,論文をオープンアクセスにするのも高額だしね.

◆背徳の昼ビール@経堂 —— そろそろ経堂に戻らないと.正午の気温は30.4度と軽く真夏日ライン越え.農大通りをとぼとぼ歩く.真夏日の都内は頭上からじりじりと照りつける太陽がつらい.ひさしぶりに駅前の〈はるばるてい〉へ.今日はもう仕事もないので,背徳の昼ビールに突入.きりりと冷えたハートランドビールのうまいこと.アテはもちろん香麺.トッピングされている鶏のチャーシューをつまみながらビールまたビール.昼下がりの至福のひととき.ときともなしに店を閉めて海外に長期逃亡する〈はるばるてい〉.マスターの話では今年の夏はヨーロッパに潜伏するらしい.逃亡される前に来てよかった.

◆午後3時半,つくば帰還.暑苦しく湿っぽい空気がセンター広場に充満している.気温は真夏日ラインをちょっとだけ下回っているが,そんなくらいではこの不快さの免罪符にはまったくならない.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝です! —— マイケル・トマセロ[橋彌和秀訳]『ヒトはなぜ協力するのか』(2013年7月20日刊行,勁草書房,東京,iv+153+xxiii pp., 本体価格2,700円,ISBN:978-4-326-15426-5 → 版元ページ

◆蒸し暑い夜は亜麻猫に引っ掻かれる —— 日が暮れても蒸し暑さは残る.JR東京駅〈グランスタ〉の長谷川酒店でゲットした秋田・新政酒造の〈亜麻猫 Spark〉を開栓.24BY白麹仕込み純米.白麹のほんのりした甘みとしゅわしゅわ炭酸ガスのからみ合いがとても背徳な味わいを醸しだす.ガス無しの亜麻猫は飲んだことがあるが,ガス入りは初めて.それにしても亜麻猫はキケンすぎる.そして,キケンな日本酒に負けないよう,アテは正統派のハンバーグ.夏の夜は活性にごり酒と肉料理で乗り切るしかない.

◆明日は農環研の〈夏休み公開〉.朝からミニ農村で「流しそうめん」の準備をする役目を仰せつかっている.雨が降らなければいいのだが,天気予報はややビミョー.

◆本日の総歩数=10524歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.4kg(−0.1kg) / 29.2%(+0.4%)


25 juli 2013(木)※蒸し蒸し本郷お座敷の一日

◆午前5時起床.曇り.気温は20.9度.遠景が白く霞んでいる.午前8時半,つくば駅.曇り.気温22.6度.湿気が多くて不快指数高し.今日は本郷にて夕方までお座敷を務める.

◆[蒐書日誌]Hysterix 形態測定学特集号 —— Andrea Cardini and Anna Loy (eds.)『Virtual Morphology and Evolutionary Morphometrics in the New MilleniumHysterix: The Italian Journal of Mammalogy, 24(1): 1-140 (2013),Associazione Teriologica Italiana, Latina, ISSN:0394-1914 → 目次Website | pdf [open access].こうやって幾何学的形態測定学も “歴史” になっていくんだなあ.

◆[欹耳袋]Togetter からまとめふたつ —— 「カフェ・ベローチェで「鮮度」を理由とした雇い止め」※「鮮度」ってつねに美徳なのか?」/「東大農学部弥生講堂「うな丼の未来」シンポジウムをまとめてみた。 #うな丼の未来

◆湿気に包まれる本郷 —— 午前9時半,弥生キャンパス到着.ミンミンゼミの合唱がかしましい農学部キャンパス.都内の午前9時の気温は26.1度,湿度79%.朝からすでに蒸し暑い.さて,お座敷のある農学部7号館Aに出かけるとしよう.エコロジカルセイフティー学特論 II の本日の集中講義のメニューは,午前2時間で統計学概論と確率分布論,来年まわし.

◆本日のランチは,農学部構内・向ヶ岡ファカルティハウス内のレストラン〈アブルボア〉にて蒸し野菜定食.こんなに奥まったところにあるレストランなのに,大入り満員.入りきれない客が入り口で列をなしていた.もちろん,暗くなってからは〈アブルボア〉の真上にあるラウンジ〈S〉にて,スコッチモルトウィスキー協会公認のボトルを賞味するという背徳もある.本郷キャンパスの向こうにある弥生キャンパスのそのまた「奥」へぜひどーぞ.農学部3号館前では,田無農場の農産物販売に長い行列がドーバー海峡近くまで伸びていた.

◆エコロジカルセイフティー学特論 II 午後の部.受講生は10名余りになった.前半2時間はパラメトリック統計学と線形統計モデル,そして後半2時間は実験計画法と多重比較.受講生に訊いたところでは,生物統計学のまとまった講義は,必修ではないせいか,過去に受けたことがないとの声多し.今回積み残したモデル選択だのGLMだのべいづだのの話は来年のエコロジカルセイフティー学特論 I にまわすことにしよう.午後4時半終了.今日は予報では晴れて暑くなるはずが,終日蒸し暑かった.

◆[欹耳袋]livedoorニュース「大学の講義評価 ヘイトスピーチ的な内容もあると講師が告白」(2013年7月21日).一発勝負の講義評価アンケートではなく,毎回の講義での質問や意見を吸い上げると役に立つ.匿名ではなく実名で.

◆午後6時半,つくば帰還.曇りがちだが,西空は夕焼けに染まっていた.午後6時の気温は26.3度.今日の都内は最高気温が30度に達しなかったとのこと.明日は真夏日になるらしい.経堂への道は遠くてつらい.

◆本日の総歩数=8733歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.5kg(+0.5kg) / 28.8%(−0.3%)


24 juli 2013(水)※梅雨時のように雨が降る日

◆午前4時過ぎ起床.曇り.気温21.6度.湿った東風が肌寒い.曇り空の観音台は午前8時の気温が22.6度.湿度が高くて蒸し暑い.すぐに雨が降りそうな気配はないが,時間の問題だろう.朝イチはクイケン〈無伴奏バイオリン〉から.

◆[欹耳袋]産総研プレスリリース「ビッグデータから新たな科学的発見をもたらす統計手法を開発」(2013年7月23日).多重比較の新しい方法か.方法論の提唱だけではなく,実際にバイオインフォマティクスの新手法として実際に “役に立つ” 事例があったことが強力だったのだろう.Cf: 個別鵯記「【第408回】 締め切り過ぎの仕事」(2013年7月23日).

◆[蒐書日誌]キルヒャーの普遍音楽 —— アタナシウス・キルヒャー[菊池賞訳]『普遍音樂:調和と不調和の大いなる術』(2013年7月10日刊行,工作舎,東京,446 pp., 本体価格4,800円,ISBN:978-4-87502-450-7 → 目次版元ページ).奇怪すぎてうれしい.

◆曇り空の午前の┣┣" 撃ち —— 飛んで火に入る夏の┣┣" を蹴散らす午前中./秋につくばで開催予定の農林交流センター〈分子系統樹推定法〉ワークショップ 2013年11月6日(水)~11月8日(金)@筑波事務所電農館(茨城県つくば市)は返信がまだの一名を除くすべての講師予定者からOKの返事を受け取った.シェフ殿,早くリプライ〜.

◆[欹耳袋]スパム出版(再び) —— japapipupepon「Wikipediaのコピペ本がAmazonで販売されている&日本全国の大学図書館に所蔵されている」(2013年5月6日)※スパム出版社として「Book on Demand Ltd」など多くの名前が.よくよく用心しないと,うっかり購入してしまうリスクはきっと高いだろうな./読み古し「紙表紙本」の倉庫的Blog「Low prices, low motives... 」(2013年3月29日).「Kindleストアにはこの種の電子書籍が大量に商品登録され、ユーザの書籍探しのノイズになっている——で、付けられた名前が「スパム出版」」.大量のスパム出版物は「電子本」だけでなく「紙本」でも検索上の障害になっている.とくに,古い文献のリプリント物は要注意.安いからといって飛びつくと,得体のしれないブツをつかまされるリスクが高い.実はワタクシも「スパム出版物」に引っかかった経験のある “被害者” の一人で,恨みつらみを書き記したことがある.

◆まだ曇り空のまま踏ん張っているけど,西からは “ぬりかべ” のような巨大な雨雲が接近している.お昼すぎ,いつの間にか雨が降りだしていた.

◆[欹耳袋]読売オンライン「福島市職員 複数が災害対応研修で居眠り」(2013年7月24日).槍玉に上がった職員は日常業務でかなり疲れていたんじゃないかな.しかたないでしょ.それよりも,こんなつまんないことをいちいち監視するなって.そして,大新聞がわざわざニュースにするなって.

◆雨降る午後の┣┣" 撃ち —— 分岐年代推定コンサルティング業務./しとしと雨の昼下がり,ひさしぶりに V. C. Wynne-Edwards のgrup selection 電話帳(1962)をひもといている./行動生物学辞典の再々々追加項目「種の保存」「目的論」「ナイルズ・エルドリッジ」および「スティーヴン・ジェイ・グールド」の執筆終了.編集部に打ち返す.もうこれっきりねー.お願いねー.辞典づくりはいつもこんなもの.延々と細々とした執筆が終わり,書いた本人がすっかり忘れたころにゲラが届いたりする./毎日毎日いつも何かの原稿を書き続けている.

◆雨夜の品定め —— 今日は梅雨に戻ったかのような空模様だった.湿気でそこらじゅうがべたべたに.自宅の窓を全開放していたので,そこらじゅうが湿気でべたべた.机も床もテーブルも.午後5時の気温は22.0度.雨が降り続く中,大清水公園では〈まつりつくば2013〉のねぷた倉庫の設営が続いている.今夜の夕餉はドライカレーなのだ.湿っぽい夜の景気づけに,青森・西田酒造〈外ヶ濱〉特別純米にごり生「Flower Snow」を開栓.かの「田酒」の蔵元が出している活性にごり酒.昨年バージョンは炭酸ガスが元気過ぎてバクハツさせてしまった客から蔵元にクレームが殺到したらしい.今年はややおとなしめだそうだが,それでも噴出する勢いはそうとうなもの.

◆[欹耳袋]archief voor stambomen -「金管楽器コルネットの系統発生(続)」.前記事「金管楽器コルネットの系統発生」に書いたように,アメリカ自然史博物館の三葉虫学者 Niles Eldredge は,私生活ではジャズ・トランペッターでもあり,19世紀のアンティーク・コルネットのコレクションはすでに500本もあるそうな.下記のロング・インタヴュー記事を見つけた:Belinda Barnet | FCJ-017 Material Cultural Evolution: An Interview with Niles Eldredge | The Fibreculture Jornal (2004).

◆明日は本郷にて朝から夕方まで集中講義.真夏日が戻ってくるぞという恐怖の天気予報.

◆本日の総歩数=2775歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.0kg(−0.2kg) / 29.1%(+0.1%)


23 juli 2013(火)※真夏日のち原稿のち雨空へ

◆午前5時前起床.晴れ.北風が涼しい.気温22.1度.お米を研ぎます.午前8時の気温は25.7度.早くも夏日ラインを越えた観音台は朝から蝉の大合唱.今日は夏らしい空模様.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 超重要┣┣" 着弾.締切は一ヶ月後./あとはひたすら原稿書くのみの単純なお仕事.

◆[欹耳袋]熊楠特集 —— 明後日7月25日発売の岩波『科学』8月号 —— ウェブサイトではまだ目次公開されていないが,新刊案内(2013年8月号:pdf)にはすでに出ていた:特集〈南方熊楠:森の巨人がまいた胞子〉一覧:南方熊楠と自然科学(松居竜五)/熊楠とネイチャー誌(田村義也)/熊楠の変形菌研究(山本幸憲)/神社合祀反対運動の民俗学的・生態学的背景(湯本貴和)/熊楠の脳(近藤俊文)/熊楠の描いたキノコ(伊沢正名・萩原博光).特集〈南方熊楠:森の巨人がまいた胞子〉一覧(続):《エッセイ:熊楠に寄せて》中村桂子・中垣俊之・三中信宏・斎藤成也・長谷川眞理子・小野有五・大場裕一・岩崎秀雄.以上.

◆[蒐書日誌]岡崎武志『蔵書の苦しみ』(2013年7月20日刊行,光文社[光文社新書・652],東京,251 pp., 本体価格780円,ISBN:978-4-334-03755-0 → 版元ページ)を読み進む.第4章の最後にこう書かれている:

  • 「本を必要以上に際限なく溜め込む人は,個人差はあるだろうけど,どこか真っ当な人生を投げてしまっているのではないか」(p. 62)
  • 「積み上げて崩して,また積み上げての繰り返しから学ぶものはない.あるのは,本来あるべき理想の書斎というステロタイプが決壊し,とめどもなく野放図に,ただ目の前に欲しい本がぶらさがっているから買い続けるという計算の狂った欲だけだ.しかも,そこに反省は,あまり,ない」(p. 63)

—— ああ,耳が痛い,ああ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 原三中信宏 - 農環研ウェブ高座 「農業環境のための統計学」 第12回「パラメトリック統計学の世界を眺める」.4200字の原稿完了.8月1日に公開予定.これにて連載終了.おあとがよろしいようで./岸壁に立って見送ったはずの翻訳┣┣" が「未翻訳ネギ」を背負って戻ってきた.さらに,2ページ訳さないと.うっかり「謝辞」を放置してしまった.(この件はのちに円満解決した)

◆[蒐書日誌]京極夏彦『数えずの井戸』(2013年6月25日刊行,中央公論新社[C★NOVELS BIBLIOTHEQUE],東京,780 pp., 本体価格1,300円,ISBN:978-4-12-501251-3 → 版元ページ特設ページ).小二田誠二の解説いわく「つくづく,研究者は浮かばれない.誰に頼まれたわけでもないのに,在るかどうかさえ判らない資料を探し,並べ始める」.

◆午前中に32.1度まで上がった気温が,午後8時には22.3度と10度近く下がっている.この分だと明朝は涼しい目覚めを迎えられそう.農環研ウェブ高座の原稿改訂.これであとは公開を待つばかり.この連載を本にするという次なる大┣┣" はしばらく放置する.

◆あちこちでゲリラ豪雨 —— 午前中に32.1度まで上がった気温だが,午後2時には26.1度まで下がってきた.その代わり(?)東京アメッシュの “模様” が尋常ではない.馬の背を分けている? 雷雲の発生が不穏なので,今日はさくっと撤収しよう./NAVER まとめ「【画像】ゲリラ豪雨で経堂駅が浸水 冠水 7月23日」.小田急の経堂駅改札は階段下だし,水がたまりやすい./NAVERまとめ:【画像】豪雨で駒澤大学が水没 プール開き 食堂も浸水 7月23日 駒大/そうこうするうちに,午後5時半,つくばでも通り雨が降りだし,しだいに強まってきた.しかし,西を向けば夕日がまぶしい.東を見やれば大きな虹が.午後6時,雨雲は通り過ぎたようだ.

◆[欹耳袋]大阪大学外国語学部デンマーク語専攻サイトから,『デンマーク語固有名詞カナ表記小辞典』が公開されている:pdf [open access].全240ページ.すばらしい! デンマーク語の人名・地名などは発音が難しく,翻訳のときに悩むことがあるのでとてもありがたい.ちなみに「Nielsen」=「ニルスン」とのこと./同じ大阪大学外国語学部デンマーク語専攻サイトからは『北欧語鳥類名称和名辞典』も公開されている: pdf [CiNii open access].こちらも120ページあまりの分量.

◆連日,あれこれ原稿を書きまくっている気がするが,大┣┣" 原稿どもはまだ悠然と居座ったままにやにやしている.

◆本日の総歩数=3080歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.2kg(−0.3kg) / 29.0%(−0.7%)


22 juli 2013(月)※土用の丑の日は┣┣" の日

◆午前5時前起床.曇り.気温20.5度.曇り空の観音台.午前8時の気温は21.8度.湿度が高めで昨日までの秋めく涼気とは一転して蒸し暑い.

◆[欹耳袋]東アジア鰻資源協議会公開シンポジウム〈ウナギの持続的利用は可能か ーうな丼の未来〉2013年7月22日(月)@東京大学弥生講堂一条ホール のライヴ中継が ustream で朝9時から始まっていた.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 朝イチに榎戸の黒猫集会所にてヨーン本の再校ゲラを当日着扱いで発送完了.長らく抱え込んでいた大┣┣" 一頭を放流できた./しかし,迫り来る新たな┣┣" どもの遠吠えが聞こえる./今週木曜の弥生キャンパスでの集中講義ハンドアウトと翌日の農大最終講義のハンドアウトとレポート課題は用意完了./狙いすましたように長期滞在型┣┣" 様が一頭届いた.向こう一年間,張り付かれることが決まっている.羊土社『実験医学』誌の連載統計記事./先日更新したばかりの今月下旬の┣┣" 撃ちリストがもう書ききれなくなってしまったので,無差別に数頭を “殺戮” して,新しいリストに更新.┣┣" 撃ちリストを列挙するには強い心が必要である.

◆正午の気温28.6度.青空.それなりに夏らしさが戻ってきたようだ.

◆[蒐書日誌]織田作之助『夫婦善哉・正続,他十二篇』(2013年7月17日刊行,岩波書店[岩波文庫・31-185-2],東京,404 pp., 本体価格800円,ISBN:978-4-00-311852-8 → 版元ページ).代表作「夫婦善哉」は大阪が舞台,「続・夫婦善哉」は別府温泉に移る.他にも「雪の夜」と「湯の町」は別府・北浜の流川通りの物語./岡崎武志『蔵書の苦しみ』(2013年7月20日刊行,光文社[光文社新書・652],東京,251 pp., 本体価格780円,ISBN:978-4-334-03755-0 → 版元ページ).「蔵書が家を破壊する」「本棚が書斎を堕落させる」「蔵書が燃えた人々」etc. と “怪談” の連続.コワすぎて先が読めまへん.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 成績報告┣┣" 一頭を水戸へ放流.締切一ヶ月前の快挙!/統計教育質保証委員会がらみのもう一頭の┣┣" を土俵外に投げ飛ばした.締切10日前の準快挙!/秋のつくば分子系統ワークショップに向けて全国に “白羽の矢” を発射しまくるという暴挙.この┣┣" も締切四日前という準々快挙./複数の大学の成績評価やら審査評定の締切が「8月20日」前後に集中しているのだが,これは何とかならへんのか.〈アルマゲドン〉で “運命の日” が確定しているようで血圧が上がりそう.

◆午後3時前に30.2度の真夏日ライン突破.ずいぶんひさしぶりのような.居室に差し込む西日がそろそろつらくなってきた.夕方,雨雲が関東平野にかかったようだが,つくばは免れた.夕方,洞峰公園北の〈モルゲン〉で食パンをゲットし,〈コーヒーファクトリー〉にて珈琲豆を確保.明日も┣┣" 撃ちは続く.

◆本日の総歩数=3335歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.5kg(−0.2kg) / 29.7%(−0.4%)


21 juli 2013(日)※再校ゲラをイッキ読む午後

◆午前5時前起床.曇り空.気温18.2度.寒すぎる〜.午前6時,今朝は段雷が方々から響きわたる.午前7時の気温20.2度.あいかわらずの曇り空が広がっている.もちろんエアコン不要.東風が吹き抜ければ十分すぎるほど涼しい.

◆[蒐書日誌]昨夜遅く,アタナシウス・キルヒャー『普遍音樂:調和と不調和の大いなる術』(2013年7月,工作舎)と織田作之助『夫婦善哉・正続,他十二篇』(2013年7月,岩波文庫)を同時に注文した.とてもいい選書だと自画自讃している./小松和彦(監修)『日本怪異妖怪大事典』(2013年7月10日刊行,東京堂出版,東京,本体価格18,000円,ISBN:9784490108378 → 版元ページ)※国際日本文化研究センターの〈怪異・妖怪伝承データベース〉に基づく事典化.

◆午前10時,朝方のくもは晴れ,青空が広がってやや夏らしくなってきた.気温は22.9度.竹園公民館にて本日だけの参院選投票┣┣" を確実に仕留めてきた.帰りしなに郵便局にて監査書類一式を返送だん.ついでに,たがみ酒店にて青森・西田酒造の〈外ヶ濱〉特別純米にごり生「Flower Snow」をゲット.実に効率的かつ生産的な朝の行動パターン.本日のランチは目玉焼きご飯のみ.

◆[欹耳袋]プレジデント・オンライン:前野ウルド浩太郎「道具がない!――手づくりの武器で闘え(バッタ博士の「今週のひと工夫」第4回)」(2013年7月20日)/日本経済新聞「 「青空文庫」一転曇り空? 作品数、大幅減の懸念:著作権切れの電子書籍 TPPで延長交渉浮上 」(2013年7月21日) http://ow.ly/napIe ※日経にしてはめずらしいレベルの駄洒落.

◆午後の再校ゲラ読み┣┣" 撃ち —— キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』(2013年8月28日刊行予定,NTT出版,東京,本体価格2,800円,ISBN:978-4-7571-6056-9 → 目次版元ページe-hon 近刊予約7-net 近刊予約).お昼前にちょっとだけ夏日ラインを越えたものの,正午過ぎにはまた24.8度に下がっている.ヨーン本,最後の方から再校ゲラを攻める.訳者あとがき(これは初校ゲラ)はよし.原註,うわ〜,蟲がまだ潜んでいたー.とりあえず完了.

午後7時過ぎ,6時間かけて再校ゲラ読みをすべて完了.400ページのイッキ読みはきつかった.明日の朝イチ,黒猫に運んでもらいます.ヨーン訳本のカバージャケット図案が確定したら,そろそろコンパニオンサイトの開設準備をしないといけない.

◆[欹耳袋]一ヶ月前の再宣伝:d-labo セミナー:三中信宏「ヴィジュアルなサイエンス~ 分類と系統を視覚化する~」2013年8月20日(火)19:00~21:00@東京ミッドタウン・タワー7F参加費無料・定員80名.

◆本日の総歩数=1702歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.7kg(+0.5kg) / 30.1%(+0.5%)


20 juli 2013(土)※冷え込む明け方に窓を閉め

◆午前4時半起床.日の出.気温17.9度とこの季節にしてはありえへん涼しさ.涼しいというよりも肌寒い.開けっ放しの窓を閉めないと.午前7時の気温は19.8度.涼しい朝.乾いた東風が吹き抜ける.

◆[欹耳袋]memoranda personalia「堪忍袋」(2013年7月1日).「個人的にはてっちゃんの堪忍袋の大きさばかりが印象に残る本」.須藤靖・伊勢田哲治『科学を語るとはどういうことか:科学者、哲学者にモノ申す』の書評.

◆[蒐書日誌]書評(続)公開 —— 須藤靖・伊勢田哲治『科学を語るとはどういうことか:科学者、哲学者にモノ申す』(2013年6月30日刊行,河出書房新社[河出ブックス・057],東京,301 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-309-62457-0 → 書評書評[続]目次版元ページ).生物体系学での科学と科学哲学の「相利共生」について補足をば.

本書を読んでひとつ自覚したのは,科学者側の “代表” として登場する物理学者・須藤靖さんの発言のひとつひとつにワタクシ自身があまり同感できないという点だった.とりわけ,[科学]哲学的な問題設定に対する彼の基本姿勢には相当な違和感が残る.ワタクシの身近にもしこういう科学者がいたとしたら “いますぐ体育館のウラに来い” 的レベルの違和感だ.ワタクシが推測するに,伊勢田哲治さんとの「対話」を盛り上げて読者に印象づけるための “演技” も多少は混じっているのだろう.

しかし,よくよく考えてみれば,どっちも「あり」なのかもしれない.須藤さんの専門分野である物理学とワタクシが生きてきた場である生物体系学は “たがいに相異なるタイプのサイエンス” であることに思い至れば,両者の違いはそのまま呑み込むしかないだろう.本書が目指してる科学と科学哲学との「対話」の難しさは,科学哲学に多様性がある以上に,科学の側にはそれを上回る多様性があるというシンプルな現実である.「科学とは何か」という設問が意味を持たなくなる前に,「科学」という総称はすでに意味をもたなくなっている.

前世紀のカール・ヘンペルやカール・ポパーが生きていた時代ならば,科学哲学 vs. 科学の「対話」の構図はもっとわかりやすかったかもしれない.現代よりももっとグローバルだった科学哲学が同じくかつてはグローバルな “典型科学” だった物理学ひとりを相手として対談すればすむことだからだ.しかし,科学哲学がしだいにローカライズされ,個別のローカルな科学の中に入る(あるいは傍らにいる)ようになると,両者の「対話」もまたローカライズされざるを得ない.科学哲学が対面して言葉を交わす相手が「どの科学」かによって,その対話の中身も変わってくるだろうからだ.

どんな個別科学であっても,掘り下げればどこかで哲学的な問題が潜んでいるだろう.しかし,生物体系学の場合は研究の “日常生活” の場でさまざまな哲学的問題に直面するという点で特異的かもしれない.たとえば,種(species)や高次分類群の実在性に関する形而上学的問題,生物進化の因果過程の推論とその復元をめぐる認識論的問題,さらには進化史という歴史はそもそも科学の対象でありえるのかという歴史哲学的問題など,生物体系学を日々生きていく道を塞いだり路傍に転がる数々のテツガク的問題は “日常の風景” と化している.この点で,生物体系学は物理学や他の科学とは異なる性格をもっているにちがいない.

ローカルな生物体系学に関わるこのような哲学的諸問題を解決するために,ローカルな生物学哲学は確立されてきた.1960年代を振り返ると,生物分類学における本質主義(essentialism)論争をめぐる David Hull の論考(British Journal for the Philosophy of Science 誌)や当時の公理論的生物学に基づく分類階層論争(Systematic Zoology 誌)が目に付く.当時,このような問題に取り組んでいたのは Ernst Mayr や George G. Simpson ら進化的総合の構築者たちが中心で,彼らのまわりにのちに生物学哲学を推進する David Hull や Michael Ruse ら哲学畑で育った研究者たちが集まっていた.

1970年代に入ると『生物学哲学』と銘打った教科書がほぼ同時に出版され(Ruse 1973, Hull 1974, van der Steen 1974),グローバルな科学哲学からローカルな生物学哲学が自立するようになる.生物体系学(あるいは生物進化学)が日常的に抱える未解決の哲学的問題を生物学哲学が考察し,逆に生物学哲学での論議を生物体系学が研究の現場に持ち帰るという密接な「相利共生」が続いた.この相利共生は生物体系学と生物学哲学それぞれの分野にとってプラスの影響があった.

1970年代末から80年代にかけて,生物体系学ではカール・ポパーの反証主義をめぐる論議が Systematic Zoolgy 誌を中心にして大きな分類学論争へと発展し,生物学哲学者たちは現場の生物体系学者と入り交じって論争に関わっていった.Elliott Sober ら第二世代の生物学哲学者が成長したのはこの時期だった.両分野の相利共生は1990年代までは続いたと思われる.

その後,第三世代以降の生物学哲学者は自らのコミュニティーを独立させ,生物体系学や生物進化学とのダイレクトな関わりあいは薄くなっていったようだ.たとえば,1970年代にポパーの科学論を標榜した分岐学者 Edward O. Wiley が1981年に出版した教科書『Phylogenetics』では,生物体系学をめぐる科学哲学の記述に多くのページが割かれていた.ところが,30年後の2011年に出された改訂版『Phylogenetics, Second Edition』では,それらの記述はまるごと外部の生物学哲学書に “アウトソーシング” されている.いまの両者の関係性を象徴するできごとである.

生物体系学(や生物進化学)が生物学哲学と “近距離” で相互に関わりあえたのは,ローカルな科学としての体系学が取り組んできたテーマがもともと哲学的だったからという特徴があったから.ローカルな科学哲学としての生物学哲学はそのような学問的土壌の上で成長してきた.両者の間に “すれちがい” が生じる理由はどこにもなかった.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝:ギルバート・ウォルドバウアー[中里京子訳]『食べられないために:逃げる虫、だます虫、戦う虫』(2013年7月23日刊行,みすず書房,東京,vi+266+xxxix pp., 本体価格3,400円,ISBN:978-4-622-07766-4 → 版元ページ).昆虫の生存戦略に関する新刊.

◆正午を過ぎてやっと夏日ライン越えの25.2度.霞んだ青空.東風がすーすー涼しい.今日のランチは春日の〈プリムローズ〉にて,トマトとモツァレラのスパゲティ.ちっとも夏らしくない土曜の昼下がりに農環研へ.ヨーン本の再校ゲラを取りにきた.昼下がりの観音台は青空が広がってはいるが,午後3時の気温が23度台という涼しさ.農林団地の蝉時雨もいまひとつ精彩に欠ける.

◆午後4時の気温は23.1度.朝からずっと涼しい東風が吹き続けている.家も車もエアコン不要.秋口のような天気の一日だった.この分だと今夜もビールではなく日本酒でキマリかな.紅に染まる夕暮れ時,午後6時の気温は21.6度と今夜も冷え込みそうな気配.某監査┣┣" 一頭を放流.夜遅く,気温は20度を下回った.窓を開けては寒くて寝られない.

◆本日の総歩数=1686歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.2kg(−1.1kg) / 29.6%(+0.8%)


19 juli 2013(金)※経堂祭りに燃える農大通り

◆午前4時前起床.朝焼け.気温20.5度.涼しい東風が吹き抜ける.明け方のセミたちは舞台袖での発声練習.明け方の最低気温は19.9度まで下がったが,朝日とともに気温は急上昇.午前7時には23.0度.定例経堂出撃日につき,あまりの暑さはごかんべんを.

◆定例経堂出撃の朝 —— 午前8時前,つくば駅.日差しは早くも真夏のパワー.しかし,空の顔立ちは晩夏のよう.新宿駅.今朝は都内は方々で「線路内に人立ち入り」が頻発し,遅延しまくり.晴れて暑くなってきた.午前10時前,農大キャンパス着.都内はよく晴れて,いまのところ気温は26度台.暑いことは暑いが湿度はそれほど高くない.今日の講義は生物多様性について.分類と系統,統計科学との関わりについて二週連続で話をする予定.正午に講義終了.

◆[蒐書日誌]書評公開 —— 須藤靖・伊勢田哲治『科学を語るとはどういうことか:科学者、哲学者にモノ申す』(2013年6月30日刊行,河出書房新社[河出ブックス・057],東京,301 pp., ISBN:978-4-309-62457-0 → 書評目次版元ページ).いささか口の悪い悪童(=物理学者)と達人の尊師(=科学哲学者)が重層的にすれちがう.全編を通じて科学者と科学哲学者との長い「対話」が続くのだが,相対しつつも目線がちがう方向を向いていて,なお言葉が絡みあうフシギな流れが楽しめる.科学者と科学哲学者が「いかに対話できるか」ではなく,「いかにすれちがえるか」が実感できる本.

おそらく「科学」というグローバルな総称ではひとくくりにできないほど,個々のローカルな「科学」および「科学者」のバックグラウンドは多様なのだろう.本書に登場する「科学者」は宇宙物理学が専門である.彼の科学哲学に対する問題意識(対決姿勢)は,冒頭章に述べられているとおりである:

  • 「私は科学哲学が物理学者に対して何らかの助言をしたなどということは訊いたことがないし,そらく科学哲学と一般の科学者はほとんど没交渉であると言って差し支えない状況なのであろう」(p. 14)
  • 「最新の自然科学の成果を取り込むことなく,ずっと以前から繰り返されている哲学者のための哲学的疑問をいじることのどこに意味があるのだろう.科学哲学は科学を,あるいは世界を本当に語ろうとしているのだろうか」(p. 15)

対する科学哲学者はこう述べる:

  • 「科学や科学者のために研究していると思っている科学哲学者はあまりいないと思います.基本は自らの知的好奇心に従って自分のやりたい研究をやっているわけです」(p. 270)
  • 「科学哲学も,科学を素材として行っているとはいえ,哲学の一分野であり,哲学に内在的な問題意識で動いています」(p. 280)

本書では,因果論や実在論を含む,物理学というローカルな個別科学にとってなじみやすい話題が忠心となる.科学者と科学哲学者とのはてしない「対話」の果て,最後の第7章「科学哲学の目的は何か,これから何を目指すのか」で,いきなり両者の目線が絡みあい,見方によっては “有意義” な結論が散発的に聞こえてくる.

もちろん,わかりあえたという表現はふさわしくない.伊勢田の「決着はつかないでしょうね」(p. 284)という感想,そして「私自身は「科学哲学」の目的に関して,結局あまり説得されなかった」(p. 293)という須藤の返事からわかるように,「対談でありながら,予定調和的めでたしめでたしで無理矢理終えようとしなかった」(p. 292)点が実は本書のおもしろさの源泉なのだとワタクシは感じる.

さて,本書を読み進むと,ところどころで物理学者リチャード・ファインマンのことば「科学哲学は鳥類学者が鳥の役に立つ程度にしか科学者の役に立たない」(p. 14)が姿を現す.須藤に対する “刷り込み” 効果は絶大だったことが推測される.しかし,生物体系学に目を向ければ,ファインマンの言葉はとっくの昔に科学史的に反証されている.

実際,過去半世紀にわたる生物体系学は,カール・ポパーをはじめ “役に立つ” 科学哲学者の言説を好き放題に利用してきた.生物体系学という物理学とは別のローカル個別科学の土俵の上で科学哲学が “武器” として使われてきた歴史は,ひょっとしたら例外的な事例かもしれないが,それでもファインマンの格言の反証事例としては十分である.分類学者・系統学者たちは科学哲学を踏み台にして科学論争を戦い続け,科学哲学者たちは彼らの業界ではけっして期待できないほど高いインパクトファクターをもつ Systematic Biology 誌や Cladistics 誌に論文を掲載することができた.この意味で,科学と科学哲学は生物体系学においては長年にわたる「相利共生」の関係を築いてきた.

かつての大上段に振りかぶった(「科学とはそもそも」的スタンスの)グローバルな科学哲学から,いまではローカルな個別科学に即したローカルな科学哲学が立ち上がってきた.生物体系学での表面的な「相利共生」は実は「片利共生」が二重に重なっていただけかもしれない. “鳥類学者” が “鳥” を研究対象として利用したと同時に, “鳥” は “鳥類学者” を勝手に操作して利己的に利用した.ワタクシはその科学史的事実はもはや否定しようがないと思う.では,今後もこのような「相利共生」ないし「二重片利共生」が続くことが望ましいのか.それとも,科学哲学はふたたび大上段に構えることになるのか.

—— 本書を読了したいま,もしワタクシが,伊勢田師と「対話」したとしたならば,いったいどのような展開になるのだろうかと夢想している.

◆都内は正午過ぎに30.5度の最高気温.暑いことは暑いが,先日までの必殺猛暑ではない.ふつうの暑さ.今週末に経堂祭りを控え,準備に余念のない経堂駅前から直帰.午後3時過ぎ,つくば着.気温24.4度と夏日ラインを下回っているではないか.もちろん空調オフ,晩夏のような空を眺め,東風に吹かれつつ夕暮れ前の一休み.

◆[欹耳袋]Togetter -「「統計学の哲学」勉強会のまとめ」.ツイートをまとめていただいてどうもありがとうございました./Togetter -「Smips若手研究者のための知財リテラシー分科会(2013年7月)」.「生物分類学の基礎|いまどきの生物分類学者の研究生活|etc...」.次回は独立研究者・小松正さん.

◆あまり夏の気配を感じさせない涼しい夕方.午後6時の気温は21.4度か.こりゃオリオンビールじゃないね.伏見・藤岡酒造の〈蒼空〉を開栓する.特別純米・雄町・無濾過生原酒の一升瓶.午後8時の気温19.7度.窓を開けていると夜風が冷たすぎる.熱帯夜は死語.

◆本日の総歩数=10854歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.3kg(+0.1kg) / 28.8%(+0.2%)


18 juli 2013(木)※曇りときどき小雨のち猛暑

◆午前5時過ぎ起床.曇り空.気温22.5度.南風.曇りときどき小雨が降り続く観音台.午前8時の気温は23.2度.湿った南風がまとわりつく.朝はマリアから.某氏ご夫妻のご結婚報告ハガキとともに京都の干菓子が届いた.めでたいなあ.

◆[欹耳袋]月末のイベントを宣伝しまくる —— 白眉センター&CAPE共催セミナー〈文化系統学・文化進化研究の現在/『文化系統学への招待』合評会〉2013年7月28日(日)@京都大学物質−細胞統合システム拠点(iCeMS)西館2階会議室.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今日は暗い居室に立てこもって,静かに┣┣" 殲滅ミッションを遂行するのみ./午前10時半から所内領域会議を小一時間.外は晴れて気温が上がってきた.午前11時の気温は28.5度.真夏日ラインを越えそうな感じ./来月はじめのドイツ出張の航空券が届いた.ハンブルクからのロストックまでの鉄路移動はネット予約しないといけない.

◆[欹耳袋]ある “青い鳥” の狂騒 —— NHK NewsWeb「ビッグデータ分析 人材育成へ」(2013年7月16日).「国内の大学には統計学を学べる場が限られているため、ビッグデータを分析できる人材は1000人程度しかおらず、欧米や中国に比べ、不足が顕著」とのこと.しかし,そもそも「ビッグデータ」のための「データサイエンス」っていったい何? 少なくともワタクシが知っている「統計学」ではないね.どこかにそーいう “科学” があるのかもしれないけど. ワタクシ的には「ビッグデータ」と「データサイエンス」の話題は「鴨が葱を背負ってくる」ような根拠のない “青い鳥” 的夢物語にすぎない. “びっぐでーた” と耳にするたびに「それってバブルかいっ」, “でーたさいえんてぃすと” と聞くたびに「アホかいな」と悪態をついている.統計数理研究所が旗を振るのは「データ科学」というネーミングの発祥地としては当然のことだろう.もちろん,このキャッチフレーズに「予算獲得」という現世的御利益があるようならさんざん使えばいい.

—— “ぐろーばる” とか “びっぐでーた” という言葉のもつ隠しようもない「空虚」さはこの上もなく恥ずかしい.

◆[蒐書日誌]Amazon.de から図像学本が届く —— Astrit Schmidt-Burkhardt『Die Kunst der Diagrammatik: Perspektiven eines neuen bildwissenschaftlichen Paradigmas』(2012年刊行,transcript Verlag [Reihe: Image] , Bielefeld, 229 pp., ISBN:978-3-8376-1887-7 → 目次版元ページ).図像学(Diagrammatik)の本.図表とダイアグラムがいっぱい ( ´ ▽ ` )ノ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後1時から系統推定コンサルタント業務./ヨーン本『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』の再校ゲラが着弾した.時間の進むペースが加速度的に早まっている.まずは「訳者あとがき」からチェックする./慶應義塾大学教養研究センターから出る予定の『生命の教養学Ⅸ』の担当章「成長と進化思考」(pp. 223-250)の初校ゲラ放流.冒頭の書き出しは,「三中信宏です.こんにちは」と始まる.

◆[欹耳袋]第7回生物学基礎論研究会・生物学史分科会夏の学校.【日時】2013年9月7日(土)〜8日(日)@総合研究大学院大学葉山キャンパス.九月の葉山キャンパスに出撃予告し,折り返し受領メール着弾.これで初秋の逗子・葉山から横浜中華街へのみごとな出張ルートが確定した.ちょうど横浜国大での〈統計道場〉集中講義の前日だったのでグッドタイミングだった.登録演題は:三中信宏「視覚化される分類と系統:科学のもつヴィジュアル性のルーツ」.

◆午後2時前の気温は31.7度とひさしぶりに真夏日ラインを越えた.ここ数日,涼しい日々が続いていたが,それもはかなく終わってしまったということ.今日の最高気温は午後3時前の33.0度.夕方,研究所の外に出たら,熱気で空気がもわもわしていた.入道雲が立つ空は真夏への復帰のサイン.夜になって,関東平野の方々に雷雲が発生し,茨城県南部にもスコールがあったようだ.しかし,竹園あたりは避けて通ったらしく雨音はしなかった.

◆明日は定例経堂出撃日.今年の農大のお座敷も残すところあと二回になってしまった.第二回目のレポート出題をしないと.

◆本日の総歩数=2434歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.2kg(+0.6kg) / 28.6%(−0.4%)


17 juli 2013(水)※統計学哲学・虎の穴@三田

◆午前4時半起床.曇り.気温18.9度.昨日よりも涼しい夜明けで,吹き抜ける東風が肌寒いほど.関東平野の西半分はすでに雨雲に覆われているようだ.関東平野の西半分はすでに雨雲に覆われているようだ.今日の三田キャッスル出撃に傘は必須.そのうち小雨が降りだしては止む空模様になった.今日は朝と夕の二回雨雲がかかるとの予報.現在進めている某企画の口上書(800字)を関係者に送信.この企画は夏を迎えてそろそろ本格始動の兆候あり.

◆[欹耳袋]東アジア鰻資源協議会公開シンポジウム〈ウナギの持続的利用は可能か ーうな丼の未来〉2013年7月22日(月)@東京大学弥生講堂一条ホール.土用の丑の日に合わせてこのテーマでシンポジウムをするとは.なお,このシンポジウムは Ustream 中継されるとのこと:cf. Y日記「ウナギの日シンポジウム」(2013年7月17日).

◆三田の城塞へ突撃する朝 —— 午前8時前,つくば駅.曇り空のつくばセンター.吹く風こそ涼しいものの,地表近くは湿気があってやや蒸し暑い.午前9時半,JR田町駅.駅前ビルに森永ミルクキャラメル百周年の巨大なリボンが巻きつけられていた.飲み屋街をてくてく歩いて慶應義塾大学に到着.正門前にそびえ立つ新しい校舎が巨大すぎる.三田キャンパスは “城” である.都内の気温は23.8度,曇り空.湿度は高いが,会議室に吹き込む風は心地よい.すでに実在しているのは,ISMのSMTN師(胴元)をはじめ,箱崎KSYさん,弥生KSNさん,KOのMRMTさんなどなど.白眉HSさんはまだ登場しない.いまMTOさんがサッポロから.とりあえず,今回の統計学哲学研究会のハッシュタグは #mita_ps としましょうかね.

  • #mita_ps まずは統計数理研究所の島谷さんの口上から. posted at 10:03:09

  • #mita_ps 白眉HS師も登場したので,参加者の自己紹介ひとまわり.これからKOの森元良太さんの話題提供「統計的に何が言えたら科学で説明したことになるのか?」なう. posted at 10:27:30
  • #mita_ps Thomas S. Kuhn, Larry Laudan などなどのお話が続いている.リアルに生きる科学者にとって,パラダイムとか研究伝統は役に立つのか? posted at 11:19:01
  • #mita_ps 「良い説明」の基準はいろいろ(森元).ジェフリーズ,ポパー. posted at 11:29:01
  • #mita_ps 反証可能性をめぐるドロヌマなう. posted at 11:41:30
  • #mita_ps 午前中はこれでオシマイかな. posted at 11:52:46

  • #mita_ps ワタクシの噺「生物体系学と科学哲学との相利共生の半世紀」のあと,午後1時過ぎから昼食休憩.いま再開.粕谷師の神託なう. posted at 14:12:23
  • #mita_ps 誤用:AIC最小モデル=「真」のモデル.めでたしめでたし. posted at 14:18:48
  • #mita_ps マジックナンバーは「0.84270」 posted at 14:29:35
  • #mita_ps 帰無仮説を検定するために,心理統計ではベイズ法が広がっている.(コメント) posted at 14:41:27
  • #mita_ps 統計ツールの「目的外使用」について. posted at 14:55:33
  • #mita_ps 研究者ジェネレーションが世代更新するとともに,使用される統計ツールも遷移していく.(かすや師) posted at 14:56:45
  • #mita_ps ビッグデータも使いようによってはスゴイという話.(きしの師) posted at 15:05:39

  • #mita_ps 島谷健一郎「データ科学としての群集生態学:科学哲学は構築可能か?」トークなう. posted at 15:13:12
  • #mita_ps Hubbell の『群集生態学』がきっかけ. posted at 15:13:56
  • #mita_ps Hubbell の「中立理論」について. posted at 15:29:29
  • #mita_ps 反証可能なモデルとしての中立理論.尤度による比較,系統情報を加味したパラメーター推定(ABC). posted at 15:52:03
  • #mita_ps モデル選択は「unification」が核. posted at 16:34:09

  • #mita_ps 本日の最後は,松王政浩「Forster-SoberのAIC評価をめぐって」.お菓子 mgmg,外は雨が降りだしたようだ. posted at 16:50:50
  • #mita_ps Forster & Sober 1994 BJPS paper を忠心に. posted at 16:57:58
  • #mita_ps (承前)How to tell when simpler, more unified, or less _ad hoc_ theories will provide more accurate predictions. BJPS, 45: 1-36. posted at 17:00:25
  • #mita_ps predictive accuracy の推定値としてのAICが統計的に unbiased であること.漸近的 or not ? posted at 17:04:31
  • #mita_ps Curve-fitting problem の「Simplicity 問題」.なぜ単純性か.単純性が重要なのか. posted at 17:06:24
  • #mita_ps Curve-fitting problem の「Underdetermination 問題」.無数の候補曲線がある. posted at 17:07:06
  • #mita_ps Curve-fitting problem はAICを用いれば,単純性とデータ適合度のトレードオフによって解決できる.Causal modeling も同様に解決できる. posted at 17:14:27
  • #mita_ps アドホック性の問題:Duhem-Quine テーゼに対する回答. posted at 17:20:17
  • #mita_ps ベイズ主義に対するAICの優位性. posted at 17:24:09
  • #mita_ps Neyman-Pearson やベイズ主義に対するAICの優位性はその後の論文でも. posted at 17:26:59
  • #mita_ps Forster & Sober 2011 では AIC の方が,予測確度の不偏推定値であるという点で BIC よりもすぐれているという. posted at 17:28:39
  • #mita_ps 尤度主義との融和.Sober は頻度主義が大嫌い.ベイジアンはまだ許せるらしい. posted at 17:31:01
  • #mita_ps 統計的一致性のなさは歯牙にかけない. posted at 17:33:56
  • #mita_ps Error statistics の方がいいという批判あり. posted at 17:38:52
  • #mita_ps 実在論をめぐる論争再燃.AIC は実在論/反実在論の双方に朗報.その後,Sober は実在論/道具主義という対立軸をもちこむ. posted at 17:46:41
  • #mita_ps 道具主義とは「予測確度の高い理論をみつけること」.実在に関する論議を回避している. posted at 17:47:55
  • #mita_ps AICには道具主義的な adjustable parameter と実在論的な adjusted parameter の二つの部分がある,という “混合哲学” 的解釈. posted at 17:57:15
  • #mita_ps 実在論と道具主義はグローバルには融和されないが,AICを通じてローカルには両立できる. posted at 17:58:44
  • #mita_ps Sprenger 2010 による漸近的不偏性論議の批判あり. posted at 18:18:31
  • #mita_ps 統計数理研究所は入所すると朝から晩までサイコロを振り続けたらしい.たくさん振るほどp=1/6にならない.(きしの談) posted at 18:29:03
  • #mita_ps これにて本日の研究会はオシマイっ.みなさんおつかれさんでしたー. posted at 18:36:47

◆研究会の最中に雨雲が西から大挙して押し寄せてきた.傘をさして歩く三田の繁華街.居酒屋〈秋〉へ.

◆[蒐書日誌]Ian Hacking『The Emergence of Probability: A Philosophical Study of Early Ideas about Probability, Induction and Statistical Inference, 2nd Edition』(2006年7月刊行,Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:978-0-521-86655-2 [hbk] / ISBN: 978-0-521-68557-3 [pbk])の翻訳は今年中に出るとのこと.本日,翻訳者お二人から聞いた話.およそ七年もかかったらしい.

◆つくばに帰り着いたのは午後11時半.三田で二次会にトラップされていたらきっと帰宅困難者になったにちがいない.つくば,遠すぎる.

◆本日の総歩数=8060歩. 朝○|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=94.6kg(−0.2kg) / 29.0%(−0.2%)


16 juli 2013(火)※朝晩は空調不要の涼しい日

◆午前4時半過ぎ起床.日の出とともに真っ赤な朝日が東の空から昇ってきた.気温19.3度.北東風.さらりと快適すぎる早朝.明け方の最低気温は18.8度まで下がり,この時期としてはありえへん涼しさだった.晴れてはいるが朝日はぎらつかない.この分だと観音台は過ごしやすいだろう楽観したのが運の尽き.連休中ずっと締め切っていた居室は,最上階の照り返しの熱気が連休中しっかり封入され,午前8時の室温は31.0度とここだけ真夏日のまま(orz).朝のデザートは京都土産の〈仙太郎〉の「葛梅」をば.葛の中にかりっとした歯ごたえの梅が混ざっている.葛の和菓子は最強である.

◆[欹耳袋]学術書の危機(モノグラフ・クライシス) —— OUT TO LUNCH「日本において「学術書の危機」、いわゆるモノグラフ・クライシスは学生の貧困化とともに現れる」(2013年7月14日).抜粋いくつか:

  • 「北米の学術書を買い支えていたいのは、日本とはくらべものにならないほど資金が潤沢な大学図書館なのであった。あるレポートによれば80年代は学術書刊行部数の7割を研究図書館が購入していたという。学術出版のパトロネージとして存在していた図書館が購入者としての力を失ったその行き着く先がモノグラフ・クライシスだったのである。」
  • 「日本の場合はやや異なる。まずは学術出版社の経営を支えているのは、図書館(だけ)ではない。多くは大学テキストによる収入である。」
  • 「おそらくおおくの場合、学術書は長い目で見れば不採算部門であった。先端的な研究成果発表である小部数の、ゆえに高額な学術書刊行のコストを、毎年安定した売上が期待できる教科書で賄っていたのである。」
  • 「伝統的な学術出版社のポートフォリオ戦略とは、その社会的ミッションである学術出版刊行コストを、学生(とその家庭の家計)に頼ってきた。日本の学術出版においては、図書館に変わって学生が強力なパトロネージである」

本を書く前に出版社に出す企画書の段階で,「教科書として使える可能性があるか.あるとしたら毎年どれくらい売れそうか」と問われた経験がこれまで何度かある.上のようなビジネス・モデルが背景にあるのだとしたら,とてもよく事情が理解できる.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 昆虫学会札幌大会の暫定プログラムチェックだん.自分の出番を確認したのだが,この三重パラレルをどう解決したらいいものか.ツイッター専属発信者を各会場に配置するのがベスト.演壇からツイートするという究極のリアル発信か.しかし,噺はどーするよ./翻訳作業という大┣┣" を放流してしまったので,朝から “凪” のような精神状態.今月後半の┣┣" 撃ちカレンダーを更新すれば,またヤル気が降臨してくるにちがいない.

◆[蒐書日誌]Amazon.de から着弾していた本 —— Michael Mitterauer『Historische Verwandtschaftsforschung』(2013年刊行,Böhlau Verlag, Wien, 248 pp., ISBN:978-3-205-78876-8 → 目次版元ページ).歴史的家系図分析の方法と西洋史の事例.それにしても図表がぜんぜんないんですけど(泣).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 明日は終日,慶應(三田)で〈統計学哲学・虎の穴〉が予定されている.生きてつくばに帰ってこれる気がぜんぜんしない…….(哲学,コワい)/ヨーン本のゲラが編集部に届いたとの返事あり.あとは訳者あとがきのゲラを待ってチェック.来週末には校了したいとのこと.できれば小さめの┣┣" のままに./向こう三週間の┣┣" 撃ちカレンダーを更新.国外逃亡するまでの半月間が勝負ですな./まだ大学の前期授業が残っているのに,成績評価とかオンライン報告の季節が視野に入ってきた.

◆朝から全館空調ががんがんかかっているにもかかわらず,午後の西日が差し込み始めるとじりじり室温が上昇してくる.今は室温28.0度.午後5時までには30度ラインを越えるだろうから,それまでに撤収しないといけない.いくらフレックスタイムや裁量労働制であっても,空調稼働時間は “定時” のみなので,必然的にそれ以外の時間帯はどこか仕事ができるは場所に逃げ出すしかない.そろそろ撤収準備に入ろう.明日,三田の “戦場” にどの武器を持っていこうかと迷いちう.蕎麦本を数冊もっていけば大丈夫か.投げつけるには電子本ではなく紙の本が必須.とりあえず,手頃なバクダンを持ち帰ることにする.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝:『思想地図β vol.4-1:チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』(2013年7月10日刊行,ゲンロン,東京,159 pp., ISBN:978-4-907188-01-6 → 版元ページ).カラー写真たくさん,ロシア語にウクライナ語.おもしろいです.

◆[欹耳袋]日本経済新聞「睡眠研究の裏出氏、部ごと筑波大に 大阪バイオサイエンス研」(2013年7月15日).「大阪市の財政悪化に伴い補助金が削減され、研究が継続できなくなった」とのことだが,世知辛いというか,他人事ではないというか.

◆東風が涼しい夕暮れ時は青空が広がっている.午後5時の気温は25.2度.日中の最高気温も28.5度どまりだった.朝夕はエアコンいらず.窓全開放でしのげる.おい,下界のきみ,夕暮れ時にドボルザーク〈新世界より〉の第二楽章を口笛で吹きなさんなって.ペデに反響してうら寂しくなるから.

◆本日の総歩数=3062歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.8kg(+0.9kg) / 29.2%(0.0%)


15 juli 2013(月)※夕暮れの先斗町は浴衣満開

◆午前7時前起床.昨夜の祟られた雨雲は消え去り,外は晴れわたっている.午前6時の気温は23.8度.昨日は32.4度まで気温が上がったが,洛中は祇園祭の人いきれと雨で不快指数が高すぎた.昨日と一昨日の日録を更新し,やっと追いついた.さて,これから遅めの朝ごはんに行くとしよう.午前8時の京都の気温は25.7度.湿度82%.今日も蒸し暑くなりそう.

◆[欹耳袋]昨日,ホテルからNTT出版編集部へゲラ一式を宅急便で送ったので,翻訳作業はほぼすべて終わった.今回の翻訳:キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』はプロの翻訳家との共訳なので,つねにワタクシが強力な “律速段階” になってしまった.ワタクシの場合はたまたま修士の頃から翻訳を手がける機会があったので,この世界をちょっとだけ知っているつもりだが,ま,片手間にできるお仕事ではない.翻訳はぜんぜんラクじゃない.

文系の研究者に比べて,理系の研究者が翻訳に携わる機会はきっと少ないだろうし,アウトブットとしての業績評価はゼロに等しいだろう.それでも翻訳をするのは利他的精神の発露ということでして.もちろん,翻訳経験を積むということは個人的には損にはならないので,見方を変えれば利己的行為でもある.ただし,安易に手がけるとヤケドをするので,覚悟が必要.今回の翻訳は,プロの翻訳者の仕事の進め方を傍らから拝見するという役得あり.仕事は早いし,何よりも punctual だし,さすがだなあ.研究者にそのマネができるかと問われたら…….

もしも今後,ある本の翻訳を思い立ったとしたら,可能であれば職業翻訳家の手を借りるというのはかなりいい選択肢ではないかと思う.研究者は概して翻訳能力がないので,うまく分業していけばクオリティの高い翻訳書になるのではないか.もうひとつはサイエンスライターの力量.今回の著者キャロル・キサク・ヨーンは母親が日本人の日系人.ショウジョウバエの進化生物学研究で学位をとった後にサイエンスライターに転身したという.科学の中も外も知っているこういう著者が書くことが大事なんだろう.

◆洛南ミッション —— ゆるゆると遅めの朝ごはんをすませ,午前11時前にチェックアウト.ホテルのすぐ下の地下鉄東西線・蹴上駅から六地蔵へ.実家をめぐるミッション・ミーティングを.正午過ぎに実家のようすを検分に.住人がいないと家は荒れ果てるものであるという経験則は裏付けられた.蒸し暑さと藪蚊の襲撃に耐えかねて,さくっと撤収.この後始末は早めにしないといけない.午後1時過ぎ,上木屋町の料亭〈幾松〉の〈維新庵〉にてお弁当をいただく.宵々山の雑踏を避けて,地下鉄で京都駅に移動.連休最終日はどこもごった返していた.とにかく蒸し暑さと人の波が疲弊の原因.午後3時過ぎに帰りの新幹線に乗って,やっと休むことができた.

◆今日の洛中は曇り空で,最高気温が29.8度と,真夏日にも届かない “涼しさ” のはずだった.しかし,まとわりつくような蒸し暑さはまったく変わりなかった.名古屋を過ぎて東海地方は青空が広がってきた.品川着.夕日がまぶしい.都内の午後5時の気温は30.7度あるが,つくばはなんと25.1度まで下がっているらしい.どうしたことだ.午後7時過ぎ,つくば着.午後7時の気温21.8度.涼しすぎて信じられない.連休中,京都はずっと魑魅魍魎に祟られた空模様だった.つくばに帰り着いて,吹き抜ける東風の涼しさが,連日 “サウナ我慢大会” だった京都とは「別世界」であることを実感させる.いったいどーしたんだ,これは.まずは窓を全開にする.涼風が気持ちよすぎる〜.

◆明日からはいつもの平日労働.

◆本日の総歩数=10626歩. 朝△|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


14 juli 2013(日)※祇園祭の宵々々山は雷と雨

◆目覚ましをかけておいたのに,うっかり寝過ごしてしまい,午前5時半にあわてて起床.前夜遅くまでゲラ読みをしてしまった祟りだろうか.ばたばたと旅支度してつくば駅に駆け込む.6:13発の区間快速に乗れた.午前6時の気温は25.2度.晴れて蒸し暑い朝.しかし,京都はもっと暴力的に蒸し暑いはずだ.

◆祇園祭への旅立ち —— 東京駅での乗り換えの余裕もほとんどなかったのだが,しっかり「穴子弁当」を買い込んで,午前7時半東京発の新幹線のぞみ11号に乗る.新横浜.連休中日の新幹線はほぼ満席.静岡.今日も暑いにちがいない夏空が車窓に広がる.三河安城通過.今日の京都は昨日ほどの酷暑ではないようだが,アノ町はけっして油断してはいけない.名古屋着.曇りところどころ晴れ.車内一休み.午前10時前,京都まであと少し.真夏の法事ミッションの始まり.

◆新幹線車中┣┣" 撃ちはなお続いた:

  • [静岡]脚注,ゲラチェックだん._φ(╭_╮ . . .. . ... posted at 08:35:05
  • [静岡]あとは,訳注箇所を完成させ,京都に着いたら宅急便でNTT編集部に即刻放流する予定. posted at 08:36:08

ということで,この件は一件落着.脚注がもっとも多くの「蟲」が潜んでいることは今回も追認された.原著者のミスに転記や翻訳のまちがいが重なって,夏の豊穣なる bugs world が広がる.細部ほどおろそかにはできない..

◆京都の空は祟られていた.法事の最中もひっきりなしに雷鳴が鳴り響き,熱帯モンスーン地域のような驟雨が空のバケツから繰り返しぶちまけられた.お墓参りはスコールの合間を縫って行ない,今回の京都法事ミッションをなんとか終わった.本務はこれにて終了.午後1時の気温は32.4度まで上がり,蒸し暑さはどうしようもない.ランチはSUVACOの〈和久傳はしたて〉にて背徳の昼酒〈蒼空〉の純米とともに鱧おとし素麺.鱧と練梅とそうめんのベストマッチ.

◆京都駅八条口からバスで蹴上方面へ移動ちう.洛中はすでに祇園祭一色.鴨川から北を望む.兇悪な雷雲がいま居座っているようだ.四条通り八坂さんの真ん前.冷やしあめ! それにしてもものすごい人の波.みんな洛中の山鉾を目指しているのかと思ったら,八坂さんの境内も人で埋まっていた.左折して,東大路通りを北上する.北山から東山にかけて黒い雲が広がってきた.何かの祟りにちがいない.東大路通りから平安神宮を経由して三条通りを蹴上へ.そのうち大粒の雨がぼたぼたとバスのフロントガラスを叩きはじめた.またしても雷雨の襲来だ.祟られた雷雲から逃れるようにホテルにチェックイン.ちょいと一休み.外は雷雨ときどき青空というへんな空模様.空中に妖気と水蒸気が多すぎる.

◆山鉾と雷雨と人波と —— 午後4時過ぎ,百万遍へ.スコールが通りすぎ,ほんの一瞬だけ涼しくなった.雨降る〈梁山泊〉の鬱蒼と茂る庭園を通り過ぎ,〈緑寿庵清水〉へ.金平糖は高級菓子だったのか.その後,京阪に乗って祇園四条へ.祇園祭の人出はただごとではない.宵々々山,宵々山,宵山と混雑度を高め,山鉾巡行では相転移しそうなほどぎゅうぎゅう詰めになる.しかし,宵々々山のこの日,すでに四条大橋の上から人波で身動きが取れなくなっていた.先斗町に逃げ込んで木屋町に回避したものの意味はなかった.あふれる浴衣姿の京男・京女の大群,それを上回る観光客の大波に翻弄されて錦から四条通りへ出たところで,人また人の大洪水.

長刀鉾の周囲は警官の “垣根” ができていた.しかも生暖かい雨がぼたぼた断続的に降り続く.烏丸通から四条通りにかけて歩行者天国になる午後6時にちょうど当たっていたのが不運だったのか,前にも後ろにも進めない.室町通も人と傘の大河が一方通行で北に流れるようで実は淀む時間の方が長い.

こりゃたまらんと六角通で逃げ出して背徳の夕暮れの街に溶けこむことにした.まずは堺町通錦小路上ルの某日本酒バーから始まる.続いて押小路通麩屋町東入ルの某イタリアワイン食堂へと転戦.雨上がりの蒸し暑さは続くが,洛中の殺人的な人津波に比べればなんということはない.午後11時過ぎ,蹴上へ帰還.今日は二万歩近く歩いて疲れ果てた.

◆明日は洛南ミッション.夕方,つくばに帰る予定.空が祟られないことを祈るのみ.

◆本日の総歩数=18145歩. 朝○|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


13 juli 2013(土)※炎暑の昼下がりに髪を切る

◆午前4時起床.気温22.9度.夜明け前の朝焼け.初ミンミンゼミ.デイズタウンのペデで “独唱” していた.連日の蒸し暑さに当てられて,外で何かをしようという気になれない.幸いなことに今日は「ゲラ読み貫徹」という至上命令が下っているので,一歩も外に出る必要はないと思いきや,伸び放題になっている髪を切らないことには真夏を乗りきれない.

◆[欹耳袋]Brain Pickings: Maria Popova | Ordering the Heavens: A Visual History of Mapping the Universe | 7 July 2011.秩序の「視覚化」は人間にとって永遠の根源的欲求である.

◆本日の┣┣" 撃ち ——

  • [つくば]第一章,ゲラチェックだん._φ(.. .. .. .... . .. posted at 11:34:32
  • [つくば]第二章,ゲラチェックだん._φ(。... . . .. .... . posted at 12:49:00
  • [つくば]第三章,ゲラチェックだん._φ(。。. .. ... .. .. . posted at 15:27:20
  • [つくば]第四章,ゲラチェックだん._φ(o ● .. . .. .... . posted at 17:20:06
  • [つくば]第五章,ゲラチェックだん._φ(◓_◒ . .. ... . . .. posted at 21:53:53
  • [つくば]第六章,ゲラチェックだん._φ(⦿_⊗ . .. ... . . .. posted at 22:51:25
  • [つくば]第七章,ゲラチェックだん._φ(⊘_⦸ . . .. ... . . .. posted at 23:41:44
  • [つくば]これにて本文のゲラチェックはすべて終了.あとは巻末脚注のみ. posted at 23:42:30

◆予報通り曇り空になった昼下がり.正午過ぎには31.1度まで上がったが,午後2時には真夏日ラインを割り込む29.8度に.昼下がりに髪を切ってすっきりする.しかし,湿度が高すぎてどうしようもない.ゲラ読みの合間にちょいと一休みして厨房仕事.今宵の夕餉は親子丼.シンプル〜.

◆日が変わる直前までゲラ読みして疲れ果てた.明日からは連休京都ミッション.

◆本日の総歩数=3023歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(−0.4kg) / 29.2%(+0.3%)


12 juli 2013(金)※猛暑日寸止めの経堂出撃日

◆午前5時起床.気温23.9度.東の空に真っ赤な朝日が上る.夜中に大量の提出レポートが農大から届いて,┣┣" 箱にひしめいていた.犇犇犇犇犇犇犇犇犇.「亻」が混じらないうちに,農大レポートの受領メールを全部返した.今日が提出締切日なので,気を抜くと犇犇犇犇件犇犇犇……(あ,一匹 “件” がぁ).

◆[蒐書日誌]をを,版元からもついに近刊案内が! —— キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』 (2013年8月28日刊行予定,NTT出版,東京,本体価格2,800円,ISBN:978-4-7571-6056-9 → 目次版元ページe-hon 近刊予約).炎天下,ゲラを抱えてまだ右往左往(滝汗).

◆[欹耳袋]Togetter -「Smips若手研究者のための知財リテラシー分科会(2013年7月)」※「生物分類学の基礎/いまどきの生物分類学者の研究生活/ソーシャルメディアを活用して生物サンプルが集まるようになった話」がテーマとのこと.日時:2013年7月13日(土)13:00~15:00@政策研究大学院大学5階.

◆定例経堂出撃日 —— 午前7時半,つくば駅.午前7時の気温は26.3度とおとなしめ.しかし,すでに蒸し暑い.予報では今日も都内は猛暑日になるらしい.要注意.午前9時,新宿駅.都内は午前8時の時点で真夏日ライン越えの31.3度.小田急は全身全霊をこめて車内空調をかけている.午前9時の都内の気温は32.7度.先が思いやられる酷暑日.午前10時,気温は33.3度.桜並木にセミの合掌が反響する農大キャンパス.猛暑日は必定か.

  • #NodaiStat 今日の講義は計算機統計学.リサンプリング統計学(ブーツストラップとジャックナイフ)について話をします. posted at 09:15:04
  • #NodaiStat それはそうと,今日が第一回レポートの締切日なのでお忘れなきよう. posted at 09:15:35
  • #NodaiStat 今朝午前9時までに届いたレポートについてはすべて受領メールを出しました.もらっていない人は送信確認してください. posted at 09:19:31
  • #NodaiStat 第一回レポートの提出をお忘れなく.それにしても,講義中にもどんどんレポートが送信されてくるという “怪異現象” はいかにすれば説明できるのだろうか……. posted at 12:26:13

◆正午過ぎに,講義終了.正午の気温33.8度.講師控え室にて,ひっきりなしに届くレポートへの受領メールを弾き返している.帰りがけに寄った農大購買部にてひさしぶりに「たんかんジャム」と「ぽんかんジャム」を見つけたのでゲット.各680円.ついでに,ブルーベリーと苺のジャムも.こちらは各300円.マーマレードは売り切れていた.農大プランドのジャムはここでしか買えない.玉川大学のはちみつもそうだが,大学ブランドの製品はもっと販路が広がってほしい.炎天下を経堂まで徒歩移動修行.頭上から真夏日にじりじり炙られる.小田急から千代田線乗り換え.都内の気温は34.9度.今日ももうすぐ猛暑日.午後3時過ぎ,つくば着.気温31.5度.都内は猛暑だったが,つくばは “ただの” 真夏日かー.でも,取り巻く空気が熱くもわもわして,戸外に長居は無用.

◆[欹耳袋]Hennig XXXII: Scientific Program の公開./Die Welt | Bahnverbindung - ICE-Strecke Berlin-Hannover bis Dezember gesperrt | 8 July 2013.ドイツ国内の洪水の影響でベルリン近辺の鉄道が年内閉鎖とのこと.来月はベルリンの真北のロストックまで行くが,ハンブルクから鉄路移動を予定している.ベルリンからの鉄路じゃなくてよかったー.コペンハーゲンからバスに乗ってフェリーでバルト海を横切ってハンザ都市ロストックに乗り込むという裏ワザもあるらしい.バイキングの現代版ですかねぇ.

◆新ジャガと〈郷乃譽〉の夕餉 —— 今夜は新ジャガの皮付きをそのまま肉じゃがにしてみた.材料は新ジャガ(小)500グラム,新タマネギ(大)1個,牛肉切り落とし250グラム,ゆで卵.新ジャガは皮付きのままよく水洗い,玉ねぎはざくざく刻む.ゆで卵は殻を剥いてから,醤油に漬け込む.深鍋に牛脂をひいて肉を砂糖大さじ2とともに炒める.新ジャガと玉ねぎを投入してじっくり炒め合わせる.醤油50cc,酒100cc,みりん100cc,水100ccを投入し,煮立ったら弱火にしてジャガイモが柔らかくなるまで煮こむ.途中,ゆで卵を鍋に入れたらあまりゆすらないように.最後は,ゆで卵を取り出して,煮汁をからめるようにして完成.誰も焦がしてはならぬ.

肉じゃがの完成とともに〈郷乃譽〉純米吟醸「活性にごり」を開栓.仕込みは昨年末,蔵出しは先月.〈郷乃譽〉活性にごりはほとんど出会わないが,なんとつくば西武一階の日本酒売り場にあった.今年のように暑い夏はしゅわしゅわの活性にごり酒で乗り切るしかない.

◆[欹耳袋]〈丸メガネ研究会〉 —— 丸メガネを常用するワタクシは,つねづね品薄に悩まされてきた.あるときはメガネ屋の「ダサ眼鏡」コーナーを漁ったりもした.「このサイトは、全国の丸メガネファンのために、丸眼鏡を多数品揃えして調製技術を磨いている店のグループ「丸メガネ研究会」の公式サイトです」とのこと.すばらしい!

◆明日は抱え込んだゲラを読みまくる日(泣).

◆本日の総歩数=9601歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=94.3kg(−0.3kg) / 28.9%(+0.1%)


11 juli 2013(木)※観音台は猛暑日で黒焦げに

◆午前4時半起床.晴れ.気温23.4度.東の空にかかっていた雲の上まで朝日がやっと上ってきた.お米を研いだので,そろそろ厨房に入ろう.今日も朝から元気な夏日の観音台.午前8時の気温は28.4度と昨日と同じくらいの上がり方.凸凹ありまくりの稲荷川側道が昨日の補修工事で “ふつうの道” になってしまって快適走行.朝シェーンベルク.

◆[欹耳袋]【公募】茨城大学理学部生物学分野の助教(任期なし)の公募がもうすぐ出ます.分野は「無脊椎動物(海産無脊椎動物を除く)を主な材料として、遺伝子分析的手法も用いて分類学、系統学や生態学の研究を行う方を求めます」とのこと.とりあえず公募情報を関連メーリングリストに流した.国立大学の任期なし助教ポストでの公募というのはかなりめずらしい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今年の祇園祭のようすをちらちらよそ見しながら,┣┣" 撃ち開始./先日の茨城大学「系統分類学特別演習」のレポート課題は決定.分子配列データをアラインメントして,MEGA / TNT / MrBayes でそれぞれ系統推定させて,アウトプットを提出させる予定./「竹尾見本帖」がイベントスペースだとすぐわかる人はきっと少ないんだろうなあ.

◆[欹耳袋]お楽しみ —— NAVER まとめ「大学の農学部が造るお酒が呑んでみたい」.

◆猛暑日への昼下がり —— 昼バッハ.正午前の気温は34.4度.今日は猛暑日になるのかな.居室の窓越しにセミの大合唱.無伴奏チェロの旋律にからんでくる.午後1時前の気温は35.0度,めでたく?猛暑日になった.午後2時前の気温は35.9度.夏眠するしかないな.そして,午後3時前には36.3度まで気温上昇.今年一番の最高気温かな.

◆午後の┣┣" 撃ち —— とりあえず,第8〜12章のゲラ読みだん.ふー./今月で農環研ウェブ高座の連載が終わったら,すかさず単行本に変身させるという大┣┣" が襲来する宿命.担当編集者が手ぐすねをひいている.その前にヨーン翻訳┣┣" を仕留めておく予定.

◆本日の総歩数=3151歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.6kg(−0.4kg) / 28.8%(−0.1%)


10 juli 2013(水)※ゲラ読み未了でも予約開始

◆午前4時半過ぎ起床.東の空にたなびく薄雲を染めながら朝日が上ってきた.気温23.5度.一週間ぶりに復帰した観音台.夏空のもと,農林団地の木々からはニイニイゼミの合唱が響く.午前8時の気温は28.8度.南風.朝イチのピアソラ〈ブエノスアイレスのマリア〉.居室の┣┣" が増えている…….

◆[欹耳袋]日本経済新聞「現場発 科学技術立国(4)足りぬ若手のポスト 優秀な学生 博士離れ」(2013年7月9日)./日本経済新聞「現場発 科学技術立国(3)研究独法成果鈍る 組織肥大化、規制も壁」(2013年7月2日)./J-CAST会社ウォッチ「グローバル人材を遠ざける「一括採用」 就活リスク恐れ留学できない学生も」(2013年7月9日).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今年秋に予定されている〈つくば分子系統ワークショップ〉の白羽の矢を作成開始./その他,堆積していた┣┣" どもの征伐./東京農大からのレポート着弾がだんだん増えてきた.今週金曜が締切日.

◆[欹耳袋]Taizo Kijima & Thierry Hoquet 2013. Translating “natural selection” in Japanese: from “shizen tōta” to “shizen sentaku”, and back? Bionomina, 6: 26-48 (28 June 2013) pdf [open access] .「natural selection」の日本語訳語「自然淘汰」vs.「自然選択」に関する歴史的経緯についての論文.著者の木島泰三さんからご連絡いただきました.Alain Dubois が本誌の編集長をしているとは知らなかった.

◆[蒐書日誌]ご恵贈感謝 —— 酒井聡樹『これから研究を始める高校生と指導教員のために:研究の進め方・論文の書き方・口頭とポスター発表の仕方』(2013年7月10日刊行,共立出版,東京,xx + 324 + 折込図,本体価格2,600円,ISBN:978-4-320-00591-4 → 版元ページ).これ論師の新刊.今度のターゲットはいたいけな高校生だ.フルカラーのプレゼン実例多し.をを,「高校生も R を使おう!」という神託あり.

◆正午の気温は33.4度.こんな猛暑&炎天では,昼休み徘徊などしてはきっといけないんだろうなあ.

◆[蒐書日誌]じぇじぇじぇ! e-hon で予約注文がもう始まってる! —— キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』 (2013年8月28日刊行予定,NTT出版,東京,本体価格2,800円,ISBN:978-4-7571-6056-9 → 目次案).ゲラ読みがまだ終わらないうちに,もう予約開始とは.頁数は400ページ超.そろそろコンパニオンサイトをつくらないといけないな.

◆ということで,午後の┣┣" 撃ちは必然的にゲラ読み一途.じぇじぇじぇ!/そのあいまに MrBayes / T3 の系統推定コンサルティング.

◆午後5時を過ぎて遠雷が鳴り響き,雲行きが怪しくなってきた.筑波山あたりに雷雲が発生しているようだ.北の方角から絶えず雷鳴が響き,空の表情が険悪に.ねっとりじっとり絡みつく熱い空気は “求肥” のごとく喉につまり息苦しい.午後6時過ぎ,生暖かい雨がぼたぼた降り始め,ほどなく驟雨に.夏の夕暮れの風景.何度か大きな落雷音が鳴り響き,雷雲の本体が真上を通過しているようだ.しかし,小一時間もしないうちに,まだ雨は降っているものの,西空には真っ赤な夕日が姿をあらわした.

◆今夜はさわやかに冷製パスタの晩ごはん.〈新政〉の特別純米「六號・美発泡」を開栓する.協会6号酵母.暑い夏の活性にごり酒は “炭酸水” と同格.水戸の背徳ナイトと比較して清廉潔白すぎて困ってしまう.

◆本日の総歩数=4599歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=95.0kg(+1.2kg) / 28.9%(+0.3%)


9 juli 2013(火)※真夏日には地獄ランチ定食

◆午前5時半起床.ホテルの窓から青空を見上げる.気温23.0度はいいとして,湿度94%は異常.午前7時に朝ごはんをわしわし食べて,部屋にこもる.ドロナワもいいところ.今日は水戸のお座敷の最終日なので,エンディングをどこにもっていくかを決めておかないといけない.

◆[欹耳袋]Ryan Budney, William Sethares | Topology of Musical Data | 4 July 2013.Godfried T. Toussaint『The Geometry of Musical Rhythm: What Makes a “Good” Rhythm Good?』(2013年1月刊行,The CRC Press, Boca Raton, xviii+347 pp., ISBN: 978-1-4665-1202-3 [pbk] → 版元ページ)に登場する「円環ダイアグラム」がここにも.Cf: archief voor stambomen「音楽リズムの可視化と体系化」(2013年6月4日).

◆水戸高座の最終日 —— 夏空が広がる駅前ロータリーからいつものバスに乗り,午前10時前に茨大着.今日も夏日の全力照射を浴びながら,大学正門を入る.午前9時の気温は28.5度.湿度は67%で不快指数は昨日よりはマシかも.講義室にて実習用パソコンの立ち上げ.午前中は MEGA の実習あるのみ.アラインメントから系統樹推定までのフローチャートの実習.そして祖先形質復元と系統樹の編集について.MEGAからエクスポートしたNEXUS形式のデータファイルとツリーファイルを Mesquite に読ませて,形質進化解析のいろいろを解説する.ここでお昼休み.

◆今日のランチは,理学部二大奇人であるKJMセンセ(系統)とOIKWセンセ(生態)に拉致され(先週お世話になったKTDセンセは今回は顔を見なかった),茨大近くの中華料理〈宝珍楼〉へ.おそるべき数のメニューがあって,「柔道部特盛チャーハン」をはじめ,茨大の体育会系サークルにちなむ名前がずらりと並ぶ.

メニューに目移りして手間取っていたところ.OIKWセンセの暖かいご指導により,裏メニューの「ユニックス地獄セット(レベル3)」に決定.かなり辛い系スタミナ丼にげんこつのような鶏の唐揚げが付いてくる.もちろん農環研の名誉にかけて完食してきた(お二人は激辛の「レベル6」だった).けっしてきれいとはいえない店内は意外にも客が多い.北極圏ブリザードのような冷房の強冷風の直撃を受けながらわしわし食べる光景はあまりにケダモンすぎる.

昨日のランチも中華料理だったが,茨大の周辺にはトラッドでワイルドな中華料理店が多い印象をもった.大学町ならではか.

◆午後1時前の気温は32.0度まで上がった.暑すぎる.辛すぎる.講義再開.午前の続きで,祖先形質状態の最節約復元と最尤復元についての理論解説.さらに,TNT と PAUP* による最節約系統推定の実習.最後は系統地理学の解説と TreeMap のデモンストレーション.午後4時過ぎ,集中講義(後半戦)は全スケジュールを終了した.受講生のみなさん,たいへんお疲れさまでした.集中講義のレポート課題を一両日中に出すこと>ワタクシ.

◆帰路 —— ぎらぎら夏日は変わらないが,気温は真夏日ラインを割りこんでいるようだ.さて,荷物をまとめて水戸まで移動するぞ.午後5時過ぎ,バスで戻ってきた水戸駅ビル〈エクセル南〉の〈true brew〉にて私的な打ち上がり.まずは常陸野ネストビール「ヴァイツェン」から.「ニシンの燻製(ほろ苦いサラダ添え)」うまいうまい.続いて,常陸野ネストビール「アンバーエール」を.

◆午後6時,では,そろそろ暑い水戸から暑いつくばに帰ることにしよう.午後7時前,土浦着.駅前ロータリーの並木めがけてムクドリ軍団が急降下してくる夕暮れタイム.気温はまだまだ高い.バスでつくばに帰ってきたら,ペデストリアンの街路樹でニイニイゼミが合唱していた.夏真っ盛りですなあ.

◆本日の総歩数=7455歩. 朝○|昼△|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


8 juli 2013(月)※水戸のお座敷は後半戦突入

◆午前5時前起床.強烈な朝日がまぶしすぎる.晴れまた晴れ.気温23.2度.昨日の朝よりはややすごしやすいかな.午前7時半過ぎ,土浦から常磐線に乗る.今日と明日は水戸巡業高座(後半戦)だ.午前8時の気温29.0度.真夏日ライン越えは間近.羽鳥通過.土浦以北の常磐線下りは空きまくり.内原通過.土浦〜水戸って意外に近いことを実感.茨城の “原風景” が車窓に広がる.赤塚通過.次はもう水戸.昨日は朝から夏の積雲が沸き上がっていたが,今日は代わって高層にざらざらした雲が薄く広がる.偕楽園臨時駅をスルーして,水戸駅着.まだ時間があるので,駅ビルのスタバにてひと休み.午前8時の水戸の気温は28.0度.湿度は77%.蒸し暑さに変わりはない.

◆[欹耳袋]d-labo セミナー:三中信宏「ヴィジュアルなサイエンス~ 分類と系統を視覚化する~」2013年8月20日(火)19:00~21:00@東京ミッドタウン・タワー7F.参加費無料・定員80名.どーぞ!

◆[欹耳袋]「ひとり学び」は苦しい —— 先週末の生き物文化誌学会シンポジウムのパネルディスカッションのおり,フロアから「学問の “壁” を越えた好奇心をどう育てればいいのか」という質問があった.自分の専門分野の「外」に踏み出すときは,どこかで “独学” に頼らざるを得ないだろう.ただし,そういう「独り勉強」を続けても,既存の学問分野に集中している専門家とのコミュニケーションがなかなかうまくいかない,という質問だった.ワタクシ自身, “独学” で学ぶことが多かったので,質問者の置かれている状況はよく理解できる.要するに, “独学” っていうのは「苦しい学び」だという単純な事実を知る必要があるだろう.

確立された学問分野は,いろいろマイナス面は指摘できるだろうが,その中で学ぶべきことが「体系的に用意されている」という点はとても強みになるはず.新参者が学習すべき必須項目を欠落させることがないのは教員や年上の学生のおかげ.ところが, “独学” の場合,そういう体系的学習システムがないので,どうしても非効率的だし,同じ時間と努力をかけても漏れ落ちが出てしまう.だから, “独学” では学習項目のサンプリングが粗さをカバーするために,かなり努力してムダを承知で勉強しまくるしかない段階が避けられない.

「自分なりに “独学” しました」というのは,多くの場合,サンプリングにバイアスがあったり必須項目がサンブルされなかったりというリスクが大きいはず.だから,既存の学問の「壁」を越えてコミュニケートしようというときには,徹底的に勉強し尽くさないと,相手と同レベルにはなれないというのが現実.サンプリングではなく全数調査に近い学習が必要ということ.

—— だから “独学” はすごく苦しいはず.ラクな “独学” は要するに勉強していないということです.

◆午前10時,茨大着.一週間ぶりに来た.午前9時の水戸の気温は30.0度ちょうど.湿度67%.頭上からは夏日がぎらぎら.蒸し暑さが身にしみる.講義までまだ時間があるので,実習用パソコンの設定作業をば.理学部棟の前で,昨日インドネシアから帰ってきたばかりというKJMセンセとすれちがった.午前10時の気温は31.3度.つくばよりも暑いぞ.おそるべし水戸.講義室の室温が30.7度だったので,あわてて個別空調オン! 集中講義で熱中症になりましたではシャレにならんので.講義開始時刻の10時半に学生さんがやっとひとり登場.その後続いてふたり登場.これで履修生は全部かな.午前中はベイズ統計学のイントロ.Bayesian Coin Tosser.分子系統学のリクツのほとんどは統計学.

◆正午前の気温は32.5度の猛暑.長蛇の行列の生協食堂を回避して,炎天下を大学正門前の〈大興飯店〉へ.冷やし中華と中華丼のセット.耳ピアスふたつのKJMセンセとともに学部生とぜんぜん有意差がないメニューを完食して,大学帰還.暑さとのガマン大会.抜けるような青空と焼け付く陽光.

◆午後1時から講義再開.ベイジアンMCMCの解説とデモンストレーション.べいづべいづべいづ.MCRobot と MrBayes が登場.これでやっと系統推定法をカバーできたので,方法間の比較と選択について話したところで午後4時過ぎの終了時刻.水戸高座(後半戦)の初日はこれにておしまい.また明日〜.

◆午後5時,水戸駅前のホテルにチェックイン.とりあえず荷物を運び込んでひと休み.つくばは兇悪雷雲が接近しているようだが,水戸は晴れ上がってただただ暑いだけ.昨日はとんでもない雷雨だったらしいが,今日はその気配まったくなし.夕暮れの水戸駅前北口ロータリーから銀杏坂を上がって南町へ.行き先は酒蔵〈瀬良美〉.囲炉裏を取り囲むように座る.まずは,地元の〈郷乃譽〉純米吟醸「山桜桃」から.続いて男鹿の〈今人〉.これは初めて.説明書きを読むと,蔵元は小玉醸造,山田錦と協会九号酵母を使った純米大吟醸とのこと.岩牡蠣が登場.超ビッグサイズ.そしてあら炊き.歯ごたえが残るちょうどいい炊きあがり.さらに大はまぐり.ずっしり重い身は食べごたえ十分.秋田〈高清水〉の大吟醸しずく採り「瑞兆」.この吟醸香はすばらしい.外は雨が降ってきたらしい.メインは津軽地鶏「桜姫」の網焼き.秋田〈ど辛〉を注文.最後は自家製らっきょう三種盛り.山形〈出羽桜〉の「桜花吟醸」とともに.美酒とBGMのピアノコンチェルト.今夜はこれにておしまい.雨上がりの坂を下ってホテルへ帰還.

◆さあ,明日は水戸のお座敷最終日だ.

◆本日の総歩数=7276歩. 朝○|昼△|夜×. 計測値(前回比)=93.8kg(+0.5kg) / 28.6%(+0.5%)


7 juli 2013(日)※真夏日の七夕はつくいちへ

◆午前5時前起床.気温23.7度.むしむしする夜明け.午前9時には早くも真夏日ライン越えの30.1度.つくいちに出撃するかどうか迷う.しかし,〈スガヤコーヒー〉のカレーは食べないといけないし…….

◆[欹耳袋]はてラボはてな匿名ダイアリー「ブラック大学の内部からみた現状」(2013年7月5日).東北大学の話だそうだ.

◆昨日の 生き物文化誌学会では,多くの参加者からいろいろな質問やコメントがあり,手持ちの名刺が全部なくなってしまった.裾野の広い学会なので,参加者のバックグラウンドはきわめて多様.この学会の存在そのものがシンポジウムの主テーマである〈学の境界〉を乗り越える手がかりを実地に示しているのではないだろうか.

◆[蒐書日誌]兵庫酒米研究グループ(編著)『山田錦物語:人と風土が育てた日本一の酒米』(2010年4月8日刊行,神戸新聞総合出版センター[のじぎく文庫],神戸,viii + 191 pp., ISBN:978-4-343-00560-1 → 版元ページ).先日,千駄木の〈往来堂書店〉でゲットした本.酒米の本はめずらしい./岩井桃子『水都アムステルダム:受け継がれるブルーゴールドの精神』(2013年6月刊行,法政大学出版局[水と〈まち〉の物語],東京,ISBN:978-4-588-78005-9 → 版元ページ).

◆たなばた〈つくいち〉は炎天下 —— 昨日梅雨明けしたばかりの関東地方.正午前の気温は33.5度.正午過ぎには34.4度と猛暑日にかぎりなく接近している.ニイニイゼミの大合唱とぎらぎらの夏日でも中央公園の〈つくいち〉にはお出かけ.まずは〈スガヤコーヒー〉にて酸っぱ辛いポークビンダルーとアイスコーヒーを.夏は汗をかきかき辛いカレーを食べるのがお作法.ついでに,〈Hi-5 Burgers〉でそば粉のガレットも.聞いた話では,今日のつくいちは朝イチがもっとも客の出足がよかったそうな.

◆[欹耳袋]R を用いて確率分布や統計モデルのパラメーターを変化させながらどんどんグラフ可視化していくというのは,いつもの統計学講義で実践していること.カイ二乗分布とかF分布は確率密度関数の数式をいくら見せても多くの受講生から “忌避反応” の嵐だが,グラフをさくっと描くと “見える” 可能性が格段に高くなる.もちろん,R Commander というすぐれものツールがあるからこそ,グラフ可視化は講義に使えるのだが.

◆[欹耳袋]岩波『科学』の南方熊楠特集号(2013年8月号)は今月末の発行になるわけね.

◆午後5時過ぎ,こんな蒸し暑い夕方に鳴り響く段雷.自宅にじっと潜んでいても,マンション勧誘電話は容赦なくかかってくる.今しがたも「ノブヒロさんはご在宅でしょうか.都内のマンションのご案内に……」と電話口で営業トークをいきなり始めたので,「父ノブヒロは昨日亡くなりました」とつぶやいたらすぐ切ってくれた.研究所にも勤務時間中に容赦なくかかってくる勧誘電話には,「三中信宏は先日懲戒免職になりました」と応対するのは効果的.「失踪して行方不明です」もいいかも.中途半端に「今おりません」と逃げても,敵もさるもの,「いつお帰りですか?」と畳み掛けてくる.もちろん,「開線放置措置」がもっとも効果的であることは言うまでもない.

◆[欹耳袋]プレジデント・オンライン:前野ウルド浩太郎「仕事がない! ならば仕事を作ってみよう(バッタ博士の「今週のひと工夫」第3回)」(2013年7月6日).

◆明日からは泊まりがけで水戸巡業高座の後半戦.真夏日になったらいやなんだけど,こればっかりは誰に文句を言っていいものやら…….

◆本日の総歩数=3709歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=93.3kg(+0.2kg) / 28.1%(−0.6%)


6 juli 2013(土)※戸越銀座で梅雨明けを迎え

◆のろのろと午前6時半起床.朝日が眩しい.気温は早くも午前6時に夏日ライン突破の26.2度.昨夜からの強い南風は今も吹いている.今日は予報通りの猛暑日か.午前9時,本日の高座スライドの最終調整とプリントアウト.これでよし.

◆[欹耳袋]進化学会つくば大会の「DNAバーコード」集会でコメンテーターを依頼されたのだが,東大の大学院入試面接日と重なってしまってアウト.だれか「種問題」に詳しくて,しかも「DNAバーコード」に一家言をもつ人が他にいればいいんだけどねー.

◆戸越銀座へ —— 午前9時前の時点ですでに29.1度.暑すぎる.南からの熱風が吹くセンター広場を通ってつくば駅へ.行き先は戸越銀座.午前9時過ぎ,つくばは30.2度.めでたく真夏日.都内は……うわ31.0度.先が思いやられる.夏の日本の “正装” は「甚平」か「かりゆし」か「アロハシャツ」の三択しかありえへん.今日は “準正装” を選択した判断はまちがっていなかった.五反田駅で東急池上線に乗り換える.この線に乗るのは初めてのこと.空気が熱気と湿気でもわもわしている.二駅乗って戸越銀座に到着.だいぶ前にアド街で見たけど,戸越銀座商店街は確かに大きいねぇ.午前11時の気温は32.0度.刻一刻と真夏日ラインに接近.駅前のドトールでアイスコーヒー補給.午後のお座敷のイメージトレーニング.

◆[欹耳袋]関東は梅雨明け —— 朝日新聞デジタル「関東甲信で梅雨明け 統計史上4番目の早さ」(2013年7月6日).ぐわー.

◆空調の効いたドトールを出て,炎天下の戸越銀座を通りぬけ,お座敷のある星薬科大までたどり着かねばならぬ.午後1時にこの日の最高気温33.7度を記録.外は暑くて死む.それでもとにかく出撃〜.炎天下をてくてく歩き,横丁をまがってしばらくすると,りっぱなゲートが見えてきた.その奥にはそびえ立つ本館ドームが.星薬科大学到着.築90年という伝統ある本館メインホールが学会会場.神田の学士会館のようなトラッドなたたずまい.館内に階段はいっさいなくて,すべてスロープのみ.一世紀前からバリアフリーとのこと.スロープの壁面には巨大な壁画があり,一方は鹿茸を採る場面.対面の壁には薬草摘みの図柄.このホールは戦火を免れ,昔のままとのこと.本館内の写真をぱちぱち撮りまくるワタクシはただの挙動不審者.学長室となりの部屋でシンポジウムの事前打ち合わせ(というか雑談).

◆本日のお座敷 —— 生き物文化誌学会・第11回学術大会シンポジウム〈学の境界〉,13:35〜16:45@星薬科大学本館メインホール.今年は学会創立10周年とのこと.

    司会:秋篠宮文仁
  • 南雲清二「薬草と宗教」
  • 三中信宏「見ればわかる分類と系統:生物の多様性はどのように視覚化されてきたか?」
  • 遠藤秀紀「看板なき学の提案」
  • パネルディスカッション

これから始まる生き物文化誌学会シンポジウムのタイトルは〈学の領域〉であることを,要旨集を手にして初めて知った.

午後1時半,本シンポジウムの司会・オーガナイザーである秋篠宮文仁殿下の挨拶からスタート.その後はほぼ時間通りに進行し,三つのトークとパネルディスカッション.学の「境界」はないようであり,あるようでないという “鵺” みたいな存在.研究に対する好奇心をどのように育むか.

メインホールの大きさは定員1234名とのこと.星薬科大学の入学式などのイベントはここで挙行される.まるでオペラハウスみたいと思ったら,舞台下にはオーケストラ・ピットまで備わっていた.たいしたものである.上層階の黒カーテンはシンポジウム中は閉じられていたが,終了後オープンに.見上げれば薬草をあしらったステンドグラスが天井を取り巻き,陽光に輝いていた.薬草をあしらったステンドグラスで,戦時中は黒塗されていたとのこと.

◆午後5時前,シンポジウム終了.続く総会は非会員のワタクシには関係ないので退席.炎天下を戸越銀座まで戻り.駅前でちょいとビールなど.午後6時にまた大学に戻り,百年記念館の懇親会に参加.午後10時過ぎにつくば帰還.蒸し暑い夜は夏日ラインをまだ割らない.今日は猛暑と長丁場で,さくっと寝るしか道はない.

◆本日の総歩数=9953歩. 朝○|昼−|夜×. 計測値(前回比)=93.1kg(−1.4kg) / 28.7%(−0.2%)


5 juli 2013(金)※蒸し風呂の経堂出撃で疲弊

◆午前4時半起床.曇り.気温23.6度,南風が強い.むしむし.ときおり雨がぽつぽつ.午前7時半,つくば駅.午前7時の気温はすでに夏日ラインを軽やかに越えて25.5度.蒸し暑い朝,定例経堂出撃.TX車内はお仕事場.しかし,R-3.0.1 for Mac OS X のパッケージ mgcv が「名前空間」エラーにトラップされてしまった…….R更新魔界ははてしない.

◆[欹耳袋]Togetter -「大学における「追い出し部屋」」.このケースは露骨すぎてどうしようもない./J-CASTニュース「「研究環境抜群」東北大はブラック企業 「大賞投票」でワタミに次ぎ現在2位」(2013年7月4日).まあ,開かれたウェブ投票だしねぇ……./朝日新聞デジタル「博士の末に…仕事ない 国の方針で増加、安定就労は半数」(2013年7月5日)

◆蒸し風呂の桜丘にて —— 午前9時,新宿駅.都内は26度台,湿度は90%近い.ぬるいサウナ風呂みたい.神田あたりは小雨がぱらぱら降っていたが,新宿に来たらもう止んでいた.しかし,経堂は雨.じとじとする農大通りを傘をさして歩く.農大キャンパスの紫陽花が見頃に.午前10時半,講義室.エコ農大は蒸し暑いのだ.本日の講義は,変量間の共変動の続きと多変量解析についての解説.

◆農大のお座敷が終わり,蒸し風呂の経堂へ.正午の気温は27.6度,湿度79%.すずらん通りを徘徊するパワーがなく,つくば直帰という選択肢.どこかでエネルギーを補給しないと.午後3時半,つくば着.曇り空.気温28.0度.茨城も都内と張り合う蒸し風呂状態.

◆明日は〈つくいち〉で辛いカレーを食べてから,星薬科大学に出撃しよう.問題は真夏日になるかもしれないとの天気予報.アヤシイ軽装で会場をうろうろしていたら,またしても職質される危険性がある.でも,「粗相のある」服装でもOKとの “勅許” が届いたのでそれに従おう.

◆夜は明日のお座敷のしたくを.まずは,講演スライドの表紙.InDesign からpdf出力して8.8MB.ファイル縮小して840KB.表紙ができれば心安らぐ.午前1時前,12時間後のお座敷のスライドがやっと完成.新しいスライドを何枚も用意したので時間がかかってしまった.持ち時間40分の噺で80枚なので適量だろう.

◆本日の総歩数=12336歩. 朝○|昼◯|夜◯. 計測値(前回比)=94.5kg(+0.1kg) / 28.9%(+0.1%)


4 juli 2013(木)※蒸し暑い本郷にてお座敷を

◆午前5時前起床.曇り空.気温22.8度の蒸し暑い明け方.遠景がもやで白く霞んでいる.まだ雨は降りだしてはいないが,時間の問題だろう.午前10時の気温は25.2度と夏日ラインを越えた.午前11時前,つくば駅.小雨がさらさらと降り始めた.極度に蒸し暑いつくばセンターを横切って,とにかく地下駅に逃げこむ.今日は本郷出撃の日.午後から保全生態学特論の集中講義(最終回).都内も雨になっているのだろうか.

◆[欹耳袋]毎日jp「Listening:記者の目:消える「奇跡の原っぱ」=井上英介(東京社会部)」(2013年7月3日)

◆午前の┣┣" 撃ち —— 岩波『科学』南方熊楠特集の初校ゲラ返送:三中信宏「南方曼陀羅:世界を体系化するある思惟の図像的背景」.南方熊楠の描いた曼陀羅イメージは彼独自のものではなくむしろ普遍的.早田文蔵の高次元ネットワークとの “収斂” が何よりの証拠.宮沢賢治がふたりを結びつける.そして,ウンベルト・エーコの登場./来週の茨大集中講義(後半戦)系統学実習で用いるソフトウェアの動作確認をしている.〈TNT〉はいたるところにかつての〈Hennig86〉の面影が残っていて,Steve の高笑いが聞こえてしまう./農環研の「夏の一般公開」で,かつて農環研夏祭りの恒例行事だった「流しそうめん」が復活するとのこと.ワタクシもその要員に選ばれたらしい.流しそうめんといえば,タイコ.そして音曲だー.

◆[欹耳袋]筑波大学・まちづくりシンポジウム〈公務員宿舎のこれまで、これから~宿舎一斉廃止を考える~〉2013年7月6日(土)13:00〜16:30@エポカル.

◆蒸し暑い本郷にてお座敷 —— 正午過ぎ,東大農学部.弥生キャンパスは雨こそ止んでいるものの,気温25.3度,湿度89%という不快きわまりない空模様.とりあえず三号館の隠れ部屋に潜りこむしかない.午後1時から講義開始.本日の保全生態学概論は「べいづ尽くし」.午後5時前,三週間にわたる生圏システムのお座敷がやっと終わった.

◆弥生キャンパスを抜け,地震研のウラからS坂に出て,〈芋甚〉へ直行.ごほうびは「アベックまめかん」.小倉アイスとバニラアイスがほろほろ崩れる口どけのよさが身上の逸品.塩豆,うますぎる.〈往来堂書店〉を経由して,千駄木からつくば直帰.夜は西武6階の〈浪花ろばた 八角〉にて領域の暑気払い.

◆本日の総歩数=9843歩. 朝○|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=94.4kg(−0.4kg) / 28.8%(−1.2%)


3 juli 2013(水)※今週唯一の観音台実在平日

◆午前5時前起床.曇り.気温19.4度.東風がひんやり.曇り空の観音台.午前8時の気温は21.9度.南風.今週は今日しか農環研に実在しない.次に来るのは一週間後の水曜なので,所内でしかできない┣┣" 撃ちを優先する日.

◆午前の┣┣" 撃ち —— じたばたとドイツ出張伺を提出だん.あわてるといろいろまちがえて右往左往する./先月末にヨーン本の翻訳初校ゲラがどーんと着弾して以来,ほかの本や雑誌のゲラが誘引されてきたようで,大小とりまぜて三頭が隔離┣┣" 施設に封印されている.いずれも今週中に放流しないと./岩波『科学』8月号の南方熊楠特集に寄稿したワタクシの記事「南方曼陀羅:世界を体系化するある思惟の図像的背景」も遅れ馳せながらゲラ着便.こちらは図版がちゃんとしていれば問題なしだろう./慶應義塾大学出版会から出る予定の『生命の教養学・第IX巻』に寄稿した「成長と進化思考」のゲラもすでに届いている.

◆[欹耳袋]My News Japan「早大が「授業上限週4コマ」強行、「非常勤5年でクビ」に追い打ち 講師15人が鎌田薫総長を告訴」(2013年7月3日).記事の中で「専任教員は学内の複雑で煩雑な事務作業や会議などを抱えていますから、かならずしも報酬を直接比較はできないかもしれません。しかし、そのような事情を考えても、非常勤との差はありすぎます」という発言が引用されている.しかし,これについては,常勤と非常勤での労働総量と対価の客観的比較が必要だろう./池田信夫 blog part 2「非常勤講師という被差別民」(2013年6月22日).「私も非常勤講師をしているが、同じような仕事をしながら大学ほどひどい差別をしている職場はないだろう。授業が90分で、1コマ7000円だ」- 最底辺はもっと安いよ.もうひとつ:「准教授になったら全員がテニュアを得るので、授業のノルマさえこなしていれば研究する義務もなく、職階がないので出世競争もない」- 一般化された妄想は無敵である.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 昼下がりの分岐年代推定に関する質問タイム.ゲノム研究チームには系統樹の「達人」が一人はいないと困るという話.一仕事が終わり,ふと外を見たら,曇り空が険悪な表情に変わってきた.観音台はいまのところまだ降りだしてはいないようだが.昼休みに27.2度まで上がった気温は,午後2時には25.1度に.

◆[蒐書日誌]訳本タイトル決定 —— キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか 』(2013年8月刊行予定,NTT出版,東京 → 目次案).訳本の書名が正式に決まった.初校ゲラはすでに先月末に手元に届いているので,残る作業はそのチェックと「訳者あとがき」をさくっと書くのみ.

◆珈琲豆を買い出しに洞峰公園の〈Coffee Factory〉まで.本日のカプチーノの図柄は白鳥だった.夕暮れの竹園に小雨がぱらぱら降りだす.湿度が高くて蒸し暑い夜を迎える.

◆本日の総歩数=3991歩. 朝○|昼◯|夜△. 計測値(前回比)=94.8kg(+1.8kg) / 30.0%(+0.6%)


2 juli 2013(火)※千波湖のほとりで朝を迎え

◆午前4時過ぎ起床.曇りところどころ晴れ.気温19.7度.昨日の水戸は蒸し暑かった.今日も不快指数が高いかも.明け方に広がっていた雲はそのうち消え,青空が広がってきた.もうすぐ朝ごはんの時間.水戸納豆食いまくり.しばらく来なかったうちにJR水戸駅前は大きく様変わり.とくに南口側の再開発がめざましい.

◆[欹耳袋]茨城大学水戸キャンパスのすぐ前にある〈金澤留造酒店〉はタダモノではない.この日本酒の品揃えはすばらしい.ということで,昨日は佐賀の〈七田〉純米おりがらみ無濾過をゲット.生酒なのでホテルの冷蔵庫で氷温貯蔵.

◆茨大出撃(二日目) —— 午前9時過ぎ,ホテルをチェックアウトして,バスに揺られて茨大へ.朝から暑いぞ.見上げれば夏空.午前10時前に大学到着.講義室にて,高座前にUSBファイルにソフトウェアをコピーしまくる.MEGA, MrBayes, TNT, Mesquite はインストールの問題なし.ところが PhyloWidget はJava エラーが頻発してお蔵入り(泣).R 本体とパッケージ群のインストールも大丈夫だったが,RStudio はダメな学生がいて,これまたお蔵入り.午前中はインストール作業でほぼ終わってしまった.

◆午後の高座 —— 夏日ラインを越えた昼下がりは,系統推定論の本丸へ.MEGA を例に取りつつあれこれ解説を進める.気がつけば午後4時を過ぎ,今日の講義はオシマイの時刻が近づく.昨日と今日で前半戦の「系統分類学特講」は終わり,後半戦「系統分類学特別演習」は来週の月曜と火曜に予定されている.今日インストールした系統推定ソフトウェアを使いまくるつもり.

◆スーツケースをひきずってバスに半時間乗って水戸駅へ.駅ビル「エクセルみなみ」内のビアバー〈true brew〉にて電車待ち時間のひと休み.ここは常陸野ネストビールの木内酒造直営店.お疲れなワタクシへのごほうびは常陸野ネストビール「ホワイトエール」樽生.蛸のマリネをちょいと.続いて、常陸野ネストビール「エキストラハイ」樽生.岩のりのフリットとともに.ふー.

◆[蒐書日誌]清水真木『忘れられた哲学者:土田杏村と文化への問い』(2013年6月25日刊行,中央公論新社[中公新書・2222],東京,x+242 pp., ISBN:978-4-12-102222-6 → 目次版元ページ

◆水戸発の常磐線各停に乗ったのは午後6時,土浦には午後7時前.しかし,路線バスの接続が悪く,つくばセンターにだとり着いたのは午後8時過ぎだった.県内移動なのにこんなに時間がかかるとは.

◆本日の総歩数=6958歩. 朝○|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


1 juli 2013(月)※七月の幕開きは水戸の高座

◆午前4時半過ぎ起床.七月の始まりは鮮やかな朝焼けとともに日の出.雲は多め.気温19.4度.夜明けの┣┣" 撃ちはプチ旅支度とメーリングリストの月例アナウンス送信.

◆水戸のお座敷へ —— ひさしぶりに土浦から下りの常磐線に乗る.出張伺には毎度毎度「牛久」から常磐線で出張することになっているが,もう何年も乗っていなかった.車窓に広がる水田と蓮田を眺めながら,一時間弱で水戸に到着.今日と明日は茨城大学理学部にて集中講義.同じ県内でも水戸に行く機会はほとんどない.時間があったので,水戸駅スタバへ.茨大行きバス待ちのすきま時間に書評原稿を一本仕上げて,編集部に送信完了.

◆茨城大学ふたたび —— その後,路線バスで茨城大学へ.駅から30分ほどかかった.こんなに遠かったか.茨城大学キャンパス内は図書館の大改築工事の真っ最中だった.理学部の建物へ直行.過去の悪行録を確認したところ,前回ここ茨城大学に非常勤講義に来たのは,20年前の1994年5月のことだった(茨城大学理学部生物学科「生物学特講II」1994.5.19-20.かつてはぼろぼろの建物だった記憶があるが,大震災後かなり大規模に改修されたようで,昔のおもかげはまるでなかった.

今回の集中講義は今週の「系統分類学特講」ならびに来週の「系統分類学特別演習」のふたつ.受講生は修士一年が数名とのこと.午前10時半から講義開始.午前は生物体系学概論.体系学の二本柱である分類学と系統学について話をした.

◆ランチは大学構内を出てすぐのところにある定食屋〈ぽんぽこりん〉にて.本日の定食は「ささみしそカツとエビフライ定食」のひとつだけ.学生500円/勤め人600円.水戸地方は薄曇り.昨日よりも蒸し暑い.

◆午後1時から講義再開.系統学に焦点を絞り,写本系統学などを例にとって,時間的な継承関係をいかにデータから推定するかについて話した.休憩をはさんで,分類と系統の関係,とくに「種問題」にからむ形而上学の論争.その後,過去半世紀の生物体系学論争を概観し,科学者コミュニティーの動態と科学哲学との関わりについて話したところでタイムアップ.

◆本日のお座敷を終え,JR水戸駅前のホテルにチェックイン.水戸の日中の最高気温は夏日ラインを少し越えただけだったが,湿度が高かったせいか蒸し暑かった.一休みして,夜の街へ出撃.駅前北口の〈かしの木・千〉にて懇親会.どうもありがとうございました.今夜ワタクシが耳にしたことの大半は聞かなかったことにしよう.午後11時過ぎホテル帰還.明日も長丁場のお座敷が朝からある.

◆本日の総歩数=9881歩. 朝○|昼◯|夜×. 計測値(前回比)=93.0kg(+0.3kg) / 29.4%(−0.3%)


--- het eind van dagboek ---


[sinds 19 april 2007]