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日録2013年3月 


31 maart 2013(日)※朝風呂とオーシャンビュー

◆夜明け前の北川温泉にて目覚めの朝風呂.暗闇から波の打ち寄せる音だけが響いてくる.午前4時の気温は8.6度@網代.北東風やや強し.いま伊豆中部に雨雲がかかっているようだが,露天風呂に入っていても雨粒はぜんぜん感じられなかった.しかし,窓ガラスが濡れていたので夜中に降ったのかもしれない.早朝のロビーにてコーヒーをしっかり充填しつつ読書三昧.

◆[欹耳袋]東京新聞「関東最大級 古書30万冊ズラリ 茨城・土浦 22店協力 あすオープン」(2013年3月30日).〈つちうら古書倶楽部〉が本日オープン! 行ってみないと.

◆温泉宿で温泉本 —— 北川温泉にて田山花袋『温泉めぐり』(2007年6月15日刊行[初版1926年],岩波書店[岩波文庫・31-021-7],東京,380 pp., ISBN:978-4-00-310217-6 → 版元ページ)をさくっと読了.伊豆箱根から始まって,上州草津伊香保の温泉群を縦断.紀伊半島から兵庫,北陸・能登を抜けて青森までぐるっと遠征.さらに,山陰を経て九州にいたる.別府・霧島の温泉めぐり.朝鮮と満州の温泉まで載っているのは彼の地が当時の “日本領” だったからだ.

◆[欹耳袋]Colorless Green Ideas「大学院をやめました」(2013年3月30日).参照:はてなブックマーク「大学院をやめました|Colorless Green Ideas」.その決断に対して「新たな道に幸多かれ」とワタクシは言う.ワタクシが博士課程に進もうと,当時の指導教官に相談に行ったところ,「この研究室の博士に進んでも就職はできません」&「ご実家はキミを支え続けることは可能か」とかなり真剣に言われたことを思い出した.まったく根拠のない自信とおそるべき楽観主義だけが博士課程進学の決断をさせたのだろう./ある地方大学元学長のつぼやき「加速する大学の2極化と地方大学(その4)ーではどうすればよいのか?」(2013年3月29日).「Xday」って……

巻末の亀井俊介の「解説」を読むと本書はもともと温泉ガイドブックのような本だったらしい.田山花袋の「温泉評価基準」はかなり厳しいようで,有名な温泉地であってもバッサリと切り捨てている.それにしても,著者は “湯分” だけでなく “鉄分” もそうとう多い.随所の欄外に書き込まれている交通ガイドは当時の鉄道敷設の進み方がわかっておもしろい.彼の “鉄分” は本書以前にすでに大ブレイクしていた:田山花袋『[復刻版]田山花袋の日本一周』(2007年12月19日刊行[初版1915〜1917年,博文館],東洋書院,東京)すなわち:「前編:東海・近畿」(復刻版 ISBN:978-4-88594-400-1|元本:大正3年4月8日刊行)|「中編:中国・九州・四国」(復刻版 ISBN:978-4-88594-401-7|元本:大正4年5月4日刊行)|「後編:関東・東北・北海道」(復刻版 ISBN:978-4-88594-402-4|元本:大正5年8月5日刊行)|別冊付録『大正四年版「時刻表」』.

◆[系統樹曼荼羅]本日の集音:覚え書き「三中信宏『系統樹曼荼羅』」(2013年3月30日).

◆午前10時半,伊豆熱川駅.これから伊豆高原へ.曇り空がしだいに明るくなってきた.伊豆高原駅は賑わっていた.吹く風が涼しい駅前は露店が並んでいる.オカリナやカリンバの店もある.分譲別荘地内にある〈二本松〉にてとても海鮮な昼食の後,真昼間のそぞろ歩き.再び伊豆高原駅から特急に乗る.午後3時半,伊東駅通過.非日常から日常への帰路.背徳から非背徳への復帰.湯河原を通りすぎて,踊り子号はさらにひた走る.横浜駅通過.プラットフォームを見渡すと,今日は “冬服” の人が多いような.午後7時前,つくばっく.夕暮れの気温が5度台の寒さなんですけど…….夜は竹園の〈本橋ワイン食堂〉にてワインをあおる背徳の夜が更けゆく.

◆[欹耳袋]研究者キャリアにおける「公表バイアス」って隠然たる影響力があると思う.成功例と同じくらい失敗例はあるにちがいない.ただ,それは成功例ほどオモテには出ないと思う.どういうふうに「失敗した」のかを知ることは実は重要なことだ.研究職キャリアにおける「失敗例」がもっとはっきり示されれば,後進の将来設計への影響力は無視できないはず.研究者を志望する後進を encourage することは大切だけど,discourage な事例を知らせないのは不公平だろう.成功例は(本人自身が)声高に公表しても,失敗例は(陰の声が)裏声でつぶやかれるのみ.

—— 本日3月31日をもって研究職キャリアの「けじめ」をつけた研究者もおられると思う.長年お疲れさまでした.研究者は華やかに生きるべきだ.

◆本日の総歩数=11524歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


30 maart 2013(土)※そうだ,伊豆熱川へ行こう

◆午前5時過ぎ起床.曇り空.気温6.0度.北風ひゅー.午前7時,気温6.1度.北風が寒すぎる.そうだ,いますぐ温泉に行こう.

◆[欹耳袋]オープンアクセス誌のコスト —— Nature | News Feature | Open access: The true cost of science publishing | 27 March 2013.科学的知識を “共有” するために支払うコストが,高ければ論文あたり五千ドルもかかるというのはムリがあるなあ./「統計思考院」ってあまりにカッコよすぎて悶絶する件 —— 統計数理研究所の統計思考院では特任研究員を募集しているらしい.もし「思考」するだけで給料がもらえるのなら,今すぐにでも「統計思考員」になりたいな.「統計思考院」の職員は「統計思考員」.日々,統計についてはひたすら「思考」すること “だけ” が本務.上級統計思考員になれば,陰陽師のような必殺統計ワザが使えるようになるとか.「〜思考院」ってもっと流行らないだろうか.名刺の肩書きに書くのがちょっと緊張するかもしれないけど.

◆伊豆熱川への湯煙プチ旅 —— 旅支度をしてつくば出発.昨日からは想像もできない肌寒い曇り空.午前11時,東京駅にてスーパービュー踊り子号に乗る.都内もうすら寒い冷気に沈んでいる.気温8.5度.いくらなんでも寒すぎる.田山花袋『温泉めぐり』(2007年6月15日刊行[初版1926年],岩波書店[岩波文庫・31-021-7],東京,380 pp., ISBN:978-4-00-310217-6 → 版元ページ)の冒頭の一節:「温泉というものはなつかしいものだ」に惹かれて南へ南へ.最初に箱根伊豆の温泉地が登場する.この地域の鉄路がまだ敷設途中だった時代の温泉紀行.東伊豆は熱海の先の線路がまだなくて,船や乗合を使って移動したらしい.

正午過ぎ,熱海着.垂れ込める雲に霞む熱海の海.旅路はさらに南へと続く.伊豆熱川駅にて下車.旅館の送迎バスに乗ってチェックイン.ロビーから見わたすかぎり絶景のオーシャンビュー.潮騒の音がBGM.曇天だが雨の気配はない.

◆[蒐書日誌]Ullica Segerstrale『Nature's Oracle: The Life and Work of W. D. Hamilton』(2013年2月刊行,Oxford University Press, Oxford, ISBN:978-0-19-860727-4 [hbk] → 版元ページ著者サイト).長らく待たれていた理論進化学者 William D. Hamilton の伝記.ハードカバー版はどこの国でも「temporally unavailable」だったが,本国のイギリスだけはちゃんと在庫があってよかった.即発注完了.参考:shorebird - 進化心理学中心の書評など「書評「Nature’s Oracle」」(2013年3月22日).

◆夜の背徳チョイス:〈磯自慢〉〈初亀〉〈正雪〉の三点セット.いずれも純米吟醸と本醸造あり.あ,お風呂お風呂.とりあえず〈初亀〉の「富蔵」から登攀し始める.伊豆の海岸に立つ旅館なので,打ち寄せる波の音が館内に反響している.

◆本日の総歩数=3395歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=93.3kg(−0.4kg) / 29.6%(−0.1%)


29 maart 2013(金)※花曇りの農林団地は桜満開

◆午前5時前起床.気温14.4度の暖かい夜明け前.午前6時.曇り空から小雨がぽつりぽつり.昨日のような濃霧ではないが,靄がかかっていて遠景が白くにじんでいる.曇り空の観音台は,午前8時の気温が15.1度と,天候的にまったく緊張感のないゆるゆるな朝を迎えている.今日は三月最後の平日なので,堆積している事務書類残務┣┣" どもを一掃処分しようと固く決意.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 日頃放置していた事務仕事┣┣" を年度末にかためて蹴っ飛ばす悪癖は何とかしないといけない.本日は絶讃年度末につき,年度内のすべての事務書類を Dropbox に放り込んでいる./Dropbox への自動格納のあいまに,来年度の大学出講関係書類の┣┣" 撃ち準備.とりうえず封筒別に各大学からの事務文書(神)を分別する.出講予定先の全9大学のうち6校までは本日中に兼業申請書類を出すつもり./勢いで4月のカレンダーにしてしまった.とりあえず,原稿を書く時間は確保できそうな雰囲気だが.

◆[欹耳袋]しんぶん赤旗「大学非常勤講師 5年雇い止めに“待った”/琉球大で撤回 首都圏でも活動広がる/労組「法の悪用させない」」(2013年3月29日)./田中龍作ジャーナル「大学で吹き荒れる「雇止め」の嵐 法改正のトバッチリ」(2013年3月28日).

◆正午の気温16.5度.花曇りの観音台は桜が満開で,暖かさに誘われて多くの花見客で賑わっていた.ひさしぶりに〈おはん〉にてほっけ焼き定食をいただいてから,農林団地の外周をプチ徘徊.:長谷川郁夫『われ発見せり:書肆ユリイカ・伊達得夫』(1992年6月15日刊行,書肆山田,東京,253 pp., 本体価格2,000円,1095-1278-3424 → 版元ページ)読了.

◆[欹耳袋].net | The top 20 data visualisation tools | 17 Sept 2012 “From simple charts to complex maps and infographics”

◆午後の┣┣" 撃ち —— 来年度に出講予定の6大学について,それぞれ兼業申請書類をつくっては農環研事務に提出し,他方で各大学宛に返信書類を書いていたらもう夕方近くになってしまった.まだ,出講依頼が届いていない三つの大学は後回しにして,とりあえず年度内にケリをつけたというみなそう./講師給に関する事務書類フォーマットは顔つきが一様なのでラクなんだけど,交通費支給申請の書類が大学ごとに事細かに書かせるのでとても消耗した.バス停間の距離なんか「オマエが測れ」って感じで華麗にスルーして返送完了.関鉄バスさん,ウェブサイトに「料金表」を公開するように.バス料金「不明」と事務書類に書かねばならないのはアヤシすぎる./昨日の個人面談で,幸いにして個人業績報告書は reject されなかったが,レフリーコメントに対応して minor revision する必要がある.しかし,今日はもうその気力がぜんぜんありまへんので,来週の新年度まわしとすることに自分会議で決定.

◆[欹耳袋]archief voor stambomen -「The Genealogical World of Phylogenetic Networksこのブログを開設しているのは,系統ネットワーク新刊書:David A. Morrison『Introduction to Phylogenetic Networks』(2011年12月刊行,RJR Productions, Uppsala, vi+216 pp., ISBN:978-91-980099-0-3 → 目次版元ページ[pdf: open access])の著者.

◆午後4時過ぎ,そろそろ今月の平日┣┣" 撃ちはこれにておしまいにするかなー.昼前は18度近くまで最高気温が上がり,絶好のお花見日和だった.しかし,夕方になって冷たい北東風が強まってきた.午後5時の気温は12.6度.さくっと撤収.

◆北東風がひゅーひゅーと吹きすさぶ,ちっとも春らしくない夜.

◆本日の総歩数=7796歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(+0.6kg) / 29.7%(−0.3%)


28 maart 2013(木)※桜並木と菜の花畑の昼休み

◆午前5時前起床.気温8.3度.今朝の霧筑波は尋常ではない.外界が真っ白にぼやけている.こういう濃霧の日は交通事故がヤバい.明け方の濃霧は消え去って今は曇り空が広がる観音台.午前8時の気温は9.4度と上がったきた.北寄りの微風.今日は20度近くまで暖かくなるとの予報.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前10時過ぎから今年度の業績に関わる所内個人面談を一時間ほど.統計学は最強の学問である,という線で業績報告の改定が必要になった.

◆[欹耳袋]ネイチャーふたつ —— Nature | Investigating journals: The dark side of publishing | 27 March 2013.オープンアクセスで研究者を釣り上げるプリデーター雑誌の罠.こんなにたくさん「ワルいジャーナル」が学界にうようよしているとは思わなかった.オープンアクセス誌は「高い掲載料を払うものである」というしかたない同意事項がワルモノ雑誌を惹きつけのだろうか./Nature | Sham journals scam authors | 27 March 2013.むー,これはオープンアクセス誌への “だまし釣り” というよりはむしろ “ピュアな詐欺” ですな.

◆暖かに春霞に包まれる農林団地は桜と菜の花がちょうど見頃になった.昼休みの気温は18.4度と冬の寒さだった昨日よりも10度以上も高く,濃密な菜の花の香りが実験圃場に漂っていた.桜は満開ではないがクライマックスは時間の問題だろう.昼休みの農林団地.桜と菜の花のツートンカラーは毎年この季節ならではの農林団地の風景だ.菜の花畑を縫いながら歩き読み:長谷川郁夫『われ発見せり:書肆ユリイカ・伊達得夫』(1992年6月15日刊行,書肆山田,東京,253 pp., 本体価格2,000円,1095-1278-3424 → 版元ページ).原口統三や稲垣足穂や島尾敏雄が登場する.

◆[蒐書日誌]「距離概念」のエンサイクロペディア(改訂版) —— Michel Marie Deza and Elena Deza『Encyclopedia of Distances, Second Edition』(2013年刊行,Springer-Verlag, Berlin, xviii+650 pp., ISBN:978-3-642-30957-1 [hbk] / ISBN:978-3-642-30958-8 [eBook] → 版元ページ著者サイト).旧版である「Dictionary」:Elena Deza and Michel Marie Deza『Dictionary of Distances』(2006年10月刊行,Elsevier,Amsterdam, xvi + 391 pp. + 4 color plates, ISBN:978-0-444-52087-6 → 目次版元ページ)が増補改訂されて「Encyclopedia」の初版が出たのが2009年.それがさらに改訂されて第二版となった.その結果,ページ数が1.5倍も厚くなった.

◆[欹耳袋]働く母親への圧力が尋常ではない日本 —— BBC News | Japan: The worst developed country for working mothers? | by Rupert Wingfield-Hayes | 22 March 2013.

◆[蒐書日誌]昨日の車中読了本 —— 石田戢・濱野佐代子・花園誠・瀬戸口明久『日本の動物観:人と動物の関係史』(2013年3月15日刊行,東京大学出版会,東京,vi+274 pp., 本体価格4,200円,ISBN:978-4-13-060222-8 → 目次版元ページ).本書は,現代の日本人と動物との関わり方とその背後にある動物観の様相を「四つの切り口」から光を当てている.以下,それぞれについてまとめておく:

  1. 「第I部:家庭動物」(濱野佐代子):日本人とペット(コンパニオンアニマル)との関わりをとりあげる.ワタクシ的にはこれまでペットを飼った経験がほとんどないのでピンとこないが,人と動物との関わりを “心理学的” に研究する分野があることを知った.ペットを「家族の一員」とみなす日本人が過半数だが,そのことがペットに対する “しつけ” のなさにつながると指摘されている.なお,続く第II部で花園誠は,同じペットであってもイヌとネコでは “地位” がちがうと述べている(pp. 122-123).イヌは “ソト” につねにいて人間と行動するが,ネコは社会性がないので “ソト” と “ウチ” を行き来してしまう.民話の世界で,イヌはけっして化けないが,ネコは化ける由縁はそこにある,と.

  2. 「第II部:産業動物」(花園誠):日本の伝統的な畜産と肉食に関する論述.とてもおもしろい.明治以前の日本は動物を喰いまくっていたらしい.著者は言う:「「日本の食文化は伝統的に「魚食・米食」であって,いわゆる「肉食の文化」はなかった,とのイメージが非常に強い.しかし,文献や資料をひもとくと,公には禁忌とされ中央から追いやられたために,文字情報として残された記録こそ少ないが,日本から肉食の文化はけっして消えることがなかった史実が随所にうかがえる」(p. 82)」.その上で,アイヌやマタギの伝統的生活をふりかえることにより,肉はもちろんのこと,内臓から “糞” まで喰っていたかつての食習慣に光が当てられる.統治者や宗教界が何を言おうが「肉」を喰い続けた日本人.ただし,人と動物のあいだの “見えざる境界線” が現在にいたるまで厳然として「ある」こともまた事実と著者は指摘する(第5章).それは,屠畜をめぐる歴史的経緯や東日本大震災の避難所でのペット持ち込み問題などに際して表面化している.

  3. 「第III部:野生動物」(瀬戸口明久):“野生” をキーワードとして,いまや定説となった「日本人の動物観」観にメスを入れる:「これまで「野生動物問題」においては,「日本人の動物観」と科学的な野生動物管理とのズレがしばしば問題にされてきた.日本人は人間と動物の境界が不明確であると考えていて,動物に対して「情緒的」な感情をもっている.それに対して,西洋人にとって動物とは人間が利用するために神から与えられた存在であり,人間より下位の生きものである.そのため欧米では野生動物管理学など科学的な手法を用いて動物を管理しているのに対して,日本では合理的に野生動物を管理するという発想がなかなか定着しない.このような「日本人の動物観」論はほとんど定説になっている」(p. 146).著者は,日本人の動物観は「固定的で不変的なものではなく,ダイナミックに変容する多様な価値観」(p. 150)という対極的な見方を提示する.著者は「野生動物」という概念自身が1930年代のアメリカで「野生動物管理学」の登場と同調して出現したことを指摘する.その一方で,日本における動物観を批判的に検討するならば,「多様な動物観が,社会的ネットワークのな化に組み込まれているなモデル」(p. 154)が必要になるだろうと示唆する.続く二つの章で,著者は「野鳥」と「野猿」をそれぞれとりあげて,日本人にとっての “野生”(ならびに対概念としての “人為” ) とはどのような意味をもってきたのかについて考察を進める.トキやコウノトリが徹底的に “人為” 的操作されているにもかかわらず “野生” であると日本人がみなす理由は何か,在来生物と帰化生物における “野生” と “人為” の線引きのあり方など現代の保全生物施策と新入外来種問題にもつながる内容を含んでいる.個人的には最後に挙げられている「ゲノム時代の動物観」(p. 185)すなわち表現型ではなく遺伝子レベルで “野生” を見分けようとする考えの広まりがとても気になった.

  4. 「第IV部:展示動物」(石田戢):動物園における “見世物” としての動物の話.トピックスとしてはおもしろいのだが,ややツッコミが足りないように感じた.

—— それぞれの著者の担当する分野ごとにがまとまったページを割いて書かれていて,単なる論考の寄せ集めではない充実した読後感がある.

◆今日はお花見日和の一日だった.夕餉には岐阜〈三千盛〉の純米大吟醸・活性にごり酒を開栓.活性にごりの封を切るときはいつもどきどきするが,今回はおとなしめ.活性にごり酒とはいえ,噴水のように吹き出すわけではなかった.それでも,手羽先の煮物とかスコッチエッグなど肉系おつまみにぴったり.ビールをうぐうぐするくらいだったら,活性にごり酒を ugug しよう.

◆[欹耳袋]科学技術政策研究所「大学名英語表記ゆれテーブルの公開について」.正式名は「京都大学=Kyoto University」とか「東京大学=The University of Tokyo」なのに,表記の “変異” がいろいろある.

◆本日の総歩数=12172歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(−0.3kg) / 30.0%(+0.1%)


27 maart 2013(水)※神楽坂にて春の宵闇を満喫

◆午前5時起床.気温6.1度.冷たい雨が降っている.観音台は午前8時の気温が5.0度と冬のような寒さ.今日はずっと雨が降り続くようなので,花見にはちと不向きかも.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「水族館イワシに迫る危機 「緊張感を」マグロ軍団投入へ」(2013年03月26日) ※安住の水族館なのに「たるんでいる」とか「緊張感がない」とか尻を叩かれる水槽イワシたちが哀れでならない.“他魚事” とは思えない…….

◆午前の┣┣" 撃ち —— 気ぜわしく来月の新年度カレンダーを覗き見してはならぬ.見たからといって┣┣" がいなくなるわけではない./居室を閉めきって・照明を落として・電話線を抜けば,きっと仕事が捗るにちがいない.新年度の兼業申請書類がうず高く積み上がっているが,いまはどうしようもない.新学期から東京農大に毎週通うときには,通過する小田急の下北沢や世田谷代田はもう “地下” に潜っているわけね./午前10時半から所内の領域会議を一時間ほど.この空模様じゃ昼休み徘徊は断念するしかない.

◆霧雨が降り続く観音台.午前11時の気温は6.4度と春はいったん遠のいた.今日は統計学者 Karl Pearson の誕生日なので, “陰険” で “狷介” な統計学を想う日.カール・ピアソンとかロナルド・フィッシャーがもしも同僚だったら,かなり “ブラック” な職場になること疑いなし.居室ひきこもりのお昼休みも仕事は続く.農環研ウェブ高座の第8回連載原稿の revision 完了.Statistics without tears!

◆午後の┣┣" 撃ち —— 日に日に堆積している残務事務書類を必ず今年度中に処理せよとの御下命あり.嘔吐ぽいえー死す;ワタクシ,阿呆ざんす(orz).

◆[欹耳袋]自宅のミニクリプトン球がこれまで頻繁にキレ,先日ついにワタクシもキレ,袋田の滝から飛び降りる思いで代替LED電球に全取っ替えした.とても明るくて当分キレる心配はなさそうなので,ワタクシもキレずにすみそう.LED電球は定価がめっちゃ高いけど,通販だと1/3くらいの値段で買えることもある.ありがたやありがたや.

◆夕暮れの神楽坂 —— 午後4時前,TXで都内出撃.雨は上がっているようだ,都内はどうだろうか.午後6時,神楽坂.雨上がり.夕闇の横丁に入り込み,飲み屋や料亭を横目にして理科大キャンパスへ到着.午後6時半から計量生物学会理事会.お弁当を食べながら(ちくまさん,蕎麦とパスタはきちんと “分類” しましょうね).今夜は議題が多くて,午後8時過ぎにやっと解放された.桜が満開の神楽坂.情緒のある裏の坂道に後ろ髪を引かれつつも直帰.ワタクシを東京理科大・神楽坂キャンパスに赴任させるとエラいことになりまっせ.

◆先日の居室お掃除で,10年ほど前に British Library から取り寄せたまま行方不明になっていた論文コピーが堆積層の下部から出土した:Serge G. Kiriakoff 1960. Filosofische grondslagen van de biologische systematiek. Natuurwetenschappelijke Tijdschrift, 42: 35-57.「生物体系学の哲学的基礎」というタイトルのこの論文,本文はフラマン語だが,随所にフランス語・ドイツ語・英語がいりまじっている.

◆明日もまた雨が降るらしい.三寒四温とはいえ,日々の服装の選択にとても困る.昼休み徘徊もできやしない.

◆本日の総歩数=7138歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.4kg(+0.5kg) / 29.9%(+0.1%)


26 maart 2013(火)※農林団地はお花見が最高潮

◆午前5時前起床.雨はもう上がっているようだ.でも,気温1.2度って寒すぎる.筑波山の頂上付近が白く雪化粧.お米を研ぎます夜明け前.お米を研ぐたびに水木しげるが描く妖怪〈小豆洗い〉を思い出す.「しょきしょき〜」と小豆を研ぐ妖怪.しょきしょき〜.すっきり快晴の観音台は朝日がさんさんと降り注ぐ.今朝の最低気温は氷点すれすれの0.1度まで冷え込んだ.そのせいか午前8時になっても5.2度までしか上がってこない.桜はいい感じに開花しつつある.お花見日和なので今日の農林団地は終日混雑するだろう.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 農環研ウェブ高座の原稿書いてます書いてます.進みません進みません….すみませんすみません(orz).

◆[欹耳袋]観念論形態学と系統学 —— 20世紀初頭に流行した「観念論的形態学(idealistische Morphologie)」が進化的思考との “両立” を目論んだと Olaf Breidbach が言っている.Werner Kunz『Do Species Exist?: Principles of Taxonomic Classification』(2012年9月刊行,Wiley-VCH Verlag, Weinheim, xxxiv+245 pp., ISBN:978-3-527-33207-6 [hbk] → 版元ページ著者サイト)に寄稿した「序文」の中で,Olaf Breidbach は次のように述べている:

「リンネにとってすべての種は神によって創造されたものだった.自然がそのような創造の所産であるならば,いかなる自然物も絶対的な秩序化のスキームの反映である.体系学とはこのスキームを描き出すことにある.…… このような創造説のスキームと絶えず変化するダーウィン的世界の考えとは相容れない.しかし,20世紀初頭の観念論的形態学はまさにそれをやろうとした.彼ら観念論的形態学者が構築した論理的スキームの大筋は Willi Hennig によって継承された.Hennig は適切な分類構築のための抽象的パターンを求めたが,それを進化過程の歴史的復元と統合することには関心をもたなかった.Hennig の思想を受け継いだ分岐学は現在ではDNA塩基配列の分子系統解析の概念枠を形成している.しかし,論理的に矛盾のないスキームを生物集団の進化に当てはめようとすると問題が起こる」(Werner Kunz 2012. Do Species Exist?: Principles of Taxonomic Classification. Preface, p. xii)

要するに,生物体系学における「die logische Ordnung」ということばのもつ意味が実は予想以上に重要ということだ.

◆正午の気温10.7度.よく晴れていても空気は冷たい花冷えの昼休み.今日のお昼は所内の領域お花見ランチ.中庭にシートを広げてお弁当をいただきました.農環研構内の桜は今が見ごろ.

◆[欹耳袋]カレントアウェアネス・ポータル「論文単位でのインパクト指標に対応した横断検索サービス「論文検索Qross」ベータ版がリリース」(2013年3月25日).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 農環研ウェブ講座 「農業環境のための統計学」第8回「記述統計学と推測統計学:世界観のちがい」の原稿を提出完了.母集団の分散推定にからめて,記述統計学と推測統計学の “世界観” のちがい,自由度が登場する舞台設定,Rによるシミュレーションなど.公開は来月はじめの予定.一休み.こういうときに “正しく寝られる” おふとん一式が研究室にあれば仕事効率が有意に上がるにちがいない.

◆[蒐書日誌]統計数理研究所〈統計科学のための電子図書システム〉.増山元三郎『少数例のまとめ方』,奥野忠一『農業実験計画法小史』,『21世紀の統計科学(全三巻)』などなど.趣旨は「絶版等で手に入らなくなった統計科学の理論及び応用に関する書籍を電子化し, 広く社会に公開することにより, 統計科学の一層の発展と実社会への普及をはかりたい」とのこと.すばらしすぎる!

◆[欹耳袋]カレントアウェアネス・ポータル:菊池信彦「CA1790 - 若手研究者問題と大学図書館界―問題提起のために―」(2013年3月20日)ならびに反響ツイートのまとめ:Togetter -「大学院出たあとも図書館を使わせて!」.

◆夕暮れ前の午後5時過ぎに撤収.今日の最高気温12.4度.桜の季節にしては東風が冷たかった.お花見の夜は,石川・羽咋にある御祖酒造の〈遊穂〉の季節もの「花さかゆうほ」を開栓.BY24・純米吟醸生・うすにごり.アルコール度数は18度近くあってかなり高い.うっすらにごって,すっきり微炭酸のコワい新酒.飲み過ぎたらたちまち成仏できる.いまの季節はいろいろな蔵元から “お花見酒” が出ている.

◆本日の総歩数=3856歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(+0.2kg) / 29.8%(−0.2%)


25 maart 2013(月)※冷たい雨が降り続く週明け

◆午前4時半起床.気温7.9度.お米研ぎます夜明け前.曇りときどき小雨がそぼ降る観音台は午前8時の気温が7.6度と肌寒い.今日の空模様だと農林団地の「お花見渋滞」は回避できるだろうな.そういえば,今朝,つくばセンターあたりを袴姿の女性を見かけたが,今日は生憎の雨空の中,卒業式があるわけね.

◆[蒐書日誌]本郷から一冊お送りいただきました —— 石田戢・濱野佐代子・花園誠・瀬戸口明久『日本の動物観:人と動物の関係史』(2013年3月15日刊行,東京大学出版会,東京,vi+274 pp., 本体価格4,200円,ISBN:978-4-13-060222-8 → 目次版元ページ).現代の日本人と動物との関わり合いを「家庭動物(ペット)」,「商業動物(家畜)」,「野生動物」,そして「展示動物(動物園)」の四つの切り口から論じ,それぞれをひとりの著者が担当している.過去の日本人と動物との関係については,たとえば中村禎里『日本人の動物観:変身譚の歴史』(1984年5月15日刊行,海鳴社,東京,viii+302 pp.)のように,文化史的視点から日本人の “過去” の動物間の変遷について考察した研究が挙げられる.本書は,それとは対照的に,むしろ “現代の日本” に軸足を置いている点が特徴だ.この点については,昨年刊行された論集:奥野克巳・山口未花子・近藤祉秋(編)『人と動物の人類学』(2012年9月19日刊行,春風社[シリーズ〈来たるべき人類学〉・5],東京,xvi+363 pp., 本体価格2,381円,ISBN:978-4-6110-325-4 → 目次版元ページ)では,日本という制約を外した上で,世界的に見た人間と動物との現代的関係を幅広く論じていることが思い出される.なお,本書の筆頭著者が代表を務めている〈動物観研究会〉という団体があって,ジャーナル『動物観研究』を発行していることを初めて知った.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 週明け早々,原稿加圧が血圧のように亢進している.今日はふたつ仕上げないと.BGM は〈Romanza del Duende〉.とりあえず書評原稿ひとつを仕上げて編集部に送信した.目の前にぶら下がっているもう一つの原稿は:農環研ウェブ高座「第8回 記述統計学と推測統計学: 世界観のちがい」.来月はじめの公開なので一両日中に書き上げないと “教育的指導” がある(だろう)./お昼前にどさどさと本や雑誌が届く.ゲラという名の┣┣" も一頭混じっていた.窓の外は灰色の曇り空.

◆お昼休み.ふらふら徘徊しようと思ったら,外は冷たい小雨が降っていた.気温8度台.外歩きは断念し,居室内にじっと引きこもる.昼前に日吉から届いたゲラは,慶應義塾大学出版会から出る予定の講義録『生命の教養学IX』所収のもの.昨年4月の慶應義塾大学教養研究センター講座〈生命の教養学〉での講義:「成長と進化思考」のテープ起こし原稿なので,「三中信宏です.こんにちは〜」と始まる.一ヶ月で編集部に返送しないといけない.

◆[蒐書日誌]本郷からもう一冊ご恵贈 ——伊藤元己『植物分類学』(2013年3月25日刊行,東京大学出版会,東京,vi+145 pp., 本体価格2,800円,ISBN:978-4-13-062221-9 → 版元ページ).生物多様性情報学〜.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 農環研ウェブ高座原稿書きの続き.今回のキーワードは初学者ならば誰もが転ぶ「自由度」なんだけど,これをどのように登場させるかが思案のしどころ.筆が止まってしまったので道草する:黒田孝郎・森毅・小島順・野崎昭弘『高等学校の確率・統計』(2011年8月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・math & science],東京,524 pp., 本体価格1,600円,ISBN:978-4-480-09393-6 → 目次版元ページ)をぱらぱらと.高校の検定教科書なのに,どこにも「自由度」という言葉が登場しないのが困るんだよねぇ.要するに記述統計学オンリーで,推測統計学の世界への導きがない.高校でこれだから,大学に入って統計学の講義でいきなり「自由度」が降臨すればばたばたと斃れるのは当たり前.同書いわく:「[サンプルサイズ]nが大きいときは,分散と不偏分散の差は小さいので,あまり気にしなくてよい」(p. 367)って,ダメだってば,それ…….夕方,図版はとりあえずつくり終わった(ことにしよう).library(beeswarm) なかなか使い道が広い.しかし,本文を書かないことには話にならない.

◆午後5時撤収.気温8.4度.冷たい雨が降り続いている.さすがに農林団地には花見客はほとんどいなかった.夜になっても冷たい雨が降り続く.

◆[欹耳袋]データえっせい「子がいる女性の就業の国際比較」(2013年3月25日). 「「子をとるか仕事をとるか」という二者択一を,女性が暗にも明にも強いられる社会である」と./漂流生活的看護記録「最後の敵」(2013年3月24日).読むべし.これは怖い.まじコワい.

◆本日の総歩数=2947歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.7kg(+0.1kg) / 30.0%(+0.1%)


24 maart 2013(日)※花曇りの日曜日は陽春好日

◆春眠暁を覚えず.なんと午前7時過ぎまで寝まくる不始末.外は薄曇りの空.気温は7.4度.今日は花曇りか.

◆日曜の┣┣" 撃ち —— 来月4月14日(日)に池袋の立教大学で開催される第68回日本生物地理学会大会シンポジウム〈チェイン・ツリー・ネットワーク:体系学におけるデータ可視化と情報グラフィクス〉 のポスターをつくってもらった. また,大会プログラムは生物地理学会のウェブサイトですでに公開されている.両方合わせてシンポジウム講演者にアナウンスするとともに,関連メーリングリストへの宣伝を再び流した.

◆[欹耳袋]〈ジオどす〉:京都通り名検索.「町」の名ではなく「通り」の名から検索できるのはとっても便利かも〜./読売オンライン「元パチンコ店に古書30万冊、22店の底力結集」(2013年3月23日).〈つちうら古書倶楽部〉準備室=れんが堂書店.

◆[蒐書日誌]京大出版会から新刊2冊 —— M. Begon, J. L. Harper, and C. R. Townsend[堀道雄監訳]『生態学:個体から生態系へ(原著第四版)』(2013年3月刊行,京都大学学術出版会,京都,本体価格12,000円,ISBN:9784876985791 → 版元ページ).投げるとアブナイ超弩級.前の版は:M. Begon, J. L. Harper, and C. R. Townsend[堀道雄監訳]『生態学:個体・個体群・群集の科学(原著第三版)』(2003年3月31日刊行,京都大学学術出版会,京都,1304 pp.,本体価格12,000円,ISBN:4-87698-606-1)だった.もう十年も前になるのか./ニコラス・エヴァンズ[大西正幸・長田俊樹・森若葉訳]『危機言語:言語の消滅でわれわれは何を失うのか』(2013年2月刊行,京都大学学術出版会,京都,本体価格5,200円,ISBN:9784876982097 → 版元ページ).

◆春霞みの昼下がりは北に向かっててくてく歩く.春日の〈スガヤコーヒー〉まで珈琲を飲みに.午後2時の気温は11.4度.北風が吹いて涼しいが,そぞろ歩きにはぴったり.陽春好日.筑波大学構内は年度の変わり目のせいか,ひっそりと静か.ときおりスーツケースを転がす学生に出会うのもこの時季ならでは.

歩き読み本:青木正児『中華飲酒詩選』(2008年4月10日刊行,平凡社[東洋文庫・773],東京,376 pp., ISBN:978-4-582-80773-8 → 版元ページ).第二部〈謫仙酣歌〉の李太白を読了し,最後の第三部〈酔吟低唱〉の白楽天へ:

  • 「処世若大夢/胡為労其生/所以終日酔/頽然臥前楹」(李太白「春日酔起言志」)
  • 「一酌発好容/二酌開愁眉/連延四五酌/酣暢入四肢」(白楽天「效陶潜體詩・其二」)

李白先生も “酔吟先生”もとにかく飲みまくっている.のどかな春は竹林の中で酒を呑むしかない.マーラー〈大地の歌〉そのもの.

◆[欹耳袋]Cliodynamics について —— Laura Spinney | Human cycles: History as science | Nature 488: 24–26 | 1 August 2012.歴史の「普遍法則」を求める「cliodynamics」の紹介記事.元論文は:Peter Turchin 2012. Dynamics of political instability in the United States, 1780–2010. Journal of Peace Research, 49(4): 577-591 doi: 10.1177/0022343312442078 abstract

Turchin が開設するブログ〈Cliodynamica〉で,cliodynamics 関連資料が公開されている.なんと Cliodynamics: The Journal of Theoretical and Mathematical History というジャーナルまで創刊されていたとは知らなかった!

Cliodynamics は,非線形数学とシミュレーションを武器にして,歴史の “普遍法則” を解明しようとしている.進化史の場合,自然淘汰や中立進化のような素過程としての “force” は,系統樹のさまざまな枝で別個に作動し得る “一般的” なメカニズムなので,その意味で普遍法則としての性格を帯びている.これは問題ない.他方,けっして “普遍的” ではない一回だけの偶然事象によって進むべき将来の道が方向づけられる uniqueness の “普遍法則化” は困難ではないか.収斂の生起は普遍法則化できても,固有派生形質の生起は普遍法則化できないだろうということ.

◆本日の総歩数=11141歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.6kg(−0.2kg) / 29.9%(0.0%)


23 maart 2013(土)※桜は満開でも追われる週末

◆午前6時過ぎのろのろ起床.気温7.0度.朝日がまぶしい土曜の朝.

◆[系統樹曼荼羅]本日の集音:本の宇宙「日々本 其の二百十三「系統樹曼荼羅」」(2013年3月18日).

◆[欹耳袋]「早生まれ」でごめんなさい —— 川口大司・森啓明 2007. 誕生日と学業成績・最終学歴.日本労働研究雑誌, (569) : 29-42 [pdf].アブストラクトには「実年齢の違いが成績などに与える影響を相対年齢効果という/仮に年齢が低いうちに取った成績が, 親や教師の児童に対する評価や児童自身の自己評価を決定し, またその後のやる気や自信に影響を与えるとすると, 相対年齢効果は永続的なものとなりうる。/相対年齢効果は頑健に検出され, さらに永続的である」と書かれている.子どもの「誕生月」「誕生順」「きょうだい数」は原理的に子ども本人が決定できることではない.第三者的には興味深いが,本人的には「はあ,そうですか」と聞き捨てるしかないな.ちなみに,ワタクシは二月生まれのひとりっ子.「早生まれ/遅生まれ」の相対年齢効果は,たとえば,学校教育の場合,国による何月入学かとも密接に相関しているはず.これまた生まれた当の本人にはどうしようもない事柄.

先ほどの論文の結語:「たまたま早生まれであったがゆえに, ハンディキャップを背負ってしまう児童・生徒がいて, そのハンディキャップが学力差, ひいては最終学歴の差に帰着してしまってい るという現実を指摘しているに過ぎない。」(p. 41).本論文の「図3」(p. 39)に示されているように,在籍頻度に関して,「公立校」では生まれ月の有意差はないのに,「国私立校」では早生まれは遅生まれよりも有意に低い.この点について,著者は「また, 近年公立学校の中高一貫化を推進する動きが文部科学省を中心に出てきているが, 中高一貫校への就学の機 会が早生まれであることによるハンディキャップによって閉ざされることがないように最大限の配慮が必要であろう。」(p. 41)と結論する.

家族内での「出生順」がその後の人生に大きく影響するという Frank J. Sulloway 『Born to Rebel: Birth Order, Family Dynamics, and Creative Lives』(1996年10月刊行,Pantheon Books, New York, xviii+653pp., ISBN:0-679-44232-4 [hbk])の報告はとても興味深かった.Sulloway は,SASを用いた大規模な統計解析を実施して,第一子が “保守的” であるのに対し,第二子は “反抗的” であると結論した.Sulloway の「出生順序」分析は反響がとても大きかった記憶があるが,それ以降どのように研究が波及していったのか,あるいは日本語での紹介がなされたかはまったくフォローできていない. いずれにせよ,これまた第三者的にはおもしろくても,当事者的にはどうしようもない given な事柄だ.

—— 統計学的に結論される集団的傾向を個々人が下す判断や選択に反映させようとするのはまちがいだろう.個人的には徹底的に “確信犯的はずれ値” でありたいと思う.

◆午前中はよく晴れて日差しが暖かかったが,午後になって雲が広がり始めた.南風.午後2時の気温は13.9度とお昼前よりも下がってきた.翻訳┣┣" を追う(追われる)土曜日.験直しにたがみ酒店にて岐阜〈三千盛〉の純米大吟・活性にごり酒をゲット.雲が切れて夕日がまぶしい.今宵の夕餉に開栓したのは先だって手に入れた秋田・山本合名会社の純米吟醸〈うきうき山本〉の方.酒米「吟の精」を「山本セクシー酵母(仮)」で醸したという.その酵母のネーミング,なんとかしなさいっ.ラベルはピンク色(桜色にしては濃すぎる).「うきうき」の字が弾んでいる.ワイン並みの低アルコール度数.うすにごりながら,すっきりフレッシュ.春らしい.〈うきうき山本〉のアテは鯛のかぶと煮.牛蒡と蓮根を敷き詰めて,昆布だしをひたひた.強火でイッキに炊き上げる.うきうき山本には鯛のおかしら.

◆さ,明日も翻訳をじりじり進めるのだ.

◆本日の総歩数=2867歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.8kg(+0.9kg) / 29.9%(−0.3%)


22 maart 2013(金)※春めく日がさらさら流れて

◆午前4時半前起床.気温4.7度.夜明け前に米を研ぐ研ぐ.見下ろす下界が濡れているのは夜中に雨が降ったということか.曇りのち晴れ.雲間から朝日が差し込む観音台は午前8時の気温7.0度.ほぼ無風.昨日のような寒さは感じられない.農林団地の桜はまだちらほら程度の開花状況.来週の火曜は所内お花見ランチ(領域内)をするとのアナウンスあり.その頃にはきっと満開だろう.ということは,毎年恒例の「お花見渋滞」が今年も来るぞ.

◆[欹耳袋]archief voor stambomen -「漫画家の系譜」.『系統樹曼荼羅』に掲載した版は2010年11月7日付け「Rev5.15」だが,今回公開されたのは2013年1月1日付けの最新版「Rev5.16」だ./「マンガ顔形状のクラスタリング」.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 『行動生物学辞典』の新規項目「種選択」と「進化生物学」のゲラ返送./東大農学部の三年生見学旅行に関する窓口としてのお仕事をいろいろ.日程は5月30日(木)〜31日(金)で決まっているので,とりあえずつくばでの宿泊先の確保から作業開始だ.

◆[欹耳袋]Yusuke Yamamoto's Web site「研究室に配属された新B4に初めの1ヶ月でやってほしいこと」(2010年4月14日). ポイントは「先輩学生に研究内容を聞きに行く」とのこと.我が身を振り返れば,学部4年で研究室配属されてすぐに,研究室輪読会(大学院)に出てみたら,Kendall & Stuart の “聖書輪読” をしていて,瞬速で息絶えた記憶はある.所属研究室の大学院生たちはといえば,オーバードクターの巣窟だったので,ものすごく年上のおじさんがたくさんいて,話を聞くような感じではとてもなかった.バイトかけもちだったらしく研究室にいたりいなかったりしたし.学業生活的にはけっして “ブラック” な研究室ではなかったが,将来展望的には学科内でもピカイチの “ブラック” なラボだった.ワタクシも含めて生き長らえることができたのは,たまたまバブル経済のまっただ中にあったという時代の偶然があったから.昨日のインタビューでも訊かれたが,研究者キャリアでは人脈・境遇・研究のいずれの麺でも「偶然」の要素があまりに多すぎて,合理的な説明はとてもできない.

◆お散歩日和の昼休みはひさしぶりに観音台徘徊タイム.正午過ぎの気温は16.4度まで上がり,樹間を吹き抜ける南風がとても心地よし.本来なら花粉の総攻撃で “ふがふが” しているにちがいないが,今年はクスリで抑えこむようにしたので我が世の春を謳歌している.飲み薬+点鼻薬+点眼薬の三点セットで「花粉に金棒」.歩き読む本は,しばらく放置してしまった広島市現代美術館(監修)/松岡剛、中谷礼仁、内海慶一、田中純、石川初、南後由和、みうらじゅん、中川理、福住廉(執筆)『路上と観察をめぐる表現史:考現学の「現在」』(2013年1月25日刊行,フィルムアート,東京,239 pp., ISBN:978-4-8459-1209-4 → 版元ページ)の続きを.

◆[蒐書日誌]立田洋司『唐草模様:世界を駆けめぐる意匠』(1997年1月10日刊行,講談社[講談社選書メチエ94],東京,258 pp., ISBN:4-06-258094-2).金沢市内の古書店から着弾した.元所蔵館は金沢大学附属図書館(総合教育棟).登録番号「702-T219/9708-00130-9」.除籍本かな.そういえば,今は昔,「メチエから一冊書きませんか」と耳元で囁かれたような記憶があるが,あれはきっと空耳だったにちがいない…….そーだそーだ,そう考えることにしよう./巌佐庸・倉谷滋・斎藤成也・塚谷裕一(編)『岩波生物学辞典・第5版』(2013年2月26日刊行,岩波書店,東京,xviii+2171 pp., 本体価格13,000円[2013年5月31日まで特別定価12,000円],ISBN:978-4-00-080314-4 → 版元ページ).やっと届きました.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 「春休みの翻訳計画」を立てたのだが,独法研究員の辞書はそもそも “春休み” という言葉はなかった(orz)./東大農学部学生の見学旅行に関するこまごまの続き.農環研を通じて筑波事務所宿泊施設の確保完了.続いて,筑波事務所食堂ヨコの喫茶〈パプリカ〉を懇親会場として電話予約完了.最後に,連携教員の日程打診をすませてやっと一息ついた.

◆[欹耳袋]過去の “妄言” をまとめて見たいアナタに! —— Twitter Blog「日本の皆さんにも「全ツイート履歴」が使えるようになりました」(2013年3月22日).解説記事:INTERNET Watch「Twitter、「全ツイート履歴」をダウンロードできる機能、日本でも提供開始」(2013年3月22日).ワタクシの過去の全ツイートをダウンロードしたら「9.6MB」もの巨大な zip ファイルがつくばに降臨した.でも,解凍するのがコワいんですけど…….う〜わ〜(滝汗:イマココ).

◆午後5時前,さくっと帰宅.真っ赤な夕日が沈んでいく.

◆[欹耳袋]Richard Conniff | Why Species Discovery Matters: A Talk by Richard Conniff | 12 March 2013.噺役はこの人:リチャード・コニフ[長野敬・赤松眞紀訳]『新種発見に挑んだ冒険者たち:地球生命の驚異に魅せられた博物学の時代』(2012年2月7日刊行,青土社,東京,479+55 pp., 本体価格3,600 円,ISBN:978-4-7917-6636-9 → 書評目次版元ページ).

◆月末までは,翻訳┣┣" を追い回さないと…….夜遅く雨がぱらついた.

◆本日の総歩数=10343歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=91.9kg(−0.1kg) / 30.2%(+0.7%)


21 maart 2013(木)※うきうき北風昼下がり取材

◆午前4時半起床.気温9.3度.北風がひゅーひゅー吹いている.午前5時.さらに下がって気温7.7度.ひんやりする夜明け前.昨日までとは一転して “冬空” が広がる観音台は北風が吹く晴天.午前8時の気温は8.8度.体感的にはずっと低い.居室にて昨日に続くお掃除.BGM は〈春の祭典〉.午前10時過ぎ,居室の大掃除完了.これで “森” の保全作業はすべて終わった.

◆[欹耳袋]〈変体仮名を探す〉 —— 日々の仕事に「変体仮名」が登場することはまずないが,昔のドイツ語のフラクトゥール書体を読むことはときどきある.

◆[蒐書日誌]Tomoko M. Nakanishi and Keitaro Tanoi (eds.)『Agricultural Implications of the Fukushima Nuclear Accident』(2013年4月30日刊行予定,Springer-Verlag, Berlin, x+204 pp., ISBN:978-4-431-54327-5 [hbk] → 版元ページ).本書は〈SpringerOpen Books〉の一冊として,無料で全文の pdf ファイルをダウンロードできるようになるという.

◆インタビューの昼下がり —— 午後1時過ぎ,川端裕人さんとナショナルジオグラフィック編集部御一行様をお迎えする.ナショジオ日本版ウェブ連載〈研究室に行ってみた。〉の取材として,川端さんとのインタビュー.午後3時半までの二時間あまり,カメラが入ったのでやや緊張した.どうもお疲れさまでした.

◆[欹耳袋]さめるん「系統樹の森で」(2013年3月21日).

◆午後5時前,帰宅.真っ赤な夕日が沈んでいく.午後の最高気温は16.1度.北西の風が吹き,涼しかったが,寒いというほどではない.今日は “お座敷” がかかったので,それなりに疲れました.気疲れかそれともお掃除疲れかは定かではない.今夜はお祝いに上寿司など.まいう.

◆本日の総歩数=6207歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.0kg(−0.3kg) / 29.5%(+0.3%)


20 maart 2013(水)※お彼岸なのに居室の大掃除

◆午前6時半のろのろ起床.曇り空.午前7時の気温は12.8度.暖かすぎる.Donq のバゲットでフレンチトーストを仕込む.お彼岸の今日はお墓参りならぬお部屋掃除.お寺が遠方にあると “必修” の法事のほかはどうしても疎遠になってしまう.

◆[欹耳袋] 学術誌の終焉? —— Björn Brembs and Marcus Munafò 2013. Deep Impact: Unintended consequences of journal rank. arXiv:1301.3748 [cs.DL]. Submitted on 16 Jan 2013. pdf [open access] .インパクト・ファクターのもつ “負の作用” を突き詰めれば,学術誌そのものが諸悪の根源であると言うしかないという結論:「Therefore, we suggest that abandoning journals altogether, in favor of a library-based scholarly communication system, will ultimately be necessary」.この論考では,Current Biology 誌でのインパクト・ファクターの “事後操作” 例が載っている.分母をいじることで IF は「7.007」から「11.910」へと40%も急上昇しているように見える.

◆正午の観音台は気温19.5度.春霞の薄曇り.農林団地の桜はまだちらほらと開花し始めたばかり.辛夷はどこもほぼ満開に近づいている.休日の昼下がりは居室の “原生林保全作業” に勤しむ.層序の最下層から『生物系統学』 を書いていた頃の担当編集者とのファクス(メールじゃない!)やりとりの束が出土したので,しばし作業中断.タイムラインはこんな感じ:

  1. 『生物系統学』(最初はまだタイトルはなかった)のナチュラルヒストリーシリーズへの執筆依頼があったのは「1994年12月22日」のこと.年明けに企画趣旨文を送ったところ,しばらく返事がなかった.
  2. 年度末の1995年1月25日に担当編集者からファクスがあり,ワタクシの目次構成では「分類学の初学者に適切な内容構成」ではないとの返信だった.ワルくすればこれでボツになるかもしれなかった.
  3. 4月の年度明けに担当編集者と初めて対面して打ち合わせ,『分岐分類学:系統と進化を探る方法論』という仮題で執筆することに本決まり.1995年4月28日に目次案を提出した.
  4. しかし,系統推定の方法論に関する章が数学・統計学・科学哲学にまたがる内容だったので,初学者が死なないように再度検討してほしいとの返事があった.5月末のこと.翌月はじめに改訂目次案を提出.
  5. 1995年6月19日に東大出版会から返信があり,編集会議で企画が通過したとのこと.その後はひたすら原稿を書きまくる日々が始まった(遠い眼差し……).
  6. 1997年に入ると,東大出版会からの “加圧” ががぜん厳しさを増し,連日のように電話とファクスが……(トラウマやな).その年の師走に現物が届いたときは,これでやっと救済されたと思った.

◆居室のお掃除┣┣" はだいぶ進捗したのだが,発掘した最下層から “歴史の遺物” がいろいろ出てきて,作業の妨げになることしばし.午後5時過ぎ,“森” の保全管理作業はほぼオシマイ.残るは通称「観音台ノ果テ」にある書棚エンジェルフォールをどうするかという問題.観音台が揺れるたびに奈落の底へ次々に本が落ちていくという不可触ゾーン.本日午後のお掃除労働により,何とか“オープンスペース” を確保することができた.昨日まではボタ山のように書類や本が堆積していたことを思えば,見違えるようだ(自画自讃).しかし,正面後方に隠れている “エンゼルフォール” はまったく手付かず.どうするかなあ.あした考えよう.

◆[欹耳袋]Taglibro de H「正規分布÷正規分布」(2013年3月20日).Cauchy 分布は “性悪” なので困りもの.「割り算変量」はこの世から消した方が pro bono publico だ.カオナシならぬ “モーメントなし” の「コーシー分布」は冷酷に撃滅せよ./ecology & stats | I don't use R's density function anymore | 19 March 2013.

◆今夜は,秋田・山本合名会社の〈どpink〉を開栓.一見,いちご牛乳みたいなピンク色の純米にごり酒.実際は,赤色酵母が醸し出すピンク色.通常の真っ白な〈ど〉よりも炭酸はゆるめ.ほんのりと微炭酸がしゅわしゅわする.

◆本日の総歩数=4205歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.3g(−0.8kg) / 29.2%(0.0%)


19 maart 2013(火)※初夏の陽気の本郷は桜開花

◆午前5時前起床.雨はすでに上がっていて曇り空.空気が水分をたっぷり含んでいるせいか,見わたす景色に靄がかかっている.ベランダが水浸し.夜中にかなり降ったのだろう.気温は13.2度と暖かい.MAFFIN の VPN 接続をいきなり拒否されたのだけど,メンテ中なのかな? 日録更新できないっす……(orz)本郷に出撃する前に,観音台に行かないと.朝からぽかぽか陽気の観音台にて初鶯.春ですなあ.午前8時の気温は早くも17.2度.昨夜の雨の名残りで,農林団地は水たまりがあちこちにできている.本日は暖房停止との館内アナウンスメールあり.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 昨日の日録やっと更新.日々のお勤めのひとつ./日本著作権教育研究会への返信.『系統樹思考の世界』の入試問題出題に関しての許諾申請.今年度の入試シーズンが終わる今の時期にはときどきあること./ “森” の管理清掃作業をいったん始めたらもうタイヘン.変成岩化したムカシのフロッピーやら雑誌やらがわらわらと解凍されて.そろそろ切り上げないと本郷に間に合わないっ.

◆[欹耳袋]日本の科学を考える「安定した基盤的研究費の導入を!」(2013年3月14日)

◆本郷出撃 —— 午前10時の気温は20.9度.春の陽気を飛び越えて,すでに初夏の暑さが到来してしまった.観音台から帰る途中の小野崎の集落では,桜の開花に先駆けて,辛夷の花が真っ白に開花していた.午前11時前,つくば駅.では,これから本郷へ.正午前,根津着.農学部前〈大きなかぶ〉へ.いつもの日替わり玄米定食を注文.気温は23.3度.まぶしい日差しと初夏の陽気.正午の弥生キャンパスは気温が23.9度.半袖が最適な日和になった.今月は寒暖の日較差が大きすぎて,着ていく服装に迷うことが多い.弥生キャンパス農学部三号館の隠れ部屋にてひっそりと一休みする.

◆[蒐書日誌]Berlin の古書店〈Lange & Springer〉から速攻で届いた本:Adolf Naef『Idealistische Morphologie und Phylogenetik (Zur Methodik der systematische Morphologie)』(1919年刊行,Verlag von Gustav Fischer, Jena, vi+77 pp. → 目次).くすんだオレンジ色のカバーはいかにも G. Fischer らしい.一世紀を経て,つくばに着便.Naef 本はかつて大学院生だったころに “孫コピー” をもらって読んだ.しかし,さすがにコピーのコピーではテキストが潰れて読みづらかった.

本書は,ちょうど二年前に,ミシガン大学図書館の電子化事業の一環として復刻されたことがあった:Adolf Naef『Idealistische Morphologie und Phylogenetik』(2011年2月27日復刻,The University of Michigan Library, Ann Arbor → 公式サイト書籍ページ).ただし,スキャンの解像度が低かったせいか,本文テクストも図像パラテクストも残念なリプリントだった.US$ 10 という破格の廉価でゲットできるいい機会だったのだが.そんなこんなでさらに年月を経て,Ernst Haeckel がまだ存命していた年に出版された原本をやっと手にすることができた.国内の公的機関では両手で数えられるくらいしか所蔵されていない.本書の裏表紙に載っている G. Fischer の宣伝ページを見ると,August Weismann, Oscar Hertwig, Julius Schaxel, そして Ernst Haeckel など当時活躍していた進化学者・系統学者がずらりと並んでいる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午後1時から専攻教員会議の時間ですよ.今年度最後の教員会議は議題が多すぎる.きっちり三時間で専攻教員会議終了.都内の今日の最高気温は25.0度.めでたく夏日ラインに達し,弥生キャンパスでは分生研近くの桜がもう開花していた.つくば直帰のその前に根津の〈芋甚〉にて「昭和焼き」を買うだけの食欲は全開だ.

◆今夜は特製親子丼をつくる予定.日中とても暑かったので,いつもの日本酒ではなく,スコットランド・エールにしようかな.

◆本日の総歩数=9724歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(0.0kg) / 29.2%(−0.2%)


18 maart 2013(月)※生暖かい砂嵐のち雨が降る

◆午前5時起床.気温11.9度,南南東の風.雲が広がる夜明け前.曇りときどき晴れ間の見える観音台は南風が強まっている.午前8時の気温は16.8度と朝から暖かすぎる.先日の “春の嵐” の二の舞にならないよう,自宅ベランダは出がけに防風措置.

◆[蒐書日誌]丸山宗利・小松貴・工藤誠也・島田拓・木野村恭一『アリの巣の生きもの図鑑』(2013年2月20日刊行予定,東海大学出版会,秦野,xii+208 pp., 本体価格4,500円,ISBN:978-4-486-01970-1 → 版元ページ丸山宗利研究室).すりすり.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前中は来年度の非常勤出講に関わる兼業申請書類を束ねて蹴散らす予定.午後は木曜のナショジオ取材に先駆けて居室の模様替え(=さらなる “森” 化).ところが,いきなり┣┣" 一頭が居室闖入.即刻退治するっ.遠景が砂塵で見えなくなってきた.瞬間的に20メートル近い南風が吹き荒れている.闖入┣┣" 退治完了.強風に巻き上げられた砂塵で筑波山も見えなくなってしまった.しかし,昼前までに郵便局に行かないと.

◆[欹耳袋]特殊文字入力ツール〈Symbol〉 —— 参考記事:LefeHacker「入力方法が分からない特殊文字でもワンクリックでコピペできるサイト「Symbol」」(2013年3月15日).

◆正午の気温18.9度.平均10メートルの強い南風にあおられて,農林団地の方々の実験圃場から砂塵が巻き上がっている.本日の観音台徘徊は強風のため中止.午前の便で本がたくさん着弾したので,お昼休みは “なでなでタイム” に急遽変更する.しかし,なでなでタイム返上で,午前の闖入┣┣" の残務処理することになった.いつもいつも一回できれいに事務書類が通ったためしがない…….速攻で書類修正と再提出.今度こそ “リジェクト” されませんように.

◆[欹耳袋]ニッセイ基礎研究所:松浦民恵「働く人による介護の実態 -男性介護者に注目して」(2013年3月15日)→ 全文 [pdf].要点をピックアップ.まずは現状認識から:

  1. 「一般に男性は女性に比べて管理職比率が高く、労働時間も長い傾向にあることから、働きながらの介護に対する負担感は男性のほうが大きいのではないかという見方もあるが、前述のとおり、男性の 介護への関わり方が限定的であることが影響してか、経済的負担感以外は、むしろ女性のほうが、介護に対する負担感が大きく、仕事と介護の両立に苦悩している様子がみてとれる。」(p. 8)
  2. 「男女の伝統的な役割分業意識が、介護に対する負担感に影響している可能性が示唆される。つまり、他の家族や女性自身が、娘や嫁が在宅で介護を担うべきだという意識にとらわれ、介護施設での介護や遠距離介護について、他の家族から批判されたり、女性自身が引け目を感じることによって、介護に対する負担感が高まっている懸念がある。」(p. 10)
  3. 「そう考えると、男性が介護費用を負担する傾向が強いことについても、息子が経済的に親を支えるべきという、伝統的な役割分業意識が影響しているのかもしれない。」(p. 10)

続いて,雇用者側への提言として:

  1. 「介護に専念することよりも、働きながら介護を行うことを従業員に推奨するのであれば、介護休業期間を長期化させるよりも、むしろ勤務時間の柔軟化や1日単位の休暇付与のほうが、介護支援施策として効果的である可能性が高い。」(p. 13)
  2. 「仕事と介護の両立を支援し、介護のために男性を離職させないことが、男性による介護の負担感を抑制し、虐待などの深刻な事態を回避することにもつながっていく可能性が高い。」(p. 14)

そのむかし,Apterygota の分類研究で有名だったある先生が早期退職されたのは配偶者の介護のためだったことはよく知られた話.それなりの世代になれば,「親・親族の介護」は現実問題として生じる.必要なのは「時間・金銭・忍耐」の三点セット.親元を離れて暮らす可能性がきわめて高い研究者は気に留めておく必要があるということ.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 居室の本棚整理を始めてしまったのが敗因で,エライことになってしまった.大震災以来ずっと堆積していた本どもを何とかしたいのだが,今日だけではどうにもこうにも…….

◆[欹耳袋]東洋経済オンライン「ガラパゴス化している、日本の女性活用:過度な育休や時短は、キャリアアップの妨げに」(2013年3月14日).保育所問題とか待機児童問題にまったく言及していないのね.

◆午後4時過ぎ,空模様がだんだん不穏になってきた.外は強風,雨雲が関東平野の西から接近.本棚整理が “戦場化” してきたので,きょうのところはさくっと撤収しますかねー.すでに常磐線はダイヤ遅延が発生しているとのこと.

◆夕暮れ時の竹園界隈は南風がときおり風速20メートル超で吹き荒れる.自宅はベランダ防風措置が功を奏し,先日のようなカオスな状況にはならなかった.今夜は生活クラブの豚ロース肉塊があったので,迷わずポークソテーにした.あらかじめ塩麹で氷温室貯蔵しておく.厚切りにスライスして黒胡椒で調味し,常温放置数時間.厚手の鉄製フライパンを用意して,脂身からじっくり焼きあげれば失敗しない.肉を焼けばとうぜん活性にごり酒の出番だ.新潟〈八海山〉の活性にごり酒を開栓.ビール瓶と同じタイプの栓なので,いったん開栓したら全部飲み干すしかない.でもって,四合瓶が空っぽになり,当然の結末として寝落ち.午後10時過ぎに目覚めたら,外はしっかり雨が降っていた.

◆本日の総歩数=5594歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(+0.6kg) / 29.4%(−0.4%)


17 maart 2013(日)※桜が花開く五反田うろうろ

◆午前5時前起床.気温4.8度.今日は五反田の学研にて一日を過ごす.今朝の最低気温は氷点下0.2度まで下がったが,午前8時には9.1度まで上がってきた.都内はすでに桜の開花宣言が出されたので,どこかで見られるだろう.

◆[欹耳袋]47nwes「京大、研究資料をネット公開 今西氏のノートも」(2013年3月15日).日本の新聞記事って,ニュースをただ流しっぱなしで,リンク先のURLとかちゃんと書いてくれないことがときどきある.この記事も “センター” が京大のどこの附置研究施設かが不明.いただいた情報によるとこれのことらしい:京都大学地域研究統合情報センター プレスリリース「出版と提携した京大フィールド・データベースの公開 について」(2013年3月15日).同センターのウェブサイトにある〈フィールド・データベース〉で順次公開していくということらしい.やっと一安心.

◆今日も都内出撃 —— 午前9時半過ぎ,つくば駅.午前10時半,学研ビル到着.五反田駅から迷いまくって,山手通りを越えたり,波瀾万丈の探索行の末やっとたどり着いた.半時間の遅刻.以下,ツイートメモの貼りまくり:

  • [五反田]ところで,いま何のやりとりをしているんでしょ?(こらこら) posted at 10:35:32
  • @tmiyataek なるへそー.フリートーキングですかあ. posted at 10:39:56
  • [五反田]時間と天空と生物に関して,意外にも癒されるモノローグが続いているなう. posted at 10:43:06
  • @tmiyataek 後始末と残務処理がタイヘンなのは,過去の手痛い経験を通して,みなさんよくご存知ではないかと……(汗) posted at 10:47:11
  • [五反田]タイムラインの話が続いている. posted at 10:49:29
  • @tmiyataek MYTK センセ,死んだらアカン! posted at 10:56:57
  • [五反田]巨大なモニターが二枚もあるではないか!  posted at 10:59:19
  • [五反田]そーか,今までは “太陽” がキーワードだったか(知らなんだぁ).次は “月” だ. posted at 11:00:04
  • @tmiyataek あるキーワードに関連して,個別事例をヴィジュアルに積み上げるという編集のしかたはありかも. posted at 11:03:55
  • [五反田]本づくりの “柱” をどうするかという根本問題. posted at 11:04:46
  • @tmiyataek 「何とか」……というあたりの力技がいやはや. posted at 11:09:23
  • [五反田] “柱” を建てること. posted at 11:24:15
  • [五反田]休憩なう. posted at 11:30:09
  • これでいいのだ! RT @tmiyataek: [五反田]これでいいのだ。という学研さんからの指示がでる。これでいいのか? posted at 11:38:33
  • [五反田] “火” をキーワードに話題提供がなお続いているなう. posted at 12:12:06

◆ここで,やっとランチタイム.仕出し弁当配布.しかし,休憩時間はたった半時間しかない.

  • [五反田]午後のフリートーク再開なう.キーワードは “水” .まずは藻類の話から. posted at 13:01:35
  • [五反田]とりあえず「一冊」出すことを目指すらしい. posted at 13:10:51
  • [五反田]書記業務にいそしむ MYTK センセなう. posted at 13:42:51
  • [五反田]マリモは知ってるけど, “マリゴケ” という名前は知らなかったー. posted at 13:45:11
  • 誰も寝てはならぬ RT @tmiyataek: [五反田]そろそろ集中力が限界だ。 posted at 13:54:15
  • @tmiyataek 斜め後方から監視ちう. posted at 13:56:18
  • [五反田]次のキーワードは “木” .やっとマイクを握る機会を得たなう. posted at 14:10:30
  • ( ´ ▽ ` )ノ RT @tmiyataek: [五反田]木の話しに入るや、潜伏されていたすぐさまMNK師が、突如、系統樹の話しを熱演チウ! posted at 14:11:10
  • [五反田] “木” とは何か.そもそもどう定義するか. posted at 14:22:34
  • [五反田]〈 “木” と人間の文化史〉でどーだ!※パクリ,すまん. posted at 14:26:05
  • 学研ではなく,H政大学出版局に頼もう RT @tmiyataek: [五反田] とうとうアニミズムから宗教論へ これは脱線か? それとも 渋谷新路線か? posted at 14:27:40
  • @tmiyataek さすが Gakken. posted at 14:31:05
  • [五反田]さて,次なるキーワードは “金” だ. posted at 14:56:51
  • [五反田]キンパラナガハシカという極美蚊がいるらしい.キーワードは “金” . ow.ly/j4FpB posted at 15:07:28
  • [五反田]キーワード “金” では,話のもっていき方がかなりムリ筋かも. posted at 15:09:04
  • [五反田] “金” から “金属” へ拡張.メタルアーマーな生きものが続々登場ちう. posted at 15:16:38
  • [五反田]ホヤのバナジウム濃縮機能について. posted at 15:18:08
  • [五反田]最後のキーワードは “土” . posted at 15:25:55
  • [五反田] “土” とは何かの定義問題.TMKN 大センセが「 “土” なんか,どうせみんな適当に使ってるんでは」.センセ,それ言うたら,【sy ... うわ,やめてとめてぇ〜. posted at 15:32:33
  • [五反田]_・) 。oO (ね〜む〜) posted at 15:39:48
  • @tmiyataek そろそろリミットか. posted at 15:50:04
  • そうそう,自然史学会連合の編集会議なう.本造りに向けてのフリートーキングちう RT @ohr_wurm: 三中師やMYKT師が居る場所にはカメムシのTMKN先生がいるわけ?日月火水木金土で何をするのか? posted at 16:03:46
  • [五反田]フリートーキング,やっと終了.最後にまとめタイム. posted at 16:21:23
  • [五反田]本日の長丁場,やっとおしまいになりそう. posted at 16:38:11

◆午後5時過ぎに会議は散会.午後7時前,つくば帰宅.今日は(も)会議で一日が終わった.

◆[欹耳袋]archief voor stambomen -「麺の系統樹(続)」 ※昨日,渋谷でゲットした石毛直道『文化麺類学ことはじめ』(1991年9月17日刊行,フーディアム・コミュニケーション,東京,300 pp., ISBN:4-938642-03-4)所収の麺類系統樹と系統地理図版をカラーでどうぞ! アクセス急上昇.

◆今宵の夕餉には,昨日のおでんの残りと伊東直送の目刺し,そして〈竹鶴〉純米吟醸生酒・初しぼりを開栓.いつもは燗酒にする〈竹鶴〉だが,初しぼりということで,冷蔵庫から食卓に直行させた冷酒.フレッシュにして深い旨味のある味わい.よしよし.

◆本日の総歩数=5873歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.5kg(−0.4kg) / 29.8%(−0.5%)


16 maart 2013(土)※新装東横線渋谷駅はお祭り

◆午前5時半起床.午前6時の気温は1.3度.やや冷え込んでいる.晴れ.日の出.すきっと晴れわたる朝.今朝の最低気温は0.9度まで下がった.午後から渋谷界隈を絨毯爆撃する予定.週末といえどもゆっくりしてはいられない.

◆寝ぼけ┣┣" 撃ち —— 明日の自然史学会連合の長時間会議に関わる事務書類一式を学研の担当者に返送完了.

◆[欹耳袋]先日から “縦書き” ツイートができるようになった.しかし,タイムラインが縦方向に “間延び” して,手繰り上げるのがたいへん.不要な「ツイート改行」は慎みます.

◆都内出撃 —— 午前11時,つくば駅.気温は14.8度,南西から微風.春の行楽日和.ワタクシも心地よく都内出撃.池袋まわり.池袋東武百貨店で〈竹鶴〉の「純米にごり」と「純米吟醸生酒・初しぼり」ゲット! 初しぼりは初めて〜.その後,初の副都心線乗車.行こうと思えばこのまま元町・中華街駅まで直行だ.しかし,途中の渋谷下車.東横線渋谷駅の地下化と副都心線直結の翌日なので,当然のことながら,渋谷は “撮り鉄” だらけだった.駅の構造が大きく変わって迷子になりそうだった.副都心線改札から出て,その足で〈ヒカリエ〉を徘徊した後,表参道に到着.今日の仕事場は青山学院大.さすが私学はキャンパスが美しい! 午後3時から統計学質保障委員会が始まる.余裕で到着して一休み.

◆[蒐書日誌]渋谷・宮益坂上の〈巽堂書店〉でゲット —— 石毛直道『文化麺類学ことはじめ』(1991年9月17日刊行,フーディアム・コミュニケーション,東京,300 pp., ISBN:4-938642-03-4).本書は15年後に文庫化された:石毛直道『麺の文化史』(2006年8月10日刊行,講談社[講談社学術文庫・1774],東京,396 pp., ISBN:4-06-159774-4 → 版元ページ).この文庫版はすでにもっていたのだが,元本との大きな違いは図版にある.文庫化にともなうサイズ縮小が図版の可読性を下げているのはしかたがないにしても,元本に載っていた多くのカラー図版が文庫版ではすべてモノクロにされてしまっていることに気付いた.麺の系統樹(pp. 212-213)と地理的分布図(pp. 216-217)も元本ではきれいなカラー図版だった.図版入りの本の場合,文庫化の問題点はテキストではなくパラテキストに現れる./江國滋『スペイン絵日記』(1986年7月25日刊行,新潮社,東京,127 pp., ISBN:4-10-303203-0).帰路車中本としてさくっと読了.スペイン,ええなあ.

◆午後3時,そろそろ会議が始まる.会議の冒頭,『AP Statistics』(2013)なる600ページもある “電話帳” が委員それぞれに配られた.AP Exams の中の AP Statistics についての解説:櫻井尚子「米国の高大接続のための統計教育プログラム [pdf].統計学のごりごり “土木事業” をやるのかー.カリキュラム委員会と質保証委員会との合同会議の後,二つに分かれてホームの質保証委員会に参加する.どうすれば学生は統計学の講義で死なずにすむか,という議論.確率変数と確率分布の数学的背景を “最初の段階” でがっちり教えるのがいいという先生がとても多いのに驚く.データの可視化に関してもちゃんと言わないと軽視されそう.彼我のギャップは大きいぞ.

◆[欹耳袋]Togetter -「「文一総合出版から出して欲しいハンドブック」まとめ」.文一総合出版に “出版企画” がワンサカ! 「┣┣" 撃退ハンドブック」「黒はんぺんハンドブック」「種(しゅ)ハンドブック」は,あったら即購入決定!/cf. Togetter -「文一さん、ハンドブックプリーズ!」.

◆午後5時,夕暮れ間近の表参道駅から乗って直帰.午後7時過ぎにつくば帰還.今日は良き日和であった.会議の中で重めの┣┣" が一頭増殖した.KSN センセに背負ってほしいけど…….夕餉はおでんと〈竹鶴〉純米にごり酒の燗酒.日に日に暖かくなってきたから,この食卓風景もそろそろ見られなくなるかな.お彼岸のことどもを処理.

◆[欹耳袋]備忘メモ:昨夜,自宅のディスポーザー本体をまるごと交換してもらったのだが,業者の話では通常の使用だと6〜7年で寿命がくるとのこと.食物残滓から発生するガスが腐食を進めるらしい.長持ちさせるコツは毎月一回は氷塊をガリガリとディスポーズすること.

◆本日の総歩数=9495歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(−0.2kg) / 30.3%(+0.4%)


15 maart 2013(金)※土浦の丘の上でじたばたと

◆午前5時前起床.気温1.0度.曇り空の夜明け前.昨日提出した業績評価票と業績報告書の改訂版を送る.業績ランキングの “離散化” 基準がイマイチ恣意的なので,ちまちまこだわるようなことではない.ワタクシ自身の基準に照らして一年の活動を総括する.それでよし.先日の上州ミッションの件,作戦終了かと思いきや,さらなるゲリラ反撃があり,決着持ち越し.もう一件のブツを簡易書留で発射してやっとケリがつきそう.毎度のことながら,ミッションは持久戦.何度も何度も攻め続けないと終わらない.時間と運賃と根気が要.今日は休暇をとって臨時ミッションで土浦年金事務所へ出向く.

◆先日のナゴヤでの spcafé_#31 のスナップ写真が送られてきた.ちょいと暗くてなんだかアヤシゲな雰囲気がいいですなあ.

◆第一次土浦ミッション —— 午前9時過ぎ,土浦第一次出撃なう.ブツを投下するだけの簡単なお仕事.ミッション終了後,即刻帰還し,第二波に備える.

◆[欹耳袋]AGARA紀伊民報「南方熊楠賞に杉山氏(東大名誉教授) 特別賞に中瀬氏(顕彰館名誉館長)」(2013年3月14日).その昔,杉山さんに呼ばれて富士山麓の菌類研究会に泊まりがけで参加したことがあった. “かびやきのこな人たち” がたくさん生えていたことを記憶している.

◆第二次土浦ミッション —— ターゲットは土浦年金事務所.土浦市役所の対面の丘の上にある年金事務所は混雑していて,受付までの待ち時間が半時間あまりかかった.申請書を書いていていきなり門前払いされそうになる.自分の基礎年金番号なんか覚えてないって.書類を書きなおして強行突破を目論む.それでも敗退…….京都ミッションならびにつくばミッションが新たに誕生.単に┣┣" が数頭積み上がっただけだった.体勢を整えて後日ふたたびこの丘の上に来ることになった.外は腹が立つほどいい天気.ゲン直しのためには,しかるべきランチが必要だ.

◆土浦の川沿いに広がる桜町.真昼間だというのに,客引きがいたるところに立っている.聞きしに及ぶ “夜の街” は夜だけではなかった.その歓楽街エリア外縁のビル2階にある洋食レストラン〈中台〉にてランチ.飯村牛ビーフシチュー定食をいただきました.やわらかく煮込まれた飯村牛の塊肉.エネルギー充填完了.午後のつくば転戦に備える.

◆[欹耳袋]ジョージ・レイコフ[池上嘉彦・川上誓作・辻幸夫・西村義樹・坪井栄治郎・梅原大輔・大森文子・岡田禎之 訳] 『認知意味論:言語から見た人間の心』(1993年刊行, 紀伊國屋書店, 東京)読み直し.「分岐学に基づくカテゴリー化は古典的なカテゴリー化の一種のように見える。しかし、それは古典的な自然類観を支持するとはいいがたい。分岐学の見解では、すべてのカテゴリー化は歴史的であるべきで、それは派生形質の共有にのみ基づかねばならない。この見解によれば、決して自然類らしからぬカテゴリーをもたらす結果となる」(p.193).分類と系統のスレ違いが生じる認知的基盤について知りたい向きはぜひ本書をひもときましょう.

◆転戦先はつくば市役所 —— 土浦ミッションは隣接するつくば市に拡大した.昼下がりのつくば市役所にて,年金手続きに必要な書類を取得し,さらに学園中央郵便局へと戦火は広がっていく.学園中央郵便局からテポドンを榛名山に発射したところで,本日の平日ミッションはすべて終わった.終わったというか,あとは京都に行かないと進捗しないというだけのこと.今月のうちに宇治市役所と東宇治地域包括支援センターに出向く必要がある.もちろん平日に.

◆あいまの┣┣" 撃ち —— 進化学会ニュース14巻1号のゲラが届いた.今月末には公開されるだろう.ざっと見た感じ,ワタクシの担当箇所については致命的ミスはなさそう./東大理学部「生物統計学」次年度シラバス確認./来月のRP設計検討会日程調整./自然史学会連合からの資料DLと問い合わせ対応./統計教育質保障委員会の議事資料DL./他にも次年度に予定されている方々の大学から教務関係┣┣" が堆積していた.見なかったことにしてメーラーを閉じた.

◆今日はとても気持ちよく晴れわたった一日で,日差しは暑すぎず,吹く風は冷たかった.最高気温は午後3時過ぎの13.7度.日中は年金事務所・市役所・郵便局と車で走り回った.「どこまで続くぬかるみぞ」感が漂っている.今夜は伊東から届いた金目鯛のひらきを焼こう.

◆本日の総歩数=8382歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(−0.1kg) / 29.9%(+0.1%)


14 maart 2013(木)※積もる土埃を洗い流す春雨

◆午前5時過ぎ起床.気温6.2度.本降りの雨.明け方まで降り続いていた雨はやっとあがり,観音台に曇り空が広がる.午前8時の気温は5.3度.北東の風が吹いている.BGM はいつもの〈ブエノスアイレスのマリア〉から.

◆[欹耳袋]分類の “闇” —— Togetter -「#みじかいだん」.たった一段でもはたして「階段」と呼べるのかどうかは “分類” 的難問だと思う.「高い山」よりも「低い山」の方が,そして「長い川」よりも「短い川」の定義がより難しいように,「長い階段」よりも「短い階段」は認知カテゴリー化の “闇” に光を当てる.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 今年度の業績報告書と業績評価票を作成即送信完了.いくつか漏れ落ちやら未報告の項目があるけど,大勢には影響しないので放置.年度末の大仕事のひとつが終わった.

◆[欹耳袋]日本図書コード管理センター「ISBNコードを付与できる出版物について」に載っている「ISBN を付けられないもの」の例として「楽譜印刷物」が挙げられている.前々からこれがとてもフシギだった.総譜の類は通常の出版物ではないので,専門の楽譜店に出向いて “信じられないほど高い値段” で買うしかなかった.手元にある総譜を何冊か確認してみると,確かに昔のものは「ISBN」が付けられていない.しかし,その後「ISMN」が付された総譜が登場する.最近出版された総譜には,Universal Edition のヤナーチェク〈グラゴル・ミサ〉総譜のように,「ISMN」とともに「ISBN」が付されたものも散見される.総譜の版元によるちがいはある.昨年入手したメシアン〈トゥーランガリラ交響曲〉の総譜には「ISMN」も「ISBN」も付されていなかった.

◆正午の気温は7.1度.昼休みの観音台は曇りときどき晴れ間がのぞく空模様.砂塵嵐や春雨にじゃまされることなく周辺徘徊を小一時間.ティム・バークヘッド[沼尻由起子訳]『鳥たちの驚異的な感覚世界』(2013年3月20日刊行,河出書房新社,東京,284 pp., 本体価格2,200円,ISBN:978-4-309-25278-0 → 版元ページ)読了.

◆[蒐書日誌]【種】の “闇” —— Werner Kunz『Do Species Exist?: Principles of Taxonomic Classification』(2012年9月刊行,Wiley-VCH Verlag, Weinheim, xxxiv+245 pp., ISBN:978-3-527-33207-6 [hbk] → 版元ページ著者サイト).【種】の新刊がたえず蒐書アンテナに引っかかってくる.著者サイト:Prof. Dr. Werner Kunz i. R. の自己紹介欄には,“Professor Kunz ist Biologe und Wissenschaftstheoretiker”と書かれている.ドイツの肩書きの「重さ」はもうたいへん(肩凝りそう).ドイツでも今では「Biodiversität」で通るのか.時代に迎合しないで重々しく「biologische Mannigfaltigkeit」とか言ってほしいな.

◆[欹耳袋]archief voor stambomen -「プログラミング言語系統樹の “ノベライズ”」.『系統樹曼荼羅』本にも載せたコンピューター言語系統樹: Computer Languages History のいわば “ノベライズ” みたいな記事:ハムスター速報「プログラミング言語を彼女に例えた文が的確すぎると話題に」(2013年3月14日).それに続くレスの中に「あの言語がないぞ」という文句が出てくるが,そういう “リア充ノベライズ” が大好きな向きは,上のサイトからコンピューター言語の全系統樹をDLして,ストーリーを自由につくることができるぞ!

◆[蒐書日誌]小波秀雄『統計学入門』(2013年3月12日公開,iv+180 pp.)の pdf ファイルは〈統計学テキスト 公開ページ〉からダウンロードできる.

◆本日の総歩数=11208歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.2kg(+0.1kg) / 29.8%(+0.2%)


13 maart 2013(水)※南風に乗って砂塵嵐の襲来

◆午前5時過ぎ起床.気温3.7度.夜明けが日に日に早くなる.三月に入ってからというもの,睡眠時間が有意に長くなっている.今日も朝から春霞の晴天が広がる観音台.午前8時の気温は10.4度に達している.日中は昨日よりも高い20度超の予報.朝イチのBGMはコダーイ・ゾルタンの音楽劇〈ハーリ・ヤーノシュ〉全曲.ピーター・ユスチノフがナレーターをしている.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前10時半から所内領域会議を小一時間.窓越しの遠景が茶色に霞んでいる.風速10メートルの南風に砂塵が巻き上げられているのだろう.こりゃ今日の昼休み徘徊は断念した方が賢明かも./年度末の個人業績評価に関わる面談とキャリアデザインの日程調整./3月21日(木)夜の農大昆研謝恩会は別件が入っていて参加できそうにない.厚木は遠いのだ.

◆[欹耳袋]ナショナル・ジオグラフィックの研究室取材が3月21日(木)にあるので,求められている事前資料を揃えている.研究者が自分のキャリアの “背景” について話をする機会は年をとるほど多くなる.ただ,「自分語り」なんてぇのは,歴史分析とは対極的な,個人的偏見と主観的選択と作為的抽出のそろい踏みみたいなものだから,大幅に割り引いておかないといけない.鵜呑みは禁物.理想的には “biographer” に調べていただくのがいいんだけど,よほどのビッグネームでもないかぎりそれはムリ.だから自分で自分について語り続けるしかない.その結果,偏見と主観と作為の「黒歴史」はいつまでも続く.研究者の「自分語り」を鵜呑みにしてはいけないのと同様に,研究室同窓生たちの回顧談もまた大幅に割り引いて理解する必要があるだろう.核となるPIが形成した “ラボ” という超生物の構成パーツどうしの語り合いなのだから,それくらいの “逆撫で” は当然の扱い.まだ「歴史」と呼べるほど枯れ上がっていない同時代的科学史(研究者コミュニティ史)を知ろうとするとき,スタンスが近すぎても,ディスタンスがありすぎても一長一短がある.

◆正午直前の気温19.5度.南風が瞬間的に風速20メートル.先日の煙霧の日と同じく,今日も観音台からは筑波山のアウトラインが土色にかき消されている.農林団地の近場から遠くまで土遁の術のように砂嵐で何も見えない.今日のつくばを真っ茶色に覆うこの土埃煙幕は「砂塵嵐」と呼ぶらしい.今月に入ってから「煙霧」と「砂塵嵐」ということばを初めて覚えた.暴力的な天候なので,今日のランチタイムは外出禁止確定.自動車がホコリでどろどろになっているだろうけど,そのまま放置するしかない.この時期,洗濯物の “外干し” はもちろん “窓開放” も厳禁.部屋はざらざら,鼻はふがふが,目はしょぼしょぼになるよりはマシ.建てつけの悪い農環研の居室はサッシ窓を閉め切っていても,微粒子がうっすら机に堆積する.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 昼休みに足止めを食らってヒマになったので,エクセル書類で送られてきた某事務書類を InDesign で一から作りなおすという “とても意義のある” 文書作成作業に取り組む.一時間あまりでエクセル文書様式 → InDesign の大変身作業を終え,案件書類をpdfで関係部署に提出完了.次回以降はすべて InDesign のみで文書作成してくれる.事務文書格闘でやや磨り減った.ヒマな時しか格闘する気力がないが,キリがないので,ほどほどに放置する./昼下がりの気温は20.3度まで上がり,南西から瞬間風速25メートルの強風が吹き荒れている.砂塵嵐はおさまる兆しがまったくない.サッシ窓から微粒子が絶えず積もるので,ゆるゆるサッシ窓のレバーを金槌で叩いて完全密閉.これでもはや人力で開閉することはできなくなった.

◆[蒐書日誌]Boris P. Zakharov『Nomosystematics: A Closer Look at the Theoretical Foundation of Biological Classification』(2013年刊行,Siri Scientific Press, Manchester, 176 pp., ISBN:978-0-9574530-0-5 [pbk] → 情報目次).この本は “実に幸いなことに” 英語で書かれているので,分類学と系統学の相互関係に関する著者の見解を詳しくたどることができる.生物体系学の本なのに,エルンスト・カッシーラー『シンボル形式の哲学』への言及が五月蝿いほどあるのはかんべんしてほしいが,トマス・アクィナス『形而上学叙説』への言及は許せる.

この本の文献リストに列挙されている大量のロシア語文献を見るたびに憂鬱になる.ウンベルト・エコ[谷口勇訳]『論文作法:調査・研究.執筆の技術と手順』(1991年2月25日刊行,而立書房[U. エコ監修〈教養諸学シリーズ〉・1],東京,xvi+274 pp., ISBN:4-88059-145-9)の第II章「テーマの選び方」には,II-5節「外国語を知る必要があるか」というセクションがある.その節でエーコは「ある論文のテーマを決定する前に,あらかじめ現存する文献を一瞥して,言語上の著しい困難がないことを確かめるだけの用心が必要である」(p. 31)と学生に諭している.なぜなら,「われわれに周知の言語で書かれた著書だけをよんで,ある著者なり,あるテーマなりについて論文を書くことはできない.われわれに未知な珍しい言語で,決定的な著書がこれまでに書かれたことはないなどと,誰が断言できようか」(p. 30)

キリル文字が読めないわけではないが(ハングルはぜんぜんダメだけど),それでもロシア語で書かれた膨大な体系学理論に関する文献を前にして(実物を手にしていないものも含めて),憂鬱にならないわけがない.エーコはこういう場合の「無学への許し」(p. 31)を乞うスタイルについても述べているんだけどね.だから,現代科学の lingua franca だけに頼って科学者として生きていくような無謀なことは小心者のワタクシにはとうていできない.英語以外の言語で,決定的な論文がこれまでに書かれたことはないなどと,誰が断言できようか.

◆午後5時前,砂塵嵐は一時よりはマシになったような.遠景は砂の煙幕の彼方に隠れたままだが,西日がまぶしいのでそろそろ撤収しようかな.夕暮れ帰宅.台風が通り過ぎたかのようなベランダの惨状.とりあえず見なかったことにして,明日以降かたづけることにしよう.

◆本日の総歩数=3113歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(0.0kg) / 29.6%(−0.4%)


12 maart 2013(火)※観音台ひさびさ平日実在日

◆午前4時過ぎに目が覚めた.しかし,外気温が氷点下1.3度はありえへんので,もう少し寝ることを自分会議で決定した.背徳の二度寝は午前6時に打ち切り.晴れ.さらに下がって氷点下1.6度の冷え込み.日中は20度近くまで暖かくなるらしい.あと三週間したらもう新年度か.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前中は,半日年休を取って,昨日の上州ミッションの残務処理.筑波事務所郵便局から簡易書留で郵送して,この件はやっと完了.午前11時の気温は11.3度.ぽかぽかと春の日差しが暖かく,白梅・紅梅がともに満開.ここちよき日である.

◆[蒐書日誌]“周期表”! —— Viktor Yakovlevich Pavlov(Виктор Яковлевич Павлов)『The Periodic System of Articulata(Периодическая система членистых)』(2000年刊行,VNIRO Publishing, Moscow, 186 pp., ISBN:5853822101 → 目次).ロシア語で書かれた『体節動物の周期表』という本. 現物はまだ手にする機会がないが,著者の英語サイトがあって,そこに「節足動物の周期表(The Periodic System of Arthropoda)」がカラーで公開されている.この“周期表” をチラ見したとたん “石” になりました…….世の中には「近寄らない方が身のため」な本があるということ.先日届いた:Boris P. Zakharov『Nomosystematics: A Closer Look at the Theoretical Foundation of Biological Classification』(2013年刊行,Siri Scientific Press, Manchester, 176 pp., ISBN:978-0-9574530-0-5 [pbk] → 情報目次)にもこの“周期表”が引用されていた.

◆正午,一週間ぶりの観音台昼休み徘徊タイム.花粉の猛攻撃をものともせず…….昼休みは15.7度まで気温が上がった.風もなくぽかぽか陽気.茂みからはキジの鳴き声が響きわたる.先日の煙霧の名残りか,路傍に砂塵の山がいくつもできていた.今日は花粉症のクスリを処方してもらったので,少しだけシアワセ.

◆[蒐書日誌]書評依頼本 —— ティム・バークヘッド[沼尻由起子訳]『鳥たちの驚異的な感覚世界』(2013年3月20日刊行,河出書房新社,東京,284 pp., 本体価格2,200円,ISBN:978-4-309-25278-0 → 版元ページ).オビにも書かれているが,鳥の超高性能な “機能美” は確かにすごい.こういう生命機械を創りあげた淘汰圧に脱帽.「アブラヨタカ」は前から知っていたが,本書でその名前の由来を初めて理解した.いくらアブラが欲しいからといって……. gkbr

◆午後の┣┣" 撃ち —— 方々から次年度の非常勤出講関連の事務書類がばさばさと降ってくる.ちぎっては投げ,まるめては放っているのだが,ぜんぜん減らない./事務書類の代わりに本が降ってくるのは許す./MacBook Air に「┣┣" 」という文書フォルダーをつくり放置┣┣" どもをぜんぶ放り込んだ.せいせいしたんだけど,ひょっとして “悪魔の禁じ手” だったかも.

◆[欹耳袋]エクセル “神技” の数々 —— Togetter - 「公務員が公開するネ申Excelが日本の生産性を落としている話」/エクセルお絵描き “神技” もある:Togetter -「【神業】Excelでお絵かきを極めるとこうなる」 さらにこんなのも.単なる「表計算ツール」がなぜ日本の事務文化の中では「文書整形ツール」としての地位に登り詰められたのか.思うに,連綿と続いてきた「罫線文化ミーム」が〈一太郎〉という攘夷ヴィークルを得て爆発的進化.〈ワード〉は意外に役立たずだったが,〈エクセル〉という次なる暗黒ヴィークルを乗っ取って “必殺神技” を進化させたという不幸の系譜.所内で配布される事務書類にときどきエクセル “神技” がさりげなく開陳されるたびにひれ伏す下々の研究員たち.エクセル事務書類の “神技” に対する “卓袱台返し技” を共有知としたい.

◆昼下がり午後2時の気温は16.8度,春爛漫の昼下がり.ふと気がつくと,机周りがざらざらしている.雑巾で拭き取ると抹茶色.建てつけの悪い居室のサッシ窓から南風とともに砂塵が降り積もったにちがいない.BGMはエディット・ピヒト=アクセンフェルトの〈フランス組曲〉.

◆[欹耳袋]“アウェイ” な学会ってたくさんあるけど,みなさん,あまり出かけたりしないのか. “アウェイ” な学会で失礼なことを言いまくるという “道場破り” は武者修行としては効果的な戦略だと思う.

◆西日がぎらぎら差し込む午後5時前にさくっと撤収.今日の最高気温は午後3時前の16.8度.先週末の20度には届かなかったが,十分すぎるほど暖かかった.夕餉はいただきものの Dark Horse Crooked Tree IPA に包子と餃子を.ホップの奥深い苦味に中華点心を合わせる.

◆本日の総歩数=11581歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(−0.5kg) / 30.0%(+0.3%)


11 maart 2013(月)※上州臨時ミッション空っ風

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.気温2.7度とひさしぶりの冷え込み.朝焼けグラデーション.今日は上州臨時ミッションにつき,全日年休.群馬バス時刻表チェック.ひょっとして生まれて初めて「群バス」に乗る日かも.高崎に住んでいた数年間はずっと “車ライフ” だったし.

◆上州ミッションの朝 —— 午前8時過ぎ,つくば駅.気温は4.6度.昨日とは正反対の “冬” めく朝.新幹線を使わないと,つくばから高崎までは二時間半もかかる.関東平野は広い.大宮駅.上野での人身事故で,京浜東北線がちょい遅延.すっきり青空.高崎線に乗り換えて上州への旅路はなお続く.熊谷駅.真夏にはけっして来たくない埼玉北部.籠原にて車両切り離し.ここまで来れば高崎はもうすぐだ.本庄.残るは神保原・新町・倉賀野・高崎.上州の山々が西の方に見えてきた.新町手前で烏川渡河.群馬に入った.倉賀野.さて.そろそろ降りる支度を.高崎.伊香保温泉行き群馬バス乗車.あと半時間で目的地の榛名山麓の箕郷にたどり着く.からっ風が吹く.上州ミッション遂行.

◆午後2時前,またバスに乗って高崎に戻ってきた.上州ミッションはすべて完了といいたいところだが,書類の不備を指摘され.完遂できなかった.残念無念.つねに一回ではクリアできないのがミッションの特徴.平日に何度も出向いてやっと進捗する.今回は郵政メールにて不備書類を送付してやっとおしまいになる.駅前散策.鶴見町の喫茶〈芭蕉〉がほんとうに閉店していた.なんということか.3月15日から〈BACH CAFE〉という別の店になるらしい.西口の街なかを歩きまわっても,再開発こそ進んではいるものの,何だか景気が悪そうな雰囲気が濃厚に漂っていて(実際に悪いんだけど),イマイチな感じ.ひょっとして動かしようのない西口のオールドタウンよりは,余裕のある駅東口の新興地の方が発展する可能性があるのかな.

◆高崎での遅めのランチは,新町の〈栄寿亭〉にて.久しぶりにカツ丼をば.この店の栄光のラインナップ:「A丼」=ロース卵なし/「B丼」=ロース卵引き/「C丼」=ヒレカツ卵なしはもちろん変わっていない.迷わず「C丼」(660円)をしっかり食べて元気をつける.巨大なヒレカツ三枚が丼飯の上にそびえ立つ威容.和風の甘辛たれの味付けも昔からぜんぜん変わっていない.すばらしい.やっぱり食べるべきときはしっかり食べよう.となりのお兄ちゃんはオムライスをおかずにA丼をかきこんでいた.その食欲たるや賞賛に値する.生きてる側ががっつりご飯を食べて元気を出さないでどーするっ.

◆JR高崎駅にて原嶋屋の焼きまんじゅうとついでに餡入り焼きまんじゅうをおみやげに買った.駅前の〈第一協和〉本店で和菓子を「餡もの」を仕入れてくるべきだったか.ちょっと後悔.高崎線各停はのどかなローカル線の車内風景である.高崎線の各停は,群馬に入ると,駅でのドア開閉が “手動ボタン” だった.終着の高崎駅もそう.(ずいぶん)前は自動じゃなかったか.夕日の中を走るのどかな武蔵野線を経て,TX経由,午後5時過ぎにつくば帰還.夕焼けグラデーション.関東平野横断日帰り旅で疲れた.

◆明日は,一週間ぶりの観音台実在日.

◆本日の総歩数=7460歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(−0.2kg) / 29.7%(−0.1%)


10 maart 2013(日)※黄土色の煙霧が巻き上がる

◆午前6時過ぎのろのろ起床.曇り空.気温6.7度.今日も花粉と黄砂との戦い.ぴたぴたと閉めきって自己幽閉.そういえば,静岡滞在中,断続的に “微動” を感じていたのだが,あれくらいの微震は当地ではもうごく当たり前な「日常風景」ということなのだろうか.

◆[欹耳袋]自宅に「つくば市内の公務員宿舎にお住まいの方に分譲マンションのご紹介を〜」というセールス電話がかかってきた.さすが不動産業界はすばやいなあ.いまは物件の需要と供給がアンバランスなので,立ち退きを迫られている独法職員はたいへんだと思う.

◆煙霧の一日 —— 正午前に早くも25.2度.夏日ライン突破.午後1時,あのぅ,いま「26.5度」なんですけど…….夏日ラインどころか,イッキにその先の真夏日ラインも視野に入ってきた.南風が瞬間的に10メートル強.こわごわ窓から外を見たら,晴れているのに筑波山が裾野までまったく見えないほど霞んでいる.空中に浮遊している “粉塵” のすさまじさを考えたら,本日は終日外出禁止が妥当だろう.誰も窓を開けてはならぬ.遠景だけでなく,近景も花粉+黄砂で真っ白にぼやけてきた.南風が強すぎる.午後1時過ぎの気温は26.6度.瞬間風速は20メートル弱.近くも遠くも茶色に霞んでいるのは,花粉や黄砂だけではなく,強い南風に巻き上げられた土埃のせいもあるだろう.ニュースによると,この土埃は「煙霧」と呼ぶらしい.午後3時,吹き荒れた煙霧は峠を越え,気温は急速下降中.最高気温26.6度からたった一時間で10度以上下がって,いま16.5度.北西の風が強まってきた.ジェットコースターのようにくるくる変わる空模様.午後5時前,雨はほとんど降らず,天気回復.夕日が差してきた.午後4時の気温は14.2度.北西風.今日は終日引きこもりだったので「花粉の刑」はかろうじて免れた.

◆[蒐書日誌]朝日新聞「文化人類学者の山口昌男さん死去 「中心と周縁」理論」(2013年3月10日) —— この訃報を見てから,『山口昌男著作集・全五巻』(2004年刊行,筑摩書房 → 版元ページ)とか『山口昌男ラビリンス』(2003年,国書刊行会 → 版元ページ)のタイトルが飛蚊のように視野を横切るのが気になってしかたない.

◆煙霧の砂嵐が通り過ぎて穏やかな夕暮れ.気温は11.8度まで下がってきた.今夜は伊豆・伊東直送のとろ鯖の開き(まる一尾ホール)を焼くことになった.難しい選択は,秋田・山本合名会社の「白瀑24BY・山本・荒走り純米吟醸生原酒」にするか,それとも鳥取・山根酒造場の『日置桜24BY・無垢之酒・純米吟醸生原酒あらばしり』にするかという問題.結局,日置桜でキマリ.

◆夜11時,外気温はすでに5.0度まで下がってきた.日中の最高気温から21度以上も急降下している.明け方,さらに寒くなりそうなので,電気あんかオン.

◆本日の総歩数=0歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(+0.9kg) / 29.8%(−0.3%)


9 maart 2013(土)※花粉と黄砂に包まれる陽気

◆午前6時起床.目覚めから目が痒いのはかんべんしてほしい.ゴシゴシ.とりあえず朝日を拝む.今日もいい天気になりそうだ.ゴシゴシ.

◆某┣┣" 撃ち予定の件 —— ワタクシの研究室(というか “森” )を見に来られるとの話は近いうちにきっと実現するだろう(研究所は前向きに対応してくれそうなので).二年前の大震災で書棚が崩落して以来,諸行無常をモットーに真面目に整理整頓する意欲がなくなったので,ほぼ放置的平積みの本の山が自然発生している.天変地異による “無作為化” があっても実害がないだろうから,ワタクシ的にはこれでもう十分と思っている.ただし,こんな雑然とした研究室を対外的に公開するのはいかがなものかという “上” からのダメ出しがでたらどうしようかと…….整理整頓にエネルギーを注ぎ込むのはムダ.塵ひとつないラボだけが「科学」の現場ではないという “多様性” をそのまま認める視点.ま,要するに, “森” の本の山の中に生息しているわけです.草森紳一とか立花隆みたいな “本の要塞” にはぜんぜん及びませんが.

—— 今のところ何も御下命がないので,“原生林” 保全を所にアピールするつもり.週明けには本件に関する月内日程調整が始まるでしょう.

◆駿府の国から帰還 —— 夏日の陽気に花粉と黄砂の祭典は真っ盛り.昼前に特上海鮮丼をいただく.帰路に.静岡から都内にかけては半袖で歩き回っている旅行客が多くてとてもうらやましかった.午後2時のつくばは気温が23.7度ってマジですか.23.5度の静岡より高いじゃん.帰ったらすぐ半袖を出そう.ぜひそうしよう.午後3時半につくば着.その足で観音台へ直行.よく晴れて西日が差し込む居室は軽やかに夏日ラインを突破していた.出張関連の荷物を片付ける.安定的カオスの “森”.ひさしぶりだが今日は長居無用.幸いにして新規堆積トドはいなかったのでさくっと撤収する.遠路はるばる駿府から帰ってきたというのに,つくばも避難所ではなかったというオチ.鼻ぐすぐすとなみだ目の日々は続く.

◆本日の総歩数=8563歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


8 maart 2013(金)※静岡の朝は黒はんぺんから

◆午前6時前にいったん目覚めたものの,昨夜の焼津での “御乱行” が祟っている.いやはやシンプルに飲み過ぎということで.反省して原稿を書きましょう.

◆[欹耳袋]来年度の東大農学部生圏システムでの集中講義〈保全生態学特論〉というエイリアスの〈生物体系学特論〉の日程と教室が確定:6月20日(木)・6月27日(木)・7月4日(木)13:00〜17:00@農学部1号館第4教室.

午後1時前の気温がすでに23.2度まで上がっている.もうちょいで “夏日” ライン突破ですなあ.コートはもちろん不要,上着も不要.半袖を持って来なかったことが悔やまれる.JRは車内冷房がオン.ところどころ桜が開花し始めている眺めはいいとして,遠景の山々の輪郭が花粉と黄砂でぼやけまくり.見ているだけで痒くなってくる.ゴシゴシ.

◆[文化系統学]本日の響音:山田奨治 BLOG「ディジタル・ヒューマニティーズは便利な言葉」(2013年3月7日).

◆今夜はおとなしくしよう.

◆本日の総歩数=7002歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


7 maart 2013(木)※焼津の夜はエンドレス背徳

◆午前6時過ぎ起床.午前9時には気温がもう13.1度まで上がっている.昨日の同時刻は9.8度だった.昨日以上に華やかな花粉と黄砂の祭典が…….今夜は学会喧騒状態の静岡市内を離れ,お隣りの焼津に遠征するのだ.そのためにも昼間は翻訳┣┣" に目に物言わす必要がある.

◆午後7時前,JR静岡から逆方向の浜松行きに乗る.数駅で焼津到着.もう十年以上も前に西焼津に通ったことがあるが,その時以来だ.海の街.焼津駅からタクシーで西小川の〈幸甚〉に乗り込む.駒場の同級生と三十数年ぶりに静岡の銘酒呑みまくり.大学卒業後30年も経過したら,まさに人生いろいろ.長いようで短い.今をいかに生きるか.

この夜に飲んだ静岡銘酒の数々を備忘メモ ——

  • 〈志太泉〉24BY・純米原酒「開龍」・山田錦
  • 〈志太泉〉24BY・純米吟醸しぼりたて無濾過生原酒おりがらみ・五百万石
  • 〈初亀〉24BY・純米吟醸「べっぴん辛辛」
  • 〈初亀〉特別本醸造「plus ai」
  • 〈磯自慢〉24BY・しぼりたて特別本醸造生原酒・山田錦
  • 〈磯自慢〉24BY・純米吟醸「大井川の恵み・薆瞬」・五百万石
  • 〈磯自慢〉24BY・純米大吟醸「一滴入魂」・山田錦
  • 〈喜久酔〉23BY・純米吟醸
  • 〈正雪〉24BY・辛口純米

—— 静岡,日本酒ラインナップすごい! そして,飲み過ぎ〜.前田院長に感謝感激雨霰.

◆本日の総歩数=5112歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


6 maart 2013(水)※ナゴヤお座敷から駿府直帰

◆午前6時前起床.気温3.4度.寒いじゃん(ぷんすか).前夜のご乱行が祟って,なかなか本調子にならない(そんなに飲むなよ).

◆┣┣" 撃ちじたばた —— 来年度の首都大学東京の非常勤出講書類を南大沢に返送完了./本日夕方のナゴヤ高座 spcafé のスライド編集はなお続く.【種】に関わる20枚ほどを削減して100枚にした.まだ多いかもしれないが,これでいくことにしよう.

◆[欹耳袋]日本進化学会第15回つくば大会.2013年8月28日(火)~31日(金)@筑波大学.大会企画の募集が始まっている.動き始めたばかりかな./岩波『生物学辞典第五版』はいま一時的に品切れになるほどの売れ行きとのこと./Deus ex machinaな日々「大学教員になる方法「強化版」 」(2013年2月28日).「ウソ書いちゃいけないけど,ホントのことを書く必要もない」とは名言.

◆ナゴヤ出撃の昼下がり —— 午後2時,静岡駅.何年ぶりかで「こだま」に乗った.700系で座り心地よし(「こだま」も進化する).それにしても今日の「花粉の祭典」はあまりにスゴすぎて致死的.午後1時の気温20.2度.最高気温は午後2時の気温21.0度だった.そりゃ,花粉も飛ぶわなあ.三河安城通過.東海地方横断のプチ旅もそろそろ終わりだ.遠景がぼやけているのは春霞か,黄砂か,はたまた花粉雲か.

午後3時過ぎ,名古屋駅着.ぽかぽかと暖かい.ナゴヤに来たら,何よりもまずはじめに,名鉄百貨店階上の〈矢場とん〉にて「わらじトンカツ(味噌カツ)」を完食するという “儀式” をしなければならない.その後,駅構内に滞留して,なおちくちくと高座スライドのいじり倒し.まだ時間あるし.午後4時過ぎ,では,そろそろ名古屋大学に出撃するー.

◆午後4時半,名城線・名古屋大学で下車.会場の〈Craig’s Café〉に到着.理学部の建物の一階入り口にあるカフェ.到着したときはまだ一般のお客さんが入っていたが,さくさくと spcafé のセッティング.定刻午後5時から貸切となって開始:spcafé_#31 三中信宏「分類構築の心理学と系統推定の歴史学:オブジェクト多様性を体系化する精神について」.午後6時半まで噺をさせていただきました.中谷宇吉郎のお弟子さんがオーディエンスに混じっていたそうな(雪氷の分類の質問をされた).

◆spcafé 終了後の午後6時半,本山の〈Cafe Lembeek〉にてベルギービールを浴びる懇親会.最初に乾杯した「グリゼット・ブロンシュ」のみ5%台の軽さで,続く「トルバドゥール・マグマ」やら「マルール8」やら「モアネット・ブリューン」はすべて8〜9%台だった.午後9時過ぎ,表現型的収斂が強く指摘された TDYM センセに送られて,地下鉄東山線本山駅へ.たいへんお世話になりました.午後10時前,名古屋駅.静岡行きの最終「こだま」に乗車.最終新幹線とはいえ静岡止まりなのでガラ空き.乗り越す心配がないのでありがたいが.

午後11時半前に静岡着.へろへろと改札を出て,駅コンコースを足を引きずって歩いていたら,KWTくんに遭遇した.学会会場では会わないのに,街なかでは顔を見るフシギ.さて,今日はもう寝ましょ寝ましょ.

◆本日の総歩数=9563歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


5 maart 2013(火)※グランシップ静岡に乗船す

◆午前5時過ぎ起床.気温0.6度とやや冷え込んでいる.昨夜は雨雲が接近していたようだが,すでに通り過ぎて,いま朝焼けグラデーションが始まろうとしている.夜明け前からごそごそ動き出す啓蟄の朝.静岡はとても寒くて “花粉がスゴい” という情報が.ドタキャンしよーかな(ぼそ).スライドもできてないし…….

◆花粉の王国・駿府への旅立ち —— 午前9時半,つくば駅.ひんやり晴天.さて一路静岡へ.午前11時,東京駅.「のぞみ」ではなく「ひかり」に乗るのはひさしぶり.吹く風はまだ冷たいが,新幹線のりばから見上げると青空が広がって,花粉の祭典.春爛漫.車内ランチは〈まい泉〉のヒレかつサンド.桜の花びらパッケージがなかなかよろしいようで.正午過ぎに静岡駅到着.とりあえず,ホテルに大きな荷物を預けて,駅にとんぼ返り.地下街の一角にて,じたばたドロナワしたく(汗).静岡駅前がこんなに “地下街化” されているとは知らなんだ.午後2時前,よし,これで出撃だー.

◆JR静岡駅から各停でひと駅隣りの東静岡まで.真っ青な青空.駅前にそびえ立つ孤高のグランシップ静岡.日本生態学会60回大会は今日から土曜までここで開催される.以前,一度だけこの “難破船” に来たことがあるはずなのだが,いつのことやらぜんぜん記憶にない.いやいや,記憶をたぐるよりも先に,縄をなわないと.長蛇の列が伸びる大会受付を華麗にスルーして,9階のE会場に早々と潜入する.高座スライドの残り分をつくりまくる.これをドロナワと言わずして…….午後1時過ぎ,高座スライドがやっと仕上がる(滑り込みっ)※二十分後にトークが始まる.

◆自由集会W04〈道具としての「形態測定学」- 形態測定学でどこまでやれるか〉.午後1時半定刻開始.オーガナイザーの高橋一男さんの趣旨説明に続いて ——

  • [東静岡]自由集会〈W04:道具としての「形態測定学」- 形態測定学でどこまでやれるか〉,始まるよん〜. posted at 15:30:22
  • 三中信宏「形態測定学と系統推定論:連続変量のもつ系統学的情報について」

  • [東静岡]ワタクシのトークだん.どうもありがとうございました. posted at 16:09:51
  • [東静岡]ワタクシがトークで使った進化学史チャートはこちら:三中信宏2005. Ernst MayrとWilli Hennig : 生物体系学論争をふたたび鳥瞰する. タクサ : 日本動物分類学会誌 (19), 95-101 ow.ly/imAuT... posted at 16:13:00
  • クラスター分析はダメでしょうけど,NJのような方法ならありです. RT @masashikomori: 距離行列からの系統推定はやはり難しいのか…表情の進化を形態測定学から明らかにできないものかねえ(´Д` ) posted at 16:16:52
  • 清拓哉「昆虫の翅の定量的比較ー昆虫学における現状」

    ※燃え尽きてツイートできず……

    小森政嗣「形態測定学の心理学的問題への応用:かたちと感性の関係」

  • [東静岡]小森さんのトークは形態と感性の問題について. posted at 16:30:49
  • [東静岡]感性工学における「かたち」の扱われ方.たとえば,主観的にデザイン要素をカテゴライズして数量化理論.あるいは,質問紙による印象評価に基づく因子分析. posted at 16:32:45
  • [東静岡]形態測定学を感性工学に応用できないか.デザインを可視化することができるという特長あり.日本包装学会会誌, 21(6):楕円フーリエ記述子によるボディソープボトルの感性工学研究. posted at 16:34:53
  • [東静岡]小森政嗣・川村智・横山卓未・森下佳昌 2012. 楕円フーリエ記述子を用いたボディソープボトル形状の分析と評価. 日本包装学会誌 21(6) 479-491. ow.ly/imE3Y posted at 16:38:11
  • [東静岡]石原茂和 2008 Morphometricsと感性工学への応用. 感性工学 8(1), 17-23, 2008-12 posted at 16:42:51
  • [東静岡]顔研究への応用:Masashi Komori et al. 2009. Averageness or symmetry: Which is more important for facial attractiveness? posted at 16:45:36
  • [東静岡](承前)Acta Psychologica, 131(2): 136–142. ow.ly/imFaa posted at 16:46:10
  • [東静岡]Masashi Komori et al. 2011. Multiple Mechanisms in the Perception of Face Gender: Effect of Sex-Irrelevant Features. posted at 16:49:41
  • [東静岡](承前)Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance 37(3) 626-633 posted at 16:48:15
  • [東静岡]PARAFAC は因子のテンソル分析に使えるのか. posted at 16:50:30
  • [東静岡](承前)Perfume の動画形態の拡張主成分分析! パフュームいのち!(こもり) posted at 16:52:10
  • [東静岡](承前)かしゆか,のっち,あ〜ちゃんの動作は形態測定学のターゲット(愛). posted at 16:53:57
  • [東静岡](承前)超かしゆかw posted at 16:57:30
  • 岩田洋佳・江花薫子・宇賀優作・林武司「ゲノム情報から形態を予測する」

  • [東静岡]岩田さんのトーク始まってる. posted at 17:03:15
  • [東静岡]玄米の形状解析.ゲノム情報と形態測定が交わるところ. posted at 17:04:26
  • [東静岡]ゲノムワイドマーカー(GWAS)と玄米形状.SNPs多型によるフーリエパラメーター主成分スコアの回帰分析ではダメ.ベイズ回帰によるGWASを実施.SSVS-MCMC. posted at 17:09:57
  • [東静岡]ゲノム情報から形態を予測する.ゲノミックセレクションという新育種技術. posted at 17:12:31
  • [東静岡]パラメーターが過度に多いので,パラメーター間の制約付きのリッジ回帰を用いる. posted at 17:15:03
  • [東静岡]カーネル回帰もある.カーネル回帰の特殊な例がリッジ回帰. posted at 17:17:17

  • [東静岡]総合討論なう.立田パパ登場. posted at 17:24:01

午後5時半,自由集会おしまい.会場はほぼ満員だった.午後6時過ぎ,静岡駅に戻って,ホテルにチェックイン.その後,両替町の〈駿河うお菜〉にて懇親会.さらに青葉横丁の〈ききょう〉にて静岡おでんへと転戦する.黒はんぺん,白焼き,と初めて見る練り物がいっぱい.

◆本日の総歩数=9777歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=92.9kg(−0.1kg) / 30.1%(0.0%)


4 maart 2013(月)※静岡巡業の準備が手付かず

◆午前5時前起床.気温3.0度.南風.曇り空.曇り空の観音台.午前8時の気温は2.9度と肌寒い.今週後半は春らしい陽気になるとの予報だが,静岡にはいったいどのような服装で向かえばいいのだろうかと思案ちう.次に出勤簿に押印するのは来週火曜日になる.週明け朝イチのBGMはピアソラ〈Onda Nueve〉から始まる.

◆午前の┣┣" 撃ち —— すべてに優先して,明日の高座のスライドつくらなきゃ./先月末に岩波の『生物学辞典第5版』が出たので,ちょっとだけ関わった手前,買うのは宿命なのだが,大学書林の『古英語辞典』とか『ルクセンブルク語入門』も楽しそうで困ってしまう.しかし,そういうのまで手を出すと,即座にフトコロが厳寒になってしまう……./そんなことより,明日のスライドを.

◆[蒐書日誌]巌佐庸・倉谷滋・斎藤成也・塚谷裕一(編)『岩波生物学辞典・第5版』(2013年2月26日刊行,岩波書店,東京,本体価格13,000円,ISBN:978-4-00-080314-4 → 版元ページ)発注完了.岩波生物学辞典は「新版」が出ても「旧版」を捨ててはならないと第四版編集当時の編集者から言われました.版ごとにまったく「別の本」ということ.さて,次の「第六版」を牛耳るのはどの世代だろう?

◆[つくば]曇りのち霧雨のち晴れと空模様がめまぐるしく変わった昼休み.観音台徘徊タイムだん.正午の気温は7.3度,北東風が冷たい.安田寛『バイエルの謎:日本文化になったピアノ教則本』(2012年5月31日刊行,音楽之友社,東京,279 pp., 本体価格2,400円,ISBN:9784276212589 → 版元ページ)読了.初版本の復元プロセスと実物発見による検証,そしてバイエルのルーツ探し物語が味わいあり.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 交流センター担当者との打ち合わせ.来年度のワークショップ開催に向けての件で./明後日あたりから日中は20度超との予報で,いよいよ半袖かと意気込んでいたら,夜はまだ寒いらしい.高座スライドはまだできてないけど,スーツケースに詰める服装が困った困った.いや,暖かいことを大宣伝している静岡のことだから,日中はきっと汗ばむ陽気ではないだろーか.

◆[欹耳袋]その昔,〈PHYLIP〉が5インチのフロッピーで配布されていた時代のこと.「PHYLIP ほしいよ」と別刷請求ハガキでシアトルに送ったところ,一ヶ月後に Joe から「はいよ」とフロッピーの箱が届いた.インターネットなどまだ無縁ののどかな時代の話.箱を開封したところ,数枚のフロッピーとともに,一枚の紙が同封されていた.開いて見ると,それは「日本での〈PHYLIP〉ユーザーリスト」だった.今のように無数の系統樹ユーザーが蠢く時代のはるか前,まだ系統樹が「分類学」のシアワセな世界にとどまっていた頃の話.その「ユーザーリスト」を順に見ていくと,あるところにぽつんと一行:「His Majesty the Emperor」と.をを,彼もまた PHYLIP の正規ユーザーだったのだ.そーかそーか.そーだったのかと深く納得したしだい.ずいぶん後になって,某ヒゲの殿下にその話をしたところ,「ああ,生物学御研究所のPCにインストールしていたんでしょう」とのこと.のどかな時代であった.

◆とりあえず,旅支度「は」終わったので,今日のところはさくっと寝てしまうかー.長丁場の学会だと,自分の「出番」の日がいつかによって,学会ライフの様相がぜんぜんちがってくる.もっと若ければ,講演準備が終わるまで貫徹という選択肢もあるんだけどね.研究者は不死身ではないので,「いつまでも できると思うな ムリと徹夜」という格言の意味をだれもが身をもって知ることになる.

◆本日の総歩数=11682歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.0kg(+0.3kg) / 30.1%(−0.3%)


3 maart 2013(日)※お雛祭りは〈つくいち〉で

◆午前6時半起床.春眠暁を覚えず.最低気温は氷点下1.0度まで下がった.快晴.農林水産研究情報総合センターのシステム更新作業が予定よりも早くはかどっているらしく,昨夜,日が変わったあたりには研究データ交換システムが使用可能になった.というわけで,日録更新.

◆[欹耳袋]CRAN - Package beeswarm.データ視覚化のツールとして./Statisfaction | Using R in LaTeX with knitr and RStudio | 28 February 2013.〈knitr〉というパッケージは知らなかった.

◆晴れところどころ淡い雲が浮かんでいる.正午の気温は8.2度.北風がやや冷たいが,暖かな日差しは春めいている.ひな祭りの〈つくいち〉はよく賑わっていた.〈nachu café〉の自家製ソーセージサンドイッチをmgmg.

◆[蒐書日誌]餅は餅屋に —— 距離(distance, metric, etc.)でわからないことがあったら,数年前にたまたま入手した距離の事典:Michel-Marie Deza and Elena Deza『Dictionary of Distances』(2006年10月刊行,Elsevier,ISBN:978-0-444-52087-6 → 版元ページ目次著者サイト)をいつも開く.この本は統計学や系統学はもとより,ありとあらゆる「距離」の事典で,ときどき重宝している.

昨年暮れに,この本の大改訂版が出たとのことで,即オンライン発注した.Michel-Marie Deza and Elena Deza『Encyclopedia of Distances, Second Edition』(2013年刊行,Springer Verlag, xviii+650 pp., ISBN:978-3-642-30957-1 → 版元ページ著者サイト).手元にある旧版はたかだか400ページだが,今回出た改訂版は実に700ページ近くあるらしい.「距離」だけで700ページの百科事典とは!  距離,おそるべし.

—— 結論:「距離」は「距離本」に.

◆日曜夕暮れの┣┣" 撃ち —— 確定申告にともなう作業すべて終了.ほへー.

◆思案投げ首:今夜の夕餉に開栓するのは,石川〈手取川〉の24BY「春」純米辛口うすにごりにするか,それとも秋田〈白瀑〉の24BY純米吟醸荒走りにするか.うーんうーん.ひな祭りという時節柄を考えて,本日は〈手取川〉の「春」に決定.春霞の川辺の風景がラベルになっている.いかにも春らしい.吟醸フレーバーが漂うというよりは,春の香りが漂うすっきり辛口のうすにごり.フレッシュさが身上.タラの芽と蓮根の黒胡麻天ぷら,そして最後はちらし寿司.

◆[系統樹曼荼羅]本日の集音:Colorless Green Ideas「『系統樹曼荼羅』はながめるとワクワクする」(2013年3月3日).詳しくご紹介いただきありがとうございました.

◆寝入りばなに “西” からバクダンが飛んできた.明日は学会準備で終日じたばたする予定.

◆本日の総歩数=5957歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.7kg(−0.2kg) / 30.4%(−0.1%)


2 maart 2013(土)※北風が吹きつける昼下がり

◆のろのろと午前6時起床.外はもう明るい.昨夜の雨はもう上がり,いまは曇り空が広がる.気温6.6度.お米を研ぐ早朝.雲間から朝日が差し込む.午前7時の気温は6.4度と低下している.北風もだんだん強くなってきた.寒暖一進一退.いつもの週間で日録を更新したいのだが,農水省計算センターが休業中なので,元 html ファイルを更新してコッソリ自分で読んでいる.今日から三日間の予定で日録を tumblr にて臨時公開:dagboek - 1 maart 2013

◆[欹耳袋]「正名思想」と「和名問題」 —— 孔子以來の「正名思想」が連綿と受け継がれていることが,日本での「和名問題」を紛糾させる一因になっていると思う.孔子の『論語』の「子路篇」にはこう書かれている:

「必也正名乎,名不正則言不順、言不順則事不成、事不成則礼楽不興、礼楽不興則刑罰不中、刑罰不中則民無所措手足、故君子名之必可言也、言之必可行也」

この箇所について,松尾善弘 1999. 孔子と荀子の「正名」説について. 山口大學文學會誌, 49: 81-95 CiNii [pdf: open access] を見ると,孔子のオリジナルな正名思想とその後継について詳細に指摘されている:

「孔子は本来現実が混乱状態にあるのは「名」が乱れているせいだと考えている.そこで混乱をもたらす根源となったおかしな「名」を「正せ」ば,現実も正しくなると考えるわけだ.孔子が「名を正す」というときの「名」は「概念」を意味しており,しかもそれは他人との違いなど一顧だにしない,自己のそれのみが絶対善であるところの「名」なのである.」(p. 83)

学名の件は法律問題だから別として, 「和名」が日本でとりわけ問題になる背景には,生物はもちろん事物全般に対して「正しい名」を求める文化的背景があるからではないだろうか.松尾の上記論文の後半は,『荀子』の「正名篇」に焦点を当てて,荀子の「正名思想」を分析している.

「これ[孔子]に対し荀子の場合,「正名」は「正当な名称」であると同時に「正当な概念」を意味する.「名称」は万人が共通呼称として認めるものであり,「概念」も万人がその範疇を共有するものである.だから,万人の約束事に逆らって個人的に「概念」を歪曲したり,勝手に「名称」を造語したりすることは,結果として人民大衆を惑わす大罪をおかすことになるわけだ.」(p. 83)

「「正名」が時に「正す(動詞)+名(名詞)」という構造になることもあるが,それは決して孔子のいうような「名称を正しくする」という意味ではなく,……「正当に実体に合致させる」意味である」(p. 86)

ひょっとしたら,独善的な孔子よりも現実的な荀子の「正名思想」の方が今日的な「和名問題」に関わりがより深いのかもしれない.

◆朝から冷たい北風が吹き荒れている.瞬間的に20メートルを越える強風.気温は10度そこそこあるが体感的には寒い.花粉と砂塵の祭典ふたたび.本日のランチは〈つくば食堂・花〉にてヘルシーに.

◆[欹耳袋]EVOLVEなどのメーリングリストで投稿するときには,最初から「Books」とか「FYI」あるいは「Confs」みたいな目印( “タグ” )をつけるように心がけてきた.20年前にワタクシが開設したときは手本として言語学メーリングリスト Linguist を参照した.長年ワタクシが使ってきた投稿タグはすべて Linguist の方式を継承したものである.しかし,日本語タグの方が見分けやすいのではという指摘はもっともだ.たとえば,“タグ” の私案として:【案内】・【公募】・【書籍】・【議論】・【質問】の五つがあれば大半の投稿はカバーできそうだ.加えて,ML管理者専用に【管理】と【月例】の二つがあればいいだろう.【書籍】【公募】【案内】あたりはタグ的に性格がはっきりしているからいいとして,問題はどれにも属さないけどメーリングリスト向けの投稿を示すタグ.【雑】ではきっとだれも読まないし,【情報】だと緩すぎてタグの意味がない……とつらつら考えつつ,ふといつものツイートのタグを見て即決で【耳嚢】に決定.こういう「制度」は率先して勝手に使い続けることに意義がある.次のML投稿から実践してみますかね.

◆ナゴヤでの夜の迎撃態勢は整ったらしい.撃墜されてシズオカに帰還できなくならないよう要注意.ナゴヤでは “ベルギービール責め” に処せられるらしい.ナゴヤでぱあ〜っと弾けるとシズオカへの終電を逃すことになりかねない.

◆夜,農水省サーバーが予定よりも大幅に早く再稼働してくれたのはうれしいのだが,メールサーバー内に保存してあった過去メールがまるごと消去されていた.過去の罪状が強制抹消されたワタクシはいまや清廉潔白.いずれにせよ,週明け朝イチで Webmail を開けた MAFFIN ユーザーは,いたるところで orz, OTZ, Onz_, ○| ̄|_ となるにちがいない.死屍累々.

◆本日の総歩数=3556歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(+0.2kg) / 30.5%(+0.4%)


1 maart 2013(金)※弥生三月は春一番とともに

◆午前5時前起床.気温6.8度の暖かい朝.とんこつカレーに火を入れて.メーリングリストの月例アナウンスを送信したので,月始めの早朝は余裕.曇り空の観音台.午前8時の気温は5.7度.弱い西風.はたして春一番は吹くのだろうか.弥生三月の朝イチ BGM はショスタコーヴィチ交響曲5番.革命だ!

◆[欹耳袋]農林水産研究情報総合センターシステム更新のため,本日3月1日(金)午後6時から3月4日(月)午前9時まで “なかのひと” はメールがいっさい使えなくなる.ということは,この週末はメール経由の┣┣" 襲来がないんだ!/〈上方日本酒ワールド2013〉./Golden Book of Biology:みごとな「生きもの画」の数々.

◆午前の┣┣" 撃ち —— MEGA 5.1.app for Mac OS X は「646.4MB」ととても巨大だった(げ).Marx-Engels-Gesamtausgabe も略称「MEGA」だったことを初めて知る.MEGA=Molecular Evolutionary Genetics Analysis という “理系” の常識は “文系” の常識ではない.とりあえず “理系” のMEGAを動員する preliminary analysis だん./来週の生態学会静岡大会の大会プログラムと講演要旨集をダウンロードなう.プログラムが133ページ,要旨集が384ページとは巨大な大会.はたして大会会場で何人の知り合いに遭遇できるのだろうか./それはそうと,生態学会自由集会高座のしたくしなきゃ.とりあえず,生態学会自由集会トークの表紙スライドは完成.これでずいぶん気がラクになった.

◆[欹耳袋]本日公開 - 三中信宏:農環研ウェブ高座 「農業環境のための統計学」 第7回 「データのふるまいを数値化する:平均と分散」.データのばらつきを定量化する偏差と平方和の話を中心に.

◆昼休み,外の気温はすでに15度を越えている.南風がしだいに強まってきた.この強風が関東の「春一番」と認定された.それでも昼休み徘徊出発.春一番が吹き荒れるなかを一回りしてきたが,こりゃたまらん.花粉と砂埃の総攻撃.

◆[蒐書日誌]Ronald A. Fisher の論文を集めた『Collected Papers of R. A. Fisher』という五巻本がアデレード大学から40年ほど前に出版されている.東大にいた頃に公費購入したのだが,ものすごく高かった記憶がある.まだ円が強いうちにとオンライン古書店で検索したら,いまでも7万円ほどするようだ.ちょいと高いな.幸いなことに,アデレード大学では〈R. A. Fisher Digital Archive〉という特設サイトを開設して,このFisher論文集の電子化公開を始めている.数理統計学と集団遺伝学の論文を中心にすでに公開済み.ありがたやありがたや.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 静岡のお座敷に向けてのしたく.ぜんぜん終わらん……./メーリングリストの退会申請が届いたのだが,該当者・該当アドレスともに記録されていない.どうしようもないので,さくっと「源泉かけ流し」処分とする.この件は一件落着./計算センターの都合で午後6時からメールが使えなくなるので,それまでにばたばたしている./系統解析の続きをしないと.

◆[欹耳袋] V. Viscosi & A. Cardini 2011. Leaf Morphology, Taxonomy and Geometric Morphometrics: A Simplified Protocol for Beginners. PLoS ONE, 6(10): e25630.葉形の形態測定はとても長い研究伝統がある.

◆夕方,帰宅.定刻通り,午後6時に農水のMAFFINメールは週明けまでの “お休みモード” に入った.メール感染┣┣" とはしばらく無縁でいられる.今夜は水炊き.酒田の〈初孫〉24BY・生もと純米原酒おりがらみがうますぎて死む.生もと純米吟醸のヌーボー.生もとであってしかもフレーバーがいかにも新酒なのが魅力.水炊きは,鶏手羽先を二時間ほど煮込んで出汁をとったら,意外にうまかった.手羽元を追加して食べ,さらにキャベツと太ネギを土鍋に投入.最後はもちろん卵雑炊でしめるという王道を突き進む.飲み過ぎて気がつかなかったが,外は本降りの雨.気温13.9度と暖かい夜.

◆[欹耳袋]“メダカ”の標準和名について —— 神奈川県立生命の星・地球博物館「2種の“メダカ”の標準和名がミナミメダカとキタノメダカになりました!」(2013年3月1日):メダカの「和名」を正面から論じるのなら,「学名」の “劣化形” のような扱いはふさわしくないだろう.とりわけ,すでに澁澤敬三の古典『日本魚名集覧』(第一部 1942. アチック・ミューゼアム彙報50,アチック・ミューゼアム/第二部1944. 日本常民文化研究所彙報58. 生活社/第三部 1943. 魚名に関する若干の考察. 日本常民文化研究所彙報59. 日本常民文化研究所)が蒐集したように,日本の方言魚名11868のうち,メダカの方言名だけで実に2699を占めていることを考えれば,「メダカ名称」はただごとではない.その和名研究を深化させた辛川十歩・柴田武『メダカ乃方言:5,000の変種とその分布』(1980年刊行,未央社,東京)はこの問題が民俗生物学に直結していることを認識させる.要するに,生物学だけで解決できることではない.

◆本日の総歩数=12628歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.7kg(0.0kg) / 30.1%(−0.4%)


--- het eind van dagboek ---


[sinds 19 april 2007]