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日録2012年10月 


31 oktober 2012(水)※分子系統WS初日は秋晴れ

◆午前5時前起床.夜明け前の闇.気温6.3度.今朝も最低気温は5.4度まで下がった.秋晴れの観音台はまだ10度にも達しない涼しさ.『系統樹曼荼羅:チェイン・ツリー・ネットワーク』の見本刷りは今日の午後できあがり,つくばに即発送される.宣伝ポスターも送られてきた.今日から始まる分子系統ワークショップの会場に掲示する.

◆[欹耳袋]幾何学的形態測定学のRパッケージ:〈geomorph〉: Geometric morphometric analysis of 2d/3d landmark data./システム論ブログ「査読付き学術雑誌の終焉」(2012年9月29日).

分子系統ワークショップ(初日) —— 午前9時,筑波事務所電農館の分子系統ワークショップ会場に入る.まだ受講生は大半が到着していない.スタートは午前9時半から.

  • #166ws 分子系統ワークショップ参加者のみなさん,おはようございます.会場受付が終わりましたら,指定の席で配布物の確認をおねがいします.(みなか) posted at 09:04:20
  • #166ws このハッシュタグ「 #166ws 」は今回の分子系統ワークショップ用に設定しました.必要に応じて講義と並走して適宜ツイートしますので,参照して下さい.ご自分のツイッター・アカウントをお持ちの方は乱入していただいてOKです. posted at 09:08:51
  • #166ws 受講者の約半数は前夜からつくばに来ていたことを知った.おつかれさまです.明け方はヒトケタ台の最低気温になるので,宿舎でのサバイバルにお気をつけを. posted at 09:19:43
  • #166ws あと五分したらスタート. posted at 09:25:07

  • 三中信宏「生物体系学概論」

  • #166ws ワタクシの講義「生物体系学概論」は全体のイントロとして,生物多様性の系統学的観点と分類学的観点の対比について話をします.お手元のハンドアウトは白黒ですが,カラー版pdfもダウンロードできます. posted at 09:28:28
  • #166ws (承前)leeswijzers stamboom http://leeswijzer.tumblr.com/post/28828424773/2012-166 からリンクをはりました. posted at 09:29:31
  • #166ws では,そろそろ開会です. posted at 09:29:49

  • 斎藤成也「分子進化学と分子系統学」

  • #166ws Naruya Saitou 2013 forthcoming. Introduction to Evolutionary Genomics. Springer-Verlag, Berlin. posted at 10:38:21
  • #166ws 次の斎藤成也さんの講義「分子進化学と分子系統学」は来年出版される本に基づく講義. posted at 10:39:31
  • #166ws 遺伝子重複に関する drift duplication(浮動重複)というメカニズムという仮説.ヒトだと75%とメジャーなメカニズム. posted at 10:47:27
  • #166ws これからの進化学は「親子間」の突然変異率をしっかり調べるべきである.長期間にわたる平均突然変異率よりもはるかに重要だ. posted at 10:51:44
  • #166ws 細胞系譜から大系統への道.細胞は死ぬしかない.私の虚無主義の起源はここにある. posted at 10:55:40
  • #166ws 細胞系譜だけでなく,個体の系図も今ならきちんと書くことができる.ヨーロッパでは墓を掘り返して祖先のDNAをダイレクトに調べ始めている(火葬の日本だとムリ). posted at 10:58:20
  • #166ws James Watson ではなく John Craig Venter が最初に個人ゲノム情報を公開した. posted at 10:59:41
  • #166ws 時間をかけりゃいいってもんじゃない.mcmc なんてあんなの...(ry posted at 11:03:25
  • #166ws MEGA5 での樹形は「枝の集合」として記述されている.一般的な Newick format ではない. posted at 11:05:38
  • #166ws スプリットのリスト形式がツリーとネットワークの両方に使える. posted at 11:06:39
  • #166ws 近隣結合法は1985年12月に考案した.Joe Felsenstein のブーツストラップ論文が契機.ブーツストラップ検定には帰無仮説がないだろうという根井正利の指摘を出発点にして近隣結合法のアルゴリズムに到達した. posted at 11:08:29
  • #166ws 生物学者の数学的素養のなさには呆れるしかない. posted at 11:11:35
  • #166ws 系統ネットワークの話へ.スプリット集合を出発点として.スプリットが互いに整合的でない場合はネットワーク構造になる. posted at 11:20:58
  • #166ws これからは系統ネットワークの時代です.みなさん,ネットワークを描きましょう. posted at 11:21:30
  • #166ws 斎藤センセは Bayesian MCMC が大嫌いなんだ. posted at 11:22:13
  • #166ws 離散的な最尤法を開発しないといけない.Arndt von Haeseler (遺伝研客員教授)がそれを手がけている. posted at 11:27:42
  • #166ws 無限集団からのサンプリングではなく,有限集団からのサンプリングにもとづく最尤法が必要になる. posted at 11:28:36
  • #166ws 塩基置換モデルいろいろ.新しい5-parameter modelとか! posted at 11:38:17
  • #166ws p-distance は意外に使えるぞ.モデルは信じる者は救われない.私はアリストテレス派だから. posted at 11:41:28
  • #166ws ブーツストラップなんて大嫌い. posted at 11:42:42
  • #166ws Bob Sokal のUPGMAはすごい.Steve Farris は人柄はワルイけど天才的.距離Wagner法についての説明なう. posted at 11:44:11
  • #166ws SSJ = Simultaneous Sequence Joining アルゴリズムはもともと Andrey Zarkikh が1970年代にロシア語で書いた. posted at 11:50:02
  • #166ws SSJ を使えばMPはあっという結果が出る.PAUP*なんて要らない. posted at 11:51:22
  • #166ws 次は最尤法.樹形推定には問題が残るけど,樹形確定後の枝長推定には最尤推定が適している. posted at 11:54:14
  • #166ws アラインメントはもうやめよう. posted at 11:55:45
  • #166ws Alignment-free な系統推定法. posted at 11:56:23
  • #166ws 明日発表される J. Human Genetics の論文を見よ! posted at 11:59:30
  • #166ws 斎藤センセ,送迎車のお時間が…… posted at 12:00:21
  • #166ws 駆け足で疾走した斎藤センセは,昼食後,送迎車にてみどり野駅へ去っていった.お疲れさまでした.薄曇りのランチタイム.午後は1時から講義再開です. posted at 12:32:54
  • #166ws 先ほどの斎藤さんの講義について,分子進化モデルの詳細あるいは分子系統樹の構築法については,根井さんの『分子進化と分子系統学』あたりが解説書として適当かな.参考図書コーナーに置いてあります. posted at 12:42:16
  • #166ws Ziheng Yang『分子系統学への統計的アプローチ:計算分子進化学』は,最尤法とベイズ法に関してはもっと詳しく説明されているけど,読者死亡率がさらに高いかも.これも参考図書コーナーに. posted at 12:44:45
  • #166ws ワタクシの概論で言及した系統樹のさまざまな先行事例は,近刊の三中信宏(文)・杉山久仁彦(図版)『系統樹曼荼羅:チェイン・ツリー・ネットワーク』からの引用です.図書コーナーに宣伝ビラを置きましたので,ご自由にお持ち下さい. posted at 12:46:30
  • #166ws 斎藤さんの講義のなかで,系統樹とネットワークに関するグラフ理論的な話が頻出しました.Ward C. Wheeler 2012. Systematics: A Course of Lectures に関連する説明が載っています. posted at 12:49:58

  • 伊藤剛「ゲノム情報の探索と配列のアラインメント」

  • #166ws 午後の講義:伊藤剛「ゲノム情報の探索と配列のアラインメント」. posted at 13:01:29
  • #166ws Clustal W / Clustal X から Clustal Ω への移行がトレンド. posted at 13:34:38
  • #166ws The Plant Cell 誌は「Clustal で系統樹をつくっちゃダメ」と投稿規約に書いているのか. posted at 13:56:36
  • #166ws (承前)これ: http://ow.ly/eTXrt ※「Molecular phylogenetic analyses」の項を見よ. posted at 13:58:28
  • #166ws ツリー描画ツールとしては TreeView よりも NJplot が好き. posted at 14:01:32
  • 外群は系統推定の「コンテクスト」を構成する仮説なので狭く限定するよりは広い方がいいのだろうけど RT @cdb_gras: #166ws Outgroupの選定も重要。一本だけというのはあまりよくないことが多い。 posted at 14:14:13
  • #166ws ヘタに遠い外群をポツンと入れると「長枝誘引」の弊害が心配. posted at 14:15:07
  • #166ws MEGA 開発者ご到着なう! posted at 14:31:45
  • #166ws Windows版MEGAは10月19日に「version 5.1」にアップデートされていた! http://www.megasoftware.net/ posted at 14:36:14
  • #166ws アラインメントと系統樹の間の「循環論法」の問題. posted at 14:37:28
  • #166ws アラインメント・ソフトウェアの相互比較に関する質問./MAFFTの方が困難な状況(汚いデータ)でもより辛抱強く頑張ってくれそう.しかし,データが悪いときはどうあがいてもダメ. posted at 14:50:37

  • 田村浩一郎「MEGA 5 を用いた分子系統解析」

  • #166ws 次は田村浩一郎さんの MEGA 講習.始まり〜. posted at 15:03:59
  • #166ws S. Kumar et al. 2012. Statistics and Truth in Phylogenomics. MBE, 29(2): 457-472. posted at 15:05:22
  • #166ws Supertree or supermatrix ? 全ゲノム情報が得られたあとの系統解析の基本方針をどうするか. posted at 15:06:29
  • #166ws 嫁> Statistics and Truth in Phylogenomics http://ow.ly/eTZE3 posted at 15:09:26
  • #166ws (承前)原稿ドラフトはオープンアクセス. posted at 15:16:56
  • #166ws ビッグデータに基づく系統推定の結果は必ずしも「真実」に到達できるわけではない. posted at 15:17:48
  • #166ws 推定された系統樹は真実の系統樹と一致するとはかぎらない.MP/ML/ME/Bayes いずれもその問題から逃れられない. posted at 15:20:11
  • #166ws アラインメントで使用される系統樹を自動生成するよりも,より正しそうな系統関係をインプットした方がいい結果になる. posted at 15:26:21
  • #166ws 系統解析だけではなくアラインメントにも注意を向けよ. posted at 15:27:06
  • #166ws 分子進化過程では挿入よりも欠失の方が頻度が高い.最近のアラインメント・ソフトウェアのなかにはこれを考慮したものがある(名称失念). posted at 15:47:48
  • #166ws 揺れてもMEGAを. posted at 15:50:57
  • #166ws アミノ酸配列のアラインメントの場合,ソフトの出力結果を「目で見て」あれこれいじるのはやめた方が安全だ. posted at 16:02:20
  • #166ws アラインメントのパラメーター設定は「デフォルト」のまま計算実行しない方がいい.可能なかぎりいじりましょう. posted at 16:03:35
  • #166ws MEGAは「難しい系統解析」の実行をもともと目指してはいない.その代わりに,経験的な試行錯誤が自由にできるようにつくっている. posted at 16:05:06
  • #166ws グラフィカルなユーザーインターフェイス/入出力の作業を統合化/直感的操作と視覚化.以上三点がMEGAの開発コンセプト. posted at 16:07:36
  • #166ws MEGA 最新バージョン(version 5.1)では最尤法の系統樹探索の方法を変更し,SPR-searching を付加(MPはTBRも追加).Multicore 対応(<4 core). posted at 16:12:40
  • 確かに! RT @nishiyamt: The most recent version http://mbe.oxfordjournals.org/content/29/2/457 のほうをリンクするべきだったんじゃないでしょうか?@leeswijzer posted at 16:13:10
  • #166ws MEGA 実習ちう._φ(..). .. . .. . . ..... . .. posted at 16:42:03
  • #166ws 新たに公開されている MEGA Computational Core は「コマンドライン版」とのこと. posted at 16:44:52
  • #166ws 分子進化のモデル選択〜.いろいろ試行錯誤してください(キリッ). posted at 16:50:24
  • @saitou_sayer 今日は遠路はるばるどうもお疲れさまでした.ワークショップはいま田村さんがMEGA講習ちう. #166ws posted at 16:55:38
  • #166ws MEGA を用いた系統解析の実習書: Barry G. Hall 2011. Phylogenetic Trees Made Easy: A How-To Manual, Fourth Edition http://ow.ly/eU41l posted at 17:04:38
  • #166ws アラインメントに関する論文集:Michael S. Rosenberg (ed.) 2009. Sequence Alignment: Methods, Models, Concepts, and Strategies http://ow.ly/eU46S posted at 17:06:24
  • #166ws MEGA 実習,粘ってます. posted at 17:09:07
  • #166ws MEGA Computational Core は今のところ Windows 版のみ.もうすぐ Mac 版が出る予定とのこと.64bit化が先決. posted at 17:12:34

  • 懇親会

  • #166ws 夕暮れ迫る観音台.分子系統ワークショップ初日はつつがなく終わりを迎えた.講師・受講生のみなさん,長時間にわたりおつでした. posted at 17:24:24
  • #166ws さて. posted at 17:24:35
  • #166ws ぱあ〜っといきますかぁっ. posted at 17:25:31
  • [つくば]うう…… posted at 20:53:27
  • #166ws 三升がすべて空っぽに…… posted at 20:54:37

◆本日の総歩数=5753歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=93.7kg(+0.6kg) / 30.6%(0.0%)


30 oktober 2012(火)※前日になってじたばたする

◆午前5時起床.今朝は寒いなあと思ったら5.7度まで気温が下がっていた.まずはお米を研ごう.午前6時,最低気温5.4度.きりきり冷えて朝焼けが鮮やか.霞んだ青空に筋雲が流れる観音台.午前8時の気温は9.5度.朝の冷気を居室に流し込んで週明け初日の初期化完了.朝から冷たい空気が居座って,午前9時を過ぎても12度台.外はよく晴れていても,昨日みたいな陽気にはなりそうにない.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来年の生態学会静岡大会の演題をコーディネーター氏に提出.生態学会は,過去何回も発表し,知り合いもたくさんいるんだけど,一度も学会員になったことがない./農環研ウェブマガジン原稿を修正完了.連載記事なのでアナをあけるわけにはいかない.三中信宏:農環研ウェブ高座 「農業環境のための統計学」 第4回「統計学的推論としてのアブダクション」.公開は明日の夜とのこと./出張伺の書式が変更になったとのことで,再提出を求められた.笑顔で返事して放置する.

◆農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉前日のじたばた —— 明日からの分子系統ワークショップの講師陣に最後の連絡.どうぞよろしくお願いいたします./でもって,ワタクシは自分の高座のスライドがまだできていなかったりする.現実逃避として書籍展示コーナーに並べる本をチェックしたり.夕方にはワークショップ会場に搬入する予定.迎撃用日本酒の搬入は明日ね./つくばでの分子系統ワークショップは今年で五回目になる.最初の頃は噺し役としての出番がかなり多かったのだが,各講義を担当する講師陣が増えてくるにしたがって,聴き役にまわることがだんだん多くなってきた.いい傾向だと思う.長年続けている数理統計研修もそういう方向にしないとね.高座を務められる人材をどんどん掘り起こしていくこともまたお仕事のひとつ./分子系統ワークショップ会場搬入本は揃った.四十冊ほどあるので台車が必要./分子系統ワークショップ初日はワタクシの講義「生物体系学概論」が最初.当日配布の「生物体系学関連文献リスト(Version 25-October-2012)」(→ pdf)に挙げた書籍の大半は会場に並べる.しっかり出家修行されんことを.

◆[欹耳袋]文献引用は,できるだけ省略せず,誰が見ても解読できるように,そして標的文献に確実にアクセスできるように書くのがお作法だという個人的信条を守っている.そのスタンスからすると,「PNAS」なんてのは論外の外.「U. S. A.」まで含めて略さずに書かないと.とりわけ一般書ではそういう配慮が必要になる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 絶対零度で眠っていたはずのあの┣┣" が覚醒してしまうのか.情報をあれこれ集めて対処しないと.大魔神を召喚していいものかどうか.白羽の矢をどうするか./講演スライドのタイトルページがもっとも手間ひまかかる.しかも冒頭の表紙たった1ページだけで「81.8MB」もあるんですけど…….ファイル縮小で1/80の「1.3MB」にまで押し込めたぞ! 先が思いやられる……./午後4時半,夕暮れ間近の電農館に展示用の本ひとそろいと迎撃用バクダンを搬入だん.幸い,その直前に明日の高座ハンドアウトもコピーできたので,各受講者の指定席に配布.これで明日の段取りはすべて完了.受講者を待ち受けるのみとなった.

—— 遠方からの受講生もいて,前日の今日からつくばに入っていることだろう.明日からは日に日に明け方の最低気温が下がりそうなので,風邪にご注意を.つくばは関東的には十分に寒冷地だから.

◆本日の総歩数=3677歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.1kg(−0.4kg) / 30.6%(+0.1%)


29 oktober 2012(月)※雨上がり霧筑波,本郷出撃

◆午前4時半起床.気温14.4度.昨夜から降り続いた雨はもう止んでいるようだ.曇り空の夜明け前,雨上がりで気温が下がったので霧筑波.これから寒くなる季節はこういう早朝の濃霧がときどきある.

◆[欹耳袋]2012年度第166回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉2012年10月31日(水)〜11月2日(金)@つくば関連 —— ハッシュタグ「#166ws」を設定完了./明後日の高座の紙芝居をちくちくとつくり始めないとなー./今週金曜夜の背徳ナイトの準備と召喚に余念がない.背徳は蜜の味.

◆本郷出撃の朝 —— 午前8時過ぎ,つくば駅.今日は本郷にて学位審査会.早朝の霧がまだ残っていて,筑波山は姿形がぜんぜん見えない.午前9時半,弥生キャンパス.気持ちよい青空が広がる.午前9時には17度を越えて,日差しがまぶしい.午前10時から学位審査会が始まる.正午前に審査会終了.暖かな昼下がり,微風の都内は正午過ぎに22.7度まで気温が上がり,弥生キャンパスの陽だまりは汗ばむ陽気.いくつかの┣┣" を追いかけたのち,つくば直帰.午後3時半,つくば着.今日は抜けるような青空で,休日だったら格好の行楽日和だったにちがいない.夕焼けつくばは今日も安らか.うっかり安楽シエスタしてしまって大あわて.

◆[蒐書日誌]つい先日までじたばたしていた近刊:三中信宏(文)・杉山久仁彦(図版)『系統樹曼荼羅:チェイン・ツリー・ネットワーク』(2012年11月16日刊行予定,NTT出版,東京,255 pp., 本体価格2,800円,ISBN:978-4-7571-4263-3 [hbk] → 目次版元ページカバージャケット趣意文系統樹ウェブ曼荼羅) の見本刷は今週木曜にブツができるとの連絡.うまくいけば分子系統ワークショップ最終日(金曜)に回覧できるかもしれない.

◆[欹耳袋]CAPE生物学哲学ワークショップ, 4-5 November 2012, Kyoto University./BioSyst.EU 2013: Global systematics! | 18-22 Feb 2013 | University of Vienna./国立国会図書館・国立情報学研究所〈博士論文書誌データベース〉.ワタクシの学位論文もちゃんと登録されていた./来年『Big Data』というオープンアクセスジャーナルが創刊されるのか.それにしても,もうちょっと趣のあるタイトルはなかったんかいな…….

◆東の空からまんまるな月が昇ってきた.┣┣" 数頭接岸するも,いまはフルムーンと夕焼けグラデーションを鑑賞するしかない.しかし,明日からは最前線にもどらないといけない.

◆本日の総歩数=9222歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.5kg(+0.1kg) / 30.5%(+0.2%)


28 oktober 2012(日)※日曜日は朝からシャブリを

◆午前5時半起床.夜明け前.気温11.8度.曇りところどころ晴れ.午前6時の時の鐘が鳴り響き,朝日が雲間から顔をのぞかせた. 午前9時過ぎ,だんだん曇ってきた.雨雲は東京の西部までやってきたようだ.午前中にいろいろすませないと.さて,まずはつくば市長選と市議会議員選挙の投票に行くぞ行くぞ行くぞ.いたが,いまは止んでいる.投票をすませた.

◆[欹耳袋]TNTおそるべし —— Transmitting Science | Quantitative Cladistics and the Use of TNT | 3-7 June 2013, Barcelona.昨年の Hennig Meeting では学会後に TNT スクリプトのワークショップが開催されたな.十年ほど前のこと,パリの国際学会でランチに行ったとき,隣席のアメリカ人古生物学者 Kirk が運ばれてきたスパゲティーをいきなりナイフで切り刻み始め,すべての切断作業が終わってからおもむろにスプーンですくって食べていた.対面のフランス人研究者 Pierre は見ないふりをしていたが.切り刻んだパスタをスプーンですくいながら,古生物学におけるカール・ポパーの反証可能性とカルナップの帰納確率論について論じ続ける西海岸な Kirk.あさっての方向を見ながら受け答えする生粋のパリジャンの Pierre.昼下がりのパリの街角で展開されたいかにもヘニック・ソサエティらしい点景をふと思い出した.来年はまた行くぞ.

◆朝からシャブリを —— 「シャブリ」とはいえ,ワインではなくチーズの「 Affiné au Chablis」.賞味期限切れで半額販売されていたので,即ゲット.ブルゴーニュ産のウォッシュタイプ・チーズで同郷の〈Époisses〉と同じ.てっきり中はとろとろかと思っててっぺんを水平に開封したところ,確かに表面から数ミリは液状化していて,熟した無花果のような触感.ひとすくい試食してみたら,こりゃあ(ワインの)シャブリが必須と思える風味と香り.中をさらに切り開くと中心部分はまだしっかりと形を保っていて液状化していない.何だかええかげんなカットをしてしまったが,もうすこし熟成させるとするか.

◆正午の気温は14.4度.冷たい小雨が降り続いている.迎撃用武器が着弾.分子系統ワークショップ初日の懇親会はこれで受講生の皆さまをあたたかくお迎えいたします.内訳は:1) 京都・伏見〈蒼空〉純米・美山錦・おりがらみ; 2) 奈良・御所〈風の森〉笊籬採り・純米吟醸・雄町; 3) 大阪・河内長野〈天野酒〉九号酵母・純米・無濾過生原酒.以上,すべて一升瓶./本降りの雨の中を観音台へ.届いたばかりの迎撃用武器を氷温室に格納したので一安心.すでに先客の〈風の森〉純米大吟醸・しぼり華・秋津穂の一升瓶が冷えているのだが,当日はどちらを発射用意すべきか./観光シーズンまっただ中の京都でいきなりホテルを確保するのは本を一冊書くよりも困難である(orz).

◆夕方になって雨足が強くなってきた.今日の日中の最高気温は16.0度,午後6時の今は14.9度.冷たい夜が降りてきた.今夜は和食.パリのリヨン駅にある〈Le Train Blue〉での背徳きわまりないディナーを思い出して陶酔ちう.十年前の「食」の記憶はちっとも薄れていない.食は一期一会.

◆[蒐書日誌]系統学の哲学 —— Joel D. Velasco『Philosophy and the Tree of Life: The Metaphysics and Epistemology of Phylogenetic Systematics』(2008年刊行,doctoral dissertation, University of Wisconsin-Maddison, vi+208 pp. → abstract | pdf).著者のサイトからダウンロードできる.ん,ベイジアン?

◆さ,週明けからは毎年恒例の怒涛の研修シーズンが始まる.師走はじめまでの一ヶ月半は高座に上がる機会が多くなる.

◆本日の総歩数=2684歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.4kg(−0.3kg) / 30.3%(−0.2%)


27 oktober 2012(土)※秋風に吹かれ注射をちくり

◆午前6時のろり起床.外はよく晴れている.気温14.8度の暖かい朝.昨夜は〈竹鶴にごり〉の一升瓶が空っぽになった.また買わないと.朝イチでインフルエンザ予防接種に向かうものの,医院がとても混んでいて二時間かかってしまった.最初のちくり.外はいい天気,いまの気温は19.2度まで上がっている.しかし,乾いた北風が強く吹いて体感的にはやや寒い.

◆[蒐書日誌]「系統樹思考」を掲げる教科書 —— David A. Baum and Stacey D. Smith
Tree Thinking: An Introduction to Phylogenetic Biology』(2013年刊行,Roberts and Company, Greenwood Village, xx+476 pp., ISBN:978-1-936221-16-5 [hbk] → 目次版元ページ).「系統樹思考(tree-thinking)」と銘打たれた生物体系学の入門書.生物学哲学の「妖怪」どもにはいっさい言及せず,系統学の基本的知識の定着を目指す.章末には演習問題(クイズ)が配置され,初学者にとっては学びやすい本だろう.このタイプの生物体系学教科書は最近の中南米では何冊も出ているが,英語圏では久しぶりかもしれない.ざっとブラウズした感じでは,すでに絶版のE・O・ワイリー他[宮正樹訳]『系統分類学入門:分岐分類の基礎と応用』(1992年刊行, 文一総合出版)に近い雰囲気.500ページもある本書は系統学のツールを身につけるには適した教材となるだろう.生物学哲学が好きな向きにはかなり不満が残るかも.その意味では「系統樹ユーザー」向けの本.なお著者はふたりとも植物学者なので,取り上げられている実例は植物が多いかもしれない.こういう教科書を半年くらいかけてしっかり勉強すれば,「系統樹リテラシー」はかなり身につくのではないだろうか.分子系統学についてももちろん詳しく解説されているが,「数式含有率」がほぼゼロなので,読者にとっての敷居は十分に低いだろう.

◆[欹耳袋]第五回農環研サイエンスカフェ:三中信宏〈生き物を分類するまなざし〉2012年12月8日(土)14:00〜15:30@ウィズガーデンつくば(イーアス).会場配置図とタイムテーブル案が届いた.当日は Ustream 中継あり.ポスターもできあがるので,そろそろ本格募集開始か.

◆[蒐書日誌]本との縁 —— 小河原誠『反証主義』(2010年10月刊行,東北大学出版会,仙台,ISBN:978-4-86163-150-4 → 版元ページ).出版されたことすら気づかず,リアル書店やネット書店でもアンテナにいっさいかからず,そしてその存在に気づいたときにはすでに「品切れ」になっていたという幻影のような本….読めばきっと関わりがあるにちがいないのに,すり抜けるように気付かれないまま通り過ぎていく本がたまにある.縁がなかったのだと諦観して静かに見送るしかない.隠れている本は向こうから名乗り出てくるまで待つことにしている.それはそうと,大学出版会はちゃんと宣伝を打ってますか?(二度目のちくり)

◆秋晴れ週末の┣┣" 監視 —— 京都ミッションの次なるステージに向けて.性根を抜いてから性根を入れなおす段取りについて電話連絡あれこれ./北白川より弾薬を三発送りましたとの連絡あり.よしっ./午後は市内をお買い物に走り回る.気がつけばもう夕暮れ.午後5時の気温は16.4度.北風強し.ラグビーボールのような月がすでに空高く浮かんでいた.

◆本日の総歩数=4229歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(−0.2kg) / 30.5%(0.0%)


26 oktober 2012(金)※北風もなく暖かな昼下がり

◆午前5時前起床.気温10.0度.北風.すっきり爽快な秋晴れの観音台.朝の最低気温は8.5度まで下がったが,午前8時の気温が13.6度とこの時季らしい涼しさ.窓全開放の居室には着弾本がうず高く積み上がっていた.あわわ.

◆清々しい朝の┣┣" 撃ち —— まったく同じ本が「購入本」「献呈本」「書評本」と三冊同時に届いた場合,正しい対処はいかに? 過去にも同じようなことが何度かあったけど.一冊は自分用,もう一冊は研究室用,さらに一冊は図書室に置くとするか./とりあえず,細かい┣┣" どもをひねりつぶす.宮崎県総合農業試験場に先日の出張の航空券領収書を送る./次いで,統計研修と分子系統ワークショップ関連の返事とか.来月は毎年恒例の「研修月間」.ひたすら教壇に登りまくる日が続く./農環研収穫祭 2012年11月13日(火)17:15〜19:00 @第2作業棟.

◆[欹耳袋]小田嶋隆「物言いは“すべからく”上品に」(2012年10月26日).大手出版社の「校閲部」はたしかに厳しい.書籍原稿が校閲部にまわされ,真っ赤なNG付きまくりで返された経験あり(汗).単著の本だからといって「好き放題」に書けるわけではまったくない.編集者段階で書いた原稿が reject を喰らうこともあれば,校閲部からさまざまな major revision や minor revision を要求されることもある.

◆北風も緩く日差しが暖かな昼休みは周辺徘徊タイム.正午の気温は21.8度.昨日に比べて気持ちよい日和だった. 歩き読む丸山宗利『アリの巣をめぐる冒険:未踏の調査地は足下に』(2012年9月20日刊行,東海大学出版会[フィールドの生物学・8],秦野,x+224 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-486-01847-6 → 版元ページ).やっと読了した.全編を通じて臨場感あふれるスタイルは著者ならではのもの.著者にガイドしてもらってフィールドに分け入っていくような感覚を覚えた.後半になるとともに文体が疾走し始めるのも,著者が現実世界で疾走していることの反映だろうと感じたしだい.もっと頁数があればよかったのかも.良書.本書に誘われて,昆虫学者のフィールドワークを紙上疑似体験できた読者は少なくないだろう.

◆[蒐書日誌]着弾 —— Carl Zimmer and Douglas Emlen『Evolution: Making Sense of Life』(2013年刊行,Roberts and Company, Greenwood Village, xxxiv+680 pp., ISBN:978-1-936221-17-2 [hbk] / ISBN:978-1-936221-36-3 [pbk] → 目次).お,重いッ!/亀崎直樹(編)『ウミガメの自然誌:産卵と回遊の生物学』(2012年9月20日刊行,東京大学出版会,東京,vi+308 pp., 本体価格4,800円,ISBN:978-4-13-066161-4 → 版元ページ).ご恵贈ありがとうございます.

◆暖かな昼下がりの┣┣" 撃ち —— 今日は方々で狼藉┣┣" が暴れまわっているようだ.ワークショップ会場に設置するミニ図書館の展示本をセレクト.系統推定論だけで一棚くらいすぐに埋まってしまう.さくっと積み上がる30冊もの系統学本.これ,ぜんぶ電農館に抱えていくの>ワタクシ./結界T「生物体系学関連文献リスト(Version 25-October-2012)」 [→ pdf] .ワークショップで配布する資料.

◆昨日のコマバ「生物統計学」の感想コメントからピックアップ:

  • #TodaiStat スクリャービン〈法悦の詩〉をBGMに,昨日の感想コメントからピックアップ. posted at 16:34:11
  • #TodaiStat 【感想】「偏差や分散の式はどこから来たんでしょうか.そう考えると平均の式も別に自明ではない気がします」/【回答】数値データの集合を前にしたときに,「真ん中」の位置と「広がり」の範囲を直感的に把握することが先にあるのだと思います. posted at 16:37:12
  • #TodaiStat 【回答】(承前)John W. Tukey はデータのふるまいに関する「視覚的(直感的)」な理解を重視して,いまも使われているさまざまなグラフ表示手法(箱ひげ図のような)を開発しました.一方,パラメトリック統計学はもっと「数値的」な理解を求めたわけ. posted at 16:40:07
  • #TodaiStat 【回答】(承前)偏差や分散については次回の講義でふたたび別の視点から取り上げます.平均や分散はそれぞれ「真ん中」と「広がり」を数値化する手法のひとつであると理解してください. posted at 16:42:23
  • #TodaiStat 【質問】「定理「X[i]〜N(μ[i],σ[i]^2)のときΣ[i]a[i]X[i]〜N(Σ[i]a[i]μ[i], a[i]^2σ[i]^2)」のa[i]^2σ[i]^2は正しい?」/【回答】すまぬ.線形結合の分散は「Σa[i]^2σ[i]^2」が正しい. posted at 16:47:37
  • #TodaiStat 【感想】「確率密度関数どうしの関係図,気が遠くなりそう」/【回答】確率分布曼荼羅 http://ow.ly/eMCwS はぜひpdfをダウンロードしてじっくり鑑賞してください.世の中には正規分布やべき乗分布の他にも山ほど確率分布があるのです. posted at 16:50:06
  • #TodaiStat 【感想】「中心極限定理は「サンプルが多いほど標本平均が母平均に近くなる」ととらえていたけど,もっと深い意味があったと知った」/【回答】前半は「大数の法則」ですね.中心極限定理はサンプルサイズの増大とともに標本平均がもつ極限分布の「かたち」についての定理です. posted at 16:52:54
  • #TodaiStat 【感想】「任意の分布が中心極限定理によって正規分布に従うようすに感動しました」/【回答】講義でのデモはRのバッケージ「TeachingDemos」(Rコマンダーの「RcmdrPlugin.TeachingDemos」)を用いました. posted at 16:56:22
  • #TodaiStat 【回答】(承前)中心極限定理を「視覚化」するRスクリプトは http://ow.ly/eMCXB をごらんください.Rがインストールされている環境でしたらすぐに実行できるでしょう. posted at 16:58:15

◆来週の分子系統ワークショップのための気付け薬(勢い水)を北白川にオンライン発注.三本あれば何とかなるだろうか.しかし,北白川に依頼した「迎撃アイテム」のうちひとつがすでに在庫がないとの連絡あり(熊野古道おそるべし).その代わりとなる殺傷力?の高そうなアレとかソレの弾薬在庫をいま調べてもらっているところ.メールと電話で三発目の弾丸が確定した.氷温庫の奥底にじっと隠れていたうちの一本とのこと.すばらしい! これで来週のつくば迎撃態勢は兵糧的には大丈夫だろう.うわばみさんがいらっしゃったときのために予備弾も用意しないといけないかな.弾薬の準備はできたので,やっと高座のしたくを(おいっ).

◆本日の総歩数=6824歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(+0.1kg) / 30.5%(0.0%)


25 oktober 2012(木)※朝から定例都内巡業へ出撃

◆午前5時前起床.ポトフに火を入れ.朝ごはんの用意.気温10.7度.北の風.夜明け前の闇.曇り空の午前6時.時の鐘が響きわたる.気温は10.9度と激しく冷え込んではいない.

◆[欹耳袋]国立民族学博物館・国際シンポジウム〈『樹について考える』シンポジウム〉2013年2月10日(日)9:00~18:30@国立民族学博物館・第4セミナー室.※うわ〜,ワタクシの持ち時間が「80分」もある.大ネタをかけましょ.このシンポジウムはテーマ的にとてもおもしろいと思う.一般に公開されているイベントなので,事前申込みすれば参加できるはず.

◆定例出撃日 —— 午前8時前,つくば駅.曇り空が広がり,気温は11度台.涼しいといえばその通りだが,空気がやや湿っているよーな.守谷あたり.だんだん晴れてきましたな.朝日がさんさん.秋葉原で乗り換えて,新宿駅へ.都内は曇り空.今日はダイヤ遅延もなく,スムーズに小田急へ乗り換え.新百合ヶ丘.曇り空の都内は昨日よりも気温の上がり方が鈍い.午前9時の気温は15.2度.本厚木行きの各停に乗り換え.玉川大学.曇り空のキャンパスは人通りがいつもより少ない.講師控室にてごそごそする.今日はキャンパス内の e-mobile 受信状態がいつになく良好なのだが,曇っているせいか? あ,そろそろ講義室に行かないと.

◆本日の「分子系統進化学」の講義は塩基置換モデルについてです.配列が確率的に置換される事象のモデルについて説明します.【補講情報】休講する11月1日(木)と8日(木)の補講の日時場所が確定しました:1) 11月17日(土)11:00~12:50(3・4限)※教室「大9 - 501」/12月1日(土)13:00~14:50(5・6限)※教室「大8 - 224」.

◆系統樹曼荼羅┣┣" が沖へ去っていったと思ったら,別の翻訳書┣┣" が接岸しそうな気配.┣┣" まらない┣┣" .

◆講義が終わって,玉川学園前駅への下り坂.曇り空のはっきりしない天気.経堂で途中下車.いつもの〈はるばるてい〉でいつもの香麺.隣では,真昼間からお酒を召し上がっている客1名,さらに隣では,とある有名漫画家が麺をすする.ここもまた異界か.外は曇りときどき晴れ.〈Cura2〉にてしばし潜伏.

◆午後3時過ぎ,コマバへ向けて再出撃.そろそろ駒場祭が近づいている時期だが,キャンパス内はまだ静かだ.控え室でぐたっとしてから,講義室に出撃.本日は本日のコマバ高座は確率変数と確率分布あたりのパラメトリックなお話.死亡率がやや心配ではあるが…….講義後の感想コメントを整理しているところ.「基礎統計学」と内容的にかぶってしまったかー(予想してはいたが).つくば直帰.午後8時前に帰り着いた.

◆ポトフな夕餉 —— 昨日からつくり始めたポトフが完成した.材料は:玉ねぎ・ジャガイモ・にんじん・キャベツ・セロリ・太ネギ・ベーコン塊・牛肉塊・ソーセージ.大鍋を熱してニンニクをまるごとオリーブオイルで炒め,ざく切りにした野菜類をすべて投入,水を加えて,コンソメと岩塩,胡椒の粒を入れる.ベーコンと牛肉をカットして投入.いったん沸騰させてからアクをすくって弱火に.太ねぎとセロリの青葉は束ねて鍋に投入.あとは蓋をして沸騰しないように注意しながらひたすら加熱する.微笑むように煮こむのがポイント.一昼夜すれば自然に完成する.食べる直前にソーセージを投入して加熱.あとは食卓へ直行.塩胡椒の調味は各自がするべし.

◆[欹耳袋]結城浩のはてな日記「分散の定義が絶対値を使わず二乗を使う理由(?)」(2012年10月25日).偏差平方和を最小化する位置パラメーターは標本平均が一意的な最適解だが,偏差絶対値和を最小化する位置パラメーターはメジアンとなり一意性がない.この点についてはすでにまとめた通り:leeswijzers stamboom「偏差平方和・偏差絶対値和・シュタイナー問題」 (2012年6月17日).ちょうど今日コマバで平均と分散の話をしたところだった.

◆本日の総歩数=12320歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(−0.1kg) / 30.5%(+0.5%)


24 oktober 2012(水)※北風の吹く弥生キャンパス

◆午前5時前起床.朝焼けグラデーション.気温は昨日よりもグッと下がって7.8度.北風が冷たい.お米を研いで一日のスタート.

◆[蒐書日誌]目次ノンブル確定 —— 三中信宏(文)・杉山久仁彦(図版)『系統樹曼荼羅:チェイン・ツリー・ネットワーク』(2012年11月16日刊行予定,NTT出版,東京,255 pp., 本体価格2,800円,ISBN:978-4-7571-4263-3 [hbk] → 版元ページカバージャケット趣意文系統樹ウェブ曼荼羅).当所の予定より作業が遅れたが,やっと印刷所入稿.ノンブルがこれで確定したので,詳細目次を公表した.

◆[欹耳袋] 租界Rで公表している「統計学へのお誘い本リスト」は,本日アップデートして「Version 24-October-2012」になった. /Mac 版 R のフォントサイズの調整方法:【拡大】Command + Shift +「+」|【縮小】Command + 「-」.いずれも終了時に設定が自動保存される.

◆本郷出撃 —— 午前10時半,つくば駅.今日は北風が強くて,秋をまたいで,早くも初冬のような日和.空も秋空ではなく真っ青な雲ひとつない冬空.さて,本郷出撃だ.今朝の最低気温は午前6時の7.0度.午前10時には17.3度まで上がってきた.昨日の雨で塵がはらわれたせいで,筑波山の輪郭がくっきりしている.今日は午後から本郷で教員会議があるので,早めに根津に到着し,混み合わないうちに讃岐うどん〈根の津〉に入店.幸い並ぶようなことはなかったが,正午前の店内はすでにほぼ満員で,いつもどおりの相席となった.今日は「揚げ餅(力)ぶっふけ冷やしうどん」を注文.揚げ餅が三つ,大根おろしの小山,あとは天かす,あさつき,刻みネギのトッピング.つるつるの腰のある太麺をつるつる食べる.喉越しのよさと充実感.しかし,欲張って大盛りを注文すると痛い目にあう.腹八分目こそ心情なり(ウソ言え).うどんを喰って,根津神社を徘徊して,地震研ウラから東大に忍び込む.

◆午後1時から,専攻教員会議.終わったのが午後3時半.実施が予定されている「秋入学」移行にともなう学事歴の変更案に関する報告など.まだ複数案が提示されている状態で,リアリティーがいまひとつない段階にとどまっているのは,それにともなう事務的作業が見えてこないからだろう.東大のような大きな組織では入試制度変更のような「遠くの話」と専攻学部生の研究室選択のような「近場の話」とのギャップが大きすぎる.教員会議終了後,根津駅近くの甘味処〈秋田屋〉へ.豆大福を買うついでに「小倉アイス豆かん」をうっかり注文.はい,背徳です.はい,責めないでー.

◆[欹耳袋]ワタクシ的には,いまの京都は新刊書店ではなく「古書店の街」というイメージが固まりつつある.駸々堂,京都書院,オーム社,丸善が次々になくなった時点で河原町は「本の街」ではなくなった.大型リアル書店はもう必要ないのかもしれませんが,京都の古書店は長続きしてほしいです.アスタルテ書房・三月書房・ガケ書房のような本屋は唯一無二にして「保全」の対象となるでしょう.

◆つくば直帰の流山おおたかの森駅あたり.夕焼けの空に筋雲がくるんと巻いている.午後6時,つくば着.夕焼けからすとんと夕暮れへ.北風が冷たくなってきた.厨房へ直行して,ポトフの仕込み.食べられるまでには一昼夜かかる.今夜は湯豆腐+わかめ和え物+焼き鯵+〈竹鶴にごり〉燗酒という和風な夕餉.夜遅く,ポトフにジャガイモを投入し,やっと最終ステップを踏むことができた.ぐつぐつは禁物.ふつふつと微笑むように煮込み続けることが肝要.これで一晩寝かせれば明日には食べられるだろう.

◆[欹耳袋]Togetter - 「哲学者・東浩紀さんが河合塾で初めて打ち明けた次の著作の構想。」.東さんは確率分布曼荼羅をじっくり見た方がいいと思う.

◆本日の総歩数=8372歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(+0.1kg) / 30.0%(0.0%)


23 oktober 2012(火)※生暖かい南風は嵐の前触れ

◆午前5時前起床.曇り.雲間から朝焼け.気温20.4度! 冷え込みはまったくない.午前6時,気温21.5度.生暖かい南風が吹く早朝.曇りときどき通り雨の観音台は午前8時の気温が22.0度.居室の窓を全開にすると南風が吹き込んでくる.埃っぽくないから,まあいいか.しかし,前線の背後からは寒気がやってくるらしい.半袖で出勤したのは致命的な判断ミスだったかも.実はここ数日油断して喉が痛かったりするし.朝イチのBGMはプッチーニの〈ラ・ボエーム〉.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 11月1日(木)の東大「生物統計学」休講届けを提出.補講日は来年2013年1月31日(木)5限,いつもと同じ514教室にて./宮崎県への宿泊証明書の返送完了./「系統樹曼荼羅」本のゲラが昨日できあがったらしい.ひと通り読んでから午前中にコメントを返す予定.

◆[欹耳袋]浅草十二階が復活する日 —— 東京新聞「浅草のシンボル 「凌雲閣」復活へ 六区最後の映画館跡地」(2012年10月23日).そういえば,細馬宏通『浅草十二階:塔の眺めと〈近代〉のまなざし(増補新版)』(2011年8月刊行,青土社,東京,ISBN:978-4-7917-6618-5 → 版元ページ)の感想をどこかに書いたはずだとファイル書庫をごそごそ探してみたところ,たったひとつ:「さて古えの凌雲閣がどこにあったのか,千束通りの店はとっくに閉めていて,注連飾りが風にゆれ,芸者なのか,日本髪の女がショールに首うづめて歩く」(野坂昭如:『新宿海溝』)という引用文だけ拾われていて,あとは何も書いていなかった.

◆南風が雨雲をもたらす観音台 —— 午前9時過ぎ,南風がますます強くなり,窓全開放では紙片が室内で舞ってしまうので半分閉める.雨雲の本体は茨城県にはまだ到達していないが,アメッシュを見るかぎり時間の問題だ.午前10時,やっと雨が降りだした.お昼前,雨は止んでときおり晴れ間ものぞくが,強い南風が吹き荒れている.気温は23度台.午前いっぱいかかって,「系統樹曼荼羅」本の本文240ページの最終チェック完了.あれだけチェックしてもなお「蟲」がいる.あとは,文献リストと索引のみ.午後,雷の序奏とともに本降りの雨が.前線がまさにつくば上空を通過している.みごとな前線のお姿が東京アメッシュに捉えられている.

◆[蒐書日誌]杉原厚吉『大学教授という仕事 ・増補新版』(2012年10月刊行,水曜社,東京,ISBN:978-4-88065-301-3 → 版元ページ).

◆午後の┣┣" 撃ち —— 「系統樹曼荼羅」本の続き.文献リストと索引のチェックだん.フォントが小さいと「蟲」も小さくなる.ゲラを叩けば「蟲」は(いくらでも?)飛び出る./しばらく鳴りを潜めていた京都ミッションそして上乗せされた群馬ミッションがそろそろ蠕動し始めた.また,近いうちに平日の時間を割いて動き回らないと進捗しないだろう./夕方,『系統樹曼荼羅』の印刷所入稿が終わったので,これからはページが動くことはもうないだろう.目次のノンブルを確定してもいいかな.

◆[欹耳袋]科学基礎論学会・2012年度研究例会:2012年11月3日(土) 10:00-18:10@東京大学駒場キャンパス→プログラム・発表要旨./種生物学会「第44回種生物学シンポジウムのお知らせ」2012年12月7日(金)〜9日(日) @奥琵琶湖マキノパークホテル&セミナーハウス.

◆雨が断続的に降り続く夕暮れつくば.お昼前は24.5度まで上がったが,昼下がりに前線が通過してからはするすると急降下.午後5時の気温は16.5度.今夜は内外を暖かくしないと.国道408号沿いのフウノキがところどころ色づいてきた.風に舞うようになるまでにはまだ時間がかかりそうだが,この雨が通りすぎて寒くなってくるとイッキに紅葉が進むだろう.夜になってふたたび強い雨が降ったり止んだり.

◆本日の総歩数=3532歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(+0.1kg) / 30.0%(−0.6%)


22 oktober 2012(月)※月日はくるくる回っていく

◆午前5時前起床.気温10.8度.さむ.東の地平線から真っ赤な朝日が昇る.朝から青空.週明けの観音台は朝から好天.今朝の最低気温は9.8度,午前8時のいまは14.1度.日中は20度を越えるらしい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 午前いっぱいのタイムリミットで「系統樹曼荼羅」本の索引修正.細かい作業をちくちく進めるのは,実はそんなにきらいではなかったりする.本を一冊書くとき,主役の本文がなければ話にならないが,そのステージを乗り切ってしまえば,あとは脚注やら文献リストやら索引という脇役をみっしりつくり込む愉しみが待っている.だから,脚注・文献・索引の三点セットがない本は愉しみが半減するので書く気にならない.そうこうつぶやくうちに索引修正作業が終わった.人名原綴を入れて分量が増えたので,不要な項目を削除してページ制限内に押し込んだ.索引をブラウズしただけでは何の本だかぜんぜんわからなくなっている(笑).「系統樹曼荼羅」本は販促ポスターをつくるらしい.

◆[蒐書日誌]系統樹から迷宮へ —— Umberto Eco『Dall'albero al labirinto: Studi storici sul segno e l'interpretazione』(2007年刊行,Bompiani, Milano, 636 pp., ISBN:978-88-452-5902-9 [pbk] → 版元ページ).ジャンニ・ヴァッティモ,ピエル・アルド・ロヴァッティ(編)[上村忠男・山田忠彰・金山準・土肥秀行訳]『弱い思考』(2012年8月15日刊行,法政大学出版局[叢書ウニベルタシス・977],東京,vi+374 pp., 本体価格4,000円,ISBN:978-4-588-00977-8 → 目次版元ページ)所収の U. エーコ「反ポルフュリオス」をルーツとする発展形.記号論と中世哲学の歴史.630ページあまりもある分厚い本.

本棚のうしろで Anita Traninger『Mühelose Wissenschaft: Lullismus und Rhetorik in den deutschsprachigen Ländern der Frühen Neuzeit』(2001年刊行,Wilhelm Fink Verlag[Humanistische Bibliothek Reihe I. Abhandlungen: Band 50], München, 296 pp., ISBN:978-3-7705-3579-8 → 目次版元ページ著者サイト)が共鳴してもそもそし始めた.

先日届いて以来,方々の出張のお供に連れ歩いているのだが,八幡不知藪に踏み込んでしまったことを実感しつつある…….

◆昼前.居室の窓を全開にしていると,BGMのバッハ無伴奏チェロと構内清掃作業のエンジン音がしっかり混ざり合う.昼休みは農環研の周囲をひとまわり.

◆[蒐書日誌]本日着弾 —— 石田基広『Rで学ぶデータ・プログラミング入門:RStudioを活用する』(2012年10月25日刊行,共立出版,東京,viii+278 pp., 本体価格3,200円,ISBN:978-4-320-11029-8 → 版元ページ).ご恵贈感謝です! 本書は R プログラミングのための RStudio の初めての日本語解説書.最後の方でウェブ公開のための RPubs にも言及している.こういう明らかに「役に立つ本」と,どうみても「得体のしれない本」が机の上に交互に積み上がっている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 来月の不在許可申請いっさいがっさいを堤出完了.全労働日21日中,フルに農環研に実在する日は6日間,およそ半日だけ実在するのが6日間なので,五割をちょい切るくらいの実在率となる.よしよし./12月8日(土)の農環研サイエンスカフェのポスター案がそろそろ確定しそう.よしよし./来月の豊後湯けむり統計巡業と師走の日向湯けむり統計高座(後半戦)の宿がすべて確定した.よしよし.

◆夕暮れ,半月が浮かんでいるので,観音台を撤収した.本日の最高気温は22.6度.明日は前線通過で雨になり,その向こう側から寒気が押し寄せてくるらしい.

◆本日の総歩数=7474歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(−0.2kg) / 30.6%(+0.3%)


21 oktober 2012(日)※秋晴れの日曜はお散歩日和

◆午前5時半起床.やや.うう…….外は晴れ.気温10.1度とそれなりに寒い.お米を研いで一日の開始.朝日がさんさん.しかし,うっかり背徳の二度寝をしてしまい,気がついたら午前8時をまわっていた.なんたることか.

◆[蒐書日誌]レイチェル・ハーツ[綾部早穂監修/安納令奈訳]『あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか』(2012年10月15日刊行,原書房,東京,x+358 pp., 本体価格2,400円,ISBN:978-4-562-04775-8 → 目次版元ページ).書評依頼本.著者は嗅覚心理学者.第1章「さあ、食べよう」は食に関するさまざまな「嫌悪」について./今月から来月にかけて開催されるという〈中公新書50周年記念フェア〉では,「この50年間に刊行した2189点すべての解説とエッセイを掲載した『中公新書総解説目録』を配布する」(『ダ・ヴィンチ』2012年11月号)らしい.フェアの詳細は不明だが,目録だけはほしいな.

◆[欹耳袋]iPhylo | The failure of phylogeny databases | 19 October 2012./駒澤大学経済学部「統計原論(2012年度)」※このように講義資料を公開していただけるととても参考になる./レジデント初期研修用資料「マンション販売の人が来た」(2012年10月20日).そもそも対応する機会をもつのがまちがい.電話ならば「開線放置」が基本退治策(1〜2時間ほったらかし).あるいは「他人なりすまし」で遊んで捨てる.

◆今日は朝からすっきり秋晴れの絶好の日和.下界のカピオではつくば農産物フェスタが賑やかだ.ブロートツァイトまでパンの買い出し,往復の歩き読みは書評依頼本のレイチェル・ハーツ『あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか』.まずは第1章「さあ、食べよう」を読了.日中は夏日ラインを越える暖かさで,最高気温は25.5度まで上がった.半袖をしまったのは明らかに失敗だ.

◆[蒐書日誌]近藤信行『小島烏水:山の風流使者伝(上)』(2012年10月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー・774],東京,338 pp., 本体価格1,500円,ISBN:978-4-582-76774-2 → 目次版元ページ).白昼徘徊の帰路,天久保の友朋堂書店にてゲット.元本は1978年に創文社から刊行された.下巻は来月に出るのかな.

◆本日の総歩数=6187歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(−0.2kg) / 30.3%(−0.2%)


20 oktober 2012(土)※ホームカミングデーで本郷へ

◆午前4時過ぎ起床.いまの気温は6.6度.道理で寒いはずですな.明けの明星がぽつんと輝く空は晴れ渡っている.紅の朝焼けに染まる東の空.放射冷却で今朝の最低気温は午前6時前の5.9度だった.またしても今季最低を更新した.どんどん寒くなる朝晩.日中との日較差は広がるばかり.

◆[欹耳袋]中野経済新聞「中野で「東京虫食いフェスティバル」-昆虫料理アワードグランプリは壇上で試食も」(2012年10月19日).最近は「蟲喰う人びと」が増えてきたのだろうか.昆虫食本も新刊でよく出るし.

◆[分類思考]本日の残響:かふぇ・ど・かわうそ「(Note #61)雑文」(2012年10月13日)※戻ってきていただき感謝感謝.

◆本郷でのホームカミングデー —— 雲がやや広がってきた昼下がり,本郷に出撃.今日は朝から〈東京大学ホームカミングデー〉ということで,午前中からいろいろなイベントが本郷と駒場で開催されている.しかし,ワタクシの目的地は東大農学部キャンパス.旧・農業生物学科の同窓会に向かう.池袋の東武で山口の〈雁木〉純米大吟醸無濾過をゲットしてから本郷へ.弥生講堂アネックスの会場で二時間ほど.さらに場所を移して農学部一号館の生物測定の部屋にて飲み続けた.

  • [本郷]二次会ネタ:「生物統計学はがんがん予算をとって,どんどんデータと取っ組み合うべきである.おとなしくしているだけが美徳ではない」 posted at 18:26:44
  • [本郷]二次会ネタ:「データは溜まっても,解析しなけりゃ意味ないだろ」 posted at 18:30:56
  • [本郷]二次会ネタ:「KSNセンセの学生は筋金入りのオリガミアン.これはすごい.折り紙はいっさい切らない一枚紙から作り上げるのが本道.」 posted at 18:39:40
  • [本郷]二次会ネタ:「もう彼女は必要ない.研究さえできればいいんだ(をを!と感動のざわめき)」 posted at 18:48:10
  • [本郷]二次会ネタ:「生物測定学に女神が降臨したなう(をを!)」 posted at 18:56:10
  • [本郷]二次会ネタ:「牛の育種を十年続けたのちに,ワタクシは統計の道に邁進しようと退社しました(をををを!)」 posted at 18:57:19
  • [本郷]二次会ネタ:「シニア世代の研究者は若手研究者をいい意味でもワルい意味でも……」 posted at 19:08:46
  • [本郷]二次会ネタ:「生物統計学者でも日本ボディービルダー六位になれるんだ!(をををををを!)」※ここでハダカにならなくってもいいからね. posted at 19:38:21
  • [本郷]二次会ネタ:「大学院出て,学位とって,はい無職無収入ってのが,かつて前世紀末の大多数の大学院生がたどった末路.それでも,週に何日か働いて何日か研究して続けるのが研究者ライフ」 posted at 19:44:57
  • [本郷]二次会ネタ:(承前)「有給ポスドクの制度が極端に貧弱だった時代のことなので,いまの状況にそのまま当てはまるわけではないが,研究費はもちろん生活費の見込みすらないという事態は誰もがどこかで想定していたはず.」 posted at 19:51:10
  • [本郷]二次会ネタ:(承前)「当時は,研究者予備軍のコミュニティが現在の数分の一だったので,そういう経済的にヤバい(はずの)状況であっても,何年か待てばなんとかなるという,根拠のない楽観主義とともに生き続けられた.」 posted at 19:54:58
  • [本郷]二次会ネタ:(承前)「研究者予備軍が将来進む進路やキャリアが結果としてどうなるかは,何時の時代も多かれ少なかれ不確定なのだが,生き続ける気力とチャンスを活かす機転が大事」 posted at 20:00:08
  • [本郷]二次会ネタ:「東大を出たからといっておまえはほんとうにシアワセだったのか? 反証例はいくらでもあるぞ」 posted at 20:01:26
  • [本郷]二次会ネタ:(承前)「進振りネタは卒業後何年経っても盛り上がる.偶然が人生を支配することはコマバで身に沁みて学んだ.」 posted at 20:08:53
  • [本郷]二次会ネタ:「そのとき最適だと思った選択肢がなぜずっと最適であり続けると信じられる根拠はどこにあるのか.しかたなく選んだ選択肢がずっとそのまま底辺であるとみなす論拠は何か?」 posted at 20:13:06
  • [本郷]二次会ネタ:「そのときそのときに遭遇した偶然やチャンスという不確定性に人生を委ねられる覚悟は研究者にとって必要な資質ではないのか.」 posted at 20:17:19
  • [本郷]研究室同窓会は人生行路がいろいろ語られる. posted at 20:20:42
  • [本郷]二次会ネタ:「コマバで “超低空飛行” でもぜんぜん問題ない!」 posted at 20:27:32
  • [本郷]二次会ネタ:「いかにして “文短” のコをいてこますかをプログラミングした豪傑がいた」 posted at 20:28:56
  • [本郷]人生いろいろ. posted at 20:29:39
  • [本郷]二次会ネタ:「所属する組織に対して over-fitting しても利益はない.」 posted at 20:42:46
  • [本郷]二次会ネタ:「統計腐女子本を書こう! 正規分布ちゃんはイケメン,Χ自乗分布くんは性格が歪んでいる.「竹中半兵衛」とか「関羽」の画像検索結果が参考になる.」 posted at 21:00:32

—— 午後9時過ぎに弥生キャンパスをあとにして根津の坂を降りる.つくば直帰.帰り着いたのは午後11時前だった.

◆本日の総歩数=8193歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=94.1kg(+0.1kg) / 30.5%(−0.3%)


19 oktober 2012(金)※一週間ぶりに観音台に戻って

◆午前4時過ぎ起床.雨.気温11.7度.北風が強い.一週間ぶりの観音台なう.午前8時の気温は13.1度.昨日よりも格段に湿度が低くて快適.明け方は曇り空だったが,いまは空高く青空が広がってきて心地よい一日になりそうだ.いちおう台風一過の青空ということね.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 午前中は10時からとある学位論文の聴聞会をつくば駅近くで開催.お疲れさまでした.正午前,雲ひとつない秋晴れの観音台は,昼前の気温が17.2度,空気も乾いて快適な空模様.

◆[欹耳袋]「概論」と名の付く講義は,教える側からすれば,相当な覚悟と開き直りがないとやってられない(はず).「統計学概論」などという高座を二十年近くもやっていられるのは,とうの昔に開き直っているから.そんな講義をやりたい教員はほとんどいないでしょ.「概論」とか「入門」という講義タイトルに釣られて痛い目を見る学生は多いだろう.詐欺とは言わないまでもタイトル負けしている講義は少なくない.

◆昼の┣┣" 撃ち —— とりあえず,メールボックスの放置┣┣" を沖に放流できたことはうれしいが,全個体がほどなく母川回帰することもまた確実である.

◆[蒐書日誌]ご恵贈ありがとうございます —— 奥野克巳・山口未花子・近藤祉秋(編)『人と動物の人類学』(2012年9月19日刊行,春風社[シリーズ〈来たるべき人類学〉・5],東京,xvi+363 pp., 本体価格2,381円,ISBN:978-4-6110-325-4 → 目次版元ページ).民俗動物学の現場.

◆[欹耳袋]体系学三題 —— 系統樹ヴィジュアライザー〈OneZoom〉:J. Rosindell1 and L. J. Harmon | OneZoom: A Fractal Explorer for the Tree of Life | PLoS Biol 10(10): e1001406. doi:10.1371/journal.pbio.1001406. 「Escaping the Paper Paradigm」という主張は確かにその通り.YouTube にアド動画もアップされている : Tree of life branches out online./スマホで系統解析ができる時代がそのうちきっとやってくる?: RAxML on Android/今年逝去した Robert R. Sokal メモリアル・イベント:MEMORIAL FOR ROBERT R. SOKAL (1926 - 2012) November 18, 2012 2:00 to 4:00.Class-L からの情報

◆夜の┣┣" 撃ち —— 午後5時前,夕陽の落ちるのが早くなってきた.今日は夜の┣┣" 撃ちが予定されているので,そろそろ撤収準備をしよう.夕焼けグラデーションを背景にして西の空に三日月が浮かんでいる.

午後6時,竹園公園にて.動員された組合の県南大集会に参加.日が暮れても今のところあまり寒くない.一時間ほど公園で気勢を上げ,シュプレヒコールの発声練習をしてから,つくばセンター周辺をぐるりと練り歩く.だんだん気温が下がってきた.

◆帰宅後,宮崎から持ち帰ってきた「わけあり」の日本酒を開栓.アテは宮崎空港で買ってきた「飫肥てん」.さつま揚げのようでいて,豆腐や味噌そして黒糖を混ぜた肴のすり身揚げはすでにしっかり味がついている.これじゃ飲むしかないじゃない.お酒の方はもうちょいキレがいいと味わいがよくなるよーな.ほうとうをすする夕餉は一足早く秋が深まってきた.午後9時の気温がすでに9.1度.明朝は今季最低気温をきっと更新するにちがいない.今夜は毛布だけではなく布団も召喚しよう.

◆本日の総歩数=10416歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.0kg(+0.3kg) / 30.8%(0.0%)


18 oktober 2012(木)※朝から夜まで雨中の都内出撃

◆午前4時半起床.気温15.4度.雨は上がっているようだが,夜明け前の遠景が霞んでいる.ワタクシが薩摩の山奥で背徳湯煙旅をエンジョイしている間に放置されていた┣┣" 放牧場のお世話なう.

◆定例都内出撃の朝 —— 午前7時半に家を出てつくば駅へ.曇りときどき小雨.今月のTXダイヤ改正に合わせて初登場した「通勤快速」に乗る.快速よりも遅いが区間快速よりは速い.今朝はTXと中央線がどちらも遅延してだいぶ遅くなってしまった.都内は曇り空,小雨が混じる.成城学園前.雨はしだいに上がり,東の方は青空が見える.玉川学園前.曇りときどき小雨.空気が湿って不快指数高し.今日は距離法(UPGMA, NJ, ME)のお話.

◆講義後,玉川学園前へ逆コース.雨が本降りになってきた.今日もまた途中地点の経堂で下車.〈はるばるてい〉の「鶏そば」を注文.いつもついつい「香麺」を注文してしまうのだが,たまには別のメニューを.醤油ベースのつゆに腰のある太麺.大ぶりにカットされた鶏チャーシューがごろごろ入っている.シンブルだがこれもまた美味.岩手〈月の輪〉のひやおろしがある! 仕事さえなければ! すずらん通りの〈Cura2〉に着地.

◆[欹耳袋]2012年度・第166回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉のカリキュラム使用ソフトウェア一覧./初日のパブリックな懇親会が盛り上がりそうなので,かなり強力な日本酒のラインナップを用意しないといけない.日本酒の武器庫はつねに臨戦態勢にしておかないといけない.最終日のプライベートな方はすでに場所を確保しましたので思い当たる方は予定しておいてね./遠隔操作で┣┣" 個体数がだいぶ減った.よしよし.

◆午後3時過ぎ,次の標的である駒場に向かう.午後4時前,雨あがりの駒場キャンパスに到着.講師控室にて準備.夜ふくろうは休眠させた.これで講義中にふぁぼ爆される心配はなくなったぞ.今日は統計学概論で,久しぶりに科学哲学のお話をしっかりやった.

講義中の「つぶやき」はこんな感じ:

そして,講義後の「感想」はといえば:

  • #TodaiStat あ,どーもです.本日の講義は先週に続いて統計学概論.ほんのちょっとだけ科学哲学の話が混じります. posted at 16:16:38
  • #TodaiStat いまタイムラインを遡っているのですが,講義中〈夜ふくろう〉を寝かせておいてよかったー(笑). posted at 20:22:23
  • #TodaiStat 本日は統計学がらみの「科哲」な噺を聴いていただき感謝.>というか,コマバではもっと科学史や科学哲学を講義などで聴く機会があったのではと思い込んでいたのですが,最近はそうでもないのですか. posted at 20:26:14
  • #TodaiStat 駒場生はコマバにいる間に科史科哲を身に着けておきませう. posted at 20:43:01
  • #TodaiStat 【感想】「データD→仮説H>H' →仮説H っていう流れで,データD, D', …が複数あって,データDはHを,D'はH'を支持する場合はどうしたらいいんですか?」/【回答】統合された「D+D'+…」に対するアブダクションを実行します. posted at 21:58:11
  • #TodaiStat 【回答】(承前)複数のデータを統合して仮説を評価するという方針は,今日の講義で登場した Rudolf Carnap が「全証拠の原理(principle of total evidence)」という提唱した考え方です. posted at 21:59:40
  • #TodaiStat 【感想】「どうしたらみんなに『ベストだ!』と思わせるかという手練手管を覚えるのがこの授業だと思いました」/【回答】統計的アブダクションの「基準」をめぐる論議はエンドレスです. posted at 22:01:23
  • #TodaiStat ここからあとの感想は科学哲学がらみのものが多かった.みんな,飢えてる? posted at 22:02:11
  • #TodaiStat 【感想】「基礎統計では具体的な計算のしかたしか(これも大事だが)教えてくれないため,今回のような統計とは何かみたいな話が聞けてよかった」/【回答】また機会を見つけては話題提供しましょう. posted at 22:03:44
  • #TodaiStat 【感想】「科学哲学という授業はありましたが素粒子論とかばっかりで意味不明でした」「科学哲学という授業はあります.文系的な授業として扱われているようです」/【回答】あらら. posted at 22:05:17
  • #TodaiStat 【感想】「それって科学なの?的問いが気になる」/【回答】歴史とか進化とかの研究分野では日常的に投げかけられる問いです. posted at 22:07:29
  • #TodaiStat 【感想】「哲学は昔の人の妄想をありがたがる宗教か何かというイメージ http://ow.ly/i/12e7C で敬遠していましたが,意外とまともなことも考えているんだなあと思いました」/【回答】善哉善哉. posted at 22:16:12
  • #TodaiStat 【感想】「UTクラスタと絡んで下さい.統計より科学哲学が僕は好きですよ」「私は個人的には科学哲学好きですよ.もっと紹介してくださるとうれしいです」/【回答】_φ(・・ posted at 22:21:56
  • #TodaiStat 今日話した「統計学の哲学」については.名古屋大学出版会の最新刊:エリオット・ソーバー『科学と証拠:統計の哲学入門』 http://ow.ly/ezL6X を参照のこと. posted at 22:24:10
  • #TodaiStat 【感想】「The Cell が重いです.日本語版と英語版,二冊運んだらとても疲れました」/【回答】重い教科書は研究者としての「筋力」鍛錬.いまの教授世代の生態学者たちは E. O. ウィルソン『Sociobiology』を持ち歩いて腕力をつけたはずですw posted at 22:29:29
  • #TodaiStat 【感想】「先生の声がたまに板東英二に似てると思ったのですが気のせいですか?」/【回答】気のせいですっ!(キリッ) posted at 22:30:49

—— バックチャネルもお盛んでなかなかよろし.

◆講義後,夕闇の駒場キャンパスを抜けて駒場東大前へ.雨は小止み.午後8時,雨が降り続くつくばセンターを濡れながら歩くワタクシはそろそろリミットかも.MacBook Air と Dell Inspiron mini を二台持ち歩くのはきついなあ.Win アプリは全部 MBA のDarwine に押し込めるとするか.

◆本日の総歩数=13209歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(−0.4kg) / 30.8%(+0.2%)


17 oktober 2012(水)※妙見温泉は雨降る明け方の湯

◆午前4時半起床.山間の温泉街はまだ闇の中.昨夜から降り続いている雨はいよいよ本降りになってきた.夜明け前の岩風呂に直行するぜいたく.闇に包まれた山間の冷気が内湯にも忍び込んでくる.午前6時,天降川をはさんで対岸に見える湯治滞在用の別館・妙見館ではすでに厨房で朝ごはんのしたくが始まっているようだ.本館の朝食タイムは午前8時から.雨は土砂降りになった.正しい日本の朝食をいただいたあとは,宅急便でわけありの日本酒を発送し,午前9時前にチェックアウト.

妙見ホテルからタクシーを飛ばして国分駅へ.出勤通学時間帯ではない駅はどことなく鄙びていると雰囲気.早朝の土砂降りはおさまって青空がのぞくまでに回復したのはいいが,べたべたと蒸し暑くとても10月半ばとは思えない.9:23発の特急〈きりしま〉で宮崎に戻る.霧島神宮]駅の周りにはなーんにもなさそう.西都城で大粒の雨がスコールのように降ってきた.不安定な空模様だ.南宮崎で下車してタクシーで宮崎空港へ.運転手の話では,宮崎県内は今朝の大雨の影響によるJRの遅延が続いているらしい.12:15のフライトで羽田空港へ.

午後2時過ぎ,羽田空港第二ターミナル着.曇り,気温19度とのこと.湿度が高いので蒸し暑いことにちがいはない.TXでつくば直帰.霧雨がしとしと降るつくばセンターを横切って帰宅.つくばも夕方になって雨足が強まってきた.

◆人生初の宮崎と鹿児島への旅は連日連夜の背徳のうちに終わったのであった.

◆本日の総歩数=6173歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


16 oktober 2012(火)※宮崎から南へ鹿児島への初旅

◆午前5時前起床.真っ暗.気温15.0度.千鳥足台風21号の進路はもうわけわからなくなってきた.背徳の夜が明けて,今日も一日お座敷をちょうだいする.朝食は午前6時から一階のレストランでバイキング.宮崎名物の飫肥てんやチキン南蛮が盛られている.よく食べて,今日も出撃だ.

◆[欹耳袋]宮崎繁華街のどまんなかでビール! —— 〈パウジンガー醸造所〉.宮崎農試の研究員さんから教えてもらった店(→ 場所).ドイツ最古の個人醸造元パウジンガービールの生が飲めるアジアで唯一の店.とてもうまいらしい.次回の師走宮崎背徳ナイトのために残しておこう.

◆宮崎高座(二日目) —— 午前9時,宮崎県農試に到着.今日の佐土原は天気はいいものの北風が昨日以上に強い.すでに受講生の1/3ほどが着いていた.統計研修は昨日と同じく午前9時半開講.朝イチに確率変数と確率分布のパラメトリック統計学な話をして,受講生を締めあげた.その後,Rコマンダーの Teaching Demo を利用して確率分布の描画実習.

曇りときどき小雨が混じる昼休み.昨日よりもさらに北風が強い.今日もまたお米の食味試験.いま宮崎農試で育種途中の新品種がいくつか入っているという.「食味試験にはたくさん食べないとダメです」とのことで所員のみなさんは五種類の“検体”をてんこ盛りに盛り上げている.食味試験してからお弁当を食べるというのはかなりの鍛錬(胃腸の).休憩室には大きな炊飯器がずらりと並び,炊きたてのご飯が.聞いたところでは,新品種育成中は連日「食味試験」をし続けるとのこと.連日こんなにたくさんご飯を食べ続けるのか.負けました.

午後1時から講義再開.実験計画法のアウトラインと完全無作為化法・乱塊法の説明とRコマンダーでの実習をした.午後3時半,講義終了.基礎編はこれでおしまい.次回は12月には応用編がやはり二日間予定されている.聞いたところでは,今年はワタクシが宮崎に来たので,つくばでの統計研修にはだれも派遣しないとのこと.そりゃそうだろうな.宮崎県農試はわりに最近改築したとのことで,研究棟はアーケード廊下の両側に整然と配置されている.広大な実験圃場がその向こう側に広がっていた.農試の手前に畜産試験場があったが,先年の口蹄疫騒動のときはそれはたいへんだったらしい.

—— 帰り際,農試の研究員さんから「どうぞ」と四合瓶二本を手渡されたのだが,わけありの日本酒なので公開できないのがごめんなさい,と.わけあり(魅惑的な言葉).雨はなお降り続いている.

◆人生初鹿児島への旅路 —— 農試からJR佐土原駅まで車で送ってもらう.小雨.久しぶりに見るローカルな駅舎だった.特急の停車駅なのだが,単線なのでスレ違いの待ち合わせものんびりしたものだ.佐土原から宮崎までの一駅だけ特急〈にちりん〉に乗り,宮崎駅からは特急〈きりしま15号〉に乗り換え.南宮崎.雨と風がしだいに強くなってきた.ここから鉄路は山の中に入っていく.青井岳駅通過.雨に煙る山間を縫って特急〈きりしま〉は南にずんずん走り続ける.黄昏時の到来が早いように感じるのは山の中のせいか.車窓の景色は墨色の山水画.都城を過ぎれば「人生初鹿児島」はもうすぐだ.都城駅.駅舎の中に赤錆びたプラットホームがそのまま残されていたり,単線ならではの趣きありまくり.北俣駅にて列車行き違い待ち.外は雨が止んで曇り空.夕闇がしだいに深くなってきた.駅名プレートを確認したら,すでに鹿児島に入っている.人生初鹿児島.霧島神宮駅.さて,そろそろ降りる用意をしないと.国分駅で下車.雨は上がり西の空が夕焼けに染まってきた.

◆夕闇の山に分け入り妙見温泉 —— 国分駅前からタクシーで妙見温泉へ.街中を通り過ぎ,山道をたどると道路沿いに妙見温泉街が広がっていた.かつては栄えたという妙見温泉もいまでは静かになってしまったとタクシー運転手は言っていた.今夜の宿泊先は〈薩摩隼人妙見ホテル〉.天降川の両側に広がる妙見温泉街.川のこちら側の〈妙見ホテル〉と大きなアーチ橋でつながっている川向うの〈妙見館〉とは同じ経営.〈妙見館〉は自炊湯治客のためにつくられたとのこと.チェックインしてからまずは温泉へ直行.このホテルのおそるべき岩風呂は源泉掛け流しの湯滝がどばどば流れ落ちていた.巨大な岩風呂を独り占めできたのをいいことに湯滝に打たれる.源泉掛け流しというか,源泉垂れ流しというか,とにかく湧出するお湯が多すぎて,浴槽の縁からどんどんこぼれている.もったいないと言ってもしかたがないんだけど.岩風呂の隣には,五右衛門風呂のような釜型の「壺湯」が三つ並んでいる.ここも源泉がどばどば注ぎ込まれていてぜいたくそのもの.妙見ホテルの源泉は炭酸水素塩泉.舐めると金気が強い.湧出してすぐは透明だが,空気に触れると灰褐色に濁ってくる.浴槽内の岩には分厚い析出物の「へり」ができている.湯滝の岩には棚田のような析出物の階段が広がり,滝の裏側には鍾乳石のような褐色の突起が.すごいなあ.“土類泉ファン”のワタクシとしてはこれだけでも十分に満足だ.

大広間での夕食の膳には銀色に輝くきびなごのお刺身や豚肉の軟骨煮がならぶ.さすが薩摩.ビールはスーパードライのみ.焼酎の銘柄はいくつもあったが,日本酒は「冷酒」と「燗酒」の二種類のみ.ふすまを隔てたとなりの大広間では,熊本からやってきた老人会と思しき団体がフルボリュームでカラオケ大会に興じている.ひさしぶりに絵に描いたような「温泉旅館」に泊まっている気分.しかし,ロビーでは Wi-Fi がちゃんとつながったりするのが,くらくらするほどモダン.ホスピタリティー度がとても高くていい宿だった.

鹿児島の山の中で好き放題に源泉掛け流し温泉に入るというのは,それはそれで背徳ナイトなのかもしれない.夜が更けるとともに雨足がしだいに強まってきた.ホテルのすぐ眼下を流れる天降川の水音が夜の温泉街に反響していた.高座疲れと湯疲れでもう寝るしかない.

◆しかし,シアワセな日々には終わりがやってくる.明日は朝からあわただしく移動し,昼過ぎに宮崎空港から飛んで帰らなければならない.

◆本日の総歩数=4650歩. 朝○|昼△|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


15 oktober 2012(月)※佐土原の宮崎県農試にて高座

◆午前4時半起床.九州に来ると夜明けが遅いので,外はまだ真っ暗.午前5時の気温は15.3度.つくばよりも格段に暖かい夜明け前,とつぶやこうとしてアメダスを見たら,たいしてちがいがなかった.台風の影響はまったくなく,青空が広がっている.今朝の最低気温は15.1度.朝食後,ホテルの外に出てみたら心地よい涼しさだった.南方に見渡せる遠景の山々は霧島連峰かな.宮崎にまで┣┣" が上陸した.先ほど『系統樹曼荼羅』の印刷所入稿原稿がpdfでドカンと着弾.今日のうちに印刷所に発射されるのでチェックはこれが最後の最後となる.午前8時にお迎えがくるので,そろそろ出撃準備.

◆宮崎高座(初日) —— 車で約20分で宮崎県総合農業試験場に到着.途中,つぶれてしまったシーガイアのそびえ立つ“遺跡”を遠くから望んだ.まずは場長さんに挨拶してから,別棟の研修棟にてPCなどセットアップちう.そろそろ研修生が集まり始めた.まだ時間があるのでつぶやいたりしている.持参したウィンドウズPCがいきなり死んで Checking File System が作動.さて,どーするか.とりあえずは MacBook Air があるからだいじょうぶだけど…….ここぞというときに成仏する Windows PC.しかし,なんとか持ち直して動くようになった.

午前9時過ぎ,開会.副場長の開会あいさつ.なるほど,そういう趣旨だったのかー.事務から全体ガイダンス.県内の遠くから来ている受講生もあるとのこと.

いつも通り統計学概論から始まる.休憩の間に実習用USBにコピーしないと.受講生60名あまりが絶賛Rインストール.足りないパッケージがあったり,個別の“不幸”があったりして,けっこう手間取り,午前中はインストールだけで終わってしまった.実質的な実習は午後に.

◆お昼休みは宮崎農試で開発された水稲新品種のごはんのテイスティング(食味試験)に参加した.5種類のお米で炊いたご飯を順番に食べていくのだが,外見・粘り気・食味など数値評価するというのはかなり難しい.とてもたくさんご飯「だけ」食べたせいか満腹なんですけど.今日はよく晴れて農場を強い北風が吹き抜けている.正面玄関前の風力発電風車がびゅんびゅんまわるまわる.

◆午後1時から講義再開.Rコマンダーを使ったグラフ実習.データが見える見える.午後4時半に本日の高座はおしまい.約60名のPC実習はそれなりに手間取るところが多い.今日は終日よく晴れて,風が強かった.明日は実験計画の話で一日が終わるだろう.

◆宮崎背徳ナイト(二日目・牛編) —— ホテルまで送り届けてもらったあとはナイトライフの時間.橘通り沿いの宮崎県庁近くにある FOODING 食堂〈Vendange〉にて.まずはカマンベールの味噌漬けほんのり苺の香り.ハートランドの生とともに.一日おつでした.野菜の生春巻きがうますぎる.野菜サラダをたっぷり食べている感じ(というかサラダそのもの).そろそろワインに移るとするか.シャブリには甘海老と茸のペペロンチーノ.メインは宮坂牛のタリアーレ(初宮崎牛!).ボルドーのカベルネ・ソーヴィニョンとともに堪能した.最後は栗のロールケーキとコーヒーでおしまい.

—— 昨日とはまたちがういい夜になった.明日も朝から夕方まで高座がある.

◆本日の総歩数=8651歩. 朝○|昼△|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


14 oktober 2012(日)※南九州への旅路は人生初体験

◆午前6時半にのろのろ起床.曇りところどころ晴れ.気温10.2度.旅支度は続く.系統樹曼荼羅本の三浦梅園「動植分合總圖」の再スキャンを依頼された.画質が低いとのこと.しかし,今朝はもう観音台に行っている時間がない…….印刷所から戻ってきたら差し替えるしかないか.

◆人生初宮崎の旅へ —— スーツケースを転がして午前10時前につくば駅へ.秋葉原から浜松町を経由して羽田空港第二ターミナルビルにたどり着いたのは午前11時半.久しぶりに第二ターミナルに来た気がする.〈ドン・サバティーニ〉にて昼ビールとか,ちょっと背徳なランチ.その後,検査場を早々と通過してゲート54で搭乗待ち.窓越しの空は曇っている.

13:15発の宮崎行きフライトはANAとソラシドエアの共同運航便.定刻に離陸し,曇り空の宮崎空港に午後3時前に着陸.人生初宮崎.別府湾をかすめて離着陸する大分空港と同じく,宮崎空港も海の際にある.ただ外海に面しているせいか,それとも徘徊台風21号のせいか,波がかなり荒かった.滑走路に雨が降った形跡があるが,いまは曇り空.気温24度.

空港ロビーにて完熟マンゴージュースを飲んで,これからJRで宮崎駅に向かう.博多行きの特急シーガイアに乗った.宮崎駅までは特急券なしで乗れる.雨が降ってきた.宮崎駅前の〈リッチモンドホテル宮崎駅前〉にチェックイン.小雨がぱらつくあいにくの空模様.いたるところに椰子の木が植わっていて,あまりにイメージ通りすぎる.

◆宮崎背徳ナイト(初日・鶏編) —— 「宮崎に来たならまずは牛でしょ」という見解,「いや,宮崎地頭鶏を食べずしてなんとする」という反論,さらには「宮崎まるみ豚をdisってはならぬ」との声が入り混じる.要するに全部食べればいいんでしょ.しかし,胃袋はひとつなので,今夜は「鶏」から始めよう.

駅の向こう側の一番街のアーケードをずんずん歩いて,西銀座通りを下ったところにある〈ぐんけい隠蔵〉のカウンターに着地.まずは鶏刺身三点盛り.芋焼酎〈松露〉うすにごりをロックで.地頭鶏の刺身は胸・砂肝・ささみの三種.焼酎に合いますなあ.次は米焼酎〈山翡翠(やませみ)〉のロック.プレミアムもも焼きが運ばれてきた.カウンターの目の前で炭火で焼かれる.熱々.ええ感じで飲んでるけど,さて.芋焼酎〈ひょうすんぼ〉のロック.チキン南蛮が来た~っ.チキン南蛮は背徳度が高いけど,ハーフにしたから許されるにちがいない.

ここはとても人気がある店のようでひっきりなしに予約客が入ってくる.待ち客の列が伸びているようなのでそろそろ撤収するかな.ちょっと寄り道.広島の〈亀齢〉の「辛口純米・八拾」など.新潟・新発田のふじの井酒造から「めぞん一刻」ラベルの日本酒が出てる.

—— 初日だし,今夜の罪は深くなかった(と思う).

◆明日は午前8時に宮崎農試の人がホテルまで車を回してくれるとのこと.本業はこれからだ.

◆本日の総歩数=10113歩. 朝○|昼△|夜×. 計測値(前回比)=94.1kg(+0.5kg) / 30.6%(+0.2%)


13 oktober 2012(土)※雲のさざなみが広がる秋の空

◆午前4時起床.気温はなんと「9.5度」! 今期最低をまたまた更新.昨夜はしっかり燗酒を摂取しておいてよかったー.夜中のうちに系統樹曼荼羅┣┣" がまた一頭漂着していた.早く沖に戻してあげないと暴れるぞ.┣┣" 放流だん.空を見上げると夜明け前のグラデーションの空に,糸のような三日月.すぐ傍には輝く星がひとつ寄り添う.しだいに朝焼けの空が白んできた.午後5時の気温は9.2度.10度を下回る朝は晩秋の気配が漂う.午前6時前には8.4度まで下がった.寒いはずだ.

◆[欹耳袋]日本速記協会「速記130年記念シンポジウム 講談落語速記本の興隆と大阪」(2012年9月13日).今日の午後,大阪で開催されたらしい./東大オケ♪練習日記「駒場オケ秋合宿」(2012年10月2日).昔を髣髴とさせる光景ですな.

◆遅くなってしまったが,木曜の駒場「生物統計学」初回講義の感想など ——

  • #TodaiStat 一昨日の駒場「生物統計学」初回高座の感想をみなさんからいただいていました.その後,〈魔王〉のように背後から追っかけてくるゲラ読み┣┣" との格闘で今日になってしまいました.「この感想,すごくおもしろいのでツイッターに上げて」との声がありましたので上げます. posted at 04:55:12
  • #TodaiStat 【感想】「いろいろな方向からデータを見ることの重要性がよく理解できました.統計学は数学だと思っていましたが,二値論理ではなく,アブダクションを使う多値論理であるとは不思議です」/【返答】統計学者が推論に関する科学哲学にもっと関心をもてばいいんですけどねぇ. posted at 04:59:36
  • #TodaiStat 【感想】「昨年,基礎統計のシケ対になり,なにがなんだかよく分からないまま試験を受け…」「基礎統計をとろうとして最初の授業で難しくてあきらめた…」「数学的な統計学ではくじけたので違う角度からの統計学を楽しみにしています」/【返答】犠牲者は数知れず… posted at 05:04:16
  • #TodaiStat 【感想】「統計嫌いだったので救われます.基礎統計はまじめに勉強したのに良でした……」/【返答】講義中に挙手してもらった大半の学生さんは「基礎統計学」を取っていたのですね.あの教科書は定評のある本ですので,近くにあってもきっと害はないでしょう. posted at 05:07:53
  • #TodaiStat 【返答】(承前)初回講義のときに繰り返し言いましたが,データをいかにちゃんと「見る」かがとにかく重要で,統計の「計算」は二の次三の次だと考えて下さい.食材を吟味しないでいきなり調理をはじめる料理人はへぼです. posted at 05:10:32
  • #TodaiStat 【感想】「僕も朝から晩まで統計を勉強して開眼したいです」/【返答】をを! 統計出家修行をご希望でしたら,いつでもご相談に乗りますよ. posted at 05:12:36
  • #TodaiStat 【感想】「とても勉強になります.いま卒論で統計に苦労しているので,二年生のときにまじめに勉強しておけばよかったと思いました」/【返答】そうなんです! 統計を学ぶ主たる動機づけは自分のデータをもつことですが,学部二年生だとまだ早すぎるんですよねぇ. posted at 05:15:55
  • #TodaiStat 【感想】「講義のpdfが置いてあるところにアクセスしましたが,リンクが切れているみたいです」/【返答】わわ,それは失礼しました.先ほど〈租界R〉 http://ow.ly/eraHG リンク先を確認して,ダウンロードできるようにしました. posted at 05:20:06
  • #TodaiStat 【感想】「ツイッターTL上で無言の講義というのも革新的で面白いと思います」/【返答】ツイ廃一直線!w posted at 05:21:43
  • #TodaiStat 【感想】「Twitter アカウントをひとつも持っていませんが,受講の上で支障ありますか?」/【返答】まったくありませんのでご心配なく.講義がらみの質疑回答あるいは情報提供のひとつの手段としてツイッターを使っています. posted at 05:24:40
  • #TodaiStat 【感想】「講義中の夜ふくろうはもうしない方が.この講義,ツイッター廃人多いです」/前回は講義中に夜ふくろうが連呼したので,次回は気をつけます. posted at 05:26:17
  • #TodaiStat 【感想】「三中さんは麻雀やりますか? 麻雀を統計的に分析する方法を教えてほしいです!」/そういう動機づけが統計の勉強には欠かせません.精進して下さい!(ワタクシはかつての駒場寮に巣食っていたのに麻雀はやらないのです) posted at 05:28:57
  • #TodaiStat 【感想】「誰か大統計大マンダラを萌えキャラ化してツイッターに流してくれないだろうか」「大マンダラの下ネタを増やしてください」/【返答】確かに今年は「廃人率」が有意に高いですなぁw. posted at 05:31:08
  • #TodaiStat 【感想】「先生のキャラがすごくおもしろかったです」/【返答】( ´ ▽ ` )ノ posted at 05:31:55
  • #TodaiStat 【感想】「今日のアイリスの形状グラフを自分でもRを使ってやってみたい.ずっと数値の視覚化だと思ってきたのですが,「視覚の数値化」だったのでそこがおもしろかったです」/【返答】Rスクリプトはのちほど公開しましょう. posted at 05:35:33
  • #TodaiStat 【返答】(承前)今回の講義でのデモには「R」とそれに付随する「Rコマンダー」と「Rスタジオ」を使います.統計ツールRのインストールと使い方に関しては,ワタクシの〈租界R〉や掲示板〈RjpWiki〉 http://ow.ly/ercyz をご覧あれ. posted at 05:39:01

—— 講義中の「ふぁぼ爆」は初めての経験だったし.ディスプレイの半分が見えなくなるまで,夜ふくろうの着信メッセージが埋め尽くした.久しぶりにコマバの空気に包まれた実感が湧いてくる.

◆明け方は今季最低の冷え込みでも,日中はよく晴れ上がり午後は23度台の暖かさになった.洗濯物がよく乾く日和.阿見で新しい靴が二足も増えたので履き慣らしのため観音台へゴー.漣のような雲が空高くどこまでも広がっている.懸念されていたプラピルーンちゃんは沖縄の南あたりで立ち止まっているようで,いまのところ南九州にいらっしゃる事態は向こう数日間なさそうだ.この分だと明日からの日向巡業の日程は予定通りにこなせるだろう.宮崎市の気温の日変化をアメダスで見たりしている.最低気温/最高気温が13〜15度/24〜25度なので,とりあえず半袖でOKと判断した.旅支度はこれからだ.

◆本日の総歩数=5201歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(+0.1kg) / 30.4%(0.0%)


12 oktober 2012(金)※観音台でじたばたあがいてみる

◆午前4時半起床.真っ暗な空には細い三日月と惑星ひとつ.気温15.0度.よく晴れた朝,すでに朝日が上り始めている.午前6時の気温は13.2度と低め.いま気づいたら,地表はところどころ水たまりが残っている.夜中に雨が降ったのだろう.秋晴れ観音台は虫の音が聞こえるのみ.今朝の最低気温は12.9度まで下がった.いまは15度台の気温.空気が乾いて心地よい朝の研究室.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 『系統樹曼荼羅』本の印刷所入稿日が迫ってきた.ここのところ連日,朝早くから数百MBもの原稿pdfを互いに投げ合っている.しかし,この爆弾の投げ合いももう少しで終結に向かうだろう./エルンスト・ヘッケルの図版出典の確認とチンギスハン家系図のキャプションを書いた.これで全部おしまい!(ホンマか?)/まだ終わらへんみたいやな……./お昼前,最終ゲラのpdf注釈コメント(50MB)を共著者に送った.これでおしまい?(疑心暗鬼状態).

◆[蒐書日誌]進化系統本新刊二冊 —— Carl Zimmer and Douglas Emlen『Evolution: Making Sense of Life』(2012年8月刊行, Roberts and Company, Greenwood Village, ISBN:9781936221172 [hbk] / ISBN:9781936221363 [pbk] → Excerpt).700ページ超という大冊.それにしても,いくら定価があってなきが如しアメリカとはいえ.ハードカバー版が「120ドル」,ペーパーバック版が「100ドル」という価格設定って…….ふつう pbk は hbk の「1/2〜1/4」くらいの値段にするんじゃないかな./David Baum and Stacy Smith『Tree Thinking: An Introduction to Phylogenetic Biology』(2012年7月刊行, Roberts and Company, Greenwood Village, ISBN:9781936221165 [hbk] → 版元ページ).500ページある系統学の新刊教科書.目次をざっと見ると,体系学史から始まって系統推定論にいたるまでバランスよく記述されているようだ.速攻で発注完了.「系統生物学(phylogenetic biology)」という表現は広まりつつあるのだろうか.「体系生物学(systematic biology)」よりは受容されやすいかもしれないが.

◆昼休み.秋の日差しがさんさんと降り注ぐ農林団地の周囲は,日なたは暑いものの,木陰に入ると風が爽快で気持ちよし.丸山宗利『アリの巣をめぐる冒険:未踏の調査地は足下に』(2012年9月20日刊行,東海大学出版会[フィールドの生物学・8],秦野,x+224 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-486-01847-6 → 版元ページ)を歩き読む.ダニがかぶりついた写真はいったいどこの「箇所」なのだろうか?(笑:けっして「局部」ではないとの著者の弁).農環研圃場の柿が赤く色づき始めた.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 北海道出張の航空券領収書を事務に提出./玉川大の休講補講申請をメールで出す.休講になるのは11月1日(木)と8日(木).補講予定日はそれぞれ11月17日(土)と12月1日(土)を指定した./宮崎県農試から統計研修の受講者リストが着弾.60名あまり集まったとのこと./分類学会連合分担金について進化学会事務局に対応依頼完了./銀行関係の書類を提出せよとのことだが,すぐにはどうしようもないので,とりあえず放置することを自分会議で決定.

◆[蒐書日誌]Paula Findlen (ed.) 『Athanasius Kircher: The Last Man Who Knew Everything』(2004年刊行,Routledge, London, ISBN:978-0-415-94015-3 [hbk] / ISBN:978-0-415-94016-0 [pbk] → 版元ページ).Scribd で全文が公開されている.

◆夕方の┣┣" 撃ち —— 印刷所入稿直前になってゲラ┣┣" がじたばた暴れている.さっきから数十MBのpdfファイルをつかんでは投げ,ちぎっては丸めを繰り返している.pdf投げ合い合戦で疲れてきたので,今日のところは撤収しよう.夜明け前から計800MBあまりファイルを投げ合って筋肉痛.台割も確定したので,印刷所に入稿する InDesign ファイルはこの週末に完成するだろう.

◆今夜は〈竹鶴〉ナイト! —— 朝のうちに塩胡椒を振っておいた牛肉の塊を室温に戻しているところ.日中は日差しが強くても,朝晩は冷え込みが日に日に身にしみる季節になった.今夜は〈竹鶴〉純米にごり酒をやや熱めの燗にしていただく.メインディッシュはローストビーフ.ベイクトポテトとマカロニサラダが付け合せ.先日,吉祥寺の某所にて鳥取〈辨天娘〉にごり酒のお燗で成仏しそうになった.広島〈竹鶴〉純米にごり酒の燗酒も十分すぎるほどヤバい.飲み過ぎると確実に昇天する.

◆[欹耳袋]TXからのお知らせ「2012年10月15日(月)からの新ダイヤについて」.  TXの「新ダイヤ列車別時刻表」を見ると新設される「通勤快速」はなかなかおもしろい停車パターンだ. /シンクロして,つくバスもダイヤ改正か:「つくバス・つくタクのご案内」 .

◆本日の総歩数=7284歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.5kg(+0.3kg) / 30.4%(+1.2%)


11 oktober 2012(木)※朝から都内出撃ダブルヘッダー

◆午前5時前起床.昨夜降り始めた雨は今は止んでいるようだ.気温15.8度.あまり冷え込まないのは雨のせいか.沖縄の南海上でゆっくり北上し始めたプラピルーンちゃんが,ワタクシの日向巡業の妨げにならないようにお祈りしましょ.本日は定例都内出撃日.おまけに玉川大と東大のダブルヘッダーだ.

◆[蒐書日誌]速攻で着便 —— Tim Ingold『Lines: A Brief History』(2007年刊行,Routledge, London, xii+186 pp., ISBN:978-0-415-42426-4 [hbk] / ISBN:978-0-415-42427-1 [pbk] → 版元ページ).系図に関する章もあり,予想通りの内容でよかったのだが,デジタル印刷の質が低すぎてどうしようもない.

◆[欹耳袋]TypeIt - Type accent marks, diacritics and foreign letters online.諸言語の特殊文字・アクセント記号・IPA音韻記号までカバーしている./Brain Pickings | Logo Life: The Visual Evolution of 100 Iconic Logos | 9 October 2012 /Gigazine「高橋メソッドのプレゼンを自動で作ってくれる「高橋メソッドジェネレータ」」(2012年10月7日)

◆昼の高座 —— 午前8時前,つくば駅.早朝は雨上がりの曇り空だったが,いまはところどころ青空が広がってきた.今日は週に一度の定例都内出撃日.まずは町田方面へ,そして夕方にはコマバに出没する.秋葉原から新宿へ移動.都内は薄曇り.午前8時の気温は20.0度.小田急は経堂駅での車両ドア点検で上下線とも10分ほど遅れているとの車内放送あり.乗った急行も5分遅れの発車.玉川学園前駅.曇り空から今にも雨が降りそうな気配.ほどなく雨が降り始めたがすぐに止んだ.高座のしたくを少ししてから講義室へ.外はよく晴れてきた.今日の講義は配列のアラインメントと距離法の入り口まで.

◆午後1時前に大学をあとにする.昼過ぎのキャンパスは日差しが暖かい.都内の気温は昼前に23.7度まで上がっている.午後はもっと上がるかも(この日の都内の最高気温は25.0度だった).経堂駅で途中下車して,ジャズが流れる〈らかん茶屋〉にて地魚の天ぷら定食を注文.久しぶりにここに来た.

◆夕方の講座 —— 下北沢から駒場東大前へ.去年まで本郷に拉致られていた専門科目「生物統計学」がコマバに復帰し,三年ぶりに一号館二階の講師控え室に入る.本郷には講師控え室というものがもともとなかったが,駒場は控え室がちゃんとあるのがうれしい.講師控え室の雰囲気が以前よりもなんだか明るくなっている.コマバに来る講師のみなさんはシアワセな人生を送っているからかと思ったら,パーティションの仕切りが低くなって向こうまで見渡せるようになったからだった.そういえば,今日の教室はどこだっけ.えーっと,514教室か.五限だからまだ時間がありまくり.

◆理学部専門科目「生物統計学」は駒場5号館の514教室,五限(16:30〜18:00)開講.最初の講義なので全体のガイダンスと概論の入り口あたりまで話す.コマバはツイッター廃人の巣窟であることを認識しました.すごかったなぁ〜.講義中も夜ふくろうが鳴きまくり.ワタクシの「生物統計学」を受講されているツイッター廃人のみなさんには,ぜひ毎回の講義でバックチャネルよろ.ワタクシはさすがにフロントチャネルで手一杯で,ツイートしているヒマはありまっしぇん.

◆午後8時,つくば帰還.今日は久しぶりに二連続のお座敷だったので,かなり疲弊した.これから毎週木曜はこういう生活が待ち受けている.帰りに〈マミーズ〉のアップルパイを買うはずが,ふと気がつけば〈竹鶴〉にごり酒の一升瓶をぶら下げてつくばセンターを歩いていた.大きな疲労が無防備に横たわっている.

◆本日の総歩数=11813歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.2kg(−0.2kg) / 29.2%(−0.8%)


10 oktober 2012(水)※カワセミがきらめく朝の稲荷川

◆午前4時半起床.夜明け前の真っ暗な空に明けの明星が輝く.気温は13.8度.北の風.丑三つ時には11.5度まで冷え込んだようだ.早朝は雲が多かったが,しだいに青空が広がってきた.秋晴れの観音台.午前8時の気温は17.9度.北風が吹きわたる稲荷川でカワセミの青いきらめきを目撃.たとえコンクリート護岸でも,稲荷川には野鳥がたくさんいる.

◆午前の┣┣" 撃ち —— しだいに雲が広がってきた観音台.緊急┣┣" 一頭の放流を黒ネコにお願いしてきた.この件は完了./共済組合員証がカード化されるらしい./追い詰める┣┣" ,追い詰められる┣┣" ./これからは「銅鉄主義」よりも「阿倍野の犬」の方が通じやすくなるのか./さて,ゲラ読みの続きをしないと.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 今日はゲラ読みと加筆修正で終わってしまった.予報では天気は下り坂で雨とのことだったが,夕方になっても青空が広がり,午後4時の気温は20.1度.北風が冷たい.撤収してもゲラ読みはエンドレスに続く./ゲラ読み┣┣" と格闘しているワタクシの背後から別の┣┣" がおぶさっている.

◆[欹耳袋]東京新聞 TOKYO Web「自費出版 ホテルで缶詰めプラン 新潮社 催促サービスも」(2010年10月10日).をを,かの〈山の上ホテル〉にカンヅメか!(いいかも)しかし,「『原稿はまだでしょうか』と編集者がドアの前で進行状況を見守るサービスも、オプションで相談に応じます」(汗&笑).どうせそこまでやるんだったら,「担当編集者が対面で原稿執筆を見守ります(=加圧します)」という究極オプションも考えてみてはいかがか./原稿書きが遅くていつも周囲にメイワクをかけている著者は,たとえ有料でもいいから,一度は「カンヅメ」されてみろ.

◆[蒐書日誌]Howard Hughes Medical Institute『Making the Right Moves: A Practical Guide to Scientific Management for Postdocs and New Faculty, Second Edition』(2006年刊行,Howard Hughes Medical Institute, Chevy Chase → ポータルサイト | pdf [open access]).

◆夜の┣┣" 撃ち —— 午後5時前に撤収.夕食後,長かった『系統樹曼荼羅』ゲラ読み苦行もあと一節の加筆修正を残すのみ.ポケモン系統樹をはじめ,赤塚不二夫や藤原カムイが描く日本のマンガ系統樹が満載.追加図版に対応する加筆をする.午後9時,ゲラ読み終了.ワタクシの担当部分はこれにておしまい.あとは付録とか索引という作業が残っている.午後10時,雨が降りだした.付録のチェックも終わった.これでやっと大┣┣" 一頭が去ってくれたことになるのかな./問題はおぶさっている丸投げ┣┣" をどーするか.寝て考えることにしよー(名案).

◆[欹耳袋]フランクフルト税関を突破するには,「非在住証明」「購入証明書」「職務従事証明」の三点セットか:kom’s log「フランクフルトの税関」(2012年10月8日).「なにしろ書類が重要な国である。なかったら書類はつくってでも持っていく」.ふむふむ.来年はドイツに行く予定なのだが,フランクフルトは避けよう.ベルリンあるいはミュンヘンから入国?

◆本日の総歩数=2800歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.4kg(−0.1kg) / 30.0%(−0.1%)


9 oktober 2012(火)※連休後の社会復帰はイバラの道

◆午前5時前起床.東の空が少し白んでいる.雲がやや多い.気温12.9度.今日は曇り空の観音台.午前8時の気温は16.8度.速攻で仕留めるべき┣┣" が蠢いている.三連休の後の社会復帰の道のりは険しい.

昨夜遅く,『系統樹曼荼羅』三校ゲラのチェックだん.分量の多い加筆箇所や図版差し替え箇所は明日やるとして,それ以外はすべてpdf注釈リストとして出力し(30MB弱),データ便で関係者に一斉送信した.『系統樹曼荼羅』はゲラにして260ページほどの分量になる.過去にこんなにたくさんの図版が入った本を書いたことがないので,図版の配置に引きずられて文章を書き換えるとか,逆に文章にふさわしい図版を挿入するとか戸惑うことも多々ある.一冊の本の中で文章テクストと図版パラテクストの協力と拮抗のせめぎあいがまだ続いている.今のところ流動的なのが文献リストと索引.図版の出典をたどっていくと文献リストに含めるべきエントリーがまだ増えるかもしれない.それとともに索引エントリーも.今週中に印刷所への入稿完了の予定.それまでにどこまで詰められるかは時間との競走.

そろそろ来年のイヤープランナーが売り出される時期かな.かつてのファットなシステム手帳が劇的に退化して,蛇腹のイヤープランナー・リフィル一枚になってしまってからというもの,ワタクシのすべての予定はこの「紙」に記入されている.昨夜「ぽちっ」した注文本が午前の密林便で着弾してしまってあわてている.早すぎるんちゃうか(うれしいけど).

◆午前の┣┣" 撃ち —— 一世紀以上も前の「系統ネットワーク」を探索するために,大わしの生物研書庫を発掘に行く.ターゲットは Biologisches Centralblatt のバックナンバーだ.お昼前の大わしの図書室にて紙魚に大変身し,ごそごそと一世紀前のジャーナルを漁る至福のひととき.

◆[欹耳袋]大わしでの紙魚の収穫 —— Constantin Sergejewicz Mereschkowsky(Константи́н Серге́евич Мережко́вский)の細胞内共生に関する系統ネットワークについて:

  • C. Mereschcowsky 1910 Theorie der zwei Plasmaarten als Grundlage der Symbiogenese, einer neuen Lehre von der Entstehung der Organismen. Biologisches Centralblatt, 30: 278-288, 289-303, 321-347, 353-367.細胞内共生に基づく系統ネットワークは p. 366 に掲載されている.
  • The Genealogical World of Genealogical Network | The first gene transfer (HGT) network (1910) | 18 July 2012. この記事にもそのネットワークは再録されている.
  • Jan Sapp『The New Foundations of Evolution: On the Tree of Life 』(2009年11月刊行,Oxford University Press, Oxford, xx+425 pp., ISBN:978-0-19-538849-7 [hbk] / ISBN:978-0-19-538850-3 [pbk] → 目次)の p. 117, fig. 9.1 にも再録されている.
  • なお,Mereschcowsky の1905年に出た細胞内共生論文:C. Mereschkowsky 1905. Über Natur und Ursprung der Chromatophoren im Pflanzenreiche. Biologisches Centralblatt, 25: 593–604 は注釈付きで英訳されている:William Martin and Klaus V. Kowallik 1999. Annotated English translation of Mereschkowsky's 1905 paper 'Über ber Natur und Ursprung der Chromatophoren im Pflanzenreiche'. European Journal of Phycology, 34: 287-295 [pdf: open access].

◆午後の┣┣" 撃ち —— 正午の気温は20.9度.大わしから観音台に戻る途中〈おはん〉にてランチ.「限定一食」と銘打たれた「カンパチかま焼き定食 950円」を迷うことなく注文.とてもボリュームがある定食だった.朝方は雲が多かったが,昼時のいまは清々しい秋晴れになった.ふわふわした日差しの昼下がり.気温は21度台.北寄りの風.窓の外ではツクツクボウシがまだ鳴いている.二週間後までの出張高座のしたくはほぼ終わった.お座敷が隙間なく直列タイムラインで並んでいるので,向こうの方まで見渡して用意をしないといけない./本棚をごそごそ引っ掻き回していたら,うっかり本の堆積が崩落してしまい,小椋久太郎作の木地山こけしが「森」の奈落の底に落ちてしまった.回収不能なアンタッチャブル領域なので,向こう数年間はこのまま穴の底に安置することになる.同じような運命をたどり,“クレバス”に落ち込んで回収不能な本も何冊かある.覗き込めば見えるのだが,手が届かない.「森」の中で遭難した物品たちは異界に入ってしまったと考えるしかない./所内メールで「イネの落とし物です」と画像添付で連絡あり.実験稲のサンプルが袋ごと落ちていたとか.さすが農林団地ならではの遺失物.うっかり油断して寝落ち./ふと気がつけば,┣┣" が増えていた.

◆夕焼けグラデーション.これから寒くなる季節は夕暮れが真っ赤に映える日が多くなる.東京農大昆研OB会ニュース届く.OB会は例年通り収穫祭に合わせて挙行.夕方6時から厚木キャンパスで飲み始めたら帰れないってば.農大昆研OB会ニュースから.真夜中に山に入って昆虫採集していた学生さんの体験談:「自分の右後ろ10~15mあたりから「ズボッ、ズボッ…」といった様な何かを地面に突き刺すような音が付いてくるのだ」.う〜わ〜.これじゃ欹耳袋ならぬ新耳袋だぁ.

◆本日の総歩数=3906歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.5kg(−0.2kg) / 30.1%(−0.6%)


8 oktober 2012(月)※三連休が頭の上を通過していく

◆午前6時前起床.雲のたなびく日の出.気温はぐんと下がって12.2度!と今期最低を更新.秋が深まる連休最終日の早朝.気温15度,青空,北風,低湿度,と「さわやか条件」をすべて満たしている.いよいよ長袖を出すとするか.遅ればせの衣替え.ただし,日中が夏日ラインを越えるようなら,またまた半袖に逆戻りする心づもりはありまくり.〈つくばラーメンフェスタ〉のチケットを買ったはいいものの,最終日の今日はきっと す ご く 混むんだろうな.こんなによく晴れてるし.

◆[欹耳袋]ある形而上学的問題 —— 日本経済新聞「大阪人が誇る「日本一低い山」にライバル続々」(2012年9月8日).「標高4.53メートルの天保山は大阪が誇る日本一低い山」が揺らいでいるというニュース.「国土地理院に聞くと「『山』の厳密な定義はありません」と前置きしつつ「長く地元で『山』とされてきたものや、測量の基準となる三角点のある場所が『山』と言えます。高さは問題ではありません」」.なるほどなるほど.「「日本一低い山」はどれだろう。この疑問に答えるにはまず山の定義から問い直す必要があるが、壮大や勇壮ばかりが山の象徴ではない。各地の「最低の山」を巡れば、「山」の概念が揺らぐことだけは間違いなさそうだ」.まさにまさに.日本最低の山・日本最短の川・日本最小の湖の三点セットは分類思考の存在論的試金石になる.

◆秋晴れ〈つくばラーメンフェスタ〉にて —— 連休前半はぐずついた空模様だったが,今日はからっと秋晴れラーメン日和.この三連休,TX研究学園駅南側の広場で開催されていた〈つくばラーメンフェスタ〉に行ってきた.予想通り,会場はものすごい混雑で,とくに県外から出店したラーメン店には長蛇の列が伸びていた.まずは〈いろは〉の富山ブラックから.続いて,〈真武咲弥〉のサッポロ味噌ラーメン.「外付けの胃袋」があればもっと食べられたのかもしれないが.

◆[欹耳袋]写本系統学二題 —— Piggin.Net | Notes on the History of the Stemma /David J. Birnbaum | A proposal for encoding stemmata codicum in XML.

◆研究学園からの帰り道,土浦学園線に新しくオープンする〈コメダ珈琲・つくば店〉の場所を現地確認してきた.10月17日(水)オープン.開店三日間は9:00〜,それ以降は7:00〜23:00.流山おおたかの森駅近くの店に比べて店舗も駐車場も格段に大きかった.秋晴れ好天の午後は引きこもりのゲラ読み三昧.そのまま夜に突入し,湯豆腐を乗り越えて作業は続く.ゲラ読みは続くよ,どこまでも〜

◆本日の総歩数=10721歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(0.0kg) / 30.7%(+1.1%)


7 oktober 2012(日)※神無月のつくいちに雨が降って

◆午前4時半起床.夜明け前の米研ぎだん.夜中ずっと降り続いた雨は今も残っている.気温16.6度.さらに下がりそうな冷え込み.午前7時,雨やまず.気温は15.8度まで下がって肌寒い.

◆[欹耳袋]哲学者 J. J. C. Smart(1920-2012)の訃報が流れている(→ Leiter Reports: A Philosophy Blog | In Memoriam: J.J.C. Smart (1920-2012) | 6 October 2012).科学哲学側からは『Philosophy and Scientific Realism』(1963)がとくに有名だろう.ワタクシの書棚には彼の論文集『Essays Metaphysical and Moral: Selected Philosophical Papers』(1987, Basil Blackwell)が並んでいる.オッカムの剃刀に関する論考が所収されていた.

◆雨の〈つくいち〉 —— いつもは超雨男のおかげで晴れまくるはずの月イチの〈つくいち〉.今月は残念ながらその神通力が効かなかったようで(神無月だからか?),昨夜からのざあざあ降りが,そのまま日中までずれ込んでしまった.正午の気温は17.9度と肌寒い.いつもの〈スガヤ・コーヒー〉にて野菜カレー〈サンバル〉をゲット.降りしきる雨の中じゃさすがに食べられないので,自宅直帰でいただきました.野菜の旨味の向こう側から押し寄せる香辛料の風味.まいう.

◆[欹耳袋]R package: BiodiversityR.依存パッケージごと全部ダウンロードして,Rコマンドラインから「library(BiodiversityR)」,続いて「BiodiversityRGUI()」と入力.Rコマンダー上に新メニューが追加される./Togetter -「【閲覧注意】本当に怖い、豚の生食」.読め./「「京都人の脳内地図」を作ってみました。」.メンタルマップなんてしょせんこんなものだろうなあ.

◆午後2時過ぎ,やっと青空が広がってきた.午後2時の気温は18.2度.北風が涼しい.引きこもりゲラ読みは延々と続いている.

◆[蒐書日誌]ティム・インゴルド[管啓次郎・工藤晋訳]『ラインズ:線の文化史』(2012年11月近刊,左右社,東京 → 版元ドットコム) .原書 Tim Ingold『Lines: A Brief History』(2007年刊行,Routledge, London, ISBN:978-0-415-42426-4 [hbk] / ISBN:978-0-415-42427-1 [pbk] → 版元ページ)は『系統樹曼荼羅』にも引用したが,この本が翻訳されるとは実にグッド・タイミング./ピーター・ロバーツ,シェリー・エヴァンス[斉藤隆央訳]『原色・原寸 世界きのこ大図鑑』(2012年10月刊行予定,東洋書林,東京,本体価格18,000円,ISBN:9784887217997 → 版元ページ)→参照:ウラゲツ☆ブログ 「注目新刊:『世界きのこ大図鑑』東洋書林、ほか」(2012年9月30日)

◆夕方,前線が通過してから気温がぐんと下がり始めたので,土鍋で昆布出汁をとるしたくを開始.これからの季節は鍋の出番が多くなる.今日は終日ゲラ読み三昧だった.

◆本日の総歩数=2176歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(−0.3kg) / 29.6%(+0.6%)


6 oktober 2012(土)※大雨が降っても花火大会の遠景

◆午前5時半起床.曇り空.ほんのり朝焼け.気温19.9度.午前6時,時の鐘とともに段雷が土浦方面から鳴り響いている.そうだ,今日は土浦花火大会だった.世の中は三連休なので方々でイベントがあるのだろう.午前8時過ぎ,天久保〈Brotzeit〉にてパンをゲット.店外まで客の行列が伸びていた.10月14日(日)からは日曜も営業し,定休日は月・火の二日間.営業時間は7:30〜売切れまで.〈Brotzeit〉の新エントリー「アプリコットとりんご」がもちもちしていて美味だった.今朝の最低気温は19.8度.午前9時の気温は23.6度.湿度が低くて快適な朝.

◆三連休初日の┣┣" 撃ち —— 『系統樹曼荼羅』の新しいゲラが着弾した.図版も配置されているので,これが入校前の最終バージョンになる.とりあえずいったんプリントアウトしないことには新幹線移動中の作業がはかどらないだろう.新幹線車中でPCの画面をじっと見つめていると酔いそうになるので(右半分にイケナイ飲み物があるからではない)./年末までの三ヶ月の予定が混雑しすぎて,あちらを立てればこちらが立たずな状況になりつつある.

◆[欹耳袋]系統解析三題 —— 栽培イネの進化:Discover Magazine | Introgressing toward becoming rice | 4 October 2012.元論文は イネの進化に関する元論文は:Xuehui Huang et al. | A map of rice genome variation reveals the origin of cultivated rice | Nature | 3 October 2012. doi:10.1038/nature11532.祖先 japonica と野生稲とのハイブリッドが indica になったという仮説./News in Science (ABC Science) | Aboriginal language had ice age origins | 13 December 2006./松井哲也「文学作品の内部情報を用いた系統解析」(pdf).2012年9月29日発行の日本認知科学会・文学と認知・コンピュータ研究分科会II予稿集.

◆豪雨と花火の競演 —— お昼前の観音台はきれいなうろこ雲が広がる秋晴れ.しかし,気温はすでに26.3度まで上がっている.系統樹曼荼羅本ゲラのプリントアウトをするだけの簡単なお仕事が終わったらさっと撤収.北の方角だけ空が黒いと思ったら,いま筑波山付近がピンポイント豪雨のようだ.午後1時過ぎ,雨がぽつぽつと降り始めた.大粒で雨音が大きい.そうこうするうちに,土浦方面から早くも花火が打ち上がる音が聞こえてきた.その後も,雨は土砂降りと小止みを繰り返しす.茨城県内ではつくばから土浦にかけての地域「だけ」雨が降っている.この降りしきる雨の中,土浦方面からは断続的に花火の音が轟いている.午後4時過ぎ,兇悪なる雨雲は霞ヶ浦の向こうへ去っていった.大きな虹がかかったらしいが目撃できず.今日の最高気温は正午過ぎの27.2度だったが,午後の大雨で午後5時には気温19.7度まで一挙に急降下.夕暮れを迎え,これからもっと肌寒くなるだろう.土浦花火大会,音だけは景気よくぼんぼん轟いているのだが,竹園からは遠景にちょっと見えるだけ.

◆[欹耳袋]堀米ゆず子ブログ:Artists Management M.Hirasa Ltd.「皆さま」(2012年9月25日).フランクフルト税関によるストラディバリウス差押えの顛末.「3800万円払え」とは水戸黄門の悪代官並み.

◆花火大会が終わり夜が更けていく.ゲラ読みのぬかるみ.雨足がまた強くなってきた.気温がぐんぐん下がっている.

◆本日の総歩数=2528歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.0kg(+0.1kg) / 29.0%(−0.9%)


5 oktober 2012(金)※十月なのにちっとも涼しくない

◆午前4時過ぎ起床.気温19.3度.その割には寒さが身にしみる夜明け前.曇りところどころ晴れ.午前6時の時の鐘が鳴り響く竹園.夏が戻った昨日とはちがって,朝から秋らしい青空が広がる観音台.今朝の最低気温は17.8度.今は20度近くまで上がってきた.湿度が低いので心地よし.

◆[蒐書日誌]ご恵贈ありがとうございました —— 太田越知明『歓待の航海者:きだみのるの仕事』(2012年10月15日刊行,未知谷,東京,254 pp., 本体価格2,500円,ISBN:978-4-89642-385-3).きだみのるの伝記の続編.未知谷サイトにはまだ掲載されていないようだ.五年前に出た前著:太田越知明『きだみのる:自由になるためのメソッド』(2007年2月15日刊行,未知谷,東京,ISBN:9784896421828 → 書評目次)はとても濃密でおもしろい伝記だった.この新刊も期待できそう.もちろん,未知谷らしい上質の造本に仕上がっている.

◆[欹耳袋]〈住所でポン!〉と〈苗字でポン!〉は電話帳(2007年ころ)の丸々コピーということか.全国の「三中さん」の所在が一目瞭然だ.しかし,「三中」よりももっとマイナーな苗字はまったくヒットしない.まるごとコピーというわけでもないようだ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 首都大学東京のレポート課題をつくらないと./来年新春の分類学会連合シンポジウムのオーガナイザーという塩漬け┣┣" を一頭回収した.そろそろ督促が来るにちがいない./筑波地本の県南大集会.10月19日(金)18:00〜@竹園公園.近いから参加しましょ.

◆[欹耳袋]在ルクセンブルク日本国大使館「フランクフルト国際空港における税関トラブルに関する注意事項」.高価なバイオリンだけではなく(→ ニュース1ニュース2),ごくふつうの機内持ち込みのノートパソコンも「標的」になるらしい.「多額の税・追徴金を課されたり、物品を税関に預け置くよう指示される」とか./東京大学基金「東京大学新図書館「アカデミック・コモンズ」計画

◆今日もまた真夏日ラインを越えた昼休み.農林団地構内の林からはツクツクボウシとアブラゼミの合唱が続いている.涼風も吹かず,秋を感じさせるのは農環研正面に大きく花開いているキンモクセイの香りのみ.いつまで続く残暑かな.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 首都大レポート課題が完成したので南大沢に即発射した.よろしくよろしく>関係者諸氏.

◆秋めく夕暮れ.今日の夕餉は,昨日開栓した〈小笹屋竹鶴〉生もと純米吟醸原酒21BYを燗冷ましにしてみた.ほんのり山吹色に染まった燗酒は無敵.肴はジャーマンポテトにスパイスソーセージという真正面洋食系だったが,これくらいでは負けない.雄町・無濾過・木桶仕込.アルコール度数は20度近くあって,昨夜開栓した直後は破壊的なパンチ力があった.一晩常温放置したら見違えるほどとげとげしさが和らいだ.一升瓶で買ってきたので,まだまだ余裕がありまくり.

◆[欹耳袋]関鉄観光「深夜急行バス実証運行について」.予定では「つくばエクスプレス守谷駅着の下り最終列車(秋葉原駅0:18発→守谷駅0:58着)に接続した深夜急行バスの実証運行」とのこと.しかし,なぜ研究学園駅止まり?(つくば駅まで到達してほしい)

◆本日の総歩数=5179歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(−0.6kg) / 29.9%(+0.2%)


4 oktober 2012(木)※都内は晴れわたる秋晴れの夏日

◆午前5時起床.気温18.5度.北風が寒い.秋がしだいに深まってくると「温泉成分」が欠乏が気になる.今年の残り三ヶ月間にきっちり充填しないといけない.毎週木曜は町田出撃の日.午前8時前につくば駅.曇り空で空気が湿っている.流山付近でざーっと雨が降ってきた.東海上を北上している台風の影響か.秋葉原から総武線へ.今朝の都内は人身事故による遅延がことのほか多し.新宿駅で小田急に乗り換える.しだいに晴れてきた.山手線はプラットホームから階段まで延々と長蛇の列が伸びて,駅員が整理にあたっている.小田急は急行のはずが鈍行に成り下がっている.どこもかしこもダイヤ遅延だ.新百合ヶ丘で各停に乗り換え.すっかり雲は消えて,秋晴れの空が広がっている.昨日よりも暑くなる気配が濃厚.

◆玉川学園前.日差しが強くて残暑の暑さが戻ってきた.本日の高座は〈PhyloWidget〉を用いた「ことばとしての系統樹」の解説と実習.とにもかくにも Newick format を習得してもらわないことには“語学”の勉強がぜんぜん進まない.ただし,〈PhyloWidget〉はスタンドアローン版を動かすための Java 環境が入っていないPCが例年散見されるので,念のため大学内の無線LAN経由でウェブ版も使えるように支度していったのだが,スタンドアローンもダメ(Java running environment のインストールをしても),無線LANもつながらないという不幸なケースが出てしまった.Java 環境だけは使えるようにしないとあとあとの講義で困ることになる.

◆午後1時前に後着を終え,玉川学園前駅に向かう.大学キャンパスの森からはミンミンゼミやアブラゼミの合唱が聞こえてきた.抜けるような真っ青な快晴は台風一過のせいだろう.それにしても暑すぎる.帰りしな,池袋東武地下に立ち寄ったのが運の尽き.イケナイ買い物をしてしまってつくば直帰.今日の都内の最高気温は27.3度の立派な夏日.暑いはずだ.午後4時過ぎにつくば着.

◆[蒐書日誌]とある八幡不知藪に踏み込んで —— ジャンニ・ヴァッティモ,ピエル・アルド・ロヴァッティ(編)[上村忠男・山田忠彰・金山準・土肥秀行訳]『弱い思考』(2012年8月15日刊行,法政大学出版局[叢書ウニベルタシス・977],東京,vi+374 pp., 本体価格4,000円,ISBN:978-4-588-00977-8 → 目次版元ページ).うっかり〈弱い思考〉というキャッチコピーに誘惑されて,ウンベルト・エーコたちにに引きずり込まれそうになっている.反ポルフュリオス,こわい.出口が見えない.Cf: Allan Parsons | Porphyrian Tree, Labyrinth and Rhizome: Epistemology and Ontology.ダメダメ,どんどん樹海の奥に引きずり込まれるぞ.

◆[欹耳袋] Google Ngram Viewer を眺めると,ある学問領域での用語の変遷や競合が見えておもしろい —— 1) vicariance vs. phylogeography:「分断生物地理学」が「系統生物地理学」に代置される傾向の視覚化.やっぱりそういうことか.2) cladogram vs. phylogenetic tree:これもまた予想通り.最近の系統学では tree といえば自動的に cladogram と同義とみなされるから.

◆夕暮れになって,竹園はやっと涼風が吹く時間になった.毎週のことながら正味二時間の講義のために往復五時間かけるというのは修行ですな.修行明けに〈小笹屋・竹鶴〉の生もと純米吟醸原酒21BYを開栓してもきっと誰からもクレームはつかない(はず).

◆本日の総歩数=8267歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.5kg(−0.1kg) / 29.7%(0.0%)


3 oktober 2012(水)※残務┣┣" 一掃処分市が始まる

◆午前4時半起床.気温18.1度.夜明け前の暗闇.曇り空の朝.午前6時の気温は18.3度.ぽつぽつ小雨が降りだした.曇り空の観音台.北西の湿った風.出勤時間帯の道路は本線・抜け道ともにいつもより混んでいた.午前7時の気温は18.6度.予報では昨日よりも涼しく,夏日にはならないらしい.放置┣┣" どもに包囲されてしまった本日は自動的に┣┣" 一掃処分の日となった.

◆午前の┣┣" 一掃処分 —— 系統樹曼荼羅本の画像再スキャン(時間との競走はなお続く)./今月末の分子系統ワークショップの講師への使用ソフト連絡依頼(インストール作業前倒し).あわせて,受講者選考作業.加圧されまくり./領域内会議10:30〜11:00過ぎまで./玉川大学の配布資料づくり完了./首都大学東京のレポート課題づくり未完了.来年度の集中講義日程調整も.

◆[蒐書日誌]重版キターッ! —— 中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(2012年5月25日第一刷刊行,勁草書房, 東京, x+213+xi pp., 本体価格3,200円[税込価格3,360円], ISBN:978-4-326-10216-7 → 目次版元ページコンパニオン・サイト響音録)の第二刷が着弾.「2012年10月10日刊行」と奥付に書かれている.

◆[欹耳袋]毎日jp「カタツムリ:尾に該当する部分切って逃げる 沖縄で確認」(2012年10月3日).原論文は:Masaki Hoso | Cost of autotomy drives ontogenetic switching of anti-predator mechanisms under developmental constraints in a land snail | Proc. R. Soc. B. Published online before print October 3, 2012, doi: 10.1098/rspb.2012.1943 | abstract | pdf [open access].

◆[蒐書日誌]M. Jacobs『Herman Johanes Lam (1892-1977): The Life and Work of a Dutch Botanist』(1984年刊行,Rodopi, Amsterdam, viii+273+32 plates, ISBN:90-6203-545-0 [pbk]).Cleveland の Zubal Books から着弾.ライデン植物園にいた植物体系学者の伝記.動的分類ネットワークを提唱した早田文蔵とのつながりがわかるかな.図版の漢詩が天地逆&表裏逆のママ印刷されていた.

◆曇り空の観音台.栗おこわの季節になった.昼休み徘徊タイム.曇りときどき小雨がぱらついた.午後1時の気温は21.5度.しかし,湿度が高いのでうろうろすると蒸し暑い.丸山宗利『アリの巣をめぐる冒険:未踏の調査地は足元に』(2012年9月近刊,大学出版部協会[フィールドの生物学:8],東京,本体価格2,000円,ISBN:978-4-486-01847-6 → 版元ページ)を歩き読む.あるナチュラリストの姿あり.P47/L4「科学物質」→「化学物質」.

◆午後の┣┣" 一掃処分 —— 東大連携講座の研究室説明ガイダンスに関する意見聴取(今年はいらんかなという意見).コンセンサスを踏まえて東大の学部三年生説明会へのエントリー解除の連絡完了./今月末の分子系統ワークショップの受講者30名ならびに補欠者5名の人選を終えた.実はいろいろな制約条件があって,連立方程式を解くのが難しかったりした./司法書士事務所からの連絡メールと返信.

曇り空の昼下がり,Cladistics 誌の最新号が届いた.ここのところ「in press」の論文をめぐるプロレスが続いている.「そとのひと」にはとんでもない事態に見えるだろうが,「なかのひと」には日常茶飯事.

午後4時,観音台は雨になった.宮崎農試の統計講義資料を送った.とりあえず今月は基礎編のみだが,師走に後半戦の応用編があるので,その資料もまとめて送付.調べてみたところ,JR宮崎駅から宮崎県農業試験場まではかなり遠いことが判明した.公共交通機関の乗り継ぎで毎朝通勤することになるのかな.

◆夕暮れの竹園は冷たい雨が降り続いている.気温19.5度.気分的には今が旬の「ひやおろし」ではないのだが,今夜のところは久留米の〈庭のうぐいす〉特別純米ひやおろしを開栓.この蔵元はラベルのデザインが秀逸(中身はもちろん).ぬる燗でもOKだったらうれしい.「燗酒」のうまい季節がやってきた.これからしだいに寒くなると〈神亀〉と〈竹鶴〉を常備しておかないと.

◆本日の総歩数=6886歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.6kg(+0.4kg) / 29.8%(+0.1%)


2 oktober 2012(火)※群馬ミッション榛名山麓大作戦

◆午前4時過ぎ起床.1時間前の3:21頃にゆらりと揺れたような.北東の風が涼しい夜明け.気温は21.2度まで下がってきた.晴れてはいるが,東の空に雲がかかっているので,日の出は拝めない.

◆[蒐書日誌]生態学史新刊 —— Frank N. Egerton『Roots of Ecology: Antiquity to Haeckel』(2012年7月刊行,University of California Press, Berkeley, ISBN:9780520271746 → 版元ページ).Bulletin of the Ecological Society of America 誌上で過去十年間連載された記事の単行本化とのこと.著者サイト〈Frank N. Egerton's Roots of Ecology〉には本に載らなかった図版とマップが公開されている.

◆本日,上州ミッション —— 午前9時前,常磐道をひたすら北上する.逆方向なので空いている.友部サービスエリアにて一休み.さらに,北上して北関東道に入る.群馬の波志江サービスエリアにてまた一休み.曇りときどき小雨がぱらつく空模様.上毛の山々は雲に隠れている.午前11時,高崎に入る.ときどき晴れ間も見える上州三山.お昼はハナミズキ通りにある蕎麦処〈つゆ下・梅の花〉筑縄店にて蕎麦食いまくり.蕎麦殻の混じった黒っぽい太いそばをしっかり噛み締めると秋の味わいがする.高崎駅東口にある〈桑風庵〉の蕎麦の系譜を実感する.蕎麦の分量を「一升・七合・五合」と計量するのが特徴.順に「四人前・三人前・二人前」という意味.

さて,午後は榛名山方面に出撃.最前線基地のある箕郷へ.雲に隠れる榛名山.ヒミツ基地なので草がぼうぼうに茂っている.正面ゲートに到達するだけで一苦労.数年ぶりにここに来たので,まずは窓を全開にして,空気を入れ替える.ドロバチがつくった徳利状のみごとな巣がいくつも軒下にぶら下がっていた.

午後3時過ぎ,ミッション完了.高崎にいったん戻って一休み.雲がしだいに広がってきた.〈大和屋〉のアイスコーヒー充.午後4時半,関越道経由でつくばに帰る.雲間からときどき通り雨が降る夕方.練馬経由,外環から常磐道に入り,午後7時半につくば到着.12時間の上州ミッションからの帰還を果たし,かなり燃え尽きた.稲刈りがまだ始まっていない今日の群馬は夏日ラインをちょっと越えた程度の暑さだった.夜のつくばはいま20.7度.北東風が涼しい.

◆[欹耳袋]Wired 記事|「科学者は仕事中毒」実証される:国による違いも|2012年10月2日.科学者はワーク・ライフ・アンバランスという内容.「ワーク」の用法が科学者的には一般とはずれているかもしれない.「ワーク・ライフ」が,「ワーク vs. ライフ」ではなく,「ワーク&ライフ」あるいは「ライフ・ワーク」みたいなものになっていることもある.となると,バランスもアンバランスもそもそも論議の対象にならないなあ.

◆今日は長距離移動をしたけど,明日からはいつもの平日が戻ってくる.10月20日(土)に開催される東大ホームカミングデーの通知あり.専攻と研究室の同窓会だし,今年は行ってみるかー.

◆本日の総歩数=4644歩. 朝○|昼△|夜△. 計測値(前回比)=94.2kg(−0.5kg) / 29.7%(+0.3%)


1 oktober 2012(月)※台風一過の神無月は朝焼け満月

◆午前4時半起床.昨夜は断続的な風雨で蒸し暑かった.いまの気温は23.1度.爽やかな朝とはいえないが,吹き抜ける南風が涼しく心地よい.東の空を見れば鮮やかな朝焼けの上にきらりと明けの明星が.西の空を見れば三井ビルの陰に沈みゆくフルムーン.台風一過のシーンをしばし鑑賞したあと,厨房で蒸し器を準備する神無月の夜明け前.午前6時の気温は21.2度.雲ひとつない晴天.予報では真夏日になるというのだが,衣替えどころじゃない.いつもあまり季節感のない服装をしているので,衣替えという言葉そのものがすでに死語に等しいのだが.

真夜中に通りすぎた台風の遺物は観音台のそこかしこに点々と残されている.暴風に引きちぎられたと思しき大きな枝が落下していたり,ドングリが駐車場に撒き散らされていたり.午前7時の気温は24.4度とすでに夏日ラインに接近している.空はきりっと快晴.とりあえず居室の窓を全開にして,淀んだ瘴気や邪気を追い払うことから始まる農環研の一日.MacBook Air の電源アダプターに装着する USB チャージャー「TwelveSouth PlugBag」が届いたのだが,はめ込むのがかなりの力仕事でガツンガツンと叩きつけて脱着している(おい……).

◆[欹耳袋]売りまくる秋 —— 勁草書房ニュース「「文化系統学への招待」フェア in ジュンク堂書店池袋本店」|ジュンク堂書店ウェブサイト「イベント情報」から引用:「【4F】『文化系統学への招待』9月24日~10月下旬.先頃刊行された「文化系統学への招待」を元に、著者の三中信宏氏・中尾央氏に選書していただきました。オリジナルブックリストもご用意があります。 」.

◆[蒐書日誌]ダーウィン家の人々の再来 —— グウェン・ラヴェラ[山内玲子訳]『ダーウィン家の人々:ケンブリッジの思い出』(2012年9月14日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・文芸208],東京,xii+404 pp., 本体価格1,220円,ISBN:978-4-00-602208-2 → 版元ページ).チャールズ・ダーウィンの次男ジョージの長女グウェン・ラヴェラのロングセラーが岩波現代文庫に入った.

本書の原書 Gwen Raverat『Period Piece: A Cambridge Childhood』(1952年刊行)はダーウィン一族の家族模様を描いた伝記としてとても有名.翻訳の初版は20年以上前に出た:グウェン・ラヴェラ[山内玲子訳]『思い出のケンブリッジ:ダーウィン家の子どもたち』(1988年5月刊行,秀文インターナショナル,東京,vi+426pp.,ISBN:4-87963-396-8 → 目次・書評).この元本はクロス装ハードカバー・グラシン紙包み・函入りという今ではありえないゴージャスな造本だったが(だから高かった),文庫本になって価格がほぼ1/3になったので,本書を手に取る読者はこれからきっと増えるだろう.

今回の復刊に際しては,長谷川眞理子による解説が付けられている.グウェン・ラヴェラは画家・イラストレーターとして活躍したこともあり,本書には味わいのある挿し絵がたくさん載っている.エティおばさん,やっぱり変人.

なお,Gwen Raverat の伝記もすでに出版されている:Frances Spalding『Gwen Raverat: Friends, Family, and Affections』(2001年6月21日刊行,The Harvill Press,ISBN:1-86046-746-6 → 目次).Gwen Raverat の妹 Margaret Keynes もダーウィン家の伝記『A House by the River: Newbham Grange to Darwin College』(1976年刊行,Privately printed, Cambridge, xviii+259 pp. → 目次)を著しているが,こちらは未邦訳.Margaret Keynes の夫 Geoffrey は,経済学者 John Maynard Keynes の弟だったりする.広がる広がる血のつながり.

◆[欹耳袋]三中信宏:農環研ウェブ高座 「農業環境のための統計学」 第3回 「直感的な素朴統計学からはじまる道」.農業と環境,No. 150,2012年10月1日.

◆神無月の真夏日にくらくら —— 気温は朝からグングン上がって昼前には30.7度という本日の最高気温に.そういえば,しばらく〈おはん〉に行ってなかったなあと思い立ち,真夏日になったランチタイムに早めの出撃.ここのところメニューがいろいろ変わっているようだが,定番の「まぐろ煮定食(598円!)」だけはしっかり堅持されている.ときどきこの煮魚が食べたくなるのは習慣性かも.

10月になったというのに真夏日ラインをあっさり突破.農林団地の林からはセミの合唱がまだ聞こえてくる.昼休み,久しぶりに炎天下徘徊を小一時間.ツクツクボウシとアブラゼミがメゾフォルテの蝉時雨.樹液にはスズメバチが飛び回り,トノサマバッタが刈り取りが終わった畦道を交差する.神無月の「夏」の光景.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 神無月に全館空調が入るはずもなく,真夏日の昼下がり,居室温度は29度を越えた.そろそろ動作が緩慢になってハングアップ寸前か.パワー注入が必要か./MAFFIN サーバーが復活したので,昨日までの三日分の日録をアップロードを完了./分子系統ワークショップ.今年は2.5倍の倍率でした.いま鋭意人選中.応募者を絞り込む作業はぜんぜん楽しくない.審査員やコーディネーターの立場に慣れることはない./でも,室温が真夏日で,作業がぜんぜん捗らない.

◆[欹耳袋]確かに牛レバーが禁止されたから豚レバーという選択はさすがのワタクシでもやらかさない.それでも食べたい人は目黒寄生虫館に直行して条虫キーホルダーを買って戒めとせよ.

◆西日が差し込む居室は真夏日の熱帯と化している.長居は無用.さくっと撤収しよう.穏やかな夕焼けとともに日が暮れ,金木犀の香りが農林団地のそこかしこに漂う.午後5時を過ぎても夏日ラインを下回らない.湿度が低いことだけが救い.東の空にまんまるお月さんが.まっさきにお月見団子を喰ってから,おもむろに中秋の名月を見上げたワタクシはバチ当たりかな.南の海上に台風19号が発生した.今年は猛暑と台風の当たり年.

◆本日の総歩数=7460歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.7kg(−0.3kg) / 29.4%(−0.5%)


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