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日録2012年9月 


30 september 2012(日)※台風が襲来しても飲むしかない

◆午前5時起床.台風が迫り来るとは想像もできない鮮やかな朝焼け.気温20.9度.お米を研ぐ朝の儀式.すっきり秋晴れ.東の空から朝日がさんさんと降り注ぎ,気温は20.2度まで下がってきた.昨日の蒸し暑い朝に比べれば格段に心地よい.さて,今朝のジェラワットちゃんのごきげんやいかに(→台風情報).うーわー,もろ関東直撃かー.台風襲来で天候が急変する前にいろいろ外での┣┣" 撃ちをすまさないといけないだろう.

◆[蒐書日誌]闘う純米酒 —— 上野敏彦『新版・闘う純米酒:神亀ひこ孫物語』(2012年9月10日刊行,平凡社[平凡社ライブラリー・771],東京,313 pp.,本体価格1,300円,ISBN:978-4-582-76771-1 → 版元ページ).旧版:上野敏彦『闘う純米酒:神亀ひこ孫物語』(2006年12月13日刊行,平凡社,270 pp.,本体価格1,500円,ISBN:4-582-82450-1 → 目次版元ページ)の改訂増補とのこと.巻末に,著者による追記「純米酒の行方,稲作文化の明日」,さらに太田和彦の解説「著者のたどりついた言葉」あり.初版が出た6年前に比べれば,日本酒をとりまく環境は変化しただろうし,何よりもワタクシ個人の嗜好もずいぶん変わってきた.行く先々で誘引される日本酒専門店で,次に行くべき店を教えられることがよくある.酒の細道.

◆正午前,四日ぶりに観音台へ.しだいに雲が広がってきた.気温27.7度.南風が強まってきたが,まだ台風らしい予兆はない.BGMはヴィラロボス〈ブラジル風バッハ・No. 2〉.なまめかしいオープニング.積み上がった┣┣" 山を前に佇むワタクシ.台風の今後の予想進路を考えると,お月見はどうやらムリそう(外にも出られないだろう).でも,お月見団子はたくさん食べてよしとしよう.筑波山神社「お月見コンサート」も〈つくばクラフトビアフェスト〉もみんな中止になってしまった.台風が来るんじゃしかたないしねー.農環研からの出演者はさぞガックリしていることだろう.でもって,とある店では,いま〈風の森〉だけがずらっと並んでいるらしい.〈風の森〉だけ! そんなことより,観音台でうろうろしてないで,さっさと撤収するのが賢明かもしれないな.

◆[蒐書日誌]丸山宗利『アリの巣をめぐる冒険:未踏の調査地は足下に』(2012年9月20日刊行,東海大学出版会[フィールドの生物学・8],秦野,x+224 pp., 本体価格2,000円,ISBN:978-4-486-01847-6 → 版元ページ).ブツがつくばに着弾していました.どうもありがとうございました~.

◆午後2時,昼過ぎまでは,夏のような入道雲が湧き上がっていたが,今になって不穏な雲が強い南風とともに広がってきた.午後1時過ぎに29.5度まで気温が上がり,かなり暑い.しかし,雨の気配はまったくなし.ときおり,夏の日差しが照りつけるものの,南風がしだいに兇相を帯びてきた.まだ晴れているうちに洗濯物を取り込んでおくとするか.結果的に日中は「洗濯日和」だった.あとは,空が大魔神化する前にベランダの台風対策か.ブランターを陰に避難させて,ゴミ箱の防風処置.ベランダがカオスにならないようにした.午後4時,強い南風に乗って雲がどんどん運ばれている.台風接近の予兆.午後5時,夕暮れとともについに雨が降り出し,いきなり横殴りの本降りに.あわてず騒がずトビウオの出汁をとる厨房.今夜はシンプルな雑炊にしよう.

◆〈王祿〉超辛純米が花開く台風の夜 —— 台風17号が関東を直撃している夜.南からの暴風が湿った生暖かい空気を大量に運んでいる.こういう夜はシンプルに飛び魚の出汁をとって,シンプルな雑炊をいただきましょう.出汁巻きもついでにつくって,と.そして,出雲の〈王祿〉超辛純米・直汲みの無濾過生原酒をおもむろに開栓! フレッシュな〈王祿〉は微炭酸がガツンと効いている.ちょいと元気がないときは,〈王祿〉を注入すればパワーが戻ってくる.淡麗辛口とはまったく対照的なボディのある辛口の日本酒.

◆明け方までは強い風が吹き続けるにちがいない.台風一過の明日は神無月のスタートだ.

◆本日の総歩数=1623歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=95.0kg(+0.3kg) / 29.9%(−0.4%)


29 september 2012(土)※多摩パルテノンは朝から秋晴れ

◆午前4時半にびしっと起床.でも,うう…….空が白んできた.昨日はどんよりした空模様だったが,今日は一転してすっきり青空.しっかり朝ごはんを食べて,多摩パルテノンあたりをうろうろ徘徊する.気温はそれほど下がらず,八王子の今朝の最低気温は18.1度だった.空気がやや湿っている気がする.昨日の日録をものしても,10月1日午後まではワタクシの日録は他の誰も見ることができない…….午前9時半にチェックアウト.雲の表情が早回しで変わっている.気温も高く蒸し暑いので,歓迎されざる天気.いちおう晴れてはいるのだが.

◆[蒐書日誌]〈どうぶつ社〉の閉店 —— 長年にわたって自然科学系の本を出版してきた〈どうぶつ社〉は今年12月をもって出版から手を引く.それに合わせて,来月から池袋ジュンク堂にてどうぶつ社ブックフェアが開催されるとのこと.ジュンク堂にポスターが貼られていた.どうぶつ社は,おそらくは蒼樹書房と同じ道を歩むのだろう.気になるのは在庫本と他社復刊のこと.どうぶつ社からは青木重幸『兵隊を持ったアブラムシ』をはじめ,自然史関係の本がたくさん出版されていた.しかし,同社の在庫本が古書ルートに大量に出回るとは考えられないので(蒼樹書房はすべて断裁処分した),しかるべき復刊の途がなければ入手は困難になるだろう.すべては社主の久木さんがどうするかにかかっているのだろうけど.

◆[欹耳袋]朝,南大沢に着いたときにはもう開店していたので,アウトレットのスーパーに立ち寄り, Bruce Cost の無濾過ジンジャーエール〈Fresh Ginger - Unfiltered〉を買った.進化学会大会のときに感激したのでリピーターになったしだい.ジャスミン茶と柘榴&ハイビスカスの2本をゲット.びしびしと刺激のある飲み心地.

◆八王子統計高座(後半戦二日目) —— 10時過ぎに講義室へ.午前中は一般化線形モデル(GLM)の話.久保師本粕谷師本が立て続けに出てくれたので,要所要所の“丸投げ”にはたいへん役立つ.ありがとうありがとう.

昼休み.晴れて不快指数が高い.午後はGLM演習.R Commander のモデル構築画面は「窓」が狭すぎてキー入力がしにくい.その後,計算統計学に話題を移し,リサンプリング統計手法とベイズ統計学を立て続けに解説して,午後4時半にすべて終了.まる四日間たいへんお疲れさまでした.レポート課題は後ほど出題いたします.

◆[蒐書日誌]Horst Bredekamp『Leibniz und die Revolution der Gartenkunst: Herrenhausen, Versailles und die Philosophie der Blätter』(2012年刊行,Verlag Klaus Wagenbach, Berlin, ISBN:978-3-8031-5183-4 → 版元ページ).バロック風造園術とライプニッツ思想との関連.前著 Horst Bredekamp『Darwins Korallen : Die frühen Evolutionsdiagramme und die Tradition der Naturgeschichte』(2005年刊行, Verlag Klaus Wagenbach[Kleine Kulturwissenschaftliche Bibliothek 73], Berlin, ISBN:3-8031-5173-2 → 版元ページ)と同じ叢書の本かも.

◆午後7時過ぎにつくば帰還.終日じめじめした天気で,秋らしい爽快さとは無縁の一日だった.とりあえず大仕事がひとつ完了したのでよかった.

◆本日の総歩数=8419歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


28 september 2012(金)※台風の余波で雨に濡れる南大沢

◆午前4時半起床.気温16.7度.雨.見おろす路面が濡れている.夜明け前の薄暗がりの中でごそごそ旅支度をする.今日からまた南大沢でカンヅメだ.

◆八王子統計高座(後半戦初日) —— つくば駅.首都大学東京の集中講義(後半戦)に向かうべく7:56発のTX快速に乗る.曇り空.やや蒸し暑い.秋葉原.曇りときどき小雨が混じる.岩本町へ徒歩移動.京王線沿線は断続的に小雨が降り続いているらしい.予定通り午前10時過ぎに南大沢到着.講義室へ直行.午前10時半から講義開始.前回の続きで実験計画法の続き.正午,昼休み.生物実験室でひとり午後のしたくをしている.どんよりした曇り空からしとしと雨が降り出した.台風はもう過ぎ去ったはずだが.午後1時から講義再開.多重比較に関する講義と実習.そのあとはひたすらモデル,モデル,モデル…で午後4時半まで.

◆[蒐書日誌]「辞書のほん」編集室『辞書のほん・第7号(2012年秋号)』(2012年10月1日発行,大修館書店,東京,56 pp. → 版元ページ).大修館書店からこういう広報誌が発行されていたとはぜんぜん知らなかった.カラフルで楽しい.

◆阿佐ヶ谷・背徳ナイト —— 午後5時前,多摩センターのホテルにチェックイン.たそがれた雰囲気に包まれる.パルテノン大通りの坂道.昼下がりの雨は夕方になってやっとあがった.なんだかそこはかとない疲労感が湧き上がる夕暮れ.前回は吉祥寺だったが,少し外して今夜は阿佐ヶ谷に出撃した.こういうときに京王線はとても便利.

阿佐ヶ谷駅南口の一番街の雑踏を通り抜けたところに,目指す〈吟雅〉は店を開いていた.まずは〈秋鹿〉の「霙もよう」から(これのみ冷酒で).つきだしはボテトサラダ(フルール)とキッシュ.うん,いい感じ.次は〈十旭日〉の純米吟醸の燗.肴はちぎったモッツァレラと甘いトマトのカプレーゼ.洋風の料理に日本酒を合わせるのは,高田馬場のあの店と同じ(向こうは冷酒のみだが).間奏曲は〈風の森〉の純米吟醸「笊籬採り」山田錦の燗.〈風の森〉の燗酒は初めての経験.生ハムとパルミジャーノのオムレツには徳島の〈旭若松〉の純米雄町の燗が相性がいいらしい.さらに,ふるふるした血のソーセージ(ブルート・ヴルスト).これに合う日本酒って何? 出てきたのは〈秋鹿〉の古酒「奥鹿」(BY19)・生もと純米・田中農場山田錦の燗.これは実にうまいなあ.仕上げは,香川〈悦凱陣〉オオセトの燗には砂肝のコンフィのソテー.

帰りしなに吉祥寺の〈カイ燗〉に立ち寄って,鳥取〈辨天娘〉純米にごり.もちろん燗で.辨天娘はいい娘.Niña buena.

◆多摩センターに帰り着いたのは午後11時過ぎ.さて,今日はもう寝るしかないなあ.明日は集中講義の最終日.

◆本日の総歩数=11480歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=94.7kg(+1.1kg) / 30.3%(+0.2%)


27 september 2012(木)※今日からまた巡業高座が始まる

◆午前4時前起床.日に日に深まる秋.気温は15.2度.もう窓を開けては寒くて寝られない季節になってしまった.夜明け前の闇の中で一日が始まる.やや雲が多い夜明け.9月28日(金)13:00~10月1日(月)13:00の期間はMAFFINのウェブがメンテ停止なので,日録更新も強制的休暇となる.

◆[欹耳袋]台風17号は関東「串刺し」コースかあ…… /〈つくばクラフトビアフェスト〉2012年9月28日(金)〜30日(日)→ Official WebSite.最終日しかダメかー. /カレントアウェアネス・ポータル「米国歴史学協会、著者支払いモデルによる学術雑誌のオープンアクセス化を憂慮する声明を発表」(2012年9月25日)/jModelTest2 は PhyML とともに.

◆町田出撃の朝 —— 午前8時前,つくば駅.薄曇り.昨日よりも湿気がやや高い.これから町田へ出撃する.新宿駅にて.薄曇りの都内もやや蒸し暑い.小田急快速急行に乗り換え.新百合ヶ丘.都心よりもやや涼しい.玉川学園.町田は秋晴れの青空が広がっていた.今日は MacBook Air と Windows PC の両方を持ってきたので肩が痛い.

  • #tmgw_evolve 本日の講義は先週の体系学概論に引き続き,系統学概論に進みます.後半は実習に用いる MEGA 5.05 のインストール作業です.とりあえず MEGA のみですが,そのうち別のソフトウェアもインストールします. posted at 11:00:12
  • #tmgw_evolve MEGA 5.05 のインストール作業と起動を確認したところで前半の講義はおしまいです.DNA塩基配列がどのように進化するのかという問題は,分子進化学だけにとどまらない一般的な「進化」の概念と関係します.後半はそのあたりの話題をしましょう. posted at 11:46:57

◆[欹耳袋]ポケモン系統樹 —— A Phylogeny and Evolutionary History of the Pokémon | Annals of Improbable Research 18(4) | July/August 2012.

◆経堂〈はるばるてい〉アゲイン —— 午後1時,玉川学園前駅.曇ってはいるが暖かく霞んだ空.時おり日が差して雨が降る気配はまったくない.経堂で途中下車し,〈はるばるてい〉にて久しぶりに「香麺」を注文.具をぜんぶごちゃごちゃ混ぜて,奄美の黒酢をひとまわし垂らす.毎年夏場は長期のバカンスに出かけるという店主.今年はギリシャでイカロスの島に長居していたとのこと.その後,池袋ジュンク堂本店の〈文化系統学ブックフェア〉を見に行く.エスカレーターで4階の人文書売り場に上がったすぐのところに店開きしていた.ブックリストが平積みされ,ポップも貼られていた.これからの一ヶ月間,どれくらい集客効果があるだろうか.

◆今日はみごとな夕焼けだった.三井ビルが紅に染まった一瞬ののち,つるべ落としに夕闇が降臨した.気温20.4度,冷たい北東風が吹き抜けて,これから雨が降るとはとても思えない.今日の夕餉は必勝おでん!(今季初もの).〈新政〉のひやおろしが空っぽになった.

◆本日の総歩数=10955歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(−0.1kg) / 30.1%(−0.2%)


26 september 2012(水)※台風接近前の快適な秋晴れの日

◆午前4時半起床.日に日に気温が下る夜明け前.午前4時の気温は15.7度.最低気温はもっと下がるだろう.雲が多いが東の空は白んできた.秋晴れ観音台.今朝の最低気温は15.1度まで下がり今季最低を更新.午前8時には20.4度まで上がってきた.今日は貴重な晴天になりそう.関東南海上のイーウィニャ(台風18号)は東海上に逸れていく気配だけど,むしろ台湾あたりをうろうろしているジェラワット(台風17号)が進行方向によってはヤバイのかも.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 来月の不在申請書類(出張・年休・特休・外勤・兼業)一式を耳を揃えて提出完了.10月のつくば不在率は9/22=0.409.ま,こんなもんでしょ./来月始めに公開される農環研統計高座の原稿も完了./とりあえず,未処理メールは駆除したので,次の┣┣" 撃ちに向かえる.

◆[欹耳袋]今日は朝から本郷で専攻修論中間発表会があるのだが,とてもとても行ってられない.夕方までみっしりプログラムが組まれていて,さらにその後は専攻交流会で飲み倒すとのこと.農業機械・農業土木系専攻の文化的基層は「体育会系」であると感じることしきり.そういえば,明後日もまた専攻進学内定者ガイダンスがあり,夕方からは歓迎会がある.おとついの専攻教員会議で「交流会と歓迎会はひとまとめにしては?」という専攻長からの提案があったが,「いや,それはダメです!」との教員側の確固たる反論で即却下.飲みたいのは学生ではなく教員の方である.金曜は首都大学東京での統計高座の後半戦なのだが,夕方,ドネーションの日本酒を抱えて本郷を襲撃するかどうか迷っているところ.歓迎会場に一升瓶だけ投げ込んで逃げるという荒ワザもあるんだけど.

◆[蒐書日誌]話題沸騰の沢田佳久『醤油鯛』(2012年9月19日刊行,アストラ,東京,143 pp., 本体価格1,700円.ISBN:978-4-901203-50-0 → 目次版元ページ著者「醤油鯛」サイト)の「形質データ行列」が公開された!(筑前屋翫理堂さんに拍手).※さぁ,これで系統樹を描きまくりだっ.なお,担当編集者によるウラ話は続いていた:月刊『記録』「『醤油鯛』著者HPご案内【未公開原稿あり】」(2012年9月19日).

◆秋晴れの昼休みは周辺徘徊タイム —— 正午の気温は23.6度.よく晴れて日差しは強いが,吹く風は秋の爽やかさ.爽快な日和なので昼休みは歩き読みかな.全開放の窓の外ではツクツクボウシが鳴き始めた.もうすぐ10月になるというのに長続きしている.すでに刈り取られた田んぼではひこばえが青々と伸びている.休耕田の秋桜もいまが見頃か.日なたの街路樹からはアブラゼミも聞こえるがほぼ独唱状態.『醤油鯛』の記載文読了.たいした本だねー.台風17号の進路はやっぱり「折れ曲がる」のか→気象庁台風情報.となると,この秋晴れも今日でおしまい.明日からは雨になるだろう.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 『系統樹曼荼羅』本の再校ゲラがもうすぐ完成するとの連絡あり.文章の加筆修正はこれでほぼ終了.あとは図版に関する調整とキャプションの追加など.Copyright に関する許可申請は編集部一任.新たな図版候補がぱらぱら出現するので,差し替え箇所もありえる./赤塚不二夫が描いた「マンガ系統樹」が送られてきた(天才なんだなあ).それとは別にもうひとつあって……こっちの方がスゴい!/藤原カムイ,スゴすぎる! 藤原カムイの描くマンガ系統樹のスタイルはエルンスト・ヘッケルのデザインの末裔であることが判明.赤塚不二夫とは別次元で開花している.赤塚不二夫と藤原カムイの「マンガ系統樹」はどちらも『系統樹曼荼羅』に掲載する予定.

◆[欹耳袋]ふと気になって,自分の「学会デビュー年」をチェックしてみたら,修士1年のときに京都で開催された国際昆虫学会議(1980)がどうやら最初だったようだ.ただし,発表なしの参加のみ.では,発表「あり」の初めての学会参加がいつだったかいえば,驚くべきことに修士・博士時代は一度もなくて,OD一年目の仙台の日本古生物学会1986年年会が最初.え!と思って過去帳を再度確認したのだがやはり間違いではない.学会発表皆無の院生時代をすごしたワタクシっていったい何をしていたのだろー.ひたすらバクダンを製造し続けていたのか.だいいち,仙台の日本古生物学会大会だって,ペギオ君にシンポジウム「古生物の系統分類に関する諸問題」に招待されなければ行かなかったにちがいない(非会員だし).もう一人の演者だった河田雅圭は北海道からフェリーで上陸した.いずれにしても,大学院時代は「学会」とはまったく無縁の生活を送っていたということ.ワタクシのいた研究室は農学部の中でもかなり「隔離」されていた異次元ワールドだったので,そういう生活も可能だったのかもしれない.

◆秋らしい表情の穏やかな夕焼けが広がる.明日から週末までの三日間は巡業高座だ.

◆本日の総歩数=10019歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.7kg(−0.1kg) / 30.3%(+0.8%)


25 september 2012(火)※雨がしとしと降る真夜中に起床

◆昨夜は深くにも早々と寝落ちしてしまった.午前2時半起床.外は雨.気温17.7度.真夜中に厨房でお米をしょきしょき研ぐワタクシは妖怪小豆あらいみたい.夜明け前の観音台は降りしきる雨に濡れる.気温は17.0度.半袖だとやや肌寒いかも.農環研は暗くひっそり静まり返っている.鈴木秀美のバッハ無伴奏チェロから起動する平日労働日.昨日めがねを新調したので,焦点深度の異なる三種類がせいぞろいすることになった.しかし,目目連ではないワタクシに目はふたつしかないので,使い分けがすでに困難.というか,じゃまくさい…….まだ慣れていない.

◆[欹耳袋]キターっ! —— 昨日の9月24日から,池袋のジュンク堂書店本店の4F・人文書フロアにて,〈文化系統学への招待・ブックフェア〉が始まった(→ 写真1写真2).『文化系統学への招待』を中心に,これから10月末までの一ヶ月間,特設コーナーが設けられる.フェア会場で無料配布されるパンフレット「文化系統学への招待フェアブックリスト」(4 pp.)には,このブックフェア用に集めたコメント付き30冊+もう30冊補遺が詰め込まれている.できれば,会期中に『系統樹曼荼羅』が並べられればいいのだが.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 所内での運用規則が変わるたびに,出張伺の書式がじりじりと複雑化している.かなり前からパーフェクトに記入することを放棄しているので,個人的にはほとんど影響がないんだけど.出張経路だって申請内容を事務でもう一回チェックするそうだから,適当に書いてまったく問題なし./日向統計巡業の件.宮崎と鹿児島は完全なる「焼酎文化圏」なので,ワタクシ的にはやや盛り下がっている.焼酎の国に行ったらすなおに焼酎を飲めと言われればぐぅの音も出ないけど./ま,その前に宮崎農試からの出張依頼書をしかるべき部署に転送しないと./宮崎農試から送られてきた事務書類一式の中に,宮崎PR誌〈Jaja〉が同封されていた.意外とエンジョイできるかも.見透かされているのか./『るるぶ宮崎・高千穂 ’12』をコッソリ買ってしまったことはまだ誰も知らない…….

◆[蒐書日誌]渡辺守『生態学のレッスン:身近な言葉から学ぶ』(2012年9月5日刊行,東京大学出版会,東京,xii+185 pp., 本体価格2,600円,ISBN:978-4-13-063334-5 → 版元ページ).ご恵贈感謝です.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 午前1時半から,きたる師走の農環研サイエンスカフェに関する打ち合わせを一時間あまり.事前の打ち合わせと今後のスケジュールがいろいろたいへんそう.次は,使用スライドの画像に関する著作権処理(半月後),そして Ustream 中継のための準備などなど./宮崎県総合農業試験場(本場)は宮崎市中心部からかなり遠く,しかも最寄り駅・バス停からもそれなりに遠いという事実.むー./豊後&日向の統計研修の事務書類をあれこれ用意して提出した.往復のフライトはこれで確保したので,あとは宿決めのみ.リピーターの別府はだいたいわかるからいいけど,初心者の宮崎が心許なし.

◆[欹耳袋]続々と着弾する宮崎グルメ情報 ——

—— 「背徳」な情報はどんどん集まるなあ.よしよし.

◆午後4時半に撤収し,真っ赤に夕焼けの中を帰宅.夜は,秋田〈新政〉の特別純米「六號」ひやおろしを開栓.いまの季節はひやおろしにかぎる.新政酒造の看板である六号酵母を味わう秋の夕餉.まろやかで滋味がある.〈新政〉の攻勢ぶりは先月の三ノ宮で再認識させられたので,これからも注目していきたい.

◆本日の総歩数=4795歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(−0.5kg) / 29.5%(−0.1%)


24 september 2012(月)※秋の階段を駆け下りる根津の坂

◆午前5時前起床.雲がまだらに点在する夜明け前.気温16.9度.日に日に秋の階段をイッキに駆け下りている.昨夜は〈アルプス交響曲〉の総譜にしたがって正しく寝落ちしてしまった.今日は出勤簿に押印しなくていい日なので,午前中はつくば市内を駆けまわり,午後は本郷に出没する.今朝の最低気温は午前6時前の「16.4度」.もちろん今季最低.しかし,日中は真夏日近くまで暑くなるなるらしい.大陸的.

◆Miyazaki, terra incognita —— 来月と師走に日向統計巡業の予定が入っている.とりあえず宮崎空港までの往復フライトは確保した.しかし,実は宮崎県には一度も行ったことがないので,どこにどう泊まるべきかが皆目わからない.宮崎農試の人は「駅の近くが便利ですよ」と言うのだが.駅前かー.十年前の『九州温泉大図鑑』を引っ張りだしてきてワルイことを画策しようにも土地カンがないのでアクションが取れない.もうちょい調べてみるか.宮崎と鹿児島は文字通り「未知の大地」だ.

◆秋の新着┣┣" たち —— 東大関係:10月20日(土)はホームカミングデー./9月26日(水)専攻修論発表会のあと交流会あり.その二日後の28日(金)は専攻内定者ガイダンスのあとまたまた歓迎会あり.機会をつくっては飲み倒す某専攻.そういえば,恒例の〈秋の試飲会〉に向けてそろそろ始動しないといけないな.

◆本郷出撃 —— 11:55発のTX快速に乗る.青空.気温は夏日ラインをすでに越えている.つくばでの細々┣┣" 撃ちが意外に手間取った.これから本郷へ出撃.午後1時前に弥生キャンパスに到着.正午の気温は27.0度.よく晴れて,根津から弥生坂を上がると暑い.もうすぐ専攻教員会議が始まる.今日はスカイツリーが秋空にくっきり映えている.午後3時から引き続き専攻会議.終わったのは午後4時前だった.次なる目的地である小川町に瞬速移動しようと思ったが,根津駅前でトラップされ〈秋田屋〉にて豆かん.急いで千代田線に乗る.小川町の羊土社にてミーティング.┣┣" が一頭新たに増えた.夕暮れの靖国通り.涼しさが戻ってきた.

—— つくばへの帰路,曇り空の向こうに夕焼けが広がるTX車窓.夏日になった日中はセミの鳴き声も聞こえたが,夜のこの涼しさは秋本番だ.

◆本日の総歩数=8932歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.3kg(+0.8kg) / 29.6%(−0.5%)


23 september 2012(日)※秋雨の日曜に風神と雷神が降臨

◆午前5時半起床.秋雨の朝.気温19.7度.北の風.残暑と熱帯夜の日々は去り,昨日の夜は肌寒いほどだった.本日はつくば学園都市オーケストラの第50回記念定期演奏会本番日.演目はサブが J. S. Bach〈前奏曲とフーガ・変ホ長調〉,メインが R. Strauss〈アルプス交響曲〉.

◆[欹耳袋]Togetter - 「カワウソ復活計画 — 絶滅しないと振り返ってもらえない動物と絶滅しても気づかれない動物 — 」.認知的「種概念」と政治的「種概念」が手を携えるとこうなるのかな.そういえば,十年ほど前の【種】高座では,北上秋彦の三部作『種の起源』・『種の終焉』・『種の復活』の表紙(だけ)を頻繁に講演スライドに登場させたものだった.

◆ノバホールにカンヅメ —— 午前9時過ぎ,ノバホールに出撃する.いまの気温は19.8度.空を覆う雨雲から本降りの雨.これまで〈アルプス交響曲〉の練習のたびにスコールや雷雨に見舞われることが多かったが,本番も雨になるとは.午前10時からステリハ.指揮台の両脇に二台のハープだい対置され,指揮台の真ん前にはチェレスタ.かなり異色な楽器配置.オルガンは定石通りバイオリンの後方に置かれていた.リハーサルは逆順で,まずは〈アルプス交響曲〉,次はバッハ.何とかなりそうか.正午前に昼休みに入る.いったん帰宅.コスチュームに着替えてから午後1時前に再出撃する.あ,ケガしないように軍手をもって行かないと.

〈アルプス交響曲〉は打楽器がわんさか登場する.〈アルプス交響曲〉の今回の演奏で使った「サンダーマシン(Donnermaschine)」.嵐の場面のクライマックスのたった二小節の出番のためだけに,ステージのやたら目立つ場所に設置された.マシンとはいえ,実物は高さ2メートル,幅1メートルほどの薄くて巨大な金属板.これをわしゃわしゃ揺すると雷神が降臨する.一反木綿や土一揆の幟ではない.楽器名としては「サンダーシート(Thunder Sheet)」と呼ぶとのこと.格納するときはぐるぐる巻のロールにする.雷神に対置される風神は「ウィンドマシン(Windmaschine)」.木製の歯が付いた巨大な円柱に分厚い布を巻きつけたもの.ぐるぐる回すと「びゅんびゅん」擦れる音が出る風神と化す.打楽器だけでなく,「ヘッケルフォーン」なるオーボエの兄貴分みたいな木管楽器を初めて見た.

午後1時過ぎ,ノバホールはすでに開場した.舞台袖でじっと待ち続ける黒服の緊張集団.開演まであと半時間.客席がだいぶ埋まってきたようだ.昼下がりの外は気温が20度を下回る涼しさだが,袖に集結しつつある団員たちの熱気で暑くなってきた.開演.午後2時半にバッハの本番が終わったー.20分の休憩.その後,メインの〈アルプス交響曲〉.風神と雷神が降臨し,午後4時に演奏会終了.即,大量の楽器搬出とステージ解体.まだ雨が降り続いている.中は燃えても外は涼しい.すでに燃え尽きて真っ白な灰になっているよーな…….またまた帰宅して着替えをする.懇親会までにどれだけ体力が回復できるか.

午後6時から,ホテルオークラにてレセプション.とっても豪華だった.聞いたところでは50回記念とのことで張り込んだらしい.今日の演奏会の聴衆アンケートをレセプション会場で読んでいたら,〈アルプス交響曲〉について「すごい音が出ていてすごかった[さとう○○○・男・6さい]」というすなおな感想が書かれていてなごんだ.

思い起こせば,〈アルプス交響曲〉を最初に耳にしたのは,今から三十年あまり前,京都から東京に出てきて駒場寮の一室に入ったときだった.買ったばかりのアイワのラジカセでFMのエアチェックをしていて,最初に流れてきたのがルドルフ・ケンペ指揮ドレスデンの演奏.1976年だったから,LPが発売されて間もない頃ではなかっただろうか.そのうちどこかで演奏するかもしれないと夢想しつつ,〈アルプス交響曲〉の総譜を銀座ヤマハで買い,ときどき読んでいた.それが数十年後に実現したわけだ.

◆ホテルオークラでのレセプションが終わり,素直に直帰.ほかのみなさんは打ち上げ二次会の登攀に向かったようだ.終日降り続いた雨はやっと止んだ.気温18.0度,北風が涼しい夜.〈アルプス交響曲〉のストーリーに従えば,エンディングの「Nacht」ではふぅ〜と消え入るように寝落ちしなければならないところだ.

◆本日の総歩数=4344歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.5kg(−0.6kg) / 30.1%(0.0%)


22 september 2012(土)※多摩パルテノンは秋めく涼しさ

◆午前5時起床.曇り.気温20.5度.だいぶ下がってきたような.ホテルの外に出ていないので,涼しいかどうかわからない.昨夜の燗酒パワーで今日の集中講義を戦い抜こう.朝食後,多摩パルテノンの周囲をひと歩き.曇りときどきぱらぱら降る空模様.気温20.5度.不快指数の高かった昨日とは打って変わって秋めく涼しさ.小雨に煙るサンリオピューロランド.

◆八王子統計高座(前半戦二日目) —— 午前9時過ぎ,南大沢への出撃準備をすませて,ホテルをチェックアウト.京王多摩センター駅に向かったところ,改札に人だかりが.稲城駅で人身事故があって,京王相模原線は全線不通とのこと.駅員の説明では午前10時半まで動きそうにないらしい.あらま.代替バスもなさそうだったので,タクシーで首都大まで直行した.そんなわけで,10時すぎには生物実験室にたどり着いたのだが,ワタクシが南大沢に来られても,受講生がたどり着いているとはかぎらないか…….京王が止まると孤島化する首都大学東京.

案の定,予想通りほとんどの受講生は到達できていないようだ.10時半開始はムリっぽい.しかたがないので半時間ほど開始を遅らせることにした.京王の遅延証明書をもった学生がぽつぽつと集まり始め,午前11時にゆるゆるスタート.午前は統計モデルの基本についてスライドとR実習による説明.一時間ほどで午前の講義はおわり昼休みに.京王線の遅延の影響はまだまだ続いているらしく,昼前にやっと受講生全員がそろった.午後1時前から講義再開.実験計画法の基本を解説し,午後2時に本日の講義はおしまい.実質的には二時間だけだったか.

◆[欹耳袋]ツイッターとか原稿数枚の「短文」ばっかり書いていると,「長文」を書いたり読んだりする気力やスキルがやせ細らないか./ツイッターで隔字体(gesperrt)は歓迎されざるスタイルだったか(ときどき使ってしまうけど).

◆朝のうちは秋風が涼しかったが,昼下がりは日が差してだんだん暑くなってきた.午後2時の気温は24.0度.京王線はすでに平常ダイヤに戻っているようだ.今日は早めに集中講義を切り上げて.瞬速つくばっく.八王子の荷物を抱えたまま,つくば学園都市オーケストラのステージ G. P. が待っている.午後5時前にノバホール大ホール着.すでにステージのセッティングは完了していて,団員は揃っていた.午後5時から9時まで練習.今日のオケ練習には〈アルプス交響曲〉用の「風神・雷神」が舞台の両側に設置された.初めて拝む「雷神」を喜んでばたばたさせていたら,罰が当たって手のひらを切ってしまった.

◆午後9時の気温は21.0度.吹き抜ける北東の風が心地よし.明日は定期演奏会(→ つくば学園都市オーケストラ第50回記念定期演奏会)の当日なので,朝からノバホールにカンヅメになる.ステリハと本番,そして懇親会がある.

◆本日の総歩数=9264歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


21 september 2012(金)※亜熱帯八王子はスコールが襲来

◆午前5時前起床.気温が20.0度まで下がっている.これで湿り気がもうちょい少なければ快適なのだが.プチ旅支度.午前7時前のつくば駅.雨はいま止んでいる.気温は低めでも湿度が高いので不快なべたべた感あり.これから八王子へ出撃だ.秋葉原で外に出て岩本町へ.都内も曇り空.言うまでもなく蒸し暑い.都営新宿線から京王線へ.今夜宿泊する多摩センターを通過し,午前10時に南大沢にたどりついた.小雨がぱらぱら降り続いている.傘が必要か.

◆[欹耳袋]Medievalists.net | St. Isidore and mediaeval science | 12 September 12.Floyd Seyward Lear による同名の論文(The Rice Institute Pamphlet, 23(2), 1936)がpdf公開されている.聖イシドールが編纂した百科事典『語源論(Etymologiae)』は『系統樹曼荼羅』にも登場する.

◆八王子統計高座(前半戦初日) —— 首都大学での毎年恒例の統計高座.今日は初日ということで,午前中はアジ演説を一席ぶちあげた.短い昼休み.E-mobileがつながらない電波僻地=生物実験室.実験室のドア外だと電波はかろうじて入るようだ.午後のR実習に向けてドロナワし続けるものの,ダウンロード絶遅っ.午後は R / R Commander / RStudio をインストールしたのち,統計学概論の続き.パラメトリック統計学について話が中心.確率分布の講義では R Commander が大活躍.午後5時,本日の高座はおしまい.薄暗くなってきた外は,雨はザアザア降り続いている.不快指数きわめて高し.京王多摩センターに戻ってチェックイン完了.

◆[欹耳袋]まだまだ続く「学会ドレスコード問題」 —— NAVER まとめ -「学会でのドレスコード論争が意外と面白い!」(2012年9月21日)

◆吉祥寺・背徳ナイト —— 多摩センターから一足で吉祥寺へ.北口の繁華街の一角にある〈カイ燗〉に潜り込む.看板も何もないビルの狭い階段を登る.のれんも出ていない.アヤシすぎるたたずまい.今夜のニッチはここだ.まずは奈良の〈睡龍〉生もとの燗からゆるりと始まる.んまい.四条高倉の〈たかはし〉で飲んで以来ひさしぶりにこの螺旋ラベルと再開した.次は広島〈竹鶴〉純米のやや熱めの燗.本まぐろのほほ肉の刺身が,今はなきレバ刺しと同じく,塩&ごま油がとても合う.まだまだ続く.島根の〈開春・西田〉の純米生もとの燗が登場.ささみのとり天のり巻きが肴.久留米の〈独楽蔵〉ひやおろし「二年目の秋」無農薬山田錦の燗.これは秋刀魚のなめろうとともに(脂の乗った秋刀魚だった).付いてきた椀には酢醤油に氷が浮かんでいる.これが房総スタイルとのこと.本日最後は,島根〈日置桜〉純米吟醸「強力」のぬる燗.杉山米・七号酵母.うまいなあ.おまけは静岡〈開運〉純米吟醸1990年ものと埼玉〈神亀〉搾りたて生酒2002年.いずれも赤とんぼのお猪口で少しずついただきました.今夜はすべて燗酒だった(当たり前か).

—— つつがなく多摩センターに帰還.ときおり大粒のスコールが降る夜のパルテノン通り.今夜はすこぶる「オトナ飲み」だったな.うんうん.明日も朝から高座があるからそろそろ寝るかー.

◆本日の総歩数=10277歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=94.1kg(0.0kg) / 30.1%(+0.8%)


20 september 2012(木)※半年ぶりに町田通いが再会する

◆午前4時半起床.気温23.7度.蒸し暑い夜明け前.もう日の出の時刻を過ぎているが,雲で覆われていて何も見えない.湿気が多くてよくないよくない.蒸し暑いまま町田に出撃するのは気が滅入るなあ.受信ボックスから未処理メールを一掃できたときはシアワセ.

◆[欹耳袋]第166回農林交流センターワークショップ 〈分子系統学の理論と実習〉10月31日(水)〜11月2日(金)筑波事務所・電農館.応募締切は一週間後の9月27日(木)./MAFFIN のメンテ作業のため「9月28日(金)13:00〜10月1日(月)13:00」の間,研究データ交換システムが停止とのこと(→ 通知).メールやMLは大丈夫のようだ.

◆[蒐書日誌]来月近刊二冊 —— エリオット・ソーバー[松王政浩訳]『科学と証拠:統計の哲学入門』(2012年近刊,名古屋大学出版会,名古屋,本体価格4,600円,ISBN:978-4-8158-0712-2 → 版元ページ)は10月はじめに出版予定とのこと./石田基広『Rで学ぶデータ・プログラミング入門:RStudioを活用する』(2012年10月近刊,共立出版,東京,ISBN:978-4-320-11029-8 → 版元ページ) ※をを,今度はRStudio本ですか! 最近,方々で統計高座をお勤めする機会に,R Commander と RStudio の使用頻度がだんだん競り合ってきた感がある./密林の中から『日本博物誌総合年表』を買え買え買えという呪文の声が聞こえ…….

◆朝のTXつくば駅.晴れところどころ曇り.蒸し暑い.7:56発の快速に乗る.久しぶりに町田へ出撃する.遠い道のりはいま始まったばかり.秋葉原で乗り換えて新宿へ.都内も蒸し暑い朝だ.新宿9:11発の小田急急行に乗ってはみたものの,9:19発の快速急行の方がよかったか.新百合ヶ丘でさらに各停に乗り換えて,と.快速急行に乗ってもほぼ同時着だったか.外は晴れまくり.今日も暑そ~.久しぶりに玉川大学キャンパスに入り,大学8号館への坂道をのぼる.あまたの大学を見てきたが,キャンパス風景に関していえばこの大学はきわめてランクが高い.環境はもちろん,建物のたたずまいもよし.ただひとつ問題があるとしたら,それは e-mobile がちゃんとつながらないことかな.とくに8号館は「電波僻地」と呼ぶしかない.講師控室にいるときは,窓際でかろうじて電波が拾えるかどうかのぎりぎりライン.さて,高座の仕度をちょいと.

  • #tmgw_evolve 本日の「分子進化系統学」の初回は,講義全体のガイダンスをしたのち,生物体系学の概論を話します.系統推定ソフトウェアのインストールなど,実習に必要なことは次回以降行ないます. posted at 10:32:08
  • [玉川大学]うわー,レーザーポインターを忘れてきてしまったー.せっかく「赤・緑・青」の三色セットを用意していたのにぃ(T_T). posted at 10:39:27
  • #tmgw_evolve 講義室なう.窓際だとなんとか電波が届きそう.これでオッケー. posted at 10:50:25
  • #tmgw_evolve PCディスプレイにつながった.よし! posted at 10:53:45
  • #tmgw_evolve もうすぐ始まる〜 posted at 10:57:02
  • #tmgw_evolve 初回講義だん.おつでした. posted at 12:35:18

—— 次回はもっと実質的な講義と実習になる.

◆講義を終えて本郷へ.東京大学総合研究博物館の展示〈日本鳥学会の百年〉を見に行く.明日までなのでぎりぎりすべり込み.ついでに,隣りの〈キュラトリアル・グラフィティ:学術標本の表現〉も.E. S. Morseが収集した大森貝塚の出土物とか,坪井正五郎が蒐めた人骨とか.ホネと鳥さん.午後7時前につくば帰還.

◆[欹耳袋]共著者のデザイナーさんから昨夜こう進言された:「タイポグラフィーでは余白にも情報があるので,画像だけ勝手にトリミングしないで,余白も含む全体をスキャンするように」と.余白はいつでも切り捨てできるムダなものではないとは味わい深いことば.

◆明日からは八王子での集中講義が始まる.泊りがけなので旅支度をしないと.

◆本日の総歩数=10318歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.1kg(+0.2kg) / 29.3%(+0.2%)


19 september 2012(水)※朝日と雷雨と虹が出揃う夜明け

◆午前4時半起床.気温24.3度.蒸し暑い夜明け前.雨は降っていない.東の空は雲間から朝焼けの青空が見えているが,雨雲が接近している西の空には三井ビルをまたぐ大きな虹.ときどき雷鳴,そしてスコール.ウィンドマシンとサンダーマシンが鳴り響く.午前8時の観音台はスコールが叩きつけるように大粒の生暖かい雨を降らしている.とても「秋」とは思えない空模様.気温は25.2度.梅雨時のようなじめじめ感で,不快指数高し.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 秋の巡業高座に向けての準備に余念がない(ホンマやろな).とりあえずは明日から始まる玉川大学の分子系統進化学の初回,そして二週連続の首都大学東京での統計巡業の準備.シラバスの確認と配布資料の用意./国際会議参加費に関するクレジットカード明細を“墨消し”して事務に提出完了.これで終わったわけではない.この件はまだ続くことを覚悟すべし.

◆[蒐書日誌]微化石たち —— 谷村好洋・辻彰洋(編)『微化石:顕微鏡で見るプランクトン化石の世界』(2012年8月5日刊行,東海大学出版会[国立科学博物館叢書・13],秦野,xxxvi+396 pp., 本体価格3,800円,ISBN:978-4-486-01944-2 → 版元ページ).珪藻・放散虫・介形虫などなど.ヘッケルとエーレンベルクに関する紹介も.カラー写真・モノクロ写真が満載の大判本でこの価格は驚異的./Yoshihiro Tanimura and Yoshiaki Aida (eds.)『Joint Haeckel and Ehrenberg Project: Reexamination of the Haeckel and Efrenberg Microfossil Collectionsas a Historical and Scientific Regacy』(2009年9月発行,National Museum of Nature and Science Monographs, No. 40, viii+106 pp., National Museum of Nature and Science, Tokyo, ISBN:978-4-87803-029-1 [book and CD-ROM] → 目次).

◆筑波事務所の郵便局に用事があって館外に出たら,蒸し暑いのなんのって.午前11時の気温は26.0度でたいしたことはないのだが,湿度の高さがどうしようもない.梅雨時の最悪レベルに匹敵する不快指数の高さ.筑波事務所は全館空調がオフだったが杓子定規すぎる.生温い雨が降ったり止んだりしているので,昼休みの徘徊は中止と決定.幸い,スイスから本が届いたので,引きこもってなでなでしよう.

◆[蒐書日誌]連日届く! —— Rudolf Hostettler『Type』(1949年刊行,Verlag Zollikofer & Co.[SGM-Books 2], St. Gallen, 113 pp. → 目次).スイスから着便.六年がかりでやっとこの本を手にすることができた.フォント書体の図版集.サブタイトルは「A Selection of Types - 70 Alphabets of Old and Modern Faces」と英独仏語で記されている.十年後に出た第二版(昨日届いたばかり)に比べて格段に紙質が悪いのは(すかすかで軽い紙),第二次世界大戦直後の印刷紙窮乏期のためなのだろう.フォント系統樹(pp. 10-11)が巻頭に載っている.なお,第二版は国内のふたつの機関が所蔵しているけど,初版は所蔵館なし.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 明日から始まる玉川大の「分子進化系統学」のしたくは,まあなんとかなりそう.さて,首都大の統計・虎の穴の準備にとりかかろう.あとはデモ用のアプリケーション一式の動作確認と配布準備.これは後回しにしよう.今日の夕方に撤収してしまうと,次に観音台に戻ってくるのは来週の火曜になってしまう.ということは,週末から週明けに必要になる一切合財を抱えて帰らないといけない.

◆[欹耳袋]つくば学園都市オーケストラ〈第50回記念定期演奏会〉.曲目は:J・S・バッハ(A・シェーンベルク編)〈プレリュードとフーガ〉&リヒアルト・シュトラウス交響詩〈アルプス交響曲〉.2012年9月23日(日) つくばノバホール,14時開演.奥の方でときどき大きな音を出す役を担当する.

◆午後5時前,首都大の事前準備はこれにて終了.そろそろ撤収タイム.南の空に彩雲がたなびき,西の空には真っ赤な夕焼けが広がる.そして,東から夕闇が降臨する.

◆本日の総歩数=4301歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(−0.6kg) / 29.1%(+0.4%)


18 september 2012(火)※あちこちから加圧されまくる日

◆午前5時前起床.気温24.1度.蒸し暑い夜明け前.朝焼け.日の出がどんどん遅くなってきた.夜中に窓を全開放したのだが,生ぬるくてあまり快適な風ではなかった.午前8時前,連休明けの観音台はしつこい残暑の青空が広がっている.締め切られていた居室の気温は30.5度.外気温は27.7度なので,窓を開けても何も利得はない.全館空調が入るまではしばしのガマン大会となる.

◆狐の嫁入りが繰り返し —— 午前10時前,茨城県南部に不穏な雨雲が湧き上がってきた.と思ったら,すぐに雨がざーっと降り始めたが,ものの十数分で上がってしまい,元の青空に復帰.

◆午前の┣┣" 撃ち —— ゲラ読みと図版のチェック.巨大なファイルが空中を飛び交う./札幌の復命書・領収書・搭乗券半券を耳を揃えて提出完了.日常が戻ってきた.

◆まだ真夏日ラインは越えていないようだが,さてお昼休みの歩き読みはどうするか…….Rudolf Hostettler の『Type』の第二版(1958)が着便したので,それを虫干しかたがた持ち歩くというのもありか.昼休み徘徊だん.夏の青空に点々と積雲が浮かび,頭上を通り過ぎるたびにぱらぱらと雨を降らせる狐の嫁入りが立て続けに.気温は29.0度だが,かなり蒸し暑い.竹薮を通り抜ける風は秋を感じさせても,日差しはまだまだ残暑のパワーを残している.雨粒がこわくて本を開けない.こう暑い日がいつまでも続くと,食パンのようなフェタが乗っかったホリアティキ・サラタをたっぷりオリーヴオイルをまわしかけて食べたい.食欲的には真夏のまま.

◆[蒐書日誌]シドニーからフォント本着便 —— Rudolf Hostettler『Type, Second Edition』(1958年刊行,Verlag Arthur Niggli, Teufen AR, 128 pp. → 目次).届いた伝統的活字書体の図版集.ハードカバーの大判本.サブタイトルに「A Selection of Types - 80 Alphabets of Old and Modern Faces」と英独仏三ヶ国語で記されている.Garamont, Caslon, Times をはじめビッグネームなフォントが勢揃いしている.巻末に「フォント系統樹」が描かれている(これがお目当て).1949年の初版本も近いうちに着便する予定.組版工学研究会(編)『欧文書体百花事典』(2003年7月7日刊行,郎文堂,東京,本体価格12,000円,xviii+546 pp., ISBN:4-947613-55-6 → 目次)を手にして以来,こういうたぐいの本が身近になっている.

◆午後1時過ぎ,茨城県南部だけぽつんと積乱雲が浮かんでいる.また一雨降りそうな気配.今日は突発的にスコールがありそうで要注意.そうこうするうちに,スコールがざあざあ降りはじめた.ちょっと目を離すとこれだ.午後2時前,雨は小止みになって青空と日差しが戻ってきた.天気実況中継するのがあほらしいほど目まぐるしく変わる空模様.熱帯ニッポン.天気が回復し,書類┣┣" が空から降ってきた.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 出張あとしまつ.Certificate の提出と併せて,カード支払い明細のコピーも必要か.家に帰らないとわからないので明日まわし.記載の訂正とかもきっとあるにちがいない.書類一つの提出に何日もかかるのはいつものこと.あまり気にせず,かといって急ぎもしない.細かいことにこだわるのにも限度というものがある.大きな国際会議には必ず付きものの「mid-conference tour」について,「その日は出張とは認められないかも」との事務連絡あり.そのツアーコースに一カ所でも「観光地」が入っていたら「アウト!」らしい.次回からは,すべての mid-conference tour は「巡検」と呼ぼう(おいっ).国際会議中のランチ代金も,参加費に「こみ」にされている場合は,参加者当人がそのランチを食べようが食べまいがおかまいなしに,一律にさっ引かれて支払われることになっている.まあ,それも天引きなのでワタクシの知ったことではない.経理担当の考え方ひとつで白も黒になるし.

◆夕方,いったん帰宅.午後7時に春日公民館.学園都市オケの練習に久しぶりに参加.うーん,だいぶ忘れている……(やば).バッハの〈プレリュードとフーガ〉そしてリヒアルト・シュトラウスの〈アルプス交響曲〉.来週の日曜が本番だが,演奏会前全奏で火を吹いた.午後10時の練習終了後はすぐ近くの某所にてビールを一杯.肴はモロヘイヤのおひたしと茄子の煮物というこの上なく健全なもの.たまにはこーいうヘルシーな夜もあるのだ.ビールの後に,〈来福〉愛山の純米大吟醸原酒「斗瓶取り」うすにごりがやってきたが,それは誤差範囲ということで.

◆今日の最高気温は30.2度.夜になっても25度を申しわけ程度に下回る蒸し暑さに包まれている.西方で稲妻が光りまくっている.巨大な雨雲が接近しているので,これから天気は下り坂,明朝は雨になっているのだろう.今夜はリヒアルト・シュトラウスの高笑いで夢見がワルイにちがいない…….

◆本日の総歩数=9455歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.5kg(−0.7kg) / 28.7%(−1.1%)


17 september 2012(月)※猛暑の洛中を脱出して山に入る

◆午前5時過ぎ起床.いつになくよく寝た気がする.それにしても,この時間帯の気温がすでに27.2度って,季節はずれの熱帯夜だな.昨夜は〈英勲〉の「一吟」で沈没.朝ごはん前の洛中街歩きに出かけようかなと思うものの,洛中・柳馬場はいま29.6度という激蒸し暑さ.たまたまホテル前で遭遇した生態学会会長なんぞTシャツ一枚&首タオルでがしがし歩いていた.日中が思いやられる.今日はミッションのない日なので,少しは背徳しても大丈夫だろう.

◆[蒐書日誌]Sachiko Kusukawa『Picturing the Book of Nature: Image, Text, and Argument in Sixteenth-Century Human Anatomy and Medical Botany』(2012年5月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xviii+331 pp., ISBN:978-0-226-46528-9 [hbk] → 目次版元ページ).博物学における「絵」の位置づけ./Staffan Müller-Wille and Hans-Jörg Rheinberger『A Cultural History of Heredity』(2012年6月刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xiv+323 pp., ISBN:978-0-226-54570-7 [hbk] → 目次版元ページ).遺伝の文化史.

◆[欹耳袋]進化受容とGDPとの関係: Calamities of Nature | Belief in #Evolution vs. National Wealth | 15 July 2011.アメリカの「ヘンさ」が突出しているな.

◆昼下がりの背徳(洛北編) —— チェックアウトしたら外はもう真夏日の蒸し暑さになっていた.スーツケースはフロントに預けてから,御池通でタクシーを拾って叡電・出町柳駅へ.行き先は何十年かぶりの貴船へ.小学校のころは夏になると貴船の「川床」へ行くのが恒例だった.その後,とんとご無沙汰していたが,ふと思い立って来てみた.単線二両の電車に揺られて洛北の山間の貴船口へ.そこからはシャトルバスで渓谷沿いに貴船神社の近くまで運ばれる.洛中に比べればだいぶ気温が低い.貴船神社にお参りしたのち,川沿いの〈貴船茶屋〉にて葦簀の張られた川床へ.足を冷たい渓流に泳がして真昼間の背徳ビール.川面を吹く風はさすがに涼しく,別世界の心地ぞする.鴨川の納涼床とは名前は同じでもぜんぜんちがうもの.〈貴船茶屋〉ではお昼のコースをいただいた.川に来ればやっぱり鮎の塩焼きを食べるしかない.かつて貴船によく来た頃も,夏場は道路渋滞がとてもひどかった記憶があるが,いまもぜんぜん変わっていないようだった.それでもシーズン終了が近かったのでまだマシとのこと.夏休みの間は身動きが取れない混雑ぶりだったらしい.車のスレ違いにも窮する道幅ではどうしようもないだろう.

◆再び洛中に戻り,京都駅に着いたのは午後3時前.南北自由通路のスバコあたりで,あまりの蒸し暑さに「きーーっ」となりそうだった.本日の京都の最高気温は34.3度なり.しかも三連休の最終日で,帰りの新幹線も午後6時過ぎまで指定席が取れないとのこと.しかたなく奥の手を行使する.九州の西を北上している台風16号による強風の影響で山陽新幹線は小一時間の遅延が発生しているとの放送.幸い帰りののぞみ号は定刻通りの運転だった.静岡に入る.昨日の行きの新幹線では富士山がくっきり見えたが,帰りは低層雲にくるまれてまったく見えず.車中で『系統樹曼荼羅』の更新ゲラ200MBをダウンロード.さすがに時間がかかる.午後7時前,つくば帰還.京都に比べれば「やや」涼しいが,こちらも日中は真夏日ラインを越えたらしい.逃げ場のない残暑は続く.

◆ん,うっかり寝落ちしてしまったか…….夢のなかでヒエロニムス・ボスのゆるゆる怪物みたいなのが乱舞していたが,ありゃいったいなんだったのだろうか.

◆本日の総歩数=14376歩. 朝○|昼△|夜○. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


16 september 2012(日)※残暑の京都ミッションは消耗戦

◆午前4時起床.外は真っ暗.気温23.0度.北東風.今日は京都ミッションのため長距離移動する.6:33発のTX区間快速.朝から晴れて蒸し暑い.新幹線でひたすら西へ西へ.名古屋通過.見るからに暑そうな車窓風景が広がる.♪~ミッションは続くよ、どこまでも~♪ 午前10時半,京都駅到着.さっそく完全武装に着替えて,装備一式を抱え最前線に出撃する.午前中からもうことばにならないほど蒸し暑いのは,九州の西を北上している大型台風が湿った南風を運んでいるかららしい.しかし,そう説明されても納得できるわけがない.暑いものは暑いと正直に言おう.

午前10時から空調もないガマン大会が延々と続き,正午過ぎにやっとミッション完了.作戦終了後,速攻で京都駅に戻り,ささっと“平服”に着替える.この暑さの中でコスチュームを身に付けるのは短時間が限度.今回のミッションで対外的なイベントはやっと終わったことになる.あとは定期的にやってくるセレモニーへの対処があるだけだ.

◆昼下がりの背徳(洛中編) —— 京都ミッションは昼過ぎにつつがなく終了し,京都駅ビルのホテルグランヴィアに入っている〈京林泉〉にて,天ぷらを肴に昼ビールをちょびっと.つつがなく俗世間にもどってきた証ということで.大きな海老や生麩ももちろんなのだが,焼き芋の天ぷらが実はとてもうまかった.抹茶アイスの天ぷらもあった.揚げたてのかき揚げ乗っけた小どんぶり.天つゆの味わいもちょうどよくシアワセ.最後のデザートは巨峰と無花果のゼリー寄せ.柘榴がトッピングされていた.涼しいところで一休みしたのち,炎天下の昼下がり,タクシーにて真夏日の京都を突っ切って柳馬場通をひたすら北上.洛中某所にチェックイン.午後の気温は31.7度まで上がりとめどなく暑い.

◆[蒐書日誌]いただきもの —— クリストファー・ロイド[野中香方子訳]『137億年の物語:宇宙が始まってから今日までの全歴史』(2012年9月10日刊行,文藝春秋,東京,510 pp., 本体価格2,990円,ISBN:978-4-16-374200-7 → 版元ページ特設ページ).どうもありがとうございます.いまの『系統樹曼荼羅』にケリがついたら,次の翻訳に励みます.

◆夕方からはホテルのお隣りにある〈醪音・六角店〉にて,炭火焼とともにひたすら伏見の〈英勲〉を飲み続ける.〈蒼空〉が飲みたければ〈花吹雪〉へ,〈英勲〉なら〈醪音〉へ合言葉だ.「一吟」はもちろん賞味したが,うっかり「秋上がり」を飲みそこねてしまった.三時間ほどで撤収.今日は蒸し暑さとミッション遂行でぐだぐだに疲れたので,いつものように背徳ナイトを過ごすことなくヘルシーにホテルへ帰還し,あっという間に就寝とあいなった.

◆ミッションから解放された明日はちょっとは涼しいところに行くことにしよう.ぜひそうしようそうしよう.

◆本日の総歩数=9863歩. 朝○|昼△|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


15 september 2012(土)※青空ときどき曇り一時スコール

◆午前5時半起床.薄雲が広がって朝日は差し込まず.気温22.4度.涼しい東風に乗って聞こえてくるのは秋の虫の音のみ.さすがにセミの合唱はもう聞こえない.午前6時,一の矢八坂神社の時の鐘と段雷と目覚ましが同時に鳴り響く.

◆[蒐書日誌]デビルマン,ついに漫画原作者に! —— いずもり・よう[漫画]・長谷川英祐[原作]『働かないアリに意義がある! アリが教える“生き方”コミックエッセイ』(2012年8月24日刊行,メディアファクトリー,東京,カラー口絵 2 + 156 pp., 本体価格880円,ISBN:978-4-8401-4692-0 → 版元ページ). サッポロの迎撃の夜,デビルマン先生にいただいた本.一昨年に出てヒットした:長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(2010年12月31日刊行,メディアファクトリー[メディアファクトリー新書015],189 pp., ISBN:978-4-8401-3661-7 → 版元ページ)のコミック化.それにしても,このマンガの主人公のアリくんたちは,どうみても「もやしもん」的ゆるキャラですな.

◆[欹耳袋]マガジン航|西牟田靖「持ち主を亡くした本はどこへ行くのか」(2012年9月12日).複数の意味で他人事ではないエピソード.「紙の本」は,物理的な存在そのものが高圧的あるいは暴力的なので,人間の好き勝手にはならないということ.だからといって,「電子化してハイおしまい」が最終解決策とは思わない.2×2分割表で「美本&有用」と「汚本&不用」に分類された場合は運命は決まっているが,「美本&不用」とか「汚本&有用」が悩ましい…….えいやっ!と(腹も本も)括って廃棄するのが後腐れないのかもしれない.それを第三者が判断しなければならないというのがこれまた悩ましいわけだが.

◆[欹耳袋]マイナビニュース「博士課程修了者にも険しい非常勤から常勤職への道」(2012年9月14日).出典はこれか:科学技術政策研究所|「我が国における人文・社会科学系博士課程修了者等の進路動向」[調査資料-215]の結果公表について|2012年9月10日. ポスドクも非常勤職員なので,この記事自体の言わんとするところがよくわからない.非常勤ポストは現在では研究職のキャリアパスの必須の構成要素だろうから,要するに「研究職はどう転んでも就職が難しいよ」という自明な現実を指しているだけなのか.

◆午前11時,雨がぽつぽつ降ってきた@竹園.土浦方向に黒雲が湧き上がっている.午後1時の気温は30.0度.蒸し暑そうで困ったな.

◆[欹耳袋]Togetter -「学会におけるドレスコード」 —— 学会大会の「ドレスコード」をランキングしたらどういう順序になるだろう? 経験的には,生態学会・行動学会・進化学会あたりが「最低ランク」で(昆虫学会もひどいもんだった),一方,医学系のある学会ではパーフェクトに「スーツのみ」だった.人文・社会・教育系も不文律のドレスコードがあると聞いたことがある.科哲はほどほどの厳しさ? いろんな学会の明文化されていないドレスコードを知っておけば,学会間で「越境進撃」するときにたいへん役に立つ.コードを破ることも戦略のひとつ.さらに言うなら,学会大会のドレスコードは,ごく少数の「偶像破壊者」が毎回参加し続けると揺らぐ可能性あり.

◆三連休の後半は京都ミッションだ.コスチューム以外,とくに用意することはないのだが,punctual であれという特命が下っている.

◆本日の総歩数=1494歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=95.1kg(−0.1kg) / 29.8%(0.0%)


14 september 2012(金)※久しぶりの観音台で狐の嫁入り

◆午前5時前起床.朝焼けの東の空に曲がった針のような三日月が刺さっている.気温22.1度.東風が心地よし.そういえば,真夜中の2:22頃にゆらゆら地震があったよーな.夢じゃないよねー.いま確認したら,確かに茨城と埼玉で震度4だった.けっこう長く揺れたように感じたが,睡魔には勝てずそのまま二度寝してしまった.午前8時,五日ぶりに晴れわたる観音台に出勤.堆積┣┣" が崩落していたらという懸念は杞憂で,居室の┣┣" 放牧場は静かな朝を迎えていた.いまの室温28.5度.

◆[蒐書日誌]ブツ着便! —— 札幌で予告されていた『生物系統学(第四刷)』がつくばに届いた.初版が出版されてからすでに15年の歳月が経過したが,今でも手にとってもらえるのはありがたいことだ.しばし,表紙をすりすりする.奥付では「2012年9月14日刊行」.この版が最後になるかなあ.

◆ひさしぶりの日常┣┣" 撃ち —— 今月後半の不在申請(出張伺・年休届・兼業願・フレックス変更)をまだ出していなかった.不在期間中の提出書類┣┣" を追っかけていたらもうお昼になってしまったー./外は真夏日ライン越えの31.0度./某┣┣" 一頭を┣┣" と呼ばないようにした.結果として,その┣┣" は目の前からいなくなった.

◆[分類思考]本日の残響:So What?「本が出てこない」(2012年9月10日) .「このような「分類」ってテーマだけで、質の高い聞き書きが作れる気がする。三中信宏『分類思考の世界』あたりに通じて、博物学のにおいがする... 」.図書分類はひとつの世界.

◆[欹耳袋]Nature News | Predatory publishers are corrupting open access | Nature 489 | 179 | 13 September 2012 | doi:10.1038/489179a.学術論文の「オープン・アクセス・モデル」の悪用事例.確かに,こういう出版社は研究者を食い物にする「捕食者」だ./NTT出版新刊ニュース [pdf]:『系統樹曼荼羅』は「表象文化論」の新刊とみなされているのかー(ぜんぜん知らんかった).「自然科学分野のご担当者」さまにも送ってねー./Société Française de Systématique | La systématique au-delà de la phylogénétique | 8–10 octobre 2012 | Paris. /Τὰ εἰς ἑαυτόν「Mnemosyne-Atlas」(2012年6月30日).今になってアンテナに引っかかってきた記事.駒場〈ヴァールブルク・シンポジウム〉の感想./疲れたときには "Peacock spider" をゆっくり見よう! [YouTube]

◆午後の┣┣" 撃ち —— そろそろ秋の巡業準備をしないといけない.今月下旬からは玉川大の系統学講義を皮切りに,首都大での統計集中講義が始まり,来月は東大での生物統計学の授業が開始.師走までは高座にあがる機会がとても多い.Mac と Win の両方を持ち歩くことになる.午後4時過ぎ,いきなりスコール@観音台.盛大な狐の嫁入りだったが,あっという間に雨はあがってしまった.ピンボイントで降ったようだ.

◆[欹耳袋]形態測定と遺伝子特定 —— F. Liu et al. | A Genome-Wide Association Study Identifies Five Loci Influencing Facial Morphology in Europeans | PLoS Genetics 8(9): e1002932. doi:10.1371/journal.pgen.1002932 →日本経済新聞「DNAから人相推定も 目・鼻の位置など決める遺伝子特定」(2012年9月14日)

◆夜はご祝儀に〈獺祭〉三割九分磨き発泡にごり酒.さすがに,これだけ磨きこまれた発泡にごり酒だと衝撃力はハンパではない.メインディッシュの和風サーロインステーキに対抗してしっかり太刀打ちできるぞ.〈獺祭〉の発泡にごり酒は「五割磨き」と「三割九分磨き」そして最高ランクに「二割三分磨き」があるが,今夜はまんなか.どれもシャンパン瓶に詰められていて,開栓するときの炭酸ガスの吹き出しは要注意.今夜は開栓前の氷温室での冷やし方が足りなかったせいか,栓をとばしたとたん盛大に吹き上がりそうになって,あわてて親指で押さえ込んだ.あぶないあぶない.

◆本日の総歩数=5137歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=95.2kg(+1.9kg) / 29.8%(+0.8%)


13 september 2012(木)※いまの日本に避暑地はないこと

◆午前5時前起床.最低気温は19.1度.青空に高層の雲が広がる.日中は真夏日近くまで暑くなるらしいが.その頃にはサッポロをおさらばしているだろう.朝食後,そろそろ帰り支度をしようかな.ホテルの窓から見上げる空は晴れわたる.気温23.7度,湿度67%.不快指数が上る前にサッポロから脱出だ.

◆[欹耳袋]ダイヤモンド・オンライン「“空白の2年”が致命傷に 1年で300社以上の採用試験に落ち続けた40代男性」(2012年9月13日) 「理想的なのは、大学を卒業してから現在まで仕事が一貫していて、転職の回数も少なくて、途中のブランクがないこと。石油やガスのパイプラインじゃないですけど、継ぎ目がちゃんとつながっていて、途中で漏れていないことなんです。」「仕事を失ったり、転職したりすることは不思議ではないという考え方が、日本の採用者側に浸透していないところがあると思うんですよ」※「四行教授」が一目置かれる精神構造と同じか.

◆[蒐書日誌]カレントアウェアネス・ポータル 「英VITAE等、若手研究者とその監督者のためのソーシャルメディア活用ハンドブックを刊行」(2012年9月11日).元記事:Vitae | New social media handbook launched to support research dialogues | 3 September 2012.pdfファイル (130 pp.) がダウンロードできる.

◆夏から夏への空中移動 —— 午前10時前,札幌駅.9:55発の快速エアポートにて新千歳空港へ.札幌はすでに暑くなってきたが,これから真夏日から猛暑日への帰還となるのか(汗).新千歳空港.チェックインの行列がとても長い.しかも,空港ビルの中がそこはかとなく蒸し暑い.あ,忘れないうちに「じゃがポックル」を買わないと.スープカレーもついでに買い込んでしまった.千歳の空は雲がやや多くなってきたが,晴れにはちがいがない.正午発のJALに搭乗した.

定刻通り13:30に羽田空港着.札幌よりもちょっと暑いくらいかな.つくばセンター行きバスの待ち時間に珈琲充する.午後3時,気温は32.3度.羽田空港発つくばセンター行きのバスが発車.羽田からは初めてのバス移動だが,ただすわっているだけでつくばまで運んでもらえるのはとってもラク.TXができてから高速バスに乗る機会がまったくなかったから,スカイツリーがこんなに間近に見られるとは知らなかった.午後4時半,つくばセンター着.真夏日の夕刻を迎えるつくば,なつかしい蒸し暑さが出迎えてくれた.日本中,どこに逃げても「避暑」はできなかったということだ.

—— 移動だけの一日だったが,それなりに疲れました.はい.

◆本日の総歩数=5618歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


12 september 2012(水)※晴れたら晴れたで真夏日になり

◆午前5時起床.気温20.9度.曇り.しかし湿度は95%.絞れば水が滴るような湿気.昨夜はビールの海を泳ぎきった.カーテンを開けると雲間から青空が見える.四日目にしてやっと晴れてきた.外に出ると,ジメジメしてはいないが,気温が高い.いやな予感.北大キャンパスの向こう側には巨大な入道雲が湧き上がっていた.梅雨明け直後の夏空ですか,これは.統計関連学会連合大会は今日が最終日.

◆[欹耳袋]学会の口頭発表で「〜させていただきます」とか「〜でございます」とか「」という表現はやめていただきたく思います.「〜の条件でパラメーターを推定させていただきました」とか「結果のまとめは以下のとおりでございます」と言われると,「それはそれはお疲れさまでございました」と居住まいを正さないといけないから.学会とはいえ(学会だからこそ)「ふつう」にトークすればいいんじゃないかな.その一方で,「〜のデータを入力してあげると……」とか言われるたびに,「あんたのアプリは飼い犬かいっ」ともごもご毒づいてしまう.「このデータはこういう分布をされています」という言葉遣いにいたっては,データさえも尊敬の対象だったのかとのけぞるしかない.そりゃ,いくらなんでもへりくだりすぎでしょ! 「おデータ様」を粗末に扱えば,市中引き回しの上,獄門晒し首.研究室はお家断絶かー.

◆[欹耳袋]エキサイトニュース「お弁当に入ってるおさかな型のしょうゆ入れ「醤油鯛」の本格研究書」(2012年9月11日).

◆[蒐書日誌]第四刷やっと刊行! —— 三中信宏『生物系統学(第四刷)』(1997年12月15日第一刷刊行/1999年10月15日第二刷刊行(正誤表)/2004年9月15日第三刷刊行(正誤表)/2012年9月第四刷刊行(正誤表), 東京大学出版会[ナチュラル・ヒストリー・シリーズ], 東京, xiv+458 pp., 本体価格5,600円(第四刷5,800円), ISBN:4-13-060172-5 → コンパニオンサイト目次版元ページ).大阪の動物学会大会ではこの最新版が並ぶと東大出版会から連絡あり.今夜は祝杯だな.うん.本の奥付に,著者の「自宅住所」とかおおっぴらに載せていた時代もあったのだなあ.今回の重版でやっと削除した.

◆午後1時の気温は28.4度だった.お昼は,混む前の〈ピカンティ〉へ直行し,「開闢プレミア舞茸」を注文した.アボカド・かぼちゃ・うずら卵・ピーマン・ジャガイモ.さやいんげん・にんじん・レンコンそして大きな舞茸が素揚げされていた.青ネギがトッピング.開店前から列ができる人気店.食べ終わったときには待ち客の列が伸びていた.昼下がり,夏のような直射日光が照りつける「梅雨明け」みたいな青空が広がる.湿度が高く不快指数マックス.ランチ後,北大総合博物館の企画展示〈藻類が人類の未来を救う〉を一周りしてきた.海藻がずらりと.午後2時過ぎの気温は30.3度.めでたく真夏日ラインを越えたのだが,他の地域はもっと暑くなっているようだ.日本国内どこにも逃げ場がない.

◆[蒐書日誌]エリオット・ソーバー[松王政浩訳]『科学と証拠:統計の哲学入門』(2012年近刊,名古屋大学出版会,名古屋,本体価格4,600円,ISBN:978-4-8158-0712-2 → 版元ページ).原書:Elliott Sober『Evidence and Evolution: The Logic Behind the Science』(2008年4月21日刊行,Cambridge University Press,Cambridge,xx + 392 pp.,ISBN:978-0-521-87188-4 [hbk] / ISBN:978-0-521-69274-8 [pbk] → 著者サイト正誤表[pdf]).400ページの原書がなぜ256ページの訳本になるのかと思ったら,原書の「第一部」(約100ページ)のみを「部分翻訳」したということか.なるほど,だから『進化と証拠』ではなく『科学と証拠』というタイトルになるわけね.原本100ページが訳本ではその2.5倍のページ数になるわけで,それはそれですごいなあ.ソーバー教授は,アンチ・ベイジアンにして筋金入りの「尤度主義者」なので,この第一部だけでも十分に興味深い.あの原書は各パーツに対応してテーマ的に「4分冊」に分けられる性質の本だろう.

—— 部分訳が出版されるとなると気になるのは,原書の「残り」の部分の翻訳予定があるのかどうかということだが,現時点ではその予定はないとのこと.

◆[欹耳袋]まとまり日記「ベイズ主義のAベイズC (2)」(2012年9月11日)

◆サッポロ背徳ナイト(第四夜) —— 真夏日の暑さも夕暮れのとともにやわらぐ.サッポロ最後の夜は〈てんぐの蔵〉にて.まずは佐賀〈鍋島〉のひやおろし辛口純米「ハーヴェストムーン」から.キハダマグロのお造りとともに.次は栃木〈鳳凰美田〉純米吟醸ひやおろし.山田錦.一升瓶が目の前でどんどん開栓されていく快感.石川〈手取川〉山廃純米ひやおろし無濾過生詰.肴は秋刀魚の味噌たたき.福島の〈あぶくま〉純米吟醸・超ひやおろし.これは島らっきょうとともに.〈山形正宗〉純米吟醸・超ひやおろし「秋あがり」.ほっき貝の刺身.まだまだ続く.初めて飲む徳島の〈三芳菊〉一年熟成特別純米・超ひやおろし.これで〈てんぐの蔵〉の新着ひやおろしは全部開栓完了.今夜の〈てんぐの蔵〉ひやおろしランキングは:鳳凰美田>三芳菊>鍋島の順番かなあ.あとはゆるりと,高知〈文佳人〉の純米吟醸など.外に出たら風がちょっとだけ涼しく感じられた.

—— 神々の黄昏はつつがなく幕を閉じ,これにて四日間の宴は終わりを告げる.

◆本日の総歩数=11218歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


11 september 2012(火)※統計学会の夜は麦酒で迎撃され

◆午前4時半起床.白み始めた空から雨が降り続く.いつまで降るのか…….気温21.1度.湿度95%.じめじめの夜明け前.どーして連日こんなに降り続くんだろー.今朝の最低気温20.1度.午前9時過ぎ,雨が小止みになった.今は21.3度だが,湿度85%なので,やはりじめじめとして動くと蒸し暑い.一昨日サッポロに来てからというもの,連日の雨と湿気で梅雨のような空模様が続いている.今日も学会で北大構内を縦断する途中,クラーク先生がさみしそうにしていたので一礼.さすがにこの天気だと観光客も少ないということか.

◆[欹耳袋]ジュンク堂池袋本店で〈文化系統学への招待〉ブックフェアがスタートするのは今月下旬になったとのこと.系統樹曼荼羅本の出版が会期中に間に合えばいいのだが.ただし,『系統樹曼荼羅』は「見る本」なので,図版に関するこだわりには尋常ならざるものがある.共著者のグラフィック・デザイナー氏が全体の組版から見本刷りまですべて手がけているので,通常の出版工程とは異なっていて,通常の本造りをしたら,価格がえらいことになるらしい.文章と図版を同時に動かすのでどうしても時間がかかってしまう.

◆[蒐書日誌]体系学者の伝記二冊 —— L. C. Rookmaaker『Calendar of the Scientific Correspondence of Hugh Edwin Strickland in the University Museum of Zoology, Cambridge』(2010年刊行,University Museum of Zoology, Cambridge → Rhino Resource Center: Part 1 [pdf] | Part 2 [pdf]).19世紀イングランドの鳥類学者 Hugh E. Strickland の書簡カレンダー.伝記的記述も充実している.とりわけ興味深いのは,「The Natural Affinities of the Incessorial Birds」というタイトルの全長2メートルもあるという「鳥類屏風」について書かれていること.系統関係ではなく,観念論的類縁性の遠近を二次元マップとして表現したこのカラー図版が載っている. /Marius Jacobs『Herman Johannes Lam (1892-1977): The Life and Work of a Dutch Botanist』(1984年刊行,Editions Rodopi, ISBN 9062035450).ライデンの植物分類学者 Herman Lam の伝記.発注完了.

◆北大構内は曇りときどき小雨.午前11時の気温21.1度.これで湿気がなけりゃさぞかし快適なんだろうけど.午前11時半から計量生物学会の理事会が始まる.一時間の会議が終わって,午後のセッション会場に移動.この部屋は空調が効いていて快適至極.外は曇り空.雨は降っていないのかな.

◆[欹耳袋]「ネルー値」アゲイン —— 担当編集者さまの「今日までです」という宣告は執筆者にとって「死刑宣告」と同じ.執筆者は自分の「ネルー値」を日々チェックすべし.参考文献: 松尾豊「なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか」 [pdf] .ワタクシはいつも「負のネルー値」に悩まされている.この「論文」は読者へのインパクト・ファクターがきわめて高いぞ!

◆[蒐書日誌]Rudolf Hostettler『Type: A Selection of Types』 (1949年刊行,SGM-books, St. Gallen).Adobe InDesign の解説書に載っていた「フォント系統樹」の出典にやっと辿り着くことができた.ここに来るまで六年もかかってしまったとは.こんな本: wiedler.ch | book (design) story #578.この初版と1958年の増補改訂版はすでに発注したのでそのうち届くだろう.

◆サッポロ背徳ナイト(第三夜) —— 夕方,学会会場をあとにしてホテルにいったん帰還する.少し時間があったので,『系統樹曼荼羅』のコラムふたつのキャプション原稿を書いて,東京にメール送信.午後5時半,うわー,また本降りの雨になってきたか.気温は22.7度でも,湿度は84%.この分だと,夜もじめじめして蒸し暑いだろう.午後6時過ぎ,そろそろ夜のしたくをしようかな.雨降る夕闇のなか,北大農学部の暗くて巨大な建物に侵入する.デビルマン氏の砦で一休み.その後,北大のワルイ人たちと連れ立って,真っ暗なキャンパスを抜けタクシーを拾う.ススキノを通りすぎた向こう側,南9西5の〈麦酒停〉に到着.ひさしぶりにビールの楽園に潜りこむ.今夜はいつものようにビールの達人が同行しているので,セレクションは安心だ.

まず乾杯はノルウェーの〈Nøgne ø〉から.柑橘系のフレーバーが軽やか.チリビーンズがやってきた.続いてベルギービール〈Houblon Chouffe Dobbelen IPA Tripel〉をうぐうぐ.フィッシュ&チップス登場.ここまでは樽生ビール.そろそろコルク瓶の深みにはまっていく.次はソルトレイクシティの〈Crooked Line〉の銘柄「Tilted Smile Imperial Pilsner」.アルコール度数は,わわっ,9%ですかっ.デビルマンいわく「背徳は高尚である」と.さらに,シエラネバダの「Brux Domesticated Wild Ale」.ベルギービール風.これも8%か.気がつけば目の前でカマンベールが燃え上がっている.黒魔術の儀式ですか.サッポロの闇に沈む夜はしだいに更けゆく.最後にもういっぱい〈Rogue〉の「Yellow Snow IPA」樽生ビールを飲んでお開きに.午後11時過ぎ,ホテル帰還.ジークフリートはビールの海を泳ぎきった.〈麦酒停〉 forever !

◆本日の総歩数=8236歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


10 september 2012(月)※雨に濡れる北大に統計家が集結

◆午前5時過ぎ起床.軽く,うう……(ベルギービールを飲み過ぎてはならぬ).昨夜は〈デリリウム〉の9.0度が最高だったので,まだ理性が残っていたのだろう.〈ロシュフォール〉とかにまで手を出すと破滅.外は曇り空.ホテルの窓が濡れているので,昨夜はかなり降ったのだろう.気温21.3度.

今日から北海道大学高等教育推進機構で開催される統計関連学会連合大会に参加する.下界を見下ろすと,道行く人が傘をさしている.まだぽつぽつと降ってはいるようだ.そうこうするうちに,雨は本降りに.午前8時の気温は27度台.こりゃ,かなり蒸し暑くなるな.半袖で正解.明日の夕方,北大農学部を先制攻撃することになった.

◆本日のお仕事 —— 小雨がぱらつくなか,北大を南から北へ縦断する.ひさしぶりにクラーク先生をお見かけした.統計関連学会連合大会の会場である高等教育推進機構は,北大キャンパスの北の端にある(道を渡れば低温研だ).以前,進化学会大会の会場にもなった建物だ.雨はすでに上がって曇り空.しかし,湿度が高いのでキャンパス内の木立を縫って歩き続けるとかなり蒸し暑い.しかも館内空調はオフ.密閉された講演会場はガマン大会が展開.お昼休みに窓を全開にしたものの湿気でまったく快適ではない.せっかく北海道に来たのになあ.統計関連学会連合大会は「ドレス・コード」がやや厳しく,とりわけ医薬系セッションではスーツ率が高い.蒸し暑いのにご苦労様と言うしかない.

◆座長業務:J会場・12:30-13:50〈日本計量生物学会奨励賞受賞者講演〉今年は二人の受賞者が発表した ——

◆松岡伸篤「メタ・アナリシスにおける公表バイアスの検出」:メタ・アナリシスにおける「公表バイアス」の問題と対策.ポジティヴな研究結果は公表されやすく,ネガティヴな結果は公表されにくいというバイアス.公表バイアスがなければある推定量の分布は対称的だが,バイアスがあれば非対称の頻度分布をする.公表バイアスによる過大評価をどのように補正するか.散布図の対称性は解釈がばらつく.仮説検定による方法を考える.Egger et al. の重み付き単回帰法による公表バイアスの検出法もあるが検出力が低いという問題がある.公表研究のみを用いているのが原因.臨床試験の事前登録の情報を用いて改善する提案.被験者数の大小がポジティヴ/ネガティヴな結果と関連しているだろう.両者の違いをウィルコクソン順位検定で調べる.提案された新手法は Type-I error がより低い.検出力についてはより高くなる.

—— 医療研究のように「事前登録」がある場合は本発表のような公表バイアスの検出が可能だ.しかし,そういう事前情報のない他の研究分野(疫学・農学・その他生物学全般)ではどのような対処が可能なのだろうか.

◆五所正彦「一般化推定方程式法における作業相関構造選択規準QICとCICの改良」:続いての発表は,経時測定データを回帰分析する際の変数構造モデルの構築法の改良.GEE - 一般化推定方程式法によるアプローチが広く用いられてきた.GEE における「作業相関行列」に注目する.ユーザーがどの作業相関行列を選ぶかによって結果が異なる.誤った作業相関行列を選ぶリスクも生じる.作業相関行列の誤選択はGEEの推定精度が低下するので,いかにして適切な作業相関行列を選ぶことが重要だ.作業相関行列の選択基準には「QIC」と「CIC」の二つが用いられてきた.QICは擬似尤度基準,CICはQICのペナルティ項のみを考える.ペナルティ項の「ロバスト分散」の改良をここでは考える.小標本のもとで生じるロバスト分散推定量のバイアスを補正する必要がある.その補正を含む作業相関行列の選択基準を提案する.修正法CIC[PA](R)がもっともパフォーマンスが高い.

—— 作業相関行列の候補は数十個もあるらしい(SASの場合).分子進化モデルのような状況を想像すればいいのだろう.

◆[欹耳袋]月刊『記録』「『醤油鯛』への道(後編)」(2012年9月10日)※をを,完結したか.「醤油鯛」本は今日から書店に並ぶらしい.

◆お仕事が終わって,別件をすませたところで午後4時になった.曇りときどき小雨が降り続く.気温は23.6度だが,湿度が85%もあってじとじと蒸し暑い.こりゃたまらんな.蟲採りの内職を終え,ツイートで連絡完了.懸案の蟲採りが終わった(よろしく〜).

◆サッポロ背徳ナイト(第二夜) —— 曇り空がしだいに暗くなってきたなあ.今日は蒸し暑くてちょっと疲れたかなあ.そういえば,サッポロに来てまだビールしか飲んでないなぁ.蒸し暑さが漂う夕暮れ.札幌駅北の〈味百仙〉にて.まずは開栓したての〈美丈夫〉うすにごりからスタート.かすべの煮こごりとともに.〈醸し人九平次〉の「オー・デジール」には北海シマエビ.〈義侠〉の特別純米とさんまのたたき.さんまのたたきとはいえ叩かれているわけではない.なかなかいいペース.だし巻きは確かにうまそうだが,ひとりでは完食できないだろうなあ.カウンターに陣取っているとどのメニューが「お一人様」向きかがわかる.続いて新十津川の〈金滴〉純米大吟醸.里芋の揚げ出しが美味.宮城の〈ひより〉純米大吟醸.じゃがいものバター煮がほくほくしていた.佐賀〈東一〉の純米大吟醸には牡蠣とゴルゴンゾーラのオイル漬け.〈ワルキューレ〉も日本酒が大好き.

—— だいぶ飲んだかなあ.今夜はこれにておしまいにしよう.夜になって気温はやや下がってきたが,まだじめじめしている.水も滴る背徳のサッポロの夜は更けていく.

◆本日の総歩数=12526歩. 朝○|昼−|夜×. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


9 september 2012(日)※三年ぶりのサッポロは雨に濡れ

◆午前4時起床.朝焼け前のほの暗さ.気温は22.4度.東風.朝焼けがしだいに広がり,夜明けの┣┣" がうごめく.三浦梅園『玄語』の「動植分合總圖」を見て,キャプションを書く.サッポロで仕留めるべき新たな┣┣" が一頭誕生した.市内のとある大学図書館にて出版物を探索することになった.グッドタイミング.

◆北へ向かう旅支度 —— サッポロは雨が降ってるのか.遠距離とはいえ国内なので忘れ物があってもなんとかなる.海外だとそうはいかない.長袖を持っていけという強力な指導を排して半袖のみ持参することを自分会議で即決.サッポロは雨かぁ…….最高気温が20度を越えるかぎり半袖でおっけー.自分ルールとしては行く先々の「予想最高気温」が服装決定の最強要因で,最低気温はたとえ低くても「ちょっとガマン」で乗り切ってきた.

◆午前11時前,つくば駅.晴れて蒸し暑い.TX快速で都内に出る.途中,秋葉原にて系統樹曼荼羅ミーティングを小一時間.このヒミツ会議により,『系統樹曼荼羅』が書店に並ぶのは一ヶ月ほど遅れることになった.この本は,文章だけでなく,何百枚もの図版のハンドリングがたいへんで,通常の「文字本」のようにはいかない.待っているみなさん,すまんすまん.版元ページでは刊行遅延がすでに反映されている.

束見本にカバージャケットを巻きつけたら,いかにもそれっぽくなった.カバーは最初の案よりもやや派手目になった.本体はハードカバーで,仕上がり具合はどことなく「工作舎」的な雰囲気が濃厚.装幀は明らかに「杉浦康平」的.これは予想通り.ブツの見本を手にしてホッとするワタクシは,やはり「紙の本」が好きなのだ.

—— ヒミツ会議ではこれから刊行までの予定を打ち合わせた.とりあえず,本文の直しとともに図版の配置,カラーページの選定 etc. と┣┣" は稠密にずらりと並ぶことになる.

◆秋葉原ミーティングののち,羽田へ.正午の気温30.3度,蒸し暑くて死む.サッポロはもっと居心地がいいことを期待したい.浜松町で乗り換え.真夏日の都内をモノレールですいすい走りぬけ,羽田空港へ.チェックイン後,ショップをふらふらしてから搭乗ゲートへ.離陸がやや遅れた.

一時間あまりで,雨雲をかき分けて新千歳空港に着陸.雨.気温22度.都内よりも10度も低い.しかし,道内は朝からの大雨のためJRのダイヤがかなり乱れているようだ.新千歳空港駅にて小樽行きをじっと待つ.ホームは大きなスーツケースをもった人で混み合っている.遅れて到着した快速エアポートは満員電車並みの混みかた.

札幌駅にたどり着く.曇り.朝は大雨だったとのことだが,いまは雨は降っていない.北大植物園の斜め向かいの潜伏先にチェックイン.外気温22度だが,やや湿度が高くて爽快とはいえない.夕闇がしだいに降りてきた.遠距離移動の疲労がじわり.

◆5年ほど前,北大に集中講義に行ったときは師走だったので,さすがに冬のいでたちだった.泊まっていたポプラ会館で大雪に閉じ込められた思い出がある.そのときは事前にサッポロ・ソフト(SS)で暖まっていたので助かった.かつて初めて北大に行ったとき,恵迪寮出身者に「サッポロに来たらこれを飲むんですよ」と刷り込まれた SS.ポリタンクに入っていたような.アレは「飲料」ではなく「燃料」だったんだろうか?(灯油みたいに)げに,おそるべし.北17条カネサビルの〈つくしん坊〉の二次会では集中的に「SS注入」されたが,とくに凍死することもなく,雪の中,ポプラ会館に帰り着きました.勝ったのかなぁ? この店は「北大なかのひと」的エピソードがたくさん詰っている店だった.

◆サッポロ背徳ナイト(第一夜) —— 今夜は初日だし,ホテル近くの〈Paul's Cafe〉にて軽く.〈ラインの黄金〉はさりげなく開幕する.まずは,小麦の〈ヴェデット・ホワイト〉の樽生から開始.料理は「千歳産イノシシと江別産島黒豚のパテ」.シメイレッドで調理したとのこと.続いて,〈デ・コーニンク〉の樽生.さらに,〈デリリウム・ノクテュルヌム〉.アルコール度数は9%.ピンクの像はいつ見ても魅惑的.メインは「シュークルート」.キャベツがたっぷり.塩豚・ベーコン・ソーセージもたっぷり. 前夜祭ということでさくっと終了.地上に上がったら雨足がかなり強まっていた.明日はからっと上がってほしいな.サッポロの背徳に背を向けてホテル帰還.健康的過ぎる.

◆[欹耳袋]murawaki の雑記「Mapping the Origins and Expansion of the Indo-European Language Family」(2012年9月5日) —— ベイジアン系統地理学に基づく印欧語族の系統推定論文:Remco Bouckaert et al. | Mapping the Origins and Expansion of the Indo-European Language Family| 24 August 2012. Science, 337: 957-960 DOI: 10.1126/science.1219669(→ abstract | コンパニオンサイト)のレビュー記事.教育的に詳しく書かれている.比較言語学の「なかのひと」の反応がとても興味深い.「Twitter では「計算機でやっているから胡散臭い」といった感じで言語学の人が中身を見ずに dis っているのを見かけた」のくだりは,一昔前の生物系統学業界の雰囲気を髣髴とさせるものがある.

◆サッポロ第一夜は背徳と健全が混ざり合いつつ更けていくのだった.

◆本日の総歩数=6466歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=93.3kg(−0.6kg) / 29.0%(−0.9%)


8 september 2012(土)※晴れときどきスコールが降って

◆午前4時過ぎ起床.気温21.4度.北東風が吹き抜けて涼しい.しばし,夜明け前を満喫.虫の音に混じってスズムシの独唱があちこちから.今日もお米を研いで一日が起動する.

◆[欹耳袋]中澤港「個別鵯記」(2012年8月22日) —— どこの「穴」から「手ぇ突っ込んで奥歯がたがた言わせる」かについては,きわめて興味深い文化系統学的解析ができそうな気が.※研究者たるものあらゆる物事に関心を持たねばならぬ.

◆休日の┣┣" 撃ち —— 系統樹曼荼羅本の追加文献リストを共著者に送信だん.約200項目の本文との照合が昨夜のうちに終わってよかった.系統樹曼荼羅ゲラの蟲採りのゴールがやっと見えてきた.最後のオーバーハングを越えられるかどうかがポイント.

◆[系統樹思考]本日の反響:すべりどめblog「大阪出張」(2012年8月31日) ※かなり背徳な食生活がうらやましいな.

◆午後1時,通り雨がざーっと降ってきた.雨粒のひとつひとつが見えるほど大きい.ぼたぼた降り注いでいる.しかし,瞬時に通り過ぎ,また晴れてきた.大容量の画像ファイルをぶっ放し合う昼下がり.アタナシウス・キルヒャーが東京とつくばの間を空間移動する.さすが魔術師.午後4時,観音台.全館空調が止まっているので,居室はいま30.0度.西日が真横から直射攻撃しないうちに,さっさと用事をすませて撤収しよう.西日攻撃で居室気温が31度になった.息絶える前に撤収.外に出たら車が濡れていた.またしても瞬間芸のスコールが降ったのだろうか.

◆[欹耳袋]月刊『記録』「『醤油鯛』への道(中編)」(2012年9月7日).「我々には見えないものが著者には見えている」 —— 分類学者だもの.下編の完結を待ち望む.

◆今日の最高気温は31.2度,最低気温は21.4度.日中は「夏」が虚勢を張っているが,朝晩は静かに「秋」が占拠している.楽天トラベルの前日予約確認メールが届いた.ココロは早くもサッポロへ飛ぶ.しかし,いまはまだ旅支度どころではない.

◆本日の総歩数=4025歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.9kg(+0.1kg) / 29.9%(+0.9%)


7 september 2012(金)※明け方は気温が下がって秋本番

◆午前4時半起床.朝焼けなう.蝉の声なく,秋の虫の音のみ.気温は20.6度と快適な涼しさ.米を研いで一日が始まる.朝日が差す遠景は薄い霧に包まれている.午前6時の気温は20.0度.心地よい早朝.朝の観音台.居室から遠方を見やると,まだ霧がかかっているようだ.ツクツクボウシとミンミンゼミの混声合唱が響いているが,「ボクら時間ないししかたないよな」的な投げやりな感じがする.

◆[欹耳袋]朝日新聞デジタル「戦後初の予算執行抑制へ 3カ月で5兆円、生活に影響も」(2012年9月7日14時00分).今月以降の独法や大学への運営交付金は「半分未満」とのこと.いつから「未満」が付いた? しかも,11月以降はさらなる「抑制策」があるかもと大臣はちらつかせているらしい.そろそろ金の切れ目が縁の切れ目であることを覚悟しよう.われわれは「永久機関」ではないので,もとでがなければ止まるのみだ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 朝のゲラ読みはとても快適だ(棒読み)./┣┣" 連れでなく,丸腰で温泉に行きたいな./かつてブラジルのサンパウロ大学に行ったときの話.キャンパス内の銀行に入ろうとしたら,正面ゲートの両側にライフル銃をもった警備員がふたり仁王立ちしていて,これなら安心だなと思った(汗)./「余人をもって代え難し」というのは,リスク管理的にはかなりヤバい状況だと思う.その人がいなくなったらどーするの? 特定の個人の「実在」を前提とするのはラクだがキケン.

◆[欹耳袋]申請書類を「フロッピーで出せ」と要求されたら,ワタクシだったらどうするだろうか,考えてみた.ムカシのフロッピー在庫(3.5インチ/5インチ)が研究室にはまだたくさんあるので,1) 実はまだ使える NEC PC98 RA で書き込んで提出するという正面突破は考えられる.あるいは,2) フロッピーに microSD をテープで貼付けて提出(常識的すぎてつまらない);3) フロッピーのケースに申請文をぴっしり書き込んで提出する(耳なし芳一みたいでコワい);4) 卓袱台返し(暴力的ですな).いずれにしても,この時代に「フロッピーで出せ」という方がオカシイのはみんな知っている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 昼休まずのゲラ読みは続く.蟲だらけ./「蟲発見メガネ」があればとても便利なんだけど.それをかけてじっとゲラを見つめると,「蟲」が3Dで浮かび上がって見えるとか./ゲラ読みの何がたいへんかって,引用文献と索引項目の「本文対応チェック」./昼休みからアタッカで午後のゲラ読みになだれ込む./午後4時過ぎ,系統樹曼荼羅本の再校ゲラ読みと文献照合だん.加筆すべき箇所は一休みしてからの┣┣" とする./読むべき本はうず高く堆積していくばかりなり./心安らかに暮らしたいものだ.

◆[欹耳袋]農環研サイエンス・カフェの開催日と場所が確定:2012年12月8日(土)14:00〜15:30@イーアスつくば内〈ウィズガーデン〉.噺役:三中信宏/演目「生物多様性って何?:生き物の世界を分類するまなざし[仮題]」.近いうちに募集が始まります.

◆そろそろ,サッポロの情報収集を開始しないとね.最後にサッポロに行ったのは2009年の進化学会大会のときだった.その前は2007年の北大農学部での集中講義,さらに前は2006年の科学哲学会大会だった.しばらくご無沙汰しているよーな.今年が2012年だから,階差数列に従うとすると,どんどん間隔が広がってしまうではないか!まずいな.ま,とりあえず,サッポロに行ったらエンジョイしよう.学会は参加者がエンジョイするためにあるイベント.迎撃されるだけの受け身な姿勢であってはならぬ.攻撃は最大の防御である.ところで,来週のサッポロは暑いのか寒いのか,ようわからん.農環研的「正装」三点セットでもいいのかな?

◆[欹耳袋]第166回農林交流センターワークショップ 〈分子系統学の理論と実習〉10月31日(水)〜11月2日(金)は順調に応募が集まっていると事務局から連絡あり.募集締切は9月27日(木).

◆今日は,昨日のようなスコールの襲来もなく,穏やかな秋の夕暮れ.ほんのり夕焼け.

◆系統樹曼荼羅ゲラ読みは夜も続き,やっと十頭の┣┣" を残すのみとなった.ちょいと難物なので,今日はもう撃ち止めにしよう.午後11時を過ぎたことだし.

◆本日の総歩数=2416歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.8kg(+0.2kg) / 29.2%(−0.1%)


6 september 2012(木)※今日もまたゲリラ豪雨と落雷が

◆午前4時前起床.さすがに真っ暗.つくばの朝は米研ぎから.炊き上がったばかりの炊飯器の蓋を開けると湯気でメガネがぶわっと曇る.外もまた曇り空の夜明け.気温は23.0度.やや蒸す.

◆[欹耳袋]メイキング・オブ・「醤油鯛」本 —— 月刊『記録』「『醤油鯛』への道(前編)」(2012年9月5日).沢田佳久『醤油鯛』(2012年9月19日近刊,アストラ,東京,143 pp., 本体価格1,700円.ISBN:978-4-901203-50-0 → 目次版元ページ)ができるまで.あの「醤油鯛」に取り憑かれた編集者がいたからこそ本になったということか.本書のあとがきにも触れられているが,今から二十年あまり前の1989年のこと,本書の祖型にあたる〈準備稿・醤油鯛の研究〉を著者から送られた数少ないひとりはワタクシだった.採集された醤油鯛のカラー写真集とともに,解剖図と検索表が添えられたこの「準備稿」が本として商業出版されるとは誰も予想していなかったにちがいない.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 東大農学部の特論の成績を登録完了.ひさしぶりに UT-mate とお友達になった.これで夏学期の成績報告はすべて終わった./豊後統計研修の日程が変わり,師走ではなく霜月高座となった.

◆[欹耳袋]Nakahara-Lab.Net「パネルディスカッションの5つのトホホ文法 : 尻切れトンボ、みんな違ってみんないい、オレオレ質疑、過剰プロレス、リンダ困っちゃう!?」(2012年8月29日).自分の話で手一杯で周りが見えなくなるのと,他者とのやりとりのスキルがないのと,パネルのコーディネーター側の経験不足の三点が理由かなあ.「リンダ困っちゃう」型は確かにあるある.

◆[蒐書日誌]統計関連 —— Norman Matloff[大橋真也・木下哲也訳]『アート・オブ・Rプログラミング』(2012年9月刊行,オーム社,東京,本体価格3,200円,ISBN:978-4-87311-579-5 → 版元ページ) /久保師「生態学のデータ解析 - Stan モンテカルロサンプラー」(2012年9月5日).Stan / Rstan,勉強しないとかー.

◆蒸し暑い真夏日の昼休み.気温は31度台.薄曇りでも不快指数は高い.満腹指数も高い.午後の┣┣" 撃ちは,ひたすら系統樹曼荼羅ゲラの「蟲採り」あるのみ.

◆今日もまた昼下がりのスコールが —— 晴れからしだいに曇ってきたなと思ったら,埼玉県はまたまた雷雲が襲来する気配.だんだん南下しているから,つくばあたりもあぶなそう.午後3時,いま一瞬だけ蛍光灯がまたたいたような気がする.北の方を見ると兇悪そうな黒雲が空に広がっている.蟲採りどころではない.撤収準備を前倒しするか.西の空が黒くなってきた.あ,また蛍光灯がまたたいている.PCの電源を落とした方が安全かも.よし,デスクトップPCはもう切ったので,あとは MacBook Air のバッテリーが続くかぎりの┣┣" 撃ちだ.

遠雷が轟く観音台は風前の灯.農林団地の木々が強風に揺すられている.絶えず雷鳴.そろそろ引き際か.午後3時半,雷鳴と稲光と強風.空は真っ黒.雨,横殴りで窓に吹きつけてるし.いまは外出しない方が身のため.館内放送あり,さっきの瞬間停電で館内空調が止まってしまったとのこと.天王台はいま停電だそうだし,こりゃマジでオフにしないと.と言っても,外はいよいよクライマックス.しかし,午後4時過ぎになって,風雨はおさまったようだ.たった一時間で気温が10度も下がった(30.6度→21.0度).

雨上がりの夕焼けが真っ赤に燃え上がっている(大きな虹もかかったらしい).TXはさっきの落雷で架線が切れてしまって,上下線とも不通.とてもめずらしいことだ.

◆本日の総歩数=4209歩. 朝○|昼△|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(0.0kg) / 29.3%(−0.1%)


5 september 2012(水)※連日の残暑でそろそろ限界かも

◆午前5時前起床.気温21.6度.涼しい朝.昨夜の落雷でTXつくば駅が1時停電し,エレベーターやエスカレーターが停まったらしい.その兇悪雷雲もきれいに消え去り,朝焼けタイム.今朝の最低気温は20.8度まで下がった.明け方の涼しさと日中の猛暑との落差が大きすぎる.夜明け前の一瞬だけは窓を全開にしよう.

◆朝イチの┣┣" 撃ち —— 三連休中の京都ミッションの宿を確保した.秋の行楽シーズンが始まり,探すのがなかなかたいへんだったが,こういうときに役に立つ奥の手を使い,安くていいホテルを確保.よしよし./サッポロでの迎撃予告DMが届いた.生きてつくばに戻ってこれるだろーか(汗)./年度末までの┣┣" 撃ち予定の作戦をいちおう立てた.書くだけ書いたけど,I never make plans that far ahead.

◆[欹耳袋]今月は『沈黙の春(Silent Spring)』出版50周年だったのか —— William Souder | Rachel Carson Didn’t Kill Millions of Africans : How the 50-year-old campaign against Silent Spring still distorts environmental debates | 4 September 2012. 同じ著者による Rachel Carson 新刊伝記:William Souder『On a Farther Shore: The Life and Legacy of Rachel Carson』(2012年9月刊行,Crown, ISBN: ISBN: 978-0-307-46220-6 → 版元ページ)が同時に出版された.15年前に出た Linda Lear による伝記:Linda Lear『Rachel Carson: Witness for Nature』(1997年刊行,Henry Holt and Company, New York, xviii+634pp., ISBN:0-8050-3427-7 [hbk])は,前世紀末にメーリングリストに流しただけで,まだ leeswijzer には公開していなかったかと思って公開したら,実は2008年にすでに公開していることにあとで気づいた.でも,今回の方が読みやすくなっているので許してもらおう.本書は日本語に翻訳された:リンダ・リア[上遠恵子訳]『レイチェル —— レイチェル・カーソン『沈黙の春』の生涯』(2002年,東京書籍).しかし,ワタクシは未読である.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 領域会議10:30〜12:00,炎天下の農環研周囲を一回りして涼んでいるなう.正午までに31.2度の真夏日ラインを越えて,さらに上がりそうな気配.今日は昨日みたいなスコールはなさそうだし,ただ残暑に耐えるのみか./サッポロ迎撃の宴は9月11日(火)と決定した.北大の黄金トリオに囲まれて迎撃されまくる夜となる.

◆[蒐書日誌]佐藤直樹『40年後の『偶然と必然』:モノーが描いた生命・進化・人類の未来』(2012年8月23日刊行,東京大学出版会,東京,4 + xvi + 276 +70 pp., 本体価格3,800円, ISBN:978-4-13-063333-8 → 目次版元ページ).ジャック・モノーのベストセラー『偶然と必然』が国境と言語を越えてどのように詠まれていったのかをたどる.こういう視点からの論議はとても魅力的だ.「おわりに」は次のように締めくくられている:「私は,折に触れて,フランス語など,英語以外の言葉の習得が,本当の国際化に必須であると説いている.…世界は英語だけで動いているわけではない…第二外国語の今ひとたびの普及を呼びかけたい」(p. 276).御意.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 13:30から小一時間,広報情報室との打合せ.師走はじめの土曜午後に〈農環研サイエンス・カフェ〉をする.系統樹曼荼羅の炸裂です.農環研もフトコロ深いなぁ.農環研サイエンス・カフェのタイトル案と案内文を担当者に送ったので,とりあえず一件落着./重版に向けての「蟲採り」なう.ま,いまのところ十匹あまりですな.ただし,微小フォントの脚注の中に潜んでいる微小蟲の発見がかなり目にワルいん.

◆真夏日の暑さも夕暮れとともに和らぐ.黄色っぽい紡錘型の月が東の空から上ってきた.下界からはアオマツムシの甲高い鳴き声が幾筋も飛び込んでくる.

◆本日の総歩数=6327歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(−0.9kg) / 29.4%(0.0%)


4 september 2012(火)※ゲリラ豪雨が襲いかかる夕暮れ

◆午前5時起床.午前2時頃,ふと目が覚めたらざあざあ雨が降っていた.今はあがって曇り空.気温22.8度.つめたく湿った北風が吹き抜ける.昨夜のこと,「○○高校一年ですが入会させて下さい」という EVOLVE メーリングリストへの加入申請があった.「高1かぁ,15歳かぁ」とくらくらしつつも登録処理を完了.進化学会大会のポスターコンテストに中学生が出展する時代だもんなぁ.進化メーリングリストに高校生が入ったってフシギではない.以前,「父から入会するよう勧められた」なんて書かれた申し込みメールを受け取ったことがあったが,月日の流れを実感せざるをえないの.さて,朝イチの仕事は,TXつくば駅までブツの受け取りに行くこと.今日も暑くなりそうだ.

◆朝の┣┣" 撃ち —— 外は真夏日でも,居室内は快適.先月の出張の後始末の書類が湧いてきてもうたいへん.とりあえず,一件落着かと思えば修正の嵐./三日間の「夏季休暇」は今月末までに使い切らないといけない.でも,休暇とはまったく縁遠い用途に消えることが確定してしまった.かといって,「休暇」が「出勤簿に押印しなくてもいい労働日」と同義になっても困るしねぇ.

◆[欹耳袋]「共有」されることの悲哀 —— 慶應義塾大学プレスリリース「日本人初、本学教授が実名で自身の個人全ゲノムを公開-湘南藤沢キャンパス(SFC)にて公開ゲノムを用いた授業も開講-」(2012年7月31日).冨田勝さんの全ゲノム情報が公開された件.個人固有の遺伝的変異は問題ないのだが,多かれ少なかれ保守的な遺伝子配列の場合,それを共有する親族の“個人情報”が同時に公開されることになる.この公開には同一遺伝子配列を共有する人の同意が必要ではないかという論.変異のもっと少ない遺伝子だったらホモ・サピエンスの「全員」の同意が必要かもしれない.ヒトのもつおよそ3万個の遺伝子がどの血縁集団まで共有されているかはさまざまだから,「同意」を取る範囲はかなりの可変性がある.世界最初に個人ゲノムを公開したジェームズ・D・ワトソンの場合はどうしたんだろう.

◆[蒐書日誌]ついに「醤油鯛」が本になったか —— ご寄贈どうもありがとうございました:沢田佳久『醤油鯛』(2012年9月19日近刊,アストラ,東京,143 pp., 本体価格1,700円.ISBN:978-4-901203-50-0 → 目次版元ページ).ついについに出たかと感慨深いものがある.オビには「空前絶後の醤油鯛研究の金字塔.こんなにワクワクする「学術論文」に初めて出会った(森永卓郎)」と書かれている.買うべし,買うべし.「醤油鯛の分類と系統」についてすぐにでも知りたい人は:筑前屋翫理堂〈醤油鯛の頁〉へ直行せよ.

◆届いたばかりの醤油鯛本を片手に,久しぶりに昼休みの歩き読みをしたら,くらくらするほど暑かった.正午前には30度の真夏日ラインを越える残暑になり,セミの断末魔の合唱が農林団地構内に響きわたっていた.周辺の田んぼでは,稲の刈り取りが本格的に始まった.実りの秋はもうすぐそこまで来ている.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 対面・メール・電話 etc. と,ありとあらゆる手段で┣┣" は攻勢をかけてくる./神戸での国際会議の復命書と参加費立替払いの書類を提出した.毎日出るランチの代金をその日の為替レートにしたがって換算させられ減額された経験がある.開催要領に明記されていない金額をいちいち調べる愚かさは途方もない.「知りたかったらお前が勝手にやれ」と卓袱台返し.

◆[欹耳袋]ShareWis「パワーポイントのスライドを使った授業が恐ろしくつまらない理由」(2012年9月4日).ワタクシは Anti-PowerPoint Party 党員ではないが,必読書:Edward R. Tufte『The Cognitive Style of PowerPoint: Pitching Out Corrupts Within, Second Edition』(2006年刊行,Graphics Press, Cheshire, 32pp., ISBN:0-9613921-6-9 [pbk] → 版元ページ)には目を通している.高座の目的も考えずに,そしてお座敷の環境も考えずに,やみくもにスライドを垂れ流すのは,確かに「教育的」ではない.ワタクシ自身も試行錯誤しているが,スライド映写の隙間に手書きの「板書」をはさむと効果的かもしれない.

◆午後5時,農環研を撤収して帰宅.うわ,この黒雲はやばすぎる.稲光が光り,遠雷が轟く夕暮れ.雷鳴が北からしだいに近づいてきた.雨が降り始めたと思ったら,土砂降りのスコールが襲来.落雷もすごいことになってきた.土浦学園線は冠水しているらしい.先月はぜんぜん降らなかったのに,九月になったとたんゲリラ豪雨が頻発している.

◆[欹耳袋]つくばに〈コメダ珈琲店〉ができるらしい.場所は土浦学園線沿い,モスバーガーの向こう側,KFC手前.以前〈かつ千代〉があった場所.

◆本日の総歩数=11396歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.5kg(+1.1kg) / 29.4%(+0.3%)


3 september 2012(月)※人間犬がラマダン明けを祝う夜

◆午前5時前起床.雲間から朝焼け.気温20.9度.北風.涼しい朝.ツクツクボウシではなく秋の虫の合唱が下界から聞こえる.今日は年に一度の人間犬の日.さて今年の人間犬としての第一歩を踏み出そう.最近の病院@天久保は無線LAN使いまくりできるのか.あ,人間犬には MacBook Air で遊んでいるヒマはないんだった.

◆[欹耳袋]さすがワセダ —— 〈第2回 早稲田大学交響楽団創立100周年記念演奏会〉.「創立100周年記念演奏会」が何回もあるのか.とてもワセダ的な気がする.今年度中に「創立100周年記念演奏会」を「5回」もやるとは〜.何が「ワセダ的」かと言われても困るけど,「ああワセダなんだあ」という感じ.

◆朗報と┣┣" は表裏一体 —— 『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』 の重版が決まったとのこと.初版のバグ一覧をリストしないと./『系統樹曼荼羅』のゲラ読みとともに,全体の装幀作業も進んでいる.昨日で,扉見返しに載せる「ことば」が確定した.今回の「ことば」は地球のウラ側からやってくる.

◆[欹耳袋]〈日本の速記130周年『速記の日』展示・講演会 in 盛岡(2012年10月28日)〉 —— 「田鎖綱紀と速記130年の歩み」という講演会が盛岡市先人記念館で開催されるらしい.実家の書棚を掘り返せば,「田鎖式速記法」の本がどこかにあるはずだ.「グレッグ式英文速記法」の教科書もあったはず.ワセダ速記は専門課程まで勉強したが,英文速記は本を持ってるだけ.速記を勉強したのは小学校から中学校にかけてのことだから,もう昔話ではある.

◆[蒐書日誌]いない間に着弾本は堆積していた —— 松田法子著|古城俊秀監修『絵はがきの別府:古城俊秀コレクションより』(2012年5月30日刊行,左右社,東京,本体価格3,500円,314 pp., ISBN:978-4-903500-75-1→ 目次版元ページ).確かにすごい絵葉書コレクション./安田寛『バイエルの謎:日本文化になったピアノ教則本』(2012年5月31日刊行,音楽之友社,東京,279 pp., 本体価格2,400円,ISBN:9784276212589 → 版元ページブック・アサヒ・コム)/Kim Sterelny『The Evolved Apprentice: How Evolution Made Humans Unique』(2012年2月刊行,The MIT Press, Massachusetts, xvi+242 pp., ISBN:978-0-262-01679-7 [hbk] → 版元ページ).ちゃんと届いてました〜(ご報告遅すぎて).

◆正しい「人間犬」の一日とは —— 午前9時前,天久保の「人間犬」調教場に自主的に入る.お昼前,忠実なる人間犬は「心臓に毛が生えすぎている」と教育的指導を受ける.朝のうちに通り雨があったようだが,いまは残暑の青空が広がっている.気温は28.0度まで上がってきた.さらなる調教は午後も続くのであった.午後1時,またまた雨雲が接近しているなと思う間もなく,スコールがやってきた.この空模様はいったい何なんだ.午後3時過ぎ,人間犬から人間への逆進化完了.長い一日だった.帰宅して,寝落ちしてふと気がつけばもう夕方か.夕焼け.今日の最高気温は30.3度まで上がり,平均すれば蒸し暑い一日だった.昨日と同じく,今日も震ったり止んだり晴れたりの不安定な空模様.「人間犬」のときは寄り付かなかった┣┣" が,「人間」に戻ったらとたん,にじり寄ってきた.

◆[蒐書日誌]正誤表公開 —— 藤田敏彦『動物の系統分類と進化』(2010年4月25日刊行,裳華房[新・生命科学シリーズ],東京,206 pp.,本体価格2,500円,ISBN:978-4-7853-5842-6 → 版元ページ

◆夜,〈八海山〉スパークリングが空っぽになった.ラマダン明けはもうたいへん.しかし,明日からはまた「清く正しい食生活」に戻していかないといけない宿命.

◆本日の総歩数=2109歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.4kg(−0.6kg) / 29.1%(−0.3%)


2 september 2012(日)※つくいちで雨に降られて濡れ鼠

◆午前5時起床.夜中はときおり激しい雨が降り続いた.夜が明けで,東の空は明るいが小雨は降り続いている.東の風が吹き抜けて,気温は21.8度と涼しい朝を迎えた.秋めくなあ.しかし,大きな問題は今日の〈つくいち〉が開催されるかどうかということ.毎月第一日曜の朝ごはんは〈つくいち〉に従属栄養しているので,開催中止となれば別の栄養源を考えないといけない.そのうち,雲の隙間から朝日が差してきた.このまま雨が上がってくれればいいのだが.

◆[欹耳袋]大栗博司のブログ「役に立たない研究の効能」(2012年 8月30日).筆者いわく: 「「興味の赴くままに研究しているのだ」と突き放すのではなく、質問の意図を真摯に受け止めて、基礎科学の普遍的価値について丁寧に説明するようにしています」.確かにそれは正攻法ではある.一方,「その研究は何の役に立つのか?」を日々もっとしつこく問われ続ける研究環境だと,正攻法以外の「説明戦略」も援護射撃として必要になるだろう.説明する「相手」によって「説明戦術」もいろいろ変えないといけない.

◆「つくいちで 雨に降られて さあたいへん 喰うもん喰って とっとと退散」 —— 晴れ間を見計らって,中央公園の〈つくいち〉会場へ.最初のうちはよかったのだが,南から真っ黒な兇雲が急速接近,いきなるスコールに降り込められて濡れ鼠になった.今日の空模様は予測困難.ときどき空を見上げて,黒い雨雲が接近してきたら,そのつど逃げまわるしかない.いまは小止みだけど,アメッシュを見るかぎり,もうすぐまた本降りになりそうな気配.正午,またまた灰色の雨雲に覆われて,スコール襲来.しかし,今日はよく降るなあ.正午の気温はなんと「23.4度」! 真夏日どころか夏日にも達しないとは.

◆シャウルス液状化 —— 神戸出張で不在だった一週間ずっと氷温室で放置したら,さらに液状化が進み,熟成された匂いが漂っていい感じになってきた.しかし,今月は清く正しい食生活をモットーとする月間なので,まだ賞味していない…….

◆週末の┣┣" 撃ち —— 系統樹曼荼羅のゲラ読みと加筆修正.数多の巨大な pdf / indd / psd ファイルが宙を飛び交う.来月以降の豊後統計巡業と日向統計巡業の日程絞込みがそろそろできそうな気配.東大の学位審査会の日程が確定した.11月までの┣┣" 撃ちカレンダーに記入する.かなり埋まってきたな.

◆[欹耳袋]〈日本倫理・哲学グランプリ(国際哲学オリンピック)〉の課題例:「哲学は科学ですか?」※うわ〜;「われわれ自身が存在しないと考えることは、事実上、不可能である」※これが答えられる高校生って.

◆[蒐書日誌]丸山宗利『アリの巣をめぐる冒険:未踏の調査地は足元に』(2012年9月近刊,大学出版部協会[フィールドの生物学:8],東京,本体価格2,000円,ISBN:978-4-486-01847-6 → 版元ページ).

◆[欹耳袋]Ulrich Kutschera 2011. From the scala naturae to the symbiogenetic and dynamic tree of life. Biology Direct, 6:33, doi:10.1186/1745-6150-6-33.レフリーの査読コメントまで全部公開されるというおそるべきジャーナル(汗)./Chakrabarty P, Davis MP, Sparks JS (2012) The First Record of a Trans-Oceanic Sister-Group Relationship between Obligate Vertebrate Troglobites. PLoS ONE 7(8): e44083. doi:10.1371/journal.pone.0044083. 参考記事:BBC News | Eyeless goby fish 10,000km apart share common ancestor | 31 August 2012. 正面突破的な分断生物地理学の研究成果.

◆午後4時,またまた東の方からアヤシい黒雲が接近してきたぞ.と思ったら,またまた雨がざあざあ降ってきた.やっと上がって夕焼け.猫の目のようにくるくる変わる空模様の一日がやっと終わりそうだ.

◆本日の総歩数=3303歩. 朝○|昼○|夜○. 計測値(前回比)=94.0kg(−0.2kg) / 29.4%(+0.6%)


1 september 2012(土)※九月初日は入道雲が湧き上がる

◆午前5時過ぎ起床.気温24.0度.晴れ.アウェイから戻ってひさしぶりにホームで熱帯夜ではない朝を満喫している.それにしても,9月になってしまったかー.入道雲が朝から立ち上がる.気温27.5度.

ヤブキリくん(♂)がベランダの影に潜んでいた.いつもはペデの街路樹で「しりしり〜」と鳴くだけで姿を見ることはあまりない.人見知りしないのはいいけど,馴れ馴れしく噛んだりするな〜.

関東の西の方ではところどころ雨が降りだしているようだ.今日は一週間放置した研究室に朝のうちに潜入しないと.午前9時半すぎに雨がぱらぱら降ってきたが,あっという間に上がってしまった.今日は「いきなりスコール」に要注意なのかとの予報通り不安定な空模様だが,もっと根性入れて降らんかいっ.

◆月始めの┣┣" 撃ち —— まずはメーリングリストへの月例アナウンス.MAFFIN Webmail のセキュリティチェックに引っかかってどうしても送信できないので(症状変わらず),迷わずGmail から送信.何とかならんもんか.次に,関係諸方面に宣伝を打った:第166回農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉2012年10月31日(水)〜11月2日(金)@つくば → 募集ページ.イベントや新刊の宣伝に関しては「奥ゆかしさ」は不要.

◆[欹耳袋]三中信宏:農環研ウェブ高座 「農業環境のための統計学」 第2回 「統計学のロジックとフィーリング」.農業と環境,No. 149,2012年9月1日.

◆一週間ぶりに観音台なう.所内の道路がことごとく封鎖されていて,「国会がごたごたして交付金不足により農環研は閉鎖されてしまったのか!」と一瞬青ざめた.守衛さんに訊いたところ減速帯(カマボコ)に色塗りしたので乾くまで通行禁止にしたとのこと.

空は「夏」でも,吹く風は「秋」.しばらく来なかったうちに季節は確かな足取りで移っていた.それでも,全館空調オフの週末なので,お昼すぎの外気温は31.1度,居室気温は30.5度もある.通勤路の周辺の水田はすでに実りの秋を迎えて,稲穂が垂れている.そろそろ刈り取りが始まってもいい季節だろう.

さて,居室気温が31.0度を越えそうなので,身の安全のため撤収しよう〜.

◆[欹耳袋]研究者はカスミを喰えということか —— 福井新聞「大学の交付金停止で研究に影響も 職員への給与支給にも危惧」(2012年9月1日).財源が運営交付金のみだと,こういう緊急事態に手も足も出なくなる.大学・研究機関の「基礎体力(というか贅肉というか)」の有無によっても,どれくらい長く兵糧攻めに耐えられるかどうかもちがってくるだろう.すぐにどうこうできる名案があるわけではない(独自収入源や寄付の道は前から議論されていたはずだ).問題は,そこに属している研究者の「日々のなりわい」をどうしていくかということ.すでに給料が一割カットされ,さらに交付金停止となれば,「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉はがぜん現実味を帯びてくる.われわれ研究者はカスミを喰って生きているわけではないから.

◆夜,眼下のねぶた小屋の解体作業とともに打ち上げをやっているらしく,さっきまで賑やかだった.つくばの「夏」はこれにておしまいだ.そういえば今月の┣┣" 撃ち予定カレンダーをまだ記入していなかった.予定表がつくれるというのは実はシアワセなことなのだ.┣┣" 撃ち予定カレンダー記入完了.今月のつくば不在率は「10不在日/19労働日=0.526」となった.毎年9月はあちこち跳びまわる.横浜国大はなしになったが,今年も首都大の集中講義と札幌での統計関連学会連合大会が射程に入ってきた.

◆ある古酒のこと —— 今月は「清らかな食生活」から始まることをモットーとするので,先月末のような背徳ライフはありえへん.しかし,話だけなら罪はないだろう.岐阜・三千盛酒造の看板銘柄〈三千盛〉の「24年古酒」なるものを某所でいただいたことがある.醸造年は「平成1年1月」で,「清酒二級」という文字が古ぼけたラベルに読み取れる.「特級|一級|二級」という日本酒級別制度が廃止されたのは1992年(平成4年)なので,この酒は「最後の旧世代」に属していることになる.昔の「特級酒」とか「一級酒」は値段こそ高いけれども変に甘いお酒が多かったので,「二級酒」とか「無鑑査」ばかり探していた時期がある.ほとんど昔話の世界だが,いきなりこういう年代物を出されるといきなりタイムスリップしたみたいで,これだけ年数が経てばもう言うべき言葉がない.〈三千盛〉は新しいうちは軽めの味がするが,四半世紀も経つとその成熟の度合いはただごとではない.古酒でもきちんと冷蔵保管すると,最後にはこういう味になるのかと感心する.

—— しかし,古酒の宿命は飲めばなくなってしまうということ.おまけに,それを飲ませてくれた店ももうなくなってしまい,vanitas だけがあとに残される.

◆本日の総歩数=1628歩. 朝○|昼○|夜○. 計測値(前回比)=94.2kg(+1.1kg) / 28.8%(−0.4%)


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[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集