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日録2012年7月 


31 juli 2012(火)※炎暑の月末に歩きまわる粗忽者

◆午前4時前起床.寝苦しい熱帯夜が連夜続いている,と書きそうになってアメダスを確認したら,22.3度だった.でも湿度は高いような.夜明け前の朝焼けが広がっている.早朝は雲が多かったが,通勤時間帯にはふつうの夏空が広がる観音台.戸外気温は25.8度.居室気温は30.0度.外は暑いが中は涼しい.朝イチのBGMは Gustav Leonhardt のフーガの技法.

7月も今日でおしまい.ニイニイゼミの合唱が農林団地の林から響いてくる.朝なのでミンミンゼミはまだ聞こえない.猛暑の日中にふらふら出歩くのはキケンなので,早朝の農環研周辺をひとまわりした.雑木林の樹液には明け方ノコギリクワガタやカブトムシが集まるらしく,カラスに腹だけ喰われた部分死骸があちこちにあった.樹間にはコミスジがひらひら飛び,日陰の繁みにはハグロトンボが群舞する.生きたカブトムシ(♀)をゲット.今年初めて.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 東大と東京農大の夏学期講義の成績評価集計開始っ!/「白羽の矢に当たって絶命しました」メールが次々と返ってきているっ./さらに重要な┣┣" は今のところ悠然と眠り続けているなう./農水省独法研究員向けに毎年開催されている「数理統計研修(基礎編・応用編)」のテキスト原稿を提出する季節がやってきた.研究室に保管されている過去のテキストをチェックしたところ,長年にわたるSAS帝国からRへの「無血革命」が起こったのは平成15年度であることを確認した.

◆気温32.0度の昼休み.外はかんかん照り.身の安全のため徘徊なし.昼前に諸方面にメールを発射しまくったので,しばらくは静かな時間をすごす.BGMは Keith Jarrett の〈Rio〉.昼休み.真夏の日差しに炙られる農環研の屋上から雄叫びが響きわたる.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 『系統樹曼荼羅』本の各章ごとに小見出しをつける作業終了.関係者にファイルをどさっと送ってとりあえず休憩./秋の分子系統ワークショップの講師陣はまだ返事が返ってこない2名を残してほぼすべて確定した.講義タイムテーブルも決まりつつある.関係者に連絡を取りつつ,事務局に進捗状況を伝える.

◆殺人西日光線に射られないうちに撤収.本日の最高気温は33.2度だった.竹園・たがみ酒店に立ち寄った.秋田の〈白瀑〉からの新商品「ブルーハワイ」という日本酒が並んでいた.くちなしの青色色素が入っていてまさにブルーハワイ,酒の扱いとしては「リキュール」だが,アルコール度数15度のれっきとした日本酒.いったいどんな味だろう.

◆今日の夕餉は「衣笠丼」 —— 先週末に京都駅の伊勢丹食料品売場で,京都の肉厚油揚げを買ったので,久しぶりに衣笠丼をつくった.レシピは簡単:1) 昆布と鰹で濃いめの出汁を煮だす(150cc/丼);2) 油揚げは1センチ幅に短冊切り;3) 九条ねぎは斜めに細切り;4) 出汁にザラメ砂糖適量を加え,薄口醤油やみりんで好みの味付けに;5) 煮立てた出汁に油揚げを入れて,そのあとで九条ねぎを入れる;6) ねぎの色が変わらない頃合いを見計らって,丼飯に具を並べる;7) 残った煮汁に溶き卵を流し込み,半熟になったら丼にトッピング.熱いうちにわしわし食べよう.衣笠丼やきつね丼は「甘み」が重要だが,ふつうの砂糖よりもザラメの方がコクが出るようだ.

◆[欹耳袋]視覚化の「力」とは —— Visually Blog | 45 Ways to Communicate Two Quantities.統計の高座のネタとして使えそうなサイト.視覚化のもつ「力」は「ことばの力」だ./メモクリップ —— Way2Go | メモリカード(SDカード)復旧方法 | 2011年1月10日.こういう小ワザが身を助ける(こともある).

◆本日の総歩数=7646歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.7kg(+0.3kg) / 28.2%(−0.2%)


30 juli 2012(月)※猛暑の週明けは残務処理の日々

◆午前4時半起床.日に日に遅くなる夜明け前.晴れ.気温27.0度の熱帯夜.昨夜はさすがに早々とドロのように寝てしまった.昇ってくる朝日がまぶしい.夏空の観音台はじりじりと気温上昇中.猛暑の先週末からずっと締め切られていた居室の気温はいま31.5度.じっとしているとサウナ気分になれる(が仕事はぜんぜんできない).全館空調が入るまではじっとガマン大会が続く.去年までは午前8時すぎから入っていたのに,今年は毎朝きっちり8:30に稼働開始.腹が立つほど正確.勤務時間はフレックスできても,こんなことでは勤務環境はフレックスではない. ムダに全館空調せずに,こまめに居室空調すればいいと思う.BGMはマーラー〈大地の歌〉.竹林の中で麻雀をしながら酒を飲み倒す交響曲.午前8時半になってやっと全館空調が入り,ふつうに生きられる場所(=仕事ができる居室)になった.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 週明け&月末という悪条件が重なり,朝から湧き出るように┣┣" の群れが居室に押し寄せている.対応する必要がない(と判断した)┣┣" どもはそのまま下流へと掛け流し.しかし,源泉から湧き出る┣┣" の勢いがハンパじゃない.群馬・伊香保温泉の源泉系統図のごとく,湧き出る┣┣" どももこのように整然としかるべきところへ配分されてほしいもの.小間口管理者が必要かも.「締切日厳守」というタグをぶらさげた┣┣" どもが居室でのたくっている.

◆気温が33.9度まで上がった昼休みは,土浦学園線沿いの〈木曽路〉にて,来月,鹿児島に異動する研究員の送別ランチ会.それにしても暑い昼下がり.観音台は焼け焦げそう.夏バテで疲れたら甘いもんもしっかり食べよう.昨日,京都駅の伊勢丹地下にある〈仙太郎〉で買った「十穀ぼたもち」は紫蘇風味の十穀ご飯に包まれた中はしっとり粒餡だった.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 来たるべき秋の手くらみに向けて,「白羽の矢」を九本まとめて用意する.午後3時過ぎ,┣┣" 憑きの「白羽の矢」を全国に一斉発射したところで,本日はさっさと撤収準備に入る.つくばの今日の最高気温は34.2度だった.

◆[欹耳袋]第166回農林交流センターワークショップ〈分子系統樹推定法:理論と応用〉|開催:2012年10月31日(水)~11月2日(金)|場所:農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所・電農館(茨城県つくば市).受講生の応募に関しては近日中にアナウンス予定.

◆[蒐書日誌]読了 —— 坂口謹一郎『古酒新酒』(1974年11月20日刊行,講談社,東京,302 pp. → 目次情報)の第三部「酒と人」.中国の漢詩や日本の短歌・俳句をめぐる酒噺.さらに個人的なつながりなど.「酔話の魔力」(pp. 235 -240)に引用されている陶淵明「雜詩其一」の一節:「愉快なことがあれば楽しみをなすべきだ,一斗の酒で近隣を招き集めよ,若い盛りは二度とこぬ,一日に二度の朝があるわけではない,時におくれずせい出して遊ぶべきだ,年月は人を待ってはくれぬ」(青木正児訳)に関して,「みなぎる力強い無常観はまさに仏教思想そのものともみられましょう」(p. 236),さらに「酒はしょせん寂しい人,悲しい人のためのものであるようです」(pp. 236-237)と続く.陶淵明「雜詩其一」にある「盛年不重來/一日難再晨/及時當勉勵/歳月不待人」の「勉勵」とは,「勉学に励めよ」という意味ではなく,「徹底的に飲まんかい」ということか.陶淵明,えらい! また,「世捨て酒:芭蕉翁と酒」(pp. 252-274)では,俳句から類推される芭蕉が飲んだであろう酒について語り,「酒と短歌」(pp. 275-282)では,短歌に詠まれた酒造りのようすに触れる.

—— 勢いで,坂口謹一郎『酒学集成(全五巻)』(1997年〜1998年,岩波書店,東京 → 版元ページ)のオンライン発注をしてしまった.

◆本日の総歩数=3529歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.4kg(−0.4kg) / 28.4%(0.0%)


29 juli 2012(日)※またまた日帰り京都ミッション

◆午前6時すぎ,のろのろ起床.よく寝られることはシアワセである.外は相変わらず夏空.朝日が差している.気温は25.2度.午前9時前,つくば駅.すでに十分に蒸し暑すぎてどうしようもない.

◆日帰りピストン往復で京都ミッションに出撃 —— 東京駅で新幹線に乗りかえ,ひたすら西へ西へ.都内は蒸し風呂のような真夏日の暑さだった.車内はもちろん快適だが,京都に着いたら耐え忍ぶしかない暑さとの戦いが再開される.東海地方もよく晴れて,車窓から見渡す遠景がうすにごりのように霞んでいる.午後1時過ぎ,京都駅着.ホンマ暑おすなあ〜.気温は34.5度.猛暑日直前.奈良線に乗り換えてミッション開始.

◆[欹耳袋]アビ・ヴァールブルク[伊藤博明・加藤哲弘・田中純(訳・解説)]『ムネモシュネ・アトラス』(2012年3月30日刊行,ありな書房[ヴァールブルク著作集・別巻1],東京,765 pp., 本体価格24,000円, ISBN:978-4-7566-1222-9 → 版元ドットコム)の書評を公開した.これは,「図書新聞」の2012年6月16日号(通号3066)に掲載された書評記事:三中信宏「イメージの迷宮がもつ多次元性を読む:歴史の中で実体として存続してきた「情念定型」を追求」を改訂したものである.大きな間違いがひとつあったので,それも訂正した.

◆暑すぎて思考停止しそうになったので,京都駅の〈美々卯〉で,旬の鱧天そばを強制的に喰って冷却した.海老の天ぷらが巻き込まれた蕎麦寿司もうまし.

◆午後4時過ぎ,京都駅から帰りの新幹線に乗る.本日のミッションだん.昼下がりの洛南はことのほか蒸し暑く,最高気温は34.2度まで上がった.京都滞在時間はおよそ三時間だった.滋賀県内で一時的に激しい雨が降っていたが,米原を通り過ぎるころには回復.午後9時前,つくばっく.朝9時に出発したので,ちょうど12時間で往復してきたことになる.京都実在時間は三時間あまり.残りは移動時間.猛暑日の遠距離ピストン往復はさすがに疲れるなあ.それでも,つくばセンターは夜風が吹き渡って,それなりに心地よかった.関東平野の良さは風が吹くこと.盆地の京都だと風も吹かないのでまったく救われない.

◆本日の総歩数=9322歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.8kg(−0.2kg) / 28.4%(−0.2%)


28 juli 2012(土)※真夏の熱気を避けてひっそりと

◆午前6時,のろのろ起きだせば外はカンカン照り.もう夏日ライン越えてるし.バテるなあ.あまりに暑すぎるとつぶやくパワーも減退する.先週から今週にかけて不在率がとても高かったせいか,放置┣┣" どもがやさぐれて無頼┣┣" 集団へと変態しつつある.来週からはその相手をしないといけない.そのパワーがなかなか湧いてこない.無頼┣┣" 集団の源泉掛け流しは社会のメイワク.

◆[欹耳袋]本日の響音 —— Daily Life「前期授業終了」(2012年7月27日).※「けっこうローカルなツールなのか、むしろこれで分析できない文化的対象などないというくらい普遍性のあるツールなのか、文化系統学の今後の発展が気になるところである」.

◆正午前に33.5度まで気温上昇.外にちょっと出ただけでくらくらする.カピオ前では〈まつりつくば2012〉に向けて「ねぶた小屋」が大々的につくられつつある.来月になればねぶたが搬入されるだろう.つくばは夏本番.いまもねぷた小屋の前で,炎天下のカラオケ大会?をしていて,一ヶ月後のねぷたパレードに向けて気勢を上げているようです.暑そ~.午後1時,34.2度.午後はつくばも猛暑日になりそう.ねぷた小屋の気勢が上がりすぎて,ミュージック大音響で炎天下の乱舞なう.

◆[蒐書日誌]Karl Jordan 伝記 —— Kristin Johnson『Ordering Life: Karl Jordan and the Naturalist Tradition』(2012年刊行,The Johns Hopkins University Press, Baltimore, ISBN:9781421406008 [hbk] → 版元ページ).この新刊はなかばジャケ買いかな.ポチッ.この本の著者は Karl Jordan と Ernst Mayr に関する論文をすでに出している:Kristin Johnson 2005. Ernst Mayr, Karl Jordan, and the History of Systematics. History of Science, 43: 1-35|pdf.Karl Jordan は Ernst Mayr がきわめて高く評価した博物学者.進化的総合の集団遺伝学バイアスに対抗する「the naturalist tradition」を Mayr が主張するよりどころとなった:Ernst Mayr 1955. Karl Jordan's contribution to current concepts in systematics and evolution. Transactions of the Royal Entomological Society of London, 107: 45-66|abstract

◆午後2時前に35.3度になり,めでたく?猛暑日となった.この炎天下に外をふらふら徘徊するのはキケン.夕方までじっとしていよう.引きこもって昼下がりの┣┣" 撃ちを細々と続ける.午後4時になり,外の喧騒はやっと消え去ったようだ.┣┣" 撃ちの成果があって,メールボックスの未処理┣┣" は二頭にまで激減なう.猛暑日からしだいに気温が下がってきたので(まだ真夏日ではある),やっと買い出しにでかける気になった.夕暮れが近づいているのに気温はぜんぜん下がらない.午後5時の気温は31.5度.

◆デイズタウン駐車場では今夜は夏祭りがあるらしく,太鼓がどかどか響きわたっている.午後7時,雲行きがあやしいらしく,いま栃木県の雷雲がえらいことになっている.茨城県南はこれからどーなるのかな.今夜の夕餉は,久留米の銘酒〈庭のうぐいす〉のスパークリングを開栓.グリーンのシャンパンボトルに「鶯」.純米吟醸の活性にごり酒.炭酸はやや強め.活性にごり酒に立ち向かうにはしっかりした肉料理がふさわしい.つぶし大蒜と塩胡椒そして韓国味噌と醤油で十分に下味をつけたスペアリブを用意する.ジャガイモと生ニンニクとともにオーブンで焼き上げる.

◆[欹耳袋]r_shinehaの日記「若手による雑感(根拠の薄い妄想)-その1」(2012年7月26日)|「その2」(2012年7月27日)※「STSって結局なにやってるんですか??」.「その3」をお待ちしましょう.

◆本日の総歩数=2038歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=93.0kg(+1.1kg) / 28.2%(−0.3%)


27 juli 2012(金)※経堂にて今期最後のお勤めの日

◆午前4時前起床.気温24.6度.今朝も蒸し暑い夜明け前.外が明るくなってきた.仄暗い遠景がぼやけているのは水蒸気が多すぎるせいだろう.いまの気温は25.3度.蒸し暑さが続く.日の出.今日もよく晴れそうだ.不逞┣┣" 二頭をとりあえず弾き返したけど…….

◆桜丘ファイナル —— 午前8時前,つくば駅.朝から晴れて蒸し暑い.気温はすでに26.8度.さて,農大の今期最終講義のため経堂へ出撃.新宿駅にて.都内はすでに真夏日ラインにかぎりなく接近する29.7度まで気温上昇.よく晴れて容赦なく日差しが照りつけている.とりあえず,小田急に乗り換えて一休み.焼けつくハートフル農大通りを下って,農大キャンパスへ.もちろんすでに真夏日ラインを突破していて,蒸し蒸しと暑いのなんのって.涼しい講義室にてごそごそと講義準備する.今期最後の高座は,最近のベイズ統計学の考え方について解説したのち,講義全体の総括をする.

◆今日の講義に関する質問とか感想とか ——

  • #NodaiStat 【質問】「最終兵器があるのに終わりはないのですね」/【回答】Bayesian MCMC が最終兵器であると言ったのは,ベイズの定理以来250年にも及ぶベイズ法の歴史の末に,MCMCがデータ解析の実践的ツールをはじめて提供してくれたという意味です. posted at 10:31:12
  • #NodaiStat 【回答】(承前)ベイズ法は統計曼荼羅を描くための砂の一粒にすぎません.確かに修業の道に終わりはないのです. posted at 10:32:52
  • #NodaiStat 【質問】「この半年間の統計学はどれも初めて聞くものばかりでしたが,本屋や図書館で手に取るのにアレルギーを起こさないくらいにはなったような」/【回答】これから自分で実験データを集めるようになれば,統計学とのつきあいがもっと深くなるでしょう. posted at 11:08:27
  • #NodaiStat 【質問】「データを得たときにまずは視覚化することが大切だとわかりました」/【回答】善哉善哉. posted at 11:10:48
  • #NodaiStat 【質問】「休みになったら系統樹思考の世界,分類思考の世界を読んでみたいと思います」/【回答】( ´ ▽ ` )ノ posted at 11:11:50
  • #NodaiStat 【質問】「先生の思う統計学の魅力とは何ですか?」/【回答】統計学は既知から未知へのアリアドネの糸です. posted at 11:13:44
  • #NodaiStat 【回答】(承前)記述統計学はデータの可視化による理解でおしまいです.一方,推測統計学はデータを既知の情報として母集団に関する未知パラメーターの推定や検定そしてモデル化が主目的になります. posted at 11:19:56
  • #NodaiStat 【回答】(承前)全数調査をしないかぎり,母集団に関する未知パラメーターに関する推定は,「真実への到達」を前提としない推論の連鎖を意味します.これはアブダクションという推論様式です.統計学はアブダクションのための数々のツールを提供してきました. posted at 11:22:11
  • #NodaiStat 【回答】(承前)したがって,統計学を用いれば真実がわかるというのはウソです.推論に推論を重ねること,すなわちアブダクションの連鎖が統計学というものです. posted at 11:23:42

—— みなさんどうもお疲れさまでした.一週間後の第二回レポート提出をお忘れなく.

◆都内の今日の最高気温は午後1時過ぎの34.2度.猛暑日だった昨日よりはマシだったが,湿度は今日の方が高かったので,不快指数はどうしようもなく高い.もう飲むしかない.帰宅したのは午後11時過ぎ.

◆本日の総歩数=14964歩. 朝○|昼△|夜×. 計測値(前回比)=91.9kg(−0.1kg) / 28.6%(−0.3%)


26 juli 2012(木)※焼けつく本郷にてお座敷の一日

◆午前5時前起床.晴れ.気温24.5度.蒸し蒸しする夜明け前.組合の次期役員選出委員を決めるという┣┣" がおぶさってきたのだが,選出委員の決め方の「ローカルルール」が見当たらないまま昨日からじたばたしている.今日と明日はワタクシは観音台に実在しないので,かなりムリな気がしてきた.ま,とりあえず,その┣┣" はこっちに置いといて,と.

◆本郷にて集中講義の一日 —— 午前8時過ぎ,つくば駅へ.これから本郷出撃.まる一日,弥生キャンパスにてお座敷を務めます.夏空.気温はすでに28.2度まで上昇.午前9時半に根津.あっつ〜.午前10時から講義開始.今日の題目は「エコロジカルセイフティー学特論 I」ということで,生物多様性の体系学的解析について.午前11時,真夏日に焼けつく本郷台地は,すでに33.4度まで気温が上がっている.正午まで体系学史の講義をしてから昼休みに入る.

◆都内は正午直前に35.1度の猛暑日ラインをあっさり突破した.東大農学部から〈大きなかぶ〉までは短い距離なのに,脳天から真夏の日差しに炙られてくらくらする.いつもの日替わり玄米定食をいただいて一休み.今日は料理の品数がいつも以上に豊富だった.今年の夏季休業期間は7月30日(月)から8月17日(金)までとのこと.ランチ後,また真夏の日差しに炙られつつ東大に逃げこむ.ミンミンゼミとニイニイゼミの合唱が響きわたる弥生キャンパスの隠れ部屋にてじっと潜み続ける昼休み.

◆午後1時半から講義再開.13:50に35.3度を記録.とにかく暑い.午後は系統推定の方法論から始まって,分子系統樹推定の基礎となる分子進化の統計モデルに関する話.そろそろ疲れてきた午後3時.東京は午後3時過ぎに35.4度まで上がったのか.さらに統計学におけるモデル選択と最尤法&ベイズ法まで話したところで午後5時を過ぎた.本日のお座敷はこれにてお開き.都内は途方もなく暑かったなあ.つくば直帰.

—— つくばもこの日は最高気温が33.9度だったようだ.どこにも逃げ場がない関東地方.

◆[欹耳袋]〈Check List: Journal of Species Lists and Distribution〉.「a bimonthly peer-review online journal, devoted to publishing lists of species and notes on the geographic distribution of any taxon」.さすがブラジル!

◆本日の総歩数=7732歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.0kg(−0.3kg) / 28.9%(+1.1%)


25 juli 2012(水)※漂着した巨大┣┣" に卒倒する

◆午前5時前起床.晴れ.気温22.3度.昨日の遠距離往復の疲れがまだ残っている.東奔西走して観音台に今朝来てみたら,きわめて重要なる┣┣" が「重要書類」と朱書されて,机の上に寝そべっていた.この重要┣┣" はあまりに重要すぎてめまいがする.しかし,まだ寝ているようなので,そっと脇に押しのけてそんなに重要ではない┣┣" から片付けることにする.BGMは John Coltrane 〈Ballads〉から.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 昨日は緊急の特別休暇を取ってしまったので,その埋め合わせをしないといけない.来週の講義┣┣" 一頭は自然消滅.残るは7月26日(木)の東大農学部「エコロジカル・セイフティー学特論 I」と7月27日(金)の農大講義(最終).これで夏学期の講義┣┣" はすべて征伐した.そして,来月になると成績評価という季節┣┣" がやってくる.

◆[欹耳袋]昨夜の大乱闘?のまとめ —— Togetter -「科学史家と科学哲学者って仲が悪いの?」 ※内井センセが最初にアブラまかはったー(こらこら).稲葉センセがすかさず火ぃつけはったー(おいおい).ほれ,「なかのひと」たち,ぼーっと見てんと,はよ水かけんかいっ(頼むで).Togetter のまとめって「ハズレ馬券」の束を拾い集めているようなもの.たまに運良く「アタリ馬券」が混じっていたらよしとしましょう.「万馬券」はつぶやいている本人の胸中にのみある.

◆午後1時,最高気温32.4度まで上がった観音台はかんかん照りで夏本番.焼けつく外に出るのはキケン.水をたくさん飲みなさいと医者に指導されたのだが,ビールをいっぱい飲むとか日本酒を死ぬほど飲むという代替措置で許してほしい.昼下がりの┣┣" 撃ちが錯綜していて呆然としている.

◆[欹耳袋]Joel Velasco 教授の生物学哲学講義シラバス:History and Philosophy of Science 129: Introduction to Philosophy of Biology, Fall, 2011.たった十週間で学生にこれだけ詰め込むのかぁ(うわぁ)./有賀 暢迪「カール・ピアソンについての邦語文献」(2012年7月23日).日本語以外の文献ならたくさんあるだろうけど,和文に限定してあるのでメモクリップ.

◆本日の総歩数=4721歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.3kg(−0.9kg) / 27.8%(−1.3%)


24 juli 2012(火)※緊急の京都ミッションへの出動

◆午前4時半起床.晴れ.夜明け前の朝焼けなう.気温21.2度で涼しい朝.北東風.ニイニイゼミの合唱がもう始まっている.

◆緊急京都ミッションへのスクランブル発進 —— 7:56発のTX快速に乗る.今日は朝から晴れて蒸し暑い.午前9時過ぎ,東京駅.都内は晴れ.気温26.0度.すでにかなり蒸し暑い.京都が思いやられる.お昼前,京都駅着.うわぁ,よう晴れて蒸し暑いなぁ.この時間帯に早くも気温が31.8度まで上がっている.では,奈良線ホームへ直行.ミッション開始.黄檗にてミッション遂行.正午前に32.7度まで気温がうなぎ登り.いや,うなぎが品薄なのでハモ登りか.

◆[欹耳袋]かつての「構造主義生物学」について —— 生物分類に絡む「構造主義生物学」については前世紀末に引導を渡したとワタクシは認識している.柴谷篤弘は「構造主義生物学」は当時としては世界的な潮流であると言い続けてきた.しかし,それはまちがいで,反ダーウィニズム(というか,反・総合学説)という一点で結集した多系統的科学者集団の日本分派が,特殊な工作をしかけただけだとワタクシは認識している.いずれにしても,科学的な反論に対する(日本の)構造主義生物学側の「不感症」は致命的で,心情的なシンパを越える支持を集めることができなかった理由はそこにある.

柴谷篤弘が主導しようとした構造主義生物学という「運動」については,日本の科学史家がインフォーマントが生きているうちにちゃんと総括しておく必要があるだろう.反総合学説での「大同団結」という点で,構造主義・大阪グループのこのイベントは科学史的に興味深い.吉岡書店から出ている議事録を引っ張りだしてみるかな.リマ・デ・ファリャはいまも国内ファンが多いみたいね.一方,同じ構造主義生物学とはいえ,Gary Webster と Brian Goodwin は「アナザー・ワールド」の住民という雰囲気が濃厚.

危惧するのは,日本におけるルイセンコ主義やミチューリン運動と同じく,日本の構造主義生物学の歴史がいつのまにかかき消されて(=「オカルト化」して),実像を知るインフォーマントがこの世からいなくなり,関連資料も散逸してしまうこと.なお,池田清彦のように,いまだに「構造主義生物学」を売り物にしている手合いは問題外の外なので,相手にする必要はないだろう.

—— 魑魅魍魎の百鬼夜行と跳梁跋扈という四文字語が次々に脳裏をよぎる.

◆黄檗でのミッションを終え,帰りの奈良線に乗って,洛中方面を見たら真っ黒な兇雲に覆われていた.案の定,駅についたと同時に大粒の雨がぼたぼた降り出し,ほどなく激しいスコールになった.最高気温は34.2度まで上がったが,このスコールで一挙に5度以上も急降下.さて,新幹線に乗ったあとは一休みいたしませう.

◆午後7時,つくばに帰り着く.夕暮れつくばはそれなりに暑かったが,真夏日にはなってなかったのね.さて,夕餉はどーしましょ? まずは,食前に〈紫野 和久傳〉の「西湖」をいただいて.冷たくひやした西湖はふるふる,つるん.こういう暑い日にはことのほか美味なり.蓮根のお菓子とは想像もできない.

実にタイミングよく,北白川から一升瓶が二本着便した:1) 奈良・油長酒造〈風の森〉の「秋津穂・純米大吟醸・しぼり華 BY23」| 2) 滋賀・冨田酒造〈七本鎗〉の「玉栄・純米吟醸・仕込二〇号・無濾過生原酒中取り BY23」.これでしばらく禁断症状にならずにすむ.とりあえず,前の〈風の森〉の「秋津穂・純米・笊籬採り」を空っぽにしてしまってから,〈七本鎗〉を開栓しましょ.〈七本鎗〉を一合ほど味見しただけだけど,これはボディがあっていい味わいですねぇ.北白川で「この〈七本鎗〉は飲むしかないですヨォ」と強く強く勧められただけのことはある.〈風の森〉を二合,プラス〈七本鎗〉を二合.ま,たいしたことないわな.

◆長い夜の始まりと終わり —— これですんなりとご就寝すればよかったものを,ついうっかり:

  • @ucciuccini 内井センセ,それ言うたらオシマイですやん(笑). posted at 09:06:33
  • [欹耳袋](科学史家と科学哲学者って仲が悪いんですか?) posted at 22:49:57
  • @shinichiroinaba 「STS」ってさらに得体がしれないからどうしようもないでしょ. posted at 22:52:57

などとつぶやいてしまったものだから,そのあともうたいへんなことになり,朝型のワタクシとしてはつらい夜更かしになってしまった.

◆本日の総歩数=7899歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.2kg(+0.2kg) / 29.1%(−0.3%)


23 juli 2012(月)※独法研究員の辞書に夏休みなし

◆午前5時前起床.曇り.気温19.9度.北東の風.涼しい.先週の水曜日以来,五日ぶりに観音台に出勤.晴れところどころ曇り.空の青さはまだ「夏」ではないが,日中は昨日よりも暑くなるとの予報.通学時間帯の道が静かなのはもう夏休みに入ったから?(まだだっけ?) 朝イチのBGMはこの上なく健康的なニールセン交響曲5番.イェーテボリ交響楽団のティンパニストはニールセン5番をパート譜通りにちゃんと叩いてね.アドリヴ演奏が許されているのはスネアドラムだけだよ.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 堆積していた小┣┣" どもを一掃処分だん.次,ニールセン3番〈Sinfonia Espansiva〉,いきますっ.┣┣" あり遠方より来る,また苦しからずや.BGMニールセン〈不滅〉終わったー.午前中はこれで真っ白に燃え尽きましたという感じ.

◆ニールセン交響曲6番〈Sinfonia Semplice〉を聴くたびに,肩肘張らずに生きていける気がする.多重リズムと多重旋律でぐっちゃぐちゃになっても各パートがその存在を主張し続ける.とてもいい曲.

◆夏が戻ってきたとはいえ,正午になっても真夏日ラインを越えていない.窓越しに空を見やるとなんだか曇ってきたみたいだし.

◆[蒐書日誌]週末の新幹線往復車中では,坂口謹一郎のエッセイ集『古酒新酒』(1974年11月20日刊行,講談社,東京,302 pp. → 目次情報) の第一部「世界の酒」と第二部「日本の酒」を読了した.中国・ソヴィエト・スペイン・イギリスと世界中飲み歩き.味わい深い酒の本.日本酒だけでなく,焼酎や泡盛まで含む「もやしもんエッセイ」の数々.「いずこへ行くかわれらの酒」(pp. 163 ff.)は日本酒の来し方行く末を論じ,「焼酎 —— 日本の酒の盲点」(pp. 179 ff.)では焼酎のもつ魅力を説き,さらに「君知るや名酒泡盛」(pp. 199 ff.)では,泡盛の黒麹を求めて南西諸島の蔵元を探しまわった日々が綴られる.

◆[欹耳袋]Taxonomy as destiny again —— 「経済学は「理系」です.数学と統計学の素養がないと話になりません」って誰か声を大にして言ってあげなよ.高校や予備校で生徒を進路指導するときにはこういう“不都合な真実”をちゃんと伝えないと.経済学が「文系」だという誤解が続くかぎり犠牲者は後を絶たない.要するに「文系/理系」という分け方それ自体が不幸の根源であって,それは「系統」の過誤ではなく「分類」の失敗といえる.つぎめなく広がっている分野を人為的に「文系/理系」にむりやり分けたとしても誰もシアワセになれないから.

◆本日の総歩数=2734歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.0kg(+1.0kg) / 29.4%(0.0%)


22 juli 2012(日)※真夏日のミッション終了で祝杯

◆午前5時半起床.朝からクマゼミがわしわし鳴いている.朝の最低気温は22.7度とやや高め.見あげればもちろん夏空.千個のゴミも一個から.貯めていいのはおカネだけ.京都ミッションは蒸し暑さの中でなお続くのだった.

◆真夏日の洛南ミッションは室内労働が続いている.約半世紀にわたって堆積された「家族史」の遺物はその大半がゴミなのだが,たまに目ぼしい「化石」が出土することがあり,そのつど作業が一時停止してしまう.

  • 出土した資料(1)- 昭和40年度宇治市立宇治小学校二年一組・児童名:三中信宏「通知票」.所見欄いわく「学習中ひとつのことに熱中できず,注意が他に散りやすいのが惜しいと思います.行儀がよくありません.落ち着いて勉強するように心がけてください」.※ワタクシってひょっとして「学習障害児」あるいはADHDだったの?>村山辰雄センセ.

  • 出土した資料(2)- 昭和42年度宇治市立木幡小学校四年一組・児童名:三中信宏「通知票」.所見欄いわく「自分の枠から出ようとしない.つまり奉仕的意欲の見えないのは残念である.ノートのまとめ方はまだまだである.作業意欲を持たせたい」.※ワタクシの「天動説」は筋金入りだったのね>南千恵子センセ.

過去の自分の通知票の所見欄を見直すと,「人間って教育されてもそうそう簡単に変わらない」ことがよくわかる.小学校からもう半世紀近くが経っているが,ワタクシの基本綱領はぜんぜん変わっていないようだ.それがいいことなのか悪いことなのかよくわからないが.他人の話がちゃんと聞けないとか,言われたことがメモできないとか,注意力散漫であさってを見ているなどなど,ワタクシの所見欄に書かれていたことは教育によってどうこうなるものではなかった気がする.そういえば,出土した小学二年のときの通知票には「算数の繰り上がり・繰り下がりの計算ができていません」と書かれていた.この学期の算数の評定は五段階の「3」.ほかの主要教科もそれくらい.ワタクシ,何をしていたんだろう.

登校拒否っていた府立高校のときは十段階で「1」という評定を食らった科目もあったので,そのときよりはマシだとは思うけど.吹奏楽部の活動が忙しかった高1から高2のころは出席率はよかったが,高3がマジやばかった.「高校,行かなくていいんじゃね?」と思い立ってしまって.「マイペース」といえば聞こえはいいが,実際はかなり曲者だったにちがいない.よく言えば「マイペース」,わるく言えば「天動説」,けなして言えば「利己主義」,悪しざまに言えば「社会不適応」etc.../いずれにしても,「それが何か問題なの?」と言い返せれば勝ち.

—— 昔の通知票が掘り出されるとスネが傷だらけだったことが一目瞭然.

◆気温31度台の真夏日の昼下がり.炭山の向こうに巨大な入道雲が立ち上がっている.そろそろ本日のミッション遂行の撤収準備に入ろうかな.午後4時過ぎ,京都駅.二度目の黄檗ミッションを終えて,いま京都駅に到着.祇園祭のクライマックスが過ぎたせいか,意外に空いている.SUVACO の〈Portal Cafe〉にて,絵に描いたような夕暮れ背徳ハートランドビールをぐび.西日が照りつけるテラス席はさぞかし拷問だろうなあ.さて,もう一本ハートランドビールを追加注文するか否かと迷った結果が,BLTサンドイッチになるフシギ.

◆気温十度差の天国と地獄 —— 午後5時半の新幹線に乗る.久御山町あたりに大きな雷雲があって北上している感じ.新幹線に乗ってしまえば実害はないも同然.午後8時前,秋葉原.都内はいまの時間21.8度か.うそみたいに涼しいねぇ.午後9時過ぎ,つくば帰還.霧雨がぱらつく気温19.7度.京都とは別世界の涼しさ.つくばの今日の最高気温は21.4度だったそうな.10度もちがえば彼我の差は大きすぎる.

◆本日の総歩数=5881歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=未計測 / 未計測


21 juli 2012(土)※京都ミッションは暑さとの戦い

◆午前5時起床.曇り.いまの気温16.8度って秋ですか! 北東風が涼しすぎる.午前8時を過ぎても気温はまだ17度台.北東風が吹きつけて寒いなあ.ぜんぜん夏らしくない.10時になっても気温もまだ21.0度どまり.涼しいなぁ〜.エアコンとは無縁の週末.空がだんだん明るくなってきた.近場のニイニイゼミの合唱に混じって遠くのバンダからミンミンゼミの独唱が聞こえてきた.

◆[欹耳袋]食の大学,それは東大 —— 東大本郷キャンパスの「中」は飲んだり食べたりする場所に事欠かない.本郷の旧学士会館分館跡地にできた伊藤国際学出研究センターに〈椿山荘カメリア〉が入っていたことを今になって知った.今年の専攻忘年会の会場になる予定.

◆山鉾巡行を回避しての京都ミッション —— お昼前につくばを出発.TXの守谷あたりで曇り空から雨がぽつぽつ降りだした.都内の空模様は明るくなったり降ったりとめまぐるしく変化しているようだ.しかし,京都方面は雨ですかー.午後1時,東京駅.曇りときどき小雨.しかし,新幹線に飛び乗ったので空を見上げているヒマはなかったりする.ううむ,洛南はけっこうな時間雨量やなあ.京都ミッションの遂行に支障ありやいなや.三河安城駅通過.東海地方は曇り空.

◆[欹耳袋]独法研究所は学生にとっての「勉学の場」では(いまのところ)ないのがそもそもの元凶だろう.独法研究所は,「教育の場」として,これからの研究者を育てることがもうできないから,すでに育ってしまった研究者しか採用しないんだろう.学部生や大学院生を「育てる」つもりがあるのなら,独法研究所はかなり深刻な自己矛盾に直面する覚悟がいる.学生にヤル気が湧いたとしても,組織すなわち「場」が教育に対応できていない.大学みたいに「ヘンなセンセ」や「ようわからんもん」や「こんな本だれが読むねん」みたいなムダをひっくるめて全部が Bildung に必要なはず(研究者なら誰しも覚えがあるでしょ).独法研究所がプロジェクト研究志向になったせいで,そういうものをそぎ落としてきた「場」には教育力はないだろう.

◆午後3時過ぎ,京都駅着.曇り.雨は止んでいるようだ.気温25.4度.つくばや東京に比べればやや蒸し暑いが,じわじわと絞め殺されるような蒸し暑さではない.洛南ミッションのため奈良線に乗り換える.JR奈良線はゆっくり生きている;TXは生き急いでいる.黄檗にて第一のミッション,その後,六地蔵に移動して第二のミッション.作戦遂行中にだんだん蒸し暑くなってきた.今日は不安定な空模様で,ときおりスコールが降ったりしたようだった.しかし,濡れることなく,また京女にじわじわ絞め殺されるような蒸し暑さとも無縁だったのは幸い.

◆北白川トライアングル —— 洛南でひとつふたつミッションをすませたのち,北白川へ.珈琲豆と日本酒をゲットしてから,御蔭通を下る.今夜は夕食はメンチカツ定食.揚げたてのビーフメンチカツを目の前でさくさくカットしてくれる.真っ白なお皿に,湯気が立ち上るメンチカツ.中心部分はややレアでふっくらジューシー,しかもさっくりとした歯ごたえ.ソースも光り輝いている.至福やなあ.吉田神社のほの暗い参道からヒグラシのくぐもった合唱が響いてきた.

◆本日の総歩数=9234歩. 朝○|昼−|夜×. 計測値(前回比)=92.0kg(0.0kg) / 29.4%(−0.2%)


20 juli 2012(金)※季節が二ヶ月巻き戻った涼しさ

◆午前4時半すぎ起床.曇り.気温18.2度.冷たい北東風がひゅーひゅー吹いている.午前8時前,つくば駅.昨日の朝とは打って変わって涼しい.今朝の最低気温は18.1度.いまは20度少し手前.では,これから連日の経堂出撃.ぐわわな蒸し暑さのなかでは思考能力が溶けてなくなるが,今朝のように涼しいと快適に決断を下すことができる.暑いと仕事ができない.そういえば,今朝の竹園界隈ではセミの合唱がぜんぜん聞こえなかった.

◆[欹耳袋]提出期限を半月も過ぎたレポートを無条件で受領することはありえなません.あえて提出した行為それ自身がマイナス評価につながります./受講生が極端に少ない講座を開講することの積極的意義を見出すことはかなりムリがあります.やめましょう.

◆地獄から天国へ,連日の経堂出撃 —— 秋葉原で乗り換えて新宿駅へ.熱風が渦巻いていた昨日とは一変し,都内も涼しいことこの上なし.午前9時の気温は21.7度.昨日に引き続き農大キャンパスに実在する午前10時すぎ.曇り.気温はまだ夏日に達していないが,やや蒸し暑いような体感.「エコ」な農大はもちろん空調オフ.どこもかしこも全開放.10:40からいつもの講義.内容は昨日の続き.

  • #NodaiStat 昨日と今日の農大高座で受けた質問への回答をまとめて. posted at 17:26:00
  • #NodaiStat 【質問】「分類する→分類されるの秩序の所在によって,系統樹思考と分類思考の立場ができるのが面白かった」/【回答】分類する者と分類される物との相互関係のスペクトルのどこに立つかによって,分類パターンに関するもののみかたが変わるということです. posted at 17:28:32
  • #NodaiStat 【質問】棒の手紙を止めて殺された人が私と同じ名前だったのでドキッとしました.涼しくなりました./【回答】「棒の手紙」に関しては「と学会」の山本弘会長のページ「これが「棒の手紙」だ!」 http://ow.ly/cnbjl をごらんください. posted at 17:31:10
  • #NodaiStat 【質問】オジギビトに関して http://ow.ly/i/MFQR posted at 17:32:41

  • #NodaiStat 【質問】オジギビトに関して(続) http://ow.ly/i/MFRc posted at 17:33:13

  • #NodaiStat 【質問】オジギビトに関して /【回答】みごとなオジギビトのイラストです.ぜひ〈オジギビト集会所〉 http://ow.ly/cnbx4 もご参考に! posted at 17:35:30
  • #NodaiStat 【質問】「最節約法で最も説明しやすいものを妥当だとしていましたが,塩基配列であればなんとなく納得できますが,形質で見ると分岐した後から同じような形になることもあると思うのですが(収斂,水平伝搬),このときはどうするのですか?」 posted at 17:39:00
  • #NodaiStat 【回答】同一の形質状態が系統分岐とは関係なく個別に生じることは,形態形質でも分子形質でもありえます.系統推定上はノイズのような扱いを受けますが,その原因が交雑や水平伝搬であれば,ツリーではなくネットワークを用いるのが妥当な解決策です. posted at 17:42:00
  • #NodaiStat 【質問】「大学三年生の夏休みは何をしていましたか? 私は遊び倒そうと思います!」/【回答】ワタクシの場合は体育会系オーケストラの演奏旅行や夏合宿に追いまくられて,実家に帰省する時間もあまりなかったよーな. posted at 17:45:29
  • #NodaiStat 【質問】「先生は生きていく上で〈これだけはゆずれない〉というものがありますか? 先生を先生たらしめるものは何なのでしょうか?」/【回答】「死んで花実が咲くものか」という言葉があります.何があっても生き続けることがワタクシにとっての生活信条ですね. posted at 17:48:58
  • #NodaiStat 【回答】(承前)生き延びることは苦労が多いです.しかし,将来どうなるかとか,どうしようかということで悩んでいてもしかたがないでしょう.その場その時を断片的に生き抜くことが大切だろうと思います.その時空的瞬間が持続していけば総体としての「自分」がある. posted at 17:51:56
  • #NodaiStat 【回答】(承前)ひとりひとりの人間には「本質」はありません.「これだけはゆずれない」という本質的なものを心の拠り所にすることは間違いではありませんが,実際にはそんなものはどこにもないし,拘る必要すらないでしょう. posted at 17:54:21
  • #NodaiStat 【回答】(承前)その瞬間を刻み付けるように生き延びること.その微分を過去から現在までさらに未来まで足しあわせれば,時空ワームとしての「自分」ができているはずです.自分が死ぬときに来た道を振り返ればそこにかけがえのない自分がいるはずです. posted at 17:57:04
  • #NodaiStat 【回答】(承前)だから,自分がただ生き続けることが大事.それ以外のことはどうでもいい.世界は自分の周りをまわっている. posted at 17:59:19

◆定時の講座を終えて,経堂へ戻る.昼過ぎから小雨がポツポツ降り始めた.気温は高くないのだが、湿度が高くて農大から歩いてくると蒸し暑い.〈はるばるてい〉にて,まずは白昼のハートランドビールをぐびっ.この店は表看板はラーメン屋だが,昼間っからビールや日本酒を飲んでいる客が多い.白昼の背徳だけど,一仕事終えたから許してね〜.もちろん,ビールだけですむはずがなく,いつもの香麺を注文.具である鶏肉チャーシューを拾ってはビールを飲み続けるという背徳な昼下がり.農大の学生には見せられないよねぇ,と言いつつツイートしているのでしっかりバレている.

◆今日もさくっとつくば直帰.午後4時過ぎのつくばセンターは曇り空.気温20.0度,東風が肌寒く,とても夏とは思えない.夕刻近く,まずは風呂ってからビールといきたいところだが,真昼間にもう飲んでしまったので,ここはぐっとガマンしよう.〈風の森〉の「秋津穂・純米・笊籬採り」を飲み干してしまうか,それとも〈鶴齢〉の「純米吟醸・にごり酒」を開栓するかの二択が悩ましい.夜の背徳の巻.今夜の夕餉はハンバーグにした.必然的に後者の選択肢が選ばれ〈鶴齢〉を開栓.正しい組み合わせになった.肉料理にはやっぱり活性にごり酒.〈スパークリング山本〉よりもボディがあって相性がよかった.

夜,巨大な┣┣" 氷山がつくばに向かって漂流し始めたとの緊急通報が届いた.週明けにも観音台にカタマリのまま漂着するらしい(こわ).

◆今宵もまた季節はずれの冷え込みになりそう.熱帯夜が恋しいとはちっとも思わないが,かといって,窓を締めきって布団にくるまるというのも違和感ありまくり.

◆本日の総歩数=11521歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=92.0kg(+0.2kg) / 29.6%(+0.9%)


19 juli 2012(木)※初猛暑日の都内を泳いで経堂へ

◆午前4時半過ぎ起床.ちょうど夜明けの太陽が顔を出し始めたところ.気温22.5度.やや涼しい明け方.朝からよく晴れて,午前7時には夏日ラインをあっさり越え,観音台はいま26.2度.今日は,必要なブツを取りに来ただけなので,用がすめばさっさと撤収して経堂に向かう.朝イチのBGMはワーグナー〈ワルキューレ〉の四枚目のCD.やっと「ワルキューレの騎行」にたどり着いた.

◆[欹耳袋]クニマス問題の続き —— 渡辺勝敏「「クニマス:生物学的実態解明とその保全を考える」の成果の私的まとめ」(2012年7月15日).「西湖の集団がもし田沢湖に由来したものでなければ,分類学でどうあれ,それが保全に値すると考えるはずがない,という意見」報道された情報だけでいろいろ考えるとバイアスがかかる危険性があるということ.ご教示ありがとうございました>北白川方面./R. Dawkins & J.R. Krebs 1979 の軍拡競争論文を見ている.いわゆる「The life-dinner principle」はこの論文が初出なのかな.捕食者」からのきびしい淘汰圧にさらされている「被食者」は,かぎりない軍拡競争を通じて生き延びていけばいいけど,あまりにきびしすぎていったん絶滅してしまったらそれでもうおしまいということ./日本進化学会大会の参加登録を完了.明日7月20日が締切なのでお忘れないように.

  • #NodaiStat 今日の三限は補講[442教室],明日はいつもの講義があります.二日連続なので,生物分類と系統推定の話題を中心にして,統計学的方法が研究現場でどのように使われているのかをまとめて話す予定です. posted at 06:11:03
  • #NodaiStat 第二回レポート課題は明日配布します. posted at 06:11:56

◆猛暑日の都内でお勤め —— 出撃の準備は終わったのですぐに撤収してもいいのだが,朝の出勤時間帯は榎戸交差点あたりが混雑しているので,しばし珈琲充.午前10時前につくば駅へ.気温は29.5度と真夏日寸前.竹園ではミンミンゼミの合唱がペデに響きわたっている.午前11時,新宿駅到着.小田急の各停には乗ってみたものの.駅でドアが開くたびに熱風が容赦なく吹き込んでくる.都内の気温は34.2度.経堂からの炎天下徒歩とぼとぼがとってもキケン.

正午前,農大キャンパスへ.真夏の雲がところどころ湧き上がる真っ青な空.ハートフル農大通りをてくてく歩くのもまた修行のひとつか.もうすぐ正午.一休みしてから講義室へ.都内の正午の気温は34.7度.こりゃ午後は猛暑日になるかもねー.涼しい講義室にて昼休みのごそごそ..農大の新講義棟ができてからというもの,講師控室よりも教室の方がはるかに居住性がすぐれている.居心地いいなあ.昼休みの教室で,お弁当や冷やし中華やサンドイッチの店開きを教壇から見るのは実に羨ましいかぎり.正午過ぎ,都内の気温は35.1度に達し,初「猛暑日」となった.午後1時から補講.

講義後,焼けつく猛暑日の都内を逃れ,午後5時過ぎ,涼しい真夏日のつくばに直帰する.風が涼しくて別天地みたい〜.許しまくる.曇って気温がぐんぐん下がっている.いま21.4度.霞ヶ浦に巨大雷雲がそびえ立っているのか.吹き抜ける北東風が冷たすぎて…….この天候急変はいったい何? 午後8時,気温が20度ラインを下回った.今夜はどこまで下がるのだろーか.

◆本日の総歩数=11388歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=91.8kg(−0.5kg) / 28.7%(0.0%)


18 juli 2012(水)※焼けつく本郷台地に熱風が吹く

◆午前4時過ぎ起床.夜明け前の朝焼けがほんのり東の空に広がっている.寝苦しい熱帯夜から解放されて,いまの気温は23.7度.しかも冷涼な東風が吹いて心地よし.梅雨明けして遠慮のない夏の日差しが降り注ぐ観音台は午前7時に早くも夏日ラインを突破.今日もカンカン照りになるのだろう.朝だけちょっと顔出しして,昼前には本郷に出撃する予定.今日から三日連続で東京へ.室温30度の居室でじっと耐えていた.いま全館空調オン.でも,まだ熱気がこもったまま.BGMはひさしぶりにレヴァイン/メトのワーグナー〈ワルキューレ〉.朝から大王ヴォータンやら空飛ぶ魔女やら.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 農大レポート課題(2回目)作成完了(金曜配布).その他,微小┣┣" 数頭を撃ったので,そろそろ撤収タイムだ.外の気温は28.5度と,まだ真夏日に達していない.真夏日ラインを越えないうちに本郷に到達しよう.そうしたい.

◆[蒐書日誌]松田法子著|古城俊秀監修『絵はがきの別府:古城俊秀コレクションより』(2012年5月刊行,左右社,東京,本体価格3,500円,ISBN:978-4-903500-75-1→ 版元ページ).買うしかないっしょ!

◆午後の┣┣" 撃ち —— お昼すぎに根津到着.頭上から夏日に焼かれる昼下がり.弥生坂を登るだけで難行苦行.午後1時からたっぷり二時間の専攻教員会議.午後3時過ぎに解放される.今日の都内は午後32.1度まで気温が上がった.うだるような暑さ.さっさとつくば直帰したい.帰りがけに根津駅前の不忍通り沿いにある〈秋田屋〉に飛び込んで「クリーム宇治金時」を注文.見た目は真っ白でも,アイスクリームやあんこの「背徳」はふわふわかき氷の底に隠れている.あっさり梅雨明けしてしまった関東地方は容赦なく真夏の日差しが降り注ぐ.夜は熱帯夜,昼は真夏日では食欲も減退しようというもの.夕ごはんはどうしよーかな.

◆本日の総歩数=8083歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=92.3kg(+0.4kg) / 28.7%(−0.5%)


17 juli 2012(火)※梅雨明け直後の酷暑はムリかも

◆午前4時半過ぎに起床.気温23.6度と熱帯夜は回避したものの,すでにぎらぎら朝日.今日も真夏日は必至か.とりあえず鮭を焼くべし.夏空が広がる観音台は午前8時の気温が早くも29.9度.連休中ずっと締め切っていた居室は30度を越えている.しかし,全館空調が入るまでのあと半時間はじっと耐え忍ぶしかない.柔軟なフレックスタイム制もハードな真夏日には勝てやしない.蒸し暑い居室の朝のBGMはマーラー9番から.ジンマン/トーンハレ.この気だるさと暗い炸裂が心地よい.給料明細を見るたびに振込額がどんどん減っている(ぼそ).

◆[欹耳袋]クニマスをめぐる「種問題」の表面化 —— さきがけonTheWeb「クニマス断定に専門家から慎重論 山梨県で魚類学会公開講座」(2012年7月14日).種問題のなかでも「個体群Aと個体群Bが同一【種】であるかどうか」をめぐる論議はいつまでたっても決着がつかないはず(心理的本質主義が湧き出す).分類学者の sortal 認識がどのようであるかを問う試金石のひとつなんだけど,そこまで議論が深まる前に“ジハード”が始まってしまうだろう.興味深いが結末は見えている.クニマスを田沢湖に移入することの良し悪しは,そのアクションにともなうリスクを比較すればすむこと.「中坊教授が「自然科学のデータでパーフェクトはない」と語気を強める」と記事中には書かれているが,データの問題ではなく,分類認知の問題.

◆関東地方は梅雨明け —— 心置きなく猛暑日ですかー.午前10時の外気温は31.5度.居室は朝から空調が入っているにもかかわらず30度前後を推移している.最上階で天井からの照り返しもあって,真夏はたいていこんな感じ.午前中はまだいいとして,午後,西日が差し込む時間帯は居住不能.早々に撤収するにかぎる.正午前の気温は33.6度.掛け値なしの真夏日.梅雨明けの昼休みBGMはもちろんマーラー〈巨人〉しかありえない.

◆[蒐書日誌]中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(2012年5月25日刊行,勁草書房, 東京, x+213+xi pp., 本体価格3,200円[税込価格3,360円], ISBN:978-4-326-10216-7 → 目次版元ページコンパニオン・サイト響音録).朝日新聞書評は本日オンライン公開された.

—— その勢いで:「『文化系統学への招待』をめぐる川端裕人-三中信宏ダイアログ」をトゥギャりました.

◆午後になって西日の殺人光線が居室に照射ちう.つくばの最高気温は34.0度まで上がった.室温もじわりじわりと上昇し,そろそろ撤収の予鈴が鳴り始めた.今日最後のBGMはマーラー3番.反響重視でサロネン/ロス.マーラー3番が終わったら撤収だ.北西方向にそびえ立つ積乱雲の下で一瞬だけ稲光が見えたのだが,あっちでは雷雨が降っているのだろうな.気温29.5度.ムクドリ軍団だけでなく熱気も渦巻く竹園あたり.

◆本日の総歩数=4480歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=91.9kg(−0.5kg) / 29.2%(+0.5%)


16 juli 2012(月)※真夏日ガマン大会は今日も続く

◆午前5時過ぎ起床.和紙のような薄い雲が空一面にたなびき,その向こう側を昇る朝日がまぶしい.気温は25.6度の熱帯夜.南風.予報では日中は昨日以上に気温が上がり,関東地方の内陸部では猛暑日になる地点もあるらしい.うろうろしていると熱中症になるかも.とはいえ,ワタクシの今日の予定はノバホールにてオーケストラの練習が午前9時から夕方まで続くので,外を徘徊する余裕はまるでない.

◆[欹耳袋]標本平均を棒グラフによって図示するとデータ認知が体系的に歪むこと —— George E. Newman and Brian J. Scholl 2012. Bar graphs depicting averages are perceptually misinterpreted: The within-the-bar bias. Psychonomic Bulletin & Review, 19(4): 601-607, DOI: 10.3758/s13423-012-0247-5.この報告によると,標本平均に関する棒グラフを描くことおよびその描き方によって,特定のデータ点に関する統計認知の結果がシステマティックに歪むという結論が示されている.

この歪み,すなわち,平均値から等距離だけ離れている点であっても,その点が棒グラフの「外」にある場合の方が「内」にあるよりも母集団の分布に属していないと認知されやすい傾向を著者は「the within-the-bar bias」と呼ぶ.前者の方が後者よりも“第一種過誤”が高くなるということ.棒グラフを下から描くか上から描くかによって,同一のデータ点の解釈傾向が逆転することも報告されている.著者らはこの認知バイアスを除去するためには,標本平均は「棒グラフ」ではなく「点」によって表示するか,あるいは統計量としての「標本分布」そのものを図示するしかないだろうと言う.

この「the within-the-bar bias」は,統計学におけるデータ視覚化に潜む認知バイアスの問題のひとつとしてたいへん興味深い.たとえば,John W. Tukey の「箱ひげ図」における“外れ値”の描画方法(「箱」と「ひげ」の外側に外れ値の「点」を打つ)は,本研究で言う認知的歪みを内包しつつも,ヒトにとっては自然な表記なのかもしれない.統計グラフィクスは,データ可視化という分野の中にあっては古い歴史をもつが(Edward R. Tufte の一連の本を見るべし),個々のグラフの描画スタイルがわれわれ人間の認知にどのように関わっているのかは興味深い.

—— なお,著者サイトから本論文の abstract | proof | supplementary materials が公開されている.

◆連休最終日はアルプスに登攀する —— 午前9時半,ノバホールに向かう.今日はまる一日小ホールにてオーケストラ練習漬けだ.まず午前中はバッハの〈ブレリュードとフーガ〉から.それにしてもシェーンベルク編曲のバッハはきつい&つらい.正午過ぎに昼休み.いったん帰宅.午後1時の気温は31.5度.カンカン照りなので外を歩いている人があんまり見当たらない.午後2時前に練習再開.今度は〈アルプス交響曲〉.登り坂が難物でなかなか氷河にたどり着けない.アルプス交響曲の弦楽器と木管楽器は実は要所要所で阿鼻叫喚の修羅場が無間地獄のように続くことを知った.しかし,金管と打楽器のせいで何も聞こえない.リヒアルト・シュトラウスはうさぎ跳びのような試練を奏者に与える.とあるプロの音楽家から聞いた話では「リヒアルトは変態や(ちーん)」ということらしい.さもありなん午後4時半,よろめきながらも滑落しつつも登攀完了.本日の最高気温は31.7度まで上がって,三連続の真夏日となった.帰りしなたがみ酒店にて燃料を仕入れてから帰宅.

◆明日からは平常営業.しかも,水木金は三連続で都内出撃予定が入っている.梅雨はどこぞへ消え去り,真夏の暑さが続きそうだ.

◆本日の総歩数=4261歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.4kg(−0.3kg) / 28.7%(+0.2%)


15 juli 2012(日)※三連休中は生き急いではならぬ

◆午前5時前起床.曇りところどころ晴れ.気温26.0度の熱帯夜.湿度は十分に高いが,吹きわたる南風はそれほど不快ではない(今のところ).熱帯夜が明けて昇る朝日が東から差し込む.まがりなりにも下がり始めた気温がまた上向きに.早朝からガマン大会のようなもの(いずれ負けることはわかっている).

◆[蒐書日誌]よみがえる由良君美 —— 由良君美『椿説泰西浪曼派文学談義』(2012年7月刊行,平凡社[平凡社ライブラリー・767],東京,本体価格1,700円,ISBN:978-4-582-76767-4 → 版元ページ) .先日読了した:由良君美『みみずく偏書記』(2012年5月10日刊行,筑摩書房[ちくま文庫・ゆ-4-1],東京,361 pp., 本体価格1,100円, ISBN:978-4-480-42945-2 → 版元ページ)に引き続き,主著が平凡社ライブラリーから復刊.さらに,文遊社からの次の二冊も重版されたそうだ:由良君美『メタフィクションと脱構築』(1995年4月刊行,文遊社,東京,本体価格3,398円,ISBN:978-4-89257-016-2 → 版元ページ)|由良君美『セルロイド・ロマンティシズム』(1995年2月刊行,文遊社,東京,本体価格2,524円,ISBN:978-4-89257-015-5 → 版元ページ

◆午前中から夏の青空が広がって気温はぐんぐん上昇している.午前9時前には早くも29.7度と真夏日寸前.西日本は水浸しだというのに関東は梅雨明けしてしまったような空模様.

◆[蒐書日誌]祝!朝日新聞書評掲載 —— 今朝の「朝日新聞」(2012年7月15日付)の書評欄に川端裕人さんの書評が載った:朝日新聞2012年7月15日朝刊|評・川端裕人(作家)「文化系統学への招待 中尾央・三中信宏〈編著〉」(会員限定).書評掲載予告時から誰がレビューアーなのか気になっていた.張り巡らされた伏線の読みも含めて,とても好意的に評価していただきありがたやありがたや.この朝日新聞書評は,いまのところ無料購読手続きが必要な朝日新聞デジタルの記事としてのみ公開されている(→ 全文).来週くらいにはブック・アサヒ・コムからオンライン公開されるだろう.

—— 本論文集の書評や感想は:中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(2012年5月25日刊行,勁草書房, 東京, x+213+xi pp., 本体価格3,200円[税込価格3,360円], ISBN:978-4-326-10216-7 → 目次版元ページコンパニオン・サイト)の「響音録」で随時拾い集めている.

寄稿者の一人・山田奨治さんの関連記事「朝日新聞書評掲載・百鬼夜行絵巻の論文」(2012年7月15日)には元論文へのリンクが張られている:山田奨治 2009.「百鬼夜行絵巻」編集の系譜——情報学からの解明.日本研究, 40: 103-128 → pdf./Science and Communication「【本】中尾央・三中信宏「文化系統学への招待 文化の進化パターンを探る」」(2012年7月15日)※ありがたやありがたや.

◆〈ナチュカフェ〉にて夏のスペシャルランチ —— 三連休の中日はちょいと背徳なランチ.ひさしぶりに,つくばの吉瀬にある〈ナチュカフェ〉にて「夏のスペシャルランチ」をいただきました.午前のうちに早くも真夏日ラインを越える厳しい暑さの中,吉瀬の田園地帯も夏の日差しに焼けていた.まずは自家製の梅シロップ炭酸割りをいただいて一息つく.大きな梅干しが沈んでいる.ミントの葉がトッピング.前菜は,地元・茨城産の豚ロースハム(自家製).やっぱり茨城は「豚の国」.脂がほんのり甘くて,ルバーブのコンポートの酸味とともに食欲が増進する.

トマト風味の冷たいガスパチョに続いて,本日のメインであるソーセージと季節野菜の皿が運ばれてきた.最近の〈つくいち〉でも出されている豚肉のソーセージの他に,燻製した「ソシス・フュメ」,真っ白でふわふわの「フランクフルト」,豆乳で作ったソフトな「ブーダンブラン」,そしてスパイシーな「メルゲーズ」の計ご種類が山盛り.ビールがほしいところだが,ぐっとこらえるしかない.最後のデザートは桃のシャーベットと巨峰のタルト,そしてメロンのスープ仕立て.珈琲を片手に.ごちそうさまでした.

◆午後の最高気温は32.3度まで上がった.雲間からの日差しが強すぎてとても外を徘徊していられない.夕方になっても夜になっても熱い空気は消え去らず.今夜もまた熱帯夜になりそう.

◆本日の総歩数=1952歩. 朝○|昼△|夜△. 計測値(前回比)=92.7kg(−0.2kg) / 28.5%(−0.7%)


14 juli 2012(土)※三連休は君子危うきに近寄らず

◆午前3時過ぎに激しい雨音でいったん目覚め,窓を閉めたりしてから二度寝.気がついたらこんな時間に(わわ).外は曇り空.気温25.2度.南風が蒸し暑い.

◆[欹耳袋]筑波西武で7月17日まで開催されている〈夏の古本市〉.ちょいと覗いてみたら,フロアいっぱいにいくつかの古書店が店開きしていた.予想よりも大規模.ひと回りするだけでも楽しい.古書の品揃えはやや重複があって,めぼしいところでは音楽・美術・映画方面,戦記ものをふくむ歴史書が主体.ただし,図録や図鑑類の出品がかなり多かったので,行く価値はある.

◆[蒐書日誌]この古書市で,ワタクシは,坂口謹一郎のエッセイ集『古酒新酒』(1974年11月20日刊行,講談社,東京,302 pp.)をたった420円で買ってしまった.装幀者は,この著者の多くの本を手がけた田村義也:田村義也『のの字ものがたり』(1996年3月25日刊行, 朝日新聞社, ISBN:4-02-256785-6 → 書評)|坂口謹一郎『日本の酒』(2007年8月17日刊行, 岩波書店[岩波文庫 青 33-945-1], ISBN:978-4-00-339451-9 → 書評).

◆午後1時の気温は31.9度.炎天下の真昼間につくば市内を買い物に走り回る.頭上からじりじりと日が照りつけるこの暑さは真夏の到来だ.

◆この連休は京都ミッションを予定していたのだが,宵々々山・宵々山・宵山の殺人的混雑を思い浮かべただけで,この案は「即リジェクト」となった.好き好んで観光客のアタマを見に行く必要はない.駅も街中も混雑の極みだろう.君子 じゃないけど 危うきに近寄らず.山鉾巡行が終わってからにしよう.

◆本日の総歩数=2181歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(0.0kg) / 29.1%(+1.1%)


13 juli 2012(金)※蒸し暑さのなか経堂のお座敷へ

◆午前4時半起床.曇り.前夜の雨の名残りで地上はまだ濡れている.気温24.8度.熱帯夜すれすれの湿っぽい明け方.いつも通り朝の出撃.秋葉原経由で新宿へ.都内は朝から晴れて蒸し暑い.

◆真夏日の農大高座 —— 午前10時前,農大キャンパスへ.あまりの蒸し暑さにくらくらする.都内は午前9時には早くも28.9度まで気温が上がり,湿度は77%.南風が湿気と暖気をせっせと運んでいるのだろう.講師控え室よりも講義室の方が居住性がいい.

  • #NodaiStat 本日の講義は計算機統計学.データのもつばらつき情報のみからノンパラメトリックに統計量の誤差を推定する方法について解説します. posted at 10:13:12
  • #NodaiStat 【質問】ブーツストラップ,ジャックナイフと作業内容は複雑そうですが,ばらつきの考え方などどの統計法も根本は変わらないんだなと思いました./【回答】リサンプリング統計手法は「確率分布に物を言わせる」のではなく「データに物を言わせる」ことを旨としています. posted at 17:01:08
  • #NodaiStat 【質問】「リサンプリング統計学の三つの手法のちがいがよくわかりません」/【回答】データからの再抽出(リサンプリング)の手順だけが違っています.ブーツストラップは重複OK・同数抽出,ジャックナイフは重複NO・減数抽出, posted at 17:04:47
  • #NodaiStat 【回答】(承前)三つ目のモンテカルロ(パラメトリック・ブーツストラップ)はデータからモデルのパラメーターを推定し,乱数生成で擬似サンプルをつくります. posted at 17:05:35
  • #NodaiStat 【質問】「リサンプリング統計学のバイアスについて」/【回答】リサンプリングに基づく統計量の誤差推定は,元データが母集団をどのくらい「代表しているか」によって,どうしてもバイアスが生じます.サンブルサイズを増やせば緩和されますが,なくすことは不可能です. posted at 17:07:41
  • #NodaiStat 【質問】「データからリサンプリングするときデータはたくさん必要ですか?」/【回答】データの個数が多ければ母集団の「代表資格」はより確実になるでしょうが,それはリサンプリング法の適用とは関係ないですね.データが多くても少なくても使えます. posted at 17:11:55
  • #NodaiStat 【回答】(承前)ただし,あるデータに対して何回リサンプリングを反復すればいいのかは別途考える必要があります.基本方針は反復回数は「多いほど望ましい」のですが,ムダに多くしてもしかたないです.(ん,答えになってないか……) posted at 17:14:00
  • #NodaiStat 【質問】「ブーツストラップにジャックナイフ……かっこいいネーミングですね!!」 http://ow.ly/i/LLla /【回答】よくぞ訊いてくださった! ブーツストラップ(bootstrap)は文字通り「ブーツのひも」. posted at 17:16:50
  • #NodaiStat 【回答】(承前)ブーツストラップ法の開発者 Bradley Efron は,「pull oneself up by one’s boostrap(自力でやり遂げる)」という熟語表現を踏まえて命名しました.確率分布に頼らずにデータのみを頼りにすること. posted at 17:19:15
  • #NodaiStat 【回答】(承前)「靴紐を引っ張って自分のからだを引き上げる」という表現は,ビュルガーの『ほらふき男爵の大冒険』に出てくる逸話が由来.ミュンヒハウゼン男爵は敵から逃れるために,自分の靴紐を引っ張って宙を飛んだとのこと. posted at 17:21:40
  • #NodaiStat 【回答】(承前)もうひとつの「ジャックナイフ(Jackknife)」は,開発者 John Tukey が「いつでもどこでも切り落とせる道具」という意味で命名したという話. posted at 17:28:14
  • #NodaiStat 【回答】ちなみに「モンテカルロ法」はカジノで有名な Monte Carlo にちなむ反復数値シミュレーション法の総称です. posted at 17:31:10

◆講義を終えて,不快指数マックスのなかを経堂へ戻り,うろうろせず小田急に乗る.蒸し暑すぎて逃げ場がない.この日,都内の最高気温は31.0度まで上昇した.一年中でもっとも不快指数の高い梅雨時.とりわけ今日の都内は真夏日&湿度80%というサイアクの天候.

お座敷がはけて,かなり疲弊したので,本日のランチは久しぶりに銀座〈ナイルレストラン〉の「ムルギーランチ」をば.まずは,運ばれてきた直後の「Before」の写真.じっくり煮こまれた骨付きチキンがまるまる一本,ターメリックライス,温野菜,マッシュポテトと Before は彩り豊かなのだが,この「ムルギーランチ」を御行儀よく端っこから食べるのはナイルレストランでは御法度.店員さんが絶えず机間巡視して「もっと混ぜて!」「さらに混ぜて!」と教育的指導し続ける.で,これが混ぜまくった「After」の写真.これでやっと食べ始めることができる.「なんやこれ,まるで××やんか〜」とかいう禁句は誰も口にしてはならぬ.店内の全員が粛々といただくのみ.

◆夕暮れとともに誰も彼もが背徳の夜に突入しつつある.

◆本日の総歩数=10944歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(+0.6kg) / 28.1%(0.0%)


12 juli 2012(木)※梅雨ならぬ夏の嵐が吹き荒れて

◆午前5時前起床.曇り.気温は26.3度.今年はじめての熱帯夜.不穏な南風が吹き荒れている.観音台は午前8時前の気温が26.8度で極度に蒸し暑い.台風の前触れのような湿った南風が吹き荒れて,瞬間風速は15メートルを越えている.すでに雨雲がかかり,風に煽られてときおり雨粒がぽつぽつ.ほどなく本降りの雨になった.午前9時半過ぎ,もうすぐ東大農学部の農環研見学御一行様をお迎えするのだが,この風雨の中,常磐道の走行は問題ないだろーか.

◆[欹耳袋]The Washington Post | U.S. pushes for more scientists, but the jobs aren’t there | 8 July 2012.アメリカの製薬業界における研究職ポストの大幅削減を主たる事例として書かれた記事.そういえば,スウェーデンの生物多様性プロジェクトのひとつが財政難でヤバそうだというメールが数日前に Steve Farris から届いた.スペインの科学技術政策の緊縮財政もたいへんだし,いずこの国も「科学にまわすお金がない」ということ.Work sharing だけじゃなく,job creation が必要.たいへんなことなんだけど.

◆午前の┣┣" 撃ち(来客案内) —— 夏の嵐と呼ぶべきか,風雨とともにしぼれば水気が滴り落ちそうな湿気が渦巻く.午前中,東大農学部の学生さんたちが,この天気の中をわざわざつくばまで研究所見学に来られたので,ふだんは封印されている「地下ヒミツ基地」へご案内〜.地球制覇を狙うわれわれはヒソカにこーんな壕を掘っていたのだ!強い南風に乗って雨がヨコ降り.傘は役に立たない.館外施設を歩いてまわったら蒸し暑くて絶命しそうになった.東大農学部見学御一行様を送り出してやっと昼休み.

◆[欹耳袋]( ^-^)/U ( ^-^)/U☆7月15日付朝日新聞読書面 ☆U\(^-^ ) U\(^-^ ).実際に『文化系統学への招待』書評記事をこの目で見ないことには.

◆午後の┣┣" 撃ち(旅行業務) —— 学会ツアー関連:来月末の神戸の宿(本土側の背徳エリア),ついでに再来月はじめのサッポロの宿と足を確保だん(襲撃されても大丈夫な場所).そして,来月の南大沢はどこに宿を取るか(これが問題……).サンリオピューロランドの近くはいやなんですけど

◆ふと窓の外を見やれば,雨はすでに上がり,西の空からしだいに明るくなってきた.南風はまだ吹き荒れているけど.今日の最高気温は正午過ぎの27.2度.午後4時過ぎのいまは25.9度.外はきっとべたべたしているにちがいない.夕暮れタイム.西の空には青空が広がってきた.しかし,湿った南風がなお強く吹き,不快指数は高いまま夜を迎えようとしている.

◆[欹耳袋]Sturm und Drang —— 1970年代半ばの駒場寮は,夜になればストームが荒れ狂い,「合ハイ」とか「合コン」などという外の世界のできごととはまったく無縁の異次元世界をつくっていた記憶がある.隔絶されたという意味では,駒場寮は「ギアナ高地」だったのかもしれない.駒場寮に立ち入ったら二度と出て来れなくなると女子大生たちはけっして足を踏み入れなかったよーな(駒場祭のときは別).それでも,寮の館内放送で「合ハイ」の案内が流されたりしたおぼろげな記憶があるんだが,あれは幻聴だったのだろーか.うろ覚えなのだが,「〜女子大から合ハイのお誘いが来ています〜」というよーな館内放送を流していた.実際のとりまとめは希望者の寮生がやっていたのだろう.いずれにしても体育会系オーケストラに入っていたのでまったく関係ない世界ではあった.当時の駒場寮の寮母さんはとても頼り甲斐があって,郵便物の仕分け,電話の取り次ぎ,臨時アルバイトや合ハイの手配まで何でもやってくれた.電話がかかってくると明寮・北寮・中寮の果てからでも寮管理室までだだっと駆ける足音が寮内に反響する.駒場寮のストームは自立発生的な破壊行動として,規模の大小はあっても,公認されていたようだった.ワタクシが見知っているストームは各部屋のドアを叩き割ってバケツの水をぶちまける程度で,当時の三里塚闘争の余塵みたいなもですかね.ところが,あるときけが人を出す騒ぎがあって以来,ストームは御法度となった.1977年のことである.

◆夜,再び降ったり止んだりの不安定な空模様.

◆本日の総歩数=6429歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.3kg(−0.2kg) / 28.1%(−0.2%)


11 juli 2012(水)※今日もまた真夏日の観音台にて

◆午前3時過ぎにふと目が覚めて,夜明け前の暗赤色の東の空を見やったら,明けの明星の真上にもうひとつ惑星が輝いていた.火星だろうか.みごとな上下二連星だった.早起きの役得.

午前4時半起床.薄雲が広がる夜明け.気温は20.1度.東風が涼しい.しかし,そのうち夜明け前の雲は消え,昇る朝日がぎらぎらまぶしくなった.このまま晴れれば昨日のような真夏日になるだろう.西からしだいに雨雲が接近し,夜には関東一円は雨になるという天気予報.

青空が広がる観音台は,午前8時にすでに25.4度の夏日ラインを軽やかに突破した.昨日よりも蒸し暑いが,館内空調の入る8:30までのわずかな時間だけ居室の窓を全開放し,空気を入れ替え,瘴気を追い払う.朝イチのBGMはアルノンクールの〈音楽の捧げもの〉.

◆[蒐書日誌]「双子研究」の論争史 —— Nancy L. Segal 『Born Together—Reared Apart: The Landmark Minnesota Twin Study』(2012年6月刊行,Harvard University Press, Cambridge, vi+410 pp., ISBN:978-0-674-05546-9 [hbk] → 目次版元ページ).本書で詳述されている「双子研究」の現状については,タイミングよく出た新刊の安藤寿康『遺伝子の不都合な真実:すべての能力は遺伝である』(2012年7月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書970],東京,238 pp., ISBN:978-4-480-06667-1 → 版元ページ)を前もって読んでおいた方がいいかも.個人的には,IQ論争を含む現代の遺伝決定論の「科学史」に関心がある.グールド,レウォンティン,カミンらの側の本はかなり以前にだいぶ読んだ.もちろん,R. J. Herrnsteinand C. Murray の電話帳『The Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life』(1994年刊行,Free Press, New York)も本棚に鎮座している.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 農環研サイトでウェブ公開されている月刊『農業と環境』に連載する予定の〈統計高座〉第一回原稿を送る.といっても,毎年やってる数理統計研修の「統計学概論」の焼き直しと引き伸ばしなんだけど.これから向こう一年間にわたり毎月連載する予定.

◆お昼前,農環研の気温はいま30.2度.今日も真夏日ラインを突破した.かんかん照りの昼休み徘徊に出かけるようかどうするか.と言いつつ,ひさしぶりに〈おはん〉にて限定十食の「八色丼」をいただいたのち,紫外線たっぷりの夏日にくらくらしつつも,炎天下の農環研まわりを小一時間うろうろした.午後1時前,農環研に虫の息で帰還.気温は30.7度.そりゃ暑いはずですな.午後イチのBGMは〈春の祭典〉.ゲルギエフ/キーロフ歌劇場.要所要所で大太鼓をどつき倒す演奏にわくわくする.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 第166回農林交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉は10月31日(水)~11月2日(金),筑波事務所電農館にて例年通り開催される.受講生募集は来月に入ってからだが,まずは講師陣の構成を決めないといけない.今年もまた白羽の矢を放つ時期がやってきた.

◆[欹耳袋]天動説は一日にしてならず —— 実に8年ぶりに増刷がかかる『生物系統学』をバグ取りかたがた読み返してみると,「うわー,こんなこと書いてたかー」という箇所がちらほら見つかる.自分の書いた本とはいえ,15年も経てば細かいところなんかきれいに忘れてる(おい).たとえば,「プロローグ」の最後で,「私のような国立研究所研究員は、大学などの研究教育機関とは異なり、ともすれば研究上の話し相手にもこと欠くことがまれではありません。日常化した精神的な閉塞と幽閉から脱却するため」とか.ふつう書かないわなぁ……(しみじみ回顧).確かに,身分的にはひとつの研究機関に「所属」してはいたのだが,実際の仕事は「所外」でやっていたし.所属してもそこにはいないようなものだったし.思い起こせば,この本を書いていた五年間(35〜39歳)は,何を書いていたかを「なかのひと」の誰にもいっさい見せていなかった.見せる必要がなかったということ.ある日,できあがったブツを所に提出して,それでおしまい.「研究者の系統関係は研究組織の壁とは無関係なので好きにさせてもらいます」と所内の成績検討会や設計会議あたりでぶち上げていたのもこのころだった.独法研究所は霞ヶ関からの組織再編圧力で「壁」の仕切り直しが絶え間なく,よどみに浮かぶうたかたは,かつ消えかつ結びて,久しくとどまりたるためしなし,世の中にある人とすみかと,またかくのごとし.その「宣言」は生きるすべでもあるわけで.

—— ま,要するに昔も今も「天動説」だったというシンプルな結論.うんうん.

◆夕方,強い南風が吹き込んで,この時期らしからぬ筋状の雲が空をおおっている.けっきょく,今日は雨にはならないようだ.

◆本日の総歩数=6794歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.5kg(−0.3kg) / 28.3%(+0.4%)


10 juli 2012(火)※真夏日の炎天下に訪花する熊蜂

◆午前5時前起床.日の出.今日もよく晴れて暑くなるのだろうか.梅雨の中休みまくり.20.3度.南東から微風.夏の青空が広がる観音台.午前8時の気温は早くも25.2度と夏日ラインを越えた.熱い南風が吹き込んでいるので,今日は真夏日になるのかも.稲荷川沿いの側道にはハグロトンボが群れ飛んでいた.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 向こう三週間の┣┣" 撃ちリストのアッブデート完了.予定表はA6サイズのメモ用紙(反古紙カット)に書き付けていつも持ち歩く.一年分の┣┣" 撃ちリストはFilofaxの蛇腹イヤープランナーに記入してこれまた常時携帯する.「紙に書いて持ち歩く」のが基本./今週の農大三点セットのしたく.今月で講義が終わるので,そろそろ第二回目のレポート課題を考えないといけないな.それから,来月の成績評定とオンライン入力.非常勤講師の出講先では自室がないのがふつうなので,担当科目の受講生との連絡にはメール・ツイッター・フェイスブックなど複数の手段を確保しておく方が望ましい.受講生側は実名アカウントでなくてもいいので.

◆窓越しに外を見ると夏の日差しが降り注いでいる.歯車のラチェットがひとつ進んだようなので,居室机のデスクトップ(リアル)をごそごそ配置換え.積み上がった本の山を抱えて右往左往している.

◆[蒐書日誌]辻原登『闇の奥』(2010年4月10日刊行,文藝春秋,東京,286 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-16-328880-2 → 目次版元ページ).鹿野忠雄をモデルとする小説.出てくる固有名詞は今西錦司・中尾佐助・上山春平ら京大探検部がらみの実名が出まくる.まだ途中までしか読んでいないがおもしろいかも.この小説では「ネグリト(矮人)」がプロットの中心にあるようなので,ホモ・フロレシエンシスの本:マイク・モーウッド&ペニー・ヴァン・オオステレルチィ[馬場悠男(監訳)・仲村明子(訳)]『ホモ・フロレシエンシス:1万2000年前に消えた人類(上・下)』(2008年5月30日刊行,日本放送出版協会[NHKブックス 1112・1113],本体価格970円[各],viii+208 pp./viii+216 pp.,ISBN:978-4-14-091112-9 / ISBN:978-4-14-091113-6 → 版元ページ:)をちょいと覗いてみるか.

◆正午の気温30.0度.かんかん照りで暑いんだが,それでも昼休みの徘徊に向かうのは決死の覚悟.農林団地は熊蜂がぶんぶん飛んでいた.夏本番の観音台は午後になってますます暑くなり,本日の最高気温は午後3時過ぎの31.5度だった.真夏日が続くと梅雨明けの予感がする.

◆午後の┣┣" 撃ち —— 進化学会ニュース vol. 13, no. 2 の連載記事「智慧の樹再訪(3):生物体系学におけるネットワークとマップの出現」の校正ゲラのチェック完了./某監査書類の返送準備完了.帰りがけにポストに放り込めばこの件はおしまい.

◆西日がブラインド越しに殺人光線を照射する時刻になった.こりゃ殺人西日が照射される前に逃げ出さないとえらいことになりそう.午後の経常┣┣" 撃ちはケリがついたので,そろそろ撤収のしたくだ.午後6時を過ぎた夕暮れなのに,まだ28度超の暑さ.それなりに湿度も高いので,夕日を浴びて歩くのはかなりつらい.今夜は,秋田・山本合名会社のしゅわしゅわ純米吟醸「Sparkling YAMAMOTO」を開栓〜.確かに超辛口で,今の季節にぴったりかもしれない.生姜甘酢漬けと胡麻豆腐,そして焼き肉丼というガッツリ系夕餉のお供として

◆[欹耳袋]ううむ —— Rocket News 24「【究極のだまし絵】一体どうなってんの!? 何度数えても一人多くなっている不気味な絵画」(2012年7月6日) ※ううむ…….

◆本日の総歩数=9245歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.8kg(−0.5kg) / 27.9%(−0.9%)


9 juli 2012(月)※夏の日差しはあまねく降り注ぎ

◆午前5時前起床.晴れ.気温17.8度,冷たい北風が吹いている.朝日がまぶしい.すっきり青空の観音台は空気が乾いて心地よし.気温はすでに21度を越えて,暑くなりそう.数日ぶりに本格的な「夏の日差し」が戻ってきた観音台.朝の最低気温は17.8度だったが,その後はぐんぐん急上昇.

◆[蒐書日誌]超弩級の進化本が降り注ぐ夏 —— Carl Zimmer & Douglas J. Emlen (forthcoming) 『Evolution: Making Sense of Life』(2012年刊行予定,Roberts and Company, ISBN:9781936221363 [pbk] → 版元ページ).つい最近翻訳されたカール・ジンマー[長谷川眞理子日本版監修]『進化:生命のたどる道』(2012年5月29日刊行,岩波書店,東京,xii+417 pp., 本体価格5,600円, ISBN:978-4-00-005467-6 → 版元ページ)が一般向きの進化教科書なのに対し,この近刊本は専門家向けの進化教科書という位置づけらしい.それにしても,総頁数800ページとはおそれいる./スミソニアン協会監修・デイヴィッド・バーニー編集[西尾香苗・増田まもる・田中稔久訳]『地球博物学大図鑑』(2012年6月刊行,東京書籍,東京,ISBN:978-4-487-80564-8 → 版元ページ) .これまた650ページもある超弩級本.最近こういうフルカラー大判の「進化本」がどんどん出るのはなぜ?

◆お昼前,筑波事務所の郵便局に立ち寄ったら,葉が生い茂る農林団地の桜並木からはニイニイゼミの大合唱が響いてきた.しばらく前までは舞台裏での声合わせみたいな声量だったが,夏の日差しが降り注ぐ今日はもうステリハか.本番間近.午前のうちに夏日ラインはとっくに越え,正午前には26.3度になった.午後はもっと上がるだろうか.乾燥した大陸的暑さ.昼休みは紫外線たっぷりの徘徊タイム.木陰がくっきり鮮やかに切り取られ,いかにも初夏らしい田園風景が広がる.

◆[欹耳袋]最強メディアは「ヒト」である —— 学会参加で国内外を旅するときはさまざまなリスクとの遭遇とその対処が必要になる.あらゆるアクシデントに遭わずめでたく学会発表にこぎつければ「100点」,立て続けのアクシデントにじゃまされて不幸にも発表できなかったら「0点」とすると,期待値はいかほどだろう.ワタクシがよく参加する学会は「世界の果て」で開催されることが多いので,極東から首尾よく開催地にまでたどりつけるかどうかが最初の試練.とりわけ,クラディストのレフュージである中南米に行くときは,時間もかかるしフライトも不安定.幸いなことに地の果てに行っても,ロスト・バゲッジや盗難に遭ったことはほとんどない.いちばん最初に参加した国際会議で「公用パスポート」を学会会場で盗まれたのが唯一の大事故だろう.しかし,災難はいつでもどこでもやってくる.勝手のわからない海外では,たとえ荷物は預けても,イノチを預けてはいけない.最低限サバイバルできる物品は身につける.問題は学会発表につかう物品をどうするか,かな.発表ポスターを格納した「ゲバ棒」はフライトのチェックイン時にスーツケースとともに預けることにしている.発表者本人がぴんぴんしていれば,荷物がなくなってもなんとかなるさ.ポスターの紛失,講演スライドの破損 etc. の事故は学会発表の妨げにはならない.学会会場に発表者本人が実在していさえすれば合格点だ.

◆とある会計監査作業を進める昼下がり.こういう仕事で時間が減ってもまったく同情されない.しかし,┣┣" は┣┣" .

◆[欹耳袋]来月末の IBC 2012 Kobe 特別セッション〈Fisher's 50th Memorial Session〉 で,Oliver Mayo が「Fisher in Adelaide」という講演をする.そろそろ神戸の宿を確保しないといけないんだけど,考えてみたらポーアイに行くのは初めてなので,土地カンがぜんぜん働かない.神戸“本土”に宿を取ればいいのか.

◆農環研は平日の定時は全館空調が稼働しているので居心地がよい.しかし,西日が真横から差し込む時間帯になると,居室の居住性は有意に劣化する.おまけに,朝8時半から午後5時過ぎまで定時できっちり空調オフになるので,ぐずぐずせず速攻で撤収するしかない.労働時間がフレックスであっても館内設備は定時稼働なので(要するに事務は定時勤務),あまり実効性はない.空調が止まって気温が急上昇し始める午後6時前にさくっと撤収.

◆本日の総歩数=7458歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.3kg(+0.5kg) / 28.8%(+0.2%)


8 juli 2012(日)※雨上がりの冷しトマトつけめん

◆午前5時前に目が覚めた.雨また雨.気温19.7度.二度寝する.午前7時前にやっと本格起床.しとしと降り続いていた雨はやっと上がったようで,見下ろす下界に開いた傘は見えない.今朝の最低気温は19.3度.午前8時の気温は20.0度.涼しいはずだが湿気があってあまり快適ではない.霧雨が断続的に降り続く.

◆[欹耳袋]実在すべきか,せざるべきか —— つくばでの非ノマド研究ライフが何日も続くと,そこはかとない違和感が湧き上がる.「ここに居続けてはいけないな」という深層心理である.一方,出先でのノマド研究ライフが続くと,今度は逆に「たまには戻らないといけないな」という思いが脳裏をよぎる.ワタクシは「いるけどいない人」を四半世紀にわたって続けてきたわけで,「ずっといる人」が多い職場環境の中ではかなり目立っている.

◆[蒐書日誌]新刊新書三冊 —— 安藤寿康『遺伝子の不都合な真実:すべての能力は遺伝である』(2012年7月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書970],東京,238 pp., ISBN:978-4-480-06667-1 → 版元ページ) /川島浩平『人種とスポーツ:黒人は本当に「速く」「強い」のか』(2012年5月25日刊行,中央公論新社[中公新書2163],東京,x+256 pp., ISBN:978-4-12-102163-2 → 版元ページ) ※「人種」とは文化的構築物であると冒頭でクギを刺している./ペーター・エンダーライン『ペーターのドイツ鉄道旅行案内:ライン川と七つの街道を行く』(2012年5月18日刊行,平凡社[平凡社新書642],東京,カラー口絵8+234 pp., ISBN:978-4-582-85642-2 → 版元ページ)※来年ドイツに行く予定なので.

◆ようやく青空が広がってきたお昼時は,北東風が涼しく爽快でそろそろランチ気分.本日の遅めのランチは,竹園〈ベンベラ〉の「冷やしトマトつけめん」.ひんやりピリ辛トマト風味のつけ汁がとっても美味.具は太ネギと鶏肉.先月食べた冷やしトマトラーメンとはまたちがって,この見せてつけめんが登場するのは初めてらしい.

◆[欹耳袋]Webナショジオ連載記事:川端裕人(聞き手)「「研究室」に行ってみた。木部暢子」.5回連載のリストは:

—— UNESCO の絶滅危惧言語サイト〈Endangered Languages〉には,地域別・国別の言語レッドリストが公開されている.日本からは8言語が登録されている.

◆夕方,都内で予定されている文化系統学ブックフェアの「ウォール」用ブックリスト案を関係者に投げた.とりあえず和書を50冊あまりピックアップした.最終的には半分くらいまで削りこむ予定.文化系統学の和書が今まではなかったので,どうしても周辺的な(ちょっとでも関係がありそうな)本が網に引っかかってくる.冊数が増えるのはしかたない.ただ,書店の「ウォール」面積が決まっているのでさらなる絞り込みは必須.とりあえず,優先順位をつけた選抜ブックリストを送った.

◆夜になって,気温がどんどん下がってきた.今日はかろうじて夏日には達したものの,東風が体感温度を大きく下げた.明日からの一週間はいったいどうなるのだろう.毎日どんな服装をしていけばいいのか迷うので,いつも同じ「軽装」で通している.午後11時の気温は18.6度.明け方まで下がり続けるかもしれない.

◆本日の総歩数=2544歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.8kg(+0.3kg) / 28.6%(+0.1%)


7 juli 2012(土)※七夕なのに梅雨寒の荒れた天気

◆午前6時前起床.曇り.気温22.4度.北東風が涼しい.ん,でもなんだかぽつぽつ降り続いているような雨音がする.昨夜はうっかり早寝してしまって,午後11時過ぎの「レポート提出阿鼻叫喚地獄」をスルーしてしまった.日が変わる締め切り直前の本塁突撃もあったようだ.※「第一回レポートはすべて受領しました.受領メールを受け取っていない学生は至急連絡されたし」.レポートが集まったからには次は成績評価とオンライン報告という大┣┣" が待ち受けている.

◆[蒐書日誌]目次最終案 —— 三中信宏(文)・杉山久仁彦(図版)『カラー版 系統樹曼荼羅』(2012年刊行予定,NTT出版,東京,ca. 300 pp. → 趣意文系統樹ウェブ曼荼羅[連載終了]).とりあえず,本文の原稿はすべて書き上げたので,目次構成案はほぼフィックスされた.

◆[欹耳袋]東京財団レポート「国立大学法人化政策の課題とその対応(12)」(2012年3月30日).いろんなところで聞く話がいくつも列挙されている:「文科省からの膨大な調査資料作成依頼に対し事務系職員は数字のとりまとめしかせず、調査書類の作成は教員に委ねて手を煩わせるということが具体的事象として現れている」「教員が減った持ち時間を駆使して申請書類の作成で大変な苦労を積み重ね、やっと競争的な外部資金プロジェクトを獲得したとしても、当該研究費は具体的な使い道は限定されている」「若手の登用が見送られて、教員組織の高齢化が進み、研究活力の高い若い教員が減ったため教員人事の硬直化が急速に進んできた。その影響もあって、図5に示すように教員の研究実験活動時間の縮小という形での研究機能の劣化、さらに論文発表数の減少(図3)が避けられなくなっている」.

◆曇って梅雨寒のつくばは最高気温が23.9度と夏日ラインにも達しなかった.午後5時の気温は20.9度.湿っぽい北東風が強く吹きつけて体感気温はもっと下がっている.真夏日の蒸し暑さだった昨日とはおおちがい.午後はときおり霧雨がぱらぱら降ることもあったが,西の空はしだいに明るくなってきた.しかし,なかなか雨は上がらない.雲がどんどんやってくる.

◆今日は梅雨寒だったので,夕餉にはビールではなく〈風の森〉の「秋津穂・純米・笊籬採り」を開栓しましたー.アテにはさつま揚げと枝豆,そして野菜サラダというヘルシー路線.

◆[欹耳袋]akamac book review「551歴史学研究会編集部「論文の注について」復刻」(2012年7月6日).『歴史学研究会月報』の連載記事「論文の注について」(全11回)がpdfとして公開された.一読したが,欧文・和文の注の書き方,とりわけ文献の引用形式についてのまとめが役に立ちそう.「ibid.」「op. cit.」「loc. cit.」など,個人的にはほとんど使わない略号だが,正しい解釈をする上でその正確な意味を知っておく必要はあるだろう.そもそも,話の流れをさえぎる「注」そのものへの親近感がほとんどないんだけどね(→「文章の「註」について」2011年9月14日).

◆夜11時を過ぎた.雷雨をもたらした雲は消え去り,いまは20度を下回る涼しさになった.文化系統学ブックフェア用の「ウォール(本棚)」のリストをつくり始めたらもう止まらなくなって日が変わる.すでに50冊もピックアップしてしまったんですけど……(半分に減らさないと)>関係者諸氏.十年ほど前,マンハッタンのアッパー・イースト・サイドにあった〈Lennox Hill Bookstore〉の「ウォール」がとても印象的だった.小さな書店だが,「Jannette Watson recommends」のように書店員の推薦タグが付されていた.そういうウォールにしたい.意図をもってつくられたウォールは書店の「顔」になる.

◆本日の総歩数=2085歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.5kg(−0.2kg) / 28.5%(+0.5%)


6 juli 2012(金)※湿度満点の都内は不快指数高し

◆午前5時前起床.昨夜は寝入りばなにどーんと雷が落ちた.雷雲はすでに消え去り,薄曇りの夜明け.気温は21.4度.南風.定例出撃日.※「第一回レポートの提出締め切りは本日です.すでに受講生の半数の約五十名からはレポートが届いています.今朝6時までに届いた分についてはすでに受領メールを返信しましたので,ご確認ください.」

◆[蒐書日誌]山極寿一『家族進化論』(2012年6月15日刊行,東京大学出版会,東京,viii+358+22 pp., 本体価格3,200円,ISBN:http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-063332-1.html → 版元ページ).ご恵贈感謝.カバージャケットがとってもインプレッシヴ!

◆曇天出撃の朝 —— いつも通り7:56発のTX快速に乗る.今日はいつもとはちがう秋葉原まわりの経路を使うことにする.秋葉原から中央線経由で新宿へ.小田急に乗り換えて経堂着.この経路の方が千代田線に比べていらいらせずにすむみたい.薄曇りの農大通りを下る.午前10時前,農大キャンパス着.毎年この時期はつくばとの行き来がつらくなる.気温は26.5度.蒸し暑くて不快指数がすでに高い.本日の講義は,先週の二変量解析に引き続き,多変量解析の話.高次元空間内の多変量データをどのように可視化・要約するか.主成分分析とクラスター分析,そして「チャーノフの顔」についても触れる予定.※「第一回レポートの本日9:30までに届いた分については受領返信メールをしました.」

◆遅まきながら昨日の農大講座の質問への回答をば:

  • #NodaiStat 【質問】「高次元データとはどういう意味なのでしょうかがイメージしづらいです」/【回答】あるひとつのサンプル(対象)から複数の測定値(例:身長・体重・血糖値・血圧 etc.)をデータとして得た場合,各測定値からなる多変量ベクトルが高次元空間をつくります. posted at 10:17:42
  • #NodaiStat 【回答】(承前)高次元空間の「可視化」の参考書としては:戸田浩『次元の中の形たち[増補版]』(1990年,日本評論社)と宮崎興二(編)『高次元図形サイエンス』(2005年,京都大学学術出版会)を挙げておきます.講義スライドに使った二冊です. posted at 10:22:11
  • #NodaiStat 【回答】(承前)高次元空間を可視化する YouTube 動画もあります: Hypercubes, starting from dimension 0 up to dimension 6 http://ow.ly/c4FUc posted at 10:27:23
  • #NodaiStat 【質問】「どのように次元減少を行なっているのかがよくわからなかったです」/【回答】講義で挙げた主成分分析では,元の多変量の一次式(線形結合)の分散を最大化する係数を決定します.それが第一主成分.以下,上位主成分との直交性を満たすように下位主成分を決定. posted at 10:31:14
  • #NodaiStat 【質問】「多変量のデータを要因ごとの差で比較することができますか?」/【回答】はい,講義で説明した分散分析は一変量版でしたが,多変量分散分析もあります.参照:多変量解析概論 http://ow.ly/c4Gp8 posted at 10:36:44
  • #NodaiStat 【質問】「チャーノフの顔というのは次元減少の方法の一つですか?」/【回答】「チャーノフの顔」はヒトのもつ形態認知能力を逆手に取った多変量データの視覚化法のひとつです.次元減少ではなく多変量をそのまま「かたち」に置き換えて見る方法です. posted at 10:44:13
  • #NodaiStat 【回答】(承前)「チャーノフの顔」については Herman Chernoff の元論文(1973) http://ow.ly/c4GVw [pdf] がたいへんおもしろいです.R スクリプトも公開されています: http://ow.ly/c4GY2 posted at 10:50:41
  • #NodaiStat 【質問】「データを人の顔に置き換えるのは面白いです.人じゃなくて猫にしたら,統計に苦しむ世界中の人々を幸せにできると思います」/【回答】すばらしいアイデアです! 共著論文を書きませんか?(笑) posted at 10:53:49
  • #NodaiStat 【質問】「醤油鯛図鑑しらべました!」/【回答】素早すぎます! 〈醤油鯛の頁〉 http://ow.ly/c4H9v ※オブジェクトの「かたち」がいかに多変量的かを実感するのに「醤油鯛」は絶好の素材です.沢田くん,えらい! posted at 10:57:26
  • #NodaiStat 【質問】「歌って覚える統計学,面白そうですね」/【回答】あの一瞬のチラ見を見逃さないとはおそるべし! つ〈初音ミクの歌って覚える統計入門〉 http://ow.ly/c4HeO ※エンジョイしてくださいっ. posted at 11:00:57

◆講義後,講師控室にて出席カードの投票集計.「実験データー解析概論」の補講は,受講生の投票の結果,「7月19日(木)3限」と決定した.講義室は「442教室」ということで学習支援課と打合せ完了.学内掲示を依頼した.

—— 不快指数マックスの昼下がり.曇りときどき小雨が降る経堂駅前.郵便局でかなり手間取ってしまってランチ抜きでつくば直帰.

◆[欹耳袋]第164回農林交流センターワークショップ〈次世代シーケンサーを利用した配列解読とデータ解析〉2012年9月6日(木)〜7日(金)@農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所(つくば).

◆午後4時過ぎ,つくば帰還.蒸しあっつー.埼玉県の雷雲がこっちに来そうな不穏な空模様.あ,急いで洗濯物を取り込ままいと,雨音がしてきた.夕餉にはベーコン入りのジャーマンポテトをつくろう.雨足がしだいに強まってきた.

◆本日の総歩数=9637歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.7kg(−0.2kg) / 28.0%(+0.1%)


5 juli 2012(木)※蒸し暑い観音台で今日も耐える

◆午前4時半起床.曇り.22.5度.湿っぽい寝苦しい夜が明けた.午前8時の観音台.朝から薄曇りの天気で,気温は23.7度.蒸し暑い.居室の窓を開放すると,湿気が攻め寄せてきて,「森」の本たちが膨張するので,密閉のまま全館空調が入る午前8時半までじっと待つ.朝イチのBGMはジンマン/トーンハレのマーラー3番.

◆[欹耳袋]着便しました! —— 粕谷英一『一般化線形モデル』(2012年7月15日刊行,共立出版[Rで学ぶデータサイエンス・10],東京,x+210 pp., 本体価格3,500円, ISBN:978-4-320-11014-4 → 版元ページ).ご恵贈どうもありがとうございます>箱崎方向に一礼っ.コンパニオンサイトが開設されることを期待します.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 農大の第一回レポート締切日は今週金曜(7月6日)だ.すでに提出済みの受講生はいまのところまだ10名あまり.残り90名ほどはこれからの二日間で怒涛のように押し寄せるのだろう.事前に予想した通り,ケータイから提出レポートを送信してきた学生あり.ケータイやスマホでの数千字の入力は彼らの世代では「当たり前のスキル」なのかもしれないとここ数年は考えるようにしている.ただし,「.@」 とか「/@」みたいなPC禁則のアドレスは付けないでほしい.しかし,「.@」 や「/」を含むメールアドレスはMAFFINメールサーバーでは拒否されるけど,gmail だと問題なく送れる.アドレス書式のいくつかの禁則はグローバルルールではないということか./【重要】「実験データー解析概論」補講候補日は「7月17日(火)3限」または「7月19日(木)3限」のいずれかです(学習支援課の話では教室は用意できるとのこと).今週金曜の講義時間にみなさんの意見を集計し最終決定します.

◆[欹耳袋]マイナビニュース「北大、ダーウィン以来のなぜ働き蜂は自分で子を産まないのかという謎を解明」(2012年7月4日).最後の4行が実にデビルマン! 参照:北海道大学プレスリリース「ハチは社会を作ると1匹1匹が得をすることが明らかに(農学研究院 准教授 長谷川英祐)→ pdf)」(2012年7月4日).元論文は:Norihiro Yagi & Eisuke Hasegawa | A halictid bee with sympatric solitary and eusocial nests offers evidence for Hamilton's rule. Nature Communications, 3, Article number: 939 | doi:10.1038/ncomms1939 | Published 03 July 2012 | abstract

◆午後の┣┣" 撃ち —— 系統樹曼荼羅本の最後の原稿「アートとしての系統樹」を編集部に送信だん.これで文章と図版はすべてそろったことになる.

◆[欹耳袋]研究者が科学史を学ぶ契機 —— 増刷がかかるというので,自分の本『生物系統学』を久しぶりにぱらぱら見返している.さすがに第四刷ともなれば,大物の「蟲」は見つからない.それよりも気になるのは内容の「賞味期限」だ.前半3章(約200ページ)は生物体系学の哲学と科学史の話題なので,かろうじて賞味期限内におさまっているようだ.しかし,まだ科学史として枯れ上がっていない素材を書き連ねたものだから,その後の動きのなかで見なおさないといけない部分もちらほらと.後半2章(約200ページ)は系統推定の方法論に関する話題.とくに個別の方法に関する記述は今となっては不十分すぎる.賞味期限切れ.ただし,巻末40ページの参考文献リストは増刷のたびにこまめにアップデートしているので今でもまったく賞味できる.ワタクシにとって今も常時利用し続けているのはこの文献リストのみ(かな).

専攻する研究分野の科学史をきちんとたどるのは,研究者の Bildung としてはきわめて教育的だと思う.しかし,日本に限って言えば,自然科学系の研究者は科学史を本質的な教養とはみなしていないので,そういう素養を身につける機会がない.教員に科学史の素養がなければ,学生にそれが伝承されないのは当然の帰結.語るべき「学問の子守唄」を上の世代がすでにもちあわせていないのではないかという危惧がある.個人的な研究者のキャリアを同時代の科学史のバックグラウンドのなかに定位する必要はいつでもどこでもあるはずなのだが.ワタクシの場合は日常的に「学問の子守唄」を語る相手がいないので,しかたなく活字にしているようなものだ.最近の「語り」は『分類思考の世界』に乗らなかった自分史(12)かな.

—— 他人の個人史に興味のない人間は科学史の知識がそもそも身につくはずないよねー.

◆本日の総歩数=3538歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(0.0kg) / 27.9%(−0.2%)


4 juli 2012(水)※蒸し暑さの極致はがまんの日々

◆午前4時半起床.昨夜の雨は通り過ぎ,曇り空の朝.気温は20.4度.北からの微風.曇り空からしだいに青空が広がってきた観音台は午前8時前に早くも23.8度の蒸し暑さに包まれている.天気予報では今日は真夏日が確実らしいので,午後はシエスタしないといけない.

◆[欹耳袋]旋律の進化 —— 〈DarwinTunes〉で,音楽旋律の「変異集団」に対する「人為淘汰」の実験結果が公開されている.この実験結果を踏まえた論文は最近オンライン発表された:Robert M. MacCalluma, Matthias Mauchb, Austin Burta, and Armand M. Leroia 2012. Evolution of music by public choice. PNAS, 18 June 2012 | abstract | pdf [open access] Published online before print June 18, 2012, doi: 10.1073/pnas.1203182109 .ポリフォニーを祖先として旋律集団内で有性生殖をさせるわけね.淘汰圧は人間側の審美眼によって決まる.プライスの共分散公式まで登場するとは本格的.旋律伝承の忠実性(fidelity)の低下により旋律の進化はやがて停滞するという結論がとてもおもしろい.この〈DarwinTunes〉で公開されている音源を聴いてみると,スティーヴ・ライヒの「最小音楽」を連想してしまった.

◆午後3時過ぎに真夏日ラインを越えてしまったので,居室の気温がじりじりと上がってきた.そろそろ撤収の潮時かもしれない.鮮やかな夕焼けだねぇ.

◆[欹耳袋]日本麻酔科学会「藤井善隆氏論文調査特別委員会 調査結果報告」(2012年6月29日).調査報告書がpdf公開されている.う〜わ〜./This is Life!「料理と食—141:ローストビーフを焼く」.某シェフのレシピ.次回は牛肉の熟成にトライしてみよう.

◆蒸し暑い日を乗り切るにはしっかり食べるしかない.新ジャガと新タマネギが大量にあるので,昨夜は久しぶりにジャーマンポテトをつくってみた.

    ジャーマンポテト
  1. 玉ねぎ大大2個をスライスする.フライパンを熱しオリーブオイル適量で焦げ付かないように,きつね色になるまで炒める.カレールーをつくるときの要領.
  2. ジャガイモ大5個の皮を剥き,厚さ1センチに切り分ける,電子レンジで10分.串が通ればOK.
  3. 厚手のフライパンを熱しオリーヴオイルで両面に焼き目がしっかり着くようにひとつひとつ炒める.このとき岩塩と黒胡椒を適宜加える.
  4. 3のフライパンに1の玉ねぎを投入し,よくからめれば完成.最後の風味づけのバターはお好みで.

ふつうはベーコンを炒めて混ぜるという工程が入るのだが,今回はベーコン抜き.その代わりに,ボイルしたハーブ・ソーセージが食卓に並んだ.お供には軽くコロナビールだけでシンプルにすめばよかったのだが,つい栃木の〈松の壽〉吟醸・山田錦・生酒「夏のうすにごり」を場の勢いで開栓してしまったものだから…….洋風のこういう肴にはにごり系の活性日本酒が合うのなんの.もうちょい炭酸が効いていてもよかったな.

—— 〈松の壽〉四合瓶がふと気づいたら空っぽになっていた.犯人はだれだ?

◆本日の総歩数=3459歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(+0.4kg) / 28.1%(−0.7%)


3 juli 2012(火)※梅雨空のさなぶりで食べ過ぎる

◆午前5時前起床.穏やかな早朝.真っ赤な日の出なう.気温19.0度.南東の風.薄曇りの観音台は朝から湿った空気が漂っている.午前7時の気温は21.9度.南よりの風.青空がしだいに広がってきた.午前8時半に業務棟に集合.本日昼休み,業務棟で催される農環研〈さなぶり(早苗饗)〉の準備のため,実行委員は朝から立食用のテーブルの準備など.蒸し暑さとともにニイニイゼミの合唱が農林団地構内のあちこちの木立から聞こえてくる.そーか,今日はヤナーチェクの誕生日か.とすると,居室のBGMをそれに合わさないと.バッハの平均律は途中で止めて,まずはやっぱり〈シンフォニェッタ〉からだろうな.

◆[欹耳袋]街ナカの演奏会ふたつ(YouTube) —— オルフの〈カルミナ・ブラーナ〉@ウィーン西駅「"Carmina Burana" Westbahnhof Wien」/ベートーヴェンの第九@Banco Sabadell(バルセロナ)「Som Sabadell flashmob」./英国の大学で若手研究者の待遇の悪さを指摘する記事。Working Memories「British Academia: abandoning the next generation」(2012年7月3日)

◆午前の┣┣" 撃ち —— 近未来予定のメモ:明日7月4日(水),10:30〜,領域会議.それまでにキャリアデザインシートの改訂と統計講座原稿を用意すること.こまごまとして┣┣" が湧いては消えない.

◆昼休み前,業務棟さなぶり会場にて料理の配膳などの直前準備をすませる.今年のおにぎりは彩りがきれい.あとはお昼休みに食べ尽くすのみ.昼休みのチャイム.続々と人が集まるさなぶり会場.外は薄曇り。圃場から湿っぽい南風が吹き込む.理事長の挨拶といささか季節外れの田植えの儀式ののち会食開始.夜ではなく昼の会なので,参加者がとても多く,250食用意したおにぎりパックがどんどんなくなっていく.午後1時前,会場の後片付けをして今年のさなぶりはこれにておしまい.空は灰色の雲がしだいに厚くなってきた.予報通り西から雨雲がしだいに近づいてきているのだろう.

◆[蒐書日誌]増刷決定! —— 三中信宏『生物系統学(第四刷)』(1997年12月15日第一刷刊行/1999年10月15日第二刷刊行(正誤表)/2004年9月15日第三刷刊行(正誤表)/2012年8月第四刷刊行予定, 東京大学出版会[ナチュラル・ヒストリー・シリーズ], 東京, xiv+458 pp., 本体価格5,600円(第四刷5,800円), ISBN:4-13-060172-5 → コンパニオンサイト目次版元ページ).

昨夜,東京大学出版会から,来月の8月に「第四刷」が重版されることが決まったとの連絡があった.しばらく前からずっと「版元品切」の状態だったが,今でも本書に需要があるとしたら著者としてはたいへんうれしい.

ただし,あくまでも増刷であって,「改訂」ではないので,本文の大きな書き換えをすることはもともとできないが,この機会に細かいミスをできるだけデバッグしておきたい.とりあえず,生物系統学(第四刷)のための現時点での要修正箇所の一覧として「正誤表」を公開した.もしほかにもミスがある場合はワタクシまでご連絡を.7月末までであれば第四刷での修正に間に合うので.

◆今にも雨が降り出しそうな夕方が近づいてきた.午後はキャリアデザインシートの改訂版を提出.返す刀で農環研ウェブ連載する予定の統計講座の原稿四つを関係者に発射した.ここのところ執筆停滞気味の統計曼荼羅本を再起動させるためでもある.夕暮れ帰宅.雨は本降りに.ときおりざあざあ降ってはまた小降りになる.湿気でべたべたするので除湿開始.夜になって雨足はさらに強くなった.

◆本日の総歩数=6772歩. 朝○|昼△|夜△. 計測値(前回比)=92.5kg(+0.2kg) / 28.8%(+0.2%)


2 juli 2012(月)※梅雨の晴れ間の蒸し暑さは格別

◆午前4時半起床.昨夜からの雨はいよいよ強まって梅雨らしくなってきた.気温18.4度.北東の風.明け方の強い雨は峠を越え,いまは霧雨がときおり降る観音台.気温は19.9度と高く,今日も蒸し暑い一日が始まる予感がする.先月末からの堆積┣┣" どもがハーレムをつくっている.メーリングリスト関連の泡沫┣┣" どもを一掃処分し,今月の「不在ごめんね書類」を耳を揃えて提出.こまごまと時間が摩りおろされてもうすぐお昼休みになってしまう.

◆[欹耳袋]国立大学職員日記「国立大学法人(及び文科省管轄法人)の給与引下げ実施状況の一覧(平成24年6月29日時点) 」(2012年7月2日) ※国立大学法人は引き下げ実施が大学によってばらばらであることは知っていた.

◆[蒐書日誌]Rebecca Stott『Darwin's Ghosts: The Secret History of Evolution』(2012年6月刊行,Spiegel & Grau, New York, xviii+396 pp., ISBN:978-1-4000-6937-8 [hbk] → 版元ページ).進化の「集団的発見」にいたる道を論じる.英国版は:Rebecca Stott『Darwin's Ghosts: In Search of the First Evolutionists』(2012年5月刊行,Bloomsbury Publishing, London, ISBN:9781408809082 [hbk] → 版元ページ)なので,米国版とはサブタイトルがちがっている.著者が『The Coral Thief』や『Ghostwalk』のような小説も書いているとはぜんぜん知らなかった.

◆青空が広がる昼下がりの観音台は気温25.5度の夏日ラインを越え,湿度の高い東風が吹いている.不快指数高し.メーリングリストの月例アナウンス送信.MAFFINの webmail が不調なので(セキュリティチェック状態でフリーズする不具合),さっさと Gmail に乗り換える.

◆[分類思考]本日の残響:Wolfeyes Bioinformatics beta 「「分類思考の世界」読了」(2012年6月26日)※たいへんおつかれさまでした.「本文では明確には書かれていない(と思う)が,つまるところ種とは愛であり,そして神であるということなのだろう.つまるところ種とは愛であり,そして神であるということなのだろう」 — 「種が神である」と崇めるのは一部の人々に限られるだろうが,「種は愛である」というのはまさにその通り.安らかに眠りたまえ.

◆[蒐書日誌]アマゾンから重量級本がどーんと着便 —— Sandra Rendgen and Julius Wiedemann『Information Graphics』(2012年刊行,TASCHEN Books, Köln, 480 pp., ISBN:978-3-8365-2879-5 → 版元ページ).25×37×5センチという漬物石のようずっしりと重くて大きなハードカバー本.英独仏の三ヶ国語が混じっている.装幀はかなり凝っている.参考になる図版がいろいろ載っている.どこかで見たような図版が散見されるのはワタクシのアンテナがこの方向に向きつつあることを暗示しているにちがいない.情報グラフィクス系のヴィジュアル本はこういうものすごく巨大な新刊が容赦なく出る.鎖をつけて暴れ出さないようにしておかないとキケン.

◆よく晴れた夕方は青空が広がり,暗くなるとともにカピオの空低く丸い月がくっきりと浮かび上がってきた.昼間はじとじとしていたが,夜の上層階は東風がすーすー吹き抜けて快適.体感気温がモノを言う.

◆[欹耳袋]一昨日の駒場ヴァールブルク結界の講師控室に,クラシックLPレコードの膨大なコレクションがあって,空き時間にかなり楽しめた.「表象文化論」というスタンプが押してあったところを見ると,公費購入で揃えたのだろうか.そのコレクションには,LPレコードのみならず,レーザーディスク(LD)も相当数含まれていた.しかし,今となってはもはや再生装置がないだろうし.あのジョージ・ガーシュウィンの歌劇〈ポーギーとベス〉も再生できなくなってしまったなあ.

◆本日の総歩数=5112歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.3kg(−0.1kg) / 28.6%(−0.1%)


1 juli 2012(日)※祇園祭幕開きの京都ミッション

◆午前6時,のろのろ起床.薄曇りところどころ晴れ間.気温18.9度.北西風.本日は日帰り京都ミッションへ.午前11時,東京駅にて雨が降り出した.静岡から東海地方を西に進むに連れて土砂降りの様相に.車内では,昨日の駒場シンポジウム〈アビ・ヴァールブルクの宇宙──『ムネモシュネ・アトラス』をめぐって〉の日録を書き続けた.名古屋を過ぎても雨は降り続いたが,トンネルを越えて山科に入ると小降りに.そして,午後1時過ぎに京都駅にのぞみが滑り込んだときには,もう雨は止んで,蒸し暑い熱気が新幹線ホームを包んでいた.

◆奈良線に乗り換えて京都ミッションの始まり.黄檗で第一ミッションを完遂した.蒸し暑さのレベルがぐんぐん上がってきた.引き続き六地蔵にて第二ミッションに向かい,こちらも作戦完了.さらにタクシーで三室戸寺を回って,盛りを過ぎた紫陽花を見たのち,京阪宇治駅から京都に向かう.曇りときどき晴れの夕空がいきなりかき曇り,またまたスコールが小一時間降り続く.不安定で不快な空模様が続く.

◆[欹耳袋]Facebook - 「駒場〈ムネモシュネ・アトラス〉シンポの風景」.昨日のシンポ会場の写真などを数枚公開した.言葉でのやりとりについては昨日の日録に記したとおり.写真を見れば「結界」のようすがヴィジュアルにわかる.

◆午後5時前に京都駅のSUVACOに帰り着く.ようやく雨は止んで青空がのぞくようになった.洛中を取り囲む山々には高度の低い雨雲の切れ端がちぎれた真綿のように浮かんでいて,いかにも水分たっぷりな景色.今年もまた祇園祭の幕が上がった京都は蒸し暑い日が続くのだろう.水無月はもう過ぎてしまったが,水無月はまだ売っていた.伊勢丹地下で〈水無月〉を買ったが,周囲の和菓子屋を見回せば竹筒に入った水羊羹の季節に移っていた.新幹線に乗る前に SUVACO の和久傳〈はしたて〉にて夕ご飯を.7月のメニューから「雲丹玉〆丼」を注文.玉子丼に雲丹がトッピングされていた.ワタクシにとっては「食べてはいけない食材」はずだったのだが,そういうよけいな理性は即座にレッドカード=退場していただこう.

◆午後6時過ぎの新幹線で東京へ.車窓越しに暮れなずむ濡れた遠景を見やるうちに,そろそろ疲労感が漂い始める新幹線車内.外は真っ暗.都内に入っても雨が降っているようだ.午後10時前につくば帰還.雨雨降れ降れ.京都よりも体感的にずいぶん涼しく感じる夜.

◆明日からはまたいつもの平日労働だ.先月の積み残し┣┣" どもが堆積しているので,その一掃処分から今月は始まる.

◆本日の総歩数=12048歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=92.4kg(0.0kg) / 28.7%(+0.3%)


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