images/image1.jpg

Home
oude dagboeken

日録2012年3月 


31 maart 2012(土)※春の嵐が吹き荒れる観音台で

◆午前6時前起床.薄曇り.昨日の京都は20度を越えるぽかぽか陽気だった.帰ってきたつくばも南風が吹いて夜になっても15度台の暖かさ.そのまま暖気が残って,午前6時前になってもやっぱり15.6度.月末の今日はゆったり過ごす義務がある.風速10メートル近い強風が南から土ぼこりを運んできたせいか,ベランダがざらざらしている.しかも,東京アメッシュの西の端っこには,凶相の雨雲がすでに姿を現し,不穏な空模様に.いまはまだ薄曇りときどき晴れ,朝日がさんさんと降り注ぐ.見渡すかぎり遠景が土ぼこりで真っ黄色に霞んでいる.風速10メートル,瞬間で20メートルの南風にまき上げられたにちがいない.今日は窓をぴたぴた密閉し,洗濯物はすべて室内干しとする.

◆砂の嵐の観音台にて(午前の部) —— 午前10時すぎ,観音台は気温は18.0度.砂塵が巻き上げられて視界が遮られるどころか,目も開けられない.居室から見渡す遠景はどこまでも茶色い.瞬間風速20メートル超の南風が吹きまくる観音台.しかも,兇悪な雨雲が西から接近している.そろそろ撤収し,自宅の窓にクギを打たないとダメかもしれない.あ〜れ〜.

◆年度末のいきなり┣┣" —— ゆったり過ごす義務があるにもかかわらず,東大「生物統計学」の成績評価に関する問い合わせが二件,学会賞応募に関する確認が一件と年度末┣┣" が押し寄せてきた(orz).後者の件はOKでしょう.最近,評定ミスの頻度がじわりと上がってきた.みなさん,大学の学期末成績評価はパーフェクトにこなしているのだろうか?>大学のセンセたち.いずれにしても,ちゃんと出席もしないで単位をどうのこうのというのは筋違い.ダメです.

◆[蒐書日誌]福澤一吉『文章で論理を読み解くためのクリティカル・リーディング』(2012年4月10日刊行,NHK出版会[NHK出版新書377],東京,265 pp., 本体価格820円, ISBN:978-4-14-088377-8).Pp. 38-39 に『系統樹思考の世界』の一節(p. 177)が例文として取り上げられている.迂遠な表現をしたがるワタクシ……./ドナ・ジャクソン・ナカザワ[石山鈴子訳]『免疫の反逆:なぜ自己免疫疾患が急増するのか』(2012年3月1日刊行,ダイヤモンド社,東京,xiv+319 pp., ISBN:978-4-478-01338-0 → 目次版元ページ).書評を公開した.

◆春の嵐の観音台にて(午後の部) —— 竹園あたりはすでに雨が降りだしている.しかも,南風が強いので傘は役に立たない.じっと黙って濡れるしかない.では,またちょこっと濡れてくるかな.横殴りの雨の中,観音台アゲイン.午前の続きでごそごそする.こんな土砂降りじゃ帰るに帰れないよ〜.窓に吹きつける風雨はまるで台風のようだった.午後4時前,土砂降りではなくなってきたので,そろそろ撤収するかな.午後3時を境目にして南風から北風に変わり,気温が急降下してきた.午後5時すぎには雨は上がり,西の空には夕焼けが広がる.今日は,午前が砂嵐,午後が雨嵐でたいへんな月末になった.

◆[欹耳袋]4403 is not prime.「知られざる大学教員の実態」(2012年3月27日).「輪をかけて知られざる独法研究員の実態」について誰か書こうね.ワタクシが書いてもいいけど,もともと‘外れ値’だから.あまり参考にならないくらいだったらいいけど,あえて偏見を誘発するのも本意ではないし…….

◆夜は,結城の〈アルチザン・パティシエ・イタバシ〉の看板である「モンブラン」を.弥生の終わりを飾るほんのちょっとした夜の背徳おやつとして.

◆本日の総歩数=6833歩. 朝○|昼−|夜△. 計測値(前回比)=92.9kg(−0.7kg) / 28.5%(−0.3%)


30 maart 2012(金)※平等院表参道は初夏の陽気に

◆午前さまで帰ってきたので,当然の報いとして「うう」な目覚めだ.しかし,今日は日帰り京都ミッションがあるので,だらだらしてはいられない.

◆新編洛南ミッションの始まり —— 午前9時すぎにつくば発.いつものように,新幹線へ.とてもいい天気.午後1時すぎに京都着.そのまま宇治線に乗り換えて宇治駅へ.市役所にてあちこちの課をまわりミッション遂行.午後2時すぎに転戦.外はぽかぽかと暖かすぎて暑いほど.宇治橋通りには半袖姿の外国人観光客がちらほらいた.正しい服装だと思う.南風がびょーびょー吹いて,春の嵐のイメージ.この日の京都は最高気温は20.9度まで上がった.昼下りの平等院表参道で試飲した「ひやしあめ」がことのほかうまかった.行きの奈良線の三室戸あたりで沿線にハクモクレン(コブシ?)の花が真っ白に咲いているのが見えた.洛南の春.黄檗でミッションを完了し,午後5時に京都駅へ.SUVACOの〈フィゲラス〉にてタルトタタン.

◆つくばに帰還したのは午後10時過ぎ.こっちも気温が高くて日中は20度を越えたようだ.

◆[欹耳袋]東京堂書店「3月30日神田神保町店リニューアルオープン!」 —— かつて東京堂書店の五階にあった「洋書コーナー」はとてもユニークな棚作りをしていて,個人的にはお気に入りの場所だった.科学哲学と進化生物学の新刊がきっちり揃っていて重宝した.仄暗い隅に洋書が並ぶ棚はスペース的にはさほど大きくなかったのだが,神保町での生息場所としては心地よかった.その後,内装が大きく変わり,この洋書コーナーはきれいに撤去されてしまった.改装後,店員さんに確認したら,やはり書店側の方針変更とのこと.残念〜.

◆昨年後半からいきなり始まった両親介護ミッションは,11月末に父親が亡くなったことにより第一ステージの山場は越えた.しかし,その後始末(年金事務・名義変更・相続手続きなどなど)は年明けまで延々と続いた.現在は存命中の母親に関わるミッション第二ステージが始まったばかりで,こちらも今後の介護がどのように推移するのかは現時点ではわからない.いずれにしても平日に何十回も京都との往復をすることはいろいろな負担を背負うことになる.しかし,それが相続人代表としての仕事なので逃げ道はない.介護休暇と有給休暇(年休)はすべてなくなる可能性もあるので,振替休日などの手を考えなければならないかもしれない(職場の休暇制度は熟知しておくこと).また,遠距離介護の場合,往復の交通費や宿泊費がものすごくかかることもあるだろう.実際,病状急変により京都日帰り二往復ということさえあった.介護の問題は,ある程度の年代になれば,誰もが直面する可能性のある.平日に数十日の〝空白〟ができることに耐えられるだけの〝糊代〟がないと長続きしない.要は,気力と体力と財力と人力の勝負だろう.その意味で,介護は「力」仕事だ.

◆本日の総歩数=13435歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(+0.7kg) / 28.8%(+0.3%)


29 maart 2012(木)※夕暮れの神楽坂をひっそりと

◆午前5時前起床.日の出.今日も朝から快晴.きりりと冷え込んで,いま氷点下0.8度.午前6時すぎに最低気温マイナス1.1度まで下がったが,その後は急速に暖かくなっている.朝のNHKニュースの映像から判断するかぎり,畜産学会大会@ナゴヤの参加者ドレスコードはなかなか高そうだった.(ワタクシには敷居が高すぎる……).

◆朝の┣┣" 撃ち —— 中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(2012年5月刊行予定,勁草書房,東京 → 目次)の再校ゲラをチェック完了.一式を榎戸の黒猫さんから耳を揃えて発送してきた.これで著者・編者としての作業の山場を越えたかな./来年度の農林研究交流センターワークショップ〈分子系統学の理論と実習〉の開催日程は「2012年10月31日(水)~11月2日(金)」の三日間を申請した.関係しそうな方々はカレンダー記入をよろしくよろしく.※申請通りこの日程が確定した./とある研究基金への応募が採択されなかったとの連絡あり.「落ちる」とか「リジェクトされる」という研究者にとっての日常的試練は面の皮を厚くする? それとも心臓に毛を生やす? 「へこんで引きこもる」という選択肢はもともとない.

◆[欹耳袋]ハクスリーから現代にいたる —— 「最も弱く最も愚かな男性に開かれたキャリアが,どのような司法や公共政策の理由で,活力と能力のある女性に対して強制的に閉ざされているのか,私は理解できずに困っている」(Thomas H. Huxley, The Times, 1874).出典は:リチャード・コニフ[長野敬・赤松眞紀訳]『新種発見に挑んだ冒険者たち:地球生命の驚異に魅せられた博物学の時代』(2012年2月7日刊行,青土社,東京,479+55 pp., 本体価格3,600 円,ISBN:978-4-7917-6636-9 → 目次版元ページ)の p. 421.原文は:Thomas H. Huxley 1874. Letter on Miss Jex Blake. The Times, July 1874./理系女性の日常は?「急激な高齢化の波が研究者にも」 (2012年3月27日).

◆午後は東京へ —— 午後5時過ぎに神楽坂へ.東京理科大にて計量生物学会理事会がある.夕暮れにはまだ遠いので,神楽坂に背徳の匂いはまだ漂っていない.午後5時半から7時まで会議.狭い坂道の両側に連なる料亭の提灯がともされる時間帯が背徳度マックスかも.午後7時半からかなり飲む.つくばへ帰りついたのは午前さま寸前.うう…….

◆本日の総歩数=11597歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=92.9kg(−0.3kg) / 28.5%(−0.1%)


28 maart 2012(水)※麗らかな春の日差しの観音台

◆午前5時前に起床.夜明けが早くなってきたと実感する.明け方は冷え込んで,午前5時すぎに最低気温が零下0.2度まで下がったが,その後はするすると上昇して,午前8時の観音台はいま7.0度.昨日以上に暖かくなるとの予報.ここのところずっと花粉の祭典が続いている.鼻が愚種愚種〜.所内ガルーン,朝から死んでるやん……:「エラー (DB01030):DBサーバーのテーブルハンドラがエラーを返しました。 」※そのまま永眠してくれてもええけどな.と思ったらすぐに復活.しぶといなぁ.

◆[蒐書日誌]ノンブル,入りました —— 中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(2012年5月刊行予定,勁草書房,東京).ドサッと届いた再校ゲラとの格闘はまだ続いている.図版とノンブルが入り,また見出しも微修正されたので,最新の目次情報をアップした.いまの予定ではゴールデンウィーク明けの5月には書店に並ぶだろう.

◆[欹耳袋]Togetter - 「「統計的に有意」をどう説明するか」.帰無仮説と対立仮説の対置という Neyman-Pearson 世界を初学者に理解させるのは至難の業だと思う.Gut-feeling に訴えかけるとしたら,単純モデル vs. 複雑モデルの対置の方が染み込みやすいだろう.変動因をまったく含まない単純モデルは,データのばらつきを純粋な“ホワイト・ノイズ”すなわち偶然誤差によって説明しようとする.データが物語るばらつきのパターン(検定統計量によって数値化)がその単純モデルによってうまく(= abductive)に説明できればそれでよし,できなければより複雑な(つまり他の変動因を含む)モデルが要求されることになる.帰無仮説 vs. 対立仮説をこの単純 vs. 複雑の図式と等値すればそのリクツはより説明しやすくなるだろう./「Welcome to a Little Book of R for Biomedical Statistics!」.めもめも./ついでに —— 〈StatsGuild〉.統計関連の仕事っていろいろあるんだな.

◆朝からよく晴れてぽかぽかと.昨日よりも暖かい.午前10時過ぎ,すでに13.2度まで気温が上がっている.花粉の祭典もいよいよクライマックス.10時半から領域内会議.外はもうすぐ15度台に達しそう.昼休みの観音台は春本番の穏やかな暖かさで,気温は17.0度まで上がった.歩き読みをしているとやや汗ばむほど.

◆[蒐書日誌]ノンブル正誤表 —— アラン・ソーカル,ジャン・ブリクモン[田崎晴明・大野克嗣・堀茂樹訳]『「知」の欺瞞:ポストモダン思想における科学の濫用』(2012年2月16日刊行,岩波書店[岩波現代文庫・学術261],東京,xxx+314+106 pp., 本体価格1,480円,ISBN:978-4-00-600261-9 → 版元ページ).アナウンスされた「第1刷に関するお詫びと訂正」によると,「付録の参照ページ数が誤って印刷されてしまいました」とのこと.正誤表(→ pdf)が公開されている.

◆[欹耳袋]メモクリップ —— 森山和道「「問い続けることの面白さ」を見出す(講演内容を元に書き起こし)」(2012年3月19日).

◆夕方の不穏 —— 急転直下で荒れ模様の天気になるとの予報だったが,午前中の陽気からはとても信じられない.しかし,午後になって雲が広がってきた.しだいにヤバい雰囲気が〜.最高気温は午後2時すぎの18.2度か.雷が轟きそうな気配.東京アメッシュを横目に見ながら,いつ撤収すべきかタイミングを見計らっている.午後5時前に撤収.車のフロントガラスに雨滴のしみが付いていたので,通り雨がぱらついたのかもしれない.

◆来月の華麗なる年度初め┣┣" 撃ちカレンダーを記入しないと.

◆本日の総歩数=10143歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.2kg(+0.2kg) / 28.6%(−0.5%)


27 maart 2012(火)※ネバーエンディング校正┣┣"

◆午前4時半起床.今朝も冷え込みがきびしくて,午前6時には零下2.8度まで下がった.朝から快晴.朝日がまぶしい.今日の日中は暖かくなるらしい.花粉なしの陽気がいいな.朝日が差す観音台は気温+6.2度.氷点下の明け方から急速に暖かくなってきた.居室BGMは Keith Jarrett〈Paris Concert〉から.

◆今週の┣┣" 撃ち予定(追加) —— 3月28日(水):領域会議,10:30〜11:30./3月29日(木):計量生物学会対面理事会 17:30~19:00@東京理科大学・神楽坂校舎三号館5F第2演習室./3月30日(金):振替休暇(→京都).新たなるミッションの起動.また,方々走りまわることになるのか.

◆今日もゲラ読み —— 文化系統学再校ゲラと取っ組み合い.校閲からの指摘への対処など.午前中にカタをつけたい.午前11時,再校ゲラの担当章については清書をすませた.著者としての仕事はこれでおしまい.引き続き,編者としての仕事に移り,他章ゲラの通読に向かう.正午前,再校ゲラの目次とノンブルの確認なう.

◆新学期┣┣" 撃ち予定(追加) —— いきなりばたばたと忙しくなった.とりあえずスタート直後の二週間の予定はこんな感じ:4月2日(月):日本分類学会連合役員会,13:00〜15:00,東京大学総合研究博物館3階第1演習室.来年のシンポジウム企画についての話し合い./4月4日(水):東大農学部入学ガイダンス 15:40〜17:00@農学部7A,歓迎会 17:00〜@中央食堂./4月7日(土)〜8日(日):生物地理学会第67回年次大会,立教大学(池袋)./4月13日(金):慶應義塾大学教養研究センター講座〈生命の教養学:成長:「成長と進化思考」,13:00〜14:30,慶応義塾大学日吉キャンパス.|東京農大・生物応用化学科・授業担当者教育懇親会 17:30~,懇親会 18:00~20:00,農大グリーンアカデミーホール.※講義は休講なのに懇親会だけというのもなんだけど…….

◆[蒐書日誌]植物形態の自然哲学 —— Agnes Arber『The Natural Philosophy of Plant Form』(1950年刊行,Cambridge University Press, Cambridge, xiv+247 pp. → 目次).著者の晩年の著作は植物学史や自然哲学を主題にしたものが多い.なかでも本書は稀覯書.今回入手した一冊は,アメリカのミシガンにある Adrian CollegeShipman Library から処分された本だ(図書番号:QK641.A68).深緑色のハードカバー版はこの時代のケンブリッジ大学出版局の本の典型.のどは補修されている.植物形態,アリストテレス,大アルベルトゥス,ゲーテ,ダーシー・トムソン,etc....随所に挿入されている植物の線画イラストがとても魅惑的.本書にはリプリント版もあるし, Google Books でその一部を見ることもできるんだけどね,やっぱりつい初版を手にしたいという仄暗い慾望が…….

ワタクシの手元にある他の Arber 本はこの二冊↓

  • Agnes Arber『Herbals: Their Origin and Evolution - A Chapter in the History of Botany 1470-1670』(1912 / 1938 / 1986年刊行,Cambridge University Press[Cambridge Science Classics], Cambridge, xxxii+358 pp., ISBN:0-521-33879-4).邦訳:アグネス・アーバー著[月川和雄訳]『近代植物学の起源』(1990年5月刊行,八坂書房,東京,ISBN:4896945964).

  • Agnes Arber『The Mind and the Eye: A Study of the Biologist's Standpoint』(1954 / 1985年刊行,Cambridge University Press[Cambridge Science Classics], Cambridge, xx+146 pp., ISBN:0-521-31331-7).植物形態の自然哲学における Anschauung と Darstellung との対置は彼女にとっての大きなテーマだった.

—— 罪深き蒐書はエンドレス.本書にかぎらず,第二次世界大戦前後の洋書は日本の公的機関にはあまり所蔵されていないみたい.

◆ぽかぽか陽気の昼休みは気温14.2度まで上がって,歩き読みにぴったりの青空が広がった.午後はまたゲラ読みに戻ろうか.西日の差し込む暖かな居室でのゲラ読みは睡魔を効率的に引き寄せる.

◆日本著作権教育研究会から「某大学でご著書からの出題がありました」という連絡が来た.今年の入試シーズンがすべて終わったことを実感する.これから来月にかけては同様の連絡がぽつぽつあるのだろうな.今回の出題はワタクシの『系統樹思考の世界』から.あ,やっぱりあの章からの出題ですか.出題しやすいテーマなのかな.自分で本を書くようになってから,「大学入試に出題されてしまう」感覚を実感するようになった.出題されてうれしいかと問われたら,販促効果があればよしとしようと言いたいところだが.受験生の立場からいえば,入試に出された元本を,その後,はたして手にしたくなるかといえば,きっとそんなことはないだろうなあ.出題者に対しては,こんな拙文をちゃんとした入試問題に仕立てていただいてありがたやありがたやと言うしかない.その一方で,もしワタクシがその問題を解けるかと迫られたら,とても解ける気がしない.投げ出して退室したい.「傍線部について作者の考えに近いものを選べ」という質問に対して,「著者は何も考えていない」という「正解」の選択肢がなぜ設けられないのかフシギでしかたがない.受験生のみなさん,ごめんなさいごめんなさい.

—— 本はいったん世に出てしまったら,煮て喰われようが焼いて喰われようが,著者にはどうしようもない.

◆本日の総歩数=9097歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.0kg(−0.5kg) / 29.1%(0.0%)


26 maart 2012(月)※年度末の週明けは氷点下の朝

◆午前5時前起床.電気あんかがまだ手放せない氷点下の冷え込み.午前6時前,日の出.まぶしい朝日が射しこむ東側の部屋は温室化して暖かくなってきた.しかし,今朝の最低気温は零下2.9度で真冬並み.来週には四月になろうというのにこの寒さ.昨日は夏のような空の顔つきだったが,今日も好天が続きそう.明け方の冷え込みからやっと持ち直した観音台は午前8時のいま+4.9度.雲ひとつない快晴で春らしい霞み方だ.BGMは Chick Corea〈Piano Improvisations Vols. 1 & 2〉.今週いっぱい「年度末」という言葉はあえて禁句にしよう.

◆今週の討伐┣┣" の筆頭は,先週末に着弾した『文化系統学への招待』再校ゲラのチェック作業.自分の担当章の点検とともに,本全体にわたる蟲採りに勤しむことになる.すきま風がとても冷たい陋屋居室にて,机一面に校正ゲラが広がっている.

◆[欹耳袋]メモクリップ —— 作家アントニオ・タブッキの訃報:PÚBLICO「Morreu Tabucchi, o escritor italiano que escolheu Portugal」 (2012年3月25日) ./〈日本産アリ類画像データベース〉.着実にアップデートされていたのか.

◆[蒐書日誌]島田虔次・田口正治(編)『三浦梅園』(1982年5月31日刊行,岩波書店[日本思想大系・41],東京,ii+687+VIII pp. → 目次).梅園の主著『玄語』の現代語訳.新宿百人町の〈古書畸人堂〉にて入手した./村山司『イルカの認知科学:異種間コミュニケーションへの挑戦』(2012年3月5日刊行,東京大学出版会[Natural History Series],東京,viii+202 pp., 本体価格3,400円,ISBN:978-4-13-060193-1 → 目次版元ページ).いただきもの.

◆北風は強いけれども春の日射し暖かい昼休み.さぁ,午後の仕事を「みょーん」とはじめるぞ〜.放置┣┣" が「てろーん」と寝そべってるけど,午後の校正ゲラ読みは「ゆよーん」とケリをつけよう.午後4時過ぎ,『文化系統学への招待』の再校ゲラ読み.ワタクシの担当章(pp. 171-210)については,いましがた完了.よしよし.この勢いで,やや気の重い別件┣┣" を蹴散らかした.またまたゲラ読みを再開する.「中原中也」は MAFFIN アクセス制限に抵触することを知った.ときどきだいだい色の警告ページが出て,とても気に障る.

◆[欹耳袋]科学政策ニュースクリップ「労働契約法の改正は日本の研究に何をもたらすか」(2012年3月25日).「常に違法駐車がある道路で、違法駐車をなくすためにロープを貼ってみたら、ロープの外側に違法駐車をされてしまい、結局道が狭くなっただけで皆迷惑」 というたとえがよくわかる.こんなたとえも可能かな:長いシートにふんぞり返る人がいたため六人しか座れなかったので,「七人がけの励行を」と通達したところ杓子定規に運用されてしまい,詰めれば八人以上座れるのにできなくなってしまった.

◆[蒐書日誌]来るぞ来るぞ〜 —— アビ・ヴァールブルク[伊藤博明・加藤哲弘・田中純(訳・解説)]『ムネモシュネ・アトラス』(2012年3月下旬近刊,ありな書房[ヴァールブルク著作集・別巻1],東京,768 pp., 本体価格24,000円, ISBN: → 版元ドットコム内容紹介 [pdf]).今月末にブツがつくばに着弾するらしい.わくわく.

◆今日の夕暮れは月・金星・木星が一直線になるらしい.誰も見逃してはならぬ.さあ,撤収だ.午後6時過ぎ,鮮やかな夕焼けタイム.細い三日月と宵の明星はもう見えているんだけど木星がまだ目視確認できないような…….あ,まだ一直線には並んでいないけれど,西の空高く三連星が見えてきた.一直線上に乗った三連星は等距離を保ちつつしだいに高度を下げていく.下から順に,木星→月→金星と並ぶ.月が中点.

◆本日の総歩数=3402歩. 朝○|昼○|夜○. 計測値(前回比)=93.5kg(−0.6kg) /  29.1%(+0.2%)


25 maart 2012(日)※三月末なのに霜が降りる早朝

◆午前6時前起床.朝焼けタイム.今朝は冷え込みが強くて,最低気温は+0.6度だった.この時期に真っ白く霜が降りる春の早朝.ひさしぶりに牧園の〈david pain〉へ.今なら買える苺のフレーズ.ラッキー.帰りに観音台に立ち寄って居室でごそごそ.来学期の農環研人事異動の内定を初めて見た.うわ〜.こうきたか.予測範囲内ではあったが.すっきり晴れて心地よい青空が広がる.

◆[欹耳袋]俸給に関する「年長研究者ひとり=若手研究者複数」という等式をそのまま人事配置や新規採用の基準として直訳するのは短絡的だろう.研究者ポストに関していえばワーク・シェアリングかジョブ・クリエイションという二つの選択肢が現実的だと思う.だからといって,すぐに実現できるかと言われれば心もとない.でも,個人でできることはやる.そもそも,研究者の業績を見る視点が,ともすれば「研究マシン」としての微分的効率ばかり重視されて,院生やPDから始まる「人間研究者」としての積分的全体が脇に追いやられている.短期的な研究成果やアウトプットは他者の目でも観察しやすくても,長期的な波及効果や影響力は自分にしかわからない.研究者がどのようなライフステージあるいは状況にあっても短期的効率のみを要求するのは,一生物個体としての「人間研究者」であることをそもそも否定している.生物としてたかだか百年のタイムスパンすら実在できないことを考えれば,研究者個人は積分的全体を見続けるべきだろう.一生なんかあっという間に過ぎてしまうよ.すぐだよ.

◆雲はやや多いが日射しはさんさんと降り注ぐ午後.最高気温は15.1度を越えているのに体感的に寒いのは北風が強いせいだろう.それにしても花粉の祭典がひどすぎてどうしようもない./夕方近く,何ヶ月ぶりかで断髪してきた.春やしねぇ./最近,大容量の文書ファイルをやり取りする機会が多くなったので,〈データ便〉のアカウント取得(フリープラン).300MBまでOK.ついでに〈宅ふぁいる便〉のアカウントもゲット.こちらの一般会員(無料)は50MBまでと制限がよりきびしい./来月から分会職場委員を半年間お勤めすることになった.

◆[欹耳袋]今年韓国で開催される国際昆虫学会議(ICE 2012)のオンライン参加登録作業でたいへん苦労している人たちがいるようだ.ブラウザーは IE on Win 限定で,しかも旧バージョンを使わないと手続きができないらしい.IEしか使えない登録サイトに遭遇したことはまだないが,大会参加費のオンライン決済で「ぐわわ」な事態に立ち至った経験はある.アルゼンチンの大会事務局から Western Union 経由で送金するように指定してきたのだが,当時の日本ではスルガ銀行が代理店だった.新規に口座をつくったり,窓口に電話をかけたりとそれはそれで大変だったのだが,送金した旨を向こうのオンライン登録サイトで入力しようとしたら,いきなりどこぞの銀行のスペイン語サイトに転送されて,なんやかんやと入力を求められた.まー,世界は広いし,いろいろありますわなあ.

—— ICEごたごたの顛末は Google Chrome をブラウザーとして使うと何とかなりそうとの「蜘蛛の糸」がツイッターから垂れてきた.関係者はぜひトライしてみてくだされ.※ワタクシは韓国には行かへんからねー.

◆[蒐書日誌]読了 —— ドナ・ジャクソン・ナカザワ[石山鈴子訳]『免疫の反逆:なぜ自己免疫疾患が急増するのか』(2012年3月1日刊行,ダイヤモンド社,東京,xiv+319 pp., ISBN:978-4-478-01338-0 → 目次版元ページ).医療ノンフィクションにして,環境問題+政治問題にも触れ,自己体験録でもある.著者のメッセージはシンプルだ:「自分の免疫システムは自分で守る」(p. 304).なるほど.本書の書評原稿を時事通信社文化部にメール送信した.

◆今日も夕焼けタイムがやってきた.今夜もぱあっとやりますかー.といっても,ちょいちょいと飲み食いしただけでおしまい.あまりに健全すぎて話にならない.明朝は氷点下の冷え込みらしい.電気あんかをしまいこむのは延期しよう.

◆本日の総歩数=3476歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=94.1kg(+0.5kg) / 28.9%(+0.1%)


24 maart 2012(土)※未明の霧雨から午後は青空に

◆今朝の起床は午前6時だった.罪深き惰眠.冷たい霧雨がずっと降り続いている.昨夜は背徳コリアンタウンの一夜だったが,低アルコールなマッコリのおかげで,さほどダメージはなかった.今日は書評記事をひとつ仕上げるうちに,テポドンが着弾するんだろーなあ.霧雨がしだいに強くなってきた.しかし,「花粉の祭典」は雨天決行.困ったことだ.

◆休日の運搬作業┣┣" (in vain) —— お昼前,粗大ゴミである廃棄予定のオイルヒーターを車に積んで雨の中を某大型電気店に有料引取りを依頼しに行ったら,オイルヒーターは粗大ゴミなのでつくば市クリーンセンターに持ち込むようにと冷たくリジェクトされた(orz).以前,旧型ブラウン管テレビを市クリーンセンターに持ち込んだときは「電気製品だからダメ」とこれまた冷たくリジェクトされたことがある.同じ電気製品でも「分類」がちがうと扱いがちがうということか.オイルヒーターは処分がたいへんらしい.メーカー引取りという手は台湾製だか韓国製なのでじゃまくさそう.となると,買い替えでの無料引取りしかない? むー.けったくそ悪いので(←ついお下品なことばを),験直しにたがみ酒店で〈どpink〉を買ってきた.よしよし.

◆[蒐書日誌]Michael Ruse『The Philosophy of Human Evolution』(2012年1月刊行, Cambridge University Press[Cambridge Introductions to Philosophy and Biology], Cambridge, ISBN:9780521117937 [hbk] → 版元ページ)./Michael Ruse (ed.) 『The Cambridge Encyclopedia of Darwin and Evolutionary Thought』(2012年12月刊行予定, Cambridge University Press, Cambridge, ISBN:9780521195317 [hbk] → 版元ページ).ダーウィニズムと進化学に関する大事典といえば,Patrick Tort (ed.) 『Dictionnaire du darwinisme et de l'évolution, Three Volumes』(1996年刊行, Presses Universitaires de France, Paris, ISBN:9782130464792)を越えるものは今でもないと思う.

◆午後になってやっと晴れてきた.よしよし.雨上がりの夕焼け風景.三井ビルから高く放たれた金星と木星が三日月の器に拾われる.

◆[欹耳袋]厚生労働省 -「「労働契約法の一部を改正する法律案要綱」の答申について~有期労働契約の在り方について~」(2012年3月16日) /同省労働条件分科会資料 → サイト.「有期雇用5年超で無期雇用転換を義務付ける労働契約法改正案が研究者コミュニティーに与える影響について」に見られるように,これからいろいろな意見が飛び交うにちがいないので,おおもとの情報源だけはしっかり押さえておきたい.今回の法律改定案の影響範囲に任期付き研究職ポストが入っていることは明らかなので,前もって予想しておく必要はあるだろう.いずれにしても,運用の仕方によっては,日本の科学コミュニティへの影響が大きくなりそうなことは確実だろう.私事に関わってくるが,併任や兼業の非常勤講師も今回の「労働契約法改正」の適用範囲となると,改正案でいう上限五年を越える非常勤出講は事実上もうできなくなるということか.ただ,上の厚生労働省答申を見ると,六ヶ月間の空白期間をはさめば通算はしないと書かれているので,非常勤先の雇用期間を操作すればなんとかなりそうではある.

◆新大久保コリアンタウンにて背徳マックスの限りを尽くした昨夜を静かに省みつつ,今夜はおとなしく秋田・山本合名会社の〈どpink〉を開栓.桜色の微炭酸にごり酒はもうすぐやってくるはずの農林団地お花見シーズンを予期させる.ただし四合瓶だからあっという間に空っぽに.まさに桜が舞い散る如し(実にみごとなオチであった).

◆[欹耳袋]えっ! —— 「岐阜県立国際情報科学芸術アカデミーの学生募集停止のお知らせ」.ここもまたワタクシの非常勤先のひとつだった.関口学長にはたいへんお世話になったのだが./「兼任」=本務先が主,兼任先は従.本務先が優先されるということ.「併任」=本務先と併任先は同格.両方ガンバレ!ということ.「兼務」=役職丸ごとではなく,その一部分の所掌を兼ねるということ.私の場合,東京農大教授は「兼任」であるが,東大教授は「併任」となる.だから,仕事のウェイトのかけ方はおのずと異なってくる.

◆本日の総歩数=4105歩. 朝○|昼○|夜△. 計測値(前回比)=93.6kg(+0.1kg) / 28.8%(+0.3%)


23 maart 2012(金)※雨降るコリアンタウンの夜に

◆午前5時半起床.曇り空.午前8時の気温は8.7度.予報ではこれから雨が降り出すとのこと.BGMはニールセン5番.指揮ヤルヴィ/イェーテボリ.今日は東大の学部卒業式があるのだが,本郷には実在する時間がないのです.すまんすまん.みなさん,おめでとう.新たな門出にふさわしいBGMはニールセン3番〈Simfonia espansiva〉.雨雲が接近してきている.午後は都内も本降りになるらしいので,足元はきっちり防水モードにしないとね.景気付けのBGMはニールセン4番〈不滅〉.みんな,滅びないように消え去らないように各自がんばろうね.カール・ニールセンの交響曲を「3番」→「4番」→「5番」と通して聴くと,まさしく研究者人生をなぞっているようなもの.

◆[欹耳袋]Togetter - 「有期雇用5年超で無期雇用転換を義務付ける労働契約法改正案が研究者コミュニティーに与える影響について」.楽観論と悲観論が交錯し続けている.

◆雨の新宿百人町,昼下りの高座 —— 午後からは新宿百人町にて月イチのお座敷,その後,背徳の雨が降る夜の新大久保コリアンタウンに沈む予定.「今夜は新大久保の最深奥ゾーンに行くよ」との予告が百人町から届いた.ついに背徳度マックスを体験できるのか!正午過ぎにつくば駅へ.冷たい小雨が降り続いている.湿度が高いのでコートはいらない.新宿百人町へ出撃~.都内は本降りだった.新大久保下車.途中〈古書畸人堂〉にて,岩波の『日本思想大系41・三浦梅園』を買ったのだが,ハードカバーの函入りであまりに重すぎる.しかし,内容が一冊まるごと『玄語』なので,通りすぎるわけにはいかなかった.午後2時前に百人町の目的地へ.お席亭にご挨拶してから,高座へ.今日は多変量解析をRコマンダーで行なうというお題目.最初は概論.続いて,クラスター分析についての講義実習.さらに,主成分分析の講義と実習.最後に総括と質疑.午後5時前に終了.年明けから三回にわたる講義だった.みなさん,どうもお疲れさまでした.

◆雨に濡れるコリアンタウン,背徳の夜は更けて —— 朝から降り始めた雨は本降りになり,夕方になっても傘が手放せない.タクシーに乗りあわせコリアンタウンの細い横丁に分け入る.目的地は韓国伝統料理〈元祖・松屋〉だ.毎回着実に背徳度がアップする心地よさ.前菜のボリュームを見るだけで期待が高まる.続いては,この店の名物「たこ鍋」.生のタコの足がホースのようにのたくって豪快.唐辛子のスープはものすごく辛かった.ネギやニラがてんこ盛り.店員さんがタコをはさみでぶつぶつ切ってくれる.鍋の中でタコ踊り.タコはまるまる一匹使っている.それにしてもスープが濃厚で辛かった.

いよいよ本命.この店の有名にした料理がこの「カムジャタン(豚背骨スープ)」.豚の背骨のカチ割りとジャガイモ,そして長ネギのみというシンプルな鍋物.スープは辛味よりも旨味が際立つ.見ての通りボリュームがある一品だが,豚背骨は何回でも「おかわり」できる.昨夜は二回か三回「ホネ」のおかわりをして,常時鍋が満杯だった.おいしく煮こまれた背骨がうますぎる.箸休めは丸ごとにんにくの揚げ物.熱々でうまいのなんの.飲み物は生マッコリをやかんで制覇.黒豆マッコリにおこげマッコリ.しかし,アルコール度数が低いので,たくさん飲み過ぎてしまう.参加者6人で計3リットルだったが,アルコールに換算すればたいしたことはない.

「カムジャタン」のお楽しみはまだ続く.ホネを食べ終わったあとのスープは,最後にご飯を投入して韓国風雑炊にしたててもらえる.雑炊とは言っても見た目には汁気の多いチャーハンみたい.スープの旨味が凝縮されて絶品.すっぽん鍋あるいはあんこう鍋の最後を飾る雑炊と同じ役回り.うましうまし.背徳背徳.このエリアに密集している他の韓国料理店と同様,店外にオープンテラスのようにテーブルが配置されている.外のテーブル席に運ばれてきたチヂミを見たら,大皿からはみ出す巨大サイズだった.

—— 〈元祖松屋〉は面積的には大きい店と見受けられるが,それでも予約をしないと入れない人気店らしい.味とボリュームで勝負する店.

◆雨の中をJR新大久保駅までてくてく歩く帰り道.そのままつくば直帰で午後10時半着.しとしと雨が降り続く.今宵も背徳の新大久保から健全なるつくばへ生還した.さて,寝る前に背徳写真のオンパレードだ.しかし,新大久保の背徳写真群を編集しているうちに,しだいに気分が…….うう.しかし,やるしかない.ありゃりゃ,Facebookへの写真アップロードができないんですけど…….これ幸いと明朝起き抜けにどかーんとアップすることにしよう.よしよし.外は雨がなお降り続いている.

◆本日の総歩数=10081歩. 朝○|昼○|夜×. 計測値(前回比)=93.5kg(−1.1kg) / 28.5%(+0.1%)


22 maart 2012(木)※弥生キャンパスは卒業式一色

◆午前5時過ぎ起床.朝焼けを拝む.今朝はさらに冷え込んで最低気温は氷点下2.5度まで下がった.しかし,天気予報によれば日中は春らしい暖かさに包まれるという.今日は東大大学院の卒業式.午後から本郷に出かける.

◆[欹耳袋]アニーちゃん仮説の終焉:J van Wyhe and M J Pallen「The ‘Annie Hypothesis': Did the Death of His Daughter Cause Darwin to ‘Give up Christianity’?Centaurus. Article first published online: 20 MAR 2012 DOI: 10.1111/j.1600-0498.2012.00256.x.本論文で反駁されている「アニーちゃん仮説」の出典は:ランドル・ケインズ(渡辺政隆・松下展子訳)『ダーウィンと家族の絆:長女アニーとその早すぎる死が進化論を生んだ』(2003年12月10日,白日社,東京,ISBN:4-89173-110-9 → 目次・部分書評).農水省系の研究所にいると,こういう科学史・科学哲学分野のジャーナルが自由に見られなくて不自由するな.農環研では統計学関係ジャーナルもごっそり購読中止にしやがったので,本務でも不自由してるんだけどね.

◆明日の新大久保チュートリアルの準備のため,ほぼ一週間ぶりに Win PC を起動したら,オニのような更新作業がいきなり始まって,ぜんぜん仕事にならない.Windows の更新はすべてを蹴散らかす.じっと待つしかない.

◆祝祭の本郷 —— 午後1時前,TX快速に乗る.晴れて気温は高め.コート不要の昼下がり.春の日射しの本郷台地は風もなく,絶好の卒業式日和.今日は大学院の学位記授与式がある.午前中に全体のセレモニー.学部ごとの式典も終わって,これから専攻ごとの授与式がある.弥生キャンパス内にはガウン姿がちらほらと.おめでとうございます.午後2時半,そろそろ専攻の学位記授与式に行ってくる.セレモニー会場には,と言ってもふだん使っている教室なんだけど,院生と教員がどんどん集まってきた.午後3時,さくっと学位記授与式が終わったことだし,つくばっくするかなー.湯島に寄り道して「うさぎ」さんを引き連れて帰るとしよう.午後5時すぎにつくば帰還.穏やかな夕暮れ.

◆[欹耳袋]Togetter - 「然るに、日本の基礎研究を崩壊させる今回の労基法の悪改正は滅ぼさなければならない。」と「研究者の非正規雇用について」.日本経済新聞「5年超で無期雇用に転換 労政審、改正案を了承 」や読売新聞「5年超の契約社員を無期雇用に…法改正案要綱」(2012年3月16日)によると,五年を年限として契約職員は無期雇用に転換できるとする法改正を受けてのツイート.この労働契約法の“改正”が結果的にポスドクを含む任期付研究員への“災厄”となる懸念があるという悲観論と,一方で,そんな長期にわたってポスドクで居続けることは例外的だから杞憂するには及ばないという楽観論のミックス.

◆【スト中止情報】 明日3月23日(金)に予定されていた関東鉄道のストライキは中止になったとのこと.関東鉄道ウェブサイトのトップに掲示されていた.

◆どうも体調がイマイチよろしくないのは花粉の祭典のせいか,それとも背徳の日々のせいか.

◆本日の総歩数=7615歩. 朝○|昼○|夜○. 計測値(前回比)=94.6kg(−1.1kg) / 28.4%(−0.4%)


21 maart 2012(水)※一週間ぶりの観音台を北風が

◆午前5時半起床.雲間から朝焼け.真夜中は氷点下0.9度まで下がった.午前6時には+3.3度に.終日晴天が続くとの予報.風速5メートルを越える北風が身を切るように冷たい.三月に入って三寒四温の日々が続いている.ぽかぼか陽気だったり,氷点下の明け方だったり,春雨に濡れたり,土ぼこりが舞い上がったり.今日は寒の戻り.一週間ぶりに帰ってきた観音台は北風が吹き渡っていた.居室の窓際に陣取っていると,冷たいすきま風がひゅーひゅーとは忍びこむ.知らない間に設置されていたトイレの自動消灯装置なんかいらないから,窓の立て付けの具合をちゃんとメンテしてね.

◆[進化思考]読書と趣味と備忘録「三中信宏 『進化思考の世界 ――ヒトは森羅万象をどう体系化するか』」(2012年3月18日).久しぶりに拾った感想.どうもありがとうございます.確かに,詰め込みすぎなんですよねぇ.

◆戦線復帰 —— 日常復帰とはすなわち┣┣" 撃ちの日々の再開.一┣┣" すんで,また一┣┣" が.無限┣┣" 列.あるいは無間┣┣" 地獄.小粒┣┣" のポリマーをぷちぷちした.昼前に業績評価に関する面談┣┣" というやや大きめの一頭を撃つ./向こう一ヶ月間の┣┣" 撃ち予定一覧を更新した.毎年のことだが,年度始めの本務地と複数出向先との予定調整は「連立方程式」を解くようなもの.

◆[蒐書日誌]カール・ジンマー[長谷川眞理子監修]『進化:生命のたどる道』(2012年5月29日発売予定,岩波書店,オールカラー448pp.,定価5.880円, ISBN:978-4-00-005467-6)のコラム初校ゲラは先ほど返送>関係者諸氏.

◆昼下がりの観音台はちょっと見には青空からさんさんと陽光が降り注ぐ好天.気温も12度近くまで上がっている.しかし,北風が吹き荒れていて,花粉がものすごそうで,とても外出する気にならない.西日の当たる居室を密閉して徹底抗戦.

◆[欹耳袋]Nature「Numbers of young scientists declining in Japan」(20 March 2012).「パイの総量」が増えても若手研究者にそれが行き渡らないというのは確かに問題.研究者コミュニティの利害「世代間抗争」に陥らずに打開策を探るにはどうすればいいのだろう.グランド・ヴィジョンを出すまでは,「自活と自衛プラスα」で乗り切るのが現実的なんだろうと思う.つまり生き残ること. /日本経済新聞「カリフォルニア州立大、新入生受け入れ凍結 財政難」(21 March 2012).先日の専攻教員会議でも「お金の議題」が多かったしなあ.だいぶ前のニュージーランドやちょっと前のスペインみたいに国家レベルでの科学技術研究予算の大幅カットが現実にあり得ることを考えると,こういう“天変地異”は他人事ではない.

◆夜,自宅の本棚をごそごそ片付けていたら,駒場時代の図書館貸し出し票が棚板の奥底からホコリとともにはらりと舞い落ちてきた.紅茶に浸したマドレーヌのごとく,およそ35年前の記憶が次々に展開してきた.わわ.

◆本日の総歩数=2984歩.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=95.7kg(+0.7kg)/28.8%(−0.1%)


20 maart 2012(火)※春分の日,春一番が吹かない

◆午前8時起床.遅すぎて話にならない.気持ちのよい青空.最低気温は2.2度まで下がったが,その後は暖かくなってきた.しかし,朝から目が痒くて鼻もぐすぐすする.南風が強く吹いているからかも.あまり外出しない方がきっと身のためだろう.今日の「花粉の祭典」は忍耐限度を越えている.

◆[欹耳袋]これまで数多くの学会懇親会に参加した経験があるが,とりわけ生態学会はリソースをめぐる熾烈な闘争の場だった記憶が多々ある.参加者人数が多いこともあるが,むしろ密度効果の要因が重要かも.ほとんど相転移しそうだったし.また,大会参加者の齢構成がリソース消費パターンに大きく関わっているだろう.生態学会とか行動学会とか進化学会は最初のスタートに出遅れると致命的.大会委員長の挨拶が長すぎて,端っこのテーブルで勝手に乾杯して食べ始めた学会はいつのことだったっけ? いずれにしても,学会懇親会における「最適リソース配置問題」についてはちゃんと考えた方がいいと思う.学会参加費に匹敵するくらい懇親会費は高いことが多いのでよけいにそう感じる.コストパフォーマンスの低い学会懇親会は出ない方が精神衛生上よろしい.生態学会には過去何度も参加したことがあるが,オフィシャルな懇親会をスルーして,ほかで勝手に“ウラ懇親会”をしたこともたびたびある.

◆[蒐書日誌]統計学会が太っ腹すぎる件 —— 東大出版会から2008年に出版された論文集:国友直人・山本拓(監修)『21世紀の統計科学』は,「日本統計学会創立75周年記念出版『21世紀の統計科学』(全3巻) 増補HP版 (2012年1月)」にアナウンスされているとおり,全三巻すべてをpdfファイルとして無料ダウンロードできるようになった.三巻合わせてほぼ千ページの分量がある.手元にある元本と照らし合わせて,全巻構成と書誌情報を下記に記す:

  1. 国友直人・山本拓(編)『社会・経済の統計科学』(2008年7月4日刊行,東京大学出版会[21世紀の統計科学:1],東京,xii+306 pp., 本体価格4,800円,ISBN:978-4-13-044081-3 → 版元ページ2012年増補HP版 pdf)
  2. 小西貞則・国友直人(編)『自然・生物・健康の統計科学』(2008年7月24日刊行,東京大学出版会[21世紀の統計科学:2],東京,xii+360 pp., 本体価格5,600円,ISBN:978-4-13-044082-0 → 版元ページ2012年増補HP版 pdf)
  3. 北川源四郎・竹村彰通(編)『数理・計算の統計科学』(2008年8月28日刊行,東京大学出版会[21世紀の統計科学:3],東京,xii+340 pp., 本体価格5,600円,ISBN:978-4-13-044083-7 → 版元ページ2012年増補HP版 pdf)

—— 統計学会の英断に感謝しつつ,利用させていただくことにする.

◆[欹耳袋]「This website is on strike」 —— http://treefinder.de/ を見よ.「I have not yet been paid for my work」.他人事ではない.

◆[系統樹思考]mike、mikeなるままに…「自然科学の5つの基準」(2012年3月18日)と「反復不可能な観察行為に関する覚書き[『系統樹思考の世界』の読書メモ] 」(2012年3月20日).

◆なんだか今日は体調がぐずぐずしていてよくないなあ.

◆本日の総歩数=2401歩.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


19 maart 2012(月)※夜の千駄木にて送別パーティ

◆午前5時過ぎ起床.晴れ.昨夜は長旅と連夜の背徳で疲れはてたので早寝してしまった.関西にいたときはほとんど連日雨模様だったが,関東に戻ってきてやっと日の出を拝むことができた.今朝の最低気温は午前7時前の4.6度.がんばって冷え込んでくれた.日中は昨日とはちがって冬の寒さになるとの予報.しかし,花粉の祭典も絶好調だという.困ったな.

◆北風に吹かれて本郷へ —— 午前11時前.さて,そろそろ本郷出撃のしたくをするかー.11:25発のTX快速に乗る.今日は青空・北風・花粉の三点セットがそろっている.正午過ぎに根津着.北風が弱いので都内の方が体感的には暖かく感じる.東大農学部前の〈大きなかぶ〉にて日替わり玄米定食.いつもより客が少ないのは連休のはざまのせいか.その後,農学部の隠れ部屋にしばし引きこもる.午後1時からは専攻教員会議が始まる.そのときに先日の学位審査文書への押印.細かな┣┣" たちが弥生キャンパスで待ち受けていた.年度末の教員会議は“お金まわり”の議題がたくさんあった.午後4時前にやっと終了.外は曇りときどき晴れ.夕方が近づくとともに風がしだいに冷たくなってきた.再び隠れ部屋に戻る.農水省計算センターがやっと正常復帰したので,過去一週間分の背徳日録を一挙にアップロードした.

◆[欹耳袋]今日の教訓 —— かぎられたマンパワーの組織が増え続ける仕事を抱え込むと事故が起こる確率は単調に増加する.共有されるべき失敗事例すら放置され,改善の機会が喪われる.過去に学ばなかった結果,同じあやまちが何度も繰り返される.表沙汰になる事故や過誤の背後にはもっと多くの危機が潜んでいる.それらが表面化しなかったのはたまたま運がよかっただけだ.

◆夕闇の千駄木にて専攻送別会 —— 午後5時半,そろそろ専攻送別会の場所に移動しようかな.外は暗くなってきたけど,不忍通りをゆるゆる北上すればいいだろう.午後6時過ぎ,不忍通からちょっと入ったところにある中華料理〈天外天・別館〉にたどり着く.七階の個室に上がる.眼下には須藤公園.夜の闇が広がっている.午後6時半から専攻送別会.紹興酒のシンプルな飲み過ぎ.

◆明日は何もない春分の日.何もせずに過ごしたい.朝から晩までの〜びのび.

◆本日の総歩数=9400歩.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


18 maart 2012(日)※洛南ミッションで旅の幕引き

◆午前6時にいったん目覚めたものの,背徳な二度寝.下界を行き来する列車の発着音に目覚めたのは午前8時のことだった.まだ雨が降り続いているのか,ホテルの窓から見下ろす路面は濡れている.周囲の山々は低く垂れこめた雨雲で頂上部分が隠れている.

◆[欹耳袋]もうカツ丼でいいよな「 農業気象学会若手研究者の会のOS「統計ソフトウェアR入門」を見てきました(2012年3月14日)※まとめがすばらしい!/Blog (Before- & Afterimages):予告:シンポジウム「アビ・ヴァールブルクの宇宙──『ムネモシュネ・アトラス』をめぐって(仮)」(2012年3月13日).2012年6月30日(土)14:00〜18:00@東京大学教養学部.ワタクシもコメンテーターとして出ます.

◆再び京都へ舞い戻る —— 午前10時前にチェックアウト.京都駅に着いたら連休のせいか,観光客でごった返していて居場所がない.ホテル〈グランヴィア京都〉のロビーで一休み.進化学会ニュースと岩波本のゲラ読みをすませた.大きな問題はないようだ.

◆小雨降る昼下りの洛南ミッション —— 昼過ぎに京都ミッションの開始.まずは奈良線で黄檗へ.ミッションはさくっと終わったので,近くの萬福寺を一回りしてきた.ときおり雨がぽつぽつ降る境内は人影も少なく,京都駅周辺の暴力的人ごみはいったい何だったのかと思うことしきり.門前の普茶料理〈白雲庵〉にて久しぶりに精進料理を.古いお屋敷をそのまま料亭にしてあって,そこかしこに置物やら掛け軸やらなにやら陳列されている.まずは前菜から.萬福寺そのものがJapanese-Chineseの折衷みたいなスタイルだが,その流れを汲む普茶料理もまた日中合作みたいな感じ.彩りがとてもはなやかで,京都の和菓子を眺めているような感じ.

その後,京都に戻る.小雨が降り続きちょっと蒸し暑い.観光客で激しく混んでいてどの店も長蛇の列.帰りの新幹線に乗る前にちょいと SUVACO の〈フィゲラス〉に立ち寄ってタルトタタンをば.このタルトタタンは姉妹店の〈ラ・ヴァチュール〉から取り寄せているそうな.りんごの濃厚な味わいが絶品.ちょびっとだけ背徳かなあ〜.午後5時すぎの新幹線に乗った.東京は雨が降り続いていたが,つくばは雨上がり.午後10時すぎに自宅に帰り着き,今回の年度末学会ハシゴ旅はやっと終わった.

◆何だか累積疲労が染み渡ってきたようで,沈み込むようにアモルファスな睡眠状態へと変化していくワタクシ.

◆本日の総歩数=15452歩.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


17 maart 2012(土)※雨に濡れる瀬田の奥深く勤行

◆午前5時起床.夜中に雨雲が通過したらしく路面が濡れている.曇り空.気温は高め.山裾にはまだ雲の切れ端がかかっている.夜明け前から講演スライドに手を入れたりして,この上もなく健全な一日の始まり.壇上に上がるまでの時間はすべて自分のためにある.日中,大津の山の上で雨に降られたらカナシイな.傘はもっていくけど.そうこうするうちに本降りの雨になってしまった.午前9時,スライド編集は完了.本番の6時間も前にスライドが完成してしまうなんてありえへん.さっきよりは小降りになったけど,傘は手放せないな.荷物を詰め込む.今夜はお座敷をすませてから大津泊.すべての道は大津へ通じる.

◆Petrus Camper 1791. 『Verhandeling over het natuurlijk verschil der wezenstrekken in menschen van onderscheiden landaart en ouderdom; over het schoon in antyke beelden en gesneedene steenen』(1791年刊行,B. Wild en J. Altheer, Utrecht → Google Books).ヒトの「顔面角」の初出文献.この本の図版を今回の発表スライドの背景画像として使った.

◆瀬田の唐橋を再び渡る —— 午前11時,JR琵琶湖線に乗る.しとしと雨が降り続いている.大津でホテルに荷物を預けてから,瀬田に向かう.先月の京大生態研セミナーに続きまたここに来た.小雨がなお降り続いている.龍谷大学行きのバスには乗客はワタクシひとり.およそ10分で龍谷大学に到着.午前中は諸委員会しかないので,生態学会会場は閑散としている.カフェテリアにてランチ.ふわふわオムライスとサラダ.計530円なり.小雨に濡れるキャンパス内を一回りした.広くて大きくてきれいでしかも遠い.昨日が卒業式だったとのことで,今日は学生の姿はまったくなく,静寂そのもの.ロケーションの雰囲気には桂の山裾にある日文研みたいな感じ.

◆いつまでも徘徊していたのではしかたがないので,人気のない自由集会会場に潜入し,照明を落とした片隅でごそごそする.龍谷大学は E-mobile がちゃんと届く.許す.近くの京大生態研センターは電波が届かなかった.農水計算センターのネットワークが落ちているらしく,ウェブメールをそっと覗くことができない.覗き見ても┣┣" しか着弾していないだろうから,今のままの方がシアワセかもしれない.自由集会まで時間がありまくりなので,講演スライドにまたまた手を入れてしまった.エンドレスに修正し続けそうでコワいものがある.午後2時過ぎ,夜明け前からのスライド編集作業にケリをつける.本日の高座は20枚/20分で務めさせていただきます.

◆生態学会自由集会〈道具としての「形態測定学」:量的phenotypingの活用法〉3月17日 15:00-17:00 @D会場.自由集会のトーク.かなり削り込んだのだが,それでも20分ぎりぎりかかってしまった.オーディエンスは50名くらいかな.午後7時半,自由集会終了.駆け抜けたような.これから懇親会会場である〈ちゃんこ金左衛門〉への送迎バスが来る.一次会は午後9時過ぎまで,バスでJR瀬田駅まで移動したのち,先月も懇親会があった〈ぎゃれ 楽坐〉に行ったら生態学会参加者がいるわいるわ.ほぼ満員でしばらく後にやっと入れた.瀬田駅近くで滋賀の日本酒をしっかり飲みたい人はこの店に来るしかない.午後11時過ぎ,二次会終了.瀬田駅から西へ向かう人,東へ行く人,いろいろ.多くの大会参加者が日が変わる京都まで帰っていったのだけど,ちゃんと明日から瀬田に通えるのだろーか?

—— 日が変わる直前に大津駅南口に直結する〈ホテルコムズ大津〉にチェックイン.とにかく寝よう.

◆本日の総歩数=8474歩.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


16 maart 2012(金)※本日は六根清浄の禊をしよう

◆午前5時起床.連日連夜の酒池肉林で今朝も「うう」状態.しかし,明日の高座のスライドがまだできていなかったりするのはよろしくない.これからの24時間は清らかにすごそう.外はよく晴れて朝日がまぶしい.本日のミッション開始.午前10時に出発.六地蔵は薄曇り.昨日と同じく北風が冷たい.まずは奈良線に乗って黄檗へ.正午前に本日のミッションは終わった.ぼやけた春の空が広がり,花粉の祭典の真っ最中.これから六地蔵へリターン.長谷川珈琲店でランチをすませてから戻る.

◆出先の┣┣" 撃ち —— MAFFIN-VPN接続ができないのは3月19日までメンテ作業をしているからか.となると,ワタクシの日録は週明けまで更新できないな.酒池肉林の懺悔は先延ばしになった./進化学会ニュース13(1)のゲラがメールに乗って着弾した.┣┣" が次々に飛来する京の都./カール・ジンマー[長谷川眞理子監修]『進化:生命のたどる道』(2012年5月刊行予定,岩波書店)のコラム初校ゲラが着弾./4月26日に発売される共立出版からの『進化学事典』について販促上の連絡あり.茗荷谷に入牢することはもうないが,今度は売り歩くお仕事が覆いかぶさってきた./その他,微小┣┣" どもを一掃処分した.

◆昨夜までは三晩連続で飲みまくったので,今日は自重の日.山科駅前の〈得正・山科店〉にて看板商品の「トンカツカレー」.アルコール抜きのこの上もなく健全な晩ご飯だった.「上等カレー」と書かれたお皿がどことなく昭和ノスタルジーを感じさせる.カウンターのみの小さなお店だが,このあたりではとても有名なカレー屋さん.

◆[蒐書日誌]今回の旅の車中読書本:ドナ・ジャクソン・ナカザワ[石山鈴子訳]『免疫の反逆:なぜ自己免疫疾患が急増するのか』(2012年3月1日刊行,ダイヤモンド社,東京,xiv+319 pp., ISBN:978-4-478-01338-0 → 目次版元ページ).「免疫本」は最近ぜんぜん読んでいなかった.この本はやや煽り気味だがおもしろい.

◆夜は引き籠りでスライドづくり.日が変わって,明日の講演スライドを実質20枚の編集をやっと終えた.あとは明日「まとめスライド」をつくればなんとかなるだろう.持ち時間は20分なので分量的には問題ないはず.

◆本日の総歩数=7095歩.朝○|昼○|夜○.計測値(前回比)=未計測/未計測


15 maart 2012(木)※仁徳天皇陵をひと回りする朝

◆午前5時にいったん起きたものの,けさもまた「うう」状態.けっきょく午前7時まで二度寝してしまう.朝ごはんを食べたのち,朝歩きで近くの仁徳天皇陵をひとまわりしてきた.あいにく曇り空からときおり雨が降る空模様だったが,この古墳は巨大過ぎて全体がよくわからない.午前11時にやっとチェックアウト.薄曇り時々晴れ.

◆昨日とは逆コースで移動し,京都に向かう.午後は洛南ミッション.だんだん晴れてきた.奈良線に乗り換えると,卒業式らしい袴姿がちらほら見える.稲荷で降りたところを見ると聖母の学生かな.さて,ミッション開始.まずは,黄檗にてミッション第一弾.晴れてはいるが北風が冷たい.六地蔵へ移動.昨年から引きずってきた第二ミッションがやっと終わった.これから御蔵山の実家に向かい,郵便物の整理と後片付けという最後のミッションが待っている.

◆晩御飯は北白川の〈吉田さかみち〉へ.昨夜から日本酒成分が不足していたので,その補給をするために.まず最初は島根「ヤマサン正宗」のおりがらみから.続いて滋賀の「竹生嶋」純米吟醸.肴はお造りの盛り合わせ(とっても美味).この店は時ともなしに満席になるらしい(予測不能らしい).春野菜の天ぷら.酒は宮城の「墨廼江」.笹カレイの一夜干しがうますぎて死む.沖縄にも日本酒の蔵元があって,具志川の泰石酒造が「黎明」という銘柄を出している.その現物を見せてもらった.京大のHKDセンセご一行様が到着して,店は満席に.「風の森」秋津穂の笊籬採り.肴はジャガバター酒盗添え.和歌山の高垣酒造が「かもすぞ」という〈もやしもん〉ラベルの純米吟醸を出していたとか.最後はヤマサン正宗の「荒走り」と「責め」の飲み比べ.

—— これでまた,明朝の「うう」は決定だ.連日かー.

◆そろそろ生態学会の講演スライドをつくらないといけないぞ.まずいぞ.

◆本日の総歩数=20009歩.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=未計測/未計測


14 maart 2012(水)※大阪に来るのは久しぶりかも

◆前夜飲み過ぎてしまったので,朝から「うう」状態.それでも,旅立ちの時間は迫っている.あわてて旅支度をして,9:25発のTX快速に飛び乗った.今日も天気がよさそうだ.東京で新幹線に乗り換える.東海地方は春らしい霞んだ青空が広がっていた.ようやく「うう…」から解放されつつある.いつもは京都駅で降りる習慣がついているのだが,今日は間違ってここで降りてはならぬ.

◆そんなこんなで,久しぶりに新大阪駅で下車.大阪弁結界に突入する.蓬莱の豚まんの屋台を横目に,地下鉄御堂筋線に向かう.まずはなんば駅まで移動し,続いて南海高野線に乗り換える.いつこんなに大きなターミナルビルができたのか.前回この路線に乗ったのはもう十年近く前のことだ.外は花粉たっぷりの霞んだ青空.気温は高め.快速急行なのでほどなく堺東駅に着いた.堺東駅を降りて徒歩五分ほど.堺市役所のすぐウラの〈ダイワロイネットホテル堺東〉にチェックイン.ビジネスホテルだが,部屋がゆったりしていて,広いL字型テーブルがとても使いやすい.ホテルから目と鼻の先に〈コメダ珈琲店〉があるし.ホテルで今夜のR講習会の仕度をしてから,大阪府大に出撃しよう.

◆午後4時前,そろそろ出撃タイムだ.南海高野線の各駅に乗って白鷺駅で下車.午後4時半だが,夕日がまぶしい.なにわの飲み屋情報がタイムラインからどんどん流れてくるのだが,今夜はもう時間いっぱい予定が入っている.十分歩いて道路を渡ればそこはもう大阪府大のキャンパスだ.春休みの大学は静かすぎる.まずは日本農業気象学会2012年全国大会の会場である真新しい建物に入る.うーん,これは“学会ドレスコード”を読み間違えたかな…….大会参加者の「ネクタイ率」がとっても高いぞ.農学関係と医学関係の学会はもともと“ドレスコード不文律”があるのだが,ここもそうだったか.しかし,だからといってすごすご帰るわけには行かない.

◆若手の会にてトーク —— 「若手の会」の自由集会〈統計ソフトウェア R 入門〉会場に向かう.うわ,ここもネクタイな人々が.とりあえず,使用PCの接続チェックをすませて,17:30の開会を待つ.開会.主催者の挨拶ののち,ワタクシが「Rが拓く新しい統計的データ解析への道」という演題で40分ほど話をした.続いて,国立環境研の平田竜一さんが「Rを用いた気象データ解析の基礎 ~Excelより便利でC言語より気軽な大量データ処理のためのフリーソフトウェアの紹介~ 」という講演をした.持ち込まれたPCは Win / Mac / Linux とさまざまだったので,OSごとのちがいに対処するのがちょっとやっかいだったが,それでもつつがなく二時間の小集会を終えることができたのは幸いだった.

◆午後7時半過ぎに「若手の会」は終了し,参加者は夜のキャンパスを横切って白鷺駅前の懇親会会場にぞろぞろ移動する.駅前の〈一藤〉の二階の座敷はみるみるうちにいっぱいになった.50人以上集まったかも.ビールののち,焼酎の一升瓶が飛び交う.次々にスピーチが.ぶりしゃぶ,うますぎる.午後9時半に中締め.その後,大阪府大のワルイ人たちに拉致され,近くの〈だるま食堂〉にてワインを飲むことになった.午後11時過ぎの白鷺駅.プラットフォームには学会関係者とワルモノしかいない.けっきょく,南海高野線の最終にのって堺東に帰りついた.午前様になる直前だった.みなさん,どうもありがとうございました.

◆本日の総歩数=10421歩.朝−|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.9kg(+0.3kg)/29.4%(+0.6%)


13 maart 2012(火)※朝から冷たい北風が吹き渡る

◆午前4時半にいったん起床したものの,二度寝を決め込む.次に目覚めたのは午前6時.東の空から昇り始めた朝日がくっきりとシルエットを刻んでいる.快晴の観音台.今朝の最低気温は氷点下0.8度まで下がり,研究所構内の水たまりは薄く結氷していた.朝のBGMはひさしぶりに Chick Corea のピアノ独奏で〈Expressions〉から始まる.今日はずっと観音台に立て籠もる.今日も北風が強く,気温の割りには体感気温はもっと低い.しかも花粉の祭典が始まったようで,朝から「ふんが〜」が止まらない.居室窓際にいるとサッシを締めきってあるのに,どこからか冷たいすきま風がひゅーひゅー入ってくる.ということは,花粉もひゅーひゅー舞い込んできているのかな.ふんが〜.

◆性悪と極悪のはざまで —— 午前中から今年度の業績報告書を作成するということで,ガルーンからワードにコピー&ペーストするだけの単純作業.そのはずが,最後の最後でワードの野郎がハングアップしやがって,虹色の車輪が空しくくるくる回転している.これはもう強制終了するしかないよなあ.カット&ペーストとはいえ,ガルーンからペーストしたら「Century」で文字化け満載.しかも,ワードの賢い組版機能は天動説な好き勝手インデントをしてくれるので,これはもうどうしようもない.午前の作業はムダになってしまってイチから出直し.ガルーンからの転載に際しては,一度テキストエディターに落として,性根を叩き直してから,性悪ワードにコピーするか.あるいは,いっそのこと InDesign できれいに組版してから .doc に変換するか.いずれにしても双六じゃないんだから,「降り出しに戻る」というのはかんべんしてね.

さて,気を取り直してもう一度トライしてみたもののやっぱりダメ.ガルーンからいったんテキストファイルに落としてから,ワードに貼りつけようとしたとたん,またしても虹色の車輪が回転し続ける…….性悪ワード,逝ってよし.お行儀のワルいツールにはさっさと見切りをつけてシアワセになろう.ガルーン転載事項はまるごとテキストファイルにコピペする.ワードのフォーマットはまるごと InDesign に読み込む.あとは InDesign のなかでの編集作業に没頭する.InDesign 作業がすんだら即pdfに出力し,さらにワード形式でエクスポートすればみごとな .doc ファイルに大変身.これで全部おしまい.ガルーンやワードの中で遭難することなく,ほんの半時間で作業終了.

—— 今年度の業績報告書をメール送信したので,とりあえず一件落着.午前のワタクシの時間を返して〜.

◆午後三時から,三輪哲久領域長の最終セミナー.夕暮れにいったん帰宅し,午後6時半につくばセンターの〈Brasserie 2plats〉にて送別会.もうへろへろ.

—— 24時間後に堺にいるなんて想像できない.

◆本日の総歩数=不明[うち「しっかり歩数」不明].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.6kg(−0.4kg)/28.8%(−0.9%)


12 maart 2012(月)※西北風に乗って花粉が大襲来

◆午前4時半起床.夜明け前の空高くラグビーボールのような月がぽかんと浮かんでいる.ひさしぶりに冷え込んで,午前5時の気温は氷点下1.6度.昨夜の雷雨の名残で,農林団地の構内道路にはまだ水たまりが残っている.ひょっとして凍ったりするかも.今朝の最低気温は零下1.8度まで下がった.朝からよく晴れて青空が広がっている.日射しとともに気温上昇.午前10時の気温は8.5度まで上がり,日だまりでは暖かい.しかし,強い西風に乗って大量の花粉が襲来しているようで,かなり重度の「ふんが〜」状態.

◆本日の┣┣" 決着戦 —— とにもかくにも進化学会ニュースの連載原稿にケリをつけないわけにはいかない.しかし,足元のすねこすり┣┣" どもがわらわらとまとわりつく.勁草書房の『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(←タイトルはこれで確定ですかね)の近刊広告のためのキャッチコピーをひねり出してみる.

◆北風に吹かれて背徳ランチ —— 冬に戻ったような乾いた青空のもと冷たい北風が吹きつける.お昼前に〈おはん〉に到着.今日は新メニュー「ビックちらし」を試しに注文したら,うそいつわりなく二倍の分量が運ばれてきて,真昼間の背徳ランチになってしまった.すしご飯の量はもちろん,まぐろ・甘えび・ねぎとろの盛り上がり方がハンパではなかった.限定三食.注文する人は覚悟しようね.この背徳をつぐなうには死ぬ気で原稿を書くしかない.

◆[欹耳袋]アビ・ヴァールブルク[伊藤博明・加藤哲弘・田中純訳]『ムネモシュネ・アトラス』(2012年3月近刊,ありな書房,東京,768 pp., 本体価格24,000円 → 内容紹介 [pdf]).本書の出版されたあとに関連┣┣" が二頭やってくる予定.

◆[蒐書日誌]Andrea Gleiniger und Georg Vrachliotis (eds.)『Pattern: Ornament, Strucutre and Behaviour』(2009年9月18日刊行,Birkhäuser Verlag[Series: Context Architecture], Basel, 108 pp., ISBN:978-3-3764-3895-3 [pbk] → 版元ページ).Georg Vrachliotis「"And it was out of that that I began dreaming about patterns...” On thinking in structures, designing with patterns, and the desire for beauty and meaning in architecture」(pp. 25-39)では,Christopher Alexander の「パタン・ランゲージ」が取り上げられている.このデザイン・パターンの semilattice が要点.

◆午後も原稿を書き続けたものの夕方までには撃ち果たせず,無念の持ち帰り┣┣" となった.夜のお仕事.午後11時過ぎ,ここ数日,背後から魔王のように追っかけられていた進化学会ニュース原稿をやっとメール送信完了:三中信宏「「智慧の樹」再訪:【2】ツリーとダイアグラム:チャールズ・ダーウィンに見るその用例」.日本進化学会ニュース13巻1号原稿.分量は8000字余り+図10枚.編集長どの,よろしく〜.今回はダーウィンが描いた系統樹(ダイアグラム)が満載.

—— さあ,大┣┣" をあっちに追いやったので,今夜はもう寝るしかない.明日は旅支度をする.

◆本日の総歩数=6253歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼×|夜○.計測値(前回比)=94.0kg(+0.5kg)/29.7%(+0.8%)


11 maart 2012(日)※夕暮れの観音台に春雷が轟く

◆日が変わるころは氷点まで気温が下がったが,午前6時の気温は+1.5度だった.最近あたたかい朝が続いていたので,冷え込みが身に染みる.早く起きて原稿を書くはずが背徳の朝寝坊してしまった.困ったなー.雲はやや多いながらも,朝日が差し込んできた.久しぶりの青空か.午前8時の気温は+4.1度.空気が冷たい.

◆微小┣┣" の一網打尽 —— 世の中のすべての┣┣" どもがこれくらい小さいとさぞかしシアワセだろうに:農水計算センター報告書の提出./人間ドック受信申請票の提出./4月13日(金)東京農大の休講届の連絡./確認:松戸フィル練習日は5月6日(日)18:30から.本番は5月13日(日)./年度末の業績報告書なんちゃらは週明けに提出する.

◆[蒐書日誌]着便本のよそ見は背徳 —— Otto Neurath[Edited by Matthew Eve and Christopher Burke]『From Hieroglyphics to Isotype: A Visual Autobiography』(2010年9月16日刊行,Hyphen Press, London, xxxii+192 pp., ISBN:978-0-907259-44-2 → 目次版元ページ).ウィーン学団のビッグネームだったオットー・ノイラート(1882-1945)による遺作.1943〜45年に書かれた原稿をもとに編集された完全版.カバージャケットを含む“束見本”までできていたらしい.視覚言語「アイソタイプ」の考案者らしいヴィジュアル自叙伝.今時めずらしいクロス装丁本.カバー・ジャケットにカール・ポパーの言葉が載っていたりして,ややビビる.

◆午後の幽閉タイム —— 正午前,重い足取りで観音台へ向かう.これから自発的カンヅメに入る.居室の机のまわりは「ダーウィン」本だらけ.MacBook Air は Darwin Online につながっている.しかし,チャールズ・ダーウィンのノート類や書簡がたとえオンラインで自由に読めても,やはりその「紙」版を手元で見たいというパーソナルな慾望はいかんともしがたい.窓越しに外を見やると日射しがさんさんと降り注いでいる.しかし,いい気になって窓を全開しようものなら,盛大に「ふんが〜」が始まるにちがいないので,ぴったり締めきったままカンヅメは続く.午後2時半,お,そろそろバーンスタイン〈ウェスト・サイド・ストーリー〉をBGMにしようかな.指揮はもちろん作曲者本人.ノリのいい曲にしないとね.組曲版よりもミュージカル版の方が圧倒的にカッコイイと思う.〈ウェスト・サイド・ストーリー〉をがんがん流しながら,昔のダーウィン本をひもとく午後のひとときはいいなあ.「ジェッツの歌」とか「何かの予感」とかパワーが湧いてくるし.そういえば〈ウェスト・サイド・ストーリー〉組曲版の総譜はどこかにあったはず.

◆[欹耳袋]大英図書館彩色写本コレクション〈Royal genealogies, mythology and legend〉.このイギリス王朝の彩色家系図は有名だ.

◆遠雷が轟き通り雨に濡れる夕暮れ時 —— 夕方の観音台.ついさっき遠雷が轟いたような気がしたが,雨でも降るのかな? やっぱり遠雷みたい.険悪な雨雲が西からやってきそうなので,いったん撤収するかー.観音台は夕闇と雨と雷鳴で不穏な雰囲気.夕闇の通り雨は寒かった.春雷とともに雨雲が通過した.風向きが北寄りに変わって気温が急降下してきた.

◆なんだか原稿がぜんぜん書けないなー.困ったなー.

◆本日の総歩数=3093歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.5kg(−0.5kg)/28.9%(+1.0%)


10 maart 2012(土)※冷たい雨が降り止まない土曜

◆午前5時にいったん目覚めてすぐ二度寝.昨日から延々と降り続いている雨はまだ止まない.NHKニュースによると都内は雪が降ってるらしい.気温は久しぶりに+3度台まで下がってとても寒い.

◆[蒐書日誌]ヴァーチャル人類学 —— Gerhard W. Weber and Fred L. Bookstein『Virtual Anthropology: A Guide to a New Interdisciplinary Field』(2011年刊行,Springer-Verlag, Wien, xxii+423 pp., ISBN:978-3-211-48647-4 [hbk] → 目次版元ページExtra Online Material [zip: 2.9GB]).自然人類学・幾何学的形態測定学・統計学・統計グラフィクス・工学などを統合した「ヴァーチャル人類学」を標榜するこの巨大なカラー本.ネットからダウンロードせよという付録ファイル群が zip 圧縮で「計2.9 GB」もある.鬼畜ですか.

◆週末の┣┣" 撃ち加圧 —— 先ほど某誌編集長から「最終締切を来週3月6日の火曜日早朝に設定致しますので」という最終通告メールが届いたのだが,「3月6日」ってもう過ぎてるんですけど……(冷汗).北条米を買いに行った〈みずほの村市場〉が激混みで難儀した.午後になっても雨が降り続く観音台にて居室引き籠り.締切までマイナス4日の原稿を仕上げるぞー.午後3時過ぎ,曇り空がだいぶ明るくなってきた.でも気温は5度台の寒さ.ときどき雲間から夕日が射しこむ.ケリがつきそうにないのでいったん撤収しよう.

◆[欹耳袋]クレヨンの系統発生の可視化と「クレヨラの法則」について —— WIRED Archives「「クレヨンの進化の法則」を図で表示」(2010年1月20日)→ 原記事:WIRED - Chuck Lawton「Is There an Upper Limit to Crayola’s Law?」(2010年1月19日).要するに,1903年に Creyola 社が開発した「クレヨン」の“系統発生”は,この一世紀の間,ひたすら cladogenesis を繰り返してきたということか.同記事によると「28年ごと」にクレヨンの色は“倍加”し続けてきたらしい(「クレヨラの法則」と命名されている).

この WIRED 記事の出典をさらにたどる:Data Pointed - Stephen Von Worley「Color Me A Dinosaur: The History Of Crayola Crayons, Charted」(2010年1月15日).この記事からリンクされているクレヨン系統樹「Crayola Color Chart, 1903-2010」が上記 WIRED 記事に引用されていた.その後,クレヨン系統樹はさらに改訂されていた:Data Pointed - Stephen Von Worley「Somewhere Over The Crayon-Bow: A Cheerier Crayola Color Chronology」(2010年10月14日).Circle-tree のフォーマットで描かれた「The Crayon-Bow」は,マウスを重ねるとその位置の「色名」が示されるようになっている.

—— 「クレヨラの法則」に基づくクレヨンの“分岐進化”がこのまま続くならば,西暦2050年には330色のクレヨンが入る巨大なクレヨン箱が必要になるだろうとこの記事は予言している.

◆午後5時過ぎ,車検が終わった車を回収して即帰宅.日がだんだん長くなってきたな.晩ご飯前に昔のダーウィン書簡集をひもとく.今夜の夕餉は塩豚のポトフだ.原稿は……明日しあげるしかないか.

◆本日の総歩数=3164歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.0kg(−0.1kg)/27.9%(−0.1%)


9 maart 2012(金)※夜明け前から降りだした雨は

◆午前4時半起床.雨.午前8時の気温は+6.9度.日中もほとんど上がらないとの予報.雨が降り続く観音台は冷気が足元から忍び寄る.春の到来は花粉の到来.今日は雨が降り続いているのでややマシだが,「ふんが〜」の季節には躊躇なく奮発して高級ティッシュをごっそり買い込むしかない.ティッシュの箱とともに生きる日々.

◆[蒐書日誌]Nancy G. Slack『G. Evelyn Hutchinson and the Invention of Modern Ecology』(2010年11月刊行,Yale University Press, New Haven, xviii+457 pp., ISBN:978-0-300-16138-0 [hbk] → 目次版元ページ).冒頭に「ハッチンソンの樹」が大きく載っている.

◆来週の出張┣┣" 撃ちふたつ —— 日本農業気象学会2012年全国大会(大阪府立大,堺)にてR講習会の高座.3月14日(水)17:30〜19:30./日本生態学会第59回大会(龍谷大,大津)にて自由集会「道具としての「形態測定学」:量的phenotypingの活用法 」での高座,3月17日(土)15:00〜17:00. いずれも,事後の懇親会の予定まですでにバッチリ決まっているので,そろそろしたくをしないといけない.パソコン実習が含まれる農業気象学会の方がたいへんそうなので,まずはこちらから片付けるか.

◆[欹耳袋]MLA(The Modern Language Association)流のツイート引用形式:「How do I cite a tweet?」(2012年3月2日).ツイートは「姓,名(アカウント)「ツイート本文.」日,時,Tweet」という形式で引用する.ついでに参考記事:The Atlantic「How Do You Cite a Tweet in an Academic Paper?」(2012年3月2日)

◆[蒐書日誌]藤田耕司・岡ノ谷一夫(編)『進化言語学の構築:新しい人間科学を目指して』(2012年3月刊行,ひつじ書房,東京,ISBN:978-4-89476-594-8 → 版元ページ).来週,京都で開催される〈EVOLANG IX〉に合わせた出版物./これも新刊:鳴橋直弘『バラ科植物の紫外線写真図鑑』(2012年3月刊行,大阪自然史センター,大阪).ツイッターでのアナウンスをMLA形式で引用すると:WADA, Takeshi (@wadat1117)「『バラ科植物の紫外線写真図鑑』(鳴橋直弘著、大阪自然史センター発行)が完成! バラ科420種・品種の可視光と紫外線写真が並んでる。全部白黒写真だけど、450ページで2200円+税のお求めやすさ。大阪市立自然史博物館のミュージアムショップで販売のほか、生態学会滋賀大会でも販売予定。」08 Mar 2012, 6:17pm, Tweet. 生態学会大会のときにブツを手にとろう.

◆雨降る午後の┣┣" 撃ち —— 農業気象学会・若手の会でのR講習会資料(講演ハンドアウト・サンプルデータ・スクリプトファイル)を〈租界R〉で公開した.これで┣┣" 一頭は征伐,と.生態学会自由集会(龍谷大,大津)の形態測定学トークは何とかなるやろ〜(と油断する).

◆[欹耳袋]むかしむかし経堂の駅ビルに〈東京通販サービス〉がまだあった頃は,小田急で乗りつけては昆虫関係の本や日本各地の同好会誌をめくる愉しみがあったのだが,今ではそれもままならないのか…….同好会誌となると国会図書館への納品義務もないだろうし,散逸してそれでおしまいというリスクが高まるだろう.

◆夜になっても雨足は弱まらない.日中の最高気温は7度台.濡れるわ,寒いわ,疲れるわで踏んだり蹴ったり.原稿もぜんぜんはかどっていないし……(orz).去年のちょうど今ごろは,糸島半島の海辺の牡蠣小屋でアタマから真っ白い灰をかぶりながら,焼き牡蠣をたらふく食べていたんだなあ〜.至福にして背徳な過去の日々.遠い目.やや現実逃避.

◆本日の総歩数=6318歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.1kg(−0.3kg)/28.0%(−0.3%)


8 maart 2012(木)※春の陽気からちょっと逆戻り

◆いつもどおり午前4時半起床.冷たい北東風が吹き渡る.午前6時,気温は+6.8度.明るくなってきたが,曇っているので日の出は拝めない.昨日の陽気とは一転して寒さが戻ってきた.今朝の最低気温は+6.6度で肌寒い.午前8時,雲間から小雨がぱらつく観音台.つくば上空だけ雨雲がかかっているよーな.

◆ごそごそ┣┣" 撃ち —— 来週ある連続学会のしたくもしないとか.花粉とともにやってくる春の学会シーズン.ふんが〜.

◆[欹耳袋]オンラインで書評を公開すると,ときどき思わぬ情報や連絡が入ってくることがある.昨夜は:『高校紛争 1969-1970:「闘争」の歴史と証言』(2012年2月25日刊行,中央公論新社[中公新書2149],東京,xiv+299 pp., 本体価格860円,ISBN:978-4-12-102149-6 → 書評・目次版元ページ)の著者である小林哲夫さんから初めてメールをいただいた.高校紛争世代のひとつ下の世代によく読まれているらしい.つまりワタクシたちの世代ということ.あの本にも書いてあったけど,当時の京都で高校紛争が激しかったのは鴨沂高校など洛中に限定されていた.蜷川虎三知事の教育方針が浸透していた郡部の公立高校では共産党=民青系の高校活動家が生徒会に入っていたようだ.ただ,ワタクシは不登校気味だったので,自分の出た府立高校(宇治)の生徒会活動の内情とかほとんど知らないなあ.

◆薄曇りの昼休み徘徊タイムだん.気温は10.4度まで上がり,寒の戻りという感じはしない.昨日ほど暖かくはないが,一回りすればそれなりにほかほかする.歩き読みは:Franco Moretti『Graphs, Maps, Trees: Abstract Models for a Literary History』(2005年5月刊行,Verso, London,viii+119 pp.,ISBN:1-84467-026-0 [hbk] / ISBN:978-1-84467-185-4 [pbk] → 版元ページ).文学史における図的思考本.

◆午後の緊急┣┣" 撃ち —— 生物地理学会大会シンポジウム〈生命とは何か?〉での冒頭トークの要旨:

趣旨説明:「生物・生命・いのち」のはざまで考える意義

三中信宏(農環研/東大・院・農生)

もともと定義できないものを定義しようとする動機はさまざまである.長年にわたって「種問題(the species problem)」の論争で鍛えられてきた進化学者や体系学者たちは,ある“もの”を定義しようとする行為がもつ魅力と魔力を十分すぎるほど叩きこまれてきた.生物多様性の「単位」として「種(species)」を定義しようとすることは,ヒトの持つ認知心理的な背景を考えるならば当然あり得ることだろう.およそ自然界に存在するものは離散的な「類」すなわち「自然種(natural kind)」に分割できるとみなす「自然種のドクトリン」(Lakoff 1987),およびそれぞれの自然種には「本質(essence)」が存在するにちがいないという「心理的本質主義」(Kornblith 1993)は,このような自然的実体に関する形而上学(すなわち存在のあり方に関する)の議論を支え続けてきた内的動機づけだった.これほど錯綜した「種」に関する論争よりもこみいっているのが「生命(life)」に関する論議だと私は考える.その理由は,われわれの想像力の限界が試されているからにほかならない(Wilson 1999).「種」や「生命」は時空的に変化しつつ存続するある実体に関する概念である.個別(particular)から普遍(universal)への一般化を目論むとき,時空を越えて「種」や「生命」の“何”が存続するのかを議論しないわけにはいかないだろう.近年の生物学哲学での議論を概観すると,何らかの弱い意味での「方法論的本質主義」を復活させる試みが注目される(Koslicki 2008).ところが,方法論的本質主義は進化的思考に抵触するリスクを負う.今回のシンポジウムの各演者がどのような立場から普遍と個別の「生命」に関する観念を提示するのか,それらを踏まえて,生命に関する論議をどこまで深められるのかが興味深く見守りたい.

    引用文献
  1. Hilary Kornblith (1993), Inductive Inference and Its Natural Ground : An Essay in Naturalistic Epistemplogy. The MIT Press, Massachusetts.
  2. Kathrin Koslicki (2008), The Structure of Objects. Oxford University Press, Oxford.
  3. George Lakoff (1987), Women, Fire, and Dangerous Things: What Categories Reviel about the Mind. The University of Chicago Press, Chicago.
  4. Jack Wilson (1999), Biological Individuality: The Identity and Persistence of Living Entities. Cambridge University Press, Cambridge.

—— 「生命」とか「生命論」という表現にまとわりつく“いかがわしさ”はいかんともしがたい.ずいぶん前に読んだ:鈴木貞美『生命で読む日本近代:大正生命主義の誕生と展開』(1996年刊行,日本放送出版協会,[NHK Books 760], 東京,278pp., ISBN:4140017600)のキーワードである「生命」あたりがアヤシサの根源なのかな.ワタクシは積極的にはこういう表現は使わない.

◆今夜の夕餉はごくささやかに:ローストビーフ丼(和風だれ)と三之助豆腐の冷奴,お供は〈風の森〉露葉風の純米吟醸「笊籬採り」.さすがに一升瓶なのですぐには飲み尽くせない.冷奴のトッピングは水にさらして粘り気を出したみじん切り九条ねぎと削り節そしてだし醤油を和えたもの.

◆[欹耳袋]「引用文献」と「索引」が示されていない書籍に資料的価値はない.新書であっても必ず文献リストと事項&人名索引は付けるようにしている.誰のためかと言われたら,「自分のため」と即答する.そもそも本を書くのは自分のためであって,他人のためではない.あとで自分の本を検索するときに,文献リストと索引がないと困るのはほかならない自分だし.原書にはちゃんとある「脚注・文献・索引」の三点セットをすべて“省略”してしまう日本語訳本を見るたびに「地獄に落ちろ」と毒づいている.読者としての自分のためにならない本は書きたくないし,あとで自分にとって資料的価値がある本をつくりたいと思う.他人が読んで「おもしろい」とか「参考になる」と言ってもらえたら,それは文字通り望外の喜び.それを狙っているわけではない.

◆原稿┣┣" を仕留めよプレッシャーが日に日に加圧されている.

◆本日の総歩数=11379歩[うち「しっかり歩数」7175歩/61分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.4kg(−0.2kg)/28.3%(−0.4%)


7 maart 2012(水)※暖かい目黒にて昼下りの密議

◆午前4時半起床.夜明け前の深い霧.気温+9.4度の暖かい夜明け前.午前6時,竹園あたりは濃霧で真っ白.遠くも近くもまったく見えない.水蒸気がたっぷり.壁や床がべたべたしている.今日は,午前中は締切オーバーの原稿にケリをつけて(できる?),午後は目黒に出撃する.午前8時,早朝の霧が晴れて朝日が射してきた観音台.気温は10度を越えて暖かくなりそう.「ふんが〜」のリスクをものともせず,居室の窓を全開ちう.さっそくふんが〜.

◆[欹耳袋]「サバティカル」という幻想 —— かつて,とある本の原稿を依頼され,例によって進捗が滞っていたら,「夏休みか冬休みの時間のあるときにまとめて書いてください」と言われた.大学ならまだしも独法研究所にもそんな「休み」があると世間では考えられているのかと愕然とした.

大学の「夏休み・冬休み」はあくまでも学生にとっての休暇であり,教員やポスドクのものではない(と思う).ましてや,学生がいない(ことになっている)独法研究所にはそういう「長期休暇」の観念それ自体がない.研究者が長期の休みを取ろうと思ったら,大学ならば「サバティカル制度」が置かれているところもある.たとえば東大なら「東京大学教員のサバティカル研修に関する規程」に定められているとおりだ.実際に希望者がいつでもそれを使えるかどうかは別問題だが.しかし,独法研究所の研究員には大学並みの「サバティカル制度」はまったくない(少なくとも農水関係では).だから,まとまった自由時間を使って何かをするという機会はそもそも存在しない.

研究者がまとまった時間をもてないことは,日々走り続けているときはえてして自覚されにくい.┣┣" たち囲まれて気がつけば一日が終わってしまう.思い当たる人はきっと多いだろう.そういう慌ただしい日常が長期間累積されて,ある日ふと気づくわけだ.「私はいったい何やってんだろう?」って.

以前の新聞記事だが:鎌田浩毅「優れた教科書」(2001年7月24日)は,日本の大学教員は多忙すぎて専門分野の教科書を書く時間がなく,彼我の格差をさらに広げていると指摘している.この点は独法研究員だって同等だろう.また,先月の記事:現代ビジネス「アメリカ人新聞記者は1年間のサバティカル休暇をもらって本を書く」(2012年2月16日)にも,日本の職場環境でサバティカルがとりづらいことが執筆時間を確保できない要因だと指摘されている.もちろん,本を書くだけが唯一の選択肢ではない.しかし,それ以外の選択肢を考えるときも,まとまった時間が必要であることにはちがいがない.

昼夜走り続ける大学や独法研究所の研究者は立ち止まって考える時間と余裕がいつかはどこかで必要だろうと思う.日々の研究の蓄積を研究者自身が知らないどこかで自分ではない誰かが勝手に「取りまとめて」パブリックな研究成果として「対外的に広報する」というのでは,いつまでたっても研究者自身が自分の仕事を体系づけることはできないだろう.自分が関わってきた研究活動を自分でまとめるという作業を研究者自身がしないことには,悪い意味での「歯車」あるいは「部品」で終わってしまうかもしれない.主体的に使えるまとまった時間をもつということは,それくらい大切なことだとワタクシは思うのだが,どうもその認識はあまり共有されていないように日々感じている.

—— さあ,自分の「森」に帰ることにしよう.

◆午後は目黒でヒミツの会議 —— 11:00発のTX区間快速に乗る.雲間から薄日が射すゆるゆるな空模様だ.秋葉原着.薄曇りで春らしい暖かさ.正午過ぎにJR目黒駅に降り立つ.今日の目的地は目黒寄生虫館ではない.駅前のネパール・チベット料理〈カトマンズ・ガングリ〉に入る.焼きたてナーンをmgmgしながら,『系統樹曼荼羅』本の企画ヒミツ会議.完成形の archetype を前にしてあれやこれやと談義.気がつけば大物┣┣" がおぶさっていた….4月20日が締切(ひー).チベット料理はカレー風味だが,ネパール料理はぜんぜん辛くない.羊肉の炒めものを注文したが,ナーンではなくご飯にも合いそうだった.

今日ははっきりしない薄曇りで,気温もゆるゆるな高さ.緊張感がほどけそうな空模様だった.東京駅で久しぶりに〈オアゾ〉に入ったがまったく収穫がなかった.そのままつくば直帰.今日の都内は15.7度まで気温が上がった.つくばの最高気温も15.1度か.道理で汗ばむはず.

◆明日は終日つくばに実在し,観音台に引き籠って何としても原稿を書き上げるのだ.それが宿命なのだ.

◆本日の総歩数=7039歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼△|夜△.計測値(前回比)=94.6kg(+0.1kg)/28.7%(−0.1%)


6 maart 2012(火)※春雨が通り過ぎ曇り空の午後

◆午前4時半起床.曇り.午前6時の気温は+7.7度ですでに十分に暖かい.空気が水蒸気をたっぷり含んでいるせいか,遠景が白くかすんでいる.ぽつぽつと雨がふりだした.早朝の観音台は雨足がしだいに強まっている.外が水分たっぷりなので,居室のBGMは Steve Reich の〈The Desert Music〉でキマリ.今日は原稿┣┣" のひとつ(ほんとうはふたつ)に引導を渡す予定.午前10時半,観音台はまだ細かい雨が降り続いているようだが,もうすぐ晴れてくるということかな.気温はすでに+9.2度まで上がっている.

◆[蒐書日誌]『ユリイカ2012年3月号』(2012年3月1日刊行,青土社,東京,230 pp., 本体価格1,238円,ISBN:978-4-7917-0235-0 → 版元ページ).特集は〈辞書の世界〉(pp. 47-203).字がたくさんあってうれしい.

◆午前の┣┣" 撃ち —— 中尾央・三中信宏(編著)『文化系統学への招待:文化の進化パターンを探る』(2012年春刊行予定,勁草書房,東京 → 目次).巻末の曼荼羅の基本フォーマットは「金剛界曼荼羅」ではなく「胎蔵曼荼羅」にしてくださいと依頼した./年度末のこまごま出張伺を提出.明日の半日年休を出すためには,前もってフレックスを変更しないといけないな.今月中の不在申請はこれで全部すんだだと思う./今月をもって定年退職される領域長への色紙に寄せ書きする.こういうときにかぎって書き損じをする自筆弱者がここにいる(orz).

◆雨上がりの徘徊タイム —— 天気予報では午後は晴れて20度近い陽気になると言っていたのだが,昼休みは曇り空で空気が湿っていた.気温もたかだか12度前後をうろうろしていてちっとも春らしくなかった.歩き読み読了:内澤旬子『飼い喰い:三匹の豚とわたし 』(2012年2月22日刊行,岩波書店,東京,viii+306 pp., 本体価格1,900円,ISBN:978-4-00-025836-4 → 版元ページ|著者ブログ〈空礫絵日記〉).前半の「飼い」から後半の「喰い」へ.美味な結末に堪能した.豚,喰うしかない.

◆午後の┣┣" 撃ち —— うむむ,知人の輪はこういうときに重宝するなあ.そんなこんなで,午後はいきなりばたばたして,本来の┣┣" 撃ちが滞ってしまった.もう外は真っ暗だ.夕餉には油長酒造の〈風の森〉.酒米は露葉風で,純米吟醸「笊籬採り」の一升瓶を開栓.一升瓶は自宅の冷蔵庫に入りきらないので,これまで買うのを控えてきたのだが,酒屋の話では硬水仕立ての〈風の森〉は生酒でも常温保存まったく問題なしとのこと.「笊籬採り」は四合瓶がないのでありがたい.微炭酸の味わい深し.暖かな夜はキリッと冷やして.うーむ,極楽極楽.

◆近未来的┣┣" 撃ち予定 —— 分類学会連合役員会は4月2日(月)13:00〜15:00.場所未定./生物地理学会評議員会は例年通り立教大学での年次大会初日4月7日(土)11:00〜12:00.太刀川記念館会議室にて./来週から春の学会ロードが始まるので,高座のしたくの心づもりをしよう.そのひとつは:日本農業気象学会2012年全国大会若手の会の自由集会「統計ソフトウェア R 入門」,18:00〜(大阪府立大学,堺)にて「Rが拓く新しい統計的データ解析への道」というお座敷を務める.もうひとつは:日本生態学会第59回大会・自由集会「道具としての「形態測定学」:量的phenotypingの活用法 」,15:00〜17:00(龍谷大学・大津キャンパス)にて「形態測定学の戦略的展開:過去・現在・未来」という噺をする.

◆本日の総歩数=9413歩[うち「しっかり歩数」6828歩/58分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=94.5kg(−0.5kg)/28.8%(+0.6%)


5 maart 2012(月)※啓蟄の未明から雨が降り続く

◆午前4時半すぎに起床.うう.昨日は背徳と祝賀の吉祥寺で飲み過ぎたかも.外は昨夜からの冷たい雨が降り続いている.今朝の最低気温は+1.7度.これから雨足がしだいに強くなっていくとの予報.啓蟄を迎え,雪ではなく雨というのが春の到来を告げている.春雨というにはまだ寒すぎるが.昨日仕込み始めたフラマン風カルボナードは夜明け前から再び超弱火で微笑むように煮込み中.

◆[蒐書日誌]John W. Tukey の「オレンジ本」がネヴァダの古書店から届いた.

◆[欹耳袋]「3σ」の外側の「外れ値」は無視してぜんぜんかまわない —— 自分の書いた本へのさまざまな書評や感想を並べてみると,必ず一つや二つは「ヘンなの(outlier)」が混じっている.書評頻度分布におけるそういう「outlier」は無視することにしている.単なる「外れ値」に思い悩むのは精神衛生上よろしくないからだ.もっと一般的に,書評にかぎらず「外れ値」はそのまま放置することにしている.もちろん,有害な「外れ値」は積極的に叩いた方がいいのだが,たいていは聞き置くあるいは聞き流す.頻度分布の「端っこ」としての外れ値はどうしても出現するのでそれはもうしかたがない.しかし,ワタクシの場合,そういう「端っこ」は相手にしない.ひとつひとつの発言や文章は言ってしまえばどうでもよくって,それらが形成する母集団の全体的傾向(位置パラメーターと分散パラメーター)がどうであるかだけが重要.「端っこ」は放置(あるいは聞き流し)していいです.それだけでハッピーな人生が送れる.「外れ値」の出現は制御できないが,「外れ値」への対処のしかたは主体的に決めることができる.この信条は「人間」そのものを「外れ値」とみなしているわけではなく,書いた文章や発言した文言だけにあてはまる.単なる頻度分布の形に人格を絡めるのは禁物で,人格と発言とははっきりと切り離すべきだろう.発言や文章に対する同意や批判は人格に対するそれとは何の関係もない.

◆[蒐書日誌]新たな書評本が届く —— ドナ・ジャクソン・ナカザワ[石山鈴子訳]『免疫の反逆:なぜ自己免疫疾患が急増するのか』(2012年3月1日刊行,ダイヤモンド社,東京,xiv+319 pp., ISBN:978-4-478-01338-0 → 目次版元ページ

◆午後の┣┣" 撃ち —— 日本進化学会(編)『進化学事典』(2012年4月近刊,共立出版,東京,1024 pp., 本体価格18,000円,ISBN:978-4-320-05777-7 → 版元ページ)の┣┣" がまだしがみついている.最後の「研究者列伝」の担当項目を加筆する昼下り:William D. Hamilton / Peter & Rosemary Grant 夫妻 / Jens Christen Clausen / George Ledyard Stebbins の四項目を書き終えた.これにてワタクシの担当項目についてはすべての作業を終了した.引き続いて「索引」の初校ゲラをチェックする.英文・和文合わせて分量が40ページもあるので時間がかかる.夕方,やっと完了.人名の加筆修正箇所やや多し.ゲラ一式を茗荷谷に返送してこの件はもう手を離れたことになるのかな.

◆午前から昼にかけて,観音台は雨足が強まった.気温は正午前は6度台だったが,午後はもう少し上がって最高気温は10.5度になった.しかし,この雨をもたらした低気圧が通り過ぎた明日は10度も気温が上がるらしい:日本気象協会「関東地方はサクラの咲く頃の気温に」(2012年3月5日)うーむー,明日は半袖にしようかなあ.

◆[欹耳袋]『Biogeografía 5』(2012年発行,ISSN:2151-0466→ 目次pdf [open access]).SEBA(=the Systematic and Evolutionary Biogeographical Association)の Bulletin として発行されている.創刊号が5年ほど前に出たことは知っていたが,その後しばらく情報が入らなかった.

◆フラマン風カルボナード完成! —— 一昼夜,ふつふつと煮込み続けるとだいたいこんな感じになる.さしもの牛スネ肉もほろほろと崩れる寸前にまで柔らかくなる.しかし,最後の「見極め」がいつも難しい.できるだけ火にかけておきたいが,かと言って完全に崩壊して“筋繊維”にまでバラけてしまうと食感が悪くなってしまう.肉のカタマリのまま形を保持しつつも,触れればすぐほどける頃合いを見計らう.付け合せはいつも決まっていて,茹でジャガイモを粗くつぶしたマッシュポテトのみ.スープをたっぷり吸わせて牛スネ肉とともにスプーンでいただくのは,背徳にして至福のひととき.ほんとうだったら煮込みに使った〈Gouden Carolus Classic〉をお供にしたかったのだが,煮込みに全部使ってしまったので,次善の策としてスペインの黒ビール〈Mahou Negra〉を食卓に緊急出動させた.

◆明日も続く原稿生活.どこまで続く締め切り地獄.年度末特有の┣┣" どもがちらほらと姿を現してきた.

◆本日の総歩数=5605歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=95.0kg(+1.6kg)/28.2%(−0.6%)


4 maart 2012(日)※ビールの朝から吉祥寺の夜へ

◆午前6時前に起床.上空に薄く雲がかかっている.気温は+2.2度まで下がり,北東風が冷たい.夜明け前から厨房に籠っている.

◆月はじめの〈つくいち〉 —— 第一日曜は〈つくいち〉の日.朝からずっと曇ったままで,北東風が冷たい.中央公園の〈つくいち〉を一回りしてきた.今日みたいな体感気温の低い日に外でごはんを食べるのはかなりきびしいなあ.正午になっても気温は+6.1度どまり.昨日の同じ時刻は10度近くまで上がったことを考えると寒の戻りだ.

◆[欹耳袋]最新版 R-2.14.2 がリリースされていたのか.さっそくダウンロードした.R-2.14.2 for Win はこれまでのインストーラーで見られたインストール時の文字化けがなくなっていたのでとても気持ちよかった.同じく R-2.14.2 for Mac はマイナーバージョンアップのせいか,これまた変なトラブルは今のところなさそうでよしよし.

◆週末の厨房┣┣" 一頭 —— ベルギービールによる牛スネ肉煮込み(「Vlaamse Carbonades」).寒い季節ならではのきわめてシンプルにして背徳な肉料理.昨日思い立って食材をそろえたのだが,厨房に立ったのは今朝の夜明け前のこと.すでに何度かつくっているが,今回もご当地レシピ「Recept Vlaamse Carbonades」を参考にして,次のように仕込んだ:

  1. 玉ねぎ4個を薄切りにする.シチュー鍋を熱して無塩バター100グラムを投入,溶けはじめたら間髪入れずに薄切り玉ねぎも投入.中火で一時間あまりかけてきつね色になるまでていねいに炒める.玉ねぎを焦がすと苦くなるので要注意.バターの塊をどすんと鍋に落とすのは背徳の快感.椎名誠『全日本食えばわかる図鑑』(1985年3月15日刊行,小学館,東京,ISBN:4093593019 → 椎名誠・旅する文学館)に出てくる「しそ肉バター丼」をかつてつくった背徳の過去を思い出す.「こんなにバターを入れてオレの人生はどうなる?」というアノ感覚.
  2. 牛スネ肉は1キログラムの塊を50グラム大に切り分ける.長時間煮込むのでちまちま小さく切ってはいけない,どかんと大ぶりにカットする.塩コショウして赤ワインをふりかけ一晩寝かせる.今回の牛スネ肉塊は並木の〈マルゲンミート〉で調達した.スーパーなどの肉店ではスネ肉を常備していないところもあるが,〈マルゲンミート〉があるかぎりつくばの住民はスネ肉に不自由しないはず.
  3. カットした牛スネ肉は強火に熱したフライパンで丹念に焼き色をつける.その後,炒めた玉ねぎの深鍋へ投入.ベルギービール〈Gouden Carolus Classic〉を4本(330ml×4)を注ぎ入れる.ビール煮込み用のベルギービールは,以前は〈禁断の果実(De verboden vrucht)〉を使っていたのだが,流通が悪くなって以降は〈Gouden Carolus Classic〉に収斂しつつある.ホップが効いたビールは仕上がりが苦くなりすぎるのでこの煮込みには不適格.同じベルギービールでも〈Chimay Blauwe〉では力不足.もちろん,日本の大半のビールは基本的に不向きだろう.
  4. すべての食材が鍋に投入されたら,あとは超弱火でことことまる一日煮こむだけ.放置しておいても時間が調理してくれるので,人間があれこれ手出しする必要はまったくない.スネ肉が十分に柔らかくなって煮崩れる寸前に,塩胡椒で仕上げの調味をして食卓へ.

—— 久しぶりの仕込みだった.二十四時間後の鍋のようすがいまから楽しみだ.朝から Gouden Carolus Classic をちびちび飲みながら肉料理を仕込むのはこの上ない背徳だ.

◆背徳の吉祥寺に雨が降るのだ —— 14:55発のTX快速に乗る.吉祥寺に着いたのは午後5時前.曇り空からは今にも雨が降り出しそうだった.駅北口から少し離れて,成蹊大学のすぐ前にある〈Parada〉が今日の宴会会場だった.予定時刻には少し遅れたが,ちょうど参加者が集まり始めていた.主賓を囲んでの酒宴はエンドレスに続き,途中ライヴもあってとても盛り上がった.午後10時前に店を出たときにはすでに小雨がぽつぽつと降り出していた.日が変わる直前につくば帰還.冷たい雨がしとしと降り続いていた.

◆本日の総歩数=1662歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜×.計測値(前回比)=93.4kg(+0.3kg)/28.8%(+0.1%)


3 maart 2012(土)※ひな祭りは背徳の予感が漂う

◆いつもより遅く午前5時半に起床.夜明けが日に日に早くなってきた.昨日とは一転してすっきり晴れている.最低気温は午前6時すぎの+1.1度.氷点下という言葉が遠くなっていく.春はあけぼの.しかし,つい二度寝してしまい,午前8時にやっと起きたことは誰も知らない.春めく雲が広がる朝.このぼやけたような空模様は冬のそれではない.

◆[欹耳袋]昨日,北白川〈にしむら酒店〉にて和歌山・吉村秀雄商店の「鉄砲隊・爆発にごり」という世にもおそろしげな活性にごり酒を遠巻きにのぞきみた.こんなのを新幹線に持ち込んだら爆発物持ち込みで御用になる以前に車中炸裂だろう.「鉄砲隊・爆発にごり」の説明文を読めば読むほど一触即発の「ニトログリセリン」みたいに物騒なモノか.ゆすればバクハツ,温度が上がってもバクハツ etc... なんとなく惹かれるけど.だって車中でバクハツしたらその場で取り押さえられてお縄だ.

◆曇り空が広がるお雛祭りの昼下り.北風が吹いているので10度超の気温でも体感的には肌寒い.吉瀬の森で一休み.森の木々はまだ冬モードのままで,啓蟄の気配はない.

◆[欹耳袋]国家公務員給与削減に関連して —— 松浦 民恵「国家公務員の給与カット表明に熟慮と覚悟があるか」(2011年05月16日)/戦闘教師「ケン」激闘永田町編「給与削減という蟻地獄」(2011年05月23日).いずれも昨年の記事なのだが,今国会を国家公務員給与削減法案があっさり通過してしまったから,これらの記事で予想された通りのコースを進んでいくことが懸念される.給料が削減されたとき,労働に対する「意欲」や「士気」みたいな抽象的なこと以前に,日常生活上の「やりくり」がたいへんになるわけだから,もっと真剣に考えないとダメだろう.しかも,向こう二年間という時限でさえアヤシイもので,恒久的に削減され続ける可能性だってあるわけだから,今後の身の振り方を変える人も出てくるにちがいない.少なくとも,本務地に対する fitting や fidelity はものすごく下がるだろう.ワタクシの場合はすでに十分に下がっているから問題ないけど.

◆午後3時過ぎ,観音台に潜入し,西日が射し込む居室にてごそごそしている.軽く┣┣" 撃ちを数頭こなす.午後4時過ぎ,撤収喇叭が鳴り響いたのでそろそろ帰ろう.並木の〈マルゲンミート〉にて牛スネ肉塊をゲットして,今夜から久しぶりのビール煮込みをつくろうと画策している.並木から竹園へ移動.MOG の〈やまや〉にて〈Gouden Carolus Classic〉を買い占めてきた.すべては今夜から仕込む牛スネ肉ビール煮込みのためにあるのだ.肉は脇役,ビールが主役.

◆[欹耳袋]Mikael Laakso et al. (2011) The Development of Open Access Journal Publishing from 1993 to 2009. PLoS ONE, 6(6): e20961. doi:10.1371/journal.pone.0020961.オープンアクセスジャーナルの先頭を走る PLoS ONE に乗った記事.

◆近未来の┣┣" 撃ち予定 —— 車検:3月9日(金)茨城日産へ.翌日完了./3月29日(木)17:30〜19:00,計量生物学会対面理事会,17:30~19:00,東京理科大学・神楽坂校舎三号館5F第2演習室./4月6日(金)ひょっとして農大の学科懇親会がグリーンホールであるかも.

◆背徳の予感が漂う土曜の夕暮れは吹く風がしだいに冷たくなってきた.原稿書かなきゃ〜.

◆本日の総歩数=5618歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.1kg(−1.1kg)/28.7%(−0.2%)


2 maart 2012(金)※京都ミッションは雨中に決行

◆いつも通り午前4時半に起床.外は曇り.冷え込みまったくなし.本日は日帰り京都ミッション遂行のため早朝から旅立つ.今月も今日を含めて三回のミッションが予定されている.

◆西へ西へ —— 6:57発のTX区間快速に乗る.冷え込みはまったくないが,関西は雨が降り続いているらしい.ここ数回の往復でいつも拝めた富士山は今日は見えないだろうな.名古屋手前からずっと雨が降り続いている.午前11時前,京都駅着.さて,奈良線に乗り換えて洛南ミッションの開始だ.まずは黄檗ミッションをさくっとすませる.引き続き六地蔵ミッションに向かう.第一作戦は完了.ところが,第二作戦でぶっ放す予定だった肝心のタマをつくばに忘れてきてしまい再度の出直しとあいなった.昨年から数えきれないほど現地に足を運んでいるのに,まだケリがつかないのかー.

◆南へ南へ —— 雨がしとしと降り続き傘が手放せない.気を取り直して,石田での最終ミッションに向かうが,ここで予期せぬ the longest day になってしまってさあたいへん.波状攻撃をしかけてくる敵方の書類バクダンに対して,ハンコとボールペンのみで立ち向かうこと実に二時間あまり.こんな長期戦かつ消耗戦になるとはぜんぜん予想していなかった.やっと作戦を成就させて外に出たのは午後4時半だった.小雨に煙る山科の里に夕暮れが降りてくる.

◆北へ北へ —— 石田駅から地下鉄東西線で東山へ向かう.その後は一路北に向かってまたもや北白川へ.雨上がりの東山あたりは趣があるなあ.いつものコースをたどって〈にしむら酒店〉にて〈風の森・露葉風〉純米吟醸「笊籬採り」の一升瓶をゲットし,すぐ近くの〈World Coffee〉にて夕方のランチを注文した.今日は昼ごはんを食べる時間もなかったのだ.

◆東へ東へ —— 午後6時半,夕暮れの京都駅からのぞみに乗る.京都はすでに雨が上がっていたが,名古屋を過ぎたあたりから外が濡れ始め,午後9時すぎの都内は傘をさす通行人が見下ろせた.午後10時すぎ,つくばっく.霧雨が降り続くつくばセンターを横切って,本日のミッションはすべて完了した.

◆[蒐書日誌]たちまち読了 —— 小林哲夫『高校紛争 1969-1970:「闘争」の歴史と証言』(2012年2月25日刊行,中央公論新社[中公新書2149],東京,xiv+299 pp., 本体価格860円,ISBN:978-4-12-102149-6 → 目次版元ページ).新幹線の車中読書本として持ってきたのだが,おもしろすぎて往路で読了してしまった.本書が取り上げたテーマは,1960〜70年代の「大学紛争」がクライマックスを迎えた時期とシンクロして,高校生の間で全国的に広がった「高校紛争」である.1960年代末期の「高校紛争」については,何年か前に読んだ:四方田犬彦『ハイスクール1968』(2004年2月25日刊行,新潮社,255 pp.,ISBN:4-10-367104-1 → 感想目次版元ページ[新潮文庫])において自伝的に描かれていた.本書の中心的メッセージは,そのような高校紛争は全国的に燃え広がったのに,その歴史的な総括が未だになされていないという指摘である.

四方田本の中に出てくる当時のシーン,たとえば「「青山高校の英雄的闘争に連帯しよう」というのが,新左翼の高校生たちの合い言葉となった」(p. 148)というくだりがいったいどのような歴史的文脈を背景にした記述なのかは,読了後してもなおワタクシにはぜんぜんわからなかった.しかし,本書の第一章「一九六九年十月二十一日,都立青山高校」を一読すれば,まさに当時の都立青山高校で「何」が起こったのかを史実に照らして知ることができる.新宿高校バリケード封鎖の中で神話を残したとして四方田本に出てくる坂本龍一も別の顔をして本書に再登場する.

警察の資料によれば,1970年の時点での高校生活動家は,民青系がおよそ一万二千人,中核派・革マル派など新左翼系がその半数の約六千人だったという(p. 135).高校生の総数が四百三十万人あまりだった当時の基準で言えば,高校生“活動家”の数は割合としては微々たるものだった.著者は,全国各地の高校の校史や内部資料を参照し,同時に高校紛争の当事者や関係者たちとのインタビューなどを踏まえて,著者はこれまで光が当たらなかった高校紛争の全体像に迫ろうとする.

同時代の大学での「学生運動」と本書が取り上げる「高校紛争」との類似点と相違点がひとつひとつ分析されていて興味深い.卒業式粉砕・校則反対・定期試験ボイコットなど,高校生にとっての身近な問題群が高校紛争の引き金になったことは確かで,安保条約やベトナム戦争あるいは沖縄基地問題のような,より“政治的”な動機づけはあとからやってきた.大学-高校の連動あるいは共産党や新左翼各派からの影響を受けつつも,高校生にとっての「高校紛争」はそれ自体が「大学紛争」とは別個の歴史的イベントであると著者は考えている(pp. 275-276).たとえ,それに続く1970年代の終焉のありさまが両者の間で収斂していったとしても.

本書は,ほんの半世紀前にもかかわらず,現在では忘却されてしまった日本のワンシーンを鮮やかに蘇らせている.事実でありながら架空の物語に見えるのは,経過した年月の長さゆえか.読み進んでいて,文中で知り合いの名前にときどき遭遇するたびにワタクシは現実に引き戻された.四方田犬彦自身,1969年当時の「高校紛争」については何一つまとまった考察がなされていないと書いていたが,本書はきっとその“欠落”を埋める本として位置づけられるだろう.

「高校紛争」当時の高校生は1950年代はじめに生まれた世代に相当する.ワタクシはそれに続く「祭りのあと」のジェネレーションだ.著者が指摘するように,世代によって「高校紛争」の意味するものは大きくちがっているだろう.少なくとも高校紛争を「おもしろいことをしたかった」(p. 277)と言ってのける世代は,ワタクシにとっては“アナザーワールド”あるいは“エイリアン”である.本書を読めば,ある世代に共有された Zeitgeist がそれに続く世代にいかに継承されなかったかが実感として再認識できる.大学紛争と高校紛争はどちらもある時点で誕生し,分岐し,成長し,最後には絶滅したということだ.

—— 結論:思わず引き込まれるほどおもしろい本.放置すれば散逸しかねない資料をこまめに掘り起こし,高校紛争の当事者・関係者たちが手の届かないところに行く前に聞き書きし,それらを踏まえて当時の“肉声”を再現しようとした点でリアルに濃密.これくらい濃密な新書に出会うことはめったにない.

◆明日はつくばでゆるゆる過ごしたい.そうしたいそうしたい.

◆本日の総歩数=8368歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].全コース×|×.朝○|昼○|夜−.計測値(前回比)=94.2kg(+0.3kg)/28.9%(−0.2%)


1 maart 2012(木)※弥生三月は雪融けの陽気から

◆午前5時前起床.今朝の最低気温は+1.7度.懸念されていた路面凍結はまったくなく,農環研構内は結氷すらなかった.見回しても昨日の雪はほとんど融けてしまったみたいで,あっけないほど.日中はきっとこのまま暖かくなるのだろう.午前8時の気温は+3.5度まで上がってきた.三月に入りいよいよ「ふんが〜」の本番か.

◆[蒐書日誌]内澤旬子『飼い喰い:三匹の豚とわたし 』(2012年2月22日刊行,岩波書店,東京,viii+306 pp., 本体価格1,900円,ISBN:978-4-00-025836-4 → 目次版元ページ|著者ブログ〈空礫絵日記〉).先月,千駄木の往来堂書店にてブツをゲットした.最初の豚の「種付け」から始まって「最後」に喰うまでの物語.飼って喰うんだから,確かに「飼い喰い」だ.『世界屠畜紀行』(2007年2月10日刊行,解放出版社,ISBN:9784759251333 → 書評目次)と同じ流れの本なので,予習しておくと,本書の文脈がよくわかる.最後の写真はオランダ絵画の「Vanitas」そのもの.この点は,著者の前著『身体のいいなり』(2010年12月17日刊行,朝日新聞出版,東京,ISBN:9784022508195 → 版元ページ)を読んでいれば,さらに味わい深いかも.さっそく読み始める.三元豚・バイオトイレ・豚舎づくり etc. と突撃レポートが次々に展開する.このアップテンポなストーリー展開が心地よい.全編にわたって豚のイラストが.持ち歩くときはもちろんカバー不要.豚だらけ.

◆雪融け午前の┣┣" 撃ち —— 気の重い連絡メール(例:締切過ぎてすまんとか……)は迷わずすぐ出すべし.まずは原稿遅延ごめんなさいメールをふたつ送信した.もうひとつの気の重いメールも「えいやぁっ」と送信完了.自分の中に溜め込まずに,気の重いメールをどんどん吐き出すとラクになれる.これで先月末からの残務┣┣" の返事だけはすべてすませた./メーリングリストの一括登録(csv)がどうしてもできなくて,一つ一つ貼り付けるというとんでもなく単純な労働に従事してしまう.ようやく先月からの微小残務┣┣" はすべて征伐した.未処理メールボックスは一時的に空っぽだ.

◆[蒐書日誌]日本進化学会(編)『進化学事典』 のカバージャケット案が共立出版から送られてきた.ホモ・サピエンスの代表は「織田信長」かー(笑)./ときどき新聞広告で大学書林の新刊広告を見るたびに,大学書林にかぎらず「マイナー言語」の本って書く方も出す方も覚悟が必要なんだろうなあと感じる.

◆では,春風に乗って昼休み徘徊に出かけることにしよう.雪が降り積もった昨日と同じコースを徘徊してきた.あれだけ積もったはずなのに,24時間後の今日はすべて融けていて,日陰にわずかな残雪があるのみ.正午の気温が10.7度,薄曇りの上着要らずという空模様だからしかたがないか.〈おはん〉に「ビックちらし」という新メニューがあってもうビックり! 海鮮ちらしの〝メガ〟版らしい.背徳の春風が吹く観音台.

◆[欹耳袋]自然史学会連合ウェブサイト:今年度末にサービス停止になる nii ドメインからの移行先./Rod Page @rdmpage Space, time, form: viewing the tree of life. TREE 27(2): 113-120, 03 January 2012 → open access. 系統樹可視化の総説記事.

◆春めく午後の┣┣" 撃ち —— 複数┣┣" を同時並行で追跡していると,「自分がいっぱいいる」ような気になる.月始めに新着┣┣" どもに囲まれてもぜんぜんうれしくない……(orz).やや大きめの┣┣" が接近してきたが,一声吠えて再び沖へ去っていった.さすが古典知の素養のある┣┣" は礼儀正しい.

—— 日々のスローガンは【自分会議】【逡巡無用】【拙速主義】.この三点セットで鬼に金棒.

◆[欹耳袋]連載最終回!:三中信宏〈系統樹ウェブ曼荼羅〉・第12回「時空的に変遷するオブジェクトの系統樹:総括として」 .本連載〈系統樹ウェブ曼荼羅〉をベースにして『カラー版・系統樹曼荼羅』(NTT出版)を出版することになっている./「くまもとの日本酒ガイド」.酒米センセ,登場!

◆弥生三月の最初の夕餉には埼玉〈神亀・ひこ孫〉の純米吟醸槽口酒「碧」を開栓した.数ある〈神亀〉の中ではあまり出会わない銘柄だが,協会7号酵母で山田錦を醸した「碧」は,やや酸味がある味わい.ゆっくり味わう背徳の夜はまだまだ長い.

—— 明日は二週間ぶりの日帰り京都ミッションで,朝早くつくばを旅立つ.雨が降るとの天気予報だが,濡れ濡れて歩きまわるのはイヤだなあ.

◆本日の総歩数=8858歩[うち「しっかり歩数」6356歩/54分].全コース×|×.朝○|昼○|夜△.計測値(前回比)=93.9kg(−0.2kg)/29.1%(−0.1%)


--- het eind van dagboek ---

Map フリーアクセスカウンター自転車 通販人気 シューズ
[sinds 19 april 2007] 無料アクセスログホームページ 素材集