【書名】人種概念の普遍性を問う:西洋的パラダイムを越えて
【編者】竹沢泰子
【刊行】2005年2月20日
【出版】人文書院,京都
【頁数】548 pp.
【定価】3,800円(本体価格)
【ISBN】4-409-53030-5



【目次】

I. 総論

 人種概念の包括的理解に向けて(竹沢泰子) 9
 1.人種概念を洗い直す 13
 2.人種概念の起源をめぐる大論争とその陥穽 20
 3.人種概念の三つの位相 28
 4.「モンゴロイド」「コーカソイド」「ネグロイド」 52
 5.DNAからみる「アジア人」「ヨーロッパ人」「アフリカ人」 58
 6.分類という常套手段と暴力 77

II. 「白色人種」「黒色人種」「黄色人種」

 一九世紀ヨーロッパにおける人種と不平等:身体と歴史(ロバート・ムーア) 113
 北米における人種イデオロギー(オードリー・スメドリー) 151
 中国史上の人種概念をめぐって(坂元ひろ子) 182
 ※近代人種主義の二つの系譜とその交錯:地域連鎖の世界史から人種を考える(田辺明生) 205

III. 近代日本における人種と人種主義

 人種・民族・日本人:戦前日本の人類学と人種概念(坂野徹) 229
 「南島人」とは誰かのことか(冨山一郎) 255
 人種主義と部落差別(黒川みどり) 276
 ※近代天皇制と賎・穢(高木博志) 298

IV. 植民地主義とその残影

 インドにおけるカースト・人種・植民地主義:社会通念と西洋科学の相互作用(サブハードラ・チャンナ) 321
 人種主義的アフリカ観の残影:「セム」「ハム」と「ニグロ」(栗本英世) 356
 人種的共同性の再構築のために:黒人性再想像運動の経験から(松田素二) 390
 ※調停される「帝国の視点」:双方向性のなかで人種概念を見直す(井野瀬久美恵) 415

V. ヒトの多様性と同一性:自然人類学からみる「人種」

 「人種」は生物学的に有効な概念ではない(C・ローリング・ブレイス/瀬口典子) 437
 人種よさらば(斎藤成也) 468
 日本人の生物人類学者にとって,「人種」とは何なのか?(片山一道) 487
 ※生物学的概念としての人種(多賀谷昭) 499

あとがき 515
事項索引 [532-520]
人名索引 [544-533]
執筆者・翻訳者略歴 [548-545]