【書名】美の魔力:レーニ・リーフェンシュタールの真実
【著者】瀬川裕司
【刊行】2001年8月15日
【出版】パンドラ,東京
【頁数】340 pp.
【価格】3,500円(本体価格)
【ISBN】4-7684-7818-2

【目次】
序 6

第1章:映画『オリンピア』の謎 11
第2章:映画監督になるまで 39
第3章:初監督作品『青の光』 87
第4章:党大会三部作『意志の勝利』『信念の勝利』『自由の日』 129
 『意志の勝利』 130
 『信念の勝利』 179
 『自由の日』 198
第5章:ベルリン五輪映画『オリンピア』 203
第6章:劇映画『低地』 245
第7章:リーフェンシュタールとは誰だったか 275
最終章:リーフェンシュタールに贈る言葉 307

参考文献 [326-324]
あとがき 328
レーニ・リーフェンシュタール・フィルモグラフィー [340-333]

【感想】※Copyright 2003 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved
リーフェンシュタールの出演作品や監督作品を映画製作論の立場から綿密に分析した本.労作だと思う.主要作品である『青の光』,ニュルンベルク党大会三部作,ならびに代表作『オリンピア』などについては,多数の映画シーンを挙げつつ,どのようにしてこれらの〈記録映画〉が製作されたのかを探る.とりわけ,これらの記録映画では,元フィルムの使いまわしや自由な編集,あるいはスタジオセットでの撮り直しなどが行われていることを指摘している.論議が詳細な技術にまで及ぶので,たどるのがつらい箇所もある.リーフェンシュタールへのインタビューも交えた本書は,映画芸術家としての彼女について知る上でとても役に立つ本.戦後の半世紀にわたる活動についても掘り下げてほしかった.