<Report> レンミンケイネンの旅(0)
EVOLVE reader 諸氏:
三中信宏(農環研← PPP from Hotelli Helka Helsinki)です.
昨夜の真夜中近くにヘルシンキ・ヴァーター国際空港にルフトハンザ3004便で到着しました.日本を前日の昼過ぎ飛びたって,ミュンヘン空港経由でここヘルシンキまで,しめて16時間(乗継ぎ時間を除くと14時間).遠い道程でした.
とりあえず,ホテルにチェックインして,一寝入り.いま起床したところ.
※ ヘルシンキが涼しいなんて誰が言うた!
※ 昨夜の最低気温は22度やで.暑いやんか!
ホテルからのメール送受信の確認のため,とりあえずテストメールとして送ります.
Hennig XXI は今日から始まり.場所は Hanasaari Cultural Centre."Hanasaari"の"saari"は「島」という意味.ホテルのあるヘルシンキ中心部からはバスで通います.
それにしても母音の多い言葉ですね.ポヒョラとか,トゥオネラとか,空港でのフィンランド語アナウンスなんか,ほとんど唄っているよう.「母音調和」に酔いそうです.マジャール語とおんなじやんか――単系統群やからしかたないか?
それでは,「もう一人のレンミンケイネン」の旅のはじまりはじまり.
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<Report> レンミンケイネンの旅(1)
Hyva"t naiset ja herrat!:
三中信宏(農環研← PPP from Hotelli Helka Helsinki)です.
暑い〜.北欧は涼しいと思いこんできた人間にとっては,日中の最高気温が25度程度でも十分に暑過ぎる.ぼくの滞在中の天気予報では,ヘルシンキあたりは「夏日」――日本的な意味で――が続くとか.イヤや〜.おまけに日没が夜の10時くらいなので,いつまでも日光を浴びることになる.ホテルの部屋も西日がとめどなく射し込んで,温室状態.エアコンもなし.なかなかの試練です.
ヘルシンキの西隣のエスポーに留学したことのある研究者が農環研にいるのですが,彼が言うには「フィンランドは〈寒さ対応〉の国ですからね」とのこと.確かに,ホテルの窓は完全二重で断熱はしっかりしているって感じ.でも,ここ数日のような天候では〈暑さ対応〉の点でペケ! セーターはさすがにもってこなかったものの,まったく無用の長袖類は郵便局から返送してしまおう.
フィンランドの公用語は,フィンランド語とスウェーデン語の二つ.博物館その他の公的機関では両言語での案内が併記されている.フィンランド語は語幹が異質なので(マジャール語と同じ),単語を見てもその意味がどうにも連想のしようがない.それに比べればスウェーデン語の方がはるかに心が安らぎます.共有派生形質って「精神衛生」の点からはすごく価値があるなあと実感しました.
Hennig XXI の会場となる Hanasaari Cultural Centre(<http://www.hanaholmen.fi>)は,ヘルシンキからエスポーに向かう一本道の途中に,脳下垂体のようにぶらさがっている半島(もともとは島)の突端にあります."ruotsalais-suomalainen kultuurkeskus"と書かれるように,フィンランドとスウェーデンに関わる文化活動の拠点として利用される施設のようです.会議場や宿泊施設もあります.市街地からは隔離されているので,仕事はきっとはかどるだろうな.
ホテルでバイキング形式(当然,ん?)の朝食をすませて,会場にかけつけると,すでに開会のあいさつは終って,午前のセッションがはじまったばかりでした.大ホールといっても200人ほどの収容力しかないのですが,参加者名簿を見ると,今回は参加者総数が72名なので適度の広さです.
●Hennig XXI - 1日目(12 elokuuta 2002)
今日は〈Metazoan Symposium〉の日.へんな生きものたちがいるもんですなあ.Reinhardt M. Kristensen は,Loricifera の生活史について45分の講演をした.とくに,体内での幼生の成長についての新たな知見が述べられた.続く Martin So"rensen は Micrognathozoa の顎の比較形態,そして,P. Funch はロブスターの口に生息する Cycliophora(Symbion pandora)の生活史と繁殖様式の発表.いずれも系統関係の推定はたいへんやろなあ.
コーヒー・ブレークのときに John Wenzel 会長と話をしたが,先月末に開催された札幌の国際社会性昆虫学会はたいへん盛会で満足したとのこと.その後も北海道で採集にまわったと言っていました.
R. Jenner の講演は,形態学に基づく Metazoa の系統仮説の変遷をたどったもの.とくに,形質コード化の問題とからめていたのが印象的.いまはa/pコード化(absence / presence coding)が主流だが,そのやり方で形質行列をコード化すると,40%以上の形質が「欠如」となって,仮想祖先の最節約復元が plesiomorph と判定される.それが妥当かどうかは正当化の必要があるだろう.データ行列は果たして reality といえるのか? 続く A. Schmidt-Raesa は体腔の起源を論じた.Hyman のいう「無体腔→偽体腔→体腔」という系列は必ずしも正しくないということを線虫の系統的位置とからめて述べた.
ここで昼食.Hanasaari にあるレストランでは,昼もバイキング.うまかった.生っぽい魚料理が多いのは意外.よく食べた.Ward Wheeler が「こんなに喰って,運動しなきゃ,もうおしまいだぁ」と言っていた.
午後のセッション.Gonzalo Giribet は,形態形質の大データに基づく系統推定を発表した.349タクサ×237形態形質のデータを TNT(Goloboff, Farris & Nixon 2001)を用いて系統推定した.その結果,ほとんどの phylum は形態形質のもとでは単系統になるが,その中には側系統のものもきっとあるだろう.分子と形態の整合性は高い.
M. Riutort は,分子データを用いて Bilateria の大系統を論じた.既存の 18S rDNA に加えてミオシン遺伝子(核)とミトコンドリアの遺伝子順序情報を用いた系統推定をした結果,Acoelomorphaは側系統であり,Acoela と Nematodermatida が分岐図の上で別々に配置されるとのこと.分子データの上での共有派生形質を探索するため,ミトコンドリアの遺伝子の並び方を形質として扱った.質的には遺伝子の順序と遺伝暗号,量的には塩基配列情報を用いた.コード領域の配列情報については,とくに第3コドンの重要性をめぐって Steve Farris との間で質疑が続いた.第3コドンは使われないことも多いが,Farris はそれはまちがいだという(Cladistics 誌の"Noise"というタイトルの論文を見るように:巻号未詳).もちろん,第3コドンを除外すれば系統学的情報がなくなるのは当然だが,ふるまいの違いは明白だから「取扱注意」で形質として用いれば問題ないとぼくは思う.やっぱり weighting の論文を早くしあげないとね.
J. Zrzavy は,Metazoa に関して1992〜2002年の間に発表されている系統樹(44形態系統,90分子系統,22形態+分子系統:計102OTU)をMRP(マトリクス表現法:Regan & Baum 1992)を用いて supertree にした.分子系統学と形態系統学の進展を「1990〜1997年」と「1998〜2002年」のふたつの時期に分け,系統関係がどのように解明されたかを因子分析を用いて調べると,因子1(43.05%)因子2(24.09%)とで大半のバラツキが説明でき.分子系統と形態系統の結論がしだいに収斂しているということがわかったという著者は言う.
ブレークの後,Dan Janies は棘皮動物の進化について発表した.とくに,食性と定住性の進化的可逆性に関心をもったとのこと.分子・形態・生態のデータを統合した系統解析を AMNH のPCクラスター(564台)を用いて,TNTとPOY-parallelで計算させた.その結果,上記の2形質は確かに可逆であることを示した.詳細は,http://research.amnh.org/users/djanies を参照のこと.
U. Jondalius は,Acoela の系統関係を筋肉の形質と 18S の分子データを用いて解析した.精子の鞭毛構造に特徴があり,acoela では9+2構造だけではなく,9+1とか9+0も見られるそうだ.
本日最後の演者である Ward Wheeler は,染色体形質の最節約復元問題を解決するアルゴリズムを発表した.遺伝子座の配列としての染色体形質は全順序(total order)型の形質である.比較する染色体の間で遺伝子座が同数nならば,可能な探索空間は2^(n-1)*n!だが,遺伝子座数に差があるときはΣ2^(i-1)*i!となり,遺伝子座の重複があるときはΣ[2^(i-1)*ΣjC(j1*j2*...*j(i-1))!]の探索をしなければならない.最適化の目的関数は,配列のホモプラシー数と遺伝子座の順序化にともなうブレークポイントの一次関数である.遺伝子座配列を動的計画法を用いてストリング・マッチさせるにあたっては,系統樹上での祖先形質(染色体形質の祖先状態)をメジアンによって推定する.完全探索はNP完全なので,適当なヒューリスティックが必要である.目的関数の具体的な形についてはまだ改良の余地があるが,考えかたは妥当だとぼくは思う.塩基配列のアラインメントと系統推定との統合が Wheeler の動的最適化の根幹だったが,染色体形質のアラインメントまで拡張されるということなのだろう.
これで今日の講演はおしまい.おなかもいっぱい,あたまもいっぱいやね.
夕方からのイベントについては,別メールで.
ここで,いったん na"kemiin.
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<Report> レンミンケイネンの旅(2)
Hyva"t naiset ja herrat!:
三中信宏(農環研← PPP from Hotelli Helka Helsinki)です.
続き.
午後6時からヘルシンキ中心街にあるフィンランド自然史博物館でレセプションが開催されます.スウェーデンの研究者たちとオープンテラスでビールを飲んでから,博物館へ.ここは動物学博物館ですが,展示がよく考えてあるので,広いスペースにもかかわらず,楽しめます.剥製標本がふんだんにレイアウトされている.レセプション会場は4階の古生物展示ホールでした.恐竜の骨格標本の下でワインを少し.
終っても時間がまだあったので,市内最大のデパート Stockmann に行き,書籍部であるアカデミア書店をひとまわり.快適な建物のデザインです.上の階まで一目で全体が見える.フィンランド語の辞書を5冊(フィン-英,英-フィン,フィン-フィン3巻本,しめて140ユーロなり)を買ってホテルに帰還.日が沈まないので,時間感覚がなくなってしまうぞ.
ホテルでは,ヘルシンキで仕上げますと約束してしまった小学館『武満徹全集』(今年11月から刊行開始)のオランダ語翻訳を進める.1974年ロッテルダムでの《ジティマルヤ》世界初演の記事.マリンバ・ソロの高橋美智子は衝撃的なデビューだったそうな.バルトークの《弦楽器,打楽器,チェレスタのための音楽》との絡みで評論家が武満の音楽を論じる.1969年《ノヴェンバー・ステップス》のアムステルダムでの欧州初演も「事件」だったけどね.東洋と西洋が音楽の上でどのように融合あるいは対決するかが向こうでの関心の的だった.
忘れないうちに,フィンランドへの機内で読み終わった2冊をちょっと紹介.
【書名】バッハとの対話:バッハ研究の最前線
【著者】小林義武
【刊行】2002年06月20日
【出版】小学館,東京
【頁数】412 pp.
【定価】3,800円(本体価格)
【ISBN】4-09-386058-0
【書名】中国出版文化史:書物世界と知の風景
【著者】井上進
【刊行】2002年01月30日
【出版】名古屋大学出版会,名古屋
【頁数】370+16 pp.
【定価】4,800円(本体価格)
【ISBN】4-8158-0420-6
写本の系統樹(manuscript stemma)については聖書写本が最も深く研究が進められていますが,バッハの手稿楽譜も負けず劣らず研究が奥深い.『バッハとの対話』では,ゲッティンゲンのバッハ研究所に長く勤めた著者が,手稿楽譜研究の新しい展開を述べる.バッハ研究所がいま出版しつつある『新バッハ全集』(Neue Bach Ausgabe)では,従来の手稿の扱いを文献批判(Taxtkritik)の方法論を踏まえて再検討しているとのこと.写本間の楽譜の比較をすることで,原本を復元するという比較法が採用された.
さらに,バッハの手稿楽譜に関する新たな【形質】の発見が,手稿写本間の系統関係の推定に大きく寄与したそうだ.新しい【形質】のひとつは,譜面に使用された紙の「透かし模様」の系統関係である.当時の製紙業者は,紙漉きをするときに漉き格子にロゴを装飾したそうだ.ロゴ部分は紙が薄くなるので,結果的に透かしが入ることになる.金属製のそのロゴは製紙を重ねるとともに,その形状がしだいに歪んでいくため,透かしの形状は,不可逆的に「形質進化」し,その極性を判定することで,分岐学的な意味での系統関係が推定される.
もうひとつの新たな【形質】とは,バッハの筆跡である.若い頃から「手の震え」の傾向があったバッハは年齢とともに震えの程度がひどくなっていったそうな.さらに,ナチュラル記号や音符の書き方にも年齢による差異があるとのこと.これを形質として利用して,手稿楽譜の系譜を推定しようとする.
「楽譜」そのものの比較だけでなく,それを綴った文字の「筆跡」の変遷,その文字が乗っている「紙」の系譜を併せて考察することで,バッハ手稿の系譜を解明するのが著者の言う研究の最前線だ.
「紙」そのものの歴史は中国から始まった.『中国出版文化史』は,中国における紀元前の春秋戦国時代からはじまる「本」の歴史を,紙,著者,読者という重層的な視点でとらえようとした著作.著作の媒体としては千年以上にわたって「竹」が主流(竹簡)であり,紙はその開発から実際に普及するまで何百年もかかったとのこと.紙の普及を民間に広めた原動力は,皮肉なことに「受験参考書」すなわち科挙の指南書だったそうだ.
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自然史博物館からはじまって,武満,バッハ,中国出版史と話題が飛び散りましたが,これもまた「旅」にはありがちな脇道ということで,ご容赦を.
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<Report> レンミンケイネンの旅(3)
Hyva"t naiset ja herrat!:
三中信宏(農環研← PPP from Hotelli Helka Helsinki)です.
相変わらずフィンランド語にとまどい.スーパーに行っても,食材の中身に確信がもてないこともあって,ためらう場面も.パックのされ方も日本とはちがって,飲み物かと思った紙パックが,実はマスタードみたいな調味料だったり.(ヘルシンキに来て,「甘いマスタード」がいろんな料理に付いてくることを知った)
まあ,飢えずに生きているので大丈夫.雑食性やし.ベリーがうまい.
食べてばっかりいないで,報告を続けないと....
●Hennig XXI - 2日目(13 elokuuta 2002)
今日の午前は"High Power Computing"というシンポジウム.アメリカ自然史博物館(AMNH)の Ward Wheeler が取り仕切った.
系統推定問題が大規模化するにつれて,もともとNP完全であるこの最適化問題をどのように実践的に攻めていくかが大きな関心を集めている.その一つの戦略が,計算能力をハード的に高めるということ.AMNHにある系統樹計算用のPCクラスター(Cluster AMNH:Pentium3 を500個以上つなぐ)は,2001年の6月時点で世界第9位の速さだと Dan Janies が言っていた.今回の大会でも,AMNHやその他の機関でのPCクラスターを利用した研究成果が数多く発表された.しばらくはこの線で進むのかも(そのうちDNAコンピュータも登場するだろうけど).
PAUP*を用いた発表はごく少数.PHYLIPとかMEGAという言葉はついぞ聞かれなかった.学会のオーラが漂う....
「大きいことはいいことだ」,「速いことはいいことだ」と過去の大会でスローガンのように言われてきたが,それを実現するための方策はできつつあるということか.ただし,PCクラスターを誰もがいますぐ使えるわけではない.まずはじめにハードをそろえなければならないのはもちろんだが,系統解析ソフトがそういうパラレルな計算環境に対応していなければならない.現時点ではAMNHがその先頭を走っていて,TNTやPOYなど最節約法の超高速なソフトのパラレル版はAMNHの計算環境でのみ動く.Steve Farris が皮肉っぽく言っていたが,「ニューヨークに行かないと系統樹が計算できなくなるのか?」はあながち的外れではない.
朝食のとき,たまたまホテルが同じだった AMNH の Jan De Laet に,同博物館のPCクラスターはどんな使い勝手なのかと訊いてみた.いまのところは剥き出しの実行ファイルがあるだけで,ユーザー・インターフェースは絶悪だが,
Steve Farris は形質整合性分析(compatibility analysis)におけるクリーク計算のアルゴリズムをどうやって高速化するかという問題を論じた.PHYLIPの8万倍くらい速くなるとか.もちろん,Steve は系統解析の手法としてクリークを復活させようという意図はさらさらなく,一般的なパターン解析の手法としての改良を念頭に置いている.
Pablo Goloboff は TNT(Goloboff, Farris & Nixon 1999)のパラレル版についてデモしながら説明した(Cluster AMNH にtelnetで入っていた).並列計算をさせたあと(tree-drifting),分散化させた系統樹を融合(tree-fusing)する必要がある.しかし,あるレベルで得られた融合の結果が,次の段階での融合とどのような依存関係が生じるのかについては,よくわかっていない.遺伝子の系図をたどるように identical by descent が生じる深さによって,彼は「依存レベル0〜3」という表現をした.
Jan De Laet は,形態データをコード化するときに生じる「inapplicable」という形質状態を最節約法の枠組みの中でどのように対処するかという話題をとりあげた.
続く C. D'Hease は,Ward Wheeler (1995)の"sensitivity analysis"――配列のアラインメントと系統樹を同時推定する direct optimization で,コスト(ギャップ,Ts/Tv)を決定する方法――のパラレル化を論じた.節足動物の18Sの大データ(1,139taxa)を用いての発表だった.
Ward Wheeler の講演は前日の補足みたいだった.染色体の遺伝子順序データの取扱いをブレークポイント最適化として定式化するとき,スタイナー最小問題をどのように解くかということ.
コーヒーブレークの後,T. Grant は"sensitivity analysis"(SA)に対する批判をした.Karl Popper の験証度の観点からすると SA は科学的とは言えない.かと言って発見法(heuristic)としても SA は成功していないだろうと彼は言う.要するに,形質変換コストという「重み」を持ちこんだことに対する批判である.
B. Wiesemueller は,transformationl と taxic な相同性概念を再検討し,前者が必要だと言う.
昼食後,K.M. Pickett は,遺伝子レベルでは失われた相同性がアミノ酸レベルでは保持されているという例を挙げ,塩基配列とアミノ酸配列を同時に用いる意義を強調した.
午後は,student presentation の時間.C. Gallutらが"NoiseSnapper"というソフトを発表した.ランダムな「ノイズ」を形質データから除去するためのソフトで,ランダム形質を生成し,ある系統樹の上でのretention index(ri)を計算し,riの帰無分布をつくる.それに照らして各形質が棄却域にはいるかどうかを判定しようというもの.
コーヒーブレークの後は,別室でのポスターセッション.ぼくは,先日の日本進化学会ワークショップ(WS-5)でも発表したが,最節約法の新しいプログラム(FastSteiner)のポスターを掲示した.これはいま共同研究で開発を進めているソフトウェアであり,今回の Hennig XXI ではその一部分しかまだ発表していない.何人かからは「PAUP*みたいなダメなソフトと比較してもしかたかない.いま最速の TNT と競わないと」と言われた.その TNT を開発した Pablo Goloboff は「10,000タクサっていうデカい系統樹はTNTはまだ試したことがないが,あとで計算結果を知らせてほしい.比べてみたいから」とのこと.Ward Wheeler は,「とにかく計算速度が速いのでたいへん気になる.人為データだけでなく,実在データで磨いていくといいと思う」と言っていた.
ポスター発表が終ったので,ヘルシンキまでわざわざ来た本務は完了.
今日はイベントはなしなので,ホテルでまたまたオランダ語翻訳にいそしむ.でも,温室のように暑いので,身が入らない.あ,また督促メールが...(涙).
明日は大会3日目.じゃあね〜,na"kemiin.
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<Report> レンミンケイネンの旅(4)
Hyva"t naiset ja herrat!:
三中信宏(農環研← PPP from 自宅 ^_^;;)です.
紀行文を中途半端にしたまま帰国して,その後ばたばたしていたら,もう8月も末.早くしないと,今度はイオニア海からの紀行文と混ざってしまう.
記憶が揮発しないうちに,書き終えてしまおう.
●Hennig XXI - 3日目(14 elokuuta 2002)
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<Report> レンミンケイネンの旅(5)
Hyva"t naiset ja herrat!:
三中信宏(農環研)です.
Hennig Society の年次大会は,いつも1会場だけなので「逃げ場」がぜんぜんない.おまけに,ほとんどの出席者はまじめに朝から会場に集っています.前夜,どんなに飲んでも,ホテルで沈没したりしない.そういう基礎的体力-知力が必要な学会.
やっと最終日の報告.
●Hennig XXI - 4日目(15 elokuuta 2002)