霧雨の中を歩き読み(無謀!)読了.著者だけでなく,登場する人々がことごとく誘引力あり.旅行者や探検者ではない,アマゾン在住者ならではの「ゆとり」と「生活のにおい」が行間から漂ってくるようだ.ピラニアやピラルクなどアマゾンの淡水魚をどのように“アマゾン的”かつ“日本的”に調理するかを現地人と日系人社会をまたにかけてたどり歩く.けだもんや六本足ではなく,淡水魚と作物がつくる食生活の基本形がしだいに見えてくる.サンパウロでシュラスコを賞味するのとはひと味もふた味もちがうな.ウォレスは魚好きだったが,ベーツは魚が嫌いだったそうだ.【結論】この本,アタリです.
三中信宏(24/March/2005)