● 2016年10月9日(日)ブエノスアイレス街歩き,帰国への逆順の長旅が始まる

◆昨夜は爆睡したので午前3時半に目が覚めてしまった.もちろん外は漆黒の闇.気温11度.連日連夜ワインをフルボトル最低1本は呑んでいるが,寝ればあとが残らない.夜明け前の仄暗いホテルの中庭で小鳥が気持ちよくさえずっているのだが,このツイートは日本ではけっして聞けない.最後の朝ごはん.連日連夜の “お肉の饗宴” に比べればお茶漬けのようにとてもさっぱりしている.毎朝,厨房をのぞきこんでは「Café con leche, por favor」と声掛けすると,威勢よく「Buen día」と返事がくる.朝食中かかっていたテレビニュースによると,今日はパレルモからレコレータ,サン・テルモにかけて〈Maratón de Buenos Aires〉なる大きなマラソン大会が今まさに行われているとのこと.みだりにふらふら近寄るとタイヘンなことになりそう.フライトまでの長い待ち時間(12時間)をどこで過ごすか再検討しないと.

◆[欹耳袋]THE PAGE「国立33大学で定年退職者の補充を凍結 新潟大は人事凍結でゼミ解散」(2016年10月8日)

◆チェックアウトが近づいてきた.今回5泊6日のお世話になったのはパレルモの〈C'Chic Hotel Boutique〉だ.学会会場からも近く至便.部屋数の少ないプチホテルはとても静謐にして快適だった.

◆United Airlines から帰国便のチェックインをオンラインですませるようにとのメール.即チェックイン.ラクになったなあ.帰路はトランジットも含めて29時間30分かかる予定.スーツケースへのパッキング開始.といっても,ブエノスアイレス(EZE)からヒューストン(IAH)へのフライトは夜9時過ぎなので,あと16時間もある.今回のアルゼンチン出張は国際線の乗り継ぎだけですんだので,中南米の空の旅でときどき経験する “心臓にワルい緊迫事態” には今のところ遭遇していない.ちゃんと定時に離発着して,預けたスーツケースがちゃんと回転台に乗って出てくればいうことなし.

◆[欹耳袋]Yahoo!ニュース「<ノーベル賞>日本人の女性研究者が出ない理由」(2016年10月9日)※「家族の全面的サポートを前提とする長時間労働を、研究者の模範としてアピールするのではなく、新しい働き方を提案してほしい」※ワタクシが入省したときの室長が “既婚徹夜系男性研究者” だった.あるとき,「ミナカさんは毎日早く帰りますね」と言われたので,「毎日夜遅くまで何やってるんですか」と軽くジャブを繰り出したことを思い出す.要するにそのころからすでに “天動説” なワタクシだったということでして.

◆午前中にタクシーでレコレータの国立美術館(Museo Nacional de Bellas Artes)へ.ピカソ,コロー,シャガール,クールベ,ラファエル,ゴッホなどの作品が 無 料 で 見られる.続いて,観光客でいっぱいの「レコレータ墓地(Cementerio de la Recoleta)」を.「お墓」というより「お家」なので,ドアをノックすると “何か” が出てきそうでコワい.エバ・ペロンみたいな超有名人の “豪邸” はちゃんと管理されていていいのだが,放置されたままなかば崩れている “廃屋” はホラー映画の舞台みたいでコワすぎる.ひとつひとつ見れば大きなお墓と言っても違和感はないが,揃い踏みすると「町」にしか見えない.“住民たち” にはけっして出てきてもらいたくない.セントロは人も車も多くて,空気はぜんぜんよくないけど,日曜の今日はレコレータ墓地の門前では大々的にアート・クラフトの屋台が連なっていて,とても賑わっていた.きっと楽しい街なんだろう.

◆今の季節のブエノス・アイレスは日本で言えば “新緑” にあたるのだろうか.市街地の街路樹が青々と葉を茂らせている.またタクシーでホテルへ戻り,スーツーケースをピックアップしてから,エセイサ国際空港(EZE)へ.フライトまでまだ時間があるのだが,空港への高速道が渋滞するので念のため,レジスの運転手はアップテンポのBGMをガンガンかけながら,高速道の側道を100km/hで駆け抜けてくれた.ブエノス・アイレスにたった数日いただけだが,街中のいたるところで “煽り系” の大音量 BGM が流されるのはそういうのを好む気質(国民性)のせいなのか.外気温は21度.

◆空港2階の〈Strada〉にてエンパナーダを.その後,チェックイン.重いスーツケースからやっと解放された.今日は気温が22度まで上がり,半袖の旅行者が多い.ワタクシもアロハ&サンダルで出国.出国審査を終え,免税品店で “お水” をゲットし,いまようやく一休みしているところ.お,いずこからか asado の香りが(またか).免税店エリアを抜けゲートに向かおうとしたら,「お前はあばら肉とかロース肉ばっかり食いやがって,テンダーロイン(lomo)を食べずに出国して無事に帰れると思うなよ」との “天の声” あり.悔い改めて〈Patagonia〉にて Bife de lomo を食い改める.たった200グラムだったけど,これでもう United Airlines の機内食が “格納” される余地はどこにもなくなったな.

◆[欹耳袋]毎日新聞「ノーベル賞:研究する大隅さん夫妻の姿 門下生贈る」(2016年10月8日)※「制作したのは兵庫県姫路市のイラストレーター、ウチダヒロコさん(36)」— をを.

◆さて,ワインも呑んだし,あとは機中で爆睡するだけだ.Adios, Buenos Aires.

◆本日の総歩数=14,174歩



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