◆午前4時半起床.夜明け前の最低気温は9度まで下がって,冷え込んでいる.初冬な感じ.今朝の朝食での会話.ベジタリアンだとブエノス・アイレス滞在はきつくないかと訊いたら,いやちゃんとうまい野菜を毎日食べてるとのこと.蛇の道は蛇なのか,はたまた「Life finds its own way」なのか.本日は学会最終日.
◆午前9時前,からりと青空.気温9度の冷たい空気.それでも半袖を着てしまう体温の高いワタクシ.では MACN へ向けて出発.学会会場までの道路沿いには八百屋や肉屋やスーパーが店開きしている.旅先でこういう “日々の暮らし” の一端を垣間見るのも海外出張の楽しみのひとつ.店先に並ぶ果物にもお国柄が.肉屋はもっとすごくて保冷棚のガラス越しにみっしりとお肉が詰め込まれているのが見えた.この国では一般家庭が毎日キロ単位で牛肉を買うそうなので,肉屋の側も毎日たくさんお肉を並べないととダメなんだろう.
◆午前9時過ぎ,MACN 着.冷たい北風いや南風がセンテナリオ公園を吹きわたる.屋台の設営が進んでいるけど,何かしら週末のイベントがあるのだろうか.学会最終日はさすがに会場の人口密度が低くなっている.生物地理学のセッションが終わり,ランチタイム.ホテル直帰の休憩時間.昨日の雷雨がウソだったような真っ青な夏空が広がっている.気温は13度だが日差しが暖かい.センテナリオ公園のまわりでは土曜のがらくた市が開催されていた,MACN のまわりにもずらりと屋台が出店している.いかにも南米らしい色合いのものもあれば,あやしげなモノのあって,いろいろ.
◆「国際会議学会発表ウラ心得」 —— 毎回,海外の学会に来るたびに経験しているのに,帰国すると忘れてしまうので書き留めておこう.
—— 以上の内容は別途公開した:leeswijzer|note「国際会議学会発表ウラ心得」(2016年10月8日).
◆気持ちのいい青空が広がる気温15度の過ごしやすい午後.最後の講演がもうすぐ始まる.午後4時半,全日程終了.来年はUSA開催との予告.
◆本のテアトルへ —— せっかく「南米のパリ」ブエノス・アイレスにいるのに,ホテルと学会会場と “お肉” という「黄金の三角形」を連日繰り返すだけでは,もったいない.夕方,タクシーでレコレータ地区の〈El Ateneo Grand Splendid〉書店へ向かった.かつての劇場をそのまま転用した「世界で二番目に美しい」と称される巨大書店だ.ブエノス・アイレスは “パリ” にたとえるにしては街ナカのいたるところで中南米のどこの都市にも共通する “廃墟感” が漂う.それでも,中心部(Centro)に近くなるほど賑やかに華やいでいることは確か.そんなレコレータ地区の一角にある大きな建物がまるごと書店になっている.この〈El Ateneo Grand Splendid〉書店は Wikipedia の項目がすでに立つくらい世界的に有名なのだが,あくまでも新刊書店だ.古き時代の劇場そのままで,奥の旧舞台は喫茶室として営業している.天井画がすばらしい.ワタクシのようにカメラを構える観光客がとても多かった.
◆学会が終わったひとり打ち上げは,パレルモ地区でもいまもっともオサレなパレルモ・ソーホーにある〈La Cabrera〉というパリージャへ.ブエノス・アイレスでも人気店のひとつ.午後6時半に入店したらサービスタイムとのことで,代金を4割引にしてくれた(午後8時半以降の夜の部は通常価格).厚さ4センチの Bife de Chorizo 400グラム(レア)とマルベックのフルボトルが空っぽになって,たった455ペソ=3,094円.これはもう “犯罪” というしかない.誰か止めて〜.このお店もまた塩胡椒が控えめで,フライドポテトの付け合せはない.代わりに10種類ものピクルスやディップなどが添えられている.控えめなワタクシは厚さ4センチ(400グラム)を注文したが,ひとつ上のビッグサイズ(800グラム)の Bife de Chorizo だと厚さ8センチとのこと.驚異的.
◆明日は帰国日.といっても,三日かけて逆コースで日本にたどり着くという長旅だ.
◆本日の総歩数=10,492歩