● 2011年8月3日(水): 南米お座敷はおあとがよろしいようで

◆昨夜は午後8時にはもうベッドに入り,約6時間ほど泥のように寝て,真夜中の午前1時半に起床した.昨日の高座の前は24時間不眠不休だったので実に快適に寝てしまった.今日の午前中に空港へ向かうので,まずはスーツケースのパッキングから始めるかな.最密パッキングになるようあれこれ試行錯誤するのは楽しい.荷物のパッキングをひととおり終え,昨日と一昨日のブラジル日録を書いているところ.今夜はかなり冷え込んでいるなあ.地元紙〈Diário da Região - São José do Rio Preto〉 を見ると最低気温が10度,最高気温が16度だそうだ.これが本来の「冬」なのかな.最高気温が30度を越えた日々はどーなった.

◆昨日,農環研の事務からメール連絡があって,帰路のエールフランスのフライトが急遽変更になったとのこと.サンパウロからパリへの便がキャンセルになった.中南米ではこういうことはよくあるようだ.サンパウロ発が2時間遅くなって7時間待ちののち今夜21:25発のAF459Bに変更,そのあおりでパリでは6時間も待って明日19:25発のAF280に乗ることになった.中継地点のサンパウロとパリで余裕ありまくりだが,さてどうしようかな.時間はほしいときほどなくて,いらないときにはたくさんある.

◆午前6時を過ぎ,ホテルの方々から物音が聞こえてきた.朝早いフライトだったらそろそろ動き始めないといけない.昨日のうちに帰った Hennig XXX 参加者もいるが,今日帰還する人の方が多いようだ.事務局で車を出してホテルから空港まで送ってくれるのはとてもありがたい.夜明け前,かなり冷込んでいるようで,今日の帰国コスチュームに悩んでいるところ.帰国先が「夏」なので,当然「半袖・短パン・サンダル」という正装がふさわしいのだが…….そろそろ朝食に行ってこようかな.どんよりした曇り空で昨日までとは打って変わって冷え冷えしている.朝イチでしっかり食べてきた.Steve Farris 夫妻もいた.Mari さんがいると Farris は大トトロのように静かになる.賢夫人の手綱さばき,おそるべし.

◆雨に濡れるリオプレト —— 午前7時,雨が降りだして,どんどん強くなっている.こちらに来てから初めての雨だ.ホテルの窓から手を出すと気温は(体感的に)10度あるかないか.チェックアウトして空港へ行くまでにはまだ時間があるからいいんだけど,しんしんと底冷えがする寒さだ.帰路の服装がホントに悩ましいなあ.

◆┣┣" どもの遠吠えが地球のウラ側から聞こえてくる —— 一週間以上も日本にいないとどうしても┣┣" 放牧場の管理が行き届かない.微小┣┣" たちはメールで蹴散らせるが,大物┣┣" はダメ.その大物┣┣" どもが繁殖してしまったらしい.帰国したらとりあえず最初に農大の「採点の祭典」が始まるのか.洛中への攻め込みも必要になってきたし,NHKからは系統樹に関する取材の申し入れが届いている.某辞典の原稿┣┣" も放置したままだし,学会評議員会の出席(九大・伊都キャンパス)をどうするかも悩ましいところ.相前後する沖縄行きはやめにしようかな.この二つのイベントについては欠席通知をいま出した.対蹠地から無慈悲な┣┣" 撃ちが続く.

—— 三日後に日本に帰り着くまでにさらに増殖していないことを祈るのみ.

◆冷たい雨が降り続く —— 空港へのバスが正午過ぎなので時間ありまくり.とりあえず部屋にこもってごそごそしている.朝から降り続いていた雨は,午前9時にはいったん上がったが,どんよりした空模様が続き,いっこうに回復する兆しがない.あ,また本降りだ.エアポケットのような宙吊りな時間が過ぎていく.

◆[欹耳袋]ICチップ「なし」のクレジットカードは意外にえらい! —— 午前11時過ぎまで雨空を眺めながら部屋でゆるゆるしてから,おもむろにスーツーケースを転がしてフロントに向かう.危惧していたとおり,ICチップの入った「パスワードなし」のクレジットカードは使えなかった.ホテルの人に言われたのは「ICチップの入っていないカードがあればいいんですよ」という耳寄り情報.なまじICチップがあるからセキュリティがきびしいわけで,もともと入っていないカードだったら今まで通り買い上げレシートへの「自筆サイン」のみでだいじょうぶなんだそうな.一枚そういうカードがあったので半信半疑で渡したら何の問題もなく決済されてしまった.なるほど,そういうことか.

◆お昼前のロビーは空港に向かう大会参加者がすでに集結していた.正午過ぎに大きなバンがやってきて数名ずつ乗せて空港へ出発.二十分ほどで到着.チェックインをしてそのまま搭乗口へ.午後1時過ぎに搭乗,待合室から飛行機までてくてく歩いて行くというのは日本では経験したことないなあ.またしても小雨が降り続く中,TAMの中型ジェット機は急角度で離陸し,一時間弱で雲の中を突き抜けてサンパウロ・コンゴーニャス空港に急角度で着陸した.ここからは参加者それぞれのフライトに分かれる.Andy Brower はアトランタに明朝明け方に着くらしい.

◆再びサンパウロにて —— サンパウロは曇り空.気温は23度だった.午後3時半のシャトルバスで市街地を横断してグアルーリョス空港に向かう.どこもかしこも車が渋滞し,町には廃墟が点在する.生活排水が垂れ流しなのか,市内の河川は見る影もなく汚れている.メキシコシティーもそうだったが,都市があまりに巨大だと「まちづくり」が物理的に手が回らないのかもしれない.グアルーリョス空港は旅行客でとても混雑していた.帰路のフライトが変更になったために,チェックイン・カウンターとエール・フランスの事務所の間を行き来して,やっと日本までの搭乗券をゲットできた.これで一安心.

◆そういえば昼ごはんを食べていなかったので,空港内のレストラン〈Viena〉でバイキングをしたら,思わずたくさん盛り上げてしまった.ブラジルに来てからずーっとこんな感じだな.でも,この食習慣が帰国後も続いたらたいへんなことになるぞなるぞなるぞ.

◆パリへの夜のフライトは真冬の空港から —— フライトは午後九時過ぎなのに,搭乗口にち一時間前に来るようにと言われた.連絡バスでエールフランス機まで移動する.ターミナルの中にずっといたので気がつかなかったが,外は真冬の寒風が吹き付けていた.気温は10度を下回っているんじゃないだろうか.まわりを見ると毛糸のセーターやコートにマフラーという冬のかっこうをしている乗客が少なくない.半袖のアロハにサンダルという人はごく少数派.ま,帰国先の気候で服装を決めているのでこれでいいんじゃないかと自分を説得してみる.

—— 定刻21:25に飛行機は離陸,へアルの紙幣や硬貨が余ってしまったけど,またブラジルに来る機会ははたしてあるだろうか? 機内ではいきなり照明が落とされて睡眠モードに突入.約11時間で大西洋と赤道を越えて花のパリに着く.

◆本日の総歩数=1225歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].



Index: Hennig XXX, São José do Rio Preto, Brasil

  ← Index: Hennig XXX, São José do Rio Preto, Brasil