● 2011年8月2日(火): 真っ赤な太陽で真っ白に燃え尽きて…

◆前日のバンケットから続く「不夜城」の一夜が明けた.夜が長かったなあ.今朝はめずらしく曇り空でいつまでも明るくならず,朝日を拝むことができなかった,気温もいつもよりかなり低い.夜中には雨が降ったみたいだし,前線が通過しているのだろうか.天気がいいと日中は夏日や真夏日になって暑くなる.ところが,太陽が出ないと一転して寒くなる.じめじめした湿度とは無縁の土地なので,こういうバッファーのない気温変動になる.

◆今日は午前の一般講演の最後にトークの出番がある.高座のドロナワ準備はもう一ねばりだ.スライド30枚あまりはこれで大丈夫かなー.まとめスライドがまだ.こういう学会講演は前もってやっておくのがスジなのだろうが,ここのところ毎回のように旅先で高座のしたくをじたばた進めるのが常になってしまった.日本の学会でも海外の学会でも関係なし.

◆日々新たな食体験 —— 午前6時前,とりあえず階下に降りて朝食へ.真っ暗な早朝にわしわし食べる習慣が身についてしまったようだ.今朝の朝食に初めて並んだジュース.ひやしあめみたいな色で,粉っぽい顆粒がコロイド溶液のように浮遊している.甘酸っぱいようなフシギな味わい.激甘ではない.帰って調べてみたら,日本にはないが,「え,ブラジルでも飲めるんだ,意外〜」という飲み物で,いわゆる「果物」のジュースではないのにちゃんと甘いというフシギ系.正解は「タマリンド」のジュース.タマリンドの豆をつぶしてつくるジュースらしい.インドや東南アジアでの飲み物だが,対蹠地のブラジルでも飲まれているとはぜんぜん知らなかった.

◆ブラジル高座の顛末と身柄解放 —— 朝食後はまたまた部屋にこもりきりで,スライドの調整をする.しかし,いつまでもこもっているわけにはいかないので,9時半には階下の会場に出向く.スライド作りはさらに続くのだった.コーヒータイムにやっと仕上がったので,会場担当にプレゼンPCにファイルを預けて,やっと一息ついた.もちろん発表原稿は影も形もないので(いままで書いたことがない),つくったスライドを見ながらイメージトレーニングあるのみ(その時間はある).John Wenzel の司会で,午前11時に順番がまわってきた:MINAKA Nobuhiro「Historical reasoning and abductive inference in phylogenetic reconstruction」.こういう体系学史的な話をするのは Hennig Society では初めてのこと.いままではもっとテクニカルなことしか講演してこなかった.

—— ちょうど20分のトークを終えてやっと本務から解放された.分類と系統に関する visualization の歴史的経緯はどのように受け止められただろうか.

◆シュハスコ・ランチは今日でおしまい —— 今日はずっと曇り空で,気温も夏日になっていないようだ.シュハスカリア〈Cupim de Sol〉に通うのもこれで最後.ちょっとだけゴージャスに Costela(肋肉)を追加してみた.うーん,どう見ても日に日に肉の量が単調増加しているぞ.今日はたまたま行列のアングルが運がよくて,シュハスコを焼くオーブンの中までよく見えた.写真をパチリ.金串をゆっくり回転させるモーターがついていて,まんべんなくこんがり焼けるメカニズムのようだ.肉が主役の舞台の全貌ですな.ここ〈Cupim de Sol〉には大会会期中,四日間連続で通った.心ゆくまで満足した.

ランチでたまたま同席したブラジル人研究者が「ブラジルでは日本のマンガが大流行だ」と言う.どのマンガが流行っているのかと訊いたところ,すかさず「ワンピース」と「ナショナルキッド」だと答えるやいなや,シュハスカリアの店内で「♪〜なちょなるきっど〜♪ 」と歌い始めた.ほんとにマンガってグローバルだなあ.

◆午後2時から最後のシンポジウム〈History and Philosophy of Cladistics〉が始まった:

  • #HennigXXX Afternoon symposium opens: History and Philosophy of Cladistics. First speaker - Pablo Goloboff on implied weighting. posted at 02:02:25
  • #HennigXXX Jim Carpenter: 0n homology. posted at 02:27:11
  • #HennigXXX (cont'd) Paper by Kevin Nixon and Jim Carpenter: 0n Homology. Cladistics 2011 (in press) posted at 02:28:32
  • #HennigXXX Why not read Hennig (1950) rather than Hennig (1966) ? posted at 02:34:24
  • @rmounce Hennig (1966) is flawed with several fatal mistranslations. German edition Hennig (1982) is better than Hennig (1966) #HennigXXX posted at 02:39:39
  • #HennigXXX (cont'd) Ultra Magnus in Transformers: Five Facts of Darkness Episode 1986 on undisciplined thinking. posted at 02:53:40
  • #HennigXXX Andy Brower: Parsimony and justification. posted at 02:55:46
  • #HennigXXX (cont'd) Andy reads Julia Voss's book on iconology on phylogenetic trees. posted at 03:03:57
  • #HennigXXX (cont'd) Parsimony with large _P_ as an epistemological principle. posted at 03:05:24
  • #HennigXXX (cont'd) cladistic parsimony with small _p_ for choosing among competing hypotheses. posted at 03:06:25
  • #HennigXXX (cont'd) Parsimony applies to wider range: ML / AIC etc. posted at 03:08:05
  • #HennigXXX Steve Farris: Hennig's Enemies: Old and New. posted at 05:10:59
  • #HennigXXX (cont'd) Steve hates 3tant and pheneticists. posted at 05:54:21
  • #HennigXXX HennigXXX is now closed. Thank you for al. Next WHS meeting will be in York, UK. Auf Wiedersehen!l posted at 06:04:47

—— 午後6時,シンポジウムは終わり,今回の Hennig XXX は大団円を迎えた.自分のトークが終わってから足早にエンディングを迎えたので,いまひとつ実感がわかないが,どうもありがとうございました.>事務局のみなさん.

◆部屋に戻ってからするべきことは「寝る」に尽きる.ほぼ24時間まったく寝ていないので,それ以外の選択肢はありえない.ではでは,gute Nacht!

◆本日の総歩数=1972歩[うち「しっかり歩数」0歩/0分].



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